JP2020008867A - テトラカルボン酸二無水物 - Google Patents

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藤馬 大亮
Daisuke Fujima
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Abstract

【課題】より高い液晶配向性を示し、高い電圧保持率を維持できる、信頼性に優れた液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供すること。特に、光配向に用いることができ、長時間駆動にも耐えることができる液晶配向膜、および該液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供すること。さらに、前記液晶配向剤に使用することができる、新規のテトラカルボン酸二無水物を提供すること。【解決手段】下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つを含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られる、ポリアミック酸またはその誘導体を含有する液晶配向剤。式(1)中、R1は炭素数4〜9の直鎖アルキレンであり、その中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜およびこれを用いた液晶表示素子に関する。詳しくは、光配向方式の液晶配向膜(以降、光配光膜と略記することがある。)を形成するための液晶配向剤、この液晶配向剤を用いて形成される光配向方式の液晶配向膜、そして、この液晶配向膜を有する液晶表示素子に関する。さらには、前記液晶配向剤に用いられるポリアミック酸またはポリイミド等の重合体、およびその原料となるテトラカルボン酸二無水物に関する。
パソコンのモニター、液晶テレビ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型ディスプレイ等の様々な表示装置、さらには、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等のオプトエレクトロニクス関連素子等、今日製品化されて一般に流通している液晶表示素子は、ネマティック液晶を用いた表示素子が主流である。ネマティック液晶表示素子の表示方式は、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モードがよく知られている。近年、これらのモードの問題点の1つである視野角の狭さを改善するために、光学補償フィルムを用いたTN型液晶表示素子、垂直配向と突起構造物の技術を併用したMVA(Multi-domain Vertical Alignment)モード、あるいは横電界方式のIPS(In-Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード等が提案され、実用化されている。
液晶表示素子の技術の発展は、単にこれらの駆動方式や素子構造の改良のみならず、素子に使用される構成部材の改良によっても達成されている。液晶表示素子に使用される構成部材のなかでも、特に液晶配向膜は表示品位に係わる重要な材料の1つであり、液晶表示素子の高品質化に伴い、液晶配向膜の性能を向上させる事が重要になってきている。
液晶配向膜は、液晶配向剤より形成される。現在、主として用いられている液晶配向剤は、ポリアミック酸、可溶性のポリイミドもしくはポリアミック酸エステルを有機溶剤に溶解させた溶液(ワニス)である。この溶液を基板に塗布した後、加熱等の手段により成膜してポリイミド系液晶配向膜を形成する。製膜後、必要に応じ前述の表示モードに適する配向処理が施される。
配向処理方法としてはラビング法が広く用いられているが、発塵、静電気の発生などの問題が指摘されており、近年、光を照射して配向処理を施す光配向法の開発が盛んに行われている。光配向法として、光分解法、光異性化法、光二量化法、光架橋法等多くの配向機構が提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1〜7を参照)。光配向法は非接触の配向処理法であるため膜に傷が付かず、発塵や静電気等の液晶表示素子の表示不良を発生させる原因を低減できる等の利点がある。
ラビング法と光配向法、どちらの配向処理法を用いる場合でも、液晶配向膜に求められる特性に液晶配向性がある。液晶配向性の高い液晶配向膜を用いることによって、コントラストや残像特性の高い液晶表示素子を与えることができる(例えば、特許文献8および9)。光配向法はラビング法に比べて配向の均一性が高い。中でも、特許文献3〜7に記載されている光異性化の技術を応用することで、アンカリングエネルギーが大きく、液晶配向性が良好な光配向膜を与えることができる。しかしながら、液晶表示素子の高精細化に伴い、より高い液晶配向性を示し、さらに長時間駆動にも耐えうる信頼性に優れた液晶配向膜が求められている。
特開2011−175121 特開2014−219656 特開平9−297313 特開平10−251646 特開2005−275364 特開2007−248637 特開2009−069493 特開2010−197999 国際公開2013/157463
液晶、第3巻、第4号、262ページ、1999年
液晶表示素子において電圧保持率の低い液晶配向膜を用いると、フレーム期間中に液晶にかかる電圧が低下し、結果として輝度が低下して、正常な諧調表示に支障をきたすため、表示品位が落ちることが分かっている。本発明の課題は、より高い液晶配向性を示し、高い電圧保持率を維持できる、信頼性に優れた液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供することである。本発明の課題は、特に、光配向に用いることができ、長時間駆動にも耐えることができる液晶配向膜、および該液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供することである。本発明の課題は、さらに、前記液晶配向剤に使用することができる、新規のテトラカルボン酸二無水物を提供することである。
本発明者らは鋭意検討の結果、電圧保持率の高低は液晶配向膜の体積抵抗と関係があり、液晶配向膜の体積抵抗を上昇させることで、高い電圧保持率を示す液晶配向膜となることを見出した。本発明者らは、液晶配向剤の原料に本発明の式(1)で表される脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることで、液晶配向膜の体積抵抗を上昇させることを見出し、本発明に至った。本発明は以下からなる。
[1] 下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つ含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られる、ポリアミック酸またはその誘導体を含有する液晶配向剤。
Figure 2020008867
式(1)中、Rは炭素数4〜9の直鎖アルキレンであり、その中の任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
[2] [1]項に記載のポリアミック酸またはその誘導体と、その他のポリアミック酸またはその誘導体を含有する液晶配向剤。
[3] 反応に供されるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンの少なくとも1つに、光反応性構造を有する化合物を含む原料モノマーを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体を含有する、[1]項または[2]項に記載の液晶配向剤。
[4] 光反応性構造を有する化合物が、式(II)〜(VI)で表される光異性化構造をもつ化合物の少なくとも1つである、[3]項に記載の液晶配向剤。
Figure 2020008867
式(II)〜(V)において、RおよびRは−NHを有する1価の有機基または−CO−O−CO−を有する1価の有機基であり;
式(IV)において、Rは2価の有機基であり;そして、
式(VI)において、Rは独立して−NHまたは−CO−O−CO−を有する芳香環である。
[5] 光異性化構造を有するテトラカルボン酸二無水物またはジアミンが、式(II−1)、(II−2)、(III−1)、(III−2)、(IV−1)、(IV−2)、(V−1)〜(V−3)、(VI−1)、および(VI−2)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、[4]項に記載の液晶配向剤。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
上記各式において、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し;
式(V−2)において、Rは独立して−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、aは独立して0〜2の整数であり;
式(V−3)において、環Aおよび環Bはそれぞれ独立して、単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素および複素環から選ばれる少なくとも1つであり、
11は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、または−N(CH)CO−であり、
12は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、または−N(CH)CO−であり、
11およびR12において、直鎖アルキレンの1つの−CH−または連続しない2つの−CH−は−O−で置換されてもよく、
〜R10は、それぞれ独立して、−F、−CH、−OCH、−CF、または−OHであり、そして、
b〜eは、それぞれ独立して0〜4の整数である。
[6] アルケニル置換ナジイミド化合物、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つをさらに含有する、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の、横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤。
[8] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜。
[9] [8]項に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
[10] 下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
Figure 2020008867
式(1)中、Rは炭素数4〜9の直鎖アルキレンであり、その中の任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
[11] 下記式(1−1)〜(1−4)のいずれかで表される、[10]項に記載のテトラカルボン酸二無水物。
Figure 2020008867
式(1−1)において、nは4〜9の整数であり;そして、
式(1−2)〜(1−4)において、nは2〜7の整数である。
[12] 下記式(1−1−1)〜(1−1−6)、(1−2−1)〜(1−2−6)、(1−3−1)〜(1−3−6)、および(1−4−1)〜(1−4−6)のいずれかで表される、[11]項に記載のテトラカルボン酸二無水物。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
[13] [10]〜[12]のいずれか1項に記載のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つ含むテトラカルボン酸無水物とジアミンを反応させて得られる、ポリアミック酸またはその誘導体。
本発明の式(1)で表される脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を原料に用いて合成されたポリアミック酸またはその誘導体を含有する液晶配向剤は、その液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜の体積抵抗を上昇させることができ、結果として高い電圧保持率を有する液晶配向膜を得ることができる。また、本発明の液晶配向膜は、式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する長鎖アルキレン構造を有する為、アンカリングエネルギーが高いという特徴も持ち合わせる。本発明の技術は光配向方式の液晶配向膜の分野で特に優れた効果を発揮する。
本明細書中では液晶配向剤を単に「配向剤」と略すことがある。液晶配向膜を単に「配向膜」と略すことがある。
<式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物>
本発明の式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物について説明する。
Figure 2020008867
式(1)中、Rは炭素数4〜12の直鎖アルキレン構造であり、その中の任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
本発明の式(1)のテトラカルボン酸二無水物の具体例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(1−1)において、nは4〜9の整数であり、式(1−2)〜式(1−4)において、nは2〜7の整数である。
本発明の式(1−1)で表される化合物は、特開2000−344759等に記載の方法で、先ず芳香族テトラカルボン酸二無水物を得る。その後、パラジウムや白金触媒存在下、水素雰囲気下で芳香環を還元することで得られる。
本発明の式(1−2)で表される化合物は、市販の4−ヒドロキシフタル酸無水物と、適宜選択されるn−アルキレンジハライドとのエーテル化反応で芳香族テトラカルボン酸二無水物を得たのち、上述の方法により、芳香環を還元することで得られる。式(1−2)で表される化合物は、エーテル化反応の際、テトラカルボン酸二無水物をジアルキルエステル体としてから合成することも可能である。
本発明の式(1−3)および式(1−4)で表される化合物は、WO2015/125734A1に記載の方法で、4−ブロモニトロフタル酸無水物還元体を得たのち、薗頭カップリング反応やHeck反応で得られる。これら合成法に関しては後述の実施例の項で詳細に説明する。
これらの化合物は再結晶やカラムクロマトグラフィー法によって精製して使用することもできる。
本発明の式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の具体例として、下記式(1−1−1)〜(1−1−6)、式(1−2−1)〜式(1−2−6)、式(1−3−1)〜式(1−3−6)、および式(1−4−1)〜式(1−4−6)で表される化合物を示す。
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
より配向性の高い液晶配向膜となり得る液晶配向剤を提供するためには、これらの化合物の中で原料の1つに式(1−1−1)〜式(1−1−5)、式(1−2−4)、式(1−2−5)、式(1−3−3)、式(1−4−3)で表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましく、式(1−1−5)、式(1−2−5)、式(1−3−3)および式(1−4−3)で表されるテトラカルボン酸二無水物がより好ましく、式(1−1−5)で表されるテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。
<ポリアミック酸およびその誘導体>
本発明のポリアミック酸およびその誘導体について説明する。本発明のポリアミック酸およびその誘導体とは、テトラカルボン酸二無水物およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つとジアミンとの反応生成物である、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステルおよびこれらをイミド化して得られるポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1つの重合体を含有し、前記重合体の原料モノマーの少なくとも1つが式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする。前記ポリアミック酸、ポリアミック酸エステルおよびこれらをイミド化して得られるポリイミドとは、溶剤を含有する後述する液晶配向剤としたときに溶剤に溶解する成分であり、その液晶配向剤を後述する液晶配向膜としたときに、ポリイミドを主成分とする液晶配向膜を形成することができる成分である。ポリアミック酸エステルは、前述のポリアミック酸と水酸基含有化合物、ハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等とを反応させることにより合成する方法や、テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸ジエステルもしくはテトラカルボン酸ジエステルジクロライドとジアミンとを反応させることにより合成する方法により、合成することができる。テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸ジエステルは例えば、テトラカルボン酸二無水物を2当量のアルコールと反応させ開環させて得ることができ、テトラカルボン酸ジエステルジクロライドは、テトラカルボン酸ジエステルを2当量の塩素化剤(例えば塩化チオニルなど)と反応させることで得ることができる。なお、ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。本発明の光配向用液晶配向剤はこれらのポリアミック酸、ポリアミック酸エステルおよびこれらをイミド化して得られるポリイミドを1つ含んでいてもよいし、2つ以上含んでいてもよい。
Figure 2020008867
式(1)中、Rは炭素数4〜12の直鎖アルキレン構造であり、その中の任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
本発明のポリアミック酸またはその誘導体は、ポリイミドの膜の形成に用いられる公知のポリアミック酸またはその誘導体と同様に製造することができる。テトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましい。
また、本発明のポリアミック酸を、ポリアミック酸誘導体であるポリイミドとする場合には、得られたポリアミック酸溶液を、脱水剤である無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物、および脱水閉環触媒であるトリエチルアミン、ピリジン、コリジンなどの三級アミンとともに、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることができる。あるいは、得られたポリアミック酸溶液から多量の貧溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒やグリコール系溶媒)を用いてポリアミック酸を析出させ、析出させたポリアミック酸を、トルエン、キシレン等の溶媒中で、前記と同様の脱水剤および脱水閉環触媒とともに、温度20〜150℃でイミド化反応させることもできる。
前記イミド化反応において、脱水剤と脱水閉環触媒の割合は0.1〜10(モル比)であることが好ましい。両者の合計使用量は、当該ポリアミック酸の合成に使用したテトラカルボン酸二無水物のモル量の合計に対して1.5〜10倍モルであることが好ましい。この化学的イミド化の脱水剤、触媒量、反応温度および反応時間を調整することによって、イミド化の程度を制御し、部分ポリイミドを得ることができる。得られたポリイミドは、溶剤と分離して前述の溶剤に再溶解させて液晶配向剤として使用することもできるし、あるいは溶剤と分離することなく液晶配向剤として使用することもできる。
本発明のポリアミック酸またはその誘導体の分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、7,000〜500,000であることが好ましく、10,000〜200,000であることがより好ましい。前記ポリアミック酸またはその誘導体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による測定から求めることができる。
本発明のポリアミック酸またはその誘導体は、多量の貧溶剤で沈殿させて得られる固形分をIR、NMRで分析することによりその存在を確認することができる。またKOHやNaOH等の強アルカリの水溶液による前記ポリアミック酸またはその誘導体の分解物の有機溶剤による抽出物をGC、HPLCまたはGC−MSで分析することにより、使用されているモノマーを確認することができる。
<式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物>
本発明のポリアミック酸およびその誘導体を製造する為に使用するテトラカルボン酸二無水物について説明する。本発明に使用される、式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物は、公知のテトラカルボン酸二無水物から制限されることなく選択することができる。このようなテトラカルボン酸二無水物は、芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、および芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)の何れの群に属するものであってもよい。
このようなテトラカルボン酸二無水物の好適な例としては、原料入手の容易さや、重合体製造の容易さ、膜の電気特性の点から、式(AN−I)〜式(AN−V)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 2020008867
式(AN−I)、式(AN−IV)および式(AN−V)において、Xは独立して単結合または−CH−である。式(AN−II)において、Gは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。式(AN−II)〜式(AN−IV)において、Yは独立して下記の3価の基の群から選ばれる1つであり、結合手は任意の炭素に連結しており、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられてもよい。
Figure 2020008867
式(AN−III)〜式(AN−V)において、環A10は炭素数3〜10の単環式炭化水素の基または炭素数6〜30の縮合多環式炭化水素の基であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられていてもよく、環に掛かっている結合手は環を構成する任意の炭素に連結しており、2本の結合手が同一の炭素に連結してもよい。
