JP3468154B2 - ゴルフボール用成形金型及びゴルフボール - Google Patents
ゴルフボール用成形金型及びゴルフボールInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、コアと、該コアを
被覆する樹脂層と、この樹脂層を被覆するカバーとを具
備してなる多層構造のゴルフボールにおいて、コアとカ
バーとの間に介在する樹脂層を形成する金型及び該金型
で得られたゴルフボールに関し、更に詳述すると、樹脂
層成形時のコアの偏芯を抑制し、突起跡の残存を最小限
に抑え、均一厚さの薄層を形成でき、樹脂層の多層化に
良好に対応し得ると共に、ボール構造が安定した打撃耐
久性に優れるゴルフボールを得ることができる金型及び
該金型で樹脂層が形成されたゴルフボールに関する。
被覆する樹脂層と、この樹脂層を被覆するカバーとを具
備してなる多層構造のゴルフボールにおいて、コアとカ
バーとの間に介在する樹脂層を形成する金型及び該金型
で得られたゴルフボールに関し、更に詳述すると、樹脂
層成形時のコアの偏芯を抑制し、突起跡の残存を最小限
に抑え、均一厚さの薄層を形成でき、樹脂層の多層化に
良好に対応し得ると共に、ボール構造が安定した打撃耐
久性に優れるゴルフボールを得ることができる金型及び
該金型で樹脂層が形成されたゴルフボールに関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ゴルフボールの飛距離の増大化と良好なフィーリン
グ性能を両立させるために、様々な検討及び提案が試み
られており、中でもソリッドコアとカバーとを具備した
ソリッドゴルフボールに対しては、コアとカバーとの間
に樹脂層を介在させて多層化し、各樹脂層の硬度や大き
さ（直径、厚み）などを調整することが行われている。
り、ゴルフボールの飛距離の増大化と良好なフィーリン
グ性能を両立させるために、様々な検討及び提案が試み
られており、中でもソリッドコアとカバーとを具備した
ソリッドゴルフボールに対しては、コアとカバーとの間
に樹脂層を介在させて多層化し、各樹脂層の硬度や大き
さ（直径、厚み）などを調整することが行われている。
【０００３】一般に、樹脂層の成形方法としては、金型
内にコアを配置し樹脂材料を射出する方法、予め半球殻
状に形成した一対の樹脂シートでコアを包み、金型内で
加圧加熱成形（コンプレッション成形）する方法等が採
用されているが、射出成形方法が簡便であるために好ま
しい。しかし、射出成形は成形時にコアが中心から外れ
るいわゆる偏芯が起こる場合があり、偏芯がほんの僅か
でもゴルフボールに対しては極めて重大で、例えば、偏
芯したゴルフボールは打撃性能に劣る等の問題を生じさ
せる。
内にコアを配置し樹脂材料を射出する方法、予め半球殻
状に形成した一対の樹脂シートでコアを包み、金型内で
加圧加熱成形（コンプレッション成形）する方法等が採
用されているが、射出成形方法が簡便であるために好ま
しい。しかし、射出成形は成形時にコアが中心から外れ
るいわゆる偏芯が起こる場合があり、偏芯がほんの僅か
でもゴルフボールに対しては極めて重大で、例えば、偏
芯したゴルフボールは打撃性能に劣る等の問題を生じさ
せる。
【０００４】また、樹脂層の射出成形方法は、流動性や
成形厚みなどによる成形時の制約も多く、従来の樹脂層
とは大きく異なる材料や厚みの大幅な変更といった樹脂
層開発に対応しきれているとはいえないのが現状であ
る。
成形厚みなどによる成形時の制約も多く、従来の樹脂層
とは大きく異なる材料や厚みの大幅な変更といった樹脂
層開発に対応しきれているとはいえないのが現状であ
る。
【０００５】従って、ゴルフボールに対しては多層化が
求められているにも拘らず、球状のコアに均一厚さの薄
い樹脂層を形成することは難しく、樹脂層開発に成形方
法が追いついていないという問題がある。
求められているにも拘らず、球状のコアに均一厚さの薄
い樹脂層を形成することは難しく、樹脂層開発に成形方
法が追いついていないという問題がある。
【０００６】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、コアとカバーとの間に樹脂層が形成された多層構造
のゴルフボールにおいて、コアの偏芯を抑制し、突起跡
の残存を最小限に抑え、均一厚さの薄層を形成でき、樹
脂層の多層化に良好に対応し得ると共に、ボール構造が
安定し、打撃耐久性に優れたゴルフボールが得られる金
型及びこの金型で成形した樹脂層を備えたゴルフボール
を提供することを目的とする。
で、コアとカバーとの間に樹脂層が形成された多層構造
のゴルフボールにおいて、コアの偏芯を抑制し、突起跡
