(第1実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に本発明を適用した実施例について説明する。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1は、遊技枠2と遊技盤20等を備えている。図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。遊技枠2は、外枠3、中枠4、前面枠5、上皿部6、下皿部7等から構成される。中枠4は、前面枠5が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠3は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。外枠3は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体を支持するためのものである。この外枠3は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体2aと、外枠本体2aの前面下部を覆う前板部2bとを備えている。
中枠4はプラスチック製で遊技機1の本体枠を構成するもので、外枠3の内側にはめ込まれて設置されており、外枠3に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠4は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠5とが重なるように設けられている。前面枠5における下方側には、上皿部6と下皿部7が一体的に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。前面枠5の右側下方には、前面枠5を閉じた場合にこれを施錠するための施錠装置5bが設けられている。
前面枠5は、中枠4の前面側に配置され、中枠4の左端で開閉可能に支持されている。前面枠5はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするための開口部5aが形成されている。前面枠5の裏面には、開口部5aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
前面枠5における開口部5aの周囲には、LED等を用いた枠ランプ部5cが設けられている。枠ランプ部5cは、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部6は、前面枠5における開口部5aの下側に設けられている。上皿部6には、賞球あるいは貸球として払い出される遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。上皿部6の上面のうち、中央には演出ボタン8、右側にはCR操作部9がそれぞれ設けられている。
演出ボタン8は、第1演出ボタン8aとその左右に1つずつ設けられた第2演出ボタン8b、8cとからなる。演出ボタン8は、後述する演出ボタン操作対応演出や画像閲覧演出を行う際に用いられる。
CR操作部9は、遊技機1の左側に設けられたプリペイドカードユニット13(CRユニット)を操作するために用いられる。CR操作部9は、プリペイドカードの返却を要求する返却ボタン9aと、プリペイドカードの残り度数を表示する度数表示部9bと、遊技球の貸し出しを要求する球貸ボタン9cとを備えている。
下皿部7は、前面枠5における上皿部6の下方に設けられている。下皿部7の略中央には、遊技機1の内部から下皿部7に遊技球を排出するための排出口7aが設けられている。下皿部7の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル10が設けられている。発射ハンドル10には、遊技者が触れていることを検出する接触検出手段としてのタッチスイッチ10aが設けられている。発射ハンドル10の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ10bが配置されている。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ11a〜11dが設けられている。スピーカ11a〜11dは、前面枠5の上部に設けられた上部スピーカ11a、11bと、前面枠5の下方の前板部2bに設けられた下部スピーカ11c、11dとからなる。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技盤上を流下する遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図3参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動表示を開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開放状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い通常状態(入球不能な閉鎖状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、第1始動口28aへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図3参照)と、第2始動口28bへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28t(図3参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図3参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bのいずれかに入球することで、後述の特別図柄が変動表示を開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図3参照)と、遊技球の入球を検知する大入賞口入球検知スイッチ33s(図3参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、第1特別図柄保留表示部53、第2特別図柄保留表示部54が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62が構成されている。なお、特別図柄が本発明の「図柄」に相当し、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62が本発明の「図柄表示部」に相当している。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定の開放パターンにしたがって開放される。第2始動口28bの開放パターンは複数種類設定されている。第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能の非作動時(通常時)には、第1開放時間(例えば0.5秒)が設定された第1開放パターン(短時間開放パターン)がセットされ、開放時間延長機能の作動時には第1開放時間より長い第2開放時間(例えば4秒)が設定された第2開放パターン(長時間開放パターン)がセットされる。なお、開放時間延長機能については後述する。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否か(開放状態とするか否か)の普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
なお、普通図柄当否判定、普通図柄の停止図柄の決定、普通図柄の変動パターンの設定、普通図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
次に、特別図柄について説明する。本実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄の2つの特別図柄が設けられており、それに伴い、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部61と、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部62とが設けられている。なお、以下の説明において「特別図柄」と記載する場合、特段の断りがない限り、その記載は「第1特別図柄」および「第2特別図柄」の何れにも対応するものとする。
各特別図柄表示部61,62は、それぞれ7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより、それぞれ特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が表示される。この各特別図柄表示部61,62を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより、それぞれの特別図柄について複数の表示態様を表示できる。そして、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62において、それぞれ7個のLEDの点灯および消灯の組合せで表示される特別図柄の組合せのうち特定の組合せが大当り図柄として設定されており、その大当り図柄以外の組合せが外れ図柄として設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
第1始動口28aに遊技球が入球することにより第1特別図柄表示部61で第1特別図柄が変動表示し、所定時間経過後に第1特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄のいずれかで停止表示される。また、第2始動口28bに遊技球が入球することにより第2特別図柄表示部62で第2特別図柄が変動表示し、所定時間経過後に第2特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄のいずれかで停止表示される。このように、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示可能な状態が「図柄変動遊技状態」であり、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示を経て大当り図柄で停止表示されると、遊技状態が「図柄変動遊技状態」から後述の「特別遊技状態」に移行する。
本実施例では、遊技球が第1始動口28aに入球した際に取得される第1特別図柄用乱数と、遊技球が第2始動口28bに入球した際に取得される第2特別図柄用乱数とが設けられている。第1特別図柄用乱数には、大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かの第1特別図柄当否判定に用いられる第1特別図柄当否判定用乱数と、第1特別図柄の停止図柄を決定するための第1特別図柄決定用乱数と、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数とが含まれている。同様に、第2特別図柄用乱数には、大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かの第2特別図柄当否判定に用いられる第2特別図柄当否判定用乱数と、第2特別図柄の停止図柄を決定するための第2特別図柄決定用乱数と、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数とが含まれている。
第1始動口28aへの遊技球の入球に伴って、第1特別図柄当否判定用乱数と第1特別図柄決定用乱数が取得され、この取得された第1特別図柄当否判定用乱数と第1特別図柄決定用乱数は、主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に保留(第1特別図柄保留)として記憶される。また、第2始動口28bへの遊技球の入球に伴って、第2特別図柄当否判定用乱数と第2特別図柄決定用乱数が取得され、主制御部200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に保留(第2特別図柄保留)として記憶される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。第1特別図柄保留表示部53と第2特別図柄保留表示部54はそれぞれ2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、それぞれ4個を上限として保留数を表示することができる。
第1始動口28aに入球した遊技球の数は、第1特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。第1特別図柄保留数は、第1始動口28aへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶される第1特別図柄用乱数(第1特別図柄当否判定用乱数、第1特別図柄決定用乱数)の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第1始動口28aへの遊技球の入球に伴い、第1特別図柄当否判定用乱数とともに第1特別図柄決定用乱数も取得されるので、第1特別図柄保留数は、第1特別図柄決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、第1特別図柄保留数は、第1特別図柄当否判定が行われ第1特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。
