JP2016519580A - 延伸可能な飲料カートリッジ及び方法 - Google Patents

Abstract

本実施態様は、一般に、シングルサーブ式コーヒー抽出機と共に使用するためのシングルサーブ式飲料カートリッジに関する。いくつかの実施態様では、カートリッジは、本体部分と、第１のフィルタエレメントと、第２のフィルタエレメントとを有している。カートリッジは一杯分のコーヒー又は別の飲料の成分又は前駆物質を含むことができる。カートリッジは、生分解可能かつ／又は堆肥化可能な材料から形成することができる。いくつかの実施態様では、少なくとも一方のフィルタは、タンピングヘッドによって押されたときに伸びるように形成されていて、これによりカートリッジ内にタンピングヘッドを受容することができ、飲料成分又は前駆物質のタンピングが促進される。

Description

任意の優先権出願の参照による援用
本出願と共に提出された出願データシートに海外又は国内の優先権のある請求項が記載された全ての出願は、３７ＣＦＲ（連邦規則法典）§１．５７のもと、ここで参照することにより本明細書の一部を構成するものとして援用される。

この出願は、参照によりその内容の全てを本明細書に含ませることができる２０１３年３月１４日に提出された米国仮特許出願Ｎｏ．６１／７８６０７２の優先権を３５Ｕ．Ｓ．Ｃ．（合衆国法典）§１１９（ｅ）のもと請求する。

背景技術
本発明は、液体がカートリッジに注がれたときに、飲料を作製する一杯分のインスタント飲料成分を含むカートリッジに関する。このカートリッジは、シングルサーブ式（一杯用）飲料機と共に使用するように形成することができる。

関連技術の説明
図１には公知の形式の飲料カプセル１０が示されている。このカプセル１０は、底壁１３と、側壁１４と、カバー１５と、肩部１６とを備えた容器１２を有している。カプセル１０は、水がこのカプセル１０に注がれたときにコーヒー飲料を作製するコーヒー粉１７を含んでいる。抽出プロセスの間、カプセル１０の底壁１３には穴があけられて、これにより水がカプセル１０内に導入され、コーヒー粉１７と混合される。コーヒー飲料は次いで、カプセル１０のカバー１５から出される。このカバー１５は破断され、複数の開口及び穴が形成される。

図２には公知の形式の別の飲料カートリッジ２０が示されている。このカートリッジ２０は、中空ベース２２と、フィルタエレメント２４と、カバー２５とを有している。ベース２２はカップ型で側壁２６を有しており、一方の端部で、扁平な又はほぼ扁平な底壁２７によって閉じられていて、反対側の端部で円形のアクセス開口２８を画定している。カバー２５は、アクセス開口２８を取り囲むように半径方向外側に突出するリップ２９に固定されている。フィルタエレメント２４は、中空ベース２２内に配置されていて、リップ２９の近傍でベース２２に取り付けられている。フィルタエレメント２４は、第１の室２１ａと第２の室２１ｂとを画定している。第１の室２１ａは、水がこのカートリッジ２０に注がれたときにコーヒー飲料を作製するコーヒー粉２３を含んでいる。抽出プロセスの間、カバー２５には穴があけられて、これにより水が第１の室２１ａ内に導入され、コーヒー粉２３と混合される。次いでコーヒー飲料はフィルタ２４（このフィルタ２４は使用済みコーヒー粉をコーヒー飲料から除去する）を通過して、第２の室２１ｂへと入る。コーヒー飲料は次いで、カートリッジ２０の底面２７を通ってカートリッジ２０から出て行く。この底面２７も、１つの開口を形成するために穴があけられる。

発明の概要
シングルサーブ式飲料機とは、所望の飲料を一回分、又は場合によっては一杯分作製するように設計された機器である。（複数杯分のガラス瓶を有するドリップコーヒーメーカーのような）別の形式の飲料機と比較して、シングルサーブ式飲料機は、例えば、飲料を準備する時間を短縮することにより利便性を高めることができる。さらに、シングルサーブ式飲料機は、使用されず、その後廃棄される恐れのある過剰量の飲料を作製する可能性を減じることにより、無駄を減らすことができる。

いくつかのシングルサーブ式飲料機は、飲料を作製するための１つ以上の飲料成分又は前駆物質を含むカートリッジ又はカプセルを使用する。一般的に、このようなカートリッジは、シングルサーブ式飲料機に受容されて、一杯分の飲料の作製に使用され、その後、この飲料機から除去され、廃棄される。しかしながら、これらのカートリッジは典型的には一度だけしか使用されないので、複雑性を排し、カートリッジの部品数を減じ、従って製造及び製作コストを減じ、廃棄物を削減することが望ましい。

さらに、カートリッジは一般的に使い捨て品であるので、容易に分解可能であることがカートリッジには望ましい。例えばカートリッジは、生分解性及び／又は堆肥化可能であると有益である。このようなカートリッジは分解プロセスを促進することができる（例えば微生物によるガス及び有機材料への変換）。これにより、埋め立て地又は堆肥堆積所のような廃棄カートリッジに占有されるスペースを減じることができ、カートリッジの構成要素を再利用することができる。従ってこのようなカートリッジの実施態様は、非分解性のカートリッジに対して環境的に考慮された選択肢を提供する。

場合によっては、カートリッジにとって、その内容物の圧縮を容易にすることが有利な場合がある。例えば、エスプレッソを作製する場合、典型的には、飲料抽出前にコーヒー粉は圧縮される。とりわけこのような圧縮により、特定の風味及び芳香化合物の抽出が容易になる。従って、内容物の圧縮を促進するように形成されたカートリッジは、このような圧縮のために形成されていないカートリッジと比較して、例えば風味や香りが向上された飲料を提供することができる。

いくつかの実施態様によると、シングルサーブ式飲料カートリッジは一般的に、中空の部分又は中空の本体部分を含む。例えば、本体部分は、キャビティ、隔室等を含むことができる。本体部分は、室、側壁、第１端部、第２端部を有することができる。第１端部は半径方向外側に向かって延在するリップを有していて良い。第２端部は半径方向内側に向かって延在するフランジを有していて良い。カートリッジは、室内に位置する飲料成分又は前駆物質も含むことができる。第１のフィルタエレメントは、リップに接合することができる。第１のフィルタエレメントは、液体がこのフィルタエレメントを通過することができるように形成されていて良い。第２のフィルタエレメントは、フランジに接合することができ、液体がこのフィルタエレメントを通過することができるように形成されていて良い。

様々な実施態様が、以下の特徴のいずれか１つ以上を含む。いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメントはさらに、カートリッジ内の飲料成分又は前駆物質の圧縮を促進するように、充填ヘッドと協働するときに、室内へと変形されるように形成されている。いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメントは延伸により変形するように形成されている。特定の実施態様では、第１のフィルタエレメントは折り畳みの展開により変形するように形成されている。特定の実施形態では、第１のフィルタエレメントと第２のフィルタエレメントとが、中空の本体部分から分離されるもの、穴があけられるもの、破壊されるもののうちの少なくとも１つではないように形成されている。

特定の実施態様は、以下の特徴のいずれか１つ以上を含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは生分解可能な材料を有している。いくつかの変化実施態様では、本体部分と、第１のフィルタエレメント及び第２のフィルタエレメントの少なくとも一方とが、ポリ乳酸を有している。いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメントは、カートリッジの軸方向の軸線に沿って延伸するように形成されている。例えば、第１のフィルタエレメントは、カートリッジの軸方向の軸線に沿って、少なくとも約０．２５ｍｍ、０．５ｍｍ、１ｍｍ、１．５ｍｍ、２ｍｍ、２．５ｍｍ、３ｍｍ、前記値の間にある値、及びその他の値だけ伸びるように形成されている。いくつかの変化実施態様では、第１のフィルタエレメントは、カートリッジの軸方向の軸線に沿って、約１ｍｍ〜約２ｍｍ延伸するように形成されている。いくつかの実施形態は、軸方向の軸線に沿って約７ｍｍまで伸びることができる。いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメントは、カートリッジの全長の少なくとも約５０％は伸びるように形成されていて良い。

様々な実施態様が、以下の特徴のいずれか１つ以上を含む。特定の実施形態によれば、カートリッジは、本体部分を支持するように形成されたフレームを有している。前記フレームのいくつかの変化実施態様は、支柱の網状組織を有している。支柱は、側壁に連結することができる。カートリッジのいくつかの実施形態は、積み重ねを容易にするように形成された複数の嵌め合い係合部材を有している。特定の実施形態では、複数の嵌め合い係合部材のそれぞれは、半径方向内側に向かって伸びるリブを有している。

いくつかの実施態様が、以下の特徴のいずれか１つ以上を含む。特定の変化実施態様では、第１のフィルタエレメントと第２のフィルタエレメントの少なくとも一方が、複数の層を有している。第１のフィルタエレメントと第２のフィルタエレメントの少なくとも一方は、第１の層と第２の層とこれら両層の間に位置する第３の層とを有していて良い。いくつかの実施形態では、前記第１の層及び第２の層は織布繊維を有していて、前記第３の層は不織布繊維を有している。

特別な実施態様が、以下の特徴のいずれか１つ以上を含む。いくつかの実施形態では、カートリッジはバッフルを有している。バッフルは、第２のフィルタエレメントに連結することができる。バッフルは、バッフルの周囲の及び第２のフィルタエレメントを通る液体の流れを方向付けるように形成されて良い。いくつかの変化実施態様では、第２の端部が限定的なオリフィスを有している。いくつかの実施形態では、飲料成分又は前駆物質がエスプレッソコーヒー粉を含んでいる。

