上述したように、遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、遊技領域に向けて遊技球が発射され、当該遊技球が遊技領域内に配置された入球手段へ入球した場合に、所定数の賞球が払出される。さらに、始動用の入球手段に遊技球が入球した場合には大当たり状態を発生させるか否かの当落抽選を行い、当選結果が得られると遊技者に有利な大当たり状態が発生する。大当たり状態が発生すると、遊技者は、大当たり用の入球手段に遊技球を入球させることにより、多くの賞球を獲得することができる。
このようなパチンコ機等における遊技は、遊技者が遊技ホールから貸出された遊技球によって行われる。
近年では、遊技機にカードユニットが並設されており、磁気カード(プリペイドカード)等の記憶媒体を介して遊技球の貸出しが実行される。具体的には、カードユニットに磁気カードを挿入した状態で、貸出ボタンが遊技者によって操作されると、当該磁気カードに記憶された残高度数(残金)の限度内で、パチンコ機に対し貸出要求信号が出力され、該信号を入力したパチンコ機では、賞球の払出しと同様、払出装置が駆動され、遊技球の貸出しが実行されることとなる(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、一般的に、遊技者がカードユニットを操作する行為は、遊技者にとって不利益的な行為であることが多い。例えば、貸出ボタンを操作する行為は、遊技球の貸出しを受ける行為であり、遊技球の貸出しを受ける度に、その対価として磁気カードの残高度数が引き落とされていくため、遊技者としては、できる限り、このような行為は行いたくない。このような遊技者にとっての不利益的な行為は、遊技を継続するために仕方のないものであるが、遊技中に、このような行為を行うと、興趣の低下を招くおそれがある。
尚、かかる課題は、パチンコ機に限らず、遊技媒体の貸出しを受けて遊技を行う他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10及び貸出指示装置としてのカードユニット900の正面図である。図2は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である。但し、図2では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。なお、カードユニット900は、遊技球の貸出しに関連して、パチンコ機10に接続されて使用されるものであり、詳細については後述する。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。内枠12は、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられているとともに、下皿ユニット13を除く範囲に対応して、前面枠セット14が、内枠12に対して開閉可能に取り付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された賞球としての遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。なお、符号24はスピーカからの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出する球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。一方、下皿15の上方においては、球受皿としての上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置(発射手段)の方へ導出する球受皿である。
さらに、後述する遊技球分配部245から排出口16に繋がる球通路の途中には、下皿15が遊技球で満タンになっていることを検出するための下皿満タンスイッチ15a(図6参照)が設けられている。遊技球が短期間で多量に払い出されると、上皿19が一杯となった後には下皿15に遊技球が溜まり始める。その後、遊技球が払い出され続けても下皿15の遊技球を抜かないと前記球通路の途中に遊技球が溜まり始めるが、下皿満タンスイッチ15aの設置箇所まで遊技球が溜まるとそれ以降の払出しは後述する払出制御装置311により停止される。
また、図2において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30(図3参照)が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する前開放検知センサ22aが設けられている。また、パチンコ機10背面側には、内枠12の開放を検知する内開放検知センサ22bも設けられている(図4参照)。
次に、遊技盤30の構成について図3を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33など、入球手段としての各種入賞部に遊技球が入球(入賞)すると、後述する入球検出手段としての各種入賞検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。但し、各入賞部への遊技球の一入賞に対応して払出される賞球数として予め設定された設定個数は、各入賞部毎に異なっている。例えば、本実施形態では一般入賞口31に対応して10個、可変入賞装置32に対応して15個、第1契機対応ユニット33に対応して3個の賞球が払出されるよう設定されている。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33)に入賞しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
第1契機対応ユニット33は、一対の開閉部材33aを備えており、当該開閉部材33aが所定条件の成立に応じて開閉動作するように構成されている。これにより、第1契機対応ユニット33は、遊技球が入球困難又は入球不能な閉状態と、遊技球が前記閉状態より入球容易な開状態とに切換り可能となる。第1契機対応ユニット33は、例えば、通常モード時には開閉部材33aが開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて識別情報としての装飾図柄を変動表示する表示手段としての装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41による普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
なお、普通図柄は、複数のランプの点灯態様を切換えることにより変動表示される構成の他、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。保留ランプ44も同様に、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成であってもよい。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の普通図柄の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。本実施形態では、この特別表示装置43によって大当たりか否かが確定的に表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、表示制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。これらの図柄の停止態様(組合せ)により大当たり抽選の結果等が示される。なお、本実施形態では、装飾図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に、遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。このとき赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)される際に、すなわち大当たり抽選に当選した場合に、特定の遊技状態としての大当たり状態(特別遊技状態)が発生する。ここで赤又は緑が大当たりを示す表示である。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが後述する高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが後述する時間短縮モードであることを示す表示である。そのため、特別表示装置43が3色LEDを赤又は緑で決定表示する場合、これを受けて、装飾図柄表示装置42には、特定の図柄の組合わせが補助的に表示されることになる。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。より詳しくは、規定時間(例えば29秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。同様に、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留されることとなる。
さて、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50は内レール構成部51と外レール構成部52とを有する。
内レール構成部51の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。
図2の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内する発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レール61とレールユニット50との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
また、図2中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。当該シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となっており、前面枠セット14を開放した状態(図2の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態(図1の状態)では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋(図示略)により、シャッタ68が押し開けられるようになっており、排出口67と上皿19とが連通された状態となる。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。
次に、前面枠セット14について図1を参照しつつ説明する。前面枠セット14には遊技領域(レールユニット50の内周部により略円形状に区画形成された領域)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。
また、前面枠セット14にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
なお、図面の開示は省略するが、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の補強板が設けられており、この補強板はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えている。より詳しくは、補強板の一部が後方に折り返されて前後2列のガラス保持溝が形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持されようになっている。
ここで、便宜上、上記カードユニット900について詳しく説明する。カードユニット900は、パチンコ機10の横側に隣接して配置される。
カードユニット900は、磁気カード(記憶媒体)を介して行われる遊技球の貸出しに関する各種制御を行うための装置である。
カードユニット900の上下方向略中央部には、磁気カードを挿入するためのカード挿入口903が設けられている。また、カードユニット900の上部にはカード利用可能ランプ905が設けられている。このカード利用可能ランプ905は、カード挿入口903へ磁気カードを挿入可能な場合に点灯し、挿入不可能な場合に消灯する。
カード挿入口903とカード利用可能ランプ905との間には、上下一対の連結台方向表示ランプ906が設けられている。この一対の連結台方向表示ランプ906は、カードユニット900が接続されているパチンコ機10の配設方向を示すためのものである。
また、連結台方向表示ランプ906の下方には、カード挿入中ランプ907が設けられている。カード挿入中ランプ907は、磁気カードがカード挿入口903に挿入されている場合に点灯し、挿入されていない場合に消灯する。
従って、遊技者は、予め購入した磁気カードをカードユニット900に挿入すれば、その磁気カードに記憶される残高度数(残高金額に相当する情報)の範囲内で遊技球(貸球)の貸出しを受けることができる。これにより、遊技中に現金を取り扱うことなく、遊技を行うことができ、現金を取り扱う不便さを解消することができる。
一方、カードユニット900に対応して、パチンコ機10には、窓部101の下方において、貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120は、カードユニット900を操作するためのものであり、後述するカードユニット接続基板314を介してカードユニット900に接続されている。
貸球操作部120は、貸出操作手段としての貸出ボタン121と、返却操作手段としての返却ボタン122と、度数表示部123とを備えている。
貸出ボタン121は、遊技者が遊技球の貸出しを受けるために操作するものである。カードユニット900に磁気カードを挿入した状態で、この貸出ボタン121が押下操作されると、磁気カードに残高度数が存在する限りにおいて、貸出しが実行され、貸球が上皿19に供給される。
返却ボタン122は、カードユニット900に挿入された磁気カードの返却を遊技者が求める際に操作するものである。返却ボタン122が押下操作されると、カードユニット900に挿入中の磁気カードが、カード挿入口903から排出される。この際、最新の残高度数が磁気カードに書き込まれる。
度数表示部123は、カードユニット900により読み取られた磁気カードの残高度数を表示するためのものであり、例えば複数の7セグメントLEDよりなる。本実施形態では、1度数100円として、残高金額に相当する値が表示される。勿論、これに限らず、残高度数そのものが表示されてもよいし、当該残高度数で貸出可能な貸球数が表示される構成としてもよい。
次に、パチンコ機10の背面の構成を図4に基づいて詳しく説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主基板とサブ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で工具等を用いずとも着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
また、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図2では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
図5は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態における構成を示す背面図である。同図に示すように、遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図3参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞部に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30よりも下方の内枠12には、樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内する排出通路218が形成されている。従って、図5に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞部にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞部等への遊技球の通過を検出する入賞検出スイッチなどが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、カウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は可変入賞装置32への入賞球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応ユニット33に対応する位置には第1契機対応ユニットスイッチ224が設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221及び第2契機対応口スイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、カウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、第1契機対応ユニットスイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放する大入賞口ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33には、開閉部材33aを開閉駆動する第1契機対応ユニット(始動口)ソレノイドが設けられている。なお、図5において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記検出スイッチなどにて各々検出された検出結果は、後述するように、主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出しが実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞部毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出しが直ちに行われる。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付ける取付機構が設けられている。さらに、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付ける取付機構が設けられている。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分ける遊技球分配部245が設けられている。また、内枠12の下端部には、下皿15に向けて設置された上記スピーカの背後を囲む樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
図4の説明に戻り、第1制御基板ユニット201は、主制御手段としての主制御装置261と、サブ制御装置262とを具備している。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
また、サブ制御装置262は、主制御装置261(主基板)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板を具備しており、このサブ制御基板についても当該サブ制御基板に対応する基板ボックスに収容されて構成されている。
サブ制御装置262上にはサブ中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこのサブ中継基板266を介してサブ制御装置262及び表示制御装置45に供給される。
第2制御基板ユニット202は、払出制御手段としての払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞球や貸球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、払出制御装置311、貸球操作部120及びカードユニット900に電気的に接続され、これらの間の信号の送受信を中継する。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施形態では、前述のサブ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出手段としての払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出しが適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は、払出球検出手段としての払出カウントスイッチ358cにより検出された後、上皿19又は下皿15へ払出される。通常時、遊技球は下皿15よりも上皿19へ優先的に導かれるようになっている。そして、上皿19が遊技球で満杯となると、下皿15へと導かれる。さらに、下皿15も満杯となると、下皿満タンスイッチ15aによってその旨(下皿満タン状態)が検出され、払出装置358による遊技球の払出しが一時的に停止する。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するバイブレータ360が取り付けられており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりの解消が図られる。
