本発明に係る回胴式遊技機(以下、パチスロ機という)の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、パチスロ機の一形態を示す正面図である。箱形に形成されたパチスロ機1の本体(筐体)枠(図示は省略する)の前面開口部を覆うように前面扉2が設けられている。前面扉2は、本体枠に対して上下ヒンジ部により片開き可能に取り付けられた開閉扉である。また、パチスロ機1の左側には、遊技媒体(例えば、コイン又はメダル)の貸出し可能枚数等の有価価値情報が記録されている情報記録媒体、あるいは現金を直接投入することによって、コインを貸出しすることができるCRユニット(情報記録媒体読取装置)50が配置されている。上記情報記録媒体としては、パチスロ店で一般的に使用されているプリペイドカードや、パチスロ店が独自に発行する会員カード等が含まれている。
前面扉2の上部には、LED表示灯による遊技の演出内容を表示するためのトップ表示器3が設けられている。トップ表示器3の下側中央部には、画像表示による遊技の演出内容を表示するための画像表示装置(例えば、液晶表示装置)5が配設されている。液晶表示装置5の左右両側には、音の出力により遊技の内容を演出する一対のスピーカ6a、6bが設けられている。また、スピーカ6bの下側には、液晶表示装置5に表示されるメニュー画面の表示内容を選択及び確定するための液晶スイッチボタン9が設けられている。さらに、スピーカ6a、6bの外側には、LED表示灯による遊技の演出内容を表示するためのサイド表示器7a、7bが設けられている。
液晶表示装置5の下側には、窓部8が設けられ、窓部8には透明のガラス板が取り付けられている。この窓部8を介して、本体枠内に配設されているリールユニットの各リール(後述する)が視認可能となっている。窓部8の下側には、パチスロ機1の遊技媒体であるコインの払出し枚数を表示する払出枚数表示器10と、遊技者が貯留装置に貯留して保有しているコインの貯留枚数を表示する貯留枚数表示器11が設けられている。また、払出枚数表示器10の左側には、遊技者が1回のリール回転遊技において投入したコイン枚数(ベット枚数)を表示するコイン投入枚数表示器12が設けられている。詳しくは後述するが、コインを1枚投入する毎に表示器が一つずつ点灯し、1回の遊技で投入することができる最大枚数(MAXベット枚数)は3枚に設定されている。貯留枚数表示器11の右側には、遊技を開始させるためのスタートレバーの操作が可能/不可能状態にあることを表示するためのスタート表示器13が設けられている。スタート表示器13の下側には、パチスロ機にコインを投入することが可能であるか否かを表示するための投入可能表示器14が設けられている。さらに、投入可能表示器14の下側には、リール回転遊技の表示態様(小役)の一種である「リプレイ図柄」が揃って再遊技が開始されることを表示するリプレイ表示器15が設けられている。
払出枚数表示器10及び貯留枚数表示器11の右下方には、パチスロ機1の遊技媒体であるコインを投入するためのコイン投入口(投入手段)16が設けられている。また、左下方には、1回のリール回転遊技においてパチスロ機1にMAXベットを投入するためのMAXベットボタン17が設けられている。遊技者はMAXベットボタン17を1回操作するだけで、1回の遊技でパチスロ機1に投入することができる最大枚数を投入した状態、つまりMAXベット状態にすることができる。MAXベットボタン17の左側には、1回のリール回転遊技においてパチスロ機1にコインを1枚ずつ投入するための1枚投入ボタン18が設けられている。MAXベットボタン17あるいは1枚投入ボタン18が押し操作されると、操作されるたびに貯留装置に貯留されているコインの貯留枚数、即ち、貯留枚数表示器11に表示されている貯留枚数が、投入された枚数分だけ減算されていく。1枚投入ボタン18の左側には、貯留装置に貯留されているコインを精算するため、即ち、コインを後述する受け皿に払出すための精算ボタン19が設けられている。
また、これらの部材の下側左方には、リール(ドラムともいう)の回転を始動させるためのスタートレバー(始動用レバー)20が設けられ、下側中央部、即ち、スタートレバー20の右側には、後述する3個の回胴リールに各対応するように3個の停止ボタン21a、21b、21cが設けられている。また、停止ボタンの右側には、コインセレクター内に詰まったコインを返却するためのコイン返却ボタン22が設けられている。コインセレクターはコイン投入口16に連結されており、コイン投入口16から投入されたコインを選別および検知する装置である。
遊技者が遊技を開始するに際してコイン投入口16からコインを投入すると、MAXベットに達するまで投入毎にコイン投入枚数表示器12が1つずつ点灯していく。MAXベット枚数以上のコインが投入されると、その分のコインは貯留されたコインとして貯留装置75(機内に配置されている主制御基板のCPU、あるいはCPUに設けられたRAMのことをいう。図4で説明する)に電子データとして記憶保存される。そしてその枚数がコインの貯留枚数として貯留枚数表示器11に表示される。貯留装置75には予め定められた枚数(最大貯留枚数という。例えば、50枚)までのコインが貯留可能であり、それ以上のコインがコイン投入口16から投入されると、最大貯留枚数を超えた分のコインは貯留されずに受け皿に払い出される。遊技者は、貯留装置75にコインが貯留されていれば、即ち、貯留枚数表示器11に貯留枚数が表示されていれば、その貯留コインを使用して(投入して)遊技を行うことができる。このような方法による遊技をクレジットモードによる遊技という。
スタートレバー20の左側には、CRユニット50に差し込まれたプリペイドカード(有価価値情報が記録されている情報記録媒体)、あるいはCRユニット50に投入された現金から遊技媒体であるコインの貸し出しを行うためのコイン貸出ボタン25と、CRユニット50に差し込まれたプリペイドカードを払出し返却するためのカード返却ボタン26が設けられている。また、差し込まれたプリペイドカードに記憶されている有価価値情報、例えば、コイン貸出可能枚数を、表示するためのカード残高度数表示器27が設けられている。表示器27は、例えば、3桁の7セグメントLEDからなり、「1」「0」「0」と表示されているときは、残高100度数で、1万円の有価価値があり、コインを500枚貸出することができることを意味する(貸出率は「50枚/10度の貸出率」)。コイン貸出ボタン25が押下されると、1回の押下操作で貸出される予め定められた枚数のコイン(例えば、30枚、50枚等)が貸出される。コインは現物として受け皿24に払い出される方法で貸出される場合と、現物としてではなく電子データとして貯留装置75に貯留される方法で貸し出されその貸出枚数が貯留枚数表示器11に表示される場合とがある。いずれの方法で貸出されるかは、貸出方法を選択するための選択手段(図示省略)の設定によって決定することができる。
