(第1実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、遊技者が操作可能な演出ボタン5d、球貸スイッチ5e、返却スイッチ5f等が設けられている。演出ボタン5dは、演出表示装置25等を用いて行われる演出に変化を与えるためのものであり、球貸スイッチ5eは、後述のCRユニット13にプリペイドカードを挿入した状態で遊技球の貸し出しを要求するためのものであり、返却スイッチ5fはCRユニット13からプリペイドカードの返却を要求するためのものである。なお、球貸スイッチ5eが本発明の球貸操作手段に相当している。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、CRユニット13(プリペイドカードユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図2に基づいて説明する。図2は遊技機1の裏機構盤102の正面図である。
図2に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を内側面に備えた賞球タンク105が設けられている。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の底面は、遊技機1の背面側からみて右下がりに構成されており、賞球タンク105の右側下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、裏機構盤102にネジ止めによって組み付けられるもので、賞球タンク105の右下角部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。
タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、遊技球払出装置109が設けられている。遊技球払出装置109には、遊技球を払い出すための払出モータ109m(図5参照)と、払出モータ109mにより払い出された遊技球を検知する払出センサ109s(図5参照)が設けられている。また、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。
タンクレール106の左側であって賞球タンク105の下方には、球崩モータ110が設けられている。球崩モータ110は、裏機構盤102にネジ止めによって組み付けられるもので、タンク球切れ検知スイッチ104にて賞球タンク105内の遊技球がなくなったことが検知された際等に、賞球タンク105を振動させ、賞球タンク105内に残留している遊技球を賞球タンク105から完全に排出させるためのものである。
タンクレール106の下方には、前面側に演出表示装置25(図3参照)が取り付けられ、背面側に裏ケース111が設けられている。裏ケース111は、一対のヒンジ112により裏機構盤102に開閉可能に取り付けられている。裏ケース111の内部では、遊技制御に必要となる各種制御基板が収納された基板ケースとして、ランプインタフェース基板ケース、主制御基板ケース、サブ制御基板ケース、演出表示制御基板ケースが、それぞれ遊技盤20の裏面に取り付けられている。
裏ケース111の下方には、左側に電源基板ケース116が設けられ、右側に払出制御基板ケース118が設けられている。さらに裏機構盤102の右上方部には、大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた外部端子基板122が設けられている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図3は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図3に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図3参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定の固定始動口として構成された通常始動口となっており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い状態(入球不能な状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図3参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図3参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図3参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図3参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、特別図柄保留表示部53が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより特別図柄表示部61が構成されている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数(普通図柄抽選用乱数)が設けられており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に取得され、第2始動口28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200の制御によって行われる。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200の制御によって行われる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200の所定領域(RAM)に記憶される。
次に、特別図柄について説明する。特別図柄表示部61は、7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより特別図柄が表示される。特別図柄表示部61を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLEDで表示される特別図柄の組合わせのうち、特定の組合せが当り図柄(大当り図柄または小当り図柄)として設定されており、当り特別図柄以外が外れ図柄と設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。特別図柄表示部61では、始動口28に遊技球が入球することにより特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される。
本実施例では、遊技球が始動口28に入球した際に取得され、大当り遊技(特別遊技)を発生させるか否かの特別図柄当否判定(大当り抽選)に用いられる特別図柄当否判定用乱数(大当り抽選乱数)が設けられている。また、小当り遊技を発生させるか否かの小当り抽選に用いられる小当り抽選用乱数が設けられている。さらに、特別図柄の停止図柄を決定するための図柄決定用乱数が設けられている。始動口28の遊技球入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数と小当り抽選用乱数と図柄決定用乱数が取得され、この取得された各種乱数は、主制御部200の所定領域(RAM)に記憶される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部53は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。
始動口28に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口28への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200の所定領域(RAM)に記憶される乱数の個数(記憶数)に相当する。そして、特別図柄保留数は、特別図柄当否判定(大当り抽選)が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。なお、特別図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200の制御によって行われる。
