JP4011136B2 - 遊技用装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機と記録媒体処理装置とを含む遊技用装置に関し、詳しくは、遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に接続され、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の遊技用記録媒体を受付けて、該受付けた遊技用記録媒体から特定される有価価値を使用して遊技媒体を貸与するための処理を行なう記録媒体処理装置とを含む遊技用装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の遊技用装置として従来から一般的に知られているものに、たとえば有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を利用して遊技可能な遊技機を含む遊技用装置があった。そして、たとえば遊技者が所定の前記有価価値の引落操作を行なうと前記有価価値から所定の大きさの引落有価価値が減算更新され、当該引落有価価値を用いた前記遊技機における遊技が可能となるように構成されていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年においては、不当な利益を得ることを目的にして偽造された記録媒体を不正使用する者が増加しており、問題となっている。
【０００４】
そこで、従来より、このような不正使用者を摘発すべく、偽造の困難な記録媒体の開発あるいは記録媒体の照合強化などの取組がなされている。
【０００５】
しかしながら、それにも増して偽造が巧みに行なわれるため、記録媒体の照合で検出できない大量の偽造された記録媒体が前記遊技用装置で際限なく使用されてしまい、健全なる遊技場経営が阻害されるという不都合が生じていた。
【０００６】
したがって、偽造された記録媒体が不正使用されることを極力防止可能な遊技用装置が望まれていた。一方、不正行為防止に注力するあまり、正規の遊技媒体を使用して遊技を行なう遊技者に支障が及ぶような遊技用装置が提供されてしまうことを極力回避しなければならない。
【０００７】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、偽造された記録媒体が不正使用されることを極力防止できながらも、正規の遊技媒体を使用して遊技を行なう遊技者に極力支障の及ぶことのない遊技用装置を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の本発明は、遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に接続され、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の遊技用記録媒体を受付けて、該受付けた遊技用記録媒体から特定される有価価値を使用して遊技媒体を貸与するための処理を行なう記録媒体処理装置とを含む遊技用装置であって、
前記記録媒体処理装置は、
遊技者により前記遊技媒体の貸与を要求する貸与要求操作がなされたことを検出する貸与要求操作検出手段と、
１回の貸与要求操作に応じた遊技媒体の貸与に使用する有価価値である貸与額を設定変更する貸与額設定手段と、
前記貸与要求操作検出手段による前記貸与要求操作の検出に基づいて、前記貸与額設定手段により設定されている貸与額分の遊技媒体を貸与するために予め定められた単位額分の遊技媒体の貸与を要求する単位貸与要求信号を複数回前記遊技機に送信するとともに、前記貸与額を前記遊技用記録媒体により特定される前記有価価値から減算更新するための減算更新処理を実行する処理手段と、を含み、
前記遊技機は、
前記単位貸与要求信号の受信毎に単位額分の遊技媒体を貸与する貸与処理を実行する貸与処理手段と、
初回の前記単位貸与要求信号の受信に基づいて計時を開始する第１の計時手段と、
該第１の計時手段により予め定められた連続判定時間が計時されるまでの間に前記単位貸与要求信号を受信した受信回数を計数する受信回数計数手段と、
前記第１の計時手段により前記連続判定時間が計時されたことに基づいて、前記貸与処理手段による貸与処理を不能動化する不能動化手段と、
前記第１の計時手段により前記連続判定時間が計時されたことに基づいて計時を開始する第２の計時手段と、
前記不能動化手段により貸与処理を不能動化する貸与禁止時間として、前記受信回数計数手段により計数された受信回数に応じた時間を設定する貸与禁止時間設定手段と、
前記第２の計時手段により、前記貸与禁止時間設定手段により設定された貸与禁止時間が計時されたことを条件に、前記貸与処理の不能動状態を解除する不能動状態解除手段と、
前記不能動化手段により前記貸与処理が不能動化されてから前記不能動状態解除手段により不能動状態が解除されるまでの期間に、前記貸与要求操作検出手段により前記貸与要求操作が検出された場合に、その旨を報知するための報知情報をホールコンピュータへ出力する報知情報出力手段と、を含み、
前記記録媒体処理装置は、さらに、前記報知情報出力手段により前記報知情報が出力されている期間において、前記遊技用記録媒体の排出を禁止する遊技用記録媒体排出禁止手段を含むことを特徴とする。
【００１２】
【作用】
請求項１に記載の本発明によれば、記録媒体処理装置に含まれる貸与要求操作検出手段により、遊技者により前記遊技媒体の貸与を要求する貸与要求操作がなされたことが検出される。記録媒体処理装置に含まれる貸与額設定手段の働きにより、１回の貸与要求操作に応じた遊技媒体の貸与に使用する有価価値である貸与額が設定変更される。記録媒体処理装置に含まれる処理手段の働きにより、前記貸与要求操作検出手段による前記貸与要求操作の検出に基づいて、前記貸与額設定手段により設定されている貸与額分の遊技媒体を貸与するために予め定められた単位額分の遊技媒体の貸与を要求する単位貸与要求信号が複数回前記遊技機に送信されるとともに、前記貸与額を前記遊技用記録媒体により特定される前記有価価値から減算更新するための減算更新処理が実行される。
前記遊技機に含まれる貸与処理手段の働きにより、前記単位貸与要求信号の受信毎に単位額分の遊技媒体を貸与する貸与処理が実行される。前記遊技機に含まれる第１の計時手段が、初回の前記単位貸与要求信号の受信に基づいて計時を開始する。前記遊技機に含まれる受信回数計数手段の働きにより、第１の計時手段により予め定められた連続判定時間が計時されるまでの間に前記単位貸与要求信号を受信した受信回数が計数される。前記遊技機に含まれる不能動化手段の働きにより、前記第１の計時手段により前記連続判定時間が計時されたことに基づいて、前記貸与処理手段による貸与処理が不能動化される。前記遊技機に含まれる第２の計時手段の働きにより、前記第１の計時手段により前記連続判定時間が計時されたことに基づいて計時が開始される。前記遊技機に含まれる貸与禁止時間設定手段の働きにより、前記不能動化手段により貸与処理を不能動化する貸与禁止時間として、前記受信回数計数手段により計数された受信回数に応じた時間が設定される。前記遊技機に含まれる不能動状態解除手段の働きにより、前記第２の計時手段により、前記貸与禁止時間設定手段により設定された貸与禁止時間が計時されたことを条件に、前記貸与処理の不能動状態が解除される。前記遊技機に含まれる報知情報出力手段の働きにより、前記不能動化手段により前記貸与処理が不能動化されてから前記不能動状態解除手段により不能動状態が解除されるまでの期間に、前記貸与要求操作検出手段により前記貸与要求操作が検出された場合に、その旨を報知するための報知情報がホールコンピュータへ出力される。
前記記録媒体処理装置に含まれる遊技用記録媒体排出禁止手段の働きにより、前記報知情報出力手段により前記報知情報が出力されている期間において、前記遊技用記録媒体の排出が禁止される。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例に挙げて説明を行なうが、本発明に係る遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、スロットマシンやコイン遊技機などにも適用可能である。
【００１７】
図１は、パチンコ遊技機１およびパチンコ遊技機１に対応して設けられたカードユニット２の正面図である。また、図２は、パチンコ遊技機１の前面枠３に対して突出する態様で設けられた上皿５の平面図である。
【００１８】
カードユニット２はパチンコ遊技機１に対してその側面にパチンコ遊技機１毎に設けられている。たとえば図においては、パチンコ遊技機１の図面に向かって左側面にカードユニット２が設けられ、当該カードユニット２が右側のパチンコ遊技機１と対応していることが連結方向指示器２０の点灯により把握できる。
【００１９】