第2始動口28bに入球した遊技球の数は、第2特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。第2特別図柄保留数は、第2始動口28bへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に記憶される第2特別図柄用乱数(第2特別図柄当否判定用乱数、第2特別図柄決定用乱数)の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第2始動口28bへの遊技球の入球に伴い、第2特別図柄当否判定用乱数とともに第2特別図柄決定用乱数も取得されるので、第2特別図柄保留数は、第2特別図柄決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、第2特別図柄保留数は、第2特別図柄当否判定が行われ第2特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。第1、第2特別図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
特別図柄当否判定用乱数には、当否判定用の当り値(大当り値)が設定されており、遊技球が第1始動口28aまたは第2始動口28bに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に大当りと判定される。第1特別図柄当否判定は第1特別図柄が変動表示を開始する際に行われ、第2特別図柄当否判定は第2特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。
第1特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に大当りと判定され、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が大当り図柄に決定される。この大当り図柄は第1特別図柄決定用乱数に基づき決定される。そして、第1特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致しない場合には、外れであり、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が外れ図柄に決定される。
同様に、第2特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に大当りと判定され、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が大当り図柄に決定される。この大当り図柄は第2特別図柄決定用乱数に基づき決定される。そして、第2特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致しない場合には、外れであり、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が外れ図柄に決定される。
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無(演出内容)を規定するものである。特別図柄の変動パターンは、特別図柄当否判定が実行される際に、複数の変動パターンが格納された変動パターンテーブルから変動パターン乱数を用いた抽選により選択される。
特別図柄の変動パターンテーブルは複数用意されており、それぞれ遊技状態(特別図柄の変動モード)応じて選択されて用いられる。また、遊技状態に応じて選択される各変動パターンテーブルには、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に選択される当り変動パターンテーブルと、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に選択される外れ変動パターンテーブルとが含まれている。外れ変動パターンテーブルに格納される外れ変動パターンには、リーチ変動を伴わない「通常外れ変動パターン(リーチなし外れ変動パターン)」と、リーチ変動を伴う「リーチあり外れ変動パターン」とがある。通常外れ変動パターンは、リーチあり外れ変動パターンに比べ特別図柄の変動時間が短い変動パターンとして構成されており、リーチあり外れ変動パターンは、通常外れ変動パターンに比べ特別図柄の変動時間が長い変動パターンとして構成されている。なお、リーチ変動の有無は、始動口28への遊技球入球時に取得されるリーチ乱数を用いた抽選によって決定される。
また、本実施例の遊技機1では、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示より優先的に実行する第2特別図柄優先変動処理が行われるように構成されている。つまり、第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数の双方が「1以上」である場合には、第1特別図柄より第2特別図柄が優先的に変動表示を開始し、第2特別図柄の保留が優先的に消化される。そして、第1特別図柄保留数が「1以上」で、かつ、第2特別図柄保留数が「ゼロ」となった場合に、第1特別図柄の変動表示が実行される。
なお、第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定、第1特別図柄の変動態様(変動パターン)の決定、第2特別図柄の変動態様(変動パターン)の決定、第1特別図柄の停止図柄の決定、第2特別図柄の停止図柄の決定、第1特別図柄の変動表示および停止表示、第2特別図柄の変動表示および停止表示、第2特別図柄の優先変動は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。
次に、大当り遊技(特別遊技)について説明する。特別図柄変動遊技状態にて、第1特別図柄表示部61で停止表示された第1特別図柄が大当り図柄の場合(第1特別図柄当否判定の結果が大当りの場合)、または第2特別図柄表示部62で停止表示された第2特別図柄が大当り図柄の場合(第2特別図柄当否判定の結果が大当りの場合)に、遊技者に相対的に有利な大当り遊技(特別遊技)が実行される特別遊技状態に移行する。
大当り遊技は、特別図柄表示部61、62で特別図柄が大当り図柄で停止表示した場合に大当り遊技フラグをONに設定することで開始する。大当り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するもので、後述の大当り遊技処理が繰り返し実行されることによって実現される。なお、主制御部200が本発明の「遊技制御手段」に相当している。
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が規定時間に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が規定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1回のラウンド遊技(大当りラウンド)とした場合、大当り遊技は、所定数のラウンド遊技が行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33aの開放状態が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定の閉鎖時間(インターバル時間)が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンド遊技が開始する。このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンド遊技とする大入賞口33aの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数が終了するまで繰り返し継続される。大当り遊技の最終ラウンドが終了した後、後述の大当り遊技終了演出(エンディング演出)が実行され、この大当り遊技終了演出の実行期間(エンディング期間)が経過すると、特別遊技状態が終了して図柄変動遊技状態に移行する。
本実施例では、最高継続ラウンド数が異なる複数種類の大当り遊技が設けられている。具体的には、最高継続ラウンド数が4ラウンドの「第1大当り遊技」と、最高継続ラウンド数が16ラウンドの「第2大当り遊技」とが設けられている。これらの大当り遊技は、大当り図柄の種類、すなわち、特別図柄決定用乱数(第1特別図柄決定用乱数、第2特別図柄決定用乱数)を用いた乱数抽選(大当り図柄決定抽選)の結果に応じて振り分けられる。つまり、特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定)の結果が大当りで、それに伴い特別図柄決定用乱数(第1特別図柄決定用乱数または第2特別図柄決定用乱数)に基づき決定される大当り図柄が「第1大当り図柄」の場合には「第1大当り遊技」が実行され、「第2大当り図柄」の場合には「第2大当り遊技」が実行される。以下では、最高継続ラウンド数の違いによって、第1大当り遊技を「4R大当り遊技」と称し、第2大当り遊技を「16R大当り遊技」と称する。なお、「4R大当り遊技」が実行される遊技状態が本発明の「第1特別遊技状態」に相当し、「16R大当り遊技」が実行される遊技状態が本発明の「第2特別遊技状態」に相当している。
本実施例では、大当り遊技(4R大当り遊技、16R大当り遊技)における大入賞口33aの開放時間として、大入賞口33aへの規定数(10個)の遊技球の入球可能性およびこれに伴う賞球払出の実行可能性が極めて高く、賞球払出量が多くなる長開放時間が設定されている。大入賞口33aの長開放時間は「25秒〜30秒」であることが望ましく、本実施例では「26秒」に設定されている。大入賞口33aが長開放時間で開放される状態は、大入賞口33aへの遊技球の入球が容易な「入賞容易状態」として位置付けられる。なお、本実施例では、ラウンド毎に大入賞口33aが1回開放するように構成されている。つまり、所謂「フルオープン」のラウンド遊技が1ラウンド単位で行われるように構成されている。
また、4R大当り遊技では、1〜3ラウンド目の大入賞口閉鎖時間は「2秒」に設定され、最終ラウンドである4ラウンド目の大入賞口閉鎖時間は「10秒」に設定されている。また、16R大当り遊技では、1〜3ラウンド目、5〜16ラウンド目の大入賞口閉鎖時間は「2秒」に設定され、4R大当り遊技の最終ラウンドに対応する4ラウンド目の大入賞口閉鎖時間は「10秒」に設定されている。大入賞口33aが閉鎖される状態は、大入賞口33aへの遊技球の入球が不能な「入賞不能状態」として位置づけられる。
本実施例の遊技機1では、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62を用いて行われる特別図柄の図柄変動遊技に合わせて、演出表示装置25で図柄変動演出が行われる。図柄変動演出としては、例えば第1特別図柄表示部61での第1特別図柄または第2特別図柄表示部62での第2特別図柄の変動表示に合わせて演出図柄を変動表示させる変動表示演出や、演出図柄の変動表示中に行われるリーチ演出などが挙げられる。なお、これらの演出内容は複数種類存在し、演出画像データは演出表示制御部280のROMに記憶されている。
ここで、後述のサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で実現される図柄変動演出について説明する。図2に示すように、演出表示装置25の表示領域には、数字図柄からなる演出図柄が表示される。この演出図柄は、第1特別図柄表示部61での第1特別図柄または第2特別図柄表示部62での第2特別図柄の変動表示および停止表示に連動して表示される。また、演出表示装置25の表示領域のうち、演出図柄の表示部位を除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。上述のように、演出表示装置25は、遊技盤20(遊技領域21)の中央に配置されているので、遊技者は通常、演出表示装置25の表示内容(特に演出図柄)に注目して遊技を行うこととなる。
本実施例では、演出図柄として「1」〜「9」からなる数字図柄を用いており、演出図柄表示装置25の表示領域は、左演出図柄が表示される左演出図柄表示領域、中演出図柄が表示される中演出図柄表示領域、右演出図柄が表示される右演出図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域を含んでいる。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。
3個の演出図柄(左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄)は、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示を開始することにより変動表示を開始し、第1特別図柄または第2特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3個同一の図柄組合せ(ゾロ目)が特別図柄の大当り図柄に対応し、それ以外の図柄組合せが特別図柄の外れ図柄に対応している。