さらに詳しくは以下の式(AN−1)〜式(AN−16−15)の式で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
[式(AN−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−1)において、G11は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレン、または1,4−シクロヘキシレンである。X11は独立して単結合または−CH−である。G12は独立して下記の3価の基のどちらかである。
Figure 2020008867
12が>CH−であるとき、>CH−の水素は−CHに置き換えられてもよい。G12が>N−であるとき、G11が単結合および−CH−であることはなく、X11は単結合であることはない。そしてR11は水素または−CHである。
式(AN−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
式(AN−1−2)および(AN−1−14)において、mは1〜12の整数である。
[式(AN−3)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−3)において、環A11はシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN−3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
[式(AN−4)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−4)において、G13は単結合、−(CH−、−O−、−S−、−C(CH−、−SO−、−CO−、−C(CF−、または下記の式(G13−1)で表される2価の基であり、mは1〜12の整数である。環A11はそれぞれ独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。G13は環A11の任意の位置に結合してよい。
Figure 2020008867
式(G13−1)において、G13aおよびG13bはそれぞれ独立して、単結合、−O−または−NHCO−で表される2価の基である。フェニレンは、1,4−フェニレンおよび1,3−フェニレンが好ましい。
式(AN−4)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
式(AN−4−17)において、mは1〜12の整数である。

Figure 2020008867

Figure 2020008867
[式(AN−5)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−5)において、R11は独立して水素または−CHである。ベンゼン環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていないR11は、ベンゼン環における結合位置が任意であることを示す。
式(AN−5)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
[式(AN−6)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−6)において、X11は独立して単結合または−CH−である。X12は−CH−、−CHCH−または−CH=CH−である。nは1または2である。
式(AN−6)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
[式(AN−7)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−7)において、X11は単結合または−CH−である。
式(AN−7)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
[式(AN−8)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−8)において、X11は単結合または−CH−である。R12は水素、−CH、−CHCH、またはフェニルであり、環A12はシクロヘキサン環またはシクロヘキセン環である。
式(AN−8)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
[式(AN−9)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−9)において、rはそれぞれ独立して0または1である。
式(AN−9)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
[式(AN−10−1)および式(AN−10−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
[式(AN−11)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−11)において、環A11は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN−11)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
[式(AN−12)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−12)において、環A11はそれぞれ独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN−12)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
[式(AN−15)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2020008867
式(AN−15)において、wは1〜10の整数である。
式(AN−15)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867
上記以外のテトラカルボン酸二無水物として、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2020008867
上記テトラカルボン酸二無水物において、後述する液晶配向膜の各特性を向上させる好適な材料について述べる。液晶の配向性を向上させることを重視する場合には、式(AN−1)、式(AN−3)、および式(AN−4)で表される化合物が好ましく、式(AN−1−2)、式(AN−1−13)、式(AN−3−2)、式(AN−4−17)、および式(AN−4−29)で表される化合物がより好ましく、式(AN−1−2)においては、m=4または8が好ましく、式(AN−4−17)においては、m=4、または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶表示素子の透過率を向上させることを重視する場合には、式(AN−1−1)、式(AN−1−2)、式(AN−3−1)、式(AN−4−17)、式(AN−4−30)、式(AN−5−1)、式(AN−7−2)、式(AN−10−1)、式(AN−16−3)、式(AN−16−4)、および式(PA−1)で表される化合物が好ましく、中でも式(AN−1−2)においては、m=4または8が好ましく、式(AN−4−17)においては、m=4、または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶表示素子のVHRを向上させることを重視する場合には、式(AN−1−1)、式(AN−1−2)、式(AN−3−1)、式(AN−4−17)、式(AN−4−30)、式(AN−7−2)、式(AN−10−1)、式(AN−16−3)、式(AN−16−4)、および式(PA−1)で表される化合物が好ましく、式(AN−1−2)においては、m=4または8が好ましく、式(AN−4−17)においては、m=4、または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶配向膜の体積抵抗値を低下させることにより、配向膜中の残留電荷(残留DC)の緩和速度を向上させることが、焼き付きを防ぐ方法の1つとして有効である。この目的を重視する場合には、式(AN−1−13)、式(AN−3−2)、式(AN−4−21)、式(AN−4−29)、および式(AN−11−3)で表される化合物が好ましい。
<ジアミンおよびジヒドラジド>
本発明のポリアミック酸およびその誘導体を製造する為に使用するジアミンおよびジヒドラジドについて説明する。本発明のポリアミック酸またはその誘導体を製造するにあたっては、公知のジアミンおよびジヒドラジドから制限されることなく選択することができる。
既知のジアミンとしては、以下の式(DI−1)〜式(DI−16)のジアミンを挙げることができる。
Figure 2020008867
上記の式(DI−1)において、G20は、−CH−であり、少なくとも1つの−CH−は−NH−、−O−に置き換えられてもよく、mは1〜12の整数であり、アルキレンの少なくとも1つの水素は−OHに置き換えられてもよい。式(DI−3)および式(DI−5)〜式(DI−7)において、G21は独立して単結合、−NH−、−NCH−、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONCH−、−CONH−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−N(CH)−(CH−N(CH)−、−(O−C−O−、−O−CH−C(CF−CH−O−、−O−CO−(CH−CO−O−、−CO−O−(CH−O−CO−、−(CH−NH−(CH−、−CO−(CH−NH−(CH−、−(NH−(CH) −NH−、−CO−C−(NH−C−CO−、または−S−(CH−S−であり、mは独立して1〜12の整数であり、kは1〜5の整数であり、nは1または2である。式(DI−4)において、sは独立して0〜2の整数である。式(DI−6)および式(DI−7)において、G22は独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−、−NH−、または炭素数1〜10のアルキレンである。式(DI−2)〜式(DI−7)中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の少なくとも1つの水素は、−F、−Cl、炭素数1〜3のアルキル、−OCH、−OH、−CF、−COH、−CONH、−NHC、フェニル、またはベンジルで置き換えられてもよく、加えて式(DI−4)においては、ベンゼン環の少なくとも1つの水素は下記式(DI−4−a)〜式(DI−4−e)で表される基の群から選ばれる1つで置き換えられていてもよい。環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。そして、シクロヘキサン環またはベンゼン環への−NHの結合位置は、G21またはG22の結合位置を除く任意の位置である。
Figure 2020008867
式(DI−4−a)および式(DI−4−b)において、R20は独立して水素または−CHである。
Figure 2020008867
式(DI−11)において、rは0または1である。式(DI−8)〜式(DI−11)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置である。
Figure 2020008867
式(DI−12)において、R21およびR22は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、G23は独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、wは1〜10の整数である。式(DI−13)において、R23は独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシまたは−Clであり、pは独立して0〜3の整数であり、qは0〜4の整数である。式(DI−14)において、環Bは単環の複素環式芳香族基であり、R24は水素、−F、−Cl、炭素数1〜6のアルキル、アルコキシ、ビニル、アルキニルであり、qは独立して0〜4の整数である。式(DI−15)において、環Cは複素環式芳香族基または複素環式脂肪族基である。式(DI−16)において、G24は単結合、炭素数2〜6のアルキレンまたは1,4−フェニレンであり、rは0または1である。そして、環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。式(DI−13)〜式(DI−16)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置である。
上記式(DI−1)〜式(DI−16)の側鎖を有さないジアミンとして、以下の式(DI−1−1)〜式(DI−16−1)の具体例を挙げることができる。
式(DI−1)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−1−7)および式(DI−1−8)において、kはそれぞれ独立して、1〜3の整数である。
式(DI−2)〜式(DI−3)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−4)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
式(DI−5)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−5−1)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2020008867
式(DI−5−12)および式(DI−5−13)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2020008867
式(DI−5−16)において、vは1〜6の整数である。
Figure 2020008867
式(DI−5−30)において、kは1〜5の整数である。
Figure 2020008867
式(DI−5−35)〜式(DI−5−37)、および式(DI−5−39)において、mは独立して1〜12の整数であり、式(DI−5−38)および式(DI−5−39)において、kは独立して1〜5の整数であり、式(DI−5−40)において、nは1または2の整数である。
式(DI−6)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−7)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−7−3)および式(DI−7−4)において、mは1〜12の整数であり、nは独立して1または2である。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
式(DI−7−12)において、mは1〜12の整数である。
式(DI−8)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−9)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−10)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−11)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−12)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−13)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
式(DI−14)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−15)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
式(DI−16)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2020008867
本発明のポリアミック酸およびその誘導体には、前記式(DI−1)〜式(DI−16)のジアミン以外のジアミンも使用することができる。例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−36−9)〜式(DI−36−11)において、eは2〜10の整数であり、式(DI−36−12)中、R43はそれぞれ独立して水素、−NHBocまたは−N(Boc)であり、R43の少なくとも1つは−NHBocまたは−N(Boc)であり、式(DI−36−13)において、R44は−NHBocまたは−N(Boc)であり、そして、mは1〜12の整数である。ここでBocはt−ブトキシカルボニル基である。
式(DI−1)〜式(DI−16)のジアミン以外の、側鎖を有するジアミンも使用することができる。例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DI−31−1)〜式(DI−31−11)において、R34は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数5〜25のアルキルまたは炭素数5〜25のアルコキシである。R35は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜25のアルキルまたは炭素数3〜25のアルコキシである。
Figure 2020008867
式(DI−31−12)〜式(DI−31−17)において、R36は炭素数4〜30のアルキルであり、好ましくは炭素数6〜25のアルキルである。R37は炭素数6〜30のアルキルであり、好ましくは炭素数8〜25のアルキルである。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
式(DI−34−1)〜式(DI−34−12)において、R40は水素または炭素数1〜20のアルキル、好ましくは水素または炭素数1〜10のアルキルであり、そしてR41は水素または炭素数1〜12のアルキルである。
ジヒドラジドについて説明する。既知の側鎖を有さないジヒドラジドとしては、以下の式(DIH−1)〜式(DIH−3)を挙げることができる。
Figure 2020008867
式(DIH−1)において、G25は単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。
式(DIH−2)において、環Dはシクロヘキサン環、ベンゼン環またはナフタレン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよい。式(DIH−3)において、環Eはそれぞれ独立してシクロヘキサン環、またはベンゼン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよく、Yは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。式(DIH−2)および式(DIH−3)において、環に結合する−CONHNHの結合位置は、任意の位置である。
式(DIH−1)〜式(DIH−3)の例を以下に示す。
Figure 2020008867
式(DIH−1−2)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
上記ジアミンおよびジヒドラジドにおいて、後述する液晶配向膜の各特性を向上させる好適な材料について述べる。液晶の配向性をさらに向上させることを重視する場合には、式(DI−1−3)、式(DI−5−1)、式(DI−5−5)、式(DI−5−9)、式(DI−5−12)、式(DI−5−13)、式(DI−5−29)、式(DI−6−7)、式(DI−7−3)、および式(DI−11−2)で表される化合物を用いるのが好ましい。式(DI−5−1)においては、m=2、4または6が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI−5−12)においては、m=2〜6が好ましく、m=5がより好ましい。式(DI−5−13)においては、m=1または2が好ましく、m=1がより好ましい。
透過率を向上させることを重視する場合には、式(DI−1−3)、式(DI−2−1)、式(DI−5−1)、式(DI−5−5)、式(DI−5−24)、および式(DI−7−3)で表されるジアミンを用いるのが好ましく、式(DI−2−1)で表される化合物がより好ましい。式(DI−5−1)においては、m=2、4または6が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI−7−3)においては、m=2または3、n=1または2が好ましく、m=3、n=1がより好ましい。
液晶表示素子のVHRを向上させることを重視する場合には、式(DI−2−1)、式(DI−4−1)、式(DI−4−2)、式(DI−4−10)、式(DI−4−15)、式(DI−5−28)、式(DI−5−30)、式(DI−13−1)、および式(DI−31−56)で表される化合物を用いるのが好ましく、式(DI−2−1)、式(DI−5−1)および式(DI−13−1)で表されるジアミンがより好ましい。式(DI−5−1)においては、m=1が好ましい。式(DI−5−30)においては、k=2が好ましい。
液晶配向膜の体積抵抗値を低下させることにより、配向膜中の残留電荷(残留DC)の緩和速度を向上させることが、焼き付きを防ぐ方法の1つとして有効である。この目的を重視する場合には、式(DI−4−1)、式(DI−4−2)、式(DI−4−10)、式(DI−4−15)、式(DI−5−1)、式(DI−5−12)、式(DI−5−13)、式(DI−5−28)、式(DI−7−12)、および式(DI−16−1)で表される化合物を用いるのが好ましく、式(DI−4−1)、式(DI−5−1)、および式(DI−5−13)で表される化合物がより好ましい。式(DI−5−1)において、m=2、4または6が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI−5−12)においては、m=2〜6が好ましく、m=5がより好ましい。式(DI−5−13)においては、m=1または2が好ましく、m=1がより好ましい。式(DI−7−12)においては、m=3または4が好ましく、m=4がより好ましい。