ケースレール357には、球切れ検出スイッチ357aが設けられている。これにより、ケースレール357の球通路内に遊技球が整列した状態で停留している場合には、所定の可動片が遊技球によって押圧されて球切れ検出スイッチ357aがオン状態となる。一方、球通路内に遊技球がなくなると、球切れ検出スイッチ357aがオフ状態となる。
また、ケースレール357には、球抜きボタン357b(図4参照)が設けられるとともに、球抜き通路(図示略)が設けられている。当該球抜き通路の下流側は、上記遊技球分配部245を介して排出通路218に通じており、タンク355及びタンクレール356の球抜きを行う際には、当該球抜き通路を介して遊技球がパチンコ機10外部へ排出される。
払出装置358は、払出モータ358a、スプロケット358b及び払出カウントスイッチ358cを備えている。
払出モータ358aは、ステッピングモータであり、本実施形態では120ステップ(パルス)の駆動信号を与えることによりスプロケット358bを1回転するように構成されている。つまり、30パルスの駆動信号でスプロケット358bが45度変化するというように、駆動信号の数に応じた回転量でスプロケット358bを回転させるように構成されている。そして、この駆動信号によって払出モータ358aの回転量を制御し、遊技球の払出個数を制御している。
また、スプロケット358bの周面には複数の凸部が等間隔で設けられ、各凸部間には遊技球が入り込む球受凹部がそれぞれ設けられている。そして、スプロケット358bは、払出装置358の球通路内に凸部が突出するように配設され、払出モータ358aにより回転駆動される。これにより、球払出動作の停止時には、球通路内に遊技球が停留され、球払出動作時にはスプロケット358bが時計回り方向(正方向)に回転し、遊技球が一個ずつ払出される。なお、スプロケット358bには所定角度間隔(本実施形態では45度、つまり30ステップ分)毎にスリットが形成されており、当該スリット位置を図示しないフォトセンサにより検知することより、スプロケット358bの回転量を検出することができるようになっている。
払出カウントスイッチ358cは、スプロケット358bより下流側に配設されており、スプロケット358bにより払出された遊技球を検出するものである。本実施形態では、払出カウントスイッチ358cとして、遊技球の通過可能な通過孔が設けられた通過型の近接センサを採用している。もちろんフォトセンサ等でもよい。遊技球は一個ずつ排出されるので払出カウントスイッチ358cからの検出信号をカウントすることにより、実際に払出された球数を把握することができる。
さらに、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されている。つまり、この払出中継基板381を介して、払出モータ358a、払出カウントスイッチ358c、下皿満タンスイッチ15aなどが払出制御装置311と電気的に接続されている。これにより、払出装置358が払出制御装置311からの出力信号に基づいて駆動制御されるとともに、払出制御装置311が払出カウントスイッチ358cからの入力信号に基づいて払出個数を計数する。
また、払出機構部352には、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。この電源スイッチ基板382は、電源装置313に接続されており、当該電源装置313に対し電源供給する。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。但し、本実施形態では、カードユニット900の電源部925を介して、電源スイッチ基板382に対し外部電源が供給される。
また、裏パックユニット203は、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
外部中継端子板230は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、各種ケーブルコネクタが接続される複数の外部接続端子が設けられている。例えば、賞球の払出個数に関する情報を出力するための端子や、現在の遊技状態(例えば大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、前面枠セット14や内枠12の開放状態に関する情報を出力するための端子、各種エラー情報を出力するための端子などが設けられている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
ROM502には、例えば各種入賞部と賞球数との対応関係(一般入賞口31への入球に対する賞球数10個等)が予めテーブル構成で記憶されている。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
RAM503の作業エリアには、賞球バッファ、コマンド送信バッファ、受信バッファなどが設けられている。
賞球バッファは、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33のいずれかの入賞部へ遊技球が入賞した場合に、当該入賞部に対応して払出されるべき賞球数(以下、賞球予定個数という)を一時的に記憶する手段であり、本実施形態ではリングバッファで構成されている。
リングバッファとは、概念上、バッファ領域内の先頭アドレスと最終アドレスとがリング状に繋がり、ライトポインタとリードポインタの2つのアドレスポインタを用いて先頭アドレスから順に書き込んで行き、最終アドレスまで到達すると再び先頭アドレスに戻って書き込めるように制御されるバッファである。そして、ライトポインタの示す所定アドレス位置にデータの書込みが行われると、所定のタイミングで、当該ライトポインタの値が次のアドレスを示す値に更新される。同様に、リードポインタの示す所定アドレス位置からデータの読出しが行われると、所定のタイミングで、当該リードポインタの値が次のアドレスを示す値に更新される。従って、遊技球がいずれかの入賞部に入賞する毎に、当該入賞部に対応した賞球予定個数が順にライトポインタの示す所定アドレス位置に書き込まれていく。また、賞球バッファに記憶された賞球予定個数情報は、リードポインタの示す所定アドレス位置から順に読み出され、後述するように賞球コマンドとして払出制御装置311へ送信されると、賞球バッファから消去される。
コマンド送信バッファは、サブ制御装置262などサブ側の各制御装置へ送信されるコマンドデータを一時的に記憶するための手段であり、リングバッファで構成されている。但し、本実施形態では、払出制御装置311へ送信される賞球コマンドに関しては、他のコマンドと出力周期が異なることから、賞球コマンド送信バッファが別途設けられている。なお、賞球コマンドとは、後述するように、上記各入賞部に対応した所定設定個数の賞球の払出しを払出制御装置311へ指示するためのコマンドである。
受信バッファは、払出制御装置311から受信されるコマンドやエラー情報などを一時的に記憶するための手段である。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理(図10参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理(図9参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図18の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、外部中継端子板230、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224、第2契機対応口スイッチ225、前開放検知センサ22a、内開放検知センサ22b、その他図示しないスイッチ等が直接又は所定の中継基板を介して間接的に接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
なお、本実施形態では、主制御装置261は、厳重に封印された基板ボックス263に格納されているため、主制御装置261に何らかの不正な信号を送ったりする等の不正行為は困難である。このため、主制御装置261によって直接的に制御される特別表示装置43のLEDを「赤」又は「緑」の大当たりの態様で不正に点灯させることは困難である。従って、装飾図柄表示装置42に大当たりとなったかのような表示を行わせるとともに、セルなどを用いて大入賞口を強制的に開放し、大当たりとなっていないにもかかわらず出玉を獲得するというような不正行為が行われる場合にも、特別表示装置43の点灯態様を確認することによって、そのような不正行為が簡単に発見できる。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。ここには後述する各種カウンタの値を格納するカウンタ用バッファが設けられている。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカ24、各種電飾部及びランプ102〜106が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。つまり、変動パターンコマンドは、特別表示装置43にて行われる表示に合わせた表示を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理(図24参照)によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理(図24参照)において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグの格納エリアと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグの格納エリアと、主制御装置261から受信したコマンドが記憶されるコマンド受信バッファと、主制御装置261へ送信するコマンドが記憶されるコマンド送信バッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出しを指示する払出指令としての賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図26参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンド受信バッファは、主制御装置261から受信したコマンドを一時的に記憶するバッファであり、コマンド送信バッファは、主制御装置261へ送信するコマンドを一時的に記憶するバッファであり、それぞれリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。
入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358a、払出カウントスイッチ358c、カードユニット接続基板314、球切れ検出スイッチ357a、下皿満タンスイッチ15a、状態復帰スイッチ321などがそれぞれ接続されている。なお、主制御装置261と払出制御装置311とは双方向に送受信可能に接続されている。
さらに、作業エリアには、払出計数カウンタ、下皿満タンフラグの格納エリア、球無しフラグの格納エリア、賞球数記憶エリア、貸球数記憶エリア、払出予定個数格納エリアなどが設けられている。
払出計数カウンタは、払出装置358から払出され、払出カウントスイッチ358cによって検出された賞球数(賞球完了個数)又は貸球数(貸球完了個数)を計数する手段である。
下皿満タンフラグは、下皿15等における球量を判断するためのものであり、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態(オン:フラグ値に「1」を設定)又は下皿満タン解除状態(オフ:フラグ値に「0」を設定)に設定される。
球無しフラグは、タンク355等における球量を判断するためのものであり、タンク355等の状態の変化に応じてタンク球無し状態(オン:フラグ値に「1」を設定)又はタンク球無し解除状態(オフ:フラグ値に「0」を設定)に設定される。
賞球数記憶エリアは、主制御装置261から受信してコマンド受信バッファに記憶された賞球コマンドに対応する賞球数(賞球予定個数)を順次加算し、総賞球個数として一時的に記憶する手段である。
貸球数記憶エリアは、カードユニット900から受信する貸出要求信号B2に応じて、払出されるべき貸球数(以下、貸球予定個数という)を一時的に記憶する手段である。なお、貸出要求信号B2のローレベル検出1回につき、払出されるべき貸球数は、予めカードユニット900から受信し、所定エリアに格納されている。
払出予定個数格納エリアは、賞球予定個数及び貸球予定個数をまとめて、払出個数として一時的に記憶する手段である。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行なう。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図18のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
ここで、カードユニット900の構成について詳しく説明する。図7は、カードユニット900、カードユニット接続基板314及び貸球操作部120の電気的構成、及びこれらとパチンコ機10(払出制御装置311)との接続構成を示したブロック図である。
カードユニット900には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU910が搭載されている。MPU910には、該MPU910により実行される各種の制御プログラムや固定値データなどを記憶したROM911と、そのROM911内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータなどを一時的に記憶するためのメモリであるRAM912と、その他、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
RAM912の作業エリアには、設定貸出数記憶エリア、貸出対象金額記憶エリア、貸出要求出力カウンタ、要求値格納エリアなどが設けられている。
設定貸出数記憶エリアは、1度数(100円)単位の貸球の払出個数を記憶するためのものである。その値は、後述する設定操作部920の貸出数設定操作部921によって設定される。また、ここに設定された値は、払出制御装置311に対し出力され、貸球の払出しに際して参酌される。
また、貸出対象金額記憶エリアは、設定操作部920の金額設定操作部922によって設定される貸出対象金額、すなわち貸出ボタン121一回の操作につき磁気カードから引き落とされる度数の上限を記憶するためのものである。
貸出要求出力カウンタは、払出制御装置311へ出力される貸出要求信号B2のローレベル出力の出力回数を計数するためのカウンタである。
要求値格納エリアは、貸出対象金額記憶エリアに記憶される貸出対象金額と、磁気カードに記憶された残高度数とを参照して把握される貸出要求信号B2のローレベル出力回数を、貸出要求設定値として一時的に記憶しておくためのものである。
MPU910には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン914が接続されており、当該バスライン914は入出力ポート915に接続されている。
入出力ポート915には、バスライン914の他に、カード利用可能ランプ905、連結台方向表示ランプ906、カード挿入中ランプ907等の各種ランプや、カードリーダ・ライタ917、設定操作部920、カードユニット接続基板314、外部中継端子926などが接続されている。
カードリーダ・ライタ917は、カード挿入口903に挿入された磁気カードの残高度数を読み出すためのリーダ機能と、その磁気カードへ使用後の残高度数を書き込むためのライタ機能とを備えている。
設定操作部920は、貸球単価を設定するためのものであり、貸出数設定操作部921と、金額設定操作部922とを備えている。例えば、貸出数設定操作部921によって25球と設定した場合には、1度数(100円)につき25球が貸し出される。また、金額設定操作部922によって所定金額(例えば500円)を設定することにより、貸出ボタン121一回の操作につき磁気カードから引き落とされる上限金額が、当該金額(例えば500円)に設定される。ここで設定された値は、RAM912(設定貸出数記憶エリア及び貸出対象金額記憶エリア)に記憶される。
また、カードユニット900は、各部に電力を供給する電源部925を備えている。電源部925は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種動作電源を生成し、図示しない電源経路を通じて、MPU910や貸球操作部120等に対して供給する。また、電源部925は、図示しない電源経路を通じて、パチンコ機10の電源スイッチ基板382(電源装置313)に接続されており、これに交流24Vの電源を供給する。
また、外部中継端子926は、売上げ等を管理する遊技ホールのホールコンピュータと送受信可能に接続され、売上げ信号等をホールコンピュータに送信する。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10(払出制御装置311)が接続される第1中継ポート931と、貸球操作部120が接続される第2中継ポート932と、カードユニット900が接続される第3中継ポート933とを備えている。これにより、払出制御装置311とカードユニット900、カードユニット900と貸球操作部120がそれぞれ電気的に接続される。
払出制御装置311とカードユニット900の間では、初期設定完了信号B0、貸出確認信号B1、貸出要求信号B2が、カードユニット900から払出制御装置311に対し出力され、接続確認信号P0、貸出応答信号P1が、払出制御装置311からカードユニット900に対し出力される。これら各信号は、各信号線におけるその出力レベルをハイレベル(H)又はローレベル(L)に切換えることによって、各種状態(各種指示)を相手側に認識させる。なお、これらの信号に限らず、この他にも各種信号のやりとりが行われる。例えば、上記設定貸出数(1度数単位の貸球の払出個数)を通知するための信号等も随時、カードユニット900から払出制御装置311に対し出力される。
初期設定完了信号B0は、カードユニット900の初期設定が完了したことをパチンコ機10(払出制御装置311)に認識させるための信号である。カードユニット900の電源が投入され、後述する初期設定処理が終了すると、初期設定完了信号B0がハイレベルからローレベルに切換わり、ローレベル出力が維持される。
接続確認信号P0は、払出制御装置311が貸出可能な状態にあるか否かを、カードユニット900に認識させるための信号である。パチンコ機10の電源が投入されると、接続確認信号P0がハイレベルからローレベルに切換わり、ローレベル出力が開始される。そして、払出制御装置311が貸出可能な状態にある場合にはローレベルに維持される。一方、払出制御装置311が貸出不能となるようなエラー状態が発生するとハイレベルとなり、その旨をカードユニット900に通知する。
貸出確認信号B1は、貸出ボタン121が操作され、カードユニット900が貸出状態にあるか否かを、払出制御装置311に認識させるための信号である。
より詳しくは、カードユニット900に対し、後述する貸出操作信号Q1が入力されると、カードユニット900が貸出状態となり、貸出確認信号B1がハイレベルからローレベルに切換わり、ローレベル出力が開始される。そして、一連の貸出処理が終了すると、貸出確認信号B1はハイレベルに戻る。すなわち、貸出確認信号B1がハイレベルの場合は、カードユニット900が待機状態にあることを示し、ローレベルの場合には貸出状態にあることを示している。
また、貸出要求信号B2は、払出制御装置311に対し、貸球の払出しの要求と、その実行を指示するための信号である。より詳しくは、貸出要求信号B2の立ち下がりタイミングで貸球の払出しを払出制御装置311に要求し、その後の信号の立ち上がりタイミングで貸球の払出し動作の開始を指示する。本実施形態では、1回の貸出要求(1回のローレベル出力)で、100円分(例えば25個)の貸球の払出しを要求する。従って、一回の貸出ボタン121の操作につき500円分の貸球を払出す場合には、貸出要求信号B2のローレベル出力が5回行なわれる。
なお、貸出確認信号B1がハイレベルからローレベルに変化してから、所定時間内に貸出要求信号B2がハイレベルからローレベルに立ち下がることによって、当該信号は、貸球の払出しを要求する要求信号としての役割を果たす。一方で、前記要求信号に対する払出制御装置311からの応答があった後、所定時間内にローレベルからハイレベルに立ち上がることによって、当該信号は、貸球の払出しの実行を指示する指示信号としての役割を果たす。
貸出応答信号P1は、カードユニット900からの貸出要求信号B2による貸出要求を了解した旨の応答と、貸出要求信号B2による貸出実行指示に対して行った貸出処理の完了を通知するための信号である。より詳しくは、貸出要求信号B2がローレベルに立ち下がった後(貸出要求)、実際に貸球の払出し動作が可能な状態になったときに、貸出応答信号P1がハイレベルからローレベルに切換わる。これにより、当該信号は、貸出要求を認識した旨を通知する要求了解信号としての役割を果たす。一方、貸出要求信号B2がハイレベルに立ち上がった後(貸出実行指示)、実際に貸球の払出し動作が完了したときに、貸出応答信号P1がハイレベルに切換わる。これにより、当該信号は、貸出実行指示に対する当該貸出処理が完了したことを通知する貸出完了信号としての役割を果たす。
