JPH06234524A - 錫を基材とした物質組成物、これらの物質組成物を基剤とする触媒及び不飽和カルボン酸の製造に対するそれらの使用 - Google Patents

錫を基材とした物質組成物、これらの物質組成物を基剤とする触媒及び不飽和カルボン酸の製造に対するそれらの使用

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JPH06234524A
JPH06234524A JP2745494A JP2745494A JPH06234524A JP H06234524 A JPH06234524 A JP H06234524A JP 2745494 A JP2745494 A JP 2745494A JP 2745494 A JP2745494 A JP 2745494A JP H06234524 A JPH06234524 A JP H06234524A
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Gilbert Blanchard
ジルベール・ブランシャール
Gilbert Ferre
ジルベール・フェール
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカンから対応する不飽和カルボン酸を製
造する触媒成分として有用な錫を基材とする物質組成物
を提供する。 【構成】 錫と、酸素と、バナジウム、ニオブ、タンタ
ル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウ
ム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、
燐、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン及びテルルか
ら選択される少なくとも1種の元素とを基材とし、そし
て次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・この溶液を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することによって得ることができる物質組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、特に錫を基材とした物質組成
物及びそれらの製造方法に関する。更に、本発明は、前
記の物質組成物を含む触媒及び不飽和カルボン酸を製造
するための該触媒の使用法に関する。
【0002】
【発明の背景】カルボン酸の製造に関係する多くの方法
が知られている。一般には、これらの方法は、アルカン
と純又は希釈酸素とを触媒の存在下に1つ又はそれ以上
の段階で反応させて主として対応するカルボン酸を生成
させることからなる。
【0003】かくして、プロパンを3つの連続段階で酸
化させてアクリル酸にすることを記載するEP特許第1
17,146号が知られている。この方法は、初めにプ
ロパンを脱水素してプロピレンにし、次いでこの化合物
を酸化してアクロレインにし、最後にアクロレインをア
クリル酸に酸化することからなる。この方法は、前述し
た方法とは対照的に、中間体として生成されたプロピレ
ンを未反応化合物から分離する必要がないことを示し
た。しかしながら、この方法の大きな不利益は、3つの
段階の各々に対して異なる触媒を使用して実施されるこ
とである。加えて、使用される触媒は、複雑で且つ/又
は高価である。実際に、記載されている脱水素触媒は白
金のような貴金属を含み、そして酸化触媒は5種類より
も少なくない異なる元素を含む。
【0004】ところで、現代の傾向は、一方において、
所望の生成物をできるだけ高い選択性で直接得るのを可
能にする単一触媒を、他方において、できるだけ組成が
簡単でしかも安価な触媒を開発することである。
【0005】US特許第3,293,290号に記載さ
れるプロパンをアクリル酸に酸化させるための他の方法
は、一方において燐及びモリブデンをそして他方におい
てビスマス及び鉄のような元素を基剤とする触媒の存在
下にアルカンを酸素又は空気と反応させることよりな
る。この方法の本質的な点は、臭化水素酸又は沃化水素
酸から選択される促進剤の存在下に実施されることであ
る。かかる方法の性能は特に満足すべきものではない。
何故ならば、アクロレインに対する選択性がアクリル酸
に対するものとほぼ同じであるからである。その上、こ
の反応は40〜60%の一酸化炭素及び二酸化炭素を同
時に生成する。最後に、上記の酸型の促進剤の使用は、
それらの極めて大きい腐蝕力が工業的規模で使用する際
の極めて複雑な条件を暗示しているので望ましくないの
である。
【0006】US特許第4,260,822号から、モ
リブデン、アンチモン及び燐の酸化物を基剤とする触媒
を使用してプロパンをアクリル酸に直接酸化させるため
の方法が知られている。しかしながら、このような反応
で得られるアクリル酸に対する選択性は僅か19%に過
ぎない。
【0007】同様に、燐及びバナジウムの酸化物を基剤
とする触媒を使用してプロパンをアクリル酸に酸化させ
るための他の方法が研究された(“Oxidation of Propa
ne to Acrylic Acid”,Catalysis Today,13(1992),679-
684 )。アクリル酸に対する最高選択率は33%であ
る。この方法の大きな不利益は、爆発範囲内にある組成
を有するガス混合物を使用して実施されることである。
この不利益は、酸化反応を固定床触媒で実施するときに
一層顕著になる。
【0008】不飽和カルボン酸へのアルカンの直接接触
酸化の分野で実施される多くの研究開発にもかかわら
ず、この種の方法を工業的に実施するのに十分なだけ高
い酸選択率を有する触媒は現在のところまだ入手不可能
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かくして、本発明の目
