JP5011798B2 - 粘着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤、その粘着剤から形成される粘着剤層を光学フィルムに設けてなる粘着剤付光学フィルム、及びその粘着剤付光学フィルムをガラス基材に積層してなる光学積層体に関する。
TFT、STNなどの液晶表示装置に一般に用いられている液晶セルは、液晶成分が二枚のガラス基材間に挟持された構造を有している。そして、そのガラス基材の表面にアクリル樹脂を主成分とする粘着剤を介して、偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルムが積層されている。ガラス基板、粘着剤及び光学フィルムを順次積層してなる光学積層体は、まず、光学フィルムに粘着剤を積層して粘着剤付光学フィルムを製造し、その粘着剤の面ガラス基材積層する方法が、一般に用いられている。
このような粘着剤付光学フィルムは、熱又は湿熱条件下では伸縮による寸法変化が大きいためカール等を生じ易く、得られる光学積層体の粘着剤層内で発泡したり、粘着剤層とガラス基材との間浮き、剥れ等が発生したりするという問題があった。さらに、熱又は湿熱条件下では粘着剤付光学フィルムに作用する残留応力の分布が不均一となり、光学積層体の外周部に応力集中が生じる結果、TN液晶セル(TFT)では白抜け、STN液晶セルでは色ムラが起こるという問題があった。
また粘着剤付き光学フィルムを貼り直すために光学積層体から光学フィルムを粘着剤層とともに剥離した後でも、粘着剤層と接していたガラス基材の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生しない、いわゆる、リワーク性に優れることも要求される。これにより、一度積層した粘着剤付光学フィルムを光学積層体のガラス基板から剥離しても、剥離後のガラス基板の表面に糊残りや曇りが抑制され、再び、ガラス基板として用いることが可能となる。
さらに、最近ではカーナビゲーションシステムなどのように車載用としても液晶表示装置が用いられるが、車載用においては高温・高湿条件下でも発泡、浮き、剥れ、曇り等の外観変化が生じないという耐久性も必要となってきた。
かかる問題を解消するために、重量平均分子量 600,000〜2,000,000 の高分子量アクリル樹脂と、重量平均分子量 500,000以下の低分子量アクリル樹脂とを主成分とする粘着剤が提案されている。
特開平2000−109771号公報[請求項1]
本発明者らは、アクリル樹脂組成物を主成分とする粘着剤に光学フィルムを積層してなる光学積層体について検討したところ、60℃→−20℃→60℃を1サイクルとしこれを100サイクル繰り返すヒートショックを与えると、ガラス板表面に剥れ、曇りなどが生じ、耐久性が十分ではない場合があることが明らかになった。
本発明の目的は、リワーク性に優れ、光学積層体の白抜けを抑制するとともに、光学積層体におけるガラス基材と粘着剤層との間の浮き、剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し、しかも加熱・冷却を繰り返しても、白抜け、浮き、剥れ、発泡、曇りなどの外観変化が生じないという耐久性に優れる粘着剤を提供し、その粘着剤と光学フィルムとからなる粘着剤付光学フィルムを提供しさらにその粘着剤付光学フィルムの粘着剤層を介して光学フィルムとガラス基板とが積層されてなる光学積層体を提供することである。
本発明は、下記アクリル樹脂(1)100重量部に対し下記アクリル樹脂(2)10〜50重量部下記シリコーンオリゴマー(3)0.001〜5重量部、及び架橋剤(4)2.57〜5重量部を配合してなる粘着剤を提供するものである。
アクリル樹脂(1):式(A)
Figure 0005011798
(式(A)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表すが、2 の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。)
で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位(a)、並びに、
少なくとも一つのカルボキシル基と一つのオレフィン性二重結合とを含有する単量体
(B−1)、及び/又は、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、オレフィン性二重結合とを含有する単量体(B−2)に由来する構造単位(b)
を含有し、重量平均分子量が 1,000,000〜2,000,000 であるアクリル樹脂;
アクリル樹脂(2):上記構造単位(a)及び構造単位(b)を含有し、重量平均分子量が 50,000〜500,000であるアクリル樹脂;
シリコーンオリゴマー(3):式(S)
Figure 0005011798
(式(S)中、R 3 及びR 4 は、それぞれ独立にアルキル基を表し、X及びYは、それぞれ独立に置換されていてもよいアルキル基、フェニル基又はアルコキシ基を表す。)
で表される化合物に由来する構造単位(s)を2〜100個含有するオリゴマー。シリコーンオリゴマー(3)は、異なる2種類以上の構造単位(s)を含有していてもよい。
本発明はまた、光学フィルムの片面又は両面に上記の粘着剤から形成される粘着剤層を積層してなる粘着剤付光学フィルム、及びその粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体をも提供するものである。
本発明の粘着剤は、柔軟性に優れ、光学フィルムなどに対して優れた密着性を有する。学フィルムにこの粘着剤を積層した粘着剤付光学フィルムは、例えば液晶セルのガラス基板に積層すると、本発明の光学積層体を与える。この光学積層体は、湿熱条件下、光学フィルム及びガラス基板の寸法変化に起因する応力を粘着剤層が吸収・緩和するため、局部的な応力集中が軽減され、ガラス基板に対する粘着剤層の浮き、剥れが抑制される。また、不均一な応力分布に起因する光学的欠陥が防止されることから、ガラス基板がTN液晶セル(TFT)である場合、白ヌケが抑制される。さらに、リワーク性に優れることから、一度積層した粘着剤付光学フィルムを光学積層体のガラス基板から剥離しても、剥離後のガラス基板の表面に糊残りや曇りが抑制され、再び、ガラス基板として用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)は、前記式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステル、以下同じ)に由来する構造単位(a)を主成分とし、カルボキシル基と一つのオレフィン性二重結合とを含有する単量体(B−1)、及び/又は、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基とオレフィン性二重結合とを含有する単量体(B−2)に由来する構造単位(b)を含有するアクリル樹脂である。なお、上記の式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステルを以下、単量体(A)と呼ぶことがあり、上記の単量体(B−1)及び/又は単量体(B−2)をまとめて以下、単量体(B)と呼ぶことがある。
