JP2016014827A - 光学フィルム(film)用粘着剤、光学フィルム、及び表示装置 - Google Patents

光学フィルム(film)用粘着剤、光学フィルム、及び表示装置 Download PDF

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達弘 諏訪
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Abstract

【課題】リワーク性と信頼性とを両立することが可能な、新規かつ改良された光学フィルム用粘着剤、光学フィルム、及び表示装置を提供する。【解決手段】酸価が0〜20.0mgKOH/gである粘着性樹脂と、下記の化学式(1)で示される構造を有するシリケートオリゴマーと、を含むことを光学フィルム用粘着剤。【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム用粘着剤、光学フィルム、及び表示装置に関する。
液晶セル等の表示素子には、表示素子の画像形成方式に応じて各種のフィルムが貼り付けられる場合がある。例えば、液晶セル(cell)には、その画像形成方式から液晶セルの両側に偏光フィルムが貼り付けられる。また、表示素子には、表示品位を向上させるために各種のフィルムが貼り付けられる場合がある。このようなフィルムとしては、着色防止としての位相差板、液晶ディスプレイ(display)の視野角を改善するための視野角拡大フィルム、ディスプレイのコントラスト(contrast)を高めるための輝度向上フィルム、及び各種の保護フィルム等が知られている。これらのフィルムは、液晶セルに好適に使用される。以下、表示素子に貼り付けられるフィルムを光学フィルムとも称する。
光学フィルムを表示素子に貼り付ける際には、通常、粘着剤が使用される。また、光学フィルムは積層される場合がある。この場合、光の損失を低減するため、光学フィルム同士は粘着剤を用いて密着される。ここで、光学フィルムは、粘着剤からなる粘着剤層が少なくとも片面に形成された粘着型光学フィルムとして使用されることが多い。粘着型光学フィルムを表示素子等に固着する場合、乾燥工程が不要になる等のメリットが有る。
特許文献1〜4には、粘着剤に関する技術が開示されている。特許文献1には、モノマー(monomer)単位として、アルキル(メタ)アクリレート(alkyl(meta)acrylate)を含有する(メタ)アクリル系ポリマー(polymer)(1)、および反応性シリル基を有するポリエーテル(polyeter)(2)を含有することを特徴とする光学フィルム用粘着剤組成物が提案されている。
また、特許文献2には、a)水酸基を含有するが、カルボキシル(carboxyl)基を含有しないアクリル系共重合体100質量部と、b)架橋剤0.01〜10質量部と、c)HLB値が4〜13であるポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane)共重合体0.01〜5.0質量部とを含むアクリル系感圧粘着剤組成物が開示されている。
特許文献3、4には、アクリル系樹脂中に、硬化剤及びシリケートオリゴマー(silicate olygomer)を配合させてなることを特徴とする粘着剤組成物が開示されている。
ところで、光学フィルムを表示素子に貼り付ける際、貼り合わせ位置を誤ったり、貼合せ面に異物が噛み込んだりする場合がある。これらの場合に、光学フィルムを表示素子から剥離することで、表示素子を再利用する場合がある。このため、粘着剤には、光学フィルムを表示素子から容易に剥がせること、剥離時に表示素子を破壊しないこと、剥離時に表示素子に糊残り等の汚れを残さないことが求められる。これらの特性は、再剥離性(リワーク性)とも称される。
粘着剤のリワーク(rework)性を向上させるためには、粘着剤の接着力を落とす必要がある。特に、近年では、光学フィルムのみならず、表示素子自体も薄型化される傾向がある。例えば、液晶セルは、ケミカルエッチング(chemical etching)処理されたガラス(glass)を用いて作製されることがある。この場合、液晶セルは非常に薄い。光学フィルム及び表示素子が薄くなると、これらの破断強度が小さくなる。そして、破断強度が小さくなると、リワーク可能な接着力が低下する。したがって、光学フィルム及び表示素子が薄い場合には、接着力を特に低下させる必要がある。
特開2010−275524号公報 特表2008−503638号公報 特開平8−199130号公報 特開平8−209103号公報
しかし、粘着剤には、光学フィルム同士(または光学フィルムと表示素子)を強固かつ安定して結着させるという信頼性(耐久性)も求められる。そして、粘着剤のリワーク性を向上させるために接着力を落とすと、粘着剤の信頼性が落ちる傾向がある。したがって、薄い光学フィルム及び表示素子に対するリワーク性を確保するために、粘着剤の接着力を大きく落とすと、粘着剤の信頼性が大きく損なわれてしまう。このように、粘着剤のリワーク性と信頼性とを両立させることは非常に難しいという問題があった。この問題は、光学フィルム及び表示素子が薄い場合に、特に顕著であった。
なお、特許文献1〜4に開示された技術では、上記問題を何ら解決することができなかった。具体的には、特許文献1に開示された粘着剤は、ある程度の信頼性を確保することができるものの、薄型の脆い光学フィルム及び表示素子をリワークするのに十分な程度まで接着力を低下させることができなかった。特許文献2に開示された技術では、薄型の光学フィルム及び表示素子に対するリワーク性を確保出来る程度まで接着力を低下させることはできるが、耐久性を確保することは難しかった。また特許文献3、4に開示された技術では、ある程度の耐久性は確保できるものの、アクリル樹脂中のカルボキシル基量が多い場合には接着力を十分に低下させることができなかった。このため、特に薄型の脆い光学フィルム及び表示素子に対するリワーク性を確保できなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、リワーク性と信頼性とを両立することが可能な、新規かつ改良された光学フィルム用粘着剤、光学フィルム、及び表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、酸価が0〜20.0mgKOH/gである粘着性樹脂と、下記の化学式(1)で示される構造を有するシリケートオリゴマーと、を含むことを特徴とする、光学フィルム用粘着剤が提供される。
Figure 2016014827
化学式(1)において、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜6のアルキル(alkyl)基、及びフェニル(phenyl)基のいずれかであり、Xは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル基、及びフェニル基のいずれかであり、nは1〜100の整数である。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
ここで、粘着性樹脂は、アクリル樹脂を含んでいてもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
また、粘着性樹脂は、水酸基含有モノマーを構成単位として含んでいてもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
また、シリケートオリゴマーは、メチル(methyl)シリケートオリゴマーを含んでいてもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
また、シリケートオリゴマーの重量平均分子量は、300〜30000であってもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
また、粘着性樹脂100質量部に対して、シリケートオリゴマーを0.01〜50質量部含んでいてもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
また、架橋剤をさらに含んでいてもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
また、架橋剤は、イソシアネート(isocyanate)系架橋剤、カルボジイミド(carbodiimide)系架橋剤、及び過酸化物系架橋剤からなる群から選択されるいずれか1種以上であってもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
粘着性樹脂100質量部に対して、架橋剤を0.01〜20質量部含んでいてもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
また、シランカップリング(silane coupling)剤をさらに含んでいてもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
また、粘着性樹脂100質量部に対して、シランカップリング剤を0.001〜10質量部含んでいてもよい。
この観点による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
本発明の他の観点によれば、上記光学フィルム用粘着剤を含むことを特徴とする、粘着剤層が提供される。
この観点による粘着剤層は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
本発明の他の観点によれば、光学フィルムと、光学フィルムの少なくとも片面に形成された上記粘着剤層と、を備えることを特徴とする、粘着型光学フィルムが提供される。
この観点による粘着剤層は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。したがって、粘着型光学フィルムを表示素子に貼り付けた後、粘着型光学フィルムを表示素子から容易に剥がすことができる。また、粘着型光学フィルムは、表示素子に強固かつ安定して結着される。
ここで、光学フィルムと粘着剤層との間に配置される易接着層を有していてもよい。
この観点によれば、光学フィルム上に粘着剤層を容易に形成することができる。
ここで、光学フィルムは偏光フィルムであってもよい。
この観点による粘着型光学フィルムは、粘着型偏光フィルムとなる。そして、粘着剤層は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。したがって、粘着型偏光フィルムを表示素子、例えば液晶セルに貼り付けた後、粘着型偏光フィルムを表示素子から容易に剥がすことができる。また、粘着型偏光フィルムは、表示素子に強固かつ安定して結着される。
本発明の他の観点によれば、上記粘着型光学フィルムを有することを特徴とする、表示装置が提供される。
この観点による粘着剤層は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。したがって、粘着型光学フィルムを表示素子から容易に剥がすことができる。また、粘着型光学フィルムは、表示素子に強固かつ安定して結着される。