的のうちの1つは、この欠陥を打破し、そして錫を基材
とした物質組成物、及び上記組成の活性相を有する触媒
を提供することである。
【0010】本発明の他の目的は、形成される酸に対す
る選択性が公知の方法のものと比較して大きく向上され
た上記種類の触媒を使用してアルカンから不飽和カルボ
ン酸を製造するための方法を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、一酸化炭素及び二酸
化炭素の同時生成が最小限にされたアルカンのカルボン
酸への直接酸化法を提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、有益には爆発範囲外
にある組成を有するガス混合物を使用する方法を提供す
ることである。
【0013】
【発明の概要】これらの目的及び他の目的はここに本発
明によって達成されるが、第一に、本発明は、錫と、酸
素と、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブ
デン、燐、タングステン、アルミニウム、ガリウム、イ
ンジウム、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、
ビスマス、セレン及びテルルから選択される少なくとも
1種の元素とを基材とし、そして次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・元素を随意に沈殿させ、 ・この随意に処理した溶液を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することによって得ることができる物質組
成物に関する。
【0014】更に、本発明は、活性相が上記物質組成物
のものからなる触媒に関する。同様に、本発明は、アル
カン及び酸素源を含むガス混合物の存在下にかかる触媒
を使用する不飽和カルボン酸の製造法に関する。
【0015】最後に、本発明は、活性相が錫と、酸素
と、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデ
ン、タングステン、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ム、ケイ素、ゲルマニウム、燐、ヒ素、アンチモン、ビ
スマス、セレン及びテルルから選択される少なくとも1
種の元素とを基材とし、しかも該活性相が次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・元素を随意に沈殿させ、 ・この随意に処理した溶液を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することによって得ることができることか
らなる触媒を使用して、不飽和カルボン酸を気相で製造
する方法に関するものである。
【0016】全く驚いたことに、上記のような錫基材触
媒の使用は、形成されるカルボン酸に対する選択性をか
なり向上させるのを可能にすることが分かった。実際
に、プロパンから酸を製造する特定の場合には、その選
択率は少なくとも40%そして有益には少なくとも50
%である。しかしながら、本発明に従った方法のすべて
の利益及び特徴は、下記の説明や実施例を通読するとき
になお一層明らかになるであろう。
【0017】
【発明の具体的な説明】先に記載したように、本発明に
従った物質組成物は、第一にそれを構成する元素によっ
て、他方においてその製造法によって特徴づけられる。
便宜上、先ず、かかる活性相の構成元素について説明す
る。
【0018】かくして、本発明に従った組成物は、錫
と、酸素と、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、
モリブデン、タングステン、アルミニウム、ガリウム、
インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、燐、ヒ素、アンチ
モン、ビスマス、セレン及びテルルから選択される少な
くとも1種の元素とを基材とする。しかも、かかる組成
物は、錫対上記元素の合計のモル比が0.1〜10好ま
しくは0.5〜2になるようなものである。
【0019】本発明の特定の具体例に従えば、本発明の
組成物は、錫と、酸素と、バナジウム、ニオブ、タンタ
ル、クロム、モリブデン、タングステン、ガリウム及び
ビスマスから選択される少なくとも1種の元素とを含
む。
【0020】かかる物質組成物は、その構成元素の他
に、その製造法によって特徴づけられる。第一の方法
は、次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・この溶液を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することよりなる。本発明の特定の特徴に
従えば、上記溶液は、本発明に従った物質組成物のすべ
ての構成元素を基材とする。
【0021】かかる元素は、一般には無機若しくは有機
酸の塩の形態で、又は別法として酸化物若しくはそれら
の誘導体のような化合物の形態で使用される。示唆され
る酸又は化合物はすべて、塩が元素の対応する酸化物に
分解することができるかぎりかかる溶液の調製に適して
いる。
【0022】上記溶液の調製に好適な無機酸の塩の例と
しては、特に、硝酸塩、硫酸塩、1種若しくはそれ以上
のハロゲンを含むハロゲン化物又はアンモニウム塩を挙
げることができる。
【0023】有機酸の塩又は有機酸のエステルの例とし
ては、蟻酸、蓚酸、酒石酸、酢酸、アセチルアセトン酸
又はエチルヘキサン酸の塩又はエステルを挙げることが
できる。
【0024】先に記載したように、酸化物又はそれらの
誘導体も使用することが可能であり、そしてこれらの化
合物は、必要ならば混合物への酸又は塩基の添加によっ
て溶解される。酸化物の誘導体とは、特にオキシハライ
ド、アルコキシド、アリールオキシド又はグルコシド型
の化合物を意味するものと理解されたい。