前記式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートの直鎖状アクリル酸アルキルエステル;iso−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、iso−オクチルアクリレートの分枝状アクリル酸アルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレートの直鎖状メタクリル酸アルキルエステル;iso−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、iso−オクチルメタクリレートの分枝状メタクリル酸アルキルエステルなどが例示される。
2 のアルキル基の水素原子がアルコキシ基によって置換された(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メトキシエチルアクリレート、エトキシメチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレートなどが例示される。
アクリル樹脂(1)は、異なる複数の(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を含有していてもよい。アクリル樹脂(1)100重量部(不揮発分)に対し、構造単位(a)は、通常、60〜99.99重量部、好ましくは80〜99.6重量部含有する。なおここでいう不揮発分とは、120℃で1時間加熱した後の残量の比率であり、アクリル樹脂について、以下の特に断りのない場合は不揮発分の重量部である。
単量体Bはオレフィン性二重結合及び極性官能基を有し、好ましくはオレフィン性二重結合及び極性官能基を有する脂肪族化合物であり、具体的には、以下に説明する単量体(B−1)及び/又は単量体(B−2)である。
単量体(B−1)は、少なくとも一つのカルボキシル基と一つのオレフィン性二重結合とを含有する単量体であり、例えば、不飽和カルボン酸が例示でき、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
単量体(B−2)は、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基とオレフィン性二重結合とを含有する単量体である。
極性官能基が水酸基である単量体(B−2)の例として、他の極性官能基を有していてもよい脂肪族不飽和のアルコールが挙げられる。肪族不飽和アルコールとしては、例えば3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1,2−ジオール、2−メトキシ−3−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ヒドロキシメチルブタジエン、ジメチルビニルカルビノール、2−メトキシ−2−メチル−3−ブテン−1−オール、3−ビニル−4−ペンテン−1−オール、クロチルアルコールなどが挙げられる。
極性官能基が水酸基である単量体(B−2)の好ましい例として、不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基が水酸基を有する化合物が挙げられ、より好ましい例は、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルのアルコール残基が水酸基を有する化合物である。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが、これに該当する。
また、極性官能基がアミド基である単量体の例として、他の極性官能基を有していもよい脂肪族不飽和酸アミド化合物及びそのN置換体、N−アルケニル置換カルボン酸アミド化合物が挙げられる。後者の例としては、N−アリルアセトアミド、N−アリルバルビツール酸アミド、N−アリルクロトン酸アミド、N−アリルステアリン酸アミドなどが挙げられる。極性官能基がアミド基である単量体は、なかでも不飽和酸アミド化合物が好ましく、より好ましくはアクリル酸アミド又はメタアクリル酸アミドであり、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
極性官能基がエポキシ基である単量体の例として、他の極性官能基を有していてもよい脂肪族不飽和エステルのアルコール残基がエポキシ基を有する化合物、エポキシカルボン酸エステルのアルコール残基がオレフィン性二重結合を有する化合物、その他、イソプレンオキシド、ジアリルグリシジルアミンなどが挙げられる。なかでも脂肪族不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基がエポキシ基を有する化合物が好ましく、より好ましくはアクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルのアルコール残基がエポキシ基を有する化合物であり、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
極性官能基がオキセタニル基である単量体の例として、他の極性官能基を有していてもよい脂肪族不飽和エステルのアルコール残基がオキセタニル基を有する化合物、オキセタニルカルボン酸エステルのアルコール残基がオレフィン性二重結合を有する化合物が挙げられる。なかでも脂肪族不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基がオキセタニル基を有する化合物が好ましく、より好ましくはアクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルのアルコール残基がオキセタニル基を有する化合物であり、例えば、オキセタニル(メタ)アクリレート、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
さらに、極性官能基がアミノ基である単量体の例として、他の極性官能基を有していてもよい脂肪族不飽和アミン、N置換脂肪族不飽和アミン、アミノカルボン酸エステルのアルコール残基がオレフィン性二重結合を有する化合物及びそのN置換体、不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基がアミノ基を有する化合物及びそのN置換体が挙げられる。肪族不飽和アミンとしては、モノアリルアミン、ジアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジエチルアリルアミン、N,N’−ジアリルピペラジン、メチルアリル3−メトキシプロピルアミン、N−エチルジアリルアミン、メタリルアミン、ジメタリルアミン、N−ビニルジエチルアミンなどが挙げられる。なかでも不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基がアミノ基を有する化合物が好ましく、より好ましくはアクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルのアルコール残基がアミノ基を有する、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートである。また、アリルアミンも好ましい