特別図柄当否判定(大当り抽選)は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定され(大当り抽選に当選)、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が大当り図柄(確変大当り図柄または通常大当り図柄)に決定される。特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合には、小当り遊技を発生させるか否かの小当り抽選が行われ、抽選の結果が小当りとなった場合(小当り抽選に当選した場合)には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が小当り図柄に決定される。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでなく(大当り抽選に落選)、かつ、小当り抽選の結果が小当りでない場合(小当り抽選に落選)には、外れであり、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。なお、特別図柄当否判定、特別図柄の変動パターンの決定、特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200の制御によって行われる。
次に、特別遊技の一形態である大当り遊技について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合(特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技を開始させる。大当り遊技は、大当り遊技フラグをONにセットすることで開始する。大当り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。なお、主制御部200の制御により実現されるものであり、主制御部200が本発明の大当り遊技実行手段に相当している。
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、閉鎖状態にある大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実施例では30秒または0.2秒)に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33aの開放が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンドが開始する。このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンドとする大入賞口33aの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンドまたは2ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
本実施例の遊技機1では、大当り図柄の種類により2種類の大当り遊技が設けられている。大当り図柄が通常大当り図柄または確変大当り図柄だった場合、すなわち特別図柄当否判定の結果が通常大当りまたは確変大当りだった場合には、第1大当り遊技が発生する。そして、大当り図柄が特定大当り図柄だった場合、すなわち特別図柄当否判定の結果が特定大当りだった場合には、第2大当り遊技が発生する。第2大当り遊技は、第1大当り遊技より大入賞口33aの開放回数(最高継続ラウンド数)が少なく、かつ、大入賞口33aの開放時間が短く設定されている。つまり、第1大当り遊技は、大入賞口33aに多量の遊技球が入球することで多量の賞球払い出しを伴う遊技状態であり、第2大当り遊技は、大入賞口33aに遊技球が入球する可能性が極めて低く賞球払い出しを実質的に伴わない遊技状態である。なお、本実施例では、第1大当り遊技の最高継続ラウンド数が15ラウンドで大入賞口33aの開放時間が30秒に設定され、第2大当り遊技の最高継続ラウンド数が2ラウンドで大入賞口33aの開放時間が0.2秒に設定されている。以後、第1大当り遊技を15R大当り遊技ともいい、第2大当り遊技を2R大当り遊技ともいう。
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。特別図柄当否判定には、複数種類の大当りが設定されており、特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技終了後、時短遊技が開始され、特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、大当り遊技終了後、確変遊技が開始される。なお、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをONにセットすることで作動する。
特別図柄当否判定が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、主制御部200の制御により作動または停止されるものであり、変動時間短縮機能には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。なお、主制御部200が本発明の開放時間延長手段に相当している。
特別図柄当否判定が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄または特定大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御部200の制御により実現されるものであり、この確変遊技では、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。確率変動機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで作動する。特別図柄の停止図柄が特定大当り図柄の場合には、2ラウンドで終了する第2大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始するので、このような確変遊技を「2R確変」や「突然確変」ともいう。なお、主制御部200が本発明の確率変動手段に相当している。
特別図柄当否判定が特定大当り(特別図柄の停止図柄が特定大当り図柄)の場合には、大当り遊技開始時(特定大当り図柄が停止表示されたとき)の変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動状態が維持される。つまり、大当り遊技開始時に変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動していた場合には、当該大当り遊技終了後も変動時間短縮機能および開放時間延長機能を作動させる。一方、大当り遊技開始時に変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動していなかった場合には、当該大当り遊技終了後も変動時間短縮機能および開放時間延長機能を作動させない。
このように、特定当り図柄で大当り遊技が発生した場合には、大入賞口33aの作動時間が短く作動回数が少ない2R大当り遊技終了後、確率変動機能が作動するとともに、大当り遊技が発生した際の開放時間延長機能の作動状態が維持される。この場合、遊技者が視認可能な始動口28(下側始動口28b)の作動状態が変化しないまま確率変動機能が作動開始するので、遊技者が確率変動機能の作動開始を認識することを困難にすることができる。このように、確率変動機能が作動していることを遊技者が認識困難とした状態を「潜伏確変」または「内部確変」という。また、潜伏確変を発生させる第2大当り遊技を「潜確大当り遊技」ともいう。
次に、小当り遊技について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が小当り図柄であった場合(小当り抽選の結果が小当りだった場合)に、主制御部200は小当り遊技を開始させる。小当り遊技は、小当り遊技フラグをONにセットすることで開始する。小当り遊技は、大入賞装置33を作動させるものである。小当り遊技では、大入賞装置33が上述の第2大当り遊技と同じ態様で作動をする。つまり、小当り遊技では、大入賞口33aが0.2秒間ずつ2回開放するように構成されており、大入賞口33aに遊技球が入球する可能性が極めて低く賞球払い出しを実質的に伴わない遊技状態となっている。また、小当り遊技終了後は、小当り遊技が発生した際(小当り図柄が停止表示されたとき)の開放時間延長機能の作動状態が維持される。
小当り遊技では、第2大当り遊技と大入賞装置33の作動を同一態様としているので、遊技者は大入賞口33aの短時間での2回の開閉(第2大当り遊技における大入賞口開閉パターン)を認識したとしても、第2大当り遊技が発生したのか小当り遊技が発生したのか区別することができない。このため、大入賞装置33の作動終了後(第2大当り遊技または小当り遊技終了後)における確率変動機能の作動の有無の認識をより困難なものとすることができる。このように、小当り遊技の存在により、潜伏確変をより効果的なものにすることができる。なお、小当り遊技は主制御部200の制御により実現されるものであり、主制御部200が小当り遊技実行手段に相当している。
