<第1実施形態>
以下、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称す)10に適用した場合の一実施形態である第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、第1実施形態のパチンコ機10の外観構成およびカードサンド装置70について説明する。図1(a)は、パチンコ機10及びカードサンド装置70の正面図であり、図1(b)はパチンコ機10を正面右側(矢印Ib方向)から見た場合の右側面図である。
カードサンド装置70は、各パチンコ機10と1対1に対応させて設けられ、対応するパチンコ機10の左側側部(又は右側側部)に設置されて、該パチンコ機10と接続される。パチンコ機10は、対応するカードサンド装置70に投入された紙幣の金額、又は、該カードサンド装置70に挿入された後述の会員カード300に記録されている貯蓄データ(残額)の範囲内で、遊技者に球を貸し出す。遊技者は、この貸し出された球(貸球)と、遊技によって払い出された球(賞球)とを所持球として、パチンコ機10において遊技を行うことができる。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10は、遊技で使用する球を島設備から供給を受けたり、遊技に使用した球を島設備に排出したりするのではなく、所定個数(第1実施形態では50個)の球をパチンコ機10の中に予め用意し、該パチンコ機10内でその球を循環させて遊技に使用する、いわゆる機内循環式のパチンコ遊技機として構成されている。この機内循環式のパチンコ機10は、従来の払出装置を有しておらず、遊技者へ直接的に球の貸し出しや払い出しを行わずに、貸球や賞球を数値化して(得点として)遊技者に付与する。
この機内循環式のパチンコ機10は、従来の島設備、即ち、該島設備に設置された各パチンコ機10から球を回収し、回収した球を洗浄して、再び各パチンコ機10へ振り分けるといった大がかりな機構を備えた島設備を不要とすることができる。よって、パチンコ機10を導入するホールにおいて、島設備にかかるコストを低減することができる。また、島設備を点検・保守するために該島設備に設置されたパチンコ機10を全て止める必要がなく、パチンコ機10毎に点検・保守を行うことができるので、パチンコ機10の稼働率を上げることができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、磁石によって引き寄せられない非磁性の球、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼球を遊技球(以下、単に「球」と称す)として使用する。これにより、遊技者が磁石を用いて球の流下方向を変更するような不正行為や、後述する遊技領域に球を流下させずに保持させて、遊技領域が開放された場合に球に対して何らかの細工を施すような不正行為が行われないようにしている。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ17が取り付けられ、そのヒンジ17が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側(前方側)へ開閉可能に支持されている。内枠12を閉じた場合、その内枠12は外枠11に対して施錠される。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。
内枠12は、正面視上側2/3〜3/4の領域に、多数の釘や入賞口3,4,5a等を有する後述の遊技盤13(図4参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより、弾球遊技が行われる。
また、内枠12は、正面視下部、即ち、遊技盤13が装着される領域の下側において、正面手前側(前方側)に張り出した張出部16を有している。詳細については後述するが、この張出部16の内部に、球を遊技盤13の前面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット66と、その球発射ユニット66から発射された直後の球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール63と、遊技盤13の前面領域から回収された球を貯留して球発射ユニット66に供給する供給通路65とが、主に配設されている(図3参照)。尚、第1実施形態において、パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるため、一般的なパチンコ遊技機とは異なり、内枠12には、球を貯留するための上皿および下皿が省略されている。
張出部16は樹脂製(例えば、ABS樹脂)のカバーによって覆われており、そのカバーはパチンコ機10の正面側から開閉不能および取外不能に構成されている。これにより、少なくとも供給通路65に貯留されている球に遊技者が触れられないように構成されており、供給通路65に貯留されたパチンコ機10で使用する球に対して、遊技者が何らかの不正行為(例えば、球を交換したり、球に油を塗って遊技領域における球の動きを変化させたりする等の不正行為)を行えないようにすることができる。
張出部16の正面視中央部には、遊技者の所持球やカード残高、獲得した所持球で継続的に遊技できるラッキー期間に突入するためのラッキーナンバー条件等を表示した状況表示装置85が配設されている。なお、この状況表示装置85の詳細については後述する。
ここで、ラッキーナンバー制とラッキー期間について説明する。ラッキーナンバー制とは、予め設定された条件(第1実施形態では、「通常遊技状態」における所定の特別図柄での大当たり)を達成した場合に、それ以後の遊技をラッキー期間として特別な遊技状態を付与する遊技仕様である。ラッキー期間中は、該ラッキー期間中に獲得した賞球(以下、「ラッキー玉」という)に基づく遊技が可能となる一方、ラッキー期間が終了した後は、ラッキー玉に基づく遊技が不可能となる。第1実施形態のパチンコ機10では、複数種類のラッキー期間が設けられており、ラッキー期間の開始条件として、いずれのラッキー期間中でもない「通常遊技状態」中、「初回」の大当たりがいずれかの特別図柄で発生した場合に、大当たりした特別図柄の種類に対応したいずれかのラッキー期間を開始する。一方、開始されたラッキー期間は、該ラッキー期間の種類毎に設定された終了条件を満たした場合に終了するように構成されている。第1実施形態では、ラッキー期間として、「無制限」状態と、「ラッキー」状態と「スタート」状態との複数種類(第1実施形態では、3種類)のラッキー期間を発生可能に構成されている。各ラッキー期間の詳細については後述する。なお、「初回」の大当たりとは、上述したように、いずれのラッキー期間中でもない「通常遊技状態」中に当選した大当たりのことであり、いずれかのラッキー期間中であって「通常遊技状態」中の大当たり、即ち、「ラッキー」状態や「無制限」状態中に突入し得る「通常遊技状態」中での大当たりは含まない。
第1実施形態では、「通常遊技状態」における所定の特別図柄での大当たりが発生した場合に、大当たりした特別図柄の種類に対応して「無制限」状態、「ラッキー」状態又は「スタート」状態のいずれかのラッキー期間が開始され、各ラッキー期間中に獲得したラッキー玉に基づく継続遊技が可能となる一方、各ラッキー期間終了後は該ラッキー期間中に獲得したラッキー玉に基づく継続遊技が不可能となる遊技仕様である。
ラッキー期間の1つである「無制限」状態は、いずれのラッキー期間でもない状態であって、かつ、「通常遊技状態」において、後述する「7」の「ジュゴン図柄」で大当たりが発生した場合に突入するラッキー期間である。即ち、この「無制限」状態は、開始条件として、「初回」に「7」の大当たり、が設定されている。一方、「無制限」状態は、終了条件として、返却ボタン75の操作、が設定されている。即ち、この「無制限」状態は、該「無制限」状態に突入した以降の遊技において、返却ボタン75が操作されない限り、ラッキー期間が継続するように設定されている。
ラッキー期間の1つである「ラッキー」状態は、いずれのラッキー期間でもない状態であって、かつ、「通常遊技状態」において、後述する「3」の「カメ図柄」、又は、「5」の「エビ図柄」で大当たりが発生した場合に突入するラッキー期間である。即ち、この「ラッキー」状態は、開始条件として、「初回」に「3」又は「5」の大当たり、が設定されている。一方、「ラッキー」状態は、終了条件として、時間短縮機能未作動時(即ち、「通常遊技状態」)での「4」の大当たりの開始、即ち、「ラッキー」状態中の「初回」に「4」の大当たりを引いたとき、が設定されている。言い換えれば、この「ラッキー」状態は、「3」又は「5」の大当たりに基づく「連荘状態」中は継続し、該「連荘状態」が終了したとしても、「時間短縮状態」終了後の「通常遊技状態」時に「4」の大当たりを引かなければ終了せず、ラッキー期間が継続するように設定されている。この「ラッキー」状態は、終了条件である「通常遊技状態」での「4」の大当たりを引いた際に、「ラッキー」状態から後述する「スタート」状態に遷移するように構成されている。
なお、第1実施形態でいう「連荘」とは、「高確率状態」又は「時間短縮状態」において再度いずれかの大当たりに当選した場合をいう。従って、「高確率状態」又は「時間短縮状態」が終了した後の「通常遊技状態」においていずれかの大当たりに当選した場合は「連荘」には該当しない。また、第1実施形態でいう「連荘状態」とは、大当たりを取得した後、その大当たり状態から、「高確率状態」又は「時間短縮状態」のいずれかの状態が維持され、該「時間短縮状態」が終了するまでの状態をいう。
また、「高確率状態」とは、第1図柄(特別図柄)の大当たり終了後に付加価値としてその後の第1図柄の大当たり確率が通常状態よりもアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、大当たり状態へ移行し易い遊技の状態のことである。第1実施形態における「高確率状態(確変中)」は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、始動入賞口4に付随する電動役物が開放されやすくなることで、始動入賞口4へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
「時間短縮状態(時短中)」とは、「高確率状態」とは異なり、第1図柄の大当たり確率が通常の状態であると共に、第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、始動入賞口4に付随する電動役物が開放されやすくなることで、始動入賞口4へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。この「時間短縮状態」は、該「時間短縮状態」に対応した大当たり終了後に発生し、第3図柄の変動表示が100回行われるまで継続する。そして、その100回目の変動表示が終了した場合、又は、いずれかの大当たりに当選した場合に、該「時間短縮状態」が終了する。一方で、「通常遊技状態」とは、「高確率状態」又は「時間短縮状態」でない時をいい、第1図柄の大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態であって、かつ、第2図柄の当たり確率が通常の状態をいう。
ラッキー期間の1つである「スタート」状態は、いずれのラッキー期間でもない状態であって、かつ、「通常遊技状態」において、上記した「3」、「5」又は「7」以外の大当たり、即ち、後述する「1」の「タコ図柄」、「2」の「ハリセンボン図柄」、「4」の「サメ図柄」、「6」の「アンコウ図柄」、「8」の「エンゼルフィッシュ図柄」、又は、「9」の「カニ図柄」での大当たりが発生した場合に突入するラッキー期間である。即ち、この「スタート」状態は、開始条件として、「初回」に「1」、「2」、「4」、「6」、「8」又は「9」の大当たりが設定されている。一方、「スタート」状態の終了条件として、「時間短縮状態」の終了、即ち、この大当たりから始まる「連荘状態」の終了、が設定されている。言い換えれば、この「スタート」状態は、この大当たりから始まる「連荘状態」中は継続し、「時間短縮状態」が終了するまで、即ち、大当たり後の「時間短縮状態」における特別図柄の変動表示が100回終了するまでは継続するように設定されている。
従って、ラッキー期間の中でも、「無制限」状態は、遊技者にとって最も有利なラッキー期間であるといえる。また、「ラッキー」状態は、「無制限」状態よりは有利度は低いが、「スタート」状態よりは有利な状態であり、「無制限」状態の次に遊技者にとって有利なラッキー期間であるといえる。さらに、「スタート」状態は、「無制限」状態や「ラッキー」状態より遊技者にとって不利なラッキー期間であるといえる。よって、ラッキーナンバー制を採用した本パチンコ機10では、遊技者は、如何にして「スタート」状態に入らずに「無制限」状態、或いは、「ラッキー」状態の大当たりを引いて長期的なラッキー期間を獲得するかを目指して遊技を行う。
なお、第1実施形態では、いずれのラッキー期間中でもなく、かつ、「通常遊技状態」時に引いた大当たりの種類に基づいて、いずれかのラッキー期間が設定されるように構成されている。即ち、例えば、「スタート」状態中の「連荘状態」時に、「ラッキー」状態に対応する「3」又は「5」の大当たりを引いたとしても、「スタート」状態が「ラッキー」状態に変わることはなく、また、「ラッキー」状態中の「連荘状態」時に、「無制限」状態に対応する「7」の大当たりを引いたとしても、「ラッキー」状態が「無制限」状態に変わることはない。即ち、各ラッキー期間が設定される条件は、あくまでいずれのラッキー期間でもない「通常遊技状態」における「初回」の大当たりの種類に基づくものであり、いずれかのラッキー期間中に引いた大当たりによってラッキー期間の種類が「成り上がる」ことはないように設定されている。
従来、ラッキーナンバー制を採用する遊技場では、遊技場のスタッフは、ラッキー期間の開始条件である各パチンコ機における大当たりの有無とその大当たり図柄の種別を確認し、その大当たりの種別に応じてパチンコ機の上部に札等を差す作業を行ってラッキー期間を開始させたり、そのラッキー期間中、ラッキー期間の終了条件を達成したか否かを監視する作業を行ってラッキー期間を終了させたり、ラッキー期間が終了した際には、獲得した遊技球の交換を遊技者に促したりする作業が必要であった。
上記作業を遊技場のスタッフに行わせた場合、遊技機の異常確認や清掃等の通常業務の作業に加えてラッキーナンバー制に関する作業が加わるため、スタッフに多大な作業負担がかかってしまうという問題点があった。一方、スタッフの人数を増員してラッキーナンバー制に対応しようにも、スタッフ増員分の人件費が嵩んでしまい、遊技場の経営を逼迫させてしまうという問題点があった。従って、遊技場は、ラッキーナンバー制という遊技性を向上させることができる遊技仕様が実現可能な環境であっても、上記問題点を考慮してラッキーナンバー制を採用せず、通常の営業形態での営業を行うに留まり、遊技性の向上が図れない状況であった。
そこで、第1実施形態では、機内循環式のパチンコ機10の機能である貸球と賞球とを数値化して管理するシステムを有効活用し、ラッキー期間開始前に所持していた共有可能玉に関する所持玉データと、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉に関する所持玉データとをそれぞれ識別して記憶し、ラッキー期間終了後に、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉に基づく遊技を禁止するように構成することで、パチンコ機10の制御のみでラッキーナンバー制を実現可能にしている。よって、機内循環式のパチンコ機10の制御によりラッキーナンバー制を実現することで、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる。
また、遊技状態毎に獲得した遊技価値を個別に管理して、遊技状態に応じて使用できる獲得済みの遊技価値を決定することができるので、例えば、1の遊技状態(ラッキー期間)で獲得した遊技価値(賞球)は、その遊技状態でのみ使用可能であって他の遊技状態(ラッキー期間終了後)では使用不可という状況を作り出すことができ、多様な遊技性を実現することができる。
また、ラッキーナンバー制の遊技性は、貸球の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、貸出レートが1玉4円であり、景品変換レートが1玉2.5円相当であるいったような景品変換ギャップがある場合、貸球による遊技と、獲得した賞球による遊技では、1玉につき1.5円相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸球による遊技を行うことより、賞球による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして賞球に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用することで、ラッキー期間を獲得して、その間に獲得した賞球で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる。
張出部16の正面視右下側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル39が配設され、かかる操作ハンドル39の内部には球発射ユニット66の駆動を許可するためのタッチセンサ39aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ39bと、操作ハンドル39の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル39が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ39aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル39の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル39が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ39aおよび打ち止めスイッチ39bがオフとなっている。
内枠12において遊技盤13が装着される領域の前面側には、その前面を覆う扉枠(「ガラス枠」ともいう)14が設けられている。扉枠14を支持するために、内枠12において遊技盤13が装着される領域の正面視左側の上下2カ所に、金属製のヒンジ18が取り付けられている。そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として扉枠14が正面手前側(前方側)へ開閉可能に支持されている。扉枠14を閉じた場合、その扉枠14は内枠12に対して施錠される。
内枠12には、その内枠12の開閉軸および扉枠14の開閉軸から離間した側の端部(正面視右端部)の正面視中央下部において、施錠装置20を構成するシリンダ錠21aが配設されている。外枠11に対する内枠12の施錠と、内枠12に対する扉枠14の施錠とは、このシリンダ錠21aの鍵穴21bに専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。具体的には、鍵穴21bに差し込んだ鍵を左方向に回した場合は、内枠12の施錠が解錠される。一方、鍵穴21bに差し込んだ鍵を右方向に回した場合は、扉枠14の施錠が解錠される。
扉枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14aが設けられている。扉枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット(図示せず)が配設され、そのガラスユニットを介して内枠12に装着された遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
扉枠14には、その周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14aの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部32〜36が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部32〜36が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部32〜36が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、扉枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ31が設けられている。
扉枠14の下部は、正面手前側(前方側)に張り出しており、その張り出し部の略中央の位置に操作部23が設けられている。操作部23は、遊技者による操作指示を受け付ける入力装置であり、ジョイスティック23aと、ジョイスティック23aの正面視左側に配設された操作ボタン23bと、ジョイスティック23aの正面視右側に配設された操作ボタン23cとによって構成されている。遊技者からジョイスティック23a、操作ボタン23b,23cが操作されると、パチンコ機10は、後述する第3図柄表示装置(LCD)81にて実行される各種演出において表示される画像を変更することで、遊技者に対して大当たりとなる期待感を高めている。これにより、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
ここで、扉枠14に操作部23を設けることによって、以下の効果を得ることができる。即ち、第1実施形態におけるパチンコ機10は、機内循環式のパチンコ機であるので、通常のパチンコ機では設けられていない、供給通路65といった球を機内で循環させるための機構を有している。従来、パチンコ機を入れ替える場合、パチンコ機全体を島設備から取り外して入れ替えていたが、機内循環式パチンコ機では、球を機内で循環させる機構を有しているので、パチンコ機1台の単価が通常のパチンコ機よりも高く、結果としてパチンコ機の入れ替えに要するコストが高くなる。
パチンコ機の各機種・型式において大きく異なるのは、遊技盤13および扉枠14の形状である。そこで、外枠11や、球を機内で循環させるための機構を含む内枠12を、各機種や型式で共通化し、パチンコ機を入れ替える場合は、扉枠14と遊技盤13とを交換するようにすれば、外枠11および内枠12を各機種・型式で使い回すことができるので、パチンコ機の入れ替えに係るコストを低く抑えることができる。
そして、このようにパチンコ機を入れ替える場合、第1実施形態のように操作部23を扉枠14に設けていれば、パチンコ機を入れ替えるときに操作部23を扉枠14と併せて交換することができる。よって、機種・型式毎に、操作部23の構成やデザインを容易に変更することができる。
操作部23が設けられた扉枠14の張り出し部は、内枠12の張出部16の上側に乗った形で配設される。これにより、操作部23が扉枠14だけでなく、内枠12によっても支えられるので、操作部23を強く押下するなど、遊技者により操作部23に強い力が特に正面視下方向に働いたとしても、操作部23やそれを支える扉枠14が破壊されることを抑制することができる。
扉枠14の上部には、無制限可動役物95、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97(図1においては図示せず。図11参照)が収納され、ラッキー期間の種類に応じて対応するいずれかの可動役物95〜97が図示しない駆動機構によって扉枠14上部から出没可能に構成されている。具体的には、「無制限」状態では無制限可動役物95が出現するように構成され、「ラッキー」状態ではラッキー可動役物96が出現するように構成され、「スタート」状態ではスタート可動役物97が出現するように構成される。これら可動役物95〜97によって、遊技者又は遊技場のスタッフに対して、パチンコ機10がいずれのラッキー期間であるかを報知することができる。なお、いずれのラッキー期間でない場合は、いずれの可動役物95〜97も扉枠14の上部に収納され、遊技者から視認不可能となっている。また、可動役物95〜97が扉枠14上部から現出した場合に、可動役物95〜97が所定動作の駆動パターンで駆動を繰り返したり、内部に搭載されたLED(図示せず)によって該可動役物95〜97を発光させることで、いずれかのラッキー期間であることを報知するように構成してもよい。
窓部14aの右下側には、扉枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓37が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図4参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部32〜36の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材が取り付けられている。
パチンコ機10の正面視左側には、カードサンド装置70が配置されている。このカードサンド装置70には、紙幣を投入するための紙幣投入口71及び会員カード300(図11参照)やゲストカード(図示せず)を挿入するためのカード挿入口72が配設されている。
会員カード300は、遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であり、ゲストカードは、遊技場に会員登録していない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である。会員カード300及びゲストカードは、ICカードで構成されており、遊技者所有の遊技価値(例えば、カード残高(金額データ)、共有可能玉、ラッキー玉、あるいは、遊技使用不可玉など)を記録している。
ここで、遊技者が所有する遊技価値の一部である共有可能玉、ラッキー玉及び遊技使用不可玉について説明する。共有可能玉は、遊技場に設置されているすべてのパチンコ機で使用可能であり、かつ、いずれの遊技状態であっても使用可能である遊技者所有の玉データである。ラッキー玉は、ラッキー期間を獲得したパチンコ機でのみ使用可能であり、かつ、獲得したラッキー期間中にのみ使用可能である遊技者所有の玉データである。このラッキー玉は、実行中のラッキー期間が終了した場合に、その時点でのラッキー玉に関する所持玉データが遊技使用不可玉の所持玉データに変更されるように構成されている。遊技使用不可玉は、パチンコ機で使用不可能な遊技者所有の玉データであって、該遊技使用不可玉は遊技場の窓口で景品に交換することのみが可能に設定されている。
ゲストカードは、カードサンド装置70の内部に常時備えられており、会員カード300を有しない遊技者に対し会員カード300の代替的役割を担うものであって、会員カード300がカード挿入口72に挿入されていない状態で遊技者が紙幣投入口71へ紙幣を投入した場合に、カードサンド装置70に備えられているゲストカードに紙幣に応じた金額データが記録されるように構成されている。なお、ゲストカードの機能は、会員カード300と会員ID以外の機能と同一であるので、以下ではゲストカードに関する説明を省略する。また、第1実施形態に関する発明について会員カード300を用いて説明するが、会員カード300と同等の機能を有するゲストカードでも当然に本発明が成立するものである。
なお、本実施形態では、カードサンド装置70の内部に会員カード300又はゲストカードが備えられていない状態では、遊技者による紙幣の投入が禁止されるエラー状態となるように構成されている。このように構成することで、カードサンド装置70に会員カード300又はゲストカードが挿入されていなければ、紙幣投入口71に紙幣を投入することができない。そして、該エラー状態が解除されて正常な状態でのみカードサンド装置70に遊技者が紙幣を投入できるように構成されるので、該紙幣に応じた金額データを必ず会員カード300に記録することができる。カードサンド装置70の内部に会員カード300又はゲストカードが備えられていないエラー状態は、遊技者により会員カード300がカード挿入口72に投入されるか、遊技場のスタッフによりゲストカードがカード挿入口72に投入されることで解消されるように構成される。
遊技者によりカード挿入口72に会員カード300が投入され、その挿入された会員カード300の正当性(不正なものでないこと)が確認された場合に、その会員カード300の後述する現金対応メモリ300b(図11参照)に記憶された金額データ(残高データ)の範囲内で遊技者への貸出球の貸出が可能な状態となると共に、該会員カード300の後述する通常時メモリ300c(図11参照)に記憶されたポイントに対応する共有可能玉数の範囲内で球を発射可能な状態となる。
紙幣投入口71の下方には、貸出球を得るための球貸ボタン74が配設されている。遊技者により球貸ボタン74が操作されると、会員カード300の現金対応メモリ300bに金額データが存在する限りにおいて、カードサンド装置70に予め設定されている貸出金額単位毎に、同じく予め設定されている貸出レートに応じて、貸出球が共有可能玉としてパチンコ機10の後述する通常時球カウンタ213cに加算される。
具体的には、例えば、カードサンド装置70において、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉4円と設定されている状況において、遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、125玉の貸球が遊技者に貸し出される。また、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉2円と設定されている状況において遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、250玉の貸球が遊技者に貸し出される。さらに、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉1円と設定されている状況において遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、500玉の貸球が遊技者に貸し出される。
貸出レートは、事前にホールコンピュータ263(図10参照)からカードサンド装置70に対して送信され、設定される。例えば、カードサンド装置70に電源が入れられると、カードサンド装置70の電源が投入されたことを示す信号がホールコンピュータ263へ送信され、該信号を受信したホールコンピュータ263は、当該カードサンド装置70に対し、当該カードサンド装置70に対応する貸出レートに係るレート信号を送信する。そして、当該レート信号を受信したカードサンド装置70は、当該レート信号により特定される貸出レートを、カードサンド装置70内のRAM273(図11参照)の所定エリアに記憶することで、貸出レートを設定する。この設定された貸出レート(球単価)は、状況表示装置85の価値情報表示領域85c(図9参照)に表示される。遊技者は、状況表示装置85の価値情報表示領域85cに表示された貸出レートを確認することで、カードサンド装置70に対応するパチンコ機10における貸出球の球単価(交換レート)を知ることができる。
また、貸出金額単位も事前にホールコンピュータ263(図10参照)からカードサンド装置70に対して送信され、設定される。例えば、カードサンド装置70に電源が入れられると、カードサンド装置70の電源が投入されたことを示す信号がホールコンピュータ263へ送信され、該信号を受信したホールコンピュータ263は、当該カードサンド装置70に対し、上述したレート信号を当該カードサンド装置70へ送信するとともに、
当該カードサンド装置70に対応する貸出金額単位に係る金額単位信号を送信する。そして、当該金額単位信号を受信したカードサンド装置70は、当該金額単位信号により特定される貸出金額単位を、カードサンド装置70内のRAM273(図11参照)の所定エリアに記憶することで、貸出金額単位を設定する。この設定された貸出金額単位は、状況表示装置85の価値情報表示領域85c(図9参照)に表示される。遊技者は、状況表示装置85の価値情報表示領域85cに表示された貸出金額単位を確認することで、カードサンド装置70に対応するパチンコ機10における貸出金額単位を知ることができる。
球貸ボタン74の下方(図1下側)には、カード挿入口72に挿入されている会員カード300の返却を求めるための返却ボタン75が配設されている。第1実施形態では、カードサンド装置70は、返却ボタン75が押下されると、その時点において状況表示装置85に表示された共有可能玉、ラッキー玉及び遊技使用不可玉をパチンコ機10から受け取って所定の交換レート(貸出レートと同一)でポイント換算し、この換算されたポイントを会員カード300の通常時メモリ300c及び後述する遊技使用不可メモリ300dに貯蓄データとして累積加算する。そして、累積加算された貯蓄データを記憶した会員カード300をカード挿入口72から排出する。
所定の交換レートでポイント換算する例として、例えば、1000玉の共有可能玉がある場合は、1玉4円交換の設定が施されたカードサンド装置70においては、1000玉×4円=4000ポイントが、会員カード300の通常時メモリ300cに加算される。また、1玉2円交換の設定が施されたカードサンド装置70においては、1000玉×2円=2000ポイントが、会員カード300の通常時メモリ300cに加算される。さらに、1玉1円交換の設定が施されたカードサンド装置70においては、1000玉×1円=1000ポイントが、会員カード300の通常時メモリ300cに加算される。
第1実施形態では、ラッキーナンバー制の遊技仕様を実行可能に構成され、ラッキーナンバー対応図柄で大当たりした場合には、特典としてその大当たりから所定期間の間をラッキー期間として、ラッキー期間中は獲得したラッキー玉に基づく継続遊技が可能に構成される一方、ラッキー期間終了後には、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉に基づく継続遊技が不可能となるように構成されている。なお、ここでいう継続遊技とは、ラッキー期間中に獲得し所持しているラッキー玉を用いて継続的に遊技を行うことができる状態のことであり、ラッキー期間が終了した場合に該ラッキー玉に基づいて遊技を行うことができない状態は、継続遊技が終了した状態である。なお、第1実施形態では、ラッキー期間中に返却ボタン75が操作された場合は、該ラッキー期間は終了するように構成されている。このように構成することで、ラッキー期間中であっても遊技の継続意欲がなくなった遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、該ラッキー期間を消滅させ、その後、他人が該パチンコ機10で遊技を開始した場合にラッキー期間ではない遊技状態から遊技を開始させることができる。よって、ラッキーナンバー制の遊技仕様であるラッキー期間の一身専属性を実現することができる。なお、遊技者により返却ボタン75が操作されたことに基づいてラッキー期間を終了する場合に、扉枠14上部から現出している可動役物95〜97は、該扉枠14の内部に収納されるように構成されている。
カードサンド装置70には、また、各種ランプとして、カード利用可能ランプ78と、貸出可能ランプ79aと、エラー表示ランプ79bとが設けられている。
カード利用可能ランプ78は、カード挿入口72へ会員カード300が投入可能か否かを報知するためのランプである。カードサンド装置70は、カード挿入口72へ会員カード300が投入可能である状態にある場合に、カード利用可能ランプ78を点灯する。遊技者は、カード利用可能ランプ78の点灯状態により、カードサンド装置70に会員カード300が投入可能か否かを判断できる。
なお、カードサンド装置70は、電源投入後、貸出レート及び貸出金額単位が設定され、且つ、後述する枠統括制御装置111において所持球数の計数が可能な状態となったことを示す計数許可信号を受信するまでの間、カード利用可能ランプ78を点灯させず、会員カード300の受付を許可しない待機状態となっている。つまり、ホールコンピュータ263からのレート信号及び金額単位信号がカードサンド装置70に対する貸出許可信号の役割を果たしていると共に、枠統括制御装置111からの計数許可信号がカードサンド装置70に対する貸出許可信号の役割を果たしている。そして、カードサンド装置70は、貸出レート及び貸出金額単位の設定が完了し、さらに、枠統括制御装置111において所持球数の計数が可能となったと判断すると、カード利用可能ランプ78を点灯して、会員カード300が受付可能となった旨を遊技者に報知する。
貸出可能ランプ79aは、球の貸し出しが可能であるか否かを遊技者に報知するためのランプである。貸出可能ランプ79aは、球の貸し出しが可能な場合に点灯される。通常時、カードサンド装置70は貸出可能ランプ79aを非点灯とする。そして、カード挿入口72へ会員カード300が投入され、その会員カードが不正なものではなく、正当なものであると確認された場合に限り、カードサンド装置70は貸出可能ランプ79aを点灯し、遊技者に球の貸し出しが可能であることを報知する。一方、カード挿入口72に会員カード300を投入しても、その会員カード300の正当性が確認できない場合は、カードサンド装置70は貸出可能ランプ79aを非点灯のままとし、また、遊技者からの球の貸出要求を拒否する。また、紙幣投入口71への紙幣の受付も不許可とする。これにより、カード挿入口72に投入した会員カード300では球の貸し出しが行なえず、更に、現金を基に球の貸し出しを受けることができないことを、遊技者に通知することができる。この場合、遊技者は、ホールの店員を呼び、会員カード300に記憶されたデータが破壊されていないか確認を行ってもらう等の対応を行うことができる。
このように、本パチンコ機10では、球を使用して遊技を行うためには、カード挿入口72に正当な会員カード300を投入するか、会員カード300を挿入しない状態で紙幣投入口71に現金を投入することが必須となる。
エラー表示ランプ79bは、所定のエラー時に点灯するランプである。カードサンド装置70は、内部で所定のエラーを検出した場合にエラー表示ランプ79bを点灯する。例えば、カード挿入口72に投入された会員カード300が正当なものではなく、不正なものであると確認された場合は、エラー表示ランプ79bを点灯する。ホールの店員は、エラー表示ランプ79bの点灯を確認することによって、カードサンド装置70において所定のエラーが発生したことを認識することができる。これにより、ホールの店員は、カードサンド装置70に生じたエラーに対して、対処することができる。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、上述した貸出レート(交換レート)や、カード残高に加え、カードサンド装置70の状態報知等も、後述する状況表示装置85でも表示するように構成されているが、具体的な内容については後述する。
次いで、図2,図3を参照して内枠12の詳細について説明する。図2は、パチンコ機10から扉枠14を取り外した状態を示した正面図である。図3(a)は、図2の状態から更に張出部16を覆う樹脂製のカバーを取り外した状態を示した正面図であり、図3(b)は、パチンコ機10から張出部16を覆う樹脂製のカバーを取り外した状態で、図3(a)に示すIIIb方向からパチンコ機10を見た場合の拡大図である。図2,図3(a)は、便宜上、遊技盤13面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
図2,図3(a)に示す通り、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース40を主体に構成されており、樹脂ベース40の中央部には略円形状の窓孔52が形成されている。この樹脂ベース40の後側には、遊技盤13が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤13は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース40(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤13の前面部の略中央部分が樹脂ベース40の窓孔52を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
樹脂ベース40には、窓孔52の右下部に略四角形状の小窓47が設けられている。遊技盤13の右下隅部には後述する通り貼着スペースK1が設けられ、その貼着スペースK1に張られたシール等は、遊技盤13が樹脂ベース40の後側に装着された場合に小窓47を通じて視認できるようになっている。また、この小窓47からシール等を貼り付けることも可能となっている。
内枠12において、遊技盤13が装着される領域の下側にて正面手前側(前方側)に張り出した張出部16の内部には、図3(a)に示す通り、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット66と、その球発射ユニット66から発射された直後の球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール63と、遊技盤13の前面領域から回収された遊技に使用された球を貯留して球発射ユニット66に次に発射する球を供給する供給通路65とが、主に配設されている。
球発射ユニット66は、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、後述する発射制御装置112(図10参照)によって駆動される。発射制御装置112は、後述の枠統括制御装置111から発射許可の指示を受けた上で、遊技者が操作ハンドル39に触れていることをタッチセンサ39aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ39bのオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル39の回動量に対応して発射ソレノイドを励磁し、操作ハンドル39の回転量に応じた強さで球を発射する。
発射レール63は、その後方の金属板63aを介して樹脂ベース40に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、操作ハンドル39の回動操作に伴い球発射ユニット66にて発射された球は、まず発射レール63に沿って斜め上方に打ち出され、その後、遊技盤13に設けられた後述の2本のレール61,62で形成される球案内通路60を通じて、遊技領域に案内される。
発射レール63の遊技球の発射位置の上方側には、発射球検出スイッチ94が設けられている。発射球検出スイッチ94は、発射レール上を通過した発射球を検出するものであり、その検出結果は、後述する枠統括制御装置111(図11参照)へ出力される。枠統括制御装置111は、供給通路65に貯留されている球や発射球、ファール球を計数しており、発射ソレノイドより発射された球が発射球検出スイッチ94によって検出された場合に、遊技者により持ち球が1個使われたということで、遊技者の持ち球の数(図11に示す通常時球カウンタ213cの値又はラッキー中球カウンタ213dの値)を「1」減算する。
この発射球検出スイッチ94は、球の発射位置近傍に設けられているため、発射ソレノイドより発射されて発射レール63上を通過している球を直ちに検出できるように構成されている。従って、球が発射されてから次の球が発射される発射間隔(第1実施形態では、0.6s)よりも短い間隔(例えば、0.05s)で発射球を検出できるので、遊技者の持ち球の玉データを次の球が発射される前に計数でき、遊技者の持ち球がない状態での球の発射を未然に防止することができる。
発射レール63と遊技盤13に設けられた外レール62との間には、所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路64が形成されている。このファール球通路64は、供給通路65へ接続されており、球発射ユニット66から発射された球が戻り球防止部材68(図4参照)まで至らずファール球として球案内通路を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路64を介して供給通路65に排出され貯留される。これにより、ファール球は供給通路65を介して再び球発射ユニット66に供給され、遊技盤13の前面領域に向けて発射される。
ファール球通路64には、ファール球検出スイッチ93が設けられている。ファール球検出スイッチ93は、ファール球通路64を通過した球を検出するものであり、その検出結果は、後述する枠統括制御装置111(図11参照)へ出力される。枠統括制御装置111は、供給通路65に貯留されている球や発射球、ファール球を計数しており、ファール球通路64を通過した球がファール球検出スイッチ93によって検出された場合に、遊技者の持ち球が1個発射されたが、遊技領域まで到達せずに有効利用されずに供給通路65に戻ったということで、遊技者の持ち球の数(図11に示す通常時球カウンタ213cの値又はラッキー中球カウンタ213dの値)を「1」加算する。
第1実施形態では、ラッキー期間中か否かに応じて、発射球を減算する所持玉が異なるように構成されている。具体的には、ラッキー期間外(即ち、「無制限」状態、「ラッキー」状態又は「スタート」状態以外)に発射球検出スイッチ94によって発射球が検出された場合は、共有可能玉を「1」減算するように構成される一方、ラッキー期間中に発射球検出スイッチ94によって発射球が検出された場合には、ラッキー玉(ラッキー玉がある場合に限る。)を「1」減算するように構成されている。なお、ラッキー期間中であっても、ラッキー玉がない場合は、共有可能玉を減らすように構成される。
ラッキー期間中に獲得した球は、ラッキー期間中のみ使用可能であってそれ以外の期間(通常遊技期間)では使用できないものである一方、共有可能玉は、ラッキー期間外でも他のパチンコ機でも使用できるものであるので、ラッキー玉より共有可能玉の方が、遊技者にとって汎用性が高く遊技価値が高い玉データであるといえる。従って、ラッキー期間中は、発射球が検知された場合には、ラッキー玉がある場合に限り、ラッキー玉から優先的に消費するように構成することで、遊技者にとって遊技価値が高い共有可能玉を維持したままの状態にすることができる。
また、第1実施形態では、ラッキー期間中か否かに応じて、ファール球を加える玉データが異なるように構成されている。具体的には、ラッキー期間中ではない通常遊技期間中にファール球検出スイッチ93によってファール球が検出された場合は、共有可能玉に「1」を加算するように構成される一方、ラッキー期間中にファール球検出スイッチ93によってファール球が検出された場合には、ラッキー玉に「1」を加えるように構成されている。
上述したように、共有可能玉は、すべての遊技状態で使用できる分、ラッキー玉より汎用性が高く、遊技者によって遊技価値が高いものであるため、ラッキー期間中に、ラッキー玉に基づく発射球がファール球となった際に共有可能玉を加算してしまうと、遊技者が故意にファール球を発生させることで、ラッキー玉を共有可能玉に変換できてしまい、ラッキーナンバー制の遊技性が崩壊してしまうおそれがある。そこで、第1実施形態のパチンコ機10のように、ラッキー期間中のファール球はラッキー玉に加算するように構成することで、上記問題が発生することを未然に防止することができ、ラッキーナンバー制の遊技性を維持することができる。
なお、第1実施形態において、ラッキー期間中におけるファール球となった発射球が、共有可能玉に基づく球なのか、ラッキー玉に基づく球なのかは識別していない。この構成により、発射球が共有可能玉かラッキー玉かを判別する処理を行わなくて済むので、その分、制御負担を軽減することができるという効果がある。しかし、ラッキー期間中においてラッキー玉がないことによる共有可能玉に基づく発射球がファール球となった場合、共有可能玉に基づく球であるにもかかわらず、ラッキー玉に加算されてしまう問題点がある。そこで、ラッキー期間中にファール球が発生した場合、そのファール球はラッキー玉に基づく発射球だったのか共有可能玉に基づく発射球だったのかを判別し、共有可能玉に基づく発射球であった際は、共有可能玉に「1」を加算するように構成してもよい。このように構成することで、ラッキー期間中とはいえ共有可能玉に基づく発射球に対しファール球が発生した場合に、共有可能玉に戻す(加算)ことができるので、遊技者の所持する遊技価値を必要以上に毀損させることなく適切な遊技環境を提供することができる。
供給通路65は、上述した通り、遊技盤13の前面領域に向けて発射する球を貯留し、球発射ユニット66に対して球を1球ずつ供給するものである。第1実施形態において、パチンコ機10の機内に50球の球が貯留され、この50球の球を循環させながら遊技者に遊技を行わせている。遊技が行われていないときには、50球の球が供給通路65に貯留される。
供給通路65において、正面視上左側の端部65aは、遊技盤13の裏面側に設けられた排出通路42a(図6参照)と接続されている。遊技盤13の前面領域を流下した球は、遊技盤13に設けられた後述する各種入賞口3,4,5a(図4参照)や、アウト口6から一旦遊技盤13の裏面に排出され、遊技盤13の裏面に設けられた排出通路42a(図6参照)を通って端部65aから供給通路65に供給される。また、供給通路65は、端部65aの右側において、ファール球通路64と接続されており、ファール球として球案内通路を逆戻りしてきた球が、ファール球通路64から供給通路65へ供給される。
供給通路65は、正面視上左側の端部65aから正面視下右側の端部65bに向けて傾斜を伴いながらZ状に通路が形成されており、その通路の幅(正面視前後方向における幅)は、球が1球ずつ通過可能な範囲(例えば、球の直径の1.3倍以上1.8倍以下の範囲)に設定されている。これにより、端部65a及びファール球通路64から供給された球は、1球ずつ端部65bに向けて流下する。端部65bには、図示しないソレノイドによって開閉可能なゲート(図示せず)が設けられており、通常時はそのゲートが閉鎖されている。よって、端部65a及びファール球通路64から供給された球は、端部65bのゲートによって端部65bから1球ずつ順次留められ、供給通路65内に貯留される。
端部65bのゲートを開閉するソレノイドは、球発射ユニット66が発射制御装置112の駆動によって球を発射される直前に、その発射制御装置112によって駆動され、端部65bのゲートが開放される。端部65bのゲート付近において、供給通路65の下面は、球発射ユニット66側が低くなるように勾配が設けられている。これにより、端部65bのゲートが開放された場合に、供給通路65に貯留されている球が球発射ユニット66へ向けて転がり、球発射ユニット66に該球が供給される。
供給通路65の端部65bの正面視下側には、供給通路65から貯留されている球を抜き取る球抜き通路67が接続されている。この球抜き通路67は、内枠12の背面側に通じており、内枠12の背面側に出口67bが設けられている。供給通路65から抜き取られた球は、内枠12の背面側の出口67bから排出される。
供給通路65と球抜き通路67との接続部67aにはゲート(図示せず)が設けられており、通常時はそのゲートが閉鎖されている。よって、通常時、供給通路65に貯留された球は球抜き通路67から排出されることはない。
供給通路65と球抜き通路67との接続部67aに設けられたゲートには、ゲートの開閉を行うレバー67cが取り付けられている。このレバー67cは、球抜き通路67の正面視右側に配設されており、そのレバー67cと球発射ユニット66との間に設けられたバネによって、レバー67cに対して正面視左側の向きに力を付勢している。このバネによる付勢によって、レバー67cはゲートの閉鎖状態を維持している。
レバー67cは、正面視右側方向に向けて引っ張り可能に構成されている。レバー67cが正面視右側方向に引っ張られた場合、その引っ張りにあわせて、接続部67aに設けられたゲートが開放され、供給通路65と球抜き通路67とが連通する。これにより、供給通路65に貯留された球が球抜き通路67を介してパチンコ機10の外部に排出される。レバー67cに対して正面視右側方向に加えられた引っ張り力が解除されると、レバー67cは、球発射ユニット66との間に設けられたバネの付勢力によって引っ張られる前の位置に戻り、再び接続部67aに設けられたゲートが閉鎖され、供給通路65と球抜き通路67との連通が解除される。これにより、供給通路65に貯留された球が抜き取られない状態とすることができる。
尚、レバー67cは、張出部16に設けられた樹脂製のカバーによって覆われており、パチンコ機10の正面側から操作することができない。レバー67cの操作は、内枠12の背面側からのみ行える。よって、供給通路65に貯留された球の抜き取りは、内枠12の施錠を解錠し、内枠12の背面側を開いたもの(ホール関係者)のみが行えることができる。ホール関係者は、枠統括制御装置111からパチンコ機10においてトラブルや不正行為が発生したことが報知された場合に、内枠12の背面側を開くことで、レバー67cを操作し、供給通路65に貯留された球を抜き取って、球に問題がないか否かを手にとって調べることができる。
また、図2に示される通り、張出部16の内部に設けられた球発射ユニット66、発射レール63、供給通路65、球抜き通路67も、張出部16に設けられた樹脂製のカバーによって覆われている。そのカバーは、パチンコ機10の正面側から開閉不能および取外不能に構成されている。これにより、少なくとも供給通路65に貯留されている球に遊技者が触れられないように構成されており、パチンコ機10で使用する球に対して、遊技者が何らかの不正行為(例えば、球を交換したり、球に油を塗って遊技領域における球の動きを変化させたりする等の不正行為)を行えないようにすることができる。
次に、図4を参照して、遊技盤13の詳細について説明する。図4は、内枠12に装着される遊技盤13の構成を示す正面図である。
遊技盤13は、図4に示す通り、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板50に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口3、始動入賞口4、可変入賞装置5、スルーゲート7、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口3、始動入賞口4、可変入賞装置5、スルーゲート7、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板50に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、扉枠14の窓部14a(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13と扉枠14の裏面側に配設されたガラスユニット(図示せず)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材51とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット66(図3参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分には戻り球防止部材68が取り付けられる。この戻り球防止部材68は、通常時において2本のレール61,62に挟まれた球案内通路60の出口を縮小(閉鎖)し、球案内通路60から遊技盤13の上部へ球が案内される場合に、球の運動量によって球案内通路60の出口を拡大(開放)するものである。球案内通路60によって案内された球は、球自身の運動量によって戻り球防止部材68を拡大し、遊技盤13の上部の遊技領域へと移動する。
一方、戻り球防止部材68は、遊技盤13の上部から球案内通路60へ球が移動しようとした場合に、球案内通路60の出口を縮小(閉鎖)した状態を維持するように構成されている。これにより、一旦遊技盤13の上部の遊技領域へ案内された球が、再度球案内通路60へ戻ってしまうといった事態を防止できる。
戻り球防止部材68には、遊技球検出スイッチ68aが設けられている。遊技球検出スイッチ68aは、球案内通路60から遊技盤13の上部の遊技領域へ球が案内されたことを検出するスイッチである。この遊技球検出スイッチ68aは、球案内通路60から遊技盤13の上部へ球が案内される場合に、球の運動量によって球案内通路60の出口が拡大(開放)されたことを検出することで、球案内通路60から遊技盤13の上部へ球が案内されたことを検出する。この遊技球検出スイッチ68aによる球の検出回数をカウントすることで、遊技に使用される球の数(遊技球数)をカウントすることができる。なお、遊技球検出スイッチ68aは、球案内通路60から遊技盤13の上部の遊技領域へ案内された球の通過を検出するものであれば、任意の構成であってよい。
外レール62の先端部には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材51がベース板50に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図4の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(LED)87aと7セグメント表示器87bとが設けられた第1図柄表示装置87が配設されている。第1図柄表示装置87は、LED87aと7セグメント表示器87bとを用いて、後述する主制御装置110(図10参照)で行われる各制御に応じて第1図柄の表示を行うものであり、その第1図柄の表示態様によって、主にパチンコ機10の遊技状態を表示する。複数のLED87aは、始動入賞口4への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、始動入賞口4に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器87bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED87aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
本パチンコ機10では、始動入賞口4への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「時短大当たり」が用意されている。LED87aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「高確率状態」へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「高確率状態」へ移行する確変大当たりのことである。また、「時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、第3図柄の大当たり確率は平常通りだが、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は「時間短縮状態」となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、第1図柄(特別図柄)の大当たり終了後に付加価値としてその後の第1図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。第1実施形態における「高確率状態(確変中)」は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、始動入賞口4に付随する電動役物が開放されやすくなることで、始動入賞口4へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「通常遊技状態」とは、「高確率状態」又は「時間短縮状態」でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態であって、第2図柄(普通図柄)の当たり確率が低い状態をいう。また、「時間短縮状態(時短中)」とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、始動入賞口4に付随する電動役物が開放されやすくなることで、始動入賞口4へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、始動入賞口4に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、「時間短縮状態」や「高確率状態」は、始動入賞口4に付随する電動役物の開放時間が、「通常遊技状態」と比して長くなる状態であってもよい。また、「時間短縮状態」や「高確率状態」は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、「通常遊技状態」と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個の球が賞球として払い出される複数(図4では4個)の一般入賞口3が配設されている。この一般入賞口3へ球が入賞すると、遊技盤13の裏面側に設けられる一般入賞スイッチ44(図10参照)がオンとなり、その一般入賞スイッチ44のオンに起因して、5個の球が賞球として払い出される。なお、本パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるので、遊技者に対して5球の球が実際に払い出されるのではなく、パチンコ機10内部で計数される遊技者の所持球数に5球分の値が加算される。
遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、後述する始動入賞口4への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置87における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート7の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は19インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図9参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示される変動表示(変動演出)が行われるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置87で行われるのに対して、その第1図柄表示装置87の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の表示内容については後述する。
第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート7を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。第2図柄表示装置83は、スルーゲート7の通過に伴って行った抽選の結果が当たりの場合に、変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、その抽選の結果が外れの場合は、変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が「○」の図柄で停止した場合に始動入賞口4に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球のスルーゲート7の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置87により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第2図柄表示装置83の近傍であって、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、第1実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置87又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート7の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置87により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る始動入賞口4が配設されている。この始動入賞口4へ球が入球(始動入賞)すると、遊技盤13の裏面側に設けられる始動入賞スイッチ45(図10参照)がオンとなり、その始動入賞スイッチ45のオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置87や第3図柄表示装置81における変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置87のLED87aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81に停止表示される。また、始動入賞口4は、入賞口の1つであり、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される。なお、本パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるので、遊技者に対して5球の球が実際に払い出されるのではなく、パチンコ機10内部で計数される遊技者の所持球数に5球分の値が加算される。
第3図柄表示装置81の左右には、ラッキー期間の1つである「スタート」状態の消化状況(経過状況)を報知するためのシャッター役物228(図34参照)が配設されている。このシャッター役物228は、第3図柄表示装置81の左右に一対設けられており、図示しないリンク機構により同じく図示しない1のモータにより駆動制御されるように構成され、第3図柄表示装置81の左右に待機する待機状態と、第3図柄表示装置81の表示画面を覆う複数パターンの被覆状態とに駆動可能に構成されている。第1実施形態におけるシャッター役物228は、「スタート」状態が所定の状況(第1実施形態では、「時間短縮状態」における残りの回数が、50回、10回又は0回)の場合にいずれかの被覆状態に駆動されるように構成されている。シャッター役物の駆動態様については後述する。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置87)にて変動表示が行われている間に球が始動入賞口4へ入球した場合、その入球は最大4回まで保留される。そして、保留された球(保留球)に対応する変動表示は、その前に保留されていた保留球に対応する変動表示の終了後に行われるようになっている。上述した通り、保留された保留球の数(保留球数)は第1図柄表示装置87により示されると共に第3図柄表示装置81の保留表示領域Dhにおいても示される。
尚、本パチンコ機10では、始動入賞口4への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
始動入賞口4の下方には可変入賞装置5が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大入賞口)5aが設けられている。この特定入賞口5aへ球が入賞すると、遊技盤13の裏面側に設けられる特定入賞スイッチ46(図10参照)がオンとなり、その特定入賞スイッチ46のオンに起因して、15個の球が賞球として払い出される。なお、本パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるので、遊技者に対して15球の球が実際に払い出されるのではなく、パチンコ機10内部で計数される遊技者の所持球数に15球分の値が加算される。
パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置87のLED87aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口5aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口5aは、所定時間が経過、或いは、球が10個入賞すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口5aが所定時間開放される。この特定入賞口5aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置5は、具体的には、特定入賞口5aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口5aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大入賞口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口5aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口5aとは別に開閉される大入賞口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置87において大当たりに対応したLED87aが点灯した場合に、特定入賞口5aが所定時間開放され、その特定入賞口5aの開放中に、球が特定入賞口5a内へ入賞することを契機として特定入賞口5aとは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、内枠12の小窓47(図2参照)及び扉枠14の小窓37(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13の下方には、アウト口6が設けられている。いずれの入賞口3,4,5aにも入球しなかった球はアウト口6を通って遊技盤13の裏面へ排出される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次いで、図5及び図6を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図5は、パチンコ機10の背面図であり、図6は、内枠12及び遊技盤13の構成を示す背面図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤13の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、樹脂製の保護カバーによって構成される裏パック402等が取り付けられている。第1実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニット400,401を構成し、それら制御基板ユニット400,401を個別に内枠12又は遊技盤13の裏面に装着するようにしている。
制御基板ユニット400は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット401は、枠統括制御基板(枠統括制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードサンド装置接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、枠統括制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードサンド装置接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(枠統括制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
また、枠統括制御装置111にはエラー解除ボタン120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。エラー解除ボタン120は、例えば、枠統括制御装置111において、トラブルや不正行為が発生した可能性があるとの判断を行った場合に、そのトラブルや不正行為が解消されたことを枠統括制御装置111に対して通知するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次いで、図6を参照して、内枠12及び遊技盤13の裏面構成を説明する。遊技盤13は、樹脂ベース40に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数の係止固定具によって脱落しないように固定されている。
遊技盤13の中央には、可変表示装置ユニット80が配置されている。可変表示装置ユニット80においては、センターフレーム86(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー88が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー88の後端に、液晶表示装置たる第3図柄表示装置(LCD)81と表示制御装置114とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー88内には、センターフレーム86に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤13の裏面には、可変表示装置ユニット80を取り囲むようにして裏枠セット41が取り付けられている。この裏枠セット41は、遊技盤13の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット41の下方には、前述した一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5a(それぞれ図4参照)の遊技盤13の開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路41aが形成されている。
回収通路41aには、下流側で1カ所に集合する位置に、球を球排出通路盤42に設けられた排出通路42aへ排出するための排出口41bが設けられている。一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aから回収通路41aによって回収され、下流側で1カ所に集合された球は、その球が集合する箇所に回収通路41aに設けられた排出口41bによって、球排出通路盤42の排出通路42aへ排出される。
球排出通路盤42は、遊技盤13の下方に取り付けられた樹脂成型品(例えばポリカーボネート樹脂製)である。また、排出通路42aは、排出球を内枠12の前面側に設けられた供給通路65の端部65a(図3(a)参照)へ案内するための通路であり、球排出通路盤42に形成されている。
従って、図6に仮想線で例示するように、一般入賞口3等に入賞した遊技球は、何れも裏枠セット41の回収通路41aを介して集合し、排出口41bを通って球排出通路盤42の排出通路42aへ排出された後、その排出通路42aを介して供給通路65へ排出される。また、アウト口6に入った球は、直接排出通路42aへ排出され、何れの入賞口にも入賞しなかった球も、排出通路42aを介して供給通路65へ排出される。
上記構成では、遊技盤13の下端面を境界にして、上方に裏枠セット41(回収通路41a)が、下方に球排出通路盤42(排出通路42a)が設けられており、球排出通路盤42が遊技盤13に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤13を内枠12から取り外す際において、球排出通路盤42が遊技盤13の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
遊技盤13の裏面には、各種入賞口などへの球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤13表側の一般入賞口3に対応する位置には一般入賞スイッチ44が設けられ、始動入賞口4に対応する位置には始動入賞スイッチ45が設けられ、特定入賞口5aには、特定入賞スイッチ46が設けられている。
一般入賞スイッチ44は、電気配線を通じて盤面中継基板(図示せず)に接続され、更にこの盤面中継基板(図示せず)が後述する主制御装置110に接続されている。また、特定入賞スイッチ46は特定入賞口中継基板(図示せず)に接続され、更にこの特定入賞口中継基板(図示せず)がやはり主制御装置110に接続されている。これに対し、始動入賞スイッチ45は中継基板を介さずに直接主制御装置110に接続されている。
一般入賞スイッチ44により一般入賞口3における球の入賞が感知されると、通常時はオフされている一般入賞スイッチ44がオンされる。これにより、主制御装置110によって5球の賞球が決定されて、所持球が5球増加することを通知する賞球加算コマンドが枠統括制御装置111に対して送信される。
始動入賞スイッチ45により始動入賞口4における球の入賞が感知されると、通常時はオフされている始動入賞スイッチ45がオンされる。これにより主制御装置110によって大当たりの抽選がなされ、第1図柄表示装置87や第3図柄表示装置81における変動演出が開始(始動)される。また、主制御装置110により5球の賞球が決定され、所持球が5球増加することを通知する賞球加算コマンドが枠統括制御装置111に対して送信される。
特定入賞スイッチ46により特定入賞口5aにおける球の入賞が感知されると、通常時はオフされている特定入賞スイッチ46がオンされる。これにより、主制御装置110によって15球の賞球が決定され、所持球が15球増加することを通知する賞球加算コマンドが枠統括制御装置111に対して送信される。
詳細については後述するが、遊技者の所持球数が枠統括制御装置111によって計数されており、枠統括制御装置111において主制御装置110より賞球加算コマンドを受信すると、その受信した賞球加算コマンドで示される球の数分の値が、所持球数に加算される。これにより、機内循環式パチンコ機10において、賞球が遊技者の所持球として付与される。
遊技盤13の裏面には、また、回収通路41aに設けられた排出口41bの位置に、その排出口41bを通過して排出通路42aへ排出される入賞球を検出する入賞球検出スイッチ(図示せず)が設けられ、アウト口6の位置に、そのアウト口6から排出通路42aへ排出される球を検出するアウト球検出スイッチ(図示せず)が設けられている。入賞球検出スイッチ及びアウト球検出スイッチは、いずれも通常時はオフ信号を出力しており、各検出スイッチが設けられている位置を球が通過した場合にオン信号を出力する。この入賞球検出スイッチ及びアウト球検出スイッチは、いずれも枠統括中継基板(図示せず)に接続され、この枠統括中継基板(図示せず)が枠統括制御装置111に接続されている。
上述した通り、排出口41bを通過して排出通路42aへ排出される球は、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞した入賞球である。よって、排出口41bの位置に設けられた入賞球検出スイッチによって検出されるのは、すべて各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞した入賞球となる。従って、入賞球検出スイッチが枠統括中継基板を介して枠統括制御装置111に接続されることによって、枠統括制御装置111において、各種入賞口に入賞した入賞球の数を計数できるようになっている。
また、アウト口6を通過して排出通路42aへ排出される球は、いずれの入賞口3,4,5aにも入賞しなかった球である。よって、アウト口6の位置に設けられたアウト球検出スイッチによって検出されるのは、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に案内された球のうち、すべて各種入賞口に入賞しなかった球となる。従って、アウト口6が枠統括中継基板を介して枠統括制御装置111に接続されることによって、枠統括制御装置111において、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に案内された球のうち各種入賞口に入賞しなかった球の数を計数できるようになっている。
内枠12の裏面には、背面視左端部(パチンコ機10の正面視右端部)において、縦長に施錠装置20が配設されている。施錠装置20は、外枠11に対する内枠12の施錠と、内枠12に対する扉枠14の施錠とを行うための装置である。
施錠装置20の正面視中央下部には、シリンダ錠21aが設けられている。シリンダ錠21aは、パチンコ機10の正面側に突出して設けられており、そのパチンコ機10の正面側において鍵穴21b(図1参照)を有している。この鍵穴21bに専用の鍵を差し込み、その差し込んだ鍵を正面視左方向(背面視右方向)に回した場合は、外枠11に対する内枠12の施錠が解錠される。また、鍵穴21bに差し込んだ鍵を正面視右方向(背面視左方向)に回した場合は、内枠12に対する扉枠14の施錠が解錠される。
また、施錠装置20は、外枠11に対する内枠12の施錠を行う内枠施錠ユニットと、内枠12に対する扉枠14の施錠を行う電子錠99とを有している。内枠施錠ユニットは、縦長に形成された鉤基体21eと、鉤基体21eに摺動可能に設けられ外枠11に係合する鉤部材21fとを備えている。鉤基体21eは、複数の取付孔が穿設された取付板21e1と、取付板21e1に直交して鉤部材21fを支持する支持板21e2とにより、断面略L字状に形成される。施錠装置20は、内枠12の裏面側であって開閉軸から離間した側の端部(背面視左端部)に鉤基体21eの取付板21e1をネジで締め付けて内枠12に固定される。
鉤基体21eの支持板21e2の内側には、支持板21e2に沿って縦長に形成された板状の摺動杆21dが上下方向に摺動可能に配設されている。また、鉤基体21eの上下2カ所には、図示しないコイルバネにより上方に常に引っ張られた状態で支持板21e2に摺動可能に支持される鉤部材(内枠用鉤部材)21fが配設されている。内枠用鉤部材21fは、その先端部分が上方に突出した鉤形に形成され、外枠11に設けた受け金具(図示せず)に引っ掛かって内枠12を施錠する。この内枠用鉤部材21fは、摺動杆21dが中立位置より下方へ移動したときにのみ、摺動杆21dに係合して下方に摺動する。摺動杆21dは、内枠用鉤部材21fを付勢するコイルバネの引っ張り力とほぼ同一の大きさの反力で上方へ付勢される。
この上下2つの内枠用鉤部材21fは、独立して下方へ移動可能となっており、針金などで内枠用鉤部材21fを移動して解錠させようとする場合には両方の内枠用鉤部材21fを下方に移動させなければならない。一方のみを下方へ移動させても他方の内枠用鉤部材21fが外枠11の受け金具(図示せず)に引っ掛かったままとなる。このため、不正な解錠操作が困難となって防犯性が高められる。また、内枠用鉤部材21fは、摺動杆21dの下方への摺動に伴って下方へ移動する。摺動杆21dは、シリンダ錠21aに対しての専用鍵による正面視左回り(背面視右回り)の操作に連動して、下方へ摺動するものであり、専用鍵の操作によって内枠12の施錠状態を解除することができる。
内枠12の背面側には、扉枠14の突出部の突出方向の延長線上に、その突出部の先端部を取り囲むようにして、フォトセンサ98が取り付けられている。フォトセンサ98は、発光素子(図示せず)が取り付けられた発光素子取付部(図示せず)と、受光素子(図示せず)が取り付けられた受光素子取付部(図示せず)と、発光素子取付部の一端と受光素子取付部の一端とを、発光素子と受光素子とが所定距離だけ離れて対向配置されるように連結する連結部(図示せず)とによって構成されたコの字形状のセンサである。また、フォトセンサ98は、発光素子取付部と受光素子取付部と連結部とによって検出溝(図示せず)を形成している。
パチンコ機10では、フォトセンサ98の検出結果(受光素子において光を受光したか否か)を枠統括制御装置111へ出力する。これにより、枠統括制御装置111は、フォトセンサ98の検出結果に基づいて、扉枠14の開閉状態を把握することができる。
次に、図7および図8を参照して、第3図柄表示装置81の画面構成について説明する。図7は、上述した通り、第3図柄表示装置81の画面構成を説明するための図であり、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とが、あわせて模式的に示してある。図8(a)〜(j)は、第3図柄表示装置81の主に変動表示領域Dmに表示される第3図柄を示した図である。
図8に示す通り、各第3図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の海洋生物を模した主図柄(図8(a)〜(i)参照)と、数字が付されず貝形状を模した副図柄(図8(j)参照)とにより構成されている。各主図柄は、海洋生物を模したキャラクタ図柄の左上部に「1」〜「9」の数字をそれぞれ付して構成されている。
具体的には、「1」の主図柄は、タコを模した海洋生物の右側上部に「1」の数字が付されて形成されている(図8(a)参照)。また、「2」の主図柄は、ハリセンボンの親子を模した海洋生物の右側上部に「2」の数字が付されて形成されている(図8(b)参照)。また、「3」の主図柄は、カメを模した海洋生物の右側上部に「3」の数字が付されて形成されている(図8(c)参照)。また、「4」の主図柄は、サメを模した海洋生物の右側上部に「4」の数字が付されて形成されている(図8(d)参照)。また、「5」の主図柄は、エビを模した海洋生物の右側上部に「5」の数字が付されて形成されている(図8(e)参照)。また、「6」の主図柄は、アンコウを模した海洋生物の右側上部に「6」の数字が付されて形成されている(図8(f)参照)。また、「7」の主図柄は、ジュゴンの親子を模した海洋生物の右側上部に「7」の数字が付されて形成されている(図8(g)参照)。また、「8」の主図柄は、エンゼルフィッシュの親子を模した海洋生物の右側上部に「8」の数字が付されて形成されている(図8(g)参照)。また、「9」の主図柄は、カニを模した海洋生物の右側上部に「9」の数字が付されて形成されている(図8(i)参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、上述した通り、奇数番号(「1」、「3」、「5」、「7」及び「9」)を付した主図柄は高確率図柄であり、変動表示において該高確率図柄が確定表示したことに基づいて大当たり状態となった場合に、該大当たり終了後に「高確率状態」に移行するように設定されている。一方、偶数番号(「2」、「4」、「6」及び「8」)を付した主図柄は低確率図柄であり、変動表示において該低確率図柄が確定表示したことに基づいて大当たり状態となった場合に、該大当たり終了後に所謂、「時間短縮状態」へ移行するように設定されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、その大当たりした第3図柄の種類に応じていずれかのラッキー期間が付与されるように構成されている。具体的には、「7」の「ジュゴン図柄」で大当たりが発生した場合には「無制限」状態のラッキー期間に突入し、「3」の「カメ図柄」又は「5」の「エビ図柄」で大当たりが発生した場合は「ラッキー」状態のラッキー期間に突入し、上記した第3図柄以外、即ち、「1」の「タコ図柄」、「2」の「ハリセンボン図柄」、「4」の「サメ図柄」、「6」の「アンコウ図柄」、「8」の「エンゼルフィッシュ図柄」又は「9」の「カニ図柄」での大当たりが発生した場合には「スタート」状態のラッキー期間に突入するように構成されている。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110において大当たりの図柄種別を決定しておらず、後述する音声ランプ制御装置113において大当たり図柄の種別を決定するように構成されている。このように構成することで、主制御装置110では、大当たりを発生させるか否かの抽選を行い、音声ランプ制御装置113では、大当たりの図柄種別を決定することでいずれのラッキー期間を付与するか否かの抽選を行うことができる。従って、主制御装置110でラッキー期間に関する抽選を行わなくて済むため、その分、主制御装置110の制御負担を軽減させることができる。また、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで付与する遊技価値が異なる抽選を行うことができるので、従来にはない多様な遊技性を実現することができる。
図7に戻って説明を続ける。第3図柄表示装置81の表示画面は、大きく2つの領域に分割されている。1つは、変動表示領域Dmであり、もう1つは、保留表示領域Dhである。
変動表示領域Dmは、第3図柄が可変表示される変動表示が表示される領域である。変動表示領域Dmは、上・中・下の3つの図柄列Z1〜Z3を有し、各図柄列Z1〜Z3には図8(a)〜(j)で示す演出用の第3図柄が既定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順又は降順に第3図柄が配列され、該第3図柄は各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって表示画面の左側から右側へとスクロールして変動表示される。
上図柄列Z1には、第3図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、第3図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。具体的には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順(第3図柄の変動方向に対して降順)に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順(第3図柄の変動方向に対して昇順)に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。つまり、上図柄列Z1及び下図柄列Z3は、それぞれ18個の第3図柄により構成されている。
これに対し、中図柄列Z2には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順(第3図柄の変動方向に対して昇順)に配列された上で、「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて計20個の第3図柄により構成されている。
また、変動表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に左・中・右の3箇所に第3図柄が表示される。従って、変動表示領域Dmには、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。第1実施形態のパチンコ機10では、同一の第3図柄が一直線に3つ並んだ場合(又は、所定図柄の組み合わせ(例えば、「3」、「4」及び「1」)が並んだ場合)に大当たりが発生するように構成されており、また、上・中・下の各図柄列Z1〜Z3には、同一の第3図柄が3つ連続する配列にはなっていないため、変動表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4及び左下がりラインL5が設定されている。
第3図柄の変動表示は、変動表示領域Dmにおいて、始動入賞口4へ入賞を契機として各図柄列Z1〜Z3の各第3図柄が周期性をもって表示画面の左側から右側にスクロールするように開始される。その後、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り替えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて抽選結果の結果に対応した第3図柄が停止表示(静止表示)されて1の変動表示が終了するように構成されている。
上記複数の図柄列Z1〜Z3のうち、一部の図柄列(第1実施形態では、上図柄列Z1と下図柄列Z3)について図柄を待機表示させる際に、いずれかの有効ラインL1〜L5上で同一の主図柄が停止された場合は、所謂、リーチ表示となり、このリーチ表示では、残りの図柄列(第1実施形態では、中図柄列Z2)の主図柄は、通常のハズレ変動表示より長く変動するように構成されている。
そして、リーチ表示から各有効ラインL1〜L5上のいずれかに所定の主図柄の組み合わせ(例えば、3つの同一の主図柄)が停止表示された場合に、大当たり状態へ移行するように構成されている。大当たり状態へ移行した場合は、第3図柄表示装置81にて当たり動画が表示されるように設定されている。
また、変動表示領域Dmでは、第3図柄の背面側にキャラクタや文字情報等を表示して、実行中の変動表示の途中に予告演出を表示する機能を有している。予告演出とは、現在行われている変動表示の演出において大当たりとなる期待度を示唆する演出であり、予告演出で表示される画像の内容によって、その大当たりとなる期待度が遊技者に分かるようになっている。遊技者は、変動表示の演出中に表示される予告演出を見ることによって、大当たりとなる期待感を高めることができる。
パチンコ機10では、変動時間の短い変動表示から変動時間の長い変動表示まで用意されており、予告演出は、変動表示の変動時間が長いもの、例えば、リーチ表示ほど多く実行されるように構成されている。それは、変動表示の変動時間が長いと、停止表示されるまで遊技者が退屈してしまうおそれがあり、予告演出を数多く実行することで、予告演出が表示される度に、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。よって、遊技者に対して、遊技への興趣を高めることができ、遊技を継続して行わせることができる。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における第3図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数等は適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される第3図柄の絵柄は図8(a)〜(j)に示すものに限定されることはなく、例えば、絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
変動表示領域Dmの表示領域内の右下部分には、第3図柄の変動表示の保留個数を表示する変動領域保留表示エリアDmhが設けられている。変動領域保留表示エリアDmhは、第3図柄の変動表示の保留個数を数字で表示し、遊技者に対し一義的に保留個数を認識可能に構成されている。この変動領域保留表示エリアDmhの値は、後述する保留球数カウンタ203c(図10参照)の値と1対1で対応しており、保留球数カウンタ203cが示す値が表示される。
また、この変動領域保留表示エリアDmhは、変動表示の実行中は、いずれの表示態様であっても消去されることなく表示し続けるように構成されている。一方、変動表示以外の表示態様、例えば、デモ表示中や大当たり表示中のように変動表示が実行されていない状態では、消去されるように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、ラッキー期間の終了間際に後述するシャッター役物228によって第3図柄表示装置81が覆われてしまう場合があるが、その場合でもシャッター役物228の扉部材の隅部に切欠き部228aを設け、該切欠き部228aから変動領域保留表示エリアDmhが視認可能に構成されている。このように構成することで、第3図柄表示装置81が視認困難な状況になったとしても、変動領域保留表示エリアDmhを視認可能にし、遊技者に変動表示の保留個数を認識させることができるので、例えば、保留個数が最大保留個数になっているか否かを遊技者に認識させて、遊技者の意思に応じた遊技(例えば、止め打ち)を促して、遊技者の所有する遊技価値の毀損を防止することができる。
保留表示領域Dhは、変動表示領域Dmと区別されるように横長に設けられており、正面視左隅に実行保留表示エリアDh0と、該実行保留表示エリアDh0の右側に第1〜第4保留表示エリアDh1〜Dh4と、その他の表示領域とにより構成されている。第1〜第4保留表示エリアDh1〜Dh4には、後述する主保留第1〜第4エリア(図示せず)に記憶される記憶内容と関連付けた表示がなされるように構成されている。
この保留表示領域Dhは、所謂、保留コクピットと呼ばれ、保留図柄以外に、変動表示領域Dmで行われる変動表示に関する予告演出を実行したり、変動表示とは直接的には関連しないサブゲームを実行したり、或いは、遊技状態の報知等を行うことが可能に構成されている。
この保留コクピット(保留表示領域Dh)は、変動表示のリーチ表示時に、実行保留表示エリアDh0を残し、第1〜第4保留表示エリアDh1〜Dh4の表示とその他の表示領域とが消去されるように構成されている。従って、リーチ表示時は、変動表示領域Dmの表示領域が拡大し、遊技者が注視しているリーチ表示を拡大させて表示させることで、第3図柄表示装置81の表示画面全体を使った迫力ある演出を行うことが可能となる。
また、リーチ表示時に実行保留表示エリアDh0に表示されている保留図柄のみを残して表示することで、例えば、実行保留表示エリアDh0の保留図柄が先読み予告等でチャンスアップ表示に変化していた際、その内容をリーチ表示時においても継続的に遊技者に示唆できるので、実行中の変動表示に関する予告演出の一部である実行保留表示エリアDh0の内容を消去して遊技内容が不明確になることを未然に防止することができる。なお、チャンスアップ表示とは、大当たりに当選した場合に選択され易い演出であって、外れの場合には選択され難い保留先読み演出であり、例えば、保留図柄が青、緑、赤又はレインボー(例えば、大当たり期待度は青→緑→赤→レインボーの順に高い)のいずれかに変化する演出のことである。
尚、保留表示領域Dhにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置87により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は扉枠14等に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図9を参照して、パチンコ機10の張出部16の正面視中央部に設けられた状況表示装置85について説明する。図9は、状況表示装置85の表示画面を説明するための図である。状況表示装置85の表示画面は、大きく3つの領域に分割されている。1つは、メニュー表示領域85aであり、1つは、ラッキーナンバー表示領域85bであり、もう1つは、価値情報表示領域85cである。なお、この状況表示装置85は、タッチパネルで構成されており、状況表示装置85に表示された各種アイコンを遊技者が指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
メニュー表示領域85aは、状況表示装置85の他の表示領域85b、85cの表示内容を設定するためのアイコンを表示する領域である。このメニュー表示領域85aには、複数のアイコンが表示され、第1実施形態では、「ホーム」アイコンと、「ワゴンサービス」アイコンと、「お知らせ」アイコンと、「ヘルプ」アイコンとが表示される。
「ホーム」アイコンは、状況表示装置85の基本的な表示状態を表示させるためのボタンアイコンである。この「ホーム」アイコンが遊技者により操作された場合には、図9で示すように、ラッキーナンバー表示領域85bと価値情報表示領域85cとが表示されるように設定されている。「ホーム」アイコンの操作に基づくホーム画面の詳細については後述する。
「ワゴンサービス」アイコンは、遊技者が所持する玉データに基づいて、遊技場が予め設定している各種サービスを受けるためのボタンアイコンである。この「ワゴンサービス」アイコンが遊技者により操作された場合には、選択した飲食物(例えば、コーヒー)等に対応する価値分の遊技者所有の玉データを引き落として、該飲食物の注文が行えるワゴンサービスを受けることができるように構成されている。第1実施形態のパチンコ機10では、共有可能玉又はラッキー玉からワゴンサービスで注文した飲食物分の玉データが引き落とされるように構成され、遊技使用不可玉でのワゴンサービスは受けられないように設定されている。遊技使用不可玉は、遊技場の窓口でのみ景品交換可能に構成されているため、遊技中におけるサービスであるワゴンサービスでも使用不能に構成されている。なお、遊技使用不可玉についてのワゴンサービスでの使用可否を遊技場が設定できるように構成してもよい。
「お知らせ」アイコンは、遊技場からの店内情報や広告、その他の情報(例えば、ニュースや天気予報等)を表示させるためのボタンアイコンである。この「お知らせ」アイコンが遊技者により操作された場合には、遊技場が行っている各種サービスの情報等が表示され、「ヘルプ」アイコンが遊技者により操作された場合には、パチンコ機10やカードサンド装置70の使用ガイダンス等が表示されるように構成されている。
ラッキーナンバー表示領域85bは、ラッキー期間を獲得できる条件を表示する表示領域であって、第1実施形態のパチンコ機10では、ラッキーナンバー表示領域85bの上から順に「無制限」状態と「ラッキー」状態と「スタート」状態とを獲得できる開始条件と、獲得したラッキー期間が終わる終了条件とをそれぞれ表示している。
例えば、「無制限」状態の開始条件は、「初回:7図柄(ジュゴン)」と表示され、終了条件は表示されていない。即ち、「無制限」状態は、「通常遊技状態」中に「7図柄(ジュゴン)」での大当たりを引いた場合は、返却ボタン75が操作されたりパチンコ機10の電源が切られない限り継続することを示している。なお、開始条件に表示されている「初回」とは、「高確率状態」又は「時間短縮状態」でない「通常遊技状態」中において、という意味である。従って、仮に、「高確率状態」中や「時間短縮状態」中に「7図柄(ジュゴン)」の大当たりを引いた場合は、既に他のラッキー期間(「ラッキー」状態又は「スタート」状態)が開始されている状態であるので、「初回」の「7図柄(ジュゴン)」での大当たりではないため、「無制限」状態にはならないことを示唆している。なお、「ラッキー」状態中であっても「通常遊技状態」、即ち、「高確率状態」でも「時間短縮状態」でもない遊技状態に移行する場合があり、その際に「7図柄(ジュゴン)」での大当たりを引いた場合は「無制限」状態に移行するように構成されている。
「ラッキー」状態の開始条件は、「初回:3図柄(カメ)or5図柄(エビ)」と表示されている。一方、終了条件は、「初回:4図柄(サメ)」と表示されている。即ち、「ラッキー」状態は、「通常遊技状態」中に「3図柄(カメ)」での大当たりか「5図柄(エビ)」での大当たりを引いた場合に開始され、その後の遊技において、「通常遊技状態」中に「4図柄(サメ)」での大当たりを引いた場合に終了することを示している。
なお、「無制限」状態であっても、「通常遊技状態」、即ち、「高確率状態」でも「時間短縮状態」でもない遊技状態に移行する場合があり、その際に「3図柄(カメ)」又は「5図柄(エビ)」での大当たりを引いた場合は、「ラッキー」状態には移行せずに「無制限」状態が維持されるように構成されている。「無制限」状態は、「ラッキー」状態より遊技者にとって遊技価値が高いラッキー期間であるため、終了条件がない「無制限」状態が、「ラッキー」状態の開始条件によって成り下がらない(終了しない)ように構成されている。「無制限」状態中に「スタート」状態に対応する大当たりを引いた場合も同様である。
「スタート」状態の開始条件は、「初回:1図柄(タコ)or2図柄(ハリセンボン)or4図柄(サメ)or6図柄(アンコウ)or8図柄(エンゼルフィッシュ)or9図柄(カニ)」と表示されている。一方、終了条件は、「時短終了」と表示されている。即ち、「スタート」状態は、「通常遊技状態」中に「3図柄(カニ)」、「5図柄(エビ)」又は「7図柄(ジュゴン)」以外の大当たりを引いた場合に開始され、その後の遊技において「時間短縮状態」が終了した場合に終了することを示している。なお、上述した「無制限」状態又は「ラッキー」状態であっても「通常遊技状態」、即ち、「高確率状態」でも「時間短縮状態」でもない状態に移行する場合であり、その際に「スタート」状態の開始条件である図柄の大当たりを引いた場合は、「スタート」状態に移行せず、「無制限」状態又は「ラッキー」状態が維持されるように構成されている。「無制限」状態や「ラッキー」状態は、「スタート」状態より遊技者にとって遊技価値が高いラッキー期間であるため、「無制限」状態又は「ラッキー」状態が、「スタート」状態の開始条件によって成り下がらない(終了しない)ように構成されている。
なお、第1実施形態では、ラッキー期間の開始条件や終了条件を文字により表示していたが、これに代えて、図柄のキャラクタを表示することで開始条件や終了条件を表示するように構成してもよい。図柄のキャラクタで表示することにより、文字で示唆する場合より遊技者に訴求効果が高い場合があるので、ラッキー期間の開始条件及び終了条件を遊技者に認識させ易くすることができる。
第1実施形態のパチンコ機10では、電源投入時においてラッキーナンバー表示領域85bの内容が設定されるように構成されている。具体的には、後述する条件メモリ213nの値に基づいて、「無制限」状態および「ラッキー」状態の開始条件および終了条件が設定されて表示される。なお、第1実施形態では、「スタート」状態の開始条件は、「無制限」状態又は「ラッキー」状態に対応する大当たり以外の大当たりと予め設定されている。また、「スタート」状態の終了条件は、該「スタート」状態時の「時間短縮状態」の終了と予め設定されている。これら「スタート」状態の開始条件及び終了条件は、電源投入時にもれなく設定されて表示される。
価値情報表示領域85cは、カードサンド装置70の状態と現時点で挿入されている会員カード300の状態とが表示されるように構成されている。図9では、カードサンド装置70に会員カード300が挿入された状態を示しており、その会員カード300は、カード残高が「5000」円で、他のパチンコ機でも使用可能な共有可能玉が「250」玉、現在遊技中のパチンコ機10でのみ使用可能なラッキー玉が「3,500」玉、いずれのパチンコ機でも使用不可能で遊技場の窓口でのみ景品と交換が可能な遊技使用不可玉が「5,000」玉、であることが示されている。
また、価値情報表示領域85cの上部には、カードサンド装置70の状態が表示されるように構成されている。具体的には、価値情報表示領域85cの左上部に、遊技者が紙幣をカードサンド装置70の紙幣投入口71へ投入して会員カード300のカード残高を増やすことができる状態であることを示す「入金可」という表示がされている。この「入金可」表示は、カードサンド装置70の状態を表示するように構成されており、例えば、カードサンド装置70に異常が生じている場合には、「入金不可」の表示に切り替わるように構成されている。
「入金可」表示の右側の表示領域には、カードサンド装置70の状態として、カード残高から共有可能玉を貸し出す際の「貸出金額(貸出単位金額)」が「500円」であり、「1玉」の球が「4円」の貸出レートで貸し出されることを示す貸出レートが表示されている。従って、遊技者がカードサンド装置70の球貸ボタン74を操作した場合、会員カード300の後述する現金対応メモリ300bから500円分の現金データが減算される一方、パチンコ機10の後述する通常時球カウンタ213cに125玉分の玉データが加算されるように構成されている。なお、この貸出レートの表示は、カードサンド装置70において貸出レートが変更された場合には、その変更内容に対応した表示に切り替わるように構成されている。
貸出レートの表示の右側の表示領域には、会員カード300が挿入されていることを示すカード種別表示が表示されている。このカード種別表示は、会員カード300が挿入されているのか、ゲストカードが挿入されているを表示可能に構成されている。第1実施形態では、会員カード300が挿入されているため、「会員カード」という表示となっており、仮にゲストカードが挿入されている場合は「ゲストカード」と表示されるように構成されている。なお、第1実施形態では、遊技者により会員カード300又はゲストカードがカードサンド装置70に挿入されていない場合は、カード種別表示が表示されないように構成されており、このカード種別表示が表示されていない状態では、遊技を行うこともできないように構成されている。