CRユニット50とパチスロ機側とは、電気的に接続されており、コイン貸出ボタン25、カード返却ボタン26の操作等に基づいてパチスロ機側に配置されている主制御基板(後述する)に搭載されたCPU(制御手段)とCRユニット50(CRユニットに搭載されたCPU)間で、コインの貸出等に関するデータの通信が行なわれる。プリペイドカードは、CRユニット50のカード挿入口(カード返却口)51から出し入れされ、プリペイドカードがCRユニット50に挿入されていることは、カード表示器52の点灯表示によって報知される。また、現金は現金投入口53から投入することが可能であり、投入した現金からのコインの貸出しは、現金貸出ボタン53aを押下することにより行なうことができる。さらに、会員カードは会員カード挿入口(会員カード返却口)54から出し入れされ、挿入した会員カードからのコインの貸出しは、会員貸出ボタン54aを押下することにより行なうことができる。また、CRユニット50にエラー状態が生じたことを報知するためのエラー表示器55が設けられている。
前面扉2の下部には、パチスロ機1内に設けられているコイン払出装置から払出されるコイン、および返却されるコインの出口としてのコイン払出し口23が設けられ、このコイン払出し口23の前面部には払出・返却されたコインを貯留しておくための受け皿24が設けられている。
図2は、前面扉2を開いたときのパチスロ機1の本体(筐体)枠29内部を示す図である。上部にはパチスロ機1の遊技の主な制御を行う主制御基板30が配設されている。主制御基板30の下側には、リールユニット31が配設されている。リールユニット31は、回転動作を行う3個のリール(第一回胴リール32a、第二回胴リール32b、第三回胴リール32c)と、リールを回転動作させるステッピングモータ33a、33b、33cと、各リールの図柄および回転速度を把握するためにリールの特定の位置を検知するためのリールセンサー34a、34b、34cから概略構成されている。各リールには複数種の図柄(例えば、7種類、21個の図柄)が設けられており、停止表示された各リールの図柄の組合せにより入賞か否かが決定される。具体的な図柄としては、赤字の数字「7」図柄、青字の数字「7」図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。また、リール毎に各図柄の数、及びその配置順序は相違している。
本体枠29の下部中央には、コインを貯蔵すると共に、コインの払出しを行うコイン払出装置35が設けられている。この払出装置35から払出されたコインは払い出し口23から受け皿24へ放出される。また、コイン投入口16から投入されたコインは、この払出装置35内に貯蔵される。
払出装置35の左側には、電源ユニット36が配設されている。電源ユニット36は、電源基板37および電源基板を収納するためのケースと、このケースに一端が軸支されて回動開閉可能に取り付けられた電源ケースカバー38等から構成されている。図2に示す電源ユニット36は、電源ケースカバー38が回動により閉じられて取り付けられた状態を示している。図3に、電源ケースカバー38を回動により開放した状態の電源ユニット36を示す。電源ユニット36には、パチスロ機1に電源が供給されていることを表示する電源LED39と、パチスロ機1の遊技の出玉率、即ち、ビックボーナス、レギュラーボーナス等の当り状態の当選確率を複数(通常は6)段階の中から選択設定するための設定変更スイッチ(設定手段)40と、有価価値に対するコインの貸出率を変更するに際して設定操作される貸出率変更スイッチ(設定手段)43が設けられている。さらに、(設定手段)40と、その出率調整の設定の変更および確認を行う際に操作される設定キースイッチ(設定手段)41が設けられている。
また、役物連続作動装置作動終了時に、自動的に打止めおよび自動精算をするか否かを切り換えるための打止め有無切換えスイッチ42が設けられている。これらのスイッチ40〜43の操作・設定は、いずれもパチスロホール側で行うものであり、遊技中等これらのスイッチ40〜43を操作する必要がないときは電源カバー38により覆われ、遊技者は操作することができないようになっている。また、電源ユニット36に電源が供給されていることを表示する100V表示LED44と、パチスロ機1への電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ45が設けられている。
設定変更スイッチ40による出玉率の選択設定、貸出率変更スイッチ43によるコイン貸出率の設定変更は、予め定められた所定の処理における選択設定、設定変更のみが有効に受け付けられる。この所定の処理とは、遊技者が通常にパチスロ遊技を行っている通常状態とは別に設けられた処理であり、パチスロ機の電源投入時に設けられている。設定キースイッチ41はON/OFF切替スイッチである。設定キースイッチ41をONにした状態でパチスロ機の電源を立ち上げる(電源スイッチ45をONにする)と、上述した出玉率の選択設定およびコイン貸出率の設定変更を行なうことができる処理になる。この処理において設定変更スイッチ40を操作(例えば、押下)すると、6段階設けられている出玉率が操作する度に1段階ずつ変化する。この設定変更している出玉率の段階は、例えば、払出枚数表示器10あるいは貯留枚数表示器11等を使用して表示される。また、この処理において貸出率変更スイッチ43を操作すると、複数種類設けられている貸出率のいずれかを選択することができる。貸出率も払出枚数表示器10あるいは貯留枚数表示器11等を使用して表示してもよい。また、回胴式遊技機に電源が投入され、制御手段(CPU)によって初期設定がされた後の、遊技者による遊技媒体の投入を受け付け、スタートレバーの押下を契機として、ドラムを回転し、停止ボタンの押下によりドラムを停止することが可能な状態のことを通常状態(遊技中)という。
