JP2014531973A - 2,3−不飽和カルボン酸の合成のためのV−Ti−P触媒の調製方法 - Google Patents

2,3−不飽和カルボン酸の合成のためのV−Ti−P触媒の調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明はバナジウム、チタン及びリンの混合酸化物を含む触媒組成物に関する。チタン成分は水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物から得られる。触媒組成物は、特に、工業関連水性液体フィードを用いた、アクリル酸を生成するためのホルムアルデヒドの酢酸との気相縮合を促進するのに非常に有効である。

Description

発明の分野
本発明は、一般に、触媒作用の分野、特に、2,3−不飽和カルボン酸の調製のための混合酸化物触媒に関する。
発明の背景
2,3−不飽和カルボン酸及びエステルはホルムアルデヒド(HCO)源及び1個少ない炭素原子を含む飽和カルボン酸又はエステルの反応から調製できる。このように、アクリル酸及びメタクリル酸誘導体は、ホルムアルデヒド源と、それぞれ酢酸又はプロピオン酸誘導体との縮合から調製されうる。反応は反応したカルボン酸誘導体の各当量に対して1当量の水を生成する。
この反応のために、多くの触媒が提案されているが、酸性バナジウム及びリン酸化物を含む触媒は、特に、チタン又はケイ素などの第三の成分が触媒中に存在するときに、最も効率的なものに入る。しかしながら、水はこれらの触媒による縮合反応を抑制する傾向がある。通常、水中に約37質量%のホルムアルデヒドを含むホルマリンの使用は、それゆえ、出発材料として、より効率が低い。メタノールも縮合反応の抑制剤であることができ、そしてホルマリンはメタノールも含むことができるので、効率はさらに低下されうる。カルボン酸が反応体であるときに、ホルマリン中のメタノールの存在は酸及びメチルエステルの混合物を形成することができる。そして、エステルが反応体であるときに、ホルマリン中の水は酸及びエステルの混合物を形成することができる。
工業グレードの水性ホルムアルデヒドは約55質量%のホルムアルデヒドを含む。それは比較的に安価であり、それゆえ、この反応体の経済的な源である。このように、気相中でホルムアルデヒドをアルカン酸又はエステルと縮合させることができ、そしてフィード原料中の水に対して許容性がある触媒が当該技術分野で必要とされている。理想的には、このような触媒は、また、アクリル生成物への高い選択率とともにホルムアルデヒドの高い転化率を提供するであろう。
バナジウム−チタン−リン(V−Ti−P)混合酸化物はホルムアルデヒド及び酢酸の縮合からアクリル酸を生成するための最良の既知の触媒である。しかし、これらの触媒の調製は危険である可能性があり、そしてスケールアップするのに実行可能性がない。通常、チタン成分は、最初に液体塩化チタンを加水分解することにより、これらの触媒中に取り込まれる。この工程は、残念ながら、多量の塩酸ヒュームを発生する。このように、より安全でかつより工業生産に実行可能性があるV−Ti−P混合酸化物触媒の調製方法が当該技術分野で必要とされている。
本発明はこれらの要求に取り組むとともに、以下の説明及び特許請求の範囲から明らかであろうその他のことに取り組む。
発明の要旨
第一の態様において、本発明はバナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む触媒組成物を提供する。触媒組成物のチタン成分は水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物から得られる。
第二の態様において、本発明はバナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む触媒組成物の調製方法を提供する。この方法は、
(a)水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物を含む水溶液を提供すること、
(b)前記チタン水溶液に、バナジウム化合物及びリン化合物を添加して、触媒成分の混合物を形成すること、
(c)前記混合物を熱処理すること、
(d)熱処理された混合物から水を除去し、触媒成分を含む固体残留物を得ること、及び、
(e)空気の存在下に高温で固体残留分を焼成して、触媒組成物を得ること、
の工程を含む。
第三の態様において、本発明は2,3−不飽和カルボン酸の調製方法を提供する。この方法は、気相縮合条件下に縮合触媒の存在下にカルボン酸とホルムアルデヒド源を接触させ、2,3−不飽和カルボン酸を得る工程を含む。縮合触媒はバナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む。縮合触媒のチタン成分は水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物から得られたものである。
図面の簡単な説明
図1は例1の方法Aにより調製した非晶性触媒のX−線回折パターンを示すグラフである。
図2は比較例1の方法Bにより調製した非晶性触媒のX−線回折パターンを示すグラフである。
図3は比較例2の方法Cにより調製した、混合非晶性−結晶性(TiO)触媒のX−線回折パターンを示すグラフである。
図4は比較例3の方法Dにより調製した結晶性[VO(HPO)(HO)0.5]触媒のX−線回折パターンを示すグラフである。
図5は比較例4の方法Eにより調製した結晶性触媒[(VO)(P)]のX−線回折パターンを示すグラフである。
図6は比較例5の方法Fにより調製した結晶性触媒(TiO)のX−線回折パターンを示すグラフである。
図7は例2で方法Gにより調製した非晶性触媒のX−線回折パターンを示すグラフである。
図8は比較例6の方法Hにより調製した結晶性触媒[V(PO及びTi(P)のX−線回折パターンを示すグラフである。
図9は例5の方法Iにより調製した非晶性触媒のX−線回折パターンを示すグラフである。
図10は例6の方法Jにより調製した非晶性触媒のX−線回折パターンを示すグラフである。
発明の詳細な説明
V−Ti−P混合酸化物触媒は水溶性レドックス活性オルガノチタン源から調製されうることが驚くべきことに発見された。このようなチタン源を使用することにより、生来的により安全で、より実用的で、そして急速なV−Ti−P材料への経路を提供することができる。さらに、得られた触媒はより高い表面積及び酸性度を有することができ、水性ホルムアルデヒド源及び酢酸をフィードとして用いたときに、アクリル酸生成のためにより活性であることができることが驚くべきことに発見された。
このように、第一の態様において、本発明はバナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む触媒組成物を提供する。触媒組成物のチタン成分は水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物(本明細書中で、時に、単に「水溶性チタン化合物」、「オルガノ−チタン化合物」、又は、「チタン化合物」と呼ぶ)から得られる。
本明細書中に使用されるときに、用語「及び/又は」は、2つ以上の項目のリストで使用されるときに、リストされる項目のいずれか1つはそれ自体で使用でき、又は、リストされた項目の2つ以上の任意の組み合わせは使用されうる。例えば、もし組成物が成分A、B及び/又はCを含むものとして記載されるならば、組成物はA単独、B単独、C単独、組み合わせでA及びB、組み合わせでA及びC、組み合わせでB及びC、又は、組み合わせでA、B及びCを含むことができる。
1つ以上のプロセス工程の言及は組み合わせた記載の工程の前又は後、又は、明示された工程の間に介在するプロセス工程の存在を排除しないものと理解されるべきである。さらに、プロセス工程又は要素の文字入れ(レタリング)は別々の活動又は成分を特定するための便利な手段であり、記載の文字入れは特に指示がないかぎり、任意の順序で配置されうる。
「水溶性」とは、オルガノチタン化合物は20℃及び1絶対気圧(101.325kPa)にて水中に溶解して、少なくとも1質量%のオルガノチタン化合物の均質溶液を形成することができることを意味する。好ましくは、化合物は水中で溶解して、少なくとも25質量%の均質溶液を形成することができる。より好ましくは、化合物は水中で溶解して、少なくとも40質量%の均質溶液を形成することができる。
「レドックス活性」とは、オルガノチタン化合物の有機リガンドがバナジウムの酸化状態を+5から+4、+5から+3又は+4から+3に還元することができることを意味する。又は、オルガノチタン化合物の誘導体が、触媒を製造するために使用される水性混合物中で、バナジウムの酸化状態を+5から+4、+5から+3又は+4から+3に還元することができるならば、「レドックス活性」である。
水溶性のレドックス活性オルガノチタン化合物の例としては乳酸チタン、チタンアルカノールアミン及びチタンアセチルアセトネートが挙げられる。このような化合物は、例えば、Dorf Ketalから商品名TYZOR(登録商標)で市販されている。このような化合物の実用上の例としては、チタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド(TBALDH)、チタンジエタノールアミン、チタントリエタノールアミン及びチタンアセチルアセトネートが挙げられる。1つの態様において、オルガノチタン化合物はチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドを含む。
本発明に係る触媒組成物は一般式VTi(式中、aは0.3〜6.0であり、好ましくは1.0〜4.0であり、bは2.0〜13.0であり、好ましくは4.0〜10.0であり、cは酸素以外の成分の価数を満たすのに要求される原子の数である)を有することができる。
本発明の触媒組成物は、酸化物担体上に担持されうる。適切な酸化物担体としは、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び、ピロリン酸チタンもしくはジルコニウムが挙げられる。他の酸化物担体は所望の触媒反応に不活性であるかぎり、使用できる。担体は物理的に頑強でかつ予備成形されたものであるべきである。用語「予備成形」は、この関係で、最終の触媒の形状が出発担体と本質的に同一であることを意味するように使用される。予備成形された酸化物は、通常、約0.1ミリメートル(mm)〜約20mmの範囲の平均粒子直径サイズを有することができる。それは、押出物、圧縮ペレット又は所望のメッシュサイズに粉砕されたバルク固形分などの任意の一般的な形態であることができる。また、様々な形状、例えば、棒状、星形、筒状、球形又は破砕チャンクであることができる。
本発明に係る触媒組成物は構造が主として非晶性であることができる。当業者は非晶性触媒組成物が不純物などにより生じる結晶構造を少量で有することができることを認識する。「非晶性」又は「主として非晶性」とは、触媒組成物が10質量%未満の結晶性材料を含むことを意味する。%結晶化度は個々の回折パターンからX−線回折の積分強度を基準として計算され、30Åを超える結晶サイズのピークは結晶性として定義され、30Å以下の結晶サイズのピークは非晶性として定義される。
本発明の第二の態様によると、本発明に係る触媒組成物は、下記の一般工程、
(a)水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物を含む水溶液を提供すること、
(b)前記チタン水溶液に、バナジウム化合物及びリン化合物を添加して、触媒成分の混合物を形成すること、
(c)前記混合物を熱処理すること、
(d)熱処理された混合物から水を除去し、触媒成分を含む固体残留物を得ること、及び、
(e)空気の存在下に高温で固体残留分を焼成して、触媒組成物を得ること、
を用いて調製されうる。
水溶性チタン化合物を含む水溶液は、商業的供給源から直接得ることができ、又は、水にチタン化合物を溶解することによって製造することができる。チタン水溶液の濃度は、広い範囲にわたって変更可能である。例えば、溶液は25〜75wt%、又は、30〜70wt%、又は、50〜60wt%の範囲のチタン化合物濃度を有することができる。
バナジウム化合物及びリン化合物をチタン水溶液に添加する形態は特に限定されない。例えば、バナジウム化合物及びリン化合物は、チタン水溶液に添加される前に、一緒にブレンドされて、物理混合物又は反応生成物を形成してもよい。又は、V及びP化合物は任意の順序で順次に又は同時にチタン水溶液に添加されてよい。このように、本明細書で使用されるときに、表現「バナジウム化合物及びリン化合物を添加すること」は、別々に、及び/又は、2つの化合物の物理的混合物として又は反応生成物として集合的に、バナジウム化合物及びリン化合物の添加を指すことができる。
