JP2019170188A - 塩味増強用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩味を効果的に増強できる新規な塩味増強用組成物、塩味増強方法等の提供。【解決手段】(A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を含む、塩味増強用組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、塩味増強用組成物に関する。また、本発明は当該塩味増強用組成物等を利用した食品の製造方法に関する。さらに本発明は、当該塩味増強用組成物等を利用した塩味の増強方法に関する。
食塩は、塩味の付与等の種々の用途で食品に利用されているが、食塩の過剰摂取は、高血圧や心疾患等を引き起こすリスクを高め、また近年の健康志向から、食塩の摂取量を低減することが重要視されている。食塩の摂取量は、食品を製造する際に、食塩の使用量を減らすこと(減塩)等により低減できるが、そのような減塩された食品は、塩味の不足により満足感が低下するという問題がある。そのため、食塩の摂取量を増加させることなく、食品の塩味を増強する技術の開発が求められている。
一方、カルシウム塩化合物の1種であるグルタミン酸カルシウムについては、塩化カリウムの苦味をマスキングし得ることが、また塩酸塩化合物の1種であるリジン塩酸塩については、塩味を増強し得ることが、それぞれ報告されているが(特許文献1〜3)、これらを併用することは報告されていない。
本発明は、塩味を効果的に増強できる新規な塩味増強用組成物、塩味増強方法等の提供を目的とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するべく種々検討した結果、塩酸塩化合物及びカルシウム塩化合物を併用することにより、単独で用いた場合に比べ、より強い塩味増強効果を発揮し得ることを見出し、さらに研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1](A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を含む、塩味増強用組成物。
[2](A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、[1]記載の塩味増強用組成物。
[3](B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、[1]又は[2]記載の塩味増強用組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか一つに記載の塩味増強用組成物を含有する食塩含有食品。
[5](A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を添加することを含む、食塩含有食品の製造方法。
[6](A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、[5]記載の製造方法。
[7](B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、[5]又は[6]記載の製造方法。
[8]食塩含有食品が、塩味を増強されたものである、[5]〜[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9](A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を食品に添加することを含む、食塩含有食品の塩味増強方法。
[10](A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、[9]記載の増強方法。
[11](B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、[9]又は[10]記載の増強方法。
[2](A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、[1]記載の塩味増強用組成物。
[3](B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、[1]又は[2]記載の塩味増強用組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか一つに記載の塩味増強用組成物を含有する食塩含有食品。
[5](A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を添加することを含む、食塩含有食品の製造方法。
[6](A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、[5]記載の製造方法。
[7](B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、[5]又は[6]記載の製造方法。
[8]食塩含有食品が、塩味を増強されたものである、[5]〜[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9](A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を食品に添加することを含む、食塩含有食品の塩味増強方法。
[10](A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、[9]記載の増強方法。
[11](B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、[9]又は[10]記載の増強方法。
