JP2016526444A - 複数層を有するゴルフボール - Google Patents

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Abstract

複数層を有するゴルフボールが、中実な球体を有するコアと、中実な球体から半径方向外周側方向に延びている100個〜300個の互いに離間した突起と、を含む。球体は、実質的にアイオノマ材料から形成されていて24mm〜32mmの直径(D)を有する。突起は、球体から最大で0.15mm〜1.0mmの距離だけ延在する。中間層が、コアを取り囲むとともに、ゴム材料から形成されている。カバー層が中間層を取り囲んでいる。【選択図】 図1

Description

本発明は、概して、複数層を有するゴルフボールに関する。
ゴルフの競技は、アマチュアレベルであるかプロレベルであるかを問わず、人気の高いスポーツである。幅広い様々なプレースタイルや能力に対応するために、様々なプレー特性を有するゴルフボールを製造することが望ましい。
米国特許第7,375,151号公報 米国特許出願第13/825,112号公報 米国特許第7,148,279号公報
複数層を有するゴルフボールについて、ボールの各層(コア、中間層及びカバー)に亘る硬度分布を与えることにより、柔らかい打感と良好な弾性の特性をバランスよく両立させる試みがなされている。硬いゴルフボールは概して、長い飛距離を実現できるがスピンがかかりにくく、短いショットでも飛ばすことは良いがボールコントロールが難しい。これに対して、軟らかいボールは概して、スピンをかけ易いのでボールコントロールをし易いが、飛距離がでにくい。従って、特定の設計特性は、ボールを打つときの「打感」に影響を与えるとともに、ボールの持続性に影響を与え得る。
複数層のゴルフボールが、該複数層のゴルフボール内で使用されるコアを含み、該コアは、中実な球体と、該中実な球体から半径方向外周側へ延びている100個〜300個の互いに離間した突起を含む。球体は、実質的にアイオノマ材料から形成されていて24mm〜32mmの直径(D)を有する。概して、中実な球体と突起が協働して、外面を画定し、この外表面は表面積を有する。外面の表面積は、π×D(すなわち、中実な球体の表面積)よりも5%〜25%だけ大きい。中実な球体と突起が協働して、コアの幾何学的中心と該コアの重心とを一致させるように画定する。
複数の突起は、球体から最大で0.15mm〜1.0mmの距離だけ延在し得るが、他の特定の実施例においては、最大で0.15mm〜0.8mm、0.15mm〜0.5mm、又は0.15mm〜0.3mmの距離だけ延在している。各突起は、中実な球体からほぼ同じ最大距離で延在している場合もある。さらには、各突起は、忠実な球体から半径方向外周側に位置する単一の球面上に実質的に整列した中央部を含み得る。
突起の各々は、三角形、四角形、五角形、六角形及び八角形からなる群から選択された多角形の周辺形状を有する。一実施例においては、少なくとも24個の多角形の形状の突起が三角形の周辺形状を有し、これら24個の三角形の突起が4つの六角形のパターンをつくるように配置されている。4つの六角形のパターンの各々のうちの少なくとも1つの三角形が、四角形の突起の端縁に隣接している場合もある。
他の実施例においては、中実な球体と突起が協働して、それぞれの突起を互いに分離して画定している。溝の各々が、中実な球体から該溝の側壁までの移行に係る第1の曲率と、該溝の側壁から突起の中央部までの移行に係る第2の曲率と、を有する。一実施例においては、溝の各々が、中実な球体の幾何学的中心から半径方向外周側へ延びる向と、隣接する多角形の突起の中央部から半径方向外周側へ延びる方向とのうちの少なくとも一方に対して斜行した側壁を含む。
一実施例においては、複数の溝は、第1の軸を中心として配置された第1の複数の環状の溝と、第2の軸を中心として配置された第2の複数の環状の溝と、第3の軸を中心として配置された第3の複数の環状の溝と、を含む。第1の軸、第2の軸及び第3の軸は相互に直交している。第1の組、第2の組及び第3の組の複数の環状の溝は協働して、少なくとも8つの三角形セクションを画定し、各三角形セクションは、三角形、五角形、六角形及び八角形からなる群から選択された多角形の周辺形状を有する少なくとも3つの多角形の突起を含む。
本発明の上記の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点については、以下に示す本発明を実施するための形態と添付の図面から明らかとなる。
複数層のゴルフボールの一部を拡大して概略的に示す部分的断面図。 一実施例におけるゴルフボールのコアを示す側面図。 図2に示されるセクションS等に沿って切り出された一実施例におけるコアの外面の一部を示す部分的断面図。 図2に示されるセクションS等に沿って切り出された一実施例におけるコアの外面の一部を示す部分的断面図。 図2に示されるセクションS等に沿って切り出された一実施例におけるコアの外面の一部を示す部分的断面図。 図2に示されるセクションS等に沿って切り出された一実施例におけるコアの外面の一部を示す部分的断面図。 図2に示されるセクションS等に沿って切り出された一実施例におけるコアの外面の一部を示す部分的断面図。 第1の実施例における溝を概略的に示す断面図。 第2の実施例における溝を概略的に示す断面図。 第3の実施例における溝を概略的に示す断面図。 第4の実施例における溝を概略的に示す断面図。 第5の実施例における溝を概略的に示す断面図。 第6の実施例における溝を概略的に示す断面図。 複数の環状の溝を有する一実施例におけるゴルフボールのコアの側面図。 複数層のゴルフボールを概略的に示す断面図。 複数の様々な種類の突起を有する一実施例におけるゴルフボールのコアを示す側面図。 ゴルフボールのコアを形成するための一対の射出成形用ダイを概略的に示す断面図。 ゴルフボールの熱可塑性コアを内部に含んでいる一対の射出成形用ダイを概略的に示す断面図。 ゴムストックのピース(部品)を概略的に示す断面図。 中間層用の冷間形成のブランクを概略的に示す断面図。 金属からなる球形の形状のコアの周りに一対の冷間成形されたブランクを形成するために使用される一対の圧縮形成用ダイを概略的に示す断面図。 パリマーからなるコアの周りにゴルフボールの中間層を圧縮成形するために使用される一対の圧縮成形用ダイを概略的に示す断面図。
各図に亘って同様の参照符号は、同一の又は対応する構成要素を示す。図1は、ゴルフボール10の一部の断面を拡大して概略的に示している。図示されているように、ゴルフボール10は、1つ又は複数の中間層14,16によって取り囲まれたコア12と、カバー18(すなわち、カバー18は1つ又は複数の中間層14,16を取り囲む)と、を含む複数層の構成を備える。図1は概して、フォーピース(4層)構造のボール1について説明するが、本明細書中に記載の構造や技術は、スリーピース(3層)構造のボールや、ファイブピース(5層)以上のボールにも同様に応用することができる。カバー18は概して、ボール10の最外部20を画定するとともに、例えば280個〜432個のディンプル総数(いくつかの実施例においては300個〜392個のディンプル総数、更に典型的には298個〜360個のディンプル総数)を含む所望の数のディンプル22を含み得る。当技術分野で知られているように、ディンプルを含むことによって、概して、ボールの空気抵抗が減り、ひいては、ボールが正しく打たれたときに長い飛距離が実現される。
完全に組み立てられたボール10においては、各層(コア12、カバー18、及び1つ又は複数の中間層14,16)は、共通の幾何学的中心を共有するように、他のすべての層と実質的に同心状に配置され得る。加えて、各層の重心及びボール全体としての重心と幾何学的中心とが一致するように、各層の質量分布が均一であるとよい。
図1に概略的に示されるように、また図2に再び示されるように、コア12は、変化する半径方向の寸法を有する外面30を有し得る。例えば、図示されている一実施例においては、外面30は、1つ又は複数の溝34によって互いに分離された複数の別個の多角形のランド部32を含む。各溝34は、ランド部32から内周側へ延在する外面30の一部であり得る。多角形のランド部の各々は、三角形、四角形、五角形、六角形又は八角形などの多角形に見える周辺形状つまり外側プロファイル36を有することが理解されよう。周辺は、ほぼ平坦な中央のランド38を取り囲んでいるか、或いはコア12に対して凸状又は凹状の面プロファイルを有し得る。
図3〜図7は概して、図2におけるセクション(断面線)Sに沿って切り出された外面30の一部の5種類の断面を概略的に示す。各図に示されている多角形のランド部32は、共通の外周側球面42(すなわち、球面状の基準面)に沿って実質的に整列しており、コア12と各突起44の半径方向の最外部を概ね画定している。図3及び図4に示されるように、外周側球面42と「実質的に整列して」いるランド部32は、全体的に球面42と整列している。すなわち、ランド部32の平均の半径方向位置が球面42までの半径にほぼ等しければよく、ランド部32は、平坦な場合もあれば、(図5〜図6に示されるように)凸状の場合もあれば、(図7に示されるように)凹状の場合もある。これらの例に加え、更に表面積を大きくするために、1つ又は複数の更に小さな凹部又は凸部がそれぞれのランド部32内に形成され得る。
多角形の突起44の各々は概して、外周側球面42と同心状の共通の内周側の球体46から延在している。以下に詳述するように、共通の内周側の球体46は、適切なコア材料から形成された中実の球体であり得る。多角形の突起44の各々は、半径方向の厚さ方向(すなわち、半径方向内周側から見て)の同じ位置に、多角形の周辺部を有する。例えば、突起44は、概ね多角形の基部(すなわち、内周側の球体46付近の部分)を有し、且つ/或いは、ランド部32において概ね多角形の形状に形成されている。
外面30は概して、複数の溝34つまり溝部を含み、各溝34は、多角形のランド部32から共通の内周側の球体46まで半径方向内周側へ延びている。溝34は概して、多角形の突起44を互いに分離させて画定している(各突起が溝を画定しているとも言える)。図8〜図13は、6種類の様々な溝の型式の断面プロファイルを概略的に示す。各溝は概して、外周側の球面42の位置で測定されたランド部32間の幅と、外周側の球面42から半径方向に沿って溝34の最も内周側の位置までの測定値である最大深さ52と、によって特徴付けられ得る。
各溝34は概して、約0.15mm〜約2.0mmの最大深さ52を有し得る。他の実施例においては、各溝34の最大深さ52は、約0.15mm〜約1.0mm、約0.15mm〜約0.8mm、約0.15mm〜約0.5mm又は約0.15mm〜約0.3mmである。一実施例においては、各溝34は、ほぼ同じ断面プロファイルを有し、外周側の球面42から、ある共通の最大深さ52を有するように延在する。更に他の実施例においては、2つ以上、3つ以上又は4つ以上の様々な型式/寸法の溝がコア12全体に存在する。加えて、各溝34の寸法は、幅50/深さ52(w/d)の比が約2〜約8となるように形成されている。