また、カードユニット900と貸球操作部120との間では、貸出操作信号Q1、返却操作信号Q2が、貸球操作部120からカードユニット900に対し出力され、度数表示信号B3が、カードユニット900から貸球操作部120に対し出力される。
貸出操作信号Q1は、貸球操作部120の貸出ボタン121が押下操作された場合に出力される信号である。これにより、カードユニット900に対し、貸球の払出しを要求する。
返却操作信号Q2は、貸球操作部120の返却ボタン122が押下操作された場合に出力される信号である。これにより、カードユニット900に対し、磁気カードの返却を要求する。
度数表示信号B3は、度数表示部123にて、磁気カードの残高金額を表示させるための信号である。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たりに際し後述する高確率モード又は時間短縮モードへの移行決定に使用するモード決定カウンタC2と、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際の変動パターンやリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43の変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間が決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる保留記憶手段としての第1保留球格納エリア及び第2保留球格納エリアが設けられている。第1保留球格納エリアの各エリアには、第1契機対応ユニット33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。つまり、大当たり抽選の結果等が順次記憶される。また、上記実行エリアと4つの保留エリアにより、本実施形態における複数の記憶領域が構成される。また、第2保留球格納エリアの各エリアには、第2契機対応口34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり676)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、低確率状態(時間短縮モードや通常モード等)と高確率状態(高確率モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード(通常状態)及び当該通常モードよりも遊技者に有利な複数の特定モードの間で切換設定される。より詳しくは、特定モードとしては、高確率モード及び時間短縮モードの2つが設定されている。このうち、高確率モードは、次回大当たりまで継続する遊技モードであり、時間短縮モードは、所定期間終了後には次のモードへ移行するモードである。
通常モードとは、上記高確率モード等の特定モードでない通常時の状態をいう。従って、通常モード時には、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率となっている。
また、高確率モードとは、特別表示装置43において「赤」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後の大当たり確率が低確率状態時に比べアップした状態をいう。以下の説明では適宜、装飾図柄表示装置42において確変図柄によって大当たりになった場合を「確変大当たり」といい、確変図柄以外の通常図柄によって大当たりになった場合を「通常大当たり」という。
高確率モードにおいては、大当たり確率が高められ、高確率状態となるのであるが、これに加えて、本実施形態では(1)特別表示装置43における変動表示時間を短くした状態(時間短縮状態)、(2)普通図柄表示装置41における変動表示時間を短くした状態、(3)第1契機対応ユニット33の開閉処理に関わる規定時間(開放時間)を通常モードに比べて長くした状態、又は、規定個数(入賞個数)を通常モードに比べて多くした状態、(4)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される旨の当選結果が得られた場合一回につき行う第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くした状態、(5)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(当選確率)を通常モード時の当選確率より高くした状態が付与される。より具体的には、高確率モード時には、第1契機対応ユニット33の開閉部材33aが開状態となり、規定時間(例えば3秒)の経過した場合又は規定個数(例えば3個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。そして、この開閉処理が2回繰り返し行われる。これによって、第1契機対応ユニット33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。これに限らず、高確率モードとしては、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)を高めることに加え、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せ(例えば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(1)と(5)、(2)と(3)、(2)と(4)、(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)、(4)と(5)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(2)と(5)、(1)と(3)と(4)、(1)と(3)と(5)、(1)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)、(2)と(3)と(5)、(2)と(4)と(5)、(3)と(4)と(5)、(1)と(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(5)、(1)と(2)と(4)と(5)、(1)と(3)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)と(5))を採用できる。なお、上記(2)〜(5)の状態により、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い状態となる。つまり、このような状態が本実施形態における高入球状態に相当する。従って、上記高確率モードは、高確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。これに対し、通常モード時のように、上記(2)〜(5)の状態ではない状態は低入球状態に相当する。
また、時間短縮モードとは、特別表示装置43において「緑」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後特別表示装置43の変動表示が100回行われる間設定される遊技モードであり、通常モードよりも遊技者に有利な状態をいう。時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率であり、かつ、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い遊技モードである。本実施形態では、高確率モード時に付与される上記(1)〜(5)の状態が同様に付与される。つまり、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)の違いを除いて同様の状態(時間短縮状態及び高入球状態)となる。もちろん、高確率モード時と同様に、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せを採用できる。従って、上記時間短縮モードは、低確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。
モード決定カウンタC2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、モード決定カウンタC2によって、大当たり後、高確率モードへ移行させるか否かが決定されるようになっている。具体的には、カウンタの値が「1,3,5,7,9」という奇数であれば高確率モードへの移行が決定され、「0,2,4,6,8」という偶数であれば時間短縮モードへの移行が決定される。なお、ここでは移行という文言を用いたが、もともと高確率モードにある場合にカウンタ値が奇数であれば高確率モードが継続されることになり、もともと時間短縮モードにある場合にカウンタ値が偶数であれば時間短縮モードが継続されることになる。モード決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、モード決定カウンタC2の値がモード決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、モード決定カウンタバッファに格納されているモード決定カウンタC2の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図8中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
なお、本実施形態では、「大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのいずれも選択されない。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり250)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。一方、高確率モード時及び時間短縮モード時、つまり第1契機対応ユニット33が高入球状態にある場合においては224あり、その範囲は「5〜228」である。つまり、普通図柄表示装置41における「○」図柄の停止確率が通常モードに比べ高くなる。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第1契機対応ユニット33が所定時間の間、作動状態となる。また、高確率モード時及び時間短縮モード時においては、普通図柄表示装置41において抽選の結果が表示されるまでの時間(普通図柄の変動表示時間)が短縮される等して、第1契機対応ユニット33が高入球状態となる割合が多くなる。これによって、第1契機対応ユニット33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理をフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図11において、先ずステップS301では、各種信号の読み込み処理を実行する。より詳しくは、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報を保存する。例えば第1契機対応ユニットスイッチ224などの上記各種入賞検出スイッチの状態を読み込むとともに、入賞検出情報などを保存する。
また、ここでは払出制御装置311から主制御装置261へ送信されるコマンドなどの読み込みも行われる。そして、受信したコマンドはRAM503の受信バッファに記憶される。
ステップS302では、ステップS301で保存された各種検出情報に基づき監視処理を実行する。この信号監視処理では、例えば所定の入賞検出スイッチからの入賞検出情報がある場合には、当該入賞検出スイッチに関わる入賞処理を実行する。ここで、第1契機対応ユニットスイッチ224に関わる処理を一例に挙げて入賞処理について説明するが、入賞処理は各入賞検出スイッチに対応して個別に同様の処理が行われる。
図12に示すように、ステップS401において、賞球バッファのライトポインタの値に1を加算し、続くステップS402において、当該ライトポインタが示す所定アドレス位置に賞球予定個数を書き込み、本処理を終了する。ここでは、第1契機対応ユニット33に対応する「3」が賞球予定個数としてセットされる。
図11の説明に戻り、ステップS303では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS304では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、変動選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS305において、第1契機対応ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS306において、第2契機対応口34への遊技球の通過に伴う第2契機対応口通過処理を実行し、ステップS307において外部情報処理を実行し、ステップS308において出力処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS305の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。ステップS501では、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したか否かを第1契機対応ユニットスイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したと判別されると、続くステップS502では、始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応ユニット33への入賞があり、且つ始動保留球数N<4であることを条件にステップS503に進み、始動保留球数Nをインクリメントする。
また、続くステップS504では、当落に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS304の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の各値を、RAM503の第1保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、始動入賞処理を一旦終了する。
次に、ステップS306の第2契機対応口通過処理について図14のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球が第2契機対応口34を通過したか否かを第2契機対応口スイッチ225の検出情報により判別する。遊技球が第2契機対応口34を通過したと判別されると、続くステップS602では、普通図柄表示装置41の保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第2契機対応口34への通過があり、且つ保留球数N<4であることを条件にステップS603に進み、保留球数Nを1インクリメントする。また、続くステップS604では、当落に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS304の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の第2保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、第2契機対応口通過処理を一旦終了する。
ステップS307の外部情報処理では、例えば、賞球コマンドの設定処理が行われる。例えば、賞球バッファ内に賞球予定個数が書き込まれている場合には、リードポインタが示すアドレスに書込まれている賞球予定個数を読出し、読み出された賞球予定個数に基づき、賞球コマンド送信バッファに賞球コマンドを設定する。その後、リードポインタが示すアドレスに書込まれている賞球予定個数を消去する。
上述したステップS307の外部情報処理に続くステップS308の出力処理では、賞球コマンド送信バッファの設定内容に基づくコマンドの送信処理が行われる。
さて、図18は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS1101において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図18のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS105で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS113へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS106でRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS113へ移行する。
ステップS113の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS104:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43や第1契機対応ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する出力処理を実行する。また、ここでは後述する大当たりフラグなど各種判別情報を参酌して、遊技状態を把握させるための情報が遊技ホールのホールコンピュータへ外部出力される。さらには、ホールコンピュータへのエラー情報などの出力もこの出力処理において実行される。
ステップS201の出力処理では、例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して変動パターンコマンド、図柄コマンド、大当たり報知コマンド等をサブ制御装置262に送信する。これに対し、これら各種コマンドを入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、高確率モード時には、「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」が設定され、時間短縮モード時には、「FE10」,「FE11」,「FE12」,「FE13」,「FE14」,「FE15」,「FE16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブル(図41参照)で記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを実行する。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには通常モード時には「FF11」が設定され、高確率モード時には「FD11」が設定され、時間短縮モード時には「FE11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は通常モード時「20秒」、高確率モード時「8秒」、時間短縮モード時「10秒」に設定されている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには通常モード時で30秒、40秒、50秒パターンの3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば通常モード時「FF12」、高確率モード時「FD12」、時間短縮モード時「FE12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば通常モード時「FF13」、高確率モード時「FD13」、時間短縮モード時「FE13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば通常モード時「FF14」、高確率モード時「FD14」、時間短縮モード時「FE14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには通常モード時で60秒、70秒パターンの2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば通常モード時「FF15」、高確率モード時「FD15」、時間短縮モード時「FE15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば通常モード時「FF16」、高確率モード時「FD16」、時間短縮モード時「FE16」が設定される。