極性官能基がシアノ基である単量体の例として、他の極性官能基を有していてもよい脂肪族不飽和シアノ化合物、シアノカルボン酸エステルのアルコール残基がオレフィン性二重結合を有する化合物、不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基がシアノ基を有する化合物が挙げられる。肪族不飽和シアノ化合物としては、シアン化アリル、アクロレインシアンヒドリン、メタクロレインシアンヒドリン、シアン化2−ヒドロキシ−3−ブテン、ジアリルアセトニトリルなどが挙げられる。なかでも脂肪族不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基がシアノ基を有する化合物が好ましく、典型的には、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルのアルコール残基がシアノ基を有する化合物である
極性官能基がアルデヒド基である単量体の例として、他の極性官能基を有していてもよい脂肪族不飽和アルデヒド化合物、アルデヒド基を有するカルボン酸エステルのアルコール残基がオレフィン性二重結合を有する化合物、不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基がアルデヒド基を有する化合物が挙げられる。肪族不飽和アルデヒド化合物の具体例を挙げると、アクリルアルデヒドなどがある。これら単量体(B)として、異なる2種以上の単量体を組み合わせて使用してもよい。
量体(B)は、中でも、上記(B−1)であるか、又は(B−2)の中でも極性官能基が水酸基であるものが好ましく、とりわけ、(B−1)又は不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基が水酸基を有する化合物が好ましく、中でもとりわけ、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トが好適である。
アクリル樹脂(1)における構造単位(b)の含有量は、通常、アクリル樹脂(1)
100重量部に対し、0.01〜40重量部程度、好ましくは0.4〜20重量部である。構造単位(b)の含有量が20重量部以下であるとガラス基板と粘着剤層との間の浮き剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(1)の分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)、 1,000,000〜2,000,000 である。重量平均分子量が 1,000,000以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着層との間の浮き、剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。重量平均分子量が 2,000,000以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(1)の製造方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられ、中でも、溶液重合法が好ましい。溶液重合法の具体例としては、所望の単量体及び有機溶媒を混合して単量体の濃度を50重量%以上、好ましくは50〜60重量%の混合液に調製したのち、窒素雰囲気下にて重合開始剤を 0.001〜0.1重量部程度添加し、 40〜90℃程度、好ましくは50〜70℃程度にて8時間以上、好ましくは、8〜12時間程度攪拌する方法などが挙げられる。
重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤などが例示され、光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどが挙げられる。熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)のアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機過酸化物などが挙げられる。また、熱重合開始剤と還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として使用し得る。
有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
アクリル樹脂(2)は、構造単位(a)及び構造単位(b)を含有し、重量平均分子量が 50,000〜500,000のものである。アクリル樹脂(2)における構造単位(b)の含有量は、通常、アクリル樹脂(2)100重量部に対し、 0.05〜20重量部程度であり、好ましくは0.1〜15重量部程度である。構造単位(b)の含有量が0.05重量部以上であると、得られる粘着剤の凝集力が向上する傾向にあることから好ましく、20重量部以下であると、ガラス基板と粘着剤層との浮き、剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(2)の分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の標準ポリスチレン換算による重量平均分子量で、50,000〜500,000 である。重量平均分子量が 50,000 以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着層との間の浮き、剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましく、重量平均分子量が 500,000以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(2)の製造方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられる。また、アクリル樹脂(2)の製造にも、通常、重合開始剤が用いられる。重合開始剤はアクリル樹脂の製造に用いられる全ての単量体の合計100重量部に対して0.1〜5重量部程度、好ましくは0.2〜3重量部程度使用される。アクリル樹脂(2)の製造方法としては、中でも、溶液重合法が好ましい。溶液重合法の具体例としては、所望の単量体及び有機溶媒を混合し、窒素雰囲気下にて重合開始剤を添加して、40〜90℃程度、好ましくは60〜80℃程度にて3〜10時間程度攪拌する方法などが挙げられる。また、反応を制御するために、用いる単量体や重合開始剤を重合中に添加したり、有機溶媒に溶解したのち添加してもよい。アクリル樹脂(2)の製造に用いられる重合開始剤及び有機溶媒はアクリル樹脂(1)で用いられたものと同様のものが例示される。
アクリル樹脂(1)及び/又は(2)、好ましくはアクリル樹脂(1)はさらに以下に述べる単量体(C)に由来する構造単位を含んでいてもよい。ここで単量体(C)としては、例えば、2,5−ジヒドロフランのような複素環基がオレフィン系二重結合を有する単量体、不飽和カルボン酸エステルのアルコール残基が少なくとも一つの5員環以上の複素環基を含有する単量体、置換基が不飽和結合を有するN置換複素環化合物が挙げられる。員環以上の複素環基とは、炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7の脂環式炭化水素において、少なくとも一つのメチレン基が窒素原子、酸素原子又は硫黄原子などのヘテロ原子で置換されている基をいう。
好ましい単量体(C)は、不飽和カルボン酸がアクリル酸若しくはメタアクリル酸、又は環状酸アミド化合物であり、例えば、N−ビニル−3−モルフォリロン、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、テトラハイドロフルフリルアクリレート、テトラハイドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラハイドロフルフリルアクリレートなどを挙げることができる。単量体(C)として、異なる2種類以上の単量体を用いてもよい。
