(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に本発明を適用した実施例について説明する。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1は、遊技枠2と遊技盤20等を備えている。図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。遊技枠2は、外枠3、中枠4、前面枠5、上皿部6、下皿部7等から構成される。中枠4は、前面枠5が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠3は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。外枠3は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体を支持するためのものである。この外枠3は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体2aと、外枠本体2aの前面下部を覆う前板部2bとを備えている。
中枠4はプラスチック製で遊技機1の本体枠を構成するもので、外枠3の内側にはめ込まれて設置されており、外枠3に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠4は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠5とが重なるように設けられている。前面枠5における下方側には、上皿部6と下皿部7が一体的に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。前面枠5の右側下方には、前面枠5を閉じた場合にこれを施錠するための施錠装置5bが設けられている。
前面枠5は、中枠4の前面側に配置され、中枠4の左端で開閉可能に支持されている。前面枠5はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするための開口部5aが形成されている。前面枠5の裏面には、開口部5aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
前面枠5における開口部5aの周囲には、LED等を用いた枠ランプ部5cが設けられている。枠ランプ部5cは、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部6は、前面枠5における開口部5aの下側に設けられている。上皿部6には、賞球あるいは貸球として払い出される遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。上皿部6の上面のうち、中央には演出ボタン8、右側にはCR操作部9がそれぞれ設けられている。演出ボタン8は、第1演出ボタン8aとその左右に1つずつ設けられた第2演出ボタン8b、8cとからなる。
CR操作部12は、遊技機1の左側に設けられたプリペイドカードユニット13(CRユニット)を操作するために用いられる。CR操作部9は、プリペイドカードの返却を要求する返却ボタン9aと、プリペイドカードの残り度数を表示する度数表示部9bと、遊技球の貸し出しを要求する球貸ボタン9cとを備えている。
下皿部7は、前面枠5における上皿部6の下方に設けられている。下皿部7の略中央には、遊技機1の内部から下皿部7に遊技球を排出するための排出口7aが設けられている。下皿部7の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル10が設けられている。発射ハンドル10には、遊技者が触れていることを検出する接触検出手段としてのタッチスイッチ10aが設けられている。発射ハンドル10の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ10bが配置されている。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ11a〜11dが設けられている。スピーカ11a〜11dは、前面枠5の上部に設けられた上部スピーカ11a、11bと、前面枠5の下方の前板部2bに設けられた下部スピーカ11c、11dとからなる。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、始動口28、大入賞装置33、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域Vでは各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における始動口28の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における始動口28の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技盤上を流下する遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図6参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動表示を開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開放状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い通常状態(入球不能な閉鎖状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、第1始動口28aへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図6参照)と、第2始動口28bへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28t(図6参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図6参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bのいずれかに入球することで、後述の特別図柄が変動表示を開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図6参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図6参照)とから主に構成されている。
始動口28の左側と右側には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、第1特別図柄保留表示部53、第2特別図柄保留表示部54が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62が構成されている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定の開放パターンにしたがって開放される。第2始動口28bの開放パターンは複数種類設定されている。第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能の非作動時には、第1開放時間(例えば0.1秒)が設定された第1開放パターン(短時間開放パターン)がセットされ、開放時間延長機能の作動時(開放延長状態)には第1開放時間より長い第2開放時間(例えば4.5秒)が設定された第2開放パターン(長時間開放パターン)がセットされる。なお、開放時間延長機能については後述する。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否か(開放状態とするか否か)の普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
なお、普通図柄当否判定、普通図柄の停止図柄の決定、普通図柄の変動パターンの設定、普通図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
次に、特別図柄について説明する。本実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄の2つの特別図柄が設けられており、それに伴い、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部61と、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部62とが設けられている。なお、以下の説明において「特別図柄」と記載する場合、特段の断りがない限り、その記載は「第1特別図柄」および「第2特別図柄」の何れにも対応するものとする。
各特別図柄表示部61,62は、それぞれ7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより、それぞれ特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が表示される。この各特別図柄表示部61,62を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより、それぞれの特別図柄について複数の表示態様を表示できる。そして、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62において、それぞれ7個のLEDの点灯および消灯の組合せで表示される特別図柄の組合せのうち特定の組合せが大当り図柄として設定されており、その大当り図柄以外の組合せが外れ図柄として設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
第1始動口28aに遊技球が入球することにより、第1特別図柄表示部61で第1特別図柄が変動表示が開始され、所定時間経過後に第1特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄のいずれかで停止表示される第1特別図柄の図柄変動遊技が行われる。また、第2始動口28bに遊技球が入球することにより、第2特別図柄表示部62で第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に第2特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄のいずれかで停止表示される第2特別図柄の図柄変動遊技が行われる。