次に、特別図柄の変動表示に伴って演出表示装置25にて行われる変動演出について説明する。本実施例の遊技機1における変動演出としては、例えば特別図柄の変動表示に連動して数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる変動表示演出や演出図柄の変動表示中に行われるリーチ演出、さらにリーチ演出の発生、大当り発生、潜伏確変発生の可能性を遊技者に予告する予告演出、リーチ演出の演出内容を発展させた発展演出などが挙げられる。これらの変動演出の演出内容としては、例えば、『演出図柄の変動表示に関連させてキャラクタ動画を表示する』などが該当する。なお、これらの演出内容は複数種類存在し、演出表示制御基板280のROMに記憶されている。
演出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。演出図柄表示部25aの演出図柄は、特別図柄表示部61の特別図柄に連動して表示される。また、演出表示装置25の表示画面のうち、演出図柄表示領域25aを除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。
本実施例では、演出図柄として「1」〜「9」からなる3桁の数字図柄を用いており、演出図柄表示部25aは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域から構成される。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。
演出図柄は、特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の組合せが特別図柄の通常大当り図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の組合せが特別図柄の確変大当り図柄に対応し、「1・2・3」などの順並びの組合せや「1・3・5」などの奇数数字の順並びといった、当り図柄以外の予め定められた特定の外れ図柄であるチャンス図柄(所謂チャンス目)が特別図柄の特定大当り図柄または小当り図柄に対応し、それら以外の図柄の組合せが特別図柄の外れ図柄に対応している。
次に、前述したリーチ演出について説明する。本実施例のリーチ演出は、演出図柄の変動表示中であって、最終停止図柄となる演出図柄以外の演出図柄が、大当り図柄の組合せと一致した状態で停止している状態(リーチ状態)において、演出表示装置25上で行われる演出表示のことを指す。例えば、演出図柄が左図柄、右図柄、中図柄の順に停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。このとき、最終停止図柄である中図柄以外の左図柄及び右図柄が同一図柄(リーチ図柄)で停止している状態が前述のリーチ状態である。このリーチ状態中に、最終停止図柄の停止態様に関連する表示を、キャラクタ画像等を用いて行うものがリーチ演出である。なお、リーチ演出は、特別図柄当否判定で当り判定となった場合(当りリーチ)と、特別図柄当否判定で外れ判定となった場合においてリーチ演出を行うと決定された場合(外れリーチ)に行われる。
演出図柄の変動表示演出、リーチ演出、予告演出、発展演出等は、サブ制御部260の制御によって行われるように構成されている。つまり、変動演出で行われる演出内容の設定および変動演出の実行はサブ制御部260によって行われる。また、変動演出の演出内容は、特別図柄の当否判定結果に基づいて変動演出開始時に設定される。
また、本実施例の遊技機1では、所定条件の成立を契機として現在の遊技状態を報知する貸出演出が行われる。所定条件は、特定遊技状態において、遊技者が球貸スイッチ5eを操作することにより払い出された遊技球の数(貸球量)が所定数(例えば125個)に到達した場合に成立する。「特定遊技状態」は、第2大当り遊技が終了してから次回の当りが発生するまでの遊技状態、または小当り遊技が終了してから所定期間(所定時間や所定の遊技回数)が経過するまでの遊技状態であり、確率変動機能の作動状態が遊技者にとって不明になっている遊技状態を意味している。特定遊技状態は、通常の遊技状態と表示画面等の制御を同じにする等して、見た目上、確率変動機能の作動状態が作動しているのか、作動していないのか遊技者が分からないようにしておくことが好ましい。なお、貸球量の計数処理および貸球量が所定量に達したか否かの判定処理は、サブ制御部260により行われる。後述する貸出演出実行処理(図16)において、サブ制御部260が行うS702の処理が本発明の貸球計数手段に相当し、サブ制御部260が行うS703の処理が本発明の貸球量判定手段に相当している。
貸出演出は、確率変動状態が発生している可能性を示唆する予告ものである。本実施例の貸出演出では、所定の音声をスピーカ10a〜10dから出力することで、確率変動状態が発生している確率を報知する。なお、音声の出力にしておくことで、遊技の進行状況が如何なる場合であっても簡易な構成で効果的に対応できる。つまり、貸出演出を液晶表示画面等に表示する演出とすると、貸出演出実行タイミングでの表示制御の変更等が発生し、遊技の進行状況で重要な情報を遊技者が認識できなくなってしまう虞がある。しかし、音声演出にしておくことで、遊技の進行状況を害することなく、効果的に貸出演出を実行できる。
また、貸出演出の演出パターンとしては、報知の信頼度が異なる複数の演出パターンが用意されている。具体的には、演出パターンとして、「確変可能性100%」、「確変可能性80%」、「確変可能性50%」、「確変可能性20%」、「確変可能性0%」を音声出力する複数の演出パターンが存在し、これらの複数の演出パターンが所定の演出パターンテーブルに記憶されている。この演出パターンテーブルの中の複数の演出パターンのうち抽選により選択された特定の演出パターンを用いて貸出演出が実行される。例えば、第2大当り遊技の終了後の場合(確率変動機能が作動している場合)には、「確変可能性100%」、「確変可能性80%」、「確変可能性50%」、「確変可能性20%」のいずれかの演出パターンが選択され、確変可能性が大きいほど貸出演出の信頼度が高くなっている。小当り遊技の終了後の場合(確率変動機能が作動していない場合)には、「確変可能性80%」、「確変可能性50%」、「確変可能性20%」、「確変可能性0%」のいずれかの演出パターンが選択され、確変可能性が小さいほど貸出演出の信頼度が高くなっている。なお、貸出演出の実行は、音声出力を制御する後述のサブ制御部260の制御により行われ、サブ制御部260が本発明の貸出演出実行手段に相当している。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図4に基づいて説明する。図4は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、図柄表示装置51、61、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御基板200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。なお、払出制御部230が本発明の払出制御手段に相当している。払出制御部230については、後で詳細に説明する。
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200からサブ制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サブ制御部260から演出表示制御部280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
サブ制御部260には、演出表示制御部280が接続されている。演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。演出表示制御部280は、CPU280bがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御部280のROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
サブ制御基板260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、サブ制御部260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン5dからの各種指令(演出パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。