これらの項目を設定するための処理は、設定キースイッチ41をOFF状態に切替えることにより解除される。そして、解除されたときに選択設定等されている出玉率およびコイン貸出率が主制御基板30に設けられているCPU(貸出率変更制御手段)によって読み込まれRAMに記録され、この出玉率および貸出率によって遊技およびコイン貸出しの制御が行なわれる。尚、設定キースイッチ41をOFFにした状態でパチスロ機の電源を立ち上げた場合は、この処理には入らず、通常状態となる。また、設定キースイッチ41をOFFにした状態で設定変更スイッチ40および貸出率変更スイッチ43が操作されても、その操作は受け付けられず、出玉率およびコイン貸出率は変化しない。このように通常状態では貸出率変更制御手段によって貸出率変更スイッチ43の設定状態は読み込まれないので、遊技中に不正行為が行なわれ貸出率変更スイッチ43が設定変更されたとしても、その操作により設定された貸出率でコインの貸出処理が行なわれることはない。
ここで本形態では、3個のリール(第一回胴リール32a、第二回胴リール32b、第三回胴リール32c)を停止させて所定の図柄を揃えるための、いわゆる入賞ラインが5ライン設けられている(図1参照)。窓部8の中央部、上部、下部のそれぞれを通り、水平方向に延びた3つのライン(aライン、bライン、b'ライン)と、窓部8の対角線方向に延びる2つのライン(cライン、c'ライン)である。有効となる入賞ライン数はコインを何枚賭けるかによって異なる。コインを1枚賭けてゲームを行なう場合には、aラインだけが有効な入賞ラインとなり、コインを2枚賭けてゲームを行なう場合には、aライン、bライン、b'ラインが有効なラインとなり、コインを3枚賭けてゲームを行なう場合には、cライン、c'ラインまでを含めた5ライン全てが有効なラインとなる。3個のリールが停止したときに、5つの入賞ラインのうち有効となっている入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役(例えば、大役、小役)が成立すると、そのゲームが入賞となり所定数のコインが払出される。
役の種類には、大きく分けて、大当りである大役(ボーナス)と、小当たりである小役とがある。大役には、例えば、赤色の数字「7」の図柄(ビックボーナス(BB)図柄という)が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるビックボーナスと、青色の数字「7」の図柄、または「BAR」の図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるレギュラーボーナス(RB)とがある。大役になると回胴式遊技機は遊技者に有利な遊技状態に移行する。
例えば、BBが成立(入賞)した場合には、遊技者が短期間で最も多量のコインを獲得可能なBBゲームに突入する。BBゲームでは、小役の当選確率が飛躍的に向上する。BBゲームは、コインの払出し枚数が所定数(例えば、345枚)に達すると終了する。また、RBが成立した場合には、BBゲームに次いで遊技者が多量のコインを獲得可能なゲームに突入する。RBゲームでは、当選役によらず遊技者の技量次第でいずれの小役にも入賞させることができる。RBゲームは、コインの払出し枚数が所定数に達すると終了する。その所定枚数は青色の「7」図柄のRBゲームが、例えば253枚、「BAR」図柄のRBゲームが、例えば110枚と設定されている。尚、BB図柄、RB図柄のことを、ボーナス図柄あるいは大当り図柄ともいう。
小役には、スイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(スイカ小役)と、ベル図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(ベル小役)と、チェリー図柄が有効な入賞ライン上の所定の位置に停止した場合の役(チェリー小役)とがある。これらの小役が成立(入賞)したときは、それぞれ予め定められた所定枚数のコインが払出される。その他、リプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(リプレイ)がある。リプレイが入賞した場合には、回胴式遊技機1は再遊技の状態、即ち、今回のゲーム(リプレイが入賞したゲーム)に賭けたコインと同数のコインが無償で自動投入された状態となり、遊技者が新たにコインを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。リプレイはコインの払出しはないが、次の遊技のための賭け数設定、即ち、新たなコインの投入操作が不要であり、その遊技に使用したコインが払出されたと仮定することも可能であるため、本実施の形態では、リプレイを小役として取扱う。尚、役を構成する図柄が有効な入賞ライン上に揃わなかった場合には外れとなる。
図4は、CRユニット50が接続されたパチスロ機1の主制御基板30周辺の電気的な接続状態(概略)を示すブロック図である。パチスロ機1側には、上述したように主制御基板30が配設されており、主制御基板30には主なパチスロ遊技を司る主基板CPU(制御手段)60が設けられている。主基板CPU60には入出力ポート(図示省略)が設けられており、この入出力ポートを介して各種の入出力部がバス接続等されている。具体的には、主基板CPU60の入力ポートには、例えば、MAXベットボタン17、1枚投入ボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20、停止ボタン左21a、中21b、右21c等が接続されている。これら入力部が操作されると、その操作信号は入力ポートを介して主基板CPU60に入力される。
遊技者によってMAXベットボタン17が操作されると、CPU60は、貯留枚数表示器11の表示枚数をMAXベット分(例えば、3枚)減算すると共に、コイン投入枚数表示器12を3個点灯してコインが3枚投入されたことを報知する。これにより当りを発生させるリール図柄の有効ラインは、上中下横ラインと対角線(a、b、b'、c、c'ライン)の合計5ラインに設定される。また、一枚投入ボタン18が操作されると、CPU51は、貯留枚数表示器11の表示枚数を1ベット分(1枚)減算すると共に、コイン投入枚数表示器12を1個点灯して、コインが1枚投入されたことを報知する。これにより当りを発生させるリール図柄の有効ラインは、aラインの1ラインに設定される。一枚投入ボタン18がさらに操作されると、同様の処理が行なわれ、操作される度にリール図柄の有効ラインは、a、b、b'ラインの3ライン、a、b、b'、c、c'ラインの5ラインと、最大5ラインまで増加していく。
