JPH08259494A - 対応するアルカンの制御した酸化によるカルボン酸の製造法 - Google Patents

対応するアルカンの制御した酸化によるカルボン酸の製造法

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JPH08259494A
JPH08259494A JP7352366A JP35236695A JPH08259494A JP H08259494 A JPH08259494 A JP H08259494A JP 7352366 A JP7352366 A JP 7352366A JP 35236695 A JP35236695 A JP 35236695A JP H08259494 A JPH08259494 A JP H08259494A
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mol
oxygen
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gaseous mixture
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JP7352366A
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Inventor
Alain Aubry
アラン・オーブリ
Michel Gubelmann
ミシェル・ギュベルマン
Govic Anne-Marie Le
アンヌマリー・ルゴビック
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Rhodia Chimie SAS
Original Assignee
Rhone Poulenc Chimie SA
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/16Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation
    • C07C51/21Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen
    • C07C51/215Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of saturated hydrocarbyl groups

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対応するアルカンの気相酸化反応によってカ
ルボン酸を製造する方法を提供する。 【解決手段】 活性相がバナジウム、チタン、モリブデ
ン、燐及び酸素に基づいた触媒の存在下に反応を実施す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性相がバナジウ
ム、チタン、モリブデン、燐及び酸素に基いた触媒の存
在下に対応するアルカンを制御下に酸化することによる
カルボン酸の製造法に関する。特に、本発明は、エタン
の制御した酸化による酢酸の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】対応するアルカンを触媒の存在下に制御
下に酸化することによる飽和カルボン酸の製造法は、コ
ストの面で有利な原料を使用できるという利点を有して
いるので現在盛んに使用されている。
【0003】酢酸を製造するための特によく知られた方
法としては、エタン及び酸素の他にモリブデン、バナジ
ウム、ニオブ及び/又はアンチモン酸化物の少なくとも
1種の混合物を基材とする複雑な触媒の使用を包含する
方法を挙げることができる。しかしながら、かかる触媒
を使用するときの酢酸の選択率は僅か15〜25%程度
であるが、反応条件は比較的苛酷である。実際に、酸化
は、高められた温度即ち400℃程度の温度及び少なく
とも20バールの圧力を組み合せた条件下に実施されな
ければならない。
【0004】他の方法は、少なくともバナジウム、燐及
びレニウムの酸化物を基材とする触媒の存在下にエタン
及び酸素を反応させることよりなる。酢酸に対する選択