本発明によれば、塩味を増強し得る塩味増強用組成物、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えて、効果的に塩味を増強し得る塩味増強用組成物、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に塩味を増強し得る塩味増強用組成物を提供できる。
また本発明によれば、塩味を増強された食塩含有食品、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品を製造できる。
また本発明によれば、食塩含有食品の塩味を増強し得、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得る。
また本発明は、食塩含有食品の種類によらず、幅広い食品領域において用いることができる。
また本発明によれば、塩味を増強された食塩含有食品、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品を製造できる。
また本発明によれば、食塩含有食品の塩味を増強し得、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得る。
また本発明は、食塩含有食品の種類によらず、幅広い食品領域において用いることができる。
(本発明の組成物)
本発明の組成物は、(A)塩酸塩化合物(本明細書中、単に「(A)」と称する場合がある)及び(B)カルシウム塩化合物(本明細書中、単に「(B)」と称する場合がある)を含むことを主たる特徴とする。
本発明の組成物は、(A)塩酸塩化合物(本明細書中、単に「(A)」と称する場合がある)及び(B)カルシウム塩化合物(本明細書中、単に「(B)」と称する場合がある)を含むことを主たる特徴とする。
[(A)塩酸塩化合物]
本発明における「塩酸塩化合物」は、塩酸(HCl)と塩基性化合物とから形成される塩をいい、可食性であれば特に制限されないが、例えば、リジン塩酸塩、アルギニン塩酸塩、オルニチン塩酸塩、ヒスチジン塩酸塩等の塩基性アミノ酸の塩酸塩;チアミン塩酸塩、ピリドキシン塩酸塩等のビタミンの塩酸塩;グルコサミン塩酸塩等のアミノ糖の塩酸塩等が挙げられ、味質に優れ得ることから、好ましくは塩基性アミノ酸の塩酸塩であり、より好ましくはリジン塩酸塩、アルギニン塩酸塩、オルニチン塩酸塩であり、特に好ましくはリジン塩酸塩である。
本発明における「塩酸塩化合物」は、塩酸(HCl)と塩基性化合物とから形成される塩をいい、可食性であれば特に制限されないが、例えば、リジン塩酸塩、アルギニン塩酸塩、オルニチン塩酸塩、ヒスチジン塩酸塩等の塩基性アミノ酸の塩酸塩;チアミン塩酸塩、ピリドキシン塩酸塩等のビタミンの塩酸塩;グルコサミン塩酸塩等のアミノ糖の塩酸塩等が挙げられ、味質に優れ得ることから、好ましくは塩基性アミノ酸の塩酸塩であり、より好ましくはリジン塩酸塩、アルギニン塩酸塩、オルニチン塩酸塩であり、特に好ましくはリジン塩酸塩である。
(A)は、一態様として、単独で塩味増強作用を発揮し得るものであることが好ましい。(A)の塩味増強作用の有無は、専門パネルによる官能評価によって確認できる。
(A)の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はこれに準ずる方法によって製造したものを用いてよい。(A)は市販品を用いてもよく、簡便であることから好ましい。
本発明の組成物における(A)の含有量は、本発明の組成物に対し、好ましくは0.01重量%以上であり、より好ましくは0.1重量%以上であり、特に好ましくは1重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、好ましくは99.9重量%以下であり、より好ましくは99重量%以下であり、特に好ましくは90重量%以下である。
本明細書中、「(A)の含有量」とは、例えば、本発明の組成物が(A)を1種のみ含有する場合は、当該1種の含有量であり、本発明の組成物が(A)を2種以上含有する場合は、それらの合計の含有量である。
本明細書中、「(A)の含有量」とは、例えば、本発明の組成物が(A)を1種のみ含有する場合は、当該1種の含有量であり、本発明の組成物が(A)を2種以上含有する場合は、それらの合計の含有量である。
[(B)カルシウム塩化合物]
本発明における「カルシウム塩化合物」は、アニオン性基(例、カルボキシ基等)を有する物質とカルシウムカチオン(Ca2+)との塩をいい、可食性であれば特に制限されないが、例えば、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩等が挙げられる。有機酸のカルシウム塩の具体例としては、グルタミン酸カルシウム等の酸性アミノ酸のカルシウム塩;ステアリン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム等の脂肪酸のカルシウム塩;グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム等のヒドロキシ酸のカルシウム塩等が挙げられ、また無機酸のカルシウム塩の具体例としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。カルシウム塩化合物は、好ましくは酸性アミノ酸のカルシウム塩、ヒドロキシ酸のカルシウム塩、無機酸のカルシウム塩であり、より好ましくはグルタミン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウムであり、特に好ましくはグルタミン酸カルシウムである。