以上説明したように本発明による粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立することができる。
本発明の実施形態に係る粘着型光学フィルムの一例を示す断面図である。 粘着型光学フィルムの変形例を示す断面図である。 表示装置の一例を示す断面図である。 表示装置の変形例を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.光学フィルム用粘着剤の組成>
まず、本実施形態に係る光学フィルム用粘着剤(以下、単に「粘着剤」とも称する)の組成について説明する。本実施形態に係る粘着剤は、粘着性樹脂と、シリケートオリゴマーとを含む。
(1−1.粘着剤樹脂)
粘着性樹脂の酸価は0〜20mgKOH/gであることが必要である。すなわち、本実施形態に係る粘着性樹脂は、酸価が0より大きい場合には、酸性の官能基を有する。一方、後述するように、シリケートオリゴマーは、アルコキシ(alcoxyl)基を有する。そして、酸性の官能基は、シリケートオリゴマーのアルコキシ基と反応する。粘着剤は、当該反応によって接着力が向上する。したがって、酸価が増大するほど、接着力が向上し、ひいては、信頼性も向上すると考えられる。しかし、酸価が大きすぎると、接着力が過剰になり、リワーク性が低下する。本発明者が酸価について詳細に検討したところ、後述する実施例に示される通り、酸価が0〜20mgKOH/gとなる場合に、リワーク性と信頼性とが両立される。酸価は、好ましくは10mgKOH/g以下、さらに好ましくは3mgKOH/以下g、より好ましくは1mgKOH/g以下である。
粘着性樹脂を構成する樹脂は、粘着性を有し、かつ酸価が0〜20mgKOH/gである樹脂であれば特に制限されない。粘着性樹脂の好ましい例として、(メタ)アクリル系ポリマー、ウレタン(urethan)ポリマー、及びポリエステル(polyester)が挙げられる。粘着剤樹脂は、これらのうちのいずれか1種だけで構成されていても良いし、これらの樹脂の混合物であってもよい。また、粘着性樹脂は、これらの樹脂の共重合体であってもよい。粘着性樹脂の最も好ましい例は(メタ)アクリル系ポリマー、である。
ここで、(メタ)アクリル系ポリマー、について説明する。(メタ)アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数1〜18のものを例示できる。例えば、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソミリスチル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、等を例示できる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらアルキル基の平均炭素数は3〜9であるのが好ましい。
前記(メタ)アクリル系ポリマー中には、接着性や耐熱性の改善を目的に、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有する、1種類以上の共重合モノマーを共重合により導入することができる。そのような共重合モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。
また、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド、N−アクリロイルモルホリンなどのスクシンイミド系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミドやN−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミドやN−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー、なども改質目的のモノマー例として挙げられる。
さらに改質モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマーなども使用することができる。さらには、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテル等が挙げられる。
さらに、上記以外の共重合可能なモノマーとして、ケイ素原子を含有するシラン系モノマーなどが挙げられる。シラン系モノマーとしては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルブチルトリメトキシシラン、4−ビニルブチルトリエトキシシラン、8−ビニルオクチルトリメトキシシラン、8−ビニルオクチルトリエトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、共重合モノマーとしては、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物等の(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上有する多官能性モノマーや、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどの骨格にモノマー成分と同様の官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上付加したポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどを用いることもできる。
(メタ)アクリル系ポリマーは、全構成モノマーの重量比率において、アルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、(メタ)アクリル系ポリマー中の前記共重合モノマーの割合は、特に制限されないが、前記共重合モノマーの割合は、全モノマーの総質量に対して0〜20質量%程度、0.1〜15質量%程度、さらには0.1〜10質量%程度であるのが好ましい。
これら共重合モノマーの中でも、接着性、耐久性の点から、ヒドロキシル基含有モノマーが好ましく用いられる。ヒドロキシル基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーは併用することができる。これら共重合モノマーは、粘着剤が架橋剤を含有する場合に、架橋剤との反応点になる。ヒドロキシル基含有モノマーは分子間架橋剤との反応性に富むため、得られる粘着剤層の凝集性や耐熱性の向上のために好ましく用いられる。ヒドロキシル基含有モノマーはリワーク性の点で好ましい。
共重合モノマーとして、ヒドロキシル基含有モノマーを含有する場合、その割合は、全モノマーの総質量に対して0.01〜15質量%が好ましく、0.03〜10質量%がより好ましく、さらには0.05〜7質量%が好ましい。共重合モノマーとして、カルボキシル基含有モノマーを含有する場合、その割合は、全モノマーの総質量に対して0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、さらには0.2〜6質量%が好ましい。
本実施形態の(メタ)アクリル系ポリマーは、通常、重量平均分子量が30万〜300万の範囲のものが用いられる。耐久性、特に耐熱性を考慮すれば、重量平均分子量は50万〜250万であるものを用いることが好ましい。さらには70万〜230万であることが好ましい。重量平均分子量が30万よりも小さいと、耐熱性の点で好ましくない。また、重量平均分子量が300万よりも大きくなると、塗工するための粘度に調整するために多量の希釈溶剤が必要となり、コストアップとなることから好ましくない。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいう。
このような(メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合などの公知の製造方法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
なお、溶液重合においては、重合溶媒として、例えば、酢酸エチル、トルエンなどが用いられる。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素などの不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50〜85℃程度で、5〜30時間程度の反応条件で行われる。
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などは特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬社製、VA−057)などのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせなどの過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100質量部に対して、0.005〜1質量部程度であることが好ましく、0.02〜0.5質量部程度であることがより好ましい。
なお、重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを用いて、前記重量平均分子量の(メタ)アクリル系ポリマー(A)を製造するには、重合開始剤の使用量は、モノマー成分の全量100質量部に対して、0.06〜0.2質量部程度とするのが好ましく、さらには0.08〜0.175質量部程度とするのが好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどが挙げられる。連鎖移動剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー成分の全量100質量部に対して、0.1質量部程度以下である。
また、乳化重合する場合に用いる乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
さらに、反応性乳化剤として、プロペニル基、アリルエーテル基などのラジカル重合性官能基が導入された乳化剤として、具体的には、例えば、アクアロンHS−10、HS−20、KH−10、BC−05、BC−10、BC−20(以上、いずれも第一工業製薬社製)、アデカリアソープSE10N、SR−10N(旭電化工社製)などがある。反応性乳化剤は、重合後にポリマー鎖に取り込まれるため、耐水性がよくなり好ましい。乳化剤の使用量は、モノマー成分の全量100質量部に対して、0.3〜5質量部、重合安定性や機械的安定性から0.5〜2質量部がより好ましい。
次にウレタン(urethan)ポリマーについて説明する。本実施形態に用いるウレタン樹脂はポリオールとイソシアネートを反応させたものであり、ポリオールはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
