JP2014199446A - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】
室温での粘度変化を引き起こしにくく、配向剤塗布時のハジキや製膜した配向膜の白化が発生しない液晶配向剤を提供すること。また、この配向剤より得られる液晶配向膜を有する残像特性に優れ、かつ配向安定性の良い液晶表示素子を提供すること。
【解決手段】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体と、溶媒とを含有してなる溶液であり、前記溶媒が下記式(A)で表される化合物の少なくとも1つを含有する液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成する。
【化179】
Figure 2014199446

式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示素子の液晶配向膜を形成するために用いる液晶配向剤および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、室温での粘度変化を引き起こしにくく、配向剤塗布時のハジキや製膜した配向膜の白化が発生しない液晶配向剤およびそれから得られた液晶配向膜を備えた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、透明電極や金属電極が設けられている基板表面にポリアミック酸、ポリイミドなどからなる液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してその間隙内に液晶層を形成してサンドイッチ構造のセルとしている。この液晶配向膜は、一般的には、電極上に形成されたポリイミド膜の表面に、いわゆる「ラビング処理」を行って作製している。また、ラビングを行わない、垂直配向膜、偏光UVを照射する光配向膜なども利用されている。
通常配向膜の形成は、印刷法やインクジェット法が用いられているが、最近の液晶表示素子の高品質化に伴い、配向膜形成時の印刷ムラが表示特性に影響を及ぼすようになってきており、良好な製膜性の確保がよりいっそう重要になってきている(特許文献1など参照)。
配向膜製膜時に見られる製膜不良の原因の1つは、室温における配向剤の粘度低下が挙げられる。液晶配向剤の印刷は室温で行われるため、粘度低下による膜厚ムラなどが問題となっている。また、配向剤塗布時にハジキが発生してピンホールなどが発生しやすくなる現象や、配向剤が吸湿して配向剤そのものや配向膜が白化する現象も問題となっている。さらにこれらの液晶配向膜の膜厚ムラ、ピンホール、白化現象が液晶パネルの配向性、残像特性の不具合に繋がることが知られている(特許文献2および3など参照)。
特開2009−37222 特開平10−274772 国際公開第2009/148100
本発明は、室温での粘度変化を引き起こしにくく、配向剤塗布時のハジキや製膜した配向膜の白化が発生しない液晶配向剤を提供することを目的とする。また、この配向剤より得られる液晶配向膜を有する残像特性に優れ、かつ配向安定性の良い液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は以下の構成からなる。
[1] テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体と、溶媒とを含有してなる溶液であり、前記溶媒が下記式(A)で表される化合物の少なくとも1つを含有する液晶配向剤:
Figure 2014199446
式中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキルである。
[2] 式(A)で表される化合物が下記式(A−1)〜(A−6)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶配向剤。
Figure 2014199446
[3] 式(A)で表される化合物が式(A−1)、(A−4)および(A−6)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[2]項に記載の液晶配向剤。
[4] 溶媒がエチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、2−メチル−1,3−プロピレンカーボネート、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルフェニルエーテル、エチレングリコールエチルフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸n−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸2−メチルシクロヘキシル、プロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−イソ酪酸メチル、2−メチルペンタノン−2、4−ジオール、t−ブチルアルコール、トリエチルカルビノール、t−アミルアルコール、1−メチルシクロヘキサノール、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジオール、n−ブチルアルコール、ビス(3−メチルブチル)エーテル、ジn−ペンチルエーテル(ジアミルエーテル)、4−ヘプタノン、5−ノナノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、酢酸4−メチル−2−ペンチル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、乳酸n−ブチルエステル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ダイアセトンアルコール)、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−(2−メトキシプロポキシ)プロパノール、2−ヒドロキシエチルアセテート、2,4−ペンタンジオン、エチル−3−エトキシプロピオネート、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1,3−ジオキソラン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、ブチロフェノン、およびジイソブチルケトンからなる貧溶媒の群から選択される少なくとも1つを含有する、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
[5] 溶媒がN−アルキル−2−ピロリドン類、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ラクトン類および1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン類からなる良溶媒の群から選択される少なくとも1つを含有する、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
[6] 良溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1つである、前記[5]項に記載の液晶配向剤。
[7] ジアミンと反応させるテトラカルボン酸二無水物が、下記式(AN−I)〜(AN−VII)および(PAN−1)〜(PAN−8)で表されるテトラカルボン酸二無水物の群から選ばれる少なくとも1つである、前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の液晶配向剤:
Figure 2014199446
式(AN−I)、(AN−IV)および(AN−V)において、Xは独立して単結合または−CH−であり;
式(AN−II)において、Gは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−であり;
式(AN−II)〜(AN−IV)において、Yは独立して下記の3価の基の群から選ばれる1つであり、結合手は任意の炭素に連結しており、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられてもよく、
Figure 2014199446
式(AN−III)〜(AN−V)において、環Aは炭素数3〜10の単環式炭化水素の基または炭素数6〜30の縮合多環式炭化水素の基であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられていてもよく、環に掛かっている結合手は環を構成する任意の炭素に連結しており、2本の結合手が同一の炭素に連結してもよく;
式(AN−VI)において、X10は炭素数2〜6のアルキレンであり、Meはメチルを表し、Phはフェニルを表し;
式(AN−VII)において、G10は独立して−O−、−COO−または−OCO−であり、そして、rは独立して0または1である。
Figure 2014199446
[8] ジアミンと反応させるテトラカルボン酸二無水物が下記式(AN−1−1)、(AN−1−13)、(AN−2−1)、(AN−2−2)、(AN−3−1)、(AN−3−2)、(AN−4−1)、(AN−4−5)、(AN−4−6)、(AN−4−17)、(AN−4−21)、(AN−4−26)、(AN−4−30)、(AN−9−1)、(AN−13−1)、(AN−16−1)および(PAN−1)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、前記[7]項に記載の液晶配向剤:
Figure 2014199446
式(AN−4−17)において、mは1〜12の整数であり;式(AN−13−1)において、Phはフェニルを表す。
[9] テトラカルボン酸二無水物と反応させるジアミンが、下記式(DI−1)〜(DI−16)、(DIH−1)〜(DIH−3)、(DI−31)〜(DI−35)および(PDI−1)〜(PDI−12)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の液晶配向剤:
Figure 2014199446