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドには通常モード時「FF10」、高確率モード時「FD10」、時間短縮モード時「FE10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時で10秒に設定されている。もちろん、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「A3」〜「A5」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1つだけの構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311から出力される賞球完了個数信号の監視を行い、ステップS204では、払出制御装置311より受信した各種エラー信号の読み込みを行う。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、特別表示装置43においてどのような制御を行うか当該特別表示装置43の制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、第1契機対応ユニット33においてどのような制御を行うか当該第1契機対応ユニット33の制御内容の設定が行われる。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図15のフローチャートを参照して説明する。
図15において、ステップS801では、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たり状態の最中と大当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。
続くステップS802では、表示タイマの設定状況を見て特別表示装置43による色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS803に進み、始動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は始動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数N>0であれば、ステップS804に進む。ステップS804では、始動保留球数Nから1を減算する。ステップS805では、第1保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS806では、変動表示設定処理を実行する。ここで、図16のフローチャートを用いて変動表示設定処理の詳細を説明する。
まず、ステップS901では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低確率状態では大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率モードでは「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS901:YES)、ステップS902へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS901:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS909へ移行する。
ステップS902では、確変大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、大当たりとなった場合、それぞれ1/2の確率で高確率モード又は時間短縮モードへ移行するように構成されている。具体的には、高確率モードへ移行させるか否かは、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて判断される。格納されているモード決定カウンタC2の値が、数値0〜9のうち奇数「1,3,5,7,9」であるならば高確率モードへの移行が決定され(確変大当たり)、偶数「0,2,4,6,8」であるならば時間短縮モードへの移行が決定される(通常大当たり)。
ここで確変大当たりであると判断された場合(ステップS902:YES)、ステップS904にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS905にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
一方、ステップS902で確変大当たりでないと判断された場合(ステップS902:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、ステップS907にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS908にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS904,ステップS907では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、各遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。なお、本実施形態におけるモード判別は、後述する高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグのオンオフ状況の組合せにより行われる。例えば、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグが全てオン状態(フラグ値「1」)であれば、高確率モードと判別される。
ここで、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図19(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。CS1=197,198かつCS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。CS1=197,198かつCS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。
また、ステップS905,ステップS908における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するようにサブ制御装置262が行う。具体的には、確変図柄の組合わせを示す「A1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS905)、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。一方、通常図柄の組合わせを示す「A2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS908)、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。当該ステップS905、ステップS908で図柄コマンドを設定した後、ステップS917へ移行する。
また、ステップS901にて否定判断された場合に移行するステップS909では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動選択カウンタC3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS909:YES)、ステップS910へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS909:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS915にて外れ変動パターンを決定し、ステップS916にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
ステップS910では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS910:YES)、ステップS911にて外れ変動パターンを決定し、ステップS912にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS910:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS913にて外れ変動パターンを決定し、ステップS914にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS911,ステップS913,ステップS915で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904等と同様である。
ここで、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の前後外れリーチ時においては、図19(b)に示すような通常モード中前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(C3=2〜21)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」が設定される。また、完全外れ時(C3=22〜238)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらず、変動パターンコマンドに「FF10」が設定される。
また、ステップS912,ステップS914,ステップS916における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS912)、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS914)、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS916)、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
さて、ステップS917では、特別表示装置43において色換え表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には10000msecと設定される。そして、後述するように表示タイマは通常処理が1回行われる毎に4msecずつ減算されていく。なお、本実施形態における特別表示装置43の変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43において色換え表示が開始される。特別表示装置43は上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。そして、ステップS917の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図15の説明に戻り、ステップS802がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS807に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば、10000msecの表示タイマが設定された場合には、当該表示タイマの設定された回の次回の通常処理における表示タイマ減算処理において表示タイマの値は9996msecとなる。
続いてステップS808に進み、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たり変動中(大当たりに至る変動中)か否かを判別する。ここで大当たり変動中であると判断された場合(ステップS808:YES)、ステップS809へ移行する。一方、大当たり変動中でないと判断された場合(ステップS808:NO)、ステップS811へ移行する。大当たり変動中であることが本実施形態における特定条件の成立に相当する。したがって、このステップによる処理機能が条件判定手段を構成する。
ステップS809では、RAM503の受信バッファに、払出制御装置311から受信した大当たり報知要求コマンド(以下、単に要求コマンドという)が記憶されているか否かを判別する。ここで要求コマンドありと判断された場合(ステップS809:YES)、ステップS810へ移行する。一方、要求コマンドなしと判断された場合(ステップS809:NO)、ステップS811へ移行する。
ステップS810では、サブ制御装置262に対し送信する大当たり報知コマンドをコマンド送信バッファに設定する。大当たり報知コマンドとは、遊技者に対し大当たり変動中であることを報知させる旨の指令信号である。
続いてステップS811に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS811が肯定判別される。ステップS811で肯定判別された場合には、ステップS812において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS813において特別表示装置43にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における出力処理において、特別表示装置43に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、高確率モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には赤色を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、時間短縮モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には緑色を停止表示させ、外れである場合には青色を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43による停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
続いてステップS814に進み、判別情報設定処理を行う。より詳しくは、図17に示すように、ステップS1001において、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する。ここで、大当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、大当たり設定を行う。具体的には、大当たりフラグ、可変フラグ、可変タイマ及びラウンド数カウンタの設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
大当たりフラグとは、大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される。大当たりフラグの値は、大当たり乱数カウンタC1の値に基づき決定される。
可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
ラウンド数カウンタとは、後述するように大当たり状態中に実行されるラウンド数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」が値として設定される。
さて、ステップS1001において、大当たりに対応しない、すなわち外れであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように通常大当たり終了後にカウンタ値として「100」が設定される。
ここで、変動回数カウンタが解除されている場合(オフ状態の場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(オン状態の場合)には、時間短縮状態の設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、変動回数カウンタの値が残り0カウントか否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、通常大当たりの終了後(時間短縮状態の付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が残り0カウントであれば、ステップS1006において後述する高入球状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1007において後述する時間短縮状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1008において変動回数カウンタを解除(オフ)する処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS1005で、変動回数カウンタの値が残り0カウントでないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
図15の説明に戻り、ステップS814の判別情報設定処理の終了後、第1表示制御処理を終了する。また、上記ステップS811で否定判別された場合には、ステップS815において、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)を継続して行うための色換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この色換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎に特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。なお、本実施形態では、停止表示設定処理(ステップS813)の後に、判別情報設定処理(ステップS814)を行う構成となっているが、これに限らず、例えば、変動表示設定処理(ステップS806)の後に行う構成としてもよい。
次に上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図20のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201において可変入賞装置32の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS1201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
一方、上記ステップS1201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は可変入賞装置32が開状態であるとみなし、ステップS1202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS1203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS1203が肯定判別される。そして、ステップS1203で肯定判別された場合にはステップS1204へ移行する。
また、ステップS1203で否定判別された場合には、ステップS1205において可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS1204へ移行する。一方、ステップS1205で否定判別された場合、すなわち可変入賞装置32への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、可変入賞装置32は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS1204に進み、上記ラウンド数カウンタの値を参酌して可変入賞装置32の開放回数、すなわち実行したラウンド数が規定回数の達したか(ラウンド数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、ラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1206において、ラウンド数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS1204において、ラウンド数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、大当たりフラグのリセット処理、ラウンド数カウンタのリセット処理、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理などが行われる。
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。
大当たりフラグのリセット処理では、大当たり状態の終了を示す「0」がフラグ値として設定される。
ラウンド数カウンタのリセット処理により、ラウンド数カウンタが解除(オフ)される。
高確率状態フラグとは、遊技モードが高確率状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高確率状態フラグの設定処理では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて、フラグ値の切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、高確率状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定され、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、低確率状態の発生を示す「0」がフラグ値として設定される。