ここで、払出制御部230について図5に基づいて説明する。図5は、払出制御部230に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。図5に示すように、主制御部200から払出制御部230には、払出コマンドデータ、払出コマンドデータストローブ、外部情報信号が送信され、払出制御部230から主制御部200には、エラー状態信号、球貸情報信号が送信される。球貸情報信号については後述する。
払出制御部230には、払出センサ109s、タンク球切れスイッチ104、ガラス枠スイッチ232、下皿部満タンスイッチ233からの信号が入力する。払出センサ109sは払い出された遊技球を検知するセンサであり、タンク球切れスイッチ104は賞球タンク105の球切れを検知するセンサであり、ガラス枠スイッチ232はガラス板を備えた前面枠4が開放したことを検知するセンサであり、下皿部満タンスイッチ233は下皿部6が遊技球で一杯になったことを検知するセンサである。また、払出制御部230は、外部端子板122、払出モータ236、球崩モータ237、発射制御基板250に信号を出力する。払出制御部230から外部端子板122には、払出センサ104で所定数(本実施例では10個)の遊技球の払い出しが検知される毎に信号が出力される。払出モータ109mは遊技球を払い出すためのモータであり、球崩モータ110は賞球タンク105を振動させて賞球タンク105内の遊技球を崩すためのモータである。
また、払出制御部230には、CR接続端子板234が接続されており、CR接続端子板234にはCRユニット12と球貸表示基板235が接続されている。球貸表示基板235には球貸スイッチ5eと返却スイッチ5fが接続されており、球貸表示基板235とCR接続端子板234を介して球貸スイッチ5eからの球貸スイッチ信号と返却スイッチ5fからの返却スイッチ信号がCRユニット13に入力する。
ここで、払出制御基板230aのCPU230bからCRユニット13に出力される信号とCRユニット13から払出制御基板230aのCPU230bに入力される信号について図6、図7に基づいて説明する。図6(a)はCRユニット13と払出制御基板用CPU230bとの間で送受信される信号を示すブロック図であり、図6(b)はそれらの信号の内容を示す図表である。なお、図6(b)における信号の方向は、払出制御基板用CPU230bを基準とした方向となっている。
図6(a)に示すように、CRユニット13から払出制御基板用CPU230bの入力ポートには、電源+18V(VL)、カードユニットREADY信号(BRDY)、貸出要求信号(BRQ)が入力され、払出制御基板用CPU230bの出力ポートからCRユニット13には、台READY信号(PRDY)、貸出完了信号(EXS)が出力される。
図6(b)に示すように、カードユニットREADY信号(BRDY)は、CRユニット13が貸し出し処理中であることを伝達する信号であり、貸出要求信号(BRQ)はCRユニット13が基本単位分の遊技球の貸し出しを要求する信号である。本実施例では、「基本単位分」を25個としている。また、台READY信号(PRDY)は、CRユニット13に払出動作が可能であることを伝達する信号であり、貸出完了信号(EXS)は、CRユニット13に基本単位分(本実施例では25個)の遊技球の貸し出しが終了したことを示す信号である。
図7は、球貸スイッチ5eの1回の操作につき、50個の遊技球を貸し出す場合を一例として、カードユニットREADY信号(BRDY)、貸出要求信号(BRQ)、台READY信号(PRDY)、貸出完了信号(EXS)の各信号のオン状態とオフ状態が切り替わるタイミングを示すタイミングチャートである。図7において、各信号がオン状態となっている間、各信号の送信が行われる。
まず、CRユニット13は、プリペイドカードがセットされ、球貸スイッチ5eが操作されることで、カードユニットREADY信号(BRDY)をオン状態にする。カードユニットREADY信号(BRDY)は、CRユニット13による遊技球の貸し出し処理中にオン状態になり、CRユニット13による貸し出し処理の終了によりオフ状態になる。そして、カードユニットREADY信号(BRDY)がオン状態になってから所定時間経過後、CRユニット13は遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号(BRQ)をオン状態にする。
次に、払出制御基板用CPU230bは、貸出要求信号(BRQ)がオン状態になった後に、貸出完了信号(EXS)をオン状態にしておき、貸出要求信号(BRQ)がオフ状態に変化したことを検知したら払出モータ109mを作動させ、基本単位分(本実施例では25個)の遊技球を払い出す。そして、払出制御基板用CPU230bは、払出センサ104で基本単位分(本実施例では25個)の遊技球が払い出されたことを検知した後に、貸出完了信号(EXS)をオフ状態にする。
さらに、遊技球の払い出しが必要な場合には、カードユニットREADY信号(BRDY)がオン状態となっている間に、CRユニット13が繰り返し貸出要求信号(BRQ)がオン状態にする。図7は、貸球として50個の遊技球が払い出される例を示しており、基本単位分(本実施例では25個)の遊技球払い出しが2回行われる。このため、カードユニットREADY信号(BRDY)がオン状態となっている間に、貸出要求信号(BRQ)と貸出完了信号(EXS)は2回オン状態となり、その度に基本単位分(本実施例では25個)の遊技球払い出しが行われ、合計50個の遊技球の払い出しが行われる。
このように、本実施例の遊技球の貸し出しは、球貸スイッチ5eの1回の操作につき基本単位分(本実施例では25個)の遊技球の払い出しが所定回数繰り返し行われる。なお、基本単位分の遊技球の払い出しを繰り返す回数は、CRユニット13側で任意に設定可能(1回〜20回など)であるのが一般的である。また、1基本単位分の貸し出しにより減少するプリペイドカードの使用量もCRユニット13側で任意に設定可能である。遊技場の管理者は、営業形態(遊技球1球の単価など)に合わせて、基本単位分の貸出量や、1基本単位分の貸出しにより減少するプリペイドカードの使用量を設定する。
ここで、払出制御部230が実行する1基本単位分の球貸制御処理について図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、図8に示すように、CRユニット13から貸出要求信号(BRQ)がオン状態となったか否かを判定する(S10)。この結果、貸出要求信号(BRQ)がオン状態となっていない場合には(S10:NO)、球貸制御処理を終了し、貸出要求信号(BRQ)がオン状態となっている場合には(S10:YES)、上述したようなCRユニット13との各種信号の送受信を経て、払出モータ109mを作動させて遊技球(貸球)の払い出しを行う(S11)。
次に、払出センサ109sで払い出された遊技球が検知されたか否かを判定する(S12)。この結果、払い出された遊技球が検知されなかった場合には(S12:NO)、S12の払出処理に戻り、払い出された遊技球が検知された場合には(S12:YES)、基本単位分(本実施例では25個)の遊技球の払い出しが完了したか否かを判定する(S13)。この結果、基本単位分の遊技球の払い出しが完了していない場合には(S13:NO)、S11の払出処理に戻り、基本単位分の遊技球の払い出しが完了した場合には(S13:YES)、上述した貸出完了信号(EXS)をオフ状態にし(S14)、主制御部200に球貸情報信号を送信する(S15)。S15で送信される球貸情報信号は、基本単位分(25個)の貸球量(本実施例では25個)の遊技球を貸し出したことを示す情報となっており、球貸情報信号は、基本単位分の遊技球を払い出すたびに、払出制御部230から主制御部200に送信される。
また、本実施例では、基本単位分の遊技球の払い出し完了後に球貸情報信号を1回送信しているが、これに限らず、S12の判定処理で払い出された遊技球が検知された(S12:YES)と判定される毎に、主制御部200に球貸情報信号を送信するようにしても構成してもよい。この場合の球貸情報信号は、1個分の貸球量を示す情報として構成される。また、払出モータ109mの作動前に、球貸スイッチ5eの1回の操作で貸し出す貸出総数の貸出予定数情報信号を主制御部200に送信し、この貸出予定数情報信号により、主制御部200が球貸スイッチ5eの1回の操作で貸し出す貸出総数を認識する構成としてもよい。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図9は、主制御部200(主制御基板200aのCPU200b)がROMに格納されたプログラムに基づいて実行するメインジョブの一例を示している。図9に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600、貸出量計数処理S700の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われる。