率は、先に記載した触媒のもの(30%程度)と比較し
て向上されるけれども、エタン(これも製造される)に
対する選択率よりも低い。加えて、この方法では、多量
の水及びヘリウム又は窒素のような希釈剤を反応器に導
入することが要求される。
【0005】更に、活性相がバナジウム(これは四価の
酸化状態にある)、チタン及び/又は燐及び酸素を含む
ところの触媒を使用することも知られている。これらの
触媒の場合には、その性能は、酢酸に対する選択率の面
では有利である。他方、反応条件は、この方法を工業的
規模で開発するのを不可能にしている。実際に、エタン
の転化率は低く且つ供給流れは90%よりも多くの希釈
剤ガスを含み、このことは極めて低い生産効率をもたら
す。
【0006】エタンの酸化によって酢酸を得ることを可
能にししかも有益な性能を有する他の種類の触媒組成物
も記載されている。しかしながら、この性能は、比較的
苛酷な反応条件を使用することによって達成されるよう
である。というのは、圧力は30バールに近くそして温
度は300℃に近いからである。加えて、問題の触媒組
成物は6種以上の元素を含み、そしてその製造法は特に
複雑であり、しかも完成触媒における各元素の配列の面
で制御するのが困難でもある。実際に、該触媒の合成
は、たいていは単一成分元素を含む各種溶液を調製し次
いで溶剤を蒸発させることよりなる。かかる方法は、性
能が触媒毎に変わる触媒をもたらす可能性がある。
【0007】かくして、現時点で確かめることができる
ように、対応するアルカンの酸化によるカルボン酸の製
造法であって、工業的規模で実施することができしかも
合成が簡単で且つ制御されるところの触媒を利用する製
造法は存在していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここに本発明におい
て、全く意外にも、上記の反応においてバナジウム、チ
タン、モリブデン、燐及び酸素に基いた触媒を使用する
と、先に記載した不利益を軽減することができることが
判明した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従った方法の追
加的な利点は、アルカン特にエタンの比較的低い活性化
温度にある。実際に、プロピレン、o−キシレン及びブ
タンの酸化の如き酸化反応における炭化水素の活性化に
必要な通常の温度は約400℃である。オレフィンはア
ルキル芳香族化合物(これらはアルカンよりもずっと反
応性である)よりも反応性であること、及び飽和炭化水
素の反応性は分子中に存在する炭素原子の数に応じて向
上することを考慮すると、エタンを150〜275℃程
の低い温度で活性化することが可能であることは全く驚
くべきことである。
【0010】更に、本発明に従って使用される触媒の活
性化時間は、たとえ活性化温度が通常の方法におけるよ
りもずっと低いとしても、通常の方法で使用される触媒
よりもずっと短く、このことは他の驚くべき利点であ
る。
【0011】これらの目的及び他の目的は、活性相がバ
ナジウム、チタン、モリブデン、燐及び酸素を含む触媒
の存在下に対応するアルカンを酸素の源と気相反応させ
ることによるカルボン酸の製造法に関する本発明によっ
て達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】便宜上、先ず、本発明で使用する
触媒について説明する。先に記載したように、使用する
触媒の活性相は、バナジウム、チタン、モリブデン、燐
及び酸素を含む。本発明のより特定の具体例に従えば、
触媒の活性相は、次の式 Pa Mobc Tidx [ここで、化学量論的係数は、次の関係 b+c+d=1.0、0.9<(a/c)<3、0.5
<d<0.99、及び0.1<(c/b+c)<0.9
2 を満たす]に相当する。好ましくは、化学量論的係数
は、次の関係 b+c+d=1.0、1.0<(a/c)<2.2、
0.7<d<0.98、及び0.08<(c/b+c)
<0.6 を満たす。
【0013】本発明の方法で使用する触媒の活性相は、
ドーパントを更に含むことができる。このドーパント
は、より特定的には、次の元素、K、Rb、Cs、C
a、Mg、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、W、Mn、
Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、P
d、Cu、Ag、Zn、Cd、Tl、Si、Ge、S
n、As、Sb、Bi、Ga及び希土類から選択され
る。好ましくは、ドーパントは、次の元素、K、Cs、
Zr、Nb、Ta、Cr、W、Mn、Re、Fe、R
u、Co、Pd、Ag、Zn、Tl、Sb、Bi、G
a、Sn、La及びCeから選択される。通常、活性相
中のドーパントの量は、ドーパント対バナジウム比が
0.005〜0.10そして好ましくは0.009〜
0.06になる程のものである。
【0014】本発明の方法で使用される触媒は、バルク
形態であってよく、即ち、先に記載した活性相を本質的
に含むものでよく、又はさもなければ、希釈された形態
であってもよい。触媒が希釈剤(又は担体)を含むよう
な特定の場合には、活性相は、その上に付着されるか若
しくはそれを被覆することができ、又はさもなければそ
れと混合されることができる。希釈剤の性状は特に厳密
なものではないが、それは、選択される反応条件下に各
反応体に対して不活性でなければならないものとする。
【0015】触媒担体として使用されることができる物
質の例としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミ
ナ、焼成粘土、マグネシア、珪酸マグネシウム及び珪藻
土を挙げることができる。この種の担体は、多孔質又は
無孔質の形態で使用することができる。使用される担体
は、無孔質の形態にあるのが好ましい。必要ならば、こ
れらの担体に上薬をかけることもできる。また、希釈剤
として、コージーライト、アルミナ、ムライト、磁器
(ポーセライン)、窒化珪素、炭化硼素及び炭化珪素タ
イプのセラミック物質も使用することができる。
【0016】本発明に従った方法で使用される触媒は、
希釈されても又はされなくとも、粒子又はモノリスの形
態にある。触媒が粒子よりなる場合には、こららの粒子
の寸法は触媒の使用法に左右される。それ故に、それは
広い範囲内で変動することができ、特には、数μmから
数10mm程度の間であってよい。特には、一例とし
て、固定床で使用される触媒は、一般には0.5〜6m
mの間の粒度分布を有する。流動床又は移動床で使用さ
れる触媒粒子の寸法は、粒子の80%が通常は5〜70
0ミクロンそして好ましくは5〜200ミクロンであ
る。
【0017】触媒の組成の一部分を構成する希釈剤の量
は、通常は、主として触媒の形成法に依存して広い範囲
内で変動する。かくして、活性相を担体に被覆又は付着
させることによって得られる触媒は、完成触媒(活性相
及び担体)の総重量の通常は0.1〜30%そして好ま
しくは2〜20%の間を変動する量の活性相を有する。
【0018】触媒が活性相中に分散された担体を含む場
合には、活性相の量は一般には完成触媒の総重量の1〜
90%である。本発明の特定の具体例に従えば、反応は
被覆タイプの触媒の存在下に行われる。
【0019】本発明で使用される触媒の活性相は、当業
者に知られた任意の方法によって得ることができる。例
えば、活性相の各構成元素の酸化物を混合し次いで焼成
工程を行いそして随意として焼成工程の後及び/又は前
に該混合物の粉砕を行うことによって該活性相の製造を
実施することが可能である(グログ法)。
【0020】活性相の製造に好適な他の方法は、活性相
の構成元素の溶液を乾燥し次いで焼成を実施することよ
りなる。この乾燥操作をかかる構成元素の懸濁液に対し
て実施することも同様に考えることができるが、この懸
濁液は、固体形態にあるこれらの元素の中の少なくとも
1種の使用から生じるか、又はさもなければ沈殿若しく
は例えば1種以上のアルコキシドの制御された加水分解
の中間工程から生じるものである。
【0021】用語「構成元素」は、バナジウム、チタ
ン、燐及びモリブデンのみならず活性相の組成に添加さ
れるドーパントも意味する。構成元素は、通常、溶液又
は懸濁液の形態で使用される。分散(又は可溶化)媒体
は有益には水であるけれども、他の種類の分散剤(又は
溶剤)を考えることもできる。この例として、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール及びt−ブタノール