【0025】これらの化合物はすべて、単独で又は混合
物の形態で使用することができることを理解されたい。
【0026】特定の化合物に限定するつもりはないが、
かかる溶液を調製するのに次の錫塩、例えば、硫酸錫、
塩化錫、臭化錫、弗化錫、臭化塩化錫、塩化沃化錫、酢
酸錫、蓚酸錫、酒石酸錫、2−エチルヘキサン錫、一酸
化錫、二酸化錫、錫エトキシド、錫メトキシド又は錫エ
チレングリコシドを使用することができる。
【0027】バナジウム基材化合物の例としては、特に
硫酸バナジル、バナジン酸アンモニウム、オキシハロゲ
ン化バナジウム例えば特にVOC13 、(VO2 )C
1、VOC1、VOBr、VOBr2 、VOF3 若しく
はVOF2 、VF4 、VBr2、VI2 、バナジルアセ
チルアセネート、蓚酸バナジル、メタバナジン酸、ヘキ
サカルボニルバナジウム、酸化バナジウムのトリイソプ
ロポキシド、又は例えばV25 、V713、VO、V
2 、V23 又はV37 のような酸化バナジウムを
挙げることができる。
【0028】使用することができるニオブ化合物として
は、塩化ニオブ、蓚酸ニオブ、オキシ塩化ニオブ、オキ
シ臭化ニオブ、ニオブエトキシド、ニオブフェノキシ
ド、又は例えばNb23 、Nb24 又はNb25
のような酸化ニオブを挙げることができるが、これらに
限定するつもりはない。
【0029】クロム基材化合物の例としては、硝酸塩、
硫酸塩、塩化物、臭化物、過塩素酸クロム、Cr23
のような酸化物、水酸化物、ヘキサカルボニルクロム、
酢酸クロム、蓚酸クロム、酒石酸クロム、クロムアセチ
ルアセトネート又は2−エチルヘキサン酸クロムを挙げ
ることができる。
【0030】モリブデン又はタングステンを供給する化
合物の例としては、特にアンモニウムジモリブデート、
アンモニウムヘプタモリブデート、アンモニウムメタタ
ングステート又はアンモニウムパラタングステートを挙
げることができる。
【0031】ガリウムを供給する化合物は、硝酸塩、硫
酸塩、塩化物、臭化物、オキシ塩化物、過塩素酸ガリウ
ム、特にGr23 のような酸化ガリウム、酢酸ガリウ
ム、蓚酸ガリウム、酒石酸ガリウム又はガリウムアセチ
ルアセネートから選択することができる。
【0032】溶解した元素の各々の濃度は、錫対他の元
素の合計のモル比が0.1〜10好ましくは0.5〜2
になるように調整される。
【0033】かくして、上記溶液は、活性相の構成元素
の塩を適当な溶剤中に溶解させることによって得られ
る。有益には、各元素の可溶化は水の存在下に実施され
る。しかしながら、かかる塩を容易に可溶化する限り任
意の他の有機溶剤例えばイソプロパノール又はt−ブタ
ノールのようなある種のアルコールを使用することは除
外されない。一般には、溶液の調製は撹拌下に実施され
る。構成元素を可溶化する際の温度は、一般には20℃
〜選択した溶剤の沸点の間である。一般には、溶液の濃
度は0.1〜5Mの間を変動する。溶液が一旦得られた
後に、それは乾燥される。
【0034】第一の具体例に従えば、乾燥は、2つの段
階で、即ち、混合物から溶剤を乾燥まで蒸発させること
よりなる第一段階及びかくして得られたペーストを乾燥
させることよりなる第二段階で実施される。一般には、
第一段階は、20〜100℃の温度で非流動性ペースト
を得るのに必要な時間実施される。蒸発は、一般には、
撹拌下に実施される。次いで、得られたペーストは、第
二段階において例えば酸素又は空気のような好ましくは
非還元性の雰囲気下に15時間の平均時間乾燥される。
乾燥温度は、一般には、およそ120℃である。
【0035】第二の具体例では、乾燥は、溶液を当業者
に知られた任意の手段によって噴霧化させることによっ
て実施される。かくして、限定するものではないが、フ
ランス特許第2,257,326号、同第2,419,
754号又は同第2,431,321号に記載される
“フラッシュ”型噴霧器又は“Buchi”型噴霧器が
この具体例に対して好適である。噴霧化温度は、一般に
は、150〜300℃程度である。噴霧化を実施する際
の雰囲気は、再び、好ましくは非還元性である。有益に
は、噴霧化は空気の下に実施されるけれども、かかる段
階に対して酸素を使用することもできる。
【0036】上記2つの具体例のどちらに従って得られ
た乾燥生成物も、次いで、焼成工程を受ける。これは、
通常、非還元性雰囲気下に実施される。有益にはこれは
空気の下に実施されるが、しかし酸素の下に実施するこ
ともできよう。焼成温度は、一般には、200〜1,2
00℃の間である。一般には、操作時間は1〜24時間
の間を変動する。焼成工程に先立って、乾燥生成物は粉
砕工程を受けることができる。焼成された生成物は、か
かる工程を随意に受けることができることに留意された
い。
【0037】本発明に従った組成物を製造する第二の方
法は、次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・元素を沈殿させ、 ・得られた混合物を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することよりなる。この具体例を第一の方
法から区別する主な特徴は、それが元素の中間沈殿段階
を含むことである。従って、本発明に従った組成物の構
成元素の溶液の調製並びに乾燥、焼成及び随意の粉砕段
階に関する先に記載したものはすべてそのままこの第二
の方法に当てはまるので、ここでは再び説明しないこと
にする。
【0038】本発明の特定の特徴に従えば、本発明に従
った組成物の構成元素の同時沈殿が実施される。
【0039】この変形例の実施には任意の種類の沈殿剤
が適しているが、但し、それは選択した媒体中に不溶性
の化合物の形態で1種以上の元素と結合するものとし、
またかかる不溶性化合物は結合した元素の酸化物を得る
のを可能にするものとする。沈殿は、1種以上の沈殿剤
を使用して実施することができることに留意されたい。
通常、かかる沈殿剤は、特に水性アンモニア型の塩基か
ら又は塩酸若しくはクエン酸のような無機若しくは有機