次に、遊技開始処理S200を図10のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200に接続されているRAMクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込み(S201)、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存し(S202)、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う(S203)。
次に、遊技球が入賞口に入賞している場合には(S204:YES)、入賞検知情報をRAMに保存する(S205)。そして、保存された入賞検知情報がある場合には(S206:YES)、払出制御部230に獲得遊技球に対応した賞球数指定コマンドを送信する(S207)。
次に、S15で払出制御部230から送信される球貸情報信号を受信したか否かを判定する(S208)。この結果、球貸情報信号を受信していないと判定された場合には(S208:YES)、サブ制御部260に貸出信号を送信する(S209)。なお、S209でサブ制御部260に送信する貸出信号は、払出制御230から受信した球貸情報信号をそのまま送信してもよく、あるいは球貸情報信号と異なる信号を貸出信号として送信してもよい。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部51(図3参照)にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図11のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口28に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口28に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄表示部61(図3参照)の作動保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄当否判定用乱数および図柄決定用乱数を取得して、主制御基板200のRAMの所定領域に記憶する(S503)。
次に、大当り遊技または小当り遊技中であるか否かを判定する(S504)。この結果、大当り遊技または小当り遊技中であると判定された場合には(S504:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技または小当り遊技中でないと判定された場合には(S504:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS511の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS515の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、最先にRAMに記憶された特別図柄当否判定用乱数を読み出す(S508)。
次に、特別図柄当否判定処理(大当り抽選処理)を行う(S509)。ここで、図12のフローチャートに基づいて特別図柄当否判定処理を説明する。
まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S509a)、確変フラグがONである場合には(S509a:YES)、確変遊技用当否判定テーブルを選択し(S509b)、確変フラグがOFFである場合には(S509a:NO)、通常遊技用当否判定テーブルを選択する(S509c)。
次に、S508で読み出した特別図柄当否判定用乱数とS509bまたはS509cで選択した当否判定テーブルを用いて行われる大当り当否判定(大当り抽選)の結果が大当りか否かを判定する(S509d)。この結果、大当り当否判定の結果が大当りであると判定された場合(大当り抽選に当選した場合)には(S509d:YES)、RAMに記憶された図柄決定用乱数を読み出し(S509e)、図柄決定用乱数を用いて大当り図柄を決定する(S509f)。
一方、大当り当否判定の結果が大当りでないと判定された場合(大当り抽選に落選した場合)には(S509d:NO)、小当り抽選を実施し(S509g)、抽選結果が小当りか否かを判定する(S509d)。この小当り抽選は、上述した小当り抽選用乱数を用いて行われるもので、特別図柄の当否判定(大当り抽選)と同じ要領で行われる。この抽選結果が小当りであると判定された場合(小当り抽選に当選した場合)には(S509:YES)、小当り図柄を決定し(S509i)、抽選結果が小当りでないと判定された場合(小当り抽選に落選した場合)には(S509:NO)、外れ図柄を決定する(S509j)。なお、本実施例では、小当り図柄および外れ図柄を予め定められた図柄に決定しているが、これらを乱数抽選により決定するようにしてもよい。
次に、図11(a)の特別図柄遊技処理に戻り、図柄変動開始処理を行う(S510)。ここで、図柄変動開始処理S510を図13のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S509の当否判定処理における当否判定結果が大当りである場合には(S510a:YES)、大当り時変動パターンテーブルをセットし(S510b)、小当りである場合には(S510c:YES)、小当り時変動パターンテーブルをセットし(S510d)、大当りでも小当りでない、つまり外れである場合には(S510c:NO)、外れ時変動パターンテーブルをセットする(S510e)。
次に、変動パターン決定用乱数を取得し(S510f)、S510b、S510d、S510eの何れかでセットされた変動パターンテーブルを用いて特別図柄の変動パターンを決定する(S510g)。そして、特別図柄表示部61における特別図柄の変動表示を開始し(S510h)、変動パターン指定コマンドと特別図柄停止情報指定コマンドをサブ制御部260に送信する(S510i)。これらのコマンドを受け取ったサブ制御部260は、演出表示装置25における演出図柄の変動表示(演出表示)を開始させる。
次に、図11(a)の特別図柄遊技処理に戻り、上記S505で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、特別図柄の変動時間が経過しているか否かを判定する(S511)。この結果、特別図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S511:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S511:YES)、特別図柄の変動を停止し(S512)、図柄停止コマンドをサブ制御部260に送信し(S513)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S514)。図柄停止コマンドを受け取ったサブ制御基板260は、演出表示装置25における演出図柄の変動表示を停止させる。
次に、特別図柄の停止表示時間が経過したか否かを判定する(S515)。この結果、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判定された場合には(S515:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止表示時間が経過していると判定された場合には(S515:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(図11(b)のS516)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S516:YES)、特定大当り終了後フラグまたは小当り終了後フラグがONになっているか否かを判定し(S517)、特定大当り終了後フラグまたは小当り終了後フラグがONになっている場合には(S517:YES)、特定大当り終了後フラグまたは小当り終了後フラグをOFFにセットする(S518)。「特定大当り終了後フラグ」は、特定大当り図柄に起因する特定大当り遊技を示すフラグであり、「小当り終了後フラグ」は小当り遊技が終了したことを示すフラグである。これらのフラグは後述のS609h、S609jの処理でONにセットされる。
