以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。図2は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図2では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。内枠12は、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられているとともに、下皿ユニット13を除く範囲に対応して、前面枠セット14が、内枠12に対して開閉可能に取り付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。なお、符号24はスピーカからの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出する球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。一方、下皿15の上方においては、球受皿としての上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置(発射手段)の方へ導出する球受皿である。
また、図2において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30(図3参照)が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図3を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1入球手段としての第1契機対応ユニット(作動口)33A、第2入球手段としての第2契機対応ユニット(作動口)33B、第1契機対応ゲート34A、第2契機対応ゲート34B、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、契機対応ユニット33A,33Bに遊技球が入球(入賞)すると、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、契機対応ユニット33A,33B)に入賞しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
契機対応ユニット33A,33Bは、一対の開閉部材を備えており、当該開閉部材が所定条件の成立に応じて開閉動作するように構成されている。これにより、契機対応ユニット33A,33Bは、遊技球が入球困難な閉状態と、遊技球が入球容易な開状態とに切換り可能となる。契機対応ユニット33A,33Bは、例えば、通常モード時には開閉部材が開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。
可変表示装置ユニット35には、第1契機対応ゲート34Aへの遊技球通過をトリガとして普通図柄を変動表示する第1普通図柄表示装置41Aと、第2契機対応ゲート34Bへの遊技球通過をトリガとして普通図柄を変動表示する第2普通図柄表示装置41Bと、第1契機対応ユニット33Aへの遊技球入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する第1表示手段としての第1特別表示装置43Aと、第2契機対応ユニット33Bへの遊技球入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する第2表示手段としての第2特別表示装置43Bと、これら特別表示装置43A,43Bによる変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
第1普通図柄表示装置41Aは、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第1契機対応ゲート34Aを通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33Aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この第1普通図柄表示装置41Aは、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、第1普通図柄表示装置41Aによる普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第1契機対応ゲート34Aを通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44Aにて点灯表示されるようになっている。
同様に、第2普通図柄表示装置41Bは、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応ゲート34Bを通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合に第2契機対応ユニット33Bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この第2普通図柄表示装置41Bは、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、第2普通図柄表示装置41Bによる普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応ゲート34Bを通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44Bにて点灯表示されるようになっている。
なお、普通図柄は、複数のランプの点灯態様を切換えることにより変動表示される構成の他、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。保留ランプ44A,44Bも同様に、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成であってもよい。
特別表示装置43A,43Bは、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。特別表示装置43A,43Bは、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。そして、これら特別表示装置43A,43Bにより、大当たりか否かが確定的に表示される。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262によって表示内容が制御される。本実施形態では、装飾図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
装飾図柄表示装置42においては、第1特別表示装置43Aに対応する第1表示領域42Aと、第2特別表示装置43Bに対応する第2表示領域42Bとが設定されている。そして、各特別表示装置43A,43Bにて表示される結果に対応させるように、サブ制御装置262が、主制御装置261からのコマンドに基づき、表示領域42A,42Bにて行う補助的な表示内容を決定し、表示制御装置45に対し指示を出す。これに基づき、表示制御装置45は、当該決定された内容の表示を各表示領域42A,42Bにてそれぞれ行う。
図30(a)に示すように、各表示領域42A,42Bには、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして各表示領域42A,42Bに変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。
上記構成により、第1契機対応ユニット33Aに対し遊技球が入賞すると、第1特別表示装置43Aは、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。同様に、第2契機対応ユニット33Bに対し遊技球が入賞すると、第2特別表示装置43Bは、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。
高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。このとき赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)される際に、すなわち大当たり抽選に当選した場合に、特別遊技状態が発生する。ここで赤又は緑が大当たりを示す表示であり、本実施形態における特定態様(当たり停止表示)に相当する。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが後述する高確率モードであることを示す表示(態様)であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが後述する通常モードであることを示す表示(態様)である。
従って、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bが3色LEDを赤又は緑で決定表示する場合、これを受けて、装飾図柄表示装置42(第1表示領域42A又は第2表示領域42B)には、特定の図柄の組合わせが補助的に表示されることになる。そして、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bにて赤又は緑の決定表示が行われると、可変入賞装置32の大入賞口が開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。より詳しくは、規定時間(例えば30秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定ラウンド数(例えば15回)繰り返し開放される。
なお、第1特別表示装置43Aの変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33Aに入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。同様に、第2特別表示装置43Bの変動表示中に新たに遊技球が第2契機対応ユニット33Bに入賞した場合も、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる。これら保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態ではそれぞれ4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46A,46Bにて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bに入賞した場合も同様に、その分の変動表示についても保留されることとなる。
さて、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50は内レール構成部51と外レール構成部52とを有する。
内レール構成部51の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。
図2の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内する発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レール61とレールユニット50との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
また、図2中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。当該シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となっており、前面枠セット14を開放した状態(図2の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態(図1の状態)では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋(図示略)により、シャッタ68が押し開けられるようになっており、排出口67と上皿19とが連通された状態となる。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。
次に、前面枠セット14について図1を参照しつつ説明する。前面枠セット14には遊技領域(レールユニット50の内周部により略円形状に区画形成された領域)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。
また、前面枠セット14にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
なお、図面の開示は省略するが、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の補強板が設けられており、この補強板はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えている。より詳しくは、補強板の一部が後方に折り返されて前後2列のガラス保持溝が形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持されようになっている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を図4に基づいて詳しく説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主基板とサブ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で工具等を用いずとも着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