同様に、熱処理工程及び水除去工程は順次に又は同時に行うことができる。例えば、蒸留又は蒸発による水の除去の場合には、熱処理工程は蒸留又は蒸発の間に行うことができる。
熱処理工程は広い温度範囲で行うことができ、例えば、周囲温度から200℃又はそれ以上である。熱処理工程の目的は触媒前駆体の混合及び/又は反応を促進することである。触媒前駆体及び使用される温度に応じて、熱処理工程は数分から数時間又は数日行うことができる。
水除去工程は多くの方法で行うことができる。例えば、上述のように、水は蒸留又は蒸発によって除去することができる。又は、以下でより詳細に議論するとおり、混合物に逆溶媒を添加し、触媒成分を沈殿させ、そして沈殿物を液体から分離し、固体残留物を得ることによって溶液から触媒成分を沈殿させることができる。水は、次いで、デカンテーション又はろ過によって除去することができる。
水除去工程(続いて行う乾燥工程を含むことができる)の次に、得られた固体残留物を粉砕し、そして篩い分けして、所望の粒径を得ることができる。篩い分けした触媒粒子は、次いで、使用前に空気中で1つ以上の段階で焼成することができる。焼成温度は、通常、200℃〜800℃の範囲にある。好ましくは、焼成温度は300℃〜500℃の範囲にある。焼成工程は、典型的には、1〜10時間行われ、好ましくは2〜8時間行われる。焼成の際に、本発明による混合酸化物触媒が形成される。
上述した水溶性チタン化合物に加えて、触媒前駆体はバナジウム、チタン及びリンのアンモニウム塩、ハロゲン化物、オキシ酸、オキシ酸塩、水酸化物又は酸化物であることができる。本発明の1つの態様において、触媒組成物はチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドを含むオルガノチタン化合物を用いて調製される。
バナジウム化合物は好ましくは水溶性である。このような化合物の例としては、三塩化バナジウム、酸化硫酸バナジウム(IV)水和物及びバナジン酸アンモニウムであって、必要に応じて水性シュウ酸及び/又は乳酸で処理したものが挙げられる。他の水溶性バナジウム源を使用することもできる。
リン化合物も好ましくは水溶性である。化合物は、焼成されたときに、リン酸化物に転化されるべきである。このようなリン化合物としては、リン酸、亜リン酸及びこれらの酸のアンモニウム塩が挙げられる。
還元性化合物は得られる触媒組成物に追加の表面積を付与するように反応混合物に添加することができる。乳酸はこの目的のために好ましいが、例えば、クエン酸、グリコール酸、シュウ酸、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール又はペンタンジオールなどの二官能基を有する他の化合物(すなわち、二官能化合物)も使用することができる。これらの表面積試薬の使用は任意的であるが、一般的に好ましい。本発明の1つの態様において、二官能化合物は熱処理工程(c)の前に触媒成分の混合物に添加されうる。本発明の1つの態様において、二官能化合物は乳酸を含む。
本発明に係る触媒組成物の調製方法の実用上の例は、TBALDHの50wt%水溶液を、メタバナジン酸アンモニウム、リン酸の水中の溶液、場合により、乳酸と混合すること、攪拌下に130℃で混合物を加熱すること、熱処理した混合物から蒸留により水を除去すること、及び、空気中で300℃、その後、450℃で得られた残留物を焼成することを含む。
あるいは、本発明の別の実施形態によると、触媒組成物は、水混和性の非可溶化性溶媒又は「逆溶媒」を反応/熱処理容器に添加して、熱処理工程後に触媒成分の主要部分を沈殿させること以外は上記のとおりに調製されうる。このようにして、蒸留によるエネルギー集約的な水除去を回避することができ、触媒組成物は、代わりに、ろ過、次いで焼成によって収集することができる。逆溶媒は、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル又はエステルなどの極性化合物であることができる。エタノールなどのアルコールは逆溶媒として好ましい。
触媒組成物は、一般式VTi(式中、aは0.3〜6.0であり、好ましくは1.0〜4.0であり、bは2.0〜13.0であり、好ましくは4.0〜10.0であり、cは酸素以外の成分の価数を満たすのに要求される原子の数である)を有することができる。
本発明の触媒組成物は酸化物担体上に担持させることができる。好適な酸化物担体としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム及びチタンもしくはジルコニウムピロリン酸塩が挙げられる。他の酸化物担体は、それらが所望の触媒反応に対して不活性であるかぎり、使用することができる。担体は物理的に頑強で予備成形されているべきである。用語「予備成形」は、この関係で、最終触媒の形状が出発担体と本質的に同一であることを意味するように使用される。予備成形された酸化物は、典型的には、約0.1ミリメートル(mm)〜約20mmの範囲の平均粒径サイズを有することができる。それは、押出物、圧縮ペレット又は所望のメッシュサイズに粉砕されたバルク固形分などの任意の一般的な形態であることができる。それは、また、ロッド、星形、筒形、球形又は破壊されたチャンクなどの様々な形状であってよい。これらの酸化物担体の多くは市販されており、それらの使用は本発明の触媒組成物の製造を単純化するが、これは本発明の要件ではない。
担持された実施形態では、チタン及びバナジウム成分は別々に又は一緒に担体上に装填されうる。好ましい技術は所望の量のバナジン酸アンモニウム及びシュウ酸又は乳酸をTBALDH水溶液中に溶解することである。所望ならば、この溶液を希釈し、次いで、初期湿潤技術を用いて酸化物担体を含浸するために使用されうる。含浸した担体を、その後、約110℃で乾燥させる。110℃での溶液の乾燥は均質ガラスを製造するので、得られる材料は2つの金属の均質分散体を含むようである。バナジウム及びチタンを含有する乾燥した担体を、その後、所望量のリン化合物の水溶液で含浸する。
含浸の順序は、通常は、問題とはならない。バナジウム及びチタンで担体を同時含浸し、次いで、乾燥後にリンで含浸することを上記に示したとおりに行うことで、優れた結果を得ることができる。
初期湿潤技術をすべての含浸に使用して、優れた結果を得ることができる。より高い装填量が要求されるならば、初期湿潤のために必要とされるより多量の溶液を使用し、次いで、溶媒を蒸発させることができる。所望ならば、溶液は酸化物担体の外側領域に塗布されうる。
バナジウム、チタン及びリン成分を担体に適用した後に、触媒を、例えば、約450℃で焼成することができる。
本明細書中に開示の三元V−Ti−P触媒組成物はx−線回折分析により決定して、主に非晶性である。興味深いことに、例えば、TBALDHを用いて調製された本発明のV−Ti−P触媒組成物は、テトラクロロチタンを用いて調製したV−Ti−P材料よりも、たとえ両方の触媒が非晶性材料であっても、55wt%の水性ホルムアルデヒドフィードを使用したときに、有意に高い収率(>20%)でアクリル酸を生成する。この結果は、本発明の触媒の微細構造又は均質性が従来技術の触媒とはかなり異なることを示唆する。
より高い収率に加えて、水溶性チタン源を使用することは塩化チタンを使用するよりも幾つかの利点がある。例えば、気相塩化水素酸の生成を回避することができ、別個のチタン(IV)前駆体が水中の溶質であり、やっかいな不均一ゲルでなく、そして得られるV−Ti−P触媒は生来的により高い比表面積で形成される。
TBALDHなどの水溶性チタン化合物が活性V−Ti−P触媒を形成する傾向は驚きである。というのは、TiCl以外のチタン源はアクリル酸製造のための劣った触媒を生成することが示されていたからである。例えば、M. Ai, Applied Catalysis, Vol. 48, pp. 51-61 (1989)を参照されたい。例えば、二酸化チタンをチタン前駆体として用いるときに、得られる材料はホルムアルデヒド及び酢酸からアクリル酸を生成することができない。TiOがアクリレート製造のための触媒活性材料を形成することができることが別に報告されているが(M. Abonら, J. Catalysis, Vol. 156, pp. 28-36 (1995))、この結果は再現できなかった。
また、例えば、TBALDHを使用したときに、外来性の乳酸は、もはや、触媒合成に必要とされないという事実も予測されないことである。テトラクロロチタンが関与する触媒調製から乳酸を除いたときに、得られる材料はx−線回折によって決定して、高結晶性であるが、アクリル酸合成に対して比較的不活性である。しかしながら、乳酸の非存在下で、例えば、TBALDHを用いて調製されるV−Ti−P材料は非晶性であり、かなり活性でかつ選択的である。乳酸の添加を回避することは魅力的である。というのは、触媒合成の工程の量を最少限にし、空気焼成の間に燃焼しなければならない有機材料を少量とするからである。
第三の態様において、本発明は、アクリル酸又はメタクリル酸などの2,3−不飽和カルボン酸の調製方法を提供する。この関係での「カルボン酸」の言及はアクリレート及びメタクリレートなどの対応するカルボン酸エステルを含む。
本発明の方法は、気相縮合条件下に縮合触媒の存在下に、カルボン酸とホルムアルデヒド源を接触させ、2,3−不飽和カルボン酸を得る工程を含む。縮合触媒は、バナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む。縮合触媒のチタン成分は、本明細書中に記載されるとおり、水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物から得られる。
2,3−不飽和カルボン酸は良好な収率、転化率及び選択率で調製されうる。「収率」とは、(生成物のモル数)/(フィードされた反応体のモル数)*100を意味する。例えば、ホルムアルデヒドからのアクリル酸の%収率は(アクリル酸のモル数)/(フィードされたホルムアルデヒドのモル数)*100である。「転化率」とは、(フィードされた反応体のモル数−未反応反応体のモル数)/(フィードされた反応体のモル数)*100を意味する。例えば、ホルムアルデヒドの%転化率は、(フィードされたホルムアルデヒドのモル数−未反応のホルムアルデヒドのモル数)/(フィードされたホルムアルデヒドのモル数)*100である。「選択率」とは、(生成物のモル数)/(フィードされた反応体のモル数−未反応の反応体のモル数)*100を意味する。例えば、ホルムアルデヒドからアクリル酸への%選択率は、(アクリル酸のモル数)/(フィードされたホルムアルデヒドのモル数−未反応ホルムアルデヒドのモル数)*100である。当業者は、収率が転化率×選択率に等しいことを認識する。例Bは80%ホルムアルデヒド転化率を有し、例Cは60%ホルムアルデヒド転化率を有するなどの実施例を比較するときに、例Bのホルムアルデヒド転化率は例Cよりも20%高いと言われる。別の言い方をすれば、比較は、単純に、ある例と別の例との百分率の数学的差異である。
本発明で使用するためのホルムアルデヒド源は特に限定されるものではない。それは、無水ホルムアルデヒド自体、1,3,5−トリオキサン(本明細書中で、時に、単に「トリオキサン」と呼ばれる)、ジメトキシメタン又はジアセトキシメタンであることができる。あるいは、ホルムアルデヒド源は、ホルムアルデヒドの水溶液であることができる。ホルムアルデヒド水溶液は、例えば、30〜65wt%のホルムアルデヒドを含むことができる。このような溶液の例としては、ホルマリン(37wt%ホルムアルデヒド)及び工業グレード水性ホルムアルデヒド(55wt%ホルムアルデヒド)が挙げられる。ホルムアルデヒド水溶液は、商業的に、メタノールの酸化によって、又は、例えば、約4:1のモル比で、水をトリオキサンとブレンドすることによって得ることができる。
カルボン酸はカルボン酸基に対してα位に少なくとも2個の水素原子を有するべきである。カルボン酸は、好ましくは、2〜4個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸である。酢酸及びプロピオン酸は好ましいカルボン酸である。最も好ましいカルボン酸は酢酸である。この関係で、用語「カルボン酸」は、2,3−不飽和カルボン酸エステルの生成が望まれるときには、対応するカルボン酸エステルを包含する。このようなカルボン酸エステルの例としては酢酸エステル及びプロピオン酸エステルが挙げられる。
本明細書の上記触媒組成物及び触媒組成物の製造方法の説明、例えば、バナジウム、チタン、リン及びアルカリ金属化合物、触媒式、アルカリ金属、予備成形担体、水除去工程及び二官能性化合物の説明は2,3−不飽和カルボン酸の調製方法に適用される。
