以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22(図7(b)参照)が設けられている。この枠ボタン22は、図7(b)に示すように、決定ボタン22a、主に上方向を指定する上方向ボタン22b、主に左方向を指定する左ボタン22c、主に下方向を指定する下方向ボタン22d、主に右方向を指定する右方向ボタンとで構成されている。
決定ボタン22aは、例えば、後述するパスワード設定画面(図5(a)参照)において、第3図柄表示装置81に表示された設定ボタンを選択する(入力したパスワードで決定する)操作を行う場合などに、遊技者により操作される。上方向ボタン22bは、例えば、パスワード設定画面において、カーソルにより選択されているパスワードの1桁について、選択されている数字を示す選択画像(表示されている数字の背景の色が変わる)を上方向に移動させる。また、下方向ボタン22dは、逆に選択されている数字を示す選択画像を下方向に移動させる。なお、後述するが、パスワードは、4桁の数字で構成されており、カーソルを右方向ボタン22cまたは左方向ボタン22eにより左右に動かすことで、数字を選択する桁を決定する。左方向ボタン22cを遊技者が操作するとカーソルが1つ左の桁に移動する。右方向ボタン22eを遊技者が操作するとカーソルが1つ右の桁に移動する。また、上方向ボタン22b、左ボタン22c、下方向ボタン22d、右方向ボタン22eは、例えば、第3図柄表示装置81に表示されたキャラクターを上下左右に移動させる場合等、遊技者に方向を指定させるのに適宜、用いられるように構成してもよい。
また、上皿17の前面側には、遊技者が休憩を取る場合に、カード返却ユニット300に挿入されているカードを返却できないように設定する休憩ボタン500が設けられている。この休憩ボタン500については、後述するが、遊技者が休憩ボタン500を操作(押下)することで、パスワードが設定されていない場合には、パスワードを設定するパスワード設定画面(図5(a))が表示されて、パスワードを設定するように遊技者に報知される。そして、パスワードが設定されると返却ボタン42を押下しても操作が無効の状態(無効化)に設定される。また、パスワードが既に設定されている場合(休憩ボタン500が押されてパスワードが設定されている場合等)には、パスワード入力画面(図5(b)参照)が表示されて、設定されているパスワードを入力することで、返却ボタン42を有効に設定(有効化)することができる。
なお、本実施形態では、休憩ボタン500を操作すると、パスワードを設定することで、返却ボタン42の無効化が実行されるように構成したが、それに限らず、休憩ボタン500を押下した場合には、強制的に返却ボタン42を無効化して、休憩中であることを示す休憩フラグを設けて、その休憩フラグをオンに設定して、パチンコ機10に、休憩フラグがオンである場合のみ、返却ボタン42を有効化できる復帰スイッチを遊技店側が操作可能な位置に設けるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は休憩ボタン500を操作すれば、直ぐに休憩にいくことができ、操作が容易となる。
また、休憩ボタン500を操作した場合には、球貸しボタン43も無効化できるように構成したり、遊技球の発射が禁止されるように構成してもよい。このように構成することで、休憩中に不正に球貸しを実行されたり、他人に無断で遊技されたりする不具合を防止できる。
また、休憩ボタン500を操作することで、パスワードを設定する構成としたが、それに限らず、休憩ボタン500を操作することで、直ぐに、返却ボタン42が無効化される構成としてもよい。このような構成では、遊技店の店員が操作可能な休憩解除ボタンを遊技機背面側や、前面枠14の内側等に設けて、店員を呼んで解除してもらう方法等が考えられる。
また、休憩ボタン500を操作して、返却ボタン42を無効化した場合には、主制御装置110のRAM203が初期化されるか、設定されたパスワードが入力されるまで、返却ボタン42の無効化が維持される構成としたが、それに限らず、返却ボタン42が無効化される時間に上限時間を設けてもよい。このように構成することで、いたずらにパスワードが設定されて、長時間の間、返却ボタン42が無効化されたままとなる不具合を防止できる。
また、休憩ボタン500が操作されて、返却ボタン42が無効化された場合には、返却ボタン42が無効化されていることを示す報知態様(例えば、第3図柄表示装置81に「休憩中!!」という文字が表示される)を報知するように構成してもよい。さらに、返却ボタン42が無効化されている時間を第3図柄表示装置81に表示するように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10が休憩ボタン500が操作されて、返却ボタン42が無効化されている状態であることが、遊技店の店員等に分かり易く報知できる。よって、長時間の間、返却ボタン42が無効化されて放置されているパチンコ機10があった場合にも、遊技店の店員が早期に発見することができ、返却ボタン42の無効化を解除して、カード読取ユニット300に挿入されているカードを回収して管理することができる。従って、長時間の間、パチンコ機10が遊技されない状態が継続して、遊技店側に損害が発生してしまうのを抑制できる。また、予め設定時間を設定しておき、その設定時間以上の間、返却ボタン42が無効化された場合に、返却ボタン42が設定時間以上の間、無効化されていることを報知するように構成してもよい。このように構成することで、長時間、無効化されているパチンコ機10を遊技店側が識別することができる。よって、返却ボタン42が無効化されたまま放置されていることを防止できる。
上皿17の前面側には人感センサー400が設けられている。人感センサー400は、赤外線を用いて、パチンコ機10を遊技する遊技者を検知するためのセンサーである。この人感センサー400は、遊技者を検知するとオンとなり、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して、信号を出力する構成となっている。人感センサー400がオフとなった場合に、カード読取ユニット300にカードが挿入されている場合には、第3図柄表示装置81に「カードが入っています!」という文字が表示され、音声出力装置226から「カードが入っています」という音声が出力される(図32のS1814)。
このように構成することで、遊技者がカード読取ユニット300にカードが挿入された状態で、カードを返却し忘れてしまう不具合を防止できる。また、図示を省略したが、休憩ボタン500が操作された場合には、この報知態様は停止(消去)される構成となっている。
また、本実施形態では、人感センサー400がオフとなると直ぐにカード報知の処理を実行するように構成したが、それに限らず、所定時間(例えば、5秒)等の時間が人感センサーがオフしてから経過した後に、報知するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者がパチンコ機10の前で体を移動させる(例えば、体を左右に揺らす)ことにより、一時的に人感センサー400がオフとなった場合にも、直ぐに報知が実行されることを抑制でき、遊技者に不快な思いをさせるのを防止できる。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、前面枠14の正面視左側には、後述するカード読取ユニット300にカードが挿入されていることを報知する挿入報知ランプ310が設けられている。挿入報知ランプ310は、三角形の形状で構成されカード読取ユニット300を指し示すように三角形の頂点がカード読取ユニット300の方向を向いて配置されている。挿入報知ランプ300は、カード読取ユニット300にプリペイド式の専用カードが挿入された場合に、点灯されるように制御されている。挿入報知ランプ310は、赤色のLEDで構成されており、他の発光手段(LED)よりも高輝度で構成されている。
このように、カード読取ユニット300にカードを挿入した場合には、挿入報知ランプ310が点灯するので、遊技者は、カード読取ユニット300にカードが挿入中であることを忘れてしまうことを防止できる。また、他の発光手段よりも高輝度で点灯するので、遊技を行っている最中であっても、他の発光手段が点灯することで、挿入報知ランプ310が点灯していることに気づかない不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、カード読取ユニット300をパチンコ機10の左側に配置する場合に限定して説明したが、それに限らず、左右どちらに配置してもよく、その場合には、挿入報知ランプ310を前面枠14の正面視右側にも設けて、切替スイッチ等をパチンコ機10に設けることにより、カード読取ユニット300を配置した方向を切替スイッチによりパチンコ機10に設定して、点灯させる挿入報知ランプ310を設定するように構成してもよい。また、遊技機の側面部にカード読取ユニット300を検知するセンサ等をも設けることにより、自動でパチンコ機10が配置されたカード読取ユニット300の方向を検知して設定するように構成してもよい。このように構成することで、多様にカード読取ユニット300を配置しても、遊技者にカードが挿入されていることを的確に報知することができ、遊技者がカードを挿入したことを忘れてしまうのを防止できる。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、残高表示器41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカード読取ユニット300(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、残高表示器41はカードの残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン43は、カード(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カードに残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン42は、カード読取ユニット300に挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
カード読取ユニット300はカードに記憶された残高金額のデータを読み取るためのものであり、その上下方向における略中央部分には、金銭と同様の有価価値を有するカードを挿入するためのカード挿入口306が配設されている。このカード挿入口306の上方であって、カード読取ユニット300の上部にはカード利用可能ランプ301が配設されており、このカード利用可能ランプ301は、例えば、カード挿入口306へカードが挿入可能である場合に点灯される一方、カード挿入口306へカードが挿入不可能である場合に消灯される。よって、遊技者は、このカード利用可能ランプ301を視認することにより、カード読取ユニット300が使用可能であるか否かを判断することができる。
カード挿入口306とカード利用可能ランプ301との間部分であって、カード読取ユニット300の上側位置には、カードに記録された残高金額のデータに基づいて貸出金額を設定するための金額設定ボタン302が配設されており、この金額設定ボタン302を押下することにより貸出金額を100円、200円、300円又は500円に設定することができる。なお、通常、貸出金額は500円に設定されており、100円分の貸球(例えば、25球)に相当する球Pの払い出しを計5回(例えば、125球)行うものである。
金額設定ボタン302の下側には、端数表示ボタン303が配設されている。この端数表示ボタン303は、カードに記憶された残高金額が貸出金額の最低額(例えば、100円)に満たない場合に、その端数を残高表示器41に表示する際に押下されるものである。
端数表示ボタン303の下側には、略三角形状に形成された上下一対の連結台方向表示ランプ304が配設されている。この一対の連結台方向表示ランプ304は、カード読取ユニット300が接続されているパチンコ機10の配設(並設)方向を示すためのものであり、その内部にそれぞれ1つずつLEDが内蔵されている。よって、例えば、カード読取ユニット300が左側に並設されるパチンコ機(図示せず)に接続される場合には上側のLEDが点灯されるのである。この連結台方向表示ランプ304の下側には、1つのLEDで構成されたカード挿入中ランプ305が配設されており、このカード挿入中ランプ305は、カードがカード挿入口306に挿入されている場合に点灯される一方、カードがカード挿入口306に挿入されていない場合に消灯される。尚、カード利用可能ランプ301および連結台方向表示ランプ304は、カード読取ユニット300の電源投入とともに点灯される。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのハンドルセンサ(タッチセンサ)51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、ハンドルセンサ(タッチセンサ)51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、ハンドルセンサ(タッチセンサ)51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きボタン(球抜きレバー)52が設けられている。この球抜きボタン(球抜きレバー)52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きボタン(球抜きレバー)52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、この球抜きボタン52は、スライド操作されたかを検知する球抜きボタンセンサー52a(図8参照)が設けられている。この球抜きボタンセンサー52aは、リミットセンサーで構成されており、球抜きボタン52が操作されて、下皿50の底面口が開口した状態となると、球抜きボタン52によりオンに設定されるように構成されている。このように構成することで、パチンコ機10は、遊技者により球抜きボタン52が操作されたかを判別することができる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15R大当たり)となる。その後、「大当たりA」である場合には、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。また、「大当たりB」である場合には、大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(15R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは、普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、大当たり種別が「大当たりB」である場合には、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。その後、特別図柄の大当たりになって、その大当たり種別が「大当たりA」である場合には、大当たり遊技後の遊技状態を特別図柄の低確率状態に設定して、特別図柄の抽選が100回実行されるまで、普通図柄の高確率状態となる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、大当たり遊技が開始される場合に、遊技者に大当たり遊技の開始を報知するオープニング表示態様を示した図である。詳細については、後述するが、カード読取ユニット300にカードが挿入されている場合に、大当たりの遊技が開始される場合には、図4(a)に示すように、カード読取ユニット300に挿入されているカードを排出して、遊技者に返却されるように、返却ボタン42を遊技者が操作するように促す表示態様である「カード返却ボタンを押して下さい!!」という文字が表示される。
このように構成することで、大当たり遊技が開始されると、多量の遊技球が遊技者に払い出されるので、しばらくの間、貸し球の必要がなくなるので、その間に、遊技者がカード読取ユニット300にカードが挿入されている状態であることを忘れてしまい、遊技が終わってカードを返却するのを忘れてしまうのを防止できる。よって、返却するのを忘れてしまった、カードを盗難されてしまったり、紛失してしまったりする不具合を抑制できる。また、貸し球を必要としないときに、誤って球貸しボタン43を操作してしまい、不必要にカード残高を減らしてしまうのを防止できる。
第3図柄表示装置81に表示される第3図柄(特別図柄)は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。主図柄は、左、中、右の3列で構成されており、中央に同じ数字で3つ揃った状態で停止表示されると、抽選結果が大当たりであったことを示している。本実施形態では、「0、2、4、6、8」の偶数の数字のぞろ目で停止表示した場合には、大当たりAに当選したことを報知し、「1、3、5、7、9」の奇数の数字で揃った場合には、大当たりBに当選したことを遊技者に報知する構成となっている。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄保留ランプ84は、4つのLEDから構成されている。第2図柄保留ランプ84には、保留球数1球につき1つのLEDが点灯され、そのLEDの点灯数に応じて、保留球数が報知される。即ち、第2図柄保留ランプ84に1つのLEDが点灯されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つのLEDが点灯されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、第2図柄保留ランプ84にLEDが点灯されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2図柄保留ランプ84に限らず、第3図柄表示装置81に保留表示図柄(例えば、「●」)を表示して、保留個数を表示するように構成してもよい。
また、この第2図柄保留ランプ84のLEDは青色と赤色との双方を切り替えて表示することが可能に構成されている。詳細には、後述するが、通常時は青色で点灯して保留個数を遊技者に報知するが、カードがカード読取ユニット300に挿入されている状態で返却ボタン42を操作することにより、保留されている抽選遊技のうち、大当たりとなる抽選遊技に対する保留がある(先読みの結果、大当たりとなる保留がある)と、その保留に対応するLEDが青色から赤色に変えて点灯表示される。
このように構成することで、返却ボタン43を操作することで、遊技の特典(第3図柄の変動開始前に抽選結果を知ることができる)を得ることができ、遊技者に常に返却ボタン43を操作(押下)することを意識づけることができる。よって、カード読取ユニット300にカードが入ったままの状態を少なくすることができ、遊技者がカードを返却するのを忘れてしまう不具合を防止できる。
また、この第2図柄保留ランプ84を青色から赤色に変えることで、先読みの結果を報知する構成としたが、これに限らず、返却ボタン42を操作することで、先読みの結果、保留内に当たりとなる保留が記憶されている場合には、もう一度、返却したカードを入れるように報知するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、特別図柄の当たりとなると、羽根を有した入賞口が開放して、その入賞口内部に設けられた特別入賞口(V入賞口)に入賞すると、遊技者に特典遊技が付与される構成のパチンコ機10である場合には、特別図柄の当たりとなると、遊技球が必要となるため、特別図柄の当たりに備えて遊技球を用意しておく(球貸し操作をしておく)ことができる。よって、返却ボタン42を操作することで、遊技者に有利な状態を付与することができる。
なお、本実施形態では、返却ボタン43を操作することで得られる遊技の特典は、保留されているものの抽選結果を、第3図柄の変動表示開始前に、報知することとしたが、それに限らず、例えば、2次元コード等(例えば、QRコード(登録商標))の2次元画像が第3図柄表示装置81に表示されて、その2次元コードを携帯電話等で読み込むことで、パチンコ機10で用いられているキャラクタや、キャラクタの音声等を得ることができるような特典であってもよい。また、返却ボタン43を操作することで、そのパチンコ機10の情報(例えば、大当たり回数やその日の収支(差球))を得ることができる特典としてもよい。このように構成することで、遊技者が、返却ボタン43を操作する機会を増やすことができ、カードを返却することを忘れて帰宅してしまう不具合を防止できる。
図4(b)は、第3図柄表示装置81で変動表示されるカード返却変動態様を示した図である。第3図柄が変動表示を開始して、左右の主図柄が同じ図柄で停止するリーチ状態となると、返却ボタン42を遊技者に操作することを促す報知態様である「カード返却ボタンを押せ!!」という文字が表示される。その後、返却ボタン42を遊技者が所定時間内に操作すると、そのタイミングに合わせて、「大当たり」という文字が表示されて、大当たりを示す第3図柄の表示態様である「777」が停止表示される。
このように構成することで、遊技者がカード読取ユニット300にカードを挿入している状態であれば、返却ボタン42を操作することで、抽選遊技の判定結果が操作したタイミングで表示されることとなり、遊技者自身で、大当たりとなる図柄を停止させたという感覚を持たせることができる。よって、返却ボタン42を遊技者が特別な期待を込めて操作することで、カードを返却し忘れてしまうことを防止できる。また、大当たりとなる変動態様の場合に、カード返却変動態様を決定して実行することで、その後は、当分の間、球貸しをする必要がないので、遊技者にカードを抜き取っておくようにさせることができる。
続けて、図5を参照して、第3図柄表示装置81において表示される返却ボタン42の無効化、有効化を設定するパスワードの設定画面、入力画面について説明する。本実施形態のパチンコ機10では、詳細は後述するが、カードがカード読取ユニット300に挿入されていて、まだパスワードが設定されていない状態で、特別図柄(第3図柄)の変動が所定時間以上(本実施形態では、30秒以上)の間、停止している状態(第1入球口64に遊技球が入球しない状態)が続くと、図5(a)に示すパスワード設定画面が第3図柄表示装置81に表示される。
パスワード設定画面は、図5(a)に示すように、遊技者にパスワードの設定画面であることを報知する「パスワードを設定して下さい」という文字が表示される。そして、その文字の下方に4桁のパスワードを設定するための「1〜5」の文字が各桁毎に表示される。選択している桁を示すカーソルが三角形の表示態様で表示され、そのカーソルが左側に表示されている桁が、現在、数字を選択可能な桁を示している。そして、そのカーソルが示す数字の背景色が他の背景色と異なる色で表示される(例えば、通常背景色が青色で、選択されると白色の背景となる)。枠ボタン22を操作することで、カーソルが上下左右に移動して、遊技者が任意の4桁のパスワードを指定して決定ボタン22aを操作することで、指定したパスワードがパチンコ機10に記憶(設定)される。
また、図5(b)は、返却ボタン42を無効化するパスワードが既に、設定されている場合に、特別図柄が所定時間以上(本実施形態では、5秒以上)の間、変動表示していないと、第3図柄表示装置81に表示される。パスワード入力画面であることを報知する「パスワードを入力して下さい」という文字が表示され、パスワード設定画面と同様にパスワードの入力の表示がされる。
図6(a)は、第3図柄表示装置81で表示されるカード読取ユニット300にカードが挿入されている状態であることを報知するカード挿入報知表示態様を示した図である。このカード挿入報知表示態様は、カード読取ユニット300にカードが挿入されると、第3図柄表示装置81に一定周期毎に、遊技機の状態(遊技が行われているか否かの状態)に関わらず表示される。なお、本実施形態では、30秒毎に5秒間表示される構成となっている。
図6(b)は、カード挿入報知表示態様が表示された後に表示されるカード残高を遊技者に報知するカード残高表示態様を示した図である。カード残高に基づいて、その金額情報が表示される。このカード残高表示態様は、図6(a)に示すカード挿入報知表示態様が表示された後に5秒間表示される。その後、30秒後に、カード挿入報知表示態様が表示された後に、再び表示される。即ち、カード残高表示態様も30秒周期で表示される。また、この残高表示態様は、所定金額以上(本実施形態では、3000円以上)の場合には、通常、青い文字で表示されている表示態様が、赤い文字で表示される。
このように構成することで、金額が一定以上有る場合のみ、目立つ文字の色で表示されるので、高額の残高が残っているカードが挿入されていることを遊技者に意識させることができる。よって、残り残高を容易に知ることができる。また、常に、目立つ色で残高表示が行われないので、残高表示が遊技の妨げになってしまうのを防止できる。
なお、本実施形態では、カード挿入報知表示態様とカード残高表示態様とが30秒周期で表示される構成としたが、それに限らず、例えば60秒周期であっても良いし、適宜、設定した周期であればよい。また、カード挿入報知表示態様とカード残高表示態様とを遊技状態(例えば、特定の特別図柄の変動表示態様を変動表示中の状態等)では、表示しない禁止期間とすることで、遊技者にカード挿入報知表示態様とカード残高表示態様とにより遊技に集中できない不具合を防止できる。
また、本実施形態では、残高表示態様は、カード残高が所定金額以上である場合に、文字の色を変える構成としたが、それに限らず、文字の大きさ(フォント)を変えたり、文字を点滅表示したりするように構成してもよい。
主制御装置110では、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、特別図柄の抽選が行われ、その後、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、図5(a)に示すように、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが送信され、その結果、第3図柄表示装置81では、第1図柄表示装置37の変動表示に応じて第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われる場合には、まず、第3図柄の高速変動表示が開始され、その後、予め定められた時間(例えば、10秒〜60秒など)が経過すると、第3図柄の中速変動表示へ切り替わり、更に、第3図柄の低速変動表示へ切り替わる。ここで、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃う停止表示が行われ変動演出が終了し、続けて、大当たり演出が開始される。一方、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃わない停止表示が行われて変動演出が終了し、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。
大当たり演出は、オープニング演出が行われる期間と、ラウンド演出が行われる期間と、エンディング演出が行われる期間との3つの期間に分けられる。オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知して、遊技者の期待感を高めるための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。また、エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(特別図柄の高確率状態であるか、普通図柄の高確率状態であるか)を遊技者に報知する、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知する(確定演出表示を行う)ための演出である。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示される。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(5ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、5回(5ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信される。なお、かかるコマンドは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へは一方向にのみ送信される。また、主制御装置110と払出制御装置111は、双方向でコマンドを送信するように構成されている。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する特別当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する特別当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する特別初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、普通当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図24参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、普通当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。特別当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の特別初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、特別初期値乱数カウンタCINI1は、特別当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、特別初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この特別初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される後述する、特別図柄大当たり乱数テーブル(図10(a))によって設定されている。