本実施例では、遊技球が第1始動口28aに入球した際に取得される第1特別図柄用乱数と、遊技球が第2始動口28bに入球した際に取得される第2特別図柄用乱数とが設けられている。第1特別図柄用乱数には、大当り遊技を実行するか否かの第1特別図柄当否判定に用いられる第1特別図柄当否判定用乱数と、第1特別図柄の停止図柄を決定するための第1大当り種別決定用乱数(第1特別図柄決定用乱数)と、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数とが含まれている。同様に、第2特別図柄用乱数には、大当り遊技を実行するか否かの第2特別図柄当否判定に用いられる第2特別図柄当否判定用乱数と、第2特別図柄の停止図柄を決定するための第2大当り種別決定用乱数(第2特別図柄決定用乱数)と、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数とが含まれている。
第1始動口28aへの遊技球の入球に伴って、第1特別図柄当否判定用乱数と第1大当り種別決定用乱数が取得され、この取得された第1特別図柄当否判定用乱数と第1大当り種別決定用乱数は、主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に保留(第1特別図柄保留)として記憶される。また、第2始動口28bへの遊技球の入球に伴って、第2特別図柄当否判定用乱数と第2大当り種別決定用乱数が取得され、主制御部200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に保留(第2特別図柄保留)として記憶される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。第1特別図柄保留表示部53と第2特別図柄保留表示部54はそれぞれ2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、それぞれ4個を上限として保留数を表示することができる。
第1始動口28aに入球した遊技球の数は、第1特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。第1特別図柄保留数は、第1始動口28aへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶される第1特別図柄用乱数(第1特別図柄当否判定用乱数、第1大当り種別決定用乱数、リーチ乱数)の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第1始動口28aへの遊技球の入球に伴い、第1特別図柄当否判定用乱数とともに第1大当り種別決定用乱数も取得されるので、第1特別図柄保留数は、第1大当り種別決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、第1特別図柄保留数は、第1特別図柄当否判定が行われ第1特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。
第2始動口28bに入球した遊技球の数は、第2特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。第2特別図柄保留数は、第2始動口28bへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に記憶される第2特別図柄用乱数(第2特別図柄当否判定用乱数、第2大当り種別決定用乱数、リーチ乱数)の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第2始動口28bへの遊技球の入球に伴い、第2特別図柄当否判定用乱数とともに第2大当り種別決定用乱数も取得されるので、第2特別図柄保留数は、第2大当り種別決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、第2特別図柄保留数は、第2特別図柄当否判定が行われ第2特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。第1、第2特別図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
本実施例の遊技機1では、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示より優先的に実行する第2特別図柄優先変動処理が行われるように構成されている。つまり、第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数の双方が「1以上」である場合には、第1特別図柄より第2特別図柄が優先的に変動表示を開始し、第2特別図柄の保留が優先的に消化される。そして、第1特別図柄保留数が「1以上」で、かつ、第2特別図柄保留数が「ゼロ」となった場合に、第1特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄当否判定用乱数には、当否判定用の当り値(大当り値)が設定されており、遊技球が第1始動口28aまたは第2始動口28bに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に、第1特別図柄当否判定で大当りと判定される。第1特別図柄当否判定は第1特別図柄が変動表示を開始する際に行われ、第2特別図柄当否判定は第2特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。
第1特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に大当りと判定され、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が大当り図柄に決定される。そして、第1特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致しない場合には、外れであり、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が外れ図柄に決定される。同様に、第2特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に大当りと判定され、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が大当り図柄に決定される。そして、第2特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致しない場合には、外れであり、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が外れ図柄に決定される。
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無(演出内容)を規定するものである。特別図柄の変動パターンは、特別図柄当否判定が実行される際に、複数の変動パターンが格納された変動パターンテーブルから変動パターン乱数を用いた抽選により選択される。
特別図柄の変動パターンテーブルは複数用意されており、それぞれ遊技状態(特別図柄の変動モード)応じて選択されて用いられる。また、遊技状態に応じて選択される各変動パターンテーブルには、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に選択される当り変動パターンテーブルと、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に選択される外れ変動パターンテーブルとが含まれている。
なお、第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定、第1特別図柄の変動態様(変動パターン)の決定、第2特別図柄の変動態様(変動パターン)の決定、第1特別図柄の停止図柄の決定、第2特別図柄の停止図柄の決定、第1特別図柄の変動表示および停止表示、第2特別図柄の変動表示および停止表示、第2特別図柄の優先変動は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。
次に、大当り遊技について説明する。第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62で停止表示された特別図柄が前述した大当り図柄であった場合(特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技(特別遊技)を開始する。大当り遊技は、大当り遊技フラグをONに設定することで開始するもので、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するものである。大当り遊技は、後述の主制御部200による大当り遊技処理が繰り返し実行されることによって実現される。
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(本実施例では15個)が払い出される。つまり、大入賞口33aに入球した遊技球が、大入賞口33a内に配設される大入賞口入球検知スイッチ33s(図示省略)にて遊技球の通過を検出することで、賞球が払い出される。
そして、大当り遊技の開始により、大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が規定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が規定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1回のラウンド遊技とした場合、大当り遊技が継続可能な最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が設定されている。
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能の作動する特定遊技状態(後述する「電サポあり非確変状態」や「電サポあり確変状態」など)が開始される。変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをONに設定することで作動する。なお、変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、それぞれ同時に作動を開始するとともに同時に作動を終了する。以下、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動状態に関する説明について、何れか一方の機能だけを挙げて説明している場合には、もう一方の機能も対になっているものとする。例えば、以下の説明で「変動時間短縮機能が作動している」と記載する場合、この記載は「開放時間延長機能も作動している」と解することができ、逆に、「開放時間延長機能が作動している」と記載する場合、この記載は「変動時間短縮機能が作動している」と解することができる。