ホルムアルデヒド成分/カルボン酸成分のモル比は0.1〜10であることができ、好ましくは0.2〜5であり、より好ましくは0.2〜2である。水/ホルムアルデヒド成分のモル比は0〜5であることができ、好ましくは0〜3であり、より好ましくは0〜1.5である。
本方法は200℃〜400℃、好ましく225℃〜375℃、より好ましくは275℃〜375℃の温度で操作することができる。
本方法は、0.1〜10バール絶対圧(bara)、好ましくは0.5〜5bara、より好ましくは1〜1.5baraの圧力で運転することができる。
本発明の方法の特定の実施形態において、液体フィード速度は1.0〜1000mL/kg触媒/分、好ましくは10〜100mL/kg触媒/分の範囲とすることができる。
本発明の方法の他の実施形態において、反応体は窒素又は酸素欠乏空気などの不活性キャリアガスと一緒に酸素と縮合反応器にフィードされうる。プロセスからの再循環ガスを用いることができる。不活性ガス成分は、合計フィードの0〜90モル%の範囲の濃度で存在することができ、好ましくは25〜85モル%、より好ましくは30〜80モル%の範囲の濃度で存在することができる。酸素成分の濃度は0.5〜6モル%、好ましくは2〜5モル%、より好ましくは3〜4モル%の範囲にあることができる。低酸素レベルでは、コークスが触媒上に蓄積することが可能になる。一方、高レベルの酸素は、反応体及び生成物の過剰な燃焼をもたらす可能性がある。
酸素同時フィードの実施形態において、空間速度は好ましくは50〜400モルフィード/(kg触媒−時)、より好ましくは100〜300モルフィード/(kg触媒−時)、そして最も好ましくは125〜200モルフィード/(kg触媒−時)の範囲にあるべきである。用語「モルフィード」は有機物、水、酸素及び不活性物を含む、触媒にフィードされるすべての種を含むことを意味する。本発明のこれらの実施形態は、正確なレベルの酸素、水をフィードすること、及び、収率に有意に影響を及ぼすことなく速度及び選択率を増加させるように空間速度を上げることの組み合わせ効果を利用する。ホルムアルデヒド転化率の差異は、主として、空間速度が低すぎるときのホルムアルデヒドの分解によるものである。抑制的なコークス生成の場合には、触媒は、反応操作と反応操作の間に、空気中で、例えば、400℃で再生されうる。
一般に、反応体の空間速度を上げると、反応の速度を上げることになるが、これには、通常、対応する収率及び転化率の減少を伴う。本方法の特定の条件は、空間速度を上げたときに、収率の減少を伴わずに速度を上げることが実際に可能であることを予期せずに発見した。
ヒドロキノンなどの抑制剤は2,3−不飽和カルボン酸生成物に添加されて、重合を最少化することができる。
非限定的な実施形態のリスト
実施形態Aはバナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む触媒組成物であって、チタン成分は水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物から得られたものである、触媒組成物である。
一般式VTi(式中、aは0.3〜6.0の数であり、bは2.0〜13.0の数であり、cはV、Ti及びPの価数を満たすのに要求される原子の数であり、又は、aは1.0〜4.0の範囲にあり、bは4.0〜10.0の範囲にある)を有する、実施形態Aの触媒組成物。
前記オルガノチタン化合物はチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドを含む、実施形態A又は1種以上の介在的特徴を有する実施形態Aの触媒組成物。
予備成形された担体をさらに含む、実施形態A又は1種以上の介在的特徴を有する実施形態Aの触媒組成物。
予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体はシリカ、アルミナ、酸化チタン、ピロリン酸チタン、酸化ジルコニウム又はピロリン酸ジルコニウムを含む、実施形態A又は1種以上の介在的特徴を有する実施形態Aの触媒組成物。
予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体は粒子サイズが0.1mm〜20mmの範囲にある、実施形態A又は1種以上の介在的特徴を有する実施形態Aの触媒組成物。
実施形態Bは、バナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む触媒組成物の調製方法である。この方法は、
(a)水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物を含む水溶液を提供すること、
(b)前記チタン水溶液に、バナジウム化合物及びリン化合物を添加して、触媒成分の混合物を形成すること、
(c)前記混合物を熱処理すること、
(d)熱処理された混合物から水を除去し、触媒成分を含む固体残留物を得ること、及び、
(e)空気の存在下に高温で固体残留分を高温で焼成して、触媒組成物を得ること、
の工程を含む。
水除去工程(d)は蒸留又は蒸発を含む、実施形態Bの方法。
水除去工程(d)は前記混合物に逆溶媒を添加して、触媒成分を沈殿させ、該沈殿物を液体から分離して、固体残留物を得ることを含む、実施形態Bの方法。
水除去工程(d)は前記混合物に逆溶媒を添加して、触媒成分を沈殿させ、該沈殿物を液体から分離して、固体残留物を得ることを含み、該沈殿物はろ過により液体から分離される、実施形態Bの方法。
水除去工程(d)は前記混合物に逆溶媒を添加して、触媒成分を沈殿させ、該沈殿物を液体から分離して、固体残留物を得ることを含み、該沈殿物はろ過により液体から分離され、そして逆溶媒はアルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル及びエステルから選ばれる極性化合物であり、又は、逆溶媒はアルコールである、実施形態Bの方法。
前記触媒組成物は一般式VTi(式中、aは0.3〜6.0の数であり、bは2.0〜13.0の数であり、cはV、Ti及びPの価数を満たすのに要求される原子の数であり、又は、aは1.0〜4.0の範囲にあり、bは4.0〜10.0の範囲にある)を有する、実施形態B又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Bの方法。
前記オルガノチタン化合物はチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドを含む、実施形態B又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Bの方法。
前記触媒組成物は予備成形された担体をさらに含む、実施形態B又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Bの方法。
予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体はシリカ、アルミナ、酸化チタン、ピロリン酸チタン、酸化ジルコニウム又はピロリン酸ジルコニウムを含む、実施形態B又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Bの方法。
予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体は粒子サイズが0.1mm〜20mmの範囲にある、実施形態B又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Bの方法。
前記触媒組成物は予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体は熱処理工程(c)の前に触媒成分の混合物に添加される、実施形態B又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Bの方法。
熱処理工程(c)の前に、触媒成分の混合物に対して二官能化合物を添加することをさらに含み、該二官能化合物はクエン酸、乳酸、グリコール酸、シュウ酸、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール又はヘキサンジオールを含み、又は、該二官能化合物は乳酸を含む、実施形態B又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Bの方法。
実施形態Cは2,3−不飽和カルボン酸の調製方法である。この方法は気相縮合条件下に縮合触媒の存在下にカルボン酸とホルムアルデヒド源を接触させ、2,3−不飽和カルボン酸を得ることの工程を含む。縮合触媒はバナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む。縮合触媒のチタン成分は水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物から得られる。
前記ホルムアルデヒド源は、ホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、ジメトキシメタン又はジアセトキシメタンを含み、そして前記カルボン酸は酢酸又はプロピオン酸を含む、実施形態Cの方法。
前記ホルムアルデヒド源は、ホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、ジメトキシメタン又はジアセトキシメタンの水溶液を含み、そして前記カルボン酸は酢酸又はプロピオン酸を含む、実施形態C又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Cの方法。
前記ホルムアルデヒド源は、ホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、ジメトキシメタン又はジアセトキシメタンの水溶液を含み、そして前記カルボン酸は酢酸又はプロピオン酸を含み、前記水溶液は30〜65質量%のホルムアルデヒドを含む、実施形態C又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Cの方法。
前記オルガノチタン化合物はチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドを含む、実施形態C又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Cの方法。
前記触媒組成物は予備成形された担体をさらに含む、実施形態C又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Cの方法。
予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体はシリカ、アルミナ、酸化チタン、ピロリン酸チタン、酸化ジルコニウム又はピロリン酸ジルコニウムを含む、実施形態C又は1種以上の介在的特徴を有する実施形態Cの方法。
予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体は粒子サイズが0.1mm〜20mmの範囲にある、実施形態C又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Cの方法。
前記縮合条件は50〜400モルフィード/(kg触媒−時)の合計フィード空間速度、又は、100〜300モルフィード/(kg触媒−時)の合計フィード空間速度、又は、125〜200モルフィード/(kg触媒−時)の範囲にある合計フィード空間速度を含む、実施形態C又は1種以上の介在する特徴を有する実施形態Cの方法。
本発明は以下の実施例によりさらに例示されうるが、これらの実施例は例示のみを目的として含まれ、本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるであろう。特に断らないかぎり、又は、内容が別の意味を示さないかぎり、全てのパーセントは質量基準である。

材料
D/L−乳酸(90wt%)、メタバナジン酸アンモニウム(99+wt% NHVO)、リン酸(85wt%HPO)、チタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド(水中50wt%溶液)、テトラクロロチタン(≧99wt%、TiCl)及び水中の二酸化チタンコロイド懸濁液(23.38wt%TiO)を商業的供給業者から購入し、受け取ったまま使用した。
略語