特別当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている特別当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
図10を参照して、主制御装置110のMPU201のROM202に格納されている各データについて説明する。図10(a)は、主制御装置110のMPU201のROM202の一部を模式的に示した図である。ROM202には、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、普通図柄当たり乱数テーブル202c、大当たり用変動パターンテーブル202d、外れ用変動パターンテーブル202e、普通図柄の変動パターンテーブル202f、普通図柄用の停止種別コマンド202gがそれぞれ設けられている。
大当たり乱数テーブル202aは、図10(b)に示すように、第1入球口64に遊技球が入球した場合に取得した特別当たり乱数カウンタC1について、当否判定を行うための当たりカウンタ値を設定したデータテーブルである。特別図柄の低確率時(通常遊技状態)には、大当たりと判定される特別当たり乱数カウンタC1の値は、1個設定されており、具体的には「7」が大当たりと判定される当たりカウンタ値に設定されている。また、特別図柄の高確率時(確変遊技状態)には、大当たりと判定される特別当たり乱数カウンタC1の値は、10個設定されており、具体的には「0〜9」が大当たりと判定される当たりカウンタ値に設定されている。
大当たり種別テーブル202bは、図10(c)に示すように、第1入球口64に遊技球が入球したことに基づいて取得した特別当たり乱数カウンタC1の当たりが当たりと判定される当たりカウンタ値であった場合に、その大当たりの種別が大当たりAであるか、大当たりBであるかを決定するためのデータテーブルである。第1入球口64に遊技球が入球したことに基づいて、取得した特別当たり種別カウンタCS2の値が「0〜49」のいずれかである場合には、大当たりA(15R通常大当たり)が決定される。一方取得した特別当たり種別カウンタCS2の値が「50〜99」のいずれかである場合には、大当たりB(15R確変大当たり)が決定される。
普通図柄当たり乱数テーブル202cは、図10(d)に示すように、第2入球口67を遊技球が通過した場合に取得した普通当たり乱数カウンタC4について、当否判定を行うための当たりカウンタ値を設定したデータテーブルである。普通図柄の低確率時(通常遊技状態)には、当たりと判定される普通当たり乱数カウンタC4の値は、「5〜28」に設定されている。また、普通図柄の高確率時(時短遊技状態)には、当たりと判定される普通当たり乱数カウンタC4の値は、「5〜204」に設定されている。
大当たり用変動パターンテーブル202dは、特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合に、第3図柄の変動表示態様として選択される変動パターンであり、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、複数の大当たり用変動表示態様(大当たり用動的表示態様)の中から1の大当たり用変動表示態様が決定される。
外れ用変動パターンテーブル202eは、特別図柄の当否判定結果が外れである場合に、第3図柄の変動表示態様として選択される外れ用変動パターン(外れ用動的表示態様)が複数記憶されたデータテーブルである。外れ用変動パターンは、停止種別選択カウンタC3の値と変動種別カウンタCS1の値とに基づいて決定される。
停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
外れ用変動パターンテーブル202eには、停止種別選択カウンタC3によって決定される変動態様に対して、複数の変動パターンが設定されており、それぞれ変動種別選択カウンタCS1の値が割り振られており、取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて
1つの外れ用変動パターンに決定される。
普通図柄の変動パターンテーブル202fは、普通図柄の低確率時用の変動パターンと普通図柄の高確率時用の変動パターンとの当たり変動パターンと外れ変動パターンがそれぞれ記憶されているデータテーブルである。普通図柄の低確率時用の変動パターンは、当たり変動パターン、外れ変動パターン共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。また、普通図柄の高確率時用の変動パターンは、当たり変動パターン、外れ変動パターン共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。この普通図柄の変動パターンは、普通図柄の低確率、高確率共に1種類ずつの変動パターンが設定されている。
普通図柄の停止種別コマンド202gは、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」、「×」のどちらかを点灯させるかを設定するためのコマンドである。普通図柄の当否判定結果が当たりであれば、普通図柄の当たりを示す「○」を点灯させる普通図柄の停止種別コマンド202gを設定する。一方、普通図柄の当否判定結果が外れであれば、普通図柄の外れを示す「×」を点灯させる普図柄の停止種別コマンド202gが設定される。
なお、普通図柄の当たりを示す「○」で第2図柄表示装置83が点灯表示された場合には、普通図柄の低確率時であれば、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「3秒→30秒」と非常に長くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図9に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図23参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図8に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、カード残高記憶エリア203gと、その他記憶エリア203hを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否判定結果を抽出し、それを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
なお、この入賞情報格納エリア223aに格納された入賞情報は、主に、後述する音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留変化処理(図30、S1608)において遊技者に特別図柄の保留の中に大当たりとなる保留があるかを報知する場合に、用いられる。また、本実施形態では、保留の中に大当たりとなる保留があるかを報知するために用いたが、それに限らず、入賞情報として、変動パターンや停止種別についてもRAM223の入賞情報格納エリア223aに格納して、リーチとなる特別図柄の保留について報知しても良いし、その他の演出等について適宜、用いてもよい。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、普通当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図16のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図16のS206、図18のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第2図柄表示装置83の保留球数図柄を点灯する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図19のS505参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図20のS605)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図20のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグである。この確変フラグ203eは、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(図16、S104)において、停止する特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合に、その大当たり種別が大当たりBであると判別されると、オンに設定される(図16のS213)。一方、その後、大当たり種別Aであると判別された場合に、オフに設定される(図16のS214)。なお、この確変フラグ203eは、パチンコ機10が初期化された状態では、オフに設定される。また、電源断が発生した場合には、バックアップされるように構成されている。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、大当たりと判定された特別図柄を停止表示する場合に、その大当たり種別が大当たりAであると時短中カウンタに100が設定される(図16のS214)。
カード残高記憶エリア203gは、払出制御装置111から出力されるカード抽出信号に基づいて、カード読取ユニット300に挿入されているカード残高の情報が記憶される記憶エリアである。カード残高記憶エリア203gは、RAM203が初期化されている場合には、初期値である0が記憶されている。受信したカード抽出信号が示す残高表示器41の表示情報が示す残高情報とカード残高記憶エリア203gの値とに違いがある場合には、カード残高記憶エリア203gの値が受信したカード抽出信号に基づいた残高情報の値で更新される。
なお、主制御装置110のMPU201は、このカード残高記憶エリア203gに0より多い値の残高情報が記憶されている場合に、カード読取ユニット300にカードが挿入されている状態であると判別する。また、カードが挿入されていないことを示す残高表示器41の表示情報(本実施形態では、第1LED41aが「−」、第2LED41bが「−」、第3LED41cが「−」である「−−−」が表示された状態)を示すカード抽出信号を受信している場合には、カード残高記憶エリア203gに初期値である0が記憶される。
その他記憶エリア203hは、主制御装置110のMPU201がパチンコ機10を制御する場合に必要となるその他の各種カウンタ値や、その他のフラグ等が適宜記憶される記憶エリアである。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112、残高表示器41の抽出信号線、カード読取ユニット300などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
カード読取ユニット300に挿入されているカードのカード残高を表示させる残高表示器41は、図7(a)に示すように、3つの7セグLEDを一列に並べて構成しており、残高の万の位を示す7セグLEDであり、左側に配置された第1LED41a、残高の千の位を示す7セグLEDであり、中央に配置された第2LED41b、残高の百の位を示す7セグLEDであろ右側に配置された第3LED41cで構成されている。それぞれの7セグLEDは、セグメントMa〜セグメントMgの7つのセグメントで構成されており、それぞれ独立させて点灯させることが可能なように、それぞれのセグメントに対して1つの信号線が接続されている。
カード読取ユニット300と残高表示器41とを接続する信号線には、その各セグメントを点灯させる信号をそれぞれ抽出するための抽出手段(LDa〜LDc)(本実施形態では、フォトトランジスタ)が設けられており、その抽出手段(LDa〜LDc)が抽出した各信号は、払出制御装置111の入出力ポート215に入力されている。払出制御装置111のMPU211は、その入出力ポート215に入力された信号を、主制御装置110に対してそのまま同一の内容の信号を制御に実行周期毎(本実施形態では、2ms毎)に出力するように構成されている。
なお、本実施形態では、払出制御装置111のMPU211は、抽出手段(LDa〜LDc)が抽出した各信号を入出力ポート215に入力されたものと同じ内容で主制御装置110に対して出力する構成としたがそれに限らず、払出制御装置111のMPU211が、入力された各信号に基づいて、専用のコマンドを生成するように構成してもよい。
また、本実施形態では、抽出手段(LDa〜LDc)から払出制御装置202へは、それぞれ7本の信号線が接続されて、合計21本の信号線が接続される構成としたが、それに限らず、抽出手段(LDa〜LDc)毎に出力される信号が入力されるICを設けて、払出制御装置111にその各ICから共通に出力される7本の信号線を接続する。払出制御装置111には、そのICを指定するチップセレクターを設けておき、そのチップセレクターから各ICに接続される3本の信号線が接続されている。よって、ICから払出制御装置111には10本の信号線が接続されることとなり、払出制御装置111に接続される信号線の本数を減らすことができる。ICは、中継基板等に設けるように構成しても良いし、残高表示器41の基板に設けるように構成してもよい。残高表示器41の基板に設ける場合には、プリント線により各ICへ接続することが可能となり、ハーネスの接続等の手間を減らすことができる。また、ICを払出制御装置202に設けて、主制御装置201と払出制御装置111との間のハーネスの本数を減らすように構成してもよい。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをハンドルセンサ(タッチセンサ)51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、パスワードの入力や設定、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221が制御を実行するために必要な制御プログラム等や、各種データ等が記憶されている。また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、従カード情報記憶エリア223eと、返却ロックフラグ223fと、ハンドルカウンタ223gと、パスワード記憶エリア223hと、従返却ボタンフラグ223iと、抽選カウンタ223jと、カード返却演出フラグ223kと、客待ちカウンタ223mと、その他記憶エリア223nとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報のうち、当否判定結果が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図28のS1508参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第2図柄表示装置83における保留球数図柄の点灯に用いられる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図28のS1502参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図29のS1602参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図28のS1505参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図29のS1616参照)。
従カード情報記憶エリア223eは、抽出手段(LDa〜LDc)により抽出された信号に基づいて、主制御装置110が出力するカード情報コマンド(図21のS704参照)を受信した場合に、その受信したカード情報コマンドが示すカード残高を記憶する記憶エリアである。この従カード情報記憶エリア223eは、遊技機が初期化された状態では、0が設定される。
返却ロックフラグ223fは、後述する、返却ボタン42を有効に設定しているか(有効化しているか)、無効に設定しているか(無効化しているか)を示すフラグである。返却ボタン42を無効化して、返却ボタン42を遊技者が操作しても、カードがカード読取ユニット300から返却されない状態に設定されている場合には、返却ロックフラグ223fがオンに設定される。一方、返却ボタン42が有効化されており、返却ボタン42を遊技者が操作してカード読取ユニット300からカードが返却される状態では、返却ロックフラグ223fはオフに設定される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が初期化された状態では、返却ボタン42は有効化されて設定され、返却ロックフラグ223fはオフに設定される。
ハンドルカウンタ223gは、遊技者が操作ハンドル51から手を離した状態(ハンドルセンサ51aがオフの状態)となると、1ずつ加算(更新)されるカウンタである(図32のS1809参照)。なお、ハンドルセンサ51aがオンとなるとハンドルカウンタ223gの値は0にリセットされる。即ち、ハンドルカウンtな223gは、遊技者が操作ハンドル51から手を離した時間を計測するためのカウンタであり、そのカウンタの値により、操作ハンドル51から手を離した時間を判別することができる。
パスワード記憶エリア223hは、返却ボタン42の無効化、有効化を切り替えをするためのパスワードを記憶するための記憶エリアである。詳細については、後述するが、第3図柄表示装置81に表示されるパスワード設定画面により遊技者が枠ボタン22を操作して任意に決めた4桁のパスワードが記憶される(図35のS2023参照)。一方、パスワード記憶エリア223hにパスワードが記憶されている場合に、第3図柄表示装置81で表示されるパスワード入力画面により枠ボタン22を操作して、パスワード記憶エリア223gに記憶されているパスワードと同一のパスワードが入力された場合に、0にリセットされる(図35のS2029)。なお、このパスワード記憶エリア223hは、パチンコ機10が初期化された状態では、初期状態である0が記憶される。また、電源断が発生した場合には、バックアップされる。
このように、パチンコ機10が初期化された状態では、リセットされる構成としたので、遊技者がパスワードを忘れてしまった場合等には、遊技店の店員を呼んで、パチンコ機10を初期化してもらうことで、カードを返却させることができる。なお、本実施形態では、パチンコ機10を初期化するとパスワードを初期化する構成としたが、それに限らず、専用のパスワード初期化スイッチを設けても良い。このパスワード初期化スイッチは、遊技店側が鍵で操作することにより初期化できる構成とすることで、不正にパスワードが初期化されることを防止できる。また、専用の初期化スイッチを設けることで、パチンコ機10を初期化する必要がなくなり、遊技状態等を初期化せずにパスワードを初期化することができる。よって、大当たり中や確変遊技中のパチンコ機10を初期化すると遊技者にとって、不利となってしまうような状態でも、パスワードを初期化して、返却ボタン42を有効化することができる。従って、遊技者にカードを早期に返却することができ、遊技者がカードを返却し忘れてしまうことを防止できる。
従返却ボタンフラグ223iは、カード読取ユニット300にカードが挿入されており、返却ボタン42が有効化されている状態で返却ボタン42が操作された場合にオンに設定されるフラグである(図31のS1709参照)。一方、返却ボタン42を操作されていないと判別された場合には、オフに設定される(図31のS1710参照)。このように構成することで、遊技者が、カード読取ユニット300に挿入されているカードの返却を行うために返却ボタン42を操作したか否かを判別することができる。
抽選カウンタ223jは、主制御装置110から受信した特別図柄の変動表示態様が大当たりの変動表示態様である場合に、カードが挿入されており、返却ボタン42が有効化されている状態であれば、返却変動表示態様を実行するかどうかを決定するためのカウンタ値である。抽選カウンタ223jは、「0〜99」の範囲で繰り返し更新されるカウンタ値であり、取得したカウンタ値が「0〜4」のいずれかであれば、当たりと判定され、返却変動表示態様が設定される。この抽選カウンタ223jは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド出力処理(図26、S1302)が実行される毎に1ずつ加算され、上限値である99まで加算されると次は、初期値である0に更新される。なお、パチンコ機10が初期化された状態では、抽選カウンタ223jは、初期値である0に設定されている。
なお、詳細は後述するが、返却変動表示態様は、図4(b)に示すように、第3図柄表示装置81で表示される特別図柄の変動表示態様が主制御装置110から出力された変動パターンコマンドが示す変動表示態様と異なる、返却ボタン42を変動表示態様の途中で、遊技者に操作させることで、変動表示態様の表示態様を変化させる専用の変動表示態様である。この返却変動表示態様は、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドが示す変動表示態様と同一の変動時間で設定される。
カード返却演出フラグ223kは、返却変動表示態様が決定されたか否かを示すフラグである。このカード返却演出フラグ223kは、返却変動表示態様が決定されるとオンに設定される(図29のS1613)。一方、大当たり遊技が開始された場合、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動表示態様が大当たりの変動表示態様でないと判別された場合に、オフに設定される。なお、パチンコ機10が初期化された状態では、オフに設定される。
客待ちカウンタ223mは、特別図柄の変動が停止している期間(第1入球口64に遊技球が入球せず、抽選遊技が実行されていない期間)を計測するためのカウンタである。客待ちカウンタ223mは、特別図柄の変動が停止していることに基づいて、1ずつ更新される(図27のS1402)。一方、特別図柄の変動中であると判別された場合に、初期値である0にリセットされる。なお、パチンコ機10が初期化された状態では、初期値である0に設定される。
その他記憶エリア223nは、音声ランプ制御装置113のMPU221がパチンコ機10の各種制御を実行するのに必要なその他の各種データやその他の各種フラグ等が記憶される記憶エリアである。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図28参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
音声ランプ制御装置113の入出力ポート225には、前面枠14に設けられたカード読取ユニット300に挿入されたカードを返却するための返却ボタン42からカード読取ユニットに対して出力された返却信号を返却抽出手段42aにより抽出した返却抽出信号が入力されるように構成されている。
また、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225には、球抜きボタン52の操作を検知する球抜きボタンセンサ52a、前面枠14に設けられた人感センサー400、休憩ボタン500からの信号もそれぞれ入力されるように構成されている。
図11〜図13を参照して、カード読取ユニット300とパチンコ機10との電気的な接続について説明する。カード読取ユニット300とパチンコ機10とは、複数の信号線で構成されたコネクタをカード読取ユニット300からパチンコ機10の背面側に設けられたカード読取ユニット接続基板(図示せず)に接続することにより電気的に接続される。図11に示すように、カード読取ユニット300とパチンコ機10との間でやり取りされるのに必要な信号の電源は、パチンコ機10に設けられた電源装置115で生成された電圧(DC24V)がカード読取ユニット300側に供給される。供給された電圧は、カード読取ユニット300の電源回路J1に入力されて、入力されたDC24VからDC18Vの電圧(VL)を生成して、カード読取ユニット接続基板を介して、パチンコ機10側に出力する。
カード読取ユニット300より出力されたDC18Vの電圧(VL)は、パチンコ機10において、球貸し可能LED40aや残高表示器41や、信号を抽出するためのフォトトランジスタ等の駆動電圧として使用されると共に、パチンコ機10がカード読取ユニット300との接続を認識する信号としても使用されている。さらに、図示は省略したが、カード読取ユニット300の電源回路J1は、DC18Vの電圧(VL)以外にカード読取ユニット300の各部の動作に必要な各電圧を生成して、カード読取ユニット300の各部に供給する。
また、図示は省略したが、カード読取ユニット300には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPUが搭載されている。このMPUには、該MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データなどを記憶した不揮発性のメモリであるROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータなどを一時的に記憶するためのRAMと、その他、割り込み回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種の回路が内蔵されている。また、このMPUには、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインが接続されており、このバスラインは、図11に示す入出力ポートN1に接続されている。入出力ポートN1には、このバスラインの他に、カード利用可能ランプ301、金額設定ボタン302、端数表示ボタン303、連結方向表示ランプ304、カード挿入中ランプ306、カード挿入口306から挿入されたカード(磁気カードまたはICカード等)を読み出すためのリーダ・ライタ(図示せず)等が接続されている。
このリーダ・ライタは、カード挿入306に挿入されたカードから金額情報等を読み出すリーダ機能と、そのカードへ使用後の残高金額の金額情報を書き込むためのライタ機能とを備えた磁気ヘッド等を備えている。このリーダ・ライタにより挿入されたカードの残高金額の金額情報が読み出された場合に、カード挿入中と判断される。また、リーダ・ライタにより、カードへ新たに書き込まれた残高金額が「0」となった場合に、図示しないアクチュエータにより、カード挿入口306より挿入されているカードがカード挿入口306より強制的に排出される。
カード読取ユニット300は、パチンコ機10の前面枠14に設けられた残高表示器41の7セグメントLED41a〜41cをそれぞれ点灯させるための信号を、3個のフォトトランジスタS1と、7個のフォトトランジスタS2とを介してパチンコ機1側に所定周期毎(例えば、1ms毎)に出力する。例えば、球貸しボタン43が操作されて、500円分の貸球が払い出された場合には、払出完了と共に、残高表示を500円減算した表示で点灯するように信号を切り替える。
3個のフォトトランジスタS1は、残高表示器41の第1LED41a、第2LED41b、第3LED41cに、それぞれ1つずつ対応して設けられている。また、7個のフォトトランジスタS2は、第1LED41a、第2LED41b、第3LED41cを構成する、7つのセグメントMa〜Mgに、それぞれ1つずつ対応して設けられている。
例えば、残高表示器41の百の位の第1LED41aに対応するフォトトランジスタS1がオンした状態で、セグメントMdに対応するフォトトランジスタS2がオンすれば、残高表示器41の第1LED41aのセグメントMdのLEDが点灯する。即ち、残高表示器41の第1LED41aに「−」が表示される(図7参照)。また、残高表示器41の十の位の第2LED41bに対応するフォトトランジスタS1がオンした状態で、7個のフォトトランジスタS2がすべてオンすれば、残高表示器41の第2LED41bの7つのセグメントMa〜Mgがすべて点灯して、第2LED41bに「8」が表示される。
図12は、図11における、残高表示器41の第1LED41a、第2LED41b、第3LED41cを点灯させるために、カード読取ユニット300から出力されている信号を、フォトトランジスタLDa〜LDc(抽出手段)で抽出(分岐)して、払出制御装置111の入出力ポート215に出力する構成を示したブロック図である。ここで用いられるフォトトランジスタLDa〜LDcは、コレクタ側に抵抗が設けられており、コレクタからエミッタに流れる電流が大きくなりすぎてショートしてしまう不具合を防止している。また、エミッタ側はグランドに接続されている。また、本実施形態では、エミッタ側はグランドに接続されて、電流を引き込むことで、信号をアクティブにする構成としたが、図12のフォトトランジスタLDa〜LDcの変形例として示すように、払出制御装置111側に電流を流し込む構成とすることで、信号をアクティブにする構成としても良い。
フォトトランジスタLDaは、残高表示器14の第1LED41aの各セグメントMa〜Mgを点灯させるための信号を、それぞれ抽出(分岐)するためのものであり、7つのセグメントMa〜Mgのそれぞれに対応して、1個ずつ、合計で7個設けられている。
また、フォトトランジスタLDbは、第2LED41bの7つのセグメントMa〜Mgに対応して、フォトトランジスタLDcは、第3LED41cの7つのセグメントMa〜Mgに対応して、それぞれフォトトランジスタLDaと同様に、合計で7個ずつ設けられている。なお、このフォトトランジスタLDa〜LDcは、残高表示器41の7セグメントLED41a〜41cが設けられているLED基板にそれぞれ設けられている。なお、本実施形態では、抽出手段として、フォトトランジスタを用いたが、特にそれに限るものでなく、その他信号を抽出できるものであればよい。例えば、磁界の変化により電流が流れたかを信号線の外部より検知するものであったり、直接信号を電気的に分岐させて検知するものであってもよい。