の残存を最小限に抑え、均一厚さの薄層を形成でき、樹
脂層の多層化に良好に対応し得ると共に、ボール構造が
安定し、打撃耐久性に優れたゴルフボールが得られる金
型及びこの金型で成形した樹脂層を備えたゴルフボール
を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、コアとカバーとの間に介在する樹脂層を成形する金
型について、コアの偏芯を防いで均一厚さの樹脂層を成
形すべく、キャビティ壁面上に突設されコアを支持する
突起に着目したところ、全突起の基端部断面積のキャビ
ティ壁面に対する面積占有率（以下、単に面積占有率と
いう）と、突起をないものとみなした場合の樹脂層を形
成するキャビティ容積に対する実際に突設される全突起
体積の割合である体積占有率とを特定することにより、
突起跡の残存を最小限に抑えることができ、コアの偏芯
を防いで均一厚さの樹脂層を形成できることを知見し
た。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、コアとカバーとの間に介在する樹脂層を成形する金
型について、コアの偏芯を防いで均一厚さの樹脂層を成
形すべく、キャビティ壁面上に突設されコアを支持する
突起に着目したところ、全突起の基端部断面積のキャビ
ティ壁面に対する面積占有率（以下、単に面積占有率と
いう）と、突起をないものとみなした場合の樹脂層を形
成するキャビティ容積に対する実際に突設される全突起
体積の割合である体積占有率とを特定することにより、
突起跡の残存を最小限に抑えることができ、コアの偏芯
を防いで均一厚さの樹脂層を形成できることを知見し
た。
【０００８】また、本発明者は、上記金型に対して更に
鋭意検討を行った結果、突起の最大高さを規定するこ
と、キャビティ直径及び被成形物の直径を基準として突
起高さを特定すること、突起形状を特定すること、突起
の軸方向における断面積を調整すること、突起の本数を
適正化することで、より成形条件に対する優位性が得ら
れ、樹脂材料の改質効果を十分に発揮し得る樹脂層を形
成することができることを知見した。
鋭意検討を行った結果、突起の最大高さを規定するこ
と、キャビティ直径及び被成形物の直径を基準として突
起高さを特定すること、突起形状を特定すること、突起
の軸方向における断面積を調整すること、突起の本数を
適正化することで、より成形条件に対する優位性が得ら
れ、樹脂材料の改質効果を十分に発揮し得る樹脂層を形
成することができることを知見した。
【０００９】更に、本発明者は、コアと、該コアを被覆
する樹脂層と、該樹脂層を被覆するカバーとを具備して
なるゴルフボールにおいて、樹脂層を上述したゴルフボ
ール用成形金型にて成形することにより、各層が均一化
し、ボール構造が安定化し、打撃耐久性に優れると共
に、樹脂材料の改良成果をより発揮できるゴルフボール
が得られることを知見し、本発明をなすに至ったもので
ある。
する樹脂層と、該樹脂層を被覆するカバーとを具備して
なるゴルフボールにおいて、樹脂層を上述したゴルフボ
ール用成形金型にて成形することにより、各層が均一化
し、ボール構造が安定化し、打撃耐久性に優れると共
に、樹脂材料の改良成果をより発揮できるゴルフボール
が得られることを知見し、本発明をなすに至ったもので
ある。
【００１０】従って、本発明は、下記のゴルフボール用
成形金型及びゴルフボールを提供する。 （１）コアと、該コアを被覆する樹脂層と、この樹脂層
を被覆するカバーとを具備してなるゴルフボールにおい
て、内部に上記樹脂層を成形するための球状キャビティ
を有するゴルフボール用成形金型であって、上記球状キ
ャビティ壁面に複数の突起がキャビティ中心に向かって
突設されると共に、全突起のキャビティ壁面に対する基
端部断面積の占有率が０．１〜１．９％であり、かつ突
起をないものとみなした樹脂層を形成するキャビティ容
積に対する突起の体積占有率が０．１〜３．８％である
ことを特徴とするゴルフボール用成形金型。 （２）球状キャビティの直径をＤ１（ｍｍ）、被成形物
の直径をＤ２（ｍｍ）とした場合、突起の高さが（Ｄ１
−Ｄ２）／２（ｍｍ）である（１）記載のゴルフボール
用成形金型。 （３）突起が円柱状又は角柱状である（１）又は（２）
記載のゴルフボール用成形金型。 （４）突起の断面積がキャビティ中心にいくに従い漸次
小さくなる（１）又は（２）記載のゴルフボール用成形
金型。 （５）突起の本数が２０個以下である（１）乃至（４）
のいずれか１項記載のゴルフボール用成形金型。 （６）コアと、該コアを被覆する樹脂層と、該樹脂層を
被覆するカバーとを具備してなるゴルフボールにおい