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85bによってラッキー期間を獲得できる条件を遊技者に認識させることができるので、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用した際に遊技者に無用な混乱を与えることなく遊技を行わせることができる。
また、状況表示装置85において、ラッキー期間の獲得条件と、そのラッキー期間中に獲得したラッキー玉や遊技使用不可玉とを同時に表示することで、ラッキーナンバー制の遊技性を一義的に遊技者に認識させることができる。
さらに、ラッキー期間の獲得条件等を表示する状況表示装置85を内枠12(第1実施形態では張出部16)に配設したことにより、パチンコ機の入れ替え時にも状況表示装置85をそのまま使用することができ、入れ替え対象の遊技盤13にラッキー期間報知用の部品を設置した場合に比べて遊技盤13全体のコストを削減することができる。
次に、図10を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、枠統括制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選、入賞に伴う賞球の決定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データが格納されている。例えば、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c及び外れ用変動パターンテーブル202dがROM202に格納される。また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
大当たり抽選や第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1(図14参照)と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2(図14参照)と、停止パターン選択カウンタC3(図14参照)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1(図14参照)と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1(図19参照)とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4(図14参照)が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2(図14参照)が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に「1」が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図19参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図19参照)の中でも不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203aに適宜格納される。カウンタ用バッファ203aは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファ203aに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203bが設けられている。保留エリアは、始動入賞口4への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファ203aから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、始動入賞口4への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファ203aの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファ203aから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、第1実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリア203bに保留された各カウンタの値に基づいて変動表示が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図19参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203aに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が始動入賞口4に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203bに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、保留球格納エリア203b(保留球格納エリア203bの実行エリア)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。
大当たり乱数テーブル202aは、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)を示したものである。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が「高確率状態」(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」と「高確率状態」とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、「0〜899」の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。一方、「高確率状態」で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
MPU201は、大当たりの判定を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブル202aから読み出す。そして、MPU201は、大当たりの判定に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブル202aから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は「0〜899」の範囲で更新されるので、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が「高確率状態」の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、「高確率状態」の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、第1実施形態では、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値と、「高確率状態」で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が「高確率状態」か「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動入賞口4に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動表示の演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動表示の演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「高確率状態」へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に100変動回数の間は「時間短縮状態」となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「高確率状態」へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。具体的には、「15R確変大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、「15R通常大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、「2R確変大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、第1実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で「15R確変大当たり」が選択され、40%の確率で「15R通常大当たり」が選択され、20%の確率で「2R確変大当たり」が選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。第1実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。第1実施形態において選択される停止種別としては、リーチ表示が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ表示が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ表示が発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動入賞口4に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動表示の演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
第1実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が「高確率状態」であるか「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、「高確率状態」では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ表示の演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が「0〜89」と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が「98,99」、「前後外れ以外リーチ」が「90〜97」と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であれば、始動入賞口4への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が「0〜79」と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が「80〜97」と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、始動入賞口4への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は「98,99」に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば「0〜198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「198」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図14参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図19参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、変動開始時に、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、変動表示で実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。つまり、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、枠統括制御装置111を介して主制御装置110の変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部32〜36)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、第1実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動表示の演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
さて、第1実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が「時間短縮状態」または「高確率状態」であるか、もしくは、「時間短縮状態」ではない「通常遊技状態」かに応じて、外れ(確変)変動パターンテーブル202d2および外れ(通常)変動パターンテーブル202d1が用意されている。
大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」である場合に参照される15R大当たり共通と、「2R確変大当たり」である場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動パターンテーブル202cから決定される。
15R大当たり共通には、変動パターンとして、変動時間が「30秒」の変動Aと、変動時間が「60秒」の変動Bとがある。これら変動A,Bと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが「0〜39」、変動Bが「40〜198」となっている。
変動パターンとして変動A(30秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、「ノーマルリーチ」の態様で変動表示の演出が行われる。変動パターンとして変動B(60秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、「スーパーリーチ」の態様で変動表示の演出が行われる。
「ノールリーチ」は、変動時間が短いリーチ表示であり、その短いリーチ表示の後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。また、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」より長い変動時間のリーチ表示後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、「ロングリーチ」や「ノーマルリーチ」から発展する「スペシャルリーチ」など)変動パターンである。15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」の場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、「スーパーリーチ」が選択され易くなっている。ただし、「ノーマルリーチ」も選択されるように構成することで、どのリーチ表示からでも大当たりを期待できる遊技性を提供できるようになっている。
なお、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により実行される「ノーマルリーチ」や「スーパーリーチ」は、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチ表示に加え、いずれかの有効ラインL1〜L5上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ表示となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタや文字情報を1回又は複数回表示して、予告演出を行うリーチ表示が用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチ表示や、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ表示、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチ表示など、演出内容が異なる複数のリーチ表示が用意されている。これにより、多彩な変動表示の演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。
次いで、2R確変大当たり専用で選択される変動パターンは、変動時間が「31秒」の2R変動のみで、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは「0〜198」となっている。即ち、大当たり種別が「2R確変大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値に関係なく、2R変動(31秒)が変動パターンとして決定される。
変動パターンとして、2R変動(31秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動表示の演出が行われる。2R確変大当たり専用の変動態様としては、例えば、「ニワトリ」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様や、通常では出現しない「女の子」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様などが含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、変動時間を±数秒程度で微調整するための他の変動種別カウンタを設けてもよいし、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動表示の演出中に付加するか否かを、他の変動種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として「完全外れ」が決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」が決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。変動開始時に、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が「時間短縮状態」ではない「通常遊技状態」にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンから決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、「7秒」と短時間で変動が終了してリーチ表示も成立しない変動Dと、「10秒」と変動Dより長い変動時間となるがリーチ表示が成立しない変動Eとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が「0〜149」、変動E(10秒)が「150〜198」となっている。また、リーチ共通には、変動パターンとして、上述した変動A(30秒)および変動B(60秒)があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が「0〜197」、変動B(60秒)が「198」となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として「完全外れ」が決定された場合に参照される完全外れ専用と、外れ時の停止種別として「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」が決定された場合に参照されるリーチ共通とに区分けされている。そして、区分けされた各グループ毎に、それぞれのグループで選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応づけられている。なお、完全外れ専用が参照される場合に選択される変動パターンは、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動D(7秒)および変動E(10秒)である。また、リーチ共通が参照される場合に選択される変動パターンも、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動A(30秒)及び変動B(60秒)である。
実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が「時間短縮状態」または「高確率状態」にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2において、完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が「0〜190」、変動E(10秒)が「191〜198」となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が「0〜197」、変動Bが「198」となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が「時間短縮状態」または「高確率状態」にあるときに参照されるテーブルであるので、始動入賞口4に球が入球し易い状態となる。よって、「時間短縮状態」または「高確率状態」にあるときに、変動時間の比較的長い変動Eが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、完全外れの場合において、遊技状態が「時間短縮状態」又は「高確率状態」にあるときは、遊技状態が「通常遊技状態」にあるときよりも、変動Eより変動時間の短い変動Dが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、各外れ用の変動パターンテーブルで、変動D及び変動Eを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば「0〜250」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「250」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、第1実施形態ではタイマ割込処理(図14参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149個あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、始動入賞口4が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜250」)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図19参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
保留球数カウンタ203cは、始動入賞口4への球の入賞に基づいて第1図柄表示装置87(第3図柄表示装置81)で行われる変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203cは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(図12のS1013にて設定される値))が「0」に設定されており、始動入賞口4へ球が入球(入賞)されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで「1」ずつ加算される(図18のS1604参照)。一方、保留球数カウンタ203cの値は、始動入賞口4への入賞に基づく変動表示が実行される毎に、「1」ずつ減算される(図15のS1305参照)。
始動入賞口4への入賞があった場合、保留球数カウンタ203cの値が「4」未満であれば、そのときの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203aより取得して、保留球格納エリア203bに格納する。一方、保留球数カウンタ203cの値が「4」であれば、既に4つの保留球が保留されていることを意味するので、その始動入賞は無視される。
また、この保留球数カウンタ203cの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって枠統括制御装置111に通知される(図18のS1607参照)。保留球数コマンドは、始動入賞口4への入賞に基づいて保留球数カウンタ203cの値が「1」加算される毎に、主制御装置110から枠統括制御装置111に対して送信されるコマンドである。なお、枠統括制御装置111は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合、下流側の制御装置である音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドに対応した表示保留球数コマンドを送信するように構成されている(図25のS2313参照)。
時短回数カウンタ203dは、主制御装置110において「時間短縮状態」における変動回数を計数し、該「時間短縮状態」の終了を把握するためのカウンタである。この時短回数カウンタ203dは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(図12のS1013にて設定される値))が「0」に設定されており、低確率図柄での大当たり終了後に「100」が設定され、その後に行われる第3図柄の変動表示において外れが確定表示される毎に「1」減算される。そして、時短回数カウンタ203dの値が「0」となった場合に、遊技状態を「時間短縮状態」から「通常遊技状態」へ戻すように構成されている。なお、「時間短縮状態」中に再び低確率図柄での大当たりが発生した場合は、該大当たり後に時短回数カウンタ203dに再び「100」を設定することで「時間短縮状態」が継続される変動表示の回数を再び100回に戻すことができる。また、「時間短縮状態」中に高確率図柄(奇数番号を付した主図柄)での大当たりとなれば、時短回数カウンタ203dの値は「0」に設定される。なお、この場合、遊技状態は「高確率状態」となり、次の大当たりが成立するまで、「高確率状態」が維持される。
この時短回数カウンタ203dの値(即ち、残り時短回数)が更新される毎に、時短減算コマンドが枠統括制御装置111に出力され(図15のS1316参照)、該時短減算コマンドにより枠統括制御装置111で個別管理される後述する枠側時短回数カウンタ213kの値が更新される。この時短減算コマンドは、第3図柄表示装置81での第3図柄の変動表示の確定に基づく時短回数カウンタ203dの値が「1」減算される毎に、主制御装置110から枠統括制御装置111に対して送信されるコマンドである。なお、枠統括制御装置111は、主制御装置110から時短減算コマンドを受信した場合、枠統括制御装置111で管理する枠側時短回数カウンタ213kの値を「1」減算すると共に(図24のS2214参照)、下流側の制御装置である音声ランプ制御装置113へ時短減算コマンドに対応した表示時短減算コマンドを送信するように構成されている(図24のS2215参照)。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図10に戻り、説明を続ける。RAM203は、各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203a、保留球格納エリア203b、保留球数カウンタ203c及び時短回数カウンタ203dのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図19参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図12参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図13参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、枠統括制御装置111、第1図柄表示装置87、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口5aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド(図示せず)や電動役物を駆動するためのソレノイド(図示せず)などが接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46といった各種入賞スイッチや、図示しないスイッチ群およびセンサ群などからなる各種スイッチ、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
例えば、主制御装置110は、一般入賞スイッチ44の検出結果に基づいて、一般入賞口3における球の入賞の有無を検出し、一般入賞口3における球の入賞を検出すると、主制御装置110は5球の賞球を決定し、所持球が5球増加することを通知する賞球加算コマンドを枠統括制御装置111に対して送信する。また、主制御装置110は、始動入賞スイッチ45に基づいて、始動入賞口4における球の入賞の有無を検出し、始動入賞口4における球の入賞を検出すると、大当たりの抽選を行い、その抽選結果に基づいて第1図柄表示装置87や第3図柄表示装置81における変動表示の演出が開始(始動)される。また、5球の賞球を決定し、所持球が5球増加することを通知する賞球加算コマンドを枠統括制御装置111に対して送信する。また、主制御装置110は、特定入賞スイッチ46の検出結果に基づいて、特定入賞口5aにおける球の入賞の有無を検出し、特定入賞口5aにおける球の入賞を検出すると、主制御装置110は15球の賞球を決定し、所持球が15球増加することを通知する賞球加算コマンドを枠統括制御装置111に対して送信する。
枠統括制御装置111、カードサンド装置70及び会員カード300の詳細については図11を参照して後述する。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部32〜36、表示ランプ31など)227における点灯および消灯の出力、第3図柄表示装置81の表示画面を覆うことが可能なシャッター役物228の駆動制御、主制御装置110から送信されて枠統括制御装置111を介して受信した変動パターンコマンドにより示される変動時間に基づいて、その変動時間で実行すべき変動表示の変動態様の設定、等といった制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
ROM222には、主制御装置110から送信された変動パターンコマンドが枠統括制御装置111により受信され、枠統括制御装置111から該変動パターンコマンドに対応した表示変動パターンコマンドにより示される各種変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ1以上の詳細な変動パターンが対応付けられて記憶されている。例えば、変動時間が「30秒」の変動Aに対して、「30秒」の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常の「ノーマルリーチ」と、所定のキャラクタが変動中に表示される「ノーマルリーチ」とが、対応付けられている。また、変動時間が「60秒」の変動Bに対して、「60秒」の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数の「スーパーリーチ」が対応付けられている。この「スーパーリーチ」の中には、1の変動表示の演出中に予告演出を「ノーマルリーチ」の場合よりも多く行う変動パターンが含まれる。
MPU221では、枠統括制御装置111から表示変動パターンコマンドを受信すると、その表示変動パターンコマンドで示される変動パターン(変動時間)に対して対応付けられた1以上の詳細な変動パターンの中から、1つの詳細な変動パターンを決定する。例えば、表示変動パターンコマンドによって示される変動パターンが変動A(変動時間30秒)の場合、「30秒」の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常の「ノーマルリーチ」と、所定のキャラクタが変動中に表示される「ノーマルリーチ」との中から1つ詳細な変動パターンを決定する。そして、決定した詳細な変動パターンに対して予め定められたパターンに従って、ランプ表示装置227の点灯および消灯を制御し、また、音声出力装置226からの音声出力を制御する。
また、MPU221は、詳細な変動パターンを決定すると、その決定した詳細な変動パターンの種別を表示制御装置114に対して通知する第3図柄用の表示変動パターンコマンドを生成して、その生成した第3図柄用の表示変動パターンコマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114は、この第3図柄用の表示変動パターンコマンドによって示される詳細な変動パターンに対し予め定められたパターンに従って、第3図柄表示装置81に対し変動演出を表示する制御を実行する。例えば、MPU221が、詳細な変動パターンの種別として、「30秒」の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常の「ノーマルリーチ」を示す第3図柄用の表示変動パターンコマンドを表示制御装置114に対して送信した場合、表示制御装置114は、「30秒」の間キャラクタを表示させない通常の「ノーマルリーチ」の態様で、変動表示の演出を第3図柄表示装置81に表示させる。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、枠統括制御装置111、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、シャッター役物228などがそれぞれ接続されている。
シャッター役物228は、上述した通り、ラッキー期間の1つである「スタート」状態中に駆動制御されるものであり、「スタート」状態の経過状況を示すように構成されている。このシャッター役物228の駆動態様の詳細については後述する。
第1実施形態の音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から枠統括制御装置111を介して、第3図柄の変動表示の変動パターンに関するコマンドと、該変動表示における第3図柄の停止結果に関するコマンドとを受信し、これら受信したコマンドに基づいて変動表示の変動パターン及び第3図柄の停止結果を決定している。そして、音声ランプ制御装置113は、変動表示が大当たりする場合に、該変動表示の大当たり図柄の内容を枠統括制御装置111へ送信するように構成されている。第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄の変動表示における大当たり図柄に基づいていずれかのラッキー期間が付与可能に構成されているので、大当たりを付与するか否かの抽選と、ラッキー期間を付与するか否かの抽選とを異なる制御装置で実行するように構成され、1の制御装置ごとの制御負担を分散して各制御装置の処理負担を軽減させることができる。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81の画面表示を制御する装置であり、第3図柄の変動表示(変動演出)や大当たり演出といった種々の画面表示を、音声ランプ制御装置113(主制御装置110及び枠統括制御装置111)から送信されるコマンドに従って制御するものである。
表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81と、状況表示装置85とが接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力された第3図柄用の表示変動パターンコマンドやその他の各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。また、表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力された状況表示装置85用の所持球コマンドや条件コマンド、各種残回数コマンドに基づいて、状況表示装置85の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。
ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータ(キャラクタ情報)を圧縮された型式で記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示させる画像を生成するためにキャラクタROM235から読み出された複数のキャラクタ情報を解凍した型式で記憶する領域(図示せず)と、その解凍した複数のキャラクタ情報の少なくとも一部を用いて生成した1フレーム分の表示データを、その表示がなされるまで一時的に記憶するフレームバッファ領域(図示せず)とを有するメモリである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234のフレームバッファ領域に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
なお、第1実施形態において、状況表示装置85の表示制御に関するキャラクタROMやビデオRAM、画像コントローラ等は特に図示していないが、状況表示装置85の表示制御に関し、第3図柄表示装置81用のキャラクタROM235等を活用して状況表示装置85の表示内容を制御するように構成してもよいし、第3図柄表示装置81用のキャラクタROM235等とは別に状況表示装置85用のキャラクタROM等をもう1セット配置し、状況表示装置85の表示内容を制御するように構成してもよい。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図5参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び枠統括制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び枠統括制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び枠統括制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び枠統括制御装置111は、NMI割込処理(図13参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図5参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、枠統括制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための初期化コマンドを枠統括制御装置111に対して送信する。
次いで、図11を参照して、パチンコ機10を構成する枠統括制御装置111および発射制御装置112の詳細について説明し、更に、パチンコ機10に対して1対1に設けられるカードサンド装置70と、該カードサンド装置70に挿入される会員カード300との電気的構成について説明する。図11は、主に枠統括制御装置111、発射制御装置112、カードサンド装置70及び会員カード300の電気的構成を示すブロック図である。
枠統括制御装置111は、従来のパチンコ機10の払出制御装置に代えて設けられたものである。この枠統括制御装置111は、主に次の4つの機能を果たす。第1に、枠統括制御装置111は、遊技者が遊技に使用できる球の数である所持球の数を計数し、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114を介して状況表示装置85に所持球数を表示する。第2に、枠統括制御装置111は、球をパチンコ機10内で循環して遊技に使用するために供給通路65に貯留された球の数を、循環球数として計数する。枠統括制御装置111は、この循環球数を基に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。第3に、枠統括制御装置111は、発射制御装置112に対して、球の発射を許可し又は停止させる。第4に、枠統括制御装置111は、カードサンド装置70に挿入されている会員カード300に対して遊技者が所有する玉データを記録したり、会員カード300に記録された玉データを読み込んでパチンコ機10で使用できるように制御する。以下、枠統括制御装置111の詳細構成を説明しながら、上記各機能について具体的に説明する。
枠統括制御装置111は、主として演算装置であるMPU211により構成され、MPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、枠統括制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110、発射制御装置112、音声ランプ制御装置113、カードサンド装置70が接続されるほか、ファール球検出スイッチ93、発射球検出スイッチ94といった各種の球検出スイッチや、無制限可動役物95、ラッキー可動役物96、スタート可動役物97、および、電子錠99のソレノイド(図示せず)、ホールコンピュータ263に対して外部信号を出力可能な外部端子板216などが、主としてそれぞれ接続されている。
MPU211のROM212には、条件テーブル212aなどが、主として設けられている。条件テーブル212aは、ラッキー期間の種類に応じた開始条件や終了条件を記憶しているテーブルである。具体的には、条件テーブル212aには、「無制限」状態の開始条件として、「初回」に「7図柄(ジュゴン)」での大当たりが発生した場合、と記憶され、「無制限」状態の終了条件は、無し、と記憶されている。また、「ラッキー」状態の開始条件として、「初回」に「3図柄(カメ)」又は「5図柄(エビ)」での大当たりが発生した場合、と記憶され、「ラッキー」状態の終了条件として、「初回」に「4図柄(サメ)」での大当たりが発生した場合、と記憶されている。なお、第1実施形態において、「スタート」状態の開始条件及び終了条件は、この条件テーブル212aには記憶されていない。第1実施形態では、「初回」に、「7図柄(ジュゴン)」、「3図柄(カメ)」又は「5図柄(エビ)」以外での大当たりが発生した場合、もれなく「スタート」状態が開始されるように構成されている。また、「時間短縮状態」が終了した場合に、「スタート」状態であった場合は、もれなく「スタート」状態が終了するように構成されている。なお、「スタート」状態の開始条件及び終了条件を、上記条件テーブル212aに記憶するように構成してもよい。
この条件テーブル212aのデータは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)の後に読み込まれ、読み込んだ条件テーブル212aの値を後述する無制限条件メモリ213m及びラッキー条件メモリ213nに設定するように構成されている。
MPU211のRAM213には、賞球加算フラグ213a、賞球バッファ213b、通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d、使用不可エリア213e、開放延長フラグ213f、大当たり結果メモリ213g、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i、スタートフラグ213j、枠側時短回数カウンタ213k、無制限条件メモリ213m、ラッキー条件メモリ213nなどが、主として設けられている。
賞球加算フラグ213aは、オンの場合に、主制御装置110より賞球加算コマンドを受信したことを示すフラグである。MPU211は、賞球加算フラグ213aがオンか否かによって、主制御装置110より賞球加算コマンドを受信したか否かを判断し、賞球加算フラグ213aがオンの場合に、賞球加算コマンドで示される賞球数情報を後述する通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれかに加算するために、一旦、賞球バッファ213bに記憶する。
賞球加算フラグ213aは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値としてオフが設定される。そして、1ミリ秒毎に実行される主コマンド判定処理(図24)において、主制御装置110より賞球加算コマンドの受信を検出した場合(図24のS2206:Yesの場合)に、賞球加算フラグ213aをオンに設定し、あわせて、賞球加算コマンドにより示される賞球数情報を抽出してRAM213の賞球バッファ213bに格納する。
そして、貸球賞球数計数処理(図28)において、賞球加算フラグ213aがオンとなっていた場合に、MPU211では主制御装置110より賞球加算コマンドを受信したと判断し、賞球加算フラグ213aをオフに設定し、主コマンド判定処理において後述する賞球バッファ213bに格納した賞球数情報をラッキー期間中か否かに応じて通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれかに加算する。これにより、主制御装置110により受信した賞球加算コマンドによって示される賞球数を、遊技者が遊技に使用できる所持球数に加えることができ、賞球を所持球として使用可能な状態となる。
賞球バッファ213bは、賞球加算コマンドで示された賞球数情報を後述する通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれかに加算するために、該賞球数情報を一旦格納しておくバッファである。この賞球バッファ213bは、複数の賞球数情報を記憶可能なように複数の記憶エリアが設けられおり、賞球加算コマンドを受信する毎に、受信した賞球数情報を、賞球数情報が記憶されていない記憶エリアに書き込むように構成されている。また、この賞球バッファ213bは、該賞球バッファ213bの各記憶エリアに記憶された値を、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれかに加算した場合に、加算した記憶エリアの値ごとに「0」クリアされるように構成されている(図28のS2609参照)。
通常時球カウンタ213cは、遊技者がいずれのパチンコ機でも遊技に使用できる共有可能玉に関する所持球の数を計数するカウンタである。通常時球カウンタ213cは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値として「0」が設定される。即ち、この場合、共有可能玉に関する所持球数として0個が設定される。
そして、通常時球カウンタ213cは、1ミリ秒毎にMPU211によって実行される貸球賞球計数処理(図28参照)によって更新処理が行われ、遊技中、遊技者より球貸ボタン74が操作された場合や、ラッキー期間外(即ち、「無制限」状態、「ラッキー」状態又は「スタート」状態でもない)の「通常遊技状態」中に遊技者に対して賞球が行われたと判断された場合に、その貸球数や賞球数を通常時球カウンタ213cに加算する。具体的には、MPU211は、カードサンド装置70からの貸球信号(球貸ボタン74が操作されたことによりカードサンド装置70において決定した貸球数を枠統括制御装置111に対して通知する信号)を受信した場合に球の貸し出しを行うと判断し、その貸球信号に含まれている貸球数を通常時球カウンタ213cに加算する(図28のS2602参照)。
例えば、カードサンド装置70において、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉4円と設定されている状況において、遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、125玉の玉データがパチンコ機10の通常時球カウンタ213cに加算されると共に、後述する会員カード300の現金対応メモリ300bから500円分の金額データが減算される。また、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉2円と設定されている状況において遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、250玉の玉データがパチンコ機10の通常時球カウンタ213cに加算されると共に、後述する会員カード300の現金対応メモリ300bから500円分の金額データが減算される。さらに、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉1円と設定されている状況において遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、500玉の玉データがパチンコ機10の通常時球カウンタ213cに加算されると共に、後述する会員カード300の現金対応メモリ300bから500円分の金額データが減算される。
また、例えば、カードサンド装置70において、貸出金額単位が100円と設定され、かつ、貸出レートが1玉4円と設定されている状況において、遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、25玉の玉データがパチンコ機10の通常時球カウンタ213cに加算されると共に、後述する会員カード300の現金対応メモリ300bから100円分の金額データが減算される。また、貸出金額単位が100円と設定され、かつ、貸出レートが1玉2円と設定されている状況において遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、50玉の玉データがパチンコ機10の通常時球カウンタ213cに加算されると共に、後述する会員カード300の現金対応メモリ300bから100円分の金額データが減算される。さらに、貸出金額単位が100円と設定され、かつ、貸出レートが1玉1円と設定されている状況において遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、100玉の玉データがパチンコ機10の通常時球カウンタ213cに加算されると共に、後述する会員カード300の現金対応メモリ300bから100円分の金額データが減算される。
また、通常時球カウンタ213cには、ラッキー期間中以外に生じた賞球が加算されるように構成されている。具体的には、MPU211は、ラッキー期間外において主制御装置110より賞球加算コマンドを受信した場合に、ラッキー期間外の賞球を行うと判断し、その賞球加算コマンドで示されて賞球バッファ213bに記憶されている賞球数情報を通常時球カウンタ213cに加算する(図28参照のS2308参照)。
また、通常時球カウンタ213cは、ラッキー期間外において遊技盤13の遊技領域に向けて球が発射されたと判断された場合に「1」減算される。MPU211は、ラッキー期間外に発射レール63の球の発射位置の上方側に設けられた発射球検出スイッチ94がオンされたことを検出すると、遊技盤13の遊技領域に向けて球が発射されたと判断し、通常時球カウンタ213cを「1」減算する(図29のS2705参照)。
なお、ラッキー期間外における発射球検出スイッチ94の検出に基づき通常時球カウンタ213cの値から「1」減算するように構成しているが、ラッキー期間中であっても後述するラッキー中球カウンタ213dの値が「0」になり、遊技者が所持するラッキー玉が無くなる状態が発生し得る(例えば、「ラッキー」状態において、大当たり終了後かつ「時間短縮状態」の終了後であって、変動表示を1000回行っても次の大当たりを引かない場合等)。このような場合では、ラッキー期間中であるにもかかわらず通常時球カウンタ213cの値に基づいて球を発射しているため、ラッキー期間中であっても通常時球カウンタ213cの値から「1」減算する(図29のS2705参照)。
また、通常時球カウンタ213cは、ラッキー期間外において発射された球が遊技盤13の遊技領域まで到達せずにファール球となった場合に「1」加算される。MPU211は、ラッキー期間外にファール球検出スイッチ93がオンされたことを検出すると、遊技盤13の遊技領域まで発射球が到達せずにファール球となったと判断し、通常時球カウンタ213cの値を「1」加算する(図29のS2709参照)。このように通常時球カウンタ213cを更新することで、ラッキー期間外に遊技者が遊技に使用できる所持球の数を計数できる。
また、カードサンド装置70に設けられた返却ボタン75が押下されてカードサンド装置70より枠統括制御装置111に対して送信される返却信号を枠統括制御装置111が受信した場合、MPU211は、その時点での共有可能玉に関する所持玉データをカードサンド装置70へ通知するために、通常時球カウンタ213cの値をカードサンド装置70に対して通知する(図30のS2804参照)。そして、通常時球カウンタ213cの値を「0」に初期化する(図30のS2805参照)。カードサンド装置70では、枠統括制御装置111から受け取った共有可能玉に関する所持玉データを所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カード300の後述する通常時メモリ300cに累積加算する(図35のS4012参照)。
また、カードサンド装置70に会員カード300が投入された場合に、枠統括制御装置111のMPU211は、カードサンド装置70によって所定の交換レートで換算された会員カード300の通常時メモリ300cに記録された共有可能玉に関する所持玉データを、該カードサンド装置70から受信し、受信した共有可能玉に関する所持玉データを通常時球カウンタ213cに加算するするように構成されている。
ラッキー中球カウンタ213dは、遊技者がラッキー期間中のみ遊技に使用できるラッキー玉に関する所持球の数を計数するカウンタである。ラッキー中球カウンタ213dは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値として「0」が設定される。即ち、この場合、ラッキー玉に関する所持球数として0個が設定される。
そして、ラッキー中球カウンタ213dは、1ミリ秒毎にMPU211によって実行される貸球賞球計数処理(図28参照)によって更新処理が行われ、ラッキー期間中(即ち、「無制限」状態、「ラッキー」状態又は「スタート」状態のいずれかの状態)に遊技者に対して賞球が行われたと判断された場合に、その賞球数をラッキー中球カウンタ213dに加算する。具体的には、MPU211は、ラッキー期間中において主制御装置110より賞球加算コマンドを受信した場合に、ラッキー期間中の賞球を行うと判断し、その賞球加算コマンドで示されて賞球バッファ213bに記憶されている賞球数情報をラッキー中球カウンタ213dに加算する(図28のS2607参照)。
また、ラッキー中球カウンタ213dは、ラッキー期間中において遊技盤13の遊技領域に向けて球が発射されたと判断された場合に、ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きい場合に、「1」減算される。MPU211は、ラッキー期間中に発射レール63の球の発射位置の上方側に設けられた発射球検出スイッチ94がオンされたことを検出すると、遊技盤13の遊技領域に向けて球が発射されたと判断し、ラッキー中球カウンタ213dを「1」減算する(図29のS2704参照)。
さらに、ラッキー中球カウンタ213dは、ラッキー期間中において発射された球が遊技盤13の遊技領域まで到達せずにファール球となった場合に「1」加算される。なお、MPU211は、ラッキー期間ではない「通常遊技状態」中にファール球検出スイッチ93がオンされたことを検出すると、遊技盤13の遊技領域まで発射球が到達せずにファール球となったと判断し、通常時球カウンタ213cの値を「1」加算する(図29のS2708参照)。
なお、ラッキー期間中におけるファール球検出スイッチ93の検出に基づきラッキー中球カウンタ213dの値に「1」加算するように構成しているが、ラッキー期間中であってもラッキー中球カウンタ213dの値が「0」になり、遊技者が所持するラッキー玉が無くなる状態が発生し得る(例えば、「ラッキー」状態において、大当たり終了後かつ「時間短縮状態」の終了後であって、変動表示を1000回行っても次の大当たりを引かない場合等)。このような場合では、ラッキー期間中であるにもかかわらず通常時球カウンタ213cの値に基づいて球を発射しているが、このような状況でファール球を検知してもラッキー中球カウンタ213dの値に「1」を加算する(図29のS2708参照)。ラッキー期間中において、ラッキー中球カウンタ213dにラッキー玉に関する所持玉データがない状態で通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データで遊技を行っている場合は、たとえファール球となってラッキー中球カウンタ213dの値に「1」を加算しても、ラッキー中球カウンタ213dの玉データから優先して使用されることになる。即ち、ファール球となった発射球に関する所持玉データも直ちに使用さえ得る状況であるので、ファール球となった発射球が通常時球カウンタ213cに基づくものなのか、ラッキー中球カウンタ213dに基づくものなのかの属性を判別する必要性は乏しいものである。よって、ファール球を検知した際に、通常時球カウンタ213cの値に基づくものなのか、ラッキー中球カウンタ213dの値に基づくものなのかを判別する制御を不要とすることで、枠統括制御装置111の制御負担を軽減することができる。
また、カードサンド装置70に設けられた返却ボタン75が押下されてカードサンド装置70より枠統括制御装置111に対して送信される返却信号を枠統括制御装置111が受信した場合、MPU211は、その時点でのラッキー玉に関する所持玉データを、遊技使用不可玉の所持玉データとしてカードサンド装置70へ通知するために、ラッキー中球カウンタ213dの値をカードサンド装置70に対して通知する(図30のS2807参照)。そして、ラッキー中球カウンタ213dの値を「0」に初期化する(図30のS2808参照)。カードサンド装置70では、枠統括制御装置111から受け取ったラッキー玉に関する所持玉データを所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カード300の後述する遊技使用不可メモリ300dに累積加算する(図35のS4013参照)。
使用不可エリア213eは、ラッキー期間が終了した際に、ラッキー中球カウンタ213dに記憶される該ラッキー期間中に獲得したラッキー玉に関する所持玉データを、遊技使用不可玉に関する所持玉データとして変換し、それ以後の遊技で使用させないために記憶しておく記憶エリアである。使用不可エリア213eは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値として「0」が設定される。即ち、この場合、遊技使用不可玉に関する所持球数として0個が設定される。
そして、使用不可エリア213eは、ラッキー期間が終了したと判断された時(第1実施形態では、「スタート」状態の終了条件が達成された場合)に、その時点でラッキー中球カウンタ213dに記憶されているラッキー玉に関する所持玉データを、使用不可エリア213eに遊技使用不可玉に関する所持玉データとして記憶する(図24参照)。具体的には、MPU211は、主制御装置110から時短減算コマンドを受信して後述する枠側時短回数カウンタ213kの値を「1」減算した際に、該枠側時短回数カウンタ213kの値が「0」以下となったと判断した場合に、その時点でラッキー中球カウンタ213dに記憶されているラッキー玉に関する所持玉データを、遊技使用不可玉として使用不可エリア213eに加算する(図24のS2221参照)。なお、第1実施形態では、返却ボタン75の操作以外の条件でラッキー期間が終了する場合は、必ず「スタート」状態を経由して終了する仕様となっている。即ち、「ラッキー」状態は、該「ラッキー」状態終了後に必ず「スタート」状態へ移行する仕様であり、また、「無制限」状態は、終了しない仕様となっている。
第1実施形態では、使用不可エリア213eに記憶された遊技使用不可玉に関する所持玉データは、その値に基づいて球の発射を行うことができないように構成されており、使用不可エリア213eに遊技使用不可玉に関する所持玉データが存在していたとしても、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dに共有可能玉又はラッキー玉に関する所持玉データが存在しない場合は、球の発射を行うことができないように構成されている(図29のS2710〜S2713参照)。
また、カードサンド装置70に設けられた返却ボタン75が押下されてカードサンド装置70より枠統括制御装置111に対して送信される返却信号を枠統括制御装置111が受信した場合、MPU211は、使用不可エリア213eに遊技使用不可玉の所持玉データがある場合に、その時点での遊技使用不可玉に関する所持玉データをカードサンド装置70へ通知するために、使用不可エリア213eの値をカードサンド装置70に対して通知する(図30のS2810参照)。そして、使用不可エリア213eの値を「0」に初期化する(図30のS2811参照)。カードサンド装置70では、枠統括制御装置111から受け取った遊技使用不可玉に関する所持玉データを所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カード300の後述する遊技使用不可メモリ300dに累積加算する(図35のS4014参照)。
上記のように構成することで、第1実施形態のパチンコ機10では、ラッキー期間前に遊技者が保持していた通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データと、ラッキー期間中に遊技者が獲得したラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データとを識別して記憶(蓄積)し、ラッキー期間終了後には、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されているラッキー玉に関する所持玉データのみを使用不可エリア213eへ移行し遊技に使用できないようにしつつ、その時点における通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データを用いて継続して遊技を行うことが可能に構成されている。
従来のパチンコ機では、貸し出された貸球も遊技に基づいて獲得した賞球も区別せず上皿等で収容していたため、例えば、ラッキーナンバー制を採用した場合に、ラッキー期間前に所持していた球なのか、ラッキー期間中に獲得した球なのかを事後的に判別することが不可能であった。この構成に倣って循環式パチンコ機においても、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉と、ラッキー期間前に所持していた共有可能玉とまとめて計数(蓄積)してしまうと、ラッキー期間終了後に、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉のみならず共有可能玉もまとめて遊技使用不可玉になってしまい、その後の遊技や他の台でも使用できた共有可能玉を遊技使用不可玉としてしまうため、遊技者が本来得られる遊技価値を毀損させてしまっていた。これに対し、第1実施形態のパチンコ機10では、ラッキー期間前に遊技者が所持していた共有可能玉と、ラッキー期間中に遊技者が獲得したラッキー玉とをそれぞれ識別して記憶しておき、ラッキー期間終了後は、ラッキー玉のみを遊技使用不可玉とし、共有可能玉に関してはその後の遊技で使用できるように構成されているため、ラッキー期間終了後も、共有可能玉に基づく遊技を直ちに開始できるので、いちいち遊技使用不可玉の交換作業等を行うことなく継続して遊技を行うことができる。
開放延長フラグ213fは、大当たり終了後の「高確率状態」又は「時間短縮状態」時か否かを判別するためのフラグであり、この開放延長フラグ213fのオン・オフを確認することにより、「高確率状態」又は「時間短縮状態」中の大当たり、所謂、「連荘状態」か、「通常遊技状態」中の大当たり、所謂、「初回」か、を判別することができる。
第1実施形態では、ラッキーナンバー制の遊技仕様として、「高確率状態」でもなく、かつ、「時間短縮状態」でもない「通常遊技状態」中に引いた大当たり図柄の種類に応じて「無制限」状態、「ラッキー」状態又は「スタート」状態のいずれかのラッキー期間を付与すると共に、「ラッキー」状態のラッキー期間においては、「高確率状態」でもなく、かつ、「時間短縮状態」でもない「通常遊技状態」中に「4図柄(サメ)」の大当たりを引いた場合に該「ラッキー」状態が終了するように設定されている。つまり、第1実施形態のラッキーナンバー制は、「高確率状態」又は「時間短縮状態」中の「連荘状態」中ではなく、「通常遊技状態」中の「初回」に引いた大当たり図柄の種類によってラッキー期間の開始又は終了する遊技仕様となっている。このような遊技仕様を実現するために、開放延長フラグ213fのオン・オフを判別することで、「連荘状態」中なのか「初回」なのかを判別することができる。
この開放延長フラグ213fは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値としてオフが設定される。即ち、この場合、「連荘状態」中ではなく「通常遊技状態」であるとして設定される。
そして、開放延長フラグ213fは、いずれかの大当たり状態が発生し、該大当たり状態が終了して「高確率状態」又は「時間短縮状態」が開始されると判断された場合にオンされる。具体的には、MPU211は、主制御装置110から大当たり状態の終了を示すエンディングコマンドを受信した場合に、その後の遊技状態が「高確率状態」又は「時間短縮状態」に遷移すると判断し、開放延長フラグ213fをオンに設定する(図26のS2417参照)。
一方、開放延長フラグ213fは、いずれかの大当たり状態が発生した場合に、その大当たり状態中はオフされる。具体的には、MPU211は、主制御装置110から大当たり状態の開始を示すファンファーレコマンドを受信した場合に、大当たり状態が開始されると判断し、開放延長フラグ213fをオフに設定する(図26のS2404参照)。
また、開放延長フラグ213fは、「時間短縮状態」が終了する場合にオフに設定される。具体的には、MPU211は、主制御装置110から時短減算コマンドを受信する毎に減算される後述する枠側時短回数カウンタ213kの値が「0」となった場合に、「時間短縮状態」が終了すると判断し、開放延長フラグ213fをオフに設定する(図24のS2217参照)。
このように、開放延長フラグ213fを「高確率状態」又は「時間短縮状態」中にのみオン設定し、大当たり状態が発生した際に開放延長フラグ213fの内容を判別することで、「連荘状態」中の大当たりなのか「初回」の大当たりなのかを判別することができ、ラッキー期間に関するフラグ設定をするか否かの判断を行うことができる。
大当たり結果メモリ213gは、第3図柄の変動表示において、大当たり状態を発生させる起因となった大当たり図柄の内容を記憶する記憶エリアである。この大当たり結果メモリ213gは、「0」〜「9」の数値が書き込み可能に構成されており、該大当たり結果メモリ213gに書き込まれた数値が大当たり図柄情報を示すように構成されている。具体的には、大当たり結果メモリ213gの値が、「0」は大当たりした履歴がないことを示し、「1」は「1図柄(タコ)」、「2」は「2図柄(ハリセンボン)」、「3」は「3図柄(カメ)」、「4」は「4図柄(サメ)」、「5」は「5図柄(エビ)」、「6」は「6図柄(アンコウ)」、「7」は「7図柄(ジュゴン)」、「8」は「8図柄(エンゼルフィッシュ)」、「9」は「9図柄(カニ)」、で大当たり状態が発生したことを示すように設定されている。第1実施形態では、大当たり開始時にこの大当たり結果メモリ213gに記憶される大当たり図柄の種類を判別し、その判別結果に応じて、ラッキー期間の種類が決定されるように構成されている。
この大当たり結果メモリ213gは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値として「0」が設定される。即ち、この場合、大当たりした履歴がないことを示す値が設定される。
また、この大当たり結果メモリ213gは、音声ランプ制御装置113から大当たり図柄コマンドを受信した場合に、該大当たり図柄コマンドに応じた大当たり図柄情報が書き込まれるように構成されている(図27のS2502参照)。
第1実施形態では、枠統括制御装置111のMPU211は、大当たり状態が発生した際、音声ランプ制御装置113で決定された大当たり図柄の内容を大当たり図柄コマンドとして受信して大当たり結果メモリ213gに書き込み、主制御装置110から大当たり状態が発生したことを示すファンファーレコマンドを受信した際に、「初回」大当たりであった場合に、この大当たり結果メモリ213gの値を確認し、いずれかのラッキー期間を付与するように構成されている。
無制限フラグ213hは、オンの場合に、ラッキー期間の1つである「無制限」状態を示すためのフラグである。この無制限フラグ213hがオンに設定されている間は、ラッキー期間が継続し、遊技者はラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データに基づいて遊技を継続することができる。
この無制限フラグ213hは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値としてオフが設定される。即ち、この場合、「無制限」状態ではない遊技状態として設定される。なお、第1実施形態において、この無制限フラグ213hは、遊技者により返却ボタン75が操作された場合にもオフされるように設定されている。
そして、この無制限フラグ213hは、後述する無制限条件メモリ213mが記憶する「無制限」状態の開始条件、即ち、「初回」に「7図柄(ジュゴン)」での大当たり状態が発生したと判断された場合にオンされる。具体的には、MPU211は、主制御装置110から大当たり状態の開始を示すファンファーレコマンドを受信した際に、「初回」大当たりか否かを示す開放延長フラグ213fがオフされている場合に限り大当たり結果メモリ213gの値を判別し、大当たり結果メモリ213gの値が「7」、即ち、「7図柄(ジュゴン)」での大当たりであった場合に、この無制限フラグ213hをオンに設定する(図26のS2401〜S2407参照)。
第1実施形態では、「無制限」状態は終了条件が設定されていないため、無制限フラグ213hが一旦オンに設定されると、それ以後の遊技において該無制限フラグ213hはオンし続けるように構成される。即ち、「通常遊技状態」において「7図柄(ジュゴン)」での大当たりを引いた場合は、その後の遊技において「無制限」状態のラッキー期間が継続し続けるように構成されている。
なお、この無制限フラグ213hがオンに設定されている間は、パチンコ機10の扉枠14上部に格納されていた後述する無制限可動役物95を現出させ(図26のS2408参照)、遊技者及び遊技場のスタッフに対し「無制限」状態であることを示唆可能に構成されている。
また、この無制限フラグ213hは、「無制限」状態中の「通常遊技状態」において、「ラッキー」状態又は「スタート」状態に対応する大当たり図柄で大当たり状態が発生したとしても変化しないように構成されている。「無制限」状態は、「ラッキー」状態及び「スタート」状態より遊技者にとって遊技価値が高いラッキー期間であるため、終了条件がない「無制限」状態が、「ラッキー」状態又は「スタート」状態に成り下がらない(終了しない)ように構成されている。
なお、第1実施形態では、無制限フラグ213hと、後述するラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jとは、複数同時にオンに設定される場合があるように構成されているが、遊技価値が高いフラグ(即ち、無制限フラグ213h>ラッキーフラグ213i>スタートフラグ213j)のオンが優先してラッキー期間に反映されるように構成されている。例えば、無制限フラグ213hとラッキーフラグ213iとがそれぞれオンに設定されていた場合には、「無制限」状態のラッキー期間として設定される。また、ラッキーフラグ213iとスタートフラグ213jとがそれぞれオンに設定されていた場合には、「ラッキー」状態のラッキー期間として設定されるように構成されている。
ラッキーフラグ213iは、オンの場合に、ラッキー期間の1つである「ラッキー」状態を示すためのフラグである。このラッキーフラグ213iがオンに設定されている間は、ラッキー期間が継続し、遊技者はラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データに基づいて遊技を継続することができる。
このラッキーフラグ213iは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値としてオフが設定される。即ち、この場合、「ラッキー」状態ではない遊技状態として設定される。なお、第1実施形態において、このラッキーフラグ213iは、遊技者により返却ボタン75が操作された場合にもオフされるように設定されている。
そして、このラッキーフラグ213iは、後述するラッキー条件メモリ213nが記憶する「ラッキー」状態の開始条件、即ち、「初回」に「3図柄(カメ)」又は「5図柄(エビ)」での大当たり状態が発生したと判断された場合にオンされる。具体的には、MPU211は、主制御装置110からファンファーレコマンドを受信した際に、開放延長フラグ213fがオフされている場合に限り大当たり結果メモリ213gの値を判別し、大当たり結果メモリ213gの値が「3」又は「5」、即ち、「3図柄(カメ)」又は「5図柄(エビ)」での大当たりであった場合に、このラッキーフラグ213iをオンに設定する(図26のS2409参照)。
一方、ラッキーフラグ213iは、「ラッキー」状態中に、「初回」に「4図柄(サメ)」での大当たり状態が発生したと判断された場合にオフされる。具体的には、MPU211は、主制御装置110からファンファーレコマンドを受信した際に、開放延長フラグ213fがオフされている場合に限り大当たり結果メモリ213gの値を判別し、大当たり結果メモリ213gの値が「4」、即ち、「4図柄(サメ)」での大当たりであった場合に、このラッキーフラグ213iをオフに設定する(図26のS2412参照)。なお、ラッキーフラグ213iがオフされた場合には、後述するスタートフラグ213jがオンに設定され、「ラッキー」状態から「スタート」状態に遷移するように構成されている。
従って、第1実施形態では、「ラッキー」状態は、終了条件が達成されるまで継続するが、終了条件が達成された場合は「スタート」状態に変化するように構成されている。即ち、「初回」に「3図柄(カメ)」又は「5図柄(エビ)」での大当たりを引いた場合は、その後の遊技において「ラッキー」状態のラッキー期間が開始され、それ以後の遊技において「初回」に「4図柄(サメ)」での大当たりを引かない限りラッキー期間が継続し続けるように構成されている。よって、遊技者は、「ラッキー」状態中に如何にして「4図柄(サメ)」での大当たりに当選しないか、という遊技に腐心するようになる。そして、「4図柄(サメ)」で大当たりした場合と、その他の第3図柄で大当たりした場合とでは得られる遊技価値が明確に変わることで、例えば、「4図柄(サメ)」でリーチ表示が現出した場合には、「外れろ!」と願うといったような心理状態にさせることができ、ラッキーナンバー制の遊技を付加することができる。
なお、このラッキーフラグ213iがオンに設定されている間は、パチンコ機10の扉枠14上部に格納されていた後述するラッキー可動役物96を現出させ(図26のS2410参照)、遊技者及び遊技場のスタッフに対し「ラッキー」状態であることを直接的に示唆可能に構成されている。なお、無制限フラグ213hがオンされ、無制限可動役物95が現出している場合は、ラッキーフラグ213iがオンされたとしてもラッキー可動役物96は現出しないように構成される。
また、このラッキーフラグ213iは、「ラッキー」状態中の「通常遊技状態」において、「4図柄(サメ)」以外の「スタート」状態に対応する大当たり図柄で大当たり状態が発生したとしても変化しないように構成されている。「ラッキー」状態は、「スタート」状態より遊技者にとって遊技価値が高いラッキー期間であるため、終了条件を達成していないにも関わらず「ラッキー」状態が「スタート」状態に成り下がらない(終了しない)ように構成されている。
一方、このラッキーフラグ213iは、「ラッキー」状態中の「通常遊技状態」において、「無制限」状態に対応する「7図柄(ジュゴン)」の大当たり図柄での大当たり状態が発生した場合は、「ラッキー」状態から「無制限」状態に成り上がるように構成されている。「ラッキー」状態は、「無制限」状態より遊技者にとって遊技価値が低いラッキー期間であるため、「ラッキー」状態中とはいえ「初回」に「無制限」状態に対応する大当たりを引いたにもかかわらず「無制限」状態を付与しないのは、遊技者にとって酷であると共に、開始条件を満たしたにもかかわらず所望の遊技価値が付与されないと遊技者に遊技に対する不信感を募らせてしまうおそれがある。従って、「ラッキー」状態中であっても「初回」に「無制限」状態の開始条件を満たした場合は、「ラッキー」状態から「無制限」状態へ移行するように構成することで、遊技者の遊技に対する不満が生じることを未然に防止することができる。
スタートフラグ213jは、オンの場合に、ラッキー期間の1つである「スタート」状態を示すためのフラグである。このスタートフラグ213jがオンに設定されている間は、ラッキー期間が継続し、遊技者がラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データに基づいて遊技を行うことができる。
このスタートフラグ213jは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値としてオフが設定される。即ち、この場合、「スタート」状態ではない遊技状態として設定される。なお、第1実施形態において、このスタートフラグ213jは、遊技者により返却ボタン75が操作された場合にもオフされるように設定されている。
そして、このスタートフラグ213jは、「初回」に「1図柄(タコ)」、「2図柄(ハリセンボン)」、「4図柄(サメ)」、「6図柄(アンコウ)」、「8図柄(エンゼルフィッシュ)」又は「9図柄(カニ)」での大当たり状態が発生したと判断された場合にオンされる。具体的には、MPU211は、主制御装置110からファンファーレコマンドを受信した際に、開放延長フラグ213fがオフされている場合に限り大当たり結果メモリ213gの値を判別し、大当たり結果メモリ213gの値が、「1」、「2」、「4」、「6」、「8」又は「9」、即ち、「1図柄(タコ)」、「2図柄(ハリセンボン)」、「4図柄(サメ)」、「6図柄(アンコウ)」、「8図柄(エンゼルフィッシュ)」又は「9図柄(カニ)」での大当たりであった場合に、このスタートフラグ213jをオンに設定する(図26のS2414参照)。
一方、このスタートフラグ213jは、「スタート」状態中に、「時間短縮状態」が終了した場合にオフされる。具体的には、MPU211は、主制御装置110から時短回数の減算を示す時短減算コマンドを受信した際に、後述する枠側時短回数カウンタ213kを「1」減算し、減算後の枠側時短回数カウンタ213kの値が「0」以下であった場合であって、スタートフラグ213jのみがオンされている場合に、「スタート」状態の終了条件を達成したと判断して、このスタートフラグ213jをオフに設定する(図24のS2219参照)。
従って、第1実施形態では、「スタート」状態は、大当たり終了後の「時間短縮状態」が終了するまで継続するが、「時間短縮状態」が終了して終了条件が達成された場合は、「スタート」状態のラッキー期間が終了し、それ以後の遊技においてラッキー期間中に獲得した賞球、即ち、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データに基づく遊技を行うことができないように構成されている。一方、「スタート」状態は、「時間短縮状態」が終了しなければ継続するため、「時間短縮状態」中に再び大当たりに当選すれば、後述する枠側時短回数カウンタ213kも再設定されるため、遊技者としては如何にして「時間短縮状態」で「連荘」して「スタート」状態のラッキー期間を終了させないか、という遊技に腐心するようになる。
なお、このスタートフラグ213jがオンに設定されている間は、パチンコ機10の扉枠14上部に格納されていた後述するスタート可動役物97を現出させ(図26のS2414参照)、遊技者及び遊技場のスタッフに対し「スタート」状態であることを直接的に示唆可能に構成されている。なお、無制限フラグ213h又はラッキーフラグ213iがオンされ、無制限可動役物95又はラッキー可動役物96が現出している場合は、スタートフラグ213jがオンされたとしてもスタート可動役物97は現出しないように構成される。
また、このスタートフラグ213jが一旦オンされて「スタート」状態が開始された際には、この「スタート」状態が終了しなければ「時間短縮状態」が終了しないため、「スタート」状態中は「初回」の条件が成立しないことになる。従って、例えば、「スタート」状態中に、「7図柄(ジュゴン)」による大当たりに当選したとしても、「時間短縮状態」中での「7図柄(ジュゴン)」での大当たりであるため、「初回」の条件を満たさないことから、「無制限」状態には移行しないように構成されている。このように構成することで、「初回」に大当たりする図柄種別に基づいて付与される遊技価値に差を設けることができ、ラッキー期間が付与されていない「通常遊技状態」において、いずれの大当たり図柄で変動表示が停止するか否かの興趣を高め、「通常遊技状態」であっても遊技者に変動表示の遊技に注目させることができる。
枠側時短回数カウンタ213kは、枠統括制御装置111において「時間短縮状態」における第3図柄の変動回数を計数するためのカウンタである。この枠側時短回数カウンタ213kは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)において、初期値として「0」が設定される。
一方、この枠側時短回数カウンタ213kは、大当たり状態が終了し、その後の遊技状態が「時間短縮状態(時短状態)」に移行する際に「100」が設定される。具体的には、MPU211は、主制御装置110から大当たりの終了を示すエンディングコマンドを受信した場合に、それ以後の遊技状態が「時間短縮状態」に移行するか否かを判別し、「時間短縮状態」に移行すると判断された場合に、枠側時短回数カウンタ213kの値に「100」をセットする(図26のS24129参照)。
また、枠側時短回数カウンタ213kは、「時間短縮状態」において第3図柄の変動表示が1回終了する毎に「1」ずつ減算される。具体的には、MPU211は、主制御装置110から時短減算コマンドを受信した場合に、枠側時短回数カウンタ213kの値から「1」を減算する。時短減算コマンドは、第3図柄表示装置81での第3図柄の変動表示の確定に基づく時短回数カウンタ203dの値が「1」減算される毎に、主制御装置110から枠統括制御装置111に対して送信されるコマンドである。この時短減算コマンドを受信する毎に枠側時短回数カウンタ213kの値を「1」ずつ減算することで、残りの時短回数を計数することができる。また、枠側時短回数カウンタ213kの値は、遊技者により返却ボタン75が操作された場合に「0」クリアされるように構成されている(図30のS2813参照)。
このように構成することで、枠統括制御装置111側で「時間短縮状態」の経過状況が判断できる。第1実施形態では、この枠側時短回数カウンタ213kの値を判別し、「時間短縮状態」が所定の消化状況に達したと判断された際に、後述するシャッター役物228を駆動させて「スタート」状態の消化状況を報知可能に構成されている。具体的には、MPU211は、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した際に、スタートフラグ213jのみがオンされているか否か、即ち、「スタート」状態であるか否かを判断し、「スタート」状態であった場合に、枠側時短回数カウンタ213kの値に応じて、音声ランプ制御装置113に対してシャッター役物228を駆動させる残回数50コマンド又は残回数10コマンドを送信するように構成されている(図25のS2305又はS2307参照)。また、主制御装置110から時短減算コマンドを受信した際に、枠側時短回数カウンタ213kの値が「0」となると共に、スタートフラグ213jのみがオンされている場合に、音声ランプ制御装置113に対して残回数0コマンドを送信するように構成されている(図24のS2220参照)。音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から上記残回数コマンドを受信した場合に、そのコマンド種別に応じてシャッター役物228を駆動させる。
なお、枠側時短回数カウンタ213kは、遊技者により返却ボタン75が操作された場合は「0」クリアするように構成されている(図30のS2813参照)。仮に「スタート」状態であった場合には、枠側時短回数カウンタ213kの値に基づいて該「スタート」状態の消化状況が報知されるように構成されている。また、第1実施形態では、「スタート」状態で遊技者により返却ボタン75が操作された場合は、該「スタート」状態を消滅させるように構成されているが、「スタート」状態が消滅したにも関わらず枠側時短回数カウンタ213kの値が残存してしまうと、「スタート」状態でないにもかかわらず「スタート」状態の消化状況を報知するシャッター役物228が駆動してしまい、遊技者が混乱してしまうおそれがある。そこで、遊技者により返却ボタン75が操作されて「スタート」状態が消滅した場合には、併せて枠側時短回数カウンタ213kの値を「0」クリアすることで、不必要な演出を実行させずに、遊技者を混乱させることなく遊技を行わせることができる。
無制限条件メモリ213mは、「無制限」状態となる条件を記憶しているメモリである。この無制限条件メモリ213mは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図24のS2201:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008や図24のS2203)の後に、ROM212の条件テーブル212aに記憶される「無制限」状態の開始条件が記憶される。
ラッキー条件メモリ213nは、「ラッキー」状態となる条件を記憶しているメモリである。このラッキー条件メモリ213nは、電源が投入されたときに、電源断の発生情報を記憶していない場合(図22のS2003:No)や、RAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS2005:Noの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS2008)の後に、ROM212の条件テーブル212aに記憶される「ラッキー」状態の開始条件及び終了条件が記憶される。MPU211は、「初回」大当たりした場合に、大当たり結果メモリ213gの値と、この無制限条件メモリ213m又はラッキー条件メモリ213nの値とを判別することで、ラッキー期間の種別を決定するように構成される。
なお、第1実施形態では、大当たりに当選した際に、無制限条件メモリ213m又はラッキー条件メモリ213nに記憶される開始条件と合致しない場合は、もれなく「スタート」状態が開始されるように構成されている。このように構成することで、「スタート」状態に関する条件メモリを設ける必要がないため、そのメモリ分、RAM213の容量を有効活用することができる。また、「スタート」状態における「時間短縮状態」が終了した場合は、もれなく「スタート」状態が終了されるように構成されている。このように構成することで、「スタート」状態に関する条件メモリを設ける必要がないため、そのメモリ分、RAM213の容量を有効活用することができる。
枠統括制御装置111のRAM213は、その他、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図13参照)が即座に実行される。
発射制御装置112は、枠統括制御装置111より球の発射許可がなされた場合に、操作ハンドル39の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット66を制御するものである。また、発射制御装置112は、枠統括制御装置111より球の発射禁止が指示された場合に、操作ハンドル39の操作に関わらず球の発射を停止する。第1実施形態では、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれかに共有可能玉又はラッキー玉に関する所持玉データが存在する場合に発射許可が指示される一方(図29のS2711参照)、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれにも所持玉データが存在しない場合に発射禁止が指示される(図29のS2713参照)。
なお、上述した通り、球発射ユニット66は、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル39に触れていることをタッチセンサ39aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ39bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル39の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル39の操作量に応じた強さで球が発射される。
次いで、パチンコ機10に対して1対1に設けられるカードサンド装置70の電気的構成について説明する。カードサンド装置70は、演算装置であるMPU271によって構成され、MPU271は、そのMPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273とを有している。また、MPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン278を介して入出力ポート279が接続されている。
その入出力ポート279には、カード挿入口72に挿入された会員カードに対してデータの読み出しおよび書き込みを行うカードリーダライタ274と、紙幣投入口71に投入された紙幣の金種の検出および真贋判定を行う紙幣検出装置275と、球貸ボタン74や返却ボタン75といった各種ボタンと、カード利用可能ランプ78、貸出可能ランプ79a、エラー表示ランプ79bといった各種ランプとが接続されている。更に、入出力ポート279には、パチンコ機10が設置されたホール全体を統括的に管理するコンピュータであって、カードサンド装置70の外部に設けられたコンピュータであるホールコンピュータ263が接続されている。
このホールコンピュータ263には、遊技者の遊技履歴を記憶する履歴記録部(図示せず)が設けられている。履歴記録部は、後述するように、カードサンド装置70に挿入される会員カード300ごとに、過去数回分の遊技に係る履歴情報が記憶されている。より詳しくは、履歴情報として、カードサンド装置70へ会員カード300を挿入した日時、カードサンド装置70から会員カード300を取り出した日時、球の貸し出しを受けたカードサンド装置70の識別番号、球の貸出数、遊技を行った結果としての所持球の計数結果、当該計数結果をポイント換算した利益情報、累積記憶された利益情報(貯蓄された貯蓄データ)、球の貸し出しを受けたときの貸出レート、所持球の計数結果をポイント換算したときの交換レート、パチンコ機10からの賞球数等が記憶されている。
上述した通り、遊技者がいずれかのパチンコ機10にて遊技を行うにあたり、球の貸し出しを受ける際には必ずパチンコ機10に対応するカードサンド装置70へ会員カード300を挿入する必要があるため、当該会員カード300の投入時や返却時など、所定のタイミングで何らかの履歴情報がホールコンピュータ263へ送信されることとなる。つまり、遊技者がいずれかのパチンコ機10にて遊技を行った際には、必ず何らかの履歴情報がホールコンピュータの履歴記録部に記録されることとなる。また、ホールコンピュータ263は、会員カード300の会員ID300a等を記憶する会員データベース(図示せず)を備えている。
ここで、カードサンド装置70の動作について、簡単に説明する。まず、遊技者は所望のパチンコ機10に対応付けられて設置されたカードサンド装置70のカード挿入口72に対し、自分が所持する会員カード300を投入する。第1実施形態における会員カード300は、各種情報を記憶可能な磁気カードにより構成されている。会員カード300には、会員登録した遊技者を識別するための会員ID300aと、残高データを記憶する現金対応メモリ300bと、共有可能玉を記憶する通常時メモリ300cと、遊技使用不可玉を記憶する遊技使用不可メモリ300dとが、主に設けられている。
会員ID300aは、会員カード300において、遊技者固有の識別情報(ID)を記憶しておくための記憶領域である。この会員ID300aは、遊技者が遊技場で会員カード300を取得した場合に、固有の識別情報が書き込まれ、該識別情報はホールコンピュータ263によって管理される。
現金対応メモリ300bは、会員カード300において、遊技者がカードサンド装置70の紙幣投入口71に投入した紙幣に関する金額データを記憶しておくための記憶領域である。この現金対応メモリ300bは、遊技者によりカードサンド装置70に紙幣が投入された場合に、該投入された紙幣に対応する金額データを加算するように構成されている(図示せず)。また、遊技者により球貸ボタン74が操作された場合に、貸出金額単位に応じた貸球を行うとともに、該貸出金額単位に応じた金額データを現金対応メモリ300bから減算するように構成されている(図35のS4010参照)。なお、この現金対応メモリ300bに金額データが記憶されていない場合、即ち、現金対応メモリ300bの値が「0」である場合は、球貸ボタン74が操作されたとしても貸球に関する制御は実行されないように構成されている(図35のS4007参照)。
通常時メモリ300cは、会員カード300において、共有可能玉に関する所持玉データを記憶するための記憶領域である。この通常時メモリ300cは、初期状態では「0」が設定され、遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、枠統括制御装置111の通常時球カウンタ213cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データが加算される(図35のS4012参照)。また、遊技者により会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入された場合に、該通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データが枠統括制御装置111の通常時球カウンタ213cに加算されるとともに(図35のS4004参照)、通常時メモリ300cの値が「0」クリアされる(図35のS4005参照)。
遊技使用不可メモリ300dは、会員カード300において、遊技使用不可玉に関する所持玉データを記憶するための記憶領域である。この遊技使用不可メモリ300dは、初期状態では「0」が設定され、遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、枠統括制御装置111のラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データと、使用不可エリア213eに記憶される遊技使用不可玉に関する所持玉データとが、それぞれ加算される(図35のS4013及びS4014参照)。なお、遊技使用不可メモリ300dの値は、遊技者により会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入された場合であっても、枠統括制御装置111へは送信されないように構成されている。
また、会員カード300には、過去数回分の遊技に係る履歴情報が記憶されている。会員カード300に記憶される履歴情報としては、例えばカードサンド装置70へ会員カード300を挿入した日時、カードサンド装置70から会員カード300を取り出した日時、球の貸し出しを受けたカードサンド装置70の識別番号、球の貸出数、遊技を行った結果としての所持球の計数結果、当該計数結果をポイント換算した利益情報、累積記憶された利益情報(貯蓄された貯蓄データ)、球の貸し出しを受けたときの貸出レート、所持球の計数結果をポイント換算したときの交換レート等がある。
但し、会員カード300が未使用(初期化された状態を含む)の場合には、当初、履歴情報は何ら記憶されておらず、使用される度に履歴情報が記憶されていくことになる。
なお、会員カード300は、事前に会員登録を受けることで遊技者に対し発行されるものであり、遊技者個人が所有するものである。会員カード300を所有する遊技者(特定会員)は、例えば、当該会員カード300を所定のデータ管理装置に挿入することにより、各パチンコ機10の出球状況等を知ることができるなど、各種得点が得られる。
一方、遊技者が会員でない場合には、上記会員カードに代えて、遊技ホールから事前に借り受けたゲストカードを用いて遊技を行うこととなる。当該ゲストカードは、原則として一日限りの使用を目的とするものであり、当該カードに関連づけて遊技者の個人情報は管理されない。また、ホールの営業終了後には、ゲストカードを回収して、該カードに記載に記憶された履歴情報を消去する初期化作業が行われると共に、当該カードに関連づけてホールコンピュータ263の履歴記録部に記憶されていた履歴情報を消去する作業が行われる。
さて、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入されると、MPU271は、カードリーダライタ274によって読み出した上記各種情報を、RAM273に一時記憶する。あわせて、MPU271は、会員IDや履歴情報など、会員カード300から読み出した情報をすべてホールコンピュータ263へ送信する。ここで、各種情報は、不正行為防止のため、暗号化された状態で送信される。
そして、ホールコンピュータ263では、これら受信した各種情報と、ホールコンピュータ263の上述した履歴記録部(図示せず)や会員データベース(図示せず)に記憶された情報を照合し、カード認証を行う。ホールコンピュータ263は、照合の結果、各種情報が一致し、カードの正当性が確認された場合に遊技許可信号をカードサンド装置70へ送信する。
かかる遊技許可信号を受信したカードサンド装置70は、紙幣投入口71における紙幣の受付けを許可すると共に、球貸ボタン74における操作を許可する。加えて、貸出可能ランプ79aを点灯させ、球の貸し出しが可能である旨を遊技者に通知する。
一方、ホールコンピュータ263は、上記照合の結果、各種情報が一致しなかった場合、エラー信号をカードサンド装置70へ送信する。エラー信号を受信したカードサンド装置70は、会員カード300をカード挿入口72から排出し、球の貸出要求を拒否する。また、エラー表示ランプ79bを点灯され、遊技者およびホール関係者等にその旨を報知する。このとき、会員カード300に記憶された履歴情報を基に、ホールの監視カメラの記録等を確認して、遊技者が消失した利益を補填するようにしてもよい。これにより、偽造等された不正な会員カードではないにもかかわらず、例えばデータ送信時のノイズ等の影響により、正当性が確認されなかった会員カード300を所有する遊技者の救済を図ることができる。
つまり、本パチンコ機10では、(1)カードサンド装置70へ会員カード300を挿入すること、(2)その会員カード300に履歴情報が全く記憶されていないこと、又は、その会員カード300に記憶された履歴情報が正当なものであること、を許可条件として、遊技者は球の貸し出しを受け、パチンコ機10にて遊技を行うことができる。
かかる機能により、データの改ざんや偽造されたカード等を使用した不正行為の抑制を図ることができる。例えば、残高データを改ざんした会員カードがカードサンド装置70に挿入された場合には、当該会員カードに記憶された履歴情報(貯蓄データ等)と、ホールコンピュータ263の履歴記録部(図示せず)に記憶された会員カードに係る履歴情報(貯蓄データ等)とが一致せず、ホールコンピュータ263からカードサンド装置70に対してエラー信号が送信される。
遊技球の貸出しが許可され、遊技者が紙幣を紙幣投入口71へ投入した場合、又は、会員カード300の現金対応メモリ300bに残高データが記憶されている場合には、これに相当する数値(投入金額または残高データのポイント値)が一時的にRAM273に記憶される。なお、第1実施形態における残高データは、1ポイントが1円に相当する。
この状態で、球貸ボタン74が1回操作されると、現金対応メモリ300bに記憶された値の限度内で、所定金額に相当する分(例えば500円分)の球の貸出が行われ、その貸出球数を含む貸球信号を枠統括制御装置111に対して送信する。ここで貸し出される球数は、RAM273に記憶された貸出レートを基に算出される。例えば、貸出レートが1玉4円の場合には、100円につき25球の貸出球が貸し出されることになる。球の貸し出しにあわせて、カードサンド装置70は、RAM273に一時的に記憶されている残高データから上記貸し出しに使用された分の値を減算する。このように会員カード300の現金対応メモリ300bの値をカードサンド装置70のRAM273に一時記憶させて減算処理を行うことで、貸球要求に応じて金額データを直ちに更新することができるので、貸球に関する制御を迅速に行うことができる。
続けて、カードサンド装置70は、自分の識別番号と共に、新たな履歴情報を会員カード300に書き込む。具体的には、カードサンド装置70へ会員カード300を挿入した日時、カードサンド装置70の識別番号、球の貸出数、更新後の残高データ、貸出レート等が書き込まれる。あわせて、カードサンド装置70は、これらの履歴情報を、ホールコンピュータ263に対して送信する。これを受信したホールコンピュータ263は、これらの履歴情報を新たに履歴記録部(図示せず)に記憶する。これにより、この新たに履歴記憶部に記憶された履歴情報を用いて、カードサンド装置70に挿入された会員カード300の正当性を、ホールコンピュータ263は判断することができる。
次に、図12から図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(第1実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。
図12を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図12は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、枠統括制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(第1実施形態では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図5参照)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:Yes)、処理をS1011へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1004:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1011へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:Yes)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1011へ移行する。なお、図19のS1711の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1011の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる枠統括制御装置111を初期化するために初期化コマンドを送信する(S1011)。枠統括制御装置111は、この初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の計数制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1012及びS1013)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1012及びS1013)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1012及びS1013)を実行する。RAMの初期化処理(S1012及びS1013)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S1012)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1013)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1004:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(枠統括制御装置111)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。枠統括制御装置111は、この復帰コマンドを受信すると、RAM203に記憶されたデータを保持したまま、球の管理制御を開始可能な状態となる。
S1010の処理では、割込みを許可する(S1010)。そして、後述するメイン処理に移行する。
図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1101)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、枠統括制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から枠統括制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチ44〜46の読み込み処理を実行する(S1201)。即ち、主制御装置110に接続されている各種入賞スイッチ44〜46の状態を読み込むと共に、当該スイッチ44〜46の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)をRAM203に保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1202)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を「1」加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203aに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を「1」加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「250」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ203aに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1203)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ「1」加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態ではそれぞれ、「899」,「99」,「99」,「250」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203aに格納する。