各ジアミンにおいて、ジアミンに対するモノアミンの比率が40モル%以下の範囲で、ジアミンの一部がモノアミンに置き換えられていてもよい。このような置き換えは、ポリアミック酸を生成する際の重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の重合反応の進行を抑えることができる。このため、このような置き換えによって、得られる重合体(ポリアミック酸またはその誘導体)の分子量を容易に制御することができ、例えば本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノアミンに置き換えられるジアミンは、本発明の効果が損なわれなければ、1種でも2種以上でもよい。前記モノアミンとしては、例えばアニリン、4−ヒドロキシアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、およびn−エイコシルアミンが挙げられる。
本発明のポリアミック酸またはその誘導体は、そのモノマーにモノイソシアネート化合物をさらに含んでいてもよい。モノイソシアネート化合物をモノマーに含むことによって、得られるポリアミック酸またはその誘導体の末端が修飾され、分子量が調節される。この末端修飾型のポリアミック酸またはその誘導体を用いることにより、例えば本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノマー中のモノイソシアネート化合物の含有量は、モノマー中のジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物の総量に対して1〜10モル%であることが、前記の観点から好ましい。前記モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、およびナフチルイソシアネートが挙げられる。
<光反応性構造を有するモノマー>
本発明のポリアミック酸またはその誘導体を光の照射、例えば紫外線の照射によって液晶配向能を付与される光配向膜として用いる場合には、ポリアミック酸およびその誘導体の原料として光反応性構造を有するモノマーを好適に用いることができる。光反応性構造を有するモノマーを用いることによって、光反応性構造を有するポリアミック酸およびその誘導体を合成することができる。光反応性構造とは、例えば、紫外線照射によって分解を起こす下記式(P−1)で表される光分解構造、異性化を起こす式(P−2)〜式(P−4)で表される光異性化構造、二量化を起こす式(P−5)〜式(P−7)で表される光二量化構造などを挙げることができる。
Figure 2020008867
式(P−1)中、R61は独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基である。
式(P−1)で表される光分解構造を有する化合物としては、下記式(PA−1)〜式(PA−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020008867
これらの化合物の中では、上記式(PA−1)および式(PA−2)で表される化合物が好適に用いられる。
なお、式(PA−1)〜式(PA−3)で表される化合物は、光異性化反応に基づく液晶配向能を利用した液晶配向剤、光二量化に基づく液晶配向能を利用した液晶配向剤、またはラビング用液晶配向剤に用いる重合体の原料モノマーとして用いる場合は、光反応性構造を有さないテトラカルボン酸二無水物として扱われる。
式(P−2)〜式(P−4)で表される光異性化構造を有する化合物としては、感光性が良好な下記式(II)〜式(VI)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、式(V)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2020008867
式(II)〜式(V)において、RおよびRは−NHを有する1価の有機基または−CO−O−CO−を有する1価の有機基であり、式(IV)においてRは2価の有機基であり、式(VI)においてRは独立して−NHもしくは−CO−O−CO−を有する芳香環である。
光異性化構造は、本発明におけるポリアミック酸またはその誘導体の主鎖もしくは側鎖のどちらに組み込んでもよいが、主鎖に組み込むことにより、横電界方式の液晶表示素子に好適に用いることができる。
前記光異性化構造を有する材料としては、下記式(II−1)、式(II−2)、式(III−1)、式(III−2)、式(IV−1)、式(IV−2)、式(V−1)〜式(V−3)、式(VI−1)、および式(VI−2)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つを好適に用いることができる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
上記各式において、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し、式(V−2)において、Rは独立して−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、aは独立して0〜2の整数であり、式(V−3)において、環Aおよび環Bはそれぞれ独立して、単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素および複素環から選ばれる少なくとも1つであり、R11は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−NHCO−または−N(CH)CO−であり、R12は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−NHCO−または−N(CH)CO−であり、R11およびR12において、直鎖アルキレンの−CH−の1つまたは2つは−O−で置換されてもよく、R〜R10は、それぞれ独立して、−F、−CH、−OCH、−CF、または−OHであり、そして、b〜eは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。
上記式(V−1)、式(V−2)および式(VI−2)で表される化合物はその感光性の点から特に好適に用いることができる。式(V−2)および式(VI−2)においては、アミノ基の結合位置がパラ位の化合物を、さらに式(V−2)においては、a=0の化合物を、その配向性の点からより好適に用いることができる。
式(II−1)〜式(VI−2)に示す紫外線照射で異性化を起こし得る構造を持つテトラカルボン酸二無水物もしくはジアミンは下記式(II−1−1)〜式(VI−2−3)で具体的に表すことができる。
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
これらの中でも式(VI−1−1)〜式(V−3−8)を紫外線照射で異性化を起こし得る構造を含む化合物とすることで、紫外線照射に対してより感度の高い光配向用液晶配向剤を得ることができる。式(V−1−1)、式(V−2−1)、式(V−2−4)〜式(V−2−11)および式(V−3−1)〜式(V−3−8)を紫外線照射で異性化を起こし得る構造を含む化合物とすることで、液晶分子をより一様に配向させることができる光配向用液晶配向剤を得ることができる。式(V−2−4)〜式(V−3−8)を紫外線照射で異性化を起こし得る構造を含む化合物とすることで、形成される配向膜がより着色の少なくできる光配向用液晶配向剤を得ることができる。
光反応性構造を有さない(非感光性)テトラカルボン酸二無水物および光反応性構造を有する(感光性)テトラカルボン酸二無水物を併用する態様においては、配向膜の光に対する感度の低下を防ぐために、本発明のポリアミック酸またはその誘導体を製造する際の原料として使用するテトラカルボン酸二無水物の全量に対して、感光性テトラカルボン酸二無水物は0〜70モル%が好ましく、0〜50モル%が特に好ましい。また、光に対する感度、電気特性、残像特性等、前述した諸般の特性を改善するために感光性テトラカルボン酸二無水物を2つ以上併用してもよい。
光反応性構造を有さない(非感光性)のジアミンおよび光反応性構造を有する(感光性)ジアミンを併用する態様においては、配向膜の光に対する感度の低下を防ぐために、本発明のポリアミック酸またはその誘導体を製造する際の原料として使用するジアミンの全量に対して、感光性ジアミンは20〜100モル%が好ましく、50〜100モル%が特に好ましい。また、光に対する感度、残像特性等、前述した諸般の特性を改善するために感光性ジアミンを2つ以上併用してもよい。前記のごとく、本発明の態様にはテトラカルボン酸二無水物の全量が非感光性テトラカルボン酸二無水物で占められる場合が含まれるが、その場合でもジアミンの全量の最低20モル%が感光性ジアミンであることが求められる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、本発明のポリアミック酸1種類で構成されていてもよく、本発明のポリアミック酸を2種類以上混合していてもよく、また、他の重合体を混合していても良い。他の重合体とは式(1)で表されるテトラカルボン酸ニ無水物を原料として用いないポリアミック酸だけではなく、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を挙げる事ができる。しかし、液晶配向剤の保存安定性、液晶配向剤の表示素子基板への印刷性および形成される液晶配向膜の特性を考慮すると本発明のポリアミック酸またはその誘導体同士の混合もしくは本発明のポリアミック酸またはその誘導体と式(1)で表されるテトラカルボン酸ニ無水物を原料として用いないポリアミック酸またはその誘導体との混合で得られる液晶配向剤が好ましい。
式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を原料として用いないポリアミック酸およびその誘導体の製造には前述のテトラカルボン酸二無水物ジアミンおよびジヒドラジドが好適に使用される。
このような2成分の重合体を用いる場合、例えば、一方には液晶配向能に優れた性能を有する重合体を選択し、他方には液晶表示素子の電気的特性を改善するのに優れた性能を有する重合体を選択する態様がある。この場合、それぞれの重合体の構造や分子量を制御することにより、これらの重合体を溶剤に溶解した液晶配向剤を、後述するように、基板に塗布し、予備乾燥を行って薄膜を形成する過程で、液晶配向能に優れた性能を有する重合体を薄膜の上層に、液晶表示素子の電気的特性を改善するのに優れた性能を有する重合体を薄膜の下層に偏析させることができる。これには、混在する重合体において、表面エネルギーの小さな重合体が上層に、表面エネルギーの大きな重合体が下層に分離する現象を応用することができる。このような層分離の確認は、形成された配向膜の表面エネルギーが、上層に偏析させることを意図した重合体のみを含有する液晶配向剤によって形成された膜の表面エネルギーと同じか、または近い値であることで確認することができる。
層分離を発現させる方法として、上層に偏析させたい重合体の分子量を小さくすることも挙げられる。
ポリアミック酸同士の混合からなる液晶配向剤では、上層に偏析させたい重合体をポリイミドとすることで層分離を発現させることもできる。
本発明の式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物は前記薄膜の上層に偏析する重合体の原料モノマーとして用いられてもよく、薄膜の下層に偏析する重合体の原料モノマーとして用いられてもよい。また、両方の重合体の原料モノマーとして用いられてもよい。
前記薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、上記に例示した公知のテトラカルボン酸二無水物から制限されることなく選択することができる。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物は、式(1−1−3)〜式(1−1−6)、式(1−2−3)〜式(1−2−6)、式(1−3−3)〜式(1−3−6)、式(1−4−3)〜式(1−4−6)、式(AN−1−1)、式(AN−4−17)、および式(PA−1)で表される化合物が好ましく、式(1−1−5)、式(1−2−5)、式(1−3−5)、式(1−2−5)、および式(AN−4−17)がより好ましい。式(AN−4−17)においては、m=4または8が好ましく、m=8がより好ましい。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンおよびヒドラジドとしては、上記に例示した公知のジアミンから制限されることなく選択することができる。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンおよびヒドラジドとしては、式(DI−4−1)、式(DI−5−1)、および式(DI−7−3)で表される化合物を用いるのが好ましい。中でも式(DI−5−1)において、m=1、2または4が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI−7−3)においてはm=3、n=1が好ましい。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられる非感光性ジアミンは、ジアミンの全量中芳香族ジアミンを30モル%以上含むことが好ましく、50%以上含むことがより好ましい。
前述の光異性化構造を有する酸二無水物およびジアミンは薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために好適に用いられる
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、上記に例示した公知のテトラカルボン酸二無水物から制限されることなく選択することができる。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、式(1−1−1)、式(1−1−2)、式(1−1−5)、式(1−2−1)、式(1−2−2)、式(1−2−4)、式(1−3−1)、式(1−3−2)、式(1−4−1)、式(1−4−2)、式(AN−3−2)、式(AN−1−13)、式(AN−1−1)、および式(AN−4−21)で表される化合物が好ましく、式(1−1−1)、式(1−1−5)、式(1−2−4)、式(AN−1−1)、および式(AN−3−2)がより好ましい。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物は、テトラカルボン酸二無水物の全量中芳香族テトラカルボン酸二無水物を10モル%以上含むことが好ましく、30%以上含むことがより好ましい。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンおよびヒドラジドとしては、上記に例示した公知のジアミンから制限されることなく選択することができる。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンおよびヒドラジドとしては、式(DI−4−1)、式(DI−4−2)、式(DI−4−10)、式(DI−5−9)、式(DI−5−28)、式(DI−5−30)、および式(DIH−2−1)で表される化合物が好ましい。中でも式(DI−5−30)において、k=2であるジアミンが好ましい。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンは、芳香族ジアミンを、全ジアミンに対して、30モル%以上含むものである事が好ましく、50%以上含むものであることがより好ましい。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体、および薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体は共に、それぞれ、本発明の液晶配向剤の必須成分であるポリアミック酸またはその誘導体の合成方法として下記に記載したところに準じて合成することができる。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体、および薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体の合計量に対する薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体の割合としては、5重量%〜50重量%が好ましく、10重量%〜40重量%がさらに好ましい。
<溶剤>
また例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶配向剤の塗布性や前記ポリアミック酸またはその誘導体の濃度の調整の観点から、溶剤をさらに含有していてもよい。前記溶剤は、高分子成分を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。前記溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド等の高分子成分の製造工程や用途面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。前記溶剤は1種でも2種以上の混合溶剤であってもよい。
溶剤としては、前記ポリアミック酸またはその誘導体の親溶剤や、塗布性改善を目的とした他の溶剤が挙げられる。
ポリアミック酸またはその誘導体に対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン等のラクトンが挙げられる。
塗布性改善等を目的とした他の溶剤の例としては、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類等のエステル化合物が挙げられる。
これらの中で、前記溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
本発明の配向剤中のポリアミック酸の濃度は0.1〜40重量%であることが好ましい。この配向剤を基板に塗布するときには、膜厚の調整のために、含有されているポリアミック酸を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがある。
本発明の配向剤における固形分濃度は特に限定されるものではなく、下記の種々の塗布法に合わせ最適な値を選べばよい。通常、塗布時のムラやピンホール等を抑えるため、ワニス重量に対し、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
本発明の液晶配向剤の粘度は、塗布する方法、ポリアミック酸またはその誘導体の濃度、使用するポリアミック酸またはその誘導体の種類、溶剤の種類と割合によって好ましい範囲が異なる。例えば、印刷機による塗布の場合は5〜100mPa・s(より好ましくは10〜80mPa・s)である。5mPa・sより小さいと十分な膜厚を得ることが難しくなり、100mPa・sを超えると印刷ムラが大きくなることがある。スピンコートによる塗布の場合は5〜200mPa・s(より好ましくは10〜100mPa・s)が適している。インクジェット塗布装置を用いて塗布する場合は5〜50mPa・s(より好ましくは5〜20mPa・s)が適している。液晶配向剤の粘度は回転粘度測定法により測定され、例えば回転粘度計(東機産業製TVE−20L型)を用いて測定(測定温度:25℃)される。
<アルケニル置換ナジイミド化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる目的から、アルケニル置換ナジイミド化合物をさらに含有していてもよい。アルケニル置換ナジイミド化合物は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。アルケニル置換ナジイミド化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して1〜100重量%であることが好ましく、1〜70重量%であることがより好ましく、1〜50重量%であることがさらに好ましい。
以下にナジイミド化合物について具体的に説明する。
アルケニル置換ナジイミド化合物は、本発明で用いられるポリアミック酸またはその誘導体を溶解する溶剤に溶解させることができる化合物であることが好ましい。このようなアルケニル置換ナジイミド化合物の例は、下記の式(NA)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020008867
式(NA)において、LおよびLは独立して水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリールまたはベンジルであり、nは1または2である。
式(NA)において、n=1のとき、Wは炭素数1〜12のアルキル、炭素数2〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリール、ベンジル、−Z−(O)−(ZO)−Z−H(ここで、Z、ZおよびZは独立して炭素数2〜6のアルキレンであり、rは0または1であり、そして、kは1〜30の整数である。)で表される基、−(Z−B−Z−H(ここで、ZおよびZは独立して炭素数1〜4のアルキレンまたは炭素数5〜8のシクロアルキレンであり、Bはフェニレンであり、そして、rは0または1である。)で表される基、−B−T−B−H(ここで、Bはフェニレンであり、そして、Tは−CH−、−C(CH−、−O−、−CO−、−S−、または−SO−である。)で表される基、またはこれらの基の1〜3個の水素が−OHで置換された基である。
このとき、好ましいWは、炭素数1〜8のアルキル、炭素数3〜4のアルケニル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、炭素数4〜10のポリ(エチレンオキシ)エチル、フェニルオキシフェニル、フェニルメチルフェニル、フェニルイソプロピリデンフェニル、およびこれらの基の1個または2個の水素が−OHで置き換えられた基である。
式(NA)において、n=2のとき、Wは炭素数2〜20のアルキレン、炭素数5〜8のシクロアルキレン、炭素数6〜12のアリーレン、−Z−O−(ZO)−Z−(ここで、Z〜Z、およびkの定義は前記の通りである。)で表される基、−Z−B−Z−(ここで、Z、ZおよびBの定義は前記の通りである。)で表される基、−B−(O−B)−T−(B−O)−B−(ここで、Bはフェニレンであり、Tは炭素数1〜3のアルキレン、−O−または−SO−であり、rの定義は前記の通りである。)で表される基、またはこれらの基の1〜3個の水素が−OHで置き換えられた基である。
このとき、好ましいWは炭素数2〜12のアルキレン、シクロヘキシレン、フェニレン、トリレン、キシリレン、−C−O−(Z−O)−O−C−(ここで、Zは炭素数2〜6のアルキレンであり、nは1または2である。)で表される基、−B−T−B−(ここで、Bはフェニレンであり、そして、Tは−CH−、−O−または−SO−である。)で表される基、−B−O−B−C−B−O−B−(ここで、Bはフェニレンである。)で表される基、およびこれらの基の1個または2個の水素が−OHで置き換えられた基である。
このようなアルケニル置換ナジイミド化合物は、例えば特許2729565に記載されているように、アルケニル置換ナジック酸無水物誘導体とジアミンとを80〜220℃の温度で0.5〜20時間保持することにより合成して得られる化合物や市販されている化合物を用いることができる。アルケニル置換ナジイミド化合物の具体例として、以下に示す化合物が挙げられる。
