以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[1.第1実施形態]
[1−1.遊技用システムの構成]
図1は、第1実施形態における遊技用システムである第1遊技用システム1Aのシステム構成の一例を表す図である。
第1遊技用システム1Aは、例えば、パチンコ機2と、カードユニット3と、ホールコンピュータ4と、システムコントローラ6と、呼出ランプ装置8とを備えて構成される。
本実施形態では、遊技機の一種であるパチンコ機2として、封入式ではない通常のパチンコ機2Aを適用した遊技用システムの実施形態について説明する。また、遊技媒体をパチンコ玉とし、遊技媒体の貸与を玉貸として説明する。また、本実施形態では、遊技用装置をカードユニット3Aとして説明する。なお、後述する他の実施形態でカードユニット3Bが登場するが、カードユニット3Aとカードユニット3Bとを包括してカードユニット3とする。
パチンコ機2Aは、遊技機の一種であり、店舗の遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設され、遊技媒体であるパチンコ玉を用いて遊技者が遊技を行うことが可能に構成されている。本実施形態におけるパチンコ機2Aは、対応して設けられたカードユニット3Aとの間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りを行って玉貸処理を行う、いわゆるCR式のパチンコ機である。
カードユニット3Aは、遊技用装置及び記録媒体処理装置の一種であり、パチンコ機2Aの所定側の側方位置(例えば左側方位置)に該パチンコ機2Aに対して1対1に対応設置される。カードユニット3Aは、縦長の箱型の形状を呈するものであり、その前面に紙幣挿入口、タッチパネル式のディスプレイ、カード挿入口等を備えている。
カードユニット3Aは、遊技場に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるビジターカードや、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受け付けて、該ビジターカード又は会員カード(以下、包括的に「遊技用カード」と称する。)に記録された有価価値特定情報(持玉数データやプリペイド残度数データ)から特定される有価価値(持玉数やプリペイド残度数)に基づき、該パチンコ機2Aでの遊技に使用されるパチンコ玉を貸与するための貸与処理や、該パチンコ機2Aにおける遊技において獲得されたパチンコ玉を計数して、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉を払い出す処理等を行う。
本明細書では、プリペイド残度数(プリペイド残額)を「カード残額÷単位額」の式で演算される商の整数部分として説明する。カード残額は、遊技用カードに記録される円単位の残額である。例えば、単位額は100円とすることができ、カード残額が10000円である場合は、プリペイド残度数は100度数となる。
カードユニット3Aは、パチンコ機2Aに設けられた返却ボタン(排出操作手段)の操作に応じて、有価価値特定情報を記録した遊技用カードをカード挿入/排出口309から排出させて遊技者に返却する返却処理(排出処理)を行う。
カードユニット3Aの最下方位置には、詳細後述する計数払出ユニット348が設けられている。計数払出ユニット348は、パチンコ玉を計数して取り込み、該計数したパチンコ玉を貯留するとともに、遊技者によるパチンコ玉の払い出し(払い戻し)操作に応じて、ユニット制御部300の制御のもと、貯留したパチンコ玉を所定数ずつ遊技者に払い出す(払い戻す)機能を有する。計数払出ユニット348は、遊技機での遊技により遊技者が獲得した遊技媒体数を計数する計数手段に相当する。
カードユニット3Aはユニット制御部300を備え、このユニット制御部300は、遊技者の持玉数をパチンコ機2Aでの遊技に使用させる使用処理を行う。具体的には、上記のようにカードユニット3Aの最下方位置に設けられた計数払出ユニット348からパチンコ玉を払い出すように制御したり、これとは別にパチンコ機2Aからパチンコ玉を(例えば上皿に)払い出すように制御したり、ノズル(図示省略)によってパチンコ玉をパチンコ機2Aに払い出すように制御する。また、ユニット制御部300は、使用処理に供されなかったパチンコ玉の数を確定させるために遊技用カードに持玉数を記録して返却したり、カード残額やプリペイド残度数を有価価値特定情報として遊技用カードに記録して返却する確定処理を行う。
また、カードユニット3Aはカードリーダライタ335を備え、このカードリーダライタ335は、確定処理で確定された有価価値特定情報が記録された遊技用カードを受け付ける受付手段として機能する。カードリーダライタ335が遊技用カードを受け付けたことに基づいて、ユニット制御部300は、該遊技用カードから特定される持玉数を使用処理に供する。
また、ユニット制御部300は、遊技用カードを排出させる排出操作に応じて、該遊技用カードを排出する排出処理を行う排出処理手段として機能するとともに、所定条件の成立に基づいて、遊技用カードの取り出しに関する注意喚起表示を表示させる表示処理を行う表示処理手段として機能する。表示処理については詳細に後述する。
ホールコンピュータ4は、遊技場内の所定場所(例えば管理事務所)に設置される管理装置の一種であり、遊技場内に設置されたパチンコ機2Aやカードユニット3A等の各装置を管理する。
システムコントローラ6は、遊技場内の所定場所(例えば管理事務所)に設置される管理装置の一種であり、遊技者が所持する遊技用カードのプリペイド残度数をデータベース化して管理する他、カードユニット3Aから送信される照合要求信号に基づいて、カードユニット3Aが受け付けた遊技用カードを遊技に使用可能とするか否かの使用可否判定処理を行う。なお、システムコントローラ6は、遊技者の持玉や貯玉を管理する管理コンピュータであってもよいし、遊技者が所持する遊技用カードを管理するカード管理コンピュータであってもよい。
呼出ランプ装置8は、遊技用装置及び情報表示装置の一種であり、パチンコ機2Aで遊技を行っている遊技者が店員を呼び出すために用いられる他、パチンコ機2Aからの信号を受けて該パチンコ機2Aに関する遊技情報を、前面に設けられた表示部に表示する。遊技者は、呼出ランプ装置8に設けられた呼出ボタンやメニューボタンを押下することにより、店員の呼出や各種のメニュー選択(ワゴンサービスやおしぼり、食事休憩等)を行うことができるように構成されている。
これら本実施形態の遊技用システムを構成する各装置は、台端末9を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されているとともに、各装置のIDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブル等を有することで、該IDから特定される各ローカルIPアドレスを送信データに付与して送受信することにより、互いにデータの送受を実行できるようになっている。
なお、本実施形態では、遊技機をパチンコ機2とする場合の実施形態について説明するが、変形例で後述するように、遊技機は通常のパチンコ機2Aに限らず、変形例で説明する封入玉式のパチンコ機(以下、「封入式パチンコ機」と称す。)2Bであってもよい。通常のパチンコ機2Aと封入式パチンコ機2Bとを包括してパチンコ機2とする。
また、遊技機を、通常のスロットマシンや、封入メダル式のスロットマシン(以下、「封入式スロットマシン」と称す。)とすることも可能である。
[1−2.情報及び信号の流れ]
図2は、第1遊技用システム1Aの各装置間における情報及び信号の流れの一例を示す図である。この図では、各装置間の情報や信号のやり取りを明確にするために、台端末9の図示を省略しているが、パチンコ機2Aやカードユニット3Aと、ホールコンピュータ4やシステムコントローラ6との通信は、台端末9を介して遊技島毎に行われる。
パチンコ機2Aからは、大当り1信号及び大当り2信号や賞球信号、始動信号といったパチンコ機2Aでの遊技に係る信号が、カードユニット3A等の遊技用装置やホールコンピュータ4等の管理装置に送信される。
大当り1中信号は、大当り状態の期間中において出力状態とされる信号であり、大当り状態が発生した場合にONとなり、大当り状態が終了した場合にOFFとされる信号である。
大当り2信号は、確変大当りが発生した場合にONとされ、その後の確変状態ではON状態が維持されるが、通常大当りが発生した場合にOFFとされる信号である。つまり、大当り2信号は、確変大当りの発生から確変状態の終了までを示す信号である。
始動信号は、特図可変表示部の表示結果が全て導出表示されて可変表示が終了した際に出力される所定幅のパルス信号である。
賞球信号は、所定玉数(例えば10玉)が払い出される毎に出力される所定幅のパルス信号である。これらの信号は、遊技機から出力される遊技信号の一例である。これらの信号については詳細に後述する。
ホールコンピュータ4は、カードユニット3Aの表示に係る表示設定信号をカードユニット3Aに送信する。
システムコントローラ6は、ハードディスク等からなる記憶装置を備え、この記憶装置に残度数管理DB61を記憶している。この残度数管理DB61では、各遊技用カードのカードIDに対応付けて、各遊技用カードに記録されているプリペイド残度数が記憶されて管理されている。この残度数管理DB61の管理内容は、玉貸処理が行われたカードユニット3Aから、ユニットID、カードID及び玉貸に使用された玉貸使用度数を含む玉貸情報が送信されてくる毎に、該カードIDに対応付けて記憶されているプリペイド残度数から、該玉貸使用度数が減算更新される。また残度数管理DB61の管理内容は、入金処理が行われたカードユニット3Aから、ユニットIDとカードID及び入金額とを含む入金情報が送信されてくる毎に、該カードIDに対応付けて記憶されているプリペイド残度数に対して、該入金額に相当する分の度数が加算更新される。
また、システムコントローラ6は、遊技用カードを受け付けたカードユニット3Aから、該遊技用カードのカードID及びプリペイド残度数を含む照合要求信号を受信したことに基づいて、該受信した照合要求に含まれるカードIDに対応付けて残度数管理DB61で管理されているプリペイド残度数を示す残度数情報と、該受信した照合要求に含まれるプリペイド残度数とが一致するか否かを判定する照合処理を行う。この照合処理の結果、一致すると判定された場合には、照合OKの照合結果情報を該カードユニット3Aに対して返信し、一致しないと判定された場合には、照合NGの照合結果情報を該カードユニット3Aに対して返信する。
また、カードユニット3Aは、遊技用カードを受け付けたことを示すカード受付信号や、プリペイドを返却したことを示すカード返却信号、遊技用カードを発行したことを示すカード発行信号、遊技用カードを回収したことを示すカード回収信号といった各種のカード処理状況信号をシステムコントローラ6に送信する。
また、カードユニット3Aは、筐体前面に設けられた表示装置312に、遊技用カードに関する注意喚起表示を表示させる表示処理を行う。本実施形態では、遊技用カードに関する注意喚起表示として、主として遊技用カードの取り出しに関する注意喚起表示を表示装置312に表示させることとして説明する。遊技用カードの取り出しに関する注意喚起表示とは、遊技者がカードユニット3Aから遊技用カードを取り出すタイミングや、遊技用カードの盗難防止のために遊技者がカードユニット3Aから遊技用カードを忘れずに取り出すことを促すための表示である。
なお、カードユニット3Aが、計数払出ユニット348で計数された遊技者の持玉数の情報(以下、「持玉情報」と称す。)を、ユニットID及び遊技用カードのカードIDとともにシステムコントローラ6に送信することとして、遊技用カードには記録せず、システムコントローラ6において、遊技者の持玉情報を完全ID管理によって管理することとしてもよい。つまり、システムコントローラ6を、各遊技用カードのカードIDと対応付けて遊技者の持玉情報をデータベース化して管理する持玉管理コンピュータとして機能させることとしてもよい。
[1−3.パチンコ機及びカードユニットの外観構成]
図3は、本実施形態におけるパチンコ機2A及びカードユニット3Aの外観構成の一例を示す正面図である。
パチンコ機2Aは、額縁状に形成されたガラス扉枠22を備え、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23を備えて構成される。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられており、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23から溢れたパチンコ玉を貯留する下皿24と、打球を発射する打球操作ハンドル25(打球操作ノブとも呼ぶ。)とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27に向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28が設けられている。
また、遊技領域27の中央部には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出可変表示装置29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示装置30とが設けられている。また、遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した(すなわち付与条件が成立した)場合には、各入賞口に応じた賞球が図示しない玉払出装置により払い出されるとともに、該玉払出装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
また各入賞口に入賞した打玉及びアウト口46に回収された打玉の数は、当該パチンコ機2Aに対応して設けられるアウト玉計数器(不図示)により計数され、該計数された打込玉数に応じた打込玉信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、打込玉数が外部に通知される。
打球操作ハンドル25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて遊技領域27に達しなかったパチンコ玉は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流される。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、可変表示装置30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
可変表示装置30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(例えば○)となった場合、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して遊技者にとって有利な状態となる。
また、始動入賞口34にパチンコ玉が入賞すると、特図可変表示部28において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始するとともに、演出可変表示装置29において演出表示が開始される。そして、その後、特図可変表示部28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には、演出可変表示装置29における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止する。そして、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(例えば777)とされることで、特定遊技状態(大当り状態)が発生するとともに、大当り中信号が出力状態とされることで、該大当りの発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過又は打玉の所定個数(例えば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
そして該第1の状態となっている可変入賞球装置36の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って第2の状態から第1の状態に制御する繰返し継続制御が行われる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
なお、特定入賞領域(Vポケット)が設けられていない可変入賞球装置36を定められた回数(例えば15回)だけ第2の状態(大入賞口が閉鎖されている状態)から第1の状態(大入賞口が開放されている状態)に制御する繰返し継続制御を実行するようにしてもよい。この第1の状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過又は打玉の所定個数(例えば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了する。可変入賞球装置36を第2の状態から第1の状態に制御する繰返し継続制御の実行回数は、例えば、複数存在する特定遊技状態(大当り遊技状態)の種別に応じて異なるように設定されており、該繰返し継続制御の実行回数が15回の大当りを15ラウンド大当り、該繰返し継続制御の実行回数が2回の大当りを2ラウンド大当りと称する場合がある。