式(DI−1)において、G20は、−CH−であり、少なくとも1つの−CH−は−NH−、−O−に置き換えられてもよく、mは1〜12の整数であり、アルキレンの少なくとも1つの水素は−OHに置き換えられてもよく;
式(DI−3)および(DI−5)〜(DI−7)において、G21は独立して単結合、−NH−、−NCH−、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONCH−、−C(CH−、−C(CF−、−(CHm’−、−O−(CHm’−O−、−N(CH)−(CH−N(CH)−、−(O−Cm’−O−、−O−CH−C(CF−CH−O−、−O−CO−(CHm’−CO−O−、−CO−O−(CHm’−O−CO−、−(CHm’−NH−(CHm’−、−CO−(CH−NH−(CH−、−(NH−(CHm’−NH−、−CO−C−(NH−C−CO−、または−S−(CHm’−S−であり、m’は独立して1〜12の整数であり、kは1〜5の整数であり、nは1または2であり;
式(DI−4)において、sは独立して0〜2の整数であり;
式(DI−2)〜(DI−7)中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の少なくとも1つの水素は、−F、−Cl、炭素数1〜3のアルキレン、−OCH、−OH、−CF、−COH、−CONH、−NHC、フェニル、またはベンジルで置き換えられてもよく、加えて式(DI−4)においては、下記式(DI−4−a)〜(DI−4−e)で置き換えられていてもよく;
環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し、シクロヘキサン環またはベンゼン環への−NHの結合位置は、G21またはG22の結合位置を除く任意の位置であり;
Figure 2014199446
式(DI−4−a)および(DI−4−b)において、R20は独立して水素または−CHであり;
Figure 2014199446
式(DI−11)において、rは0または1であり;
式(DI−8)〜(DI−11)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置であり;
Figure 2014199446
式(DI−12)において、R21およびR22は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、G23は独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、wは1〜10の整数であり;
式(DI−13)において、R23は独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシまたは−Clであり、pは独立して0〜3の整数であり、qは0〜4の整数であり;
式(DI−14)において、環Bは単環の複素環式芳香族基であり、R24は水素、−F、−Cl、炭素数1〜6のアルキル、アルコキシ、ビニル、アルキニルであり、qは独立して0〜4の整数であり;
式(DI−15)において、環Cは複素環式芳香族基または複素環式脂肪族基であり;
式(DI−16)において、G24は単結合、炭素数2〜6のアルキレンまたは1,4−フェニレンであり、rは0または1であり;
環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し;
式(DI−13)〜(DI−16)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置であり;
Figure 2014199446
式(DIH−1)において、G25は単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−であり;
式(DIH−2)において、環Dはシクロヘキサン環、ベンゼン環またはナフタレン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよく;
式(DIH−3)において、環Eはそれぞれ独立してシクロヘキサン環、またはベンゼン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよく、Yは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−であり;
式(DIH−2)および(DIH−3)において、環に結合する−CONHNHの結合位置は、任意の位置であり;
Figure 2014199446
式(DI−31)において、G26は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、または−(CHm’−であり、m’は1〜12の整数であり、R25は炭素数3〜30のアルキル、フェニル、ステロイド骨格を有する基、または下記の式(DI−31−a)で表される基であり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの水素は−Fで置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの−CH2−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、このフェニルの水素は、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF2、−OCF3、炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシで置き換えられていてもよく、ベンゼン環に結合する−NHの結合位置はその環において任意の位置であることを示し、
Figure 2014199446
式(DI−31−a)において、G27、G28およびG29は結合基であり、これらは独立して単結合、または炭素数1〜12のアルキレンであり、このアルキレンの1以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−で置き換えられていてもよく、環B21、環B22、環B23および環B24は独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイルまたはアントラセン−9,10−ジイルであり、環B21、環B22、環B23および環B24において、少なくとも1つの水素は−Fまたは−CHで置き換えられてもよく、s、tおよびuは独立して0〜2の整数であって、これらの合計は1〜5であり、s、tまたはuが2であるとき、各々の括弧内の2つの結合基は同じであっても異なってもよく、そして、2つの環は同じであっても異なっていてもよく、R26は−F、−OH、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のフッ素置換アルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHF、または−OCFであり、この炭素数1〜30のアルキルの少なくとも1つの−CH−は下記式(DI−31−b)で表される2価の基で置き換えられていてもよく、
Figure 2014199446
式(DI−31−b)において、R27およびR28は独立して炭素数1〜3のアルキルであり、vは1〜6の整数であり;
Figure 2014199446
式(DI−32)および式(DI−33)において、G30は独立して単結合、−CO−または−CH2−であり、R29は独立して水素または−CHであり、R30は水素、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルケニルであり;
式(DI−33)におけるベンゼン環の1つの水素は、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルで置き換えられてもよく、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し;
式(DI−32)および式(DI−33)において、ベンゼン環に結合する−NHはその環における結合位置が任意であることを示し;
Figure 2014199446
式(DI−34)および式(DI−35)において、G31は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり、G32は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、R31は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルの少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、R32は炭素数6〜22のアルキルであり、R33は水素または炭素数1〜22のアルキルであり、環B25は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、rは0または1であり;そしてベンゼン環に結合する−NHはその環における結合位置が任意であることを示し;
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(PDI−7)において、R51は独立して−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、bは独立して0〜2の整数であり;
式(PDI−12)において、R43は炭素数1〜10のアルキルまたはアルコキシであり、少なくとも1つの水素はフッ素に置き換えられてもよい。
[10] テトラカルボン酸二無水物と反応させるジアミンが、下記式(DI−1−3)、(DI−2−1)、(DI−4−1)、(DI−4−5)、(DI−5−1)、(DI−5−5)、(DI−5−9)、(DI−5−30)、(DI−5−37)、(DI−7−3)、(DI−8−2)、(DI−12−1)、(DI−13−1)、(DI−14−8)、(DIH−2−1)、(DI−31−2)、(DI−31−5)、(DI−31−47)、(DI−34−2)、(DI−34−4)、(DI−34−7)、(PDI−6−1)、および(PDI−7−1)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、前記[9]項に記載の液晶配向剤:
Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(DI−5−1)、(DI−5−37)および(DI−7−3)において、mは1〜12の整数であり;
式(DI−5−30)において、kは1〜5の整数であり;
式(DI−7−3)において、nは1または2であり;
式(DI−31−2)において、R34は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり;
式(DI−31−5)において、R35は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり;
式(DI−34−2)において、R40は水素または炭素数1〜20のアルキルであり;
式(DI−34−4)および式(DI−34−7)において、R41は水素または炭素数1〜12のアルキルである。
[11] アルケニル置換ナジイミド化合物、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つをさらに含有する、前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
[12] アルケニル置換ナジイミド化合物が、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、およびN,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、前記[11]項に記載の液晶配向剤。
[13] ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物が、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、エチレンビスアクリレート、および4,4’−メチレンビス(N,N−ジヒドロキシエチレンアクリレートアニリン)からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、前記[11]項に記載の液晶配向剤。
[14] エポキシ化合物が、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、前記[11]項に記載の液晶配向剤。
[15] 前記[1]〜[14]のいずれか1項に記載の液晶配向剤によって形成された液晶配向膜。
[16] 前記[15]項に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
本発明は、室温での粘度変化を引き起こしにくく、配向剤塗布時のハジキや製膜した配向膜の白化が発生しない液晶配向剤を提供することができる。また、それから得られた液晶配向膜を備えた液晶表示素子は残像特性に優れ、かつ配向安定性の良い液晶表示素子を提供することができる。
本発明の液晶配向剤は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応生成物であるポリアミック酸またはその誘導体を含有する。前記テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、感光性テトラカルボン酸二無水物、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。前記ジアミンとしては、例えば、感光性ジアミン、非側鎖型ジアミン、側鎖型ジアミン、ヒドラジドなどが挙げられる。前記ポリアミック酸またはその誘導体とは、溶剤を含有する後述する液晶配向剤としたときに溶剤に溶解する成分であり、その液晶配向剤を後述する液晶配向膜としたときに、ポリイミドを主成分とする液晶配向膜を形成することができる成分である。このようなポリアミック酸の誘導体としては、例えば可溶性ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリヒドラジド酸、ポリアミック酸アミド、およびポリヒドラジド酸−アミド酸等が挙げられ、より具体的には1)ポリアミック酸の全てのアミノとカルボキシルとが脱水閉環反応したポリイミド、2)部分的に脱水閉環反応した部分ポリイミド、3)ポリアミック酸のカルボキシルがエステルに変換されたポリアミック酸エステル、4)テトラカルボン酸二無水物化合物に含まれる酸二無水物の一部を有機ジカルボン酸に置き換えて反応させて得られたポリアミック酸−ポリアミド共重合体、さらに5)該ポリアミック酸−ポリアミド共重合体の一部もしくは全部を脱水閉環反応させたポリアミドイミド等が挙げられる。前記ポリアミック酸重合体およびポリイミド重合体は、1種の化合物であってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明で用いる用語について説明する。化学構造式を定義する際に用いる「任意の」は、位置だけでなく個数についても任意であることを示す。化学構造式において、文字(例えばA)を六角形で囲った基は環構造の基(環A)であることを意味する。
本発明の前記ポリアミック酸重合体およびポリイミド重合体を製造する為に使用するテトラカルボン酸二無水物について説明する。以下において「テトラカルボン酸二無水物」との記載はテトラカルボン酸二無水物が単独で用いられる場合を表すだけでなく、複数のテトラカルボン酸二無水物が混合物として用いられる場合をも表している。
本発明の液晶配向剤から形成される配向膜は、必要があれば、ラビング処理または光照射によって異方性を付与してもよい。
光照射によって異方性を付与する際には、本発明の液晶配向剤を基板に塗付し、予備加熱によって乾燥させた後、偏光板を介して紫外線の直線偏光を照射すると、偏光方向に概ね平行しているポリマー主鎖の、感光性ジアミンに由来する感光性基が光異性化を起こす。偏光方向に概ね平行しているポリマーの主鎖が選択的に光異性化または光二量化されることによって、膜を形成しているポリマーの主鎖は、照射した紫外線の偏光方向に対して概ね直角方向に向いた成分が支配的になる。そのため、基板を加熱してポリアミック酸を脱水・閉環させてポリイミド膜とした後、この基板を用いて組み立てたセルに注入された液晶組成物の液晶分子は、照射した紫外線の偏光方向に対して直角の方向に長軸を揃えて配向する。膜に紫外線の直線偏光を照射する工程は、ポリイミド化のための加熱工程の前でもよく、加熱してポリイミド化した後であってもよい。
本発明のポリアミック酸およびその誘導体を製造する為に使用するテトラカルボン酸二無水物について説明する。
本発明に使用されるテトラカルボン酸二無水物は、公知のテトラカルボン酸二無水物から制限されることなく選択することができる。このようなテトラカルボン酸二無水物は、芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、および芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)、感光性テトラカルボン酸二無水物の何れの群に属するものであってもよい。
このようなテトラカルボン酸二無水物の好適な例としては、原料入手の容易さや、ポリマー重合時の容易さ、膜の電気特性の点から、式(AN−I)〜(AN−VII)および式(PAN−1)〜(PAN−8)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 2014199446
式(AN−I)、(AN−IV)および(AN−V)において、Xは独立して単結合または−CH−である。式(AN−II)において、Gは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。式(AN−II)〜(AN−IV)において、Yは独立して下記の3価の基の群から選ばれる1つであり、結合手は任意の炭素に連結しており、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられてもよい。
Figure 2014199446
式(AN−III)〜(AN−V)において、環Aは炭素数3〜10の単環式炭化水素の基または炭素数6〜30の縮合多環式炭化水素の基であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられていてもよく、環に掛かっている結合手は環を構成する任意の炭素に連結しており、2本の結合手が同一の炭素に連結してもよく、式(AN−VI)において、X10は炭素数2〜6のアルキレンであり、Meはメチルを表し、Phはフェニルを表す。そして、式(AN−VII)において、G10は独立して−O−、−COO−または−OCO−であり、rは独立して0または1である。
さらに詳しくは以下の式(AN−1)〜(AN−16−14)の式で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 2014199446
式(AN−1)において、G11は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレン、または1,4−シクロヘキシレンである。X11は独立して単結合または−CH−である。G12は独立して下記の3価の基のどちらかである。
Figure 2014199446
12が>CH−であるとき、CHの水素は−CHに置き換えられてもよい。G12が>N−であるとき、G11が単結合および−CH−であることはなく、X11は単結合であることはない。そしてR11は水素または−CHである。式(AN−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
式(AN−1−2)および(AN−1−14)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2014199446
式(AN−2)において、R12は独立して水素、−CH、−CHCH、またはフェニルである。式(AN−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−3)において、環A11はシクロヘキサン環もしくはベンゼン環である。式(AN−3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−4)において、環A11はシクロヘキサン環もしくはベンゼン環である。G13は単結合、−(CH−、−O−、−S−、−C(CH−、−SO−、−CO−、−C(CF−、または下記の式(G13−1)で表される2価の基であり、mは1〜12の整数である。
Figure 2014199446
式(G13−1)において、G13aおよびG13bはそれぞれ独立して、単結合、−O−または−NHCO−で表される2価の基である。フェニレンは、1,4−フェニレンおよび1,3−フェニレンが好ましい。式(AN−4)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(AN−4−17)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−5)において、R11は水素、または−CHである。ベンゼン環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていないR11は、ベンゼン環における結合位置が任意であることを示す。式(AN−5)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−6)において、X11は独立して単結合または−CH−である。X12は−CH−、−CHCH−または−CH=CH−である。nは1または2である。式(AN−6)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−7)において、X11は単結合または−CH−である。式(AN−7)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−8)において、X11は単結合または−CH−である。R12は水素、−CH、−CHCH、またはフェニルであり、環A12はシクロヘキサン環もしくはシクロヘキセン環である。式(AN−8)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−9)において、rはそれぞれ独立して0または1である。式(AN−9)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
式(AN−10)は下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−11)において、環A11は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。式(AN−11)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−12)において、環A11はそれぞれ独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。式(AN−12)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−13)において、X13は炭素数2〜6のアルキレンであり、Phはフェニルを表す。式(AN−13)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−14)において、G14は独立して−O−、−COO−または−OCO−であり、rは独立して0または1である。式(AN−14)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(AN−15)において、wは1〜10の整数である。式(AN−15)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
上記以外のテトラカルボン酸二無水物として、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2014199446
本発明において、前記感光性テトラカルボン酸二無水物として、以下の式(PAN−1)〜(PAN−8)を挙げることができる。
Figure 2014199446
液晶表示素子の配向性を向上させることを重視する場合には、上記の酸二無水物のうち、式(AN−1−13)、(AN−2−1)、(AN−2−2)、(AN−4−17)および(PAN−1)で表される化合物が特に好ましい。
液晶表示素子の透過率を向上させることを重視する場合には、上記の酸二無水物のうち、式(AN−1−1)、(AN−1−13)、(AN−2−1)、(AN−2−2)、(AN−3−1)、(AN−4−1)、(AN−4−30)、(AN−9−1)、(AN−13−1)、および(AN−16−1)で表される化合物が特に好ましい。
液晶表示素子の電気特性を向上させることを重視する場合には、上記の酸二無水物のうち、式(AN−3−2)、(AN−4−5)、(AN−4−6)、(AN−4−21)、(AN−4−26)および(AN−13−1)で表される化合物が特に好ましい。
本発明のポリアミック酸およびその誘導体を製造する為に使用するジアミンおよびジヒドラジドについて説明する。本発明のポリアミック酸またはその誘導体を製造するにあたっては、公知のジアミンおよびジヒドラジドから制限されることなく選択することができる。
ジアミンはその構造によって2種類に分けることができる。即ち、2つのアミノ基を結ぶ骨格を主鎖として見たときに、主鎖から分岐する基、即ち側鎖基を有するジアミンと側鎖基を持たないジアミンである。この側鎖基はプレチルト角を大きくする効果を有する基である。このような効果を有する側鎖基は炭素数3以上の基である必要があり、具体的な例として炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシ、炭素数3以上のアルコキシアルキル、およびステロイド骨格を有する基を挙げることができる。1つ以上の環を有する基であって、その末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のアルコキシおよび炭素数2以上のアルコキシアルキルのいずれか1つを有する基も側鎖基としての効果を有する。以下の説明では、このような側鎖基を有するジアミンを側鎖型ジアミンと称することがある。そして、このような側鎖基を持たないジアミンを非側鎖型ジアミンと称することがある。
非側鎖型ジアミンと側鎖型ジアミンを適切に使い分けることにより、それぞれに必要なプレチルト角に対応することができる。側鎖型ジアミンは、本発明の特性を損なわない程度に併用するのが好ましい。また側鎖型ジアミンおよび非側鎖型ジアミンについて、液晶に対する垂直配向性、電圧保持率、焼き付き特性および配向性を向上させる目的で取捨選択して使用することが好ましい。
非側鎖型ジアミンについて説明する。既知の側鎖を有さないジアミンとしては、以下の式(DI−1)〜(DI−16)のジアミンを挙げることができる。
Figure 2014199446