N−メチル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチル−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘキシル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2−エチルヘキシル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アリル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アリル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アリル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−イソプロペニル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−イソプロペニル−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−イソプロペニル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシル−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−フェニル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−フェニル−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ベンジル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ベンジル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ベンジル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−ヒドロキシ−1−プロペニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(4−ヒドロキシフェニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−ヒドロキシベンジル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−〔2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−〔2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−〔2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−アリル(メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、およびこれらのオリゴマー、
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
1,2−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エタン、1,2−ビス{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エタン、1,2−ビス{3’−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エタン、ビス〔2’−{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エチル〕エーテル、ビス〔2’−{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エチル〕エーテル、1,4−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}ブタン、1,4−ビス{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}ブタン、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
2,2−ビス〔4−{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、1,6−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−3−ヒドロキシ−ヘキサン、1,12−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−3,6−ジヒドロキシ−ドデカン、1,3−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−5−ヒドロキシ−シクロヘキサン、1,5−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}−3−ヒドロキシ−ペンタン、1,4−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2−ヒドロキシ−ベンゼン、
1,4−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2,5−ジヒドロキシ−ベンゼン、N,N’−p−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−(2,3−ジヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
2,2−ビス〔4−{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2−ヒドロキシ−フェノキシ}フェニル〕プロパン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2−ヒドロキシ−フェニル}メタン、ビス{3−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−4−ヒドロキシ−フェニル}エーテル、ビス{3−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−5−ヒドロキシ−フェニル}スルホン、1,1,1−トリ{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)}フェノキシメチルプロパン、N,N’,N”−トリ(エチレンメタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)イソシアヌレート、およびこれらのオリゴマー等。
さらに、本発明に用いられるアルケニル置換ナジイミド化合物は、非対称なアルキレン・フェニレン基を含む下記の式で表される化合物でもよい。
Figure 2020008867
アルケニル置換ナジイミド化合物のうち、好ましい化合物を以下に示す。
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、2,2−ビス〔4−{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン。
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン。
更に好ましいアルケニル置換ナジイミド化合物を以下に示す。
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)。
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)。
2,2−ビス〔4−{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン。
そして、特に好ましいアルケニル置換ナジイミド化合物としては、下記式(NA−1)で表されるビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、式(NA−2)で表されるN,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、および式(NA−3)で表されるN,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)が挙げられる。
Figure 2020008867
<ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる目的から、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物をさらに含有していてもよい。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。なお、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物にはアルケニル置換ナジイミド化合物は含まれない。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して1〜100重量%であることが好ましく、1〜70重量%であることがより好ましく、1〜50重量%であることがさらに好ましい。
なお、アルケニル置換ナジイミド化合物に対するラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物の比率は、液晶表示素子のイオン密度を低減し、イオン密度の経時的な増加を抑制し、さらに残像の発生を抑制するために、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物/アルケニル置換ナジイミド化合物が重量比で0.1〜10であることが好ましく、0.5〜5であることがより好ましい。
以下にラジカル重合性不飽和二重結合有する化合物について具体的に説明する。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸誘導体、およびビスマレイミドが挙げられる。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物は、ラジカル重合性不飽和二重結合を2つ以上有する(メタ)アクリル酸誘導体であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、および(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルが挙げられる。
2官能(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えばエチレンビスアクリレート、東亜合成化学工業(株)の製品であるアロニックスM−210、アロニックスM−240およびアロニックスM−6200、日本化薬(株)の製品であるKAYARADHDDA、KAYARADHX−220、KAYARADR−604およびKAYARADR−684、大阪有機化学工業(株)の製品であるV260、V312およびV335HP、並びに共栄社油脂化学工業(株)の製品であるライトアクリレートBA−4EA、ライトアクリレートBP−4PAおよびライトアクリレートBP−2PAが挙げられる。
3官能以上の多官能(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば4,4’−メチレンビス(N,N−ジヒドロキシエチレンアクリレートアニリン)、東亜合成化学工業(株)の製品であるアロニックスM−400、アロニックスM−405、アロニックスM−450、アロニックスM−7100、アロニックスM−8030、アロニックスM−8060、日本化薬(株)の製品であるKAYARADTMPTA、KAYARADDPCA−20、KAYARADDPCA−30、KAYARADDPCA−60、KAYARADDPCA−120、および大阪有機化学工業(株)の製品であるVGPTが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アミド誘導体の具体例としては、例えばN−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、N−エトキシエチルアクリルアミド、N−エトキシエチルメタクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチル−N−メチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジヒドロキシエチレンビスアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−(iso−ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−(メトキシメチル)メタクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)−2−メタクリルアミド、N−ベンジル−2−メタクリルアミド、およびN,N’−メチレンビスメタクリルアミドが挙げられる。
上記の(メタ)アクリル酸誘導体のうち、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジヒドロキシエチレン−ビスアクリルアミド、エチレンビスアクリレート、および4,4’−メチレンビス(N,N−ジヒドロキシエチレンアクリレートアニリン)が特に好ましい。
ビスマレイミドとしては、例えばケイ・アイ化成(株)製のBMI−70およびBMI−80、並びに大和化成工業(株)製のBMI−1000、BMI−3000、BMI−4000、BMI−5000およびBMI−7000が挙げられる。
<オキサジン化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、オキサジン化合物をさらに含有していてもよい。オキサジン化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。オキサジン化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。
以下にオキサジン化合物について具体的に説明する。オキサジン化合物は、ポリアミック酸またはその誘導体を溶解させる溶媒に可溶であり、加えて、開環重合性を有するオキサジン化合物が好ましい。
またオキサジン化合物におけるオキサジン構造の数は、特に限定されない。
オキサジンの構造には種々の構造が知られている。本発明では、オキサジンの構造は特に限定されないが、オキサジン化合物におけるオキサジン構造には、ベンゾオキサジンやナフトオキサジン等の、縮合多環芳香族基を含む芳香族基を有するオキサジンの構造が挙げられる。
オキサジン化合物としては、例えば下記式(OX−1)〜式(OX−6)に示す化合物が挙げられる。なお下記式において、環の中心に向けて表示されている結合は、環を構成しかつ置換基の結合が可能ないずれかの炭素に結合していることを示す。
Figure 2020008867
式(OX−1)〜式(OX−3)において、LおよびLは独立して炭素数1〜30の有機基であり、式(OX−1)〜式(OX−6)において、L〜Lは独立して水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、式(OX−3)、式(OX−4)および式(OX−6)において、Qは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−S−(CH−S−であり、ここでvは1〜6の整数であり、式(OX−5)および式(OX−6)において、Qは独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−または炭素数1〜3のアルキレンであり、Qにおけるベンゼン環、ナフタレン環に結合している水素は独立して−F、−CH、−OH、−COOH、−SOH、−POと置き換えられていてもよい。
また、オキサジン化合物には、オキサジン構造を側鎖に有するオリゴマーやポリマー、オキサジン構造を主鎖中に有するオリゴマーやポリマーが含まれる。
式(OX−1)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2020008867
式(OX−1−2)において、Lは炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
式(OX−2)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
式中、Lは炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
式(OX−3)で表されるオキサジン化合物としては、下記式(OX−3−I)で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2020008867
式(OX−3−I)において、LおよびLは独立して炭素数1〜30の有機基であり、LからLは独立して水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、Qは単結合、−CH−、−C(CH−、−CO−、−O−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。式(OX−3−I)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
式中、LおよびLは炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
式(OX−4)で表されるオキサジン化合物しては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
式(OX−5)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2020008867
式(OX−6)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下のオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
これらのうち、より好ましくは、式(OX−2−1)、式(OX−3−1)、式(OX−3−3)、式(OX−3−5)、式(OX−3−7)、式(OX−3−9)、式(OX−4−1)〜式(OX−4−6)、式(OX−5−3)、式(OX−5−4)、および式(OX−6−2)〜式(OX−6−4)で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
オキサジン化合物は、国際公開2004/009708、特開平11−12258、特開2004−352670に記載の方法と同様の方法で製造することができる。
式(OX−1)で表されるオキサジン化合物は、フェノール化合物と1級アミンとアルデヒドとを反応させることによって得られる(国際公開2004/009708参照。)。
式(OX−2)で表されるオキサジン化合物は、1級アミンをホルムアルデヒドへ徐々に加える方法により反応させたのち、ナフトール系水酸基を有する化合物を加えて反応させることによって得られる(国際公開2004/009708参照。)。
式(OX−3)で表されるオキサジン化合物は、有機溶媒中でフェノール化合物1モル、そのフェノール性水酸基1個に対し少なくとも2モル以上のアルデヒド、および1モルの一級アミンを、2級脂肪族アミン、3級脂肪族アミンまたは塩基性含窒素複素環化合物の存在下で反応させることによって得られる(国際公開2004/009708および特開平11−12258参照。)。
式(OX−4)〜式(OX−6)で表されるオキサジン化合物は、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の、複数のベンゼン環とそれらを結合する有機基とを有するジアミン、ホルマリン等のアルデヒド、およびフェノールを、n−ブチルアルコール中、90℃以上の温度で脱水縮合反応させることにより得られる(特開2004−352670参照。)。
<オキサゾリン化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、オキサゾリン化合物をさらに含有していてもよい。オキサゾリン化合物はオキサゾリン構造を有する化合物である。オキサゾリン化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。オキサゾリン化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることが好ましい。または、オキサゾリン化合物の含有量は、オキサゾリン化合物中のオキサゾリン構造をオキサゾリンに換算したときに、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜40重量%であることが、上記の目的から好ましい。
以下にオキサゾリン化合物について具体的に説明する。オキサゾリン化合物は、1つの化合物中にオキサゾリン構造を1種だけ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。またオキサゾリン化合物は、1つの化合物中にオキサゾリン構造を1個有していればよいが、2個以上有することが好ましい。またオキサゾリン化合物は、オキサゾリン構造を側鎖に有する重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。オキサゾリン構造を側鎖に有する重合体は、オキサゾリン構造を側鎖に有するモノマーの単独重合体であってもよいし、オキサゾリン構造を側鎖に有するモノマーとオキサゾリン構造を有しないモノマーとの共重合体であってもよい。オキサゾリン構造を側鎖に有する共重合体は、オキサゾリン構造を側鎖に有する2種以上のモノマーの共重合体であってもよいし、オキサゾリン構造を側鎖に有する2種以上のモノマーとオキサゾリン構造を有しないモノマーとの共重合体であってもよい。
オキサゾリン構造は、オキサゾリン構造中の酸素および窒素の一方または両方とポリアミック酸のカルボニル基とが反応し得るようにオキサゾリン化合物中に存在する構造であることが好ましい。
オキサゾリン化合物としては、例えば2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,2,4−トリス−(2−オキサゾリニル−2)−ベンゼン、4−フラン−2−イルメチレン−2−フェニル−4H−オキサゾール−5−オン、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、2,3−ビス(4−イソプロペニル−2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、2,2’−ビス−4−ベンジル−2−オキサゾリン、2,6−ビス(イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2,2’−イソプロピリデンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、および2,2’−メチレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)が挙げられる。これらの他、エポクロス(商品名、(株)日本触媒製)のようなオキサゾリルを有するポリマーやオリゴマーも挙げられる。これらのうち、より好ましくは、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼンが挙げられる。