このようにフォトトランジスタLDa〜LDcで、各セグメントMa〜Mgの点灯信号を抽出(分岐)することで、フォトトランジスタLDa〜LDcは、光で信号を伝えるので、電気的な配線が無いので、カード読取ユニット300を介して、不正な電気的信号をパチンコ機10側に出力することが防止できる。よって、電気的な配線を不正に変更してなされる不正行為による被害を低減できる。なお、カード読取ユニット300とパチンコ機1との接続(信号の送受信)は、フォトダイオードを介して行っており、カード読取ユニット300から不正な電気的な信号が送受信されない構成となっている。また、フォトダイオードを使用して、カード読取ユニット300から出力される信号をパチンコ機10側が受信する構成としたので、パチンコ機10側よりフォトトランジスタのダイオードを点灯させることができず、パチンコ機10側よりカード読取ユニット300側に不正な信号を出力させることを困難な構成としている。よって、パチンコ機10側よりカード読取ユニット300に対して不正な信号を出力する不正を抑制できる。
図11に戻って、説明を続ける。カード読取ユニット300は、パチンコ機10に電源が投入されると、パチンコ機10より電源装置115を介して、電源がカードユニット300側の電源回路に供給されて、カード読取ユニット300の各装置に電源回路が必要な電力を供給する。電源回路より電源が供給されると、所定のプログラムに基づいて、カード読取ユニット300が立ち上がり、通常の制御が可能な状態となると、カードをカード挿入口306に挿入可能であることを遊技者に報知するカード利用可能ランプ300を点灯させる。カード挿入口306にカードが挿入されるとそのカードが正常であるか読取を行い、正常であれば、カード挿入中ランプ305を点灯させて、残高表示器41に挿入された残高に基づいたカード残高を表示するように制御される。残高表示器41の点灯制御については、上述したとおりである。また、パチンコ機10の前面枠14に設けられた球貸しボタン43、返却ボタン42の操作を受付け可能(受信した信号を有効と判断する状態)に設定する。
カード読取ユニット300からは、パチンコ機10に対して、カード読取ユニット300が球貸し状態であることをパチンコ機10に示すためのユニット準備信号BO、カード読取ユニット300からパチンコ機10に対して、球貸し実行要求と球貸し実行指示とを示す信号である貸出指示完了信号YQ、前面枠14に設けられた遊技者に球貸し可能な状態であることを報知する球貸し可能LED40aを点灯させるための球貸し点灯信号RO等がパチンコ機10に対して出力されている。
また、パチンコ機10からカード読取ユニット300に対しては、パチンコ機10が球貸し可能な状態であることをカード読取ユニット300に示すパチンコ機側準備信号PO、カード読取ユニット300から出力される貸出指示完了信号YQの球貸し実行要求に対する応答と、貸出指示完了信号YQの球貸し実行指示に対して行った球貸し動作の終了(球貸しの払出の終了)とを示す球貸完了信号ED、前面枠14に設けられた返却ボタン42が操作されたことに基づいて出力されるカード返却信号HS、球貸しボタン43が操作されたことに基づいて出力される球貸し操作信号KSが出力されている。
図13を参照して、カード返却ボタン42とカード読取ユニット300との電気的な接続について説明する。パチンコ機10側には、カード返却信号HSの信号を返却抽出手段42a(フォトトランジスタ)により返却抽出信号を抽出して、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225にその抽出した信号を入力する構成となっている。また、パチンコ機10側には、返却抽出手段42aよりもカード読取ユニット300側に切替スイッチ(切替手段)42bとしてフォトMOSリレーが設けられており、音声ランプ制御装置113から出力される信号により、カード読取ユニット300と返却ボタン42との信号線を切断状態、接続状態に切り替えるように構成されている。なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113から切替スイッチ(フォトMOSリレー)42bへの信号がアクティブの状態で、返却ボタン42が有効化された状態、即ち、信号線が接続状態とされ、非アクティブ状態で、返却ボタン42が無効化された状態、即ち、信号線が切断状態に設定される。
返却抽出手段(フォトトランジスタ)42aと切替スイッチ(フォトMOSリレー)42bとの間には、音声ランプ制御装置113より、返却ボタン42が操作されていない状態でもカード返却信号HSをアクティブにするための強制返却信号が入力されるように構成されている。なお、この返却抽出手段42aと切替スイッチbとは同一の基板上に設けられており、返却ボタン42と接続されて前面枠14に設けられている。
このように、パチンコ機10の返却ボタン42から出力されるカード返却信号HSを抽出可能に構成したので、遊技者がカード返却ボタン42を操作したかを判別することができる。また、切替スイッチ42bにより、返却ボタン42とカード読取ユニット300とを接続する信号線を切断状態、接続状態に、音声ランプ制御装置113からの信号により切替可能に構成したので、返却ボタン42を無効化、有効化に切り替えて設定することができる。よって、カードをカード読取ユニット300に挿入した状態で遊技をしていても、カード返却ボタン42を無効化しておくことで、カードを盗難されたりする不具合を防止できる。
また、返却ボタン42はパチンコ機10の外部に設けられるカード読取ユニット300と電気的に直接、接続されているが返却ボタン42のパチンコ機10の制御装置(本実施形態では、音声ランプ制御装置113)とはフォトトランジスタを介して接続することで、直接、電気的に接続されていない。これにより、パチンコ機10の外部より、パチンコ機10の制御装置に不正な電気信号を返却ボタン42を介して出力されることを防止できる。また、切替スイッチ42bもフォトMOSリレーで構成することにより、制御装置と直接、電気的に外部と接続することを防止している。また、フォトトランジスタを用いることにより、フォトトランジスタのダイオードを点灯させる側から出力する一方通行の信号の送信をすることができるので、他方(ダイオード側でない側)より不正な信号が出力されるのを防止できる。よって、不正な信号が一方側に出力されるのを防止できる。
なお、本実施形態では、返却抽出手段42aとして、フォトトランジスタを用いたが、それに限らず、信号のオン、オフを検出可能であれば、その他のものでもよい。また、実施形態では切替スイッチ42bとして、フォトMOSリレーを用いたが、それに限るものではなく、リレー等であっても良いし、その他、信号を切断状態、接続状態に切り替えることが可能であればよい。また、本実施形態では、返却抽出信号を音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に入力するように構成したが、これに限らず、主制御装置110、払出制御装置111等のその他制御基板に入力するように構成してもよい。
図14(a)は、第1実施形態におけるカード読取ユニット300とパチンコ機10との電気的接続を簡易に示したブロック図である。図2(b)は、第1実施形態の変形例1におけるパチンコ機10の電気的構成を示した図である。第1実施形態では、カード読取ユニット300にカードが挿入されているか、カード残高についての情報を、残高表示器41の第1LED41a、第2LED41b、第3LED41cを点灯させる為の信号を抽出して、払出制御装置111に出力する構成とした。これに代えて変形例1では、該信号が主制御装置110に出力される構成となっている。また、カード読取ユニット300から出力される球貸しに関する制御信号も主制御装置110と払出制御装置111とに出力する構成となっている。主制御装置110のMPU201は、払出制御装置111から出力される制御信号によって、球貸が可能な状態であるか判断して、カード読取ユニット300にパチンコ側準備信号PO等を出力する構成となっている。また、主制御装置110のMPUは、カード読取ユニット300から制御信号を受信すると、その信号に対応した信号を払出制御装置111に出力する。
また、主制御装置110のMPU201は、フォトトランジスタLDa〜LDcより出力された信号に基づいて、残高のあるカードがカード読取ユニット300に挿入されているか、カードの残高情報について判別する。そして、その判別した情報に基づいて、第1実施形態と同様の報知をする処理が実行される。このように構成することで、カードの挿入情報や、カード残高情報が主制御装置110に直接入力されるので、制御を敏速に行うことができる。
なお、本実施形態では、カード読取ユニット300が出力する球貸しに関する制御信号は、主制御装置110に出力する構成としたが、第1実施形態のように払出制御装置111に出力して、フォトトランジスタLDa〜LDcから出力される信号のみを主制御装置110に出力するように構成してもよい。このように構成することで、球貸しに関する制御は、払出制御装置111が主制御装置110の指示に関わらず行うことができ、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
次に、図2(c)は、第1実施形態の変形例2におけるパチンコ機10の電気的構成を示した図である。変形例2では、カード読取ユニット300から出力される球貸しに関する制御信号が払出制御装置111と音声ランプ制御装置113とに出力され、フォトトランジスタLDa〜LDcから出力された信号を抽出した信号が音声ランプ制御装置113に対して出力される点で第1実施形態と相違する。このように構成することで、フォトトランジスタLDa〜LDcから出力される信号を音声ランプ制御装置113が直接受信しして、音声ランプ制御装置113のMPU221がその受信した信号が示す、カード情報に基づいて、第1実施形態と同様の報知を行うことで、主制御装置110は報知をするための制御をする必要がなく、主制御装置110の制御負荷を軽減できる。また、音声ランプ制御装置113から主制御装置110に対しては、制御信号が出力されない構成であるので、カード読取ユニット300から出力される信号が主制御装置110に出力されないので、不正を低減できる。
なお、本実施形態では、カード読取ユニット300から出力される球貸しに関する制御信号は、音声ランプ制御装置113に出力する構成としたが、球貸しに関する信号は第1実施形態と同様に払出制御装置111に出力する構成として、フォトトランジスタLDa〜LDcから出力される信号のみが音声ランプ制御装置113に出力される構成としてもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113は、払出制御装置111に対して、球貸しに関する制御信号を出力する必要がなくなり、音声ランプ制御装置113の制御負荷を軽減することができる。
次に、図2(d)は、第1実施形態の変形例3におけるパチンコ機10の電気的構成を示した図である。変形例3では、フォトトランジスタLDa〜LDcから出力される信号が払出制御装置111に出力された後、払出制御装置111から音声ランプ制御装置113に対してフォトトランジスタLDa〜LDcから出力された信号を示す信号が出力される点で第1実施形態と相違する。このように構成することで、払出制御装置111から出力された信号が主制御装置110に出力されないので、主制御装置110に対する不正を抑制できる。また、主制御装置110を介さずに、フォトトランジスタLDa〜LDcから出力される信号を示す信号が音声ランプ制御装置113に出力され、音声ランプ制御装置113によりカード情報が判別されて、第1実施形態と同様の報知が実行されるので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
なお、第1実施形態および第1実施形態の変形例1〜3においては、封入式パチンコ機(遊技球が遊技者に直接払い出されず、遊技機内に収められた遊技球で遊技を行うパチンコ機)についても、用いることができる。封入式パチンコ機では、パチンコ機10がカード読取ユニット300のカード情報を抽出して、報知や演出に用いるだけでなく、ホールコンピュータや管理コンピュータにも出力する構成が考えられる。
なお、第1実施形態および第1実施形態の変形例1〜3においては、カードを用いるカード読取ユニット300を用いる構成としたが、それに限らず、金額情報(有価価値)が記憶されたプリペイド媒体(有価価値記憶媒体)である例えば、ICチップの内蔵されたコインや、スティック等を用いる読取ユニットを用いることができる。
また、第1実施形態および第1実施形態の変形例1〜3においては、カード読取ユニット300を用いることで、メダルを貸し出すスロット遊技機(回動式遊技機)に対しても用いることが可能である。
また、その他の構成として、詳細は後述するが、残高表示器41の7セグメントLEDの光量を検出する光センサーをパチンコ機10の枠体に設けて、その光センサーの信号を音声ランプ制御装置113に入力することで、カード情報の報知を行うように構成してもよい。カード情報の残高情報は、光量の大きさを残高表示に対応させて予め記憶しておき、検出した光量に基づいて、残高を判別したり、光センサーを画像認識センサーに変更して、画像認識により、残高表示を認識することで、カードの残高を検出するように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10に不正を行うための信号がカード読取ユニット300を介して出力されるのを防止できる。また、実際に表示されている情報に基づいて、制御を実行することができるので、より正確な報知を行うことができる。また、残高表示の検出としては、LED表示の背面側や上面側、または周囲より検出することで、前面側にセンサーが配置されないので、遊技者の残高表示の視認性を損なってしまうことを防止できる。
図8に戻って、第1実施形態について説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における特別図柄(第3図柄)の変動表示(変動演出)等を制御するものである。この表示制御装置114については、すでに周知のものであるので、詳細な説明は省略する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図15から図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、特別初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、特別初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、特別初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び普通当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図16〜図18を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図19および図20を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、カード処理を実行し(S108)、次いで、発射制御処理を実行し(S109)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S110)、タイマ割込処理を終了する。なお、カード処理は、詳細については後述するが、払出制御装置111より出力される抽出信号に基づいて、カード読取ユニット300に挿入されているカードの情報について各種設定する処理が実行される。また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをハンドルセンサ(タッチセンサ)51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図16は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理(図16、S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図17を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図17を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、特別当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S211)、大当たり種別が大当たりAであれば、RAM203の時短中カウンタ203fに100を設定する(S214)。また、大当たり種別が大当たりBであれば、確変フラグ203eをオンに設定する(S213)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。S215の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図24参照)の大当たり制御処理(S1004)が実行され、大当たり演出が開始される。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図17は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図15参照)の特別図柄変動処理(図16参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203eがオンであるかを判定する(S302)。確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。
確変フラグ203eがオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、確変中当否判定実行フラグ203hをオンし(S303)、S304の処理に移行する。S304の処理では、S301の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S306の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S305)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」の1個が設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S306の処理へ移行する。
そして、S304またはS305の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S306)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S306:Yes)、S301の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S307)。より具体的には、S301の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、特別当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(15R通常大当たり、時短回数100回)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(15R確変大当たり)であると判定する(図10(c)参照)。
このS307の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動表示態様)を決定する(S308)。S308の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定されている。
S306の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S306:No)、外れ時の表示態様を設定する(S309)。S309の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値に基づいて停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチをRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいて決定する。
S308の処理またはS310の処理が終わると、次に、S308の処理またはS310の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S311)。次いで、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S312)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24、S1000)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、始動入賞情報処理(S105)について図18を参照して説明する。まず、図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図18は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理(図18、S105)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S415の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で取得した各種カウンタについて、変動開始時の遊技状態(低確率遊技状態か、高確率遊技状態か)に基づいて、特別図柄の当否判定結果、停止種別、選択される変動パターンを予測する特別図柄における抽選結果の先読みを行う(S407)。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定する(S408)。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否判定結果を抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aの対応するエリアに格納する。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図19は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。尚、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(d)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(d)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の普通図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図20は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、普通当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が第2入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した普通当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるカード処理(S108)を説明する。図21は、このカード処理(S108)を示すフローチャートである。このカード処理(S108)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、払出制御装置111から出力される抽出手段(LDa〜LDc)により抽出された抽出信号に基づいて生成されたカード抽出信号よりカード読取ユニット300に挿入されたカードの残高を判別して、その判別した情報を音声ランプ制御装置113に対して通知するための処理である。
カード処理(図21、S108)では、まず、主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図24、S1000)のS1003の処理で受信した払出制御装置111が出力したカード抽出信号に基づいて、残高表示器41の表示情報を取得(解析)する(S701)。カード残高記憶エリア203gに記憶されている値とS701の処理で取得した表示情報に基づくカード残高に変化があるか判別される(S702)。カード残高に変化があると判別された場合には(S702:Yes)、取得した表示情報に基づく残高情報をカード残高記憶エリア203gに記憶(更新)する(S703)。カード残高記憶エリア203gに記憶されたカード残高情報に基づくカード情報コマンドが生成される(S704)。一方、カード残高に変化がないと判別された場合には(S702:No)、この処理を終了する。
なお、払出制御装置111から出力されるカード抽出信号は、それぞれ、8本の信号線で構成された8ビットの信号で主制御装置110の入出力ポートに入力される。主制御装置110のMPU201は、その入力されたそれぞれの8ビットで構成されたカード抽出信号を判別して、残高表示器41の表示情報を判別する。主制御装置110が生成するカード情報コマンドは、2バイトのコマンドで構成されており、上位バイトをコマンドの種別(カード残高を示すコマンドであること)を示すコマンドで構成されており、下位バイトをカード残高を示すコマンドで構成されている。
また、カード抽出信号については、抽出手段LDa〜LDcからそれぞれ払出制御装置111の入出力ポート215に入力される信号線は7本でそれぞれ構成されるが、主制御装置110に対して出力されるカード抽出信号は8ビットの信号で構成されている。これは、上位1ビットについて、残高表示器41にエラーを示す表示がされている場合に、そのビットをオンに設定して出力することで、主制御装置110のMPU201がエラーの表示に基づくカード抽出信号であることを容易に識別することができるように構成したものである。それ以外の7ビットには、抽出手段LDa〜LDcがそれぞれ抽出した信号が設定される。つまり、抽出手段LDa〜LDcから払出制御装置111に接続される信号線の合計は21本であり、払出制御装置111から主制御装置110の入出力ポート205に入力されるカード抽出信号は8本の信号線となっている。払出制御装置111は、抽出手段LDa〜LDcよりそれぞれ入力された信号に基づいて、上位1ビットを省く残り7ビットで第1LED41a、第2LED41b、第3LED41cそれぞれを識別可能で、各セグメントの点灯態様を識別可能な信号を生成する。例えば、各LEDの発光態様は、0〜9の数字とエラー表示を示す発光態様(例えば、「A」等)とカードが挿入されていないことを示す「−」であるので、7ビットの上位2ビットでLEDの種別(第1LED41a〜第3LED41cのいずれか)を示すように構成して、残り5ビットでセグメントの発光態様に対応する信号を構成するように構成されている。また、上記したが、上位1ビットは、エラーを示す発光態様である場合に、オンに設定される。
本実施形態では、省略したが、カード処理において、エラーを示す表示が残高表示41で表示されていることを示すカード抽出信号を受信した場合には、エラーを示す信号をホールコンピュータに対して外部端子(図示せず)を介して出力する構成となっている。また、残高表示器41に表示されるエラー表示の種類を判別して、そのエラー種別に対応したエラー信号を外部端子を介してホールコンピュータ等に出力するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が例えば、偽札等を使用して球貸しを行おうとした場合に、それに対応するエラー表示を残高表示器41にカード読取ユニット300が実行するようにすれば、遊技者に気づかれることなく、不正を遊技店側が検知して対処することができる。
このように、カード読取ユニット300が残高表示器41を点灯させる信号が抽出手段LDa〜LDcにより抽出されて、その情報が払出制御装置111を介してカード抽出信号として主制御装置110に出力されるので、主制御装置110のMPU201によりその情報に基づいて、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されているか判別することができる。また、カード残高がある場合には、その金額を正確に判別して、音声ランプ制御装置113に対して、そのカード残高を正確に通知することができる。また、カード残高に変動があった場合にも、新たにそのカード残高がカード読取ユニット300により残高表示器41に表示されることで、その表示に基づく情報が主制御装置110に通知されるので、その情報に基づいて、新たなカード情報コマンドを生成して音声ランプ制御装置113に対して通知することができる。