上記の式(DI−1)において、G20は、−CH−であり、少なくとも1つの−CH−は−NH−、−O−に置き換えられてもよく、mは1〜12の整数であり、アルキレンの少なくとも1つの水素は−OHに置き換えられてもよい。式(DI−3)および(DI−5)〜(DI−7)において、G21は独立して単結合、−NH−、−NCH−、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONCH−、−C(CH−、−C(CF−、−(CHm’−、−O−(CHm’−O−、−N(CH)−(CH−N(CH)−、−(O−Cm’−O−、−O−CH−C(CF−CH−O−、−O−CO−(CHm’−CO−O−、−CO−O−(CHm’−O−CO−、−(CHm’−NH−(CHm’−、−CO−(CH−NH−(CH−、−(NH−(CHm’) −NH−、−CO−C−(NH−C−CO−、または−S−(CHm’−S−であり、m’は独立して1〜12の整数であり、kは1〜5の整数であり、nは1または2である。式(DI−4)において、sは独立して0〜2の整数である。式(DI−6)および(DI−7)において、G22は独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−、または炭素数1〜10のアルキレンである。式(DI−2)〜(DI−7)中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の少なくとも1つの水素は、−F、−Cl、炭素数1〜3のアルキレン、−OCH、−OH、−CF、−COH、−CONH、−NHC、フェニル、またはベンジルで置き換えられてもよく、加えて式(DI−4)においては、下記式(DI−4−a)〜(DI−4−e)で置き換えられていてもよい。環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。そして、シクロヘキサン環またはベンゼン環への−NHの結合位置は、G21またはG22の結合位置を除く任意の位置である。
Figure 2014199446
式(DI−4−a)および(DI−4−b)において、R20は独立して水素または−CHである。
Figure 2014199446
式(DI−11)において、rは0または1である。式(DI−8)〜(DI−11)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置である。
Figure 2014199446
式(DI−12)において、R21およびR22は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、G23は独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、wは1〜10の整数である。式(DI−13)において、R23は独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシまたは−Clであり、pは独立して0〜3の整数であり、qは0〜4の整数である。式(DI−14)において、環Bは単環の複素環式芳香族基であり、R24は水素、−F、−Cl、炭素数1〜6のアルキル、アルコキシ、ビニル、アルキニルであり、qは独立して0〜4の整数である。式(DI−15)において、環Cは複素環式芳香族基または複素環式脂肪族基である。式(DI−16)において、G24は単結合、炭素数2〜6のアルキレンまたは1,4−フェニレンであり、rは0または1である。そして、環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。
式(DI−13)〜(DI−16)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置である。
上記式(DI−1)〜(DI−16)の側鎖を有さないジアミンとして、以下の式(DI−1−1)〜(DI−16−1)の具体例を挙げることができる。
式(DI−1)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−1−7)および(DI−1−8)において、kはそれぞれ独立して、1〜3の整数である。
式(DI−2)〜(DI−3)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−4)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(DI−5)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−5−1)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2014199446
式(DI−5−12)および式(DI−5−13)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2014199446
式(DI−5−16)において、vは1〜6の整数である。
Figure 2014199446
式(DI−5−30)において、kは1〜5の整数である。
Figure 2014199446
式(DI−5−35)〜(DI−5−37)、および(DI−5−39)において、mは1〜12の整数であり、式(DI−5−38)および(DI−5−39)において、kは1〜5の整数であり、(DI−5−40)において、nは1または2の整数である。
式(DI−6)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−7)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−7−3)および(DI−7−4)において、mは1〜12の整数であり、nは独立して1または2である。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(DI−8)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−9)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−10)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−11)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−12)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−13)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(DI−14)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−15)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(DI−16)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2014199446
ジヒドラジドについて説明する。既知の側鎖を有さないジヒドラジドとしては、以下の式(DIH−1)〜(DIH−3)のジヒドラジドを挙げることができる。
Figure 2014199446
式(DIH−1)において、G25は単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。
式(DIH−2)において、環Dはシクロヘキサン環、ベンゼン環またはナフタレン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよい。
式(DIH−3)において、環Eはそれぞれ独立してシクロヘキサン環、またはベンゼン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよく、Yは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。
式(DIH−2)および(DIH−3)において、環に結合する−CONHNHの結合位置は、任意の位置である。
式(DIH−1)〜(DIH−3)で表されるジヒドラジドの例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DIH−1−2)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
側鎖型ジアミンについて説明する。側鎖型ジアミンの側鎖基としては、以下の基をあげることができる。
側鎖基としてまず、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルカルボニル、アルケニルカルボニルオキシ、アルケニルオキシカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニル、アルキニルオキシ、アルキニルカルボニル、アルキニルカルボニルオキシ、アルキニルオキシカルボニル、アルキニルアミノカルボニル等を挙げることができる。これらの基におけるアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、いずれも炭素数3以上の基である。但し、アルキルオキシアルキルにおいては、基全体で炭素数3以上であればよい。これらの基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
次に、末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のアルコキシまたは炭素数2以上のアルコキシアルキルを有することを条件に、フェニル、フェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニルカルボニルオキシ、フェニルオキシカルボニル、フェニルアミノカルボニル、フェニルシクロヘキシルオキシ、炭素数3以上のシクロアルキル、シクロヘキシルアルキル、シクロヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルフェニル、シクロヘキシルフェニルアルキル、シクロヘキシルフェニルオキシ、ビス(シクロヘキシル)オキシ、ビス(シクロヘキシル)アルキル、ビス(シクロヘキシル)フェニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルアルキル、ビス(シクロヘキシル)オキシカルボニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルオキシカルボニル、およびシクロヘキシルビス(フェニル)オキシカルボニル等の環構造の基を挙げることができる。
さらに、2個以上のベンゼン環を有する基、2個以上のシクロヘキサン環を有する基、またはベンゼン環およびシクロヘキサン環で構成される2環以上の基であって、結合基が独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−もしくは炭素数1〜3のアルキレンであり、末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のフッ素置換アルキル、炭素数1以上のアルコキシ、または炭素数2以上のアルコキシアルキルを有する環集合基を挙げることができる。ステロイド骨格を有する基も側鎖基として有効である。
側鎖を有するジアミンとしては、以下の式(DI−31)〜(DI−35)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014199446
式(DI−31)において、G26は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、または−(CHm’−であり、m’は1〜12の整数である。G26の好ましい例は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CHO−、および炭素数1〜3のアルキレンであり、特に好ましい例は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−CH−および−CHCH−である。R25は炭素数3〜30のアルキル、フェニル、ステロイド骨格を有する基、または下記の式(DI−31−a)で表される基である。このアルキルにおいて、少なくとも1つの水素は−Fで置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの−CH2−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよい。このフェニルの水素は、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF2、−OCF3、炭素数3〜30のアルキルまたは炭素数3〜30のアルコキシで置き換えられていてもよく、このシクロヘキシルの水素は炭素数3〜30のアルキルまたは炭素数3〜30のアルコキシで置き換えられていてもよい。ベンゼン環に結合する−NHの結合位置はその環において任意の位置であることを示すが、その結合位置はメタまたはパラであることが好ましい。即ち、基「R25−G26−」の結合位置を1位としたとき、2つの結合位置は3位と5位、または2位と5位であることが好ましい。
Figure 2014199446
式(DI−31−a)において、G27、G28およびG29は結合基であり、これらは独立して単結合、または炭素数1〜12のアルキレンであり、このアルキレンの1以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−で置き換えられていてもよい。環B21、環B22、環B23および環B24は独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイルまたはアントラセン−9,10−ジイルであり、環B21、環B22、環B23および環B24において、少なくとも1つの水素は−Fまたは−CHで置き換えられてもよく、s、tおよびuは独立して0〜2の整数であって、これらの合計は1〜5であり、s、tまたはuが2であるとき、各々の括弧内の2つの結合基は同じであっても異なってもよく、そして、2つの環は同じであっても異なっていてもよい。R26は−F、−OH、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のフッ素置換アルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHF、または−OCFであり、この炭素数1〜30のアルキルの少なくとも1つの−CH−は下記式(DI−31−b)で表される2価の基で置き換えられていてもよい。
Figure 2014199446
式(DI−31−b)において、R27およびR28は独立して炭素数1〜3のアルキルであり、vは1〜6の整数である。R26の好ましい例は炭素数1〜30のアルキルおよび炭素数1〜30のアルコキシである。
Figure 2014199446
式(DI−32)および式(DI−33)において、G30は独立して単結合、−CO−または−CH2−であり、R29は独立して水素または−CHであり、R30は水素、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルケニルである。式(DI−33)におけるベンゼン環の少なくとも1つの水素は、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルで置き換えられてもよい。そして、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。式(DI−32)における2つの基「−フェニレン−G30−O−」の一方はステロイド核の3位に結合し、もう一方はステロイド核の6位に結合していることが好ましい。式(DI−33)における2つの基「−フェニレン−G30−O−」のベンゼン環への結合位置は、ステロイド核の結合位置に対して、それぞれメタ位またはパラ位であることが好ましい。式(DI−32)および式(DI−33)において、ベンゼン環に結合する−NHはその環における結合位置が任意であることを示す。
Figure 2014199446
式(DI−34)および式(DI−35)において、G31は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり、G32は単結合または炭素数1〜3のアルキレンである。R31は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルの少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。R32は炭素数6〜22のアルキルであり、R33は水素または炭素数1〜22のアルキルである。環B25は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、rは0または1である。そしてベンゼン環に結合する−NHはその環における結合位置が任意であることを示すが、独立してG31の結合位置に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。
側鎖型ジアミンの具体例を以下に例示する。上記式(DI−31)〜(DI−35)の側鎖を有するジアミンとして、下記の式(DI−31−1)〜(DI−35−3)で表される化合物を挙げることができる。
式(DI−31)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−31−1)〜(DI−31−11)において、R34は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数5〜25のアルキルまたは炭素数5〜25のアルコキシである。R35は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜25のアルキルまたは炭素数3〜25のアルコキシである。
Figure 2014199446
式(DI−31−12)〜(DI−31−17)において、R36は炭素数4〜30のアルキルであり、好ましくは炭素数6〜25のアルキルである。R37は炭素数6〜30のアルキルであり、好ましくは炭素数8〜25のアルキルである。
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(DI−31−18)〜(DI−31−43)において、R38は炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシである。R39は水素、−F、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、好ましくは炭素数3〜25のアルキル、または炭素数3〜25のアルコキシである。そしてG33は炭素数1〜20のアルキレンである。
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(DI−32)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−33)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
式(DI−34)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(DI−34−1)〜(DI−34−12)において、R40は水素または炭素数1〜20のアルキル、好ましくは水素または炭素数1〜10のアルキルであり、そしてR41は水素または炭素数1〜12のアルキルである。
式(DI−35)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2014199446
式(DI−35−1)〜(DI−35−3)において、R37は炭素数6〜30のアルキルであり、R41は水素または炭素数1〜12のアルキルである。
本発明におけるジアミンとしては、式(DI−1−1)〜(DI−35−3)で表されるジアミン以外のジアミンも用いることができる。このようなジアミンとしては、例えば下記式(DI−36−1)〜(DI−36−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014199446
式(DI−36−1)〜(DI−36−8)中、R42はそれぞれ独立して炭素数3〜30のアルキル基を表す。
前記感光性ジアミンについて説明する。本発明において、公知の感光性ジアミンから制限されることなく選択することができる。例えば、このような感光性ジアミン化合物として、以下の式(PDI−1)〜(PDI−12)を挙げることができる。
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(PDI−7)において、R51は独立して−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、bは0〜2の整数である。式(PDI−12)において、R43は炭素数1〜10のアルキルまたはアルコキシであり、少なくとも1つの水素はフッ素に置き換えられてもよい。
各ジアミンにおいて、ジアミンに対するモノアミンの比率が40モル%以下の範囲で、ジアミンの一部がモノアミンに置き換えられていてもよい。このような置き換えは、ポリアミック酸を生成する際の重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の重合反応の進行を抑えることができる。このため、このような置き換えによって、得られる重合体(ポリアミック酸またはその誘導体)の分子量を容易に制御することができ、例えば本発明の効果が損なわれることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノアミンに置き換えられるジアミンは、本発明の効果が損なわれなければ、一種でも二種以上でもよい。前記モノアミンとしては、例えばアニリン、4−ヒドロキシアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、およびn−エイコシルアミンが挙げられる。
前記ポリアミック酸またはその誘導体は、そのモノマーにモノイソシアネート化合物をさらに含んでいてもよい。モノイソシアネート化合物をモノマーに含むことによって、得られるポリアミック酸またはその誘導体の末端が修飾され、分子量が調節される。この末端修飾型のポリアミック酸またはその誘導体を用いることにより、例えば本発明の効果が損なわれることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノマー中のモノイソシアネート化合物の含有量は、モノマー中のジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物の総量に対して1〜10モル%であることが、前記の観点から好ましい。前記モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、およびナフチルイソシアネートが挙げられる。
上記感光性ジアミンのうち、感光性の点から、下記式(PDI−6−1)または(PDI−7−1)がより好ましい。
Figure 2014199446
上記のジアミンの具体例のうち、液晶の配向性をさらに向上させることを重視する場合には、ジアミンが、式(DI−1−3)、(DI−4−5)、(DI−5−1)、(DI−5−37)、(DI−7−3)、(DI−31−2)、(DI−31−5)、(DI−31−47)、(DI−34−2)、(DI−34−4)または(DI−34−7)で表されるジアミンが好ましい。
上記のジアミンの具体例のうち、透過率をさらに向上させることを重視する場合には、ジアミンが、式(DI−1−3)、(DI−2−1)、(DI−12−1)および(DIH−2−1)で表されるジアミンが好ましい。
上記のジアミンの具体例のうち、電気特性をさらに向上させることを重視する場合には、ジアミンが、式(DI−4−1)、(DI−4−5)、(DI−5−1)、(DI−5−5)、(DI−5−9)、(DI−5−30)、(DI−5−37)、(DI−8−2)、(DI−13−1)、(DI−14−8)または(DIH−2−1)で表されるジアミンが好ましい。
本発明で用いられるポリアミック酸重合体およびポリイミド重合体は、酸二無水物とジアミン成分を溶剤中で反応させることによって得られる。この合成反応においては、原料の選択以外に特別な条件は必要でなく、通常のポリアミック酸合成における条件をそのまま適用することができる。使用する溶剤については後述する。
前記液晶配向剤は、いわゆるブレンドタイプでもよく、ポリアミック酸またはその誘導体をさらに含有していてもよいし、ポリアミック酸またはその誘導体以外の他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分は、1種であっても2種以上であってもよい。
また例えば、前記液晶配向剤は、本発明の効果が損なわれない範囲(好ましくは前記ポリアミック酸またはその誘導体の20重量%以内の量)で、アクリル酸ポリマー、アクリレートポリマー、および、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸またはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドイミド等の他のポリマー成分をさらに含有していてもよい。
前記ポリアミック酸またはその誘導体は、ポリイミドの膜の形成に用いられる公知のポリアミック酸またはその誘導体と同様に製造することができる。テトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましい。
前記ポリアミック酸またはその誘導体の分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、10,000〜500,000であることが好ましく、20,000〜200,000であることがより好ましい。前記ポリアミック酸またはその誘導体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による測定から求めることができる。
前記ポリアミック酸またはその誘導体は、多量の貧溶剤で沈殿させて得られる固形分をIR、NMRで分析することによりその存在を確認することができる。またKOHやNaOH等の強アルカリの水溶液による前記ポリアミック酸またはその誘導体の分解物の有機溶剤による抽出物をGC、HPLCもしくはGC−MSで分析することにより、使用されているモノマーを確認することができる。
<アルケニル置換ナジイミド化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる目的から、アルケニル置換ナジイミド化合物をさらに含有していてもよい。アルケニル置換ナジイミド化合物は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。アルケニル置換ナジイミド化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して1〜100重量%であることが好ましく、1〜70重量%であることがより好ましく、1〜50重量%であることがさらに好ましい。
以下にナジイミド化合物について具体的に説明する。
アルケニル置換ナジイミド化合物は、本発明で用いられるポリアミック酸またはその誘導体を溶解する溶剤に溶解させることができる化合物であることが好ましい。このようなアルケニル置換ナジイミド化合物の例は、下記の式(NA)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014199446
式(NA)において、LおよびLは独立して水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、アリールまたはベンジルであり、nは1または2である。
式(NA)において、n=1のとき、Wは炭素数1〜12のアルキル、炭素数2〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリール、ベンジル、−Z−(O)−(ZO)−Z−H(ここで、Z、ZおよびZは独立して炭素数2〜6のアルキレンであり、rは0または1であり、そして、kは1〜30の整数である。)で表される基、−(Z−B−Z−H(ここで、ZおよびZは独立して炭素数1〜4のアルキレンまたは炭素数5〜8のシクロアルキレンであり、Bはフェニレンであり、そして、rは0または1である。)で表される基、−B−T−B−H(ここで、Bはフェニレンであり、そして、Tは−CH−、−C(CH−、−O−、−CO−、−S−、または−SO−である。)で表される基、またはこれらの基の1〜3個の水素が−OHで置換された基である。
このとき、好ましいWは、炭素数1〜8のアルキル、炭素数3〜4のアルケニル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、炭素数4〜10のポリ(エチレンオキシ)エチル、フェニルオキシフェニル、フェニルメチルフェニル、フェニルイソプロピリデンフェニル、およびこれらの基の1個または2個の水素が−OHで置き換えられた基である。
式(NA)において、n=2のとき、Wは炭素数2〜20のアルキレン、炭素数5〜8のシクロアルキレン、炭素数6〜12のアリーレン、−Z−O−(ZO)−Z−(ここで、Z〜Z、およびkの意味は前記の通りである。)で表される基、−Z−B−Z−(ここで、Z、ZおよびBの意味は前記の通りである。)で表される基、−B−(O−B)−T−(B−O)−B−(ここで、Bはフェニレンであり、Tは炭素数1〜3のアルキレン、−O−または−SO−であり、rの意味は前記の通りである。)で表される基、またはこれらの基の1〜3個の水素が−OHで置き換えられた基である。
このとき、好ましいWは炭素数2〜12のアルキレン、シクロヘキシレン、フェニレン、トリレン、キシリレン、−C−O−(Z−O)−O−C−(ここで、Zは炭素数2〜6のアルキレンであり、nは1または2である。)で表される基、−B−T−B−(ここで、Bはフェニレンであり、そして、Tは−CH−、−O−または−SO−である。)で表される基、−B−O−B−C−B−O−B−(ここで、Bはフェニレンである。)で表される基、およびこれらの基の1個または2個の水素が−OHで置き換えられた基である。
このようなアルケニル置換ナジイミド化合物は、例えば特許第2729565に記載されているように、アルケニル置換ナジック酸無水物誘導体とジアミンとを80〜220℃の温度で0.5〜20時間保持することにより合成して得られる化合物や市販されている化合物を用いることができる。アルケニル置換ナジイミド化合物の具体例として、以下に示す化合物が挙げられる。
N−メチル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチル−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘキシル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2−エチルヘキシル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アリル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アリル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アリル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−イソプロペニル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−イソプロペニル−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−イソプロペニル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシル−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−フェニル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−フェニル−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ベンジル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ベンジル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ベンジル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−ヒドロキシ−1−プロペニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(4−ヒドロキシフェニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−ヒドロキシベンジル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−〔2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−〔2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−〔2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、およびこれらのオリゴマー、
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
1,2−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エタン、1,2−ビス{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エタン、1,2−ビス{3’−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エタン、ビス〔2’−{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エチル〕エーテル、ビス〔2’−{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エチル〕エーテル、1,4−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}ブタン、1,4−ビス{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}ブタン、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
2,2−ビス〔4−{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、1,6−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−3−ヒドロキシ−ヘキサン、1,12−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−3,6−ジヒドロキシ−ドデカン、1,3−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−5−ヒドロキシ−シクロヘキサン、1,5−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}−3−ヒドロキシ−ペンタン、1,4−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2−ヒドロキシ−ベンゼン、
1,4−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2,5−ジヒドロキシ−ベンゼン、N,N’−p−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−(2,3−ジヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
2,2−ビス〔4−{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2−ヒドロキシ−フェノキシ}フェニル〕プロパン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2−ヒドロキシ−フェニル}メタン、ビス{3−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−4−ヒドロキシ−フェニル}エーテル、ビス{3−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−5−ヒドロキシ−フェニル}スルホン、1,1,1−トリ{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)}フェノキシメチルプロパン、N,N’,N”−トリ(エチレンメタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)イソシアヌレート、およびこれらのオリゴマー等。
さらに、本発明に用いられるアルケニル置換ナジイミド化合物は、非対称なアルキレン・フェニレン基を含む下記の式で表される化合物でもよい。
Figure 2014199446
アルケニル置換ナジイミド化合物のうち、好ましい化合物を以下に示す。
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、2,2−ビス〔4−{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン。
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン。
更に好ましいアルケニル置換ナジイミド化合物を以下に示す。
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)。
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)。
2,2−ビス〔4−{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン。
そして、特に好ましいアルケニル置換ナジイミド化合物としては、下記式(NA−1)で表されるビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、式(NA−2)で表されるN,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、および式(NA−3)で表されるN,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)が挙げられる。
Figure 2014199446
<ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる目的から、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物をさらに含有していてもよい。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物は一種の化合物であってもよいし、二種以上の化合物であってもよい。なお、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物にはアルケニル置換ナジイミド化合物は含まれない。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して1〜100重量%であることが好ましく、1〜70重量%であることがより好ましく、1〜50重量%であることがさらに好ましい。
なお、アルケニル置換ナジイミド化合物に対するラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物の比率は、液晶表示素子のイオン密度を低減し、イオン密度の経時的な増加を抑制し、さらに残像の発生を抑制するために、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物/アルケニル置換ナジイミド化合物が重量比で0.1〜10であることが好ましく、0.5〜5であることがより好ましい。
以下にラジカル重合性不飽和二重結合有する化合物について具体的に説明する。
ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸誘導体、およびビスマレイミドが挙げられる。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物は、ラジカル重合性不飽和二重結合を2つ以上有する(メタ)アクリル酸誘導体であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、および(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルが挙げられる。
2官能(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えばエチレンビスアクリレート、東亜合成化学工業(株)の製品であるアロニックスM−210、アロニックスM−240およびアロニックスM−6200、日本化薬(株)の製品であるKAYARAD HDDA、KAYARAD HX−220、KAYARAD R−604およびKAYARAD R−684、大阪有機化学工業(株)の製品であるV260、V312およびV335HP、並びに共栄社油脂化学工業(株)の製品であるライトアクリレートBA−4EA、ライトアクリレートBP−4PAおよびライトアクリレートBP−2PAが挙げられる。
3官能以上の多官能(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば4,4’−メチレンビス(N,N−ジヒドロキシエチレンアクリレートアニリン)、東亜合成化学工業(株)の製品であるアロニックスM−400、アロニックスM−405、アロニックスM−450、アロニックスM−7100、アロニックスM−8030、アロニックスM−8060、日本化薬(株)の製品であるKAYARAD TMPTA、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD DPCA−30、KAYARAD DPCA−60、KAYARAD DPCA−120、および大阪有機化学工業(株)の製品であるVGPTが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アミド誘導体の具体例としては、例えばN−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、N−エトキシエチルアクリルアミド、N−エトキシエチルメタクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチル−N−メチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジヒドロキシエチレンビスアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−(iso−ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−(メトキシメチル)メタクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)−2−メタクリルアミド、N−ベンジル−2−メタクリルアミド、およびN,N’−メチレンビスメタクリルアミドが挙げられる。
上記の(メタ)アクリル酸誘導体のうち、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジヒドロキシエチレン−ビスアクリルアミド、エチレンビスアクリレート、および4,4’−メチレンビス(N,N−ジヒドロキシエチレンアクリレートアニリン)が特に好ましい。
ビスマレイミドとしては、例えばケイ・アイ化成(株)の製品であるBMI−70およびBMI−80、並びに大和化成工業(株)の製品であるBMI−1000、BMI−3000、BMI−4000、BMI−5000およびBMI−7000が挙げられる。
<オキサジン化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、オキサジン化合物をさらに含有していてもよい。オキサジン化合物は一種の化合物であってもよいし、二種以上の化合物であってもよい。オキサジン化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。
以下にオキサジン化合物について具体的に説明する。
オキサジン化合物は、ポリアミック酸またはその誘導体を溶解させる溶媒に可溶であり、加えて、開環重合性を有するオキサジン化合物が好ましい。
またオキサジン化合物におけるオキサジン構造の数は、特に限定されない。
オキサジンの構造には種々の構造が知られている。本発明では、オキサジンの構造は特に限定されないが、オキサジン化合物におけるオキサジン構造には、ベンゾオキサジンやナフトオキサジン等の、縮合多環芳香族基を含む芳香族基を有するオキサジンの構造が挙げられる。
オキサジン化合物としては、例えば下記式(OX−1)〜(OX−6)に示す化合物が挙げられる。なお下記式において、環の中心に向けて表示されている結合は、環を構成しかつ置換基の結合が可能ないずれかの炭素に結合していることを示す。
Figure 2014199446
式(OX−1)〜(OX−3)において、LおよびLは炭素数1〜30の有機基であり、式(OX−1)〜(OX−6)において、L〜Lは水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、式(OX−3)、式(OX−4)および式(OX−6)において、Qは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−S−(CH−S−であり、ここでvは1〜6の整数であり、式(OX−5)および式(OX−6)において、Qは独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−または炭素数1〜3のアルキレンであり、Qにおけるベンゼン環、ナフタレン環に結合している水素は独立して−F、−CH、−OH、−COOH、−SOH、−POと置き換えられていてもよい。
また、オキサジン化合物には、オキサジン構造を側鎖に有するオリゴマーやポリマー、オキサジン構造を主鎖中に有するオリゴマーやポリマーが含まれる。
式(OX−1)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2014199446
式(OX−1−2)において、Lは炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
式(OX−2)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
式中、Lは炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
式(OX−3)で表されるオキサジン化合物としては、下記式(OX−3−I)で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2014199446
式(OX−3−I)において、LおよびLは炭素数1〜30の有機基であり、LからLは水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、Qは単結合、−CH2−、−C(CH−、−CO−、−O−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。式(OX−3−I)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
式中、LおよびLは炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
式(OX−4)で表されるオキサジン化合物しては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
式(OX−5)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2014199446
式(OX−6)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2014199446