<エポキシ化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、エポキシ化合物をさらに含有していてもよい。エポキシ化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。エポキシ化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。
以下にエポキシ化合物について具体的に説明する。エポキシ化合物としては、分子内にエポキシ環を1つまたは2つ以上有する種々の化合物が挙げられる。分子内にエポキシ環を1つ有する化合物としては、例えばフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、3,3,3−トリフルオロメチルプロピレンオキシド、スチレンオキシド、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−グリシジルフタルイミド、(ノナフルオロ−n−ブチル)エポキシド、パーフルオロエチルグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、N,N−ジグリシジルアニリン、および3−[2−(パーフルオロヘキシル)エトキシ]−1,2−エポキシプロパンが挙げられる。
分子内にエポキシ環を2つ有する化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートおよび3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
分子内にエポキシ環を3つ有する化合物としては、例えば2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン(商品名「テクモアVG3101L」、(三井化学(株)製))が挙げられる。
分子内にエポキシ環を4つ有する化合物としては、例えば1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、および3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
上記の他、分子内にエポキシ環を有する化合物の例として、エポキシ環を有するオリゴマーや重合体も挙げられる。エポキシ環を有するモノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、およびメチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
エポキシ環を有するモノマーと共重合を行う他のモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドが挙げられる。
エポキシ環を有するモノマーの重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジルメタクリレート等が挙げられる。また、エポキシ環を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体およびスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が挙げられる。
これら例の中でも、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、商品名「テクモアVG3101L」、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが特に好ましい。
より体系的には、エポキシ化合物としては、例えばグリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ基含有アクリル系樹脂、グリシジルアミド、グリシジルイソシアヌレート、鎖状脂肪族型エポキシ化合物、および環状脂肪族型エポキシ化合物が挙げられる。なお、エポキシ化合物はエポキシ基を有する化合物を意味し、エポキシ樹脂はエポキシ基を有する樹脂を意味する。
エポキシ化合物としては、例えばグリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ基含有アクリル系樹脂、グリシジルアミド、グリシジルイソシアヌレート、鎖状脂肪族型エポキシ化合物、および環状脂肪族型エポキシ化合物が挙げられる。
グリシジルエーテルとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−F型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−S型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノール−F型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、臭素化フェノールノボラック型エポキシ化合物、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン骨格含有エポキシ化合物、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ化合物、脂環式ジグリシジルエーテル化合物、脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物、ポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物、およびビフェノール型エポキシ化合物が挙げられる。
グリシジルエステルとしては、例えばジグリシジルエステル化合物およびグリシジルエステルエポキシ化合物が挙げられる。
グリシジルアミンとしては、例えばポリグリシジルアミン化合物およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ基含有アクリル系化合物としては、例えばオキシラニルを有するモノマーの単独重合体および共重合体が挙げられる。
グリシジルアミドとしては、例えばグリシジルアミド型エポキシ化合物が挙げられる。
鎖状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばアルケン化合物の炭素−炭素二重結合を酸化して得られる、エポキシ基を含有する化合物が挙げられる。
環状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばシクロアルケン化合物の炭素−炭素二重結合を酸化して得られる、エポキシ基を含有する化合物が挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えばjER828、jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1007、jER1010(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、エポトートYD−128(東都化成(株)製)、DER−331、DER−332、DER−324(いずれもThe Dow Chemical Company製)、エピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050(いずれも商品名、DIC(株)製)、エポミックR−140、エポミックR−301、およびエポミックR−304(いずれも商品名、三井化学(株)製)が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、例えばjER806、jER807、jER4004P(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、エポトートYDF−170、エポトートYDF−175S、エポトートYDF−2001(いずれも商品名、東都化成(株)製)、DER−354(商品名、ダウ・ケミカル社製)、エピクロン830、およびエピクロン835(いずれも商品名、DIC(株)製)が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化物が挙げられる。
水素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物としては、例えばサントートST−3000(商品名、東都化成(株)製)、リカレジンHBE−100(商品名、新日本理化(株)製)、およびデナコールEX−252(商品名、ナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
水素化ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化物が挙げられる。
臭素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物としては、例えばjER5050、jER5051(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、エポトートYDB−360、エポトートYDB−400(いずれも商品名、東都化成(株)製)、DER−530、DER−538(いずれも商品名、The Dow Chemical Company製)、エピクロン152、およびエピクロン153(いずれも商品名、DIC(株)製)が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ化合物としては、例えばjER152、jER154(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、YDPN−638(商品名、東都化成社製)、DEN431、DEN438(いずれも商品名、The Dow Chemical Company製)、エピクロンN−770(商品名、DIC(株)製)、EPPN−201、およびEPPN−202(いずれも商品名、日本化薬(株)製)が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ化合物としては、例えばjER180S75(商品名、三菱化学(株)製)、YDCN−701、YDCN−702(いずれも商品名、東都化成社製)、エピクロンN−665、エピクロンN−695(いずれも商品名、DIC(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、およびEOCN−1027(いずれも商品名、日本化薬(株)製)が挙げられる。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物としては、例えばjER157S70(商品名、三菱化学(株)製)、およびエピクロンN−880(商品名、DIC(株)製)が挙げられる。
ナフタレン骨格含有エポキシ化合物としては、例えばエピクロンHP−4032、エピクロンHP−4700、エピクロンHP−4770(いずれも商品名、DIC(株)製)、およびNC−7000(商品名、日本化薬社製)が挙げられる。
芳香族ポリグリシジルエーテル化合物としては、例えばハイドロキノンジグリシジルエーテル(下記式EP−1)、カテコールジグリシジルエーテル(下記式EP−2)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(下記式EP−3)、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン(下記式EP−4)、トリス(4−グリシジルオキシフェニル)メタン(下記式EP−5)、jER1031S、jER1032H60(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、TACTIX−742(商品名、The Dow Chemical Company製)、デナコールEX−201(商品名、ナガセケムテックス(株)製)、DPPN−503、DPPN−502H、DPPN−501H、NC6000(いずれも商品名、日本化薬(株)製)、テクモアVG3101L(商品名、三井化学(株)製)、下記式EP−6で表される化合物、および下記式EP−7で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ化合物としては、例えばTACTIX−556(商品名、The Dow Chemical Company製)、およびエピクロンHP−7200(商品名、DIC(株)製)が挙げられる。
脂環式ジグリシジルエーテル化合物としては、例えばシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物、およびリカレジンDME−100(商品名、新日本理化(株)製)が挙げられる。
脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−8)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−9)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−10)、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−11)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−12)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(下記式EP−13)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(下記式EP−14)、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(下記式EP−15)、デナコールEX−810、デナコールEX−851、デナコールEX−8301、デナコールEX−911、デナコールEX−920、デナコールEX−931、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−313(いずれも商品名、ナガセケムテックス(株)製)、DD−503(商品名、(株)ADEKA製)、リカレジンW−100(商品名、新日本理化(株)製)、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール(下記式EP−16)、グリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、デナコールEX−313、デナコールEX−611、デナコールEX−321、およびデナコールEX−411(いずれも商品名、ナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867
ポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物としては、例えばFLDP−50、およびFLDP−60(いずれも商品名、東レチオコール(株)製)が挙げられる。
ビフェノール型エポキシ化合物としては、例えばYX−4000、YL−6121H(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、NC−3000P、およびNC−3000S(いずれも商品名、日本化薬(株)製)が挙げられる。
ジグリシジルエステル化合物としては、例えばジグリシジルテレフタレート(下記式EP−17)、ジグリシジルフタレート(下記式EP−18)、ビス(2−メチルオキシラニルメチル)フタレート(下記式EP−19)、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート(下記式EP−20)、下記式EP−21で表される化合物、下記式EP−22で表される化合物、および下記式EP−23で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020008867
グリシジルエステルエポキシ化合物としては、例えばjER871、jER872(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、エピクロン200、エピクロン400(いずれも商品名、DIC(株)製)、デナコールEX−711、およびデナコールEX−721(いずれも商品名、ナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
ポリグリシジルアミン化合物としては、例えばN,N−ジグリシジルアニリン(下記式EP−24)、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(下記式EP−25)、N,N−ジグリシジル−m−トルイジン(下記式EP−26)、N,N−ジグリシジル−2,4,6−トリブロモアニリン(下記式EP−27)、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン(下記式EP−28)、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール(下記式EP−29)、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール(下記式EP−30)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(下記式EP−31)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(TETRAD−X(商品名、三菱ガス化学(株)製)、下記式EP−32)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(TETRAD−C(商品名、三菱ガス化学(株)製)、下記式EP−33)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(下記式EP−34)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン(下記式EP−35)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン(下記式EP−36)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン(下記式EP−37)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン(下記式EP−38)、2,6−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(下記式EP−39)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(下記式EP−40)、2,2’−ジメチル−(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)−4,4’−ジアミノビフェニル(下記式EP−41)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(下記式EP−42)、1,3,5−トリス(4−(N,N−ジグリシジル)アミノフェノキシ)ベンゼン(下記式EP−43)、2,4,4’−トリス(N,N−ジグリシジルアミノ)ジフェニルエーテル(下記式EP−44)、トリス(4−(N,N−ジグリシジル)アミノフェニル)メタン(下記式EP−45)、3,4,3’,4’−テトラキス(N,N−ジグリシジルアミノ)ビフェニル(下記式EP−46)、3,4,3’,4’−テトラキス(N,N−ジグリシジルアミノ)ジフェニルエーテル(下記式EP−47)、下記式EP−48で表される化合物、および下記式EP−49で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
式(EP−48)において、Phは「フェニル」を表す。
オキシラニルを有するモノマーの単独重合体としては、例えばポリグリシジルメタクリレートが挙げられる。オキシラニルを有するモノマーの共重合体としては、例えばN−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、およびスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が挙げられる。
オキシラニルを有するモノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、およびメチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
オキシラニルを有するモノマーの共重合体におけるオキシラニルを有するモノマー以外の他のモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、およびN−フェニルマレイミドが挙げられる。
グリシジルイソシアヌレートとしては、例えば1,3,5−トリグリシジル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(下記式EP−50)、1,3−ジグリシジル−5−アリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(下記式EP−51)、およびグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2020008867
鎖状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばエポキシ化ポリブタジエン、およびエポリードPB3600(商品名、(株)ダイセル製)が挙げられる。
環状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド2021((株)ダイセル製)、下記式EP−52)、2−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−2’−メチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(下記式EP−53)、2,3−エポキシシクロペンタン−2’,3’−エポキシシクロペンタンエーテル(下記式EP−54)、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2:8,9−ジエポキシリモネン(セロキサイド3000(商品名、(株)ダイセル製)、下記式EP−55)、下記式EP−56で表される化合物、CY−175、CY−177、CY−179(いずれも商品名、The Ciba-Geigy Chemical Corp.製(ハンツマン・ジャパン(株)から入手できる。))、EHPD−3150(商品名、(株)ダイセル製)、および環状脂肪族型エポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2020008867