のようなアルコールを特に挙げることができる。
【0022】上記混合物の組成の一部分を構成する活性
相中の構成元素は、一般には、無機若しくは有機酸又は
塩基の塩の形態で、又はさもなければ酸化物若しくはそ
れらの誘導体のような化合物の形態で使用される。
【0023】先に記載した酸又は酸化物の誘導体は対応
する元素の酸化物に分解することができる限り、それら
のすべてが混合物の調製に好適である。上記混合物の調
製に好適な無機塩の例としては、他にもあるが、硝酸
塩、硫酸塩、1個又はそれ以上のハロゲンを含むハロゲ
ン化物及びアンモニウム塩を挙げることができる。有機
酸の塩又はエステルの例としては、ギ酸、蓚酸、酒石
酸、酢酸及びエチルヘキサン酸の各塩及びエステル並び
にアセチルアセトネートを挙げることができる。
【0024】先に記載したように、酸化物又はそれらの
誘導体を使用することも考えることができるが、これら
の化合物は、粒子の形態で、又は特に該混合物に酸若し
くは塩基を加えることによって溶解された形態で使用さ
れることが可能である。
【0025】用語「酸化物の誘導体」は、特には、オキ
シハライド、アルコキシド、アリールオキシド及びグル
コシド型の化合物を意味する。これらのタイプの化合物
はそれ自体で又は混合して使用することができることを
理解されたい。
【0026】バナジウムを含みそしてこの触媒調製法で
使用するのに好適な化合物の例としては、限定するもの
ではないが、硫酸バナジル、メタバナジン酸アンモニウ
ム、オキシハロゲン化バナジウム例えば特にVOCl
3 、(VO2 )Cl、VOCl、VOBr、VOBr
2 、VOF3 、VOF2 、VF4 、VBr2 、VI2
バナジルアセチルアセトネート、蓚酸バナジル、メタバ
ナジン酸、バナジウムヘキサカルボニル、バナジウムオ
キシドトリイソプロポキシド及び酸化バナジウム例えば
25 、V713、VO、VO2 、V23 、V3
7 、又はそれらの混合物を挙げることができる。
【0027】チタンを含む化合物としては、TiX4
(ここで、Xはハロゲンそして特に塩素を表わす)型の
化合物及びTi(OR)4 (ここで、Rはアルキル基そ
して特にエチル、イソプロピル又は第二ブチル基を表わ
す)型の化合物を挙げることができる。
【0028】また、酸化チタンの種々の同素体型、即
ち、アナターゼ、ルチル、ブルッカイト若しくはブロン
ズ(記号Bで表わされる)型の酸化チタン又はそれらの
混合物も、本発明で使用するのに好適である。好ましく
は、酸化チタンの同素体はアナターゼ及びルチル型のも
の又はそれらの混合物から選択される。
【0029】酸化チタンを使用して活性相の合成を実施
する場合には、BET法によって測定した比表面積が1
〜150m2 /gである酸化チタンが特に使用される。
特に、比表面積は10〜120m2 /gである。
【0030】本発明に対して好適になり得るモリブデン
基材化合物としては、特に、アンモニウムジモリブデー
ト、アンモニウムヘプタモリブデート、アンモニウムパ
ラモリブデート及びジオキソモリブデンアセチルアセト
ネートを挙げることができる。
【0031】燐基材化合物の例としては、オルト燐酸、
ピロ燐酸、メタ燐酸及び及びポリ燐酸のような燐酸、燐
酸メチル、エチル及びブチルのような燐酸アルキル、並
びに燐酸アンモニウムを挙げることができる。
【0032】ドーパントとして使用される元素を提供す
る化合物は、特に、塩化カリウム、酢酸カリウム、塩化
ルビジウム、塩化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、蓚酸ニオ
ブ、硫酸セシウム、酢酸セシウム、硫酸鉄、酢酸鉄、塩
化クロム、塩素酸クロム、硝酸クロム、酢酸クロム、ク
ロムアセチルアセトネート、メタタングステン酸アンモ
ニウム、パラタングステン酸アンモニウム、酸化ジルコ
ニウム、ジルコニウムアルコキシド例えばエトキシド、
及び酸化銀から選択されることができる。もちろん、こ
れらの例は単なる例示に過ぎない。
【0033】本発明の特定の具体例に従えば、チタンは
酸化物の形態で使用される。この場合には、活性相の構
成元素を含む少なくとも1種の溶液を使用して酸化物の
