以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図40を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63a、63b、67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示される保留図柄表示(Ds1〜Ds8)の並び替えを行う場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、第1始動口63a、第2始動口63b、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。第1始動口63a、第2始動口63b、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の中央下部に、振り分け入賞装置630が設けられている。図4(a)は、この振り分け入賞装置630を正面から見た場合の透視図である。図4(b)は、この振り分け入賞装置630を背面から見た場合の透視図である。
図4(a)に示すように、振り分け入賞装置630には、普通電動役物64が上部に設けられている。普通電動役物64は、通常状態では、向かい合った羽根64a,64bが遊技球が約1球分入球可能な間隔(遊技球の直径は約11mm)で上方に起立した状態で配置されている。振り分け装置630内に遊技球が入球するルートは、通常状態(羽根64a,64bが上方に起立した状態)では、普通電動役物64の羽根64a,64bの間を通るルートのみとなっており、遊技者は、まず、その普通電動役物64の羽根64a,64bの間へ遊技球を通過させるように遊技球を発射する。
振り分け装置630内に遊技球が入球すると、受動振り分け部材640が配置されており、入球した遊技球を受動振り分け部材640の収容部640aまたは640bで受ける。収容部640aで遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、受動振り分け部材640は、正面視(図4(a)参照)左回りに回転して、遊技球を第1始動口63aへと誘導する。ここで、受動振り分け部材640は、それぞれ左右周りに約90度回動可能に構成されており、収容部640aと収容部640bとの境界壁には磁石640cが設けられている。
振り分け入賞装置630の背面側に設けられるベース体900には、受動振り分け部材640の磁石640cが普通電動役物64の羽根64aと羽根64bとの間の中央線上の位置にベース側磁石900aが配置されている。図4(c)に示す、振り分け入賞装置630の上面視のように、受動振り分け部材640の磁石640cとベース側磁石900aとは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石900aは、ベース体900に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石900aは、先端部を受動振り分け部材640側に向くように配置されて固定されている。
受動振り分け部640の磁石640cもベース側磁石900aと同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石900a側に向くように、受動振り分け部材640に固定されている。受動振り分け部材640が回動し、収容部640aと収容部640bの境界壁が真上(向かい合った羽根64a,64bが遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石900aと受動振り分け部材640の磁石640cが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、受動振り分け部材640の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、受動振り分け部材640は、磁石640cが普通電動役物64の羽根64aと羽根64bとの間の中心線上となる位置(上方となる位置)となると、磁石640cとベース側磁石900aとが反発することにより、受動振り分け部材640が左右どちらかに回転し、収容部640aと収容部640bとのどちらかが、振り分け装置630に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球が収容部640aと収容部640bとの境界壁と当接して、球詰まりが発生するのを防止することができる。
また、磁石640cとベース側磁石900cとが反発することで、例えば、収容部640aが遊技球を受けて左に約90度回転して、遊技球を第1始動口63aへ誘導した後に、受動振り分け部材640が右回転する(収容部640aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を第1始動口63aへ誘導した後には、収容部640bが上方を向いた状態となり、次に振り分け装置630に入球した遊技球は、収容部640bが受けて、遊技球の重さにより受動振り分け部材640が右に約180度回転して、遊技球を第2始動口63bへ誘導する。このように、受動振り分け部材640は、振り分け装置630に入球する遊技球を第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に誘導することができる。よって、均等に第1始動口63aと第2始動口63bとに遊技球を振り分けて入賞させることができ、後述する、第1始動口63aへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第1抽選遊技)と第2始動口63bへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第2抽選遊技)とを効率良く実行することができる。
遊技盤13の中央左側には、普通図柄始動口67が設けられている。普通図柄始動口67は、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した始動口で構成されている。普通図柄始動口67を遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。普通図柄始動口67へ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示部88において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、20秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示部88において変動表示が行われている間に普通図柄始動口67に球が通過すると、その通過回数は、最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、普通電動役物64が作動し、通常時は上方に起立した状態で維持されている普通電動役物64の羽根64a,64bが略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動し、遊技球を羽根64a,64bが誘導することにより、振り分け装置630に所定時間(本実施形態では1.2s)遊技球を入球し易い状態になる。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1始動口63a、第2始動口63b、普通図柄始動口67に入賞された球のうち変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たり中のラウンド数やエラー表示もそれに対応する点灯状態により示される。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左側の7セグメントLEDは、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が変動表示(動的表示)される。具体的には、第1始動口63aへの入賞に基づいて決定された、変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(本実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。判定結果が外れの場合には中央の1セグメントが点灯表示する外れを示す図柄「−」が表示される。一方、判定結果が当たりである場合には、当たりに対応した図柄「3」、「7」などの外れを示す図柄とは異なる図柄が表示される。第2抽選遊技についても、第1抽選遊技と同様に構成されている。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
また、パチンコ機10における変動パターン(変動態様または動的表示態様)は、後述するが、各変動態様毎に変動時間が設定されており、時間情報に関する動的表示態様に該当する。さらには、変動パターンは、リーチとなる変動パターンと非リーチとなる変動パターンとで、変動時間の比較的長い長時間変動パターンと比較的変動時間の短い短時間変動パターンとに分けることもできる。このように、大まかに、時間の一定基準(ここでは、リーチ、非リーチ、または、基準時間(例えば、10秒より長いか否か))で仕分けた場合に対しても、時間情報に関する動的表示態様に該当する。
また、後述するが、変動開始時間となるまでの時間情報については、正確な変動開始となる時間も該当するし、上記した、大まかな変動パターンの時間情報(例えば、長時間変動パターンであるか否か等)に基づいて決定される時間情報(例えば、変動開始までに行われる長時間変動パターンの回数等)についての情報も該当する。
尚、本パチンコ機10では、第1始動口63aまたは第2始動口63bへの入賞に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R通常大当たり、15R確変大当たり、2R確変大当たりが用意されている。LED37bに表示される大当たり図柄は、その大当たり種別を示す図柄となっている(本実施形態では、15R通常大当たりでは「9」、15R確変大当たりでは「7」、2R確変大当たりでは「3」が例えば表示される)。
ここで、「15R通常大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりであり、大当たり後には、後述する、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図8(b)参照)での遊技が設定される当たりのことである。「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりであり、大当たり後には、後述する、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図8(b))が設定される当たりのことである。「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりであり、大当たり後には、後述する、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図8(b))が設定される当たりのことである。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口79が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口63aまたは第2始動口63bへの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81が設けられている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、図5(a)に示すように、左側表示領域Dm1に第3図柄の一つである第1特別図柄を示す、左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1上にて第3図柄(第1特別図柄)が変動表示(動的表示)されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。また、第3図柄の一つである第2特別図柄においても、右側表示領域Dm2に、第1特別図柄と同様に表示される。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面における保留図柄表示の並び替え前と並び替え後を例示した図である。
第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)は、「0」から「9」の数字を付した10種類の特別図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、主に、上下に分割して、上側の表示領域Dmに第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を表示する表示領域と、下側の表示領域Dsに保留図柄(第1抽選遊技と第2抽選遊技の保留個数)を表示する表示領域とで構成されている。上側表示領域Dmは、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2に分割して表示可能に構成されている。主に、左側表示領域Dm1は、第1始動口63aへの入賞に基づく第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が変動表示される。一方、右側表示領域Dm2は、第2始動口63bへの入賞に基づく第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が変動表示される。
左側表示領域Dm1は、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列L1〜L3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列L1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列L2及び右図柄列L3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。一方、右側表示領域Dm2には、第2特別図柄が第1特別図柄と同様に、図柄列R1、R2、R3が表示され、同様に変動表示が行われる。
また、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とには、有効ラインU1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、下側表示領域Dsは、上側表示領域Dmよりも横長に設けられており、さらに左右方向に8つの小領域の保留図柄表示エリアDs1〜Ds8に等区分されている。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、上側表示領域Dmに特別図柄(第3図柄)の主図柄が合計3個、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とにそれぞれ表示される。
なお、本実施形態においては、第1始動口63aまたは第2始動口63bへの入賞は、それぞれ最大4回まで保留される。第1特別図柄が変動表示中に第1始動口63aに遊技球が入賞すると、その入賞に基づく第1抽選遊技の開始は保留されて、下側表示領域Dsの保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)の表示領域のうち保留図柄が表示されていないエリアのうち最も若い番号の保留図柄表示エリア(左側の保留図柄表示エリア)に、第1抽選遊技の保留図柄である「○」が表示される。
また、第2特別図柄が変動表示中に第2始動口63bに遊技球が入賞すると、第1始動口63aに入賞した場合と同様に、第2抽選遊技の保留図柄である「●」が下側表示領域Dsの保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)に表示される。
図2に戻って、説明を続ける。振り分け入賞装置630に遊技球が入球すると、振り分け部材640(図4参照)により、遊技球は、第1始動口63aと第2始動口63bとに順番に振り分けられる。第1特別図柄の変動表示が停止している状態で、さらに第1抽選遊技における保留がない状態で、第1始動口63aに入賞した場合には、第2特別図柄が変動表示中か否かに関わらず、第1特別図柄が左側表示領域Dm1で変動表示された後に停止表示される。一方、第2始動口63bに遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄が変動表示中であるか否かに関わらず、第2特別図柄が変動表示される。
本パチンコ機10では、上記説明したように、第1特別図柄と第2特別図柄とは同時に左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とでそれぞれ同時に変動表示を可能に構成されている。よって、振り分け入賞装置630により、第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に入賞する遊技球が振り分けられることで、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを効率よく実行することができる。後述するが、第1抽選遊技と第2抽選遊技とは、それぞれで大当たり遊技を実行するか否かの抽選が実行されるので、大当たり遊技の抽選機会が第1抽選遊技のみで実行する場合と比較して抽選回数を多くすることが可能となり、遊技者が大当たりを得られる機会を多くできる。
また、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技の2つで構成されたパチンコ機10について説明したが、それに限らず、3つや4つ、それ以上の抽選遊技とそれに対応する始動口をそれぞれ設けて、同時にそれぞれの抽選結果を変動表示を可能に構成するようにしても当然良い。
また、本実施形態では、振り分け入賞装置630は、機械的(受動振り分け部材640による遊技球の振り分け構成)な構成としたが、一つの始動口のみにして、遊技球が入賞する毎に、第1抽選遊技の開始契機と第2抽選遊技の開始契機とに交互に振り分けるように構成しても当然良い。このように構成することで、遊技盤面に遊技球を振り分けるための機構を設ける必要がなく、遊技領域を有効に活用することができる。
第1始動口63a、第2始動口63bへ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチまたは第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなる。その第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。また、第1始動口63a、第2始動口63bは、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方が、大当たりを示す図柄で停止表示されると、他方の特別図柄が変動表示中であれば、一旦、変動表示を中断し、大当たり遊技(例えば、15ラウンド通常大当たりであれば、15ラウンドの大当たり遊技)が終了した後に、残りの変動時間分について特別図柄の変動表示が継続される。
残りの変動時間分の変動表示については、遊技者に、中断していた変動表示についての、残りの変動表示であることが分かるように、残り変動表示専用の変動態様で表示される。また、残り変動表示専用の変動態様としては、残りの変動時間に合わせた変動表示態様が選択される。具体的には、残りの変動時間が基準時間以下(本実施形態では、3秒以下)である場合には、「仮停止していた変動表示の抽選結果を表示します!」という文字を第3図柄表示装置81に残りの変動時間の間、表示させた後、判定結果を示す表示態様で停止表示させる。そして、判定結果が停止表示されたのに合わせて、「仮停止していた変動表示の抽選結果を表示しました!」という文字が表示され、次の変動が開始されるまで、表示され続ける。
一方、残りの変動時間が基準時間(本実施形態では、3s)よりも長い場合には、特別図柄を構成する主図柄を全て一定速度で変動表示させて、文字により「仮停止していた変動表示を変動中!」と示す報知態様が表示される。その後、残りの変動時間が経過すると、判定結果を示す図柄で、主図柄が一斉に停止表示される。
このように構成することで、遊技者が、途中で中断された特別図柄の変動表示の続きであることを認識することができ、中断された変動表示の抽選結果であることを認識することができる。よって、変動表示が途中で中断されても、遊技者は、抽選が途中で消滅してしまったのではないかという、不満や疑問等を抱いたまま遊技を行うことを防止できる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方が、大当たりを示す図柄で停止表示されると、他方の特別図柄が変動表示を停止している状態であれば、新たな変動表示の開始が禁止される。大当たり遊技が終了すると、再び、対応する始動口63a,63bへの入賞に基づいて、変動表示が開始可能に設定される。
これにより、大当たり中も、他方の特別図柄では、抽選遊技が実行されて、大当たりの発生が重なってしまう不具合や、遊技者が大当たり遊技に集中することができないという不具合を防止することができる。
また、残りの変動時間が短い場合には、中断した変動態様の続きを表示させても、遊技者が見落としてしまったり、短すぎて、報知結果を理解できなかったりする問題がある。しかしながら、本パチンコ機10の構成では、残りの時間が基準時間(本実施形態では、3s)以内の場合には、直ぐに抽選結果が表示させる旨を遊技者に報知してから報知結果が表示されるので、遊技者は、中断(仮停止)していた報知結果が表示されたことを認識することができる。
さらに、特別図柄が停止表示した後も、中断していた変動表示が停止表示したことを報知する文字が表示されるので、残りの変動時間がごく短時間(例えば、1s以内)であった場合にも、遊技者は、中断していた変動表示が有効であり、判定結果が停止表示されたことを認識することができる。
また、残りの変動時間が基準時間(本実施形態では、3s)よりも長い場合においても、中断(仮停止)していた報知結果を変動表示中であることを遊技者に報知するので、遊技者は、中断していた変動表示が消滅することなく有効であったことを容易に認識することができる。
また、本実施形態では、中断していた第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示を再開する場合には、文字でその旨を遊技者に報知したが、特にそれに限るものではなく、音声や、ランプ等で報知するように構成しても当然良い。また、遊技者に再開したことが分かる表示態様(例えば、キャラクター等が中断していた変動表示を再開していることを報知するアニメ−ションで表示される)のように、中断していた変動表示の再開専用の表示態様で報知するようにしても当然よい。このようにすることで、遊技者は、中断していた変動表示が再開されたことを正確に認識することができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりとなった場合には、他方の特別図柄が変動表示中である場合には、その変動表示を中断して変動表示を停止する構成としたが、それに限らず、大当たり遊技中は、変動時間の計測を中断するものの、特別図柄の変動表示はそのまま継続させて、大当たり遊技後に、残りの変動時間の計測を再開させて、特別図柄の変動表示をする構成であっても良い。
このように構成することで、大当たり遊技中も特別図柄がずっと継続して変動表示しているので、遊技者は、他方の変動表示も消滅すること無く、継続することを確認することができ、安心して、大当たり遊技を行うことができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりとなった場合には、他方の特別図柄が変動表示中であれば、変動表示を中断する構成としたが、それに限らず、変動表示を中断せず継続させて、通常通り抽選遊技を実行する構成にしても良い。
このように構成することで、大当たり遊技中も、さらに抽選遊技を行うことが可能となり、より多くの抽選遊技を短時間の間にすることが可能となって、多くの抽選遊技を遊技者が行うことが可能となる。なお、このような構成では、一方が大当たり遊技中に他方の特別図柄が当たりを示す図柄で停止表示した場合には、その大当たり遊技の実行を、一方の大当たり遊技が終了するまで、遅延(ストック)することにより、遊技者は、連続して大当たり遊技を行うことができる。
また、本実施形態では、第3図柄表示装置81で表示される第1特別図柄または第2特別図柄の中断していた変動表示態様について残り変動表示専用の変動態様で表示した。それに限らず、第1図柄表示装置37で表示される第1特別図柄または第2特別図柄の残りの変動表示についても、残り変動表示専用の変動態様で表示させるようにしてもよい。具体的は、7セグメント表示器37bに残りの変動表示をさせる場合には、点滅表示させながら第1特別図柄または第2特別図柄を変動表示させる。または、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示を残りの変動表示専用の色(例えば、青色等)で点灯させて表示させることで、変動表示させる。このようにすることで、第3図柄表示装置81だけでなく、7セグメント表示器37bに表示される第1特別図柄または第2特別図柄でも、遊技者に残りの変動表示が表示されていることを報知することができる。
また、第3図柄表示装置81に表示される第1特別図柄または第2特別図柄と同様に、残りの変動時間によって、変動表示態様を変えるようにしても当然よい。
また、中断中については、所定周期で、第1特別図柄または第2特別図柄について、所定の表示態様「例えば、アルファベットのh」で停止表示させた状態で点滅表示させたりしてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄または第2特別図柄が仮停止中(中断中)であることを遊技者に報知することができる。
遊技領域の下方右側には横長矩形状の可変入賞装置65が配設されている。パチンコ機10においては、主制御装置110での第1抽選遊技または第2抽選遊技の大当たりに関する抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81の対応する表示領域(左側表示領域Dm1または右側表示領域Dm2)に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この可変入賞装置65の開閉動作は、決定された大当たりの種別によって決定され、例えば、15R通常大当たりであれば、最高で15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特典遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
具体的には、可変入賞装置65は、第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞したことに基づいて第1特別図柄または第2特別図柄が当たりを示す図柄で停止表示されると、その大当たり種別に基づいて開閉動作が設定され、特定入賞口65aが所定時間、または所定条件が成立すまで(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
可変入賞装置65は、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63a,63b,65a,79にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図7参照)が設けられている。
ここで、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示部88の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する特別図柄当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する特別当たり種別カウンタC2と、変動パターン判定用カウンタC3と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示部88)の抽選には、普通当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(S1000)(図17参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1始動口63aに対する入賞について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球実行エリア203c1と第2始動口63bに対する入賞について各カウンタ値が格納される第2特別図柄保留球実行エリア203c2とが設けられている。本実施形態では、第1始動口63a、第2始動口63bには、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に遊技球が、第1始動口63aに遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球実行エリア203c1に格納され、第2始動口63bに遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第2特別図柄保留球実行エリア203c2に格納される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞した場合には、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、遊技球5個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1始動口63aと第2始動口63bとに対してそれぞれ4個としたが、それに限らず、それぞれ4個でもよいし、上限値をもうけないようにしてもよい。
図7に示す各カウンタについて詳しく説明する。特別当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
初期値乱数カウンタCINI1は、特別当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1200)(図33参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球実行エリア203c1または第2特別図柄保留球実行エリア203c2に格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図8(b))によって設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(本実施形態では、低確率時には、「7」、高確率時には、「0〜9」)と一致する場合に、大当たりと判定する。
本実施形態のパチンコ機10における特別当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この特別当たり乱数カウンタC1では、大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は低確率時には1で、その値「7」が、高確率時には10で、その値「0〜9」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
特別当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(本実施形態では、99)に達した後に0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞(始動入賞)したタイミングで、入賞した始動口に対応するRAM203の第1特別図柄保留球実行エリア203c1または第2特別図柄保留球実行エリア203c2に格納される。
ここで、第1特別図柄保留球実行エリア203c1または第2特別図柄保留球実行エリア203c2に格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、第1特別図柄保留球実行エリア203c1または第2特別図柄保留球実行エリア203c2に格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ特別図柄保留球実行エリア203cに格納された特別当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における特別当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この特別当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202b(図8(c)参照)とに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図8(a)に示すように、ROM202には、各種テーブルが格納されている。図8(b)は、第1大当たり乱数カウンタテーブル202a、図8(c)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。大当たり種別テーブル202b(図8(c))は、大当たり種別と特別当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドで大当たり遊技後に低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図8(b)参照)が設定される「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドで大当たり遊技後に高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図8(b)参照)が設定される「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドで大当たり遊技後に高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図8(b)参照)が設定される「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する特別当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図8(c)の例では、15R通常大当たりに対して特別当たり種別カウンタC2の値「60〜99」が対応付けられ、15R確変大当たりに対して特別当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して特別当たり種別カウンタC2の値「50〜59」が対応付けられている。
特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、その特別当たり乱数カウンタC1の値が格納されている第1特別図柄保留球実行エリア203c1または第2特別図柄保留球実行エリア203c2に格納された特別当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、特別当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として15R確変大当たりが決定され、特別当たり種別カウンタC2の値が「80」であれば、大当たり種別として15R通常大当たり)が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に約40%の確率で15R通常大当たりが選択され、また、50%の確率で15R確変大当たりが選択され、10%の確率で2R確変大当たりが選択されるように大当たり種別テーブル202bが規定されている。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。変動パターン判定用カウンタC3は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後、0に戻る構成となっている。また、変動種別カウンタCS1は、例えば、0〜100の範囲内で1ずつ加算され、最大値(つまり100)に達した後、0に戻る構成となっている。
変動パターン判定用カウンタC3と変動種別カウンタCS1との値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口63a、または第2始動口63bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中でなく、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている保留球の各種カウンタ値が記憶されていない場合には、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリア203c1または第2特別図柄保留球実行エリア203c2に格納される。
図10(a)は、ROM202に記憶される通常時特別当たり変動パターンテーブル202dの一例を模式的に示した図である。図10(a)に示すように、通常時特別当たり変動パターンテーブル202dは、大当たり乱数テーブル202aに高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aが設定されている場合(以下、通常遊技状態とする)に、大当たり種別として15R通常大当たり及び15R確変大当たり(以下、15R大当たり)及び2R確変大当たりが決定された場合に参照される15R大当たりが決定された場合に参照される15R大当たり専用と2R確変大当たりが決定された場合に参照される2R確変大当たり専用に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(当たり値)であった場合に、同じ実行エリアに格納された特別当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン群の中から変動パターン群が選択される。そして、実行エリアに格納された変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、変動パターンが決定される。
15R大当たりには、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、プレミアリーチ各種があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜10、スーパーリーチ各種が11〜95、プレミアリーチ各種が96〜100となっている。ノールリーチ各種とは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンであり、スーパーリーチ各種とは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンであり、プレミアリーチ各種とは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンであり判定結果が外れの場合には選択されない変動パターンである。
なお、「リーチ各種」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動表示開始前の予告演出が付加されるもの、再変動表示で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
2R確変大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の値、変動パターン判定用カウンタC3の値に関わらず、2R確変専用変動パターンが選択される。2R確変専用変動パターンは、例えば特別図柄を「341」で停止させて、2R確変に当選したことを報知する特殊変動パターンとなっている。
図10(b)は、ROM202に記憶される通常時特別外れ変動パターンテーブル202eの一例を模式的に示した図である。図10(b)に示すように、通常時特別外れ変動パターンテーブル202eは、通常遊技状態時に、外れ時の停止種別として完全外れとなる通常外れ各種、ノーマルリーチ外れのうち比較的変動時間が短いノーマルリーチ外れとなるノーマルリーチ(短)各種、ノーマルリーチ外れのうち比較的変動時間が長いノーマルリーチ外れとなるノーマルリーチ(長)各種、スーパーリーチ外れとなるスーパーリーチ各種とで構成されている。
変動種別カウンタCS1と各変動パターン群との対応は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜29」である場合には、通常外れ各種、「30〜60」である場合には、ノーマルリーチ(短)各種、「61〜89」である場合には、ノーマルリーチ(長)各種、「90〜100」である場合には、スーパーリーチ各種が決定される。
通常外れ各種には、短時間で変動表示が終了してリーチも成立しない通常外れAと通常外れBが設定されている。変動パターン判定用カウンタC3の値が「0〜100」の場合には、通常外れAが、「101〜198」の場合には、通常外れBの変動パターンがそれぞれ選択される。また、リーチは成立するが変動時間が短い外れノーマルリーチ(短)各種には、ノーマルリーチ短A〜Cの変動パターンが設定されている。変動パターン判定用カウンタC3の値が「0〜70」である場合には、ノーマルリーチ短Aが、「71〜128」である場合には、ノーマルリーチ短Bが、「129〜198」である場合には、ノーマルリーチ短Cの変動パターンがそれぞれ選択される。同様にして、ノーマルリーチ長各種、スーパーリーチ各種についても変動パターンが選択される。
図11(a)は、ROM202に記憶される時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202dを模式的示した図である。また、図11(b)は、ROM202に記憶される時短用・確変用特別外れ変動パターンテーブル202eを模式的示した図である。時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202dと時短・確変用特別当たり外れ変動パターンテーブルは、大当たり乱数テーブル202aにおいて、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aが設定されている場合(以下、遊技状態が確変遊技状態とする)と、時短カウンタ203kに「0」以上の値が設定されている場合(以下、遊技状態が時短遊技状態とする)に選択される変動パターン選択用のテーブルである。
変動パターンの選択については、通常時特別当たり変動パターンテーブル202dと通常時特別外れ変動パターンテーブル202eと同様であるので説明については、省略する。なお、特別当たり変動パターンテーブル202dと特別外れ変動パターンテーブル202eとについては、ここでは、1種類のみ説明したが、第1特別図柄と第2特別図柄についてそれぞれ専用の特別当たり変動パターンテーブル202dと特別外れ変動パターンテーブル202eとが設定されており、第1特別図柄用と第2特別図柄用とでは、変動パターン判定用カウンタC3の振り分けが変更されており、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ変動パターン判定用カウンタC3の値を取得したとしても同じ変動パターンが選択されないように構成されている。このように構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで異なる変動パターンが選択されやすくなり多様な演出をさせることが可能となる。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。普通当たり乱数カウンタC4(図8(d)参照)は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。球が普通図柄始動口67を通過したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203h(図7参照)に格納される。そして、普通図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル202c(図8(d))によって設定されており、普通当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
また、普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の普通初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。普通当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図14参照)毎に更新され、球が普通図柄始動口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は、通常遊技状態では、24であり、その範囲は「5〜28」となっている。また、高確率遊技状態では、200であり、その範囲は「5〜204」となっている。即ち、通常遊技状態では、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にある場合に当選と判定され、高確率遊技状態では、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示部88に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、普通電動役物64の羽根64a,64bが、通常遊技状態では、所定時間(本実施形態では1.2s)だけ、高確率遊技状態では、所定時間(本実施形態では1s)だけ開放される動作が2回行われる。なお、普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1200)(図33参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普通図柄始動口67を遊技球が通過すると、普通図柄(第2図柄)の変動表示中でなく、普通図柄保留球格納エリア203hに保留球に基づく各カウンタ値が記憶されていない場合には、普通図柄保留球実行エリア203iに普通当たり乱数カウンタC4から乱数値が取得されて、普通当たり乱数カウンタ格納エリア203i1に格納される。また、普通図柄(第2図柄)が変動表示中または普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている保留球に対応する乱数値が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、普通当たり乱数カウンタC4から取得された乱数値が対応する保留回数(普通図柄保留1〜4)の普通当たり乱数カウンタ格納エリア203h1に格納される。なお、各エリアに乱数値が格納されると、普通図柄フラグ203jがオンに設定され、その乱数値に基づく、普通図柄の変動表示停止され、または、保留を消化したことにより1つまえの保留エリアにデータがシフトされた場合には、オフに設定される。ここで、データがシフトされると、新たにシフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグはオンに設定される。保留エリアにデータが記憶されているか否かまたは、普通図柄が変動表示中であるかの判定はどの保留エリア、または実行エリアの普通図柄フラグがオンになっているか否かで実行される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
なお、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技との抽選については、共通の各種カウンタ値を選択するように構成したが、第1抽選遊技(第1特別図柄)と第2抽選遊技(第2特別図柄)とで、それぞれ専用の各種カウンタを設定して、第1抽選遊技と第2抽選遊技との各種カウンタの更新契機や初期値等を異ならせることにより、異なる値で更新されるカウンタ値で構成されるようにしても当然よい。
このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選において、同じ契機でカウンタ値を取得することとなっても、異なる値のカウンタ値を取得することができ、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターンや、当否の判定結果が同期してしまう不具合を抑制することができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、共通の各変動パターンテーブルより変動パターンを選択するようにしたとしても、選択される変動パターンが同期してしまう不具合を抑制し、多彩な演出を行うことができる。また、主制御装置110のMPU201のRAM203の記憶データを抑制し、安価な構成(記憶領域の小さいRAM等を使用)とすることができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(S1200)(図33参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図32参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図31参照)が即座に実行される。
RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203d、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、普通図柄保留球数カウンタ203g、普通図柄保留球格納エリア203h、普通図柄保留球実行エリア203i、普通図柄フラグ203j、時短カウンタ203k、確変フラグ203m、第1大当たりフラグ203o、第2大当たりフラグ203p、第1変動停止フラグ203q、第2変動停止フラグ203r、第1変動時間記憶エリア203s、第2変動時間記憶エリア203t、並び替え保留記憶エリア203u、その他メモリエリア203vを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、第1始動口63aに入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、遊技球が第2始動口63bに入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア203cは、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。第2特別図柄保留球実行エリア203dは、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、詳細については第1特別図柄保留球実行エリア203cと同様である。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203dは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図7参照)より取得した特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図14参照)の中で、球が第1始動口63aへ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203aの特別当たり乱数カウンタ格納エリア203a1、特別当たり種別カウンタ格納エリア203a2、変動パターン判定用カウンタ203a3、変動種別カウンタ格納エリア203a4にそれぞれ格納する。一方、球が第2始動口63bへ入賞したことを検出すると、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3、CS1の値を取得し、各対応するエリア(図示せず)にそれぞれ同様に記憶される。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される第1始動口63aまたは第2始動口63bへの入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図32、S1112)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203a、第2特別図柄保留球数カウンタ203bは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第1始動口63aに遊技球が入賞したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、保留球数)は、第2始動口63bに遊技球が入賞したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納されるた場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203fが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dにカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3、CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されたデータを、第1変動開始処理(図16、S203)または第2変動開始処理(図20、S206)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または第2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203gは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される普通図柄始動口67を遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示部88、第2図柄表示装置88で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203gは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図32、S1112)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gは、変動表示演出が実行される毎に1減算される(図29、S106参照)。
普通図柄保留球格納エリア203hは、普通図柄始動口67への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図7参照)より取得した普通当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図14参照)の中で、球が普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから普通当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203hの普通当たり乱数カウンタ格納エリア203h1に格納する。普通図柄フラグ203jを普通図柄フラグ格納エリア203h2にオンに設定して格納(記憶)する。普通図柄保留球格納エリア203hは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、普通図柄フラグ203j)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203hには、普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア203iは、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示部88または第2図柄表示装置88の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(普通当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア203iへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄フラグ203jは、普通当たり乱数カウンタC4のデータが記憶されており、保留されていることを示すフラグであり、また、普通図柄が変動表示中であることを示すフラグである。普通図柄保留球実行エリア203iまたは普通図柄保留球格納エリア203hに普通当たり乱数カウンタC4の値が格納されるとオンに設定される。また、普通当たりカウンタC4の値が次の保留エリア(保留が消化され、一つ保留個数を減らした保留個数に対応する保留エリア)にシフトされた場合には、シフトされる前の保留エリアの普通図柄フラグ203jはオフに設定され、一方シフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグ203jはオンに設定される。また、普通図柄の変動表示が変動停止処理されると普通図柄フラグ203jはオフに設定される。
時短カウンタ203kは、15R通常大当たり遊技が実行された後に、時短回数100が設定されるカウンタエリアである。時短回数が設定されると、時短回数が0に設定されるまでの間、普通図柄当たり乱数テーブル202cにおいて高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定される。また、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示部88に表示された場合に、普通電動役物64の羽根64a,64bが通常遊技状態よりも長い開放時間(本実施形態では、1s)開放する動作を2回繰り返される。この遊技状態を以下、時短遊技状態とする。
時短カウンタ203kは、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示停止する毎に1ずつ減算され、時短カウンタ203kの値が0となると、時短遊技状態から通常遊技状態へと移行し、普通図柄当たり乱数カウンタ202cの低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定され、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示部88に表示された場合に、開放時間が0.2sで開放回数1回の設定で、普通電動役物64の羽根64a,64bが開放される。
確変フラグ203mは、遊技状態が高確率遊技状態であることを示すフラグである。第1特別図柄または第2特別図柄において、15R確変大当たり遊技が当選したことが報知され、15R確変大当たり遊技が実行された場合に、大当たり遊技が終了したことに基づいて、オンに設定されるフラグである。一方、確変フラグ203mがオンに設定されて、第1特別図柄または第2特別図柄で大当たりを示す図柄(すべての種別)で停止表示されるとオフに設定され、大当たり遊技後に、大当たり種別により、15R確変大当たりまたは2R確変大当たりであればオンに設定される。
第1大当たりフラグ203oは、第1始動口63aに入賞したことに基づいて、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値が当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。
第2大当たりフラグ203pは、第2始動口63bに入賞したことに基づいて、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値が当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。
第1変動停止フラグ203qは、第1特別図柄が変動表示中に、第2特別図柄の大当たり判定が当たりであると判定されたことを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第2特別図柄大当たり判定処理(図21、S717)において、オンに設定される。また、第1特別図柄変動停止処理(図19、S603)において、第1特別図柄の変動表示が仮停止処理された場合にオフに設定される。
第2停止フラグ203rは、第2特別図柄が変動表示中に、第1特別図柄の大当たり判定が当たりであると判定されたことを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S407)において、オンに設定される。また、第2特別図柄変動停止処理(図23、S803)において、第2特別図柄の変動表示が仮停止処理が実行された場合にオフに設定される。
第1変動時間記憶エリア203sは、第1特別図柄の変動時間がカウント(計測)される記憶エリアである。第1変動時間記憶エリア203sは、第1特別図柄が変動表示開始されると変動時間をカウント(割り込み回数をカウント)し、変動時間(1割り込みで2ms)が計測される。
第2変動時間記憶エリア203tは、第2特別図柄の変動時間がカウント(計測)される記憶エリアである。第2変動時間記憶エリア203tは、第2特別図柄が変動開始されると変動時間をカウント(割り込み回数をカウント)し、変動時間(1割り込みで2ms)が計測される。
本実施形態では、第1変動時間記憶エリア203sおよび第2変動時間記憶エリア203tは、割り込み回数をカウントすることにより変動時間を計測したが、それに限らず、RTCから変動開始時に計時データを取得し、その後も随時、計時データを取得して、変動時間を計測する構成であってもよい。また、予め変動表示する変動時間を記憶させて、その値を随時減算していく構成であっても当然よい。
並び替え保留記憶エリア203uは、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている保留エリア1〜4の各データに基づいて判定した各判定結果が記憶される記憶領域である。
図9(a)は、並び替え保留記憶エリア203uを模式的に示した図である。並び替え保留記憶エリア203uは、保留エリア1〜8の各保留回数に対応した各判定データが記憶される保留中データ記憶領域と、変動表示中の第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する各判定データが記憶される変動中データ記憶領域とで構成されている。
保留中データの各保留エリア1〜8には、当否判定結果記憶エリア203u1、大当たり種別記憶エリア203u2、変動パターン種別記憶エリア203u3、変動順序記憶エリア203u4、変動開始時間記憶エリア203u5、先読み確変フラグ203u6がそれぞれ設けられている。なお、保留エリア1〜8は、それぞれの保留球が成立した順序(第1始動口63aと第2始動口63bとを合わせた総合的な成立順序)で保留エリア1から順に記憶される。つまり、保留エリア1〜8は、パチンコ機10で、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを合わせて、保留球が成立した成立順序を示している。
変動表示中データ記憶エリアには、第1特別図柄と第2特別図柄とに対応して、当否判定結果記憶エリア203u1、大当たり種別記憶エリア203u2、変動パターン記憶エリア203u3、先読み確変フラグ203u6がそれぞれ設けられている。
当否判定結果記憶エリア203u1は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり乱数カウンタC1の当否を事前に判定した結果が記憶される記憶領域である。
大当たり種別記憶エリア203u2は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり種別カウンタC2より判別された大当たり種別が記憶される記憶領域である。
変動パターン種別記憶エリア203u3は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、決定された変動パターンの種類が記憶される記憶領域である。この変動パターンは、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの変動パターンであるかを識別できるデータになっており、その保留エリアのデータが第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらのデータであるかを識別するデータとしても用いられている。
変動表示順序記憶エリア203u4は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、判別された保留エリア1〜8の中での実際の変動表示開始順序が記憶される記憶領域である。なお、変動表示開始順序は、具体的には、新たに記憶される保留球の変動開始時間を算出して、先に記憶されている各保留球の変動開始時間とを比較して判別される。
変動開始時間記憶エリア203u5は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間が記憶される記憶領域である。なお、この変動表示開始時間は、保留エリアに記憶されると、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図14)のその他処理(S112)で随時更新される。
先読み確変フラグ記憶エリア203u6は、後述する、第1先読み更新処理(図26、S933)において、記憶された大当たり種別記憶エリア203k2の種別が15R確変大当たりまたは2R確変大当たりであると予測(事前に判断)された場合に、オンに設定されて記憶される記憶領域である。また、先読み確変フラグ記憶エリア203u6は、データが上位の保留エリアにシフトして記憶される度に、そのシフトされる前の領域は全て0クリアされるので、オフに設定されることとなる。つまり、一度、オンに設定された先読み確変フラグ記憶エリア203u6は、変動中データ記憶領域までシフトされ、変動中データ記憶領域に新たなデータが上書き(シフト)されることで、オフに設定される。また、遊技機に電源が投入され、RAMクリアの処理が実行された状態では、初期値としてオフに設定されている。
並び替え保留記憶エリア203uの各データは、パチンコ機10において、電源断が発生すると、RAM203のバックアップエリア(図示せず)にバックアップされ、記憶される。そして、再度、電源が投入された場合に、その記憶されたバックアップ領域から読み出され設定される。
その他メモリエリア203vは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
このように、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞して保留球が発生すると、第1始動口63aと第2始動口63bとを合わせた保留球の成立順序別に各保留球の各種判定データが記憶される。よって、入賞コマンドが並び替え保留記憶エリア203uに基づいて生成されることで、音声ランプ制御装置113は、その入賞コマンドに基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で保留図柄表示を行うように表示制御装置114に出力するコマンドを生成することができる。従って、第3図柄表示装置81に、第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄表示を、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で表示することができる。
また、成立順序に関連させて、各保留の変動表示開始順序も判別して記憶されているので、その変動表示開始順序に基づいて入賞コマンドを生成することで、音声ランプ制御装置113でも、受信した入賞コマンドに基づいて、各保留の成立順序と実際の変動表示開始順序を判別することができる。
また、各保留の変動開始時間が各保留エリアには記憶され、その時間が管理(時間の経過に合わせて更新)されているので、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序を容易に判別することができる。
図6に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示部88、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示されている入賞順に表示されている保留図柄表示を変動表示開始順に並び替えて表示されるように、音声出力装置226を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
また、振動センサ228は、遊技板213の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入賞口への入賞が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入賞口への入賞が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2、第1変動開始フラグ223c1、第2変動開始フラグ223c2、第1停止種別選択フラグ223d1、第2停止種別選択フラグ223d2、従第1変動停止フラグ223e、従第2変動停止フラグ223f、従第1変動再開フラグ223g、従第2変動再開フラグ223h、従第1変動時間記憶エリア223i、従第2変動時間記憶エリア223j、従並び替え後記憶エリア223k、その他メモリエリア223mとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図36参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b1は、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を、最大4回まで計数するカウンタである。
第2特別図柄保留球数カウンタ223b2は、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第2特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を、最大4回まで計数するカウンタである。
第1変動開始フラグ223c1は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第1特別図柄の変動パターンを通知する第1変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される(図36、S1502)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図38、S1602)。
第2変動開始フラグ223c2は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第2特別図柄の変動パターンを通知する第2変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される(図36、S1505)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図38、S1602)。
第1停止種別選択フラグ223d1は、主制御装置110から出力される第1特別図柄の変動停止種別を通知する第1停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される(図36、S1508)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図38、S1612)。
第2停止種別選択フラグ223d2は、主制御装置110から出力される第2特別図柄の変動停止種別を通知する第2停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される(図36、S1508)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図38、S1612)。
従第1変動停止フラグ223eは、第1特別図柄が仮停止していることを示すフラグである。主制御装置110から仮第1変動停止コマンドを受信した場合にオンに設定される(図36、S1516)。一方、第3図柄表示装置81における第1特別図柄の変動表示を停止処理する処理を実行した場合に、オフに設定される(図39、S1702)。
従第2変動停止フラグ223fは、第2特別図柄が仮停止していることを示すフラグである。主制御装置110から仮第2変動停止コマンドを受信した場合にオンに設定される(図36、S1516)。一方、第3図柄表示装置81における第2特別図柄の変動表示を停止処理する処理を実行した場合に、オフに設定される(図39、S1706)。
従第1変動再開フラグ223gは、仮停止されていた第1特別図柄の変動表示が再開されることを示すフラグである。主制御装置110から第1特別図柄変動再開コマンドを受信した場合に、従第1再開フラグ223gがオンに設定される(図36、S1518)。一方、第3図柄表示装置81の第1特別図柄の変動表示が再開される処理を実行した場合に、オフに設定される(図39、S1710)。
従第2変動再開フラグ223hは、仮停止されていた第2特別図柄の変動表示が再開されることを示すフラグである。主制御装置110から第2特別図柄変動再開コマンドを受信した場合に、従第2再開フラグ223hがオンに設定される(図36、S1518)。一方、第3図柄表示装置81の第2特別図柄の変動表示が再開される処理を実行した場合に、オフに設定される(図39、S1714)。
従第1変動時間記憶エリア223iは、第1特別図柄の変動時間を計測した値が記憶される記憶領域である。主制御装置110のMPU201のRAM203の第1変動時間記憶エリア203sと同期した値で記憶される記憶エリアである。第1特別図柄の変動開始に基づいて、1ms毎に1ずつ加算されて実際の変動表示した変動時間が記憶される。
従第2変動時間記憶エリア223jは、第2特別図柄の変動時間を計測した値が記憶される記憶領域である。主制御装置110のMPU201のRAM203における第2変動時間記憶エリア203tと同期した値で記憶される記憶エリアである。第2特別図柄の変動表示開始に基づいて、1ms毎に1ずつ加算されて実際の変動表示した変動時間が記憶される。
従並び替え保留記憶エリア223kは、図9(b)に示すように、主制御装置110から出力される入賞コマンドに基づいて、主制御装置110におけるRAM203の並び替え保留記憶エリア203uと同様のデータが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される入賞コマンドに基づいて記憶される記憶領域である。
図9(b)は、この従並び替え保留記憶エリア223kを模式的に示した図である。従並び替え保留記憶エリア223kは、保留エリア1から保留エリア8までの保留中データの保留エリアと第3図柄表示装置81で変動表示中の第1特別図柄と第2特別図柄の各種データが記憶される変動表示中データの記憶エリアとで構成されている。各保留エリアは、当否判定結果記憶エリア223k1、大当たり種別記憶エリア223k2、変動パターン種別記憶エリア223k3、変動順序記憶エリア223k4、変動開始時間記憶エリア223k5、従先読み確変フラグ記憶エリア223k6、並び替えフラグ223k7をそれぞれ有しており、受信した入賞コマンドから抽出した各データが対応する保留エリアに記憶される。また、特別図柄を変動表示開始するための表示用変動パターンコマンドを生成する毎に、従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアのデータが1つ前の保留エリアにシフトして記憶される。なお、保留エリア1の保留データは、第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動中データの記憶エリアに、第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動中データの記憶エリアにそれぞれシフトして記憶される。
当否判定結果記憶エリア223k1は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり乱数カウンタC1の当否を事前に判定した結果を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。入賞コマンドから抽出した当否判定結果の情報は、その保留回数(主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uの該当する保留エリア)に対応した保留エリア1〜8のいずれかの当否判定結果記憶エリア223k1に記憶される。
大当たり種別記憶エリア223k2は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり種別カウンタC2より判別された大当たり種別を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。
変動パターン種別記憶エリア223k3は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、決定された変動パターンの種類を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。この変動パターンは、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの変動パターンであるかを識別できるデータになっており、その保留エリアのデータが第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらのデータであるかを識別するデータとしても用いられている。
変動順序記憶エリア223k4は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、判別された保留エリア1〜8の中での実際の変動表示開始順序を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。
変動開始時間記憶エリア223k5は、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。なお、この変動表示開始時間は、保留エリアに記憶されると、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図35、S1400)の保留個数表示処理(図35、S1406)で随時更新される。
なお、本実施形態では、入賞コマンドは、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間を示すコマンドとしたが、それに限らず、変動開始となるまでの時間を算出するための各カウンタ値(例えば、選択されている変動パターンの種類や、変動中の特別図柄の残りの変動時間を算出するためのカウンタ値(割込回数等))や変動表示開始となるまでの時間に対応したコマンドとしてもよい。
従先読み確変フラグ記憶エリア223k6は、記憶された大当たり種別記憶エリア223k2の種別が15R確変大当たりまたは2R確変大当たりであった場合に、オンに設定されて記憶される記憶領域である。
並び替えフラグ223k7は、遊技者が、枠ボタン22を操作して保留図柄表示の並び替えを要求した保留図柄(枠ボタン22を操作したときに表示されている保留図柄表示)であることを示すフラグである。
このように、第1始動口63aまたは第2始動口63aに遊技球が入賞して保留球が発生すると、入賞コマンドより抽出されたデータに基づいて、第1始動口63aと第2始動口63bとを合わせた保留球の成立順序別に各保留球の各種判定データが記憶される。よって、音声ランプ制御装置113は、従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で保留図柄表示を行うように表示制御装置114に出力するコマンドを生成することができる。従って、第3図柄表示装置81に、第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄表示を、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で表示することができる。
また、入賞コマンドに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kが主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uに同期したデータで更新され、保留データの変更(新たな保留の成立等)があっても、順次、データを同期させて更新させることができる。
その他メモリエリア223mは、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ(図3、122)回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
なお、停電が発生すると、主制御装置110のMPU201は、並び替え保留記憶エリア203uの各データをバックアップデータとしてRAM203のバックアップエリアに記憶する。そして、再度、パチンコ機10に電力が供給されると、バックアップエリアより並び替え保留記憶エリア203uのバックアップされた各データが読み出され、並び替え保留記憶エリア203uの対応する各保留エリアまたは変動中データ記憶領域に記憶される。
そして、立ち上げ処理(図32)において、第1先読み更新処理(図26、S939)で生成される入賞コマンドと同様に、バックアップしたデータが読み出され記憶された並び替え保留記憶エリア203uに基づいて全ての入賞コマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に出力されることにより、従並び替え保留記憶エリア223kにも同じ並び替え保留記憶エリア203uと同期したデータが設定される。
また、立ち上げ処理(図32)において、音声ランプ制御装置113に入賞コマンドを送信することで、並び替え保留記憶エリア203uと従並び替え保留記憶エリア223kとのデータを停電時からの復帰時にも同期させる構成を説明したが、それに限らず、主制御装置110のMPU201と同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221が、停電発生時に、従並び替え保留記憶エリア223kの各データをRAM223にバックアップデータとして記憶させる構成にしても当然よい。
RAM消去スイッチ(図3、122)回路253は、電源投入時(RAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源投入)にRAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
主制御装置110のMPU201は、特別図柄や普通図柄の入賞の検知や、その入賞に対して当たりや変動パターンの選択等の各種抽選等の制御処理を実行している。その為、MPU201の制御負荷は大きくなっており、安定してパチンコ機10の制御を実行するために、本実施形態のように、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を、サブ制御装置に該当する音声ランプ制御装置113のMPU221が行うようにすることで、主制御装置110の制御負荷を軽くすることができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113との制御基板は、基板ボックスと呼ばれる、透明なプラスチック製のベース部材と蓋部材で構成された箱(ボックス)により覆われている。その基板ボックスは、ベース部材と蓋部材とを容易に離間できないように「封止部材」と呼ばれる不正防止のための部材によりかしめが行われている。一般的に封止部材は、ベース部材と蓋部材を勘合させた場合に、ベース部材と蓋部材との一部を貫通して設けられた貫通孔にピン形状の封止部材を挿入する(かしめる)ことで、貫通孔を形成している部材を破壊するか、封止部材を破壊するか等の開封痕の残る方法でしかベース部材と蓋部材を離間させることが困難に構成されている。
次に、図9を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図9は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、ROM234と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、ROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、ROM234、画像コントローラ237について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、ROM234に記憶されている制御プログラムに従って、各種処理を実行する。
ROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にROM234に直接アクセスし、そのROM234に記憶された制御プログラムを実行する。また、ROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はROM234に格納された画像データを、ワークRAM233へ転送する。MPU231は、ワークRAM233へ転送された画像データを随時、第3図柄表示装置81に出力し、第3図柄表示装置81の表示制御を行う。
振り分け装置630内に遊技球が入球して、受動振り分け部材640により振り分けられて第1始動口63aに遊技球が入賞すると、各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)が取得されて、その取得した各カウンタ値に基づいて、抽選及び変動パターン等の決定が行われた後に、第1抽選遊技に該当する第1特別図柄の変動表示が第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81で変動表示(動的表示)される。また、第1特別図柄の変動表示中に、振り分け装置630内に遊技球が入球すると、遊技球は、受動振り分け装置640により振り分けられて第2始動口63bへ入賞する。第2始動口63bへ遊技球が入賞すると、第1始動口63aに入賞した場合と同様に、第2抽選遊機に該当する第2特別図柄の変動表示のために、各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)が取得されて、第2特別図柄の変動表示が第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81で実行される。
本パチンコ機10では、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示がそれぞれ同時に変動表示を可能に構成されている。具体的には、第1図柄表示装置37では、7セグメント表示器37bの2つの7セグメントLEDの内、左側の7セグメントLEDでは、第1特別図柄に対応する変動表示が実行され、右側の7セグメントLEDでは、第2特別図柄に対応する変動表示が実行される。
また、第3図柄表示装置81では、図5(a)に示すように、左側表示領域Dm1には、第1特別図柄に対応する変動表示が実行され、右側表示領域Dm2には、第2特別図柄に対応する変動表示が実行される。このように構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を実行することができ、遊技者は、効率よく第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。
第1特別図柄が変動表示中(残り変動時間が設定されている状態)に、第1始動口63aに遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて取得された各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)の抽選結果を変動表示する第1抽選遊技は直ぐには実行できないので、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納(記憶)される。第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、第1図柄表示装置37の複数の発光ダイオード37aの第1特別図柄の保留個数「1」を示す態様(例えば、1つの発光ダイオードが赤色点灯)で点灯表示される。第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を更新(保留球数を1加算)する。
主制御装置110のMPU201は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力する。入賞コマンドには、第1始動口63a、第2始動口63bのどちらに対する入賞かが識別可能であり、且つ、何番目の保留球数(保留個数)であるかが識別可能となっている。
音声ランプ制御装置113は、入賞コマンドコマンドを受信すると、その受信したコマンドより保留個数や、入賞した始動口に関する情報等の保留情報を抽出して、その保留情報に基づいて、第3図柄表示装置81に下側表示領域Dsの対応する保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)に保留図柄を表示する処理を実行する。この保留図柄は、図5(b)に示すように、第1特別図柄(第1始動口63a)の保留情報に対応する保留図柄であれば「○」が、第2特別図柄(第2始動口63b)の保留情報に対応する保留図柄であればであれば「●」が各保留情報毎(保留1つにつき保留図柄1つ)にそれぞれ表示される。
同様に、第2特別図柄が変動表示中(残り変動時間が設定されている状態)に、第2始動口63bに遊技球が入賞すると各カウンタ値が取得され、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)され、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値が更新される。そして、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81に保留情報が記憶されたことを示す保留図柄が表示される。
第3図柄表示装置81に表示される保留図柄は、第1始動口63aと第2始動口63bに入賞した遊技球を合わせた総合的な入賞順序でそれぞれ表示される。図12に示した1例について、具体的に説明する。これは、まず、第1特別図柄と第2特別図柄が変動表示中であり、第1特別図柄は、残り10sの変動時間があり、第2特別図柄は、残り5sの変動時間がある状態を示している。第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsには、保留図柄表示エリアDs1に第2特別図柄の保留情報(第2始動口63bへの入賞に基づく保留情報)であることを示す保留図柄「●」が、保留図柄表示エリアDs2に第1特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「○」が、保留図柄表示エリアDs3に第2特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「●」が、保留図柄表示エリアDs4に第1特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「○」がそれぞれ表示されている。この場合には、第1始動口63aと第2始動口63bとに入賞した順序が早い順で保留図柄表示エリアDs1から順に保留図柄表示エリアDs4の順であることを示している。
つまりは、第2始動口63bに遊技球が入賞した後で、第1始動口63aに入賞し、次に、第2始動口63bに、その次に、第1始動口63aに遊技球が入賞したことを示している。
図12に示すように、各保留データには、その保留が変動開始となった場合に選択される変動パターンの変動時間が予測して予め記憶されている(決定される変動パターンの種類が記憶されている)。そして、入賞順序1番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア1が該当)に記憶されているのは第2特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第2特別図柄の残り変動時間(5s)が経過すると、変動表示開始となるため変動表示開始時間が5秒後と算出されている。また、入賞順序2番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア2が該当)に記憶されているのは第1特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間(10s)が経過すると、変動表示開始となるため変動表示開始時間が10秒後と算出されている。次に、入賞順序3番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア3が該当)に記憶されているのは第2特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第2特別図柄の残り変動時間(5s)に、入賞順序1番目に記憶されている保留データの変動時間(40s)が経過すると、変動表示開始になるので、変動表示開始時間が45秒後と算出されている。次に、入賞順序4番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア4が該当)に記憶されているのは第1特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間(10s)に、入賞順序2番目に記憶されている保留データの変動時間(10s)が経過すると、変動表示開始になるので、変動表示開始時間が20秒後と算出されている。
このように、並び替え保留記憶エリア203uには、成立した順に第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示開始時間が算出され、その変動表示開始時間に基づいて、変動表示開始時間が早い順で、変動表示順序が割り当てられている。
このタイミングで、遊技者が枠ボタン22を操作すると、第3図柄表示装置81の保留図柄表示が、図12に示す並び替え表示態様で示すように、入賞順序4番目の第1特別図柄の保留図柄表示が、入賞順序3番目の第2特別図柄の保留図柄表示と並び替えて(入賞順序4番目の保留図柄表示が、入賞順序3番目の保留図柄表示の前に割り込んで)表示される。
図13は、図12の状態から1s後に、第1始動口63aに遊技球が入賞した場合に、主制御装置110のMPU201が第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において新たに記憶した保留図柄の変動表示開始順序を決定する処理を模式的に示した図である。
図13は、図12から1s後の状態であるので、変動表示中の第1特別図柄は、残り変動時間が9s、第2特別図柄は、残り変動時間が4sとなっている。また、並び替え保留記憶エリア203uの各保留エリアの変動開始時間も更新されている。
新たに成立した第1始動口63a(第1特別図柄)の保留は、5番目の入賞順序となり、並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア5に各データが記憶される。まず、新たに記憶された第1特別図柄と同じ、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間、入賞順序2及び4の第1特別図柄の保留の変動時間をそれぞれ加算して、新たに成立(記憶された)した第1特別図柄の保留が変動表示開始となる時間が算出される(この場合は、24s)。
次に、図13の並び替え模式図に示すように、各保留エリアの変動表示開始時間に基づいて、並び替え後順序(変動表示開始順序)が、変動表示開始する順につけ直される。このときに、遊技者が枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えを要求したときには、図13の並び替え後表示態様で示すように、入賞順序4番目と5番目の保留図柄表示が入賞順序3番目の保留図柄表示と並び替えて(入賞順序4番目と5番目の保留図柄表示が、入賞順序3番目の保留図柄表示の前に割り込んで)表示される。
このように、保留が発生する毎に、その変動表示開始時間を算出して、並び替え順序を決定しておくことで、遊技者が、並び替えを要求する操作(枠ボタン22の操作)をした場合に、速やかに、並び替え後の保留図柄表示を表示させることができる。
また、15R確変大当たりと15R通常大当たりの変動パターンは変動時間が外れの場合に選択される変動パターンよりも長くなりやすい。図13に示すように、入賞順序1番目の保留は、変動時間が40秒と長い。そのため、その後に成立した、同じ第2特別図柄の保留は、後から成立した第1特別図柄の保留よりも変動表示開始時間が遅くなってしまい、並び替えをすると、長い変動時間が選択されている保留図柄表示の後ろには、その長い変動時間が選択されている保留とは異なる種類(第1特別図柄と第2特別図柄との違い)がまとめて表示される。よって、保留図柄表示の後続の保留図柄表示エリアに割り込んで表示される保留図柄表示の個数が多いほど、遊技者はその前の保留図柄表示に対して大当たりの期待を抱くこととなり、遊技者は並び替えを大当たりへの期待を持って行うことができる。従って、遊技への興味が増大し、より飽きずに遊技を続けることができる。
次に、図14から図40のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図32)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図33、S1200)と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理(図14)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図31)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理(図32)とメイン処理(図33、S1200)とを説明する。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理(図14)やメイン処理(図33、S1200)では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、始動入賞処理(図24、S108)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特別図柄変動処理(図15、S107)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放または閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S104)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S105)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S106)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3、停止種別カウンタCS1及び普通当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399、99、100、198、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。また、特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の初期値乱数カウンタCINI1または普通初期値乱数カウンタCINI2の値を当該特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1特別図柄と第2特別図柄の第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S107)、次いで、第1始動口63a、または第2始動口63bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S108)。なお、特別図柄変動処理(S107)の詳細は図15を参照して後述し、始動入賞処理(S108)の詳細は図24を参照して後述する。
始動入賞処理(S108)を実行した後は、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに対する普通図柄の変動処理である普通図柄変動処理を実行し(S109)、次いで、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに対するスルーゲート処理を実行する(S10)。なお、普通図柄変動処理(S109)の詳細は図29を参照して後述し、スルーゲート処理(S110)の詳細は図30を参照して後述する。遊技球の発射に関する制御を実行する発射制御処理を実行し(S111)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行し(S112)、タイマ割込処理を終了する。発射制御処理(S111)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S107)を説明する。図15は、この特別図柄変動処理(S107)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図15、S107)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるたの制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図15、S107)について説明する。
特別図柄変動処理(図15、S107)では、まず、大当たり遊技中であるか否か判定される(S201)。大当たり中であると判定された場合には(S201:Yes)、この処理を終了する。一方、大当たり中でないと判定された場合には(S201:No)、第1特別図柄の変動表示中であるかが判定される(S202)。第1特別図柄の変動表示中であると判定された場合には(S202:Yes)、第1特別図柄変動停止処理が実行される(S204)。第1特別図柄変動停止処理(図17、S204)については、詳しく後述するが、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理と、第2特別図柄が大当たりを示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技が実行される場合に、変動表示中の第1特別図柄を仮停止する処理が実行される。
一方、第1特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S202:No)、第1特別図柄変動開始処理が実行される(S203)。第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)については、詳しく後述するが、第1特別図柄が仮停止されている場合には、変動表示再開するための処理が実行される一方、仮停止されていない場合には、第1特別図柄保留球数格納エリア203aに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。
第1特別図柄変動開始処理(図16、S107)が実行された後に、第2特別図柄が変動表示中であるか否かが判定される(S205)。第2特別図柄が変動表示中であると判定された場合には、第2特別図柄変動停止処理(図23、S207)が実行される。第2特別図柄変動停止処理(図23、S207)については、詳しく後述するが、第1特別図柄変動停止処理(図19、S204)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理と、第1特別図柄が大当たりを示す図柄で変動表示停止され、第1抽選遊技の大当たり遊技が実行される場合に、変動表示中の第2特別図柄を仮停止する処理が実行される。
一方、第2特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には、第2特別図柄変動開始処理が実行される(S206)。この第2特別図柄変動開始処理(図20、S206)は、詳しく後述するが、第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)と同様に、第2特別図柄が仮停止されている場合には、変動表示再開するための処理が実行される一方、仮停止されていない場合には、第2特別図柄保留球数格納エリア203bに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。その後、この処理を終了する。
次に、図16を参照して、特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203)について説明する。図16は、この第1特別図柄変動開始処理(S203)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)では、まず、第1特別図柄が仮停止されているか判別される(S301)。第1特別図柄が仮停止されているか否かの判別は、変動時間(変動パターン)が設定されているにも関わらず、第1特別図柄の変動表示が停止されているか否かで判別される。第1特別図柄が仮停止されていると判別された場合には(S301:Yes)、第1特別図柄の変動時間の計測が再開される(S302)。この第1特別図柄の変動時間については、後述する、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)において、第1特別図柄を変動表示開始する場合の、変動パターン等が選択された場合に、変動時間の計測開始が設定される。変動パターンが選択されると、音声ランプ制御装置113に対して変動パターンコマンドが出力されて、第1特別図柄の変動表示開始となる。また、主制御装置110は、それに合わせて、第1表示装置37の第1特別図柄の変動表示を開始する。第1図柄表示装置37における第1特別図柄(7セグメント表示器37bの左側7セグLED)の変動表示が再開される(S303)。仮停止中の第1特別図柄の変動表示再開を音声ランプ制御装置113に指示するための第1特別図柄変動再開コマンドがセットされる(S304)。その後、この処理を終了する。
一方、第1特別図柄が仮停止中でないと判別された場合には(S301:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得する(S305)。第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいか判別される(S306)。特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別された場合には(S306:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算する(S308)。第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S308)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理が実行される(S309)。第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア203cにシフトされた特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。また、判定結果が大当たりであると判別された場合には、第2変動停止フラグ203rがオンに設定される。これにより、第1特別図柄が変動表示開始され、停止表示された後に大当たり遊技が開始されることを認識でき、変動表示中の第2特別図柄を、第1特別図柄の大当たり遊技中は仮停止させることができる。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S310)。第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)は、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア203cに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。
