JP3734886B2 - 遊技用装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技用装置に関し、詳しくは、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を受付けて、該受付けた記録媒体から特定される有価価値を使用して遊技を可能にするための処理を行なう遊技用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技用装置として従来から一般的に知られているものに、たとえば、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を受付けて、該受付けた記録媒体から特定される有価価値を使用して遊技を可能にするための処理を行なう遊技用装置があった。そして、たとえば遊技者が所定の前記有価価値の引落操作を行なうと前記有価価値から所定の大きさの引落有価価値が減算更新され、当該引落有価価値の大きさに相当する遊技媒体を用いた前記遊技機における遊技が可能となるように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年においては不当な利益を得ることを目的にして偽造された記録媒体を不正使用する者が増加しており、問題となっている。
【0004】
そこで、従来より、このような不正使用者を摘発すべく、偽造の困難な記録媒体の開発あるいは記録媒体の照合強化などの取組みがなされている。
【0005】
しかしながら、それにも増して偽造が巧みに行なわれるため、記録媒体の照合で検出できない大量の偽造された記録媒体が前記遊技用装置で際限なく使用されてしまい、健全なる遊技場経営が阻害されるという不都合が生じていた。
【0006】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、偽造された記録媒体が不正に使用されることを極力防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を受付けて、該受付けた記録媒体から特定される有価価値を使用して遊技を可能にするための処理を行なう遊技用装置であって、
遊技者による前記有価価値の引落要求があったことを検出する引落要求検出手段と、
該引落要求検出手段が前記引落要求の操作を検出したときに、前記記録媒体により特定される有価価値から所定の大きさの引落有価価値を減算更新し、前記引落有価価値の大きさに相当する遊技媒体を用いた遊技を可能にするための処理をする減算更新処理手段と、
該減算更新処理手段により遊技に使用可能とされた遊技媒体の数と遊技において発生した入賞に伴なって付与された遊技媒体の数との加算値と、遊技に使用された遊技媒体の数との差を算出する算出手段と、
該算出手段の算出値が所定値より大きいか否かを判定する判定手段と、
該判定手段により前記算出手段の算出値が所定値より大きいと判定されたときに、前記減算更新処理手段による処理を不能動化する減算更新処理不能動化手段と、
該減算更新処理不能動化手段によって前記減算更新処理手段による処理が不能動化されている不能動状態期間に前記引落要求検出手段が前記引落要求の操作を検出したときに、その旨を報知するための報知信号をホールコンピュータへ出力する報知信号出力手段と
前記算出手段の算出値を格納するカウンタと、
前記減算更新処理手段による処理の実行からの時間を計時するタイマであって、所定時間を計時する前の前記減算更新処理手段による新たな処理の実行に基づいて改めて計時を開始するタイマと、
前記タイマが前記所定時間を計時したときに前記カウンタの値をクリアするクリア手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、引落要求検出手段の働きにより、遊技者による前記有価価値の引落要求があったことが検出される。該引落要求検出手段が前記引落要求の操作を検出したときに、減算更新処理手段の働きにより、前記記録媒体により特定される有価価値から所定の大きさの引落有価価値を減算更新し、前記引落有価価値の大きさに相当する遊技媒体を用いた遊技を可能にするための処理がなされる。算出手段の働きにより、減算更新処理手段により遊技に使用可能とされた遊技媒体の数と遊技において発生した入賞に伴なって付与された遊技媒体の数との加算値と、遊技に使用された遊技媒体の数との差が算出される。判定手段の働きにより、前記算出手段の算出値が所定値より大きいか否かが判定される。減算更新処理不能動化手段の働きにより、前記判定手段により前記算出手段の算出値が所定値より大きいと判定されたときに、前記減算更新処理手段による処理が不能動化される。該減算更新処理不能動化手段によって前記減算更新処理手段による処理が不能動化されている不能動状態期間に前記引落要求検出手段が前記引落要求の操作を検出したときに、報知信号出力手段の働きにより、その旨を報知するための報知信号がホールコンピュータへ出力される。カウンタの働きにより、前記算出手段の算出値が格納される。タイマによって、前記減算更新処理手段による処理の実行からの時間が計時される。また、前記タイマによって、所定時間を計時する前の前記減算更新処理手段による新たな処理の実行に基づいて改めて計時が開始される。クリア手段の働きにより、前記タイマが前記所定時間を計時したときに前記カウンタの値がクリアされる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例に挙げて説明を行なうが、本発明に係る遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、スロットマシンやコイン遊技機などにも適用可能である。
【0012】
図1は、パチンコ遊技機1およびパチンコ遊技機1に対応して設けられたカードユニット2の正面図である。また、図2は、パチンコ遊技機1の前面板3に対して突出する態様で設けられた操作部48の平面図である。
【0013】
カードユニット2はパチンコ遊技機1に対応してその側面にパチンコ遊技機1ごとに設けられている。たとえば図においては、パチンコ遊技機1の図面に向かって左側面にカードユニット2が設けられ、当該カードユニット2が右側のパチンコ遊技機1と対応していることが連結方向指示器20の点灯により把握できる。
【0014】
カードユニット2の利用可ランプ18が点灯しており、カードユニット2が利用可能状態にあることを遊技者が確認して自己の共通カードをカード挿入・排出口22に挿入すれば、カード挿入表示ランプ21が点灯する。なお、共通カードとは、共通カードシステムに加盟している遊技場ならば全国どこでも使用できる第三者発行型のプリペイドカードのことである。この共通カードには、有価価値を特定可能な情報の一例となるカード残高が記録されている。
【0015】
共通カードをカード挿入・排出口22に挿入すれば、その記録情報がカードリーダライタ23により読取られる。そして、共通カードのカード残高が上皿5に設けられている残高表示部43に表示される。
【0016】
上皿5には、パチンコ玉を貯留させる玉貯留部47が設けられている。また、上皿5の本体カバー部48には、後述する残高表示部43、玉貸スイッチ41、返却スイッチ42、玉貸可表示ランプ44が設けられている。
【0017】
玉貸可表示ランプ44が点灯しており玉貸が可能であることを条件として玉貸スイッチ41を押圧操作すれば、予め定められたカード残高数(たとえば500円分相当)が引落されて、所定数(125個)のパチンコ玉が玉貯留部47に供給される。遊技者は、供給されたパチンコ玉を用いて遊技を開始することが可能となる。なお、この引落処理が実行されれば、カードユニット2の通信部17から引落情報がホールコンピュータ100(図4参照)へ送信される。
【0018】