て、上記樹脂層が（１）乃至（５）のいずれか１項記載
のゴルフボール用成形金型にて成形されたことを特徴と
するゴルフボール。
成形金型及びゴルフボールを提供する。 （１）コアと、該コアを被覆する樹脂層と、この樹脂層
を被覆するカバーとを具備してなるゴルフボールにおい
て、内部に上記樹脂層を成形するための球状キャビティ
を有するゴルフボール用成形金型であって、上記球状キ
ャビティ壁面に複数の突起がキャビティ中心に向かって
突設されると共に、全突起のキャビティ壁面に対する基
端部断面積の占有率が０．１〜１．９％であり、かつ突
起をないものとみなした樹脂層を形成するキャビティ容
積に対する突起の体積占有率が０．１〜３．８％である
ことを特徴とするゴルフボール用成形金型。 （２）球状キャビティの直径をＤ１（ｍｍ）、被成形物
の直径をＤ２（ｍｍ）とした場合、突起の高さが（Ｄ１
−Ｄ２）／２（ｍｍ）である（１）記載のゴルフボール
用成形金型。 （３）突起が円柱状又は角柱状である（１）又は（２）
記載のゴルフボール用成形金型。 （４）突起の断面積がキャビティ中心にいくに従い漸次
小さくなる（１）又は（２）記載のゴルフボール用成形
金型。 （５）突起の本数が２０個以下である（１）乃至（４）
のいずれか１項記載のゴルフボール用成形金型。 （６）コアと、該コアを被覆する樹脂層と、該樹脂層を
被覆するカバーとを具備してなるゴルフボールにおい
て、上記樹脂層が（１）乃至（５）のいずれか１項記載
のゴルフボール用成形金型にて成形されたことを特徴と
するゴルフボール。
【００１１】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、第１発明にかかるゴルフボール用成形金型は、コア
と、該コアを被覆する樹脂層と、この樹脂層を被覆する
カバーとを具備してなるゴルフボールを得るのに際し、
コアとカバーとの間に介在させる樹脂層を成形、特に射
出成形するのに使用される。
と、第１発明にかかるゴルフボール用成形金型は、コア
と、該コアを被覆する樹脂層と、この樹脂層を被覆する
カバーとを具備してなるゴルフボールを得るのに際し、
コアとカバーとの間に介在させる樹脂層を成形、特に射
出成形するのに使用される。
【００１２】ここで、図１を参照すると、本発明の金型
１は、上型２と下型３とを具備してなり、これら上下型
２，３を接合面（パーティングライン）Ｐにて脱離可能
に接合することにより、内部に中空球状のキャビティ４
を形成するものである。この球状キャビティ４の壁面５
には複数の突起６が突設され、これら突起６の先端でコ
ア７を支持することにより、コア７がキャビティ中心に
偏芯なく配置される。
１は、上型２と下型３とを具備してなり、これら上下型
２，３を接合面（パーティングライン）Ｐにて脱離可能
に接合することにより、内部に中空球状のキャビティ４
を形成するものである。この球状キャビティ４の壁面５
には複数の突起６が突設され、これら突起６の先端でコ
ア７を支持することにより、コア７がキャビティ中心に
偏芯なく配置される。
【００１３】本発明のゴルフボール用成形金型１は、突
起６を球状キャビティの壁面５に設置する際に、キャビ
ティ壁面５の面積と、該壁面５と被成形物７（通常はコ
ア）との間のキャビティ容積８に対する上記突起６の面
積占有率と体積占有率とを適正化したものである。
起６を球状キャビティの壁面５に設置する際に、キャビ
ティ壁面５の面積と、該壁面５と被成形物７（通常はコ
ア）との間のキャビティ容積８に対する上記突起６の面
積占有率と体積占有率とを適正化したものである。
【００１４】ここで、図２，３を参照して、面積占有率
及び体積占有率について説明する。図２は、図１の下型
３のみを示す正面図及びそのＡ−Ａ方向断面側面図、図
３は、図２の突起６を示す部分拡大図である。なお、図
１と同一箇所については、同一の参照符号を付し、その
説明は省略する。
及び体積占有率について説明する。図２は、図１の下型
３のみを示す正面図及びそのＡ−Ａ方向断面側面図、図
３は、図２の突起６を示す部分拡大図である。なお、図
１と同一箇所については、同一の参照符号を付し、その
説明は省略する。
【００１５】まず、本発明の面積占有率は、球状キャビ
ティの壁面に突起が形成されていない状態での球状キャ
ビティの壁面５全体の面積を基準とした値である。この
球状キャビティ壁面５の面積は、図２に示される金型の
場合、球状キャビティの表面積に相当する。従って、図
２の例では、球状キャビティの直径Ｄ１を基準に表面積
を計算できる。
ティの壁面に突起が形成されていない状態での球状キャ
ビティの壁面５全体の面積を基準とした値である。この
