JP2011182723A - 新規調味料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】カキ身肉由来の良好な風味を有する調味料組成物を提供する。
【解決手段】カキエキスを主原料とする調味料組成物であって、100gあたりタウリンを50mg以上含み、タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、30重量%以下である。
【効果】中華料理の風味付けとしてだけでなく、繊細な風味付けを有する種々の料理に幅広く利用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、カキエキスを主原料とする調味料組成物に関する。本発明は、食品分野で有用である。
古来、カキ(牡蠣)を生で食する習慣のなかった中国では、カキは一般に、一度塩蔵され、干し牡蠣として利用されていた。この干し牡蠣を作る際の、塩蔵保存中にできた上澄み液は、強い旨味とコクがあり、強火で炒める料理の隠し味として使われた。これがオイスターソース(カキ油)の起源といわれている。近年、工業化が進み、オイスターソースとしては、主原料であるカキから得られたエキスに、糖類、糊料等の副原料を配合したものが現在の主流となっている。オイスターソースは、中華料理に使用されることが多い調味料であり、近年は家庭でも、その認知度は広がってきている。
オイスターソースの原料となるカキには、タウリン、グリコーゲン、鉄、亜鉛等の特徴的な栄養成分が含まれており、このうちタウリンは、肝臓や眼に対する効果がよく知られている。生理的な効果を期待して、タウリンはドリンク剤や育児用ミルクに添加されてもいる。
タウリンの味覚に対する効果については、いくつかの報告がある。例えば、特許文献1は、スルホン基含有化合物、リン酸塩およびベタインを有効成分とすることを特徴とする、こく味付与剤を開示する。ここにおいて、スルホン基含有化合物の典型例は、タウリンである。この発明は、従来、味とは無関係であると考えられていたタウリンが、リン酸塩との併用作用により、旨味を前提としたこく味の付与剤となり得ることを見出したことに基づくものである。また、特許文献2は、タウリンが優れた水質改善効果、すなわち水道水の塩素臭の抑制、硬度の軽減作用を有するとの知見に基づき、飲食又は調理の際に水道水を加えて希釈又は溶解を行う飲食物において、タウリンの存在下で水道水を加えることを特徴とする飲食物の希釈又は溶解方法を開示する。ここでは、タウリンの水質改善のメカニズムは定かではないが、タウリンは化学的にはアミノ酸の1種ゆえ、イオン的には陰陽両性の性質を有し、こうしたタウリンの性質が水道水中の微量物質に作用し、前述のような水質改善効果を発揮するものと推測される、と説明されている。さらに、特許文献3は、(a)香味料を含む調味混合物、及び(b)塩代替物を含む組成物であって、該塩代替物が、塩化カリウム、タウリン又はそれらの生理学的に許容される塩、及び5’−アデノシン酸(AMP)若しくは5’−イノシン酸(IMP)又はそれらの生理学的に許容される塩を含む5’−ヌクレオチド一リン酸塩を含む、組成物を開示する。この組成物は、塩化ナトリウムを含有する既存の調味料の代替物である美味の減塩風味調味組成物であり、個体のナトリウムの摂取量を減少させ、カリウムの摂取量を増加させることで、より健康的な食事にすることができるものとして説明されている。さらに非特許文献1は、マウスにおけるタウリンの味覚効果について報告している。ここでは、タウリンとコハク酸とが同時に存在することにより、うま味発現に貢献している可能性が示唆されている。
特許3467901号公報(特開平8-289761) 特開2002-247951号公報 特開2008−543333号公報
村田裕子、日本味と匂学会誌、14(3)、423-426、2007
オイスターソースに関しては、広く認められている規格のようなものは存在せず、市販品における風味、旨味、外観(色、粘度)、カキエキスの含有量、添加物の種類等は様々である。本発明者らは、オイスターソースについて種々の検討を行ってきた。その結果、カキの身肉由来のタウリンに対して、カキ殻等に由来するカルシウム及びマグネシウムの含有量を一定量以下にすることにより、カキの身肉由来の風味を強く感じる一方で、雑味を少なくすることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下を提供する:
1) カキエキスを主原料とする調味料組成物であって、100gあたりタウリンを50mg以上含み、タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、30重量%以下である、調味料組成物。
2) カキエキスを主原料とする調味料組成物であって、