パチンコ玉が玉貯留部47に存在することを条件として、打球操作ハンドル7を操作すれば玉貯留部47内のパチンコ玉が1発ずつ弾発発射されて遊技領域8内に打込まれる。遊技領域8に打込まれた打玉が始動口9に入賞すれば可変表示装置10で図柄の可変表示が開始される。そして、可変表示装置10の可変停止結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となればいわゆる大当りが発生する。大当りが発生すれば、ソレノイド13が励磁されて可変入賞球装置11に設けられた開閉板12が開成状態となり遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態はパチンコ玉の可変入賞球装置11への所定個数(たとえば10個)の入賞、あるいは所定期間(たとえば30秒間)の経過のうち、いずれか早い方の条件が成立することにより終了して遊技者に不利な第2の状態、すなわち、開閉板12が閉成状態となる。
【0019】
可変入賞球装置11が第1の状態となっている期間中に可変入賞球装置11内に進入したパチンコ玉は入賞個数検出器15あるいは特定入賞玉検出器14により検出される。パチンコ玉が特定入賞玉検出器14により検出されれば、その回の可変入賞球装置11の第1の状態が終了するのを待って再度可変入賞球装置11を第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。
【0020】
打玉が始動口9や通常入賞口16、あるいは可変入賞球装置11に入賞すれば、その入賞に応じて所定数のパチンコ玉が玉貯留部47に払出される。また、いずれの入賞口にも入賞しなかったパチンコ玉はアウト口32より回収される。
【0021】
玉貯留部47内のパチンコ玉は、その貯留量に応じて所定の金品と交換することができる。なお、6は下皿であり、上皿5の玉貯留部47に貯留し切れなくなった余剰玉を貯留させるために設けられている。4は透明板保持枠であり、遊技領域8の前面を覆う透明板を保持している。
【0022】
カードユニット2で玉貸を行なった後、共通カードを排出させたい場合には、上皿5の本体カバー部48に設けられている返却スイッチ42を押圧すればよい。これにより、カードユニット2内に取込まれている共通カードが共通カード挿入・排出口22より排出される。もちろん、玉貸を行なった後、遊技中継続して共通カードをカードユニット2に挿入した状態にしておいてもよい。これにより、遊技中にパチンコ玉が残り少なくなった場合、即座に玉貸を行なうことができる。玉貸操作を迅速に行なうことができるという観点より、遊技開始から遊技終了まで、共通カードをカードユニット2に挿入した状態で遊技を行なう者は多い。
【0023】
上皿5に供給されたパチンコ玉は、それが玉貸に基づくものであるか、打玉の入賞口への入賞に基づいて払出されたものであるかにかかわらず、その大きさに応じた所定の景品あるいは現金と交換することが可能である。
【0024】
ところで、カード残額に関する情報部分などが不正に改変された偽造カードを不当な利益を得る目的で使用する不正使用者の多くは、偽造カードの使用により最大限の利益を上げるべく、ほとんど遊技を行なうことなく玉貸操作のみを繰返し実行している。そして、カード残額相当数のパチンコ玉を金品と交換しているのが実情である。
【0025】
かかる不正行為を阻止すべく、このパチンコ遊技機1は、上皿5に残留しているパチンコ玉数が所定数以下でない限り、玉貸操作を無効にする制御を行なうように構成されている。より具体的には、遊技の開始から終了までの期間にわたって、カード残額の引落処理により供給されたパチンコ玉数(引落数)および打玉の入賞口への入賞に基づいて払出された払出数ならびに遊技に使用されたパチンコ玉数(打込数)をそれぞれ計数し、「引落数+払出数−打込数=所有数」を演算し、上皿5に残留しているパチンコ玉数を特定している。そして、遊技者が玉貸スイッチ41を押圧した際に「所有数」が所定値(たとえば50)よりも大きいか否かを判断し、大きい場合には玉貸操作を無効にする。また、この際、ホールコンピュータ100(図4参照)に異常引落報知信号が出力されるように構成されている。
【0026】
以上の構成により、偽造カードを用いたいわゆる“玉出し”行為が行なわれることを極力防止できる。また、異常引落報知信号がホールコンピュータ100へ出力されるように構成されているため、偽造カードの使用の有無を容易に発見することが可能となる。一方、正規の共通カードを用いて遊技を行なう者は、通常、ある程度残り玉が少なくならない限り、玉貸操作を行なわないため、正規に遊技を行なう者に対して何ら不利益を与えることがない。
【0027】
図3は、図1に示したパチンコ遊技機1およびカードユニット2の全体背面図である。パチンコ遊技機1の玉タンク25には、たとえば遊技機設置島ごとに設置されている玉循環装置(図示省略)から必要に応じてパチンコ玉が供給されている。玉タンク25内のパチンコ玉は図示する矢印に沿って払出装置26へ誘導される。そして、カードユニット2で玉貸処理が実行された場合、あるいは通常入賞口16,始動口9,可変入賞球装置11に打玉が入賞した場合、払出装置26は所定数のパチンコ玉を玉貯留部47(図2参照)へ供給するための処理を実行する。払出装置26から玉貯留部47へ供給されるパチンコ玉数は払出玉検出器27により1つずつ検出される。払出装置26は、所定数のパチンコ玉が払出玉検出器27で検出されたことを条件にパチンコ玉の供給を停止させる。
【0028】
遊技者が打球操作ハンドル7(図1参照)を操作すれば打球モータ37が駆動する。打球モータ37が駆動することによりハンマ38が間欠揺動し、玉貯留部47内のパチンコ玉がハンマ38により1発ずつ遊技領域8(図1参照)へ打込まれる。遊技領域8へ打込まれた打玉のうち、通常入賞口16,始動入賞口9,可変入賞球装置11に入賞した入賞玉は遊技盤裏面に導かれた後、入賞玉集合樋30で回収される。そして、入賞玉検出器31で1つずつ検出された後、打込玉集合樋34へ案内される。一方、いずれの入賞口にも入賞しなかったパチンコ玉はアウト口30により回収されて打込玉集合樋34へ案内される。そして、打込玉集合樋34で合流したアウト玉と入賞玉は打込玉検出器33で検出された後、打込玉出口35から遊技機外部へ排出され、遊技機設置島ごとに設けられた玉循環装置へ案内される。
【0029】
28は、パチンコ遊技機1の遊技制御を行なう遊技用マイクロコンピュータ67(図4参照)が設けられた遊技用制御基板である。また、29は払出装置26などを制御する玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40(図4参照)が設けられた賞球玉貸制御基板である。賞球玉貸制御基板29は、打玉の入賞に応じて払出装置26に所定数のパチンコ玉の払出を行なうための制御信号を送出する。また、賞球玉貸制御基板29は、カードユニット2からの玉貸要求に応じて払出装置26に所定数のパチンコ玉の払出を要求する。また、110は情報出力部であり、この情報出力部110を通じて異常引落報知信号がホールコンピュータ100へ出力される。
【0030】
図4は、パチンコ遊技機1およびカードユニット2のブロック図である。カード玉貸機制御部39は、カードユニット2に異常のないことを条件に利用可ランプ18を点灯表示する制御を行なう。さらにカード玉貸機制御部39は、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40から貸玉欠乏信号が送信されていないことを条件に玉貸可表示ランプ44を点灯表示する制御を行なう。また、予め入力設定された設定情報に基づいて連結方向表示器20を点灯表示する制御を行なう。カードリーダライタ23に共通カードが挿入されていない場合には、カード玉貸機制御部39は残高表示部43を後述する所定の態様で点滅表示させるデモンストレーション表示の制御を行なう。
【0031】
カード挿入・排出口22(図1参照)に共通カードが挿入されれば、カード搬送機構45により共通カードが取込まれる。そして、共通カードの記録情報がカードリーダライタ23により読取られ、その記録情報がカード玉貸機制御部39で記憶される。したがって、カード玉貸機制御部39には、共通カードのカード残高も記憶されることになる。また、共通カードが挿入された旨が挿入検出スイッチ46で検出される。カード玉貸機制御部39は、挿入検出スイッチ46の検出信号を受信してカード挿入表示ランプ21を点灯表示させる制御を行なう。
【0032】