球状キャビティ壁面５の面積は、図２に示される金型の
場合、球状キャビティの表面積に相当する。従って、図
２の例では、球状キャビティの直径Ｄ１を基準に表面積
を計算できる。
【００１６】本発明における突起の面積占有率は、上記
キャビティ壁面の面積に対する突起の基端部断面積であ
る。
キャビティ壁面の面積に対する突起の基端部断面積であ
る。
【００１７】従って、キャビティ壁面に形成される突起
の数をＮ、突起の直径をｄ（ｍｍ）とすると、図２，３
の例において、面積占有率は以下のようになる。 キャビティ壁面の面積（Ｓ１）＝π×Ｄ１2 各突起の面積（ＴＳ１）＝（π／４）×ｄ2 面積占有率（ＳＳＲ）％＝［（ＴＳ１×Ｎ）／（Ｓ１）］×１００ ＝［（ｄ2×Ｎ）／（４×Ｄ１2）］×１００
の数をＮ、突起の直径をｄ（ｍｍ）とすると、図２，３
の例において、面積占有率は以下のようになる。 キャビティ壁面の面積（Ｓ１）＝π×Ｄ１2 各突起の面積（ＴＳ１）＝（π／４）×ｄ2 面積占有率（ＳＳＲ）％＝［（ＴＳ１×Ｎ）／（Ｓ１）］×１００ ＝［（ｄ2×Ｎ）／（４×Ｄ１2）］×１００
【００１８】次に、本発明の体積占有率は、突起をない
ものとみなした樹脂層を形成するキャビティ容積８を基
準とするものであり、このキャビティ容積８は、図２の
例では、キャビティ壁面５と被成形物（通常はコア）７
との空隙部分であり、容積を求める場合は、直径をＤ１
とする球状キャビティの容積と、直径をＤ２とする被成
形物の球状体積との差を算出すればよい。
ものとみなした樹脂層を形成するキャビティ容積８を基
準とするものであり、このキャビティ容積８は、図２の
例では、キャビティ壁面５と被成形物（通常はコア）７
との空隙部分であり、容積を求める場合は、直径をＤ１
とする球状キャビティの容積と、直径をＤ２とする被成
形物の球状体積との差を算出すればよい。
【００１９】そして、上記キャビティ容積８に対する突
起の合計体積の割合は、図３に示す例においては、直径
をｄ（ｍｍ）とする円の面積に突起の高さ（（Ｄ１−Ｄ
２）／２）を乗じた値になる。
起の合計体積の割合は、図３に示す例においては、直径
をｄ（ｍｍ）とする円の面積に突起の高さ（（Ｄ１−Ｄ
２）／２）を乗じた値になる。
【００２０】以上のことから、キャビティ壁面に形成さ
れる突起の数をＮとすると、図２，３の体積占有率は以
下のようなる。 樹脂層のキャビティ容積（Ｖ１）＝（π／６）×（Ｄ１3−Ｄ２3） 各突起の体積（ＴＶ１）＝（π／４）×ｄ2×（Ｄ１−Ｄ２）／２ 体積占有率（ＶＶＲ）％ ＝［（ＴＶ１×Ｎ）／（Ｖ１）］×１００ ＝［３×ｄ2×Ｎ×（Ｄ１−Ｄ２）／４×（Ｄ１3−Ｄ２3）］×１００
れる突起の数をＮとすると、図２，３の体積占有率は以
下のようなる。 樹脂層のキャビティ容積（Ｖ１）＝（π／６）×（Ｄ１3−Ｄ２3） 各突起の体積（ＴＶ１）＝（π／４）×ｄ2×（Ｄ１−Ｄ２）／２ 体積占有率（ＶＶＲ）％ ＝［（ＴＶ１×Ｎ）／（Ｖ１）］×１００ ＝［３×ｄ2×Ｎ×（Ｄ１−Ｄ２）／４×（Ｄ１3−Ｄ２3）］×１００
【００２１】なお、金型キャビティ壁面には、用途に応
じて射出ゲート口、ガス抜き孔等が形成され、正確には
金型のキャビティ壁面の面積になり得ない部分が存在す
る場合があるが、本発明の樹脂層のキャビティ壁面の体
積及び樹脂層形成キャビティ容積を算出するに当たって
は、ゲート口等の他の構成要件は加味しないものとす
る。
じて射出ゲート口、ガス抜き孔等が形成され、正確には
金型のキャビティ壁面の面積になり得ない部分が存在す
る場合があるが、本発明の樹脂層のキャビティ壁面の体
積及び樹脂層形成キャビティ容積を算出するに当たって
は、ゲート口等の他の構成要件は加味しないものとす
る。
【００２２】本発明の金型１は、キャビティ壁面５に形
成される全突起６のキャビティ壁面に対する面積占有率
が２％以下、好ましくは０．１〜１．９％、更に好まし
くは０．２〜１．８％であることが必要である。また、
本発明の突起の体積占有率は４％以下、好ましくは０．
１〜３．８％、更に好ましくは０．２〜３％である。面
積占有率、体積占有率が上記範囲より大きいと、得られ
る樹脂層に形成される上記突起に対応する凹部の面積占
有率、体積占有率が大きくなり、これによってこの得ら
れた樹脂層の凹部にカバー材が多量に侵入することにな
るので、樹脂層の性能が損なわれ、所望のゴルフボール
性能が得られない。
成される全突起６のキャビティ壁面に対する面積占有率
が２％以下、好ましくは０．１〜１．９％、更に好まし
くは０．２〜１．８％であることが必要である。また、
本発明の突起の体積占有率は４％以下、好ましくは０．
１〜３．８％、更に好ましくは０．２〜３％である。面