演出図柄の変動表示演出やリーチ演出等の図柄変動演出は、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の開始時に主制御部200から送信される変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンドおよび停止情報指定コマンド)に基づいて、サブ制御部260の制御によって行われるように構成されている。つまり、図柄変動演出で行われる演出内容の設定および図柄変動演出の実行はサブ制御部260によって行われる。また、図柄変動演出の演出内容(演出パターン)は、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果や、その当否判定の結果が大当りの場合に決定される第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の種類に基づいて、図柄変動演出の開始時に設定される。
ここで、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される変動パターン指定コマンドは、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部200は、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果に応じて第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターンをランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターンに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示装置25で表示される演出図柄の演出パターン(図柄変動演出の演出パターン)を決定する。また、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される停止情報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部200は、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果に応じて第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄をランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄を示す停止情報指定コマンドに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示装置25で停止表示される演出図柄の停止図柄を決定する。
また、演出表示装置25の表示領域では、大当り遊技中に大当り遊技の進行に伴う当り関連演出が行われる。当り関連演出としては、大当り遊技での1回目のラウンド遊技の開始前に実行される「大当り遊技開始演出(ファンファーレ演出)」、大当り遊技での大入賞口開放中(ラウンド遊技中)に実行される「ラウンド演出(ラウンド遊技演出)」、大当り遊技における各ラウンド間の大入賞口閉鎖中(インターバル時間中)に実行される「大入賞口閉鎖中演出(インターバル演出)」、大当り遊技での最終回のラウンド遊技の終了後(エンディング期間中)に実行される「大当り遊技終了演出(エンディング演出)」等がある。
また、上述のように、4R大当り遊技の最終ラウンドである4ラウンド目と、これに対応する16R大当り遊技の4ラウンド目の大入賞口閉鎖時間は、他のラウンドの大入賞口閉鎖時間より長く設定されており、ラウンド継続可否演出が実行される。ラウンド継続可否演出では、4ラウンド終了後にラウンド遊技が継続するか否か、すなわち実行中の大当り遊技が4R大当り遊技または16R大当り遊技の何れであるかを示す演出が行われる。これらの当り関連演出は、サブ制御部260が大当り遊技の進行に伴って主制御部200から送信されるコマンドに基づいて実行する。このため、サブ制御部260が本発明の「演出制御手段」に相当している。
本実施例では、大入賞口33aへの遊技球の不正な入賞(異常入賞)の発生を検知する大入賞口入賞監視処理を行っている。この大入賞口入賞監視処理(S800)は、主制御部200の制御によって行われる(図4、図10参照)。
大入賞口33aは、予め設定された開放時間だけ開放する特別電動役物(可変入賞口)であり、その開放時間に基づき「大入賞口入賞検知有効期間」が設定されている。本実施例では、大入賞口入賞検知有効期間(以下「入賞検知有効期間」という)を、大入賞口33aが開放してから閉鎖するまでの大入賞口開放時間に検知許可時間を加えた時間(「大入賞口開放時間」+「検知許可時間」)としている。検知許可時間は、大入賞口33aが入賞容易状態から入賞不能状態に移行するタイミングで(移行間際に)遊技球が大入賞口33aに入球し、入賞不能状態に移行した後にその遊技球が大入賞口入球検知スイッチ33sによって検知される場合に、その検知を有効とする(正常な入賞として扱う)ために設定される時間である。このような検知許可時間は、大入賞口33aが閉鎖する直前に大入賞口33aに入球した遊技球が大入賞口入球検知スイッチ33s(図3参照)に到達するのに要する時間を考慮して設定することができ、本実施例では検知許可時間を「10秒」としている。
主制御部200は、大入賞口入賞監視処理において、入賞検知有効期間内に大入賞口入球検知スイッチ33sで検知された大入賞口33aへの遊技球の入球は正常入賞と判定し、入賞検知有効期間外に大入賞口入球検知スイッチ33sで検知された大入賞口33aへの遊技球の入球は異常入賞と判定する。そして、主制御部200は、大入賞口33aで異常入賞が発生したと判定した場合に、サブ制御部260に大入賞口入賞異常コマンドを送信するように構成されている。大入賞口入賞異常コマンドを受信したサブ制御部260は、大入賞口33aで異常入賞が発生したことを報知する第1大入賞口入賞異常報知を行う。第1大入賞口入賞異常報知では、演出表示装置25の表示領域での画面表示、枠ランプ部5cの点灯・点滅、スピーカ11a〜11dからの音声出力等を用いて、大入賞口33aへの遊技球の入球に関する異常(大入賞口33aの異常入賞)が発生したことを報知する。なお、主制御部200が本発明の「検知判定手段」に相当し、サブ制御部260が本発明の「異常検知報知手段」に相当している。
上述の大入賞口入賞監視処理では、入賞検知有効期間内に検知された大入賞口33aへの遊技球の入球は正常入賞と判定するため、例えば大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖した後の検知許可時間中(本実施例では10秒)に大入賞口33aで異常入賞が発生した場合には、この異常入賞を検知することができない。そこで、本実施例では、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞を検知するために大入賞口計数処理を行っている。この大入賞口計数処理(S1500)は、サブ制御部260の制御によって行われる(図11、図15参照)。
サブ制御部260は、大当り遊技が開始されてから、大入賞口33aが最終ラウンドで閉鎖状態(入賞不能状態)となった後の所定時間(以下「閉鎖後時間」という)が経過するまでの間、大入賞口計数処理を行うことによって、大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知数(大入賞口入賞数)に応じた入賞情報を取得し、この入賞情報に基づいて大入賞口入賞検知有効期間内における大入賞口33aでの異常入賞を検出する。ここで、閉鎖後時間(最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖してからの経過時間)は、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞の有無を判定するために設定される時間のことであり、本実施例では、その「閉鎖後時間」を上述の検知許可時間と同一の「10秒」に設定している。また、本実施例では、大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知数(大入賞口入賞数)に応じた入賞情報として、大入賞口33aへの遊技球の入球に対する賞球払出数を用いている。
サブ制御部260は、大入賞口入球検知スイッチ33sにより遊技球が検知される毎に主制御部200から送信される大入賞口入賞コマンドに基づいて大入賞口入賞数を計数し、その計数値から賞球払出数を算出する。そして、サブ制御部260は、大入賞口入賞数の計数値から算出される賞球払出数が所定の基準値を上回った場合に、入賞検知有効期間内に大入賞口33aの異常入賞があったと判定し、賞球払出数が基準値を上回らなかった場合に、入賞検知有効期間内に大入賞口33aの異常入賞がなかったと判定する。
大入賞口33aの異常入賞を判定するための基準値は、1回の大当り遊技での賞球払出数の最大値に所定値を加算した値として設定される。上述のように、1ラウンド当りの大入賞口入賞数の最大値(規定数)は「10個」であり、大入賞口33aへの1個の入賞に対して「15個」の賞球払出しが行われるため、1ラウンド当りの賞球払出数の最大値は「150個」(=10個×15個)となる。このため、4R大当り遊技であれば、1回の大当り遊技における賞球払出数の最大値は「600個」(=150個×4ラウンド)となり、16R大当り遊技であれば、1回の大当り遊技における賞球払出数の最大値は「2400個」(=150個×16ラウンド)となる。また、1ラウンドにおいて、大入賞口入球検知スイッチ33sで規定数(10個)の遊技球の入球が検知されてから大入賞口33aが閉鎖状態となるまでに、大入賞口33aに若干数の遊技球が入球する可能性、すなわち「オーバー入賞」が発生する可能性がある。そのような「オーバー入賞」に該当する遊技球は、大入賞口33aが閉鎖状態となった後で大入賞口入球検知スイッチ33sに検知される可能性が極めて高い。そこで、本実施例では、1回の大当り遊技で発生し得るオーバー入賞を考慮して、大入賞口33aの異常入賞を判定するための基準値を設定している。つまり、大当り遊技が正常に行われる状況下(異常入賞のない状況下)において、1回の大当り遊技で賞球払出数の最大値を超えて払い出される可能性のある賞球数(過剰賞球数)が、1回の大当り遊技での賞球払出数の最大値に加算される「所定値」に相当する。そして、本実施例では、その「所定値(過剰賞球数)」を、4R大当り遊技では「90個」(=6個×15個)とし、16R大当り遊技では「360個」(=24個×15個)としている。このため、大入賞口33aの異常入賞を判定するための基準値は、4R大当り遊技では「690個」(=600個+90個)に設定され、16R大当り遊技では「2760個」(=2400個+360個)に設定される。そして、各大当り遊技において実際に払出された賞球数が、各大当り遊技の基準値を超えた場合には、異常入賞が発生したと考えられる。
サブ制御部260は、大入賞口計数処理において、大入賞口33aで異常入賞があったと判定した場合には、大入賞口33aで異常入賞が発生したことを報知する第2大入賞口入賞異常報知を行う。第2大入賞口入賞異常報知では、第1大入賞口入賞異常報知と同様に、演出表示装置25の表示領域での画面表示、枠ランプ部5cの点灯・点滅、スピーカ11a〜11dからの音声出力等を用いて、大入賞口33aへの遊技球入球に関する異常(大入賞口33aの異常入賞)が発生したことを報知する。なお、大入賞口入球検知スイッチ33sが本発明の「大入賞口検知手段」に相当し、サブ制御部260が本発明の「入賞情報取得手段」、「計時手段」、「入賞情報判定手段」、「異常入賞報知手段」に相当している。
ここで、上述の「第1大入賞口入賞異常報知の実行パターン」および「第2大入賞口入賞異常報知の実行パターン」は、互いに同じパターンであっても異なるパターンであってもよい。そのうち、両者を異なるパターンとした場合には、大入賞口33aの異常入賞が、入賞検知有効期間外に遊技球が大入賞口入球検知スイッチ33sにより検知されたことで発生したのか(主制御部200による大入賞口の異常入賞検出)、1回の大当り遊技の実行を契機とする賞球払出数の合計が基準値を超えたことで発生したのか(サブ制御部260による大入賞口の異常入賞検出)を、その異常報知の実行パターンに基づき判別することが可能となる。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図3に基づいて説明する。図3は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の当否判定を行う抽選手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入球検知スイッチ28s,28t、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、普通図柄表示装置51、特別図柄表示装置61,62、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、遊技機1の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ11a〜11dから出力される効果音、演出表示装置25による演出図柄の表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200からサブ制御部260には、特別図柄の変動表示に関連する各種図柄制御コマンド(変動パターン指定コマンド、停止情報指定コマンド、図柄停止コマンドなど)、大入賞口入球検知スイッチ33sにより遊技球が検知されたことを示す大入賞口入賞コマンド、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。そして、サブ制御部260には演出表示制御部280が接続されており、サブ制御部260から演出表示制御部280には、主制御部200からの各種図柄制御コマンドに応じた演出図柄の表示(図柄変動演出)を実現するための演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