次に、第1図柄表示装置87による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1204)、次いで、一般入賞口3及び特定入賞口5aへの入賞に伴う賞球を決定する賞球処理を実行して(S1205)、更に、始動入賞口4への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1206)。なお、変動処理、賞球処理、及び、始動入賞処理の詳細は、それぞれ図15、図17および図18を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1207)、タイマ割込処理を終了する。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1204)について説明する。図15は、この変動処理(S1204)を示すフローチャートである。変動処理(S1204)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、第1図柄表示装置87や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置87で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1301:No)、第1図柄表示装置87の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1302)、第1図柄表示装置87の表示態様が変動中でなければ(S1302:No)、次いで、第1図柄表示装置87における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1303)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1303:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1303の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1303:Yes)、主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数Nが「0」よりも大きいか否かを判別する(S1304)。その結果、保留球数Nが「0」でなければ(S1304:Yes)、保留球数カウンタ203c(保留球数N)を「1」減算し(S1305)、保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S1306)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置87の変動開始処理を実行する(S1307)。なお、変動開始処理については、図16を参照して後述する。
S1304の処理において、保留球数カウンタ203cの値(保留球数N)が「0」であると判別されると(S1304:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S1308)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203c(保留球数N)の値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S1308:No)、デモコマンドを設定して(S1309)、本処理を終了し、デモ中であると判別された場合は(S1308:Yes)、そのまま本処理を終了する。S1309の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図19参照)の外部出力処理(S1701)の中で、枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後所定時間経過したときに変動表示が開始されない場合に、デモコマンドを設定し、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させることができる。
S1302の処理において、第1図柄表示装置87の表示態様が変動中であると判別されると(S1302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1310)。第1図柄表示装置87の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1310:No)、第1図柄表示装置87の表示を更新して(S1311)、本処理を終了する。
第1実施形態では、第1図柄表示装置87のLED87aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を「1」カウントし、そのカウンタが「200」に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、「0」にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置87の変動時間が経過していれば(S1310:Yes)、第1図柄表示装置87の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1312)。停止図柄の設定は、図16を参照して後述する変動開始処理(S1307)によって予め行われる。即ち、S1306の処理により、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に「15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「高確率状態」へ移行する確変大当たり)」となる図柄か、「2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に「高確率状態」へ移行する確変大当たり)」となる図柄か、「15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する大当たり)」となる図柄かが決定される。
第1実施形態では、大当たり後に「15R確変大当たり」になる場合には青色のLEDを点灯させ、「2R確変大当たり」になる場合には赤色のLEDを点灯させ、「15R通常大当たり」になる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1312の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置87の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置87におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1313)、処理をS1314へ移行する。音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111を介してこの確定コマンドに関する表示確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま表示確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、表示確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
S1314の処理では、時短回数カウンタ203d(時短回数K)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S1314)。その結果、時短回数Kが「0」であると判別された場合は(S1314:No)、本処理を終了する一方、時短回数Kが「0」よりも大きいければ(S1314:Yes)、時短回数カウンタ203d(時短回数K)を「1」減算し(S1315)、枠統括制御装置111に対して送信する時短減算コマンドを設定し(S1316)、本処理を終了する。枠統括制御装置111は、この時短減算コマンドを受信すると、枠統括制御装置111のRAM213に設けられた後述する枠側時短回数カウンタ213kの値を「1」減算するように構成される。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1307)について説明する。図16は、変動開始処理(S1307)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1307)は、タイマ割込処理(図14参照)の変動処理(図15参照)の中で実行され、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81で行われる変動表示の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する抽選(当否判定)処理を行う(S1401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が「高確率状態」の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1401の処理では、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1401の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1401:Yes)、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1402)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202bとによって設定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「高確率状態」へ移行する「15R確変大当たり」か、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に「高確率状態」へ移行する「2R確変大当たり」か、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する「15R通常大当たり」か、に基づいて、第1図柄表示装置87の表示態様(LED87aの点灯状態)が設定される。また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「15R通常大当たり」)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1403)。この変動パターンの決定は、S1402の処理で設定された大当たり種別と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cとに基づいて行われる。S1403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置87の表示時間が設定される。
S1401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1404)。S1404の処理では、第1図柄表示装置87の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、「前後外れリーチ」であるか、「前後外れ以外リーチ」であるか、「完全外れ」であるかを設定する。第1実施形態では、上述したように、「高確率状態」であるか、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1405)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(「高確率状態」か、「時間短縮状態」か、もしくは「通常遊技状態」か)と、S1404の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202dとに基づいて行われる。S1405の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置87の表示時間が設定される。
S1403の処理またはS1405の処理が終わると、そのS1403又はS1405の処理で決定された変動パターン種別を枠統括制御装置111及び音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1406)。次いで、S1402又はS1404の処理で設定された停止種別を枠統括制御装置111及び音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S1407)、本処理を終了する。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図19)のS1701の処理で、これらのコマンドが枠統括制御装置111に送信される。
次に、図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される賞球処理(S1205)の処理を説明する。図17は、この賞球処理(S1205)を示すフローチャートである。この賞球処理(S1205)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、一般入賞口3及び特定入賞口5aへの入賞の有無を判断し、入賞があった場合に賞球を決定して、枠統括制御装置111において計数されている賞球分の数を加算するために、賞球加算コマンドを設定する。
賞球処理が実行されると、まず、一般入賞口3への入賞があったか否かを判断する(S1501)。この処理では、タイマ割込処理(図14参照)のS1201のスイッチ読み込み処理によってRAM203に保存された一般入賞口スイッチ44の入賞検知情報に基づいて、一般入賞口3への入賞があったか否かを判断する。
そして、一般入賞口3への入賞があると判断された場合(S1501:Yes)、5球の賞球を決定し、枠統括制御装置111において計数されている賞球数に対して5球の賞球を加算するために、5球の賞球加算コマンドを枠統括制御装置111へ送信するために設定する(S1502)。ここで設定された賞球加算コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図19参照)のS1701の処理で枠統括制御装置111に送信される。
S1502の処理の後は、S1503の処理へ移行する。また、S1501の処理の結果、一般入賞口3への入賞はないと判断された場合は(S1501:No)、S1502の処理をスキップしてS1503の処理へ移行する。
S1503の処理では、特定入賞口5aへの入賞があったか否かを判断する(S1503)。この処理では、タイマ割込処理(図14参照)のS1201のスイッチ読み込み処理によってRAM203に保存された特定入賞スイッチ46の入賞検知情報に基づいて、特定入賞口5aへの入賞があったか否かを判断する。
そして、特定入賞口5aへの入賞があると判断された場合(S1503:Yes)、15球の賞球を決定し、枠統括制御装置111において計数されている賞球数に対して15球の賞球を加算するために、15球の賞球加算コマンドを枠統括制御装置111へ送信するために設定する(S1504)。ここで設定された賞球加算コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図19参照)のS1701の処理で枠統括制御装置111に送信される。
S1504の処理の後は、賞球処理を終了してタイマ割込処理に戻る。また、S1503の処理の結果、特定入賞口5aへの入賞はないと判断された場合は(S1503:No)、S1504の処理をスキップして賞球処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
次に、図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1206)を説明する。図18は、この始動入賞処理(S1206)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S1206)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、始動入賞口4への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行する。また、始動入賞があった場合に賞球を決定して、枠統括制御装置111において計数されている賞球数に対して賞球分の数を加算するために、賞球加算コマンドを設定する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が始動入賞口4に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1601)。この処理では、タイマ割込処理(図14参照)のS1201のスイッチ読み込み処理によってRAM203に保存された始動入賞スイッチ45の入賞検知情報に基づいて、始動入賞口4への入賞(始動入賞)があったか否かを判断する。
そして、球が始動入賞口4に入賞(始動入賞)したと判別されると(S1601:Yes)、5球の賞球を決定し、枠統括制御装置111において計数されている賞球数に対して5球の賞球を加算するために、5球の賞球加算コマンドを枠統括制御装置111へ送信するために設定する(S1602)。ここで設定された賞球加算コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図19参照)のS1701の処理で枠統括制御装置111に送信される。
S1602の処理に次いで、主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数Nが上限値(第1実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する(S1603)。そして、始動入賞口4への入賞がないか(S1601:No)、或いは、始動入賞口4への入賞があっても作動保留球数N<「4」でなければ(S1603:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、始動入賞口4への入賞があり(S1601:Yes)、且つ、保留球数N<「4」であれば(S1603:Yes)、保留球数Nを「1」加算し(S1604)、更に、タイマ割込処理(図14参照)のS1203の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリア203bの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1605)。
次いで、S1604の処理によって更新された保留球数Nの値を含めた保留球数コマンドを作成し(S1606)、作成した保留球数コマンドを設定して(S1607)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。
この保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図19参照)のS1701の処理で枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。そして、音声ランプ制御装置113にて管理された保留球数が第3図柄表示装置81の保留表示領域Dhに表示されるよう、音声ランプ制御装置113は表示制御装置114に対して保留表示コマンドを送信する。この保留表示コマンドには、表示すべき保留球数を示す情報が含まれている。表示制御装置114は、保留表示コマンドによって示される保留球数を保留表示領域Dhに表示するよう、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
次に、図19を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図19は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1704の各処理が実行され、その残余時間でS1708及びS1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図14参照)の中でRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、賞球処理(S1205)で設定された賞球加算コマンドを枠統括制御装置111に対して送信する。また、始動入賞処理(S1206)で設定された保留球数コマンドを枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド、時短減算コマンド、ファンファーレコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド等を枠統括制御装置111又は枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113に送信する。
次いで、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を「1」加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「198」)に達した際、「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203aに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、次いで、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置5の特定入賞口(大入賞口)5aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1703)。大当たり制御処理の詳細については図20を参照して後述するが、大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口5aを開放し、特定入賞口5aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口5aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口5aを閉鎖する。この特定入賞口5aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、第1実施形態では、この大当たり制御処理をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行してもよい。
次いで、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1704)。簡単に説明すると、球がスルーゲート7を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、始動入賞口4に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1705:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(第1実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S1706)、既に所定時間が経過していれば(S1706:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1706:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2、及び、変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1707及びS1708)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1707)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を「1」加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「250」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203aにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1708)。
ここで、S1701〜S1704の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1705の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図13のNMI割込処理が実行されたということなので、S1709以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1709)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(枠統括制御装置111等の周辺制御装置)に対して送信する(S1710)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1711)、RAM203のアクセスを禁止して(S1712)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1705の処理は、S1701〜S1704で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1707とS1708の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1001)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1703)を説明する。図20は、この大当たり制御処理(S1703)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1703)は、メイン割込処理(図19参照)の中で実行され、パチンコ機10が大当たり中である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大入賞口)5aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、大当たりを開始するタイミングかを判定する(S1801)。具体的には、S1801の処理の実行直前に行われたタイマ割込処理において、変動処理(図15参照)のS1312の処理が実行され、第1図柄表示装置の停止表示として大当たりの表示を設定した場合に、大当たりを開始すると判定する。
S1801の処理において、大当たりを開始するタイミングと判定された場合は(S1801:Yes)、RAM203に設けられた図示しない大当たり中フラグをオンに設定し(S1802)、次いで、大当たり状態の開始を示すファンファーレコマンドを設定して(S1803)、大当たり制御処理を終了し、メイン処理へ戻る。なお、大当たり中フラグは、RAM203の所定領域に設けられ、パチンコ機10が大当たり中であるか否かを示すフラグであり、大当たり中フラグがオンの場合にパチンコ機10が大当たり中であることを示す。
S1803の処理で設定されたファンファーレコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により次に実行される外部出力処理(S1701)の中で、枠統括制御装置111に向けて送信される。枠統括制御装置111は、ファンファーレコマンドを受信すると、表示ファンファーレコマンドを音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示ファンファーレコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてファンファーレ演出が開始される。また、枠統括制御装置111は、ファンファーレコマンドを受信すると、ラッキー期間の開始判定を行い、その判定結果からラッキー期間の開始条件を満たしている場合は、いずれかのラッキー期間を開始すべくラッキー期間関連フラグ213h〜213jの設定を行う。このラッキー期間関連フラグ213h〜213jの設定については後述する。
一方、S1801の処理において、大当たりが開始タイミングではない場合には(S1801:No)、次いで、大当たり中フラグがオンであって、今現在、大当たり中であるか否かを判定する(S1804)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置87で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。
S1804の処理において、大当たり中フラグがオフであり、大当たり中でなければ(S1804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1804の処理において、大当たり中フラグがオンであり、大当たり中であれば(S1804:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1805)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1805:Yes)、特定入賞口5aを開放し(S1806)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1807)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により次に実行される外部出力処理(S1701)の中で、枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1805の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1805:No)、次いで、特定入賞口5aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1808)。具体的には、特定入賞口5aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口5aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1808の処理において、特定入賞口5aの閉鎖条件が成立した場合には(S1808:Yes)、特定入賞口5aを閉鎖して(S1809)、本処理を終了する。一方、特定入賞口5aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1808:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1810)。
S1810の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1810:Yes)、大当たり状態の終了を示すエンディングコマンドを設定し(S1811)、本処理を終了する。S1811の処理にて設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される外部出力処理(S1701)の中で、枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。また、枠統括制御装置111は、エンディングコマンドを受信すると、ラッキー期間の付与に関する制御、具体的には、後述する開放延長フラグ213fのオン設定と、「スタート」状態である場合における枠側時短回数カウンタ213kの設定(「100」を設定)、を行う。なお、表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1810の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1810:No)、今回の大当たりを終了させるかを判定する(S1812)。S1812の処理において、今回の大当たりを終了させる場合には(S1812:Yes)、大当たりの終了を設定し(S1813)、大当たり中フラグをオフに設定して(S1814)、その後、「時間短縮状態」に突入するか否かを判定する(S1815)。この「時間短縮状態」に突入するか否かは図示しない状態フラグにより行う。判定の結果、「時間短縮状態」に突入すると判定された場合は(S1815:Yes)、時短回数カウンタ203dの値に「100」を設定し(S1816)、本処理を終了する。一方、S1815の処理の結果、「時間短縮状態」に突入しないと判定された場合(S1815:No)、即ち、「高確率状態」に突入する場合は、時短回数カウンタ203dを「0」クリアして(S1817)、本処理を終了する。なお、S1812の処理の結果、今回の大当たりを終了させるタイミングではないと判定される場合は(S1812:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図21を参照して、パチンコ機10と、カードサンド装置70と、会員カード300とのコマンド及びレスポンスの送受信の内容について説明する。図21は、会員カード300投入時、球貸ボタン74押下時及び返却ボタン75押下時におけるパチンコ機10、カードサンド装置70及び会員カード300の情報の授受を示す図である。この図21を参照して、カードサンド装置70を中心に行われる3つのアクションについて説明する。1つ目のアクションは、遊技開始時に遊技者所有の会員カード300をカードサンド装置70に投入した際のアクション、即ち、<会員カード投入>のアクションにおける情報の授受について説明する。2つ目のアクションは、遊技者により球貸ボタン74が操作された際のアクション、即ち、<球貸ボタン押下>のアクションにおける情報の授受について説明する。3つ目のアクションは、遊技終了時に遊技者により返却ボタン75が操作された際のアクション、即ち、<返却ボタン押下>のアクションにおける情報の授受について説明する。
<会員カード投入>
遊技者により、遊技者所有の会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入された場合、まず、上述したホールコンピュータ263との認証処理が行われ(図示せず)、正当な会員カード300であったときは、会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データがカードサンド装置70に読み込まれる。その後、カードサンド装置70は、カードサンド装置70に会員カード300が投入されたことを示す投入信号をパチンコ機10に送信する。そして、読み込んだ会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データをパチンコ機10に送信する。パチンコ機10は、カードサンド装置70から会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを受信した場合に、該通常時メモリ300cの所持玉データを枠統括制御装置111の通常時球カウンタ213cに加算する。カードサンド装置70は、通常時メモリ300cの所持玉データを送信した後、会員カード300の通常時メモリ300cの値をクリアする。
このように、カードサンド装置70に会員カード300を投入した場合には、会員カード300の通常時メモリ300cの共有可能玉に関する所持玉データのみがパチンコ機10に送信され、遊技使用不可メモリ300dの遊技使用不可玉に関する所持玉データは通知されないように構成される。
<球貸ボタン押下>
遊技者によりカードサンド装置70の球貸ボタン74が操作された場合、まず、カードサンド装置70は、会員カード300の現金対応メモリ300bに残高データが記憶されているか否かを確認する。現金対応メモリ300bに残高データを記憶されていない場合はその後の処理をキャンセルする一方(図示せず)、現金対応メモリ300bに残高データが記憶されている場合は、カードサンド装置70は、球の貸し出し処理を行わせるため、貸球信号をパチンコ機10に送信する。カードサンド装置70から貸球信号を受信したパチンコ機10は、所定の貸出球数を枠統括制御装置111の通常時球カウンタ213cの値に加算する。その後、パチンコ機10は、受信完了信号をカードサンド装置70へ送信する。受信完了信号を受信したカードサンド装置70は、会員カード300の現金対応メモリ300bの残高データから貸出球数相当のデータを減算する。
このように、遊技者により球貸ボタン74が操作された場合には、会員カード300の現金対応メモリ300bに残高データがあることを条件に球の貸し出し制御が行われ、パチンコ機10の通常時球カウンタ213cに共有可能玉として加算される。
<返却ボタン押下>
遊技者によりカードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合、まず、カードサンド装置70は、パチンコ機10に対して返却信号を送信する。返却信号を受信したパチンコ機10は、通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該通常時球カウンタ213cの値を「0」クリアする。通常時球カウンタ213cの共通可能玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300の通常時メモリ300cに、該通常時球カウンタ213cの共通使用可能玉に関する所持玉データの内容を加算する。
その後、パチンコ機10は、ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該ラッキー中球カウンタ213dの値を「0」クリアする。ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに、該ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データの内容を加算する。
その後、パチンコ機10は、使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該使用不可エリア213eの値を「0」クリアする。使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに、該使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データの内容を加算する。
このように、遊技者により返却ボタン75が操作された場合には、パチンコ機10の枠統括制御装置111で管理している共有可能玉、ラッキー玉及び遊技使用不可玉に関する所持玉データが会員カード300の通常時メモリ300c及び遊技使用不可メモリ300dにそれぞれ加算される。
なお、第1実施形態では、会員カード300の通常時メモリ300c及び遊技使用不可メモリ300dの値に所持玉データの内容を反映する際に加算処理を行うように構成されている。これに対し、加算処理ではなく、既に書き込まれているデータに対して上書き処理を行ってデータを更新したり、複数の記憶エリアで構成されたバッファエリアに対して所持玉データが発生する毎に空いている記憶エリアへ該所持玉データの書き込み処理を行うことでデータを蓄積させる方法等、パチンコ機10が管理している所持玉データの内容を会員カード300に的確に反映させる制御内容であれば、その手段及び方法は如何様でもよく、内容は問わない。
次に、図22から図30を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU211の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図22を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理を説明する。図22は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
この立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可する(S2002)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2003)、記憶されていなければ(S2003:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS2007へ移行し、RAM213の初期化処理を実行する(S2007〜S2009)。
RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2003:Yes)、RAM判定値を算出し(S2004)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S2005:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS2007へ移行し、RAM213の初期化処理を実行する(S2007〜S2009)。図23のS2110の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S2007〜S2009のRAM213の初期化処理では、RAM213の全ての領域を「0」クリアした後(S2007)、RAM213の初期値を設定する(S2008)。その後、ROM212に記憶される条件テーブル212aから各ラッキー期間の条件を無制限条件メモリ213mとラッキー条件メモリ213nにそれぞれ設定し(S2009)、S2010の処理へ移行する。
第1実施形態のパチンコ機10では、この初期化処理(S2007〜S2009)においてのみ無制限条件メモリ213m及びラッキー条件メモリ213nが設定され、その後は、バックアップが有効である限り、この無制限条件メモリ213m及びラッキー条件メモリ213nの値は維持される。そして、大当たりに当選した場合に、後述する大当たり表示コマンド設定処理(S2212)において、この無制限条件メモリ213m及びラッキー条件メモリ213nの値が参酌され、いずれかのラッキー期間が付与される。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S2003:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S2005:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアし(S2006)、その後、S2010の処理へ移行する。
S2010の処理では、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行う(S2010)。その後、無制限条件メモリ213mとラッキー条件メモリ213nとの値に基づく条件コマンドを音声ランプ制御装置113へ向けて送信する(S2011)。音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から条件コマンドを受信した場合に、該条件コマンドが示すラッキー期間の開始条件及び終了条件を状況表示装置85に表示するように構成されている。S2011の処理の後は、割込みを許可して(S2012)、メイン処理(図23参照)へ移行する。なお、第1実施形態では、「スタート」状態の開始条件は、「無制限」状態又は「ラッキー」状態に対応する大当たり以外の大当たりと予め設定されている。また、「スタート」状態の終了条件は、該「スタート」状態時の「時間短縮状態」の終了と予め設定されている。これら「スタート」状態の開始条件及び終了条件は、電源投入時にもれなく設定されて状況表示装置85に表示されるように構成されている。
次に、図23を参照して、上記した立ち上げ処理後に枠統括制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理について説明する。図23は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、主制御装置110から送信されたコマンドの内容に応じて各種制御を行う主コマンド判定処理(S2101)と、音声ランプ制御装置113から送信されたコマンドの内容に応じて各種制御を行うサブコマンド判定処理(S2102)と、遊技者が遊技に使用できる球の数である貸球及び賞球の数を計数する貸球賞球係数処理(S2103)と、発射球又はファール球を検知して遊技に使用可能な球の数を計数するとともに、発射制御装置112に対して、球の発射を許可し又は禁止させる発射球計数処理(S2104)と、会員カード300が投入された場合や球貸ボタン74が操作された場合、返却ボタン75が操作された場合の各種処理を行う清算処理(S2105)とを実行する。その概要として、1m秒周期の定期処理としてS2101〜S2105の各処理が実行され、その残余時間で電源断の発生の監視処理(S2106)が実行される構成となっている。
メイン処理では、まず、定期処理として、主制御装置110より受信したコマンドを判定してそのコマンドに対応した処理を行う主コマンド判定処理を実行し(S2101)、次いで、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドを判定してそのコマンドに対応した処理を行うサブコマンド判定処理を実行する(S2102)。次に、貸球及び賞球の所持球数を計数する貸球賞球計数処理を実行し(S2103)、次いで、発射球又はファール球を検知して遊技状態に応じて通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれかに加減算するとともに、該通常時球カウンタ213c及びラッキー中球カウンタ213dの値に応じて、発射制御装置112に対して球の発射許可又は禁止させる発射球計数処理を実行する(S2104)。そして、カードサンド装置70に会員カード300が投入された場合、カードサンド装置70の球貸ボタン74が操作された場合、又は、カードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合に、会員カード300が記憶している所持玉データをパチンコ機10へ、或いは、パチンコ機10が記憶している所持玉データを会員カード300へ、それぞれデータ移行させる精算処理を実行して(S2105)、定期処理を終了する。
なお、主コマンド判定処理(S2101)の詳細については図24を参照して、サブコマンド判定処理(S2102)の詳細については図27を参照して、貸球賞球計数処理(S2103)の詳細については図28を参照して、発射球計数処理(S2104)の詳細については図29を参照して、精算処理(S2105)の詳細については図30を参照して、それぞれ後述する。
S2105の処理の後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2106)、RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2106:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図13のNMI割込処理が実行されたということなので、S2108以降の電源遮断時の処理が実行される。
まず、各割込処理の発生を禁止し(S2108)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(発射制御装置112等の周辺制御装置)に対して送信する(S2109)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S2110)、RAM213のアクセスを禁止して(S2111)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、2106の処理は、S2101〜S2105で行われる一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS2106の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、枠統括制御装置111のメイン処理において、各処理が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS2101の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS2101の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S2008)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S2101の処理から開始することができる。従って、枠統括制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、枠統括制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
また、S2106の処理の結果、RAM213に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2106:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないため、次の定期処理(S2101〜S2105の処理)の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の定期処理の開始から所定時間(第1実施形態では1ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S2107)、既に所定時間が経過していれば(S2107:Yes)、処理をS2101へ移行し、上述したS2101以降の各処理を繰り返し実行する。一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S2107:No)、所定時間に至るまで間、S2106の処理へ回帰し、S2106の処理を繰り返し実行する。
次いで、図24を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211によりメイン処理(図23参照)の中で実行される主コマンド判定処理(S2101)を説明する。図24は、この主コマンド判定処理を示したフローチャートである。主コマンド判定処理(S2101)は、主制御装置110より受信したコマンドを判定してそのコマンドに対応した処理を行うものである。
なお、主制御装置110より受信したコマンドは、RAM213に設けられた主コマンド用のコマンド記憶領域に一旦格納される。主コマンド用のコマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。主コマンド判定処理では、この主コマンド用のコマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドを読み出し、そのコマンドを解析して、そのコマンドに応じた処理を実行する。
主コマンド判定処理では、まず、RAM213に設けられた主コマンド用のコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より初期化コマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。そして、初期化コマンドを受信したと判別した場合(S2201:Yes)、RAM213の作業領域を「0」クリアし(S2202)、その作業領域に初期化時の初期値を設定することでRAM213の初期設定を行って(S2203)、RAM213の作業領域の初期化を実行する。そして、計数許可信号を本パチンコ機10に対応して設けられたカードサンド装置70へ送信して(S2205)、主コマンド判定処理を終了する。カードサンド装置70は、枠統括制御装置111より計数許可信号を受信すると、ホールコンピュータ263からの信号に基づいて貸出レートの設定が完了していることを条件として、会員カード300の受付が可能な状態となる。これにより、RAM213の作業領域が初期化された状態で、カードサンド装置70から貸球信号が送信されることになり、所持球数の計数は、その初期化された状態から開始することができる。
S2201の処理の結果、初期化コマンドを受信していないと判別された場合(S2201:No)、次いで、主制御装置110より復帰コマンドを受信したか否かを判別する(S2204)。そして、復帰コマンドを受信したと判別された場合(S2204:Yes)、上述したS2205の処理へ移行し、計数許可信号を本パチンコ機10に対応して設けられたカードサンド装置70へ送信して(S2205)、主コマンド判定処理を終了する。これにより、RAM213の作業領域の値が保持されたまま、カードサンド装置70は、ホールコンピュータ263からの信号に基づいて貸出レートの設定が完了していることを条件として、会員カード300の受付が可能な状態となるので、RAM213の作業領域の値が維持された状態で、カードサンド装置70から貸球信号が送信されることになり、所持球数の計数をその状態から開始することができる。
S2204の処理の結果、復帰コマンドを受信していないと判別された場合(S2204:No)、次いで、主制御装置110より賞球加算コマンドを受信したか否かを判別する(S2206)。そして、賞球加算コマンドを受信したと判別された場合(S2206:Yes)、賞球加算フラグ213aをオンし(S2207)、受信した賞球加算コマンドで示された賞球数情報をRAM213の賞球バッファ213bに一時格納する(S2208)。S2208の処理で格納された賞球数情報で示される賞球数が、後述する貸球賞球計数処理(図28参照)において、ラッキー期間中か否かに応じて通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれかに加算される。その後、主コマンド判定処理を終了する。
S2206の処理の結果、賞球加算コマンドを受信していないと判別された場合(S2206:No)、次いで、主制御装置110より変動表示に関するコマンドを受信したか否かを判別する(S2209)。変動表示に関するコマンド、即ち、変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド又は保留球数コマンドを受信していれば(S2209:Yes)、該変動表示に関するコマンドに応じて音声ランプ制御装置113へ変動表示を実行させるコマンドを生成すべく、変動表示コマンド設定処理を行い(S2210)、主コマンド判定処理を終了する。変動表示コマンド設定処理(S2210)については図25にて後述する。
S2209の処理の結果、変動表示に関するコマンドを受信していないと判別された場合(S2209:No)、次いで、主制御装置110より大当たりに関するコマンドを受信したか否かを判別する(S2211)。大当たりに関するコマンド、即ち、ファンファーレコマンドやエンディングコマンド等を受信していれば(S2211:Yes)、該大当たりに関するコマンドに応じて音声ランプ制御装置113へ大当たり表示を実行させるコマンドを生成すると共に、ファンファーレコマンドの受信の場合はラッキー期間の設定をすべく、また、エンディングコマンドの受信の場合はラッキー期間の付与に必要な設定(開放延長フラグ213fのオン設定及び枠側時短回数カウンタ213k値の設定)をすべく、大当たり表示コマンド設定処理を行い(S2212)、主コマンド判定処理を終了する。大当たり表示コマンド設定処理(S2212)については図26にて後述する。
S2211の処理の結果、大当たりに関するコマンドを受信していないと判別された場合(S2211:No)、次いで、主制御装置110より時短減算コマンドを受信したか否かを判別する(S2213)。そして、時短減算コマンドを受信していないと判別された場合(S2213:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2223)、主コマンド判定処理を終了する。一方、時短減算コマンドを受信したと判別された場合(S2213:Yes)、「時間短縮状態」における第3図柄の変動表示が1回実行されたということなので、枠側時短回数カウンタ213kの値を「1」減算し(S2214)、音声ランプ制御装置113にも時短回数が1回減少したことを示すために、表示時短減算コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2215)、処理をS2216へ移行する。
S2216の処理では、「1」減算した枠側時短回数カウンタ213kの値が「0」より小さいか否かを判別する(S2216)。この判別は、ノイズ等の影響を考慮して、枠側時短回数カウンタ213kの値が「0」以下になる可能性があるため、「0」の一致判定ではなく、「0」以下という比較判定を行っている。確認の結果、枠側時短回数カウンタ213kの値が「0」以下でない場合、即ち、「0」より大きい値である場合は(S2216)、未だ「時間短縮状態」中であるので、特段の処理を行わず、主コマンド判定処理を終了する。一方、枠側時短回数カウンタ213kの値が「0」以下であると判別された場合(S2216:Yes)、処理をS2217へ移行する。
S2217の処理では、「時間短縮状態」が終了するので、開放延長フラグ213fをオフに設定し(S2217)、次いで、スタートフラグ213jのみがオンされている状態か否かを判別する(S2218)。スタートフラグ213jが単独でオン状態でない場合(S2218:No)、即ち、スタートフラグ213j以外にも無制限フラグ213hやラッキーフラグ213iがオンされている状態は、「スタート」状態ではなく、「無制限」状態や「ラッキー」状態のラッキー期間であるので、「時間短縮状態」が終了した後もラッキー期間を継続すべく、特段の処理を行わず、主コマンド判定処理を終了する。
一方、S2218の処理において、スタートフラグ213jのみがオンされている場合は(S2218:Yes)、「スタート」状態であったので、該「スタート」状態を終了すべく、スタートフラグ213jをオフに設定し(S2219)、「スタート」状態が終了したことを示す残回数0コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S2220)。音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から残回数0コマンドを受信した場合には、「スタート」状態が終了したことを認識し、シャッター役物228を駆動させて第3図柄表示装置81を覆い、「スタート」状態が終了したことを遊技者に認識させる。
S2220の処理の後は、ラッキー期間が終了したということで、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されているラッキー玉に関する所持玉データを、その後の遊技で使用させないようにするため、該ラッキー中球カウンタ213dの値を使用不可エリア213eへ加算し(S2221)、ラッキー中球カウンタ213dの値を「0」クリアして(S2222)、主コマンド判定処理を終了する。このように、枠側時短回数カウンタ213kを設け、枠統括制御装置111においても「時間短縮状態」の消化状況を把握可能に構成することで、ラッキー期間に関する制御を枠統括制御装置111内で完結でき、主制御装置110側でラッキー期間の管理をしなくても済むので、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。
次いで、図25を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211により主コマンド判定処理(図24参照)の中で実行される変動表示コマンド設定処理(S2210)を説明する。図25は、この変動表示コマンド設定処理を示したフローチャートである。変動表示コマンド設定処理(S2210)は、主に、主制御装置110から受信した変動表示に関するコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する処理を行うと共に、変動パターンコマンド受信時に「スタート」状態か否かを判別して、「スタート」状態である場合には、該「スタート」状態の消化状況を枠側時短回数カウンタ213kで確認し、所定の消化状況(例えば、50回や90回)であった場合に、その消化状況を示唆する残回数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する処理を行う。
変動表示コマンド設定処理では、まず、主制御装置110から受信した変動表示の関するコマンドは変動パターンコマンドか否かを判別する(S2301)。変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2301:No)、処理をS2308へ移行する一方、変動パターンコマンドを受信していると判別された場合(S2301:Yes)、音声ランプ制御装置113に変動表示を実行させるために、受信した変動パターンコマンドに対応する表示変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2302)、処理をS2303へ移行する。
S2303の処理では、スタートフラグ213jのみがオンされている状態か否かを判別する(S2203)。スタートフラグ213jが単独でオン状態でない場合(S2203:No)、即ち、いずれのフラグ213h〜213jがオンでない状態や、スタートフラグ213j以外にも無制限フラグ213hやラッキーフラグ213iがオンされている状態は、「スタート」状態ではなく、「無制限」状態や「ラッキー」状態のラッキー期間か、ラッキー期間以外の「通常遊技状態」であるので、以降の処理をスキップして、この変動表示コマンド設定処理を終了する。
一方、S2303の処理において、スタートフラグ213jのみがオンされている場合は(S2303:Yes)、「スタート」状態であるので、次いで、S2304〜S2307の処理を行い、枠側時短回数カウンタ213kの値を判別して、所定の判定値の場合には、「スタート」状態の消化状況を報知すべく、音声ランプ制御装置113へいずれかの残回数コマンドを送信する。
S2304の処理では、枠側時短回数カウンタ213kの値が「50」であるか否かを判別する(S2304)。確認の結果、枠側時短回数カウンタ213kの値が「50」である場合は(S2304:Yes)、「スタート」状態における「時間短縮状態」での第3図柄の変動表示が50回実行されたということなので、残りの時短回数(「スタート」状態回数)が50回であることを示す残回数50コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2305)、処理をS2306へ移行する。一方、枠側時短回数カウンタ213kの値が「50」でなければ(S2304:No)、S2305の処理をスキップして、処理をS2306へ移行する。
S2306の処理では、枠側時短回数カウンタ213kの値が「10」であるか否かを判別する(S2306)。確認の結果、枠側時短回数カウンタ213kの値が「10」である場合は(S2306:Yes)、「スタート」状態における「時間短縮状態」での第3図柄の変動表示が90回実行されたということなので、残りの時短回数(「スタート」状態回数)が10回であることを示す残回数10コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2307)、この変動表示コマンド設定処理を終了する。一方、枠側時短回数カウンタ213kの値が「10」でなければ(S2306:No)、S2307の処理をスキップして、この変動表示コマンド設定処理を終了する。
このように、枠統括制御装置111は、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した際、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの設定状況を判別すると共に、枠側時短回数カウンタ213kの値を判別して、「スタート」状態の消化状況に応じた演出を音声ランプ制御装置113に行わせることができる。音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から残回数50コマンド又は残回数10コマンドを受信した場合には、「スタート」状態の消化状況を把握し、該コマンドの種類に応じてシャッター役物228を駆動させて第3図柄表示装置81を徐々に被覆させ、「スタート」状態の消化状況(残り回数)を遊技者に認識させることができる。
S2308の処理では、主制御装置110から受信した変動表示の関するコマンドは停止種別コマンドか否かを判別する(S2308)。停止種別コマンドを受信していると判別された場合(S2308:Yes)、音声ランプ制御装置113に変動表示を実行させるために、受信した停止種別コマンドに対応する表示停止種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2309)、この変動表示コマンド設定処理を終了する。一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合は(S2308:No)、処理をS2310へ移行する。
S2310の処理では、主制御装置110から受信した変動表示の関するコマンドは確定コマンドか否かを判別する(S2310)。確定コマンドを受信していると判別された場合(S2310:Yes)、音声ランプ制御装置113に変動表示を停止させるために、受信した確定コマンドに対応する表示確定コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2311)、この変動表示コマンド設定処理を終了する。一方、確定コマンドを受信していないと判別された場合は(S2310:No)、処理をS2312へ移行する。
S2312の処理では、主制御装置110から受信した変動表示の関するコマンドは保留球数コマンドか否かを判別する(S2312)。保留球数コマンドを受信していると判別された場合(S2312:Yes)、音声ランプ制御装置113に変動表示の保留球数を認識させるために、受信した保留球数コマンドに対応する表示保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2313)、変動表示コマンド設定処理を終了する。一方、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合は(S2312:No)、S2313の処理をスキップして、変動表示コマンド設定処理を終了する。変動表示コマンド設定処理の終了後は、主コマンド判定処理へ戻る。
次いで、図26を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211により主コマンド判定処理(図24参照)の中で実行される大当たり表示コマンド設定処理(S2212)を説明する。図26は、この大当たり表示コマンド設定処理を示したフローチャートである。大当たり表示コマンド設定処理(S2212)は、主に、主制御装置110から受信した大当たりに関するコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する処理を行うと共に、大当たりの開始を示すファンファーレコマンド受信時に、ラッキー期間の設定を行う処理を実行し、さらに、大当たりの終了を示すエンディングコマンド受信時に、「時間短縮状態」が開始される場合は枠側時短回数カウンタ213kの値を設定する処理を行う。
大当たり表示コマンド設定処理では、まず、主制御装置110より受信した大当たりに関するコマンドはファンファーレコマンドか否かを判別する(S2401)。ファンファーレコマンドを受信したと判別された場合(S2401:Yes)、表示ファンファーレコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2402)、次いで、開放延長フラグ213fがオンされているか否かを判別する(S2403)。ファンファーレコマンド受信時に開放延長フラグ213fがオンされている場合は(S2403:Yes)、「高確率状態」又は「時間短縮状態」での大当たり、即ち、「連荘状態」中の大当たりであるため、ラッキー期間に関するフラグ設定を行わず、開放延長フラグ213fをオフに設定し(S2404)、大当たり表示コマンド設定処理を終了する。
一方、S2403の処理において、開放延長フラグ213fがオンされていないと判別された場合は(S2403:No)、「通常遊技状態」での大当たり、即ち、「初回」の大当たりであるため、ラッキー期間に関するフラグ設定を行うべく、処理をS2406へ移行する。
S2406の処理では、大当たりとなったときの図柄を表す大当たり結果メモリ213gに記憶されている値に基づいてラッキー期間の種類を判別する(S2406)。例えば、大当たり結果メモリ213gに記憶されている値が無制限条件メモリ213mに記憶されている「無制限」状態の開始条件に対応する値(即ち、「7」)である場合、ラッキー期間の種類として「無制限」状態と判別する(S2406:「無制限」)。よって、この場合無制限フラグ213hをオンに設定し(S2407)、それ以後の遊技状態を「無制限」状態にする。そして、無制限可動役物95を駆動して(S2408)、「無制限」状態が開始されたことを遊技者及び遊技場のスタッフに示唆し、この大当たり表示コマンド設定処理を終了する。なお、S2407の処理において、無制限可動役物95以外の他の可動役物96,97が駆動されていた場合は、他の可動役物96,97の駆動を停止して、無制限可動役物95が現出するように構成されている。
また、S2406の処理において、大当たり結果メモリ213gに記憶されている値が「ラッキー」状態の開始条件に対応する値(即ち、「3」又は「5」)である場合(S2406:「ラッキー」)、「通常遊技状態」において「3図柄(カメ)」又は「5図柄(エビ)」による大当たりが発生したということなので、ラッキー条件メモリ213nに記憶される「ラッキー」状態の開始条件と合致するため、ラッキーフラグ213iをオンに設定し(S2409)、それ以後の遊技状態を「ラッキー」状態にする。そして、無制限可動役物95が駆動されていないことを条件に、ラッキー可動役物96を駆動して(S2410)、「ラッキー」状態が開始されたことを遊技者及び遊技場のスタッフに示唆し、この大当たり表示コマンド設定処理を終了する。なお、S2410の処理において、スタート可動役物97が駆動されていた場合は、該スタート可動役物97の駆動を停止して、ラッキー可動役物96が現出するように構成されている。
なお、第1実施形態では、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jは、複数同時にオンに設定される場合があるように構成されているが、遊技価値が高いフラグ(即ち、無制限フラグ213h>ラッキーフラグ213i>スタートフラグ213j)のオンが優先してラッキー期間に反映されるように構成されている。例えば、無制限フラグ213hとラッキーフラグ213iとがそれぞれオンに設定されていた場合には、「無制限」状態のラッキー期間として設定される。また、ラッキーフラグ213iとスタートフラグ213jとがそれぞれオンに設定されていた場合には、「ラッキー」状態のラッキー期間として設定されるように構成されている。
また、S2406の処理において、大当たり結果メモリ213gに記憶されている値が「ラッキー」状態の終了条件に対応する値(即ち、「4」)である場合(S2406:「ラッキー終了」)、「通常遊技状態」において「4図柄(サメ)」での大当たりが発生したということなので、ラッキー条件メモリ213nに記憶される「ラッキー」状態の終了条件と合致しているので、現在「ラッキー」状態中か否かを確認するため、ラッキーフラグ213iがオンされているか否かを判別する(S2411)。ラッキーフラグ213iがオンされている判別された場合(S2411:Yes)、「ラッキー」状態を終了させるため、ラッキーフラグ213iをオフに設定し(S2412)、「スタート」状態へ移行するために、処理をS2413へ移行する。一方、S2411の処理において、ラッキーフラグ213iがオンでない場合は(S2411:No)、「ラッキー」状態中ではない状態で「初回」に「4図柄(サメ)」の大当たりが発生したということなので、S2412の処理をスキップして、処理をS2413へ移行する。
また、S2406の処理において、大当たり結果メモリ213gに記憶されている値が上述した値以外のその他の値、即ち、「1」、「2」、「6」、「8」又は「9」である場合は(S2406:「スタート」)、スタート状態の開始条件となるため、S2411及びS2412の処理をスキップして、処理をS2413へ移行する。
S2413の処理では、スタートフラグ213jをオンに設定し(S2413)、他のラッキー期間で無いことを条件にそれ以後の遊技状態を「スタート」状態にする。そして、他の可動役物95,96が駆動されていないことを条件に、スタート可動役物97を駆動して(S2414)、「スタート」状態が開始されたことを遊技者及び遊技場のスタッフに示唆し、この大当たり表示コマンド設定処理を終了する。
このように、大当たりの開始を示すファンファーレコマンド受信時に、開放延長フラグ213f及び大当たり結果メモリ213gの値を判別してラッキー期間の設定を行うことで、「連荘状態」中ではない「初回」の大当たり時にラッキー期間を設定することができる。
S2401の処理において、主制御装置110より受信した大当たりに関するコマンドがファンファーレコマンドでないと判別された場合(S2401:No)、次いで、主制御装置110より受信した大当たりに関するコマンドはエンディングコマンドか否かを判別する(S2415)。エンディングコマンドを受信していなければ(S2415:No)、S2416〜S2420の処理をスキップして、その他のコマンドに応じた処理(例えば、ラウンド数コマンド等)を行って(S2405)、この大当たり表示コマンド設定処理を終了する。一方、エンディングコマンドを受信していれば(S2415:Yes)、表示エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2416)、開放延長フラグ213fをオンに設定し(S2417)、「高確率状態」又は「時間短縮状態」が開始されたことを認識可能に設定し、処理をS2418へ移行する。
S2418の処理では、大当たり終了後の遊技状態が「時間短縮状態」か否かを判別する(S2418)。この判別は、主制御装置110から送信される遊技状態を示す状態コマンドで判別してもよい。判別の結果、「時間短縮状態」に突入したと判別された場合(S2418:Yes)、「時間短縮状態」の消化状況を把握するために、枠側時短回数カウンタ213kの値に「100」を設定し(S2419)、この大当たり表示コマンド設定処理を終了する。一方、「時間短縮状態」に突入していないと判別された場合(S2418:No)、「高確率状態」であるということなので、枠側時短回数カウンタ213kの値を「0」クリアして(S2420)、この大当たり表示コマンド設定処理を終了する。
なお、第1実施形態において、枠側時短回数カウンタ213kは、「スタート」状態の消化状況を把握するためのものであるため、「無制限」状態や「ラッキー」状態では、「時間短縮状態」であっても該「時間短縮状態」の消化状況を把握する必要がない。従って、S2418の処理において「時間短縮状態」への突入が判別された際に、「スタート」状態か否かを判別して、「スタート」状態である場合にのみ枠側時短回数カウンタ213kの値を設定するように構成してもよい。このように構成することで、「スタート」状態以外で「時間短縮状態」の消化状況の把握や管理をせずに済むので、枠統括制御装置111の制御負担を軽減することができる。
次いで、図27を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211によりメイン処理(図23参照)の中で実行されるサブコマンド判定処理(S2102)を説明する。図27は、このサブコマンド判定処理を示したフローチャートである。サブコマンド判定処理(S2102)は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドを判定してそのコマンドに対応した処理を行うものである。
なお、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドは、RAM213に設けられたサブコマンド用のコマンド記憶領域に一旦格納される。サブコマンド用のコマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。サブコマンド判定処理では、このサブコマンド用のコマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドを読み出し、そのコマンドを解析して、そのコマンドに応じた処理を実行する。
サブコマンド判定処理では、まず、RAM213に設けられたサブコマンド用のコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち音声ランプ制御装置113より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、音声ランプ制御装置113より大当たり図柄コマンドを受信したか否かを判別する(S2501)。大当たり図柄コマンドとは、第3図柄の変動表示が大当たりで確定表示される場合に、音声ランプ制御装置113によって決定された大当たり図柄の内容を示すコマンドである。そして、大当たり図柄コマンドを受信したと判別した場合(S2501:Yes)、大当たり図柄コマンドで示される大当たり図柄情報を大当たり結果メモリ213gに設定し(S2502)、サブコマンド判定処理を終了する。一方、大当たり図柄コマンドを受信していないと判別された場合は(S2501:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2503)、サブコマンド判定処理を終了する。
このように、枠統括制御装置111は、音声ランプ制御装置113から大当たりを発生した第3図柄の図柄種別に関する大当たり図柄コマンドを受信し、該大当たり図柄コマンドが示す大当たり図柄情報を大当たり結果メモリ213gに記憶させておくことで、音声ランプ制御装置113で決定した大当たり図柄の種別を把握することができる。従って、ラッキー期間に関する制御と、大当たり図柄の決定に関する制御とを、各制御装置111,113で分散して行うことで、それぞれの処理負担を分散しつつ、制御の複雑化を防止することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から表示変動パターンコマンド及び表示停止種別コマンドを受信した際に、大当たり図柄を決定し、大当たり図柄コマンドを枠統括制御装置111へ送信するように構成されている。従って、枠統括制御装置111は、変動表示の開始時には大当たり図柄の種類を把握可能となり、その後の大当たりの開始時にラッキー期間を設定する際に、該大当たりを発生させた大当たり図柄の種類を把握している状態であるので、ラッキー期間に付与する上で的確な制御を行うことができる。
なお、第1実施形態では、音声ランプ制御装置113で第3図柄の変動表示における大当たり図柄及び変動パターンの内容を決定するように構成されていた。これに対し、枠統括制御装置111において第3図柄の変動表示の大当たり図柄及び変動パターンを決定するように構成してもよい。このように構成することで、枠統括制御装置111と音声ランプ制御装置113とで大当たり図柄に関する情報の送受信を行う必要がなくなるので、その分の制御負担を軽減することができる。
次いで、図28を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211によりメイン処理(図23参照)の中で実行される貸球賞球計数処理(S2103)を説明する。図28は、この貸球賞球計数処理を示したフローチャートである。貸球賞球計数処理は、貸球数又は賞球数を計数する処理であり、賞球を計数する際に、ラッキー期間中か否かを判別して、その判別結果に応じて賞球を通常時球カウンタ213cに加算するか、ラッキー中球カウンタ213dに加算するかを決定する。
この貸球賞球計数処理では、まず、カードサンド装置70から貸球信号を受信したかを判定する(S2601)。その結果、貸球信号を受信した場合は(S2601:Yes)、カードサンド装置70より球の貸し出しが指示されたことを意味するので、貸球信号に含まれる貸出球数を抽出して、その抽出した貸出球数を通常時球カウンタ213cに加算する(S2602)。これにより、貸出球を共通可能玉として遊技に使用することが可能となる。そして、貸出球信号を受信したことを通知する受信完了信号をカードサンド装置70へ送信して(S2603)、S2604の処理へ移行する。一方、S2601の処理の結果、カードサンド装置70から貸球信号を受信していない場合は(S2601:No)、そのままS2604の処理へ移行する。
S2604の処理では、賞球加算フラグ213aがオンか否かを判断し(S2604)、賞球加算フラグ213aがオンである場合(S2604:Yes)、主制御装置110より賞球加算コマンドを受信したこと、すなわち、賞球があったことを意味するので、賞球加算フラグ213aをオフに設定(S2605)した後、現在の遊技状態がいずれかのラッキー期間中か否かを判別する(S2606)。ラッキー期間中か否かの判別は、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i又はスタートフラグ213jのいずれかがオンされているか否かにより行う。判別の結果、いずれかのラッキー期間中であると判別された場合(S2606:Yes)、ラッキー期間中の賞球であるので、賞球バッファ213bに記憶されているすべての賞球数情報をラッキー玉としてラッキー中球カウンタ213dに加算し(S2607)、賞球バッファ213bの値を「0」クリアして(S2609)、本貸球賞球計数処理を終了する。一方、いずれのラッキー期間中でないと判別された場合は(S2606:No)、ラッキー期間外の賞球であるので、賞球バッファ213bに記憶されているすべての賞球数情報を共有可能玉として通常時球カウンタ213cに加算し(S2608)、処理をS2609へ移行する。
S2606からS2608の処理により、ラッキー期間中か否か応じて賞球を加算する記憶領域を選択して、ラッキー期間中とラッキー期間外とで獲得した賞球を個別に管理できる。これにより、ラッキー期間中は通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dのいずれの所持玉データ(共有可能玉及びラッキー玉)でも遊技を可能とする一方、ラッキー期間終了後は、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データに基づく遊技を禁止することができるので、遊技状態毎に使用可能な遊技価値が異なることで、多様な遊技状態における多様な遊技性を実現することができる。
次いで、図29を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211によりメイン処理(図23参照)の中で実行される発射球計数処理(S2104)を説明する。図29は、この発射球計数処理を示したフローチャートである。発射球計数処理(S2104)は、球発射ユニット66により球が発射された場合に、ラッキー期間か否かに応じて遊技者の所持玉データの減算を行う処理である。また、発射球計数処理は、球発射ユニット66により発射された球が遊技盤13の遊技領域まで到達せずにファール球となった場合に、ラッキー期間か否かに応じて遊技者の所持玉データの加算を行う処理である。さらに、発射球計数処理は、遊技者が遊技に使用できる所持玉データを有しているか否かに応じて、発射制御装置112へ発射許可又は発射禁止を指示する処理も行う。
発射球計数処理では、まず、発射球検出スイッチ94がオンか否かを判別する(S2701)。そして、発射球検出スイッチ94がオンであると判別された場合(S2701:Yes)、次に、現在の遊技状態がいずれかのラッキー期間中か否かを判別する(S2702)。ラッキー期間中か否かの判別は、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i又はスタートフラグ213jのいずれかがオンされているか否かにより行う。判別の結果、いずれのラッキー期間中でないと判別された場合は(S2702:No)、ラッキー期間外において球が発射されたことを意味するので、通常時球カウンタ213cの値から「1」減算し(S2705)、処理をS2706へ移行する。一方、いずれかのラッキー期間中であると判別された場合(S2702:Yes)、ラッキー期間中において球が発射されたことを意味するので、次に、ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きいか否かを判別する(S2703)。ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きければ(S2703:Yes)、ラッキー期間中におけるラッキー中球カウンタ213dの所持玉データに基づく球の発射として、ラッキー中球カウンタ213dの値から「1」減算し(S2704)、処理をS2706へ移行する。一方、ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きくなければ(S2703:No)、ラッキー期間中ではあるが減算すべきラッキー中球カウンタ213dに所持玉データがなく通常時球カウンタ213cの所持玉データに基づく球の発射として、通常時球カウンタ213cの値から「1」減算し(S2705)、処理をS2706へ移行する。
このように、球発射ユニット66から球が発射された際に、ラッキー期間中か否かを判別すると共に、ラッキー期間中であった場合にはラッキー中球カウンタ213dの値を判別し、それら判別結果に基づいて通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dの値を減算するように構成することで、ラッキー期間中に遊技者にとって遊技価値が低いラッキー玉から優先的に消化することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、発射球検出スイッチ94が球の発射位置近傍に設けられているため、発射ソレノイドより発射されて発射レール63上を通過している球を直ちに検出できるように構成されている。従って、球が発射されてから次の球が発射される発射間隔(第1実施形態では、0.6s)よりも短い間隔(例えば、0.05s)で発射球を検出でき、その検出に基づいて通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dの値を減算して、遊技者の持ち球の玉データを次の球が発射される前に更新でき、遊技者の持ち球がない状態での球の発射を未然に防止することができる。
S2706の処理では、ファール球検出スイッチ93がオンか否かを判別する(S2706)。そして、ファール球検出スイッチ93がオンであると判別された場合(S2706:Yes)、球発射ユニットから発射された球が遊技盤13の遊技領域まで至らずファール球として回収されたことを意味するので、そのファール球分の所持玉データを加算すべく、次に、現在の遊技状態がいずれかのラッキー期間中か否かを判別する(S2707)。判別の結果、いずれかのラッキー期間中であると判別された場合(S2707:Yes)、ラッキー期間中においてファール球が発生したことを意味するので、ラッキー中球カウンタ213dの値に「1」を加算して(S2708)、処理をS2710へ移行する。一方、いずれのラッキー期間中でもないと判別された場合は(S2707:No)、ラッキー期間外においてファール球が発生したことを意味するので、通常時球カウンタ213cの値に「1」を加算し(S2709)、処理をS2710へ移行する。
上述したように、通常時球カウンタ213cに記憶されている共有可能玉に関する玉データは、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されている玉データより汎用性が高く、遊技者によって遊技価値が高いものであるため、ラッキー期間中に、ラッキー中球カウンタ213dの値に基づく発射球がファール球となった際に通常時球カウンタ213cの値を加算してしまうと、遊技者がラッキー期間中に故意にファール球を発生させることで、ラッキー中球カウンタ213dの玉データを通常時球カウンタ213cの玉データとして変換できてしまい、ラッキーナンバー制の遊技性が崩壊してしまうという問題点があった。そこで、第1実施形態のパチンコ機10のように、ラッキー期間中にファール球が発生した場合は、もれなくラッキー中球カウンタ213dに加算するように構成することで、上記問題が発生することを未然に防止することができ、ラッキーナンバー制の遊技性を維持することができる。また、ラッキー期間中において、ラッキー中球カウンタ213dの値は通常時球カウンタ213cの値より優先的に発射に使用されるように構成されている。よって、通常時球カウンタ213cの値に基づくファール球をラッキー中球カウンタ213dに記憶させた場合であっても、ファール球に基づいて該ラッキー中球カウンタ213dに記憶された値は、直ちに発射球として使用されるので、遊技者には実質的な損失は発生しない。よって、遊技者の所持する遊技価値を実質的に毀損させることなく適切な遊技環境を提供することができる。
なお、第1実施形態では、ラッキー期間中におけるファール球となった発射球が、通常時球カウンタ213cの値に基づく球なのか、ラッキー中球カウンタ213dの値に基づく球なのかは識別していない。従って、ラッキー期間中においてラッキー中球カウンタ213dにラッキー玉に関する所持玉データがないことによる通常時球カウンタ213cの共有可能玉に基づく発射球がファール球となった場合、通常時球カウンタ213cの値に基づく球であるにもかかわらず、ラッキー中球カウンタ213dに加算されてしまうため、例えば、ラッキー中球カウンタ213dの値を通常時球カウンタ213cの値より優先的に使用しない構成であった場合に、遊技者の遊技価値を毀損してしまうという問題点がある。そこで、ラッキー期間中にファール球が発生した場合、そのファール球はラッキー中球カウンタ213dに基づく発射球だったのか通常時球カウンタ213cに基づく発射球だったのかを判別し、通常時球カウンタ213cの値に基づく発射球であった際は、通常時球カウンタ213cに「1」を加算するように構成してもよい。このように構成することで、ラッキー期間中とはいえ通常時球カウンタ213cの値に基づく発射球に対しファール球が発生した場合に、通常時球カウンタ213cの値に戻す(加算)ことができるので、遊技者の所持する遊技価値を必要以上に毀損させることなく適切な遊技環境を提供することができる。
S2710の処理では、ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きいか否かを判別する(S2710)。ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きければ(S2710:Yes)、ラッキー期間中であって、遊技者がラッキー玉の所持玉データを有していることを意味するので、球の発射許可を発射制御装置112へ指示し(S2711)、処理をS2714へ移行する。一方、ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きくなければ(S2710:No)、少なくともラッキー中球カウンタ213dには遊技者が所有する所持玉データが記憶されていないことを意味するので、次いで、通常時球カウンタ213cの値が「0」より大きいか否かを判別する(S2712)。
S2712の処理において、通常時球カウンタ213cの値が「0」より大きければ(S2712:Yes)、遊技者が共有可能玉の所持玉データを有していることを意味するので、球の発射許可を発射制御装置112へ指示し(S2711)、処理をS2714へ移行する。一方、通常時球カウンタ213cの値が「0」より大きくなければ(S2712:No)、遊技者はラッキー玉に関する所持玉データも共有可能玉に関する所持玉データもいずれも有していないということを意味するので、球の発射禁止を発射制御装置112へ指示し(S2713)、処理をS2714へ移行する。
S2714の処理では、上記S2701〜S2709によって更新された通常時球カウンタ213c及びラッキー中球カウンタ213dの値と、使用不可エリア213eの値とに基づいて所持球コマンドを生成し、該所持球コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S2714)、この発射球計数処理を終了する。所持球コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、該所持球コマンドに基づく表示制御を表示制御装置114へ指示し、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113からの指示に基づいて、所持球コマンドの内容を状況表示装置85の価値情報表示領域85cへ表示するように構成されている。
なお、第1実施形態では、通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d及び使用不可エリア213eの値の更新に関わらずメイン処理の中で一定期間毎(1ミリ秒毎)に所持球コマンドを生成して送信するように構成されている。これに対し、通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d又は使用不可エリア213eの値が更新された場合に所持球コマンドを生成して送信するように構成してもよい。また、メイン処理の中ではなく、一定期間ごと(例えば、1秒ごと)に実行されるタイマ割込処理で通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d及び使用不可エリア213eの値を判別して所持球コマンドを生成するように構成してもよい。このように構成することで、メイン処理の中で、毎回、所持球コマンドを生成する場合に比べてMPU211の処理負担を軽減することができる。
次いで、図30を参照して、枠統括制御装置111内のMPU211によりメイン処理(図23参照)の中で実行される精算処理(S2105)を説明する。図30は、この精算処理を示したフローチャートである。精算処理は、カードサンド装置70に会員カード300が投入された場合に、その会員カード300に記憶される共有可能玉に関する所持玉データを受信して、パチンコ機10側で使用可能とする処理を行うと共に、カードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合にその時点で記憶される共有可能玉、ラッキー玉及び遊技使用不可玉に関する所持玉データをカードサンド装置70へ送信して、会員カード300に記録することで、遊技の精算を行う処理である。
この精算処理では、まず、カードサンド装置70のカード挿入口72に会員カード300が投入されたことに基づいて、カードサンド装置70から投入信号を受信したか否かを判別する(S2801)。カードサンド装置70から投入信号を受信していれば(S2801:Yes)、投入信号に続けてカードサンド装置70から送信された会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを通常時球カウンタ213cに加算し(S2802)、処理をS2803へ移行する。カードサンド装置70から投入信号を受信していなければ(S2801:No)、S2802の処理をスキップして、処理をS2803へ移行する。
なお、S2802の処理において、通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを通常時球カウンタ213cに加算処理を行っている。通常時メモリ300cの所持玉データを通常時球カウンタ213cに反映する場合に、既に通常時球カウンタ213cに所持玉データが記憶されている可能性があるため、加算処理により通常時球カウンタ213cの所持玉データを更新することで、既に記憶されていた通常時球カウンタ213cの値を保持したまま、通常時メモリ300cに記憶されている共有可能玉に関する所持玉データを反映することができる。特に、遊技開始時において、会員カード300を用いずに現金を投入してゲストカードにより遊技を行っている途中で会員カード300をカード挿入口72に投入された場合は、既に通常時球カウンタ213cに所持玉データが記憶されていることがある。従って、会員カード300の投入時に、通常時メモリ300cの値を加算処理により通常時球カウンタ213cの所持玉データを更新することで、遊技者の所持する遊技価値を毀損させることなく適切な遊技環境を提供することができる。
一方、通常時メモリ300cの所持玉データを通常時球カウンタ213cに反映する場合に、通常時球カウンタ213cの値を常時「0」となるように設定されている場合は、上書き処理によって通常時球カウンタ213cの値を更新するように構成してもよい。特に、会員カード300を用いずに現金を投入してゲストカードにより遊技を行っている最中には、会員カード300の投入を禁止する仕様である場合、即ち、通常時球カウンタ213cの値が「0」にならなければ会員カード300を投入することができない仕様である場合は、通常時球カウンタ213cに共有可能玉に関する玉データが記憶されている間は会員カード300を投入することができないので、通常時メモリ300cを値を通常時球カウンタ213cの値に上書き処理によって更新しても、遊技者の所持する遊技価値を毀損させることはない。
このように、カードサンド装置70に会員カード300を投入した場合には、会員カード300の通常時メモリ300cの共有可能玉に関する所持玉データのみがパチンコ機10に送信され、遊技使用不可メモリ300dの遊技使用不可玉に関する所持玉データは通知されないように構成される。
S2803の処理では、カードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合にカードサンド装置70から送信される返却信号を受信したかを判断する(S2803)。そして、返却信号を受信していない場合は(S2803:No)、そのまま精算処理を終了してメイン処理へ戻る。
一方、S2803の処理の結果、カードサンド装置70から返却信号を受信したと判断された場合は(S2803:Yes)、カードサンド装置70へ通常時球カウンタ213cの値(共有可能玉)を通知する(S2804)。カードサンド装置70では、この共有可能玉に関する所持玉データを所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カード300の通常時メモリ300cに累積加算する。
その後、通常時球カウンタ213cの値を「0」クリアして(S2805)、次いで、ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きいか否かを判別して(S2806)。ラッキー中球カウンタ213dに「1」以上のラッキー玉に関する所持玉データが記憶されているか否かを判別する。ラッキー中球カウンタ213dに「1」以上のラッキー玉に関する所持玉データが記憶されていれば(S2806:Yes)、カードサンド装置70へラッキー中球カウンタ213dの値(ラッキー玉)を通知する(S2807)。そして、ラッキー中球カウンタ213dの値を「0」クリアして(S2808)、処理をS2809へ移行する。カードサンド装置70では、このラッキー玉に関する所持玉データを所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに累積加算する。なお、S2806の処理において、ラッキー中球カウンタ213dの値に「1」以上のラッキー玉に関する所持玉データが記憶されていなければ(S2806:No)、S2807及びS2808の処理をスキップして、処理をS2809へ移行する。
S2809の処理では、使用不可エリア213eに「1」以上の遊技使用不可玉に関する所持玉データが記憶されているか否かを判別する(S2809)。使用不可エリア213eに「1」以上の遊技使用不可玉に関する所持玉データが記憶されていれば(S2809:Yes)、それ以前の遊技においてラッキー期間が付与され、そのラッキー期間中に獲得したラッキー玉がラッキー期間終了後に遊技使用不可玉として記憶されていたことを意味するため、カードサンド装置70へ使用不可エリア213eの値(遊技使用不可玉)を通知する(S2810)。そして、使用不可エリア213eの値を「0」クリアして(S2811)、処理をS2812へ移行する。カードサンド装置70では、この遊技使用不可玉に関する所持玉データを所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに累積加算する。なお、S2809の処理において、使用不可エリア213eに「1」以上の遊技使用不可玉に関する所持玉データがなければ(S2809:No)、S2810及びS2811の処理をスキップして、処理をS2812へ移行する。
S2812の処理では、返却操作に伴ってラッキー期間を終了させるために、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの値をすべてオフに設定し(S2812)、その後、枠側時短回数カウンタ213kの値を「0」クリアして(S2813)、次いで、表示返却コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信して(S2814)、この精算処理を終了し、メイン処理へ戻る。カードサンド装置70は、この時点で、累積加算された通常時メモリ300c及び遊技使用不可メモリ300dを記憶した会員カード300をカード挿入口72から排出する。
第1実施形態では、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合は、遊技者が遊技を継続する意思がないと判断し、実行中のラッキー期間を終了するように構成されている。よって、ラッキー期間を獲得した遊技者が遊技を中止した際に、そのパチンコ機10でのラッキー期間も終了させることができ、ラッキー期間を獲得していない他の遊技者にラッキー期間を与えずに済む。また、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、実行中のラッキー期間を終了させることで、1のパチンコ機10で獲得したラッキー期間を他のパチンコ機で再開することができないように構成されている。従って、一身専属かつ一台専属のラッキーナンバー制の遊技性を実現することができる。
また、ラッキー期間を終了させる際に、枠側時短回数カウンタ213kの値も「0」クリアするため、新たな遊技者が遊技を開始した場合に、残存していた枠側時短回数カウンタ213kの値に基づいて残回数演出が行われ、「スタート」状態でもないにも関わらずシャッター役物228が駆動されてしまう状況を防止することができる。
さらに、返却ボタン75の操作に伴ってラッキー期間を終了させる場合に、音声ランプ制御装置113へ表示返却コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において返却ボタン75の操作が認識可能となる。そして、音声ランプ制御装置113では、表示返却コマンドを受信した場合に、仮に、「スタート」状態中であって、シャッター役物228が初期状態以外のいずれかの状態に駆動されていたとしても、該表示返却コマンドの受信に基づいてシャッター役物228を初期状態へ戻すことができ、次の遊技者を混乱させることなく遊技を開始させることができる。
次に、図31から図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、定期的に実行されるタイマ割込処理と、そのタイマ割込処理内で実行されるコマンド対応処理と、そのコマンド対応処理内で実行される残回数コマンド対応処理とがある。
まず、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるタイマ割込処理を説明する。図31は、このタイマ割込処理を示したフローチャートである。音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるタイマ割込処理は、例えば1ミリ秒毎に実行される定期処理である。
タイマ割込処理では、まず、枠統括制御装置111から受信したコマンドをRAM223のコマンド格納エリア(図示せず)に格納するコマンド格納処理を実行する(S3001)。音声ランプ制御装置113のMPU221は、枠統括制御装置111からの制御コマンドを受信可能に構成されており、該コマンド格納処理を実行して、枠統括制御装置111から受信したコマンドをコマンド格納エリアに格納することができる。
なお、第1実施形態では、上述したコマンド格納処理(S3001)をタイマ割込処理内で実行しているが、これに代えて、別の割込処理(例えば、コマンド受信割込処理)等でコマンド格納処理に対応する処理を実行するように構成してもよい。
その後、コマンド格納エリアに格納したコマンドに対応した処理を行うためにコマンド対応処理を行う(S3002)。このコマンド対応処理の詳細については後述する。コマンド対応処理の後は、該コマンド対応処理にて生成したコマンドを、枠統括制御装置111又は表示制御装置114へ出力するコマンド出力処理を実行する(S3003)。これにより、音声ランプ制御装置113で生成したコマンドが枠統括制御装置111又は表示制御装置114へと出力され、各制御装置111,114においてそれぞれ受信したコマンドに基づいた制御が実行される。
S3003の処理の後は、ランプ表示装置227を含む各種発光部の発光制御を行う発光制御処理を実行すると共に(S3004)、音声出力装置226の音声制御を行うための音声制御処理を実行する(S3005)。そして、シャッター役物228を含む可動役物の駆動制御を行う可動役物制御処理を実行する(S3006)。なお、発光制御処理(S3004)、音声制御処理(S3005)及び可動役物制御処理(S3006)は、コマンド対応処理(S3002)にて設定された設定内容に基づいて実行されるように構成されている。S3006の処理の後は、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられている複数種類のカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行し(S3007)、その後、その他の処理を実行して(S3008)、本タイマ割込処理を終了する。
ここで、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221によりタイマ割込処理(図31参照)の中で実行されるコマンド対応処理(S3002)を説明する。図32は、このコマンド対応処理を示したフローチャートである。コマンド対応処理(S3002)は、枠統括制御装置111より受信したコマンドを判定してそのコマンドに対応した処理を行うものである。
コマンド対応処理(S3002)では、まず、枠統括制御装置111から表示変動パターンコマンド及び表示停止種別コマンドを共に受信したか否かを判別する(S3101)。表示変動パターンコマンド及び表示停止種別コマンドを受信していない場合や、表示変動パターンコマンド又は表示停止種別コマンドのいずれか一方しか受信していない場合は(S3101:No)、変動表示の内容を特定できないため、S3102〜S3106の処理をスキップして、処理をS3107へ移行する。