カードユニット２の利用可ランプ１８が点灯しており、カードユニット２が利用可能状態にあることを遊技者が確認して自己の共通カードをカード挿入・排出口２２に挿入すれば、カード挿入表示ランプ２１が点灯する。なお、共通カードとは、共通カードシステムに加盟している遊技場ならば全国どこでも使用できる第三者発行型のプリペイドカードのことである。この共通カードには、有価価値を特定可能な情報の一例となるカード残高が記録されている。
【００２０】
共通カードをカード挿入・排出口２２に挿入すれば、その記録情報がカードリーダライタ２３により読取られる。そして、共通カードのカード残高が上皿５に設けられている残高表示部４３に表示される。
【００２１】
上皿５には、パチンコ玉を貯留させる玉貯留部４７が設けられている。また、上皿５の本体カバー部４８には、残高表示部４３、玉貸スイッチ４１、返却スイッチ４２、玉貸可表示ランプ４４が設けられている。
【００２２】
カードユニット２には、１回の玉貸操作で共通カードから引落とすカード残高数を設定可能な金額設定スイッチ１０１が設けられている。たとえば遊技者が金額設定スイッチ１０１を押圧操作する毎に、金額設定表示器１０２が「１００」，「３００」，「５００」，「１００」，…の順序で点灯する。金額設定表示器１０２に「１００」が点灯するように金額設定スイッチ１０１を押圧操作すれば、１回の玉貸操作で１００円相当のカード残高数（１度数）が引落とされるように設定される。同様にして、金額設定表示器１０２に「３００」が点灯するように金額設定スイッチ１０１を操作することにより、１回の玉貸操作で３００円分相当のカード残高数（３度数）が引落とされるように設定され、「５００」が点灯するように操作することにより、１回の玉貸操作で５００円分相当のカード残高数（５度数）が引落とされるように設定される。
【００２３】
玉貸可表示ランプ４４が点灯しており玉貸が可能であることを確認して玉貸スイッチ４１を押圧操作すれば、金額設定表示器１０２の表示内容に基づいたカード残高数が引落とされて、引落カード残高数に対応するパチンコ玉が玉貯留部４７に供給される。具体的には、引落カード残高数が１度数の場合には２５個のパチンコ玉が、３度数の場合には７５個のパチンコ玉が、５度数の場合には１００個のパチンコ玉が玉貯留部４７に供給される。遊技者は、供給されたパチンコ玉を用いて遊技を開始することが可能である。なお、この引落処理が実行されれば、カードユニット２の通信部１７から引落情報がホールコンピュータ１００（図４参照）へ送信される。
【００２４】
パチンコ玉が玉貯留部４７に存在することを条件として、打球操作ハンドル７を操作すれば玉貯留部４７内のパチンコ玉が１発ずつ弾発発射されて遊技領域８内に打込まれる。遊技領域８に打込まれた打玉が始動口９に入賞すれば可変表示装置１０で図柄の可変表示が開始される。そして、可変表示装置１０の可変停止結果が予め定められた特定の表示態様（たとえば７７７）となればいわゆる大当りが発生する。大当りが発生すれば、ソレノイド１３が励磁されて可変入賞球装置１１に設けられた開閉板１２が開成状態となり遊技者にとって有利な第１の状態となる。この第１の状態はパチンコ玉の可変入賞球装置１１への所定個数（たとえば１０個）の入賞、あるいは所定期間（たとえば３０秒間）の経過のうち、いずれか早い方の条件が成立することにより終了して遊技者に不利な第２の状態、すなわち開閉板１２が閉成状態となる。
【００２５】
可変入賞球装置１１が第１の状態となっている期間中に可変入賞球装置１１内に進入したパチンコ玉は入賞個数検出器１５あるいは特定入賞玉検出器１４により検出される。パチンコ玉が特定入賞玉検出器１４により検出されれば、その回の可変入賞球装置１１の第１の状態が終了するのを待って再度可変入賞球装置１１を第１の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば１６回と定められている。
【００２６】
打玉が始動口や通常入賞口１６、あるいは可変入賞球装置１１に入賞すれば、その入賞に応じて所定数のパチンコ玉が玉貯留部４７に払出される。また、いずれの入賞口にも入賞しなかったパチンコ玉はアウト口３０により回収される。玉貯留部４７内のパチンコ玉は、その貯留量に応じて所定の金品と交換することができる。なお、６は下皿であり、上皿５の玉貯留部４７に貯留しきれなくなった余剰玉を貯留させるために設けられている。４は透明板保持枠であり、遊技領域８の前面を覆う透明板を保持している。
【００２７】
カードユニット２で玉貸を行なった後、共通カードを排出させたい場合には、上皿５の本体カバー部４８に設けられている返却スイッチ４２を押圧すればよい。これにより、カードユニット２内に取込まれている共通カードが共通カード挿入・排出口２０により排出される。もちろん、玉貸を行なった後、遊技中継続して共通カードをカードユニット２に挿入した状態にしておいてもよい。これにより、遊技中にパチンコ玉が残り少なくなった場合、即座に玉貸を行なうことができる。玉貸操作を迅速に行なうことができるという観点より、遊技開始から遊技終了まで、共通カードをカードユニット２に挿入した状態で遊技を行なう者は多い。
【００２８】
上皿５に供給されたパチンコ玉は、それが玉貸に基づくものであるか、打玉の入賞口への入賞に基づいて払出されたものであるかにかかわらず、その大きさに応じた所定の景品あるいは現金と交換することが可能である。
【００２９】
ところで、カード残額に関する情報部分などが不正に改変された偽造カードを不当な利益を得る目的で使用する不正使用者の多くは、偽造カードの使用により最大限の利益を上げるべく、ほとんど遊技を行なうことなく玉貸操作のみを繰返し実行し、いわゆる“玉出し”を行なっている。そして、カード残額相当数のパチンコ玉を金品と交換しているのが実情である。
【００３０】
係る不正行為を阻止すべく、このパチンコ遊技機１は、玉貸操作により玉貸が実行されてからその玉貸処理で供給されるパチンコ玉数に応じて予め定められた時間が経過しない限り、次の玉貸操作を無効にする制御を行なうように構成されている。たとえば、金額設定表示器１０２に「１００」が表示され、引落度数が１００円相当の「１」に設定されている場合に玉貸処理が実行されれば、その玉貸処理実行時点から１５秒が経過しない限り、玉貸スイッチ４１を押圧操作しても玉貸は行なわれない。したがって、この間、共通カードのカード残高を引落とす操作が実質的に禁止される。この引落禁止時間は、玉貸に基づいて供給されたパチンコ玉を連続して弾発発射した場合に弾発発射開始から弾発発射終了までに要する時間に設定されている。このパチンコ遊技機１は、たとえば６０秒で連続して１００発のパチンコ玉を発射可能なように調整されている。また、１００円相当のカード残高の引落により２５個のパチンコ玉が供給されるように構成されているため、そのような引落により玉貸が行なわれた場合には引落禁止期間が、「２０×６０／１００＝１５（秒）」として設定されているのである。
【００３１】
また、３００円相当のカード残高の引落では７５個のパチンコ玉が、５００円相当のカード残高の引落では１２５個のパチンコ玉が、それぞれ供給されるように構成されているため、引落禁止期間は同様にして、それぞれ４５秒，７５秒に設定されている。
【００３２】
いわゆる“玉出し”を行なう者は効率よくその行為を遂行するため、引落額が最大の５００円に設定して玉貸操作を繰返し行なうと考えられる。しかしながら、このパチンコ遊技機１では、たとえば５００円相当の玉貸操作を行なった後、７５秒が経過しないと次の玉貸を実行できないため、不正行為が極めて短時間で繰返し行なわれてしまうことを防止できる。また、遊技をすることなく所定時間間隔毎に玉貸操作のみを行なっておれば遊技場の係員の目に留まりやすくなり、不正行為が容易に発見されてしまうことになるため、不正行為の発覚をおそれて自然に行為そのものが行なわれなくなる。
【００３３】
さらにこのパチンコ遊技機１では、引落禁止期間に玉貸スイッチ４１の押圧操作が検出された場合、異常引落信号がホールコンピュータ１００（図４参照）へ出力されるように構成されている。ホールコンピュータ１００では、たとえばそのモニタ画面上に異常引落信号発信先のパチンコ遊技機１を特定するための情報が表示されるため遊技場側で偽造カードが使用されているおそれのある旨を容易に把握できる。
【００３４】
一方、引落禁止期間は玉貸により引落設定額に応じて供給されたパチンコ玉を打切るのに要する時間に設定されているため、正規の共通カードを使用した玉貸により供給されたパチンコ玉すべてを打切った後、遊技継続のために再び玉貸を行なおうとする善意の遊技者に不都合を与えることはない。
【００３５】
つまり、たとえば、引落禁止期間を最大引落額の５００円に対応して７５秒とした場合、遊技者が引落設定額を１００円にすると、連続で弾発発射すると１５秒程度で引落１回分の打玉すべてを打込んでしまう。そのため、その後６０秒経たないと引落できず遊技を中断しなくてはならなくなるという不都合を防止できる。