酸から選択される。申すまでもなく、沈殿剤の選択は上
記のもののみに限定されず、それらは一例として記載し
たに過ぎない。一般には、沈殿は撹拌下に実施される。
それを実施する際の温度は、一般には、20℃〜選択し
た溶剤の沸点の間を変動する。最後に、必要ならば、沈
殿段階の後に熟成段階を実施することができる。後者
は、沈殿物を懸濁状態に撹拌下におよそ30分〜4時間
の間維持することよりなる。熟成温度は、先に記載した
範囲内である。最後に、得られた混合物は、先に記載し
たような乾燥及び焼成操作の前にろ過されることができ
る。
【0040】本発明の第二の課題は、上記触媒的組成物
の製造法よりなる。この製造法は2つの特定の方法から
なるが、その第一の方法は、次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・得られた溶液を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することよりなる。本発明に従った組成物
を製造する第二の特定の方法は、次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・元素を沈殿させ、 ・得られた混合物を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することよりなる。本発明に従った組成物
の製造及び生成物の特徴に関する先に記載したものはす
べてそのままこの第二の課題に当てはまるので、ここで
は再び説明しないことにする。かくして、このことを言
及するだけで十分であろう。
【0041】本発明の第三の課題は、活性相が先に記載
した物質組成物を基材とする触媒よりなる。本発明の特
定の具体例に従えば、かかる触媒の活性相は、上記物質
組成物より本質上なる。従って、下記の説明において、
活性相とは本発明に従った物質組成物を意味すると、ま
た活性相の前駆物質とは本発明に従った組成物がその構
成元素の塩(これは乾燥され又は乾燥されない)の形態
にものを意味すると理解されたい。
【0042】本発明に従った触媒は、モノリス形態で又
は粒子形態で同等に具合よく提供することができる。触
媒が粒子よりなる場合には、その粒度は触媒の使用法に
左右される。かくして、それは、特に数μm〜約10m
mの間のような広い範囲内で変動することができる。よ
り具体的に言えば、一例として、固定床に使用される触
媒は、一般には0.5〜6mmの粒度分布を有する。流
動又は移動床に使用される触媒粒子の粒度は、粒子の8
0%が一般には5〜700μそして好ましくは5〜20
0μである。更に、本発明に従った触媒は、塊状で又は
担持された形態で提供することができる。
【0043】触媒が担体を含むような特定の場合には、
活性相は、後者の上に付着させても、又はそれを被覆し
ても又は別法としてその中に混入させてもいずれであっ
てもよい。担体の性状は、それが選択された反応条件下
に反応体に対して不活性でなければならないという事実
を別にして特に厳密なものではない。触媒担体として使
用されることができる物質としては、シリカ、アルミ
ナ、シリコアルミナ、焼成粘土、マグネシア、珪酸マグ
ネシウム又は珪藻土を挙げることができる。これらの種
類の担体は、好ましくは非孔質の形態で使用されること
ができる。必要ならば、それらを非孔質にするためにエ
ナメル被覆を実施することができる。
【0044】また、コージ−ライト、アルミナ、ムライ
ト、磁器、窒化珪素、炭化硼素及び炭化珪素型のセラミ
ック物質を使用することもできる。この種の物質は、チ
ャンネルを含むモノリシック形態の触媒の製造に特に好
適である。
【0045】触媒の組成の一部分を構成する担体の量
は、通常、広い範囲内で変動する。かくして、活性相を
担体に被覆又は付着させることによって得られる触媒
は、触媒の総重量(活性相+担体)の一般には1〜50
重量%好ましくは5〜35重量%の間の活性相量を有す
る。触媒が活性相中に分散された担体よりなる場合に
は、活性相の量は触媒の総重量の10〜90重量%の間
である。
【0046】本発明に従った触媒は、通常の方法を使用
することによって得ることができる。かくして、先に記
載の如き活性相より本質上なる塊状触媒は、モノリス又
は好適な粒度の粒子を生成するように押出、成形、粉
砕、破粋又は他の手段によって造形されることができ
る。担体を含む触媒の場合には、幾つかの方法が考えら
れれ得る。
【0047】第一の具体例に従えば、担体好ましくは粗
粒子の形態にある担体及び活性相又はその前駆物質が高
剪断ミキサー(Lodige型装置)で又は造粒装置
(ドラム又はプレート型の被覆装置)で接触される。操
作は、一般には、20〜150℃の温度において担体に
所望量の活性相を被覆させるのに必要な時間の間一般に
は空気の下に少なくとも30分の間実施される。かくし
て得られた粒子は、次いで、300〜600℃好ましく
は450〜500℃の温度で焼成することができる。乾
燥時間は、少なくとも3時間である。
【0048】触媒を製造する第二の可能な方法は、含浸
技術を適用することよりなる。この技術に従えば、担体
は、活性相又はその前駆物質の懸濁液で含浸される。同
様に、担体に活性相の構成元素の溶液を含浸させること
も可能である。含浸段階に続いて乾燥段階が実施される
が、これは一般には空気の下に100〜200℃の温度
で少なくとも30分間実施される。このとき、含浸/乾
燥サイクルを反復しそして後者を空気の下で400〜6
00℃の温度で約10時間の焼成で終了することが可能
である。可能な変形例は、含浸/乾燥サイクルの間で焼
成を実施することよりなる。
【0049】触媒を製造するための第三の方法に従え
ば、本発明に従った組成物の構成元素の溶液及び特に粒
子形態で提供される担体を含む混合物が調製される。か
くして得られた混合物は、次いで、本発明に従った組成
物製造法の2つの変形法に従って処理される。好ましく
は、第一変形法、即ち、構成元素の中間沈殿を行わずに