本発明における「カルシウム塩化合物」は、アニオン性基(例、カルボキシ基等)を有する物質とカルシウムカチオン(Ca2+)との塩をいい、可食性であれば特に制限されないが、例えば、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩等が挙げられる。有機酸のカルシウム塩の具体例としては、グルタミン酸カルシウム等の酸性アミノ酸のカルシウム塩;ステアリン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム等の脂肪酸のカルシウム塩;グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム等のヒドロキシ酸のカルシウム塩等が挙げられ、また無機酸のカルシウム塩の具体例としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。カルシウム塩化合物は、好ましくは酸性アミノ酸のカルシウム塩、ヒドロキシ酸のカルシウム塩、無機酸のカルシウム塩であり、より好ましくはグルタミン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウムであり、特に好ましくはグルタミン酸カルシウムである。
(B)の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はこれに準ずる方法によって製造したものを用いてよい。(B)は市販品を用いてもよく、簡便であることから好ましい。
本発明の組成物における(B)の含有量は、本発明の組成物に対し、好ましくは0.01重量%以上であり、より好ましくは0.1重量%以上であり、特に好ましくは1重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、好ましくは99.9重量%以下であり、より好ましくは99重量%以下であり、特に好ましくは90重量%以下である。
本明細書中、「(B)の含有量」とは、例えば、本発明の組成物が(B)を1種のみ含有する場合は、当該1種の含有量であり、本発明の組成物が(B)を2種以上含有する場合は、それらの合計の含有量である。
本明細書中、「(B)の含有量」とは、例えば、本発明の組成物が(B)を1種のみ含有する場合は、当該1種の含有量であり、本発明の組成物が(B)を2種以上含有する場合は、それらの合計の含有量である。
本発明の組成物における(A)の含有量と(B)の含有量との重量比(A:B)は特に制限されず、(A)及び(B)の種類等に応じて適宜調整すればよいが、一態様として、(A)が塩基性アミノ酸の塩酸塩(例、リジン塩酸塩等)であり、(B)が酸性アミノ酸のカルシウム塩(例、グルタミン酸カルシウム等)である場合、(A)の含有量と(B)の含有量との重量比(A:B)は効果的に塩味を増強し得ることから、好ましくは1:0.001〜0.5であり、より好ましくは1:0.005〜0.15であり、特に好ましくは1:0.01〜0.07である。
本発明の組成物の形態は特に制限されず、例えば、固体状(粉末状、顆粒状等を含む)、液体状(スラリー状等を含む)、ゲル状、ペースト状等が挙げられる。
本発明の組成物は、(A)及び(B)のみからなるものであってよいが、これらに加えて、食品分野において慣用の基剤をさらに含有するものであってもよい。
本発明の組成物の形態が液体状の場合の基剤としては、例えば、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、各種動植物油類等が挙げられる。
本発明の組成物の形態が固体状の場合の基剤としては、例えば、澱粉、デキストリン、シクロデキストリン、スクロースやグルコースなどの各種糖類、蛋白質、ペプチド、食塩、固形脂、二酸化ケイ素、およびそれらの混合物、また酵母菌体や各種の粉末エキス類等が挙げられる。
本発明の組成物の形態が固体状の場合の基剤としては、例えば、澱粉、デキストリン、シクロデキストリン、スクロースやグルコースなどの各種糖類、蛋白質、ペプチド、食塩、固形脂、二酸化ケイ素、およびそれらの混合物、また酵母菌体や各種の粉末エキス類等が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない限り、(A)及び(B)に加えて、例えば、賦形剤、pH調整剤、酸化防止剤、増粘安定剤、甘味料(例、砂糖類等)、酸味料、香辛料、着色料等を更に含有してよい。
本発明の組成物の製造は、食品分野で慣用の手法により行い得る。本発明の組成物は、例えば、濃縮処理、乾燥処理、脱色処理等を、単独で又は組み合わせて施されてもよい。
本発明の組成物は、食塩含有食品の塩味を増強するために好適に用いられ、すなわち好適には塩味増強用組成物である。本発明において「食塩含有食品」とは、食塩を含有する食品をいい、ここで「食品」とは、経口で摂取し得るものを広く包含する概念であり、飲料や調味料等も包含される。本発明における「食塩含有食品」には、食塩そのものも包含される。また本発明における「塩味増強用組成物」は、塩味増強剤を包含する概念である。
本発明において塩味の「増強」とは、あたかも塩分濃度を高めたかのように、塩味が強く感じられるようになることをいう。塩味の有無や程度は、専門パネルによる官能評価(例えば、後述の実施例に示される官能評価等)によって評価できる。
本発明の組成物を添加し得る食塩含有食品は、食塩を含有し、経口で摂取し得るものであれば特に制限されないが、塩味が増強されることを所望されるものが好ましく、例えば、コーンスープ、コンソメスープ(例、チキン、ポーク、ビーフ等)、ポタージュ、卵入りスープ、ワカメ入りスープ、ふかひれ入りスープ、中華風スープ、カレー風味スープ、ラーメンスープ、お吸い物、味噌汁等のスープ(乾燥スープを含む);ハム、ソーセージ、餃子、焼売、ハンバーグ、唐揚げ、とんかつ等の食肉加工食品;かまぼこ、ちくわ等の水産加工食品;バター等の乳製品;チャーハン等の米飯加工食品;天然系調味料、風味調味料、メニュー用調味料、マヨネーズ、ドレッシング、ソース(例、デミグラスソース、中濃ソース、ホワイトソース、チーズソース等)等の調味料;麺類、グラタン、コロッケ、漬物等のその他の加工食品;かけつゆ、つけつゆ等のつゆ類;ポテトチップス等のスナック類;クラッカー、パン等の小麦加工食品;冷凍食品(上述の食品(例、餃子、焼売、チャーハン、ハンバーグ、唐揚げ、グラタン、とんかつ、コロッケ等)の冷凍品等)等が挙げられる。