演出表示制御部280の演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されており、演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。また、演出表示制御基板280aには、図示しない画像ROMが設けられており、その画像ROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
その他、サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262とアンプ基板263が接続されている。各種LED・ランプ262には、枠ランプ部5cが含まれている。アンプ基板263には、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等を出力するスピーカ11a〜11dが接続されている。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン8が接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン8からの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ11a〜11dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での図柄変動演出の実行パターン(演出パターン)の選択処理や、その実行パターンに基づく図柄変動演出の実行処理等を行う。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図4は、主制御部200の制御下で行われるメインジョブの一例である。図4に示すメインジョブは、主制御基板200aに実装されたCPU200bが、図示しないROM(CPU200bの内蔵ROMまたは主制御基板200aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行するもので、電源投入処理(S100)の後、遊技開始処理(S200)、普通図柄遊技処理(S300)、普通電動役物遊技処理(S400)、特別図柄遊技処理(S500)、大当り遊技処理(S600)、大当り遊技終了処理(S700)、大入賞口入賞監視処理(S800)の各処理が、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理(S50)は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理(S100)に移るようになっている。
電源投入処理(S100)は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理(S200)では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる
普通図柄遊技処理(S300)では、まず、普通図柄当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り普通図柄の表示態様で停止表示させるか、外れ普通図柄の表示態様で停止表示させるかを決定する。ここで、前述したように、本実施例における普通図柄当否判定は、始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の作動状態に応じて、当りとなる確率が異なっており、開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の作動時の方が、開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の非作動時に比べ当りとなる確率が高くなっている。
次に、普通図柄当否判定の結果が得られたら、普通図柄の変動時間を設定し、その変動時間に従って普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動時間が経過すると、決定しておいた表示態様で普通図柄を停止表示させ、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(第2始動口28bを開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理(S400)では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態(閉鎖状態)となる。
次に、特別図柄遊技処理(S500)を図5〜図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、図5(a)に示すように、始動口入賞処理を行う(S501)。ここで、始動口入賞処理(S501)について図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1始動口28aに入賞(遊技球が入球)したか否かを判定し(S501a)、第1始動口28aに入賞していないと判定された場合には(S501a:NO)、S501dの処理に移行する。一方、第1始動口28aに入賞したと判定された場合には(S501a:YES)、第1特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501b)。この結果、第1特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501b:NO)、S501dの処理に移行し、第1特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501b:YES)、第1特別図柄用乱数(第1図柄当否判定情報)を取得してRAMの所定領域に記憶する(S501c)。第1特別図柄用乱数は、第1特別図柄当否判定用乱数、第1特別図柄決定用乱数(当り図柄決定用乱数)、リーチ乱数などからなる。これにより、第1特別図柄保留数が1増加する。そして、第1特別図柄保留数を示す第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御部260に送信する(S501d)。
次に、第2始動口28bに入賞したか否かを判定し(S501e)、第2始動口28bに入賞していないと判定された場合には(S501e:NO)。始動口入賞処理を終了する。一方、第2始動口28bに入賞したと判定された場合には(S501e:YES)、第2特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501f)。この結果、第2特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501f:NO)、始動口入賞処理を終了し、第2特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501f:YES)、第2特別図柄用乱数(第2図柄当否判定情報)を取得して記憶する(S501g)。第2特別図柄用乱数は、第2特別図柄当否判定用乱数、第2特別図柄決定用乱数(当り図柄決定用乱数)、リーチ乱数などからなる。これにより、第2特別図柄保留数が1増加する。そして、第2特別図柄保留数を示す第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御部260に送信する(S501h)。
次に、図5(a)に戻り、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S502)。この結果、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S502:YES)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S502:NO)、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であるか否かを判定する(S503)。
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、後述のS510の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S503:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S504)。ここで、特別図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、特別図柄の停止表示時間を「1秒」としている。そして、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S504:YES)、後述のS514の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S504:NO)、第2特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S506)。この結果、第2特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S506:YES)、第1特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
そして、第1特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、第1特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、第1特別図柄変動表示処理を行う(S508)。
一方、S506の判定処理で第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第2特別図柄変動表示処理を行う(S509)。つまり、S506の判定処理で第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第1特別図柄保留数がゼロでなくても(1以上であっても)第2特別図柄の変動表示処理が実行される。これにより、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄よりも優先して行われることとなり、S506の判定処理によって第2特別図柄の優先変動機能が実現される。
ここで、第1特別図柄変動表示処理(S508)と第2特別図柄変動表示処理(S509)を図11のフローチャートに基づいて説明する。第1特別図柄変動表示処理と第2特別図柄変動表示処理は同一内容の処理である。すなわち、図11における「特別図柄」が、第1特別図柄変動表示処理では「第1特別図柄」となり、第2特別図柄変動表示処理では「第2特別図柄」となるだけで、その他は同一である。以下では、第1特別図柄変動表示処理(S508)について説明し、第2特別図柄変動表示処理(S509)の説明を省略する。
まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数(始動口28への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S508a)、特別図柄当否判定を行う(S508b)。特別図柄当否判定では、確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、高確率当否判定テーブルを用いて、判定結果が大当りとなる確率を高くした状態(高確率状態)で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない(通常遊技中)と判定された場合には、通常確率当否判定テーブルを用いて、判定結果が大当りとなる確率を低くした状態(低確率状態)で当否判定を行う。
次に、特別図柄当否判定(S508b)の結果が大当りであるか否かを判定する(S508c)。この結果、大当りであると判定された場合には(S508c:YES)、大当り時変動パターンテーブル設定処理を行う(S508d)。一方、大当りでないと判定された場合には(S508c:NO)、外れ時変動パターンテーブル設定処理を行う(S508e)。
次に、変動パターン乱数を取得するとともに、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている図柄決定用乱数(始動口28への遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数)を読み出す(S508f)。
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S508g)。特別図柄の変動パターンは、S508fで取得した変動パターン乱数を用いて、S508d、S508eの何れかの処理で設定した変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。なお、S508d、S508eの処理で設定される各変動パターンテーブルには、変動パターン乱数の値と変動パターンとが関連付けられており、S508fで取得した変動パターン乱数の値に対応する変動パターンが、今回使用する変動パターンとして決定される。また、特別図柄の停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、S508fで読み出した特別図柄決定用乱数を用いて、主制御部200の所定領域に記憶されている図柄決定テーブルに設定された大当り図柄に決定し、特別図柄当否判定の結果が外れの場合には、外れ図柄に決定する。図柄決定テーブルについても、変動パターンテーブルと同様に、特別図柄決定用乱数の値と各大当り図柄とが関連付けられており、S508fで読み出した特別図柄決定用乱数の値に対応する大当り図柄が、今回停止表示する大当り図柄として決定される。