いくつかの実施形態によれば、飲料の一杯分を準備する方法は、シングルサーブ式飲料機に挿入するカートリッジを提供するステップを有している。このカートリッジは、側壁を有した本体部分を有していて良い。いくつかの実施形態では、カートリッジは、前記本体部分の第１端部に連結された、ほぼ平らな、又は平らな第１のフィルタエレメントを有している。いくつかの変化実施形態では、カートリッジは、前記本体部分の第２端部に連結された、ほぼ平らな、又は平らな第２のフィルタエレメントを有している。

様々な実施態様が、以下の特徴のいずれか１つ以上を含む。カートリッジは、本体部分と、第１のフィルタエレメントと、第２のフィルタエレメントとによって画定される室を有している。いくつかの実施形態では、カートリッジは、室内に位置する飲料成分又は前駆物質を含んでいる。方法のいくつかの実施形態は、飲料機のタンピングヘッドを、カートリッジの室内に延在させて、これにより第１のフィルタエレメントを、平面状ではない構成へと変形させるステップを有している。いくつかの実施態様では、前記方法は、カートリッジ内の飲料成分又は前駆物質を圧縮するステップを有している。特定の実施形態では、前記方法は、飲料を作製するために、液体を第１のフィルタエレメントから導入して、飲料成分又は前駆物質と混合させるステップを有している。いくつかの実施態様では、前記方法は、第２のフィルタエレメントから飲料を分配するステップを有している。前記方法のいくつかの変化実施態様では、カートリッジは生分解可能な材料を有している。

特定の実施態様が、以下の特徴のいずれか１つ以上を含む。いくつかの実施形態では、第１のフィルタエレメントの変形は、第１のフィルタエレメントに穴をあけるものではない。特定の変化実施態様では、飲料成分又は前駆物質はエスプレッソコーヒー粉を含んでいて、飲料はエスプレッソ飲料を含んでいる。いくつかの実施形態では、前記方法は、室と、周辺雰囲気との間に差圧を形成するステップを有していて、該差圧は、第２のフィルタエレメントが、第１のフィルタエレメントよりも大きな流れ抵抗を有していることにより形成される。いくつかの変化実施態様では、前記方法は、第１のフィルタエレメントを変形させるステップを有し、この変形は、第１のフィルタエレメントの延伸を含んでいる。いくつかの実施形態では、前記方法は、第１のフィルタエレメント変形させるステップを有し、この変形は第１のフィルタエレメントの展開を含んでいる。

いくつかの実施態様では、シングルサーブ式飲料カートリッジは、ほぼ中空の又は中空の本体部分を含む。本体部分は、室、側壁、第１端部、第２端部を有することができる。第１端部は半径方向外側に向かって延在するリップを有していて良い。第２端部は半径方向内側に向かって延在するフランジを有していて良い。いくつかの実施形態は、室内に位置する飲料成分又は前駆物質を含んでいる。いくつかの変化実施態様では、第１のフィルタエレメントは、中空の本体部分の第１端部に接合されている。第１のフィルタエレメントは、液体がこのフィルタエレメントを通過することができるように形成されていて良い。いくつかの実施態様では、中空の本体部分の第２端部に接合されている第２のフィルタエレメントを有している。第２のフィルタエレメントは、液体がこのフィルタエレメントを通過することができるように形成されていて良い。

いくつかの実施態様が、説明のために添付の図面につき示されているが、実施態様の範囲を制限するものとしてこれらを解釈すべきではない。さらに、様々な開示された実施態様の様々な特徴は、付加的な実施態様を形成するために組み合わせることができ、これらはこの開示の一部を成す。

従来の形式の穴あけ可能な飲料カートリッジを示す概略的な断面図である。 従来の形式の別の穴あけ可能な飲料カートリッジを示す概略的な断面図である。 本発明によるカートリッジの１つの実施態様を示す断面図である。 図３Ａのカートリッジを伸ばされた状態で示した図である。 別の実施態様のカートリッジを分解した状態で示した上方から見た斜視図である。 図４Ａのカートリッジを示した上方から見た斜視図である。 図４Ａのカートリッジを示した下方から見た斜視図である。 図４Ａのカートリッジを示した上方から見た平面図である。 図４Ａのカートリッジを示した下方から見た平面図である。 図４Ａのカートリッジを示した断面図である。 別の実施態様のカートリッジを分解した状態で示した上方から見た斜視図である。 図５Ａのカートリッジを示した上方から見た斜視図である。 図５Ａのカートリッジを示した下方から見た斜視図である。 図５Ａのカートリッジを示した上方から見た平面図である。 図５Ａのカートリッジを示した下方から見た平面図である。 図５Ａのカートリッジを示した断面図である。 別の実施態様のカートリッジを示した斜視断面図である。 別の実施態様のカートリッジを示した断面図である。

詳細な説明
以下の説明は、当業者がこの実施態様の１つ以上を形成し、使用することができるように呈示されている。ここに記載された一般的な原理は、本開示の思想及び範囲から逸脱することなく以下に詳述するもの以外の実施態様及び用途に適用することができる。実際、本実施形態は、図示した特定の実施形態に限定されるべきものではなく、ここに開示し、示唆した原理と特徴に適った最も広い範囲に即したものであるべきである。

図３Ａには、シングルサーブ式飲料カートリッジ３００の断面図が示されている。本明細書で使用する用語「カートリッジ」は、その通常の慣習的な意味を有するべきものであり、限定することなく、カートリッジ、カプセル、カップ、パック、ポッド等の意味も含むべきものである。カートリッジ３００の特定の実施態様は、自動シングルサーブコーヒー抽出機のような、飲料を作製するためのシングルサーブ式飲料機で使用するように形成されている。本明細書で使用される場合、「飲料」という用語は、通常の意味を有することに加えてとりわけ、任意の液体又は実質的に液状の物質又は流動性を有する製品、例えば、ジュース、コーヒー飲料、茶、フローズンヨーグルト、ビール、ワイン、カクテル、リキュール、スピリッツ、サイダー、ソフトドリンク、風味付き水、栄養ドリンク、スープ、だし汁、又はこれらの組み合わせ、又は類似のものを含むことができる。

いくつかの実施態様によれば、カートリッジ３００は本体部分３１０と、第１のフィルタエレメント３１２と、第２のフィルタエレメント３１４とを有している。本体部分３１０は、側壁３１６、第１端部３１８、第２端部３２０を有する中空構造体又はほぼ中空の構造体であって良い。第１端部３１８は、第１の開口３１９を有していて良い。第２端部３２０は、第２の開口３２１を有していて良い。いくつかの実施態様では、第１端部３１８は第１のフィルタエレメント３１２に連結されていて（これによって例えば一般的には覆われて、又は閉鎖されていて）、第２端部３２０は第２のフィルタエレメント３１４に連結されている。このように、本体部分３１０と、第１のフィルタエレメント３１２と、第２のフィルタエレメント３１４とは、カートリッジ３００内に閉じられた又はほぼ閉じられた室３２２を画定することができる。様々な実施態様で、室３２２は、さらに後述するように飲料成分又は前駆物質（ＢＣＰ）を含むことができる。いくつかの実施態様では本体部分３１０は、徐々に先細る形状及びほぼ円筒の形状を有している。しかしながら、本開示の思想及び／又は範囲を逸脱することなく別の形状を使用することができる。図示したように、カートリッジ３００は軸方向の軸線Ａを有していて良い。いくつかの実施態様では、軸方向の軸線Ａは、第１端部３１８の半径方向中心点と第２端部３２０の半径方向中心点との間に、かつ／又は第１のフィルタエレメント３１２の半径方向中心点と第２のフィルタエレメント３１４の半径方向中心点との間に延在している。

本体部分３１０のいくつかの実施態様は、第１端部３１８に、又は第１端部３１８近傍に位置する、半径方向外側に向かって延在する肩部又はリップ又はフランジのような、第１のフィルタ係合部材３２４を有している。いくつかの実施態様は、第２端部３２０に、又は第２端部３２０の近傍に位置する、半径方向内側に向かって延在する肩部又はリップ又はフランジのような、第２のフィルタ係合部材３２６を有している。いくつかの実施形態では、第１のフィルタ係合部材３２４は、例えば接着、圧着（例えば、ピンチング、クリンピング等）、ＵＶ硬化、熱溶接又は音波溶接又はその他の方法によって第１のフィルタエレメント３１２に接合されるように形成されている。いくつかの実施態様では、第２のフィルタ係合部材３２６が、第２のフィルタエレメント３１４と接合されるように形成されている。いくつかの実施態様では、第２のフィルタエレメント３１４は、側壁３１６に接合されるように形成されている。いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２と第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方が、金型による成形のような成形作業中に、本体部分３１０に接合される。いくつかの変化実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２と第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方が、超音波溶接又は熱溶接のような溶接によって本体部分３１０に接合される。特定の実施態様では、第１のフィルタ係合部材３２４及び／又は第２のフィルタ係合部材３２６は丸み付けられた（例えば、巻かれた）縁部を有している。

いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２と第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方が、（例えば室３２２から外側に向けられた）本体部分３１０の外面に接合されている。例えば、第１のフィルタエレメント３１２を本体部分３１０の第１のフィルタ係合部材３２４の外面３２８に接合することができる。特定の実施態様によれば、第１のフィルタエレメント３１２と第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方が、（例えば室３２２に向かって内側に向けられた）本体部分３１０の内面に接合されている。例えば、第２のフィルタエレメント３１４を、本体部分３１０の第２のフィルタ係合部材３２６の内面３３０に接合することができる。

