以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。図2は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。内枠12は、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられているとともに、下皿ユニット13を除く範囲に対応して、前面枠セット14が、内枠12に対して開閉可能に取り付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。なお、符号24はスピーカからの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出する球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。一方、下皿15の上方においては、球受皿としての上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置(発射手段)の方へ導出する球受皿である。
また、図2において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
次に、遊技盤30の構成について説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33に遊技球が入球(入賞)すると、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33)に入賞しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
第1契機対応ユニット33は、一対の開閉部材33aを備えており、当該開閉部材33aが所定条件の成立に応じて開閉動作するように構成されている。これにより、第1契機対応ユニット33は、遊技球が入球困難又は入球不能な閉状態と、遊技球が前記閉状態より入球容易な開状態とに切換り可能となる。第1契機対応ユニット33は、例えば、通常モード時には開閉部材33aが開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。
可変表示装置ユニット35には、遊技盤30への取付ベース枠となるセンターフレーム37を備えるとともに、当該センターフレーム37に組付けられるようにして、第2契機対応口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置38と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する特別表示装置39と、特別表示装置39による変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示する装飾図柄表示装置42と、当該装飾図柄表示装置42の表示部42aを遮蔽する可動体ユニットとしてのシャッタ役物43(図7等参照)とが設けられている。センターフレーム37は装飾図柄表示装置42の表示部42aの周囲を囲むようにして配設されている。また、センターフレーム37の裏面にはLED等を駆動するLED制御基板37aなどが配設されている(図8参照)。
普通図柄表示装置38は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置38は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置38による普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
なお、普通図柄は、複数のランプの点灯態様を切換えることにより変動表示される構成の他、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。保留ランプ44も同様に、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成であってもよい。
特別表示装置39は、普通図柄表示装置38の普通図柄の上方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。この特別表示装置39についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。本実施形態では、この特別表示装置39によって大当たりか否かが確定的に表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、サブ制御装置262によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置39にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、表示制御装置45によって表示が行われる。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置39は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。このとき赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)される際に、すなわち大当たり抽選に当選した場合に、特別遊技状態が発生する。ここで赤又は緑が大当たりを示す表示である。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが後述する高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが後述する時間短縮モードであることを示す表示である。そのため、特別表示装置39が3色LEDを赤又は緑で決定表示する場合、これを受けて、装飾図柄表示装置42には、特定の図柄の組合わせが補助的に表示されることになる。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。より詳しくは、規定時間(例えば29秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、特別表示装置39の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。同様に、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留されることとなる。
さて、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、レール50を通じて、遊技盤30面上に形成された遊技領域内に案内される。レール50は内レール構成部51と外レール構成部52とからなる。
内レール構成部51の先端部分には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、遊技盤30の右側部に設けられた円弧状の樹脂パーツ54と、内レール構成部51及び外レール構成部52とにより画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
また、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置、すなわち樹脂パーツ54の上端部には、返しゴム55が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム55に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。
樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレール50を通じて遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。これにより、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
また、図2中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。当該シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となっており、前面枠セット14を開放した状態(図2の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態(図1の状態)では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋(図示略)により、シャッタ68が押し開けられるようになっており、排出口67と上皿19とが連通された状態となる。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。
次に、前面枠セット14について図1を参照しつつ説明する。前面枠セット14には遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。
また、前面枠セット14にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
なお、図面の開示は省略するが、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の補強板が設けられており、この補強板はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えている。より詳しくは、補強板の一部が後方に折り返されて前後2列のガラス保持溝が形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持されようになっている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を図3,4に基づいて詳しく説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主基板とサブ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で工具等を用いずとも着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
また、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図2では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
図4は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態における構成を示す背面図である。同図に示すように、遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。
また、遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。より詳しくは、遊技盤30の中央部にはセンターフレーム37用の開口部30aが形成されており(図7等参照)、この開口部30aに対し遊技盤30の前面側からセンターフレーム37が嵌め込まれた上でネジ等により固定されている。
一方、遊技盤30の裏面側には、センターフレーム37を背後から覆うようにシャッタ役物43が取付けられている。シャッタ役物43は、ネジ等により遊技盤30の裏面に固定されるとともに、センターフレーム37の裏面に対しても固定される。これにより、センターフレーム37とシャッタ役物43とが可変表示装置ユニット35として一体化される。そして、このシャッタ役物43の後側に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と、これを制御する表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で組付けられている。
図5は装飾図柄表示装置42及びシャッタ役物43の組付体の正面図であり、図6はその背面図である。図5,6に示すように、シャッタ役物43は、略円環状に形成されており、その中央部に円形の窓部43aを有している。装飾図柄表示装置42の組付け時には、この窓部43aを介して装飾図柄表示装置42の表示部42aが前面側に露出した状態となる。つまり、可変表示装置ユニット35が遊技盤30に組付けられた状態では、センターフレーム37の開口部37b(図7等参照)を介して、遊技盤30の前面側から装飾図柄表示装置42の表示部42aが視認可能となる。
ここで、シャッタ役物43について図面を参照して詳しく説明する。図7は正面側から見た可変表示装置ユニット35等の分解斜視図であり、図8は背面側から見た可変表示装置ユニット35等の分解斜視図である。なお、図8では、便宜上、後述する遊技盤30裏面の裏枠セット215等が省略されている。
シャッタ役物43の外郭を構成する基枠としてのケーシング701は、合成樹脂材料により円環状に形成された前枠703及び後枠704をネジ等により前後に組付けることにより構成されている。
前枠703及び後枠704について図9〜12を参照して説明する。図9は前枠703の正面図であり、図10は前枠703の背面図である。図11は後枠704の正面図であり、図12は後枠704の背面図である。
前枠703及び後枠704は、平板円環状のベース部705,706と、当該ベース部705,706の外周縁部に沿って形成された外周壁部707,708と、ベース部705,706の内周縁部に沿って形成された内周壁部709,710とを備えている。
前枠703及び後枠704は、両外周壁部707,708の先端同士を当接させ、両ベース部705,706が所定間隔を隔てた状態で組付けられる。これにより、ケーシング701内部には空間部が形成される。この空間部には、図7,8に示すように可動体組としての4組のシャッタ片セット715や、これらを駆動させるための動力伝達部材としてのリング部材720などが収容される。
本実施形態では、後枠704に対し、リング部材720、シャッタ片セット715、前枠703といった順序で組付けられる。図7,8では、後枠704に既にリング部材720が組付けられた状態の図が示されている。
ここで便宜上、まずシャッタ片セット715について詳しく説明する。各シャッタ片セット715は、それぞれ可動体としての4枚のシャッタ片により構成されている。より詳しくは、図13,14に示すように、ケーシング701に対し回動可能に軸支される第1可動体としての第1シャッタ片731と、当該第1シャッタ片731の自由端側にて回動可能(相対変位可能)に軸支される第2シャッタ片732、第3シャッタ片733及び第4シャッタ片734とからなる。本実施形態では、第1シャッタ片731が第1可動体に相当し、第4シャッタ片734が第2可動体に相当し、第2シャッタ片732及び第3シャッタ片733が第3可動体に相当する。図13は正面側から見たシャッタ片セット715の分解斜視図であり、図14は背面側から見たシャッタ片セット715の分解斜視図である。
各シャッタ片731〜734は、個々で形状や大きさがやや異なるものの、それぞれ本体部となる平板部731a,732a,733a,734aが鎌型状に形成されている。つまり、平板部731a〜734aは、弓なり状に湾曲しつつ、一端側から他端側に向けて先細りした形状となっている。本実施形態におけるシャッタ片731〜734は、透光性を有する透明又は半透明の樹脂により形成されている。
このうち、特に第1シャッタ片731の平板部731a裏側においては、略円弧状に凹となる内周側辺部に沿って内周側壁部740が形成されるとともに、内周側辺部と交わるように延びる回動基端側の基端側辺部に沿って基端側壁部741が形成されている。
各シャッタ片セット715は、上記平板部731a〜734aが前後方向に重畳するように組付けられており、ケーシング701内へ収容される通常時においては、第2〜第4シャッタ片732〜734のほぼ全体が、第1シャッタ片731の裏側に隠れた状態となる(図17参照)。