本明細書中、「天然系調味料」とは、天然物を原料として、抽出、分解、加熱、発酵等の手法によって製造される調味料をいい、その具体例としては、鶏肉エキス、牛肉エキス、豚肉エキス、羊肉エキス等の各種畜肉エキス類;鶏がらエキス、牛骨エキス、豚骨エキス等の各種がらエキス類;鰹エキス、鯖エキス、ぐちエキス、帆立エキス、蟹エキス、蝦エキス、煮干エキス、干し貝柱エキス等の各種魚介エキス類;鰹節エキス、鯖節エキス、宗田節エキス等の各種節エキス類;オニオンエキス、白菜エキス、セロリエキス等の各種野菜エキス類;昆布エキス等の各種海藻エキス類;ガーリックエキス、唐辛子エキス、胡椒エキス、カカオエキス等の各種香辛料エキス類;酵母エキス類;各種タンパク加水分解物;醤油、魚醤、蝦醤、味噌等の各種発酵調味料等やその混合物、加工品(例、めんつゆ、ポン酢醤油等の醤油加工品等)等が挙げられる。「風味調味料」とは、食品に風味原料の香気、風味、味を付与するために用いられる調味料をいい、例えば、天然系調味料に砂糖類、食塩等を加えること等によって製造できる。風味調味料の具体例としては、鶏風味調味料、牛風味調味料、豚風味調味料等の各種畜肉風味調味料;鰹風味調味料、煮干風味調味料、干し貝柱風味調味料、甲殻類風味調味料等の各種魚介風味調味料;各種香辛野菜風味調味料;昆布風味調味料等が挙げられる。「メニュー用調味料」とは、特定のメニュー(中華メニュー等)の調理に適した調味料をいい、その具体例としては、中華合わせ調味料、合わせ調味料、汎用ペースト調味料、混ぜご飯の素、チャーハンの素、スパイスミックス等が挙げられる。
本明細書中、「天然系調味料」とは、天然物を原料として、抽出、分解、加熱、発酵等の手法によって製造される調味料をいい、その具体例としては、鶏肉エキス、牛肉エキス、豚肉エキス、羊肉エキス等の各種畜肉エキス類;鶏がらエキス、牛骨エキス、豚骨エキス等の各種がらエキス類;鰹エキス、鯖エキス、ぐちエキス、帆立エキス、蟹エキス、蝦エキス、煮干エキス、干し貝柱エキス等の各種魚介エキス類;鰹節エキス、鯖節エキス、宗田節エキス等の各種節エキス類;オニオンエキス、白菜エキス、セロリエキス等の各種野菜エキス類;昆布エキス等の各種海藻エキス類;ガーリックエキス、唐辛子エキス、胡椒エキス、カカオエキス等の各種香辛料エキス類;酵母エキス類;各種タンパク加水分解物;醤油、魚醤、蝦醤、味噌等の各種発酵調味料等やその混合物、加工品(例、めんつゆ、ポン酢醤油等の醤油加工品等)等が挙げられる。「風味調味料」とは、食品に風味原料の香気、風味、味を付与するために用いられる調味料をいい、例えば、天然系調味料に砂糖類、食塩等を加えること等によって製造できる。風味調味料の具体例としては、鶏風味調味料、牛風味調味料、豚風味調味料等の各種畜肉風味調味料;鰹風味調味料、煮干風味調味料、干し貝柱風味調味料、甲殻類風味調味料等の各種魚介風味調味料;各種香辛野菜風味調味料;昆布風味調味料等が挙げられる。「メニュー用調味料」とは、特定のメニュー(中華メニュー等)の調理に適した調味料をいい、その具体例としては、中華合わせ調味料、合わせ調味料、汎用ペースト調味料、混ぜご飯の素、チャーハンの素、スパイスミックス等が挙げられる。
本発明の組成物を添加し得る食塩含有食品は、喫食に適した態様で提供(販売、流通)されるものであってよく、又は喫食に適した態様になるための所定の処理や調理を必要とする態様で提供されるものであってもよい。例えば、本発明の組成物を添加し得る食塩含有食品は、喫食に適した態様となるために水等で希釈することを必要とする濃縮物等として提供(販売、流通)されてよい。
本発明の組成物を添加し得る食塩含有食品は、例えば、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、ダイエタリーサプリメント、栄養補助食品、健康補助食品、医療用食品、メディカルフード等として提供されるものであってよい。
本発明の組成物を添加し得る食塩含有食品における、食塩の含有量(塩分濃度)は特に制限されないが、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、通常0.01重量%以上であり、より明確に塩味増強効果が発揮され得ることから、好ましくは0.1重量%以上であり、より好ましくは0.4重量%以上である。また当該含有量の上限は特に制限されず100重量%であってよいが、より明確に塩味増強効果が発揮され得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは15重量%以下である。
本発明の組成物を食塩含有食品に添加する方法及び条件は特に限定されず、本発明の組成物の形態や食塩含有食品の種類等に応じて適宜設定できる。本発明の組成物を食塩含有食品に添加する時期は特に限定されず、いかなる時点で添加してもよいが、例えば、食品の製造中、食品の完成後(例、食品の喫食直前、食品の喫食中等)等が挙げられる。食塩含有食品を製造する前の食品原料に本発明の組成物を添加してもよい。
本発明の組成物を食塩含有食品に添加することにより、食塩含有食品に添加される(A)の量は、(A)の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、一態様として、(A)が塩基性アミノ酸の塩酸塩(例、リジン塩酸塩等)である場合、食塩含有食品に添加される(A)の量は、効果的に塩味を増強し得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは0.001重量%以上であり、より好ましくは0.01重量%以上であり、特に好ましくは0.03重量%以上である。また、この場合、食塩含有食品に添加される(A)の量は、異味の発生を抑えて、効果的に塩味を増強し得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは1.5重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、特に好ましくは0.5重量%以下である。一態様として、(A)が塩基性アミノ酸の塩酸塩(例、リジン塩酸塩等)である場合、本発明の組成物は、食塩含有食品に添加される(A)の量が、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、0.001〜1.5重量%となるように、食塩含有食品に添加されることが好ましい。