単量体(C)としては、中でも、N−ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン又はこれらの混合物が好適である。
本発明において、アクリル樹脂(1)及び/又は(2)に含有される単量体(C)に由来する構造単位(構造単位(c))の量は、アクリル樹脂(1)又は(2)100重量部に対し、通常、 0.1〜30重量部程度であり、好ましくは 0.1〜20重量部程度である。構造単位(c)の含有量が 0.1重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましく、30重量部以下であるとガラス基板と粘着剤層との浮き剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(1)及び/又は(2)、好ましくはアクリル樹脂(1)はさらに分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも二つ含有する単量体(D)から導かれる繰り返し単位を含んでいていてもよい。この単量体(D)の存在により、アクリル樹脂の構造単位(a)などから構成される主鎖が架橋されることになる。単量体(D)の例は、分子内にオレフィン性二重結合を二つ含有する単量体(2官能性モノマー)として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの(メタ)アクリレート類、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミドのビス(メタ)アクリルアミド類、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニルのジビニルエステル類、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また、分子内にオレフィン性二重結合を三つ含有する単量体(3官能性ビニルモノマー)として、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、N,N−ジアリルアクリルアミドなどが挙げられ、分子内にオレフィン性二重結合を四つ含有する単量体(4官能性ビニルモノマー)として、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアンモニウム塩などが挙げられる。単量体(D)として、異なる2種類以上の単量体を用いてもよい。
単量体(D)の中でも、下記式(D1)で表される(メタ)アクリロイル基を分子内に二つ有する単量体が好ましい。
Figure 0005011798
(式中 20 は水素原子又はメチル基を表す。)
アクリル樹脂(1)における単量体(D)に由来する構造単位(d)の含有量([d−1])は、アクリル樹脂(1)を構成するすべての構造単位100重量部に対し 0.05〜5重量部であり、好ましくは 0.1〜3重量部程度である。[d−1]が 0.05重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましく、5重量部以下であると、アクリル樹脂を製造する際のゲルの生成が抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(1)及び/又は(2)、好ましくはアクリル樹脂(1)はまたさらにアクリル酸又はメタアクリル酸エステルのアルコール残基が、少なくとも一つの脂環式構造を含有する単量体(E)から導かれる繰り返し単位を含んでいていてもよい。脂環式構造とは、通常、炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7程度のシクロパラフィン構造又はシクロオレフィン構造であり、シクロオレフィン構造では、脂環式構造の中にオレフィン性二重結合を含有する。具体的には、脂環式構造を有するアクリル酸エステルとして、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロドデシル、メチルシクロヘキシルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘキシルαエトキシアクリレート、シクロヘキシルフェニルアクリレートなどが挙げられ、脂環式構造を有するメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸シクロドデシル、メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘキシルαエトキシメタクリレート、シクロヘキシルフェニルメタクリレートなどが挙げられる。また、脂環式構造を複数含有するアクリレートとして、ビスシクロヘキシルメチルイタコネート、ジシクロオクチルイタコネート、ジシクロドデシルメチルサクシネートなどが挙げられ、ビニル基を含有するビニルシクロヘキシルアセテート等も単量体(E)である。
単量体(E)として、異なる2種以上の単量体を組み合わせて使用してもよい。
アクリル樹脂(1)に単量体(E)を用いる場合、アクリル樹脂(1)に含有される単量体(E)に由来する構造単位(e)の量は、通常、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、 0.1〜30重量部程度であり、好ましくは1〜15重量部程度である。構造単位(e)の含有量が 0.1重量部以上であると、ガラス基板と粘着剤層との浮き剥れが抑制される傾向にあることから好ましく、30重量部以下であると光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
単量体(E)中でも、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニルは、入手が容易なことから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び/又は(2)を製造する際には、単量体
(A)〜(E)のいずれとも異なるビニル系単量体(F)を共重合させてもよい。このビニル系単量体としては、例えば、脂肪酸ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、芳香族ビニル、(メタ)アクリロニトリル、共役ジエン化合物などが挙げられる。
ここで、脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、絡酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられる。ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニル及び臭化ビニルなどが例示され、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデンなどが例示され、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが例示される。共役ジエン化合物とは、分子内に共役二重結合を有するオレフィンであり、具体例としては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。芳香族ビニルとは、ビニル基と芳香族基を有する化合物であり、具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン及びメトキシスチレンのスチレン系単量体、ビニルピリジン、ビニルカルバゾールの含窒素芳香族ビニルなどが挙げられる。これらビニル系単量体(F)として、異なる2種以上の単量体を組み合わせて使用してもよい。
