JPH09285565A

JPH09285565A - ゴルフボール

Info

Publication number: JPH09285565A
Application number: JP8127857A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Masutani; 寛増谷; Keisuke Ihara; 敬介井原; Hirotaka Shimozaka; 浩貴下坂; Michio Inoue; 道夫井上; Atsuki Kasashima; 厚紀笠嶋
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1996-04-24
Filing date: 1996-04-24
Publication date: 1997-11-04
Anticipated expiration: 2016-04-24
Also published as: JP3453024B2; US5836834A

Abstract

(57)【要約】【課題】少なくとも一対の隣接した同心ソリッド層を
有し、かつ隣接した同心ソリッド層の硬度が互いに異な
るゴルフボールにおいて、打撃時にゴルフボールに加わ
る外力の方向によってプレーヤーに異なる打感を与える
ことができるようにする。【解決手段】同心ソリッド層の境界面において、高硬
度の同心ソリッド層の表面にほぼ法線方向に沿った突
部、低硬度の同心ソリッド層の表面に前記突部に相応す
る凹部を形成し、突部が凹部に入り込んだ状態で両同心
ソリッド層を接合する。例えば、低硬度内部コア４（低
硬度同心ソリッド層）と高硬度外部コア６（高硬度同心
ソリッド層）とからなる２層構造のソリッドコア８を有
するゴルフボールにおいて、高硬度外部コア６の内面に
ほぼ法線Ｘ方向に沿った突部１２、低硬度内部コア４の
外面に突部１２に相応する凹部１４を形成し、突部１２
が凹部１４に入り込んだ状態でコア４、６を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一対の
隣接した同心ソリッド層を有し、かつ隣接した同心ソリ
ッド層の硬度が互いに異なるゴルフボールに関する。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフボールの中には、少なくとも一対
の隣接した同心ソリッド層を有し、かつ隣接した同心ソ
リッド層の硬度が互いに異なるものがある。このような
ゴルフボールとしては、例えば、低硬度内部コアの周囲
に高硬度外部コアを接合した２層構造のソリッドコアを
有するスリーピースゴルフボールや、高硬度ソリッドコ
アを低硬度カバーで被覆したツーピースゴルフボール等
が挙げられる。これらのゴルフボールにおいて、前記低
硬度内部コアと高硬度外部コア、高硬度ソリッドコアと
低硬度カバーは、それぞれ隣接した一対の同心ソリッド
層である。

【０００３】前述したようなゴルフボールでは、隣接し
た同心ソリッド層相互の境界面は滑らかな球面状になっ
ている。そのため、打撃時にゴルフボールに加わる外力
は、その方向に関わらず、外側の同心ソリッド層からほ
ぼ一定の割合で内側の同心ソリッド層に伝達される。す
なわち、［外側の同心ソリッド層から内側の同心ソリッ
ド層に伝達される外力／外側の同心ソリッド層に加わっ
た外力］の割合はほぼ一定である。これは、普通のゴル
フボールでは、外力が外側の同心ソリッド層を伝わる距
離が、外力の方向よってはあまり変化しないからであ
る。その結果、同心ソリッド層相互の境界面が球面状と
なっている従来のゴルフボールは、ゴルフボールに加わ
る外力の方向に関わらずほぼ同様の打感を与える。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】アプローチショット等
のボールにバックスピンを多くかけるショット（例えば
チップショット）では、ロフトの大きなクラブを用いて
ダウンブロースイングを行うので、インパクト時にクラ
ブフェースはボール表面を下方に向けて摺るように動
き、その結果ゴルフボールにはほぼ接線（ボール表面の
クラブが当たる箇所における接線）方向に沿った外力が
加わる。一方、ドライバーショット等の飛距離を求める
ショットでは、ロフトの小さなクラブを用いてアッパー
ブロースイングあるいはレベルスイングを行うため、イ
ンパクト時にクラブフェースはほぼボール中心部を向い
た状態で動き、その結果ゴルフボールにはほぼ法線（ボ
ール表面のクラブが当たる箇所における法線）方向に沿
った外力が加わる。

【０００５】一方、前述した少なくとも一対の隣接した
同心ソリッド層を有し、かつ隣接した同心ソリッド層の
硬度が互いに異なるゴルフボールの中には、アプローチ
ショット等のボールにバックスピンを多くかけるショッ
トを行ったときに柔らかい良好な打感が得られるように
設計したものがある。例えば、前述したスリーピースゴ
ルフボールやツーピースゴルフボールはこのような設計
を行ったものである。