また、カード残高記憶エリア203gの値に基づいて、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動開始処理(図17、S208)において大当たり変動パターンまたは外れ変動パターンの種類を選択するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、カード残高が少なくなると、外れスーパーリーチ等の当たりの場合に選択される確率の高いスーパーリーチの変動パターンが選択され易く構成することで、当たりが近いかもと、遊技者に期待させることで、カード残高を遣いきってしまった後も、さらにお金を追加して、遊技を行わせるようにすることができる。また、カード残高が多い時(設定値よりも多い時)には、変動時間(動的表示時間)の短い変動パターンが選択され易いように構成することで、効率良く遊技を行い、カード残高が少なくなった時(設定値よりも少なくなった時)には、変動時間の比較的長い変動パターンが選択され易いように構成することで、リーチやスーパーリーチ等の比較的、大当たりとなる場合に選択され易い変動パターンが選択され易くなるように構成してもよい。このように構成することで、遊技の時間を短くしながらも、大当たりへの期待を持ちながら遊技を行うことができる。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図23を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図23は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図24のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図15参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図15参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図16参照)や始動入賞処理(図18参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図18、S105)のS408で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(S1004)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号、カード抽出信号を読み込みを実行する(S1003)。カード読取ユニット300が残高表示器41に残高を点灯させる信号を抽出手段(LDa〜LDc)により抽出した信号に基づいて、払出制御装置111のMPU211がカード抽出信号を出力する。なお、本実施形態では、払出制御装置111のMPU211は、抽出手段(LDa〜LDc)が抽出した信号をそのまま、主制御装置110に対して、カード抽出信号として出力する構成となっている。次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図22参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する特別図柄表示更新処理を実行する(S1006)。特別図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、特別図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する普通図柄表示更新処理を実行する(S1007)。普通図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図19参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、普通図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図19参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図19参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、特別初期値乱数カウンタCINI1、普通初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、特別初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、特別初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、特別初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して特別初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、特別初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2(即ち、特別当たり乱数カウンタC1の初期値、普通当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図22のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図25から図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図25は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1318の電源断処理(図26参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図26を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図26のS1315参照)、S1318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図26のS1320参照)。つまり、電源断フラグは、S1318の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1311のコマンド判定処理や、S1312の変動表示設定処理や、カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1311の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1312の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1317の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理(S1305)では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。また、図27を参照して、詳細については、後述するが、返却ボタン42の有効化、無効化を切り替えるためのパスワード設定画面、パスワード入力画面の設定を実行するための処理も実行される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22の各操作ボタンが押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出または制御処理を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図28を参照して後述する
そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1312)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図29を参照して後述する。
S1312の処理が終わると、カード演出制御処理が実行される(S1313)。このカード演出制御処理(S1313)については、図31を参照して詳述するが、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されている場合に、大当たりの開始が設定された場合には、カードの排出を強制的に行わせたり、返却ボタン42が操作されたかを判別する処理が実行される。
S1313の処理が実行されると、カード読取ユニット300に挿入されているカード情報や、カード読取ユニット300からカードを返却することを忘れるのを防止する処理を実行するカード報知処理が実行される(S1314)。なお、カード報知処理については、図32を参照して詳細を後述する。
S1314の処理が実行されると、返却変動表示態様が第3図柄表示装置81で変動表示されている場合に、返却ボタン42が操作(押下)されたことに基づいて、表示制御装置114に対して、確定報知態様を表示させる処理を実行するカード返却演出処理が実行される(S1315)。なお、このカード返却演出処理(S1315)については、図33を参照して、詳細を後述する。
S1315の処理が実行されると、返却ボタン42の有効化、無効化を切り替えるための第3図柄表示装置81で表示されるパスワード入力画面において、枠ボタン22の操作に基づいて、パスワード入力に関する制御を実行するパスワード入力処理が実行される(S1316)。なお、このパスワード入力処理(S1316)については、図34を参照して、詳細を後述する。
S1316の処理が実行されると、休憩ボタン500が遊技者に操作された場合に、返却ボタン42を無効化させるための処理を実行する休憩処理が実行される(S1317)。なお、休憩処理(S1317)については、図36を参照して、詳細を後述する。
S1317の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1318)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1318:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1317)、電源断処理を実行する(S1320)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1321)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1318の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1318:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1319)、RAM223が破壊されていなければ(S1319:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1319:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される客待ち演出処理(S1305)について説明する。図27は、この客待ち演出処理(S1305)示したフローチャートである。この客待ち演出処理(S1305)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、特別図柄が変動停止してから所定時間経過すると、返却ボタン42を有効化、無効化するためのパスワード入力画面またはパスワード設定画面を第3図柄表示装置81に表示させるための処理が実行される。
客待ち演出処理(S1305)では、まず、第3図柄表示装置81で特別図柄が停止中(即ち、抽選遊技が行われていない状態)であるか判別される(S1401)。第3図柄表示装置81で特別図柄が停止中であると判別された場合には(S1401:Yes)、客待ちカウンタ223mの値に1加算して更新する。なお、この客待ち演出処理(S1305)は、1ms周期で通常、実行されるので、このカウンタ値の値をmsを単位とした時間として特別図柄が停止表示している時間を判別可能に構成されている。カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されているか判別される(S1403)。ここで、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されているかの判別については、後述するコマンド判定処理(図28、S1311)において、主制御装置110より受信したカード情報コマンドに基づいて、従カード情報記憶エリア223eに記憶されたカード残高についてのデータに基づいて、残高が0よりも多ければ、残高のあるカードが挿入されていると判別する。即ち、従カード情報記憶エリア223eに記憶されているカード残高が0よりも大きい値であるか判別する。
カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されている状態であると判別された場合には(S1403:Yes)、客待ちカウンタ223mの値は、5秒以上の値であるか判別される(S1404)。客待ちカウンタ223mの値が5秒未満であると判別された場合には、S1415の処理が実行される。一方、客待ちカウンタ223mの値が5秒以上の値であると判別された場合には(S1404:Yes)、パスワード記憶エリア223hに設定されているデータがあるか判別される(S1405)。ここで、このパスワード記憶エリア223hには、後述するパスワード入力処理(図34、S1316)で遊技者によりパスワードが設定された場合に、パスワードが記憶される。即ち、パスワード記憶エリア223hにパスワードが記憶されているということは、返却ボタン42がパスワードが設定されることにより無効化されている状態であることを示している。
パスワード記憶エリア223hにパスワードが記憶されていると判別された場合には(S1405:Yes)、第3図柄表示装置81にパスワード入力画面(図5(b)参照)を表示させるための表示用パスワード入力コマンドを生成(設定)する。一方、パスワード記憶エリア223hにパスワードが記憶されていない(即ち、パスワード記憶エリア223mは、初期値である0が記憶されている)と判別した場合には(S1405:No)、客待ちカウンタ223mの値が30秒以上であるか判別される(S1407)。客待ちカウンタ223mの値が30秒未満であると判別された場合には(S1407:No)、第3図柄表示装置81にパスワード設定画面(図5(a)参照)を表示させるための表示用パスワード設定コマンドが生成(設定)される(S1408)。
一方、客待ちカウンタ223mが30秒以上であると判別された場合には(S1407:Yes)、第3図柄表示装置81に「防犯の為、返却ボタンを無効にしました」という文字を表示させる為の表示用ロック報知コマンドが生成(設定)される(S1409)。返却ボタン42を無効化(返却ボタン42が操作されても、返却ボタン42から信号が出力されない状態)する返却ボタン無効信号が生成される(S1410)。返却ボタン42を無効化していることを示す返却ロックフラグ223fをオンに設定する(S1411)。
一方、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されていないと判別された場合には(S1403:No)、客待ちカウンタ223mが30秒以上の値であるか判別される(S1412)。客待ちカウンタ223mが30秒以上の値であると判別された場合には、第3図柄表示装置81に第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替えるための表示用通常待ち受けコマンドが生成される(S1413)。また、第3図柄表示装置81で特別図柄の変動表示中であると判別された場合には(S1401:No)、客待ちカウンタ223mを初期値である0にリセット(クリア)して設定する(S1414)。
S1415の処理では、客待ちカウンタ223mの値が、30秒以内であるか判別される(S1415)。客待ちカウンタ223mの値が30秒以内であると判別された場合には(S1415:Yes)、従返却ボタンフラグiがオンに設定されている(即ち、カードが挿入されている状態で返却ボタン42が操作された)か判別される(S1416)。従返却ボタンフラグ223iがオンであると判別された場合には(S1416:Yes)、第3図柄表示装置81にタイトル画面を携帯電話等の待ち受け画面に表示させるための壁紙をダウンロードすることが可能な2次元コードを表示させる表示用2次元コード設定コマンドが生成(設定)される(S1417)。一方、客待ちカウンタ223mが30秒より大きい値であると判別された場合(S1415:No)、または、従返却ボタンフラグ223iがオフであると判別された場合には(S1416:No)、この処理を終了する。
このように、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されている場合に、特別図柄が所定時間変動していない状態となると、パスワード入力画面またはパスワード設定画面が表示されるように構成されているので、遊技者が特に操作しなくとも遊技者にパスワードを設定または入力の開始をさせることが可能に構成できる。また、パスワードが既に設定されている返却ボタン42が無効化されている状態では、パスワード設定画面が表示されるよりも短い時間、特別図柄が停止表示されると、パスワード入力画面が表示されるように構成したので、遊技者が返却ボタン42を有効化したい場合に、長時間待つことなく、パスワードの入力を開始することが可能となる。
また、特別図柄が停止している状態が所定時間(本実施形態では、30秒)以上となった場合に、残高のあるカードが挿入されていると判別された場合には、返却ボタン42を強制的に無効化するように設定したので、遊技者がカードを返却するのを忘れてしまい、カードが盗難されてしまうような不具合を防止できる。また、残高のあるカードが挿入されていない場合には、通常のタイトル画面が表示される待ち受け表示がされるので、遊技する遊技者がいない状態では、遊技機のPR等を来店する遊技者に対して行うことができる。
また、残高のカードが挿入されている状態で、特別図柄が停止してから所定時間(本実施形態では、30秒)以内に、返却ボタン42が操作されて、カード返却が行われると、第3図柄表示装置81に2次元コードが表示される(遊技特典が付与される)ように構成したので、遊技者は、遊技を終えると、その時間内に返却ボタン42を操作して、遊技特典を得ようと思うようにしむけることができる。よって、遊技者が、カード返却を忘れて、帰宅してしまうような不具合を防止できる。なお、本実施形態では、遊技特典として、2次元コードを表示するように構成したが、それに限らず、第3図柄表示装置81で特定の演出(例えば、今後、発売予定のパチンコ機10に関する情報等)を表示するように構成してもよいし、賞球を何球か付与するように構成してもよい。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図28は、このコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1501)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1501:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1502)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1503)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図29参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1501:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1504)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1504:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1505)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1506)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図29参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1504:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1507)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1507:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1508)。また、S1508の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1508の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1508の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1508の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1507の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1507:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1509)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1509:Yes)、受信した入賞情報コマンドが示す当否判定結果を入賞情報格納エリア223aの対応するエリアに記憶される(S1510)。上述したように、本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)すると、主制御装置110において各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得された各カウンタC1〜C3の各値が、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶される。また、主制御装置110において各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、取得された各カウンタC1〜C3の各値から、その本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が先読み(予測)される。そして、主制御装置110において先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信される。
S1509の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1509:No)、次いで、主制御装置110よりカード情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1511)。そして、カード情報コマンドを受信した場合には(S1511:Yes)、受信したカード情報コマンドに基づいて、従カード情報記憶エリア223eにカードの残高情報を記憶させる(S1512)。一方、カード情報コマンドを受信していないと判別された場合には(S1511:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1513)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)について説明する。図29は、この変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S1312)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1601)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1601:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1615の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1601:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1602)、次いで、コマンド判定処理(図28参照)のS1503の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1603)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1604)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1605)。S1605の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1606の処理へ移行する。
S1606の処理では、設定された表示用変動パターンコマンドが大当たりとなる変動パターンコマンドであるか判別される(S1606)。外れとなる変動パターンコマンドであると判別された場合には(S1606:No)、カード返却演出フラグ223kをオフに設定する(S1607)。その後、保留変化処理が実行される(S1608)。保留変化処理(S1608)は、図30を参照して、詳細について後述するが、残高のあるカードがカード読取ユニット300に挿入されている場合に、カード返却ボタン42が操作されると、変動開始時に当たりとなる保留に対して、その当否判定結果を色を変えて報知する処理が実行される。保留変化処理(S1608)の後は、S1615の処理が実行される。
一方、設定された表示用変動パターンコマンドが大当たりとなる変動パターンコマンドであると判別された場合には(S1606:Yes)、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されている状態であるか判別される(S1609)。カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されていないと判別された場合には(S1609:No)、S1615の処理を実行する。一方、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されていると判別された場合には(S1609:Yes)、返却ロックフラグ223fがオンに設定されているか判別される(S1610)。返却ロックフラグ223fがオフであると判別された場合には(S1610:No)、S1615の処理が実行される。一方、返却ロックフラグ223fがオンであると判別された場合には(S1610:Yes)、抽選カウンタ223jの値が取得される(S1611)。取得した抽選カウンタ223jの値が、当たり値である「0〜4」のいずれかであるか判別される(S1612)。
取得した抽選カウンタ223jの値が外れであると判別された場合には(S1612:No)、S1615の処理が実行される。一方、取得した抽選カウンタ223jの値が当たりであると判別された場合には(S1612:Yes)、返却変動表示態様を第3図柄表示装置81でS1604で設定された変動パターンに変わり表示させることを示すカード返却演出フラグ223kをオンに設定する(S1613)。S1604で設定した表示用変動パターンコマンドに上書きして、表示用カード返却演出コマンドが生成(設定)される。
RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1615)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1615:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1615:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1616)、次いで、コマンド判定処理(図28参照)のS1506の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1617)。次に、S1617の処理で取得した停止種別を表示用停止種別コマンドとして設定する(S1618)。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留変化処理(S1608)について説明する。図30は、この保留変化処理(S1608)を示したフローチャートである。この保留変化処理(S1608)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されている場合に、返却ボタン42が操作されると、変動開始時に大当たりとなる保留があるとその当否判定結果を遊技者に保留の表示色を変えて表示する処理を実行する。
保留変化処理(S1608)では、まず、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されているか(即ち、従カード情報記憶エリア223eに記憶されている値は0より大きい値か)判別される(S1621)。カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されていないと判別された場合には(S1621:No)、この処理を終了する。
一方、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されていると判別された場合には(S1621:Yes)、特別保留球数カウンタ223bの値が1以上であるか(即ち、特別図柄の保留が記憶されているか)判別される(S1622)。特別図柄の保留は0であると判別された場合には(S1622:No)、この処理を終了する。一方、特別図柄の保留が記憶されていると判別された場合には(S1622:Yes)、従返却ボタンフラグ223iがオンであるか判別される(S1623)。従返却ボタンフラグ223iがオフであると判別された場合には(S1623:No)、この処理を終了する。一方、従返却ボタンフラグ223iがオンであると判別された場合には(S1623:Yes)、入賞情報格納エリア223aに記憶されている保留の入賞情報のうち、当たりとなる保留があるか判別される(S1624)。
保留はすべて外れであると判別された場合には(S1624:No)、この処理を終了する。一方、保留内に当たりとなる保留が記憶されていると判別された場合には(S1624:Yes)、その保留が大当たりとなることを遊技者に示す表示色(本実施形態では、赤色)で表示させる保留変化コマンドを生成する(S1625)。