少なくとも1回の含浸が実施される。かくして、一回の
含浸操作又は連続的な含浸工程を実施することが可能で
ある。含浸操作は、それ自体公知の態様で実施される。
しかしながら、少なくとも一回の乾式含浸工程が特に使
用される。これは、使用される含浸溶液の全容量が含浸
しようとする固体の全細孔容積に等しくなければならな
いことを意味する。
【0034】触媒相の構成元素はすべて担体と同時に又
は連続的に接触されることができる。第一の変形例に従
えば、担体は燐以外の構成元素と接触されるが、これら
の元素は任意の順序で同時に又は連続的に供給される。
次いで、全体が燐を供給する溶液で含浸される。
【0035】第二の変形例は、逆の操作を実施すること
よりなる。かくして、第一に、燐を含む溶液で酸化チタ
ンを含浸する操作を一回又はそれ以上実施し、次いで残
りの元素による少なくとも一回の含浸工程が実施される
が、後者の元素は、別個の溶液で同時に若しくは連続的
に又はさもなければ同じ溶液で供給されることが可能で
ある。もちろん、モリブデン化合物による含浸とバナジ
ウム化合物による含浸との間に燐化合物を導入すること
も可能である。
【0036】次いで、一回又はそれ以上の乾燥工程が実
施される。構成元素を接触させるのに使用される方法に
依存して、乾燥は、本質的に一回又は二回の工程で実施
される。
【0037】かくして、触媒相の調製法で懸濁液又は溶
液が使用される場合には、乾燥は2つの工程で実施さ
れ、しかして第一工程は混合物から溶剤又は分散剤を蒸
発乾固させることよりなり、そして第二工程はかくして
得られたペーストを乾燥させることよりなる。一般に
は、第一工程は、20〜100℃の温度において非流動
ペーストを得るのに必要な時間の間実施される。蒸発
は、通常、撹拌下に実施される。得られたペーストは、
次いで、第二工程において例えば酸素又は空気の如き好
ましくは非還元性の雰囲気下に平均して15時間乾燥さ
れる。乾燥温度は通常約120℃である。
【0038】噴霧乾燥(この方法は当業者に周知であ
る)を実施することは、本発明の範囲から逸脱しない。
かくして、いかなる限定も意図することなく、フランス
特許公開2,257,326、2,419,754及び
2,431,321において記載される如きブチ(Bu
chi)型の噴霧器又は“フラシュ”型の噴霧器がこの
具体例に好適である。噴霧温度は一般には150〜30
0℃程度である。噴霧が実施されるところの雰囲気は、
こゝで再び、好ましくは非還元性である。噴霧は空気中
で実施されるのが有益であるけれども、かゝる工程に対
して酸素を使用することもできる。
【0039】活性相の構成元素を乾式含浸によって接触
させる場合には、乾燥は、先の変形例の上記第二工程に
相当する単一工程で実施される。各乾式含浸操作後に中
間乾燥工程を実施するのが好ましいことを理解された
い。
【0040】得られた乾燥生成物は、使用する方法に関
係なく、次いで焼成工程を施こされる。これは、通常は
非還元性雰囲気下に実施される。空気を使用するのが有
益であるが、しかし実際には酸素を使用することもでき
る。この焼成温度は通常200〜1,200℃である。
操作時間は一般には1〜24時間の範囲内である。
【0041】焼成工程に先立って、乾燥生成物は粉砕工
程を受けることができる。更に、焼成された生成物は随
意にかゝる処理を受けることもできる。
【0042】先に記載したように、本発明に従った方法
で使用される触媒は、活性相で被覆された又はそれと混
合された希釈剤(又は担体)を含んでもよく又は含まな
くてもよい。通常、触媒の組成の一部分を構成する希釈
剤の量は、主として触媒の調製法に依存して広い範囲内
で変動する。
【0043】本発明に従った触媒は、当業者に知られた
任意の慣用法によって得ることができる。かくして、本
質的に先に記載の如き活性相を含むバルク触媒は、適当
な寸法のモノリス又はさもなければ粒子を生成するよう
に活性相又はその前駆物質の押出、成形、粉砕、破砕又
は任意の他の手段によって形成することができる。
【0044】本明細書を通して使用される用語「活性相
の前駆物質」は、先に記載した焼成工程前においてすべ
ての状態にあるこの相の構成元素の混合物を意味する。
【0045】希釈剤を含む触媒の場合には、先に記載し