本実施形態に用いるポリエステルポリオールとしては公知のポリエステルポリオールが用いられる。酸成分としてテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等が挙げられ、グリコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、ポリオール成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。その他、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も挙げられる。ポリエステルポリオールの分子量は低分子量から高分子量まで使用可能であるが、好ましくは分子量が1,000〜5,000のポリエステルポリオール、更に好ましくは分子量2,500〜3,500のポリエステルポリオールを用いる。分子量が1,000以下では反応性が高くなり、ゲル化しやすくなる。また、分子量が5,000以上では反応性が低くなり、さらにはポリウレタン自体の凝集力が小さくなる。その使用量はポリウレタンを構成するポリオール中10〜70モル%が好ましい。更に好ましくは、35〜65モル%である。
本実施形態に用いるポリエーテルポリオールとしては公知のポリエーテルポリオールが用いられる。例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の低分子量ポリオールを開始剤として用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を重合させることにより得られるポリエーテルポリオール、具体的にはポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のものが用いられる。ポリエーテルポリオールの分子量は低分子量から高分子量まで使用可能であるが、好ましくは分子量が1,000〜5,000のポリエーテルポリオール、更に好ましくは分子量が2,500〜3,500のポリエーテルポリオールを用いる。分子量が1,000以下では反応性が高くなり、ゲル化しやすくなる。また、分子量が5,000以上では反応性が低くなり、さらにはポリウレタン自体の凝集力が小さくなる。その使用量はポリウレタンを構成するポリオール中20〜80モル%が好ましい。更に好ましくは、40〜65モル%である。
また、本実施形態では必要に応じて一部エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のグリコール類、エチレンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミン類も併用することができる。
本実施形態に用いるポリエーテルポリオールは、2官能性のポリエーテルポリオールも用いることができるが、分子量が1,000〜5,000であり、かつ1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを一部もしくは全部用いることにより、更に粘着力と再剥離性のバランスがとれる。分子量が1,000以下で3官能以上のポリオールは反応性が高くなり、ゲル化しやすくなる。また、分子量が5,000以上で3官能以上のポリオールは反応性が低くなり、さらにはポリウレタン自体の凝集力が小さくなる。好ましくは分子量2,500〜3,500以下で少なくとも3官能以上のポリオールを一部もしくは全部用いる。
本実施形態に用いられる有機ポリイソシアネート化合物としては公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしてはトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしてはω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また一部上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。
本実施形態に用いられるポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)等が好ましい。
ポリウレタンの合成に用いられる触媒としては公知の触媒を使用することができる。例えば3級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物としてはトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物としては錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。錫系化合物としてはジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの触媒を使用する場合、ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの2種類のポリオールが存在する系ではその反応性の相違により、単独の触媒の系ではゲル化したり、反応溶液が濁るという問題が生じやすい。2種類の触媒を用いることにより、反応速度、触媒の選択性等が制御可能となり、これらの問題を解決することができる。その組み合わせとしては、3級アミン/有機金属系、錫系/非錫系、錫系/錫系等が用いられるが、好ましくは錫系/錫系、更に好ましくはジブチル錫ジラウレートと2−エチルヘキサン酸錫の組み合わせである。その配合比は重量で2−エチルヘキサン酸錫/ジブチル錫ジラウレート<1である。好ましくは0.2〜0.6である。配合比が1以上では、触媒活性のバランスによりゲル化しやすくなる。これらの触媒使用量はポリオールと有機ポリイソシアネートの総量に対して0.01〜1.0質量%である。
本実施形態に用いられる多官能イソシアネート化合物としては前述の有機ポリイソシアネート化合物及びそれらのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、またはイソシアヌレート環を有する3量体等が用いられる。
本実施形態に用いられるポリウレタンと多官能イソシアネートの配合比は、ポリウレタン100部(質量部)に対して多官能イソシアネート1〜20部用いられる。1部以下では凝集力が低下し、20部以上では粘着力が低下する。好ましくは2〜10部である。
本実施形態のポリウレタンを得る反応の温度は100℃以下が好ましい。更に好ましくは85℃〜95℃である。反応温度が100℃以上になると反応速度、架橋構造の制御が困難であり、所定の分子量、化学構造を有するポリウレタンが得難くなる。
本実施形態のポリウレタンは、重量平均分子量が10000〜200000であることが好ましく、15000〜100000がより好ましく、20000〜50000がであることがさらに好ましい。重量平均分子量が下限値未満であると粘着剤とした場合に充分な凝集力が得られず、耐熱性や機械的強度が低下する傾向がある。また、分子量を上げすぎると、柔軟性が失われ、初期粘着性が低下し、指圧程度の圧力で充分な接着力を発揮できない傾向がある。
本実施形態のポリウレタンのガラス転移温度は、−10℃以下であることが好ましく、−25℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が上限値を超えると柔軟性が失われ、初期粘着性が低下し、指圧程度の圧力で充分な接着力を発揮できない傾向がある。また、ガラス転移温度の下限としては−100℃以上であることが好ましく、−80℃以上であることがより好ましく、−70℃以上であることがさらに好ましい。かかる下限値未満では耐熱性が低下し好ましくない。
本実施形態でポリウレタンの希釈に使用される溶剤としては、公知のものを使用できる。例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン等が挙げられる。ポリウレタンの溶解性、溶剤の沸点等の点から特にトルエンが好ましい。
次にポリエステル(polyester)について説明する。本実施形態のポリエステルは、ポリオール成分とカルボン酸成分からなる原料として使用し、これらを重縮合して得られるものである。
本実施形態で使用するポリオール成分としては、側鎖にアルコキシ基を有するジオールのみからなっていてもよいし、ジオール以外のポリオールを含んでいてもよい。
ジオール以外のポリオールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの直鎖脂肪族ジオール;ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオールなどの炭化水素基側鎖を持つ脂肪族ジオールなどがあげられ、これらを1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、初期粘着性と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、炭素数2〜6の直鎖脂肪族ジオール、特には1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコールや、炭素数1〜4の炭化水素基側鎖を持つ脂肪族ジオール、特にはネオペンチルグリコールが好ましい。
また、必要に応じてポリエーテルジオール、3価以上の多価アルコールを少量含んでも良い。ポリエーテルジオールとしては、エチレンオキサイド、プロピオンオキサイド、テトラヒドロフランなどを開環重合させたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられ、これらを1種または2種以上を用いることができる。
3価以上の多価アルコールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールなどがあげられ、これらを1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、耐熱性が向上する点から、トリメチロールプロパンが好ましい。3価以上の多価アルコールの含有量は特に限定されないが、0.1〜5.0モル%であることが好ましく、0.5〜3.0モル%であることがより好ましい。
次に、カルボン酸成分について説明する。カルボン酸成分としては、特に限定されないが、ポリオール成分として側鎖にアルコキシ基を含有するジオールを用いない場合には、得られるポリエステル系樹脂の側鎖にアルコキシ基を導入することができる点から、側鎖にアルコキシ基を有するカルボン酸を含むことが好ましい。もちろん、ポリオール成分とカルボン酸成分のいずれにも側鎖にアルコキシ基を含有する原料成分を用いてもよい。
側鎖にアルコキシ基を有するカルボン酸としては、特開2004−307462号公報に記載されているポリビニルエーテルなどをあげることができる。これらの中でも、初期粘着性と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、数平均分子量500〜3000であることが好ましい。