このように、特別図柄の大当たりとなる変動パターンで特別図柄が第3図柄表示装置81で変動表示される場合には、抽選により、返却変動表示態様が主制御装置110が設定した変動パターンに代えて、決定されるので、遊技者に、返却変動表示態様が表示されることで、早期に大当たりとなることを報知させることができる。また、返却変動表示態様は、図4(b)に示すように、カード返却ボタン42を操作するように特別図柄の変動中に遊技者に報知されて、返却ボタン42が操作されことに基づいて、遊技者に大当たりとなることを早期に報知する(確定報知)演出が実行されるので、遊技者は、早期に返却ボタン42を操作して、カード読取ユニット300からカードを返却することができるので、遊技者がカードを返却するのを忘れてしまうのを防止できる。さらに、返却変動表示態様は、大当たりとなる変動パターンであるので、その後に、球貸し操作が必要となるまでには、暫く時間を要することが多いので、球貸し操作を長時間しない間に、残高の残っているカードをカード読取ユニット300に挿入したままであることを失念してしまうことにより、カード返却を忘れてしまうことを防止できる。
また、大当たりとなる変動パターンでない場合にも、返却ボタン42を操作することで、遊技上の特典となる、保留の先読みの結果を報知するように構成したので、遊技者が楽しんで、返却ボタン42を操作するようにすることができ、常に、返却ボタン42に意識を持つようにすることができる。よって、カード返却を忘れてしまう不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、返却ボタン42を操作するタイミングが特別図柄の変動開始のタイミングと一致した場合に、保留の先読みを報知するように構成することで、容易に、保留の先読み結果が報知されず、何度も遊技者が、タイミングを合わせて操作するようにさせることを楽しめるように構成したが、それに限らず、どのようなタイミングであっても、操作されることに基づいて、先読みの結果を報知するように構成してもよい。また、先読みの結果に限定されず、決定されている変動パターンの種別(リーチ、スーパーリーチ等)を報知するように構成してもよいし、特定のキャラクタを表示させるように構成してもよいし、遊技上のポイント(ポイントをためることで、表示されるキャラクタが増えたりするなどの特典)を遊技者に付与するように構成してもよい。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるカード演出制御処理(S1313)について説明する。図31は、このカード演出制御処理(S1313)を示したフローチャートである。このカード演出制御処理(S1313)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、大当たり開始時に、カードを強制的に排出させるように制御したり、返却ボタン42が残高のあるカードがカード読取ユニット300に挿入された状態で操作されたかの判別を行う処理を実行する。
カード演出制御処理(S1313)では、まず、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されているか(即ち、従カード情報記憶エリア223eに0より多い残高が記憶されているか)判別される(S1701)。残高のあるカードが挿入されていないと判別された場合には(S1701:No)、この処理を終了する。一方、残高のあるカードがカード読取ユニット300に挿入されていると判別された場合には(S1701:Yes)、大当たりの開始を示すオープニングコマンドを主制御装置110より受信しているか(即ち、大当たり遊技の開始であるか)が判別される(S1702)。オープニングコマンドを受信していると判別された場合には(S1702:Yes)、返却ロックフラグ223fがオンに設定されているか判別される(S1703)。返却ロックフラグ223fがオンであると判別された場合には(S1703:Yes)、この処理を終了する。
一方、返却ロックフラグ223fがオフであると判別された場合には(S1703:No)、カード読取ユニット300に対して、カード返却を実行させるカード排出信号が設定される。このカード排出信号は、図13に示すように、返却抽出手段42aよりもカード読取ユニット300側に直接、信号をアクティブにするようにする信号であり、返却ボタン42が操作されたのと同様の状態にさせる。
従カード情報記憶エリア223eを初期値である0にリセットする(S1705)。音声出力装置226に「カードが返却されます。お受け取りください。」という音声を出力させるためのカード排出報知音コマンドがセットされる。第3図柄表示装置81に「カードが返却されます。忘れずお受け取り下さい!!」という文字を表示させるための表示用カード排出報知コマンドがセットされる(S1707)。
このように、大当たり遊技が開始されると、強制的に、返却ボタン42が有効化されている状態では、強制的にカードが返却されるので、遊技者は、返却ボタン42を操作しなくとも、カードを回収することができる。よって、遊技者の手間を軽減させることができる。また、強制的に返却される契機を、大当たり遊技の開始としたので、球貸しの必要性がしばらくの間必要とない状態が続くことで、遊技者がカードの返却操作を忘れて帰宅してしまう不具合を防止できる。また、球貸しの必要が暫くなくなるタイミングで、カードを強制的に返却するので、カードが強制的に返却された後、直ぐに、球貸しが必要となり、カードを再び挿入しなくてはならない手間を軽減させることができる。
一方、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合には(S1702:No)、返却ボタン42が操作(押下)されたか判別される(S1708)。返却ボタン42が操作されたと判別された場合には(S1708:Yes)、従返却ボタンフラグ223iをオンに設定する(S1709)。一方、返却ボタン42が操作されていないと判別された場合には(S1708:No)、従返却ボタンフラグ223iをオフに設定する(S1710)。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるカード報知処理(S1314)について説明する。図32は、このカード報知処理(S1314)を示したフローチャートである。このカード報知処理(S1314)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、カード読取ユニット300に挿入されているカード情報に基づいて、第3図柄表示装置81にカード情報を報知する処理を実行する。また、遊技が実行されていない状態を検知した場合に、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されている場合には、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されたままであることを報知する処理が実行される。
カード報知処理(S1314)では、まず、従カード情報記憶エリア223eに記憶されているカード残高が0より多い(即ち、カード残高がある)かが判別される(S1801)。カード残高がない(カードが挿入されていない場合含む)と判別された場合には(S1801:No)、挿入報知ランプ40aを消灯するための挿入報知ランプ消灯データをセットする(S1802)。
一方、カード残高ありと判別された場合には(S1801:Yes)、前面枠14に設けられたカードがカード読取ユニット300に挿入されていることを報知する挿入報知ランプ40aを点灯させるための挿入報知ランプ点灯データを設定する(S1803)。従カード情報記憶エリア223eに記憶されているカード残高が3000円以上であるか判別される(S1804)。カード残高が3000円以上であると判別された場合には(S1804:Yes)、「カードが入っています。」という音声を音声出力装置226より出力させる音声報知コマンドが設定される(S1805)。第3図柄表示装置81に赤色の文字で「カードが入っています!!」「カード残高は○○○円です。」という文字を交互に30秒周期で表示させる表示用高額報知コマンドが設定される(S1806)。なお、○○○円は、カード残高に合わせて、その金額が表示される。
一方、カード残高が3000円未満であると判別された場合には(S1804:No)、白色の文字で「カードが入っています!!」「カード残高は○○○円です。」という文字を交互に30秒周期で表示させる表示用少額報知コマンドが設定される(S1807)。なお、○○○円は、カード残高に合わせて、その金額が表示される。
このように構成することで、カード残高が高額であるうちは、遊技者に、カードが挿入されていることを音声と目立つ文字で報知することで、常に意識させるようにできるので、高額な残高のあるカードを遊技者が忘れてしまい、盗難等の被害に遭うことを防止できる。また、カード残高が少額である場合には、比較的目立たない文字色で表示して、音声での報知はしないように構成することで、常に、音声と目立つ文字で報知されて、遊技者が遊技に集中できない不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、カード残高を3000円以上であると高額と判別するように構成したが、それに限らず、適宜、金額は設定すればよい。また、金額設定ボタンと前面枠14等に設けて、遊技者の操作により、報知を変化させるしきい値となる金額を設定できるように構成してもよい。また、報知を遊技者の選択により禁止するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者により、設定を変えることができ、遊技者の好みに合わせた状態で遊技を行うことができる。
また、報知の文字の色は白色としたが、それに限らず、半透明の文字色としても良いし、リーチ等で登場するキャラクタが服の色や、演出等で、カード読取ユニット300にカード残高のあるカードが挿入されていることを報知するように構成してもよい。
ハンドルセンサー510がオフであるか判別される(S1808)。ハンドルセンサーがオフであると判別された場合には(S1808:Yes)、ハンドルカウンタ223gに1加算して更新する(S1809)。更新したハンドルカウンタ223gの値は設定値(本実施形態では、15秒)以上であるか判別される(S1810)。ここで、ハンドルカウンタ223gは所定周期毎にハンドルセンサー510がオフである場合には、更新されることとなるので、その実行周期からハンドルカウンタ223gの値を時間に換算して判別することができる。
ハンドルカウンタ223gの値が設定値未満であると判別された場合には(S1810:No)、S1813の処理が実行される。ハンドルカウンタ223gの値が設定値以上であると判別された場合には(S1810:Yes)、ピーピーという音声を音声出力装置226から出力させるカード報知音と「カードの返却を忘れています!」という表示用報知コマンドが設定される(S1811)。一方、ハンドルセンサー510がオンであると判別された場合には(S1808)、ハンドルカウンタ223gの値を初期値である0にリセットする(S1812)。その後、S1813の処理が実行される。
このように、ハンドルセンサー510が所定時間(本実施形態では、15秒)以上、オフの状態が続いた場合に、カード残高のあるカードがカード読取ユニット300に挿入されたままであると、遊技者にカードを返却させることを報知する文字と、遊技者に注意を促す報知音が出力されるので、遊技者がカードの返却を忘れている場合にも、気づかせることができる。また、既に、席を離れてしまった場合にも、報知音を聞いたことで、カードの返却を忘れたことに気づかせ、再び、席に戻らせることができる。また、遊技者が報知音にも気づかずに帰宅してしまった場合にも、遊技店の店員により、その報知音で、カードを忘れてしまったことを認識でき、遊技店で、忘れ物として管理することができる。
S1813の処理では、前面枠14に設けられた人感センサー400がオンである(即ち、パチンコ機10の正面に遊技者がいない)かが判別される(S1813)。人感センサー400がオンであると判別された場合には(S1814:Yes)、ピーピーという音声を音声出力装置226から出力させるカード報知音と「カードの返却を忘れています!」という表示用報知コマンドが設定される(S1814)。一方、人感センサー400がオフである(即ち、遊技者がパチンコ機10の正面にいる)と判別された場合には(S1813:No)、S1815の処理を実行する。
このように、人感センサー400で遊技者のあり、なしを判別して、遊技者がいないと判別して、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されている状態であれば、カードを返却するように促す報知がされるので、遊技者が返却を忘れて席を立つと直ぐに、返却を忘れていることを気づかせることができる。よって、遊技者がカードの返却を忘れてしまうことにより、カードの盗難等の被害に遭うことを防止できる。
なお、本実施形態では、人感センサー400がオンすると、直ちに、カード返却に関する報知を行うように構成したが、これに限らす、人感センサー400がオンしてから所定時間(例えば、5秒等)が経過したことを契機に報知するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が少し体を傾ける等して、人感センサー400が短時間だけオンしてしまうような場合には、報知がされないように構成できる。よって、頻繁に報知がされて、遊技者に不快な思いをさせてしまうことを防止できる。
上皿センサー17aおよび球抜きボタンセンサー52aがオンであるか判別される(S1815)。上皿センサー17aおよび球抜きボタンセンサー52aがオンであると判別された場合には(S1815:Yes)、ピーピーという音声を音声出力装置226から出力させるカード報知音と「カードの返却を忘れています!」という表示用報知コマンドが設定される(S1816)。一方、上皿センサー17aまたは球抜きボタンセンサー52aがオフであると判別された場合には(S1815:No)、この処理を終了する。
上皿センサー17aがオンであるということは、上皿17に遊技球が無い状態であることを表し、さらに球抜きボタンセンサーがオンであるということは、ドル箱に球を排出している状態であるので、遊技者が遊技を終えて帰ろうとしている状態であると言えるので、その場合に、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されていると、カードの返却を促す報知がされるので、遊技者は、帰宅する前に、カードが挿入されたままであることに気づくことができる。よって、遊技者がカードを返却するのを忘れて帰宅してしまい、盗難等の被害に遭ってしまう不具合を抑制できる。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるカード返却演出処理(S1315)について説明する。図33は、このカード返却演出処理(S1315)を示したフローチャートである。このカード返却演出処理(S1315)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81で返却表示態様が表示されている場合に、返却ボタン42が操作されると、第3図柄表示装置81に確定報知演出を表示する処理を実行する。
カード返却演出処理(S1315)では、まず、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されているか(即ち、従カード情報記憶エリア223eに記憶されている残高情報が0より多いか)が判別される(S1901)。残高のあるカードが挿入されていないと判別された場合には(S1901:No)、この処理を終了する。一方、残高のあるカードが挿入されていると判別された場合には(S1901:Yes)、第3図柄表示装置81で特別図柄が変動表示中であるか判別される(S1902)。特別図柄が停止中であると判別された場合には(S1902:No)、この処理を終了する。
一方、特別図柄の変動表示中であると判別された場合には(S1902:Yes)、カード返却演出フラグ223kがオンであるか(即ち、第3図柄表示装置81で返却変動表示態様が変動表示されているか)が判別される(S1903)。カード返却演出フラグ223kがオフであると判別された場合には(S1903:No)、この処理を終了する。一方、カード返却演出フラグ223kがオンであると判別された場合には(S1903:Yes)、従返却ボタンフラグ223iがオンに設定されているか判別される(S1904)。
従返却ボタンフラグ223iがオフであると判別された場合には(S1904:No)、第3図柄表示装置81に大当たりであることを報知する特別図柄の表示態様(図4(b)下図参照)で表示させる表示用確定報知コマンドを設定する。
このように、返却変動表示態様が第3図柄表示装置81で変動表示されている場合に、遊技者が、その返却変動表示態様で表示される報知内容に従って、返却ボタン42を操作することで、大当たりが報知される。よって、遊技者は、常に、返却変動表示態様で特別図柄の変動が開始されないかと思いながら遊技を行うことができ、返却ボタン42を操作することを意識することができる。また、返却変動表示態様が表示されたことに基づいて、返却ボタン42を操作することで、大当たりが報知されるので、カードを返却してもその後、球貸しが必要となるまでには、暫く時間があるので、遊技者がカードをしまって管理することができる。よって、カードを返却するのを忘れてしまい、盗難等の被害に遭うことを低減できる。また、返却ボタン42を操作することで、第3図柄表示装置81の表示態様を切り替えることができ、カードを返却する以外に返却ボタン42の機能を増やすことができる。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるパスワード入力処理(S1316)について説明する。図34は、このパスワード入力処理(S1316)を示したフローチャートである。このパスワード入力処理(S1316)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、返却ボタン42の有効化、無効化を設定するためのパスワードの入力、設定に関する処理を実行する。
パスワード入力処理(S1316)では、まず、パスワード入力画面(図5(b)参照)または、パスワード設定画面(図5(a))が第3図柄表示装置81に表示されているか判別される(S2000)。パスワード入力画面またはパスワード設定画面が表示されていると判別された場合には(S2000:Yes)、枠ボタン22が操作されたか判別される。枠ボタン22が操作されたと判別された場合には(S2001:Yes)、決定ボタン22a以外のボタンが操作されたか判別される(S2003)。
決定ボタン22a以外のボタンが操作されたと判別された場合には(S2003)、上方向ボタン22bが操作されたか判別される(S2004)。上方向ボタン22bが操作されたと判別された場合には(S2004:Yes)、パスワード入力画面またはパスワード設定画面に表示されているカーソルで指定されている桁の数字指定背景を上に1つ上げる表示用上方向コマンドが設定される(S2005)。
一方、上方向ボタン22b以外が操作されたと判別された場合には(S2004:No)、下方向ボタン22dが操作されたか判別する(S2006)。下方向ボタン22dが操作されたと判別した場合には(S2006:Yes)、パスワード入力画面またはパスワード設定画面に表示されているカーソルで指定されている桁の数字指定背景を下に1つ下げる表示用下方向コマンドが設定される(S2007)。一方、下方向ボタン22d以外が操作されたと判別された場合には(S2006:No)、右方向ボタン22eが操作されたか判別される(S2008)。
右方向ボタン22eが操作されたと判別された場合には(S2008:Yes)、パスワード入力画面またはパスワード設定画面に表示されているカーソルをカーソルが表示されている桁の1つ右隣の桁に移動させる表示用右方向コマンドが設定される(S2009)。一方、右方向ボタン22e以外が操作されたと判別した場合には(S2008:No)、左方向ボタン22cが操作されたと判別して、パスワード入力画面またはパスワード設定画面に表示されているカーソルをカーソルが表示されている桁の1つ左隣の桁に移動させる表示用左方向コマンドが設定される(S2010)。
一方、決定ボタン22aが操作されたと判別された場合には(S2003:No)、パスワード処理が実行される(S2002)。パスワード処理(S2002)については、図35を参照して、詳細を後述するが、パスワード設定画面またはパスワード入力画面において、設定または入力されたパスワードに対して、パスワードを設定して、返却ボタン42を無効化したり、入力されたパスワードと設定されているパスワードを照合して、一致していれば、返却ボタン42を有効化する処理等が実行される。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるパスワード処理(S2002)について説明する。図34は、このパスワード処理(S2002)を示したフローチャートである。このパスワード処理(S2002)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるパスワード入力処理(図26、S1316)の中で実行され、返却ボタン42の有効化、無効化を設定するためのパスワードの入力、設定に関する処理を実行する。
パスワード処理(S2002)では、まず、表示されている画面はパスワードを新たに設定するためのパスワード設定画面であるか(即ち、パスワード記憶エリア223hにパスワードが設定されていないか)が判別される(S2021)。表示されているのはパスワード設定画面であると判別された場合には(S2021:Yes)、入力されたパスワードが正常なパスワードであるか判別される(S2022)。ここで、正常なパスワードとは、ノイズ等により、実際にはない数字が混じっている(本実施形態では、1から5以外の数字)場合や、桁数が足りない等のパスワードの場合が考えられる。
正常なパスワードであると判別された場合には(S2022:Yes)、入力されたパスワードをパスワード記憶エリア223hに記憶(セット)する(S2023)。返却ボタン無効信号を生成する(S2024)。返却ロックフラグ223fをオンに設定する(S2025)。ここで、返却ボタン無効信号とは、本実施形態では、切替スイッチ42bのフォトMOSリレーを非アクティブ(ダイオードが消灯される状態)にする信号のことである。
なお、本実施形態では、返却ボタン42とカード読取ユニット300とを繋ぐ信号線を切断、接続状態に切り替えるように構成することで、返却ボタン42の有効化、無効化を設定するように構成したが、それに限らず、返却ボタン42をソレノイド等で背面側より操作(押下)できないように機械的に固定してしまう構成であってもよい。このように構成することで、より容易に返却ボタン42を無効化することができる。
一方、入力されたパスワードが異常であると判別された場合には(S2022:No)、第3図柄表示装置81に「もう一度パスワードを入力してください」という文字を表示させる表示用エラーコマンドがセットされる(S2026)。
一方、表示されているのが、パスワード入力画面である(即ち、パスワード記憶エリア223hにパスワードが記憶されている)と判別された場合には(S2021:No)、今回、入力されたパスワードはパスワード記憶エリア223hに記憶されているパスワードを一致するか判別される(S2027)。パスワードが照合の結果一致すると判別された場合には(S2027:Yes)、返却ボタン有効信号が設定(セット)される。ここで、返却ボタン有効信号は、切替スイッチ42bであるフォトMOSリレーをアクティブに設定して、フォトMOSリレーのダイオードを点灯させて、返却ボタン42とカード読取ユニット300との信号線が接続されている状態に設定する信号である。パスワード記憶エリア223hを初期値である0にリセットする(S2029)。返却ロックフラグ223fをオフに設定する(S2030)。一方、入力されたパスワードとパスワード記憶エリア223hに記憶されているパスワードが一致しないと判別された場合には(S2027:No)、第3図柄表示装置81に「パスワードが一致しません」という文字を表示させる表示用不一致エラーコマンドが設定される。
このように、パスワードが設定されることで、返却ボタン42が無効化され、パスワードが設定されている状態で、その設定されているパスワードと同じパスワードを入力することで、返却ボタン42を有効化(無効化を解除)することができるので、返却ボタン42を無効化しておけば、返却ボタン42を操作することを忘れて、席を離れてしまったりした場合にも、他人にカードを返却されて盗難されることを防止できる。よって、安心して、残高のあるカードを挿入した状態で遊技を行うことができる。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される休憩処理(S1317)について説明する。図36は、この休憩処理(S1317)を示したフローチャートである。この休憩処理(S1317)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、前面枠14に配置されている休憩ボタン500を遊技者が操作することで、返却ボタン42の無効化を設定するための処理を実行する。
休憩処理(S1317)では、まず、カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されているか判別される(S2101)。カード読取ユニット300に残高のあるカードが挿入されていると判別された場合には(S2101:Yes)、休憩ボタン500が操作(押下)されたか判別される(S2102)。休憩ボタン42が操作されたと判別された場合には(S2102:Yes)、パスワード記憶エリア223hにパスワードが記憶されているか判別される(S2103)。パスワード記憶エリア223hにパスワードが記憶されていると判別された場合には(S2103:Yes)、第3図柄表示装置81にパスワード入力画面を表示させるための表示用パスワード入力コマンドを設定する。
一方、パスワード記憶エリア223hにパスワードが記憶されていないと判別された場合には(S2103:No)、第3図柄表示装置81にパスワード設定画面を表示させるための表示用パスワード設定コマンドを設定する(S2105)。一方、残高のあるカードが挿入されていないと判別された場合(S2101:No)、または、休憩ボタン500が操作されていない場合には(S2102:No)、この処理を終了する。
このように、休憩ボタン500を操作することで、パスワードを設定して返却ボタン42を無効化していない場合には、客待ち演出処理(S1305)の処理でパスワード設定画面が表示される処理が実行されるまで待つことなく、パスワード画面を表示させて、パスワードを設定して、返却ボタン42を無効化させることができる。
また、休憩ボタン500を操作することで、パスワードが設定されている場合には、パスワード入力画面を表示させるように構成したので、返却ボタン42を急いで、有効化したい場合には、休憩ボタン500を操作することで、パスワード入力画面を直ぐに、表示させて、返却ボタン42を有効化させることができる。よって、遊技者が、パスワードの入力を待つことなく行うことができ、時間を有効に使うことができる。
なお、本実施形態では、休憩ボタン500を操作することで、パスワード設定画面を表示させるように構成したが、休憩ボタン500を操作することで、強制的に返却ボタン42を無効化させて、パチンコ機10の背面側に、その休憩ボタン500により返却ボタン42を無効化させた設定を有効化させる解除スイッチ等を設けるように構成してもよい。このようにすれば、休憩ボタン500を操作すれば、すぐに、遊技者は休憩を取ることができ、利便性が高くなる。また、休憩を終えて、返却ボタン42の解除を希望する場合には、遊技店の店員を呼ぶことで、その設定を解除することができ、セキュリティ性も向上させることができる。
また、休憩ボタン500を押下させることで、球貸しボタン43も無効化させても良いし、遊技球の発射を禁止するように設定してもよいし、休憩中であることを第3図柄表示装置81に表示させるように構成してもよい。このように構成することで、休憩中に不正に他の遊技者に遊技されてしまったり、球貸しボタン43を操作されて遊技球を盗難される被害を抑制できる。
次に、図37〜図42を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、返却ボタン42をパスワードを設定して無効化、有効化の切り替えを実行する場合について説明した。
これに対し、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、返却ボタン42と球貸しボタン43の前面側を覆うことが可能なシャッター部材710を配置して、パスワードを設定することにより、そのシャッター部材710のロックおよびロック解除が実行される。
即ち、第2施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第2実施形態では、シャッター部材710を配置して、そのロックおよびロック解除をパスワードにより行う点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図37は、第2実施形態における、パチンコ機10の正面図である。第2実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態のパチンコ機10に対して、シャッター用ボタン700とシャッター部材710が追加されている。シャッター用ボタン700は、詳細については後述するが、シャッター部材710のスライドをロックまたはロック解除するためのパスワードを入力または設定するための入力または設定画面を表示させるための作動ボタンである。