一方、S3101の処理において、表示変動パターンコマンド及び表示停止種別コマンドを共に受信している場合(S3101:Yes)、変動表示の具体的内容を決定するために、まず、表示停止種別コマンドに含まれている情報から、今回の変動表示において最終的に表示される第3図柄の表示結果を決定する停止種別決定処理を実行する(S3102)。この停止種別決定処理では、今回の変動表示が大当たりに当選している場合は、その大当たりする大当たり図柄を決定し、大当たり図柄情報が記憶される。そして、表示変動パターンコマンドに含まれている情報から、今回の変動表示の変動時間を把握すると共に、変動表示時間からリーチ表示の発生有無と、リーチ表示が発生する際にはいずれのリーチ表示にするか等の変動表示の変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する(S3103)。
次いで、今回の変動表示において予告演出を行うか否かの抽選や、予告演出を行うと決定された際にどの予告演出を実行するかを決定する予告抽選処理を実行する(S3104)。この予告演出としては、例えば、変動表示の実行中に第3図柄とは別のキャラクタ図柄を現出表示したり、変動表示の背景画面をそれまでの態様とは異なる態様に変更したり、或いは、第3図柄の表示態様自体をそれまでの態様とは異なる態様に変更したりする演出等が含まれる。これら予告演出は、変動表示においてリーチ表示が発生するか否かを問わず現出し得るものであるが、リーチ表示を発生する変動表示の方が、リーチ表示を発生しない変動表示よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、大当たりに当選する変動表示の方が、大当たりに当選しない変動表示と比べて予告演出が発生し易く、更には、出現率の低い予告演出が発生し易くなるように抽選を行う。
次いで、S3105の処理において、今回の変動表示において大当たりに当選しているか否かを判別する(S3105)。大当たりに当選していると判別された場合(S3105:Yes)、大当たりした大当たり図柄情報に基づく大当たり図柄コマンドを生成して、該大当たり図柄コマンドを枠統括制御装置111への制御コマンドとして設定し(S3106)、処理をS3107へ移行する。一方、大当たりに当選していないと判別された場合は(S3105:No)、S3106の処理をスキップして、処理をS3107へ移行する。
このように、音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から表示変動パターンコマンド及び表示停止種別コマンドを受信した際、大当たりか否かを判別し、大当たりの場合には、大当たりする第3図柄の種類に対応する大当たり図柄コマンドを枠統括制御装置111へ送信するように構成されている。従って、枠統括制御装置111は、音声ランプ制御装置113から受信する大当たり図柄コマンドによって、今回の変動表示における大当たり図柄の種類を把握して、ラッキー期間の開始を設定し、また、ラッキー期間の終了を判断できる。
S3107の処理では、枠統括制御装置111から所持球コマンドを受信したか否かを判別する(S3107)。所持球コマンドを受信していれば(S3107:Yes)、所持球コマンドが示す所持玉データに基づく所持球状況コマンドを生成して、該所持球状況コマンドを表示制御装置114への制御コマンドとして設定し(S3108)、処理をS3109へ移行する。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から所持球状況コマンドを受信した場合は、該所持球状況コマンドが示す共有可能玉、ラッキー玉及び遊技使用不可玉の内容を状況表示装置85の価値情報表示領域85cにそれぞれ表示する。一方、S3107の処理において、所持球コマンドを受信していなければ(S3107:No)、S3108の処理をスキップして、処理をS3109へ移行する。
なお、第1実施形態において、会員カード300の現金対応メモリ300bに記憶される残高データは、カードサンド装置70及び会員カード300によって管理されているが、この現金対応メモリ300bに記憶される残高データも状況表示装置85の価値情報表示領域85cに表示されるように構成されている。具体的には、図示しないが、カードサンド装置70が会員カード300の現金対応メモリ300bを読み込み、その残高データを枠統括制御装置111へ通知し、枠統括制御装置111は、その残高データを音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ伝達可能に構成されている。現金対応メモリ300bの値に基づく残高データは、球の貸出処理が行われて現金対応メモリ300bの値が更新された場合に送信されるように構成される。なお、残高データを、一定期間ごと(例えば、1秒ごと)に読み込んで送信するように構成してもよい。
S3109の処理では、枠統括制御装置111から条件コマンドを受信したか否かを判別する(S3109)。条件コマンドを受信していれば(S3109:Yes)、条件コマンドが示すラッキー期間の条件情報に基づく表示条件コマンドを生成して、該表示条件コマンドを表示制御装置114への制御コマンドとして設定し(S3110)、処理をS3111へ移行する。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示条件コマンドを受信した場合は、該表示条件コマンドが示す「無制限」状態および「ラッキー」状態の開始条件及び終了条件と、「スタート」状態の開始条件及び終了条件(第1実施形態では、「スタート」状態の開始条件は、「無制限」状態又は「ラッキー」状態に対応する大当たり以外の大当たりと予め設定され、「スタート」状態の終了条件は、該「スタート」状態時の「時間短縮状態」の終了と予め設定されている。)とを状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85bにそれぞれ表示する。一方、S3109の処理において、条件コマンドを受信していなければ(S3109:No)、S3110の処理をスキップして、処理をS3111へ移行する。
なお、第1実施形態では、枠統括制御装置111の立ち上げ処理において条件コマンドを生成して送信するように構成されているため、音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111の立ち上げ処理が開始される前に枠統括制御装置111からのコマンドを受信可能なように構成される。具体的には、枠統括制御装置111の立ち上げ処理において音声ランプ制御装置113がコマンド受信可能な状態となるまでウェイト処理(図示せず)を行うように構成される。このように構成することで、音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111からの条件コマンド等の制御コマンドを確実に受信することができる。
S3111の処理では、枠統括制御装置111から「時間短縮状態」の残り回数を示すいずれかの残回数コマンドを受信したか否かを判別する(S3111)。いずれかの残回数コマンドを受信していれば(S3111:Yes)、該残回数コマンドに対応する残回数対応処理を実行する(S3112)。一方、いずれの残回数コマンドも受信していなければ(S3111:No)、S3112の処理をスキップして、処理をS3113へ移行する。
ここで、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221によりコマンド対応処理(図32参照)の中で実行される残回数コマンド対応処理(S3112)を説明する。図33は、この残回数コマンド対応処理を示したフローチャートである。残回数コマンド対応処理(S3112)は、枠統括制御装置111より受信した残回数コマンドの種類に応じてシャッター役物228を駆動させる処理を行うと共に、表示制御装置114へ向けて残回数コマンドに応じたコマンドを生成する処理を行うものである。
残回数コマンド対応処理(S3112)では、まず、枠統括制御装置111から受信した残回数コマンドが残回数50コマンドであるか否かを判別する(S3201)。残回数50コマンドを受信していると判別された場合(S3201:Yes)、表示残回数50コマンドを生成して、表示制御装置114への制御コマンドとして設定し(S3202)、次いで、シャッター役物228を駆動させ、シャッター役物228により第3図柄表示装置81の25%を覆う第1状態にして(S3203)、この残回数コマンド対応処理を終了する。一方、残回数50コマンドを受信していないと判別された場合(S3201:No)、S3202及びS3203の処理をスキップして、処理をS3204へ移行する。
なお、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示残回数50コマンドを受信した場合、シャッター役物228により第3図柄表示装置81の25%が覆われた分、第3図柄表示装置81での表示割合を、通常の表示割合から横方向に25%縮小して表示するように構成されている。具体的な内容については、図34にて後述する。
S3204の処理において、枠統括制御装置111から受信した残回数コマンドが残回数10コマンドであるか否かを判別する(S3204)。残回数10コマンドを受信していると判別された場合(S3204:Yes)、表示残回数10コマンドを生成して、表示制御装置114への制御コマンドとして設定し(S3205)、次いで、シャッター役物228を駆動させ、シャッター役物228により第3図柄表示装置81の50%を覆う第2状態にして(S3206)、この残回数コマンド対応処理を終了する。一方、残回数10コマンドを受信していないと判別された場合(S3204:No)、S3205及びS3206の処理をスキップして、処理をS3207へ移行する。
なお、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示残回数10コマンドを受信した場合、シャッター役物228により第3図柄表示装置81の50%が覆われた分、第3図柄表示装置81での表示割合を、通常の表示割合から横方向に50%縮小して表示するように構成されている。この具体的な内容についても、図34にて後述する。
S3207の処理において、枠統括制御装置111から受信した残回数コマンドが残回数0コマンドであるか否かを判別する(S3207)。残回数0コマンドを受信していれば(S3207:Yes)、表示残回数0コマンドを生成して、表示制御装置114への制御コマンドとして設定し(S3208)、次いで、シャッター役物228を駆動させ、シャッター役物228により第3図柄表示装置81を後述する切欠き部228a以外完全に覆う第3状態にして(S3209)、この残回数コマンド対応処理を終了する。一方、残回数10コマンドを受信していないと判別された場合(S3207:No)、S3208及びS3209の処理をスキップして、この残回数コマンド対応処理を終了する。残回数コマンド対応処理の終了後は、コマンド対応処理のS3113へ移行する。
なお、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示残回数0コマンドを受信した場合、シャッター役物228の切欠き部228aから見える第3図柄表示装置81の表示部において、2つの点の明滅表示により第3図柄の変動表示を表現すると共に、変動領域保留表示エリアDmhにて変動表示の保留数が視認可能に表示されるように構成されている。
図32に戻って説明を続ける。S3113の処理では、枠統括制御装置111から表示ファンファーレコマンド又は表示返却コマンドを受信しているか否かを判別する(S3113)。判別の結果、表示ファンファーレコマンド又は表示返却コマンドを受信していれば(S3113:Yes)、変動表示において大当たりに当選したか、遊技者による返却ボタン75が押下されたことを意味するので、シャッター役物228が駆動しているか否かに関わらず、該シャッター役物228を初期状態に戻し(S3114)、処理をS3115へ移行する。一方、表示ファンファーレコマンド又は表示返却コマンドを受信していなければ(S3113:No)、S3114の処理をスキップして、その他のコマンド対応処理を実行し(S3115)、このコマンド対応処理を終了する。
S3113の処理において、枠統括制御装置111から表示ファンファーレコマンドを受信している場合は、第3図柄表示装置81における変動表示で大当たりに当選したということなので、該大当たりの停止結果を遊技者に明示すべく、シャッター役物228を初期状態に戻し、第3図柄表示装置81の表示画面全体を遊技者に視認可能に構成する。このように構成することで、例えば、残回数50コマンドを受信してシャッター役物228を第1状態へ駆動して第3図柄表示装置81を被覆していた場合に、該シャッター役物228を初期状態に戻して第3図柄表示装置81全体で大当たり結果を遊技者に認識させることが可能となる。また、同じくS3113の処理において、枠統括制御装置111から表示返却コマンドを受信している場合は、遊技者により返却ボタン75を操作して遊技を中止したということなので、シャッター役物228を初期状態に戻して第3図柄表示装置81がシャッター役物228に覆われていない状態に戻すことができ、次の遊技者を混乱させることなく遊技を開始させることができる。
ここで、図34を参照して、第3図柄表示装置81及びシャッター役物228による「スタート」状態の消化状況の報知態様について説明する。図34(a)〜図34(d)は、第3図柄表示装置81とその左右両脇に備えられたシャッター役物228との表示状況及び駆動状況を模式的に現した図である。なお、シャッター役物228は、第3図柄表示装置81の左右に一対設けられており、リンク機構(図示せず)により1のモータ(図示せず)により駆動制御されるように構成されている。また、シャッター役物228は、第3図柄表示装置81の近傍に設けられたセンターフレーム86の後方に配置されており、「スタート」状態以外の遊技状態中は、センターフレーム86の後方に隠れており、視認不能に構成されている。
第1実施形態では、「スタート」状態の消化状況をシャッター役物228の駆動態様により報知し、更に、シャッター役物228の動きに合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を変化させるように構成されている。このように構成することで、大当たりが付与されるか否かの遊技性と、ラッキー期間が継続するか否かの遊技性との2つの遊技性を同時に表示することで、2つの遊技性が連動した新たな興趣を創出することができる。
図34(a)は、「スタート」状態が開始された直後の状態を示している。この状態では、第3図柄表示装置81の表示画面は通常の表示割合で表示され、また、シャッター役物228は、センターフレーム86の後方にすべて隠された状態で待機している。この状態(第0状態)では、第3図柄表示装置81の表示画面全体がすべて視認可能な状態となっている。遊技者は、この状態(第0状態)を認識した際に、まだまだ「スタート」状態の残回数が残っているため、直ちに「スタート」状態が終了するとは考えておらず、安心して遊技を行っている状態である。
図34(b)は、「スタート」状態において、大当たり後の変動表示が50回行われ、枠統括制御装置111から音声ランプ制御装置113に残回数50コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりシャッター役物228が第1状態に駆動された状態を示している。この第1状態では、第3図柄表示装置81の表示画面は、通常の表示割合から25%横方向に縮小して表示されており、第3図柄や保留図柄が通常の表示状態からやや小さい内容で表示される。また、シャッター役物228は、センターフレーム86の後方からシャッター役物228全体の25%が現出している状態である。よって、あたかもシャッター役物228によって第3図柄表示装置81の表示画面が圧縮されているかのような表示態様となっている。遊技者は、この第1状態を目の当たりにした際に、「スタート」状態の残回数はまだ残っているが、シャッター役物228が少し現出して第3図柄表示装置81の表示内容がやや緊迫したものになっているため、このまま大当たりを引けずに「スタート」状態が終了してしまうのではないかとの一抹の不安を感じて遊技を行っている状態である。
図34(c)は、「スタート」状態において、大当たり後の変動表示が90回行われ、枠統括制御装置111から音声ランプ制御装置113に残回数10コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりシャッター役物228が第2状態に駆動された状態を示している。この第2状態では、第3図柄表示装置81の表示画面は、通常の表示割合から50%横方向に縮小して表示されており、第3図柄や保留図柄が通常の表示状態より半分程度小さい内容で表示される。また、シャッター役物228は、センターフレーム86の後方からシャッター役物228全体の50%が現出している状態である。よって、この第2状態も第1状態と同様、あたかもシャッター役物228によって第3図柄表示装置81の表示画面が圧縮されているかのような表示態様となっている。遊技者は、この第2状態を目の当たりに際に、「スタート」状態の残回数がほぼ残っておらず、シャッター役物228が半分ほど現出して第3図柄表示装置81の表示内容が緊迫したものになっているため、もうすぐ「スタート」状態が終了してしまうとのおそれを抱いて遊技を行っている状態である。
図34(d)は、「スタート」状態において、大当たり後の変動表示が100回行われ、枠統括制御装置111から音声ランプ制御装置113に残回数0コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりシャッター役物228が第3状態に駆動された状態を示している。この第3状態では、第3図柄表示装置81の表示画面は、シャッター役物228の切欠き部228aを残し、該シャッター役物228によってすべてが覆われている。また、シャッター役物228は、センターフレーム86の後方からシャッター役物228の全体が現出している状態であり、該シャッター役物228のパチンコ機前面側に表記された「終了」という文字が明確に認識できる状態である。遊技者は、この第3状態を目の当たりに際に、「スタート」状態が終了したことを認識する。
この第3状態において、シャッター役物228の切欠き部228aにより、第3図柄表示装置81の一部分が視認できる構成となっている。この切欠き部228aから視認できる第3図柄表示装置81の表示画面上では、2つの点の明滅表示が行われて変動表示の実行有無が把握できると共に、変動領域保留表示エリアDmhによって変動表示の保留数も認識可能となっている。従って、遊技者は、シャッター役物228によって第3図柄表示装置81の表示画面が覆われてしまった場合でも、切欠き部228aによって視認できる第3図柄表示装置81の表示内容を確認することで、現在の遊技状態を把握することができる。
なお、第1実施形態では、シャッター役物228は、「スタート」状態が終了した後の最初の変動表示の高速変動中は上記第3状態を維持するように構成されている。「スタート」状態が終了した場合は、「時間短縮状態」が終了したタイミングであるので、多くの場合、変動表示の保留数が溜まっている状態であり、次の変動表示が直ちに実行される。一方、枠統括制御装置111からの残回数0コマンドは、変動表示が確定するタイミングで出力されるため、音声ランプ制御装置113は、「スタート」状態の最終変動の確定時にシャッター役物228を第3状態するように構成される。このような場合に、「スタート」状態の終了を示すシャッター役物228の第3状態が、次の変動表示の開始直後に解除されてシャッター役物228を元の待機位置に戻してしまうと、折角シャッター役物228により「スタート」状態の終了を報知したにもかかわらずその報知状態が一瞬であることから、遊技者が「スタート」状態の終了を認識できないおそれがある。そこで、シャッター役物228が第3状態となった場合に、しばらくその状態を維持させるように構成することで、遊技者に「スタート」状態の終了を明確に認識させることができる。また、シャッター役物228により第3図柄表示装置81を覆っている期間は、変動表示における演出の中でも重要ではない高速変動中に限り行うことで、変動表示の演出に対して過度な干渉を行わずに、的確に「スタート」状態の終了を報知することができる。なお、「高速変動」とは、第3図柄表示装置81において動表示を実行する場合に、全図柄列Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする変動をいう。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示内容と、シャッター役物228の稼働状態において、「スタート」状態の消化状況を報知できるので、ラッキーナンバー制の遊技と特別図柄の変動表示とを融合させた新たな興趣を生み出すことができる。
次に、図35を参照して、カードサンド装置70内のMPU271により実行されるメイン処理を説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。カードサンド装置70のMPU271により実行されるメイン処理では、会員カード300の投入時における受付処理や返却時の返却処理等が実行される。その概要として、起動処理(S4001)が行われた後は、S4002〜S4016の各処理の実行を繰り返すループ処理の構成となっている。
メイン処理では、まず、起動処理を行う(S4001)。この起動処理は、カードサンド装置70の電源投入時に実行され、電源投入に伴う初期設定処理やバックアップ処理や、ホールコンピュータ263から送信されたレート信号や金額単位信号を受信して貸出レート及び貸出金額単位の設定処理等が実行される。次いで、カードサンド装置70のカード挿入口72に会員カード300が投入されたか否かを判別する(S4002)。会員カード300が投入されたと判別された場合(S4002:Yes)、会員カード300の正当性の確認処理を行い、会員カード300が正当なものでない場合は該会員カード300の排出処理を行って以降の処理をスキップする一方、会員カード300が正当なものであると確認された場合は、会員カード300が投入されたことを示す投入信号を枠統括制御装置111へ送信し(S4003)、そして、会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを枠統括制御装置111へ送信する(S4004)。その後、会員カード300の通常時メモリ300cの値を「0」クリアし(S4005)、処理をS4006へ移行する。一方、S4002の処理において、会員カード300が投入されていなければ(S4002:No)、S4003〜S4005の処理をスキップして、処理をS4006へ移行する。
このように、会員カード300の投入時には、会員カードの通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データのみが枠統括制御装置111に送信され、遊技使用不可メモリ300dに記憶される遊技使用不可玉に関する所持玉データは送信されないように構成されていることから、一旦遊技使用不可玉とされた所持玉データを遊技に使用できなくすることができる。
なお、カードサンド装置70における会員カード300の正当性の判定は、例えば、会員ID300aがホールコンピュータ263に登録されているか否かの判定や、前回の返却ボタン75の操作によって会員カード300からホールコンピュータ263に送信された各種情報と、今回の会員カード300の投入時における会員カード300の各種情報との整合性の判定等が例示される。
S4006の処理において、カードサンド装置70の球貸ボタン74が遊技者により操作(押下)されたか否かを判別する(S4006)。球貸ボタン74が操作されていると判別された場合は(S4006:Yes)、遊技者による貸球の要求があったことを意味するので、次いで、会員カード300の現金対応メモリ300bの値が「0」より大きいか否かを判別する(S4007)。判別の結果、現金対応メモリ300bの値が「0」より大きくない場合(S4007:No)、即ち、現金対応メモリ300bに残高データが記憶されていない場合は、S4008からS4010の処理をスキップして、処理をS4011へ移行する。一方、現金対応メモリ300bの値が「0」より大きければ(S4007:Yes)、現金対応メモリ300bに残高データが存在するので、遊技者の貸球要求に対応すべく、設定貸出数(第1実施形態では、125玉)に応じた貸球信号を枠統括制御装置111へ送信する(S4008)。そして、枠統括制御装置111から貸球の貸し出し動作が完了したことを示す受信完了信号を受信するまで処理を待機する(S4009:No)。枠統括制御装置111から受信完了信号を受信した場合(S4009:Yes)、枠統括制御装置111で設定貸出数に応じた貸球の貸し出し動作が完了したということなので、設定貸出数に応じたデータ(第1実施形態では、500円分)を現金対応メモリ300bの残高データから減算し(S4010)、処理をS4011へ移行する。
なお、現金対応メモリ300bに記憶されている残高データが、設定貸出数未満の場合は、現金対応メモリ300bに記憶されている残高データに応じた貸出数に応じた貸球信号が枠統括制御装置111へ送信されるように構成されている。また、所定の貸出レート(例えば、1玉4円)が設定されていた場合に、現金対応メモリ300bの値が貸出レートにおいて1玉を貸し出す値未満(例えば、「3」)であった場合は、1玉も貸し出すことができない。従って、S4007の処理において、現金対応メモリ300bの値が「0」より大きい場合であっても、該現金対応メモリ300bの値が貸出レート未満(例えば、「3」)であったときは、現金対応メモリ300bの値を「0」とみなして(S4007:No)、処理をS4011へ移行するように構成されている。
S4011の処理では、カードサンド装置70の返却ボタン75が遊技者により操作(押下)されたか否かを判別する(S4011)。返却ボタン75が操作されていると判別された場合は(S4011:Yes)、遊技者による会員カード300の返却要求があったことを意味し、カードサンド装置70から枠統括制御装置111へ返却信号が送信され、該返却信号の受信に伴い枠統括制御装置111から遊技者が所持する共有可能玉、ラッキー玉及び遊技使用不可玉に関する所持玉データが送信されるため、まず、枠統括制御装置111の通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データを、会員カード300の通常時メモリ300cに加算し(S4012)、次いで、枠統括制御装置111のラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに加算する(S4013)。そして、枠統括制御装置111の使用不可エリア213eに記憶される遊技使用不可玉に関する所持玉データを、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに加算し(S4014)、会員カード300をカード挿入口72から排出する会員カード排出処理を行い(S4015)、処理をS4016へ移行する。会員カード排出処理では、会員カード300に対して正常に遊技が終了して正当な会員カード300であることを示す情報が書き込まれる。該情報は、会員カード300が再度カードサンド装置70に投入された場合に、会員カード300の正当性を判別する上で参照される。また、会員カード排出処理に伴い、カードサンド装置70は、該会員カード300の各種情報をホールコンピュータ263へ送信するように構成されている。なお、S4011の処理において、返却ボタン75が操作されていないと判別された場合(S4011:No)、S4012〜S4015の処理をスキップして、処理をS4016へ移行する。
S4016の処理では、その他の処理を行う(S4016)。その他の処理としては、例えば、カード利用可能ランプ78や貸出可能ランプ79a、エラー表示ランプ79b等の各種ランプの点灯処理や、紙幣投入口71に現金が投入された際の紙幣検出装置275による読み込み処理等が行わる。また、このその他の処理では、遊技者により紙幣投入口71に現金が投入された場合に、カードサンド装置70に内蔵されているゲストカードの現金対応メモリに、投入された現金に基づく金額データを書き込み、この現金の投入を会員カード300の投入とみなして、上記S4002〜S4005の処理を実行させるように構成されている。このその他の処理の後は、メイン処理のループ処理の先頭(S4002)に戻って、上記処理を繰り返す。
第1実施形態では、カードサンド装置70の返却ボタン75が操作された際、遊技者による遊技の継続意欲がなくなったと判断し、たとえラッキー期間中であったとしても、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに遊技使用不可玉として記憶し、その後の遊技で使用できないように構成されている。また、返却ボタン75が操作された際に、ラッキー期間中であった場合は、該ラッキー期間を終了するように構成されている。このように構成することで、ラッキーナンバー制の一身専属かつ一台専属の遊技性を実現することができる。
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、機内循環式のパチンコ機10の機能である貸球と賞球とを数値化して管理するシステムを有効活用し、ラッキー期間開始前に所持していた共有可能玉に関する所持玉データと、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉に関する所持玉データとをそれぞれ識別して記憶し、ラッキー期間終了後に、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉に基づく遊技を禁止するように構成することで、ラッキーナンバー制を実現可能にすることができる。よって、当該ラッキーナンバー制を採用することで、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる。また、ラッキー期間前に所持していた所持玉データと、ラッキー期間中に獲得した所持玉データとを個別に管理して、どの期間で獲得した所持玉データかに応じて使用可能な所持玉データを決定することができるので、ラッキー期間で獲得した遊技価値(賞球)は、そのラッキー期間でのみ使用可能であってラッキー期間終了後では使用不可という状況を作り出すことができ、多様な遊技性を実現することができる。
また、ラッキーナンバー制の遊技性は、貸球の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、貸出レートが1玉4円であり、景品変換レートが1玉2.5円相当であるいったような景品変換ギャップがある場合、貸球による遊技と、獲得した賞球による遊技では、1玉につき1.5円相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸球による遊技を行うことより、賞球による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして賞球に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用することで、ラッキー期間を獲得して、その間に獲得した賞球で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる。
このように遊技の興趣を高めることができるラッキーナンバー制ではあるが、従来、ラッキーナンバー制を採用する遊技場では、遊技場のスタッフは、ラッキー期間の開始条件である各パチンコ機における大当たりの有無とその大当たり図柄の種別を確認し、その大当たりの種別に応じてパチンコ機の上部に札等を差す作業を行ってラッキー期間を開始させたり、そのラッキー期間中、ラッキー期間の終了条件を達成したか否かを監視する作業を行ってラッキー期間を終了させたり、ラッキー期間が終了した際には、獲得した遊技球の交換を遊技者に促したりする作業が必要であった。
上記作業を遊技場のスタッフに行わせた場合、遊技機の異常確認や清掃等の通常業務の作業に加えてラッキーナンバー制に関する作業が加わるため、スタッフに多大な作業負担がかかってしまうという問題点があった。一方、スタッフの人数を増員してラッキーナンバー制に対応しようにも、スタッフ増員分の人件費が嵩んでしまい、遊技場の経営を逼迫させてしまうという問題点があった。従って、遊技場は、ラッキーナンバー制という遊技性を向上させることができる遊技仕様が実現可能な環境であっても、上記問題点を考慮してラッキーナンバー制を採用せず、通常の営業形態での営業を行うに留まり、遊技性の向上が図れない状況であった。
そこで、第1実施形態の機内循環式のパチンコ機10の機能を活用してラッキーナンバー制を採用することで、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、ラッキー期間前に遊技者が保持していた通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データと、ラッキー期間中に遊技者が獲得したラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データとを識別して記憶(蓄積)し、ラッキー期間終了後には、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されているラッキー玉に関する所持玉データのみを使用不可エリア213eへ移行し遊技に使用できないようにしつつ、その時点で獲得していた通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データを用いて継続して遊技を行うことが可能に構成されている。
従来は、ラッキー期間終了後に、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉のみならずそのラッキー期間前に獲得した玉又は貸し出された玉もまとめて遊技使用不可となるため、その後の遊技や他の台でも使用できた共有可能玉が遊技使用不可玉となってしまい、遊技者が本来得られる遊技価値を毀損させてしまっていた。これに対し、第1実施形態のパチンコ機10では、ラッキー期間前に遊技者が所持していた共有可能玉と、ラッキー期間中に遊技者が獲得したラッキー玉とをそれぞれ識別して記憶しておき、ラッキー期間終了後は、ラッキー玉のみを遊技使用不可玉とし、共有可能玉に関してはその後の遊技で使用できるように構成されているため、ラッキー期間終了後も、共有可能玉に基づく遊技を直ちに開始できるので、いちいち遊技使用不可玉の交換作業等を行うことなく継続して遊技を行うことができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、球発射ユニット66から球が発射された際に、ラッキー期間中か否かを判別すると共に、ラッキー期間中であった場合にはラッキー中球カウンタ213dの値を判別し、それら判別結果に基づいて通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dの値を減算するように構成されている。このように構成することで、ラッキー期間中に遊技者にとって遊技価値が低いラッキー玉から優先的に消化することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、発射球検出スイッチ94が球の発射位置近傍に設けられているため、発射ソレノイドより発射されて発射レール63上を通過している球を直ちに検出できるように構成されている。従って、球が発射されてから次の球が発射される発射間隔(第1実施形態では、0.6s)よりも短い間隔(例えば、0.05s)で発射球を検出でき、その検出に基づいて通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213dの値を減算して、遊技者の持ち球の玉データを次の球が発射される前に更新でき、遊技者の持ち球がない状態での球の発射を未然に防止することができる。
また、通常時球カウンタ213cに記憶されている共有可能玉に関する玉データは、すべての遊技状態で使用できる分、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されている玉データより汎用性が高く、遊技者によって遊技価値が高いものであるため、ラッキー期間中に、ラッキー中球カウンタ213dの値に基づく発射球がファール球となった際に通常時球カウンタ213cの値を加算してしまうと、遊技者が故意にファール球を発生させることで、ラッキー中球カウンタ213dの玉データを通常時球カウンタ213cの玉データとして変換できてしまい、ラッキーナンバー制の遊技性が崩壊してしまうおそれがある。そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、ラッキー期間中にファール球が発生した場合は、もれなくラッキー中球カウンタ213dに加算するように構成することで、上記問題が発生することを未然に防止することができ、ラッキーナンバー制の遊技性を維持することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81の表示内容と、シャッター役物228の稼働状態において、「スタート」状態の消化状況を報知できるので、ラッキーナンバー制の遊技と特別図柄の変動表示とを融合させた新たな興趣を生み出すことができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、シャッター役物228の第3状態において、シャッター役物228の切欠き部228aにより、第3図柄表示装置81の一部分が視認できる構成となっている。この切欠き部228aから視認できる第3図柄表示装置81の表示画面上では、2つの点の明滅表示が行われて変動表示の実行有無が把握できると共に、変動領域保留表示エリアDmhによって変動表示の保留数も認識可能となっている。従って、遊技者は、シャッター役物228によって第3図柄表示装置81の表示画面が覆われてしまった場合でも、切欠き部228aによって視認できる第3図柄表示装置81の表示内容を確認することで、現在の遊技状態を把握することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、シャッター役物228は、「スタート」状態が終了した後の最初の変動表示の高速変動中は上記第3状態を維持するように構成されている。「スタート」状態が終了した場合は、「時間短縮状態」が終了したタイミングであるので、多くの場合、変動表示の保留数が溜まっている状態であり、次の変動表示が直ちに実行される。一方、枠統括制御装置111からの残回数0コマンドは、変動表示が確定するタイミングで出力されるため、音声ランプ制御装置113は、「スタート」状態の最終変動の確定時にシャッター役物228を第3状態するように構成される。このような場合に、「スタート」状態の終了を示すシャッター役物228の第3状態が、次の変動表示の開始直後に解除されてシャッター役物228を元の待機位置に戻してしまうと、折角シャッター役物228により「スタート」状態の終了を報知したにもかかわらずその報知状態が一瞬であることから、遊技者が「スタート」状態の終了を認識できないおそれがある。そこで、シャッター役物228が第3状態となった場合に、しばらくその状態を維持させるように構成することで、遊技者に「スタート」状態の終了を明確に認識させることができる。また、シャッター役物228により第3図柄表示装置81を覆っている期間は、変動表示における演出の中でも重要ではない高速変動中に限り行うことで、変動表示の演出に対して過度な干渉を行わずに、的確に「スタート」状態の終了を報知することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、枠統括制御装置111は、音声ランプ制御装置113から大当たりを発生した第3図柄の図柄種別に関する大当たり図柄コマンドを受信し、該大当たり図柄コマンドが示す大当たり図柄情報を大当たり結果メモリ213gに記憶させておくことで、音声ランプ制御装置113で決定した大当たり図柄の種別を把握することができる。従って、ラッキー期間に関する制御と、大当たり図柄の決定に関する制御とを、各制御装置111,113で分散して行うことで、それぞれの処理負担を分散しつつ、制御の複雑化を防止することができる。
さらに、音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から表示変動パターンコマンド及び表示停止種別コマンドを受信した際に、大当たり図柄を決定し、大当たり図柄コマンドを枠統括制御装置111へ送信するように構成されている。従って、枠統括制御装置111は、変動表示の開始時には大当たり図柄の種類を把握可能となり、その後の大当たりの開始時にラッキー期間を設定する際に、該大当たりを発生させた大当たり図柄の種類を把握している状態であるので、ラッキー期間に付与する上で的確な制御を行うことができる。
<第2実施形態>
次いで、図36から図42を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、ラッキー期間中に遊技者がカードサンド装置70の返却ボタン75を操作して会員カード300を返却した場合に、実行中のラッキー期間を終了し、獲得したラッキー中球カウンタ213dの値を遊技使用不可玉として、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに加算(蓄積)するように構成されている。従って、遊技者は、いずれかのラッキー期間を獲得していたとしても、返却ボタン75を操作してしまうと折角獲得したラッキー期間が終わってしまうことをおそれ、例えば、ラッキー期間中にトイレ休憩や食事休憩がしたくても、返却ボタン75を操作して会員カード300を排出させることを躊躇してしまい、快適な遊技環境を維持することができないおそれがある。また、仮に、返却ボタン75を操作せずにカードサンド装置70に会員カード300を挿入したままの状態でトイレ休憩等のためにパチンコ機10から離席した場合は、離席中に他人に返却ボタン75を操作されて会員カード300が盗難されてしまうおそれがある。
これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、ラッキー期間中に遊技者によって返却ボタン75が操作された際、そのラッキー期間中の情報と、パチンコ機10に関する台の識別情報(遊技台情報)とを、それぞれ関連付けて会員カード300に記憶しておき、該パチンコ機10に付属するカードサンド装置70に再度会員カード300が投入された際に、遊技台情報の認証を行って、認証が正当に行われた場合は、ラッキー期間中を再開させ、返却ボタン75の操作前の状態に戻すように構成されている。このように構成することで、遊技者は、ラッキー期間中であってもトイレ休憩や食事休憩を希望する場合に、会員カード300を返却したとしても、遊技再開時にラッキー期間を復活させることができるので、会員カード300の盗難を防止しつつ、快適な遊技環境を構築することができる。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図36は、第2実施形態におけるパチンコ機10の枠統括制御装置111、カードサンド装置70及び会員カード300の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成において、第1実施形態と相違する点は、枠統括制御装置111のROM212に該パチンコ機10固有の識別情報である遊技台情報212bが設けられている点と、会員カード300に、ラッキー玉に関する所持玉データを記憶可能なラッキー中メモリ300e、パチンコ機10の遊技台情報を記憶可能な遊技台情報メモリ300f、及び、ラッキー期間の種類を記憶可能なフラグメモリ300gが設けられている点と、である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
枠統括制御装置111の遊技台情報212bは、遊技場に設置されたパチンコ機10毎にそれぞれ固有値が定められ、パチンコ機10を識別するためのID情報である。遊技台情報212bに記憶されたID情報は、カードサンド装置70の返却ボタン75が操作された際に、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに書き込まれる(上書きされる)ように構成されている。また、カードサンド装置70に会員カード300が投入された際、会員カード300の後述する遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、遊技台情報212bのID情報との一致判定が行われるように構成されている。
会員カード300のラッキー中メモリ300eは、会員カード300の返却前に遊技を行っていたパチンコ機10のラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを加算可能な記憶領域である。このラッキー中メモリ300eは、遊技者によりカードサンド装置70の返却ボタン75が操作された際に、枠統括制御装置111のラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データが加算されるように構成される。
また、このラッキー中メモリ300eに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データは、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入されたとき、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111に記憶される遊技台情報212bのID情報と一致した場合、即ち、会員カード300返却時のパチンコ機と遊技再開時のパチンコ機とが一致する場合に、枠統括制御装置111のラッキー中球カウンタ213dに加算され、その後、「0」クリアされるように構成されている。
一方、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入されたとき、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111に記憶される遊技台情報212bのID情報と不一致の場合、即ち、会員カード300返却時のパチンコ機と遊技再開時のパチンコ機とが一致しない場合に、会員カードのラッキー中メモリ300eの値が遊技使用不可メモリ300dに加算されるように構成されている。
遊技台情報メモリ300fは、会員カード300の返却前に遊技を行っていたパチンコ機10の遊技台情報212bを記憶しておくための記憶領域である。この遊技台情報メモリ300fには、遊技者によりカードサンド装置70の返却ボタン75が操作された際に、枠統括制御装置111の遊技台情報212bに記憶されたID情報が書き込まれる(上書きされる)。また、遊技台情報メモリ300fに記憶されたID情報は、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入されたとき、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報との一致判定(認証)に使用される。
フラグメモリ300gは、会員カード300の返却前に遊技を行っていたパチンコ機10のラッキー期間の内容を示すフラグ設定情報を記憶しておくための記憶領域である。このフラグメモリ300gには、遊技者によりカードサンド装置70の返却ボタン75が操作された際に、枠統括制御装置111の無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの設定状況がそのまま記憶される。具体的には、3ビット構成のメモリにおいて、上位ビットから無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i、スタートフラグ213jに対応するように構成され、各ビットの値が「0」の場合はオフ、「1」の場合はオンのように設定される。従って、例えば、フラグメモリ300gの値が「110」の場合は、無制限フラグ213hがオン、ラッキーフラグ213iがオン、スタートフラグ213jがオフ、として記憶されている。
このフラグメモリ300gの値は、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入されたとき、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111に記憶される遊技台情報212bのID情報と一致した場合、即ち、会員カード300返却時のパチンコ機と遊技再開時のパチンコ機とが一致する場合に、フラグメモリ300gの記憶内容に応じて枠統括制御装置111の無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jが設定される。
一方、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入されたとき、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111に記憶される遊技台情報212bのID情報と不一致の場合、即ち、会員カード300返却時のパチンコ機と遊技再開時のパチンコ機とが一致しない場合に、会員カードのフラグメモリ300gの値が「0」クリアされるように構成されている。
このように、カードサンド装置70に会員カード300を投入したとき、返却時と投入時のパチンコ機10が一致していることを条件に、会員カード300返却時にラッキー期間中であった場合には、ラッキー期間を再開させると共に、ラッキー期間中に獲得していたラッキー玉に関する所持玉データをラッキー中球カウンタ213dに加算することで、会員カード300返却前の状態に戻すことができる。従って、ラッキー期間中に会員カード300を返却したとしても、遊技再開時にラッキー期間を復活させることができるので、会員カード300の盗難を防止しつつ、トイレ休憩等を適宜取得しながら快適な遊技環境を構築することができる。
次に、図37及び図38を参照して、第2実施形態のパチンコ機10と、カードサンド装置70と、会員カード300とのコマンド及びレスポンスの送受信の内容について説明する。図37は、会員カード300投入時及び返却ボタン75押下時におけるパチンコ機10、カードサンド装置70及び会員カード300の情報の授受を示す図であり、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報とが一致した場合を示した図である。また、図38は、図37と同様、会員カード300投入時及び返却ボタン75押下時におけるパチンコ機10、カードサンド装置70及び会員カード300の情報の授受を示す図であるが、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報とが一致しない場合を示した図である。なお、図37及び図38において、<球貸ボタン押下>のアクションは、第1実施形態と同一であるため、記載及び説明は省略する。また、図37及び図38において、<返却ボタン押下>の処理は同一である。
<会員カード投入(第2実施形態)>
遊技者により、遊技者所有の会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入された場合、まず、ホールコンピュータ263との認証処理が行われ(図示せず)、正当な会員カード300であったときは、会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データがカードサンド装置70に読み込まれる。その後、カードサンド装置70は、カードサンド装置70に会員カード300が挿入されたことを示す投入信号をパチンコ機10に送信する。そして、読み込んだ会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データをパチンコ機10に送信する。パチンコ機10は、カードサンド装置70から会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを受信した場合に、該通常時メモリ300cの所持玉データを枠統括制御装置111の通常時球カウンタ213cに加算する。カードサンド装置70は、通常時メモリ300cの所持玉データを送信した後、会員カード300の通常時メモリ300cの値を「0」クリアする。
その後、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報がカードサンド装置70に読み込まれる。そして、カードサンド装置70は、該遊技台情報メモリ300fのID情報をパチンコ機10に通知し、パチンコ機10は、カードサンド装置70から通知された遊技台情報メモリ300fのID情報と、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報が一致するか否かを判別し、一致する場合には、パチンコ機10(枠統括制御装置111)は、カードサンド装置70に対して、一致情報を送信する(図37参照)。一致情報を受信したカードサンド装置70は、会員カード300のラッキー中メモリ300eに記憶されたラッキー玉に関する所持玉データを読み込み、該ラッキー玉に関する所持玉データを枠統括制御装置111へ送信し、枠統括制御装置111は、受信したラッキー玉に関する所持玉データをラッキー中球カウンタ213dの値に加算する。
続いて、カードサンド装置70は、会員カード300のフラグメモリ300gに記憶されたラッキー期間に関するフラグ設定情報を読み込み、該フラグ設定情報を枠統括制御装置111へ送信し、枠統括制御装置111は、受信したフラグ設定情報に基づいて、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの値を設定する。その後、カードサンド装置70は、会員カード300のラッキー中メモリ300eの値を「0」クリアすると共に、フラグメモリ300gの値も「0」クリアする。
一方、パチンコ機10は、カードサンド装置70から通知された遊技台情報メモリ300fのID情報と、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報とが一致するか否かを判別し、一致しない場合には、パチンコ機10(枠統括制御装置111)は、カードサンド装置70に対して、不一致情報を送信する(図38参照)。不一致情報を受信したカードサンド装置70は、会員カード300のラッキー中メモリ300eに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを遊技使用不可メモリ300dに加算し、次いで、ラッキー中メモリ300eの値を「0」クリアすると共に、フラグメモリ300gの値を「0」クリアする。
<返却ボタン押下(第2実施形態)>
遊技者によりカードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合、まず、カードサンド装置70は、パチンコ機10に対して返却信号を送信する。返却信号を受信したパチンコ機10は、枠統括制御装置111のROM212に記憶された遊技台情報212bのID情報をカードサンド装置70へ送信する。遊技台情報212bのID情報を受信したカードサンド装置70は、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに、受信したID情報を書き込む。
そして、通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該通常時球カウンタ213cの値を「0」クリアする。通常時球カウンタ213cの共通可能玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300の通常時メモリ300cに、該通常時球カウンタ213cの共通使用可能玉に関する所持玉データの内容を加算する。
その後、パチンコ機10は、ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該ラッキー中球カウンタ213dの値を「0」クリアする。ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300のラッキー中メモリ300eに、該ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データの内容を加算する。
その後、パチンコ機10は、使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該使用不可エリア213eの値を「0」クリアする。使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに、該使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データの内容を加算する。
その後、パチンコ機10は、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jのフラグ設定情報をカードサンド装置70に送信して、該無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの値をすべてオフに設定する。フラグ設定情報を受信したカードサンド装置70は、該フラグ設定情報を会員カード300のフラグメモリ300gに書き込む。
次いで、図39を参照して、第2実施形態における枠統括制御装置111内のMPU211により実行される清算処理(S2105)について説明する。図39は、この清算処理を示すフローチャートである。この清算処理(S2105)は、第1実施形態と同様に、枠統括制御装置111のメイン処理内で実行される。
第2実施形態における清算処理は、第1実施形態と同様に、カードサンド装置70から返却信号を受信した場合に通常時球カウンタ213cの値及び使用不可エリア213eの値を会員カード300の通常時メモリ300c及び遊技使用不可メモリ300dに加算する(書き込む)ように構成されている(S2804及びS2805並びにS2809〜S2811)。また、S2812の処理において、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの値をオフに設定する。これらの処理は、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
第2実施形態における清算処理では、カードサンド装置70から投入信号を受信した際に、会員カード300の遊技台情報メモリ300fと枠統括制御装置111の遊技台情報212bとの値を判別する台情報確認処理を実行する(S2851)。また、カードサンド装置70から返却信号を受信した場合に、枠統括制御装置111の遊技台情報212bを会員カード300の遊技台情報メモリ300fに書き込むようにカードサンド装置70に通知すると共に(S2852)、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを会員カード300のラッキー中メモリ300eに加算するようにカードサンド装置70に通知する(S2853)。また、ラッキー期間に関する各フラグ、即ち、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの各設定値を会員カード300のフラグメモリ300gに書き込むようにカードサンド装置70へ通知する(S2854)。
具体的には、S2801の処理において、カードサンド装置70から会員カード300の投入信号を受信した場合に、台情報確認処理を実行する(S2851)。この台情報確認処理については後述する。また、S2803の処理において、カードサンド装置70から会員カード300の返却信号を受信した場合に、ROM212に記憶される遊技台情報212bを会員カード300の遊技台情報メモリ300fに書き込む(上書きする)ようにカードサンド装置70へ通知するように構成される(S2852)。さらに、S2806の処理において、ラッキー中球カウンタ213dの値が「0」より大きい場合には(S2806:Yes)、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを、会員カード300のラッキー中メモリ300eへ加算するようにカードサンド装置70に通知するように構成される(S2853)。また、S2812の処理において、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの各設定値をオフする前に、該無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの各設定値を会員カード300のフラグメモリ300gに書き込むようにカードサンド装置70へ通知する(S2854)。
上述した通り、遊技者によりカードサンド装置70により返却ボタン75が操作された場合に、会員カード300に対し、その時点でのパチンコ機10の遊技台情報212bを記憶させると共に、通常時球カウンタ213cの値を共有可能玉として記憶し、また、ラッキー中球カウンタ213dの値をラッキー玉として記憶し、使用不可エリア213eの値を遊技使用不可玉として記憶し、さらに、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの設定値をフラグメモリ300gに記憶する。このように構成することで、会員カード300の返却時におけるパチンコ機10の遊技状態等の遊技情報を会員カード300に保存することができるので、同一のパチンコ機10に対応するカードサンド装置70のカード挿入口72に会員カード300を再投入した場合に、該遊技情報に基づく遊技状態等を再開させることが可能となる。
ここで、図40を参照して、第2実施形態における枠統括制御装置111内のMPU211により実行される台情報確認処理(S2851)を説明する。図40は、この台情報確認処理を示したフローチャートである。この台情報確認処理(S2851)は、清算処理(S2105)において、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入された場合に(S2801:Yes)、前回遊技を行っていたパチンコ機と今回遊技を行おうとするパチンコ機とが一致するか否かを確認するために実行される。
第1実施形態では、会員カード300がカードサンド装置70に投入されたとき、カードサンド装置70が会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを読み込んでパチンコ機10へ通知し、パチンコ機10は、カードサンド装置70から受信した通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを、通常時球カウンタ213cに加算する処理のみを行っていた。これに対し、第2実施形態では、台情報確認処理(S2851)において、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111のROM212に記憶される遊技台情報212bとの一致判定を行い、一致する場合には、前回遊技を中断したパチンコ機10と今回遊技を行うパチンコ機が一致すると判断し、会員カード300のラッキー中メモリ300eに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを、ラッキー中球カウンタ213dに加算すると共に、会員カード300のフラグメモリ300gに記憶される設定値データに基づいて、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jを設定する。
具体的には、台情報確認処理(S2851)では、まず、カードサンド装置70から送信された会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを枠統括制御装置111の通常時球カウンタ213cに加算する(S2871)。次いで、ROM212に記憶される遊技台情報212bのID情報とカードサンド装置70から受信した会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報とが一致するか否かを判別する(S2872)。一致すると判定された場合(S2872:Yes)、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致することを意味するので、一致情報をカードサンド装置70へ通知(送信)し、次いで、カードサンド装置70から会員カード300のラッキー中メモリ300eに記憶されたラッキー玉に関する所持玉データを受信するか否かを確認し(S2875)、該ラッキー玉に関する所持玉データを受信まで待機する(S2875:No)。該ラッキー玉に関する所持玉データを受信した場合は(S2875:Yes)、該ラッキー中メモリ300eに記憶されたラッキー玉に関する所持玉データを、枠統括制御装置111のラッキー中球カウンタ213dの値に加算して(S2876)、処理をS2877へ移行する。
S2877の処理では、カードサンド装置70から会員カード300のフラグメモリ300gに記憶された各フラグ213h〜213jの設定値データを受信するか否かを確認し(S2877)、該設定値データを受信するまで待機する(S2877:No)。該設定値データを受信した場合(S2877:Yes)、受信した該設定値データに基づいて無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの各値を設定し(S2787)、台情報確認処理を終了して、清算処理(S2105)に戻る。
このように、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致する場合には、会員カード300に保存されている前回遊技を中断したときの遊技状況を復活させ、ラッキー期間中であった場合にはそのラッキー期間を再開し、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されていたラッキー玉に関する所持玉データも復活させることができる。
一方、S2872の処理において、ROM212に記憶される遊技台情報212bのID情報とカードサンド装置70から受信した会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報とが一致しないと判定された場合(S2872:No)、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致しないことを意味するので、不一致情報をカードサンド装置70へ通知(送信)し(S2874)、その他の処理を実行せず、台情報確認処理を終了して、清算処理(S2105)へ戻る。
このように、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致しない場合には、会員カード300に保存されている前回遊技を中断したときの遊技状況を復活させないように構成することで、異なるパチンコ機で遊技を行う場合に、前回遊技を行っていたパチンコ機の遊技状況を復活させることなく、新たな遊技を行わせることができる。
次いで、図41を参照して、第2実施形態におけるカードサンド装置70内のMPU271により実行されるメイン処理を説明する。図41は、このメイン処理を示したフローチャートである。第2実施形態のカードサンド装置70のメイン処理は、第1実施形態と同様に、会員カード300の投入時における受付処理や返却時の返却処理等が実行される。
この第2実施形態におけるメイン処理が、第1実施形態におけるメイン処理と異なる点は、遊技者により会員カード300がカード挿入口72から挿入(投入)された際に、枠統括制御装置111から、遊技台情報メモリ300fと遊技台情報212bとの一致情報又は不一致情報のいずれを受信するかに応じた認証処理(S4051)を実行する点と、遊技者により返却ボタン75が操作された際に、枠統括制御装置111から通知(受信)された遊技台情報212bに基づくID情報を会員カード300の遊技台情報メモリ300fに書き込む処理(S4052)を実行する点と、枠統括制御装置111から通知(受信)されたラッキー中球カウンタ213dに記憶されたラッキー玉に関する所持玉データを、ラッキー中メモリ300eに加算する処理(S4053)を実行する点と、枠統括制御装置111から通知(受信)された無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの各値に基づく設定値データを会員カード300のフラグメモリ300gに書き込む(上書きする)処理(S4054)を実行する点と、である。
具体的には、S4002の処理において、会員カード300が投入されたと判別された場合(S4002:Yes)、S4003〜S4005の処理を実行した後に、認証処理を実行する(S4051)。この認証処理については後述する。また、S4011の処理において、遊技者により返却ボタン75が操作されたと判別された場合(S4011:Yes)、枠統括制御装置111から通知(受信)された遊技台情報212bに基づくID情報を会員カード300の遊技台情報メモリ300fに書き込む(S4052)。その後、S4012の処理を実行した後、枠統括制御装置111から通知(受信)されたラッキー中球カウンタ213dに記憶されたラッキー玉に関する所持玉データを、会員カード300のラッキー中メモリ300eに加算する(S4053)。その後、S4014の処理を行い、次いで、枠統括制御装置111から通知(受信)された無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの各値に基づく設定値データを会員カード300のフラグメモリ300gに書き込み(S4054)、処理をS4015へ移行する。
このように、遊技者によりカードサンド装置70により返却ボタン75が操作された場合に、会員カード300に対し、その時点でのパチンコ機10の遊技台情報212bを記憶させると共に、通常時球カウンタ213cの値を共有可能玉として記憶し、また、ラッキー中球カウンタ213dの値をラッキー玉として記憶し、使用不可エリア213eの値を遊技使用不可玉として記憶し、さらに、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの設定値をフラグメモリ300gに記憶する。このように構成することで、会員カード300の返却時におけるパチンコ機10の遊技状態等の遊技情報とラッキー期間及びラッキー玉に関する所持玉データを紐付けて会員カード300に保存することができるので、同一のパチンコ機10に対応するカードサンド装置70のカード挿入口72に会員カード300を再投入した場合に、該遊技情報に基づく遊技状態等を再開させることが可能となる。
次いで、図42を参照して、第2実施形態におけるカードサンド装置70内のMPU271により実行される認証処理(S4051)について説明する。図42は、この認証処理(S4051)を示すフローチャートである。この認証処理(S4051)は、カードサンド装置70のメイン処理において、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入されたときに、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報を枠統括制御装置111へ送信し、枠統括制御装置111における一致判定結果に応じた処理を実行するものである。
具体的には、まず、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報を枠統括制御装置111へ送信し(S4101)、次いで、枠統括制御装置111から、遊技台情報メモリ300fのID情報と一致した場合に送信される一致情報を受信したか否か(S4102)、又は、遊技台情報メモリ300fのID情報と一致しない場合に送信される不一致情報を受信したか否かを判別し(S4103)、枠統括制御装置111から一致情報又は不一致情報を受信するまで待機する(S4102:No、4103:No)。判別の結果、一致情報を受信した場合は(S4102:Yes)、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と枠統括制御装置111のROM212に記憶される遊技台情報212bとが一致したということを意味するので、会員カード300のラッキー中メモリ300eに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを、枠統括制御装置111のラッキー中球カウンタ213dに加算するために送信すると共に(S4104)、会員カード300のフラグメモリ300gに記憶される各フラグ213h〜213jの設定値データを枠統括制御装置111に送信して(S4105)、処理をS4107へ移行する。
一方、S4102又はS4103の待機中に、枠統括制御装置111から不一致情報を受信した場合には(S4103:Yes)、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と枠統括制御装置111のROM212に記憶される遊技台情報212bとが一致しなかったということを意味するので、会員カード300のラッキー中メモリ300eに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dへ加算し(S4016)、処理をS4107へ移行する。S4107の処理では、会員カード300のラッキー中メモリ300eの値を「0」クリアすると共に(S4107)、フラグメモリ300gの値を「0」クリアし(S4108)、この認証処理を終了して、メイン処理に戻る。よって、認証処理において、会員カード300に記憶されるID情報とパチンコ機10のID情報とが一致しない場合は、ラッキー中メモリ300eに記憶されているラッキー玉に関する所持玉データを、遊技使用不可メモリ300dに遊技使用不可玉の所持玉データとして変更することで、ラッキー玉を獲得したパチンコ機10と現在遊技を行おうとしているパチンコ機とが異なる場合に、該ラッキー玉の遊技への使用を阻止することができる。
このように、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致する場合には、会員カード300に保存されている前回遊技を中断したときの遊技状況を復活させ、ラッキー期間中であった場合にはそのラッキー期間を再開し、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されていたラッキー玉に関する所持玉データも復活させることができる。一方、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致しない場合には、会員カード300に保存されている前回遊技を中断したときの遊技状況を復活させないように構成することで、異なる他のパチンコ機で遊技を行う場合に、前回遊技を行っていたパチンコ機の遊技状況を該他のパチンコ機に反映させることなく、新たな遊技を行わせることができるので、ラッキーナンバー制の一身専属及び一台専属の遊技性を維持することができる。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、ラッキー期間中に遊技者によって返却ボタン75が操作された際、そのラッキー期間中の情報と、パチンコ機10に関する台の識別情報(遊技台情報)を関連付けて会員カード300に記憶しておき、該パチンコ機10に付属するカードサンド装置70に再度会員カード300が投入された際に、遊技台情報の認証を行って、認証が正当に行われた場合は、ラッキー期間中を再開させ、返却ボタン75の操作前の状態に戻すように構成されている。このように構成することで、遊技者は、ラッキー期間中であってもトイレ休憩や食事休憩時を希望する場合に、会員カード300を返却したとしても、遊技再開時にラッキー期間を復活させることができるので、会員カード300の盗難を防止しつつ、トイレ休憩等を適宜取得して快適な遊技環境を構築することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機10によれば、パチンコ機10に付属するカードサンド装置70に会員カード300が投入された場合に、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致しないときには、会員カード300に保存されている前回遊技を中断したときの遊技状況を復活させないように構成することで、異なる他のパチンコ機で遊技を行う場合に、前回遊技を行っていたパチンコ機の遊技状況を該他のパチンコ機に反映させることなく、新たな遊技を行わせることができるので、ラッキーナンバー制の一身専属及び一台専属の遊技性を維持することができる。ラッキーナンバー制の遊技性は、ラッキー期間を獲得したパチンコ機に専属するものであって、ラッキー期間を獲得したパチンコ機においてのみ、ラッキー玉に基づく継続遊技可能という設定の遊技性であるため、1のパチンコ機で獲得したラッキー玉を他のパチンコ機で使用可能にすると、ラッキーナンバー制の遊技趣旨が崩壊してしまう。従って、1のパチンコ機で獲得したラッキー玉は、他のパチンコ機で使用できないように構成することで、ラッキーナンバー制の遊技性を維持することができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成によって、第1実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
<第3実施形態>
次いで、図43〜図50を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。なお、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第2実施形態におけるパチンコ機10では、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入された場合に、前回の遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行おうとしているパチンコ機とが一致した場合、前回の遊技の中断時の遊技状況を復活させ、その復活状態から遊技を再開させている。従って、日付を跨いだ場合でも、遊技を行うパチンコ機が同一である場合は、前日の遊技中断時の遊技状況から遊技が再開されてしまい、例えば、「無制限」状態のラッキー期間であった場合、同一のパチンコ機で遊技を行う限り、ラッキー期間が終了せずに半永久的にラッキー期間として遊技を行うことが可能となってしまい、意図しないラッキー期間に付与によって遊技場に多大な不利益を被らせるおそれがある。
また、第2実施形態におけるパチンコ機10では、電源断時にラッキー期間中であった場合に、電源投入時にバックアップが有効であったときは、漏れなくラッキー期間を復活させる構成である。この構成の場合、遊技場が当日の営業を終了した際に、ラッキー期間中であったパチンコ機は、翌日の営業開始時にラッキー期間が再開されてしまい、遊技場はラッキー期間を解除するために、RAM213の初期化作業等を行わなければならず、遊技場のスタッフの作業負担が増大するおそれがある。
これに対し、第3実施形態のパチンコ機10では、ラッキー期間中に遊技者によって返却ボタン75が操作された際、そのラッキー期間中の情報と、パチンコ機10に関する遊技台情報と、日付情報とを、それぞれ関連付けて会員カード300に記憶しておき、該パチンコ機10に付属するカードサンド装置70に再度会員カード300が投入された際に、遊技台情報の認証を行うと共に、日付情報の認証を行って、会員カード300に記憶される遊技台情報とパチンコ機10に記憶される遊技台情報とが一致すると共に、会員カード300に記憶される日付情報とパチンコ機10に記憶される日付情報とが一致(第3実施形態では、日にちが一致するか否か)する場合に、ラッキー期間中を再開させ、返却ボタン75の操作前の状態の戻すように構成されている。このように構成することで、遊技者は、ラッキー期間中であってもトイレ休憩や食事休憩を希望する場合に、会員カード300を返却したとしても遊技再開時にラッキー期間を復活することができるので、会員カード300の盗難を防止しつつ、快適な遊技環境を構築することができる。また、遊技場としては、日付を跨いだラッキー期間の付与を防止することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を維持し、遊技場が不利益を被るおそれを未然に防止することができる。
また、第3実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の電源投入時に、バックアップされたタイマカウンタ213oの日付情報とRTC220の日付情報との一致判定を行い、不一致の場合には、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jをオフするように構成する。このように構成することで、タイマカウンタ213oの日付情報がRTC220の日付情報と異なる場合には、今回の電源投入時の日付が、ラッキー期間が付与された日付と異なることを意味するので、自動的にラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jをオフに設定し、遊技場のスタッフの作業負担を軽減することができる。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態及び第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図43は、第3実施形態におけるパチンコ機10の枠統括制御装置111、カードサンド装置70及び会員カード300の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成において、第1実施形態及び第2実施形態と相違する点は、枠統括制御装置111のRAM213にタイマカウンタ213oが設けられている点と、枠統括制御装置111の入出力ポート215にRTC(リアルタイムクロック)220が接続されている点と、会員カード300に日付メモリ300hが設けられている点と、である。
RAM213のタイマカウンタ213oは、RTC220から入力された日付情報を記憶する記憶手段である。枠統括制御装置111は、電源投入時にのみ行われる立ち上げ処理(図46参照)において、RTC220の日付情報を読み込んでタイマカウンタ213oの値を書き換える書き換え処理が行われるように構成されている。このタイマカウンタ213oに書き込まれた日付情報は、電断後の電源復旧時に、バックアップが有効である際、上記書き換え処理より前にRTC220の日付情報との一致判定が行われ、タイマカウンタ213oの日付情報とRTC220の日付情報が一致すると判断される場合は、同日における電源の入切であるので、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの各設定値をそのままの状態で復旧させるように構成されている。一方、タイマカウンタ213oの日付情報とRTC220の日付情報とが一致しない場合は、異なる日における電源の入切であるので、ラッキー期間を終了させるべく、各フラグ213h〜213jの値をオフに設定するように構成されている。
また、このタイマカウンタ213oの日付情報は、遊技者によりカードサンド装置70の返却ボタン75が操作された際、会員カード300の日付メモリ300hに書き込まれる(上書きされる)ように構成されている。そして、会員カード300がカードサンド装置70に投入された際、会員カード300に記憶される日付メモリ300hの日付情報と、タイマカウンタ213oに記憶される日付情報とが一致するか否かが判別される。
RTC220は、実時間を計時出力するためのカウンタであり、図示しないバックアップ電源を備えている。これにより、RTC220は、パチンコ機10の電源遮断時においても時刻経過を管理できるように構成されている。このRTC220の日付情報は、電源投入時の立ち上げ処理(図46参照)において、バックアップ有効時に読み込まれ、その読み込まれた日付情報がタイマカウンタ213oが記憶する日付情報と一致するか否か判定される。また、その一致判定の処理後、一致判定結果の一致不一致を問わず、RTC220の値が改めて読み込まれ、その読み込まれた値がタイマカウンタ213oに書き込まれる。
会員カード300の日付メモリ300hは、遊技者によるカードサンド装置70の返却ボタン75が操作された日付情報を記憶しておくための記憶領域である。この日付メモリ300hは、遊技者に返却ボタン75が操作された場合に、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oの日付情報が記憶されるように構成されている。この日付メモリ300hに記憶された日付情報は、会員カード300がカードサンド装置70に投入された際、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oが記憶する日付情報と一致判定が行われ、日付メモリ300hとタイマカウンタ213oとが一致すると共に、遊技台情報メモリ300fと遊技台情報212bとが一致することを条件に、ラッキー中メモリ300eの値とフラグメモリ300gの値とに基づいて、枠統括制御装置111のラッキー中球カウンタ213d及び各フラグ213h〜213jが設定され、返却ボタン75が操作される前の遊技状態に戻すことができる。
なお、第3実施形態では、返却ボタン75が操作された場合に、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oに記憶される日付情報が、会員カード300の日付メモリ300hに書き込まれるように構成されていた。これに対し、返却ボタン75が操作された場合に、枠統括制御装置111のRTC220で保持されている日付情報を、会員カード300の日付メモリ300hに書き込むように構成してもよい。また、カードサンド装置70やホールコンピュータ263にRTCを配設し、該RTCの値を日付メモリ300hに書き込むように構成してもよい。
次に、図44及び図45を参照して、第3実施形態のパチンコ機10と、カードサンド装置70と、会員カード300とのコマンド及びレスポンスの送受信の内容について説明する。図44は、会員カード300投入時及び返却ボタン75押下時におけるパチンコ機10、カードサンド装置70及び会員カード300の情報の授受を示す図であり、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報とが一致すると共に、会員カード300の日付メモリ300hに記憶される日付情報と、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oに記憶される日付情報とが一致した場合を示した図である。また、図45は、図44と同様、会員カード300投入時及び返却ボタン75押下時におけるパチンコ機10、カードサンド装置70及び会員カード300の情報の授受を示す図であるが、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報と、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報とが一致しないか、会員カード300の日付メモリ300hに記憶される日付情報と、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oに記憶される日付情報とが一致しないか、を示した図である。なお、図44及び図45において、<球貸ボタン押下>のアクションは、第1実施形態と同一であるため、記載及び説明は省略する。また、図44及び図45において、<返却ボタン押下>の処理は同一である。
<会員カード投入(第3実施形態)>
遊技者により、遊技者所有の会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入された場合、まず、ホールコンピュータ263との認証処理が行われ(図示せず)、正当な会員カード300であったときは、会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データがカードサンド装置70に読み込まれる。その後、カードサンド装置70は、カードサンド装置70に会員カード300が挿入されたことを示す投入信号をパチンコ機10に送信する。そして、読み込んだ会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データをパチンコ機10に送信する。パチンコ機10は、カードサンド装置70から会員カード300の通常時メモリ300cに記憶される共有可能玉に関する所持玉データを受信した場合に、該通常時メモリ300cの所持玉データを枠統括制御装置111の通常時球カウンタ213cに加算する。カードサンド装置70は、通常時メモリ300cの所持玉データを送信した後、会員カード300の通常時メモリ300cの値を「0」クリアする。
その後、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報がカードサンド装置70に読み込まれる。そして、カードサンド装置70は、該遊技台情報メモリ300fのID情報をパチンコ機10に通知する。さらに、会員カード300の日付メモリ300hに記憶される日付情報がカードサンド装置70に読み込まれ、カードサンド装置70は、該日付メモリ300hの日付情報をパチンコ機10に通知する。パチンコ機10は、カードサンド装置70から通知された遊技台情報メモリ300fのID情報と、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報とが一致するか否かと、同じくカードサンド装置70から通知された日付メモリ300hの日付情報と、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oの日付情報とが一致するか否かを判別し、ID情報及び日付情報が共に一致する場合に、パチンコ機10(枠統括制御装置111)は、カードサンド装置70に対して、一致情報を送信する。一致情報を受信したカードサンド装置70は、会員カード300のラッキー中メモリ300eに記憶されたラッキー玉に関する所持玉データを読み込み、該ラッキー玉に関する所持玉データを枠統括制御装置111へ送信し、枠統括制御装置111は、受信したラッキー玉に関する所持玉データをラッキー中球カウンタ213dの値に加算する。
続いて、カードサンド装置70は、会員カード300のフラグメモリ300gに記憶されたラッキー期間に関するフラグ設定情報を読み込み、該フラグ設定情報を枠統括制御装置111へ送信し、枠統括制御装置111は、受信したフラグ設定情報に基づいて、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの値を設定する。その後、カードサンド装置70は、会員カード300のラッキー中メモリ300eの値を「0」クリアすると共に、フラグメモリ300gの値も「0」クリアする。
一方、パチンコ機10は、カードサンド装置70から通知された遊技台情報メモリ300fのID情報と、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報とが一致するか否かを判別し、また、カードサンド装置70から通知された日付メモリ300hの日付情報と、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oに記憶される日付情報とが一致するか否かを判別し、いずれか一方でも一致しない場合には、パチンコ機10(枠統括制御装置111)は、カードサンド装置70に対して、不一致情報を送信する(図45参照)。不一致情報を受信したカードサンド装置70は、会員カード300のラッキー中メモリ300eに記憶されるラッキー玉に関する所持玉データを遊技使用不可メモリ300dに加算し、次いで、ラッキー中メモリ300eの値を「0」クリアすると共に、フラグメモリ300gの値を「0」クリアする。
<返却ボタン押下(第3実施形態)>
遊技者によりカードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合、まず、カードサンド装置70は、パチンコ機10に対して返却信号を送信する。返却信号を受信したパチンコ機10は、枠統括制御装置111のROM212に記憶された遊技台情報212bのID情報をカードサンド装置70へ送信する。遊技台情報212bのID情報を受信したカードサンド装置70は、会員カード300の遊技台情報メモリに、受信したID情報を書き込む。
次いで、パチンコ機10は、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oに記憶される日付情報をカードサンド装置70へ送信する。タイマカウンタ213oの日付情報を受信したカードサンド装置70は、会員カード300の日付メモリ300hに、受信した日付情報を書き込む。
そして、通常時球カウンタ213cの共有可能玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該通常時球カウンタ213cの値を「0」クリアする。通常時球カウンタ213cの共通可能玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300の通常時メモリ300cに、該通常時球カウンタ213cの共通使用可能玉に関する所持玉データの内容を加算する。
その後、パチンコ機10は、ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該ラッキー中球カウンタ213dの値を「0」クリアする。ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300のラッキー中メモリ300eに、該ラッキー中球カウンタ213dのラッキー玉に関する所持玉データの内容を加算する。
その後、パチンコ機10は、使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データをカードサンド装置70に送信して、該使用不可エリア213eの値を「0」クリアする。使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データを受信したカードサンド装置70は、会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに、該使用不可エリア213eの遊技使用不可玉に関する所持玉データの内容を加算する。
その後、パチンコ機10は、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jのフラグ設定情報をカードサンド装置70に送信して、該無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの値をすべてオフに設定する。フラグ設定情報を受信したカードサンド装置70は、該フラグ設定情報を会員カード300のフラグメモリ300gに書き込む。
次いで、図46を参照して、第3実施形態における枠統括制御装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理について説明する。図46は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、第1実施形態と同様に、電源投入後に起動される処理である。
第3実施形態における立ち上げ処理が、第1実施形態における立ち上げ処理と異なる点は、バックアップ有効時に、バックアップされたタイマカウンタ213oの日付情報とRTC220の日付情報との一致判定を行い(S2051)、不一致の場合には(S2051:No)、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jをオフに設定する処理(S2052)を実行する点と、上記一致判定後又は初期設定後に、RTC220の日付情報をタイマカウンタ213oに書き込む(設定する)処理(S2053)を実行する点と、である。
具体的には、S2005の処理において、RAM判定値が正常であると判断された場合(S2005:Yes)、電源断の発生情報をクリアし(S2006)、その後、タイマカウンタ213oに記憶される日付情報と、RTC220が示す日付情報とが一致するか否かを判別する(S2051)。一致すると判別された場合(S2051)、電源断と電源投入とが行われた日付が同日であることを示すので、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jについて電源断前の状態にすべく、S2052の処理をスキップして、処理をS2010へ移行する。一方、タイマカウンタ213oに記憶される日付情報と、RTC220が示す日付情報とが一致しない場合は(S2051:No)、電源断と電源投入とが行われた日付が異なることを意味するので、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの各値をオフに設定し(S2052)、ラッキー期間について初期化し、処理をS2010へ移行する。
また、第3実施形態では、S2011の処理の後に、RTC220が示し日付情報をタイマカウンタ213oに書き込み(S2053)、タイマカウンタ213oに記憶される日付情報を当日データに更新する。
第1実施形態及び第2実施形態では、パチンコ機10の電源投入時にバックアップが有効であった場合には、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの各設定値も復旧させてしまっていたため、遊技場が当日の営業を終了した際に、ラッキー期間中であったパチンコ機は、翌日の営業開始時にラッキー期間が再開されてしまい、遊技場はラッキー期間を解除するために、RAM213の初期化作業等を行わなければならず、遊技場のスタッフの作業負担が増大していた。
そこで、第3実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の電源投入時に、バックアップされたタイマカウンタ213oの日付情報とRTC220の日付情報との一致判定を行い、不一致の場合には、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jをオフするように構成する。このように構成することで、タイマカウンタ213oの日付情報がRTC220の日付情報と異なる場合には、自動的にラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jをオフに設定し、遊技場のスタッフの作業負担を軽減することができる。
次いで、図47を参照して、第3実施形態における枠統括制御装置111内のMPU211により実行される清算処理(S2105)について説明する。図47は、この清算処理を示すフローチャートである。この清算処理(S2105)は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、枠統括制御装置111のメイン処理内で実行される。
第3実施形態における清算処理は、第2実施形態と同様に、カードサンド装置70から返却信号を受信した場合に、遊技台情報212bのID情報を会員カード300の遊技台情報メモリ300fに書き込むと共に、通常時球カウンタ213cの値、ラッキー中球カウンタ213dの値及び使用不可エリア213eの値を会員カード300の通常時メモリ300c、ラッキー中メモリ300e及び遊技使用不可メモリ300dに加算する(書き込む)ように構成されている(S2852,S2804及びS2805,S2806,S2853,S2808,S2809〜S2811)。また、S2854の処理において、ラッキー期間に関する各フラグ、即ち、無制限フラグ213h、ラッキーフラグ213i及びスタートフラグ213jの各設定値を会員カード300のフラグメモリ300gに書き込むようにカードサンド装置70へ通知すると共に(S2854)、S2812の処理において、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの値をオフに設定する(S2812)。これらの処理は、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
第3実施形態における清算処理では、カードサンド装置70から投入信号を受信した際に、会員カード300の遊技台情報メモリ300fと枠統括制御装置111の遊技台情報212bとの値の判別と、会員カード300の日付メモリ300hと枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oとの値の判別とを行う台及び日付情報確認処理を実行する(S2881)。また、カードサンド装置70から返却信号を受信した場合に、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oの日付情報を会員カード300の日付メモリ300hに書き込むようにカードサンド装置70に通知する(S2882)。
具体的には、S2801の処理において、カードサンド装置70から会員カード300の投入信号を受信した場合に、台及び日付情報確認処理を実行する(S2881)。この台及び日付情報確認処理については後述する。また、S2803の処理において、カードサンド装置70から会員カード300の返却信号を受信した場合に、ROM212に記憶される遊技台情報212bを会員カード300の遊技台情報メモリ300fに書き込むようにカードサンド装置70へ通知し(S2852)、その後、タイマカウンタ213oの日付情報を会員カード300の日付メモリ300hに書き込むようにカードサンド装置70へ通知する(S2882)。
上述した通り、遊技者によりカードサンド装置70により返却ボタン75が操作された場合に、会員カード300に対し、その時点でのパチンコ機10の遊技台情報212bを記憶させると共に、タイマカウンタ213oの日付情報を記憶させ、通常時球カウンタ213cの値を共有可能玉として記憶し、また、ラッキー中球カウンタ213dの値をラッキー玉として記憶し、使用不可エリア213eの値を遊技使用不可玉として記憶し、さらに、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの設定値をフラグメモリ300gに記憶する。このように構成することで、会員カード300の返却時におけるパチンコ機10の遊技状態(台のID情報及び日付情報)等の遊技情報を会員カード300に保存することができるので、同一のパチンコ機10に対応するカードサンド装置70のカード挿入口72に会員カード300を再投入した場合であって、会員カード300を返却した日付と再投入した日付とが一致する場合に、該遊技情報に基づく遊技状態等を再開させることが可能となる。
ここで、図48を参照して、第3実施形態における枠統括制御装置111内のMPU211により実行される台及び日付情報確認処理(S2881)を説明する。図48は、この台及び日付情報確認処理を示したフローチャートである。この台及び日付情報確認処理(S2881)は、清算処理(S2105)において、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入された場合に(S2801:Yes)、前回遊技を行っていたパチンコ機と今回遊技を行おうとするパチンコ機とが一致するか否かと、前回の遊技を行った日付と今回遊技を行おうとする日付とが一致するか否かを確認するために実行される。なお、この台及び日付情報確認処理(S2881)は、第2実施形態の台情報確認処理(S2851)と相違する点は、タイマカウンタ213oに記憶された日付情報と、会員カード300の日付メモリ300hとの値が一致するか否かの判断を行う点である。
具体的には、S2872の処理において、枠統括制御装置111の遊技台情報212bのID情報と、会員カード300の遊技台情報メモリ300fのID情報とが一致すると判別された場合に(S2872:Yes)、次いで、枠統括制御装置111のタイマカウンタ213oに記憶される日付情報と、会員カード300の日付メモリ300hに記憶される日付情報とが一致するか否かの判別を行う(S2891)。タイマカウンタ213oの日付情報と日付メモリ300hの日付情報とが一致する場合は(S2891:Yes)、遊技台情報と日付情報とが両方とも一致したことを意味するので、一致情報をカードサンド装置70へ送信すると共に(S2873)、会員カード300に記憶されるラッキー玉に関するデータとラッキー期間に関する設定値データとを受信して、ラッキー中球カウンタ213dと各フラグ213h〜213jとを設定する(S2875〜S2878)。一方、タイマカウンタ213oと日付メモリ300hとの日付情報が一致しない場合は(S2891:No)、不一致情報をカードサンド装置70へ送信し(S2874)、台及び日付情報確認処理を終了する。
次いで、図49を参照して、第3実施形態におけるカードサンド装置70内のMPU271により実行されるメイン処理を説明する。図49は、このメイン処理を示したフローチャートである。第3実施形態のカードサンド装置70のメイン処理は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、会員カード300の投入時における受付処理や返却時の返却処理等が実行される。
この第3実施形態におけるメイン処理が、第1実施形態及び第2実施形態におけるメイン処理と異なる点は、遊技者により会員カード300がカード挿入口72から投入された際に、枠統括制御装置111から、遊技台情報メモリ300fと遊技台情報212bとが一致するか否か、及び、日付メモリ300hとタイマカウンタ213oとの日付情報が一致するか否か、を示す一致情報又は不一致情報のいずれを受信するかに応じた認証処理(S4051)を実行する点と、遊技者により返却ボタン75が操作された際に、枠統括制御装置111から通知されたタイマカウンタ213oに記憶された日付情報を会員カード300の日付メモリ300hに書き込む処理(S4071)を実行する点と、である。
具体的には、S4002の処理において、会員カード300が投入されたと判別された場合(S4002)、S4003〜S4005の処理を実行した後に、認証処理を実行する(S4051)。この認証処理については後述する。また、S4011の処理において、遊技者により返却ボタン75が操作されたと判別された場合(S4011:Yes)、S4052の処理の後、枠統括制御装置111から通知されたタイマカウンタ213oに記憶された日付情報を会員カード300の日付メモリ300hに書き込み(S4071)、処理をS4012へ移行する。
このように、遊技者によりカードサンド装置70により返却ボタン75が操作された場合に、会員カード300に対し、その時点でのパチンコ機10の遊技台情報212bを記憶させると共に、タイマカウンタ213oの日付情報を記憶させ、通常時球カウンタ213cの値を共有可能玉として記憶し、また、ラッキー中球カウンタ213dの値をラッキー玉として記憶し、使用不可エリア213eの値を遊技使用不可玉として記憶し、さらに、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jの設定値をフラグメモリ300gに記憶する。このように構成することで、会員カード300の返却時におけるパチンコ機10の遊技状態等の遊技情報と日付情報とラッキー期間及びラッキー玉に関する所持玉データを紐付けて会員カード300に保存することができるので、同一のパチンコ機10に対応するカードサンド装置70のカード挿入口72に会員カード300を再投入した場合であって、会員カード300を返却した日付と再投入した日付とが一致する場合に、該遊技情報に基づく遊技状態等を再開させることが可能となる。
次いで、図50を参照して、第3実施形態におけるカードサンド装置70内のMPU271により実行される認証処理(S4051)について説明する。図50は、この認証処理を示すフローチャートである。この認証処理(S4051)は、カードサンド装置70のメイン処理において、会員カード300がカードサンド装置70のカード挿入口72に投入されたときに、会員カード300の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報を枠統括制御装置111へ送信すると共に、会員カード300の日付メモリ300hに記憶される日付情報を枠統括制御装置111へ送信し、枠統括制御装置111における一致判定結果に応じた処理を実行するものである。