XRD=粉末X−線回折、XRF=X−線蛍光分光法、TPD=温度プログラム化脱離、SCCM=標準立方センチメートル/分、MeOAc=酢酸メチル、MeOH=メタノール、MA=メチルアクリレート、HCO=ホルムアルデヒド、HOAc=酢酸、HOPr=プロピオン酸、mmol=ミリモル、prod=生成物(製品)、AA=アクリル酸、BSTFA=N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド及びTMSCl=トリメチルシリルクロリド。
XRD測定
全てのXRD測定は30kV及び15mAで操作される銅アノードX−線チューブを用いたRigaku Miniflex X−線回折分光計で行った。回折パターンは、5°の2θ角〜75°の2θ角で、サンプリング幅0.02°及びスキャン速度1.00°/分で収集した。
微結晶サイズは、ピーク半値全幅の測定及びScherrer等式(P.N. Scherrer, Ges. Wiss. Gottingen, Math.- Phys. KI. 2, 96-100, 1918)の使用に基づいて算出した。定量的な相分析は、Rietveld法(H.M. Rietveld, J. Applied Crystallography 21 , 86-91 (1988))に基づくリファインメントアルゴリズムを用いて計算した。パーセント結晶化度は個々の回折パターンからの積分強度に基づいて計算され、30Åを超える結晶サイズのピークを結晶性と定義し、30Å以下の結晶サイズのピークを非晶性と定義した(N.S. Murthyら, Polymers 31 , 996-1002 (1990))。
温度脱離測定
TPD測定はMicrometrics Autochem II 2920アナライザの出口に取り付けた質量分析計を用いて行った。プローブ分子としてイソプロパノールを使用して全酸性度及び全塩基性度の決定を以下のとおりに行う。約0.05gのサンプルを、セラミック炉内に配置された石英U字管中に秤量する。サンプルをプログラム化温度サイクルに付し、該プログラム化温度サイクルはヘリウム中で10%酸素下に450℃への加熱サイクル、40℃への冷却工程からなる。Micrometrics Autochem II 2920アナライザの蒸気発生器を用いてイソプロパノールをサンプルに対して投与する。室温でイソプロパノールを含むフラスコを通してヘリウムをバブリングさせることにより蒸気発生器を操作する。得られた「蒸気飽和」ヘリウムを、加熱されたサンプルループを通して輸送し、サンプル上に注入する。サンプルの表面を飽和した後に、乾燥ヘリウムをサンプル上に通過させ、あらゆる物理吸着された蒸気を除去する。その後、He流ストリーム中での約450℃への20℃/分での最終的な加熱を行い、その時点で、質量分析データをサンプルを通して流れるガスから収集する。
ガスクロマトグラフィー測定
液体生成物サンプルを測定時間にわたって収集し、秤量し、ガスクロマトグラフィーで分析した。サンプルを0.1XXX(Xは秤に示される実際の数値)の記録重量にガスクロマトグラフィー(GC)バイアル中で秤量した。その後、LEAPユニットを用いて、200μLの内部標準品(100mLのピリジン中の0.7325gのドデカン)をロボットで添加し、次いで、1.0mLのBSTFA(w/TMSCl)を添加した。その後、バイアルを80℃で30分間熱板上に置いた。すべての成分を分離するために、各サンプルを、AOC−20オートサンプラーを含むShimadzu 2010ガスクロマトグラフである1つの計器で並行に運転している2つのカラムに対して注入した。ガスクロマトグラフィー測定は、ホルムアルデヒドを除く、液体生成物中の全ての成分を定量するために使用した。
液体クロマトグラフィー測定
液体生成物中のホルムアルデヒドの定量は、反応混合物サンプルを30分間80℃で水性の25%v/vHSOで酸加水分解に供した後に、高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。酸加水分解物をジニトロフェニルヒドラジンと反応させ、その後、均一濃度条件下で1:1の水:アセトニトリル移動相を用いてPhenomenex Luna C8カラムを用いて分析した。ホルムアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体の分離及び検出を360nmでUV-Vis検出器を備えたAgilent1100 HPLCシステムを用いて行った。液体生成物中のホルムアルデヒド濃度は、ホルマリンから調製された外部標準品を用いた較正に基づいて算出した。液体フィード中のホルムアルデヒドの量は水/トリオキサン比及び液体フィード流速に基づいて計算した。
例1
方法Aによる非晶性V−Ti−P触媒の調製及び無水液体フィードを用いた反応器スクリーニング
1.V(IV)HPO溶液の調製
オレンジ−ベージュ色のメタバナジン酸アンモニウム(9.75g)を、500mL1つ口丸底フラスコ中で50mLの乳酸及び200mLの脱イオン水の中に懸濁させた。 70℃で1時間加熱した後、85%のオルトリン酸(52.5g)を、70℃にて15分にわたって透明な青色バナジウム溶液に添加し、青緑色溶液を提供した。残留反応体を反応フラスコ中に最少量の水で洗浄した。
2.V−Ti−P触媒の調製
50wt%チタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド溶液(109.19g)を、凝縮器及びメカニカルスターラを備えた1L3つ口ケトル反応器に添加した。上記の工程1からのV/P溶液をTi溶液中にゆっくりと注ぎ、青色懸濁液を提供した。V/Pフラスコを30mLの水で濯ぎ、内容物を反応フラスコに添加した。その後、混合物を130℃で16時間、700〜800rpmにて攪拌し、青から青緑色の懸濁液を提供した。その後、水を4〜6時間にわたって蒸留により除去し(130℃に設定した油浴)、得られた湿った淡緑色固形分をセラミック皿に移し、そしてマッフル炉中で300℃で16時間、空気中で加熱した。その後、得られた固形分を粉砕し、8×14メッシュを通して篩い分けした。8×14メッシュで篩い分けした材料を、その後、石英管炉中で450℃で6時間、空気中(60SCCM)にて焼成し、淡緑色の不規則形状のペレットを提供した。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。
3.アクリル酸の調製
モル比12酢酸/1トリオキサンフィードを用いた気相縮合実験を325℃で、0.083mL液体フィード/分及び80SCCMのNで3時間行った。触媒の性能を表3に要約する。表3において、用語「生成物、g」は回収された液体生成物の質量を指す。用語「フィード反応体、g」は反応器に液体としてフィードされる反応体:トリオキサン及び酢酸のみを含む。
酢酸及びトリオキサン(ホルムアルデヒド源)の縮合反応は長さ=61cm(24インチ)の25mm外径(21mm内径)の石英反応管中で行った。反応器への熱はBarnstead International 電気チューブ炉(タイプF21100)により提供された。液体生成物を水冷凝縮器を備えた3つ口フラスコ中に収集し、該水冷凝縮器はトラップ付きドライアイス凝縮器に取り付けられていた。フラスコの三つめの口にストッパーを付け、それにより、数個のヒドロキノン抑制剤の結晶を添加することができるようにした。ヒドロキノン結晶を各サンプルの回収の開始時に添加した。レシーバーフラスコの基部はストップコックを備えており、それにより、液体製品の排出を可能としていた。
石英反応器は管の基部から上方20cm(8インチ)のくぼみを有した。くぼみを有する反応器の領域は炉の加熱セクションの基部付近にあった。反応器は、また、サーモウエルを備えており、該サーモウエルは反応器の頂部からくぼみの下方約1インチまで延在していた。最初に、反応器のくぼみの上方約2.5インチの高さまで石英チップを装填し、それにより、炉の中央に触媒を配置させることができるようにした。その後、反応器を5.0gの触媒装填物で装填した。サーモウエル中の熱電対を、触媒床の中央付近に配置した。炉の加熱領域の頂部に到達するのに十分な石英チップ(約2.5インチ)を触媒装填物の上方の領域に添加した。この触媒の性能を表3に要約する。
本例はTBALDH化合物が活性V−Ti−P材料の合成のための適切な前駆体であり、標準スクリーニング条件下に良好な収率でかつ高純度でアクリル酸を提供することを示す。触媒のモル組成は下記の比較例1で使用される触媒の組成とほぼ同一であるが、比較例1の触媒は例1の触媒と比較して、60%の表面積しか有しない。比較例1の触媒と比較して、例1の触媒の合計酸性部位は、64.2(μmol/g)と比較して、92.5(μmol/g)と高い。触媒の粉末x線回折分析は、それが主に非晶性であることを明らかにする(図1)。
比較例1
方法Bによる非晶性V−Ti−P触媒の調製及び無水液体フィードによる反応器スクリーニング
本例の触媒は、M. Ai, Applied Catalysis, Vol. 48, pp. 51-61 (1989)及びJP 1989-068335 Aに記載の方法により調製した。
1.Ti(OH)ゲル調製
5−L3つ口丸底フラスコに、300mLの氷水及び300mLの脱イオン水を入れた。フラスコは125mLの添加漏斗を備え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に通気していた。テトラクロロチタン(34.6g)を、その後、激しく撹拌した水/氷混合物にゆっくりと加えた。反応器雰囲気を空気流とともにスクラバー溶液にフラッシュし、気体状HClを除去した。得られた無色の溶液のpHは0〜1であった。
一旦、溶液を室温に温めたときに、2.5Lの脱イオン水で希釈し、pHを200mLの5.0M水酸化アンモニウムを添加することによって、10〜11に調整した。明白色固形分が即座に形成した。この材料をろ過し、2×1Lの水で洗浄し、ペースト状物質の白色片を提供し、5時間まで空気乾燥し、ゲル状の稠度を有する白色材料を提供した。
2.V(IV)HPO溶液の調製
V/P溶液を例1、工程1の手順に従って調製した。
3.V−Ti−P触媒の調製
上記の工程1からのヒドロキシドゲルを、凝縮器を備えた1L3つ口ケトル反応器中で200mLの水中に懸濁させ、均一白色懸濁液を得るのに十分に長く700〜800rpmで機械的に攪拌した。上記の工程2からのV/P溶液をゆっくりとゲル懸濁液に注ぎ、青色懸濁液を提供した。V/Pフラスコを50mLの水で濯ぎ、そして内容物を反応フラスコに添加した。その後、混合物を700〜800rpmで130℃にて16時間攪拌し、青から青緑色の懸濁液を提供した。
その後、蒸留により水を6時間にわたって除去し(130℃に設定した油浴)、得られた湿った淡緑色固形分をセラミック皿に移し、マッフル炉中で300℃で16時間、空気中で加熱した。その後、得られた固形分を粉砕し、8×14メッシュで篩い分けした。8×14メッシュで篩い分けした材料を、その後、石英チューブ炉中で450℃にて6時間、空気中(60SCCM)で焼成し、淡緑色の不規則形状のペレットを提供した。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。触媒の粉末x線回折分析は、それが主に非晶性であることを明らかにする(図2)。
4.アクリル酸の調製
本例で酢酸及びトリオキサン(ホルムアルデヒド源)の縮合反応を例1に記載のとおりに行ったが、長さ=107cm(42インチ)の25mm外径(21mm内径)の石英反応管を用いた。反応器への熱はLindberg3エレメント電気炉で、長さ61cm(24インチ)の加熱領域を有するものにより提供された。液体生成物を水冷凝縮器に装着された3つ口フラスコ中に収集した。該水冷凝縮器はトラップ付きドライアイス凝縮器に取り付けられていた。フラスコの三つめの口にストッパーを付け、それにより、数個のヒドロキノン抑制剤の結晶を添加することができるようにした。ヒドロキノン結晶を各サンプルの回収の開始時に添加した。レシーバーフラスコの基部はストップコックを備えており、それにより、液体製品の排出を可能としていた。液体サンプルを測定時間にわたって収集し、計量し、そしてガスクロマトグラフィーにより分析した。
石英反応器は管の基部から上方30.5cm(12インチ)のくぼみを有した。くぼみを有する反応器の領域は炉の加熱セクションの基部付近にあった。反応器は、また、サーモウエルを備えており、該サーモウエルは反応器の頂部からくぼみの下方約1インチまで延在していた。最初に、反応器のくぼみの上方約10インチの高さまで石英チップを装填し、それにより、3エレメント炉の中央に触媒を配置させることができるようにした。その後、反応器を5.0gの触媒装填物で装填した。サーモウエル中の熱電対を、触媒床の基部から上方1.5インチに配置した。3エレメント炉の加熱領域の頂部に到達するのに十分な石英チップを触媒装填物の上方の領域に添加した。この触媒の性能を表3に要約する。