Figure 2014199446

Figure 2014199446
これらのうち、より好ましくは、式(OX−2−1)、(OX−3−1)、(OX−3−3)、(OX−3−5)、(OX−3−7)、(OX−3−9)、(OX−4−1)〜(OX−4−6)、(OX−5−3)、(OX−5−4)、および(OX−6−2)〜(OX−6−4)で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
オキサジン化合物は、国際公開2004/009708、特開平11−12258、特開2004−352670に記載の方法と同様の方法で製造することができる。
式(OX−1)で表されるオキサジン化合物は、フェノール化合物と1級アミンとアルデヒドとを反応させることによって得られる(国際公開2004/009708参照。)。
式(OX−2)で表されるオキサジン化合物は、1級アミンをホルムアルデヒドへ徐々に加える方法により反応させたのち、ナフトール系水酸基を有する化合物を加えて反応させることによって得られる(国際公開2004/009708参照。)。
式(OX−3)で表されるオキサジン化合物は、有機溶媒中でフェノール化合物1モル、そのフェノール性水酸基1個に対し少なくとも2モル以上のアルデヒド、および1モルの一級アミンを、2級脂肪族アミン、3級脂肪族アミンまたは塩基性含窒素複素環化合物の存在下で反応させることによって得られる(国際公開2004/009708および特開平11−12258参照。)。
式(OX−4)〜(OX−6)で表されるオキサジン化合物は、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の、複数のベンゼン環とそれらを結合する有機基とを有するジアミン、ホルマリン等のアルデヒド、およびフェノールを、n−ブチルアルコール中、90℃以上の温度で脱水縮合反応させることにより得られる(特開2004−352670参照。)。
<オキサゾリン化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、オキサゾリン化合物をさらに含有していてもよい。オキサゾリン化合物はオキサゾリン構造を有する化合物である。オキサゾリン化合物は一種の化合物であってもよいし、二種以上の化合物であってもよい。オキサゾリン化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。または、オキサゾリン化合物の含有量は、オキサゾリン化合物中のオキサゾリン構造をオキサゾリンに換算したときに、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜40重量%であることが、上記の目的から好ましい。
以下にオキサゾリン化合物について具体的に説明する。
オキサゾリン化合物は、1つの化合物中にオキサゾリン構造を1種だけ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。またオキサゾリン化合物は、1つの化合物中にオキサゾリン構造を1個有していればよいが、2個以上有することが好ましい。またオキサゾリン化合物は、オキサゾリン環構造を側鎖に有する重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。オキサゾリン構造を側鎖に有する重合体は、オキサゾリン構造を側鎖に有するモノマーの単独重合体であってもよいし、オキサゾリン構造を側鎖に有するモノマーとオキサゾリン構造を有しないモノマーとの共重合体であってもよい。オキサゾリン構造を側鎖に有する共重合体は、オキサゾリン構造を側鎖に有する2種以上のモノマーの共重合体であってもよいし、オキサゾリン構造を側鎖に有する2種以上のモノマーとオキサゾリン構造を有しないモノマーとの共重合体であってもよい。
オキサゾリン構造は、オキサゾリン構造中の酸素および窒素の一方または両方とポリアミック酸のカルボニル基とが反応し得るようにオキサゾリン化合物中に存在する構造であることが好ましい。
オキサゾリン化合物としては、例えば2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,2,4−トリス−(2−オキサゾリニル−2)−ベンゼン、4−フラン−2−イルメチレン−2−フェニル−4H−オキサゾール−5−オン、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、2,3−ビス(4−イソプロペニル−2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、2,2’−ビス−4−ベンジル−2−オキサゾリン、2,6−ビス(イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2,2’−イソプロピリデンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、および2,2’−メチレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)が挙げられる。これらの他、エポクロス(商品名、(株)日本触媒製)のようなオキサゾリルを有するポリマーやオリゴマーも挙げられる。これらのうち、より好ましくは、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼンが挙げられる。
<エポキシ化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、エポキシ化合物をさらに含有していてもよい。エポキシ化合物は一種の化合物であってもよいし、二種以上の化合物であってもよい。エポキシ化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。
以下にエポキシ化合物について具体的に説明する。
エポキシ化合物としては、分子内にエポキシ環を1つまたは2つ以上有する種々の化合物が挙げられる。分子内にエポキシ環を1つ有する化合物としては、例えばフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、3,3,3−トリフルオロメチルプロピレンオキシド、スチレンオキシド、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−グリシジルフタルイミド、(ノナフルオロ−N−ブチル)エポキシド、パーフルオロエチルグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、N,N−ジグリシジルアニリン、および3−[2−(パーフルオロヘキシル)エトキシ]−1,2−エポキシプロパンが挙げられる。
分子内にエポキシ環を2つ有する化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートおよび3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
分子内にエポキシ環を3つ有する化合物としては、例えば2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン(商品名「テクモアVG3101L」、(三井化学(株)製))が挙げられる。
分子内にエポキシ環を4つ有する化合物としては、例えば1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、および3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
上記の他、分子内にエポキシ環を有する化合物の例として、エポキシ環を有するオリゴマーや重合体も挙げられる。エポキシ環を有するモノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、およびメチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
エポキシ環を有するモノマーと共重合を行う他のモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドが挙げられる。
エポキシ環を有するモノマーの重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジルメタクリレート等が挙げられる。また、エポキシ環を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体およびスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が挙げられる。
これら例の中でも、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、商品名「テクモアVG3101L」、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが特に好ましい。
より体系的には、エポキシ化合物としては、例えばグリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ基含有アクリル系樹脂、グリシジルアミド、グリシジルイソシアヌレート、鎖状脂肪族型エポキシ化合物、および環状脂肪族型エポキシ化合物が挙げられる。なお、エポキシ化合物はエポキシ基を有する化合物を意味し、エポキシ樹脂はエポキシ基を有する樹脂を意味する。
エポキシ化合物としては、例えばグリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ基含有アクリル系樹脂、グリシジルアミド、グリシジルイソシアヌレート、鎖状脂肪族型エポキシ化合物、および環状脂肪族型エポキシ化合物が挙げられる。
グリシジルエーテルとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−F型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−S型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノール−F型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、臭素化フェノールノボラック型エポキシ化合物、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン骨格含有エポキシ化合物、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ化合物、脂環式ジグリシジルエーテル化合物、脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物、ポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物、およびビフェノール型エポキシ化合物が挙げられる。
グリシジルエステルとしては、例えばジグリシジルエステル化合物およびグリシジルエステルエポキシ化合物が挙げられる。
グリシジルアミンとしては、例えばポリグリシジルアミン化合物およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ基含有アクリル系化合物としては、例えばオキシラニルを有するモノマーの単独重合体および共重合体が挙げられる。
グリシジルアミドとしては、例えばグリシジルアミド型エポキシ化合物が挙げられる。
鎖状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばアルケン化合物の炭素−炭素二重結合を酸化して得られる、エポキシ基を含有する化合物が挙げられる。
環状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばシクロアルケン化合物の炭素−炭素二重結合を酸化して得られる、エポキシ基を含有する化合物が挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えばjER828、jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1007、jER1010(いずれも三菱化学(株)製)、エポトートYD−128(東都化成(株)製)、DER−331、DER−332、DER−324(いずれもThe Dow Chemical Company製)、エピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050(いずれもDIC(株)製)、エポミックR−140、エポミックR−301、およびエポミックR−304(いずれも三井化学(社)製)が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、例えばjER806、jER807、jER4004P(いずれも三菱化学(株)製)、エポトートYDF−170、エポトートYDF−175S、エポトートYDF−2001(いずれも東都化成(株)製)、DER−354(ダウ・ケミカル社製)、エピクロン830、およびエピクロン835(いずれもDIC(株)製)が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化物が挙げられる。
水素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物としては、例えばサントートST−3000(東都化成(株)製)、リカレジンHBE−100(新日本理化(株)製)、およびデナコールEX−252(ナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
水素化ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化物が挙げられる。
臭素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物としては、例えばjER5050、jER5051(いずれも三菱化学(株)製)、エポトートYDB−360、エポトートYDB−400(いずれも東都化成(株)製)、DER−530、DER−538(いずれもThe Dow Chemical Company製)、エピクロン152、およびエピクロン153(いずれもDIC(株)製)が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ化合物としては、例えばjER152、jER154(いずれも三菱化学(株)製)、YDPN−638(東都化成社製)、DEN431、DEN438(いずれもThe Dow Chemical Company製)、エピクロンN−770(DIC(株)製)、EPPN−201、およびEPPN−202(いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ化合物としては、例えばjER180S75(三菱化学(株)製)、YDCN−701、YDCN−702(いずれも東都化成社製)、エピクロンN−665、エピクロンN−695(いずれもDIC(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、およびEOCN−1027(いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物としては、例えばjER157S70(三菱化学(株)製)、およびエピクロンN−880(DIC(株)製)が挙げられる。
ナフタレン骨格含有エポキシ化合物としては、例えばエピクロンHP−4032、エピクロンHP−4700、エピクロンHP−4770(いずれもDIC(株)製)、およびNC−7000(日本化薬社製)が挙げられる。
芳香族ポリグリシジルエーテル化合物としては、例えばハイドロキノンジグリシジルエーテル(下記式EP−1)、カテコールジグリシジルエーテル(下記式EP−2)レゾルシノールジグリシジルエーテル(下記式EP−3)、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン(下記式EP−4)、トリス(4−グリシジルオキシフェニル)メタン(下記式EP−5)、jER1031S、jER1032H60(いずれも三菱化学(株)製)、TACTIX−742(The Dow Chemical Company製)、デナコールEX−201(ナガセケムテックス(株)製)、DPPN−503、DPPN−502H、DPPN−501H、NC6000(いずれも日本化薬(株)製)、テクモアVG3101L(三井化学(株)製)、下記式EP−6で表される化合物、および下記式EP−7で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ化合物としては、例えばTACTIX−556(The Dow Chemical Company製)、およびエピクロンHP−7200(DIC(株)製)が挙げられる。
脂環式ジグリシジルエーテル化合物としては、例えばシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物、およびリカレジンDME−100(新日本理化(株)製)が挙げられる。
脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−8)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−9)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−10)、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−11)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−12)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(下記式EP−13)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(下記式EP−14)、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−15)、デナコールEX−810、デナコールEX−851、デナコールEX−8301、デナコールEX−911、デナコールEX−920、デナコールEX−931、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−313(いずれもナガセケムテックス(株)製)、DD−503((株)ADEKA製)、リカレジンW−100(新日本理化(株)製)、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール(下記式EP−16)、グリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、デナコールEX−313、デナコールEX−611、デナコールEX−321、およびデナコールEX−411(いずれもナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
Figure 2014199446