【０００６】ところが、上記のアプローチショット等の
際に柔らかい打感が得られるようにしたゴルフボール
は、ドライバーショット等の飛距離を求めるショットを
行った場合に、次のような不満を生じさせるものであっ
た。すなわち、従来のこのタイプのゴルフボールでは、
前述したように同心ソリッド層相互の境界面が球面状と
なっているため、ドライバーショット等のゴルフボール
にほぼ法線方向に沿って外力が加わるショットでも、ア
プローチショット等のゴルフボールにほぼ接線方向に沿
った外力が加わるショットとほぼ同じ割合で外側の同心
ソリッド層に加わった外力が内側の同心ソリッド層に伝
達される。その結果、内側の同心ソリッド層の変形量、
ボール全体の変形量が大きくなりすぎ、打感が柔らかく
なりすぎて、芯がないボールであるという印象をプレー
ヤーに与えるものであった。

【０００７】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、少なくとも一対の隣接した同心ソリッド層を有し、
かつ隣接した同心ソリッド層の硬度が互いに異なるゴル
フボールであって、打撃時にゴルフボールに加わる外力
の方向によってプレーヤーに異なる打感を与えることが
できるゴルフボールを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、少なくとも一対の隣接した同心ソリッド層
を有し、かつ隣接した同心ソリッド層の硬度が互いに異
なるゴルフボールであって、同心ソリッド層相互の境界
面の少なくとも１面において、高硬度の同心ソリッド層
の表面にほぼ法線方向に沿った突部が形成されていると
ともに、低硬度の同心ソリッド層の表面に前記突部に相
応する凹部が形成され、前記突部が前記凹部に入り込ん
だ状態で高硬度の同心ソリッド層と低硬度の同心ソリッ
ド層とが接合されていることを特徴とするゴルフボール
を提供する。

【０００９】本発明において、同心ソリッド層とは、プ
ラスチック、ゴム等によりゴルフボールの一部に形成さ
れた固体の層であり、例えば、多層構造のソリッドコア
を構成する各層、多層構造のカバーを構成する各層、糸
巻きゴルフボール用の多層構造のソリッドセンターを構
成する各層等はいずれも同心ソリッド層である。また、
一対の隣接した同心ソリッド層の具体例としては、例え
ば、多層構造のソリッドコアの隣接する層、ツーピース
ゴルフボールのソリッドコアとカバー、多層構造のソリ
ッドコアを有するマルチピースゴルフボールのカバーと
その内側のコア層、多層カバーを用いたゴルフボールの
最内層のカバーとその内側のコア層、多層構造のカバー
の隣接する層などが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。この場合、本発明のゴルフボールは隣接
した一対の同心ソリッド層の硬度が互いに異なるもので
あるが、高硬度の同心ソリッド層が外側、低硬度の同心
ソリッド層が内側であってもよく、低硬度の同心ソリッ
ド層が外側、高硬度の同心ソリッド層が内側であっても
よい。

【００１０】また、本発明において法線とは、ゴルフボ
ール表面のある点をＰとした場合に、点Ｐを通り、点Ｐ
における接平面に垂直な直線をいうもので、この法線は
点Ｐとゴルフボールの中心とを結ぶ線（径線）に該当す
る。したがって、本発明でいうほぼ法線方向に沿った突
部とは、軸線が実質的にゴルフボールの径線に沿った突
部であり、該突部に相応する凹部とは、軸線が実質的に
ゴルフボールの径線に沿った凹部である。

【００１１】本発明のゴルフボールは、一対以上の隣接
した同心ソリッド層を有するとともに、同心ソリッド層
相互の境界面の少なくとも１面において、隣接した同心
ソリッド層の内の高硬度の同心ソリッド層の表面に突
部、低硬度の同心ソリッド層の表面に凹部が形成されて
いるものである。同心ソリッド層相互の境界面が２面以
上ある場合には、その内の１面又は２面以上において、
高硬度の同心ソリッド層の表面に突部、低硬度の同心ソ
リッド層の表面に凹部を設ければよい。また、突部の平
面面積は、境界面全体の平面面積の５〜４０％程度とす
ることが低硬度の同心ソリッド層の効果を損なわない点
で好ましい。また、突部の形状に限定はなく、略円柱
状、略角錐状、マス目状、ハニカム状等の任意の形状と
することができる。なお、前記突部及び凹部は、同心ソ
リッド層相互の境界面全面に均等に設けることが適当で
ある。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係るゴルフボール
の一例を示す断面図である。図１に示すゴルフボール２
は、低硬度内部コア４（低硬度の同心ソリッド層）の周
囲に高硬度外部コア６（高硬度の同心ソリッド層）を接
合した２層構造のソリッドコア８をカバー１０で被覆し
たスリーピースゴルフボールである。本例のゴルフボー
ル２では、高硬度外部コア６の内面に法線Ｘ方向に沿っ
た突部１２が形成されているとともに、低硬度内部コア
４の外面に前記突部１２に相応する凹部１４が形成さ
れ、突部１２が凹部１４に入り込んだ状態で低硬度内部
コア４と高硬度外部コア６とが接合されている。なお、
図１のゴルフボールにおいて、低硬度内部コア４はポリ
ブタジエンゴム等によってショアＤ硬度４０以上５５未
満程度に形成し、高硬度外部コア６はポリブタジエンゴ
ム等によってショアＤ硬度５５以上７０以下程度に形成
することが適当である。また、カバー１０は、アイオノ
マー樹脂等を用いて単層あるいは多層に成形することが
できる。