次に、スタートレバー20が操作されると、リール32a、32b、32cが回転動作を開始すると共に、各回胴リール32a、32b、32cの停止図柄を決定するために乱数の内部抽選が行われる。停止ボタン左21a、中21b、右21cの操作により、それぞれ対応しているリール32a、32b、32cの回転動作が停止する。このとき有効ライン上に予め定められている当り図柄の組み合わせが停止表示すると、その当り図柄に対応して定められている枚数のコインが払出装置35から払い出し口23に払出される。尚、パチスロ機内(貯留装置75)に貯留できる遊技者保有のコイン枚数、即ち、貯留枚数表示器11の最大表示枚数は、例えば50枚までと予め定められているため、当り図柄により遊技者に払出されるコインは、貯留枚数表示器11の表示が最大表示枚数になるまではそこに加算されて貯留され、最大表示枚数を超えた場合には、その超えた分を払い出し口23から払出すようにしてもよい。
また、主基板CPU60の入力ポートには、電源ユニット36に設けられた設定変更スイッチ40と、設定キースイッチ41が接続されており、設定されたパチスロ機の出玉率が主基板CPU60に入力され、この設定値にしたがってCPU60はパチスロ遊技の出玉率、即ち、当選確率を制御している。さらに、主基板CPU60の入力ポートには打ち止め状態およびエラー状態を解除するためのドアセンサー61が接続されている。
また、払出装置(ホッパー)35に設けられている払出しセンサー62が入力ポートを介して主基板CPU60に接続され、ホッパーモータ63が出力ポートを介して主基板CPU60に接続されている。各リールに当り図柄が停止表示されると、当り図柄に対応した枚数のコインを払い出す旨の払出命令信号が主制御CPU60から払出装置35に出力される。この払出命令信号により払出装置35のホッパーモータ63が駆動され、払出装置35からコインが受け皿24に払い出される。払い出されたコインの枚数は払出センサー62によって検知され、払出枚数を表わす信号、及び払出し完了信号が払出装置35から主制御CPU60に入力される。
また、コインセレクター64に設けられている第1のコインセンサ65および第2のコインセンサ66が入力ポートを介して主基板CPU60に接続され、メダルブロッカー67が出力ポートを介して主基板CPU60に接続されている。コイン投入口16から投入されたコインはコインセレクタ64内を通り、第1のコインセンサ65および第2のコインセンサ66によって検出される。これらのセンサ65、66によって検出された検出信号は、主基板CPU60に入力され、パチスロ機に投入されたコインの投入枚数が認識される。
コインセンサを2個配設することにより、コインの検出されるタイミングを測定し、予め設定されているコイン検出タイミングと照合して、不正行為が行われていないことを検出している。また、コインの最大貯留枚数、即ち、貯留枚数表示器11の最大表示枚数は予め定められているので、貯留枚数がその枚数に達したと主基板CPU60によって検出されると、その旨を表わす信号が主基板CPU60からコインセレクタ64に出力され、この信号によってメダルブロッカー67が動作して、最大貯留枚数以上に投入されたコインの受付を排除すると共に、そのコインを払い出し口23から払出し処理する。また、メタルブロッカー67はリールの回転動作中、即ち、スタートレバー20の操作による回胴リールの回転動作開始時から停止ボタン21a、21b、21cの操作によるリールの回転動作停止時までの間も動作し、その間のコインの投入は受け付けられない。
また、主基板CPU60の出力ポートには、各表示部68が接続されている。具体的には、貯留枚数表示器11が接続されており、主基板CPU60から出力される貯留枚数情報信号によって貯留装置75に電子データとして貯留されている遊技者のコインの枚数が表示される。また、払出枚数表示器10が接続されており、当り図柄の組合せが各回胴リール32a、32b、32cに停止表示されると、当り図柄に対して予め定められている払出枚数情報信号が主基板CPU60から出力され、その払出枚数が払出枚数表示器10に表示される。また、停止ボタン21a、21b、21cの操作の可否を表示する停止ボタン表示器69が接続されており、リールの回転動作が開始されてから所定の時間が経過すると、主基板CPU60から表示部68に停止ボタン操作可能信号が出力され、この信号を受けて停止ボタン表示器69が表示される。例えば、リールの回転動作開始時に赤く点灯されていた停止ボタン表示器69が、所定時間が経過後に緑色に点灯し、停止ボタン21a、21b、21cの操作が可能になったことを遊技者に報知する。図示は省略するが、主基板CPU60の出力ポートには、さらに、コイン投入枚数表示器12、スタート表示器13、投入可能表示器14、リプレイ(再遊技)表示器15等が接続されており、主基板CPU60から出力される各表示器制御信号に基づいて表示制御されている。
また、主基板CPU60の出力ポートには、リールユニット31に設けられている左回胴モータ(ステッピングモータ)33a、中回胴モータ(ステッピングモータ)33b、右回胴モータ(ステッピングモータ)33cが接続され、主基板CPU60の入力ポートには、リールユニット31に設けられている左回胴インデックスセンサー(リールセンサー)34a、中回胴インデックスセンサー(リールセンサー)34b、右回胴インデックスセンサー(リールセンサー)34cが接続されている。スタートレバー20が操作されると、主基板CPU60から各回胴リール32a、32b、32cの動作を制御する信号が出力され、この信号が各回胴モータ33a、33b、33cに入力されて回胴リールの回転動作が行われる。回胴リールの図柄および回胴リールの回転速度を把握するために、各回胴インデックスセンサー34a、34b、34cによって各回胴リール32a、32b、32cの所定の位置が検知され、その検知情報が主基板CPU60に入力されている。主基板CPU60は、この検知情報に基づいて回胴リールの図柄および回胴リールの回転速度を把握し、各回胴リール32a、32b、32cの回転動作を制御している。