【００３６】
図３は、図１に示したパチンコ遊技機１およびカードユニット２の全体背面図である。パチンコ遊技機１の玉タンク２５には、たとえば遊技機設置島毎に設置されている玉循環装置（図示省略）から必要に応じてパチンコ玉が供給されている。玉タンク２５内のパチンコ玉は図示する矢印に沿って払出装置２６へ誘導される。そして、カードユニット２で玉貸処理が実行された場合、あるいは通常入賞口１６，始動口９，可変入賞球装置１１に打玉が入賞した場合、払出装置２６は所定数のパチンコ玉を玉貯留部４７（図２参照）へ供給するための処理を実行する。払出装置２６から玉貯留部４７へ供給されるパチンコ玉数は払出玉検出器２７により１つずつ検出される。払出装置２６は、所定数のパチンコ玉が払出玉検出器２７で検出されたことを条件にパチンコ玉の供給を停止させる。
【００３７】
遊技者が打球操作ハンドル７（図１参照）を操作すれば打球モータ３７が駆動する。打球モータ３７が駆動することによりハンマ３８が間欠揺動し、玉貯留部４７内のパチンコ玉がハンマ３８により１発ずつ遊技領域８（図１参照）へ打込まれる。遊技領域８へ打込まれた打玉のうち、通常入賞口１６，始動入賞口９，可変入賞球装置１１に入賞した入賞玉は遊技盤裏面に導かれた後、入賞玉集合樋３０で回収される。そして、入賞玉検出器３１で１つずつ検出された後、打込玉集合樋３４へ案内される。一方、いずれの入賞口にも入賞しなかったパチンコ玉はアウト口３２により回収されて打込玉集合樋３４へ案内される。そして、打込玉集合樋３４で合流したアウト玉と入賞玉は打込玉検出器３３で検出された後、打込玉出口３５から遊技機外部へ排出され、遊技機設置島毎に設けられた玉循環装置へ案内される。
【００３８】
２８は、パチンコ遊技機１の遊技制御を行なう遊技用マイクロコンピュータ６７（図４参照）が設けられた遊技用制御基板である。また、２９は払出装置２６などを制御する玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０（図４参照）が設けられた賞球玉貸制御基板である。賞球玉貸制御基板２９は、打玉の入賞に応じて払出装置２６に所定数のパチンコ玉の払出を行なうための制御信号を送出する。また、賞球玉貸制御基板２９は、カードユニット２からの玉貸要求に応じて払出装置２６に所定数のパチンコ玉の払出を要求する。また、１１０は情報出力部であり、この情報出力部１１０を通じて異常引落報知信号がホールコンピュータ１００へ出力される。
【００３９】
図４は、パチンコ遊技機１およびカードユニット２のブロック図である。カード玉貸機制御部３９は、カードユニット２に異常のないことを条件に利用可ランプ１８を点灯表示する制御を行なう。さらにカード玉貸機制御部３９は、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０から貸玉欠乏信号が送信されていないことを条件に玉貸可表示ランプ４４を点灯表示する制御を行なう。また、予め入力設定された設定情報に基づいて連結方向表示器２０を点灯表示する制御を行なう。
【００４０】
カード挿入・排出口２２（図１参照）に共通カードが挿入されれば、カード搬送機構４５により共通カードが取込まれる。そして、共通カードの記録情報がカードリーダライタ２３により読取られ、その記録情報がカード玉貸機制御部３９で記録される。したがって、カード玉貸機制御部３９には、共通カードのカード残高も記憶されることになる。また、共通カードが挿入された旨が挿入検出スイッチ４６で検出される。カード玉貸機制御部３９は、挿入検出スイッチ４６の検出信号を受信してカード挿入表示ランプ２１を点灯表示させる制御を行なう。カード玉貸機制御部３９は、共通カードの記録情報に基づいてカード残高を残高表示部４３に表示させる制御を行なう。端数スイッチ１９が押圧操作されれば、カード玉貸機制御部３９にその旨を表わす信号が入力される。カード玉貸機制御部３９はこれに応じて、残高表示部４３に共通カードに記録されている残高の端数を表示させる制御を行なう。
【００４１】
カード玉貸機制御部３９には、金額設定スイッチ１０１の操作に応じて設定される引落金額設定情報が記憶されている。そして、金額設定スイッチ１０１の押圧操作が検出される毎に、引落金額設定情報の情報内容が、たとえば、「１度数」，「３度数」，「５度数」，「１度数」，…の順序で更新される。
【００４２】
遊技者がカード残高表示部４３で所定値以上のカード残高のあることを確認し、玉貸スイッチ４１を押圧操作すれば、玉貸要求信号がカード玉貸機制御部３９に入力される。カード玉貸機制御部３９は、これを受けて玉貸要求信号を玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に出力する。なお、後述するように、カード玉貸機制御部３９から出力される玉貸要求信号１つにつき、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０はカード残高１度数分の玉貸を行なう。したがって、金額設定スイッチ１０１で引落金額が「３００円（３度数）」または「５００円（５度数）」に設定されている場合には、カード玉貸機制御部３９から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に玉貸要求信号がそれぞれ３回または５回出力されるように構成されている。
【００４３】
さて、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、玉貸要求信号が入力されれば、引落禁止期間中でないことを条件に払出装置２６に払出要求信号を出力する。払出装置２６は、払出要求信号に応じてカード残高１度数分に対応する２５個のパチンコ玉を払出す処理を実行する。そして、パチンコ玉が払出されれば払出玉検出器２７がその旨を検出し、払出終了信号を玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に出力する。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、払出要求信号を出力してから所定時間内に払出終了信号が入力されたことを条件に減算許可信号をカード玉貸機制御部３９へ出力する。
【００４４】
減算許可信号を受信したカード玉貸機制御部３９は、記憶しているカード残高から１度数の残高数を減算更新して記憶する。そして、通信部１７を介して引落情報を出力する。さらにカード玉貸機制御部３９は、予め記憶している引落金額設定情報を参照して、引落金額が「３００」または「５００」に設定されている場合には、再度玉貸要求信号を玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に出力する。そして、前述同様にして玉貸が実行される。
【００４５】
引落金額設定情報にもとづいた回数だけ玉貸が終了すれば、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、玉貸禁止タイマをセットする。玉貸禁止タイマのタイマセット値は、１回の玉貸操作に基づいて玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０で実行された玉貸回数により異なる。つまり、カード残高５度数分に相当する５回の玉貸が実行された場合には、「１５（秒）×５＝７５（秒）」がセットされ、カード残高３度数分に相当する３回の玉貸が実行された場合には、「１５（秒）×３＝４５（秒）」がセットされ、カード残高１度数分に相当する１回の玉貸が実行された場合には、「１５（秒）×１＝１５（秒）」がセットされる。すなわち、玉貸禁止タイマのタイマ値により、前述の引落禁止期間が定められる。金額設定スイッチによりその設定額が小さく変更されれば、引落禁止期間（玉貸禁止タイマ）が短くなり、設定額が大きく変更されれば、引落禁止期間（玉貸禁止タイマ）が長くなるよう自動で可変する。
【００４６】
一方、カード玉貸機制御部３９は、１回の玉貸要求信号に基づく玉貸処理が１回終了するごとに減算更新後のカード残高を残高表示部４３に表示させるための表示制御用信号を出力する。これにより、残高表示部４３の表示が更新される。
【００４７】
このように、この実施の形態では、金額設定スイッチ１０１により引落金額が「３００」あるいは「５００」に設定されている場合であっても、これに相当する数のパチンコ玉を、カード玉貸機制御部３９から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０へ入力される１つの玉貸要求信号に基づいてまとめて払出すようには構成されておらず、共通カードの単位度数に相当する数のパチンコ玉が玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０へ入力される玉貸要求信号に応じて繰返し払出される。