次に、大当り図柄が特定大当り図柄であるか否かを判定する(S519)。この結果、特定大当り図柄でない場合には(S519:NO)、15R用大入賞口開放パターンをセットし(S520)、特定大当り図柄である場合には(S519:YES)、2R用大入賞口開放パターンをセットする(S521)。そして、大当り遊技フラグをONにセットし、大当り遊技を開始させる(S522)。なお、15R用大入賞口開放パターンは、第1大当り遊技用の大入賞口33aの開放パターンであり、2R用大入賞口開放パターンは、第2大当り遊技用の大入賞口33aの開放パターンである。
次に、確変フラグがONであるか否かを判定する(S523)。この結果、確変フラグがONであると判定された場合、つまり確変遊技中であった場合は(S523:YES)、確変フラグをOFFに設定し(S524)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S525)、開放延長フラグをOFFに設定する(S526)。これにより、大当り遊技の開始に伴って、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
一方、S523の判定処理で、確変フラグがONでないと判定された場合は(S523:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S527)。この結果、変動短縮フラグがONであると判定された場合、つまり時短遊技中であった場合は(S527:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S525)、開放延長フラグをOFFに設定する(S526)。これにより、大当り遊技の開始に伴って、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。変動短縮フラグがONでないと判定された場合、つまり通常遊技中であった場合は(S527:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了する。
次に、S516の判定処理で、特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合には(S516:NO)、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S528)。この結果、特別図柄の停止図柄が小当り図柄でないと判定された場合には(S528:NO)、S533の処理に移行する。一方、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であると判定された場合には(S528:YES)、特定大当り終了後フラグまたは小当り終了後フラグがONになっているか否かを判定し(S529)、特定大当り終了後フラグまたは小当り終了後フラグがONになっている場合には(S529:YES)、特定大当り終了後フラグまたは小当り終了後フラグをOFFにセットする(S530)。
次に、小当り用大入賞口開放パターンをセットし(S531)、小当り遊技フラグをONし、小当り遊技を開始させる(S532)。なお、小当り用大入賞口開放パターンは、小当り遊技用の大入賞口33aの開放パターンであり、第2大当り遊技と同一態様となっている。
次に、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S533)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合は(S533:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合は(S533:NO)、変動短縮カウンタを1減算し(S534)、変動短縮カウンタがゼロになったか否かを判定する(S535)。変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間をカウントするためのものであり、通常大当り図柄に起因して発生した大当り遊技の終了後に後述のS609mでセットされる。
この結果、変動短縮カウンタがゼロではないと判定された場合には(S535:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタがゼロであると判定された場合には(S535:YES)、変動短縮フラグをOFFにし(S536)、開放延長フラグをOFFにする(S537)。これにより、時短遊技が開始してから特別図柄の変動回数が100回に達した場合に、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動停止する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図14のフローチャートに基づいて説明する。まず、当り遊技中(大当り中または小当り遊技中)であるか否かを判定する(S601)。当り遊技中であるか否かの判定は、大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグの何れかがONであるか否かで判定することができる。この結果、当り遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、当り遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S606)。当り遊技の終了条件は、第1大当り遊技であれば15回のラウンドが終了していること、第2大当り遊技であれば2回のラウンドが終了していること、小当り遊技であれば大入賞口33aが2回開閉したことである。
この結果、当り遊技の終了条件が成立していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定する(S607)。この結果、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、当り遊技の終了条件が成立していると判定された場合には(S606:YES)、当り遊技終了処理を行う(S609)。ここで、当り遊技終了処理を図14のフローチャートに基づいて説明する。
まず、当り遊技フラグ(大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグ)をOFFにする(S609a)。そして、当り図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S609b)。この結果、当り図柄が小当り図柄でない場合には(S609b:NO)、当り図柄が確変大当り図柄または特定大当り図柄であるか否かを判定する(S609c)。
この結果、当り図柄が確変大当り図柄または特定大当り図柄である場合には(S609c:YES)、確変フラグをONにセットする(S609d)。そして、当り図柄が特定大当り図柄であるか否かを判定する(S609e)。この結果、当り図柄が特定大当り図柄でない場合、すなわち確変大当り図柄である場合には(S609e:NO)、変動短縮フラグをONにセットし(S609f)、開放延長フラグをONにセットする(S609g)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動開始する。
一方、当り図柄が特定大当り図柄である場合には(S609e:YES)、特定大当り終了後フラグをONにセットし(S609h)、当り遊技フラグがONになった時に開放延長フラグがONになっていたか否か、つまり今回終了する当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)の開始時に開放時間延長機能が作動していたか否かを判定する(S609i)。この結果、当り遊技フラグがONになった時に開放延長フラグがONになっていた場合には(S609j:YES)、変動短縮フラグをONにセットし(S609f)、開放延長フラグをONにセットする(S609g)。一方、当り遊技フラグがONになった時に開放延長フラグがONになっていなかった場合には(S609j:NO)、そのまま当り遊技終了処理を終了する。これにより、特定大当り図柄に起因する第2大当り遊技終了後は、当該第2大当り遊技開始時における変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動状態が維持される。
なお、本実施例では、特定大当たりの終了後の遊技を前述したように「特定遊技状態」としている。そこで、本実施例では、特定大当りが終了してから次回の当りが開始されるまでを特定遊技状態として内部的に記憶できるように、特定大当り終了時に特定遊技状態フラグをオンにする処理を行う (図示省略)。特定遊技状態フラグは次回の当りが発生することでオフにされる。