また、主基板CPU60の出力ポートには、ホールコンピュータとの通信用、即ち、主基板CPU60からホールコンピュータへの信号の出力用基板としての外部集中端子板70が接続されている。
また、主基板CPU60には、CRユニット用の中継基板(情報受取手段)71がバス接続されている。そして、この中継基板71には、CRユニット用の表示部/キー入力部72(図1においてコイン貸出ボタン25とカード返却ボタン26とカード残高度数表示器27が設けられている部分)と、CRユニット50がバス接続されており、主基板CPU60と表示部/キー入力部72とCRユニット50(実際にはCRユニットに搭載されたCPU(制御手段))とは中継基板71を介して遊技情報の交信を行っている。
ここで、中継基板(情報受取手段)71を介して行なわれる交信内容を以下に説明する。パチスロ機1と電気的に接続されているCRユニット50の状態は、主基板CPU60によって常時監視されている。例えば、パチスロ機1およびCRユニット50を起動させるための電源が投入されると、電源立ち上がり時の監視が行われる。電源が立ち上がるとパチスロ機1側(主基板CPU60)からCRユニット50側に、動作準備が完了したか否かを確認するパチスロ機レディ信号が送信される。この信号を受信したCRユニット50は、予め定められている所定時間内(例えば、10sec内)に、動作準備が完了した旨を示すレディ応答信号を主基板CPU60に送信する。そしてこの所定時間内にレディ応答信号の返信がない場合、例えば、CRユニット用の中継基板71にCRユニット50が接続されていない場合、あるいはCRユニット50は接続されているが故障している場合等には、主基板CPU60はCRユニット50の状態がエラー状態であると認識する。また、電源の立ち上がり後においてもCRユニットの状態の監視が行われており、主基板CPU60からCRユニット50に対して定期的に、動作準備完了状態にあるか否かを確認するレディ信号が送信されている。そしてこの信号を受信したCRユニット50は、動作準備完了状態にあるときは、予め定められている所定時間内(例えば、50msec内)に、その旨を示すレディ応答信号を主基板CPU60に送信する。主基板CPU60は、このレディ応答信号の有無によりCRユニット50がエラー状態にあるか否かを認識している。
CRユニット用の表示部/キー入力部72の操作内容は、CRユニット50のCPU、および主基板CPU60によって監視されている。コイン貸出ボタン25、あるいはカード返却ボタン26が操作されると、コイン貸出要求信号あるいはカード返却要求信号は、CRユニット用の表示部/キー入力部72からCRユニット用の中継基板71を介してCRユニット50のCPUおよび主基板CPU60に送信される。この信号を受信したCRユニット50のCPUは、予め定められている所定時間内(例えば、30〜50msec内)に、コインの要求を確認した応答信号として、現在、コインの貸出し処理中であるか否かを表わす貸出中信号(例えば、BRDYとする)、あるいはカード返却要求確認信号を主基板CPU60に送信する。
コインの貸出要求確認の信号を受信した主基板CPU60は、コインの貸出しを許可するか否かの判別を行なう。許可するときはプリペイドカードに記録されている残高度数の確認を行ない、要求されたコインを貸出すために必要なカード度数が残っているか否かを判別する。そして要求以上の度数が残っている場合には、カード残高度数表示器27の残度数を貸出要求度数分だけ減算して表示する(プリペイドカードの度数を減算して記録する)と共に、設定されている貸出率に基づいて所定のコイン枚数を払出装置35から受け皿24に払い出す制御を行う。コインの貸出先は必ずしも受け皿24には限定されず、コイン現物として払い出さずに貯留装置75にコインの貯留枚数として加算する方法で貸出してもよい。そして、その貯留枚数は貯留枚数表示器11の貯留表示数を加算して表示する。また、貯留装置75に貯留できるコインの最大枚数は予め定められているので、貸出されるコイン数が残り貯留可能枚数よりも多い場合には、貯留し切れない貸出しコインは受け皿24に払い出すようにしてもよい。
また、カード返却要求確認信号を受信した主基板CPU60は、カード返却口51からプリペイドカードを返却するよう中継基板71を介してCRユニット50に制御信号を送信する。この制御信号に基づいてCRユニット50はプリペイドカードをカード返却口51から排出し返却する。また、主基板CPU60から中継基板71を介してCRユニット用の表示部/キー入力部72に送信される残度表示クリア信号によりカード残高度数表示器27の残高度数は「000」にクリア表示される。
コイン貸出要求信号あるいはカード返却要求信号に対して、CRユニット50から確認信号の返信がない場合、例えば、CRユニット用の中継基板71にCRユニット50が接続されていないような場合、またはCRユニット50は接続されているが故障している場合等には、主基板CPU60はCRユニット50の状態がエラー状態であると認識する。CRユニット50のエラー状態を認識した場合、主基板CPU60は、そのエラー状態が解除されたと認識するまでパチスロ機1自体の動作を停止させる。従って、CRユニット用の表示部/キー入力部72の操作も受け付けられない状態となる。また、このエラー状態の発生は、外部集中端子板70を介してホールコンピュータに報知される。
CRユニット用の表示部/キー入力部72のコイン貸出ボタン25の操作は、常時受け付けられるものではなく、所定の状態においては主基板CPU60によってインターロックされ、貸出し操作が禁止される処理がなされている。例えば、回胴遊技が行なわれている間、即ち、スタートレバー20が押下された後、各回胴図柄が停止表示されて、払出装置35からの払出完了信号を受け、払出処理が終了するまでの間は、遊技処理の各段階が中断されると遊技者にとって不利益が生じるため、コイン貸出ボタン25の操作はインターロック処理されている。従って、この間は、コインを貸出すことができない貸出禁止期間(貸出禁止状態)となる。