本発明の組成物を食塩含有食品に添加することにより、食塩含有食品に添加される(B)の量は、(B)の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、一態様として、(B)が酸性アミノ酸のカルシウム塩(例、グルタミン酸カルシウム等)である場合、食塩含有食品に添加される(B)の量は、効果的に塩味を増強し得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは0.1重量ppm以上であり、より好ましくは0.5重量ppm以上であり、特に好ましくは1重量ppm以上である。また、この場合、食塩含有食品に添加される(B)の量は、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に塩味を増強し得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは900重量ppm以下であり、より好ましくは500重量ppm以下であり、特に好ましくは300重量ppm以下である。一態様として、(B)が酸性アミノ酸のカルシウム塩(例、グルタミン酸カルシウム等)である場合、本発明の組成物は、食塩含有食品に添加される(B)の量が、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、0.1〜900重量ppmとなるように、食塩含有食品に添加されることが好ましい。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない限り、他の塩味増強剤(例、塩化カリウム等)と併用してよい。
本発明によれば、本発明の組成物を含有する食塩含有食品(本明細書中、単に「本発明の食品」と称する場合がある)も提供される。
本発明の食品における、本発明の組成物の含有量は、(A)及び(B)の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、一態様として、(A)が塩基性アミノ酸の塩酸塩(例、リジン塩酸塩等)であり、(B)が酸性アミノ酸のカルシウム塩(例、グルタミン酸カルシウム等)である場合、食塩含有食品に添加される(A)、(B)の量が、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、それぞれ上述の範囲内となるように適宜調整すればよい。
本発明の食品における、本発明の組成物の含有量は、(A)及び(B)の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、一態様として、(A)が塩基性アミノ酸の塩酸塩(例、リジン塩酸塩等)であり、(B)が酸性アミノ酸のカルシウム塩(例、グルタミン酸カルシウム等)である場合、食塩含有食品に添加される(A)、(B)の量が、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、それぞれ上述の範囲内となるように適宜調整すればよい。
本発明の食品の種類は特に制限されないが、塩味が増強されることを所望されるものが好ましく、例えば、本発明の組成物を添加し得る食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
(本発明の製造方法)
本発明は、(A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を添加することを含む、食塩含有食品の製造方法(本明細書中、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明は、(A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を添加することを含む、食塩含有食品の製造方法(本明細書中、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の製造方法において用いられる(A)、(B)は、それぞれ本発明の組成物に含まれる(A)、(B)と同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明の製造方法において(A)の添加量は、(A)の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、一態様として、(A)が塩基性アミノ酸の塩酸塩(例、リジン塩酸塩等)である場合、効果的に塩味を増強し得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは0.001重量%以上であり、より好ましくは0.01重量%以上であり、特に好ましくは0.03重量%以上である。また、この場合、(A)の添加量は、異味の発生を抑えて、効果的に塩味を増強し得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは1.5重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、特に好ましくは0.5重量%以下である。
本明細書中、「(A)の添加量」とは、例えば、本発明の製造方法において(A)を1種のみ添加する場合は、当該1種の量であり、本発明の製造方法において(A)を2種以上添加する場合は、それらの合計量である。