シャッター部材710は、金属製の薄板で構成されており、左右にスライドして、返却ボタン42と球貸しボタン43との前面側を覆う閉位置と前面枠14の内部に収納される開位置とに可動可能に構成されている。図38はこのシャッター部材710とシャッター部材710の可動部を示した図である。図38(a)は、シャッター部材710が閉位置に可動した状態を示した図であり、図38(b)は、シャッター部材710が開位置に可動した状態を示した図である。図38(a)に示すように、シャッター部材710の表側(遊技機前面側)には、遊技者がシャッター部材710をスライド操作することができるように操作ツマミ710aが前面側に突出して形成されている。また、図示が省略されているが、前面枠14には、このシャッター部材710をスライド可能に保持するレール部が形成されており、シャッター部材710をそのレール部に挿入することで、保持されるように構成されている。
シャッター部材710を閉位置で固定(施錠)する為の構成として、ロックモーター900とそのロックモータ900の回転に合わせて回動するL字型のロック用規制部材900aが設けられている。ロックモーター900は、正転、逆転方向に90度回動することにより、ロック用規制部材900aのL字片をシャッター部材710の開位置側の一辺と接触して閉位置から開位置へと移動させるのを規制する位置と、シャッター部材710がスライドしてもロック用規制部材900aとシャッター部材710が接触することがない下方に後退させる位置とに可動させる。
ロック用規制部材900aの位置を検出するためのロックセンサー910が設けられている。ロックセンサー910は、反射型の光学センサーで構成されており、反射光によりロック用規制部材900aを検出する構成となっている。ロックセンサー910は、図38(a)に示すように、ロック用規制部材900aがシャッター部材710のスライドを規制する位置では、ロック用規制部材900aを検知しない位置に配置されている。一方、図38(b)に示すように、ロック用規制部材900aがシャッター部材710のスライドを規制しない位置に後退した位置では、ロック用規制部材710を検知する位置に配置されている。即ち、ロックセンサー910がロック用規制部材900aを検知しない状態(ロックセンサー910がオフの状態)では、シャッター部材710が固定されている状態であると検知し、ロックセンサー910がロック用規制部材710を検知している状態(ロックセンサー910がオンの状態)では、シャッター部材710の固定が解除されている状態(スライド可能な状態)であると検知する。
なお、本実施形態では、図38に示すような構成でシャッター部材710を固定または解除する構成としたが、これに限らず、ソレノイド等により規制片等を突出させて固定するように構成してもよいし、強力な電磁石等により、シャッター部材710のスライド操作を規制するように構成してもよい。
図39を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図39は、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態におけるパチンコ機10のブロック図は、第1実施形態におけるパチンコ機10のブロック図に対して、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続されたシャッター用ボタン700、ロックモーター900、ロックセンサー910が追加されている。
シャッター用ボタン700は、押下式のスイッチで構成されており、前面枠14の球貸しボタン43の右側に前面側に突出して配置されている。シャッター用ボタン700が押下されることにより、電気的な信号が音声ランプ制御装置113の入出力ポート113に出力される。
ロックモータ900は、ロック用規制部材900aを回動するためのステッピングモータで構成され、音声ランプ制御装置113からの信号に基づいて、回動制御される。ロックセンサー910は、ロック用規制部材900aを検知するための、反射型の光学センサーで構成されている。
音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、シャッターパスワード記憶エリア223pが追加されている。シャッターパスワード記憶エリア223pは、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU113が実行するシャッター処理(図43、S1370)において、入力されたパスワードが記憶される(図43、S1373参照)。また、シャッター部材710が固定されている場合(シャッターパスワード記憶エリア223pにパスワードが記憶されている場合)には、入力されたパスワードがシャッターパスワード記憶エリア223pに記憶されているパスワードと一致するかの照合を実行する場合に、シャッターパスワード記憶エリア223pのデータが用いられる。
図40を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1300)について説明する。図40は、このメイン処理(S1300)を示すフローチャートである。第2実施形態のメイン処理(図40、S1300)は、第1実施形態のメイン処理(図26、S1300)に対して、シャッター入力処理(図41、S1340)とシャッター設定処理(図42、S1350)とが追加されている。シャッター入力処理(図41、S1340)とシャッター設定処理(図42、S1350)との詳細について、後述する。第2実施形態におけるS1301〜S1322の各処理は、第1実施形態におけるS1301〜S1322の各処理と同一の処理が実行される。S1316の処理が完了すると、シャッター入力処理(図40、S1300)が実行される。
図41を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図40、S1300)の一処理であるシャッター入力処理(S1340)について説明する。図41は、このシャッター入力処理(S1340)を示すフローチャートである。シャッター入力処理(図41、S1340)は、シャッター部材710のスライドをロックまたはロック解除するためのパスワードを入力または設定するための入力画面を表示させるための処理を実行するための処理である。
シャッター入力処理(図41、S1340)では、まず、シャッター用700が操作(押下)されたか判別される(S1341)。シャッター用ボタン700が操作されたと判別された場合には(S1341:Yes)、シャッターパスワード記憶エリア223pにパスワードが記憶されているか判別される(S1342)。シャッターパスワード記憶エリア223pにパスワードが記憶されていると判別された場合には(S1342:Yes)、表示用シャッター入力コマンドが生成(設定)される。この表示用シャッター入力コマンドは、図5(b)と同様の表示を第3図柄表示装置81に表示させるためのコマンドである。
一方、シャッターパスワード記憶エリア223pにパスワードが記憶されていないと判別された場合には(S1342:No)、表示用シャッター設定コマンドが生成(設定)される(S1344)。この表示用シャッター設定コマンドは、図5(a)と同様の表示を第3図柄表示装置81に表示させるためのコマンドである。また、シャッター用ボタン700が操作されていないと判別された場合には(S1341:No)、この処理を終了する。
このように、シャッター用ボタン700を遊技者が操作することで、その時のシャッター部材710の状態に合わせて、パスワードを入力する画面か、パスワードが設定する画面のどちらか一方が自動的に設定されるので、遊技者が分かり易く遊技を行うことができる。
次に、図42を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図40、S1300)の一処理であるシャッター設定処理(S1350)について説明する。図42は、このシャッター設定処理(S1350)を示すフローチャートである。シャッター設定処理(図42、S1350)は、枠ボタン22の操作に基づいて、パスワードの入力画面または設定画面のカーソル等を移動させて、パスワードが設定または入力されたことに基づいて、シャッター部材710のロックまたはロック解除を実行するための処理である。
シャッター設定処理(図42、S1350)では、まず、シャッターパスワード入力画面(図5(b)参照)または、シャッターパスワード設定画面(図5(a))が第3図柄表示装置81に表示されているか判別される(S1351)。シャッターパスワード入力画面またはシャッターパスワード設定画面が表示されていると判別された場合には(S1352:Yes)、枠ボタン22が操作されたか判別される(S1352)。枠ボタン22が操作されたと判別された場合には(S1352:Yes)、決定ボタン22a以外のボタンが操作されたか判別される(S1353)。
決定ボタン22a以外のボタンが操作されたと判別された場合には(S1353:Yes)、上方向ボタン22bが操作されたか判別される(S1354)。上方向ボタン22bが操作されたと判別された場合には(S1354:Yes)、シャッターパスワード入力画面またはシャッターパスワード設定画面に表示されているカーソルで指定されている桁の数字指定背景を上に1つ上げる表示用上方向コマンドが設定される(S1355)。
一方、上方向ボタン22b以外が操作されたと判別された場合には(S1354:No)、下方向ボタン22dが操作されたか判別する(S1356)。下方向ボタン22dが操作されたと判別した場合には(S1356:Yes)、シャッターパスワード入力画面またはシャッターパスワード設定画面に表示されているカーソルで指定されている桁の数字指定背景を下に1つ下げる表示用下方向コマンドが設定される(S1357)。一方、下方向ボタン22d以外が操作されたと判別された場合には(S1356:No)、右方向ボタン22eが操作されたか判別される(S1358)。
右方向ボタン22eが操作されたと判別された場合には(S1358:Yes)、パスワード入力画面またはパスワード設定画面に表示されているカーソルをカーソルが表示されている桁の1つ右隣の桁に移動させる表示用右方向コマンドが設定される(S1359)。一方、右方向ボタン22e以外が操作されたと判別した場合には(S1358:No)、左方向ボタン22cが操作されたと判別して、シャッターパスワード入力画面またはシャッターパスワード設定画面に表示されているカーソルをカーソルが表示されている桁の1つ左隣の桁に移動させる表示用左方向コマンドが設定される(S1360)。
一方、決定ボタン22aが操作されたと判別された場合には(S1353:No)、シャッター処理が実行される(S1370)。シャッター処理(S1370)については、図43を参照して、詳細を後述するが、シャッターパスワード設定画面またはシャッターパスワード入力画面において、設定または入力されたパスワードに対して、パスワードを設定して、シャッター部材710を閉位置でロック(固定)したり、入力されたパスワードと設定されているパスワードを照合して、一致していれば、シャッター部材710のロックを解除する処理が実行される。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるシャッター処理(S1370)について説明する。図43は、このシャッター処理(S1370)を示したフローチャートである。このシャッター処理(S1370)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるシャッター設定処理(図42、S1350)の中で実行され、シャッター部材710のロックまたはロック解除を行うための処理を実行する。
シャッター処理(S1370)では、まず、表示されている画面はパスワードを新たに設定するためのシャッターパスワード設定画面であるか(即ち、シャッターパスワード記憶エリア223pにパスワードが設定されていないか)が判別される(S1371)。表示されているのはシャッターパスワード設定画面であると判別された場合には(S1371:Yes)、入力されたパスワードが正常なパスワードであるか判別される(S1372)。ここで、正常なパスワードとは、ノイズ等により、実際にはない数字が混じっている(本実施形態では、1から5以外の数字)場合や、桁数が足りない等のパスワードの場合が考えられる。
正常なパスワードであると判別された場合には(S1372:Yes)、入力されたパスワードをシャッターパスワード記憶エリア223pに記憶(セット)する(S1373)。ロックモータ900を閉鎖位置(本実施形態では、開位置より右方向に90度回動した位置)へ動作させる信号が設定される(S1374)。
一方、入力されたパスワードが異常であると判別された場合には(S1372:No)、第3図柄表示装置81に「もう一度パスワードを入力してください」という文字を表示させる表示用エラーコマンドがセットされる(S1375)。
一方、表示されているのが、シャッターパスワード入力画面である(即ち、シャッターパスワード記憶エリア223pにパスワードが記憶されている)と判別された場合には(S1371:No)、今回、入力されたパスワードはシャッターパスワード記憶エリア223pに記憶されているパスワードを一致するか判別される(S1376)。パスワードが照合の結果一致すると判別された場合には(S1376:Yes)、ロックモータ900がシャッター部材710のロックを解除させる解除位置へロック規制部材900aを移動させるための信号が設定される(本実施形態では、ロック位置から右方向に90度回動した位置)(S1377)。シャッターパスワード記憶エリア223pが初期値(本実施形態では、0)にリセットされる(S1378)。
一方、入力されたパスワードとシャッターパスワード記憶エリア223pに記憶されているパスワードが一致しないと判別された場合には(S1376:No)、第3図柄表示装置81に「パスワードが一致しません」という文字を表示させる表示用不一致エラーコマンドが設定される(S1379)。
このように、パスワードが設定されることで、シャッター部材710が閉位置でロックすることができる。よって、遊技者は、シャッター部材710を閉位置までスライドさせた後、シャッターパスワード設定画面によりパスワードを設定することにより、シャッター部材710のスライドを禁止させて、シャッター部材710をロックすることができる。一方、シャッター部材710がロックされた状態で、シャッター用ボタン700が操作されることにより、シャッターパスワード入力画面を表示させて、シャッターパスワード設定画面で設定したのと同一のパスワードを入力することで、シャッター部材710のロックを解除することができる。よって、容易な操作で、シャッター部材710をロックまたはロック解除することができる。また、パスワードは、一度、ロック解除されるとリセットされるので、遊技者が交代しても、前の遊技者が設定したパスワードが残っていることがなく、戸惑わずに、パスワードを使用してロックまたはロック解除の操作を行うことができる。
なお、本実施形態では、一度、パスワードによりシャッター部材710がロックされると、設定したパスワードが入力されるか、RAM223の初期化処理が実行されるまで、ロックが維持される構成としたが、それに限らず、所定時間経過すると、自動的にロックが解除される構成としてもよいし、所定時間を経過すると、第3図柄表示装置81や音声出力装置226によりロックされた状態であることを示す報知をするように構成してもよい。このように構成することで、いたずらに、シャッター部材710がロックされた状態で放置された場合にも、所定時間(例えば3時間)が経過した時点で、自動的に解除されたり、報知がされることで、遊技店の店員によるRAM223の初期処理等によって、正常な状態復帰させることができる。
また、本実施形態では、シャッター部材710は遊技者がスライド操作する構成としたがこれに限らず、パスワードが設定されたり、シャッター用ボタンが押されることにより、自動的に閉位置に可動するように構成してもよい。このように構成することで、シャッター部材710を閉位置にスライドし忘れて、パスワードを設定しようとする不具合を防止できる。また、シャッター用ボタン700を操作することで、自動的に、シャッター部材710のロックがパスワード等必要とせずにロックされるように構成してもよい。このような場合、ロックの解除には、遊技店の店員を呼んだり、ロック解除を指紋認証等で行うように構成してもよい。
また、本実施形態では、返却ボタン42、球貸しボタン43の双方をシャッター部材710で覆う構成としたが、返却ボタン42のみ、球貸しボタン43のみのどちらか一方を覆うように構成してもよい。また、返却ボタン42と球貸しボタン43とにそれぞれ専用のシャッターを設けて、個別にロックできるように構成してもよい。
本実施形態では、シャッター部材710をロックするためにパスワードを用いたが、これに限らず、指紋認証でもよいし、音声認識でもよいし、パチンコ機10側が強制的にパスワードや2次元コードを発行して、遊技者がそれをメモまたは携帯電話等で撮影して管理するように構成しても良いし、パチンコ機10が専用のICカード等を発行するようにこうせいしてもよい。このように構成することで、パスワードを遊技者が忘れてしまう不具合がなく、容易に返却ボタン42や球貸しボタン43をロックすることができる。
次に、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、カード読取ユニット300が残高表示器41の第1LED41a、第2LED41b、第3LED41cの各セグメントを点灯させる信号をそれぞれ抽出することにより、カード読取ユニット300に挿入されたカードの残高情報を判別するように構成した。それに対して、第3実施形態では、残高表示器41の第1LED41a、第2LED41b、第3LED41cのそれぞれの光量を検出して、その検出した光量に基づいて、残高表示器41に表示されている残高情報を検出する構成である点で相違する。その他の構成については、同一である。
残高表示器41の各LEDの光量を検出する構成としては、残高表示器41の残高表示面に極小の光量を検出可能な光検出センサーをそれぞれのLEDに対して配置する。また、それだけに限らず、残高表示器41の残高が表示される残高表示面の周囲に部分的、または全周に起立した壁部を設けて、その壁部に光量を検出可能な光検出センサーを各LEDに向けて配置してもよい。また、各LEDが配置される基板を透過性のある基板で構成して、その基板の背面側に各LEDの光量を検出する光検出センサーを設けるように構成してもよい。
また、光検出センサーは、各LED毎に設けるように構成したが、それに限らず、かくLEDの各セグメント毎に対応させて設けるように構成してもよい。このように構成することで、より正確に残高表示器41に点灯されて表示されている残高表示を検出することができる。また、光検出センサーは、第1LED41a、第2LED41b、第3LED41cが点灯する合計の光量を検出するように配置してもよい。このように構成することで、光検出センサーの数を少なくすることができ、配線の本数等を少なく構成することができる。
主制御装置110は、この光検出センサーが検出した光量を光量信号として、払出制御装置111を介して受信する。主制御装置110のMPU201は、その受信した光量信号に基づいて、その光量信号が示す光量に対応する表示情報データを判別する。この判別の方法は、各光検出センサーが検出したそれぞれの光量の組み合わせに対して、表示情報が対応付けて記憶された、表示情報対応テーブルを主制御装置110のROM202に設定しておき、その表示情報対応テーブルより光量に対応する表示情報を選択してカード残高を判別する。
このように構成することで、残高表示器41と主制御装置110を電気的に接続しなくとも、残高表示器41に表示されている表示情報を主制御装置110のMPU201が識別することができる。よって、カード読取ユニット300から主制御装置110に対して不正な信号が送信されるのを防止できる。また、パチンコ機10側よりカード読取ユニット300に対して、不正な信号が送られるのも防止できる。
なお、本実施形態では、光量を検出する光検出センサーを用いるように構成したが、残高表示器41に表示されている残高表示を画像認識する撮像手段等を用いて、残高情報を取得するように構成してもよい。このような場合には、残高表示器41の表示を遊技者が視認する際の妨げとならないように、各LEDが配置されている基板の対面側の各LEDと重ならない位置に斜めに傾斜しミラーを設けて、そのミラーに映しだされた残高表示を各LED基板側より撮像する(取り込む)ように構成するとよい。また、残高表示器41の各LEDを透過性のある基板に配置して、各LED基板の背面側より残高表示を撮像する(取り込む)ように構成してもよい。
次に、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、カード読取ユニット300に挿入されているカード残高を判別して、その残高をパチンコ機10で報知する場合について説明した。それに対して、第4実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223に従カード情報記憶エリア223eに記憶されるカード残高の減少額を投資合計額として記憶する投資額記憶エリアを設けて、その投資額記憶エリアの値に基づいて遊技者に遊技履歴情報等を与える制御を行う点で第1実施形態と相違する。その他の点については、第1実施形態と同一の構成であるのでその説明を省略する。
まず、第4実施形態のパチンコ機10における特徴的な構成について説明する。待ち受け画面において、パチンコ機10の前面枠14の枠ボタン22の決定ボタン22aを操作するとメニュー画面が表示されて、遊技履歴情報を管理するためのパスワードを入力する画面が選択可能となっている。このパスワードは、遊技者が携帯電話等を用いて特定のホームページに会員登録することにより、その遊技者の情報がサーバーに記憶され、そのサーバーに記憶されている遊技者の情報に基づいて発行されるパスワードである。
サーバーに記憶される情報としては、大当たり回数や特定のリーチや特定の遊技状態(確変連続回数やプレミアキャラクターが第3図柄表示装置81に表示された回数等)や、投資額の合計や、払い出された遊技球の合計、投資額と払い出された遊技球に基づく収支や、遊技で付与されるポイントの合計等が記憶される。
そのサーバーに記憶される情報により、遊技者がアクセスするホームページで得られる特典が変わったり、パスワードを遊技機に入力することで、通常とは異なる態様(音声や音楽、表示されるキャラクタの種類等)が変化する。具体的には、所定の大当たり回数に到達すると、それまで得られなかった携帯電話の待ち受け画面に表示される壁紙や、携帯電話の着信音等がダウンロードできるようになったり、大当たり中に第3図柄表示装置81で表示されるキャラクタや画像、音楽等が通常とは異なる態様で行われたりするようになる。
ホームページの会員専用画面で発行されたパスワードをパチンコ機10に入力すると、サーバーに記憶されている各種情報をパチンコ機10で判別できるように構成されている。具体的には、サーバーに記憶されている情報に対して、対応するパスワードが予め設定されており、音声ランプ制御装置113のMPU221は、パスワードが入力されるとその対応するデータがROM223より読み出されて設定される。そして、遊技が行われると、その遊技における各種情報(大当たり回数や特定のリーチや特定の遊技状態(確変連続回数やプレミアキャラクターが第3図柄表示装置81に表示された回数等)がパスワードにより読み込まれたデータに加算または更新されて記憶される。
遊技者が遊技を終える際に、枠ボタン22の決定ボタン22aを操作することで、メニュー画面を表示させて、2次元コードの発行を選択することで、今回の遊技で更新された各種情報(大当たり回数や特定のリーチや特定の遊技状態(確変連続回数やプレミアキャラクターが第3図柄表示装置81に表示された回数等)に基づいて、2次元コードが生成される処理が実行され、第3図柄表示装置81にその生成された2次元コードが表示される。遊技者は、その2次元コードを携帯電話のカメラ機能を利用して取り込み、2次元コードが示すホームページの会員専用ページにアクセスすることで、サーバーに今回行った遊技で新たに更新された各種情報が記憶される。
ここで、パチンコ機10では、遊技者の投資額の合計や、これまでの収支等を識別することができるので、その投資額や収支等に基づいて、選択される特別図柄の変動パターンが変更される。具体的には、投資額が多い遊技者に対しては、大当たりとなる特別図柄の変動パターンを選択する場合には、通常時(投資金額が少ない時)には、選択される確率が低いプレミアムリーチの選択確率が高く設定される。これにより、投資額の多い遊技者、即ち、遊技時間の長い遊技者に対しては、プレミアムリーチが選択されやすくなり、パチンコ機10で設定されている特別図柄の変動パターンの種類すべてを見ることができ易く構成されている。
また、大当たりした場合に、収支情報を第3図柄表示装置81に表示することで、これまでの収支を確認することができ、連続して後何回、確変状態が継続すれば収支がプラスとなるかを確認することができる。よって、遊技者が目標を持って遊技を行うことができ、目標を達成した場合にはその喜びを得ることができる。従って、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうのを防止できる。
また、遊技球の発射を検知するために、音声ランプ制御装置113のMPU221がハンドルセンサー510がオンになっている時間を計測している。なお、本実施形態では、1分間に100発の遊技球が発射されるように構成されているので、計測した時間に基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221が発射個数を算出する。なお、遊技球が発射されていないにもかかわらず、ハンドルセンサー510がオンとなっている場合を計測時間に含めないために、ハンドルセンサー510がオンであるのに所定時間の間(例えば、10秒)、第2入球口67に遊技球が通過しない場合には、計測を止めることで、より正確な発射個数を算出することができる。この場合、第2入球口67に遊技球が通過した場合に、再度、計測を再開すればよい。
このように、遊技球の発射を検知することで、球貸しによる遊技球で遊技を行っているのか、球貸しを行わず、大当たり等で得た持ち球で遊技を行っているのかを、投資額の時間変化によって判別することができる。持ち球で遊技を行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81にカード返却の操作をするように返却ボタン42を操作することを示す報知態様が表示される。このように構成することで、遊技者がカード返却42の操作をすることを忘れて、カード読取ユニット300にカードが挿入されたままで帰宅してしまうのを防止できる。よって、カードの盗難やカード情報の悪用(無断で球貸し操作が行われる等)の被害を抑制できる。
また、この持ち球で遊技を行っている場合には、これまでの遊技の状態(大当たりした後か、これまでに(その日に)払い出した遊技球と発射した遊技球との差球等の状態)により持ち球で遊技を行うことが可能であるか判別して、持ち球で遊技を行う事ができない状態(即ち、大当たりした後でない場合や、差球が発射した個数の方が多い場合等の状態)である場合には、外部端子(図示せず)を介してホールコンピュータ等にエラーコマンドを出力することで、遊技店側がパチンコ機10の状態を確認できる。よって、店外より遊技球を不正に持ち込まれて遊技された場合にも、その不正を早期に発見することができる。従って、遊技店の損害を低減させることができる。
なお、本実施形態では、ハンドルセンサー510がオンしている時間を計測することにより、遊技球が発射されている時間を判別したが、それに限らず、遊技板13に球発射ユニット112aより発射された遊技球を検出するセンサーを設けることにより計数するように構成してもよいし、球発射ユニット112aに供給された遊技球の数を検出して計数するように構成してもよい。
なお、第1実施形態から第4実施形態までの構成を適宜、組み合わせてもよい。
以下に、本発明のスロットマシン及び遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技機外部に設けられて、遊技機に対して遊技媒体の貸出を要求する外部装置が記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだことに基づいて出力する外部信号を受信する外部信号受信手段と、その外部信号受信手段が受信した外部信号に基づいて、制御される外部制御手段と、を有した遊技機において、前記外部装置より前記外部信号受信手段に出力される外部信号を抽出する信号抽出手段と、その信号抽出手段が抽出した外部信号に基づいて、前記外部装置が前記記憶媒体を読み込んだかを判別する記憶媒体判別手段と、遊技の主な制御を実効する制御手段が前記記憶媒体判別手段の判別結果により出力する報知信号に基づいて、遊技者に前記記憶媒体に関する情報を遊技者に報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機外部に設けられて、遊技機に対して遊技媒体の貸出を要求する外部装置が記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだことに基づいて出力する外部信号が外部信号受信手段により受信される。その外部信号受信手段が受信した外部信号に基づいて、外部制御手段が制御される。外部装置より外部信号受信手段に出力される外部信号が信号抽出手段により抽出される。その信号抽出手段が抽出した外部信号に基づいて、外部装置が前記記憶媒体を読み込んだかが記憶媒体判別手段により判別される。遊技の主な制御を実行する制御手段が記憶媒体判別手段の判別結果により出力する報知信号に基づいて、遊技者に記憶媒体に関する情報が報知手段により遊技者に報知される。これにより、遊技者は、記憶媒体に関する情報に基づいて、外部装置が読み込んでいる記憶媒体があるか否かを判別することができる。よって、遊技者が、外部装置に記憶媒体を読み込ませていることを忘れてしまう不具合を抑制できる。従って、遊技者が、記憶媒体を読み込ませているまま、帰宅してしまい、記憶媒体や記憶媒体に記憶されている有価価値情報に対して盗難されてしまう被害を低減させることができる。