Figure 2014199446
ポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物としては、例えばFLDP−50、およびFLDP−60(いずれも東レチオコール(株)製)が挙げられる。
ビフェノール型エポキシ化合物としては、例えばYX−4000、YL−6121H(いずれも三菱化学(株)製)、NC−3000P、およびNC−3000S(いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
ジグリシジルエステル化合物としては、例えばジグリシジルテレフタレート(下記式EP−17)、ジグリシジルフタレート(下記式EP−18)、ビス(2−メチルオキシラニルメチル)フタレート(下記式EP−19)、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート(下記式EP−20)、下記式EP−21で表される化合物、下記式EP−22で表される化合物、および下記式EP−23で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014199446
グリシジルエステルエポキシ化合物としては、例えばjER871、jER872(いずれも三菱化学(株)製)、エピクロン200、エピクロン400(いずれもDIC(株)製)、デナコールEX−711、およびデナコールEX−721(いずれもナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
ポリグリシジルアミン化合物としては、例えばN,N−ジグリシジルアニリン(下記式EP−24)、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(下記式EP−25)、N,N−ジグリシジル−m−トルイジン(下記式EP−26)、N,N−ジグリシジル−2,4,6−トリブロモアニリン(下記式EP−27)、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン(下記式EP−28)、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール(下記式EP−29)、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール(下記式EP−30)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(下記式EP−31)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(TETRAD−X(三菱ガス化学(株)製)、下記式EP−32)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(TETRAD−C(三菱ガス化学(株)製)、下記式EP−33)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(下記式EP−34)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン(下記式EP−35)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン(下記式EP−36)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン(下記式EP−37)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン(下記式EP−38)、2,6−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(下記式EP−39)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(下記式EP−40)、2,2’−ジメチル−(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)−4,4’−ジアミノビフェニル(下記式EP−41)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(下記式EP−42)、1,3,5−トリス(4−(N,N−ジグリシジル)アミノフェノキシ)ベンゼン(下記式EP−43)、2,4,4’−トリス(N,N−ジグリシジルアミノ)ジフェニルエーテル(下記式EP−44)、トリス(4−(N,N−ジグリシジル)アミノフェニル)メタン(下記式EP−45)、3,4,3’,4’−テトラキス(N,N−ジグリシジルアミノ)ビフェニル(下記式EP−46)、3,4,3’,4’−テトラキス(N,N−ジグリシジルアミノ)ジフェニルエーテル(下記式EP−47)、下記式EP−48で表される化合物、および下記式EP−49で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014199446