カード玉貸機制御部39は、共通カードの記録情報に基づいてカード残高を残高表示部43に表示させる制御を行なう。これにより、デモンストレーション表示が行なわれていた残高表示部43には、カード残高数が点灯表示される。カード玉貸機制御部39から残高表示部43へ出力される表示制御用信号の一部は、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40へも入力されている。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、この表示制御用信号の状態を監視して共通カードがカードユニット2に挿入されているか否かを判断する。この判断手法に関しては、後に図5において詳細に説明する。
【0033】
遊技者がカード残高表示部43で所定以上のカード残高のあることを確認して玉貸スイッチ41を押圧操作すれば、玉貸要求信号がカード玉貸機制御部39に入力される。カード玉貸機制御部39は、これを受けて玉貸要求信号を玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に出力する。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40には、各種計数カウンタ(図示省略)が設けられている。引落数計数カウンタは、玉貸により供給されたパチンコ玉数を計数するためのカウンタであり、打込数計数カウンタはパチンコ遊技機1の遊技領域8に打込まれたパチンコ玉数を計数するカウンタであり、払出数計数カウンタは打玉の入賞に伴って遊技者に払出されたパチンコ玉数を計数するカウンタであり、所有数計数カウンタは引落数計数カウンタのカウンタ値と払出数計数カウンタのカウンタ値とを加算した値から打込数計数カウンタのカウンタ値を減算した値を計数するカウンタである。これらのカウンタを含む各種計数カウンタは、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40のRAM(図示省略)内に記憶されている。
【0034】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、カード玉貸機制御部39から玉貸要求信号が入力されれば、所有数計数カウンタのカウンタ値を参照する。そして、カウンタ値が所定値(たとえば50)よりも大きいか否かを判断する。遊技開始前においては、引落数計数カウンタ,払出数計数カウンタ,打込数計数カウンタの各カウンタのカウンタ値は0であるため、所有数計数カウンタも0である。したがって、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は所有数計数カウンタのカウンタ値が所定値に満たない旨の判断をすることになる。この場合には、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は払出装置26に払出要求信号を出力する。払出装置26は、払出要求信号に応じて所定数のパチンコ玉を払出す処理を実行する。そして、所定数のパチンコ玉が払出されれば払出玉検出器27がその旨を検出し、払出終了信号を玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に出力する。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、払出要求信号を出力してから所定時間内に払出終了信号が入力されたことを条件に引落数計数カウンタのカウンタ値を更新する。そして、減算許可信号をカード玉貸機制御部39へ出力する。
【0035】
減算許可信号を受信したカード玉貸機制御部39は、記憶しているカード残高から所定単位の残高数を減算更新して記憶する。そして、その減算更新後のカード残高を残高表示部43に表示させるための表示制御用信号を出力する。これにより、残高表示部43の表示が更新される。
【0036】
遊技が開始してパチンコ玉が弾発発射されれば、その打玉が打込玉検出器33で検出される。そして、検出信号が玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に入力される。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は検出信号に基づいて打込数計数カウンタのカウンタ値を更新する。
【0037】
打玉の入賞に応じて所定数のパチンコ玉が遊技者に払出すのに、遊技用マイクロコンピュータ67から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に払出すパチンコ玉数を特定できる賞球払出信号が入力される。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、賞球払出信号により、払出されるパチンコ玉数を特定してパチンコ玉が払出されると、払出数計数カウンタを更新する。
【0038】
遊技中に遊技者が玉貸スイッチ41を押圧操作した場合、前述と同様に玉貸要求信号がカード玉貸機制御部39を介して玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に入力される。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、所有数計数カウンタのカウンタ値が所定値(たとえば50個)以下であれば前述のとおり、玉貸のための各処理を実行する。しかしながら、所有数計数カウンタのカウンタ値が所定値よりも大きい場合には、玉貸処理を行なうことなく情報出力部110(図3参照)を介して異常引落報知信号をホールコンピュータ100へ出力する。所有数計数カウンタのカウンタ値は、説明するまでもなく遊技者が所有しているパチンコ玉数である。新たに玉貸を行なうことなくある程度の期間遊技を続行可能な数のパチンコ玉を遊技者が所有しているにもかかわらず、玉貸の要求がある場合、偽造カードを使ったいわゆる“玉出し”が行なわれている可能性が高いと考えられる。そこでこのパチンコ遊技機1においては、所有数計数カウンタで遊技者が所有しているパチンコ玉数を経時的に計数し、玉貸要求があった際に所有数計数カウンタのカウンタ値を参照して該カウンタ値が所定値よりも大きい場合には玉貸処理を実行することなく異常引落報知信号をホールコンピュータ100へ出力するように構成されている。
【0039】
ホールコンピュータ100は、異常引落報知信号により不正行為が行なわれている可能性のあるパチンコ遊技機1を特定してモニタ上に表示可能である。
【0040】
また、所有数により異常引落か否か判定するので、大当り中もしくは大当り後の持玉遊技中に不正に玉貸しようとしても玉貸できない。たとえば、打込玉数が所定値よりも多く打込まれたか否かで異常引落か否かを判定した場合は上記の不正を防げない。
【0041】
返却スイッチ42が押圧操作されれば排出要求信号がカード玉貸機制御部39に入力される。カード玉貸機制御部39はこれを受けてカードリーダライタ23に排出許容信号を出力する。カードリーダライタ23は、共通カードのカード残高など、記録情報の書替えを行なった後、カード搬送機構45により共通カードを排出させる制御を行なう。また、カード玉貸機制御部39は、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40より入力される減算許可信号に応じてカード残高の減額更新を行なった際、カード残高が0になれば、返却スイッチ42の操作の有無にかかわらず排出許容信号をカードリーダライタ23へ出力する。また、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、共通カードが排出されることを条件に、前記各計数カウンタをリセットする。
【0042】