図8に概略的に示されるように、第1の構成60においては、溝34は、中央点64で出会うように直線的に傾斜した側壁62を含み得る。一実施例においては、側壁62は、半径方向軸及び/又は多角形のランド部32に対して斜行した角度で配置されている。例えば、直線的な斜面の側壁62は、半径方向軸から約40°〜約80°又は約55°〜約65°の角度63で配置されている。第2の構成66(図9)においては、同様の直線的な斜面の側壁62は、点64ではなく、ほぼ平坦な中央部68で出会う(接続している)。
第3の溝の構成70(図10)においては、溝34の全体が連続的な(変化する可能性がある)曲率72を有し得る。一構成においては、溝34の中央部における曲率半径は、1.0mm〜約8.0mmの範囲内にある。第4の構成74(図11)においては、側壁76の各々は、斜行する側壁76から中央部80までの移行に係る曲率半径78を含む。曲率半径78は、例えば、約0.25mm〜約2.0mm又は約0.4mm〜約0.8mmである。第5の構成82(図12)においては、斜面の側壁84の各々は、2つの曲率半径86,88を含み、これらの曲率半径86,88はそれぞれ、多角形のランド部32から側壁84までと、側壁84から中央部80までとで移行し得る。一構成においては、曲率半径86,88の各々は、例えば、約0.25mm〜約2.0mm又は約0.4mm〜約0.8mmであり得る。
最後に、第6の溝の構成90(図13)においては、直線的な斜面の側壁62が、曲率を有する中央部92で出会う(接続している)。図13に概略的に示されているように、中央部92は、内周側球面46上で実質的に整列している。これらの6つの溝の構成は、図示する目的で提示されていることを理解されたい。各図に明示されているものだけでなく、1つまたは複数のこれらの構成の組合せが使用され得る。
図2を再見すると、一構成においては、コア12の外面30のあちこちに約60個〜約90個の多角形のランド部32が配置されている。他の構成においては、コア12の外面30のあちこちに約100個〜約300個の多角形のランド部32が配置されている。更に他の構成においては、約100個〜約200個の多角形のランド部32例えば134個の多角形のランド部32、又は約200個〜約300個の多角形のランド部32例えば246個の多角形のランド部32が配置されている。多角形のランド部32は、外面30の全表面積の約25%〜約45%を占めていて、残りの面積を溝34が占めているとよい。
図2に概略的に示されるように、多角形の突起44及び多角形のランド部32は、少なくとも2つの互いに直交する対称面100,102を形成するように、面30の全体に配置され得る。更に特定の実施例においては、初めの2つの平面100,102のいずれとも直交する第3の対称面104が更に存在し、3つのすべての平面がコア12の幾何学的中心で交差する。この態様においては、外面30に凹凸が付されているにも拘わらず、コア12は、質量分布の「均衡(バランス)」がとれている。
いくつかの実施例においては、外面30に付された多角形の突起44と多角形のランド部32の配置は、これらを互いに分離/画定している溝のパターンを使うと説明し易い。例えば、図14に示されるように、一実施例においては、第1の組の環状の溝110は、第1の軸112の周りに配置され、第2の組の環状の溝114は、第2の軸116の周りに配置される。図14に示されている破線は、単に基準となる溝の位置を特定するためのものである。図示されているように、第1の軸112と第2の軸116が相互に直交し、コア12の幾何学的中心で交差し得る。加えて、第1の軸112と第2の軸116のそれぞれに直交している第3の軸120(すなわち、ドットで示されている軸120が紙面の法線方向に延びている)の周りに、第3の組の環状の溝118が配置され得る。第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝110,114,118が協働して、複数の四角形の突起及び/又はランド部120を画定し得る。四角形のランド部の各々の四辺が、真直ぐな端縁セクション(断面)又は(例えば、コア12の曲率に起因して)少し弧を描く形状の端縁セクション(断面)のいずれかから構成され得る。一構成においては、多角形のランド部32の80%よりも多くが四角形のランド部120であるとよい。
環状の溝100,104,108の各組は、例えば、それぞれの軸112,116,120の周りに、互いに離間して配置された少なくとも3つの環状の溝を含む。他の構成においては、図14に示されるように、環状の溝110,114,118の各組は代わりに、少なくとも4つの環状の溝を含み得る。図3の断面図に最も明確に示されているように、それぞれの組におけるいずれか2つの隣り合う溝は、例えば、約8mm〜約16mmの距離122だけ離間している。
図14を再見すると、第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝110,114,118の各々が協働して、8つのほぼ三角形の形状のセクションつまり領域124を画定しており、それぞれの軸112,116,120によって画定された8分儀内に1つずつ三角形セクションが配置されている。各三角形セクション124内に、複数の付属的な溝126が配置され、それぞれの三角形セクション124内に、少なくとも3つの長方形以外の多角形のランド部128が部分的に画定され得る。一実施例においては、少なくとも3つの長方形以外の多角形のランド部128の各々が、三角形、五角形、六角形及び八角形からなる群から選択された多角形の周辺形状を有する。
図15は概して、複数層を有するゴルフボール10の断面130を示す。図示されているように、中間層14は、コア12を取り囲むとともに、該コア12の外面30全体を覆うように該外面30に結合されている半径方向内周側に面している面132を含む。この態様においては、中間層14は、中間層14とコア12の間にボイド(空隙)を残すことなく、コア12を完全に取り囲んでいる。この結合は、材料間の直接的な材料の接触(すなわち、物理的な結合)を介して、或いは、コア12と中間層14との間に配置された1つ又は複数の薄い接着剤又は接着促進層(すなわち、化学結合)を介して生じ得る。一実施例においては、ポリマー材料から形成された薄い接着層がコア12の周りに配置されていて、その半径方向の厚さは最大でも約1.0mmよりも短い。
図15に更に示されているように、コアは概して、(半径方向外周側の球面42及び/又は多角形のランド部32までの測定で)約24mm〜約32mmの直径134を有し得る。加えて、中間層14は、約4.0mm〜約9.0mmの最小の半径方向の厚さ136を有し得る。いくつかの実施例においては、多層のボール10において、第1の中間層14とカバー層18との間に第2の中間層16が含まれている。このような構成においては、第2の中間層16とカバー層18を合わせた厚さ138は、最も薄い点においては最大でも約2.5mmの厚さであるとよい。
図16は、本明細書の説明に従って構成されたコア12の一実施例を示している。この実施例においては、A,B,C,D,Eの印が付された5種類のランド部がある。第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝110,114,118が協働して、ランド部A,B,C(これらはすべて四角形の形状であるが表面積が若干異なる)を画定する。ランド部D,Eは、各三角形セクション124内に存在し、ランド部Dは四角形(菱形)であり、ランド部Eは五角形であり得る。この態様(すなわち、溝34によって複数の多角形の突起44が互いに分離された態様)となるようにコア12に凹凸を付すると、コア12の表面積が約5%〜約25%だけ増加し得る。この実施例においては、四角形以外の形状のランド部(すなわち、ランド部E)が、ランド部の総数の約5%〜約15%を占めている。
ゴルフボールの製造及び材料パラメータ
ゴルフボール10は、概して、1つ又は複数の射出成形工程又は圧縮成形工程を経て形成され得る。例えば、一実施例においては、複数層のゴルフボール10を製造することは、射出成形を用いてコア12を形成するステップと、コア12の周りに1つ又は複数の冷間形成済み又は一部が硬化済みの中間層14,16を圧縮成形するステップと、射出成形又は圧縮成形を用いて中間層14の周りにカバー層18を形成するステップと、を含み得る。
図17A及び図17Bに概略的に示されているように、コア12を形成するのに用いられる射出成形の際に、2つの半球形の形状のダイ(金型)150,152が協働して、モールドキャビティ154を形成し、このモールドキャビティ154には、熱可塑性材料156が軟らかい状態で充填され得る。半球形の型成形用ダイ150,152は、一実施例においては、コア12の対称面100,102,104に沿って整列しているパーティングライン158の位置で整合する。一実施例においては、コア12を形成するために、ASTM D1525に準拠した測定で約50℃〜約60又は約52℃〜約55℃のビカット軟化温度を有するような熱可塑性アイオノマが使用される。適切な熱可塑性アイオノマ材料としては、E.I.du Pont de Nemours and Company社から市販されている商品名Surlyn(登録商標)がある。適切な熱可塑性材料の具体的な例については後述する。
材料156は、周囲の温度まで冷やされると固化し、型成形用ダイから取り出される。固化したコア12のダイからの取り出し易さは、外面30の凹凸の程度に反比例し得る。例えば、溝34(すなわち、逃げ溝と呼ばれる)が深いほど、モールド自体がコアの取出しを難しくする。コア12の本質的な収縮性とともに、熱可塑性材料に固有の適合性及び/又は柔軟性があることにより、いくらかの量の逃げ溝(アンダーカット)が可能となるが、2.0mよりも深い溝については、固体の半球形のモールドを使用してコアを製造する能力を制限してしまう可能性と、製造コストや複雑性を著しく増やしてしまう可能性がある。複数の溝34が斜行した側面42を有することにより、逃げ溝の量を減少させ、より深い最大の溝の深さを可能にすることができる。
コア12が形成され、モールドから取り出された後、モールディング・フラッシュが、切断、研削、研磨、研磨媒体を使っての転動、及び/又は極低温フラッシュ除去の種々の組合せを使ってボールから除去され得る。フラッシュを除去することに続いて、接着剤ないし結合剤が、噴霧、転動及び/又は浸漬などを用いて、外面30に塗布され得る。加えて、この段階で、続いての接着性を高めるために、粗面化機械加工、プラズマ処理、コロナ放電処理及び化学処理などのうちの1つ又は複数の面処理も行われ得る。使用され得る接着剤や結合剤の適切な例としては、エチレンと酢酸ビニルのコポリマーなどのポリマー系接着剤、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びセルロース樹脂などの2成分の接着剤、架橋剤(従って、例えば、ポリエポキシ樹脂用にポリアミン酸又はポリカルボン酸(ポリカルボキシル酸)の架橋剤を使うこと、ポリアルコール機能性樹脂用にポリイソシアネート架橋剤を使うことなど)、或いはシラン系結合剤ないしシラン系接着剤があるが、これらに限定しない。粗面化機械加工、プラズマ処理、コロナ放電処理又は化学的処理などの表面処理を伴って或いは伴うことなく、接着剤ないし結合剤が使用され得る。