様々な実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２と第２のフィルタエレメント３１４とは飲料の準備を容易にすることができる。例えば少なくとも第１のフィルタエレメント３１２は、水やミルクのような液体のカートリッジ３００への導入を可能にすることができる。液体は、飲料成分又は前駆物質と作用し合って飲料を形成することができる。様々な実施態様では、飲料は、少なくとも第２のフィルタエレメント３１４を介してカートリッジ３００から放出される。いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２と第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方が、少なくとも約０．２５ｂａｒ、０．５ｂａｒ、１ｂａｒ、２ｂａｒ、３ｂａｒ、４ｂａｒ、６ｂａｒ、７ｂａｒ、８ｂａｒ、９ｂａｒ、１０ｂａｒ、１２ｂａｒ、前記値の間にある値、及びその他の値である圧力下で液体の通過を可能にするように形成されている。いくつかの実施態様では、導入された液体は、飲料成分又は前駆物質及び／又は本体部分３１０に突き当たることができる。いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４は、飲料成分又は前駆物質の通過を阻止するように形成されている。例えば、フィルタエレメント３１２，３１４は、液体の通過を可能にするが、飲料成分又は前駆物質の通過を（例えばサイズ、形状、及び／又は孔や開口の位置によって）阻止するように形成された孔及び開口を有していて良い。

フィルタエレメント３１２，３１４のいくつかの構成が考えられる。特定の実施形態では、第１のフィルタエレメント３１２及び／又は第２のフィルタエレメント３１４は、織布又は不織布のウェブを有している。特定の実施態様では、繊維は、規則的な又はほぼ規則的なパターンに、又はメッシュ状に組織化されている。いくつかの変化実施形態は、ランダムに又はほぼランダムに分布された繊維から成るウェブを有している。いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４はほぼ同じであって、例えば同じ材料及び／又はほぼ同じ構造を有している。いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４は異なっている。例えば、フィルタエレメント３１２，３１４のうちの一方は織布の繊維を有していて良く、フィルタエレメント３１２，３１４のうちの他方は不織布の繊維を有していて良い。

第１のフィルタエレメント３１２及び／又は第２のフィルタエレメント３１４は、単層又は複層を有していて良い。例えば、いくつかの実施形態は、少なくとも２層の繊維を有している。特定の実施態様は「サンドイッチ状の」構造を有していて、このような構造では、第３層（又は第４層、第５層、又はそれ以上の層）が第１層と第２層の間に位置している。サンドイッチ状の構造を有するいくつかの実施態様は、濾過を助成し、カートリッジ内側での圧力の形成を促進し、かつ／又はエスプレッソのような特定の飲料の準備を補助する。いくつかの実施形態では、第１層と第２層の周囲が、例えば熱接合によって互いに連結又はほぼ連結される。いくつかの変化実施形態では、これらの層は同じであって良い、又は異なっていて良い。例えば、第１層は、（例えば、繊維サイズ、材料、織布又は不織布、又はその他の点で）第１のタイプとして形成されていて、第２層は、（繊維サイズ、材料、織布又は不織布、又はその他の点の少なくとも１つに関して第１のタイプとは異なるものとして）異なるタイプであって良い。いくつかの変化実施形態では、第１層と第２層とは、同じタイプであり、挟まれた第３層は異なるタイプのものである。

いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４は、液体の通過に関して同じ又はほぼ同じ抵抗を有している。別の実施形態は、互いに異なる流れ抵抗を有したフィルタエレメント３１２，３１４を有している。例えば、第２のフィルタエレメント３１４は、第１のフィルタエレメント３１２よりも液体通過に対して大きな抵抗を有していて良く、これにより飲料準備中にカートリッジ３００内に背圧を形成することができる。特定の別の実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２が、第２のフィルタエレメント３１４よりも液体の通過に対して大きな抵抗を有している。

いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２と第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方は、延伸かつ／又は展開するように形成されている。例えば、フィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方は、一般的にフレキシブル、弾性的、ひだ状、折り畳まれたもの、かつ／又はその他の形式であって良い。いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方は、カートリッジ内の飲料成分又は前駆物質の圧縮を可能にするように形成されていて良い。飲料成分又は前駆物質のこのような圧縮（タンピングとも言われる）は、エスプレッソのようないくつかの飲料の準備においては所望され得る。変化実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方は、弾性的に変形するように形成されていて、これによりフィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方は、延伸後にその初期位置に戻る又はほぼ戻ることができるようになっている。いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４は、タンピング中に延伸された場合、破損又は破壊されない、またはほぼ破損又は破壊されないように形成されている。いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４は、例えば穿刺部材、針等によって穴があけられるように形成されていない。さらに、いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４は、本体部分３１０のこれらが接合されている部分から分離されない、又は切り取られない、又は破壊により離されないように形成されている。

タンピングを容易にするために、フィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方は、タンピングヘッド３３２又は別の構造体を、カートリッジ３００の室３２２内に少なくとも部分的に収容できるように十分な延伸性又は展開性を提供するように形成されて良い。例えば、図３Ｂに示されたように、第１のフィルタエレメント３１２は、タンピングヘッド３３２によってプレスされた場合に、弾性的に変形する（例えば伸びる）ように形成されて良い。このような変形の結果、第１のフィルタエレメント３１２の少なくとも一部と、タンピングヘッド３３２とは、室３２２内に受容され、これにより、第１のフィルタエレメント３１２及び／又は第２のフィルタエレメント３１４に穴をあけたり、これらを破壊することなく、又は第１のフィルタエレメント３１２を本体部分３１０の接合されている部分から分離したり、切り取ったり、破壊して取り外したりすることなく、タンピングヘッド３３２は飲料成分又は前駆物質を圧縮できるようになる。いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２の一部（例えばほぼ中央の部分）は、例えば、タンピング中に、第１のフィルタエレメント３１２のその他の部分（例えば周辺部分）から取り外されるように、又は破壊して離されるように、又はその他の方法で分離されるように形成されている。いくつかの延伸される、又は展開される構成では、第１のフィルタエレメント３１２は、ほぼ湾曲された、又は弓状の、又は円錐台形状の形状を有していて良い（図３Ｂ参照）。これに対し、延伸されない、又は展開されない場合には、いくつかの実施態様では、フィルタエレメント３１２，３１４の一方又は両方は、扁平又はほぼ扁平であって良い（図３Ａ参照）。別の実施態様では、延伸しない、又は展開されない場合には、フィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方が扁平でなくて良い。例えば、カートリッジ３００における支持構造又は別の構造（例えば、半球状の挿入体）が、フィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方を、ドーム状の構成に形づくっても良い。

多様な変形量が考えられる。例えば、いくつかの実施態様では、フィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方は、（例えば十分に延伸可能で）タンピングヘッド３３２が、少なくとも約０．２５ｍｍ、０．５ｍｍ、１ｍｍ、１．５ｍｍ、２ｍｍ、３ｍｍ、４ｍｍ、５ｍｍ、１０ｍｍ、１５ｍｍ、２０ｍｍ、前記値の間にある値、及びその他の値だけ、カートリッジ３００内に入り込むことができるように形成されている。いくつかの実施形態では、フィルタエレメント３１２，３１４の少なくとも一方は、他の部分よりも大きな程度で変形する（例えば延長される）ように形成された部分を有しており、例えば、中央領域よりも大きく変形するように形成された周辺領域を有している。特定の変化実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２は、タンピングヘッド３３２による作用の際に、展開するように、又は広がるように、又は開かれるように、又はその他のように、形成されていて、これにより第１のフィルタエレメント３１２を室３２２内へと広げ、タンピングヘッド３３２が室内へと延在することを可能にする。例えば断面図を見た場合、第１のフィルタエレメント３１２は、ほぼ波状の、又はジグザグ状の、又はベローズ状の部分を有していて良く、この部分は、タンピング中に展開されるように形成することができる。いくつかの実施形態では、第１のフィルタエレメント３１２は、抽出されるコーヒーのような特定の飲料の準備の過程では変形されない。変化実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２は、（第１のフィルタエレメント３１２の上面から、第２のフィルタ係合部材３２６の底面までを測定した）カートリッジ３００の全高さＨ２の約６０％まで変形するように形成されている。特定の実施形態は、カートリッジの全高さＨ２の約３０％以下まで変形するように形成されている。いくつかの変化実施形態は、カートリッジの全高さＨ２の約１５％以下が変形するように形成されている。

いくつかの実施形態によると、第１のフィルタエレメント３１２は、軸方向の軸線Ａに平行又はほぼ平行な延伸距離Ｓだけ延伸するように形成されている。いくつかの実施形態では、延伸距離Ｓは、約０．２５ｍｍ、０．５ｍｍ、１ｍｍ、１．５ｍｍ、２ｍｍ、３ｍｍ、４ｍｍ、５ｍｍ、６ｍｍ、７ｍｍ、８ｍｍ、９ｍｍ、１０ｍｍ、１１ｍｍ、１２ｍｍ、前記値の間にある値、及びその他の値以上である。変化実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２の延伸は、第１のフィルタエレメント３１２を損傷しない（例えば破壊しない）。特定の実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２の延伸は、第１のフィルタエレメント３１２を第１のフィルタ係合部材３２４から分離しない。いくつかの実施形態では、第１のフィルタエレメント３１２の周方向縁部は、第１のフィルタエレメント３１２が伸びる前、伸びている間、及び伸びた後に、第１のフィルタ係合部材３２４に結合されたままである。いくつかの実施形態では、伸びた後、第１のフィルタエレメント３１２は、扁平又はほぼ扁平な構成に戻る。