アクリル樹脂(1)に含有される単量体(F)に由来する構造単位(f)は、通常、アクリル樹脂(1)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、5重量部以下、好ましくは 0.05重量部以下であり、とりわけ、実質的に含有しないことが好ましい。アクリル樹脂(2)に含有される構造単位(f)は、通常、アクリル樹脂(2)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、5重量部以下、好ましくは 0.05重量部以下であり、とりわけ、実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の粘着剤は、上記アクリル樹脂(1)と上記アクリル樹脂(2)を含有する樹脂組成物であり、その製造方法としては、通常、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)を別々に製造後、混合するが、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)のいずれかを製造後、製造されたアクリル樹脂存在下に異なるアクリル樹脂を製造してもよい。また、アクリル樹脂(1)及び(2)を混合した後、有機溶媒で希釈してもよい。
アクリル樹脂(1)及び(2)の重量比率(不揮発分)としては、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の合計100重量部に対し、アクリル樹脂(1)が通常40〜90重量部、好ましくは50〜70重量部程度である。アクリル樹脂(1)が40重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましく、アクリル樹脂(1)が90重量部以下であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着層との間の浮き、剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(1)及び(2)のみからなる混合物を酢酸エチルで不揮発分20%に調整した溶液(25℃)の粘度は、通常、10Pa・s 以下、好ましくは0.1〜7Pa・sである。この粘度が10Pa・s 以下であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着層との間の浮き、剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられるシリコーンオリゴマー(3)は、前記式(S)で表される化合物に由来する構造単位(s)を2〜100個含有するオリゴマーであり、通常、ケイ素原子が酸素原子を介して重合している。
シリコーンオリゴマー(3)は、前記式(S)中の−OR3及び−OR4で表されるアルコキシ基、あるいは、−OR3及び−OR4が加水分解して得られるヒドロキシ基が縮合して得られるオリゴマーである。このようなオリゴマーは粘着剤の塗工乾燥工程において、シリコーンオリゴマー(3)が飛散しにくくなる傾向があることから好ましい。
前記式(S)において、R 3 及びR 4 はアルキル基を表す。R 3 及びR 4 は、通常、炭素数1〜10程度である。
X及びYは、水素原子置換されていてもよいアルキル基、フェニル基又はアルコキシ基を表す。ここで、アルキル基の水素原子に置換し得る基としては、後掲する例示化合物にあるように、クロロ(塩素原子)、エポキシシクロヘキシル基、メタ)アクリロイルオキシ基、アミノ基、メルカプト基、グリシドキシ基などが挙げられる。X及びYは、通常、炭素数1〜10程度である。
シリコーンオリゴマー(3)には異なる2種類以上の構造単位(s)が含有されていてもよく、好ましくは、R3及び/又はR4がエチル基である構造単位(s)を含有するシリコーンオリゴマーである
(S1)で表される化合物及び(S2)で表される化合物に由来する構造単位(s)を含有するコポリマーが好ましい。
Figure 0005011798
(式中、R3、R4、X、Yは前記と同じ意味を表す。)
またメルカプト基を含有する下式(S3)で表される化合物に由来する構造単位と、下式(S4)で表される化合物に由来する構造単位とを含むコポリマーを用いると、得られる粘着剤が高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着層との間の浮き、剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
Figure 0005011798
(式中、R5〜R10は、それぞれ独立に、アルキル基を表し、X1は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Yは前記と同じ意味を表す。)
5〜R10 がメチル基及び/又はエチル基である化合物を用いて得られたシリコーンオリゴマーを用いると、光学積層体にヒートショックを与えても、光学積層体におけるガラス基板と粘着層との間の浮き、剥れが低下する傾向があることから好ましく、メトキシ基及びエトキシ基を有する化合物を用いて得られたシリコーンオリゴマーがより好ましい。
上述したように、シリコーンオリゴマーは、アルコキシ基、あるいは加水分解したヒドロキシ基が縮合して得られるシリコーンオリゴマーであるが、シリコーンオリゴマー中にアルコキシ基が残存する場合がある。本発明で用いるシリコーンオリゴマーはこれらアルコキシ基が残存したシリコーンオリゴマーが好ましく、例えば上記式(S1から式(S4)で表される化合物を用いた場合、メルカプト基、メトキシ基、エトキシ基を有するシリコーンオリゴマーがより好ましい。
(S)で表される化合物としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、β−メルカプトメチルフェニルエチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン、10−メルカプトデシルトリメトキシシランのメルカプト基を有する化合物
例えば、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランのメタクリロキシ基とアルキル基とアルコキシ基を二つ有するシラン化合物
例えば、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランのアクリロキシ基とアルキル基とアルコキシ基を二つ有するシラン化合物
例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシランの(メタ)アクリロキシアルキル基とアルコキシ基を三つ有するシラン化合物
えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランのアミノアルキル基とアルコキシ基とを有するシラン
例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランのテトラアルコキシシラン
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランジフェニルジメトキシシラン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