種々の表面コーティング/前処理が(必要に応じて)施され/実行された後、例えば圧縮成形プロセス又は続いての射出成形プロセスを用いて、コア12の周りに中間層14が形成され得る。圧縮成形の際に、2つの冷間形成済みの及び/又は予備硬化済みの半球形のブランクがコア12の周りに圧入され得る。適切なダイが、位置決めされた後、ブランクの外側を加熱及び/又は加圧することにより、これらのブランクを融合させつつ該ブランクを硬化/架橋させる。硬化プロセスの際に、加熱することにより、架橋が始まる前に、半球状のブランクに初期の軟化及び/又は溶融が生じる。加圧によって、溶融された材料がコア12の外面30と整合する形になる。硬化プロセスは、材料の温度が約200℃に近づき或いは超えたときに開始及び/又は加速され得る。一実施例においては、中間層14は、主ゴム(例えば、ポリブタジエン)、不飽和カルボン酸ないしこれの金属塩、及び過酸化有機物を含むゴム材料から形成され得る。適切なゴムの例及び具体的な配合については以下に提示する。
図18A〜図18Dは更に、コア12の周りに中間層14を圧縮成形するために用いられるプロセスの一実施例を示す。図18Aに示されるように、中間層は、ゴムストック160のピース(部品)として始まり、このゴムストック160は、該ストック160全体に亘って同質(ホモ)的に又は異質(ヘテロ)的に混合された1つ又は複数の架橋剤及び/又はフィラーを含む。ストック160は、1つ又は複数の切断、打抜き加工(スタンピング)又は押圧プロセスを経てほぼ半球形のブランク162(図18Bに示されている)となるように冷間形成され得る。
図18Cに概略的に示されるように、2つの圧縮型成形用ダイ164,166が、球形の金属コア172を挟んで、互いに対向するブランク168,170と対を形成する。この段階において、ブランク168,170は、(許容公差の範囲内の)真の半球形の形状を保つことができるように、冷間形成されるか、加熱されて部分的に硬化されるとよい。最後に、図18Dに示されるように、球形の金属コア172は、凹凸のある熱可塑性のコア12に置き換えられ、ブランク168,170は、第2の対の向き合った型成形用ダイ172,174(前段で使用されたダイ164,166と同じでも異なるものでもよい)によって2度目の圧縮成形がなされ得る。この段階で、ダイ172,174が、モールドキャビティ内にブランク168,170を流動させるのに充分な量で加熱と加圧を行うことにより、これらのブランクの内部が架橋され、互いに融合するようになる。内方ボール(すなわち、互いに結合されたコア12と中間層14)は硬化後、モールドから取り出される。
カバー18は、1つ又は複数の中間層14,16を概ね取り囲み、ボール10の最外面を画定し得る。カバーは概して、最大で約1000psiの曲げ弾性率を有する熱可塑性ポリウレタンなどの熱可塑性材料から形成され得る。他の実施例においては、カバーは、E.I.du Pont de Nemours and Company社から市販されているSurlyn(登録商標)などのアイオノマから形成される。カバーに熱可塑性ポリウレタンが使用される場合、ボールについてのショアD硬度スケールでの測定で約65の最大硬度となり得る。他の実施例においては、熱可塑性ポリウレタンのカバーである場合には、ボールについてのショアD硬度スケールでの測定で約60の最大硬度となる。カバー層を形成するのに他のアイオノマが使用される場合、カバーは、ショアD硬度スケールでの測定で約72の最大硬度を有し得る。
複数層のボール10を構築するのに第2の中間層16が利用される場合、第2の中間層16は、ショアD硬度スケールでの測定で、カバー層の硬度よりも高く少なくとも約63の硬度を有し得る。
一実施例においては、コア12に使用される熱可塑性材料は、約10,000psiの最大曲げ弾性率(ASTM D790に準拠して測定された曲げ弾性率)を有し、そのような熱可塑性材料としては、E.I.du Pont de Nemours and Company社から市販されているSurlyn(登録商標)の等級(グレード)8120,8320,9320などがあり、或いは、熱可塑性材料は、約6000psi〜約7000psi、更には約6300psi〜約6700psiの曲げ弾性率を有するものなどがある。コア12に使用されるアイオノマ材料は、曲げ弾性率により特性されることに加えて(或いは代替的に)、ボールについてのショアD硬度スケールでの測定で約40の最大硬度を有し得る。代替的な実施例においては、材料は、ショアD硬度スケールでの測定で約30〜約40、又は約32〜約36の硬度を有する。ショアD硬度スケールに関する硬度は、ASTM D2240に準拠して測定されるが、この特定の適用においては、ボールの曲面のランド領域、又はボールのサブ層について(概して「ボールについて」という)測定されている。この技術分野において知られているように、このように測定される硬度は、平板つまり材料の中心の硬度から、相関性のない非線形的な変化をすることが多いが、その理由は、例えば根底の層からの影響を受けることによる。曲面であることから、面硬度を読み取る前に、デュロメータのインジケータでゴルフボールないしゴルフボールアセンブリを中心に据えるように注意する必要がある。また、例えば、ディンプルの付された面のカバーの測定がディンプル間のランド(フレット)領域上でなされるように、均等な領域を測定するように注意する必要がある。ショアD硬度に加えて、コア12は、ボールについて標準JIS−C硬度計を使用してのJIS−Cスケールの測定で34〜70の硬度を有し得る。
「圧縮変形値」とは、130kgの荷重を受けたときの変形量から10kgの荷重を受けたときの変形量を減算した値のことである。10kg―130kgの圧縮変形値を測定するために、10kgの荷重を受けたボールの変形量が測定され、その後、130kgの荷重に変えて、新たに130kgの荷重を受けたときの変形量が測定される。130kgでの変形量から10kgでの変形量を減算することにより、「10kg―130kgの圧縮変形値」が得られる。
現在の複数層のゴルフボールにおいては、コア12は、約3.5mm〜約5.5mmの10kg―130kg圧縮変形値(C1)を有し得る。内方ボールを形成するためにコア12と中間層14とが結合されると、内方ボールは、C1よりも小さいが少なくとも約2.7mmの10kg−130kg圧縮変形値(C2)を有し得る。一実施例においては、C2は、約2.7mm〜約3.5mmである。ボール全体(すなわち、コア、中間層及びカバー)として測定されると、ボールは少なくとも約2.3mm、又は約2.5mm〜約3.5mmの10kg―130kg圧縮変形値(C3)を有し得る。一実施例においては、C2/C1の比は、約0.6〜約0.8である。
一実施例においては、40m/秒の初速度において最大で約0.8の反発係数、又は約0.77〜約0.8の反発係数を有するように設計されている。本発明における反発係数つまりCORは、概ね以下の手続きにより測定され得る。最初に、速度監視装置がエアキャノンから0.6m〜0.9mの範囲を測定するように配置されている状態で、ゴルフボールがエアキャノンによって初速40m/秒で発泡される。エアキャノン(空気砲)から約1.2mだけ離れた位置に配置された金属プレートに衝突した後、被験物体が速度監視装置を通るように跳ね返る。跳ね返り速度を初速で除算した値がCORである。
上述したように、いくつかの実施例においては、上述した凹凸の付されたコア12においては、凹凸の付されていない球体と比較して、コア12の表面積が約5%〜約25%だけ増加する。コアの表面積152が増大することにより、コア12と中間層14との間の最終的な接着強度154が大きくなり得る。このような接着性の増大は、ひいては、それぞれの層間の荷重移行の効率を向上させ得る。
層間の最終的な接着強度154を増大させることに加えて、ボール衝撃データが示すところによると、最大の溝の深さが約0.2mm〜約0.6mmである凹凸の付されたコアは、様々なクラブ型式に亘って、ボール初速を上げ、高い弾道と抑えられたスピンを実現する。これらはすべて、特定のボールの打撃を受けて飛距離を最大するのに有利な特質である。以下の表1は、図16に示されるのと同様に設計され約0.5mmの最大の溝深さを有する特定のボールの打撃データをまとめたものである。
Figure 2016526444
ボール打撃テストは、複数のボールの打撃に亘って同じクラブの動きを反復できる自動打撃マシンを使って行われる。打撃マシンは、実際のゴルフスウィングのようにクラブヘッドを回転させる遠心リスト付きのサーボモータによって駆動される回転アームを有する。打撃マシンは、所望のゴルフボール打上げ条件を実現するように調節された複数のパラメータによって制御することができる。テスト機械のスウィングモーションは、概して、現実のスウィングプロファイルと打上げ条件(例えば、アマチュアからプロの選手までに亘る)を模倣するように設計されている。初期のボール打上げパラメータは、ゴルフボールの飛翔パラメータを追跡するために特別に設計された光学的及び/又はレーダのシステムによって監視され得る。
ゴルフボールの材料組成
中心(コア)層及び中間層の各々は、1つ又は複数のエラストマ材料から形成される場合もあれば、1つ又は複数のエラストマでない材料から形成される場合もある。エラストマ材料としては、熱可塑性エラストマがあり、熱硬化性エラストマとしては、ゴムや架橋ブロックコポリマーのエラストマがある。ゴルフボールの中心(コア)、中間層の各々、及びカバーをつくるのに使用され得る適切な熱可塑性エラストマの例としては、追加的なコポリマーからなる金属カチオンのアイオノマ(「アイオノマ樹脂」)、メタロセン触媒作用を受けたエチレンと4個〜約8個の炭素原子を有するα−オレフィンとのブロックコポリマー、熱可塑性ポリアミドのエラストマ(ポリエーテルブロックポリアミド)、熱可塑性ポリエステルのエラストマ、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)、ポリ(スチレン−エチレン−co−ブチレン−スチレン)及びポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)などの熱可塑性スチレンブロックコポリマーのエラストマ、熱可塑性ポリウレタンのエラストマ、熱可塑性ポリ尿素のエラストマ、並びにこれらの熱可塑性エラストマ内の及び他の熱可塑性マトリックス・ポリマー内の動的加硫ゴムがあるが、これらに限定しない。中心(コア)、各中間層及びカバーが、熱硬化性材料特には架橋エラストマからつくられているとよい。特には、中心(コア)と各中間層がゴムからつくられているとよい。
アイオノマ樹脂は、エチレン性不飽和の酸の追加的なコポリマーの金属カチオンのアイオノマである。好ましいアイオノマとしては、少なくとも1つのαオレフィン、少なくとも1つのC3〜8のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、及び選択的な他のコモノマーがある。コポリマーは、エチレン性不飽和のエステルなどの少なくとも1つの柔軟化モノマー(例えば、C〜Cのアルキルアクリル酸塩(アクリル酸アルキル)又はメタクリル酸エステルなどの酢酸ビニル又はアルキルアクリル酸)をコモノマーとして含み得る。