図5は、カード玉貸機制御部39と残高表示部43、および玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40との接続を説明するためのブロック図である。残高表示部43は、たとえば7つのセグメントで構成される数字を表示可能なセグメント表示器104a,104b,104cで構成されている。そして、各セグメント表示器104a,104b,104cの各セグメントの点灯状態を制御するための信号線がカード玉貸機制御部39より配線されている。カード玉貸機制御部39は、各信号線に表示制御用の信号を出力することにより、セグメント表示器104a,104b,104cの各セグメントの表示制御を行なう。前述のとおり、共通カードがカードユニット2に挿入されていない場合には、残高表示部43で点滅表示(デモンストレーション表示)が行なわれる。この点滅表示は、各セグメント表示器104a,104b,104cの各セグメントが予め定められた順序で走行点灯することにより行なわれる。より具体的には、たとえば水平方向に長い3つのセグメントのうち上位のセグメント(たとえばセグメント表示器104aのセグメント102b)が微小時間点灯した後消灯し、次に鉛直方向に長い4つのセグメントのうち左上位のセグメント(たとえばセグメント表示器104aのセグメント102a)が微小時間点灯した後消灯し、次に鉛直方向に長い左低位のセグメントが微小時間点灯するなどという順序で外側の6つのセグメントが左回りに順番に走行点灯し、最後に垂直方向の中位のセグメントが微小時間点灯するという具合である。そして、この走行点灯が3つのセグメント表示器104a,104b,104cでそれぞれ同時に繰返し実行されることにより、残高表示部43の点滅表示が行なわれる。
【0043】
カード玉貸機制御部39から残高表示部43に配線される信号線のうち、セグメント表示器104aのセグメント102aおよびセグメント102bに接続される信号線103a,103bはそれぞれフォトカプラ101aおよび101bを介して配線されている。そして、フォトカプラ101aおよび101bは玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40と接続されている。これにより、セグメント102a,102bの表示制御用信号がフォトカプラ101a,101bで分岐して玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40へ入力される。したがって、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、フォトカプラ101a,101bより入力される信号の変化に基づいてセグメント表示器104aが点滅表示状態にあるか点灯表示状態にあるかを認識可能である。セグメント表示器104aが点滅表示状態にある場合には、残高表示部43で走行点灯によるデモンストレーション表示が行なわれていると判断でき、すなわち、カードユニット2に共通カードが挿入されていない状態であると判断できる。一方、セグメント102a,102bが点滅していない場合、すなわち、フォトカプラ101a,101bより連続的に信号が入力されているかまたは信号の入力がない場合には残高表示部43でデモンストレーション表示が行なわれていない状態、すなわち、カードユニット2に共通カードが挿入されている状態にあると判断できる。このように、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40はカード玉貸機制御部39から残高表示部43に出力される信号を監視することにより、間接的にカードユニット2に共通カードが挿入されているか否かを判断している。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は表示制御用信号を利用して共通カードの挿入の有無を判断できるため、カード玉貸機制御部39から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40にその旨を表わす信号が送信されるように構成する必要がない。つまり、返却操作があったか否か、さらにカード残高が0になった場合の自動排出についても、その旨を表わす信号を送信するため機能をカードユニット2に付加する必要がないのでカードユニット2自体は現状のものを改造する必要がない。これにより、コストを抑えることができる。
【0044】
なお、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40が監視する信号線としてセグメント102a,102bの信号線を選択しているが、これらのセグメントにかかわらず他のセグメントの信号線を選択してもよい。また、信号線の数は、2本に限ることなく、すべての信号線でもよく、また、1つの信号線でもよい。また、フォトカプラ101a,101bを用いることなく、直接結線するように構成してもよい。
【0045】
なお、図5において3つのセグメント表示器のうち、特にセグメント表示器104aのセグメントに配線された信号線を利用しているのは、残高表示部43に残高が表示される場合に、セグメント表示器104aは他の2つのセグメント表示器104b,104cに比べて表示変化が少ないからである。現在発行されている共通カードの最高額面は1万であり、セグメント表示器104a,104b,104cには、それぞれ万の位,千の位,百の位が表示されるように構成されているため、セグメント表示器104aには1または0のみが表示される。したがって、遊技中に玉貸が行なわれて残高表示部43の表示が順次更新される場合であっても、セグメント表示器104aの表示は一旦0が表示されれば変化することはない。ゆえに、特にセグメント表示器104aの表示態様は共通カードがカードユニット2に挿入されている場合と挿入されておらずデモンストレーション表示が行なわれている場合とで明確に相違することになるため、セグメント表示器104aにかかわるセグメントの点灯状態を監視することにより正確に共通カードの挿入の有無を判断できるのである。また、玉貸中に点滅しながら順次更新されても0または1以外の数字を表示することはなく、点滅表示したとしてもセグメント102a,102bの2つを監視しているので、デモンストレーション表示の点滅表示(走行点灯)との相違を明確に判断できる。
【0046】
図6は、デモンストレーション表示(デモ表示)処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに基づく制御プログラムは、カードユニット2のカード玉貸機制御部39に構成されたROM内に記憶されており、カード玉貸機制御部39はこの制御プログラムに基づいてデモンストレーション表示を実行する。
【0047】
まず、S1においてデモンストレーション表示(デモ表示)が実行される。つまり、カード玉貸機制御部39から残高表示部43に走行点灯表示を行なうための制御信号が出力される。次にS2に進み、共通カードが受付けられたか否かが判断される。より具体的には、挿入検出スイッチ46(図4参照)からカード玉貸機制御部39に検出信号が入力されたか否かが判断される。そして、カードが受付けられていない場合には、S1に戻る。
【0048】
一方、カードが受付けられた場合には、S3に進み、カード残高の残高表示が行なわれる。より具体的には、共通カードのカード残高に基づいて残高表示部43に残高表示用の制御信号が出力される。
【0049】
次にS4に進み、カード残高がないか、すなわち、カード残高が0であるか否かが判断される。挿入された共通カードのカード残高が0の場合、または玉貸処理が実行されることに基づいて共通カードの残高が0となった場合にはS5に進み、カードを排出する処理が実行された後、S1に戻る。
【0050】
一方、S4で残高があると判断された場合には、S6に進み、返却操作が行なわれたか否かが判断される。そして、返却操作が行なわれた場合には、S5に進み、カード排出処理が実行される。一方、返却操作が行なわれていない場合には、S3に戻る。
【0051】
図7は、異常引落検出処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに基づく制御プログラムは、パチンコ遊技機1の玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に構成されたROM内に記憶されている。そして、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、この制御プログラムに基づいて異常引落検出処理を実行する。
【0052】