【００４８】
したがって玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０では、玉貸操作が行なわれてカード玉貸機制御部３９から１つ目の玉貸要求信号が入力されてから、最終の玉貸要求信号が入力されこれに基づく玉貸を終えた後、玉貸禁止タイマにセットすべきタイマ値を決定して設定する必要がある。
【００４９】
しかしながら、カード玉貸機制御部３９から入力される玉貸要求信号はそれが何回目に出力された信号であるかにかかわらずすべて同一の信号であり、また、引落金額の設定情報は玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０には入力されていないため、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０ではいずれの玉貸要求信号が最終の信号であるかを判別できない。
【００５０】
そこで玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０では、玉貸操作に基づいてカード玉貸機制御部３９から出力され得る最大数の玉貸要求信号を入力するのに十分な時間だけ玉貸要求信号の入力待ちを行ない、入力待ちの期間中に入力され、処理された玉貸要求信号数に基づいて玉貸禁止タイマ値を決定し、設定するように構成されている。具体的には、玉貸要求信号の入力待ちを行なうための入力待時間が設定された連続判定タイマが玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に設けられており、玉貸操作が行なわれてカード玉貸機制御部３９から１つ目の玉貸要求信号が入力された際にこのタイマがセットされる。そしてその後、４つの玉貸要求信号を入力するのに十分な所定時間が連続判定タイマで計時された後、実際に入力された玉貸要求信号数に基づいて玉貸禁止タイマがセットされる。
【００５１】
このように構成することによって、現状のカードユニットを改造することなく、異常玉貸を防止する構成を追加することができるので、現状のカードユニットを交換する必要がなく、コストの削減となる。
【００５２】
玉貸禁止タイマがセットされてからそのセット値がカウントされ終えるまでの間、すなわち、引落禁止期間にカード玉貸機制御部３９から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に玉貸要求信号が入力されれば、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は玉貸を行なうことなく異常引落報知信号をホールコンピュータ１００へ出力する。ホールコンピュータ１００は、異常引落報知信号により不正行為が行なわれている可能性のあるパチンコ遊技機１を特定してモニタ上に表示可能である。
【００５３】
遊技中に遊技者が打玉を弾発発射する毎に、その打込玉が打込玉検出器３３で検出される。そして、検出信号が玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に入力される。
【００５４】
打玉が所定の入賞口に入賞すれば遊技用マイクロコンピュータ６７から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に賞球払出信号が入力される。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、賞球払出信号により払出すべきパチンコ玉数を特定して払出装置２６に所定数のパチンコ玉の払出を要求する。
【００５５】
返却スイッチ４２が押圧操作されれば排出要求信号がカード玉貸機制御部３９へ入力される。カード玉貸機制御部３９はこれを受けてカードリーダライタ２３に排出許容信号を出力する。カードリーダライタ２３は、共通カードのカード残高など記録情報の書替を行なった後、カード搬送機構４５により共通カードを排出させる制御を行なう。
【００５６】
図５は、異常玉貸検出処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに基づく制御プログラムは、パチンコ遊技機１の玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に構成されたＲＯＭ内に記憶されている。そして、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、この制御プログラムに基づいて異常玉貸検出処理を実行する。
【００５７】
まず、Ｓ１において、玉貸要求信号が入力されたか否かが判断される。玉貸要求信号は、カード玉貸機制御部３９より入力される信号である。
【００５８】
玉貸要求信号が入力されていない場合には、Ｓ２に進み、玉貸禁止タイマがタイムアップしているか否かが判断される。玉貸禁止タイマは、後述するＳ１５でセットされるタイマである。前述のとおり、この玉貸禁止タイマのタイマ値により引落禁止期間が設定されている。玉貸禁止タイマは、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に構成されたＲＡＭ内に記憶されている。
【００５９】
Ｓ２において、玉貸禁止タイマがタイムアップしていない場合には、処理が終了する。一方、玉貸禁止タイマがタイムアップしている場合には、Ｓ３に進む。Ｓ３では、玉貸禁止タイマがクリアされ、その後処理が終了する。玉貸禁止タイマがクリアされることにより、引落禁止期間が終了することになる。なお、玉貸禁止タイマが停止するだけでもよい。つまり、タイマの値は加算され続けていくものでもよい。
【００６０】
一方、Ｓ１において玉貸要求信号が入力されていると判断された場合には、Ｓ４に進む。Ｓ４では、連続判定タイマがセットされる。前述のとおり連続判定タイマには、カード玉貸機制御部３９から出力される玉貸要求信号の入力待ち時間がセットされている。この入力待ち時間は、１回の玉貸操作に基づいてカード玉貸機制御部３９から出力され得る玉貸要求信号のすべてを十分に受信可能な時間に設定されている。つまり、カード玉貸機制御部３９から出力される可能性のある残り４つの玉貸要求信号を十分に受信可能な時間にセットされている。１つの玉貸要求信号につきカード残高１度数分の玉貸を行なうため、１回の玉貸操作で最大限引落可能な５度数分の玉貸を行なうには玉貸要求信号が５つ入力されることになるが、Ｓ１において既に１つ目の玉貸要求信号が入力されているからである。
【００６１】
次に、Ｓ５に進み、玉貸禁止タイマが作動中であるか否かが判断される。すなわち、引落禁止期間であるか否かが判断されることになる。そして、玉貸禁止タイマが作動中であると判断された場合にはＳ６に進み、異常玉貸報知が行なわれて、処理が終了する。
【００６２】
一方、Ｓ５において玉貸禁止タイマが作動中でないと判断された場合には、Ｓ７に進む。Ｓ７では、払出要求信号が払出装置２７へ出力される。
【００６３】
次にＳ８に進み、払出終了信号が入力されたか否かが判断される。払出終了信号は、払出玉数を検出する払出玉検出器２７から入力される信号である。
【００６４】
払出終了信号の入力のない場合には、Ｓ９に進み、所定時間が経過したか否かが判断される。所定時間が経過していない場合には、Ｓ８に進む。一方、所定時間が経過した場合には、Ｓ１０に進み、エラー報知が行なわれた後、処理が終了する。なお、このエラー報知は、たとえば、パチンコ遊技機１の所定のランプやスピーカなどにより行なわれる。
【００６５】
一方、Ｓ８において払出終了信号が入力されたと判断された場合には、Ｓ１１に進む。Ｓ１１では、減算許可信号がカード玉貸機制御部３９へ出力される。
【００６６】
次にＳ１２に進み、連続回数計数カウンタのカウンタ値ＮがＮ＋１に更新される。連続回数計数カウンタは、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０のＲＡＭ内に記憶されている。連続回数計数カウンタにより、１回の玉貸操作に基づいてカード残高１度数分の玉貸を何回実行したかが特定される。つまり連続回数計数カウンタにより、玉貸操作が行なわれた際に引落金額（残高）がいくつに設定されているのかが把握される。
【００６７】
次にＳ１３に進み、連続判定タイマがタイムアップしているか否かが判断される。連続判定タイマがタイムアップしていない場合には、カード玉貸機制御部３９より引続いて玉貸要求信号が出力される可能性があるために、その出力に備える。すなわち、Ｓ１４に進み、玉貸要求信号が入力された否かが判断される。玉貸要求信号が入力されていない場合には、Ｓ１３に戻る。一方、玉貸要求信号が入力された場合には、Ｓ７に戻り、一連の玉貸動作を実行する。
【００６８】