アイオノマ・コポリマー内の酸性モノマー単位の重量百分率は、酸性コポリマー(酸共重合体)の全重量を基準として、下限が約1重量%、約4重量%、約6重量%、約8重量%、約10重量%、約12重量%、約15重量%又は約20重量%、上限が約20重量%(ただし下限が20重量%ではない場合に限る)、約25重量%、約30重量%、約35重量%又は約40重量%の範囲内にあるとよい。α,β−エチレン性不飽和酸は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸及びこれらの組合せから選択されることが好ましい。様々な実施例において、アクリル酸とメタクリル酸が特に好ましい。
酸性モノマーは、エチレンとプロピレンから選択されたα−オレフィンと共重合されることが好ましい。アイオノマ・コポリマー内のα−オレフィン単位(ユニット)の重量百分率は、酸性コポリマーの全重量を基準として、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%又は少なくとも約60重量%であり得る。
特定の好ましい実施例においては、特にカバー用としては、アイオノマは、α−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸以外の他のコモノマーを含まない。他の実施例においては、柔軟化コモノマーが共重合されている。適切な柔軟化コモノマーの例としては、炭素数が3個〜8個のα,β‐エチレン性不飽和カルボン酸があり、特には、アルキル基が1〜8個の炭素原子を有する、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、t−メタクリル酸ブチル(t−ブチルメタクリル酸塩)、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びこれらの組合せなどあるが、これらに限定しない。アイオノマが柔軟化コモノマーを含む場合には、柔軟化コモノマー単位は、コポリマーの重量百分率で、下限がコモノマーの0重量%よりも多いかコポリマーの約1重量%、約3重量%、約5重量%、約11重量%、約15重量%又は約20重量%、上限がコポリマーの約23重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%又は約50重量%の範囲内の割合で存在し得る。
酸含有エチレンコポリマーの具体例としては、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリル酸塩(アクリル酸ブチル)、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリル酸塩(アクリル酸ブチル)、エチレン/メタクリル酸、アクリル酸イソブチル、エチレン/アクリル酸/アクリル酸イソブチル、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルメタクリル酸塩(メタクリル酸ブチル)、エチレン/アクリル酸/メタクリル酸メチル、エチレン/アクリル酸/アクリル酸メチル、エチレン/メタクリル酸/アクリル酸メチル、エチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル、及びエチレン/アクリル酸/n−ブチルメタクリル酸塩(メタクリル酸ブチル)のコポリマーがある。好ましい酸含有エチレンコポリマーとしては、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリル酸塩(アクリル酸ブチル)、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリル酸塩(アクリル酸ブチル)、エチレン/メタクリル酸/アクリル酸メチル、エチレン/アクリル酸/アクリル酸エチル、エチレン/メタクリル酸/アクリル酸エチル、及びエチレン/アクリル酸/アクリル酸メチルのコポリマーがある。様々な実施例において、最も好ましい酸含有エチレンコポリマーとしては、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリル酸塩(アクリル酸ブチル)、エチレン/(メタ)アクリル酸/アクリル酸エチル、及びエチレン/(メタ)アクリル酸/アクリル酸メチルのコポリマーがあるが、これらに限定しない。
エチレン−酸性コポリマーの酸機能部は、種々の金属カチオンによって中和され得る。適切なカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、亜鉛、アルミニウム、ビスマス、クロム、コバルト、銅、ストロンチウム、チタン、タングステン、又はこれらのカチオン(様々な実施例において、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は亜鉛金属のカチオンであることが好ましい)の組合せであることが好ましい。様々な実施例において、アイオノマの酸グループは、約10%、約20%、約30%又は約40%から、約60%、約70%、約75%、約80%、約90%又は約100%まで中和され得る。
アイオノマ樹脂は、高度な酸性アイオノマ樹脂であり得る。概して、中和されていないエチレン−酸性コポリマーの全重量を基準として少なくとも約16重量%の共重合された酸の残余を含む酸性コポリマーを中和することによって用意されるアイオノマは、「高度な酸性」アイオノマであると考えられる。これらの高度な率のアイオノマにおいては、酸性モノマー特にはアクリル酸又はメタクリル酸が、約16重量%〜約35重量%存在する。様々な実施例において、共重合されたカルボン酸は、中和されていないコポリマーの約16重量%、約17重量%、約18.5重量%又は約20重量%から、約21.5重量%、約25重量%、約30重量%又は約35重量%までの範囲内で存在する。高度な酸性アイオノマ樹脂は、「低酸性の」アイオノマ樹脂と組み合わされ、この組合せにおいて、共重合されたカルボン酸は、中和されていないコポリマーの16重量%未満である。
様々な好ましい実施例において、アイオノマ樹脂は、充分に高い分子量を有し、単量体で、かつ単官能性の有機酸ないし有機酸の塩を酸性コポリマーないしアイオノマに加えることにより、プロセス(処理)可能性を失うことなく、アイオノマ単独でメルト加工不可能となってしまうレベルよりも高いレベルにまで酸性コポリマーないしアイオノマが中和されるように、酸性コポリマーないしアイオノマが形成される。モノマーの、単官能基の有機酸ないしこれの塩は、結果的に生じるアイオノマがメルト加工可能な中和レベルであるならば、約1%〜約100%の中和レベルにまで中和される前に或いは一部が中和された後、エチレン性不飽和酸性コポリマーに添加され得る。概して、モノマーの、単官能基の有機酸が含まれている場合、コポリマーの酸機能部が、プロセス(処理)可能性を失うことなく、少なくとも約40%〜約100%、好ましくは少なくとも約80%〜約100%、更に好ましくは少なくとも約90%〜約100%、更にまた好ましくは少なくとも約95%〜約100%、最も好ましくは約100%が中和されているとよい。プロセス(処理)可能性を失うことなく、このような高度の中和特に少なくとも約80%又は少なくとも約90%又は少なくとも約95%又は最も好ましい100%の中和を行うことは、(a)エチレンα,β−エチレン性不飽和カルボン酸コポリマー又は該コポリマーのメルト加工可能な塩と、有機酸ないし該有機酸の塩と、を溶融ブレンドすること、(b)混合物内のすべての酸の部分の中和レベルを少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%又は好ましくは約100%にまで上昇させるために、コポリマーないしアイオノマ及び有機酸ないし有機酸塩に含まれるすべての酸を中和するのに必要な量の110%まで充分な量のカチオン源を加えること、による。100%の中和度を得るためには、化学量論的に100%の中和度を得るのに必要な量よりも若干多い110%を上限とするカチオン源を加えることが好ましい。
好ましいモノマーの単官能基の有機酸は、6個、約8個、約12個又は約18個の炭素原子から、約36個又は35個までの炭素原子を有する脂肪族又は芳香族の飽和酸又は不飽和酸である。適切なモノマーの単官能基の有機酸の例としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、べヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸、安息香酸、パルミチン酸、フェニル酢酸、ナフタレン酸及びこれらから派生した二量体、並びにこれらの塩特にはバリウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、ビスマス塩、クロム塩、コバルト塩、銅塩、カリウム塩、ストロンチウム塩、チタン塩、タングステン塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩があるがこれらに限定されない。これらは種々の組み合わせで用いられ得る。
多くの等級のアイオノマ樹脂が市販されており、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Company,Inc.社の商品名Surlyn(登録商標)や、ExxonMobil Chemical社の商品名IotekTM及びEscorTM、又はHoneywell International Inc.社の商品名AClyn(登録商標)がある。様々な等級が組み合わされて使用され得る。様々な好ましい実施例において、アイオノマ樹脂は、E.I.du Pont de Nemours and Company,Inc.社が製造するDuPontTMHPF2000やAD−1035などの、アクリル酸またはメタクリル酸の型式の高度に中和されたアイオノマ樹脂である。
ゴルフボールをつくるのに、熱可塑性ポリオレフィンのエラストマも使用され得る。これらは、シングルサイトのメタロセン触媒作用を受けて用意されたエチレンと、4個〜8個の炭素原子を有するα−オレフィンとのメタロセン触媒作用を受けたブロックコポリマーであり、例えば、シクロペンタジエニル−遷移金属化合物とアルモキサンからなる触媒システムの存在下において高圧プロセスで用意される。α−オレフィン柔軟化コモノマーの例としては、ヘキサン−1又はオクテン−1がある(使用するのに好ましいコモノマーはオクテン−1である)がこれらに限定しない。これらの材料は市販されており、例えば、ExxonMobil社の商品名ExactTMやDow Chemical Company社の商品名EngageTMがある。
様々な好ましい実施例において、ゴルフボールはポリオレフィンのエラストマ特には言及したばかりの熱可塑性ポリオレフィンのエラストマのうちの1つを含む。コアの中心は、ポリオレフィンのエラストマとアイオノマ樹脂との合計の重量を基準として、約5重量%〜約50重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%のポリオレフィンのエラストマを含み得る。