まず、S101においてデモンストレーション表示(デモ表示)中であるか否かが判断される。この判断は、図5において説明したフォトカプラ101a,101bから入力される信号の変化に基づいて行なわれる。
【0053】
デモンストレーション表示中でない場合には、S104に進む。そして、遊技の進行状況に応じて、あるいは玉貸処理に応じて、引落数,払出数,打込数をカウントする処理が開始される。引落数とは、玉貸により供給されたパチンコ玉数であり、前述のように引落数計数カウンタにより計数される。払出数とは、打玉の入賞に応じて払出されたパチンコ玉数であり、前述のように払出数計数カウンタにより計数される。打込数とは、遊技領域8に打込まれた打込玉数であり、前述のように打込数計数カウンタにより計数される。
【0054】
次にS105に進み、タイムアップしているか否かが判断される。具体的には、後述するS114でセットされるタイマが所定値を計時し終えたか否かが判断される。タイムアップしている場合には、後述するS102に進む。一方、タイムアップしていない場合には、S106に進む。
【0055】
S106では、玉貸要求信号が入力されたか否かが判断される。玉貸要求信号の入力がない場合には、処理が終了する。一方、玉貸要求信号が入力された場合には、S107に進む。
【0056】
S107では、「引落数+払出数−打込数」で算出される「所有数」が50よりも大きいか否かが判断される。より具体的には、前述した所有数計数カウンタのカウンタ値が50よりも大きいか否かが判断される。所有数計数カウンタのカウンタ値が50よりも大きい場合には、S108に進み、異常引落報知が行なわれる。具体的には、異常引落報知信号がホールコンピュータ100に出力される。そして、処理が終了する。
【0057】
一方、所有数計数カウンタのカウンタ値が50よりも大きくない場合には、S109に進み、払出要求信号が払出装置27へ出力される。次にS110に進み、払出玉検出器27から払出終了信号(つまり払出数分の検出信号)が入力されたか否かが判断される。そして入力のない場合には、S111に進み、所定時間が経過したか否かが判断される。所定時間が経過していない場合には、S110に戻る。所定時間が経過しても払出終了信号が入力されない場合にはS112に進み、所定のエラー報知が行なわれた後、処理が終了する。
【0058】
一方、S110で払出終了信号が入力された場合には、S113に進み、減算許可信号がカード玉貸機制御部39へ出力される。次にS114に進み、タイマがセットされる。このタイマは、前記S105でタイムアップしたか否かが判断されるタイマである。タイマがセットされた後、処理が終了する。
【0059】
S101において、デモンストレーション表示中でないと判断された場合、すなわち、カードユニット2に挿入されている共通カードが排出されたと判断された場合には、S102に進む。S102では、引落数計数カウンタ,払出数計数カウンタ,打込数計数カウンタ,所有数計数カウンタの各カウンタ値がクリアされ、カウント処理が停止する。さらに、S114でセットされるタイマのタイマ値がクリアされる。
【0060】
次にS103に進み、異常引落報知信号の出力が停止され、異常引落報知が終了された後、処理が終了する。
【0061】
また、S105でタイムアップしていると判断された場合にも、S102に進み、各計数カウンタのカウンタ値がクリアなどされるとともに、タイマ値がクリアされる。つまり、S109からS113で玉貸処理が実行され、S114でタイマがセットされた後、セットされたタイマ値に基づく所定時間が経過すれば、不正な玉貸が行なわれているか否かを判断するための各計数カウンタのカウンタ値がクリアされる。
【0062】
このように構成したのは、正規の共通カードを利用する遊技者が遊技を開始する前に玉貸操作により引落したパチンコ玉を直接タバコなどの景品と取替え、改めて遊技を行なう目的で玉貸操作を行なった場合、または、大当りとなり、その大当りによって払出された持玉を景品と交換すべく持出し、新たに玉貸により遊技を行なう場合(つまり大当り1回につき1回交換の場合)既に引落したパチンコ玉により所有数計数カウンタのカウンタ値が50を超えていると判断され玉貸を行なうことができないという不都合を防止するためである。玉貸が行なわれてから所定時間が計時された後、各計数カウンタのカウンタ値がクリアされるように構成することにより、遊技開始前に引落したパチンコ玉を景品と交換している間にS105でタイマアップしたとの判断がなされるため、不正行為を目的としない善意の遊技者に迷惑を与えることがない。なお、このような趣旨より、S114でセットされるタイマのタイマ値は遊技場の状況などにより適宜設定でき、たとえば3分程度とすることが適当と考えられる。なお、いわゆる“玉出し”を目的とした悪意の遊技者は前記所定時間を待つことなく繰返し連続して玉貸操作を行なうと考えられるため、このようにタイマを設けた場合であっても、不正行為を効果的に防止でき、かつ、その行為の有無を効果的に検出できる。
【0063】
図8は、残額減算処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに基づく制御プログラムは、カードユニット2のカード玉貸機制御部39に構成されているROMに記憶されている。カード玉貸機制御部39は、この制御プログラムに基づいて残額減算処理を実行する。
【0064】
まず、S201において玉貸要求操作があったか否かが判断される。玉貸要求操作のない場合には、処理が終了する。一方、玉貸要求操作があった場合には、S202に進む。S202では、減算許可信号が入力されたか否かが判断される。減算許可信号は、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40から入力される信号である。減算許可信号が入力されていない場合には、処理が終了する。減算許可信号が入力された場合には、S203に進む。
【0065】
S203では、残額減算処理が実行される。これにより、カード玉貸機制御部39内に記憶されているカード残高が減算更新される。残額減算処理が終了した後、処理が終了する。
【0066】
図9は、パチンコ遊技機1内の玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に設けられている各種計数カウンタを説明するための説明図である。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40内のRAMには、引落数計数カウンタX,払出数計数カウンタY,打込数計数カウンタZ,所有数計数カウンタSが構成されている。そして、玉貸に基づいてパチンコ玉が供給されるごとに引落数計数カウンタXのカウンタ値が加算更新され、賞球が払出されるごとに払出数計数カウンタYのカウンタ値が加算更新され、パチンコ玉が弾発発射されるごとに打込数計数カウンタのカウンタ値が加算更新される。なお、所有数計数カウンタSには、図示するように「引落数計数カウンタX+払出数計数カウンタY−打込数計数カウンタZ」の演算結果が記憶されている。
【0067】
次に、以上説明した実施形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 図4あるいは図5において説明したように、パチンコ遊技機1の玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、カードユニット2のカード玉貸機制御部39から、共通カードがカードユニット2に挿入されているか否かを判断するための情報を直接受信することなく、その判断が可能である。これは、残高表示部43の表示態様がカードユニット2に共通カードが挿入されている場合とそうでない場合とで異なったものであるという現状の事実に着目し、カード玉貸機制御部39から残高表示部43に出力される表示制御用信号の一部を玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40で監視可能なように構成することにより実現されたものである。つまり、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、残高表示部43でデモンストレーション表示が行なわれておれば共通カードがカードユニット2に挿入されていないものと判断し、デモンストレーション表示が行なわれていない場合には共通カードが挿入されているものと判断する。