た手段を用いることができる。かくして、活性相に所要
割合の希釈剤を混合することができ、そして例えば得ら
れた混合物を押出又は成形することができる。しかしな
がら、他の方法を考えることもできる。
【0046】かくして、第一の具体例に従えば、高せん
断ミキサー(Lodige型装置)又は造粒装置(ドラ
ム又は皿型のペレタイザー)において希釈剤(好ましく
は粗い粒子の形態にある)及び活性相又はその前駆物質
が接触される。操作は、一般には、20〜150℃の範
囲内の温度において担体に所望量の活性相を被覆するの
に必要な時間、特に空気下に少なくとも30分間実施さ
れる。かくして得られた粒子は、通常、300〜600
℃好ましくは450〜500℃の温度で焼成される。焼
成時間は一般には少なくとも3時間である。
【0047】触媒製造の第二の可能な方法は、含浸技術
を適用することよりなる。この技術に従えば、担体は、
活性相の懸濁液で、又はその前駆物質の懸濁液若しくは
溶液で含浸される。含浸工程に続いて乾燥工程が行われ
るが、これは通常空気下に100〜200℃の温度で少
なくとも30分間実施される。次いで、含浸−乾燥サイ
クルを反復しそして空気中で焼成することによって終え
ることができる。焼成温度は、数10時間程度の時間に
対して400〜600℃である。
【0048】可能な変形法は、含浸−乾燥サイクル間に
焼成を実施することよりなる。
【0049】触媒製造の第三の方法に従えば、活性相の
構成元素のうちの少なくとも1種の混合物に好ましくは
粒子の形態の担体が添加される。次いで、かくして得ら
れた混合物は、先に記載の如き触媒相の製造法の種々の
具体例に従って処理される。
【0050】もちろん、これらの製造法はすべて単なる
例示のために挙げられ、いかなる場合にも排他的な範囲
を定めるものではない。
【0051】更に、本発明は、先に記載の如き触媒の存
在下に対応するアルカンを酸素の源と気相反応させるこ
とによるカルボン酸の製造法に関する。特に、本発明
は、対応するアルカンから1〜4個の炭素原子を有する
飽和カルボン酸を得るように設計される。用語「アルカ
ン」は、1〜4個の炭素原子を有する飽和炭化水素であ
って、1個以上のハロゲン原子によって随意に置換され
る飽和炭化水素を意味する。
【0052】有益には、本発明に従った方法は、エタン
の反応によって酢酸を得ることを可能にする。
【0053】アルカンの使用量に関して特定の条件はな
い。しかしながら、形成される酸の分離という明白な理
由のために、少なくとも90%の純度を有するアルカン
を使用するのが好ましい。後者は、それ自体で又は反応
の条件下に不活性な希釈剤ガス中に希釈して同等に用い
ることができる。本発明に従った方法を実施するのに好
適な希釈剤ガスは、希ガス例えば特にヘリウム若しくは
アルゴン又はさもなければ窒素である。
【0054】アルカンの制御された酸化反応は、酸素の
源の存在下に使用される。後者は、純酸素又は不活性ガ
ス中に希釈された酸素を基材とすることができる。かく
して、酸化反応は、酸素の源として空気を使用すること
によって実施することができる。
【0055】本発明の特定の具体例に従えば、アルカン
対酸素のモル比は20未満である。特には、この比は
0.01〜0.2又は0.6〜15である。本発明の好
ましい方法に従えば、該比は0.6〜15である。
【0056】本法の1つの変形例は、他の成分の他に水
を含むガス状混合物を使用することよりなる。このガス
状混合物の組成、即ち、アルカン、酸素の源、任意成分
としての希釈剤ガス及び水は広い範囲内を変動すること
ができる。
【0057】特に記していなければ、以下で示される百
分率はすべて、ガス状混合物の総モル数を基にして表わ
される。一般には、ガス状混合物中のエタン含量は0.
1〜99.9%である。本発明の特定の具体例に従え
ば、ガス状混合物の組成は、それが該混合物の爆発範囲
の外にある程のものである。
【0058】かくして、組成が爆発範囲の外にあるガス
状混合物を持つためには、該アルカン含量は特に0.1
〜3%又は10〜99%である。好ましくは、上記ガス
状混合物中のアルカン含量は10〜99%である。
【0059】同様に、使用するガス状混合物中の酸素含
量は広い濃度範囲内で変動する。実際には、それは0.