中でも、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランとテトラエトキシシランに由来する構造単位を含むシリコーンオリゴマーが好適である。
本発明に用いるシリコーンオリゴマー(3)を、(モノマー)オリゴマーの形式で記載すると、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマーのメルカプトプロピル基含有のコポリマー
例えば、メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー等のメルカプトメチル基含有のコポリマー;
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー等のメタクリロキシプロピル基含有のコポリマー;
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー等のアクリロキシプロピル基含有のコポリマー;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマーのアミノ基含有のコポリマー、などが挙げられる。
シリコーンオリゴマー(3)の使用量は、アクリル樹脂(1)の不揮発100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、好ましくは0.05〜3重量部である。シリコーンオリゴマー(3)の量が 0.001重量部以上であると粘着層とガラス基板との密着性が向上し、また耐久性及び白抜け性がいずれも優れる傾向があることから、好ましい。一方、シリコーンオリゴマー(3)の量が5重量部以下であると、粘着層からシリコーンオリゴマー(3)がブリードアウトすることを抑制する傾向にあることから、好ましい
本発明に用いられる架橋剤は、構造単位(b)と架橋し得る官能基を分子内に2個以上有するものであり、具体的にはイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物及びアジリジン系化合物などが例示される。
イソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。また、前記イソシアネート化合物にグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールを反応せしめたアダクト体やイソシアネート化合物を2、3量体等にしたものについても本発明に用いられる架橋剤である。イソシアネート系化合物として異なるイソシアネート系化合物を混合して用いてもよい。
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン及び1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。エポキシ系化合物として異なるエポキシ系化合物を混合して用いてもよい。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム及びジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物などが挙げられる。
アジリジン系化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート及びテトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートなどが挙げられる。
架橋剤としては、中でも、キシリレンジイソシアネート(XDI)若しくはトリレンジイソシアネート(TDI)、又はXDI若しくはTDIにグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールを反応せしめたアダクト体やXDI若しくはTDIを2、3量体等にしたものの混合物、異なるXDI若しくはTDIを混合したものが好ましい。
着剤に配合される架橋剤は、一般には、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、0.001〜10重量部であるが本発明では、後述する実施例における最低値、すなわち実施例3〜5におけるアクリル樹脂(1)70重量部に対して 1.8重量部(アクリル樹脂(1)100重量部に対しては、1.8×100/70=2.57重量部)を下限として、2.57〜5重量部とする。
架橋剤が下限以上であると耐久性が向上する傾向があることから好ましく、上限以下であると光学積層体の白抜けが目立たなくなることから好ましい。
本発明の粘着剤は、さらに、架橋触媒、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料無機フィラーなどが配合さてもよい。
中でも、粘着剤に架橋触媒と架橋剤とを配合すると、粘着層を短時間の熟成で調製することができ、光学積層体は、光学フィルムと粘着層との間の浮き、剥れや、粘着層内での発泡を抑制し、しかもリワーク性に優れる場合がある。
架橋触媒としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミノ樹脂及びメラミン樹脂のアミン系化合物などが挙げられる。粘着剤に架橋触媒としてアミン化合物を用いる場合、架橋剤としてはイソシアネート系化合物が好適である。
本発明の粘着剤付光学フィルムに用いられる光学フィルムとは、光学特性を有するフィルムであり、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。偏光フィルムとは、自然光などの入射光に対して、偏光を出射する機能を持つ光学フィルムである。偏光フィルムとしては、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を吸収し、垂直面である振動面を有する直線偏光を透過する性質を有する直線偏光フィルム、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を反射する偏光分離フィルム、偏光フィルムと後述する位相差フィルムを積層した楕円偏光フィルムなどが挙げられる。偏光フィルムの具体例としては、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素、二色性染料などの二色性色素が吸着配向されているものなどが挙げられる。
位相差フィルムとは、一軸又は二軸などの光学異方性を有する光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを 1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリカーボネートあるいはポリビニルアルコールを一軸延伸、二軸延伸した高分子フィルムが好ましい。
位相差フィルムとしては、一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム、温度補償型位相差フィルム、LCフィルム(棒状液晶ねじれ配向)、WVフィルム(円盤状液晶傾斜配向)、NHフィルム(棒状液晶傾斜配向)、VACフィルム(完全二軸配向型位相差フィルム)、newVACフィルム(二軸配向型位相差フィルム)などが挙げられる。