また、側鎖にアルコキシ基を有するカルボン酸以外のカルボン酸としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸などの飽和ジカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロルフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸類などの不飽和ジカルボン酸などがあげられ、これらを1種または2種以上を用いることができる。必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸などの3価以上のカルボン酸を少量含んでも良い。これらの中でも、初期粘着性と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、芳香族ジカルボン酸、特にはテレフタル酸、イソフタル酸や、炭素数6〜12(カルボキシル基の炭素を含む)の脂肪族ジカルボン酸、特にはセバシン酸が好ましい。
本実施形態のポリエステル系樹脂中のアルコキシ基の含有量は、特に限定されないが、ポリエステル系樹脂1分子あたり、アルコキシ基が5〜300個程度導入することが好ましく、60〜150個程度導入することが特に好ましい。かかるアルコキシ基が下限値未満では初期粘着力が低下する傾向となり、上限値を超えると機械的強度、耐熱性が低下する傾向にある。
ポリオール成分の配合割合としては、カルボン酸成分1当量あたり、ポリオール成分1当量以上であることが好ましく、1.2当量以上であることがより好ましく、2.0当量以下であることが好ましい。ポリオール成分の配合割合が下限値未満では酸価が高くなり高分子量化するのが難しくなり、上限値をこえると収率がわるくなり好ましくない。
重縮合反応に際しては、まず重合(エステル化)反応が行われた後、縮合反応が行われる。かかる重合(エステル化)反応においては、触媒が用いられ、具体的には、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系などの触媒や酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイドなどを挙げることができ、これらの1種あるいは2種以上が用いられる。
該触媒の配合量は、全共重合成分に対して1〜10000ppmであることが好ましく、10〜5000ppmであることがより好ましく、10〜3000ppmであることがさらに好ましい。かかる配合量が下限値未満では重合反応が充分に進行しないことがあり、逆に上限値をこえると反応時間短縮等の利点はなく副反応が起こりやすくなり好ましくない。
重合(エステル化)反応時の温度については通常160〜260℃、さらには180〜250℃、特には200〜250℃で行うことが好ましく、かかる温度が下限値未満では反応が充分に進まないことがあり、逆に上限値を超えると分解等の副反応が起こることがあり好ましくない。また、圧力は常圧下で実施される。
かかる重合(エステル化)反応が行われた後、縮合反応が行われるが、このときの条件としては、上記のエステル化のときと同様の触媒を更に同程度の量添加して、好ましくは220〜260℃、より好ましくは230〜250℃にして、反応系を徐々に減圧して最終的には5hPa以下で反応させることが好ましく、かかる反応温度が下限値未満では反応が進まないことがあり、逆に上限値をこえると分解等の副反応が起こることがあり好ましくない。
本実施形態のポリエステルは、重量平均分子量が10000〜200000であることが好ましく、15000〜100000がより好ましく、20000〜50000がであることがさらに好ましい。重量平均分子量が下限値未満であると粘着剤とした場合に充分な凝集力が得られず、耐熱性や機械的強度が低下する傾向がある。また、分子量を上げすぎると、柔軟性が失われ、初期粘着性が低下し、指圧程度の圧力で充分な接着力を発揮できない傾向がある。
本実施形態のポリエステルのガラス転移温度は、−10℃以下であることが好ましく、−25℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が上限値を超えると柔軟性が失われ、初期粘着性が低下し、指圧程度の圧力で充分な接着力を発揮できない傾向がある。また、ガラス転移温度の下限としては−100℃以上であることが好ましく、−80℃以上であることがより好ましく、−70℃以上であることがさらに好ましい。かかる下限値未満では耐熱性が低下し好ましくない。
本実施形態でポリエステルの希釈に使用される溶剤としては、公知のものを使用できる。例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン等が挙げられる。ポリエステルの溶解性、溶剤の沸点等の点から特にメチルエチルケトン、酢酸エチルが好ましい。
(1−2.シリケートオリゴマー)
シリケートオリゴマーは、以下の化学式(1)で示される構成を有する。
Figure 2016014827
化学式(1)において、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜6のアルキル基、及びフェニル基のいずれかであり、Xは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル基、及びフェニル基のいずれかであり、nは1〜100の整数である。アルキル基及びフェニル基は置換されていても、置換されていなくてもよい。また、アルキル基は直鎖構造であっても、分岐構造であってもよい。Rの好ましい例は、メチル基、エチル基、フェニル基である。
また、シリケートオリゴマーは、単一種のオリゴマーで構成されていても、複数種類のオリゴマーの混合物であってもよい。シリケートオリゴマーは、メチルシリケートオリゴマーを含むことが好ましい。メチルシリケートオリゴマーは、化学式(1)のR、Xがすべてメチル基となるオリゴマーである。シリケートオリゴマーがメチルシリケートオリゴマーを含む場合に、より好適な効果が得られる。
また、シリケートオリゴマーの重量平均分子量は特に制限されないが、300〜30000であることが好ましい。シリケートオリゴマーの重量平均分子量がこの範囲内の値となる場合に、より好適な効果が得られる。シリケートオリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは500〜25000、さらに好ましくは600〜5000、さらに好ましくは800〜3500である。
(1−3.粘着性樹脂とシリケートオリゴマーとの混合比)
粘着性樹脂とシリケートオリゴマーとの混合比は特に制限されないが、本実施形態に係る粘着剤は、粘着性樹脂100質量部に対して、シリケートオリゴマーを0.01〜50質量部含むことが好ましい。粘着性樹脂とシリケートオリゴマーとの混合比がこの範囲内の値となる場合に、より好適な効果が得られる。
さらに、本実施形態の粘着剤には、架橋剤を含有することできる。架橋剤としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートを用いることができる。有機系架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド架橋剤、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤などが挙げられる。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等が挙げられる。共有結合または配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等が挙げられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤および/またはカルボジイミド架橋剤および/または過酸化物形架橋剤が好ましい。
イソシアネート系架橋剤に係る化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンなどと付加したイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらにはポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネートなどを挙げることができる。特に好ましくは、ポリイソシアネート化合物であり、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートからなる群より選択される1種またはそれに由来するポリイソシアネート化合物である。ここで、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートからなる群より選択される1種またはそれに由来するポリイソシアネート化合物には、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリオール変性ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリオール変性水添キシリレンジイソシアネート、トリマー型水添キシリレンジイソシアネート、およびポリオール変性イソホロンジイソシアネートなどが含まれる。例示したポリイソシアネート化合物は、水酸基との反応が、特にポリマーに含まれる酸、塩基を触媒のようにして、迅速に進む為、特に架橋の早さに寄与し、好ましい。
カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基(−N=C=N−)を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられ、公知のポリカルボジイミドを用いることができる。また、カルボジイミド化合物(b4)としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドも使用できる。このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させたものが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの内の一種、またはこれらの混合物を使用することができる。
カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシドを利用することができる。
このような高分子量ポリカルボジイミドとしては日清紡績株式会社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01,03,05,07,09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
過酸化物としては、加熱または光照射によりラジカル活性種を発生して粘着剤のベースポリマーの架橋を進行させるものであれば適宜使用可能であるが、作業性や安定性を勘案して、1分間半減期温度が50℃〜160℃である過酸化物を使用することが好ましく、60℃〜140℃である過酸化物を使用することがより好ましい。