1〜99.9%である。特定の具体例に従えば、ガス状
混合物中の酸素含量は1〜90%又は97〜99.9%
の間を変動する。該混合物中に含有される酸素は好まし
くは1〜90%である。
【0060】使用するガス状混合物中の含水量は0〜7
0%である。特定の具体例に従えば、上記混合物中の含
水量は0〜20%である。
【0061】かゝる混合物中の希釈剤ガスの含量は通常
の0〜7%である。特に、該混合物は0〜20%の希釈
剤ガスを含む。
【0062】それ故に、ガス状混合物は本発明に従った
触媒と接触される。
【0063】本発明に従った方法が使用されるところの
装置は慣用の気相接触反応装置の一部分であるが、これ
らは連続的又は不連続的に使用されることが可能であ
る。かくして、反応は、固定床、流動床又は移動床にお
ける触媒の存在下に実施することができる。
【0064】反応温度は、一般には100〜350℃そ
して好ましくは150〜330℃の間である。
【0065】ガス状反応混合物の全圧は、一般には、
0.1〜30バール(絶対圧)の範囲内である。特に
は、圧力は0.1〜20バール(絶対圧)の範囲内であ
る。好ましくはそして有益には、反応に用いる圧力は
1.1〜10バール(絶対圧)である。
【0066】ガス流量は、常温及び常圧条件下に計算さ
れた接触時間が0.1〜30秒になるように設定され
る。接触時間は好ましくは0.5〜20秒である。接触
時間は反応器の容量とガスの全流量との間の比率に相当
することを思い出すべきである。
【0067】形成された酸は、通常は酸/水混合物を冷
却し次いで凝縮させることによって副生物又は反応体か
ら分離される。ガス状形態で残存する化合物特にアルカ
ンは、随意に分離工程を施こされた後に反応器に再循環
させることができる。
【0068】
【実施例】ここで本発明の実施例を提供するが、本発明
はこれらの実施例に限定するものではない。
【0069】比較例1 触媒1の製造 ペレタイザーに86m2 /gのBET表面を示す90g
のTi O2 (即ち、1.125モル)(ローヌ・プーラ
ン社によって製造販売)を導入し、そして100cm3
の修酸バナジル溶液を含浸させた。使用した溶液は、水
中に溶解された15.23gの修酸二水和物(即ち、1
20.8ミリモル)及びジャンセン社によって販売され
る6.77gのV25 (即ち、37.2ミリモル)を
含んでいた。かくして得られた生成物を空気中において
500℃で3時間焼成した。焼成した生成物の組成は、
7重量%のV25 及び0.066のV/Ti 比を有し
ていた。
【0070】比較例2 触媒2の製造 3.15gの酒石酸を17ml の脱イオン水中に熱い状
態で撹拌しながら溶解させた。溶解後、その溶液に粉末
形態の1.40gのV25 を加えた。この化合物を熱
い状態で且つ撹拌下に溶解させた。溶液を一旦得てか
ら、それを放置して室温に戻し、そしてこれに2.03
gのオルト燐酸(85%)を加えた。
【0071】次いで、この溶液を回転ペレタイザーにお
いて45gのアナターゼ型二酸化チタン(比表面積45
2 /g、全細孔容積0.38cm3 /g)に含浸させ
た。得られた粉末を空気中において150℃で6時間乾
燥させ、次いで空気中において400℃で3時間焼成し
た。かくして、P/V/Ti =0.031/0.027
/1の原子比を有する固体を得た。
【0072】例3 触媒3の製造 16.8gの式(NH46 Mo724のヘプタモリブ
デン酸アンモニウム(即ち、0.095モルのMo)と
1.11gの式NH4 VO3 のメタバナジン酸アンモニ
ウム(即ち、0.0095モルのV)との混合物を70
cm3 の脱イオン水中に撹拌下に還流で溶解させた。得
られた黄色溶液を冷却し、そしてその容積を80cm3
に調整した。この溶液を使用して80m2 /gの比表面
積及び0.8cm3 /gの細孔容積を有する50gのア
ナターゼ型Ti O2 (即ち、0.625モルのTi )を
乾式含浸した。含浸は2つの工程で実施され、即ち、各
操作において40cm3 の溶液を使用しそして110℃
で中間乾燥を行なった。
【0073】次いで、得られた固体に9.52×10-3
モルのH3 PO4 を含有する40cm3 の燐酸水溶液を
乾式含浸させた。空気中において110℃で乾燥後、得
られた固体を空気中において400℃で2時間焼成し
た。かくして、P/Mo/V/Ti=0.015/0.