次に、S508gの処理で決定された停止図柄および変動パターンに従って、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62で特別図柄の変動表示を開始し(S508h)、特別図柄保留数を1減算し(S508i)、サブ制御部260に図柄変動開始時コマンドを送信する(S508j)。「図柄変動開始時コマンド」には、変動パターン指定コマンド、停止情報指定コマンド、保留数指定コマンドが含まれる。変動パターン指定コマンドは、S508gの処理で決定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄情報指定コマンドは、同じくS508gの処理で決定された特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。保留数指定コマンドは、特別図柄の変動表示開始後の特別図柄保留数を指定するコマンドである。この図柄変動開始時コマンドをサブ制御部260に送信すると、これらコマンドを受信したサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始される。以上までが、特別図柄の変動表示を開始する際の処理である。
次に、図5(a)に戻り、上記S503で特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(S510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動表示を停止し(S511)、特別図柄の変動表示が停止したことを示す図柄停止コマンドをサブ制御部260に送信し(S512)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S513)。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S514:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S514:YES)、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄である否かを判定する(図5(b)のS515)。
この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S515:YES)、大当り遊技開始時の遊技状態に関する情報を主制御部200のRAMの所定領域に記憶する(S516)。「大当り遊技開始時の遊技状態に関する情報」には、停止表示された大当り図柄の種類を示す情報や、大当り図柄が停止表示された時点における遊技状態フラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグ)の設定状態を示す情報等が含まれている。
次に、大当り遊技実行パターンをセットする(S517)。大当り遊技実行パターンとして、4R大当り遊技では大入賞口33aの開閉動作を4ラウンド分(4回)行う大入賞口開閉パターンがセットされ、16R大当り遊技では大入賞口33aの開閉動作を16ラウンド分(16回)行う大入賞口開閉パターンがセットされる。そして、大当り遊技フラグをONにセットし(S518)、大当り遊技が開始したことを示す大当り遊技開始コマンドをサブ制御部260に送信する(S519)。これにより、S517の処理でセットされた大当り遊技実行パターンに従って大当り遊技が開始される。なお、S518の処理で大当り遊技フラグがONにセットされることで、特別遊技状態の開始となる。
次に、確変フラグがONにセットされているか否かを判定する(S520)。この結果、確変フラグがONにセットされていないと判定された場合には(S520:NO)、S522の判定処理に移行し、確変フラグがONにセットされていると判定された場合には(S520:YES)、確変フラグをOFFにセットする(S521)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能が作動を停止する。
次に、変動短縮フラグがONにセットされているか否かを判定する(S522)。この結果、変動短縮フラグがONにセットされていないと判定された場合には(S522:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONにセットされていると判定された場合には(S522:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S523)、開放延長フラグをOFFにセットする(S524)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を停止する。
次に、上記S515の判定処理で、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合(外れ図柄の場合)には(S515:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S525)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S525:NO)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S525:YES)、変動短縮カウンタから「1」を減算する(S526)。なお、「変動短縮カウンタ」とは、変動時間短縮機能の作動期間を定めるためのカウンタであり、後述する大当り遊技終了処理(S700)でセットされるものである。
そして、S526で「1」を減算した変動短縮カウンタが「ゼロ」であるか否かを判定する(S527)。この結果、変動短縮カウンタが「ゼロ」でないと判定された場合には(S527:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタが「ゼロ」であると判定された場合には(S527:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S528)、さらに開放延長フラグをOFFにセットする(S529)。これにより、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を停止する。そして、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動しない遊技状態であることを示す遊技状態指定コマンドを、サブ制御部260に送信する(S530)。この遊技状態指定コマンドを受けたサブ制御部260では、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が非作動の状態(通常状態)である旨を示す文字やキャラクタや背景等を演出表示装置25の表示領域に表示する処理を行う。
次に、大当り遊技処理(S600)について図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技フラグがONであるか否か(大当り遊技中であるか否か)を判定する(S601)。この結果、大当り遊技フラグがOFFである(大当り遊技中でない)と判定された場合には(S601:NO)、大当り遊技処理を終了し、大当り遊技フラグがONである(大当り遊技中である)と判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aに遊技球が入賞したか否か、すなわち大入賞口入球検知スイッチ33sにより遊技球が検知されたか否かを判定する(S603)。
この結果、大入賞口33aに遊技球が入賞していないと判定された場合には(S603:NO)、S605の判定処理に移行し、大入賞口33aに遊技球が入賞したと判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aに遊技球が入賞したことを示す大入賞口入賞コマンドをサブ制御部260に送信する(S604)。この大入賞口入賞コマンドは、大入賞口入球検知スイッチ33sが遊技球を1個検知する毎に、サブ制御部260に対して送信される。
次に、大入賞口33aの開放を終了する大入賞口開放終了タイミングであるか否かを判定する(S605)。S605の判定処理では、大入賞口33aの開放時間が経過したか、または大入賞口33aに規定数(本実施例では10個)の遊技球が入球したか否かを判定する。この結果、大入賞口開放終了タイミングでないと判定された場合には(S605:NO)、大当り遊技処理を終了する。これにより、大入賞口33aは開放状態を継続する。一方、大入賞口開放終了タイミングであると判定された場合には(S605:YES)、大入賞口33aの開放を終了する(S605)。これにより、大入賞口33aは開放状態から閉鎖状態に移行する。
次に、現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する(S607)。この結果、最終ラウンドでないと判定された場合には(S607:NO)、最終ラウンドを除いたラウンドで大入賞口33aが閉鎖状態に移行したことを示す大入賞口閉鎖コマンドをサブ制御部260に送信する(S608)。一方、最終ラウンドであると判定された場合には(S607:YES)、最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖状態に移行したことを示す最終ラウンド開放終了コマンドをサブ制御部260に送信する(S609)。
次に、上記S602の判定処理で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大入賞口33aの開放を開始する大入賞口開放開始タイミングであるか否かを判定する(S610)。この結果、大入賞口開放開始タイミングでないと判定された場合には(S610:NO)、大当り遊技処理を終了する。一方、大入賞口開放開始タイミングであると判定された場合には(S610:YES)、大入賞口33aの開放を開始する(S611)。これにより、新たなラウンドが開始する。そして、Nラウンド開始コマンドをサブ制御部260に送信する(S612)。Nラウンド開始コマンドは、開始されたラウンドが大当り遊技のN回目(N≧1)のラウンドであることを示すコマンドである。ここで、実行中の大当り遊技が「4R大当り遊技」の場合には「N」が「1」〜「4」の何れかの値となり、「16R大当り遊技」の場合には「N」が「1」〜「16」の何れかの値となる。
次に、大当り遊技終了処理(S700)について図9のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技終了タイミングであるか否かを判定する(S701)。この結果、大当り遊技終了タイミングであると判定された場合には(S701:YES)、大当り遊技終了コマンドをサブ制御部260に送信し(S702)、エンディングタイマの作動を開始させる(S703)。エンディングタイマは、大当り遊技終了時に実行されるエンディング演出の実行時間を計時するためのタイマであり、エンディング演出の実行時間が経過することで、その作動が終了(タイムアップ)する。
次に、エンディングタイマの作動が終了したか否かを判定する(S704)。この結果、エンディングタイマの作動が終了していないと判定された場合には(S704:NO)、大当り遊技終了処理を終了する。なお、S703の処理でエンディングタイマの作動を開始させた直後は、S704の判定処理が否定結果となり、この場合も、そのまま大当り遊技終了処理を終了する。
次に、上記S701の判定処理で、大当り遊技の終了タイミングではないと判定された場合には(S701:NO)、エンディングタイマが作動中であるか否かを判定する(S705)。この結果、エンディングタイマが作動中でないと判定された場合には(S705:NO)、大当り遊技終了処理を終了し、エンディングタイマが作動中であると判定された場合には(S705:YES)、S704の判定処理に移行する。
そして、S704の判定処理で、エンディングタイマの作動が終了したと判定された場合には(S704:YES)、大当り遊技フラグをOFFにセットする(S706)。これにより、特別遊技状態が終了し、この後、遊技状態が図柄変動遊技状態に移行することとなる。次に、今回の大当り、すなわち、今回終了した大当り遊技の開始契機となった大当りの種類が確変大当りであるか否かを判定する(S707)。この結果、確変大当りであると判定された場合には(S707:YES)、確変フラグをONにセットし(S708)、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする(S709)。S708の処理により確変フラグがONにセットされることで、大当り遊技の終了後(特別遊技状態の終了後)に確率変動機能が作動を開始し、この後の図柄変動遊技状態は、確率変動機能を伴って開始されることとなる。一方、S707の判定処理で確変大当りでないと判定された場合には(S707:NO)、確変フラグをONにセットすることなく、変動短縮カウンタに「100」をセットする(S710)。