Ｓ１３において、連続判定タイマがタイムアップしていると判断された場合には、カード玉貸機制御部３９から玉貸要求信号が入力される可能性はない。そこで、Ｓ１５に進み、「連続回数Ｎ×１５秒」をセット時間として玉貸禁止タイマがセットされる。「１５秒」とはパチンコ玉２５発をパチンコ遊技機１で連続して打込むのに要する時間である。この実施の形態では、カード残高１度数分の引落に対応してパチンコ玉が２５個供給される。したがって、このセット時間は、１回の玉貸操作で供給されたパチンコ玉をすべて打込むのに要する時間となる。ここで、連続回数Ｎの取り得る値は、１，３，５のいずれかとなる。
【００６９】
次にＳ１６に進み、連続回数計数カウンタのカウンタ値Ｎが０に更新され、処理が終了する。
【００７０】
図６は、残額減算処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに基づく制御プログラムは、カードユニット２のカード玉貸機制御部３９に構成されたＲＯＭ内に記憶されている。そして、カード玉貸機制御部３９は、この制御プログラムに基づいて残額減算処理を実行する。
【００７１】
まず、Ｓ１０１において減算許可信号が入力されているか否かが判断される。減算許可信号は、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０から入力される信号である。減算許可信号が入力されていない場合には、処理が終了する。一方、減算許可信号が入力されている場合には、Ｓ１０２に進み、残額減算処理が実行される。すなわち、カード玉貸機制御部３９に記憶されている共通カードのカード残度数から度数１が減算更新される。これにより、共通カードから１００円相当の価値が引落とされることになる。
【００７２】
残額減算処理が終了した後、処理が終了する。
図７は、カード排出処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに基づく制御プログラムは、カードユニット２のカード玉貸機制御部３９に構成されたＲＯＭ内に記憶されている。そして、カード玉貸機制御部３９は、この制御プログラムに基づいてカード排出処理を実行する。
【００７３】
まず。Ｓ２０１において、排出要求信号が入力されたか否が判断される。排出要求信号は返却スイッチ４２の押圧操作に基づいて入力される信号である。排出要求信号の入力のない場合には、処理が終了する。一方、排出要求信号が入力された場合には、Ｓ２０２に進む。
【００７４】
Ｓ２０２では、カード書込の処理が実行される。すなわち、カード玉貸機制御部３９内に記憶されている共通カードのカード残度数を共通カードに書込更新する処理が実行される。
【００７５】
次にＳ２０３に進み、カード排出の処理が実行される。これにより、カードリーダライタ２３から共通カードが排出される。カード排出の処理が終了した後、処理が終了する。
【００７６】
図８は、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０で送受信される各種信号のタイミングチャートである。なお、このタイミングチャートは、金額設定スイッチ１０１（図１，図４参照）で引落金額が「５００」、すなわち引落度数が「５」に設定されている場合を想定したものである。
【００７７】
遊技者の玉貸操作に基づいてカード玉貸機制御部３９から玉貸要求信号が入力されれば、連続判定タイマがセットされるとともに払出要求信号が払出装置２６へ出力される。払出装置２６で所定の払出動作が終了した後、払出終了信号が入力される。払出終了信号が払出玉検出器２７から入力されたタイミングで減算許可信号がカード玉貸機制御部３９へ入力される。そして、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０内の連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）のカウンタ値が０から１に更新される。カード玉貸機制御部３９は減算許可信号の入力タイミングで減算処理を実行する。
【００７８】
カード玉貸機制御部３９は減算処理を終えた後、２つ目の玉貸要求信号を玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０へ出力し、その信号が玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に入力される。
【００７９】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、２つ目の玉貸要求信号の入力に基づいて払出装置２６に払出要求信号を出力する。以下、前述と同様にして玉貸動作が実行され、連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）のカウンタ値が更新される。
【００８０】
以上説明したようなタイミングで、玉貸要求信号が順次入力され、玉貸動作が実行されるとともに連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）のカウンタ値が順次カウントアップされる。やがて、５つ目の玉貸要求信号が入力され、連続判定タイマはその信号が入力されるまでの時間に十分なセット値を計時した後、タイムアップする。また、５つ目の玉貸要求信号に基づいて玉貸動作が行なわれ、連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）のカウンタ値が５にカウントアップされる。連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）が５にカウントアップされた後、連続判定タイマがタイムアップしていることが確認され、そのタイミングで玉貸禁止タイマがセットされるとともに連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）が０にリセットされる。
【００８１】
なお、金額設定スイッチ１０１の操作により引落金額が「５００」以外に設定されている場合には、１回の玉貸操作により玉貸要求信号が、１パルスまたは３パルスしか玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に入力されない。この場合には、連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）のカウンタ値が１あるいは３にカウントアップされた後、図８に示す連続判定タイマの計時が終了するまで状態が維持され、連続判定タイマの計時が終了した時点で連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）のカウンタ値が０にリセットされるとともに玉貸禁止タイマがセットされる。
【００８２】
図９および図１０は、これまでに説明した実施の形態に付け加えて構成可能な構成例を説明するためのフローチャートである。
【００８３】
まず図９は、排出許可判定処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理が実行されることにより、パチンコ遊技機１で異常玉貸報知信号が出力されている間、返却スイッチ４２の操作が無効とされる。つまり、遊技者が返却スイッチ４２を押圧してもカードユニット２に挿入されているカードは排出されないのである。このフローチャートに基づく制御プログラムは、たとえば、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０のＲＯＭに記憶し、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０がこの制御プログラムに基づいて排出許可判定処理を実行するように構成することが考えられる。
まず、Ｓ３０１において返却操作が行なわれた否かが判断される。つまり、返却スイッチ４２が押圧されたか否かが判断される。図４で説明したように、返却スイッチ４２が押圧されればカード玉貸機制御部３９でその旨が検出される。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０でこれを検出するために、たとえば、カード玉貸機制御部３９から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に返却スイッチ４２が押圧操作された旨を表わす信号が入力されるように構成することが考えられる。あるいは、返却スイッチ４２と玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０とを電気的に接続し、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０で返却スイッチ４２の操作の有無を直接検出できるように構成してもよい。
【００８４】