エポキシ化合物は、ポリグリシジルアミン化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、および環状脂肪族型エポキシ化合物の一以上であることが好ましく、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、商品名「テクモアVG3101L」、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、およびクレゾールノボラック型エポキシ化合物の1つ以上であることが好ましい。
<添加剤>
また例えば、本発明の液晶配向剤は各種添加剤をさらに含有していてもよい。各種添加剤としては、例えばポリアミック酸およびその誘導体以外の高分子化合物、および低分子化合物が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。
例えば、前記高分子化合物としては、有機溶媒に可溶性の高分子化合物が挙げられる。このような高分子化合物を本発明の液晶配向剤に添加することは、形成される液晶配向膜の電気特性や配向性を制御する観点から好ましい。該高分子化合物としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコーン変性ポリウレタン、およびシリコーン変性ポリエステルが挙げられる。
また、前記低分子化合物としては、例えば1)塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤、2)帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤、3)基板との密着性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤、また、4)低温でイミド化を進行させる場合はイミド化触媒、が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロピルアミン、およびN,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンが挙げられる。好ましいシランカップリング剤は3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
イミド化触媒としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチル置換アニリン、ヒドロキシ置換アニリン等の芳香族アミン類;ピリジン、メチル置換ピリジン、ヒドロキシ置換ピリジン、キノリン、メチル置換キノリン、ヒドロキシ置換キノリン、イソキノリン、メチル置換イソキノリン、ヒドロキシ置換イソキノリン、イミダゾール、メチル置換イミダゾール、ヒドロキシ置換イミダゾール等の環式アミン類が挙げられる。前記イミド化触媒は、N,N−ジメチルアニリン、o−,m−,p−ヒドロキシアニリン、o−,m−,p−ヒドロキシピリジン、およびイソキノリンから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
シランカップリング剤の添加量は、通常、ポリアミック酸またはその誘導体の総重量の0〜20重量%であり、0.1〜10重量%であることが好ましい。
イミド化触媒の添加量は、通常、ポリアミック酸またはその誘導体のカルボニル基に対して0.01〜5当量であり、0.05〜3当量であることが好ましい。
その他の添加剤の添加量は、その用途に応じて異なるが、通常、ポリアミック酸またはその誘導体の総重量の0〜100重量%であり、0.1〜50重量%であることが好ましい。
<液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜について詳細に説明する。本発明の液晶配向膜は、前述した本発明の液晶配向剤の塗膜を加熱することによって形成される膜である。本発明の液晶配向膜は、液晶配向剤から液晶配向膜を作製する通常の方法によって得ることができる。例えば本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤の塗膜を形成する工程と、加熱乾燥する工程と、加熱焼成する工程を経ることによって得ることができる。本発明の液晶配向膜については、必要に応じて後述の通り、加熱乾燥工程、加熱焼成工程を経て得られる膜をラビング処理して異方性を付与してもよい。または、必要に応じて、塗膜工程、加熱乾燥工程の後に光を照射して、または加熱焼成工程の後に光を照射して異方性を付与してもよい。またラビング処理をしないVA用液晶配向膜としても使用してもよい。
塗膜は、通常の液晶配向膜の作製と同様に、液晶表示素子における基板に本発明の液晶配向剤を塗布することによって形成することができる。基板には、ITO(IndiumTinOxide)、IZO(In−ZnO)、IGZO(In−Ga−ZnO)電極等の電極やカラーフィルタ等が設けられていてもよいガラス製の基板が挙げられる。
液晶配向剤を基板に塗布する方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。
前記加熱乾燥工程は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。加熱乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の温度で実施することが好ましく、加熱焼成工程における温度に対して比較的低い温度で実施することがより好ましい。具体的には加熱乾燥温度は30℃〜150℃の範囲であること、さらには50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。
前記加熱焼成工程は、前記ポリアミック酸またはその誘導体が脱水・閉環反応を呈するのに必要な条件で行うことができる。前記塗膜の焼成は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。一般に100〜300℃程度の温度で1分間〜3時間行うことが好ましく、120〜280℃がより好ましく、150〜250℃がさらに好ましい。また、異なる温度で複数回加熱焼成することができる。異なる温度に設定された複数の加熱装置を用いてもよいし、1台の加熱装置を用いて、異なる温度に順次変化させながら行ってもよい。異なる温度で2回加熱焼成を行う場合、1回目は90〜140℃、2回目は180℃以上の温度で行うのが好ましい。
本発明の液晶配向膜の形成方法において、液晶を水平および/または垂直方向に対して一方向に配向させるために、配向膜へ異方性を付与する手段として、ラビング法や光配向法など公知の形成方法を好適に用いることができる。
ラビング法を用いた本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤を基板に塗布する工程と、配向剤を塗布した基板を加熱乾燥する工程と、その膜を加熱焼成する工程と、膜をラビング処理する工程とを経て形成することができる。
ラビング処理は、通常の液晶配向膜の配向処理のためのラビング処理と同様に行うことができ、本発明の液晶配向膜において十分なリタデーションが得られる条件であればよい。好ましい条件は、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmである。
光配向法による本発明の液晶配向膜の形成方法について、詳細に説明する。光配向法を用いた本発明の液晶配向膜は、塗膜を加熱乾燥した後、放射線の直線偏光または無偏光を照射することにより、塗膜に異方性を付与し、その膜を加熱焼成することにより形成することができる。または、塗膜を加熱乾燥し、加熱焼成した後に、放射線の直線偏光または無偏光を照射することにより形成する事ができる。配向性の点から、放射線の照射工程は加熱焼成工程前に行うのが好ましい。
さらに、液晶配向膜の液晶配向能を上げるために、塗膜を加熱しながら放射線の直線偏光または無偏光を照射することもできる。放射線の照射は、塗膜を加熱乾燥する工程、または加熱焼成する工程で行ってもよく、加熱乾燥工程と加熱焼成工程の間に行ってもよい。該工程における加熱乾燥温度は、30℃〜150℃の範囲であること、さらには50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。また該工程における加熱焼成温度は、30℃〜300℃の範囲であること、さらには50℃〜250℃の範囲であることが好ましい。
放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線または可視光を用いることができるが、300〜400nmの光を含む紫外線が好ましい。また、直線偏光または無偏光を用いることができる。これらの光は、前記塗膜に液晶配向能を付与することができる光であれば特に限定されないが、液晶に対して強い配向規制力を発現させたい場合、直線偏光が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、低エネルギーの光照射でも高い液晶配向能を示すことができる。前記放射線照射工程における直線偏光の照射量は0.05〜20J/cmであることが好ましく、0.5〜10J/cmがより好ましい。また直線偏光の波長は200〜400nmであることが好ましく、300〜400nmであることがより好ましい。直線偏光の膜表面に対する照射角度は特に限定されないが、液晶に対する強い配向規制力を発現させたい場合、膜表面に対してなるべく垂直であることが配向処理時間短縮の観点から好ましい。また、本発明の液晶配向膜は、直線偏光を照射することにより、直線偏光の偏光方向に対して垂直な方向に液晶を配向させることができる。
放射線の直線偏光または無偏光を照射する工程に使用する光源には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、エキシマランプ、KrFエキシマレーザー、蛍光ランプ、LEDランプ、ナトリウムランプ、マイクロウェーブ励起無電極ランプ、などを制限なく用いることができる。
本発明の液晶配向膜は、前述した工程以外の他の工程をさらに含む方法によって好適に得られる。例えば、本発明の液晶配向膜は焼成または放射線照射後の膜を洗浄液で洗浄する工程は必須としないが、他の工程の都合で洗浄工程を設けることができる。
洗浄液による洗浄方法としては、ブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄等が挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。このような洗浄方法は、本発明の液晶配向膜の形成における前記洗浄工程にも適用することができる。
本発明の液晶配向膜の液晶配向能を高めるために、加熱焼成工程の前後、ラビング工程の前後、または、偏光または無偏光の放射線照射の前後に、熱や光によるアニール処理を用いることができる。該アニール処理において、アニール温度が30〜180℃、好ましくは50〜150℃であり、時間は1分〜2時間が好ましい。また、アニール処理に使用するアニール光には、UVランプ、蛍光ランプ、LEDランプなどが挙げられ、る。光の照射量は0.3〜10J/cmであることが好ましい。
本発明の液晶配向膜の膜厚は、特に限定されないが、10〜300nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。本発明の液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。
本発明の液晶配向膜は特に大きな配向の異方性を持つことを特徴とする。このような異方性の大きさは特開2005−275364等に記載の偏光IRを用いた方法で評価する事ができる。また以下の実施例に示すようにエリプソメトリーを用いた方法によっても評価することができる。詳しくは、分光エリプソメータによって液晶配向膜のリタデーション値を測定することができる。膜のリタデーション値は重合体主鎖の配向度に比例して大きくなる。すなわち、大きなリタデーション値を持つものは、大きな配向度を持ち、液晶配向膜として使用した場合、より大きな異方性を持つ配向膜が液晶組成物に対し大きな配向規制力を持つと考えられる。
本発明の液晶配向膜は横電界方式の液晶表示素子に好適に用いることができる。横電界方式の液晶表示素子に用いる場合、Pt角が小さいほど、また液晶配向能が高いほど暗状態での黒表示レベルは高くなり、コントラストが向上する。Pt角は0.1°以下が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、液晶ディスプレイ用の液晶組成物の配向用途以外に、光学補償材やその他すべての液晶材料の配向制御に用いることができる。また本発明の配向膜は大きな異方性を有するので、単独で光学補償材用途に使用することができる。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子について詳細に説明する。本発明は、対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が本発明の配向膜である液晶表示素子を提供する。
前記電極は、基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には、例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。また電極は、基板の一方の面の全面に形成されていてもよいし、例えばパターン化されている所望の形状に形成されていてもよい。電極の前記所望の形状には、例えば櫛型またはジグザグ構造等が挙げられる。電極は、一対の基板のうちの一方の基板に形成されていてもよいし、両方の基板に形成されていてもよい。電極の形成の形態は液晶表示素子の種類に応じて異なり、例えばIPS型液晶表示素子の場合は前記一対の基板の一方に電極が配置され、その他の液晶表示素子の場合は前記一対の基板の双方に電極が配置される。前記基板または電極の上に前記液晶配向膜が形成される。
前記液晶層は、液晶配向膜が形成された面が対向している前記一対の基板によって液晶組成物が挟持される形で形成される。液晶層の形成では、微粒子や樹脂シート等の、前記一対の基板の間に介在して適当な間隔を形成するスペーサを必要に応じて用いることができる。
液晶組成物には、特に制限はなく、誘電率異方性が正または負の各種の液晶組成物を用いることができる。誘電率異方性が正の好ましい液晶組成物には、特許3086228、特許2635435、特表平5−501735、特開平8−157826、特開平8−231960、特開平9−241644(EP885272A1)、特開平9−302346(EP806466A1)、特開平8−199168(EP722998A1)、特開平9−235552、特開平9−255956、特開平9−241643(EP885271A1)、特開平10−204016(EP844229A1)、特開平10−204436、特開平10−231482、特開2000−087040、特開2001−48822等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
誘電率異方性が正または負の液晶組成物に1種以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
前記誘電率異方性が負の液晶組成物について説明する。負の誘電率異方性の液晶組成物として、例えば、第1成分として下記式(NL−1)で表される液晶化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物を含有する液晶組成物が挙げられる。
Figure 2020008867
ここで、R1aおよびR2aは独立して、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシ、炭素数2〜12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2〜12のアルケニルであり、環Aおよび環Bは独立して、1,4−シクロへキシレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−フルオロ−3−クロロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−6−メチル−1,4−フェニレン、2,6−ナフタレンジイル、または7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイルであり、ここで、環Aおよび環Bの少なくとも1つは2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−フルオロ−3−クロロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−6−メチル−1,4−フェニレン、または7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイルであり、Zは独立して単結合、−(CH−、−CHO−、−COO−、または−CFO−であり、jは1、2、または3であり、jが2または3である時、任意の2つの環Aは同じであっても異なってもよく、任意の2つのZは同じであっても異なってもよい。
好ましい環Aおよび環Bはそれぞれ、誘電率異方性を上げるために2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンまたはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり、粘度を下げるために1,4−シクロへキシレンである。
好ましいZは誘電率異方性を上げるために−CHO−であり、粘度を下げるために単結合である。
好ましいjは下限温度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2である。
上記式(NL−1)で表される液晶化合物の具体例として、下記の式(NL−1−1)〜式(NL−1−32)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020008867

Figure 2020008867

Figure 2020008867
ここで、R1aおよびR2aは独立して、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシ、炭素数2〜12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2〜12のアルケニルであり、環A21、環A22、環A23、環B21、および環B22は独立して、1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、Z11およびZ12は、独立して単結合、−(CH−、−CHO−、または−COO−である。
好ましいR1aおよびR2aは、紫外線または熱に対する安定性などを上げるために炭素数1〜12のアルキル、または誘電率異方性の絶対値を上げるために炭素数1〜12のアルコキシである。
好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、粘度を下げるためにエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘプチルである。
好ましいアルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、またはヘプチルオキシである。粘度を下げるために、さらに好ましいアルコキシは、メトキシまたはエトキシである。
好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、または5−ヘキセニルである。さらに好ましいアルケニルは、粘度を下げるためにビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、または3−ペンテニルである。これらのアルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。粘度を下げるためなどから1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランスが好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシスが好ましい。これらのアルケニルにおいては、分岐よりも直鎖のアルケニルが好ましい。
少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたアルケニルの好ましい例は、2,2−ジフルオロビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、4,4−ジフルオロ−3−ブテニル、5,5−ジフルオロ−4−ペンテニル、および6,6−ジフルオロ−5−ヘキセニルである。さらに好ましい例は、粘度を下げるために2,2−ジフルオロビニル、および4,4−ジフルオロ−3−ブテニルである。
好ましい環A21、環A22、環A23、環B21、および環B22はそれぞれ、粘度を下げるために1,4−シクロへキシレンである。
好ましいZ11およびZ12は誘電率異方性を上げるために−CHO−であり、粘度を下げるために単結合である。
前記負の誘電率異方性を有する液晶組成物が、第1成分として好ましい式(NL−1)で表される化合物は、式(NL−1−1)、式(NL−1−4)、式(NL−1−7)および式(NL−1−32)で表される化合物である。
前記負の誘電率異方性を有する液晶組成物の好ましい例として、特開昭57−114532、特開平2−4725、特開平4−224885、特開平8−40953、特開平8−104869、特開平10−168076、特開平10−168453、特開平10−236989、特開平10−236990、特開平10−236992、特開平10−236993、特開平10−236994、特開平10−237000、特開平10−237004、特開平10−237024、特開平10−237035、特開平10−237075、特開平10−237076、特開平10−237448(EP967261A1)、特開平10−287874、特開平10−287875、特開平10−291945、特開平11−029581、特開平11−080049、特開2000−256307、特開2001−019965、特開2001−072626、特開2001−192657、特開2010−037428、国際公開2011/024666、国際公開2010/072370、特表2010−537010、特開2012−077201、特開2009−084362等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
また例えば、本発明の液晶表示素子に用いる液晶組成物は、例えば配向性を向上させる観点から、添加物をさらに添加してもよい。このような添加物は、光重合性モノマー、光学活性な化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合開始剤、重合禁止剤などである。