時間短縮状態フラグとは、遊技モードが時間短縮状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記時間短縮状態フラグの設定処理では、時間短縮状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
高入球状態フラグとは、遊技モードが高入球状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高入球状態フラグの設定処理では、高入球状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、前記変動回数カウンタの設定処理では、上記高確率状態フラグの設定処理と同様にモード決定カウンタC2の値に基づいて、変動回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、変動回数カウンタは解除(オフ)される。一方、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定される。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図21のフローチャートを参照して説明する。
図20において、ステップS2101では、表示タイマの設定状況を見て普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、変動表示中でもない場合、ステップS2102に進み、保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、保留球数Nが0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ保留球数N>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、保留球数Nから1を減算する。ステップS2104では、第2保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは普通図柄表示装置41の表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における普通図柄表示装置41の変動表示時間は、上述したように高入球状態と低入球状態とでそれぞれ予め設定されている。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップS2101がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2107に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS2107が肯定判別される。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、当選か否かは普通図柄乱数カウンタC4の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低入球状態では普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値であり、高確率モード等の高入球状態では「5〜228」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第1契機対応ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、可変フラグ、可変タイマ及び開放回数カウンタの設定処理を行う。
可変フラグとは、第1契機対応ユニット33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
可変タイマとは、第1契機対応ユニット33の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
開放回数カウンタとは、第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を判別するための判別情報である。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)を継続して行うための切換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第1契機対応ユニット33の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように可変フラグとは、第1契機対応ユニット33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS2201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の出力処理において、第1契機対応ユニット33に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33aを開放する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33aを閉鎖する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33が閉状態となる。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は第1契機対応ユニット33が開状態であるとみなし、ステップS2202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。そして、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行する。
また、ステップS2203で否定判別された場合には、ステップS2205において第1契機対応ユニット33へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS2204へ移行する。一方、ステップS2205で否定判別された場合、すなわち第1契機対応ユニット33への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、第1契機対応ユニット33は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS2204に進み、上記開放回数カウンタの値を参酌して第1契機対応ユニット33の開放回数が規定回数の達したか(開放回数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、開放回数が規定回数に達していない場合には、ステップS2206において、開放回数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS2204において、開放回数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS2207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS2207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、開放回数カウンタのリセット処理などが行われる。
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。また、開放回数カウンタのリセット処理により、開放回数カウンタが解除(オフ)される。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図23を参照して受信割込み処理を説明し、その後図24を参照してメイン処理を説明する。
図23は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図25に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図24を参照して説明する。図24は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図25のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図26を参照して以下に説明する。
図26は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図23参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、リードポインタが次の記憶領域に対応したリードポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数(賞球数記憶エリア)に加算して記憶し、賞球の払出しを許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、賞球数記憶エリアに記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、リードポインタが次の記憶領域に対応したリードポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図25のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判定されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチ15aの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し(例えば、下皿満タンフラグをオンする)、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する(例えば下皿満タンフラグをオフする)。
また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、球切れ検出スイッチ357aの検出信号によりタンク球無し状態であるか否かを判別し、タンク球無し状態であれば、タンク球無しエラー状態の設定をし(例えば、球無しフラグをオンする)、タンク球無し状態でなくなれば、タンク球無しエラー状態の解除設定を実行する(例えば、球無しフラグをオフする)。なお、タンク球無し状態とは、タンク355及びタンクレール356における球詰まりの発生や球抜き処理により、上述したようにケースレール357において遊技球が存在せず、球切れ検出スイッチ357aがオフ状態となった状態である。つまり、タンク球無し状態というものの、実際にはタンク355において球詰まりが発生し、タンク355に遊技球が存在する場合でも、ケースレール357に遊技球が存在しない場合は、この状態に含まれる。より詳しくは、球切れ検出スイッチ357aがオフ状態となった後、所定時間経過後又は所定の復帰動作(例えばバイブレータ360の駆動)の実行後に、タンク球無しエラー状態の設定が行われる。
その後、ステップS3207では、例えば下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態が発生した場合のように、報知する状態の有無を判別し、報知すべき状態がある場合には、後述するステップS3216の出力処理にて、その旨をエラー信号として主制御装置261へ送信する。払出しエラーには、例えば払出モータ358aが駆動中にも関わらず遊技球が払出されないエラー状態や、払出モータ358aが駆動中にも関わらず遊技球をカウントしないエラー状態などが含まれる。
また、ステップS3208では、払出カウントスイッチ358cの監視処理を実行する。これにより、払出カウントスイッチ358cからの検出情報がある場合には、払出計数カウンタに1を加算する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3209で貸出設定処理を行い、ステップS3210で払出個数設定処理を行い、ステップS3211においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3212においてモータ駆動処理を行い、ステップS3213において球抜き制御設定処理を行う。なお、貸出設定処理、払出個数設定処理、モータ制御状態取得処理、モータ駆動処理、及び球抜き制御設定処理の詳細については後述する。
そして、続くステップS3214では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。
また、ステップS3215では外部情報処理を行い、ステップS3216では出力処理を行う。当該出力処理では、エラー信号やコマンドの送信などが行われる。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
ここで、図27を参照して貸出設定処理を説明する。先ずステップS3501で、貸出状態フラグが設定されているか否か(貸出状態フラグの値が「1」か否か)を判別する。貸出状態フラグは、貸球制御中であるか否かを判別するためのフラグであり、「1」が設定されている場合には、貸球制御中であることを意味し、「0」が設定されている場合には、貸球制御中でないことを意味している。
ここで否定判別された場合(貸出状態フラグの値が「0」の場合)には、貸球制御中ではないため、ステップS3502において、カードユニット900から貸出確認信号B1及び貸出要求信号B2の両方がローレベルか否か、すなわち貸出確認信号B1が立ち下がった後、貸出要求信号B2がローレベルとなった(要求信号)か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS3502において肯定判別された場合には、ステップS3503にて、払出しエラー状態か否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了し、否定判別された場合にはステップS3504にて、払出し動作中か否かを判別する。
ステップS3504において肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了し、否定判別された場合には、ステップS3505へ移行する。
ステップS3505では、貸出応答信号P1をローレベルに切換えて要求了解信号の出力を開始し、ステップS3506において、貸出数記憶エリアに貸出数を加算する処理を行う。
続くステップS3507では、貸出状態フラグの値に1をセットするとともに、コマンド送信バッファに、主制御装置261へ送信する大当たり報知要求コマンドを設定して、本処理を終了する。
さて、上記ステップS3501にて、貸出状態フラグに「1」が設定されていると判別された場合には、貸球制御中であるとみなし、ステップS3508へ移行する。
ステップS3508では、要求了解信号を出力中(貸出応答信号P1のローレベル出力中)か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS3511へ移行する。
一方、ステップS3508で肯定判別された場合には、ステップS3509において、貸出数記憶エリアの値が0か否かを判定する。ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
ステップS3509で肯定判別された場合には、ステップS3510にて貸出応答信号P1をハイレベルに切換えて、要求了解信号の出力を停止するとともに、貸出完了信号を出力する。ステップS3510では、併せて指示待ちフラグの設定を行う(指示待ちフラグの値を「1」にする)。
指示待ちフラグは、次なる貸出要求信号B2のローレベル出力(要求信号)を待機中か否かを判別するためのフラグであり、「1」が設定されている場合には、待機状態中であることを意味し、「0」が設定されている場合には、待機状態中でないことを意味している。
ステップS3511では、指示待ちフラグが設定されている(指示待ちフラグの値が「1」)か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS3516へ移行し、肯定判別された場合には、ステップS3512において、貸出要求信号B2のローレベル出力(要求信号)を検出したか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS3516へ移行する。
一方、ステップS3512で肯定判別された場合には、ステップS3513にて貸出応答信号P1をローレベルに切換えて要求了解信号の出力を開始し、ステップS3514において、貸出数記憶エリアに貸出数を加算する処理を行い、ステップS3515にて指示待ちフラグの値に0をセットして、ステップS3516へ移行する。
ステップS3516では、貸出確認信号B1がハイレベル出力か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了し、肯定判別された場合には、ステップS3517にて貸出状態フラグに「0」を設定し、本処理を終了する。
次に、図28,29を参照して払出個数設定処理を説明する。まずステップS4001においてタンク球無しエラー以外のエラー中であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、否定判別された場合には、ステップS4002において払出モータ監視カウンタの値が0であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはステップS4003において払出予定個数格納エリアの払出個数をクリアし、本処理を終了する。なお、払出モータ監視カウンタとは、スプロケット358bの各スリットを検出する毎に所定数値で設定され、払出モータの駆動1ステップ毎に減算されるカウンタである。本実施形態(スプロケット358bの1回転120ステップ、スリット間隔45度)の場合、所定のスリットを検出したのち次のスリットを検出するまでには30ステップ必要とする。しかし、何らかの異常がありスプロケット358bが回転せず、30ステップ過ぎた場合にもスリットを検出できない場合がある。つまり、当初「30」と設定された払出モータ監視カウンタの値が0となった場合には、何らかの異常があったものとみなされる。従って、ステップS4002では、このような不具合の発生があるか否かを判別している。なお、本実施形態では、払出モータ監視カウンタは誤差等を考慮して「45」と設定され、新たにスリットを検出する毎に再設定される。
一方、ステップS4002において否定判別された場合にはステップS4004において払出カウントスイッチ未動作タイマの値が0であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。なお、払出カウントスイッチ未動作タイマとは、スプロケット358bの各スリットを検出する毎に所定数値で設定され、処理周期毎に減算されるタイマである。通常、所定のスリットが検出されたタイミングで遊技球がスプロケット358bから落下した場合、所定時間経過後(本実施形態では約200msec経過後)には、払出カウントスイッチ358cにより検出されるはずである。しかし、何らかの異常により、遊技球が払出されず、所定時間経過しても払出カウントスイッチ358cにより遊技球が検出されない場合がある。つまり、「200msec」と設定された払出カウントスイッチ未動作タイマの値が0となった場合には、何らかの異常があったものとみなされる。従って、ステップS4003では、このような不具合の発生があるか否かを判別している。なお、本実施形態では、払出カウントスイッチ未動作タイマは誤差等を考慮して「300msec」と設定され、本処理一周期毎に2msecずつ減算され、新たにスリットを検出する毎に再設定される。
一方、ステップS4004において否定判別された場合には、ステップS4005において、後述する球抜きフラグに「1」がセットされているか否か、すなわち球抜き開始時又は球抜き中であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4006へ移行し、肯定判定された場合にはステップS4007へ移行する。なお、実際、球抜きフラグとして設定される値は8ビット(例えば0101等)であるが、ここでは説明の便宜上、前記「1」や、「0」、「2」のような数値で表す(以下同様)。
ステップS4006ではタンク球無しエラー中であるか否かを判別し、ここで当該エラー中である場合にはそのまま本処理を終了し、当該エラー中でない場合にはステップS4007へ移行する。
ステップS4007では貸球制御中であるか否かを判別する。本実施形態では、賞球制御よりも貸球制御を優先して行うよう構成されており、上記貸出状態フラグに「1」がセットされていれば、貸球制御を優先して行う。ここで否定判別された場合には、ステップS4008以降の賞球制御処理へ移行し、肯定判定された場合にはステップS4017以降の貸球制御処理へ移行する。
ステップS4008では、リトライ1発生フラグに「1」が設定されているか否かを判別し、ここで否定判別された場合には、ステップS4009へ移行し、肯定判定された場合にはステップS4012へ移行する。なお、リトライ1発生フラグとは、後述するリトライ1作動中であるか否かを判別するためのフラグであり、「1」が設定されている場合には、リトライ1作動中であることを意味し、「0」が設定されている場合には、リトライ1作動中でないことを意味している。