上述したように、カートリッジ３００は様々な大きさ及び形状を有していて良い。いくつかの実施形態は、ほぼ円形の、又は楕円形の、又は別の湾曲された横断面形状を有している。特定の実施形態は、ほぼ三角形の、又は長方形（例えば正方形）の、又は五角形の、又は六角形の、又は八角形の、又は星形の、又はその他の規則的な横断面形状を有している。いくつかの実施態様は、規則的ではない横断面形状を有している。さらに、上述したように、特定の実施態様では、カートリッジは、側壁ドラフト（Ｓｉｄｅｗａｌｌ ｄｒａｆｔ）とも呼ばれるテーパー状の構成を有している。例えばいくつかの変化実施例では、側壁３１６は、（軸方向の軸線Ａに対して）少なくとも約５°及び／又は約１０°以下のテーパー角度を有している。特定の実施形態では、側壁ドラフトは約７°である。いくつかの実施態様では、側壁３１６は部分的に、ほぼ、又は完全に水及び／又はガス不透過性である。特定の実施態様では、側壁３１６は孔、開口等を有していない。いくつかの変化実施態様では、カートリッジ３００の室３２２は、少なくとも約４３ｃｍ³の、かつ／又は約５０ｃｍ³以下の容積を有している。特定の実施形態では、室３２２は、少なくとも約６５ｃｍ³の容積を有している。

図示したように、カートリッジ３００はさらに、軸方向の軸線Ａに対して平行又はほぼ平行に、第１のフィルタ係合部材３２４の底面から第２のフィルタ係合部材３２６の底面までを測定した、カートリッジ挿入高さＨ１を有していて良い。いくつかの実施態様では、カートリッジ挿入高さＨ１は、約１２ｍｍ以上かつ／又は約２０ｍｍ以下である。特定の実施形態では、カートリッジの全高さＨ２は少なくとも約１５ｍｍである。いくつかの実施形態では、カートリッジの全高さＨ２は少なくとも約１９ｍｍである。

いくつかの実施態様では、カートリッジ３００は、第１のフィルタ係合部材３２４の外側縁のところで測定した外径Ｄを有している。特定の実施形態は、約１０ｍｍ以上かつ／又は約１００ｍｍ以下の外径を有している。特定の変化実施形態では、外径は、約２０ｍｍ〜約８０ｍｍである。いくつかの実施形態では、外径は、約４０ｍｍと約７０ｍｍの間であって、例えば約４０ｍｍ、４５ｍｍ、５０ｍｍ、５５ｍｍ、６０ｍｍ、６５ｍｍ、７０ｍｍ、前記値の間にある値、及びその他の値である。特定の変化実施形態は、約４３ｍｍ以上かつ／又は約６５ｍｍ以下の外径を有している。

特定の実施形態では、（例えば第１端部３１８及び／又は第２端部３２０をシールすることにより）カートリッジ３００が加圧されるように形成されている場合のように、比較的小さい直径が有利となり得る。直径が減じられると、円周が減じられ、これによりシールすべき面積を小さくすることができる。シール面積が小さいことにより、シール面積に所望の大きさの圧力を与えるために必要な力の量を減じることができ、例えば少なくとも約２ｐｓｉ及び／又は約４０ｐｓｉ以下にすることができる。いくつかの実施態様では、カートリッジ３００は、約５ポンド〜５０ポンドの力で、又は約１５ポンド〜約２５ポンドの力で、又はその他の力でシールされるように形成されている。いくつかの変化実施態様では、エスプレッソ用の粉を含むカートリッジ３００の実施態様は、ドリップコーヒー用の粉を含むカートリッジ３００の実施態様よりも小さい直径を有している。

変化実施態様では、カートリッジ３００の第２の開口３２１が、カートリッジ３００の外径よりも小さい直径を有している。例えば、いくつかの実施形態では、第２の開口３２１の直径は、約２０ｍｍ以上かつ／又は約５０ｍｍ以下である。いくつかの実施形態では、側壁３１０は、少なくとも約０．４ｍｍかつ／又は約０．７ｍｍ以下である。いくつかの実施態様では、側壁３１０の厚さは約０．５ｍｍである。いくつかの実施態様は、一定の又はほぼ一定の側壁３１０の厚さを有している。別の実施態様は、一定ではない側壁３１０の厚さを有している。いくつかの実施態様では、カートリッジ３００は、少なくとも約６ｂａｒ、７ｂａｒ、８ｂａｒ、９ｂａｒ、１０ｂａｒ、１１ｂａｒ、１２ｂａｒ、前記値の間にある値、及びその他の値であるカートリッジ３００内の圧力に耐える（例えば含む）ように形成されている。例えば、いくつかの実施態様は、少なくとも約９ｂａｒの圧力でエスプレッソを作製するように形成されている。特定の実施態様では、カートリッジ３００は、約５ｐｓｉ以下の圧力で抽出コーヒーを作製するように形成されている。いくつかの実施形態では、カートリッジ３００の本体部分３１０は、少なくとも約２０２°Ｆの温度に少なくとも約２分間耐える（例えば、堅牢な剛性を維持する）ように形成されている。いくつかの変化実施形態は、少なくとも約２０８°Ｆの温度に少なくとも約９０秒間耐えるように形成されている。

上述したように、いくつかの実施形態は、半径方向外側に向かって延在することができる第１のフィルタ係合部材３２４を有している。いくつかの実施形態では、第１のフィルタ係合部材３２４は、側壁３１０の外側に向かって少なくとも約２ｍｍ（例えば、３ｍｍ、４ｍｍ、５ｍｍ又はその他）延在している。いくつかの実施形態では、第１のフィルタ係合部材３２４は、少なくとも約０．５ｍｍの厚さを有している。いくつかの変化実施態様では、第１のフィルタ係合部材３２４及び／又は第２のフィルタ係合部材３２６は、軸方向の軸線Ａに対して垂直に又はほぼ垂直に延在している。いくつかの実施形態では、第１のフィルタ係合部材３２４は、第２のフィルタ係合部材３２６が側壁３１０から半径方向内側に向かって延在しているよりも大きな量、側壁３１０から半径方向外側に向かって延在している。例えば、特定の変化実施形態では、第１のフィルタ係合部材３２４は半径方向外側に向かって少なくとも約３ｍｍ延在することができ、第２のフィルタ係合部材３２６は半径方向内側に向かって約２ｍｍ以下延在することができる。

いくつかの実施態様では、カートリッジ３００のいくつか又は全ては、生分解可能なかつ／又は堆肥化可能な材料から形成されている。本明細書で使用されるような「生分解可能」という用語は、通常の慣習的な意味を有するべきであり、合理的な期間内に、細菌のような生物の作用により無害な生成物へと分解又はその他の形式で破壊されることが可能な物質又は対象物を限定することなく含むべきである。本明細書で使用する用語「堆肥化可能」は、その通常の慣習的な意味を有するべきものであり、堆肥場（例えば、好気性堆肥化設備）において生分解するように形成されている物質又は対象物を限定することなく含むべきである。堆肥化可能なものは生分解可能であり得、生分解可能なものは堆肥化可能であり得る。特定の実施態様では、本体部分３１０、第１のフィルタエレメント３１２、第２のフィルタエレメント３１４のうち少なくとも１つが、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリグリコール酸、ゼイン、ポリヒドロキシ酪酸のようなバイオポリマから成っている。いくつかの実施態様は、ＣＤ５０１２２M（フィンランドのAhlstrom Corporation of Helsinki社から市販されている）及び／又はＤａｎｉＭｅｒ １５１２０（米国ジョージアのDaniMer Scientifc, LLC社から市販されている）を有している。特定の実施形態では、本体部分３１０、第１のフィルタエレメント３１２、第２のフィルタエレメント３１４のうち少なくとも１つがセルロースから成っている。いくつかの実施態様では、本体部分３１０は、紙パルプのような成形される繊維から形成されている。いくつかの変化実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２及び／又は第２のフィルタエレメント３１４はフィルタペーパから成っている。特定の実施形態では、第１のフィルタエレメント３１２及び第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方はＰＬＡのシール層を有している。特定の実施形態では、カートリッジ３００全体が、又はほぼ全体がＰＬＡから構成されている。いくつかの変化実施態様では、本体部分３１０は、（例えばシール用の）ラミネート層を有している。いくつかの実施態様は、使用済みのリサイクル紙製品のようなリサイクル材料及び／又は再利用材料を含んでいる。いくつかの実施態様は、ＡＳＴＭ６４００及び／又はＥＮ３４３２のような所定の堆肥化可能基準に則している。

カートリッジ３００を成形する様々な方法が考えられる。例えば、いくつかの実施態様では、カートリッジ３００の少なくとも本体部分３１０が、射出成形のような成形プロセスによって成形される。いくつかの変化実施態様では、本体部分３１０は熱成形又は別の方法により成形されている。いくつかの実施態様では、第１のフィルタエレメント３１２と第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方が、型内で本体部分３１０に結合される。特定の実施形態では、本体部分３１０の一部は（例えば加熱状態で）、第１のフィルタエレメント３１２及び第２のフィルタエレメント３１４の少なくとも一方の一部分を通って流れる。

上述したように、カートリッジ３００は、飲料成分又は前駆物質の容積（例えば、一杯分又はシングルサーブ分）を含むように形成することができる。例えば、いくつかの実施態様は、少なくとも約１４ｇの飲料成分又は前駆物質を含むように形成されている。飲料成分又は前駆物質は、水やミルクのような液体と混合することにより飲料を作製する殆ど全ての物質であって良い。例えば、カートリッジ３００は、コーヒー粉、インスタントコーヒー、微細に挽かれたコーヒー、（例えば茶をいれるための）葉又はハーブ又は別の有機材料、濃縮果汁、ソフトドリンクシロップ、又はその他のものを含むことができる。本明細書で使用する用語「インスタント」は、その通常の慣習的な意味を有するべきものであり、限定することなく、水やミルクのような液体内で溶けやすい又は分散しやすい製品を含むべきものである。いくつかの実施形態では、飲料成分又は前駆物質は、（例えば抽出コーヒー用の）約４００ミクロン〜約９００ミクロンの、約５００ミクロン〜８５０ミクロンの、約７００ミクロン〜８００ミクロンの、又はその他の平均値の粉砕サイズを有したコーヒー粉を有している。いくつかの実施形態では、飲料成分又は前駆物質は、（例えばエスプレッソ用の）約２５ミクロン〜約５００ミクロンの、約３５ミクロン〜２００ミクロンの、約４０ミクロン〜７０ミクロンの、又はその他の平均値の粉砕サイズを有したコーヒー粉を有している。いくつかの実施形態は、約３９０ミクロン以下の平均的な粉砕サイズを有したコーヒー粉を含む。