本実施例の遊技機1では、特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能を作動させることなく、変動時間短縮機能および開放時間延長機能を作動させて、「電サポあり非確変状態」が開始される。通常大当りによって開始する大当り遊技を「通常大当り遊技」ともいう。電サポあり非確変状態は、主制御部200の制御により実現されるものである。開放時間延長機能の作動により、第2始動口28bの開放時間が、例えば、通常遊技状態では「0.1秒」であったのが「4.5秒(1.5秒×3回開放あるいは4.5秒×1回開放など)」に延長される。これにより、第2の始動口28bの開放頻度が向上する開放頻度向上状態となり、第2始動口28bへの遊技球入球頻度が通常時(開放時間延長機能非作動時)に比べて高くなる。開放時間延長機能の作動中は、遊技者は持ち球を減らすことなく(持ち球の減少を抑制しつつ)、遊技を続けることができる。
また、特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能を作動させて、「電サポあり確変状態」が開始される。確変大当りによって開始する大当り遊技を「確変大当り遊技」ともいう。電サポあり確変状態は、主制御部200の制御により実現されるものであり、この状態では、変動時間短縮機能および開放時間延長機能とともに、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。
確率変動機能の作動中は、特別図柄当否判定用の大当り当選値が増加することで、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる確率が向上する。具体的には、大当り当選値が設定された抽選テーブルとして、低確率抽選テーブルと、低確率抽選テーブルより大当り当選値の数が多く設定されている高確率抽選テーブルとが用意されている。そして、確率変動機能の非作動時には、低確率抽選テーブルを用いて特別図柄当否判定を行うことで、特別図柄当否判定用乱数が大当り当選値と一致する確率が低確率(本実施例では1/200)となり、確率変動機能の作動時には、高確率抽選テーブルを用いて特別図柄当否判定を行うことで、特別図柄当否判定用乱数が大当り当選値と一致する確率が高確率(本実施例では1/20)となる。
ここで、大当り遊技終了後における変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能の作動期間について説明する。以下、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を「開放延長期間」ともいい、確率変動機能の作動期間を「確変期間」ともいう。
本実施例では、確変大当り遊技終了後の開放延長期間は、確変大当り遊技開始時の遊技状態によって異なるように構成されている。このような確変大当り遊技開始時の遊技状態として、開放時間延長機能の非作動中である「通常遊技状態」と、開放時間延長機能の作動中であり、確変大当り遊技終了後の開放延長期間が次回大当り発生まで(実質的に次回大当り発生まで)に設定される「次回継続状態」と、開放時間延長機能の作動中であり、確変大当り遊技終了後の開放延長期間が特別図柄の変動回数(図柄変動回数)が所定回数に到達するまでに設定される「回数切り状態」とが設けられている。これらの遊技状態は遊技状態フラグによって特定される。具体的には、通常遊技状態では遊技状態フラグに「0」がセットされ、次回継続状態では遊技状態フラグに「1」がセットされ、回数切り状態では遊技状態フラグに「2」がセットされる。
図3は通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)で大当りが発生した場合の開放延長期間および確変期間を示し、図4は次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で大当りが発生した場合の開放延長期間および確変期間を示し、図5は回数切り状態(遊技状態フラグ「2」)で大当りが発生した場合の開放延長期間および確変期間を示している。
図3〜図5に示すように、本実施例では複数種類(本実施例では5種類)の大当り図柄が設けられ、大当り図柄1〜3は確変大当り図柄となっており、大当り図柄4、5は通常大当り図柄となっている。本実施例では、各大当り図柄1〜5は、それぞれ同一の振分確率(20%)に設定されている。また、本実施例では、開放延長期間が複数種類設定されている。具体的には、開放延長期間として、大当り遊技終了後、図柄変動回数が15000回に到達するまでの第1の期間と、大当り遊技終了後、図柄変動回数が100回に到達するまでの第2の期間とが設定されている。第1の期間は、実質的に次回の大当り発生までの期間となる。
まず、通常大当り遊技終了後の開放延長期間について説明する。図3〜図5に示す各遊技状態において、大当り図柄4、5(通常大当り図柄)によって通常大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間は、図柄変動回数が「100回」に到達するまでに設定される。このため、通常大当り遊技終了後に作動開始した変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、大当り遊技開始時の遊技状態に関わらず(遊技状態フラグの設定状態に関わらず)、図柄変動回数が100回に到達するまで作動する。そして、図柄変動回数が設定回数(100回)に到達すると(条件成立により)、遊技状態フラグが「1」又は「2」から「0」に設定される。
次に、確変大当り遊技終了後の確変期間について説明する。図3〜図5に示す各遊技状態において、大当り図柄1〜3(確変大当り図柄)によって確変大当り遊技が開始した場合には、確変期間は、図柄変動回数が「15000回」に到達するまでに設定される。このため、確変大当り遊技終了後に作動開始した確率変動機能は、大当り遊技開始時の遊技状態に関わらず(遊技状態フラグの設定状態に関わらず)、次回の大当りが発生するまで作動する。
次に、確変大当り遊技終了後の開放延長期間について説明する。図3に示すように、通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)で確変大当り遊技が開始した場合には、大当り図柄の種類(大当り態様)に応じて開放延長期間が異なる。具体的には、大当り図柄1、2によって確変大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間は、図柄変動回数が「15000回」に到達するまでに設定され、大当り図柄3によって確変大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間は、図柄変動回数が「100回」に到達するまでに設定される。このため、大当り図柄1、2によって確変大当り遊技が開始した場合には、確変大当り遊技終了後に遊技状態フラグとして「1」が設定され、変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、確変大当り遊技終了後、次回の大当りが発生するまで作動する。そして、可能性は限りなく低いが、図柄変動回数が15000回を経過するまで当りが発生しなかった場合には、遊技状態フラグが「1」から「0」に設定変更される。
また、大当り図柄3によって確変大当り遊技が開始した場合には、確変大当り遊技終了後に遊技状態フラグとして「2」が設定され、変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、確変大当り遊技終了後、図柄変動回数が100回に到達するまで作動する。そして、図柄変動回数が、100回を経過するまで当りが発生しなかった場合には、遊技状態フラグが「2」から「0」に設定変更される。
また、図4に示すように、次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で確変大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間は、図柄変動回数が「15000回」に到達するまでに設定される。このため、変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、確変大当り遊技終了後、次回の大当りが発生するまで作動する。また、遊技状態フラグが「1」の状態で当りとなった場合には、何れの当りであっても(大当り図柄1〜5)、大当り遊技終了後の遊技状態フラグは「1」に設定される。そして、夫々の大当り図柄毎に設定される開放延長期間が終了するまで当りが発生しなかった場合には(条件成立により)、遊技状態フラグが「0」に設定変更される。
図5に示すように、回数切り状態(遊技状態フラグ「2」)で確変大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間は、図柄変動回数が「100回」に到達するまでに設定される。このため、変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、確変大当り遊技終了後、図柄変動回数が100回に到達するまで作動する。また、遊技状態フラグが「2」の状態で当りとなった場合には、何れの当りであっても(大当り図柄1〜5)、大当り遊技終了後の遊技状態フラグは「2」に設定される。そして、夫々の大当り図柄毎に設定される開放延長期間(100回)が終了するまで当りが発生しなかった場合には(条件成立により)、遊技状態フラグが「0」に設定変更される。また、確変大当りとなって開放延長期間が終了した場合には、所謂潜伏状態となる。このとき、遊技機では、潜伏状態であること(確変状態であること)を遊技者に認識可能な状態としてもよいし(遊技者に不利益を与えないことを目的とする)、認識困難な状態としてよい(稼働率の向上を目的とする)。
次に、通常遊技状態、次回継続状態、回数切り状態の各遊技状態の変化について説明する。
図3に示すように、通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)で大当り遊技(確変大当り遊技、通常大当り遊技)が開始した場合には、大当り図柄1、2であれば、大当りの発生に伴って(大当り遊技終了後に)遊技状態フラグが「1」にセットされる。また、次回継続状態に移行し、大当り図柄3〜5であれば、大当りの発生に伴って(大当り遊技終了後に)遊技状態フラグが「2」にセットされ、回数切り状態に移行する。
図4に示すように、次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で大当り遊技(確変大当り遊技、通常大当り遊技)が開始した場合には、遊技状態フラグは「1」のまま変更されず(大当り遊技終了後の遊技状態フラグは「1」とされ)、次回継続状態のまま維持される。
また、次回継続状態は、第1の条件の成立によって終了する。「第1の条件」は、大当り図柄4、5(通常大当り図柄)によって通常大当りが発生した場合に、開放延長期間(図柄変動回数100回)が終了することで成立する。開放延長期間の終了によって、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動終了するとともに、遊技状態フラグが「0」にセットされ、通常遊技状態に移行する。この通常遊技状態は、開放延長機能の作動の有無を意味しており、確率変動機能の作動の有無を意味していない。