次に、図17を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S309)について説明する。図17は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S309)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア203cに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。遊技状態が高確率遊技状態(確変中)であるか否かが判別される(S402)。遊技状態が高確率遊技状態であるか否かの判別は、確変フラグ203mがオンに設定されているか否かにより実行される。確変フラグ203mがオンである(即ち、遊技状態が高確率遊技状態(確変中))と判別された場合には(S402:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S403)。一方、確変フラグ203mがオフである(即ち、遊技状態が低確率遊技状態(確変中でない))と判別された場合には(S402:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S404)。
抽選結果が大当たりであるか否かが判別される(S405)。抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S405:Yes)、第2変動停止フラグ203rがオンに設定される(S407)。これにより、第1特別図柄の大当たり判定において、判定結果が大当たりとなり、その判定結果を報知する第1特別図柄の変動表示を停止表示する場合に、第2特別図柄が変動中であれば、仮に変動表示が停止されることとなる。
このように、第1特別図柄の変動表示開始前に、第2変動停止フラグ203rをオンに設定することで、第1特別図柄の変動表時停止時に、第2特別図柄の仮停止をさせるか否かを判断する場合と比較して、制御処理が変動停止時に集中してしまう不具合を防止することができる。
取得した特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に大当たり図柄がセットされ、第1大当たりフラグ203oがオンにセットされる(S408)。これにより、第1図柄表示装置37には、7セグメント表示器37bの左側7セグメントLEDに特別当たり種別カウンタC2の値に基づく図柄(例えば、15R確変大当たりであれば「7」)がセットされる。
一方、抽選結果がオフであると判別された場合には(S405:No)、第1図柄表示装置37に外れ図柄がセットされる(S409)。本実施形態では、外れの場合には、第1図柄表示装置37の7セグメント表示器37bの左側7セグLEDに外れを示す「−」がセットされる。ここで、第1図柄表示装置37にセットされる各図柄は、変動表示停止した場合に停止表示される図柄を設定するための処理である。
次に、図18を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S310)について説明する。図18はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S310)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)において当否判定された結果が大当たりであるか否かが判別される(S310)。大当たりであるか否かの判定は、第1大当たりフラグ203oがオンに設定されているか否かで判別される。第1大当たりフラグ203oがオンに設定されていると判別された場合には(S501:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S502)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S501:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202d(図11(b))がセットされる。
特別当たり種別カウンタC2の値に基づいた大当たり種別により、大当たり種別テーブルを決定する(S504)。大当たり種別テーブルは、15R大当たりテーブルと2R大当たりテーブルで構成されており、15R確変大当たり及び15R通常大当たりの場合には、15R大当たりテーブルが、2R確変大当たりの場合には、2R大当たりテーブルが決定される。特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S505)。
変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択される(S506)。ここで、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための変動パターンコマンドもセットされる。第1停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S507)。第1特別図柄の変動時間である第1変動時間の計測開始が設定される。
変動パターンコマンドの設定と共に、第1特別図柄の変動時間の計測を開始することで、第1特別図柄の変動開始とタイミングを合わせて、変動時間を計測することができ、正確に変動時間を計測することができる。
次に、図19を参照して、特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S204)について説明する。図19はこの第1特別図柄変動停止処理(S204)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(図19、S204)では、まず、第1変動停止フラグ203qがオンに設定されているか判別される(S601)。第1変動停止フラグ203qがオンに設定されていると判別された場合には(S601:Yes)、第2特別図柄の変動時間が終了時間であるかが判別される(S602)。第2特別図柄の変動時間が終了時間であると判別された場合には(S602:Yes)、音声ランプ制御装置113に第1特別図柄の仮停止を指示する仮第1変動停止コマンドがセットされ、第1図柄表示装置37の第1特別図柄が仮停止され、第1変動停止フラグ203qがオフに設定される(S603)。そして、第1変動時間の計測が中断される(S604)。
このように構成することで、第2特別図柄が当たりとなる判定図柄で変動停止されるタイミングと合わせて、第1特別図柄も仮停止することができる。よって、遊技者は、第2抽選遊技における大当たり遊技に集中して、遊技を行うことができる。
また、仮停止のタイミングに合わせて、第1変動時間の計測も中断されるので、大当たり遊技後には、正確に残りの変動時間を計測することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1特別図柄が仮停止される場合には、第3図柄表示装置81にて、第1特別図柄は仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様で停止表示される。具体的には、「第1特別図柄は仮停止中です」といった文字が表示されたり、特別図柄を構成する左中右の3つの主図柄を揺れた表示態様で変動表示させ続けることにより遊技者に仮停止中であることを報知する。また、仮停止を報知する表示態様はこれに限らず、それ以外の報知態様であっても良い。
一方、第2特別図柄の変動時間が終了時間でない(即ち、変動表示中である)と判別された場合には(S602:No)、S605の処理が実行される。第1変動停止フラグ203qがオフであると判別された場合には(S601:No)、変動表示中の第1特別図柄の変動時間が終了時間であるかが判別される(S605)。
第1特別図柄の変動時間が終了時間でないと判別された場合には(S605:No)、この処理を終了する。一方、第1特別図柄の変動時間が終了時間であると判別された場合には(S605:Yes)、第1大当たりフラグ203oがセットされているか判別される(S606)。第1大当たりフラグ203oがセットされていると判別された場合には(S606:Yes)、確変フラグ203mがオフに設定される(S607)。決定されている変動停止種別に基づいた大当たり遊技の各種設定がされる(S608)。具体的には、15R確変大当たり、15R通常大当たりの場合には、大当たり遊技が実行されるラウンド回数が15回に設定され、1回のラウンドにおける特定入賞口65aの最大開放時間が30sに設定される。また、2R確変大当たりの場合には、大当たり遊技が実行されるラウンド回数が2回に設定され、1回のラウンドにおける特定入賞口65aの最大開放時間が2sに設定される。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S606:No)、時短カウンタ203kが「0」より大きい値であるか判別される(S609)。時短カウンタ203kが「0」より大きい値であると判別された場合には(S609:Yes)、時短カウンタ203の値が1減算される(S610)。つまり、第1特別図柄が1回変動表示する毎に、時短カウンタ203kが1減算される。一方、時短カウンタ203kが0より小さい値である(即ち、0である)と判別された場合には(S609:No)、S611の処理が実行される。
音声ランプ制御装置113に対して、第1特別図柄の変動表示を確定停止させることを指示する第1確定コマンドがセットされる(S611)。第1図柄表示装置37の第1特別図柄を決定された当否判定結果を示す図柄で停止表示させる(S612)。第1変動時間記憶エリア203sの値を0クリアして、第1変動時間計測値を0クリアする(S613)。この後、この処理を終了する。
次に、図20を参照して、特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S206)について説明する。図20はこの第2特別図柄変動開始処理(S206)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図20、S206)では、上記した、第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)に対して、S301〜S310までの各処理に対して、第1特別図柄、第1変動時間計測再開、第1図柄表示装置37、第1特別図柄変動再開コマンド、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、第1特別図柄保留球格納エリア、第1特別図柄大当たり判定処理、第1特別図柄変動パターン選択処理がS701〜S710までの各処理では、第2特別図柄、第2変動時間計測再開、第2図柄表示装置37、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア、第2特別図柄大当たり判定処理、第2特別図柄変動パターン選択処理に、それぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図21を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図20、S206)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S709)について説明する。図21はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S709)を示すフローチャートである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図21、S709)では、上記した、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)に対して、S401の処理に対して、第1特別図柄保留球実行エリアがS711の処理では、第2特別図柄保留球実行エリアに、S407〜S408までの各処理に対して、第2変動停止フラグ、第1大当たりフラグがS717〜S718までの各処理では、第1変動停止フラグ、第2大当たりフラグにそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図22を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図20、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S710)について説明する。図22はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S710)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図22、S710)では、上記した、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)に対して、S507〜S508までの各処理に対して、第1停止種別コマンド、第1変動時間計測開始がS727〜S728までの各処理では、第1停止種別コマンド、第1変動時間計測開始にそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図23を参照して、特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図23はこの第2特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(図23、S207)では、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図19、S204)に対して、S601〜S604までの各処理に対して、第1変動停止フラグ、第1特別図柄、仮第1変動停止コマンド、第1変動時間計測中断がS801〜S804までの各処理では、第2変動停止フラグ、第2特別図柄、仮第2変動停止コマンド、第2変動時間計測中断にそれぞれ変更され、S611〜S613までの各処理に対して、第1確定コマンド、第1特別図柄、第1変動時間計測値がS811〜S813までの各処理では、第2確定コマンド、第2特別図柄、第2変動時間計測値にそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選遊技がどちらか一方ずつで実行されるパチンコ機10と比較して、本パチンコ機10は、第1特別図柄、第2特別図柄の変動時間を比較的、短くしても、第1特別図柄または第2特別図柄のどちらか一方では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が実行され易い状態となり、遊技の効率をあげることで、特別図柄が変動表示していない状態が長くなってしまう不具合を抑制することができる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選遊技がどちらか一方ずつで実行されるパチンコ機10では、本実施形態のように、振り分け装置630を設けた場合には、変動時間を比較的短くしないと、保留球とならないオーバーフローが多く発生してしまう。しかしながら、本実施形態のように、第1特別図柄と第2特別図柄との両方で抽選遊技を行う構成では、一方で、変動時間が長い変動が選択されたとしても、他方でも特別図柄の変動がされるので、特別図柄の抽選を短時間に多く行うことができる。よって、遊技者に必要に応じて、十分な変動時間の演出を見せることができ、より遊技に飽きてしまうのを防止できる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が仮停止されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
また、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10には、振り分け装置630が設けられているので、第1始動口63aと第2始動口63bに交互に入賞され易く構成されており、第1始動口63aまたは第2始動口63bのどちらか一方に入賞が偏ってしまい、保留の少ない他方の始動口にも入賞させようとすることで、一方の始動口63a,63bにも遊技球が保留数の上限値以上に入賞してしまい無効球が多く発生してしまう不具合を抑制できる。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図24は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図24、S108)は、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞したか判別して、入賞した場合には、保留上限個数(第1始動口63a、第2始動口63bそれぞれに最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理が実行される。以下、始動入賞処理(図24、S108)について説明する。
始動入賞処理(図24、S108)では、まず、球が第1始動口63aに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S901)。ここでは、第1始動口63aへの入賞を検出する。球が第1始動口63aに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S901:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が取得される(S902)。取得した値(N1)は4未満であるか判別される(S903)。これは、第1始動口63aに対する保留個数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)は4未満であるか判別された場合には(S903:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)に1加算される(S904)。音声ランプ制御装置113に対して保留個数を通知するための保留球数コマンドが設定される(S905)。各種カウンタ値である、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の特別図柄保留球実行エリア203cの特別当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、特別当たり種別カウンタ格納エリア203c2、変動パターン判定用カウンタ格納エリア203c3、及び変動種別カウンタ格納エリア203c4に各々保留(格納)する(S906)。
次に、第1先読み処理が実行される(S907)。第1先読み処理(図25、S108)については、詳しく後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶された各カウンタ値に基づく変動表示開始順序が記憶されている第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせて何番目であるかを事前に判別し、さらにその変動表示順序と記憶されている各カウンタ値とから当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。
次に、S908〜S914までの各処理については、S901〜S907までの各処理で実行された第1始動口63aへの遊技球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2始動口63bに対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は、省略する。
次に、図25を参照して、始動入賞処理(図24、S108)の一処理である第1先読み処理(S907)について説明する。図25は、この第1先読み処理(S907)を示すフローチャートである。
第1先読み処理(図25、S907)では、まず、新たに第1特別図柄保留格納エリア203aに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値が読み出される(S921)。読み出したデータを並び替え保留記憶エリア203uの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶され、その新たに記憶された保留データ(各カウンタ値)に基づく変動表示が開始される変動表示開始時間が算出される(S922)。
この変動開始時間は、図12に示すように、新たに記憶された保留データに対応する変動表示中の特別図柄(第1始動口63aに基づく保留データであれば、第1特別図柄、第2始動口63bに基づく保留データであれば、第2特別図柄)の残り変動時間と、新たに記憶された保留データと同じ始動口63a,63bに基づいて先に記憶された各保留データの決定されている変動時間をそれぞれ加算することにより算出される。
ここで、新たに記憶された保留データと同じ始動口に基づいて先に記憶された各保留データとは、新たに記憶された保留データが第1始動口63aに基づく保留データであれば、先に記憶されている第1始動口63aに基づく(第1特別図柄に対応する)保留データ、一方、新たに記憶された保留データが第2始動口63bに基づく保留データであれば、先に記憶されている第2始動口63bに基づく(第2特別図柄に対応する)保留データのことである。
変動表示開始時間が算出されると、並び替え保留記憶エリア203uに記憶されている全ての保留データの変動表示開始時間の早い順に並び替え後の順序が再付番される(S923)。ここで、変動表示開始時間の再付番については、本実施形態では、全ての保留データに付いて再付番を行ったが、それに限らず、前回と変動表示開始順序が入れ替わった場合、即ち、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序が先に記憶されている保留データの変動表示開始順序に割り込まれる場合に、その変更となる順序のみ再付番するように構成しても当然よい。
新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が高確率遊技状態であるかが判別される(S924)。変動開始する時の遊技状態については、新たに記憶された保留データが変動開始する時までに停止するものの先読み確変フラグ203u6がオンの物があり、且つ、その後、15R通常大当たりで停止する保留がないかについて判別することで判別される。新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が高確率遊技状態であると判別された場合には(S924:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aの大当たり判定値に基づいて、第1特別図柄の当否を予測して、その判定結果を該当する並び替え保留記憶エリア203uに記憶する(S925)。一方、新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が低確率遊技状態(通常遊技状態)であると判別された場合には(S924:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aの大当たり判定値に基づいて、第1特別図柄の当否を予測して、その判定結果を該当する並び替え保留記憶エリア203uに記憶する(S927)。
第1先読み更新処理を実行する(S926)。第1先読み更新処理(図26、S926)については、詳しく後述するが、実際に変動表示開始される順序で、並び替え保留記憶エリア203uに記憶された保留データ(各種カウンタ値)の当否判定結果に基づいて、大当たり種別(確変か否か)、変動パターン(変動時間)が記憶(更新)される。
次に、図26を参照して、第1先読み処理(図25、S907)の一処理である第1先読み更新処理(S926)について説明する。図26は、この第1先読み更新処理(S926)を示すフローチャートである。
第1先読み更新処理(図26、S926)では、まず、第1先読み処理(図25、S907)におけるS925またはS927の処理で予測した当否判定結果は大当たりであったか判別される(S931)。第1先読み処理(図25、S907)におけるS925またはS927の処理で予測した当否判定結果は大当たりであったと判別された場合には(S931:Yes)、予測した大当たりは確変大当たり(15R確変大当たりまたは第2R確変大当たり)であったか判別される(S932)。予測した大当たりが確変大当たりであると判別された場合には(S932:Yes)、新たに記憶された保留データに対応した並び替え保留記憶エリア203uの先読み確変フラグ203u6をオンに設定する(S933)。なお、先読み確変フラグ203u6は、上位の保留エリアへデータがシフトされて記憶される場合に、シフトされる前の保留エリアのデータは0クリアされるので、そこでオフに設定される。つまり、一度、オンに設定された先読み確変フラグ203u6は、順に保留エリアをシフトされ、変動中データ記憶領域において、次の新たなデータがシフトされて上書き(0クリア)されることによりオフに設定される。
一方、予測した大当たりが確変大当たりでない(即ち、15R通常大当たりである)と判別された場合には(S932:No)、S934の処理が実行される。
変動表示開始時の遊技状態(確変または時短中であるか否か)に対応した、特別当たり変動パターンテーブル202dより、新たに記憶された保留データの特別当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動表示開始時に決定される変動パターンが予測される(S934)。
一方、第1先読み処理(図25、S907)におけるS925の処理で予測した当否判定結果が外れであると判別された場合には(S931:No)、変動表示開始時の遊技状態(確変または時短中であるか否か)に対応した、特別外れ変動パターンテーブル202eより、新たに記憶された保留データの変動パターン判定用カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動表示開始時に決定される変動パターンが予測される(S935)。
予測した当否、停止種別、及び変動パターンが並び替え保留記憶エリア203uの入賞順序に対応したエリアに(新たに記憶された保留データに対応して)記憶される(S936)。並び替え保留記憶エリア203uに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたか判別される(S937)。並び替え保留記憶エリア203uに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたと判別された場合には(S937:Yes)、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序の後の保留データ(新たに記憶された保留データに対応する特別図柄が変動停止した後に変動開始する順序の保留データ)について、再度、当否、停止種別、変動パターンを予測し、更新する(S938)。並び替え保留記憶エリア203uに記憶されている全ての保留データに対応する当否、停止種別、変動パターン、入賞順序、変動表示開始順序、先読み確変フラグ203u6に基づいて、その各データを音声ランプ制御装置113に対して通知するための入賞コマンドが各保留データ毎に生成される(S939)。
このように、遊技球が第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞し、対応する特別図柄を変動表示開始できるまで保留されると、変動表示開始前に、その当否判定や選択される変動パターンの決定等が実行され、保留の中における変動開始順序も算出される。よって、保留図柄表示が表示されると、遊技者の操作により、変動開始順に保留図柄表示を並び替えることができる。
また、新たに保留が記憶され、その保留により変動開始する順序が変更される(新たに記憶された保留の変動開始順序が割り込まれて記憶される)と、再度、並び替え保留記憶エリア203uに記憶されている各保留エリアのうち、新たに記憶された保留が停止した後に変動開始となる保留に対して、当否判定、停止種別、変動パターンの更新がされるので、新たに保留が記憶されることで、変動開始時の遊技状態(高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるか)が変わる場合にも、正確なデータに更新することができる。
なお、本実施形態では、新たに記憶された保留の変動開始順序が割り込まれ記憶された場合に、再度、保留エリアの保留データ(当否判定、停止種別、変動パターン)を再度更新したが、それに限らず、新たに保留が記憶された場合には、毎回、全ての保留エリアに対して、再度判定するようにしてもよい。このように構成することで、保留エリアのデータを新たに保留が記憶される毎に、更新することができ、より正確なデータで常に構成することができる。
次に、図27を参照して、始動入賞処理(図24、S108)の一処理である第2先読み処理(S914)について説明する。図27は、この第2先読み処理(S914)を示すフローチャートである。
第2先読み処理(図27、S914)は、上記した、第1先読み処理(図25、S907)が第1始動口63aに入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、記憶されている保留データの変動表示開始順序を決定して、各種判定を行う処理であるのに対して、第2始動口63bに入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、記憶されている保留データの変動表示開始順序を決定して、各種判定を行う処理である点で異なるのみで、同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
また、図28に示した、第2先読み処理(図27、914)の一処理である第2先読み更新処理(S946)についても、上記した、第1先読み更新処理(図26、S926)が第1始動口63aに入賞したことに基づく保留データの変動表示開始順序に基づいて、各種選択データを予測して、入賞コマンドを生成する処理であるのに対して、第2始動口63bに入賞したことに基づく保留データの変動表示開始順序に基づいて、各種選択データを予測して、入賞コマンドを生成する処理である点で異なるのみで、同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
このように、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞して、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに各種カウンタ値が新たに記憶される(保留データが記憶される)と、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)が実行される。新たに記憶された保留データは、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)で、変動表示開始となる順序が先に並び替え保留球記憶エリア203uに記憶されている各保留データの変動表示開始時間と比較して決定されるので、記憶されている保留データが変動表示開始された場合の、遊技状態(確変中であるか否か)を正確に判別することができる。よって、当否判定結果や停止種別、変動表示される変動パターン等を正確に判定することができる。従って、次に、第1特別図柄保留球記憶エリア203aまたは第1特別図柄保留球記憶エリア203bに新たに保留データが記憶された場合にも、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)で予測された各保留データの変動時間(変動パターン)に基づいて、新たに記憶された保留データの変動表示開始時間を正確に予測することができる。その結果、正しい変動表示開始順序を予測することができる。
また、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序が、先に記憶されている保留データの変動表示開始順序に割り込んで(順序が早く)記憶される場合には、新たに記憶される保留データよりも後の変動表示開始順序の各保留データについては、再度、変動表示開始時の遊技状態が第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)で予測されて、当否、停止種別、変動パターンの予測(先読み)が行われるので、より正確な予測結果に基づいて、入賞コマンドを生成することができる。よって、音声ランプ制御装置113は、正確な、記憶されている保留データの予測結果を入賞コマンドから把握することができる。
次に、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S109)について説明する。図29は、この普通図柄変動処理(S109)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S109)は、第2図柄表示装部88において行う第2図柄の変動表示や、普通電動役物64の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか判別される。(S1001)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示部88において当たりを示す表示がなされてから普通電動役物64の開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(S1001:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(S1001:No)、第2図柄表示部88の普通図柄が変動表示中であるか判別される(S1002)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別された場合には(S1002:Yes)、第2図柄表示部88において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別される(S1003)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部88において変動表示が開始される前に、後述する、S1017の処理、S1018の処理によって予め設定された時間である。
S1003の処理において、変動時間が経過していなければ(S1003:No)、本処理を終了する。一方、S1003の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(S1003:Yes)、第2図柄表示部88の停止表示を設定する(S1004)。S1004の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1018の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示部88には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1017の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示部88には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S1004の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示部88における変動表示が終了し、S1017の処理、S1018の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示部88に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(S1005)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(S1005:Yes)、普通電動役物64の開閉制御開始が設定される(1006)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(S1005:No)、本処理を終了する。
一方、S1002の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S1002:No)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1007)。S1007の処理の後、S1023の処理が実行される。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0よりも大きいか否かを判別される(S1008)。普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0であると判別された場合には(S1008:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0でないと判別された場合には(S1008:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1減算する(S1009)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203hに格納されたデータをシフトする(S1010)。S1010の処理では、普通図柄保留球格納エリア203hの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリア、普通図柄保留2→普通図柄保留1、普通図柄保留3→普通図柄保留2、普通図柄保留4→普通図柄保留4といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア203iに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1011)。
次に、時短カウンタ203kの値が1以上である(即ち、0でないか)判別される(S1012)。時短カウンタ203kの値が0である(即ち、時短中でない)と判別された場合には(S1012:No)、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図8(d))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1013)。一方、時短カウンタ203kの値が0でない(即ち、時短中である)と判別された場合には(S1012:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1014)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合には(S1014:Yes)、S1013の処理が実行される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(S1014:No)、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図8(d))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1015)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであるか判別される(S1016)。第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりでない(即ち、外れである)と判別された場合には(S1016:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様が設定される(S1017)。一方、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりである(即ち、当たりである)と判別された場合には(S1016:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様が設定される(S1018)。
時短カウンタ203kの値が1以上(即ち、遊技状態が時短中(確変含む)である)か判別される(S1019)。時短中でないと判別された場合には(S1019:No)、普通電動役物64の羽根64a,64bの開放時間が0.2s、開放回数が1回に設定される(S1020)。
一方、時短中であると判別された場合には(S1019:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1021)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合には(S1021:Yes)、S1020の処理が実行される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(S1021:No)、普通電動役物64の羽根64a,64bの開放時間が1s、開放回数が2回に設定される(S1020)。
時短カウンタ203kの値が1以上(即ち、遊技状態が時短中(確変含む)である)か判別される(S1023)。時短中であると判別された場合には(S1023:Yes)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が3sに設定される(S1024)。一方、時短中でないと判別された場合には(S1023:No)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が30sに設定される(S1025)。
次に、図30のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S110)を説明する。図30は、このスルーゲート通過処理(S110)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S110)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、普通図柄始動口67を遊技球が通過したかを判断し、遊技球の通過があった場合に、普通当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図30、S110)では、まず、球が普通図柄始動口(ゲート)67を通過したか否かを判定する(S1031)。ここでは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口67を通過したと判定されると(S1031:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を取得する(S1032)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1033)。
球が普通図柄始動口(ゲート)67を通過していないか(S1031:No)、或いは、球が普通図柄始動口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満でなければ(S1033:No)、この処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口67を通過し(S1031:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満であれば(S1033:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1加算する(S1034)。そして、上述したタイマ割込処理のS106で更新した普通当たり乱数カウンタC4の値と、第1普通図柄フラグとをRAM203の普通図柄保留球格納エリア203hの空き保留エリア(普通図柄保留1〜普通図柄保留4)のうち最初のエリアに格納する(S1035)。尚、S1035の処理では、普通図柄保留球カウンタ203gの値を参照し、その値が0であれば、普通図柄保留1のエリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば普通図柄保留2のエリアを、その値が2であれば普通図柄保留3のエリアを、その値が3であれば普通図柄保留4のエリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図31は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1041)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図32を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図32は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図32)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされているか否かを判別し(S1104)、オンされていれば(S1104:Yes)、処理をS1110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされていなければ(S1104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(11605)、記憶されていなければ(S1105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1110へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1105:Yes)、RAM判定値を算出し(S1106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1110へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1110の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1110)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1111、S1112)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3、122)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1111、S1112)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1111、S1112)を実行する。RAMの初期化処理(S1111、S1112)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1111)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1112)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1113の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされておらず(S1104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1109)、S1113の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1113)。その後、割込みを許可する(S914)。そして、後述するメイン処理(S1200)に移行する。
次に、図33を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(S1200)について説明する。図33は、このメイン処理(S1200)を示すフローチャートである。このメイン処理(S1200)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図33、S1200)においては、まず、タイマ割込処理(図14参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1201)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1202)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では100)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1203)を実行する。第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S1204)。
次に、第2図柄表示部88による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1205)。簡単に説明すると、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示部88にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、普通当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、普通電動役物64が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1206)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1206:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1207)、既に所定時間が経過していれば(S1207:Yes)、処理をS1201へ移行し、上述したS1201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1207:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1及び普通初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1208,S1209)。
まず、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1208)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1202の処理と同一の方法によって実行する(S1209)。
ここで、S1201〜S1205の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2(即ち、特別当たり乱数カウンタC1の初期値、普通当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1206の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1206:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図31のNMI割込処理が実行されたということなので、S1210以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1210)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1211)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1212)、RAM203のアクセスを禁止して(S1213)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1206の処理は、S1201〜S1205で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1208とS1209の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1301)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図34から図40を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(S1400)とがある。
まず、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図34は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1301)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1418の電源断処理(図35参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1302)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図35、S1415参照)、S1418の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1418の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1302:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1303)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1306の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1303:Yes)、S1304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1303:No)、S1308へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1303:Yes)、S1304へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1303:No)、S1308へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1302:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1418の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1304の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1304)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1305:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1306)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1305:No)、RAM223の異常を報知して(S1307)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1308の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1308)。電源断フラグはS1418の電源断処理の実行時にオンされる(図35、S1417参照)。つまり、電源断フラグは、S1418の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1308:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1310)、割込み許可を設定して(S1113)、メイン処理(S1400)へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1304からS1306の処理を経由してS1308の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1308:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1309をスキップして、処理をS1310へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S1310)。
なお、S1309のクリア処理をスキップするのは、S1304からS1306の処理を経由してS1308の処理へ至った場合には、S1304の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図35は、このメイン処理(S1400)を示したフローチャートである。メイン処理(S1400)が実行されると、まず、該メイン処理(S1400)が開始されてから、又は、前回S1401の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1401)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1401:No)、S1402〜S1410の処理を行わずにS1411の処理へ移行する。S1401の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1402〜S1410が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1411の変動表示処理やS1412のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1414の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1414の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1401の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1401:Yes)、まず、S1403〜S1414の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1402)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1409の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1403)、その後電源投入報知処理を実行する(S1404)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1405の処理へ移行する。
S1405の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1406)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理(S1406)では、詳しくは、後述するが、従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、第3図柄表示装置81の保留図柄表示の表示を更新する処理が実行される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1407)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、後述する並び替え可能期間(大当たり遊技中と保留の無い状態とを省く期間)に枠ボタン22が押された場合は、保留の成立順で表示されていた保留図柄表示が、変動表示開始順に並び替えられて表示させられる。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1408)、その後音編集・出力処理を実行する(S1409)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1409の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1410)。この後、S1411の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1408のランプ編集処理が実行される。なお、S1409の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1411の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図38を参照して後述する。
変動表示設定処理(S1411)の後、仮変動停止処理が実行される(S1412)。この仮変動停止処理(S1412)は、主制御装置110から第1特別図柄を仮停止することを示す仮第1変動停止コマンドまたは第2特別図柄を仮停止することを示す仮第2変動停止コマンドを受信したことに基づいて、その第1特別図柄または第2特別図柄を仮停止するための処理を実行する。この仮変動停止処理(S1412)の詳細については、図39を参照して後述する。
仮変動停止処理(S1412)の後、保留並び替え処理が実行される(S1413)。この保留並び替え処理は、主制御装置110から出力される入賞コマンドに基づいて、保留図柄表示を入賞順から変動表示開始順で、遊技者がボタン操作したことに基づいて、並び替えて表示する処理を実行する。この保留並び替え処理(S1413)の詳細については、図40を参照して後述する。
保留並び替え処理(S1413)の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1414)。このコマンド判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。
S1414の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1415)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1415の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1415:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1417)、電源断処理を実行する(S1418)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1419)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1415の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1415:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1416)、RAM223が破壊されていなければ(S1416:No)、S1401の処理へ戻り、繰り返しメイン処理(S1400)が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1416:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理(S1400)が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1414)について説明する。図36は、このコマンド判定処理(S1414)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1414)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図35参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S1414)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(図36、S1414)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より第1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1501)。ここで、第1変動パターンコマンドは、第1特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、第1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S1501:Yes)、RAM223に設けられた第1変動開始フラグ223c1がオンに設定される(S1502)。受信した第1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1503)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223mに第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38、S1411)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始とその第1特別図柄の変動パターン種別とを通知する第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
一方、第1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S1501:No)、主制御装置110より第2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1505)。ここで、第2変動パターンコマンドは、第2特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、第2変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S1504:Yes)、RAM223に設けられた第2変動開始フラグ223c2がオンに設定される(S1505)。受信した第2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1506)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223mに第2特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38、S1411)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始とその第2特別図柄の変動パターン種別とを通知する第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
第2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S1504:No)、主制御装置110より第1または第2停止種別コマンドを受信したか判別される(S1507)。第1または第2停止種別コマンドを受信したと判別された場合には(S1507:Yes)、第1停止種別コマンドを受信した場合には、第1停止種別選択フラグがオンに設定される。第2停止種別コマンドを受信した場合には、第2停止種別選択フラグがオンに設定される。(S1508)。受信した第1停止種別コマンドまたは第2停止種別コマンドから停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれか)が抽出される(S1506)。抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223mに記憶される。なお、第1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、第2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。
一方、第1または第2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S1507:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別される(S1510)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S1510:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球数カウンタfの値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示演出の保留球数)が抽出され、第1特別図柄の保留球数は、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1に格納され、第2特別図柄の保留球数は、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2に格納される(S1511)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1508の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1と第2特別図柄保留球カウンタ223b2との値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eと第2特別図柄保留球カウンタ203fとの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1または第2特別図柄保留球カウンタ223b2の値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球カウンタ203fの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1または第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
保留球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S1510:No)、入賞コマンドを受信したか判別される(S1512)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S1512:Yes)、受信したコマンドから主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uの各保留エリアの情報が抽出される(S1510)。ここで、抽出される並び替え保留記憶エリア203uにおける各保留エリアの情報は、各保留毎の、当否判定結果、大当たり種別、変動パターン種別、変動表示順序、変動表示開始となるまでの時間である。
一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S1512:No)、仮第1変動停止コマンドまたは仮第2変動停止コマンドを受信したか判別される(S1515)。仮第1変動停止コマンドまたは仮第2変動停止コマンドを受信したと判別された場合には(S1515:Yes)、仮第1変動停止コマンドを受信した場合には、従第1変動停止フラグ223eがオンに設定され、仮第2変動停止コマンドを受信した場合には、従第2変動停止フラグ223fがオンに設定される(S1516)。
一方、仮第1変動停止コマンドまたは仮第2変動停止コマンドを受信していないと判別された場合には(S1515:No)、第1特別図柄変動再開コマンドまたは第2特別図柄変動再開コマンドを受信しているか判別される(S1517)。第1特別図柄変動再開コマンドまたは第2特別図柄変動再開コマンドを受信していると判別された場合には(S1517:Yes)、受信したコマンドに対応した、第1特別図柄変動再開コマンドを受信した場合には、従第1変動再開フラグ223gがオンに設定される。また、第2特別図柄変動再開コマンドを受信した場合には、従第2変動再開フラグ223hがオンに設定される(S1518)。
一方、第1特別図柄変動再開コマンドまたは第2特別図柄変動再開コマンドを受信していないと判別された場合には(S1517:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される(S1519)。
次に、図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理(S1406)について説明する。図37は、この保留個数表示更新処理(S1406)を示したフローチャートである。この保留個数表示更新処理(S1406)は、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアのデータに基づいて、第3図柄表示装置81で表示される保留図柄表示の更新を行うための処理である。
保留個数表示更新処理(図37、S1406)では、まず、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアの変動開始時間記憶エリア223k5の変動表示開始時間が更新される(S1431)。変動開始時間記憶エリア223k5に記憶された各時間データからこの処理の実行周期(本実施形態では、1ms)が減算される。また、変動表示開始時間の更新はこれに限らず、RTC等を設けることにより行ってもよいし、他の方法であっても当然よい。
従並び替え保留記憶エリア223kの並び替えフラグ223k7がオンになっている保留エリアに対応する保留図柄表示は、変動表示開始順序で、並び替えフラグ223k7がオフになっている保留エリアに対応する保留図柄表示は、保留の成立順序で保留図柄表示が表示される(S1432)。
ここで、並び替えフラグ223k7は、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留並び替え処理(図40、S1413)において、並び替え可能期間に枠ボタン22が操作(本実施形態では、押下)された場合に、保留データが記憶されているすべての保留エリアにおいて、オンに設定される。これにより、表示されている保留図柄表示は、すべて保留の成立順序から、保留の変動表示開始順序に基づいて並び替えて表示される。一方、並び替えフラグ223k7がオンに設定された後に、新たに記憶された保留に関しては、並び替えフラグ223k7がオフであるので、並び替えられずに成立した順序、即ち、第3図柄表示装置81に表示されている保留図柄表示の最後尾に表示される。
よって、遊技者が保留図柄表示の並び替えをさせようと思い、枠ボタン22を操作すると、そのときに表示されている保留図柄表示については、変動表示開始順序で並び替えが実行されて、その後も、並び替えられた保留図柄表示は、変動表示開始順序での表示が維持される一方、新たに記憶される(発生する)保留に対応する保留図柄表示については、成立順序で、先に表示されている保留図柄表示に割り込んで表示されることなく、最後尾で表示されるので、遊技者は、現在の表示が、どの順序で表示されているものなのかを混同する不具合を抑制することができる。
また、このように、枠ボタン22が操作された時に表示されている保留図柄表示のみを並び替えるようにすることで、遊技者が知りたい時だけ、変動表示開始順序を知らせることができる。
また、通常、15R確変大当たりまたは15R通常大当たりとなる場合には、比較的、長い変動パターンが選択される。そのため、大当たりとなる保留と同じ始動口63a,63bで成立した保留については、変動表示開始時間が遅くなる。よって、大当たりとなる保留と異なる始動口63a,63bで発生した成立順序の遅い保留の方が変動表示開始時間が早くなる場合が発生する。このような場合には、保留図柄の並び替えが行われると、成立順序の遅い保留図柄が、それよりも成立順序の早い保留図柄よりも前(保留図柄表示エリアDs1側)に割り込んで表示される。従って、遊技者は、枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えをさせた場合に、成立順序の遅い保留図柄が成立順序の早い保留図柄よりも前に割り込んで表示されると、その割り込んで表示された保留図柄よりも前に表示されている保留図柄のうち、その割り込んで表示された保留図柄とは異なる始動口63a,63bへの入賞で発生した保留について、大当たりではないかと期待を持つことができる。
よって、遊技者は、枠ボタン22を操作する時に、保留図柄表示の中に、大当たりとなる保留があるかもしれないと思い、並び順序が変わることを期待して枠ボタンを操作することができ、大当たりへの期待感をもって枠ボタン22を操作することができる。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1411)について説明する。図38は、この変動表示設定処理(S1411)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図38、S1411)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図35参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図38、S1411)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または第2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たり)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用第1または第2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図38、S1411)では、まず、RAM223に設けられた第1変動開始フラグ223c1がオンに設定されているか判別される(S1601)。そして、第1変動開始フラグ223c1がオフであると判別された場合には(S1601:No)、主制御装置110より第1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1606の処理を実行する。一方、第1変動開始フラグ223c1がオンであると判別された場合には(S1601:Yes)、第1変動開始フラグ223cをオフに設定する(S1602)。
S1603の処理では、コマンド判定処理(図36、S1414)のS1503の処理において第1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223mより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S1603)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S1603の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図35、S1400)のコマンド出力処理(S1402)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
ここで、表示制御装置114では、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1に、受信した表示用変動パターンコマンドが示す変動表示態様で、第1特別図柄(第3図柄)を変動表示(動的表示)する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値を1減らし、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている保留データが1つ前の保留エリアにシフトされる(S1604)。より具体的には、保留エリア1→変動表示中データの第1特別図柄または第2特別図柄、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3、保留エリア5→保留エリア4、保留エリア6→保留エリア5、保留エリア7→保留エリア6、保留エリア8→保留エリア7、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。従第1変動時間記憶エリア223iを用いて、第1特別図柄の変動時間の計測が開始される(S1605)。
RAM223に設けられた第2変動開始フラグ223c2がオンに設定されているか判別される(S1606)。そして、第2変動開始フラグ223c2がオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1606:No)、主制御装置110より第1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1611の処理を実行する。一方、第2変動開始フラグ223c2がオンであると判別された場合には(S1606:Yes)、第2変動開始フラグ223c2をオフに設定する(S1607)。コマンド判定処理(図36、S1414)のS1506の処理において、第2変動パターンコマンドより抽出された第2特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223mより取得して、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S1608)。
S1608の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図35、S1400)のコマンド出力処理(S1402)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
ここで、表示制御装置114では、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の右側表示領域Dm2に、受信した表示用変動パターンコマンドが示す変動表示態様で、第2特別図柄(第3図柄)を変動表示(動的表示)する。 第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第2特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値を1減らし、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている保留データが1つ前の保留エリアにシフトされる(S1609)。より具体的には、保留エリア1→変動表示中データの第1特別図柄または第2特別図柄、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3、保留エリア5→保留エリア4、保留エリア6→保留エリア5、保留エリア7→保留エリア6、保留エリア8→保留エリア7、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
従第2変動時間記憶エリア223jを用いて、第2特別図柄の変動時間の計測が開始される(S1610)。
第1停止種別選択フラグ223d1または第2停止種別選択フラグ223d2がオンに設定されているか判別される(S1611)。第1停止種別選択フラグ223d1及び第2停止種別選択フラグ223d2がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1611:No)、この処理を終了する。
一方、第1停止種別選択フラグ223d1または第2停止種別選択フラグ223d2がオンであると判別された場合には(S1611:Yes)、第1停止種別選択フラグ223d1がオンであった場合には、第1停止種別選択フラグ223d1がオフに設定され、第2停止種別選択フラグ223d2がオンであった場合には、第2停止種別選択フラグ223d2がオフに設定される(S1612)。
コマンド判定処理(図36、S1414)のS1509の処理において、受信した第1停止種別コマンドまたは第2停止種別コマンドより抽出された停止種別が設定される(S1613)。設定されている停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用第1停止種別コマンドが生成される。また、設定されている停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用第2停止種別コマンドが生成される(S1614)。なお、主制御装置110から通知される第1または第2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
このように構成されることで、音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を同時に変動表示させるように、表示制御装置114を制御することができる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターンが設定されることに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kのデータもシフトすることで、主制御装置110からシフトするための専用のコマンドを送信する制御をする必要がなく、主制御装置110の制御負荷を軽減させることができる。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される仮変動停止処理(S1412)について説明する。図39は、この仮変動停止処理(S1412)を示したフローチャートである。この仮変動停止処理(図39、S1412)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図35参照)の一処理である。上述したように、仮変動停止処理(図39、S1412)は、第3図柄表示装置81において変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄の一方が、大当たりとなり、他方の変動表示をその大当たり遊技の間、仮停止させるための処理を実行する。
仮変動停止処理(図39、S1412)では、まず、従第1変動停止フラグ223eはオンに設定されているか判別される。従第1変動停止フラグ223eはオンに設定されていると判別された場合には(S1701:Yes)、従第1変動停止フラグ223eがオフに設定される(S1702)。
表示用第1仮停止コマンドが生成される(S1703)。表示用第1仮停止コマンドは、第3図柄表示装置81で変動表示中の第1特別図柄を、仮に変動表示停止させるように表示制御装置114を制御するためのコマンドである。表示制御装置114は、この表示用第1仮停止コマンドを設定すると、第1特別図柄の変動表示を停止させた後に、第1特別図柄(左中右の主図柄)を少し揺らして表示させることで、仮に変動表示停止していることを遊技者に報知する。また、第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1に、「第1特別図柄は仮停止中です」という文字を表示させることで、さらに遊技者に判り易く、仮に変動表示停止していることを報知する構成となっている。
このように、遊技者は、変動表示中であった特別図柄が、大当たりが発生した為に、仮停止したと認識でき、変動表示中であった抽選が消滅してしまったり、無効になってしまったと不安になるのを防止して、安心して遊技を行うことができる。
また、仮停止の表示態様は、本実施形態の構成に限るものではなく、左側表示領域Dmから第1特別図柄を消し、文字のみで仮停止中であることを報知する構成であっても良いし、その他の構成であっても当然よい。
表示用第1仮停止コマンドが設定されると、従第1変動時間記憶エリア223iで計測されている第1特別図柄の変動時間の計測が中断(一時停止)される。
このように構成することで、第1特別図柄の変動時間を正確に管理することができ、変動表示を再開させる場合にも、正確に残り変動時間で変動表示させることができる。
一方、従第1変動停止フラグ223eはオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1701:No)、従第2変動停止フラグ223fはオンに設定されているか判別される(S1705)。従第2変動停止フラグ223fがオンに設定されていると判別された場合には(S1705:Yes)、従第2変動停止フラグ223fがオフに設定され(S1706)、表示用第2仮停止コマンドが生成される(S1707)。表示用第2仮停止コマンドは、表示用第1仮停止コマンドと同様に、第3図柄表示装置81で変動表示中の第2特別図柄を、仮に変動表示停止させるように表示制御装置114を制御するためのコマンドである。第2特別図柄も第1特別図柄と同様に、仮停止の表示態様で仮停止される。
表示用第2仮停止コマンドが設定されると、従第2変動時間記憶エリア223jで計測されている第2特別図柄の変動時間の計測が中断(一時停止)される。
このように構成することで、第2特別図柄の変動時間を正確に管理することができ、変動表示を再開させる場合にも、正確に残り変動時間で変動表示させることができる。
従第1変動再開フラグ223gは、オンに設定されているか判別される(S1709)。従第1変動再開フラグ223gがオンに設定されていると判別された場合には(S1709:Yes)、従第1変動再開フラグ223gがオフに設定される(S1710)。
従第1変動時間記憶エリア223iに記憶されている第1特別図柄の計測された変動時間が3s以下であるか判別される(S1711)。従第1変動時間記憶エリア223iに記憶されている第1特別図柄の計測された残りの変動時間が3s以下であると判別された場合には(S1711:Yes)、表示用第1短変動態様再開コマンドが設定される(S1712)。この表示用第1短変動態様再開コマンドが設定されると、表示制御装置114に対して出力される。この表示用第1短変動態様再開コマンドは、表示制御装置114に「仮停止していた変動表示の抽選結果を表示します!」という文字を残りの変動時間の間、左側表示領域Dm1に表示した後、主制御装置110から出力される確定コマンドに基づいて、抽選結果を示す図柄で第1特別図柄を停止表示させる。なお、文字表示は、第1特別図柄が停止表示されると「仮停止していた変動表示の抽選結果を表示しました!」という文字に変わり、次の変動が開始されるまで、表示され続ける。
一方、従第1変動時間記憶エリア223iに記憶されている第1特別図柄の計測された変動時間が3sより長いと判別された場合には(S1711:No)、表示用第1通常変動態様再開コマンドが設定される(S1713)。この表示用第1通常変動態様再開コマンドが設定されると、表示制御装置114に対して出力される。この表示用第1通常変動態様再開コマンドは、「仮停止していた変動表示を変動中!」という文字を残りの変動時間の間、左側表示領域Dm1に表示して、第1特別図柄の全ての主図柄(左中右の3図柄)を残りの変動時間の間、変動表示させた後、主制御装置110から出力される確定コマンドに基づいて、抽選結果を示す図柄で第1特別図柄を停止表示させる。次に、従第1変動時間記憶エリア223iでの変動時間の計測を再開させる(S1714)。
このように構成することで、主制御装置110が残りの変動時間に合わせて、第3図柄表示装置81に表示させる残りの変動態様についての指示をするための処理をしなくとも、音声ランプ制御装置113が残りの変動時間を判断して、残りの変動態様を選択するので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
また、残りの変動時間が短い場合には、中断した変動態様の続きを表示させても、遊技者が見落としてしまったり、短すぎて、報知結果を理解できなかったりする問題がある。しかしながら、本パチンコ機10の構成では、残りの時間が基準時間(本実施形態では、3s)以内の場合には、直ぐに抽選結果が表示させる旨を遊技者に報知してから報知結果が表示されるので、遊技者は、中断(仮停止)していた報知結果が表示されたことを認識することができる。
さらに、特別図柄が停止表示した後も、中断していた変動表示が停止表示したことを報知する文字が表示されるので、残りの変動時間がごく短時間(例えば、1s以内)であった場合にも、遊技者は、中断していた変動表示が有効であり、判定結果が停止表示されたことを認識することができる。
また、残りの変動時間が基準時間(本実施形態では、3s)よりも長い場合においても、中断(仮停止)していた報知結果を変動表示中であることを遊技者に報知するので、遊技者は、中断していた変動表示が消滅することなく有効であったことを容易に認識することができる。
一方、従第1変動再開フラグ223gがオフであると判別された場合には(S1709:No)、従第2変動再開フラグ223hは、オンに設定されているか判別される(S1715)。従第2変動再開フラグ223hがオンに設定されていると判別された場合には(S1715:Yes)、従第2変動再開フラグ223gがオフに設定される(S1716)。
従第2変動時間記憶エリア223jに記憶されている第2特別図柄の計測された残りの変動時間が3s以下であるか判別される(S1717)。従第2変動時間記憶エリア223jに記憶されている第2特別図柄の計測された残りの変動時間が3s以下であると判別された場合には(S1717:Yes)、表示用第2短変動態様再開コマンドが設定される(S1718)。この表示用第2短変動態様再開コマンドが設定されると、表示制御装置114に対して出力される。この表示用第2短変動態様再開コマンドは、表示制御装置114に「仮停止していた変動表示の抽選結果を表示します!」という文字を残りの変動時間の間、右側表示領域Dm2に表示した後、主制御装置110から出力される確定コマンドに基づいて、抽選結果を示す図柄で第2特別図柄を停止表示させる。なお、文字表示は、第2特別図柄が停止表示されると「仮停止していた変動表示の抽選結果を表示しました!」という文字に変わり、次の変動が開始されるまで、表示され続ける。
一方、従第2変動時間記憶エリア223jに記憶されている第2特別図柄の計測された変動時間が3sより長いと判別された場合には(S1717:No)、表示用第2通常変動態様再開コマンドが設定される(S1719)。この表示用第2通常変動態様再開コマンドが設定されると、表示制御装置114に対して出力される。この表示用第2通常変動態様再開コマンドは、「仮停止していた変動表示を変動中!」という文字を残りの変動時間の間、右側表示領域Dm2に表示して、第2特別図柄の全ての主図柄(左中右の3図柄)を残りの変動時間の間、変動表示させた後、主制御装置110から出力される確定コマンドに基づいて、抽選結果を示す図柄で第2特別図柄を停止表示させる。次に、従第2変動時間記憶エリア223jでの変動時間の計測を再開させる(S1720)。一方、従第2変動再開フラグ223hがオフであると判別された場合には(S1715:No)、この処理を終了する。
このように構成することで、主制御装置110が残りの変動時間に合わせて、第3図柄表示装置81に表示させる残りの変動態様についての指示をするための処理をしなくとも、音声ランプ制御装置113が残りの変動時間を判断して、残りの変動態様を選択するので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
また、残りの変動時間が短い場合には、中断した変動態様の続きを表示させても、遊技者が見落としてしまったり、短すぎて、報知結果を理解できなかったりする問題がある。しかしながら、本パチンコ機10の構成では、残りの時間が基準時間(本実施形態では、3s)以内の場合には、直ぐに抽選結果が表示させる旨を遊技者に報知してから報知結果が表示されるので、遊技者は、中断(仮停止)していた報知結果が表示されたことを認識することができる。
さらに、特別図柄が停止表示した後も、中断していた変動表示が停止表示したことを報知する文字が表示されるので、残りの変動時間がごく短時間(例えば、1s以内)であった場合にも、遊技者は、中断していた変動表示が有効であり、判定結果が停止表示されたことを認識することができる。
また、残りの変動時間が基準時間(本実施形態では、3s)よりも長い場合においても、中断(仮停止)していた報知結果を変動表示中であることを遊技者に報知するので、遊技者は、中断していた変動表示が消滅することなく有効であったことを容易に認識することができる。
また、本実施形態では、中断していた第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示を再開する場合には、文字でその旨を遊技者に報知したが、特にそれに限るものではなく、音声や、ランプ等で報知するように構成しても当然良い。また、遊技者に再開したことが分かる表示態様(例えば、キャラクター等が中断していた変動表示を再開していることを報知するアニメ−ションで表示される)のように、中断していた変動表示の再開専用の表示態様で報知するようにしても当然よい。このようにすることで、遊技者は、中断していた変動表示が再開されたことを正確に認識することができる。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、残りの変動時間に合わせて変動パターンを選択する構成とした。これに限らず、主制御装置110が、仮停止していた変動表時を再開させる場合に、残りの変動時間により、同じ変動時間の変動パターンや、残りの変動時間よりも少し短い変動時間の変動パターンを選択するように構成してもよい。少し短い変動時間の変動パターンが選択された場合には、音声ランプ制御装置113において、残りの変動時間と少し短い変動時間の変動パターンの差分を遅延させて変動表時させるように制御することで、残りの変動時間に合わせた第1特別図柄または第2特別図柄の変動表時を行うことができる。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留並び替え処理(S1413)について説明する。図40は、この保留並び替え処理処理(S1413)を示したフローチャートである。この保留並び替え処理(図40、S1413)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図35参照)の一処理である。上述したように、保留並び替え処理(図40、S1413)は、遊技者が枠ボタン22を有効期間に操作した場合に、第3図柄表示装置81に保留の成立順序で表示されている保留図柄表示を、変動表示開始順序で並び替えを行うように設定する処理を実行する。
保留並び替え処理(図40、S1413)では、まず、並び替え可能期間であるか判別される(S1801)。並び替え可能期間は、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態が並び替え可能期間に設定されている。
並び替え可能期間であると判別された場合には(S1801:Yes)、表示用ボタン操作表示コマンドが生成される(S1802)。表示制御装置114は、この表示用ボタン操作表示コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81に「並び替えができるかも!!」という文字表示をして、遊技者に枠ボタン22を操作が可能である期間を報知する。報知態様は、これに限らず、音声等で行ってもよいし、専用のランプ等を点灯させるように制御する構成であっても当然よい。
また、本実施形態では、並び替え可能期間を設けたことで、遊技者が、並び替え操作が可能となるタイミングを容易に認識することができ、枠スイッチ22を適切なタイミングで操作することができる。また、並び替え可能期間は、特に設けずに、枠ボタン22が操作された時に、並び替えが可能であれば、並び替え表示を実行するように構成しても当然よい。
枠ボタン22が操作されているかが判別される(S1803)。枠ボタン22が操作されていると判別された場合には(S1803:Yes)、従並び替え保留記憶エリア223kの保留データが記憶されているすべての保留エリアの並び替えフラグ223k7がオンに設定される(S1804)。
一方、並び替え可能期間ではないと判別された場合(S1801:No)、枠ボタン22が操作されていないと判別された場合には(S1803:No)、処理を終了する。
このように構成することで、遊技者が並び替えを行いたいと思ったときに、第3図柄表示装置81で表示されている保留図柄のみに対して並び替えを行うことができる。
遊技者は、実際の変動表示開始順序を知ることができ、次に注目するべき特別図柄(変動表示開始となる特別図柄)を事前に知ることができる。よって、予め見るべき表示領域を想定しながら遊技を行うことができ、遊技をスムーズに行うことができる。
また、本パチンコ機の構成では、振り分け装置630により、第1始動口63aと第2始動口64aとを交互に遊技球が入賞し易く構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とが均等に遊技が行われ効率良く遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10では、保留図柄の並び替えは、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、実行する構成としてが、それに限らず、新たな保留が記憶される毎に実行するように構成しても当然よい。このように構成することで、遊技者は、常に、変動開始順序で並び替えられた保留図柄により、変動表示開始順序を正確に認識できる。
本実施形態では、並び替え可能期間は、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態として説明したが、これに限らず、大当たり遊技中も並び替え可能期間として設定するようにしてもよいし、反対に、並び替え可能期間を特定の変動表示態様が表示されている期間以外等に設定してもよく、適宜、決定すればよい。
なお、大当たり遊技中を、並び替え可能期間に設定した場合には、変動表示中で仮停止した変動表示の残りの変動時間を考慮して、並び替えを行う必要が有る。具体的には、保留されている第1特別図柄または第2特別図柄の決定されている変動時間(変動表示態様)と仮停止中の残りの変動時間とに基づいて、変動開始時間を算出して、並び替え順序を判断して、その並び替え順序に基づいて並び替えを行う。このように構成することで、大当たり遊技中に、新たな保留表示態様が表示されても、その保留表示態様とその保留表示態様が表示される前に既に表示されていた表示態様とを合わせて、正確な変動開始順序で並び替えを行い、大当たり遊技機中にも、正確な変動開始順序を遊技者に報知することができる。
また、本実施形態では、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uと音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kとで並び替えを互いにしたデータを記憶するように構成した。それに限らず、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113に入賞コマンドにより、並び替えに必要な各種データ(当否判定結果、大当たり種別、変動パターン種別、等)を通知するように構成して、音声ランプ制御装置113のみで、並び替えを行うように構成してもよい。
このように、構成することで、主制御装置110は停電が発生した場合にも、並び替えに必要な各種データをRAM203にバックアップし、電源復帰時に、立ち上げ処理(図32)において、その各種データを音声ランプ制御装置113に出力することで、音声ランプ制御装置113において、その各種データに基づいて並び替えを行うことで、電源断からの復帰を容易に行うことができる。
本実施形態では、変動開始中の第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間と並び替え保留記憶エリア203uに記憶されたデータの変動パターン種別とにより、保留さらた第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始時間を算出して、変動開始順序を算出した。それに限らず、遊技球入賞時には、リーチとなる変動態様か否かを決定することにより一定時間よりも長い変動態様か否かの情報(時間情報)を決定しておき、その時間情報と変動中の第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間とから変動開始順序を大まかに決定して並び替えるものであってもよい。このように構成することで、入賞時には、リーチとなる変動態様であるか否か(長時間変動態様か短時間変動態様か否か)を決定しておき、正確な変動時間(変動態様)は、変動開始時の保留球数等の情報により決定するパチンコ機10であっても、遊技者に大まかな変動開始順序を報知することができる。
よって、遊技者は、正確な変動開始順序では無いかもしれないが、並び替えが行われたということは長時間変動態様(リーチとなる変動態様)が保留されているものの中に含まれており、大当たりへの期待を持って遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、並び替え可能期間は、遊技状態によって判別したが、それに限らず、並び替えができる状態(例えば、保留図柄表示が表示されている状態)であるかを判別して、並び替えが可能であることを報知するように構成してもよい。このように構成することで、並び替えが可能な期間を柔軟に設定することができ、より遊技者に並び替えの機会を与えることができる。
次に、図41〜図43を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)、第2特別図柄変動パターン選択処理(図22、S710)では、大当たりの当否判定結果に基づいて、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブルまたは特別外れ変動パターンテーブルを選択して、各種変動パターンを選択する場合について説明した。
これに対し、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の変動パターンの選択では、主制御装置110のMPU201は、第1特別図柄の保留球の数が所定個数以上(本実施例では、3個以上)であり、且つ、第1特別図柄の保留球数と第2特別図柄の保留球数との差が第1特別図柄の保留球数の方が所定個数以上(本実施形態では、2個以上)多いか判別され、多い場合には、他の変動パターンよりも短い変動時間(本実施形態では、0.5秒)で構成された短時間外れの変動パターンが選択される。第2特別図柄の変動パターンの選択についても、第1特別図柄の変動パターンの選択と同様に、第2特別図柄の保留球数と第1特別図柄と2第特別図柄との保留球数の差が第2特別図柄の保留球数の方が所定個数以上多いか判別して、短時間外れの変動パターンが選択される。
即ち、第2施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第2実施形態では、主制御装置110のMPU201が、第1特別図柄の変動パターンと第2特別図柄の変動パターンとをそれぞれ選択する場合に、互いの保留球の状態を判断して、特殊な変動パターン(本実施形態では、短時間外れの変動パターン)を選択する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図41は、第2実施形態における、パチンコ機10の主制御装置110のMPU201におけるROM202の特別外れ変動パターンテーブル202eにおける調整用特別外れ変動パターンテーブル202eを模式的に示した図である。調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)は、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して選択される変動パターンテーブルである。
この調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)は、後述する、第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)および第2特別図柄変動パターン選択処理2(図示せず)において、選択される変動パターンテーブルである。具体的には、変動パターンを選択する特別図柄の保留球数が3個以上であり、他方の特別図柄(第1特別図柄であれば第2特別図柄)の保留球数との差が2個以上多い場合に、この調整用特別外れ変動パターンテーブルが選択される。調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)は、当否判定結果が外れの場合にのみ選択される変動パターンテーブルであり、変動時間が0.5秒で構成された1種類のみで構成されている。よって、変動種別カウンタCS1、変動パターン判定用カウンタCS3の値に関わらず、短時間外れの変動パターン(変動時間0.5秒)が選択される構成となっている。
このように、短時間外れの変動パターンが選択されることで、保留球数が3個以上であり、他方の特別図柄の保留球との差が2個以上となり、保留球の数が互いに均等で無い場合にも、多い方の保留球の消化を早くすることが可能となり、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の数を均等に保留させていくことができ、他方のみが上限数(本実施例では、4個)となり、オーバーフローが発生してしまうのを防止することができる。
また、変動パターンを選択する特別図柄の保留球が3個以上であるかを判断することで、保留球が少ない状態で、短時間外れの変動パターンが頻繁に選択されてしまい、遊技の演出(特別図柄の変動による興趣)を損ねてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態では、調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)には、短時間外れの変動パターン(0.5秒の変動時間)の1種類のみとしたが、それに限らず、複数の変動時間で構成された短時間外れの変動パターンで構成するようにしてもよい。このように、構成することで、他方の特別図柄が変動中の場合には、その残り変動時間により、選択する短時間外れの変動パターンの種類(変動時間)を変えることで、より保留球の数を互いに均等にすることができる。また、他方の特別図柄の保留球の変動時間を予測して、選択する短時間外れの変動パターンを変えるようにしてもよい。このようにすることで、保留球の少ない方の特別図柄の保留球の中に、比較的変動時間の長い変動パターン(例えば、スーパーリーチCの変動パターン等)が選択されるものがあっても、それに合わせた短時間外れの変動パターンを選択することで、より互いの特別図柄の保留球を均等になるように調整することができる。