この大入賞口に打玉が入賞した(つまり付与条件が成立した)場合にも、該入賞に応じた賞球が図示しない玉払出装置により払い出されるとともに、該玉払出装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
特図可変表示部28の表示結果並びに演出可変表示装置29の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには上記のように大当りが発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特図可変表示部28並びに演出可変表示装置29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示装置29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示装置29で可変表示が所定回数に達するか、又は、次の大当りが発生するまでの間、特図可変表示部28における特別図柄及び演出可変表示装置29における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
パチンコ機2Aには、これら各信号を外部出力するための図示しない情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板とカードユニット3Aや呼出ランプ装置8等の遊技用装置やホールコンピュータ4等の管理装置とが、図示しない信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り1信号、大当り2信号、始動信号、賞球信号からなる遊技信号である外部出力信号が、信号ケーブルを介して遊技用装置や管理装置に出力される。
大当り1信号は、大当りが発生したことを示す信号であり、大当りが発生するとON状態とされ、大当りが終了するとOFF状態とされる。これにより、パチンコ機2Aに接続される遊技用装置や管理装置において大当りが発生したこと及び大当り状態に制御されていることを特定可能となる。
大当り2信号は、大当りの種類が確変大当りであるか通常大当りであるかを特定可能な信号である。確変大当りが発生すると、大当り1信号がON状態とされ、大当り2信号もON状態とされる。大当り2信号がON状態とされると、次に通常大当りが発生するまで大当り2信号がOFF状態とはされない。つまり、大当り2信号がON状態とされている期間は、確変状態が継続している期間となる。一方、通常大当りが発生すると、大当り2信号はOFF状態とされる。これにより、パチンコ機2Aに接続される遊技用装置や管理装置において大当りの種類を特定可能となる。
また、パチンコ機2Aには、該パチンコ機2Aにおける遊技を制御する遊技制御基板から、入賞に基づいて出力される賞球信号に基づいて所定数の賞球を計数して払い出す制御を行うとともに、カードユニット3Aで計数される遊技者の持玉数に基づいて、払出単位である25玉のパチンコ玉を計数して貸出す制御を行う払出制御基板を備えており、該払出単位である25玉の倍数のパチンコ玉の貸出を実施できるようになっている。
本実施形態に例示するパチンコ機2Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特図可変表示部28や演出可変表示装置29)を備え、可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する遊技機の一例である。
なお、本実施形態における遊技機を、通常のパチンコ機2Aではなく、封入式パチンコ機2Bとすることも可能である。封入式パチンコ機2Bでは、内部にパチンコ玉が封入され、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、発射装置の発射モータを駆動させて封入玉を1発ずつ遊技領域に打ち込んで遊技ができるように構成されている。遊技領域に打ち込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するか或いは入賞することなくアウト口に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉及びアウト口に回収されたパチンコ玉は、再度遊技機内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれる。
詳細は後述するが、封入式パチンコ機2Bでは、遊技者は持点によって遊技を行う。具体的には、発射装置に設けられた発射玉検出器により発射玉が検出される毎に持点を減算するとともに、ファール玉検出器でファール玉が検出される毎に持点を加算することで、持点を随時更新する。また、入賞口に遊技球が入賞した場合には、その入賞口への入賞に対応した点数を持点に加算することにより、持点を随時更新する。
カードユニット3Aの前面には、フルカラーLED301aにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3Aの状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305と、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受け付けるための払出ボタン307と、会員カードやビジターカードを挿入/排出するためのカード挿入/排出口309とが設けられている。
カードユニット3Aの前面に設けられたカード挿入/排出口309は、該カード挿入/排出口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ335のカードスロット392に連設されており、このカード挿入/排出口309を介して遊技用カードをカードスロット392に挿入可能とされている。
ここで、遊技用カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これら遊技用カードには、個々のカードを識別可能なカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、持玉数やカード残額、プリペイド残度数、該遊技用カードの振分け(入金残額対応の有/無、カードロックの有効/無効、盗難カードであるか否か等)を特定可能な各種の振分けフラグ等の各種データが記憶されている。
ユニット制御部300は、後述する貸出関連信号をパチンコ機2Aに送信して、例えば、パチンコ機2A(遊技機)から上皿にパチンコ玉を払い出させるように制御する処理を行う。或いは、ユニット制御部300は、カードユニット3Aからパチンコ機2Aの上皿位置に延出するように設けられたノズル(図示省略)を介してカードユニット3Aからパチンコ玉を直接上皿に払い出す処理や、計数払出ユニット348にパチンコ玉を払い出させるように制御する処理を行ってもよい。これらの処理は、遊技者所有の有価価値を遊技機での遊技に使用させるための使用処理に相当し、ユニット制御部300は、使用処理を行う使用処理手段に相当する。
なお、ユニット制御部300が使用処理として実行するパチンコ玉の払い出しは、上記の方法に限らず、例えばカードユニット3Aの所定位置に払い出すようにすることも可能である。例えば、カードユニット3Aの下部に、パチンコ玉の払い出し用の玉受皿(図示省略)を構成し、この玉受皿にパチンコ玉を払い出すように制御してもよい。この場合に払い出すパチンコ玉は、払出単位(例えば25玉の倍数)のパチンコ玉としてもよいし、端数のパチンコ玉(端玉)としてもよい。また、払出単位のパチンコ玉はノズルを介してパチンコ機2Aの上皿に払い出し、端玉はカードユニット3Aの玉受皿に払い出すようにしてもよい。
また、ユニット制御部300は、遊技者により返却操作がなされた場合に、遊技用カードを遊技者に返却する返却処理を行う。この返却処理は、使用処理に供されなかった有価価値を確定させるための確定処理であるとともに、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を排出する排出処理に相当する。
カードユニット3Aの前面に設けられた突出部305において、遊技者と対向する面には、各種情報を表示可能な表示装置312と、メインメニュー画面を表示させるためのメニューボタン316と、台データを表示させるための台データボタン318と、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持する設定用リモコンからの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315とが設けられている。突出部305に表示装置312を設けたのは、注意喚起表示を遊技者が視認し易いようにすることを目的としたものである。
また、表示装置312は、液晶で画面を表示する液晶表示器313と、この液晶表示器313と一体的に構成された透明タッチパネル314とを有して構成され、透明タッチパネル314に対するタップ操作により、遊技者が各種の指示操作を行うことができるように構成されている。
なお、本実施形態のように突出部305に表示装置312を設けるのではなく、カードユニット3Aの前面に面一に表示装置312を設けるようにしてもよい。遊技者が表示装置312を視認可能であればよく、表示装置312の設置位置や設置態様は問わない。
また、該突出部305には、表示装置312や各ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが該突出部305に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、表示装置312の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット3A内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述するユニット制御部300に出力する紙幣識別ユニット303が設けられており、該紙幣識別ユニット303にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3Aの略中央部位置には、該カードユニット3Aを構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3Aの動作を制御するユニット制御部300が設けられており、後述するように、該ユニット制御部300によって該カードユニット3Aの各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3Aの最下方位置には、パチンコ玉を計数して取り込み、該計数したパチンコ玉を最大端数分、つまり、対応するパチンコ機2Aにおける払出単位である25個未満の単位未満端数の最大値である24個だけ貯留するとともに、該単位未満端数のパチンコ玉を計数して払出す計数払出ユニット348が設けられている。
[1−4.カードユニットの機能構成]
図4は、カードユニット3Aの機能構成の一例を示すブロック図である。
カードユニット3Aは、紙幣識別ユニット303と、カードリーダライタ335と、表示制御基板329と、カードユニット3Aの各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3Aの各種の機能を提供するユニット制御部300とから構成されており、紙幣識別ユニット303、カードリーダライタ335及び表示制御基板329はユニット制御部300と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ335は、カード挿入/排出口309から挿入される遊技用カードのカードIDや、会員ID(会員カードのみ)、持玉数データやカード残額データ、プリペイド残度数データ等の有価価値特定情報の読み出し及び書き込みを行う。
ユニット制御部300は、主要な構成部として、処理部310と、記憶部320と、時計部330と、遊技信号受信部350と、玉貸通信部360とを備えて構成される。
処理部310は、カードユニット3Aを統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPU等のプロセッサを有して構成される。処理部310は、主要な機能部として、注意喚起表示処理部311を有する。
記憶部320は、ROMやEEPROM、RAM等といった不揮発性又は揮発性のメモリを有する記憶装置であり、カードユニット3Aのシステムプログラムや、カードユニット3Aの各種の機能を実現するための各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部320には、処理部310により読み出され、カードユニット処理として実行されるカードユニット処理プログラム321が記憶されている。カードユニット処理プログラム321は、注意喚起表示処理として実行される注意喚起表示処理プログラム3211をサブルーチンとして含む。
また、記憶部320には、注意喚起表示処理で異なる注意喚起表示を表示させるためのテーブルである注意喚起表示用テーブル323と、遊技者の持玉数のデータである持玉数データ325と、遊技者のプリペイド残度数のデータである残度数データ327と、該カードユニット3Aをユニークに識別するための識別情報であるユニットID328とが記憶される。
図5は、注意喚起表示用テーブル323の一例である第1注意喚起表示用テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。
第1注意喚起表示用テーブルには、注意喚起表示を行うための条件である表示条件と、注意喚起表示を行うタイミングである表示タイミングと、注意喚起表示の種別である表示種別と、注意喚起表示の内容である表示内容とが対応付けて定められている。
具体的には、表示条件には、「大当りが発生&大当りの種類が確変大当り」と「大当りが発生&大当りの種類が通常大当り」の2種類が定められている。前者については、表示タイミングとして「確変大当り終了時」が、表示種別として「第1特別注意喚起表示」が、表示内容として「連チャンが終了したらカードを抜いて下さい!!」がそれぞれ定められている。また、後者については、表示タイミングとして「通常大当り終了時」が、表示種別として「第1通常注意喚起表示」が、表示内容として「カードの抜き忘れに注意して下さい。」がそれぞれ定められている。本実施形態において、注意喚起表示処理部311は、この第1注意喚起表示用テーブルに定められた内容に従って注意喚起表示を表示装置312に表示させる。
上記のような第1特別注意喚起表示を表示する理由は、確変状態が継続している間(連チャン中)は一般に遊技者が獲得する玉数が増え続けるため、連チャン中に遊技用カードを抜いてしまうと、増加した分の玉数を記録する遊技用カードを再発行することになり、遊技者が取得する遊技用カードが増えてしまうためである。
また、上記のような第1通常注意喚起表示を表示する理由は、確変大当りではない通常大当り(いわゆるカス当り)を引いた場合、遊技者はその後に遊技を止める場合が多いためである。
図6は、本実施形態において注意喚起表示処理部311が注意喚起表示を行う原理を説明するためのタイミングチャートであり、パチンコ機2Aにおける大当り1信号及び大当り2信号の時系列変化の一例を示している。注意喚起表示処理部311は、パチンコ機2Aから入力した遊技信号に基づいてパチンコ機2Aで発生した大当りの種類を判定し、その判定結果に基づいて異なる注意喚起表示を表示装置312に表示させる処理を行う。
確変大当りが発生すると、大当り1信号及び大当り2信号がON状態とされる。その後、確変大当りが終了すると、大当り1信号がOFF状態とされる。大当り2信号はON状態のままとされる。注意喚起表示処理部311は、大当り1信号はOFF状態とされたが、大当り2信号がON状態のままであることに基づいて、確変大当りが終了したと判断し、第1注意喚起表示用テーブルに示したように、第1特別注意喚起表示を表示装置312に表示制御する。
次に、再び確変大当りが発生したとすると、大当り1信号がON状態とされる。大当り2信号はON状態のままとされる。そして、確変大当りが終了すると、大当り1信号がOFF状態とされる。大当り2信号はON状態のままである。この場合も、注意喚起表示処理部311は、確変大当りが終了したと判断し、第1特別注意喚起表示を表示装置312に表示制御する。
次いで、通常大当りが発生すると、大当り1信号がON状態とされる。この際、ON状態とされていた大当り2信号がOFF状態とされる。そして、通常大当りが終了すると、大当り1信号がOFF状態とされる。この場合、注意喚起表示処理部311は、大当り1信号がOFF状態とされ、大当り2信号もOFF状態とされていることに基づいて、通常大当りが終了したと判断し、第1注意喚起表示用テーブルに示したように、第1通常注意喚起表示を表示装置312に表示制御する。