本明細書中、「(A)の添加量」とは、例えば、本発明の製造方法において(A)を1種のみ添加する場合は、当該1種の量であり、本発明の製造方法において(A)を2種以上添加する場合は、それらの合計量である。
本発明の製造方法において(B)の添加量は、(B)の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、一態様として、(B)が酸性アミノ酸のカルシウム塩(例、グルタミン酸カルシウム等)である場合、効果的に塩味を増強し得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは0.1重量ppm以上であり、より好ましくは0.5重量ppm以上であり、特に好ましくは1重量ppm以上である。また、この場合、(B)の添加量は、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に塩味を増強し得ることから、食塩含有食品の喫食時の総重量に対して、好ましくは900重量ppm以下であり、より好ましくは500重量ppm以下であり、特に好ましくは300重量ppm以下である。
本明細書中、「(B)の添加量」とは、例えば、本発明の製造方法において(B)を1種のみ添加する場合は、当該1種の量であり、本発明の製造方法において(B)を2種以上添加する場合は、それらの合計量である。
本明細書中、「(B)の添加量」とは、例えば、本発明の製造方法において(B)を1種のみ添加する場合は、当該1種の量であり、本発明の製造方法において(B)を2種以上添加する場合は、それらの合計量である。
本発明の製造方法における(A)の添加量と(B)の添加量との重量比(A:B)は特に制限されず、(A)及び(B)の種類等に応じて適宜調整すればよいが、一態様として、(A)が塩基性アミノ酸の塩酸塩(例、リジン塩酸塩等)であり、(B)が酸性アミノ酸のカルシウム塩(例、グルタミン酸カルシウム等)である場合、(A)の添加量と(B)の添加量との重量比(A:B)は、効果的に塩味を増強し得ることから、好ましくは1:0.001〜0.5であり、より好ましくは1:0.005〜0.15であり、特に好ましくは1:0.01〜0.07である。
本発明の製造方法は、(A)及び(B)を個別に添加してよいが、これらを添加前に予め混合し、得られた混合物を添加してもよい。あるいは、これらの添加は、本発明の組成物を使用して行われてもよい。(A)及び(B)を個別に添加する場合、添加の順序及び間隔は特に制限されず、(A)、(B)の順序、あるいはその逆の順序で添加してよく、また(A)及び(B)を同時に添加してもよい。
本発明の製造方法は、本発明の目的を損なわない限り、(A)及び(B)の添加に加えて、これら以外の塩味増強剤(例、塩化カリウム等)を添加することを更に含んでよい。
本発明の製造方法は、(A)及び(B)の添加に加えて、食品の製造において慣用の処理工程、調理工程を、製造する食品の種類等に応じて適宜含んでよい。
本発明の製造方法によって得られる食塩含有食品の種類は特に制限されないが、塩味が増強されることを所望されるものが好ましく、例えば、本発明の組成物を添加し得る食塩含有食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
本発明の製造方法によれば、塩味を増強された食塩含有食品、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品を製造できる。
(本発明の増強方法)
本発明は、(A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を添加することを含む、食塩含有食品の塩味増強方法(本明細書中、単に「本発明の増強方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明は、(A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を添加することを含む、食塩含有食品の塩味増強方法(本明細書中、単に「本発明の増強方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の増強方法において用いられる(A)、(B)は、それぞれ本発明の組成物に含まれる(A)、(B)と同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明の増強方法における(A)の添加量は、本発明の製造方法における(A)の添加量と同様に設定し得、好ましい範囲も同様である。
本発明の増強方法における(B)の添加量は、本発明の製造方法における(B)の添加量と同様に設定し得、好ましい範囲も同様である。
本発明の増強方法における(A)の添加量と(B)の添加量との重量比は、本発明の製造方法における(A)の添加量と(B)の添加量との重量比と同様に設定し得、好ましい範囲も同様である。
本発明の増強方法は、特に断りのない限り、本発明の製造方法と同様に実施し得、好ましい態様も同様である。
本発明の増強方法において、(A)及び(B)を添加する方法及び条件は特に限定されず、これらを添加する食塩含有食品の種類等に応じて適宜設定できる。(A)及び(B)を食塩含有食品に添加する時期は特に限定されず、いかなる時点で添加してもよいが、例えば、食塩含有食品の製造中及び食塩含有食品の完成後(例、食塩含有食品の喫食直前、食塩含有食品の喫食中等)等が挙げられる。食塩含有食品を製造する前の食品原料に(A)及び(B)を添加してもよい。
本発明の増強方法によれば、食塩含有食品の塩味を増強し得、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得る。
本発明の増強方法によって塩味が増強され得る食塩含有食品の種類は特に制限されないが、塩味が増強されることを所望されるものが好ましく、例えば、本発明の組成物を添加し得る食塩含有食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。尚、本明細書において「%」、「ppm」と記載されている場合は、特に断りのない限り「重量%」、「重量ppm」を意味する。