次に、S609bの判定処理で、当り図柄が小当り図柄であると判定された場合には(S609b:YES)、小当り終了後フラグをONにセットし(S609j)、当り遊技フラグがONになった時に開放延長フラグがONになっていたか否かを判定する(S609i)。そして、S609iの判定が肯定結果の場合には、変動短縮フラグをONにセットし(S609f)、開放延長フラグをONにセットして(S609g)、変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動状態を維持する。一方、S609jの判定が否定結果の場合には、そのまま当り遊技終了処理を終了する。
なお、本実施例では、小当りの終了後の遊技も特定大当りの終了後と同じように「特定遊技状態」としている。そこで、本実施例では、特定大当たり終了後だけでなく、小当りが終了してから所定の遊技回数(例えば50回の特別図柄変動回数)までも特定遊技状態フラグをオンにしている。そして、小当り終了時からの遊技回数を計数する処理を開始させ、小当り終了時からの遊技回数が所定の遊技回数(例えば50回)に到達することで特定遊技状態フラグをオフにする処理を行う (図示省略)。
次に、S609cの判定処理で、当り図柄が確変大当り図柄または特定大当り図柄でない、つまり通常大当り図柄あると判定された場合には(S609c:NO)、変動短縮フラグをONにセットし(S609k)、開放延長フラグをONセットする(S609l)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動が開始される。そして、変動短縮カウンタを所定値にセットする(S609m)。変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間をカウントするためのものであり、本実施例では特別図柄の変動回数100回にセットされる。これにより、特別電動役物遊技処理が終了する。
次に、サブ制御部260(サブ制御基板260のCPU260b)が行う貸出演出実行処理について図16のフローチャートに基づいて説明する。貸出演出実行処理は、サブ制御部260が実行するメインルーチン(図示せず)のサブルーチンとして実行される。
まず、S209で主制御部200から送信される貸出信号を受信したか否かを判定する(S701)。この結果、貸出信号を受信していないと判定された場合には(S701:NO)、貸出演出実行処理を終了する。一方、貸出信号を受信したと判定された場合には(S701:YES)、貸出信号の受信回数を計数する(S702)。
次に、貸出信号の受信回数が5回に達したか否かを判定する(S703)。本実施例では、基本単位(25個)の遊技球が払い出される毎に主制御部200から貸出信号が送信されるので、貸出信号の受信回数が5回に達した場合の貸球量は125個(=25個×5回)となる。この結果、貸出信号の受信回数が5回に達していない(貸球量が125個になっていない)と判定された場合には(S703:NO)、貸出演出実行処理を終了する。一方、貸出信号の受信回数が5回に達した(貸球量が125個になった)と判定された場合には(S703:YES)、特定遊技状態(第2大当り遊技または小当り遊技の終了後)であるか否かを判定する(S704)。現在の遊技状態が特定遊技状態であるか否かは、特定遊技状態フラグがオンになっているか否かに基づいて判断することができる。
S704の判定処理の結果、特定遊技状態でないと判定された場合には(S704:NO)、貸出演出実行処理を終了する。一方、特定遊技状態であると判定された場合には(S704:YES)、貸出演出実行済みフラグがOFFであるか否かを判定する(S705)。「貸出演出実行済みフラグ」は、今回の特定遊技状態中に貸出演出が実行開始されたか否かを示すフラグであり、初期化された状態ではOFFに設定されており、後述のS710の処理でONに設定される。
S705の判定処理の結果、貸出演出実行済みフラグがONである(貸出演出が実行開始されている)と判定された場合には(S705:NO)、貸出演出実行処理を終了する。一方、貸出演出実行済みフラグがOFFである(貸出演出が実行開始されていない)と判定された場合には(S705:YES)、貸出演出を実行するか否かを決定するため貸出演出実行抽選を行う(S706)。本実施例の貸出演出実行抽選は、乱数抽選等により行っており、当選確率を50%程度としている。
次に、貸出演出実行抽選の結果が当選であるか否かを判定し(S707)、当選でない場合には(S707:NO)、貸出演出実行処理を終了する。一方、当選である場合には(S707:YES)、貸出演出設定処理を行う(S708)。貸出演出設定処理では、貸出演出で実行される演出内容を設定する。具体的には、第2大当り遊技終了後の場合(確率変動機能が作動している場合)は、「確変可能性100%」、「確変可能性80%」、「確変可能性50%」、「確変可能性20%」の中から特定の演出パターンを決定し、小当り遊技終了後の場合(確率変動機能が作動していない場合)は、「確変可能性80%」、「確変可能性50%」、「確変可能性20%」、「確変可能性0%」の中から特定の演出パターンを決定する。特定の演出パターンの決定は、例えば乱数抽選により行えばよい。
また、演出パターンの決定時に、貸出演出の出力音量も併せて設定する(図示省略)。この出力音量は、貸出演出が実行される際の遊技機の状態に応じて異なる音量が設定され、遊技機の状態が「図柄変動中(リーチ演出中以外)」であれば「中」が設定される。また、遊技機の状態が「デモ画面表示中(非遊技中)」であれば「高」が設定され、周囲に目立つように貸し出し演出を行う。また、遊技機の状態が「リーチ演出中」であれば、このリーチ演出にてキャラクタのセリフ等の音声が出力されている可能性があるので、リーチ演出の興趣を損ねないためにリーチ関連の出力音を優先させ、貸出演出の出力音量として「低」を設定する。
次に、S708で設定された演出内容に基づいて貸出演出を実行する(S709)。貸出演出では、確率変動状態が発生している可能性を音声により報知する。なお、貸出演出の音量は上述した設定に従ったものとなる。そして、貸し出し演出が終了すると、貸出演出実行済みフラグをONにセットする(S710)。
以上説明した本実施例では、確率変動機能が作動していることを遊技者が認識困難とした潜伏確変を採用している。この潜伏確変中には、遊技者の投資額が大きくなりがちで、遊技者の負担が大きい。これに対し、本実施例の遊技機では、潜伏確変中に貸球量が所定数に達した場合(投資額が所定額に達した場合)に、現在の遊技状態を報知する貸出演出を実行するように構成している。これにより、CRユニットの設定に左右されることなく、遊技者は潜伏確変開始後の予め定められたタイミングで、現在の遊技状態を認識することができ、遊技を有利に進行させることができる。この結果、潜伏確変開始後に、遊技者が遊技に投資した金額を反映する演出を効果的に実行することができる。
さらに、本実施例では、潜伏確変状態の認識をより困難にする小当り遊技を採用しており、小当り遊技終了後に貸球量が所定数に達した場合にも、現在の遊技状態を報知する貸出演出を実行するように構成している。この場合にも、遊技者は現在の遊技状態を認識して遊技を有利に進行させることができ、遊技者が遊技に投資した金額を反映する演出をより効果的に実行することができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。以下、上記第1実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図17は、本第2実施例の貸出演出実行処理の流れを示すフローチャートであり、上記第1実施例の図16に対応している。本第2実施例の貸出演出実行処理は、S703の受信回数、S711の判定処理が追加されている点と、S708の貸出演出処理の内容が異なっている。
図17に示すように、S707の判定処理で貸出演出実行抽選の結果が当選であると判定された場合には(S707:YES)、球貸スイッチ5fの操作回数が1回を上回っているか否か(2回以上であるか否か)を判定する(S711)。この結果、球貸スイッチ5fの操作回数が1回を上回っていない(1回である)と判定された場合には(S711:NO)、貸出演出実行処理を終了する。つまり、1回の球貸スイッチ5fの操作により貸球量が所定数(本実施例では250個)に達するようにCRユニット13が設定されている場合には、貸出演出は行わない。一方、球貸スイッチ5fの操作回数が1回を上回っている(2回以上である)と判定された場合には(S711:YES)、貸出演出設定処理を行う(S708)。