第1シャッタ片731には、内周側壁部740と基端側壁部741とのコーナー部近傍において、前枠703及び後枠704に対し軸支される回動軸部745が前後両方向に突出形成されている。つまり、第1シャッタ片731は、先細り側が自由端となって回動する。
第2〜第4シャッタ片732〜734の先細り側の端部近傍には、挿通孔732c,733c,734cが設けられるとともに、当該挿通孔732c〜734cには、軸棒746が挿通されている。
第1シャッタ片731の平板部731aの先細り側の端部近傍裏面には、前記軸棒746が差し込まれる軸穴747が形成されている。また、第4のシャッタ片734の裏側には、軸棒746の抜け落ちを防止する軸受け部材748が取着固定されている。これにより、第1〜第4シャッタ片731〜734は、第1シャッタ片731の自由端側を軸心として相対回動変位可能となる。なお、各シャッタ片731〜734の間には、動作性能を向上するためワッシャ749を介在させている。
また、各シャッタ片731〜734には、それぞれ隣り合う各シャッタ片731〜734と互いに係り合うための係合手段が設けられている。
より詳しくは、第1シャッタ片731の平板部731a裏面には、略円弧状に凸となる外周側辺部に沿ってリブ751が形成されている。これに対し、第2シャッタ片732の平板部732a表面には挿通孔732c近傍において前記リブ751の一部に沿う略円弧状のリブ752が形成されている。これにより、第2シャッタ片732は、一方向への動きを第1シャッタ片731の内周側壁部740により規制され、他方向への動きを第1シャッタ片731のリブ751により規制され、第1シャッタ片731に対し一定範囲内で相対変位可能となる。
また、第2シャッタ片732の平板部732aには、前記リブ752に隣接した位置において前後方向に貫通しかつ当該第2シャッタ片732の回動方向に沿って略円弧状に形成された長孔753が設けられている。これに対し、第3シャッタ片733の平板部733a表面には、長孔753に差し込まれる凸部754が形成されている。これらの係合により、第2シャッタ片732及び第3シャッタ片733双方の所定量以上の相対変位が規制されるとともに、一方の動きに従動(連動)して他方が動作可能となる。
同様に、第3シャッタ片733の平板部733aには、前記凸部754に隣接した位置において前後方向に貫通しかつ当該第3シャッタ片733の回動方向に沿って略円弧状に形成された長孔755が設けられている。これに対し、第4シャッタ片734の平板部734a表面には、長孔755に差し込まれる凸部756が形成されている。これらの係合により、第3シャッタ片733及び第4シャッタ片734双方の所定量以上の相対変位が規制されるとともに、一方の動きに従動(連動)して他方が動作可能となる。
また、第1シャッタ片731には、上記回動軸部745の形成位置とは反対側にあたる基端側壁部741の外周側端部位置には、前後両方向へ突出した第1係合軸部760が形成されている。第1係合軸部760はリング部材720に形成された後述の第1カム溝781に遊嵌される。
第4シャッタ片734には、平板部734aの基端側辺部から外方に向けて突出した突起片762が設けられ、当該突起片762の先端部において、前後両方向へ突出した第2係合軸部763が形成されている。第2係合軸部763はリング部材720に形成された後述の第2カム溝782に遊嵌される。
さて、前枠703及び後枠704には、図10,11に示すように、内周壁部709,710の近傍において、第1シャッタ片731の回動軸部745が回動可能に差し込まれる前後一対の支持孔725,726が設けられている。支持孔725,726は、それぞれが4つずつ周方向に等間隔で設けられており、各シャッタ片セット715がケーシング701に等間隔で配置されることとなる。
前枠703の内周壁部709には、各シャッタ片セット715に対応する位置に切欠き部770が形成されている。これにより、各シャッタ片セット715は、ケーシング701内外へ出没可能となる。
各シャッタ片セット715がケーシング701内へ完全に収容された状態では、第1シャッタ片731の内周側壁部740が、前枠703及び後枠704の内周壁部709,710と略面一となって、シャッタ役物43の窓部43aの一部を構成することとなる。
次に各シャッタ片セット715を駆動させるリング部材720について詳しく説明する。リング部材720は、合成樹脂材料により円環状に形成されており、後枠704(ケーシング701)の周方向に沿った回動動作により各シャッタ片セット715を駆動させる。図15はリング部材720の正面図であり、図16はその背面図である。
図7等に示すように、後枠704の外周側には、リング部材720を回動可能に支持する各種支持部材775,776が略等間隔で3箇所に取付けられている。このうち、下側の2つの支持部材775は、回転ローラを備えたものであり、当該回転ローラの周方向に沿って形成された溝部にリング部材720が載置されることで、当該リング部材720が回動可能に支持される。一方、後枠704の頂部に設けられた支持部材776は、前後一対の規制壁部を備えた断面略コ字状のものであり、当該規制壁部間にリング部材720が遊嵌状態で差し込まれている。これら支持部材775,776により、リング部材720は径方向及び前後方向に支持されつつ後枠704(ケーシング701)の周方向に沿って回動可能となる。つまり、シャッタ役物43の窓部43aの中心を軸心として回動可能となる。
支持部材775は、後枠704の外周壁部708に設けられた膨出部777に取付けられている。支持部材776は、後枠704の外周壁部708の頂部に形成された切欠き部778に対し取付けられている。一方、前枠703の外周壁部707には、各支持部材775,776の脱落を防止するように、これらに対応して受け部779,780が設けられている。
図15に示すように、リング部材720の表面部には、各シャッタ片セット715に対応して、4組の第1カム溝781及び第2カム溝782が設けられている。
第1カム溝781には、第1シャッタ片731の第1係合軸部760の一端が差し込まれる。第2カム溝782には、第4シャッタ片734の第2係合軸部763の一端が差し込まれる。
第1カム溝781及び第1係合軸部760により構成される第1リンク機構は、シャッタ片セット715(シャッタ片731〜734)を上記回動軸部745を中心として一体回動変位させるための機構である。従って、本実施形態では、第1カム溝781が第1カム部に相当し、第1係合軸部760が第1被作用部に相当する。
一方、第2カム溝782及び第2係合軸部763により構成される第2リンク機構は、上記軸棒746を中心として第4シャッタ片734ひいては第2・第3シャッタ片732,733を第1シャッタ片731に対し相対回動変位させるための機構である。従って、本実施形態では、第2カム溝782が第2カム部に相当し、第2係合軸部763が第2被作用部に相当する。
第1カム溝781は、シャッタ片セット715を一体回動変位させる際に第1係合軸部760に対し作用する作用区間781aと、第4シャッタ片734が相対変位する際に第1係合軸部760に対し干渉しない(リング部材720の動力が伝わらない)非干渉区間781bとを備えている。
非干渉区間781bは、リング部材720の内周縁部に沿って延在している。すなわち非干渉区間781bは、リング部材720の回動方向(駆動方向)に沿って延在している。一方、作用区間781aは、非干渉区間781bの反時計回り方向側の端部位置から、徐々にその接線方向の向きを変化させつつ緩やかに湾曲し、リング部材720の外周縁部に略直交するように延在している。つまり、少なくともリング部材720の駆動方向に対し交差するように延在している。本実施形態では、曲率の異なる円弧を複数つなぎ合わせたような形状となっている。これは、回動軸部745を中心としたシャッタ片セット715の回動変位量と、リング部材720の回動変位量とを加味して、より円滑にシャッタ片セット715を回動変位させるためである。
なお、第1カム溝781を構成する内壁部のうち、第1係合軸部760に対し作用する内壁部は、リング部材720の駆動方向によって異なる。従って、第1カム溝781の長手方向において、作用区間781aと非干渉区間781bとが切換わる位置は、リング部材720の駆動方向に応じて異なるが、図15では便宜上、同一箇所となるように図示している。勿論、第1係合軸部760に対し作用する部位は、遊びが設けられている以上、上下左右どの位置のシャッタ片セット715と係合しているかによっても若干異なる。
第2カム溝782は、第4シャッタ片734を相対回動変位させる際に第2係合軸部763に対し作用する作用区間782aと、シャッタ片セット715が一体回動変位する際に第2係合軸部763に対し干渉しない(リング部材720の動力が伝わらない)非干渉区間782bとを備えている。
第2カム溝782の非干渉区間782bは、第1カム溝781の作用区間781aに略並行するように湾曲形成されている。より詳しくは、非干渉区間782bは、シャッタ片セット715が一体回動変位する際に第2係合軸部763が描く軌跡に合わせて形成されている。これは、第1カム溝781の作用区間781aと同様に、シャッタ片セット715をより円滑に回動変位させるためである。
一方、第2カム溝782の作用区間782aは、非干渉区間782bにつながるように、リブ等によってリング部材720の内周縁部より突出した位置に形成されている。
第2カム溝782の作用区間782aは、非干渉区間782bに比べても極めて短く、第1カム溝781の作用区間781aと非干渉区間781bとの境界部近傍において終端している。これは、後述するようにシャッタ片セット715の一体回動変位の終了後すぐに第4シャッタ片734の相対回動変位動作(分離動作)が開始されるようにするためである。
なお、第1カム溝781と同様に、第2カム溝782を構成する内壁部のうち、第2係合軸部763に対し作用する内壁部は、リング部材720の駆動方向によって異なる。従って、第2カム溝782の長手方向において、作用区間782aと非干渉区間782bとが切換わる位置は、リング部材720の駆動方向に応じて異なるが、図15では便宜上、同一箇所となるように図示している。勿論、第2係合軸部763に対し作用する部位は、遊びが設けられている以上、上下左右どの位置のシャッタ片セット715と係合しているかによっても若干異なる。
さて、リング部材720の外周縁部には、所定区間においてギア部784が形成されている。
これに対し、ケーシング701(後枠704)の右斜め上部には、図5等に示すように、駆動源となるモータユニット785が取付けられている。モータユニット785は、図示しないステップモータや、当該モータの駆動力をリング部材720に伝達する歯車機構等よりなる。
後枠704の対応する部位には、図11等に示すように、ベース部706から外周壁部708にかけて切欠き部793が設けられており、当該切欠き部793を介して、モータユニット785の歯車機構とリング部材720のギア部784とが噛合する。
モータユニット785のステップモータは、印加される駆動パルスによって回転制御されるものであり、入力パルス数に応じて回転角度が変化する。つまり、駆動パルスを調整することにより、リング部材720の回動変位量を制御できる。ひいては、入力される駆動パルス数を監視することによって基準位置からのリング部材720の回動変位量を把握することができる。
加えて、後枠704のベース部706には、リング部材720の回動位置を把握するためのフォトセンサ795a,795b,795cが3箇所に取付けられている。これに対し、リング部材720の裏面には遮光部797が形成されている(図16参照)。そして、リング部材720が回動変位して各位置のフォトセンサ795a〜795cにより遮光部797が検出されることにより、リング部材720の基準位置や回動変位量が把握される。
また、図10等に示すように、前枠703の背面側には、各シャッタ片セット715に対応して、4組の補助溝798が形成されている。補助溝798は、第4シャッタ片734の変位動作を補助するためのものであり、当該第4シャッタ片734の第2係合軸部763の他端が差し込まれる。従って、補助溝798は、第2係合軸部763が描く軌跡に合わせて形成されている。なお、本実施形態では、第4シャッタ片734(第2係合軸部763)を補助するための補助溝798のみが設けられているが、勿論、第1シャッタ片731(第1係合軸部760)を補助する補助溝を設けてもよい。
次に、シャッタ片セット715の動作について図17〜図22を参照して説明する。なお、図17〜図22では、シャッタ片セット715の動作を分かりやすくするため、後枠704、シャッタ片セット715及びリング部材720など主な部材以外の図示を省略するとともに、シャッタ片セット715(シャッタ片731〜734)の部分に散点模様を付している。
通常時、シャッタ片セット715は、第1〜第4シャッタ片731〜734が重畳した状態でその全体がケーシング701内に収容されている(図17参照)。この状態では、上述したように第1シャッタ片731の内周側壁部740が、前枠703の内周壁部709の切欠き部770を埋めるように、前枠703及び後枠704の内周壁部709,710と略面一となって、シャッタ役物43の窓部43aの一部を構成している。この状態が、シャッタ片セット715の通常状態(基準状態)にあたり、シャッタ役物43の窓部43aが全開状態となる。
この状態から、モータユニット785によってリング部材720が反時計回り方向に回動させられると、リング部材720の外周縁部の近傍に位置していた第1シャッタ片731の第1係合軸部760が、第1カム溝781の作用区間781aのうちの時計回り方向側の湾曲壁部によって反時計回り方向へ押されつつ、徐々にリング部材720の内周側へ移動していく(図18参照)。これにより、シャッタ片セット715(シャッタ片731〜734)が回動軸部745を中心として反時計回り方向に一体回動変位する。そして、前枠703の内周壁部709の切欠き部770を介して、シャッタ片セット715がシャッタ役物43の窓部43aの内側に突出してくる。つまり、シャッタ役物43の背後に装飾図柄表示装置42が組付けられている状態では、当該装飾図柄表示装置42の表示部42aの前方に、シャッタ片セット715が飛び出してくることとなる。反時計回り方向が本実施形態における第1駆動方向や第1の方向に相当する。
この際、第4シャッタ片734の第2係合軸部763は、シャッタ片セット715の回動動作に干渉しないように第2カム溝782の非干渉区間782bに沿って移動する。但し、シャッタ片セット715の上下左右の組付け位置によっては、第2カム溝782は、第4シャッタ片734(第2係合軸部763)の動作干渉はしないものの、当該第4シャッタ片734(第2係合軸部763)の無駄な動きを規制したり、回動変位を補助する役目を果たす。例えば、下側に位置するシャッタ片セット715では、一体回動変位する際、第4シャッタ片734の自由端側(第2係合軸部763側)が自重により第1シャッタ片731から離れるように相対変位してしまうおそれがあるが、この動きを第2カム溝782の湾曲壁部によって規制している。同様に、第4シャッタ片734(第2係合軸部763)の無駄な動きは、前枠703の補助溝798によっても規制される。
リング部材720がさらに回動していくと、4組のシャッタ片セット715の先端が、シャッタ役物43の窓部43aの中央部に向けてお互いに近づいていく。そして、リング部材720が所定量回動すると、4組のシャッタ片セット715の先端がシャッタ役物43の窓部43aの中央部において略当接状態となる(図19参照)。この状態では、シャッタ役物43の窓部43aが4分割された状態となり、遊技者には、装飾図柄表示装置42の表示部42aが4分割された状態で視認される。
また、この状態となると、第1シャッタ片731の第1係合軸部760は、第1カム溝781の非干渉区間781bに移動し、第4シャッタ片734の第2係合軸部763は、第2カム溝782の作用区間782aに移動する。