遊技機A1の遊技機において、前記外部装置が読み込んだ前記記憶媒体の有価価値情報に基づく表示態様が前記外部装置により表示制御される有価表示手段を有し、前記信号抽出手段は、その有価表示手段を表示制御するために前記外部装置より出力される外部表示制御信号を抽出するものであり、前記記憶媒体判別手段は、前記信号抽出手段が抽出した外部表示制御信号に基づいて、前記外部装置が読み込んでいる前記記憶媒体の有価価値情報を判別するものであり、前記報知手段は、前記記憶媒体判別手段の判別結果に基づいて、遊技者に前記記憶媒体の有価価値情報に基づいた情報を遊技者に報知するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、請求項1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、外部装置が読み込んだ記憶媒体の有価価値情報に基づく表示態様が前記外部装置により有価表示手段により表示制御される。その有価表示手段を表示制御するために外部装置より出力される外部表示制御信号が信号抽出手段により抽出される。その信号抽出手段が抽出した外部表示制御信号に基づいて、外部装置が読み込んでいる前記記憶媒体の有価価値情報が記憶媒体判別手段により判別される。その判別結果に基づいて、遊技者に記憶媒体の有価価値情報に基づいた情報が遊技者に報知手段により報知される。これにより、有価表示手段に表示される有価価値情報を判別して、その有価価値情報に基づく報知をすることができる。よって、外部装置に読み込まれている記憶媒体についてより正確な情報を報知できる。従って、遊技者が外部装置に記憶媒体を読み込ませていることを忘れてしまう不具合を抑制できる。
遊技機A1または遊技機A2の遊技機において、前記有価表示手段は、複数の発光セグメントを組み合わせて表示することで所定の情報を表示可能に構成されたものであり、前記外部表示制御信号は、前記複数の発光セグメント毎に対して、それぞれ出力されるものであり、前記信号抽出手段は、前記それぞれの発光セグメントに対応して出力される前記表示制御信号をそれぞれ外部表示制御信号として抽出するものであり、前記記憶媒体判別手段は、抽出したそれぞれの外部表示制御信号を組み合わせることにより、前記記憶媒体の有価価値情報を判別するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1または遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の発光セグメントを組み合わせて表示することで所定の情報が有価表示手段に表示される。また、複数の発光セグメント毎に対して、それぞれ表示制御信号が出力される。それぞれの発光セグメントに対応する表示制御信号がそれぞれ外部表示制御信号として信号抽出手段により抽出される。その抽出したそれぞれの外部表示制御信号を組み合わせることにより、前記記憶媒体の有価価値情報が記憶媒体判別手段により判別される。これにより、有価表示手段で表示される表示内容を正確に判別できる。よって、遊技者に外部装置に読み込まれている記憶媒体の有価価値情報に対して、より正確な情報を報知できる。従って、遊技者が記憶媒体を外部装置に読み込ませていることを忘れてしまうことを抑制できる。
遊技機A1からA3のいずれかの遊技機において、前記信号抽出手段は、前記外部信号が入力されることで発光する発光素子と、その発光素子の発光を受光することにより信号を出力する受光素子と、で少なくとも構成されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1から遊技機A3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。外部信号が入力されることにより発光する発光素子と、その発光素子の発光を受光することにより信号を出力する受光素子とで少なくとも信号抽出手段は構成されている。これにより、遊技機側からは、発光素子を発光させることができないので、遊技機側より不正な信号を外部装置に対して出力させる不正を抑制できる。よって、不正に外部装置に対して、貸出信号を出力させる不正を防止できる。従って、不正による被害を低減できる。
遊技機A1から遊技機A3のいずれかの遊技機において、前記信号抽出手段は、前記外部信号が出力されることで変化する磁界を検出する磁界検出手段で少なくとも構成されているものであることを特徴とするの遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1から遊技機A3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。外部信号が出力されることで変化する磁界を検出する磁界検出手段で信号抽出手段は少なくとも構成されている。これにより、遊技機側から外部装置に対して、直接信号を出力することができないので、外部装置に対して不正な信号が出力される不正を抑制できる。
記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に基づいた遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号を受信して遊技媒体を払い出す遊技機において、遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて、前記外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、前記記憶媒体の有価価値情報の読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号を前記外部装置に対して出力する操作信号出力手段と、前記操作手段の操作部が操作されていない場合にも、所定の契機の成立に基づいて、前記操作信号出力手段に対して、リターン信号を出力させる強制リターン制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に基づいた遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に基づいて遊技媒体が払い出される。遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段が操作されることに基づいて、外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却させる返却処理、または、記憶媒体の有価価値情報の読み込みが解除する解除処理が外部装置に対して操作信号出力手段によりリターン信号が出力されることにより実行される。操作手段の操作部が操作されていない場合にも、所定の契機の成立に基づいて、操作信号出力手段に対して、リターン信号が強制リターン制御手段により出力される。これにより、遊技機側からの制御により外部装置に対して、外部装置に読み込まれている記憶媒体を返却、または、読み込んだ有価価値情報を解除することができる。よって、遊技者が記憶媒体の返却処理や、有価価値情報の解除処理を実行する操作を忘れてしまうことにより、記憶媒体の盗難や有価価値情報の悪用による遊技者の被害を低減できる。
遊技機B1において、当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を識別可能な識別情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段に当否判定結果が当たりであることを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記強制リターン制御手段は、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、前記リターン信号を前記操作信号出力手段に出力させるものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定結果を識別可能な識別情報が表示制御手段により表示手段に表示される。表示手段に当否判定結果が当たりであることを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。そして、当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、リターン信号が強制リターン制御手段により前記操作信号出力手段から出力される。これにより、特典遊技が実行されることに基づいて、外部装置に読み込まれている記憶媒体を返却または有価価値情報の読み込みを解除することができる。よって、記憶媒体や有価価値情報を特典遊技中に遊技者が意識する必要がなくなり、特典遊技に集中することができる。従って、特典遊技が実行されることで、外部装置に記憶媒体の有価価値情報を読み込ませていたことを忘れてしまい、返却処理や解除処理を忘れてしまうことを防止できる。従って、記憶媒体の盗難や、有価価値情報の悪用による遊技者の被害を低減できる。
遊技機B2において、前記当否判定条件が成立した場合に、その成立した当否判定条件に対応する当否判定の識別情報を表示する開始条件が成立するまでの間、その成立した当否判定条件を記憶する当否判定記憶手段と、その当否判定記憶手段に記憶された当否判定条件に対応する当否判定結果を前記開始条件が成立するよりも前に判定する事前当否判定手段と、を有し、前記強制リターン制御手段は、前記事前当否判定手段が当たりであると判定したことに基づいて、前記リターン信号を前記操作信号出力手段に出力させるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1または遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定条件が成立した場合に、その成立した当否判定条件に対応する当否判定の識別情報を表示する開始条件が成立するまでの間、その成立した当否判定条件が当否判定記憶手段により記憶される。その記憶された当否判定条件に対応する当否判定結果が開始条件が成立するよりも前に事前当否判定手段により判定される。その事前当否判定手段が当たりであると判定したことに基づいて、リターン信号が強制リターン制御手段により前記操作信号出力手段から出力される。これにより、当否判定結果を示す識別情報が表示手段に表示されるよりも前に、外部装置で返却処理または解除処理が実行されることで、当否判定結果を遊技者に事前に報知することができる。よって、遊技中に外部装置において、返却処理または解除処理が実行されないかと期待して、遊技者に遊技させることができる。よって、遊技者が外部装置に記憶媒体を読み込ませていることを忘れてしまうことを防止できる。
遊技機外部に設けられた外部装置に読み込まれた記憶媒体の有価価値情報に基づく情報が前記外部装置により表示制御される有価表示手段と、前記外部装置が読み込んだ有価価値情報に対応する所定の遊技媒体を遊技機に貸出を要求する貸出要求信号を受信したことに基づいて、遊技者に所定の遊技媒体を払い出す払出手段と、を有する遊技機において、前記外部装置より前記有価表示手段に出力される表示制御信号を抽出する信号抽出手段と、その信号抽出手段が抽出した信号に基づいて、外部装置に読み込まれた記憶媒体の有価価値情報を判別する有価判別手段と、その有価判別手段により判別された有価価値情報に関する判別情報を報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機外部に設けられた外部装置に読み込まれた記憶媒体の有価価値情報に基づく情報が前記外部装置により有価表示手段に表示される。外部装置が読み込んだ有価価値情報に対応する所定の遊技媒体を遊技機に貸出を要求する貸出要求信号を受信したことに基づいて、遊技者に所定の遊技媒体が払出手段により払い出される。外部装置より前記有価表示手段に出力される表示制御信号が信号抽出手段により抽出される。その抽出した信号に基づいて、外部装置に読み込まれた記憶媒体の有価価値情報が有価判別手段により判別される。その判別された有価価値情報に関する判別情報が報報知手段により報知される。これにより、有価表示手段を表示させる信号を抽出することにより、記憶媒体の有価価値情報を判別することができる。よって、その判別した有価価値情報に関する判別情報を報知手段により報知することで、遊技者に詳細な有価価値情報を報知することができる。従って、遊技者に外部装置に記憶媒体の有価価値情報を読み込ませている状態であることを認識させることで、記憶媒体の返却処理や有価価値情報の解除処理を実行させることを忘れてしまうのを防止できる。従って、遊技者が記憶媒体を盗難されたり、有価価値情報を悪用されたりする被害に遭うことを抑制できる。
遊技機C1において、前記有価表示手段は、前記有価価値情報に基づく情報として、前記記憶媒体に記憶されている有価価値情報に対応する残り残高情報が表示が表示され、前記所定の遊技媒体の払い出しが行われる毎に、それに対応する有価価値が消費されて更新された有価価値情報に対応する残り残高情報が更新されて表示されるものであり、前記報知手段は、前記有価表示手段に表示される残り残高情報を前記判別情報として報知するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有価価値情報に基づく情報として、記憶媒体に記憶されている有価価値情報に対応する残り残高情報が表示が表示され、所定の遊技媒体の払い出しが行われる毎に、それに対応する有価価値が消費されて更新された有価価値情報に対応する残り残高情報が更新されて有価表示手段に表示される。その有価表示手段に表示される残り残高情報が判別情報として報知手段により報知される。これにより、遊技者に記憶媒体の残り残高について報知することで、より外部装置に記憶媒体の有価価値情報を読み込ませていることを認識できる。よって、遊技者が記憶媒体に残り残高があるにも関わらず、残り残高がないと誤って判断して、返却処理や解除処理を実行させずに遊技を止めてしまうのを防止できるという効果がある。
遊技機C2において、前記報知手段は、前記残り残高情報に基づいた表示態様を表示可能な表示手段を有し、前記有価判別手段により残り残高情報が予め定められた設定値以下であると判別された場合には、通常表示態様で前記残り残高情報に基づいた表示態様を前記表示手段に表示する一方、残り残高情報が予め定められた設定値よりも多いと判別された場合には、前記通常表示態様とは異なる特別表示態様でその残り残高情報に基づいた表示態様を前記表示手段に表示するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知手段では、残り残高情報に基づいた表示態様が表示手段により表示される。また、有価判別手段により残り残高情報が予め定められた設定値以下であると判別された場合には、通常表示態様で前記残り残高情報に基づいた表示態様が表示手段に表示される。また、残り残高情報が予め定められた設定値よりも多いと判別された場合には、通常表示態様とは異なる特別表示態様でその残り残高情報に基づいた表示態様が表示手段に表示される。これにより、残り残高が設定値よりも多い場合に、通常時と異なる表示態様で表示されるので、残り残高が多くあることを遊技者に強く認識させることができる。よって、残り残高が多く残っている状態で、返却処理や解除処理を遊技者が忘れてしまい、遊技者に多大な損失をさせてしまうのを防止できる。
遊技機C1から遊技機C3のいずれかにおいて、当否判定条件の成立に基づいて、当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を遊技者に報知する識別情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段により当否判定結果が当たりであることを示す識別情報が表示手段に表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記報知手段は、前記特典遊技実行手段により特典遊技が実行されることが決定された場合には、その特典遊技が開始されることに基づいて、外部装置の記憶媒体を返却させる返却処理または読み込まれている記憶媒体の有価価値情報を解除する解除処理を実行させる操作を遊技者に実行させることを報知するリターン報知態様を報知するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1から遊技機3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。当否判定条件の成立に基づいて、当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定結果を遊技者に報知する識別情報が表示制御手段により表示手段に表示される。表示制御手段により当否判定結果が当たりであることを示す識別情報が表示手段に表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。特典遊技実行手段により特典遊技が実行されることが決定された場合には、その特典遊技が開始されることに基づいて、外部装置の記憶媒体を返却させる返却処理または読み込まれている記憶媒体の有価価値情報を解除する解除処理を実行させる操作を遊技者に実行させることを報知するリターン報知態様が報知手段により報知される。これにより、特典遊技が開始されることに基づいて、返却処理または解除処理を遊技者に実行させるように報知することができるので、遊技者が特典遊技を実行している間に、外部装置に記憶媒体の有価価値情報を読み込ませている状態であることを忘れてしまう不具合を防止できる。よって、記憶媒体が盗難されたり、有価価値情報が悪用されてしまう不具合を抑制できる。
記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体を払い出す払出手段と、前記外部装置が前記記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだ状態である場合に、遊技機に対して出力する所定の外部制御信号を受信する外部受信手段と、を有する遊技機において、前記外部制御信号を抽出する外部信号抽出手段と、その外部信号抽出手段により抽出された抽出外部信号に基づいて、前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であるかを判別する外部判別手段と、遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて、前記外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、前記記憶媒体の有価価値情報の読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号を前記外部装置に対して出力する操作信号出力手段と、前記操作手段が操作されたか否かを判定する操作判定手段と、前記外部判別手段により前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別されていることを条件に、遊技者に前記操作手段を操作するように報知する操作報知態様を報知する報知手段と、その報知手段により前記操作報知態様が報知されている場合に、前記操作判定手段により前記操作手段が操作されたと判定されたことに基づいて、前記報知手段に前記操作報知態様とは異なる特定の報知態様に切り替える報知切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に基づいて遊技機に対して出力される遊技媒体の貸出を要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体が払出手段により払い出される。外部装置が前記記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだ状態である場合に、遊技機に対して出力する所定の外部制御信号が外部受信手段により受信される。その外部制御信号が外部信号抽出手段により抽出される。その抽出された抽出外部信号に基づいて、外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であるかが外部判別手段により判別される。また、遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段が操作されることに基づいて、外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、記憶媒体の有価価値情報の読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号が前記外部装置に対して操作信号出力手段により出力される。また、操作手段が操作されたか否かが操作判定手段により判定される。外部判別手段により外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別されていることを条件に、遊技者に操作手段を操作するように報知する操作報知態様が報知手段により報知される。その報知手段により操作報知態様が報知されている場合に、操作判定手段により操作手段が操作されたと判定されたことに基づいて、報知手段に操作報知態様とは異なる特定の報知態様に報知切替手段により切り替えられる。これにより、遊技者が操作手段を操作すると特定の報知態様が報知されるので、遊技者は操作手段が正常に作動したことを容易に判別することができる。よって、特定の報知態様により、外部装置が返却処理または解除処理を正常に実行したかを確認することを忘れるのを防止できる。従って、記憶媒体の盗難や有価価値情報が悪用による遊技者の被害を低減させることができる。
遊技機D1において、前記操作部が操作されたことに基づいて出力されるリターン信号を抽出するリターン信号抽出手段を有し、前記操作判定手段は、前記リターン信号抽出手段により抽出された抽出リターン信号に基づいて、前記操作手段が遊技者に操作されたかを判定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作部が操作されたことに基づいて出力されるリターン信号がリターン信号抽出手段により抽出される。その抽出された抽出リターン信号に基づいて、操作手段が遊技者に操作されたかが操作判定手段により判定される。これにより、遊技者が操作手段を操作したかを正確に認識できる。よって、操作手段が操作されたタイミングに基づいて、特定の報知態様で遊技者に報知することができる。従って、遊技者が操作手段を操作したことを確認でき、外部装置の処理を忘れずに確認することができる。
遊技機D1または遊技機D2において、前記外部装置に読み込まれた前記記憶媒体の有価価値情報が示す残高情報を前記受信手段が受信した外部制御信号に基づいて表示する有価表示手段を有し、前記外部判別手段は、前記外部抽出手段により抽出された抽出外部信号に基づいて、残高情報を判別可能に構成され、前記操作判定手段は、前記外部判別手段により残高情報が所定の最低残高を経由せずになくなったと判別された場合に、前記操作手段が操作されたと判定するものであることを特徴とするの遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1または遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、外部装置に読み込まれた記憶媒体の有価価値情報が示す残高情報が受信手段が受信した外部制御信号に基づいて有価表示手段に表示される。抽出外部信号に基づいて、残高情報が外部判別手段により判別される。その外部判別手段により残高情報が所定の最低残高を経由せずになくなったと判別された場合に、操作手段が操作されたと操作判定手段により判定される。これにより、操作手段の操作を検知しなくとも、操作手段が遊技者に操作されたことを判定することができる。よって、遊技機をより簡易な構成で構成できる。
遊技機D1から遊技機D3のいずれかにおいて、当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を識別可能な識別情報を前記報知手段の1つである表示手段に表示させる表示制御手段と、その表示制御手段により表示される識別情報の動的表示態様を前記当否判定手段に当否判定結果に基づいて決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に当たりを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記動的表示態様決定手段は、前記当否判定結果が当たりであり、前記外部判別手段により前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別されたことに基づいて、前記操作手段を操作するように遊技者に報知する操作報知態様を含む動的表示態様であるリターン動的表示態様を決定するものであり、前記報知切替手段は、前記操作報知態様が表示されている場合に、前記操作判定手段により前記操作手段が操作されたと判定されることに基づいて、前記当たりを示す識別情報を報知する表示態様に切り替えるものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1から遊技機D3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定結果を識別可能な識別情報が報知手段の1つである表示手段に表示制御手段により表示される。その表示制御手段により表示される識別情報の動的表示態様が当否判定手段に当否判定結果に基づいて動的表示態様決定手段により決定される。表示手段に当たりを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定結果が当たりであり、外部判別手段により外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別されたことに基づいて、操作手段を操作するように遊技者に報知する操作報知態様を含む動的表示態様であるリターン動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。操作報知態様が表示されている場合に、操作判定手段により操作手段が操作されたと判定されることに基づいて、当たりを示す識別情報を報知する表示態様に報知切替手段により切り替えられる。これにより、識別情報の動的表示態様が操作手段を操作したことにより当たりを示す識別情報が表示されるので、操作手段を操作する楽しみを遊技者に与えることができる。よって、遊技者は、リターン動的表示態様が決定されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者が操作手段を操作することを忘れてしまうのを防止できる。従って、記憶媒体の盗難や有価価値情報の悪用の被害を低減させることができる。
遊技機D1から遊技機D3のいずれかにおいて、当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を識別可能な識別情報を前記報知手段の1つである表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段に当たりを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記当否判定条件が成立した場合に、その成立した当否判定条件に対応する当否判定の識別情報を表示する開始条件が成立するまでの間、その成立した当否判定条件を記憶する当否判定記憶手段と、その当否判定記憶手段に記憶された当否判定条件に対応する当否判定結果を前記開始条件が成立するよりも前に判定する事前当否判定手段と、を有し、前記報知手段は、前記外部判別手段により前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別された場合に、前記操作判定手段が操作手段が操作されたと判定された場合に、前記事前当否判定手段の判定結果を遊技者に報知するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1から遊技機D3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段の当否判定結果を識別可能な識別情報が報知手段の1つである表示手段に表示制御手段により表示される。表示手段に当たりを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定条件が成立した場合に、その成立した当否判定条件に対応する当否判定の識別情報を表示する開始条件が成立するまでの間、その成立した当否判定条件が当否判定記憶手段により記憶される。その記憶された当否判定条件に対応する当否判定結果を開始条件が成立するよりも前に事前当否判定手段により判定される。外部判別手段により外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別された場合に、操作判定手段が操作手段が操作されたと判定されたことに基づいて、事前当否判定手段の判定結果が報知手段により遊技者に報知される。これにより、操作手段を操作することで、遊技者に特典を与えることができ、遊技者が操作手段を操作する機会を増やすことができる。よって、遊技者が、操作手段を操作することを忘れてしまい、記憶媒体の盗難や有価価値情報の悪用の被害に遭うことを低減させることができる。