なお、本実施形態では、保留球の差を判別して、調整用の変動パターンを決定する構成としたが、それに限らず、保留球の差を判別しないで、互いの特別図柄が選択する変動パターンを判別して、変動時間の差が小さくなるような、変動パターンを選択するように構成してもよい。詳細には、第1特別図柄の変動パターンの選択時に、第2特別図柄で選択される変動パターンを判別して、変動時間の長い変動パターンが選択されていれば、比較的長い変動時間の変動パターン(第2特別図柄の変動パターンの変動終了に合わせた変動時間等)を決定するようにして、互いの保留球の消化スピードを同じにするように構成してもよい。
このように構成することで、変動パターンについて極端に短いものや、長いものを決定しなくても、保留球数が互いに均等になるように調整することができる。
また、本実施形態では、振り分け入賞装置630により、第1始動口63aと第2始動口64bとに交互に遊技球が入賞し易いように補助される。よって、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターン(変動時間)の違いにより、保留球の消化スピードが異なるため、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の数に偏りが生じたり、振り分け装置630により、交互に遊技球が第1始動口63aと第2始動口63bとに振り分けられず、偏りが生じてしまう場合がある。しかしながら、偏りが生じた場合には、保留球数が上限数(本実施形態では、4個)となる前の3個の状態で、互いの保留球の差が2個以上あれば、短時間外れの変動パターンが選択されるので、遊技者は、片方の特別図柄の保留球でオーバーフローが発生してしまうのを心配することなく、遊技を続けることができる。
図42を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図42、S203)について説明する。図42は、この第1特別図柄変動開始処理(図42、S203)を示すフローチャートである。第2実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図42、S203)は、第1実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)が追加されている。第2実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第1実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)が実行される。
図43を参照して、第2実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図42、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理2(S320)について説明する。図43は、この第1特別図柄変動パターン選択処理2(S320)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。特に、当否判定結果が外れの場合には、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の数により、短時間外れの変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)において当否判定された結果が大当たりであるか否かが判別される(S511)。大当たりであるか否かの判定は、第1大当たりフラグ203oがオンに設定されているか否かで判別される。第1大当たりフラグ203oがオンに設定されていると判別された場合には(S511:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S512)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。
特別当たり種別カウンタC2の値に基づいた大当たり種別により、大当たり種別テーブル202b(図8(c))を決定する(S513)。大当たり種別テーブル202b(図8(c))は、15R大当たりテーブルと2R大当たりテーブルで構成されており、15R確変大当たり及び15R通常大当たりの場合には、15R大当たりテーブルが、2R確変大当たりの場合には、2R大当たりテーブルが決定される。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S511:No)、第1特別図柄の保留球の数が3個以上であるか判別される(S514)。第1特別図柄の保留球の数は、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値に基づいて判別される。第1特別図柄の保留球の数が3個以上であると判別された場合には(S514:Yes)、第1特別図柄の保留球の数から第2特別図柄の保留球の数を減算した値が2個以上である(即ち、第1特別図柄の保留球が第2特別図柄の保留球よりも2個以上多い)か判別される(S515)。ここでは、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値から第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を減算した値で判断される。
第1特別図柄の保留球が第2特別図柄の保留球よりも2個以上多いと判別された場合には(S515:Yes)、調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)がセットされる。一方、第1特別図柄の保留球の数が3個未満であると判別された場合(S514:No)、第1特別図柄の保留球の数から第2特別図柄の保留球の数を減算した結果が2個未満であると判別された場合(S515:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブル202eがセットされる。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202d(図11(b))がセットされる。
特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S518)。変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、第1変動パターンコマンドが生成される(S519)。ここで、第1変動パターンコマンドは、音声ランプ制御装置113に対して選択された第1特別図柄の変動パターンを通知するためのコマンドである。第1停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S520)。その後、第1特別図柄の変動時間である第1変動時間の計測開始が設定される(S521)。
このように、第1特別図柄の保留球の数が3個以上であり、さらに、第1特別図柄の保留球の数が第2特別図柄の保留球の数より2個以上多い場合には、調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)が設定され、短時間外れの変動パターンが選択されることで、第1特別図柄の変動が0.5秒で終了して、次の第1特別図柄の保留球に対して第1特別図柄の変動が開始されることにより保留球が消化される。よって、第1特別図柄の保留球は、0.5秒後に1つ消化されることなり、第1特別図柄の保留球の消化スピードを早くして、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差を少なくするように調整することができる。
また、短時間に第1始動口63aに遊技球が多数入賞して、保留球の差が大きくなった場合や、第1特別図柄で比較的長い変動パターン(例えば、スーパーリーチCの変動パターン等)が選択される一方、第2特別図柄では、比較的短い変動パターン(例えば、通常外れAの変動パターン等)が連続して選択されて、保留球の差が大きくなった場合(例えば、第1特別図柄の保留球が4個で第2特別図柄の保留球が1個等)にも、第1特別図柄の変動開始毎に、保留球の状態を判断して、短時間外れの変動パターンを選択するか否かの処理が行われるため、第1特別図柄では、連続して短時間外れの変動パターンが選択されることとなり、速やかに、保留球の差を少なくするように調整することができる。よって、第1特別図柄では、上限数(本実施形態では、4個)まで達し、第2特別図柄では上限数(本実施形態では、4個)よりも少ない(例えば、1個等)となり、第2特別図柄の保留球も上限数(本実施形態では、4個)まで保留させようとした場合に、振り分け入賞装置630により交互に振り分けられることにより、第1入賞口63aにも遊技球が入賞してしまい、オーバーフローとなってしまう不具合を防止することができる。
また、第1特別図柄の保留球の数が3個以上の場合に、互いの保留球の差を判別することで、第1特別図柄の保留球が上限数(本実施形態では、4個)まであと1個となるまでは、短時間外れの変動パターンが選択されず、頻繁に短時間外れの変動パターンが選択されて、遊技者が特別図柄の変動による演出を十分に楽しめず、遊技に飽きてしまうのを防止することができる。また、短時間外れの変動パターンが選択されることで、抽選結果が外れであることを遊技者が、特別図柄の停止前に認識してしまい、大当たりへの期待感を持てないことも防止することができる。
また、比較的長い変動パターン(スーパーリーチCの変動パターン等)を選択することにより、保留球の差が発生しても、その後、短時間外れの変動パターンが選択されることで、保留球の差を少なくなるように調整することができる。よって、オーバ−フローを減少させることができ、比較的に変動時間の長い変動パターン(スーパーリーチCの変動パターン等)を多く選択させて、遊技者に特別図柄の変動による演出を楽しませて、遊技への飽きを防止することができる。従って、バラエティに富んだ演出を行うことができ、変動パターンの選択に制限ができてしまう不具合(例えば、スパーリーチC等の変動パターンを選択する比率を極端に少なくする等)を抑制することができる。
また、本パチンコ機10では、振り分け入賞装置630により交互に第1始動口63aと第2始動口63bとに振り分けられる。よって、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差は、1個の差となる場合については、短時間外れの変動パターンが選択されないように、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球との差が2個以上か判別するようにされている。よって、振り分け入賞装置630により均等に振り分けられている場合にも、短時間外れの変動パターンが頻繁に選択されてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の当否判定結果が当たりの場合には、調整用の変動パターンを選択しないように構成した。このように構成することで、当たりとなる変動パターンは、通常の当たりを示す変動パターンを選択することができ、遊技者に十分に当たりとなる変動パターンの演出を行うことができる。また、第1特別図柄の当否判定結果が当たりの場合には、変動停止後に大当たり遊技が開始されるので、調整用の変動パターンを選択しなくても、オーバーフロー等の不具合について対処する必要が無い。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の保留球の数が3個以上であるか判別したが、それに限らず、2個以上でもよいし、その他の数で適宜、設定してもよい。また、第1特別図柄の保留球の数を判断せずに、直接、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差を判別するように構成しても当然よい。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球が第2特別図柄の保留球よりも2個以上多いか判別したが、3個以上であっても良いし、その他の数で適宜、設定してもよい。
また、本実施形態では、短時間外れの変動パターンは、0.5秒の変動時間のもの1種類としたが、それに限らず、変動時間が異なるもの、例えば、0.5秒ずつ異ならせた(0.5秒、1秒、1.5秒等)変動パターンを複数設けて選択するようにしてもよい。選択については、他の変動パターンの選択と同様にカウンタ値で選択するようにしてもよいし、第2特別図柄の保留球の状態(保留球の数、保留球の差、保留されているものについて事前に判定した変動時間等)に基づいて選択してもよいし、第2特別図柄が変動中であれば、その残り時間に基づいて、選択するように構成してよい。
このように構成することで、より第2特別図柄の保留球との差を少なくするように調整することができる。よって、短時間外れの変動パターンが選択される頻度を少なくして、通常の変動パターンによる演出で遊技者に遊技を行わせることができ、遊技に飽きてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態では、短時間外れの変動パターンを選択したが、通常時外れ変動パターンテーブルより、比較的に変動時間の短い変動パターン(例えば、通常外れAの変動パターン等)を選択するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に通常の外れの変動パターンで特別図柄を変動させることができ、遊技者に調整用の変動パターンが選択されることへの違和感を低減させることができる。
なお、第2特別図柄についても、第1特別図柄と同様に第2特別図柄変動パターン選択処理2(図示せず)が、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図14)の一処理であると特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(図20、S203)の第2特別図柄変動パターン選択処理(図22、S710)に代わって実行される。
第2実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理2(図示せず)は、第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)の各処理において、第1が第2に、第2が第1に変更されるのみであり、詳細な説明や奏する効果については同一であるので、その説明と図示を省略する。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の保留球数と第2特別図柄の保留球数との差が所定個数以上(本実施形態では、2個以上)となると、短時間外れの変動パターンが選択される構成としたが、それに限らず、当否判定結果が外れの場合に限定せずに、他方の特別図柄で選択される変動パターンを判別して、保留球数の差がなくなるように変動パターンを選択するように構成してもよい。詳細には、第1特別図柄の保留球が第2特別図柄の保留球よりも2個多く、第2特別図柄の保留球で選択される変動パターンが比較的短い変動パターンであれば、それよりも短い変動パターン(例えば、0.5秒の変動時間)を選択し、比較的長い変動パターンであれば、その変動パターンよりも短い変動パターンで、保留球の差が調整できるものを選択するようにすればよい。
このように構成することで、より自然な特別図柄の変動を行いながら、保留球の差を調整できる。よって、オーバフローの発生を抑制できる。
また、本実施形態では、調整用特別外れ変動パターンテーブルとして、短時間外れ専用の変動パターンテーブルを設けるように構成したが、それに限らず、通常の変動パターン(当たり、外れ共に)において、先頭のアドレスに調整用に変動パターン(例えば、0.5秒の短時間変動)を設定しておき、保留球の差により、その先頭アドレスを選択して調整用の変動パターンを選択するように構成してもよい。
なお、本実施形態では、振り分け装置630により、遊技球が均等に第1始動口63aと第2始動口63bとに振り分けられる場合について、説明したが、振り分け装置630を設けず、第1始動口63aと第2始動口63bとにランダムに遊技球が入賞する構成でも、本実施形態の構成で、保留球の差を均等になるように調整することができる。
次に、図44〜図45を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第2実施形態におけるパチンコ機10では、保留球の状態について、所定個数以上の差が発生した場合に、短時間外れの変動パターンを選択して、その差を小さくするように調整する場合について説明した。
これに対し、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態と同じ保留球の条件で、保留球が少ない方の変動パターンを、保留球が多い方の保留球のうち、最初に変動開始する保留球に対応する特別図柄が変動停止するまでの時間を変動時間とした変動パターンが選択される。
即ち、第3施形態におけるパチンコ機10は、第2実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態では、主制御装置110のMPU201が、保留球が少ない方の特別図柄の変動時間を調整することで、互いの保留球の差を少なくするように調整する点で第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図44を参照して、第3実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図44、S203)について説明する。図44は、この第1特別図柄変動開始処理(図44、S203)を示すフローチャートである。第3実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図44、S203)は、第2実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図42、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理3(図45、S330)が追加されている。第3実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第2実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理3(図45、S330)が実行される。
図45を参照して、第3実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図44、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理3(S330)について説明する。図45は、この第1特別図柄変動パターン選択処理3(S330)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理3(図45、S330)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。特に、当否判定結果が外れの場合には、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の数により、第2特別図柄の保留球よりも第1特別図柄の保留球が所定個数以上少ない場合には、その差を調整するための変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理3(図45、S330)では、第2実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)に対して、S534〜S536までの各処理が変更されており、その他の処理については同一であるので、変更された点についてのみ、詳細に説明する。
第1特別図柄変動パターン選択処理3(図45、S330)において、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S531:No)、第2特別図柄の保留球の数が3個以上であるか判別される(S534)。第2特別図柄の保留球の数は、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に基づいて判別される。第2特別図柄の保留球の数が3個以上であると判別された場合には(S534:Yes)、第2特別図柄の保留球の数から第1特別図柄の保留球の数を減算した値が2個以上である(即ち、第2特別図柄の保留球が第1特別図柄の保留球よりも2個以上多い)か判別される(S535)。ここでは、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値から第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を減算した値で判断される。
第2特別図柄の保留球が第1特別図柄の保留球よりも2個以上多いと判別された場合には(S535:Yes)、並び替え保留記憶エリア203uに基づいて、現時点より第2特別図柄の1番目の保留(第2特別図柄の保留エリアのうち、変動順序が一番早い保留エリア)に対応する特別図柄の変動が終了するまでの時間を変動時間とした第1調整用特別外れ変動パターンコマンドがセットされる。
ここでは、第2変動時間記憶エリア203tの値と並び替え保留記憶エリア203uにおける第2特別図柄の保留エリアのうち、変動順序が一番早い保留エリアの変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶されている変動パターンが示す変動時間の値とを加算することにより変動時間が算出される。なお、第1調整用特別外れ変動パターンが選択された場合には、S539の処理における変動パターンの選択については、スキップされ、次のS540の処理が実行される。
このように、第1特別図柄の変動パターン選択時に、第2特別図柄の保留球の数が所定個数以上(本実施形態では、3個以上)であり、互いの保留球の差が2個以上の場合には(第1特別図柄の保留球の方が少ない)、第2特別図柄の保留球のうち、変動順序が最も早い保留に対応する特別図柄の変動が終了するまでの変動時間で構成された変動パターンが選択される。よって、第2特別図柄の保留球が1つ消化され、2つ目が消化されようとするまでは、第2特別図柄の保留球は消化されないので、第1特別図柄の保留球の消化スピードが遅くなり、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差が少なくなるように調整することができる。
また、第2特別図柄の保留球が3個以上か判別することにより、頻繁に調整用の変動パターンが選択されてしまい、遊技の演出を損ねてしまうような不具合を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の当否判定結果が当たりの場合には、調整用の変動パターンを選択しないように構成した。このように構成することで、当たりとなる変動パターンは、通常の当たりを示す変動パターンを選択することができ、遊技者に十分に当たりとなる変動パターンの演出を行うことができる。また、第1特別図柄の当否判定結果が当たりの場合には、変動停止後に大当たり遊技が開始されるので、調整用の変動パターンを選択しなくても、オーバーフロー等の不具合について対処する必要が無い。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の保留球の数が3個以上であるか判別したが、それに限らず、2個以上でもよいし、その他の数で適宜、設定してもよい。また、第2特別図柄の保留球の数を判断せずに、直接、第2特別図柄と第1特別図柄との保留球の差を判別するように構成しても当然よい。
また、本実施形態では、第2特別図柄の保留球が第1特別図柄の保留球よりも2個以上多いか判別したが、3個以上であっても良いし、その他の数で適宜、設定してもよい。
また、本実施形態では、1番目に保留されている特別図柄の変動が終了するまでの変動時間を選択するようにしたが、それに限らず、変動中の第2特別図柄の残り変動時間よりも長い変動時間であってもよい。また、1番目に保留されている特別図柄の変動時間よりも長い変動時間を選択するようにしてもよい。
また、本実施形態では、1番目に保留されている特別図柄の変動が終了するまでの変動時間を選択するようにしたが、その変動時間に近い変動時間またはそれよりも長い変動時間の変動パターンを通常時外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))から選択するようにしてもよい。このように構成することで、遊技者に通常の外れの変動パターンで特別図柄を変動させることができ、遊技者に調整用の変動パターンが選択されることへの違和感を低減させることができる。
また、第2実施形態と第3実施形態との構成を組み合わせてもよい。このように構成することで、保留球の差を双方の特別図柄が変動するタイミングで、少なくするように調整することができ、より素早く対応することができる。
なお、第2特別図柄についても、第2実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理2(図示せず)と同様に、第1特別図柄変動パターン選択処理3(図45、S330)の各処理において、第1が第2に、第2が第1に変更されるのみであり、詳細な説明や奏する効果については同一であるので、その説明と図示を省略する。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球が第2特別図柄の保留球よりも2個以上多いか判別したが、3個以上であっても良いし、その他の数で適宜、設定してもよい。
また、本実施形態では、短時間外れの変動パターンは、0.5秒の変動時間のもの1種類としたが、それに限らず、変動時間が異なるもの、例えば、0.5秒ずつ異ならせた(0.5秒、1秒、1.5秒等)変動パターンを複数設けて選択するようにしてもよい。選択については、他の変動パターンの選択と同様にカウンタ値で選択するようにしてもよいし、第2特別図柄の保留球の状態(保留球の数、保留球の差、保留されているものについて事前に判定した変動時間等)に基づいて選択してもよいし、第2特別図柄が変動中であれば、その残り時間に基づいて、選択するように構成してよい。
このように構成することで、より第2特別図柄の保留球との差を少なくするように調整することができる。よって、短時間外れの変動パターンが選択される頻度を少なくして、通常の変動パターンによる演出で遊技者に遊技を行わせることができ、遊技に飽きてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態では、短時間外れの変動パターンを選択したが、通常時外れ変動パターンテーブルより、比較的に変動時間の短い変動パターン(例えば、通常外れAの変動パターン等)を選択するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に通常の外れの変動パターンで特別図柄を変動させることができ、遊技者に調整用の変動パターンが選択されることへの違和感を低減させることができる。
なお、本実施形態では、振り分け装置630により、遊技球が均等に第1始動口63aと第2始動口63bとに振り分けられる場合について、説明したが、振り分け装置630を設けず、第1始動口63aと第2始動口63bとにランダムに遊技球が入賞する構成でも、本実施形態の構成で、保留球の差を均等になるように調整することができる。
次に、図46〜図51を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第2実施形態におけるパチンコ機10では、保留球の状態について、所定個数以上の差が発生した場合に、短時間外れの変動パターンを選択して、その差を小さくするように調整する場合について説明した。
これに対し、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらか一方に連続して遊技球が入賞したかを判別して、連続して入賞した場合には、その連続して入賞した方に対応する特別図柄の変動パターンを短時間外れの変動パターンを選択して、保留球の差を小さくするように調整される。
即ち、第4施形態におけるパチンコ機10は、第2実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第2実施形態では、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらか一方に遊技球が連続して入賞したことに基づいて、短時間外れの変動パターンを選択する点で第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図46は、第4実施形態における、パチンコ機10の主制御装置110のMPU201におけるRAM203のその他メモリエリア203vの一部を模式的に示した図である。
第1入賞フラグ203v1は、第1始動口63aに遊技球が入賞したことを示すフラグである。具体的には、第1入賞フラグ203v1は、後述する、第1連続入賞判定処理(図51、S960)において、第1始動口63aに遊技球が入賞し、第1入賞フラグ203v1がオフである場合にオンに設定されるフラグである。一方、第2始動口63bに遊技球が入賞した場合には、オフに設定される。
第2入賞フラグ203v2は、第1入賞フラグ203v1に対して、第2始動口63bへに対する点で異なるのみで、同一であるので、詳細な説明については省略する。
このように構成することで、振り分け入賞装置630により、交互に第1始動口63a第2始動口63bとに振り分けられずに、例えば、第1始動口63aに連続して遊技球が入賞した場合には、2回目に第1始動口63aに遊技球が入賞した場合には、すでに第1入賞フラグ203v1がオンに設定されており、連続に第1始動口63aに入賞したか否かが判別できるように構成されている。
第1連続入賞フラグ203v3は、第1始動口63aに連続して遊技球が入賞したことを示すフラグである。具体的には、後述する、第1連続入賞判定処理(図51、S960)において、第1始動口63aに遊技球が入賞した場合に、すでに第1入賞フラグ203v1がオンに設定されている場合に、オンに設定されるフラグである。一方、後述する、第1特別図柄変動パターン選択処理4(図49、S340)において、S526の処理で調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)がセットされるとオフに設定される。
第2連続入賞フラグ203v4は、第1連続入賞フラグ203v3に対して、第2始動口63bに対する点で異なるのみで、同一であるので、詳細な説明については省略する。
このように構成することで、第1始動口63aまたは第2始動口63bに連続に入賞したか否かを容易に判別することができる。よって、第1連続入賞フラグ203v3または第2入賞フラグ203v4がオンに設定されたことに基づいて、調整用の変動パターンを選択することで、容易に第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差を少なくするように構成することができる。
図47を参照して、第4実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図47は、このタイマ割込処理を示すフローチャートである。第4実施形態のタイマ割込処理は、第2実施形態のタイマ割込処理(図14)に対して、特別図柄変動処理(図15、S107)の一部が変更され、始動入賞処理(図24、S108)に代わって始動入賞処理2(図50、S120)が追加されている。
図48を参照して、第4実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図47)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図48、S203)について説明する。図48は、この第1特別図柄変動開始処理(図48、S203)を示すフローチャートである。第4実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図48、S203)は、第2実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図42、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理4(図49、S340)が追加されている。第4実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第2実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理4(図49、S340)が実行される。
図49を参照して、第4実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図48、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理4(S340)について説明する。図49は、この第1特別図柄変動パターン選択処理4(S340)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理4(図49、S340)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。特に、当否判定結果が外れの場合には、第1連続入賞フラグ203v3がオンであるか(即ち、第1始動口63aに遊技球が連続して入賞したか)判別し、オンであれば、その差を調整するために短時間外れの変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理4(図49、S340)では、第2実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理2(図43、S320)に対して、S554〜S556までの各処理が変更されており、その他の処理については同一であるので、変更された点についてのみ、詳細に説明する。
第1特別図柄変動パターン選択処理4(図49、S340)において、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S551:No)、第1連続入賞フラグ203v3がオンであるか(即ち、第1始動口63aに連続して遊技球が入賞したか)判別される(S554)。第1連続入賞フラグ203v3がオンであると判別された場合には(S554:Yes)、調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)がセットされ、第1連続入賞フラグ203v3がオフに設定される(S556)。
一方、第1連続入賞フラグ203v3がオフであると判別された場合には(S554:No)、第1特別図柄の保留球の数から第2特別図柄の保留球の数を減算した値が2個以上である(即ち、第1特別図柄の保留球が第2特別図柄の保留球よりも2個以上多い)か判別される(S555)。ここでは、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値から第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を減算した値で判断される。
第1特別図柄の保留球が第2特別図柄の保留球よりも2個以上多いと判別された場合には(S555:Yes)、S556の処理が実行される。一方、第1特別図柄の保留球の数から第2特別図柄の保留球の数を減算した結果が2個未満であると判別された場合(S555:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブル202eがセットされる。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202d(図11(b))がセットされる。
このように構成することで、振り分け入賞装置630により第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に振り分けられずに、どちらか一方に連続して入賞した場合には、短時間外れの変動パターンが選択されるので、連続に入賞した方の保留の消化が早くなり、交互に振り分けられたものと略同一の状態とすることができる。よって、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差を少なくするように調整することができる。
また、第1連続入賞フラグ203vがオフである場合にも、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球との差が所定数以上(第1特別図柄の保留球の方が2個以上多い)か判別して、所定数以上である場合には、短時間外れの変動パターンが選択される。これにより、振り分け入賞装置630では、交互に振り分けられていても、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターン(変動時間)の違いにより、所定数以上の保留球数の差(例えば、2個以上)が発生しても、短時間外れの変動パターンが選択されることにより、保留球の差を小さくするように調整することができる。
なお、本実施形態では、第1連続入賞フラグ203vがオフの場合には、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差を判別したが、それに限らず、第2実施形態と同様に、第1特別図柄の保留球の数が所定個数以上(例えば、3個以上)か判別するようにしてもよい。このように構成することで、頻繁に短時間外れの変動パターンが選択されて、遊技者が特別図柄の変動による演出を十分に楽しめず、遊技に飽きてしまうのを防止することができる。また、短時間外れの変動パターンが選択されることで、抽選結果が外れであることを遊技者が、特別図柄の停止前に認識してしまい、大当たりへの期待感を持てないことも防止することができる。
また、本実施形態では、第1連続入賞フラグ203vがオンである場合に、調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)がセットされるように構成したが、それに限らず、第1連続入賞フラグ203vがオンである場合には、S555の処理を実行して、第1特別図柄の保留球が第2特別図柄の保留球よりも2個以上多い場合に、調整用特別外れ変動パターンテーブル202e(図41)がセットされるように構成してもよい。このように構成することで、第1始動口63aに連続して入賞した場合にも、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差が所定数以上なければ、通常の変動パターンを選択するように構成でき、頻繁に短時間外れの変動パターンが選択されてしまうのを抑制することができる。
なお、第2特別図柄についても、第2実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理2(図示せず)と同様に、第1特別図柄変動パターン選択処理4(図49、S340)の各処理において、第1が第2に、第2が第1に変更されるのみであり、詳細な説明や奏する効果については同一であるので、その説明と図示を省略する。
図50を参照して、第4実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図47)の一処理である始動入賞処理2(S120)について説明する。図50は、この始動入賞処理2(図50、S120)を示すフローチャートである。第4実施形態の始動入賞処理2(図50、S120)は、第2実施形態の始動入賞処理(図24、S108)に対して、第1連続入賞判定処理(図51、S906)と第2連続入賞判定処理(S980)とがそれぞれ追加されている。第4実施形態におけるS901〜S914までの各処理は、第2実施形態におけるS901〜S914までの各処理と同一の処理が実行される。S901の処理において、第1始動口63aに遊技球が入賞したと判別された場合には(S901:Yes)、第1連続入賞判定処理(図51、S960)が実行される。
第1連続入賞判定処理(図51、S960)では、まず、第1入賞フラグ203v1がオンに設定されているか(即ち、前回、第1始動口63aに遊技球が入賞した後であるか)判別される(S961)。第1入賞フラグ203v1がオンであると判別された場合には、第1連続入賞フラグ203v3がオンに設定される(S962)。一方、第1入賞フラグ203v1がオフである(即ち、前回、第2始動口63bに遊技球が入賞した)と判別された場合には(S961:No)、第1入賞フラグ203v1をオンに設定する(S963)。その後、第2入賞フラグ203v2をオフに設定する(S964)。
このように構成することで、第1始動口63aと第2始動口63bとに遊技球が交互に入賞せずに、第1始動口63aに遊技球が連続して入賞したかを判別することができる。
なお、本実施形態では、第1連続入賞フラグ203v3がオンである場合に、短時間外れの変動パターンを選択するように構成したが、第2連続入賞フラグ203v4がオンであるか判別して、オンである場合には、第3実施形態と同様に、第2特別図柄の保留のうち、変動開始順序が一番早いものに対する特別図柄が変動停止するまでの変動時間で構成された変動パターンを選択するようにしてもよい。このように構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の差を小さくするように調整することができる。
なお、第2連続入賞判定処理(S907)については、第1連続入賞判定処理(図51、S960)に対して、第1を第2に、第2を第1にそれぞれ変更したものであるので、詳細な図示と説明を省略する。
なお、本実施形態では、第1入賞フラグ203v1と第2入賞フラグ203v2とをそれぞれ設けたが、どちらか一方のみを設けて、そのオンとオフの状態によって、判別するように構成してもよい。具体的には、第1入賞フラグ203v1のみで構成した場合には、第1入賞フラグ203v1がオンに設定されている場合には、第1始動口63aに入賞、第1入賞フラグ203v1がオフに設定されている場合には、第2始動口63bに入賞と判別する。このように構成することで、フラグの数等を減らすことができ、RAMの必要容量を小さくすることができる。第1連続入賞フラグ203v3、第2連続入賞フラグ203v4についても同様である。
なお、本実施形態では、一方の始動口に2個連続で入賞した場合に、調整用の変動パターンを決定して、保留球の差を調整する場合について説明したが、それに限らず、一方の特別図柄で、他方が1回の特別図柄の変動を開始して終了するまでの間に、2回以上連続で特別図柄の変動を終了した場合に、調整用の変動パターンを決定するように構成してもよい。また、連続に入賞したことと、連続に変動したことを組み合わせることで、より保留球の差を均等になるように調整することができる。
なお、本実施形態では、振り分け装置630により、遊技球が均等に第1始動口63aと第2始動口63bとに振り分けられる場合について、説明したが、振り分け装置630を設けず、第1始動口63aと第2始動口63bとにランダムに遊技球が入賞する構成でも、本実施形態の構成で、保留球の差を均等になるように調整することができる。
次に、図52〜図55を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、下側表示領域Dsに表示された保留図柄が音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留個数表示更新処理(図37、S1406)により、枠ボタン22が操作され、並び替えフラグ223k7がオンになっている保留エリアに対応する保留図柄表示が変動を開始する順序で並び替えて表示される場合に説明した。
これに対し、本第5実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留個数表示更新処理2(図54、S1440)において、並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアに対応する保留図柄表示を変動を開始する順序で並び替え、その並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアの保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)の背景(保留図柄表示が表示される背景)を点滅表示(フラッシュ表示)させる。
即ち、第5施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第5実施形態では、並び替えが実行された保留図柄表示(並び替えフラグ223k7がオンに設定された保留エリアに対応する保留表示)が表示されている保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8のいずれか)の背景画面を並び替えが実行済みであることを示す点滅表示(フラッシュ表示)させる点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図52は、第5実施形態における、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄表示の並び替え前から並び替え後までの表示を示した図である。並び替え前では、下側表示領域Dsに第1始動口63aと第2始動口63bとに入賞した順に対応する保留表示図柄(第1始動口63aに入賞したことに基づく保留図柄表示であれば「○」、第2始動口63bに入賞したことに基づく保留図柄表示であれば「●」)が表示される。本実施形態では、振り分け入賞装置630により交互に第1始動口63aと第2始動口63bとに振り分けられるので、交互に第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄表示が表示されやすい。
その後、遊技者により枠ボタン22が操作されると、保留図柄表示の並び替えが実行され、変動を開始する順序で保留図柄表示の並び替えが実行される。そして、そのときに表示されていた保留図柄表示(図52では、Ds1からDs5に表示されていた保留図柄表示)に対して、背景が点滅表示(図52ではハッチングで示す)される。その後、新たに、第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞した遊技球に対する保留図柄表示に対しては、入賞した順序(入賞が成立した順序)で保留図柄表示が表示され、その保留図柄表示エリア(図52では、Ds6からDs7)に対しては、点滅表示はされずに、通常の背景図柄(例えば、ブルーの背景色)で表示される。
このように、遊技者が、枠ボタン22を操作したときに、表示されていた保留図柄表示に対して、保留図柄表示エリアの背景を点滅表示させることで、遊技者は、並び替えを実行した保留図柄表示を容易に認識することができる。よって、保留図柄表示が表示されている順序について、入賞した順序であるか、変動を開始する順序であるかを容易に識別できる。従って、遊技者の混乱を抑制することができる。
また、並び替えが実行された後に入賞した保留図柄表示に対しては、入賞した順序で保留図柄表示を表示して、保留図柄表示エリアの背景も通常の背景のままであるので、遊技者は、表示されている保留図柄表示が並び替え前のものであることを容易に識別することができる。さらに、並び替えが実行された保留図柄表示に対しては、背景の表示が点滅した状態を維持しているので、遊技者は、並び替え前、並び替え後の保留図柄表示を一度に認識することができる。
また、保留図柄表示に対応する特別図柄が変動開始すると、その保留図柄表示は消され(消化され)、表示されている各保留図柄表示を1つずつ右側の保留図柄表示エリアへシフトして表示されるが、背景の点滅表示もそれに合わせて、シフトされて表示されるので、保留図柄表示の消化が行われても、遊技者は、容易に並び替えが実行された保留図柄表示を識別することができる。
なお、本実施形態では、並び替えが実行された保留図柄表示を示す報知態様として、背景の点滅表示させたが、それに限らず、背景の色を変える(例えば、通常は青色を、並び替えが実行されると赤色に替える)ように構成してもよいし、背景でなく、保留図柄表示を点滅させたり、色を変えたり、模様を付ける等、適宜表示を変えるようにしてもよい。さらには、音声や文字等で報知するように構成してもよい(例えば、「3番目までの保留図柄は並び替え済みです。」という音声や文字を表示する)。
図53を参照して、第5実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図53は、このメイン処理(図53、S1400)を示すフローチャートである。第5実施形態のメイン処理(図53、S1400)は、第1実施形態のメイン処理(図35、S1400)に対して、保留個数表示更新処理(図37、S1406)に代わり、保留個数表示更新処理2(図54、S1440)、保留並び替え処理(図40、S1413)に代わり、保留並び替え処理2(図55、S1450)が追加されている。第5実施形態におけるS1401〜S1405の各処理は、第1実施形態におけるS1401〜S1405の各処理と同一の処理が実行される。S1405の処理が完了すると、保留個数表示更新処理2(図54、S1440)が実行される。
図54を参照して、第5実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図53、S1400)の一処理である保留個数表示更新処理2(S1440)について説明する。図54は、この保留個数表示更新処理2(S1440)を示すフローチャートである。保留個数表示更新処理2(図54、S1440)は、下側表示領域Dsの保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)に保留図柄表示を表示するためのコマンドを設定するための処理である。
保留個数表示更新処理2(図54、S1440)では、まず、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアの変動開始時間記憶エリア223k5の変動表示開始時間が更新される(S1441)。変動開始時間記憶エリア223k5に記憶された各時間データからこの処理の実行周期(本実施形態では、1ms)が減算される。また、変動表示開始時間の更新はこれに限らず、RTC等を設けることにより行ってもよいし、他の方法であっても当然よい。
従並び替え保留記憶エリア223kの並び替えフラグ223k7がオンになっている保留エリアに対応する保留図柄表示は、変動表示開始順序で、並び替えフラグ223k7がオフになっている保留エリアに対応する保留図柄表示は、保留の成立順序で保留図柄表示が表示される(S1442)。
並び替えフラグ223k7がオンに設定されている従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアに対応する保留図柄表示が表示されている保留図柄表示エリアの背景を点滅(フラッシュ)表示させ、並び替えフラグ223k7がオフである保留エリアに対応する保留図柄表示が表示されている保留図柄表示エリアの背景は通常背景(本実施形態では、例えば、青色)で表示制御装置114に表示させる背景表示変更コマンドを生成する(S1443)。
このように、並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアの保留図柄表示が表示されている保留図柄表示エリアの背景を点滅表示させることで、遊技者に並び替えが実行済みである保留図柄表示であることを報知することができる。よって、遊技者は、その報知態様により、表示されている保留図柄表示が変動開始をする順序で表示されていることを認識することができる。
また、並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアに対応する保留図柄表示が表示されている保留図柄表示エリアの背景は点滅表示され、並び替えフラグ223k7がオフに設定されている保留エリア(即ち、並び替えが実行された後に、成立した保留)に対応する保留図柄表示が表示されている保留図柄表示エリアの背景は、通常の背景で表示されるので、遊技者は、並び替えが実行された保留図柄表示と並び替えが未実行の保留図柄表示とを容易に認識することができる。
また、この保留個数表示更新処理2(図54、S1440)が実行される毎に、新たに、背景表示変更コマンドが生成されるので、新たな保留が発生したり、保留図柄表示に対応する特別図柄が変動を開始して、保留が消化された場合にも、その状態に合わせて適宜、保留図柄表示と並び替えが実行されたことを示す点滅表示とを更新することができる。
また、並び替えフラグ223k7は、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留並び替え処理2(図55、S1450)において、並び替え可能期間に枠ボタン22が操作(本実施形態では、押下)された場合に、保留データが記憶されているすべての保留エリアにおいて、オンに設定される。これにより、表示されている保留図柄表示は、すべて保留の成立順序から、保留の変動表示開始順序に基づいて並び替えて表示される。一方、並び替えフラグ223k7がオンに設定された後に、新たに記憶された保留に関しては、並び替えフラグ223k7がオフであるので、並び替えられずに成立した順序、即ち、第3図柄表示装置81に表示されている保留図柄表示の最後尾に表示される。
よって、遊技者が保留図柄表示の並び替えをさせようと思い、枠ボタン22を操作すると、そのときに表示されている保留図柄表示については、変動表示開始順序で並び替えが実行されて、その後も、並び替えられた保留図柄表示は、変動表示開始順序での表示が維持される一方、新たに記憶される(発生する)保留に対応する保留図柄表示については、成立順序で、先に表示されている保留図柄表示に割り込んで表示されることなく、最後尾に表示されるので、遊技者は、現在の表示が、どの順序で表示されているものなのかを混同する不具合を抑制することができる。
また、このように、枠ボタン22が操作された時に表示されている保留図柄表示のみを並び替えるようにすることで、遊技者が知りたい時だけ、変動表示開始順序を知らせることができる。
また、通常、15R確変大当たりまたは15R通常大当たりとなる場合には、比較的、長い変動パターンが選択される。そのため、大当たりとなる保留と同じ始動口63a,63bで成立した保留については、変動表示開始時間が遅くなる。よって、大当たりとなる保留と異なる始動口63a,63bで発生した成立順序の遅い保留の方が変動表示開始時間が早くなる場合が発生する。このような場合には、保留図柄の並び替えが行われると、成立順序の遅い保留図柄が、それよりも成立順序の早い保留図柄よりも前(保留図柄表示エリアDs1側)に割り込んで表示される。従って、遊技者は、枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えをさせた場合に、成立順序の遅い保留図柄が成立順序の早い保留図柄よりも前に割り込んで表示されると、その割り込んで表示された保留図柄よりも前に表示されている保留図柄のうち、その割り込んで表示された保留図柄とは異なる始動口63a,63bへの入賞で発生した保留について、大当たりではないかと期待を持つことができる。
よって、遊技者は、枠ボタン22を操作する時に、保留図柄表示の中に、大当たりとなる保留があるかもしれないと思い、並び順序が変わることを期待して枠ボタンを操作することができ、大当たりへの期待感をもって枠ボタン22を操作することができる。また、枠ボタン22を操作すると、音声が出力されるので、大当たりへの期待感をより増幅させて演出することができる。
メイン処理(図53、S1400)に戻って説明を続ける。第5実施形態におけるS1407〜S1412の各処理は、第1実施形態におけるS1407〜S1412の各処理と同一の処理が実行される。S1412の処理が完了すると、保留並び替え処理2(図55、S1450)が実行される。
図55を参照して、第5実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図53、S1400)の一処理である保留並び替え処理2(S1450)について説明する。図55は、この保留並び替え処理2(S1450)を示すフローチャートである。保留並び替え処理2(図55、S1450)は、保留図柄表示の並び替え可能期間である場合に、枠ボタン22が操作されると、並び替えが実行された(実行される)ことを報知する並び替え報知音コマンドをセットし、従並び替え保留記憶エリア223kの並び替えフラグ223k7をオンに設定するための処理である。
保留並び替え処理2(図55、S1450)では、まず、並び替え可能期間であるか判別される(S1451)。並び替え可能期間は、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態が並び替え可能期間に設定されている。
並び替え可能期間であると判別された場合には(S1451:Yes)、表示用ボタン操作表示コマンドが生成される(S1452)。表示制御装置114は、この表示用ボタン操作表示コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81に「並び替えができるかも!!」という文字表示をして、遊技者に枠ボタン22を操作が可能である期間を報知する。報知態様は、これに限らず、音声等で行ってもよいし、専用のランプ等を点灯させるように制御する構成であっても当然よい。
また、本実施形態では、並び替え可能期間を設けたことで、遊技者が、並び替え操作が可能となるタイミングを容易に認識することができ、枠スイッチ22を適切なタイミングで操作することができる。また、並び替え可能期間は、特に設けずに、枠ボタン22が操作された時に、並び替えが可能であれば、並び替え表示を実行するように構成しても当然よい。
枠ボタン22が操作されているかが判別される(S1453)。枠ボタン22が操作されていると判別された場合には(S1453:Yes)、並び替え報知音コマンドがセットされる(S1454)。並び替え報知音コマンドは、音声出力装置226より並び替えが実行される(実行された)ことを示す報知音(本実実施形態では、「並び替えします」という音声)が出力される。
なお、本実実施形態では、音声としたが、それに限らず、特定の効果音(例えば、ファンファーレの音楽等)が出力されるように構成してもよい。出力時間は、その効果に合わせて適宜、設定すればよく、並び替えされた保留図柄表示が表示されている間は、ずっと専用のメロディや効果音が出力されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、並び替えを実行したことを強く意識でき、保留図柄表示が並び替えされていることを理解し易くできる。
従並び替え保留記憶エリア223kの保留データが記憶されているすべての保留エリアの並び替えフラグ223k7がオンに設定される(S1455)。
一方、並び替え可能期間ではないと判別された場合(S1451:No)、枠ボタン22が操作されていないと判別された場合(S1453:No)には、この処理を終了する。このように構成することで、遊技者が並び替えを行いたいと思ったときに、第3図柄表示装置81で表示されている保留図柄のみに対して並び替えを行うことができる。
遊技者は、実際の変動表示開始順序を知ることができ、次に注目するべき特別図柄(変動表示開始となる特別図柄)を事前に知ることができる。よって、予め見るべき表示領域を想定しながら遊技を行うことができ、遊技をスムーズに行うことができる。
また、本パチンコ機の構成では、振り分け装置630により、第1始動口63aと第2始動口64aとを交互に遊技球が入賞し易く構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とが均等に遊技が行われ効率良く遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10では、保留図柄の並び替えは、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、実行する構成としてが、それに限らず、新たな保留が記憶される毎に実行するように構成しても当然よい。このように構成することで、遊技者は、常に、変動開始順序で並び替えられた保留図柄により、変動表示開始順序を正確に認識できる。
本実施形態では、並び替え可能期間は、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態として説明したが、これに限らず、大当たり遊技中も並び替え可能期間として設定するようにしてもよいし、反対に、並び替え可能期間を特定の変動表示態様が表示されている期間以外等に設定してもよく、適宜、決定すればよい。
なお、大当たり遊技中を、並び替え可能期間に設定した場合には、変動表示中で仮停止した変動表示の残りの変動時間を考慮して、並び替えを行う必要が有る。具体的には、保留されている第1特別図柄または第2特別図柄の決定されている変動時間(変動表示態様)と仮停止中の残りの変動時間とに基づいて、変動開始時間を算出して、並び替え順序を判断して、その並び替え順序に基づいて並び替えを行う。このように構成することで、大当たり遊技中に、新たな保留表示態様が表示されても、その保留表示態様とその保留表示態様が表示される前に既に表示されていた表示態様とを合わせて、正確な変動開始順序で並び替えを行い、大当たり遊技機中にも、正確な変動開始順序を遊技者に報知することができる。
次に、図56〜図57を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述の第5実施形態におけるパチンコ機10では、枠ボタン22が操作されたときに、保留図柄表示エリアに表示されていたすべての保留図柄表示に対して、保留図柄表示エリアの背景を点滅表示させる場合について説明した。
これに対し、本第5実施形態におけるパチンコ機10の変形例では、並び替えが実行されて、成立順と異なる順序となる変動開始順序の保留図柄表示に対してのみ、保留図柄表示エリアの背景を点滅表示させる。
即ち、第5施形態におけるパチンコ機10の変形例は、第5実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第5実施形態の変形例では、保留個数表示更新処理2(図57、S1440)において、並び替えフラグ223k7がオンに設定された保留エリアで、入賞順序と異なる変動開始順序となる保留エリアの保留図柄表示が表示されている保留図柄表示エリアに対して、背景を点滅表示をさせる背景表示変更コマンドを生成する点で第5実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第5実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第5実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図56は、第5実施形態の変形例における、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄表示の並び替え前から並び替え後までを示した図である。並び替え前では、第1特別図柄の保留図柄表示(本実施形態では、「○」)と第2特別図柄の保留図柄表示(本実施形態では、「●」)とが成立順に表示されている。遊技者により枠ボタン22が操作されて並び替えが実行されたことにより保留図柄表示エリアDs3に表示されていた第1特別図柄の保留図柄表示「○」と保留図柄表示エリアDs4に表示されていた第2特別図柄の保留図柄表示「●」とが並び替えられ、その背景が点滅表示され、並び替えられたことを示す表示態様(報知態様)となっている。
なお、通常、15R確変大当たりまたは15R通常大当たりとなる場合には、比較的、長い変動パターンが選択される。そのため、大当たりとなる保留と同じ始動口63a,63bで成立した保留については、変動表示開始時間が遅くなる。よって、大当たりとなる保留と異なる始動口63a,63bで発生した成立順序の遅い保留の方が変動表示開始時間が早くなる場合が発生する。このような場合には、保留図柄の並び替えが行われると、成立順序の遅い保留図柄が、それよりも成立順序の早い保留図柄よりも前(保留図柄表示エリアDs1側)に割り込んで表示される。
ここで、成立順序と変動開始順序が異なり、並び替えが実行されることにより表示順序が変更された保留図柄表示についてのみ、背景が点滅表示される。よって、遊技者は、枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えをさせた場合に、成立順序の遅い保留図柄が成立順序の早い保留図柄よりも前に割り込んで順序が変更されて表示された保留図柄表示を容易に認識できる。従って、その割り込んで表示された保留図柄よりも前に表示されている保留図柄のうち、その割り込んで表示された保留図柄とは異なる始動口63a,63bへの入賞で発生した保留について、大当たりではないかと、期待を持つことができる。
このように、遊技者は、枠ボタン22を操作する時に、保留図柄表示の中に、大当たりとなる保留があるかもしれないと思い、並び順序が変わることを期待して枠ボタンを操作することができ、大当たりへの期待感をもって枠ボタン22を操作することができる。
なお、並び替えを実行したことを示すために、保留図柄表示の表示順序が変更された場合に、背景を点滅表示させ、さらに、並び替えを実行したときに表示されていた保留図柄表示に対しては、背景を特殊な色(例えば、赤色)で表示することで、並び替えが実行された保留図柄表示を識別できるようにしてもよい。このように構成することで、遊技者は、並び替えが実行されたときに表示されていた保留図柄表示と、並び替えにより表示順序が変更された保留図柄表示とを両方識別することができる。よって、より遊技者の混乱を抑制することができる。
図57を参照して、第5実施形態の変形例において、音声ランプ制御装置113のMPU221に実行されるメイン処理(図53、S1400)の一処理である保留個数表示更新処理2(図57、S1440)について説明する。
第5実施形態の変形例におけるS1441〜S1442までの各処理は、第5実施形態におけるS1441〜S1442までの各処理と同一の処理が実行される。第5実施形態の変形例では、S1442の処理が実行されると、並び替えフラグ223k7がオンに設定されている従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアのうち、入賞順と変動開始する順序が異なる保留エリアがあるか判別される(S1445)。ここでは、保留エリアと変動開始順序記憶エリア223k4とを判別して、順序が異なるか判別される。具体的には、保留エリア2における変動開始順序記憶エリア223k4に記憶されている変動開始順序が3番目であれば、入賞順序は2番目であるのに、変動開始順序は、3番目であることを示しており、順序が異なると判別される。
並び替えフラグ223k7がオンに設定されている従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアのうち、入賞順と変動開始する順序とが異なる保留エリアがあると判別された場合には(S1445:Yes)、並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアのうち、入賞順序と変動開始順序が異なると判別された保留エリアに対応する保留図柄表示が表示されている保留図柄表示エリアの背景を点滅表示(変更)させる背景表示変更コマンドが生成される(S1446)。
このように、並び替えが実行されたときに、表示されていた保留図柄表示について、表示順序が変更された保留図柄表示について、背景が点滅表示されることで、遊技者は、順序が変更された保留図柄を識別することができる。
なお、表示順序が変更された保留図柄表示を報知する報知態様は、点滅表示に限らず、文字表示で示しても良いし、音声で報知しても良いし、点滅表示でなく、他の表示態様であっても良いし、保留図柄表示を特別な色や模様で表示しても良い。
次に、図58〜図60を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第5実施形態におけるパチンコ機10では、枠ボタン22が操作されたときに、保留図柄表示エリアに表示されていたすべての保留図柄表示に対して、保留図柄表示エリアの背景を点滅表示させる場合について説明した。
これに対し、本第6実施形態におけるパチンコ機10では、下側表示領域Dsには、並び替え前の入賞順で保留図柄表示が表示される並び替え前保留表示領域Dsaと並び替え後の変動を開始する順序で保留図柄表示が表示される並び替え後保留表示領域Dsbとが設けられている。枠ボタン22が操作されるまでは、並び替え前保留表示領域Dsaのみに保留図柄表示が入賞順で表示され、枠ボタン22が操作されると、その時に表示されている保留図柄表示が、変動を開始する順序で、並び替え後保留表示領域Dsbに表示される。
即ち、第6施形態におけるパチンコ機10は、第5実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第6実施形態では、入賞順で保留図柄表示は表示させ、それとは別に、変動を開始する順序で保留図柄表示を表示させる点で第5実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第5実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第5実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図58は、第6実施形態における、並び替え前(並び替え未実行)と並び替え後(並び替え実行済み)との第3図柄表示装置81に表示される保留図柄表示を示した図である。並び替え前には、並び替え前保留表示領域Dsaの保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds5)に第1特別図柄の保留図柄表示(本実施形態では、「○」)と第2特別図柄の保留図柄表示(本実施形態では、「●」)がそれぞれ、入賞順で表示されている。このとき、並び替え後保留表示領域Dsbには、保留図柄表示は表示されていない。
遊技者が枠ボタン22を操作して、並び替えが実行されると、並び替え後として、並び替え前保留表示領域Dsaには、保留図柄表示が入賞順で表示された状態で、並び替え後保留表示領域Dsbに、そのときに並び替え前保留表示領域Dsaに表示されていた保留図柄表示が変動を開始する順序で表示される。
このように、並び替えが実行されると、並び替え前、並び替え後の保留図柄表示が並列して上下に表示されるので、遊技者は、どのように並び替えが行われたかを、並び替え前保留表示領域Dsaの保留図柄表示と並び替え後保留表示領域Dsbの保留図柄表示とを比較して、認識することができる。よって、変動を開始する順序では、入賞順とは順序が変わる保留図柄表示を容易に認識できる。
なお、通常、15R確変大当たりまたは15R通常大当たりとなる場合には、比較的、長い変動パターンが選択される。そのため、大当たりとなる保留と同じ始動口63a,63bで成立した保留については、変動表示開始時間が遅くなる。よって、大当たりとなる保留と異なる始動口63a,63bで発生した成立順序の遅い保留の方が変動表示開始時間が早くなる場合が発生する。このような場合には、保留図柄の並び替えが行われると、成立順序の遅い保留図柄が、それよりも成立順序の早い保留図柄よりも前(保留図柄表示エリアDs1側)に割り込んで表示される。
ここで、成立順序と変動開始順序が異なり、並び替えが実行されることにより表示順序が変更された保留図柄表示については、並び替え前保留表示領域Dsaと並び替え後保留表示領域Dsbとを比較することにより容易に認識できる。よって、遊技者は、枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えをさせた場合に、成立順序の遅い保留図柄が成立順序の早い保留図柄よりも前に割り込んで順序が変更されて表示された保留図柄表示を容易に認識できる。従って、その割り込んで表示された保留図柄よりも前に表示されている保留図柄のうち、その割り込んで表示された保留図柄とは異なる始動口63a,63bへの入賞で発生した保留について、大当たりではないかと、期待を持つことができる。
このように、遊技者は、枠ボタン22を操作する時に、保留図柄表示の中に、大当たりとなる保留があるかもしれないと思い、並び順序が変わることを期待して枠ボタンを操作することができ、大当たりへの期待感をもって枠ボタン22を操作することができる。
なお、本実施形態では、並び替え後保留表示領域Dsbには、枠ボタン22が操作されたときに表示されていた保留図柄表示を変動を開始する順序で表示したが、それに限らず、その後成立した保留に対して、入賞順で並び替え後保留図表示領域Dsbに表示するようにしてもよい。
また、遊技者の枠ボタン22の操作によらず、常時、並び替え後と並び替え前の保留図柄表示をそれぞれ表示するようにしても当然よい。このように構成することで、遊技者は、常に、入賞順と変動を開始する順序とで表示された保留図柄表示を視認できるので、並び替えにより入賞順と異なる順序で変動が開始される保留図柄表示があることを素早く認識することができる。
図59を参照して、第6実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図59は、このメイン処理(図59、S1400)を示すフローチャートである。第6実施形態のメイン処理(図59、S1400)は、第5実施形態のメイン処理(図53、S1400)に対して、保留個数表示更新処理2(図54、S1440)に代わり、保留個数表示更新処理3(図60、S1460)が追加されている。第6実施形態におけるS1401〜S1405の各処理は、第1実施形態におけるS1401〜S1405の各処理と同一の処理が実行される。S1405の処理が完了すると、保留個数表示更新処理3(図60、S1460)が実行される。
図60を参照して、第6実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図59、S1400)の一処理である保留個数表示更新処理3(S1460)について説明する。図60は、この保留個数表示更新処理3(S1460)を示すフローチャートである。保留個数表示更新処理3(図60、S1460)は、下側表示領域Dsの並び替え前保留表示領域Dsaと並び替え後保留表示領域Dsbとの各保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)に保留図柄表示を表示するためのコマンドを設定するための処理である。
保留個数表示更新処理3(図60、S1460)では、まず、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアの変動開始時間記憶エリア223k5の変動表示開始時間が更新される(S1461)。変動開始時間記憶エリア223k5に記憶された各時間データからこの処理の実行周期(本実施形態では、1ms)が減算される。また、変動表示開始時間の更新はこれに限らず、RTC等を設けることにより行ってもよいし、他の方法であっても当然よい。
従並び替え保留記憶エリア223kにおける保留エリア1の従並び替えフラグ223k7はオンに設定されているか判別される(S1462)。従並び替え保留記憶エリア223kにおける保留エリア1の従並び替えフラグ223k7はオンに設定されていると判別された場合には(S1462:Yes)、並び替え後保留表示領域Dsbに並び替えフラグがオンに設定されている保留エリアの保留図柄表示を変動を開始する順序で表示させる表示用保留表示コマンドが設定される(S1463)。
このように制御することで、並び替えが実行された時に、表示されていた保留図柄表示(並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリア)に対してのみ、並び替え後保留表示領域Dsbに保留図柄表示を表示させることができる。
並び替え前保留表示領域Dsaに保留エリアに記憶されている保留に対して、入賞順に表示させる表示用保留表示コマンドを生成する(S1464)。これにより、並び替え前保留表示領域Dsaには、常に、入賞順で保留図柄表示を表示することができる。また、並び替えフラグ223k7がオンの場合には、並び替え後保留表示領域Dsbと並び替え前保留表示領域Dsaとに保留図柄表示をそれぞれ表示させることができる。
一方、並び替え保留記憶エリア223kにおける保留エリア1の従並び替えフラグ223k7はオフに設定されていると判別された場合には(S1462:No)、S1464の処理を実行する。これにより、保留エリア1(即ち、すべての保留エリア)で並び替えフラグがオフである場合には、並び替え前保留表示領域Dsaのみで、保留図柄表示が入賞順で表示され、並び替えが実行されていないことを遊技者に容易に認識させることができる。
また、並び替えが実行されていない状態では、遊技者が枠ボタン22を操作するまで、並び替え後保留表示領域Dsbには、保留図柄表示が表示されないので、遊技者が枠ボタン22を操作した時に、並び替え後保留表示領域Dsbに保留図柄表示が表示されたときの表示の変化を大きくして、遊技者に並び替えを実行することに対する意欲をより大きくすることができる。
なお、本実施形態では、並び替えフラグ223k7は保留エリア1のみで判断したが、それに限らず、各種データが記憶されている保留エリアすべての並び替えフラグについて判断してもよいし、そのいずれかがオンであるかを判別するように構成しても当然よい。
また、本実施形態では、並び替え後保留表示領域Dsbは、常時表示されている構成としたが、それに限らず、常時は、並び替え前保留表示領域Dsaのみが表示され、並び替えが実行されたとき(遊技者が枠スイッチ22を操作したとき)に並び替え後保留表示領域Dsbが表示され、並び替えされた保留図柄表示がすべて消化(変動開始)されると、自動的に非表示となる構成としてもよい。また、並び替え可能期間となると、並び替え可能であることを報知する文字を表示する構成としたが、それに代わり、並び替え可能となると、並び替え後保留保留表示領域Dsb(保留図柄表示が表示されていない状態)が表示され、遊技者に保留図柄表示の並び替えが可能であることを報知するように構成してもよい。このように構成することで、常時は、並び替え後保留表示領域Dsbが表示されず、そのスペースを上側表示領域Dmとすることができ、主図柄の変動表示やその他、演出図柄の表示等を大きなスペースで表示することができる。よって、遊技者により分かり易い抽選結果の報知を行うことができる。
次に、図61〜図63を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態において、並び替え可能期間として設定する場合について説明した。
これに対し、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中においても、並び替え可能期間に含まれるように設定する。
即ち、第7施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第7実施形態では、主制御装置110のMPU201が、大当たり遊技の開始となると、大当たり遊技後を起点として各保留の変動が開始される時間を再算出する。そして、並び替えデータを音声ランプ制御装置113に出力し、音声ランプ制御装置113では、大当たり遊技中も並び替え可能期間として設定して、並び替えを実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図61を参照して、第7実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である大開放口開閉処理(図61、S103)のについて説明する。図61は、この大開放口開閉処理(図61、S103)を示すフローチャートである。第7実施形態の大開放口開閉処理(図61、S103)は、第1可変入賞装置65の開閉を制御するだけでなく、大当たり遊技が開始となると、大当たり後を起点として各保留の変動を開始する時間を再算出して、音声ランプ制御装置113にその再算出したデータに基づいて、並び替えデータを生成するための処理である。
大開放口開閉処理(図61、S103)では、まず、大当たり遊技の開始であるかが判別される(S131)。大当たり遊技の開始であるかの判別は、第1特別図柄変動停止処理(図19、S204)におけるS608の処理または、第2特別図柄変動停止処理(図23、S207)におけるS808の処理で、大当たりの開始が設定されたかで判別される。
大当たり遊技の開始であると判別された場合には(S131:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄は仮停止中であるかが判別される(S132)。第1特別図柄または第2特別図柄は仮停止中であると判別された場合には(S132:Yes)、並び替え保留記憶エリア203uに記憶されている各保留エリアの変動開始時間記憶エリア203u5の値について、大当たり後を起点として、仮停止している第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間も考慮して再算出される(S133)。一方、第1特別図柄または第2特別図柄は仮停止中でないと判別された場合には(S132:No)、並び替え保留記憶エリア203uに記憶されている各保留エリアの変動開始時間記憶エリア203u5の値について、大当たり後を起点として再算出される(S134)。
S133またはS134の処理で再算出され、変動開始時間記憶エリア203u5に記憶された変動開始時間に基づいて、各保留エリア毎に並び替えデータコマンドが生成される(S135)。
一方、大当たり遊技の開始でないと判別された場合には(S131:No)、大当たり遊技中であるか判別される(S136)。大当たり遊技中でないと判別された場合には(S136:No)、この処理を終了する。一方、大当たり遊技中であると判別された場合には(S136:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別される(S137)。新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合には(S137:Yes)、第1可変入賞装置65の大開放口を開放する処理を実行する(S138)。新たに開始するラウンド数を示すラウンドコマンドが設定(生成)される(S139)。
一方、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合には(S137:No)、第1可変入賞装置65における大開放口の閉鎖条件が成立したか判別される(S140)。第1可変入賞装置65における大開放口の閉鎖条件が成立したと判別された場合には(S140:Yes)、第1可変入賞装置65の大開放口を閉鎖する処理を実行する(S141)。
一方、第1可変入賞装置65における大開放口の閉鎖条件が成立していないと判別された場合には(S140:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別される(S142)。エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合には(S142:Yes)、エンディングコマンドを設定(生成)する(S143)。
一方、エンディング演出の開始タイミングでないと判別された場合には(S142:No)、大当たり遊技の終了か判別される(S144)。大当たり遊技の終了と判別された場合には(S144:Yes)、大当たり遊技の終了が設定される(S145)。確変大当たりであったか判別される(S146)。確変大当たりであったかの判別は、大当たり遊技を実行する契機となった、抽選結果は、15R確変大当たり又は2R確変大当たりであるか判別される。
確変大当たりであったと判別された場合には(S146:Yes)、確変フラグ203mがオンに設定される(S147)。一方、大当たり遊技中であると判別された場合には(S144:No)、または確変大当たりでないと判別された場合には(S146:No)、この処理を終了する。
このように、大当たり遊技の開始となると、大当たり遊技後を起点とした、各保留エリアにおける変動開始時間が更新される。よって、大当たり遊技中に、遊技者により枠ボタン22が操作された場合にも、その更新された変動開始時間に基づいて、並び替えデータコマンドを生成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221も、従並び替え保留記憶エリア223kのデータを更新して、保留図柄表示を大当たり遊技後からの変動を開始する順序で並び替えることができる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄が仮停止しているか判別して、仮停止している場合には、その特別図柄の保留に対しては、その残り変動時間が経過してからを起点として、変動開始時間を算出することで、より正確な変動開始時間を算出して並び替えデータコマンドを生成することができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221は、その並び替えデータコマンドが示す変動開始時間に基づいて、保留図柄表示をより正確な変動を開始する順序で並び替えることができる。
図62を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図62は、このメイン処理(図62、S1400)を示すフローチャートである。第7実施形態のメイン処理(図62、S1400)は、第1実施形態のメイン処理(図35、S1400)に対して、コマンド判定処理(図36、S1414)に代わり、コマンド判定処理2(図63、S1470)が追加されている。第7実施形態におけるS1401〜S1413の各処理は、第1実施形態におけるS1401〜S1413の各処理と同一の処理が実行される。S1413の処理が完了すると、コマンド判定処理2(図63、S1470)が実行される。
図62を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図62、S1400)の一処理であるコマンド判定処理2(S1470)について説明する。図63は、このコマンド判定処理2(S1470)を示すフローチャートである。コマンド判定処理2(図63、S1470)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図62、S1400)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
第7実施形態のコマンド判定処理2(図63、S1470)は、第1実施形態のコマンド判定処理(図36、S1414)に対して、S1520、S1521の処理が追加されている。第7実施形態におけるS1501〜S1518の各処理は、第1実施形態におけるS1501〜S1518の各処理と同一の処理が実行される。S1517の処理で第1または第2特別図柄変動再開コマンドを受信していないと判別された場合には(S1517:No)、S1520の処理が実行される。
S1520の処理では、主制御装置110が出力した並び替えデータコマンドを受信したか判別される。並び替えデータコマンドを受信したと判別された場合には(S1520:Yes)、受信した並び替えデータコマンドに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kの変動開始時間記憶エリア223k5のデータを更新する。ここで、並び替えデータコマンドは、再算出された変動開始時間を示すデータとなっている。なお、並び替えデータコマンドは、本実施形態の構成に限らず、並び替え保留記憶エリア203uの各データに基づいて生成されても当然良い。一方、並び替えデータコマンドを受信していないと判別した場合には(S1520:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S1519)。
なお、本実施形態では、説明を省略したが、大当たり遊技中に第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞すると、主制御装置110のMPU201が実行する第1先読み処理(図25、S907)のS923または第2先読み処理(図27、S914)のS942では、大当たり遊技終了後を起点とした変動開始時間が算出される。
このように、大当たり遊技が開始されると、各保留の変動開始時間記が大当たり遊技終了後を起点として再算出され、並び替えデータコマンドとして音声ランプ制御装置113に出力され、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアの変動開始時間記憶エリア223k5の値も更新されるので、大当たり遊技中を並び替え可能期間として、設定しても、保留図柄表示を変動開始順に並び替えることができる。
また、大当たり遊技中に第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞しても、入賞コマンドにより大当たり遊技終了後の変動開始時間を示すデータが送信されるので、音声ランプ制御装置113は、新たに保留された保留図柄表示に対しても、枠ボタン22が操作されたことに基づいて、変動開始順に並び替えることができる。よって、単調になり易い大当たり遊技中にも、遊技者は、保留図柄表示を並び替える操作をすることができ、保留図柄表示を並び替えて遊技を楽しむことができる。
なお、通常、15R確変大当たりまたは15R通常大当たりとなる場合には、比較的、長い変動パターンが選択される。そのため、大当たりとなる保留と同じ始動口63a,63bで成立した保留については、変動表示開始時間が遅くなる。よって、大当たりとなる保留と異なる始動口63a,63bで発生した成立順序の遅い保留の方が変動表示開始時間が早くなる場合が発生する。このような場合には、保留図柄の並び替えが行われると、成立順序の遅い保留図柄が、それよりも成立順序の早い保留図柄よりも前(保留図柄表示エリアDs1側)に割り込んで表示される。
よって、遊技者は、大当たり中にも、枠ボタン22を操作して、保留図柄表示を並び替えることで、割り込んで表示された保留図柄よりも前に表示されている保留図柄のうち、その割り込んで表示された保留図柄とは異なる始動口63a,63bへの入賞で発生した保留について、大当たりではないかと、期待を持つことができる。
このように、遊技者は、大当たり中に、枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の中に大当たりとなる保留があり、連続して大当たりが得られないかと、並び順序が変わることを期待して枠ボタンを操作することができ、大当たり遊技中の楽しみを増大させることができる。
次に、図64〜図72を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞すると、主制御装置110のMPU201が実行する第1先読み処理(図25、907)または第2先読み処理(図27、S914)において、変動開始時間順に付番されて、その順序を示す入賞コマンドが音声ランプ制御装置113bに対して出力されて、その順序に基づいて並び替えが実行される場合について説明した。
これに対し、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201は、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞しても、第1先読み処理(図25、907)または第2先読み処理(図27、S914)では、変動開始順に付番せずに、入賞に基づいて取得した各種カウンタ値について入賞コマンドを生成する。音声ランプ制御装置113のMPU221は、その入賞コマンドを受信すると、その入賞コマンドが示す各カウンタ値に基づいて、変動開始時間を算出して、変動開始順序を付番して、枠ボタン22が操作されたことに基づいて、その順序で保留図柄表示の並び替えを実行する。
即ち、第8施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第8実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221が、受信した入賞コマンドに基づいて、変動開始順序を算出して付番することにより、保留図柄表示の並び替えを実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図64は、第8実施形態における、パチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222の一部を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222には、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、特別当たり変動パターンテーブル222c、特別外れ変動パターンテーブル222dが設けられている。なお、この各テーブルは、主制御装置110のMPU201におけるROM202に設けられている大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、特別当たり変動パターンテーブル202d、特別外れ変動パターンテーブル202eと同一のものであるので、その説明を省略する。
また、第8実施形態では、主制御装置110のMPU201におけるRAM203の並び替え保留記憶エリア203uが削除される。これについては、図示を省略する。
このように、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222にも、主制御装置110のMPU201におけるROM203と同様に各テーブルが記憶されているので、後述するが、主制御装置110からの入賞コマンドが示す各カウンタ値に基づいて、保留図柄表示に対応する特別図柄が変動を開始する前に、事前に大当たりの判定や変動パターンの選択を行い、変動開始時間を算出して、変動開始する順序で並び替えできるように変動開始時間に基づいて、変動開始順序を付番することができる。よって、主制御装置110のMPU201は、変動開始順序を事前に判別するための各制御処理を実行する必要が無く、制御負荷を軽減することができる。
図65を参照して、第8実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図65は、このタイマ割込処理を示すフローチャートである。第8実施形態のタイマ割込処理は、第1実施形態のタイマ割込処理(図14)に対して、始動入賞処理(図24、S108)に代わって始動入賞処理3(図66、S150)が追加されている。
図66を参照して、第8実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図65)の一処理である始動入賞処理3(S150)について説明する。図66は、この始動入賞処理3(図66、S150)を示すフローチャートである。第8実施形態の始動入賞処理3(図66、S150)は、第1実施形態の始動入賞処理(図24、S108)に対して、第1先読み処理(図25、S907)に代わり、第1先読み処理2(図67、S1050)が、第2先読み処理(図27、S914)に代わり、第2先読み処理2(S1060)がそれぞれ追加されている。
図67を参照して、第8実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理3(図66、S150)の一処理である第1先読み処理2(図67、S1050)について説明する。図67は、この第1先読み処理2(図67、S1050)を示すフローチャートである。第8実施形態の第1先読み処理2(図67、S1050)は、始動入賞処理3(図66、S150)において、遊技球が第1始動口へ入賞したことに基づいて、取得した各カウンタ値に基づいて、入賞コマンドを生成するための処理である。
第1先読み処理2(図67、S1050)では、まず、始動入賞処理3(図66、S150)において、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された、各カウンタ値(特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、変動パターン判定用カウンタC4)を読み出す(S1051)。
新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値(S1051で読み出した値)に基づいて、入賞コマンドが生成される(S1052)。この入賞コマンドは、各カウンタ値を示すものであり、音声ランプ制御装置113がこの入賞コマンドに基づいて、入賞順が判別できるコマンドとなっている。
また、第2先読み処理2(S1060)については、第1先読み処理2(図67、S1050)において、第1が第2に変更されるのみであるので、その図示と詳細な説明については、省略する。
このように、主制御装置110のMPU201は、第1先読み処理2(図67、S1050)において、取得したカウンタ値に基づいて、大当たり判定や、変動パターンの選択、変動開始時間の算出、変動開始順序の付番等を行わないので、主制御装置110のMPU201の制御負荷を軽減することができる。
また、本実施形態は、入賞コマンドについて、新たに成立した保留に対してのみ生成する構成としたが、それに限らず、第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されているすべての保留に対して再度、生成する構成としてもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のMPU201は、従並び替え保留記憶エリア223kのデータを遊技球が入賞する毎に全て更新することができ、ノイズ等でデータが壊れてしまった場合にも、更新されることで並び替え等の処理を行うことができる。
図68を参照して、第8実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図68は、このメイン処理(図68、S1400)を示すフローチャートである。第8実施形態のメイン処理(図68、S1400)は、第1実施形態のメイン処理(図35、S1400)に対して、コマンド判定処理(図36、S1414)に代わり、コマンド判定処理3(図69、S1490)が、保留並び替え処理(図40、S1413)に代わり、保留並び替え処理3(図70、S1480)がそれぞれ追加されている。
図69を参照して、第8実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図68、S1400)の一処理であるコマンド判定処理3(S1490)について説明する。図69は、このコマンド判定処理3(S1490)を示すフローチャートである。第8実施形態のコマンド判定処理3(図69、S1490)は、第1実施形態のコマンド判定処理(図36、S1414)に対して、S1513及びS1514の処理に代わり、S1530の処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態のコマンド判定処理(図36、S1414)と同一の処理が実行される。
第8実施形態のコマンド判定処理3(図69、S1490)では、主制御装置110から出力された入賞コマンドを受信したか判別される(S1512)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S1512:Yes)、受信した入賞コマンドから各カウンタ値(特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、変動パターン判定用カウンタC4)が抽出され、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223におけるその他メモリエリア223mに記憶される(S1530)。ここで、その他メモリエリアには、入賞コマンドが示す入賞順序(第1始動口63aと第2始動口63bとを合わせた入賞順序)が各カウンタ値に対して識別可能に記憶される。一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S1512:No)、S1517の処理を実行する。なお、この後の処理については、第1実施形態ですでに説明したので、省略する。
なお、本実施形態では、入賞コマンドから抽出した各カウンタ値を、その他メモリエリア223mに保存したが、それに限らず、従並び替え保留記憶エリア223mの対応する保留エリアに記憶するように構成してもよい。このように構成することで、各カウンタ値の入賞順を保留エリアによって判別することができ、記憶するデータ量を小さくすることができる。
図70を参照して、第8実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図68、S1400)の一処理である保留並び替え処理3(S1480)について説明する。図70は、この保留並び替え処理3(S1480)を示すフローチャートである。第8実施形態の保留並び替え処理3(図70、S1490)は、第1実施形態の保留並び替え処理(図40、S1413)に対して、S1811及びS1812の処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態の保留並び替え処理(図40、S1413)と同一の処理が実行される。
保留並び替え処理3(図70、S1480)では、まず、コマンド判定処理3(図69、S1490)において、入賞コマンドを受信して、その他メモリエリア223mに各カウンタ値が記憶されている(即ち、入賞コマンドを受信した)か判別される(S1811)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S1811:Yes)、保留並び替え順序決定処理(図71、S1812)が実行される。保留並び替え順序決定処理(図71、S1812)については、後で詳述するが、受信した入賞コマンドが示す各カウンタ値に基づいて、保留図柄表示の変動開始順序を決定するための処理である。一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S1811:No)、S1801の処理が実行される。なお、S1801からの処理は、第1実施形態の保留並び替え処理(図40、S1413)のS1801からの処理と同一であるので、詳細な説明については省略する。
図71を参照して、第8実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留並び替え処理3(図70、S1480)の一処理である保留並び替え順序決定処理(S1812)について説明する。図71は、この保留並び替え順序決定処理3(S1812)を示すフローチャートである。第8実施形態の保留並び替え順序決定処理3(図71、S1812)は、入賞コマンドが示す各カウンタ値に基づいて、変動開始順序を決定するための処理である。
保留並び替え順序決定処理(図71、S1812)では、まず、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223のその他メモリエリア223mに格納された各カウンタ値(特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、変動パターン判定用カウンタC4)が読み出される(S1821)。
読み出したデータを並び替え保留記憶エリア223kの入賞コマンドが示す入賞順序に対応する保留エリアに記憶する(本実施形態では、入賞コマンドは、入賞順に出力されるので、空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶してもよい)。その新たに記憶された保留データ(各カウンタ値)に基づく変動表示が開始される変動表示開始時間が算出される(S1822)。
この変動開始時間は、図12に示すように、新たに記憶された保留データに対応する変動表示中の特別図柄(第1始動口63aに基づく保留データであれば、第1特別図柄、第2特別図柄63bに基づく保留データであれば、第2特別図柄)の残り変動時間と、新たに記憶された保留データと同じ始動口63a,63bに基づいて先に記憶された各保留データの決定されている変動時間をそれぞれ加算することにより算出される。ここでは、残り変動時間は、従第1変動時間記憶エリア223iまたは従第2変動時間記憶エリア223jに基づいて判別される。
ここで、新たに記憶された保留データと同じ始動口に基づいて先に記憶された各保留データとは、新たに記憶された保留データが第1始動口63aに基づく保留データであれば、先に記憶されている第1始動口63aに基づく(第1特別図柄に対応する)保留データ、一方、新たに記憶された保留データが第2始動口63bに基づく保留データであれば、先に記憶されている第2始動口63bに基づく(第2特別図柄に対応する)保留データのことである。
変動表示開始時間が算出されると、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている全ての保留データの変動表示開始時間の早い順に並び替え後順序が再付番される(S1823)。ここで、変動表示開始時間の再付番については、本実施形態では、全ての保留データに付いて再付番を行ったが、それに限らず、前回と変動表示開始順序が入れ替わった場合、即ち、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序が先に記憶されている保留データの変動表示開始順序に割り込まれる場合に、その変更となる順序のみ再付番するように構成しても当然よい。
変動開始時の遊技状態は、高確率遊技状態(確変遊技状態)であるか判別される(S1824)。ここでは、この新たに成立した保留に対応する特別図柄が変動開始となるまでに、変動が停止して確定される特別図柄を判定して変動開始時の遊技状態が判別される。
変動開始時の遊技状態は、高確率遊技状態であると判別された場合には(S1824:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aの大当たり判定値に基づいて、第1特別図柄の当否を予測して、その判定結果を該当する従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアの当否判定結果記憶エリア223k1に記憶する(S1825)。一方、変動開始時の遊技状態は、低確率遊技状態(通常遊技状態)であると判別された場合には(S1824:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aの大当たり判定値に基づいて、第1特別図柄の当否を予測して、その判定結果を該当する従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアの当否判定結果記憶エリア223k1に記憶する(S1826)。
次に、従保留並び替え記憶エリア更新処理(図72)を実行する(S1827)。従並び替え記憶エリア更新処理(図72、S1827)については、詳しく後述するが、実際に変動表示開始される順序で、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶された保留データの当否判定結果に基づいて、大当たり種別(確変か否か)、変動パターン(変動時間)が各カウンタ値に基づいて決定され、記憶(更新)される。
次に、図72を参照して、保留並び替え順序決定処理(図71、S1812)の一処理である、従保留並び替え記憶エリア更新処理(S1827)について説明する。図72は、この従保留並び替え保留記憶エリア更新処理(S1827)を示すフローチャートである。
従保留並び替え保留記憶エリア更新処理(図72、S1827)では、まず、保留並び替え順序決定処理(図71、S1812)におけるS1825またはS1826の処理で予測した当否判定結果は大当たりであったか判別される(S1831)。保留並び替え順序決定処理(図71、S1812)におけるS1825またはS1826の処理で予測した当否判定結果は大当たりであったと判別された場合には(S1831:Yes)、予測した大当たりは確変大当たり(15R確変大当たりまたは第2R確変大当たり)であったか判別される(S1832)。予測した大当たりが確変大当たりであると判別された場合には(S1832:Yes)、新たに記憶された保留データに対応した従並び替え保留記憶エリア223kの従先読み確変フラグ223k6をオンに設定する(S1833)。なお、従先読み確変フラグ223k6は、上位の保留エリアへデータがシフトされて記憶される場合に、シフトされる前の保留エリアのデータは0クリアされるので、そこでオフに設定される。つまり、一度、オンに設定された従先読み確変フラグ223k6は、順に保留エリアをシフトされ、変動中データの記憶領域において、次の新たなデータがシフトされると上書き(0クリア)されることによりオフに設定される。
一方、予測した大当たりが確変大当たりでない(即ち、15R通常大当たりである)と判別された場合には(S1832:No)、S1834の処理が実行される。