ここから、リング部材720が反時計回り方向に回動を続けると、第4シャッタ片734の第2係合軸部763が、第2カム溝782の作用区間782aのうちの時計回り方向側の終端壁部によって反時計回り方向へ押されて、第4シャッタ片734の自由端側(第2係合軸部763側)が第1シャッタ片731から離れ始める(図20参照)。つまり、第1シャッタ片731の自由端側を軸心として第4シャッタ片734が相対回動変位する。
この際、第1シャッタ片731の第1係合軸部760が第1カム溝781の非干渉区間781bにあるため、リング部材720の駆動力は第1シャッタ片731(第1係合軸部760)に伝わらない。換言すれば、リング部材720は、第1シャッタ片731(第1係合軸部760)に干渉することなく、第4シャッタ片734(第2係合軸部763)に対し駆動力を伝達することができる。これにより、各第1シャッタ片731が窓部43a中央部にて互いに略当接した状態で保持されたまま、当該第1シャッタ片731から第4シャッタ片734が開いていく。
なお、第1カム溝781の非干渉区間781bは、第1シャッタ片731(第1係合軸部760)の動作干渉はしないものの、当該第1シャッタ片731(第1係合軸部760)の無駄な動きを規制する役目を果たす。例えば、第4シャッタ片734が回動変位(開き動作)する際の応力によって、第1シャッタ片731が回動軸部745を中心に回動変位してしまうといった、リング部材720の径方向へ動きが規制される。
さらに、リング部材720が反時計回り方向に回動を続けると、第4シャッタ片734は第1シャッタ片731からの開き動作を続ける。この動きに伴って、第4シャッタ片734の凸部756が第3シャッタ片733の長孔755の端部に引っ掛かる。そして、第4シャッタ片734に引っ張られるようにして、第3シャッタ片733が第1シャッタ片731の裏側より引き出され、第4シャッタ片734の動きに従動(連動)して第3シャッタ片733も第1シャッタ片731から開き始める(図21参照)。つまり、第3シャッタ片733も第4シャッタ片734と同様に第1シャッタ片731の自由端側を軸心として相対回動変位する。
さらに、リング部材720が反時計回り方向に回動を続けると、第4シャッタ片734及び第3シャッタ片733は第1シャッタ片731からの開き動作を続ける。この動作に伴って、第3シャッタ片733の凸部754が第2シャッタ片732の長孔753の端部に引っ掛かる。そして、第3シャッタ片733に引っ張られるようにして、第2シャッタ片732が第1シャッタ片731の裏側より引き出され、第4シャッタ片734及び第3シャッタ片733の動きに従動(連動)して第2シャッタ片732も第1シャッタ片731から開き始める。つまり、第2シャッタ片732も第4シャッタ片734及び第3シャッタ片733と同様に第1シャッタ片731の自由端側を軸心として相対回動変位する。
そして、リング部材720が所定量回動すると、所定のシャッタ片セット715の第4シャッタ片734が、隣接する他のシャッタ片セット715の第1シャッタ片731に略当接した状態となる(図22参照)。この状態となると、4組のシャッタ片セット715により、シャッタ役物43の窓部43aが全閉状態となり、遊技者は、装飾図柄表示装置42の表示部42aを視認不能となる。
一方、4組のシャッタ片セット715が元の状態に戻る場合には、上記手順と逆の手順を辿ることとなる。つまり、モータユニット785が逆方向に回転し、リング部材720が時計回り方向に回動させられると、第4シャッタ片734の第2係合軸部763が、第2カム溝782の作用区間782aのうちの反時計回り方向側の湾曲壁部によって時計回り方向へ押されて、第4シャッタ片734が第1シャッタ片731の自由端側を軸心とした時計回り方向への相対回動変位を開始する。時計回り方向が本実施形態における第2駆動方向や第2の方向に相当する。
リング部材720が時計回り方向に回動を続けると、第4シャッタ片734が第1シャッタ片731に近づく集合動作を続け、第4シャッタ片734が第3シャッタ片733の裏側に隠れるように入り込む。
そして、第4シャッタ片734の凸部756が第3シャッタ片733の長孔755の端部に引っ掛かると、第4シャッタ片734の動きに従動(連動)して、第3シャッタ片733が時計回り方向へ動き始める。
さらに、リング部材720が時計回り方向に回動を続けると、第4シャッタ片734及び第3シャッタ片733が第1シャッタ片731に近づき、第4シャッタ片734及び第3シャッタ片733が第2シャッタ片732の裏側に隠れるように入り込む。
そして、第3シャッタ片733の凸部754が第2シャッタ片732の長孔753の端部に引っ掛かると、第4シャッタ片734及び第3シャッタ片733の動きに従動(連動)して、第2シャッタ片732が時計回り方向へ動き始める。
さらに、リング部材720が時計回り方向に回動を続けると、第2〜第4シャッタ片732〜734が第1シャッタ片731の裏側に隠れるように入り込む。
なお、上述してきたような第2〜第4シャッタ片732〜734の動きが行われている間、上記開き動作の場合と同様に、リング部材720の駆動力は第1シャッタ片731(第1係合軸部760)に伝わらない。つまり、リング部材720は、第1シャッタ片731(第1係合軸部760)に干渉することなく、第4シャッタ片734(第2係合軸部763)に対し駆動力を伝達することができる。これにより、各第1シャッタ片731が窓部43a中央部にて互いに略当接した状態で保持されたまま、第2〜第4シャッタ片732〜734は第1シャッタ片731へ集合していく。
リング部材720が時計回り方向に回動を続けると、第1シャッタ片731の第1係合軸部760は、第1カム溝781の作用区間781aに移動し、第4シャッタ片734の第2係合軸部763は、第2カム溝782の非干渉区間782bに移動する。そして、第1シャッタ片731の第1係合軸部760が、第1カム溝781の作用区間781aのうちの反時計回り方向側の湾曲壁部によって時計回り方向へ押されつつ、徐々にリング部材720の外周側へ移動していく。これにより、シャッタ片セット715(各シャッタ片731〜734)が回動軸部745を中心として時計回り方向に一体回動変位する。この際、第4シャッタ片734の第2係合軸部763は、シャッタ片セット715の回動動作に干渉しないように第2カム溝782の非干渉区間782bに沿って移動する。
このようにして、シャッタ片セット715がケーシング701内に没入していき、シャッタ片セット715が通常状態(基準状態)に戻ると、シャッタ役物43の窓部43aが全開状態となる。
さて、図4の説明に戻り、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33(それぞれ図2参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30よりも下方の内枠12には、樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内する排出通路218が形成されている。従って、図4に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図2参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出する入賞感知機構(入球検出手段)などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、カウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は可変入賞装置32への入賞球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応ユニット33に対応する位置には第1契機対応ユニットスイッチ224が設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221及び第2契機対応口スイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。なお、盤面中継基板226は回収通路216の背後に取付けられている。また、カウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、第1契機対応ユニットスイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他、図8に示すように、可変入賞装置32には、大入賞口を開放する大入賞口ソレノイド32aが設けられ、第1契機対応ユニット33には、開閉部材33aを開閉駆動する第1契機対応ユニット(始動口)ソレノイド33bが設けられている。なお、図4において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付ける取付機構が設けられている。さらに、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付ける取付機構が設けられている。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分ける遊技球分配部245が設けられている。また、内枠12の下端部には、下皿15に向けて設置された上記スピーカの背後を囲む樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
図3の説明に戻り、第1制御基板ユニット201は、主制御装置261と、サブ制御装置262とを具備している。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
また、サブ制御装置262は、主制御装置261(主基板)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板を具備しており、このサブ制御基板についても当該サブ制御基板に対応する基板ボックスに収容されて構成されている。
また、サブ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介してサブ制御装置262及び表示制御装置45に入力される。
第2制御基板ユニット202は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施形態では、前述のサブ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置(払出手段)358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は前記上皿19に供給される。また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するバイブレータ360が取り付けられており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりの解消が図られる。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
また、裏パックユニット203は、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
なお、本実施形態では、主制御装置261は、厳重に封印された基板ボックス263に格納されているため、主制御装置261に何らかの不正な信号を送ったりする等の不正行為は困難である。このため、主制御装置261によって直接的に制御される特別表示装置39のLEDを「赤」又は「緑」の大当たりの態様で不正に点灯させることは困難である。従って、装飾図柄表示装置42に大当たりとなったかのような表示を行わせるとともに、セルなどを用いて大入賞口を強制的に開放し、大当たりとなっていないにもかかわらず出玉を獲得するというような不正行為が行われる場合にも、特別表示装置39の点灯態様を確認することによって、そのような不正行為が簡単に発見できる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図23は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理(図26参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理(図25参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図28の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、普通図柄表示装置38、特別表示装置39、その他図示しないスイッチ等が接続されている。この構成により、上述した普通図柄表示装置38及び特別表示装置39は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。例えば、RAM553には後述する各種カウンタの値を格納するカウンタ用バッファ等が設けられている。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカ24、各種電飾部及びランプ102〜106、シャッタ役物43が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置39にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置39の表示に合わせた表示が行われる。加えて、サブ制御装置262のCPU551は、シャッタ役物43の制御を行う。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理(図39参照)によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理(図39参照)において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図41参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行なう。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図28のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。具体的には、図24に示すように、大当たりの抽選に使用する抽選用乱数カウンタとしての大当たり乱数カウンタC1と、大当たりに際し後述する高確率モード又は低確率モードへの移行決定に使用するモード決定カウンタC2と、特別表示装置39の変動表示時間の決定等に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、特別表示装置39の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置38の抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際の変動パターンやリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置39の変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターン(演出態様)が決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての第1保留球格納エリア及び第2保留球格納エリアが設けられている。第1保留球格納エリアの各エリアには、第1契機対応ユニット33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。また、第2保留球格納エリアの各エリアには、第2契機対応口34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり676)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、低確率状態(通常モードや時間短縮モード等)と高確率状態(高確率モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード(通常状態)及び当該通常モードよりも遊技者に有利な複数の特定モードの間で切換設定される。より詳しくは、特定モードとしては、高確率モード及び時間短縮モードの2つが設定されている。このうち、高確率モードは、次回大当たりまで継続する遊技モードであり、時間短縮モードは、所定期間終了後には次のモードへ移行するモードである。