カキエキスが、調味料組成物100gあたりのタウリン含有量が50mg以上となる量で用いられている、1)記載の調味料組成物。
3) タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、25重量%以下である、2)に記載の調味料組成物。
4) カキエキスが、殻を除いたカキ身肉から得られたものである、1)〜3)のいずれか一に記載の調味料組成物。
5) カキエキスが、タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、30重量%以下であるものである、1)〜3)のいずれか一に記載の調味料組成物。
6) カキエキスを主原料とする調味料組成物であって、殻を除いたカキ身肉から得られたカキエキスを、タウリン含有量が調味料組成物100gあたり50mg以上となる量で用いた、調味料組成物。
7) カキエキスを主原料とする調味料組成物におけるカキ身肉由来の良好な風味の向上方法であって、タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、30重量%以下であるカキエキスを、タウリン含有量が調味料組成物100gあたり50mg以上となる量で用いることを含む、方法。
本発明により、カキ身肉由来の良好な風味を有する調味料組成物を提供できる。
本発明の調味料組成物は、中華料理の風味付けとしてだけでなく、繊細な風味付けを有する種々の料理に幅広く利用できる。
発明の実施の形態
<原料カキエキス>
本発明の調味料組成物には、カキエキスを用いる。本発明でカキエキスというときは、カキ(生、冷凍、加熱、及び乾燥処理されたものを含む。)の全部又は一部を、圧搾することにより、又は水系溶媒、好ましくは熱水又は熱塩水を用いて抽出することにより、得られたもの又はその濃縮物、カキ自己消化物、カキ酵素分解物、カキ発酵物をいう。カキエキスは、液状又はその乾燥物(固体状)の形態であり得る。
本発明でカキというときは、特に記載した場合を除き、殻のついたカキ全体を指す。身肉というときは、特に記載した場合を除き、殻を除いたカキ可食部を指す。カキ身肉は、必要に応じて切断、粗砕、細断(ミンチ)等の前処理を行うことができる。
本発明に用いることのできるカキは特に限定されず、マガキ属に属するものでもイタボガキ属に属するものでもよい。特に好ましい例は、マガキ(和名)(Oyster(英名)、Crassostrea gigas(学名))である。
カキエキスを得る際、原料としてのカキは、実質的に殻を除いた身肉のみを用いることが好ましい。殻を用いると、後述するように、殻由来のカルシウム及び/又はマグネシウムが最終的に得られる調味料組成物において、雑味を呈する原因となり得るからである。
本発明においては、カキエキスの製造方法は、特に限定されない。例えば、カキの煮汁を原料として、必要に応じ酵素分解、夾雑物除去、加熱、濃縮等の工程を経ることにより製造できる。具体的には、カキエキスの製造は、(1)牡蠣打ち(殻除去)、(2)洗浄、(3) ボイル、 (4)煮汁の濃縮、の各工程をこの順で含み、必要に応じ(5) 殺菌、(6)容器への充填、(7)冷却の各工程を含んでもよい。牡蠣打ち等の方法により、最初に殻を除去するこの製造方法は、比較的大粒のカキ、例えば国産のカキを用いる場合に適している。カキエキスの製造はまた、別の例では、(1)洗浄、(2)殻開けのためのボイル、(3)ボイル、(4)煮汁の濃縮、の各工程をこの順で含み、必要に応じ(5) 殺菌、(6)容器への充填、(7)冷却の各工程を含んでもよい。この方法は、比較的小粒のカキを用いる場合に適している。
カキエキスは、濃縮されていることが好ましい。カキエキスのBrix計で測定した固形分は、15.5以上、好ましくは20.0以上、より好ましくは25.0以上、さらに好ましくは30.0以上、最も好ましくは36.1以上である。
<調味料組成物の組成>
本発明の調味料組成物は、カキエキスを主原料とする。本発明で調味料組成物に関し「主原料として」というときは、特に記載した場合を除き、原料として比較的多く含むことを指す。「比較的多く」とは、例えば、カキエキス由来のタウリンが、調味料組成物100gあたり50mg以上、好ましくは100mg以上、より好ましくは180mg以上、さらに好ましくは300mg以上、最も好ましくは420mg以上含まれるように、カキエキスを使用することをいう。「比較的多く」という場合の他の例は、本願明細書の実施例で示したカキエキスを用いる場合、調味料組成物100gあたり、3.6g以上、好ましくは7.1g以上、より好ましくは12.9g以上、さらに好ましくは21.4g以上、最も好ましくは30.0g以上であるように、カキエキスを使用することをいう。他のカキエキスを用いる場合、当業者であれば、用いるカキエキスの濃縮の度合いや固形分に応じて、上述の説明を参考に、本発明の調味料組成物への使用量を適宜設計できる。例えば、固形分含量が、本願明細書の実施例で示したカキエキスの1/2であるもの用いる場合、カキエキスの使用量は、上で説明した量の2倍、すなわち調味料組成物100gあたり、7.1g以上、好ましくは14.3g以上、より好ましくは25.7g以上、さらに好ましくは42.9g以上、最も好ましくは60.0g以上とすることができる。