用いることができる過酸化物としては、たとえば、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:90.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.4℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:103.5℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:109.1℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:110.3℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジ−n−オクタノイルパーオキシド(1分間半減期温度:117.4℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度:124.3℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド(1分間半減期温度:128.2℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(1分間半減期温度:136.1℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:149.2℃)などが挙げられる。なかでも特に架橋反応効率が優れることから、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)などが好ましく用いられる。
なお、過酸化物の半減期とは、過酸化物の分解速度を表す指標であり、過酸化物の残存量が半分になるまでの時間をいう。任意の時間で半減期を得るための分解温度や、任意の温度での半減期時間に関しては、メーカーカタログなどに記載されており、たとえば、日本油脂株式会社の「有機過酸化物カタログ第9版(2003年5月)」などに記載されている。
架橋剤の使用量は、(メタ)アクリル系ポリマーの場合、ポリマー100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、さらには0.03〜10質量部が好ましい。なお、架橋剤が0.01質量部未満では、粘着剤の凝集力が不足する傾向があり、加熱時に発泡が生じるおそれがあり、一方、20質量部より多いと、耐湿性が十分ではなく、信頼性試験等で剥がれが生じやすくなる。
上記イソシアネート系架橋剤は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、前記ポリイソシアネート化合物架橋剤を0.01〜2質量部含有してなることが好ましく、0.02〜2質量部含有してなることがより好ましく、0.05〜1.5質量部含有してなることがさらに好ましい。凝集力、耐久性試験での剥離の阻止などを考慮して適宜含有させることが可能である。
前記過酸化物は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、前記過酸化物0.01〜2質量部であり、0.04〜1.5質量部含有してなることが好ましく、0.05〜1質量部含有してなることがより好ましい。加工性、リワーク性、架橋安定性、剥離性などの調整の為に、この範囲内で適宜選択される。
さらに、本実施形態の粘着剤には、シランカップリング剤を含有することできる。シランカップリング剤を用いることにより、耐久性を向上させることができる。シランカップリング剤としては、具体的には、たとえば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤などが挙げられる。
前記シランカップリング剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、前記シランカップリング剤0.001〜5質量部が好ましく、さらには0.01〜1質量部が好ましく、さらには0.02〜1質量部がより好ましく、さらには0.05〜0.6質量部が好ましい。耐久性を向上させ、液晶セル等の光学部材への接着力を適度に保持する量である。
さらに本実施形態の粘着剤には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのポリエーテル化合物、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。
前記粘着剤により、粘着剤層を形成するが、粘着剤層の形成にあたっては、架橋剤全体の添加量を調整することとともに、架橋処理温度や架橋処理時間の影響を十分考慮することが好ましい。
使用する架橋剤によって架橋処理温度や架橋処理時間は、調整が可能である。架橋処理温度は170℃以下であることが好ましい。
また、かかる架橋処理は、粘着剤層の乾燥工程時の温度で行ってもよいし、乾燥工程後に別途架橋処理工程を設けて行ってもよい。
また、架橋処理時間に関しては、生産性や作業性を考慮して設定することができるが、通常0.2〜20分間程度であり、0.5〜10分間程度であることが好ましい。
<2.粘着剤層の形成及び粘着剤層の適用例>
上記粘着剤を用いて、各種の光学フィルム上に粘着剤層を形成することができる。粘着剤層が形成された光学フィルムは、粘着型光学フィルムとも称される。粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤を剥離処理したセパレータ(第1のセパレータ)などに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を形成した後に光学フィルムに転写する方法、または光学フィルムに前記粘着剤を塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を光学フィルムに形成する方法などにより作製される。なお、粘着剤の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
剥離処理したセパレータとしては、シリコーン剥離ライナーが好ましく用いられる。このようなライナー上に本実施形態の粘着剤組成物を塗布、乾燥させて粘着剤層を形成する工程において、粘着剤を乾燥させる方法としては、目的に応じて、適宜、適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記塗布膜を加熱乾燥する方法が用いられる。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、さらに好ましくは、50℃〜180℃であり、特に好ましくは70℃〜170℃である。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤を得ることができる。
乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、さらに好ましくは5秒〜10分、特に好ましくは、10秒〜5分である。
また、光学フィルムの表面に、アンカー層を形成したり、コロナ処理、プラズマ処理などの各種易接着処理を施した後に粘着剤層を形成することができる。また、粘着剤層の表面には易接着処理をおこなってもよい。
粘着剤層の形成方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
粘着剤層の厚さは、特に制限されず、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは、2〜50μm、より好ましくは2〜40μmであり、さらに好ましくは、5〜35μmである。
前記粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したセパレータ(第2のセパレータ)で粘着剤層を保護してもよい。
第2のセパレータの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などを挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
前記第2のセパレータの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。前記セパレータには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記第2のセパレータの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
なお、上記の粘着型光学フィルムの作製にあたって用いた第2のセパレータは、そのまま粘着剤層付偏光フィルムのセパレータとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
光学フィルムとしては、液晶表示装置等の画像表示装置の形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限されない。例えば、光学フィルムとしては偏光フィルムが挙げられる。偏光フィルムは偏光子の片面または両面には透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。
偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に5〜80μm程度である。
なお、偏光子の片側または両側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされる。偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、接着剤が用いられる。接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等を例示できる。前記接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60質量%の固形分を含有してなる。上記の他、偏光子と透明保護フィルムとの接着剤としては、紫外硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等が挙げられる。電子線硬化型偏光フィルム用接着剤は、上記各種の透明保護フィルムに対して、好適な接着性を示す。また本実施形態で用いる接着剤には、金属化合物フィラーを含有させることができる。
また前記偏光フィルムは、他の光学フィルムと積層することができる。他の光学フィルムとしては、例えば反射板や反透過板、位相差フィルム(1/2や1/4等の波長板を含む)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものが挙げられる。これらは前記偏光フィルムに、実用に際して積層して、1層または2層以上用いることができる。
偏光フィルムに前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着剤層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光フィルムと他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは50〜99質量%、さらに好ましくは60〜98質量%、特に好ましくは70〜97質量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50質量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。特に本実施形態の粘着剤層は、厚みが40μm以下の薄い透明保護フィルムに、直接、粘着剤層を形成する場合に好適である。