遊技信号受信部350は、パチンコ機2から遊技に関連する信号を受信する受信装置であり、信号ケーブルを介してパチンコ機2Aの情報出力基板と接続されることで、大当り1信号、大当り2信号、賞球信号及び始動信号といった遊技信号を入力可能とされている。
玉貸通信部360は、パチンコ機2との間で玉貸しに関連する貸出関連信号を送受するための送受信装置であり、信号ケーブルを介してパチンコ機2の払出制御基板と接続されることで、貸出関連信号を送受信可能に構成されている。この玉貸通信部360と払出制御基板との間には、PSI信号線,PRDY信号線,BRDY信号線,BRQ信号線及びEXS信号線が設けられている。
PSI信号線は、カードユニット3Aとパチンコ機2Aとの接続確認を行うための信号線である。このPSI信号線を介して接続確認信号が送信されることにより、パチンコ機2Aにおいて発射ハンドルの操作が可能となる。
PRDY信号線は、パチンコ機2Aから対応するカードユニット3Aに対して、該パチンコ機2Aとカードユニット3Aとの間における通信が可能な状態(スタンバイ状態)である旨を示す払出可能信号を送信する信号線である。具体的には、図7のS1に示すように、該PRDY信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、払出可能信号がパチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して送信される。
BRDY信号線は、カードユニット3Aが払出可能信号を受信しているスタンバイ状態において玉貸操作があったときに、カードユニット3Aから対応するパチンコ機2Aに対して、玉貸可能信号を送信する信号線である。具体的には、図7のS2に示すように、該BRDY信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、玉貸可能信号がカードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して送信される。
また、BRDY信号線は、1回の玉貸操作に伴う所定度数分(例えば5度数分)の玉貸処理が終了したときに、カードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して、玉貸終了信号を送信する信号線である。具体的には、図7のS7に示すように、該BRDY信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸終了信号がカードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して送信される。
BRQ信号線は貸与指令信号線(=玉貸指令信号線)の一例であって、カードユニット3Aから対応するパチンコ機2Aに対して、パチンコ玉の貸与を要求する貸与要求信号(=玉貸要求信号)を送信する信号線である。具体的には、図7のS3に示すように、該BRQ信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、玉貸要求信号がカードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して送信される。
また、BRQ信号線は、カードユニット3Aから対応するパチンコ機2Aに対して、パチンコ玉の貸与を指令する貸与指令信号(=玉貸指令信号)を送信する信号線である。具体的には、図7のS5に示すように、該BRQ信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸指令信号がカードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して送信される。
EXS信号線は要求了解信号線の一例であって、パチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して、玉貸の要求を了解した旨(つまり玉貸要求信号を受信した旨)を示す要求了解信号を送信する信号線である。具体的には、パチンコ機2Aが玉貸要求信号を受信してから、該パチンコ機2Aがパチンコ玉を貸与する準備が整っている(つまり玉切れがなく、エラーがない)旨を確認した後に、図7のS4に示すように、該EXS信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、要求了解信号がパチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して送信される
またEXS信号線は、1度数分の玉貸処理が完了したときに、パチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して、該玉貸処理が完了した旨を示す玉貸完了信号を送信する信号線である。具体的には、玉貸処理が完了したとき、つまりパチンコ玉の払出が完了したときに、図7のS6に示すように、該EXS信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸完了信号がパチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して送信される。
また、ユニット制御部300は、対応するパチンコ機2Aの下方位置に設けられているアウト玉計数器16に接続されて該アウト玉計数器16による打込玉信号が入力可能とされており、これらアウト玉計数器16からの打込玉信号の入力に応じて、後述する遊技情報テーブルの総打込玉数の値に該打込玉信号に応じた所定数を加算更新する。
また、ユニット制御部300は、計数払出ユニット348と接続されており、該計数払出ユニット348においてパチンコ玉の計数が行われたことにより出力される計数センサ信号を入力し、該計数センサ信号に基づいて持玉数を更新する。例えば、前述したように計数払出ユニット348に流入したパチンコ玉が、計数センサにより検出され、1球のパチンコ玉の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット348からユニット制御部300に対して出力されて、ユニット制御部300において記憶される持玉数(持玉数)が1ずつ増加する。
また、ユニット制御部300は、装置前面の突出部305の下方位置に設けられた払出ボタン307に対応する払出ボタンスイッチ308に接続されており、払出ボタン307の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ308から入力されることにより、払出ボタン307の操作の有無を把握できるようになっている。
払出ボタン307が押下されたことを検知すると、ユニット制御部300は、持玉数のうちの所定の単位球数を遊技者に払い戻す。具体的には、ユニット制御部300は、1回の払い戻し操作が行われる毎に、記憶している持玉数を所定数(例えば125玉)減算する。ただし、持玉数が125未満である場合に払い戻し操作が行われた場合には、持玉数を0とする。すなわち、記憶している持玉数に相当する球数を減算する。
遊技者の持玉数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておくことでパチンコ機2Aから排出されたパチンコ玉が下皿24から計数通路343に随時に流入し、計数払出ユニット348により計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2Aから排出されたパチンコ玉を下皿に溜めた状態としておき、ある程度パチンコ玉が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められたパチンコ玉が一気に計数通路343に流入し、計数払出ユニット348により計数されることで一気に増加する場合との2つのケースがある。
また、遊技者の持玉数が減少する場合は、遊技者の払い戻し操作によりパチンコ玉が遊技者に払い戻される場合であり、前述したように1回の払い戻し操作による払い戻し数は125発であるため、1回の払い戻し操作により持玉数は125発減少する。
また、ユニット制御部300には、前述したように、対応するパチンコ機2Aの操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付中遊技用カードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
ユニット制御部300は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や、突出部305に設けられている各種ボタンの操作や透明タッチパネル314の操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット303による貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ335からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、ユニット制御部300に接続されている多機能ランプ301内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ335、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御を行う。
また、ユニット制御部300は、カード挿入/排出口309に挿入された遊技用カードの利用の可/不可を判別するカード受付処理や、受付中の遊技用カードから読み出したカード残額データに基づく残度数を使用した玉貸を行う貸与処理や、貨幣の受け付けに応じて、受付中の遊技用カードに残存するカード残額への入金、或いは新たな遊技用カードにカード残額を書き込んで発行する発行・入金処理や、返却ボタンによる返却操作により受付中の遊技用カードの返却する返却処理や貯玉数を用いた再プレイ処理や、払出ボタン307の操作の受け付けによって計数済玉数(挿入された遊技用カードにより特定される持玉数を含む)からの払い出し(返却)を行って該払出した玉数を計数済玉数から減算更新する払出処理等の処理を実行する。
また、ユニット制御部300は、HUB70を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ4やシステムコントローラ6等の管理装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が該通信部を通じて可能とされている。
また、ユニット制御部300に接続された表示制御基板329は、突出部305を構成する表示装置312や透明タッチパネル314、各種スイッチ類(メニューボタン316に対応するメニュースイッチ316a、台データボタン318に対応する台データスイッチ318a、再プレイボタン319に対応する再プレイスイッチ319a)、IR受光ユニット315、再プレイ表示部317内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介してユニット制御部300に出力される。
本実施形態の表示制御基板329には、表示装置312の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、透明タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示装置312に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示装置312に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、ユニット制御部300から独立して、各種スイッチ類や透明タッチパネル314等の入力に伴う判定や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、ユニット制御部300から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示装置312に表示可能とされている。
表示装置312は、挿入された遊技用カードに記録されているカード残額や該カード残額から特定される残度数、遊技玉数等の各種の情報を表示可能である他、注意喚起表示処理部311が実行する注意喚起表示処理により、遊技用カードの取り出しに関する注意喚起表示が表示される。
カードユニット3Aの前面には、遊技者が操作するための各種のボタンとして、メニューボタン316や台データボタン318、再プレイボタン319が設けられている。
再プレイボタン319は、挿入されたカードに記録されているカード残額を引き落としてパチンコ機2Aによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行うボタンである。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてパチンコ機2Aによる遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードに持玉数が記録されておらず、且つ、貯玉が持玉を管理するコンピュータ(例えば持玉管理コンピュータ)に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、パチンコ機2Aによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預け入れられた遊技媒体数である。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預け入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預け入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉であり、遊技用カードの残額、持玉、又は、貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成される。
なお、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預け入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預け入れられた玉数であるか、或いは、未だに遊技場に預け入れられていない段階の玉数であるかの違いであるため、「持玉」を店舗に設置された持玉管理コンピュータ(不図示)で管理するようにしてもよい。
なお、この場合に持玉を遊技用カード(会員カード、ビジターカード)又は持玉管理コンピュータに記憶させるタイミングは、計数ボタンが操作されて計数処理が行われる毎のタイミングとしてもよいし、一定時間毎のタイミングとしてもよいし、カードを返却するタイミングとしてもよい。
また、遊技者が遊技を終えてカードユニット3Aからカードの返却を受けたときには、カードユニット3Aに記憶していた持玉が一旦貯玉として持玉管理コンピュータに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット3Aにカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3Aに記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
[1−5.カードユニットの処理]
図8及び図9は、カードユニット3Aの処理部310が、記憶部320に記憶されているカードユニット処理プログラム321に従って実行するカードユニット処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、遊技用カードを受け付けたか否かを判定し(B1)、受け付けたと判定したならば(B1;Yes)、カード受付処理を行う(B3)。
具体的には、カード挿入/排出口309に挿入された遊技用カードの取り込み指示をカードリーダライタ335に出力して、挿入された遊技用カードをカードリーダライタ335内に取り込んで、該遊技用カードに記憶されているカード情報を読み込む。そして、処理部310は、B25へと処理を移す。
カードを受け付けなかったと判定したならば(B1;No)、処理部310は、現金を受け付けたか否かを判定し(B5)、受け付けたと判定したならば(B5;Yes)、入金処理を行う(B7)。
具体的には、投入された貨幣の識別結果が正常であるかを判定する。正常ではないと判定した場合は、受け付けた貨幣を返却する。また、正常であると判定した場合は、システムコントローラ6に対して、ユニットIDとカードID及び識別した貨幣の金額とを入金額として含む入金情報を送信する。
この入金情報を受信したシステムコントローラ6は、該入金情報に含まれるカードIDに対応付けて残度数管理DB61で記憶している残度数に入金額に相当する度数分を加算して更新し、入金が完了したことを示す入金完了信号を該カードユニット3Aに送信する。処理部310は、システムコントローラ6から入金完了信号を受信したと判定すると、カードR/W335に、入金額又はこれに相当する度数を遊技用カードのカード残額又はプリペイド残度数に加算・更新させるように制御して、入金処理を終了する。そして、処理部310は、B25へと処理を移す。