本発明の調味料組成物は、100gあたりタウリンを50mg以上、好ましくは100mg以上、より好ましくは180mg以上、さらに好ましくは300mg以上、最も好ましくは420mg以上含む。タウリン(IUPAC名:2-アミノエタンスルホン酸、別名:アミノエチルスルホン酸)は、多くの貝類に含まれているアミノ酸の一つであり、それ自体は、ほとんど無味・無臭であるが、旨味の増強等の効果について報告がある(前掲特許文献1〜3、及び非特許文献1)。
調味料組成物中に含まれるタウリン等のアミノ酸の量は、当業者であればこの分野で広く用いられている種々の方法を用いて測定することができる。アミノ酸量測定のための具体的な装置等は、本明細書の実施例の記載を参考にすることができる。なお本発明で、アミノ酸の、量、濃度又は比率をいうときは、特に記載した場合を除き、遊離のアミノ酸として測定された値をいい、実際に食品中に存在する場合には、イオンや塩の形態である場合もある。
本発明の調味料組成物においては、タウリンに対するカルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、30重量%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下、最も好ましくは13.5%以下である。なお本明細書で調味料組成物に関し、成分の比率をいうときは、特に記載した場合を除き、重量に基づいている。
本発明で、カルシウム、マグネシウム等のミネラルの、量、濃度又は比率をいうときは、特に記載した場合を除き、食品成分として表示される通常の場合と同様、イオンや塩の形態であるものも含めた総量である。
調味料組成物中に含まれるカルシウム、マグネシウム等のミネラルの量は、当業者であればこの分野で広く用いられている種々の方法を用いて測定することができる。ミネラル量測定のための具体的な装置等は、本明細書の実施例の記載を参考にすることができる。
本発明者らの検討によると、カキエキスを主原料とする調味料組成物においては、カルシウム及びマグネシウムは、原料カキエキスの製造時にカキを殻ごとボイルした場合に多く含まれることとなるが、一定量以上含まれる場合には最終製品である調味料組成物において、苦み等の雑味を生じる原因となる。また本発明者らの検討によると、このような雑味は、タウリンの添加量が増えるに従い、減少する傾向がみられた。そのため、調味料組成物において、カルシウム及びマグネシウムの総量を、タウリン含有量に対して一定割合以下に抑えることにより、雑味が抑えられ、かつカキ身肉由来の風味が十分に感じられるものとなる。
ある調味料組成物において、カキ身肉由来の風味や雑味が感じられるか否かは、調味料組成物の研究・開発に従事する研究者等、訓練されたパネラー5名以上に、対象となる調味料組成物を1〜10%、例えば5%の濃度に温熱水に溶解した液を準備し、試飲させることにより官能的に評価することができる。官能評価に際しては、本明細書の実施例に記載したものを基準とすることができる。
本発明の調味料組成物は、タウリン以外の、呈味に関与するアミノ酸が含まれていてもよい。旨味に関与するアミノ酸の例は、グルタミン酸(グルタミン酸ナトリウムとして、主として旨味に関与する。)、グリシン(主として甘味に関与する。)、アラニン(主として甘味に関与する)である。これらのアミノ酸は、主原料由来であることもあり、副原料として添加される場合もある。
本発明の調味料組成物においては、カキの身肉風味が十分であるので、アミノ酸の由来の呈味が際だたないように、グルタミン酸含量は一定範囲であることが好ましい。そのため、グルタミン酸は、例えば、調味料組成物100gあたり、5000mg以下、好ましくは3000mg以下、より好ましくは1500mg以下、さらに好ましくは1000mg以下、最も好ましくは500mg以下で含まれる。また、グリシンは、調味料組成物100gあたり、700mg以下、好ましくは500mg以下、より好ましくは350mg以下、さらに好ましくは300mg以下、最も好ましくは200mg以下で含まれる。また、アラニンは、調味料組成物100gあたり、800mg以下、好ましくは700mg以下、より好ましくは600mg以下、さらに好ましくは450mg以下、最も好ましくは300mg以下で含まれる。