次に、変動短縮カウンタをONにセットし(S711)、開放延長フラグをONにセットする(S712)。これにより、大当り遊技の終了後(特別遊技状態の終了後)に変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を開始し、この後の図柄変動遊技状態は、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動を伴って開始されることとなる。そして、確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の各々の作動状態を示す遊技状態指定コマンドをサブ制御部260に送信する(S713)。
次に、大入賞口入賞監視処理(S800)を図10のフローチャートに基づいて説明する。まず、入賞検知有効期間(大入賞口入賞検知有効期間)であるか否かを判定する(S801)。この結果、入賞検知有効期間であると判定された場合には(S801:YES)、大入賞口入賞監視処理を終了する。一方、入賞検知有効期間でないと判定された場合には(S801:NO)、大入賞口入球検知スイッチ33sによって大入賞口33aへの遊技球の入賞が検知されたか否かを判定する(S802)。このS802の判定処理は、上述のS603の判定処理と同様に、大入賞口入球検知スイッチ33sにより遊技球が検知されたか否かに基づいて行われる。
この結果、大入賞口33aへの遊技球の入賞が検知されていないと判定された場合には(S802:NO)、大入賞口入賞監視処理を終了する。一方、大入賞口33aへの遊技球の入賞が検知されたと判定された場合には(S802:YES)、大入賞口入賞検知有効期間外に大入賞口33aの異常入賞が発生したと判断できるので、大入賞口入賞異常コマンドをサブ制御部260に送信する(S803)。
次に、サブ制御部260が実行する演出制御処理を図11に基づいて説明する。図11は、サブ制御部260の制御下で行われる演出制御処理の一例である。図11に示す演出制御処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに基づいて実行するもので、CPU260bのタイマ割込みが発生する毎(本実施例では4ms毎)に、始動入賞演出処理(S1000)、図柄変動演出処理(S1100)、計数フラグセット処理(S1200)、大当り遊技演出処理(S1300)、入賞異常報知処理(S1400)、大入賞口計数処理(S1500)の各処理が繰り返し実行される。
始動入賞処理(S1000)では、始動口28(第1始動口28a、第2始動口28b)に遊技球が入球した場合に、演出表示装置25における保留表示演出の更新やスピーカ11a〜11dからの効果音出力が行われる。図柄変動演出処理(S1100)では、特別図柄の変動表示に合わせて演出表示装置25の表示領域で演出図柄を変動表示させるとともに、特別図柄の停止表示に合わせて演出表示装置25の表示領域で演出図柄を停止表示させる変動表示演出が行われる。
次に、計数フラグセット処理を図12のフローチャートに基づいて説明する。まず、S519の処理(図5(b))で主制御部200が送信する大当り遊技開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1201)。この結果、大当り遊技開始コマンドを受信していないと判定された場合には(S1201:NO)、計数フラグセット処理を終了する。一方、大当り遊技開始コマンドを受信したと判定された場合には(S1201:YES)、計数フラグをONにセットする(S1202)。計数フラグは、大入賞口入賞数の計数を行う状態にあることを示すフラグであり、計数フラグがONにセットされている間は、後述の大入賞口計数処理で大入賞口入賞数が計数される。このため、S1202の処理で計数フラグがONにセットされることにより、大当り遊技の開始に伴って大入賞口入賞数の計数が開始されることとなる。
次に、大当り遊技演出処理を図13のフローチャートに基づいて説明する。まず、S519の処理(図5(b))で主制御部200が送信する大当り遊技開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。この結果、大当り遊技開始コマンドを受信していないと判定された場合には(S1301:NO)、S1303の判定処理に移行する。一方、大当り遊技開始コマンドを受信したと判定された場合には(S1301:YES)、大当り遊技開始演出(ファンファーレ演出)を実行する(S1302)。
次に、S612の処理(図8)で主制御部200が送信するNラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1303)。この結果、Nラウンド開始コマンドを受信していないと判定された場合には(S1303:NO)、S1305の判定処理に移行する。一方、Nラウンド開始コマンドを受信したと判定された場合には(S1303:YES)、Nラウンド開始コマンドで指定されるN回目のラウンドに対応したラウンド演出を実行する(S1304)。
次に、S608の処理(図8)で主制御部200が送信する大入賞口閉鎖コマンドを受信したか否かを判定する(S1305)。大入賞口閉鎖コマンドは、大当り遊技の最終ラウンド以外のラウンドで大入賞口33aが閉鎖したことを示すコマンドである。S1305の判定処理の結果、大入賞口閉鎖コマンドを受信していないと判定された場合には(S1305:NO)、S1309の判定処理に移行する。一方、大入賞口閉鎖コマンドを受信したと判定された場合には(S1305:YES)、終了したラウンドが4ラウンド目であるか否かを判定する(S1306)。
この結果、終了したラウンドが4ラウンド目であると判定された場合には(S1306:YES)、S1305における大入賞口閉鎖コマンドの受信が、16R大当り遊技での4ラウンドの終了を契機とすることになるので、この場合には、これ以降もラウンドが継続すること(16R大当り遊技であること)を示すラウンド継続可否演出を実行する(S1307)。一方、終了したラウンドが4ラウンド目でないと判定された場合には(S1306:NO)、S1305における大入賞口閉鎖コマンドの受信が、16R大当り遊技での4ラウンドおよび16ラウンド(最終ラウンド)を除く他のラウンド(1〜3ラウンド、5〜15ラウンドの何れか)の終了を契機とすることになるので、この場合には、大入賞口閉鎖中演出(インターバル演出)を実行する(S1308)。
次に、S609の処理(図8)で主制御部200が送信する最終ラウンド開放終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1309)。最終ラウンド開放終了コマンドは、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖したことを示すコマンドである。S1309の判定処理の結果、最終ラウンド開放終了コマンドを受信していないと判定された場合には(S1309:NO)、S1312の判定処理に移行する。一方、最終ラウンド開放終了コマンドを受信したと判定された場合には(S1309:YES)、終了したラウンドが4ラウンド目であるか否かを判定する(S1310)。
この結果、終了したラウンドが4ラウンド目でないと判定された場合には(S1310:NO)、終了したラウンドが16R大当り遊技の最終ラウンド(16ラウンド)ということになるので、この場合には、そのままS1312の判定処理に移行する。一方、終了したラウンドが4ラウンド目であると判定された場合には(S1310:YES)、終了したラウンドが4R大当り遊技の最終ラウンド(4ラウンド)ということになるので、この場合には、これ以降はラウンドが継続しないこと(4R大当り遊技であること)を示すラウンド継続可否演出を実行する(S1311)。
次に、S702の処理(図9)で主制御部200が送信する大当り遊技終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1312)。この結果、大当り遊技終了コマンドを受信していないと判定された場合には(S1312:NO)、大当り遊技演出処理を終了する。一方、大当り遊技終了コマンドを受信したと判定された場合には(S1312:YES)、大当り遊技終了演出(エンディング演出)を実行する(S1313)。
次に、入賞異常報知処理(S1400)を図14のフローチャートに基づいて説明する。まず、S706の処理(図9)で主制御部200が送信する大入賞口入賞異常コマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。この結果、大入賞口入賞異常コマンドを受信していないと判定された場合には(S1401:NO)、入賞異常報知処理を終了する。一方、大入賞口入賞異常コマンドを受信したと判定された場合には(S1401:YES)、第1大入賞口入賞異常報知を実行する(S1402)。第1大入賞口入賞異常報知では、演出表示装置25の表示領域での画面表示、枠ランプ部5cの点灯・点滅、スピーカ11a〜11dからの音声出力等を用いて、大入賞口33aへの遊技球入球に関する異常(大入賞口33aの異常入賞)が発生したことを報知する。
次に、大入賞口計数処理(S1500)を図15のフローチャートに基づいて説明する。まず、計数フラグがONにセットされているか否かを判定する(S1501)。この結果、計数フラグがONにセットされていないと判定された場合には(S1501:NO)、大入賞口計数処理を終了する。一方、計数フラグがONにセットされていると判定された場合には(S1501:YES)、S604の処理(図8)で主制御部200が送信する大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1502)。
この結果、大入賞口入賞コマンドを受信していないと判定された場合には(S1502:NO)、S1504の判定処理に移行する。一方、大入賞口入賞コマンドを受信したと判定された場合には(S1502:YES)、入賞カウンタを「1」加算する(S1503)。入賞カウンタは、大入賞口入賞数を計数するためのカウンタであり、カウント値はサブ制御部260のRAMの所定領域に記憶される。
次に、計数終了タイマが作動中であるか否かを判定する(S1504)。計数終了タイマは、大入賞口入賞数の計数を終了するタイミングを得るために、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aを閉鎖してからの経過時間を計時するためのタイマである。計数終了タイマは、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aを閉鎖してから所定の閉鎖後時間(本実施例では10秒)が経過することで作動終了(タイムアップ)する。S1504の判定処理の結果、計数終了タイマが作動中であると判定された場合には(S1504:YES)、S1507の判定処理に移行する。一方、計数終了タイマが作動中でないと判定された場合には(S1504:NO)、S609の処理(図8)で主制御部200が送信する最終ラウンド開放終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1505)。
この結果、最終ラウンド開放終了コマンドを受信していないと判定された場合には(S1505:NO)、大入賞口計数処理を終了する。一方、最終ラウンド開放終了コマンドを受信したと判定された場合には(S1505:YES)、計数終了タイマの作動を開始させる(S1506)。
次に、計数終了タイマが作動終了したか否か、すなわち、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖してから10秒が経過したか否かを判定する(S1507)。この結果、計数終了タイマの作動が終了していない(大入賞口33aの閉鎖から10秒が経過していない)と判定された場合には(S1507:NO)、大入賞口計数処理を終了する。一方、計数終了タイマの作動が終了した(大入賞口33aの閉鎖から10秒が経過した)と判定された場合には(S1507:YES)、計数終了タイマをリセットし(S1508)、計数フラグをOFFにセットし(S1509)、サブ制御部260のRAMの所定領域から入賞カウンタのカウント値を取得する(S1510)。そして、取得したカウント値に基づいて大入賞口33aの賞球払出数を算出する(S1511)。この賞球払出数は、S1510で取得したカウント値(大入賞口入賞数)に、大入賞口33aへの遊技球1個の入賞に対する賞球数(本実施例では「15」)を乗じることによって得られるものである。
次に、S1511の処理で算出された賞球払出数が基準値を上回っているか否かを判定する(S1512)。上述のように、基準値は大当り遊技の種類毎に設定されており、4R大当り遊技では「690個」に設定され、16R大当り遊技では「2760個」に設定されている。S1512の判定処理の結果、賞球払出数が基準値を上回っていないと判定された場合には(S1512:NO)、大入賞口33aの異常入賞が発生していないと判断でき、大入賞口計数処理を終了する。一方、賞球払出数が基準値を上回っていると判定された場合には(S1512:YES)、大入賞口33aの異常入賞が発生したと判断でき、第2大入賞口入賞異常報知を実行する(S1513)。第2大入賞口入賞異常報知では、上記S1402の第1大入賞口入賞異常報知と同様の報知内容とすることができ、演出表示装置25の表示領域での画面表示、枠ランプ部5cの点灯・点滅、スピーカ11a〜11dからの音声出力等を用いて、大入賞口33aへの遊技球入球に関する異常(大入賞口33aの異常入賞)が発生したことを報知することができる。