【0068】
このように構成することにより、従来より使用されているカードユニットを、これに改造を加えることなくパチンコ遊技機1のカードユニット2として適用できる。したがって、たとえば、全国の各遊技場に本実施形態に係る不正玉貸の防止処理を施す場合、各遊技場に数多く設置されているカードユニットを新たなものと交換する必要がなく、コストの低減を図ることができる。
(2) 本実施形態では、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を使用して遊技可能な遊技機の一例として、パチンコ遊技機1を例に挙げた。また、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体の一例として共通カードを例に挙げた。さらに、記録媒体により特定される有価価値から引落された所定の大きさの引落有価価値に相当する遊技媒体の一例として、パチンコ玉を例に挙げた。しかしながら、本発明に係る記録媒体,遊技機,遊技媒体はこれらのものに限定されるものではない。
【0069】
たとえば、遊技機の他の例として、スロットマシンなどを挙げることができる。そして、スロットマシンの場合には、たとえば次のように構成することが考えられる。すなわち、カード残高が記録されたカードをたとえばカードユニットに挿入し、そのカード残高が所定の表示器に表示される。遊技者は表示器でカード残高を確認してカード残高から遊技に使用する使用額を選択して使用額相当の残高を引落す。
【0070】
そして、使用額の範囲で1遊技に賭ける賭値を選択した後、スロットマシンの遊技を開始する。このようなスロットマシンにおいては、カード残高が記録されたカードが前記記録媒体を構成することになる。また、カード残高から引落された使用額により、前記記録媒体により特定される前記有価価値から減算更新された所定の大きさの引落有価価値が構成されることになる。さらに、前記使用額の範囲で設定可能な賭値により、前記遊技媒体が構成されることになる。
【0071】
すなわち、遊技媒体とは、パチンコ玉などの物体のみを意味するのではなく、遊技と引換に消費される得点や賭値、その他これに準ずる数値情報をも含む広い概念である。
【0072】
その他、本発明に係る遊技機として適用可能なものとして、たとえば玉封入式の弾球遊技機をその例に挙げることができる。玉封入式の弾球遊技機は、打玉が遊技機内部に封入されている。そして、遊技者が弾発した打玉は弾球遊技機内部で循環して使用されている。このような玉封入式の弾球遊技機では、遊技者がたとえば共通カードを用いて引落操作を行なうことにより遊技者に持点が付与されるように構成されている。このような玉封入式の弾球遊技機の場合、共通カードから引落した持点により、前記引落有価価値が構成され、持点の消費に伴って弾発発射可能なパチンコ玉により遊技媒体が構成されることになる。
【0073】
(3) 図7の異常引落検出処理の処理手順において、S107で所有数計数カウンタのカウンタ値が50よりも大きい場合には、S108で異常引落報知信号が出力されるように構成した。しかしながら、これに加えて、パチンコ遊技機1のスピーカや所定のランプなどで異常引落が行なわれた可能性のある旨が報知されるように構成してもよい。あるいは、異常引落報知信号をホールコンピュータ100に出力するのみならず、カード玉貸機制御部39や遊技用マイクロコンピュータ67にも同時に出力されるように構成してもよい。カード玉貸機制御部39は異常引落報知信号の入力に基づいてカードリーダライタ23に取込まれている共通カードの排出を禁止する制御を行なうように構成してもよい。これにより、状況を察知した悪意の遊技者が偽造カードを排出し、逃げ去ってしまうという不都合を防止できる。
【0074】
また、異常引落報知信号がホールコンピュータ100に入力された場合、ホールコンピュータ100でブザー音などの報知音が出力されるように構成してもよい。
【0075】
(4) 図4において、玉貸排出制御用マイクロコンピュータ40はカード玉貸機制御部39から残高表示部43に出力される制御信号を監視して共通カードの排出・挿入を認識可能なように構成した。しかしながら、これに代えて返却スイッチ42の押圧に基づいて出力される返却要求信号が玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40にも入力されるように構成し、当該信号に基づいて共通カードの排出時期を認識可能なように構成してもよい。
【0076】
また、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40は、カード玉貸機制御部39から入力される玉貸要求信号に基づいて玉貸要求のある旨を検出するように構成した。しかしながら、これに代えて、玉貸スイッチ41からカード玉貸機制御部39へ入力される玉貸要求信号が玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40にも入力されるように構成し、当該信号に基づいて玉貸要求のある旨を判断するように構成してもよい。
【0077】
図7の異常引落検出処理の処理手順において、S102では各計数カウンタのカウンタ値がクリアされるように構成した。しかしながら、これに代えて、各計数カウンタのカウンタ値を減算する演算を行なうことにより、各カウンタのカウンタ値を「0」に更新するように構成してもよい。たとえば、打込数計数カウンタのカウンタ値が「300」となっていれば、「300」を減算する演算を行なうように構成する。
【0078】
また、S101でYESの判断がなされた場合とS105でYESの判断がなされた場合とでそれぞれ個別に処理を行なってもよい。たとえば、S101でYESの判断がなされた場合には各計数カウンタのカウンタ値がクリアされるように構成する一方、S105でYESの判断がなされた場合には各計数カウンタのカウンタ値を減算する演算が行なわれるように構成することが考えられる。なお、このような減算処理が実行される場合、あるいは加算処理が実行される場合においても、各計数カウンタのカウンタ値が「0」になるように処理する必要はなく、演算処理後のカウンタ値が「0」以外の所定値となるように構成してもよい。たとえば、S105でYESの判断がなされた場合、各計数カウンタの値がクリアされるのではなく、所有数計数カウンタのカウンタ値が「40」となるように各計数カウンタのカウンタ値が調整(たとえば減算処理)されるように構成することが考えられる。これにより、再度玉貸要求信号が入力された場合にS107で異常判定されることはない。なお、所有数計数カウンタのカウンタ値が「40」となるように各計数カウンタのカウンタ値が調整される場合を例に挙げて説明したが、調整される数値は「40」に限られるものでないことは言うまでもない。正規の共通カードを使用して遊技を行なおうとする遊技者が遊技開始前に引落としたパチンコ玉をタバコなどの景品に取替え、遊技を行なうために改めて玉貸操作を実行した場合にS107で異常判定が行なわれない程度の値に変更されるものでありさえすればよい。
【0079】
また、S108において、異常引落報知が行なわれるように構成したが、この異常引落報知を行なうことなく、玉貸の禁止のみを行なうように構成してもよい。また、玉貸可表示ランプ44を、玉貸を許容する状態になるまで消灯状態にしておくことにより、玉貸禁止状態である旨を遊技者に知らせるようにしてもよい。
【0080】
(5) 図9に示した各計数カウンタは玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40内に構成した。そして、図7に示した異常引落検出処理は玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40で実行されるように構成した。しかしながら、これに代えて、カード玉貸機制御部39で異常玉貸の可能性があるか否かを判断するように構成してもよい。具体的には、図9に示した各計数カウンタをカード玉貸機制御部39に設け、遊技開始と同時に計数処理が実行されるように構成する。そして、玉貸スイッチ41の押圧操作があった場合に所定数計数カウンタのカウンタ値が50よりも大きいか否かを判断するように構成すればよい。なお、このように構成した場合、打込数および払出数については玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40からカード玉貸機制御部39へ所定の信号が入力されるように構成し、カード玉貸機制御部39はこの信号に基づいて払出数および打込数を特定できるように構成すればよい。