積占有率、体積占有率が上記範囲より大きいと、得られ
る樹脂層に形成される上記突起に対応する凹部の面積占
有率、体積占有率が大きくなり、これによってこの得ら
れた樹脂層の凹部にカバー材が多量に侵入することにな
るので、樹脂層の性能が損なわれ、所望のゴルフボール
性能が得られない。
【００２３】本発明の突起高さは、球状キャビティ直径
及び被成形物（コア）の直径に応じた高さにすることが
推奨され、球状キャビティの直径をＤ１（ｍｍ）、被成
形物の直径をＤ２（ｍｍ）とした場合、突起の高さは
（Ｄ１−Ｄ２）／２（ｍｍ）とすること、即ち、樹脂層
の厚さと同じとすることが好ましい。
及び被成形物（コア）の直径に応じた高さにすることが
推奨され、球状キャビティの直径をＤ１（ｍｍ）、被成
形物の直径をＤ２（ｍｍ）とした場合、突起の高さは
（Ｄ１−Ｄ２）／２（ｍｍ）とすること、即ち、樹脂層
の厚さと同じとすることが好ましい。
【００２４】また、本発明の突起の形状は特に制限され
るものではなく、例えば、図４に示される各種突起形
状、即ち円柱状、四角柱状等の柱状形状、あるいは基端
部から先端部に向かうに従い断面積が漸次小さくなる
（先細りになる）円錐台、角錐台等の錐台状形状乃至円
錐、角錐等の錐状とすることができ、特に後者の先細形
状は成形後の脱型が容易になることから好ましい。
るものではなく、例えば、図４に示される各種突起形
状、即ち円柱状、四角柱状等の柱状形状、あるいは基端
部から先端部に向かうに従い断面積が漸次小さくなる
（先細りになる）円錐台、角錐台等の錐台状形状乃至円
錐、角錐等の錐状とすることができ、特に後者の先細形
状は成形後の脱型が容易になることから好ましい。
【００２５】本発明の突起の数は特に制限されるもので
はないが、通常、半割りされた球状キャビティ中に１０
個以下、好ましくは３〜９個、特に３〜８個（即ち、合
計で２０個以下、好ましくは６〜１８個、特に６〜１６
個）配置されることが推奨される。突起の配置位置、各
割型に突設する際の個数は特に制限されるものではない
が、キャビティ壁面を構成する割型に少なくとも１個は
突設されることが推奨され、球状キャビティ全体に均一
になるように配置することが好ましい。
はないが、通常、半割りされた球状キャビティ中に１０
個以下、好ましくは３〜９個、特に３〜８個（即ち、合
計で２０個以下、好ましくは６〜１８個、特に６〜１６
個）配置されることが推奨される。突起の配置位置、各
割型に突設する際の個数は特に制限されるものではない
が、キャビティ壁面を構成する割型に少なくとも１個は
突設されることが推奨され、球状キャビティ全体に均一
になるように配置することが好ましい。
【００２６】本発明の金型は、上述した面積占有率と体
積占有率とが規定された突起が配置されるので、被成形
物をキャビティ中心に簡単に配置できる上、射出時に樹
脂材料の圧力で被成形物が偏芯することがなく、均一性
に優れ、突起跡の残存が最小限に抑えられた樹脂層を形
成することができる。従って、本発明の金型は、樹脂層
の構造的な改良、材料開発に好適に対応することができ
る。
積占有率とが規定された突起が配置されるので、被成形
物をキャビティ中心に簡単に配置できる上、射出時に樹
脂材料の圧力で被成形物が偏芯することがなく、均一性
に優れ、突起跡の残存が最小限に抑えられた樹脂層を形
成することができる。従って、本発明の金型は、樹脂層
の構造的な改良、材料開発に好適に対応することができ
る。
【００２７】本発明の金型は、上述した構成要件を逸脱
しない限り、種々変更して差し支えなく、例えば、突起
形状を変化させることによって適宜調整することができ
る。
しない限り、種々変更して差し支えなく、例えば、突起
形状を変化させることによって適宜調整することができ
る。
【００２８】以上のように、本発明のゴルフボール用成
形金型は、被成形物に樹脂層を形成するものであるが、
被成形物はコア、特にソリッドコアに限られるものでは
なく、ソリッドコアにゴム基材又は他の樹脂層が形成さ
れた多層コア、最外層カバー以外のカバーが形成された
カバー形成コアなど、用途に応じて適宜使用することが
できる。
形金型は、被成形物に樹脂層を形成するものであるが、
被成形物はコア、特にソリッドコアに限られるものでは
なく、ソリッドコアにゴム基材又は他の樹脂層が形成さ
れた多層コア、最外層カバー以外のカバーが形成された
カバー形成コアなど、用途に応じて適宜使用することが
できる。
【００２９】次に、本発明の第２発明にかかるゴルフボ
ールは、コアと、該コアを被覆する樹脂層と、この樹脂
層を被覆するカバーとを具備してなる３層構造以上のゴ
ルフボールであって、上記樹脂層を上述した第１発明の