ここで、貸出演出設定処理について図18のフローチャートに基づいて説明する。まず、貸球量が250球に達したときに所定時間が経過したか否かを判定する(S708a)。S708aの所定時間経過判定処理は、サブ制御部260にて、1回目の球貸スイッチ5fの操作後から発射ハンドルが遊技者に接触している(発射が行われている)時間の計時を行うようにし、この計時した時間が所定時間に達したか否かを判定すればよい。「所定時間」は任意に設定可能であるが、本実施例では80秒に設定している。
つまり、S708aでは、1回目の球貸スイッチ5fの操作時から2回目の球貸スイッチ5fの操作による球貸しが終了するまでに要した時間が「80秒以上」か「80秒未満」かが判定される。なお、本実施例の遊技機は、1分間に100球の遊技球を発射可能な設計で構成されており、80秒で約133球が発射可能となる。これにより、「1回の球貸スイッチ5fの操作に伴い貸し出された貸球量(本実施例では125個)」と「それを使用した遊技中に獲得した賞球数(α)」が全て使用されるまでに要した時間の長短を判定できる。なお、サブ制御部260が実行するS708aの処理が本発明の貸出時間計測手段に相当している。
この結果、所定時間(本実施例では80秒)が経過していないと判定された場合(80秒未満の場合)には(S708a:NO)、80秒未満の時間で「125+α」の数の遊技球を全て使用したこととなり、1分間に100球発射する一般的な遊技機の構成からしてみれば、賞球払い出しを受けられる入賞口への入球が少なかった(+αが少なかった)と特定できる。つまり、遊技盤20上の釘の設定等の遊技機1の設定が遊技者に対して不利な辛い設定であると判断できるので、遊技者に有利な演出パターンテーブルAを選択する(S708b)。演出パターンテーブルAは、「確変可能性100%」、「確変可能性0%」の2つの演出パターンから構成されている。
一方、所定時間(本実施例では80秒)が経過していたと判定された場合(80秒以上の場合)には(S708a:YES)、「+α」の賞球が多かったと特定できるので、遊技盤20上の釘の設定等の遊技機1の設定が遊技者に対して有利な甘い設定又はさほど不利でない設定であると判断できるので、演出パターンテーブルAより遊技者に不利な演出パターンテーブルBを選択する(S708b)。演出パターンBは、「確変可能性100%」、「確変可能性80%」、「確変可能性50%」、「確変可能性20%」、「確変可能性0%」の5つの演出パターンから構成されている。
次に、S708bまたはS708cのいずれかで選択された演出パターンテーブルから特定の演出パターンを決定する(S708d)。演出パターンテーブルAが選択されている場合には、第2大当り終了後であれば「確変可能性100%」が特定の演出パターンとして決定され、小当り終了後であれば「確変可能性0%」が特定の演出パターンとして決定される。演出パターンテーブルBが選択されている場合には、第2大当り終了後であれば「確変可能性100%」、「確変可能性80%」、「確変可能性50%」、「確変可能性20%」の中から特定の演出パターンが決定され、小当り終了後であれば「確変可能性80%」、「確変可能性50%」、「確変可能性20%」、「確変可能性0%」の中から特定の演出パターンが決定される。このように、演出パターンテーブルAが選択された場合には、「確変可能性100%」または「確変可能性0%」が選択されるので、遊技者は現在の遊技状態を明確に特定することができ、演出パターンテーブルBが選択された場合に比較して遊技者は有利に遊技を進めることができる。
以上説明した第2実施例では、第2大当り遊技終了後(潜伏確変中)または小当り遊技終了後に貸球量が所定数(250球)に達したとき(投資額が所定額に達したとき)に、貸球によって行われた遊技の結果(この場合は遊技球使用時間)を反映して貸出演出の内容を決定している。これにより、短時間で貸球量が所定数に達した(投資額が所定額に達した)ような場合に、遊技者により有利な内容の貸出演出を行うことができ、遊技者が不利になりすぎることを防止できる。
(第3実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。以下、上記各実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図19は、本実施例の貸出演出設定処理の流れを示すフローチャートであり、上記第2実施例の図18に対応している。
図19に示すように、本第3実施例では、まず、特定遊技状態の開始後の特別図柄の変動回数が所定回数に達したか否かを判定する(S708e)。S708eの特別図柄変動回数処理は、サブ制御部260にて1回目の球貸スイッチ5fの操作後からの特別図柄の変動回数を計数開始し、この計数した変動回数が所定回数に達したか否かを判定すればよい。「所定回数」は任意に設定可能であるが、本実施例では10回に設定している。
つまり、S708eでは、1回目の球貸スイッチ5fの操作時から2回目の球貸スイッチ5fの操作による球貸しが終了するまでに何回の図柄変動遊技が行われたか(又は始動口28に遊技球が何個入球したか)が判定される。なお、本実施例の遊技機は、125球の遊技球を発射につき平均10回の図柄変動が行われれば、遊技者に著しく不利にならない設計で構成されている。したがって、S708aでは、1回目の球貸スイッチ5fの操作時から2回目の球貸スイッチ5fの操作による球貸しが終了するまでに行われた図柄変動回数が「10回以上」か「10回未満」かが判定され、これにより、本遊技機の遊技盤面上の設定(釘調整等)が遊技者にとって不利であるか否かが判定できる。なお、サブ制御部260が実行するS708eの処理が本発明の変動回数計測手段に相当している。
S708eの判定処理の結果、特別図柄の変動回数が所定回数(本実施例では10回)に達していない(10回未満)と判定された場合には(S708e:NO)、貸出量が250球に達するまでに10回未満の図柄変動遊技しか行われていないこととなり、遊技盤20上の釘の設定等の遊技機1の設定が遊技者に対して不利な辛い設定であると判断できるので、遊技者に有利な演出パターンテーブルAを選択する(S708b)。
一方、特別図柄の変動回数が所定回数(本実施例では10回)に達している(10回以上)と判定された場合には(S708e:YES)、遊技盤20上の釘の設定等の遊技機1の設定が遊技者に対して有利な甘い設定又はさほど不利でない設定であると判断できるので、演出パターンテーブルAより遊技者に不利な演出パターンテーブルBを選択する(S708b)。そして、S708bまたはS708cのいずれかで選択された演出パターンテーブルから特定の演出パターンを決定する(S708d)。
以上説明した第3実施例では、第2大当り遊技終了後(潜伏確変中)または小当り遊技終了後に特別図柄の変動回数が所定回数に達したとき(投資額が所定額に達したとき)に、貸球によって行われた遊技の結果(この場合は図柄変動回数)を反映して貸出演出の内容を決定している。これにより、上記第2実施例と同様、短時間で貸球量が所定数に達した(投資額が所定額に達した)ような場合に、遊技者により有利な内容の貸出演出を行うことができ、遊技者が不利になりすぎることを防止できる。
また、第2実施例と第3実施例とを組み合わせて、貸球によって行われた遊技の結果として、遊技球使用時間と図柄変動回数とを反映させて貸出演出の内容を決定させてもよい。こうすれば、貸球量が所定数に達した際に、遊技者が行っている遊技機の設定をさらに細かく分析でき、遊技者心理に基づく最適な態様の貸出演出を行うことができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記各実施例では、S702の計数処理(図16参照)では、貸出信号を受信した回数を計数したが、これに限らず、貸出信号の受信回数に基本単位分(25個)の貸球量を乗算して具体的な貸球量を計数し、S703の判定処理で貸球量が所定個数(例えば125個)に達したか否かを判定してもよい。
また、上記各実施例では、サブ制御部260の制御により本発明の貸球計数手段、貸球量判定手段、貸出時間計測手段、変動回数計測手段をそれぞれ実現するように構成したが、これに限らず、これらの各手段を主制御部200の制御により構成するようにしてもよい。
1…遊技機、5e…球貸スイッチ(球貸操作手段)、28…始動口、33a…大入賞口、61…特別図柄表示部(図柄表示部)、200…主制御基板(大当り遊技実行手段、小当り遊技実行手段、開放時間延長手段、確率変動手段)、230…払出制御部(払出制御手段)、260…サブ制御基板(貸出演出実行手段、貸球計数手段、貸球量判定手段、貸出時間計測手段、変動回数計測手段)。