いくつかの実施形態では、カートリッジは複数の粉砕サイズを含んでいる。いくつかの実施形態は、主要な２つの粉砕サイズを含んでいる（バイモーダルグラインドと呼ばれる）。例えば、いくつかの実施形態では、比較的大きい粉砕と比較的小さい粉砕との（例えば重量による）比は、約９０％：１０％、７０％：３０％、６０％：４０％、５０％：５０％、４０％：６０％、３０％：７０％、１０％：９０％、前述した比の間の比、又は別の比である。いくつかの実施形態では、比較的大きい粉砕は約３００ミクロン及び／又は約６００ミクロン以下であって、例えば約３９０ミクロンである。特定の変化実施形態では、比較的小さい粉砕は少なくとも約２５ミクロン及び／又は約１００ミクロン以下であって、例えば約５０ミクロンである。いくつかの実施形態によれば、比較的小さい粉砕のサイズは、比較的大きい粉砕サイズの約１／１５、約１／１０、約１／８、約１／６、約１／４、約１／２、これらの値の間の値、又は別の値である。変化実施形態では、比較的小さい粉は、比較的大きい粉の間の空隙を埋めることができ、従って、より密度の高いかつ／又はより安定した質量が提供され、これは、飲料準備中に粉を詰める際に、かつ／又は粉に圧力をかける際に有利である。従って、バイモーダル粉を有する実施態様のように、複数の粉砕サイズを含むカートリッジ３００の実施態様は、（上述したように）タンピング工程を含むエスプレッソ飲料を作製するのに特に適している。

いくつかの実施態様では、カートリッジ３００内の飲料成分又は前駆物質は、例えば２００８年７月９日に出願された米国特許第８０４３６４５号明細書、２０１０年１２月２２日に出願された米国特許出願公開第２０１１／０１３５８０２号明細書、２０１１年９月１４日に出願された米国特許出願公開第２０１２／００７０５４２号明細書に記載されたような微細に挽かれた又は粉体にされたコーヒーを含んでいる。これらの公知技術の全ては、参照により本明細書に含まれる。例えば、いくつかの別の実施態様では、飲料成分又は前駆物質は、約３５０ミクロン以下の平均粒子サイズを有するコーヒーを含んでいる。いくつかの実施態様では、飲料成分又は前駆物質は、ドライコーヒー抽出物と微細に挽かれたコーヒーとを組み合わせたものを含んでいる。いくつかの実施態様では、飲料成分又は前駆物質は、フリーズドライコーヒーを含んでいる。いくつかの実施態様では、飲料成分又は前駆物質は、フリーズドライコーヒーと微細に挽かれたコーヒーとを組み合わせたものを含んでいる。いくつかの実施態様では、飲料成分又は前駆物質は、微細に挽かれたコーヒーの粒子のような粒子状物質を含んでいる。

飲料成分又は前駆物質の種類と量は、所定の所望の特徴を有した飲料を提供するように選択することができる。例えば、飲料成分又は前駆物質の量は、予め規定された強さの飲料を提供するように選択することができる。いくつかの実施態様では、飲料成分又は前駆物質は、例えばコーヒー又は茶に加えて付加的に、乳製品、大豆、砂糖、人工甘味料、栄養素、香味料、又はその他の可溶性成分を含むことができる。

飲料成分又は前駆物質は、多様な形態でカートリッジ３００内において提供されことができる。いくつかの実施態様では、飲料成分又は前駆物質は粉体である。特定の例では、飲料成分又は前駆物質は顆粒である。いくつかの実施態様では、飲料成分又は前駆物質は、液体を加えることによって溶解かつ／又は分散かつ／又は希釈されて飲料を製造するスラリー又はシロップである。

変化実施態様では、保護を提供し、飲料成分又は前駆物質の鮮度を保持し、かつ／又は汚染を防止するために、カートリッジ３００を包装することができる。例えば、いくつかの実施態様では、カートリッジ３００は、箱、袋、又はパウチのようなシールされた容器内で包装されている。特定の変化実施態様では、カートリッジ３００はそれぞれ、シールされたパウチのように個別に包装されている。いくつかの実施態様では、包装は、生分解可能かつ／又は堆肥化可能である。

いくつかの実施形態では、少なくとも一方のフィルタエレメント３１２，３１４が、生分解可能かつ／又は堆肥化可能であって良い除去可能な膜によってシールされている。例えば、膜は、（例えば接着剤によって）第１のフィルタエレメント３１２に対してシールされていて良く、かつ／又は第１のフィルタエレメント３１２を覆うようにシールされていて良く、これにより一般的に膜は、第１のフィルタエレメント３１２を保護し、カートリッジ３００の使用前に（例えば剥離することにより）除去できるようになっている。いくつかの実施態様は、第１のフィルタエレメント３１２をシールする第１の除去可能な膜と、第２のフィルタエレメント３１４をシールする第２の除去可能な膜とを有している。いくつかの実施形態では、膜は、保護を提供し、飲料成分又は前駆物質の鮮度を保持し、かつ／又は汚染を防止する。

図４Ａ〜図４Ｆには、シングルサーブ飲料カプセルの別の実施態様が示されている。カプセル４００は、多くの点で上述したカートリッジ３００と類似している、又は同じである。従って、カプセル４００の同じ特徴に対して使用される符号は、カプセル４００の類似の特徴であることを識別するために、１００だけ増加されている。このような符号付けの規則は概ね、これ以後の図面にも適用される。本明細書における任意の実施態様に開示された任意の構成要素又はステップは、別の実施態様で使用することができる。

図示したように、カートリッジ４００は、本体部分４１０と、第１のフィルタ部材４１２と、第２のフィルタ部材４１４とを有している。本体部分４１０は側壁４１６を有していて良い。第１のフィルタ部材４１２は第１のフィルタ係合部材４２４に接合することができ、第２のフィルタ部材４１４は第２のフィルタ係合部材４２６に接合することができる。カートリッジ４００は、飲料成分又は前駆物質を含むように形成された室４２２を有することができる。

特定の実施態様によれば、本体部分４１０は、リブや肩部のように、嵌め合い係合部材４３２を含む。このような嵌め合い係合部材４３２は、いくつかのカートリッジ４００の積み重ね、かつ／又は入れ子を容易にすることができ、この場合、一つのカートリッジは部分的に別のカートリッジの内部にある。いくつかの実施形態では、嵌め合い係合部材４３２は、カートリッジ４００の積み上げ中に、飲料成分又は前駆物質の圧縮を阻止又は防止するように形成されている。図示されたように、いくつかの実施形態は、複数の嵌め合い係合部材４３２を含んでいる。嵌め合い係合部材４３２のいくつかの変化実施態様は、カートリッジ４００の周囲を囲むように、均等に又はほぼ均等に間隔を置いて配置されている。例えば、４つの嵌め合い係合部材４３２を備えた実施態様では、嵌め合い係合部材４３２を、周方向で約９０°ずつ間隔を置いて配置することができる。特定の実施態様では、嵌め合い係合部材４３２は（例えば少なくとも約２°）湾曲され、又は先細りされている。いくつかの変化実施態様によれば、嵌め合い係合部材４３２は、例えば射出成形作業中に、本体部分４１０のその他の部分と共に成形される。特定の実施形態では、嵌め合い係合部材４３２は、本体部分４１０のその他の部分とは別個に成形され、例えば熱接合又は接着剤によって、本体部分４１０に後から結合される。

図５Ａ〜図５Ｆには、シングルサーブカートリッジ５００の別の実施態様が示されている。飲料カートリッジ５００は、本体部分５１０、第１のフィルタ部材５１２、第２のフィルタ部材５１４のように、多くの点で、上述した飲料カートリッジ３００，４００の部材と類似の又は同一のエレメントを含んでいる。いくつかの実施態様では、本体部分５１０は側壁５１６を含んでいる。第１のフィルタ部材５１２は第１のフィルタ係合部材５２４に接合することができ、第２のフィルタ部材５１４は第２のフィルタ係合部材５２６に接合することができる。カートリッジ５００は、飲料成分又は前駆物質を含むように形成された室５２２を有していて良い。

図６には、シングルサーブ飲料カプセル６００の別の実施態様が示されている。カプセル６００は、多くの点で上述したカートリッジ３００〜５００と類似している、又は同じである。例えば、カートリッジ６００は、本体部分６１０と、第１の開口６１９を有する第１端部６１８と、第２の開口６２１を有する第２端部６２０とを有している。いくつかの実施態様では、第１の開口６１９は第１のフィルタエレメント（図示せず）によって覆われている。いくつかの別の実施態様では、第２の開口６２１は第２のフィルタエレメント６１４によって覆われている。