本例は従来技術による調製方法が再現可能であり、そして得られた触媒は例1に記載の本発明の触媒と同様な性能であったことを示す。不活性雰囲気下で、無水液体フィードを使用すると、両触媒は良好な収率でアクリル酸を生成した。酢酸アカウンタビリティーは両方の場合にほぼ同一であった。両触媒は非晶性であり、そして同様のバルク組成を有した。これらの表面上の類似性にも係わらず、本例及び例1の触媒の微細構造は表面積及び酸性度測定における対比により明らかなとおり、かなり異なっていた。
比較例2
方法Cによる混合結晶性−非晶性V−Ti−P触媒の調製及び無水液体フィードによる反応器スクリーニング
1.V(IV)HPO溶液の調製
V/P溶液を例1、工程1の手順に従って調製した。
2.V−Ti−P触媒の調製
23.38wt%の二酸化チタンコロイド分散体(41.3g)及び100mLの脱イオン水を、凝縮器及びメカニカルスターラを備えた1L3つ口ケトル反応器に添加した。上記の工程1からのV/P溶液を懸濁液中にゆっくりと注ぎ、青色懸濁液を提供した。V/Pフラスコを25mLの水で濯ぎ、内容物を反応フラスコに添加した。その後、混合物を130℃で16時間、700〜800rpmにて攪拌し、青緑色の懸濁液を提供した。その後、水を6時間にわたって蒸留により除去し(130℃に設定した油浴)、得られた湿った淡緑色固形分をセラミック皿に移し、そしてマッフル炉中で300℃で16時間、空気中で加熱した。その後、得られた固形分を粉砕し、8×14メッシュを通して篩い分けした。8×14メッシュで篩い分けした材料を、その後、石英管炉中で450℃で6時間、空気中(60SCCM)にて焼成し、暗灰色の不規則形状のペレットを提供した。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。気相縮合実験及び生成物分析を例1に記載のとおりに行った。触媒の性能を表3に要約する。
本例は二酸化チタンが触媒活性V−Ti−P触媒を調製するためのに適さない前駆体であることを示す。顕著には、BET表面積は比較的に低く、合計酸性部位及びバナジウムと比較した全バルクモル組成も同様であった。この材料はホルムアルデヒド及び酢酸からアクリル酸を生成できなかった。触媒の粉末x線回折分析は未知の非晶性材料と結晶性ルチルとの混合物であることを示した(図3)。
比較例3
方法Dによる結晶性VO(HPO)(HO)0.5触媒の調製及び無水液体フィードによる反応器スクリーニング
本例の触媒はJ.K. Bartleyら"Vanadium Phosphate Catalysts," Metal Oxide Catalysis, pp. 499-537 (S.D. Jackson & J.S.J Hargreaves 編 2009)に記載の手順により調製した。
メカニカルスターラ、凝縮器及び添加漏斗を備えた1−Lケトル反応器に、100.08gの五酸化バナジウム及び600mLのイソブチルアルコールをすべて窒素雰囲気下に添加した。内容物を1時間加熱還流し(130℃に設定した油浴)、その後、139.44gの85%リン酸をゆっくりと添加し、そして反応温度を還流で22時間維持した。得られたスカイブルー色懸濁液は少量の暗色非溶解性材料を含んだ。別の5.53gの85%リン酸を、その後、追加の150mLのイソブタノールとともに添加した。その後、還流をさらに7時間続けた。室温への冷却時に、青色懸濁液をろ紙を有するブフナー漏斗上に注ぎ、より重質の不溶性不純物は反応フラスコ中に残った。その後、青色固形分を真空ろ過により分離し、そして200mLのエタノールで洗浄し、真空に引きながら室温にて乾燥した。窒素雰囲気下に一晩還流するように青色固形分の水中の懸濁液を加熱することにより水不溶性固形分を除去した。その後、混合物をろ過し、まだ熱いうちに、ろ紙上に青色固形分を残し、フィルターフラスコ中に黄色ろ液を残した。その後、青色固形分を110℃にて22時間空気中に乾燥し、青緑色のケークを提供した。その後、この材料を粉砕し、そして8×14メッシュを通して篩い分けした。この材料のXRD分析(図4)は結晶性VO(HPO)(HO)0.5であることを示した。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。気相縮合実験を例1の記載により行った。触媒の性能を表4に要約する。
本例は方法Dにより調製した触媒は例1の本発明のV−Ti−P触媒又は比較例1のV−Ti−P触媒ほどアクリル酸を製造するのに有効でなかったことを示す。XRDパターンに描かれているとおり、本触媒の表面は結晶性バナジル水素ホスフェート半水和物からなった。この明確な種は例1又は比較例1に記載の非晶性触媒の同様のXRD分析からは観測されなかった。
比較例4
方法Eによる結晶性(VO)(P)触媒の調製及び無水液体フィードによる反応器スクリーニング
本例の触媒はM. Abonら, J. Catalysis, Vol. 156, pp. 28-36 (1995)に記載の手順より調製した。
約46gの、比較例3で調製した8×14−メッシュのVO(HPO)(HO)0.5触媒を、500℃で100SCCMの窒素流下に47時間加熱し、37.91gの短褐色粒子を提供した。この材料のXRD分析(図5)はそれが結晶性ピロリン酸バナジル (VO)(P)であることを示した。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。気相縮合実験を、例1の記載により行った。触媒の性能を表4に要約する。
本例は、本触媒が例1の本発明のV−Ti−P触媒又は比較例1のV−Ti−P触媒ほどアクリル酸を製造するのに有効でなかったことを示す。XRDパターンに描かれているとおり、本触媒の表面は結晶性ピロリン酸バナジルからなった。この明確な種は例1又は比較例1に記載の非晶性触媒の同様のXRD分析からは観測されなかった。
比較例5
方法Fによる結晶性V−Ti−P−Mo触媒の調製及び水性液体フィードによる反応器スクリーニング
本触媒はCD. Rodicaら, RO 114 084 B1 (1999)に記載の手順により調製したが、グラファイトを触媒に添加しなかった。
酸化バナジウム(V)(3.9g)を二酸化チタン(6.65g)、酸化モリブデン(VI)(0.45g)及び85%リン酸(17mL)と、セラミック皿中で混合し、濃厚なペーストを提供した。その後、この材料を200℃でマッフル炉中で空気中で3時間乾燥し、硬い黄色固形分を提供した。その後、固形分を粉砕し、8×14メッシュを通して篩い分けした。メッシュを通して篩い分けした粒子をマッフル炉内で空気中で300℃にて2時間焼成した。この材料のXRD分析(図6)はそれが結晶性二酸化チタンであることを示し、バナジウム及びリン成分は観測されなかった。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。
気相凝縮実験を比較例1に記載のとおりに行ったが、反応条件はRO 114 084 B1に記載された条件に設定した。炉温度は350℃に設定し、液体フィード速度を0.025mL/分とし、そして窒素流を51SCCMとした。フィードは4:0.67:9のモル比の酢酸、トリオキサン及び水の混合物からなり、運転時間は360分であった。触媒の性能を表4に要約する。
本例はアクリル酸の収率が86.3%であることを主張するRO 114 084 B1に記載の結果を再現しようと試みた。しかしながら、アクリル酸の実際の収率は1%未満であることが判った。この結果は、触媒が結晶性TiOを含むとの観察と組み合わせて、二酸化チタンが活性ホルムアルデヒドアルカン酸縮合触媒を調製するのに適さない前駆体であるとの主張を支持する。
例2
方法Gによる非晶性V−Ti−P触媒の調製及び水性液体フィードによる反応器スクリーニング
最初に、蒸留ヘッド及びメカニカルスターラを備えた1L3つ口ケトル反応器中で、メタバナジン酸アンモニウム(19.54g)を、218.41gの50wt%チタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド溶液中に懸濁させ、次いで、200mLの脱イオン水を添加することにより、本例の触媒を調製した。ベージュ色の懸濁液を、室温にて700rpmで10分間攪拌し、その後、105.57gの85%リン酸を添加し、次いで、約50mLの水で濯いだ。即座に明るい黄色へと色の変化があり、混合物の増粘、20分にわたる緑色から淡緑色への変化があった。その後、懸濁液を加熱還流し(130℃に設定した油浴)、そして約220mLの水を3時間にわたる蒸留により収集した。室温まで冷却した後に、得られた淡緑色半固形分をセラミック皿中に掻き取り、空気中でマッフル炉中で300℃にて16時間焼成し、黒緑色固形分を提供し、それを8×14メッシュを通して篩い分けした。8×14メッシュを通したペレットを、その後、石英管炉内で60SCCM空気流で6時間、450℃にて焼成し、淡緑色ペレットを提供した。この材料のXRD分析(図7)はそれが主として非晶性であることを示した。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。
本例の酢酸及びトリオキサン(ホルムアルデヒド源)及び水の縮合反応は例1に記載のとおりに行ったが、12酢酸/1トリオキサン/4.09水のモル比からなる液体フィードを325℃で用い、0.089mL液体フィード/分であり、キャリアガスの窒素は70SCCMに設定した。触媒の性能を表5に要約する。
本例は(a)水溶性TBALDHを使用することにより、すべての3種の触媒前駆体を1ポットアプローチで混合する点でより急速な触媒合成が可能となり、そして(b)V−Ti−P材料のためのチタン源としてTBALDHを使用することで、乳酸が触媒調製中に存在しなくてもアクリル酸製造のための活性な触媒が生成されることを示す。得られた触媒はXRDにより非晶性であり、そして例1中に記載の触媒と非常に類似の表面積、及び、例1及び比較例1に記載の触媒と非常に類似のバルク組成を有する。
比較例6
方法Hによる結晶性V−Ti−P触媒の調製及び無水液体フィードによる反応器スクリーニング
本例の触媒を比較例1に記載の手順により調製したが、乳酸を手順から排除した。この材料のXRD分析(図8)はそれが結晶性バナジウム(III)カテナ−ホスフェート及びチタンジホスフェートの混合物であることを示した。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。気相凝縮反応を例1に記載のとおりに行った。触媒の性能を表5に要約する。
本例は、テトラクロロチタンをチタン前駆体として使用し、そして乳酸を触媒合成の間に排除したときに、低い酸性度及び表面積を有するV−Ti−P材料が得られることを示した。得られた固形分の表面は結晶性化合物の混合物であり、それはアクリル酸合成に対して低い触媒活性を明らかに示した。収率は10%未満であり、選択率は12%未満であった。本例は、また、TBALDHがより魅力的なV−Ti−P前駆体であることも強調する。というのは、塩の性質のラクテート基が触媒合成の間にバナジウムを還元するのに十分であり、非晶性表面を形成するのを助け、そして焼成時に表面積を増加させるのを助けるからである。
例3
無水液体フィードによるV−Ti−P触媒(方法A、2倍スケール)の寿命研究
本例の触媒を方法A(例1)により調製したが、2倍スケールで行った。本例の酢酸及びトリオキサン(ホルムアルデヒド源)の縮合反応は例1に記載のとおりに行ったが、12酢酸/1トリオキサンのモル比からなる液体フィードを325℃、0.083mLの液体フィード/分で用い、そしてキャリアガスは窒素(49SCCM)及び空気(21SCCM)であった。反応を27時間行った。また、長さ79cm(31インチ)の25mm外径(21mm内径)石英反応器チューブを用いた。反応器への熱はApplied Test Systemsシリーズ3210 3エレメント電気炉で加熱ゾーンが50cm(19.5インチ)長さのものにより提供された。液体生成物を、グリコール冷却(0℃)ジャケットを有する3つ口フラスコに収集した。フラスコの3つ目の口を水冷凝縮器に連結し、それをドライアイストラップに連結した。レシーバーフラスコの基部はストップコックを備えており、それにより、液体生成物の排出が可能であった。
石英反応器は管の基部から上方13cm(5インチ)のくぼみを有した。くぼみを有する反応器の領域は炉の加熱セクションの基部付近にあった。反応器は、また、サーモウエルを備えており、該サーモウエルは反応器の頂部からくぼみの下方約1インチまで延在していた。最初に、反応器のくぼみの上方約8インチの高さまで石英チップを装填し、それにより、3エレメント炉の中央に触媒を配置させることができるようにした。その後、反応器を5.0gの触媒装填物で装填した。サーモウエル中の熱電対を、触媒床の基部から上方1.5インチに配置した。3エレメント炉の加熱領域の頂部に到達するのに十分な石英チップを触媒装填物の上方の領域に添加した。