混合物を乾燥させることよりなる方法が使用される。こ
の方法は、被覆担持型の触媒を得るのを可能にする限り
において特に有益である。
【0050】勿論、これらの製造法はすべて単に一例と
して記載したに過ぎず、本発明はこれらに決して限定さ
れるものではない。
【0051】更に、本発明は、アルカン及び酸素源を含
むガス混合物を上記の如き触媒と接触させることよりな
る不飽和カルボン酸の製造法に関する。最後に、本発明
は、アルカン及び酸素源を含むガス混合物を、活性相が
錫と、酸素と、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ガリウ
ム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、燐、ヒ素、ア
ンチモン、ビスマス、セレン及びテルルから選択される
少なくとも1種の元素とを基材とし、しかも該活性相が
次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・元素を随意に沈殿させ、 ・この随意に処理した溶液を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することによって得ることができるところ
の触媒と接触させることよりなる不飽和カルボン酸の製
造法に関する。かかる活性相は、錫対上記元素の合計の
モル比が0.1〜10好ましくは0.5〜2になるよう
な組成を有する。
【0052】本発明の特定の具体例に従えば、活性相
は、錫及び酸素の他に、バナジウム、ニオブ、クロム、
モリブデン、タングステン、アンチモン、ガリウム又は
ビスマスから選択される少なくとも1種の元素を含む。
本発明に従った物質組成物の製造に関して先に記載した
ことはすべて、かかる錫基材触媒の触媒相の形成並びに
触媒の製造に知られそして一例として記載した様々な方
法に適用することができることは勿論である。
【0053】錫基材触媒を使用してアルカン及び酸素源
から不飽和カルボン酸を製造する方法について以下に説
明する。
【0054】ここに全く驚いたことに且つ予想外に、上
記の如き触媒の使用によって、公知の方法の使用によっ
て得られる選択率と比較して向上した選択率で不飽和カ
ルボン酸を得ることが可能になることが見い出された。
これは、反応体及び/又は副生物から最終生成物を分離
する後続の段階を簡素化するという利益を有する。この
簡素化の結果の1つは、未反応アルカンの再循環も容易
になり、これによって約10%程度のアルカンの転化率
の場合でさえもプロセスが工業化可能になるということ
である。かくして、カルボン酸の製造法は、アルカン及
び酸素源を含むガス混合物を触媒の存在下に反応させる
ことからなる。
【0055】本発明の特定の具体例に従えば、上記アル
カンは、3又は4個の炭素原子を追加的に有する非環式
化合物である。アルカンは好ましくはプロパンである。
アルカンの使用量に関しては特定の条件はない。しかし
ながら、形成した酸の分離という明白な理由のために、
少なくとも90%の純度を有するアルカンを使用するの
が好ましい。アルカンは、純粋な形態で又は反応条件下
に不活性な希釈剤ガス中に希釈された形態のどちらでも
使用することができる。本発明に従った方法で使用する
のに好適な希釈剤ガスは、特にヘリウム若しくはアルゴ
ンのような希ガス又は窒素である。
【0056】アルカンの酸化反応は、酸素源の存在下に
実施される。酸素源は、純酸素を又は不活性ガス中に希
釈された酸素を基材にしてよい。かくして、酸素源とし
て空気を使用することによって酸化反応を実施すること
が可能である。
【0057】本発明の特定の具体例に従えば、上記のガ
ス混合物は水を追加的に含む。驚いたことに、かかる酸
化反応は、たとえ水の不在下に実施したとしても、公知
の方法に比較して酸に対する向上した選択率を得ること
を可能にすることが認められた。
【0058】ガス混合物の組成は、広い範囲内で変動す
ることができる。ガス混合物とは、希釈剤ガス及び/又
は水を追加的に含むアルカン/酸素混合物を意味するも
のと理解されたい。特に言及したときを除いて、以下に
記載する百分率はすべてガス混合物の総容量で表わされ
る。一般には、ガス混合物中のアルカン含量は10〜7
0%である。特に、アルカン含量は少なくとも20%そ
して好ましくは少なくとも30%である。酸素含量も広
範囲にある。これは、一般には10〜70%である。使
用するガス中の含水量は、一般には0〜50%の間を変
動する。特定の具体例に従えば、上記混合物中の含水量
は0〜30%である。混合物中の希釈剤ガス含量は、一
般には0〜50%の間を変動する。特には、混合物は0
〜30%の希釈剤ガスを含む。
【0059】先に記載したように、ガス混合物の組成
は、それが好ましくは該混合物の爆発範囲の外に見い出
される程のものであることに留意された。これは、特
に、触媒の使用法に依存してガス混合物中のアルカン/
酸素比に影響を及ぼすことができる。例えば、触媒を固
定床で使用する特定の場合には、反応は、アルカン/酸
素比が少なくとも1であるガス混合物の存在下に実施す
ることができる。しかしながら、それよりも低い比率を
排除するものではない。
【0060】プロパン及び酸素源としての空気を使用し
て本発明を実施する特定の場合では、図1は、図1にお
いて白地領域によって表わされる3つの爆発範囲が存在
することを示しており、そしてこれらの範囲は次の組
成、 (プロパン%/空気%/水%):(13/87/0)、
(2/36/62)、(1/99/0)、 にそれぞれ相当する三角形にある。
【0061】プロパン及び酸素を含むガス混合物が使用
される本発明の方法の第二の特定の具体例に従えば、図
2は、室温における爆発範囲が、次の組成、 (プロパン%/酸素%/水%):(45/55/0)、
(1/11/88)、(1/99/0)、 の点によって境界を付けられた三角形の領域に相当する
ことを示す。
【0062】これらの2つの図は、本発明に従った方法