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オキシラニルを有するモノマーの単独重合体としては、例えばポリグリシジルメタクリレートが挙げられる。オキシラニルを有するモノマーの共重合体としては、例えばN−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、およびスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が挙げられる。
オキシラニルを有するモノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、およびメチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
オキシラニルを有するモノマーの共重合体におけるオキシラニルを有するモノマー以外の他のモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、およびN−フェニルマレイミドが挙げられる。
グリシジルイソシアヌレートとしては、例えば1,3,5−トリグリシジル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(下記式EP−50)、1,3−ジグリシジル−5−アリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(下記式EP−51)、およびグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂が挙げられる。
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鎖状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばエポキシ化ポリブタジエン、およびエポリードPB3600((株)ダイセル製)が挙げられる。
環状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド2021((株)ダイセル製)、下記式EP−52)、2−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−2’−メチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(下記式EP−53)、2,3−エポキシシクロペンタン−2’,3’−エポキシシクロペンタンエーテル(下記式EP−54)、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2:8,9−ジエポキシリモネン(セロキサイド3000((株)ダイセル製)、下記式EP−55)、下記式EP−56で表される化合物、CY−175、CY−177、CY−179(いずれもThe Ciba-Geigy Chemical Corp.製(ハンツマン・ジャパン(株)から入手できる。))、EHPD−3150((株)ダイセル製)、および環状脂肪族型エポキシ樹脂が挙げられる。
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エポキシ化合物は、ポリグリシジルアミン化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、および環状脂肪族型エポキシ化合物の一以上であることが好ましく、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、商品名「テクモアVG3101L」、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、およびクレゾールノボラック型エポキシ化合物の一以上であることがより好ましい。
また例えば、本発明の液晶配向剤は各種添加剤をさらに含有していてもよい。各種添加剤としては、例えばポリアミック酸およびその誘導体以外の高分子化合物、および低分子化合物が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。
例えば、前記高分子化合物としては、有機溶媒に可溶性の高分子化合物が挙げられる。このような高分子化合物を本発明の液晶配向剤に添加することは、形成される液晶配向膜の電気特性や配向性を制御する観点から好ましい。該高分子化合物としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコーン変性ポリウレタン、およびシリコーン変性ポリエステルが挙げられる。
また、前記低分子化合物としては、例えば1)塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤、2)帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤、3)基板との密着性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤、また、4)低温でイミド化を進行させる場合はイミド化触媒が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロピルアミン、およびN,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンが挙げられる。好ましいシランカップリング剤は3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
イミド化触媒としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチル置換アニリン、ヒドロキシ置換アニリン等の芳香族アミン類;ピリジン、メチル置換ピリジン、ヒドロキシ置換ピリジン、キノリン、メチル置換キノリン、ヒドロキシ置換キノリン、イソキノリン、メチル置換イソキノリン、ヒドロキシ置換イソキノリン、イミダゾール、メチル置換イミダゾール、ヒドロキシ置換イミダゾール等の環式アミン類が挙げられる。前記イミド化触媒は、N,N−ジメチルアニリン、o−, m−, p−ヒドロキシアニリン、o−, m−, p−ヒドロキシピリジン、およびイソキノリンから選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。
シランカップリング剤の添加量は、通常、ポリアミック酸またはその誘導体の総重量の0〜20重量%であり、0.1〜10重量%であることが好ましい。
イミド化触媒の添加量は、通常、ポリアミック酸またはその誘導体のカルボニル基に対して0.01〜5当量であり、0.05〜3当量であることが好ましい。
その他の添加剤の添加量は、その用途に応じて異なるが、通常、ポリアミック酸またはその誘導体の総重量の0〜100重量%であり、0.1〜50重量%であることが好ましい。
また例えば、本発明の液晶配向剤は、本発明の効果が損なわれない範囲(好ましくは前記ポリアミック酸またはその誘導体の20重量%以内の量)で、アクリル酸ポリマー、アクリレートポリマー、および、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸またはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドイミド等の他のポリマー成分をさらに含有していてもよい。
また例えば、前記液晶配向剤は、液晶配向剤の塗布性や前記ポリアミック酸またはその誘導体の濃度の調整の観点から、溶剤をさらに含有していてもよい。前記溶剤は、高分子成分を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。前記溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド等の高分子成分の製造工程や用途面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。前記溶剤は1種でも2種以上の混合溶剤であってもよい。
前記配向剤中のポリアミック酸の濃度は0.1〜40重量%であることが好ましい。この配向剤を基板に塗布するときには、膜厚の調整のために、含有されているポリアミック酸を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがある。
前記配向剤における固形分濃度は特に限定されるものではなく、下記の種々の塗布法に合わせ最適な値を選べばよい。通常、塗布時のムラやピンホール等を抑えるため、ワニス重量に対し、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
本発明の液晶配向剤に使用される溶剤は、前記式(A)で表される化合物を溶媒成分として含有する溶液である。前記式(A)の具体例としては、例えば、前記式(A−1)〜(A−6)で表される溶媒が挙げられる。ポリアミック酸の溶解性の観点から、(A−1)、(A−4)および(A−6)が好ましい。
前記配向剤中の前記式(A)で表される溶剤の割合は0.1〜90重量%であることが好ましく、10〜85重量%であることがより好ましい。
本発明の液晶配向剤における溶媒成分は、前記式(A)で表される溶媒のみであってもかまわないが、基板への塗布性を制御したり、樹脂成分の溶解性を確保するために、前記式(A)で表される第一溶剤の他に、下記第2溶剤および/または第3溶媒を含有することが望ましい。
基板への塗布性を制御するため、第2溶剤として、貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などを、生成するポリアミック酸重合体またはポリイミド重合体が析出しない範囲で併用することが出来る。このような溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、ペンチレンカーボネート、ヘキシレンカーボネート、2−メチル−1,3−プロピレンカーボネート、2,2−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−プロピレンカーボネート、2−アセトキシ−2−メチル−1,3−プロピレンカーボネート、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルフェニルエーテル、エチレングリコールエチルフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸n−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−メチルシクロヘキシル、プロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−イソ酪酸メチル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソアミル、2−メチルペンタノン−2、4−ジオール、t−ブチルアルコール、トリエチルカルビノール、t−アミルアルコール、1−メチルシクロヘキサノール、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジオール、n−ブチルアルコール、ビス(3−メチルブチル)エーテル、ジn−ペンチルエーテル(ジアミルエーテル)、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、5−ノナノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、酢酸4−メチル−2−ペンチル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、乳酸イソアミルエステル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ダイアセトンアルコール)、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ベンジルアルコール、1−フェノキシ−2−プロパノール、フェネチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−(2−メトキシプロポキシ)プロパノール、2−ヒドロキシエチルアセテート、2−ヒドロキシプロピルアセテート、3−ヒドロキシプロピルアセテート、2−ヒドロキシブチルアセテート、3−ヒドロキシブチルアセテート、4−ヒドロキシブチルアセテート、2−ヒドロキシエチルプロピオネート、2−ヒドロキシプロピルプロピオネート、3−ヒドロキシプロピルプロピオネート、2−ヒドロキシエチルラクテート、2−ヒドロキシプロピルラクテート、3−ヒドロキシプロピルラクテート、2,4−ペンタンジオン、エチル−3−エトキシプロピオネート、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、3−メチル−3メトキシブタノール、1,3−ジオキソラン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、ブチロフェノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、またはジイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアミック酸重合体またはポリイミド重合体に対する溶解性を確保するため、第3溶剤(良溶剤)として、良溶剤を併用することが出来る。このような溶剤としてはN−アルキル−2−ピロリドン類、ラクトン類および1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン類が挙げられ、例えば、γ−ブチロラクトン,N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホトリアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N−メチルプロパンアミド、N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどが挙げられる。
これらの中で、第3溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが特に好ましい。
本発明の液晶配向膜について、詳細に説明する。本発明の液晶配向膜は、前述した本発明の液晶配向剤の塗膜を加熱することによって形成される膜である。本発明の液晶配向膜は、液晶配向剤から液晶配向膜を作製する通常の方法によって得ることができる。例えば本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤の塗膜を形成する工程と、加熱乾燥する工程と、加熱焼成する工程を経ることによって得ることができる。本発明の液晶配向膜については、必要に応じて後述の通り、加熱乾燥工程、加熱焼成工程を経て得られる膜をラビング処理して異方性を付与してもよい。または、必要に応じて、塗膜工程、加熱乾燥工程の後に光を照射して、または加熱焼成工程の後に光を照射して異方性を付与してもよい。またラビング処理をしないVA用液晶配向膜としても使用してもよい。
塗膜は、通常の液晶配向膜の作製と同様に、液晶表示素子における基板に本発明の液晶配向剤を塗布することによって形成することができる。基板には、ITO(IndiumTinOxide)、IZO(In−ZnO)、IGZO(In−Ga−ZnO)電極等の電極やカラーフィルタ等が設けられていてもよいガラス製の基板が挙げられる。
液晶配向剤を基板に塗布する方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。
前記加熱乾燥工程は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。加熱乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の温度で実施することが好ましく、加熱焼成工程における温度に対して比較的低い温度で実施することがより好ましい。具体的には加熱乾燥温度は30℃〜150℃の範囲であること、さらには50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。
前記加熱焼成工程は、前記ポリアミック酸またはその誘導体が脱水・閉環反応を呈するのに必要な条件で行うことができる。前記塗膜の焼成は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。一般に100〜300℃程度の温度で1分間〜3時間行うことが好ましく、120〜280℃がより好ましく、150〜250℃がさらに好ましい。
本発明の液晶配向膜の形成方法において、液晶を水平および/または垂直方向に対して一方向に配向させるために、配向膜へ異方性を付与する手段として、ラビング法や光配向法など公知の形成方法を好適に用いることができる。特に光配向法を好適に用いることができる。
ラビング法を用いた本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤を基板に塗布する工程と、配向剤を塗布した基板を加熱乾燥する工程と、その膜を加熱焼成する工程と、膜をラビング処理する工程とを経て形成することができる。
ラビング処理は、通常の液晶配向膜の配向処理のためのラビング処理と同様に行うことができ、本発明の液晶配向膜において十分なリタデーションが得られる条件であればよい。好ましい条件は、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmである。
光配向法による本発明の液晶配向膜の形成方法について、詳細に説明する。光配向法を用いた本発明の液晶配向膜は、塗膜を加熱乾燥した後、放射線の直線偏光または無偏光を照射することにより、塗膜に異方性を付与し、その膜を加熱焼成することにより形成することができる。または、塗膜を加熱乾燥し、加熱焼成した後に、放射線の直線偏光または無偏光を照射することにより形成する事ができる。配向性の点から、放射線の照射工程は加熱焼成工程前に行うのが好ましい。
さらに、液晶配向膜の液晶配向能を上げるために、塗膜を加熱しながら放射線の直線偏光または無偏光を照射することもできる。放射線の照射は、塗膜を加熱乾燥する工程、または加熱焼成する工程で行ってもよく、加熱乾燥工程と加熱焼成工程の間に行ってもよい。該工程における加熱乾燥温度は、30℃〜150℃の範囲であること、さらには50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。また該工程における加熱焼成温度は、30℃〜300℃の範囲であること、さらには50℃〜250℃の範囲であることが好ましい。
放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線または可視光を用いることができるが、300〜400nmの光を含む紫外線が好ましい。また、直線偏光または無偏光を用いることができる。これらの光は、前記塗膜に液晶配向能を付与することができる光であれば特に限定されないが、液晶に対して強い配向規制力を発現させたい場合、直線偏光が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、低エネルギーの光照射でも高い液晶配向能を示すことができる。前記放射線照射工程における直線偏光の照射量は0.05〜20J/cmであることが好ましく、0.5〜10J/cmがより好ましい。また直線偏光の波長は200〜400nmであることが好ましく、300〜400nmであることがより好ましい。直線偏光の膜表面に対する照射角度は特に限定されないが、液晶に対する強い配向規制力を発現させたい場合、膜表面に対してなるべく垂直であることが配向処理時間短縮の観点から好ましい。また、本発明の液晶配向膜は、直線偏光を照射することにより、直線偏光の偏光方向に対して垂直な方向に液晶を配向させることができる。
プレチルト角を発現させたい場合に前記膜に照射する光は、前述同様直線偏光であっても無偏光であってもよい。プレチルト角を発現させたい場合に前記膜に照射される光の照射量は0.05〜20J/cmであることが好ましく、0.5〜10J/cmが特に好ましく、その波長は250〜400nmであることが好ましく、300〜380nmが特に好ましい。プレチルト角を発現させたい場合に前記膜に照射する光の前記膜表面に対する照射角度は特に限定されないが、30〜60度であることが配向処理時間短縮の観点から好ましい。
放射線の直線偏光または無偏光を照射する工程に使用する光源には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、エキシマランプ、KrFエキシマレーザー、蛍光ランプ、LEDランプ、ナトリウムランプ、マイクロウェーブ励起無電極ランプ、などを制限なく用いることができる。
本発明の液晶配向膜は、前述した工程以外の他の工程をさらに含む方法によって好適に得られる。例えば、本発明の液晶配向膜は焼成または放射線照射後の膜を洗浄液で洗浄する工程は必須としないが、他の工程の都合で洗浄工程を設けることができる。
洗浄液による洗浄方法としては、ブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄等が挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。このような洗浄方法は、本発明の液晶配向膜の形成における前記洗浄工程にも適用することができる。
本発明の液晶配向膜の液晶配向能を高めるために、加熱焼成工程の前後、ラビング工程の前後、または、偏光または無偏光の放射線照射の前後に、熱や光によるアニール処理を用いることができる。該アニール処理において、アニール温度が30〜180℃、好ましくは50〜150℃であり、時間は1分〜2時間が好ましい。また、アニール処理に使用するアニール光には、UVランプ、蛍光ランプ、LEDランプなどが挙げられる。光の照射量は0.3〜10J/cmであることが好ましい。
本発明の液晶配向膜の膜厚は、特に限定されないが、10〜300nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。本発明の液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。
本発明の液晶配向膜は特に大きな配向の異方性を持つことを特徴とする。このような異方性の大きさは特開2005−275364等に記載の偏光IRを用いた方法で評価する事ができる。また以下の実施例に示すようにエリプソメトリーを用いた方法によっても評価することができる。本発明の配向膜を液晶組成物用配向膜として使用した場合、より大きな膜の異方性を持つ材料が液晶組成物に対し大きな配向規制力を持つと考えられる。
本発明の液晶配向膜は、液晶ディスプレイ用の液晶組成物の配向用途以外に、光学補償材やその他すべての液晶材料の配向制御に用いることができる。また本発明の配向膜は大きな異方性を有するので、単独で光学補償材用途に使用することができる。
本発明は、対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が本発明の配向膜である液晶表示素子を提供する。
前記電極は、基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には、例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。また電極は、基板の一方の面の全面に形成されていてもよいし、例えばパターン化されている所望の形状に形成されていてもよい。電極の前記所望の形状には、例えば櫛型またはジグザグ構造等が挙げられる。電極は、一対の基板のうちの一方の基板に形成されていてもよいし、両方の基板に形成されていてもよい。電極の形成の形態は液晶表示素子の種類に応じて異なり、例えばIPS型液晶表示素子やFFS型液晶表示素子の場合は前記一対の基板の一方に電極が配置され、その他の液晶表示素子の場合は前記一対の基板の双方に電極が配置される。前記基板または電極の上に前記液晶配向膜が形成される。
前記液晶層は、液晶配向膜が形成された面が対向している前記一対の基板によって液晶組成物が挟持される形で形成される。液晶層の形成では、微粒子や樹脂シート等の、前記一対の基板の間に介在して適当な間隔を形成するスペーサを必要に応じて用いることができる。
液晶組成物には、特に制限はなく、誘電率異方性が正または負の各種の液晶組成物を用いることができる。誘電率異方性が正の好ましい液晶組成物には、特許第3086228、特許第2635435、特表平5−501735、特開平8−157826、特開平8−231960、特開平9−241644(EP885272A1)、特開平9−302346(EP806466A1)、特開平8−199168(EP722998A1)、特開平9−235552、特開平9−255956、特開平9−241643(EP885271A1)、特開平10−204016(EP844229A1)、特開平10−204436、特開平10−231482、特開2000−087040、特開2001−48822、国際公開第2010/050324、特開2011−016986、特表2011−506707、国際公開第2010/0522891、特開2005−239763等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
前記負の誘電率異方性を有する液晶組成物の好ましい例として、特開昭57−114532、特開平2−4725、特開平4−224885、特開平8−40953、特開平8−104869、特開平10−168076、特開平10−168453、特開平10−236989、特開平10−236990、特開平10−236992、特開平10−236993、特開平10−236994、特開平10−237000、特開平10−237004、特開平10−237024、特開平10−237035、特開平10−237075、特開平10−237076、特開平10−237448(EP967261A1)、特開平10−287874、特開平10−287875、特開平10−291945、特開平11−029581、特開平11−080049、特開2000−256307、特開2001−019965、特開2001−072626、特開2001−192657、特開2010−037428、国際公開第2011/024666、国際公開2010/072370、特表2010−537010、特開2012−077201、特開2009−084362等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
また例えば、本発明の素子に用いる液晶組成物は、例えば配向性を向上させる観点から、添加物をさらに添加しても良い。このような添加物は、光重合性モノマー、光学活性な化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合開始剤、重合禁止剤などである。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例における評価法は次の通りである。
<重量平均分子量(Mw)>
ポリアミック酸の重量平均分子量は、2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計(Waters製)を用いてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。得られたポリアミック酸をリン酸−DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100:重量比)で、ポリアミック酸濃度が約2重量%になるように希釈した。カラムはHSPgel RT MB−M(Waters製)を使用し、前記混合溶液を展開剤として、カラム温度50℃、流速0.40mL/minの条件で測定を行った。標準ポリスチレンは東ソー(株)製TSK標準ポリスチレンを用いた。
<粘度測定>
ポリアミック酸の粘度は、東機産業(株)製TVE−25L形粘度計を用いて測定した。
<印刷性(ハジキ性)の評価>
きれいに洗浄したガラス基板上に、合成したポリアミック酸の試料溶液を数滴滴下し、3000rpmの回転速度で10秒間スピナーにかけた後、室温で放置し、配向剤のハジキ性を目視で評価した。ハジキ性の評価を行った室内の湿度は、約50%であった。
<AC残像(輝度変化率)>
後述する液晶表示素子の輝度−電圧特性(B−V特性)を測定した。これをストレス印加前の輝度−電圧特性:B(before)とする。次に、素子に4.5V、60Hzの交流を20分間印加した後、1秒間ショートし、再び輝度−電圧特性(B−V特性)を測定した。これをストレス印加後の輝度−電圧特性:B(after)とする。これらの値をもとに、輝度変化率ΔB(%)を、

ΔB(%)=[B(after)−B(before)]/B(before) (式1)

の式を用いて見積もった。これらの測定は国際公開2000/43833を参考に行った。電圧0.75VにおけるΔB(%)の値が小さいほど、AC残像の発生を防止できるといえる。
<配向安定性(液晶配向軸安定性)>
後述する液晶表示素子の電極側の液晶配向軸の変化率を求めた。ストレス印加前の電極側の液晶配向角度φ(before)を測定し、その後、素子に矩形波4.5V、60Hzを20分間印加した後、1秒間ショートし、1秒後および5分後に再び電極側の液晶配向角度φ(after)を測定した。これらの値をもとに、1秒後および5分後の液晶配向角度の変化Δφ(deg.)を、

Δφ(deg.)=φ(after)−φ(before) (式2)