ステップS4009では、主制御装置261から受信した賞球コマンドに基づき得られる総賞球個数から、既に賞球数記憶エリアに記憶されている記憶済み総賞球個数を減算した値が0か否かを判別する。つまり、ここでは新たに加算すべき賞球個数がある否かを判別している。ここで否定判別された場合には、ステップS4010へ移行し、肯定判別された場合には、ステップS4012へ移行する。
ステップS4010では、前記総賞球個数から前記記憶済み総賞球個数を減算した値(つまり新たに加算される賞球個数)に、貸球個数を含めた払出個数(つまり総賞球個数+総貸球個数)を加算した値を、払出予定個数格納エリアに新たな払出個数として設定する。そして、ステップS4011において賞球数記憶エリアに新たな総賞球個数を設定し、本処理を終了する。
ステップS4012では、払出個数が0か否かを判別し、ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、肯定判別された場合にはステップS4013へ移行する。
ステップS4013では、払出カウントスイッチ通過待ちタイマが0であるか否かを判別し、ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、肯定判別された場合にはステップS4014でリトライ1発生フラグに「0」を設定し、ステップS4015へ移行する。なお、払出カウントスイッチ通過待ちタイマとは、上記払出カウントスイッチ未動作タイマと同様のものである。
ステップS4015では、総賞球個数が0であるか否かを判別し、肯定判定された場合にはそのまま処理を終了し、否定判定された場合には、ステップS4016において総賞球個数を、賞球数記憶エリアに新たな総賞球個数として設定するとともに、払出予定個数格納エリアに新たな払出個数として設定し、本処理を終了する。
さて、上記ステップS4007において肯定判別された場合、すなわち貸球制御中である場合には、ステップS4017において払出予定個数格納エリアの払出個数が0か否かを判別し、ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、肯定判別された場合にはステップS4018へ移行する。
ステップS4018では、払出カウントスイッチ通過待ちタイマが0であるか否かを判別し、ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、肯定判別された場合にはステップS4019でリトライ1発生フラグに「0」を設定し、ステップS4020へ移行する。
ステップS4020では、カードユニット900からの信号に基づき上記貸出設定処理において貸球数記憶エリアに記憶された貸球個数が0か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4021において貸球個数を払出予定個数格納エリアの払出個数に設定し、本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に図30を参照してステップS3211のモータ制御状態取得処理を説明する。まずステップS4101において状態復帰動作中であるか否かを判別する。ここで肯定判定された場合にはそのまま本処理を終了し、否定判定された場合にはステップS4102において賞球又は貸球個数(払出個数)があるか否かを判別する。賞球又は貸球個数がある場合にはステップS4103においてタンク球無し以外のエラー状態中か否かを判別する。ステップS4102において賞球又は貸球個数がないと判別された場合、又はステップS4103においてタンク球無し以外のエラー状態中であると判別された場合には、ステップS4104において払出モータ358aの制御状態を停止に設定し、本処理を終了する。
一方、ステップS4103においてタンク球無し以外のエラー状態中でないと判別された場合には、ステップS4105において払出モータ358aの制御状態をリトライ1作動に設定し、ステップS4106へ移行する。なお、リトライ1作動とは、スプロケット358bを逆回転、正回転、逆回転の順に例えば90ステップ(135度)ずつ回転駆動する制御であり、例えばエラー未検出状態で、払出モータ358aが駆動中にも関わらずスプロケット358bのスリットが適正に検出されない場合(払出モータ監視カウンタの値が0である場合)等において実行される制御である。
ステップS4106では、払出モータ監視カウンタの値が0であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、否定判別された場合にはステップS4107で払出モータ358aの制御状態をリトライ2作動に設定し、ステップS4108へ移行する。また、リトライ2作動とは、リトライ1作動と同様の制御状態であり、スプロケット358bを逆回転、正回転、逆回転の順に例えば60ステップ(90度)づつ回転駆動する制御であり、例えばエラー未検出状態で、払出モータ358aが駆動中にも関わらず払出カウントスイッチにより適正に遊技球が検出されない場合(払出カウントスイッチ未作動タイマの値が0である場合)等において実行される制御である。
ステップS4108では、払出カウントスイッチ未作動タイマの値が0であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、否定判別された場合にはステップS4109へ移行する。
ステップS4109では、後述する球抜きフラグに「1」がセットされているか否か、すなわち球抜き開始時又は球抜き中であるか否かを判別する。ここで肯定判定された場合には、ステップS4110で払出モータ358aの制御状態を高速払出動作に設定し、ステップS4111へ移行する。なお、高速払出動作の「高速」とは、通常時の払出動作における速度を指す。
一方、ステップS4109で否定判別された場合には、ステップS4112においてタンク球無しエラー状態中か否かを判別する。ここで否定判別された場合にはステップS4110へ移行する。一方、肯定判別された場合には、ステップS4113において払出モータ358aの制御状態を停止に設定し、本処理を終了する。
ステップS4111では、現在、払出モータ358aの制御状態が低速払出動作中であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合にはステップS4114において球抜きフラグに「1」がセットされているか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4115で払出モータ358aの制御状態を低速払出動作に設定し、ステップS4116へ移行する。ステップS4114又はステップS4115で肯定判別された場合には、そのままステップS4116へ移行する。なお、低速払出動作とは、タンク球無しエラー検出前において、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態である場合に、払出動作を遅くして、その間にタンク球無し状態の解消を待つために実行される制御である。
ステップS4116においては払出個数が0か否かを判別する。ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合にはステップS4117において払出モータ358aの制御状態を待機中に設定し、ステップS4118へ移行する。
ステップS4118では、払出カウントスイッチ通過待ち中であるか否かを判別する。ここで肯定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、否定判別された場合には、ステップS4119で払出モータ358aの制御状態を停止に設定し、本処理を終了する。
次に図31を参照してステップS3212のモータ駆動処理を説明する。まずステップS4201において払出モータ358aの駆動開始時か否かを判別する。ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS4202で払出モータ358aの駆動用データの設定を行い、ステップS4203へ移行する。
ステップS4203では、払出モータ358aの制御状態が高速払出動作中であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4204で払出モータ358aの制御状態が低速払出動作中であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4207において払出モータ358aの駆動パルス数の更新を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS4203又はステップS4204で肯定判定された場合には、ステップS4205において球抜きフラグが「1」にセットされているか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはステップS4207において払出モータ358aの駆動パルス数の更新を行い、本処理を終了する。
ステップS4205において球抜きフラグが「1」にセットされていないと判別された場合には、ステップS4206において払出モータ監視カウンタの値を1減算し、ステップS4207において払出モータ358aの駆動パルス数の更新を行い、本処理を終了する。
次に図32を参照してステップS3213の球抜き制御設定処理を説明する。まずステップS4301において球抜きフラグが「1」にセットされているか否かを判別する。なお、球抜きフラグとは、球抜き中などの状態を判別するためのフラグであり、当該球抜きフラグが「1」にセットされている場合には球抜き開始時又は球抜き中であることを意味している。
ステップS4301で肯定判別された場合(球抜きフラグが「1」の場合)には、ステップS4302において払出モータ358aの制御状態が停止中か否かを判別する。停止中でない場合にはそのまま本処理を終了し、停止中の場合にはステップS4303で球抜きフラグに「2」をセットして本処理を終了する。なお、球抜きフラグが「2」にセットされている場合には、球抜き終了後で状態復帰スイッチ321が未だ押下されている状態であることを意味している。
また、ステップS4301で球抜きフラグが「1」にセットされてないと判別された場合には、ステップS4304において球抜きフラグが「2」にセットされているか否かを判別する。ここで肯定判別された場合(球抜きフラグが「2」である場合)にはステップS4305において状態復帰スイッチ321が押下されているか否かを判別する。ここで当該スイッチ321が押下されていると判別された場合にはそのまま本処理を終了し、押下されていないと判別された場合にはステップS4306において球抜きフラグを「0」にセットし、本処理を終了する。なお、球抜きフラグが「0」にセットされている場合には、球抜き状態中や、球抜き終了後で状態復帰スイッチ321が未だ押下されている状態中でない通常状態(非球抜き状態)であることを意味している。
また、ステップS4304で球抜きフラグが「2」にセットされていないと判別された場合には、ステップS4307においてタンク球無し状態か否かを判別する。タンク球無し状態でない場合にはそのまま本処理を終了し、タンク球無し状態の場合にはステップS4308において状態復帰スイッチ321が所定時間(本実施形態では1秒間)押されたか否かを判別する。ここで当該スイッチ321が所定時間押されていない場合にはそのまま本処理を終了し、押された場合にはステップS4309において球抜きフラグに「1」をセットし本処理を終了する。
ここで球抜き作業の手順について説明する。まず上述したように球抜きボタン357bを押圧操作する。これにより、タンク355及びタンクレール356にある遊技球がケースレール357の球抜き通路を介してパチンコ機10外部へ排出される。
そして、ケースレール357内に遊技球がなくなると、球切れ検出スイッチ357aがオフ状態となり、タンク球無しエラー状態(球切れ状態)となる。
次に、一般入賞口31、可変入賞装置32及び第1契機対応口33のいずれかの入球手段へ遊技球を入球させる。すると上記払出制御装置311のタイマ割込み処理から分かるように、払出制御装置311は賞球個数の設定(払出設定)を行う。但し、この状態ではタンク球無しエラー状態により、払出装置358の駆動が禁止されているため、遊技球は払出されない。
この状態で状態復帰スイッチ321を所定時間押すと、払出制御装置311は払出装置358の駆動禁止を無効化し、前記入球手段への入球に相当する賞球(例えば一入球につき15個)を払出すといったように球抜き処理を行う。
便宜上、ここで、カードユニット900のMPU910により実行される各制御処理をフローチャートを参照して説明する。
まず、電源投入に伴い起動されるメイン処理について図33を参酌して説明する。まずステップS6001にてRAM912の値を初期化して初期値を設定するなどの初期設定処理が行われる。そして、初期設定処理が完了すると、続くステップS6002において、初期設定完了信号B0をハイレベルからローレベルに切換えて、パチンコ機10(払出制御装置311)に対して、初期設定が完了したことを示す旨の信号の出力を開始する。
メイン処理終了後、通常処理へ移行する。
次に通常処理について図34を参照して説明する。ステップS6101は、1度数単位の貸球の払出個数を設定する場合に行われる処理である。この処理では、設定操作部920の貸出数設定操作部921によって設定される設定貸出数を、RAM912の設定貸出数記憶エリアに設定するとともに、払出制御装置311に対し出力する。但し、貸出数設定操作部921による設定貸出数の変更がなければ、本処理を行うことなく、そのまま次の処理へ移行する。
ステップS6102は、貸出対象金額を設定する場合に行われる処理である。この処理では、金額設定操作部922によって設定される値を、RAM912の貸出対象金額記憶エリアに設定する。但し、金額設定操作部922による貸出対象金額の変更がなければ、本処理を行うことなく、そのまま次の処理へ移行する。
ステップS6103の貸出指示処理は、磁気カードの挿入中又は磁気カードに残高度数がある状態で、貸出ボタン121が遊技者により押下操作された場合に実行される処理である。従って、カード挿入口903に磁気カードが挿入されていない場合や、貸出ボタン121の操作がなければ、本処理を行うことなく、そのまま次の処理へ移行する。貸出指示処理の詳細は後述する。なお、貸出指示処理の前に、磁気カードがカード挿入口903に挿入されたか否かの判定が行われた際には、その判定結果に基づき、カード挿入中ランプ907の制御処理が行われる。すなわち、磁気カードが挿入された場合には、カード挿入中ランプ907が点灯される。
ステップS6104の度数表示処理は、磁気カードに記憶された残高度数(残金)を貸球操作部120の度数表示部123に表示させる処理である。この処理では、カードリーダ・ライタ917によって読み出された磁気カードの残高度数を、貸球操作部120の度数表示部123に対し度数表示信号B3を出力することにより表示させる。但し、カード挿入口903に磁気カードが挿入されていなければ、本処理を行うことなく、そのまま次の処理へ移行する。なお、磁気カードが挿入されていない場合、度数表示部123には、挿入待機状態を示す「−−」が表示される。また、磁気カードの残高度数が「0」の場合には、度数表示部123に「00」と表示され、何らかのエラー状態が発生している場合には、「E0」等、各種エラーコードの表示がなされる。
ステップS6105の返却処理は、カード挿入口903に挿入されている磁気カードを排出するための処理である。カード挿入中に、返却ボタン122が押下操作され、返却操作信号Q2が入力された場合や、磁気カードの残高金額がなくなった場合において、図示しないアクチュエータにより磁気カードをカード挿入口903から排出するとともに、カード挿入中ランプ907を消灯する。但し、カード挿入口903に磁気カードが挿入されていない場合や、返却ボタン122が押下されていなければ、本処理を行うことなく、そのまま本処理を終了する。
ステップS6106の出力処理は、磁気カードの残高度数が減算された場合において、変更後の度数を示す売上げ信号をホールコンピュータへ出力する処理である。但し、出力情報がない場合には、本処理を行うことなく、ステップS6101へ戻り、以後、上記一連の処理を繰り返し行うこととなる。
ここで、ステップS6103の貸出指示処理について図35を参照して詳しく説明する。貸出指示処理は、上述したように、貸出ボタン121が遊技者により押下操作された場合に実行される処理である。
先ずステップS6201では、RAM912の貸出対象金額記憶エリアに記憶された貸出対象金額と、磁気カードに記憶された残高度数(残金)とを参照して、貸出要求信号B2のローレベル出力回数を把握し、貸出要求設定値としてRAM912の要求値格納エリアに設定する。本実施形態では、例えば磁気カードに500円分以上残っている場合には、出力回数「5」と設定される。
次にステップS6202において、貸出確認信号B1及び貸出要求信号B2のローレベル出力を開始する。より詳しくは、貸出確認信号B1のローレベル出力を開始した後、所定の遅延時間(例えば30msec〜50msec)の経過後、貸出要求信号B2のローレベル出力を開始する。
ステップS6203では、払出制御装置311から要求了解信号(貸出応答信号P1の立ち下がり)を入力したか否かを判別する。ここで、否定判別された場合には、ステップS6204にて、所定時間(例えば10msec〜10s)が経過したか否かを判別する。
ここで、ステップS6204で否定判別された場合には、ステップS6203に戻る。従って、要求了解信号の入力がない場合、所定時間が経過するまでは、これら一連の処理を繰り返すこととなる。一方、ステップS6204にて肯定判別された場合、すなわち所定時間が経過しても要求了解信号の入力がない場合には、何らかの異常が発生したとみなし、ステップS6209へ移行する。
さて、要求了解信号の入力があり、ステップS6203が肯定判別された場合には、貸出要求が正常になされたということなので、ステップS6205にて、磁気カードの残高度数の減算処理など各種更新処理を行う。
その後、ステップS6206では、貸出要求信号B2をハイレベル出力に切換えて、払出制御装置311に対し貸出実行指示を行うとともに、貸出要求出力カウンタの値に1を加算する。
続いて、ステップS6207において、貸出完了信号(貸出応答信号P1の立ち上がり)を入力したか否かを判別する。ここで、否定判別された場合には、ステップS6207の処理を繰り返す。つまり。貸出完了信号の入力があるまでは、この処理を繰り返すこととなる。但し、便宜上、図示は省略しているが、ここでも所定時間が経過したか否かを判別して、所定時間経過しても貸出完了信号の入力がない場合には、何らかの異常が発生したとみなし、本処理を終了(ステップS6209へ移行)することとなる。
一方、ステップS6207にて肯定判別された場合、すなわち貸出完了信号の入力があった場合には、ステップS6208へ移行する。
ステップS6208では、貸出要求出力カウンタの値が貸出要求設定値(例えば「5」)であるか否かを判別する。ここで、否定判別された場合には、ステップS6202へ戻る。つまり、貸出要求出力カウンタの値が貸出要求設定値に達するまで、上記一連の処理を繰り返す。
そして、貸出要求出力カウンタの値が貸出要求設定値に達し、ステップS6208が肯定判別された場合には、ステップS6209へ移行する。
上記ステップS6204、ステップS6208から移行するステステップS6209では、貸出確認信号B1のローレベル出力を停止して、ハイレベル出力に切換えると共に、所定の指示終了処理を実行し、本処理を終了する。
以下、上記処理手順の下、払出制御装置311とカードユニット900との間で行われる通信のやりとり、及び、それに基づき行われる貸球の貸出処理の流れについて図36のタイミングチャートを参照して説明する。本実施形態では、100円につき25球の貸出しが行われ、1回の貸出ボタン121の操作によって500円分の貸球が払出される場合を例に説明する。
カードユニット900に電源を投入することで、これを経由して電源供給を受けるパチンコ機10にも電源を投入可能となる。そして、カードユニット900に電源が投入され、初期設定が完了すると、初期設定完了信号B0がハイレベルからローレベルに切換わる。この初期設定完了信号B0のローレベル出力により、パチンコ機10(払出制御装置311)側では、カードユニット900が初期設定の完了した待機状態となっていることを認識可能となる。
そして、パチンコ機10に電源が投入され、払出制御装置311が貸出可能な状態となると、接続確認信号P0がハイレベルからローレベルに切換わる(タイミングT0)。カードユニット900は、接続確認信号P0がローレベルでかつ貸出応答信号P1がハイレベルである場合に、払出制御装置311が貸出可能な待機状態にあると判断し、当該状態で貸出操作信号Q1の入力を待つこととなる。
カードユニット900へ磁気カードが挿入され、貸出ボタン121が押下操作されると、貸球操作部120から貸出操作信号Q1が出力され、カードユニット接続基板314を経由してカードユニット900へ入力される。貸出ボタン121の押下操作が本実施形態における遊技者の特定の操作に相当する。
これを契機に、カードユニット900では、貸出確認信号B1がハイレベルからローレベルに切換わる(タイミングT1)。これにより、払出制御装置311は、カードユニット900が貸出状態となったことを認識する。貸出確認信号B1のローレベル出力が本実施形態における特定信号に相当する。