図5に示すように、回数切り状態(遊技状態フラグ「2」)で大当り遊技(確変大当り遊技、通常大当り遊技)が開始した場合には、遊技状態フラグは「2」のまま変更されず(大当り遊技終了後の遊技状態フラグは「2」とされ)、回数切り状態のまま維持される。回数切り状態は、第2の条件の成立によって終了する。「第2の条件」は、開放延長期間(図柄変動回数100回)が終了することで成立する。開放延長期間の終了によって、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動終了するとともに、遊技状態フラグが「0」にセットされ、通常遊技状態に移行する。なお、回数切り状態で大当り図柄1〜3(確変大当り図柄)によって確変大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間(図柄変動回数100回)が終了すると、確率変動機能のみが作動する電サポなし確変状態(潜伏確変状態、内部確変状態)となる。
本実施例の遊技機1では、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62を用いて行われる特別図柄の図柄変動遊技に付随して、演出表示装置25にて図柄変動演出が行われる。図柄変動演出としては、例えば第1特別図柄表示部61での第1特別図柄または第2特別図柄表示部62での第2特別図柄の変動表示に連動して、数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる変動表示演出や、演出図柄の変動表示中に行われるリーチ演出などが挙げられる。なお、これらの演出内容は複数種類存在し、演出画像データは演出表示制御部280のROMに記憶されている。
ここで、後述のサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で実現される図柄変動演出について説明する。図2に示すように、演出表示装置25の表示領域Vには、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。この演出図柄は、第1特別図柄表示部61での第1特別図柄または第2特別図柄表示部62での第2特別図柄の変動表示および停止表示に連動して表示される。また、演出表示装置25の表示領域Vのうち、演出図柄表示部25aを除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。上述のように、演出表示装置25は、遊技盤20(遊技領域21)の中央に配置されているので、遊技者は通常、演出表示装置25の表示領域Vでの表示内容(特に演出図柄)に注目して遊技を行うこととなる。
本実施例では、演出図柄として「1」〜「9」からなる3桁の数字図柄を用いており、演出図柄表示部25aは、左図柄が表示される右図柄表示部、中図柄が表示される中図柄表示部、右図柄が表示される左図柄表示部からなる3つの図柄表示領域から構成される。演出図柄表示部25aは、各図柄表示部の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。
演出図柄は、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示を開始することにより変動表示を開始し、第1特別図柄または第2特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の図柄組合せが特別図柄の大当り図柄に対応し、それ以外の図柄組合せが特別図柄の外れ図柄に対応している。
演出図柄の変動態様(変動パターン)および停止図柄の決定は、主制御部200から送信される変動パターン指定コマンドおよび特別図柄情報指定コマンドに基づいてサブ制御部260によって行われるように構成されている。ここで、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部200は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の変動パターンをランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の変動パターンに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部25aで表示される演出図柄の演出パターンを決定する。また、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される特別図柄情報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部200は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の停止図柄をランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の停止図柄を示す特別図柄情報指定コマンドに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部25aで停止表示される演出図柄の停止図柄を決定する。
また、演出表示装置25の表示領域Vでは、特別図柄保留数を表示する保留表示演出、大当り遊技開始時に実行される大当り遊技開始演出(ファンファーレ演出)、大当り遊技中に実行されるラウンド演出(大当り遊技演出)、大当り遊技終了時に実行される大当り遊技終了演出(エンディング演出)、確率変動機能の作動状態を報知する確変報知演出等が行われる。本実施例では、次回継続状態では確変報知演出を実行し、回数切り状態では確変報知演出を実行しないように構成されている。これにより、回数切り状態では、開放延長状態の終了後、確率変動機能の作動状態が不明となる確変非報知状態(確変の場合には潜伏確変状態)とすることができる。これにより、遊技者は、開放延長状態が終了したとしても遊技を終了し難くなるので(確変状態を放置するのは不利益であるため)、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。なお、これらの各種演出は、遊技の進行に伴って主制御部200から送信されるコマンドに基づいてサブ制御部260が実行する。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図6に基づいて説明する。図6は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の当否判定を行う抽選手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入球検知スイッチ28s,28t、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、普通図柄表示装置51、特別図柄表示装置61,62、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、遊技機1の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ11a〜11dから出力される効果音、演出表示装置25による演出図柄の表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200からサブ制御部260には、特別図柄の変動表示に関連する各種図柄制御コマンド(変動パターン指定コマンド、特別図柄情報指定コマンド、図柄停止コマンドなど)、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。そして、サブ制御部260には演出表示制御部280が接続されており、サブ制御部260から演出表示制御部280には、主制御部200からの各種図柄制御コマンドに応じた演出図柄の表示(図柄変動演出)を実現するための演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
演出表示制御部280の演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されており、演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。また、演出表示制御基板280aには、図示しない画像ROMが設けられており、その画像ROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
その他、サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262とアンプ基板263が接続されている。各種LED・ランプ262には、枠ランプ部5cが含まれている。アンプ基板263には、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等を出力するスピーカ11a〜11dが接続されている。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン8が接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン8からの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ11a〜11dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での図柄変動演出の実行パターン(演出パターン)の選択処理や、その実行パターンに基づく図柄変動演出の実行処理等を行う。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図7は、主制御部200の制御下で行われるメインジョブの一例である。図7に示すメインジョブは、主制御基板200aに実装されたCPU200bが、図示しないROM(CPU200bの内蔵ROMまたは主制御基板200aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行するもので、電源投入処理(S100)の後、遊技開始処理(S200)、普通図柄遊技処理(S300)、普通電動役物遊技処理(S400)、特別図柄遊技処理(S500)、大当り遊技処理(S600)の各処理が、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理(S50)は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理(S100)に移るようになっている。
電源投入処理(S100)は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理(S200)では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる
普通図柄遊技処理(S300)では、まず、普通図柄当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り普通図柄の表示態様で停止表示させるか、外れ普通図柄の表示態様で停止表示させるかを決定する。ここで、前述したように、本実施例における普通図柄当否判定は、始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の作動状態に応じて、当りとなる確率が異なっており、開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の作動時の方が、開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の非作動時に比べ当りとなる確率が高くなっている。
次に、普通図柄当否判定の結果が得られたら、普通図柄の変動時間を設定し、その変動時間に従って普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動時間が経過すると、決定しておいた表示態様で普通図柄を停止表示させ、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(第2始動口28bを開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理(S400)では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態(閉鎖状態)となる。
次に、特別図柄遊技処理(S500)を図8〜図12のフローチャートに基づいて説明する。まず、図8(a)に示すように、始動口入賞処理を行う(S501)。ここで、始動口入賞処理(S501)について図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1始動口28aに入賞(遊技球が入球)したか否かを判定し(S501a)、第1始動口28aに入賞していないと判定された場合には(S501a:NO)、S501dの処理に移行する。一方、第1始動口28aに入賞したと判定された場合には(S501a:YES)、第1特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501b)。この結果、第1特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501b:NO)、S501dの処理に移行し、第1特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501b:YES)、第1特別図柄用乱数(第1図柄当否判定情報)を取得してRAMの所定領域に記憶する(S501c)。第1特別図柄用乱数は、第1特別図柄当否判定用乱数、第1大当り種別決定用乱数、リーチ乱数などからなる。これにより、第1特別図柄保留数が1増加する。
次に、第2始動口28bに入賞したか否かを判定し(S501d)、第2始動口28bに入賞していないと判定された場合には(S501d:NO)。始動口入賞処理を終了する。一方、第2始動口28bに入賞したと判定された場合には(S501d:YES)、第2特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501e)。この結果、第2特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501e:NO)、始動口入賞処理を終了し、第2特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501e:YES)、第2特別図柄用乱数(第2図柄当否判定情報)を取得して記憶する(S501f)。第2特別図柄用乱数は、第2特別図柄当否判定用乱数、第2大当り種別決定用乱数、リーチ乱数などからなる。これにより、第2特別図柄保留数が1増加する。
次に、図8(a)に戻り、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S502)。この結果、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S502:YES)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S502:NO)、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であるか否かを判定する(S503)。
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、後述のS510の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S503:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S504)。ここで、特別図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、特別図柄の停止表示時間を「1秒」としている。そして、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S504:YES)、後述のS514の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S504:NO)、第2特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S506)。この結果、第2特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S506:YES)、第1特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
そして、第1特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、第1特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、第1特別図柄変動表示処理を行う(S508)。
一方、S506の判定処理で第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第2特別図柄変動表示処理を行う(S509)。つまり、S506の判定処理で第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第1特別図柄保留数がゼロでなくても(1以上であっても)第2特別図柄の変動表示処理が実行される。これにより、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄よりも優先して行われることとなり、S506の判定処理によって第2特別図柄の優先変動機能が実現される。
ここで、第1特別図柄変動表示処理(S508)と第2特別図柄変動表示処理(S509)を図12のフローチャートに基づいて説明する。第1特別図柄変動表示処理と第2特別図柄変動表示処理は同一内容の処理である。すなわち、図12における「特別図柄」が、第1特別図柄変動表示処理では「第1特別図柄」となり、第2特別図柄変動表示処理では「第2特別図柄」となるだけで、その他は同一である。以下では、第1特別図柄変動表示処理(S508)について説明し、第2特別図柄変動表示処理(S509)の説明を省略する。
まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数(始動口28への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S508a)、特別図柄当否判定を行う(S508b)。特別図柄当否判定では、確率変動機能が作動中(確変状態中)の場合には、高確率当否判定テーブルを用いて、判定結果が大当りとなる確率を高くした状態で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない(通常遊技中)と判定された場合には、通常確率当否判定テーブルを用いて、判定結果が大当りとなる確率を低くした状態で当否判定を行う。
次に、特別図柄当否判定(S508b)の結果が大当りであるか否かを判定する(S508c)。この結果、大当りであると判定された場合には(S508c:YES)、大当り時変動パターンテーブル設定処理を行う(S508d)。一方、大当りでないと判定された場合には(S508c:NO)、外れ時変動パターンテーブル設定処理を行う(S508e)。
次に、変動パターン乱数を取得するとともに、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている図柄決定用乱数(始動口28への遊技球入球時に取得された大当り種別決定用乱数)を読み出す(S508f)。
次に、S508gの処理で決定された停止図柄および変動パターンに従って、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62で特別図柄の変動表示を開始し(S508h)、特別図柄保留数を1減算し(S508i)、サブ制御部260に図柄変動開始時コマンドを送信する(S508j)。「図柄変動開始時コマンド」には、変動パターン指定コマンド、特別図柄情報指定コマンド、保留数指定コマンドが含まれる。変動パターン指定コマンドは、S508gの処理で決定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄情報指定コマンドは、同じくS508gの処理で決定された特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。保留数指定コマンドは、特別図柄の変動表示開始後の特別図柄保留数を指定するコマンドである。この図柄変動開始時コマンドをサブ制御部260に送信すると、これらコマンドを受信したサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始される。以上までが、特別図柄の変動表示を開始する際の処理である。
次に、図8(a)に戻り、上記S503で特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(S510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動表示を停止し(S511)、特別図柄の変動表示が停止したことを示す図柄停止コマンドをサブ制御部260に送信し(S512)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S513)。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S514:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S514:YES)、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄である否かを判定する(図8(b)のS515)。