返却操作がない場合には、処理が終了する。一方、返却操作が検出された場合には、Ｓ３０２に進み、異常玉貸報知中であるか否かが判断される。すなわち、異常引落報知信号が出力中であるか否かが判断される。異常玉貸報知中でない場合には、Ｓ３０３に進み、排出要求信号がカード玉貸機制御部３９へ出力される。カード玉貸機制御部３９は、排出要求信号が入力されたことを条件として図７に示す、Ｓ２０２，Ｓ２０３の処理を実行する。したがって、カード玉貸機制御部３９は返却スイッチ４２の押圧操作が検出されても、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０から排出要求信号が入力されない限り、図７に示したＳ２０２，Ｓ２０３の各処理を実行しない。
【００８５】
Ｓ３０３で排出要求信号が出力された後、処理が終了する。
一方、Ｓ３０２で異常玉貸報知中であると判断された場合には、排出要求信号を出力することなく、そのまま処理が終了する。したがって、この場合には、返却スイッチ４２の押圧操作があってもカードユニット２に挿入されているカードは排出されない。
【００８６】
以上の処理が実行されることにより、偽造カードを使用して不正行為を行なう者が、その行為が遊技場側に発覚したことを察知して偽造カードを排出し、逃げ去ってしまうという不都合を防止できる。つまり、不正行為がなされた証拠を収集することができる。
【００８７】
次に、図１０は、確認操作処理の処理手順を示すフローチャートである。この確認操作処理は、図９に示す排出許可判定処理により排出が禁止された共通カードを遊技場の係員などの操作によって排出させるための処理である。このフローチャートに基づく制御プログラムは、たとえば、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０のＲＯＭに記憶させ玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０がこの制御プログラムに基づいて確認操作処理を実行するように構成することが考えられる。
【００８８】
まず、Ｓ４０１において、確認スイッチが押圧操作されたか否かが判断される。確認スイッチは、共通カードの排出が禁止されている状態を解除するために遊技場の係員などが押圧するためのスイッチである。したがって、この確認スイッチは遊技者の操作できない所定の位置、たとえば、図３に示したパチンコ遊技機１背面の所定位置（賞球玉貸制御基板２９など）に設けるように構成することが考えられる。
【００８９】
Ｓ４０１において確認スイッチが操作されていない場合には、処理が終了する。一方、確認スイッチが操作されている場合には、Ｓ４０２に進む。Ｓ４０２では、異常玉貸報知信号の出力が停止され、異常玉貸報知が終了される。
【００９０】
次にＳ４０３に進み、排出要求信号がカード玉貸機制御部３９に出力される。これにより、カード玉貸機制御部３９はカードユニット２に挿入されている共通カードを排出させるための制御を行なう。
【００９１】
Ｓ４０３で排出要求信号が出力された後、処理が終了する。
確認スイッチが押圧操作され、確認操作処理が実行されることにより、遊技場の係員などはカードユニット２に挿入されている共通カードが正規のものであるか否かをチェックすることが可能となる。なお、確認スイッチは、図４に示した打込玉検出器３３や払出装置２６などと同様に玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０と電気的に接続する。
【００９２】
次に、以上説明した発明の実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
（１） 金額設定スイッチは、遊技者がその操作を行なうことができるようにカードユニット２の前面に設けた。しかしながら、金額設定スイッチ１０１を必ずしも遊技者が操作可能なスイッチとしてカードユニット２に設ける必要はない。金額設定スイッチ１０１を遊技者の操作できない位置に設け、遊技場の係員などの操作により設定された設定位置でのみ遊技者が玉貸操作を実行可能なように構成してもよい。この場合には、金額設定スイッチ１０１をカードユニット２の裏面側あるいは内部に設けることが考えられる。
【００９３】
（２） この実施の形態では、引落禁止期間中は玉貸処理が実行されないように構成した。しかしながらこれに加えて、引落期間経過後であっても打込玉検出器３３で所定数の打込玉が検出されない限り玉貸操作を行なうことができないように構成してもよい。
【００９４】
（３） 図５に示した異常玉貸検出処理の処理手順においてＳ６で異常玉貸報知信号が出力されるように構成したが、異常玉貸報知信号が出力されることなく、そのまま処理が終了するように構成してもよい。すなわち、Ｓ７以降で実行される一連の玉貸動作のみが禁止されるのみであってもよい。なお、この場合には、玉貸可表示ランプ４４を、玉貸を許容する状態になるまで消灯状態にしておくことにより、玉貸禁止状態である旨を遊技者に知らせることができるように構成してもよい。
【００９５】
（４） 図６に示す残額減算処理の処理手順において、カード玉貸機制御部３９は玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０から出力される減算許可信号を受信して残額減算処理を実行するように構成した。一方、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、図５の異常玉貸検出処理の処理手順に示すようにパチンコ玉を払出した後、減算許可信号をカード玉貸機制御部３９へ出力するように構成した。すなわち、カード玉貸機制御部３９は、パチンコ玉が払出された後にその払出数に相当するカード残高を減算更新するように構成した。しかしながらこれに代えて、カード玉貸機制御部３９で残額減算処理が実行された後にこれに対応する数のパチンコ玉が玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０の制御により払出されるように構成してもよい。具体的には、たとえば次のような手順で処理が実行されるように構成することが考えられる。
【００９６】
まず、カード玉貸機制御部３９から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に玉貸要求信号が出力される。これを受けた玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、引落禁止期間中でないか否か、あるいは玉切れなどにより玉貸を行なうことができない状態にないか否かをチェックする。そして、玉貸可能であるか否かを特定可能な信号をカード玉貸制御部３９へ出力する。カード玉貸機制御部３９はこの信号を受信して、玉貸が可能であるか否かを判断する。そして、玉貸可能であると判断した場合には、玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に払出指令信号を出力するとともに残額減算処理を実行する。一方、払出指令信号を受信した玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、玉貸処理を実行する。
【００９７】
（５） 図５に示した異常玉貸検出処理の処理手順において、Ｓ１０でエラー報知が行なわれた後、処理が終了するように構成した。しかしながら、Ｓ１０の処理が実行された後、Ｓ１３に処理が移行するように構成してもよい。このように構成すれば、玉貸操作に基づいて何回か玉貸が実行され、引続いて玉貸を実行途中に払出装置２６の故障などによって処理がＳ１０に移行した場合、玉貸処理が開始してからＳ１０に処理が移行するまでの間に既に玉貸が行なわれた回数に基づいて玉貸禁止タイマがＳ１５でセットされることになる。したがって、Ｓ１０でエラー報知がなされ、玉貸処理が中断した場合であっても、それまでに実行された玉貸動作に基づいて引落禁止期間が設定されることになる。これにより、払出装置２６の故障など、異常発生時においても“玉出し”などの不正行為を防止できる。
【００９８】
（６） 金額設定スイッチ１０１で設定される引落金額設定情報はカード玉貸機制御部３９に記憶されるように構成した。しかしながら、これに加えて玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０で記憶されるように構成してもよい。この場合には、カードユニット２およびパチンコ遊技機１の電源投入時、あるいは金額設定スイッチ１０１で引落金額の設定値が変更された際に設定情報がカード玉貸機制御部３９から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０へ出力されるように構成すればよい。このように構成することにより、設定された引落金額相当の玉貸を実行するためにカード玉貸機制御部３９から玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に複数の玉貸要求信号を出力する必要がなくなる。玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に引落金額設定情報が記憶されることになるため、カード玉貸機制御部３９から玉貸要求信号が１つ入力されれば玉貸すべきパチンコ玉数を特定できるからである。また、このように構成した場合には、玉貸禁止タイマのセット時間は玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に記憶されることになる引落金額設定情報に基づいて定められる。