通常モードとは、上記高確率モード等の特定モードでない通常時の状態をいう。従って、通常モード時には、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率となっている。
また、高確率モードとは、特別表示装置39において「赤」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後の大当たり確率が低確率状態時に比べアップした状態をいう。以下の説明では適宜、装飾図柄表示装置42において確変図柄によって大当たりになった場合を「確変大当たり」といい、確変図柄以外の通常図柄によって大当たりになった場合を「通常大当たり」という。
高確率モードにおいては、大当たり確率が高められ、高確率状態となるのであるが、これに加えて、本実施形態では(1)特別表示装置39における変動表示時間を短くした状態(時間短縮状態)、(2)普通図柄表示装置38における変動表示時間を短くした状態、(3)第1契機対応ユニット33の開閉処理に関わる規定時間(開放時間)を通常モードに比べて長くした状態、又は、規定個数(入賞個数)を通常モードに比べて多くした状態、(4)普通図柄表示装置38において「○」図柄が停止表示される旨の当選結果が得られた場合一回につき行う第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くした状態、(5)普通図柄表示装置38において「○」図柄が停止表示される確率(当選確率)を通常モード時の当選確率より高くした状態が付与される。より具体的には、高確率モード時には、第1契機対応ユニット33の開閉部材33aが開状態となり、規定時間(例えば3秒)の経過した場合又は規定個数(例えば3個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。そして、この開閉処理が2回繰り返し行われる。これによって、第1契機対応ユニット33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。これに限らず、高確率モードとしては、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)を高めることに加え、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せ(例えば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(1)と(5)、(2)と(3)、(2)と(4)、(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)、(4)と(5)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(2)と(5)、(1)と(3)と(4)、(1)と(3)と(5)、(1)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)、(2)と(3)と(5)、(2)と(4)と(5)、(3)と(4)と(5)、(1)と(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(5)、(1)と(2)と(4)と(5)、(1)と(3)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)と(5))を採用できる。なお、上記(2)〜(5)の状態により、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い状態となる。つまり、このような状態が本実施形態における高入球状態に相当する。従って、上記高確率モードは、高確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。これに対し、通常モード時のように、上記(2)〜(5)の状態ではない状態は低入球状態に相当する。
また、時間短縮モードとは、特別表示装置39において「緑」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後特別表示装置39の変動表示が100回行われる間設定される遊技モードであり、通常モードよりも遊技者に有利な状態をいう。時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率であり、かつ、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い遊技モードである。本実施形態では、高確率モード時に付与される上記(1)〜(5)の状態が同様に付与される。つまり、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)の違いを除いて同様の状態(時間短縮状態及び高入球状態)となる。もちろん、高確率モード時と同様に、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せを採用できる。従って、上記時間短縮モードは、低確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。
モード決定カウンタC2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、モード決定カウンタC2によって、大当たり後、高確率モードへ移行させるか否かが決定されるようになっている。具体的には、カウンタの値が「1,3,5,7,9」という奇数であれば高確率モードへの移行が決定され、「0,2,4,6,8」という偶数であれば時間短縮モードへの移行が決定される。なお、ここでは移行という文言を用いたが、もともと高確率モードにある場合にカウンタ値が奇数であれば高確率モードが継続されることになり、もともと時間短縮モードにある場合にカウンタ値が偶数であれば時間短縮モードが継続されることになる。モード決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、モード決定カウンタC2の値がモード決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、モード決定カウンタバッファに格納されているモード決定カウンタC2の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図24中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
なお、本実施形態では、「大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのいずれも選択されない。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり250)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。一方、高確率モード時及び時間短縮モード時、つまり第1契機対応ユニット33が高入球状態にある場合においては224あり、その範囲は「5〜228」である。つまり、普通図柄表示装置38における「○」図柄の停止確率が通常モードに比べ高くなる。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置38において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第1契機対応ユニット33が所定時間の間、作動状態となる。また、高確率モード時及び時間短縮モード時においては、普通図柄表示装置38において抽選の結果が表示されるまでの時間(普通図柄の変動表示時間)が短縮される等して、第1契機対応ユニット33が高入球状態となる割合が多くなる。これによって、第1契機対応ユニット33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理をフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図27は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図27において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、変動選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1契機対応ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、第2契機対応口34への遊技球の通過に伴う第2契機対応口通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図29のフローチャートを参照して説明する。ステップS501では、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したか否かを第1契機対応ユニットスイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したと判別されると、続くステップS502では、始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応ユニット33への入賞があり、且つ始動保留球数N<4であることを条件にステップS503に進み、始動保留球数Nをインクリメントする。
また、続くステップS504では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の各値を、RAM503の第1保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、始動入賞処理を一旦終了する。従って、この始動入賞処理の機能により本実施形態における抽選手段(当否抽選処理)の一部が構成される。
次に、ステップS305の第2契機対応口通過処理について図30のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球が第2契機対応口34を通過したか否かを第2契機対応口スイッチ225の検出情報により判別する。遊技球が第2契機対応口34を通過したと判別されると、続くステップS602では、普通図柄表示装置38の保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第2契機対応口34への通過があり、且つ保留球数N<4であることを条件にステップS603に進み、保留球数Nを1インクリメントする。また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の第2保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、第2契機対応口通過処理を一旦終了する。
図28は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図28のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図25のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS105で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS113へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS106でRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS113へ移行する。
ステップS113の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS104:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図26のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置39や第1契機対応ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、特別表示装置39にて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンド(指令情報)である。従って、この外部出力処理の機能が本実施形態における指令情報出力手段を構成する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、高確率モード時には、「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」が設定され、時間短縮モード時には、「FE10」,「FE11」,「FE12」,「FE13」,「FE14」,「FE15」,「FE16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブル(図46参照)で記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを実行する。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには通常モード時には「FF11」が設定され、高確率モード時には「FD11」が設定され、時間短縮モード時には「FE11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は通常モード時「20秒」、高確率モード時「8秒」、時間短縮モード時「10秒」に設定されている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには通常モード時で30秒、40秒、50秒パターンの3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば通常モード時「FF12」、高確率モード時「FD12」、時間短縮モード時「FE12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば通常モード時「FF13」、高確率モード時「FD13」、時間短縮モード時「FE13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば通常モード時「FF14」、高確率モード時「FD14」、時間短縮モード時「FE14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには通常モード時で60秒、70秒パターンの2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば通常モード時「FF15」、高確率モード時「FD15」、時間短縮モード時「FE15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば通常モード時「FF16」、高確率モード時「FD16」、時間短縮モード時「FE16」が設定される。
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドには通常モード時「FF10」、高確率モード時「FD10」、時間短縮モード時「FE10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時で10秒に設定されている。もちろん、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「A3」〜「A5」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1つだけの構成としてもよい。