この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S515:YES)、大当り遊技開始時の遊技状態を主制御部200のRAMの所定領域に記憶する(S516)。「大当り遊技開始時の遊技状態」には、その時点で停止表示された大当り図柄の種類やその時点での各種フラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグ、遊技状態フラグ)の設定状態が含まれている。
次に、大当り遊技フラグをONに設定する(S517)。これにより、大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技が開始したことを示す大当り遊技開始コマンドをサブ制御部260に送信する(S518)。
次に、確変フラグがONに設定されているか否かを判定する(S519)。この結果、確変フラグがONに設定されていないと判定された場合には(S519:NO)、S521の判定処理に移行し、確変フラグがONに設定されていると判定された場合には(S519:YES)、確変フラグをOFFに設定する(S520)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能が作動を停止する。
次に、変動短縮フラグがONに設定されているか否かを判定する(S521)。この結果、変動短縮フラグがONに設定されていないと判定された場合には(S521:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONに設定されていると判定された場合には(S521:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S522)、開放延長フラグをOFFに設定する(S523)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を停止する。
次に、大当り発生時遊技状態フラグ設定処理を実行する(S524)。ここで、大当り発生時遊技状態フラグ設定処理(S524)を図11のフローチャートに基づいて説明する。
まず、大当り発生時の遊技状態フラグが「0」にセットされているか否かを判定する(S524a)。この結果、遊技状態フラグが「0」にセットされていないと判定された場合には(S524a:NO)、遊技状態フラグが「1」または「2」にセットされていると判断できるので、遊技状態フラグを変更することなく、大当り発生時遊技状態フラグ設定処理を終了する。一方、遊技状態フラグが「0」にセットされていると判定された場合には(S524a:YES)、大当り図柄の種類が大当り図柄1、2の何れかであるか否かを判定する(S524b)。
この結果、大当り図柄1、2の何れかであると判定された場合には(S524b:YES)、遊技状態フラグを「1」にセットする(S524c)。これにより、遊技状態が次回継続状態に移行する。一方、大当り図柄1、2でないと判定された場合には(S524b:NO)、大当り図柄3〜5の何れかであるので、遊技状態フラグを「2」にセットする(S524d)。これにより、遊技状態が回数切り状態に移行する。
次に、図8(b)に戻り、上記S515の判定処理で、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合(外れ図柄の場合)には(S515:NO)、確変フラグがONにセットされているか否かを判定する(S525)。この結果、確変フラグがONにセットされていないと判定された場合には(S525:NO)、S529の処理に移行する。一方、確変フラグがONにセットされていると判定された場合には(S525:YES)、確変カウンタから「1」を減算する(S526)。
そして、S526で「1」を減算した確変カウンタが「ゼロ」であるか否かを判定する(S527)。この結果、確変カウンタが「ゼロ」でないと判定された場合には(S527:NO)、S529の処理に移行し、確変カウンタが「ゼロ」であると判定された場合には(S527:YES)、確変フラグをOFFに設定する(S528)。
次に、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S529)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S529:NO)、S535の処理に移行する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S529:YES)、変動短縮カウンタから「1」を減算する(S530)。
そして、S530で「1」を減算した変動短縮カウンタが「ゼロ」であるか否かを判定する(S531)。この結果、変動短縮カウンタが「ゼロ」でないと判定された場合には(S531:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタが「ゼロ」であると判定された場合には(S531:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S532)、さらに開放延長フラグをOFFに設定する(S533)。これにより、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を停止する。
次に、開放延長終了時遊技状態フラグ設定処理を実行する(S534)。ここで、開放延長終了時遊技状態フラグ設定処理(S534)を図12のフローチャートに基づいて説明する。
まず、遊技状態フラグが「0」にセットされているか否かを判定する(S534a)。この結果、遊技状態フラグが「0」にセットされていると判定された場合には(S534a:YES)、開放延長終了時遊技状態フラグ設定処理を終了する。一方、遊技状態フラグが「0」にセットされていないと判定された場合には(S534a:NO)、遊技状態フラグが「1」または「2」にセットされていると判断できるので、遊技状態フラグを「0」にセットする(S534b)。これにより、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
次に、図8(b)に戻り、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動しない遊技状態であることを示す遊技状態指定コマンドを、サブ制御部260に送信する(S535)。この遊技状態指定コマンドを受けたサブ制御部260では、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が非作動の状態(通常状態)である旨を示す文字やキャラクタや背景等を演出表示装置25の表示領域Vに表示する処理を行う。
次に、大当り遊技処理(S600)について図13のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S601)。この結果、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S601:NO)、大当り遊技処理を終了し、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに規定入賞数の入賞があったか否か(規定数の遊技球が入球したか否か)を判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、大当り遊技処理を終了し、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
また、上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S606)。S606の判定処理は、大当り遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)に達したか否かを判定する。
この結果、大当り遊技終了条件が成立していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、大当り遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、大当り遊技終了条件が成立していると判定された場合には(S606:YES)、大当り遊技フラグをOFFにセットする(S609)。
次に、今回の大当りは確変大当りであるか否かを判定する(S610)。この結果、確変大当りでないと判定された場合には(S610:NO)、S612の処理に移行し、確変大当りであると判定された場合には(S610:YES)、確変フラグをONにセットする(S611)。これにより、大当り遊技の終了に伴って確率変動機能が作動開始する。
次に、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットする(S613)。これにより、大当り遊技の終了に伴って変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を開始する。
次に、大当り遊技終了時カウンタ設定処理を実行する(S614)。ここで、大当り遊技終了時カウンタ設定処理(S614)を図14のフローチャートに基づいて説明する。
まず、大当り遊技開始の契機となった大当り図柄が大当り図柄1〜3(確変大当り図柄)の何れかであるか否かを判定する(S614a)。この結果、大当り図柄1〜3(確変大当り図柄)の何れかであると判定された場合には(S614a:YES)、終了する大当り遊技は確変大当り遊技であるので、確変カウンタに「15000」をセットする(S614b)。これにより、確率変動機能の作動が実質的に次回の大当り発生まで継続する。一方、大当り図柄1〜3(確変大当り図柄)でないと判定された場合には(S614a:NO)、終了する大当り遊技は通常大当り遊技であるので、確変カウンタをセットすることなく、S614cの処理に移行する。
次に、大当り発生時の遊技状態フラグが「0」にセットされていたか否かを判定する(S614c)。この結果、遊技状態フラグが「0」にセットされていたと判定された場合には(S614c:YES)、大当り遊技開始の契機となった大当り図柄が大当り図柄1、2の何れかであるか否かを判定する(S614d)。
この結果、大当り図柄1、2の何れかであると判定された場合には(S614d:YES)、開放延長カウンタに「15000」をセットする(S614e)。一方、大当り図柄1、2でないと判定された場合には(S614a:NO)、大当り図柄3〜5の何れかであるので、開放延長カウンタに「100」をセットする(S614f)。
次に、S614cの判定処理で、遊技状態フラグが「0」にセットされていなかったと判定された場合には(S614c:NO)、大当り発生時の遊技状態フラグが「1」にセットされていたか否かを判定する(S614g)。この結果、遊技状態フラグが「1」にセットされていたと判定された場合には(S614g:YES)、大当り遊技開始の契機となった大当り図柄が大当り図柄1〜3の何れかであるか否かを判定する(S614h)。
この結果、大当り図柄1〜3の何れかであると判定された場合には(S614h:YES)、開放延長カウンタに「15000」をセットする(S614e)。一方、大当り図柄1〜3でないと判定された場合には(S614a:NO)、大当り図柄4、5の何れかであるので、開放延長カウンタに「100」をセットする(S614f)。