金型にて製造したものである。
ールは、コアと、該コアを被覆する樹脂層と、この樹脂
層を被覆するカバーとを具備してなる３層構造以上のゴ
ルフボールであって、上記樹脂層を上述した第１発明の
金型にて製造したものである。
【００３０】本発明のゴルフボールを得るには、予め用
意した被成形物に対し、上述した金型を使用して樹脂層
を形成すればよく、金型を使用した成形方法であれば成
形方法は制限されるものではない。射出成形の場合、予
め製造したコアを本発明の金型を開き、キャビティ壁面
に突設された突起で支持してキャビティ中心にセットす
る。次いで、適宜な手段を用いて、樹脂材料をコアとキ
ャビティ壁面との間に形成された空隙に公知の方法に従
って射出し、樹脂層を成形すればよい。
意した被成形物に対し、上述した金型を使用して樹脂層
を形成すればよく、金型を使用した成形方法であれば成
形方法は制限されるものではない。射出成形の場合、予
め製造したコアを本発明の金型を開き、キャビティ壁面
に突設された突起で支持してキャビティ中心にセットす
る。次いで、適宜な手段を用いて、樹脂材料をコアとキ
ャビティ壁面との間に形成された空隙に公知の方法に従
って射出し、樹脂層を成形すればよい。
【００３１】そして、上記樹脂層を形成した後、公知の
方法に従って表面にディンプルを具備してなるカバーを
適宜手段によって成形することにより、本発明のゴルフ
ボールを製造することができる。
方法に従って表面にディンプルを具備してなるカバーを
適宜手段によって成形することにより、本発明のゴルフ
ボールを製造することができる。
【００３２】この場合、ゴルフボールの形状は特に制限
されるものではないが、樹脂層は０．０５〜２０ｍｍ、
特に０．１〜１０ｍｍに形成することができる。
されるものではないが、樹脂層は０．０５〜２０ｍｍ、
特に０．１〜１０ｍｍに形成することができる。
【００３３】以上のように形成される本発明のゴルフボ
ールは、第１発明のゴルフボール用成形金型で樹脂層が
形成されるので、均一厚さの樹脂層を有し、各層の厚さ
構造が安定するので、打撃耐久性が確保されるものであ
る。ボールの外径、重量としては、Ｒ＆Ａ規格に準拠す
るものとすることができ、特に定めるものではないが、
通常、外径は４２．６５〜４２．７５ｍｍ、好ましくは
４２．６７〜４２．７２ｍｍ、重量は４５．１０〜４
５．９０ｇ、好ましくは４５．２０〜４５．７０ｇであ
ることが望ましい。
ールは、第１発明のゴルフボール用成形金型で樹脂層が
形成されるので、均一厚さの樹脂層を有し、各層の厚さ
構造が安定するので、打撃耐久性が確保されるものであ
る。ボールの外径、重量としては、Ｒ＆Ａ規格に準拠す
るものとすることができ、特に定めるものではないが、
通常、外径は４２．６５〜４２．７５ｍｍ、好ましくは
４２．６７〜４２．７２ｍｍ、重量は４５．１０〜４
５．９０ｇ、好ましくは４５．２０〜４５．７０ｇであ
ることが望ましい。
【００３４】
【発明の効果】本発明のゴルフボール用成形金型は、コ
アとカバーとの間に介在する樹脂層成形時のコアの偏芯
を抑制し、突起跡の残存を最小限に抑え、均一厚さの薄
層を形成することができ、樹脂層の多層化に良好に対応
し得ると共に、ボール構造が安定した打撃耐久性に優れ
るゴルフボールを得ることができる。
アとカバーとの間に介在する樹脂層成形時のコアの偏芯
を抑制し、突起跡の残存を最小限に抑え、均一厚さの薄
層を形成することができ、樹脂層の多層化に良好に対応
し得ると共に、ボール構造が安定した打撃耐久性に優れ
るゴルフボールを得ることができる。
【００３５】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【００３６】〔実施例，比較例〕１，４−シスポリブタ
ジエンをベースとするゴム材料を使用して、１００ｋｇ
荷重負荷時の変形量が３．５ｍｍ、表１記載の直径（Ｄ
２）を有するコアをそれぞれ得た。
ジエンをベースとするゴム材料を使用して、１００ｋｇ
荷重負荷時の変形量が３．５ｍｍ、表１記載の直径（Ｄ
２）を有するコアをそれぞれ得た。
【００３７】次いで、表１に示す突起を設けた金型を使
用し、得られたコアをキャビティ内で支持し、同一のポ
リエステル系熱可塑性エラストマー（ハイトレル４７６
７，東レ・デュポン社製）を使用して、同一条件にて射
出成形を行い、コア表面に樹脂層を形成した。
用し、得られたコアをキャビティ内で支持し、同一のポ
リエステル系熱可塑性エラストマー（ハイトレル４７６
７，東レ・デュポン社製）を使用して、同一条件にて射
出成形を行い、コア表面に樹脂層を形成した。
【００３８】得られた成形物を脱型し、今度はカバー成
形用金型に移し、同一カバー材としてアイオノマー樹脂