本発明の調味料組成物においては、食品として許容される副原料を含んでもよい。副原料の例は、砂糖、水あめ、食塩、でん粉、昆布エキス、酵母エキス、魚介類エキス(ほたてエキス等)、魚醤、香辛料、発酵調味料、調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、小麦粉、コーンスターチ、水(海洋深層水、鉱泉水等)、増粘剤、安定剤、ゲル化剤又は糊料(キサンタンガム、カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グァーガム、ペクチン等)、乳化剤、甘味料、着色料、保存料、酸化防止剤、発色剤、防かび剤又は防ばい剤、栄養強化剤、香料、である。副原料の量は、主原料に応じて適宜決定することができる。例えば、副原料の総量は、調味料組成物100gあたり、96.4g以下、好ましくは92.9g以下、より好ましくは87.1g以下、さらに好ましくは78.6g以下、最も好ましくは70.0g以下、例えば50.0g以下、40.0g以下とすることができる。
<製造方法、用途>
本発明の調味料組成物の製造方法は、特に限定されない。準備した主原料、副原料を、適宜混合することにより、製造することができる。調味料組成物の形態は、液状物、ペースト、粉末、顆粒とすることができる。
本発明により得られた調味料組成物は、カキ身肉風味をよく感じ、食材の風味を邪魔せず、種々の料理に適するものである。したがって、従来オイスターソースが使用されてきた中華料理はもとより、和風や洋風の料理においても適性があり、その料理の素材の風味を邪魔せず、カキ身肉風味の付与が期待できるものである。よって、本発明の調味料組成物は、種々の料理に好適に用いることができ、従来のオイスターソースとは異なる用い方が可能である。
本発明の調味料組成物を特に好ましく用いることのできる食品の例としては、和風の煮物(筑前煮、角煮、里芋煮、肉じゃが、など)、ご飯類(カキご飯、炒飯、ガーリックライス、ドライカレー、チキンライスなど)、炒め物(オイスターソース炒め、しお炒め、しょうゆ炒め、回鍋肉、青椒肉絲など)、干焼蝦仁、あんかけ、ギョーザ、うどんつゆ、そばつゆ、ラーメンつゆ、パスタソース(クリームソース、トマトソース、ミートソースなど)、スープ(各種ポタージュ、オニオンスープ、マッシュルームスープ、トマトスープ、クラムチャウダー、ミネストローネなど)等が挙げられる。
[製造例]
オイスターソースを、下表の原材料を用い、下記の手順で試作した。
国内産の生牡蠣を、牡蠣打ちにて殻を除去し、洗浄し、熱水で15分ボイルした後、煮汁は、100メッシュスクリーンを通すことにより夾雑物を除去し後、常圧濃縮し(100℃、20分)、100℃で加熱殺菌して、タンパク質8.31重量%、炭水化物19.49重量%、 Brix計により測定した固形分36.10重量%、及びタウリン含有量1,984mg/100gであるカキ煮汁濃縮物を得た。容器に充填し、冷却した。
原料を撹拌混合し、ろ過して試作品Aとした。
[市販品との成分比較]
上で得られた試作品とAと、市販品A(富士食品工業株式会社製、商品名「オイスターソース」、原材料、カキエキス、たん白加水分解物、砂糖、食塩、でん粉、昆布エキス、香辛料、調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、酸味料)、市販品B(味の素株式会社製、商品名「(CookDo)オイスターソース」、原材料:カキエキス、砂糖、しょうゆ、魚醤(魚介類)、ほたてエキス、食塩、でん粉、発酵調味料、調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、糊料(キサンタン))、市販品C(ヱスビー食品株式会社販売、商品名「李錦記 オイスターソース」、原材料:カキエキス、砂糖、食塩、でん粉、小麦粉、調味料(アミノ酸)、カラメル色素)、市販品D(コーミ株式会社製、商品名「オイスターソース」、原材料:カキ、醤油、水あめ、食塩、コーンスターチ、アルコール)について、各成分を測定した。
アミノ酸は、アミノ酸分析装置(日立製作所、L-8500A形高速アミノ酸分析計)及びカラム(日立製作所、高分離生体分析用パックドカラムを用いて分析した。ミネラルは、硫-硝酸・湿式灰化法で前処理した(サンプルに硫酸と硝酸を添加してホットプレート上で加熱した後、原子吸光度を測定する(日立製作所 偏光ゼーマン原子吸光光度計Z-8200)ことにより分析した。
なお、試作品Aと市販品Aとのマグネシウム含量の差は、試作品Aは国産カキエキス(殻を除いてボイルして得た、身肉エキス)のみを使用しているのに対し、市販品Aは、海外産カキエキス(殻含有のカキエキス)も一部使用していることに起因して生じたものと考えられる。
[官能評価1]
試作品A、市販品A〜C及び試作品にカルシウム及びマグネシウムを添加したものを対象として、官能評価を行った。下表に、各品のタウリン等の含有量をまとめた。