の式を用いて見積もった。これらの測定はJ. Hilfiker, B. Johs, C. Herzinger, J. F. Elman, E. Montbach, D. Bryant, and P. J. Bos Thin Solid Films, 455-456, (2004) 596-600を参考に行った。Δφが小さいほうが液晶配向軸の変化率が小さく、液晶配向軸の安定性が良いといえる。
実施例において用いた溶剤、添加剤、液晶組成物は次の通りである。
<溶剤>
DMIB:N,N,2−トリメチルプロピオンアミド
DEIB:N,N−ジエチル−2−メチルプロパンアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
GBL:γ−ブチロラクトン
BC:ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)
BL:乳酸 n−ブチル
MMB:3−メトキシ−3−メチルブタノール
DPM:ジプロピレングリコールメチルエーテル
PGB:プロピレングリコールモノブチルエーテル
<添加剤>
Ad1:ビス[4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル]メタン
Ad2:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
Ad3:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
Ad4:1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン
Ad5:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
<液晶組成物>
ポジ型液晶組成物:
Figure 2014199446

物性値:NI 100.1℃; Δε 5.1; Δn 0.093; η 25.6mPa・s.
ネガ型液晶組成物:
Figure 2014199446
物性値:NI 75.7℃; Δε −4.1; Δn 0.101; η 14.5mPa・s.
<1.ポリアミック酸の合成>
[合成例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた50mLの褐色四つ口フラスコにジアミン(DI−5−1,m=2)1.4291gおよび脱水DMIB18.5gを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。次いで酸二無水物(AN−1−13)0.6899g、酸二無水物(AN−3−2)0.8810g、および脱水DMIB18.5gを入れ、室温で24時間攪拌を続けた。この反応溶液にBC10.0gを加えて、ポリマー固形分濃度が6重量%のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液をPA1とする。PA1に含まれるポリアミック酸の重量平均分子量は84,000であった。
[合成例2〜22]
表1に示したように溶剤組成、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを変更した以外は、合成例1に準拠してポリマー固形分濃度が6重量%のポリアミック酸溶液(PA2)〜(PA22)を調製した。合成例1の結果を含めて、得られたポリアミック酸の重量平均分子量の測定結果を表1にまとめた。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
[比較合成例1〜5]
表2に示したように溶剤組成、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを変更した以外は、合成例1に準拠してポリマー固形分濃度が6重量%のポリアミック酸溶液(PA23)〜(PA27)を調製した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量の測定結果を表2にまとめた。
Figure 2014199446
<2.ポリアミック酸の保存安定性と印刷性(ハジキ性)>
[実施例1]
合成例1で調製したポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)について、合成直後の粘度を測定したところ39.3Pa・sであった(初期粘度)。また、このワニスを室温で30日間保存した後の粘度を測定したところ、38.0Pa・sであった。前述した方法で、印刷性(ハジキ性)を目視で確認したところ、配向剤のハジキは見られなかった。
[実施例2〜22]
合成例2〜22で調製したポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA2)〜(PA22)についても、実施例1と同様に初期粘度と30日後の粘度を測定した。実施例1結果を含めて、得られたポリアミック酸の粘度測定の結果と印刷性の結果を表3にまとめた。
Figure 2014199446
Figure 2014199446
[比較例1〜5]
比較合成例1〜5で調製したポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA23)〜(PA27)についても、実施例1と同様に初期粘度と30日後の粘度を測定した。得られたポリアミック酸の粘度測定の結果と印刷性の結果を表4にまとめた。
Figure 2014199446
実施例1〜22と比較例1〜5の比較により、本発明の液晶配向剤は室温での粘度の低下が少なく、液晶配向剤の保存安定性が高いことが分かる。また、本発明の液晶配向剤は基板に塗布した後ハジキがなく、印刷性が高いことが分かる。
<3.ポリアミック酸のブレンド>
ポリマー〔A〕として、合成例1で合成したポリアミック酸PA1と、ポリマー〔B〕として合成例4で合成したポリアミック酸PA4を重量比で〔A〕/〔B〕=1.0/9.0で混合し、PA28とした。
〔A〕成分と〔B〕成分ポリアミック酸の種類および〔A〕/〔B〕混合比を変更した以外は、PA28に準拠してポリマー固形分濃度が6重量%のポリアミック酸溶液(PA29)〜(PA40)を調製した。PA28を含めて、〔A〕成分と〔B〕成分ポリアミック酸の種類および〔A〕/〔B〕混合比を表5にまとめた。
Figure 2014199446
合成例5で調製したポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA5)に、添加剤(Ad1)をポリマー重量当たり5重量%の割合で添加した。得られたポリアミック酸溶液をPA41とする。
ポリアミック酸の種類、添加剤の種類および量を変更した以外は、PA41に準拠して添加剤を添加し、ポリアミック酸溶液(PA42)〜(PA45)を調製した。PA41を含めて、ポリアミック酸の種類、添加剤の種類および量を表6にまとめた。
Figure 2014199446
<4.液晶表示素子の作製方法>
<<4−1.IPS型液晶表示素子>>
[実施例23]
合成例1で調製したポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)に、DMIB/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。液晶配向剤をガラス基板にスピンナーにて塗布した。なお、以降の実施例、比較例をも含めて、液晶配向剤の粘度に応じてスピンナーの回転速度を調整し、配向膜が下記の膜厚になるようにした。塗膜後70℃にて80秒間加熱乾燥した後、230℃にて15分間加熱処理して、膜厚100±10nmの配向膜を形成した。形成した配向膜の白化を目視で確認したが、白化は観察されなかった。
次いで、得られた液晶配向膜を株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.8mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.20mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1,000rpmの条件で、ラビング処理を行った。
基板上に配向膜が形成された基板2枚の配向膜が形成されている面を対向させ、それぞれの配向膜のラビング方向が平行になるように、さらに対向する配向膜の間に液晶組成物を注入させるための空隙を形成して貼り合わせ、セル厚4μmの空IPSセルを組み立てた。また、この空IPSセルに液晶を注入するための注入口は、注入時に液晶の流動する方向が、配向膜のラビング方向とほぼ平行するような位置に設けた。作製した空IPSセルに上記ポジ型液晶組成物を真空注入して、液晶表示素子を作製した。作製した液晶表示素子の流動配向を目視で確認したが、流動配向は観察されなかった。
上記で作製したIPS液晶表示素子を用いて上記記載の方法でAC残像(輝度変化率)ΔB(%)を測定したところ、4.9%であった。
上記で作製したIPS液晶表示素子を用いて上記記載の方法で液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定したところ、初期値は0.025deg、5分後の値は0.015degであった。
[実施例24〜34]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA1およびPA2〜PA8、PA28、PA29、PA41およびPA45のそれぞれに、ポリアミック酸の溶剤組成と同様の溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例23に準じた方法でIPS液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られたIPS液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、実施例23の結果と合わせて表7にまとめた。
[比較例6]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA23に、NMP/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例23に準じた方法でIPS液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られたIPS液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、前記実施例の結果と共に表7に併記した。
Figure 2014199446
<<4−2.TN型液晶表示素子>>
[実施例35]
合成例1で調製したポリマー固形分濃度1重量%のポリアミック酸溶液(PA9)に、DMIB/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。液晶配向剤をガラス基板にスピンナーにて塗布した。なお、以降の実施例、比較例をも含めて、液晶配向剤の粘度に応じてスピンナーの回転速度を調整し、配向膜が下記の膜厚になるようにした。塗膜後70℃にて80秒間加熱乾燥した後、230℃にて15分間加熱処理して、膜厚100±10nmの配向膜を形成した。形成した配向膜の白化を目視で確認したが、白化は観察されなかった。
次いで、得られた液晶配向膜を株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.8mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.30mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1,000rpmの条件で、ラビング処理を行った。
基板上に配向膜が形成された基板2枚の配向膜が形成されている面を対向させ、それぞれの配向膜のラビング方向が垂直になるように、さらに対向する配向膜の間に液晶組成物を注入させるための空隙を形成して貼り合わせ、セル厚4μmの空TNセルを組み立てた。また、この空TNセルに液晶を注入するための注入口は、注入時に液晶の流動する方向が、配向膜のラビング方向とほぼ平行するような位置に設けた。作製した空TNセルに上記ポジ型液晶組成物を真空注入して、液晶表示素子を作製した。作製した液晶表示素子の流動配向を目視で確認したが、流動配向は観察されなかった。
上記で作製したTN液晶表示素子を用いて上記記載の方法でAC残像(輝度変化率)ΔB(%)を測定したところ、5.8%であった。
上記で作製したTN液晶表示素子を用いて上記記載の方法で液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定したところ、初期値は0.036deg、5分後の値は0.020degであった。
[実施例36〜41]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA10〜PA11、PA30〜PA32およびPA42のそれぞれに、ポリアミック酸の溶剤組成と同様の溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例35に準じた方法でTN液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られたTN液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、実施例35の結果と合わせて表8にまとめた。
[比較例7]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA24に、NMP/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例35に準じた方法でTN液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られたTN液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、前記実施例の結果と共に表8に併記した。
Figure 2014199446
<<4−3.VA型液晶表示素子>>
[実施例42]
合成例12で調製したポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA12)に、DMIB/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。液晶配向剤をガラス基板にスピンナーにて塗布した。なお、以降の実施例、比較例をも含めて、液晶配向剤の粘度に応じてスピンナーの回転速度を調整し、配向膜が下記の膜厚になるようにした。塗膜後70℃にて80秒間加熱乾燥した後、230℃にて15分間加熱処理して、膜厚100±10nmの配向膜を形成した。形成した配向膜の白化を目視で確認したが、白化は観察されなかった。
基板上に配向膜が形成された基板2枚の配向膜が形成されている面を対向させ、さらに対向する配向膜の間に液晶組成物を注入させるための空隙を形成して貼り合わせ、セル厚4μmの空VAセルを組み立てた。また、この空VAセルに液晶を注入するための注入口は、注入時に液晶の流動する方向が、配向膜のラビング方向とほぼ平行するような位置に設けた。作製した空VAセルに上記ネガ型液晶組成物を真空注入して、液晶表示素子を作製した。作製した液晶表示素子の流動配向を目視で確認したが、流動配向は観察されなかった。
上記で作製したVA液晶表示素子を用いて上記記載の方法でAC残像(輝度変化率)ΔB(%)を測定したところ、6.3%であった。
上記で作製したVA液晶表示素子を用いて上記記載の方法で液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定したところ、初期値は0.047deg、5分後の値は0.022degであった。
[実施例43〜47]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA13〜14、PA33、PA34およびPA43のそれぞれに、ポリアミック酸の溶剤組成と同様の溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例42に準じた方法でVA液晶表示素子を作製し、ネガ型液晶組成物を注入した。得られたVA液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、実施例42の結果と合わせて表9にまとめた。
[比較例8]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA25に、NMP/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例43に準じた方法でVA液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られたVA液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、前記実施例の結果と共に表9に併記した。
Figure 2014199446
<<4−4.横電界光異性化型液晶表示素子>>
[実施例48]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA15)に、DMIB/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。液晶配向剤をカラムスペーサー付きガラス基板とITO電極付きガラス基板それぞれ1枚ずつにスピンナーにて塗布した。なお、以降の実施例、比較例をも含めて、液晶配向剤の粘度に応じてスピンナーの回転速度を調整し、配向膜が下記の膜厚になるようにした。塗膜後70℃にて80秒間加熱乾燥した。次いで、ウシオ電機(株)製マルチライトML−501C/Bを用い、基板に対して鉛直方向から、偏光板を介して紫外線の直線偏光を照射した。この時の露光エネルギーは、ウシオ電機(株)製紫外線積算光量計UIT−150(受光器UVD−S365)を用いて光量を測定し、波長365nmで2.0±0.1J/cmになるよう、露光時間を調整した。次いで、230℃にて15分間加熱焼成を行い、最後にホットプレートにて100℃にて30分間熱アニールを行った。形成された配向膜の膜厚は100±10nmであった。形成した配向膜の白化を目視で確認したが、白化は観察されなかった。
基板上に配向膜が形成された基板2枚の配向膜が形成されている面を対向させ、それぞれの配向膜に照射された紫外線の偏光方向が平行になるように、さらに対向する配向膜の間に液晶組成物を注入させるための空隙を形成して貼り合わせ、セル厚4μmの空FFSセルを組み立てた。また、この空FFSセルに液晶を注入するための注入口は、注入時に液晶の流動する方向が、配向膜に照射された紫外線の偏光方向とほぼ平行するような位置に設けた。作製した空FFSセルに上記ポジ型液晶組成物を真空注入して、横電界光異性化型液晶表示素子を作製した。作製した液晶表示素子の流動配向を目視で確認したが、流動配向は観察されなかった。
上記で作製した横電界光異性化型液晶表示素子を用いて上記記載の方法でAC残像(輝度変化率)ΔB(%)を測定したところ、2.8%であった。
上記で作製した横電界光異性化型液晶表示素子を用いて上記記載の方法で液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定したところ、初期値は0.021deg、5分後の値は0.012degであった。
[実施例49〜53]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA16〜PA20のそれぞれに、ポリアミック酸の溶剤組成と同様の溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例48に準じた方法で横電界光異性化型液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られた横電界光異性化型液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、実施例48の結果と合わせて表10にまとめた。
[実施例54〜58]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA35〜PA38およびPA44のそれぞれに、ポリアミック酸の溶剤組成と同様の溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。光源のランプをウシオ電機(株)製マルチライトML−501C/Bからウシオ電機(株)製メタルハライドランプUVL−1500M2−N1に変更した以外は、実施例48に準じた方法で横電界光異性化型液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られた横電界光異性化型液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、実施例48〜53の結果と合わせて表10にまとめた。
[比較例9]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA26に、NMP/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例48に準じた方法で横電界光異性化型液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られた横電界光異性化型液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、前記実施例の結果と共に表10に併記した。
Figure 2014199446
<<4−5.横電界光分解型液晶表示素子>>
[実施例59]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA21)に、DMIB/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。液晶配向剤をカラムスペーサー付きガラス基板とITO電極付きガラス基板それぞれ1枚ずつにスピンナーにて塗布した。なお、以降の実施例、比較例をも含めて、液晶配向剤の粘度に応じてスピンナーの回転速度を調整し、配向膜が下記の膜厚になるようにした。塗膜後70℃にて80秒間加熱乾燥した後、230℃にて30分間加熱焼成して、膜厚100±10nmの配向膜を形成した。次いで、ウシオ電機(株)製マルチライトML−501C/Bを用い、基板に対して鉛直方向から、偏光板を介して紫外線の直線偏光を照射した。この時の露光エネルギーは、ウシオ電機(株)製紫外線積算光量計UIT−150(受光器UVD−S254)を用いて光量を測定し、波長254nmで2.0±0.1J/cmになるよう、露光時間を調整した。形成した配向膜の白化を目視で確認したが、白化は観察されなかった。
基板上に配向膜が形成された基板2枚の配向膜が形成されている面を対向させ、それぞれの配向膜に照射された紫外線の偏光方向が平行になるように、さらに対向する配向膜の間に液晶組成物を注入させるための空隙を形成して貼り合わせ、セル厚4μmの空FFSセルを組み立てた。また、この空FFSセルに液晶を注入するための注入口は、注入時に液晶の流動する方向が、配向膜に照射された紫外線の偏光方向とほぼ平行するような位置に設けた。作製した空FFSセルに上記ポジ型液晶組成物を真空注入して、横電界光分解型液晶表示素子を作製した。作製した液晶表示素子の流動配向を目視で確認したが、流動配向は観察されなかった。
上記で作製した横電界光分解型液晶表示素子を用いて上記記載の方法でAC残像(輝度変化率)ΔB(%)を測定したところ、7.8%であった。
上記で作製した横電界光分解型液晶表示素子を用いて上記記載の方法で液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定したところ、初期値は0.062deg、5分後の値は0.032degであった。
[実施例60〜62]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA22、PA39およびPA40のそれぞれに、ポリアミック酸の溶剤組成と同様の溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例59に準じた方法で横電界光分解型液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られた横電界光分解型液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、実施例59の結果と合わせて表11にまとめた。
[比較例10]
ポリマー固形分濃度6重量%のポリアミック酸溶液PA27に、NMP/BC=70/30(重量比)の混合溶剤を加え、ポリマー固形分濃度4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例59に準じた方法で横電界光分解型液晶表示素子を作製し、ポジ型液晶組成物を注入した。得られた横電界光分解型液晶表示素子の配向膜白化、流動配向、AC残像(輝度変化率)ΔB(%)、そして液晶配向軸安定性Δφ(deg)を測定した。得られた結果は、前記実施例の結果と共に表11に併記した。
Figure 2014199446
実施例23〜62と比較例6〜10の比較により、本発明の液晶配向剤を用いて作製した液晶表示素子は、AC残像を低下させ、液晶配向性軸の安定性が高いことが分かる。
本発明の液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜を備えることによって、残像特性に優れ、かつ配向安定性の良い液晶表示素子を製造することができる。