一実施例においては、コアの中心又は中間層は、エチレンとアクリル酸及びメタクリル酸のうちの少なくとも一方とからなるコポリマーと、メタロセン触媒作用を受けたエチレンと4個〜約8個の炭素原子を有するα−オレフィンとからなるコポリマーと、不飽和脂肪酸の金属塩と、からなる金属アイオノマの組合せで形成されている。そして、これは、Statzらの特許文献1、又は、Kennedyが発明の名称「Process for Making Thermoplastic Golf Ball Material and Golf Ball with Thermoplastic Material」として2013年3月15日に出願した特許文献2に記載の通りに用意され得る(特許文献1と特許文献2の両方の記載内容のすべてが本願の参照となる)。
ゴルフボールにおける中心(コア)、中間層又はカバーに使用され得る適切な熱可塑性スチレン・ブロックコポリマーとしては、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)、ポリ(スチレン−エチレン−co−ブチレン−スチレン)、ポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)、及びポリ(スチレン−エチレン−co−プロピレン)コポリマーがある。これらのスチレン・ブロックコポリマーは、リビング・アニオン重合に続いて、スチレンとジエン(例えば、開始剤としてブチルリチウムを使う)が、柔軟なブロックを形成することにより用意され得る。熱可塑性スチレン・ブロックコポリマーのエラストマは、例えば、テキサス州ヒューストン所在のKraton Polymers U.S.LLC社から商品名KratonTMとして市販されている。他のそのようなエラストマは、スチレンの代わりに、メタクリル酸メチルやメタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル、及びアルキルスチレンなどの他のビニルアリール(vinyl arylenes)などの重合可能な硬い非ゴムのモノマーを使用することにより、ブロックコポリマーとして形成され得る。
熱可塑性ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン及びポリカーボネート−ポリウレタンなどの熱可塑性ポリウレタン・エラストマは、コアやカバーの熱可塑性材料として使用され得る。熱可塑性ポリウレタン・エラストマとしては、ジオール重合体反応物のポリエーテルとして使用する重合化されたポリウレタンや、ポリカプロラクトンポリエステルなどのポリエステルがある。そのようなジオール重合体をベースとしたポリウレタンは、ジオール重合体(ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリテトラヒドロフランジオール又はポリカーボネートジオール)と、1つ又は複数のポリイソシアネートと、選択的に1つ又は複数の鎖延長剤の化合物と、を反応させることによって用意される。本明細書中で使用される「鎖延長剤の化合物」との用語は、イソシアネート基と反応する1つ又は複数の官能基を有するジオール、アミノアルコール及びジアミンなどの化合物のことである。ジオール重合体をベースとしたポリウレタンは実質的に線形(鎖式)である(すなわち、反応物のほぼすべてが二官能性である)。
ポリウレタン・エラストマをつくるのに使用されるジイソシアネートは、芳香族又は脂肪族であるとよい。熱可塑性ポリウレタンを用意するのに使用される有用なジイソシアネート化合物としては、イソホロン・ジイソシアネート(IPDI)、メチレンbis−4−シクロヘキシル・イソシアネート(H12MDI)、シクロヘキシル・ジイソシアネート(CHDI)、メタテトラメチルキシレン・ジイソシアネート(m−TMXDI)、パラテトラメチルキシレン・ジイソシアネート(p−TMXDI)、4,4’−メチレンジフェニル・ジイソシアネート(MDI、別名4,4’−ジフェニルメタン・ジイソシアネート)、2,4−トルエン・ジイソシアネート又は2,6−トルエン・ジイソシアネート(TDI)、エチレン・ジイソシアネート、1,2−ジイソシアネートプロパン、1,3−ジイソシアネートプロパン、1,6−ジイソシアネートヘキサン(ヘキサメチレン・ジイソシアネート(HDI))、1,4−ブチレン・ジイソシアネート、リジン・ジイソシアネート、メタキシレン・ジイソシアネート、パラキシレン・ジイソシアネート、4−クロロ−1,3−フェニレン・ジイソシアネート、1,5−テトラヒドロ−ナフタレン・ジイソシアネート、4,4’−ジベンジル・ジイソシアネート、キシレン・ジイソシアネート(XDI)及びこれらの組合せがあるが、これらに限定しない。分岐熱可塑性ポリウレタンを生産するために(選択的に、単官能性アルコールまたは単官能性イソシアネートと共に)制限量で使用され得る高官能性ポリイソシアネートの例としては、1,2,4−ベンゼントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、ビシクロペンタントリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ジイソシアネートのイソシアヌレート、ジイソシアネートのビウレット、ジイソシアネートのアロファネート(アロファン酸エステル)等があるが、これらに限定しない。
延長剤として使用され得る適切なジオールの例としては、エチレングリコール及びエチレングリコールの低分子のオリゴマー(ジエチレングリコールとトリエチレングリコールとテトラエチレングリコールを含む)、プロピレングリコール及びプロピレングリコールの低分子のオリゴマー(ジプロピレングリコールとトリプロピレングリコールとテトラプロピレングリコールを含む)、シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−プロパンジオール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノンとレゾルシノールからなるbis(2−ヒドロキシエチル)エーテルなどのジヒドロキシアルキル化された芳香族化合物、パラキシレン−α,α’−ジオール、パラキシレン−α,α’−ジオールのbis(2−ヒドロキシエチル)エーテル、メタキシレン−α,α’−ジオール、並びにこれらの組合せがあるが、これらに限定しない。少なくとも2つの活性水素基を含む活性水素含有鎖延長剤として他に使用されるものとしては、例えば、ジチオール(ジメルカプロール)、ジアミン、或いはヒドロキシアルキルメルカプタンなどのヒドロキシル基、チオール基及びアルカノールアミンやアミノアルキルメルカプタンなどのアミノ基の混合物を含むコンパウンド(化合物)等がある。適切なジアミン延長剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン及びこれらの組合せがあるが、これらに限定しない。他の典型的な鎖延長剤としては、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン及びこれらの組合せなどのアミノアルコールがあるが、これらに限定しない。鎖延長剤の分子量は、約60〜約400の範囲内にあることが好ましい。好ましいのは、アルコールとアミンである。
二官能性の延長剤に加えて、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール及びグリセロールなどの少量の三官能性の延長剤、又はブタノール、ジメチルアミンなどの単機能性の活性水素化合物も存在し得る。使用される三官能性の延長剤又は単官能性の化合物の量は、例えば、反応生成物と、使用される活性水素含有基との総重量を基準として5.0当量%以下である。
熱可塑性ポリウレタンのエラストマを形成するのに使用されるポリエステルジオールは、概して、1つ又は複数のポリ酸化合物と、1つ又は複数のポリオール化合物との縮重合によって用意される。ポリ酸化合物とポリオールの化合物は、二官能性(すなわち、実質的に鎖式のポリエステルジオールを用意するのに使用される二酸の化合物やジオール)であることが好ましいが、若干分岐しているものの架橋されていないポリエステルポリオール成分を提供する少量の単官能性、三官能性、更に高官能性の材料も含まれ得る。適切なジカルボン酸としては、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸(dodecanedioic acid)、これらの無水物及び重合可能エステル(例えば、メチルエステル)及び酸ハロゲン化物(例えば、酸塩化物)、並びにこれらの混合物があるが、これらに限定しない。適切なポリオールとしては上記のものがあり、特にはジオールがある。エステル化重合させるための典型的な触媒としては、プロトニック(ブレンステッド)酸、ルイス酸、チタンアルコキシド及びジアルキルスズ酸化物がある。
熱可塑性ポリウレタンのエラストマを用意するためのポリエーテル重合体つまりポリカプロラクトンジオール反応物は、ジオール開始剤(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール又はプロピレングリコール)と、ラクトン酸化物つまりアルキレン酸化物の鎖延長剤とを反応させることにより得られる。活性水素によって開環され得るラクトンは、当技術分野で周知である。適切なラクトンの例としては、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン(β−propriolactone)、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−デカノラクトン、δ−デカノラクトン、γ−ノナラクトン、γ−オクタノラクトン及びこれらの組合せがあるが、これらに限定しない。好ましい一実施例においては、ラクトンはε−カプロラクトンである。有用な触媒としては、上述したポリエステル合成用の触媒がある。或いは、ラクトン環と反応するべき分子上にヒドロキシル基のナトリウム塩を形成することにより、反応が開始され得る。他の実施例においては、ジオール開始剤がオキシラン含有化合物と反応して、ポリウレタン・エラストマの重合で使用されるべきポリエーテルジオールが生成する。アルキレン酸化物重合体のセグメントとしては、エチレン酸化物、プロピレン酸化物、1,2−シクロヘキセン酸化物、1−ブテン酸化物、2−ブテン酸化物、1−ヘキセン酸化物、t−ブチルエチレン酸化物、フェニルグリシジルエーテル、1−デセン酸化物、イソブチレン酸化物、シクロペンテン酸化物及び1−ペンテン酸化物の重合生成物、並びにこれらの組合せがあるが、これらに限定しない。オキシラン含有化合物は、エチレン酸化物、プロピレン酸化物、ブチレン酸化物、テトラヒドロフラン及びこれらの組合せから選択されることが好ましい。アルケン酸化物の重合は、典型的には、塩基の触媒作用を受ける。重合は、例えば、ヒドロキシル官能性開始剤の化合物と、カリウム水酸化物、ナトリウムメトキシド又はカリウムt−ブトキシドなどの防腐剤の触媒量とを添加するとともに、アルケン酸化物を該モノマーの反応性を維持するのに充分な比率で加えることにより行われる。2つ以上の互いに異なるアルケン酸化物モノマーが、偶発的な添加によりランダム重合されるか、或いは続いての添加によりブロックポリマーとして重合され得る。エチレン酸化物若しくはプロピレン酸化物のホモポリマー又はコポリマーであることが好ましい。テトラヒドロフランは、SbF ,AsF ,PF ,SbCl ,BF ,CFSO ,FSO 及びClO のようなカウンターイオンを使用してのカチオン開環反応によって重合され得る。反応開始は、t−オキソニウムイオンを形成することによりなされる。ポリテトラヒドロフランのセグメントは、「リビング・ポリマー」として用意され、上記のような種々のジオールのヒドロキシル基と反応することにより終端され得る。ポリテトラヒドロフランは、別名ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)としても知られている。