また、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図2では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
図5は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態における構成を示す背面図である。同図に示すように、遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図3参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、契機対応ユニット33A,33B(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30よりも下方の内枠12には、樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内する排出通路218が形成されている。従って、図5に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出する入賞感知機構(入球検出手段)などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、カウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は可変入賞装置32への入賞球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応ユニット33Aに対応する位置には第1入球検出手段としての第1契機対応ユニットスイッチ224Aが設けられ、第2契機対応ユニット33Bに対応する位置には第2入球検出手段としての第2契機対応ユニットスイッチ224Bが設けられ、第1契機対応ゲート34Aに対応する位置には第1契機対応ゲートスイッチ225Aが設けられ、第2契機対応ゲート34Bに対応する位置には第2契機対応ゲートスイッチ225Bが設けられている。
入賞口スイッチ221及び契機対応ゲートスイッチ225A,225Bは、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、カウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、契機対応ユニットスイッチ224A,224Bは中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放する大入賞口ソレノイドが設けられ、各契機対応ユニット33A,33Bには、開閉部材を開閉駆動する契機対応ユニットソレノイドが設けられている。なお、図5において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付ける取付機構が設けられている。さらに、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付ける取付機構が設けられている。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分ける遊技球分配部245が設けられている。また、内枠12の下端部には、下皿15に向けて設置された上記スピーカの背後を囲む樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
図4の説明に戻り、第1制御基板ユニット201は、主制御装置261と、サブ制御装置262とを具備している。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
また、サブ制御装置262は、主制御装置261(主基板)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板を具備しており、このサブ制御基板についても当該サブ制御基板に対応する基板ボックスに収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介してサブ制御装置262及び表示制御装置45に出力される。
第2制御基板ユニット202は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施形態では、前述のサブ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置(払出手段)358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は前記上皿19に供給される。また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するバイブレータ360が取り付けられており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりの解消が図られる。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
また、裏パックユニット203は、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
なお、本実施形態では、主制御装置261は、厳重に封印された基板ボックス263に格納されているため、主制御装置261に何らかの不正な信号を送ったりする等の不正行為は困難である。このため、主制御装置261によって直接的に制御される特別表示装置43A,43BのLEDを「赤」又は「緑」の大当たりの態様で不正に点灯させることは困難である。従って、装飾図柄表示装置42に大当たりとなったかのような表示を行わせるとともに、セルなどを用いて大入賞口を強制的に開放し、大当たりとなっていないにもかかわらず出玉を獲得するというような不正行為が行われる場合にも、特別表示装置43A,43Bの点灯態様を確認することによって、そのような不正行為が簡単に発見できる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理(図9参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理(図8参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図11の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33A、第2契機対応ユニット33B、第1特別表示装置43A、第2特別表示装置43B、第1普通図柄表示装置41A、第2普通図柄表示装置41B、その他図示しないスイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43A,43B及び普通図柄表示装置41A,41Bは、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。ここには後述する各種カウンタの値を格納するカウンタ用バッファが設けられている。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカ24、各種電飾部及びランプ102〜106が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上述したように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43A,43Bにて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43A,43Bの表示に合わせた表示が行われる。つまり、変動パターンコマンドは、特別表示装置43A,43Bにて行われる表示に合わせた表示を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理(図22参照)によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理(図22参照)において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図24参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドに基づいて装飾図柄表示装置42の表示を制御する。プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。ここには後述する各種カウンタの値を格納するカウンタ用バッファが設けられている。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図11のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。具体的には、図7に示すように、大当たりの抽選に使用する抽選用乱数カウンタとしての大当たり乱数カウンタC1と、大当たりに際し後述する高確率モード又は通常モードへの移行決定に使用するモード決定カウンタC2と、特別表示装置43A,43Bの変動表示時間の決定等に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、特別表示装置43A,43Bの変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41A,41Bの抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42(表示領域42A,42B)にて外れ変動させる際の変動パターンやリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42(表示領域42A,42B)の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43A,43Bの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42(表示領域42A,42B)における変動態様及び変動時間が決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての保留球格納エリアが、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3に対応して2つ(第1保留球格納エリア及び第2保留球格納エリア)、普通図柄乱数カウンタC4に対応して2つ(第3保留球格納エリア及び第4保留球格納エリア)設けられている。より詳しくは、第1保留球格納エリアの各エリアには、第1契機対応ユニット33Aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2保留球格納エリアの各エリアには、第2契機対応ユニット33Bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第3保留球格納エリアの各エリアには、第1契機対応ゲート34Aへの遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。第4保留球格納エリアの各エリアには、第2契機対応ゲート34Bへの遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり676)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、この大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値は、遊技球が第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bに入賞したタイミングで当該各契機対応ユニット33A,33Bに対応するRAM503の保留球格納エリア(第1保留球格納エリア又は第2保留球格納エリア)に格納される。大当たりとなる乱数の値は、低確率状態と高確率状態とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード(通常状態)と、当該通常モードよりも遊技者に有利な高確率モード(高確率状態)との間で切換設定される。
通常モードとは、高確率モードでない通常時の状態をいい、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率(通常確率)となっている状態をいう。当該通常モードは、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bにおいて「緑」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A又は第2表示領域42Bにおいて予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって大当たりとなり、その大当たり終了後に付与される。
高確率モードとは、大当たり確率が低確率状態(通常モード)時に比べアップした高確率の状態をいう。当該高確率モードは、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bにおいて「赤」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A又は第2表示領域42Bにおいて予め定められた確変図柄で停止表示されること)によって大当たりとなり、その大当たり終了後に付与される。以下の説明では適宜、装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A又は第2表示領域42Bにおいて確変図柄によって大当たりになった場合を「確変大当たり」といい、確変図柄以外の通常図柄によって大当たりになった場合を「通常大当たり」という。高確率モードは、通常、次回の大当たり獲得まで継続される。