現金を受け付けなかったと判定したならば(B5;No)、処理部310は、遊技者によりカード返却操作がなされたか否かを判定し(B9)、なされたと判定したならば(B9;Yes)、返却処理を行う(B11)。
具体的には、システムコントローラ6に対して、ユニットIDとカードID及びカード残額とを含む残額情報を送信する。この残額情報を受信したシステムコントローラ6は、該残額情報に含まれるカードIDに対応付けて残度数管理DB61にプリペイド残度数を記憶して登録し、登録完了信号を該カードユニット3Aに送信する。処理部310は、システムコントローラ6から登録完了信号を受信したと判定すると、カードR/W335に、カード残額又はプリペイド残度数を遊技用カードに書き込むように制御する。そして、遊技用カードをカード挿入/排出口309から排出させることで遊技用カードを遊技者に返却する。そして、処理部310は、B25へと処理を移す。カードユニット3Aが会員カード又はビジターカードを受け付けていた場合は、挿入されている遊技用カードを遊技者に排出して返却する。また、遊技者が遊技用カードを用いずに遊技を行っていた場合は、ビジターカードを新規に発行して排出する。
カード返却操作がなされなかったと判定したならば(B9;No)、処理部310は、持玉合算操作がなされたか否かを判定し(B13)、なされたと判定したならば(B13;Yes)、持玉合算処理を行う(B15)。持玉合算処理では、複数枚の遊技用カードに対応付けられた持玉を合算して1枚の遊技用カードに対応付ける処理を行う。
具体的には、暗証番号の入力指示を行い、入力された暗証番号に対する照合処理を行う。そして、照合結果がOKであったならば、所定時間内に別の遊技用カードが挿入されたか否かを判定し、挿入されたと判定したならば、持玉を挿入された遊技用カードに移行する。そして、処理部310は、挿入カードをカード挿入/排出口309から排出させるように制御する。そして、処理部310は、B25へと処理を移す。
持玉合算操作がなされなかったと判定したならば(B13;No)、処理部310は、遊技者によりカード後挿入操作がなされたか否かを判定し(B17)、なされたと判定したならば(B17;Yes)、カード後挿入処理を行う(B19)。カード後挿入処理では、1枚のカード(分割元カード)の持玉を分割して複数のカードに対応付ける処理を行う。
具体的には、暗証番号の入力指示を行い、入力された暗証番号に対する照合処理を行う。そして、照合結果がOKであったならば、受け付けているカード(分割元カード)の持玉のうち、一部の持玉を他の新たなカード(分割先カード)に対応付け、残りの持玉数を分割元カードに残存させる。そして、処理部310は、B25へと処理を移す。
カード後挿入操作がなされなかったと判定したならば(B17;No)、処理部310は、遊技者により玉貸操作がなされたか否かを判定し(B21)、なされなかったと判定したならば(B21;No)、B25へと処理を移す。また、なされたと判定したならば(B21;Yes)、処理部310は、玉貸処理を行う(B23)。具体的には、図7で説明した玉貸関連信号をパチンコ機2Aとの間で送受することにより、所定数分のパチンコ玉をパチンコ機での遊技のために貸し出す処理を行う。そして、処理部310は、貸し出した玉数を遊技者の持玉数から減算することで、記憶部320の持玉数データ325を更新する。
次いで、処理部310は、計数払出ユニット348から計数信号を受信したか否かを判定し(B25)、受信しなかったと判定したならば(B25;No)、B31へと処理を移す。一方、計数信号を受信したと判定したならば(B25;Yes)、受信した計数信号に示される計数結果を遊技者の持玉数に加算することで、記憶部320の持玉数データ325を更新する。
その後、処理部310は、記憶部320に記憶されている注意喚起表示処理プログラム3211に従って注意喚起表示処理を行う。ここでは、注意喚起表示処理の一例である第1注意喚起表示処理の流れを説明する。この第1注意喚起表示処理では、最初に、確変大当りフラグがONであるか否か(B31)、通常大当りフラグがONであるか否か(B37)、又は大当り1信号がONであるか否か(B45)の判定を行うが、説明の便宜上、B45→B31→B37の順で説明する。
B45において注意喚起表示処理部311は、大当り1信号がONであるか否かを判定し(B45)、OFFであると判定したならば(B45;Yes)、大当り2信号がOFFであるか否かを判定する(B47)。大当り2信号がOFFであると判定したならば(B47;Yes)、注意喚起表示処理部311は、確変大当りフラグをOFFに設定する(B49)。確変大当りフラグは、確変大当りが発生した場合にONに設定され、確変大当りが終了した場合にOFFに設定されるフラグである。
次いで、注意喚起表示処理部311は、大当り2信号がONであるか否かを判定する(B51)。ONであると判定したならば(B51;Yes)、注意喚起表示処理部311は、確変大当りフラグをONに設定する(B53)。一方、大当り2信号がOFFであると判定したならば(B51;No)、注意喚起表示処理部311は、通常大当りフラグをONに設定する(B55)。通常大当りフラグは、通常大当りが発生した場合にONに設定され、通常大当りが終了した場合にOFFに設定されるフラグである。そして、注意喚起表示処理部311は、第1注意喚起表示処理を終了する。
B31において、注意喚起表示処理部311は、確変大当りフラグがONであるか否かを判定する(B31)。ONであると判定したならば(B31;Yes)、注意喚起表示処理部311は、大当り1信号がOFFであるか否かを判定する(B33)。OFFであると判定したならば(B33;Yes)、注意喚起表示処理部311は、第1特別注意喚起表示を表示装置312に表示させるように制御する(B35)。そして、注意喚起表示処理部311は、第1注意喚起表示処理を終了する。
B31において確変大当りフラグがOFFであると判定したならば(B31;No)、注意喚起表示処理部311は、通常大当りフラグがONであるか否かを判定する(B37)。ONであると判定したならば(B37;Yes)、注意喚起表示処理部311は、大当り1信号がOFFであるか否かを判定する(B39)。OFFであると判定したならば(B39;Yes)、注意喚起表示処理部311は、通常大当りフラグをOFFに設定する(B41)。そして、注意喚起表示処理部311は、第1通常注意喚起表示を表示装置312に表示制御した後(B43)、第1注意喚起表示処理を終了する。
第1注意喚起表示処理を行ったならば、注意喚起表示処理部311は、処理を終了するか否かを判定する(B57)。具体的には、例えば、管理者や店員によりカードユニット3Aの電源を切断する操作がなされた場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(B57;No)、注意喚起表示処理部311は、B1に戻る。また、処理を終了すると判定したならば(B57;Yes)、注意喚起表示処理部311は、カードユニット処理を終了する。
[1−6.表示画面例]
図10は、カードユニット3Aの表示装置312の表示画面の一例を示す図である。
図10(1)は、第1特別注意喚起表示の一例であり、「連チャンが終了したらカードを抜いて下さい!!」というメッセージが表示装置312に表示されている(図9のB47)。
図10(2)は、第1通常注意喚起表示の表示画面の一例であり、「カードの抜き忘れに注意して下さい。」というメッセージが表示されている(図9のB53)。
この第1特別注意喚起表示や第1通常注意喚起表示の表示中は、メニューボタンや台データといった、注意喚起表示以外の情報が表示されるボタンに対する操作を無効化するとよい。但し、注意喚起表示の表示中に遊技者が再プレイを行う場合があるため、再プレイボタンに対する操作は有効化しておくとよい。また、無効化したボタンが操作された場合は、例えば多機能ランプ301にランプを点灯/点滅させたり、点灯中のランプを消灯させるなどして、遊技者にその旨を報知するようにしてもよい。つまり、無効化した操作ボタンの操作に対するエフェクトを発生させるようにしてもよい。
[1−7.作用効果]
パチンコ機2Aに対応して設けられるカードユニット3Aにおいて、処理部310は、パチンコ機2Aでの遊技に使用可能な有価価値を特定可能な情報が記録された遊技用カードを排出させる排出操作に応じて、該遊技用カードを排出して遊技者に返却する返却処理を行う。そして、注意喚起表示処理部311は、所定条件の成立に基づいて、遊技用カードの取り出しに関する注意喚起表示を表示装置312に表示させる表示処理を行う。具体的には、パチンコ機2Aでの遊技に関連する複数種類の所定条件として、パチンコ機2Aでの大当りの種類(確変大当り、通常大当り)の発生が定められており、いずれの種類の大当りが発生したかに基づいて、異なる注意喚起表示を表示させる。
これによれば、異なる注意喚起表示を表示させるための複数種類の所定条件を定めておくことで、表示させる注意喚起表示を適正化することができる。また、複数種類の所定条件のうちのいずれの種類の所定条件が成立したかに応じて異なる注意喚起表示を表示させるため、遊技者は、表示される注意喚起表示を確認して、適切なタイミングで遊技用カードを取り出すことができる。その結果、遊技者が誤って遊技用カードを取り出してしまって、複数枚の遊技用カードを取得する事態が発生することを防止することができる。これにより、課題で述べた遊技用カードの管理面やコスト面の問題を解消することができる。
確変大当りが発生した場合、遊技者は、確変状態が継続している限りは遊技を継続するのが通常である。確変大当りが発生した場合に、確変状態が終了したらカードを取り出すことを促す注意喚起表示を行うことで、遊技者は、確変状態の終了後に遊技を止める場合に、忘れずにカードユニット3Aから遊技用カードを取り出すことができる。
[1−8.変形例]
上記の実施形態では、注意喚起表示を表示させるための所定条件として、パチンコ機2Aでの大当りに関する条件が複数種類定められており、複数種類の所定条件のうちのいずれの種類の所定条件が成立したかに応じて、異なる注意喚起表示を表示させる表示処理を行うこととして説明した。この他に、例えば遊技者の持玉数に基づいて異なる注意喚起表示を表示させる表示処理を行ってもよい。
図11は、この場合にユニット制御部300の記憶部320に記憶される注意喚起表示用テーブル323の一例である第2注意喚起表示用テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。
第2注意喚起表示用テーブルには、第1注意喚起表示用テーブルと同様に、表示条件と、表示タイミングと、表示種別と、表示内容とが対応付けて定められている。
表示条件には、「持玉数が規定玉数に達している」と「持玉数が規定玉数を下回っている」との2つの条件が定められている。ここで、規定玉数は適宜設定することが可能であるが、ある程度大きな値を定めておくとよい。例えば、規定玉数として「3000発」を定めておくことができる。
前者については、表示タイミングとして「大当り終了時(確変又は通常)」が、表示種別として「第2特別注意喚起表示」が、表示内容として「持玉数が多いので、カードの盗難に注意して下さい!!」がそれぞれ定められている。持玉数が規定玉数に達している場合は、カードの盗難により遊技者が大きな損失を受けることに鑑み、カードの取り出しに関して盗難に注意するように促すメッセージを表示する。
他方、後者については、表示タイミングとして「大当り終了時(確変又は通常)」が、表示種別として「第2通常注意喚起表示」が、表示内容として「カードの取り忘れに注意して下さい。」がそれぞれ定められている。持玉数が規定玉数に達していない場合は、カードの盗難よりも遊技者によるカードの取り忘れに重きを置いて、カードの取り忘れの注意を促すメッセージを表示する。
図12は、この場合に注意喚起表示処理部311が、図9の第1注意喚起表示処理に代えて実行する第2注意喚起表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、第1注意喚起表示処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
B33において大当り1信号がOFFであると判定したならば(B33;Yes)、注意喚起表示処理部311は、記憶部320の持玉数データ325に記憶されている持玉数が規定玉数に達しているか否かを判定する(D34)。そして、この条件が成立すると判定したならば(D34;Yes)、注意喚起表示処理部311は、第2特別注意喚起表示を表示装置312に表示させるように制御する(D35)。そして、注意喚起表示処理部311は、第2注意喚起表示処理を終了する。
一方、持玉数が規定玉数に達していないと判定したならば(D34;No)、注意喚起表示処理部311は、第2通常注意喚起表示を表示装置312に表示させるように制御する(D36)。そして、注意喚起表示処理部311は、第2注意喚起表示処理を終了する。
B41において通常大当りフラグをOFFに設定した後、注意喚起表示処理部311は、記憶部320の持玉数データ325に記憶されている持玉数が規定玉数に達しているか否かを判定する(D42)。そして、この条件が成立すると判定したならば(D42;Yes)、注意喚起表示処理部311は、第2特別注意喚起表示を表示装置312に表示させるように制御する(D43)。そして、注意喚起表示処理部311は、第2注意喚起表示処理を終了する。
一方、持玉数が規定玉数に達していないと判定したならば(D42;No)、注意喚起表示処理部311は、第2通常注意喚起表示を表示装置312に表示させるように制御する(D44)。そして、注意喚起表示処理部311は、第2注意喚起表示処理を終了する。
図13は、この場合におけるカードユニット3Aの表示装置312の表示画面の一例を示す図である。
図13(1)は、第2特別注意喚起表示の一例であり、「持玉数が多いので、カードの盗難に注意して下さい!!」というメッセージが表示装置312に表示されている(図12のD47又はD53)。また、注意喚起表示の下には、遊技者の持玉数が別枠内に表示されている。
図13(2)は、第2通常注意喚起表示の一例であり、は、「カードの取り忘れに注意して下さい。」というメッセージが表示装置312に表示されている(図12のD48又はD54)。また、注意喚起表示の下には、遊技者の持玉数が別枠内に表示されている。
このように遊技者の持玉数に基づいて異なる注意喚起表示を表示させる表示処理を行うことで、遊技者は、表示される異なる注意喚起表示を確認して、適切なタイミングでカードを取り出すことができる。その結果、遊技者が誤って遊技用カードを取り出してしまって、複数枚の遊技用カードを取得するような事態が発生することを防止することができる。特に、持玉数が多い場合はカードの盗難に注意する旨の注意喚起表示を表示させることで、遊技者は、カードの盗難に気を付けることができる。また、注意喚起表示に加えて持玉数の表示を行うことで、遊技者は注意喚起表示と併せて自身の持玉数を確認することができ、カードの盗難に対して一層の注意を払うことができる。
なお、図13(1)に示すような第2特別注意喚起表示や、図13(2)に示すような第2通常注意喚起表示が表示されている場合であっても、計数払出ユニット348による計数は有効である。従って、注意喚起表示の表示中に、計数される遊技者の持玉数は変化する可能性がある。このため、第2通常注意喚起表示を表示させている間に遊技者の持玉数が増加して規定玉数に達してしまう場合がある。この場合は、第2通常注意喚起表示をそのまま継続させることとしてもよいし、持玉数が規定玉数に達したことにより、表示させている第2通常注意喚起表示を第2特別注意喚起表示に切り替えるようにしてもよい。
なお、遊技者の持玉数ではなく、遊技者が所有するプリペイド残度数に基づいて、異なる注意喚起表示を表示装置312に表示する表示処理を行うこととしてもよい。
図14は、この場合に記憶部320に記憶される注意喚起表示用テーブル323の一例である第3注意喚起表示用テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。
第3注意喚起表示用テーブルには、第1注意喚起表示用テーブル及び第2注意喚起表示用テーブルと同様に、表示条件と、表示タイミングと、表示種別と、表示内容とが対応付けて定められている。
表示条件には、「プリペイド残度数が規定度数に達している」と「プリペイド残度数が規定度数を下回っている」との2つの条件が定められている。ここで、規定度数は適宜設定することが可能であるが、ある程度大きな値を定めておくとよい。例えば、規定度数として「30度数」(3000円相当分)を定めておくことができる。
前者については、表示タイミングとして「大当り終了時(確変又は通常)」が、表示種別として「第3特別注意喚起表示」が、表示内容として「残度数が多いので、カードの盗難に注意して下さい!!」がそれぞれ定められている。プリペイド残度数が規定度数に達している場合は、カードの盗難により遊技者が大きな損失を受けることに鑑み、遊技用カードの取り出しに関して盗難に注意するように促すメッセージを表示する。