熱可塑性ポリウレタンのエラストマをつくるのに使用され得る脂肪族ポリカーボネートジオールは、アルカリ金属、スズ又はチタン化合物のような触媒の存在下で、ジオールと、(炭酸ジエチルのような)炭酸ジアルキル、炭酸ジフェニル、又は(五員環や六員環を有する環状の炭酸塩などの)ジオキソラノン(dioxolanones)とが反応することにより用意され得る。有用なジオールとしては、上記の種々のジオールがあるが、これらに限定しない。芳香族ポリカーボネートは通常、ビスフェノール(例えば、ビスフェノールA)と、ホスゲン又は炭酸ジフェニルとの反応により用意される。
様々な実施例において、ジオール重合体の平均分子量の下限としては、少なくとも約500、好ましくは少なくとも約1000、更に好ましくは少なくとも約1800であるとよく、平均分子量の上限としては10,000まで考えられるが、ジオール重合体の平均分子量は約5000までであることが好ましく、特には4000までであるとよい。すなわち、ジオール重合体の平均分子量は500〜10,000の範囲内にあることが有利であり、好ましくは約1000〜約5000の範囲内にあり、更に好ましくは約1500〜約4000の範囲内にあるとよい。平均分子量は、ASTM D4274で測定され得る。
ポリイソシアネート、ジオール重合体及びジオール又は他の鎖延長剤の反応は一般に、触媒の存在下において、高温で行われる。この反応の典型的な触媒としては、オクタン酸スズ(stannous octoate)、ジラウリル酸ブチルスズ、ジブチル二酢酸スズ、ジブチルスズ酸化物、第三級アミン、亜鉛塩及びマグネシウム塩などの有機触媒がある。概して、ポリウレタン・エラストマについて、延長剤に対するポリエステルジオールなどのジオール重合体の比は、生成されたポリウレタン・エラストマの所望の曲げ弾性率に依存して比較的広い範囲内で変化し得る。例えば、ポリエステジオール/延長剤の当量比は、1:0〜1:12であり、好ましくは1:1〜1:8である。使用されるジイソシアネートの量に比例して、(イソシアネートの当量)/(活性水素含有材料の当量)の全体比は、1:1〜1:1.05の範囲内にあり、好ましくは1:1〜1:1.02の範囲内にある。ジオール重合体のセグメントは典型的には、ポリウレタンポリマーの約35重量%〜約65重量%であり、好ましくはポリウレタンポリマーの約35重量%〜約50重量%である。
適切な熱可塑性ポリ尿素のエラストマは、1つ又は複数のジアミン重合体つまりポリオールと、1つ又は複数の上述したポリイソシアネートと、1つ又は複数のジアミン延長剤と、の反応によって用意され得る。適切なジアミン延長剤の例としては、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、2−メチル−ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、イミノ−ビス(プロピルアミン)、イミド−ビス(プロピルアミン)、N−(3−アミノプロピル)−N−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ビス(3−アミノプロキシ)ブタン、ジエチレングリコール−(ジ(アミノプロピル)エーテル)、1−メチル−2,6−ジアミノ−シクロヘキサン、1,4−ジアミノ−シクロヘキサン、1,3−ビス(メチルアミノ)−シクロヘキサン、1,4−ビス(メチルアミノ)−シクロヘキサン、イソホロンジアミン、1,2−ビス(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン、1,4−ビス(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン、N,N’−ジイソプロピル−イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン、N,N’−ジアルキルアミノ−ジシクロヘキシルメタン、及び3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンがあるが、これらに限定しない。ジアミン重合体としては、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ジアミン、及びポリ(テトラメチレンエーテル)ジアミンがある。上述したアミノ官能性延長剤及びヒドロキシル官能性延長剤も使用され得る。一般にその前に、架橋を防ぐために、三官能性反応剤が制限量で使用されるか或いは単官能性反応剤との組合せで使用され得る。
適切な熱可塑性ポリアミドのエラストマは、(1)(a)シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、又は上記の種々の他のジカルボン酸などのカルボン酸と、(b)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、メタキシリレンジアミン又は上記の種々の他のジアミンなどのジアミンと、の重縮合、(2)ε−カプロラクタムやω−ラウロラクタムなどの環状ラクタムの開環重合、(3)6−アミノカプロン酸、9−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸の重縮合、(4)カルボン酸官能性ポリアミドブロックを用意するための環状ラクタムとジカルボン酸とジアミンとの共重合、上記(1)〜(4)に続いて、上記の種々のポリマーエーテルジオール(ポリオキシアルキレングリコール)と反応することにより得られる。重合反応は、例えば、約180℃〜約300℃の温度で実行され得る。適切なポリアミドブロックコポリマーの具体例としては、NYLON6、NYLON66、NYLON610、NYLON11、NYLON12、共重合化されたNYLON MXD6及びNYLON46のブロックコポリマーの型式のエラストマがある。
熱可塑性ポリエステルのエラストマは、水晶領域を形成する短い鎖を有するモノマーユニットのブロックと、比較的長い鎖を有するモノマーユニットを含む柔軟なセグメントのブロックと、を有する。熱可塑性ポリエステルのエラストマとしては、DuPont社から市販されているHytrel(登録商標)や、Arkema社から市販されているPebax(登録商標)がある。
熱可塑性エラストマの他の適切な例としては、ゴムの動的加硫を経て熱可塑性マトリックス内に組み込まれた硬化ゴムの分散領域を有するものがある。熱可塑性マトリックスは、これらの熱可塑性エラストマのいずれか又は他の熱可塑性ポリマーであり得る。そのような組成物の一つは、Voorheisらの特許文献3に記載されており、この特許公報は本願の参照となる。様々な実施例において、コアの中心は、ポリプロピレンのような非弾性マトリックス樹脂内のゴムの熱可塑性動的加硫物を含み得る。ExxonMobil社からSantopreneTMの商品名で市販されている熱可塑性加硫物は、ポリプロピレン内のEPDMの加硫領域であると考えられている。
可塑剤つまりポリマー柔軟剤も導入され得る。上記のアイオノマ重合体と共に導入され得るそのような可塑剤の一例としては、高分子量のモノマーの有機酸ないし有機酸塩があり、アイオノマ重合体としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸金属がある。ほとんどの熱可塑性エラストマについて、可塑剤を加えることなく低い硬度が要求される場合には、ハード(硬)セグメント〜ソフト(軟)セグメントの比率が調節される。
熱硬化性エラストマもまた使用され得る。特には、硬化ゴムがコアに使用され、架橋熱可塑性エラストマがカバーに使用される。
適切なベースゴムの例としては、高cis−1,4結合のポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン・イソブタジエンゴム、及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などのブタジエンがあるが、これらに限定しない。
様々な実施例において、中心(コア)又は中間層の多くが、ポリブタジエン、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の金属塩、及び過酸化有機物からなるゴム組成の硬化物を含む。特定の実施例においては、ポリブタジエンは、少なくとも約40のムーニー粘土(ML1+4(100℃))を有し、好ましくは約40〜約85のムーニー粘土を有し、更に好ましくは約50〜約85のムーニー粘土を有する。「ムーニー粘土(ML1+4(100℃))」は、回転式可塑度計の一型式であるムーニー粘土計を使ってJIS K6300に準拠して測定される。ML1+4(100℃)の用語において、「M」は、ムーニー粘土を示し、「L」は大型(L型)のロータを表し、「1+4」は、1分間の予備加熱時間と4分間のロータ回転時間を示す。「(100℃)」は、測定が100℃で行われることを示す。
特定の実施例においては、ポリブタジエンは、ブタジエンモノマー単位の総数を基準として、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、更に好ましくは少なくとも約90%、更にもっと好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも約98%のモノマー単位がcis−1,4結合を介して結合している。ポリブタジエン中のcis−1,4結合含有量が高いと、たいてい弾性が高い。更には、ポリブタジエンは、好ましくは2%未満、更に好ましくは1.7%未満、更にもっと好ましくは1.5%未満の1,2−ビニル結合含有量を有する。そのような高cis−1,4結合のポリブタジエンは、市販されているものを使用するか、或いは希土類触媒又はグループVIII(8族)の金属化合物触媒(好ましくは希土類触媒)を使って重合され得る。使用される希土類金属触媒の例としては、ランタニド系希土類化合物と、有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン担持化合物があるがこれらに限定せず、選択的にルイス塩基もある。適切なランタニド系希土類化合物の例としては、ハロゲン化合物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、及び原子番号57〜71の金属のアミド化合物がある。ネオジム触媒を使うことは、cis1,4−結合含有量が高くかつ1,2−ビニル結合含有量が低いポリブタジエンゴムが生じるので、特に有利である。他のゴムが含まれる場合に、高cis−1,4結合のポリブタジエンは、ベースゴムの総重量を基準として、少なくとも約50重量%であり、好ましくは少なくとも約80重量%であるとよい。