これら光学フィルムに保護フィルムをさらに貼着しているものも光学フィルムとして本発明の粘着剤に積層してもよい。保護フィルムとしては、例えば、本発明で規定するアクリル樹脂とは異なるアクリル樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム等のアセチルセルロース系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ポリスルホン樹脂フィルムなどが挙げられる。保護フィルムには、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤配合されていてもよい。保護フィルムの中でも、アセチルセルロース系フィルムが好適である。
本発明の光学積層体は、粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基板を積層してなるものである。ここで、ガラス基板としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどが挙げられる。中でも、液晶セルの上部のガラス基板に粘着剤付光学フィルム(上板偏光板)を積層し、液晶セルの下部のガラス基板に別の粘着剤付光学フィルム(下板偏光板)を積層してなる光学積層体は液晶表示装置として使用し得ることから好ましい。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。
粘着剤付光学フィルム及び光学積層体の製造方法としては、例えば、剥離フィルムの上に粘着剤を積層し、得られた粘着剤層にさらに光学フィルムを積層したのち、剥離フィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを製造し、その後、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法;光学フィルムの上に粘着剤を積層し、剥離フィルムを貼り合わせて保護して粘着剤付光学フィルムを製造し、ガラス基板の面と積層する際に、その粘着剤付光学フィルムから剥離フィルムを剥離し、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法などが挙げられる。ここで用いる剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものなどが挙げられる。
さらに、本発明の光学積層体から粘着剤付光学フィルムを剥離した後でも、粘着剤層と接していたガラス基材の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生しないことから、剥離されたガラス基板に再び、粘着剤付光学フィルムを貼り直すことが容易である。いわゆる、リワーク性に優れている。
本発明の光学積層体が適用された液晶表示装置は、例えば、ノート型、ディスクトップ型、PDA(Personal Digital Assistance )のパソコン用液晶ディスプレイ、液晶テレビ、車載用ディスプレイ、電子辞書、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電卓、時計などに使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。また不揮発分は、JIS K-5407に準じた方法で測定した値である。具体的には粘着剤溶液を任意の重量、シャーレにとり防爆オーブンにて115℃、2時間乾燥させた後の残留不揮発分重量を最初に測りとった溶液の重量に対して割合で表したものである。粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計により測定した値である。重量平均分子量測定はゲルパーミエションクロマトグラフィー装置(GPC)を用いて標準ポリスチレン換算より、試料濃度5mg/ml、試料導入量100μml、カラムとして東ソー(株)製:TSKgel G6000HXL2本、TSKgel G5000HXL2本を順次、直列したものを用い、温度40℃、流速1ml/min の条件で、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて行った。
<アクリル樹脂1の製造例>
(重合例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、アセトン81.8部、単量体(A)としてアクリル酸ブチ98.9部、単量体(B)としてアクリル1.1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を55℃に昇温したのち、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという) 0.14部をアセトン10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤添加1時間後、単量体を除くアクリル樹脂の濃度が35重量%になるようにアセトン溶剤を添加速度17.3重量部/hr で連続的に反応器に添加しながら内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチル溶剤を添加して反応濃度が20%になるように調節した。重量平均分子量 1,200,000、Mw/Mnは3.9であった。
(重合例2)
重合例1と同様の容器に、アセトン208部、単量体(A)としてアクリル酸ブチル
210部、単量体(B)としてアクリル酸 2.5部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を55℃に昇温したのち、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル0.15部と アセトン5部とを含む溶液を全量添加した。その後、内温55℃で11時間反応させて重合を完結した。GPCのポリスチレン換算の重量平均分子量 788,000、Mw/Mnは3.2であった。
<アクリル樹脂2の製造例>
(重合例3)
重合例1と同様の容器に、酢酸エチル222部、構造単位(a)を与える単量体としてアクリル酸ブチル35部、メタクリル酸ブチル44部、アクリル酸メチル20部、構造単位(b)を与える単量体としてアクリル酸ヒドロキシエチル1部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換したあと、内温を75℃に昇温した。AIBN 0.55部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を全量添加したあと、 内温を69〜71℃に保ちながら、内温69〜71℃で8時間保温し、反応を完結した。GPCのポリスチレン換算の重量平均分子量 90,000、Tgは−13℃であった。
<粘着剤の製造例>
(実施例1〜8、比較例1〜8
アクリル樹脂(1)及び(2)を、表1の重量比率で混合し、アクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。得られた溶液の不揮発分100部に、表1中の架橋剤と、シラン化合物(オリゴマー又はモノマー)0.1部とを混合、本発明の粘着剤を得た。 アクリル樹脂(1)及び(2)の混合割合、並びにシラン化合物の種類、架橋剤の種類を表1にまとめた。
Figure 0005011798


粘着剤付光学フィルム及び光学積層体の製造例>