液体サンプルを測定時間にわたって収集し、計量し、そしてガスクロマトグラフィー(GC)及びHPLCにより分析した。触媒の性能を表6に要約する。
本例はTBALDH化合物を用いて調製した本発明のV−Ti−P触媒が27時間にわたって中程度の収率及び選択率でアクリル酸を提供したことを示す。酸素の存在は延長された触媒寿命に貢献した。無水液体フィードの使用の結果として、高いコーキング速度が最終データポイントに観測された収率の低下の原因であると疑われる。
比較例7
無水液体フィードによるV−Ti−P触媒(方法B、2倍スケール)
本例の触媒は方法B(比較例1)により調製したが、2倍スケールで行った。本例の縮合反応は例3に記載のとおりに行った。触媒の性能を表7に要約する。
本例は、従来技術により調製したV−Ti−P触媒が、無水液体フィードを27時間にわたって用いたときに、本発明の触媒と同様の性能であったことを示す。ここでも、第三のデータポイントで観測される収率の減少は高速のコーキングに起因する。
例4
水性液体フィードによるV−Ti−P触媒(方法A、2倍スケール)の寿命研究
本例で使用した触媒は例3で使用したのと同一の触媒装填物であったが、6体積%の酸素(94体積%の窒素)下に400℃で16時間加熱することにより再生した。その後、気相凝縮反応を例3により行ったが、12酢酸/1トリオキサン/4.09水のモル比からなる液体フィードを325℃で、0.089mL液体フィード/分で用いた。キャリアガスは窒素(49SCCM)及び空気(21SCCM)であった。反応を27時間行った。触媒に性能を表8に要約する。
本例はTBALDHにより調製したV−Ti−P触媒が(1)水性液体フィードを用いたときにアクリル酸に対する非常に高い選択率を維持し、そして(2)一貫した中程度の収率を維持したことを示す。55%付近の最終収率は例3の同一のポイントよりも比較的に高く、それは、おそらく、コーキング速度が低いことによる。
比較例8
水性液体フィードによるV−Ti−P触媒(方法B、2倍スケール)寿命研究
本例で使用した触媒は、比較例7で使用したのと同一の触媒装填物であったが、その例の後に、400℃で6体積%の酸素(94体積%の窒素)下に16時間加熱することにより再生した。その後、気相凝縮反応を例3に従って行ったが、液体フィードは12酢酸/1トリオキサン/4.09水のモル比からなる液体フィードを325℃で、0.089mL液体フィード/分で用いた。キャリアガスは窒素(49SCCM)及び空気(21SCCM)であった。反応を27時間行った。触媒の性能を表9に要約する。
本例は、水性液体フィードを用いたときに、従来技術により調製したV−Ti−P触媒が本発明の触媒ほど高い収率でアクリル酸を提供しなかったことを示す。アクリル酸への選択率は同様に高く、反応寿命は同等であるが。ホルムアルデヒド転化率は例4にて観測されたものよりも20%超で一貫して低かった。両方もV−Ti−P触媒が無水液体フィードを使用したときに、同様の活性及び選択率を示したことに基づいて、このことは驚くべきことである。
例5
方法Iによる逆溶媒を用いた非晶性V−Ti−P触媒の調製及び水性液体フィードによる反応器スクリーニング
最初に、還流凝縮器及びメカニカルスターラを備えた1L3つ口ケトル反応器中で、メタバナジン酸アンモニウム(19.65g)を、218.54gの50wt%チタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド溶液中に懸濁させ、次いで、150mLの脱イオン水を添加することにより、本例で使用した触媒を調製した。ベージュ色の懸濁液を、室温にて700rpmで10分間攪拌した。その後、105.06gの85%リン酸をゆっくりと添加し、次いで、約50mLの脱イオン水で濯いだ。即座に明るい黄色へと色の変化があり、その後、20分にわたり緑色から淡緑色への変化があった。その後、懸濁液を1時間加熱還流し、その後、さらなる色の変化は観測されなかった。反応器を氷水浴中で約6℃に冷却し、そして700〜800mLの無水エタノールを添加し、混合物を増粘させた。内容物を6℃で20分間攪拌し、そして真空に吸引しながら中孔度フリット上に固形分を収集した。エメラルドグリーンのろ液(405.28g)を回収し、そして元素分析に付した。
ろ過した固形分をフリット上で真空に吸引しながら空気乾燥し、淡緑色粉末を提供した。最初にマッフル炉内で空気中で300℃にて16時間加熱することにより粉末を焼成し、灰緑色固形分を提供した。その後、固形分を8×14メッシュを通して篩い分けした。8×14メッシュを通したペレットを、その後、石英管炉内で60SCCM空気流で6時間、450℃にて焼成し、淡緑色の不規則形状のペレットを提供した。
x線回折パターン(図9)は触媒が主として非晶性であることを示す。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。ろ液中に失われた%バナジウム、チタン及びリンを表2に要約する。気相縮合実験を例4に従って行った。触媒の性能を表10に要約する。
本例は、エタノールからの沈殿により得られたV−Ti−P材料が酢酸とホルムアルデヒドの縮合を有効に触媒して、アクリル酸を生成したことを示す。詳細には、触媒は27時間後に約78%のホルムアルデヒド転化率を維持し、そして同一の時間後に約80%の生成物選択率を維持した。わずか、7wt%のバナジウム成分及び15.5wt%のリン成分のみをろ過の結果として失った。
例6
方法Jによる逆溶媒なしでの非晶性V−Ti−P触媒の調製及び水性液体フィードによる反応器スクリーニング
最初に、還流凝縮器及びメカニカルスターラを備えた1L3つ口ケトル反応器中で、メタバナジン酸アンモニウム(19.52g)を、218.34gの50wt%チタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド溶液中に懸濁させ、次いで、150mLの脱イオン水を添加することにより、本例で使用した触媒を調製した。ベージュ色の懸濁液を、室温にて700rpmで10分間攪拌した。その後、105.32gの85%リン酸をゆっくりと添加し、次いで、約50mLの脱イオン水で濯いだ。即座に明るい黄色へと色の変化があり、その後、20分にわたり緑色から淡緑色への変化があった。その後、懸濁液を1時間加熱還流し、その後、さらなる色の変化は観測されなかった。反応器を氷水浴中で約6℃に冷却し、そして800mLの脱イオン水を添加した。内容物を6℃で20分間攪拌し、そして真空に吸引しながら中孔度フリット上に固形分を収集した。深青色のろ液(459.9g)を回収し、そして元素分析に付した。
ろ過した固形分をフリット上で真空に吸引しながら空気乾燥し、淡緑色粉末を提供した。それを、最初にマッフル炉内で空気中で300℃にて16時間加熱することにより焼成し、灰緑色固形分を提供した。その後、固形分を8×14メッシュを通して篩い分けした。8×14メッシュを通したペレットを、その後、石英管炉内で60SCCM空気流で6時間、450℃にて焼成し、黄色の不規則形状のペレットを提供した。
x線回折パターン(図10)は触媒が主として非晶性であったことを示す。本例で調製した触媒の表面特性及びバルク組成を表1に要約する。ろ液中に失われた%バナジウム、チタン及びリンを表2に要約する。気相縮合実験を例4に記載のとおりに行った。触媒の性能を表11に要約する。
本例は、エタノールなどの逆溶媒の非存在下でのろ過によりV−Ti−P触媒を分離すると、比較的にチタン含有分が高く、そして36wt%近くのバナジウム成分及びリン成分の両方が損失した材料をもたらしたことを示す。さらに、得られた材料は例5のV−Ti−P材料ほど有効に縮合反応を行わなかった。例えば、ホルムアルデヒド転化率は初期的に高かったが(>90%)、アクリル酸への選択率は比較的に低かった(27時間後に約59%)。さらに、27時間でのこの反応の収率は例5よりも約20%低かった。
製造された触媒に関するXRD測定の要約を下記に示す。
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
Figure 2014531973
例7〜9の縮合反応
これらの例で使用した触媒は例3に記載の本発明の触媒バッチから得られた5.0g装填物であった。気相縮合反応を例3に記載のとおりに行った。空間速度を例7及び8で変更したが、フィード成分のモル比は一定のままとした。トリオキサンを3ホルムアルデヒド当量と計数し、不活性分を窒素+酸素以外の空気成分とし、フィード成分のモル比を酢酸/ホルムアルデヒド/水/不活性分/酸素を1.31/0.33/0.45/2.93/0.19であった。
可能な反応体誘導触媒脱活性による効果を最少とするように、16.02mL(17.3g)の液体をフィードした後にサンプルを取った。その後、サンプルを計量しそして分析した。液体フィードを停止した1時間後に、最終のサンプルを取った。一般に、3つのサンプルを各条件組で取り、各条件組で回収したサンプルの結果の平均として結果を表した。結果を下記の表12に要約する。所与の条件組での反応が完了した後に、触媒を10SCCM窒素+20.8SCCM空気に405℃で一晩付すことにより再生した。
例7
本例は好ましい範囲のより低い空間速度領域で行った本発明を例示する。1.31/0.33/0.45/2.93/0.19モル比の酢酸/ホルムアルデヒド/水/不活性物/酸素の混合物を上記に記載の条件下に反応器に60モル全フィード成分/kg−hrの空間速度で送った。反応は熱を発生し、そしてこの運転の間の触媒床温度は339.5℃であった。結果を下記の表12に要約する。
例8
本例は最も好ましい空間速度領域で行った本発明を例示する。1.31/0.33/0.45/2.93/0.19のモル比の酢酸/ホルムアルデヒド/水/不活性物/酸素混合物を上記に記載の条件下に反応器に138モル全フィード成分/kg−hrの空間速度で送った。反応は熱を発生し、そしてこの運転の間の触媒床温度は352.9℃であった。結果を下記の表12に要約する。
例9
本例は本発明の好ましい範囲の外側にある低い空間速度値で行った。1.31/0.33/0.45/2.93/0.19のモル比の酢酸/ホルムアルデヒド/水/不活性物/酸素混合物を上記に記載の条件下に反応器に26モル全フィード成分/kg−hrの空間速度で送った。反応は熱を発生し、そしてこの運転の間の触媒床温度は334.2℃であった。結果を下記の表12に要約する。
Figure 2014531973
このように、本発明の高い空間速度条件により、より少量の酢酸分解、より高い空間時間収率のフィードホルムアルデヒド当量からのより高いアクリレート収率、反応したホルムアルデヒドからアクリレートへのより高い選択率を生じた。性能上のこれらの改良は、ホルムアルデヒド転化率の小さい減少を相殺する以上のものである。というのは、ホルムアルデヒド転化率の差異は主としてより少量のホルムアルデヒドが本発明の方法により破壊されるからである。また、ホルムアルデヒドは商業プロセスにおいてリサイクルされるであろう。
例10
本例は、本発明の好ましい条件により、触媒再生の必要性なしに、長期間にわたって、高い選択率及び活性を維持することができることを例示する。本例のための反応器設備は、例7〜9と同様であるが、2つの相違を伴った。異なる炉を使用し、そして本炉の壁は反応器から約1.5インチ(3.8cm)であった。この構成は以前の例よりも低い触媒床温度をもたらした。炉を320℃に設定し、そして反応の間の触媒床温度は約327〜332℃であった。第二の差異は、レシーバーは0℃の代わりに周囲温度に維持された。1.31/0.33/0.45/2.93/0.19モル比の酢酸/ホルムアルデヒド/水/不活性物/酸素混合物を上記に記載の条件下に反応器に138モル全フィード成分/kg−hrの空間速度で送った。反応は中断せずに又は、いかなる触媒再生も行わずに連続で行った。2つのサンプルを操作の第一日目の間に収集した。その後、1つのサンプルを1日毎に収集した。下記の表13はいかなる再生も行わずに、連続運転の第4日、第17日及び第31日に本発明の好ましい方法の性能を要約する。
Figure 2014531973
下記の例11〜25は本発明の担持触媒の調製を例示する。例26〜37は酢酸及びホルムアルデヒド源からのアクリル酸の調製における本発明の担持触媒の使用を示す。
例11