【００１３】図２及び図３は図１に示したゴルフボール
２の作用効果を模式的に示す断面図である。なお、図２
及び図３においてカバー１０は図示を省略してある。ま
ず、図２に示すように、アイアンクラブ１６によりゴル
フボール２にバックスピンを多くかけるショットを行
い、インパクト時にクラブフェース１８がボール２の表
面を下方に向けて摺るように動いた場合には、ゴルフボ
ール２にはほぼ接線方向に沿った外力が加わる（矢印Ａ
参照）。この場合、本例のゴルフボール２では、高硬度
外部コア６に形成された突部１２がその付け根付近で曲
がったような状態となり、打撃時に高硬度外部コア６に
加わった外力は突部１２によってあまり妨げられること
なく低硬度内部コア４に伝達される。したがって、低硬
度内部コア４は、高硬度外部コア６との境界面が球面状
である場合と同程度に大きく変形し、柔らかい打感が得
られる。

【００１４】また、図３に示すように、ドライバー２０
等により飛距離を求めるショットを行い、インパクト時
にクラブフェース２２がほぼボール２の中心部を向いた
状態で動いた場合には、ゴルフボール２にはほぼ法線方
向に沿った外力が加わる（矢印Ｂ参照）。この場合、本
例のゴルフボール２では、高硬度外部コア６に形成され
た突部１２は法線方向に沿って突出しているため、該突
部１２は図２に示したように付け根付近で曲がったよう
な状態とはならず、打撃時に高硬度外部コア６に加わっ
た外力は突部１２に受け止められ、高硬度外部コア６か
ら低硬度内部コア４への外力の伝達が突部１２によって
妨げられる。したがって、低硬度内部コア４は、高硬度
外部コア６との境界面が球面状である場合に比べて変形
量が小さくなり、硬い打感が得られる。

【００１５】図４は本発明に係るゴルフボールの他の例
を示す断面図である。図４に示すゴルフボール３２は、
高硬度ソリッドコア３４（高硬度の同心ソリッド層）を
低硬度カバー３６（低硬度の同心ソリッド層）で被覆し
たツーピースゴルフボールである。本例のゴルフボール
３２では、高硬度ソリッドコア３４の外面に法線方向に
沿った突部３８が形成されているとともに、低硬度カバ
ー３６の内面に前記突部３８に相応する凹部４０が形成
され、突部３８が凹部４０に入り込んだ状態で高硬度ソ
リッドコア３４と低硬度カバー３６とが接合されてい
る。本例のゴルフボール３２も、図１に示したゴルフボ
ールと同様の作用効果を奏する。すなわち、アイアンク
ラブによりゴルフボールにバックスピンを多くかけるシ
ョットを行った場合には、突部３８がその付け根付近で
曲がったような状態となるため、低硬度カバー３６の変
形量が大きくなり、柔らかい打感が得られる。また、ド
ライバー等により飛距離を求めるショットを行った場合
には、打撃時に低硬度カバー３６に加わった外力は突部
３８に受け止められるため、低硬度カバー３６の変形量
が小さくなり、硬い打感が得られるものである。

【００１６】図５（Ａ）〜（Ｃ）はそれぞれ高硬度同心
ソリッド層の表面に形成する突部を示す一部平面図であ
る。すなわち、該突部は任意の形状とすることができ、
例えば（Ａ）に示すような略円柱状突部４２、（Ｂ）に
示すようなマス目状突部４４、（Ｃ）に示すようなハニ
カム状突部４６等とすることができる。また、低硬度同
心ソリッド層の表面に形成する凹部は、これらの突部が
隙間なく入り込むことのできる形状とすればよい。