で使用されるガス混合物の組成が有益には先に記載の範
囲内にないことを明確に示している。かくして、ガス混
合物は、本発明に従った触媒と接触される。
【0063】本発明に従った方法を実施する際の装置
は、気相接触反応用の標準装置の一部分を構成してお
り、しかしてかかる標準装置を連続的に又は非連続的に
使用することが可能である。かくして、固定床、流動床
又は別法として移動床の触媒の存在下に反応を実施する
ことが可能である。
【0064】反応温度は、一般には250〜600℃そ
して好ましくは300〜500℃である。反応ガス混合
物の全圧は、大気圧よりも高くても又はそれに等しくて
もよい。それは、一般には1〜6気圧そして特に1〜4
気圧である。ガス流量は、時間当たりの容積流量が10
0〜10,000/hそして好ましくは200〜3,6
00/hになるように定められる。時間当たりの容積流
量は、総ガス容量/触媒容量/時間比と定義される。当
業者には、製造対象物に依存して温度、ガス流量、使用
する触媒の正確な性状及び種々の他の反応パラメーター
の間で妥協点を見い出すことができるであろう。
【0065】形成されたカルボン酸は、慣用される方法
に従って副生物又は反応体から分離される。かくして、
公知の方法は、水又は任意の高沸点溶剤を使用して反応
混合物を冷却させることよりなる。このとき、形成され
たカルボン酸は、適当な溶剤で特にアクリル酸の特定の
場合には酢酸エチルで抽出され、次いで分離されそして
蒸留によって精製される。
【0066】
【実施例】ここで本発明の実施例について説明するが、
これらは本発明を限定するものではない。すべての実施
例において、特に記していなければ、使用される略語は
次の意味を有する。 ・DCC3H8=プロパンの転化度 =転化されたプロパン%/導入されたプロパン% ・SACRY=アクリル酸に対する選択率 =アクリル酸に転化されたプロパン%/転化されたプロ
パン% ・SC3H6=プロピレンに対する選択率 =プロピレンに転化されたプロパン%/転化されたプロ
パン% ・SCOx =一酸化炭素及び二酸化炭素に対する選択率 =一酸化炭素及び二酸化炭素に転化されたプロパン%/
転化されたプロパン%
【0067】実施例1 (a)触媒の調製 35.32gの(NH46 Mo724・4H2 Oを2
00cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘ
プタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)、そして4
5.13gのSnC12 ・2H2 Oを数滴の濃塩酸で酸
性化した200cm3 の脱イオン水中に溶解させること
によって塩化錫の溶液(b)をそれぞれ調製した。撹拌
される反応器において、溶液(b)を溶液(a)に加え
た。得られた混合物の組成は、Sn/Mo原子比が1/
1になる程のものであった。この混合物を加熱し、そし
て水性アンモニアをpHが中性になるまで加えた。得ら
れた沈殿物を焼結ガラスでろ過し、そして100cm3
の脱イオン水で洗浄した。この沈殿物を次いで120℃
で約15時間乾燥させ、乳鉢で粉砕し次いで空気下に5
00℃で3時間焼成した。得られた焼成生成物の20g
を100cm3 の脱イオン水中に導入し、そして撹拌下
に70℃で約30分間加熱した。得られた懸濁液を、次
いで、平均直径4.8mmの粘土ビーズからなる123
gの不活性担体に付着させた。次いで、乾燥を120℃
で2時間実施し、そして乾燥生成物を480℃で6時間
焼成した。得られた触媒は、粘土ビーズに付着された1
1重量%の活性相からなっていた。
【0068】(b)水の存在下における触媒の性能測定 上で調製した触媒を、次の操作条件下にプロパンの酸化
について試験した。 ・反応混合物の組成 65容量%のプロパン、5容量%の酸素、20容量%の
水、10容量%の窒素 ・触媒容量(活性相+粘土ビーズ)=20cm3 ・合成混合物の総流量=40リットル/h ・時間当たりの容積流量(HVR)=2000/h ・絶対圧=1気圧 ・反応器へのガスの流入温度=150〜550℃、工程
毎に20℃の上昇。 反応器出口におけるガスの含量を気相クロマトグラフィ
ーによって測定した。かかる触媒で得られた結果を次の
表に記載する。
【0069】
【表1】
【0070】実施例2 本例は、水の不在下におけるプロパンの酸化に対して例
1に記載の触媒を適用することに関する。かくして、触
媒は、次の操作条件下に使用された。 ・反応混合物の組成 50容量%のプロパン、20容量%の酸素、30容量%
の窒素 ・触媒容量(活性相+粘土ビーズ)=20cm3 ・合成混合物の総流量=40リットル/h ・時間当たりの容積流量(HVR)=2000/h ・絶対圧=1気圧。 得られた結果を次の表に記載する。
【0071】
【表2】
【0072】比較例3 (a)組成CeMoOx の触媒の調製 52.98gの(NH46 Mo724・4H2 Oを2
00cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘ
プタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)、そして8
9.53gのCe(NO33 ・6H2 Oを200cm
3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸セリウ
ムの溶液(b)をそれぞれ調製した。激しく撹拌される
反応器において、溶液(b)を溶液(a)に加えた。得
られる混合物の組成は、Ce/Mo原子比が2/3にな
る程のものであった。この混合物を100〜110℃で
蒸発させ、そして得られたペーストを120℃で約15
時間乾燥させた。次いで、得られた生成物を乳鉢で粉砕
し次いで空気下に550℃で16時間焼成した。かくし
て得られた焼成生成物の20gを平均直径4.8mmの
粘土ビーズからなる123gの不活性担体に付着させ
た。次いで、乾燥を120℃で2時間実施し、そして焼