液晶の配向性を改善する目的で光重合性モノマーまたはオリゴマーの最も好ましい構造としては、式(PM−1−1)〜式(PM−1−6)で表される構造が挙げられる。
Figure 2020008867
光重合性モノマーまたはオリゴマーは、それらが重合した後に液晶の傾斜方向を決める効果を発現させるために、0.01重量%以上であることが望ましい。また、それらが重合した後に重合体の配向効果を適切なものとするため、或いは紫外線照射後に、未反応のモノマーまたはオリゴマーが液晶に溶出することを避けるために、30重量%以下であることが望ましい。
液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物が液晶組成物に混合される。このような化合物の例は、式(PAC−1−1)〜式(PAC−1−4)で表される化合物である。
光学活性な化合物の好ましい割合は5重量%以下である。さらに好ましい割合は0.01重量%から2重量%の範囲である。
Figure 2020008867
大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するために、または液晶表示素子を長時間使用したあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を維持するために、酸化防止剤が液晶組成物に混合される。
Figure 2020008867
酸化防止剤の好ましい例は、wが1から10の整数である式(AO−1)で表される化合物などである。式(AO−1)において、好ましいwは、1、3、5、7、または9である。さらに好ましいwは1または7である。wが1である式(AO−1)で表される化合物は、揮発性が大きいので、大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するときに有効である。wが7である式(AO−1)で表される化合物は、揮発性が小さいので、液晶表示素子を長時間使用したあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を維持するのに有効である。酸化防止剤の好ましい割合は、その効果を得るために50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないように600ppm以下である。さらに好ましい割合は、100ppmから300ppmの範囲である。
紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などである。立体障害のあるアミンのような光安定剤もまた好ましい。これらの吸収剤や安定剤における好ましい割合は、その効果を得るために50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないように10000ppm以下である。さらに好ましい割合は100ppmから10000ppmの範囲である。
GH(Guest host)モードの液晶表示素子に適合させるためにアゾ系色素、アントラキノン系色素などのような二色性色素(dichroic dye)が液晶組成物に混合される。色素の好ましい割合は、0.01重量%から10重量%の範囲である。
泡立ちを防ぐために、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどの消泡剤が液晶組成物に混合される。消泡剤の好ましい割合は、その効果を得るために1ppm以上であり、表示の不良を防ぐために1000ppm以下である。さらに好ましい割合は、1ppmから500ppmの範囲である。
PSA(polymer sustained alignment)モードの液晶表示素子に適合させるために重合可能な化合物を液晶組成物に混合することができる。重合可能な化合物の好ましい例はアクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、ビニルケトンなどの重合可能な基を有する化合物である。特に好ましい例は、アクリレートまたはメタクリレートの誘導体である。このような化合物の例は、式(PM−2−1)〜式(PM−2−9)で表される化合物である。重合可能な化合物の好ましい割合は、その効果を得るために、約0.05重量%以上であり、表示不良を防ぐために約10重量%以下である。さらに好ましい割合は、約0.1重量%から約2重量%の範囲である。
Figure 2020008867
ここで、R3a、R4a、R5a、およびR6aは独立して、アクリロイルまたはメタクリロイルであり、R7aおよびR8aは独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1から10のアルキルであり、Z13、Z14、Z15、およびZ16は独立して、単結合または炭素数1から12のアルキレンであり、少なくとも1つの−CH−は−O−または−CH=CH−により置き換えられていてもよく、s、t、およびuはそれぞれ独立して、0、1、または2である。
ラジカルまたはイオンを容易に生じ、連鎖重合反応を開始させるのに必要な物質として、重合開始剤を混合することができる。例えば光重合開始剤であるIrgacure651(登録商標)、Irgacure184(登録商標)、またはDarocure1173(登録商標)(Ciba Japan K.K.)がラジカル重合に対して適切である。重合可能な化合物は、好ましくは光重合開始剤を0.1重量%から5重量%の範囲で含む。特に好ましくは光重合開始剤を1重量%から3重量%の範囲で含む。
ラジカル重合系において、重合開始剤あるいは単量体から生じたラジカルと速やかに反応して安定なラジカルまたは中性の化合物に変化し、その結果重合反応を停止させる目的で重合禁止剤を混合することができる。重合禁止剤は構造上いくつかに分類される。その1つは、トリ−p−ニトロフェニルメチル、ジ−p−フルオロフェニルアミンなどのようなそれ自身安定なラジカルで、もう一方は、重合系に存在するラジカルと容易に反応して安定なラジカルに変わるもので、ニトロ、ニトリソ、アミノ、ポリヒドロキシ化合物などがその代表である。後者の代表としてはヒドロキノン、ジメトキシベンゼンなどがあげられる。重合禁止剤の好ましい割合は、その効果を得るために5ppm以上であり、表示の不良を防ぐために1000ppm以下である。さらに好ましい割合は、5ppmから500ppmの範囲である。
本発明の液晶表示素子に負の誘電率異方性を持つ液晶組成物を用いることにより、残像特性に優れ、かつ配向安定性の良い液晶表示素子を提供することができる。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、実施例において用いる評価法および化合物は次の通りである。
1.重量平均分子量(Mw)
ポリアミック酸の重量平均分子量は、2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計(Waters製)を用いてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。得られたポリアミック酸をリン酸−DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100:重量比)で、ポリアミック酸濃度が約2重量%になるように希釈した。カラムはHSPgel RT MB−M(Waters製)を使用し、前記混合溶液を展開剤として、カラム温度50℃、流速0.40mL/minの条件で測定を行った。標準ポリスチレンは東ソー(株)製TSK標準ポリスチレンを用いた。
2.電圧保持率
「水嶋他、第14回液晶討論会予稿集 p78(1988)」に記載の方法で行った。測定は、波高±5Vの矩形波をセルに印加して行った。測定は60℃で行った。この値は、印加した電圧がフレーム周期後どの程度保持されているかを示す指標であり、この値が100%ならば全ての電荷が保持されていることを示す。ポジ型液晶を搭載したセルでは99.0%以上、ネガ型液晶を搭載したセルでは97.5%以上であれば表示品位が良好な液晶表示素子となる。
3.液晶中のイオン量測定(イオン密度)
応用物理、第65巻、第10号、1065(1996)に記載の方法に従い、東陽テクニカ社製、液晶物性測定システム6254型を用いて測定した。周波数0.01Hzの三角波を用い、±10Vの電圧範囲、温度60℃で測定した(電極の面積は1cm)。イオン密度が大きいとイオン性不純物による焼き付き等の不具合が発生しやすい。即ち、イオン密度は焼き付き発生を予測する指標となる物性値である。この値がポジ型液晶を搭載したセルでは20pC以下、ネガ型液晶を搭載したセルでは50pC以下であれば表示品位が良好な液晶表示素子となる。
4.配向性の確認
液晶セルをクロスニコルに配置した2枚の偏光板に挟んで目視により観察した際、液晶が注入口から流動した方向に沿って並ぶ現象を流動配向と呼ぶ。流動配向は配向膜の配向性の指標であり、流動配向が発生しない配向膜は良好な配向性を持つ。
5.印刷性の確認
液晶配向剤は、ガラス基板への塗布法によって、粘度や含まれる溶剤が適宜調整される。特に、最近はインクジェット法による液晶配向剤のガラス基板への塗布が主流となっている。インクジェット塗布装置にて塗布され、形成される塗膜のエッジ部分のがたつきを確認することで、塗布性が確認できる。このがたつきが0.2mm以内の範囲であれば印刷性が良好な液晶配向剤となる。また、より印刷性の良いインクジェット用配向剤とするには、液晶配向剤の溶剤に貧溶剤を併用することが効果的であるが、このような溶剤系でも重合体の析出が無いなど、保存安定性に優れることも必須である。
<溶剤>
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
BC: ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)
GBL: γ−ブチロラクトン
EDM: エチレングリコールエチルメチルエーテル
DIBK: ジイソブチルケトン(2,6−ジメチル−4−ヘプタノン)
<添加剤>
Ad1: N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
Ad2: 1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン
Ad3: 2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
[実施例1] 化合物(1−1−5)の合成
<第1段階:ジエチルエステルの合成>
還流管、温度計および攪拌羽根を装着した3L3つ口フラスコに、市販の4−ブロモフタル酸無水物500g(2.2mol)、硫酸10mLおよびエタノール2Lを加え、加熱還流した。反応終了後エタノールを減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を160℃、500Paの条件で減圧蒸留し、4−ブロモフタル酸ジエチルエステルを得た(収量:623g、収率:94%)。
Figure 2020008867
<第2段階:薗頭カップリング反応>
還流管、温度計、攪拌羽根および滴下漏斗を装着した3L4つ口フラスコに、第1段階で得られた4−ブロモフタル酸ジエチルエステル582g(1.9mol)、市販のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)26g(38mmol)およびCuI14g(76mmol)を入れ、トリエチルアミン2000mLを加えた。そこに、滴下漏斗から、市販の1,7−オクタジイン100g(0.9mol)をテトラヒドロフラン400mLに溶解させた溶液を徐々に加え、滴下終了後、5時間加熱還流した。反応終了後トリエチルアミンを減圧留去し、酢酸エチル2Lを加えた後、分液した酢酸エチル溶液を純水2Lで3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した溶液から溶媒を減圧留去して、粗結晶を得た。得られた粗結晶の2倍重量のエタノールから再結晶し、下記化合物を得た(収量:454g、収率:86%)。
Figure 2020008867
<第3段階:芳香環、アセチレンの還元>
温度計および圧力計が装着された3LSUS製オートクレーブ反応器に第2段階で得られた化合物200g(366mmol)、市販の5%活性炭担持ルテニウム触媒(乾燥品)20gを入れ、エタノール1.5Lを加えた。系内を水素雰囲気下とし、水素圧4900kPa、100℃で12時間反応させた。反応液をろ過して触媒を除去した後、エタノールを減圧留去し、下記化合物を得た(収量:183g、収率:88%)。
Figure 2020008867
<第4段階:加水分解(脱エチルエステル化)>
温度計、攪拌羽根を装着した2L3つ口フラスコに第3段階で得た化合物150g(265mmol)および水酸化ナトリウム51g(1.3mol)を入れ、純水204gおよびエタノール1.5Lを加えた。室温で12時間攪拌した後、エタノールを減圧留去した。そこに溶液のpHが1以下となるまで6N塩酸を加え、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を純水で洗浄して、下記化合物を得た(収量:111g、収率:94%)。
Figure 2020008867
<第5段階:脱水閉環>
1Lナスフラスコに第4段階で得られた化合物100g(220mmol)を入れ、無水酢酸200gを加えた。8時間加熱還流し、放冷後析出した結晶をろ取した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル、添加溶媒:トルエン/酢酸エチル=2/1(v/v))で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶を2倍重量の無水酢酸から再結晶して、式(1−1−5)で表される化合物を得た(収量:72g、収率:78%)。
Figure 2020008867
[実施例2] 化合物(1−2−5)の合成
<第1段階:エステル化>
還流管、温度計および攪拌羽根を装着した3L3つ口フラスコに、市販の4−ヒドロキシフタル酸無水物300g(1.8mol)、硫酸10mLおよびエタノール2Lを加え加熱還流した。反応終了後、エタノールを減圧留去し粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル、添加溶媒:トルエン/酢酸エチル=4/1(v/v))で分離精製した。溶媒を減圧留去し、4−ヒドロキシフタル酸ジエチルエステルを得た(収量:405g、収率:93%)。
Figure 2020008867
<第2段階:エーテル化>
温度計および攪拌羽根を装着した2L3つ口フラスコに、市販の1,6−ヘキサンジオール50g(423mmol)、第1段階で得た4−ヒドロキシフタル酸ジエチルエステル211g(889mmol)、および市販の炭酸カリウム140g(1.0mol)を入れ、N,N−ジメチルホルムアミド1Lを加えた。窒素雰囲気下80℃で12時間加熱攪拌し、放冷後、反応溶液を2Lの純水にあけ、析出した結晶をろ取した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル、添加溶媒:トルエン/酢酸エチル=6/1(v/v))で分離精製した。溶媒を減圧留去し、下記化合物を得た(収量:194g、収率:82%)。
Figure 2020008867
<第3段階:芳香環の還元>
温度計および圧力計が装着された3LSUS製オートクレーブ反応器に第2段階で得られた化合物100g(179mmol)、市販の5%活性炭担持ルテニウム触媒(乾燥品)10gを入れ、エタノール800mLを加えた。系内を水素雰囲気とし、水素圧4900kPa、100℃で12時間反応させた。反応終了後、ろ過して触媒を除去した後、エタノールを減圧留去し、下記化合物を得た(収量:85g、収率:83%)。
Figure 2020008867
<第4段階:加水分解(脱エチルエステル化)>
温度計、攪拌羽根を装着した1L3つ口フラスコに第3段階で得た化合物70g(123mmol)および水酸化ナトリウム24g(589mmol)を入れ、純水120gおよびエタノール750mLを加えた。室温で12時間攪拌した後、エタノールを減圧留去した。そこに溶液のpHが1以下となるまで6N塩酸を加え、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を純水で洗浄して、下記化合物を得た(収量:51g、収率:91%)。
Figure 2020008867
<第5段階:脱水閉環>
300mLナスフラスコに第4段階で得られた化合物50g(109mmol)を入れ、無水酢酸100gを加えた。8時間加熱還流し、放冷後析出した結晶をろ取にて得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル、添加溶媒:トルエン:酢酸エチル=2:1(v/v))で分離精製し、溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶を2倍重量の無水酢酸から再結晶して、式(1−2−5)で表される化合物を得た(収量:36g、収率:79%)。
Figure 2020008867
[実施例3] 化合物(1−4−3)の合成
<第1段階:薗頭カップリング反応>
還流管、温度計、攪拌羽根および滴下漏斗を装着した3L4つ口フラスコに、WO2015/125734A1に記載の方法で合成した4−ブロモヘキサヒドロフタル酸無水物231g(989mmol)、市販のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)13g(19mmol)およびCuI7g(38mmol)を入れトリエチルアミン1Lを加えた。そこに、滴下漏斗から、市販の1,7−オクタジイン50g(471mmol)をテトラヒドロフラン200mLに溶解させた溶液を徐々に加え、滴下終了後、5時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、そこに酢酸エチル1Lを加えたのち、分液した酢酸エチル溶液を純水1Lで3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して、粗結晶を得た。得られた粗結晶をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル、添加溶媒:トルエン/酢酸エチル=3/1(v/v))で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶を2倍重量の無水酢酸から再結晶して、式(1−4−3)で表される化合物を得た(収量:141g、収率:73%)。
Figure 2020008867
[実施例4] 化合物(1−3−3)の合成
<第1段階:三重結合の還元>
温度計および圧力計が装着された3LSUS製オートクレーブ反応器に実施例8で得られた化合物(1−9−3)50g(122mmol)、市販の鉛被毒化5%パラジウム/炭酸カルシウム(リンドラー触媒)5gを入れ、エタノール1Lを加えた。系内を水素雰囲気とし、水素圧196kPa、室温で12時間反応させた。反応終了後、ろ過にて触媒を除去した後、エタノールを減圧留去し、粗結晶を得た。得られた粗結晶をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル、添加溶媒:トルエン/酢酸エチル=3/1(v/v))で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた結晶を2倍重量の無水酢酸から再結晶して、式(1−3−3)で表される化合物を得た(収量;32g、収率64%)。
Figure 2020008867
<ポリアミック酸溶液(ワニス)の調製>
[実施例5]
攪拌羽根、窒素導入管を装着した100mL3つ口フラスコに、式(DI−7−3)(m=3、n=1)で表される化合物2.1203g、式(DI−5−9)で表される化合物0.6266g、および式(DI−4−1)で表される化合物0.2256gを入れ、N−メチル−2−ピロリドンを74g加えた。その溶液を氷冷にて液温を5℃とした後、式(1−1−1)で表される化合物1.8901g、および式(AN−3−2)で表される化合物1.1375gを加え、12時間室温で攪拌した。そこにブチルセロソルブ20.0gを加え、溶質の重合体の重量平均分子量が所望する重量平均分子量になるまで、その溶液を60℃で加熱攪拌した。溶質の重量平均分子量がおおよそ60,000であり樹脂分濃度が6重量%であるワニス1を得た。
[実施例6〜40、比較例1〜12]
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを変更した以外は、実施例5に準拠して、重合体固形分濃度が6重量%のワニス2〜ワニス48を調製した。重量平均分子量は、光異性化構造を有する原料を使用する重合体はおおよそ11,000〜12,000に、光異性化構造を有する原料を使用しない重合体は60,000前後に調整した。使用したテトラカルボン酸二無水物およびジアミンと、得られたワニス中のポリアミック酸の重量平均分子量を表1−1、表1−2、表1−3、および表2に示す。実施例5も表1−1に再掲する。
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
<液晶配向剤の調製、電気特性測定用セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定>
[実施例41]
50mLナスフラスコに、ワニス1を10g秤取し、そこにN−メチル−2−ピロリドンを5.0gおよびブチルセロソルブを5.0g加え2時間振とうし、固形分が3wt%の液晶配向剤1を得た。この配向剤1をFFS電極付きガラス基板およびカラムスペーサー付きガラス基板にスピンナー法により塗布した(2,000rpm、15秒)。塗膜後80℃にて約5分間予備焼成した後、200℃にて30分間焼成処理を行い膜厚およそ100nmの液晶配向膜を形成した。得られたポリイミド膜を株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.9mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.40mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1000rpmの条件で、ラビング処理した。得られた基板をエタノール中で5分間超音波洗浄後、超純水にて表面を洗浄してからオーブン中120℃で30分間乾燥した。基板上に配向膜が形成された基板2枚の配向膜が形成されている面を対向させ、それぞれの配向膜にラビング方向が平行になるように、さらに対向する配向膜の間に液晶組成物を注入させるための空隙を形成して貼り合わせ、セル厚4μmの空FFSセルを組み立てた。作製した空FFSセルに下記ポジ型液晶組成物Aを真空注入して、注入口を光硬化剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行い、測定用液晶セルを作製した。
<ポジ型液晶組成物A>
Figure 2020008867
物性値:NI 100.1℃; Δε 5.1; Δn 0.093; η 25.6mPa・s.