このようにして得られた粘着剤を、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、商品名:PET3811)の離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤を得た。次いで、光学フィルムとして偏光フィルム(ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて延伸したものの両面トリアセチルセルロース系保護フィルムで挟ん3層構造にしたフィルム)を用い、その光学フィルム上に、前記で得られた粘着剤を有する面をラミネーターによって貼り合せたのち、温度23℃、湿度65%の条件で10日間熟成させて粘着剤層が設けられた粘着剤付き光学フィルムを得た。続いて、その粘着剤付光学フィルムを液晶セル用ガラス基板(コーニング社製、1737)の両面にクロスニコルになるように貼着し、光学積層体を得た。これを80℃、Dryで96時間保管した場合(耐熱性)と、60℃、90%RHで96時間保管した場合(耐湿熱性)、60℃に加熱後、−20℃に降温、さらに60℃に昇温する過程を1サイクル(1時間)とし、100サイクル保管した場合(耐ヒートショック性、表2中ではHS)のそれぞれについて、保管後の光学積層体における耐久性、及び耐熱性を試験した後の白ヌケの発現状態を目視で観察した。結果を下記要領に分類し、表2にまとめた。
<光学積層体の白ヌケ性>
白ヌケの発現状態の評価は、以下の4段階で行った。
○ :白ヌケがほとんど目立たない。
△ :白ヌケがやや目立つ。
× :白ヌケが顕著にみとめられる。
<光学積層体の耐湿熱性、耐熱性及び耐ヒートショック性(耐HS性)>
これらの評価は、以下の4段階で行った。
◎ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
× :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著にみとめられる。
<リワーク性>
リワーク性の評価は次のように行った。まず、前記の粘着剤付光学フィルムを25mm×150mmの試験片に調製した。次に、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械
(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス基板に貼付し、50℃、5kg/cm2(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理を行った。続いて70℃で2時間加熱処理を行い、50℃のオーブン中にて48時間保管した後、23℃、相対湿度50%RH雰囲気中にてこの貼着試験片を300mm/min の速度で180°方向に剥離し、ガラス板表面の状態を観察した。結果を下記要領で分類し、表に示した。
◎ :ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
○ :ガラス板表面に曇り等が認められない。
△ :ガラス板表面に曇り等が認められる。
× :ガラス板表面に糊残りが認められる。
Figure 0005011798
本発明の光学積層体は、例えば、TN液晶セル(TFT)などの光学積層体に好適である。また、本発明の光学積層体をSTN液晶セルに用いると、得られる光学積層体の色ムラを抑制することができる。本発明は、大型化しても白抜けや耐久性に優れることから、液晶表示装置に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. 下記アクリル樹脂(1)100重量部に対し下記アクリル樹脂(2)10〜50重量部下記シリコーンオリゴマー(3)0.001〜5重量部、及び架橋剤(4)2.57〜5重量部を配合してなる粘着剤。
    アクリル樹脂(1):式(A)
    Figure 0005011798
    (式(A)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表すが、2 の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。)
    で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位(a)、並びに、
    少なくとも一つのカルボキシル基と一つのオレフィン性二重結合とを含有する単量体
    (B−1)、及び/又は、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、オレフィン性二重結合とを含有する単量体(B−2)に由来する構造単位(b)
    を含有し、重量平均分子量が 1,000,000〜2,000,000 であるアクリル樹脂;
    アクリル樹脂(2):上記構造単位(a)及び上記構造単位(b)を含有し、重量平均分子量が 50,000〜500,000であるアクリル樹脂
    シリコーンオリゴマー(3):式(S
    Figure 0005011798
    (式(S)中、R3 及び4、それぞれ独立にアルキル基を表し、X及びYは、それぞれ独立に置換されていてもよいアルキル基、フェニル基又はアルコキシ基を表す。)
    で表される化合物に由来する構造単位(s)を2〜100個含有するオリゴマー。
  2. (S)のR3及び/又はR4がエチル基である請求項1に記載の粘着剤。
  3. シリコーンオリゴマー(3)が式(S1)及び式(S2
    Figure 0005011798
    (式中、R3 及び4 は、それぞれ独立にアルキル基を表し、Xは置換されていてもよいアルキル基又はフェニル基を表し、Yは、置換されていてもよいアルキル基、フェニル基又はアルコキシ基を表す。)
    で表される化合物に由来する構造単位(s)を含有するコポリマーである請求項1に記載の粘着剤。
  4. シリコーンオリゴマー(3)が式(S及び式(S4)
    Figure 0005011798
    (式中、R5〜R10は、それぞれ独立にアルキル基を表し、X1は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Yは、置換されていてもよいアルキル基、フェニル基又はアルコキシ基を表す。)
    で表される化合物に由来する構造単位(s)を含有するコポリマーである請求項1に記載の粘着剤。
  5. 架橋剤(4)が、イソシアネート系化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤。
  6. アクリル樹脂(1)及びアクリル樹脂(2)が、実質的に全ての樹脂成分である請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤。
  7. 光学フィルムの片面又は両面に請求項1〜6のいずれかに記載の粘着剤から形成される粘着剤層を積層してなる粘着剤付光学フィルム。
  8. 光学フィルムが、偏光フィルム及び/又は位相差フィルムである請求項7に記載の粘着剤付光学フィルム。
  9. 光学フィルムは、アセチルセルロース系フィルム保護フィルムとして貼着されている請求項に記載の粘着剤付光学フィルム。
  10. 粘着剤付光学フィルムの粘着剤層に、さらに、剥離フィルムを積層してなる請求項7〜9のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルム。
  11. 請求項7〜9のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体。
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