変動表示開始時の遊技状態(確変または時短中であるか否か)に対応した、特別当たり変動パターンテーブル222cより、新たに記憶された保留データの特別当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動表示開始時に決定される変動パターンが予測される(S1834)。
一方、保留並び替え順序決定処理(図71、S1812)におけるS1825またはS1826の処理で予測した当否判定結果が外れであると判別された場合には(S1831:No)、変動表示開始時の遊技状態(確変または時短中であるか否か)に対応した、特別外れ変動パターンテーブル222dより、新たに記憶された保留データの変動パターン判定用カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動表示開始時に決定される変動パターンが予測される(S1835)。
予測した当否、停止種別、及び変動パターンが従並び替え保留記憶エリア223kの入賞順序に対応した保留エリアの対応する各記憶エリア(新たに記憶された保留データに対応して)記憶される(S1836)。従並び替え保留記憶エリア223kに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたか判別される(S1837)。従並び替え保留記憶エリア223kに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたと判別された場合には(S1837:Yes)、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序の後の保留データについて、再度、当否、停止種別、変動パターンを予測し、更新する(S1838)。
このように、音声ランプ制御装置113のMPU221において、主制御装置110が出力した入賞コマンドが示す各カウンタ値に基づいて、当否判定、変動パターンの選択、並び替え順序(変動開始順序)の決定がそれぞれ行われるので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。よって、第1始動口63aまたは第2始動口63bへの遊技球の入賞と、変動パターンの選択等の処理が集中した場合にも、主制御装置110のMPU201は、処理を確実に実行することができる。
また、主制御装置110から出力される入賞コマンドは、各カウンタ値を示すのみであるので、そのコマンドをぶら下げ基板等により傍受されても、その判定が大当たりであるかを判別することは困難であり、不正を抑制することができる。
また、主制御装置110が出力する入賞コマンドのデータ量を小さく構成することができるので、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とのコマンドの送受信の負担を軽減することができ、コマンドの送受信に必要な時間を短縮することができる。
また、各カウンタ値の値を音声ランプ制御装置113でバックアップしておけば、電源断時から復帰した場合にも、主制御装置110が各カウンタ値を再度出力する必要が無く、パチンコ機10の電源投入時の立ち上げ時間を短くすることができる。
なお、本実施形態では、保留される毎に、変動開始の順序に変更がある(順序に割り込まれて記憶された)か判別して、再度、変動開始時の遊技状態(高確率か低確率)かを判別して事前に当否判定を実行したが、それに限らず、保留のなかで当たりがある場合には、後から成立した保留のうち、当たりである保留は、先に成立している当たりの保留よりも先に変動を停止しないように構成してもよい。このように構成することで、変動開始時の遊技状態が変動開始順序により変更される場合がなくなり、再度、事前の当否判定をやり直す必要がなく、遊技における制御負荷を軽減することができる。
次に、図73〜図78を参照して、第9実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、振り分け入賞装置630により遊技球が第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に振り分けられるように構成された場合について説明した。
これに対し、本第9実施形態におけるパチンコ機10では、振り分け入賞装置630に遊技球が次に入球すると、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに対して、遊技球を振り分けるように作動するか報知する入賞報知ランプ660が設けられている。
即ち、第9施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第9実施形態では、振り分け入賞装置630に遊技球が入球すると第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられるかを報知する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図73及び74を参照して、第9実施形態における、パチンコ機10の遊技盤13に設けられる振り分け入賞装置630について説明する。第9実施形態における振り分け入賞装置630は、第1実施形態における振り分け入賞装置630の遊技者が視認可能な前面側に、入賞報知ランプ660が追加されている。この入賞報知ランプ660は、振り分け入賞装置630に遊技球が入球すると、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられる状態であるかを報知するためのランプである。
入賞報知ランプ660は、図73(b)に示すように、左ルート入賞報知ランプ660aと右ルート入賞報知ランプ660bとで構成されている。左ルート入賞報知ランプ660aは、受動振り分け部材640が正面視右回り方向に回動し、収容部640aが振り分け入賞装置630に入球した遊技球を受けることが可能な位置に配置されている状態(即ち、第1始動口63aに遊技球を誘導する状態)である場合に、点灯するように制御される。
また、右ルート入賞報知ランプ660bは、受動振り分け部材640が正面視左回り方向に回動し、収容部640bが振り分け入賞装置630に入球した遊技球を受けることが可能な位置に配置されている状態(即ち、第2始動口63bに遊技球を誘導する状態)である場合に、点灯するように制御される。
振り分け入賞装置630には、受動振り分け部材640の回動を検出する回転角センサ670が受動振り分け部材640の回転軸部に設けられ、受動振り分け部材640が回動するとその回動角度を検出するように構成されている。この回転角センサ670は、受動振り分け部材640に設けられた磁石640cとベース側磁石900aとが重なる位置に受動振り分け部材640が回動した位置が原点(回転角0度)となるように設定されている。その原点位置から受動振り分け部材640が正面視右回り(図74(a)参照)に回動するとプラスの回転角度となり、逆に、原点位置から受動振り分け部材640が正面視左回り(図74(a)参照)に回動するとマイナスの回転角度となるように設定されている。
ここで、受動振り分け部材640の磁石640cとベース側磁石900aとが重なる位置に受動振り分け部材640が回動した位置が、回転角センサ670の原点位置とすることで、磁石640cとベース側磁石900aとは反発する磁極でそれぞれ配置されているため、この原点位置で受動振り分け部材640が停止することは無く、正面視左右方向のどちらかに回動した位置で停止して、回転角センサはプラスの値かマイナスの値になる。よって、回転角センサ670の値がプラスの値であれば、受動振り分け部材640が第1始動口63aへ遊技球を誘導可能な位置にあることを判別できる。一方、回転角センサ670の値がマイナスの値であれば、受動振り分け部材640が第2始動口63bへ遊技球を誘導可能な位置にあることを判別できる。従って、その判別結果に基づいて、入賞報知ランプ660を点灯制御することで、遊技者に、次に振り分け入賞装置630に入球すると遊技球が第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられるかを事前に判別することができる。
また、受動振り分け部材640が停止する位置は、回転角センサ670がマイナスまたはプラスとなる値の位置(即ち、原点以外)となるので、常に、入賞報知ランプ660の左ルート入賞報知ランプ660aまたは右ルート入賞報知ランプ660bが点灯した状態となり、遊技者に常に入賞ルートの報知を行うことができる。
このように、振り分け入賞装置630に遊技球が入球した場合に、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられるか事前に判別することができるので、例えば、第1始動口63aに対応する保留球が上限回数(本実施形態では、4)であり、第2始動口63bに対応する保留球が上限回数(本実施形態では、3)よりも1少ない3である場合に、次に振り分け入賞装置630に遊技球が入球して、第1始動口63aに振り分けられる状態であると、オーバーフローが発生してしまい遊技球を無駄に消費してしまうので、遊技者は、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられる状態であるかわからないと、常に、遊技球を発射することができないという問題が発生してしまう。
しかしながら、本実施形態では、入賞報知ランプ660により、遊技者は、次に振り分けられるのが第1始動口63aであるか第2始動口63bであるかを事前に知ることができるので、オーバーフローすると判断した場合にのみ、遊技球の発射を止め、効率良く遊技を行うことができる。
次に、図75を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図75は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には入賞報知ランプ660、回転各センサ670が追加されている。入賞報知ランプ660は、主制御装置110のMPU201からのコマンドに基づいて、点灯制御されるように入出力ポートを介して接続されている。また、回転角センサ670は、主制御装置110のMPU201が、入出力ポートを介して回転角センサ670の値を取得可能に接続されている。
図76を参照して、第9実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図76は、このタイマ割込処理を示すフローチャートである。第9実施形態のタイマ割込処理は、第1実施形態のタイマ割込処理(図14)に対して、始動入賞処理(図24、S108)に代わって始動入賞処理4(図77、S160)が追加されている。
図77を参照して、第9実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図76)の一処理である始動入賞処理4(S160)について説明する。図77は、この始動入賞処理4(図77、S160)を示すフローチャートである。第9実施形態の始動入賞処理4(図77、S160)は、第1実施形態の始動入賞処理(図24、S108)に対して、入賞ルート報知処理(図78、S1070)が追加されている。第9実施形態におけるS901〜S914の各処理は、第1実施形態におけるS901〜S914の各処理と同一の処理が実行される。
図78を参照して、第9実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理4(図77、S160)の一処理である入賞ルート報知処理(図78、S1070)について説明する。図78は、この入賞ルート報知処理(図78、S1070)を示すフローチャートである。第9実施形態の入賞ルート報知処理(図78、S1070)は、振り分け入賞装置630に、次に遊技球が入球した場合に、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられるかを報知するための点灯制御を実行するための処理である。
入賞ルート報知処理(図78、S1070)では、まず、回転角センサ670がプラス値の値であるか(即ち、第1始動口に遊技球を誘導する状態であるか)が判別される(S1071)。回転角センサ670の値がプラスの値であると判別された場合には(S1071:Yes)、左ルート入賞報知ランプ660aが点灯制御される(S1072)。一方、回転角センサがマイナスの値であると判別された場合には(S1071:No)、右ルート入賞報知ランプ660bが点灯制御される(S1073)。
このように、回転角センサ670の値により、受動振り分け部材640の状態を判別することで、次に遊技球が振り分け入賞装置630に入賞すると、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられるかを正確に判別することができ、遊技者により正確な情報を報知することができる。
なお、本実施形態では、ランプにより報知を行うように構成したが、それに限らず、音声等で報知してもよいし、第3図柄表示装置81において、文字や図柄等で報知するように構成してもよい。このように構成することで、より遊技者に分かり易く報知することができる。また、第3図柄表示装置81で、文字や図柄等で報知すれば、遊技者は、特別図柄の変動表示を視認しながら、振り分け入賞装置630の入賞ルートも確認でき、より遊技が行い易くできる。
次に、図79〜図81を参照して、第10実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第9実施形態におけるパチンコ機10では、振り分け入賞装置630の受動振り分け部材の状態を回転角センサ670により判別して、遊技球が第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられるかを判別する場合について説明した。
これに対し、本第10実施形態におけるパチンコ機10では、第1始動口63aに遊技球が入賞した場合には、振り分け入賞装置630は、第2始動口63bに遊技球を誘導する状態にあると判別し、第2始動口63bに遊技球が入賞した場合には、振り分け入賞装置630は、第1始動口63aに遊技球を誘導する状態にあると判別する。
即ち、第10実施形態におけるパチンコ機10は、第9実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第10実施形態では、第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞したことに基づいて、振り分け入賞装置630に遊技球が入賞すると、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられるか判別する点で第9実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第9実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第9実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図79を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図79は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第10実施形態のパチンコ機10では、第9実施形態のパチンコ機10に対して、回転各センサ670が削除されている。その他の構成については、第9実施形態と同一である。
図80を参照して、第10実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図80は、このタイマ割込処理を示すフローチャートである。第10実施形態のタイマ割込処理は、第9実施形態のタイマ割込処理(図76)に対して、始動入賞処理4(図77、S160)に代わって始動入賞処理5(図81、S170)が追加されている。
図81を参照して、第10実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図80)の一処理である始動入賞処理5(S170)について説明する。図81は、この始動入賞処理5(図81、S170)を示すフローチャートである。第10実施形態の始動入賞処理5(図81、S170)は、第9実施形態の始動入賞処理4(図77、S160)に対して、入賞ルート報知処理(図78、S1070)が削除され、S1080、S1090の処理が追加されている。第10実施形態におけるS901〜S914の各処理は、第9実施形態におけるS901〜S914の各処理と同一の処理が実行される。
遊技球が第1始動口63aに入賞したか判別された場合には(S901:Yes)、右ルート入賞報知ランプを点灯させる点灯制御が実行される(S1080)。ここで、振り分け入賞装置630は、遊技球を第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に振り分けるように構成されているので、第1始動口63aに遊技球が入賞したと検出された場合には、振り分け入賞装置630により第2始動口63bへ、次に入球した遊技球を振り分ける状態にあると判別することができる。このように、構成することで、受動振り分け部材640の状態を検出等しなくても、受動振り分け部材640の状態を予測して判別することが可能となり、検出するためのセンサ等を設ける必要がなく構成を簡略化することができる。また、同様に、第2始動口63bに遊技球が入賞した場合には(S908:Yes)、左ルート入賞報知ランプを点灯させる点灯制御が実行される(S1090)。
このように、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞する毎に、入賞報知ランプ660の点灯表示が切り替えられるので、遊技者は、振り分け入賞装置630に遊技球が入賞した場合に、第1始動口63aと第2始動口63bとのどちらに振り分けられる状態にあるかを事前に確認することができ、遊技球を入球させた場合に、保留球とならずに、オーバーフローしてしまうか判別して、遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、受動振り分け部材640は、遊技球と接触することにより回動する仕組みとしたが、それに限らず、モータやソレノイド等により可動する構成としても良い。
このような構成では、第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に振り分けるように受動振り分け部材640を可動(回動)させる。また、受動振り分け部材640をモータやソレノイド等により可動させる場合には、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の状態を判断して、保留が少ない方の特別図柄に対応する第1始動口63aまたは第2始動口63bに振り分けるように可動制御するようにしても良い。このように構成することで、一方の特別図柄において、保留球の上限回数が超えるオーバーフローが発生してしまうのを抑制して、均等に第1特別図柄と第2特別図柄とに対して上限回数まで、保留させることができる。
また、モータやソレノイド等により受動振り分け部材640を可動させる場合には、遊技においてエラーや不正(異常入賞等)を検知した場合に、受動振り分け部材640の収容部640aと収容部640bの境界壁が、普通電動役物64の羽根64aと羽根64bとの間の中央線上の位置(即ち、磁石640cとベース側磁石900aとが重なる位置)となるように、可動させて遊技球が第1始動口63aと第2始動口63bとに入賞するのを妨げるように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10に不正等が行われた場合に、抽選遊技が行われないように制御することができ、遊技店側の被害を低減させることができる。
次に、図82(a)及び82(b)〜図84を参照して、第11実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、電源断が発生すると、主制御装置110のMPU201におけるRAM203のデータと音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223のデータは、バックアップ(電源装置115からのバックアップ電源が供給されることによりデータが保持)される。そして、電源がパチンコ機10に再投入されると、RAM23とRAM223との各データが破壊されていないか確認され、破壊されていなければ、そのまま、そのデータがロード(使用)されて、電源断の直前の状態から復帰して、遊技を開始する場合について説明した。
これに対し、本第11実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が、パチンコ機10に電源が投入されたときに実行される、立ち上げ処理(図83)において、並び替え保留記憶エリア203uの各データに基づいて、並び替え復帰データコマンドを生成して、音声ランプ制御装置113に出力する。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221は、その並び替え復帰データコマンドが示すデータと、RAM223の従並び替え保留記憶エリア223kのデータとを比較して、一致すれば、そのまま、復帰して遊技を開始し、一致しなければ、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアのデータを並び替え復帰データコマンドの示すデータに更新して、遊技を開始する。
即ち、第11施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第11実施形態では、電源投入時にバックアップされている並び替え保留記憶エリア203uと従並び替え保留記憶エリア223kとの各データを照合し、一致するか否かの処理を実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図82(a)及び82(b)は、第11実施形態における、パチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示領域を模式的に示した図である。図82(a)は、パチンコ機10に電源が投入されて、電源断される直前の保留図柄表示を成立順で表示して復帰したときの一例を示す図である。上側表示領域Dmに、保留図柄表示は成立順で表示されていることを示す「保留を成立順で表示中」の文字が表示されている。この文字は、遊技が再開されて、新たに成立した保留図柄表示が表示されるまで表示される。詳細については、後述するが、電源断される直前の保留図柄表示が成立順で表示されて復帰する場合は、主制御装置110のMPU201における並び替え保留記憶エリア203uと音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の従並び替え保留記憶エリア223kとのデータを照合して一致しないときである。
図82(b)は、パチンコ機10に電源が投入されて、電源断される直前の保留図柄表示を変動開始順で表示して復帰したときの一例を示す図である。上側表示領域Dmに、保留図柄表示は変動開始順で並び替えて表示されていることを示す「保留を変動開始順で表示中」の文字が表示されている。この文字は、遊技が再開されて、新たに成立した保留図柄表示が表示されるまで表示される。詳細は、後述するが、電源断される直前の保留図柄表示が変動開始順で表示されて復帰する場合は、主制御装置110のMPU201における並び替え保留記憶エリア203uと音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の従並び替え保留記憶エリア223kとのデータを照合して一致したときである。
このように、構成することで、遊技店側や保守点検する業者等が、パチンコ機10の電源投入時に何らかの原因で、データの不一致が発生しているか否かを確認することができる。また、遊技者にとっては、通常の表示がされているので、パチンコ機10で何らかの不具合が発生していたことが分からず、遊技者が不安や疑念を抱くことを防止することができる。
また、パチンコ機10に電源が投入される初期設定時に、データの照合が行われるので、より正確な保留図柄表示でパチンコ機10を復帰させることができる。さらにまた、データが一致しない場合には、並び替え保留記憶エリア203uのデータで更新されるので、従並び替え保留記憶エリア223kのデータを並び替え保留記憶エリア203uのデータに立ち上げ時に一致させることができ、誤った保留図柄表示が復帰時に表示されてしまう不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、復帰時に第3図柄表示装置81の上側表示領域Dmに文字で表示することで報知したが、それに限らず、音声等であってもよいし、専用のランプ等を点灯させる構成であってもよいし、復帰時には、保留図柄表示を特殊な表示態様で表示(例えば、点滅させたり、特殊な模様で表示)して報知するように構成してもよい。
なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、主制御装置110のMPU201におけるRAM203と音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223とは、電源装置115からのバックアップ電源(コンデンサに蓄えられた電力)が、パチンコ機10の電源断時にも供給されることで、RAM203とRAM223との内容が初期化されずに一定期間(本実施形態では、1週間)保持される構成となっている。
図83を参照して、第11実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図83は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。第11実施形態の立ち上げ処理(図83)は、第1実施形態の立ち上げ処理(図32)に対して、S1120の処理が追加されている。第11実施形態におけるS1101〜S1114までの各処理は、第1実施形態におけるS1101〜S1114までの各処理と同一の処理が実行される。
第11実施形態において、S1109またはS1112の処理が実行されると、S1120の処理が実行される。S1120の処理では、並び替え保留記憶エリア203uの各保留エリアの各データに基づいて、並び替え復帰データコマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に対して出力される。この並び替え復帰データコマンドは、各保留エリア毎に生成され、各保留エリアを示すデータ(保留エリア1〜8)が付され、各保留エリアの各データ(当否判定結果記憶エリア203u1、大当たり種別記憶エリア203u2、変動パターン種別記憶エリア203u4、変動開始時間記憶エリア203u5、先読み確変フラグ203u5)を示すコマンドで構成される。
このように、パチンコ機10に電源が投入されて、通常遊技(メイン処理(図33,S1200))が実行される前に、実行される立ち上げ処理(図83)において、並び替え保留記憶エリア203uのデータが並び替え復帰データコマンドとして、音声ランプ制御装置113に対して出力されるので、電源投入時の初期設定で、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uと音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kとのデータの照合を行うことができ、音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kのデータを、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uのデータに一致させることができる。
ここで、例えば、音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kは、正しいデータを記憶していても、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uのデータが誤っていたり、初期化されてしまっていた場合には、電源復帰時には、従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、保留図柄表示を表示しても、それは誤った保留図柄表示となってしまう不具合が起こり得る。しかしながら、本実施形態では、電源投入時に、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uのデータと音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kのデータとが照合されるので、上記のような不具合を防止することができる。
図84を参照して、第11実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図84は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。第11実施形態の立ち上げ処理(図84)は、第1実施形態の立ち上げ処理(図34)に対して、S1320〜S1325までの各処理が追加されている。第11実施形態におけるS1301〜S1311までの各処理は、第1実施形態におけるS1301〜S1311までの各処理と同一の処理が実行される。
第11実施形態の音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(84)において、S1131の処理が実行されると、S1320の処理が実行される。主制御装置110から並び替え復帰データコマンドを受信しているかが判別される(S1320)。並び替え復帰データコマンドを受信していないと判別された場合には(S1320:No)、この処理が繰り返し実行される。即ち、並び替え復帰データコマンドを受信するまで待機した状態となる。
一方、並び替え復帰データコマンドを受信したと判別された場合には(S1320:Yes)、従並び替え保留記憶エリア223kのデータと並び替え復帰データコマンドが示すデータとが一致するかが判別される(S1321)。従並び替え保留記憶エリア223kのデータと並び替え復帰データコマンドが示すデータとが一致すると判別された場合には(S1321:Yes)、データが記憶されている保留エリアの並び替えフラグ223k7がすべてオンに設定される(S1322)。保留図柄表示が変動開始順に並び替えて表示されていることを示す「保留を変動開始順で表示中」の文字を第3図柄表示装置81の上側表示領域Dmの左側表示領域Dm1に表示させることを指示する表示用コマンドを生成して、表示制御装置114に出力する(S1323)。
一方、従並び替え保留記憶エリア223kのデータと並び替え復帰データコマンドが示すデータとが一致しないと判別された場合には(S1321:No)、主制御装置110が出力した並び替え復帰データコマンドが示すデータに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kのデータが更新され、従並び替え保留記憶エリア223kの並び替えフラグ223k7が、すべてオフに設定される(S1324)。保留図柄表示が、成立順に表示されていることを示す「保留を成立順で表示中」の文字を、第3図柄表示装置81の上側表示領域Dmの左側表示領域Dm1に表示させることを指示する表示用コマンドを生成して、表示制御装置114に出力する(S1325)。
なお、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図83)には、ウエイト時間(S1102)の処理が実行されることにより、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図84)のS1311の処理までと表示制御装置114立ち上げ処理(図示せず)とが完了するよりも後で、メイン処理(S1200)が実行されるように構成されている。よって、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図84)では、主制御装置110から並び替え復帰データコマンドが出力されるよりも前に、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図84)では、S1320の処理が実行され、主制御装置110から並び替え復帰データコマンドが出力されるのを待機する構成となっている。
よって、音声ランプ制御装置113が並び替え復帰データコマンドを取りこぼしてしまうことを防止できる。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図84)では、割込み許可を設定(S1311)の処理を実行した後に、並び替え復帰データコマンドを受信して照合を行う処理を実行するので、主制御装置110の方が、先にメイン処理(図33、S1200)を開始して、コマンドを送信することがあっても、それに対応した処理を照合する処理を実行した後に行うことができ、通常の遊技に必要な制御処理ができなくなり、フリーズしてしまう不具合を防止することができる。
なお、本実施形態では、RAM消去スイッチ(図3、122)が電源投入時に操作される等して、主制御装置110のRAM203が初期化された場合には、並び替え復帰データコマンドは、並び替え保留記憶エリア203uにデータがないことを示すコマンドとなる。このコマンドは、専用の初期値設定コマンド等で代用してもよい。
なお、本実施形態では、照合が一致する場合には、保留図柄表示を変動開始順で表示し、一致しない場合には、成立順で保留図柄表示を表示するように構成したが、特にそれに限らず、一致する場合には、成立順で表示して、一致しない場合には、変動開始順で表示するように構成してもよい。また、保留図柄表示は、電源断の直前の状態(並び順)で表示するようにして、第3図柄表示装置81や、専用のランプ等で、照合結果を図柄や文字、ランプの点灯態様で報知するように構成してもよい。このように構成することで、電源の瞬断等が発生しても、より正確に電源断前の保留図柄表示の状態に復帰して、安心して遊技を再び行うことができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110が実行する立ち上げ処理では、主制御装置110が電源断される直前の遊技状態(遊技状態は高確率か低確率か時短中(普通図柄の高確率状態)か、時短中であれば、あと何回の時短回数(時短カウンタ203kの値))もコマンドとして出力されている。これにより、音声ランプ制御装置110も復帰時の遊技状態を判別して、並べ替え等の判別を行うことができる。
次に、図82(c)及び図85を参照して、第11実施形態の変形例について説明する。第11実施形態の変形例では、照合結果が一致しなかった場合には、図82(c)に示すように、保留図柄表示を仮の図柄で表示する。
図82(c)は、第11実施形態の変形例における、パチンコ機10に電源が投入されて、保留図柄表示を仮の図柄で表示して復帰したときの一例を示す図である。上側表示領域Dmに、保留図柄表示は仮の図柄で表示されていることを示す「保留を仮に表示中」の文字が表示されている。この仮の保留図柄表示とそれを報知する文字は、遊技が再開されて、新たに成立して、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uの各保留エリアに基づいて、生成される入賞コマンドを受信して、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアが更新されるまで表示される。詳細については、後述するが、保留図柄表示が、仮の保留図柄表示で表示されて復帰する場合は、主制御装置110のMPU201における並び替え保留記憶エリア203uと音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の従並び替え保留記憶エリア223kとのデータを照合して一致しないときである。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kと主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uとのデータが一致しない時には、仮の保留図柄表示が表示されることで、遊技店側やパチンコ機10の保守点検を行う業者等が、パチンコ機10に何らかの異常が発生して、データが一致しなかったことを確認することができる。また、新たな入賞コマンドを受信するまでは、仮の保留図柄表示を表示し続けることで、遊技者に誤った保留図柄表示が表示されてしまうのを防止することができる。
なお、本実施形態では、仮の保留図柄表示を表示したが、それに限らず、仮の保留図柄表示は表示せずに、保留図柄表示エリアDs1〜8を特殊な色や表示態様(例えば、黄色や点滅表示態様)で表示するように構成してもよい。
図85を参照して、第11実施形態の変形例において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図85は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。第11実施形態の変形例の立ち上げ処理(図85)は、第11実施形態の立ち上げ処理(図84)に対して、S1324〜S1325の各処理に代わり、S1330〜S1331の処理が追加されている。第11実施形態の変形例におけるS1301〜S1323までの各処理は、第11実施形態におけるS1301〜S1323までの各処理と同一の処理が実行される。
第11実施形態の音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図84)において、S1321の処理において、従並び替え保留記憶エリア223kのデータと並び替え復帰データコマンドが示すデータとが一致しないと判別された場合には(S1321:No)、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアのデータを0クリア(初期化)する(S1330)。仮の保留図柄表示を所定期間(本実施形態では、新たに入賞コマンドを受信して、新たに保留図柄表示を表示されるまでの期間)、表示制御装置114に表示させるための表示用コマンド(仮図柄コマンド)を生成して出力する(S1331)。
このように、データの照合が一致しない場合には、仮の保留図柄表示をして、新たに入賞コマンドを受信するまで、正規の保留図柄表示をするのを遅延させることで、より正しい保留図柄表示を遊技者に知らせることができる。
また、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞したタイミングで、正規の保留図柄表示が復帰されるように構成したので、遊技者が遊技を開始したことで、保留図柄表示も再び表示が再開されたように認識することができ、遊技を安心して行うことができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110が実行する立ち上げ処理では、主制御装置110が電源断される直前の遊技状態(遊技状態は高確率か低確率か時短中(普通図柄の高確率状態)か、時短中であれば、あと何回の時短回数(時短カウンタ203kの値))もコマンドとして出力されている。これにより、音声ランプ制御装置110も復帰時の遊技状態を判別して、並べ替え等の判別を行うことができる。
次に、図86〜図87を参照して、第12実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第11実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、パチンコ機10が電源断した状態でも、データがバックアップされるように、電源装置115からバックアップ電源が供給されている場合について説明した。
これに対し、本第12実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、パチンコ機10が電源断した状態では、電源装置115からバックアップ電源は供給されない。そのような構成において、主制御装置110からの並び替え復帰データコマンドに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kのデータを更新して、電源断する直前の状態に、保留図柄表示を復帰させる。
即ち、第12施形態におけるパチンコ機10は、第11実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第12実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223は、電源断時にデータがバックアップされず、電源が再度投入された場合に、主制御装置110から出力される並び替え復帰データコマンドに基づいて、保留図柄表示を電源断する直前の状態に復帰させる処理を実行する点で第11実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第11実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第11実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図示はされないが、第12実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223には、電源装置115からのバックアップ電源は、供給されない構成となっている。
図86を参照して、第12実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図86は、このメイン処理(S1400)を示すフローチャートである。第12実施形態のメイン処理(図86、S1400)は、第11実施形態のメイン処理(図35、S1400)に対して、S1417〜S1419の各処理が削除されている。第12実施形態におけるS1401〜S1416までの各処理は、第11実施形態におけるS1401〜S1416までの各処理と同一の処理が実行される。
第12実施形態における、メイン処理(図86)では、電源断の発生情報ありと判別された場合には(S1415:Yes)、何も処理を実行せずにパチンコ機10が電源断するまで待機する状態となる。
図87を参照して、第12実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図87は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。第12実施形態の立ち上げ処理(図87)は、第11実施形態の立ち上げ処理(図84)に対して、S1320〜S1325の各処理に代わり、S1340〜S1343の処理が追加されている。第12実施形態におけるS1301〜S1311までの各処理は、第11実施形態におけるS1301〜S1311までの各処理と同一の処理が実行される。
S1311の処理が実行されると、主制御装置110から出力された並び替え復帰データコマンドを受信したか判別される(S1340)。並び替え復帰データコマンドを受信していないと判別された場合には(S1340:No)、並び替え復帰データコマンドを受信するまで、待機する処理が実行される。
一方、並び替え復帰データコマンドを受信したと判別された場合には(S1340:Yes)、並び替え復帰データコマンドが示すデータに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアのデータが更新される(S1341)。各保留エリアの並び替えフラグ223k7がオフに設定される(S1342)。成立順に保留図柄表示が表示されていることを示す「保留を成立順で表示中」の文字を第3図柄表示装置81の上側表示領域Dmに表示させる表示用コマンドを生成して表示制御装置114に出力する(S1343)。
このように、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、バックアップ電源が供給されない構成であっても、電源投入時に主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して、並び替え保留記憶エリア203uに記憶されたデータに基づいた並び替え復帰データコマンドが出力される。よって、音声ランプ制御装置113におけるRAM223にバックアップ電源が供給されない構成であっても、電源断時の保留図柄表示を再度、電源が投入されると、復帰して表示することができる。従って、電源装置115のバックアップ電源の容量を小さくすることができ、パチンコ機10に設けられる電源装置115の大きさをコンパクトに構成することができる。
また、電源が再投入された場合には、電源断時の状態に関わらず、保留図柄表示は、成立順で表示され、さらに成立順で表示されていることの報知がされるので、復帰された保留図柄表示が表示されている順序について容易に判別することができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110が実行する立ち上げ処理では、主制御装置110が電源断される直前の遊技状態(遊技状態は高確率か低確率か時短中(普通図柄の高確率状態)か、時短中であれば、あと何回の時短回数(時短カウンタ203kの値))もコマンドとして出力されている。これにより、音声ランプ制御装置110も復帰時の遊技状態を判別して、並べ替え等の判別を行うことができる。
次に、図88を参照して、第12実施形態の変形例について説明する。第12実施形態の変形例では、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図88)において、主制御装置110から並び替え復帰データコマンドを受信すると、従並び替え保留記憶エリア223kのデータを更新し、データが記憶された保留エリアの並び替えフラグ223k7を全てオンに設定し、復帰後の保留図柄表示を変動開始順で表示するように構成した。
図88を参照して、第12実施形態の変形例において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図88は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。第12実施形態の変形例の立ち上げ処理(図88)は、第12実施形態の立ち上げ処理(図87)に対して、S1342〜S1343の各処理に代わり、S1350〜S1351の各処理が追加されている。第12実施形態の変形例におけるS1301〜S1341までの各処理は、第12実施形態におけるS1301〜S1341までの各処理と同一の処理が実行される。
第12実施形態の音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(88)において、S1341の処理が実行されると、従並び替え保留記憶エリア223kにおいて、データが記憶されている保留エリアの並び替えフラグ223k7を全てオンに設定する(S1350)。保留図柄表示を変動開始順で並び替えて表示していることを示す「保留を変動開始順で表示中」の文字を第3図柄表示装置81の上側表示領域Dmに表示させる表示用コマンドを生成して、表示制御装置114に対して出力する(S1351)。
このように、電源断した状態から、再度、電源がパチンコ機10に投入されて、保留図柄表示が復帰されると、電源断される直前に表示されていた順序に関係なく、保留図柄表示が並び替えて表示される。よって、遊技者は、電源断した状態から復帰して強制的に並び替えられたことを容易に認識することができる。
また、電源断から復帰すると、自動的に並び替えて保留図柄表示が表示されるので、並び替えて表示されている保留図柄表示が、電源断前に成立していたものであることを認識することができ、通常遊技中に電源断が発生しても、安心して遊技を再開することができる。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から並び替え復帰データコマンドを受信した場合には、並び替えフラグ223k7を全てオンに設定し、その後実行されるメイン処理において、保留図柄表示が変動開始順に並び替えて表示される構成とした。しかしながら、それに限らず、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から並び替え復帰データコマンドを受信すると、並び替え復帰データコマンドが示す並び替え保留記憶エリア203uの変動順序記憶エリア203u4の示す値に基づいて、保留図柄表示を並び替えて表示させる表示用コマンドを生成して出力する構成としてもよい。このように、構成することで、立ち上げ処理時の保留図柄表示を並び替える制御付加を軽減することができる。よって、主制御装置110から出力される並び替え復帰データコマンドを受信すれば、保留図柄表示を並び替えて表示させることができる。なお、この場合、並び替えフラグ223k7を全てオンに設定して、保留図柄表示を立ち上げ処理後も並び替えられた状態で維持するように構成してもよいし、立ち上げ処理時に表示された並び替え保留図柄表示は、消化されるまで、並び替えられた状態で表示が維持されるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、主制御装置110が実行する立ち上げ処理では、主制御装置110が電源断される直前の遊技状態(遊技状態は高確率か低確率か時短中(普通図柄の高確率状態)か、時短中であれば、あと何回の時短回数(時短カウンタ203kの値))もコマンドとして出力されている。これにより、音声ランプ制御装置110も復帰時の遊技状態を判別して、並べ替え等の判別を行うことができる。
次に、図89〜図90を参照して、第13実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第11実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図83)では、バックアップされている並び替え保留記憶エリア203uのデータに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して、並び替え復帰データコマンドが出力され、出力された並び替え復帰データコマンドが示すデータと従並び替え保留記憶エリア223kのデータとを照合して、保留図柄表示を電源断が発生する直前の状態に復帰する場合について説明した。
これに対し、本第13実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、パチンコ機10が電源断した状態では、電源装置115からバックアップ電源が供給されている。そのような構成において、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図90)では、主制御装置110からの並び替え復帰データコマンドを受信せずに、バックアップされている従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、保留図柄表示を表示させて復帰させる。
即ち、第13施形態におけるパチンコ機10は、第11実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第13実施形態では、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113に対して、並び替え復帰データコマンドを出力せずに、音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kにバックアップされているデータに基づいて、保留図柄表示を復帰させる処理を実行する点で第11実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第11実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第11実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
なお、本実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223は、主制御装置110のRAM203と同様に、パチンコ機10に電源が供給されない電源断時には、バックアップ電源が供給されて、音声ランプ制御装置113のRAM223に記憶されている各データが保持される構成となっている。
図89を参照して、第13実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図89は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。第13実施形態の立ち上げ処理(図89)は、第11実施形態の立ち上げ処理(図83)に対して、S1120の処理が削除されている。第13実施形態におけるS1101〜S1114までの各処理は、第1実施形態におけるS1101〜S1114までの各処理と同一の処理が実行される。即ち、第1実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理(図32)と同一の処理が実行される。
図90を参照して、第13実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図90は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。第13実施形態の立ち上げ処理(図90)は、第11実施形態の立ち上げ処理(図84)に対して、S1320〜S1325の各処理に代わり、S1360の処理が追加されている。第13実施形態におけるS1301〜S1311までの各処理は、第11実施形態におけるS1301〜S1311までの各処理と同一の処理が実行される。
第13実施形態の音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図90)において、S1310の処理が実行されると、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されているデータに基づいて、保留図柄表示を表示制御装置114に表示させる表示用コマンドが生成され、表示制御装置114に出力される(S1360)。
ここで、表示される保留図柄表示は、電源断する直前の従並び替え保留記憶エリア223kに記憶された各保留エリアのデータに基づいて表示される。各保留エリアの並び替えフラグ223k7の状態まで記憶されているので、電源断時の直前に表示されていた順序で保留図柄表示が表示される。
このように構成することで、主制御装置110の電源投入時に行う処理を軽減することができ、電源投入時の立ち上がり時間(通常遊技が実行になるまでの時間)を短縮することができる。
また、電源断直前の状態で、保留図柄表示を復帰させることができ、遊技者は、電源が再度、投入された後でも、安心して遊技を再開することができる。
次に、図91〜図96を参照して、第14実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始が可能となるタイミングで、変動パターンがそれぞれ選択されて、変動開始される場合について説明した。
これに対し、本第14実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄または第2特別図柄において、変動開始が可能となるタイミングで、スーパーリーチ等の大当たりとなるときに選択される確率が高い変動パターンが選択されると、その変動パターンが表示される側の表示領域を見るように、遊技者に報知する報知態様が表示される。
即ち、第14実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第14実施形態では、スーパーリーチ等の大当たりとなるときに選択される確率が高い変動パターンが選択されると、遊技者がその変動パターンで表示される表示領域に、注目するように報知をする点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図91(a)〜図91(c)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示領域で表示される表示態様について説明する。図91(a)は、右側表示領域Dm2において、スーパーリーチ等の変動パターンが選択された場合に、右側表示領域Dm2の背景画像を点滅表示させたことを模式的に示した図である。
図91(b)は、右側表示領域Dm2において、スーパーリーチ等の変動パターンが選択された場合に、右側表示領域Dm2に表示されている第2特別図柄(本実施形態では、リーチ状態となっている図柄)の大きさが、通常時よりも大きい図柄で表示されたことを模式的に示した図である。
図91(c)は、右側表示領域Dm2において、スーパーリーチ等の変動パターンが選択された場合に、左側表示領域Dm1に右側表示領域Dm2を見るように遊技者に報知する「右を見ろ!!」の文字が表示されたことを模式的に示した図である。
このように、構成することで、遊技者は、背景画像が点滅表示された側の表示領域を注視して遊技を行うことで、スーパーリーチ等の大当たりとなるときに選択されやすい変動パターンで表示される変動態様を、見逃すことを防止して、遊技を行うことができる。
また、遊技者は、どちらの表示領域を見れば良いか分かりやすくなり、常に、両方の表示領域に注意を払って遊技をする必要がなく、楽に遊技を行うことができる。よって、長時間遊技を行っても、遊技者の疲労を軽減することができる。
なお、本実施形態では、上記のような報知により、注目すべき特別図柄を報知する構成としたが、それに限らず、注目すべき特別図柄を表示する上側表示領域Dmの左側表示領域Dm1または右側表示領域Dm2の表示領域の大きさを可変させるようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄の変動態様に注目させたい場合には、左側表示領域Dm1の大きさを右側表示領域Dm2側に拡大して表示して、右側表示領域Dm2の大きさを小さくまたは無くす(上側表示領域Dmをすべて左側表示領域Dm1にする)ように可変させて表示させるようにしてもよい。このように構成することで、遊技者により、注目させたい特別図柄の変動態様を報知することができる。また、遊技者は、左側表示領域Dm1または右側表示領域Dm2が大きく可変されないかと期待して遊技を行うことができ、早期に遊技に飽きてしまうのを防止することができる。
次に、図92を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図92は、主制御装置110のMPU201におけるRAM203のその他メモリエリア203vの一部を模式的に示した図である。その他メモリエリア203vには、第1遅延時間記憶エリア203v5と第2遅延時間記憶エリア203v6とが追加されている。
第1遅延時間記憶エリア203v5は、第2特別図柄において、スーパーリーチ等の変動パターンが選択されると、その選択された変動時間と同じ時間が、第1特別図柄の変動開始を遅延させるための遅延時間として記憶される記憶エリアである。
第1遅延時間記憶エリア203v5は、詳細は後述するが、主制御装置110のMPU201が実行する第2特別図柄変動パターン選択処理5(図96、S750)において、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れとなるスーパーリーチの変動パターンであると、その選択された変動パターンの変動時間と同じ遅延時間が記憶される。
また、第1遅延時間記憶エリア203v5に、遅延時間が記憶されている場合には、第1特別図柄変動パターン選択処理5(図94、S350)が実行される毎に、その時間が更新される。詳細には、タイマ割込処理(図14)が実行される間隔である2msが減算される。
第2遅延時間記憶エリア203v6は、第1特別図柄において、スーパーリーチ等の変動パターンが選択されると、その選択された変動時間と同じ時間が、第2特別図柄の変動開始を遅延させるための遅延時間として記憶される記憶エリアである。
第2遅延時間記憶エリア203v6は、詳細は後述するが、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動パターン選択処理5(図94、S350)において、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れとなるスーパーリーチの変動パターンであると、その選択された変動パターンの変動時間と同じ遅延時間が記憶される。
また、第2遅延時間記憶エリア203v6に、遅延時間が記憶されている場合には、第2特別図柄変動パターン選択処理5(図96、S750)が実行される毎に、その時間が更新される。詳細には、タイマ割込処理(図14)の間隔である2msが減算される。
このように、第1特別図柄または第2特別図柄において、大当たりとなる変動パターンや、スーパーリーチの変動パターンが選択されると、それ以降に変動開始となる他方の特別図柄の変動開始が遅延されるので、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たりとなる場合に選択される確率が高い変動パターンが同時期に変動表示するのを防止することができる。よって、遊技者が、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2との両方に注視する必要があるような、複雑な遊技状態が発生することを防止できる。
なお、本実施形態では、第1遅延時間記憶エリア203v5と第2遅延時間記憶エリア203v6とには、遅延時間を記憶する構成としたが、それに限らず、カウント値等を記憶するように構成してもよい。このように構成することで、タイマ割込処理(図14)が実行される毎に、カウント値を1減算することにより、タイマ割込処理(図14)が実行された回数をカウントすることにより時間を計測するように構成しても当然良い。
図93を参照して、第14実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図93、S203)について説明する。図93は、この第1特別図柄変動開始処理(図93、S203)を示すフローチャートである。第14実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図93、S203)は、第1実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理5(図94、S350)が追加されている。第14実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第1実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理5(図94、S350)が実行される。
図94を参照して、第14実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図93、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理5(S350)について説明する。図94は、この第1特別図柄変動パターン選択処理5(S350)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理5(図94、S350)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。また、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンまたは外れとなるスーパーリーチの変動パターンである場合には、第2特別図柄の変動開始を遅延させるための遅延時間が設定され、第1特別図柄の変動態様を見るように遊技者に報知する報知態様等を設定するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理5(図94、S350)では、まず、第1遅延時間記憶エリア203v5に遅延時間が設定されているか(即ち、第2特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンまたは外れのスーパーリーチが変動表示されているか)が判別される(S571)。第1遅延時間記憶エリア203v5に遅延時間が設定されていると判別された場合には(S571:No)、第1遅延時間が2ms減算されて更新される(S584)。一方、第1遅延時間が設定されていないと判別された場合には(S571:Yes)、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)において当否判定された結果が大当たりであるかが判別される(S572)。大当たりであるか否かの判定は、第1大当たりフラグ203oがオンに設定されているか否かで判別される。第1大当たりフラグ203oがオンに設定されていると判別された場合には(S572:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S573)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S572:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる(S575)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が、高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202d(図11(b))がセットされる。特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S576)。
変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための第1変動パターンコマンドが生成される(S577)。
S577の処理で選択された変動パターンは、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れのスーパーリーチであるかが判別される(S578)。選択された変動パターンが大当たりとなる変動パターンであるか又は外れとなるスーパーリーチの変動パターンであると判別された場合には(S578:Yes)、選択された変動パターンと同じ変動時間が遅延時間として第2遅延時間記憶203v5に設定される(S579)。第1特別図柄が表示される左側表示領域Dm1の背景画像を点滅表示させることを音声ランプ制御装置113に対して指示する第1注意予告コマンドが設定される(S580)。
第2特別図柄を変動させる効果音や音声(第2特別図柄が変動される変動パターンに設定されている効果音や音声)を消音させる第2消音コマンドが設定される(S581)。第1停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S582)。第1特別図柄の変動時間である第1変動時間の計測開始が設定される(S583)。
このように、第1特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチが選択されると、第1特別図柄の変動態様に注目するようにする報知態様が設定されるので、遊技者が、その変動パターンを見逃すことを防止できる。よって、遊技者は、どちらの表示領域に注目するべきか判別することができ、楽に遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチが選択されると、第1特別図柄の変動態様に注目するように、第2特別図柄の変動に関わる効果音や音声が消音される。よって、遊技者に、どちらの特別図柄に注目すべきかを分かり易く報知することができる。また、第1特別図柄の音声や効果音が聞きやすくなり、より遊技を楽しむことができる。
また、第1特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチが選択されると、第2特別図柄の変動開始が遅延されるので、同時に左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とで、注目すべき変動態様が表示されてしまうことを防止でき、遊技者に分かりやすい遊技を提供することができる。また、大当たりかもしれないと遊技者が期待を持つ変動態様を、別々の時間(同時に表示されない状態)に表示することで、より長い時間、大当たりの期待感を維持して遊技を行うことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを防止することができる。
また、変動パターンコマンドの設定と共に、第1特別図柄の変動時間の計測を開始することで、第1特別図柄の変動開始とタイミングを合わせて、変動時間を計測することができ、正確に変動時間を計測することができる。
なお、遊技者に第1特別図柄の変動態様に注目するように、報知する報知態様としては、第1特別図柄の大きさを大きく構成してもよい(図91(b)参照)。また、第1特別図柄に注目するように、右側表示領域Dm2に第1特別図柄に注目することを報知する文字「左を見ろ!!」という文字を表示するように構成してもよい(図91(c)参照)。また、上記の内容を、それぞれ組み合わせても当然良い。このように構成することで、より遊技者が、第1特別図柄の変動態様を見逃してしまうのを防止することができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチが選択されると、第1特別図柄の変動態様に注目するように、第2特別図柄の変動に関わる効果音や音声が消音される構成とした。しかしながらそれに限らず、パチンコ機10に2つのスピーカを設けておき、一方で第1特別図柄に関わる音声や効果音等を出力するように構成し、他方で第2特別図柄に関わる音声や効果音等を出力するように構成し、第1特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチが選択されると、第2特別図柄に関わる音声や効果音等を出力するスピーカを非作動や低出力にさせる構成とすることにより、第1特別図柄の変動態様に注目させるように構成してもよい。このように構成することで、音声や効果音等の切り換え(第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの音声や効果音等を出力するかの切り換え)を容易に行うことができる。
図95を参照して、第14実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(図95、S206)について説明する。図95は、この第2特別図柄変動開始処理(図95、S206)を示すフローチャートである。第14実施形態の第2特別図柄変動開始処理(図95、S203)は、第1実施形態の第2特別図柄変動開始処理(図20、S206)に対して、第2特別図柄変動パターン選択処理(図22、S710)に代わり、第2特別図柄変動パターン選択処理5(図95、S750)が追加されている。第14実施形態におけるS701〜S709の各処理は、第1実施形態におけるS701〜S709の各処理と同一の処理が実行される。S709の処理が完了すると、第2特別図柄変動パターン選択処理5(図95、S750)が実行される。
図96を参照して、第14実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図95、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理5(S750)について説明する。図96は、この第2特別図柄変動パターン選択処理5(S750)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動パターン選択処理5(図96、S750)は、第2特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。また、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンまたは外れとなるスーパーリーチの変動パターンである場合には、第1特別図柄の変動開始を遅延させるための遅延時間が設定され、第2特別図柄の変動態様を見るように遊技者に報知する報知態様等を設定するための処理である。
第2特別図柄変動パターン選択処理5(図96、S750)では、まず、第2遅延時間記憶エリア203v6に遅延時間が設定されているか(即ち、第1特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンまたは外れのスーパーリーチが変動表示されているか)が判別される(S751)。第2遅延時間記憶エリア203v6に遅延時間が設定されていると判別された場合には(S751:No)、第2遅延時間が2ms減算されて更新される(S764)。一方、第2遅延時間が設定されていないと判別された場合には(S751:Yes)、第2特別図柄大当たり判定処理(図21、S709)において当否判定された結果が大当たりであるかが判別される(S752)。大当たりであるか否かの判定は、第2大当たりフラグ203pがオンに設定されているか否かで判別される。第2大当たりフラグ203pがオンに設定されていると判別された場合には(S752:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S753)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の変動パターンテーブル202dが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。
一方、第2大当たりフラグ203pがオフであると判別された場合には(S752:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる(S755)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が、高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202d(図11(b))がセットされる。特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S756)。
変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第2特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための第2変動パターンコマンドが生成される(S757)。
S757の処理で選択された変動パターンは、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れのスーパーリーチであるかが判別される(S758)。選択された変動パターンが大当たりとなる変動パターンであるか又は外れとなるスーパーリーチの変動パターンであると判別された場合には(S758:Yes)、選択された変動パターンと同じ変動時間が遅延時間として第1遅延時間記憶203v5に設定される(S759)。第2特別図柄が表示される右側表示領域Dm2の背景画像を点滅表示させることを音声ランプ制御装置113に対して指示する第2注意予告コマンドが設定される(S760)。
第1特別図柄を変動させる効果音や音声(第1特別図柄が変動される変動パターンに設定されている効果音や音声)を消音させる第1消音コマンドが設定される(S761)。第2停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S762)。第2特別図柄の変動時間である第2変動時間の計測開始が設定される(S763)。
このように、第2特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチが選択されると、第2特別図柄の変動態様に注目するようにする報知態様が設定されるので、遊技者が、その変動パターンを見逃すことを防止できる。よって、遊技者は、どちらの表示領域に注目するべきか判別することができ、楽に遊技を行うことができる。
また、第2特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチが選択されると、第2特別図柄の変動態様に注目するように、第1特別図柄の変動に関わる効果音や音声が消音される。よって、遊技者に、どちらの特別図柄に注目すべきかを分かり易く演出することができる。また、第2特別図柄の音声や効果音が聞きやすくなり、より遊技を楽しむことができる。
また、第2特別図柄の変動態様において、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチが選択されると、第1特別図柄の変動開始が遅延されるので、同時に左側表示領域Dm1と側表示領域Dm2とで、注目すべき変動態様が表示されてしまうことを防止でき、遊技者に分かりやすい遊技を提供することができる。また、大当たりかもしれないと遊技者が期待を持つ変動態様を、別々の時間に表示することで、より長い時間、大当たりの期待感を維持して遊技を行うことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを防止することができる。
また、変動パターンコマンドの設定と共に、第2特別図柄の変動時間の計測を開始することで、第2特別図柄の変動開始とタイミングを合わせて、変動時間を計測することができ、正確に変動時間を計測することができる。
なお、遊技者に第2特別図柄の変動態様に注目するように、報知する報知態様としては、第2特別図柄の大きさを大きく構成してもよい(図91(b)参照)。また、第2特別図柄に注目するように、左側表示領域Dm1に第2特別図柄に注目することを報知する文字「右を見ろ!!」という文字を表示するように構成してもよい(図91(c)参照)。また、上記の内容を、それぞれ組み合わせても当然良い。このように構成することで、より遊技者が、第1特別図柄の変動態様を見逃してしまうのを防止することができる。
次に、図97〜図98を参照して、第15実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始が可能となるタイミングで、変動パターンがそれぞれ選択されて、変動開始される場合について説明した。
これに対し、本第15実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄または第2特別図柄において、変動開始が可能となるタイミングで、スーパーリーチ等の大当たりとなるときに選択される確率が高い変動パターンが選択されると、音声ランプ制御装置113において、その変動パターンが表示される側の表示領域を見るように、遊技者に報知する報知態様が表示される処理が実行される。
即ち、第15実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第15実施形態では、スーパーリーチ等の大当たりとなるときに選択される確率が高い変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して、その変動パターンコマンドを示すコマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113では、遊技者がその変動パターンで表示される表示領域に注目するように、報知をする点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図97を参照して、第15実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図35、S1400)の一処理である変動表示設定処理(S1411)について説明する。図97は、この変動表示設定処理(S1411)を示すフローチャートである。第15実施形態の変動表示設定処理(図97、S1411)は、第1実施形態の変動表示設定処理(図38、S1411)に対して、S1630及びS1640の処理が追加されている。第15実施形態におけるS1601〜S1614までの各処理は、第1実施形態におけるS1601〜S1614までの各処理と同一の処理が実行される。
第15実施形態の音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する変動表示設定処理(図97、S1411)において、S1603の処理が実行されると、第1注意予告処理(図98、S1630)が実行される。第1注意予告処理(図98、S1630)については、詳細は後述するが、主制御装置110において、選択された第1特別図柄の変動パターンが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れのスーパーリーチである場合には、第1特別図柄の変動態様について、遊技者に注目させるための報知を実行するコマンドと、第2特別図柄の変動態様に関する音声や効果音を消音させるコマンドを設定するための処理である。
第1注意予告処理(図98、S1630)では、まず、主制御装置110から出力された第1変動パターンコマンドは、大当たりとなる変動パターンであるか、外れのスーパーリーチであるかが判別される(S1631)。受信した第1変動パターンコマンドが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れのスーパーリーチであると判別された場合には(S1631:Yes)、第1特別図柄を表示する左側表示領域Dm1の背景画像を点滅表示(図91(a)参照)させることを表示制御装置114に指示する、第1注意予告コマンドが生成されて、表示制御装置114に対して出力される(S1632)。
第2特別図柄の変動態様に関する音声や効果音について消音させる第2消音コマンドが生成されて、出力される(S1633)。一方、受信した第1変動パターンコマンドが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れのスーパーリーチでないと判別された場合には(S1631:No)、この処理を終了する。
音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する変動表示設定処理(図97、S1411)に戻って、説明を続ける。第1注意予告処理(図98、S1411)が実行されると、S1604からS1608までの処理が実行される。S1608の処理が実行されると、第2注意予告処理(S1640)の処理が実行される。第2注意予告処理(S1640)については、第1注意予告処理(図98、S1630)の処理が、第1注意予告コマンドが第2注意予告コマンドに、第2消音コマンドが第1消音コマンドに、それぞれ変更されるのみで、その他については同一であるので、詳細な説明については省略する。
このように、主制御装置110から出力された変動パターンの種類を判別して、遊技者が大当たりではないかと期待する、大当たりとなる変動パターンまたは外れのスーパーリーチであるときには、その変動態様を遊技者に注目させるような報知態様が設定されるので、遊技者がその変動態様を見逃してしまうのを防止することができる。よって、遊技者は、どちらの特別図柄の変動態様に注目すべきか判別することができ、楽に遊技を行うことができる。従って、遊技者の疲労を軽減することができる。
なお、本実施形態では、第1注意コマンドまたは第2注意コマンドでは、特別図柄が表示される側の表示領域の背景画像を点滅表示させたが、それに限らず、注目させる側の特別図柄の大きさを大きく構成してもよい(図91(b)参照)。また、注目させる側の特別図柄に注目するように、例えば第2特別図柄について注目させることを報知する報知態様であれば、左側表示領域Dm1に第2特別図柄に注目することを報知する文字「右を見ろ!!」という文字を表示するように構成してもよい(図91(c)参照)。また、上記の内容を、それぞれ組み合わせても当然良い。このように構成することで、より遊技者が、大当たりとなるときに選択される確率の高い特別図柄の変動態様を見逃してしまうのを防止することができる。
次に、図99〜図101を参照して、第16実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始が可能となるタイミングで、変動パターンがそれぞれ選択されて、変動開始される場合について説明した。
これに対し、本第16実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄における変動パターンの選択において、大当たりとなる変動パターン又は外れのスーパーリーチ(即ち、大当たりとなるときに選択される確率の高い変動パターン)が選択される場合に、第2特別図柄においても、同様の変動パターンが選択されていないか判別して、選択されている場合には、第1特別図柄で選択された変動パターンでの変動開始を遅延させる。
即ち、第16施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第16実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たりとなる場合に選択される確率の高い変動パターンが選択される場合には、第1特別図柄の変動パターンの変動開始を、第2特別図柄での変動表示が終了するまで遅延させる処理を実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図99を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示領域で表示される表示態様について説明する。図99は、図99の上図に示すように、第2特別図柄(左側表示領域Dm2)において、外れとなるスーパーリーチの変動パターンが選択されて表示されている状態で、第1特別図柄(右側表示領域Dm1)においても、外れとなるスーパーリーチが選択され、第1特別図柄での変動開始が遅延されて、第2特別図柄(左側表示領域Dm2)に注目することを報知する報知態様である「右を見ろ!!」という文字が表示されている。そして、第2特別図柄で表示されているスーパーリーチの変動パターンが終了すると、図99の下図に示すように、遅延されていた第1特別図柄のスーパーリーチの変動パターンが変動表示開始されることを模式的に示した図である。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たりである場合に選択される確率の高い変動パターン(例えば、スーパーリーチ)が選択された場合には、第1特別図柄における変動パターンの変動開始が遅延されるので、遊技者は、1つの特別図柄の変動態様に集中することができ、落ち着いて遊技を行うことができる。
また、遊技者は、大当たりへの期待を大きく持つ変動パターンが連続して、第1特別図柄と第2特別図柄とで順に変動開始されるので、長い時間、大当たりへの期待を持って遊技を行う事ができ、遊技に早期に飽きてしまうのを防止できる。
なお、本実施形態では、図示を省略したが、主制御装置110のMPU201におけるRAM203のその他メモリエリア203vには、第1遅延時間記憶エリア203v5が設けられている。この第1遅延時間記憶エリア203v5は、第1特別図柄と第2特別図柄とにおいて、スーパーリーチ等の大当たりとなるときに選択される確率の高い変動パターンが選択されると、第2特別図柄で選択または変動表示されている変動パターンが変動終了するまでの時間と同じ時間が、第1特別図柄の変動開始を遅延させるための遅延時間として記憶される記憶エリアである。
第1遅延時間記憶エリア203v5は、詳細は後述するが、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動パターン選択処理6(図101、S360)において、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れとなるスーパーリーチの変動パターンであり、第2特別図柄においても同様に変動パターンが選択されていれば、その第2特別図柄において選択されている変動パターンが変動終了するまでの時間と同じ遅延時間が記憶される。
また、第1遅延時間記憶エリア203v5に、遅延時間が記憶されている場合には、第1特別図柄変動パターン選択処理6(図101、S360)が実行される毎に、その時間が更新される。詳細には、タイマ割込処理(図14)が実行される間隔である2msが減算される。
図100を参照して、第16実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図100、S203)について説明する。図100は、この第1特別図柄変動開始処理(図100、S203)を示すフローチャートである。第16実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図100、S203)は、第1実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理6(図101、S360)が追加されている。第16実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第1実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理6(図101、S360)が実行される。
図101を参照して、第16実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図100、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理6(S360)について説明する。図101は、この第1特別図柄変動パターン選択処理6(S360)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理6(図101、S360)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。また、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンまたは外れとなるスーパーリーチの変動パターンである場合には、第2特別図柄において、同様の変動パターンが選択されていないか判別し、選択されている場合には、第1特別図柄の変動パターンの変動開始を遅延させるための遅延時間が設定され、第2特別図柄を注目するように遊技者に報知する報知態様等を設定するための処理である。
第2特別図柄変動パターン選択処理6(図101、S360)では、まず、第1遅延時間記憶エリア203v5に遅延時間が設定されているか(即ち、第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンにおいて、大当たりとなる変動パターンまたは外れのスーパーリーチの変動パターンが選択されているか)が判別される(S621)。第1遅延時間記憶エリア203v5に遅延時間が設定されていると判別された場合には(S621:No)、第1遅延時間が2ms減算されて更新される(S635)。一方、第1遅延時間が設定されていないと判別された場合には(S621:Yes)、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)において当否判定された結果が大当たりであるかが判別される(S622)。大当たりであるか否かの判定は、第1大当たりフラグ203oがオンに設定されているか否かで判別される。第1大当たりフラグ203oがオンに設定されていると判別された場合には(S622:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S623)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S622:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる(S625)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が、高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202d(図11(b))がセットされる。特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S626)。
変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための第1変動パターンコマンドが生成される(S627)。
S627の処理で選択された変動パターンは、選択された変動パターンが、大当たりとなる変動パターンであるか、外れのスーパーリーチであるかが判別される(S628)。選択された変動パターンが大当たりとなる変動パターンであるか又は外れとなるスーパーリーチの変動パターンであると判別された場合には(S628:Yes)、第2特別図柄において、大当たりとなる変動パターンまたは外れのスーパーリーチが選択または変動中であるかが判別される(S629)。
第2特別図柄において、大当たりとなる変動パターンまたは外れのスーパーリーチが選択または変動中であると判別された場合には(S629:Yes)、第2特別図柄で選択または変動中の大当たりとなる変動パターンまたは外れのスーパーリーチが変動終了するまでの時間が第1遅延時間記憶エリア203v5に遅延時間として記憶される(S630)。
第1特別図柄が表示される左側表示領域Dm1に、第2特別図柄(右側表示領域Dm2)に注目するように報知する「右を見ろ!!」の文字を表示するように音声ランプ制御装置113に対して指示する第2注意予告コマンドが設定される(S631)。一方、第2特別図柄において、大当たりとなる変動パターンまたは外れのスーパーリーチが選択または変動中でないと判別された場合には(S629:No)、S632の処理が実行される。第1停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S632)。第1特別図柄の変動時間である第1変動時間の計測開始が設定される(S633)。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄の変動態様とにおいて、大当たりとなる変動パターンか、外れとなるスーパーリーチの変動パターンが選択されると、第1特別図柄の変動パターンの変動開始が第2特別図柄で変動表示されている変動パターンが変動終了するまで遅延されるので、同時期に両方の表示領域で、遊技者が大当たりへの期待感を大きく持つ変動パターンが変動表示されてしまうのを抑制することができる。よって、大当たりへの期待感を持って、1つの特別図柄の変動パターンの表示に集中することができ、分かり易く遊技を行うことができる。また、両方の表示領域で表示されることで、遊技者が一方の特別図柄の変動を見逃してしまうのを防止できる。
また、第2特別図柄において、変動パターンが表示されている間は、第2特別図柄に注目するように報知する報知態様が表示されるので、遊技者は、注目するべき特別図柄を容易に判別することができ、遊技を分かり易く行うことができる。
また、第2特別図柄において、大当たりへの期待感を持てる変動パターンが終了すると、次に、遅延されていた第1特別図柄の変動パターンが変動表示開始され、遊技者は、連続して、大当たりへの期待感を大きく持つ変動態様を楽しむことができ、遊技に対して早期に飽きてしまうのを防止することができる。
なお、本実施形態では、第2特別図柄に注目することを報知する報知態様として、文字で報知したがそれに限らず、左側表示領域Dm2の背景画像を点滅表示や特殊な色で表示させても良い。また、第2特別図柄の図柄の大きさを大きく表示するように構成してもよい。また、それらを組み合わせて報知するように構成しても当然良い。
また、本実施形態では、第1特別図柄の変動開始を遅延させたが、それに限らず、第1特別図柄の変動パターンの変動時間に、第2特別図柄の変動が終了するまでの時間を加えて、変動開始させて、第2特別図柄が変動終了するまでは、第1特別図柄を右側表示領域Dm1に表示しない又は、小さい図柄で変動表示させて、第2特別図柄の変動表示が終了すると、選択されていた変動パターン(スーパーリーチ等)を表示するように構成してもよい。このように構成することで、変動開始のタイミングを変える必要がなく、遅延させる場合と比較して、制御負荷を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄を遅延させる構成としたが、第2特別図柄を遅延させるように構成してもよいし、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、後から変動開始する方を遅延させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
次に、図102〜図116を参照して、第17実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄または第2特別図柄の当否判定結果は、特別図柄の停止表示した表示態様によって報知される場合について説明した。
これに対し、本第17実施形態におけるパチンコ機10では、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入賞して、保留球となると、変動開始が可能となる前に、事前に当否判定が行われて、その結果、大当たりとなると、遊技者にその保留による変動によって、当否判定結果が大当たりとなることを事前に報知するか抽選によって決める。
即ち、第17施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第17実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄が、変動開始される前に、保留球として保留図柄表示されている状態で、大当たりであることを報知する(以下、一発告知とする)点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図102を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示領域で表示される表示態様について説明する。図102(a)は、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsにおいて、第2特別図柄の保留図柄表示のうち、保留図柄表示領域Ds4に表示されている保留図柄表示が通常「●」で表示されるところ、特別保留図柄表示である「▲」で表示されて、大当たりを示す特別図柄の表示態様で停止表示されることを、事前に遊技者に報知している表示態様を模式的に示した図である。
また、図102(b)は、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsにおいて、第1特別図柄の保留図柄表示のうち、保留図柄表示領域Ds4に表示されている保留図柄表示が通常「○」で表示されるところ、特別保留図柄表示である「△」で表示されて、大当たりを示す特別図柄の表示態様で停止表示されることを、事前に遊技者に報知している表示態様を模式的に示した図である。
このように構成することで、遊技者は、保留図柄表示により事前に当否判定結果を認識することができ、保留図柄表示が表示される毎に、大当たりを報知する特別保留図柄表示が表示されるのではと、期待を持つことができ、より遊技に興味を持つことができる。
なお、本実施形態では、保留図柄表示にて、事前に大当たりを報知(一発告知)したが、それに限らず、音声によって報知しても良いし、専用のランプ等で報知するように構成しても良いし、第3図柄表示装置81において、文字や図柄等で報知するように構成しても当然よい。
次に、図103を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図103は、主制御装置110のMPU201におけるRAM203のその他メモリエリア203vの一部を模式的に示した図である。その他メモリエリア203vには、第1告知フラグ203v7と第2告知フラグ203v8と告知タイマ記憶エリア203v9とが追加されている。
第1告知フラグ203v7は、第1特別図柄の保留図柄表示において、大当たりすることを報知する保留図柄表示(本実施形態では、「△」)を表示していることを示すフラグである。この、第1告知フラグ203v7は、詳細は後述するが、主制御装置110のMPU201が実行する第1告知抽選処理(図106、S1150)において、大当たりを報知する特別保留図柄表示を表示させることを、音声ランプ制御装置113に対して指示したことに基づいて、オンに設定される。また、図示は省略したが、大当たりをすることを報知する保留図柄表示に基づく、大当たり遊技が開始されると第1告知フラグ203v7は、オフに設定される。なお、初期設定時には、オフに設定されるフラグである。
第2告知フラグ203v8は、第2特別図柄の保留図柄表示において、大当たりすることを報知する特別保留図柄表示(本実施形態では、「▲」)を表示していることを示すフラグである。この、第2告知フラグ203v8は、詳細は後述するが、主制御装置110のMPU201が実行する第2告知抽選処理(図109、S1170)において、大当たりを報知する特別保留図柄表示を表示させることを、音声ランプ制御装置113に対して指示したことに基づいて、オンに設定される。また、図示は省略したが、大当たりをすることを報知する特別保留図柄表示に基づく、大当たり遊技が開始されると第2告知フラグ203v8は、オフに設定される。なお、初期設定時には、オフに設定されるフラグである。
告知タイマ記憶エリア203v9は、第1特別図柄または第2特別図柄の一方で、大当たりすることを報知する保留図柄表示(一発告知)で表示された場合に、表示されてから、その保留図柄表示に基づく特別図柄の変動が停止するまでの時間が記憶される記憶エリアである。一方の特別図柄で一発告知が行われている場合には、他方の特別図柄で当たりとなる変動パターンが選択される場合には、この告知タイマ記憶エリア203v9に記憶されている設定時間よりも長い変動時間が選択される。これにより、一発告知された保留図柄表示による大当たりよりも先に、大当たりが発生してしまうのを防止して、遊技者を混乱させてしまうのを防止することができる。
また、一発告知された後で、その一発告知された特別図柄とは異なる特別図柄(例えば、第1特別図柄に対応する保留図柄表示で一発告知が行われた場合には、第2特別図柄)に対応する保留が成立し、その一発告知された保留図柄表示よりも先に変動が停止して、大当たりとなると、遊技状態が変更される場合がある。詳細には、高確率遊技状態で変動開始となると予測して、大当たりになると事前に判定して、一発告知を行ったが、それよりも後に成立した保留により、変動開始順序の違いにより、先に変動開始して、通常15R大当たりで停止表示すると、その後は、通常確率(低確率)遊技状態での遊技に変更されてしまい、一発告知された保留図柄表示に対応する当否判定結果が大当たりではなく外れとなってしまう不具合が発生する。
しかしながら、本実施形態の構成では、一発告知が行われると、それよりも先に、大当たり遊技が発生しないように変動パターンの選択が行われるので、上記したような不具合を防止できる。よって、遊技者に混乱を与えるような報知が行われてしまうのを防止することができる。
図104は、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の従並び替え保留記憶エリア223kを模式的に示した図である。第17実施形態における従並び替え保留記憶エリア223kでは、第1実施形態における従並び替え保留記憶エリア223kに対して、保留告知フラグ223k8が追加されている。
保留告知フラグ223k8は、各保留エリアにそれぞれ設けられており、主制御装置110から第1告知コマンドまたは第2告知コマンドを受信した場合に、そのコマンドが示す保留エリアの保留告知フラグ223k8がオンに設定される。また、保留告知フラグ223k8は、保留が消化され、保留エリアがシフトしていき、保留中データ記憶エリアから変動中データ記憶エリアにシフトされる場合に、保留エリアの各データが初期値にリセット(0クリア)されることにより、オフに設定される。
次に、図105を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第1先読み処理(図25、S907)の一処理である第1先読み更新処理(S926)について説明する。図105は、この第1先読み更新処理(S926)を示すフローチャートである。第17実施形態における第1先読み更新処理(図105、S926)では、第1実施形態における第1先読み更新処理(図26、S926)に対して、第1告知抽選処理(図106、S1150)と第1延長変動先読み処理(図107、S1160)とが追加されている。第17実施形態における、S931〜S939までの各処理は、第1実施形態における、S931〜S939までの各処理と同一の処理が実行される。
S931の処理において、予測した当否判定結果が大当たりであると判別された場合には(S931:Yes)、第1告知抽選処理(図106、S1150)が実行される。第1告知抽選処理(図106、S1150)については、後述するが、一発告知が未実行である場合に、一発告知を実行するか否かを抽選する処理が実行される。
第1告知抽選処理(図106、S1150)では、まず、第1告知フラグ203v7または第2告知フラグ203v8がオンに設定されているか判別される(S1151)。第1告知フラグ203v7または第2告知フラグ203v8がオフであると判別された場合には(S1151:No)、並び替え保留記憶エリア203uにおいて、変動順序が先のもので、当たりとなるものが記憶されているか判別される(S1152)。
並び替え保留記憶エリア203uにおいて、変動順序が先のもので、当たりとなるものがあると判別された場合には(S1152:Yes)、この処理を終了する。一方、並び替え保留記憶エリア203uにおいて、変動順序が先のものが、すべて外れであると判別された場合には(S1152:No)、告知カウント値が取得される(S1153)。告知カウント値は、特別当たり種別カウンタC2の値が取得された値である。なお、本実施形態では、特別当たり種別カウンタC2を告知カウント値を生成するカウンタとして用いたがこれに限らず、専用に、告知カウンタを設けてもよい。
取得した告知カウント値が当たりカウント値(本実施形態では、0〜30のいずれか)であるかが判別される(S1154)。取得した告知カウント値が当たりであると判別された場合には(S1154:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して、この判定を行った第1特別図柄の保留図柄表示を大当たりを報知する保留図柄表示(一発告知)で表示するように指示する第1告知コマンドを生成する(S1155)。この第1告知コマンドは、どの保留エリアの保留図柄表示に対するコマンドであるかを示すコマンドとなっている。
この保留図柄表示に対応する特別図柄が変動終了するまでの時間が算出されて告知タイマ記憶エリア203v9に記憶される(S1156)。第1告知フラグ203v7がオンに設定される(S1157)。一方、取得した告知カウント値が外れであると判別された場合には(S1154:No)、この処理を終了する。また、第1告知フラグ203v7または第2告知フラグ203v8がオンであると判別された場合には(S1151:Yes)、告知タイマ記憶エリア203v9に記憶されている値から2ms減算されて告知タイマの更新が行われる(S1158)。
このように、第1告知フラグ203v7または第2告知フラグ203v8がオンであると判別されると、一発告知を行うかの抽選が行われないので、一度、一発告知が行われると、その大当たり遊技が終了するまで、次の一発告知が行われず、複数回、一発告知が行われることで、遊技者が混乱してしまうのを防止できる。
また、一発告知を行うか否かの抽選を行うことで、毎回、大当たりとなる保留図柄表示でも、一発告知が行われることを防止でき、一発告知が行われないと大当たりへの期待を、遊技者が抱かなくなってしまう不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、告知タイマとして、変動終了するまでの時間を記憶させたが、それに限らず、カウンタ値等を記憶させて、更新毎に、カウンタ値を更新する構成にしてもよい。
図105を参照して、第1先読み更新処理(図105、S926)の処理に戻り説明を続ける。S934またはS935の処理が実行されると、第1延長変動先読み処理(図107、S1160)が実行される。
第1延長変動先読み処理(図107、S1160)では、まず、第2告知フラグ203v8がオンに設定されているか判別される(S1161)。第2告知フラグ203v8がオンに設定されていると判別された場合には(S1161:Yes)、第2告知フラグ203v8がオンに設定された契機となった、並び替え保留記憶エリア203uに記憶されている保留エリアのデータに対して、その保留エリアに対応する第2特別図柄が変動開始となるときの告知タイマ記憶エリア203v9の値を算出(予測)して、選択される変動パターン(変動時間)を判別(予測)する(S1162)。一方、第2告知フラグ203v8がオフに設定されていると判別された場合には(S1161:No)、この処理を終了する。
このように構成することで、第1特別図柄に対応する保留図柄表示において、一発告知が行われており、第2特別図柄の変動表示が延長表示される場合にも、その変動パターン(変動時間)を事前に判別(予測)することで、正しい変動開始順で保留図柄表示を並び替えることができる。よって、遊技者により正しい変動開始順序を報知することができ、遊技者が混乱してしまうのを防止できる。