具体的には、S4101の遊技台情報メモリ300fに記憶されるID情報を枠統括制御装置111へ送信した後(S4101)、次いで、日付メモリ300hに記憶される日付情報を枠統括制御装置111へ送信し(S4151)、その後、枠統括制御装置111から、ID情報及び日付情報が共に一致した場合に受信される一致情報か、ID情報又は日付情報の少なくともいずれか一方が不一致である場合に受信される不一致情報かを受信するまで待機し(S4102:No,S4103:No)、一致情報を受信した場合は(S4102:Yes)、S4104,S4105,S4107及びS4108の処理を実行する。一方、不一致情報を受信した場合には(S4103:Yes)、S4106,S4107及びS4108の処理を実行する。
このように、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致し、更に、前回遊技を中断した日付と今回遊技を行おうとする日付とが一致する場合には、会員カード300に保存されている前回遊技を中断したときの遊技状況を復活させ、ラッキー期間中であった場合にはそのラッキー期間を再開し、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されていたラッキー玉に関する所持玉データも復活させることができる。一方、前回遊技を中断したパチンコ機と今回遊技を行うとしているパチンコ機とが一致しない場合や、前回遊技を中断した日付と今回遊技を行おうとする日付とが一致しない場合には、会員カード300に保存されている前回遊技を中断したときの遊技状況を復活させないように構成することで、異なる他のパチンコ機で遊技を行う場合や、異なる日付で遊技を行う場合に、前回遊技を行っていたパチンコ機の遊技状況を該他のパチンコ機に反映させることなく、新たな遊技を行わせることができるので、ラッキーナンバー制の一身専属、一台専属及び当日限りの遊技性を維持することができる。
以上説明した通り、第3実施形態のパチンコ機10によれば、ラッキー期間中に遊技者によって返却ボタン75が操作された際、そのラッキー期間中の情報と、パチンコ機10に関する台の識別情報(遊技台情報)と、日付情報とを関連付けて会員カード300に記憶しておき、該パチンコ機10に付属するカードサンド装置70に再度会員カード300が投入された際に、会員カード300に記憶される遊技台情報とパチンコ機10に記憶される遊技台情報とが一致すると共に、会員カード300に記憶される日付情報とパチンコ機10に記憶される日付情報とが一致(第3実施形態では、日にちが一致するか否か)する場合に、ラッキー期間中を再開させ、返却ボタン75の操作前の状態に戻すように構成されている。このように構成することで、遊技者は、ラッキー期間中であってもトイレ休憩や食事休憩時を希望する場合に、会員カード300を返却したとしても、遊技再開時にラッキー期間を復活させることができるので、会員カード300の盗難を防止しつつ、トイレ休憩等を適宜取得して快適な遊技環境を構築することができる。また、遊技場としては、日付を跨いだラッキー期間の付与を防止することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を維持し、遊技場が不利益を被るおそれを未然に防止することができる。
また、第3実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の電源投入時に、バックアップされたタイマカウンタ213oの日付情報とRTC220の日付情報との一致判定を行い、不一致の場合には、ラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jをオフするように構成する。このように構成することで、タイマカウンタ213oの日付情報がRTC220の日付情報と異なる場合には、今回の電源投入時の日付が、ラッキー期間が付与された日付と異なることを意味するので、自動的にラッキー期間に関する各フラグ213h〜213jをオフに設定する。これにより、スタッフがパチンコ機10のリセット操作しなくてもラッキー期間が日付を跨いで継続するのを抑制することができ、遊技場のスタッフの作業負担を軽減することができる。なお、バックアップされたタイマカウンタ213oの日付情報とRTC220の日付情報との一致判定は、立ち上げ処理におけるRTC220の更新処理より前に行うことで、タイマカウンタ213oに記憶される日付情報と、RTC220の日付情報との違いを判別することが可能となる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態又は第2実施形態のいずれかにおけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
<第4実施形態>
次いで、図51から図54を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。なお、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第1実施形態におけるパチンコ機10では、第3図柄の変動表示における大当たり図柄の種類に応じていずれかのラッキー期間を付与するように構成されていた。具体的には、「初回」に「7図柄(ジュゴン)」で大当たりした場合には「無制限」状態が付与され、同じく「初回」に「3図柄(カメ)」又は「5図柄(エビ)」で大当たりした場合には「ラッキー」状態が付与され、上記以外の第3図柄で大当たりした場合には「スタート」状態が付与されるように構成されていた。このような構成の場合、ラッキーナンバー制の遊技性は付与されるが、開始条件又は終了条件が固定的である。これに対し、例えば、「確率変動状態」が付与される大当たりには「ラッキー」状態以上のラッキー期間を付与したい場合や、大当たり図柄の種類ではなく、大当たりした有効ラインの位置に応じてラッキー期間を付与したい場合、ラッキーナンバー制を一切採用したくない場合等、遊技場の意向に応じて遊技場ごとに特色あるラッキーナンバー制を含む遊技性が採用できる構成に対しての要望がある。
そこで、第4実施形態では、ラッキー期間の開始条件及び終了条件を遊技場が設定可能な条件設定スイッチ280を設け、その条件設定スイッチ280の設定内容に基づいてラッキー期間を付与又は終了するように構成する。このように構成することで、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に応じた遊技性を実現することができる。
以下、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第3実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図51は、第4実施形態におけるパチンコ機10の背面図である。第4実施形態におけるパチンコ機10の背面構成において、第1実施形態乃至第3実施形態と相違する点は、枠統括制御装置111の基板ボックスに条件設定スイッチ280が設けられている点である。
枠統括制御装置111の基板ボックスに設けられた条件設定スイッチ280は、ラッキー期間の開始条件を設定するラッキー期間設定用のスイッチであって、各条件毎に複数段階の設定が可能なスライド型のディップスイッチで構成されている。この条件設定スイッチ280は、枠統括制御装置111の基板ボックスに設けられ、枠統括制御装置111の回路基板上に実装されているため、パチンコ機10の前方からは操作不可能に構成され、遊技場のスタッフがパチンコ機10の解錠操作を行った上で該条件設定スイッチ280が操作可能となるように構成されている。
ここで、図52を参照して、第4実施形態の条件設定スイッチ280の構成について説明する。図52(a)は、条件設定スイッチ280の正面図であり、図52(b)は、この条件設定スイッチ280の各スイッチ281〜294に対応した番号毎の内容を説明するための説明図である。
条件設定スイッチ280は、大当たり図柄毎にラッキー期間の開始条件及び終了条件を決定する図柄設定スイッチ281〜289と、大当たりライン毎にラッキー期間の開始条件及び終了条件を決定するライン設定スイッチ290〜294とが設けられている(図52(a)参照)。また、各スイッチ281〜294は、それぞれ5段階の設定が可能に構成されており、上から順に「無制限」、「ラッキー」、「ラッキー終了」、「スタート」及び「未設定」という項目に対応して構成されている。
具体的には、各スイッチ281〜294が、「無制限」に設定されている場合は「無制限」状態の開始条件となり、「ラッキー」に設定されている場合は「ラッキー」状態の開始条件となり、「ラッキー終了」に設定されている場合は「ラッキー」状態の終了条件となり、「スタート」に設定されている場合は「スタート」状態の開始条件となり、「未設定」に設定されている場合はその条件によりラッキー期間は付与されないように構成されている。なお、「未設定」に設定されている場合は、ラッキー期間の開始条件にならないと共に、終了条件にもならないように構成されている。
なお、第4実施形態のパチンコ機10では、「無制限」状態の終了条件は設定されておらず、会員カード300の返却等によらなけば終了しない構成となっている。また、「スタート」状態の終了条件としては、「時間短縮状態」の終了、即ち、「時間短縮状態」における第3図柄の100回の変動表示の終了時がデフォルトで設定されるように構成されている。
また、各スイッチ281〜294の上部には左から昇順に番号が付されており、各番号は図52(b)で示される番号毎に大当たり図柄又は大当たりラインの内容を示している。なお、大当たりラインとは、同一の第3図柄が一直線に3つ並んだ場合(又は、所定図柄の組み合わせ(例えば、「3」、「4」及び「1」)が並んだ場合)に大当たりが発生する表示画面上の有効ラインのことであり、第4実施形態では、変動表示領域Dmにおいて、5つの有効ライン、即ち、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4及び左下がりラインL5が設定されている(図7参照)。
条件設定スイッチ280は、具体的には、条件設定スイッチ280の左端に設けられた「1」スイッチ281は第3図柄の「1図柄(タコ図柄)」に対応し、その右側の「2」スイッチ282は第3図柄の「2図柄(ハリセンボン図柄)」に対応し、その右側の「3」スイッチ283は第3図柄の「3図柄(カメ図柄)」に対応し、その右側の「4」スイッチ284は第3図柄の「4図柄(サメ図柄)」に対応し、その右側の「5」スイッチ285は第3図柄の「5図柄(エビ図柄)」に対応し、その右側の「6」スイッチ286は第3図柄の「6図柄(アンコウ図柄)」に対応し、その右側の「7」スイッチ287は「7図柄(ジュゴン図柄)」に対応し、その右側の「8」スイッチ288は「8図柄(エンゼルフィッシュ図柄)」に対応し、その右側の「9」スイッチ289は「9図柄(カニ図柄)」に対応する。また、その右側の「10」スイッチ290は第3図柄表示装置81における左ラインL1に対応し、その右側の「11」スイッチ291は第3図柄表示装置81における中ラインL2に対応し、その右側の「12」スイッチ292は第3図柄表示装置81における右ラインL3に対応し、その右側の「13」スイッチ293は第3図柄表示装置81における右下がりラインL4に対応し、右端の「14」スイッチ294は第3図柄表示装置81における左下がりラインL5に対応する。
図52(a)に示した条件設定スイッチ280の例では、「無制限」状態の開始条件として、「7」スイッチ287が「無制限」に設定されている。また、「ラッキー」状態の開始条件として、「3」スイッチ283及び「5」スイッチ285が「ラッキー」に設定されている。さらに、「ラッキー」状態の終了条件(及び開始条件)として「4」スイッチ284が「ラッキー終了」に設定されている。また、「スタート」状態の開始条件として「1」スイッチ281、「2」スイッチ282、「6」スイッチ286、「8」スイッチ288及び「9」スイッチ289が「スタート」に設定されている。なお、第4実施形態では、大当たりラインに対応する「10」〜「14」スイッチ290〜294は、「未設定」に設定されており、大当たりラインの種類に応じてラッキー期間は付与されないように設定されている。なお、各スイッチ281〜294が「ラッキー終了」に設定されている場合には、「ラッキー」状態の終了条件として設定されると共に、「スタート」状態の開始条件として設定されるように構成されている。
なお、第4実施形態では、条件設定スイッチ280の構成をスライド型のディップスイッチにより構成していた。この構成に代えて、回転型のロータリースイッチ(サムロータリースイッチ)を用いてラッキー期間の開始条件を設定可能に構成したり、タッチパネル等を用いてラッキー期間の開始条件を設定可能に構成してもよく、ラッキー期間の開始条件又は終了条件を複数段階設定できる入力機構であれば如何様な構造又は機能であってもよい。また、ラッキー期間の開始条件及び終了条件を記憶した複数の条件テーブルを設け、ダイヤル式スイッチ等によっていずれかの条件テーブルを選択して設定することで、一括してラッキー期間の開始条件及び終了条件を設定できるように構成してもよい。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、「無制限」状態の終了条件と「スタート」状態の終了条件は設定できないように構成されていたが、この構成に代えて、「無制限」状態又は「スタート」状態の終了条件を設定可能に構成してもよい。例えば、「スタート」状態の終了条件として、「時間短縮状態」における第3図柄の変動表示の100回終了に代えて、「時間短縮状態」終了後における第3図柄の変動表示の100回終了時、即ち、大当たり後に第3図柄が変動表示を200回行った場合等に設定できるように構成してもよい。この場合に、100回の変動表示に対してさらに100回の変動表示を追加設定する等、既存の条件に対して追加的に条件を設定できるように構成してもよい。
次いで、図53を参照して、第4実施形態のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図53は、第4実施形態におけるパチンコ機10の枠統括制御装置111、カードサンド装置70及び会員カード300の電気的構成を示すブロック図である。第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成において、第1実施形態と相違する点は、枠統括制御装置111のRAM213にスタート条件メモリ213pが設けられている点と、枠統括制御装置111の入出力ポート215に条件設定スイッチ280が接続されている点と、である。
RAM213のスタート条件メモリ213pは、「スタート」状態となる条件を記憶しているメモリである。このスタート条件メモリ213pは、電源が投入されたときに、電電断の発生情報を記憶していない場合(図54のS2003:No)や、RAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図54のS2005:No)に実行される、RAM213の初期設定処理(図54のS2008)の後に、条件設定スイッチ280のうち、「スタート」に設定されている各スイッチ281〜294の内容が記憶される。
第4実施形態のパチンコ機10では、図52(a)で示すように、「1」スイッチ281、「2」スイッチ282、「6」スイッチ286、「8」スイッチ288及び「9」スイッチ289が「スタート」に設定されている。また、「4」スイッチ284が「ラッキー終了」に設定されている。よって、このスタート条件メモリ213pには「1図柄(タコ図柄)」、「2図柄(ハリセンボン図柄)」、「4図柄(サメ図柄)」、「6図柄(アンコウ図柄)」、「8図柄(エンゼルフィッシュ図柄)」及び「9図柄(カニ図柄)」に関する設定情報が記憶され、上記図柄で大当たりした場合に「スタート」状態が付与されるように構成されている。
条件設定スイッチ280は、上述した通り、ラッキー期間の開始条件及び終了条件を設定するためのスイッチであり、枠統括制御装置111の入出力ポート215と接続され、MPU211は、電源投入時にこの条件設定スイッチ280の設定内容を読み込んで、無制限条件メモリ213m、ラッキー条件メモリ213n及びスタート条件メモリ213pの内容を設定するように構成されている。
次いで、図54を参照して、第4実施形態における枠統括制御装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理について説明する。図54は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、第1実施形態及び第3実施形態と同様に、電源投入後に起動される処理である。
第4実施形態における立ち上げ処理が、第1実施形態又は第3実施形態における立ち上げ処理と異なる点は、RAM213の初期設定処理の後(S2008)、条件設定スイッチ280の設定内容を読み込んで、無制限条件メモリ213m、ラッキー条件メモリ213n及びスタート条件メモリ213pを設定する処理(S2071)を実行する点と、MPU211周辺デバイスの初期設定処理の後に(S2010)、無制限条件メモリ213m、ラッキー条件メモリ213n及びスタート条件メモリ213pの設定内容に基づく条件コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する処理(S2072)を実行する点と、である。
具体的には、S2008の処理において、RAM213の初期設定処理を実行した後(S2008)、条件設定スイッチ280の各スイッチ281〜294の設定内容を読み込み、読み込んだ内容に則して無制限条件メモリ213m、ラッキー条件メモリ213n及びスタート条件メモリ213pの内容が設定される(S2071)。第4実施形態では、無制限条件メモリ213mには、開始条件として「7図柄(ジュゴン図柄)」での大当たりが設定される。また、ラッキー条件メモリ213nには、開始条件として「3図柄(カメ図柄)」又は「5図柄(エビ図柄)」での大当たりが設定されると共に、終了条件として「4図柄(サメ図柄)」での大当たりが設定される。さらに、スタート条件メモリ213pには、開始条件として「1図柄(タコ図柄)」、「2図柄(ハリセンボン図柄)」、「4図柄(サメ図柄)」、「6図柄(アンコウ図柄)」、「8図柄(エンゼルフィッシュ図柄)」及び「9図柄(カニ図柄)」での大当たりが設定される。なお、第4実施形態では、「スタート」状態の終了条件は、「時間短縮状態」の終了時、がデフォルト設定されるように構成されている。
また、S2010の処理において、MPU211周辺デバイスの初期設定処理を行った後(S2010)、S2071で設定した無制限条件メモリ213m、ラッキー条件メモリ213n及びスタート条件メモリ213pの設定値に基づく条件コマンドを生成し、その条件コマンドを音声ランプ制御装置113へ向けて送信する(S2072)。音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から条件コマンドを受信した場合に、その条件コマンドを表示制御装置114へ向けて送信し、表示制御装置114は、その条件コマンドに応じて状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85bに各ラッキー期間の開始条件及び終了条件を表示するように構成されている。
以上説明した通り、第4実施形態のパチンコ機10によれば、ラッキー期間の開始条件を遊技場が設定可能な条件設定スイッチ280を設け、その条件設定スイッチ280の設定内容に基づいてラッキー期間を付与するように構成する。このように構成することで、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に応じた遊技性を実現することができる。
また、条件設定スイッチ280は、枠統括制御装置111の基板ボックスに設けられ、枠統括制御装置111の回路基板上に実装されているため、パチンコ機10の前方からは操作不可能に構成されているので、遊技者による設定変更ができず、遊技場のスタッフのみがパチンコ機10の解錠操作を行った上で該条件設定スイッチ280が操作可能となっている。従って、遊技者によってラッキーナンバーが変更させないようにすることで、遊技場が意図しないラッキー期間の付与による不利益が発生することを防止することができる。
なお、第4実施形態では、電源投入時に条件設定スイッチ280におけるラッキー期間の開始条件及び終了条件の設定内容を確認し、その後の定期的な制御において、開始条件及び終了条件を獲得しているか否かを常時判別していた。これに対し、例えば、条件設定スイッチ280においてすべてのスイッチ281〜294が「未設定」に設定されていた場合、遊技場はラッキーナンバー制を採用したくないということなので、ラッキー期間の開始条件及び終了条件に関する制御は不要である。従って、このような場合は、定期的な制御において、各フラグ213h〜213jの設定及び確認や大当たり結果メモリ213gの設定及び確認等、ラッキー期間に関する処理を省略することができ、制御負担を軽減することができる。
また、第4実施形態では、第3図柄の変動表示において、大当たりした図柄の種別又は有効ラインに基づいてラッキー期間の開始条件又は終了条件を設定可能に構成していた。これに対し、第3図柄の変動表示の大当たり種別又は有効ラインとは異なる条件でラッキー期間の開始条件又は終了条件を設定可能に構成してもよい。具体的には、時間的要素に基づいてラッキー期間を開始又は終了を設定してもよい。例えば、午前中に大当たりした場合には「無制限」条件が付与されたり、夕方5時移行に大当たりした場合に「ラッキー」状態が付与されたりするよう設定してもよい。また、第3図柄の変動表示ではなく、第2図柄の変動表示に基づいてラッキー期間を開始又は終了を設定してもよい。例えば、普通図柄の当たり回数が累積100回を超えた場合に「無制限」状態が付与されたりするよう設定してもよい。なお、上記ラッキー期間の開始条件及び終了条件は、第1〜第3実施形態でも採用可能である。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10では、第1〜3実施形態のいずれかにおけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
なお、上記第1〜第4実施形態を相互に組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態に記載した構成と第4実施形態に記載した構成とを有する構成としてもよく、第3実施形態に記載した構成と第4実施形態に記載した構成とを有する構成としてもよい。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
<変形例1>
上記各実施形態において、ラッキー期間中に獲得した賞球は、入賞した入賞口3,4,5aの種類を問わずすべてラッキー中球カウンタ213dに加算するように構成していた。この構成では、枠統括制御装置111において賞球を管理する際、入賞した入賞口3,4,5aの種別を判別して管理する必要がなく、ラッキー期間中の賞球管理に関する制御を複雑化しなくて済むという利点があった。しかし、ラッキー中球カウンタ213dに記憶される玉データは、ラッキー期間終了後は遊技に使用できなくなるため、通常時球カウンタ213cの玉データと比べて汎用性が低く、遊技者にとって遊技価値が低いものである。ラッキー期間は、大当たりに起因するものであり、ラッキー期間に対して直接的に関係があるのは特定入賞口5aへの入賞であり、一般入賞口3又は始動入賞口4への入賞は、ラッキー期間以外の「通常遊技状態(低確率状態)」でも起こり得る事象であって、ラッキー期間とは直接的な関係はないものである。従って、ラッキー期間中に生じたすべての賞球をラッキー中球カウンタ213dに記憶する構成であった場合、本来ラッキー期間とは無関係に生じ得て通常時球カウンタ213cに記憶するべき一般入賞口3又は始動入賞口4の賞球がラッキー中球カウンタ213dに記憶されてしまうため、遊技者の遊技価値を毀損させてしまうおそれがある。そこで、ラッキー中球カウンタ213dに加算する賞球は、特定入賞口5aへの入賞に基づく賞球のみを加算し、一般入賞口3又は始動入賞口4への入賞に基づく賞球は通常時球カウンタ213cに加算するように構成してもよい。このように構成することで、ラッキー期間中であっても、一般入賞口3又は始動入賞口4への入賞に基づく賞球を、他のパチンコ機でも使用できる通常時球カウンタ213cに記憶させることができるので、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる。
<変形例2>
上記各実施形態において、ラッキー期間の終了は、「スタート」状態の終了条件を達成(「時間短縮状態」における第3図柄の変動100回終了)した場合に行っていた。これに対し、ラッキー期間の終了を、ラッキー期間中に獲得した賞球数に応じて終了するように構成してもよい(所謂、定量制)。このように構成することで、ラッキー期間の終了を遊技状態の変遷によらず獲得球数に応じて行うことができ、多様なラッキーナンバー制の遊技仕様を実現することで、遊技の興趣を高めることができる。
従来の定量制の遊技使用では、遊技場のスタッフがラッキー期間中に獲得した球数を自己の目分量で判断してラッキー期間を終了する作業(打ち止め作業、球交換作業および遊技再開作業)を行っていた。従って、遊技場のスタッフ毎の主観でラッキー期間の終了を判断していたため、スタッフ毎にラッキー期間終了の判断が異なることがあり、遊技者に遊技に対する疑義を生じさせてしまい、遊技の継続意欲を減退させるおそれがある。また、遊技場のスタッフがラッキー期間のラッキー期間を終了する作業を行わなければならず、遊技場のスタッフに多大な作業負担がかかってしまうおそれがある。そこで、機内循環式のパチンコ機10の機能を活用し、パチンコ機10とカードサンド装置70との制御により定量制のラッキーナンバー制を採用することで、ラッキー期間中に獲得した球数を遊技者に明確に認識させてラッキー期間の終了に対して遊技者に不満を抱かせることなく遊技を行わせることができる。また、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる。なお、定量制の採用に際し、終了条件の賞球数を遊技場が設定できるように構成してもよい。
<変形例3>
上記各実施形態において、カード残高や共有可能玉、ラッキー玉等の価値情報を会員カード300に記録して構成されていた。これに対し、価値情報を会員カード300に直接記録させず遊技場のホールコンピュータ263に会員カードの会員IDと対応付けて記憶させ、会員カード300の会員IDに基づいて対応する価値情報を検索して使用するように構成してもよい。また、その構成に限定せず、いずれかの価値情報のみ(例えば、ラッキー玉のみ)をホールコンピュータ263で会員IDと対応付けて管理(記憶)するように構成してもよい。このように構成することで、会員カード300で所持玉データを記憶しておく必要がなくなるため、例えば、会員カード300を紛失した場合でも、紛失した会員カード300の使用を不能にすると共に会員カード300の再発行手続きを行うことで、遊技者の所持玉データを復活させることができる。
<変形例4>
上記各実施形態において、ラッキー期間が終了した場合には、それまでに獲得したラッキー玉の使用を遊技使用不可玉として記憶し、それ以後の遊技では一切使用できないように構成し、遊技使用不可玉は、遊技場の窓口にて景品交換をするのみの構成となっていた。これに対し、遊技使用不可玉であっても、ワゴンサービスや遊技場に設置の自動販売機での使用を認めるように構成してもよい。具体的には、例えば、状況表示装置85のメニュー表示領域85aに表示される「ワゴンサービス」アイコンが遊技者により操作され、所定の飲食物(例えば、コーヒー)が選択された場合に、遊技使用不可玉の玉データから該所定の飲食メニュー分の価値を減算するように構成して、遊技使用不可玉を遊技場の窓口以外でも使用できるように構成する。このように構成することで、遊技者が継続遊技を行う際に、遊技使用不可玉となった玉データを遊技の補助的な部分で使用可能とし、遊技を中止することなく継続して遊技を行い易い環境を整えることができる。
また、ワゴンサービスにより飲食物等を注文する際に、ラッキー中球カウンタ213dに玉データが存在する場合は、通常時球カウンタ213cの玉データより優先してラッキー中球カウンタ213dの値を使用してワゴンサービスを注文するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が煩雑な操作を行うことなく遊技価値が低い玉データを優先使用することができる。
<変形例5>
上記各実施形態において、ラッキー期間の開始又は終了は、遊技状態の変遷や会員カード300の投入又は排出を条件に行われるように構成されていた。これに対し、ラッキー期間の開始又は終了を、遊技を行う際の時間的要素で変化させるように構成してもよい。具体的には、例えば、朝9時から昼12時までは、いずれの第3図柄で大当たりを引いても「無制限」状態又は「ラッキー」状態が開始されるよう、RTCの実際の時刻値に基づく大当たりの発生に応じてラッキー期間が開始されるように構成する。このように構成することで、大当たりが契機とはなるが、大当たりの種別は無関係に時間的要素でラッキー期間を発生させることができる。このように構成することで、パチンコ機の稼働が落ち易い時間に上記条件を設定することで、パチンコ機の稼働率を上げることができる。
<変形例6>
上記第3実施形態において、RTC220の値を読み込むのは、電源投入時のみの構成であった。この構成の場合、電源を入切しなければRTC220の値を読み込むことがないため、例えば、営業時間が深夜2時等まで及ぶ遊技場では、該営業時間が終了するまでラッキー期間を維持することが可能である。しかし、営業時間が24時間を超える遊技場の場合は、継続中のラッキー期間が翌日にも及んでしまい、当日限りのラッキーナンバー制の遊技性を維持するためには、遊技場のスタッフが午前0時を超えた段階でパチンコ機の電源を入切しなければいけないおそれがある。これに対し、RTC220の値を随時判別し、夜中の0時を超えた段階で継続中のラッキー期間を終了するように構成してもよい。このように構成することで、日付を跨いだラッキー期間の付与を防止することができるので、当日限りというラッキーナンバー制の遊技性を維持することができる。
<変形例7>
上記第3実施形態において、RTC220は枠統括制御装置111で管理しているため、枠統括制御装置111に対するノイズ等の異常が原因でRTC220の値が現時刻とずれてしまった場合、ラッキー期間を的確に付与できなくなるおそれがある。これに対し、カードサンド装置70やホールコンピュータ263にもRTC220を搭載し、枠統括制御装置111がカードサンド装置70又はホールコンピュータ263と通信をしてRTC220の値を補正するように構成してもよい。このように構成することで、枠統括制御装置111のRTC220の値を正常に維持することができ、時間的要素に基づいたラッキー期間を的確に付与させることが可能となる。
<変形例8>
上記各実施形態において、ラッキー期間である「スタート」状態が終了した際、ラッキー中球カウンタ213dに記憶されている玉データを枠統括制御装置111の使用不可エリア213eに記憶するように構成し、使用不可エリア213eの値は遊技者による返却ボタン75の操作時に会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに記憶するように構成していた。これに対し、「スタート」状態が終了した際、ラッキー中球カウンタ213dの値を直接会員カード300の遊技使用不可メモリ300dに書き込む(加算する)ように構成してもよい。このように構成することで、会員カード300側で遊技に使用できない玉データを一元管理し、パチンコ機10側で遊技に使用できない玉データを管理する必要がなくなるので、パチンコ機10の制御負担を軽減させることができる。
<変形例9>
上記各実施形態において、ラッキー期間中に会員カード300を返却させた際、そのラッキー期間を消滅させるか、同じパチンコ機10で遊技を再開する場合にのみラッキー期間を復活させるように構成され、ラッキー期間を獲得したパチンコ機以外では該ラッキー期間を引き継げないように構成されていた。これに対し、1のパチンコ機でラッキー期間を獲得した場合には、他のパチンコ機で遊技を行う際もラッキー期間として遊技を行うことができるように構成してもよい。このように構成することで、ラッキー期間を付与された遊技者は、終了条件(例えば、特定図柄での大当たり)を達成させなければ、どのパチンコ機で遊技を行ってもラッキー期間として遊技を行うことができ、ラッキー期間を獲得したパチンコ機での遊技に飽きた場合でも、ラッキー期間が付与されていることから他のパチンコ機に台移動して遊技を行う動機づけができ、遊技場全体の稼働率を向上させることができる。
<変形例10>
上記各実施形態において、大当たりした際、該大当たりした第3図柄の種類に応じていずれかのラッキー期間を付与するように構成されていた。これに対し、第3図柄表示装置81とは別のラッキーナンバー専用のラッキー期間抽選装置を設け、大当たりした際に、ラッキー期間抽選装置を変動させ、その変動結果に応じていずれかのラッキー期間を付与するように構成してもよい。また、該ラッキー期間抽選装置によって、ラッキー期間の終了を決定するように構成してもよい。さらに、例えば、開始条件を該ラッキー期間抽選装置で決定し、終了条件を第3図柄の変動表示の大当たり図柄で決定する等、ラッキー期間抽選装置と第3図柄の変動表示の表示結果とを用いて、ラッキー期間の開始及び終了を決定するように構成してもよい。
<変形例11>
上記各実施形態において、パチンコ機10の通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d及び使用不可エリア213eや、会員カード300の通常時メモリ300c、遊技使用不可メモリ300d及びラッキー中メモリ300eに共有可能玉、ラッキー玉又は遊技使用不可玉に関する所持玉データを書き込む場合、加算処理にて各カウンタ等に所持玉データを記憶していた。これに対し、各カウンタをバッファ形式で構成し、所持玉データの書き込み要求に応じて記憶する際に、書き込み要求毎にバッファエリアに記憶し、書き込み要求別の所持玉データをそれぞれ識別可能に記憶するようにしてもよい。このように構成することで、例えば、1のラッキー期間とその次のラッキー期間とで獲得したラッキー玉の数を識別して認識することができ、所有している所持玉データの総量と、ラッキー期間ごとで獲得した各ラッキー玉の数とを同時に認識することが可能となる。
<変形例12>
上記各実施形態において、ラッキー期間中に獲得した賞球をラッキー玉として記憶し、「通常遊技状態」中に獲得した賞球は共有可能玉として記憶し、共有可能玉とラッキー玉とを識別して管理することで、ラッキー期間終了後も共有可能玉による遊技を行うことができるように構成されていた。これに対し、ラッキー期間が開始された場合は、共有可能玉とラッキー玉とを識別せずに総賞球として累積記憶し、ラッキー期間終了後は、その総賞球をすべて遊技使用不可玉にするように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10におけるラッキー期間中における共有可能玉とラッキー玉とを識別する制御が不要になると共に、会員カード300におけるラッキー玉やラッキー期間種別の記憶等の構成及び制御も不要になるため、パチンコ機10、カードサンド装置70及び会員カード300の構成を簡素化して、パチンコ機10及びカードサンド装置70の制御負担を軽減することができる。
<変形例13>
上記各実施形態において、ラッキー期間の中でも有利な「無制限」状態の開始条件として、第3図柄表示装置81に「7図柄(ジュゴン)」での大当たりが発生した場合、と設定されていた。「7図柄(ジュゴン)」の大当たりは、15Rの大当たりであって2Rの大当たりよりラウンド数が多く、また、大当たり状態終了後に「確率変動状態」が付与されるため、本パチンコ機10では最も遊技価値が高い大当たりである。従って、最も遊技価値が高い大当たりに付加的に最も遊技価値が高いラッキー期間を付与していた。これに対し、遊技価値が低い大当たり(例えば、2Rの大当たり)や、「確率変動状態」であることが報知されない潜伏大当たりや、遊技価値がほとんど付与されない小当たり等、遊技者に与える遊技価値が低い場合に遊技価値が高いラッキー期間を付与するように構成してもよい。2Rの大当たりは、遊技価値が低い大当たりであるため、折角の大当たりであるにもかかわらず遊技者の遊技意欲が減退してしまうところ、ラッキーナンバー制による付加的な遊技価値を付与できるので、遊技意欲を継続させて遊技の興趣を高めることができる。また、ラッキーナンバー制を潜伏大当たりや小当たり等の遊技仕様を搭載した近代遊技機に実現することで、過去の遊技機にはなかった近代遊技機の新たな遊技仕様とラッキーナンバー制とを絡めた多様な遊技性を実現できる。なお、潜伏大当たり又は小当たりの一方でラッキー期間を付与するように構成した場合は、潜伏大当たりと小当たりとの判別を困難にすると共に、ラッキー期間の付与を判別困難又は遅延するように構成してもよい。
<変形例14>
上記各実施形態では、状況表示装置85の価値情報表示領域85cにおいて、共有可能玉、ラッキー玉及び遊技使用不可玉等をそれぞれ識別して報知可能に構成され、その報知内容は、枠統括制御装置111から送信される所持球コマンドが出力された際に、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114によって該所持球コマンドに基づく共有可能玉、ラッキー玉及び遊技使用不可玉の内容が表示されていた。この場合に、音声ランプ制御装置113は、枠統括制御装置111から所持球コマンドを受信した際、表示制御装置114に向けて、該所持球コマンドを送信すると共に、所定の演出コマンドを送信し、状況表示装置85の価値情報表示領域85cにて、所定の演出を実行するように構成してもよい。例えば、ラッキー期間が終了し、ラッキー玉が遊技使用不可玉となる場合に、ラッキー玉の数が遊技使用不可玉の数として移り変わる様をキャラクタ等を用いて演出してもよい。
<変形例15>
上記各実施形態では、「スタート」状態中に、「ラッキー」状態又は「無制限」状態の開始条件に該当する大当たりに当選した場合でも、「初回」の大当たりでないため、「スタート」状態を維持するのみで、「ラッキー」状態や「無制限」状態に変更していなかった。このような構成の場合、「初回」というルールがあるが故に、「初回」以外で上位ラッキー期間の開始条件に合致する大当たりに当選した際に、遊技者が不満を感じてしまい、遊技に対して興醒めしてしまうおそれがある。これに対し、「スタート」状態等の下位ラッキー期間中に、「ラッキー」状態等の上位ラッキー期間の開始条件を満たした場合に、該上位ラッキー期間に昇格させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が遊技に対して興醒めすることなく、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例16>
上記各実施形態では、「スタート」状態中に、「スタート」状態の開始条件に該当する大当たりに当選した場合でも、改めて「スタート」状態が開始されるのみであった。これに対し、「スタート」状態中に「スタート」状態の開始条件に該当する大当たりに当選した場合に、「スタート」状態より上位のラッキー期間である「ラッキー」状態等に昇格させるように構成してもよい。
<変形例17>
上記各実施形態では、「スタート」状態の終了条件である「時間短縮状態」が終了した場合、即ち、「スタート」状態中において、大当たり後の第3図柄の変動表示が100回行われた場合に、該「スタート」状態が終了するように構成されていた。このような場合において、「時間短縮状態」では、始動入賞口4の電動役物が駆動しているため、変動表示が100回実行された時点では、第3図柄の変動表示の保留が4個溜まっている場合がある。従って、例えば、「スタート」状態が終了した後、該「スタート」状態中に保留された変動表示で再度「スタート」状態の開始条件を満たす大当たりに当選した場合、特に、上記変形例16のような仕様である場合に、ラッキー期間の昇格が得られず、遊技者が不満を抱いてしまうおそれがある。そこで、「スタート」状態中に保留された変動表示において再度「スタート」状態の開始条件等を引いた場合には、「スタート」状態中に「スタート」状態が上乗せされたと判断して、「スタート」状態を「ラッキー」状態等の上位のラッキー期間に昇格させるように構成してもよい。
<変形例18>
上記各実施形態では、通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d及び使用不可エリア213eの値を返却ボタン75の操作時に会員カード300に書き込むように構成されていた。これに対し、停電等に基づく電源断時の電断処理時に通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d及び使用不可エリア213eの各所持玉データを会員カード300に書き込むように構成してもよい。このように構成することで、仮に電源断時にノイズ等の影響でRAM213のデータに異常が生じた場合でも、遊技者が所持する遊技価値を会員カード300に記憶させておくことができるので、遊技者の遊技価値を棄損させずに済む。この場合において、電源投入時の処理において、会員カード300に書き込まれている所持玉データを、通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d及び使用不可エリア213eに書き込む処理を実行するように構成してもよい。また、通常時球カウンタ213c、ラッキー中球カウンタ213d及び使用不可エリア213eの所持玉データを、定期的(例えば、1秒ごと)に会員カード300に書き込むように構成してもよい。このように構成しても、停電等による電源断によってRAM213が破壊された場合でも、遊技者の所持する遊技価値が棄損してしまうことを防止することができる。
<変形例19>
上記各実施形態では、大当たり状態の開始時に音声ランプ制御装置113で決定された第3図柄の大当たり図柄の内容を示す大当たり図柄コマンドが枠統括制御装置111へ送信されて大当たり結果メモリ213gに設定(上書き)されるように構成していた。これに対し、大当たり状態中に再抽選が行われて大当たり図柄の内容が変化した際に、音声ランプ制御装置113は、改めて大当たり図柄コマンドを枠統括制御装置111に送信し、枠統括制御装置111は、改めて受信した大当たり図柄コマンドを大当たり結果メモリ213gに設定すると共に、該大当たり結果メモリ213gの内容に応じてラッキー期間の再設定を行うように構成してもよい。このように構成することで、再抽選の演出に伴ってラッキー期間の昇格演出を行うことが可能となり、付与されるラッキー期間の内容の報知タイミングを多岐にすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例20>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、ラッキー期間中にトイレ休憩等を所望する遊技者により返却ボタン75が操作された場合、該ラッキー期間の情報を会員カード300に記憶させ、該会員カード300を同一(同日)のパチンコ機10に対応するカードサンド装置70に投入した場合には、ラッキー期間を再開するように構成されていた。しかし、例えば、ラッキー期間中で、かつ、「高確率状態」中において、遊技者がトイレ休憩等を所望して返却ボタン75を操作して会員カード300を排出させて離席している状態で、他の遊技者が該パチンコ機10に対応するカードサンド装置70に他の遊技者の会員カードを投入できてしまうと、ラッキー期間は付与されなくても「高確率状態」がそのまま他の遊技者に付与されてしまい、他の遊技者に不当な利得を与えてしまうおそれがある。そこで、ラッキー期間中にトイレ休憩等を所望する遊技者により返却ボタン75が操作された場合は、カードサンド装置70のカード挿入口72を塞ぐように休憩札役物を現出させ、休憩を取得した遊技者の会員カード300でのみ該休憩札役物を解除するように構成してもよい。このように構成することで、休憩中のパチンコ機10における有利な遊技価値を他の遊技者に奪われてしまうことを防止することができる。
<変形例21>
上記第4実施形態では、枠統括制御装置111に設けられた条件設定スイッチ280によりラッキー期間の開始条件及び終了条件を設定可能に構成されていた。これに対し、ホールコンピュータ263によりラッキー期間の開始条件及び終了条件を設定可能に構成してもよい。このように構成することで、ラッキー期間の開始条件及び終了条件を設定する場合に、各パチンコ機10毎に施錠を解錠してそれぞれラッキー期間の開始条件及び終了条件を設定する必要がなく、ホールコンピュータ263で一括して設定できるので、遊技場のスタッフの作業負担を軽減することができる。
<変形例22>
上記各実施形態では、ラッキー期間として、「無制限」状態、「ラッキー」状態及び「スタート」状態の3つの種類のラッキー期間によりラッキーナンバー制を実現していた。これに対し、ラッキー期間として、いずれか1又は2のラッキー期間を採用してラッキーナンバー制を実現してもよく、ラッキーナンバー制を実現する上で適宜複数種類のラッキー期間の組み合わせもよい。また4種類以上のラッキー期間を設けてラッキーナンバー制を実現してもよい。
<変形例23>
上記各実施形態では、遊技使用不可玉に関し、一旦、遊技使用不可玉として処理された所持玉データは、遊技場の窓口以外で使用することが不可能に設定されていた。これに対し、所定条件の成立によって遊技使用不可玉をラッキー玉又は共有可能玉に変更して、遊技に使用できるように構成してもよい。所定条件としては、例えば、「7図柄(ジュゴン)」で大当たりした場合や、ラッキータイム(例えば、午後10時以降の遊技)において使用可能にしてもよい。
<変形例24>
上記各実施形態では、状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85bにおいて、常時、ラッキー期間の開始条件及び終了条件を表示していた。これに対し、遊技状態に応じて状況表示装置85の表示内容を変更するように構成してもよい。具体的には、例えば、終了条件がない「無制限」状態が開始された場合、ラッキーナンバー表示領域85bにラッキー期間の開始条件及び終了条件を表示しておく必要がないため、ラッキーナンバー表示領域85bの表示内容を特別演出(例えば、祝福動画)に変更して表示するように構成してもよい。
<変形例25>
上記各実施形態では、シャッター役物228の駆動態様、および、第3図柄表示装置81の表示態様に基づいて「スタート」状態の消化状況(経過状況)を遊技者に報知するように構成されていた。これに対し、第3図柄表示装置81のみで「スタート」状態の消化状況を報知するように構成してもよい。具体的には、シャッターを模した表示物を表示画面の左右両側から徐々に現出させて表示領域を減縮させる演出もよく、また、表示領域の背景色を徐々に変更(例えば、寒色系から暖色系)するように構成してもよい。
<変形例26>
上記各実施形態では、ラッキー期間の種別を報知するために、無制限可動役物95、ラッキー可動役物96又はスタート可動役物97の別々の可動役物95〜97のいずれかを扉枠14の上部から現出させることで、ラッキー期間の種別を遊技者等に報知していた。これに対し、1の可動役物や1の表示手段によりラッキー期間の種別を報知可能に構成してもよい。具体的には、例えば、ラッキー期間の種別報知用の表示装置を設け、その表示画面上においてラッキー期間の種別を表示するように構成してもよい。
<変形例27>
上記第2実施形態および第3実施形態では、1のパチンコ機で獲得したラッキー玉に関し、他のパチンコ機での使用を制限するように構成されていた。これに代えて、1のパチンコ機10で獲得したラッキー玉以外の所持玉、即ち、共有可能玉についても他のパチンコ機での使用を制限(禁止)するように構成してもよい。このように構成することで、1のパチンコ機で獲得した所持玉を他のパチンコ機では使用できない遊技性を創出することができ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例28>
上記第3実施形態では、ラッキー期間中であるパチンコ機10において遊技を中断した場合において、再度、該パチンコ機10において遊技を再開する場合に、そのラッキー期間を獲得した当日に限り、ラッキー期間を再開させると共に、該ラッキー期間で獲得されたラッキー玉に基づいて遊技を実行可能に構成されていた。これに代えて、パチンコ機10で獲得したラッキー玉以外の所持玉、即ち、共有可能玉についても、該共有可能玉を獲得した翌日以降で使用を制限(禁止)するように構成してもよい。このように構成することで、1のパチンコ機10で獲得した所持玉を翌日以降は使用できない遊技性を創出することができ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例29>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、遊技を中断したパチンコ機10と、遊技を再開するパチンコ機とが異なる場合に、会員カード300に記憶されたラッキー期間に関する情報を消去して、遊技を再開したパチンコ機が異なる場合にラッキー期間を反映させないように構成していた。これに代えて、遊技を中断したパチンコ機10と、遊技を再開するパチンコ機とが異なる場合に、会員カード300に記憶されていたラッキー期間に関する情報を、遊技を再開するパチンコ機に反映させずにラッキー期間を再開させない構成であれば如何様な構成であってもよい。具体的には、例えば、会員カード300に記憶されるラッキー期間に関する情報を遊技を再開するパチンコ機に送信しない構成や、会員カード300に記憶されるラッキー期間に関する情報を他の情報に書き換える構成であってもよい。
<変形例30>
上記各実施形態では、ラッキー期間の開始条件として、いずれかの大当たりが発生した場合に、大当たりした図柄の種類という第3図柄の遊技結果に基づいていずれかのラッキー期間を開始するように構成されていた。これに対し、ラッキー期間の開始条件として、第3図柄の遊技結果に関係しない所定条件に基づいてラッキー期間を開始するように構成してもよい。具体的には、例えば、普通図柄(第2図柄)の積算当たり回数(例えば、普通図柄の当たりが1000回発生した場合)になったらラッキー期間を付与する場合や、遊技場来場回数が所定日数に到達した場合はその当日は終日ラッキー期間を付与する場合、発射球数が所定数(例えば、3000発)を超えた場合にラッキー期間を付与する場合、或いは、遊技場の営業開始から数時間(例えば、3時間)はもれなくラッキー期間とする場合等が含まれる。
<変形例31>
上記各実施形態では、ラッキー期間の終了条件として、「ラッキー」状態であれば第3図柄の大当たりで「初回」に「4図柄(サメ)」で大当たりした場合に、又は、「スタート」状態であれば第3図柄の変動表示において「時間短縮状態」が終了した場合に、各ラッキー期間を終了するように構成されていた。これに対し、ラッキー期間の終了条件として、第3図柄の遊技結果に関係しない所定条件に基づいてラッキー期間を終了するように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技場の営業開始から数時間(例えば、3時間)が経過したときはラッキー期間を終了する場合や、普通図柄(第2図柄)の積算ハズレ回数(例えば、普通図柄のハズレが1000回発生した場合)になったらラッキー期間を終了する場合、或いは、発射球数が所定数(例えば、3000発)を超えた場合にラッキー期間を終了する場合等が含まれる。
<変形例32>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、ラッキー期間中か否かを問わず、遊技台情報212b又はタイマカウンタ213oに関する情報(データ)と、所持玉データに関する情報(通常時球カウンタ213c及びラッキー中球カウンタ213d等)とが、会員カード300に記憶されていた。これに対し、ラッキー期間中のみ、遊技台情報212b又はタイマカウンタ213oに関する情報を会員カード300に記憶させるように構成してもよい。遊技台情報212b又はタイマカウンタ213oは、ラッキー期間を再開する場合における認証に使用されるものであるので、ラッキー期間以外では使用することはない。よって、ラッキー期間中のみ、遊技台情報212b又はタイマカウンタ213oに関する情報を会員カード300に記憶させることで、ラッキー期間以外における返却ボタン75の操作に伴う返却処理において、遊技台情報212b又はタイマカウンタ213oを会員カード300に書き込む処理を削減することができる。
<変形例33>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、「スタート」状態中において、遊技者により返却ボタン75が操作された場合であっても、その後、同一台において遊技を再開するときは、返却前のラッキー期間を再開することができるように構成されていた。この構成の場合に、例えば、「スタート」状態中に遊技者本人が返却ボタン75を操作して、該「スタート」状態を中断している間、「時間短縮状態」は維持されており、この状態で他人に当該パチンコ機10の遊技を実行され、当該他人の遊技により「時間短縮状態」が終了した後に当該他人が遊技をやめ、その後、遊技者本人が当該パチンコ機10で遊技を再開した場合、「スタート」状態の終了条件である「時間短縮状態」が終了していることによって、「スタート」状態の終了条件が次の「時間短縮状態」を終了した場合となり、実質的に「スタート」状態を延長させることが可能となっていた。これに対し、「スタート」状態中において遊技者により返却ボタン75が操作されて遊技が中断された場合に、遊技台情報212bの情報を会員カード300に記憶させると共に、遊技中断時の遊技状態も会員カード300に記憶させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技再開時(会員カード300投入時)に、会員カード300に記憶される遊技台情報212bに基づく認証を行うと共に、会員カード300に記憶される遊技中断時の遊技状態に基づく認証を行って、会員カード300に記憶されている遊技台情報とパチンコ機10に記憶されている遊技台情報とが一致すると共に、会員カード300に記憶されている遊技中断時の遊技状態に基づく情報とパチンコ機10の遊技状態とが一致する場合にのみ「スタート」状態を再開させる。一方、会員カード300に記憶されている遊技台情報とパチンコ機10に記憶されている遊技台情報とが一致しない場合、又は、会員カード300に記憶されている遊技中断時の遊技状態に基づく情報とパチンコ機10の遊技状態とが一致しない場合は「スタート」状態を再開させないようにすることができる。よって、「スタート」状態の延長を未然に防止して、ラッキーナンバー制の遊技性を維持することができる。なお、遊技中断時に遊技状態の情報の認証としては、その時点でのパチンコ機10の遊技状態のRAM判定値を会員カード300に記憶させ、遊技再開時(会員カード300投入時)に、パチンコ機10の遊技状態に基づいて算出したRAM判定値と、会員カード300に記憶されるRAM判定値とが一致するかの認証等が例示され、一致した場合に認証が正当であると判断する。
<変形例34>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、実行中のラッキー期間に関する情報を会員カード300に記憶させ、遊技を中断可能に構成し、所定条件(同一台又は同日での遊技再開)の成立に基づいて会員カード300に記憶されているラッキー期間を再開することができるように構成されていた。これに対し、遊技を中断している間に、遊技場の窓口で会員カード300に記憶されている玉データ景品に交換した場合は、遊技者がラッキー期間の継続を望んでいないものとして、会員カード300に記憶されているラッキー期間をクリアするように構成してもよい。
<変形例35>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、実行中のラッキー期間に関する情報を会員カード300に記憶させ、所定条件(同一台又は同日での遊技再開)の成立に基づいて会員カード300に記憶されているラッキー期間を再開することができるように構成されていた。これに対し、会員カード300の返却時に、有効条件を会員カード300に書き込み、該有効条件を満たした上で、上記所定条件が成立した場合に、会員カード300に記憶されているラッキー期間を再開するように構成してもよい。具体的には、例えば、会員カード300の返却時に、有効条件として会員カード300に時間情報(例えば、1時間)を書き込み、その時間情報に記憶される時間以内に上記所定条件を成立できない場合は、会員カード300に記憶されているラッキー期間の情報をクリアするように構成する。ラッキー期間中に遊技を中断する場合、トイレ休憩や食事休憩が想定されるが、あまりにも長い時間遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下し、遊技場の経営を逼迫する事態になりかねない。そこで、ラッキー期間中の遊技中断時に、中断できる時間を設定することで、パチンコ機10の稼働の低下を防止し、遊技場の経営を健全に行うことが可能となる。
<変形例36>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、実行中のラッキー期間に関する情報を会員カード300に記憶させ、所定条件(同一台又は同日での遊技再開)の成立に基づいて会員カード300に記憶されているラッキー期間を再開することができるように構成されていた。これに対し、所定期間以上ラッキー期間が継続している状況(例えば、5時間以上)において、遊技者に返却ボタン75が操作された場合は、実行中のラッキー期間を持ち越させずに終了するように構成してもよい。例えば、「無制限」状態であまりにも長く遊技が行われた場合、遊技者に有利な状態が長く続いてしまうことで、遊技場が意図しない遊技結果を生じてしまうおそれがある。よって、「無制限」状態等の終了条件がないラッキー期間において、所定期間以上、ラッキー期間が継続している状況において、遊技者によって返却ボタン75が操作された場合に、該「無制限」状態を終了させ、遊技場が意図しない損失が発生することを防止することができる。
<変形例37>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、実行中のラッキー期間に関する情報を会員カード300に記憶させ、所定条件(同一台又は同日での遊技再開)の成立に基づいて会員カード300に記憶されているラッキー期間を再開することができるように構成されていた。これに対し、ラッキー期間の種類に応じて、再開できるラッキー期間と再開できないラッキー期間とを設けてもよい。例えば、「無制限」状態は、返却ボタン75が操作された場合にもれなく終了し、「ラッキー」状態又は「スタート」状態は、返却ボタン75が操作された場合であっても所定条件の成立に基づいて「ラッキー」状態又は「スタート」状態を再開できるように構成してもよい。このように構成することで、多様なラッキーナンバー制の遊技仕様を実現し、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例38>
上記第3実施形態では、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、実行中のラッキー期間に関する情報を会員カード300に記憶させ、同日(同一台)での遊技再開を条件に会員カード300に記憶されているラッキー期間を再開することができるように構成されていた。これに対し、ラッキー期間の種類に応じて、翌日に持ち越せるラッキー期間と当日限りのラッキー期間とを設けてもよい。例えば、「無制限」状態は、当日限りのラッキー期間として設定し、「ラッキー」状態又は「スタート」状態は、翌日の遊技でも再開可能に構成してもよい。このように構成することで、多様なラッキーナンバー制の遊技仕様を実現し、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例39>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、実行中のラッキー期間に関する情報を会員カード300に記憶させ、同一台での遊技再開を条件に会員カード300に記憶されているラッキー期間を再開することができるように構成されていた。これに対し、同日での遊技再開であれば、ラッキー期間を獲得したパチンコ機10以外のパチンコ機でも会員カード300に記憶されているラッキー期間の情報に基づいてラッキー期間を再開させるように構成してもよい。なお、ラッキー期間を獲得したパチンコ機10以外のパチンコ機でラッキー期間を再開させる場合は、そのパチンコ機の仕様(大当たり確率や確率変動突入率等)やメーカー等を考慮して、ラッキー期間の再開可否を決定するように構成してもよい。
<変形例40>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、ラッキー期間中に遊技者により返却ボタン75が操作された場合に、実行中のラッキー期間に関する情報を会員カード300に記憶させ、所定条件(同一台又は同日での遊技再開)の成立に基づいて会員カード300に記憶されているラッキー期間を再開することができるように構成されていた。これに対し、遊技者による返却ボタン75の操作時に、現在の遊技状態に基づいて生成した二次元コードやPINコード等を表示装置等に表示させ、遊技再開時に上記二次元コードに基づく情報やPINコードの入力に基づいてラッキー期間を再開させるように構成してもよい。具体的には、例えば、返却ボタン75の操作に伴って、現在の遊技状態に基づいて生成した二次元コードを表示装置(例えば、第3図柄表示装置81)に表示し、遊技者所有の携帯電話等のモバイル機器に上記二次元コードを読み込ませる。そして、遊技再開時に、遊技者が上記モバイル機器を操作して、読み込んだ二次元コードに基づくパスワードを発行し、該パスワードをパチンコ機10に入力することで、返却ボタン75の操作前の遊技状態に復活するように構成する。
<変形例41>
上記各実施形態では、ラッキー期間が終了した場合に、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉の使用を禁止するように構成されていた。これに対し、ラッキー玉が使用できる状況を限定的に制約するように構成したり、ラッキー玉が使用できる数に限度を設けるように構成したり、又は、ラッキー玉の使用を一時的に留保するように構成してもよい。「ラッキー玉が使用できる状況を限定的に制約する」とは、例えば、ラッキー玉が使用できる時間に制限を設ける場合や、他のパチンコ機での使用を制約する場合等が例示される。また「ラッキー玉の仕様を一時的に留保する」とは、例えば、ラッキー玉の使用を一旦禁止し、その後の特定の遊技状態が開始されたときに、一旦禁止されたラッキー玉の使用を再開させる場合等が例示される。
<変形例42>
上記各実施形態では、ラッキー期間が終了した場合に、ラッキー期間中に獲得したラッキー玉の使用を禁止し、再度、ラッキー期間が開始された場合でも、一度使用が禁止されたラッキー玉は二度と使用できないように構成されていた。これに対し、再度、ラッキー期間が開始された場合に、以前のラッキー期間で獲得していたラッキー玉を、改めて獲得したラッキー期間において使用できるように構成してもよい。
<変形例43>
上記各実施形態では、「ラッキー」状態のラッキー期間が開始された場合、「ラッキー」状態の終了条件を満たしたときには、一旦、「スタート」状態を経由してから、該「スタート」状態の終了によって、「ラッキー」状態の開始により取得されたラッキー期間が終了するように構成されていた。これに対し、「ラッキー」状態のラッキー期間が開始された場合に、「ラッキー」状態の終了条件を満たしたときに、「スタート」状態を経由せずに、ラッキー期間が終了するように構成してもよい。
<変形例44>
上記各実施形態では、状況表示装置85において、ラッキーナンバー表示領域85bの表示内容と、価値情報表示領域85cの表示内容とを同時に表示するように構成されていた。これに対し、ラッキーナンバー表示領域85cの表示内容と価値情報表示領域85cの表示内容とを適宜切り替えて表示するように構成してもよい。なお、ラッキーナンバー表示領域85cの表示内容と価値情報表示領域85cの表示内容とを適宜切り替える方法としては、例えば、状況表示装置85の近傍に配置されたボタンやタッチパネルの操作に基づいて行う場合や、所定時間ごとに表示内容が切り替わる場合等が例示される。
<変形例45>
上記各実施形態では、無制限可動役物95、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97を扉枠14の上部に収納され、いずれかのラッキー期間が開始された場合に、対応する可動役物95〜97を現出させて、ラッキー期間の種別を報知していた。これに対し、可動役物95〜97を常時視認可能な場所に配設し、ラッキー期間が開始された場合に、対応する可動役物95〜97を駆動又は発光等させて、ラッキー期間の種別を報知するように構成してもよい。
上記各実施形態では、主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割込処理(図14参照)において、変動処理、賞球処理、始動入賞処理といった処理が実行されるが、これらの一部または全部の処理を主制御装置110のMPU201によって実行されるメイン処理(図19参照)の定期処理(4ミリ秒毎に実行される処理)の中で実行するようにしてもよい。また、上記実施形態では、主制御装置110のMPU201によって実行されるメイン処理(図19参照)の定期処理において、大当たり制御処理が実行されるが、これを主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で実行するようにしてもよい。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが枠統括制御装置111に対して送信され、その枠統括制御装置111から音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113又は表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、主制御装置110と枠統括制御装置111とを双方向通信可能に構成してもよい。
さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知したコマンドに代えて、各種フラグを生成し、そのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる画像を制御してもよい。また、枠統括制御装置111と音声ランプ制御装置113とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。枠統括制御装置111と音声ランプ制御装置113とを1の制御装置として構成する場合、ラッキー期間の開始条件である大当たり図柄の種別等のコマンド送受信制御が不要となるため、各制御装置の制御負担を軽減することができる。
上記各実施形態では、変動表示を実行する場合に、全図柄列Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される始動入賞口4が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の始動入賞口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各始動入賞口において保留があった場合に主制御装置110が枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの始動入賞口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が枠統括制御装置111を介して音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動入賞口により保留された変動表示であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動入賞口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された始動入賞口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された始動入賞口に対する保留球数カウンタを1減らせば、始動入賞口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記各実施形態においては、始動入賞口4への入賞およびスルーゲート7の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、始動入賞口4への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置87とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を横方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
<A群>
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、
所定の契機に基づいて遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)と、を備えた遊技機であって、
前記遊技実行手段は、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更に基づいて、前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体の遊技への使用を制限する使用制限手段(例えば、使用不可エリア213e)を備えていることを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技実行手段により遊技が行われ、その遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与され、また、所定の契機に基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。また、遊技状態変更手段による遊技状態の変更に基づいて、遊技実行手段に備えられた使用制限手段によって、遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体の遊技への使用が制限される。これにより、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体を創り出すことができる。従って、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続させるかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、「遊技媒体の使用を制限する」とは、例えば、遊技媒体の使用を禁止する場合や、遊技媒体が使用できる状況を限定的に制約する場合、遊技媒体が使用できる数に限度を設ける場合、或いは、遊技媒体の使用を一時的に留保する場合等が含まれる。
遊技機A0において、
前記遊技媒体計数手段は、特定の遊技状態において遊技者に付与される遊技媒体を計数する個別計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)を備え、
前記使用制限手段は、前記個別計数手段により計数された遊技媒体の遊技への使用を、前記特定の遊技状態以外で制限するように構成されていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体計数手段に備えられた個別計数手段により、特定の遊技状態において遊技者に付与される遊技媒体が計数される。そして、個別計数手段により計数された遊技媒体の遊技への使用が、使用制限手段により特定の遊技状態以外で制限される。これにより、特定の遊技状態において計数された遊技媒体に関して使用できない状況を創り出すことができる。従って、遊技状態に基づいて使用できない遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない特定の遊技状態を如何に長く継続させるかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A1において、
前記遊技状態変更手段は、
第1所定の契機に基づいて、第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)から第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)に変更する第1遊技状態変更手段と、
第2所定の契機に基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する第2遊技状態変更手段と、を備え、
前記個別計数手段は、
前記第1遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第2遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記使用制限手段は、前記第1遊技状態において、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた第1遊技媒体変更手段により、第1所定の契機に基づいて遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態に変更され、遊技状態変更手段に備えられた第2遊技状態変更手段により、第2所定の契機に基づいて遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。また、個別計数手段に備えられた第1計数手段より、第1遊技状態における遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が計数される。さらに、個別計数手段に備えらえた第2計数手段により、第2遊技状態における遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が計数される。そして、使用制限手段により、第1遊技状態において第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、第1遊技状態では第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報では使用できない状況を創り出すことができる。従って、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。そして、この差分に基づいて遊技に変化を加えることができるので、第2遊技状態では如何にしてその第2遊技状態を継続させ、第2計数手段で計数されている遊技媒体を継続的に遊技に使用させるか、という新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、第1所定の契機と第2の所定の契機とは、それぞれ異なる契機であってもよいし、同一の契機であってもよい。
遊技機A2において、
前記遊技実行手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段により、第1遊技状態及び第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づく遊技が実行可能に構成される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、第1遊技状態及び第2遊技状態のいずれの遊技状態でも第1計数手段に記憶される遊技媒体を使用することができる。従って、使用できる遊技状態の制約がない分、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高くすることができるので、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。よって、遊技機A2の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
また、仮に、第2遊技状態において付与された遊技媒体と、第2遊技状態への変更前に第1遊技状態で付与された遊技媒体とをまとめて計数してしまうと、第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された場合に、第2遊技状態中に付与された遊技媒体のみならず、第2遊技状態への変更前に第1遊技状態において付与された遊技媒体も以後の遊技での使用が禁止されてしまうため、いずれの遊技状態でも使用できる第1遊技状態で付与された遊技媒体の遊技価値を毀損させてしまうおそれがある。そこで、第1遊技状態で付与された遊技媒体と、第2遊技状態で付与された遊技媒体とをそれぞれ識別して記憶しておき、第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された場合に、第2遊技状態で付与された遊技媒体のみそれ以後での遊技の使用を禁止し、第1遊技状態で付与された遊技媒体は遊技で使用に制限を設けないように構成することで、第1遊技状態で付与された遊技媒体の価値を毀損させずに済む。また、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合でも、第1遊技状態で付与された遊技媒体が存在していれば直ちに遊技を開始できるので、第1遊技状態で付与された遊技媒体に基づいて継続して遊技を行うことができる、という効果がある。
遊技機A2又はA3において、
前記遊技実行手段は、
遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、供給通路65)と、
前記貯留手段から供給された遊技媒体を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット66)と、
前記発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段(例えば、回収通路41a)と、
前記回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ送出する送出手段(例えば、排出通路42a)と、を備え、
所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行うことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段に備えられた貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が送出手段により貯留手段へ送出されることで、所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。これにより、機内循環式遊技機(所謂、封入式遊技機)の特徴的機能である遊技媒体を数値化して管理するシステムを有効活用して、遊技状態に基づいて遊技媒体の使用可否を決定する遊技仕様(所謂、ラッキーナンバー制)を付加することができる、という効果がある。
より詳述すると、従来、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用する遊技場では、遊技場のスタッフは、第2遊技状態の開始条件を逐次確認し、その開始条件の成立に基づいて遊技機の上部に第2遊技状態が開始されたことを示す札等を差す作業を行ったり、その第2遊技状態中、第2遊技状態から第1遊技状態への変更条件を達成したか否かを監視する作業を行って第2遊技状態を終了させたり、第2遊技状態が終了した場合には、付与された遊技媒体の交換を遊技者に促したりする作業が必要であった。
上記作業を遊技場のスタッフに行わせた場合、遊技機の異常確認や清掃等の通常業務の作業に加えて上記遊技仕様に関する作業が加わるため、スタッフに多大な作業負担がかかってしまうおそれがある。一方、スタッフの人数を増員して上記遊技仕様に対応しようにも、スタッフ増員分の人件費が嵩んでしまい、遊技場の経営を逼迫させてしまうおそれがある。従って、遊技場は、ラッキーナンバー制という遊技性を向上させることができる遊技仕様が実現可能な環境であっても、上述したおそれを考慮してラッキーナンバー制を採用せず、通常の営業形態での営業を行うに留まり、遊技性の向上が図れない状況であった。
そこで、機内循環式遊技機の機能を活用し、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、遊技状態に基づいて付与された遊技媒体を個別に管理し、遊技状態に基づいて使用できる遊技媒体を決定することで、上記遊技仕様を採用したとしても、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機A4において、
前記発射手段は、
前記第2遊技状態において、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されているとき、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第1遊技状態において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づいて、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第1計数手段又は第2計数手段のいずれかに第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第1遊技状態において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段に供給された遊技媒体の発射を許可する一方、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、遊技状態毎に付与された遊技媒体を個別に計数して、第1遊技状態では第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報のみに基づく遊技媒体の発射が許可され、第2遊技状態では第1計数手段又は第2計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が許可されるという状況を創り出すことができ、多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。なお、例えば、遊技状態が、第2条件の成立に基づいて前回の第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された後に、第1条件が成立して第1遊技状態から次の第2遊技状態へ変更された場合には、発射手段は、次の第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可し、また、前回までの第2遊技状態において第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可するように構成してもよい。
遊技機A5において、
前記第1遊技状態変更手段は、第1条件の成立(例えば、大当たりの開始)に基づいて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更し、
前記第2遊技状態変更手段は、第2条件の成立(例えば、「時間短縮状態」の終了)に基づいて前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更し、
前記発射手段は、
前記第1条件の成立に基づいて、前記第1遊技状態変更手段により前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更された場合に、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されているとき、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第2条件の成立に基づいて、前記第2遊技状態変更手段により前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更された場合に、その後の遊技において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づいて、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段により、第1条件の成立に基づいて第1遊技状態から第2遊技状態へ変更され、第2遊技状態変更手段により、第2条件の成立に基づいて第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。さらに、第1遊技状態変更手段により第1遊技状態から第2遊技状態に変更された場合に、第1計数手段又は第2計数手段のいずれかに第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第2遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された場合に、その後の遊技において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段に供給された遊技媒体の発射を許可する一方、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、遊技状態毎に付与された遊技媒体を個別に計数して、第1遊技状態では第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報のみに基づく遊技媒体の発射が許可され、第2遊技状態では第1計数手段又は第2計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が許可されるという状況を創り出すことができ、多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、
前記発射手段は、前記第2遊技状態において、前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報より、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射を実行することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A4〜A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第2計数手段に第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、発射手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報より、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射が実行される。これにより、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、使用できる遊技状態の制約がない分、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高く、第2遊技状態では、第1遊技媒体情報より遊技価値が低い第2遊技媒体情報を先に消費できるので、遊技者の所有する遊技価値を必要以上に毀損することなく保護することができる、という効果がある。
遊技機A2からA7のいずれかにおいて、
前記遊技媒体計数手段は、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、該貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報を、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報として記憶することを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A2〜A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、遊技媒体計数手段により、その貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報が第1計数手段に第1遊技媒体情報として記憶される。これにより、第1遊技媒体情報は遊技状態によって使用制限されないので、貸し出された遊技媒体について使用制限させず、いずれの遊技状態でも使用可能とすることができる、という効果がある。
また、上記遊技仕様の遊技性は、遊技媒体の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、「貸出レート>景品変換レート」といったような景品変換ギャップがある場合、貸し出された遊技媒体による遊技と、付与された遊技媒体による遊技では、1の遊技媒体につき景品交換ギャップ相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸し出された遊技媒体による遊技を行うことより、遊技で付与された遊技媒体による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして付与された遊技媒体に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、上記遊技仕様を採用することで、第2遊技状態を獲得して、その間に付与された遊技媒体で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A2からA8のいずれかにおいて、
前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報の内容と、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報の内容とを報知可能な媒体情報報知手段(例えば、状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A2〜A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、媒体情報報知手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報の内容と、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の内容とが、報知可能に構成される。これにより、第1遊技状態及び第2遊技状態で使用可能な第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と、第2遊技状態でのみ使用が可能な第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報とを、遊技者にそれぞれ認識することができるので、例えば、第2遊技状態中にどれだけ遊技媒体が付与されたか、或いは、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第1遊技状態において第1計数手段に記憶される遊技媒体情報に基づいてどれだけ遊技を継続できるかを明確に認識することができる、という効果がある。
遊技機A6からA9のいずれかにおいて、
前記第1条件は、
所定条件により成立する所定第1条件(例えば、「初回」の偶数図柄での大当たり)と、
該所定第1条件より成立が困難な特別第1条件(例えば、「初回」の「3図柄(カメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態は、特別第2遊技状態(例えば、「ラッキー」状態)と、該特別第2遊技状態より遊技者にとって不利な不利第2遊技状態(例えば、「スタート」状態)と、を備え、
前記第1遊技状態変更手段は、
前記所定第1条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態へ変更する第1不利変更手段と、
前記特別第1条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態へ変更する第1特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A6〜A9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段に備えられた第1不利変更手段により、所定第1条件の成立に基づいて不利第2遊技状態に変更される。また、第1遊技状態変更手段に備えられた第1特別変更手段により、特別第1条件の成立に基づいて特別第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難い特別第2状態と、開始され易い不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A10において、前記特別第2遊技状態と前記不利第2遊技状態とを識別可能に報知する第2遊技状態種別報知手段(例えば、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97)を備えていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態種別報知手段により特別第2遊技状態と不利第2遊技状態とが識別可能に報知される。これにより、特別第2遊技状態中か不利第2遊技状態中かを明確に認識することができ、各第2遊技状態毎に異なる第1遊技状態への変更条件を意識しながら遊技を行うことができるので、各第2遊技状態毎における興趣を堪能することができる、という効果がある。なお、「識別可能に報知する」とは、例えば、第2遊技状態毎に設けられた複数の標示物(例えば、可動役物等)を、通常時は遊技者から視認可能に配設し、第2遊技状態が開始された場合に、該第2遊技状態の種別に応じて遊技者に視認可能に現出させることで報知する場合や、1の表示手段において、第2遊技状態毎に対応した表示態様を現出させて報知する場合等が含まれる。
遊技機A10又はA11において、
前記第2条件は、
規定条件により成立する規定第2条件(「時間短縮状態」の終了)と、
該規定第2条件より成立が困難な特別第2条件(例えば、「初回」の「4図柄(サメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態変更手段は、
前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を終了する第2不利変更手段と、
前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を終了する第2特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A10又はA11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が終了される。また、第2遊技状態変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が終了される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了し難い特別第2状態と、開始され易く終了し易い遊技者にとって不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A12において、
前記第2不利変更手段は、前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を前記第1遊技状態に変更し、
前記第2特別変更手段は、前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を前記不利第2遊技状態に変更することを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が第1遊技状態に変更され、第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が不利第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了する場合でも不利第2遊技状態を経由して終了する特別第2状態と、開始され易く終了する場合に直ちに第1遊技状態に変更される不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A0からA13のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件を報知する条件報知手段(状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A0〜A13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件報知手段により遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件が報知される。これにより、遊技状態が変更される条件を遊技者に認識させることができるので、例えば、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第2計数手段による遊技が禁止されたときでも、予めその条件を認識させておくことで、遊技者に遊技仕様に関する無用な混乱を与えることなく、快適な遊技環境を構築することができる。
遊技機A14において、
前記条件報知手段は、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段で構成されていることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段により条件報知手段が構成されている。これにより、遊技状態が変更される条件に合わせて内容を変更表示することができるため、簡易な構成で遊技状態が変更される条件を、適宜、遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機A9からA15のいずれかにおいて、
前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを1の状況表示手段(状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85b及び価値情報表示領域85c)において表示することを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、遊技機A9〜A15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が表示される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段により、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、他の装置を用いず、余分なコストをかけることなくラッキーナンバー制の遊技性及び遊技状況を遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機A16において、
前記状況表示手段において、前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを同時に実行することを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、A16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が同時に実行される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の表示手段において同時に表示する。これにより、遊技者はその表示手段の報知内容を見れば、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を一義的に遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機A16又はA17において、
前記遊技機は、遊技盤(例えば、遊技盤13)と、該遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材(例えば、張出部16)とで構成されており、
前記状況表示手段は、前記枠部材に設けられることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、遊技機A16又はA17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況表示手段は、遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材に設けられる。これにより、遊技盤の入れ替え時にも状況表示手段を枠部材に備えたまま継続して使用することができ、入れ替え対象の遊技盤に状況表示手段を設けずに済むので、遊技盤に状況表示手段を設置した場合に比べて遊技盤全体のコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機A2からA18のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段および前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2重複更新手段を備えていることを特徴とする遊技機A19。
遊技機A19によれば、遊技機A2〜A18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2重複更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段及び第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新される。これにより、第2遊技状態中において、第1入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体と、第2入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体とを区別して計数する必要がないので、第2遊技状態中に付与される遊技媒体情報の更新処理に関する制御を複雑化しなくて済み、制御負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機A2からA18のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2単独更新手段を備え、
前記第1計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第1遊技媒体情報を更新する第1単独更新手段を備えていることを特徴とする遊技機A20。
遊技機A20によれば、遊技機A2〜A18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2遊技状態において、第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新され、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第1遊技媒体情報が更新される。
第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報は、第2遊技状態終了後は遊技に使用できなくなるため、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と比べて汎用性が低く、遊技者にとって遊技価値が低いものである。また、第2入球手段は、第2遊技状態の所定遊技状態でのみ遊技媒体が入球可能に構成されているため、第2遊技状態に対して直接的に関係がある一方、第1入球手段は、第2遊技状態以外の第1遊技状態でも遊技媒体が入球可能に構成されるものであって、第2遊技状態とは直接的な関係はないものである。従って、第2遊技状態中に第1入球手段及び第2入球手段へ遊技媒体が入球した場合に、該入球に基づく遊技媒体情報をすべて第2計数手段に記憶する構成であったとき、本来第2遊技状態とは無関係に生じ得て第1計数手段に記憶するべき第1入球手段への遊技媒体の入球が第2計数手段に記憶されてしまうと、遊技者の遊技価値を毀損させてしまう。そこで、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第2遊技媒体情報を更新し、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第1入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第1遊技媒体情報を更新するように構成する。これにより、第2遊技状態であっても、第1入球手段で遊技媒体が入球した場合に、遊技価値が高い第1遊技媒体情報として記憶させることができるので、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機A2からA20のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する定量終了手段を備えていることを特徴とする遊技機A21。
遊技機A21によれば、遊技機A2〜A20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた定量終了手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態中に付与された遊技媒体が一定数になった場合に第2遊技状態を終了する遊技性(所謂、定量制)を実現することができる。従来の定量制は、遊技者が所持する遊技媒体を遊技場のスタッフが目分量で判断して打ち止めを決定していたが、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、正確な数値判断で打ち止めを決定することで、打ち止め時期の根拠が明確になるので、遊技場のスタッフの作業を軽減するとともに、遊技者に疑義を生じさせることなく遊技の仕様に応じた遊技環境を提供することができる、という効果がある。
遊技機A0からA20のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記遊技実行手段による遊技結果に基づいて、前記遊技状態を変更することを特徴とする遊技機A22。
遊技機A22によれば、遊技機A0〜A20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段による遊技結果に基づいて、遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。これにより、遊技結果に基づいて遊技状態が変更され、該遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<B群>