また、これと同時に貸出ボタン121及び返却ボタン122の操作の受付禁止状態となる。つまり、カードユニット900が貸出状態となっている間(貸出確認信号B1がローレベルになっている間)は、貸出ボタン121又は返却ボタン122が操作されても、その操作は無効扱いされ、何らの処理も開始されない。
この時点(タイミングT1)から所定の遅延時間の経過後、貸出要求信号B2がハイレベルからローレベルに切換わる(タイミングT2)。
貸出確認信号B1がローレベルに立ち下がった時点(タイミングT1)から、所定の貸出要求監視時間(例えば30msec〜50msec)内に、有効に貸出要求信号B2がローレベルに切換わった場合、これを認識した払出制御装置311は、貸出応答信号P1をハイレベルからローレベルに切換え、要求了解信号としてローレベル出力を開始する(タイミングT3)。
一方、貸出要求信号B2がローレベルに切換った時点(タイミングT2)から、所定の要求了解監視時間(例えば10msec〜10sec)内に、有効に貸出応答信号P1がローレベルに切換った場合、これを認識したカードユニット900は、所定の遅延時間の経過後、貸出要求信号B2をローレベルからハイレベルに切換え、払出制御装置311に貸球の払出しの実行を指示する指示信号とする(タイミングT4)。この遅延時間(T3〜T4)において、カードユニット900は、磁気カードに記憶される残高度数を100円分減算する。
そして、払出制御装置311が、所定の貸出指示監視時間(例えば30msec〜50msec)内に、この指示信号(貸出要求信号B2の立ち上がり)を有効に受信すると、払出制御装置311は、払出装置358(払出モータ358a)を駆動させて25球(100
円分)の貸出しを実行する。
払出制御装置311は、25球の貸出し処理が終了すると、貸出応答信号P1をローレベルからハイレベルに切換え、カードユニット900へ貸出しの完了を通知する貸出完了信号とする(タイミングT5)。
一方、カードユニット900では、貸出要求信号B2がハイレベルに切換った時点(タイミングT4)から、所定の払出監視時間(例えば200msec〜10sec)内に、有効に貸出応答信号P1がハイレベルに切換った場合(貸出完了信号を受信した場合)には、所定の遅延時間(例えば最大で250msec)を経て、次なる貸出要求を行う。つまり、再度、貸出要求信号B2をハイレベルからローレベルに切換え、次なるローレベル出力を開始する(タイミングT6)。
このようにして、以後、上記同様の処理を所定回繰り返し行う。詳しくは、1回の貸出ボタン121の押下操作によって、予め設定された回数(本実施形態では5回)だけ繰り返す。そして、最後(5回目)の貸出要求に対応した貸出完了信号(貸出応答信号P1の立ち上がり)をカードユニット900が受信すると(タイミングT7)、ここから所定の貸出完了監視時間(例えば最大で250msec)の間に新たな信号入力がないことを確認した後、貸出確認信号B1をローレベルからハイレベルに切換える(タイミングT8)。これにより、カードユニット900では貸出状態が終了し、貸出ボタン121及び返却ボタン122の操作が受付可能な待機状態となる。
なお、上記各種監視時間内に規定の信号変化がなければ、エラー発生として処理される。
例えば、上述したように、カードユニット900は、貸出要求信号B2がハイレベルからローレベルに切換わった時点(タイミングT2)から、要求了解監視時間(例えば10msec〜10sec)内に、貸出応答信号P1がローレベルに変化するか否かを監視して、貸出要求の了解を確認する。通常なら、この要求了解監視時間にこの変化を検出するが、図37に示すように、これを検出できない場合には、当該要求了解監視時間の経過した時点(タイミングT9)で、タイムアウトエラー発生として検出する。つまり、応答に対して十分な監視時間を設定しているにもかかわらず、この監視時間を過ぎた場合には、何らかの異常が発生したものとみなす。そして、エラー検出に併せて、貸出確認信号B1をハイレベルに戻すとともに、貸球操作部120の度数表示部123にエラーコードを表示させる。
その後、所定時間(例えば0〜12.5msec)が経過し時点(タイミングT10)で、貸出要求信号B2がハイレベルに戻るとともに、貸出ボタン121及び返却ボタン122の操作が受付可能な待機状態となる。そして、貸出ボタン121の押下操作により復帰条件が成立すると、その後は、貸出ボタン121等を操作することにより、通常通りの処理が可能となる。
次に、サブ制御装置262の処理について説明する。変動パターンコマンド、図柄コマンド、大当たり報知コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を装飾図柄表示装置42において表示制御装置45に表示させるようになっている。
ここで、図38のフローチャートを参照して、サブ制御装置262の通常処理ついてより詳しく説明する。この通常処理は、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動される。
先ずステップS5101では、前回の処理で更新された設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。具体的には、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示を所定時間行う。そして、図柄コマンドに基づき停止図柄を決定する。
ステップS5102では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図39に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、上列、中列及び下列の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、確変図柄が5通り、通常図柄が5通り設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄の組合わせを示す「A1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、確変図柄の組合わせを決定する。また、図柄コマンドが通常図柄の組合わせを示す「A2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に通常図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5はステップS5102のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に上列装飾図柄、中列装飾図柄、下列装飾図柄の停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより上図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより下図柄列の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図40に示すように、ステップS5201では、上図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS5202では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄列の外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS5201で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄列の外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS5202で肯定判断されることになる。そして、上図柄列の更新時期(ステップS5201がYES)であればステップS5203に進み、上図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS5202がYES)であればステップS5204に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄列の更新時期(ステップS5201、S5202が共にNO)であればステップS5205に進み、下図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS5203〜S5205の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS5206では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(ステップS5206がYES)、さらにステップS5207では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(ステップS5207がYES)、ステップS5208に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(ステップS5207がNO)には、ステップS5209に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(ステップS5206がNO)、ステップS5210に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(ステップS5210がYES)、ステップS5211に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS5206、S5210が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
図38の説明に戻り、ステップS5103において、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたか否かを判別する。この場合には、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。そして、コマンドが受信されている場合には、ステップS5104においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。一方、コマンドが受信されていない場合には、そのままステップS5107へ移行する。なお、RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
続くステップS5105では、コマンドバッファに記憶されたコマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判別する。ここで記憶されたコマンドが変動パターンコマンドである場合には、ステップS5106において、当該変動パターンコマンドの変動時間に対応する値を変動時間タイマに設定し、ステップS5107へ移行する。この際、サブ制御装置262は、例えば図41に示すような装飾図柄の変動種別と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う(以下のステップS5107の設定処理についても同様)。変動時間タイマは変動時間を計測するためのタイマである。一方、記憶されたコマンドが変動パターンコマンドでない場合には、そのままステップS5107へ移行する。
そして、ステップS5107において各種設定処理を行い、本処理を終了する。
上記ステップS5107の設定処理では、例えばRAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。例えば、大当たり報知コマンドが格納されている場合には、特定演出としての大当たり報知演出を行うべく、通常の演出設定に加えて報知設定処理を行う。従って、この特定演出を実行するサブ制御装置262が本実施形態における特定演出実行手段を構成する。
また、ここでは、図柄コマンドに基づいて停止図柄の決定もあわせて行う。なお、上述したことであるが、図柄コマンドに「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A3」が設定されている場合、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ(図39参照)に格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
そして、これらの情報を基に表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
また、サブ制御装置262は、その都度の表示演出に同期させながら、音声類、ランプ類を駆動するための制御設定を行う。もちろん、音声やランプ制御に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS5107で行われる。
そして、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令(表示コマンド)に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS5106で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
そして、主制御装置261によって大当たりが確定すると、特別表示装置43にてその旨が表示されると共に、補助的に装飾図柄表示装置42上で装飾図柄が大当たり図柄の組合せとなり、大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている(大当たり状態が開始される)。
ここで、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける表示態様について説明する。装飾図柄表示装置42には、図42に示すように、上・中・下の3つの図柄列が設定されており、図柄列毎に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、図43に示すように、装飾図柄として図柄Z1〜Z9が設定されている。図柄Z1〜Z9は、「1」〜「9」の数字を各々付すよう構成されている。図柄Z1〜Z9は、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示され、これにより一連の図柄列が構成されている。
かかる場合、上図柄列においては、図柄Z1〜Z9が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び下図柄列においては、同じく図柄Z1〜Z9が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に図柄Z1〜Z9が所定の大当たりライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一種類の図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示される(大当たり状態が開始される)。なお、上述した大当たり図柄の組み合わせが表示される直前においては、いわゆるリーチ状態(リーチ態様の成立状態)となる。但し、リーチ状態となった場合でも大当たり状態に至らない場合もある。
本実施形態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄列において、図柄Z1〜Z9のうち同一種類のものが前記5つのラインのいずれかのライン上に並んで確定停止表示されると(例えば右上がりの斜めのラインにおいて「1」の図柄Z1が3つ揃って確定停止表示されると)、大当たり状態が発生する。
また、本実施の形態におけるリーチ状態には、下図柄列の図柄変動が、前記大当たりライン上において上図柄列の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。例えば、図44においては、上・下図柄列それぞれにおいて、右下がりの斜めの大当たりライン上に「1」の図柄Z1が停止表示されており、左下がりの斜めの大当たりライン上に「9」の図柄Z9が停止表示されており、中図柄列が未だ変動中である場合が例示されている。但し、図44では、便宜上、中図柄列に表示される図柄Z0〜Z9を省略している。そして、リーチ状態中においては、上述したように種々のリーチ演出が行われる。この場合、中図柄列において、前記大当たりライン上に図柄Z1又は図柄Z9が停止表示されると、大当たり状態が発生する。なお、リーチ状態には、中図柄列の図柄が、最終的に上・下図柄列の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(これを「外れリーチ状態」という)が含まれる。
また、大当たり報知演出が行われる場合には、図45に示すように、海人キャラクタDCが登場し、この回の変動表示が大当たり変動表示である旨を報知する。
以上詳述したように、本実施形態では、貸出ボタン121の操作があった場合において、大当たり変動表示中の場合には、大当たり報知演出が実行される。これにより、遊技者が自身に不利益的な行為である貸出ボタン121の操作を行う毎に、大当たり報知演出が行われるかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。結果として、貸出ボタン121を操作する際に、興趣が低下してしまうおそれを低減することができる。
なお、本実施形態とは異なり、貸出ボタン121等、カードユニット900に関連する操作手段とは別に、演出専用の操作手段(プッシュボタン等)を備え、各種演出を行う遊技機もあるが、一般的に、貸出ボタン121等とは異なる演出専用のボタン等を絡めた演出は、当該ボタンを遊技者が操作しようが操作しまいが、大当たり抽選結果に基づく演出の結果に変化が生じるわけではない。そのため、遊技者は、遊技開始当初は、物珍しさから演出専用のボタン等を操作してこれを絡めた演出を意識的に行うものの、遊技時間、遊技回数を重ねるにつれ、次第にボタン操作を行わなくなり、当該ボタンを絡めた演出が全く行われなくなってしまうおそれもある。結果として、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、貸出ボタン121は、遊技を継続する上で必ず操作しなくてはならないものである。したがって、遊技者が演出の実行を意識するしないに関わらず、遊技者が遊技球の貸出しを受けた際には大当たり報知演出が行われ得るため、大当たり報知演出が全く行われなくなることもない。結果として、大当たり報知演出が行われなくなることによる興趣の低下を抑制することができる。
さらに、貸出ボタン121の操作といった、遊技者が自身に不利益的な行為を行った際に、自身に有利な大当たり報知が行われ得ることで、通常の演出専用のボタン等を遊技者が意識して操作し演出が実行される場合に比べて、その反動による遊技者の高揚感は計り知れない。特に前回の大当たり状態の終了から非常に長い期間、次の大当たり状態が発生しなかった場合などにおいては格別である。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、貸出ボタン121など、カードユニット900を操作するための各種操作手段が設けられているのみであるが、これに加えて、兼用ボタンでない演出専用の操作手段を別途備えた構成としてもよい。
例えば、押下操作可能な演出ボタンを備え、当該演出ボタンがサブ制御装置262に電気的に接続され、サブ制御装置262の制御下のもと、各種演出が実行される構成としてもよい。
加えて、貸出ボタン121等のカードユニット900を操作するための各種操作手段と、上記演出ボタンを組み合わせた演出が行われる構成としてもよい。例えば、貸出ボタン121を押下操作すると、大当たり報知演出ではなく、特定演出としての割込みゲーム演出が開始される構成などが一例に挙がられる。
例えば、ゲームが開始されると、装飾図柄表示装置42には両手に宝箱を持った海人キャラクタDCが登場し、遊技者に対し左右どちらかの宝箱を指定するよう要求する表示がなされる。それに従い、遊技者は演出ボタンを操作して左右どちらかの宝箱を指定する。そして、大当たりの場合には、遊技者の指定した宝箱が開き、当該宝箱の中に財宝がある表示がなされる。一方、大当たりでない場合には、遊技者の指定した宝箱TMが開き、その中が空である表示がなされる。
なお、各種操作手段としては、貸出ボタン121や上記演出ボタン等のように、押下操作するプッシュボタンタイプのみならず、例えば遊技者が手をかざしたりする等して、直接、遊技者が接触することなく操作可能な光学式のものを採用してもよい。
(b)上記実施形態では、主制御装置261と払出制御装置311とが双方向に送受信可能な構成となっている。そして、払出制御装置311から主制御装置261に対し要求コマンドを送信し、これに基づき、主制御装置261がサブ制御装置262に対しへ大当たり報知コマンドを送信する構成となっている。
これに限らず、主制御装置261から払出制御装置311に対し一方向にのみ送信可能な構成としてもよい。このようにすれば、主制御装置261の負荷軽減や、主制御装置261に対する不正信号の入力防止等を図ることができる。
このような構成の場合、例えば、主制御装置261を介さず、払出制御装置311とサブ制御装置262とを電気的に接続するとともに、主制御装置261から払出制御装置311に対し、現在の変動表示が大当たりに係る変動表示である否かを判別可能とする所定のコマンドを送信し、これを基に払出制御装置311において貸出確認信号B1がローレベル出力中でかつ大当たり変動中であることを判定し、当該払出制御装置311からサブ制御装置262に対し大当たり報知演出を行うためのコマンドを送信する構成としてもよい。