図26の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、特別表示装置39においてどのような制御を行うか当該特別表示装置39の制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。装飾図柄の変動パターン(演出パターン)が本実施形態における表示演出の演出態様に相当する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。この可変入賞装置制御処理の機能により本実施形態における特別遊技状態制御手段が構成される。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置38おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置38の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、第1契機対応ユニット33においてどのような制御を行うか当該第1契機対応ユニット33の制御内容の設定が行われる。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図31のフローチャートを参照して説明する。
図31において、ステップS801では、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中と大当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。
続くステップS802では、表示タイマの設定状況を見て特別表示装置39による色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS803に進み、始動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は始動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数N>0であれば、ステップS804に進む。ステップS804では、始動保留球数Nから1を減算する。ステップS805では、第1保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS806では、変動表示設定処理を実行する。ここで、図32のフローチャートを用いて変動表示設定処理の詳細を説明する。
まず、ステップS901では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低確率状態では大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率モードでは「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。従って、この処理の機能により本実施形態における抽選手段(当否抽選処理)の一部が構成される。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS901:YES)、ステップS902へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS901:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS909へ移行する。
ステップS902では、確変大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、大当たりとなった場合、それぞれ1/2の確率で高確率モード又は時間短縮モードへ移行するように構成されている。具体的には、高確率モードへ移行させるか否かは、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて判断される。格納されているモード決定カウンタC2の値が、数値0〜9のうち奇数「1,3,5,7,9」であるならば高確率モードへの移行が決定され(確変大当たり)、偶数「0,2,4,6,8」であるならば時間短縮モードへの移行が決定される(通常大当たり)。
ここで確変大当たりであると判断された場合(ステップS902:YES)、ステップS904にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS905にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
一方、ステップS902で確変大当たりでないと判断された場合(ステップS902:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、ステップS907にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS908にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS904,ステップS907では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、各遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。なお、本実施形態におけるモード判別は、後述する高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグのオンオフ状況の組合せにより行われる。例えば、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグが全てオン状態(フラグ値「1」)であれば、高確率モードと判別される。
ここで、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図34(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。CS1=197,198かつCS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。CS1=197,198かつCS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。
また、ステップS905,ステップS908における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するようにサブ制御装置262が行う。具体的には、確変図柄の組合わせを示す「A1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS905)、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。一方、通常図柄の組合わせを示す「A2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS908)、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。当該ステップS905、ステップS908で図柄コマンドを設定した後、ステップS917へ移行する。
また、ステップS901にて否定判断された場合に移行するステップS909では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動選択カウンタC3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS909:YES)、ステップS910へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS909:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS915にて外れ変動パターンを決定し、ステップS916にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
ステップS910では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS910:YES)、ステップS911にて外れ変動パターンを決定し、ステップS912にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS910:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS913にて外れ変動パターンを決定し、ステップS914にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS911,ステップS913,ステップS915で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904等と同様である。なお、上記ステップS904,S907,S911,S913,S915により、本実施形態における演出決定手段が構成される。
ここで、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の前後外れリーチ時においては、図34(b)に示すような通常モード中前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(C3=2〜21)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」が設定される。また、完全外れ時(C3=22〜238)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらず、変動パターンコマンドに「FF10」が設定される。
また、ステップS912,ステップS914,ステップS916における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS912)、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS914)、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS916)、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
さて、ステップS917では、特別表示装置39において色換え表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には10000msecと設定される。そして、後述するように表示タイマは通常処理が1回行われる毎に4msecずつ減算されていく。なお、本実施形態における特別表示装置39の変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置39に対し色換え表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置39において色換え表示が開始される。特別表示装置39は上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。そして、ステップS917の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図31の説明に戻り、ステップS802がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS807に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば、10000msecの表示タイマが設定された場合には、当該表示タイマの設定された回の次回の通常処理における表示タイマ減算処理において表示タイマの値は9996msecとなる。
続いてステップS808に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS808が肯定判別される。ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS810において特別表示装置39にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置39に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、高確率モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には赤色を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、時間短縮モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には緑色を停止表示させ、外れである場合には青色を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置39による停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
続いてステップS811に進み、判別情報設定処理を行う。より詳しくは、図33に示すように、ステップS1001において、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する。ここで、大当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、大当たり設定を行う。具体的には、大当たりフラグ、可変フラグ、可変タイマ及びラウンド数カウンタの設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
大当たりフラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される。大当たりフラグの値は、大当たり乱数カウンタC1の値に基づき決定される。
可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
ラウンド数カウンタとは、後述するように大当たり状態中に実行されるラウンド数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」が値として設定される。
さて、ステップS1001において、大当たりに対応しない、すなわち外れであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように通常大当たり終了後にカウンタ値として「100」が設定される。
ここで、変動回数カウンタが解除されている場合(オフ状態の場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(オン状態の場合)には、時間短縮状態の設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、変動回数カウンタの値が残り0カウントか否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、通常大当たりの終了後(時間短縮状態の付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が残り0カウントであれば、ステップS1006において後述する高入球状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1007において後述する時間短縮状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1008において変動回数カウンタを解除(オフ)する処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS1005で、変動回数カウンタの値が残り0カウントでないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