バナジン酸アンモニウム(0.97g、8.29ミリモル)、水(10mL)及びシュウ酸(2.09g、16.58ミリモル)から溶液を調製した。バナジン酸アンモニウムは加熱なしに溶解し、気体を発生し、青色溶液を形成した。本例に使用した可溶性Ti源は水中50wt%のチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド(TBALDH)であり、13.4wt%のTiOを含むものと認証された。9.886g(0.0166モルTi)のTBALDH溶液を水性V/シュウ酸溶液に添加した。溶液は沈殿物なしの透明な青色のままであった。溶液からガスが発生したので、正確な質量はこの溶液を含浸に使用するのに要求された。フラスコ+スターラ+溶液を計量し、そして乾燥したフラスコ及びスターラの質量を差し引くことにより、溶液の質量は22.42gであった(22.28gを貯蔵ボトルに移した)。この溶液各1グラムは0.3698ミリモルのV(18.83mg)及び0.7395 ミリモルのTi(35.42mg)を含んだ。この溶液の密度は1.15g/mLであった。
例12
乾燥したときに例11の溶液がどのように振る舞うか、そして乾燥した物質が水性HPOとどのように反応するかを試験するための試験を行った。1.560gの例11の溶液を蒸発皿中に入れ、そしてスチームバス上で加熱した。これにより、暗青緑色のガラス(0.440g)を生じた。このガラスを、水で1.3mLに希釈した0.401gの85%HPO(計算量0.379g)から調製した溶液で処理した。最初に、約20%のガラスを溶解し、透明な緑色溶液を形成したが、その後、全体系が粘性の淡緑色のペーストとして構成された。
例13
TiO担持触媒前駆体を、例11からの溶液の一部(4.08g)及びTiOの1/16インチ押出物(5.0g、Alfa Aesar lot # K21 S005)を用いて調製した。これらの条件はほぼ初期湿潤状態であった。含浸時に白色TiOが灰色に変色した。含浸したTiOをスチームバス上で時折攪拌しながら乾燥した。スチームバスで乾燥した材料は薄い灰色であった。この材料をマッフル炉内で110℃にて一晩乾燥した。材料はマッフル炉から除去時に薄い灰褐色であった。P/Vモル比=5.5を提供するのに十分なリンを含むように調製した溶液での初期湿潤化により、リン酸水溶液を用いてリンを触媒前駆体に添加した。要求される溶液の量はリン酸水溶液の体積が最初に使用される例11の溶液の体積と同一になるように、最初の触媒前駆体を調製するために使用される例11の溶液の測定密度(1.15g/mL)から計算した。水で3.5mLに希釈された0.996gの85%HPO(計算量0.992g)から溶液を調製し、マッフル炉から回収した材料を含浸するために使用した。得られた含浸材料は非常に薄い緑色であった。リン酸で含浸したサンプルは初期湿潤化状態のようであり、そして易流動性となるまでスチームバス上で蒸発皿中でテフロンスパチュラを用いて攪拌した。色は緑のままであったが、水が蒸発するときに、薄いシェードになった。蒸発皿中のサンプルをマッフル炉内に入れ、そして110℃で2時間、その後、450℃で6時間加熱した。得られた触媒 (5.912g)は黄色であった。
例14
例11から溶液の一部分(6.82g)及び8メッシュDavisonグレード57のSiO(5.0g、lot 557)を用いてSiO担持触媒前駆体を調製した。これらの条件はほぼ初期湿潤化状態であった。湿潤含浸SiOは暗青色であった。この材料を時折攪拌しながらスチームバス上で乾燥した。スチームバス乾燥材料は淡い青色であった。この材料をマッフル炉内で110℃で一晩乾燥した。材料はマッフル炉から除去したときに暗青色であった。
P/Vモル比=5.5を提供するために十分なリンを含むように調製された溶液での初期湿潤化により、リン酸水溶液を用いてリンを触媒前駆体に添加した。要求される溶液の量は当初使用した例11の溶液とリン酸水溶液の体積が同一になるように、当初触媒前駆体を調製するために使用した例11の溶液の測定密度(1.15g/mL)から計算した。1.654gの85%HPO(計算量1.658g)を5.9mLに水で希釈したものから溶液を調製し、マッフル炉から回収した材料を含浸するために使用した。得られた含浸された材料は非常に暗い緑色であった。
リン酸で含浸されたサンプルは初期湿潤状態に見えそして易流動性となるまでスチームバス上で蒸発皿中でテフロンスパチュラにより攪拌された。色は緑色のままであったが、水が蒸発されたときに薄いシェードとなった。蒸発皿中のサンプルをマッフル炉に入れ、そして110℃で2時間加熱し、その後、450℃に6時間加熱した。得られた触媒(6.572g)はオレンジ領域を有する緑色であり、そしてほぼバルクV/2Ti/5.5P酸化物触媒のようであった。
例15
アルミナ担持触媒前駆体は例11からの溶液の一部(7.24g)及び高表面積酸化アルミニウム1/8-インチ押出物 (5.0 g, Alfa Aesar ロット番号A22M20、ストック番号43832、バイモーダル孔分布、表面積約255m/g)を用いて調製した。調製の間に、多すぎる溶液を添加し(9.094g)、そして一部分をドロッパーにより除去し(廃棄)、溶液の量を7.24gにした。この溶液の量で、触媒は湿潤していたが、ほとんど溶液は蒸発皿上に見ることができなかった。最初に含浸したときに、触媒前駆体は青色であった。それを時折攪拌しながら、スチームバス上で乾燥した。スチームバス乾燥した材料は薄い灰色であった。この材料をマッフル炉内で110℃にて一晩乾燥した。材料はマッフル炉から取り出したときに薄い灰褐色であった。
P/Vモル比=5.5を提供するために十分なリンを含むように調製した溶液での初期湿潤化によりリン酸の水溶液を用いてリンを触媒前駆体に添加した。要求される溶液の量は当初使用した例11の溶液とリン酸水溶液の体積が同一になるように、当初触媒前駆体を調製するために使用した例11の溶液の測定密度(1.15g/mL)から計算した。1.761gの85%HPO(計算量1.760g)を6水で.3mLに希釈したものから溶液を調製し、マッフル炉から回収した材料を含浸するために使用した。得られた含浸された材料は非常に薄い緑色であった。
リン酸で含浸されたサンプルは初期湿潤状態に見えそして易流動性となるまでスチームバス上で蒸発皿中でテフロンスパチュラにより攪拌された。色は緑色のままであったが、水が蒸発されたときに薄いシェードとなった。蒸発皿中のサンプルをマッフル炉に入れ、そして110℃で2時間加熱し、その後、450℃に6時間加熱した。得られた触媒(6.802g)は薄い緑色であり、そして押出物はそこに幾つかの亀裂を有した。
例16
V/Ti水溶液を下記のとおりに調製した。バナジン酸アンモニウム(0.97g、8.28ミリモル)及びシュウ酸脱水物(2.09g、16.58ミリモル)を水中に溶解し、室温にて攪拌した。溶液の色は1時間にわたって、オレンジ色から赤から褐色から褐色/緑色(泡の発生を伴い)から暗緑色から暗青色に変わった。さらに約1時間待った後に、青色の溶液からガスの発生は見られなかった。約240mgのガスは溶液の質量損失に基づいて発生した。TBALDH溶液(9.89g、16.6ミリモルのTi)を添加して、暗青色の溶液を生じた(22.62g)。この溶液の各1gは0.3665ミリモルのV(18.67mg)及び0.7339ミリモルのTi(35.15mg)を含んだ。
酸化ジルコニウム担持触媒はこの溶液の一部(2.355g)及び酸化ジルコニウム触媒担体(5.0 g、Alfa Aesar ロット番号B21T010) 1/8-インチ押出物から調製した。この量は初期湿潤状態に近く、そして蒸発皿中の湿潤触媒は薄い青色を有した。含浸した材料をスチームバス上で攪拌しながら乾燥し、非常に薄い青色を有する材料を生じた。この材料をマッフル炉内に入れ、そして110℃で一晩乾燥した。マッフル炉から回収した材料は薄い灰褐色であった。
理論的に、この触媒は0.8631当量のVを含み、そのため、リンの量(4.747ミリモル)が第二の含浸に要求される量の5.5倍、又は547.3mgの85%のHPOであった。溶液を547mgの85%HPOから調製し、水で希釈して、体積=2.0mLとした。マッフル炉から回収される材料のサンプルをきれいな蒸発皿に入れ、そしてHPO水溶液で含浸した。この含浸に使用した条件は初期湿潤状態に近い(ある量の液体は蒸発皿を湿潤していた)。混合物を易流動性となるまでテフロンスパチュラで攪拌しながら乾燥した。スチームバス乾燥した材料は薄緑色であり、そして均質に見えた。それをマッフル炉内に入れ、そして110℃で2時間乾燥した。
マッフル炉から収集した材料は灰褐色であった。それを同一の蒸発皿に維持し、マッフル炉内で450℃にて6時間焼成した。マッフル炉から回収した材料(5.45g)は均一に黄色であった。
例17
本例の触媒は添加種:V/Ti/P=1/2/5.5(TiO担体を無視)の概略の比となるように設計した。触媒前駆体は水性VCl及び1/16-インチのTiO押出物から調製したTiO押出物上に2.4wt%のVであり、次いで、500℃で2時間焼成した。5.0グラムのこの触媒を蒸発皿に入れ、2.81gのチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドであって、13.4wt%のTiOを含むことが証明された水中50wt%(TBALDH)を攪拌しながら添加した。この量のTBALDH溶液(約2.3mL)は初期湿潤化含浸のためにほぼ正しく、そして触媒表面は湿潤しているが、蒸発皿中に溜まりはなかった。V/TiO触媒の出発装填物は約2.356ミルモルのVを含み、そしてTBALDH溶液は約2倍の量のTi(約4.71ミリモル)を含んだ。Ti−含浸V/TiO材料を含む蒸発皿をマッフル炉に入れそして110℃で一晩加熱した。マッフル炉から回収した触媒は灰色であり、一方、出発V/TiO触媒は薄い褐色であった。この材料を、水で2.3mLに希釈した85%HPO(1.494g、12.96ミリモルのP)から調製した混合物で含浸した。溶液のこの量は、また、蒸発皿の基部も濡れていたが、初期湿潤化状態に非常に近かった。蒸発皿をスチームバス上に置き、そして押出物が乾燥するまで時折攪拌しながら加熱した。蒸発皿をマッフル炉に入れ、そして110℃で2時間乾燥し、その後、500℃で6時間乾燥した。マッフル炉から回収した材料(6.16)gは出発V/TiO材料(ある種の灰褐色)よりも暗褐色であった。
例18
本例はより濃厚なV/Ti水溶液の使用を例示し、バナジン酸アンモニウム及びシュウ酸を最初に水に溶解させなかった(例11とは異なる)。これにより、これらの2つの金属の単一の初期湿潤状態が可能になり、例14のようなシリカ担体上の約2倍の装填量を提供した。バナジン酸アンモニウム(0.97g、8.29ミリモル)、チタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド(水中50wt%(TBALDH)、13.4wt%のTiOを含むことが証明されている)(9.886g、16.6ミリモルTi、TBALDH溶液)及びシュウ酸脱水和物(2.09g、16.58ミリモル)から溶液を調製した。1時間後に、暗青色溶液は質量=12.89gとなった。この溶液1グラムは0.643ミリモルのV(32.76mg)及び1.288ミリモルのTi(61.69mg)を含んだ。
Davison 8メッシュグレード57 SiO(5.0g、ロット557)を蒸発皿に装填した。このSiOを初期湿潤状態の点までV/Ti水溶液(7.959g)で装填した(7.63gが約5wt%のV装填に要求された)。この材料を乾燥及び易流動性となるまでスチームバス上で攪拌した。その後、マッフル炉に移し、そして110℃に4時間加熱した。マッフル炉から回収された材料(8.454g)は薄い青色であり、そしてかなり均一に含浸された(注:例14の材料はプロセスのこの段階で暗青色であった)。
85%リン酸(3.245g、28.147ミリモル)から溶液を調製し、そして水で5.9mLに希釈した。この量のPはシリカ上にすでに存在するVの量に対して5.5モル過剰である。蒸発皿中にV及びTiを含むシリカをすべてのリン酸水溶液で含浸した。5.9mLの装填物は初期湿潤状態とするのに要求される量の若干過剰の量である(おそらく約0.5mLだけ)。触媒は即座に暗緑色になり、そして残留液体部分は緑色であった。材料が易流動性となるまでスチームバス上で混合物を加熱し、そして蒸発したときに緑の液体中に沈殿の兆候がなかった(リン酸水溶液中のVのある程度の溶解性を示唆している)。スチームバス乾燥した材料は薄い緑色であり、そしてかなり均一に含浸されているようであった。それをマッフル炉内に入れ、そして110℃で一晩加熱した。110℃のマッフル炉から得られた材料(10.381g)は薄い緑色であった。10.326gのこの材料を新しい蒸発皿に移した。この材料をマッフル炉中に入れ、そして450℃で6時間加熱した。8.194グラムの緑色の触媒をマッフル炉から回収した。
例19