また光学フィルムとしては、例えば反射板や反透過板、位相差フィルム(1/2や1/4等の波長板を含む)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルム、表面処理フィルム等の液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものが挙げられる。これらは単独で光学フィルムとして用いることができる他、前記偏光フィルムに、実用に際して積層して、1層または2層以上用いることができる。
偏光フィルムに前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着剤層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光フィルムと他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
表面処理フィルムは、前面板に貼り合せても設けられる。表面処理フィルムとしては、表面の耐擦傷性を付与するために用いられるハードコートフィルム、画像表示装置に対する写り込みを防止するためのアンチグレア処理フィルム、アンチリフレクティブフィルム、ローリフレクティブフィルムなどの反射防止フィルム等が挙げられる。前面板は、液晶表示装置や有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置を保護したり、高級感を付与したり、デザインにより差別化したりするために、前記画像表示装置の表面に貼り合せて設けられる。また前面板は、3D−TVにおけるλ/4板の支持体として用いられる。例えば、液晶表示装置では、視認側の偏光フィルムの上側に設けられる。本実施形態の粘着剤層を用いた場合には、前面板として、ガラス基材の他に、ポリカーボネート基材、ポリメチルメタクリレート基材等のプラスチック基材においてもガラス基材と同様の効果を発揮する。
上記に列挙した各種の光学フィルムの膜厚は特に制限されないが、本実施形態に係る粘着剤は、光学フィルムが薄い(例えば100μm以下)場合であっても、光学フィルムに対するリワーク性を確保しつつ、高い信頼性を有する。また、光学フィルムには、易接着層を形成し、この易接着層上に粘着剤層を形成してもよい。易接着層は、粘着型層に対する濡れ性等が光学フィルムよりも大きな層である。易接着層は、例えば光学フィルムをコロナ処理することで作製される。易接着層を別途用意し、これを光学フィルムに貼り付けてもよい。易接着層を設けることで、粘着性層を光学フィルム上に容易に形成することができる。
図1及び図2に粘着型光学フィルムの例を示す。図1に示される粘着型光学フィルム10は、光学フィルム11と、光学フィルム11の片面に形成された粘着剤層12とを備える。粘着剤層12は、上述したように、例えば光学フィルム11の片面に粘着剤の溶液を塗布し、その後溶媒を除去することで光学フィルム11上に形成される。このように、粘着剤は、光学フィルム上に予め形成された粘着剤層として使用されてもよい。また、粘着剤層12は光学フィルム11の両面に形成されていてもよい。図2は、粘着型光学フィルム10の変形例を示す。図2に示す粘着型光学フィルム10は、光学フィルム11と粘着剤層12との間に形成された易接着層11aを有する。易接着層11aは、粘着型層12に対する濡れ性等が光学フィルム11よりも大きな層である。
本実施形態の粘着型光学フィルムは液晶表示装置等の各種表示装置の形成などに好ましく用いることができる。表示装置の例としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置等が挙げられる。
液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル等の表示パネルと粘着型光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成されるが、本実施形態においては本実施形態による粘着型光学フィルムを用いる点を除いて特に限定は無く、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型、VA型、IPS型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セル等の表示パネルの片側又は両側に本実施形態に係る粘着型光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本実施形態による光学フィルムは液晶セル等の表示パネルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置:OLED)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光フィルムを設けるとともに、これら透明電極と偏光フィルムとの間に位相差フィルムを設けることができる。
位相差フィルムおよび偏光フィルムは、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差フィルムを1/4波長板で構成し、かつ偏光フィルムと位相差フィルムとの偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光フィルムにより直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差フィルムにより一般に楕円偏光となるが、とくに位相差フィルムが1/4波長板でしかも偏光フィルムと位相差フィルムとの偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差フィルムに再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光フィルムの偏光方向と直交しているので、偏光フィルムを透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
上記のように有機EL表示装置では、鏡面反射を遮るために、有機ELパネルに、位相差フィルムおよび偏光フィルムを組み合わせた楕円偏光フィルムまたは円偏光フィルムを貼り付けてもよい。そして、これらの光学フィルムを有機ELパネルに貼り付ける際に、本実施形態に係る粘着剤層を使用することができる。即ち、粘着型の楕円偏光フィルムまたは円偏光フィルムを用意し、これらを有機ELパネルに貼り付ければよい。その他に、楕円偏光フィルムまたは円偏光フィルムを有機ELパネルに直接貼り合わせずに、楕円偏光フィルムまたは円偏光フィルムをタッチパネルに本実施形態に係る粘着剤層を介して貼り合わせたものを、有機ELパネルに貼り付けてもよい。
本実施形態において適用される、タッチパネルとしては、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などの各種の方式を採用できる。抵抗膜方式のタッチパネルは、透明導電性薄膜を有するタッチ側のタッチパネル用電極板と透明導電性薄膜を有するディスプレイ側のタッチパネル用電極板を、透明導電性薄膜同士が対向するようにスペーサを介して対向配置してなるものである。他方、静電容量方式のタッチパネルは、通常、所定のパターン形状を有する透明導電性薄膜を備えた透明導電性フィルムがディスプレイ表示部の全面に形成されている。本実施形態の粘着型光学フィルムは、タッチ側、ディスプレイ側のいずれの側にも適用される。
図3及び図4に、本実施形態に係る粘着剤層が形成された表示装置の構成例を示す。図3に示される表示装置20は、表示素子21と、粘着剤層22と、光学フィルム23とを備える。光学フィルム23は、表示素子21の両面上に配置され、粘着剤層22は、表示素子21と光学フィルム23とを接着する。表示装置20は、粘着剤層22及び光学フィルム23からなる粘着型光学フィルムを表示素子21の両面に貼り付けることで作製されてもよい。また、表示素子21の両面に接着剤層22を形成し、接着剤層22に光学フィルム23を貼り付けてもよい。
図4は、表示装置20の変形例である。図4に示すように、複数層の光学フィルムを表示素子21上に設けられてもよい。図4に示される表示装置20では、図3に示される表示装置20の光学フィルム23上にさらに粘着剤層24及び光学フィルム25が設けられている。粘着剤層24及び光学フィルム25は、粘着剤層22及び光学フィルム23と同様の方法により光学フィルム23上に設けられる。
表示装置20は、上述したように、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置等であってもよい。表示装置20が液晶表示装置となる場合、表示素子21は液晶セルとなり、光学フィルム23は偏光フィルムとなる。また、光学フィルム25は、例えば視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、及び各種の保護フィルム等となる。なお、表示装置20が液晶表示装置となる場合、粘着剤層22と表示素子21との間に位相差板を配置してもよい。さらに、位相差板と表示素子21とは粘着剤層により接着されてもよい。表示素子21の膜厚は特に制限されないが、本実施形態に係る粘着剤は、表示素子21が薄い(例えば200μm以下)場合であっても、表示素子21に対するリワーク性を確保しつつ、高い信頼性を有する。すなわち、本実施形態に係る粘着剤は、光学フィルム及び表示素子のいずれかまたは両方が薄い場合であっても、これらに対するリワーク性を確保しつつ、高い信頼性を有する。
つぎに、本実施形態の実施例について説明する。以下の実施例において、溶液の濃度は、溶液の総質量に対する質量%で示される。
<1.粘着性樹脂の製造例>
(1−1.製造例1(アクリル樹脂の製造例))
以下の工程により、粘着性樹脂の一例であるアクリル樹脂(ポリマーA1)を作製した。攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコ(flask)に、ブチルアクリレート(butylacrylate)99質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.15質量部を酢酸エチル100質量部と共に仕込んだ。そして、混合溶液を緩やかに攪拌しながら4つ口フラスコに窒素ガスを導入して窒素置換した。その後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って、モノマー同士を5時間重合反応を行わせた。これにより、ポリマーA1の溶液を作製した。ポリマーA1の重量平均分子量(Mw)は、210万であった。また、ポリマーA1の酸価は0mgKOH/gであった。ポリマーA1の組成(ポリマーA1を構成するモノマーの質量比)、重量平均分子量、及び酸価を表1に示す。
ここで、ポリマーA1の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。測定装置及び測定条件は以下のとおりである。