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、を備えた遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体に関し、他の遊技機での遊技への使用を制限する他機使用制限手段(例えば、使用不可エリア213e)を備えていることを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技実行手段により遊技が行われ、その遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与される。また、遊技実行手段に備えられた他機使用制限手段により、遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体に関し、他の遊技機での遊技への使用が制限される。これにより、遊技機によって使用できない遊技媒体を創り出すことができる。従って、遊技を行う遊技機によっては使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技機において如何に長く遊技を継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、「他の遊技機での使用を制限する」とは、例えば、遊技媒体の使用を禁止する場合や、遊技媒体が使用できる状況を限定的にする場合、遊技媒体が使用できる数に限度を設ける場合、或いは、遊技媒体の使用を一時的に留保する場合等が含まれる。
遊技機B0において、
所定の契機に基づいて遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)を備え、
前記遊技媒体計数手段は、特定の遊技状態において遊技者に付与される遊技媒体を計数する個別計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)を備え、
前記他機使用制限手段は、前記個別計数手段により計数された遊技媒体の遊技への使用を、他の遊技機で制限するように構成されていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の契機に基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が変更され、遊技媒体計数手段に備えられた個別計数手段により、特定の遊技状態において遊技者に付与される遊技媒体が計数される。そして、個別計数手段により計数された遊技媒体の遊技への使用が、他機使用制限手段により他の遊技機での遊技への使用が制限される。これにより、特定の遊技状態において計数された遊技媒体に関して使用できない遊技機を創り出すことができる。従って、遊技を行う遊技機によっては使用できない遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、遊技媒体が付与された遊技機において如何に長く遊技を継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B0又はB1において、
前記遊技状態変更手段は、
第1所定の契機に基づいて、第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)から第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)に変更する第1遊技状態変更手段と、
第2所定の契機に基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する第2遊技状態変更手段と、を備え、
前記個別計数手段は、
前記第1遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第2遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記他機使用制限手段は、前記第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機において、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B0又はB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた第1遊技状態変更手段により、第1所定の契機に基づいて遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態に変更され、遊技状態変更手段に備えられた第2遊技状態変更手段により、第2所定の契機に基づいて遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。また、個別計数手段に備えられた第1計数手段により、第1遊技状態における遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が計数される。さらに、個別計数手段に備えられた第2計数手段により、第2遊技状態における遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が計数される。そして、他機使用制限手段により、第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機において、第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、他の遊技機では、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を使用できない状況を創り出すことができる。従って、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。そして、この差分に基づいて遊技に変化を加えることができるので、第2遊技媒体情報を獲得した遊技機で如何に遊技を継続するか、という新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、第1所定の契機と第2の所定の契機とは、それぞれ異なる契機であってもよいし、同一の契機であってもよい。
遊技機B2において、
前記遊技実行手段は、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に関し、前記遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された遊技機以外の他の遊技機においても、前記第1遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成することを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に関し、遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された遊技機以外の他の遊技機においても、第1遊技媒体情報に基づく遊技が実行可能に構成される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された遊技機以外の他の遊技機であっても第1計数手段に記憶される遊技媒体を使用可能に構成することができる。従って、使用できる遊技機の制約がない分、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高くすることができるので、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。よって、遊技機B2の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
遊技機B2又はB3において、
遊技者所有の記憶媒体(例えば、会員カード300)が遊技機外部の外部装置(例えば、カードサンド装置70)に挿入されることに基づいて遊技の実行を許可する遊技許可手段(例えば、台情報確認処理(S2851))と、
遊技機固有の識別情報を記憶する固有情報記憶手段(例えば、遊技台情報212b)と、
遊技の中断指示があった場合に、前記固有情報記憶手段に記憶される前記識別情報を、前記記憶媒体に記憶させる中断情報記憶手段(例えば、清算処理(S2105))と、
遊技の再開指示があった場合に、前記記憶媒体に記憶される識別情報と、前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致するか否かを判別する台情報判別手段(例えば、台情報確認処理(S2851)内のS2872)と、を備え、
前記他機使用制限手段は、前記台情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される識別情報と前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致すると判断される場合に、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技許可手段により、遊技者所有の記憶媒体が遊技機外部の外部装置に挿入されることに基づいて遊技の実行が許可される。また、固有情報記憶手段により遊技機固有の識別情報が記憶され、遊技の中断指示があった場合に、中断情報記憶手段により固有情報記憶手段に記憶される識別情報が記憶媒体に記憶される。また、遊技の再開指示があった場合に、台情報判別手段により記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致するか否かが判別される。そして、台情報判別手段により記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致する場合に、他機使用制限手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技が実行可能に構成される。
第2遊技状態中に遊技者が遊技の中断を希望した場合に、実行中の第2遊技状態の扱いについて、例えば、遊技が中断された場合は、実行中の第2遊技状態を終了させ、第2遊技状態中に付与された第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を、いずれの遊技機においても使用禁止としてしまう仕様が考えられる。この仕様の場合、遊技者は遊技を中断させてしまうと、折角獲得した第2遊技状態が終わってしまうことをおそれ、第2遊技状態中にトイレ休憩や食事休憩がしたくても、遊技を中断させることを躊躇してしまい、快適な遊技環境を維持することができないおそれがある。また、仮に、記憶媒体を外部装置に挿入させたままトイレ休憩等を行って遊技機から離席した場合は、離席中に他人に記憶媒体が盗難されてしまうおそれがある。
そこで、遊技の中断指示があった場合に記憶媒体に遊技機固有の識別情報を記憶させ、遊技の再開指示があった場合に記憶媒体に記憶された識別情報と遊技機の識別情報とが一致するときは、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技を実行できるように構成することで、遊技者は、第2遊技状態であってもトイレ休憩や食事休憩を希望する場合に、遊技を中断したとしても、遊技再開時に第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技を実行することができるので、記憶媒体の盗難を防止しつつ、トイレ休憩等を適宜取得しながら快適な遊技環境を構築することができる。なお、「遊技の中断指示があった場合」とは、例えば、遊技者が記憶媒体の返却操作を行って記憶媒体を外部装置の外部へ排出する場合や、遊技機又は外部装置に設けられた遊技停止手段(例えば、認証機能付き遊技ストップボタン)によって遊技の進行を停止する場合、或いは、停電等によって遊技機の作動が停止してしまった場合等が含まれる。また、「遊技の再開指示があった場合」とは、例えば、外部装置に記憶媒体を挿入させて遊技の実行を可能な状態にする場合や、遊技機又は外部装置に設けられた遊技再開手段(例えば、認証機能付き遊技再開ボタン)によって遊技の進行を許可する場合、或いは、停電からの復電によって遊技機の作動が再開される場合等が含まれる。
遊技機B4において、
遊技の中断指示があった場合に、前記第2遊技状態に関する状態情報を前記記憶媒体に記憶させる状態記憶手段(例えば、清算処理(S2105))を備え、
前記他機使用制限手段は、前記台情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される識別情報と前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致すると判断される場合に、前記状態記憶手段に記憶される前記状態情報に基づいて前記第2遊技状態を再開させることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態記憶手段により、遊技の中断指示があった場合に、第2遊技状態に関する状態情報が記憶媒体に記憶され、遊技を再開する場合に、台情報判別手段により記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致する場合に、他機使用制限手段により、状態記憶手段に記憶される状態情報に基づいて第2遊技状態が再開される。これにより、遊技を中断した場合と遊技を再開した場合との遊技機が一致するときに第2遊技状態を再開させることができる。よって、遊技者は、第2遊技状態であってもトイレ休憩や食事休憩を希望する場合に、遊技を中断したとしても、遊技を再開した場合に第2遊技状態を再開することができるので、記憶媒体の盗難を防止しつつ、快適な遊技環境を構築することができる。また、例えば、遊技場の管理手段(例えば、ホールコンピュータ263)に第2遊技状態に関する状態情報を記憶した場合に、停電等の影響によってその管理手段に記憶された状態情報に異常が発生したとき、本来得られるべき遊技価値が消滅してしまうおそれがある。そこで、遊技者が所持する記憶媒体に第2遊技状態に関する状態情報を記憶させておくことで、遊技者自らの責任で得られる遊技価値を管理することができるので、停電等が発生した場合でも、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機B5において、
前記他機使用制限手段は、前記台情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される識別情報と前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しないと判断される場合に、前記第2遊技状態を再開させない状態制限手段を備えていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、台情報判別手段により記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しないと判断された場合に、他機使用制限手段に設けられた状態制限手段により、第2遊技状態を再開させないように構成される。これにより、例えば、第2遊技状態を獲得した遊技機と異なる他の遊技機で新たな遊技を行おうとしている場合、新たに遊技を行おうとしている他の遊技機において第2遊技状態を再開させないようにすることができる。従って、前回遊技を行っていた遊技機の遊技状況を、他の遊技機の遊技に反映させることはなく、新たな遊技を行わせることができるので、上記遊技仕様の一身専属及び一台専属の遊技性を維持することができる、という効果がある。
遊技機B6において、
前記状態制限手段は、前記台情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される識別情報と前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しないと判断される場合に、前記状態記憶手段に記憶される前記状態情報を消去することを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技再開時に、台情報判別手段により記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しない場合に、状態制限手段により、状態記憶手段に記憶される状態情報が消去される。これにより、第2遊技状態を獲得した遊技機と、今回遊技を行おうとしている遊技機が異なる場合、状態情報が消去されることに基づいて新たに遊技を行おうとしている遊技機において第2遊技状態を再開させないように構成することができる。従って、前回遊技を行っていた遊技機の遊技状況に関するデータが消去されるため、異なる他の遊技機に前回遊技を行っていた遊技機の遊技状況を反映させる根拠を消滅させることで、遊技を再開せずに新たな遊技を行わせることができるので、遊技機B6の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
遊技機B2からB7のいずれかにおいて、
前記遊技実行手段は、
遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、供給通路65)と、
前記貯留手段から供給された遊技媒体を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット66)と、
前記発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段(例えば、回収通路41a)と、
前記回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ送出する送出手段(例えば、排出通路42a)と、を備え、
所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行うことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B2〜B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段に備えられた貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が送出手段により貯留手段へ送出されることで、所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。これにより、機内循環式遊技機(所謂、封入式遊技機)の特徴的機能である遊技媒体を数値化して管理するシステムを有効活用して、遊技状態に基づいて遊技媒体の使用可否を決定する遊技仕様(所謂、ラッキーナンバー制)を付加することができる、という効果がある。
より詳述すると、従来、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用する遊技場では、遊技場のスタッフは、第2遊技状態の開始条件を逐次確認し、その開始条件の成立に基づいて遊技機の上部に第2遊技状態が開始されたことを示す札等を差す作業を行ったり、その第2遊技状態中、第2遊技状態から第1遊技状態への変更条件を達成したか否かを監視する作業を行って第2遊技状態を終了させたり、第2遊技状態が終了した場合には、付与された遊技媒体の交換を遊技者に促したりする作業が必要であった。
上記作業を遊技場のスタッフに行わせた場合、遊技機の異常確認や清掃等の通常業務の作業に加えて上記遊技仕様に関する作業が加わるため、スタッフに多大な作業負担がかかってしまうおそれがある。一方、スタッフの人数を増員して上記遊技仕様に対応しようにも、スタッフ増員分の人件費が嵩んでしまい、遊技場の経営を逼迫させてしまうおそれがある。従って、遊技場は、ラッキーナンバー制という遊技性を向上させることができる遊技仕様が実現可能な環境であっても、上述したおそれを考慮してラッキーナンバー制を採用せず、通常の営業形態での営業を行うに留まり、遊技性の向上が図れない状況であった。
そこで、機内循環式遊技機の機能を活用し、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、遊技状態に基づいて付与された遊技媒体を個別に管理し、遊技状態に基づいて使用できる遊技媒体を決定することで、上記遊技仕様を採用したとしても、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機B8において、
前記発射手段は、
前記第2遊技状態において、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第1遊技状態において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づいて、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第1計数手段又は第2計数手段のいずれかに第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第1遊技状態において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されている場合は、発射手段により貯留手段に供給された遊技媒体の発射を許可する一方、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、第2遊技状態か否かに基づいて、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の使用可否が決定されるので、第2遊技状態を獲得していない他の遊技機において、第2遊技状態を獲得した遊技機における第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を使用させず、上記遊技仕様の一身専属及び一台専属の遊技性を維持することができる、という効果がある。なお、例えば、遊技状態が、第2条件の成立に基づいて前回の第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された後に、第1条件が成立して第1遊技状態から次の第2遊技状態へ変更された場合には、発射手段は、次の第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可し、また、前回までの第2遊技状態において第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可するように構成してもよい。
遊技機B9において、
前記第1遊技状態変更手段は、第1条件の成立(例えば、大当たりの開始)に基づいて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更し、
前記第2遊技状態変更手段は、第2条件の成立(例えば、「時間短縮状態」の終了)に基づいて前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更し、
前記発射手段は、
前記第1条件の成立に基づいて、前記第1遊技状態変更手段により前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更された場合に、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第2条件の成立に基づいて、前記第2遊技状態変更手段により前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更された場合に、その後の遊技において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づいて、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段により、第1条件の成立に基づいて第1遊技状態から第2遊技状態へ変更され、第2遊技状態変更手段により、第2条件の成立に基づいて第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。さらに、第1遊技状態変更手段により第1遊技状態から第2遊技状態へ変更された場合に第1計数手段又は第2計数手段のいずれかに第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第2遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された場合に、その後の遊技において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段に供給された遊技媒体の発射を許可する一方、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、第2遊技状態か否かに基づいて、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の使用可否が決定されるので、第2遊技状態を獲得していない他の遊技機において、第2遊技状態を獲得した遊技機における第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を使用させず、上記遊技仕様の一身専属及び一台専属の遊技性を維持することができる、という効果がある。
遊技機B8からB10のいずれかにおいて、
前記発射手段は、前記第2遊技状態において、前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報より、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射を実行することを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B8〜B10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第2計数手段に第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、発射手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報より、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射が実行される。これにより、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、使用できる遊技状態の制約がない分、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高く、第2遊技状態では、第1遊技媒体情報より遊技価値が低い第2遊技媒体情報を先に消費できるので、遊技者の所有する遊技価値を必要以上に毀損することなく保護することができる、という効果がある。
遊技機B2からB11のいずれかにおいて、
前記遊技媒体計数手段は、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、該貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報を、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報として記憶することを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B2〜B11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、遊技媒体計数手段により、その貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報が第1計数手段に第1遊技媒体情報として記憶される。これにより、第1遊技媒体情報は遊技状態によって使用制限されないので、貸し出された遊技媒体について使用制限させず、いずれの遊技状態でも使用可能とすることができる、という効果がある。
また、上記遊技仕様の遊技性は、遊技媒体の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、「貸出レート>景品変換レート」といったような景品変換ギャップがある場合、貸し出された遊技媒体による遊技と、付与された遊技媒体による遊技では、1の遊技媒体につき景品交換ギャップ相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸し出された遊技媒体による遊技を行うことより、遊技で付与された遊技媒体による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして付与された遊技媒体に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、上記遊技仕様を採用することで、第2遊技状態を獲得して、その間に付与された遊技媒体で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B2からB12のいずれかにおいて、
前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報の内容と、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報の内容とを報知可能な媒体情報報知手段(例えば、状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B2〜B12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、媒体情報報知手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報の内容と、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の内容とが、報知可能に構成される。これにより、第1遊技状態及び第2遊技状態で使用可能な第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と、第2遊技状態でのみ使用が可能な第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報とを、遊技者にそれぞれ認識させることができるので、例えば、第2遊技状態中にどれだけ遊技媒体が付与されたか、或いは、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第1遊技状態において第1計数手段に記憶される遊技媒体情報に基づいてどれだけ遊技を継続できるかを明確に認識することができる、という効果がある。
遊技機B10からB13のいずれかにおいて、
前記第1条件は、
所定条件により成立する所定第1条件(例えば、「初回」の偶数図柄での大当たり)と、
該所定第1条件より成立が困難な特別第1条件(例えば、「初回」の「3図柄(カメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態は、特別第2遊技状態(例えば、「ラッキー」状態)と、該特別第2遊技状態より遊技者にとって不利な不利第2遊技状態(例えば、「スタート」状態)と、を備え、
前記第1遊技状態変更手段は、
前記所定第1条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態へ変更する第1不利変更手段と、
前記特別第1条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態へ変更する第1特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、遊技機B10〜B13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段に備えられた第1不利変更手段により、所定第1条件の成立に基づいて不利第2遊技状態に変更される。また、第1遊技状態変更手段に備えられた第1特別変更手段により、特別第1条件の成立に基づいて特別第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難い特別第2状態と、開始され易い不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B14において、前記特別第2遊技状態と前記不利第2遊技状態とを識別可能に報知する第2遊技状態種別報知手段(例えば、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97)を備えていることを特徴とする遊技機B15。
遊技機B15によれば、遊技機B14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態種別報知手段により特別第2遊技状態と不利第2遊技状態とが識別可能に報知される。これにより、特別第2遊技状態中か不利第2遊技状態中かを明確に認識することができ、各第2遊技状態毎に異なる第1遊技状態への変更条件を意識しながら遊技を行うことができるので、各第2遊技状態毎における興趣を堪能することができる、という効果がある。なお、「識別可能に報知する」とは、例えば、第2遊技状態毎に設けられた複数の標示物(例えば、可動役物等)を、通常時は遊技者から視認可能に配設し、第2遊技状態が開始された場合に、該第2遊技状態の種別に応じて遊技者に視認可能に現出させることで報知する場合や、1の表示手段において、第2遊技状態毎に対応した表示態様を現出させて報知する場合等が含まれる。
遊技機B14又はB15において、
前記第2条件は、
規定条件により成立する規定第2条件(「時間短縮状態」の終了)と、
該規定第2条件より成立が困難な特別第2条件(例えば、「初回」の「4図柄(サメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態変更手段は、
前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を終了する第2不利変更手段と、
前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を終了する第2特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機B16。
遊技機B16によれば、遊技機B14又はB15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が終了される。また、第2遊技状態変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が終了される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了し難い特別第2状態と、開始され易く終了し易い遊技者にとって不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B16において、
前記第2不利変更手段は、前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を前記第1遊技状態に変更し、
前記第2特別変更手段は、前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を前記不利第2遊技状態に変更することを特徴とする遊技機B17。
遊技機B17によれば、遊技機B16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が第1遊技状態に変更され、第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が不利第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了する場合でも不利第2遊技状態を経由して終了する特別第2状態と、開始され易く終了する場合に直ちに第1遊技状態に変更される不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B1からB17のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件を報知する条件報知手段(状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機B18。
遊技機B18によれば、遊技機B1〜B17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件報知手段により遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件が報知される。これにより、遊技状態が変更される条件を遊技者に認識させることができるので、例えば、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第2計数手段による遊技が禁止されたときでも、予めその条件を認識させておくことで、遊技者に遊技仕様に関する無用な混乱を与えることなく、快適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機B18において、
前記条件報知手段は、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段で構成されていることを特徴とする遊技機B19。
遊技機B19によれば、遊技機B18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段により条件報知手段が構成されている。これにより、遊技状態が変更される条件に合わせて内容を変更表示することができるため、簡易な構成で遊技状態が変更される条件を、適宜、遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機B13からB19のいずれかにおいて、
前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを1の状況表示手段(状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85b及び価値情報表示領域85c)において表示することを特徴とする遊技機B20。
遊技機B20によれば、遊技機B13〜B19の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が表示される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段により、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、他の装置を用いず、余分なコストをかけることなくラッキーナンバー制の遊技性及び遊技状況を遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機B20において、
前記状況表示手段において、前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを同時に実行することを特徴とする遊技機B21。
遊技機B21によれば、遊技機B20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が同時に実行される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において同時に表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段の報知内容を見れば、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を一義的に遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機B20又はB21において、
前記遊技機は、遊技盤(例えば、遊技盤13)と、該遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材(例えば、張出部16)とで構成されており、
前記状況表示手段は、前記枠部材に設けられることを特徴とする遊技機B22。
遊技機B22によれば、遊技機B20又はB21の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況表示手段は、遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材に設けられる。これにより、遊技盤の入れ替え時にも状況表示手段を枠部材に備えたまま継続して使用することができ、入れ替え対象の遊技盤に状況表示手段を設けずに済むので、遊技盤に状況表示手段を設置した場合に比べて遊技盤全体のコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機B2からB22のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段および前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2重複更新手段を備えていることを特徴とする遊技機B23。
遊技機B23によれば、遊技機B2〜B22の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2重複更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段及び第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新される。これにより、第2遊技状態中において、第1入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体と、第2入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体とを区別して計数する必要がないので、第2遊技状態中に付与される遊技媒体情報の更新処理に関する制御を複雑化しなくて済み、制御負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機B2からB22のいずれかにおいて、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2単独更新手段を備え、
前記第1計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第1遊技媒体情報を更新する第1単独更新手段を備えていることを特徴とする遊技機B24。
遊技機B24によれば、遊技機B2〜B22の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2遊技状態において、第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新され、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第1遊技媒体情報が更新される。
第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報は、第2遊技状態終了後は遊技に使用できなくなるため、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と比べて遊技者にとって遊技価値が低いものである。また、第2入球手段は、第2遊技状態の所定遊技状態でのみ遊技媒体が入球可能に構成されているため、第2遊技状態に対して直接的に関係がある一方、第1入球手段は、第2遊技状態以外の第1遊技状態でも遊技媒体が入球可能に構成されるものであって、第2遊技状態とは直接的な関係はないものである。従って、第2遊技状態中に第1入球手段及び第2入球手段へ遊技媒体が入球した場合に、該入球に基づく遊技媒体情報をすべて第2計数手段に記憶する構成であったとき、本来第2遊技状態とは無関係に生じ得て第1計数手段に記憶するべき第1入球手段への遊技媒体の入球が第2計数手段に記憶されてしまうと、遊技者の遊技価値を毀損させてしまう。そこで、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第2遊技媒体情報を更新し、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第1入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第1遊技媒体情報を更新するように構成する。これにより、第2遊技状態であっても、第1入球手段で遊技媒体が入球した場合に、遊技価値が高い第1遊技媒体情報として記憶させることができるので、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機B2からB24のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する定量終了手段を備えていることを特徴とする遊技機B25。
遊技機B25によれば、遊技機B2〜B24の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた定量終了手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態中に付与された遊技媒体が一定数になった場合に第2遊技状態を終了する遊技性(所謂、定量制)を実現することができる。従来の定量制は、遊技者が所持する遊技媒体を遊技場のスタッフが目分量で判断して打ち止めを決定していたが、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、正確な数値判断で打ち止めを決定することで、打ち止め時期の根拠が明確になるので、遊技場のスタッフの作業を軽減するとともに、遊技者に疑義を生じさせることなく遊技の仕様に応じた遊技環境を提供することができる、という効果がある。
遊技機B0からB24のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記遊技実行手段による遊技結果に基づいて、前記遊技状態を変更することを特徴とする遊技機B26。
遊技機B26によれば、遊技機B0〜B24の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段による遊技結果に基づいて、遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。これにより、遊技結果に基づいて遊技状態が変更され、該遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<C群>
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、を備えた遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体が遊技に使用できる時間を制限する時間制限手段(例えば、使用不可エリア213e)を備えていることを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技実行手段により遊技が行われ、その遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与される。また、遊技実行手段に備えられた時間制限手段により、遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体を遊技に使用できる時間が制限される。これにより、遊技を行う時間によっては使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない時間において如何に長く遊技を継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、「使用できる時間を制限する」とは、例えば、その時間において遊技媒体の使用を禁止する場合や、その時間において遊技媒体が使用できる状況を限定的にする場合、その時間において遊技媒体が使用できる数に限度を設ける場合、或いは、その時間において遊技媒体の使用を一時的に留保する場合等が含まれる。
遊技機C0において、
所定の契機に基づいて遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)を備え、
前記遊技媒体計数手段は、特定の遊技状態において遊技者に付与される遊技媒体を計数する個別計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)を備え、
前記時間制限手段は、前記個別計数手段により計数された遊技媒体の使用できる時間を制限するように構成されていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の契機に基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が変更され、遊技媒体計数手段に備えられた個別計数手段により、特定の遊技状態において遊技者に付与される遊技媒体が計数される。そして、個別計数手段により計数された遊技媒体の使用できる時間が、時間制限手段により制限される。これにより、特定の遊技状態において計数された遊技媒体に関して使用できない時間を創り出すことができる。従って、遊技を行う時間によっては使用できない遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない時間において如何に長く遊技を継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C0又はC1において、
前記遊技状態変更手段は、
第1所定の契機に基づいて、第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)から第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)に変更する第1遊技状態変更手段と、
第2所定の契機に基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する第2遊技状態変更手段と、を備え、
前記個別計数手段は、
前記第1遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第2遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記時間制限手段は、
前記第2遊技状態を獲得した当日において、該第2遊技状態が終了した場合に、該第2遊技状態中に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止する当日禁止手段と、
前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、前記第2遊技状態を獲得した日に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止する翌日禁止手段と、を備えていることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた第1遊技状態変更手段により、第1所定の契機に基づいて遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態に変更され、遊技状態変更手段に備えられた第2遊技状態変更手段により、第2所定の契機に基づいて遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。また、個別計数手段に備えられた第1計数手段により、第1遊技状態における遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が計数される。さらに、個別計数手段に備えられた第2計数手段により、第2遊技状態における遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が計数される。そして、時間制限手段に備えられた当日禁止手段により、第2遊技状態を獲得した当日において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。また、時間制限手段に備えられた翌日禁止手段により、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第2遊技状態を獲得した日に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、第2遊技状態を獲得した当日において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報を使用できない状況と、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第2遊技状態を獲得した日に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報を使用できない状況とを創り出すことができる。従って、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。そして、この差分に基づいて遊技に変化を加えることができるので、第2遊技媒体情報を獲得した当日に如何に遊技を継続するか、という新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、第1所定の契機と第2の所定の契機とは、それぞれ異なる契機であってもよいし、同一の契機であってもよい。
遊技機C2において、
前記遊技実行手段は、前記遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された翌日以降においても、前記第1計数手段により記憶された前記第1遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段により、遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された翌日以降においても、第1計数手段により記憶された第1遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された翌日以降においても第1計数手段に記憶される遊技媒体を使用可能に構成することができる。従って、使用できる時間の制約がない分、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高くすることができるので、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。よって、遊技機C2の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
遊技機C2又はC3において、
遊技者所有の記憶媒体(例えば、会員カード300)が遊技機外部の外部装置(例えば、カードサンド装置70)に挿入されることに基づいて遊技の実行を許可する遊技許可手段(例えば、台及び日付情報確認処理(S2881))と、
時間に関する情報を記憶する時間情報記憶手段(例えば、タイマカウンタ213o)と、
遊技の中断指示があった場合に、前記時間情報記憶手段に記憶される前記時間に関する情報を、前記記憶媒体に記憶させる中断時間記憶手段(例えば、清算処理(S2105))と、
遊技の再開指示があった場合に、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と、前記時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係にあるか否かを判別する時間情報判別手段(例えば、台及び日付情報確認処理(S2881)内のS2872)と、を備え、
前記時間制限手段は、前記時間情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と前記時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが前記所定の関係ではないと判断される場合に、前記第2計数手段に記憶される前記2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止することを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2又はC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技許可手段により、遊技者所有の記憶媒体が遊技機外部の外部装置に挿入されたことに基づいて遊技の実行が許可される。また、時間情報記憶手段により時間に関する情報が記憶され、中断時間記憶手段により、遊技の中断指示があった場合に、時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報が記憶媒体に記憶される。また、時間情報判別手段により、遊技の再開指示があった場合に、記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係ではないと判断される場合に、時間制限手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。
第2遊技状態中に遊技者が遊技の中断を希望した場合に、記憶媒体に遊技機固有の識別情報を記憶させ、遊技を再開する場合に記憶媒体に記憶された識別情報と遊技機の識別情報とが一致するときは、第2遊技状態を再開させると共に第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技を可能にさせることで、遊技者にとって快適な遊技環境を構築できる遊技機がある。このような遊技機において、例えば、日付を跨いで同一の遊技機で遊技を行った場合、遊技を行う遊技機が同一であるときは、前日の遊技中断時の遊技状況から遊技が再開されてしまい、例えば、第2遊技状態中であった場合に、同一の遊技機で遊技を行う限り、第2遊技状態が終了せずに継続できてしまい、意図しない第2遊技状態の付与によって遊技場に多大な不利益を被らせるおそれがある。
そこで、遊技を中断する場合に、記憶媒体に時間に関する情報を記憶させ、遊技を再開する場合に、記憶媒体に記憶された時間に関する情報と時間情報記憶手段の時間に関する情報とが所定の関係ではないときは、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止する(実行できない)ように構成することで、遊技場として、例えば、日付を跨いだ第2遊技状態の付与を防止することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を維持しつつ、遊技場が不利益を被ることを未然に防止することができる、という効果がある。なお、「遊技の中断指示があった場合」とは、例えば、遊技者が記憶媒体の返却操作を行って記憶媒体を外部装置の外部へ排出する場合や、遊技機又は外部装置に設けられた遊技停止手段(例えば、認証機能付き遊技ストップボタン)によって遊技の進行を停止する場合、或いは、停電等によって遊技機の作動が停止してしまった場合等が含まれる。また、「遊技の再開指示があった場合」とは、例えば、外部装置に記憶媒体を挿入させて遊技の実行を可能な状態にする場合や、遊技機又は外部装置に設けられた遊技再開手段(例えば、認証機能付き遊技再開ボタン)によって遊技の進行を許可する場合、或いは、停電からの復電によって遊技機の作動が再開される場合等が含まれる。また、「記憶媒体に記憶される時間に関する情報と、時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係にあるか否かを判別」とは、例えば、記憶媒体に記憶される日付情報と、時間情報記憶手段に記憶される日付情報とが一致するか否かを判別する場合や、記憶媒体に記憶される時分情報と、時間情報記憶手段に記憶される時分情報とが所定間隔(例えば、2時間)未満か否かを判別する場合等が例示される。
遊技機C4において、
遊技の中断指示があった場合に、前記第2遊技状態に関する状態情報を前記記憶媒体に記憶させる状態記憶手段(例えば、清算処理(S2105))を備え、
前記時間制限手段は、遊技の再開指示があった場合に、前記時間情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と前記時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが前記所定の関係であると判断されるとき、前記状態記憶手段に記憶される前記状態情報に基づいて前記第2遊技状態を再開させることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態記憶手段により、遊技の中断指示があった場合に、第2遊技状態に関する状態情報が記憶媒体に記憶され、遊技の再開指示があった場合に、時間情報判別手段により記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係であるとき、時間制限手段により、状態記憶手段に記憶される状態情報に基づいて第2遊技状態が再開される。これにより、遊技を中断した場合と遊技を再開した場合との時間に関する情報が所定の関係である場合に第2遊技状態を再開させることができるので、遊技者は、第2遊技状態であってもトイレ休憩や食事休憩を希望する場合に、遊技を中断したとしても、遊技を再開する場合に第2遊技状態を再開することができるので、記憶媒体の盗難を防止しつつ、快適な遊技環境を構築することができる。また、例えば、遊技場の管理手段(例えば、ホールコンピュータ263)に第2遊技状態に関する状態情報を記憶した場合に、停電等の影響によってその管理手段に記憶された状態情報に異常が発生したとき、本来得られるべき遊技価値が消滅してしまうおそれがある。そこで、遊技者が所持する記憶媒体に第2遊技状態に関する状態情報を記憶させておくことで、遊技者自らの責任で得られる遊技価値を管理することができるので、停電等が発生した場合でも、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機C5において、
前記時間制限手段は、前記時間情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と前記時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが前記所定の関係ではないと判断される場合に、前記第2遊技状態を再開させない状態制限手段を備えていることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間情報判別手段により記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係ではないと判断された場合に、時間制限手段に設けられた状態制限手段により、第2遊技状態を再開させないように構成される。これにより、前日等に遊技を行っていた遊技機の遊技状況を、翌日等の遊技に反映させることはなく、新たな遊技を行わせることができるので、上記遊技仕様の一身専属及び当日限りの遊技性を維持することができる、という効果がある。
遊技機C6において、
前記状態制限手段は、前記時間情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と前記時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが前記所定の関係ではないと判断される場合に、前記状態記憶手段に記憶される前記状態情報を消去することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技再開時に、時間情報判別手段により記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係ではない場合に、状態制限手段により、状態記憶手段に記憶される状態情報を消去される。これにより、第2遊技状態を再開させないように構成することができる。従って、前日等に遊技を行っていた遊技機の遊技状況に関するデータが消去されるため、翌日等の遊技に前回遊技を行っていた遊技機の遊技状況を反映させる根拠を消滅させることで、遊技を再開させずに新たな遊技を行わせることができるので、遊技機C6の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
遊技機C4からC7のいずれかにおいて、
電源断時の遊技状態を記憶保持可能な電断時保持手段(例えば、メイン処理(図23参照))と、
電源投入時に復旧条件を満たすことで前記電断時保持手段により記憶保持された前記遊技状態を復旧させる復旧手段(例えば、立ち上げ処理(図46参照))と、
現在時刻を計時する時刻計時手段(RTC220)と、
電源断時より前の時間に関する情報を前記時間情報記憶手段に記憶する時間保持手段(例えば、立ち上げ処理(図46参照)のS2053)と、
前記復旧手段による復旧時に、前記時間保持手段によって前記時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と、前記時刻計時手段により計時される現在時刻とを比較する時間比較手段(例えば、立ち上げ処理(図46参照))と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、前記時間比較手段により、前記時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と前記時刻計時手段により計時される現在時刻との比較結果が所定結果となった場合に、前記復旧手段によって遊技状態を復旧させた後、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更するように構成されていることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C4〜C7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電断時保持手段により電源断時の遊技状態が記憶保持され、復旧手段により電源投入時に復旧条件を満たすことで電源時保持手段に記憶保持された遊技状態が復旧される。また、時刻計時手段により現在時刻が計時され、時間保持手段により電源断時より前の時間に関する情報が時間情報記憶手段に記憶される。また、時間比較手段により、復旧手段による復旧時に、時間保持手段によって時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と時刻計時手段により計時される現在時刻とが比較される。そして、時間比較手段による時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と時刻計時手段に計時される現在時刻との比較結果が所定結果となった場合に、復旧手段によって遊技状態を復旧させた後、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。
所謂バックアップ機能を有する遊技機において、電源断時に第2遊技状態中であった場合、電源投入時に復旧条件を満たすことで漏れなく第2遊技状態が再開してしまうおそれがある。このような場合、遊技場は、当日の営業を終了した場合に第2遊技状態中であった遊技機に関し、翌日の営業開始時に第2遊技状態が再開されてしまうことを防止すべく、各遊技機毎に記憶手段の初期化作業等を行わなければならず、遊技場のスタッフの作業負担が増大していた。
そこで、電源復旧時に、時間比較手段によって、電源断時より前に時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と時刻計時手段に計時される現在時刻との比較結果が所定結果となった場合に、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更されるように構成することで、自動的に第2遊技状態を終了させることができるので、遊技場のスタッフの作業負担を軽減することができる。なお、「電源断時より前」とは、遊技機の電源が投入された時点から遊技機の電源が遮断されるまでの間であればいつでもよく、例えば、電源投入時の立ち上げ処理時や、通常遊技中のタイマ割込処理、或いは、電源断時の電断処理時等であってもよい。また、「時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と時刻計時手段により計時される現在時刻との比較結果が所定結果」になるとは、例えば、時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と、時刻計時手段により計時される現在時刻との日付が異なると判断された結果や、時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と、時刻計時手段により計時される現在時刻との時間差が5時間以上違うと判断された結果等が例示される。
遊技機C2からC8のいずれかにおいて、
前記遊技実行手段は、
遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、供給通路65)と、
前記貯留手段から供給された遊技媒体を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット66)と、
前記発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段(例えば、回収通路41a)と、
前記回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ送出する送出手段(例えば、排出通路42a)と、を備え、
所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行うことを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C2〜C8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段に備えられた貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が送出手段により貯留手段へ送出されることで、所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。これにより、機内循環式遊技機(所謂、封入式遊技機)の特徴的機能である遊技媒体を数値化して管理するシステムを有効活用して、遊技状態に基づいて遊技媒体の使用可否を決定する遊技仕様(所謂、ラッキーナンバー制)を付加することができる、という効果がある。
より詳述すると、従来、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用する遊技場では、遊技場のスタッフは、第2遊技状態の開始条件を逐次確認し、その開始条件の成立に基づいて遊技機の上部に第2遊技状態が開始されたことを示す札等を差す作業を行ったり、その第2遊技状態中、第2遊技状態から第1遊技状態への変更条件を達成したか否かを監視する作業を行って第2遊技状態を終了させたり、第2遊技状態が終了した場合には、付与された遊技媒体の交換を遊技者に促したりする作業が必要であった。
上記作業を遊技場のスタッフに行わせた場合、遊技機の異常確認や清掃等の通常業務の作業に加えて上記遊技仕様に関する作業が加わるため、スタッフに多大な作業負担がかかってしまうおそれがある。一方、スタッフの人数を増員して上記遊技仕様に対応しようにも、スタッフ増員分の人件費が嵩んでしまい、遊技場の経営を逼迫させてしまうおそれがある。従って、遊技場は、ラッキーナンバー制という遊技性を向上させることができる遊技仕様が実現可能な環境であっても、上述したおそれを考慮してラッキーナンバー制を採用せず、通常の営業形態での営業を行うに留まり、遊技性の向上が図れない状況であった。
そこで、機内循環式遊技機の機能を活用し、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、遊技状態に基づいて付与された遊技媒体を個別に管理し、遊技状態に基づいて使用できる遊技媒体を決定することで、上記遊技仕様を採用したとしても、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機C9において、
前記発射手段は、
前記第2遊技状態を獲得した日において、前記第2遊技状態中は、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されているとき、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1遊技媒体情報に基づいて前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、
前記第2遊技状態を獲得した日において、該第2遊技状態が終了した場合に、該第2遊技状態中に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止し、
前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、該第2遊技状態を獲得した日に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態を獲得した日であって、第2遊技状態において、第1計数手段に第1遊技媒体紹鴎が記憶されている場合、又は、その第2遊技状態中に遊技媒体付与手段によって付与された遊技媒体が第2計数手段に第2遊技媒体情報として記憶されている場合に、第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報に基づいて発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。また、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が記憶されている場合に、第1遊技媒体情報に基づいて発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第2遊技状態を獲得した日において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止され、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第2遊技状態を獲得した日に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、第2遊技状態を獲得した当日か否かに基づいて、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の使用可否が決定されるので、第2遊技状態を獲得していない日(例えば、翌日)において、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を使用させず、上記遊技仕様の一身専属及び当日限りの遊技性を維持することができる、という効果がある。なお、例えば、遊技状態が、第2条件の成立に基づいて前回の第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された後に、第1条件が成立して第1遊技状態から次の第2遊技状態へ変更された場合には、発射手段は、次の第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可し、また、前回までの第2遊技状態において第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可するように構成してもよい。
遊技機C10において、
前記第1遊技状態変更手段は、第1条件の成立(例えば、大当たりの開始)に基づいて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更し、
前記第2遊技状態変更手段は、第2条件の成立(例えば、「時間短縮状態」の終了)に基づいて前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更し、
前記発射手段は、
前記第2遊技状態を獲得した日において、前記第2遊技状態中は、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されているとき、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1遊技媒体情報に基づいて前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、
前記第2遊技状態を獲得した日において、該第2遊技状態が終了した場合に、その後の遊技において、該第2遊技状態中に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止すると共に、
前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、該第2遊技状態を獲得した日に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段により、第1条件の成立に基づいて第1遊技状態から第2遊技状態へ変更され、第2遊技状態変更手段により、第2条件の成立に基づいて第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。さらに、第2遊技状態を獲得した日であって、第2遊技状態において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されている場合、又は、その第2遊技状態中に遊技媒体付与手段によって付与された遊技媒体が第2計数手段に第2遊技媒体情報として記憶されている場合に、第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報に基づいて発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。また、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が記憶されている場合に、第1遊技媒体情報に基づいて発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第2遊技状態を獲得した日において、その第2遊技状態が終了した場合に、その後の遊技において、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止され、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第2遊技状態を獲得した日に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、第2遊技状態を獲得した当日か否かに基づいて、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の使用可否が決定されるので、第2遊技状態を獲得していない日(例えば、翌日)において、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を使用させず、上記遊技仕様の一身専属及び当日限りの遊技性を維持することができる、という効果がある。
遊技機C9からC11のいずれかにおいて、
前記発射手段は、前記第2遊技状態において、前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報より、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射を実行することを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C9〜C11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第2計数手段に第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、発射手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報より、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射が実行される。これにより、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、使用できる遊技状態の制約がない分、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高く、第2遊技状態では、第1遊技媒体情報より遊技価値が低い第2遊技媒体情報を先に消費できるので、遊技者の所有する遊技価値を必要以上に毀損することなく保護することができる、という効果がある。
遊技機C2〜C12のいずれかにおいて、
前記遊技媒体計数手段は、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、該貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報を、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報として記憶することを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C2〜C12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、遊技媒体計数手段により、その貸し出し要求に基づく数の遊
技媒体情報が第1計数手段に第1遊技媒体情報として記憶される。これにより、第1遊技媒体情報は遊技状態によって使用制限されないので、貸し出された遊技媒体について使用制限させず、いずれの遊技状態でも使用可能とすることができる、という効果がある。
また、上記遊技仕様の遊技性は、遊技媒体の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、「貸出レート>景品変換レート」といったような景品変換ギャップがある場合、貸し出された遊技媒体による遊技と、付与された遊技媒体による遊技では、1の遊技媒体につき景品交換ギャップ相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸し出された遊技媒体による遊技を行うことより、遊技で付与された遊技媒体による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして付与された遊技媒体に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、上記遊技仕様を採用することで、第2遊技状態を獲得して、その間に付与された遊技媒体で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C2〜C13のいずれかにおいて、
前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報の内容と、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報の内容とを報知可能な媒体情報報知手段(例えば、状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、遊技機C2〜C13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、媒体情報報知手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報の内容と、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の内容とが、報知可能に構成される。これにより、第1遊技状態及び第2遊技状態で使用可能な第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と、第2遊技状態でのみ使用が可能な第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報とを遊技者にそれぞれ認識させることができるので、例えば、第2遊技状態中にどれだけ遊技媒体が付与されたか、或いは、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第1遊技状態において第1計数手段に記憶される遊技媒体情報に基づいてどれだけ遊技を継続できるかを明確に認識することができる、という効果がある。
遊技機C11〜C14のいずれかにおいて、
前記第1条件は、
所定条件により成立する所定第1条件(例えば、「初回」の偶数図柄での大当たり)と、
該所定第1条件より成立が困難な特別第1条件(例えば、「初回」の「3図柄(カメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態は、特別第2遊技状態(例えば、「ラッキー」状態)と、該特別第2遊技状態より遊技者にとって不利な不利第2遊技状態(例えば、「スタート」状態)と、を備え、
前記第1遊技状態変更手段は、
前記所定第1条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態へ変更する第1不利変更手段と、
前記特別第1条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態へ変更する第1特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機C15。
遊技機C15によれば、遊技機C11〜C14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段に備えられた第1不利変更手段により、所定第1条件の成立に基づいて不利第2遊技状態に変更される。また、第1遊技状態変更手段に備えられた第1特別変更手段により、特別第1条件の成立に基づいて特別第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難い特別第2状態と、開始され易い不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C15において、前記特別第2遊技状態と前記不利第2遊技状態とを識別可能に報知する第2遊技状態種別報知手段(例えば、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97)を備えていることを特徴とする遊技機C16。
遊技機C16によれば、遊技機C15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態種別報知手段により特別第2遊技状態と不利第2遊技状態とが識別可能に報知される。これにより、特別第2遊技状態中か不利第2遊技状態中かを明確に認識することができ、各第2遊技状態毎に異なる第1遊技状態への変更条件を意識しながら遊技を行うことができるので、各第2遊技状態毎における興趣を堪能することができる、という効果がある。なお、「識別可能に報知する」とは、例えば、第2遊技状態毎に設けられた複数の標示物(例えば、可動役物等)を、通常時は遊技者から視認可能に配設し、第2遊技状態が開始された場合に、該第2遊技状態の種別に応じて遊技者に視認可能に現出させることで報知する場合や、1の表示手段において、第2遊技状態毎に対応した表示態様を現出させて報知する場合等が含まれる。
遊技機C15又はC16において、
前記第2条件は、
規定条件により成立する規定第2条件(「時間短縮状態」の終了)と、
該規定第2条件より成立が困難な特別第2条件(例えば、「初回」の「4図柄(サメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態変更手段は、
前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を終了する第2不利変更手段と、
前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を終了する第2特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機C17。
遊技機C17によれば、遊技機C15又はC16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が終了される。また、第2遊技状態変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が終了される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了し難い特別第2状態と、開始され易く終了し易い遊技者にとって不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C17において、
前記第2不利変更手段は、前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を前記第1遊技状態に変更し、
前記第2特別変更手段は、前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を前記不利第2遊技状態に変更することを特徴とする遊技機C18。
遊技機C18によれば、遊技機C17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が第1遊技状態に変更され、第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が不利第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了する場合でも不利第2遊技状態を経由して終了する特別第2状態と、開始され易く終了する場合に直ちに第1遊技状態に変更される不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C1〜C18のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件を報知する条件報知手段(状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機C19。
遊技機C19によれば、遊技機C1〜C18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件報知手段により遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件が報知される。これにより、遊技状態が変更される条件を遊技者に認識させることができるので、例えば、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第2計数手段による遊技が禁止されたときでも、予めその条件を認識させておくことで、遊技者に遊技仕様に関する無用な混乱を与えることなく、快適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機C19において、
前記条件報知手段は、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段で構成されていることを特徴とする遊技機C20。
遊技機C20によれば、遊技機C19の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段により条件報知手段が構成されている。これにより、遊技状態が変更される条件に合わせて内容を変更表示することができるため、簡易な構成で遊技状態が変更される条件を、適宜、遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機C14からC20のいずれかにおいて、
前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを1の状況表示手段(状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85b及び価値情報表示領域85c)において表示することを特徴とする遊技機C21。
遊技機C21によれば、遊技機C14〜C20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が表示される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段により、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、他の装置を用いず、余分なコストをかけることなくラッキーナンバー制の遊技性及び遊技状況を遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機C21において、
前記状況表示手段において、前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを同時に実行することを特徴とする遊技機C22。
遊技機C22によれば、遊技機C21の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が同時に実行される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において同時に表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段の報知内容を見れば、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を一義的に遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機C21又はC22において、
前記遊技機は、遊技盤(例えば、遊技盤13)と、該遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材(例えば、張出部16)とで構成されており、
前記状況表示手段は、前記枠部材に設けられることを特徴とする遊技機C23。
遊技機C23によれば、遊技機C21又はC22の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況表示手段は、遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材に設けられる。これにより、遊技盤の入れ替え時にも状況表示手段を枠部材に備えたまま継続して使用することができ、入れ替え対象の遊技盤に状況表示手段を設けずに済むので、遊技盤に状況表示手段を設置した場合に比べて遊技盤全体のコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機C2からC23のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段および前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2重複更新手段を備えていることを特徴とする遊技機C24。
遊技機C24によれば、遊技機C2〜C23の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に設けられた第2重複更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段及び第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新される。これにより、第2遊技状態中において、第1入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体と、第2入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体とを区別して計数する必要がないので、第2遊技状態中に付与される遊技媒体情報の更新処理に関する制御を複雑化しなくて済み、制御負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機C2からC23のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2単独更新手段を備え、
前記第1計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第1遊技媒体情報を更新する第1単独更新手段を備えていることを特徴とする遊技機C25。
遊技機C25によれば、遊技機C2〜C23の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2遊技状態において、第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新され、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第1遊技媒体情報が更新される。
第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報は、第2遊技状態終了後は遊技に使用できなくなるため、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と比べて遊技者にとって遊技価値が低いものである。また、第2入球手段は、第2遊技状態の所定遊技状態でのみ遊技媒体が入球可能に構成されているため、第2遊技状態に対して直接的に関係がある一方、第1入球手段は、第2遊技状態以外の第1遊技状態でも遊技媒体が入球可能に構成されるものであって、第2遊技状態とは直接的な関係はないものである。従って、第2遊技状態中に第1入球手段及び第2入球手段へ遊技媒体が入球した場合に、該入球に基づく遊技媒体情報をすべて第2計数手段に記憶する構成であったとき、本来第2遊技状態とは無関係に生じ得て第1計数手段に記憶するべき第1入球手段への遊技媒体の入球が第2計数手段に記憶されてしまうと、遊技者の遊技価値を毀損させてしまう。そこで、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第2遊技媒体情報を更新し、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第1入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第1遊技媒体情報を更新するように構成する。これにより、第2遊技状態であっても、第1入球手段で遊技媒体が入球した場合に、遊技価値が高い第1遊技媒体情報として記憶させることができるので、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機C2からC25のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する定量終了手段を備えていることを特徴とする遊技機C26。
遊技機C26によれば、遊技機C2〜C25の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた定量終了手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態中に付与された遊技媒体が一定数になった場合に第2遊技状態を終了する遊技性(所謂、定量制)を実現することができる。従来の定量制は、遊技者が所持する遊技媒体を遊技場のスタッフが目分量で判断して打ち止めを決定していたが、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、正確な数値判断で打ち止めを決定することで、打ち止め時期の根拠が明確になるので、遊技場のスタッフの作業を軽減するとともに、遊技者に疑義を生じさせることなく遊技の仕様に応じた遊技環境を提供することができる、という効果がある。
遊技機C0からC25のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記遊技実行手段による遊技結果に基づいて、前記遊技状態を変更することを特徴とする遊技機C27。
遊技機C27によれば、遊技機C0〜C25の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段による遊技結果に基づいて、遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。これにより、遊技結果に基づいて遊技状態が変更され、該遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<D群>
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)
該遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、を備えた遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体を、他の遊技機での遊技への使用と、遊技に使用できる時間とを制限する制限手段(例えば、使用不可エリア213e)と、
を備えていることを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技実行手段により遊技が行われ、その遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与される。また、遊技実行手段に備えられた制限手段により、遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体が、他の遊技機での遊技への使用と、遊技に使用できる時間とが制限される。これにより、遊技を行う遊技機及び遊技を行う時間によっては使用できない遊技媒体を創り出すことができる。従って、遊技機及び時間により使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技機において如何に長く遊技を継続し、かつ、使用制限されない時間において如何に長く遊技を継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、「他の遊技機での使用を制限する」とは、例えば、遊技媒体の使用を禁止する場合や、遊技媒体が使用できる状況を限定的にする場合、遊技媒体が使用できる数に限度を設ける場合、或いは、遊技媒体の使用を一時的に留保する場合等が含まれる。また、「使用できる時間を制限する」とは、例えば、その時間において遊技媒体の使用を禁止する場合や、その時間において遊技媒体が使用できる状況を限定的にする場合、その時間において遊技媒体が使用できる数に限度を設ける場合、或いは、その時間において遊技媒体の使用を一時的に留保する場合等が含まれる。
遊技機D0において、
所定の契機に基づいて遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)と、
前記遊技媒体計数手段は、特定の遊技状態において遊技者に付与される遊技媒体を計数する個別計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)を備え、
前記制限手段は、前記個別計数手段により計数された遊技媒体の遊技への使用を制限するように構成されていることを特徴とする遊技機D0。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の契機に基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が変更され、遊技媒体計数手段に備えられた個別計数手段により、特定の遊技状態において遊技者に付与される遊技媒体が計数される。そして、個別計数手段により計数された遊技媒体の遊技への使用が、制限手段により制限される。これにより、特定の遊技状態において計数された遊技媒体に関して使用できない遊技機、及び、使用できない時間を創り出すことができる。従って、遊技を行う遊技機及び遊技を行う時間によっては使用できない遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技機において如何に長く遊技を継続し、かつ、使用制限されない時間において如何に長く遊技を継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D0又はD1において、
前記遊技状態変更手段は、
第1所定の契機に基づいて、第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)から第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)に変更する第1遊技状態変更手段と、
第2所定の契機に基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する第2遊技状態変更手段と、を備え、
前記個別計数手段は、
前記第1遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第2遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記制限手段は、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機であって、前記第2遊技状態を獲得した当日において、該第2遊技状態が終了した場合に、該第2遊技状態中に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止する当日禁止手段と、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機において、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止する他台禁止手段と、
前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、前記第2遊技状態を獲得した日に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止する翌日禁止手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D0又はD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた第1遊技状態変更手段により、第1所定の契機に基づいて、遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態に変更され、遊技状態変更手段に備えられた第2遊技状態変更手段により、第2所定の契機に基づいて遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。また、個別計数手段に備えられた第1計数手段により、第1遊技状態における遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が計数される。さらに、個別計数手段に備えられた第2計数手段により、第2遊技状態における遊技媒体付与手段により付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が計数される。そして、制限手段に備えられた当日禁止手段により、により、第2遊技状態を獲得した遊技機であって、第2遊技状態を獲得した当日において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。また、制限手段に備えられた他台禁止手段により、第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機において、第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。さらに、制限手段に備えれら他翌日禁止手段により、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第2遊技状態を獲得した日に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、第2遊技状態を獲得した遊技機であって、第2遊技状態を獲得した当日において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報を使用できない状況と、第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機、又は、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を使用できない状況とを創り出すことができる。従って、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。そして、この差分に基づいて遊技に変化を加えることができるので、第2遊技媒体情報を獲得した遊技機及び当日に如何に遊技を継続するか、という新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、第1所定の契機と第2の所定の契機とは、それぞれ異なる契機であってもよいし、同一の契機であってもよい。