高確率モードが設定されると、大当たり確率が高められ、高確率状態となるのであるが、これに加えて、本実施形態では(1)特別表示装置43A,43Bにおける変動表示時間を短くした状態(時間短縮状態)、(2)普通図柄表示装置41A,41Bにおける変動表示時間を短くした状態、(3)契機対応ユニット33A,33Bの開閉処理に関わる規定時間(開放時間)を通常モードに比べて長くした状態、又は、規定個数(入賞個数)を通常モードに比べて多くした状態、(4)普通図柄表示装置41A,41Bにおいて「○」図柄が停止表示される旨の当選結果が得られた場合一回につき行う契機対応ユニット33A,33Bの開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くした状態、(5)普通図柄表示装置41A,41Bにおいて「○」図柄が停止表示される確率(当選確率)を通常モード時の当選確率より高くした状態が付与される。より具体的には、第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bの開閉部材が開状態となり、規定時間(例えば3秒)の経過した場合又は規定個数(例えば3個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。そして、この開閉処理が2回繰り返し行われる。これによって、契機対応ユニット33A,33Bが頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が頻繁になされると共に、球持ちのよい状態となる。従って、上記(2)〜(5)の状態により、各契機対応ユニット33A,33Bにおける単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い状態(高入球状態)となる。但し、各契機対応ユニット33A,33Bの高入球状態としては、上記(2)〜(5)の構成の任意の組合せ(例えば(2)、(3)、(4)、(5)、(2)と(3)、(2)と(4)、(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)、(4)と(5)、(2)と(3)と(4)、(2)と(3)と(5)、(2)と(4)と(5)、(3)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)と(5))を採用できる。
モード決定カウンタC2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、モード決定カウンタC2によって、大当たり後、高確率モードへ移行させるか否かが決定されるようになっている。具体的には、カウンタの値が「1,3,5,7,9」という奇数であれば高確率モードへの移行が決定され、「0,2,4,6,8」という偶数であれば通常モードへの移行が決定される。なお、ここでは移行という文言を用いたが、もともと高確率モードにある場合にカウンタ値が奇数であれば高確率モードが継続されることになり、もともと通常モードにある場合にカウンタ値が偶数であれば通常モードが継続されることになる。モード決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、モード決定カウンタC2の値がモード決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bに入賞したタイミングで、モード決定カウンタバッファに格納されているモード決定カウンタC2の値が、第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bに対応する第1保留球格納エリア又は第2保留球格納エリアに格納される。
また、変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタC3の値が変動選択カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値が、第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bに対応する第1保留球格納エリア又は第2保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図7中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり250)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第1契機対応ゲート34A又は第2契機対応ゲート34Bを通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。一方、高確率モード時、つまり契機対応ユニット33A,33Bが高入球状態にある場合において、その値は224あり、その範囲は「5〜228」である。その結果、普通図柄表示装置41A,41Bにおける「○」図柄の停止確率が通常モードに比べ高くなる。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、第1契機対応ゲート34A又は第2契機対応ゲート34Bに対応する第1普通図柄表示装置41A又は第2普通図柄表示装置41Bにおいて変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第1普通図柄表示装置41A又は第2普通図柄表示装置41Bに対応する第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bが所定時間の間、作動状態となる。また、高確率モード中においては、普通図柄表示装置41A,41Bにおいて抽選の結果が表示されるまでの時間(普通図柄の変動表示時間)が短縮される等して、契機対応ユニット33A,33Bが高入球状態となる割合が多くなる。これによって、契機対応ユニット33A,33Bが頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が頻繁になされるようになる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理をフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図10は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図10において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、変動選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1契機対応ユニット33Aへの遊技球入賞に伴う第1始動入賞処理を実行し、ステップS305では、第2契機対応ユニット33Bへの遊技球入賞に伴う第2始動入賞処理を実行し、ステップS306では、第1契機対応ゲート34Aへの遊技球通過に伴う第1ゲート通過処理を実行し、ステップS307では、第2契機対応ゲート34Bへの遊技球通過に伴う第2ゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の第1始動入賞処理について図12のフローチャートを参照して説明する。ステップS501では、遊技球が第1契機対応ユニット33Aに入賞したか否かを第1契機対応ユニットスイッチ224Aの検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応ユニット33Aに入賞したと判別されると、続くステップS502では、第1特別表示装置43Aの始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応ユニット33Aへの入賞があり、且つ始動保留球数N<4であることを条件にステップS503に進み、始動保留球数Nをインクリメントする。
また、続くステップS504では、当落に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の各値を、RAM503の第1保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、第1始動入賞処理を一旦終了する。従って、この始動入賞処理の機能により本実施形態における第1抽選手段(第1当落抽選処理)の一部やモード決定手段の一部が構成される。
ステップS305の第2始動入賞処理では、ステップS304の第1始動入賞処理と同様の処理が行われる。従って、詳細な説明は省略するが、上記第1始動入賞処理の説明において「第1契機対応ユニット33A」を「第2契機対応ユニット33B」、「第1契機対応ユニットスイッチ224A」を「第2契機対応ユニットスイッチ224B」、「第1特別表示装置43A」を「第2特別表示装置43B」、「第1保留球格納エリア」を「第2保留球格納エリア」と置き換えることで、第2始動入賞処理の説明を行うことができる。従って、この始動入賞処理の機能により本実施形態における第2抽選手段(第2当落抽選処理)の一部が構成される。
ステップS306の第1ゲート通過処理について図13のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球が第1契機対応ゲート34Aを通過したか否かを第1契機対応ゲートスイッチ225Aの検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応ゲート34Aを通過したと判別されると、続くステップS602では、第1普通図柄表示装置41Aの保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応ゲート34Aへの通過があり、且つ保留球数N<4であることを条件にステップS603に進み、保留球数Nを1インクリメントする。また、続くステップS604では、当落に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の第3保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、第1ゲート通過処理を一旦終了する。
ステップS307の第2ゲート通過処理では、ステップS306の第1ゲート通過処理と同様の処理が行われる。従って、詳細な説明は省略するが、上記第1ゲート通過処理の説明において「第1契機対応ゲート34A」を「第2契機対応ゲート34B」、「第1契機対応ゲートスイッチ225A」を「第2契機対応ゲートスイッチ225B」、「第1普通図柄表示装置41A」を「第2普通図柄表示装置41B」、「第3保留球格納エリア」を「第4保留球格納エリア」と置き換えることで、第2ゲート通過処理の説明を行うことができる。
図11は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図11のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS105で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS113へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS106でRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS113へ移行する。
ステップS113の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS104:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S212の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS214,ステップS215のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43A,43Bや契機対応ユニット33A,33B等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示領域42A,42Bにおける変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42の表示領域42A,42Bにおいて表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、例えば第1表示領域42A用に「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、第2表示領域42B用に「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブル(図28参照)で記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを実行する。なお、本実施形態では、高確率モードとなると上述したように変動表示時間が短縮状態となるのであるが、この時間短縮制御の一例としては、例えば変動表示時間の異なる同種の変動パターンコマンドを通常モード用と高確率モード用にそれぞれ設けておき、変動パターン選択時において、これらの変動パターンコマンドを各遊技モードに合わせて選択する構成などが挙げられる。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには、第1表示領域42A用に「FF11」が設定され、第2表示領域42B用に「FD11」が設定される。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば第1表示領域42A用に「FF12」、第2表示領域42B用に「FD12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば第1表示領域42A用に「FF13」、第2表示領域42B用に「FD13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば第1表示領域42A用に「FF14」、第2表示領域42B用に「FD14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば第1表示領域42A用に「FF15」、第2表示領域42B用に「FD15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば第1表示領域42A用に「FF16」、第2表示領域42B用に「FD16」が設定される。