【００１７】

【実施例】図１に示したゴルフボールを製造した。ま
ず、低硬度内部コア４を図６に示す金型５２を用いて射
出成形により成形した。図６に示す金型５２は、２つの
上側ブロック５４、５６からなる上側割り型５８と、２
つの下側テーパブロック６０、６２からなる下側割り型
６４とを上下に配したものである。また、図中６６はキ
ャビティー空間、６８は凹部１４を形成するための突
起、７０は射出シリンダ、７２はゲート、７４、７６は
アンギュラピン、７８はエジェクタピンを示す。次に、
得られた低硬度内部コア４の周囲に別の金型を用いて射
出成形を行うことにより高硬度外部コア６を成形した
後、圧縮成形によってカバー１０の被覆及びディンプル
加工を行った。

【００１８】このようにして得られたゴルフボール２を
用い、ピッチングウェッジによるチップショット及びド
ライバーによるフルショットを行った。その結果、本例
のゴルフボール２は、ピッチングウェッジによるチップ
ショットでは柔らかい打感が得られ、ドライバーによる
フルショットでは芯があるという印象を与える硬い打感
が得られるものであった。

【００１９】

【発明の効果】本発明のゴルフボールによれば、打撃時
にゴルフボールに加わる外力の方向によってプレーヤー
に異なる打感を与えることができ、例えば、アプローチ
ショットのようにゴルフボールにほぼ接線方向に沿った
外力が加わるショットを行ったときには柔らかい打感、
ドライバーショットのようにゴルフボールにほぼ法線方
向に沿った外力が加わるショットを行ったときには硬い
打感を与えることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るゴルフボールの一例を示す断面図
である。

【図２】図１に示したゴルフボールの作用効果を模式的
に示す断面図である。

【図３】図１に示したゴルフボールの作用効果を模式的
に示す断面図である。

【図４】本発明に係るゴルフボールの他の例を示す断面
図である。

【図５】（Ａ）〜（Ｃ）はそれぞれ高硬度同心ソリッド
層の表面に形成する突部を示す一部平面図である。

【図６】本発明ゴルフボールの同心ソリッド層の成形に
用いる金型の一例を示す断面図である。

【符号の説明】

２ゴルフボール４低硬度内部コア（低硬度の同心ソリッド層）６高硬度外部コア（高硬度の同心ソリッド層）８ソリッドコア１０カバー１２突部１４凹部３２ゴルフボール３４高硬度ソリッドコア（高硬度の同心ソリッド層）３６低硬度カバー（低硬度の同心ソリッド層）３８突部４０凹部４２略円柱状突部４４マス目状突部４６ハニカム状突部

フロントページの続き (72)発明者井上道夫埼玉県秩父市大野原20番地ブリヂストンスポーツ株式会社内 (72)発明者笠嶋厚紀埼玉県秩父市大野原20番地ブリヂストンスポーツ株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも一対の隣接した同心ソリッド
層を有し、かつ隣接した同心ソリッド層の硬度が互いに
異なるゴルフボールであって、同心ソリッド層相互の境
界面の少なくとも１面において、高硬度の同心ソリッド
層の表面にほぼ法線方向に沿った突部が形成されている
とともに、低硬度の同心ソリッド層の表面に前記突部に
相応する凹部が形成され、前記突部が前記凹部に入り込
んだ状態で高硬度の同心ソリッド層と低硬度の同心ソリ
ッド層とが接合されていることを特徴とするゴルフボー
ル。
【請求項２】低硬度内部コアの周囲に高硬度外部コア
を接合した２層構造のソリッドコアを有するゴルフボー
ルであって、高硬度外部コアの内面にほぼ法線方向に沿
った突部が形成されているとともに、低硬度内部コアの
外面に前記突部に相応する凹部が形成され、前記突部が
前記凹部に入り込んだ状態で低硬度内部コアと高硬度外
部コアとが接合されていることを特徴とするゴルフボー
ル。
【請求項３】高硬度ソリッドコアを低硬度カバーで被
覆したゴルフボールであって、高硬度ソリッドコアの外
面にほぼ法線方向に沿った突部が形成されているととも
に、低硬度カバーの内面に前記突部に相応する凹部が形
成され、前記突部が前記凹部に入り込んだ状態で高硬度
ソリッドコアと低硬度カバーとが接合されていることを
特徴とするゴルフボール。