図31の説明に戻り、ステップS811の判別情報設定処理の終了後、第1表示制御処理を終了する。また、上記ステップS808で否定判別された場合には、ステップS812において、特別表示装置39のLEDの色換え表示(変動表示)を継続して行うための色換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この色換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置39に対し色換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置39のLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。なお、本実施形態では、停止表示設定処理(ステップS810)の後に、判別情報設定処理(ステップS811)を行う構成となっているが、これに限らず、例えば、変動表示設定処理(ステップS806)の後に行う構成としてもよい。
次に上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図35のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201において可変入賞装置32の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS1201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
一方、上記ステップS1201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は可変入賞装置32が開状態であるとみなし、ステップS1202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS1203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS1203が肯定判別される。そして、ステップS1203で肯定判別された場合にはステップS1204へ移行する。
また、ステップS1203で否定判別された場合には、ステップS1205において可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS1204へ移行する。一方、ステップS1205で否定判別された場合、すなわち可変入賞装置32への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、可変入賞装置32は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS1204に進み、上記ラウンド数カウンタの値を参酌して可変入賞装置32の開放回数、すなわち実行したラウンド数が規定回数の達したか(ラウンド数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、ラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1206において、ラウンド数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS1204において、ラウンド数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、大当たりフラグのリセット処理、ラウンド数カウンタのリセット処理、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理などが行われる。
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。
大当たりフラグのリセット処理では、大当たり状態の終了を示す「0」がフラグ値として設定される。
ラウンド数カウンタのリセット処理により、ラウンド数カウンタが解除(オフ)される。
高確率状態フラグとは、遊技モードが高確率状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高確率状態フラグの設定処理では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて、フラグ値の切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、高確率状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定され、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、低確率状態の発生を示す「0」がフラグ値として設定される。
時間短縮状態フラグとは、遊技モードが時間短縮状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記時間短縮状態フラグの設定処理では、時間短縮状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
高入球状態フラグとは、遊技モードが高入球状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高入球状態フラグの設定処理では、高入球状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、前記変動回数カウンタの設定処理では、上記高確率状態フラグの設定処理と同様にモード決定カウンタC2の値に基づいて、変動回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、変動回数カウンタは解除(オフ)される。一方、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定される。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図36のフローチャートを参照して説明する。
図36において、ステップS2101では、表示タイマの設定状況を見て普通図柄表示装置38による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、変動表示中でもない場合、ステップS2102に進み、保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、保留球数Nが0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ保留球数N>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、保留球数Nから1を減算する。ステップS2104では、第2保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置38において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは普通図柄表示装置38の表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における普通図柄表示装置38の変動表示時間は、上述したように高入球状態と低入球状態とでそれぞれ予め設定されている。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置38に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置38において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置38は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップS2101がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2107に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS2107が肯定判別される。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS2109において普通図柄表示装置38にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置38に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、当選か否かは普通図柄乱数カウンタC4の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低入球状態では普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値であり、高確率モード等の高入球状態では「5〜228」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第1契機対応ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、可変フラグ、可変タイマ及び開放回数カウンタの設定処理を行う。
可変フラグとは、第1契機対応ユニット33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
可変タイマとは、第1契機対応ユニット33の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
開放回数カウンタとは、第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を判別するための判別情報である。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置38の切換表示(変動表示)を継続して行うための切換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置38に対し切換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置38の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図37のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第1契機対応ユニット33の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように可変フラグとは、第1契機対応ユニット33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS2201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第1契機対応ユニット33に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33aを開放する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33aを閉鎖する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33が閉状態となる。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は第1契機対応ユニット33が開状態であるとみなし、ステップS2202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。そして、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行する。
また、ステップS2203で否定判別された場合には、ステップS2205において第1契機対応ユニット33へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS2204へ移行する。一方、ステップS2205で否定判別された場合、すなわち第1契機対応ユニット33への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、第1契機対応ユニット33は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS2204に進み、上記開放回数カウンタの値を参酌して第1契機対応ユニット33の開放回数が規定回数の達したか(開放回数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、開放回数が規定回数に達していない場合には、ステップS2206において、開放回数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS2204において、開放回数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS2207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS2207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、開放回数カウンタのリセット処理などが行われる。
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。また、開放回数カウンタのリセット処理により、開放回数カウンタが解除(オフ)される。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図38を参照して受信割込み処理を説明し、その後図39を参照してメイン処理を説明する。
図38は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図40に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図39を参照して説明する。図39は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図40のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図41を参照して以下に説明する。
図41は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図38参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図40のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判定されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の処理ついて説明する。変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を装飾図柄表示装置42において表示制御装置45に表示させる。同様に、シャッタ役物43や環状電飾部102等の制御を行う。
ここで、図42のフローチャートを参照して、サブ制御装置262の通常処理ついてより詳しく説明する。この通常処理は、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動される。
先ずステップS3901では、前回の処理で更新された設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信したり、シャッタ役物43に対し制御信号を送信する。