成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒
は、11.5重量%の活性相からなっていた。
【0073】(b)比較触媒の性能測定 この触媒を例1及び2に記載の試験条件下にプロパンの
酸化について試験した。かかる触媒で得られた結果を次
の表に記載する。
【0074】
【表3】
【0075】かくして、この触媒はプロパンを転化させ
るためには温度を少なくとも450℃にすることが必要
であるので本発明の触媒よりもずっと活性が低いこと、
及びこれは本発明の触媒よりもアクリル酸に対して選択
性がずっと低いことを認めることができる。
【0076】比較例4 (a)組成MoO3 /SnO2 の触媒の調製 260cm3 の脱イオン水中において64.8gのMo
3 及び7.5gのSnO2 を撹拌下に混合させた。こ
の混合物を2時間半沸騰させ、得られた混合物を120
℃で18時間乾燥させ、次いで乾燥生成物を空気下に6
50℃で6時間焼成した。次いで、得られた生成物を平
均直径4.8mmの粘土ビーズからなる50gの不活性
担体に付着させた。次いで、乾燥を120℃で2時間実
施し、そして焼成を480℃で8時間実施した。かくし
て得られた触媒は9.6重量%の活性相からなり、これ
は1/9のSn/Mo原子比に相当する。
【0077】(b)比較触媒の性能測定 この触媒を例1及び2に記載の試験条件下にプロパンの
酸化について試験した。かかる触媒で得られた結果を次
の表に記載する。
【0078】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】混合物の爆発範囲を示すプロパン/空気/水三
成分図である。
【図2】混合物の爆発範囲を示すプロパン/酸素/水+
希釈剤三成分図である。

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫と、酸素と、バナジウム、ニオブ、タ
    ンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニ
    ウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、
    燐、アンチモン、ヒ素、ビスマス、セレン及びテルルか
    ら選択される少なくとも1種の元素とを基材とし、そし
    て次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・この溶液を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することによって得ることができる物質組
    成物。
  2. 【請求項2】 錫と、酸素と、バナジウム、ニオブ、タ
    ンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニ
    ウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、
    燐、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン及びテルルか
    ら選択される少なくとも1種の元素を基にし、そして次
    の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・元素を沈殿させ、 ・得られた混合物を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することによって得ることができる物質組
    成物。
  3. 【請求項3】 錫と、酸素と、バナジウム、ニオブ、ク
    ロム、モリブデン、タングステン、ガリウム及びビスマ
    スから選択される少なくとも1種の元素を基材とするこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の物質組成物。
  4. 【請求項4】 錫対元素の合計のモル比が0.1〜1
    0、好ましくは0.5〜2であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか一項記載の物質組成物。
  5. 【請求項5】 溶液が水溶液であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項記載の物質組成物。
  6. 【請求項6】 構成元素が、硝酸塩、アンモニウム塩、
    硫酸塩、塩化物、臭化物、沃化物又はそれらの混合物か
    ら選択される無機酸の可溶性塩の形態で使用されること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の物質組
    成物。
  7. 【請求項7】 構成元素が、蟻酸塩、蓚酸塩、酒石酸
    塩、酢酸塩、アセチルアセトネートン、エチルヘキサン
    酸塩又はそれらの混合物から選択される有機酸の可溶性
    塩の形態で使用されることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか一項記載の物質組成物。
  8. 【請求項8】 構成元素が、酸化物又はオキシハライ
    ド、アルコキシド、アリールオキシド若しくはグリコキ
    シドのようなそれらの誘導体から選択される可溶性化合
    物であり、そしてこれらの化合物が必要ならば酸又は塩
    基の添加によって溶解されることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一項記載の物質組成物。
  9. 【請求項9】 アンモニア水のような塩基、又は塩酸若
    しくはクエン酸のような無機若しくは有機酸から選択さ
    れる沈殿剤が溶液に加えることを特徴とする請求項2〜
    8のいずれか一項記載の物質組成物。
  10. 【請求項10】 得られた混合物が30分〜4時間の期
    間の間撹拌しながら熟成工程を施こされることを特徴と