各々5重量%となるように温熱水に溶かしたものを、訓練されたパネラー14名が試飲して、嗜好性を評価し(カキ身肉風味を有し、雑味が少ない場合を、好ましいとし、殻様の風味、カキ以外の風味が強いもしくは口に残る雑味が強い場合、好ましくないと評価する。)、また、カキ身肉風味の強度についてコメントを得た。結果を下表に示した。
[官能評価2]
試作品A(Ca/Tau及びMg/Tau低レベル品)に、塩化カルシウム(CaCl2)及び塩化マグネシウム(MgCl2)を加え、Ca/Tau重量%及びMg/Tau重量%を調整した。各々5重量%になるように温熱水に溶かし、訓練されたパネラー14名が試飲して、カキ身肉風味の強度、口に残る雑味、嗜好性について評価した。
『カキ身肉風味強度』の評価基準
○:カキ身肉風味を強く感じる
△:カキ身肉風味を感じる
×:カキ身肉風味は殆ど感じない
『雑味』の評価基準
○:雑味はない
△:雑味は少ない
×:雑味を強く感じる
『嗜好性』の評価基準
○:好ましい(カキ身肉風味を有し、雑味が少ない)
×:好ましくない(殻様の風味、カキ以外の風味が強いもしくは口に残る雑味が強い)
結果を下表に示した。
[官能評価3]
タウリン含量を調製し、各々5%となるように温熱水に溶かしたものを、訓練されたパネラー8名が試飲して、官能評価2と同様に、カキ身肉風味の強度及び雑味を評価し、コメントを得た。結果を下表に示した。
ベースの市販品C自体のカキ身肉風味が弱く、殻様風味強いため、タウリンの添加のみではカキ身肉風味の強化(嗜好性の向上)はみられなかったが、雑味についてはタウリンの添加量が増えるに従い、減少する傾向がみられた。風味の差がみられなかったため、コメントも雑味部分のものとなった。
[食品調製例]
試作品A、市販品Aそれぞれを用いて調理し、研究員8名のパネラーにより、比較官能評価した。
筑前煮
下表の材料を用い、通常の調理手順で、筑前煮を作った。
当該料理に適性の高いものを選ばせた結果、試作品A使用品を7名、市販品A使用品を1名が選択した。また、試作品A使用品については、カキ身肉風味感じる、食材の風味を邪魔しない、適性があるとの評価が得られた。また、市販品A使用品については、カキ風味感じるが、雑味あり、アミノ酸の酸味を感じる、旨味強いとの評価が得られた。
クリームパスタ
下表の材料を用い、通常の調理手順で、クリームパスタを作った。
当該料理に適性の高いものを選ばせた結果、試作品A使用品を6名が選択し、市販品A使用品を2名が選択した。また、試作品A使用品については、カキ身肉風味を感じる、食材の風味を邪魔しない、適性があるとの評価が得られ、市販品A使用品については、アミノ酸の風味を強く感じる(クリームには合わない)、旨味強いとの評価が得られた。
総じて、市販品Aは、中華料理には合っているが、和風・洋風では雑味やアミノ酸の酸味が違和感を覚えるものであった。他方、試作品Aは中華以外の料理においても、食材の風味を邪魔せず、適性があり、カキ身肉風味の付与が期待できるものであった。

Claims (7)

  1. カキエキスを主原料とする調味料組成物であって、100gあたりタウリンを50mg以上含み、
    タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、30重量%以下である、調味料組成物。
  2. カキエキスを主原料とする調味料組成物であって、
    カキエキスが、調味料組成物100gあたりのタウリン含有量が50mg以上となる量で用いられている、請求項1記載の調味料組成物。
  3. タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、25重量%以下である、請求項2に記載の調味料組成物。
  4. カキエキスが、殻を除いたカキ身肉から得られたものである、請求項1〜3のいずれか1項記載の調味料組成物。
  5. カキエキスが、タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、30重量%以下であるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  6. カキエキスを主原料とする調味料組成物であって、殻を除いたカキ身肉から得られたカキエキスを、タウリン含有量が調味料組成物100gあたり50mg以上となる量で用いた、調味料組成物。
  7. カキエキスを主原料とする調味料組成物におけるカキ身肉由来の良好な風味の向上方法であって、タウリンに対する、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が、30重量%以下であるカキエキスを、タウリン含有量が調味料組成物100gあたり50mg以上となる量で用いることを含む、方法。
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