ゴム組成物は、架橋剤ないし共架橋剤として働く不飽和カルボン酸ないし不飽和カルボン酸の金属塩を含み得る。そのような不飽和カルボン酸ないしこれの塩は、概して、マグネシウム塩や亜鉛塩として使用され得るアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸及びフマル酸などの3個〜8個の炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和の酸であり得る。好適な共架橋剤の具体例としては、ジアクリル酸亜鉛、ジアクリル酸マグネシウム、ジメタクリル酸亜鉛及びジメタクリル酸マグネシウムがある。不飽和カルボン酸またはこれの塩の量は、ベースゴムの重量を100重量部とすると、典型的には約10重量部〜50重量部であり、好ましくは約15重量部〜約45重量部であるとよい。
ゴム組成物は、フリーラジカル開始剤ないし硫黄化合物を含む。適切な開始剤としては、過酸化ジクミル、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、α,α−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチル過酸化物がある。有機過酸化物の量は、ベースゴムを100重量部とすると、典型的には、少なくとも約0.1重量部、好ましくは少なくとも約0.3重量部、更に好ましくは約0.5重量部の下限から、約3.0重量部の上限(好ましくは約2.5重量部の上限)までの範囲内にあるとよい。適切な硫黄化合物の例としては、チオフェノール、チオナフトール、ハロゲン化チオナフトール及びこれらの金属塩があり、例えば、ペンタクロロチオナフトール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール及びこれらの亜鉛塩がある。ポリ硫化ジフェニル、ポリ硫化ジベンジル、ポリ硫化ジベンゾイル、ポリ硫化ジベンゾチアゾイル、及び2個〜4個の硫黄原子を有するポリ硫化ジチオベンゾイル(ジチオベンゾイルポリスルフィド)、二硫化アルキルフェニル(アルキルフェニルジスルフィド)、並びにフラン環含有硫黄化合物及びチオフェン環含有硫黄化合物(特にはジフェニルジスルフィドやペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩)があるが、これらに限定しない。硫黄化合物の量は、ベースゴムの100重量部を基準として、典型的には、少なくとも約0.05重量部、好ましくは少なくとも約0.2重量部、更に好ましくは約0.4重量部又は約0.7重量部の下限から、約5.0重量部の上限、好ましくは約4重量部の上限、更に好ましくは約3重量部又は約1.5重量部の上限までの範囲内にあるとよい。
カバーはまた、架橋されたポリウレタン、ポリ尿素・エラストマ又はポリアミド・エラストマなどの架橋熱可塑性エラストマを含み得る。架橋ポリウレタン及びポリ尿素のカバーは、ポリイソシアネート架橋剤を使って、ポリエステルやポリアミン重合体(例えば、熱可塑性ポリウレタンやポリ尿素をつくる際に使用される上記の重合体のうちの1つ)を架橋することにより形成される場合もあれば、ポリイソシアネート架橋剤を使って、ヒドロキシル基熱可塑性ポリウレタン・エラストマ若しくはアミノ基熱可塑性ポリ尿素・エラストマ、又はアミノ基熱可塑性ポリアミドを架橋することにより形成される場合もある。使用され得るポリイソシアネート架橋剤の例としては、1,2,4−ベンゼン・トリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレン・トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカン・トリイソシアネート、ビシクロヘプタン・トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ジイソシアネート(ジイソシアン酸塩)のイソシアヌレート(イソシアヌル酸塩)、ジイソシアネートのビウレット、ジイソシアネートのアロファネート(アロファン酸塩)、及び上述した種々のジイソシアネート(ジイソシアン酸塩)などがあるがこれらに限定しない。
他の実施例においては、カバーは、例えば熱放射(輻射)や化学線を用いて、フリーラジカル開始剤を使って架橋され得るハードセグメント内のエチレン性不飽和結合を架橋することによって用意された架橋熱可塑性ポリウレタンのエラストマを含む。架橋の形成は、2つのイソシアネート反応基(例えば、主鎖のヒドロキシル基、及び少なくとも1つのアリルエーテル側鎖基)を有する不飽和ジオールを使って熱可塑性ポリウレタンを形成することによって用意されたアリルエーテル側鎖基を介してなされ得る。そのような不飽和ジオールの例としては、以下の構造式で示されるものがあるが、これに限定しない。
Figure 2016526444
構造式において、Rは置換済み若しくは未置換のアルキル基であり、x,yは1〜4の整数である。特定の一実施例においては、不飽和ジオールは、トリメチルプロパンモノアリルエーテル(「trimethylopropane monoallylether:TMPME」CAS番号682−11−1)である。TMPMEは、例えばPerstorp Specialty Chemicals AB社から市販されている。不飽和ジオールとして使用される他の適切な化合物としては、1,3−プロパンジオール,2−(2−プロペニル)−2−[(2−プロペニルオキシ)メチル];1,3−プロパンジオール,2−メチル−2−[(2−プロペニルオキシ)メチル];1,3−プロパンジオール、2,2−ビス[(2−プロペニルオキシ)メチル];及び1,3−プロパンジオール,2−[(2,3−ジブロモプロキシ)メチル]−2−[(2−プロペニルオキシ)メチル]がある。架橋ポリウレタンは、不飽和ジオールと、少なくとも1つのジイソシアネートと、平均分子量が約500〜約4,000の少なくとも1つのポリオール重合体とを反応させることにより、更には選択的に、2つ以上のイソシアネート反応基を有し分子量が約450よりも小さい少なくとも1つの非重合体の反応物(「延長剤(伸長剤)」)と、エチレン性不飽和基の追加的な重合を介して架橋を誘導するのに充分な量のフリーラジカル開始剤と、を反応させることによりつくられる。
ポリウレタンがつくられた後にもエチレン性不飽和が誘導され得る。例えば、ジメチロールプロピオン酸を共重合した後、未置換のカルボキシル基と、メタクリル酸イソシアネート・エチル(メタクリル酸エチルイソシアネート)、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル又はアリル・グリシジルエーテルとを反応させることにより、ポリウレタンがつくられた後にもエチレン性不飽和が誘導され得る。
架橋熱可塑性ポリウレタンのエラストマ内の不飽和ジオールモノマー単位の量は概ね、約0.1重量%〜約25重量%である。特定の実施例においては、架橋熱可塑性ポリウレタンのエラストマ内の不飽和ジオールモノマー単位の量は、約10重量%である。更には、架橋熱可塑性ポリウレタンのエラストマを構成する反応物のNCO指数は、約0.9〜約1.3である。一般に知られているように、NCO指数は、イソシアネート官能基/活性水素含有基のモル比である。特定の実施例においては、NCOは約1.0である。
反応後、鎖延長剤及びジイソシアネート(ジイソシアン酸塩)からつくられたポリマー鎖の部分は、ファンデルワールス力、双極子間相互作用や水素結合などのなどの弱い(つまり非共有結合性の)力を受けることにより、概ね整列しつつ結晶領域内へ導入される。これらの部分は、ポリオール重合体セグメントからつくられているアモルファス部分よりも結晶構造が硬いことからハードセグメントと呼ばれる。アリルエーテル又は他のエチレン性不飽和側鎖を追加的に重合することにより形成された架橋は、そのような結晶領域内にあると理解される。
ゴルフボール材料の物理的特性は、フィラーを含むことにより調整され得る。適切なフィラーの例としては、土、タルク、アスベスト、グラファイト、ガラス、マイカ(雲母)、メタケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、水酸化アルミニウム、ケイ酸塩、珪藻土、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、金属(チタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、銅、黄銅、ホウ素、青銅、コバルト、ベリリウム及びこれらの合金等)、金属酸化物(亜鉛酸化物、鉄酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、マグネシウム酸化物、ジルコニウム酸化物等)、粒子状の合成プラスチック(高分子量のポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンアイオノマ樹脂など)、粒子状炭素質材料(カーボンブラック、天然瀝青等)、コットン(綿)フロック、並びにセルロース・フロック及び/又は皮革繊維があるが、これらに限定しない。比重(密度)を高くするために使用される重いフィラーの例としては、チタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、鋼鉄(スチール)、鉛、銅、黄銅、ホウ素、ホウ素カーバイド・ウィスカ(ひげ結晶)、青銅、コバルト、ベリリウム、亜鉛、スズ、及び金属酸化物(亜鉛酸化物、鉄酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、マグネシウム酸化物、ジルコニウム酸化物など)があるが、これらに限定しない。比重(密度)を低くするために使用される軽いフィラーとしては、粒子状プラスチック、ガラス、セラミック、及び中空な球体、粉砕再生材料又はこれらの発泡体があるが、これらに限定しない。ゴルフボールのコアの中心やコア層に使用され得るフィラーは、典型的には、微粉化された発泡体の形態である。
カバー材料は、黄色や白色の顔料特には二酸化チタンや酸化亜鉛などの白色の顔料を使って配合され得る。一般に二酸化チタンは、白色の顔料として使用され、例えば、100重量部のポリマーを基準として、約0.5重量部又は1重量部から、約8重量部又は10重量部までの量で使用される。様々な実施例において、白色のカバーは、少量の青色の顔料または漂白剤を使って色付けされる。
また、分散剤、フェノールなどの酸化防止剤、亜リン酸塩、ヒドラジド、加工助剤、界面活性剤、安定剤などの常用されている添加剤もゴルフボール材料に含まれ得る。カバーはまた、ピぺリジンやオキサナライド(oxanalides)などのヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール、トリアジン及びヒンダードフェノールなどの紫外線吸収剤、蛍光材料及び蛍光漂白剤、青色染料などの染料、並びに帯電(静電気)防止剤などの添加物を含み得る。