他方、後者については、表示タイミングとして「大当り終了時(確変又は通常)」が、表示種別として「第3通常注意喚起表示」が、表示内容として「忘れずにカードを抜いて下さい。」がそれぞれ定められている。プリペイド残度数が規定度数に達していない場合は、カードの盗難よりも遊技者によるカードの取り忘れに重きを置いて、カードの取り忘れの注意を促すメッセージを表示する。
なお、この場合に注意喚起表示処理部311が行う注意喚起表示処理は、図12で説明した第2注意喚起表示処理における持玉数をプリペイド残度数に置き換えて、第3注意喚起表示処理として実現可能である。プリペイド残度数は、前述したように、記憶部320の残度数データ327に記憶されている。
図15は、この場合におけるカードユニット3Aの表示装置312の表示画面の一例を示す図である。
図15(1)は、第3特別注意喚起表示の一例であり、「プリペイド残が多いので、カードの盗難に注意して下さい!!」というメッセージが表示されている。また、注意喚起表示の下には、遊技者のプリペイド残度数が別枠内に表示されている。
図15(2)は、第3通常注意喚起表示の一例であり、「忘れずにカードを抜いて下さい。」とうメッセージが表示装置312に表示されている。また、注意喚起表示の下には、遊技者のプリペイド残度数が別枠内に表示されている。
これによれば、遊技者のプリペイド残度数に基づいて異なる注意喚起表示を表示させる表示処理を行うことで、遊技者は、表示される異なる注意喚起表示を確認して、適切なタイミングで遊技用カードを取り出すことができる。その結果、遊技者が誤って遊技用カードを取り出してしまって、複数枚の遊技用カードを取得するような事態が発生することを防止することができる。特に、プリペイド残度数が多い場合はカードの盗難に注意する旨の注意喚起表示を表示させることで、遊技者は、カードの盗難に気を付けることができる。また、注意喚起表示に加えてプリペイド残度数の表示を行うことで、遊技者は注意喚起表示と併せて自身のプリペイド残度数を確認することができ、カードの盗難に対して一層の注意を払うことができる。
なお、図15(1)に示すような第3特別注意喚起表示や、図15(2)に示すような第3通常注意喚起表示が表示されている場合であっても、現金の受け付けは有効であるため、注意喚起表示の表示中に、遊技者のプリペイド残度数は変化する場合がある。このため、例えば第3通常注意喚起表示を表示させている間にプリペイド残度数が増加して規定度数に達する可能性がある。この場合は、第3通常注意喚起表示をそのまま継続させることとしてもよいし、プリペイド残度数が規定度数に達したことで、表示させている第3通常注意喚起表示を第3特別注意喚起表示に切り替えるようにしてもよい。
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、遊技機であるパチンコ機2Aの表示部に注意喚起表示を表示させる第2遊技用システム1Bの実施形態である。なお、第2遊技用システム1Bのシステム構成としては、図1で説明した第1遊技用システム1Aと同様の構成を適用することが可能であるため、再度の説明を省略する。また、第1遊技用システム1Aと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
[2−1.信号及び情報の流れ]
図16は、第2実施形態の第2遊技用システム1Bにおける各装置間の信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、図2の第1遊技用システム1Aにおける信号及び情報の流れで説明した要素と同一の要素については再度の説明を省略する。
第2遊技用システム1Bでは、カードユニット3Aから持玉数信号及び残度数信号がパチンコ機2Aに出力される。そして、パチンコ機2Aは、自装置において発生した大当りの種別に基づいて、異なる注意喚起表示をパチンコ機の表示手段である演出可変表示装置29に表示させる表示処理を行う。
また、カードユニット3Aは、遊技者の持玉数を示す持玉数信号及び遊技者のプリペイド残度数を示す残度数信号をパチンコ機2Aに出力する。パチンコ機2Aは、カードユニット3Aから入力した持玉数信号や残度数信号に基づいて遊技者の持玉数やプリペイド残度数を特定し、該持玉数やプリペイド残度数に基づいて、異なる注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させる表示処理を行う。
[2−2.パチンコ機の機能構成]
図17は、パチンコ機2Aの機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図17には、パチンコ機2Aの構成要素のうち、本発明に関連する重要な構成要素のみを図示している。また、カードユニット3Aの構成は、図4で説明したカードユニット3Aと同じ構成を適用することが可能であるため、要部のみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
パチンコ機2Aは、遊技制御基板210と、払出制御基板230と、表示制御基板240と、演出可変表示装置29と、残度数表示器250と、玉払出装置260と、玉貸しボタン270と、返却ボタン280とを有して構成される。
遊技制御基板210は、パチンコ機2Aにおける遊技状態を制御する基板であり、メイン制御部211と、サブ制御部213とを有して構成される。
メイン制御部211は、パチンコ機での遊技の進行を制御する制御部であり、CPUやDSP等のプロセッサを有して構成されるメイン処理部や、ROMやRAM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性のメモリを有して構成されるメイン記憶部を備える。
サブ制御部213は、パチンコ機での演出や遊技用カードの取り出しに関する注意喚起表示の表示に係る制御を行う制御部であり、サブ処理部214と、サブ記憶部220とを有して構成される。サブ処理部214は、CPUやDSP等のプロセッサを有して構成される処理装置である。
サブ処理部214は、主要な機能部として、注意喚起表示処理部215を有する。注意喚起表示処理部215は、サブ記憶部220に記憶されている注意喚起表示処理プログラム2211に従って、表示制御基板240を介して、演出可変表示装置29に遊技用カードの取り出しに関する注意喚起表示を表示させる注意喚起表示処理を行う。
サブ記憶部220は、ROMやRAM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性のメモリを有して構成される記憶装置であり、サブ処理部214により読み出され、サブ制御処理として実行されるサブ制御プログラム221を記憶している。サブ制御プログラム221は、注意喚起表示処理として実行される注意喚起表示処理プログラム2211をサブルーチンとして含む。また、サブ記憶部220には、注意喚起表示用テーブル223と、持玉数データ225と、残度数データ227とが記憶される。
注意喚起表示用テーブル223は、注意喚起表示処理部215が注意喚起表示を行わせるために用いるテーブルであり、そのテーブル構成は、第1実施形態で説明した第1注意喚起表示用テーブル(図5)や第2注意喚起表示用テーブル(図11)、第3注意喚起表示用テーブル(図14)と同様である。
持玉数データ225は、遊技者の持玉数のデータであり、サブ制御部213が、払出制御基板230を介してカードユニット3Aから入力した持玉数信号に基づいて遊技者の持玉数を特定し、これを持玉数データ225としてサブ記憶部220に記憶させる。
残度数データ227は、遊技者のプリペイド残度数のデータであり、サブ制御部213が、払出制御基板230を介してカードユニット3Aから入力した残度数信号に基づいて遊技者の残度数を特定し、これを残度数データ227としてサブ記憶部220に記憶させる。
払出制御基板230は、カードユニット3Aの玉貸通信部360と通信を行って、パチンコ玉の払い出しに関する各種の制御を行う基板である。払出制御基板230は、カードユニット3Aから持玉数信号を入力し、該持玉数信号をサブ制御部213に出力する。また、払出制御基板230は、カードユニット3Aから残度数信号を入力し、該残度数信号を残度数表示器250に出力する。また、払出制御基板は、玉貸しボタン270の操作を検知すると、玉貸要求信号をカードユニット3Aに送信する。また、払出制御基板230は、返却ボタン280の操作を検知すると、返却要求信号をカードユニット3Aに送信する。
残度数表示器250は、対応して設けられたカードユニット3Aが受け付けている遊技用カードに記録された残度数を表示する表示器であり、例えば3桁の7セグメント表示器によって構成される。この残度数表示器250は、カードユニット3Aとの間で図示しないLED駆動回路を介して設けられている残度数信号線を介して、カードユニット3Aから残度数信号が入力されることによって残度数が表示される。
玉貸しボタン270は、対応して設けられたカードユニット3Aが受け付けている遊技用カードの記録情報から特定されるカ残度数を用いた玉貸しを行うための玉貸し操作を受け付けるボタンである。玉貸しボタン270が操作されると、払出制御基板230を介して玉貸要求信号がカードユニット3Aに出力され、カードユニット3Aのユニット制御部300は、玉貸要求信号を入力に基づいて、玉貸しのための球払出処理を行う。
返却ボタン280は、対応して設けられたカードユニット3Aが受け付けている遊技用カードを返却するための返却操作を受け付けるボタンである。返却ボタン280が操作されると、払出制御基板230を介してカードユニット3Aにカード返却要求信号が出力され、カードユニット3Aのユニット制御部300は、カード返却要求信号を入力したことに基づいて、遊技用カードを返却する返却処理を行う。
上記の残度数表示器250、玉貸しボタン270及び返却ボタン280は、パチンコ機2Aの前面の所定位置(例えば上皿)に設けられている。残度数表示器250は、カードユニット3と接続され、カードユニット3から出力される残度数信号に基づいて残度数を表示する。また、玉貸しボタン270は、カードユニット3と接続されており、カードユニット3との間で通信を行って玉貸しを行わせる。また、返却ボタン280も、カードユニット3と接続され、カードユニット3と通信を行って遊技用カードを返却させる。このため、残度数表示器250、玉貸しボタン270及び返却ボタン280は、カードユニット3の構成要素に含まれる。
[2−3.パチンコ機における処理]
図18は、注意喚起表示処理部215が、サブ記憶部220に記憶されている注意喚起表示処理プログラム2211に従って実行する注意喚起表示処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、注意喚起表示処理の一例として第4注意喚起表示処理を例示する。
この第4注意喚起表示処理は、サブ処理部214が実行する演出制御プロセス処理で実行する処理である。演出制御プロセス処理には、演出図柄の変動表示が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理や、変動パターンを構成する各変動状態の切り替えタイミングを制御する演出図変動中処理、演出図柄の変動表示を停止し、変動表示の表示結果を導出表示する演出図柄変動停止処理、変動時間の終了後、大当りの発生を報知するファンファーレ演出を表示する大当り表示処理、大当りラウンド中の表示を行うラウンド中処理、ラウンド間の表示を行うラウンド後処理、大当り状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う大当り終了演出処理等の各種の処理が実行される。図18の注意喚起表示処理は、このうちの大当り終了演出処理において実行される処理である。
注意喚起表示処理部215は、メイン制御部211から送信されてくる大当り終了指定コマンド(例えば通常大当りを終了する場合には大当り終了1指定コマンドが送信され、確変大当りを終了する場合には大当り終了2指定コマンドが送信される)に基づいて、大当りの種類を判定する(F1)。ここで大当りの種類が確変大当りである場合は(F1;確変大当り)、確変大当りが終了するまで待機する(F3;No)。そして、確変大当りが終了したと判定したならば(F3;Yes)、注意喚起表示処理部215は、第1特別注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させるように制御する(F5)。そして、注意喚起表示処理部215は、第4注意喚起表示処理を終了する。
F1において大当りの種類が通常大当りであると判定したならば(F1;通常大当り)、注意喚起表示処理部215は、通常大当りが終了するまで待機する(F7;No)。そして、通常大当りが終了したと判定したならば(F7;Yes)、注意喚起表示処理部215は、第1通常注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させるように制御する(F9)。そして、注意喚起表示処理部215は、第4注意喚起表示処理を終了する。
[2−4.表示画面例]
図19は、上記の第4注意喚起表示処理において、パチンコ機2Aの演出可変表示装置29に表示される表示画面の一例を示す図である。
図19(1)は、第1特別注意喚起表示の一例であり、演出可変表示装置29に確変大当りを演出する確変大当り演出画面が表示された後、第1特別注意喚起表示が表示されている。具体的には、「連チャンが終了したらカードを抜いて下さい!!」というメッセージが表示されている。この第1特別注意喚起表示が表示された後、確変中演出画面へと画面が切り替わる。
図19(2)は、第1通常注意喚起表示の一例であり、演出可変表示装置29に通常大当りを演出する通常大当り演出画面が表示された後、第1通常注意喚起表示が表示されている。具体的には、「カードの取り忘れに注意して下さい。」というメッセージが表示されている。この第1通常注意喚起表示が表示された後、通常演出画面へと画面が切り替わる。
[2−5.作用効果]
カードユニット3Aに対応して設けられるパチンコ機2Aにおいて、注意喚起表示処理部215は、所定条件の成立に基づいて、カードユニット3Aからの遊技用カードの取り出しに関する注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させる表示処理を行う。具体的には、自機での遊技に関連する複数種類の所定条件として、自機において発生する大当りの種類(確変大当り、通常大当り)が定められており、いずれの種類の大当りが発生したかに基づいて、異なる注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させる。
これによれば、異なる注意喚起表示を表示させるための複数種類の所定条件を定めておくことで、表示させる注意喚起表示を適正化することができる。また、複数種類の所定条件のうちのいずれの種類の所定条件が成立したかに応じて異なる注意喚起表示を表示させるため、遊技者は、表示される注意喚起表示を確認して、適切なタイミングで遊技用カードを取り出すことができる。その結果、遊技者が誤って遊技用カードを取り出してしまって、複数枚の遊技用カードを取得する事態が発生することを防止することができる。これにより、課題で述べた遊技用カードの管理面やコスト面の問題を解消することができる。
また、遊技者は、パチンコ機2Aで遊技を行っている間は、演出可変表示装置29に表示される演出画面に意識を集中しているため、演出可変表示装置29に異なる注意喚起表示を表示させることで、遊技者は注意喚起表示を見落とすことがない。このため、遊技者は、遊技用カードの取り出しに関して確実に注意を払うことができる。
[2−6.変形例]
上記の第2遊技用システム1Bでは、注意喚起表示を表示させるための所定条件が複数種類定められており、複数種類の所定条件のうちのいずれの種類の所定条件が成立したかに応じて、パチンコ機2Aの注意喚起表示処理部215が、異なる注意喚起表示を表示させる表示処理を行うこととして説明したが、この他に、例えば遊技者の持玉数に基づいて異なる注意喚起表示を表示させる表示処理を行ってもよい。
この場合は、例えば図11に示した第2注意喚起表示用テーブルをサブ記憶部220に注意喚起表示用テーブルとして記憶させておき、注意喚起表示処理部215が、この第2注意喚起表示用テーブルに従って注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させる表示処理を行えばよい。
図20は、この場合に注意喚起表示処理部215が、図18の第4注意喚起表示処理に代えて実行する第5注意喚起表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、第4注意喚起表示処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