ステップS3902では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図43に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、上列、中列及び下列の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、確変図柄が5通り、通常図柄が5通り設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄の組合わせを示す「A1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、確変図柄の組合わせを決定する。また、図柄コマンドが通常図柄の組合わせを示す「A2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に通常図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5はステップS3902のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に上列装飾図柄、中列装飾図柄、下列装飾図柄の停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより上図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより下図柄列の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図44に示すように、ステップS4001では、上図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄列の外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄列の外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄列の更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄列の更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
図42の説明に戻り、ステップS3903において、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたか否かを判別する。この場合、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。そして、コマンドが受信されている場合には、ステップS3904においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。一方、コマンドが受信されていない場合には、そのままステップS3905へ移行する。
RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
そして、主制御装置261からコマンドを受信すると、そのコマンドに応じた各種設定処理を行うこととなる。
ステップS3905の演出設定処理では、例えばRAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。従って、ここで装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定され、変動パターンコマンドの変動時間に対応する値が変動時間計測タイマに設定される。この際、サブ制御装置262は、例えば図46に示すような装飾図柄の変動種別と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う。
なお、表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。
また、ここでは、図柄コマンドに基づいて停止図柄の決定もあわせて行う。なお、上述したことであるが、図柄コマンドに「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A3」が設定されている場合、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ(図43参照)に格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
そして、これらの情報を基に表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
続くステップS3906のシャッタ設定処理では、シャッタ役物43を駆動制御するための設定処理を行う。例えば、シャッタ役物43は、装飾図柄表示装置42において特定のリーチ演出が行われる場合に作動する。
ここで、シャッタ設定処理について図45のフローチャートを参照して詳しく説明する。
ステップS4101では、シャッタ役物43の作動の有無を判別する。ここでシャッタ役物43を作動させる旨の判別結果が得られた場合、すなわち特定のリーチ演出が行われる場合には、ステップS4102へ移行する。一方、シャッタ役物43を作動させない旨の判別結果が得られた場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS4102では、装飾図柄表示装置42の演出パターン(演出態様)に合わせて、シャッタ片セット715の動作パターンを決定する。本実施形態では、シャッタ片セット715の動作パターンが複数設定されている。例えば、装飾図柄表示装置42の表示部42aが視認不能となる全閉鎖パターン(図22参照)や、表示部42aが4分割された状態となる4分割パターン(図19参照)等が設定されている。これらの動作パターンは、モータユニット785のステップモータへの駆動パルスの入力パターンとして予めテーブルにより記憶されている。従って、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応した所定の動作パターンを決定する際には、当該所定の動作パターンに対応する動作パターンテーブルを抽出して、これをRAM553のテーブル格納エリアに格納する。
ステップS4103では、リング部材720の回動位置を検出する。リング部材720の回動位置検出は、フォトセンサ795a〜795cからの検出信号の受信の有無を監視し、リング部材720の遮光部797が検出されたか否かを確認することにより行われる。リング部材720の回動位置を検出することにより、シャッタ片セット715がどのような状態にあるか把握することができる。例えば、リング部材720の遮光部797がフォトセンサ795cにより検出された場合には、リング部材720が基準位置にあり、シャッタ片セット715が全開状態(図17参照)にあると判断できる。また、リング部材720の遮光部797がフォトセンサ795aにより検出された場合には、シャッタ片セット715が全閉状態(図22参照)にあると判断できる。
なお、本実施形態では、動作パターンテーブルに基づいてシャッタ片セット715の動作制御を行っているため、予め基準位置さえ把握できていればステップモータへ入力される駆動パルス数を監視することによって、シャッタ片セット715の駆動量(位置)を把握し、シャッタ片セット715を所定の状態で停止させるなど駆動制御可能であるが、何らかの不具合が発生して、実際のリング部材720の回動位置と、サブ制御装置262が把握している位置とにズレが生じてしまった場合などにおいて、フォトセンサ795a〜795cからの検出信号に基づいて位置補正することができる。例えば、本実施形態では、フォトセンサ795bを備えており、シャッタ片セット715が完全に閉じきる直前段階を検出できるため、シャッタ片セット715を減速させ、他の部材との衝突を避けることができる。
ステップS4104では、ステップS4102にて設定したシャッタ片セット715の動作パターンテーブルの内容に基づき、上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して、ステップモータに対し順次駆動パルスを出力するための設定を行う。その後、本処理を終了する。
この駆動パルスの出力設定処理に基づき、ステップS3901の外部出力処理においてステップモータに対し順次駆動パルスが出力されることにより、装飾図柄表示装置42の演出パターンに応じてシャッタ役物43が動作する。
図42の説明に戻り、続くステップS3907において、音声類、ランプ類を駆動するための制御設定を行い、本処理を終了する。サブ制御装置262は、その都度の表示演出に同期させながら、ランプの点灯パターンや音声出力パターンなど、音声類、ランプ類を駆動するための制御設定を行う。
そして、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS3905で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。また、シャッタ役物43が作動する場合には、変動表示に合わせてシャッタ役物43も作動する。
そして、主制御装置261によって大当たりが確定すると、特別表示装置39にてその旨が表示されると共に、補助的に装飾図柄表示装置42上で装飾図柄が大当たり図柄の組合せとなり、大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている(大当たり状態が開始される)。
ここで、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)42の表示態様についてより詳しく説明する。装飾図柄表示装置42の表示部42aには、図47に示すように、上・中・下の3つの図柄列(識別情報列)が設定されており、図柄列毎に複数種類の図柄(装飾図柄)が変動表示される。本実施の形態では、図48に示すように、装飾図柄として図柄Z0〜Z9が設定されている。図柄Z0〜Z9は、「0」〜「9」の数字を各々付すよう構成されている。図柄Z0〜Z9は、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示され、これにより一連の図柄列が構成されている。なお、図柄の変動態様はスクロール変動に限らず、切換え変動等でもよい。
かかる場合、上図柄列においては、図柄Z0〜Z9が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び下図柄列においては、同じく図柄Z0〜Z9が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間経過後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に図柄Z0〜Z9が所定の大当たりライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一種類の図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上述した大当たり図柄の組み合わせが表示される直前においては、いわゆるリーチ状態(リーチ態様の成立状態)となる。但し、リーチ状態となった場合でも大当たり状態に至らない場合もある。
本実施形態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄列において、図柄Z0〜Z9のうち同一種類のものが前記5つのラインのいずれかのライン上に並んで停止表示されると(例えば右上がりの斜めのラインにおいて「1」の図柄Z1が3つ揃って停止表示されると)、大当たり状態が発生する。
また、本実施形態におけるリーチ状態には、下図柄列の図柄変動が、前記大当たりライン上において上図柄列の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。例えば、図49においては、上・下図柄列それぞれにおいて、右下がりの斜めの大当たりライン上に「1」の図柄Z1が停止表示されており、左下がりの斜めの大当たりライン上に「9」の図柄Z9が停止表示されており、中図柄列が未だ変動中である場合が例示されている。この場合、中図柄列において、前記大当たりライン上に図柄Z1又は図柄Z9が停止表示されると、大当たり状態が発生する。なお、リーチ状態には、中図柄列の図柄が、最終的に上・下図柄列の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(これを「外れリーチ状態」という)が含まれる。なお、図49では、便宜上、中図柄列に表示される図柄Z0〜Z9を省略している。そして、リーチ状態中においては、上述したように種々のリーチ演出が行われる。
以上詳述したように、本実施形態では、第1リンク機構及び第2リンク機構を備えることにより、駆動源たるモータユニット785及び動力伝達部材たるリング部材720が1つだけの構成であっても、シャッタ片セット715(シャッタ片731〜734)の一体回動変位動作と、シャッタ片セット715(シャッタ片731〜734)の相対変位動作といった異種の動作態様を、互いに干渉させることなく、多段階的に行うことが可能となる。また、1つのリング部材720の同一方向への動きにより、4組のシャッタ片セット715が同一動作を行うとともに、上記一体回動変位動作及び相対変位動作といった異種の動作を連続的にかつスムーズに行うことができる。結果として、複数部材の異種動作に対応して複数の駆動源及び動力伝達部材を備える必要がなく、複数動作を行うシャッタ役物43の駆動機構の部品点数の増加等を抑制することができる。
また、第2〜第4シャッタ片732〜734は、互いの係合により、第4シャッタ片734の動きに従動して、第3シャッタ片733や第2シャッタ片732が動く構成となっている。これにより、1つの駆動源及び動力伝達部材で、より多くの部材を動かし、より複雑な動作態様を実現しつつも、例えば第3シャッタ片733や第2シャッタ片732を駆動させる第3リンク機構等を別途設けた構成などに比べて、シャッタ役物43の駆動機構の複雑化を抑制することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42の表示部42aを遮蔽するシャッタ役物の一例として円環状のシャッタ役物43を例示しているが、これに限らず、他の構成のものを採用してもよい。
(b)上記実施形態では、可動体ユニットの一例として、装飾図柄表示装置42の表示部42aを遮蔽するシャッタ役物43を例示しているが、可動体ユニットはシャッタ役物に限定されず、例えば可変入賞装置を動かす機構など、他の用途に用いられるものであってもよい。
例えば、可動体ユニットが図50〜図54に示すような演出役物900であってもよい。但し、図50等では、説明の便宜上、演出役物900の内部機構の一部のみ図示している。
演出役物900は、可動体組としての可動片組901と、これらを駆動させるための動力伝達部材としてのスライド部材902と、動力源となるモータユニット903とからなる。
モータユニット903は、ステップモータや、当該モータの駆動力をスライド部材902に伝達する歯車機構等よりなるが、図50等では、便宜上、歯車機構のみを示している。また、図50等では、可動片組901の動作を分かりやすくするため、可動片組901の部分に散点模様又は格子模様を付している。
可動片組901は、1対の可動片により構成されている。より詳しくは、図示しない基枠としてのケーシングに回動可能に軸支された第1可動片901a(図中、格子模様を付した部分)と、当該第1可動片901aに対し相対変位可能に組付けられた第2可動片901b(図中、散点模様を付した部分)とからなる。各可動片901a,901bは、略長方形の平板状に形成されている。本実施形態では、第1可動片901aが第1可動体に相当し、第2可動片901bが第2可動体に相当する。
可動片組901は、各可動片901a,901bが前後方向に重畳するように組付けられており、通常時においては、第2可動片901bが、第1可動片901aの裏側に隠れた状態となっている(図50参照)。
第1可動片901aには、所定のコーナー部近傍においてケーシング(図面手前側)に対し軸支される回動軸部905が前方向に突出形成されている。また、中央部には長手方向に沿って前後方向に貫通したスリット906が形成されている。