・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC
・カラム(column):東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm 計90cm
・カラム温度:40℃
・流量:0.8ml/min
・注入量:100μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン(polystyrene)
また、ポリマーA1の酸価は以下の工程により測定した。トルエン(toluene)とイソプロピルアルコール(isopropylalcohol)と蒸留水とを50:49.5:0.5の質量比で含む混合溶媒を調製した。ついで、ポリマーA1を約0.5g(固形分基準)を精密に秤量し、上記混合溶媒50gに溶解した。これにより、滴定用サンプル溶液を調製した。このサンプル溶液を、平沼(HIRANUMA)社製の滴定装置、型式「COMTITE−550」を用いて、0.1規定のKOH水溶液により中和滴定した。得られた結果と、以下の数式(1)により、ポリマーA1の酸価を算出した。
酸価[mgKOH/g]=(a−b)×5.611×F/S (1)
数式(1)において、
a:サンプル溶液の滴定に要したKOH水溶液の量[mL]
b:ブランク(混合溶媒)の滴定に要したKOH水溶液の量[mL]
F:KOH水溶液の力価
S:滴定に供したサンプル溶液に含まれる樹脂の質量[g]
である。
(1−2.製造例2〜6(アクリル樹脂の製造例))
4つ口フラスコに投入するモノマーの種類及び質量比を表1のように変更した他は、製造例1と同様の工程を行うことで、ポリマーA2〜A6を作製した。また、ポリマーA2〜A6の重量平均分子量及び酸価を製造例1と同様の方法により測定した。結果を表1にまとめて示す。
(1−3.製造例7(ウレタン樹脂の製造例))
以下の工程により、ウレタン樹脂(ポリマーA7)を作製した。撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにポリエステルポリオール(polyester polyol)P−1010(2官能ポリエステルポリオール、OH価112、クラレ株式会社製)51.9g、アデカポリエーテル(Adeka polyeter)G−1500(3官能ポリエーテルポリオール(polyeter polyol)、3官能、OH価109、ADEKA株式会社製)32.2g、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(住友バイエル株式会社製)15.9g、トルエン66.7g、触媒として2−エチルヘキサン酸鉄0.03g、ナフテン酸鉛0.04gを投入した。
ついで、混合溶液を90℃まで徐々に昇温し、モノマー同士を4時間重合反応させた。赤外分光光度計(IR)で残存イソシアネート基を確認し、イソシアネート基に対応するピークが消えたタイミングで反応を終了し、反応後の混合溶液、即ちウレタン樹脂の溶液を冷却した。ウレタン樹脂の溶液は無色透明で固形分60質量%であった。また、製造例1と同様の方法により重量平均分子量及び酸価を測定したところ、重量平均分子量は50,000、酸価は0.5KOHmg/gであった。ポリマーA7の組成(ポリマーA7を構成するモノマーの質量比)、重量平均分子量、及び酸価を表2に示す。
(1−4.製造例8(ポリエステル樹脂の製造例))
以下の工程により、ポリエステル樹脂(ポリマーA8)を作製した。温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブル(separable)フラスコに、エチレングリコール(ethylene glycol)11.7g、ネオペンチルグリコール18.6g、イソフタル(isophthalic)酸11.8g、セバシン(sebacic)酸57.9gおよびテトラ(tetra)−n−ブチルチタネート(butyltitanate)0.15gを投入した。ついで、混合溶液を150〜270℃で150分間加熱することでエステル化反応を行い、ついで反応系の圧力を徐々に減じて30分後に133Paとし、さらに減圧を続けながら180分間反応を行った。ついで、反応後の混合溶液を酢酸エチルで希釈することで、ポリエステル樹脂の溶液を得た。この溶液の固形分は60質量%であった。ポリエステル樹脂の重量平均分子量及び酸価を製造例1と同様の方法により測定したところ、重量平均分子量は38,000、酸価は0.3KOHmg/gであった。ポリマーA8の組成(ポリマーA8を構成するモノマーの質量比)、重量平均分子量、及び酸価を表3に示す。
Figure 2016014827
BA:ブチルアクリレート、2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート、4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート、AA:アクリル酸
Figure 2016014827
IPDI:イソホロンジイソシアネート
Figure 2016014827
<2.シリケートオリゴマーの製造例>
(2−1.製造例9(高分子量タイプの製造例))
以下の工程により、高分子量タイプのシリケートオリゴマーB1を作製した。テトラメトキシシラン(tetramethoxysilane)152g(1モル、4当量)をテトラヒドロフラン(以下、「THF」とも称する)500gに溶解した。ついで、得られた溶液に0.35質量%塩酸水溶液72g(8当量)を添加して混合した。ついで、混合溶液を20℃で1時間放置することでテトラメトキシシランの加水分解を行なった。次いで、加水分解後の溶液、即ち反応溶液にポリメトキシシロキサン(polymethoxysiloxane)(三菱化学社製「MKCシリケートMS−51」)450gを添加して2時間還流を行なった。その後、反応溶液の温度を150℃まで上げることでTHFを流出させた。これにより、無色透明かつ液体状のシリケートオリゴマーB1を得た。シリケートオリゴマーB1の重量平均分子量は25,000であった。なお、原料のポリメトキシシロキサン(「MKCシリケートMS−51」)は、重量平均分子量900のオリゴマーである。したがって、加水分解されたテトラメトキシシランとポリメトキシシロキサンとが結合することで、高分子量のシリケートオリゴマーが生成された。シリケートオリゴマーB1のR、Xは、いずれもメチル基となる。
また、シリケートオリゴマーB1の重量平均分子量の測定はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。測定装置及び測定条件は以下のとおりである。
・分析装置:東ソー社製,HLC−8120GPC
・カラム:TSKgel,SuperHZM‐H/HZ4000/HZ2000
・カラムサイズ:6.0mmI.D.×150mm
・カラム温度:40℃
・流量:0.6ml/min
・注入量:20μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン
(2−2.製造例10(フェノキシタイプの製造例))
以下の工程により、R、Xがフェニル基またはメチル基であるシリケートオリゴマーB2を作製した。テトラフェノキシシラン(tetraphenoxysilane)400g(1モル、4当量)をTHF500gに溶解した。ついで、得られた溶液に0.35質量%塩酸水溶液72g(8当量)を添加して混合した。ついで、混合溶液を20℃で1時間放置することで、テトラフェノキシシランの加水分解を行なった。次いで、加水分解後の溶液、即ち反応溶液にポリメトキシシロキサン(三菱化学株式会社製「MKCシリケートMS−51」)450gを添加して2時間還流を行なった。その後、反応溶液の温度を150℃まで上げることでTHFを流出させた。これにより、無色透明の液体状であるシリケートオリゴマーB2を得た。上記のシリケートオリゴマーB2の重量平均分子量を製造例9と同様の方法に測定したところ、シリケートオリゴマーB2の重量平均分子量は5,000であった。なお、原料のポリメトキシシロキサン(「MKCシリケートMS−51」)は、分子量900のオリゴマーである。したがって、加水分解されたテトラフェノキシシランとポリメトキシシロキサンとが結合することで、R、Xがフェニル基またはメチル基であるシリケートオリゴマーB2が生成された。
なお、本発明者は、上記以外にもいくつかのシリケートオリゴマーを入手し、以下の各実験に供した。
<3.光学フィルムの製造例>
(3−1.製造例11(片保護偏光フィルム))
以下の工程により、光学フィルムとして片保護偏光フィルムを作製した。厚さ20μmのポリビニルアルコールフィルムを、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3質量%のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、延伸フィルムを60℃、4質量%のホウ酸、10質量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、延伸フィルムを30℃、1.5質量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行った。これにより、偏光子を得た。そして、偏光子の片面に、厚さ20μmのアクリル系フィルム(ラクトン変性アクリル系樹脂フィルム)をポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せた。アクリル系フィルムは、保護フィルムの一例である。これにより、合計厚みが27μmの片保護偏光フィルムを作成した。
<4.実施例1>
(4−1.粘着剤の作製)
製造例1で得られたポリマーA1溶液の固形分100質量部に対して、シリケートオリゴマーBとして、コルコート株式会社製のメチルシリケート(methylsilicate)51(重量平均分子量600)5質量部、イソシアネート系架橋剤タケネートD110N(キシリレンジイソシアネート(xylylene disocyanate)のトリメチロールプロパン(trimethylolpropane)付加物の75質量%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個、三井化学社製)0.1質量部およびシランカップリング剤(商品名:KBM−403、信越化学社製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(glycidoxypropyltrimethoxysilane))0.1質量部を配合した。これにより、粘着剤溶液(固形分15質量%)を得た。粘着剤の組成を表4に示す。
(4−2.粘着型偏光フィルムの作製)
上記粘着剤溶液を、シリコーン(silicone)処理を施した、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製,MRF38)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmになるように塗布した。ついで、塗布層を100℃で2分間乾燥処理し粘着層を形成した。さらにそこに片保護偏光フィルムにコロナ(corona)放電量80[W・min/m]でコロナ処理をした偏光子面(コロナ処理を行った面)に、粘着剤層を貼り合わせることで粘着型偏光フィルムを作製した。