又は、払出制御装置311からサブ制御装置262に対し、貸出確認信号B1がローレベル出力となったことを示すコマンドを送信し、サブ制御装置262において、貸出確認信号B1がローレベル出力中でかつ大当たり変動中であることを判定し、大当たり報知演出を行う構成としてもよい。
勿論、上記二例の構成は、主制御装置261と払出制御装置311とが双方向に送受信可能な構成においても実施可能である。
また、上記実施形態では、貸球操作部120が、カードユニット接続基板314を介して直接カードユニット900に接続されているが、これに代えて、主制御装置261や払出制御装置311、サブ制御装置262などを介してカードユニット900に接続される構成を採用してもよい。なお、貸球操作部120からカードユニット900に送信される信号や、カードユニット900から払出制御装置311に送信される信号を、所定の中継部(例えば中継基板等)において監視したり転送する等して、例えばサブ制御装置262がこれらの信号を認識可能となった構成などに関しても、当該サブ制御装置262が貸球操作部120やカードユニット900などに接続された構成に含まれる。
サブ制御装置262が上記各種信号を認識可能な構成とした場合、主制御装置261や払出制御装置311を介さずに、大当たり報知演出を行うことができる。このようにすれば、主制御装置261と払出制御装置311との間の制御信号のやりとりに大きな変更を加える必要もない。結果として、主制御装置261や払出制御装置311の負荷軽減を図るとともに、主制御装置261や払出制御装置311に対する不正信号の入力防止等を図ることができる。
(c)上記実施形態では、貸出ボタン121の操作に起因して、大当たり報知演出が実行される構成となっているが、これに限らず、カードユニット900のカード挿入口903に対し磁気カードが挿入されたことを認識可能な信号や、返却ボタン122が操作されたことを認識可能な信号などを払出制御装置311に出力可能な構成とするとともに、これらの操作に起因して大当たり報知演出が行われる構成としてもよい。
このようにすれば、遊技継続のために新たな磁気カードを挿入するとき、すなわち新たな資金を投入するときや、大当たり状態とならない期間が長く、遊技を終了しようとしてカード返却を求める際に、大当たり報知演出が行われることとなり、遊技者にとっての興趣が飛躍的に向上する。また、返却ボタン122を操作することで大当たり報知演出が行われる構成とした場合には、仮に遊技者の持ち球が完全に無くなくなっている状態又は無くなりかけでいる状態であれば、遊技者は、再度、磁気カードを挿入する等して、大当たり中の遊技を行うにあたり必要とされる遊技球を、大当たり変動中すなわち大当たり発生前に事前に準備することができる。このため、大当たり状態が発生したにも関わらず持ち球がないといった遊技者にとって不利益的な状況の発生を防止することができる。
また、上記貸出操作、カード挿入操作、又は返却操作のいずれか1つが行われた場合に、大当たり報知が行われる構成として、複数の操作に対応した構成としてもよい。さらに、各種操作に応じて、演出が異なる構成や、演出が行われる割合が異なる構成としてもよい。
(d)上記実施形態では、貸出ボタン121の操作に起因して行われる特定演出として、大当たり報知演出が例示されているが、これに代えて又は加えて、他の演出が行われる構成としてもよい。
例えば、特定のリーチ演出(プレミアムリーチ演出など)が行われることを報知する報知演出が、特定演出として大当たり時か、はずれ時かを問わず行われる構成としてもよい。
また、貸出ボタン121の操作があった際に、第1保留球格納エリア(保留第1〜保留第4エリア)に格納された大当たり乱数カウンタC1等を先読みして、いずれかに大当たり値が格納されている場合には、大当たり変動表示が行われる前段階の変動表示において、特定演出として前兆演出を行う構成としてもよい。この場合、連続する複数回の変動表示において前兆演出(連続前兆演出)を行う構成としてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42において魚群キャラクタ等が連続して登場するような演出が挙げられる。
また、大当たり値が格納されている保留エリアに格納された変動選択カウンタC3の値を差換える等して、大当たり変動時におけるリーチ演出をより期待度の高い演出(プレミアムリーチ演出など)に差換える特定演出を行う構成としてもよい。
また、大当たり決定後、第二の特定の遊技状態としての高確率モードの付与がなされるか否かのモード昇格演出(付与演出)を行う構成とするとともに、当該モード昇格演出中において、貸出ボタン121の操作があった場合には、高確率モードが付与されることを報知する特定演出としてのモード昇格報知演出(第二報知演出)が行われる構成としてもよい。モード昇格演出の例としては、例えば装飾図柄表示装置42において、通常図柄の組合せで一旦、停止表示がなされ、大当たり付与が決定された後、最終的に大当たり図柄として停止表示される図柄が、通常図柄か確変図柄かを決定するといった表示演出などが挙げられる。
また、高確率モード等の特定の遊技状態が遊技者に報知されずに付与されている状態(以下、潜伏状態という)が発生する構成とするとともに、当該潜伏状態が発生している状況下において、貸出ボタン121の操作があった際に、潜伏状態である旨が報知(潜伏報知演出)される構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において海人キャラクタDCを登場させることによって、大当たり報知演出としているが、大当たり報知演出は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態に代えて又は加えて、特別表示装置43など他の表示手段において報知する演出や、スピーカ24等の音声発生手段によって報知する演出、各種ランプ等の発光手段によって報知する演出などを行う構成としてもよい。
(f)上記実施形態では、貸出ボタン121を操作した際、大当たり変動表示中や潜伏状態中であれば、常に大当たり報知演出や潜伏報知演出が行われる構成となっているが、これに限らず、例えば貸出ボタン121が押されることを条件として、所定の確率で大当たり報知演出や潜伏報知演出が実行される構成としてもよい。例えば、演出用抽選手段としての大当たり報知演出決定用カウンタ及びテーブルを備え、貸出ボタン121の操作を検出した際に、当該カウンタ及びテーブルを参酌して、大当たり報知演出を実行するか否かを決定する構成としてもよい。
(g)前回の大当たり状態の終了からの特定事象としての変動表示回数や貸出ボタン121の操作回数などを計数する計数手段を備え、少なくともこれらの発生回数が所定回数(例えば変動表示1000回)以上となることを条件として、大当たり報知演出や潜伏報知演出が行われる構成としてもよい。前回の大当たり状態の終了から非常に長い期間、次の大当たり状態が付与されなかった場合などにおいては、変動表示回数や貸出操作手段の操作回数が多ければ多いほど、遊技者は、ますます貸出操作を行うことを不愉快に感じ得るようになる。このような場合に大当たり報知演出や潜伏報知演出が行われ得るようにすれば、当該大当たり報知演出等による興趣が飛躍的に向上する。
また、計数回数に応じて、演出が異なる構成や、演出が行われる割合が異なる構成としてもよい。
(h)上記実施形態において、パチンコ機10に付設されている貸出指示装置としてのカードユニット900は、記憶媒体として磁気カード(プリペイドカード)を受付けるものであるが、これに限らず、他の記憶媒体を受付ける貸出指示装置であってもよい。例えば、IC内蔵型のカードやコイン、携帯電話、遊技店専用の会員カード等を使用するものであってもよい。会員カード等の場合には、ホールコンピュータ等に貸出可能な球数(貯球)などが記憶され、ホールコンピュータ等に記憶された情報と、会員カードに記憶された情報とを照合することにより、遊技球の貸出しが可能となる。また、記憶媒体を介さず、直接、現金を投入するタイプの貸出指示装置であってもよい。
また、上記実施形態では、パチンコ機10に貸球操作部120(貸出ボタン121や返却ボタン122等)が配設された構成となっているが、これに限らず、貸出ボタンや返却ボタン等がカードユニット(貸出指示装置)側に設けられた構成を採用してもよい。
(i)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、スロットマシン等の回胴式遊技機、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
(j)上記実施形態では、貸出確認信号B1及び貸出要求信号B2の両方がローレベルか否か、すなわち貸出確認信号B1が立ち下がった後、貸出要求信号B2がローレベルとなった(要求信号)か否かを判別して(ステップS3502)、大当たり報知演出を実行するタイミングを検出している。これに限らず、他の信号の切換わりを検出して大当たり報知演出を実行する構成としてもよい。例えば貸出要求信号B2の立ち上がり(タイミングT4)の検出を契機に、大当たり報知演出を実行する構成としてもよい。貸出要求信号B2の立ち上がりは、払出制御装置311に貸球の払出しの実行を指示する指示信号としての役割を果たしているため、このような構成とすれば、実際に貸球の払出しが開始されるのと同時に大当たり報知演出が実行可能となる。
但し、貸出確認信号B1は、実際に磁気カードがカード挿入口903に挿入されていない場合であっても、貸出ボタン121が操作されると、ローレベル出力となる。従って、貸出確認信号B1の立ち下がり(タイミングT1)の検出を契機に大当たり報知演出を実行するようにした場合には、実際に磁気カードがカード挿入口903に挿入されていないにも関わらず、大当たり報知演出が実行されてしまうことが懸念される。このため、実際に磁気カードがカード挿入口903に挿入されている状態でしか出力されない信号、すなわち磁気カードがカード挿入口903に挿入されていることを認識可能な信号を検出対象として用いて、大当たり報知演出を実行するタイミングを検出する構成とすることが好ましい。
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
手段1.所定の契機に基づき抽選を行い、当該抽選により当選結果が得られた場合に遊技者にとって有利な特定の遊技状態を付与する主制御手段と、
遊技媒体を払出可能な払出手段と、
前記払出手段を制御する払出制御手段とを備え、
遊技者の操作に基づいて遊技媒体の貸出しを要求する貸出指示装置と電気的に接続され、
前記貸出指示装置からの貸出要求に基づき、前記払出手段から遊技媒体を払出すことにより、遊技者に遊技媒体を貸出可能な遊技機であって、
遊技者の特定の操作に起因して前記貸出指示装置から出力される特定信号を入力した場合に、特定条件が成立しているか否かを判定する条件判定手段と、
前記特定条件が成立している場合において、特定演出を実行する特定演出実行手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、遊技者にとって不利益的な行為である場合が多い、貸出指示装置を操作する行為(例えば、遊技媒体の貸出しを受けるための貸出操作手段の操作等)に起因して、貸出指示装置から出力される特定信号を入力した場合に、特定条件が成立しているか否かを判定し、当該特定条件が成立している場合には、特定演出が実行される。これにより、遊技者が自身に不利益的な特定の操作(特定の行為)を貸出指示装置に関連して行う毎に、特定演出が行われるかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。結果として、貸出指示装置を操作する際に、興趣が低下してしまうおそれを低減することができる。
なお、「特定の遊技状態の付与」には、例えば、遊技者が多くの賞球を獲得可能な特別遊技状態(大当たり状態)の発生や、大当たり抽選の際の大当たり当選確率が高まる高確率状態(高確率モード)への移行などが含まれる。また、「特定の遊技状態の付与」は1つの特定の遊技状態の付与に限定されるものではなく、複数の特定の遊技状態の付与であってもよい。例えば第一の特定の遊技状態としての大当たり状態の付与後に、第二の特定の遊技状態としての高確率モードが付与される構成としてもよい。
上記「遊技媒体」としては、例えば「遊技球」などが一例に挙げられる。
上記「所定の契機」としては、例えば「所定の発射手段により発射される遊技球の挙動に起因して発生する」契機などが一例に挙げられる。
また、上記「貸出指示装置」としては、例えば「所定の記憶媒体に記憶された情報を読取るとともに、遊技者の操作に基づいて遊技球の貸出しを要求する」構成となっているものが一例に挙げられる。
手段2.遊技媒体の貸出しを受けるために、遊技者により操作される貸出操作手段を備え、
当該貸出操作手段の操作が前記特定の操作に含まれることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
上記手段2の貸出操作手段は、遊技媒体の貸出しを受けるために、必ず操作しなければならない操作手段であり、貸出操作は、貸出指示装置を操作する行為の中でも一際、遊技者が不利益感を抱きやすい行為である。従って、上記手段1の作用効果がより顕著に奏される。
勿論、「遊技者の特定の操作」には、貸出操作の他にも、貸出指示装置への記憶媒体の受付操作(例えば記憶媒体としてのカードを貸出指示装置へ投入する行為)や、遊技者が記憶媒体の返却を求める際に行う返却操作手段の操作などが含まれる。また、「遊技者の特定の操作」は1つの操作に限定されるものではなく、複数の操作(例えば貸出操作及び返却操作の両操作)のいずれもが特定の操作に該当する構成としてもよい。つまり、複数の操作(例えば貸出操作又は返却操作)に起因して貸出指示装置から出力されるいずれか1つの信号を入力した場合に、条件判定手段が、特定条件が成立しているか否かを判定する構成としてもよい。
なお、貸出操作手段や返却操作手段等、貸出指示装置に関連する操作手段とは別に、演出専用の操作手段(プッシュボタン等)を備え、各種演出を行う遊技機もあるが、一般的に、このような演出専用の操作手段を絡めた演出は、当該操作手段を遊技者が操作しようが操作しまいが、抽選結果に基づく演出の結果に変化が生じるわけではない。そのため、遊技者は、遊技開始当初は、物珍しさから演出専用の操作手段を操作してこれを絡めた演出を意識的に行うものの、遊技時間、遊技回数を重ねるにつれ、次第に操作を行わなくなり、当該演出専用の操作手段を絡めた演出が全く行われなくなってしまうおそれもある。結果として、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、貸出操作手段や返却操作手段等、貸出指示装置に関連する操作手段は、遊技を開始、継続、終了等する際に必ず操作しなくてはならないものである。したがって、遊技者が演出の実行を意識するしないに関わらず、遊技者が貸出指示装置に対して特定の操作を行った際に特定演出が行われ得る。結果として、演出が行われなくなることによる興趣の低下を抑制することができる。
さらに、貸出操作等、遊技者が自身に不利益的な行為を行った際に、自身に有利な特定演出が行われ得ることで、通常の演出専用の操作手段を遊技者が意識して操作し演出が実行される場合に比べて、その反動による遊技者の高揚感は計り知れない。結果として、興趣が著しく向上する。
手段3.少なくとも前記特定の遊技状態が付与されることが、前記抽選の結果により決定されていることを条件に、前記特定条件が成立することを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
上記手段3によれば、少なくとも特定の遊技状態が付与されることが、特定演出が行われる条件となる。換言すれば、特定演出が行われた際には必ず特定の遊技状態が付与される。従って、上記手段1、2の作用効果がより顕著に奏される。
より具体的な構成としては、以下の手段4、手段5、手段6等に示す構成などが挙げられる。
手段4.複数の識別情報を変動表示可能な表示手段と、
前記表示手段において、前記識別情報の変動表示を行い、前記抽選の結果に基づく停止態様で前記識別情報の停止表示を行う表示制御手段とを備え、
前記表示手段にて行われる又は行われている変動表示が、前記特定の遊技状態の付与決定を示す停止態様に至る変動表示であることを条件に、前記特定条件が成立した場合には、前記特定演出として、前記特定の遊技状態が付与されることを報知する報知演出を行うことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
ここでいう報知演出は、特定の遊技状態が付与されることを明示する演出に限らず、その旨をほのめかす示唆的な演出であってもよい。例えば、特定の遊技状態が付与される期待度の高いスーパーリーチ演出等を行うことなどが挙げられる。
手段5.複数の記憶領域を有し、少なくとも前記抽選の結果を順次記憶可能な保留記憶手段と、
複数の識別情報を変動表示可能な表示手段と、
前記表示手段において、前記識別情報の変動表示を行い、前記抽選の結果に基づく停止態様で前記識別情報の停止表示を行う表示制御手段と、
少なくとも前記複数の記憶領域のいずれかに、前記特定の遊技状態を付与する旨の抽選結果が記憶されていることを条件として、前記特定条件が成立した場合には、前記特定演出実行手段は、前記特定の遊技状態を付与する旨の抽選結果が記憶される前段階に記憶された抽選結果に基づいて行われる識別情報の変動表示において、前記特定演出として、後段階に記憶された抽選結果に基づいて行われる識別情報の変動表示において前記特定の遊技状態が付与されることを示唆する前兆演出を行うことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
この場合、例えば連続する複数回の変動表示において前記前兆演出を行う構成としてもよい。
手段6.第一の特定の遊技状態(例えば大当たり状態)の付与が決定した後に、第二の特定の遊技状態(例えば高確率モード)の付与がなされるか否かの付与演出(例えばモード昇格演出)を行う構成であって、
前記第二の特定の遊技状態が付与されることが前記抽選の結果により決定されており、かつ、前記付与演出が行われる状態又は行われている状態となっていることを条件に、前記特定条件が成立した場合には、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第二の特定の遊技状態が付与されることを報知する第二報知演出を行うことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段6のように、第二の特定の遊技状態(例えば高確率モード)の付与がなされるか否かの付与演出を行う構成であっても、一般的に、第二の特定の遊技状態が付与されるか否かの決定は、例えば第一の特定の遊技状態(大当たり状態)の抽選とともに、すでに決定されているため、それを知っている遊技者の中には、通常の演出専用ボタンに絡めた付与演出において当該ボタンを操作しない遊技者も少なくない。
また、第一の特定の遊技状態の付与決定後においては、当該遊技状態中における遊技で使用する遊技媒体を確保するため、手持ちの遊技媒体(持ち球)のない遊技者又は手持ちの遊技媒体(持ち球)の少ない遊技者は、貸出指示装置を操作して遊技媒体の貸出しを受けることとなる。つまり、第一の特定の遊技状態の付与決定後は、付与未決定の段階に比べ、貸出指示装置に対して特定の操作がなされる可能性が高い。
したがって、上記第二報知演出が行われることによって、付与演出中における興趣が飛躍的に向上する。
手段7.前記特定信号の入力に基づいて、前記特定演出を実行するか否かの抽選を行う演出用抽選手段を備え、
少なくとも前記演出用抽選手段によって前記特定演出を実行する旨の抽選結果が得られたことを条件に、前記特定条件が成立することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
仮に、特定の遊技状態の付与が決定されている場合において、貸出指示装置に関連する特定の操作を行った場合に、常に特定演出が行われる構成になっていると、遊技者は、特定の操作を行った時点で、特定演出が行われなかった場合には、特定の遊技状態が付与されないことを察知できてしまう。この点、本手段のように、特定演出を実行するか否かの抽選を行う演出用抽選手段を備え、ある程度の割合で特定演出が実行される構成となっている方が、興趣の低下を招きにくい。
手段8.前回の前記特定の遊技状態の終了からの特定事象(識別情報の変動表示回数、貸出操作手段の操作回数など)の発生回数を計数する計数手段を備え、
少なくとも前記特定事象の発生回数が所定回数以上となることを条件として、前記特定条件が成立することを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
例えば、前回の特定の遊技状態(例えば大当たり状態)の終了から非常に長い期間、次の特定の遊技状態が付与されなかった場合などにおいては、変動表示回数や貸出操作手段の操作回数が多ければ多いほど、遊技者は、ますます特定の操作を行うことを不愉快に感じ得るようになる。このような場合に特定演出が行われ得るようにすれば、当該特定演出による興趣が飛躍的に向上する。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。