次に、図108を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第2先読み処理(図27、S914)の一処理である第2先読み更新処理(S946)について説明する。図108は、この第2先読み更新処理(S946)を示すフローチャートである。第17実施形態における第2先読み更新処理(図108、S946)では、第1実施形態における第2先読み更新処理(図28、S946)に対して、第2告知抽選処理(図109、S1170)と第2延長変動先読み処理(図108、S1180)とが追加されている。第17実施形態における、S951〜S959までの各処理は、第1実施形態における、S951〜S959までの各処理と同一の処理が実行される。
S951の処理において、予測した当否判定結果が大当たりであると判別された場合には(S951:Yes)、第2告知抽選処理(図109、S1170)が実行される。第2告知抽選処理(図109、S1170)については、後述するが、一発告知が未実行である場合に、一発告知を実行するか否かを抽選する処理が実行される。
第2告知抽選処理(図109、S1170)では、まず、第1告知フラグ203v7または第2告知フラグ203v8がオンに設定されているか判別される(S1171)。第1告知フラグ203v7または第2告知フラグ203v8がオフであると判別された場合には(S1171:No)、並び替え保留記憶エリア203uにおいて、変動順序が先のもので、当たりとなるものが記憶されているか判別される(S1172)。
並び替え保留記憶エリア203uにおいて、変動順序が先のもので、当たりとなるものがあると判別された場合には(S1172:Yes)、この処理を終了する。一方、並び替え保留記憶エリア203uにおいて、変動順序が先のものが、すべて外れであると判別された場合には(S1172:No)、告知カウント値が取得される(S1173)。告知カウント値は、特別当たり種別カウンタC2の値が取得された値である。なお、本実施形態では、特別当たり種別カウンタC2を告知カウント値を生成するカウンタとして用いたがこれに限らず、専用に、告知カウンタを設けてもよい。
取得した告知カウント値が当たりカウント値(本実施形態では、0〜30のいずれか)であるかが判別される(S1174)。取得した告知カウント値が当たりであると判別された場合には(S1174:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して、この判定を行った第2特別図柄の保留図柄表示を大当たりを報知する特別保留図柄表示(一発告知)で表示するように指示する第2告知コマンドを生成する(S1175)。この第2告知コマンドは、どの保留エリアの保留図柄表示に対するコマンドであるかを示すコマンドとなっている。
この保留図柄表示に対応する特別図柄が変動終了するまでの時間が算出されて告知タイマ記憶エリア203v9に記憶される(S1176)。第2告知フラグ203v8がオンに設定される(S1177)。一方、取得した告知カウント値が外れであると判別された場合には(S1174:No)、この処理を終了する。また、第1告知フラグ203v7または第2告知フラグ203v8がオンであると判別された場合には(S1171:Yes)、告知タイマ記憶エリア203v9に記憶されている値から、タイマ割込処理(図14)の実行周期である2msが減算されて告知タイマの更新が行われる(S1178)。
このように、第1告知フラグ203v7または第2告知フラグ203v8がオンであると判別されると、一発告知を行うかの抽選が行われないので、一度、一発告知が行われると、その大当たり遊技が終了するまで、次の一発告知が行われず、複数回、一発告知が行われることで、遊技者が混乱してしまうのを防止できる。
また、一発告知を行うか否かの抽選を行うことで、毎回、大当たりとなる保留図柄表示でも、一発告知が行われることを防止でき、一発告知が行われないと、大当たりへの期待を遊技者が抱かなくなってしまう不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、告知タイマとして、変動終了するまでの時間を記憶させたが、それに限らず、カウンタ値等を記憶させて、更新毎に、カウンタ値を更新する構成にしてもよい。
図108を参照して、第2先読み更新処理(図108、S946)の処理に戻り説明を続ける。S954またはS955の処理が実行されると、第2延長変動先読み処理(S1180)が実行される。第2延長変動先読み処理(S1180)は、第1延長変動先読み処理(図107、S1160)において、第2告知フラグ203v8が第1告知フラグ203v7に変更されるのみで、その他の処理については同一であるので、図示と詳細な説明については、省略する。
このように構成することで、第2特別図柄に対応する保留図柄表示において、一発告知が行われており、第1特別図柄の変動表示が延長表示(遅延)される場合にも、事前にその変動時間を判別することで、正しい変動開始順で保留図柄表示を並び替えることができる。よって、遊技者により正しい変動開始順序を報知することができ、遊技者が混乱してしまうのを防止できる。
図110を参照して、第17実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図110、S203)について説明する。図110は、この第1特別図柄変動開始処理(図110、S203)を示すフローチャートである。第17実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図110、S203)は、第1実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理7(図111、S370)が追加されている。第17実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第1実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理7(図111、S370)が実行される。
図111を参照して、第17実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図110、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理7(S370)について説明する。図111は、この第1特別図柄変動パターン選択処理7(S370)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理7(図111、S370)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。また、第2特別図柄において、一発告知が行われている場合には、その一発告知された保留図柄表示に対応する特別図柄の変動態様が変動終了するまでの時間よりも長い変動パターンが設定される。
第1特別図柄変動パターン選択処理7(図111、S370)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)において当否判定された結果が大当たりであるかが判別される(S651)。大当たりであるか否かの判定は、第1大当たりフラグ203oがオンに設定されているか否かで判別される。第1大当たりフラグ203oがオンに設定されていると判別された場合には(S651:Yes)、第2告知フラグ203v8がオンに設定されているか判別される(S652)。第2告知フラグ203v8がオンであると判別された場合には(S652:Yes)、告知タイマ記憶エリア203v9の値よりも長い変動時間の変動パターンが第1代替変動パターンとして、第1代替変動パターンコマンドとしてセットされる(S653)。
ここで、告知タイマ記憶エリア203v9の値よりも長い変動パターンコマンドの選択としては、通常時特別当たり変動パターンテーブル202dまたは時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202dからそのときの遊技状態に基づいて、告知タイマ記憶エリア203v9の値よりも長い変動時間の変動パターンのうち、最も近い変動時間の変動パターンが選択される。例えば、通常遊技状態(低確率遊技状態)において、大当たり種別が15R大当たりであり、告知タイマ記憶エリア203v9に記憶されている値が、40秒であれば、スーパーリーチ15R大当たり大当たりBの変動パターンが選択される。
また、告知タイマ記憶エリア203v9の値が、変動パターンテーブルのうち、全ての変動パターンよりも長い時間である場合には、告知タイマ記憶エリア203v9の値に5秒加えた値を変動時間とした、代替変動パターンが設定される。この代替変動パターンは、特別図柄における全ての主図柄が変動時間の間、変動表示された後、大当たりを示す表示態様で停止表示される。また、大当たり種別が2R確変の大当たりである場合にも、通常時の2R確変専用変動パターンではなく、告知タイマ記憶エリア203v9の値に5秒を加えた値を変動時間とした、代替変動パターンが選択される。
一方、第2告知フラグ203v8がオフであると判別された場合には(S652:No)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S654)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の変動パターンテーブル202dが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別テーブル202bがセットされ、大当たり種別が決定される(S655)。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S651:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる(S656)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が、高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202d(図11(b))がセットされる。特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S657)。
変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための第1変動パターンコマンドが生成される(S658)。
第1停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S659)。第1特別図柄の変動時間である第1変動時間の計測開始が設定される(S660)。
図112を参照して、第17実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(図112、S206)について説明する。図112は、この第2特別図柄変動開始処理(図112、S206)を示すフローチャートである。第17実施形態の第2特別図柄変動開始処理(図112、S206)は、第1実施形態の第2特別図柄変動開始処理(図20、S26)に対して、第2特別図柄変動パターン選択処理(図22、S710)に代わり、第2特別図柄変動パターン選択処理7(図113、S770)が追加されている。第17実施形態におけるS701〜S709の各処理は、第1実施形態におけるS701〜S709の各処理と同一の処理が実行される。S709の処理が完了すると、第2特別図柄変動パターン選択処理7(図113、S770)が実行される。
図113を参照して、第17実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図112、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理7(S770)について説明する。図113は、この第2特別図柄変動パターン選択処理7(S770)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動パターン選択処理7(図113、S770)は、第2特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。また、第1特別図柄において、一発告知が行われている場合には、その一発告知された保留図柄表示に対応する特別図柄の変動態様が変動終了するまでの変動時間が設定される。
第2特別図柄変動パターン選択処理7(図113、S770)では、まず、第2特別図柄大当たり判定処理(図21、S709)において当否判定された結果が大当たりであるかが判別される(S771)。大当たりであるか否かの判定は、第2大当たりフラグ203pがオンに設定されているか否かで判別される。第2大当たりフラグ203pがオンに設定されていると判別された場合には(S771:Yes)、第1告知フラグ203v7がオンに設定されているか判別される(S772)。第1告知フラグ203v7がオンであると判別された場合には(S772:Yes)、告知タイマ記憶エリア203v9の値よりも長い変動時間の変動パターンが第2代替変動パターンとして、第2代替変動パターンコマンドがセットされる(S773)。
ここで、告知タイマ記憶エリア203v9の値よりも長い変動パターンコマンドの選択としては、通常時特別当たり変動パターンテーブル202dまたは時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202dからそのときの遊技状態に基づいて、告知タイマ記憶エリア203v9の値よりも長い変動時間で、最も近い時間の変動パターンが選択される。例えば、通常遊技状態(低確率遊技状態)において、大当たり種別が15R大当たりであり、告知タイマ記憶エリア203v9に記憶されている値が、40秒であれば、スーパーリーチ15R大当たり大当たりBの変動パターンが選択される。
また、告知タイマ記憶エリア203v9の値が、変動パターンテーブルのどの変動パターンよりも長い場合には、告知タイマ記憶エリア203v9の値に5秒加えた値を変動時間とした、代替変動パターンが設定される。この代替変動パターンは、特別図柄における全ての主図柄が変動時間の間、変動表示した後、大当たりを示す表示態様で停止表示される。また、大当たり種別が2R確変の大当たりである場合にも、通常時の2R確変専用変動パターンではなく、告知タイマ記憶エリア203v9の値に5秒を加えた値を変動時間とした、代替変動パターンが選択される。
一方、第1告知フラグ203v7がオフであると判別された場合には(S772:No)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S774)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の変動パターンテーブル202dが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別テーブル202bがセットされ、大当たり種別が決定される(S775)。
一方、第2大当たりフラグ203pがオフであると判別された場合には(S771:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる(S776)。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が、高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202d(図11(b))がセットされる。特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S777)。
変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第2特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための第2変動パターンコマンドが生成される(S778)。第2停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S779)。第2特別図柄の変動時間である第2変動時間の計測開始が設定される(S780)。
このように、第2特別図柄に対応する保留図柄表示において一発告知が実行された場合には、第1特別図柄の、第1特別図柄に対応する保留図柄表示において一発告知が実行された場合には、第2特別図柄の、当否判定結果が大当たりとなる変動態様が、一発告知された特別保留図柄表示に対応する特別図柄が変動停止するまで遅延されるので、一発告知された特別保留図柄表示に基づく大当たり遊技よりも先に大当たりが発生してしまうことを防止できる。
よって、高確率遊技状態で抽選されたときを想定して、一発告知を行っても、それよりも先に大当たりが発生することがないので、遊技状態の変更が起こり得ず、一発告知を行った保留図柄表示に基づく抽選遊技が大当たりとならなくなってしまう不具合を防止できる。従って、遊技者を混乱させることを防止して、安心して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、代替変動パターンを選択して、大当たりの発生を遅延させる構成としたが、変動開始を遅らせる構成にしても当然よい。このように構成することで、一発告知が行われた保留図柄表示を契機とする大当たりよりも先に、別の大当たりが発生してしまうのを防止できる。
また、本実施形態では、すべての大当たりを遅延させる構成としたが、15R通常大当たりのみを遅延させる構成としてもよい。このように構成することで、15R確変大当たりや2R確変大当たりは、一発告知を行った保留図柄表示に基づく大当たりよりも先に発生するが、遊技状態を高確率から低確率へと変更されることを防止して、一発告知を行った保留図柄表示に基づく抽選遊技を大当たりにすることができる。また、一発告知された保留図柄表示に基づく大当たりの前にも、大当たりが発生して、多くの大当たり遊技を遊技者に提供して、遊技者の大当たりへの期待を増大させることができる。
図114を参照して、第17実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図114は、このメイン処理(図114、S1400)を示すフローチャートである。第17実施形態のメイン処理(図114、S1400)は、第1実施形態のメイン処理(図35、S1400)に対して、コマンド判定処理(図36、S1414)と保留個数表示更新処理(図37、S1406)とに代わり、コマンド判定処理4(図115、S1560)と保留個数表示更新処理4(図116、S1550)とが追加されている。第17実施形態におけるS1401〜S1413の各処理は、第1実施形態におけるS1401〜S1413の各処理と同一の処理が実行される。S1413の処理が完了すると、コマンド判定処理4(図115、S1560)が実行される。
図115を参照して、第17実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図114、S1400)の一処理であるコマンド判定処理4(S1560)について説明する。図115は、このコマンド判定処理4(S1560)を示すフローチャートである。コマンド判定処理4(図115、S1560)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図114、S1400)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
第17実施形態のコマンド判定処理4(図115、S1470)は、第1実施形態のコマンド判定処理(図36、S1414)に対して、S1561、S1562の処理が追加されている。第17実施形態におけるS1501〜S1518の各処理は、第1実施形態におけるS1501〜S1518の各処理と同一の処理が実行される。S1517の処理で第1または第2特別図柄変動再開コマンドを受信していないと判別された場合には(S1517:No)、S1561の処理が実行される。
S1561の処理では、主制御装置110が出力した第1告知コマンドまたは第2告知コマンドを受信したかが判別される(S1561)。第1告知コマンドまたは第2告知コマンドを受信したと判別された場合には(S1561:Yes)、受信した告知コマンドが示す従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアにおける保留告知フラグ223k8をオンに設定する(S1562)。
図116を参照して、第17実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図114、S1400)の一処理である保留個数表示更新処理4(S1550)について説明する。図116は、この保留個数表示更新処理4(S1550)を示すフローチャートである。保留個数表示更新処理4(図116、S1550)は、保留図柄表示を並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留図柄表示は変動開始順、オフに設定されている保留図柄表示は成立順で表示させ、さらに、保留告知フラグ223k8がオンに設定されている保留エリアに対応する保留図柄表示を特別保留図柄表示(本実施形態では、第1特別図柄であれば「△」、第2特別図柄であれば「▲」)で表示するための処理である。
保留個数表示更新処理4(図116、S1550)では、まず、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアの変動開始時間記憶エリア223k5の変動表示開始時間が更新される(S1551)。変動開始時間記憶エリア223k5に記憶された各時間データからこの処理の実行周期(本実施形態では、1ms)が減算される。また、変動表示開始時間の更新はこれに限らず、RTC等を設けることにより行ってもよいし、他の方法であっても当然よい。
並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアの保留図柄表示を変動を開始する順序で表示させ、並び替えフラグ223k7がオフである保留エリアに対して、保留が成立した順序で保留図柄表示を表示させる表示用保留表示コマンドが設定される(S1552)。
このように制御することで、並び替えが実行されたとき(枠スイッチ22が操作されたとき)に、表示されていた保留図柄表示(並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリア)に対してのみ、保留図柄表示を変動開始順で並び替えて表示させることができる。
保留告知フラグ223k8がオンに設定されている保留エリアがあるか判別される(S1553)。保留告知フラグ223k8がオンに設定されている保留エリアがあると判別された場合には(S1553:Yes)、保留告知フラグ223k8がオンに設定されている保留図柄表示を特別保留図柄表示(本実施形態では、第1特別図柄に対しては「△」、第2特別図柄に対しては「▲」)で表示させる表示用保留表示コマンドが生成される(S1554)。一発告知が行われたことを示す音声(本実施形態では、「大当たり!!」という音声)を出力させる音声コマンドが生成される(S1555)。一方、保留告知フラグ223k8がオンに設定されている保留エリアがないと判別された場合には(S1553:No)、この処理を終了する。
このように、保留告知フラグ223k8がオンに設定されていると、保留図柄表示が大当たりであることを報知する特別保留図柄表示で表示されるように設定されるので、遊技者は、新たな保留図柄表示が表示される毎に、特別保留図柄表示で表示されないかと、期待を持って遊技を行うことができる。よって、早期に遊技に飽きてしまうのを防止することができる。
また、特別保留図柄表示が表示されると、大当たりであることを音声でも報知するので、より遊技者の射幸心を高めることができる。よって、より早期に遊技に飽きてしまうのを防止することができる。
また、保留図柄表示は、毎回、保留図柄表示更新処理4(図116、S1550)が実行される毎に、更新されて表示されるので、保留の消化に伴って、保留図柄表示や特別保留図柄表示も移動させて表示させることができ、遊技者に正確な保留図柄表示を表示させることができ、遊技者が混乱することを抑制できる。
なお、本実施形態では、一発告知がされたことを報知する音声は、保留告知フラグ223k8がオンに設定されている間は、繰り返し、報知される構成としたが、それに限らず1度だけ出力される構成としてもよい。
また、本実施形態では、保留図柄表示を特別保留図柄表示で表示させることにより、一発告知を報知する構成としたが、それに限らず、背景を異なる色や表示態様(例えば、点滅表示)で表示させることで報知しても良いし、第3図柄表示装置81に文字を表示させることで、報知させるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、主制御装置110のMPU201が第1先読み処理(図25、S907)、第2先読み処理(図27、S914)を実行して、音声ランプ制御装置113に対して、入賞コマンドや第1告知コマンド、第2告知コマンド等の各種コマンドを出力する構成とした。しかしながらそれに限らず、主制御装置110は、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入球したことに基づいて取得した各種カウント値(特別当たり乱数カウンタC1等)を示すコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力し、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図114、S1400)において、主制御装置110が実行する第1先読み処理(図25、S907)と第2先読み処理(図27、S914)等を実行する構成としてもよい。このように構成することで、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。よって、遊技の処理(各種入賞口の入賞検知等)をとりこぼすことなく行うことができる。なお、この構成は、上記説明した第1から第16実施形態にも同様に適用でき、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
次に、図117〜図123を参照して、第18実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄では、それぞれ別々に変動パターンを選択して、当否判定結果の報知が行われる場合について説明した。
これに対し、本第18実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを表示する場合に、第1特別図柄を変動表示する左側表示領域Dm1と第2特別図柄を変動表示する右側表示領域Dm2とで、それぞれ関わりのある演出を表示して、それぞれの当否判定結果を報知する。
即ち、第18施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第18実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示において、特定の条件が成立した場合に、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ関わり合いのある変動表示態様(以下、融合演出という)を表示して、当否判定結果の報知を遊技者に行う点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図117(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81で表示される融合演出変動パターンの表示態様について説明する。融合演出変動パターンが選択されることが第1特別図柄または第2特別図柄で決定されると、第1特別図柄と第2特別図柄とで同期したタイミングで融合演出変動パターンによる特別図柄の変動表示(融合演出)が開始される。融合演出は、図117(a)に示すように、第1特別図柄を表示する左側表示領域Dm1と第2特別図柄を表示する右側表示領域Dm2とで、玉入れによる競争を行う表示態様が表示される。詳細には、左側表示領域Dm1では、赤組として、第1特別図柄の当否判定結果を報知することを示し、右側表示領域Dm2では、白組として、第2特別図柄の当否判定結果を報知することを示している。赤組が白組に玉入れで勝てば、第1特別図柄で大当たりとなることを示し、白組が赤組に勝てば、第2特別図柄で大当たりとなることを示している。一方、赤組と白組とで玉入れの結果が引き分けの場合には、第1特別図柄と第2特別図柄との当否判定結果が共に外れであったことを示している。
このように、通常時は、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とでは、個々に第1特別図柄と第2特別図柄との当否判定結果が変動表示されるが、融合演出が決定されることで、通常時とは異なる、第1特別図柄と第2特別図柄とで関わり合いのある変動表示態様(融合演出)により、当否判定結果が報知されることとなり、遊技者に新鮮な感覚を与え、遊技に早期に飽きてしまうのを防止することができる。
また、融合演出は、第1特別図柄または第2特別図柄の当否判定結果が当たりの場合に決定されやすく構成されているので、遊技者は融合演出の変動表示が開始されると大当たりへの期待感を大きく持って遊技を行うことができる。よって、遊技者は、融合演出の変動表示が開始されないかと、通常時(融合演出が表示されていない期間)も期待を持って遊技を行うことができ、長時間遊技を楽しみながら行うことができる。
なお、本実施形態では、融合演出は、玉入れによる演出としたが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄との区別をなくして、敵に主人公(遊技者)が勝てば、第1特別図柄または第2特別図柄で大当たりとなるような演出であってもよい。このような場合には、融合演出が開始されると、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2との区切りが無くなり、上側表示領域Dmにおいて、敵との1対1のカーレースを行う演出等が表示される。このように構成することで、遊技者は、とにかく主人公の車が敵の車より早くゴールすれば、大当たりとなることが分かり、分かり易く遊技を行うことができる。
また、本実施形態では、数字としての特別図柄(主図柄)を表示しない構成としたが、それに限らず、各表示領域に小さく変動表示するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、主図柄を見ても、当否判定結果を確認することができ、演出が外れを報知したのか、当たりを報知したのかを分かり易く認識することができる。
また、主図柄は、数字に変えて「○」「×」等の仮の図柄に変えて表示するように構成してもよい。このように構成することで、主図柄を表示する領域を小さくすることができ、より融合演出に用いることができる表示領域を大きく構成することができる。
次に、図118(a)を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の並び替え保留記憶エリア203uについて説明する。この並び替え保留記憶エリア203uには、保留エリア1〜8と変動中データ記憶エリア(第1特別図柄と第2特別図柄との変動中データ)とのそれぞれに、調整演出フラグ203u10と融合演出実行フラグ203u11とがそれぞれ追加されている。
調整演出フラグ203u10は、詳細については後述するが、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示を開始できるように、時間調整をするための変動パターンを選択する保留であることを示すフラグである。この調整演出フラグ203u10は、主制御装置110のMPU201が実行する融合演出抽選処理(図123、S1220)において、融合演出を実行すると決定した場合に、融合演出を実行するために、時間調整をする変動を行う特別図柄に対応する保留エリアについて、オンに設定される。一方、保留エリアが保留の消化によりシフトして、特別図柄の変動が終了すると、新たにシフトする保留エリアのデータにより上書きされることによりオフに設定される。なお、融合演出とは、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を同時に開始して、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とで、関わり合いのある変動表示を行う融合演出変動パターンが第1特別図柄と第2特別図柄と変動表示される内容を示す。
融合演出実行フラグ203u11は、融合演出を実行する保留であることを示すフラグである。詳細については後述するが、融合演出実行フラグ203u11は、主制御装置110のMPU201が実行する融合演出抽選処理(図123、S1220)において、融合演出を実行すると決定された場合に、融合演出を実行すると決定された保留に対応する保留エリアに対してオンに設定される。一方、保留エリアの各データが保留の消化によりシフトして、特別図柄の変動が終了すると、新たにシフトする保留エリアのデータにより上書きされることによりオフに設定される。
図118(b)を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の従並び替え保留記憶エリア223kについて説明する。この従並び替え保留記憶エリア223kは、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uと同様に、保留エリア1〜8と変動中データ記憶エリア(第1特別図柄と第2特別図柄との変動中データ)とのそれぞれに、調整演出フラグ223k10と融合演出実行フラグ223k11とがそれぞれ追加されている。なお、調整演出フラグ223kと融合演出実行フラグ223k11とは、主制御装置110から出力される入賞コマンドに基づいてオンに設定される点以外は、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uにおける調整演出フラグ203u10と融合演出実行フラグ203u11と同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図119(a)は、本実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203のその他メモリエリア203vの一部を模式的に示した図である。その他メモリエリア203vには、融合演出抽選カウンタ203v10が追加されている。この融合演出抽選カウンタ203v10は、後述する、融合演出抽選処理(図123、S1220)により融合演出を実行可能であると判別された場合に、取得されるカウンタ値である。また、融合演出抽選カウンタ203v10は、メイン処理(図33)において、変動種別カウンタCS1が更新される処理(S1209)において、1ずつ加算されて、上限値である99まで加算された後、100となると初期値である0に、更新されるカウンタ値である。
次に、図119(b)は、本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202に記憶されている融合演出変動パターン一覧を示した図である。この融合演出変動パターン一覧は、主制御装置110のROM202の特別当たり変動パターンテーブル202dと特別外れ変動パターンテーブル202eに追加されている融合演出変動パターンをそれぞれまとめて表した図である。この融合演出変動パターンは、特別当たり変動パターンテーブル202dと特別外れ変動パターンテーブル202eとの特定アドレスに割り付けられて記憶されている。具体的には、第1特別図柄の当否判定結果が当たりであり、第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される融合演出変動パターンとして、第1特別図柄の変動パターンを選択する特別当たり変動パターンテーブル202dの先頭アドレスに、第1特別図柄が玉入れ演出で勝利する変動パターンが記憶されている。また、第2特別図柄の変動パターンを選択する特別外れ変動パターンテーブル202eの先頭アドレスに、第2特別図柄が玉入れ演出で負ける変動パターンが記憶されている。
また、第1特別図柄が外れ、第2特別図柄が当たりの当否判定結果の場合に選択される融合演出変動パターンとして、第1特別図柄の変動パターンを選択する特別外れ変動パターンテーブル202eの先頭アドレスに、第1特別図柄が玉入れ演出で負ける変動パターンが記憶されている。また、第2特別図柄の変動パターンを選択する特別当たり変動パターンテーブル202eの先頭アドレスには、第2特別図柄が玉入れ演出で勝利する変動パターンが記憶されている。
さらに、第1特別図柄が外れ、第2特別図柄も外れの当否判定結果の場合に選択される融合演出変動パターンとして、第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを選択する特別外れ変動パターンの最後尾アドレスに、それぞれ、玉入れ演出で引き分けとなる変動パターンが記憶されている。
このように、構成することで、主制御装置110のMPU201は、融合演出を実行すると決定したら、融合演出を実行する第1特別図柄と第2特別図柄との当否判定結果より、容易に融合演出を選択することができ、カウンタ値等を利用して選択する場合と比較して制御負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、融合演出は、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ融合演出変動パターンを選択して、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とで変動表示する表示態様を音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としたが、それに限らず、当否判定結果の組み合わせに基づいて、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とで表示される表示態様を1つの融合演出変動パターンとして選択するように構成してもよい。このように構成することで、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とで表示される表示態様がずれてしまうことを抑制できる。また、別々に融合演出を表示する場合よりも表示制御装置114の制御負荷を軽減することができる。
また、主制御装置110は、本実施形態のように、第1特別図柄と第2特別図柄との融合演出変動パターンをそれぞれ選択して、音声ランプ制御装置113に変動パターンコマンドをそれぞれ出力する。そして、その変動パターンコマンドを受信した音声ランプ制御装置113または音声ランプ制御装置113からそれに基づいた表示用コマンドを受信した表示制御装置114において、1つの変動態様として表示制御を行うようにしてもよい。このように構成することで、主制御装置110は、融合演出変動パターンを選択するときにも、通常の変動パターンを選択するときと同様の制御で融合演出変動パターンを選択し、音声ランプ制御装置113に出力することができ、主制御装置110が実行する制御を複雑にすることを抑制することができる。
また、本実施形態では、融合演出変動パターンは、特別当たり変動パターンテーブル202dと特別外れ変動パターンテーブル202eとにそれぞれ記憶されるている構成としたが、これに限らず、各融合演出変動パターンで構成された専用の変動パターンテーブルを設定して記憶させるように構成しても当然よい。
次に、図120を参照して、第18実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図120、S203)について説明する。図120は、この第1特別図柄変動開始処理(図120、S203)を示すフローチャートである。第18実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図120、S203)は、第1実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理8(図121、S380)が追加されている。第18実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第1実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理8(図121、S380)が実行される。
図121を参照して、第18実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図120、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理8(S380)について説明する。図121は、この第1特別図柄変動パターン選択処理8(S380)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理8(図121、S380)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。また、融合演出を実行すると決定されている場合には、融合演出を実行するための同期変動パターンや融合演出変動パターンが選択される。
第1特別図柄変動パターン選択処理8(図121、S380)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)において当否判定された結果が大当たりであるかが判別される(S671)。大当たりであるか否かの判定は、第1大当たりフラグ203oがオンに設定されているか否かで判別される。第1大当たりフラグ203oがオンに設定されていると判別された場合には(S671:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S672)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の特別当たり変動パターンテーブル202dが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別テーブル202bがセットされ、大当たり種別が決定される(S673)。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S671:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる(S674)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の特別外れ変動パターンテーブル202eが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が、高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変特別用外れ変動パターンテーブル202e(図11(b))がセットされる。
変動開始する保留に対応する並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアにおける調整演出フラグ203u10はオンであるか判別される(S675)。調整演出フラグ203u10がオンであると判別された場合には(S675:Yes)、その保留エリアの変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶されている変動時間に対応した同期変動パターンが選択され、選択された同期変動パターンを示す第1変動パターンコマンドが生成される(S676)。ここで、この同期変動パターンは、後述する融合演出抽選処理(図123、S1220)又は第2先読み更新処理(図示せず)の一処理で実行される融合演出抽選処理(図示せず)において、融合演出を実行すると決定された場合に、その融合演出を実行すると決定した第1特別図柄の保留と第2特別図柄の保留とが同じタイミングで変動表示開始となるように、変動開始時間を調整するための変動パターンである。具体的には、融合演出を実行すると決定された第1特別図柄と第2特別図柄との保留の内、変動開始時間が遅い方の変動開始時間に、変動開始時間の早い方の変動開始時間を合わせるように、その直ぐ前に変動開始する保留に対して、その差分の時間を選択される変動時間に加算した変動時間が記憶される。
なお、同期変動パターンは、当否判定結果が外れとなる変動パターンであり、主図柄を設定された変動時間の間、変動表示させて、外れを示す表示態様で停止表示させるように変動表示される変動パターンである。
一方、調整演出フラグ203u10がオフであると判別された場合には(S675:No)、変動開始する保留に対応する並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアにおける融合演出実行フラグ203u11がオンに設定されているか判別される(S677)。融合演出実行フラグ203u11がオンであると判別された場合には(S677:Yes)、融合演出実行フラグ203u11がオンに設定されている並び替え保留記憶エリア203uの第1特別図柄と第2特別図柄との当否判定結果に基づいて、融合演出変動パターンが選択され、選択された融合演出変動パターンを音声ランプ制御装置113に通知するための第1変動パターンコマンドが生成される(S678)。
一方、融合演出実行フラグ203u11がオフであると判別された場合には(S677:No)、特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S679)。
変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための第1変動パターンコマンドが生成される(S680)。第1停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S681)。第1特別図柄の変動時間である第1変動時間の計測開始が設定される(S682)。
このように、調整演出フラグ203u10または融合演出実行フラグ203u11がオンに設定されているかを、変動パターンを選択するときに判別することで、通常時は、各カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する一方、融合演出を実行すると決定したときには、通常とは異なる変動パターンの選択方法が可能となり、変動パターンの選択を状況に応じて柔軟に実行することができる。
なお、第2特別図柄の変動パターンを選択する第2特別図柄変動パターン選択処理8(図示せず)においても、第1特別図柄変動パターン選択処理8(図121、S380)に対して、第2特別図柄の変動パターンを選択し、選択した変動パターンに基づいた第2変動パターンコマンドを生成する点、S681の処理に対して、第2停止種別コマンドに変更される点、S682の処理に対して、第2特別図柄の変動時間を計測開始する点以外は同一の処理が実行されるので、詳細な説明については省略する。
次に、図122を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第1先読み処理(図25、S907)の一処理である第1先読み更新処理(S926)について説明する。図122は、この第1先読み更新処理(S926)を示すフローチャートである。第18実施形態における第1先読み更新処理(図122、S926)では、第1実施形態における第1先読み更新処理(図26、S926)に対して、融合演出抽選処理(図123、S1220)とS1240〜S1241の処理とが追加されている。第18実施形態における、S931〜S935までの各処理は、第1実施形態における、S931〜S935までの各処理と同一の処理が実行される。
S934またはS935の処理が終了すると融合演出抽選処理(図123、S1220)を実行する。融合演出抽選処理(図123、S1220)については、詳細を後述するが、選択された変動パターンが当たりの変動パターンか外れのスーパーリーチの場合に、融合演出を実行するか否かを決定する処理を実行する。
次に、S936の処理が実行された後、並び替え順序は、割り込ませて再付番されたか又は融合演出実行フラグ203u11がオンに設定されたかが判別される(S1240)。並び替え順序は、割り込ませて再付番された又は融合演出実行フラグ203u11がオンに設定されたと判別された場合には(S1240:Yes)、各保留エリアに記憶されている当否判定結果記憶エリア203u1、大当たり停止種別記憶エリア203u2、変動パターン種別記憶エリア203u4、変動開始時間記憶エリア203u5、先読み確変フラグ203u6を更新し、変動開始時間に基づいて、並び替え順序を再付番する(S1241)。ここでは、変動開始順序が新たに発生した保留により変化した場合に、変動開始時の遊技状態(確変か通常か)が変更する場合が発生するが、そのような場合にも、再度、変動開始時の遊技状態で当否判定を再実行して、選択される変動パターンを更新することで、正確な並び替え順序(変動開始する順序)を認識することができる。
また、融合演出が実行されることが決定されても、同期変動パターンが選択されることで、変動開始する順序が変更されるが、その場合にも、再度、変動開始するときの遊技状態で、当否判定や変動パターンの更新が行われるので、正確な変動開始順序を認識することができる。なお、同期変動パターンまたは融合演出変動パターンが選択されている保留エリアに対しては、変動パターンの再選択はされず、その選択されている同期変動パターンまたは融合演出変動パターンに基づいて、変動開始時間等が算出される。
一方、並び替え順序は、割り込ませて再付番されておらず及び融合演出実行フラグ203u11がオフであると判別された場合には(S1240:Yes)、S939の処理を実行する。
このように構成することで、融合演出抽選処理(図123、S1220)において、融合演出を実行することが決定されると、再度、各保留エリアに対して当否判定の再実行や、変動パターンの再選択がされるので、正確な変動開始順序を再決定することができる。
次に、図123を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第1先読み更新処理(図122、926)の一処理である融合演出抽選処理(S1220)について説明する。図123は、この融合演出抽選処理(S1220)を示すフローチャートである。
融合演出抽選処理(図123、S1220)では、まず、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアのうち、融合演出実行フラグ203u11がオンに設定されている保留エリアがあるか判別される(S1221)。すべての保留エリアにおいて、融合演出実行フラグ203u11がオフであると判別された場合には(S1221:No)、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアのうち、当否判定結果が当たりの保留エリアがあるか判別される(S1222)。
すべての保留エリアにおいて、当否判定結果が外れであると判別された場合には(S1222:No)、選択されると予想された変動パターンが当否判定結果が当たりとなる変動パターンである(即ち、第1先読み更新処理(図122、S926)のS934処理で変動パターンが選択された)かが判別される(S1223)。選択されると予想された変動パターンが当たりの変動パターンであると判別された場合には(S1223:Yes)、融合演出を実行可能か判別される(S1224)。ここで、本実施形態では、融合演出を実行可能かの条件は、第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する保留がそれぞれ2個以上あることが条件となっている。なお、第1特別図柄の保留の数は、今回新たに発生した保留も含めた数である。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄の保留球をそれぞれ2個以上を条件とすることで、1つは融合演出変動パターンを実行するための保留として、もう一つは、同期変動パターンを実行するための保留として設定することができ、第1特別図柄と第2特別図柄とで、融合演出の実行開始を同期させることができる。
一方、選択されると予想された変動パターンが外れの変動パターンであると判別された場合には(S1223:No)、選択されると予想された変動パターンは、当否判定結果が外れのスーパーリーチであるか判別される(S1225)。選択されると予想される変動パターンが外れのスーパーリーチであると判別された場合には(S1225:Yes)、S1224の処理が実行される。
融合演出を実行可能な状態であると判別された場合には(S1224:Yes)、融合演出抽選カウンタ203v10の値が取得される(S1226)。取得したカウンタ値が当たりに設定されたカウンタ値であるか判別される(S1227)。本実施形態では、融合演出抽選カウンタ203v10は「0〜99」までのカウンタ値であり、「0〜19」までのカウンタ値が当たりカウンタ値として設定されている。
取得したカウンタ値が当たりに設定されたカウンタ値であると判別された場合には(S1227:No)、融合演出を実行する保留エリアに対して、融合演出実行フラグ203u11をオンに設定する(S1228)。ここで、融合演出を実行する保留エリアについては、第1特別図柄については、今回新たに発生した保留に対応する保留エリアである。一方、第2特別図柄については、記憶されている第2特別図柄の保留エリアのうち、最も変動開始順序が後の保留エリアが融合演出を実行する保留エリアとして設定される。
融合演出実行フラグ203u11をオンに設定した保留エリアの第1特別図柄と第2特別図柄との変動開始時間を比較して、変動開始時間が早い方の特別図柄に対応する保留エリアのうち、融合演出実行フラグ203u11がオンに設定されている保留エリアの前の保留エリアに対して、調整演出フラグ203u10をオンに設定する(S1229)。
融合演出実行フラグ203u11をオンに設定した保留エリアの変動開始時間の差を算出する。調整演出フラグ203u10をオンに設定した保留エリアの選択されると予想されている変動パターンの変動時間に、算出した変動開始時間の差を加えた時間を示す同期変動パターンを変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶する(S1330)。
一方、融合演出実行フラグ203u11がオンであると判別された場合(S1221:Yes)、当否判定結果が当たりの保留エリアがあると判別された場合(S1222)、選択された変動パターンは外れのスーパーリーチ以外の変動パターンであと判別された場合(S1223:No及びS1225:No)、融合演出が実行可能でない(即ち、第1特別図柄または第2特別図柄の保留球の数が2個以下)と判別された場合(S1224:No)、取得した融合演出抽選カウンタ203v10の値が外れカウンタ値であると判別された場合には(S1227:No)、いずれもこの処理を終了する。
本実施形態では、いずれかの保留エリアにおいて、融合演出実行フラグ203u11がオンに設定されている(即ち、すでに融合演出を実行することが決定されている)と、融合演出を実行するか否かの処理を行わないように構成したので、融合演出が連続して実行されてしまうのを防止できる。よって、融合演出が頻繁に発生して、遊技者が融合演出に早期に飽きてしまうのを防止できる。
また、本実施形態では、いずれかの保留エリア(新たに発生した保留に対応する保留エリアを除く)に当否判定結果が当たりの保留エリアがあった場合には、融合演出を実行しないように構成した。このように構成することで、大当たり遊技が挟まれることで、融合演出の実行開始時間が仮停止していた特別図柄の再開タイミング等によりずれてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態では、選択されると予想した変動パターンが当たりの変動パターンまたは外れのスーパーリーチの場合に、抽選により融合演出を実行するか決定する構成としたので、融合演出変動パターンは当否判定結果が当たりの場合に選択されやすい変動パターンとなり、遊技者に融合演出が実行されると当たりに対する期待を大きく持たせることができる。よって、遊技者は、融合演出が実行されないかと期待して遊技を行うことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態では、融合演出を実行するか否かを所定の条件を満たし、さらにカウンタ値を取得して抽選を行うことにより決定する構成としたので、融合演出が頻繁に実行されるのを防止できる。よって、遊技者が融合演出に早期に飽きてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態では、融合演出を実行可能な条件として、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の数がそれぞれ2個以上であることを条件としたので、融合演出を実行するタイミングを合わせる同期変動パターンを設定できるように構成でき、容易に融合演出を実行するタイミングを第1特別図柄と第2特別図柄とで合わせることができる。
なお、本実施形態では、融合演出抽選処理(図123、S1220)を、遊技球が第1始動口63aまたは第2始動口63bに入球したときに、実行するように構成したが、それに限らず、他のタイミングで実行するように構成してもよい。融合演出抽選処理(図123、S1220)を実行するタイミングは適宜設定すれば良いが、具体的には、例えば、RTC等を備えて、所定の設定時間になると実行するように構成してもよい。
このように構成することで、融合演出が所定時間毎に抽選により実行されることとなり、実行開始時間や、抽選確率を調整しておくことで、より遊技者に飽きさせない遊技を提供することができる。また、融合演出の抽選をする時間等を事前に第3図柄表示装置81等で遊技者に報知することで、その時間を期待して遊技者は遊技を行う事ができ、長時間の遊技を遊技者に楽しみながら行わせることができる。
融合演出を実行可能な条件として、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の数が、それぞれ2個以上であるかとしたが、それに限らず3個以上等であってもよいし、保留の数ではなく、同期したタイミングで融合演出を実行することができるかということを判別するように構成してもよい。このように構成することで、より融合演出を実行する機会を増加させることができ、より遊技者を楽しませることができる。
また、本実施形態では、保留球のうち、1つを同期変動パターンに設定することで、融合演出を実行するタイミングを同期させる構成としたが、それに限らず、変動中の特別図柄の変動時間を延長させたり、短縮させたりして同期させるように構成してもよい。
また、本実施形態では、融合演出は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動開始時間を同期させるように構成したが、それに限らず、変動開始時間は同期させずに、変動開始が早いほうの特別図柄の変動を他方の特別図柄が変動開始となるまでの間、ブラックアウトの画面等を表示させたり、主図柄をその間変動させ続ける等の遅延変動態様を表示しておき、他方の特別図柄(変動開始が遅いほうの融合演出を実行する特別図柄)が変動開始となったタイミングで、融合演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、変動開始時間を同期させるための処理が必要無くなり、主制御装置10の制御負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、融合演出を同期したタイミングで実行開始するために、同期変動パターンにより同期させる構成としたが、それに限らず、変動開始するタイミングを遅延させるように構成してもよい。このように構成することで、同期させるための制御処理を少なくすることができ、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
また、本実施形態の融合演出は、第1特別図柄と第2特別図柄とで、それぞれ関連する変動態様を表示するように構成したので、遊技者は、どちらか一方の特別図柄で大当たりとならないかと、期待を大きく持って遊技を行うことができる。また、両方の特別図柄の演出を分かり易く見ることができ、理解し易い遊技演出を遊技者に、提供することができる。
なお、第2先読み処理(図27、S914)の一処理である第2先読み更新処理(図示せず)においても、第2特別図柄に関する処理であることが相違するのみで第1先読み更新処理(図122、S926)と同一の処理が実行される。詳細な説明については、省略する。
本実施形態では、当たりの変動パターンまたは外れのスーパーリーチの変動パターンが選択されると予測した場合に、融合演出を実行する構成としたが、それに限らず、以下のような構成にしてもよい。当たりの変動パターンまたは外れのスーパーリーチを第1実施形態の第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)において選択して、音声ランプ制御装置113がその第1変動パターンコマンドを受信した場合には、図117(b)に示すように、当たりの変動パターンまたは外れのスーパーリーチの変動パターンにを表示するほうの表示領域の面積を拡大させて表示するように表示制御装置114を制御する。
このように構成することで、遊技者は、注目すべき表示領域を容易に認識することができ、分かり易く遊技を行うことができる。また、大当たりとなる場合に選択されやすい変動パターンであるときに表示領域が拡大されるので、その変動態様を見易くなり、他方の特別図柄の変動に注目してしまい、当たりとなる変動態様を見逃してしまう不具合を防止できる。本実施形態では、両方の表示領域で、当たりの変動パターンまたは外れのスーパーリーチの変動パターンが表示される場合には、同時に変動開始する場合には、表示領域の拡大を禁止する制御を行う。また、変動開始のタイミングが異なる場合には、先に表示領域が拡大されているものを、通常時の大きさ(均等な表示領域の面積)に変更することで、両方で、大当たりの場合に選択されやすい変動パターンが選択されたことを認識することができる。よって、遊技者は、表示領域が拡大された後に、変動停止する前に、通常時の表示領域に変更された場合には、より大きな大当たりへの期待感(2つの連続した当たりが得られる期待感)を持って遊技を行うことができ、遊技への興趣を増大させることができる。
並び替え保留記憶エリア203uの各保留エリアの変動開始順序を変動開始時間記憶エリア203u5に記憶されている時間に基づいて、再度、再付番する。このように構成することで、確変チャンスゲーム中にも、遊技者は、枠ボタン22を操作することで、保留図柄表示を変動開始する順序で並べ替えることができ、遊技者に正確な変動開始順序を認識させることができる。
なお、本実施形態では、確変チャンスゲームを実行する場合には、保留エリアに先に確変大当たり等の当たりが無い状態のときに実行できるように構成している。このように構成することで、確変チャンスゲームが開始された場合に、他の大当たりにより遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。
本実施形態では、融合演出を実行する保留エリアの1つ前に記憶されている保留に対して、同期変動パターンを選択するように構成したので、遊技者が同期変動パターンの演出により融合演出が開始されることを認識することができ、融合演出を見逃してしまうことを防止できる。よって、融合演出のを見るための準備を遊技者が前もって行うことができる。
本実施形態では、高確率遊技状態において、確変チャンスゲームを実行するように構成したので、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に抽選を行う構成において、より遊技者に有利となるように遊技を移行させるように設定することができる。よって、遊技者は1つの特別図柄が順に変動表示する遊技機と比較して、より高確率遊技状態での楽しみを増やすことができる。
本実施形態では、融合演出は、一方の特別図柄で大当たりの変動パターンまたは外れスーパーリーチとなる変動パターンが選択されたことに基づいて、実行するか否かを判別するように構成したが、それに限らず、以下のような構成であってもよい。例えば、大当たりが決定された場合に、融合演出が実行されるように構成し、その大当たりの種別を融合演出の変動態様で決定するように構成してもよい。具体的には、第1特別図柄で、15R通常大当たりが決定されたことに基づいて、融合演出を実行し、図117(a)に示した玉入れ演出において、第1特別図柄が表示される左側表示領域Dm1の赤組が勝てば15R通常大当たり、一方、第2特別図柄が表示される右側表示領域Dm2の白組が勝てば15R確変大当たりと報知して、赤組が勝利する演出を実行するように構成する。
このように構成することで、遊技者により融合演出を分かり易く認識させることができる。また、大当たりへの期待だけでなく、確変大当たりの期待も遊技者に大きく持たせることができる。このような構成では、ラウンド数が異なる大当たりを設定して、例えば、15R大当たりと5R大当たりとのどちらかが勝利すると付与される構成であっても良いし、その他の遊技者に与える利益の大きさの異なるもののどちらかを付与するように報知するように構成してもよい。
なお、主制御装置110のMPU201により実行される第2先読み処理(図27、S914)の一処理である第2先読み更新処理(図示せず)においても、第1先読み更新処理(図129、S926)に対して、第2特別図柄に関する処理に変更される点で異なるのみで同一の処理が実行されるので詳細な説明は省略する。
次に、第19実施形態の変形例について説明する。第19実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動開始タイミングを同期させて、融合演出を開始するように構成したが、本第19実施形態の変形例では、変動開始タイミングは特に同期させない。具体的には、先に、変動開始する特別図柄の融合演出において、融合演出を先に実行しておき、その後から開始する特別図柄の融合演出が開始されると、先に開始している融合演出に割り込むように融合演出が開始され、第1特別図柄と第2特別図柄とで関わり合いのある変動表示態様により当否判定結果が報知される。
具体的には、融合演出は、左側表示領域Dm1で表示される赤コーナーの選手と、右側表示領域Dm2で表示される青コーナーの選手とで、ボクシング対決を行うように構成競れている。主制御装置110のMPU201が実行する第1先読み更新処理(図示せず)または第2先読み更新処理(図示せず)において、どちらか一方で当たりとなると判別される保留が成立すると、融合演出を実行することが決定される。次に、融合演出を実行する保留が第1特別図柄と第2特別図柄とで決定される(一方は、当たりと報知された保留)。ここで、判別された当たりの種別が15R確変大当たりであれば、その特別図柄に対応する表示領域の選手(例えば、第1特別図柄であれば、赤コーナーの選手)が勝利すれば、15R確変大当たりが付与されることが遊技者に報知される。
融合演出を実行すると決定された保留のうち、変動開始が早い方の変動表示態様では、まず、他方の特別図柄が変動開始となるまで、「チャレンジャー求む!」という文字が表示されて、ボクシングの選手が表示された状態で融合演出が開始される。一方、後から開始となる融合演出を実行する特別図柄の変動が開始されると、そのボクシングの選手も表示され、ボクシングの試合が開始される演出が実行される。そして、当たりとなる特別図柄の変動終了時間に合わせて、当たりとなる特別図柄に対応するボクシングの選手が勝利する演出となる。
これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、融合演出を実行するために、変動開始時間を同期させるための処理を実行する処理を必要としないため、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで行われる変動態様を全て、融合演出の表示態様としてもよい。このような構成では、互いに外れの場合には、ボクシングの試合が続いている演出を表示して、当たりと判定された融合演出変動パターンが選択されると、その特別図柄に対応する選手が勝利するように構成すればよい。このように構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選結果をより分かり易く遊技者は、認識することができる。
また、本実施形態では、主制御装置110が融合演出を選択したが、主制御装置110においては、変動時間を決定して、変動時間を示す信号と、当否判定結果を示す信号とをそれぞれ音声ランプ制御装置113に出力して、音声ランプ制御装置113が融合演出が実行できる状態かを判別して融合演出をその変動時間と当否判定結果に基づいて表示するように構成してもよい。このように構成することで、主制御装置110が融合演出を実行するか否かの抽選を実行する必要がなくなり、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、保留個数の状態を見て、融合演出を実行するか否かを決定するように構成してもよい。具体的には、第1特別図柄と第2特別図柄との保留が均等に記憶されている場合には、融合演出を実行するように構成する。さらには、第1特別図柄と第2特別図柄とで、それぞれ、同じ変動時間の変動パターンが交互にそれぞれ記憶されていることに基づいて、融合演出を実行するように構成すれば、第1特別図柄と第2特別図柄とで融合演出の実行と終了が合いやすくなる。
次に、図124〜図130を参照して、第19実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄では、互いの当否判定結果に関わらず、変動パターンを抽選により決定して、それぞれの抽選遊技を実行する場合について説明した。
これに対し、本第19実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを表示する場合に、遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)である場合に、一方の特別図柄で低確率遊技状態に移行する契機となる大当たり(以下、通常大当たり)が当選すると予測された場合(変動開始となる前に予め判別した場合)に、その大当たりが開始するまでの間を延長させて、その間に他方の特別図柄において確変大当たりを遊技者が当選させられるか否かの演出を伴った遊技を実行する。
即ち、第19施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第19実施形態では、高確率遊技状態のときに、第1特別図柄または第2特別図柄において、通常大当たりが当選した場合に、その大当たりが発生するまでを遅延し、その間に、他方の特別図柄で大当たりに当選した場合には、その大当たりを通常大当たりの後で実行されるように延長させる制御を実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図124を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81で表示される高確率遊技状態を延長させられるか否かの確変チャンスゲームにおける演出表示態様について説明する。高確率遊技状態中に、第1特別図柄(左側表示領域Dm1)において、通常大当たりが当選したことが、後述する変動変更処理(図130、S1250)により、判別されると、カウンドダウン演出コマンドが設定され、左側表示領域Dm1に確変チャンスゲームの開始を示す演出表示態様が表示される。本実施例では、図124の上図に示すように、左側表示領域Dm1に風船が表示され、時間の経過とともに膨らんでいくように変動表示される。また、風船が割れたら、高確率遊技状態(確変)が終了してしまうことを文字により示される。
遊技者は、この確変チャンスゲームを示す演出表示態様が表示されると、風船が表示された方の特別図柄で、通常大当たりが当選してしまったことを認識する。その大当たり遊技が開始されるまでに、確変大当たりを当選させられないかと思って遊技を行う。このように構成することで、遊技者は、これまでと違い、大当たりだけではなく、短時間の間に確変大当たりを当選させられるか否かの遊技を行うことができ、通常時とは異なった目標を持って遊技を行うことができる。
第1特別図柄の変動表示は、図124上図に示すように、第3図柄表示装置81の中央側の位置に小さく表示される。このように構成することで、保留図柄表示の消化に合わせて、第1特別図柄が変動表示していることがわかり、抽選遊技が実行されているか否かを確認することができる。また、保留図柄表示が消化される毎に、通常大当たりの開始も近づいて来ていることを認識することができ、表示されている第1特別図柄が変動停止する毎に、遊技者は、ドキドキ感を味わうことができるので、遊技の趣向を増大させることができる。
第2特別図柄で確変大当たりを当選させられずに、第1特別図柄で通常大当たりが確定すると、図124下図に示すように、風船が割れる演出表示態様となり、通常大当たりを示す特別図柄の停止図柄が表示される。また、図示しないが、第2特別図柄で確変大当たりが当選した場合には、風船は割れずに通常大当たりを示す特別図柄の停止図柄が表示される。これにより、遊技者は、風船が割れずに、通常大当たりを示す特別図柄が停止表示されたことで、この通常大当たりの後で、第2特別図柄で確変大当たりが開始されることを認識することができる。よって、遊技者は、風船が割れないことを期待して、遊技をすることとなり、より遊技に興味を持つことができる。
なお、本実施形態では、第2特別図柄で確変大当たりに当選したことに対する報知は、風船が割れないこととしたが、それに限らず、例えば、「確変がまだ続くよ!」等の文字を表示して遊技者に報知するようにしてもよい。また、風船が割れるか否かの演出に限らず、その他の演出表示態様であっても当然よい。
次に、図125を参照して、第19実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203のその他メモリエリア203vについて説明する。図125は、主制御装置110のMPU201のRAM203のその他メモリエリア203vの一部を模式的に示した図である。その他メモリエリア203vには、第1変動変更フラグ203v11と第2変動変更フラグ203v12とが追加されている。
第1変動変更フラグ203v11は、遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)であるときに、第1特別図柄で通常大当たりが当選したと予測された(変動開始よりも先に判別されるた)ことを示すフラグである。この第1変動変更フラグ203v11は、後述する第1先読み更新処理(図129、S926)の一処理である変動変更処理(図130、S1250)のS1254の処理において、オンに設定される。一方、通常大当たりに基づく大当たり遊技が開始されたことに基づいてオフに設定される。なお、電源投入時の初期化された状態では、オフに設定される。電源断に伴う、バックアップにより、フラグもバックアップされ、立ち上げ処理(図34)においてロードされて、電源断前の状態に復帰する構成となっている。
また、第2変動変更フラグ203v12は、遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)であるときに、第2特別図柄で通常大当たりが当選したと予測された(変動開始よりも先に判別された)ことを示すフラグである。この第2変動変更フラグ203v12は、第2先読み更新処理(図示せず)の変動変更処理(図示せず)で第1変動変更フラグ203v11と同様にオンに設定され、通常大当たりに伴う大当たり遊技が開始されるとオフに設定される。その他についても、第1変動変更フラグ203v11に対して第2特別図柄に関する点で異なるのみであるので詳細な説明は省略する。
次に、図126を参照して、第19実施形態における、主制御装置110のMPU201のROM202に設定されている特別当たり変動パターンテーブル202dと特別外れ変動パターンテーブル202eの一部について説明する。
図126上図は、特別当たり変動パターンテーブル202dの時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202dを示した図である。第1実施形態における時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202dに対して、当たり変動変更パターンと当たり延長変動パターンが追加されている。
当たり変動変更パターンは、遊技状態が高確率遊技状態であるときに、通常大当たりに当選した場合に、当否判定結果が当たりであることを条件に選択される変動パターンである。変動時間が180秒と他の変動時間よりも長い変動時間で設定されている。その為、当たりを示す停止図柄で停止表示されるまでに時間を要することから、その間に、他方の特別図柄で複数回の当否判定を行う機会を得ることができる。よって、その間に、他方の特別図柄においても確変大当たりとならないかと、遊技者に期待を持たせることができる。また、例え、確変大当たりではなく、通常大当たりであっても、遊技者により多くの大当たりを付与することが可能となり、遊技者が遊技をより楽しむことができる。
当たり延長変動パターンは、高確率遊技状態において、すでに、他方の特別図柄で通常大当たりに当選すると予測されている場合に、一方の特別図柄で通常大当たりまたは確変大当たりに当選した場合に選択される変動パターンである。この延長変動パターンは、300秒という他の変動パターンよりも長い変動時間で構成されている。また、確変チャンスゲーム中に他方の特別図柄で当選した通常大当たりが確定停止するまでの時間は、保留されている特別図柄の変動において、最大240秒となっている。これは、通常大当たりが特別図柄の保留4番目としたときに、保留1〜3は、後述する20秒の外れ変動変更パターンで変動表示されて、通常大当たりは、180秒の変動時間であるからである。
このように構成することで、高確率遊技状態で、一方の特別図柄で通常大当たりに当選して、他方の特別図柄でその後、大当たりに当選すると、その大当たりは、必ず、一方の通常大当たり遊技の後で大当たり遊技が開始されることとなる。よって、他方の特別図柄での当たりが確変大当たりであった場合には、通常大当たりが実行され、低確率遊技状態に移行する。その後、確変大当たりにより高確率遊技状態に再度、移行させることができる。従って、より長い時間、高確率遊技状態を遊技者に付与することができる。
図126下図は、特別外れ変動パターンテーブル202eの時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル202eを示した図である。本実施形態の時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル202eは、第1実施形態の時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル202eに対して、外れ変動変更パターンと外れ延長変動パターンとが追加されている。
外れ変動変更パターンは、高確率遊技状態において、通常大当たりに当選したと予測されると、その通常大当たりに当選した特別図柄に対応する保留エリアに記憶されている保留について、当否判定結果が外れであることを条件として変動開始する場合に選択される変動パターンである。この外れ変動変更パターンは、20秒の変動時間で構成され、他の変動パターンと比較して比較的長い変動時間で構成されている。よって、通常大当たりに当選したと予測される保留が成立したときに、その特別図柄に対応する保留球が多ければ、この外れ変動変更パターンがその保留に対して実行される。よって、最大3回変動変更パターンが実行され、通常大当たりの開始を最大で60秒遅延させる。よって、その遅延させた時間により、他方の特別図柄で大当たりを当選させる可能性を高めることができる。従って、遊技者により大当たりを得る機会を多く与えることができる。
外れ延長変動パターンは、高確率遊技状態において、他方の特別図柄で通常大当たりに当選したと予測された場合に、一方の特別図柄で当否判定結果が外れの場合に選択される変動パターンである。この外れ延長変動パターンは、変動時間が3秒という他の変動パターンよりも比較的に短い変動時間で構成されている。よって、一方の抽選サイクルを短くすることができ、より多くの抽選遊技を一方の特別図柄で実行させることができる。従って、確変チャンスゲーム中に、より多くの抽選遊技を短時間で行うことができ、より遊技者に大当たりを得る機会を付与することができる。
次に、図127を参照して、第19実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図127、S203)について説明する。図127は、この第1特別図柄変動開始処理(図127、S203)を示すフローチャートである。第19実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図127、S203)は、第1実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理9(図128、S390)が追加されている。第19実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第1実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理9(図128、S390)が実行される。
図128を参照して、第19実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図127、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理9(S390)について説明する。図128は、この第1特別図柄変動パターン選択処理9(S390)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理9(図128、S390)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。また、高確率遊技状態において、第2特別図柄で通常大当たりとなると予測された場合には、当否判定結果に基づいて当たり延長変動パターンまたは外れ延長変動パターンを選択する。一方、第1特別図柄で高確率遊技状態において、通常大当たりとなると予測された場合には、当否判定結果に基づいて当たり変動変更パターンまたは外れ変動変更パターンを選択する。
第1特別図柄変動パターン選択処理9(図128、S390)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)において当否判定された結果が大当たりであるかが判別される(S821)。大当たりであるか否かの判定は、第1大当たりフラグ203oがオンに設定されているか否かで判別される。第1大当たりフラグ203oがオンに設定されていると判別された場合には(S821:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S822)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の特別当たり変動パターンテーブル202dが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図126上図)がセットされる。特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別テーブル202bがセットされ、大当たり種別が決定される(S823)。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S821:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる(S824)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の特別外れ変動パターンテーブル202eが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が、高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル202e(図126下図)がセットされる。
第2変動変更フラグ203v12がオンに設定されている(即ち、第2特別図柄で高確率遊技状態中に通常大当たりになると予測されている)か判別される(S825)。第2変動変更フラグ203v12がオンであると判別された場合には(S825:Yes)、選択した変動パターンテーブルの延長変動パターンを選択し、その延長変動パターンを音声ランプ制御装置113に通知するための第1変動パターンコマンドを生成する(S826)。
一方、第2変動変更フラグ203v12がオフであると判別された場合には(S825:No)、第1変動変更フラグ203v11がオンに設定されている(即ち、第1特別図柄で高確率遊技状態中に通常大当たりになると予測されている)か判別される(S827)。第1変動変更フラグ203v11がオンに設定されていると判別された場合には(S827:Yes)、選択した変動パターンテーブルの変動変更パターンを選択し、その変動変更パターンを音声ランプ制御装置113に通知するための第1変動パターンコマンドを生成する(S828)。
一方、第1変動変更フラグ203v11がオフであると判別された場合には(S827:No)、特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S829)。
変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための第1変動パターンコマンドが生成される(S830)。第1停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S831)。第1特別図柄の変動時間である第1変動時間の計測開始が設定される(S832)。
このように、高確率遊技状態中に第1特別図柄または第2特別図柄において、通常大当たりとなると予測されると、確変チャンスゲームが実行される。確変チャンスゲーム中には、第2特別図柄で通常大当たりとなると予測されている場合には、第1特別図柄の当否判定結果が外れの変動については、外れ延長変動パターンが選択されるので、3秒の短い時間の抽選遊技となり、抽選遊技を開始するサイクルを短くすることができる。よって、より第1特別図柄においてより多くの抽選遊技を実行することができ、大当たりとなる抽選遊技を得る機会を多く遊技者に提供することができる。従って、遊技者が大当たりを得る確率を高くすることができる。
また、第2特別図柄では、低確率遊技状態へと移行する通常大当たりが当選しているので、第1特別図柄で確変大当たりに当選させることができれば、その確変大当たりは、当たり延長変動パターンにより第2特別図柄の通常大当たりよりも後で、実行されるので、低確率遊技状態へと移行した遊技状態を再度、高確率遊技状態へと移行させることができる。よって、より遊技者に長い時間、高確率遊技状態で遊技させることができる。従って、遊技者により多くの大当たりを得る機会を付与することができる。
また、本実施形態では、当たり延長変動パターンとして300秒の変動時間の変動パターンとしたが、それに限らず、第2特別図柄の通常大当たりが開始されるまでの時間を算出して、それに基づいて、変動時間を設定するように構成してもよい。このように構成することで、第1特別図柄の大当たりが開始されるまでの時間を短く構成することができ、遊技者に無駄に長い変動時間の演出を見させることを抑制できる。
また、第1特別図柄で通常大当たりとなると予測された場合に、それまでに保留されていた第1特別図柄の保留に対しては、外れ変動変更パターンを選択する構成としたが、それに限らず、外れスーパーリーチのいずれか等の比較的長い変動時間の変動パターンを選択するように構成してもよい。このように構成することで、確変チャンスゲーム中にも、普段と同様の変動パターンが表示されることとなり、遊技者が遊技に退屈してしまうのを防止できる。また、変動パターンの数を少なく構成することができるので、主制御装置110のROM202の容量を小さく構成することができる。
また、本実施形態では、変動時間の長い変動パターンを選択することにより、通常大当たりの開始を遅延させたが、それに限らず、変動開始を所定時間、遅延させるように構成してもよい。具体的には、高確率遊技状態において、通常大当たりに当選すると予測された場合には、抽選により変動開始を遅延させる時間を決定して、その間、変動開始を遅延させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、特別図柄の変動が停止している(遅延されている)間に、他方の特別図柄でより多くの抽選遊技をさせて、確変大当たりを得たいと遊技することができ、遊技により集中することができる。また、確変チャンスゲームにおいて、一方の特別図柄の変動開始が停止(遅延)した状態となり、より特別な遊技中であることを遊技者に示すことができる。
なお、第2特別図柄の変動パターンの選択においても、第1特別図柄変動パターン選択処理9に対して、第2特別図柄に関する点で相違するのみで同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
次に、図129を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第1先読み処理(図25、S907)の一処理である第1先読み更新処理(S926)について説明する。図129は、この第1先読み更新処理(S926)を示すフローチャートである。第19実施形態における第1先読み更新処理(図129、S926)では、第1実施形態における第1先読み更新処理(図26、S926)に対して、変動変更処理(図130、S926)とS1130〜S1131までの各処理とが追加されている。第19実施形態における、S931〜S932までの各処理は、第1実施形態における、S931〜S932までの各処理と同一の処理が実行される。
S932の処理において、予測した大当たりは通常大当たりであると判別された場合には(S932:No)、変動変更処理(図130、S1250)が実行される。変動変更処理(図130、S1250)については、後述するが、遊技状態が高確率遊技状態である場合に、確変チャンスゲーム中でなければ、確変チャンスゲームを設定するための処理である。
第19実施形態のS933の処理は、第1実施形態のS933と同一の処理である。S933の処理が終了すると、第2変動変更フラグ203v12がオンに設定されているか(即ち、第2特別図柄において、通常大当たりとなると予測されているか)判別される(S1130)。第2変動変変更フラグ203v12がオンに設定されていると判別された場合には(S1130:Yes)、予測された確変大当たりは、通常遊技状態においても、当たりとなるかが判別される(S1131)。通常遊技状態でも当たりとなると判別された場合には(S1131:Yes)、カウントダウン演出回避コマンドが生成される(S1132)。
このカウントダウン演出回避コマンドは、確変チャンスゲームにおいて表示されている風船が割れずに表示され続けるようにするコマンドである。第2特別図柄(右側表示領域Dm2)において、風船が表示されて、第1特別図柄(左側表示領域Dm1)において、確変大当たりを得ることができるかの確変チャンスゲームを行っている場合に、第1特別図柄において確変大当たりとなると予測されると、確変チャンスゲームにおいて、確変を得ることができたことを報知するために、風船が割れない演出表示態様に切り替えられる。これにより、遊技者は、確変チャンスゲームにおいて、確変大当たりを得ることができたことを認識することができる。
一方、第2変動変更フラグ203v12がオフである判別された場合(S1130:No)、または、通常遊技状態において、外れとなると判別された場合には(S1131:No)、S1132の処理をスキップしてS934の処理が実行される。
このように、S1131の処理において、通常遊技状態でも当たりとなるか判別することで、確変チャンスゲーム中には、第1特別図柄の大当たりは、第2特別図柄での通常大当たりの後に実行される場合となる可能性がある。その場合には、低確率遊技状態で抽選されることで、大当たりとならない場合が発生するが、そのような場合には、カウントダウン演出回避コマンドが設定されないので、遊技者に確変大当たりが第1特別図柄で当選したことを示さない。よって、遊技者に誤った情報を報知してしまうのを防止することができる。
第19実施形態におけるS934〜S939までの各処理は、第1実施形態におけるS934〜S939までの各処理と同一の処理が実行されるため、その説明は省略する。
このように、遊技球が第1始動口63aまたは第2始動口63bに入球したときに実行される第1先読み更新処理(図129、S926)において、確変チャンスゲームで確変大当たりとなる保留が成立したか否かを設定する構成としたので、保留が成立したことに基づいて、演出を変更させることができ、遊技者に誤った情報を報知してしまうことを防止できる。
また、カウントダウン演出回避コマンドの設定は、入賞コマンドを受信した音声ランプ制御装置113が、入賞コマンドに基づいて、設定するように構成してもよい。このように構成すれば、主制御装置110のMPU201の制御負荷を軽減することができる。
次に、図130を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第1先読み更新処理(図129、S926)の一処理である変動変更処理(S1250)について説明する。図130は、変動変更処理(S1250)を示すフローチャートである。
変動変更処理(図130、S1250)では、まず、遊技状態は高確率遊技状態(確変遊技状態)であるか判別される(S1251)。遊技状態が高確率遊技状態であるか否かは、主制御装置110にMPU201のRAM203の確変フラグ203mがオンに設定されているか否かで判別される。
確変フラグ203mがオフであると判別された場合には(S1251:No)、変動開始時の遊技状態に対応した特別当たり変動パターンテーブル202dより変動種別カウンタCS1及び変動パターン判定用カウンタの値に基づいて変動パターンを予測して、対応する並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアの変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶する(S1252)。
一方、確変フラグ203mがオンであると判別された場合には(S1251:Yes)、第1変動変更フラグ203v11または第2変動変更フラグ203v12がオンに設定されているか(即ち、確変チャンスゲーム中であるか)判別される(S1253)。第1変動変更フラグ203v11または第2変動変更フラグ203v12がオンに設定されていると判別された場合には(S1253:Yes)、S1252の処理が実行される。
一方、第1変動変更フラグ203v11または第2変動変更フラグ203v12がオフである(即ち、確変チャンスゲーム中でない)と判別された場合には(S1253:No)、第1変動変更変更フラグ203v11をオンに設定する(S1254)。当たり変動変更パターンを対応する並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアの変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶する(S1255)。
設定した当たり変動変更パターンが変動終了するまでの時間を算出する(S1256)。なお、この当たり変動変更パターンが変動終了するまでの時間は、現在、変動中の第1特別図柄の残り変動時間に、第1特別図柄の保留数(今回、通常当たりとなる保留を含めない数)に外れ変動変更パターンの変動時間である20秒を乗算した結果を加算し、さらに、当たり変動変更パターンの変動時間である180秒が加算された値となる。
S1256の処理で算出した時間に基づいた、カウントダウン演出コマンドを設定する(S1257)。ここで設定するカウントダウン演出コマンドは、音声ランプ制御装置113に出力されると、その算出時間後に、風船が割れる演出表示態様が表示されるように表示制御装置114に音声ランプ制御装置113が通知する。このように構成することで、確変チャンスゲームにおいて、第2特別図柄で確変大当たりとなる保留が成立しなかったとしても、主制御装置110は、確変チャンスゲームの終了時に風船が割れる演出を実行するコマンドを再度通知する必要がなく、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110のMPU201が実行する第1先読み更新処理(図129、S926)では、S1131の処理において、通常遊技状態(低確率遊技状態)でも当たりと判定されるか(即ち、低確率遊技状態時の大当たり乱数値であるか)を判別したが、それに限らず、通常遊技状態と確変遊技状態とでそれぞれ大当たりと判定される大当たり乱数値(判定値)をそれぞれ別の値(共通する値を持たない)として、判別するように構成してもよい。このように構成することで、第1先読み更新処理(図129、S926)において、低確率遊技状態で当たりと判定される乱数値かを判別することで、カウントダウン回避コマンドを生成することができる。よって、主制御装置110の制御処理量を軽減できる。
なお、本実施形態では、高確率遊技状態において、第1特別図柄または第2特別図柄において、通常大当たりに当選すると、その開始が遅延されて、その遅延されていることを報知する風船が割れる演出が実行されたが、それに限らず、通常大当たりが実行される(確定する)までの時間を第3図柄表示装置81に表示して、カウントダウンを行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に高確率遊技状態の残り時間を分かり易く報知できる。よって、遊技者は、その時間を判別しながら効率的に遊技を行うことができる。
また、通常大当たりが遅延されて、カウントダウンの演出が開始されてから、他方の特別図柄の抽選遊技の実行回数をカウントして、カウントダウンが0または風船が割れた場合に、その回数を遊技者に報知するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が、どれくらい高確率遊技状態を有効に利用して遊技できたかを評価することができる。また、カウントダウン演出が開始されてから、他方の特別図柄で実行された抽選回数に各基準値(例えば、0〜10回、11回〜20回等)を設定しておき、各基準値に対応したランクを表示するように構成してもよい。このようにすることで、遊技者は、表示されたランクに基づいて、高確率遊技状態での遊技を容易に評価することができる。
なお、本実施形態では、高確率遊技状態中に通常大当たりが遅延されて、カウントダウンの演出(本実施形態では、風船が割れるか否か)を実行したが、それに限らず、通常大当たりが遅延されている特別図柄とは、異なる他方の特別図柄(例えば、第1特別図柄で通常大当たりの開始が遅延されていれば、第2特別図柄)における抽選遊技を実行する(対応する特別図柄の始動口を狙う)ように報知してもよい。具体的には、第1特別図柄で通常大当たりが遅延されていれば、第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1に、「第2特別図柄をより多く変動開始させろ!」や、「右側の始動口(第2始動口63b)を狙え!」という文字を表示して遊技者に報知するように構成してもよい。
次に、第19実施形態の変形例を説明する。第19実施形態では、第1始動口63a、第2始動口63bは、振り分け装置630によって、交互に成立するように構成されていた。しかしながら、第19実施形態の変形例では、可変表示装置ユニット80の左側に第1始動口63aを設け、可変表示装置ユニット80の右側に第2始動口63bを設けるように構成した。このように構成することで、操作ハンドル51の回動量を遊技者が操作して、遊技球が可変表示装置ユニット80の上部中央位置に遊技球が到達して、可変表示装置ユニット80の左側と右側とにそれぞれ、遊技球が振り分けられて流下するように、遊技球を発射することで、両方の始動口に遊技球を入賞させることができる。また、操作ハンドル51の回動量を調整して、遊技球が可変表示装置80の左側上部に到達する強さで遊技球を発射すれば、遊技球が可変表示装置ユニット80の左側を流下し易くなる(可変表示装置ユニット80の左側への遊技球の流下量が増える)ので、第1始動口63aに遊技球が入賞し易くすることができる(または、第2始動口63bへの入賞を減らすことができる)。また、操作ハンドル51の回動量を調整して、遊技球が可変表示装置80の右側上部(または、返しゴム69)に到達する強さで遊技球を発射すれば、遊技球が可変表示装置ユニット80の右側を流下し易くなる(可変表示装置ユニット80の右側への遊技球の流下量が増える)ので、第2始動口63bに遊技球が入賞し易くすることができる(または、第1始動口63aへの入賞を減らすことができる)。
第19実施形態では、主制御装置110のMPU201が実行する変動変更処理(図130、S1250)のS1257の処理において、カウントダウン演出コマンドが設定されることにより、図124に示すような報知が実行される構成について説明した。一方、本第19実施形態の変形例では、主制御装置110は、カウントダウン演出コマンドの設定はせず、成立した当否判定条件の判定結果と、選択される変動パターンの情報を入賞コマンドとして出力する。音声ランプ制御装置113において、入賞コマンドに基づいて、当たり変動変更パターンが選択される保留が成立しているかを判別して、図124に示すような報知態様を設定する制御を音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する。また、報知態様としては、変動変更パターンが選択される特別図柄と異なる特別図柄(例えば、第1特別図柄で変動変更パターンが選択されていれば、第2特別図柄)を遊技者に優先的に変動開始させるように報知する。具体的な報知態様としては、例えば、「左側始動口(第1始動口63a)を狙え!!」という文字を右側表示領域Dm2に表示する。
なお、報知態様を設定するか否かの抽選を実行することで、遊技者に報知する場合としない場合を設定することができ、過剰に遊技者に有利となってしまうことを抑制することができる。抽選については、遊技店側が設定できる設定手段の設定値に基づいてもよいし、乱数値を取得して、所定の確率で抽選するようにしても良いし、これまでの遊技機の出玉状態(大当たり回数や、差球、現在の前回の大当たりからの変動回数等)に基づいて抽選するようにしてもよい。このようにすることで、遊技機の状態や、遊技者が得ている利益に基づいて、遊技者に付与する利益を調整できる。よって、予め想定する利益の範囲内で遊技者に利益を付与できる。
また、本実施形態では、高確率遊技状態から通常遊技状態に移行させる通常大当たりが当選したことを報知するように構成したが、それに限らず、ラウンド数が少ない大当たりが決定された場合にそれを報知しても良いし、時短が付与されない当たりが当選した場合に、それを報知させてもよい。また、当たりに限ることもなく、遊技者に有利な状態から不利な状態に移行させるようなことが決定されたことに基づいて、それを事前に報知するように構成してもよい。
次に、図131〜図140を参照して、第20実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、互いの当否判定結果に関わらず、変動パターンを抽選により決定して、それぞれの抽選遊技を実行する場合について説明した。
これに対し、本第20実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の中に大当たりになると判定される保留球が重複した場合に、その大当たりが通常大当たりか確変大当たりかを判別して、通常大当たりを確変大当たりよりも先に開始するようにに制御を実行する。
即ち、第20実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第20実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりとなる保留が重複した場合に、一方が通常大当たり、他方が確変大当たりであれば、確変大当たりの方が通常大当たりよりも後で大当たり遊技が開始されるように延長変動パターンまたは短縮変動パターンを選択する制御を実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図131を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81で表示される大当たり遊技中の報知演出について説明する。図131上図は、大当たり遊技中の各ラウンドの1つを示した図である。各ラウンドが開始される毎に、図131上図に示すように、遊技者に枠ボタン22を連打することを促す報知である「ボタン連打してね!」という文字が第3図柄表示装置81に表示される。これは、ボタンを連打することにより、現在、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている保留球のうち、当たりとなるものがあるか否かを遊技者に事前に報知するための演出となっている。
遊技者が枠ボタン22を操作(本実施例では、押下)することにより、所定の抽選が実行され、抽選に当選し、当たりとなる保留球が記憶されていれば、図131(a)に示すように保留球の中に当たりとなるものが記憶されていることを示す「もう1回、大当たり」の文字が表示される。一方、枠ボタン22を操作して、所定の抽選に当選しなかった場合、または抽選に当選しても、保留球の中に当たりとなるものが記憶されていなかった場合には、図131(b)に示すような「残念!!」の文字が表示される。
遊技者は、枠ボタン22を操作することにより、もう一回大当たりが早期に得られるかを事前に知ることができる。また、事前に知りたくない遊技者は、枠ボタン22を操作せずにいることで、保留球の中に当たりがあるか否かの情報について表示されることはないので、遊技者が好みに合わせて遊技を選択することができる。
この報知演出は、毎回ラウンド開始毎に表示される。なお、一度、保留球の中に当たりがあることが報知されると、次のラウンドからは報知されない。このように構成することで、最終ラウンドまで、遊技者は、保留球の中に当たりがあるのではと、期待をもって遊技を行うことができ、大当たり遊技中に退屈してしまうのを防止できる。
次に、図132(a)を参照して、本第20実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の並び替え保留記憶エリア203uについて説明する。この並び替え保留記憶エリア203uには、第1実施形態の並び替え保留記憶エリア203uに対して、重複調整フラグ203u12が追加されている。
重複調整フラグ203u12は、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球で当たりとなる保留球が重複している場合に、確変大当たりとなる保留球の特別図柄の方が、通常大当たりとなる保留球の特別図柄よりも、大当たり遊技が後で開始されるように、延長変動パターンまたは短縮変動パターンが選択される保留球であることを示すフラグである。
重複調整フラグ203u12は、後述する、第1重複当たり処理(図136、S1270)のS1280の処理において、延長変動パターンまたは短縮変動パターンを選択することが決定された並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアに対してオンに設定される。一方、重複調整フラグ203u12は、保留球が消化され、保留エリアをシフトして、変動中データが記憶される変動中データ記憶領域にシフトした後、変動が終了すると、次の変動が開始されるときに新たなデータにより上書きされることによりオフに設定される。なお、重複調整フラグ203u12は、電源断時にはバックアップされ、電源が再投入されると、電源断直前の状態に復帰される。遊技機が初期化された状態では、オフに設定されているフラグである。なお、重複調整フラグ203u12は、今回説明と図示を省略したが、第2先読み更新処理(図示せず)の一処理である第2重複当たり処理(図示せず)においても、第1重複当たり処理と第2特別図柄に対する保留エリアの重複調整フラグ203u12をオンに設定する点で相違するが同様にオンに設定される。
図132(b)を参照して、本第20実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223に設定されているその他メモリエリア223mについて説明する。図132(b)は、その他メモリエリア223mの一部を模式的に示した図である。第1実施形態におけるその他メモリエリア223mに対して、確定報知フラグ223m1と確定報知カウンタ223m2とが追加されている。
確定報知フラグ223m1は、大当たり中の報知演出において、保留球の中に当たりとなる保留球があることを報知したことを示すフラグである。詳細には、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する大当たり中演出処理(図140、S1570)において、保留球の中に当たりとなる保留球があることを報知する確定報知表示がされるた後に、S1581の処理でオンに設定される。また、大当たりが終了することに伴い、オフに設定される。