得られた測定用セルの電圧保持率は5V−30Hzで99.8%であり、イオン密度は20pC、であった。このセルを点灯させたバックライト試験機(富士フィルム(株)製、FujiCOLOR LED Viewer Pro HR−2;輝度2,700cd/m)の上に1,000時間載せ、信頼性試験を行った。信頼性試験後の測定用セルの電圧保持率は99.7%であり、イオン密度は20pC、であった。また、このセルの液晶の配向性は良好であった。
[実施例42〜51、比較例13〜16]
実施例6〜15で調製したワニス2〜11、および比較例1〜4で調製したワニス37〜40についても実施例41に記載の方法に従い、液晶配向剤の調製、電気特性測定セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。結果を表3に示す。実施例41の結果も表3に再掲する。
Figure 2020008867
実施例41〜51および比較例13〜16において、配向性は良好であった。実施例41〜51においては、電圧保持率、イオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であったが、比較例13〜16においては、電圧保持率、イオン密度の初期値および1,000時間後の値、共に悪かった。
[実施例52]
注入する液晶組成物を下記ネガ型液晶組成物Bとした以外は実施例41に記載の方法に従い、液晶配向剤1を用いて電気特性測定用セルを作製し、電圧保持率・イオン密度の測定を行った。
<ネガ型液晶組成物B>
Figure 2020008867
物性値:NI 75.7℃; Δε −4.1; Δn 0.101; η 14.5mPa・s.
得られた測定用セルの電圧保持率は5V−30Hzで98.2%であり、イオン密度は50pC、であった。このセルを点灯させたバックライト試験機(富士フィルム(株)製、FujiCOLOR LED Viewer Pro HR−2;輝度2,700cd/m)の上に1,000時間載せ、信頼性試験を行った。信頼性試験後の測定用セルの電圧保持率は98.1%であり、イオン密度は50pC、であった。また、このセルの液晶の配向性は良好であった。
[実施例53〜62、比較例17〜20]
実施例6〜15で調製したワニス2〜11、および比較例1〜4で調製したワニス37〜40についても実施例52に記載の方法に従い、液晶配向剤の調製、電気特性測定セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。結果を表4に示す。実施例52の結果も表4に再掲する。
Figure 2020008867
実施例52〜62および比較例17〜20において、配向性は良好であった。実施例52〜62においては、電圧保持率、イオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であったが、比較例17〜20においては、電圧保持率、イオン密度の初期値および1,000時間後の結果はともに悪かった。
<光配向用液晶配向剤の調製、電気特性測定用セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定>
[実施例63]
攪拌羽根、窒素導入管を装着した50mLナスフラスコに実施例8で合成したワニス4を7.0g、および実施例16で合成したワニス12を3.0g秤取し、そこにN−メチル−2−ピロリドン5.0gおよびブチルセロソルブ5.0gを加え、室温で1時間攪拌し樹脂分濃度3重量%の配向剤16を得た。この配向剤をFFS電極付きガラス基板およびカラムスペーサー付きガラス基板にスピンナー法により塗布した(2,000rpm、15秒)。塗布後、基板を80℃で3分間加熱し、溶剤を蒸発させた後、ウシオ電機(株)製マルチライトML−501C/Bを用い、基板に対して鉛直方向から、偏光板を介して紫外線の直線偏光を照射した。この時の露光エネルギーは、ウシオ電機(株)製紫外線積算光量計UIT−150(受光器:UVD−S365)を用いて光量を測定し、波長365nmで1.3±0.1J/cmになるよう、露光時間を調整した。続いて、クリーンオーブン(エスペック株式会社、PVHC−231)中で、230℃にて15分間加熱処理して、膜厚100±10nmの配向膜を形成した。これらの配向膜が形成された基板2枚を、配向膜が形成されている面を対向させ、かつ、対向する配向膜の間に液晶組成物を注入するための空隙を設けて貼り合わせた。この時、それぞれの配向膜に照射された直線偏光の偏光方向が平行になるようにした。これらのセルにポジ型液晶組成物Aを注入し、セル厚7μmの液晶セル(液晶表示素子)を作製した。
得られた測定用セルの電圧保持率は5V−30Hzで99.8%であり、イオン密度は20pC、であった。信頼性試験後の測定用セルの電圧保持率は99.8%であり、イオン密度は20pC、であった。また、このセルの液晶の配向性は良好であった。
[実施例64〜209、比較例21〜76]
使用したワニスを変更した以外は、実施例63に記載の方法に従い、液晶配向剤の調製、電気特性測定セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。結果を表5−1、表5−2、表5−3、表5−4、表6−1、および表6−2に示す。実施例63の結果も表5−1に再掲する。
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
実施例63〜209において、配向性、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であった。一方、比較例21、22、24〜30、32〜38、40〜46、48〜54、56〜62、64〜70、72〜76において、20においては、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であったが、配向性が不良であった。また、比較例23、31、39、47、55、63および71においては、配向性は良好であったが、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は不良であった。
[実施例210]
注入する液晶組成物をネガ型液晶組成物Bとした以外は実施例63に記載の方法に従い、液晶配向剤16を用いて、電気特性測定用セルを作製し、電圧保持率・イオン密度の測定を行った。
初期の電圧保持率は5V−30Hzで98.4%であり、イオン密度は50pC、であった。1,000時間後の電圧保持率は98.4%であり、イオン密度は50pCであった。また、このセルの液晶の配向性は良好であった。
[実施例211〜356、比較例77〜132]
使用したワニスを変更した以外は、実施例210に記載の方法に従い、液晶配向剤の調製、電気特性測定セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。結果を表7−1、表7−2、表7−3、表7−4、表8−1、および表8−2に示す。実施例210の結果も表7−1に再掲する。
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
Figure 2020008867
実施例210〜356において、配向性、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であった。一方、比較例77、78、80〜86、88〜94、96〜102、104〜110、112〜118、120〜126、128〜132においては、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であったが、配向性が不良であった。また、比較例79、87、95、103、111、119および127においては、配向性は良好であったが、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は不良であった。
[実施例357]
実施例44で調製した液晶配向剤4を10g秤取し、そこにN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(添加剤(Ad1))を15mg加え、溶解させ液晶配向剤219を調製した。この液晶配向剤219に用いて、実施例41の記載の方法に従い、電気特性測定用セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。
得られた測定用セルの電圧保持率は5V−30Hzで99.9%であり、イオン密度は20pC、であった。信頼性試験後の測定用セルの電圧保持率は99.8%であり、イオン密度は20pC、であった。また、このセルの液晶の配向性は良好であった。
[実施例358〜365]
使用する液晶配向剤および添加剤を変更した以外は、実施例357に記載の方法に従い、液晶配向剤の調製、電気特性測定セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。結果を表9に示す。実施例357の結果も表9に再掲する
Figure 2020008867
いずれの液晶配向剤にいずれの添加剤を添加しても、配向性、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であった。
[実施例366]
注入する液晶組成物をネガ型液晶組成物Bにした以外、実施例357に記載の方法に従い、液晶配向剤219を用いて、電気特性測定用セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。
[実施例367〜374]
使用する液晶配向剤および添加剤を変更した以外は、実施例366に記載の方法に従い、液晶配向剤の調製、電気特性測定セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。結果を表10に示す。実施例366の結果も表10に再掲する
Figure 2020008867
いずれの液晶配向剤にいずれの添加剤を添加しても、配向性、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であった。
[実施例375]
実施例66で調製した液晶配向剤19を10g秤取し、そこにN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(添加剤(Ad1))を15mg加え、溶解させ、液晶配向剤228を調製した。この液晶配向剤228を用いて、実施例63の記載の方法に従い、電気特性測定用セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。
得られた測定用セルの電圧保持率は5V−30Hzで99.9%であり、イオン密度は20pC、であった。信頼性試験後の測定用セルの電圧保持率は99.8%であり、イオン密度は20pC、であった。また、このセルの液晶の配向性は良好であった。
[実施例376〜392]
使用する液晶配向剤および添加剤を変更した以外は、実施例375に記載の方法に従い、液晶配向剤の調製、電気特性測定セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。結果を表11に示す。実施例375の結果も表11に再掲する。
Figure 2020008867
いずれの液晶配向剤にいずれの添加剤を添加しても、配向性、電圧保持率とイオン密度の初期値および1,000時間後の結果は良好であった。
[実施例393]
実施例210に記載の方法に従い、液晶配向剤228を用いて、電気特性測定用セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。
得られた測定用セルの電圧保持率は5V−30Hzで98.2%であり、イオン密度は50pC、であった。信頼性試験後の測定用セルの電圧保持率は98.2%であり、イオン密度は50pC、であった。また、このセルの液晶の配向性は良好であった。
[実施例394〜410]
使用する液晶配向剤および添加剤を変更した以外は、実施例393に記載の方法に従い、液晶配向剤の調製、電気特性測定セルの作製、および電圧保持率・イオン密度の測定を行った。結果を表12に示す。実施例393の結果も表12に再掲する。
Figure 2020008867
いずれの液晶配向剤にいずれの添加剤を添加しても、配向性が良好な配向膜となり、また、電圧保持率、イオン密度の測定で良好な結果となった。
<インクジェット塗布性の確認>
[実施例411]
攪拌羽根および窒素導入管を装着した2L3つ口フラスコに、実施例11で調製したワニス7を466.67gおよび実施例20で調製したワニス16を200.00g秤取し、そこに、NMP0.667g、GBL136.00g、BC26.667g、EDM160.00gおよびDIBK10.00gを加え、ポリアミック酸濃度が4.0%であるインクジェット用配向剤246を得た。この配向剤246を、芝浦メカトロニクス株式会社製インクジェット塗布装置(形式:IJ−0011−A2FS−M0)を用いて、ITO電極付きガラス基板へ塗布した。配向剤を塗布後、基板を60℃で80秒間加熱し、溶媒を蒸発させた後、塗布面のエッジ部分のがたつきを測定したところ0.1mmであり、非常に良好なインクジェット塗布性を示した。
また、配向剤246を−25℃にて1ヶ月保存したところ、溶質の析出などは確認されず、低温での保存安定性も問題ないことが分かった。
本発明の液晶配向剤から形成される液晶配向膜は高い液晶配向性を有し、長時間高い電圧保持率を維持することができるので、高い信頼性を有し、長時間使用しても表示品位が低下しない優れた液晶表示素子を得ることができる。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つ含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られる、ポリアミック酸またはその誘導体を含有する液晶配向剤。
    Figure 2020008867
    式(1)中、Rは炭素数4〜9の直鎖アルキレンであり、その中の任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
  2. 請求項1に記載のポリアミック酸またはその誘導体と、その他のポリアミック酸またはその誘導体を含有する液晶配向剤。
  3. 反応に供されるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンの少なくとも1つに、光反応性構造を有する化合物を含む原料モノマーを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体を含有する、請求項1または2に記載の液晶配向剤。
  4. 光反応性構造を有する化合物が、式(II)〜(VI)で表される光異性化構造をもつ化合物の少なくとも1つである、請求項3に記載の液晶配向剤。
    Figure 2020008867
    式(II)〜(V)において、RおよびRは−NHを有する1価の有機基または−CO−O−CO−を有する1価の有機基であり;
    式(IV)において、Rは2価の有機基であり;そして、
    式(VI)において、Rは独立して−NHまたは−CO−O−CO−を有する芳香環である。
  5. 光異性化構造を有するテトラカルボン酸二無水物またはジアミンが、式(II−1)、(II−2)、(III−1)、(III−2)、(IV−1)、(IV−2)、(V−1)〜(V−3)、(VI−1)、および(VI−2)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、請求項4に記載の液晶配向剤。
    Figure 2020008867

    Figure 2020008867
    上記各式において、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し;
    式(V−2)において、Rは独立して−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、aは独立して0〜2の整数であり;
    式(V−3)において、環Aおよび環Bはそれぞれ独立して、単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素および複素環から選ばれる少なくとも1つであり、
    11は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、または−N(CH)CO−であり、
    12は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、または−N(CH)CO−であり、
    11およびR12において、直鎖アルキレンの1つの−CH−または連続しない2つの−CH−は−O−で置換されてもよく、
    〜R10は、それぞれ独立して、−F、−CH、−OCH、−CF、または−OHであり、そして、
    b〜eは、それぞれ独立して0〜4の整数である。
  6. アルケニル置換ナジイミド化合物、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つをさらに含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の、横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜。
  9. 請求項8に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
  10. 下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
    Figure 2020008867
    式(1)中、Rは炭素数4〜9の直鎖アルキレンであり、その中の任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
  11. 下記式(1−1)〜(1−4)のいずれかで表される、請求項10に記載のテトラカルボン酸二無水物。
    Figure 2020008867
    式(1−1)において、nは4〜9の整数であり;そして、
    式(1−2)〜(1−4)において、nは2〜7の整数である。
  12. 下記式(1−1−1)〜(1−1−6)、(1−2−1)〜(1−2−6)、(1−3−1)〜(1−3−6)、および(1−4−1)〜(1−4−6)のいずれかで表される、請求項11に記載のテトラカルボン酸二無水物。
    Figure 2020008867

    Figure 2020008867

    Figure 2020008867

    Figure 2020008867
  13. 請求項10〜12のいずれか1項に記載のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つ含むテトラカルボン酸無水物とジアミンを反応させて得られる、ポリアミック酸またはその誘導体。
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