153/0.014/1の原子比を有する固体が得られ
た。
【0074】例4 触媒の使用 本例は、エタンからの酢酸の製造法において上で製造し
た触媒を適用することを例示する。ハステロイC22製固
定床式連続反応器に、粉末形態(200μm未満の粒
度)の1〜3gの触媒を導入した。得られた触媒床の容
積は5cm3 である。この容積は、必要ならば、触媒を
同じ粒度の炭化ケイ素で希釈することによって得られ
る。また、触媒床の上流側及び下流側にある死容積は炭
化ケイ素で内張りされる。
【0075】反応器には流動砂浴及び2個のインライン
クロマトグラフを使用する加熱系が備えられ、その一方
はフレームイオン化検出器を用いて操作されそして他方
はカサロメーター検出器を用いて操作される。供給ガス
は、流量計によって制御される。水は、ガス回路に組み
込まれた蒸発器に液体形態で導入される(ギルソン計量
ポンプ)。
【0076】供給流れは、C26 /O2 /N2 /H2
O=62/17/10/12モル%よりなる。使用した
触媒の質量に対するエタン流量は通常の温度及び圧力条
件下に2.0g/l/hである。温度は275℃であ
る。得られた結果は表Iに記載されている。この表にお
いて、性能は次の如くして計算される。 ・エタン転換率(モル%) エタン転化率=(流入エタンモル数−流出エタンモル
数)/流入エタンモル数×100 ・生成物X(酢酸、エチレン、燃焼生成物)に対する選
択率(モル%) X選択率=Xに転換されたエタンモル数/(流入エタン
モル数−流出エタンモル数)×100
【0077】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンヌマリー・ルゴビック フランス国パリ、ケ・ド・ジェマプ、122 −124

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対応するアルカンを酸素の源と気相反応
    させることによるカルボン酸の製造法において、反応を
    活性相がバナジウム、チタン、モリブデン、燐及び酸素
    に基いた触媒の存在下に実施することを特徴とするカル
    ボン酸の製造法。
  2. 【請求項2】 活性相が、次の式 Pa Mobc Tidx [ここで、化学量論的係数は、次の関係 b+c+d=1.0、 0.9<(a/c)<3、 0.5<d<0.99、及び0.1<(c/b+c)<
    0.92 を満たす]に相当するところの触媒の存在下に反応を実
    施することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 化学量論的係数が、次の関係 b+c+d=1.0、 1.0<(a/c)<2.2、 0.7<d<0.98、及び0.08<(c/b+c)
    <0.6 を満たすことを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 バルク又は希釈形態の触媒が使用される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 完成触媒の総重量を基にして0.1〜3
    0重量%そして好ましくは2〜20重量%の活性相を含
    む被覆触媒が使用されることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項記載の方法。
  6. 【請求項6】 活性相中に分散された担体を含みそして
    完成触媒の総重量を基にして1〜90重量%の活性相を
    含む被覆触媒が使用されることを特徴とする請求項4記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 活性相が、次の元素、K、Rb、Cs、
    Ca、Mg、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、W、M
    n、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、N
    i、Pd、Cu、Ag、Zn、Cd、Tl、Si、G
    e、Sn、As、Sb、Bi、Ga及び希土類から選択
    される少なくとも1種のドーパントを更に含むことを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 【請求項8】 ドーパント含量を、ドーパント対バナジ
    ウム比が0.005〜0.10そして好ましくは0.0
    09〜0.06になる程にすることを特徴とする請求項
    7記載の方法。
  9. 【請求項9】 反応が0.1〜99.9モル%のアルカ
    ンを含むガス状混合物を使用して実施され、そして特に
    該混合物が0.1〜3モル%又は10〜99モル%のア
    ルカンを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    一項記載の方法。
  10. 【請求項10】 酸素の源として空気又は酸素が使用さ
    れることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 反応が、0.1〜99.9モル%の酸
    素そして特には1〜90モル%又は97〜99.9モル
    %の酸素を含むガス状混合物を使用して実施されること
    を特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 20未満そして特には0.01〜0.
    2又は0.6〜15のアルカン/酸素モル比を示すガス
    状混合物が使用されることを特徴とする請求項1〜11
    のいずれか一項記載の方法。
  13. 【請求項13】 水を含むガス状混合物が使用されるこ
    とを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 0〜70モル%の水そして好ましくは
    0〜20モル%の水を含むガス状混合物が使用されるこ
    とを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 希ガス又は窒素から選択される希釈剤
    ガスを含むガス状混合物が使用されることを特徴とする
    請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
  16. 【請求項16】 0〜70モル%の希釈剤ガスそして好
    ましくは0〜20モル%の希釈剤ガスを含むガス状混合
    物が使用されることを特徴とする請求項15記載の方
    法。
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