次に、S614gの判定処理で、遊技状態フラグが「1」にセットされていなかったと判定された場合には(S614g:NO)、遊技状態フラグが「2」にセットされていたと判断できるので、大当り図柄の種類に関わらず、開放延長カウンタに「100」をセットする(S614k)。
次に、図13に戻り、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能の作動状態を示す遊技状態指定コマンドをサブ制御部260に送信する(S615)。
以上説明した本実施例によれば、通常遊技状態で大当り(初当り)が発生し、次回継続状態に移行した場合には、確変大当りを発生させることで、次回大当り発生まで開放延長状態を継続させることができる。これにより、確変大当りを発生させさえすれば、持ち球を減らすことなく、遊技者に有利な状態で次回の大当りを発生させることが可能な状態となり、遊技者は安心して遊技を継続することができる。さらに、通常遊技状態で大当り(初当り)が発生し、回数切り状態に移行した場合には、開放延長期間中に大当りを発生させない限り、開放延長状態が終了する。このため、回数切り状態では、確変大当りを発生させたとしても、開放延長状態の終了後は持ち球が減少して遊技球の追加投資が必要となるため、大当り遊技の終了後、次回の大当りを早期に発生させることが要求され、緊張感を持って遊技を行うことができる。このように、本実施例の遊技機では、遊技状態によって、遊技者に安心感を与えたながら遊技を進行させたり、あるいは緊張感を与えながら遊技を進行させたりすることができ、メリハリのある遊技性を提供することができる。また、回数切り状態においては、開放延長状態終了後の当否判定の判定確率(確率変動機能の作動状態)を報知しない態様とすることで、遊技機の稼働率の向上を図ることもできる。
また、通常遊技状態で大当りが発生した場合(初当りが発生した場合)に、大当り図柄の種類(大当り態様)に基づいて、次回継続状態あるいは回数切り状態の何れかに遊技状態が移行し、以後の確変大当り遊技終了後の開放延長期間が固定化される。この結果、次回継続状態となった場合には、第1の条件が成立するまで、確変大当り遊技終了後の開放延長期間を次回大当り発生までとする次回継続機のような遊技性を提供でき、回数切り状態となった場合には、第2の条件が成立するまで、確変大当り遊技終了後の開放延長期間を図柄変動回数が所定回数(本実施例では100回)に到達するまでとする所謂ST機のような遊技性を提供できる。これにより、1台の遊技機で複数機種に相当する遊技性を提供でき、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、通常遊技状態、次回継続状態、回数切り状態の各遊技状態を特定する遊技状態フラグを設け、遊技状態フラグの設定内容を切り替えることで、遊技状態を切り替えている。これにより、大当り発生時に遊技状態フラグを参照することで、遊技状態を容易に把握することができ、開放延長期間の設定を確実に行うことができる。
また、本実施例では、次回継続状態を終了させる「第1の条件」は、通常大当りが発生した後に所定期間が経過した場合に成立し、回数切り状態を終了させる「第2の条件」は、大当りの種類(通常大当り、確変大当り)に関わらず、大当りが発生した後に所定期間が経過した場合に成立する。このように、通常遊技状態における初当りの種類によって、次回継続状態および回数切り状態の終了条件を異ならせることで、初当りに対する注目度をより高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
ここで、本実施例と本発明の構成要素との対応について説明しておくと、「通常遊技状態において、大当り図柄1、2によって発生した大当り」が本発明の「第1の当り」に対応し、「通常遊技状態において、大当り図柄3〜5によって発生した大当り」が本発明の「第2の当り」に対応し、「大当り遊技終了後、図柄変動回数15000回が経過するまでの期間(次回の大当り発生までの期間)」が本発明の「第1の期間」に対応し、「大当り遊技終了後、図柄変動回数100回が経過するまでの期間」が本発明の「第2の期間」に対応し、「次回継続状態」が本発明の「第1の遊技状態」に対応し、「回数切り状態」が本発明の「第2の遊技状態」に対応し、「開放延長期間」が本発明の「開放頻度向上期間」に対応し、「遊技状態フラグ」が本発明の「遊技状態情報」に対応し、主制御部200が実行する処理が本発明の「当り遊技実行手段」、「当り種別決定手段」、「開放頻度向上手段」、「開放頻度向上期間設定手段」、「遊技状態情報設定手段」に対応している。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。本第2実施例では、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
図15は、本第2実施例の次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で大当りが発生した場合の開放延長期間および確変期間を示しており、上記第1実施例の図4に対応している。図15に示すように、本第2実施例では、次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で、特別図柄1〜3(確変大当り図柄)によって確変大当り遊技が開始した場合には、遊技状態フラグが「1」のまま維持される。一方、次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で、特別図柄4、5(通常大当り図柄)によって通常大当り遊技が開始した場合には、遊技状態フラグが「0」にセットされる。
なお、通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)および回数切り状態(遊技状態フラグ「2」)で大当り遊技が開始した場合の開放延長期間は、上記第1実施例(図3、図5)と同様であり、説明を省略する。
図16は、本第2実施例の大当り発生時遊技状態設定処理(S524)を示すフローチャートであり、上記第1実施例の図11に対応している。図16に示すように、S524aの判定処理で、大当り発生時の遊技状態フラグが「0」ではないと判定された場合に(S524a:NO)、大当り発生時の遊技状態フラグが「1」であったか否かを判定する(S524e)。この結果、遊技状態フラグが「1」であったと判定された場合には(S524e:YES)、大当り遊技が開始する契機となった大当り図柄が大当り図柄1〜3の何れかであるか否かを判定する(S524f)。
この結果、大当り図柄1〜3の何れかであると判定された場合には(S524f:YES)、遊技状態フラグを変更することなく、大当り発生時遊技状態フラグ設定処理を終了する。これにより、次回継続状態が維持される。一方、大当り図柄1〜3でないと判定された場合には(S524f:NO)、大当り図柄4、5の何れかであると判断できるので、遊技状態フラグを「0」にセットする(S524g)。これにより、遊技状態が次回継続状態から通常遊技状態に移行する。
以上説明した本第2実施例では、次回継続状態の終了条件が上記第1実施例と異なっており、次回継続状態で通常大当りが発生することで、次回継続状態から通常遊技状態に移行する。通常遊技状態への移行後は、大当り(初当り)の種類によって、次回継続状態または回数切り状態に移行することとなる。このように、本実施例では、次回継続状態(開放延長期間中)での大当り図柄の種類(大当り態様)に基づいて、次回継続状態から通常遊技状態に移行するか否かの抽選を行うことができ、次回継続状態における大当り図柄の種類(大当り態様)に注目させることができる。
また、本第2実施例では、次回継続状態を終了させる「第1の条件」は、大当り図柄4、5(通常大当り図柄)によって通常大当りが発生することで成立し、回数切り状態を終了させる「第2の条件」は、上記第1実施例と同様、大当りの種類(通常大当り、確変大当り)に関わらず、大当りが発生した後に所定期間が経過した場合に成立する。このように、通常遊技状態における初当りの種類によって、次回継続状態および回数切り状態の終了条件を異ならせることで、初当りに対する注目度をより高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例について説明する。本第3実施例では、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
図17は、本第3実施例の回数切り状態(遊技状態フラグ「2」)で大当りが発生した場合の開放延長期間および確変期間を示しており、上記第1実施例の図5に対応している。図17に示すように、本第3実施例では、回数切り状態(遊技状態フラグ「2」)で、特別図柄3(確変大当り図柄)によって確変大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間を図柄変動回数が「15000回」に到達するまでに設定されるとともに、遊技状態フラグが「1」にセットされる。
なお、通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)および次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で大当り遊技が開始した場合の開放延長期間は、上記第1実施例(図3、図4)と同様であり、説明を省略する。
図18は、本第3実施例の大当り発生時遊技状態設定処理(S524)を示すフローチャートであり、上記第1実施例の図11に対応している。図18に示すように、S524aの判定処理で、大当り発生時の遊技状態フラグが「0」ではないと判定された場合に(S524a:NO)、大当り発生時の遊技状態フラグが「2」であったか否かを判定する(S524h)。この結果、遊技状態フラグが「2」であったと判定された場合には(S524h:YES)、大当り遊技が開始する契機となった大当り図柄が大当り図柄3であるか否かを判定する(S524i)。
この結果、大当り図柄3でないと判定された場合には(S524i:NO)、大当り図柄1、2、4、5の何れかであると判断できるので、遊技状態フラグを変更することなく、大当り発生時遊技状態フラグ設定処理を終了する。これにより、回数切り状態が維持される。一方、大当り図柄3であると判定された場合には(S524i:YES)、遊技状態フラグを「1」にセットする(S524j)。これにより、遊技状態が次回継続状態から通常遊技状態に移行する。
図19は、本第3実施例の大当り遊技終了時カウンタ設定処理(S614)を示すフローチャートであり、上記第1実施例の図14に対応している。図19に示すように、S614gの判定処理で、大当り発生時の遊技状態フラグが「1」でなかったと判定された場合には(S614g:NO)、大当り発生時の遊技状態フラグが「2」であったと判断でき、大当り遊技が開始する契機となった大当り図柄が大当り図柄3であったか否かを判定する(S614l)。