また、貯留装置(RAM)75に所定枚数以上のコインが貯留されているときは、必要以上にコインの貸出しを行なうことは、コインの還元率との関係で遊技者にとって不利益となるため、コイン貸出ボタン25の操作はインターロック処理されている。また、リール回転遊技の小役の一種である再遊技の動作が行なわれている間は、再遊技の処理が中断されることにより遊技者に不利益が生じることもあるため、コイン貸出ボタン25の操作はインターロック処理されている。また、コインの投入枚数が、一回の回胴遊技において投入できる最大枚数(例えば、3枚)に達している場合には、その回の遊技が終了するまでコインの貸出し操作を禁止しても遊技者にとって不利益とはならないため、また、必要以上のコインの貸出しはコインの還元率との関係で遊技者に不利益となるため、コイン貸出しボタン25の操作はインターロック処理されている。従って、これらの間も、コインを貸出すことができない貸出禁止状態となる。
また、エラー発生時においてはパチスロ機自体の動作が停止させられるため、エラーが回避されるまでは遊技を行うことはできず、コインの貸出し操作を禁止しても遊技者にとって不利益とはならないため、コイン貸出しボタン25の操作はインターロック処理され、コインを貸出すことができない貸出禁止状態となる。また、出玉率設定値の確認時においては、遊技者によって遊技が行われることはないため、さらに、貯留装置内のコインの精算をしている間は、コインの貸出し操作は必要ないため、コイン貸出しボタン25の操作はインターロック処理され、コインを貸出すことができない貸出禁止状態となる。
主基板CPU60によるインターロック処理は、所定の状態のときのコインの貸出し要求操作のみではなく、例えば、コインの貸出し処理中に行なわれる遊技開始操作、出玉率設定値の確認操作、貯留装置内のコイン精算操作等に対してもなされている。コインの貸し出し処理中において、回胴遊技を開始させるためにスタートレバー20の操作が行なわれても、至急に遊技を開始させなければならない状態は発生しないので、遊技者には不都合とはならないため、遊技開始処理を禁止している。また、コインの貸し出し処理中において、出玉率設定値の確認操作を行なおうとする場合、貸出し処理が終了してから操作を受け付けるようにしても不具合は生じないため、出玉率設定値の確認処理を禁止している。また、コインの貸し出し処理中において、貯留装置内のコインの精算操作を行なおうとする場合、貸出し処理と精算処理とは反する処理であり、貸出し処理が終了してから操作を受け付けるようにしても不具合は生じないため、コイン精算処理を禁止している。
また、CRユニット50の現金投入口53の状態および会員カード挿入口54の状態は、CRユニット50のCPU、および主基板CPU60によって監視されている。現金投入口53に現金が投入されると、若しくは図1に示すように現金貸出ボタン53aが設けられているCRユニットでは現金の投入後に現金貸出ボタン53aが操作されると、あるいは会員カード挿入口54に会員カードが挿入されると、若しくは図1に示すように会員貸出ボタン54aが設けられているCRユニットでは会員カードの挿入後に会員ボタン54aが操作されると、その操作信号はCRユニット50のCPUに入力される。そして、CRユニット50のCPUから、CRユニット用の中継基板71を介し、CPU60へ、コインの貸出しの要求があったことを示す信号と、ボタン操作に応じた分のコインの貸出しを要求する信号が送信される。コインの貸出しを要求する信号を受信した主基板CPU60は、設定されている貸出率に基づいて所定のコイン枚数を払出装置35から受け皿24に払い出す。コインの貸出先は、受け皿24であっても、貯留装置75にコインの貯留枚数として加算する方法であってもよい。
現金投入口53への現金の投入、会員カード挿入口54への会員カードの挿入によるコインの貸出しは、常時受け付けられるものではなく、所定の状態においては主基板CPU60によってインターロックされ、貸出しが禁止される処理がなされている。例えば、回胴遊技が行なわれている間、即ち、スタートレバー20が押下された後、各回胴図柄が停止表示されて、払出装置35からの払出完了信号を受け、払出処理が終了するまでの間は、遊技処理の各段階が中断されると遊技者にとって不利益が生じるため、コイン貸出しが禁止されている。この間は、コインを貸出すことができない貸出禁止状態となる。
また、上記コイン貸出ボタン25操作のインターロック処理と同様に、以下のような場合にも、現金、会員カードによるコインの貸出しは禁止される。例えば、貯留装置(RAM)75に所定枚数以上のコインが貯留されているとき、リール回転遊技の小役の一種である再遊技の動作が行なわれている間、コインの投入枚数が、一回の回胴遊技において投入できる最大枚数(例えば、3枚)に達している場合、エラー発生時、出玉率設定値の確認時、貯留装置内のコインの精算をしている間等ある。これらの貸出禁止状態において、現金、または会員カードによるコインの貸出し要求がされた場合、パチスロ機のCPU60はエラー状態が発生した判別する。そして、CRユニット50に設けられているエラー表示器55によって、エラー状態にあることを報知する。
図5、図6に、パチスロ遊技のタイミングチャートを示す。図6は、貸出禁止状態のときに、現金の投入、または会員カードの挿入によるコインの貸出し要求があった場合のタイミングチャートである。また、図5は、対比のタイミングチャートとして、正常な、コイン貸出し時の信号のタイミングチャートを示す。
先ず、図5について説明する。図の<A>に示す期間のタイミングチャートは、1回のパチスロ回転遊技のタイミングを示すものであり、図の<B>に示す期間のタイミングチャートは、コインの貸出し処理を示すタイミングを示すものである。<A>の期間は、図10に示す<A>期間と同様の制御が行なわれているので詳しい説明は省略する。
スタートレバー20が操作されてから回胴リール32a、32b、32cが停止するまでの間(停止図柄が入賞図柄のときは所定枚数のコインが払い出されるまでの間)は、貸出し許可信号(ENABLE)がハイ状態の信号(ホ)となり、コインの貸出しを禁止する。即ち、貸出し許可信号がハイ状態の間は、コイン貸出ボタン25が操作されても受け付けられずコインの貸出処理は行なわれない貸出禁止状態になる。この貸出し許可信号は、パチスロ機(S)からCRユニット(CR)に送信されている。