【0081】
(6) 遊技者の所有するパチンコ玉の数が所定数以下になれば自動的に玉貸が行なわれるような自動玉貸機能をパチンコ遊技機1に付加してもよい。この場合には、図2に示した本体カバー部48に手動玉貸と自動玉貸とを切換可能な切換スイッチを設けるとよい。また、遊技者の所有するパチンコ玉が所定数以下であることを検出するための検出スイッチを設ける必要がある。
【0082】
また、1回の玉貸操作で共通カードから引落すことのできる残高を設定可能な設定ボタン(玉貸金額設定ボタン)を設けてもよい。この玉貸金額設定ボタンは遊技者には操作できないようにして、遊技場の係員のみが操作可能なように構成してもよく、遊技者も任意に操作可能なように構成してもよい。
【0083】
(7) パチンコ遊技機1を玉封入式の弾球遊技機で構成した場合には、図8に示した残額減算処理をパチンコ遊技機側で実行するように構成してもよい。すなわち、共通カードがカードユニット2に挿入されれば、カード残高に関する情報がパチンコ遊技機側に送信されるようにし、玉貸処理が実行されるごとにパチンコ遊技機1内に記憶されているカード残高が減算更新されるように構成する。そして、共通カードの排出時にパチンコ遊技機からカードユニット2に対して更新後のカード残高情報が送信されるように構成する。
【0084】
(8) 図7に示した異常引落検出処理の処理手順において、異常引落の可能性の有無を判定するために所有数が50よりも大きいか否かを判断するように構成した。そして、この所有数を演算するために引落数計数カウンタと払出数計数カウンタと打込数計数カウンタとを設け、「引落数+払出数−打込数」を演算し、その演算結果を所定数計数カウンタに記憶するように構成した。しかしながら、このように複数の計数カウンタを必ずしも用いることはなく、単一の計数カウンタで構成することも可能である。つまり、引落が検出されるごとに引落数が加算され、払出が検出されるごとに払出数が加算され、打込玉が検出されるごとに打込数が減算されるような単一の計数カウンタを用いてもよい。
【0085】
(9) 図7に示す異常引落検出処理の処理手順において、S101でデモ表示中であると判断された場合にはS102に進み、各計数カウンタのカウンタ値が初期化されるように構成した。これにより、共通カードがカードユニット2に挿入される際、またはカードユニット2に挿入されていた共通カードが排出される際に各計数カウンタのカウンタ値が初期化されることになる。したがって、ある遊技者が共通カードを排出させて遊技を終えた後、次の遊技者が同一のパチンコ遊技機1で遊技を行なうべく玉貸操作をした場合、前の遊技者に関するカウンタ値が残留していることに起因して玉貸ができずさらに異常玉貸であると判定されてしまうことを防止できる。
【0086】
(10) 共通カードが排出されたらたとえば1分間は玉貸禁止にするようにしてもよい。つまり、残高表示からデモンストレーション表示に変わったのを玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40で認識した場合、玉貸禁止タイマ(たとえば1分間)をセットする。玉貸禁止タイマが作動中は玉貸できなくする。この場合、タイマが作動中に玉貸要求があっても異常玉貸報知をしないのが望ましい。また、タイマが作動中で玉貸できない旨を表わす表示をしてもよい。たとえば、タイマ作動中は玉貸可表示ランプ44を消灯しておくなどでもよい。
【0087】
このようにすることで、玉貸して、共通カードを排出して、また共通カードを挿入して玉貸するようにして不正を行なうのを極力防止できる。
【0088】
また、玉貸してからたとえば1分間共通カードを排出できないようにしても同様の効果が得られる。たとえば、返却スイッチ42を一旦玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に接続し、玉貸してから排出禁止タイマ(たとえば1分間)をセットするようにして、返却操作があった場合に、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40で排出禁止タイマが作動中か否かを判定し、作動中でなければ排出要求信号をカード玉貸機制御部39に出力する。
【0089】
(11) パチンコ遊技機1およびカードユニット2により、遊技機と、記録媒体の受付機能と排出機能とを有する記録媒体処理装置であって、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を受付けた場合には前記遊技機における遊技を可能にする記録媒体処理装置とを含む遊技用装置が構成されている。
【0090】
残高表示部43により、前記記録媒体により特定される有価価値の大きさを表示可能な表示手段が構成されている。
【0091】
カード玉貸機制御部39により、前記表示手段の表示制御を行なう表示制御手段が構成されている。
【0092】
カード玉貸機制御部39により、前記記録媒体処理装置に前記記録媒体が受付けられていない場合には前記表示手段に所定のデモンストレーション表示が表示されるよう、表示制御を行ない、前記記録媒体処理装置に前記記録媒体が受付けられている場合には前記表示手段に前記記録媒体により特定される有価価値の大きさが表示されるよう、表示制御を行なう表示制御手段が構成されている。
【0093】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40により、前記表示手段に表示される表示内容に基づいて前記記録媒体処理装置に前記記録媒体が受付けられているか否かを判断する判断手段が構成されている。
【0094】
前記判断手段は、前記表示手段に前記記録媒体の有価価値の大きさが表示されている場合には、前記記録媒体処理装置に前記記録媒体が受付けられているものと判断し、前記表示手段に前記所定のデモンストレーション表示が行なわれている場合には、前記記録媒体処理装置に前記記録媒体が受付けられていないものと判断する。
【0095】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40により、前記表示制御手段から前記表示手段に入力される表示制御用信号の信号状態を監視し、これに基づいて前記記録媒体処理装置に前記記録媒体が受付けられているか否かを判断する判断手段が構成されている。
【0096】
引落数計数カウンタにより、前記引落有価価値により特定される遊技媒体の量を記憶する引落遊技媒体量記憶手段が構成されている。
【0097】
払出数計数カウンタにより、前記遊技機から払出された遊技媒体の量を記憶する払出遊技媒体量記憶手段が構成されている。
【0098】
打込数計数カウンタにより、遊技者が遊技に使用した遊技媒体の量を記憶する使用済遊技媒体量記憶手段が構成されている。
【0099】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40により、前記引落遊技媒体量記憶手段の記憶値と前記払出遊技媒体量記憶手段の記憶値と前記使用済遊技媒体量記憶手段の記憶値とに基づいて、前記記録媒体の有価価値から前記引落有価価値を新たに引落すことなく前記遊技機で遊技に使用可能な遊技媒体の量を演算する演算手段が構成されている。
【0100】
所有数計数カウンタにより、前記演算手段の演算結果を記憶する演算結果記憶手段が構成されている。
【0101】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40,図7のフローチャートにより、前記有価価値から前記引落有価価値を新たに引落すことなく前記遊技機の遊技に使用可能な遊技媒体の量が前記所定量より多いか否かを判定する判定手段が構成されている。