この結果、大当り図柄3であったと判定された場合には(S614l:YES)、開放延長カウンタに「15000」をセットする(S614m)。一方、大当り図柄3でなかったと判定された場合には(S614l:NO)、大当り図柄1、2、4、5の何れかであると判断できるので、開放延長カウンタに「100」をセットする(S614n)。
以上説明した本第3実施例では、回数切り状態(遊技状態フラグ「1」)で大当り図柄3(確変大当り図柄)によって確変大当りが発生することで、回数切り状態から次回継続状態に昇格する。これにより、通常遊技状態での大当り態様(初当り態様)によって、一旦回数切り状態に設定された後でも、次回継続状態に昇格するチャンスを遊技者に付与することができ、遊技興趣を向上させることができる。
ここで、本実施例と本発明との対応について説明しておくと、「回数切り状態において、大当り図柄3によって発生した大当り」が本発明の「特定の当り」に対応する。
(第4実施例)
次に、本発明の第4実施例について説明する。本第4実施例では、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
図20は、本第4実施例の通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)で大当りが発生した場合の開放延長期間および確変期間を示しており、上記第1実施例の図3に対応している。図20に示すように、本第4実施例では、通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)で、特別図柄1〜3(確変大当り図柄)によって確変大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間を図柄変動回数が「15000回」に到達するまでに設定されるとともに、遊技状態フラグが「1」にセットされる。また、通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)で、特別図柄4、5(通常大当り図柄)によって通常大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間を図柄変動回数が「100回」に到達するまでに設定されるとともに、遊技状態フラグが「2」にセットされる。
図21は、本第4実施例の次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で大当りが発生した場合の開放延長期間および確変期間を示しており、上記第1実施例の図4に対応している。図21に示すように、本第4実施例では、次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で、特別図柄1〜3(確変大当り図柄)によって確変大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間を図柄変動回数が「15000回」に到達するまでに設定されるとともに、遊技状態フラグが「1」にセットされる。また、次回継続状態(遊技状態フラグ「1」)で、特別図柄4、5(通常大当り図柄)によって通常大当り遊技が開始した場合には、開放延長期間を図柄変動回数が「100回」に到達するまでに設定されるとともに、遊技状態フラグが「2」にセットされる。
回数切り状態(遊技状態フラグ「2」)で大当り遊技が開始した場合の開放延長期間は、上記第1実施例(図5)と同様であり、説明を省略する。
図22は、本第4実施例の大当り発生時遊技状態設定処理(S524)を示すフローチャートであり、上記第1実施例の図11に対応している。図22に示すように、S524aの判定処理で、大当り発生時の遊技状態フラグが「0」であると判定された場合に(S524a:YES)、大当り遊技が開始する契機となった大当り図柄が大当り図柄1〜3の何れかであるか否かを判定する(S524k)。
この結果、大当り図柄1〜3の何れかであると判定された場合には(S524k:YES)、遊技状態フラグを「1」にセットする(S524c)。これにより、遊技状態が次回継続状態に移行する。一方、大当り図柄1〜3でないと判定された場合には(S524k:NO)、大当り図柄4、5の何れかであると判断できるので、遊技状態フラグを「2」にセットする(S524k)。これにより、遊技状態が回数切り状態に移行する。
また、S524aの判定処理で、大当り発生時の遊技状態フラグが「0」ではないと判定された場合に(S524a:NO)、大当り発生時の遊技状態フラグが「1」であったか否かを判定する(S524e)。この結果、遊技状態フラグが「1」であったと判定された場合には(S524e:YES)、大当り遊技が開始する契機となった大当り図柄が大当り図柄1〜3の何れかであるか否かを判定する(S524f)。
この結果、大当り図柄1〜3の何れかであると判定された場合には(S524f:YES)、遊技状態フラグを変更することなく、大当り発生時遊技状態フラグ設定処理を終了する。これにより、次回継続状態が維持される。一方、大当り図柄1〜3でないと判定された場合には(S524f:NO)、大当り図柄4、5の何れかであると判断できるので、遊技状態フラグを「2」にセットする(S524l)。これにより、遊技状態が次回継続状態から回数切り状態に移行する。
図23は、本第4実施例の大当り遊技終了時カウンタ設定処理(S614)を示すフローチャートであり、上記第1実施例の図14に対応している。図23に示すように、S614cの判定処理で、大当り発生時の遊技状態フラグが「0」であったと判定された場合には(S614a:NO)、大当り遊技が開始する契機となった大当り図柄が大当り図柄1〜3の何れかであるか否かを判定する(S614o)。
この結果、大当り図柄1〜3の何れかであると判定された場合には(S614o:YES)、開放延長カウンタに「15000」をセットする(S614e)。一方、大当り図柄1〜3でないと判定された場合には(S614o:NO)、大当り図柄4、5の何れかであると判断できるので、開放延長カウンタに「100」をセットする(S614f)。
以上説明した本第4実施例では、通常遊技状態での大当り発生時には、確変大当りであれば、次回継続状態と同様に開放延長期間を次回の大当り発生までとし、通常大当りであれば、回数切り状態と同様に開放延長期間を図柄変動回数100回としている。そして、次回継続状態で通常大当りが発生することで、次回継続状態から回数切り状態に降格する。つまり、一旦開放延長期間が図柄変動回数100回に設定されると、以後の開放延長期間中の大当りはST機と同様に、所定回数(図柄変動回数100回)の開放延長期間が付与されるという遊技性を提供することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記各実施例では、開放延長期間を特別図柄の変動回数によって規定したが、これに限らず、異なる手段によって開放延長期間を規定してもよい。例えば、開放延長期間を大当り遊技の終了後、普通図柄の変動回数が所定回数に到達するまでとしたり、開放延長期間を大当り遊技の終了後、所定時間が経過するまでとすることができる。
また、上記各実施例では、通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)で通常大当り図柄(大当り図柄4、5)によって通常大当りが発生した場合に、開放延長期間を「100回」に設定するように構成したが、これに限らず、通常大当り図柄の一部(例えば大当り図柄4)に対して開放延長期間を「図柄変動回数15000回」に設定してもよい。この場合には、遊技状態フラグを「1」にセットすればよい。
また、上記各実施例では、通常遊技状態(遊技状態フラグ「0」)で大当り図柄4、5(通常大当り図柄)で通常大当りが発生した場合に、遊技状態フラグを「2」に設定するように構成したが、これに限らず、通常大当り図柄の一部(例えば大当り図柄4)に対して遊技状態フラグを「0」にセットするように構成してもよい。
また、上記実施例では、大当り図柄1〜5の振分確率を同一に設定したが、これに限らず、大当り図柄1〜5の振分確率を異なるように設定してもよい。例えば、第1特別図柄当否判定では、大当り図柄1〜5の振分確率をすべて同一の「20%」に設定し、第2特別図柄当否判定では、大当り図柄1の振分確率を「30%」とし、大当り図柄2の振分確率を「30%」とし、大当り図柄3の振分確率を「20%」とし、大当り図柄4の振分確率を「10%」とし、大当り図柄5の振分確率を「10%」とする。これにより、開放延長期間に変動開始頻度が向上する第2特別図柄の図柄変動遊技では、第1特別図柄の図柄変動遊技よりも確変大当りが発生する確率が向上するため、開放延長期間に遊技者が有利に遊技を進めることができるという遊技性を提供することができる。
また、上記各実施例では、遊技状態として「次回継続状態」と「回数切り状態」とを設けたが、両状態とも回数切り状態とし、その回数を異ならせてもよい。具体的には、開放時間延長機能の作動中であり、確変大当り遊技終了後の開放延長期間が特別図柄の変動回数(図柄変動回数)が第1の回数(例えば、100回)に到達するまでに設定される「回数切り状態1」と、開放時間延長機能の作動中であり、確変大当り遊技終了後の開放延長期間が特別図柄の変動回数(図柄変動回数)が第1の回数よりも少ない第2の回数(例えば、50回)に到達するまでに設定される「回数切り状態2」とすることができる。そしてこれらの遊技状態は前述の発明と同様に、遊技状態フラグによって特定される。具体的には、通常遊技状態では遊技状態フラグに「0」がセットされ、次回数切り状態1では遊技状態フラグに「1」がセットされ、回数切り状態2では遊技状態フラグに「2」がセットされる。
また、上記各実施例では、遊技状態フラグで特定する遊技状態として、3種類の遊技状態を例示したが、4種類以上の遊技状態が設定されていてもよい。
また、上記各実施例では、回数切りの回数を「100」に設定したため、通常当り遊技が開始される当りの場合に、遊技状態フラグが「0〜2」の何れであっても、開放延長期間は「100」に設定されるものとした。しかしながら、これに限らず、回数切り回数を「50」に設定し、遊技状態フラグが「2」に設定されることとなる当りとなった場合には、開放延長期間を「50」に設定するものとしてもよい。これにより、通常当りとなった場合に、設定されている遊技状態フラグによって、設定する開放延長期間を異ならせることができる。
また、上記各実施例では、確変当りとなった際の確変期間については、開放延長期間の回数切り状態であっても、次回当りまで継続するものとしたが、確変期間についても、開放延長期間と同じ期間としてもよい(すなわち、回数切りにしてもよい)。
また、上記各実施例では、遊技状態フラグの設定処理を大当り発生時に行うものを例示したが、遊技状態フラグの設定処理を大当り遊技終了後に行ってもよい。
また、上記各実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。
例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。