（ハイミラン１７０６／ハイミラン１６０５＝５０／５
０のブレンド，三井・デュポンポリケミカル社製）を導
入して同一態様のディンプルを有する直径４２．７０ｍ
ｍ，重量４５．３０ｇのゴルフボールを得た。
形用金型に移し、同一カバー材としてアイオノマー樹脂
（ハイミラン１７０６／ハイミラン１６０５＝５０／５
０のブレンド，三井・デュポンポリケミカル社製）を導
入して同一態様のディンプルを有する直径４２．７０ｍ
ｍ，重量４５．３０ｇのゴルフボールを得た。
【００３９】得られたゴルフボールについて、下記の通
り評価を行った。結果を表１に併記する。
り評価を行った。結果を表１に併記する。
【００４０】偏芯度合
樹脂層を成形した後、得られた成形物をカッターで半分
に切り、コア、樹脂層の厚さをそれぞれ測定し、下記基
準にて偏芯度合を評価した。 ◎：樹脂層の厚さが均一で偏芯せず ×：樹脂層の厚さに偏りがあり、偏芯していた耐久性 ボールをヘッドスピード３８ｍ／ｓにて４００回繰り返
し打撃した際のゴルフボールの表面状態について下記の
通り評価した。 ◎：問題なし △：比較的早期に破壊した ×：早期破壊した
に切り、コア、樹脂層の厚さをそれぞれ測定し、下記基
準にて偏芯度合を評価した。 ◎：樹脂層の厚さが均一で偏芯せず ×：樹脂層の厚さに偏りがあり、偏芯していた耐久性 ボールをヘッドスピード３８ｍ／ｓにて４００回繰り返
し打撃した際のゴルフボールの表面状態について下記の
通り評価した。 ◎：問題なし △：比較的早期に破壊した ×：早期破壊した
【００４１】
【表１】
【図１】本発明の金型を示す説明図である。
【図２】（１）は本発明の下型の正面図及び（２）はそ
の断面側面図である。
の断面側面図である。
【図３】本発明の突起の一例を示す部分拡大図である。
【図４】本発明の突起形状の具体例を示す説明図であ
る。
る。
【符号の説明】
１ 金型
２ 上型
３ 下型
４ 球状キャビティ
５ キャビティ壁面
６ 突起
７ コア（被成形物）
フロントページの続き
(72)発明者 増谷 寛
埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂスト
ンスポーツ株式会社内
(56)参考文献 特開 平11−42297（ＪＰ，Ａ)
特開 平８−300403（ＪＰ，Ａ)
特開 平８−322966（ＪＰ，Ａ)
特開 平９−660（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
A63B 45/00
A63B 37/00
Claims (6)
- 【請求項１】 コアと、該コアを被覆する樹脂層と、こ
の樹脂層を被覆するカバーとを具備してなるゴルフボー
ルにおいて、内部に上記樹脂層を成形するための球状キ
ャビティを有するゴルフボール用成形金型であって、上
記球状キャビティ壁面に複数の突起がキャビティ中心に
向かって突設されると共に、全突起のキャビティ壁面に
対する基端部断面積の占有率が０．１〜１．９％であ
り、かつ突起をないものとみなした樹脂層を形成するキ
ャビティ容積に対する突起の体積占有率が０．１〜３．
８％であることを特徴とするゴルフボール用成形金型。 - 【請求項２】 球状キャビティの直径をＤ１（ｍｍ）、
被成形物の直径をＤ２（ｍｍ）とした場合、突起の高さ
が（Ｄ１−Ｄ２）／２（ｍｍ）である請求項１記載のゴ
ルフボール用成形金型。 - 【請求項３】 突起が円柱状又は角柱状である請求項１
又は２記載のゴルフボール用成形金型。 - 【請求項４】 突起の断面積がキャビティ中心にいくに
従い漸次小さくなる請求項１又は２記載のゴルフボール
用成形金型。 - 【請求項５】 突起の本数が２０個以下である請求項１
乃至４のいずれか１項記載のゴルフボール用成形金型。 - 【請求項６】 コアと、該コアを被覆する樹脂層と、該
樹脂層を被覆するカバーとを具備してなるゴルフボール
において、上記樹脂層が請求項１乃至５のいずれか１項
記載のゴルフボール用成形金型にて成形されたことを特
徴とするゴルフボール。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07892499A JP3468154B2 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | ゴルフボール用成形金型及びゴルフボール |