F3において確変大当りが終了したと判定したならば(F3;Yes)、注意喚起表示処理部215は、サブ記憶部220の持玉数データ225に記憶されている持玉数が規定玉数に達しているか否かを判定する(H4)。そして、達していると判定したならば(H4;Yes)、第2特別注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させるように制御する(H5)。そして、注意喚起表示処理部215は、第5注意喚起表示処理を終了する。
一方、持玉数が規定玉数に達していないと判定したならば(H4;No)、注意喚起表示処理部215は、第2通常注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させるように制御する(H6)。そして、注意喚起表示処理部215は、第5注意喚起表示処理を終了する。
同様に、F7において通常大当りが終了したと判定したならば(F7;Yes)、注意喚起表示処理部215は、サブ記憶部220の持玉数データ225に記憶されている持玉数が規定玉数に達しているか否かを判定する(H8)。そして、達していると判定したならば(H8;Yes)、第2特別注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させるように制御する(H9)。そして、注意喚起表示処理部215は、第5注意喚起表示処理を終了する。
一方、持玉数が規定玉数に達していないと判定したならば(H8;No)、注意喚起表示処理部215は、第2通常注意喚起表示を演出可変表示装置に表示させるように制御する(H10)。そして、注意喚起表示処理部215は、第5注意喚起表示処理を終了する。
図21は、この場合における演出可変表示装置の29表示画面の一例を示す図である。
図21(1)は、第2特別注意喚起表示の一例である。大当り中に大当り中演出画面が表示された後、「持玉数が多いので、カードの盗難に注意して下さい!!」というメッセージが表示され、その後、大当り後演出画面へと表示画面が切り替わる。
図21(2)は、第2通常注意喚起表示の一例である。大当り中に大当り中演出画面が表示された後、「カードの取り忘れに注意して下さい。」というメッセージが表示され、その後、大当り後演出画面へと表示画面が切り替わる。
この構成によれば、遊技者の持玉数に基づいて異なる注意喚起表示を表示させる表示処理を行うことで、遊技者は、表示される異なる注意喚起表示を確認して、適切なタイミングでカードを取り出すことができる。その結果、遊技者が誤ってカードを取り出してしまって、複数枚の遊技用カードを取得する事態を防止することができる。特に、持玉数が多い場合はカードの盗難に注意する旨の注意喚起表示を表示させることで、遊技者は、カードが盗難されないように注意することができる。
なお、注意喚起表示処理部215が、上記のように遊技者の持玉数ではなく、遊技者が所有するプリペイド残度数に基づいて、異なる注意喚起表示を演出可変表示装置に表示する表示処理を行うこととしてもよい。
この場合は、例えば図14で説明した第3注意喚起表示用テーブルをサブ記憶部220に注意喚起表示用テーブルとして記憶させておき、注意喚起表示処理部215が、この第3注意喚起表示用テーブルに従って注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させる表示処理を行えばよい。この場合は、注意喚起表示処理部215が、図20で説明した第5注意喚起表示処理において、持玉数をプリペイド残度数に置き換えた同様の処理を第6注意喚起表示処理として実行することで実現可能である。
図22は、この場合における演出可変表示装置29の表示画面の一例を示す図である。
図22(1)は、第3特別注意喚起表示の一例である。大当り中に大当り中演出画面が表示された後、「プリペイド残が多いので、カードの盗難に注意して下さい!!」というメッセージが表示され、その後、大当り後演出画面へと表示画面が切り替わる。
図22(2)は、第3通常注意喚起表示の一例である。大当り中に大当り中演出画面が表示された後、「忘れずにカードを抜いて下さい。」というメッセージが表示され、その後、大当り後演出画面へと表示画面が切り替わる。
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、パチンコ機2Aとカードユニット3Aとが通信して共有した情報に基づいて、パチンコ機2Aの演出可変表示装置29及びカードユニット3Aの表示装置312に注意喚起表示を表示させる表示処理を行う第3遊技用システム1Cの実施形態である。なお、第3遊技用システム1Cのシステム構成としては、第1実施形態で説明した第1遊技用システム1Aと同様の構成を適用することが可能であるため、再度の説明を省略する。また、第1遊技用システム1Aと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
図23は、第3遊技用システム1Cにおける各装置間の信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、図2の第1遊技用システム1Aにおける信号及び情報の流れで説明した要素と同一の要素については再度の説明を省略する。
第3遊技用システム1Cでは、パチンコ機2Aは、自装置において発生した大当りの種別に基づいて、異なる注意喚起表示をパチンコ機の表示手段である演出可変表示装置29に表示させる表示処理を行う。
また、カードユニット3Aは、遊技者の持玉数を示す持玉数信号及び遊技者のプリペイド残度数を示す残度数信号をパチンコ機2Aに出力する。パチンコ機2Aは、カードユニット3Aから入力した持玉数信号や残度数信号に基づいて遊技者の持玉数やプリペイド残度数を特定し、該持玉数やプリペイド残度数に基づいて、異なる注意喚起表示を演出可変表示装置29に表示させる表示処理を行う。
カードユニット3Aは、パチンコ機2Aから大当り1信号、大当り2信号、賞球信号及び始動信号でなる遊技信号を入力する。そして、カードユニット3Aのユニット制御部300は、パチンコ機2Aから入力した遊技信号に基づいて、複数種類の所定条件のうちのいずれの種類の所定条件が成立したかを判定し、その判定結果に基づいて、異なる注意喚起表示を表示装置312に表示させる表示処理を行う。
また、カードユニット3Aは、計数払出ユニット348の計数結果及び受け付けた遊技用カードに記録されている有価価値特定情報に基づいてプリペイド残額を特定し、特定したプリペイド残額に基づいて、異なる注意喚起表示を表示装置312に表示させる表示処理を行う。
この場合は、パチンコ機2Aとカードユニット3Aとで、パチンコ機2Aにおいて発生した大当りの種類に関するデータと、持玉数データと、残度数データとを共有する。つまり、パチンコ機2Aとカードユニット3Aとの間で情報の送受を行って互いの記憶部(サブ記憶部220、記憶部320)に上記のデータを共有データとして記憶し、これらの記憶部に記憶された共有データに基づいて、パチンコ機2Aは演出可変表示装置29に、カードユニット3Aは表示装置312にそれぞれ同じ注意喚起表示を表示させる表示処理を行う。
この場合の表示処理としては、第1遊技用システム1A及び第2遊技用システム1Bで説明した各種の注意喚起表示処理を適用することができる。つまり、パチンコ機2Aにおいて発生した大当りの種類に基づく注意喚起表示処理(第1注意喚起表示処理及び第4注意喚起表示処理)と、遊技者の持玉数に基づく注意喚起表示処理(第2注意喚起表示処理及び第5注意喚起表示処理)と、遊技者のプリペイド残度数に基づく注意喚起表示処理(第3注意喚起表示処理及び第6注意喚起表示処理)との、それぞれの注意喚起表示処理を適用することができる。
なお、パチンコ機2Aは演出可変表示装置29に、カードユニット3Aは表示装置312にそれぞれ同じ表示内容の注意喚起表示を表示させることとしてもよいが、表示内容は必ずしも同一である必要はなく、異なっていてもよい。つまり、表示させるメッセージは同じ趣旨のものであればよく、異なるメッセージを表示させるようにしてもよい。
また、パチンコ機2Aとカードユニット3Aとの間で通信して共有した情報に基づいて注意喚起表示を行えばよいのであって、パチンコ機2Aの演出可変表示装置29とカードユニット3Aの表示装置312との両方に注意喚起表示を表示させなければならないわけではなく、いずれか一方の表示装置にのみ注意喚起表示を表示させるようにしてもよい。
[4.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
[4−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明を適用可能な遊技機として、パチンコ機2Aを例に挙げて説明したが、本発明を適用可能な遊技機はこれらに限られるわけではない。例えば、本発明の遊技機として封入式パチンコ機2Bを適用することも可能である。
図24は、この場合における遊技用システムの一例である第4遊技用システム1Dのシステム構成の一例を示す図である。
第4遊技用システム1Dでは、共通会員用記録媒体であるICカードから成る共通会員カード1000を所持する会員遊技者が、その1枚の共通会員カード1000を用いて複数の各遊技場A〜C(各店舗A〜C)にて会員登録を行えるようになっている。ここでは、遊技場を店舗と同義として説明する。なお、各遊技場A〜Cのシステム構成は同一となっているので、遊技場Aを例としてシステム構成を説明する。
共通会員カード1000は、上記の実施形態で説明した遊技用カードに含まれる会員カードを、全国単位で管理される会員カードに拡張したものである。つまり、上記の実施形態では、各店舗それぞれについて個別の会員カードを発行することとし、カードIDや会員IDが当該店舗で遊技する遊技者に個別に割り当てられて、当該カードIDや会員IDに基づいて持玉数や貯玉数等が管理装置で管理されて、当該店舗での遊技者による遊技が可能に構成されていた。
しかし、第4遊技用システム1Dでは、全国の各店舗で遊技する遊技者が全ての店舗で利用可能な共通会員カード1000を各遊技場で発行し、持玉数や貯玉数を全国単位で管理することで、全国の全ての店舗での遊技者による遊技を可能とする。つまり、第4遊技用システム1Dは、店舗単位であった遊技用システムを全国単位に拡張したものである。
本実施形態の遊技場Aでは、複数配置された遊技島に並設される遊技機としての封入式パチンコ機2Bに対して1対1に設置されるカードユニット3Bと、当該カードユニット3Bにて使用される遊技用記録媒体である共通会員カード1000、並びにビジターカードに記録されている有価価値の管理等を行うシステムコントローラ6と、共通会員カード1000を用いて会員登録を行うための会員登録機10と、会員遊技者の貯蓄玉数(会員情報に含まれる貯玉数)を管理する貯玉サーバ110と、セキュリティ上の管理を行うホールサーバ801とが互いに通信ケーブル108を介して双方向にデータ通信可能に接続されている。ホールサーバ801は、さらに鍵管理サーバ800に接続されている。
カードユニット3Bには、前面に設けられたカード挿入口に挿入された共通会員カード1000、遊技場会員カードやビジターカードに記憶された(会員)カードIDや残度数等の記憶データを読み出すカードリーダライタ335が内蔵されており、該カードリーダライタ335により読み出された残度数や、共通会員カード1000や遊技場会員カードに記憶されている持玉を使用して遊技玉を貸し出す玉貸処理や、共通会員カード1000や遊技場会員カードで特定される貯玉の少なくとも一部を遊技玉として払い出す再プレイ処理等が実施される。
また、カードユニット3Bからは、当該カードユニット3Bに共通会員カード1000が挿入されたことを示す会員カードIDを含む会員カード受付通知や、対応する封入式パチンコ機2Bにおける遊技関連情報等の各種情報が送信され、システムコントローラ6からは、各共通会員カード1000や各遊技場会員カード、各ビジターカードに残存する残度数等の情報が送信される。
また、貯玉サーバ110には、当該遊技場において会員登録した会員遊技者に関する会員情報(当該会員遊技者の遊技にて発生する会員遊技関連情報や、会員遊技者の氏名や住所等の個人情報である会員属性情報を含む)を収集、管理する会員管理コンピュータ120が通信ケーブル109を介して双方向にデータ通信可能に接続されている。
さらに、会員管理コンピュータ120は、専用通信回線111を介して外部機関の貯玉補償センタに設置されている貯玉補償サーバ130に双方向にデータ通信可能に接続されている。この貯玉補償サーバ130は、会員管理コンピュータ120を介して遊技場Aの貯玉サーバ110と通信可能になっている。また、会員管理コンピュータ120は、貯玉サーバ110を介して、各カードユニット3Bや会員登録機10やシステムコントローラ6と通信可能になっている。
なお、本実施形態では、会員管理コンピュータ120と貯玉サーバ110とを個別のコンピュータとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら会員管理コンピュータ120と貯玉サーバ110とを単一のコンピュータ(サーバコンピュータ)にて形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、会員登録を後述する受付カウンタにて実施できるようにするために、会員管理コンピュータ120とは個別に、共通会員カード1000に記憶されている会員カードIDや遊技場会員IDを読み出すためのカードリーダライタ10’を備える会員登録機10を用いた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら会員登録機10と会員管理コンピュータ120とを単一のコンピュータにて形成するようにしてもよい。
貯玉補償サーバ130は、各遊技場の貯玉サーバ110が有する貯蓄玉(貯玉)数管理テーブルと同一のテーブルを有し、各遊技場の貯玉サーバ110の貯蓄玉数管理テーブルが更新されるとともに、貯玉補償サーバ130の貯蓄玉数管理テーブルも構成されるようになっており、何らかの不具合等によって各遊技場における貯蓄玉数の管理データが損傷しても、これら貯蓄玉数の管理データを外部機関としての貯玉補償センタが補償できるようになっている。
さらに、遊技場Aの貯玉サーバ110は、専用通信回線112を介して共通会員カード1000のカード管理会社に設置されている管理サーバ140に双方向にデータ通信可能に接続されている。この管理サーバ140は、貯玉サーバ110を介して遊技場Aのシステムコントローラ6、会員登録機10、並びに会員管理コンピュータ120と通信可能になっている。なお、カード管理会社の管理サーバ140では、後述するように、各遊技場A〜Cにて会員登録を行った会員遊技者に関する情報を登録管理できるようになっている。
また、カード管理会社の管理サーバ140は、インターネットに接続された図示しない通信部を備えており、インターネットへの接続機能を有する会員遊技者が操作可能な情報端末であるノートパソコン15Aや携帯電話機16Aから、該インターネットを介してアクセス可能とされるサイトサーバの機能を有する。
さらに、前述したカードユニット3Bは、対応する封入式パチンコ機2Bと直接接続されており、カードユニット3Bと対応する封入式パチンコ機2Bとの間で各種信号の送受が可能とされているとともに、対応する封入式パチンコ機2Bの遊技に使用される遊技玉数や該遊技玉数を計数した計数玉数などが送受信されている。
そして、これら入力された各信号に基づいて遊技関連情報が会員管理コンピュータ120に送信されることで、該会員管理コンピュータ120において、各封入式パチンコ機2Bにおける遊技関連情報を把握できるとともに、対応するカードユニット3Bにおいて共通会員カード1000の受付中に生じた遊技関連情報を、当該会員遊技者の遊技にて発生した会員遊技関連情報である遊技履歴として管理するようになっている。
また、共通会員カード1000が備えるICチップには、各共通会員カード1000を個々に識別可能とするための会員カードID(記録媒体識別情報)と、各会員遊技者を個々に識別可能とするために、各遊技場において各会員に固有に付与された遊技場会員IDとが記憶されるようになっている。
なお、共通会員カード1000には、当該遊技場Aにおいて発行された遊技場会員IDのみならず、他の遊技場B〜Cにおいて発行された遊技場会員IDも記憶されるようになっており、会員遊技者は、1枚の共通会員カード1000によって、各遊技場A〜Cにおいて会員登録を行えるようになっている。ここで、遊技場会員カードが備えるICチップには、各会員遊技者を個々に識別可能とするために、各遊技場において各会員に固有に付与された遊技場会員IDが記憶されているが、会員カードID(記録媒体識別情報)は記憶されるようにはなっていない。
また、本実施形態の会員管理コンピュータ120は、会員登録機10において、新規の会員登録を実施するための所定操作がなされた場合に、会員登録画面を会員登録機10の表示装置に表示して、新たに会員登録する会員遊技者に関する会員属性情報の入力を受け付ける会員属性情報入力処理を実施し、遊技場会員情報テーブルに記憶された遊技場会員IDのうち、未使用の遊技場会員IDを当該新規会員遊技者に対して付与し、当該遊技場会員IDに対応付けて、会員登録画面にて受け付けた会員属性情報を遊技場会員情報テーブルに記憶する会員属性情報記憶処理を実施する。
図25は、封入式パチンコ機2B及びカードユニット3Bの外観構成の一例を示す正面図である。