ここで、図5〜図16のフローチャートに示した処理と本発明の各手段との対応について説明しておくと、「S518、S606、S611の処理(図5(b)、図8)」が本発明の「遊技制御手段」に対応し、「S801〜803の処理(図10)」が本発明の「検知判定手段」に対応し、「S1506の処理(図15)」が本発明の「計時手段」に対応し、「S1512の処理(図15)」が本発明の「入賞情報判定手段」に対応し、「S1513の処理(図15)」が本発明の「異常入賞報知手段」に対応し、「S1402の処理(図14)」が本発明の「異常検知報知手段」に対応し、「S1000、S1100、S1300の処理(図11、図13)」が本発明の「演出制御手段」に対応している。
以上説明した本実施例では、大当り遊技(特別遊技状態)が開始されたときから、最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖して閉鎖後時間(本実施例では10秒)が経過するまでの「大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知数に応じた入賞情報(賞球払出数)」を取得し、この入賞情報(賞球払出数)に基づいて大入賞口33aの異常入賞有無を判定する大入賞口計数処理(S1500)を行うように構成している。これにより、例えば大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが入賞容易状態から入賞不能状態となった後の、大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知が有効となっている入賞検知有効期間内に不正行為による異常入賞が発生したとしても、この異常入賞を的確に検出することができ、その結果、大入賞口の異常入賞を漏れなく検出できるようになる。
また、本実施例では、大当り遊技(特別遊技状態)の開始時から取得される「大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知数に応じた入賞情報(大当り遊技中の賞球払出数の総数)」に基づいて大入賞口33aの異常入賞有無を判定しているため、大当り遊技の最終ラウンドより前に大入賞口33aの異常入賞が発生したとしても、この異常入賞を検出することができる。例えば本実施例では、16R大当り遊技の4ラウンド目で大入賞口33aが入賞容易状態から入賞不能状態となった後、その入賞不能状態となっている期間(インターバル期間)を利用してラウンド継続可否演出を実行する構成となっており、このラウンド継続可否演出の実行中に不正行為による大入賞口33aの異常入賞が発生する可能性がある。本実施例によれば、このような大当り遊技の途中で発生する入賞不能状態において、大入賞口33aの異常入賞が発生した場合であっても、この異常入賞を的確に検出することができ、その結果、大入賞口の異常入賞を漏れなく検出できるようになる。
また、本実施例の構成によれば、入賞検知有効期間内に大入賞口33aが入賞不能状態となっているときの異常入賞を検出することができるので、異常入賞の防止を目的として入賞不能状態の期間を短くする必要がない。このため、入賞検知有効期間内において大入賞口33aが入賞不能状態に保たれる期間を長くすることができるので、この期間をラウンド継続可否演出の実行期間として活用できるとともに、その演出の実行時間を長く確保することができる。その結果、遊技性の向上を図ることができる。
また、本実施例では、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞を検出するための大入賞口計数処理(S1500)に加えて、入賞検知有効期間外における大入賞口33aの異常入賞を検出するための大入賞口入賞監視処理(S800)を行っている。これにより、大入賞口計数処理および大入賞口入賞監視処理の二本立てで大入賞口33aの異常入賞を検出でき、大入賞口33aの異常入賞に対する検出精度を向上させることができる。
また、本実施例では、入賞検知有効期間外における大入賞口33aの異常入賞を検出するための大入賞口入賞監視処理(S800)を主制御部200が行い、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞を検出するための大入賞口計数処理(S1500)をサブ制御部260が行っている。このように、主制御部200およびサブ制御部260で大入賞口33aの異常入賞の監視処理を分散して行うことで、各制御部200、260の制御負担を過度に増大させることなく、精度の高い大入賞口不正入賞対策を講じることができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。上記各実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記第1実施例では、大当り遊技の開始から、最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖した後の閉鎖後時間(第1実施例では10秒)が経過するまでの大入賞口入賞数に基づき算出される賞球払出数を用いて、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞有無を判定するように構成した。これに対し、本第2実施例では、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖してから、閉鎖後時間(例えば10秒)が経過するまでの大入賞口入賞数に基づき算出される賞球払出数を用いて、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞有無を判定するように構成している。
図16は、本第2実施例のサブ制御部260が実行する演出制御処理のフローチャートであり、上記第1実施例の図11に対応している。図16に示すように、本実施例の演出制御処理には、上記第1実施例の計数フラグセット処理(S1200)が設けられていない。
図17は、本第2実施例のサブ制御部260が実行する大入賞口計数処理のフローチャートであり、上記第1実施例の図15に対応している。
図17に示すように、まず、計数フラグがOFFにセットされているか否かを判定する(S1500a)。この結果、計数フラグがOFFにセットされていないと判定された場合には(S1500a:NO)、S1502の処理に移行する。一方、計数フラグがONにセットされていると判定された場合には(S1500a:YES)、S609の処理(図8)で主制御部200が送信する最終ラウンド開放終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1500b)。
この結果、最終ラウンド開放終了コマンドを受信していないと判定された場合には(S1500b:NO)、大入賞口計数処理を終了する。一方、最終ラウンド開放終了コマンドを受信したと判定された場合には(S1500b:YES)、計数フラグをONにセットする(S1501a)。これにより、大当り遊技の最終ラウンドでの大入賞口33aの閉鎖に伴って大入賞口入賞数の計数が開始される。そして、計数終了タイマの作動を開始させる(S1501b)。
次に、S604の処理(図8)で主制御部200が送信する大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1502)。この結果、大入賞口入賞コマンドを受信していないと判定された場合には(S1502:NO)、大入賞口計数処理を終了する。一方、大入賞口入賞コマンドを受信したと判定された場合には(S1502:YES)、入賞カウンタを「1」加算し(S1503)、S1507の判定処理に移行してS1513までの各処理を実行する。S1507〜S1513の各処理は、上記第1実施例と共通しているので、説明を省略する。
本第2実施例では、大入賞口33aの異常入賞有無を判定するためにS1512の処理で用いる基準値が、最終ラウンドで発生し得るオーバー入賞、すなわち、最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖した後に大入賞口入球検知スイッチ33sによって検知される可能性のある遊技球の数(正常な入賞として扱われる遊技球の数)を考慮して設定される。そして、本第2実施例では、その基準値を、4R大当り遊技および16R大当り遊技ともに同じ値に設定しており、具体的には、4R大当り遊技および16R大当り遊技のそれぞれについて基準値を「120個」(=8個×15個)としている。
よって、本第2実施例では、4R大当り遊技または16R大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖してから閉鎖後時間(例えば10秒)が経過するまでの間における大入賞口入賞数(入賞カウンタによってカウントされるカウント値)に基づき算出される賞球払出数が「基準値(120個)」を上回っているか否かが、S1512の判定処理で判定され、上回っていると判定された場合には、異常入賞が発生したと判断され、その旨を報知する演出(第2大入賞口入賞異常報知)が行われる。
ここで、図17のフローチャートに示した処理のうち、「S1501a、S1502、S1503、S1510、S1511の処理」が本発明の「入賞情報取得手段」に対応している。
以上説明した本第2実施例のように、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖したときから、その後、閉鎖後時間が経過するまでに取得される「大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知数に応じた入賞情報(賞球払出数)」に基づいて大入賞口33aでの異常入賞を検知する構成によっても、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが入賞容易状態から入賞不能状態となった後、不正行為によって大入賞口33aの異常入賞が発生した場合に、この異常入賞を的確に検出することができる。その結果、大入賞口の異常入賞を漏れなく検出できるようになる。
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例について説明する。上記各実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記各実施例では、本発明を最高継続ラウンド数が異なる2種類の大当り遊技(4R大当り遊技および16R大当り遊技)が設けられた遊技機1に適用した例について説明した。これに対し、本第3実施例では、本発明を最高継続ラウンド数が16ラウンドの大当り遊技のみが設けられた遊技機1に適用した例について説明する。
図18は、本第3実施例の主制御部200が実行するメインジョブのフローチャートであり、上記第1実施例の図4に相当している。図18に示すように、本第3実施例では、メインジョブに大当り遊技終了処理(S700)が設けられておらず、後述の大当り遊技処理(S600)の中で大当り遊技終了処理が実行される。
図19は、本第3実施例の大当り遊技処理(S600)のフローチャートであり、上記第1実施例の図8に対応している。図19に示すように、S607の判定処理で、現在のラウンドが最終ラウンドであると判定された場合には(S607:YES)、大当り遊技が終了することを示す大当り遊技終了コマンドをサブ制御部260に送信し(S613)、エンディングタイマの作動を開始させる(S614)。
次に、エンディングタイマの作動が終了したか否かを判定する(S615)。この結果、エンディングタイマの作動が終了していないと判定された場合には(S615:NO)、そのまま大当り遊技処理を終了する。S614の処理でエンディングタイマの作動を開始させた直後は、S615の判定処理が否定結果となる。
次に、上記S602の判定処理で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、エンディングタイマが作動中であるか否かを判定する(S616)。この結果、エンディングタイマが作動中でないと判定された場合には(S616:NO)、S610の処理に移行し、エンディングタイマが作動中であると判定された場合には(S616:YES)、S615の判定処理に移行する。
そして、S615の判定処理で、エンディングタイマの作動が終了したと判定された場合には(S615:YES)、大当り遊技終了処理を実行する(S617)。ここで、本第3実施例の大当り遊技終了処理(S617)について図20のフローチャートに基づいて説明する。
まず、大当り遊技フラグをOFFにセットする(S617a)。次に、今回の大当りが確変大当りであるか否かを判定する(S617b)。この結果、確変大当りであると判定された場合には(S617b:YES)、確変フラグをONにセットし(S617c)、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする(S617d)。S617cの処理によって確変フラグがONにセットされることで、大当り遊技の終了に伴って確率変動機能が作動を開始することとなり、この後の図柄変動遊技状態は、確率変動機能を伴って開始されることとなる。一方、S617bの判定処理で確変大当りでないと判定された場合には(S617b:NO)、確変フラグをONにセットすることなく、変動短縮カウンタに「100」をセットする(S617e)。