バナジン酸アンモニウム(4.85g、41.5ミリモル)、シュウ酸(10.45g、82.9ミリモル)及び水(50mL)から溶液を調製した。この溶液の初期質量は64.91gであり、そしてガス発生停止後の質量は63.31g(1.60gの損失)であった。TBALDH水溶液(49.43g、83.0ミリモルのTi)をバナジン酸水溶液に添加した。得られた溶液の質量は112.76gであった。この溶液の各1グラムは0.368ミリモルのV(18.74mg)及び0.736ミリモルのTi(35.26mg)を含むものと計算された。
シリカのチャンク(50.02 g, 8 mesh, Davison Grade 57,ロット557)を蒸発皿中に入れた。蒸発皿中のシリカを、溶液の一部(76.43g)により初期湿潤状態にまで含浸した。易流動性かつ薄い青色となるまでスチームバス上で時折攪拌しながら混合物を加熱し、その後、マッフル炉内で110℃で一晩乾燥した。64.31グラムをマッフル炉から回収した。触媒は28.13ミリモルのVを含んだ。各1グラムは0.4374ミリモルのV(22.28mg)を含んだ。触媒をリン酸装填のために6グラム部分に分割し、それにより、6gの装填物は2.2244ミリモルのVを含んだ。
本発明の1つの特徴は、一旦、V及びTiが担体上に担持されると、例20〜23に例示されるとおり、異なる装填量のリン成分を用いることにより、多くの異なる触媒は調製されうる。
例20
本例はモル比V/2Ti/3.5P酸化物触媒の調製を例示する。6.0gの例19の触媒を蒸発皿に入れた。85%のHPO(1.06g、9.18ミリモルのP)を5.5mLに希釈したものにより調製した溶液でこの触媒を含浸した(5.5mL希釈物はこの量の触媒前駆体で初期湿潤状態を提供した)。混合物を易流動性となるまでスチームバス上で攪拌した。触媒前駆体サンプルをマッフル炉中に入れ、そして110℃で1時間乾燥した。乾燥した触媒をきれいな蒸発皿に移し、マッフル炉に戻し、その後、450℃で6時間焼成した。5.789gを回収した。
例21
本例は、モル比V/2Ti/4.0P酸化物触媒の調製を例示する。6.0gの例19の触媒を蒸発皿中に入れた。85%のHPO(1.21g、10.50ミリモルのP)を5.5mLに希釈したものにより調製した溶液でこの触媒を含浸した。混合物を易流動性となるまでスチームバス上で攪拌した。触媒前駆体サンプルをマッフル炉中に入れ、そして110℃で1時間乾燥した。乾燥した触媒をきれいな蒸発皿に移し、マッフル炉に戻し、その後、450℃で6時間焼成した。5.855gを回収した。
例22
本例は、モル比V/2Ti/4.5P酸化物触媒の調製を例示する。6.0gの例19の触媒を蒸発皿中に入れた。85%のHPO(1.36g、11.81ミリモルのP)を5.5mLに希釈したものにより調製した溶液でこの触媒を含浸した。混合物を易流動性となるまでスチームバス上で攪拌した。触媒前駆体サンプルをマッフル炉中に入れ、そして110℃で1時間乾燥した。乾燥した触媒をきれいな蒸発皿に移し、マッフル炉に戻し、その後、450℃で6時間焼成した。5.999gを回収した。
例23
本例は、モル比V/2Ti/5.0P酸化物触媒の調製を例示する。6.0gの例19の触媒を蒸発皿中に入れた。85%のHPO(1.51g、13.12ミリモルのP)を5.5mLに希釈したものにより調製した溶液でこの触媒を含浸した。混合物を易流動性となるまでスチームバス上で攪拌した。触媒前駆体サンプルをマッフル炉中に入れ、そして110℃で1時間乾燥した。乾燥した触媒をきれいな蒸発皿に移し、マッフル炉に戻し、その後、450℃で6時間焼成した。6.085gを回収した。
例24
5モル%のバナジウム及び10モル%のリンを含む担持触媒を以下のとおりに調製した。100m/gの比表面積を有する白色結晶ピロリン酸チタン(TiP)を、最初に、I.C. Marcuら, J. Mol. Catal., Vol. 203, pp. 241 -250 (2003)に記載の手順により調製し、その後、粉砕し、そして8×14メッシュを通して篩い分けした。バナジン酸アンモニウム(0.164g、0.0014モル)、85%HPO(0.326g、2.83ミリモル)、水(10mL)及び乳酸(1.13g、12.54ミリモル)から溶液を調製した。バナジン酸アンモニウムを加熱せずに溶解し、緑色溶液を形成した。その後、溶液を100mL1つ口丸底フラスコ中で6.21gのTiPの8×14メッシュ材料(0.028モル)に添加した。その後、65℃に設定したウォーターバスとともにフラスコをロトエバポレータ上に置き、周囲圧力で20分間バス中で回転させ、上層液はこの間に青に変色した。その後、フラスコ内容分を65℃で真空下に乾燥し、そして450℃で空気中で16時間焼成し、黄緑色の不規則形状の粒子を提供した。
例25
5モル%のバナジウム、10モル%のチタン及び10モル%のリンを含む担持触媒を以下のとおりに調製した。100m/gの比表面積を有する白色結晶ピロリン酸チタン(TiP)を、最初に、I.C. Marcuら, J. Mol. Catal., Vol. 203, pp. 241 -250 (2003)に記載の手順により調製し、その後、粉砕し、そして8×14メッシュを通して篩い分けした。バナジン酸アンモニウム(0.163g、0.0014モル)、TBALDH(1.67g、2.84ミリモル)、水(10mL)及び乳酸(1.13g、12.54ミリモル)から溶液を調製した。バナジン酸アンモニウムを加熱せずに溶解し、オレンジ色溶液を形成した。その後、溶液を100mL1つ口丸底フラスコ中で6.21gのTiPの8×14メッシュ材料(0.028モル)に添加した。その後、65℃に設定したウォーターバスとともにフラスコをロトエバポレータ上に置き、周囲圧力で20分間バス中で回転させ、上層液はこの間に緑色に変色した。その後、フラスコ内容分を65℃で真空下に乾燥し、次いで、85%HPO(0.33g、2.86ミリモル)の水(15mL)中の溶液を添加した。その後、得られた懸濁液を65℃でロトエバポレータ上で真空下に乾燥し、その後、450℃で空気中で16時間焼成し、黄色の不規則形状の粒子を提供した。
例26〜37
例26〜35について、それぞれ例13〜18及び20〜23からの担持触媒を用いて、酢酸及びトリオキサン(ホルムアルデヒド源)の縮合反応を比較例1の手順に従って行った。
例36〜37について、それぞれ例24〜25からの担持触媒を用いて、酢酸及びトリオキサン(ホルムアルデヒド源)の縮合反応を例1の手順に従って行った。
例26〜37の気相縮合実験は12酢酸/1トリオキサンのモル比フィード(密度1.06g/mL)、0.083mLの液体フィード/分及び80SCCMのNを用いて325℃で3時間行った。これらの触媒の性能を下記の表14及び15に要約する。これらの例は、水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物を用いて担持V−Ti−P触媒を製造することができることを示す。当業者は、塩化チタンが固体担体触媒上の含浸に変更可能でないこと、塩化チタン加水分解により発生される塩酸は担体材料に対して破壊性である可能性があることを認識している。
Figure 2014531973
Figure 2014531973
本発明をその好ましい実施形態を特に参照して詳細に説明してきたが、本発明の精神及び範囲内で変更及び変形を行うことができることは理解されるであろう。

Claims (15)

  1. バナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む触媒組成物であって、チタン成分は水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物から得られたものである、触媒組成物。
  2. 一般式VTi(式中、aは0.3〜6.0の数であり、bは2.0〜13.0の数であり、又は、aは1.0〜4.0の範囲にあり、bは4.0〜10.0の範囲にあり、cはV、Ti及びPの価数を満たすのに要求される原子の数である)を有する、請求項1記載の触媒組成物。
  3. 前記オルガノチタン化合物はチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドを含む、請求項1〜2のいずれか1項記載の触媒組成物。
  4. 前記触媒組成物は予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体はシリカ、アルミナ、酸化チタン、ピロリン酸チタン、酸化ジルコニウム又はピロリン酸ジルコニウムを含み、そして前記予備成形された担体は粒子サイズが0.1mm〜20mmの範囲にある、請求項1〜3のいずれか1項記載の触媒組成物。
  5. バナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含む触媒組成物の調製方法であって、
    (a)水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物を含む水溶液を提供すること、
    (b)前記チタン水溶液に、バナジウム化合物及びリン化合物を添加して、触媒成分の混合物を形成すること、
    (c)前記混合物を熱処理すること、
    (d)熱処理された混合物から水を除去し、触媒成分を含む固体残留物を得ること、及び、
    (e)空気の存在下に高温で固体残留分を焼成して、触媒組成物を得ること、
    を含む、方法。
  6. 水除去工程(d)は蒸留又は蒸発を含む、請求項5記載の方法。
  7. 水除去工程(d)は前記混合物に逆溶媒を添加して、触媒成分を沈殿させ、該沈殿物を液体から分離して、固体残留物を得ることを含み、該沈殿物はろ過により液体から分離され、そして前記逆溶媒はアルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル及びエステルから選ばれる極性化合物であり、又は、前記逆溶媒はアルコールである、請求項5記載の方法。
  8. 前記触媒組成物は一般式VTi(式中、aは0.3〜6.0の数であり、bは2.0〜13.0の数であり、又は、aは1.0〜4.0の数であり、bは4.0〜10.0の数であり、cはV、Ti及びPの価数を満たすのに要求される原子の数である)を有する、請求項5〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記オルガノチタン化合物はチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドを含む、請求項5〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記触媒組成物は予備成形された担体をさらに含み、前記予備成形された担体は熱処理工程(c)の前に触媒成分の混合物に添加される、請求項5〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 熱処理工程(c)の前に、触媒成分の混合物に対して二官能化合物を添加することをさらに含み、該二官能化合物はクエン酸、乳酸、グリコール酸、シュウ酸、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール又はヘキサンジオールを含み、又は、該二官能化合物は乳酸を含む、請求項5〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 気相縮合条件下に縮合触媒の存在下にカルボン酸とホルムアルデヒド源を接触させ、2,3−不飽和カルボン酸を得ることを含む、2,3−不飽和カルボン酸の調製方法であって、
    前記縮合触媒はバナジウム(V)、チタン(Ti)及びリン(P)の混合酸化物を含み、チタン成分は水溶性レドックス活性オルガノチタン化合物から得られたものである、方法。
  13. 前記ホルムアルデヒド源は、ホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、ジメトキシメタン又はジアセトキシメタンを含み、そして前記カルボン酸は酢酸又はプロピオン酸を含む、請求項12記載の方法。
  14. 前記オルガノチタン化合物はチタン(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシドを含む、請求項12〜13のいずれか1項記載の方法。
  15. 前記縮合条件は50〜400モルフィード/(kg触媒−時)の合計フィード空間速度、100〜300モルフィード/(kg触媒−時)の合計フィード空間速度、又は、125〜200モルフィード/(kg触媒−時)の合計フィード空間速度を含む、請求項12〜14のいずれか1項記載の方法。
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