【0102】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40,図7のフローチャートのS105,S102により、前記引落要求検出手段の検出に基づいた前記減算更新処理手段による前記減算更新の処理が実行されてから所定期間経過後に前記引落遊技媒体量記憶手段の記憶値と前記払出記憶媒体量記憶手段の記憶値と前記使用済遊技媒体量記憶手段の記憶値と前記演算結果記憶手段の記憶値とを初期値に更新する更新手段が構成されている。
【0103】
【課題を解決するための手段の具体例】
パチンコ遊技機1およびカードユニット2により、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を利用して遊技可能な遊技機を含む遊技用装置が構成されている。また、共通カードにより、前記記録媒体が構成されており、パチンコ遊技機1により、前記遊技機が構成されている。
【0104】
カード玉貸機制御部39,玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40および図7に示した異常引落検出処理の処理手順,図8に示した残額減算処理の処理手順により、前記記録媒体により特定される前記有価価値から所定の大きさの引落有価価値を減算更新し、前記引落有価価値の大きさに相当する遊技媒体を用いた前記遊技機における遊技を可能にするための減算更新処理手段が構成されている。また、共通カードに記録されているカード残高により、前記記録媒体により特定される前記有価価値が構成されており、玉貸に基づいて遊技者に供給されるパチンコ玉により、前記遊技媒体が構成されている。なお、遊技媒体とは、前述したようにパチンコ玉などの物体のみを意味するのではなく、得点数や賭値などの遊技と引換に消費される数値を含む広い概念である。
【0105】
図7のS106により、遊技者の前記有価価値の引落要求があったことを検出する引落要求検出手段が構成されている。
【0106】
図7のフローチャートのS107により、前記有価価値が前記引落有価価値を新たに引落すことなく前記遊技機で所定量より多い遊技媒体を使用した遊技が可能である場合に前記引落要求検出手段の検出に基づいた前記減算更新処理手段による前記減算更新の処理を不能動化する減算更新処理不能動化手段が構成されている。また、S107に示されている「50」により、前記所定値が構成されている。
【0107】
図3の情報出力部110および図7のS108により、前記減算更新の処理の不能動状態期間に前記引落要求検出手段で前記有価価値の引落要求があったことが検出された場合にその旨を報知するための報知手段が構成されている。
【0108】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に関しては、減算更新処理手段により遊技に使用可能とされた遊技媒体の数と遊技において発生した入賞に伴なって付与された遊技媒体の数との加算値と、遊技に使用された遊技媒体の数との差が所定値より大きいと判定されたときに、前記減算更新処理手段による処理が不能動化されるために、遊技者が前記引落有価価値を引落した後、遊技をほとんど行なうことなく繰返し連続して前記引落有価価値を引落すような行為を阻止でき、これにより、偽造された記録媒体の有価価値のすべてを金品などと交換する目的で使用する不正行為を極力防止できる。また、前記減算更新処理手段による処理が不能動化されている不能動状態期間に前記引落要求の操作が検出されたときに、その旨を報知するための報知信号がホールコンピュータへ出力されるために、偽造された記録媒体を使用する不正行為が行なわれていることを容易に発見できる。
また、タイマが所定時間を計時したときに判定手段が判定に用いる算出手段の算出値を格納するカウンタの値がクリアされるために、偽造記録媒体ではない正規の記録媒体を用いて遊技者が遊技している中でたまたま算出手段の算出値が所定値より大きくなってしまった場合でも、前記減算更新処理手段による処理が不能動化された状態が所定時間を過ぎれば解除される。その結果、偽造記録媒体ではない正規の記録媒体を用いて遊技をする遊技者に極力迷惑を与えないようにすることができる。一方、偽造記録媒体を用いた不正行為を行なうものは、前記所定時間を待つことなく繰返し連続して引落要求の操作を行なうと考えられるため、このようにタイマを設けた場合であっても、不正行為を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機1およびカードユニット2の全体正面図である。
【図2】パチンコ遊技機1に設けられている上皿5の平面図である。
【図3】パチンコ遊技機1およびカードユニット2の全体背面図である。
【図4】パチンコ遊技機1およびカードユニット2の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】カード玉貸機制御部39と残高表示部43および玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40の接続構成を説明するためのブロック図である。
【図6】デモ表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】異常引落検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】残額減算処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】玉貸払出制御用マイクロコンピュータ40に構成されている各種カウンタを説明するための説明図である。
【符号の説明】
1はパチンコ遊技機、2はカードユニット、5は上皿、7は打球操作ハンドル、22はカード挿入・排出口、26は払出装置、27は払出玉検出器、28は遊技用制御基板、33は打込玉検出器、39はカード玉貸機制御部、40は玉貸払出制御用マイクロコンピュータ、41は玉貸スイッチ、42は返却スイッチ、43は残高表示部、44は玉貸可表示ランプ、100はホールコンピュータ、110は情報出力部である。

Claims (1)

  1. 有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を受付けて、該受付けた記録媒体から特定される有価価値を使用して遊技を可能にするための処理を行なう遊技用装置であって、
    遊技者による前記有価価値の引落要求があったことを検出する引落要求検出手段と、
    該引落要求検出手段が前記引落要求の操作を検出したときに、前記記録媒体により特定される有価価値から所定の大きさの引落有価価値を減算更新し、前記引落有価価値の大きさに相当する遊技媒体を用いた遊技を可能にするための処理をする減算更新処理手段と、
    該減算更新処理手段により遊技に使用可能とされた遊技媒体の数と遊技において発生した入賞に伴なって付与された遊技媒体の数との加算値と、遊技に使用された遊技媒体の数との差を算出する算出手段と、
    該算出手段の算出値が所定値より大きいか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段により前記算出手段の算出値が所定値より大きいと判定されたときに、前記減算更新処理手段による処理を不能動化する減算更新処理不能動化手段と、
    該減算更新処理不能動化手段によって前記減算更新処理手段による処理が不能動化されている不能動状態期間に前記引落要求検出手段が前記引落要求の操作を検出したときに、その旨を報知するための報知信号をホールコンピュータへ出力する報知信号出力手段と
    前記算出手段の算出値を格納するカウンタと、
    前記減算更新処理手段による処理の実行からの時間を計時するタイマであって、所定時間を計時する前の前記減算更新処理手段による新たな処理の実行に基づいて改めて計時を開始するタイマと、
    前記タイマが前記所定時間を計時したときに前記カウンタの値をクリアするクリア手段とを含むことを特徴とする、遊技用装置。
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