| US09/534,010 US6659886B1 (en) | 1999-03-24 | 2000-03-24 | Golf ball mold and golf ball |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07892499A JP3468154B2 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | ゴルフボール用成形金型及びゴルフボール |
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|---|---|
| JP2000271250A JP2000271250A (ja) | 2000-10-03 |
| JP3468154B2 true JP3468154B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=13675422
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07892499A Expired - Fee Related JP3468154B2 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | ゴルフボール用成形金型及びゴルフボール |
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| Country | Link |
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| JP (1) | JP3468154B2 (ja) |
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| AU2003213004A1 (en) * | 2002-02-11 | 2003-09-04 | Spalding Sports Worldwide, Inc. | Molding processes and apparatuses for forming golf balls |
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| US7780887B2 (en) * | 2007-12-19 | 2010-08-24 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf ball and die for molding the same |
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| US20150196809A1 (en) * | 2014-01-10 | 2015-07-16 | Acushent Company | Golf balls having particle-based foam center |
| US11697231B2 (en) | 2019-10-01 | 2023-07-11 | Acushnet Company | Methods and molds for molding golf balls incorporating a thermoplastic polyurethane cover |
| US11406878B2 (en) | 2019-10-01 | 2022-08-09 | Acushnet Company | Methods and molds for molding golf balls incorporating a thermoplastic polyurethane cover |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB633116A (en) * | 1946-06-01 | 1949-12-12 | British Celanese | Improvements in or relating to yarn-winding machines |
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1999
- 1999-03-24 JP JP07892499A patent/JP3468154B2/ja not_active Expired - Fee Related
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2000
- 2000-03-24 US US09/534,010 patent/US6659886B1/en not_active Expired - Fee Related
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