遊技機D2において、
前記遊技実行手段は、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に関し、前記遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された遊技機以外の他の遊技機においても、前記第1計数手段により記憶された前記第1遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成することを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に関し、遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された遊技機以外の他の遊技機においても、第1計数手段により記憶された第1遊技媒体情報に基づく遊技が実行可能に構成される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、すべての遊技機で第1計数手段に記憶される遊技媒体を使用することができる。従って、使用できる遊技機の制約がない分、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高くすることができるので、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。よって、遊技機D2の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
前記遊技機D2又はD3において、
前記遊技実行手段は、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に関し、前記遊技媒体付与手段によって遊技媒体が付与された翌日以降においても、前記第1計数手段により記憶された前記第1遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成することを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2又はD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に関し、遊技媒体付与手段により遊技媒体が付与された翌日以降においても、第1計数手段により記憶された第1遊技媒体情報に基づく遊技が実行可能に構成される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、いつでも第1計数手段に記憶される遊技媒体を使用することができる。従って、使用できる時間の制約がない分、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高くすることができるので、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。よって、遊技機D2の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、
遊技者所有の記憶媒体(例えば、会員カード300)が遊技機外部の外部装置(例えば、カードサンド装置70)に挿入されることに基づいて遊技の実行を許可する遊技許可手段(例えば、台及び日付情報確認処理(S2881))と、
遊技機固有の識別情報を記憶する固有情報記憶手段(例えば、遊技台情報212b)と、
時間に関する情報を記憶する時間情報記憶手段(例えば、タイマカウンタ213o)と、
遊技の中断指示があった場合に、前記固有情報記憶手段に記憶される前記識別情報と、前記時間情報記憶手段に記憶される前記時間に関する情報とを、前記記憶媒体に記憶させる中断情報記憶手段(例えば、清算処理(S2105))と、
遊技の再開指示があった場合に、前記記憶媒体に記憶される識別情報と、前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致するか否かを判別し、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と、前記時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係にあるか否かを判別する台及び時間情報判別手段(例えば、台及び日付情報確認処理(S2881)内のS2872)と、を備え、
前記制限手段は、前記記憶媒体に記憶される識別情報と前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しないと判別される場合、或いは、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と前記時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが前記所定の関係ではないと判断される場合に、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止することを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2〜D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技許可手段により、遊技者所有の記憶媒体が遊技機外部の外部装置に挿入されたことに基づいて遊技の実行が許可される。また、固有情報記憶手段により遊技機固有の識別情報が記憶され、時間情報記憶手段により時間に関する情報が記憶され、中断情報記憶手段により、遊技の中断指示があった場合に、固有情報記憶手段に記憶される識別情報と、時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが記憶媒体に記憶される。また、遊技の再開指示があった場合に、台及び時間情報判別手段により、記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致するか否かが判別され、記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係にあるか否かが判別される。そして、台及び時間情報判別手段により、記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しない場合、或いは、記憶媒体に記憶される時間に関する情報と情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係ではない場合に、制限手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。
第2遊技状態中に遊技者が遊技の中断を希望した場合に、実行中の第2遊技状態の扱いについて、例えば、遊技が中断された場合は、実行中の第2遊技状態を終了させ、第2遊技状態中に付与された第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を、いずれの遊技機においても使用禁止としてしまう仕様が考えられる。この仕様の場合、遊技者は遊技を中断させてしまうと、折角獲得した第2遊技状態が終わってしまうことをおそれ、第2遊技状態中にトイレ休憩や食事休憩がしたくても、遊技を中断させることを躊躇してしまい、快適な遊技環境を維持することができないおそれがある。また、仮に、記憶媒体を外部装置に挿入させたままトイレ休憩等を行って遊技機から離席した場合は、離席中に他人に記憶媒体が盗難されてしまうおそれがある。
また、第2遊技状態中に遊技者が遊技の中断を希望した場合に、記憶媒体に遊技機固有の識別情報を記憶させ、遊技を再開する場合に記憶媒体に記憶された識別情報と遊技機の識別情報とが一致するときは、第2遊技状態を再開させると共に第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技を可能にさせることで、遊技者にとって快適な遊技環境を構築できる遊技機がある。このような遊技機において、例えば、日付を跨いで同一の遊技機で遊技を行った場合、遊技を行う遊技機が同一であるときは、前日の遊技中断時の遊技状況から遊技が再開されてしまい、例えば、第2遊技状態中であった場合に、同一の遊技機で遊技を行う限り、第2遊技状態が終了せずに継続できてしまい、意図しない第2遊技状態の付与によって遊技場に多大な不利益を被らせるおそれがある。
そこで、遊技の中断指示があった場合に、記憶媒体に、遊技機固有の識別情報を記憶させ、また、時間に関する情報を記憶させ、遊技の再開指示があった場合に、記憶媒体に記憶された識別情報と遊技機の識別情報とが一致し、記憶媒体に記憶された時間に関する情報と時間情報記憶手段の時間に関する情報とが所定の関係であるときは、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技を実行できるように構成することで、遊技者は、第2遊技状態であってもトイレ休憩や食事休憩を希望する場合に、遊技を中断したとしても、遊技を再開した場合に第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技を実行することができるので、記憶媒体の盗難を防止しつつ、快適な遊技環境を構築することができる。さらに、遊技場として、例えば、日付を跨いだ第2遊技状態の付与を防止することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を維持しつつ、遊技場が不利益を被ることを未然に防止することができる、という効果がある。なお、「遊技の中断指示があった場合」とは、例えば、遊技者が記憶媒体の返却操作を行って記憶媒体を外部装置の外部へ排出する場合や、遊技機又は外部装置に設けられた遊技停止手段(例えば、認証機能付き遊技ストップボタン)によって遊技の進行を停止する場合、或いは、停電等によって遊技機の作動が停止してしまった場合等が含まれる。また、「遊技の再開指示があった場合」とは、例えば、外部装置に記憶媒体を挿入させて遊技の実行を可能な状態にする場合や、遊技機又は外部装置に設けられた遊技再開手段(例えば、認証機能付き遊技再開ボタン)によって遊技の進行を許可する場合、或いは、停電からの復電によって遊技機の作動が再開される場合等が含まれる。また、「記憶媒体に記憶される時間に関する情報と、時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係にあるか否かを判別」とは、例えば、記憶媒体に記憶される日付情報と、時間情報記憶手段に記憶される日付情報とが一致するか否かを判別する場合や、記憶媒体に記憶される時分情報と、時間情報記憶手段に記憶される時分情報とが所定間隔(例えば、2時間)未満か否かを判別する場合等が例示される。
遊技機D5において、
遊技の中断指示があった場合に、前記第2遊技状態に関する状態情報を前記記憶媒体に記憶させる状態記憶手段(例えば、清算処理(S2105))を備え、
前記制限手段は、遊技の再開指示があった場合に、前記台及び時間情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される前記識別情報と前記固有情報記憶手段に記憶される前記識別情報とが一致すると判断されると共に、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが前記所定の関係である場合に、前記状態記憶手段に記憶される前記状態情報に基づいて前記第2遊技状態を再開させることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態記憶手段により、遊技の中断指示があった場合に、第2遊技状態に関する状態情報が記憶媒体に記憶され、遊技の再開指示があった場合に、台及び時間情報判別手段により、記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致し、かつ、記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係であるときに、制限手段により、状態記憶手段に記憶される状態情報に基づいて第2遊技状態が再開される。これにより、遊技を中断した場合と遊技を再開した場合との遊技機が一致し、かつ、第2遊技状態を獲得した日付も一致する場合に第2遊技状態を再開させることができるので、遊技者は、第2遊技状態であってもトイレ休憩や食事休憩を希望する場合に、遊技を中断したとしても、遊技再開時に第2遊技状態を再開することができるので、記憶媒体の盗難を防止しつつ、快適な遊技環境を構築することができる。また、例えば、遊技場の管理手段(例えば、ホールコンピュータ263)に第2遊技状態に関する状態情報を記憶した場合に、停電等の影響によってその管理手段に記憶された状態情報に異常が発生したとき、本来得られるべき遊技価値が消滅してしまうおそれがある。そこで、遊技者が所持する記憶媒体に第2遊技状態に関する状態情報を記憶させておくことで、遊技者自らの責任で得られる遊技価値を管理することができるので、停電等が発生した場合でも、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機D6において、
前記制限手段は、前記台及び時間情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される識別情報と前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しないと判断されるか、又は、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが前記所定の関係ではないと判断される場合に、前記第2遊技状態を再開させない状態制限手段を備えていることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技再開時に、台及び時間情報判別手段により、記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しないか、又は、記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係ではない場合に、制限手段に設けられた状態制限手段より、第2遊技状態を再開させないように構成される。これにより、第2遊技状態を獲得した遊技機と、今回遊技を行おうとしている遊技機が異なる場合、或いは、第2遊技状態を獲得した日付と今回遊技を行おうとしている日付が異なる場合に、新たに遊技を行おうとしている遊技機において第2遊技状態を再開させないようにすることができる。従って、前回遊技を行っていた遊技機の遊技状況を、異なる他の遊技機に反映させることはなく、新たな遊技を行わせることができるので、上記遊技仕様の一身専属、一台専属及び当日限りの遊技性を維持することができる、という効果がある。
遊技機D7において、
前記状態制限手段は、前記台及び時間情報判別手段によって、前記記憶媒体に記憶される識別情報と前記固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しないと判断されるか、又は、前記記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが前記所定の関係ではないと判断される場合に、前記状態記憶手段に記憶される前記状態情報を消去することを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技再開時に、台及び時間情報判別手段により、記憶媒体に記憶される識別情報と固有情報記憶手段に記憶される識別情報とが一致しないか、又は、記憶媒体に記憶される時間に関する情報と時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とが所定の関係ではない場合に、状態制限手段により、状態記憶手段に記憶される状態情報を消去される。これにより、第2遊技状態を獲得した遊技機と、今回遊技を行おうとしている遊技機が異なる場合、或いは、第2遊技状態を獲得した日付と今回遊技を行おうとしている日付が異なる場合に、新たに遊技を行おうとしている遊技機において第2遊技状態を再開させないように構成することができる。従って、前回遊技を行っていた遊技機の遊技状況に関するデータが消去されるため、異なる他の遊技機や翌日等の遊技に前回遊技を行っていた遊技機の状況を反映させる根拠を消滅させることで、遊技を再開させずに新たな遊技を行わせることができるので、遊技機D6の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
遊技機D5からD8のいずれかにおいて、
電源断時の遊技状態を記憶保持可能な電断時保持手段(例えば、メイン処理(図23))と、
電源投入時に復旧条件を満たすことで前記電断時保持手段により記憶保持された前記遊技状態を復旧させる復旧手段(例えば、立ち上げ処理(図22))と、
現在時刻を計時する時刻計時手段(RTC220)と、
電源断時より前の時間に関する情報を前記時間情報記憶手段に記憶する時間保持手段(例えば、立ち上げ処理(図46参照)のS2053)と、
前記復旧手段による復旧時に、前記時間保持手段によって前記時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と、前記時刻計時手段により計時される現在時刻とを比較する時間比較手段と、
前記遊技状態変更手段は、前記時間比較手段により、前記時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と前記時刻計時手段により計時される現在時刻との比較結果が所定結果となった場合に、前記復旧手段によって遊技状態を復旧させた後、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更するように構成されていることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D5〜D8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電断時保持手段により電源断時の遊技状態が記憶保持され、復旧手段により電源投入時に復旧条件を満たすことで電源時保持手段に記憶保持された遊技状態が復旧される。また、時刻計時手段により現在時刻が計時され、時間保持手段により電源断時より前の時間に関する情報が時間情報記憶手段に記憶される。また、時間比較手段により、復旧手段による復旧時に、時間保持手段によって時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と時刻計時手段により計時される現在時刻とが比較される。そして、時間比較手段による時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と時刻計時手段に計時される現在時刻との比較結果が所定結果となった場合に、復旧手段によって遊技状態を復旧させた後、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。
所謂バックアップ機能を有する遊技機において、電源断時に第2遊技状態中であった場合、電源投入時に復旧条件を満たすことで漏れなく第2遊技状態が再開してしまうおそれがある。このような場合、遊技場は、当日の営業を終了した場合に第2遊技状態中であった遊技機に関し、翌日の営業開始時に第2遊技状態が再開されてしまうことを防止すべく、記憶手段の初期化作業等を行わなければならず、遊技場のスタッフの作業負担が増大していた。
そこで、電源復旧時に、時間比較手段によって、電断断時より前に時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と時刻計時手段に計時される現在時刻との比較結果が所定結果となった場合に、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更されるように構成することで、自動的に第2遊技状態を終了させることができるので、遊技場のスタッフの作業負担を軽減することができる。なお、「電源断時より前」とは、遊技機の電源が投入された時点から遊技機の電源が遮断されるまでの間であればいつでもよく、例えば、電源投入時の立ち上げ処理時や、通常遊技中のタイマ割込処理、或いは、電源断時の電断処理時等であってもよい。また、「時間比較手段により、時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と時刻計時手段により計時される現在時刻との比較結果が所定結果」になるとは、例えば、時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と、時刻計時手段により計時される現在時刻との日付が異なると判断された結果や、時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と、時刻計時手段により計時される現在時刻との時間差が5時間以上違うと判断された結果等が例示される。
前記遊技機D2からD9のいずれかにおいて、
前記遊技実行手段は、
遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、供給通路65)と、
前記貯留手段から供給された遊技媒体を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット66)と、
前記発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段(例えば、回収通路41a)と、
前記回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ送出する送出手段(例えば、排出通路42a)と、を備え、
所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行うことを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D2〜D9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段に備えられた貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が送出手段により貯留手段へ送出されることで、所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。これにより、機内循環式遊技機(所謂、封入式遊技機)の特徴的機能である遊技媒体を数値化して管理するシステムを有効活用して、遊技状態に基づいて遊技媒体の使用可否を決定する遊技仕様(所謂、ラッキーナンバー制)を付加することができる、という効果がある。
より詳述すると、従来、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用する遊技場では、遊技場のスタッフは、第2遊技状態の開始条件を逐次確認し、その開始条件の成立に基づいて遊技機の上部に第2遊技状態が開始されたことを示す札等を差す作業を行ったり、その第2遊技状態中、第2遊技状態から第1遊技状態への変更条件を達成したか否かを監視する作業を行って第2遊技状態を終了させたり、第2遊技状態が終了した場合には、付与された遊技媒体の交換を遊技者に促したりする作業が必要であった。
上記作業を遊技場のスタッフに行わせた場合、遊技機の異常確認や清掃等の通常業務の作業に加えて上記遊技仕様に関する作業が加わるため、スタッフに多大な作業負担がかかってしまうおそれがある。一方、スタッフの人数を増員して上記遊技仕様に対応しようにも、スタッフ増員分の人件費が嵩んでしまい、遊技場の経営を逼迫させてしまうおそれがある。従って、遊技場は、ラッキーナンバー制という遊技性を向上させることができる遊技仕様が実現可能な環境であっても、上述したおそれを考慮してラッキーナンバー制を採用せず、通常の営業形態での営業を行うに留まり、遊技性の向上が図れない状況であった。
そこで、機内循環式遊技機の機能を活用し、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、遊技状態に基づいて付与された遊技媒体を個別に管理し、遊技状態に基づいて使用できる遊技媒体を決定することで、上記遊技仕様を採用したとしても、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機D10において、
前記発射手段は、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機であり、かつ、前記第2遊技状態を獲得した日であって、該第2遊技状態において、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報が記憶されている場合、又は、該第2遊技状態中に前記遊技媒体付与手段によって付与された遊技媒体が前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報として記憶されている場合に、前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報に基づいて前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機以外の遊技機、又は、前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、前記第1計数手段に前記1遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1遊技媒体情報に基づいて前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機において、該第2遊技状態が終了した場合に、該第2遊技状態中に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止し、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機において、該第2遊技状態を獲得した遊技機で前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止し、
また、前記第2遊技状態を獲得した日において、該第2遊技状態が終了した場合に、該第2遊技状態中に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止し、
前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、該第2遊技状態を獲得した日に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態と獲得した遊技機であり、かつ、第2遊技状態を獲得した日であって、第2遊技状態において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されている場合、又は、その第2遊技状態中に遊技媒体付与手段によって付与された遊技媒体が第2計数手段に第2遊技媒体情報として記憶されている場合に、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。また、第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機、又は、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が記憶されている場合に、第1遊技媒体情報に基づいて発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。また、第2遊技状態を獲得した遊技機において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。さらに、第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機において、その第2遊技状態を獲得した遊技機で第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。また、第2遊技状態を獲得した日において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。さらに、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、その第2遊技状態を獲得した日に第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、第2遊技状態を獲得した遊技機であり、かつ、第2遊技状態を獲得した当日か否かに基づいて、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の使用可否が決定されるので、第2遊技状態を獲得していない遊技機や第2遊技状態と獲得していない日(例えば、翌日)において、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を使用させず、上記遊技仕様の一身専属、一台専属及び当日限りの遊技性を維持することができる、という効果がある。なお、例えば、遊技状態が、第2条件の成立に基づいて前回の第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された後に、第1条件が成立して第1遊技状態から次の第2遊技状態へ変更された場合には、発射手段は、次の第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可し、また、前回までの第2遊技状態において第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可するように構成してもよい。
遊技機D11において、
前記第1遊技状態変更手段は、第1条件の成立(例えば、大当たりの開始)に基づいて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更し、
前記第2遊技状態変更手段は、第2条件の成立(例えば、「時間短縮状態」の終了)に基づいて前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更し、
前記発射手段は、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機であり、かつ、前記第2遊技状態を獲得した日であって、該第2遊技状態において、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報が記憶されている場合、又は、該第2遊技状態中に前記遊技媒体付与手段によって付与された遊技媒体が前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報として記憶されている場合に、前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報に基づいて前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機以外の遊技機、又は、前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、前記第1計数手段に前記1遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1遊技媒体情報に基づいて前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機において、該第2遊技状態が終了した場合に、その後の遊技において、該第2遊技状態中に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止し、
前記第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機において、該第2遊技状態を獲得した遊技機で前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止し、
また、前記第2遊技状態を獲得した日において、該第2遊技状態が終了した場合に、該第2遊技状態中に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止し、
前記第2遊技状態を獲得した翌日以降において、該第2遊技状態を獲得した日に前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機D12。
遊技機D12によれば、遊技機D11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段により、第1条件の成立に基づいて第1遊技状態から第2遊技状態へ変更され、第2遊技状態変更手段により、第2条件の成立に基づいて第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。さらに、第2遊技状態と獲得した遊技機であり、かつ、第2遊技状態を獲得した日であって、第2遊技状態において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されている場合、又は、その第2遊技状態中に遊技媒体付与手段によって付与された遊技媒体が第2計数手段に第2遊技媒体情報として記憶されている場合に、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。また、第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機、又は、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が記憶されている場合に、第1遊技媒体情報に基づいて発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。また、第2遊技状態を獲得した遊技機において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。さらに、第2遊技状態を獲得した遊技機以外の他の遊技機において、その第2遊技状態を獲得した遊技機で第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。また、第2遊技状態を獲得した日において、その第2遊技状態が終了した場合に、その第2遊技状態中に第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。さらに、第2遊技状態を獲得した翌日以降において、その第2遊技状態を獲得した日に第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、第2遊技状態を獲得した遊技機であり、かつ、第2遊技状態を獲得した当日か否かに基づいて、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の使用可否が決定されるので、第2遊技状態を獲得していない遊技機や第2遊技状態と獲得していない日(例えば、翌日)において、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を使用させず、上記遊技仕様の一身専属、一台専属及び当日限りの遊技性を維持することができる、という効果がある。
遊技機D10からD12のいずれかにおいて、
前記発射手段は、前記第2遊技状態において、前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報より、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射を実行することを特徴とする遊技機D13。
遊技機D13によれば、遊技機D10〜D12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第2計数手段に第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、発射手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報より、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射が実行される。これにより、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、使用できる遊技状態の制約がない分、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高く、第2遊技状態では、第1遊技媒体情報より遊技価値が低い第2遊技媒体情報を先に消費できるので、遊技者の所有する遊技価値を必要以上に毀損することなく保護することができる、という効果がある。
遊技機D2〜D13のいずれかにおいて、
前記遊技媒体計数手段は、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、該貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報を、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報として記憶することを特徴とする遊技機D14。
遊技機D14によれば、遊技機D2〜D13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、遊技媒体計数手段により、その貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報が第1計数手段に第1遊技媒体情報として記憶される。これにより、第1遊技媒体情報は遊技状態によって制限されないので、貸し出された遊技媒体について使用制限させず、いずれの遊技状態でも使用可能とすることができる、という効果がある。
また、上記遊技仕様の遊技性は、遊技媒体の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、「貸出レート>景品変換レート」といったような景品変換ギャップがある場合、貸し出された遊技媒体による遊技と、付与された遊技媒体による遊技では、1の遊技媒体につき景品交換ギャップ相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸し出された遊技媒体による遊技を行うことより、遊技で付与された遊技媒体による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして付与された遊技媒体に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、上記遊技仕様を採用することで、第2遊技状態を獲得して、その間に付与された遊技媒体で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D2〜D14のいずれかにおいて、
前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報の内容と、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報の内容とを報知可能な媒体情報報知手段(例えば、状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機D15。
遊技機D15によれば、遊技機D2〜D14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、媒体情報報知手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報の内容と、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の内容とが、報知可能に構成される。これにより、第1遊技状態及び第2遊技状態で使用可能な第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と、第2遊技状態でのみ使用が可能な第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報とを遊技者にそれぞれ認識させることができるので、例えば、第2遊技状態中にどれだけ遊技媒体が付与されたか、或いは、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第1遊技状態において第1計数手段に記憶される遊技媒体情報に基づいてどれだけ遊技を継続できるかを明確に認識することができる、という効果がある。
遊技機D12からD15のいずれかにおいて、
前記第1条件は、
所定条件により成立する所定第1条件(例えば、「初回」の偶数図柄での大当たり)と、
該所定第1条件より成立が困難な特別第1条件(例えば、「初回」の「3図柄(カメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態は、特別第2遊技状態(例えば、「ラッキー」状態)と、該特別第2遊技状態より遊技者にとって不利な不利第2遊技状態(例えば、「スタート」状態)と、を備え、
前記第1遊技状態変更手段は、
前記所定第1条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態へ変更する第1不利変更手段と、
前記特別第1条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態へ変更する第1特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機D16。
遊技機D16によれば、遊技機D12〜D15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段に備えられた第1不利変更手段により、所定第1条件の成立に基づいて不利第2遊技状態に変更される。また、第1遊技状態変更手段に備えられた第1特別変更手段により、特別第1条件の成立に基づいて特別第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難い特別第2遊技状態と、開始され易い不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D16において、前記特別第2遊技状態と前記不利第2遊技状態とを識別可能に報知する第2遊技状態種別報知手段(例えば、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97)を備えていることを特徴とする遊技機D17。
遊技機D17によれば、遊技機D16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態種別報知手段により特別第2遊技状態と不利第2遊技状態とが識別可能に報知される。これにより、特別第2遊技状態中か不利第2遊技状態中かを明確に認識することができ、各第2遊技状態毎に異なる第1遊技状態への変更条件を意識しながら遊技を行うことができるので、各第2遊技状態毎における興趣を堪能することができる、という効果がある。なお、「識別可能に報知する」とは、例えば、第2遊技状態毎に設けられた複数の標示物(例えば、可動役物等)を、通常時は遊技者から視認可能に配設し、第2遊技状態が開始された場合に、該第2遊技状態の種別に応じて遊技者に視認可能に現出させることで報知する場合や、1の表示手段において、第2遊技状態毎に対応した表示態様を現出させて報知する場合等が含まれる。
遊技機D16又はD17において、
前記第2条件は、
規定条件により成立する規定第2条件(「時間短縮状態」の終了)と、
該規定第2条件より成立が困難な特別第2条件(例えば、「初回」の「4図柄(サメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態変更手段は、
前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を終了する第2不利変更手段と、
前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を終了する第2特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機D18。
遊技機D18によれば、遊技機D16又はD17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態変更手段に備えられた第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が終了される。また、第2遊技状態変更手段に備えられた第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が終了される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了し難い特別第2状態と、開始され易く終了し易い遊技者にとって不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D18において、
前記第2不利変更手段は、前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を前記第1遊技状態に変更し、
前記第2特別変更手段は、前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を前記不利第2遊技状態に変更することを特徴とする遊技機D19。
遊技機D19によれば、遊技機D18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が第1遊技状態に変更され、第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が不利第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了する場合でも不利第2遊技状態を経由して終了する特別第2状態と、開始され易く終了する場合に直ちに第1遊技状態に変更される不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D1からD19のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件を報知する条件報知手段(状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機D20。
遊技機D20によれば、遊技機D1〜D19の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件報知手段により遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件が報知される。これにより、遊技状態が変更される条件を遊技者に認識させることができるので、例えば、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第2計数手段による遊技が禁止されたときでも、予めその条件を認識させておくことで、遊技者に遊技仕様に関する無用な混乱を与えることなく、快適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機D20において、
前記条件報知手段は、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段で構成されていることを特徴とする遊技機D21。
遊技機D21によれば、遊技機D20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段により条件報知手段が構成されている。これにより、遊技状態が変更される条件に合わせて内容を変更表示することができるため、簡易な構成で遊技状態が変更される条件を、適宜、遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機D15からD21のいずれかにおいて、
前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを1の状況表示手段(状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85b及び価値情報表示領域85c)において表示することを特徴とする遊技機D22。
遊技機D22によれば、遊技機D15〜D21の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が表示される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段により、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、他の装置を用いず、余分なコストをかけることなくラッキーナンバー制の遊技性及び遊技状況を遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機D22において、
前記状況表示手段において、前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを同時に実行することを特徴とする遊技機D23。
遊技機D23によれば、遊技機D22の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が同時に実行される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において同時に表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段の報知内容を見れば、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を一義的に遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機D22又はD23において、
前記遊技機は、遊技盤(例えば、遊技盤13)と、該遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材(例えば、張出部16)とで構成されており、
前記状況表示手段は、前記枠部材に設けられることを特徴とする遊技機D24。
遊技機D24によれば、遊技機D22又はD23の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況表示手段は、遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材に設けられる。これにより、遊技盤の入れ替え時にも状況表示手段を枠部材に備えたまま継続して使用することができ、入れ替え対象の遊技盤に状況表示手段を設けずに済むので、遊技盤に状況表示手段を設置した場合に比べて遊技盤全体のコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機D2からD24のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段および前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2重複更新手段を備えていることを特徴とする遊技機D25。
遊技機D25によれば、遊技機D2〜D24の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2重複更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段及び第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新される。これにより、第2遊技状態中において、第1入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体と、第2入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体とを区別して計数する必要がないので、第2遊技状態中に付与される遊技媒体情報の更新処理に関する制御を複雑化しなくて済み、制御負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機D2からD24のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2単独更新手段を備え、
前記第1計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第1遊技媒体情報を更新する第1単独更新手段を備えていることを特徴とする遊技機D26。
遊技機D26によれば、遊技機D2〜D24の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2遊技状態において、第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新され、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第1遊技媒体情報が更新される。
第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報は、第2遊技状態終了後は遊技に使用できなくなるため、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と比べて遊技者にとって遊技価値が低いものである。また、第2入球手段は、第2遊技状態の所定遊技状態でのみ遊技媒体が入球可能に構成されているため、第2遊技状態に対して直接的に関係がある一方、第1入球手段は、第2遊技状態以外の第1遊技状態でも遊技媒体が入球可能に構成されるものであって、第2遊技状態とは直接的な関係はないものである。従って、第2遊技状態中に第1入球手段及び第2入球手段へ遊技媒体が入球した場合に、該入球に基づく遊技媒体情報をすべて第2計数手段に記憶する構成であったとき、本来第2遊技状態とは無関係に生じ得て第1計数手段に記憶するべき第1入球手段への遊技媒体の入球が第2計数手段に記憶されてしまうと、遊技者の遊技価値を毀損させてしまう。そこで、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第2遊技媒体情報を更新し、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第1入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第1遊技媒体情報を更新するように構成する。これにより、第2遊技状態であっても、第1入球手段で遊技媒体が入球した場合に、遊技価値が高い第1遊技媒体情報として記憶させることができるので、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機D2からD26のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する定量終了手段を備えていることを特徴とする遊技機D27。
遊技機D27によれば、遊技機D2〜D26の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた定量終了手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態中に付与された遊技媒体が一定数になった場合に第2遊技状態を終了する遊技性(所謂、定量制)を実現することができる。従来の定量制は、遊技者が所持する遊技媒体を遊技場のスタッフが目分量で判断して打ち止めを決定していたが、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、正確な数値判断で打ち止めを決定することで、打ち止め時期の根拠が明確になるので、遊技場のスタッフの作業を軽減するとともに、遊技者に疑義を生じさせることなく遊技の仕様に応じた遊技環境を提供することができる、という効果がある。
遊技機D0からD26のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記遊技実行手段による遊技結果に基づいて、前記遊技状態を変更することを特徴とする遊技機D28。
遊技機D28によれば、遊技機D0〜D26の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段による遊技結果に基づいて、遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。これにより、遊技結果に基づいて遊技状態が変更され、該遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<E群>
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、
所定の契機に基づいて遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)と、を備えた遊技機であって、
前記遊技実行手段は、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更に基づいて、前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体の遊技への使用を制限する使用制限手段(例えば、使用不可エリア213e)を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件を設定可能な条件設定手段(例えば、条件設定スイッチ280)を備えていることを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技実行手段により遊技が行われ、その遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与され、また、所定の契機に基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。そして、遊技実行手段に備えられた使用制限手段により、遊技状態変更手段による遊技状態の変更に基づいて、遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体の遊技への使用が制限される。また、遊技状態変更手段に設けられた条件設定手段により、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件が設定可能に構成される。これにより、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続させるかという遊技性が生まれると共に、遊技媒体の使用制限が発生する遊技状態への変更条件を設定できるので、例えば、遊技媒体の使用制限が発生される遊技状態への変更条件を遊技場の意向に基づいて設定することで、遊技場ごとに特色のある遊技性を実現することができる、という効果がある。なお、「遊技媒体の使用を制限する」とは、例えば、遊技媒体の使用を禁止する場合や、遊技媒体が使用できる状況を限定的に制約する場合、遊技媒体が使用できる数に限度を設ける場合、或いは、遊技媒体の使用を一時的に留保する場合等が含まれる。
遊技機E0において、
前記遊技状態変更手段は、
第1所定の契機に基づいて、第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)から第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)に変更する第1遊技状態変更手段と、
第2所定の契機に基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する第2遊技状態変更手段と、を備え、
前記遊技媒体計数手段は、
前記第1遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第2遊技状態における前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記使用制限手段は、前記第1遊技状態において、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を禁止するように構成され、
前記条件設定手段は、前記遊技状態変更手段による前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への変更条件、又は、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態への変更条件を設定することを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた第1遊技状態変更手段により、第1所定の契機に基づいて遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態に変更され、遊技状態変更手段に備えられた第2遊技状態変更手段により、第2所定の契機に基づいて遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。また、遊技媒体計数手段に備えられた第1計数手段により、第1遊技状態において遊技媒体付与手段により遊技者に付与遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が計数される。さらに、遊技媒体計数手段に備えられた第2計数手段により、第2遊技状態において遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が計数される。さらに、使用制限手段により、第1遊技状態における第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技が禁止される。また、条件設定手段により、遊技状態変更手段による第1遊技状態から第2遊技状態への変更条件、又は、第2遊技状態から第1遊技状態への変更条件が設定される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、第1遊技状態では第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報では使用できない状況を創り出すことができると共に、第2遊技媒体情報を獲得可能な第2遊技状態への変更条件や、その第2遊技媒体情報が使用できない第1遊技状態への変更条件を設定することができる。従って、遊技状態毎に計数された遊技媒体の使用が制限される状況を設定可能に構成することで、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に基づいて遊技場ごとに特色ある遊技性を採用することができる、という効果がある。なお、第1所定の契機と第2の所定の契機とは、それぞれ異なる契機であってもよいし、同一の契機であってもよい。
遊技機E0又はE1において、
前記遊技機は、
遊技部品を搭載した本体枠(例えば、内枠12)と、
その本体枠の前面側を覆う前面枠(例えば、扉枠14)と、
その前面枠と前記本体枠とを施錠する鉤部(例えば、施錠装置20)と、を備え、
前記条件設定手段は、前記鉤部が解錠された場合に操作可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機には、遊技部品を搭載した本体枠と、本体枠の前面側を覆う前面枠と、前面枠と本体枠とを施錠する鉤部が備えられ、鉤部が解錠された場合に操作可能な位置に条件設定手段が配置される。これにより、鉤部を解錠する鍵を所有する遊技場のスタッフ等でなければ条件設定手段を操作することができないように構成することで、遊技状態の変更に関し、遊技者に行わせないようにすることができる。よって、遊技者によって遊技状態の変更設定を行わせないようにすることで、遊技場が意図しない遊技状態の変更に伴う不利益が発生することを防止することができる、という効果がある。
遊技機E2において、
前記本体枠は、遊技の主要な制御を行う制御手段(例えば、枠統括制御装置111)を備え、
前記条件設定手段は、前記制御手段に搭載されていることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本体枠に遊技の制御を行う制御手段が備えられ、条件設定手段は制御手段に搭載される。これにより、遊技の制御を行う制御手段によって条件設定手段の設定内容を判別して、該設定内容を制御に反映し易くなる、という効果がある。また、主要な制御を行う制御手段には、通常、遊技場の関係者以外は操作できない不正対策が施されており、該制御手段に条件設定手段を搭載することで、遊技者によって不正に設定内容が変更されることを防止することができる、という効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、
前記遊技実行手段は、
遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、供給通路65)と、
その貯留手段から供給された遊技媒体を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット66)と、
その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段(例えば、回収通路41a)と、
その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ送出する送出手段(例えば、排出通路42a)と、を備え、
所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行うことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E0〜E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段に備えられた貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が送出手段により貯留手段へ送出されることで、所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。これにより、機内循環式遊技機(所謂、封入式遊技機)の特徴的機能である遊技媒体を数値化して管理するシステムを有効活用して、遊技状態に基づいて遊技媒体の使用可否を決定する遊技仕様(所謂、ラッキーナンバー制)を付加することができる、という効果がある。
より詳述すると、従来、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用する遊技場では、遊技場のスタッフは、第2遊技状態の開始条件を逐次確認し、その開始条件の成立に基づいて遊技機の上部に第2遊技状態が開始されたことを示す札等を差す作業を行ったり、その第2遊技状態中、第2遊技状態から第1遊技状態への変更条件を達成したか否かを監視する作業を行って第2遊技状態を終了させたり、第2遊技状態が終了した場合には、付与された遊技媒体の交換を遊技者に促したりする作業が必要であった。
上記作業を遊技場のスタッフに行わせた場合、遊技機の異常確認や清掃等の通常業務の作業に加えて上記遊技仕様に関する作業が加わるため、スタッフに多大な作業負担がかかってしまうおそれがある。一方、スタッフの人数を増員して上記遊技仕様に対応しようにも、スタッフ増員分の人件費が嵩んでしまい、遊技場の経営を逼迫させてしまうおそれがある。従って、遊技場は、ラッキーナンバー制という遊技性を向上させることができる遊技仕様が実現可能な環境であっても、上述したおそれを考慮してラッキーナンバー制を採用せず、通常の営業形態での営業を行うに留まり、遊技性の向上が図れない状況であった。
そこで、機内循環式遊技機の機能を活用し、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、遊技状態に基づいて付与された遊技媒体を個別に管理し、遊技状態に基づいて使用できる遊技媒体を決定することで、上記遊技仕様を採用したとしても、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機E4において
前記発射手段は、
前記第2遊技状態において、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されているとき、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第1遊技状態において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づいて、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第1計数手段又は第2計数手段のいずれかに第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第1遊技状態において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段に供給された遊技媒体の発射を許可する一方、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、遊技状態毎に付与された遊技媒体を個別に計数して、第1遊技状態では第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報のみに基づく遊技媒体の発射が許可され、第2遊技状態では第1計数手段又は第2計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が許可されるという状況を創り出すことができ、多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。さらに、付与された遊技媒体の遊技への使用が制限される状況を設定可能に構成することで、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に基づいて遊技場ごとに特色ある遊技性を採用することができる、という効果がある。なお、例えば、遊技状態が、第2条件の成立に基づいて前回の第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された後に、第1条件が成立して第1遊技状態から次の第2遊技状態へ変更された場合には、発射手段は、次の第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可し、また、前回までの第2遊技状態において第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可するように構成してもよい。
遊技機E5において
前記第1遊技状態変更手段は、前記条件設定手段によって設定された第1条件の成立(例えば、大当たりの開始)に基づいて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更し、
前記第2遊技状態変更手段は、前記条件設定手段によって設定された第2条件の成立(例えば、「時間短縮状態」の終了)に基づいて前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更し、
前記発射手段は、
前記第1条件の成立に基づいて、前記第1遊技状態変更手段により前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更された場合に、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されているとき、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第2条件の成立に基づいて、前記第2遊技状態変更手段により前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更された場合に、その後の遊技において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づいて、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段により、条件設定手段によって設定された第1条件の成立に基づいて第1遊技状態から第2遊技状態へ変更され、第2遊技状態変更手段により、条件設定手段によって設定された第2条件の成立に基づいて第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。さらに、第1遊技状態変更手段により第1遊技状態から第2遊技状態に変更された場合に、第1計数手段又は第2計数手段のいずれかに第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第2遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された場合に、その後の遊技において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段に供給された遊技媒体の発射を許可する一方、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、遊技状態毎に付与された遊技媒体を個別に計数して、第1遊技状態では第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報のみに基づく遊技媒体の発射が許可され、第2遊技状態では第1計数手段又は第2計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が許可されるという状況を創り出すことができ、多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。さらに、付与された遊技媒体の遊技への使用が制限される状況を設定可能に構成することで、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に基づいて遊技場ごとに特色ある遊技性を採用することができる、という効果がある。
遊技機E4からE6のいずれかにおいて、
前記発射手段は、前記第2遊技状態において、前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報より、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射を実行することを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E4〜E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第2計数手段に第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、発射手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報より、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射が実行される。これにより、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、使用できる遊技状態の制約がない分、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高く、第2遊技状態では、第1遊技媒体情報より遊技価値が低い第2遊技媒体情報を先に消費できるので、遊技者の所有する遊技価値を必要以上に毀損することなく保護することができる、という効果がある。
遊技機E6又はE7において、
識別情報の可変表示を行う表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
所定の遊技条件の成立に基づいて、遊技者に所定の利益を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(例えば、主制御装置110のMPU201)と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて遊技者に所定の利益を付与する遊技価値付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、
前記遊技価値付与手段により、遊技者に所定の利益を付与する場合に、前記表示手段に表示する前記識別情報の組み合わせを複数種類の表示態様より選択する表示選択手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、を備え、
前記条件設定手段は、前記複数種類の表示態様の中から前記第1条件又は前記第2条件を設定可能な表示態様設定手段(「1」スイッチ281、「2」スイッチ282、「3」スイッチ283、「4」スイッチ284、「5」スイッチ285、「6」スイッチ286、「7」スイッチ287、「8」スイッチ288及び「9」スイッチ289)を備えていることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E6又はE7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により識別表示の可変表示が行われ、抽選手段により所定の遊技条件の成立に基づいて、遊技者に所定の利益を付与するか否かの抽選が行われ、遊技価値付与手段により、抽選手段の抽選結果に基づいて遊技者に所定の利益が付与され、表示選択手段により、所定の遊技価値を付与する場合に、表示手段に表示する識別表示の組み合わせが複数の表示態様の中から選択される。そして、条件設定手段に備えられた表示態様設定手段により、複数種類の表示態様の中から第1条件又は第2条件を設定可能に構成される。これにより、所定の利益を付与する場合に、表示される表示態様に基づいて、遊技価値が異なる有利な遊技状態を追加的に付与したり、該有利な遊技状態を消滅させることができ、さらに、その変更条件である表示態様を遊技場で設定変更可能に構成することができる。従って、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に基づいて遊技場ごとに特色ある遊技性を採用することができる、という効果がある。
遊技機E8において、
前記表示態様設定手段は、前記複数種類の表示態様毎に前記第1条件又は前記第2条件を設定可能であることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様設定手段により、複数種類の表示態様毎に第1条件又は第2条件を設定可能に構成される。これにより、遊技者に所定の利益を付与する場合に現出する表示態様毎に、第2遊技状態を付与するか否かを遊技場で設定変更可能に構成することができる。従って、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に基づいて遊技場ごとに特色ある遊技性を採用することができる、という効果がある。
遊技機E8又はE9において、
前記表示手段は、前記抽選手段の抽選結果に基づいて遊技者に所定の利益を付与する場合に、前記識別情報の組み合わせを1の有効ライン(例えば、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4及び左下がりラインL5)上に現出させるように構成されると共に、前記有効ラインを複数表示可能に構成され、
前記条件設定手段は、前記識別情報の組み合わせが現出する前記有効ラインの中から前記第1条件又は前記第2条件を設定可能な有効ライン設定手段(例えば、「10」スイッチ290、「11」スイッチ291、「12」スイッチ292、「13」スイッチ293及び「14」スイッチ294)を備えていることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E8又はE9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選手段の抽選結果に基づいて遊技者に所定の利益を付与する場合に、表示手段において1の有効ライン上に識別情報の組み合わせを現出させるように構成され、その有効ラインが表示手段において複数表示可能に構成される。また、条件設定手段に備えられた有効ライン設定手段により、識別情報の組み合わせが現出する有効ラインの中から、第1条件又は第2条件が設定可能に構成される。これにより、所定の利益を付与する場合に、複数の有効ラインのうち、いずれの有効ライン上に識別情報の組み合わせが表示されるかによって、遊技価値が異なる有利な遊技状態を追加的に付与したり、該有利な遊技状態を消滅させることができる。従って、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に基づいて遊技場ごとに特色ある遊技性を採用するいことができる、という効果がある。
遊技機E10において、
前記有効ライン設定手段は、前記識別情報の組み合わせが現出する前記有効ライン毎に、前記第1条件又は前記第2条件を設定可能であることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効ライン設定手段により、識別情報の組み合わせが現出する有効ライン毎に、第1条件又は第2条件が設定可能に構成される。これにより、遊技者に所定の利益を付与する場合に現出する有効ライン毎に、第2遊技状態を付与するか否かを遊技場毎に設定変更可能に構成することができる。従って、設定内容に応じた多様な遊技性を創出することが可能となり、遊技場の意向に基づいて遊技場ごとに特色ある遊技性を採用するいことができる、という効果がある。
遊技機E1からE11のいずれかにおいて、
前記遊技実行手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成することを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E1〜E11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段により、第1遊技状態及び第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づく遊技が実行可能に構成される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、第1遊技状態及び第2遊技状態のいずれの遊技状態でも第1計数手段に記憶される遊技媒体を使用することができる。従って、使用できる遊技状態の制約がない分、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高くすることができるので、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。よって、遊技機E1の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
遊技機E1からE12のいずれかにおいて、
前記遊技媒体計数手段は、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、該貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報を、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報として記憶することを特徴とする遊技機E13。
遊技機E13によれば、遊技機E1〜E12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、遊技媒体計数手段により、その貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報が第1計数手段に第1遊技媒体情報として記憶される。これにより、第1遊技媒体情報は遊技状態によって使用制限されないので、貸し出された遊技媒体について使用制限させず、いずれの遊技状態でも使用可能とすることができる、という効果がある。
また、上記遊技仕様の遊技性は、遊技媒体の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、「貸出レート>景品変換レート」といったような景品変換ギャップがある場合、貸し出された遊技媒体による遊技と、付与された遊技媒体による遊技では、1の遊技媒体につき景品交換ギャップ相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸し出された遊技媒体による遊技を行うことより、遊技で付与された遊技媒体による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして付与された遊技媒体に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、上記遊技仕様を採用することで、第2遊技状態を獲得して、その間に付与された遊技媒体で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E1からE13のいずれかにおいて、
前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報の内容と、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報の内容とを報知可能な媒体情報報知手段(例えば、状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機E14。
遊技機E14によれば、遊技機E1〜E13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、媒体情報報知手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報の内容と、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の内容とが、報知可能に構成される。これにより、第1遊技状態及び第2遊技状態で使用可能な第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と、第2遊技状態でのみ使用が可能な第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報とを、遊技者にそれぞれ認識することができるので、例えば、第2遊技状態中にどれだけ遊技媒体が付与されたか、或いは、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第1遊技状態において第1計数手段に記憶される遊技媒体情報に基づいてどれだけ遊技を継続できるかを明確に認識することができる、という効果がある。
遊技機E5からE14のいずれかにおいて、
前記第1条件は、
所定条件により成立する所定第1条件(例えば、「初回」の偶数図柄での大当たり)と、
該所定第1条件より成立が困難な特別第1条件(例えば、「初回」の「3図柄(カメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態は、特別第2遊技状態(例えば、「ラッキー」状態)と、該特別第2遊技状態より遊技者にとって不利な不利第2遊技状態(例えば、「スタート」状態)と、を備え、
前記第1遊技状態変更手段は、
前記所定第1条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態へ変更する第1不利変更手段と、
前記特別第1条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態へ変更する第1特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機E15。
遊技機E15によれば、遊技機E5〜E14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段に備えられた第1不利変更手段により、所定第1条件の成立に基づいて不利第2遊技状態に変更される。また、第1遊技状態変更手段に備えられた第1特別変更手段により、特別第1条件の成立に基づいて特別第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難い特別第2遊技状態と、開始され易い不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E15において、
前記第2条件は、
規定条件により成立する規定第2条件(「時間短縮状態」の終了)と、
該規定第2条件より成立が困難な特別第2条件(例えば、「初回」の「4図柄(サメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態変更手段は、
前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を終了する第2不利変更手段と、
前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を終了する第2特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機E16。
遊技機E16によれば、遊技機E15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態変更手段に備えられた第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が終了される。また、第2遊技状態変更手段に備えられた第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が終了される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了し難い特別第2状態と、開始され易く終了し易い遊技者にとって不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E16において、
前記第2不利変更手段は、前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を前記第1遊技状態に変更し、
前記第2特別変更手段は、前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を前記不利第2遊技状態に変更することを特徴とする遊技機E17。
遊技機E17によれば、遊技機E16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が第1遊技状態に変更され、第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が不利第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了する場合でも不利第2遊技状態を経由して終了する特別第2状態と、開始され易く終了する場合に直ちに第1遊技状態に変更される不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E16又はE17において、
前記表示態様設定手段又は前記有効ライン設定手段は、前記表示態様又は前記有効ラインの中から、前記特別第1条件若しくは前記所定第1条件、又は、前記特別第2条件若しくは前記規定第2条件を設定することを特徴とする遊技機E18。
遊技機E18によれば、遊技機E16又はE17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様設定手段又は有効ライン設定手段により、表示態様又は有効ラインの中から、特別第1条件若しくは所定第1条件、又は、特別第2条件若しくは規定第2条件が設定される。これにより、遊技場の意向に基づいて、開始され易く終了し易い遊技者にとって不利な不利第2遊技状態と、開始され難く終了し難い遊技者にとって有利な有利第2状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E15からE18のいずれかにおいて、
前記特別第2遊技状態と前記不利第2遊技状態とを識別可能に報知する第2遊技状態種別報知手段(例えば、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97)を備えていることを特徴とする遊技機E19。
遊技機E19によれば、遊技機E15〜E18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態種別報知手段により特別第2遊技状態と不利第2遊技状態とが識別可能に報知される。これにより、有利第2遊技状態中か不利第2遊技状態中かを明確に認識することができ、各第2遊技状態毎に異なる第1遊技状態への変更条件を意識しながら遊技を行うことができるので、各第2遊技状態毎における興趣を堪能することができる、という効果がある。なお、「識別可能に報知する」とは、例えば、第2遊技状態毎に設けられて通常時は遊技者から視認不能に設けられた複数の標示物(例えば、可動役物等)を、第2遊技状態の種別に応じて遊技者に視認可能に現出させることで報知する場合や、1の表示手段において、第2遊技状態毎に対応した表示態様を現出させて報知する場合等が含まれる。
遊技機E0〜E19のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件を報知する条件報知手段(状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機E20。
遊技機E20によれば、遊技機E0〜E19の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件報知手段により遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件が報知される。これにより、遊技状態が変更される条件を遊技者に認識させることができるので、例えば、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第2計数手段による遊技が禁止されたときでも、予めその条件を認識させておくことで、遊技者に遊技仕様に関する無用な混乱を与えることなく、快適な遊技環境を構築することができる。
遊技機E20において、
前記条件報知手段は、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段で構成されていることを特徴とする遊技機E21。
遊技機E21によれば、遊技機E20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段により条件報知手段が構成されている。これにより、遊技状態が変更される条件に合わせて内容を変更表示することができるため、簡易な構成で遊技状態が変更される条件を、適宜、遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機E20又はE21において、
前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを1の状況表示手段(状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85b及び価値情報表示領域85c)において表示することを特徴とする遊技機E22。
遊技機E22によれば、遊技機E21又はE22の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が表示される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段により、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、他の装置を用いず、余分なコストをかけることなくラッキーナンバー制の遊技性及び遊技状況を遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機E22において、
前記状況表示手段は、前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを同時に実行することを特徴とする遊技機E23。
遊技機E23によれば、遊技機E22の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が同時に実行される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において同時に表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段の報知内容を見れば、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を一義的に遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機E22又はE23において、
前記遊技機は、遊技盤(例えば、遊技盤13)と、該遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材(例えば、張出部16)とで構成されており、
前記状況表示手段は、前記枠部材に設けられることを特徴とする遊技機E24。
遊技機E24によれば、遊技機E22又はE23の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況表示手段は、遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材に設けられる。これにより、遊技盤の入れ替え時にも状況表示手段を枠部材に備えたまま継続して使用することができ、入れ替え対象の遊技盤に状況表示手段を設けずに済むので、遊技盤に状況表示手段を設置した場合に比べて遊技盤全体のコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機E1からE24のいずれかにおいて、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段および前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2重複更新手段を備えていることを特徴とする遊技機E25。
遊技機E25によれば、遊技機E1〜E24の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2重複更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段及び第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新される。これにより、第2遊技状態中において、第1入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体と、第2入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体とを区別して計数する必要がないので、第2遊技状態中に付与される遊技媒体情報の更新処理に関する制御を複雑化しなくて済み、制御負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機E1からE24のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2単独更新手段を備え、
前記第1計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第1遊技媒体情報を更新する第1単独更新手段を備えていることを特徴とする遊技機E26。
遊技機E26によれば、遊技機E1〜E24の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2遊技状態において、第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新され、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第1遊技媒体情報が更新される。
第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報は、第2遊技状態終了後は遊技に使用できなくなるため、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と比べて遊技者にとって遊技価値が低いものである。また、第2入球手段は、第2遊技状態の所定遊技状態でのみ遊技媒体が入球可能に構成されているため、第2遊技状態に対して直接的に関係がある一方、第1入球手段は、第2遊技状態以外の第1遊技状態でも遊技媒体が入球可能に構成されるものであって、第2遊技状態とは直接的な関係はないものである。従って、第2遊技状態中に第1入球手段及び第2入球手段へ遊技媒体が入球した場合に、該入球に基づく遊技媒体情報をすべて第2計数手段に記憶する構成であったとき、本来第2遊技状態とは無関係に生じ得て第1計数手段に記憶するべき第1入球手段への遊技媒体の入球が第2計数手段に記憶されてしまうと、遊技者の遊技価値を毀損させてしまう。そこで、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第2遊技媒体情報を更新し、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第1入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第1遊技媒体情報を更新するように構成する。これにより、第2遊技状態であっても、第1入球手段で遊技媒体が入球した場合に、遊技価値が高い第1遊技媒体情報として記憶させることができるので、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機E1からE26のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する定量終了手段を備えていることを特徴とする遊技機E27。
遊技機E27によれば、遊技機E1〜E26の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた定量終了手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態中に付与された遊技媒体が一定数になった場合に第2遊技状態を終了する遊技性(所謂、定量制)を実現することができる。従来の定量制は、遊技者が所持する遊技媒体を遊技場のスタッフが目分量で判断して打ち止めを決定していたが、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、正確な数値判断で打ち止めを決定することで、打ち止め時期の根拠が明確になるので、遊技場のスタッフの作業を軽減するとともに、遊技者に疑義を生じさせることなく遊技の仕様に応じた遊技環境を提供することができる、という効果がある。
遊技機E0からE26のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記遊技実行手段による遊技結果に基づいて、前記遊技状態を変更することを特徴とする遊技機E28。
遊技機E28によれば、遊技機E0〜E26の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段による遊技結果に基づいて、遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。これにより、遊技結果に基づいて遊技状態が変更され、該遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<F群>
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、
所定の契機に基づいて前記遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)と、を備え、
前記遊技媒体計数手段は、
第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)において前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記遊技状態変更手段により、前記第1遊技状態から前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)に変更された場合に、該第2遊技状態において前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記遊技実行手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を制限する使用制限手段(例えば、使用不可エリア213e)と、
該使用制限手段により、前記第1遊技状態において、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体に基づく遊技が制限されている状態で遊技が行われた場合に、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報を更新する第1更新手段(例えば、発射球計数処理(S2104)内のS2705)と、
前記第2遊技状態において遊技が行われた場合に、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報、又は、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報のいずれかを更新する第2更新手段(例えば、発射球計数処理(S2104)内のS2704及びS2705)と、を備えていることを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技実行手段により遊技が行われ、その遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与され、また、所定の契機に基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。また、遊技媒体計数手段に備えられた第1計数手段により、第1遊技状態において遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が記憶される。さらに、遊技媒体計数手段に備えられた第2計数手段により、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態において遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が記憶される。そして、遊技実行手段に備えられた使用制限手段により、第1遊技状態において、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技が制限される。また、その使用制限手段によって第1遊技状態において、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技が制限されている状態遊技が行われた場合に、遊技実行手段に設けられた第1更新手段により第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が更新される。また、遊技実行手段に備えられた第2更新手段により、第2遊技状態において遊技が行われた場合に、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報または第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報のいずれかが更新される。これにより、遊技者に付与された遊技媒体情報を遊技状態毎に計数すると共に、遊技が行われた場合に、使用制限されていない遊技状態ではいずれの遊技媒体情報も更新可能に構成し、使用制限されている遊技状態では、使用制限されていない遊技媒体情報を更新可能に構成することで、遊技状態毎に更新される遊技媒体情報を異ならせ、遊技状態によっては使用できない遊技媒体を創り出すことができる。従って、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続させるかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、「遊技媒体の使用を制限する」とは、例えば、遊技媒体の使用を禁止する場合や、遊技媒体が使用できる状況を限定的に制約する場合、遊技媒体が使用できる数に限度を設ける場合、或いは、遊技媒体の使用を一時的に留保する場合等が含まれる。