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドには第1表示領域42A用に「FF10」、第2表示領域42B用に「FD10」が変動パターンコマンドに設定される。
但し、高確率モード時において通常大当たり当選した際には必ずチャンスタイム演出に対応する変動パターンコマンド(チャンスタイム演出パターン)が設定される。当該変動パターンコマンドとしては、第1表示領域42A用に「FF20」、第2表示領域42B用に「FD20」が設定される。後述するようにチャンスタイム演出は、チャンスタイム中において装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A又は第2表示領域42Bにおいて行われる演出(変動パターン)である〔図30(b)参照〕。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
図9の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1特別表示装置制御処理を実行する。この処理では、第1特別表示装置43Aにおいてどのような制御を行うか当該第1特別表示装置43Aの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や、装飾図柄表示装置42の第1表示領域42Aにおける装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第1特別表示装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、第2特別表示装置制御処理を実行する。この処理では、第2特別表示装置43Bにおいてどのような制御を行うか当該第2特別表示装置43Bの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や、装飾図柄表示装置42の第2表示領域42Bにおける装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第2特別表示装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。この可変入賞装置制御処理の機能により本実施形態における特別遊技状態発生手段(発生処理)が構成される。
ステップS208では、第1普通図柄表示装置制御処理を実行する。この処理では、第1普通図柄表示装置41Aにおいてどのような制御を行うか当該第1普通図柄表示装置41Aの制御内容の設定などが行われる。この第1普通図柄表示装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、第2普通図柄表示装置制御処理を実行する。この処理では、第2普通図柄表示装置41Bにおいてどのような制御を行うか当該第2普通図柄表示装置41Bの制御内容の設定などが行われる。この第2普通図柄表示装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS210では、第1契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、第1契機対応ユニット33Aにおいてどのような制御を行うか当該第1契機対応ユニット33Aの制御内容の設定が行われる。この第1契機対応ユニット制御処理の詳細は後述する。
ステップS211では、第2契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、第2契機対応ユニット33Bにおいてどのような制御を行うか当該第2契機対応ユニット33Bの制御内容の設定が行われる。この第2契機対応ユニット制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS212において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS213で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS214,ステップS215)。
つまり、ステップS214では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS215では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S212の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS212:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS216以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS216において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS217において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS218において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS219において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS220でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS221でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS212の処理は、ステップS201〜S211で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS214,S215の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS216)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1特別表示装置制御処理について図14のフローチャートを参照して説明する。
図14において、ステップS801では、後述する大当たりフラグを参酌して、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中と大当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。
続くステップS802では、後述する第1特別表示タイマの設定状況を見て第1特別表示装置43Aによる色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第1特別表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1特別表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS803に進み、第1始動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は第1始動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。なお、第1始動保留球数Nとは、上述したように第1契機対応ユニット33Aへの遊技球の通過履歴に合わせて、第1保留球格納エリアに格納された変動表示の保留数である。
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ第1始動保留球数N>0であれば、ステップS804に進む。ステップS804では、第1始動保留球数Nから1を減算する。ステップS805では、第1保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS806では、変動表示設定処理を実行する。ここで、図15のフローチャートを用いて変動表示設定処理の詳細を説明する。
変動表示設定処理では、先ずステップS900において大当たり判定値設定処理を実行する。ここで、図16のフローチャートを用いて大当たり判定値設定処理の詳細を説明する。
ステップS1001では、後述するチャンスタイム中フラグを参酌して、現在、チャンスタイム中であるか否かを判別する。但し、チャンスタイム中フラグは、後述するように第1特別表示装置43A及び第2特別表示装置43Bそれぞれに対応して1つずつ、第1チャンスタイム中フラグ及び第2チャンスタイム中フラグとして設けられている。ステップS1001では、第1チャンスタイム中フラグ又は第2チャンスタイム中フラグのいずれか一方が、チャンスタイム中を示していれば、肯定判別される。
ステップS1001で、チャンスタイム中でないと判別された場合には、ステップS1002において、後述する高確率モードフラグを参酌して、高確率モード中であるか否かを判別する。ここで、高確率モード中でないと判別された場合には、ステップS1003において、低確率時の当たり値を大当たり判定用バッファに設定し、本処理を終了する。一方、チャンスタイム中(ステップS1001:YES)又は高確率モード中(ステップS1002:YES)であると判別された場合には、ステップS1004において、高確率時の当たり値を大当たり判定用バッファに設定し、本処理を終了する。具体的には、前述した通り低確率時(ステップS1003)では「337,673」が当たり値として設定され、高確率時(ステップS1004)では「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値として設定される。なお、後述するように、本実施形態ではチャンスタイムが設定されるが、当該チャンスタイム中でも、遊技モードは通常モード又は高確率モードに切換わる構成となっている。従って、一旦チャンスタイムが発生すると、仮に遊技モードが高確率モードから通常モードに切換わったとしても、当該チャンスタイムが終了するわけでない。つまり、チャンスタイムは、遊技モードの切換わりとは関係なく、予め設定された終了時期まで継続されるものである。しかしながら、図16を見ても分かるとおり、チャンスタイム中であれば、通常モードであっても、高確率時の当たり値が設定されることとなる。
図15の説明に戻り、ステップS901では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、前記大当たり判定用バッファに設定された当たり値とを比較して、大当たりか否かを判別する。従って、この処理の機能により本実施形態における第1抽選手段(第1当落抽選処理)の一部が構成される。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS901:YES)、ステップS902へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS901:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS914へ移行する。
ステップS902では、確変大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、大当たりとなった場合、それぞれ1/2の確率で高確率モード又は通常モードへ移行するように構成されている。具体的には、高確率モードへ移行させるか否かは、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて判断される。格納されているモード決定カウンタC2の値が、数値0〜9のうち奇数「1,3,5,7,9」であるならば高確率モードへの移行が決定され(確変大当たり)、偶数「0,2,4,6,8」であるならば通常モードへの移行が決定される(通常大当たり)。従って、ステップS902の処理機能により本実施形態におけるモード決定手段の一部が構成される。
ここで確変大当たりであると判断された場合(ステップS902:YES)、ステップS904にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS905にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS922へ移行する。
一方、ステップS902で確変大当たりでないと判断された場合(ステップS902:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、ステップS907にて、後述する高確率モードフラグを参酌して、現在、高確率モード中であるか否かを判別する。
ステップS907にて高確率モード中と判別された場合には、ステップS908にて、後述するチャンスタイム中フラグを参酌して、現在、チャンスタイム中であるか否かを判別する。なお、ここでは、第1チャンスタイム中フラグ又は第2チャンスタイム中フラグのいずれか一方が、チャンスタイム中を示していれば、肯定判別される。