いくつかの実施態様では、第２の開口６２１は限定的なオリフィス６３６を有している。特定の実施態様では限定的なオリフィス６３６は、カートリッジ６００の第２端部６２０を通る液体の排出を制限する、又は阻害する、又は別の形式で限定するように形成されている。いくつかの実施態様では、カートリッジ６００からの液体の排出を限定することにより、カートリッジ６００の内側での増圧を形成し易くすることができ、増圧により、特定の飲料（例えば、エスプレッソ）の作製を助成することができ、かつ／又は、（例えば、挽き方、タンピング、出荷時の沈殿や分裂、又はその他の点での相違による）飲料成分又は前駆物質内の特定の相反する要素の補償を助成することができる。いくつかの実施形態では、制限オリフィス６３６は、カートリッジ６００内で少なくとも約９ｂａｒの圧力の形成を可能にする、かつ／又は促進するように形成されている。

図示したように、制限オリフィス６３６は、第１の開口６１９及び／又は第２端部６２０よりも（例えば直径において）かなり小さく形成されていて良い。例えば、制限オリフィス６３６の直径と、第２端部６２０の直径との比は、少なくとも約１：５、１：１０、１：１５、１：２０、１：２５、１：３０、１：４０、前記比の間の比、又は別の比であって良い。図示したように、いくつかの実施形態は１つの制限オリフィス６３６を有している。別のいくつかの実施形態は複数の制限オリフィス６３６を有している。いくつかの実施形態によれば、制限オリフィス６３６は、カートリッジ６００の半径方向中心又はほぼ半径方向中心に位置している。特定の実施態様では、制限オリフィス６３６は中心には位置していない。いくつかの実施態様では、制限オリフィス６３６はほぼ円錐状又はノズル形状である。このような特定の変化実施態様では、ほぼ円錐状又はノズル形状の制限オリフィス６３６の減じられたサイズ部分（例えば、スロート部）は、第２のフィルタエレメント６１４に隣接している、又はほぼ隣接している。いくつかの実施形態では、制限オリフィス６３６は、例えば成形作業中に、又は打ち抜きにより、カートリッジ６００に既に形成されている。いくつかの変化実施態様では、制限オリフィス６３６は可動部分を有していない。

いくつかの実施形態では、カートリッジ６００は、金属箔又はプラスチック等から成るディスクのような、バッフル６３８を含んでいる。バッフル６３８は、例えば、液体がカートリッジ６００の内側で、飲料成分又は前駆物質と混合されて抽出飲料を作製した後、第２のフィルタエレメント６１４を通って排出される液体の流れを制限又は逸らすように形成されていて良い。例えば、いくつかの実施形態では、バッフル６３８は、液体不透過性の、又はほぼ液体不透過性の材料から成っていて、液体を流すことができる穴、孔、溝、通路、又はその他のものを有している。いくつかの変化実施態様では、バッフル６３８は、抽出飲料をバッフル６３８の周りに流すように方向付けられるように形成されている。例えば、バッフル６３８は、抽出飲料を、バッフル６３８の側面の周囲又はほぼ周囲に、かつ／又はバッフル６３８の下方に（例えばバッフル６３８と第２のフィルタ係合部材６２６の内面６３０との間で）流すのを促進するように形成されていて良い。いくつかの実施態様では、流れは、バッフル６３８の周りを通るように強制され、水平に、又はほぼ水平に第２のフィルタエレメント６１４を通過して、制限オリフィス６３６へと到る。

いくつかの実施形態では、バッフル６３８は、局所的な流れの渦を阻止し、かつ／又はカートリッジ６００内での増圧を促進することができる。例えば、バッフル６３８は、カートリッジ６００内で少なくとも約９ｂａｒの圧力の形成を促進するように形成することができる。この圧力は、エスプレッソのようないくつかの飲料を作製する際に有利なものであり得る。いくつかの実施形態ではバッフル６３８を、例えば抽出コーヒーの作製中のように、カートリッジ６００内で約５ｐｓｉ以下の圧力の形成を促進するように形成することができる。いくつかの実施態様では、バッフル６３８は、縁部における歯又はセレーションによって、又は接着によって又はその他の形式で、（例えば、第２のフィルタエレメント６１４上に又は第２のフィルタエレメント６１４に対して相対的に）ほぼ位置保持されている。特定の変化実施態様では、バッフル６３８は、第２のフィルタエレメント６１４及び／又は第２のフィルタ係合部材６２６よりも薄い。

いくつかの実施形態では、カートリッジ６００及び／又はカートリッジ６００を受容するように形成されたシングルサーブ式飲料機は、付加的な、又は別の圧力促進機能を有している。例えば、いくつかの実施態様では、カートリッジ６００は、カートリッジ６００内に圧力を発生させるために、開放される、又は閉鎖される、又は調節することができる弁（例えばフラップ又はダックビルバルブ）を有している。いくつかの実施態様では、シングルサーブ式飲料機の部分であって、カートリッジ６００の下流に位置している弁は、カートリッジ６００内に圧力を発生させるように形成されている。特定の実施態様では、液体の流量、カートリッジ内の圧力、又は抽出システム、又はその他に基づき、弁を能動的に調整することができる。いくつかの変化実施態様では、弁は、カートリッジ内の圧力が増減する際に開閉する又は調整される、ばね負荷された弁を有している。別の実施態様では、弁は、カートリッジ６００の外の、かつ／又はシングルサーブ式飲料機を通る流量を増大させるために、クリーニング、すすぎ、かつ／又はフラッシングのために開くことができる。

図７には、シングルサーブ飲料カプセル７００の別の実施態様が示されている。このカプセル７００は、多くの点で上述したカートリッジ３００〜６００と類似している、又は同じである。例えば、カプセル７００は、本体部分７１０と、第１端部７１８と、第２端部７２０と、第１のフィルタエレメント７１２と、第２のフィルタエレメント７１４とを有している。いくつかの実施態様では、カートリッジ７００は、支持棒（brace)又は支柱（struts）のような１つ以上の支持部材７３４を含む。いくつかの実施態様では支持部材７３４は、本体部分７１０と接続されているので、本体部分７１０に強度及び／又は堅牢性を供与する。いくつかの実施態様では、支持部材７３４は半径方向又はほぼ半径方向に延在していて、例えば１つ以上の半径方向に放射する（例えば、少なくとも一方の端部７１８，７２０に横切るように配置されている）支柱を備えている。特定の実施形態では、支持部材７３４は周方向又はほぼ周方向に延在していて、例えば１つ以上の環状部材を有している。いくつかの実施態様は、軸方向又はほぼ軸方向に延在する支持部材７３４を有している。

特定の実施形態では、支持部材７３４は、かご、フレーム、及び／又は骨組みを形成する支柱の網状組織を有している。いくつかの実施形態では、かご、フレーム、及び／又は骨組みは、本体部分７１０内に受容されている。特定の変化実施態様では、本体部分７１０が、かご、フレーム、及び／又は骨組み内に受容されている。いくつかの実施形態では、支持部材７３４は、本体部分７１０を受容するように、又は本体部分７１０内に受容されるように形成された環状の構造を有している。

特定の実施形態では、支持部材７３４は、本体部分７１０に係合している（例えば、本体部分７１０内に成形されている）。このような構造は、第１のフィルタ部材３１２及び／又は第２のフィルタ部材３１４と本体部分７１０との間の接合かつ／又はシールを容易にすることができ、製造のばらつき（例えば製造誤差）を減じることができ、かつ／又は付加的な特徴（例えば、溝、凹部、突起、又はその他のもの）を提供することができる。いくつかの実施態様では、支持部材７３４は、本体部分７１０の第１のフィルタ係合部材及び／又は第２のフィルタ係合部材に係合している。特定の実施形態では、支持部材７３４は、（例えば、本体部分７１０の第１のフィルタ係合部材及び／又は第２のフィルタ係合部材に係合する）１つ以上の環状構造と、（例えば、本体部分７１０の側壁に係合する）かご、フレーム、及び／又は骨組みとを有している。いくつかの実施態様によれば、支持部材７３４は、本体部分７１０とは異なる材料から形成されている。例えば、本体部分７１０は、成形された繊維又はパルプから形成することができ、支持部材７３４は、ＰＬＡのような堆肥化可能な射出成形された樹脂として形成することができる。

以下に、本開示の範囲内における特定の付加的な実施態様の例としてのリストを示す。これらの実施態様は単なる例であり、限定されるものではない。以下に、又は本明細書のどこか別の部分に明らかには引用されていないいくつかの実施態様も、本開示の範囲内として良い。しかしながら、本開示は、本明細書で示され、説明された範囲内にある全ての実施態様を含んでいる。さらに、本開示は、本明細書のどこかに開示された任意の構造、材料、ステップ、またはその他の特徴と、本明細書のどこかに開示された任意の構造、材料、ステップ、またはその他の特徴との任意の組み合わせを有した全ての実施態様を含んでいる。

実施形態１：シングルサーブ式飲料カートリッジであって、室、側壁、半径方向外側に向かって延在するリップを有した第１端部、及び半径方向内側に向かって延在するフランジを有した第２端部を備えた中空の本体部分と；前記室内に位置する飲料成分又は前駆物質と；前記リップに接合されていて液体が通過できるように形成された第１のフィルタエレメントと；前記フランジに接合されていて液体が通過できるように形成された第２のフィルタエレメントと、を備えたシングルサーブ式飲料カートリッジ。

実施形態２：第１のフィルタエレメントはさらに、カートリッジ内の飲料成分又は前駆物質の圧縮を促進するようにタンピングヘッドと協働するときに、室内へと変形されるように形成されている、実施形態１のカートリッジ。

実施形態３：第１のフィルタエレメントは延伸により変形するように形成されている、実施形態２のカートリッジ。

実施形態４：第１のフィルタエレメントは展開により変形するように形成されている、実施形態２のカートリッジ。

実施形態５：第１のフィルタエレメントと第２のフィルタエレメントとが、中空の本体部分から分離されるもの、穴があけられるもの、破壊されるもののうちの少なくとも１つではないように、形成されている、上記実施形態のうちのいずれか１つのカートリッジ。