(試験例1)
<ネガティブコントロールの調製>
市販の味噌汁(株式会社永谷園製、凍結乾燥品)に1.25倍希釈となるようにお湯を加えた後(具体的には、通常160mLのお湯を注いで調製される商品に、200mLのお湯を注いだ後)、ネットで具を濾して、ネガティブコントロールとした(ネガティブコントロールの塩分濃度:0.75重量%)。
<ネガティブコントロールの調製>
市販の味噌汁(株式会社永谷園製、凍結乾燥品)に1.25倍希釈となるようにお湯を加えた後(具体的には、通常160mLのお湯を注いで調製される商品に、200mLのお湯を注いだ後)、ネットで具を濾して、ネガティブコントロールとした(ネガティブコントロールの塩分濃度:0.75重量%)。
<ポジティブコントロールの調製>
ネガティブコントロールに、通常の商品と同等の塩分濃度となるように塩化ナトリウムを添加し(具体的には、160mLのお湯を注がれて調製された味噌汁と同等の塩分濃度となるように塩化ナトリウムを添加し)、ポジティブコントロールとした(ポジティブコントロールの塩分濃度:0.94重量%)。
ネガティブコントロールに、通常の商品と同等の塩分濃度となるように塩化ナトリウムを添加し(具体的には、160mLのお湯を注がれて調製された味噌汁と同等の塩分濃度となるように塩化ナトリウムを添加し)、ポジティブコントロールとした(ポジティブコントロールの塩分濃度:0.94重量%)。
<評価サンプルの調製>
ネガティブコントロールにリジン塩酸塩、グルタミン酸カルシウムを、それぞれ評価サンプルの総重量に対して表1〜4に示される量で添加し、各評価サンプル(実施例1〜10、比較例1〜12)を調製した。
ネガティブコントロールにリジン塩酸塩、グルタミン酸カルシウムを、それぞれ評価サンプルの総重量に対して表1〜4に示される量で添加し、各評価サンプル(実施例1〜10、比較例1〜12)を調製した。
<官能評価>
各評価サンプルの塩味、うま味及び異味(えぐ味、苦味等のネガティブコントロール、ポジティブコントロールには感じられない呈味)について官能評価を実施した。
塩味、うま味の評価は、2名の専門パネルが、ポジティブコントロール、ネガティブコントロール及び各評価サンプルを喫食し、ポジティブコントロールを5点、ネガティブコントロールを0点として、0〜5点の範囲で0.1点刻みで、各評価サンプルを評点付けした後、専門パネルの平均点を算出することにより行った。
異味の評価は、2名の専門パネルが、ポジティブコントロール、ネガティブコントロール及び各評価サンプルを喫食し、異味が全くない場合を0点、許容限界を1点(1.1点以上は許容範囲外)として、0〜5点の範囲で0.1点刻みで、各評価サンプルを評点付けした後、専門パネルの平均点を算出することにより行った。
結果を表1〜4に示す。
各評価サンプルの塩味、うま味及び異味(えぐ味、苦味等のネガティブコントロール、ポジティブコントロールには感じられない呈味)について官能評価を実施した。
塩味、うま味の評価は、2名の専門パネルが、ポジティブコントロール、ネガティブコントロール及び各評価サンプルを喫食し、ポジティブコントロールを5点、ネガティブコントロールを0点として、0〜5点の範囲で0.1点刻みで、各評価サンプルを評点付けした後、専門パネルの平均点を算出することにより行った。
異味の評価は、2名の専門パネルが、ポジティブコントロール、ネガティブコントロール及び各評価サンプルを喫食し、異味が全くない場合を0点、許容限界を1点(1.1点以上は許容範囲外)として、0〜5点の範囲で0.1点刻みで、各評価サンプルを評点付けした後、専門パネルの平均点を算出することにより行った。
結果を表1〜4に示す。
表1に示される結果から明らかなように、リジン塩酸塩は単独で塩味増強効果を発揮し得たが、添加量が多くなると許容できない異味が発生した。
表2に示される結果から明らかなように、グルタミン酸カルシウムは単独でうま味増強効果は発揮し得たが、塩味増強効果は全く得られなかった。
一方、表3、表4に示される結果から、リジン塩酸塩及びグルタミン酸カルシウムを併用することにより、単独で用いた場合に比べ、より強い塩味増強効果を発揮し得ることが確認された。また、いずれの実施例においても許容できない異味は発生しなかった。特に実施例1〜9はうま味も殆ど感じられず、塩味のみが増強された。
表2に示される結果から明らかなように、グルタミン酸カルシウムは単独でうま味増強効果は発揮し得たが、塩味増強効果は全く得られなかった。
一方、表3、表4に示される結果から、リジン塩酸塩及びグルタミン酸カルシウムを併用することにより、単独で用いた場合に比べ、より強い塩味増強効果を発揮し得ることが確認された。また、いずれの実施例においても許容できない異味は発生しなかった。特に実施例1〜9はうま味も殆ど感じられず、塩味のみが増強された。
(試験例2)
<ネガティブコントロールの調製>
市販の味噌汁(株式会社永谷園製)、中華スープ(味の素株式会社製)、ラーメンスープ(東洋水産株式会社製)、コーンスープ(味の素株式会社製)、ポタージュ(味の素株式会社製)、コンソメスープ(味の素株式会社製)に、それぞれ1.25倍希釈となるようにお湯を加えた後、ネットで具を濾して、ネガティブコントロールとした(各ネガティブコントロールの塩分濃度:味噌汁0.75重量%、中華スープ0.55重量%、ラーメンスープ0.8重量%、コーンスープ0.53重量%、ポタージュ0.64重量%、コンソメスープ0.67重量%)。
<ネガティブコントロールの調製>