ステップS907にて高確率モード中でないと判別された場合、又は、ステップS908にて既にチャンスタイム中であると判別された場合には、ステップS909にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS910にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS922へ移行する。
ステップS908にてチャンスタイム中でないと判別された場合には、チャンスタイム開始時とみなし、ステップS911にて変動パターンとしてチャンスタイム演出パターンを決定し、ステップS912にてチャンスタイム中フラグを設定し、ステップS913にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定し、ステップS922へ移行する。なお、チャンスタイム中フラグとは、後述するチャンスタイム中であるか否かを判別するための判別情報である。但し、チャンスタイム中フラグは、第1特別表示装置43A及び第2特別表示装置43Bそれぞれに対応して1つずつ、第1チャンスタイム中フラグ及び第2チャンスタイム中フラグとして設けられている。ステップS912のチャンスタイム中フラグ設定処理では、第1特別表示装置43Aに対応する第1チャンスタイム中フラグのフラグ値にチャンスタイムの発生を示す「1」が設定される。従って、ステップS901、ステップS902、ステップS912等の機能により本実施形態における遅延手段が構成される。
上記ステップS904,ステップS909では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、各遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。
ここで、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図29(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」又は「FD11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」」又は「FD12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」」又は「FD13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」」又は「FD14」(スーパーリーチSR3)が設定される。CS1=197,198かつCS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」」又は「FD15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。CS1=197,198かつCS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」」又は「FD16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。但し、高確率モード中の通常大当たり時においては、図29(c)に示すような高確率モード中・通常大当たり時テーブルによって、変動種別カウンタCS1,CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF20」」又は「FD20」(チャンスタイム演出パターン)が設定される。このチャンスタイム演出パターンは、チャンスタイム中に装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A又は第2表示領域42Bにおいて行われる変動パターンである(図30参照)。チャンスタイム演出パターンに基づき行われるチャンスタイム演出は、高確率モード中に通常大当たり当選した場合に、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bにおいて当該当選に係る変動表示が行われるのに合わせて、装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A又は第2表示領域42Bにおいて行われる演出である。チャンスタイム演出パターンに対応して設定される変動表示時間は、本実施形態における変動パターンの中で最も長い10分となっている。つまり、チャンスタイムが10分間設定されることとなる。従って、チャンスタイム演出パターンに対応して第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bにて行われる変動表示が本実施形態における特定当選変動表示に相当し、チャンスタイム演出パターンに対応して設定される変動表示時間(10分間)が特定変動時間に相当する。なお、上述した高確率モード中の通常大当たりに対し、高確率モード中の確変大当たり時においては、高確率モード中・確変大当たり時テーブルによってその変動パターンが選ばれる。そして、これにより選出される高確率モード中・確変大当たり時の変動パターンに対応する変動表示時間は、本実施形態における変動パターンの中で最も短い5秒となっている。
また、ステップS905,ステップS910,ステップS913における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するようにサブ制御装置262が行う。具体的には、確変図柄の組合わせを示す「A1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS905)、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。一方、通常図柄の組合わせを示す「A2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS910,ステップS913)、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。
また、ステップS901にて否定判断された場合に移行するステップS914では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動選択カウンタC3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS914:YES)、ステップS915へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS914:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS920にて外れ変動パターンを決定し、ステップS921にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS922へ移行する。
ステップS915では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS915:YES)、ステップS916にて外れ変動パターンを決定し、ステップS917にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS922へ移行する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS915:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS918にて外れ変動パターンを決定し、ステップS919にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS922へ移行する。
上記ステップS916,ステップS918,ステップS920で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904等と同様である。
ここで、第1変動種別カウンタCS1等の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の前後外れリーチ時においては、図29(b)に示すような通常モード中前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」又は「FD11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」又は「FD12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」又は「FD13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」又は「FD15」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(C3=2〜21)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」又は「FD11」が設定される。また、完全外れ時(C3=22〜238)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらず、変動パターンコマンドに「FF10」又は「FD10」が設定される。
また、ステップS917,ステップS919,ステップS921における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS917)、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS919)、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS921)、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
さて、ステップS922では、第1特別表示装置43Aにおいて色換え表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、第1特別表示タイマの設定処理が行われる。第1特別表示タイマとは、第1特別表示装置43Aの変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には10000msecと設定される。そして、後述するように第1特別表示タイマは通常処理が1回行われる毎に4msecずつ減算されていく。なお、本実施形態における第1特別表示装置43Aの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1特別表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第1特別表示装置43Aに対し色換え表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、第1特別表示装置43Aにおいて色換え表示が開始される。第1特別表示装置43Aは上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。そして、ステップS922の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図14の説明に戻り、ステップS802がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS807に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば、10000msecの第1特別表示タイマが設定された場合には、当該第1特別表示タイマの設定された回の次回の通常処理における表示タイマ減算処理において第1特別表示タイマの値は9996msecとなる。
続いてステップS808に進み、上記減算後の第1特別表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1特別表示タイマの値が「0」となった時にステップS808が肯定判別される。ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において上記第1特別表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS810において第1特別表示装置43Aにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第1特別表示装置43Aに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、高確率モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には赤色を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、通常モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には緑色を停止表示させ、外れである場合には青色を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような第1特別表示装置43による停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42の第1表示領域42Aによる装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
続いてステップS811に進み、判別情報設定処理を行う。ここで、判別情報設定処理について図17を参照して詳しく説明する。