<B>の期間のタイミングチャートについて説明する。貸出し許可信号が許可状態(ロー状態)において、コイン貸出ボタン25が操作されると、貸出しボタン信号(リ)が発生する。貸出しボタン信号(リ)の発生に基づいて、コインの貸出中であることを表わす貸出し中信号(BRDY)がロー状態となる。続いて、コインの貸出しを要求する貸出し要求信号(BRQ)が発生する。貸出し要求信号は1回のコイン貸出ボタン25の操作に伴って予め定められた回数発生する。図では1回のコイン貸出ボタン操作に伴って(ヌ)と(ル)の2個の信号が発生している。1個の貸出し要求信号に対して払い出されるコインの枚数(貸出率)は、上述した貸出率変更スイッチ43の操作により設定されており、貸出し要求信号(ヌ)、(ル)の発生に伴ってそれぞれ所定のコイン枚数が払い出される。尚、コイン貸出ボタン25の操作ではなく、現金投入口53から現金が投入された場合も同様であり、その場合には現金の投入(現金貸出ボタン53aが設けられている場合には現金貸出ボタンの操作)に基づいて、貸出ボタン信号(リ)が発生する
具体的には、1回のコイン貸出ボタン25の操作に基づいて20枚のコインが払い出されるように設定されている場合、貸出し要求信号(ヌ)及び(ル)に対してそれぞれ10個のパルス(ヲ)及び(ワ)が発生し、それぞれ10枚のコイン(合計20枚のコイン)が払い出される。また、貸出率変更スイッチ43の操作により貸出率が変更設定されて、1回のコイン貸出ボタンの操作に基づいて22枚のコインが払い出されるように設定されている場合には、貸出し要求信号(ヌ)及び(ル)に対してそれぞれ11個のパルス(ヲ)及び(ワ)が発生し、それぞれ11枚のコイン(合計22枚のコイン)が払い出される。
この貸出し中信号(BRDY)、および貸出し要求信号(BRQ)は、CRユニット(CR)からパチスロ機(S)に送信される。貸出し要求信号(ヌ)、(ル)を受けてパチスロ機は、所定のコイン枚数(ヲ)、(ワ)を払い出すと共に、各払い出しに対して貸出し完了信号(カ)、(ヨ)を発生し、パチスロ機(S)からCRユニット(CR)に送信する。
次に、図6について説明する。図に示す<A>期間の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)のパルス及び信号については、図5に示すものと同じタイミング制御である。
コインの貸出禁止状態(ENABLEがハイ期間(ホ))において、現金の投入により、あるいは会員カードの使用によりコインの貸出し要求がされると、その要求を示すパルス(ヘ)が、CRユニット50のCPUに入力される(ここでは現金が投入されたものとして説明する)。すると、CRユニット50のCPUは、コインの貸出しが要求されていることを表わす信号として、ロー状態(タ)の貸出し中信号(BRDY)をパチスロ機側のCPU60に送信する。
この信号(BRDY)を受けたパチスロ機側のCPU60は、現在、コインの貸出しをすることができない貸出禁止状態(ホ)であることを報知するために、応答信号として、ハイ状態(レ)の遊技機READY信号(PRDY)をCRユニットのCPUに送信する。この信号(PRDY)は、CRユニット50とパチスロ機1とが接続されているときはロー状態を維持し、エラー発生時に約10秒間、ハイ状態となるように制御されている信号である。CPU60は、貸出禁止状態において現金の投入によるコインの貸出しが求された状態をエラー状態と判別し、遊技機READY信号を約10秒間、ハイ状態(レ)に制御している。
遊技機READY信号(PRDY)を受信したCRユニットのCPUは、PRDYの状態に基づいて貸出し要求信号(BRQ)の状態を決定している。CRユニットのCPUは、PRDYがハイ状態に変化したことを認識し、エラー状態が発生したと判別して貸出し要求信号(BRQ)をハイ状態に維持する。この貸出し要求信号(BRQ)はパチスロ機側のCPU60へ送信されている。PRDYがハイ状態に維持されることにより、CRユニットからパチスロ機側へはコインの貸出しを要求するロー状態のBRQ信号は送信されない。尚、図10では、貸出し要求信号(BRQ)が、ロー状態に変化している(ト)。これは以下のような理由による。即ち、貸出禁止状態での現金投入による貸出し要求状態をエラー状態と判別していなかったため、遊技機READY信号はハイ状態に変化せずにロー状態を維持する。CRユニットのCPUは、遊技機READY信号のロー状態を見てエラーは発生していないと判別する。これによりCRユニットのCPUは、現金投入による貸出し要求(ヘ)に応じて、貸出し要求信号(BRQ)をロー状態に変化させる。
上記のように図6においては、CRユニットのCPUは、遊技機READY信号のハイ状態への変化を条件としてエラーの発生を認識している。従って、このエラー発生の判別に基づいて、CRユニットのエラー表示信号は約10秒間、ハイ状態(ソ)に制御される。このCRユニットのエラー表示信号により、エラー表示器55が駆動されエラーの発生が報知される。貸出禁止状態において現金投入によるコインの貸出し要求がされた場合には、その要求後、約10秒で、コインを貸出しすることが不可能な期間、即ち、エラー期間を解除することができる。このように遊技機READY信号は、貸出禁止状態におけるエラー状態から復帰するための信号として使用されるため、エラー復帰信号ともいう。10秒間のエラー表示の後において、パチスロ機が貸出禁止状態を脱していれば、コインの貸出しが可能な状態となる。但し、エラー復帰後、次のゲームが開始され再度、貸出禁止状態となっている場合(ツ)には、コインの貸出しはできず、その状態で現金投入による貸出しの要求が行なわれれば、再度、約10秒間のエラー状態となる。尚、エラー復帰信号が送信されている期間中も遊技が行なえるようにしてもよい。
このように、従来のCRユニット仕様のままで、簡単なプログラムの変更をするだけで、貸出禁止状態中であっても、貸出しボタン押下による貸出要求以外の貸出し要求に対して、早期にその要求に応じることができる。
尚、図10では、CRユニットのエラー表示信号がハイ状態(チ)に制御される前に約10秒間の監視時間があり、コインを貸出しすることが不可能な期間は合計約20秒間となっている。これは以下のような理由による。即ち、貸出禁止状態で現金が投入されても遊技機READY信号はロー状態を維持するため、貸出し要求信号がロー状態へ変化し、パチスロ機側にコインの貸出しを要求することとなる。これによりCRユニットは、この要求に対するパチスロ機側からの応答信号を約10秒間、待ち状態となり、応答信号が無い場合に、CRユニットのエラー表示信号をハイ状態(チ)に制御するからである。
図7から図9に示すフローチャートに従ってパチスロ機側のCPU60の制御処理について説明する。