【００９９】
（７） 図５に示す異常玉貸検出処理の処理手順において、玉貸禁止タイマのセット時間を算出するための単位時間を「１５秒」とした。この単位時間は、共通カードのカード残高１度数の引落と引換えに払出されるパチンコ玉をパチンコ遊技機１で連続した弾発発射した場合にそのすべてのパチンコ玉を打込むのに要する時間である。したがって、この単位時間は１度数の引落と引換えに払出されるパチンコ玉数、およびパチンコ遊技機１におけるパチンコ玉の発射時間間隔に基づいて定められる時間である。もし、パチンコ玉の発射時間間隔あるいは１度数の引落と引換えに払出されるパチンコ玉数の設計値が変更されれば、その変動に応じて単位時間を設定する必要がある。この実施形態では、１度数当たり２５個のパチンコ玉が払出されるように構成しているが、１度数当たり５０個のパチンコ玉が払出される場合には、単位時間を「３０秒」とする必要がある。また、この実施形態では、１度数当たり１００円相当の価値を付与しているが、２００円相当の価値を付与するように構成してもよい。
【０１００】
また、１回の引落操作による払出玉数を連続してすべて打込むのに要する時間を引落禁止期間としているがこれに限ったことでない。要するに、不正者に対して異常玉貸を防止する効果があり、純粋に遊技をしようとする遊技者に対して不都合とならない時間を引落禁止期間とすればよい。
【０１０１】
（８） 図８に示すタイミングチャートにおいて、連続判定タイマにセットされるタイマセット値を、玉貸要求信号が入力されてから次の玉貸要求信号が入力されるのに十分な所定時間としてもよい。つまり、連続判定タイマのタイマ値を図８に示す玉貸要求信号が入力される入力時間間隔とする。このように構成することにより、入力されることのない複数の玉貸要求信号の入力を待つための入力待ち時間がいたずらに長くなってしまう不都合を防止できる。
【０１０２】
（９） 図８に示すタイミングチャートにおいて、連続判定タイマの計時終了時期は、初回の玉貸要求信号受付時点からその信号を含め連続した玉貸要求信号を５つ受付けられる時期以降であればよい。したがって、５つ目の玉貸要求信号が入力されるべき時期に連続判定タイマの計時が終了するようにタイマ値を設定してもよく、５回目の減算処理が終了する時期に計時が終了するようにタイマ値を設定してもよい。
【０１０３】
（１０） 本実施形態では、有価価値を特定可能な情報が記録され遊技者所有の記録媒体を使用して遊技可能な遊技機の一例として、パチンコ遊技機１を例に挙げた。また、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体の一例として共通カードを例に挙げた。さらに、記録媒体による特定される有価価値から引落とされた所定の大きさの引落有価価値に相当する遊技媒体の一例として、パチンコ玉を例に挙げた。しかしながら、記録媒体，遊技機，遊技媒体はこれらのもに限定されるものではない。
【０１０４】
たとえば、遊技機の他の例として、スロットマシンなどを挙げることができる。そして、スロットマシンの場合には、たとえば次のように構成することが考えられる。すなわち、カード残高が記録されたカードをたとえばカードユニットに挿入し、そのカード残高が所定の表示器に表示される。遊技者は表示器でカード残高を確認してカード残高から遊技に使用する使用額を選択して使用額相当の残高を引落とす。そして、使用額の範囲で１遊技に賭ける賭値を選択した後、スロットマシンの遊技を開始する。このようなスロットマシンにおいては、カード残高が記録されたカードが前記記録媒体を構成することになる。また、カード残高から引落とされた使用額により、前記記録媒体により特定される前記有価価値から減算更新された所定の大きさの引落有価価値が構成されることになる。さらに、前記使用額の範囲で設定可能な賭値により、前記遊技媒体が構成されることになる。
【０１０５】
したがって、ここにいうところの遊技媒体とは、パチンコ玉などの物体のみを意味するのではなく、遊技と引換えに消費される得点や賭値、その他これに準ずる数値情報をも含む広い概念である。
【０１０６】
その他、本発明に係る遊技機として適用可能なものとして、たとえば玉封入式の弾球遊技機をその例に挙げることができる。玉封入式の弾球遊技機は、打玉が遊技機内部に封入されている。そして、遊技者が弾発した打玉は弾球遊技機内部で循環して使用されている。このような玉封入式の弾球遊技機では、遊技者がたとえば共通カードを用いて引落操作を行なうことにより遊技者に持点が付与されるように構成されている。このような玉封入式の弾球遊技機の場合、共通カードから引落とした持点により、前記引落有価価値が構成され、持点の消費に伴って弾発発射可能なパチンコ玉により遊技媒体が構成されることになる。
【０１０７】
（１１） 玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０は、玉貸操作に基づいて玉貸要求信号が入力された場合、引落禁止期間にあるか否かを判断し、引落禁止期間にある場合には異常玉貸報知を行なうように構成した。一方、引落禁止期間でない場合には、玉貸処理実行の後、玉貸禁止タイマにセットすべきセット時間を算出して玉貸禁止タイマをセットするように構成した。しかしながら、これらの処理をカード玉貸機制御部３９で実行するように構成してもよい。この場合には、カード玉貸機制御部３９に連続判定タイマと玉貸禁止タイマとを設け、また、カードユニット２の通信部１７からホールコンピュータ１００へ異常玉貸報知信号が出力されるように構成すればよい。なお、連続回数計数カウンタを設ける必要はない。カード玉貸機制御部３９に金額設定情報が記憶されおり、これに基づいて玉貸禁止タイマにセットすべきセット時間を特定することができるからである。
【０１０８】
このように構成することにより、共通カードのカード残高の減算更新が行なわれてから所定時間、玉貸要求が検出されることに基づいたカード玉貸機制御部３９による減算更新の処理は、カードユニット２内のカード玉貸機制御部３９により不能動化されることになる。つまり、有価価値の減算更新が行なわれてから所定時間前記引落要求検出手段の検出に基づいた減算更新処理手段による前記減算更新の処理を不能動化する減算更新処理不能動化手段は、記録媒体処理装置の一例であるカードユニット２内に設けられることとなる。このように、前記減算更新処理不能動化手段は、遊技機の一例となるパチンコ遊技機１に構成されてもよく、また、記録媒体処理装置の一例となるカードユニット２に構成されていてもよい。
【０１０９】
また、遊技機とカードユニット（記録媒体処理装置）を一体に設けるようにしてもよい。その際に、カード玉貸機制御部３９の機能を玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０に持たせるようにし、１つのマイクロコンピュータで遊技機の玉貸払出制御とカード玉貸機制御の両方を行なうようにしてもよい。
【０１１０】
（１２） 遊技者の所有するパチンコ玉の数が所定数以下になれば自動的に玉貸が行なわれるような自動玉貸機能をパチンコ遊技機１に付加してもよい。この場合には、図２に示した本体カバー部４８に手動玉貸と自動玉貸とを切換可能な切換スイッチを設けるとよい。また、遊技者の所有するパチンコ玉が所定数以下であることを検出するための検出スイッチを設ける必要がある。
【０１１１】
（１３） カードユニット２により、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を処理するための記録媒体処理装置が構成されている。
【０１１２】
（１４） 引落金額として、１００円，３００円，５００円の３つを設定できるようにしたが、これに限らず、たとえば１００円から１０００円まで１００円単位で設定できるようにしてもよい。その場合、連続回数カウンタ（連続回数計数カウンタ）は初回も含め１０回までの玉貸要求信号を受入れられるように設定すればよい。
【０１１３】
（１５） 玉貸禁止タイマにセットされるタイマ時間は、１回の玉貸操作による引落金額に基づいて定められるように構成した。しかしながら、これに代えて１回の玉貸操作による引落金額とは別個に変更設定できるように構成してもよい。
【０１１４】
【課題を解決するための手段の具体例】