確定報知カウンタ223m2は、大当たり中演出処理(図140、S1570)が実行される毎に1加算されるカウンタ値を記憶する記憶領域である。確定報知カウンタは、電源投入されたときには初期値である「0」に設定され、上限値である「255」まで加算され、次に1加算されると初期値である「0」に設定される。この確定報知カウンタは、大当たり中の報知演出において、保留球の中に当たりとなる保留球があるか否かを報知するか決定するためのカウンタ値である。なお、当たりカウンタ値は、大当たりのラウンド毎に設定される。本実施形態では、1R〜10Rまでは「0〜1」までの値が当たりカウンタ値として設定され、11R〜15Rまでは「0〜9」までが当たりカウンタ値として設定される。
このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を操作する毎に抽選がされるので、大当たり毎に報知されるタイミングを異ならせることができ、遊技者にマンネリ感を与えてしまうことを抑制できる。また、抽選に当選しなければ、保留球の中に当たりがあったとしても報知が実行されないので、必ず報知されない状態を作ることができ、遊技者を後に大当たりして驚かせることができ、報知されなくても期待を持たせ続けることができる。また、枠スイッチ22を操作する毎に抽選がされるので、枠スイッチ22を操作すればするほど、報知される確率が高くなり、遊技者が枠スイッチ22を操作することにより、意欲的に、遊技に参加させることができる。
さらに、ラウンドが進み11R以降は、抽選確率が5倍となるので、11Rまで抽選に当選できていない場合にも当選しやすくなり、遊技者が当たらない(報知されない)とあきらめてしまうのを防止できる。よって、遊技者は、11R以降で報知されることもあると期待を持って報知演出に参加することができる。
なお、本実施形態では、当たりカウント値は1R〜10Rと11R〜15Rで可変するように構成したが、それに限らず、毎ラウンド変えても良いし、各ラウンドの開始毎に抽選により当たり確率を決定するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が予期しないタイミングで保留に当たりがあることが報知され、より遊技の興趣を増大させることができる。
次に、図133を参照して、第20実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である特別図柄変動処理(図15、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(図133、S203)について説明する。図133は、この第1特別図柄変動開始処理(図133、S203)を示すフローチャートである。第19実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図133、S203)は、第1実施形態の第1特別図柄変動開始処理(図16、S203)に対して、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)に代わり、第1特別図柄変動パターン選択処理10(図134、S410)が追加されている。第20実施形態におけるS301〜S309の各処理は、第1実施形態におけるS301〜S309の各処理と同一の処理が実行される。S309の処理が完了すると、第1特別図柄変動パターン選択処理10(図134、S410)が実行される。
図134を参照して、第20実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図133、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理10(S410)について説明する。図134は、この第1特別図柄変動パターン選択処理10(S410)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理10(図134、S410)は、第1特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。また、変動開始する特別図柄の当否判定結果が当たりである場合に、第2特別図柄の保留球に当たりがあれば、通常大当たり遊技が先に開始されるように延長変動パターンまたは短縮変動パターンを選択する。
第1特別図柄変動パターン選択処理10(図134、S410)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図17、S309)において当否判定された結果が大当たりであるかが判別される(S840)。大当たりであるか否かの判定は、第1大当たりフラグ203oがオンに設定されているか否かで判別される。第1大当たりフラグ203oがオンに設定されていると判別された場合には(S840:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブル202dがセットされる(S841)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の特別当たり変動パターンテーブル202dが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別当たり変動パターンテーブル202d(図10(a))がセットされる。また、遊技状態が高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202d(図11(a))がセットされる。特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別テーブル202bがセットされ、大当たり種別が決定される(S842)。
一方、第1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S840:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルがセットされる(S843)。なお、本実施形態では、図示しないが、第1特別図柄には、第1特別図柄専用の、第2特別図柄には、第2特別図柄専用の特別外れ変動パターンテーブル202eが設定されるように構成されている。遊技状態が通常遊技状態(低確率遊技状態であり時短中でない)である場合には、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(図10(b))がセットされる。また、遊技状態が、高確率遊技状態または時短中である(時短カウンタ203kが0より大きい)場合には、時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル202e(図11(b))がセットされる。
変動開始する保留に対応する並び替え保留記憶エリア203uの重複調整フラグ203u12がオンに設定されているか判別される(S844)。重複調整フラグ203u12がオンに設定されていると判別された場合には(S844)、並び替え保留記憶エリアの変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶されている変動パターンを選択し、その変動パターンに基づいて第1変動パターンコマンドを生成する。
ここで、並び替え保留記憶エリア203uの変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶されている変動パターンは、後述する、第1重複当たり処理(図136、S1270)において、設定された延長変動パターンまたは短縮変動パターンとなる。なお、延長変動パターン及び短縮変動パターンは、設定されている変動時間の間、主図柄を変動表示させて、設定されている変動時間が経過したことに基づいて、当否判定結果を報知する表示態様で停止表示される変動パターンである。
短縮変動パターンは、第2特別図柄の保留に記憶されている確変大当たりよりも先に、今回、変動開始する第1特別図柄の通常大当たりを開始させるように制御(調整)するための変動パターンである。一方、延長変動パターンは、第2特別図柄の保留に記憶されている通常大当たりよりも後で、今回、変動開始する第1特別図柄の確変大当たりを開始させるように制御(調整)するための変動パターンである。
一方、重複調整フラグ203u12がオフであると判別された場合には(S844:No)、特別図柄保留実行エリア203cに格納されている、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン種別が選択した変動パターンテーブルから選択(決定)される(S846)。変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンが選択され、音声ランプ制御装置113に対して選択された変動パターンを通知するための第1変動パターンコマンドが生成される(S847)。第1停止種別コマンドが決定されている停止種別に基づいて設定される(S848)。第1特別図柄の変動時間である第1変動時間の計測開始が設定される(S849)。
このように構成することで、変動開始しようとする第1特別図柄の抽選遊技が確変大当たりであれば、第2特別図柄の通常大当たりよりも後で、大当たり遊技が開始されるように調整することができる。一方、変動開始しようとする第1特別図柄の抽選遊技が通常大当たりであれば、第2特別図柄の確変大当たりよりも先に、大当たり遊技が開始されるように調整することができる。よって、保留球の中で第1特別図柄と第2特別図柄とで、通常大当たりと確変大当たりとが重複した場合にも、通常大当たりが実行された後で、確変大当たりが実行されるので、高確率遊技状態をより長く維持させることができる。従って、遊技者により多くの大当たりを付与させることができる。
なお、本実施形態では、遊技球が第1始動口63aに入球したときに実行される第1重複当たり処理(図136、S1270)において、延長変動パターンまたは短縮変動パターンの変動時間を決定するように構成したが、それに限らず、第1特別図柄変動パターン選択処理10(図134、S410)において、変動時間を算出してそれぞれ決定するように構成してもよい。
また、本実施形態では、変動時間を調整することで、確変大当たりを通常大当たりよりも後で実行されるように構成したが、それに限らず、確変大当たりの変動開始を所定時間遅延させることにより、確変大当たりの開始が後になるように調整してもよい。このように構成することで、変動開始が遅延されたことで、遊技者は、さらに大当たりが実行されることを認識することができ、その後の大当たりを早期に認識することができる。
また、本実施形態では、延長変動パターンと短縮変動パターンをそれぞれ新たに設定する構成としたが、既存の変動パターンテーブルの中より、通常大当たりが先に表示されるような変動パターンを選択するように構成してもよい。このような構成では、既存の変動パターンテーブルに予め、変動時間の短い変動パターンや変動時間の長い変動パターンを設定しておけばよい。
次に、図135を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第1先読み処理(図25、S907)の一処理である第1先読み更新処理(S926)について説明する。図135は、この第1先読み更新処理(S926)を示すフローチャートである。第20実施形態における第1先読み更新処理(図135、S926)では、第1実施形態における第1先読み更新処理(図26、S926)に対して、S1260〜S1261の各処理と第1重複当たり処理(図136、S1270)とが追加されている。
S1260の処理では、並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアに第2特別図柄に対応する保留で当たりとなるものが記憶されているか判別される(S1260)。なお、この判定は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている保留の中に大当たりとなる保留が記憶されているか判別してもよい。第2特別図柄の保留で大当たりとなる保留があると判別された場合には(S1260:Yes)、第1重複当たり処理(図136、S1270)が実行される。
第1重複当たり処理(図136、S1270)については、詳細を後述するが、第1特別図柄と第2特別図柄との保留の中に当たりとなる保留が重複している場合に、通常大当たりの開始が確変大当たりの開始よりも先になるように、第1特別図柄の当たり変動パターンを延長変動パターンまたは短縮変動パターンを選択するための処理を実行する。一方、第2特別図柄の保留は全て外れであると判別された場合に(S1260:No)、または第1重複当たり処理(図135、S1270)の実行後には、重複調整フラグ203u12がオンに設定されていなければ、新たに記憶された保留に対して変動開始時の遊技状態に対応した特別当たり変動パターンテーブルより、変動種別カウンタCS1と変動パターン判定用カウンタC3の値に基づいて、変動パターンが予測(事前に決定)され、変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶される(S1261)。
なお、第20実施形態における第1先読み更新処理(図135、S926)のS931〜S933、S935〜S939までの各処理は、第1実施形態における第1先読み更新処理(図26、S926)のS931〜S933、S935〜S939までの各処理と同一の処理が実行される。
次に、図136を参照して、主制御装置110のMPU201に実行される第1先読み更新処理(図135、S926)の一処理である第1重複当たり処理(S1270)について説明する。図136は、この第1重複当たり処理(S1270)を示すフローチャートである。第20実施形態における第1重複当たり処理(図136、S1270)は、第2特別図柄に対応する保留で当たりとなる保留が記憶されているか判別し、当たりとなる保留が記憶されている場合には、それぞれの当たり種別を判断して、通常大当たりの開始が確変大当たりの開始よりも先に実行されるように第1特別図柄の変動パターンとして、延長変動パターンまたは短縮変動パターンを選択するための処理である。
第1重複当たり処理(図136、S1270)では、まず、並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアのいずれかに重複調整フラグ203u12がオンに設定されている保留エリアがあるか判別される。重複調整フラグ203u12がオンに設定されている場合には(S1271:Yes)、この処理を終了する。このように、すでに、大当たりが第1特別図柄と第2特別図柄とで重複しており、延長変動パターンまたは短縮変動パターンが選択されている保留がある場合には、再度重複した場合の処理を行わないように構成している。このように構成することで、主制御装置110の制御負荷を過度に大きくするのを抑制することができる。また、大当たりが3つ以上保留されている状態で、さらに大当たりが遊技者に付与されるような制御を行わないことで、射幸性を過度に高めてしまうことを抑制できる。
一方、重複調整フラグ203u12がオフであると判別された場合には(S1271:No)、並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアに記憶されている第1特別図柄または第2特別図柄の確変当たりは、低確率遊技状態(通常遊技状態)であっても当たりと判定される当たりであるか判別される(S1272)。通常遊技状態では、外れであると判別された場合には(S1272:No)、この処理を終了する。このように、確変大当たりを通常遊技状態でも当たりとなるか判別することで、確変大当たりを実際の変動開始時間よりも遅延させた場合に、高確率遊技状態で変動開始するものが、低確率遊技状態で変動開始することとなっても、大当たりとなるもののみを選別することができる。よって、遊技者の利益を損ねてしまうのを防止できる。
一方、通常遊技状態でも当たりと判定されると判別された場合には(S1272:Yes)、新たに記憶された並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアにおける先読み確変フラグ203u6はオンであるか(即ち、新たに記憶された保留は確変大当たりか)判別される(S1273)。新たに記憶された保留は、確変大当たりであると判別された場合には(S1273:Yes)、第2特別図柄に対応する保留エリアの当たりは通常大当たりか判別される(S1274)。第2特別図柄に対応する保留エリアの当たりが通常大当たりであると判別された場合には(S1274:Yes)、第2特別図柄の保留エリアの通常大当たりが変動停止するまでの時間を算出する(S1275)。
この第2特別図柄の通常大当たりの変動が停止するまでの時間は、現在、変動中の第2特別図柄の残り変動時間と、通常大当たりの第2特別図柄よりも先に記憶されている第2特別図柄の保留の変動時間とをそれぞれ加算することにより算出する。
S1275の処理で算出した変動停止するまでの時間よりも後で、新たに記憶された第1特別図柄の確変大当たりとなる保留が変動停止するように、その変動時間を算出して、その変動時間で構成された延長変動パターンを設定(選択)して、対応する保留エリアの変動パターン種別記憶エリア203u3に記憶する(S1276)。ここで、延長変動パターンの変動時間は、現在、変動中の第1特別図柄の残り変動時間に、新たに記憶された第1特別図柄の確変大当たりとなる保留よりも先に記憶されている第1特別図柄の保留の変動時間を加算して、新たに記憶された第1特別図柄の確変大当たりの変動開始時間を算出する。そして、S1275の処理で算出した時間から変動開始時間を減算した結果に3秒を加算した時間を変動時間として決定する。なお、変動開始時間がS1275の処理で算出した時間よりも後になる場合には、5秒の変動時間とした延長変動パターンを設定する。
一方、第2特別図柄の保留における当たりが確変大当たりであると判別された場合には(S1274:No)、この処理を終了する。新たに記憶された保留エリアの先読み確変フラグ203u6がオフであると判別された場合には(S1273:No)、第2特別図柄に対応する保留エリアの当たりは、確変大当たりであるか判別される(S1277)。第2特別図柄の保留は、確変大当たりであると判別された場合には(S1277:Yes)、第2特別図柄の保留エリアの確変大当たりが変動停止するまでの時間を算出する(S1278)。なお、この時間の算出は、S1275の処理と同一の方法で算出される。
第1特別図柄の通常大当たりとなる保留の変動開始時間に基づいて、新たに記憶された第1特別図柄の通常大当たりを第2特別図柄の保留に記憶されている確変大当たりよりも先に開始することが可能(短縮可能)か判別される(S1279)。ここで、可能かどうかの判別は、第1特別図柄に対応する各保留エリアの変動時間を1秒の短縮変動時間で構成したときに、第2特別図柄の確変大当たりよりも先に開始できるかを判別する。
新たに記憶された第1特別図柄の通常大当たりを第2特別図柄の保留に記憶されている確変大当たりよりも先に開始することが可能と判別された場合には(S1279:Yes)、新たに記憶された保留エリアおよびそれよりも先に記憶されていた第1特別図柄に対応する保留エリアの変動パターン種別記憶エリアに短縮変動パターンを記憶する。短縮変動パターンは、1秒の変動パターンで構成された変動パターンである。
延長変動パターンまたは短縮変動パターンを記憶した保留エリアの重複調整フラグ203u12をオンに設定する(S1281)。各保留エリアを変動開始時間順に再付番する(S1282)。
このように構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たりが重複した場合に、確変大当たりが通常大当たりよりも後で開始されるように、変動時間を調整することができる。よって、通常大当たりが実行された後で、低確率遊技状態(通常遊技状態)に移行または維持されるものの、その後、確変大当たりが実行されることで、高確率遊技状態(確変遊技状態)へと遊技状態を移行することができる。従って、遊技者により長く高確率遊技状態で遊技させることができる。また、より多くの大当たりを遊技者に付与することができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで重複している大当たりが、双方で確変大当たりまたは双方で通常大当たりである場合には、延長変動パターンまたは短縮変動パターンを選択しない(選択を禁止する)ように構成したので、通常の変動パターンで遊技者は遊技を楽しむことができる。
また、延長変動パターンまたは短縮変動パターンが選択された後に、各保留エリアの変動開始時間を更新して、変動開始時間順に再度、変動開始順を再付番するように構成したので、延長変動パターンまたは短縮変動パターンにより変動開始順が変化しても正しい変動開始順に更新することができる。よって、正しい変動開始順に基づいて、入賞コマンドを生成することができ、延長変動パターンまたは短縮変動パターンが選択された場合にも、保留図柄表示を正しい変動開始順に並び変えることができる。
なお、本実施形態では、延長変動パターンは通常大当たりとなる第2特別図柄が変動停止するまでの時間を算出して、その時間に基づいて決定したが、それに限らず、通常の変動パターンで最も長い変動パターンで組み合わされたときの最大変動時間を想定して、それよりも長い変動時間の変動パターンを延長変動パターンとして予め設定しておき選択するように構成してもよい。
また、新たに記憶された第1特別図柄の確変大当たりとなる保留までをすべて1秒の短縮変動パターンで構成したが、それに限らず、第2特別図柄の通常大当たりが変動停止するまでの時間よりも短くなるように、算出して適宜設定するように構成してもよい。
また、本実施形態では、変動時間を調整するための延長変動パターンまたは短縮変動パターンをそれぞれ設定する構成としたが、それに限らず、変動開始を遅延させたり外れの保留を無効にする等して調整するように構成してもよい。このように構成することで、主制御装置110が変動時間を調整する制御負荷を軽減させることができる。
なお、第2始動口63bに遊技球が入球したことに基づいて実行される第2先読み処理(図27、S914)の一処理である第2先読み更新処理(図示せず)においても、第2特別図柄の保留球に対する処理であることで相違するが第1先読み更新処理(図135、S926)と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図137を参照して、第20実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である大開放口開閉処理(S103)のについて説明する。図137は、この大開放口開閉処理(S103)を示すフローチャートである。第20実施形態の大開放口開閉処理(図137、S103)は、第1可変入賞装置65の開閉を制御する。
大開放口開閉処理(図137、S103)では、まず、大当たり遊技の開始であるかが判別される(S131)。大当たり遊技の開始であるかの判別は、第1特別図柄変動停止処理(図19、S204)におけるS608の処理または、第2特別図柄変動停止処理(図23、S207)におけるS808の処理で、大当たりの開始が設定されたかで判別される。
大当たり遊技の開始であると判別された場合には(S131:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄は仮停止中であるかが判別される(S132)。第1特別図柄または第2特別図柄は仮停止中であると判別された場合には(S132:Yes)、並び替え保留記憶エリア203uに記憶されている各保留エリアの変動開始時間記憶エリア203u5の値について、大当たり後を起点として、仮停止している第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間も考慮して再算出される(S133)。一方、第1特別図柄または第2特別図柄は仮停止中でないと判別された場合には(S132:No)、並び替え保留記憶エリア203uに記憶されている各保留エリアの変動開始時間記憶エリア203u5の値について、大当たり後を起点として再算出される(S134)。
S133またはS134の処理で再算出され、変動開始時間記憶エリア203u5に記憶された変動開始時間に基づいて、各保留エリア毎に並び替えデータコマンドが生成される(S135)。
一方、大当たり遊技の開始でないと判別された場合には(S131:No)、大当たり遊技中であるか判別される(S136)。大当たり遊技中でないと判別された場合には(S136:No)、この処理を終了する。一方、大当たり遊技中であると判別された場合には(S136:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別される(S137)。新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合には(S137:Yes)、第1可変入賞装置65の大開放口を開放する処理を実行する(S138)。新たに開始するラウンド数を示すラウンドコマンドが設定(生成)される(S139)。
一方、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合には(S137:No)、第1可変入賞装置65における大開放口の閉鎖条件が成立したか判別される(S140)。第1可変入賞装置65における大開放口の閉鎖条件が成立したと判別された場合には(S140:Yes)、第1可変入賞装置65の大開放口を閉鎖する処理を実行する(S141)。
一方、第1可変入賞装置65における大開放口の閉鎖条件が成立していないと判別された場合には(S140:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別される(S142)。エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合には(S142:Yes)、エンディングコマンドを設定(生成)する(S143)。
一方、エンディング演出の開始タイミングでないと判別された場合には(S142:No)、大当たり遊技の終了か判別される(S144)。大当たり遊技の終了と判別された場合には(S144:Yes)、大当たり遊技の終了が設定される(S145)。確変大当たりであったか判別される(S146)。確変大当たりであったかの判別は、大当たり遊技を実行する契機となった、抽選結果は、15R確変大当たり又は2R確変大当たりであるか判別される。
確変大当たりであったと判別された場合には(S146:Yes)、確変フラグ203mがオンに設定される(S147)。一方、大当たり遊技中であると判別された場合には(S144:No)、または確変大当たりでないと判別された場合には(S146:No)、この処理を終了する。
このように、大当たり遊技の開始となると、大当たり遊技後を起点とした、各保留エリアにおける変動開始時間が更新される。よって、大当たり遊技中に、遊技者により枠ボタン22が操作された場合にも、その更新された変動開始時間に基づいて、並び替えデータコマンドを生成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221も、従並び替え保留記憶エリア223kのデータを更新して、保留図柄表示を大当たり遊技後からの変動を開始する順序で並び替えることができる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄が仮停止しているか判別して、仮停止している場合には、その特別図柄の保留に対しては、その残り変動時間が経過してからを起点として、変動開始時間を算出することで、より正確な変動開始時間を算出して並び替えデータコマンドを生成することができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221は、その並び替えデータコマンドが示す変動開始時間に基づいて、保留図柄表示をより正確な変動を開始する順序で並び替えることができる。
図138を参照して、第20実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図138は、このメイン処理(S1400)を示すフローチャートである。第20実施形態のメイン処理(図138、S1400)は、第1実施形態のメイン処理(図35、S1400)に対して、大当たり中演出処理(図140、S1570)が追加され、コマンド判定処理(図36、S1414)がコマンド判定処理(図139、S1414)に変更されている。第20実施形態におけるS1401〜S1410、S1411〜S1413、S1415〜S1419までの各処理は、第1実施形態におけるS1401〜S1410、S1411〜S1413、S1415〜S1419までの各処理と同一の処理が実行される。S1413の処理が完了すると、コマンド判定処理(図139、S1414)が実行される。
図139を参照して、第20実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図138、S1400)の一処理であるコマンド判定処理(S1414)について説明する。図139は、このコマンド判定処理(S1414)を示すフローチャートである。第20実施形態におけるコマンド判定処理(図139、S1414)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36、S1414)に対して、S1565〜S1566までの各処理が追加されている。第20実施形態におけるコマンド判定処理(図139、S1414)のS1501〜1519までの各処理は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36、S1414)のS1501〜1519までの各処理と同一の処理が実行される。
第20実施形態のコマンド判定処理(図139、S1414)のS1517の処理において、第1または第2特別図柄変動再開コマンドを受信していないと判別された場合には(S1517)、大当たり遊技中に主制御装置110から出力されるラウンド数コマンドを受信したか判別される(S1565)。ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合には(S1565:Yes)、受信したラウンド数コマンドに基づいて、大当たりラウンド数、ラウンド有効時間が設定される(S1566)。なお、ラウンド有効時間は、5秒の時間が設定され、その間、大当たり遊技中の報知演出が実行される時間となる。
次に、図138のメイン処理(S1400)に戻って説明を続ける。第20実施形態のメイン処理(図138、S1400)では、S1410の処理が実行された後、または、S1401の処理で1ms未満と判別された場合には(S1401:No)、大当たり中演出処理(図140、S1570)が実行される。
図140を参照して、第20実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図138、S1400)の一処理である大当たり中演出処理(図140、S1570)について説明する。図140は、この大当たり中演出処理(図140、S1570)を示すフローチャートである。第20実施形態の大当たり中演出処理(図140、S1570)は、大当たり遊技中の報知演出において、遊技者による枠ボタン22の操作に基づいて、抽選を実行し、保留球の中に大当たりとなる保留球があるかを遊技者に報知を行う処理を実行する。
大当たり中演出処理(図140、S1570)では、まず、確定報知カウンタ223m2の値を読み出して、その値に「1」を加算して、確定報知カウンタ223m2の値を更新する(S1571)。次に、ラウンド有効時間中であるか判別される(S1572)。ラウンド有効時間であるか否かは、コマンド判定処理(図139、S1414)のS1566の処理で設定されたラウンド有効時間(本実施形態では、ラウンド開始から5秒間)であるか判別される。ラウンド有効時間外であると判別された場合には(S1572:No)、この処理を終了する。
一方、ラウンド有効時間中であると判別された場合には(S1572:Yes)、確定報知フラグ223m1がオンに設定されている(即ち、すでに、確定報知がされた)か判別される(S1573)。確定報知フラグ223m1がオンであると判別された場合には(S1573:Yes)、この処理を終了する。
確定報知フラグ223m1がオフであると判別された場合には(S1573:No)、表示用確定演出コマンドが生成(セット)される。表示用確定演出コマンドは、第3図柄表示装置81に報知演出用の背景画面等を表示制御装置114に表示させるためのコマンドである。
表示用ボタン操作表示コマンドが生成(セット)される(S1575)。この表示用ボタン操作表示コマンドは、第3図柄表示装置81に「ボタン連打してね!」という文字を表示制御装置114に表示させるためのコマンドである。このように構成することで、遊技者は、報知演出が開始されたことを認識して、枠ボタン22の操作を開始することができる。よって、遊技者が、分かり易く報知演出に参加することができる。
枠ボタン22は、操作されたか判別される(S1576)。ここでは、枠ボタン22が1回操作(押下)されたか判別される。枠ボタン22が操作されなかったと判別された場合には(S1576:No)、この処理を終了する。一方、枠ボタン22が操作されたと判別された場合には(S1576:Yes)、確定報知カウンタ223m2の値を取得する(S1577)。ラウンド数に基づいた当たり確率で取得した確定報知カウンタ223m2の値を当否判定する(S1578)。ここで、ラウンド数が1R〜10Rまでの場合には、「0〜1」が当たり判定値として設定され、ラウンド数が11R〜15Rまでの場合には、「0〜9」が当たり判定値として設定される。
取得した確定報知カウンタ223m2の当否判定結果は当たりであるか判別される(S1579)。当否判定結果が当たりであると判定された場合には(S1580)、並び替え保留記憶エリア203uの保留エリアのいずれかに当たりとなる保留はあるか判別される(S1580)。当たりとなる保留があると判別された場合には(S1580:Yes)、確定報知表示を指示する表示用確定報知コマンドを生成(セット)する(S1581)。確定報知フラグ223m1をオンに設定する(S1582)。ここで、表示用確定報知コマンドは、第3図柄表示装置81に図131(a)に示すような「もう1回、大当たり!!」という文字を表示制御装置114に表示させるためのコマンドである。遊技者は、この表示により、保留のなかに大当たりがあることを認識できる。よって、遊技者は、この表示がされることを期待して、枠ボタン22を操作することができる。従って、大当たり中でも、遊技に飽きずに遊技を行うことができる。
一方、当否判定結果が外れであると判別された場合に(S1579:No)、または保留エリアの全てが外れであると判別した場合には(S1580:No)、非確定報知表示を指示する表示用非確定報知コマンドを生成(セット)する(S1583)。ここで、表示用非確定報知コマンドは、図131(b)に示すように、第3図柄表示装置81に「残念!!」という文字を表示制御装置114に表示させるためのコマンドである。遊技者は、この「残念!!」という文字が表示されると、保留球に当たりが無かったまたは連打した回数等が足りなかった等の理由により報知がされなかったと認識できる。報知演出は、確定報知表示がされるまでは、毎ラウンド実行される構成であるので、遊技者は1つのラウンドで「残念!!」という表示がされても、まだ保留球の中に本当は当たりがあるのかもしれないと期待して、次のラウンドも報知演出に参加することができる。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりが重複した場合には、確変大当たりを通常大当たりよりも後で開始させるように変動パターンを調整する。さらに、大当たり中には、その保留球の中に大当たりがあるか否かの演出を実行することで、保留球に大当たりがあると報知された場合に、実行している大当たりが通常大当たりであっても、保留されている当たりは確変大当たりではないかと遊技者は期待を持って、遊技を行うことができる。よって、遊技者に大当たり中にもさらに期待を持って遊技を続けることができる遊技機を提供できる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たりが重複して、通常大当たりを確変大当たりよりも先に開始するために、短縮変動パターンが選択される。これにより、遊技者は、短縮変動パターンを介して、通常大当たりが開始されると、保留の中には、確変大当たりが記憶されているはずと期待して、報知演出に参加することができる。
また、報知演出は、大当たりとなる保留が記憶されている場合であっても、報知を行うか否かの抽選に当選しなければ報知されないので、複数回、遊技者に枠ボタン22を操作させるようにすることができ、より長く報知演出に参加させることができる。
また、報知するか否かの抽選は、枠ボタン22を押下する毎に実行する構成としたので、毎回報知するタイミング(操作の回数等)が一定とならず、遊技者に意外性を与えることができる。
また、ラウンドにより報知するか否かの抽選確率を変化するようにしたので、ラウンドにより報知され易さを変えることができ、遊技者がより報知されることを期待するラウンドを設定することができる。本実施形態では、11R以降を当たり確率を高く設定したので、11Rまで、報知演出が続いても、11R以降で保留に当たりがあれば、確定演出が表示され易いようにできる。よって、遊技者は、何ラウンドも報知がされなくても、11R以降で報知されることもあると期待を持って、報知演出に参加し続けることができる。
なお、本実施形態では、すでに一方の特別図柄で通常大当たりまたは確変大当たりが成立している場合に、あとから他方の特別図柄が成立した場合に、その当たりとなる変動時間を調整することで、確変大当たりの大当たり遊技が通常大当たりの大当たり遊技よりも後で開始されるように構成したが、それに限らず、保留されている第1特別図柄と第2特別図柄の中に、通常大当たりと特別大当たりとがそれぞれ記憶されているか判別して、双方の保留されている特別図柄の変動時間を調整することにより、確変大当たりを通常大当たりの後に開始されるように制御してもよい。このように構成することで、より効率的に、変動時間を調整することができる。また、確変大当たりが開始されるまでに短時間しか時間が無い場合にも、対応して、通常大当たりを先に開始させるように変動パターンの選択を行うことができる。
また、第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において、確変大当たりとなると判定された場合には、その変動パターンに変動時間の比較的長い変動パターンが強制的に選択されるように構成してもよい。このように構成することで、確変大当たりの開始がより遅延することとなり、その間に、通常大当たりりとなる保留が他方の特別図柄で成立することを期待して遊技を行うことで、より多くの大当たりを遊技者に付与することができる。
また、第19実施形態の変形例で説明したような構成を組み合わせて、音声ランプ制御装置113に報知を行わせるように構成しても良い。
なお、本実施形態では、報知演出は、枠ボタン22をラウンド有効時間中は何度も操作でき、その都度、抽選を実行する構成としたが、それに限らず、1ラウンドに1回のみ行えるように構成してもよい。また、毎ラウンド報知演出を実行するのではなく、特定の1ラウンドのみ実行するように構成するようにしてもよい。この特定のラウンドを大当たり中の抽選により報知演出を行うラウンドとするか否かを決定するように構成してもよい。このように構成することで、報知演出が実行されるラウンドがランダムとなり、報知演出が実行されると、より新鮮さを感じて報知演出に参加することができる。また、報知演出が実行されると、保留エリアに当たりがあるのではと、より期待を持つことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との一方で大当たりが開始された場合に、変動開始している他方の当たりと判定された抽選遊技は、一方の大当たり遊技後にもその当否判定結果が維持される場合について、説明したがそれに限らず、一方の特別図柄で大当たりが開始された場合には、他方の特別図柄で、変動開始されている当たりと判定された変動は無効にするように構成してもよい。このような構成において、第1特別図柄と第2特別図柄とで通常大当たりと確変大当たりとがそれぞれ決定されている場合には、先に通常大当たりを開始させて、その大当たりが終了するまでは、確変大当たりが開始しないように遅延させる制御を実行するよい。このように構成することで、通常大当たりが開始されたときに、確変大当たりとなる特別図柄が変動開始してしまっており、無効とされてしまうのを防止できる。
次に、図141〜図149を参照して、第21実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第8実施形態(図64〜72参照)におけるパチンコ機10では、特別図柄の変動パターンは、変動開始時の保留球の数に関わらず決定する場合について説明した。
これに対し、本第21実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄とは、変動開始時の保留球の数に基づいて、変動パターンをそれぞれ選択する制御をを実行する。
即ち、第21実施形態におけるパチンコ機10は、第8実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第21実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄は、変動開始可能となると、対応する特別図柄の保留球の数を判別し、その値に基づいて、変動パターンを選択する点で第8実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第8実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図141を参照して、第21実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223に設定されている従並び替え保留記憶エリア223kについて説明する。第21実施形態の従並び替え保留記憶エリア223kは、第8実施形態の従並び替え保留記憶エリア223k(図9(b)参照)に対して、保留エリア1〜8にそれぞれ並び替え順序変更フラグ223k9が追加されている。
並び替え順序変更フラグ223k9は、保留図柄の並び替えが行われて、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示されている保留図柄表示が変動開始順で表示されている場合に、その保留図柄表示の変動開始順に変更が生じたことを示すフラグである。この並び替え順序変更フラグ223k9は、後述する、従保留並び替え表示報知処理(図148、S1871)のS1895の処理によりオンに設定される。一方、保留が消化されることにより保留エリアをシフトしていき、保留に対応する特別図柄が変動開始可能となり、保留中データ記憶領域の保留エリア1から変動中データ記憶領域にシフトするときにオフに設定される。
次に、図142を参照して、第21実施形態における、主制御装置110のMPU201のROM202と音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM222とにそれぞれ設定されている通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(222d)について説明する。
本第21実施形態における通常時特別外れ変動パターンテーブル202eは、主制御装置110のMPU201のROM202に設定され、特別図柄の変動開始時に、当否判定結果が外れであり、遊技状態が低確率遊技状態(通常確率遊技状態)である場合に、主制御装置110のMPU201により選択される変動パターンテーブルである。主制御装置110のMPU201は、第1特別図柄変動パターン選択処理(図18、S310)または第2特別図柄変動パターン選択処理(図22、S710)において、通常時特別外れ変動パターンテーブル202eより、変動開始する特別図柄に対応する保留球の数(第1特別図柄を変動開始する場合であれば、第1特別図柄の保留球の数)と、変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン判定用カウンタCS3の値とに基づいて、変動パターンが決定される。
本第21実施形態における通常時特別外れ変動パターンテーブル222dは、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222に設定されており、主制御装置110の通常時特別外れ変動パターンテーブル202eと同一の内容である。通常時特別外れ変動パターンテーブル222dは、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される従並び替え保留記憶エリア更新処理2(図147、S1868)において、主制御装置110から出力される入賞コマンドに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶された各保留エリアのデータに対して、変動開始する前に、変動開始時に選択される変動パターンを事前に判別(予測)するのに用いられる。具体的には、通常時特別外れ変動パターンテーブル222dは、変動開始時の遊技状態が低確率遊技状態であり、そのときに判定される当否判定結果が外れである場合に、選択される変動パターンテーブルである。従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアに入賞コマンドに基づいて記憶された変動種別カウンタCS1、変動パターン判定用カウンタCS3と、現状の対応する特別図柄の保留球の数(第1特別図柄の保留であれば、第1特別図柄の保留球の数)とに基づいて変動パターンが事前に判別され、従並び替え保留記憶エリア223kの変動パターン種別記憶エリア223k3に記憶される。
なお、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(222d)は、保留球の数が「0」、「1〜2」、「3」のときでそれぞれ選択される変動パターン(変動時間)の種類が異なるように構成(各カウンタ値が設定)されている。保留球の数が「0」のときには、他の保留球の数である場合よりも比較的に長い変動時間の変動パターンが選択され易いように構成されている。具体的には、リーチとなる変動パターンを他の保留球の数である場合よりも選択され易いように構成されている。保留球の数が「1〜2」場合には、保留球の数が「0」のときよりも比較的に変動時間の長い変動パターンが選択され易く設定されている一方、保留球の数が「3」の場合よりも比較的に短い変動時間の変動パターンが選択され易く設定されている。保留球の数が「3」のときには、他の保留球の数である場合よりも比較的に短い変動時間の変動パターンが選択され易いように構成されている。なお、通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(222d)は、図示は省略したが、第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンをそれぞれ選択する専用の通常時特別外れ変動パターンテーブル202e(222d)がそれぞれ設定されている。
このように構成することで、保留球が少ないときには、比較的に長い変動時間の変動パターンが選択されることにより、その間に第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入球することにより、保留球がなくなり第1特別図柄または第2特別図柄が変動していない状態(抽選遊技が行われていない状態)が発生してしまうのを抑制できる。よって、第1特別図柄または第2特別図柄が変動停止した状態が発生して、遊技者が退屈してしまうのを抑制できる。
また、保留球の数が上限値である「4」に近い、「3」である場合には、比較的に変動時間が短い変動パターンが選択されるので、保留の消化サイクルが早くなり、保留球の数が上限値の「4」となった状態で第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入球して、保留球とならない無効球としてオーバーフローしてしまうことを抑制できる。よって、遊技者が、保留球が上限値である「4」となり、遊技球の発射を止めてしまう時間を短くすることができ、効率のよい遊技を行うことができる。
次に、図143を参照して、主制御装置110のMPU201のROM202に設定されている時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル202eと音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222に設定されている時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル222dとを説明する。
時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル202eは、上述した、通常時用特別外れ変動パターンテーブル202eに対して、遊技状態が時短遊技状態または高確率遊技状態(確変遊技状態)の場合に選択される点で異なる。
時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル222dは、保留球の数が「0」の場合には、保留球の数が「1〜3」の場合よりも比較的に長い変動時間の変動パターンが選択され易く構成されている。また、この時短・確変用特別外れ変動パターンテーブルは、通常時特別外れ変動パターンよりも保留球の数が「1〜2」のときにも比較的に短い変動時間の変動パターンが選択され易く構成されている。よって、時短遊技状態または高確率遊技状態であるときには、より保留球の消化サイクルを早くすることができる。よって、時短遊技状態または高確率遊技状態では、普通図柄の当否判定確率が高確率に設定されることにより、普通電動役物64の羽根64a,64bが開き易くなり、また、1回の開放時間
と開放回数も多くなるので、第1始動口63aまたは第2始動口63bに遊技球が入球し易くなるが、早いサイクルで保留球が消化されるので、テンポよく遊技を行うことができる。
なお、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222に設定されている時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル222dについても、主制御装置110の時短・確変用特別外れ変動パターンテーブル202eと同一の構成である。また、通常時特別外れ変動パターンテーブル222dに対して、時短遊技状態または高確率遊技状態に選択される変動パターンである点で相違する以外は同様に変動パターンを事前に判別するのに用いられる。よって、詳細な説明については省略する。
また、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222には、主制御装置113のMPU201のROM201に設定されている通常時特別当たり変動パターンテーブル202dと時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル202dと同一のものが通常時特別当たり変動パターンテーブル222cと時短・確変用特別当たり変動パターンテーブル222cとして設定されている。即ち、当否判定結果が当たりの場合には、保留球の数に関係なく、変動パターンが各カウンタ値に基づいて選択される。
図144を参照して、第21実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図144は、このメイン処理(S1400)を示すフローチャートである。第21実施形態のメイン処理(図144、S1400)は、第8実施形態のメイン処理(図68、S1400)に対して、保留個数表示更新処理5(図149、S1840)と保留並び替え処理4(図145、S1850)とが追加されている。第21実施形態におけるS1401〜S1405、S1407〜S1412、S1414〜S1419までの各処理は、第8実施形態におけるS1401〜S1405、S1407〜S1412、S1414〜S1419までの各処理と同一の処理が実行される。S1412の処理が完了すると、保留並び替え処理4(図145、S1850)が実行される。
図145を参照して、第21実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図144、S1400)の一処理である保留並び替え処理4(S1850)について説明する。図145は、この保留並び替え処理4(S1850)を示すフローチャートである。第21実施形態における保留並び替え処理4(図145、S1850)は、実行される毎に、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている各保留エリアのデータと現在の保留球の数に基づいて、選択される変動パターンの更新を行って、変動開始順序等を更新するための処理である。
第21実施形態の保留並び替え処理4(図145、S1850)では、まず、保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)が実行される。この保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)については、後述するが、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている各保留エリアのデータと現在の保留球の数とに基づいて、変動開始時に選択される変動パターンを再度、選択して更新するための処理である。
保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)が実行された後に、並び替え可能期間であるか判別される(S1852)。並び替え可能期間は、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態が並び替え可能期間に設定されている。
並び替え可能期間であると判別された場合には(S1852:Yes)、表示用ボタン操作表示コマンドが生成される(S1853)。表示制御装置114は、この表示用ボタン操作表示コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81に「並び替えができるかも!!」という文字表示をして、遊技者に枠ボタン22を操作が可能である期間を報知する。報知態様は、これに限らず、音声等で行ってもよいし、専用のランプ等を点灯させるように制御する構成であっても当然よい。
また、本実施形態では、並び替え可能期間を設けたことで、遊技者が、並び替え操作が可能となるタイミングを容易に認識することができ、枠スイッチ22を適切なタイミングで操作することができる。また、並び替え可能期間は、特に設けずに、枠ボタン22が操作された時に、並び替えが可能であれば、並び替え表示を実行するように構成しても当然よい。
枠ボタン22が操作されているかが判別される(S1854)。枠ボタン22が操作されていると判別された場合には(S1854:Yes)、従並び替え保留記憶エリア223kの保留データが記憶されているすべての保留エリアの並び替えフラグ223k7がオンに設定される(S1855)。
一方、並び替え可能期間ではないと判別された場合(S1852:No)、または枠ボタン22が操作されていないと判別された場合には(S1854:No)、この処理を終了する。
このように構成することで、遊技者が並び替えを行いたいと思ったときに、第3図柄表示装置81で表示されている保留図柄表示のみに対して並び替えを行うことができる。
遊技者は、実際の変動表示開始順序を知ることができ、次に注目するべき特別図柄(変動表示開始となる特別図柄)を事前に知ることができる。よって、予め見るべき表示領域を想定しながら遊技を行うことができ、遊技をスムーズに行うことができる。
また、本パチンコ機の構成では、振り分け装置630により、第1始動口63aと第2始動口64aとを交互に遊技球が入賞し易く構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とが均等に遊技が行われ、効率良く遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10では、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、保留図柄表示を変動開始順序で並べ替えて表示する制御を実行する構成としてが、それに限らず、新たな保留が記憶される毎に実行するように構成しても当然よい。このように構成することで、遊技者は、常に、変動開始順序で並び替えられた保留図柄表示により、変動表示を開始する順序を正確に認識できる。
本実施形態では、並び替え可能期間は、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態として説明したが、これに限らず、大当たり遊技中も並び替え可能期間として設定するようにしてもよいし、反対に、並び替え可能期間を特定の変動表示態様が表示されている期間以外等に設定してもよく、適宜、決定すればよい。
なお、大当たり遊技中を、並び替え可能期間に設定した場合には、変動表示中で仮停止した変動表示の残りの変動時間を考慮して、並び替えを行う必要が有る。具体的には、保留されている第1特別図柄または第2特別図柄の決定されている変動時間(変動表示態様)と仮停止中の残りの変動時間とに基づいて、変動開始時間を算出して、並び替え順序を判断して、その並び替え順序に基づいて並び替えを行う。このように構成することで、大当たり遊技中に、新たな保留図柄表示が表示されても、その保留図柄表示とその保留図柄表示が表示される前に既に表示されていた表示態様とを合わせて、正確な変動開始順序で並び替えを行い、大当たり遊技機中にも、正確な変動開始順序を遊技者に報知することができる。
また、本実施形態では、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uと音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kとで並び替えを互いにしたデータを記憶するように構成した。それに限らず、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113に入賞コマンドにより、並び替えに必要な各種データ(当否判定結果、大当たり種別、変動パターン種別、等)を通知するように構成して、音声ランプ制御装置113のみで、並び替えを行うように構成してもよい。
次に、図146を参照して、第21実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される保留並び替え処理4(図145、S1850)の一処理である保留並び替え順序決定処理2(S1851)について説明する。図146は、この保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)を示すフローチャートである。
第21実施形態における保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)では、まず、主制御装置110からの入賞コマンドを受信したかどうか判別される(S1861)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S1861:Yes)、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223のその他メモリエリア223mに格納された各カウンタ値(特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、変動パターン判定用カウンタC4)が読み出される(S1862)。S1862の処理で読み出した各データを従並び替え保留記憶エリア223kの対応する保留エリア(データが記憶されていない保留エリアのうち、最も保留エリアの若い番号のエリア)に記憶される(S1863)。一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S1861:No)、S1862〜S1863の各処理をスキップしてS1864の処理を実行する。
従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアのうち、変動パターン、変動開始時間等の各データが未更新の保留エリアであり、最も変動開始時間の早い保留エリアから順に変動開始時間を算出し、保留エリアの変動開始時間記憶エリア223k5に記憶する(S1864)。なお、全ての保留エリアについて、未更新の保留エリアである場合には、現在、変動中の第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間より、変動開始時間を判別して、変動開始時間の早いほうの保留エリアより再算出して記憶する。
S1864の処理で、変動開始時間を再算出した保留エリアに対応する特別図柄が変動開始可能となるときの遊技状態は、高確率遊技状態(確変遊技状態)であるか判別される(S1864)。変動開始時の遊技状態が高確率遊技状態であると判別された場合には(S1865:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて、当否判定結果記憶エリア223k1に記憶されている特別当たり乱数カウンタC1の値を判定して、その判定結果を当否判定結果記憶エリア223k1に記憶する(S1866)。一方、変動開始時の遊技状態は、低確率遊技状態(通常遊技状態)であると判別された場合には(S1865:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアの当否判定結果記憶エリア223k1に記憶されている特別当たり乱数カウンタC1の値を判定して、その判定結果を当否判定結果記憶エリア223k1に記憶する(S1867)。
従保留並び替え記憶エリア更新処理2(図147、S1868)を実行する。従保留並び替え保留記憶エリア更新処理2(図147、S1868)については、後述するが、各保留エリアについて、変動開始時に基づいて事前に判別した当否判定結果に基づいて、変動パターンを事前に決定して更新するための処理である。従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアに変動開始時間や変動パターン等の各データが未更新の保留エリアがあるか判別される(S1869)。未更新の保留エリアがあると判別された場合には(S1869:Yes)、S1864の処理に戻り、同様の処理が実行される。
一方、従並び替え保留エリア223kに未更新の保留エリアがないと判別された場合には(S1869:No)、各保留エリアの変動開始順序を変動開始時間に基づいて再付番して、変動順序記憶エリア223k4に記憶する(S1870)。従保留並び替え表示報知処理(図148、S1871)を実行する。従保留並び替え表示報知処理(図148、S1871)については、後述するが、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示されている保留図柄表示が変動開始順で並び替えて表示されているときに、表示されている保留図柄表示の順序に変更が生じた場合に、並び替え順序が変更されたことを遊技者に報知するための報知処理を実行するための処理である。
図147を参照して、第21実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221に実行される従保留並び替え順序決定処理(図146、S1851)の一処理である従保留並び替え保留記憶エリア更新処理2(S1868)について説明する。図147は、この従保留並び替え保留記憶エリア更新処理2(S1868)を示すフローチャートである。
第21実施形態における従保留並び替え保留記憶エリア更新処理2(図147、S1868)では、まず、保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)のS1866及びS1867の処理において予測した当否判定結果は大当たりであるか判別される(S1881)。予測した当否判定結果が大当たりであると判別された場合には(S1881:Yes)、予測した大当たりは確変大当たりであるか判別される(S1882)。この確変大当たりであるかの判別は、従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアにおける大当たり種別記憶エリア223k2に記憶されている特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて判別される。
予測した大当たりが確変大当たりであると判別された場合には(S1882:Yes)、並び替え保留記憶エリア223kの従先読み確変フラグ223k6をオンに設定する(S1883)。一方、予測した大当たりが通常大当たりであると判別された場合には(S1882:No)、S1883の処理をスキップしてS1884の処理が実行される。
変動開始時の遊技状態を判別して、その遊技状態に対応した特別当たり変動パターンテーブル222cより変動種別カウンタCS1の値と変動パターン判定用カウンタCS3の値とに基づいて、変動開始時に選択される変動パターンを事前に判別(予測)する(S1884)。一方、予測した当否判定結果が外れである場合には(S1881:No)、変動開始時の遊技状態を判別して、その遊技状態に対応した特別外れ変動パターンテーブル222dより変動種別カウンタCS1の値と変動パターン判定用カウンタCS3の値とこの変動パターンを選択する特別図柄の後に、対応する特別図柄の保留の数(第1特別図柄の保留球に対する変動パターンを予測する場合であれば、その保留球の後に成立している第1特別図柄の保留球の数)とに基づいて、変動開始時に選択される変動パターンを事前に判別(予測)する(S1885)。予測した当否、停止種別、および変動パターンを並び替え保留記憶エリアの対応する記憶エリアに記憶する(S1886)。
このように、保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)において、従並び替え保留記憶エリアの保留エリアの変動開始時間、変動パターンが更新されるので、保留球の増減や、新たな保留の成立により、すでに、変動開始順で並び替えて表示されている保留図柄表示の変動開始順序に変更が生じても、その都度、更新されたデータに基づいて保留図柄表示を変動開始順序で表示できる。よって、遊技者は、変化する遊技の状態において、最新の変動開始順序を認識することができ、分かり易く遊技を行うことができる。
また、主制御装置110は、保留図柄表示を並び替えるための制御を実行せず、入賞コマンドを送信して、音声ランプ制御装置113において、並び替えに必要な処理を実行するので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。よって、頻繁に、保留エリアのデータを更新して、常に最新の変動順序に更新することができる。
各保留エリアの変動開始時間は、その前に記憶されている同じ特別図柄の保留の変動時間により変化する。ここで、変動時間を決定する変動パターンは、保留球の数によって変わるため、保留されている間に、保留球の数が増えることで変更されることとなる。しかしながら、保留球の数に変化がある毎に、変動開始時間や選択される変動パターン等が更新されるので、常に正しい変動開始順序に更新することができる。また、保留球の数によって、選択される変動パターンを変化させることで、保留球の数を適度な個数に調整できる。よって、保留球が無くなり特別図柄の抽選が行われない時間が発生したり、保留球が上限値に達してしまい、オーバーフローが発生したりする不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、保留球の増減に関わらず、常に、保留エリアのデータを更新する構成としたが、それに限らず、保留球の数が増減した場合に、保留エリアのデータを更新するように構成してよい。また、保留の数が増加したときのみに、保留エリアのデータを更新するように構成してもよい。このように構成することで、保留エリアの更新頻度を少なくでき、音声ランプ制御装置113の制御負荷を軽減することができる。
次に、図148を参照して、第21実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)の一処理である従保留並び替え表示報知処理(S1871)について説明する。図148は、この従保留並び替え表示報知処理(S1871)について説明する。
従保留並び替え表示報知処理(図148、S1871)では、まず、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアのいずれかに並び替えフラグ223k7がオンであるエリアがあるか判別される(S1891)。並び替えフラグ223k7がオンである保留エリアがあると判別された場合には(S1891:Yes)、並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアの変動順序に変更ありか判別される(S1892)。ここで、変動開始順序に変更があるか否かは、S1870の処理で再付番を行う際に、異なる順序で更新されたかについて判別する。
変動開始順序に変更ありと判別された場合には(S1892:Yes)、並び替え順序変更フラグ223k9がオンに設定されているか判別される(S1893)。並び替え順序変更フラグ223k9がオンであると判別された場合には(S1893:Yes)、並び替え順序が再変更されたことを報知する報知コマンドを生成(セット)する(S1893)。本実施形態では、並び替え順序が再変更されたことの報知として、第3図柄表示装置81の上側表示領域Dmに「並び替え順序が再変更されました!」という文字が表示される。
一方、並び替え順序変更フラグ223k9がオフであると判別された場合には(S1893:No)、並び替え順序変動フラグ223k9をオンに設定する(S1895)。並び替え順序が変更されたことを報知する報知コマンドが生成(セット)される(S1896)。ここで、並び替え順序が変更されたことを報知する報知態様として、第3図柄表示装置81の上側表示領域Dmに「並び替え順序が変更されました!」という文字が表示される。このように保留図柄表示が並び替えられたことを遊技者に報知する構成となっている。
このように構成することで、保留個数の増減等により、各保留エリアの変動開始時に選択されると事前に判別される変動パターンが変更されることで、変動開始順序に変更が生じても、遊技者に適宜、分かりやすい報知態様で、並び替えされて表示されている保留図柄表示の並び替えが変更されたことを報知することができる。よって、遊技者は、保留図柄表示の並び替えがされたことを知った上で、保留図柄表示を識別することで、突然保留図柄表示の並び替えが行われて混乱することを抑制することができる。
また、並び替えが変更されたものが、再度、変更される場合には、異なる報知をするように構成したので、遊技者は、今回の変更が再度、変更されたものであることを容易に認識することで、遊技者の混乱をより抑制できる。
なお、本実施形態では、並び替え順序が再度、変更された場合には、文字で報知をしたが、それに限らず、並び替え順序の変更前と並び替え順序変更後をそれぞれ第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに並べて表示するように構成するようにしてもよい。また、変更回数を数字等で表してもよいし、変更回数に対応した色(例えば、変更1回目であれば青、2回目であれば赤等)で保留図柄表示や保留図柄表示エリアの背景を表示するように構成してもよい。このように構成することで、回数や色が変化することで、遊技者は容易に並び替え順が変更されたことを識別することができる。
また、並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアの並び替え順序が変更された場合に、そのことを示す専用のフラグを設定してオンに設定するように構成してもよい。この場合、並び替え順序の報知を行う処理を実行することに基づいて、フラグをオフに設定するように構成すればよい。
また、本実施形態では、遊技者が有効時間に枠ボタン22を操作することで、保留図柄表示を変動開始順で並び替えて表示するように構成したが、それ限らず、常に変動開始順で保留図柄表示を表示するように構成し、変動開始順序を常に、変更される毎に変更するように構成してもよい。
次に、メイン処理(図144、S1400)に戻り説明を続ける。第21実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図144、S1400)では、S1405の処理が実行された後で、保留個数表示更新処理5(図149、S1871)が実行される。
図149を参照して、第21実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図144、S1400)の一処理である保留個数表示更新処理5(図149、S1840)について説明する。図149は、この保留個数表示更新処理5(S1871)を示すフローチャートである。保留個数表示更新処理5(図149、S1871)は、並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアに対応する保留図柄表示を変動開始順序で、並び替えフラグ223k7がオフに設定されている保留エリアに対応する保留図柄表示を保留が成立した順序で表示する。また、変動開始順に表示されている保留図柄に対して、変動開始順序が変更された保留図柄表示に対して、保留図柄表示を点滅させて表示させて変動開始順序が変更されたことを報知する処理を実行する。
保留個数表示更新処理5(図149、S1840)では、まず、従並び替えフラグ223k7がオンに設定されている保留エリアに対応する保留図柄表示を変動開始順序で表示させ、並び替えフラグ223k7がオフに設定されている保留エリアに対応する保留図柄表示を保留の成立順序で、表示制御装置114に表示させるための表示用保留表示コマンドを生成する(S1921)。
従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアのいずれかに並び替え順序変更フラグ223k9がオンに設定されている保留エリアがあるか判別される(S1922)。並び替え順序変更フラグ223k9がオンに設定されている保留エリアがあると判別された場合には(S1922:Yes)、並び替え順序変更フラグ223k9がオンに設定されている保留エリアに対応する保留図柄を点滅表示させる(S1923)。並び替え順序変更報知音コマンドをセットする(S1924)。ここで、並び替え順序変更報知音コマンドは、並び替えがされたことを示す効果音(例えば、ピンポーンというチャイム音等)が出力される。一方、並び替え順序変更フラグ223k9がオフであると判別された場合には(S1922:No)、この処理を終了する。
このように、並び替え順序が再変更された場合には、その箇所が点滅表示されるので、どこが再変更されたかを遊技者は容易に認識できる。よって、遊技者が、表示されている保留図柄表示が再変更されたものか否か分からなくなり混乱してしまうのを抑制できる。
なお、本実施形態では、並び替え順序変更フラグ223k7がオンに設定されている保留図柄表示を繰り返して点滅して表示する構成としたが、それに限らず、点滅表示させる処理を実行したら、並び替え順序変更フラグ223k7をオフに設定し、点滅表示を所定時間実行させて終了するように構成してもよい。
また、再変更された保留図柄表示に対して点滅表示するように構成したが、並び替え順序が変更された保留図柄表示に対して点滅表示等の報知を行うようにしてもよい。また、並び替え順序が変更されたことを報知する報知態様として、点滅表示に限らず、保留図柄表示を回転表示させる等の報知態様で並び替え順序が変更されたことを報知するように構成してもよい。また、順序が変更された回数に基づいて、報知態様を変化させてもよい。具体的には、変更回数が1回であれば、保留図柄表示を揺らして表示、変更回数が2回であれば、保留図図柄表示を拡大縮小を繰り返して表示等。
また、並び替え順序変更報知音コマンドにより報知される報知音は、「並び替え順序が変更されました!」という音声であってもよい。また、変更回数に基づいて、「並び替え順序が再変更されました!」、「並び替え順序が○回目の変更がされました!」等の報知をするように構成してもよい。
このように、本実施形態では、変動開始時の保留個数によって、選択される変動パターンが決定される構成であっても、常時、遊技の状態に基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221により、変動開始時に選択される変動パターンが事前に判別されて更新されるので、常に、正しい保留図柄表示の変動開始順序を報知することができる。
また、本実施形態では、全ての保留データが記憶されている保留エリアに対して、毎回、データを更新する構成としたが、変動開始時の保留個数が確定した保留エリア(例えば、特別図柄の保留球の数のうち、1番目の保留エリアに対して、保留球が上限値である4個まで記憶されている状態等)に対しては、更新を止めるまたは禁止するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113の制御負荷を軽減させることができる。また、変動開始順に表示されている保留図柄表示のうち、変動開始順序が確定した保留図柄表示(この先、変動開始順序が変更されることがない保留図柄表示)に対して、変動開始順序が確定していることを報知する表示態様で表示してもよい(例えば、保留図柄表示の表示色を特定の色で表示したり、確定している保留図柄表示に対して「HOLD」等の変動順序が確定したことを示す文字を表示する)。
また、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、並び替えの制御を行う場合に付いて説明したが、第1実施形態に示したように、主制御装置110において、並び替えの処理を実行する構成にしてもよい。この場合には、タイマ割込処理(図14)毎に並び替え保留記憶エリア203uの各データ(変動パターンや変動開始時間等)を更新するように構成すればよい。そして、更新する毎に、並び替え保留記憶エリア203uに基づいた更新コマンドを生成して、音声ランプ制御装置113に対して更新コマンドを出力するように構成すればよい。
次に、第21実施形態の変形例について説明する。第21実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留並び替え順序決定処理2(図146、S1851)が実行される毎に、従並び替え保留エリア223kの各保留エリアの動的表示態様について現在の保留球数に基づいて更新することで、随時、正確な変動開始順序を遊技者に報知する場合について報知した。しかしながら、本第21実施形態の変形例では、図142、図143に示すように、スーパーリーチ各種の変動パターンは、保留個数の増減に関わらず、同じ変動種別カウンタCS1の値で選択される。また、第21実施形態の変形例では、各スーパーリーチが選択される変動パターン判定用カウンタCS3の値も保留球の数に関わらず一定に構成する。このように構成することで、外れスーパーリーチとなる場合には、変動パターンを入賞時の第1先読み処理(図25、S907)または第2先読み処理(図27、S914)において確定できる。よって、本第21実施形態の変形例では、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留並び替え順序決定処理(図示せず)では、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアに記憶されている変動パターンを判別して、保留球数が増減しても、変動パターンが変更されることのない変動パターンで構成されている場合に、並び替え可能期間として設定する。一方、保留の増減によって変動パターンが変更される変動パターンが記憶されている場合には、並び替え可能期間を解除(または並び替え禁止期間に設定)して並び替えが実行されないようにする。なお、保留の増減により変動パターンが変更されない変動パターンは、保留が上限まで記憶されていて、その先頭に記憶されている変動パターンや、当たりの変動パターン、外れスーパーリーチとなる変動パターンで構成される。
このように構成することで、遊技者に正確な変動開始順序を報知できるときに、遊技者に並び替え可能であることを報知して、並び替えを枠ボタン22を操作することで実行することができ、より遊技者に混乱を抑制することができる。
なお、第1実施形態から第21実施形態までの構成を適宜組み合わせてもよい。
以下に、本発明のスロットマシン及び遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の時間情報に関わる動的表示態様を決定し、前記第2当否判定手段の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の時間情報に関わる動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、成立した第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序と前記動的表示態様決定手段が決定した動的表示態様に関する情報とを少なくとも有する保留情報を記憶する保留情報記憶手段と、その保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との保留情報を区別しつつ、各保留情報毎に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様で表示される保留表示手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立して、新たな保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示時間と先に記憶されている各保留情報毎の動的表示態様とに基づいて、新たな保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を決定して、前記保留情報記憶手段に記憶する動的表示開始時間情報決定手段と、予め定められた条件が成立したことを契機に、前記動的表示開始時間情報決定手段により保留情報記憶手段に記憶された各動的表示開始時間情報に基づいて、前記保留表示手段に表示される保留表示態様を、前記動的表示を開始する順序で並び替える並び替え手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の時間情報に関わる動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の時間情報に関わる動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示が開始されるまでの間、成立した第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序と動的表示態様決定手段が決定した動的表示態様に関する情報とを少なくとも有する保留情報が保留情報記憶手段に記憶される。その保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との保留情報を区別しつつ、各保留情報毎に第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様の表示として保留表示手段で行われる。第1または第2当否判定条件が成立して、新たな保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示時間と先に記憶されている各保留情報毎の動的表示態様とに基づいて、新たな保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により決定され、保留情報記憶手段に記憶される。そして、予め定められた条件が成立したことを契機に、動的表示開始時間決定手段により保留情報記憶手段に記憶された各動的表示開始時間情報に基づいて、保留表示手段に表示される保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替え手段により並び替えられる。これにより、例えば、先に第1抽選遊技の保留情報が記憶されている状態で新たに第2抽選遊技の保留情報が記憶される。このときに動的表示中の第1識別情報の残り動的表示時間が動的表示中の第2識別情報の残り動的表示時間よりも長い場合には、新たに記憶される第2抽選遊技の保留情報に対応する第2識別情報の動的表示の開始時間の方が、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報に対応する第1識別情報の動的表示の開始時間よりも早くなる。しかしながら、保留表示態様は、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立した順序を示す保留表示態様で順に表示されるので、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報の後の順序を示す保留表示態様で、新たに記憶された第2抽選遊技の保留表示態様が表示される。すると、実際の動的表示の開始順序と当否判定条件の成立順序が異なってしまう場合が発生するが、予め定められた条件が成立したことを契機に、並び替え手段により実際の動的表示の開始順序で並び替えて表示される。よって、遊技者は、実際の当否判定条件の成立順序と異なった順序で第1識別情報または第2識別情報が動的表示開始される場合にも、並び替え手段により動的表示の開始順序で保留表示態様が並び替えされるので、遊技者の混乱を抑制することができる。
遊技機A1の遊技機において、前記第1当否判定条件と前記2当否判定条件とが交互に成立することを補助する条件振り分け手段を有するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1当否判定条件と第2当否判定条件とが交互に成立することが振り分け手段により補助される。これにより、第1当否判定条件と第2当否判定条件とが均等に成立し易くなり、第1抽選遊技と第2抽選遊技との実行を効率良く行うことで、より短時間に多くの遊技を行うことができる。
遊技機A1またはA2の遊技機において、前記並び替え手段は、前記第1または第2当否判定条件が新たに成立して、前記保留情報記憶手段に保留情報が記憶される場合に、その保留情報記憶手段に先に記憶されている各保留情報に対応する動的表示開始時間情報に基づいて、新たに成立した保留情報と先に記憶されている保留情報とに対応する前記第1または第2識別情報の動的表示開始順序を決定し、その順序を保留情報に関連させて前記保留情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2当否判定条件が新たに成立して、保留情報記憶手段に保留情報が記憶される場合に、先に保留情報記憶手段に記憶されている各保留情報に対応する動的表示開始時間情報に基づいて、新たに記憶される保留情報と先に記憶されている保留情報とに対応する第1または第2識別情報の動的表示開始順序が決定され、その順序が各保留情報に関連させて並べ替え手段により保留情報記憶手段に記憶される。これにより、新たに第1または第2当否判定条件が成立して、その保留情報が記憶される毎に、動的表示開始順序が更新される。よって、予め定められた条件が成立すると、その更新された動的表示開始順序に基づいて、保留表示態様を並び替えることができる。従って、動的表示開始順序に変更があった場合にも、それに対応した動的表示開始順序で保留表示態様を並び替えることが可能となり、遊技者により正確な動的表示開始順序を報知することができる。
遊技機A1からA3のいずれかの遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記並び替え手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記予め定められた条件が成立したとして、前記保留表示態様を並べ替えるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記並び替え手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記予め定められた条件が成立したとして、前記保留表示態様を並べ替えるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたこと場合に、予め定められた条件が成立したものとして、保留表示態様が並び替え手段により並び替えられる。これにより、遊技者の意図するタイミングで保留表示態様に並び替えを行うことができ、遊技者が正確な動的表示開始順序を知りたいタイミングで遊技者に正しい動的表示開始順序を報知することができる。
遊技機A1からA4のいずれかの遊技機において、前記並び替え手段は、前記第1または第2当否判定条件が新たに成立した場合に、前記予め定められた条件が成立したとして、前記保留表示手段に表示される保留表示態様を並び替えるものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2当否判定条件が新たに成立した場合に、予め定められた条件が成立したとして、保留表示手段に表示される保留表示態様が並び替え手段により並び替えられる。これにより、新たな保留表示態様が表示された場合には、保留表示態様が並び替えられているので、遊技者は、正確な動的表示開始順序を知ることができる。
遊技機A1またはA5の遊技機において、前記特典遊技実行手段が特典遊技を実行した後で実行する第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定が、通常時より当たりとなり易い特別遊技状態に移行させるか否かを抽選するための抽選情報を、前記第1または第2当否判定条件の成立に基づいて取得し、前記第1または第2当否判定条件が成立して、その成立した判定条件に対応した保留情報を記憶する場合には、その保留情報に関連させて前記抽選情報を前記保留情報記憶手段に記憶する遊技状態抽選手段を有し、前記当否判定手段は、前記保留情報記憶手段に記憶されている各保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、前記動的表示開始時間情報決定手段が決定した動的表示開始時間情報に基づいて、各保留情報に対応する動的表示開始時情報の遊技状態が前記特別遊技状態であるかを前記遊技状態抽選手段により判断して事前に当否判定を行う事前判定を実行し、その結果を前記各保留情報に関連させて前記保留情報記憶手段に記憶する一方、前記保留情報記憶手段に記憶されている各保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となった場合には、その変動開始可能となった場合の遊技状態に基づいて、当否判定を正式に実行するものであり、前記動的表示態様決定手段は、前記保留情報記憶手段に記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、前記当否判定手段が前記保留情報記憶手段に記憶した事前判定の判定結果に基づいて前記動的表示態様を決定する一方、前記保留情報記憶手段に記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となった場合には、その場合に実行された当否判定手段の判定結果に基づいて動的表示態様を決定するものであることを特徴とするの遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1からA5のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段が特典遊技を実行した後で実行される第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定が通常時よりも当たり易い特別遊技状態に移行させるか否かを抽選するための抽選情報が、遊技状態抽選手段により第1または第2当否判定条件の成立に基づいて取得される。また、第1または第2当否判定条件が成立して、その成立した判定条件に対応した保留情報が記憶される場合には、その保留情報に関連させて、抽選情報が遊技状態抽選手段により保留情報記憶手段に記憶される。保留情報記憶手段に記憶されている各保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、動的表示開始時間決定手段が決定した動的表示開始時間に基づいて、各保留情報に対応する動的表示開始時の遊技状態が特別遊技状態であるかを遊技状態抽選手段により判断して、事前に当否判定を行う事前判定が当否判定手段により実行される。そして、その結果が各保留情報に関連させて保留記憶手段に当否判定手段により記憶される。一方、保留情報記憶手段に記憶されている各保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となった場合には、その場合の遊技状態に基づいて当否判定が当否判定手段により正式に実行される。保留情報記憶手段に記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、保留情報記憶手段に記憶された当否判定手段による事前判定の判定結果に基づいて、動的表示時間が決定される。一方、保留情報記憶手段に記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となった場合には、その場合に実行された当否判定手段の判定結果に基づいて動的表示時間が動的表示時間決定手段により決定される。これにより、新たに保留情報が記憶されて、動的表示開始順序に変更が生じても、正しい動的表示開始順序に基づいて、動的表示開始時の遊技状態が判断され当否判定が行われる。よって、正しい当否判定結果に基づいて、動的表示時間を事前に決定することができ、次に新たな当否判定条件が成立した場合にも、正しい動的表示開始順序を決定することがきる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを交互に成立させることを補助する条件振り分け手段と、その条件振り分け手段により補助されて前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、それぞれ所定上限回数まで前記第1または第2抽選遊技を行う権利として記憶する保留記憶手段と、を有していることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件と第2当否判定条件とが交互に成立することが条件振り分け手段により補助される。その条件振り分け手段により補助されて第1または第2当否判定条件が成立した場合に、それぞれ所定上限数まで第1または第2抽選遊技を行う権利が保留記憶手段により記憶される。これにより、第1当否判定条件と第2当否判定条件とが均等に成立し易くなり、第1抽選遊技と第2抽選遊技を行う権利を均等に記憶することができ、第1抽選遊技を行う権利と第2抽選遊技を行う権利とのどちらか一方が偏って上限数まで先に記憶されてしまうのを防止することができる。よって、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを行う権利をそれぞれ上限数まで記憶させるのに、どちらか一方で上限数以上の権利が発生してしまい無効となってしまう不具合を抑制することができる。
遊技機C1の遊技機において、遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球が入球することで、前記第1当否判定条件の成立となる第1始動口と、前記遊技領域を流下する遊技球が入球することで、前記第2当否判定条件の成立となる第2始動口と、を有し、前記条件振り分け手段は、前記第1始動口と前記第2始動口とに遊技球が交互に入球することを補助する遊技球誘導部を有していることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域を流下する遊技球が第1始動口に入球すると第1当否判定条件の成立とされる一方、遊技球が第2始動口に入球すると第2当否判定条件の成立とされる。第1始動口と第2始動口とに遊技球が交互に入球することが条件振り分け手段の遊技球誘導部により補助される。これにより、遊技者は、遊技球を遊技領域に流下させることで、遊技球を第1始動口と第2始動口とに交互に入球させ易くなって、第1抽選遊技と第2抽選遊技との実行を効率良く行うことができるので、より短時間に多くの抽選遊技を行うことができる。
遊技機C2の遊技機において、前記並び替え手段は、前記第1または第2当否判定条件が新たに成立して、前記保留情報記憶手段に保留情報が記憶される場合に、その保留情報記憶手段に先に記憶されている各保留情報に対応する動的表示開始時間に基づいて、新たに成立した保留情報と先に記憶されている保留情報とに対応する前記第1または第2識別情報の動的表示開始順序を決定し、その順序を保留情報に関連させて前記保留情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件振り分け手段の入球口から入球した遊技球を受けて第1方向に所定角度まで回動して第1誘導路を介して第1始動口へと遊技球が遊技球誘導部により誘導された後、次に入球口から入球した遊技球を第1方向へ所定角度まで回動した状態で受けて、第1方向と反対の方向である第2方向に所定角度回動して第2誘導路を介して第2始動口へと遊技球が遊技球誘導部により誘導される。これにより、共通の部材を利用して、第1始動口と第2始動口とへ交互に遊技球を振り分けて誘導することが可能となり、第1始動口と第2始動口とへそれぞれ振り分ける部材を設ける場合と比較して、遊技球を振り分ける構造をコンパクトに構成することができる。
遊技機C3の遊技機において、前記条件振り分け手段の遊技球誘導部は、前記第1方向に所定角度まで回動した状態で、前記入球口に入球した遊技球と対面する位置に配置されて、その入球した遊技球を受けて前記第2方向に所定角度まで回動する第1受動部と、前記第2方向に所定角度まで回動した場合に、前記入球口に入球した遊技球と対面する位置に配置されて、その入球した遊技球を受けて所定角度まで回動する第2受動部と、前記第1受動部が前記入球口より入球した遊技球を受けて前記第2方向に回動した後、次に遊技球が前記入球口に入球する前に、前記第1方向に回動することを妨げる、または、前記第2受動部が前記入球口より入球した遊技球を受けて前記第1方向に回動した後、次に遊技球が前記入球口に入球する前に、前記第2方向に回動することを妨げる回動規制部と、を有していることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件振り分け手段の遊技球誘導部が第1方向に所定角度まで回動した状態で、入球口に入球した遊技球と対面する位置に遊技球誘導部の第1受動部が配置されて、その入球した遊技球を第1受動部が受けることにより第2方向に所定角度まで回動される。また、条件振り分け手段の遊技球誘導部が第2方向に所定角度まで回動した状態で、入球口に入球した遊技球と対面する位置に遊技球誘導部の第2受動部が配置され、その入球した遊技球を第2受動部が受けることにより第1方向に所定角度まで回動される。第1受動部が入球口より入球した遊技球を受けて第2方向に回動した後、次に遊技球が入球口に入球する前に、第1方向に回動することが、または、第2受動部が入球口より入球した遊技球を受けて第1方向に回動した後、次に遊技球が入球口に入球する前に、第2方向に回動することが回動規制部により妨げられる。これにより、遊技球誘導部が回動して遊技球を一方の誘導路へ誘導した後に、次の遊技球が入球する前に、他方の方向へ回動してしまい、次に入球した遊技球も、その遊技球の前に入球した遊技球と同じ誘導路に誘導してしまう不具合を防止することができる。よって、入球口に入球する遊技球をより正確に交互に第1始動口と第2始動口とに誘導することが可能となり、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを行う権利を均等に記憶させることができる。
遊技機C1の遊技機において、遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球が入球することで、前記第1または第2当否判定条件の成立となる共通始動口と、を有し、前記条件振り分け手段は、前記共通始動口に遊技球が入球する毎に、制御的に交互に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを成立させるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域を流下する遊技球が共通始動口に入球する毎に、第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立が条件振り分け手段により制御的に交互に振り分けられる。これにより、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを共通の始動口で交互に行うことができ、遊技領域をコンパクトに構成することができる。
遊技機A1からA5、B1のいずれかの遊技機において、前記並べ替え手段による前記保留表示手段での保留表示態様の並べ替え表示の実行後、前記第1または第2当否判定条件が新たに成立した場合には、前記並び替え表示された保留表示態様の表示順序を維持した状態で、その新たに成立した第1または第2当否判定条件を示す保留表示態様が、その成立した順序で前記保留表示手段に表示されるものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1からA5、B1のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、並べ替え手段による保留表示手段での保留表示態様の並べ替え表示の実行後、第1または第2当否判定条件が成立した場合には、並び替え表示された保留表示態様の表示順序を維持した状態で、その新たに成立した第1または第2当否判定条件を示す保留表示態様が、その成立した順序で保留表示手段に表示される。これにより、並び替え表示の実行後に第1または第2当否判定条件が成立して対応する保留表示態様が表示される場合にも、並び替え表示された保留表示態様の表示順序は維持されているので、遊技者は、並び替えが行われた時点での動的表示を開始する順序を正確に認識することができる。よって、遊技者は、並び替えが行われた保留表示態様か並び替えが行われていない表示態様かを、保留表示態様に表示されたタイミングが並び替えが行われる前か後かで識別することができる。従って、保留表示態様がどの順序を示しているか認識し易くできる。
遊技機D1の遊技機において、前記並び替え表示の実行済みの保留表示態様とその並び替え表示が未実行の保留表示態様とが前記保留表示手段に混在して表示された状態で、前記並べ替え手段の実行契機となる予め定められた条件が新たに成立した場合、前記並べ替え手段は、前記保留表示手段に表示されている全ての保留表示態様を、動的表示を開始する順序で並べ替えるものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、並び替え表示の実行済みの保留表示態様と未実行の保留表示態様とが保留表示手段に混在して表示された状態で、並べ替え手段の実行契機となる予め定められた条件が新たに成立した場合、保留表示手段に表示されている全ての保留表示態様が、動的表示を開始する順序で並べ替え手段により並べ替えられる。これにより、並び替え実行後と並び替え未実行との保留表示態様が混在して表示されていても、再度、並べ替えが実行されることで、正確な動的表示を開始する順序を、並べ替え実行後の保留表示態様により識別することができる。
遊技機A1からA5、B1、D1またはD2のいずれかの遊技機において、前記保留情報記憶手段は、前記第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、前記当否判定手段による当否判定に用いる当否判定情報と前記動的表示態様決定手段による動的表示態様の決定に用いる動的表示決定情報とを少なくとも有する通常保留情報が記憶される通常保留記憶領域と、その通常保留記憶領域に記憶された通常保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となる前に、その通常保留情報に基づいて、前もって前記当否判定手段による当否判定結果と前記動的表示態様決定手段による動的表示態様と前記動的表示開始時間情報決定手段による動的表示開始時間情報とが決定されて並び替え情報として記憶される並び替え保留記憶領域とを有し、前記第1または第2当否判定条件が新たに成立すると、前記並び替え保留記憶領域の先に記憶されている各並び替え情報に対応する動的表示開始時間情報に基づいて、新たに成立した前記通常保留記憶領域に記憶された前記通常保留情報と先に前記通常保留記憶領域に記憶されている前記通常保留情報とのそれぞれに対応する前記第1または第2識別情報の動的表示が開始される順序を決定し、その順序を前記並び替え保留記憶領域に記憶させる並び替え順序決定手段を有することを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機A1からA5、B1、D1またはD2のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、当否判定に用いる当否判定情報と動的表示態様の決定に用いる動的表示決定情報とを少なくとも有する通常保留情報が保留情報記憶手段の通常保留記憶領域に記憶される。その通常保留記憶領域に記憶された通常保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となる前に、その通常保留情報に基づいて、前もって当否判定結果と動的表示態様と動的表示開始時間情報とが決定されて並び替え情報として保留情報記憶手段の並び替え保留記憶領域に記憶される。第1または第2当否判定条件が新たに成立すると、並び替え保留記憶領域の先に記憶されている各並び替え情報に対応する動的表示開始時間情報に基づいて、新たに成立して通常保留記憶領域に記憶された通常保留情報と先に通常保留記憶領域に記憶されていた通常保留情報とのそれぞれに対応する第1または第2識別情報の動的表示が開始される順序を決定し、その順序が並び替え保留記憶領域に並び替え順序決定手段により記憶される。これにより、抽選遊技を実行するためのデータと並び替え順序を決定するためのデータとを分けて処理することが可能となり、並び替えの順序を決定する処理を容易にすることができる。よって、並び替えを実行する処理の変更等を容易に行うことができ、遊技機の開発を容易にすることができるという効果がある。
遊技機E1の遊技機において、遊技の主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段が出力する従制御信号に従って遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、前記保留情報記憶手段を有し、その保留情報記憶手段の並び替え保留記憶領域に並び替え情報が記憶され、その並び替え情報に基づいて、前記並び替え順序決定手段により並び替え順序が決定される毎に、前記並び替え保留記憶領域に記憶された各並び替え順序を示す入賞信号を従制御手段に出力し、前記従制御手段は、前記入賞信号に基づいて、その入賞信号が示す各並び替え順序が記憶される従並び替え保留記憶領域を有した従保留情報記憶手段と、前記従並び替え保留記憶領域に記憶された並び替え順序に基づいて、前記保留表示態様の並び替えを実行する前記並び替え手段と、を有することを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の主な制御を実行する主制御手段からの従制御信号に従って従制御手段により遊技の制御が実行される。主制御手段の並び替え保留記憶領域に並び替え情報が記憶され、その並び替え情報に基づいて、並び替え順序決定手段により並び替え順序が決定される毎に、並び替え保留記憶領域に記憶された各並び替え順序を示す入賞信号が主制御手段により従制御手段に出力される。また、従制御手段では、その入賞信号が示す各並び替え順序が従保留情報記憶手段の従並び替え保留記憶領域に記憶される。そして、従並び替え保留記憶領域に記憶された並び替え順序に基づいて、保留表示態様の並び替えが従制御手段の並び替え手段により実行される。これにより、主制御手段は、予め定められた条件が成立しても保留表示態様を並び替える処理をする必要がなく、主制御手段の制御負荷を軽減することができる。
遊技機E1の遊技機において、遊技の主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段が出力する従制御信号に従って遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、前記保留情報記憶手段を有し、その保留情報記憶手段の並び替え保留記憶領域に並び替え情報が記憶される毎に、前記並び替え保留記憶領域に記憶された各並び替え情報を示す入賞信号を従制御手段に出力し、前記従制御手段は、前記入賞信号に基づいて、その入賞信号が示す各並び替え情報が記憶される従並び替え保留記憶領域を有した従保留情報記憶手段を有し、前記従並び替え保留記憶領域の各並び替え情報における動的表示開始時間に基づいて並び替え順序を決定して、前記従並び替え保留記憶領域に記憶させる前記並び替え順序決定手段と、前記従並び替え保留記憶領域に記憶された並び替え順序に基づいて、前記保留表示態様の並び替えを実行する前記並び替え手段と、を有することを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の主な制御を実行する主制御手段からの従制御信号に従って従制御手段により遊技の制御が実行される。主制御手段の並び替え保留記憶領域に並び替え情報が記憶される毎に、並び替え保留記憶領域に記憶された各並び替え情報を示す入賞信号が主制御手段により従制御手段に出力される。また、従制御手段では、その入賞信号が示す各並び替え情報が従保留情報記憶手段の従並び替え保留記憶領域に記憶される。そして、従並び替え保留記憶領域に記憶された並び替え情報における動的表示開始時間に基づいて、並び替え順序が決定され、前記従並び替え保留記憶領域に従制御手段の並び替え順序決定手段により記憶される。その記憶された並び替え順序に基づいて、保留表示態様の並び替えが従制御手段の並び替え手段により実行される。これにより、主制御手段は、並び替え順序を決定する必要がなく、従制御手段によって並び替え順序を入賞信号に基づいて決定することができるので、主制御手段の制御負荷を軽減することができる。よって、保留表示態様の並び替えを主制御手段の制御負荷を抑えて実行することができる。