封入式パチンコ機2Bは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
封入式パチンコ機2Bは、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(例えば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(例えば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(例えばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(例えば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するか或いは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉及びアウト口154に回収されたパチンコ玉は再度封入式パチンコ機2B内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
封入式パチンコ機2Bにおける遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、或いは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。なお、表示器54は、カードユニット3Bから独立して封入式パチンコ機2Bに取付けられる構成でも、カードユニット3Bと一体に形成され、封入式パチンコ機2Bの前面に嵌合させる構成でもよい。
さらに、封入式パチンコ機2Bにおける打球操作ハンドル25の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン228が設けられている。本実施形態では、計数ボタン228を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(例えば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行われるようにしてもよく、或いは、計数ボタン228を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。
このように、計数ボタン228を封入式パチンコ機2B側に設けているため、計数ボタン228をカードユニット3B側に設ける場合に比較して、封入式パチンコ機2Bに正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
計数ボタン228の右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器229が設けられている。遊技玉数表示器229は、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器229は、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
本実施形態に係る封入式パチンコ機2Bは、遊技盤26とそれ以外の遊技枠(前枠)21とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ機の機種毎に異なるものである一方、遊技枠21は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
封入式パチンコ機2Bでは、遊技者は持点によって遊技を行う。具体的には、発射装置に設けられた発射玉検出器により発射玉が検出される毎に持点を減算するとともに、ファール玉検出器でファール玉が検出される毎に持点を加算することで、持点を随時更新する。また、入賞口に遊技球が入賞した場合には、その入賞口への入賞に対応した点数を持点に加算することにより、持点を随時更新する。そして、封入式パチンコ機2Bは、遊技者の得点情報をカードユニット3Bに送信する。
カードユニット3Bは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行され、会員登録した遊技場でのみ紐付けされた貯玉や残額等が使用可能とされる遊技用記録媒体である遊技場会員カード、及び複数の遊技場で共通に利することができるように会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である共通会員カード1000を受け付ける。ビジターカード、遊技場会員カード及び共通会員カード1000はICカードで構成されている。
それらのカードを受け付けたカードユニット3Bは、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(例えば持玉数やカード残額、プリペイド残度数)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。封入式パチンコ機2Bでは、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。
カードユニット3Bの前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、共通会員カード1000、遊技場会員カード又はビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された共通会員カード1000、遊技場会員カード又はビジターカードがカードリーダライタ335に受け付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示装置312が設けられている。本実施形態のカードユニット3Bには、機械的な再プレイボタンは設けられず、表示器54又は表示装置312に、再プレイボタンが表示され、表示器54又は表示装置312のタッチパネルで、表示されている再プレイボタンへの操作が検知される。再プレイボタンは、共通会員カード1000や遊技場会員カードを受け付けた場合において、該共通会員カード1000や該遊技場会員カードに記録された会員カードIDや遊技場会員ID(単に、カードID、C-IDとも言う)並びに会員カードIDや遊技場会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するためのボタンである。
表示装置312は、挿入された遊技用カードに記録されているカード残額やプリペイド残度数を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示装置312に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。表示装置312には、第1実施形態と同様に、注意喚起表示が表示される。
再プレイボタンを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいて封入式パチンコ機2Bによる遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが共通会員カード1000や遊技場会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、封入式パチンコ機2Bによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。この持玉や貯玉の遊技玉への変換は、遊技者所有の有価価値(持玉数)を封入式パチンコ機2Bでの遊技に使用させるための使用処理に相当し、ユニット制御部300が使用処理手段に相当する。なお、再プレイボタンとは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタンは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
本実施形態では、貯玉データは共通会員カード1000や遊技場会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに共通会員カード番号や遊技場会員カード番号と対応付けて記憶させ、共通会員カード番号や遊技場会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。つまり、貯玉データは、カードユニット3Bからサーバに送信され、サーバにおいて貯玉データが管理される。一方、持玉は、カードユニット3Bがカードに直接持玉データとして記録する。
このように、カードユニット3Bが貯玉データをサーバに送信してカードを返却する処理や、カードユニット3が持玉データをカードに記録してカードを返却する処理は、使用処理に供されなかった有価価値を確定させるための確定処理に相当し、ユニット制御部300が確定処理手段に相当する。
なお、貯玉データや持玉データの管理方法は、上記に限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。
しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(共通会員カード1000、遊技場会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、残度数についてはカード(共通会員カード1000、遊技場会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(共通会員カード1000、遊技場会員カード、ビジターカード)、又はホールサーバ801に記憶させるタイミングは、例えば、計数ボタン228が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、又はカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてカードユニット3Bからカードを返却したときには、カードユニット3Bに記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット3Bにカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3Bに記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。この遊技玉の加算は、遊技者所有の有価価値を遊技機での遊技に使用させるための使用処理に相当する。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
カードユニット3Bの前面側には、さらに、IR感光ユニット(IR受光ユニットとも言う。)390と、カメラ399とが設けられている。IR感光ユニット390は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力する。カメラ399は、遊技者の顔画像を撮影して、ユニット制御部300に出力する。
本実施形態においては、上述の再プレイボタンと同様、機械的な玉貸(球貸)ボタン及び返却ボタンは設けられず、表示器54又は表示装置312に、玉貸ボタン及び返却ボタンが表示され、表示器54又は表示装置312のタッチパネルで、表示されている玉貸ボタン及び返却ボタンへの操作が検知される。
玉貸ボタンは、挿入されたカードに記録されている残額を引落として封入式パチンコ機2Bによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行うボタンである。
返却ボタンは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
上記の第4遊技用システム1Dにおいても、第1実施形態〜第3実施形態で説明した第1遊技用システム1A〜第3遊技用システム1Cと同様に注意喚起表示に係る表示処理を適用することが可能である。この場合、カードユニット3Bの処理部310は、表示装置312に注意喚起表示を表示させ、封入式パチンコ機2Bのサブ処理部214は、表示器54に注意喚起表示を表示させるようにすればよい。
前述したように、封入式パチンコ機2Bでは得点によって遊技が行われ、封入式パチンコ機2Bからカードユニット3Bに遊技者の得点を示す得点情報が送信される。このため、遊技者が所有する遊技媒体数に応じて異なる注意喚起表示を行う場合、封入式パチンコ機2Bから送信される得点情報に基づいて遊技者の持点を特定し、この持点を持玉数として取り扱って、持点に応じた注意喚起表示を表示させるようにすればよい。
また、第2実施形態において、カードユニット3Aが、パチンコ機2Aから遊技者の持玉数を特定可能な情報を受信するようにし、受信した情報に基づき特定された持玉数に応じた注意喚起表示(第2通常注意喚起表示又は第2特別注意喚起表示)を表示させるようにしてもよい。この場合、カードユニット3Aは、例えば、パチンコ機2AからIN信号やOUT信号、始動信号、賞球信号といった遊技信号を受信し、受信した遊技信号に基づいて遊技者の持玉数を特定するなどすればよい。
また、上記の第1遊技用システム1A〜第4遊技用システム1Dの他に、遊技機を通常のスロットマシンや封入式スロットマシンとして遊技用システムを構成することも可能である。
スロットマシンを適用する場合は、例えば、スロットマシンにおいて発生したボーナスの種類(ビックボーナス(BB)/レギュラーボーナス(RB))や、発生したチャンスタイム(アシストタイム(AT)/リプレイタイム(RT)/アシストリプレイタイム(ART))を複数種類の所定条件として設定しておき、いずれのボーナスやチャンスタイムが発生したかに応じて、異なる注意喚起表示を表示させる表示処理を行えばよい。
例えば、ボーナスが発生した場合に、ボーナス終了後に遊技用カードを取り出すように遊技者に注意喚起するメッセージを表示させるようにしてもよいし、チャンスタイムが発生した場合は、チャンスタイム終了後に遊技用カードを取り出すように遊技者に注意喚起するメッセージを表示させるようにすればよい。BBはRBと比べて遊技者が獲得できるメダル数が多いため、BBが発生した場合は「ビッグボーナス終了時に忘れずにカードを抜いて下さい。」といった特別注意喚起表示を表示させ、RBが発生した場合は「カードの取り忘れに注意して下さい。」といった通常注意喚起表示を表示させるようにしてもよい。また、現在主流となっているART機では、遊技者が漸次獲得メダル数を増やしていくことができるため、例えば「ART終了まではカードを抜かないで下さい。」といった特別注意喚起表示を表示させるようにしてもよい。
なお、スロットマシンは、通常のスロットマシンであってもよいし、封入メダル式のスロットマシン(封入式スロットマシン)であってもよい。通常のスロットマシンであれば、スロットマシンから排出されたメダルを計数するメダル計数器(計数手段)をカードユニット3に構成し、このメダル計数器で計数されたメダル数に基づいて特定した遊技者の持メダル数に基づいて、注意喚起表示を表示させるようにすればよい。また、スロットマシンから受信した遊技信号に基づいて遊技者の持メダル数を特定して、注意喚起表示を表示させるようにしてもよい。また、封入式スロットマシンであれば、カードユニット3が、封入式スロットマシンから遊技者の得点を示す得点情報を受信するようにし、受信した得点情報に基づいて遊技者の持点を特定して、注意喚起表示を表示させるようにすればよい。
また、上記の実施形態のように遊技媒体数に応じて異なる注意喚起表示を表示させる場合は、遊技者の持メダル数に応じて異なる注意喚起表示を表示させるようにすればよい。貨幣価値に応じて異なる注意喚起表示を表示させる場合は、上記の実施形態のように、プリペイド残度数に応じて異なる注意喚起表示を表示させればよい。
[4−2.遊技用装置]
上記の実施形態では、注意喚起表示を表示する遊技用装置をカードユニット3として説明したが、注意喚起表示を表示する遊技用装置はこれに限られるわけではなく、例えば呼出ランプ装置8(情報表示装置)であってもよい。この場合は、呼出ランプ装置8に、排出操作に応じて、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を排出する排出処理手段と、所定条件の成立に基づいて、遊技用記録媒体に関する注意喚起表示を表示させる表示処理を行う表示処理手段とを構成し、上記の実施形態のカードユニット3と同様に、呼出ランプ装置8が備える表示手段に注意喚起表示を表示させる表示処理を行えばよい。この場合は、例えば、呼出ランプ装置8の前面の所定位置にカード挿入口を設け、このカード挿入口に遊技者が遊技用カードを挿入可能とする。そして、遊技者の返却操作に応じて、持玉数やプリペイド残度数、カード残額等の有価価値を特定可能な情報を記録した遊技用カードを排出するようにすればよい。
上記において、所定条件の種類に基づいて注意喚起表示を行う場合は、例えば呼出ランプ装置8がパチンコ機2から遊技信号を受信し、受信した遊技信号に基づいていずれの種類の大当りが発生したかを判定して、呼出ランプ装置8のディスプレイに注意喚起表示を行うようにすればよい。また、持玉数に基づいて注意喚起表示を行う場合は、遊技者の持玉数を示す持玉情報をカードユニット3やパチンコ機2から受信し、受信した持玉情報に基づいて遊技者の持玉数を特定して、呼出ランプ装置8のディスプレイに注意喚起表示を行うようにすればよい。また、プリペイド残度数に基づいて注意喚起表示を行う場合は、プリペイド情報をカードユニット3から受信し、受信したプリペイド情報に基づいて遊技者のプリペイド残度数を特定して、注意喚起表示を表示させるようにすればよい。