実施形態６：カートリッジは生分解可能な材料を有している、上記実施形態のうちのいずれか１つのカートリッジ。

実施形態７：本体部分と、第１のフィルタエレメント及び第２のフィルタエレメントの少なくとも一方とが、ポリ乳酸を有している、上記実施形態のうちのいずれか１つのカートリッジ。

実施形態８：第１のフィルタエレメントは、カートリッジの軸方向の軸線に沿って、１ｍｍ〜２ｍｍ延伸するように形成されている、上記実施形態のうちのいずれか１つのカートリッジ。

実施形態９：さらに、本体部分を支持するように形成されたフレームを有している、上記実施形態のうちいずれか１つのカートリッジ。

実施形態１０：前記フレームは、側壁に結合されている支柱の網状組織を有している実施形態９のカートリッジ。

実施形態１１：第１のフィルタエレメントと第２のフィルタエレメントの少なくとも一方は、複数の層を有している、上記実施形態のうちいずれか１つのカートリッジ。

実施形態１２：第１のフィルタエレメントと第２のフィルタエレメントの少なくとも一方は、第１の層と第２の層と、これら両層の間に位置する第３の層とを有している、実施形態１１のカートリッジ。

実施形態１３：第１の層及び第２の層は織布繊維を有していて、第３の層は不織布繊維を有している、実施形態１２のカートリッジ。

実施形態１４：さらに、第２のフィルタエレメントに連結されたバッフルを有していて、該バッフルは、バッフルの周囲の及び第２のフィルタエレメントを通る液体の流れを方向付けるように構成されている、上記実施形態のうちいずれか１つのカートリッジ。

実施形態１５：第２端部は制限オリフィスを有している、実施形態１４のカートリッジ。

実施形態１６：飲料成分又は前駆物質がエスプレッソコーヒー粉を含んでいる、上記実施形態のうちいずれか１つのカートリッジ。

実施形態１７：飲料の一杯分を準備する方法であって、該方法は以下のステップ、即ち、シングルサーブ式飲料機内に挿入されるカートリッジを提供し、前記飲料機のタンピングヘッドを前記カートリッジの前記室内に延在させ、これにより、第１のフィルタエレメントを、扁平ではない構成へと変形させるステップと；カートリッジ内で飲料成分又は前駆物質を圧縮するステップと；飲料を作製するために、液体を第１のフィルタエレメントから導入して、飲料成分又は前駆物質と混合させるステップと；飲料を第２のフィルタエレメントから分配するステップと；を有している。このような実施形態のいくつかではカートリッジは以下のもの、即ち、側壁を有した本体部分、該本体部分の第１端部に連結された扁平な第１のフィルタエレメント、前記本体部分の第２端部に連結された扁平な第２のフィルタエレメント、本体部分と第１のフィルタエレメントと第２のフィルタエレメントとによって画定された室、該室内に位置する飲料成分又は前駆物質、のうちの１つ以上を有している。

実施形態１８：カートリッジは、生分解可能な材料を有している、実施形態１７の方法。

実施形態１９：第１のフィルタエレメントの変形は、第１のフィルタエレメントに穴をあけるものではない、実施形態１７又は実施形態１８の方法。

実施形態２０：飲料成分又は前駆物質がエスプレッソコーヒー粉を含んでいて、飲料はエスプレッソ飲料を含んでいる、実施形態１７から１９までのうちいずれか１つの方法。

実施形態２１：さらに、室と、周辺雰囲気との間に差圧を形成するステップを有していて、該差圧は、第２のフィルタエレメントが、第１のフィルタエレメントよりも大きな流れ抵抗を有していることにより形成される、実施形態１７から２０までのうちいずれか１つの方法。

実施形態２２：第１のフィルタエレメントの変形は、第１のフィルタエレメント延伸を含んでいる、実施形態１７から２１までのうちいずれか１つの方法。

実施形態２３：第１のフィルタエレメントの変形は、第１のフィルタエレメント展開を含んでいる、実施形態１７から２２までのうちいずれか１つの方法。

実施形態２４：シングルサーブ式飲料カートリッジであって、室、側壁、半径方向外側に向かって延在するリップを有した第１端部、及び半径方向内側に向かって延在するフランジを有した第２端部を有した中空の本体部分と；前記室内に位置する飲料成分又は前駆物質と；前記中空の本体部分の第１端部に接合されていて液体が通過できるように形成された第１のフィルタエレメントと；前記中空の本体部分の第２端部に接合されていて液体が通過できるように形成された第２のフィルタエレメントと、を備えたシングルサーブ式飲料カートリッジ。

延伸可能な飲料カートリッジ及びこのようなカートリッジを含む方法の様々な実施態様と実施例を、本明細書で上述した。本明細書で説明した特定の実施形態は、コーヒーに関するものであるが、本明細書で説明したカートリッジは、その他様々な種類の飲料、例えばチョコレートベース製品（例えば、ホットココア）、茶、ジュース、及び別の飲料を作製するための粒子状材料又は成分を含むことができる。さらに、カートリッジ内に液体が導入されるいくつかの実施形態が開示されているが、液体とは異なる相の導入物も考えられる。例えば、いくつかの実施形態では、蒸気又は蒸気と液体の混合物がカートリッジに導入される。補足すると、特定の実施形態は、単一の飲料成分又は前駆物質を含むことを開示しているが、「飲料成分又は前駆物質」という用語は、単一の成分のみに限定されるものではない。むしろ、飲料成分又は前駆物質は、１つの成分（例えばコーヒー）又は複数の成分（例えばコーヒーと甘味料）を含むことができる。

本開示に示され説明された方法及び機器の多くの側面は、さらに別の実施態様又は許容できる例を形成するように異なる組み合わせが可能で、かつ／又は変更することができる。そのような全ての変更及び変化実施態様は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。実際に、設計やアプローチの広範囲の多様性が可能であり、それは本開示の範囲内である。ここに開示された特徴、構造、ステップは、本質的なものや不可欠なものではない。さらに、例としての実施形態が本明細書で説明されているが、等価の要素を有し、変更、省略、組み合わせ（例えば、様々な実施態様にわたる側面の組み合わせ）、適応、及び／又は選択を含め全ての任意の実施形態の範囲は、本開示の分野における当業者によって理解できる。

さらに、本明細書において、別個の複数の実施態様の記載で説明された特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせた実施態様にすることも可能である。逆に、１つの実施態様の記載で説明された様々な特徴を、複数の実施形態に分離して実施する、又は任意の適当なさらなる組み合わせにおいて実施することも可能である。さらに、いくつかの特徴は、特定の組み合わせで作動するように上述されているが、請求項に記載された組み合わせの１つ以上の特徴は、いくつかの場合に、この組み合わせから削除されて良く、この組み合わせは、さらなる組み合わせとして、又はさらなる組み合わせの変化形として請求することができる。

さらに、操作は図面に示され、本明細書において特定の順序で説明されているが、このような操作は、示された特定の順序で、又は順番に行われる必要はなく、又は所望の結果に達するために全ての操作を行う必要はない。示されていない、又は説明されていない別の操作を、例としての方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、１つ以上の付加的な操作を、記載した任意の操作の前、又は後、又は同時に、又は間に行うことができる。さらに、操作は、別の実施態様において再配置又は並べ替えることができる。また、上述した実施態様における様々なシステムの構成要素の分離は、全ての実施態様においてこのような分離が必要であると理解されるべきではなく、記載した構成要素とシステムは、一般的に統合されて１つの製品とすることができる、又は複数の製品となるようにパッケージすることができるものと理解されるべきである。

この開示の目的のために、特定の態様、利点、及び新規の特徴が本明細書で説明されている。これらの利点全てが任意の特定の実施態様により必ずしも得られないかもしれない。従って例えば、当業者は、この開示は、ここで教示されたような１つの利点又は複数の利点のグループに到達するように実施される、又は実現されるが、この場合、ここで教示され示唆されたような別の利点に必ずしも到達しないことを認識するだろう。

「〜できる（ｃａｎ，ｃｏｕｌｄ）」、又は「〜して良い、〜であって良い（ｍｉｇｈｔ，ｍａｙ）」のような条件的な用語は、特別にそうでないことが記載されない限りは、使用される文脈の範囲内で理解され、一般に、特定の特徴、エレメント、及び／又はステップを特定の実施態様は含むが、その他の実施態様は含まないことを示そうとするものである。したがって、このような条件付き表現は一般的に、上記特徴、要素、および／またはステップが何らかの形で１または複数の実施形態に必要であるか、もしくはユーザ入力またはその指示の有無に関わらず、これら特徴、要素、および／またはステップの任意特定の実施形態における包含または実施を決定する論理を上記１または複数の実施形態が必然的に含むことを示したものではない。

また、特段の具体的な記述がない限り、「Ｘ、Ｙ、およびＺのうちの少なくとも１つ」等の連結的表現は、一般使用の文脈において、項目や条件等がＸ、Ｙ、またはＺのいずれであってもよいことを表すものと理解される。したがって、このような連結的表現は一般的に、Ｘの少なくとも１つ、Ｙの少なくとも１つ、およびＺの少なくとも１つがそれぞれ存在することを特定の各実施形態が必要としていることを示したものではない。

特段の但し書きがない限り、「１つの（ａ又はａｎ）」のような冠詞は、一般的に１つ以上の記載された要素を含むものと解釈すべきである。従って、「〜ように形成された１つの装置」のような記載は、１つ以上の装置を含むことを意味する。例えば１つ以上の列挙した装置も、集合的に上述したものを実行するように形成することができる。例えば、「列挙したＡ、Ｂ、Ｃを実行するように形成されたプロセッサ」とは、列挙したＡを実行するように形成された第１のプロセッサが、列挙したＢとＣを実行するように形成された第２のプロセッサと結びついて作業することを含んでいる。