パチンコ遊技機１およびカードユニット２により、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の記録媒体を利用して遊技可能な遊技機を含む遊技用装置が構成されている。また、共通カードにより、前記記録媒体が構成されており、パチンコ遊技機１により、前記遊技機が構成されている。
【０１１５】
カード玉貸機制御部３９，玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０および図５に示した異常玉貸検出処理の処理手順、図６に示した残額減算処理の処理手順により、前記記録媒体により特定される前記有価価値から所定の大きさの引落有価価値を減算更新し、前記引落有価価値を用いた前記遊技機における遊技を可能にするための減算更新処理手段が構成されている。また、共通カードに記録されているカード残高により、前記記録媒体により特定される前記有価価値が構成されている。
【０１１６】
図５のＳ１により、前記有価価値の引落要求があったことを検出する引落要求検出手段が構成されている。
【０１１７】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０により、前記有価価値の減算更新が行なわれてから所定時間前記引落要求検出手段の検出に基づいた前記減算更新処理手段による前記減算更新の処理を不能動化する減算更新処理不能動化手段が構成されている。
【０１１８】
玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０および図５のＳ１５により、前記所定時間の長さを変更設定する時間変更設定手段が構成されている。
【０１１９】
図５のＳ１５により、前記引落要求検出手段の検出に基づいて前記減算更新処理手段により減算更新される引落有価価値の大きさの変化に応じて前記所定時間の長さを変更設定する時間変更設定手段が構成されている。
【０１２０】
情報出力部１１０および図５のＳ６により、前記所定時間に前記引落要求検出手段で前記有価価値の引落要求があったことが検出された場合にその旨を報知するための報知手段が構成されている。
【０１２１】
図４に示したカードユニット２のカードリーダライタ２３により、前記遊技用装置における前記記録媒体の受付機能と排出機能とが構成されている。
【０１２２】
図９に示した排出許可判定処理の処理手順により、前記報知手段で報知が行なわれている場合に前記排出機能を不能動化する排出機能不能動化手段が構成されている。
【０１２３】
図１０に示した確認操作処理の処理手順により、前記排出機能不能動化手段により不能動化された前記排出機能の不能動状態を解除する解除手段が構成されている。
【０１２４】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項１に関しては、単位額分の遊技媒体の貸与を要求する単位貸与要求信号の受信回数に応じた時間が、貸与処理を不能動化する貸与禁止時間として設定され、連続判定時間が計時されてから貸与禁止時間だけ前記貸与処理が不能動化されるために、前記貸与処理を行なった後遊技をほとんど行なうことなく繰返し連続して貸与要求操作を行なう行為を効果的に阻止可能な時間であって、かつ、正規の遊技用記録媒体を使用して遊技を行なう者に支障を及ぼすことのない時間に前記貸与禁止時間を設定可能な遊技用装置を提供できる。また、単位貸与要求信号の受信回数に応じた時間が、貸与処理を不能動化する貸与禁止時間として設定されるために、１回の貸与要求操作に応じた遊技媒体の貸与に使用する有価価値である貸与額が設定変更されても、設定変更された貸与額の大きさに対応した貸与禁止時間を適正に設定できる。さらに、不能動化手段により貸与処理が不能動化されてから不能動状態解除手段により不能動状態が解除されるまでの期間に、貸与要求操作検出手段により貸与要求操作が検出された場合に、その旨を報知するための報知情報が報知情報出力手段によりホールコンピュータへ出力されるために、偽造された遊技用記録媒体を使用する不正行為が行なわれている場合にそれを容易に発見できる。さらに、報知情報出力手段により報知情報が出力されている期間において、遊技用記録媒体の排出が禁止されるために、偽造された遊技用記録媒体が使用されているか否かを確認する前に、当該遊技用記録媒体が記録媒体処理装置から排出され、持去られてしまう不都合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】パチンコ遊技機１およびカードユニット２の全体正面図である。
【図２】パチンコ遊技機１に設けられている上皿５の平面図である。
【図３】パチンコ遊技機１およびカードユニット２の全体背面図である。
【図４】パチンコ遊技機１およびカードユニット２の構成を説明するためのブロック図である。
【図５】異常玉貸検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図６】残額減算処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図７】カード排出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図８】玉貸払出制御用マイクロコンピュータ４０で送受信される各種信号のタイミングチャートである。
【図９】排出許可判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図１０】確認操作処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１はパチンコ遊技機、２はカードユニット、５は上皿、７は打球操作ハンドル、２２はカード挿入・排出口、２６は払出装置、２７は払出玉検出器、２８は遊技用制御基板、３３は打込玉検出器、３９はカード玉貸機制御部、４０は玉貸払出制御用マイクロコンピュータ、４１は玉貸スイッチ、４２は返却スイッチ、４３は残高表示部、４４は玉貸可表示ランプ、１００はホールコンピュータ、１０１は金額設定スイッチ、１０２は金額設定表示器、１１０は情報出力部である。

Claims (1)

1. 遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に接続され、有価価値を特定可能な情報が記録された遊技者所有の遊技用記録媒体を受付けて、該受付けた遊技用記録媒体から特定される有価価値を使用して遊技媒体を貸与するための処理を行なう記録媒体処理装置とを含む遊技用装置であって、
   前記記録媒体処理装置は、
   遊技者により前記遊技媒体の貸与を要求する貸与要求操作がなされたことを検出する貸与要求操作検出手段と、
   １回の貸与要求操作に応じた遊技媒体の貸与に使用する有価価値である貸与額を設定変更する貸与額設定手段と、
   前記貸与要求操作検出手段による前記貸与要求操作の検出に基づいて、前記貸与額設定手段により設定されている貸与額分の遊技媒体を貸与するために予め定められた単位額分の遊技媒体の貸与を要求する単位貸与要求信号を複数回前記遊技機に送信するとともに、前記貸与額を前記遊技用記録媒体により特定される前記有価価値から減算更新するための減算更新処理を実行する処理手段と、を含み、
   前記遊技機は、
   前記単位貸与要求信号の受信毎に単位額分の遊技媒体を貸与する貸与処理を実行する貸与処理手段と、
   初回の前記単位貸与要求信号の受信に基づいて計時を開始する第１の計時手段と、
   該第１の計時手段により予め定められた連続判定時間が計時されるまでの間に前記単位貸与要求信号を受信した受信回数を計数する受信回数計数手段と、
   前記第１の計時手段により前記連続判定時間が計時されたことに基づいて、前記貸与処理手段による貸与処理を不能動化する不能動化手段と、
   前記第１の計時手段により前記連続判定時間が計時されたことに基づいて計時を開始する第２の計時手段と、
   前記不能動化手段により貸与処理を不能動化する貸与禁止時間として、前記受信回数計数手段により計数された受信回数に応じた時間を設定する貸与禁止時間設定手段と、
   前記第２の計時手段により、前記貸与禁止時間設定手段により設定された貸与禁止時間が計時されたことを条件に、前記貸与処理の不能動状態を解除する不能動状態解除手段と、
   前記不能動化手段により前記貸与処理が不能動化されてから前記不能動状態解除手段により不能動状態が解除されるまでの期間に、前記貸与要求操作検出手段により前記貸与要求操作が検出された場合に、その旨を報知するための報知情報をホールコンピュータへ出力する報知情報出力手段と、を含み、
   前記記録媒体処理装置は、さらに、前記報知情報出力手段により前記報知情報が出力されている期間において、前記遊技用記録媒体の排出を禁止する遊技用記録媒体排出禁止手段を含むことを特徴とする、遊技用装置。

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