Claims (16)

  1. テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体と、溶媒とを含有してなる溶液であり、前記溶媒が下記式(A)で表される化合物の少なくとも1つを含有する液晶配向剤:
    Figure 2014199446
    式中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキルである。
  2. 式(A)で表される化合物が下記式(A−1)〜(A−6)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2014199446
  3. 式(A)で表される化合物が式(A−1)、(A−4)および(A−6)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項2に記載の液晶配向剤。
  4. 溶媒がエチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、2−メチル−1,3−プロピレンカーボネート、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルフェニルエーテル、エチレングリコールエチルフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸n−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸2−メチルシクロヘキシル、プロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−イソ酪酸メチル、2−メチルペンタノン−2、4−ジオール、t−ブチルアルコール、トリエチルカルビノール、t−アミルアルコール、1−メチルシクロヘキサノール、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジオール、n−ブチルアルコール、ビス(3−メチルブチル)エーテル、ジn−ペンチルエーテル(ジアミルエーテル)、4−ヘプタノン、5−ノナノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、酢酸4−メチル−2−ペンチル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、乳酸n−ブチルエステル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ダイアセトンアルコール)、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−(2−メトキシプロポキシ)プロパノール、2−ヒドロキシエチルアセテート、2,4−ペンタンジオン、エチル−3−エトキシプロピオネート、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1,3−ジオキソラン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、ブチロフェノン、およびジイソブチルケトンからなる貧溶媒の群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  5. 溶媒がN−アルキル−2−ピロリドン類、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ラクトン類および1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン類からなる良溶媒の群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  6. 良溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1つである、請求項5に記載の液晶配向剤。
  7. ジアミンと反応させるテトラカルボン酸二無水物が、下記式(AN−I)〜(AN−VII)および(PAN−1)〜(PAN−8)で表されるテトラカルボン酸二無水物の群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶配向剤:
    Figure 2014199446
    式(AN−I)、(AN−IV)および(AN−V)において、Xは独立して単結合または−CH−であり;
    式(AN−II)において、Gは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−であり;
    式(AN−II)〜(AN−IV)において、Yは独立して下記の3価の基の群から選ばれる1つであり、結合手は任意の炭素に連結しており、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられてもよく;
    Figure 2014199446
    式(AN−III)〜(AN−V)において、環Aは炭素数3〜10の単環式炭化水素の基または炭素数6〜30の縮合多環式炭化水素の基であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられていてもよく、環に掛かっている結合手は環を構成する任意の炭素に連結しており、2本の結合手が同一の炭素に連結してもよく;
    式(AN−VI)において、X10は炭素数2〜6のアルキレンであり、Meはメチルを表し、Phはフェニルを表し;
    式(AN−VII)において、G10は独立して−O−、−COO−または−OCO−であり、そして、rは独立して0または1である。
    Figure 2014199446
  8. ジアミンと反応させるテトラカルボン酸二無水物が下記式(AN−1−1)、(AN−1−13)、(AN−2−1)、(AN−2−2)、(AN−3−1)、(AN−3−2)、(AN−4−1)、(AN−4−5)、(AN−4−6)、(AN−4−17)、(AN−4−21)、(AN−4−26)、(AN−4−30)、(AN−9−1)、(AN−13−1)、(AN−16―1)および(PAN−1)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項7に記載の液晶配向剤:
    Figure 2014199446
    式(AN−4−17)において、mは1〜12の整数であり;式(AN−13−1)において、Phはフェニルを表す。
  9. テトラカルボン酸二無水物と反応させるジアミンが、下記式(DI−1)〜(DI−16)、(DIH−1)〜(DIH−3)、(DI−31)〜(DI−35)および(PDI−1)〜(PDI−12)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶配向剤:
    Figure 2014199446

    式(DI−1)において、G20は、−CH−であり、少なくとも1つの−CH−は−NH−、−O−に置き換えられてもよく、mは1〜12の整数であり、アルキレンの少なくとも1つの水素は−OHに置き換えられてもよく;
    式(DI−3)および(DI−5)〜(DI−7)において、G21は独立して単結合、−NH−、−NCH−、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONCH−、−C(CH−、−C(CF−、−(CHm’−、−O−(CHm’−O−、−N(CH)−(CH−N(CH)−、−(O−Cm’−O−、−O−CH−C(CF−CH−O−、−O−CO−(CHm’−CO−O−、−CO−O−(CHm’−O−CO−、−(CHm’−NH−(CHm’−、−CO−(CH−NH−(CH−、−(NH−(CHm’) −NH−、−CO−C−(NH−C−CO−、または−S−(CHm’−S−であり、m’は独立して1〜12の整数であり、kは1〜5の整数であり、nは1または2であり;
    式(DI−4)において、sは独立して0〜2の整数であり;
    式(DI−6)および(DI−7)において、G22は独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−、または炭素数1〜10のアルキレンであり;
    式(DI−2)〜(DI−7)中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の少なくとも1つの水素は、−F、−Cl、炭素数1〜3のアルキレン、−OCH、−OH、−CF、−COH、−CONH、−NHC、フェニル、またはベンジルで置き換えられてもよく、加えて式(DI−4)においては、下記式(DI−4−a)〜(DI−4−e)で置き換えられていてもよく;
    環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し、シクロヘキサン環またはベンゼン環への−NHの結合位置は、G21またはG22の結合位置を除く任意の位置であり;
    Figure 2014199446
    式(DI−4−a)および(DI−4−b)において、R20は独立して水素または−CHであり;
    Figure 2014199446
    式(DI−11)において、rは0または1であり;
    式(DI−8)〜(DI−11)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置であり;
    Figure 2014199446
    式(DI−12)において、R21およびR22は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、G23は独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、wは1〜10の整数であり;
    式(DI−13)において、R23は独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシまたは−Clであり、pは独立して0〜3の整数であり、qは0〜4の整数であり;
    式(DI−14)において、環Bは単環の複素環式芳香族基であり、R24は水素、−F、−Cl、炭素数1〜6のアルキル、アルコキシ、ビニル、アルキニルであり、qは独立して0〜4の整数であり;
    式(DI−15)において、環Cは複素環式芳香族基または複素環式脂肪族基であり;
    式(DI−16)において、G24は単結合、炭素数2〜6のアルキレンまたは1,4−フェニレンであり、rは0または1であり;
    環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し;
    式(DI−13)〜(DI−16)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置であり;
    Figure 2014199446
    式(DIH−1)において、G25は単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−であり;
    式(DIH−2)において、環Dはシクロヘキサン環、ベンゼン環またはナフタレン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよく;
    式(DIH−3)において、環Eはそれぞれ独立してシクロヘキサン環、またはベンゼン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよく、Yは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−であり;
    式(DIH−2)および(DIH−3)において、環に結合する−CONHNHの結合位置は、任意の位置であり;
    Figure 2014199446
    式(DI−31)において、G26は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、または−(CHm’−であり、m’は1〜12の整数であり、R25は炭素数3〜30のアルキル、フェニル、ステロイド骨格を有する基、または下記の式(DI−31−a)で表される基であり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの水素は−Fで置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの−CH2−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、このフェニルの水素は、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF2、−OCF3、炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシで置き換えられていてもよく、ベンゼン環に結合する−NHの結合位置はその環において任意の位置であることを示し、
    Figure 2014199446
    式(DI−31−a)において、G27、G28およびG29は結合基であり、これらは独立して単結合、または炭素数1〜12のアルキレンであり、このアルキレンの1以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−で置き換えられていてもよく、環B21、環B22、環B23および環B24は独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイルまたはアントラセン−9,10−ジイルであり、環B21、環B22、環B23および環B24において、少なくとも1つの水素は−Fまたは−CHで置き換えられてもよく、s、tおよびuは独立して0〜2の整数であって、これらの合計は1〜5であり、s、tまたはuが2であるとき、各々の括弧内の2つの結合基は同じであっても異なってもよく、そして、2つの環は同じであっても異なっていてもよく、R26は−F、−OH、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のフッ素置換アルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHF、または−OCFであり、この炭素数1〜30のアルキルの少なくとも1つの−CH−は下記式(DI−31−b)で表される2価の基で置き換えられていてもよく、
    Figure 2014199446
    式(DI−31−b)において、R27およびR28は独立して炭素数1〜3のアルキルであり、vは1〜6の整数であり;
    Figure 2014199446
    式(DI−32)および式(DI−33)において、G30は独立して単結合、−CO−または−CH−であり、R29は独立して水素または−CHであり、R30は水素、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルケニルであり;
    式(DI−33)におけるベンゼン環の1つの水素は、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルで置き換えられてもよく、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し;
    式(DI−32)および式(DI−33)において、ベンゼン環に結合する−NHはその環における結合位置が任意であることを示し;
    Figure 2014199446
    式(DI−34)および式(DI−35)において、G31は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり、G32は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、R31は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルの少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、R32は炭素数6〜22のアルキルであり、R33は水素または炭素数1〜22のアルキルであり、環B25は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、rは0または1であり;そしてベンゼン環に結合する−NHはその環における結合位置が任意であることを示し;
    Figure 2014199446

    Figure 2014199446

    Figure 2014199446

    Figure 2014199446
    式(PDI−7)において、R51は独立して−CH、-OCH、−CF、または−COOCHであり、bは独立して0〜2の整数である。
  10. テトラカルボン酸二無水物と反応させるジアミンが、下記式(DI−1−3)、(DI−2−1)、(DI−4−1)、(DI−4−5)、(DI−5−1)、(DI−5−5)、(DI−5−9)、(DI−5−30)、(DI−5−37)、(DI−7−3)、(DI−8−2)、(DI−12−1)、(DI−13−1)、(DI−14−8)、(DIH−2−1)、(DI−31−2)、(DI−31−5)、(DI−31−47)、(DI−34−2)、(DI−34−4)、(DI−34−7)、(PDI−6−1)、および(PDI−7−1)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項9に記載の液晶配向剤:
    Figure 2014199446

    Figure 2014199446
    式(DI−5−1)、(DI−5−37)および(DI−7−3)において、mは1〜12の整数であり;
    式(DI−5−30)において、kは1〜5の整数であり;
    式(DI−7−3)において、nは1または2であり;
    式(DI−31−2)において、R34は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり;
    式(DI−31−5)において、R35は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり;
    式(DI−34−2)において、R40は水素または炭素数1〜20のアルキルであり;
    式(DI−34−4)および式(DI−34−7)において、R41は水素または炭素数1〜12のアルキルである。
  11. アルケニル置換ナジイミド化合物、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つをさらに含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  12. アルケニル置換ナジイミド化合物が、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、およびN,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、請求項11に記載の液晶配向剤。
  13. ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物が、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、エチレンビスアクリレート、および4,4’−メチレンビス(N,N―ジヒドロキシエチレンアクリレートアニリン)からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、請求項11に記載の液晶配向剤。
  14. エポキシ化合物が、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、請求項11に記載の液晶配向剤。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の液晶配向剤によって形成された液晶配向膜。
  16. 請求項15に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
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