先ずステップS1101では、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する。ここで停止表示が大当たりに対応する場合にはステップS1102において大当たり設定を行い、ステップS1103へ移行する。一方、大当たりに対応しない、すなわち外れである場合には、そのまま本処理を終了する。なお、ステップS205の第1特別表示装置制御処理におけるステップS1102の大当たり設定処理は、ステップS206の第2特別表示装置制御処理に対して、本実施形態の割込み発生手段を構成する。
大当たり設定処理では、大当たりフラグ、入賞装置可変フラグ、入賞装置可変タイマ及びラウンド数カウンタの設定処理、及び高確率モードフラグのリセット処理を行う。
大当たりフラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される。大当たりフラグの値は、上述したように大当たり乱数カウンタC1の値と、大当たり判定用バッファに設定された当たり値とに基づき決定される。
入賞装置可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
入賞装置可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
ラウンド数カウンタとは、後述するように大当たり状態中に実行されるラウンド数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」が値として設定される。
また、高確率モードフラグのリセット処理では、後述する高確率モードフラグをリセットする(「0」にする)処理を行う。
ステップS1103では、第1特別表示装置43Aに対応する第1チャンスタイム中フラグを参酌して、チャンスタイム中であるか否かを判別する。ここで、チャンスタイム中でないと判別された場合、すなわち装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A側にて、チャンスタイム演出が行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、チャンスタイム中であると判別された場合、すなわち装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A側にて、チャンスタイム演出が行われている場合には、ステップS1104にて、第1チャンスタイム中フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、本処理を終了する。
図14の説明に戻り、ステップS811の判別情報設定処理の終了後、第1特別表示装置制御処理を終了する。また、上記ステップS808で否定判別された場合には、ステップS812において、第1特別表示装置43AのLEDの色換え表示(変動表示)を継続して行うための色換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この色換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第1特別表示装置43Aに対し色換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行うよう設定する。これによって、第1特別表示装置制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に第1特別表示装置43AのLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。
ステップS206の第2特別表示装置制御処理では、ステップS205の第1特別表示装置制御処理と同様の処理が行われる。従って、第1特別表示装置制御処理の説明において「第1契機対応ユニット33A」を「第2契機対応ユニット33B」、「第1特別表示装置43A」を「第2特別表示装置43B」、「第1保留球格納エリア」を「第2保留球格納エリア」、「第1特別表示タイマ」を「第2特別表示タイマ」、「第1始動保留球数」を「第2始動保留球数」、「装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A」を「装飾図柄表示装置42の第2表示領域42B」、「第1チャンスタイム中フラグ」を「第2チャンスタイム中フラグ」と置き換えることで、第2特別表示装置制御処理の説明を行うことができる。従って、この第2特別表示装置制御処理の機能により本実施形態における第2抽選手段(第2当落抽選処理)の一部が構成される。また、ステップS206の第2特別表示装置制御処理における上記ステップS1102の大当たり設定処理は、ステップS205の第1特別表示装置制御処理に対して、本実施形態の割込み発生手段を構成する。
次に上記ステップS207の可変入賞装置制御処理について図18のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201において可変入賞装置32の入賞装置可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、入賞装置可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように入賞装置可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS1201の判別処理に際しては、入賞装置可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、入賞装置可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この入賞装置可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。入賞装置可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、入賞装置可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
一方、上記ステップS1201において肯定判別された場合、すなわち入賞装置可変フラグがオンである場合は可変入賞装置32が開状態であるとみなし、ステップS1202において入賞装置可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に入賞装置可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS1203に進み、上記減算後の入賞装置可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち入賞装置可変タイマの値が「0」となった時にステップS1203が肯定判別される。そして、ステップS1203で肯定判別された場合にはステップS1204へ移行する。
また、ステップS1203で否定判別された場合には、ステップS1205において可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS1204へ移行する。一方、ステップS1205で否定判別された場合、すなわち可変入賞装置32への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、可変入賞装置32は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS1204に進み、上記ラウンド数カウンタの値を参酌して可変入賞装置32の開放回数、すなわち実行したラウンド数が規定回数の達したか(ラウンド数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、ラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1206において、ラウンド数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。なお、15ラウンド全てにおいて、可変入賞装置32が規定時間まで開放した場合には、大当たりの発生期間は15(ラウンド)×30(秒)=450秒となる。従って、この450秒が、本実施形態における、大当たり一回分の発生期間の最長設定期間に相当する(但し、各ラウンド間の待機時間は除く)。
一方、ステップS1204において、ラウンド数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1207の終了設定処理では、上記入賞装置可変フラグ及び入賞装置可変タイマのリセット処理(解除処理)、大当たりフラグのリセット処理、ラウンド数カウンタのリセット処理、高確率モードフラグの設定処理などが行われる。
より詳しくは、入賞装置可変フラグ及び入賞装置可変タイマのリセット処理により、入賞装置可変フラグ及び入賞装置可変タイマが解除(オフ)される。
大当たりフラグのリセット処理では、大当たり状態の終了を示す「0」がフラグ値として設定される。
ラウンド数カウンタのリセット処理により、ラウンド数カウンタが解除(オフ)される。
高確率モードフラグとは、遊技モードが上記高確率モードか否かを判別するための判別情報であり、前記高確率モードフラグの設定処理では、第1保留球格納エリア又は第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて、フラグ値の切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、高確率モードの発生を示す「1」がフラグ値として設定され、通常モードが設定される場合(通常大当たり)には、通常モードの発生を示す「0」がフラグ値として設定される。従って、前記高確率モードフラグの設定処理の機能や、前述したステップS1102のフラグリセット処理の機能により本実施形態におけるモード切換設定手段が構成される。
次に、前記ステップS208の第1普通図柄表示装置制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。
図19において、ステップS2101では、第1普通図柄表示タイマの設定状況を見て第1普通図柄表示装置41Aによる切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第1普通図柄表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1普通図柄表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、変動表示中でもない場合、ステップS2102に進み、第1保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、第1保留球数Nが0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ第1保留球数N>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、第1保留球数Nから1を減算する。ステップS2104では、第3保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第3保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、第1普通図柄表示装置41Aにおいて切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは第1普通図柄表示装置41Aの第1普通図柄表示タイマの設定処理が行われる。第1普通図柄表示タイマとは、第1普通図柄表示装置41Aの変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における第1普通図柄表示装置41Aの変動表示時間は、上述したように高確率モードと通常モードとでそれぞれ予め設定されている。このような第1普通図柄表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第1普通図柄表示装置41Aに対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、第1普通図柄表示装置41Aにおいて切換表示が開始される。上述したように第1普通図柄表示装置41Aは、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第1普通図柄表示装置制御処理を終了する。
さて、ステップS2101がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1普通図柄表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2107に進み、上記減算後の第1普通図柄表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1普通図柄表示タイマの値が「0」となった時にステップS2107が肯定判別される。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において上記第1普通図柄表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS2109において第1普通図柄表示装置41Aにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第1普通図柄表示装置41Aに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、第3保留球格納エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、当選か否かは普通図柄乱数カウンタC4の値と、その時々の遊技モードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モードでは、普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値であり、高確率モードでは「5〜228」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第1契機対応ユニット33Aの開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第1ユニット可変フラグ、第1ユニット可変タイマ及び第1ユニット開放回数カウンタの設定処理を行う。