次に、変動短縮カウンタをONにセットし(S617f)、開放延長フラグをONにセットする(S617g)。これにより、大当り遊技の終了に伴って変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を開始し、この後の図柄変動遊技状態は、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動を伴って開始されることとなる。そして、確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の各々の作動状態を示す遊技状態指定コマンドをサブ制御部260に送信する(S617h)。
図21は、サブ制御部260が実行する本第3実施例の大当り遊技演出(S1300)のフローチャートであり、上記第1実施例の図13に対応している。図21に示すように、本第3実施例では、S1301〜S1305の各処理は、上記第1実施例と共通しているので説明を省略する。
S1305の判定処理で、大入賞口閉鎖コマンドを受信したと判定された場合には(S1305:YES)、大入賞口閉鎖中演出(インターバル演出)を実行し(S1308)、S1312の判定処理に移行する。本実施例では、大当り遊技中の各ラウンド間における大入賞口閉鎖時間中(インターバル時間中)に大入賞口閉鎖中演出(インターバル演出)が実行されるように構成されており、上記各実施例のラウンド継続可否演出は実行されない。一方、大入賞口閉鎖コマンドを受信していないと判定された場合には(S1305:NO)、S1312の判定処理に移行する。これに続くS1312およびS1313の各処理は、上記第1実施例と共通しているので説明を省略する。
図22は、本第3実施例の大入賞口計数処理(S1500)のフローチャートであり、上記第1実施例の図15に対応している。図22に示すS1501〜S1504、S1506〜S1513までの各処理は、上記第1実施例と共通しているので説明を省略する。
図22に示すように、S1504の判定処理で、計数終了タイマが作動中でないと判定された場合には(S1504:NO)、S613の処理(図19)で主制御部200が送信する大当り遊技終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1518)。この結果、大当り遊技終了コマンドを受信していないと判定された場合には(S1518:NO)、大入賞口計数処理を終了する。一方、大当り遊技終了コマンドを受信したと判定された場合には(S1518:YES)、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖してからの経過時間(閉鎖後時間)を計時することで大入賞口入賞数の計数終了タイミングの到来を判定するための計数終了タイマの作動を開始させる(S1506)。そして、S1507以降の処理を行う。なお、大入賞口33aの異常入賞を検出するためのサブ制御部260による各種処理は、上記第1実施例と同様である。
以上説明した本第3実施例の構成のように、最高継続ラウンド数が1種類の大当り遊技のみが設けられた遊技機1においても、大当り遊技が開始されてから、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖して所定時間(閉鎖後時間)が経過するまでの間に大入賞口33aの異常入賞が発生した場合、この異常入賞を的確に検出することができる。その結果、大入賞口の異常入賞を漏れなく検出できるようになる。
(第4実施例)
次に、本発明の第4実施例について説明する。上記各実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記第3実施例では、最高継続ラウンド数が1種類の大当り遊技のみが設けられた遊技機1において、大当り遊技が開始されてから、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖して所定時間(閉鎖後時間)が経過するまでの大入賞口入賞数に基づき算出される賞球払出数を用いて、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞を検知するように構成した。これに対し、本第4実施例では、上記第2実施例と同様、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖してから、所定時間(閉鎖後時間)が経過するまでの大入賞口入賞数に基づき算出される賞球払出数を用いて、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞を検知するように構成している。
図23は、本第4実施例の大入賞口計数処理であり、上記第2実施例の図17に対応している。図23に示す、S1500a、S1501a、S1501b、S1502〜S1513の各処理は、上記第2実施例と共通しているので説明を省略する。
図23に示すように、本第4実施例では、S1500aの判定処理で、計数フラグがOFFにセットされていると判定された場合には(S1500a:YES)、S613の処理(図19)で主制御部200が送信する大当り遊技終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1500c)。この結果、大当り遊技終了コマンドを受信していないと判定された場合には(S1500c:NO)、大入賞口計数処理を終了する。一方、大当り遊技終了コマンドを受信したと判定された場合には(S1500c:YES)、計数フラグをONにセットし(S1501a)、計数終了タイマを作動開始させる(S1501b)。
以上説明した本第4実施例のように、最高継続ラウンド数が1種類の大当り遊技のみが設けられた遊技機1において、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖したときから閉鎖後時間が経過するまでの大入賞口入賞数に基づき算出される賞球払出数を用いて大入賞口33aの異常入賞を検出する構成によっても、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが入賞容易状態から入賞不能状態となった後、不正行為によって大入賞口33aの異常入賞が発生した場合に、この異常入賞を的確に検出することができる。その結果、大入賞口の異常入賞を漏れなく検出できるようになる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記各実施例では、大当り遊技における大入賞口33aの状態として、大入賞口33aが長開放時間(例えば26秒)で開放することで遊技球の入球が容易となる「入賞容易状態」と、大入賞口33aが完全に閉鎖して遊技球の入球が不能となる「入賞不能状態」とを設けたが、さらに大入賞口33aへの遊技球の入球可能性が極めて低くなる「入賞困難状態」を設けてもよい。入賞困難状態は、大当り遊技における最終ラウンドより前のラウンドで発生させてもよく、最終ラウンドで発生させてもよい。
例えば、4R大当り遊技および16R大当り遊技が設けられた構成であれば、4R大当り遊技の1〜3ラウンド目と、16R大当り遊技の1〜3ラウンド目および5〜16ラウンド目では、大入賞口33aの開放時間を長開放時間「26秒」に設定し、それらラウンドの各ラウンド間の大入賞口閉鎖時間を「2秒」に設定する。そして、4R大当り遊技の4ラウンド目(最終ラウンド)および16R大当り遊技の4ラウンド目では、長開放時間で大入賞口33aを1回開放させた後で、大入賞口33aへの入球可能性が極めて低くなる短開放時間で大入賞口33aを複数回開放させる。大入賞口33aの短開放時間は、大入賞口33aへの規定数(10個)の遊技球入球およびこれに伴う賞球払出の実行可能性が極めて低くなる時間、すなわち、賞球払出量が少なくなる時間(賞球払出量が実質的にゼロになる時間を含む)として設定され、0.1秒〜6秒であることが望ましく、例えば「0.1秒」に設定することができる。
具体的には、4R大当り遊技の4ラウンド目(最終ラウンド)および16R大当り遊技の4ラウンド目では、大入賞口33aを長開放時間「25秒」で開放した後、一旦閉鎖し、以後、大入賞口閉鎖時間「2秒」を挟んで短開放時間「0.1秒」による大入賞口33aの開放を10回繰り返し行う。このように、大入賞口33aを短開放時間で開放させる状態を「入賞困難状態」として位置付けることができる。そして、4R大当り遊技および16R大当り遊技の4ラウンド目において、長開放時間「25秒」による大入賞口33aの開放が終了した時点で上述のラウンド継続可否演出を開始し、短開放時間「0.1秒」による大入賞口33aの開放動作が終了した時点でラウンド継続可否演出を終了させればよい。つまり、大入賞口33aが閉鎖時間を挟んで短開放時間による開放を10回繰り返す間、すなわち「入賞困難状態」にあるときに、ラウンド継続可否演出を行うように構成する。
このような大入賞口33aを短開放時間で繰り返し開放させる入賞困難状態は、大入賞口入球検知スイッチ33sによる遊技球の検知が有効となる入賞検知有効期間を狙った不正行為(大入賞口33aの異常入賞)の対象とされ易い。これに対し、大当り遊技が開始されたときから、最終ラウンドで大入賞口33aが入賞困難状態となった後の所定時間(閉鎖後時間)が経過するまでに取得される「大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知数に応じた入賞情報」に基づいて大入賞口33aの異常入賞有無を判定したり、大当り遊技の最終ラウンドで大入賞口33aが入賞困難状態となってから、その後の所定時間(閉鎖後時間)が経過するまでに取得される「大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知数に応じた入賞情報」に基づいて大入賞口33aの異常入賞有無を判定することで、大入賞口33aが入賞容易状態を経て入賞困難状態となっているときに大入賞口33aの異常入賞が発生したとしても、この異常入賞を的確に検出することができ、その結果、大入賞口の異常入賞を漏れなく検出できるようになる。また、大当り遊技が開始されてからの大入賞口入球検知スイッチ33sによる検知数に応じて取得される入賞情報に基づいて大入賞口33aでの異常入賞を検知する構成であれば、大当り遊技の途中で入賞困難状態が発生した場合であっても、その入賞困難状態で発生する異常入賞を的確に検出することができ、その結果、大入賞口の異常入賞を漏れなく検出できるようになる。
また、上記各実施例では、サブ制御部260が、大入賞口入球検知スイッチ33sによる遊技球の検知結果に基づき大入賞口入賞数を計数し、その計数結果(大入賞口入賞数)に基づき賞球払出数を算出し、この算出結果に基づき大入賞口33aの異常入賞の有無を判定するように構成した。しかしながら、サブ制御部260における「大入賞口33aの異常入賞有無の判定基準」は「賞球払出数」に限定されることなく、大入賞口入球検知スイッチ33sによる遊技球の検知を基に得られる種々の情報に基づいて大入賞口33aの異常入賞の有無を判定することができる。例えば、主制御部200が送信する大入賞口入賞コマンドの受信数に基づいて大入賞口33aの異常入賞有無を判定するように構成してもよく、あるいは大入賞口入賞コマンドの受信数から得られる大入賞口入賞数に基づいて大入賞口33aの異常入賞有無を判定するように構成してもよい。
また、上記各実施例では、入賞検知有効期間内における大入賞口33aの異常入賞の有無を判定するために設定される「閉鎖後時間」(最終ラウンドで大入賞口33aが閉鎖してからの経過時間)を、検知許可時間と同一の「10秒」に設定したが、その「閉鎖後時間」は検知許可時間と異なる時間として設定してもよい。
例えば、4R大当り遊技の最終ラウンドに対応する16R大当り遊技の4ラウンド目(特定大当りラウンド)で、4R大当り遊技の最終ラウンドと同じ態様で大入賞口33aの開閉動作(入賞容易状態から入賞不能状態または入賞困難状態への切り替え)を行うとともに、4R大当り遊技の最終ラウンドおよび16R大当り遊技の4ラウンド目(特定大当りラウンド)でラウンド継続可否演出を実行する構成において、「閉鎖後時間」を、16R大当り遊技の4ラウンド目で大入賞口33aが入賞容易状態を経て入賞不能状態または入賞困難状態となってから次のラウンドが開始されるまでの「インターバル時間」と同一の時間に設定することができる。この場合には、4R大当り遊技では、最終ラウンドで大入賞口33aが入賞容易状態を経て入賞不能状態または入賞困難状態となってから「閉鎖後時間」が経過するまで「ラウンド継続可否演出」が実行され、16R大当り遊技では、4ラウンド目で大入賞口33aが入賞容易状態を経て入賞不能状態または入賞困難状態となってから「インターバル時間」が経過するまで「ラウンド継続可否演出」が実行される。このような構成によれば、ラウンド継続可否演出の実行中に不正行為による大入賞口33aの異常入賞が発生したとしても、その異常入賞を的確に検出することができる。このため、ラウンド継続可否演出の実行中における大入賞口33aの異常入賞を気にすることなく、ラウンド継続可否演出の実行時間を設定することができるので、ラウンド継続可否演出の実行時間を長くしたり、ラウンド継続可否演出の実行パターンを多様化するなどして、ラウンド継続可否演出の充実化を積極的に図ることができる。
また、「閉鎖後時間」を大当り遊技の最終ラウンドの後に設けられる「エンディング期間」と同一の時間もしくはエンディング期間より長い時間に設定することもできる。この場合には、エンディング期間中の不正行為による大入賞口33aの異常入賞を的確に検出することができる。このため、エンディング期間中における大入賞口33aの異常入賞を気にすることなく、エンディング期間を設定することができるので、エンディング期間を長くしたり、エンディング期間中の演出(エンディング演出)の実行パターンを多様化するなどして、エンディング期間中に行われるエンディング演出の充実化を積極的に図ることができる。