<5.実施例2〜20、比較例1〜8>
粘着性樹脂の組成を表4に示す組成に変更した他は、実施例1と同様の処理を行うことで、粘着型偏光フィルムを作製した。
Figure 2016014827
表4において、シリケートオリゴマーB3は、メチルシリケート51である。R、Xはすべてメチル基である。シリケートオリゴマーB4はメチルシリケート53A(コルコート株式会社製)である。R、Xはすべてメチル基である。シリケートオリゴマーB5はMKCシリケートMS58B15(三菱化学株式会社製)である。R、Xは(15%ブチル基で、残りはメチル基)である。シリケートオリゴマーB6はEMS−485(コルコート株式会社製)である。R、Xは(メチル基とエチル基それぞれが含まれる。)である。シリケートオリゴマーB7はエチルシリケート48(コルコート株式会社製)である。R、Xはすべてエチル基である。
また、V−05は(日清紡株式会社)製のカルボジイミド系架橋剤であり、パーロイルTCPは、(日油株式会社)製の過酸化物系架橋剤である。
<6.評価試験>
(6−1.信頼性評価試験)
次に、各例に係る粘着型偏光フィルムについて、信頼性評価試験を行った。具体的には、粘着型偏光フィルム(サンプル)を37インチ(inch)サイズ(縦56.4cm×横75.2cmサイズ)に切り出し、厚さ0.5mmの無アルカリガラス(alkali−free glass)(コーニング社製,イーグルXG)にラミネータ(laminating machine)を用いて貼り付けた。なお、無アルカリガラスは、液晶セルのガラス基板として使用されるものである。さらに、実際の液晶セルには、厚さ0.25mmの無アルカリガラスを2枚張り合わせたものを使用されることになる。そして、本試験及び後述する接着力及びリワーク性評価試験では、粘着型偏光フィルムをこのような無アルカリガラスの両面に貼り付ける。したがって、これらの特性が優れていることは、粘着型偏光フィルムを液晶セルの偏光フィルムとして好適に使用できることを意味する。
次いで、偏光フィルム付きガラス板を50℃、0.5MPaで15分間オートクレーブ処理することで、上記サンプルを完全に無アルカリガラスに密着させた。かかる処理の施された偏光フィルム付きガラス板(以下、「初期ガラス板」とも称する)を85℃で500時間保持した(加熱試験)。また、初期ガラス板を60℃/95%RH(相対湿度)の雰囲気下で500時間処理を施した(加湿試験)。また、初期ガラス板を85℃で30分、−40℃で30分保持するヒートサイクルを300サイクル行った(ヒートショック試験)。各試験後に、偏光フィルムとガラスの間の外観を下記基準で目視にて評価した。評価結果を表5に示す。
◎:発泡、剥がれ、浮きなしなどの外観上の変化が全くなし。
○:わずかながら端部に剥がれ、または発泡があるが、実用上問題なし。
△:端部に剥がれ、または発泡があるが、特別な用途でなければ、実用上問題なし。
×:端部に著しい剥がれあり、実用上問題あり。
(6−2.接着力及びリワーク性評価試験)
次に、各例に係る粘着型偏光フィルムについて、接着力評価試験を行った。具体的には、粘着型偏光フィルム(サンプル)を、幅25mm×長さ100mmに切り出し、厚さ0.5mmの無アルカリガラス板(コーニング社製,イーグルXG)に、ラミネータを用いて貼り付けた。ついで、偏光フィルム付きガラス板を50℃、5atmで15分間オートクレーブ処理することで、偏光フィルムを無アルカリガラスに完全に密着させた。これにより、初期ガラス板を作製した。ついで、初期ガラス板を50℃乾燥条件下で48時間加熱した。これにより、加熱後ガラス板を作製した。そして、初期ガラス板及び加熱後ガラス板の接着力を以下の方法で測定した。
すなわち、引張り試験機(オリエンテック社製 テンシロン万能材料試験機 STA−1150)を用いて、各ガラス板から偏光フィルムを引き剥がす際の接着力(N/25mm)を測定した。測定条件は、23℃、相対湿度50%、剥離角度180°、剥離速度300mm/minとした。また、引き剥がしは、JIS Z0237の粘着テープおよび粘着シート試験の方法に準拠して行った。
また、粘着型偏光フィルム(サンプル)について、リワーク性評価試験を行った。具体的には、まず、粘着型偏光フィルム(サンプル)に対して接着力評価試験と同様の処理を施すことで、初期ガラス板及び加熱後ガラス板を作製した。ただし、粘着型偏光フィルム(サンプル)の大きさは、幅420mm×長さ320mmとした。その後、初期ガラス板及び加熱後ガラス板から人の手によって偏光フィルムを剥がした。そして、上記と同様の処理を3回繰り返した。すなわち、初期ガラス板及び加熱後ガラス板をそれぞれ3枚作成し、各ガラス板から偏光フィルムを剥がした。そして、下記基準で各粘着剤のリワーク性(実リワーク性)を評価した。
◎:3枚とも糊残り、偏光フィルムの破断がなく良好に剥離可能。無アルカリガラスの破断はなかった。
○:3枚中一部はフィルムが破断したが、再度の剥離によって剥がせた。無アルカリガラスの破断はなかった。
△:3枚ともフィルム破断したが、再度の剥離によって剥がせた。無アルカリガラスの破断はなかった。
×:3枚とも糊残りが生じるか、または何度は剥離してもフィルムが破断して剥がせなかった。また、無アルカリガラスが破断する場合があった。
Figure 2016014827
表5に示される通り、本実施例に係る粘着剤は、リワーク性と信頼性とを両立していることが確認できた。特に、評価試験で使用した偏光フィルム、無アルカリガラスはいずれも薄型であるが、本実施例に係る粘着剤を使用した場合、偏光フィルム及び無アルカリガラスをほとんど破壊することなく無アルカリガラスから剥がすことができた。なお、表5によれば、接着力が3N/25mm以上となる場合に、リワーク性が落ちる傾向にあることがわかる。
以上により、本実施形態に係る粘着剤は、ベースポリマーである粘着性樹脂に加えて、シリケートオリゴマーを含有する。すなわち、本実施形態に係る粘着剤を用いて作製される粘着型光学フィルムは、粘着剤層がシリケートオリゴマー(B)を含有する。そして、本実施形態に係る粘着剤は、粘着型光学フィルム(偏光フィルム)を表示素子に貼り付けた直後から接着力を低く出来、かつ各種の工程を経ることなどによって長時間を経過したり、高温で保存されたりしても、表示素子に対する接着力の増大がない。したがって、表示素子から薄型の脆い粘着型光学フィルム(偏光フィルム)を容易に剥離することができる。このため、液晶セルを損傷したり、汚染したりすることなく、再利用することができる。すなわち、本実施形態に係る粘着剤は、リワーク性に優れる。
特に、大型の表示素子、特に大型の液晶セルから薄型の脆い粘着型光学フィルム(偏光フィルム)を剥離することは困難であったが、本実施形態によれば、大型の液晶セルからも、薄型の脆い粘着型光学フィルム(偏光フィルム)を容易に剥離することができる。
また本実施形態に係る粘着剤は、各種光学フィルム(例えば、偏光フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム)に対して信頼性が良好である。したがって、表示素子等に貼り付けられた粘着型光学フィルムは、剥がれにくく、浮きにくい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 粘着型光学フィルム
11 光学フィルム
12 粘着剤層
20 表示装置
21 表示素子
22 粘着剤層
23 光学フィルム
24 粘着剤層
25 光学フィルム

Claims (16)

  1. 酸価が0〜20.0mgKOH/gである粘着性樹脂と、
    下記の化学式(1)で示される構造を有するシリケートオリゴマーと、を含むことを特徴とする、光学フィルム用粘着剤。
    Figure 2016014827
    前記化学式(1)において、
    Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜6のアルキル基、及びフェニル基のいずれかであり、
    Xは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル基、及びフェニル基のいずれかであり、
    nは1〜100の整数である。
  2. 前記粘着性樹脂は、アクリル樹脂を含むことを特徴とする、請求項1記載の光学フィルム用粘着剤。
  3. 前記粘着性樹脂は、水酸基含有モノマーを構成単位として含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の光学フィルム用粘着剤。
  4. 前記シリケートオリゴマーは、メチルシリケートオリゴマーを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤。
  5. 前記シリケートオリゴマーの重量平均分子量は、300〜30000であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤。
  6. 前記粘着性樹脂100質量部に対して、前記シリケートオリゴマーを0.01〜50質量部含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤。
  7. 架橋剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤。
  8. 前記架橋剤は、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、及び過酸化物系架橋剤からなる群から選択されるいずれか1種以上であることを特徴とする、請求項7記載の光学フィルム用粘着剤。
  9. 前記粘着性樹脂100質量部に対して、前記架橋剤を0.01〜20質量部含むことを特徴とする、請求項7または8記載の光学フィルム用粘着剤。
  10. シランカップリング剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤。
  11. 前記粘着性樹脂100質量部に対して、前記シランカップリング剤を0.001〜10質量部含むことを特徴とする、請求項10記載の光学フィルム用粘着剤。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤を含むことを特徴とする、粘着剤層。
  13. 光学フィルムと、
    前記光学フィルムの少なくとも片面に形成された請求項12記載の粘着剤層と、を備えることを特徴とする、粘着型光学フィルム。
  14. 前記光学フィルムと前記粘着剤層との間に配置される易接着層を有することを特徴とする、請求項13記載の粘着型光学フィルム。
  15. 前記光学フィルムは偏光フィルムであることを特徴とする、請求項13または14記載の粘着型光学フィルム。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の粘着型光学フィルムを有することを特徴とする、表示装置。
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