遊技機A1からA5、B1、D1またはD2、E1からE3のいずれかの遊技機において、前記保留情報記憶手段は、前記第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、前記当否判定手段による当否判定に用いる当否判定情報と前記動的表示態様決定手段による動的表示態様の決定に用いる動的表示決定情報とが記憶される通常保留記憶領域と、その通常保留記憶領域に記憶された各情報に対応する第1または第2識別情報とが動的表示可能となる前に、その各情報に基づいて、前もって前記当否判定手段による当否判定結果と前記動的表示態様決定手段による動的表示態様と前記動的表示開始時間情報決定手段による動的表示開始時間情報とが決定されて並び替え情報として記憶される並び替え保留記憶領域とを有し、前記並び替え手段は、前記予め定められた条件が成立した場合に、そのときに表示されている保留表示態様毎に、前記並び替え保留記憶領域に並び替え有効情報を記憶し、その並び替え保留記憶領域の各並び替え情報に基づいて、前記保留表示手段に表示される保留表示態様の並び替えを実行するものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機A1からA5、B1、D1またはD2、E1からE3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、当否判定に用いる当否判定情報と動的表示態様の決定に用いる動的表示決定情報とが保留情報記憶手段の通常保留記憶領域に記憶される。その通常保留記憶領域に記憶された各情報に対応する第1または第2識別情報とが動的表示可能となる前に、その各情報に基づいて、前もって当否判定結果と動的表示態様と動的表示開始時間情報とが決定されて並び替え情報として保留情報記憶手段の並び替え保留記憶領域に記憶される。予め定められた条件が成立した場合に、そのときに表示されている保留表示態様毎に、並び替え保留記憶領域に並び替え有効情報が並び替え手段により記憶され、その並び替え保留記憶領域の各並び替え情報に基づいて、保留表示手段に表示される保留表示態様の並び替えが実行される。よって、予め定められた条件が成立したときに表示されていた保留表示態様を、動的表示を開始する順序で正確に並び替えすることができる。
遊技機F1の遊技機において、前記並び替え手段は、前記保留表示手段に表示される保留表示態様を、所定の更新契機毎に繰り返し更新して表示するものであり、前記保留表示手段への保留表示態様の表示は、前記並び替え有効情報が記憶されている並び替え保留記憶領域の保留表示態様については、動的表示を開始する順序で並び替えて表示する一方、前記並び替え有効情報が記憶されていない並び替え保留記憶領域の保留表示態様については、前記第1または第2当否判定条件が成立した順序で表示するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F1によれば、遊技機F1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留表示手段に表示される保留表示態様が、所定の更新契機毎に繰り返し更新して並び替え手段により表示される。並び替え有効情報が記憶されている並び替え保留表示領域の保留表示態様が、動的表示を開始する順序で並び替えて並び替え手段により表示される。一方、並び替え有効情報が記憶されていない保留表示態様が、第1または第2当否判定条件が成立した順序で並び替え手段により表示される。よって、並び替えが実行された保留表示態様を、動的表示を開始する順序で正確に並び替えした順序を維持して表示することができる。従って、並び替え実行済みと並び替え未実行の保留表示態様を分けて表示することができ、並び替え実行後に新たな保留表示態様が表示されても、並び替え実行済みの保留表示態様の動的表示が開始される順序を容易に遊技者が認識することができる。
遊技機A1からA5、B1、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2のいずれかの遊技機において、前記特典遊技実行手段が特典遊技を実行した後で実行する第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定が、通常時より当たりとなり易い特別遊技状態に移行させるか否かを抽選するための抽選情報を、前記第1または第2当否判定条件の成立に基づいて取得し、前記第1または第2当否判定条件が成立して、その成立した当否判定条件に対応した保留情報を記憶する場合には、その保留情報に関連させて前記抽選情報を前記保留情報記憶手段に記憶する遊技状態抽選手段を有し、前記当否判定手段は、前記第1または第2当否判定条件が新たに成立して、前記保留情報記憶手段に保留情報を記憶する場合に、前記動的表示開始時間情報決定手段が決定した動的表示開始時間情報に基づいて、その新たに記憶された保留情報に対応する前記第1または第2識別情報の動的表示を開始することが可能となったときの遊技状態が前記特別遊技状態であるかを前記遊技状態抽選手段が判断して、事前に当否判定を行う事前判定を実行し、その結果を前記保留情報記憶手段に記憶し、その当否判定の結果が前記特別遊技状態に移行する当たりであり、且つ、前記新たに記憶された保留情報に対応する動的表示が開始となる順序が先に記憶されている保留情報よりも早ければ、前記新たに記憶された保留情報に対応する動的表示開始となる順序よりも後の順序となる保留情報に対して、再度、動的表示を開始するときの遊技状態が前記特別遊技状態であるかを、前記遊技状態抽選手段がそれぞれ判断して、事前に当否判定を行う事前判定をそれぞれ実行して、その結果を前記保留情報記憶手段にそれぞれ記憶するものであり、前記動的表示態様決定手段は、前記保留情報記憶手段に記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、前記保留情報記憶手段に新たな保留情報が記憶される毎に、前記当否判定手段が前記保留情報記憶手段に記憶した前記事前判定の判定結果に基づいて、前記動的表示態様を事前にそれぞれ決定して前記保留情報記憶手段に記憶する一方、前記保留情報記憶手段に記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となった場合には、その場合に実行された当否判定手段の判定結果に基づいて、動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機A1からA5、B1、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段が特典遊技を実行した後で実行される第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定が通常時よりも当たり易い特別遊技状態に移行させるか否かを抽選するための抽選情報が、遊技状態抽選手段により第1または第2当否判定条件の成立に基づいて抽選される。また、第1または第2当否判定条件が成立して、その成立した当否判定条件に対応した保留情報を記憶する場合には、その保留情報に関連させて、抽選結果が遊技状態抽選手段により保留情報記憶手段に記憶される。第1または第2当否判定条件が新たに成立して、保留情報記憶手段に保留情報を記憶する場合に、動的表示開始時間情報決定手段が決定した動的表示開始時間情報に基づいて、その新たに記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示の開始が可能となったときの遊技状態が特別遊技状態であるかを遊技状態抽選手段が判断して、事前に当否判定を行う事前判定が当否判定手段により実行され、その結果が保留情報記憶手段に記憶される。そして、その結果が特別遊技状態に移行する当たりであり、且つ、新たに記憶された保留情報に対応する動的表示が開始となる順序が先に記憶されている保留情報よりも早ければ、その後の順序となる保留情報に対して、再度、動的表示を開始するときの遊技状態が特別遊技状態であるかを遊技状態抽選手段がそれぞれ判断して、事前に当否判定を行う事前判定が当否判定手段により実行され、その結果が保留情報記憶手段に記憶される。保留情報記憶手段に記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、保留情報記憶手段に新たな保留情報が記憶される毎に、事前判定の判定結果に基づいて、動的表示態様が動的表示態様決定手段により事前にそれぞれ決定され、保留情報記憶手段に記憶される。一方、保留情報記憶手段に記憶された保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となった場合には、その場合に実行された当否判定手段の判定結果に基づいて、動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。これにより、新たに保留情報が記憶されて、動的表示を開始する順序に変更が生じて、先に記憶されていた保留情報の当否判定結果が変更となる場合にも、その当否判定結果を適宜、事前に再判定できる。よって、最新の当否判定結果に基づいて、動的表示態様を再度、決定することができ、動的表示が開始となる順序を正しく判断することができる。従って、動的表示を開始する順序で保留表示態様を並べ替えることができる。
遊技の主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの従制御信号に基づいて遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段の当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記主制御手段の当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、を有し、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が付与される遊技機において、前記主制御手段は、前記当否判定手段の判定結果に基づいて、前記第1または第2識別情報を所定の動的表示時間で動的表示させる動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段で決定した動的表示態様に基づいて、表示態様信号を生成して前記従制御手段に出力する表示態様信号生成手段と、前記第1または第2識別情報のどちらか一方が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、他方の第1または第2識別情報が動的表示中である場合には、その動的表示の中断を指示する中断信号を生成する一方、その当たりに基づく特典遊技が終了したことに基づいて、中断した動的表示の再開を指示する再開信号を生成する管理信号生成手段と、を有し、前記従制御手段の表示制御手段は、前記表示態様信号を受信したことに基づいて、その表示態様信号が示す動的表示態様を、第1または第2表示手段に動的表示させるものであり、前記従制御手段は、前記表示態様信号を受信したことに基づいて、動的表示の時間を計測する動的表示時間計測手段と、前記中断信号を受信したことに基づいて、前記動的表示時間計測手段の計測を中断する従時間管理手段と、前記再開信号を受信したことに基づいて、中断している動的表示態様の残りの動的表示時間を、前記動的表示時間計測手段の計測時間より判定して、その残りの動的表示時間に準じて、中断していた前記第1または第2識別情報の残りの動的表示時間に表示する動的表示態様である動的再表示態様を決定する従動的再表示態様決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技の主な制御を実行する主制御手段からの従制御信号に従って従制御手段により遊技の制御が実行される。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、従制御手段では、当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が付与される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。また、主制御手段では、第1または第2識別情報を所定の動的表示時間で動的表示させる動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。その動的表示態様決定手段で決定した動的表示態様に基づいて、表示態様信号が表示態様信号生成手段により生成され、従制御手段に対して出力される。そして、第1または第2識別情報のどちらか一方が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、他方の第1または第2識別情報が動的表示中であると、その動的表示の中断を指示する中断信号が管理信号生成手段により生成される。一方、その当たりに基づく特典遊技が終了したことに基づいて、中断した動的表示の再開を指示する再開信号が管理信号生成手段により生成される。また、従制御手段では、表示態様信号を受信したことに基づいて、その表示態様信号が示す動的表示態様が、第1または第2表示手段に表示制御手段により表示される。主制御手段からの表示態様信号を受信したことに基づいて、動的表示の時間が動的表示時間計測手段により計測される。主制御手段からの中断信号を受信したことに基づいて、動的表示時間計測手段の計測が従時間管理手段により中断される。一方、主制御手段からの再開信号を受信したことに基づいて、中断している動的表示態様の残りの動的表示時間を、動的表示時間計測手段の計測時間より判定して、その残りの動的表示時間に準じて、中断していた第1または第2識別情報の残りの動的表示時間に表示する動的表示態様である動的表示態様が従動的再表示態様決定手段により決定される。よって、特典遊技中に中断していた第1または第2識別情報の動的表示を開始させる場合に、残り時間に準じた動的再表示態様が決定されるので、遊技者に残りの動的表示時間に準じた動的再表示態様で判り易く抽選結果を報知することができる。また、主制御手段が残りの動的表示時間に合わせて動的再表示態様を選択して従制御手段に指示しなくとも、従制御手段が残りの動的表示時間に準じて、動的再表示態様を決定するので、主制御手段の制御負荷を軽減することができる。よって、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを同時に実行する遊技機でも、主制御手段の負荷増大を抑制して遊技の多彩な演出を行うことができる。
遊技機H1の遊技機において、前記従動的再表示態様決定手段は、前記残りの動的表示時間が基準時間以下であると判定された場合には、前記基準時間以内の動的表示時間で構成された前記動的再表示態様である短動的再表示態様を決定する一方、前記残りの動的表示時間が前記基準時間よりも長いと判別された場合には、前記基準時間より長い動的表示時間で構成された前記動的再表示態様である通常動的再表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段では、残りの動的表示時間が基準時間以下であると判定された場合には、基準時間以内の動的表示時間で構成された動的再表示態様である短動的再表示態様が従動的再表示態様決定手段により決定される。一方、残りの動的表示時間が基準時間より長いと判別された場合には、通常動的再表示態様が従動的再表示決定手段により決定される。よって、残りの動的表示時間に合わせて、動的再表示態様を決定することができる。従って、残りの動的表示時間が短時間となった場合にも、専用の動的再表示態様を決定することで、遊技者に判り易く抽選遊技の判定結果を報知することができる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、前記第1または第2抽選遊技を行う権利を、それぞれ所定上限回数まで記憶する保留記憶手段と、その保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を判断する回数判断手段と、を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記回数判断手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのそれぞれの成立回数が予め定められた回数以上の差があると判断した場合に、成立回数の多い方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、少ない方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様よりも短い動的表示時間の動的表示態様である短動的表示態様に決定するものであることを特徴とする遊技機I1。
請求項I1によれば、当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。第1または第2当否判定条件が成立した場合、第1または第2抽選遊技を行う権利が、それぞれ所定上限回数まで保留記憶手段により記憶される。その保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数が回数判断手段により判断される。回数判断手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのそれぞれの成立回数が予め定められた回数以上の差があると判断した場合、動的表示態様決定手段は、成立回数の多い方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、成立回数の少ない方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様よりも短い動的表示時間の動的表示態様である短動的表示態様に決定する。このように短動的表示態様を決定することで、成立回数の多い方の当否判定条件に対応する抽選遊技が短時間で行われるので、保留記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数の差異が小さくなるように調整できる。よって、第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を、上限回数まで均等に保留記憶手段に記憶し易くでき、オーバーフローを抑制することができるという効果がある。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、前記第1または第2抽選遊技を行う権利を、それぞれ所定上限回数まで記憶する保留記憶手段と、その保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を判断する回数判断手段と、を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記回数判断手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのそれぞれの成立回数が予め定められた回数以上の差があると判断した場合に、成立回数の少ない方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、多い方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様よりも長い動的表示時間の動的表示態様である長動的表示態様に決定するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。第1または第2当否判定条件が成立した場合、第1または第2抽選遊技を行う権利が、それぞれ所定上限回数まで保留記憶手段により記憶される。その保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数が回数判断手段により判断される。回数判断手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのそれぞれの成立回数が予め定められた回数以上の差があると判断した場合、動的表示態様決定手段は、成立回数の少ない方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、成立回数の多い方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様よりも長い動的表示時間の動的表示態様である長動的表示態様に決定する。このように長動的表示態様を決定することで、成立回数の少ない方の当否判定条件に対応する抽選遊技が長くなり、保留記憶手段に記憶された当否判定条件の成立回数が減り難くなるので、保留記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数の差異が小さくなるように調整できる。よって、第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を、上限回数まで均等に保留記憶手段に記憶し易くでき、オーバーフローを抑制することができる。
遊技機I1またはI2において、前記第1または第2当否判定条件の成立に対応する識別情報の動的表示が新たに可能となった場合に、前記回数判断手段は、前記保留記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を判断するものであり、前記動的表示態様決定手段は、前記回数判断手段が判断した判断結果に基づいて動的表示態様を決定するものであることを特徴する遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2当否判定条件の成立に対応する識別情報の動的表示が新たに可能となった場合に、保留記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数が回数判断手段により判断される。そして、その判断結果に基づいて動的表示態様決定手段は動的表示態様を決定する。よって、動的表示を開始するタイミングに合わせて、保留記憶手段が記憶している最新の成立回数の情報に基づいて、動的表示態様決定手段は動的表示態様を決定することができる。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、前記動的表示態様決定手段は、前記当否判定手段の判定結果が当たりである場合には、前記回数判断手段の判断結果に関わらず、前記動的表示態様を決定する一方、前記当否判定手段の判定結果が外れである場合には、前記回数判断手段の判断結果に基づいて、前記動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I1からI3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定手段の判定結果が当たりである場合には、回数判断手段の判断結果に関わらず、動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。一方、当否判定手段の判定結果が外れである場合には、回数判断手段の判断結果に基づいて、動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。よって、当たりの場合には、当たりを示す通常の動的表示態様を決定して、遊技者に特典遊技になるか否かの期待感を十分に抱かせることができ、外れとなる場合に、保留記憶手段に記憶されている成立回数を調整するための動的表示態様を決定することで、遊技の演出を損なってしまうことを防止することができる。
遊技機I1からI4のいずれかにおいて、前記予め定められた回数以上の差は、2回以上の差があると判断した場合であることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5記載の遊技機によれば、遊技機I1からI4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、2回以上の差があると判断された場合に、保留記憶手段に記憶されている成立回数の調整を行うための動的表示態様が決定されるので、頻繁に、短動的表示態様または長動的表示態様が決定されて、遊技の演出を判り難くさせてしまうのを防止することができる。
遊技機I1、I3からI5のいずれかにおいて、前記動的表示態様決定手段は、保留記憶手段に記憶されている成立回数の多い方の前記第1または第2当否判定条件の成立回数が所定回数以上であり、且つ、前記回数判断手段が予め定められた回数以上の差があると判断した場合に、前記短動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I1、I3からI5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留記憶手段に記憶されている成立回数の多い方の第1または第2当否判定条件の成立回数が所定回数以上であり、且つ、回数判断手段が予め定められた回数以上の差があると判断した場合に、短動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。よって、所定回数以上の成立回数が記憶されていない場合には、回数判断手段が予め定められた回数以上の差があっても、短動的表示態様は決定されないので、頻繁に短動的表示態様が決定されて、遊技の演出が単調になってしまうのを抑制することができる。
遊技機I2からI5のいずれかにおいて、前記動的表示態様決定手段は、保留記憶手段に記憶されている前記第1または第2当否判定条件の成立回数が所定回数以上であり、且つ、前記回数判断手段が予め定められた回数以上の差があると判断した場合に、前記長動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I2からI5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留記憶手段に記憶されている成立回数の多い方の第1または第2当否判定条件の成立回数が所定回数以上であり、且つ、回数判断手段が予め定められた回数以上の差があると判断した場合に、長動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。よって、所定回数以上の成立回数が記憶されていない場合には、回数判断手段が予め定められた回数以上の差があっても、長動的表示態様は決定されないので、頻繁に長動的表示態様が決定されて、遊技の演出が単調になってしまうのを抑制することができる。
遊技機I2からI5、I7のいずれかにおいて、前記動的表示態様決定手段は、前記保留記憶手段に記憶されている前記第1当否判定条件および第2当否判定条件に対応した前記識別情報の動的表示が開始可能となる前に、その動的表示態様をそれぞれ事前に決定し、その事前に決定した動的表示態様のうち、前記保留記憶手段に記憶された成立回数の多い方の当否判定条件に対応する動的表示態様に基づいて、前記複数の長動的表示態様のうち、一の長動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I2からI5、I7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件および第2当否判定条件に対応した識別情報が動的表示の開始が可能となる前に、その動的表示態様が動的表示態様決定手段によりそれぞれ事前に決定される。その事前に決定された動的表示態様のうち、保留記憶手段に記憶された成立回数の多い方の当否判定条件に対応する動的表示態様に基づいて、複数の長動的表示態様うち、一の長動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。よって、保留記憶手段に記憶された成立回数の少ない方の当否判定条件に対応する事前に決定した動的表示態様に基づいて、長動的表示態様を決定することで、互いの成立回数の差異を小さくするのにより適した長動的表示態様を決定することができる。
遊技機I2からI5、I7またはI8のいずれかにおいて、前記動的表示態様決定手段は、前記保留記憶手段に記憶されている前記第1当否判定条件および第2当否判定条件に対応した前記識別情報の動的表示が開始可能となる前に、その動的表示態様をそれぞれ事前に決定し、その事前に決定した動的表示態様のうち、前記保留記憶手段に記憶された成立回数の多い方の当否判定条件に対応する動的表示態様の動的表示時間に基づいて、前記長動的表示態様の動的表示時間を決定するものであることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I2からI5、I7またはI8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件および第2当否判定条件に対応したが識別情報が動的表示の開始が可能となる前に、動的表示態様が動的表示態様決定手段によりそれぞれ事前に決定される。その事前に決定された動的表示態様のうち、保留記憶手段に記憶されている成立回数の多い方における当否判定条件に対応する動的表示態様の動的表示時間に基づいて、長動的表示態様の動的表示時間が動的表示態様決定手段により決定される。よって、成立回数の多い方の決定される動的表示態様の動的表示時間に合わせた長動的表示態様を決定するので、より成立回数の差異を小さくするように調整することができる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、前記第1または第2抽選遊技を行う権利を、それぞれ所定上限回数まで記憶する保留記憶手段と、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とのどちらか一方が連続して成立したか否かを判断する連続成立監視手段と、前記動的表示態様決定手段は、前記連続成立監視手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらかが連続して成立したと判断した場合に、その連続して成立した方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、他方の第1または前記第2当否判定条件に対応する動的表示態様よりも短い動的表示時間の動的表示態様である短動的表示態様に決定するものであることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。第1または第2当否判定条件が成立した場合、第1または第2抽選遊技を行う権利が、それぞれ所定上限回数まで保留記憶手段により記憶される。そして、第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらか一方が連続して成立したか否かが連続成立監視手段により判断される。連続成立監視手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらかが連続して成立したと判断した場合、動的表示態様決定手段は、その連続して成立した方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、他方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様よりも短い動的表示時間の動的表示態様である短動的表示態様に決定する。このように短動的表示態様を決定することで、連続して成立した方の当否判定条件に対応する抽選遊技が短時間で行われるので、保留記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数の差異が小さくなるように調整できる。よって、第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を、上限回数まで均等に保留記憶手段に記憶し易くでき、オーバーフローを抑制することができる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、前記第1または第2抽選遊技を行う権利を、それぞれ所定上限回数まで記憶する保留記憶手段と、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とのどちらか一方が連続して成立したか否かを判断する連続成立監視手段と、前記動的表示態様決定手段は、前記連続成立監視手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらかが連続して成立したと判断した場合に、その連続して成立していない方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、連続して成立した方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様よりも長い動的表示時間の動的表示態様である長動的表示態様に決定するものであることを特徴とする遊技機I11。
遊技機I11によれば、当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。第1または第2当否判定条件が成立した場合、第1または第2抽選遊技を行う権利が、それぞれ所定上限回数まで保留記憶手段により記憶される。そして、第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらか一方が連続して成立したか否かが連続成立監視手段により判断される。連続成立監視手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらかが連続して成立したと判断した場合、動的表示態様決定手段は、その連続して成立していない方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、連続して成立した方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様よりも長い動的表示時間の動的表示態様である長動的表示態様に決定する。このように長動的表示態様を決定することで、連続して成立していない方の当否判定条件に対応する抽選遊技が長くなり、保留記憶手段に記憶された当否判定条件の成立回数が減り難くなるので、保留記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数の差異が小さくなるように調整できる。よって、第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を、上限回数まで均等に保留記憶手段に記憶し易くでき、オーバーフローを抑制することができる。
遊技機I1からI11のいずれかにおいて、前記第1当否判定条件と前記2当否判定条件とが交互に成立することを補助する条件振り分け手段を有するものであることを特徴とする遊技機I12。
遊技機I12によれば、遊技機I1からI11のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件振り分け手段は、第1当否判定条件と第2当否判定条件とが交互に成立するように補助する。よって、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを略均等に成立させて、第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を上限回数まで保留記憶手段に記憶させ易くできる。
遊技機I10またはI12において、前記保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を判断する回数判断手段を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記連続成立監視手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらかが連続して成立したと判断せず、且つ、前記回数判断手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのそれぞれの成立回数が予め定められた回数以上の差があると判断したこと場合に、成立回数の多い方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、前記短動的表示態様に決定するものであることを特徴とする遊技機I13。
遊技機I13によれば、遊技機I10またはI12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数が回数判断手段により判断される。連続成立監視手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらかが連続して成立したと判断せず、且つ、回数判断手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのそれぞれの成立回数が予め定められた回数以上の差があると判断した場合、動的表示態様決定手段は、成立回数の多い方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、短動的表示態様に決定する。このように短動的表示態様を決定することで、連続して成立していない場合にも、成立回数に予め定められた以上の差異があれば、成立回数の多い方の当否判定条件に対応する抽選遊技が短時間で行われるので、保留記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数の差異が小さくなるように調整できる。よって、第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を、上限回数まで均等に保留記憶手段に記憶し易くでき、オーバーフローを抑制することができる。
遊技機I11またはI12において、前記保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を判断する回数判断手段を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記連続成立監視手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらかが連続して成立したと判断せず、前記回数判断手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのそれぞれの成立回数が予め定められた回数以上の差があると判断したことを契機に、成立回数の少ない方の前記第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、前記長動的表示態様に決定するものであることを特徴とする遊技機I14。
遊技機I14によれば、遊技機I11またはI12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数が回数判断手段により判断される。連続成立監視手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらかが連続して成立したと判断せず、且つ、回数判断手段が第1当否判定条件と第2当否判定条件とのそれぞれの成立回数が予め定められた回数以上の差があると判断した場合、動的表示態様決定手段は、成立回数の多い方の第1または第2当否判定条件に対応する動的表示態様を、短動的表示態様に決定する。このように長動的表示態様を決定することで、連続して成立していない場合にも、成立回数に予め定められた以上の差異があれば、成立回数の少ない方の当否判定条件に対応する抽選遊技が長くなり、保留記憶手段に記憶された当否判定条件の成立回数が減り難くなるので、保留記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数の差異が小さくなるように調整できる。よって、第1当否判定条件と第2当否判定条件との成立回数を、上限回数まで均等に保留記憶手段に記憶し易くでき、オーバーフローを抑制することができる。
遊技機A1からA5、B1、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2、G1のいずれかの遊技機において、前記予め定められた条件が成立したことを契機に、そのときに表示されている保留表示態様について並び替えが前記並び替え手段により実行された場合に、並び替えが実行されたことを示す実行済み報知態様を報知する並び替え報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技機A1からA5、B1、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2、G1のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、予め定められた条件が成立したことを契機に、そのときに表示されている保留表示態様について並び替えが実行された場合に、並び替えが実行されたことを示す実行済み報知態様が並び替え報知手段により報知される。このように、遊技者は、実行済み報知態様により、現在表示されている保留表示態様が、成立順を示すものであるか、動的表示を開始する順序を示すものであるか識別することができるので、遊技者の遊技に対する混乱を抑制することができるという効果がある。
遊技機J1の遊技機において、前記並び替え報知手段は、前記実行済み報知態様として、前記保留表示手段に並び替えが実行されたことを識別可能な表示態様で表示するものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行済み報知態様として、保留表示手段に並び替えが実行されたことを識別可能な表示態様で並び替え報知手段により表示される。よって、保留表示態様と同じ保留表示手段に実行済み報知態様が報知されることで、保留表示態様のより近くで実行済み報知態様を表示することができ、遊技者が実行済み報知態様を見逃してしまうのを防止することができるという効果がある。
遊技機J1またはJ2の遊技機において、前記並び替え報知手段は、前記並び替え手段により並び替えが実行されるときに表示されていた保留表示態様については、並び替え実行済みであることを示す前記実行済み報知態様で報知する一方、前記並び替え手段による並び替え実行後に表示された保留表示態様については、並び替え未実行であることを示す未実行報知態様で報知するものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、並び替え手段により並び替えが実行されるときに表示されていた保留表示態様については、並び替え実行済みであることを示す実行済み報知態様が並び替え報知手段により報知される。一方、並び替え手段による並び替え実行後に表示された保留表示態様については、並び替え未実行であることを示す未実行報知態様が並び替え報知手段により報知される。よって、遊技者は、並び替え実行済みと並び替え未実行とを識別することが可能となり、より遊技者が保留表示態様の並び順について認識し易くなり、より遊技に対する混乱を防止することができる。
遊技機J1からJ3のいずれかの遊技機において、前記予め定められた条件が成立したことを契機に、前記成立順序とは異なる順序で前記並び替え手段により並び替えられた保留表示態様を個別に識別する並び替え識別手段を有し、前記並び替え報知手段は、前記実行済み報知態様として、前記並び替え識別手段により識別された情報に基づいて、前記成立順序と異なる並び替え順序で表示されている前記保留表示態様であることを示す表示態様で報知するものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J1からJ3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、予め定められた条件が成立したことを契機に、成立順序とは異なる順序で並び替え手段により並び替えられた保留表示態様が個別に並び替え識別手段により識別される。実行済み報知態様として、並び替え識別手段により識別された情報に基づいて、成立順序と異なる並び替え順序で表示されている保留表示態様であることを示す表示態様が並び替え報知手段により報知される。これにより、遊技者は、変動開始順序が成立順と異なる保留表示態様について容易に認識することができ、より保留表示態様の表示されている順序について認識し易くできる。
遊技機J1からJ4のいずれかの遊技機において、前記保留表示手段は、前記成立順で前記保留表示態様を表示する成立順保留表示領域と、その成立順保留表示領域とは別に、前記動的表示を開始する順序で前記保留表示態様を表示する開始順保留表示領域と、を有し、前記成立順保留表示領域に前記保留表示態様が表示される一方、前記予め定められた条件が成立したことを契機に、前記成立順保留表示領域における前記保留表示態様の表示を維持した状態で、前記開始順保留表示領域に前記並び替え手段により並び替えられた前記動的表示を開始する順序で前記保留表示態様が表示されるものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留表示態様が成立した順序で保留表示手段の成立順保留表示領域により表示される。また、成立順保留表示領域とは別に、動的表示を開始する順序で保留表示態様が保留表示手段の開始順保留表示領域に表示される。成立順保留表示領域に保留表示態様が表示される一方で、予め定められた条件が成立したことを契機に、成立順保留表示領域における保留表示態様の表示を維持して、開始順保留表示領域に並び替え手段により並び替えられた順序で保留表示態様が表示される。これにより、遊技者は、並び替え前と並び替え実行後の保留表示態様を同時に識別することができ、どのように並び替えが実行されたかを容易に判別することができる。
遊技機A1からA5、B1、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2、G1、J1からJ5のいずれかの遊技機において、前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で表示されたことに基づいて、動的表示中の前記第1または第2識別情報を仮停止させる仮停止手段と、前記特典遊技の終了後に前記仮停止中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様を再び動的表示させる再動的表示開始手段と、を有し、前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で表示されたことに基づいて、前記動的表示開始時間情報決定手段は、前記保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を、前記特典遊技の終了を起点として動的表示開始となるまでの時間情報をそれぞれ再決定して、前記保留情報記憶手段に記憶するものであることを特徴とする遊技機K1。
遊技機K1によれば、遊技機A1からA5、B1、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2、G1、J1からJ5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で表示されたことに基づいて、動的表示中の第1または第2識別情報が仮停止手段により仮停止される。そして、特典遊技の終了後に仮停止中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様が再動的表示開始手段により再び動的表示される。第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で表示されたことに基づいて、保留情報表示手段に記憶されている保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報が、特典遊技の終了を起点として動的表示開始となるまでの時間情報がそれぞれ動的表示開始時間情報決定手段によりそれぞれ再決定されて、保留情報記憶手段に記憶される。このように、特典遊技が開始される場合には、動的表示開始となるまでの時間情報が、特典遊技の終了を起点とした時間情報に再決定されるので、特典遊技中に、予め定められた条件が成立した場合にも、正確に動的表示を開始する順序で、保留表示態様を並び替えることができる。
遊技機K1において、前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で表示されたことを契機に、前記動的表示開始時間情報決定手段は、前記仮停止手段により仮停止されている第1または第2識別情報に対応する前記保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対して、前記仮停止されている識別情報の残り動的表示態様とその記憶されている保留情報に対応する動的表示態様とに基づいて、前記特典遊技の終了を起点として動的表示開始となるまでの時間情報をそれぞれ再決定し、一方、当たりを示す表示態様で表示された第1または第2識別情報に対応する前記保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対して、その記憶されている保留情報に対応する動的表示態様に基づいて、前記特典遊技の終了を起点とした動的表示開始となるまでの時間をそれぞれ再決定するものであることを特徴とするの遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で表示されたことを契機に、仮停止手段により仮停止されている第1または第2識別情報に対応する保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対して、仮停止されている識別情報の残り動的表示態様と記憶されている保留情報に対応する動的表示態様とに基づいて、特典遊技の終了を起点とした動的表示開始となるまでの時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により再決定される。一方、当たりを示す表示態様で表示された第1または第2識別情報に対応する保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対して、その記憶されている保留情報にた対応する動的表示態様に基づいて、特典遊技の終了を起点とした動的表示開始となるまでの時間が動的表示開始時間情報決定手段によりそれぞれ再決定される。よって、仮停止されている識別情報に対応する保留情報と仮停止されていない保留情報とを区別して、それぞれ動的表示開始となるまでの時間情報が決定されるので、より正確な動的表示開始となるまでの時間情報を決定することができる。
遊技機K1またはK2において、前記保留情報記憶手段は、前記第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、前記当否判定手段による当否判定に用いる当否判定情報と前記動的表示態様決定手段による動的表示態様の決定に用いる動的表示決定情報とを少なくとも有する通常保留情報が記憶される通常保留記憶領域と、その通常保留記憶領域に記憶された通常保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となる前に、その通常保留情報に基づいて、前もって前記当否判定手段による当否判定結果と前記動的表示態様決定手段による動的表示態様と前記動的表示開始時間情報決定手段による前記時間情報とが決定されて並び替え情報として記憶される一方、前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で表示されたことを契機に、前記並び替え情報として記憶された前記時間情報が、前記動的表示開始時間情報決定手段により再決定された前記時間情報に更新されて記憶される並び替え保留記憶領域とを有し、前記第1または第2当否判定条件が新たに成立すると、前記並び替え保留記憶領域の先に記憶されている各並び替え情報に対応する前記時間情報に基づいて、新たに成立した前記通常保留記憶領域に記憶された前記通常保留情報と先に前記通常保留記憶領域に記憶されている前記通常保留情報とのそれぞれに対応する前記第1または第2識別情報の動的表示が開始される順序を決定し、その順序を前記並び替え保留記憶領域に記憶させる並び替え順序決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、当否判定手段による当否判定に用いる当否判定情報と動的表示態様決定手段による動的表示態様の決定に用いる動的表示決定情報とを少なくとも有する通常保留情報が保留情報記憶手段の通常保留記憶領域に記憶される。その通常保留記憶領域に記憶された通常保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となる前に、その通常保留情報に基づいて、前もって当否判定手段による当否判定結果と動的表示態様決定手段手段による動的表示態様と動的表示開始時間情報決定手段による時間情報とが決定されて並び替情報として保留情報記憶手段の並び替え保留記憶領域に記憶される。一方、第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で表示されたことを契機に、並び替え情報として記憶された時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により再決定された時間情報に更新されて並び替え保留記憶領域に記憶される。第1または第2当否判定条件が新たに成立すると、並び替え保留記憶領域の先に記憶されている各並び替え情報に対応する時間情報に基づいて、新たに成立した通常保留記憶領域に記憶された通常保留情報と先に通常保留記憶領域に記憶されている通常保留情報とのそれぞれに対応する第1または第2識別情報の動的表示が開始される順序が並び替え順序決定手段により決定され、その順序が並び替え保留記憶領域に記憶される。これにより、抽選遊技を実行するためのデータと並び替え順序を決定するためのデータとを分けて処理することが可能となり、並び替えの順序を決定する処理を容易に行うことができる。また、特典遊技が開始となる場合にも、特典遊技が終了したことを起点とした時間情報に更新されるので、特典遊技中にも容易に並び替えを実行することができる。
遊技機K3において、前記並び替え順序決定手段は、前記特典遊技中に前記第1または第2当否判定条件が成立すると、前記並び替え保留記憶領域の先に記憶されている各並び替え情報に対応する前記動的表示開始時間決定手段により再決定された時間情報に基づいて、新たに成立した前記通常保留記憶領域に記憶された前記通常保留情報と先に前記通常保留記憶領域に記憶されている前記通常保留情報とのそれぞれに対応する前記第1識別情報と第2識別情報との前記特典遊技が終了したことを起点とした、動的表示が開始される順序をそれぞれ決定し、その順序を前記並び替え保留記憶領域に記憶するものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技中に第1または第2当否判定条件が成立すると、並び替え保留記憶領域の先に記憶されている各並び替え情報に対応する動的表示開始時間決定手段により再決定された時間情報に基づいて、新たに成立した通常保留記憶領域に記憶された通常保留情報と先に通常保留記憶領域に記憶されている通常保留情報とのそれぞれに対応する第1識別情報と第2識別情報との特典遊技が終了したことを起点とした、動的表示が開始される順序が並び替え順序決定手段によりそれぞれ決定され、その順序が並び替え保留記憶領域に記憶される。
よって、特典遊技中に成立した第1または第2当否判定条件に対しても、より正確な動的表示を開始する順序を決定して、正確な動的表示を開始する順序で保留表示態様を並び替えることができる。従って、特典遊技中に第1または第2当否判定条件が成立した場合にも、遊技者の混乱を抑制することができる。
遊技の主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段の指示により遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第1当否判定信号が、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第2当否判定信号がそれぞれ生成される当否判定信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記第1当否判定信号に基づいて、前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報を動的表示する第1表示手段と、前記第2当否判定信号に基づいて、前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報を動的表示する第2表示手段と、を有し、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が付与される遊技機において、前記主制御手段は、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、前記当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とを主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるかとを識別可能に記憶する主保留情報記憶手段と、その主保留情報記憶手段に前記主保留情報が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報に関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号を生成する主保留情報信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報を従保留情報として記憶する従保留情報記憶手段と、前記従保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との従保留情報を区別しつつ、各従保留情報毎に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様で表示される保留表示手段と、前記従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に基づいて、前記主制御手段の動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様を判別する従動的表示態様判別手段と、前記従保留情報記憶手段に新たに従保留情報が記憶される場合には、前記第1または第2表示手段に動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に前記従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報毎について前記従動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様とに基づいて、新たな従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を決定して、前記従保留情報記憶手段に記憶する動的表示開始時間情報決定手段と、予め定められた条件が成立したことを契機に、前記動的表示開始時間情報決定手段により従保留情報記憶手段に記憶された前記各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様を、前記動的表示を開始する順序で並び替える並び替え手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機L1。
遊技機L1によれば、遊技の主な制御が主制御手段により実行され、その主制御手段の指示により遊技の制御が従制御手段により実行される。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。そして、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づく第1当否判定信号が、第2抽選遊技の当否判定結果に基づく第2当否判定信号が当否判定信号生成手段により生成される。従制御手段では、第1当否判定信号に基づいて、第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が第1表示手段により動的表示される。また、第2当否判定信号に基づいて、第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が第2表示手段により動的表示される。ここで、第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が表示されると、遊技者に特典遊技が付与される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。主制御手段では、第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示が開始されるまでの間、当否判定手段による当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とが主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるを識別可能に主保留情報記憶手段に記憶される。主制御手段では、その主保留情報記憶手段が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報に関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号が主保留情報信号生成手段により生成される。そして、従制御手段では、主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報が従保留情報として従保留情報記憶手段に記憶される。従保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との従保留情報を区別しつつ、各従保留情報毎に第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様の表示として保留表示手段で行われる。従制御手段では、従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に基づいて、主制御手段の動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様が従動的表示態様判別手段により判別される。従保留情報記憶手段に新たに従保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報毎について従動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様とに基づいて、新たな従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により決定されて、従保留情報記憶手段に記憶される。そして、従制御手段では、予め定められた条件が成立したことを契機に、動的表示開始時間情報決定手段により決定された各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替え手段により並び替えられる。これにより、例えば、先に第1抽選遊技の保留情報が記憶されている状態で新たに第2抽選遊技の主保留情報が記憶される。このときに動的表示中の第1識別情報の残り動的表示態様が動的表示中の第2識別情報の残り動的表示態様よりも長い動的表示態様である場合には、新たに記憶される第2抽選遊技の保留情報に対応する第2識別情報の動的表示の開始時間の方が、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報に対応する第1識別情報の動的表示の開始時間よりも早くなる。しかしながら、保留表示態様は、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立した順序を示す保留表示態様で順に表示されるので、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報の後の順序を示す保留表示態様で、新たに記憶された第2抽選遊技の保留表示態様が表示される。すると、実際の動的表示の開始順序と当否判定条件の成立順序が異なってしまう場合が発生するが、予め定められた条件が成立したことを契機に、並び替え手段により実際の動的表示の開始順序で並び替えて表示される。よって、遊技者は、実際の当否判定条件の成立順序と異なった順序で第1識別情報または第2識別情報が動的表示開始される場合にも、並び替え手段により動的表示の開始順序で保留表示態様が並び替えされるので、遊技者の混乱を抑制することができるという効果がある。また、主制御手段は、保留表示態様を動的表示の開始順で並び替える処理を実行せず、従制御手段により実行されるので、主制御手段の制御負荷を抑制することができる。
遊技の主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段の指示により遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第1当否判定信号が、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第2当否判定信号がそれぞれ生成される当否判定信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記第1当否判定信号に基づいて、前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報を動的表示する第1表示手段と、前記第2当否判定信号に基づいて、前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報を動的表示する第2表示手段と、を有し、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が付与される遊技機において、前記主制御手段は、前記第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、前記第1当否判定条件と第2当否判定条件とをそれぞれ区別して、前記第1または第2当否判定条件が成立したことを通知する成立信号を生成し、前記第1または第2当否判定条件の成立順に前記従制御手段に出力する成立信号生成手段と、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、
前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、前記当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とを主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるかとを識別可能に記憶する主保留情報記憶手段と、その主保留情報記憶手段に前記主保留情報が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報に関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号を生成する主保留情報信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記成立信号を受信したことに基づいて、その成立信号を生成する契機となった当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの間、その成立信号を受信した数に関する情報を、その成立信号が示す前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを区別し、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序を識別可能にそれぞれ従保留数情報として記憶する従保留数記憶手段と、前記従保留数記憶手段に記憶された従保留数情報に基づいて、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件との前記従保留数情報をそれぞれ区別しつつ、各従保留数情報毎に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様で表示される保留表示手段と、前記主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報を従保留情報として記憶する従保留情報記憶手段と、前記従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に基づいて、前記主制御手段の動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様を判別する従動的表示態様判別手段と、前記従保留情報記憶手段に新たに従保留情報が記憶される場合には、前記第1または第2表示手段に動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に前記従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報毎について前記従動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様とに基づいて、新たな従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を決定して、前記従保留情報記憶手段に記憶する動的表示開始時間情報決定手段と、予め定められた条件が成立したことを契機に、前記動的表示開始時間情報決定手段により従保留情報記憶手段に記憶された前記各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様を、前記動的表示を開始する順序で並び替える並び替え手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2記載によれば、遊技の主な制御が主制御手段により実行され、その主制御手段の指示により遊技の制御が従制御手段により実行される。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。そして、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づく第1当否判定信号が、第2抽選遊技の当否判定結果に基づく第2当否判定信号が当否判定信号生成手段により生成される。従制御手段では、第1当否判定信号に基づいて、第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が第1表示手段により動的表示される。また、第2当否判定信号に基づいて、第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が第2表示手段により動的表示される。ここで、第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が表示されると、遊技者に特典遊技が付与される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。主制御手段では、第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、第1当否判定条件と第2当否判定条件とをそれぞれ区別して、第1または第2当否判定条件が成立したことを通知する成立信号が成立信号生成手段により生成され、第1または第2当否判定条件の成立順に従制御手段に出力される。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。主制御手段では、第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示が開始されるまでの間、当否判定手段による当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とが主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるを識別可能に主保留情報記憶手段に記憶される。主制御手段では、その主保留情報記憶手段が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報に関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号が主保留情報信号生成手段により生成される。そして、従制御手段では、成立信号を受信したことに基づいて、その成立信号を生成する契機となった当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの間、その成立信号を受信した数に関する情報が、その成立信号が第1当否判定条件と第2当否判定条件とを区別し、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序を識別可能に、それぞれ従保留数情報として従保留数記憶手段に記憶される。従制御手段では、従保留数記憶手段に記憶された従保留数情報に基づいて、第1当否判定条件と第2当否判定条件との従保留数情報を区別しつつ、各従保留数情報毎に第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様の表示として保留表示手段で行われる。従制御手段では、主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報が従保留情報として従保留情報記憶手段に記憶される。また、従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に基づいて、主制御手段の動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様が従動的表示態様判別手段により判別される。従制御手段では、従保留情報記憶手段に新たに従保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報毎について従動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様とに基づいて、新たな従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により決定されて、従保留情報記憶手段に記憶される。そして、従制御手段では、予め定められた条件が成立したことを契機に、動的表示開始時間情報決定手段により決定された各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替え手段により並び替えられる。これにより、例えば、先に第1抽選遊技の保留情報が記憶されている状態で新たに第2抽選遊技の主保留情報が記憶される。このときに動的表示中の第1識別情報の残り動的表示態様が動的表示中の第2識別情報の残り動的表示態様よりも長い動的表示態様である場合には、新たに記憶される第2抽選遊技の保留情報に対応する第2識別情報の動的表示の開始時間の方が、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報に対応する第1識別情報の動的表示の開始時間よりも早くなる。しかしながら、保留表示態様は、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立した順序を示す保留表示態様で順に表示されるので、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報の後の順序を示す保留表示態様で、新たに記憶された第2抽選遊技の保留表示態様が表示される。すると、実際の動的表示の開始順序と当否判定条件の成立順序が異なってしまう場合が発生するが、予め定められた条件が成立したことを契機に、並び替え手段により実際の動的表示の開始順序で並び替えて表示される。よって、遊技者は、実際の当否判定条件の成立順序と異なった順序で第1識別情報または第2識別情報が動的表示開始される場合にも、並び替え手段により動的表示の開始順序で保留表示態様が並び替えされるので、遊技者の混乱を抑制することができるという効果がある。また、主制御手段は、保留表示態様を動的表示の開始順で並び替える処理を実行せず、従制御手段により実行されるので、主制御手段の制御負荷を抑制することができる。
遊技機L1またはL2において、前記第1当否判定条件と前記2当否判定条件とが交互に成立することを補助する条件振り分け手段を有するものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1またはL2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1当否判定条件と第2当否判定条件とが交互に成立することが振り分け手段により補助される。これにより、第1当否判定条件と第2当否判定条件とが均等に成立し易くなり、第1抽選遊技と第2抽選遊技との実行を効率良く行うことで、より短時間に多くの遊技を行うことができる。
遊技機L1からL3のいずれかにおいて、前記並び替え手段は、前記主保留情報信号を受信して、前記従保留情報記憶手段に従保留情報が記憶される場合に、その従保留情報記憶手段に先に記憶されている各従保留情報に対応する前記時間情報に基づいて、新たに成立した従保留情報と先に記憶されている従保留情報とに対応する前記第1または第2識別情報の動的表示開始順序を決定し、その順序を従保留情報に関連させて前記従保留情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L1からL3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主保留情報信号を受信して、従保留情報記憶手段に従保留情報が記憶される場合に、先に従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報に対応する時間情報に基づいて、新たに記憶される保留情報と先に記憶されている保留情報とに対応する第1または第2識別情報の動的表示開始順序が決定され、その順序が各従保留情報に関連させて並べ替え手段により従保留情報記憶手段に記憶される。これにより、従保留情報が記憶される毎に、動的表示開始順序が更新される。よって、予め定められた条件が成立すると、その更新された動的表示開始順序に基づいて、保留表示態様を並び替えることができる。従って、動的表示開始順序に変更があった場合にも、それに対応した動的表示開始順序で保留表示態様を並び替えることが可能となり、遊技者により正確な動的表示開始順序を報知することができる。
遊技機L1からL4のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記並び替え手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記予め定められた条件が成立したとして、前記保留表示態様を並べ替えるものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5記載の遊技によれば、遊技機L1からL4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたこと場合に、予め定められた条件が成立したものとして、保留表示態様が並び替え手段により並び替えられる。これにより、遊技者の意図するタイミングで保留表示態様に並び替えを行うことができ、遊技者が正確な動的表示開始順序を知りたいタイミングで遊技者に正しい動的表示開始順序を報知することができる。
前記並び替え手段は、前記成立信号または前記主保留情報信号を受信した場合に、前記予め定められた条件が成立したとして、前記保留表示手段に表示される保留表示態様を並び替えるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機L6。
遊技機L6記載の遊技によれば、遊技機L1からL4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段から成立信号または主保留情報信号を受信した場合に、予め定められた条件が成立したとして、保留表示手段に表示される保留表示態様が並び替え手段により並び替えられる。これにより、新たな保留表示態様が表示された場合には、保留表示態様が並び替えられているので、遊技者は、正確な動的表示開始順序を知ることができる。
前記主制御手段は、前記特典遊技を実行した後で実行する第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定が、通常時より当たりとなり易い特別遊技状態に移行させるか否かを抽選するための抽選情報を、前記第1または第2当否判定条件の成立に基づいて取得し、前記第1または第2当否判定条件が成立して、その成立した判定条件に対応した主保留情報を記憶する場合には、その主保留情報に関連させて前記抽選情報を前記主保留情報記憶手段に記憶する遊技状態抽選手段を有し、前記従制御手段は、前記従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、前記動的表示開始時間情報決定手段が決定した時間情報に基づいて、各従保留情報に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示可能となったときの遊技状態が、前記特別遊技状態であるかを前記抽選情報に従って判断して事前に当否判定を行う事前判定を実行し、その結果を前記各従保留情報に関連させて前記従保留情報記憶手段に記憶する従事前判定手段を有し、前記従制御手段の従動的表示態様判別手段は、前記従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、前記従事前判定手段が前記従保留情報記憶手段に記憶した事前判定の判定結果と前記動的表示決定情報とに基づいて、前記動的表示態様を判別するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の遊技機L7。
遊技機L7記載の遊技機によれば、遊技機L1からL6いずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、特典遊技を実行した後で実行される第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定が通常時よりも当たり易い特別遊技状態に移行させるか否かを抽選するための抽選情報が、遊技状態抽選手段により第1または第2当否判定条件の成立に基づいて取得される。また、第1または第2当否判定条件が成立して、その成立した判定条件に対応した主保留情報が記憶される場合には、その主保留情報に関連させて、抽選情報が遊技状態抽選手段により主保留情報記憶手段に記憶される。従制御手段では、従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、動的表示開始時間情報決定手段が決定した時間情報に基づいて、各従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となったときの遊技状態が、特別遊技状態であるかを抽選情報に従って遊技状態抽選手段により判断して、事前に当否判定を行う事前判定が事前判定手段により実行される。そして、その結果が各従保留情報に関連させて従保留記憶手段に従事前判定手段により記憶される。従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となるまでは、従事前判定手段が従保留情報記憶手段に記憶した事前判定の判定結果と動的表示決定情報とに基づいて、動的表示態様が従制御手段の従動的表示判別手段により判別される。これにより、新たに従保留情報が記憶されて、動的表示開始順序に変更が生じても、正しい動的表示開始順序に基づいて、動的表示開始時の遊技状態が判断され当否判定が行われる。よって、正しい当否判定結果に基づいて、動的表示時間情報を事前に決定することができ、次に新たな当否判定条件が成立した場合にも、動的表示開始順序を決定することがきる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを交互に成立させることを補助する条件振り分け手段と、その条件振り分け手段により補助されて前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、それぞれ所定上限回数まで前記第1または第2抽選遊技を行う権利として記憶する保留記憶手段と、前記条件振り分け手段が、次に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とのどちらについて成立させることを補助する状態であるかを識別する成立条件識別手段と、その成立識別手段の識別結果に基づいて、その識別結果を示す情報を遊技者に報知する識別結果報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機M1。
遊技機M1によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件と第2当否判定条件とが交互に成立することが条件振り分け手段により補助される。その条件振り分け手段により補助されて第1または第2当否判定条件が成立した場合に、それぞれ所定上限数まで第1または第2抽選遊技を行う権利が保留記憶手段により記憶される。また、条件振り分け手段が、次に第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらについて成立させることを補助する状態であるかが成立条件識別手段により識別される。その成立条件識別手段の識別結果に基づいて、その識別結果を示す情報が識別結果報知手段により遊技者に対して報知される。これにより、第1当否判定条件と第2当否判定条件とが均等に成立し易くなり、第1抽選遊技と第2抽選遊技を行う権利を均等に記憶することができ、第1抽選遊技を行う権利と第2抽選遊技を行う権利とのどちらか一方が偏って上限数まで先に記憶されてしまうのを防止することができる。よって、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを行う権利をそれぞれ上限数まで記憶させるのに、どちらか一方で上限数以上の権利が発生してしまい無効となってしまう不具合を抑制することができる。また、識別結果報知手段により、振り分け手段の状態が、次に成立するように補助される当否判定条件がどちらの状態であるか報知されるので、報知されている次に成立するように補助される当否判定条件が成立しても、オーバーフローとなってしまう当否判定条件であれば、遊技者は、当否判定条件が成立しないように遊技を行うことができ、オーバーフローを抑制することができる。
遊技機M1において、遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球が入球することで、前記第1当否判定条件の成立となる第1始動口と、前記遊技領域を流下する遊技球が入球することで、前記第2当否判定条件の成立となる第2始動口と、を有し、前記条件振り分け手段は、前記第1始動口と前記第2始動口とに遊技球が交互に入球することを補助する遊技球誘導部を有していることを特徴とする請求項1に記載の遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域を流下する遊技球が第1始動口に入球すると第1当否判定条件の成立とされる一方、遊技球が第2始動口に入球すると第2当否判定条件の成立とされる。第1始動口と第2始動口とに遊技球が交互に入球することが条件振り分け手段の遊技球誘導部により補助される。これにより、遊技者は、遊技球を遊技領域に流下させることで、遊技球を第1始動口と第2始動口とに交互に入球させ易くなって、第1抽選遊技と第2抽選遊技との実行を効率良く行うことができるので、より短時間に多くの抽選遊技を行うことができる。
遊技機M2において、前記条件振り分け手段は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に入球した遊技球を、前記遊技球誘導部を介して前記第1始動口へと誘導する第1誘導路と、前記遊技球誘導部を介して前記第2始動口へと誘導する第2誘導路と、を有し、前記遊技球誘導部は、前記入球口から入球した遊技球を受けて第1方向に所定角度まで回動して前記第1誘導路へと遊技球を誘導した後、次に前記入球口から入球した遊技球を前記第1方向へ回動した状態で受けて、前記第1方向と反対の方向である第2方向に所定角度まで回動して前記第2誘導路へと遊技球を誘導するものであることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件振り分け手段の入球口から入球した遊技球を受けて第1方向に所定角度まで回動して第1誘導路を介して第1始動口へと遊技球が遊技球誘導部により誘導された後、次に入球口から入球した遊技球を第1方向へ所定角度まで回動した状態で受けて、第1方向と反対の方向である第2方向に所定角度回動して第2誘導路を介して第2始動口へと遊技球が遊技球誘導部により誘導される。これにより、共通の部材を利用して、第1始動口と第2始動口とへ交互に遊技球を振り分けて誘導することが可能となり、第1始動口と第2始動口とへそれぞれ振り分ける部材を設ける場合と比較して、遊技球を振り分ける構造をコンパクトに構成することができる。
遊技機M3において、前記条件振り分け手段の遊技球誘導部は、前記第1方向に所定角度まで回動した状態で、前記入球口に入球した遊技球と対面する位置に配置されて、その入球した遊技球を受けて前記第2方向に所定角度まで回動する第1受動部と、前記第2方向に所定角度まで回動した場合に、前記入球口に入球した遊技球と対面する位置に配置されて、その入球した遊技球を受けて所定角度まで回動する第2受動部と、前記第1受動部が前記入球口より入球した遊技球を受けて前記第2方向に回動した後、次に遊技球が前記入球口に入球する前に、前記第1方向に回動することを妨げる、または、前記第2受動部が前記入球口より入球した遊技球を受けて前記第1方向に回動した後、次に遊技球が前記入球口に入球する前に、前記第2方向に回動することを妨げる回動規制部と、を有していることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件振り分け手段の遊技球誘導部が第1方向に所定角度まで回動した状態で、入球口に入球した遊技球と対面する位置に遊技球誘導部の第1受動部が配置されて、その入球した遊技球を第1受動部が受けることにより第2方向に所定角度まで回動される。また、条件振り分け手段の遊技球誘導部が第2方向に所定角度まで回動した状態で、入球口に入球した遊技球と対面する位置に遊技球誘導部の第2受動部が配置され、その入球した遊技球を第2受動部が受けることにより第1方向に所定角度まで回動される。第1受動部が入球口より入球した遊技球を受けて第2方向に回動した後、次に遊技球が入球口に入球する前に、第1方向に回動することが、または、第2受動部が入球口より入球した遊技球を受けて第1方向に回動した後、次に遊技球が入球口に入球する前に、第2方向に回動することが回動規制部により妨げられる。これにより、遊技球誘導部が回動して遊技球を一方の誘導路へ誘導した後に、次の遊技球が入球する前に、他方の方向へ回動してしまい、次に入球した遊技球も、その遊技球の前に入球した遊技球と同じ誘導路に誘導してしまう不具合を防止することができる。よって、入球口に入球する遊技球をより正確に交互に第1始動口と第2始動口とに誘導することが可能となり、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを行う権利を均等に記憶させることができる。
遊技機M2からM4のいずれかにおいて、前記成立条件識別手段は、前記第1または第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、前記条件振り分け手段が、次に入球するように補助する始動口について識別するものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5記載の遊技機によれば、遊技機M2からM4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、条件振り分け手段が次に入球するように補助する始動口について成立条件識別手段により識別される。よって、次に振り分けられる始動口について、遊技者は認識することができ、オーバーフローによる無効球を抑制して遊技を行うことができる。
前記成立条件識別手段は、前記遊技球誘導部が回動した状態を検出して、その検出結果に基づいて、遊技球誘導部が、次に誘導する誘導路により遊技球が入球するように補助される始動口について識別するものであることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6記載の遊技機によれば、遊技機M3またはM4に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件振り分け手段の遊技球誘導部が回動した状態を検出して、その検出結果に基づいて、遊技球誘導部が次に遊技球を誘導する誘導路により、遊技球が入球するように補助される始動口をについて成立条件識別手段により識別される。よって、条件振り分け手段の状態を正確に識別して、報知することができ、遊技者により正確な情報を報知して、オーバーフローを抑制するように遊技を行うことができる。
遊技の主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段の指示により遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第1当否判定信号が、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第2当否判定信号がそれぞれ生成される当否判定信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記第1当否判定信号に基づいて、前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報を動的表示する第1表示手段と、前記第2当否判定信号に基づいて、前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報を動的表示する第2表示手段と、を有し、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が付与される遊技機において、前記主制御手段は、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、前記当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とを主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるかとを識別可能に記憶する主保留情報記憶手段と、前記主保留情報記憶手段に新たに主保留情報が記憶される場合には、前記第1または第2表示手段に動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に前記主保留情報記憶手段に記憶されている各主保留情報毎の前記動的表示決定情報とに基づいて、新たな主保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を決定して、前記主保留情報記憶手段に記憶する主動的表示開始時間情報決定手段と、前記主保留情報記憶手段に新たな主保留情報が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報とその主保留情報に対応する時間情報とに関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号を生成する主保留情報信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す情報に関する情報を従保留情報として記憶する従保留情報記憶手段と、前記従保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との従保留情報を区別しつつ、各従保留情報毎に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様で表示される保留表示手段と、予め定められた条件が成立したことを契機に、従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報が示す前記主動的表示開始時間情報決定手段により決定された各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様を、前記動的表示を開始する順序で並び替える並び替え手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機N1。
遊技機N1によれば、遊技の主な制御が主制御手段により実行され、その主制御手段の指示により遊技の制御が従制御手段により実行される。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。そして、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づく第1当否判定信号が、第2抽選遊技の当否判定結果に基づく第2当否判定信号が当否判定信号生成手段により生成される。従制御手段では、第1当否判定信号に基づいて、第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が第1表示手段により動的表示される。また、第2当否判定信号に基づいて、第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が第2表示手段により動的表示される。ここで、第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が表示されると、遊技者に特典遊技が付与される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。主制御手段では、第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示が開始されるまでの間、当否判定手段による当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とが主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるを識別可能に主保留情報記憶手段に記憶される。主制御手段では、主保留情報記憶手段に新たに主保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に主保留情報記憶手段に記憶されている各主保留情報毎の動的表示決定情報とに基づいて、新たな主保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの時間情報が主動的表示開始時間情報決定手段により決定されて、従保留情報記憶手段に記憶される。主制御手段では、主保留情報記憶手段が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報とその主保留情報に対応する時間情報とに関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号が主保留情報信号生成手段により生成される。そして、従制御手段では、主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報が従保留情報として従保留情報記憶手段に記憶される。従保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との従保留情報を区別しつつ、各従保留情報毎に第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様の表示として保留表示手段で行われるそして、従制御手段では、予め定められた条件が成立したことを契機に、従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報が示す主動的表示開始時間情報決定手段により決定された各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替え手段により並び替えられる。これにより、例えば、先に第1抽選遊技の保留情報が記憶されている状態で新たに第2抽選遊技の主保留情報が記憶される。このときに動的表示中の第1識別情報の残り動的表示態様が動的表示中の第2識別情報の残り動的表示態様よりも長い動的表示態様である場合には、新たに記憶される第2抽選遊技の保留情報に対応する第2識別情報の動的表示の開始時間の方が、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報に対応する第1識別情報の動的表示の開始時間よりも早くなる。しかしながら、保留表示態様は、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立した順序を示す保留表示態様で順に表示されるので、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報の後の順序を示す保留表示態様で、新たに記憶された第2抽選遊技の保留表示態様が表示される。すると、実際の動的表示の開始順序と当否判定条件の成立順序が異なってしまう場合が発生するが、予め定められた条件が成立したことを契機に、並び替え手段により実際の動的表示の開始順序で並び替えて表示される。よって、遊技者は、実際の当否判定条件の成立順序と異なった順序で第1識別情報または第2識別情報が動的表示開始される場合にも、並び替え手段により動的表示の開始順序で保留表示態様が並び替えされるので、遊技者の混乱を抑制することができるという効果がある。また、主制御手段は、保留表示態様を動的表示の開始順で並び替える処理を実行せず、従制御手段により実行されるので、主制御手段の制御負荷を抑制することができる。
遊技の主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段の指示により遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第1当否判定信号が、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第2当否判定信号がそれぞれ生成される当否判定信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記第1当否判定信号に基づいて、前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報を動的表示する第1表示手段と、前記第2当否判定信号に基づいて、前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報を動的表示する第2表示手段と、を有し、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が付与される遊技機において、前記主制御手段は、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、前記当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とを主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるかとを識別可能に記憶し、電源が断した状態でも記憶を保持可能な主保留情報記憶手段と、その主保留情報記憶手段に前記主保留情報が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報に関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号を生成する主保留情報信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報を従保留情報として記憶する従保留情報記憶手段と、その従保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との従保留情報を区別しつつ、各従保留情報毎に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様で表示される保留表示手段と、前記従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に基づいて、前記主制御手段の動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様を判別する従動的表示態様判別手段と、前記従保留情報記憶手段に新たに従保留情報が記憶される場合には、前記第1または第2表示手段に動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に前記従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報毎について前記従動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様とに基づいて、新たな従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を決定して、前記従保留情報記憶手段に記憶する動的表示開始時間情報決定手段と、予め定められた条件が成立したことを契機に、前記動的表示開始時間情報決定手段により従保留情報記憶手段に記憶された前記各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様を、前記動的表示を開始する順序で並び替える並び替え手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技の主な制御が主制御手段により実行され、その主制御手段の指示により遊技の制御が従制御手段により実行される。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。そして、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づく第1当否判定信号が、第2抽選遊技の当否判定結果に基づく第2当否判定信号が当否判定信号生成手段により生成される。従制御手段では、第1当否判定信号に基づいて、第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が第1表示手段により動的表示される。また、第2当否判定信号に基づいて、第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が第2表示手段により動的表示される。ここで、第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が表示されると、遊技者に特典遊技が付与される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。主制御手段では、第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示が開始されるまでの間、当否判定手段による当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とが主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるを識別可能に主保留情報記憶手段に記憶される。主制御手段では、その主保留情報記憶手段が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報に関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号が主保留情報信号生成手段により生成される。そして、従制御手段では、主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報が従保留情報として従保留情報記憶手段に記憶される。従保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との従保留情報を区別しつつ、各従保留情報毎に第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様の表示として保留表示手段で行われる。従制御手段では、従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に基づいて、主制御手段の動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様が従動的表示態様判別手段により判別される。従保留情報記憶手段に新たに従保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報毎について従動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様とに基づいて、新たな従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により決定されて、従保留情報記憶手段に記憶される。そして、従制御手段では、予め定められた条件が成立したことを契機に、動的表示開始時間情報決定手段により決定された各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替え手段により並び替えられる。これにより、例えば、先に第1抽選遊技の保留情報が記憶されている状態で新たに第2抽選遊技の主保留情報が記憶される。このときに動的表示中の第1識別情報の残り動的表示態様が動的表示中の第2識別情報の残り動的表示態様よりも長い動的表示態様である場合には、新たに記憶される第2抽選遊技の保留情報に対応する第2識別情報の動的表示の開始時間の方が、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報に対応する第1識別情報の動的表示の開始時間よりも早くなる。しかしながら、保留表示態様は、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立した順序を示す保留表示態様で順に表示されるので、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報の後の順序を示す保留表示態様で、新たに記憶された第2抽選遊技の保留表示態様が表示される。すると、実際の動的表示の開始順序と当否判定条件の成立順序が異なってしまう場合が発生するが、予め定められた条件が成立したことを契機に、並び替え手段により実際の動的表示の開始順序で並び替えて表示される。よって、遊技者は、実際の当否判定条件の成立順序と異なった順序で第1識別情報または第2識別情報が動的表示開始される場合にも、並び替え手段により動的表示の開始順序で保留表示態様が並び替えされるので、遊技者の混乱を抑制することができるという効果がある。また、主制御手段は、保留表示態様を動的表示の開始順で並び替える処理を実行せず、従制御手段により実行されるので、主制御手段の制御負荷を抑制することができる。