    する請求項9記載の物質組成物。
  11. 【請求項11】 混合物の乾燥が空気の下で蒸発によっ
    て実施されることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    か一項記載の物質組成物。
  12. 【請求項12】 混合物の乾燥が空気の下で温度150
    °〜300℃の温度において噴霧化によって実施される
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項記載の
    物質組成物。
  13. 【請求項13】 乾燥させた生成物の焼成が空気の下で
    実施されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    一項記載の物質組成物。
  14. 【請求項14】 焼成が200°〜1200℃の温度で
    1〜24時間実施されることを特徴とする請求項13記
    載の物質組成物。
  15. 【請求項15】 粉砕段階が、焼成前に及び/又は焼成
    後に実施されることを特徴とする請求項1〜14のいず
    れか一項記載の物質組成物。
  16. 【請求項16】 次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・この溶液を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することを特徴とする請求項1、3〜8及
    び10のいずれか一項記載の物質組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】 次の段階、 ・組成物の構成元素の溶液を調製し、 ・元素を沈殿させ、 ・得られた混合物を乾燥させ、 ・乾燥させた生成物を焼成する、 各段階を実施することを特徴とする請求項2〜15のい
    ずれか一項記載の物質組成物の製造方法。
  18. 【請求項18】 活性相が請求項1〜15のいずれか一
    項記載の物質組成物であることからなる触媒。
  19. 【請求項19】 モノリス形態又は粒子形態の担体を含
    むことを特徴とする請求項18記載の触媒。
  20. 【請求項20】 アルカン及び酸素源を含むガス混合物
    を請求項18及び19のいずれかに記載の触媒の存在下
    に反応させることを特徴とする不飽和カルボン酸を気相
    で製造する方法。
  21. 【請求項21】 アルカン及び酸素源を含むガス混合物
    を、錫と酸素とバナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
    ム、モリブデン、タングステン、アンチモン、ビスマ
    ス、テルル、セレン、燐、ヒ素、ゲルマニウム、アルミ
    ニウム及びケイ素から選択される少なくとも1種の元素
    とを含む活性相を有する触媒の存在下に反応させること
    を特徴とする不飽和カルボン酸を気相で製造する方法。
  22. 【請求項22】 錫と酸素とバナジウム、ニオブ、クロ
    ム、モリブデン、タングステン、アンチモン、ガリウム
    及びビスマスから選択される少なくとも1種の元素とを
    基材とした活性相を有する触媒が使用されることを特徴
    とする請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 活性相が錫対元素の合計のモル比が
    0.1〜10、好ましくは0.5〜2になるような組成
    を有するところの触媒が使用されることを特徴とする請
    求項21又は22記載の方法。
  24. 【請求項24】 反応が、3個又は4個の炭素原子を含
    む非環式アルカンで実施されることを特徴とする請求項
    20〜23のいずれか一項記載の方法。
  25. 【請求項25】 反応がプロパンの存在下に実施される
    ことを特徴とする請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 アルカンが、純粋の形態で又はアルゴ
    ン若しくはヘリウムのような希ガス或は窒素から選択さ
    れる不活性ガス中の希釈形態で使用されることを特徴と
    する請求項請求項20〜25のいずれか一の方法。
  27. 【請求項27】 空気或は酸素が酸素源として使用され
    ることを特徴とする請求項請求項20〜26のいずれか
    一項記載の方法。
  28. 【請求項28】 反応が水の存在下に実施されることを
    特徴とする請求項20〜27のいずれか一項記載の方
    法。
  29. 【請求項29】 反応が、爆発範囲外の組成を有するガ
    ス混合物で実施されることを特徴とする請求項20〜2
    8のいずれか一項記載の方法。
  30. 【請求項30】 反応が、10〜70容量%、特に少な
    くとも20容量%、好ましくは少なくとも30容量%の
    アルカン含量で実施されることを特徴とする請求項20
    〜29のいずれか一項記載の方法。
  31. 【請求項31】 反応が、10〜70%の酸素含量で実
    施されることを特徴とする請求項20〜30のいずれか
    一項記載の方法。
  32. 【請求項32】 反応が、0〜50%好ましくは0〜3
    0%の含水量で実施されることを特徴とする請求項20
    〜31のいずれか一項記載の方法。
  33. 【請求項33】 反応が、0〜50%好ましくは0〜3
    0%の希釈剤ガス含量で実施されることを特徴とする請
    求項20〜32のいずれか一項記載の方法。
  34. 【請求項34】 反応が、250°〜600℃好ましく
    は300°〜500℃の温度で実施されることを特徴と
    する請求項20〜33のいずれか一項記載の方法。
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