材料は、単軸又は二軸式のスクリュー押出(成形)機、バンベリー・ミキサ(Bunbury mixer)、内部ミキサー、2(軸)ローラー・ミル、又はリボン・ミキサ(ribbon mixer)内で、溶融混合などの従来の方法で混ぜ合わされる。コアは、或いは複数層のコアを有する場合には、中心(コア)と1つ又は複数の中間層が、例えば射出成形や圧縮成形などの通常の方法を用いて形成され得る。コアは、所望の直径になるまで研磨され得る。研磨工程は、型成形プロセスに起因するフラッシュ、ピンマーク及びゲートマークを除去するのにも用いられ得る。
カバー層が、コアを覆うように型成形される。様々な実施例において、カバーをつくるために使用される第3の熱可塑性材料の好適な例としては、熱可塑性ポリウレタン・エラストマ、熱可塑性ポリ尿素・エラストマ、及びエチレンとエチレン性不飽和カルボン酸からなるコポリマーの金属カチオン塩がある。
カバーは、射出成形、圧縮成形、鋳造などを用いてコア上に形成され得る。例えば、カバーが射出成形により形成されるときに、予備製造されたコアがモールド内に置かれた後、モールド内へカバー材料が射出され得る。カバーは一般に、射出成形又は圧縮成形によりコア上に型成形される。或いは、他の方法として採用され得るのは、ダイキャスティング又は他の型成形の方法によりカバー材料から一対の半分のカバー(カバー半部)を予備成形すること、半分のカバー内にコアを閉じ込めること、更には例えば120℃〜170℃で1〜5分間圧縮成形することでコアの周囲にカバー半部をくっ付けることがある。コアは、カバーに取り囲まれる前に、該コアと該カバーとの間の接着を強くするために、表面処理され得る。適切な表面処理の例としては、機械的若しくは化学的な研磨、コロナ放電、プラズマ処理、更にはシランなどの接着促進剤若しくは接着剤を塗布することがあるが、これらに限定しない。カバーは一般に、ゴルフボールに所望の空力学特性を与えるディンプルパターンとプロファイルを有する。
様々な実施例において、カバーをつくるのに使用される材料として好ましくは、熱可塑性ポリウレタン・エラストマ、熱可塑性ポリ尿素・エラストマ、アイオノマ樹脂若しくはこれらの組合せ、熱硬化性ポリウレタン・エラストマ、又はポリ尿素・エラストマを含む。
ゴルフボールは種々の寸法を有し得る。USGA(全米ゴルフ協会)は、競技用のゴルフボールについて、1.68インチ(42.672mm)以上の直径と1.62オンス(45.926g)以下の重量を要件としている。USGAの競技以外でのプレー用としては、ゴルフボールは、もっと小さな直径やもっと大きな重量を有するものであってもよい。
ゴルフボールが型成形された後、バフ仕上げ、塗装及びマーキングなどの更なる加工ステップを受ける場合もある。本発明の特定の好ましい実施例においては、ゴルフボールは、その表面の65%以上がディンプルパターンで占められている。ゴルフボールは一般に、耐久性と耐摩耗性を有し、非黄色系の表面コートでコーティングされる。
本発明を実施するための形態について詳細に説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲内において、本発明を実施するために種々の代替的な設計及び実施形態があることを認識されよう。上述した説明及び添付の図面に含まれるすべての事項は、説明することのみを意図しており、限定することを意図するものではない。

Claims (26)

  1. 複数層を有するゴルフボールにおいて、
    実質的にアイオノマ材料から形成されていて24mm〜32mmの直径(D)を有する中実な球体と、100個〜300個の互いに離間した突起であって該突起の各々が実質的にアイオノマ材料から形成されていて上記中実な球体から最大で0.15mm〜2.0mmの距離だけ半径方向外周側へ延びている突起と、を含むコアと、
    上記コアを取り囲む中間層であって、上記コアの全表面と接触する半径方向内周側の面を有し、ゴム材料を含んでなる中間層と、
    上記中間層を取り囲むカバー層と、
    を備えるゴルフボール。
  2. 上記中実な球体と上記突起が協働して、表面積を有する外面を画定し、
    上記外面の表面積がπ×Dよりも5%〜25%だけ大きいことを特徴とする請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記突起の各々は、三角形、四角形、五角形、六角形及び八角形からなる群から選択された多角形の周辺形状を有し、
    上記突起のうちの少なくとも2つが互いに異なる周辺形状を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴルフボール。
  4. 各突起は、上記中実な球体からほぼ同じ最大距離で延在していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフボール。
  5. 各突起は、上記中実な球体よりも半径方向外周側に位置する単一の外周側球面上に実質的に整列した中央部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフボール。
  6. 上記中実な球体と上記突起が協働して、幾何学的中心と重心とを一致させるように画定していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフボール。
  7. 上記中実な球体と上記突起が協働して、該突起の各々を互いに分離する複数の溝を画定していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴルフボール。
  8. 各溝は、それぞれの溝の側壁から、上記中実な球体及び上記突起の中央部のうちの少なくとも一方までの移行に係る曲率半径を有し、
    上記曲率半径が約0.25mm〜約2.0mmであることを特徴とする請求項7に記載のゴルフボール。
  9. 各溝は、上記中実な球体の幾何学的中心から半径方向に延びる方向と、隣接する多角形の突起の中心部から半径方向に延びる方向とのうちの少なくとも一方に対して斜行した角度を有するように延びている側壁を含むことを特徴とする請求項7に記載のゴルフボール。
  10. 上記斜行した角度は、半径方向軸に対して約40°〜約70°の角度であることを特徴とする請求項9に記載のゴルフボール。
  11. 上記複数の溝は、第1の軸の周りに配置された第1の組の環状の溝と、第2の軸の周りに配置された第2の組の環状の溝と、第3の軸の周りに配置された第3の組の環状の溝と、を含み、
    第1の軸、第2の軸及び第3の軸が相互に直交していることを特徴とする請求項7に記載のゴルフボール。
  12. 第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝が協働して、少なくとも8つの三角セクションを画定し、三角形セクションの各々は、三角形、五角形、六角形及び八角形からなる群から選択された多角形の周辺形状を有する少なくとも3つの突起を含むことを特徴とする請求項11に記載のゴルフボール。
  13. 上記突起の80%よりも多くが四角形の周辺形状を有する突起であることを特徴とする請求項12に記載のゴルフボール。
  14. 第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝における各溝は、隣接する突起の中央部からの深さと、隣り合う突起間で接線方向に測定される幅とを有し、第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝における各溝の幅/深さの比が2〜8であることを特徴とする請求項11に記載のゴルフボール。
  15. 上記アイオノマ材料が10,000psiよりも小さい曲げ弾性率を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のゴルフボール。
  16. ゴルフボールにおいて、
    実質的にアイオノマ材料から形成されていて24mm〜32mmの直径(D)を有する中実な球体と、100個〜300個の互いに離間した突起であって、該突起の各々が実質的にアイオノマ材料から形成されていて上記中実な球体から最大で0.15mm〜2.0mmの距離だけ半径方向外周側へ延びている突起と、を含むコアであって、上記中実な球体と上記突起が協働して、該突起の各々を互いに分離する複数の溝を画定し、上記中実な球体と上記突起が協働して、表面積を有する外面を画定し、上記外面の表面積がπ×Dよりも5%〜25%だけ大きいことを特徴とする、コアと、
    上記コアを取り囲む中間層であって、上記コアの外面全体と接触する半径方向内周側の面を有し、ゴム材料を含んでなる中間層と、
    上記中間層を取り囲むカバー層と、
    を備えるゴルフボール。
  17. 各突起は、三角形、四角形、五角形、六角形及び八角形からなる群から選択された多角形の周辺形状を有し、
    上記突起のうちの少なくとも2つが互いに異なる周辺形状を有することを特徴とする請求項16に記載のゴルフボール。
  18. 各突起は、上記中実な球体からほぼ同じ最大距離で延在することを特徴とする請求項16又は請求項17に記載のゴルフボール。
  19. 各突起は、上記中実な球体よりも半径方向外周側に位置する単一の外周側球面上に実質的に整列した中央部を含むことを特徴とする請求項16〜18のいずれかに記載のゴルフボール。
  20. 各溝は、それぞれの溝の側壁から、上記中実な球体と上記突起のうちの少なくとも一方までの移行に係る曲率半径を有し、
    上記曲率半径が約0.25mm〜約2.0mmであることを特徴とする請求項16〜19のいずれかに記載のゴルフボール。
  21. 各溝は、上記中実な球体の幾何学的中心から半径方向に延びる方向と、隣接する突起の中央部から半径方向に延びる方向とのうちの少なくとも一方に対して斜行した角度を有するように延びている側壁を含むことを特徴とする請求項16〜19のいずれかに記載のゴルフボール。
  22. 上記斜行した角度は、半径方向軸に対して約40°〜約70°の角度であることを特徴とする請求項21に記載のゴルフボール。
  23. 上記複数の溝は、第1の軸の周りに配置された第1の組の環状の溝と、第2の軸の周りに配置された第2の組の環状の溝と、第3の軸の周りに配置された第3の組の環状の溝と、を含み、
    第1の軸、第2の軸及び第3の軸が相互に直交していることを特徴とする請求項16〜22のいずれかに記載のゴルフボール。
  24. 第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝が協働して、少なくとも8つの三角セクションを画定し、三角セクションの各々は、三角形、五角形、六角形及び八角形からなる群から選択された多角形の周辺形状を有する少なくとも3つの突起を含むことを特徴とする請求項23に記載のゴルフボール。
  25. 上記突起の80%よりも多くが四角形に形成された周辺を有する突起であることを特徴とする請求項23に記載のゴルフボール。
  26. 第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝における各溝は、隣接する突起の中央部からの深さと、隣り合う突起間で接線方向に測定される幅とを有し、
    第1の組、第2の組及び第3の組の環状の溝における各溝の幅/深さの比が2〜8であることを特徴とする請求項16〜25のいずれかに記載のゴルフボール。
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