また、遊技機に対応して設けられ、カラーの液晶画面によって遊技機での遊技に係る遊技データ等の各種のデータを表示するデータ表示装置(情報表示装置)を遊技用装置とし、このデータ表示装置の前面に設けられたディスプレイに注意喚起表示を表示させる表示処理を行うこととしてもよい。このデータ表示装置としては、例えば、遊技機の上に設置され、通路側にやや突出するような態様で大型のディスプレイ(表示手段)が形成されたデータ表示装置を適用することができる。この場合も、データ表示装置に、排出操作に応じて、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を排出する排出処理手段と、所定条件の成立に基づいて、遊技用記録媒体に関する注意喚起表示を表示させる表示処理を行う表示処理手段とを構成し、データ表示装置の表示手段に注意喚起表示を表示させる表示処理を行うようにすればよい。
[4−3.遊技用記録媒体]
上記の実施形態では、遊技用記録媒体を会員カードやビジターカード、共通会員カード等の遊技用カードとして説明したが、遊技用記録媒体はこれに限られるわけではない。例えば、有価価値特定情報を記録した遊技用コインを遊技用記録媒体とし、遊技用コインに関する注意喚起表示を表示させる表示処理を行うこととしてもよい。また、遊技者が所持する携帯電話機等の電子機器を遊技用記録媒体としてもよい。
[4−4.確認操作]
上記の実施形態のカードユニット3(3A,3B)において、遊技用カードの排出を確認するための確認操作を必要として排出処理を行う第1排出処理と、確認操作を必要とせずに排出処理を行う第2排出処理とのうちのいずれの排出処理を実行するかを設定することを可能とし、カードユニット3が、設定されている排出処理を実行するようにしてもよい。
この場合は、システムコントローラ6において設定モードが起動されると、図26に示す設定画面が表示装置312に表示される。この設定画面では、確認操作が必要であるか不要であるかを設定するためのラジオボタンと、注意喚起表示をするかしないかを設定するためのラジオボタンとが表示される。この場合、遊技者は、カードユニット3Bの操作ボタンを操作して、確認操作が必要であるか不要であるか及び注意喚起表示をするかしないかをラジオボタンで選択し、画面下部の「設定」ボタンを押下することで、該設定内容が各カードユニット3に対して送信されてユニット制御部300の記憶部320に記憶される。
この場合、ユニット制御部300及び記憶部320は、確認操作を受け付けたことを条件としてカードの返却処理を行う第1返却処理(第1排出処理)、又は、確認操作を受け付けたことを条件とせずにカードの返却処理を行う第2返却処理(第2排出処理)とのいずれを実行するかを設定する排出設定手段として機能する。そして、記憶部320は、システムコントローラ6から受信した設定内容に従って、確認操作が必要(つまり第1返却処理を行う)と設定されたか、確認操作が不要(つまり第2返却処理を行う)と設定されたかを記憶する。また、記憶部320は、注意喚起表示を行うか否かを設定する表示設定手段として機能するものであり、システムコントローラ6から受信した設定内容に従って、注意喚起表示をするか、注意喚起表示をしないかを記憶する。
図27は、この場合にカードユニット3が実行する返却処理の流れの一例を示すフローチャートである。
カードユニット3が遊技用カードを受け付けている(つまり挿入されている)状態で、パチンコ機2で返却操作がなされると(J1;Yes)、該パチンコ機2からカードユニット3に対して返却要求信号が送信される。
カードユニット3のユニット制御部300は、返却要求信号を受信すると、返却処理を開始し、返却操作有り報知(例えばS1に示すような「返却ボタンが操作されました」)を表示装置312に表示する(J3)。このように、返却要求を受信したことに基づいて返却処理を実行することにより、パチンコ機2は返却ボタンの操作により返却要求信号を発信するという通常の処理を行うだけで済むため、該パチンコ機2に大きな設計変更の必要は生じない。
また、遊技用カードの返却操作(排出操作)がなされた旨を報知する報知手段として表示装置312を備え、返却ボタンが操作された旨が表示装置312に表示される。これにより、遊技者が間違って返却操作を行ったような場合に、遊技者は誤操作を知ることができる。また、他人が密かに返却ボタンを操作したような場合であっても、遊技者はその事実を知ることができるため、遊技用カードの盗難防止を実効あらしめることができる。
次に、ユニット制御部300は、記憶部320の記憶内容に基づいて、「確認操作が必要」と設定されているか否かを判定する(J5)。ここで「確認操作が不要」と設定されていると判定した場合(J5;No)、つまり確認操作を必要とせずに返却処理を行う第2返却処理を実行すると設定されている場合には、受け付けている(挿入されている)遊技用カードを返却し、返却表示(例えばS3に示す『カードをお取り下さい』)を表示装置312に表示して(J15)、返却処理を終了する。
一方、「確認操作が必要」と設定されていると判定した場合、つまり確認操作を受け付けたことを条件として返却処理を行う第1返却処理を実行すると設定されている場合には(J5;Yes)、処理部310が時計部330に計時を開始させる(J7)。そして、確認操作要求表示(例えばJ2に示す『確認ボタンを押して下さい』及び確認ボタン)を表示装置312に表示し(J9)、タイムアップ(例えば10秒間経過)するまで確認ボタンの操作を待機する(J11、J13)。
タイムアップするまでの間に(J11;No)、確認ボタンの操作があったと判定した場合は(J11;No、J13;Yes)、処理部310は、カードを返却する処理を行い、カードの取り出しを促す表示を行った後(J15)、返却処理を終了する。
ここで、処理部310及び時計部330は、返却要求信号の受信に基づいて計時を開始する計時手段として機能し、処理部310は、返却設定手段により第1排出処理を実行すると設定されている場合に、計時手段による計時時間が所定時間内に確認操作を受け付けた場合に返却処理を行う返却処理手段として機能する。
これによれば、所定時間以内に確認操作がなければ遊技用カードが返却されないので、他人による遊技用カードの盗難を困難にすることができる。なお、所定時間は任意に設定可能であるが、遊技者が返却ボタンを操作してから確認ボタンを操作するまでに要する時間よりも長く、遊技用カードの盗難を狙う他人が返却ボタンを操作してから確認ボタンを操作するまでに要する時間よりも短いのが好ましい。
また、確認ボタンは、返却ボタンから所定距離だけ離れた位置に設けられていることが好ましい。ここで、所定距離とは、例えば遊技者が返却ボタンと確認ボタンの両方を視界に捉えられる距離範囲内の距離である。
例えば、上記の実施形態で説明したように、返却ボタン280がパチンコ機2に配置されている場合、確認ボタンをカードユニット3に配置することで、必然的に確認ボタンと返却ボタンとは所定距離だけ離れた位置に配置されることになる。また、確認ボタンと図示しない返却ボタンとを共にカードユニット3に配置する場合は、カードユニット3の筐体前面に、例えば一定の高低差を設けて離れた位置に配置するようにすればよい。具体的には、例えば、一方のボタンを上部の遊技者の手が届く位置に配置し、他方のボタンを中央部の遊技者の手が届く位置に配置すればよい。
また、例えば確認操作をタッチパネル式の表示装置312に対するタップ操作により実現することも可能であり、この場合は、確認アイコンを表示装置312に表示させるようにすればよい。この場合も、パチンコ機2に配置された返却ボタンと、カードユニット3に配置される表示装置312とは距離が離れているため、必然的に排出操作手段と確認操作手段とは所定距離だけ離れた位置に設けられることになる。
また、逆に、返却操作をタッチパネル式の表示装置312に対するタップ操作により実現することも可能であり、この場合は、返却アイコンを表示装置312に表示させるようにすればよい。この場合は、例えば、確認ボタンをパチンコ機2に配置することで、必然的に排出操作手段と確認操作手段とは所定距離だけ離れた位置に設けられることになる。
このような構成によれば、返却ボタンを操作した他人が遊技者に気付かれることなく確認ボタンを操作することが困難なので、より有効に遊技用カードの盗難を防止することができる。
なお、返却ボタンはパチンコ機2の右側に設けられていることが多いため、確認ボタンは、パチンコ機2の左側に配置されるカードユニット3のみならず、当該パチンコ機2自体の左側や、当該パチンコ機2の上側に設置されている呼出ランプ装置8に設けられていてもよい。
以上説明したように、挿入された遊技用カードの返却を確認するための確認操作を受け付ける確認操作手段と、確認操作を必要として返却処理を行う第1返却処理又は確認操作を必要とせずに返却処理を行う第2返却処理のいずれを実行するかを設定する返却設定手段とを備え、返却ボタンの操作を受け付けたことに基づいて、第1返却処理又は第2返却処理を実行するように構成することで、遊技中における遊技用カードの盗難を防止するために、店員の密な監視により盗難を防止する運用を行う遊技場は第2返却処理の実行を設定すればよく、店員の監視負担を減らすが遊技者に手間を取らせることで盗難を防止する運用を希望する遊技場は第1返却処理の実行を設定すればよいので、両遊技場に対応可能なカードユニット3を提供することができる。
なお、遊技用装置に、遊技者が獲得した獲得遊技媒体数(持玉数)を計数する各台計数装置を備え、該遊技用装置にカード残額と持玉数とが記憶されて表示されている場合に、カード残額の記憶及び表示は消去して該カード残額のみを特定可能な残額カード(本発明の遊技用カードに相当)を排出し、持玉数の記憶及び表示は残すような遊技用装置を構成することが考えられる。これによれば、対応するパチンコ機2で大当り等が発生した場合に、とりあえず残額カードを排出させることができるので、カード残額の盗難を防止できる。
なお、持玉数については盗難のおそれがあるが、遊技者に返却するカードが2枚になってしまうと取り回しが面倒になるので、持玉数については遊技用装置で記憶しておき、大当り終了後には該持玉数を特定可能な持玉カードを排出させることができる。しかし、このような遊技用装置の場合、持玉数の記憶及び表示が消去されずに残額カードを排出させることが可能であるため、他人により残額カードが盗難されても遊技者が気付きにくいところ、本発明を適用して第1返却処理を行う(確認操作が必要)と設定すれば、残額カードの盗難が困難となるので、特に有効である。
[4−5.注意喚起表示]
上記の実施形態で説明した注意喚起表示の表示内容は一例に過ぎず、適宜設定変更することが可能である。例えば、第1特別注意喚起表示として、例えば「連チャンが終了するまでカードを抜かないで下さい!!」といったメッセージを表示させることとしてもよい。この場合、遊技者は、確変状態が終了するまで遊技用カードを取り出さないように注意することができる。また、第1通常注意喚起表示として、例えば「玉を打ち切ったらカードを抜いて下さい。」といったメッセージを表示させることとしてもよい。この場合、遊技者は、通常大当りが終了して玉を打ち切った場合に、遊技を止める場合は、忘れずに遊技用カードを取り出すことができる。
なお、同様に、第2特別注意喚起表示や第2通常注意喚起表示、第3特別注意喚起表示や第3通常注意喚起表示についても、表示させるメッセージの内容は適宜変更することが可能である。
また、上記の実施形態では、通常大当りや確変大当りが終了したタイミングで注意喚起表示を表示させることとして説明したが、注意喚起表示を表示させるタイミングはこれに限られるわけではない。例えば、カードユニット3に注意喚起表示を表示させる場合、確変大当り中や通常大当り中に注意喚起表示を常時表示させるようにしてもよい。また、パチンコ機2に注意喚起表示を表示させる場合において、演出可変表示装置29ではなく、その他の表示器に常時注意喚起表示を表示させるようにしてもよい。
上記の実施形態では、所定条件をパチンコ機2における大当りの発生とし、異なる種類の大当りのうちのいずれの種類の大当りが発生したかに応じて、異なる注意喚起表示を表示させることとして説明したが、所定条件はこれに限れられない。例えば、第1の所定条件を「遊技用カードを受付中&一定時間以上の遊技の中断」とし、第2の所定条件を「遊技用カードを受付中&一定時間以上の遊技の継続」とし、この第1の所定条件と第2の所定条件とのうちのいずれの種類の所定条件が成立したかに応じて、異なる注意喚起表示を表示させることとしてもよい。
第1の所定条件が成立する場合は、遊技者はトイレ休憩等により一時的に席を離れている可能性がある。この場合、遊技者が席を離れている間に遊技用カードが盗難される可能性がある。そこで、席に戻ってきた遊技者に遊技用カードの取り出しを忘れないように注意を促すことを目的として、例えば「席を離れる場合には忘れずにカードを抜いて下さい。」といったメッセージを表示させるようにすればよい。また、第2の所定条件が成立する場合は、遊技者は遊技を継続しているため、例えば「遊技を終了する場合には忘れずにカードを抜いて下さい。」といったメッセージを表示させるようにすればよい。
この場合、カードユニット3は、パチンコ機2から出力される遊技信号に基づいて遊技の中断や遊技の継続を判定することが可能である。具体的には、パチンコ機2から出力される入賞信号に基づいて、一定時間以上入賞信号の入力がない場合に、カードユニット3はパチンコ機2において遊技が中断されている判定することができる。また、パチンコ機2からアウト信号やセーフ信号を入力することとし、一定時間以上アウト信号やセーフ信号の入力がない場合に、遊技が中断されている判定するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技者の所有遊技媒体数を持玉数とし、持玉数に応じて異なる注意喚起表示を表示させることとして説明したが、所有遊技媒体数を貯玉数とし、貯玉数に応じて異なる注意喚起表示を表示させることとしてもよい。この場合も、上記の実施形態と同様に、貯玉数が規定玉数に達しているか否かに応じて、異なる注意喚起表示を表示させるようにすればよい。
また、上記の実施形態では遊技者の所有貨幣価値をプリペイド残度数とし、プリペイド残度数に応じた異なる注意喚起表示を表示させることとして説明したが、所有貨幣価値をカード残額とし、カード残額に応じて異なる注意喚起表示を表示させることとしてもよい。この場合も、上記の実施形態と同様に、カード残額が規定残額に達しているか否かに応じて、異なる注意喚起表示を表示させるようにすればよい。
また、上記の実施形態のように注意喚起表示としてメッセージを表示するのではなく、カードの取り出しに関する注意を喚起するためのマークや絵、キャラクタなどを表示させるようにしてもよい。この場合は、上記のような所定条件の種類や遊技者の所有遊技媒体数、所有貨幣価値に応じて、異なるマークや絵、キャラクタなどを表示させるようにすればよい。
また、上記の第1実施形態では、カードユニット3の注意喚起表示処理部311が、カードユニット3の表示手段(表示装置312)に注意喚起表示を表示させる表示処理を行うこととして説明したが、カードユニット3の注意喚起表示処理部311が、パチンコ機2の表示手段(演出可変表示装置29や表示器54)に注意喚起表示を表示させる表示処理を行うようにしてもよい。この場合は、注意喚起表示処理部311が、パチンコ機2の表示手段に注意喚起表示を表示させるための表示制御信号を通信部から送信させて、パチンコ機2の表示手段に直接的に、又は、サブ制御部213を介して間接的に表示手段に表示させるようにすればよい。
また、上記の第2実施形態では、パチンコ機2の注意喚起表示処理部215が、パチンコ機2の表示手段(演出可変表示装置29)に注意喚起表示を表示させる表示処理を行うこととして説明したが、パチンコ機2の注意喚起表示処理部215が、カードユニット3の表示手段(表示装置312)に注意喚起表示を表示させる表示処理を行うようにしてもよい。この場合は、注意喚起表示処理部215が、カードユニット3の表示手段に注意喚起表示を表示させるための表示制御信号を通信部から送信させて、カードユニット3の表示手段に直接的に、又は、処理部310を介して間接的に表示手段に表示させるようにすればよい。つまり、注意喚起表示を表示させるための表示処理は、自装置の表示手段に注意喚起表示を表示させる表示処理であってもよいし、自装置に接続された他の装置の表示手段に注意喚起表示を表示させる表示処理であってもよい。
なお、カードユニット3ではなく呼出ランプ装置8やデータ表示装置等の情報表示装置を本発明に係る遊技用装置とする場合は、パチンコ機2やスロットマシン等の遊技機が、情報表示装置が備える表示手段に注意喚起表示を表示させる表示処理を行うようにしてもよいし、情報表示装置が、遊技機が備える表示手段に注意喚起表示を表示させる表示処理を行うようにしてもよい。