記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して出力する遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体を払い出す払出手段と、前記外部装置が前記記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだ状態である場合に、遊技機に対して出力する所定の外部制御信号を受信する外部受信手段と、を有する遊技機において、前記外部制御信号を抽出する外部信号抽出手段と、その外部信号抽出手段により抽出された抽出外部信号に基づいて、前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であるかを判別する外部判別手段と、遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて、前記外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、前記記憶媒体の有価価値情報の読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号を前記外部装置に対して出力する操作信号出力手段と、前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記リターン信号が前記操作信号出力手段により出力される有効状態と、前記リターン信号が前記操作信号出力手段により出力されることを禁止する禁止状態とに所定の条件が成立したことを契機に切り替える切替制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して出力する遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体が払出手段により払い出される。外部装置が記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだ状態である場合に、遊技機に対して出力する所定の外部制御信号が外部受信手段により受信される。その外部制御信号が外部信号抽出手段により抽出される。その抽出された抽出外部信号に基づいて、外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であるかが外部判別手段により判別される。遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段が操作されることに基づいて、外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、記憶媒体の有価価値情報の読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号が操作信号出力手段により外部装置に対して出力される。操作手段が操作されたことに基づいて、リターン信号が操作信号出力手段により出力される有効状態と、リターン信号が前記操作信号出力手段により出力されることを禁止する禁止状態とに所定の条件が成立したことを契機に切替制御手段により切り替えられる。これにより、操作手段が操作されてもリターン信号が出力されない禁止状態に切り替えられることにより、遊技者が返却処理または解除処理を実行させることを忘れてしまった場合にも、盗難の被害に遭うことを防止できる。よって、安心して遊技に集中することができる。
遊技機E1において、前記遊技者の操作に基づいて、識別記号を入力可能な入力手段と、その入力手段により入力された識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、を有し、前記切替制御手段は、前記所定の条件の成立となる前記外部判別手段により前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別されている状態で、前記識別情報記憶手段に前記識別情報が記憶されたことに基づいて、前記有効状態から禁止状態に切り替える一方、前記禁止状態において、前記入力手段により前記識別情報記憶手段に記憶されている識別情報と同一の識別情報が入力されたことに基づいて、前記禁止状態から有効状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者の操作に基づいて、識別記号が入力手段により入力される。その入力された識別情報が識別情報記憶手段により記憶される。所定の条件の成立となる外部判別手段により外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別されている状態で、識別情報記憶手段に識別情報が記憶されたことに基づいて、有効状態から禁止状態に切替制御手段により切り替えられる。一方、禁止状態において、入力手段により識別情報記憶手段に記憶されている識別情報と同一の識別情報が入力されたことに基づいて、禁止状態から有効状態に切替制御手段により切り替えられる。これにより、識別情報に入力により、有効状態と禁止状態に容易に切り替えることができる。よって、容易な操作により、記憶媒体の盗難による被害を防止できる。従って、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
遊技機E1またはE2において、前記切替制御手段により前記有効状態から前記禁止状態に切り替えられたことを契機に、切り替え実行時間を計測する計時手段と、その計時手段が予め定められた設定値以上となった場合に、強制的に有効状態に切り替える強制解除手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、請求項1または2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、切替制御手段により有効状態から禁止状態に切り替えられたことを契機に、切り替え実行時間が計時手段により計測される。その計時手段が予め定められた設定値以上となった場合に、強制的に有効状態に強制解除手段により切り替えられる。これにより、予め設定された時間となると禁止状態を自動的に解除することができる。よって、不正に、禁止状態に設定されたとしても、自動的に有効状態に切り替えられるので、遊技機を通常の状態に戻すことができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記切替制御手段により前記有効状態から前記禁止状態に切り替えられている場合に、禁止状態に設定されていることを示す禁止報知態様を所定の契機に基づいて報知する報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1から遊技機E3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、切替制御手段により有効状態から禁止状態に切り替えられている場合に、禁止状態に設定されていることを示す禁止報知態様が所定の契機に基づいて報知手段により報知される。これにより、禁止報知態様により容易に禁止状態に切り替えられていることを判別できる。よって、不正に禁止状態に切り替えられたまま放置されていた場合には、遊技店側が早期に異常に気づくことができる。よって、遊技機を常に正常な状態に維持することができる。
記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して出力する遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体を払い出す払出手段と、前記外部装置が前記記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだ状態である場合に、遊技機に対して出力する所定の外部制御信号を受信する外部受信手段と、を有する遊技機において、前記外部制御信号を抽出する外部信号抽出手段と、その外部信号抽出手段により抽出された抽出外部信号に基づいて、前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であるかを判別する外部判別手段と、遊技者を検知する遊技者検知手段と、前記外部判別手段により前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別している状態で、前記遊技者検知手段が遊技者を検知していない場合に、遊技者に前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であることを示す報知態様を報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して出力する遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体が払出手段により払い出される。外部装置が記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだ状態である場合に、遊技機に対して出力する所定の外部制御信号が外部受信手段により受信される。その外部制御信号が外部信号抽出手段により抽出される。その抽出された抽出外部信号に基づいて、外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であるかが外部判別手段により判別される。遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段が操作されることに基づいて、外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、記憶媒体の有価価値情報の読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号が操作信号出力手段により外部装置に対して出力される。操作手段が操作されたことに基づいて、リターン信号が操作信号出力手段により出力される有効状態と、リターン信号が前記操作信号出力手段により出力されることを禁止する禁止状態とに所定の条件が成立したことを契機に切替制御手段により切り替えられる。これにより、操作手段が操作されてもリターン信号が出力されない禁止状態に切り替えられることにより、遊技者が返却処理または解除処理を実行させることを忘れてしまった場合にも、盗難の被害に遭うことを防止できる。よって、安心して遊技に集中することができるという効果がある。
記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体を払い出す払出手段と、前記外部装置が前記記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだ状態である場合に、遊技機に対して出力する所定の外部制御信号を受信する外部受信手段と、を有する遊技機において、前記外部制御信号を抽出する外部信号抽出手段と、その外部信号抽出手段により抽出された抽出外部信号に基づいて、前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であるかを判別する外部判別手段と、遊技者により遊技が行われている期間を判別する遊技実行判別手段と、その遊技実行判別手段により所定期間以上、遊技がおこなれていない状態であると判別された場合に、前記外部判別手段により前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別していると、遊技者に前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であることを示す報知態様を報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F2。
請求項2記載の遊技機によれば、遊技者の操作に基づいて、識別記号が入力手段により入力される。その入力された識別情報が識別情報記憶手段により記憶される。所定の条件の成立となる外部判別手段により外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別されている状態で、識別情報記憶手段に識別情報が記憶されたことに基づいて、有効状態から禁止状態に切替制御手段により切り替えられる。一方、禁止状態において、入力手段により識別情報記憶手段に記憶されている識別情報と同一の識別情報が入力されたことに基づいて、禁止状態から有効状態に切替制御手段により切り替えられる。これにより、識別情報に入力により、有効状態と禁止状態に容易に切り替えることができる。よって、容易な操作により、記憶媒体の盗難による被害を防止できる。従って、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体を払い出す払出手段と、その払出手段により遊技者に払い出された遊技球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段に貯留した遊技球を遊技機外部に遊技者の操作により排出する排出手段と、前記外部装置が前記記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んだ状態である場合に、遊技機に対して出力する所定の外部制御信号を受信する外部受信手段と、を有する遊技機において、前記貯留手段に遊技球が貯留されているか判別する貯留判別手段と、前記排出手段により遊技球の排出が実行されたかを判別する排出操作判別手段と、前記外部制御信号を抽出する外部信号抽出手段と、その外部信号抽出手段により抽出された抽出外部信号に基づいて、前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であるかを判別する外部判別手段と、前記排出操作判別手段により排出操作が実行されたと判別され、前記貯留判別手段により遊技球が貯留されていないと判別された場合に、前記外部判別手段により前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であると判別していると、遊技者に前記外部装置が記憶媒体の有価価値情報を読み込んでいる状態であることを示す報知態様を報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、切替制御手段により有効状態から禁止状態に切り替えられたことを契機に、切り替え実行時間が計時手段により計測される。その計時手段が予め定められた設定値以上となった場合に、強制的に有効状態に強制解除手段により切り替えられる。これにより、予め設定された時間となると禁止状態を自動的に解除することができる。よって、不正に、禁止状態に設定されたとしても、自動的に有効状態に切り替えられるので、遊技機を通常の状態に戻すことができるという効果がある。
遊技機F1から遊技機F3において、遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段と、
その操作手段が操作されることに基づいて、前記外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、前記記憶媒体の有価価値情報の読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号を前記外部装置に対して出力する操作信号出力手段と、
設定条件の成立に基づいて、前記リターン信号が前記操作信号出力手段により出力される有効状態と、前記リターン信号が前記操作信号出力手段により出力されることを禁止する禁止状態とに切り替える切替制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1から遊技機F3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、切替制御手段により有効状態から禁止状態に切り替えられている場合に、禁止状態に設定されていることを示す禁止報知態様が所定の契機に基づいて報知手段により報知される。これにより、禁止報知態様により容易に禁止状態に切り替えられていることを判別できる。よって、不正に禁止状態に切り替えられたまま放置されていた場合には、遊技店側が早期に異常に気づくことができる。よって、遊技機を常に正常な状態に維持することができる。
記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体を払い出す払出手段と、前記外部装置に読み込まれた記憶媒体の有価価値情報に基づく情報が前記外部装置により表示制御される有価表示手段と、を有する遊技機において、前記有価表示手段に表示される画像情報を検出する画像情報検出手段と、その画像情報検出手段が検出した画像情報より前記有価表示手段に表示された前記記憶媒体の有価価値情報を判別する情報判別手段と、その情報判別手段が判別した有価価値情報に関する報知態様を遊技者に報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体が払出手段により払い出される。外部装置に読み込まれた記憶媒体の有価価値情報に基づく情報が外部装置により表示制御される有価表示手段に表示される。有価表示手段に表示される画像情報が画像情報検出手段により検出される。その画像情報検出手段が検出した画像情報より有価表示手段に表示された記憶媒体の有価価値情報が情報判別手段により判別される。その判別した有価価値情報に関する報知態様が報知手段により遊技者報知される。これにより、有価表示手段だけでなく、報知態様でも外部装置が読み込んでいる記憶媒体の有価価値情報に関する情報を確認できる。よって、外部装置に記憶媒体の有価価値情報を読み込ませていることを遊技者が忘れてしまう不具合を抑制できる。従って、記憶媒体の盗難や有価価値情報の悪用による遊技者の被害を低減できる。
遊技機G1において、前記画像情報検出手段は、前記有価表示手段に表示される画像情報の光量を検出するものであり、前記情報判別手段は、前記画像情報検出手段が検出した光量に基づいて、その光量に対応する有価価値情報を判別するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有価表示手段に表示される画像情報の光量が画像情報検出手段により検出される。その画像情報検出手段が検出した光量に基づいて、その光量に対応する有価価値情報が情報判別手段により判別される。これにより、外部装置に読み込まれている記憶媒体の有価価値情報に関する情報を有価表示手段に表示される情報と同期して判別できる。よって、正確に有価価値情報に関する情報を遊技者が識別できるという効果がある。
遊技機G1において、前記画像情報検出手段は、前記有価表示手段に表示される画像を取り込んで、数値化して変換する画像処理を実行するものであり、前記情報判別手段は、前記画像処理により変換された数値に対応する有価価値情報を判別するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機G3。
遊技機G3によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有価表示手段に表示される画像を取り込んで、数値化して変換する画像処理が画像情報検出手段により実行される。画像処理により変換された数値に対応する有価価値情報が情報判別手段により判別される。これにより、外部装置に読み込まれている記憶媒体の有価価値情報に関する情報を有価表示手段に表示される情報と同期して判別できる。よって、正確に有価価値情報に関する情報を遊技者が識別できる。
記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して出力する遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体を払い出す払出手段を有する遊技機において、遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて、前記外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、前記記憶媒体の有価価値情報が読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号を前記外部装置に対して出力する操作信号出力手段と、前記操作手段の操作部を遊技者が操作可能な許可状態とその許可状態よりも遊技者が操作することが困難な禁止状態とにする規制手段と、予め定められた変更条件の成立に基づいて、その規制手段を前記許可状態と前記禁止状態とのどちらか一方に切り替える切替制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、記憶媒体に記憶された有価価値情報を遊技機外部に設けられる外部装置が読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して遊技媒体の貸出を遊技機に要求するための貸出要求信号に従って遊技媒体が払出手段により払い出される。遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段が操作されることに基づいて、外部装置が読み込んでいる記憶媒体を遊技者に返却する返却処理または、記憶媒体の有価価値情報が読み込みを解除する解除処理を実行させるリターン信号が外部装置に対して操作信号出力手段より出力される。操作手段の操作部を遊技者が操作可能な許可状態とその許可状態よりも遊技者が操作することが困難な禁止状態とに規制手段によりされる。予め定められた変更条件の成立に基づいて、その規制手段を許可状態と禁止状態とのどちらか一方に切替制御手段により切り替えられる。これにより、禁止状態に設定されることにより、操作部を操作することが困難にできるので、遊技者が返却処理や解除処理を忘れてしまった場合にも、記憶媒体の盗難や有価価値情報の悪用の被害を低減できる。
遊技機H1において、前記規制手段は、前記操作部の前面側に配置可能な規制部材と、その規制部材を前記操作部の前面側位置と前記操作部の前面側以外の位置とに可動させることが可能な可動手段と、を有し、前記切替制御手段は、前記規制部材を前記前面側位置で固定することで、前記禁止状態に切り替える一方、前記固定を解除することで、前記許可状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作部の前面側に配置可能な規制部材と、その規制部材を操作部の前面側位置と操作部の前面側以外の位置とに可動手段により可動される。規制部材を前面側位置で固定することで、禁止状態に切替制御手段により切り替えられる。一方、その固定を解除することで、許可状態に切替制御手段により切り替えられる。これにより、禁止状態では、規制部材により操作部を操作することが困難となり、遊技者が禁止状態に設定されていることを容易に判別できる。よって、禁止状態に切り替えられていることを確認して安心して遊技を行うことができる。
遊技機H1または遊技機H2において、遊技者の操作により識別情報を入力可能な入力手段と、その入力手段により入力された識別情報を記憶可能な識別情報記憶手段と、を有し、前記切替制御手段は、前記許可状態である場合には、前記識別情報記憶手段に前記入力手段により入力された識別情報が新たに記憶されたことを変更条件の成立として、前記許可状態から前記禁止状態に切り替える一方、前記禁止状態である場合には、前記識別情報記憶手段に記憶されている識別情報と同一の識別情報が前記入力手段により入力されたことを変更条件の成立として、前記禁止状態から前記許可状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1または遊技機H2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者の操作により識別情報が入力手段により入力される。その入力された識別情報が識別情報記憶手段により記憶される。許可状態である場合には、識別情報記憶手段に入力手段により入力された識別情報が新たに記憶されたことを変更条件の成立として、許可状態から前記禁止状態に切替制御手段により切り替えられる。一方、禁止状態である場合には、識別情報記憶手段に記憶されている識別情報と同一の識別情報が入力手段により入力されたことを変更条件の成立として、禁止状態から許可状態に切替制御手段により切り替えられる。これにより、識別情報の入力により禁止状態と許可状態に切り替えることが可能となり、遊技者の都合に合わせて、禁止状態と許可状態とを切り替えることができる。よって、効率よく安心して遊技を行う事ができる。
遊技機外部に設けられる外部装置が記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して遊技機に対して出力される遊技媒体の貸出を遊技機に要求する貸出要求信号に従って遊技媒体を払い出す払出手段を有する遊技機において、前記外部装置が読み込んだ記憶媒体の有価価値情報に基づいて遊技機に対して出力する外部信号を受信する外部信号受信手段と、その外部信号受信手段に出力される外部信号より抽出した情報に基づいて、前記有価価値情報を判別する有価価値情報判別手段と、前記遊技媒体を使用して遊技が実行されている状態であるかを判別する遊技実行判別手段と、その遊技実行判別手段により所定期間の間、前記遊技媒体を使用して遊技が実行されていると判別されている期間に、前記有価価値情報判別手段により判別された有価価値情報が所定値以上変化しているかを判定することにより、前記貸出要求信号に従って前記払出手段により払い出された遊技媒体を使用した遊技である貸出遊技が実行されているかを判定する貸出遊技判定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機外部に設けられる外部装置が記憶媒体に記憶された有価価値情報を読み込んで、その読み込んだ有価価値情報に対応して遊技機に対して出力される遊技媒体の貸出を遊技機に要求する貸出要求信号に従って遊技媒体が払出手段により払い出される。外部装置が読み込んだ記憶媒体の有価価値情報に基づいて遊技機に対して出力する外部信号が外部信号受信手段により受信される。その外部信号受信手段に出力される外部信号より抽出した情報に基づいて、有価価値情報が有価価値情報判別手段により判別される。遊技媒体を使用して遊技が実行されている状態であるかが遊技実行判別手段により判別される。その遊技実行判別手段により所定期間の間、遊技媒体を使用して遊技が実行されていると判別されている期間に、有価価値情報判別手段により判別された有価価値情報が所定値以上変化しているかを判定することにより、貸出要求信号に従って払出手段により払い出された遊技媒体を使用した遊技である貸出遊技が実行されているかが貸出遊技判定手段により判定される。これにより、貸出遊技が行われている状態であるか、貸出遊技とは異なる遊技が行われているかを遊技機で判定することができる。
前記外部信号に基づいて、その外部信号が示す有価価値情報を表示する有価表示手段と、前記有価表示手段を表示させる前記外部信号を抽出する外部信号抽出手段と、を有し、前記有価価値情報判別手段は、前記外部信号抽出手段により抽出された外部抽出信号に基づいて、前記有価表示手段に表示される有価価値情報を判別するものであり、所定の有価価値情報が表示されていると前記有価価値情報判別手段に判別された場合に、前記貸出遊技判定手段により貸出遊技と異なる遊技が実行されていると判定されたことに基づいて、所定の報知を実行する報知手段を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機I2。
遊技機I2によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、外部信号に基づいて、その外部信号が示す有価価値情報が有価表示手段により表示される。その有価表示手段を表示させる外部信号が外部信号抽出手段により抽出される。外部信号抽出手段により抽出された外部抽出信号に基づいて、有価表示手段に表示される有価価値情報が有価情報判別手段により判別される。所定の有価価値情報が表示されていると有価価値情報判別手段に判別された場合に、貸出遊技判定手段により貸出遊技と異なる遊技が実行されていると判定されたことに基づいて、所定の報知が報知手段により実行される。これにより、貸出遊技が行われていない場合に、外部装置に記憶媒体が読み込まれている状態であると所定の報知が実行されるので、遊技者は、外部装置に記憶媒体の有価価値情報が読み込まれている状態であることを気づかせることができる。よって、外部装置に記憶媒体が読み込まれている状態のまま、遊技者が離席してしまい、記憶媒体が盗難されたり、有価価値情報が悪用されたりする被害に遭うことを低減できる。
遊技機I1またはI2当否判定条件の成立に基づいて、当否判定を実行する当否判定実行手段と、その当否判定実行手段の当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記有価情報判別手段により判別された有価価値情報が示す残高が減少したことに基づいて、その減少額の合計を記憶する投資額記憶手段と、を有し、前記動的表示態様決定手段は、その投資額記憶手段の値に基づいて、複数の前記動的表示態様の中から一の動的表示態様を決定するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
遊技機I1またはI2によれば、請求項1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定条件の成立に基づいて、当否判定が当否判定実行手段により実行される。その当否判定実行手段の当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に表示される識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。有価情報判別手段により判別された有価価値情報が示す残高が減少したことに基づいて、その減少額の合計が投資額記憶手段により記憶される。その投資額記憶手段の値に基づいて、複数の動的表示態様の中から一の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。これにより、遊技者の投資額に基づいて、決定される動的表示態様の種類を変えることができ、遊技を長時間行っている遊技者に異なる動的表示態様を表示することができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを防止することができる。
遊技機A1からA5、B1からB3、C1からC3、D1からD5、E1からE4、F1からF4、G1からG3、H1からH3、I1からI3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA5、B1からB3、C1からC3、D1からD5、E1からE4、F1からF4、G1からG3、H1からH3、I1からI3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA5、B1からB3、C1からC3、D1からD5、E1からE4、F1からF4、G1からG3、H1からH3、I1からI3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。