市販の味噌汁(株式会社永谷園製)、中華スープ(味の素株式会社製)、ラーメンスープ(東洋水産株式会社製)、コーンスープ(味の素株式会社製)、ポタージュ(味の素株式会社製)、コンソメスープ(味の素株式会社製)に、それぞれ1.25倍希釈となるようにお湯を加えた後、ネットで具を濾して、ネガティブコントロールとした(各ネガティブコントロールの塩分濃度:味噌汁0.75重量%、中華スープ0.55重量%、ラーメンスープ0.8重量%、コーンスープ0.53重量%、ポタージュ0.64重量%、コンソメスープ0.67重量%)。
<ポジティブコントロールの調製>
ネガティブコントロールに、通常の商品と同等の塩分濃度となるように塩化ナトリウムを添加し、ポジティブコントロールとした(各ポジティブコントロールの塩分濃度:味噌汁0.94重量%、中華スープ0.69重量%、ラーメンスープ1.0重量%、コーンスープ0.67重量%、ポタージュ0.8重量%、コンソメスープ0.83重量%)。
ネガティブコントロールに、通常の商品と同等の塩分濃度となるように塩化ナトリウムを添加し、ポジティブコントロールとした(各ポジティブコントロールの塩分濃度:味噌汁0.94重量%、中華スープ0.69重量%、ラーメンスープ1.0重量%、コーンスープ0.67重量%、ポタージュ0.8重量%、コンソメスープ0.83重量%)。
<評価サンプルの調製>
ネガティブコントロールにリジン塩酸塩、グルタミン酸カルシウムを、それぞれ評価サンプルの総重量に対して表5〜7に示される量で添加し、各評価サンプル(実施例11〜16、比較例13〜24)を調製した。
ネガティブコントロールにリジン塩酸塩、グルタミン酸カルシウムを、それぞれ評価サンプルの総重量に対して表5〜7に示される量で添加し、各評価サンプル(実施例11〜16、比較例13〜24)を調製した。
<官能評価>
各評価サンプルの塩味、うま味及び異味について、試験例1と同様に官能評価を実施した。
結果を表5〜7に示す。
各評価サンプルの塩味、うま味及び異味について、試験例1と同様に官能評価を実施した。
結果を表5〜7に示す。
表5〜7に示される結果から明らかなように、いずれの食塩含有食品においても、リジン塩酸塩及びグルタミン酸カルシウムを併用することにより、単独で用いた場合に比べ、より強い塩味増強効果を発揮し得ることが確認された。
本発明によれば、塩味を増強し得る塩味増強用組成物、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えて、効果的に塩味を増強し得る塩味増強用組成物、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に塩味を増強し得る塩味増強用組成物を提供できる。
また本発明によれば、塩味を増強された食塩含有食品、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品を製造できる。
また本発明によれば、食塩含有食品の塩味を増強し得、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得る。
また本発明は、食塩含有食品の種類によらず、幅広い食品領域において用いることができる。
また本発明によれば、塩味を増強された食塩含有食品、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えられ、効果的に塩味を増強された食塩含有食品を製造できる。
また本発明によれば、食塩含有食品の塩味を増強し得、好ましくは、許容できない異味の発生を抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得、より好ましくは、塩味以外の呈味(例、異味、うま味等)が付与されることを抑えて、効果的に食塩含有食品の塩味を増強し得る。
また本発明は、食塩含有食品の種類によらず、幅広い食品領域において用いることができる。
Claims (11)
- (A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を含む、塩味増強用組成物。
- (A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、請求項1記載の塩味増強用組成物。
- (B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1又は2記載の塩味増強用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の塩味増強用組成物を含有する食塩含有食品。
- (A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を添加することを含む、食塩含有食品の製造方法。
- (A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、請求項5記載の製造方法。
- (B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項5又は6記載の製造方法。
- 食塩含有食品が、塩味を増強されたものである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- (A)塩酸塩化合物及び(B)カルシウム塩化合物を食品に添加することを含む、食塩含有食品の塩味増強方法。
- (A)が、塩基性アミノ酸の塩酸塩である、請求項9記載の増強方法。
- (B)が、有機酸のカルシウム塩及び無機酸のカルシウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項9又は10記載の増強方法。
Priority Applications (1)
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JP2018060073A JP2019170188A (ja) | 2018-03-27 | 2018-03-27 | 塩味増強用組成物 |
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