遊技の主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段の指示により遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第1当否判定信号が、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第2当否判定信号がそれぞれ生成される当否判定信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記第1当否判定信号に基づいて、前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報を動的表示する第1表示手段と、前記第2当否判定信号に基づいて、前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報を動的表示する第2表示手段と、を有し、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が付与される遊技機において、前記主制御手段は、前記第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、前記第1当否判定条件と第2当否判定条件とをそれぞれ区別して、前記第1または第2当否判定条件が成立したことを通知する成立信号を生成し、前記第1または第2当否判定条件の成立順に前記従制御手段に出力する成立信号生成手段と、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、前記当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とを主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるかとを識別可能に記憶する主保留情報記憶手段と、その主保留情報記憶手段に前記主保留情報が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報に関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号を生成する主保留情報信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記成立信号を受信したことに基づいて、その成立信号を生成する契機となった当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの間、その成立信号を受信した数に関する情報を、その成立信号が示す前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを区別し、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序を識別可能にそれぞれ従保留数情報として記憶する従保留数記憶手段と、前記従保留数記憶手段に記憶された従保留数情報に基づいて、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件との前記従保留数情報をそれぞれ区別しつつ、各従保留数情報毎に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様で表示される保留表示手段と、前記主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報を従保留情報として記憶する従保留情報記憶手段と、前記従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に基づいて、前記主制御手段の動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様を判別する従動的表示態様判別手段と、前記従保留情報記憶手段に新たに従保留情報が記憶される場合には、前記第1または第2表示手段に動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に前記従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報毎について前記従動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様とに基づいて、新たな従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を決定して、前記従保留情報記憶手段に記憶する動的表示開始時間情報決定手段と、予め定められた条件が成立したことを契機に、前記動的表示開始時間情報決定手段により従保留情報記憶手段に記憶された前記各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様を、前記動的表示を開始する順序で並び替える並び替え手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技の主な制御が主制御手段により実行され、その主制御手段の指示により遊技の制御が従制御手段により実行される。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。そして、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づく第1当否判定信号が、第2抽選遊技の当否判定結果に基づく第2当否判定信号が当否判定信号生成手段により生成される。従制御手段では、第1当否判定信号に基づいて、第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が第1表示手段により動的表示される。また、第2当否判定信号に基づいて、第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が第2表示手段により動的表示される。ここで、第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が表示されると、遊技者に特典遊技が付与される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。主制御手段では、第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、第1当否判定条件と第2当否判定条件とをそれぞれ区別して、第1または第2当否判定条件が成立したことを通知する成立信号が成立信号生成手段により生成され、第1または第2当否判定条件の成立順に従制御手段に出力される。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。主制御手段では、第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示が開始されるまでの間、当否判定手段による当否判定手段による当否判定に関する当否判定情報と動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様に関する動的表示決定情報とが主保留情報として、その主保留情報に対応する当否判定条件が成立した順序情報と成立した当否判定条件が第1当否判定条件であるか第2当否判定条件であるを識別可能に主保留情報記憶手段に記憶される。主制御手段では、その主保留情報記憶手段が記憶されたことに基づいて、その記憶された主保留情報に関する情報を従制御手段に通知する主保留情報信号が主保留情報信号生成手段により生成される。そして、従制御手段では、成立信号を受信したことに基づいて、その成立信号を生成する契機となった当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの間、その成立信号を受信した数に関する情報が、その成立信号が第1当否判定条件と第2当否判定条件とを区別し、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序を識別可能に、それぞれ従保留数情報として従保留数記憶手段に記憶される。従制御手段では、従保留数記憶手段に記憶された従保留数情報に基づいて、第1当否判定条件と第2当否判定条件との従保留数情報を区別しつつ、各従保留数情報毎に第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様の表示として保留表示手段で行われる。従制御手段では、主保留情報信号を受信したことに基づいて、その主保留情報信号が示す主保留情報に関する情報が従保留情報として従保留情報記憶手段に記憶される。また、従保留情報記憶手段に記憶された従保留情報に基づいて、主制御手段の動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様が従動的表示態様判別手段により判別される。従制御手段では、従保留情報記憶手段に新たに従保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様と先に従保留情報記憶手段に記憶されている各従保留情報毎について従動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様とに基づいて、新たな従保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となるまでの時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により決定されて、従保留情報記憶手段に記憶される。そして、従制御手段では、予め定められた条件が成立したことを契機に、動的表示開始時間情報決定手段により決定された各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示された保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替え手段により並び替えられる。これにより、例えば、先に第1抽選遊技の保留情報が記憶されている状態で新たに第2抽選遊技の主保留情報が記憶される。このときに動的表示中の第1識別情報の残り動的表示態様が動的表示中の第2識別情報の残り動的表示態様よりも長い動的表示態様である場合には、新たに記憶される第2抽選遊技の保留情報に対応する第2識別情報の動的表示の開始時間の方が、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報に対応する第1識別情報の動的表示の開始時間よりも早くなる。しかしながら、保留表示態様は、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立した順序を示す保留表示態様で順に表示されるので、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報の後の順序を示す保留表示態様で、新たに記憶された第2抽選遊技の保留表示態様が表示される。すると、実際の動的表示の開始順序と当否判定条件の成立順序が異なってしまう場合が発生するが、予め定められた条件が成立したことを契機に、並び替え手段により実際の動的表示の開始順序で並び替えて表示される。よって、遊技者は、実際の当否判定条件の成立順序と異なった順序で第1識別情報または第2識別情報が動的表示開始される場合にも、並び替え手段により動的表示の開始順序で保留表示態様が並び替えされるので、遊技者の混乱を抑制することができるという効果がある。また、主制御手段は、保留表示態様を動的表示の開始順で並び替える処理を実行せず、従制御手段により実行されるので、主制御手段の制御負荷を抑制することができる。
遊技機N1において、前記主保留情報記憶手段は、電源が断した状態でもデータを保持可能に構成されたものであり、前記主制御手段は、遊技機に電源が投入された場合に、遊技機の初期設定である主初期制御処理を実行する主初期制御実行手段と、前記主初期制御処理の一処理として、前記主保留情報記憶手段に記憶されている主保留情報と時間情報とに基づいて、復帰データ信号を生成して前記従制御手段に対して出力する復帰データ信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機に電源が投入された場合に、遊技機の初期設定である従初期制御処理を実行する従初期制御実行手段と、その従初期制御実行手段が実行する従初期制御処理内で、前記主制御手段からの復帰データ信号に基づいて、復帰データ信号が示す情報を従復帰保留情報として前記従保留情報記憶手段に記憶させる従保留情報復帰手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段の主保留情報記憶手段では、電源が断した状態でもデータが保持される。主制御手段では、遊技機に電源が投入された場合に、遊技機の初期設定である主初期制御処理が主初期制御実行手段により実行される。主初期制御処理の一処理として、主保留情報記憶手段に記憶されている主保留情報と時間情報とに基づいて、復帰データ信号が復帰データ信号生成手段により生成されて、従制御手段に対して出力される。従制御手段では、遊技機に電源が投入された場合に、遊技機の初期設定である従初期制御処理が従初期制御実行手段により実行される。その従初期制御実行手段が実行する従初期制御処理内で、主制御手段からの復帰データ信号に基づいて、復帰データ信号が示す情報が従復帰保留情報として従保留情報記憶手段に従保留情報復帰手段により記憶される。これにより、電源断が発生した後に、電源が遊技機に再投入された場合に、主制御手段の主保留情報記憶手段に記憶されていたデータが復帰データ信号に基づいて通知されて、従保留情報記憶手段に従復帰保留情報が記憶される。よって、従保留情報記憶手段に記憶されていたデータを、電源断する直前の状態に復帰させることができる。従って、電源断から復帰すると遊技者に電源断直前に表示されていた保留表示態様を表示することができる。主保留情報と時間情報とに基づく情報として従復帰保留情報が記憶されるので、電源断から復帰して、予め定められた条件が成立した場合にも、保留表示態様を変動開始する順序で並べ替えて表示することができる。
遊技機N1からN3のいずれかにおいて前記主保留情報記憶手段は、電源が断した状態でもデータを保持可能に構成されたものであり、前記主制御手段は、遊技機に電源が投入された場合に、遊技機の初期設定である主初期制御処理を実行する主初期制御実行手段と、前記初期制御処理の一処理として、前記従制御手段に対して、前記主保留情報記憶手段に記憶されている主保留情報に基づいて、復帰データ信号を生成して前記従制御手段に対して出力する復帰データ信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機に電源が投入された場合に、遊技機の初期設定である従初期制御処理を実行する従初期制御実行手段と、その従初期制御実行手段が実行する従初期制御処理内で、前記主制御手段からの復帰データ信号に基づいて、復帰データ信号が示す情報を従復帰保留情報として前記従保留情報記憶手段に記憶させる従保留情報復帰手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5記載の遊技機によれば、遊技機N1からN3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段の主保留情報記憶手段では、電源が断した状態でもデータが保持される。主制御手段では、遊技機に電源が投入された場合に、遊技機の初期設定である主初期制御処理が主初期制御実行手段により実行される。主初期制御処理の一処理として、主保留情報記憶手段に記憶されている主保留情報に基づいて、復帰データ信号が復帰データ信号生成手段により生成されて、従制御手段に対して出力される。従制御手段では、遊技機に電源が投入された場合に、遊技機の初期設定である従初期制御処理が従初期制御実行手段により実行される。その従初期制御実行手段が実行する従初期制御処理内で、主制御手段からの復帰データ信号に基づいて、復帰データ信号が示す情報が従復帰保留情報として従保留情報記憶手段に従保留情報復帰手段により記憶される。これにより、電源断が発生した後に、電源が遊技機に再投入された場合に、主制御手段の主保留情報記憶手段に記憶されていたデータが復帰データ信号に基づいて通知されて、従保留情報記憶手段に従復帰保留情報が記憶される。よって、電源断直前の状態に、従保留情報記憶手段に記憶されていたデータを、電源断前の状態に復帰させることができる。従って、電源断から復帰すると遊技者に電源断直前に表示されていた保留表示態様を表示することができる。
遊技機N4またはN5において、前記従保留情報記憶手段は、電源が断した状態でも記憶しているデータを保持可能に構成されたものであり、前記従保留情報復帰手段は、主制御手段からの復帰データ信号が示す情報と前記従保留情報記憶手段に記憶されている従保留情報とを照合し、一致すると判別された場合には、従保留情報記憶手段に記憶されている従保留情報を維持させる一方、一致しないと判別された場合には、前記従保留情報記憶手段に復帰データ信号が示す情報を従復帰保留情報として記憶するものであることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6記載の遊技によれば、遊技機N4またはN5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段の従保留情報記憶手段では、電源が断した状態でもデータが保持される。従制御手段では、主制御手段からの復帰データ信号が示す情報と従保留情報記憶手段に記憶されている情報とが従保留情報復帰手段により照合される。その結果、一致すると判別された場合には、従保留情報記憶手段に記憶されている従保留情報が維持される。一致しないと判別された場合には、従保留情報記憶手段に復帰データ信号が示す情報が従復帰保留情報として記憶される。よって、より正しいデータに従保留情報記憶手段のデータを更新することができる。従って、電源断から復帰した場合に、正しい保留表示態様を表示して、遊技者が混乱してしまうのを防止することができる。
遊技機N4またはN5において、前記従保留情報記憶手段は、電源が断した状態でも記憶しているデータを保持可能に構成されたものであり、前記従保留情報復帰手段は、主制御手段からの復帰データ信号が示す情報と前記従保留情報記憶手段に記憶されている従保留情報とを照合し、一致する場合には、従保留情報記憶手段に記憶されている従保留情報を維持させる一方、一致しない場合に、前記従保留情報記憶手段を初期化して、仮の保留表示態様を示す保留表示態様で表示させるものであることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N4またはN5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段の従保留情報記憶手段では、電源が断した状態でもデータが保持される。従制御手段では、主制御手段からの復帰データ信号が示す情報と従保留情報記憶手段に記憶されている情報とが従保留情報復帰手段により照合される。その結果、一致すると判別された場合には、従保留情報記憶手段に記憶されている従保留情報が維持される。一致しないと判別された場合には、従保留情報記憶手段を初期化して、仮の保留表示態様を示す保留表示態様が表示される。よって、仮の保留表示態様が表示されることで、従保留情報記憶手段に記憶されていたデータに異常があったことを遊技店の店員等が認識することができる。また、遊技者に誤った情報に基づいて、保留表示態様を表示してしまうのを防止することができ、遊技者を混乱させてしまうのを防止することができる。
遊技機N5からN7のいずれかにおいて、前記動的表示開始時間情報決定手段は、前記従復帰保留情報が従保留情報記憶手段に記憶されたことに基づいて、記憶された従復帰保留情報に対応する時間情報を決定して、前記従保留情報記憶手段に記憶するものであることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8記載の遊技機によれば、遊技機N5からN7のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段では、従復帰保留情報が従保留情報記憶手段に記憶されたことに基づいて、記憶された従復帰保留情報に対応する時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により決定され、従保留情報記憶手段に記憶される。よって、電源断から復帰した後に、記憶された従復帰保留情報に対応する保留表示態様を変動開始する順序で並べ替えて表示することができる。従って、電源断が発生した後であっても、遊技者に、変動開始する順序を報知することで、遊技者が混乱してしまうのを防止することができる。
遊技機N4からN8にいずれかにおいて、前記並び替え手段は、前記従復帰保留情報が前記従保留情報記憶手段に記憶された場合に、前記予め定められた条件が成立したと判別して、前記保留表示態様を並び替えて表示するものであることを特徴とする遊技機N9。
遊技機N9によれば、遊技機N4からN8のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段では、従復帰保留情報が従保留情報記憶手段に記憶される場合に、予め定められた条件が成立したものと判別して、保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替えて並び替え手段により表示される。よって、電源断から復帰して、保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替えられることで、遊技を再開すると直ぐに、動的表示を開始する順序を認識することができ、遊技を分かり易く行うことができる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を複数の動的表示態様で構成された動的表示態様群群より決定し、前記第2当否判定手段の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を複数の動的表示態様で構成された動的表示態様群より決定する動的表示態様決定手段と、動的表示される前記第1識別情報と第2識別情報とのうち、どちらの識別情報を視認するように遊技者に報知するかを前記当否判定手段の当否判定結果に基づいて決定する報知先決定手段と、その報知先決定手段により決定された識別情報を遊技者に視認するように報知する視認報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機O1。
遊技機O1によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が複数の動的表示態様で構成された動的表示態様群より動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が複数の動的表示態様で構成された動的表示態様群より動的表示態様決定手段により決定される。動的表示される第1識別情報と第2識別情報とのうち、どちらの識別情報を視認するように遊技者に報知するかが当否判定結果に基づいて報知先決定手段により決定される。その報知先決定手段により決定された識別情報が遊技者に視認するように視認報知手段により報知される。これにより、視認すべき識別情報が当否判定結果に基づいて決定されるので、遊技者は、視認するべき識別情報を容易に判別することができ、遊技を分かり易く行うことができる。よって、遊技者の混乱を抑制することができる。
遊技機O1において、前記動的表示態様決定手段は、前記当否判定手段の当否判定結果に基づいて、前記動的表示態様を決定するものであり、前記動的表示態様群は、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりの場合に外れの場合よりも決定され易い高期待度動的表示態様を含んで構成されたものであり、前記報知先決定手段は、前記動的表示態様決定手段により前記高期待度動的表示態様が決定されたことに基づいて、その高期待度動的表示態様が動的表示される方の前記第1または第2識別情報を報知先として決定するものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定手段の当否判定結果に基づいて、動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。当否判定手段の当否判定結果が当たりの場合に、外れの場合よりも決定され易い高期待度動的表示態様が動的表示態様群には含まれて構成されている。動的表示態様決定手段により高期待度動的表示態様が決定されたことに基づいて、その高期待度動的表示態様が動的表示される方の第1または第2識別情報が報知先として報知先決定手段により決定される。よって、高期待度動的表示態様を視認するように遊技者に対して報知することで、高期待度動的表示態様を遊技者が見逃してしまうのを防止できる。
遊技機O1またはO2において、前記動的表示態様決定手段により第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方で、前記高期待度動的表示態様により動的表示されることが決定されたことに基づいて、その決定された高期待度動的表示態様の動的表示が終了するまで、他方の識別情報の動的表示を開始するのを遅延させる動的表示遅延手段とを有するものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1またはO2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様決定手段により第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方で、高期待度動的表示態様により動的表示されることが決定されたことに基づいて、その決定された高期待度動的表示態様の動的表示が終了するまで、他方の識別情報の動的表示を開始するのが動的表示遅延手段により遅延される。これにより、高期待度動的表示態様が動的表示されているときに、他方の識別情報の動的表示が新たに開始してしまうのを防止できる。よって、遊技者が、高期待度動的表示態様で動的表示される識別情報に集中することができる。
遊技機O1またはO2において、前記動的表示態様決定手段により第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方で前記高期待度動的表示態様で動的表示されることが決定されたことに基づいて、その選択された高期待度動的表示態様で動的表示される第1または第2識別情報の動的表示が終了するまで、他方の識別情報の動的表示時間を延長させる動的表示延長手段とを有するものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O1またはO2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様決定手段により第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方で、高期待度動的表示態様により動的表示されることが決定されたことに基づいて、その決定された高期待度動的表示態様の動的表示が終了するまで、他方の識別情報の動的表示時間が動的表示延長手段により延長される。これにより、高期待度動的表示態様が動的表示されているときに、他方の識別情報の動的表示が新たに開始してしまうのを防止できる。よって、遊技者が、高期待度動的表示態様で動的表示される識別情報に集中することができる。
遊技機O1からO4にいずれかにおいて、前記動的表示態様に対応して予め設定された音声を出力させる音声出力手段と、前記報知先決定手段により報知する識別情報が、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方に決定されたことに基づいて、他方の識別情報の動的表示態様に対応する音声を消音または通常時よりも小さい音量に設定する音量可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O1からO4いずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様に対応して予め設定された音声が音声出力手段により出力される。報知先決定手段により報知する識別情報が、第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方に決定されたことに基づいて、他方の識別情報の動的表示態様に対応する音声が消音または通常時よりも小さい音量に音量可変手段により設定される。よって、より報知先決定手段が決定した識別情報に遊技者の意識が集中して、動的表示される動的表示態様を見逃してしまうのを防止できる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を前記当否判定手段による当否判定結果に基づいて、前記当否判定手段による当否判定結が当たりの場合に、外れの場合よりも決定され易い高期待度動的表示態様を含む複数の動的表示態様で構成された動的表示態様群より決定し、前記第2当否判定手段の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を前記動的表示態様群より前記当否判定手段の当否判定結果に基づいて決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件の成立に基づいて動的表示態様決定手段により決定された動的表示態様が前記高期待度動的表示態様である場合には、その決定された高期待度動的表示態様で動的表示される識別情報と異なる識別情報に対して、前記高期待度動的表示態様が決定されていないかを判別する重複判別手段と、その重複判別手段により、前記異なる識別情報に対しても前記高期待度動的表示態様が決定されていると判別された場合には、前記第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方に対応する前記高期待度動的表示態様の動的表示の開始を遅延させる動的表示遅延手段と、を有するものであることを特徴する遊技機O6。
遊技機O6によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が当否判定手段による当否判定結果が当たりの場合に、外れの場合よりも決定され易い高期待度動的表示態様を含んだ複数の動的表示態様で構成された動的表示態様群から動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様群から動的表示態様決定手段により決定される。第1または第2当否判定条件の成立に基づいて動的表示態様決定手段により決定された動的表示態様が高期待度動的表示態様である場合には、その決定された高期待度動的表示態様で動的表示される識別情報と異なる識別情報に対して、高期待度動的表示態様が決定されていなかが重複判別手段により判別される。その重複判別手段により、異なる識別情報に対しても高期待度動的表示態様が決定されていると判別された場合には、第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方に対応する高期待度動的表示態様の開始が動的表示遅延手段により遅延される。これにより、第1表示手段と第2表示手段とで、高期待度動的表示態様が動的表示されてしまう場合にも、一方の高期待度動的表示態様の開始が遅延されるので、両方同時に、高期待度動的表示態様の動的表示が開始されてしまうのを防止できる。よって、遊技者は、先に動的表示される高期待度動的表示態様に集中して、遊技を行うことができる。その結果、遊技者の混乱を抑制することができる。
遊技機O6において、前記動的表示遅延手段は、動的表示の開始が遅延されない方の識別情報が動的表示される前記高期待度動的表示態様が終了するよりも長く、動的表示の開始を遅延する方の識別情報における前記高期待度動的表示態様の動的表示の開始を遅延させるものであることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示の開始が遅延されない方の識別情報が動的表示される高期待度動的表示態様が終了するよりも長く、動的表示の開始を遅延する方の識別情報における高期待度動的表示態様の動的表示の開始が動的表示遅延手段により遅延される。これにより、一方の高期待度動的表示態様の動的表示が終了された後で、遅延されていた高期待度動的表示態様の動的表示が開始されるので、遊技者は、それぞれの高期待度動的表示態様に集中して遊技を行うことができる。よって、遊技者は、遊技を分かり易く行うことができる。
遊技機O6またはO7において、前記動的表示遅延手段により動的表示の開始が遅延された識別情報と異なる識別情報を遊技者に視認するように示す報知する視認報知手段とを有するものであることを特徴とする遊技機O8。
遊技機O8によれば、遊技機O6またはO7に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示遅延手段により動的表示の開始が遅延された識別情報と異なる識別情報を遊技者に視認するように視認報知手段により報知される。よって、遊技者は、どちらの識別情報の動的表示に集中して見るべきか容易に判別できる。よって、遊技者の混乱を抑制することができる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となったときに実行される前記当否判定手段による当否判定の当否判定情報を少なくとも有する保留情報を記憶する保留情報記憶手段と、新たに前記保留情報記憶手段に前記保留情報が記憶されたことに基づいて、前記保留情報記憶手段に記憶されている各保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となる前に、その保留情報の当否判定を事前に行う事前当否判定手段と、その事前当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、事前判定の結果が当たりであったことを報知するか否かを決定する事前報知決定手段と、その事前報知決定手段が報知すると決定した場合に、遊技者に事前当否判定手段の当否判定結果を報知する先読み報知手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機P1。
遊技機P1によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示が開始されるまでの間、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示可能となったときに実行される当否判定手段による当否判定の当否判定情報を少なくとも有す保留情報が保留情報記憶手段に記憶される。新たに保留情報記憶手段に保留情報が記憶されたことに基づいて、保留情報記憶手段に記憶されている各保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始可能となる前に、その保留情報の当否判定が事前当否判定手段により事前に行われる。その事前当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、事前判定の結果が当たりであったことを報知するか否かが事前報知決定手段により決定される。その事前報知決定手段が事前判定の結果が当たりであったことを報知すると決定した場合に、遊技者に事前当否判定手段の当否判定結果が先読み報知手段により報知される。これにより、識別情報で当否判定結果の結果が報知される前に、事前に報知されるので、より早く当否判定の結果を遊技者に知らせることができ、大当たりへの期待感を増大させることができる。よって、遊技者が早期に、遊技に飽きてしまうのを防止できるという効果がある。
遊技機P1において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を決定し、前記第2当否判定手段の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段を有し、前記保留情報記憶手段は、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、前記動的表示態様決定手段が決定した動的表示態様に関する情報を少なくとも有する保留情報を記憶するものであり、前記第1または第2当否判定条件が成立して、新たな保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示時間と先に記憶されている各保留情報毎の動的表示態様とに基づいて、新たな保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を決定して、前記保留情報記憶手段に記憶する動的表示開始時間情報決定手段と、前記特典遊技実行手段が特典遊技を実行した後で実行する第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定が、通常時より当たりとなり易い特別遊技状態に移行させるか否かを抽選するための抽選情報を、前記第1または第2当否判定条件の成立に基づいて取得し、前記第1または第2当否判定条件が成立して、その成立した判定条件に対応した保留情報を記憶する場合には、その保留情報に関連させて前記抽選情報を前記保留情報記憶手段に記憶する遊技状態抽選手段と、を有し、前記事前当否判定手段は、前記動的表示開始時間情報決定手段が決定した時間情報に基づいて、各保留情報に対応する動的表示開始時の遊技状態が前記特別遊技状態であるかを前記抽選情報により判断して、事前に当否判定を行うものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の時間情報に関わる動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の時間情報に関わる動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報が動的表示が開始されるまでの間、動的表示態様決定手段が決定した動的表示態様に関する情報を少なくとも有する保留情報が保留情報記憶手段に記憶される。第1または第2当否判定条件が成立して、新たな保留情報が記憶される場合には、動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示時間と先に記憶されている各保留情報毎の動的表示態様とに基づいて、新たな保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報が動的表示開始時間情報決定手段により決定され、保留情報記憶手段に記憶される。特典遊技実行手段が特典遊技を実行した後で実行される第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定が通常時よりも当たり易い特別遊技状態に移行させるか否かを抽選するための抽選情報が、遊技状態抽選手段により第1または第2当否判定条件の成立に基づいて取得される。また、第1または第2当否判定条件が成立して、その成立した判定条件に対応した保留情報が記憶される場合には、その保留情報に関連させて、抽選情報が遊技状態抽選手段により保留情報記憶手段に記憶される。動的表示開始時間情報決定手段が決定した時間情報に基づいて、各保留情報に対応する動的表示開始時の遊技状態が特別遊技状態であるかを抽選情報により判断して、事前当否判定手段により事前に当否判定が実行される。これにより、変動開始時の遊技状態が事前に判定されて、その結果に基づいて、事前に当否判定が行われるので、より正確な事前の当否判定を実行できる。よって、遊技者に正確な情報を事前に報知することができ、遊技者の混乱を抑制することができる。
遊技機P2において、前記事前報知決定手段により事前判定の結果が当たりであったことを報知すると決定された後に、成立した当否判定条件に基づいて実行された当否判定の結果が当たりとなる場合には、前記動的表示態様決定手段は、その成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報の動的表示態様として、前記報知決定手段が当たりであったことを報知した保留情報に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示を開始するよりも長い延長動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前報知決定手段により事前判定の結果が当たりであったことを報知すると決定された後に、成立した当否判定条件に基づいて実行された当否判定の結果が当たりとなる場合には、動的表示態様決定手段は、その成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報の動的表示態様として、報知決定手段が当たりであったことを報知した保留情報に対応する第1または第2識別情報が動的表示を開始するよりも長い延長動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。ここで、先読み報知手段により事前判定の結果が当たりであると報知された後に、その後成立した当否判定条件に基づく抽選遊技が、報知された抽選遊技よりも早く識別情報が停止表示されて当たりとなって、遊技状態が変更されると、事前判定の結果が変わる場合がある。すると、事前判定の結果が変更された結果、先読み報知手段で当たりを報知したにもかかわらず、当たりとならない不具合が起こり得る。しかしながら、延長動的表示態様が決定されるので、当たりを事前に報知された保留情報に対応する識別情報が先に動的表示される。よって、事前判定を行ったときに判別された遊技状態と同じ遊技状態で動的表示が開始されるので、事前判定の結果と動的表示開始時の判定とを一致させることができる。従って、遊技者の混乱を抑制することができるという効果がある。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有し、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記第1または第2識別情報が動的表示開始されるまでの間、成立した第1当否判定条件または第2当否判定条件の当否判定に関わる当否判定情報を少なくとも有する保留情報を記憶する保留情報記憶手段と、その保留情報記憶手段に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件との前記保留情報がそれぞれ記憶されていることを契機に、前記第1識別情報と第2識別情報とを互いに関わり合いのある動的表示態様で動的表示させることにより前記第1抽選遊技と前記第2抽選遊技との当否判定結果を報知するための融合動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機Q1。
遊技機Q1記載の遊技機によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する第1または第2識別情報の動的表示が開始されるまでの間、成立した第1当否判定条件または第2当否判定の当否判定に関わる当否判定情報を少なくとも有する保留情報が保留情報記憶手段に記憶される。その保留情報記憶手段に第1当否判定条件と第2当否判定条件との保留情報が記憶されていることを契機に、第1識別情報と第2識別情報とを互いにに関わり合いのある動的表示態様で動的表示させることにより第1抽選遊技機と第2抽選遊技との当否判定結果を報知するための融合動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。これにより、融合動的表示態様により第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定結果を一度に分かり易く判別することができる。よって、遊技者が第1抽選遊技と第2抽選遊技との当否判定結果が独立して動的表示されることにより、判定結果を識別できなくなるという遊技者の混乱を抑制することができる。
遊技機Q1において、前記保留情報記憶手段に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件との保留情報がそれぞれ記憶されていることを契機に、前記融合動的表示態様を動的表示する融合動的条件が成立したかを判別する融合判別手段を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記融合判別手段により前記融合動的条件が成立したとと判別された場合に、前記融合動的表示態様を決定する一方、前記融合判別手段により前記融合動的条件が非成立であると判別された場合に、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様と、前記第2当否判定手段の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様とをそれぞれ独立した動的表示態様として決定するものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留情報記憶手段に第1当否判定条件と第2当否判定条件との保留情報がそれぞれ記憶されていることを契機に、融合動的表示態様を動的表示する融合動的条件が成立したかが融合判別手段により判別される。融合判別手段により融合動的条件が成立したと判別された場合に、融合動的表示態様が融合動的表示態様決定手段により決定される。一方、融合判別手段により融合動的条件が非成立であると判別された場合に、第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様と、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様と、がそれぞれ独立した動的表示態様として動的表示態様決定手段により決定される。これにより、融合動的表示態様を動的表示できない場合にも、第1識別情報と第2識別情報との動的表示態様がそれぞれ動的表示されるので、融合動的表示態様が動的表示可能となるまで、抽選遊技が中断してしまう不具合を防止できる。よって、遊技者に遊技の状態に合わせた動的表示を適宜、実行することができる。
遊技機Q1または2において、前記融合動的表示態様は、前記第1識別情報に対応する第1融合動的表示態様と第2識別情報に対応する第2融合動的表示態様とで構成されるものであり、前記動的表示態様決定手段は、前記第1融合動的表示態様と前記第2融合動的表示態様とを同期してそれぞれそれぞれ決定するものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1またはQ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1識別情報に対応する第1融合動的表示態様と第2識別情報に対応する第2融合動的表示態様とで融合動的表示態様が構成される。第1融合動的表示態様と第2融合動的表示態様とが同期してそれぞれ動的表示態様決定手段により決定される。これにより、第1融合動的表示態様と第2融合動的表示態様とが同期して決定されるので、第1融合動的表示態様と第2融合動的表示態様とを同じタイミングで開始させやすく構成できる。よって、第1識別情報と第2識別情報とを互いに関わり合いのある動的表示態様で動的表示する場合に、互いの動的表示が設定していたものとズレてしまうのを抑制できる。従って、遊技者により分かり易い融合動的表示態様を動的表示でき、遊技者の混乱をより抑制することができる。
遊技機Q3において、前記融合判別手段により前記融合動的条件が成立したと判別された場合には、前記保留情報記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とに対応する保留情報に基づく前記第1融合動的表示態様と前記第2融合動的表示態様とを同期したタイミングで動的表示態様決定手段が決定することを補助する同期調整手段を有するものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、融合判別手段により融合動的条件が成立したと判別された場合には、保留情報記憶手段に記憶されている第1当否判定条件と第2当否判定条件とに対応する保留情報に基づく第1融合動的表示態様と第2融合動的表示態様とを同期したタイミングで動的表示態様決定手段が決定することが同期調整手段により補助される。これにより、より容易に動的表示態様決定手段が第1融合動的表示態様と第2融合動的表示態様とを同期したタイミングで決定することができる。よって、第1動的表示態様と第2動的表示態様とを同期したタイミングで動的表示させることにより、第1抽選遊技と第2抽選遊技とに関わる動的表示が同時期に開始されたことを容易に遊技者が認識できる。従って、遊技者の混乱をより抑制することができる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有し、前記第1または第2当否判定条件の成立に基づいて、前記特典遊技実行手段により付与された特典遊技の後の遊技状態を、通常遊技状態とその通常遊技状態よりも遊技者に有利となる特別遊技状態とのどちらに移行させるかを決定する遊技状態決定手段と、前記特別遊技状態中である場合に、前記当否判定手段に当たりと判定され、前記遊技状態決定手段により前記通常遊技状態に移行させると決定される前記第1または第2当否判定条件の成立を判定する抽選監視手段と、その抽選監視手段により前記条件を満たす前記第1または第2当否判定条件が成立したと判定された場合に、その条件を満たすと判定された第1または第2当否判定条件に対応する特典遊技の開始を遅延させる特典遅延手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機R1。
遊技機R1によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1または第2当否判定条件の成立に基づいて、特典遊技実行手段により付与された特典遊技の後の遊技状態を、通常遊技状態とその通常遊技状態よりも遊技者に有利となる特別遊技状態とのどちらに移行させるかが遊技状態決定手段により決定される。特別遊技状態中である場合に、当否判定手段により当たりと判定され、遊技状態決定手段により通常遊技状態に移行させると決定される第1または第2当否判定条件の成立が抽選監視手段により判定される。その抽選監視手段により条件を満たす第1または第2当否判定条件が成立したと判定された場合に、その条件を満たすと判定された第1または第2当否判定条件に対応する特典遊技の開始が特典遊技遅延手段により遅延される。これにより、通常遊技状態に移行する当たりに当選した場合にも、その特典遊技が実行されるまでの間、特別遊技状態で遊技が実行されるので、より長く遊技者に特別遊技状態で遊技を行わせることができる。よって、遊技者により多くの利益を付与することができる。
遊技機R1において、前記第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方について動的表示中に、他方の識別情報で特典遊技が特典遊技実行手段により実行された場合には、前記一方の識別情報の残り動的表示を他方の特典遊技が終了するまで持ち越す特典遊技持越手段と、前記特典遊技持越手段により特典遊技終了後に持ち越された前記第1識別情報または第2識別情報の当否判定結果を、特典遊技後の遊技状態に関わらず、動的表示開始時の遊技状態で判定された当否判定結果で維持する当否判定維持手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方について動的表示中に、他方の識別情報で特典遊技が特典遊技実行手段により実行された場合には、一方の識別情報の残り動的表示が他方の特典遊技が終了するまで特典遊技持越手段により持ち越される。そして、特典遊技持越手段により特典遊技終了後に持ち越された第1識別情報または第2識別情報の当否判定結果が、特典遊技後の遊技状態に関わらず、動的表示開始時の遊技状態で判定された当否判定結果で当否判定維持手段により維持される。
これにより、特別遊技状態中に、通常遊技状態に移行する当たりとなる特典遊技の開始を遅延している間に、動的表示が開始された抽選遊技は特別遊技状態での判定が維持されるので、動的表示がされている間に、特典遊技が開始されたとしても、遊技者に不利益をなる不具合を防止できる。よって、特典遊技が遅延されている間に、遊技者が新たな当たりへの当選をあきらめてしまうのを防止できるという効果がある。
遊技機R1またはR2の遊技機において、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を、少なくとも通常動的表示態様と前記通常動的表示態様よりも動的表示時間の長い延長動的表示態様とで構成された動的表示態様群から動的表示開始条件の成立に従って決定し、前記第2当否判定手段の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示を前記動的表示態様群から動的表示開始条件の成立に従って決定する動的表示態様決定手段を有し、前記特典遅延手段は、前記動的表示態様決定手段に前記延長動的表示態様を決定させることにより特典遊技の開始を遅延させるものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1またはR2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が、少なくとも通常動的表示態様と通常動的表示態様よりも動的表示時間の長い延長動的表示態様とで構成された動的表示態様群から動的表示開始条件の成立に従って動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様群から動的表示開始条件の成立に従って動的表示態様決定手段により決定される。そして、動的表示態様決定手段に延長動的表示態様を決定させることにより特典遊技の開始が特典遅延手段により遅延される。よって、特典遊技の開始が遅延されている間も、動的表示態様が動的表示されるので、遊技者が、遅延されている時間を退屈することを防止できる。
遊技機R1からR3のいずれかにおいて、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記動的表示開始条件が成立するよりも前に、成立した第1または第2当否判定条件の当否判定に関わる当否判定情報と前記遊技状態決定手段が決定する遊技状態に関わる遊技状態情報とを少なくとも有する保留情報が記憶される保留情報記憶手段と、前記保留情報記憶手段に新たに保留情報が記憶されたことに基づいて、前記保留情報に対応する前記当否判定結果と決定される前記遊技状態とを、前記動的表示開始条件が成立する前に前記当否判定情報と前記遊技状態情報とから判定する事前判定手段と、を有し、前記抽選監視手段は、前記事前判定手段の判定結果に基づいて、前記条件を満たす前記第1または第2当否判定条件が成立したかを判別するものであり、前記特典遅延手段は、前記抽選監視手段が前記条件を満たすと判別した第1または第2当否判定条件に対応する保留情報が前記保留情報記憶手段に記憶されたことに基づいて、前記判別された当否判定条件よりも先に保留情報記憶手段に記憶されている前記判別されたのと同じ当否判定条件に対して、前記動的表示開始条件の成立に従って、前記延長動的表示態様を前記動的表示態様決定手段により決定させるものであることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R1からR3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する動的表示開始条件が成立するよりも前に、成立した第1または第2当否判定条件の当否判定に関わる当否判定情報と遊技状態決定手段が決定する遊技状態に関わる遊技状態とを少なくとも有する保留情報が保留情報記憶手段に記憶される。保留情報記憶手段に新たに保留情報が記憶されたことに基づいて、保留情報に対応する当批判手に結果と決定される遊技状態とが、動的表示開始条件が成立する前に当否判定情報と遊技状態情報とから事前判定手段により判定される。事前判定手段の判定結果に基づいて、条件を満たす第1または第2当否判定条件が成立したかが抽選監視手段により判別される。その抽選監視手段が条件を満たすと判別した第1または第2当否判定条件に対応する保留情報が保留情報記憶手段に記憶されたことに基づいて、判別された当否判定条件よりも先に保留情報記憶手段に記憶されている判別されたのと同じ当否判定条件に対して、動的表示開始条件の成立に従って、延長動的表示態様を動的表示態様決定手段により特典遅延手段が決定させる。これにより、通常遊技状態に移行させる当たりとなる保留情報が保留情報記憶手段に記憶されたときに、それよりも先に動的表示する保留情報が記憶されている場合にも、その先に記憶されている保留情報に対応する動的表示態様として延長動的表示態様が決定されるので、より通常遊技状態に移行させる当たりとなる保留情報に対応する特典遊技の開始を遅らせることができる。よって、特別遊技状態中に通常遊技状態へ移行させる当たりとなる当否判定条件が成立して、保留情報記憶手段に保留情報が記憶された場合にも、より長い時間、遊技者に特別遊技状態で遊技を行わせることができる。
遊技機R1からR4のいずれかに記載の遊技機において、前記特典遅延手段は、前記抽選監視手段により前記条件を満たすと判別された前記第1または第2当否判定条件の一方に対応する保留情報が前記保留情報記憶手段に記憶されている状態で、前記事前判定手段により当否判定結果が当たりで、特別遊技状態に決定されると判定される他方の当否判定条件が新たに成立した場合に、その新たに成立した特別遊技状態に移行させる当たりとなる他方の当否判定条件の保留情報に対応する特典遊技の開始を、前記保留情報記憶手段に記憶されている通常遊技状態に移行させる当たりとなる保留情報に対応する特典遊技の開始よりも遅らせるものであることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選監視手段により条件を満たすと判別された第1または第2当否判定条件の一方に対応する保留情報が保留情報記憶手段に記憶されている状態で、事前判定手段により当否判定結果が当たりで、特別遊技状態が決定されると判定された他方の当否判定条件が新たに成立した場合に、その新たに成立した特別遊技状態に移行させる当たりとなる当否判定条件の保留情報に対応する特典遊技の開始が、保留情報記憶手段に記憶されている通常遊技状態に移行させる当たりとなる保留情報に対応する特典遊技の開始よりも特典遅延手段により遅らせられる。これにより、通常遊技状態に移行させる当たりに対応する特典遊技が実行された後で、特別遊技状態に移行させる当たりに対応する特典遊技が実行されるので、2つの特典遊技が実行された後にも、特別遊技状態で遊技者に遊技をさせることができる。よって、より遊技者に有利な遊技状態で遊技をさせることができ、大当たりへの期待を阻害してしまうのを抑制できる。
遊技の主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段の指示により遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第1当否判定信号が、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果に基づいて、第2当否判定信号がそれぞれ生成される当否判定信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記第1当否判定信号に基づいて、第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報を動的表示する第1表示手段と、前記第2当否判定信号に基づいて、第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報を動的表示する第2表示手段と、を有し、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が付与され、前記主制御手段は、前記当否判定手段により判定と当たりと判定された場合に、前記特典遊技の後の遊技状態を、第1遊技状態に移行させる第1大当たりとするか、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態に移行させる第2大当たりとするかを決定する当たり種別決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立することに基づいて、その成立した当否判定条件に対して前記第1大当たりとなる当たりであるか、前記第2大当たりとなる当たりであるかを、その成立した当否判定条件に対応する識別情報が動的表示を開始する条件である動的表示開始条件が成立する前に判定する事前判定手段と、その事前判定手段の判定結果に基づいて、前記判定結果に関する事前判定情報を前記従制御手段に通知するための事前判定信号を生成し、前記従制御手段に対して出力する事前判定信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記事前判定信号を受信したことに基づいて、その受信した事前判定信号が示す前記事前判定情報に対応する当否判定条件の動的表示開始条件が成立するまで、その事前判定情報を記憶する従保留情報記憶手段と、前記従保留情報記憶手段に記憶された事前判定情報に基づいて、前記第1大当たりとなることを示す事前判定情報が記憶されているかを判定する従監視手段と、その従監視手段が、第1大当たりとなることを示す事前判定情報が記憶されていると判定したことに基づいて、その第1大当たりになると判定された事前判定情報に関する遊技状態移行情報を遊技者に報知するか否かを決定する事前報知決定手段と、その事前報知決定手段により、遊技者に報知することが決定された場合に、遊技者に前記遊技状態移行情報に基づいた遊技状態移行報知態様を報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機S1。
遊技機S1によれば、遊技の主な制御が主制御手段により実行され、その主制御手段の指示により遊技の制御が従制御手段により実行される。主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。そして、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果に基づく第1当否判定信号が、第2抽選遊技の当否判定結果に基づく第2当否判定信号が当否判定信号生成手段により生成される。従制御手段では、第1当否判定信号に基づいて、第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が第1表示手段により動的表示される。また、第2当否判定信号に基づいて、第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が第2表示手段により動的表示される。ここで、第1または第2表示手段に当たりを示す第1または第2識別情報が表示されると、遊技者に特典遊技が付与される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。主制御手段では、当否判定手段ににより当たりと判定された場合に、特典遊技の後の遊技状態を、第1遊技状態に移行させる第1大当たりとするか、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態に移行させる第2大当たりとするかが当たり種別決定手段により決定される。第1または第2当否判定条件が成立することに基づいて、その成立した当否判定条件に対して、第1大当たりとなる当たりであるか、第2大当たりとなるあたりであるかが、その成立した当否判定条件に対応する識別情報が動的表示を開始する条件である動的表示開始条件が成立する前に事前判定手段に判定される。その事前判定手段の判定結果に基づいて、前記判定結果に関する事前判定情報を従制御手段に通知するための事前判定信号が、事前判定信号生成手段により生成され、従制御手段に対して出力される。そして、従制御手段では、事前判定信号を受信したことに基づいて、その事前判定情報に対応する当否判定条件の動的表示開始条件が成立するまで、その事前判定情報が従保留情報記憶手段に記憶される。従保留情報記憶手段に記憶されている事前判定情報に基づいて、第1大当たりとなることを示す事前判定情報が記憶されているかが従監視手段により判定される。その従監視手段が、第1大当たりになることを示す事前判定情報が記憶されていると判定したことに基づいて、その第1大当たりになると判定された事前判定情報に関する遊技状態移行情報を遊技者に報知するか否かが事前報知決定手段により決定される。その結果、遊技者に報知すると決定された場合に、遊技者に遊技状態移行情報に基づいた遊技状態移行報知態様が報知手段により報知される。これにより、遊技状態移行報知態様が報知されることにより、遊技者は、現在の遊技状態が第2遊技状態であれば、その第2遊技状態の残り時間が少ないことを判別して、その残り時間を有効に利用して遊技を行うことができる。よって、遊技者により多くの利益を付与することができる。
遊技機S1において、前記主制御手段の事前判定信号生成手段は、前記事前判定手段の判定結果に対して、その判定結果に対応する当否判定条件を識別可能な前記事前判定信号を生成するものであり、前記遊技状態移行報知態様は、前記事前判定情報に対応する当否判定条件が前記第1当否判定条件か前記第2当否判定条件であるかを識別可能な報知態様で構成されていることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、事前判定手段の判定結果に対して、その判定結果に対応する当否判定条件を識別可能な事前判定信号が事前判定信号生成手段により生成される。事前判定報知態様に対応する当否判定条件が第1当否判定条件か第2当否判定条件であるかが識別可能な報知態様で、遊技状態移行報知態様が構成される。これにより、遊技者は、遊技状態移行報知態様により第1大当たりが成立していない当否判定条件を優先的に成立するように遊技を行うことができる。よって、より第2遊技状態を有効に利用して遊技を行う事ができる。従って、より遊技者に多くの利益を付与することができる。
遊技機S1またはS2において、前記主制御手段は、前記第2遊技状態中に、前記事前判定手段により前記第1大当たりとなる前記第1または第2当否判定条件が成立したと判定された場合に、その判定された第1または第2当否判定条件に対応する特典遊技の開始を遅延させる特典遅延手段とを有するものであることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S1またはS2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、第2遊技状態中に事前判定手段により第1大当たりとなる第1または第2当否判定条件が成立したと判定された場合に、その判定された第1または第2当否判定条件が成立したと判定された場合に、その判定された特典遊技の開始が特典遅延手段により遅延される。これにより、第2遊技状態がより長く遊技者に付与されることとなり、遊技者により多くの利益を付与させることができる。
遊技機S1からS3のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を遊技者が第1操作することで、前記第2当否判定条件よりも第1当否判定条件が成立し易い第1有利状態と、前記第1操作とは異なる第2操作することで前記第1当否判定条件よりも第2当否判定条件が成立し易い第2有利状態とに可変させる可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機S4。
遊技機S4によれば、遊技機S1からS3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段を遊技者が第1操作することで、第2当否判定条件よりも第1当否判定条件が成立し易い第1有利状態と、第1操作とは異なる第2操作することで第1当否判定条件よりも第2当否判定条件が成立し易い第2有利状態とに可変手段により可変される。これにより、報知手段により報知された遅延情報に基づいて、操作手段を操作して、特典遊技が遅延されている当否判定条件とは異なる当否判定条件が成立し易い状態に可変させることで、遊技者により多くの抽選遊技を第2遊技状態中に行わせることができる。よって、より遊技者により多くの利益を付与させることができる。
遊技機S1からS4のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方について動的表示中に、他方の識別情報で特典遊技が付与された場合には、前記一方の識別情報の残り動的表示を他方の特典遊技が終了するまで持ち越す特典遊技持越手段と、前記特典遊技持越手段により特典遊技終了後に持ち越された前記第1識別情報または第2識別情報の当否判定結果を、特典遊技後の遊技状態に関わらず、動的表示開始時の遊技状態で判定された当否判定結果で維持する当否判定維持手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機S5。
遊技機S5によれば、遊技機S1からS4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、第1識別情報と第2識別情報とのどちらか一方について動的表示中に、他方の識別情報で特典遊技が付与された場合には、一方の識別情報の残り動的表示が他方の特典遊技が終了するまで特典遊技持越手段により持ち越される。そして、特典遊技持越手段により特典遊技終了後に持ち越された第1識別情報または第2識別情報の当否判定結果が、特典遊技後の遊技状態に関わらず、動的表示開始時の遊技状態で判定された当否判定結果で当否判定維持手段により維持される。
これにより、第2遊技状態中に、第1遊技状態に移行する当たりとなる特典遊技の開始を遅延している間に、動的表示が開始された抽選遊技は第2遊技状態での判定が維持されるので、動的表示がされている間に、特典遊技が開始されたとしても、遊技者に不利益をなる不具合を防止できる。よって、特典遊技が遅延されている間に、遊技者が新たな当たりへの当選をあきらめてしまうのを防止できる。
遊技機S1からS5のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を、少なくとも通常動的表示態様と前記通常動的表示態様よりも動的表示時間の長い延長動的表示態様とで構成された動的表示態様群から動的表示開始条件の成立に従って決定し、前記第2当否判定手段の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を前記動的表示態様群から動的表示開始条件の成立に従って決定する動的表示態様決定手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、前記動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様を前記動的表示開始条件が成立する前に判別する事前動的表示態様判別手段と、前記事前動的表示態様判別手段が判別した前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様を前記従制御手段に通知する事前動的表示態様信号を生成し、前記従制御手段に対して出力する事前動的表示態様信号生成手段と、を有し、前記従監視手段は、前記事前動的表示態様信号に基づいて、前記延長動的表示態様が決定される第1大当たりとなる前記事前判定情報が記憶されているかを判定するものであることを特徴とする遊技機S6。
遊技機S6によれば、遊技機S1からS5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が、少なくとも通常動的表示態様と通常動的表示態様よりも動的表示時間の長い延長動的表示態様とで構成された動的表示態様群から動的表示開始条件の成立に従って動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が動的表示態様群から動的表示開始条件の成立に従って動的表示態様決定手段により決定される。また、第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様を動的表示開始条件が成立する前に事前動的表示態様判別手段により判別される。その事前動的表示態様判別手段が判別した動的表示態様を従制御手段に通知する事前動的表示態様信号が事前動的表示態様信号生成手段により生成され、従制御手段に対して、出力される。事前動的表示態様信号に基づいて、延長動的表示態様が決定される第1大当たりとなる事前判定情報が記憶されているかが従監視手段により判定される。これにより、遊技者に遊技状態移行報知態様により、第2遊技状態中に遅延された開始が遅延された第1大当たりとなる当否判定条件が成立していることを報知することとなる。よって、遊技者は、遊技状態移行報知態様が報知されることにより、より素早く第2遊技状態の残りが短いことを判断して、残りの第2遊技状態を有効に利用することができる。
遊技機S3からS6のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、その成立した当否判定条件に対して第1大当たりとなるか、確変大当たりとなるかを決定するための保留情報が前記動的表示開始条件が成立するまで記憶される主保留情報記憶手段を有し、前記主制御手段の事前判定手段は、主保留情報記憶手段に記憶された保留情報に基づいて、判定を行うものであり、前記主制御手段の特典遅延手段は、前記第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらか一方に対応する保留情報が前記事前判定手段により第1大当たりと判定されている状態で、他方に対応する保留情報が新たに成立し、その保留情報が前記事前判定手段により第2大当たりになると判定された場合に、その新たに成立した他方の当否判定条件の保留情報に対応する特典遊技の開始を、前記保留情報記憶手段に記憶されている第1大当たりとなる保留情報に対応する特典遊技の開始よりも遅らせるものであることを特徴とする遊技機S7。
遊技機S7によれば、遊技機S3からS6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、第1または第2当否判定条件が成立したことに基づいて、その成立した当否判定条件に対して第1大当たりとなるか、確変大当たりとなるかを決定するための保留情報が動的表示開始条件が成立するまで主保留情報記憶手段に記憶される。そして、その主保留情報記憶手段に記憶された保留情報に基づいて、事前判定手段により判定が行われる。主制御手段では、第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらか一方に対応する保留情報が事前判定手段により第1大当たりに判定されている状態で、他方に対応する保留情報が新たに成立し、その保留情報が事前判定手段により第2大当たりになると判定された場合に、その新たに成立した他方の当否判定条件の保留情報に対応する特典遊技の開始が、保留情報記憶手段に記憶されている第1大当たりとなる保留情報に対応する特典遊技の開始よりも特典遅延手段により遅らせられる。これにより、第1遊技状態に移行させる当たりに対応する特典遊技が実行された後で、第2遊技状態に移行させる当たりに対応する特典遊技が実行されるので、2つの特典遊技が実行された後にも、第2遊技状態で遊技者に遊技をさせることができる。よって、より遊技者に有利な遊技状態で遊技をさせることができ、大当たりへの期待を阻害してしまうのを抑制できる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有し、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなった場合に、前記特典遊技実行手段により付与された特典遊技の後の遊技状態を通常遊技状態に移行させる通常大当たりと前記通常遊技状態よりも遊技者に有利となる特別遊技状態に移行させる特別大当たりとのどちらか一方に決定する当たり種別決定手段と、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を動的表示開始条件の成立に従って決定し、前記第2当否判定手段の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を動的表示開始条件の成立に従って決定する動的表示態様決定手段を有し、前記動的表示開始条件が成立する前で、すでに成立している前記第1または第2当否判定条件に対して、前記通常大当たりまたは前記特別大当たりとなるかを前記動的表示開始条件が成立する前に判定する事前判定手段と、前記動的表示開始条件が成立する前の前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とのうちの一方の当否判定条件では、前記通常大当たりになると前記事前判定手段により判定され、他方の当否判定条件では、前記特別大当たりになると前記事前判定手段により判定された場合に、前記通常大当たりになると判定された当否判定条件に対応する特典遊技の開始が、前記特別大当たりになると判定された当否判定条件に対応する特典遊技の開始よりも先になるように特典遊技の開始時期を調整する特典開始調整手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機T1。
遊技機T1によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。当否判定手段による当否判定結果が当たりとなった場合に、特典遊技実行手段により付与された特典遊技の後の遊技状態を通常遊技状態に移行させる通常大当たりと通常遊技状態よりも遊技者に有利となる特別遊技状態に移行させる特別大当たりとのどちらか一方が当たり種別決定手段により決定される。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する動的表示態様が、動的表示開始条件の成立に従って動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する動的表示態様が、動的表示開始条件の成立に従って動的表示態様決定手段により決定される。動的表示開始条件が成立する前で、すでに成立している第1または第2当否判定条件に対して、通常大当たりとなるか、特別大当たりとなるかが、動的表示開始条件が成立すル前に、事前判定手段により判定される。動的表示開始条件が成立する前の、第1当否判定条件と第2当否判定条件とのうち一方の当否判定条件では、通常大当たりになると事前判定手段により判定され、他方の当否判定条件では、特別大当たりになると事前判定手段により判定された場合に、通常大当たりの特典遊技の開始が、特別大当たりの特典遊技の開始よりも先になるように、特典遊技の開始が特典開始調整手段により調整される。これにより、通常大当たりが開始され、通常遊技状態に移行した後に、特別大当たりが実行されて特別遊技状態に移行されるので、遊技者により大当たりへの期待を大きく持たせることができる。よって、遊技者の遊技に対する意欲を減衰させることを抑制することができる。
遊技機T1の遊技機において、前記特典開始調整手段は、前記通常大当たりになると前記事前判定手段により判定された当否判定条件に対応する動的表示態様として、前記特別大当たりになると前記事前判定手段により判定された当否判定条件に対応する動的表示態様として動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様よりも短い動的表示時間となる短縮動的表示態様を動的表示態様決定手段に決定させるか、または、前記特別大当たりになる当否判定条件に対応する当否判定条件に対する動的表示態様として、前記通常大当たりになる当否判定条件に対応する動的表示態様として動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様よりも長い動的表示時間となる延長動的表示態様を動的表示態様決定手段に決定させるものであることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通常大当たりになると判定された当否判定条件に対応する動的表示態様として、前記特別大当たりになると判定された当否判定条件に対応する動的表示態様として動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様よりも短い動的表示時間となる短縮動的表示態様を動的表示態様決定手段が特典開始調整手段により決定させられる。または、特別大当たりになると判定された当否判定条件に対応する動的表示態様として、前記通常大当たりになると判定された当否判定条件に対応する動的表示態様として動的表示態様決定手段が決定する動的表示態様よりも長い動的表示時間となる延長動的表示態様を動的表示態様決定手段が特典開始調整手段により決定させられる。これにより、通常大当たりとなる動的表示態様または特別大当たりとなる動的表示態様の動的表示時間を調整することで、容易に通常大当たりの特典遊技の開始を特別大当たりの特典遊技の開始よりも先になるように調整することができる。よって、遊技者に、動的表示態様を楽しませながら、多くの利益を付与することができる。
遊技機T1またはT2に記載の遊技機において、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する前記動的表示開始条件が成立するよりも前に、成立した第1または第2当否判定条件の当否判定に関わる当否判定情報を少なくとも有する保留情報が記憶される保留情報記憶手段と、前記保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対応する前記第1または第2識別情報の動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様を、前記動的表示開始条件が成立するよりも前に判定する事前態様判定手段と、その事前態様判定手段の判定結果と前記第1または第2表示手段に動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様とに基づいて、前記保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対応する第1または第2識別情報の動的表示が終了するまでの時間に関わる時間情報を判別する終了時間判別手段と、を有し、前記特典開始調整手段は、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とのどちらか一方の当否判定条件について、前記通常大当たりになると前記事前判定手段により判定された当否判定条件に対応する保留情報が前記保留情報記憶手段に記憶されているときに、新たに成立した他方の当否判定条件について、前記事前判定手段により特別大当たりになる当否判定条件であると判定された場合には、前記終了時間判別手段により判別された前記通常大当たりとなる保留情報に対応する動的表示が終了する時間よりも後に、前記特別大当たりとなる保留情報に対応する動的表示が終了するような動的表示時間で構成された調整動的表示態様を、前記特別大当たりとなる保留情報に対応する動的表示態様として前記動的表示態様決定手段に決定させるものであり、前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とのどちらか一方の当否判定条件について、前記特別大当たりになると前記事前判定手段により判定された当否判定条件に対応する保留情報が前記保留情報記憶手段に記憶されているときに、新たに成立した他方の当否判定条件について、前記事前判定手段により通常大当たりになる当否判定条件であると判定された場合には、前記終了時間判別手段により判別された前記特別大当たりとなる保留情報に対応する動的表示が終了する時間よりも前に、前記通常大当たりとなる保留情報に対応する動的表示が終了するような動的表示時間で構成された調整動的表示態様を、前記通常大当たりとなる保留情報に対応する動的表示態様として前記動的表示態様決定手段に決定させるものであることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T1またはT2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1または第2当否判定条件が成立した場合に、成立した当否判定条件に対応する動的表示開始条件が成立するよりも前に、成立した第1または第2当否判定条件の当否判定に関わる当否判定情報を少なくとも有する保留情報を保留情報記憶手段に記憶する。その保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対応する第1または第2識別情報の動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様が、動的表示開始条件が成立するよりも前に、事前態様判定手段により判定される。その事前態様判定手段に判定結果と第1または第2表示手段に動的表示中に第1または第2識別情報の残り動的表示態様とに基づいて、保留情報に対応する第1または第2識別情報の動的表示が終了するまでの時間に関わる時間情報が終了時間判別手段により判別される。第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらか一方の当否判定条件について、通常大当たりになると事前判定手段により判定された当否判定条件に対応する保留情報が記憶されているときに、新たに成立した他方の当否判定条件について、事前判定手段により特別大当たりになる当否判定条件であると判定された場合には、終了時間判別手段により判別された通常大当たりとなる保留情報の動的表示が終了するまでの時間よりも後に、特別大当たりとなる保留情報の動的表示が終了するような動的表示時間で構成された調整動的表示態様が、特別大当たりとなる保留情報の動的表示態様として、動的表示態様決定手段が特典開始調整手段により決定させられる。一方、第1当否判定条件と第2当否判定条件とのどちらか一方の当否判定条件について、特別大当たりになると事前判定手段により判定された当否判定条件に対応する保留情報が記憶されているときに、新たに成立した他方の当否判定条件について、事前判定手段により通常大当たりになる当否判定条件であると判定された場合には、終了時間判別手段により判別された特別大当たりとなる保留情報の動的表示が終了するまでの時間よりも前に、通常大当たりとなる保留情報の動的表示が終了するような動的表示時間で構成された調整動的表示態様が、通常大当たりとなる保留情報の動的表示態様として、動的表示態様決定手段が特典開始調整手段により決定させられる。これにより、通常大当たりの特典遊技の開始と特別大当たりの特典遊技の開始との差を縮まるように調整動的表示態様の動的表示時間を設定すれば、遊技者は、テンポ良く特典遊技を行うことが可能となる。よって、遊技者が、より多くの抽選遊技を行うことができる。
当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定情報を取得する当否判定情報取得手段と、その当否判定情報取得手段により取得された当否判定情報を当否判定する当否判定手段と、その当否判定手段により当たりと判定されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、遊技者が操作可能な操作手段と、予め設定された有効期間内に、前記操作手段が操作されることに基づいて、所定の抽選を実行する操作抽選手段と、その操作抽選手段により当たりと判定された場合に、遊技に関わる情報を遊技者に報知する報知手段と、前記操作抽選手段が当たりと判定する抽選確率を、前記有効期間内における第1有効期間と前記第1有効期間と異なる第2有効期間とで異なる抽選確率に設定する抽選確率変更手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機U1。
遊技機U1によれば、当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定情報が当否判定情報取得手段により取得される。その当否判定情報取得手段により取得された当否判定情報が当否判定手段により当否判定される。その当否判定手段により当たりと判定されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。予め定められた有効期間内に、遊技者が操作可能な操作手段が操作されることに基づいて、所定の抽選が操作抽選手段により実行される。その操作抽選手段により当たりと判定された場合に、遊技に関わる情報が報知手段により遊技者に報知される。なお、操作抽選手段が当たりと判定する抽選確率は、有効期間内における第1有効期間とその第1有効期間と異なる第2有効期間とで、異なる抽選確率に抽選確率変更手段により設定される。これにより、遊技者が有効期間内に操作手段に操作すると、第1有効期間であるか、第2有効期間であるかによって、遊技に関わる情報が報知される確率を変えることができ、遊技者の操作手段を操作させる意欲を向上させることができる。よって、遊技者自身の操作により、遊技に関わる情報を報知させることができるので、遊技に退屈してしまうのを抑制できる。
遊技機U1において、前記特典遊技は、複数の小特典遊技から構成されるものであり、前記第1有効期間は、前記複数の小特典遊技のうち、いずれかの小特典遊技が実行される期間中に設定され、前記第2有効期間は、前記複数の小特典遊技のうち、前記第1有効期間中に設定された小特典遊技とは異なる小特典遊技のいずれかが実行される期間中に設定されているものであることを特徴とする遊技機U2。
遊技機U2によれば、遊技機U1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の小特典遊技により特典遊技は構成される。複数の小特典遊技のうち、いずれかの小特典遊技が実行される期間中において第1有効期間が設定される。また、複数の小特典遊技のうち、第1有効期間が設定された小特典遊技と異なる小特典遊技が実行される期間中において第2有効期間が設定される。これにより、特典遊技中の第1有効期間と第2有効期間とで遊技に関わる情報を報知させる確率を変化させることができ、特典遊技中にも、操作手段を操作する意欲を向上させることができる。よって、特典遊技中にも、遊技者が遊技に退屈することを抑制できる。
遊技機U1またはU2において、前記当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する前記識別情報の動的表示を開始する動的表示開始条件が成立するまでの間、前記当否判定情報取得手段に取得された当否判定情報を少なくとも有した保留情報を記憶する保留情報記憶手段と、その保留情報記憶手段に記憶された保留情報に基づいて、前記動的表示開始条件が開始する前に、当否判定結果を判定する事前判定手段と、を有し、前記遊技に関わる情報は、前記保留情報記憶手段に記憶されている保留情報のうち、前記事前判定手段により当たりと判定される保留情報が記憶されているか否かに関わる情報であることを特徴とする遊技機U3。
遊技機U3によれば、遊技機U1またはU2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する前記識別情報の動的表示を開始する動的表示開始条件が成立するまでの間、当否判定情報取得手段により取得された当否判定情報を少なくとも有した保留情報が保留情報記憶手段により記憶される。その保留情報記憶手段に記憶された保留情報に基づいて、動的表示開始条件が成立する前に、当否判定結果が事前判定手段により判定される。遊技者に報知される遊技に関わる情報は、保留情報記憶手段に記憶されている保留情報のうち、事前判定手段により当たりと判定される保留情報が記憶されているか否かに関わる情報で構成されている。よって、遊技者は、操作手段を操作することにより、動的表示開始条件が成立する前に、保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に対する当否判定結果を知ることができる。よって、遊技者は、自身の操作により、より早期に当否判定結果を知ることができる。また、操作手段の操作により当たりとなる保留情報が報知されない場合であっても、操作手段による抽選に外れただけで、実際は当たりとなる保留情報があるのではという期待を持って、識別情報の動的表示を楽しむことができる。従って、遊技者が遊技に飽きてしまうのを抑制できる。
遊技機U2において、前記当否判定手段により判定される当たりについて、前記特典遊技が実行された後の遊技状態を通常遊技状態に移行させる通常大当たりと前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる特別遊技状態に移行させる特別大当たりとのどちらか一方を決定する当たり種別判別手段を有し、前記遊技に関わる情報は、実行されている特典遊技の契機となった当たりが前記通常大当たりであるか前記特別大当たりであるかに関わる情報であることを特徴とする遊技機U4。
遊技機U4によれば、遊技機U2に記載の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定手段により判定される当たりについて、特典遊技が実行された後の遊技状態を通常遊技状態に移行させる通常大当たりと通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる特別遊技状態に移行させる特別大当たりとのどちらか一方が当たり種別決定手段により決定される。実行されている特典遊技の実行契機となった当たりが通常大当たりであるか特別大当たりであるかに関わる情報が遊技に関わる情報として報知される。
これにより、遊技者は、操作手段を操作することで、特典遊技中に、その特典遊技が実行される後の遊技状態について、早期に認識することができる。また、特典遊技中にも、操作手段を操作することに基づいた抽選確率が変更されるので、特典遊技中に操作手段を操作する期間の違いにより変化を持たせることができる。よって、遊技者が、特典遊技中に遊技に飽きてしまうのを抑制できる。
第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2当否判定条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報が、前記第1当否判定条件が成立した順に、動的表示される第1表示手段と、前記当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報が、前記第2当否判定条件が成立した順に、動的表示される第2表示手段と、前記第1識別情報を前記第1表示手段に、前記第2識別情報を前記第2表示手段にそれぞれ動的表示制御することが可能な表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、前記表示制御手段により前記第1または第2表示手段に前記第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有し、前記第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示を開始する動的表示開始条件が成立するまでの間、前記第1抽選遊技を実行する権利を保留し、前記第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示を開始する動的表示開始条件が成立するまでの間、前記第2抽選遊技を実行する権利を保留する保留手段と、前記第1当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様を前記動的表示開始条件の成立を契機に、前記保留手段に保留されている保留の数に基づいて決定し、前記第2当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様を、前記動的表示開始条件の成立を契機に、前記保留手段に保留されている保留の数に基づいて決定する動的表示態様決定手段と、予め定められた判別条件が成立する毎に、前記保留手段に保留された各保留に対して、前記判別条件が成立したときの前記保留手段の保留の数に基づいて、動的表示態様を判別する事前動的表示態様判別手段と、前記第1または第2当否判定条件が成立した場合に、前記動的表示開始条件が成立するまでの間、成立した第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序と前記事前動的表示態様判別手段が判別した動的表示態様に関する情報とを少なくとも有する保留情報を記憶する保留情報記憶手段と、その保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との保留情報を区別しつつ、各保留情報毎に前記第1当否判定条件と前記第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様で表示される保留表示手段と、前記事前動的表示態様判別手段の判別条件が成立する毎に、前記保留情報記憶手段に記憶された各保留情報毎の前記事前動的表示態様判別手段に判別された動的表示態様と動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様とに基づいて、各保留情報毎に第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報を決定または更新して、前記保留情報記憶手段に記憶する開始時間情報更新手段と、予め定められた条件が成立したことを契機に、前記開始時間情報更新手段により保留情報記憶手段に記憶された前記各時間情報に基づいて、前記保留表示手段に表示される保留表示態様を、前記動的表示を開始する順序で並び替える並び替え手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機V1。
遊技機V1によれば、第1当否判定条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定を示す第1識別情報の動的表示が、第1当否判定条件が成立した順に、第1表示手段で行われる。また、当否判定手段による第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報の動的表示が、第2当否判定条件が成立した順に、第2表示手段で行われる。ここで、第1識別情報は第1表示手段で、第2識別情報は第2表示手段で、表示制御制御手段によりそれぞれ動的表示可能にされている。そして、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなり、表示制御手段により第1または第2識別情報が当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1識別情報が動的表示中にも第2識別情報を動的表示することができ、効率良く第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。第1当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示を開始する動的表示開始条件が成立するまでの間、第1抽選遊技を実行する権利が保留手段により保留される。また、第2当否判定条件の成立に基づいて、成立した当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示を開始する動的表示開始条件が成立するまでの間、第2抽選遊技を実行する権利が保留手段により保留される。第1当否判定条件に対応する第1識別情報の動的表示態様が、動的表示開始条件の成立を契機に、保留手段に保留されている保留の数に基づいて動的表示態様決定手段により決定される。また、第2当否判定条件に対応する第2識別情報の動的表示態様が、動的表示開始条件の成立を契機に、保留手段に保留されている保留の数に基づいて、動的表示態様決定手段により決定される。予め定められた判別条件が成立する毎に、保留手段に保留された各保留に対して、判別条件が成立したときの保留の数に基づいて、動的表示態様が事前動的表示態様判別手段により判別される。第1または第2当否判定条件が成立した場合に、動的表示開始条件が成立するまでの間、成立した第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序と事前動的表示態様判別手段が判別した動的表示態様に関する情報とを少なくとも有する保留情報が保留情報記憶手段に記憶される。その保留情報記憶手段に記憶された第1当否判定条件と第2当否判定条件との保留情報を区別しつつ、各保留情報毎に第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立順序が、識別可能な保留表示態様の表示として保留表示手段で行われる。事前動的表示態様判別手段の判別条件が成立する毎に、各保留情報毎の事前動的表示態様判別手段により判別された動的表示態様と動的表示中の第1または第2識別情報の残り動的表示態様とに基づいて、各保留情報毎に第1または第2識別情報が動的表示開始となるまでの時間情報が開始時間情報更新手段により決定または更新され、保留情報記憶手段に記憶される。そして、予め定められた条件が成立したことを契機に、開始時間情報更新手段により保留情報記憶手段に記憶された各時間情報に基づいて、保留表示手段に表示される保留表示態様が動的表示を開始する順序で並び替え手段により並び替えられる。これにより、例えば、先に第1抽選遊技の保留情報が記憶されている状態で新たに第2抽選遊技の保留情報が記憶される。このときに動的表示中の第1識別情報の残り動的表示態様が動的表示中の第2識別情報の残り動的表示態様よりも長い動的表示態様である場合には、新たに記憶される第2抽選遊技の保留情報に対応する第2識別情報の動的表示の開始時間の方が、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報に対応する第1識別情報の動的表示の開始時間よりも早くなる。しかしながら、保留表示態様は、第1当否判定条件と第2当否判定条件とを合わせた当否判定条件の成立した順序を示す保留表示態様で順に表示されるので、先に記憶されている第1抽選遊技の保留情報の後の順序を示す保留表示態様で、新たに記憶された第2抽選遊技の保留表示態様が表示される。すると、実際の動的表示の開始順序と当否判定条件の成立順序が異なってしまう場合が発生するが、予め定められた条件が成立したことを契機に、並び替え手段により実際の動的表示の開始順序で並び替えて表示される。また、第1または第2識別情報の動的表示態様は、動的表示開始条件が成立した場合に、保留手段の保留の数に基づいて決定されるので、保留されている間は、保留の増減により決定されると事前に判別した動的表示態様に変更が生じる。その為、動的表示を開始する順序にも変更が生じるが、予め定められた判別条件が成立する毎に、動的表示開始する時間情報も決定または更新されるので、より正しい動的表示を開始する順序を遊技者に報知することができる。よって、遊技者は、実際の当否判定条件の成立順序と異なった順序で第1識別情報または第2識別情報が動的表示開始される場合にも、並び替え手段により動的表示の開始順序で保留表示態様が並び替えされるので、遊技者の混乱を抑制することができる。
遊技機V1において、前記保留表示手段に表示されている保留表示態様が、前記動的表示を開始する順序で並び替えて表示されている場合に、前記並び替えて表示されている保留表示態様に対応する保留情報の時間情報が前記開始時間情報更新手段により更新された結果、並び替えて表示されている順序に変更が生じたかを判別する順序監視手段と、その順序監視手段により、順序に変更が生じたと判別された場合に、並び替えて表示されている保留表示態様を、新たな動的表示を開始する順序で並び替える並び替え更新手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機V2。
遊技機V2によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留表示手段に表示されている保留表示態様が、動的表示を開始する順序で並び替えて表示されている場合に、並び替えて表示されている保留表示態様に対応する保留情報の時間情報が開始時間情報更新手段により更新された結果、並び替えて表示されている順序に変更が生じたかが順序監視手段により判別される。その順序監視手段により、順序に変更が生じたと判別された場合に、並び替えて表示されている保留表示態様が、新たな動的表示を開始する順序で並び替え更新手段により並び替えられる。これにより、予め定めれた条件が成立して、保留表示態様が並び替えて表示された後に、保留の増減等により動的表示を開始する順序に変更が生じた場合にも、その並び替えが行われるので、遊技者により正しい並び替え順序を認識させることができる。よって、より遊技者の混乱を抑制することができる。
遊技機V1またはV2において、前記並び替え更新手段により新たな動的表示を開始する順序で並び替えられた場合に、並び替えて表示されている保留表示態様の変動開始順序に変更が生じたことを遊技者に報知する報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機V3。
遊技機V3によれば、遊技機V1またはV2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、並び替え更新手段により新たな動的表示を開始する順序で並び替えられた場合に、並び替えて表示されている保留表示態様の変動開始順序に変更が生じたことが遊技者に報知手段により報知される。よって、遊技者が並び替えて表示されている保留表示態様の変動開始順序に変更が生じたことを容易に認識できる。従って、遊技者が分かり易く遊技を行うことができる。
遊技機A1からA5、B1、C1からC5、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2、G1、H1またはH2、I1からI14、J1からJ5、K1からK4、L1からL7、M1からM6、N1からN9、O1からO8、P1からP3、Q1からQ4、R1からR5、S1からS7、T1からT3、U1からU4、V1からV3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA5、B1、C1からC5、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2、G1、H1またはH2、I1からI14、J1からJ5、K1からK4、L1からL7、M1からM6、N1からN9、O1からO8、P1からP3、Q1からQ4、R1からR5、S1からS7、T1からT3、U1からU4、V1からV3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA5、B1、C1からC5、D1またはD2、E1からE3、F1またはF2、G1、H1またはH2、I1からI14、J1からJ5、K1からK4、L1からL7、M1からM6、N1からN9、O1からO8、P1からP3、Q1からQ4、R1からR5、S1からS7、T1からT3、U1からU4、V1からV3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。