第1ユニット可変フラグとは、第1契機対応ユニット33Aが開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第1ユニット可変タイマとは、第1契機対応ユニット33Aの開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
第1ユニット開放回数カウンタとは、第1契機対応ユニット33Aの開閉処理の実行回数を判別するための判別情報である。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、第1普通図柄表示装置41Aの切換表示(変動表示)を継続して行うための切換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第1普通図柄表示装置41Aに対し切換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第1普通図柄表示装置制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に第1普通図柄表示装置41Aの切換表示(変動表示)が実現される。
ステップS209の第2普通図柄表示装置制御処理では、ステップS208の第1普通図柄表示装置制御処理と同様の処理が行われる。従って、詳細な説明は省略するが、第1普通図柄表示装置制御処理の説明において「第1普通図柄表示装置41A」を「第2普通図柄表示装置41B」、「第3保留球格納エリア」を「第4保留球格納エリア」、「第1普通図柄表示タイマ」を「第2普通図柄表示タイマ」、「第1契機対応ユニット33A」を「第2契機対応ユニット33B」、「第1ユニット可変フラグ」を「第2ユニット可変フラグ」、「第1ユニット可変タイマ」を「第2ユニット可変タイマ」、「第1ユニット開放回数カウンタ」を「第2ユニット開放回数カウンタ」と置き換えることで、第2普通図柄表示装置制御処理の説明を行うことができる。
次に上記ステップS210の第1契機対応ユニット制御処理について図20のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第1契機対応ユニット33Aの第1ユニット可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、第1ユニット可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように第1ユニット可変フラグとは、第1契機対応ユニット33Aが開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS2201の判別処理に際しては、第1ユニット可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、第1ユニット可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この第1ユニット可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第1契機対応ユニット33Aに対し各種制御信号が出力される。第1ユニット可変フラグがオンの場合には第1契機対応ユニット33Aに対し開閉部材を開放する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33Aが開状態となる。一方、第1ユニット可変フラグがオフの場合には第1契機対応ユニット33Aに対し開閉部材を閉鎖する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33Aが閉状態となる。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち第1ユニット可変フラグがオンである場合は第1契機対応ユニット33Aが開状態であるとみなし、ステップS2202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1ユニット可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第1ユニット可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第1ユニット可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。そして、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行する。
また、ステップS2203で否定判別された場合には、ステップS2205において第1契機対応ユニット33Aへ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS2204へ移行する。一方、ステップS2205で否定判別された場合、すなわち第1契機対応ユニット33Aへの入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、第1契機対応ユニット33Aは、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS2204に進み、上記第1ユニット開放回数カウンタの値を参酌して第1契機対応ユニット33Aの開放回数が規定回数の達したか(第1ユニット開放回数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、開放回数が規定回数に達していない場合には、ステップS2206において、第1ユニット開放回数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS2204において、開放回数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS2207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS2207の終了設定処理では、上記第1ユニット可変フラグ及び第1ユニット可変タイマのリセット処理(解除処理)、第1ユニット開放回数カウンタのリセット処理などが行われる。
より詳しくは、第1ユニット可変フラグ及び第1ユニット可変タイマのリセット処理により、第1ユニット可変フラグ及び第1ユニット可変タイマが解除(オフ)される。また、第1ユニット開放回数カウンタのリセット処理により、第1ユニット開放回数カウンタが解除(オフ)される。
なお、ステップS211の第2契機対応ユニット制御処理では、ステップS210の第1契機対応ユニット制御処理と同様の処理が行われる。従って、詳細な説明は省略するが、上記第1契機対応ユニット制御処理の説明において「第1契機対応ユニット33A」を「第2契機対応ユニット33B」、「第1ユニット可変フラグ」を「第2ユニット可変フラグ」、「第1ユニット可変タイマ」を「第2ユニット可変タイマ」、「第1ユニット開放回数カウンタ」を「第2ユニット開放回数カウンタ」と置き換えることで、第2契機対応ユニット制御処理の説明を行うことができる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図21を参照して受信割込み処理を説明し、その後図22を参照してメイン処理を説明する。
図21は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図23に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図22を参照して説明する。図22は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図23のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図24を参照して以下に説明する。
図24は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図21参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図23のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判定されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の処理について説明する。変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42(第1表示領域42A又は第2表示領域42B)の表示態様を決定する。そして、表示制御装置45を制御して装飾図柄表示装置42(第1表示領域42A又は第2表示領域42B)において前記表示態様の表示を行う。具体的には、表示領域42A,42B毎に変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示を所定時間行い、図柄コマンドに基づき停止図柄を決定して表示する。
本実施形態では、サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図25に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、上列、中列及び下列の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42(第1表示領域42A又は第2表示領域42B)の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものである。本実施形態における第1表示領域42A用の装飾図柄と、第2表示領域42B用の装飾図柄は共通の図柄であり、これら装飾図柄として10通りの図柄が設定されている。つまり、装飾図柄表示装置42において、装飾図柄は、確変図柄が5通り、通常図柄が5通り設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄の組合わせを示す「A1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、確変図柄の組合わせを決定する。また、図柄コマンドが通常図柄の組合わせを示す「A2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に通常図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5は定期的に更新され、RAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納される。そして、サブ制御装置262が第1表示領域42A又は第2表示領域42Bに対応した図柄コマンドを受信するタイミングで前記カウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に第1表示領域42A又は第2表示領域42Bに対応して上列装飾図柄、中列装飾図柄、下列装飾図柄の停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより上図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより下図柄列の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。この処理は、サブ制御装置262にて、例えば4msecといった所定時間毎に実行されるものである。
図26に示すように、ステップS4001では、上図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄列の外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄列の外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄列の更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄列の更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
次に、図27のフローチャートを参照して、サブ制御装置262の通常処理について説明する。この通常処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
ステップS4101において、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたか否かを判別する。この場合には、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。そして、コマンドが受信されている場合には、ステップS4102においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。一方、コマンドが受信されていない場合には、そのままステップS4105へ移行する。