本明細書で使用されているような「ほぼ」、「約」、「概ね」、「実質的に」といった程度を示す記載は、所望の機能を発揮するために、又は所望の結果を奏する値、量、又は特性に近似の値、量、又は特性を表している。例えば、「ほぼ」、「約」、「概ね」、「実質的に」の用語は、記載した量の１０％未満、又は５％未満、１％未満、０．１％未満、０．０１％未満の量を基準とすることができる。別の例としては、特定の実施態様では、「ほぼ平行」、「実質的に平行」といった用語は、正確に平行な状態から１５°以下、１０°以下、５°以下、３°以下、１°以下、０．１°以下、又はその他だけ離れている値、量、又は特性を基準としている。同様に、特定の実施態様では、「ほぼ垂直」、「実質的に垂直」といった用語は、正確に垂直な状態から１５°以下、１０°以下、５°以下、３°以下、１°以下、０．１°以下、又はその他だけ離れている値、量、又は特性を基準としている。

請求の範囲の記載は、請求項で使用された用語に基づき広く解釈されるべきであって、本明細書で説明された、又は出願の手続き中に説明された例に限定されるべきではなく、このような例は、排他的なものと解釈すべきではない。

いくつかの実施態様は、添付の図面に関連して説明された。しかしながら、これらの図面は縮尺通りに描かれたものではないことは理解されるべきである。距離や角度等は単に例示であり、図示された装置の実際の寸法及びレイアウトに正確に関連している必要はない。構成要素は、加える、かつ／又は除去する、かつ／又は再配置することができる。さらに、様々な実施態様に関連する任意の特別な特徴、側面、方法、態様、特性、品質、属性、エレメント等の本明細書における開示は、ここに記載された全ての別の実施態様においても使用することができる。付加的に、本明細書で説明された任意の方法が、記載したステップを行うために適した任意の装置を使用して実施され得ることが認識されるだろう。

この開示の目的のために、特定の態様、利点、及び新規の特徴が本明細書で説明されている。これらの利点全てが必ずしも任意の特定の実施態様により得られるわけではないことが理解されるべきである。従って例えば、当業者は、この開示は、ここで教示されたような１つの利点又は複数の利点のグループに到達するように実施される、又は実現されるが、この場合、ここで教示され示唆された別の利点に到達する必要はないことを認識するだろう。

さらに、例としての実施形態が本明細書で説明されているが、等価の要素、変更、省略、組み合わせ（例えば、様々な実施態様にわたる側面の組み合わせ）、適応、及び／又は選択を有する全ての任意の実施形態の範囲は、本開示の分野における当業者によって行うことができるだろう。請求の範囲の限定は、請求項で使用された記載に基づき広く解釈されるべきであって、本明細書で説明された、又は出願の手続き中に説明された例に限定されるべきではなく、このような例は、排他的なものと解釈すべきではない。さらに、開示されたプロセス及び方法のアクションは、並び替えられたアクション、及び／又は挿入された付加的なアクション、及び／又は省略されたアクションによって任意の形式で変更することができる。従って、明細書及び実施例は説明のためだけのものとして考えられ、請求の範囲及びその同等のものの全ての範囲によって示された本発明の真の範囲と思想を有する。

即ち、延伸可能な飲料カートリッジ及び方法の様々な説明した実施態様と実施例が開示された。カートリッジと方法はこれらの実施態様と実施例の文脈内で説明されたが、当業者には、この開示は、特別に開示された実施態様を越えて別の選択的な実施態様及び／又は実施態様の別の使用、さらには特定の変更及びその等価のものまで含むことが理解されるだろう。この開示は、開示された実施態様の様々な特徴及び側面が互いに組み合わせられ、又は取り替えられることを明らかに意図している。従って、この開示の範囲は、図示され、説明された特別な実施態様に限定されるべきものではなく、以下の請求の範囲及びそれと等価のものの全範囲を公正に読み取ることによってのみ決定されるべきものである。

Claims (24)

1. シングルサーブ式飲料カートリッジであって、
   室、側壁、半径方向外側に向かって延在するリップを有した第１端部、及び半径方向内側に向かって延在するフランジを有した第２端部を備えた中空の本体部分と；
   前記室内に位置する飲料成分又は前駆物質と；
   前記リップに接合されていて液体が通過できるように形成された第１のフィルタエレメントと；
   前記フランジに接合されていて液体が通過できるように形成された第２のフィルタエレメントと、
   を備えたシングルサーブ式飲料カートリッジ。
2. 前記第１のフィルタエレメントはさらに、前記カートリッジ内の前記飲料成分又は前駆物質の圧縮を促進するように、タンピングヘッドと協働した場合、前記室内へと変形されるように形成されている、請求項１記載のカートリッジ。
3. 前記第１のフィルタエレメントは延伸により変形するように形成されている、請求項２記載のカートリッジ。
4. 前記第１のフィルタエレメントは展開により変形するように形成されている、請求項２記載のカートリッジ。
5. 前記第１のフィルタエレメントと前記第２のフィルタエレメントとが、前記中空の本体部分から分離されるもの、穴があけられるもの、破壊されるもののうちの少なくとも１つではないように、形成されている、請求項１記載のカートリッジ。
6. 前記カートリッジは生分解可能な材料を有している、請求項１記載のカートリッジ。
7. 前記本体部分と、前記第１のフィルタエレメント及び第２のフィルタエレメントの少なくとも一方とが、ポリ乳酸を有している、請求項１記載のカートリッジ。
8. 前記第１のフィルタエレメントは、カートリッジの軸方向の軸線に沿って、１ｍｍ〜２ｍｍ延伸するように形成されている、請求項１記載のカートリッジ。
9. さらに、前記本体部分を支持するように形成されたフレームを有している、請求項１記載のカートリッジ。
10. 前記フレームは、前記側壁に結合されている支柱の網状組織を有している、請求項９記載のカートリッジ。
11. 前記第１のフィルタエレメントと前記第２のフィルタエレメントの少なくとも一方は、複数の層を有している、請求項１記載のカートリッジ。
12. 前記第１のフィルタエレメントと前記第２のフィルタエレメントの少なくとも一方は、第１の層と第２の層とこれら両層の間に位置する第３の層とを有している、請求項１１記載のカートリッジ。
13. 前記第１の層及び前記第２の層は織布繊維を有していて、前記第３の層は不織布繊維を有している、請求項１２記載のカートリッジ。
14. さらに、前記第２のフィルタエレメントに連結されたバッフルを有していて、該バッフルは、バッフルの周囲の及び第２のフィルタエレメントを通る液体の流れを方向付けるように構成されている、請求項１記載のカートリッジ。
15. 前記第２端部は制限オリフィスを有している、請求項１４記載のカートリッジ。
16. 前記飲料成分又は前駆物質がエスプレッソコーヒー粉を含んでいる、請求項１記載のカートリッジ。
17. 飲料の一杯分を準備する方法であって、該方法は以下のステップ、即ち、
    シングルサーブ式飲料機内に挿入されるカートリッジであって、該カートリッジが、側壁を有した本体部分と；該本体部分の第１端部に連結されたほぼ平面状の第１のフィルタエレメントと；前記本体部分の第２端部に連結されたほぼ平面状の第２のフィルタエレメントと；前記本体部分、前記第１のフィルタエレメント、前記第２のフィルタエレメントによって画定された室と；該室内に位置する飲料成分又は前駆物質と；を備えたカートリッジを提供するステップと、
    前記飲料機のタンピングヘッドを前記カートリッジの前記室内に延在させ、これにより、第１のフィルタエレメントを、扁平ではない構成へと変形させるステップと；
    前記カートリッジ内で前記飲料成分又は前駆物質を圧縮するステップと；
    飲料を作製するために、液体を前記第１のフィルタエレメントから導入して、前記飲料成分又は前駆物質と混合させるステップと；
    前記飲料を第２のフィルタエレメントから分配するステップと；
    を有している、飲料の一杯分を準備する方法。
18. 前記カートリッジは生分解可能な材料を有している、請求項１７記載の方法。
19. 前記第１のフィルタエレメントの変形は、前記第１のフィルタエレメントに穴をあけるものではない、請求項１７記載の方法。
20. 前記飲料成分又は前駆物質はエスプレッソコーヒー粉を含んでいて、前記飲料はエスプレッソ飲料を含んでいる、請求項１７記載の方法。
21. さらに、前記室と周辺雰囲気との間に差圧を形成するステップを有していて、該差圧は、前記第２のフィルタエレメントが、前記第１のフィルタエレメントよりも大きな流れ抵抗を有していることにより形成される、請求項１７記載の方法。
22. 前記第１のフィルタエレメントの変形は、前記第１のフィルタエレメントの延伸を含んでいる、請求項１７記載の方法。
23. 前記第１のフィルタエレメントの変形は、前記第１のフィルタエレメントの展開を含んでいる、請求項１７記載の方法。
24. シングルサーブ式飲料カートリッジであって、
    室、側壁、半径方向外側に向かって延在するリップを有した第１端部、及び半径方向内側に向かって延在するフランジを有した第２端部を有した中空の本体部分と；
    前記室内に位置する飲料成分又は前駆物質と；
    前記中空の本体部分の前記第１端部に接合されていて液体が通過できるように形成された第１のフィルタエレメントと；
    前記中空の本体部分の前記第２端部に接合されていて液体が通過できるように形成された第２のフィルタエレメントと、
    を備えたシングルサーブ式飲料カートリッジ。

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