遊技機F0において、
前記第2更新手段は、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報が記憶されていると共に、前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第2計数手段に記憶されている前記第2遊技媒体情報を優先して更新することを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2更新手段により、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されていると共に、第2計数手段により第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報が優先して更新される。これにより、第2遊技状態における遊技の実行において、いずれの遊技状態においても更新され得る第1遊技媒体情報より優先して、第2遊技状態でのみ更新され得る第2遊技媒体情報を更新することができる。第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、使用できる遊技状態の制約がない分、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高く、第1遊技媒体情報より遊技価値が低い第2遊技媒体情報を先に消費できるので、遊技者の所有する遊技価値を必要以上に毀損することなく保護することができる、という効果がある。
遊技機F0又はF1において、
前記遊技実行手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づく遊技を実行可能に構成することを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F0又はF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段により、第1遊技状態及び第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づく遊技が実行可能に構成される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、第1遊技状態及び第2遊技状態のいずれの遊技状態でも第1計数手段に記憶される遊技媒体を使用することができる。従って、使用できる遊技状態の制約がない分、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高くすることができるので、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。よって、遊技機F0の奏する効果を一層顕著なものにすることができる、という効果がある。
遊技機F0からF2のいずれかにおいて、
前記遊技実行手段は、
前記遊技媒体を貯留する貯留手段と、
前記貯留手段から供給された遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(例えば、球発射ユニット66)と、
前記発射手段により発射されて前記遊技領域を流下した遊技媒体を回収する回収手段(例えば、回収通路41a)と、
前記回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ送出する送出手段(例えば、排出通路42a)と、を備え、
所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行うことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F0〜F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段に備えられた貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が送出手段により貯留手段へ送出されることで、所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。これにより、機内循環式遊技機(所謂、封入式遊技機)の特徴的機能である遊技媒体を数値化して管理するシステムを有効活用して、遊技状態に基づいて遊技媒体の使用可否を決定する遊技仕様(所謂、ラッキーナンバー制)を付加することができる、という効果がある。
遊技機F3において、
前記発射手段により発射されて前記遊技領域まで到達しなかった遊技媒体を回収するファール回収手段(ファール球通路64)と、
前記発射手段によって発射された遊技媒体を検出する発射検出手段(例えば、発射球検出スイッチ94)と、
前記ファール回収手段によって回収された遊技媒体を検出するファール検出手段(例えば、ファール球検出スイッチ93)と、を備え、
前記送出手段は、前記ファール回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ送出可能に構成され、
前記第1更新手段は、前記第1遊技状態において、前記発射検出手段により遊技媒体を検出した場合に前記第1遊技媒体情報を減少させ、前記ファール検出手段により遊技媒体を検出した場合に前記第1遊技媒体情報を増加させるように構成され、
前記第2更新手段は、前記第2遊技状態において、前記発射検出手段により遊技媒体を検出した場合に前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報のいずれかを減少させ、前記ファール検出手段により遊技媒体を検出した場合に前記第2遊技媒体情報を増加させるように構成されていることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により発射されて遊技領域まで到達しなかった遊技媒体がファール回収手段により回収され、発射検出手段により発射手段によって発射された遊技媒体が検出され、ファール検出手段によりファール回収手段によって回収された遊技媒体が検出される。また、ファール回収手段により回収された遊技媒体が送出手段により貯留手段へ送出される。さらに、第1更新手段により、第1遊技状態において、発射検出手段により遊技媒体が検出された場合に第1遊技媒体情報が減少され、ファール検出手段により遊技媒体を検出した場合に第1遊技媒体情報が増加される。また、第2更新手段により、第2遊技状態において、発射検出手段により遊技媒体が検出された場合に第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報のいずれかが減少され、ファール検出手段により遊技媒体が検出された場合に第2遊技媒体情報が増加される。
上述した通り、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より、遊技者によって遊技価値が高いものであるため、第2遊技状態において、第2計数手段の第2遊技媒体情報に基づいて発射された遊技媒体が遊技領域まで到達せずにファール回収手段によって回収された場合に、第1計数手段に第1遊技媒体情報として増加させてしまうと、遊技者が故意に発射した遊技媒体をファール回収手段によって回収させ、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報として変換できてしまい、折角、遊技状態毎に使用できる遊技媒体を異ならせるという新たな遊技性を提供しても、該遊技性が崩壊してしまうおそれがある。そこで、第2遊技状態においてファール回収手段により遊技媒体が回収された場合は、第2計数手段に第2遊技媒体情報として記憶するように構成することで、上記問題が発生することを未然に防止することができ、新たな遊技性を維持することができる、という効果がある。
遊技機F4において、
前記発射手段は、前記第2遊技状態において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づく発射なのか、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく発射なのかを判別する発射判別手段を備え、
前記第2更新手段は、前記ファール回収手段により遊技媒体が回収された場合に、前記発射判別手段により前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射であったとき、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報を増加させる更新修正手段を備えていることを特徴とする遊技機F5。
第2遊技状態においてファール回収手段により回収された遊技媒体が、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づく遊技媒体なのか、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体なのかを識別していないと、第2遊技状態において第2計数手段に第2遊技媒体情報が記憶されていないことによる第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて発射された遊技媒体がファール回収手段により回収された場合、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づく遊技媒体であるにもかかわらず、第2計数手段に第2遊技媒体情報として記憶されてしまうおそれがある。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中にファール回収手段により遊技媒体が回収された場合、そのファール回収手段により回収された遊技媒体が、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づいて発射されたものか、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて発射されたものかが発射判別手段により判別され、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて発射された遊技媒体であった場合は、第2更新手段に備えられた更新修正手段により第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が増加される。これにより、第2遊技状態中とはいえ第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて発射された遊技媒体がファール回収手段で回収された場合に、第1計数手段に第1遊技媒体情報として記憶する(戻す)ことができるので、遊技者の所持する遊技価値を必要以上に毀損させることなく適切な遊技環境を提供することができる、という効果がある。
遊技機F4又はF5において、
前記遊技実行手段は、前記発射手段による遊技媒体の発射を一定間隔で行う定間隔発射制御手段を備え、
前記発射検出手段は、前記発射手段から遊技媒体が発射された場合に、前記定間隔発射制御手段における前記一定間隔未満の時間で該発射手段から発射された遊技媒体を検出することを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F4又はF5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段に備えられた定間隔発射制御手段により、発射手段による遊技媒体の発射が一定間隔で行われ、発射手段から遊技媒体が発射された場合に、定間隔発射制御手段における一定間隔未満の時間で発射手段から発射された遊技媒体が発射検出手段により検出される。これにより、発射手段から発射された遊技媒体が、遊技媒体が発射される一定間隔より短い時間で検出することができるので、その検出結果に基づいて第1更新手段又は第2更新手段により第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報の値を更新することができる。よって、遊技者の所持している遊技媒体情報を、1の遊技媒体が発射された後に、次の遊技媒体が発射される前に更新することができ、例えば、残り1となった遊技媒体情報に基づいて遊技媒体を発射した場合に、次の遊技媒体が発射可能となる前に該遊技媒体情報を更新して遊技者の所持している遊技媒体を0にすることができるので、遊技者が所持している遊技媒体がない状態での遊技媒体の発射を未然に防止することができる、という効果がある。
遊技機F0からF6のいずれかにおいて、
前記遊技媒体計数手段は、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、該貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報を、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報として記憶することを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F0〜F6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、遊技媒体計数手段により、その貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報が第1計数手段に第1遊技媒体情報として記憶される。これにより、第1遊技媒体情報は遊技状態によって使用制限されないので、貸し出された遊技媒体について使用制限させず、いずれの遊技状態でも使用可能とすることができる、という効果がある。
また、上記遊技仕様の遊技性は、遊技媒体の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、「貸出レート>景品変換レート」といったような景品変換ギャップがある場合、貸し出された遊技媒体による遊技と、付与された遊技媒体による遊技では、1の遊技媒体につき景品交換ギャップ相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸し出された遊技媒体による遊技を行うことより、遊技で付与された遊技媒体による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして付与された遊技媒体に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、上記遊技仕様を採用することで、第2遊技状態を獲得して、その間に付与された遊技媒体で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F0からF7のいずれかにおいて、
前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報の内容と、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報の内容とを報知可能な媒体情報報知手段(例えば、状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F0〜F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、媒体情報報知手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報の内容と、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の内容とが、報知可能に構成される。これにより、第1遊技状態及び第2遊技状態で使用可能な第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と、第2遊技状態でのみ使用が可能な第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報とを遊技者にそれぞれ認識することができるので、例えば、第2遊技状態中にどれだけ遊技媒体が付与されたか、或いは、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第1遊技状態において第1計数手段に記憶される遊技媒体情報に基づいてどれだけ遊技を継続できるかを明確に認識することができる、という効果がある。
遊技機F0からF8のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、
第1条件の成立(例えば、大当たりの開始)に基づいて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更する第1遊技状態変更手段と、
第2条件の成立(例えば、「時間短縮状態」の終了)に基づいて前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更する第2遊技状態変更手段と、を備え、
前記第1条件は、
所定条件により成立する所定第1条件(例えば、「初回」の偶数図柄での大当たり)と、
該所定第1条件より成立が困難な特別第1条件(例えば、「初回」の「3図柄(カメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態は、特別第2遊技状態(例えば、「ラッキー」状態)と、該特別第2遊技状態より遊技者にとって不利な不利第2遊技状態(例えば、「スタート」状態)と、を備え、
前記第1遊技状態変更手段は、
前記所定第1条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態へ変更する第1不利変更手段と、
前記特別第1条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態へ変更する第1特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F0〜F8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態変更手段に備えられた第1不利変更手段により、所定第1条件の成立に基づいて不利第2遊技状態に変更される。また、第1遊技状態変更手段に備えられた第1特別変更手段により、特別第1条件の成立に基づいて特別第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難い特別第2遊技状態と、開始され易い不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F9において、前記特別第2遊技状態と前記不利第2遊技状態とを識別可能に報知する第2遊技状態種別報知手段(例えば、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97)を備えていることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態種別報知手段により特別第2遊技状態と不利第2遊技状態とが識別可能に報知される。これにより、特別第2遊技状態中か不利第2遊技状態中かを明確に認識することができ、各第2遊技状態毎に異なる第1遊技状態への変更条件を意識しながら遊技を行うことができるので、各第2遊技状態毎における興趣を堪能することができる、という効果がある。なお、「識別可能に報知する」とは、例えば、第2遊技状態毎に設けられて通常時は遊技者から視認不能に設けられた複数の標示物(例えば、可動役物等)を、第2遊技状態の種別に応じて遊技者に視認可能に現出させることで報知する場合や、1の表示手段において、第2遊技状態毎に対応した表示態様を現出させて報知する場合等が含まれる。
遊技機F9又はF10において、
前記第2条件は、
規定条件により成立する規定第2条件(「時間短縮状態」の終了)と、
該規定第2条件より成立が困難な特別第2条件(例えば、「初回」の「4図柄(サメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態変更手段は、
前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を終了する第2不利変更手段と、
前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を終了する第2特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F9又はF10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態変更手段に備えられた第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が終了される。また、第2遊技状態変更手段に備えられた第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が終了される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了し難い特別第2状態と、開始され易く終了し易い遊技者にとって不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F11において、
前記第2不利変更手段は、前記規定第2条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を前記第1遊技状態に変更し、
前記第2特別変更手段は、前記特別第2条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を前記不利第2遊技状態に変更することを特徴とする遊技機F12。
遊技機F12によれば、遊技機F11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2不利変更手段により、規定第2条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が第1遊技状態に変更され、第2特別変更手段により、特別第2条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が不利第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了する場合でも不利第2遊技状態を経由して終了する特別第2状態と、開始され易く終了する場合に直ちに第1遊技状態に変更される不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F0からF12のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件を報知する条件報知手段(状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機F13。
遊技機F13によれば、遊技機F0〜F12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件報知手段により遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件が報知される。これにより、遊技状態が変更される条件を遊技者に認識させることができるので、例えば、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第2計数手段による遊技が禁止されたときでも、予めその条件を認識させておくことで、遊技者に遊技仕様に関する無用な混乱を与えることなく、快適な遊技環境を構築することができる。
遊技機F13において、
前記条件報知手段は、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段で構成されていることを特徴とする遊技機F14。
遊技機F14によれば、遊技機F13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段により条件報知手段が構成されている。これにより、遊技状態が変更される条件に合わせて内容を変更表示することができるため、簡易な構成で遊技状態が変更される条件を、適宜、遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機F8からF14のいずれかにおいて、
前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを1の状況表示手段(状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85b及び価値情報表示領域85c)において表示することを特徴とする遊技機F15。
遊技機F15によれば、遊技機F8〜F14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が表示される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段により、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、他の装置を用いず、余分なコストをかけることなくラッキーナンバー制の遊技性及び遊技状況を遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機F15において、
前記状況表示手段において、前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを同時に実行することを特徴とする遊技機F16。
遊技機F16によれば、遊技機F15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が同時に実行される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において同時に表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段の報知内容を見れば、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を一義的に遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機F15又はF16において、
前記遊技機は、遊技盤(例えば、遊技盤13)と、該遊技盤が交換可能に取り付けらえる枠部材(例えば、張出部16)とで構成されており、
前記状況表示手段は、前記枠部材に設けられることを特徴とする遊技機F17。
遊技機F17によれば、遊技機F15又はF16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況表示手段は、遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材に設けられる。これにより、遊技盤の入れ替え時にも状況表示手段を枠部材に備えたまま継続して使用することができ、入れ替え対象の遊技盤に状況表示手段を設けずに済むので、遊技盤に状況表示手段を設置した場合に比べて遊技盤全体のコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機F0からF17のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段および前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2重複更新手段を備えていることを特徴とする遊技機F18。
遊技機F18によれば、遊技機F0〜F17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2重複更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段及び第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新される。これにより、第2遊技状態中において、第1入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体と、第2入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体とを区別して計数する必要がないので、第2遊技状態中に付与される遊技媒体情報の更新処理に関する制御を複雑化しなくて済み、制御負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機F0からF17のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2単独更新手段を備え、
前記第1計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第1遊技媒体情報を更新する第1単独更新手段を備えていることを特徴とする遊技機F19。
遊技機F19によれば、遊技機F0〜F17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2遊技状態において、第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新され、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第1遊技媒体情報が更新される。
第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報は、第2遊技状態終了後は遊技に使用できなくなるため、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と比べて汎用性が低く、遊技者にとって遊技価値が低いものである。また、第2入球手段は、第2遊技状態の所定遊技状態でのみ遊技媒体が入球可能に構成されているため、第2遊技状態に対して直接的に関係がある一方、第1入球手段は、第2遊技状態以外の第1遊技状態でも遊技媒体が入球可能に構成されるものであって、第2遊技状態とは直接的な関係はないものである。従って、第2遊技状態中に第1入球手段及び第2入球手段へ遊技媒体が入球した場合に、該入球に基づく遊技媒体情報をすべて第2計数手段に記憶する構成であったとき、本来第2遊技状態とは無関係に生じ得て第1計数手段に記憶するべき第1入球手段への遊技媒体の入球が第2計数手段に記憶されてしまうと、遊技者の遊技価値を毀損させてしまう。そこで、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第2遊技媒体情報を更新し、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第1入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第1遊技媒体情報を更新するように構成する。これにより、第2遊技状態であっても、第1入球手段で遊技媒体が入球した場合に、遊技価値が高い第1遊技媒体情報として記憶させることができるので、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機F0からF19のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する定量終了手段を備えていることを特徴とする遊技機F20。
遊技機F20によれば、遊技機F0〜F19の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた定量終了手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態中に付与された遊技媒体が一定数になった場合に第2遊技状態を終了する遊技性(所謂、定量制)を実現することができる。従来の定量制は、遊技者が所持する遊技媒体を遊技場のスタッフが目分量で判断して打ち止めを決定していたが、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、正確な数値判断で打ち止めを決定することで、打ち止め時期の根拠が明確になるので、遊技場のスタッフの作業を軽減するとともに、遊技者に疑義を生じさせることなく遊技の仕様に応じた遊技環境を提供することができる、という効果がある。
遊技機F0からF19のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記遊技実行手段による遊技結果に基づいて、前記遊技状態を変更することを特徴とする遊技機F21。
遊技機F21によれば、遊技機F0〜F19の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段による遊技結果に基づいて、遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。これにより、遊技結果に基づいて遊技状態が変更され、該遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<G群>
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該遊技実行手段による遊技に基づく始動条件の成立に基づいて抽選情報を取得する抽選情報取得手段(例えば、始動入賞口4)と、
該抽選情報取得手段により取得された前記抽選情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S1307))と、
該判定手段の判定結果に基づいて識別情報の動的表示を行う表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
前記動的表示において前記識別情報が予め定められた表示態様で停止表示された場合に、遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、
所定の契機に基づいて遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)と、を備え、
前記遊技媒体計数手段は、
第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)において前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)において前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、前記第2遊技状態において、予め定められた規定条件が成立した場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更するように構成され、
前記遊技実行手段は、前記第1遊技状態において前記第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を制限する制限手段(例えば、使用不可エリア213e)と、
前記第2遊技状態において、現在の遊技状況と前記規定条件との関係性を遊技者に報知する状況報知手段(例えば、シャッター役物228)を備えていることを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、遊技媒体計数手段により遊技に使用可能遊技媒体の数が計数され、その遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技実行手段により遊技が行われ、その遊技実行手段による遊技に基づく始動条件の成立に基づいて抽選情報取得手段により抽選情報が取得され、その抽選情報取得手段により取得された抽選情報が判定手段により判定され、その判定手段の判定結果に基づいて表示手段により識別情報の動的表示が行われ、その動的表示において識別情報が予め定められた表示態様で停止表示された場合に、遊技媒体付与手段により遊技媒体が獲得され、所定の契機に基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。また、遊技媒体計数手段に備えられた第1計数手段により、第1遊技状態において遊技媒体付与手段により獲得した遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が記憶される。さらに、遊技媒体計数手段に備えられた第2計数手段により、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態において遊技媒体付与手段により獲得した遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が記憶される。また、第2遊技状態において、予め定められた規定条件が成立した場合に、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。また、遊技実行手段に備えられた制限手段により、第1遊技状態において第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が制限されると共に、遊技実行手段に備えられた状況報知手段により、第2遊技状態において、現在の遊技状況と規定条件との関係性が遊技者に報知される。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とでそれぞれ個別に計数された遊技媒体に関し、第1遊技状態では第2遊技媒体情報に関する遊技が制限されるため、遊技状態毎に計数される遊技媒体に差を設けることができる。そして、この差分に基づいて遊技に変化を加えることができるので、第2遊技状態では如何にしてその第2遊技状態を継続させ、第2計数手段で計数されている遊技媒体を継続的に遊技に使用させるか、という新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を高めることができる。さらに、状況報知手段により、第2遊技状態が第1遊技状態へ変更される条件である規定条件と、現在の遊技状況との関係性が遊技者に報知される。従って、遊技者は、第2遊技状態において付与された第2遊技媒体情報に基づいて継続的に遊技を行うことができるか否かについて、現在の遊技状況と規定条件との関係性に関する報知内容を確認することで、例えば、実行中の第2遊技状態が第1遊技状態へ変更されてしまう可能性を推測しながら遊技を行うことができるので、新たな遊技性の興趣に対して相乗的な効果を生むことができる、という効果がある。なお、「現在の遊技状況と規定条件との関係性を報知する」とは、規定条件と現在の遊技状況との差分を抽出してその差分を報知する場合や、規定条件を明示しつつ、所定の遊技状況となったことを報知する可動役物等を現出させることで報知する場合等が含まれる。
遊技機G1において、
前記状況報知手段は、前記表示手段で実行される前記識別情報の動的表示と関連付けた演出態様で、現在の遊技状況と前記規定条件との関係性を報知することを特徴とする遊技機G2。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況報知手段により、表示手段で実行される識別情報の動的表示と関連付けた演出態様で、現在の遊技状況と規定条件との関係性が報知される。これにより、遊技価値が付与されるか否かの報知が行われる表示手段の動的表示と、付与された遊技価値を継続的に使用できるか否かの報知が行われる状況報知手段の報知内容とを、関連付けて演出することで、2つの遊技性が連動した新たな興趣を創出することができる、という効果がある。
遊技機G0又はG1において、
前記状況報知手段は、現在の遊技状況と前記規定条件との関係性が第1関係であることを示す第1関係報知態様(例えば、図34(b)参照)と、前記第1関係より前記規定条件が成立し易い第2関係であることを示す第2関係報知態様(例えば、図34(c)参照)と、を実行可能であり、
前記表示手段は、前記状況報知手段が前記第1関係報知態様であった場合に、前記動的表示を第1動的態様(例えば、図34(b)参照)で実行すると共に、前記状況報知手段が前記第2関係報知態様であった場合に、前記動的表示を前記第1動的態様より表示割合が小さい第2動的態様(例えば、図34(d)参照)で実行することを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況報知手段により、現在の遊技状況と規定条件との関係性が第1関係であることを示す第1関係報知態様と、その第1関係より規定条件が成立し易い第2関係であることを示す第2関係報知態様とが実行可能に構成される。また、表示手段により、変更示唆手段が第1態様であった場合に動的表示が第1動的態様で実行され、変更示唆手段が第2示唆報知態様であった場合に動的表示が第1動的態様より表示割合が小さい第2動的態様で実行される。これにより、第2遊技状態から第1遊技状態への変更可能性が高いほど、動的表示の表示割合を小さくすることで、相対的に状況報知手段による報知内容を遊技者に認識させ易くすることができる、という効果がある。
遊技機G0からG2のいずれかにおいて、
前記動的表示は、前記判定手段の判定結果を示唆する結果示唆態様(例えば、リーチ表示)と、前記結果示唆態様より前に実行される前段階示唆態様(例えば、高速変動)と、で構成されており、
前記状況報知手段は、前記規定条件が成立したことを報知する条件成立報知態様(例えば、図34(d)参照)を実行可能であって、
前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更された後に実行される前記動的表示の前記前段階示唆態様において、前記条件成立報知態様を実行することを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G0〜G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示は、判定手段の判定結果を示唆する結果示唆態様と、その結果示唆態様より前に実行される前段階示唆態様とで構成される。また、状況報知手段により、規定条件が成立したことを報知する条件成立報知態様が実行され、さらに、第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された後に実行される動的表示の前段階示唆態様において、状況報知手段により条件成立報知態様が実行される。これにより、条件報知手段は、第2遊技状態が終了した後の最初の動的表示の前段階示唆態様において条件成立報知態様を実行するように構成されている。第2遊技状態が終了した場合において、例えば、動的表示の待機回数が存在していた場合は、次の動的表示が直ちに実行されるため、第2遊技状態の終了を示す状況報知手段の条件成立報知態様が、次の動的表示の開始直後に解除されて条件成立報知態様を解消してしまうと、折角、状況報知手段により第2遊技状態の終了を報知したにもかかわらずその報知状態が一瞬であることから、遊技者が第2遊技状態の終了を認識できないおそれがある。そこで、状況報知手段により条件成立報知態様を実行する場合に、所定期間その状態を維持させるように構成することで、遊技者に第2遊技状態の終了を明確に認識させることができる、という効果がある。また、状況報知手段により条件成立報知態様を実行している期間は、判定手段の判定結果を示唆する結果示唆態様より前に実行される前段階示唆態様で行うことで、動的表示の判定結果の演出に対して過度な干渉を行わずに、的確に第2遊技状態の終了を報知することができる、という効果がある。
遊技機G0からG3のいずれかにおいて、
前記遊技実行手段は、
遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、供給通路65)と、
前記貯留手段から供給された遊技媒体を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット66)と、
前記発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段(例えば、回収通路41a)と、
前記回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ送出する送出手段(例えば、排出通路42a)と、を備え、
所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行うことを特徴する遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G0〜G3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段に備えられた貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が送出手段により貯留手段へ送出されることで、所定の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。これにより、機内循環式遊技機(所謂、封入式遊技機)の特徴的機能である遊技媒体を数値化して管理するシステムを有効活用して、遊技状態に基づいて遊技媒体の使用可否を決定する遊技仕様(所謂、ラッキーナンバー制)を付加することができる、という効果がある。
より詳述すると、従来、ラッキーナンバー制の遊技仕様を採用する遊技場では、遊技場のスタッフは、第2遊技状態の開始条件を逐次確認し、その開始条件の成立に基づいて遊技機の上部に第2遊技状態が開始されたことを示す札等を差す作業を行ったり、その第2遊技状態中、第2遊技状態から第1遊技状態への変更条件を達成したか否かを監視する作業を行って第2遊技状態を終了させたり、第2遊技状態が終了した場合には、付与された遊技媒体の交換を遊技者に促したりする作業が必要であった。
上記作業を遊技場のスタッフに行わせた場合、遊技機の異常確認や清掃等の通常業務の作業に加えて上記遊技仕様に関する作業が加わるため、スタッフに多大な作業負担がかかってしまうおそれがある。一方、スタッフの人数を増員して上記遊技仕様に対応しようにも、スタッフ増員分の人件費が嵩んでしまい、遊技場の経営を逼迫させてしまうおそれがある。従って、遊技場は、ラッキーナンバー制という遊技性を向上させることができる遊技仕様が実現可能な環境であっても、上述したおそれを考慮してラッキーナンバー制を採用せず、通常の営業形態での営業を行うに留まり、遊技性の向上が図れない状況であった。
そこで、機内循環式遊技機の機能を活用し、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、遊技状態に基づいて付与された遊技媒体を個別に管理し、遊技状態に基づいて使用できる遊技媒体を決定することで、上記遊技仕様を採用したとしても、遊技場のスタッフに多大な作業負担をかけることなく、また、スタッフを増員する必要もなく人件費を抑えて遊技場の経営を健全に行わせることができ、従来の環境を維持したまま多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機G4において、
前記発射手段は、
前記第2遊技状態において、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されているとき、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記第1遊技状態において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づいて、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第1計数手段又は第2計数手段のいずれかに第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、第1遊技状態において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段に供給された遊技媒体の発射を許可する一方、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、遊技状態毎に獲得した遊技媒体を個別に計数して、第1遊技状態では第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報のみに基づく遊技媒体の発射が許可され、第2遊技状態では第1計数手段又は第2計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が許可されるという状況を創り出すことができ、多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。なお、例えば、遊技状態が、第2条件の成立に基づいて前回の第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された後に、第1条件が成立して第1遊技状態から次の第2遊技状態へ変更された場合には、発射手段は、次の第2遊技状態において、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可し、また、前回までの第2遊技状態において第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づいて遊技媒体の発射を許可するように構成してもよい。
遊技機G5において、
前記遊技状態変更手段は、第1条件の成立(例えば、大当たりの開始)に基づいて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更し、前記規定条件の成立に基づいて前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更し、
前記発射手段は、
前記第1条件の成立に基づいて、前記遊技状態変更手段により前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ変更された場合に、前記第1計数手段又は前記第2計数手段のいずれかに前記第1遊技媒体情報又は前記第2遊技媒体情報が記憶されているとき、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可し、
前記規定条件の成立に基づいて、前記遊技状態変更手段により前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へ変更された場合に、その後の遊技において、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報に基づいて、前記貯留手段から供給された遊技媒体の発射を許可する一方、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射を禁止するように構成されていることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、第1条件の成立に基づいて第1遊技状態から第2遊技状態へ変更されると共に、規定条件の成立に基づいて第2遊技状態から第1遊技状態へ変更される。さらに、遊技状態変更手段により第1遊技状態から第2遊技状態に変更された場合に、第1計数手段又は第2計数手段のいずれかに第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段から供給された遊技媒体の発射が許可される。一方、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態へ変更された場合に、その後の遊技において、第1計数手段に第1遊技媒体情報が記憶されているとき、発射手段により貯留手段に供給された遊技媒体の発射を許可する一方、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が禁止される。これにより、遊技状態毎に獲得した遊技媒体を個別に計数して、第1遊技状態では第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報のみに基づく遊技媒体の発射が許可され、第2遊技状態では第1計数手段又は第2計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報又は第2遊技媒体情報に基づく遊技媒体の発射が許可されるという状況を創り出すことができ、多様な遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機G4からG6のいずれかにおいて、
前記発射手段は、前記第2遊技状態において、前記第2計数手段に前記第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報より、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射を実行することを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G4〜G6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、第2計数手段に第2遊技媒体情報が記憶されている場合に、発射手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報より、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報を優先的に使用して遊技媒体の発射が実行される。これにより、第1計数手段に記憶されている第1遊技媒体情報は、使用できる遊技状態の制約がない分、第2計数手段に記憶されている第2遊技媒体情報より遊技者にとって遊技価値を高く、第2遊技状態では、第1遊技媒体情報より遊技価値が低い第2遊技媒体情報を先に消費できるので、遊技者の所有する遊技価値を必要以上に毀損することなく保護することができる、という効果がある。
遊技機G0からG7のいずれかにおいて、
前記遊技媒体計数手段は、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、該貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報を、前記第1計数手段に前記第1遊技媒体情報として記憶することを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G0〜G7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から遊技媒体の貸し出し要求があった場合に、遊技媒体計数手段により、その貸し出し要求に基づく数の遊技媒体情報が第1計数手段に第1遊技媒体情報として記憶される。これにより、第1遊技媒体情報は遊技状態によって使用制限されないので、貸し出された遊技媒体について使用制限させず、いずれの遊技状態でも使用可能とすることができる、という効果がある。
また、上記遊技仕様の遊技性は、遊技媒体の貸出レートと、遊技場の窓口での景品変換レートとが異なることで、より顕著な効果を生みやすい。具体的には、例えば、「貸出レート>景品変換レート」といったような景品変換ギャップがある場合、貸し出された遊技媒体による遊技と、付与された遊技媒体による遊技では、1の遊技媒体につき景品交換ギャップ相当の遊技価値に差が生じてしまう。このような状況では、遊技者は、貸し出された遊技媒体による遊技を行うことより、遊技で付与された遊技媒体による遊技を継続的に行うことが自己の利益につながるため、如何にして付与された遊技媒体に基づく遊技を継続的に行うかが、遊技の勝敗を分ける要因となっている。このような景品変換ギャップがある遊技場において、上記遊技仕様を採用することで、第2遊技状態を獲得して、その間に付与された遊技媒体で継続的に遊技を行えるようになるかという遊技仕様の効果を顕著にし、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G0からG8のいずれかにおいて、
前記第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報の内容と、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報の内容とを報知可能な媒体情報報知手段(例えば、状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G0〜G8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、媒体情報報知手段により、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報の内容と、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報の内容とが、報知可能に構成される。これにより、第1遊技状態及び第2遊技状態で使用可能な第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と、第2遊技状態でのみ使用が可能な第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報とを遊技者にそれぞれ認識することができるので、例えば、第2遊技状態中にどれだけ遊技媒体を付与されたか、或いは、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第1遊技状態において第1計数手段に記憶される遊技媒体情報に基づいてどれだけ遊技を継続できるかを明確に認識することができる、という効果がある。
遊技機G6からG9のいずれかにおいて、
前記第1条件は、
所定条件により成立する所定第1条件(例えば、「初回」の偶数図柄での大当たり)と、
該所定第1条件より成立が困難な特別第1条件(例えば、「初回」の「3図柄(カメ)」での大当たり)と、を有し、
前記第2遊技状態は、特別第2遊技状態(例えば、「ラッキー」状態)と、該特別第2遊技状態より遊技者にとって不利な不利第2遊技状態(例えば、「スタート」状態)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記所定第1条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態へ変更する第1不利変更手段と、
前記特別第1条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態へ変更する第1特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G6〜G9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた第1不利変更手段により、所定第1条件の成立に基づいて不利第2遊技状態に変更される。また、遊技状態変更手段に備えられた第1特別変更手段により、特別第1条件の成立に基づいて特別第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難い特別第2遊技状態と、開始され易い不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G10において、前記特別第2遊技状態と前記不利第2遊技状態とを識別可能に報知する第2遊技状態種別報知手段(例えば、ラッキー可動役物96及びスタート可動役物97)を備えていることを特徴とする遊技機G11。
遊技機G11によれば、遊技機G10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態種別報知手段により特別第2遊技状態と不利第2遊技状態とが識別可能に報知される。これにより、特別第2遊技状態中か不利第2遊技状態中かを明確に認識することができ、各第2遊技状態毎に異なる第1遊技状態への変更条件を意識しながら遊技を行うことができるので、各第2遊技状態毎における興趣を堪能することができる、という効果がある。なお、「識別可能に報知する」とは、例えば、第2遊技状態毎に設けられて通常時は遊技者から視認不能に設けられた複数の標示物(例えば、可動役物等)を、第2遊技状態の種別に応じて遊技者に視認可能に現出させることで報知する場合や、1の表示手段において、第2遊技状態毎に対応した表示態様を現出させて報知する場合等が含まれる。
遊技機G10又はG11において、
前記規定条件は、
特定条件により成立する特定規定条件(「時間短縮状態」の終了)と、
該特定規定条件より成立が困難な特別規定条件(例えば、「初回」の「4図柄(サメ)」での大当たり後の「時間短縮状態」の終了)と、を有し、
前記遊技状態変更手段は、
前記特定規定条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を終了する第2不利変更手段と、
前記特別規定条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を終了する第2特別変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機G12。
遊技機G12によれば、遊技機G10又はG11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた第2不利変更手段により、特定規定条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が終了される。また、遊技状態変更手段に備えられた第2特別変更手段により、特別規定条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が終了される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了し難い特別第2遊技状態と、開始され易く終了し易い不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G12において、
前記第2不利変更手段は、前記特定規定条件の成立に基づいて前記不利第2遊技状態を前記第1遊技状態に変更し、
前記第2特別変更手段は、前記特別規定条件の成立に基づいて前記特別第2遊技状態を前記不利第2遊技状態に変更することを特徴とする遊技機G13。
遊技機G13によれば、遊技機G12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2不利変更手段により、特定規定条件の成立に基づいて不利第2遊技状態が第1遊技状態に変更され、第2特別変更手段により、特別規定条件の成立に基づいて特別第2遊技状態が不利第2遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態に関し、開始され難く終了する場合でも不利第2遊技状態を経由して終了する特別第2状態と、開始され易く終了する場合に直ちに第1遊技状態に変更される不利な不利第2遊技状態とを設けることができ、それぞれの開始条件及び終了条件が異なる遊技状態を創出することで、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、複数種類の第2遊技状態を設けることで、第1遊技状態に獲得される第1遊技媒体情報とは別に計数される第2遊技媒体情報を獲得可能な期間を異ならせることができ、多様な遊技性により、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G0〜G13のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件を報知する条件報知手段(状況表示装置85)を備えていることを特徴とする遊技機G14。
遊技機G14によれば、遊技機G0〜G13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件報知手段により遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件が報知される。これにより、遊技状態が変更される条件を遊技者に認識させることができるので、例えば、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合に、第2計数手段による遊技が禁止されたときでも、予めその条件を認識させておくことで、遊技者に遊技仕様に関する無用な混乱を与えることなく、快適な遊技環境を構築することができる。
遊技機G14において、
前記条件報知手段は、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段で構成されていることを特徴とする遊技機G15。
遊技機G15によれば、遊技機G14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電気的に表示内容を変更可能な電気的表示手段により条件報知手段が構成されている。これにより、遊技状態が変更される条件に合わせて内容を変更表示することができるため、簡易な構成で遊技状態が変更される条件を、適宜、遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機G9からG15のいずれかにおいて、
前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを1の状況表示手段(状況表示装置85のラッキーナンバー表示領域85b及び価値情報表示領域85c)において表示することを特徴とする遊技機G16。
遊技機G16によれば、遊技機G9〜G15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が表示される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段により、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、他の装置を用いず、余分なコストをかけることなくラッキーナンバー制の遊技性及び遊技状況を遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機G16において、
前記状況表示手段において、前記媒体情報報知手段による報知と、前記条件報知手段による報知とを同時に実行することを特徴とする遊技機G17。
遊技機G17によれば、遊技機G16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の状況表示手段により媒体情報報知手段による報知と条件報知手段による報知が同時に実行される。つまり、第1遊技媒体情報及び第2遊技媒体情報と、遊技状態変更手段による遊技状態の変更条件とを、1の状況表示手段において同時に表示する。これにより、遊技者はその状況表示手段の報知内容を見れば、自己が所有する遊技媒体の数と、第2遊技状態へ変更される条件とを認識することができるので、ラッキーナンバー制の遊技性を一義的に遊技者に認識させることができる、という効果がある。
遊技機G16又はG17において、
前記遊技機は、遊技盤(例えば、遊技盤13)と、該遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材(例えば、張出部16)とで構成されており、
前記状況表示手段は、前記枠部材に設けられることを特徴とする遊技機G18。
遊技機G18によれば、遊技機G16又はG17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状況表示手段は、遊技盤が交換可能に取り付けられる枠部材に設けられる。これにより、遊技盤の入れ替え時にも状況表示手段を枠部材に備えたまま継続して使用することができ、入れ替え対象の遊技盤に状況表示手段を設けずに済むので、遊技盤に状況表示手段を設置した場合に比べて遊技盤全体のコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機G0からG18のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段および前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2重複更新手段を備えていることを特徴とする遊技機G19。
遊技機G19によれば、遊技機G0〜G18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2重複更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段及び第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新される。これにより、第2遊技状態中において、第1入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体と、第2入球手段へ遊技媒体が入球したことに基づいて付与される遊技媒体とを区別して計数する必要がないので、第2遊技状態中に付与される遊技媒体情報の更新処理に関する制御を複雑化しなくて済み、制御負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機G0からG18のいずれかにおいて、
前記遊技媒体付与手段は、
遊技に使用された遊技媒体が入球可能な第1入球手段(例えば、始動入賞口4)及び第2入球手段(例えば、特定入賞口5a)を備え、
前記第1入球手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2入球手段は、所定遊技状態(例えば、大当たり状態)でのみ遊技媒体を入球可能に構成し、
前記第2計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第2遊技媒体情報を更新する第2単独更新手段を備え、
前記第1計数手段は、前記第2遊技状態において、前記第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、前記第1遊技媒体情報を更新する第1単独更新手段を備えていることを特徴とする遊技機G20。
遊技機G20によれば、遊技機G0〜G18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体付与手段に備えられた第1入球手段及び第2入球手段により、遊技に使用された遊技媒体が入球可能に構成され、第1遊技状態及び第2遊技状態において第1入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、所定遊技状態でのみ第2入球手段へ遊技媒体が入球可能に構成され、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2遊技状態において、第2入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第2遊技媒体情報が更新され、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第2遊技状態において、第1入球手段への遊技媒体の入球に基づいて、第1遊技媒体情報が更新される。
第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報は、第2遊技状態終了後は遊技に使用できなくなるため、第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報と比べて汎用性が高く、遊技者にとって遊技価値が低いものである。また、第2入球手段は、第2遊技状態の所定遊技状態でのみ遊技媒体が入球可能に構成されているため、第2遊技状態に対して直接的に関係がある一方、第1入球手段は、第2遊技状態以外の第1遊技状態でも遊技媒体が入球可能に構成されるものであって、第2遊技状態とは直接的な関係はないものである。従って、第2遊技状態中に第1入球手段及び第2入球手段へ遊技媒体が入球した場合に、該入球に基づく遊技媒体情報をすべて第2計数手段に記憶する構成であったとき、本来第2遊技状態とは無関係に生じ得て第1計数手段に記憶するべき第1入球手段への遊技媒体の入球が第2計数手段に記憶されてしまうと、遊技者の遊技価値を毀損させてしまう。そこで、第2計数手段に備えられた第2単独更新手段により、第2入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第2遊技媒体情報を更新し、第1計数手段に備えられた第1単独更新手段により、第1入球手段へ入球した遊技媒体に基づいて第1遊技媒体情報を更新するように構成する。これにより、第2遊技状態であっても、第1入球手段で遊技媒体が入球した場合に、遊技価値が高い第1遊技媒体情報として記憶させることができるので、遊技者の遊技価値を毀損することなく、好適な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技機G0からG20のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する定量終了手段を備えていることを特徴とする遊技機G21。
遊技機G21によれば、遊技機G0〜G20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段に備えられた定量終了手段により、第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が予め定められた所定数になった場合に、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、第2遊技状態中に付与された遊技媒体が一定数になった場合に第2遊技状態を終了する遊技性(所謂、定量制)を実現することができる。従来の定量制は、遊技者が所持する遊技媒体を遊技場のスタッフが目分量で判断して打ち止めを決定していたが、付与された遊技媒体を数値化して管理すると共に、正確な数値判断で打ち止めを決定することで、打ち止め時期の根拠が明確になるので、遊技場のスタッフの作業を軽減するとともに、遊技者に疑義を生じさせることなく遊技の仕様に応じた遊技環境を提供することができる、という効果がある。
遊技機G0からG20のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、前記遊技実行手段による遊技結果に基づいて、前記遊技状態を変更することを特徴とする遊技機G22。
遊技機G22によれば、遊技機G0〜G20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技実行手段による遊技結果に基づいて、遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。これにより、遊技結果に基づいて遊技状態が変更され、該遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在する新たな遊技性を創出することで、使用制限されない遊技状態を如何に長く継続するかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<H群>
遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ機10)と、該遊技機に対応して配置されて該遊技機での遊技に使用する各種情報を記録した遊技用記録媒体(例えば、会員カード300)を投入可能な遊技補助手段(カードサンド装置70)と、該遊技補助手段及び前記遊技機と通信可能に構成されて、前記遊技補助手段及び前記遊技機の使用状況を管理する管理手段(例えば、ホールコンピュータ263)と、を備えた遊技用システムであって、
前記遊技補助手段は、
前記遊技用記録媒体に記録された前記各種情報を読み込む補助側読込手段(例えば、カードリーダライタ274)と、
該補助側読込手段によって読み込まれた前記各種情報を前記遊技機に送信する補助側送信手段(例えば、メイン処理(図35参照))と、
所定条件(例えば、返却ボタン75の操作)が成立した場合に、前記遊技機の遊技結果に基づく前記各種情報を受信する補助側受信手段(例えば、メイン処理(図35参照))と、
該補助側受信手段で受信した前記各種情報を前記遊技用記録媒体に書き込む補助側書込手段(例えば、カードリーダライタ274)と、を備え、
前記遊技機は、
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する機種側遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該機種側遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う機種側遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する機種側遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、
前記機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技状態を変更する機種側遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)と、
前記補助側送信手段により送信された前記各種情報を受信する機種側受信手段(例えば、清算処理(S2105))と、
前記所定条件が成立した場合に、前記各種情報を前記遊技補助手段に送信する機種側送信手段(例えば、清算処理(S2105))と、を備え、
前記機種側遊技媒体計数手段は、
第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)において、前記機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する機種側第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)において、前記機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する機種側第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記機種側遊技実行手段は、
前記第1遊技状態において前記機種側第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を制限する機種側制限手段(例えば、使用不可エリア213e)を備え、
前記遊技用記録媒体は、
前記所定条件が成立した場合に、前記機種側送信手段により送信された前記機種側第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報を記録する媒体側第1計数手段(例えば、通常時メモリ300c)と、
前記所定条件が成立した場合に、前記機種側送信手段により送信された前記機種側第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を記録する媒体側第2計数手段(例えば、遊技使用不可メモリ300d)と、を備え、
前記遊技補助手段は、
前記補助側送信手段により前記遊技機に前記遊技用記録媒体の各種情報を送信する場合に、前記媒体側第1計数手段に記録される前記第1遊技媒体情報を前記遊技機に送信し、前記媒体側第2計数手段に記録される前記第2遊技媒体情報を送信しないように構成されていることを特徴とする遊技用システムH1。
遊技用システムH1によれば、遊技機において遊技が行われ、遊技機に対応して配置された遊技補助手段により、遊技機での遊技に使用する各種情報を記録した遊技用記録媒体が投入可能に構成され、遊技補助手段及び遊技機と通信可能に構成された管理手段により、遊技補助手段及び遊技機の仕様状況が管理される。また、遊技補助手段では、補助側読込手段により遊技用記録媒体に記録された各種情報が読み込まれ、その補助側読込手段によって読み込まれた各種情報が補助側送信手段により遊技機に送信される。さらに、所定条件が成立した場合に、補助側受信手段により、遊技機の遊技結果に基づく各種情報が受信される。また、その補助側受信手段で受信した各種情報が補助側書込手段により遊技用記録媒体に書き込まれる。そして、遊技機では、機種側遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その機種側遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて機種側遊技実行手段により遊技が行われ、その機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて機種側遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与され、また、機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて機種側遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。さらに、機種側受信手段により、補助側送信手段によって送信された各種情報が受信される。また、機種側送信手段により、所定条件が成立した場合に、各種情報が遊技補助手段へ送信される。さらに、機種側遊技媒体計数手段に備えられた機種側第1計数手段により、第1遊技状態において機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が記憶され、機種側遊技媒体計数手段に備えられた機種側第2計数手段により、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態において機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が記憶される。また、機種側遊技実行手段に備えられた機種側制限手段により、第1遊技状態において機種側第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が制限される。そして、遊技用記録媒体では、所定条件が成立した場合に、媒体側第1計数手段により、機種側送信手段により送信された機種側第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が記録され、また、所定条件が成立した場合に、媒体側第2計数手段により、機種側送信手段により送信された機種側第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が記録される。そして、遊技補助手段では、補助側送信手段により遊技機に遊技用記録媒体の各種情報を送信する場合に、媒体側第1計数手段に記録される第1遊技媒体情報が遊技機に送信され、媒体側第2計数手段に記録される第2遊技媒体情報が送信されない。これにより、遊技機において、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体を創り出すことができると共に、所定条件が成立した後において遊技用記録媒体に記録された第2遊技媒体情報を遊技機に送信しないことにより、第2遊技媒体情報に基づく遊技を制限できる。従って、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在すると共に、一度所定条件が成立した場合も使用制限される遊技媒体が存在するという新たな遊技性を創出することで、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ機10)と、該遊技機に対応して配置されて該遊技機での遊技に使用する各種情報を記録した遊技用記録媒体(例えば、会員カード300)を投入可能な遊技補助手段(カードサンド装置70)と、該遊技補助手段及び前記遊技機と通信可能に構成されて、前記遊技補助手段及び前記遊技機の使用状況を管理する管理手段(例えば、ホールコンピュータ263)と、を備えた遊技用システムであって、
前記遊技補助手段は、
前記遊技用記録媒体に記録された前記各種情報を読み込む補助側読込手段(例えば、カードリーダライタ274)と、
該補助側読込手段によって読み込まれた前記各種情報を前記遊技機に送信する補助側送信手段(例えば、メイン処理(図35参照))と、
所定条件(例えば、返却ボタン75の操作)が成立した場合に、前記遊技機の遊技結果に基づく前記各種情報を受信する補助側受信手段(例えば、メイン処理(図35参照))と、
該補助側受信手段で受信した前記各種情報を前記遊技用記録媒体に書き込む補助側書込手段(例えば、カードリーダライタ274)と、を備え、
前記遊技機は、
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する機種側遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該機種側遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う機種側遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する機種側遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、
前記機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技状態を変更する機種側遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)と、
前記補助側送信手段により送信された前記各種情報を受信する機種側受信手段(例えば、清算処理(S2105))と、
遊技機固有の固有情報を記憶する機種側固有情報記憶手段(例えば、遊技台情報212b)と、
前記所定条件が成立した場合に、前記固有情報及び前記各種情報を前記遊技補助手段に送信する機種側送信手段(例えば、清算処理(S2105))と、を備え、
前記機種側遊技媒体計数手段は、
第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)において前記機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する機種側第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)において前記機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する機種側第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記機種側遊技実行手段は、
前記第1遊技状態において前記機種側第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を制限する機種側制限手段(例えば、使用不可エリア213e)を備え、
前記遊技用記録媒体は、
前記所定条件が成立した場合に、前記機種側送信手段により送信された前記機種側第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報を記録する媒体側第1計数手段(例えば、通常時メモリ300c)と、
前記所定条件が成立した場合に、前記機種側送信手段により送信された前記機種側第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を記録する媒体側第2計数手段(例えば、ラッキー中メモリ300e)と、
前記所定条件が成立した場合に、前記機種側送信手段により送信された前記機種側固有情報記憶手段に記憶される前記固有情報を記憶する媒体側固有情報記憶手段(例えば、遊技台情報メモリ300f)と、を備え、
前記遊技機は、
前記補助側送信手段により前記媒体側固有情報記憶手段に記憶される固有情報と、前記機種側固有情報記憶手段に記憶される固有情報とを判定する機種側台判定手段(例えば、台情報確認処理(S2851))と、
該機種側台判定手段において、前記媒体側固有情報記憶手段に記憶される固有情報と、前記機種側固有情報記憶手段に記憶される固有情報との判定結果が第1結果であると判定された場合に、前記遊技補助手段に第1情報を送信する機種側第1情報送信手段(例えば、一致情報)と、
前記機種側台判定手段において、前記媒体側固有情報記憶手段に記憶される固有情報と、前記機種側固有情報記憶手段に記憶される固有情報との判定結果が第2結果であると判定された場合に、前記遊技補助手段に第2情報を送信する機種側第2情報送信手段(例えば、不一致情報)と、を備え、
前記遊技補助手段は、
前記補助側送信手段により前記遊技機に前記遊技用記録媒体の各種情報を送信する場合に、前記媒体側第1計数手段に記録される前記第1遊技媒体情報を前記遊技機に送信し、
前記機種側第1情報送信手段により前記第1情報が送信された場合に、前記媒体側第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を前記遊技機に送信し、
前記機種側第2情報送信手段により前記第2情報が送信された場合に、前記媒体側第2計数手段に記録される前記第2遊技媒体情報を非送信とすることを特徴とする遊技用システムH2。
遊技用システムH2によれば、遊技機において遊技が行われ、遊技機に対応して配置された遊技補助手段により、遊技機での遊技に使用する各種情報を記録した遊技用記録媒体が投入可能に構成され、遊技補助手段及び遊技機と通信可能に構成された管理手段により、遊技補助手段及び遊技機の仕様状況が管理される。また、遊技補助手段では、補助側読込手段により遊技用記録媒体に記録された各種情報が読み込まれ、その補助側読込手段によって読み込まれた各種情報が補助側送信手段により遊技機に送信される。さらに、所定条件が成立した場合に、補助側受信手段により、遊技機の遊技結果に基づく各種情報が受信される。また、その補助側受信手段で受信した各種情報が補助側書込手段により遊技用記録媒体に書き込まれる。そして、遊技機では、機種側遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その機種側遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて機種側遊技実行手段により遊技が行われ、その機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて機種側遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与され、また、機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて機種側遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。さらに、機種側受信手段により、補助側送信手段によって送信された各種情報が受信される。また、機種側固有情報記憶手段により遊技機固有の固有情報が記憶される。また、機種側送信手段により、所定条件が成立した場合に、固有情報及び各種情報が遊技補助手段へ送信される。さらに、機種側遊技媒体計数手段に備えられた機種側第1計数手段により、第1遊技状態において機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が記憶され、機種側遊技媒体計数手段に備えられた機種側第2計数手段により、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態において機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が記憶される。また、機種側遊技実行手段に備えられた機種側制限手段により、第1遊技状態において機種側第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が制限される。そして、遊技用記録媒体では、所定条件が成立した場合に、媒体側第1計数手段により、機種側送信手段により送信された機種側第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が記録され、また、所定条件が成立した場合に、媒体側第2計数手段により、機種側送信手段により送信された機種側第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が記録される。また、所定条件が成立した場合に、媒体側固有情報記憶手段により、機種側送信手段により送信された機種側固有情報記憶手段に記憶される固有情報が記憶される。そして、遊技機では、機種側台判定手段により、補助側送信手段により媒体側固有情報記憶手段に記憶された固有情報と、機種側固有情報記憶手段に記憶された固有情報とが判定される。さらに、その機種側台判定手段により、媒体側固有情報記憶手段に記憶される固有情報と機種側固有情報記憶手段に記憶される固有情報との判定結果が第1結果(例えば、正判定)であると判定された場合に、機種側第1情報送信手段により補助遊技手段に第1情報が送信される。一方、機種側台判定手段により、媒体側固有情報記憶手段に記憶される固有情報と機種側固有情報記憶手段に記憶される固有情報との判定結果が第2結果(例えば、否判定)であると判定された場合に、機種側第2情報送信手段により補助遊技手段に第2情報が送信される。そして、遊技補助手段では、補助側送信手段により遊技機に遊技用記録媒体の各種情報を送信する場合に、媒体側第1計数手段に記録される第1遊技媒体情報が遊技機に送信される。また、機種側第1情報送信手段により第1情報が送信された場合に、媒体側第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が遊技機に送信される一方、機種側第2情報送信手段により第2情報が送信された場合には、媒体側第2計数手段に記録される第2遊技媒体情報が非送信とされる。これにより、遊技機において、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体を創り出すことができると共に、所定条件が成立した後において遊技機の判定が所定の判定結果(正判定)でなければ遊技用記録媒体に記録された第2遊技媒体情報を遊技機に送信しないことにより、第2遊技媒体情報に基づく遊技を制限できる。従って、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在すると共に、一度所定条件が成立した場合に台情報の判定が行われなければ使用制限される遊技媒体が存在するという新たな遊技性を創出することで、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ機10)と、該遊技機に対応して配置されて該遊技機での遊技に使用する各種情報を記録した遊技用記録媒体(例えば、会員カード300)を投入可能な遊技補助手段(カードサンド装置70)と、前記遊技補助手段及び前記遊技機と通信可能に構成されて、前記遊技補助手段及び前記遊技機の使用状況を管理する管理手段(例えば、ホールコンピュータ263)と、を備えた遊技用システムであって、
前記遊技補助手段は、
前記遊技用記録媒体に記録された前記各種情報を読み込む補助側読込手段(例えば、カードリーダライタ274)と、
該補助側読込手段によって読み込まれた前記各種情報を前記遊技機に送信する補助側送信手段(例えば、メイン処理(図35参照))と、
所定条件(例えば、返却ボタン75の操作)が成立した場合に、前記遊技機の遊技結果に基づく前記各種情報を受信する補助側受信手段(例えば、メイン処理(図35参照))と、
該補助側受信手段で受信した前記各種情報を前記遊技用記録媒体に書き込む補助側書込手段(例えば、カードリーダライタ274)と、を備え、
前記遊技機は、
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する機種側遊技媒体計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c又はラッキー中球カウンタ213d)と、
該機種側遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う機種側遊技実行手段(例えば、球発射ユニット66)と、
該機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する機種側遊技媒体付与手段(例えば、特定入賞口5a)と、
前記機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技状態を変更する機種側遊技状態変更手段(例えば、無制限フラグ213h)と、
前記補助側送信手段により送信された前記各種情報を受信する機種側受信手段(例えば、清算処理(S2105))と、
時間に関する情報を記憶する機種側時間情報記憶手段(例えば、タイマカウンタ213o)と、
前記所定条件が成立した場合に、前記時間に関する情報および前記各種情報を前記遊技補助手段に送信する機種側送信手段(例えば、清算処理(S2105))と、を備え、
前記機種側遊技媒体計数手段は、
前記第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)において前記機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報(例えば、共有可能玉)を記憶する機種側第1計数手段(例えば、通常時球カウンタ213c)と、
前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(例えば、ラッキー期間)において前記機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報(例えば、ラッキー玉)を記憶する機種側第2計数手段(例えば、ラッキー中球カウンタ213d)と、を備え、
前記機種側遊技実行手段は、前記第1遊技状態において前記機種側第2計数手段に記憶された前記第2遊技媒体情報に基づく遊技を制限する機種側制限手段(例えば、使用不可エリア213e)を備え、
前記遊技用記録媒体は、
前記所定条件が成立した場合に、前記機種側送信手段により送信された前記機種側第1計数手段に記憶される前記第1遊技媒体情報を記録する媒体側第1計数手段(例えば、通常時メモリ300c)と、
前記所定条件が成立した場合に、前記機種側送信手段により送信された前記機種側第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を記録する媒体側第2計数手段(例えば、ラッキー中メモリ300e)と、
前記所定条件が成立した場合に、前記機種側送信手段により送信された前記機種側時間情報記憶手段に記憶される前記時間に関する情報を記憶する媒体側時間情報記憶手段(例えば、日付メモリ300h)と、を備え、
前記遊技機は、
前記補助側送信手段により前記媒体側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と、前記機種側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報とを判定する機種側時間判定手段(例えば、台及び日付情報確認処理(S2881))と、
該機種側時間判定手段において、前記媒体側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と、前記機種側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報との判定結果が第1結果であると判定された場合に、前記遊技補助手段に第1情報を送信する機種側第1情報送信手段(例えば、一致情報)と、
前記機種側時間判定手段において、前記媒体側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と、前記機種側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報との判定結果が第2結果であると判定された場合に、前記遊技補助手段に第2情報を送信する機種側第2情報送信手段(例えば、不一致情報)と、を備え、
前記遊技補助手段は、
前記補助側送信手段により前記遊技機に前記遊技用記録媒体の各種情報を送信する場合に、前記媒体側第1計数手段に記録される前記第1遊技媒体情報を前記遊技機に送信し、
前記機種側第1情報送信手段により前記第2情報が送信された場合に、前記媒体側第2計数手段に記憶される前記第2遊技媒体情報を前記遊技機に送信し、
前記機種側第2情報送信手段により前記第2情報が送信された場合に、前記媒体側第2計数手段に記録される前記第2遊技媒体情報を非送信とすることを特徴とする遊技用システムH3。
遊技用システムH3によれば、遊技機において遊技が行われ、遊技機に対応して配置された遊技補助手段により、遊技機での遊技に使用する各種情報を記録した遊技用記録媒体が投入可能に構成され、遊技補助手段及び遊技機と通信可能に構成された管理手段により、遊技補助手段及び遊技機の仕様状況が管理される。また、遊技補助手段では、補助側読込手段により遊技用記録媒体に記録された各種情報が読み込まれ、その補助側読込手段によって読み込まれた各種情報が補助側送信手段により遊技機に送信される。さらに、所定条件が成立した場合に、補助側受信手段により、遊技機の遊技結果に基づく各種情報が受信される。また、その補助側受信手段で受信した各種情報が補助側書込手段により遊技用記録媒体に書き込まれる。そして、遊技機では、機種側遊技媒体計数手段により遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、その機種側遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて機種側遊技実行手段により遊技が行われ、その機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて機種側遊技媒体付与手段により遊技者に遊技媒体が付与され、また、機種側遊技実行手段による遊技結果に基づいて機種側遊技状態変更手段により遊技状態が変更される。さらに、機種側受信手段により、補助側送信手段によって送信された各種情報が受信される。また、機種側時間情報記憶手段により時間に関する情報が記憶される。また、機種側送信手段により、所定条件が成立した場合に、時間に関する情報および各種情報が遊技補助手段へ送信される。さらに、機種側遊技媒体計数手段に備えられた機種側第1計数手段により、第1遊技状態において機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第1遊技媒体情報が記憶され、機種側遊技媒体計数手段に備えられた機種側第2計数手段により、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態において機種側遊技媒体付与手段により遊技者に付与された遊技媒体に関する第2遊技媒体情報が記憶される。また、機種側遊技実行手段に備えられた機種側制限手段により、第1遊技状態において機種側第2計数手段に記憶された第2遊技媒体情報に基づく遊技が制限される。そして、遊技用記録媒体では、所定条件が成立した場合に、媒体側第1計数手段により、機種側送信手段により送信された機種側第1計数手段に記憶される第1遊技媒体情報が記録され、また、所定条件が成立した場合に、媒体側第2計数手段により、機種側送信手段により送信された機種側第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が記録される。また、所定条件が成立した場合に、媒体側時間情報記憶手段により、機種側送信手段により送信された機種側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報が記憶される。そして、遊技機では、機種側時間判定手段により、補助側送信手段により媒体側時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報と、機種側時間情報記憶手段に記憶された時間に関する情報とが判定される。さらに、その機種側時間判定手段により、媒体側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と機種側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報との判定結果が第1結果(例えば、正判定)であると判定された場合に、機種側第1情報送信手段により補助遊技手段に第1情報が送信される。一方、機種側時間判定手段により、媒体側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報と機種側時間情報記憶手段に記憶される時間に関する情報との判定結果が第2結果(例えば、否判定)であると判定された場合に、機種側第2情報送信手段により補助遊技手段に第2情報が送信される。そして、遊技補助手段では、補助側送信手段により遊技機に遊技用記録媒体の各種情報を送信する場合に、媒体側第1計数手段に記録される第1遊技媒体情報が遊技機に送信される。また、機種側第1情報送信手段により第1情報が送信された場合に、媒体側第2計数手段に記憶される第2遊技媒体情報が遊技機に送信される一方、機種側第2情報送信手段により第2情報が送信された場合には、媒体側第2計数手段に記録される第2遊技媒体情報が送信されない。これにより、遊技機において、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体を創り出すことができると共に、所定条件が成立した後に記録した時間に関する情報の判定が所定の判定結果(正判定)でなければ遊技用記録媒体に記録された第2遊技媒体情報を遊技機に送信しないことにより、第2遊技媒体情報に基づく遊技を制限できる。従って、遊技状態に基づいて使用制限される遊技媒体が存在すると共に、一度所定条件が成立した場合に時間に関する情報の判定が行われなければ使用制限される遊技媒体が存在するという新たな遊技性を創出することで、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A0〜A22,B0〜B26,C0〜C27,D0〜D27,E0〜E28,F0〜F21,G0〜G22,H1〜H3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機I1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に基づいて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0〜A22,B0〜B26,C0〜C27,D0〜D27,E0〜E28,F0〜F21,G0〜G22,H1〜H3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機I2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0〜A22,B0〜B26,C0〜C27,D0〜D27,E0〜E28,F0〜F21,G0〜G22,H1〜H3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機I3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。