なお、RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS4103では、コマンドバッファに記憶されたコマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判別する。ここで記憶されたコマンドが変動パターンコマンドである場合には、ステップS4104において、当該変動パターンコマンドの変動時間に対応する値を変動時間タイマに設定し、ステップS4105へ移行する。この際、サブ制御装置262は、例えば図28に示すような装飾図柄の変動種別と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う(以下のステップS4105の設定処理についても同様)。変動時間タイマは変動時間を計測するためのタイマである。一方、記憶されたコマンドが変動パターンコマンドでない場合には、そのままステップS4105へ移行する。
ステップS4105で設定処理を行い、その設定内容を基にステップS4106で各種制御(例えばコマンド出力処理など)を行うための制御実行処理を行い、本処理を終了する。
上記ステップS4105の設定処理では、例えばRAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。
また、ここでは、図柄コマンドに基づいて停止図柄の決定もあわせて行う。なお、上述したことであるが、図柄コマンドに「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A3」が設定されている場合、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ(図25参照)に格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
そして、これらの情報を基に表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
また、サブ制御装置262は、その都度の表示演出に同期させながら、音声類、ランプ類を駆動するための制御設定を行う。もちろん、音声やランプ制御に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS4105で行われる。
そして、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令(ステップS4106の制御実行処理により出力された表示コマンド)に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A又は第2表示領域42Bでの図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS4104で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
そして、主制御装置261によって大当たりが確定すると、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bにてその旨が表示されると共に、補助的に装飾図柄表示装置42の第1表示領域42A又は第2表示領域42Bのいずれか一方で装飾図柄が大当たり図柄の組合せとなり、大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている(大当たり状態が開始される)。
上記構成により、例えば第1契機対応ユニット33Aに対し遊技球が入賞すると、第1特別表示装置43Aにおいて色換え表示(変動表示)が行われる。これに合わせて、第1特別表示装置43Aに対応する装飾図柄表示装置42の第1表示領域42Aでは、装飾図柄の変動表示が行われる。所定時間が経過すると、第1特別表示装置43Aにて決定表示が行われるとともに、装飾図柄表示装置42の第1表示領域42Aにて装飾図柄が所定の組合わせで停止表示される。この際、第1特別表示装置43Aにて当たり停止表示(赤又は緑で決定表示)がなされるとともに、装飾図柄表示装置42の第1表示領域42Aにて特定の図柄の組合わせが停止表示された場合には、大当たり状態が発生する。
同様に、第2契機対応ユニット33Bに対し遊技球が入賞すると、第2特別表示装置43Bにおいて色換え表示(変動表示)が行われる。これに合わせて、第2特別表示装置43Bに対応する装飾図柄表示装置42の第2表示領域42Bでは、装飾図柄の変動表示が行われる。所定時間が経過すると、第2特別表示装置43Bにて決定表示が行われるとともに、装飾図柄表示装置42の第2表示領域42Bにて装飾図柄が所定の組合わせで停止表示される。この際、第2特別表示装置43Bにて当たり停止表示(赤又は緑で決定表示)がなされるとともに、装飾図柄表示装置42の第2表示領域42Bにて特定の図柄の組合わせが停止表示された場合には、大当たり状態が発生する。
なお、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bにて赤で決定表示がなされ、確変大当たりとなった場合には、当該大当たり終了後の遊技モードに高確率モードが設定され、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bにて緑で決定表示がなされ、通常大当たりとなった場合には、当該大当たり終了後の遊技モードに通常モードが設定される。
また、高確率モード中において、仮に第1契機対応ユニット33Aへの遊技球の入賞に基づき、通常大当たり当選した場合には、当該当選に係る変動表示が第1特別表示装置43Aにて開始されるとともに、チャンスタイムが発生する。
チャンスタイムが発生すると、第1特別表示装置43Aに対応する装飾図柄表示装置42の第1表示領域42Aにおいて、チャンスタイム演出が行われる。チャンスタイム演出では、図30(b)に示すように、チャンスタイムが発生したことを遊技者に報知する表示とともに、第2契機対応ユニット33Bへ遊技球を入賞させるように仕向ける表示がなされる。
この表示に従って、遊技者が第2契機対応ユニット33Bへ遊技球を入賞させると、非チャンスタイム時と同様に大当たり抽選が行われる。そして、このチャンスタイム中に、第2契機対応ユニット33Bへの遊技球の入賞に基づいた新たな大当たり当選を得た場合には、当該当選に係る大当たり状態をチャンスタイム中に発生させる。なお、本実施形態では、チャンスタイム中でも、大当たり状態の発生に伴い遊技モードが通常モード又は高確率モードに切換わる構成となっているが、チャンスタイム中であれば、通常モードであっても、高確率時の当たり値を参酌して、つまり高確率で大当たり抽選が行われる。
そして、チャンスタイム発生に係る第1特別表示装置43Aの変動表示時間(本実施形態では10分)の経過後、チャンスタイムが終了するとともに、前記変動表示に係る当たり停止表示(緑での決定表示)が行われ、大当たり状態が発生する。そして、当該大当たり状態の終了後、遊技モードは、通常大当たりに基づく通常モードに設定される。
なお、チャンスタイムの発生期間は、当該チャンスタイム発生に係る第1特別表示装置43Aの変動表示時間(10分)であるが、図14を見ても分かる通り、本実施形態では、大当たり状態の発生中においては、変動時間計測用の表示タイマの値が減算されないようになっているため、チャンスタイム中に大当たり状態が発生した場合には、チャンスタイムの進行が一旦停止した状態となる。
同様に、高確率モード中において、仮に第2契機対応ユニット33Bへの遊技球の入賞に基づき、通常大当たり当選した場合には、当該当選に係る変動表示が第2特別表示装置43Bにて開始され、チャンスタイムが発生する。チャンスタイムが発生すると、第2特別表示装置43Bに対応する装飾図柄表示装置42の第2表示領域42Bにおいて、上記同様のチャンスタイム演出が行われる。
このチャンスタイム中に、第1契機対応ユニット33Aへの遊技球の入賞に基づいた新たな大当たり当選を得た場合には、当該当選に係る大当たり状態をチャンスタイム中に発生させる。そして、チャンスタイム発生に係る第2特別表示装置43Bの変動表示時間の経過後、チャンスタイムが終了するとともに、前記変動表示に係る当たり停止表示(緑での決定表示)が行われ、大当たり状態が発生する。そして、当該大当たり状態の終了後、遊技モードは、通常大当たりに基づく通常モードに設定される。
以上詳述したように、本実施形態では、高確率モード中の通常大当たり当選に係る大当たり状態の発生開始が遅延期間としてのチャンスタイムの終了後まで遅延させられるとともに、チャンスタイム中に、新たな大当たり当選を得た場合には、当該当選に係る大当たり状態を前記チャンスタイム発生に係る大当たり状態より先に割り込み発生させる。
結果として、遊技者にとって高確率モード中(特にチャンスタイム中)の遊技が、単に次の大当たりを獲得するまでの消化遊技ではなく、さらなる大当たりの当選回数の上積みを狙える期間となり、興趣の向上が図られる。また、少なくともチャンスタイム中は、遊技者が遊技を一時的に中断することがほとんどなく、遊技ホールにとっては遊技機の稼動率の低下抑制を期待できる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、遊技モードが通常モードと高確率モードとに切換設定される構成となっているが、遊技モードはこれに限定されるものではなく、他のモードが設定される構成であってもよい。例えば、大当たり当選確率が通常モードと同じ低確率で、かつ、少なくとも第1特別表示装置43A等における変動表示時間を短くした状態(時間短縮状態)となるモード(時間短縮モード)が設定される構成であってもよい。また、高確率モードの継続期間も上記実施形態のように次回大当たりまでではなく、変動表示30回分に相当する期間としてもよい。
(b)上記実施形態では、チャンスタイムの発生期間を定めるにあたり、第1特別表示装置43A等の変動表示時間を利用しているが、例えばチャンスタイムの発生期間を計測する計測タイマ等を別途備え、チャンスタイムの発生期間を、第1特別表示装置43A等の変動表示時間と同期させない構成としてもよい。
(c)上記実施形態では、チャンスタイム中の大当たり抽選が高確率で行われるように構成されているが、これに限らず、通常確率で行う構成としてもよい。
(d)上記実施形態では、チャンスタイム中は、高確率モードと同様に、高確率で大当たり抽選が行われるのであるが、これに加えて、各特別表示装置43A,43Bにおける変動表示時間を短くした状態(時間短縮状態)や、各契機対応ユニット33A,33Bにおける単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い状態(高入球状態)が付加される構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の値は、遊技球が第1契機対応ユニット33A又は第2契機対応ユニット33Bに入賞したタイミングで当該各契機対応ユニット33A,33Bに対応する保留球格納エリア(第1保留球格納エリア又は第2保留球格納エリア)に格納される。つまり、両契機対応ユニット33A,33Bに対応して、共通のカウンタC1,C2,C3が使用されている。これに限らず、上記カウンタC1,C2,C3を、それぞれ各第1契機対応ユニット33A,33Bに対応して個別に備えた構成としてもよい。もちろん、普通図柄乱数カウンタC4と両契機対応ゲート34A,34Bとの対応関係でも同様である。
(f)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において、第1特別表示装置43A及び第2特別表示装置43Bに対応して、単一の表示部が区画されることにより第1表示領域42A及び第2表示領域42Bが設定されている。これに限らず、第1特別表示装置43A及び第2特別表示装置43Bに対応して、個々に独立した2つの表示装置を備えた構成としてもよい。
また、上記実施形態では、常時、第1特別表示装置43A及び第2特別表示装置43Bに対応した第1表示領域42A及び第2表示領域42Bが装飾図柄表示装置42の表示部に設定されているが、これに限らず、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bのどちらか一方に対応した表示のみが、常時、装飾図柄表示装置42の表示部において行われる構成としてもよい。又、例えば一方の表示領域を拡大表示するとともに他方の表示領域を非表示にしたりして、第1特別表示装置43A又は第2特別表示装置43Bのどちらか一方に対応した表示が、適宜、装飾図柄表示装置42の表示部において切換わり表示される構成としてもよい。
(g)上記実施形態では、2つの始動入賞手段として左右対称に並んだ契機対応ユニット33A,33Bを備えているが、これに限らず、始動入賞手段を上下に並べた構成を採用してもよい。もちろん、2つが同一構成の始動入賞手段でなくともよい。例えば、下側又は左側に配置される始動入賞手段が、開閉部材を具備した可変入賞手段であり、上側又は右側に配置される始動入賞手段が、開閉部材を具備しない始動入賞手段である構成としてもよい。この場合、例えば前記可変入賞手段に対応しない普通図柄表示装置41A,41Bの一方は省略され、両契機対応ゲート34A,34Bは前記可変入賞手段に対応することとなる。
(h)上記実施形態では、契機対応ユニット33A,33Bや特別表示装置43A,43B等からなる構成要素の組合わせを2組備えた構成となっているが、これに限らず、3組以上備えた構成としてもよい。
(i)上記実施形態では、チャンスタイム中に大当たり状態が発生した場合には、チャンスタイムの進行が一旦停止する構成となっているが、これに限らず、大当たり発生中においてもチャンスタイムが進行する構成としてもよい。
(j)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
10…パチンコ機、30…遊技盤、32…可変入賞装置、33A…第1契機対応ユニット、33B…第2契機対応ユニット、42…装飾図柄表示装置、42A…第1表示領域、42B…第2表示領域、43A…第1特別表示装置、43B…第2特別表示装置、45…表示制御装置、261…主制御装置、262…サブ制御装置。