図7において、CPU60のタイマー割込み機能により、予め定められた所定時間毎にステップ80の割込み処理を実行する。先ず、ステップ81に進み、CPU60の入出力ポートのポート入出力処理を行なう。具体的には、コイン貸出しボタン25の操作、あるいは現金投入口53ヘの現金投入、若しくは会員カード挿入口54へのカード挿入等によるコインの貸出し要求が入力された否かの判別処理を行なっている。続いてステップ82に進み、リールモータ33a、33b、33cの制御処理を行なっている。次に、ステップ83に進み、ステップ81のポート入出力処理の判別結果に基づいて、コインの貸出し要求監視処理を行なっている。
図8に示す、貸出し要求監視処理(ステップ83)について説明する。先ず、ステップ91において、復帰パルス(遊技機READY信号(PRDY))を出力中であるか、即ち、貸出し許可信号(ENABLE)がハイ状態であるコインの貸出禁止状態において現金投入(又は、会員カード使用)による貸出し要求がされたエラー状態であるか否かの判別を行なう。ステップ91で、復帰パルスを出力中であると判別した場合には、ステップ96に進み、その復帰パルスをCRユニット50に送信する。一方、ステップ91で、復帰パルスを出力中ではないと判別した場合には、ステップ92に進み、現金投入(又は、会員カード使用)による貸出し要求があるか否かの判別を行なう。
ステップ92において、貸出し要求がないと判別した場合には、ステップ95に進み、貸出し要求監視処理を終了する。一方、ステップ92で、貸出し要求があると判別した場合には、ステップ93に進み、現在、コインの貸出禁止状態(遊技中、貯留装置に所定枚数以上のコインが貯留されている、再遊技の動作が行なわれている等)であるか否かの判別が行なわれる。ステップ93において、貸出禁止状態であると判別した場合には、ステップ96に進み、復帰パルスをCRユニット50に出力する。一方、ステップ93で、貸出禁止状態ではないと判別した場合には、ステップ94に進み、コインの貸出しを行なうための貸出し処理フラグをセットして、ステップ95に進み貸出し要求監視処理を終了する。この場合には、現金投入、会員カード使用による貸出し要求に応じたコインの貸出し処理が行なわれる。
続いて、ステップ96において復帰パルスをCRユニット50に出力すると、ステップ97に進み、復帰パルスの送信は終了しているか、即ち、遊技機READY信号がロー状態になっているか否かの判別が行なわれる。ステップ97において、復帰パルスの送信が終了していない、即ち、未だエラー状態が続いていると判別した場合には、ステップ100に進み、貸出し要求監視処理を終了する。一方、ステップ97で、復帰パルスの送信が終了している、即ち、エラー状態は終了していると判別した場合には、ステップ98に進み、貸出し禁止条件を満たしているか、即ち、遊技中、貯留装置に所定枚数以上のコインが貯留されている、再遊技の動作が行なわれている等ではなくコインの貸出禁止状態が解除されているか否かの判別が行なわれる。
ステップ98において、貸出し禁止条件を満たしていると判別した場合には、ステップ100に進み貸出し要求監視処理を終了する。一方、ステップ98で、貸出し禁止条件を満たしていないと判別した場合には、ステップ99に進み、貸出し許可信号(ENABLE)を許可(ロー状態)にセットし、貸出し要求監視処理を終了する(ステップ100)。尚、図6のタイミングチャートでは、貸出し許可信号は、<A>期間の終了と共に許可にセットされている。しかし、図6のタイミングで許可された場合でも、遊技機READY信号が貸出し不可(ハイ状態)となっている期間では、貸出し要求信号(BRQ)は出力されず(ロー状態の貸出し要求パルスは出力されず)、コインの貸出しが行なわれない状態は継続している。従って、図6のようなタイミングで許可にセットしても、図8のフローチャートのように、復帰パルス送信終了後に貸出し許可信号を許可にセットした場合と実質的には同じ処理結果となる。
図9は、パチスロ遊技のメイン処理のフローチャートを示している。ステップ102において、貸出し許可信号(ENABLE)を許可(ロー状態)にセットする。続いて、ステップ103に進み、投入コインの監視、即ち、コイン投入口16から、あるいはMAXベットボタン17若しくは1枚投入ボタン18の押下によりコインが投入されたか否かの監視処理を行なう。次に、ステップ104において、スタートレバー20が操作されたか否かの監視処理を行なう。そして、ステップ105に進み、貸出し処理フラグがセットされているか否か、即ち、貸出し要求がされているか否かの判別を行なう。
ステップ105において、貸出し要求がされていないと判別した場合には、ステップ108に進み、スタートレバー20が押下されたか、即ち、ゲームが開始されているか否かの判別を行なう。一方、ステップ105で、貸出し要求がされていると判別した場合には、ステップ106に進み、コインの貸出し処理を行なう。続いて、ステップ107に進み、貸出し処理フラグをリセットする。次に、ステップ108に進みスタートレバー20が押下されたか否かの判別を行なう。ステップ108において、スタートレバーは押下されていないと判別した場合には、ステップ102に戻り、各ステップを繰り返す。一方、ステップ108で、スタートレバーが押下されていると判別した場合には、ステップ109に進み、貸出し許可信号(ENABLE)を禁止(ハイ状態)にセットし、コインの貸出禁止状態にする。
続いて、ステップ110に進み、開始されたゲームに対する乱数値の抽選処理をを行ない、さらに、ステップ111に進んで、回胴リール32a、32b、32cの回転開始処理を行なう。次に、ステップ112において、停止ボタン21a、21b、21cが押下されたか否かの判別を行ない、押下されていないと判別した場合には、押下されるまでステップ112を繰り返す。一方、ステップ112で押下されていると判別した場合には、ステップ113に進み、回胴リールの停止処理を行なう。続いて、ステップ114において、全ての回胴リールが停止したか否かの判別を行ない、停止していないと判別した場合には、ステップ112に戻り、各ステップを繰り返す。一方、ステップ114で、全回胴リールが停止していると判別した場合には、停止した回胴リールの図柄の組合せ(入賞した役)に応じて、ステップ115で、コインの払出し処理が行なわれる。コインの払出処理(役が成立していないときは全回胴リールの停止)により1回のゲームが終了し、ステップ102に戻り各ステップが繰り返される。