一方、第2可動片901bは第1可動片901aに対しスライド傾動変位するよう係合されている。より詳しくは、第2可動片901bの長手方向の一端側の近傍において係合軸部904が前方向に突出形成されている。そして、この係合軸部904は、第1可動片901aのスリット906に差し込まれている。また、係合軸部904の先端部には、第1可動片901aの前面側において役物915が回動自在に取着されている。役物915は常時、同一姿勢を保つように構成されている。
また、第1可動片901aには、後方向へ突出した第1係合軸部907が形成されている。第1係合軸部907はスライド部材902に形成された後述の第1カム溝909に遊嵌される。
第2可動片901bには、後方向へ突出した第2係合軸部908が形成されている。第2係合軸部908はスライド部材902に形成された後述の第2カム溝910に遊嵌される。
次に可動片組901を駆動させるスライド部材902について詳しく説明する。スライド部材902は、長尺状に形成されており、水平方向沿ったスライド動作により可動片組901を駆動させる。
スライド部材902の表面部には、第1カム溝909及び第2カム溝910が設けられている。
第1カム溝909には、第1可動片901aの第1係合軸部907の一端が差し込まれる。第2カム溝910には、第2可動片901bの第2係合軸部908の一端が差し込まれる。
第1カム溝909及び第1係合軸部907により構成される第1リンク機構は、可動片組901(可動片901a,901b)を上記回動軸部905を中心として一体回動変位させるための機構である。従って、本実施形態では、第1カム溝909が第1カム部に相当し、第1係合軸部907が第1被作用部に相当する。
一方、第2カム溝910及び第2係合軸部908により構成される第2リンク機構は、第2可動片901bを第1可動片901aに対し相対変位させるための機構である。従って、本実施形態では、第2カム溝910が第2カム部に相当し、第2係合軸部908が第2被作用部に相当する。
第1カム溝909は、可動片組901を一体回動変位させる際に第1係合軸部907に対し作用する作用区間と、第2可動片901bが相対変位する際に第1係合軸部907に対し干渉しない(スライド部材902の動力が伝わらない)非干渉区間とを備えている。
第2カム溝910は、第2可動片901bをスライド傾動変位させる際に第2係合軸部908に対し作用する作用区間と、可動片組901が一体回動変位する際に第2係合軸部908に対し干渉しない(スライド部材902の動力が伝わらない)非干渉区間とを備えている。
さて、スライド部材902の上辺部にはギア部913が形成されており、モータユニット903の歯車機構と噛合している。
次に、可動片組901及び役物915の動作について説明する。通常時、可動片組901は、可動片901a,901bが重畳した状態でスライド部材902の左側方に保持されている(図50参照)。
この状態から、モータユニット903によってスライド部材902が左方向にスライドさせられると、スライド部材902の上辺部近傍に位置していた第1可動片901aの第1係合軸部907が、第1カム溝909の作用区間によって左方向へ押されつつ、徐々にスライド部材902の下辺側へ移動していく(図51参照)。これにより、可動片組901(可動片901a,901b)が回動軸部905を中心として反時計回り方向に一体回動変位して、役物915が下方に降りてくることとなる。
この際、第2可動片901bの第2係合軸部908は、可動片組901の回動動作に干渉しないように第2カム溝910の非干渉区間に沿って移動する。
スライド部材902が所定量スライドすると、可動片組901の先端が下方に向き、可動片組901が略垂直状態となる(図52参照)。
この状態となると、第1可動片901aの第1係合軸部907は、第1カム溝909の非干渉区間に移動し、第2可動片901bの第2係合軸部908は、第2カム溝910の作用区間に移動する。
ここから、さらにスライド部材902が左方向に移動を続けると、第2可動片901bの第2係合軸部908が、第2カム溝910の作用区間によって左方向へ押される。そして、第1可動片901aが垂直状態で保持されたまま、第2可動片901bが第1可動片901aの裏側から引き出される(図53参照)。
さらにスライド部材902が左方向に移動を続けると、第2可動片901bが傾動していくとともに、第2可動片901bの係合軸部904が第1可動片901aのスリット906に沿って上方に移動していく。つまり、役物915が上方へ移動する(図54参照)。
可動片組901及び役物915が元の状態に戻る場合には、上記手順と逆の手順を辿ることとなる。
(c)上記実施形態では、サブ制御装置262によってシャッタ役物43の制御が行われる構成となっているが、これに限らず、主制御装置261など他の制御装置により制御される構成としてもよい。
(d)上記実施形態では、リング部材720とシャッタ片セット715(シャッタ片731〜734)とを連動させるリンク機構として、第1カム溝781及び第1係合軸部760からなる第1リンク機構と、第2カム溝782及び第2係合軸部763からなる第2リンク機構とが例示されているが、これに限らず、両者の連動関係が得られるものであれば他の構成であってもよい。
例えば、上記実施形態においては、カム部である第1カム溝781及び第2カム溝782をリング部材720に設けるとともに、当該カム部から作用を受ける被作用部としての第1係合軸部760及び第2係合軸部763をシャッタ片セット715に設けている。これに代えて、例えばカム部をケーシング701やシャッタ片セット715に設け、リング部材720に被作用部を設けた構成としてもよい。
また、カム部と被作用部との関係も、カム溝とこれに遊嵌する突起部とからなる構成に限定されず、例えばカム部としてリブのような帯状突起を設け、これに係合する凹形状の被作用部を設けた構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、第1カム溝781の作用区間781aや第2カム溝782の非干渉区間782bが、曲率の異なる円弧を複数つなぎ合わせたような形状となっている。これに限らず、例えば第1カム溝781の作用区間781aと第2カム溝782の非干渉区間782bとが同心円弧状に形成された構成としてもよい。また、曲線に限らず、直線形状であってもよい。
(f)上記実施形態では、第4シャッタ片734の動きに従動して動く第3シャッタ片733や第2シャッタ片732を備えているが、従動して動く部材を省略した構成としてもよい。
(g)シャッタ役物43によって遮蔽される表示手段は、上記実施形態の装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)以外にも、CRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管、回転ドラム等でもよい。
また、上記実施形態のように、補助演出用の表示手段としての装飾図柄表示装置42を遮蔽するのではなく、特別表示装置39のように、識別情報を変動表示し、当該識別情報を特定態様で停止表示することで、大当たりか否かを確定的に表示する表示手段を遮蔽する構成としてもよい。
(h)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、Vゾーン等の特別入賞領域を有する可変入賞装置を備えたパチンコ機などに実施しても良い。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。さらに、パチンコ機以外の遊技機として、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機としても、もちろん実施可能である。
(i)上記実施形態では、4組のシャッタ片セット715が同一動作を行うように構成されているが、これに限らず、各シャッタ片セット715の一体回動変位動作や相対変位動作の動作態様が異なる構成としてもよい。このような構成は、各シャッタ片セット715に対応する各リンク機構の構成、特に第1カム溝781や第2カム溝782の形状を異ならせることにより実現することができる。
(j)第1カム溝781や第2カム溝782の形状は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1カム溝781の非干渉区間781bの途中や時計回り方向側端部などにおいて、作用区間781aとは異なる他の作用区間を備えた構成としてもよい。このような構成とすれば、さらなる多段階的な動作態様を実現することができる。
(k)上記実施形態では、第1シャッタ片731が回動変位動作を行う際には、第2〜第4シャッタ片732〜734が相対変位動作を行わず、第2〜第4シャッタ片732〜734が相対変位動作を行う際には、第1シャッタ片731が回動変位動作を行わない構成となっている。これに限らず、第1シャッタ片731と、第4シャッタ片734等とが同時に動作を行う時期を設けてもよい。例えば、第4シャッタ片734等の相対変位動作とともに、第1シャッタ片731も変位する構成としてもよい。但し、この場合には、ケーシング701に軸支される回動軸部745が当該ケーシング701に対し変位可能に組付けられる必要がある。逆に、第1シャッタ片731が回動変位している最中に第4シャッタ片734等が相対変位動作を開始する構成としてもよい。
(l)上記実施形態では、リング部材720の反時計回り方向の動作に基づいて、第1可動体としての第1シャッタ片731や、第2可動体としての第4シャッタ片734等がそれぞれ反時計回り方向へ回動動作を行う構成となっているが、第1可動体や第2可動体の動作態様はこれに限定されるものではない。
例えば、動力伝達部材の第1駆動方向(又は第1駆動方向とは逆方向となる第2駆動方向)への動きに基づき変位する方向が、第1可動体と第2可動体とで異なる構成としてもよい。
態様例としては、図55〜図58に示す演出役物950などが挙げられる。但し、図55等では、説明の便宜上、演出役物950の内部機構の一部のみ図示している。
演出役物950は、可動体組としての可動片組951と、これらを駆動させるための動力伝達部材としてのスライド部材952と、動力源となるモータユニット953とからなる。
モータユニット953は、ステップモータや、当該モータの駆動力をスライド部材952に伝達する歯車機構等よりなるが、図55等では、便宜上、歯車機構のみを示している。また、図55等では、可動片組951の動作を分かりやすくするため、可動片組951の部分に散点模様又は格子模様を付している。
可動片組951は、1対の可動片により構成されている。より詳しくは、図示しない基枠としてのケーシングに回動可能に軸支された第1可動片951a(図中、散点模様を付した部分)と、当該第1可動片951aに対し相対変位可能に組付けられた第2可動片951b(図中、格子模様を付した部分)とからなる。各可動片951a,951bは、略長方形の平板状に形成されている。本実施形態では、第1可動片951aが第1可動体に相当し、第2可動片951bが第2可動体に相当する。
可動片組951は、各可動片951a,951bが前後方向に重畳するように組付けられており、通常時においては、第2可動片951bの下端部近傍を除く略全体が、第1可動片951aの裏側に隠れた状態となっている(図55参照)。
第1可動片951aには、上端部近傍においてケーシング(図面奥側)に対し軸支される回動軸部955が後方向に突出形成されている。
一方、第2可動片951bは第1可動片951aに対し回動変位可能に組付けられている。より詳しくは、第2可動片951bには、その長手方向略中央部において回動軸部954が前方向に突出形成されている。そして、この回動軸部954が、第1可動片951a裏側に設けられた軸穴(図示略)に対し回動自在に差し込まれている。
また、各可動片951a,951bの前面側下端部近傍には、それぞれ役物965,966が取着されている。
さらに、第1可動片951aには、後方向へ突出した第1係合軸部957が形成されている。第1係合軸部957はスライド部材952に形成された後述の第1カム溝959に遊嵌される。
第2可動片951bには、後方向へ突出した第2係合軸部958が形成されている。第2係合軸部958はスライド部材952に形成された後述の第2カム溝960に遊嵌される。
次に可動片組951を駆動させるスライド部材952について詳しく説明する。スライド部材952は、長尺状に形成されており、水平方向沿ったスライド動作により可動片組951を駆動させる。
スライド部材952の表面部には、第1カム溝959及び第2カム溝960が設けられている。
第1カム溝959には、第1可動片951aの第1係合軸部957の一端が差し込まれる。第2カム溝960には、第2可動片951bの第2係合軸部958の一端が差し込まれる。
第1カム溝959及び第1係合軸部957により構成される第1リンク機構は、可動片組951(可動片951a,951b)を上記回動軸部955を中心として一体回動変位させるための機構である。従って、本実施形態では、第1カム溝959が第1カム部に相当し、第1係合軸部957が第1被作用部に相当する。
一方、第2カム溝960及び第2係合軸部958により構成される第2リンク機構は、第2可動片951bを第1可動片951aに対し相対変位させるための機構である。従って、本実施形態では、第2カム溝960が第2カム部に相当し、第2係合軸部958が第2被作用部に相当する。
第1カム溝959は、第1係合軸部957に対し干渉しない(スライド部材952の動力が伝わらない)第1の非干渉区間959aと、可動片組951を一体回動変位させる際に第1係合軸部957に対し作用する作用区間959bと、第2可動片951bが相対変位する際に第1係合軸部957に対し干渉しない第2の非干渉区間959cとを備えている。
第2カム溝960は、第2係合軸部958に対し干渉しない(スライド部材952の動力が伝わらない)第1の非干渉区間960aと、可動片組951が一体回動変位する際に第2係合軸部958に対し干渉しない第2の非干渉区間960bと、第2可動片951bを相対回動変位させる際に第2係合軸部958に対し作用する作用区間960cとを備えている。
また、スライド部材952の上辺部にはギア部963が形成されており、モータユニット953の歯車機構と噛合している。
次に可動片組951を駆動させるスライド部材952について詳しく説明する。スライド部材952は、長尺状に形成されており、水平方向沿ったスライド動作により可動片組951を駆動させる。
スライド部材952の表面部には、第1カム溝959及び第2カム溝960が設けられている。
第1カム溝959には、第1可動片951aの第1係合軸部957の一端が差し込まれる。第2カム溝960には、第2可動片951bの第2係合軸部958の一端が差し込まれる。
図55等からも分かるように、上記各部位の係合位置関係は以下に示すようになっている。第1可動片951aの回動軸部955を中心とした可動片組951の回動径方向に対して、回動軸部955よりも径方向外側にて第1係合軸部957がスライド部材952の第1カム溝959に係合している。その第1係合軸部957よりも径方向外側にて、第2可動片951bの回動軸部954が第1可動片951aに係合している。また、第2可動片951bの第2係合軸部958が、第2可動片951bの回動軸部954よりも径方向内側(回動軸部955側)かつ第1係合軸部957よりも径方向外側にてスライド部材952の第2カム溝960に係合している。これに対し、第2カム溝960の作用区間960cが、スライド部材952のスライド方向に交差するように第2の非干渉区間960bから第1カム溝959側へ向け延設されている。このような構成により、以下に示す可動片組951の動作(第2可動片951bの反時計回り方向の回動変位等)が実現される。
ここで、可動片組951及び役物965,966の動作について説明する。通常時、可動片組951は、可動片951a,951bが重畳した状態でスライド部材952の左側方に保持されている(図55参照)。この際、第1可動片951aの第1係合軸部957は、第1カム溝959の第1の非干渉区間959aにあり、第2可動片951bの第2係合軸部958は、第2カム溝960の第1の非干渉区間960aにある。
この状態から、モータユニット953によってスライド部材952が左方向にスライドさせられると、第1可動片951aの第1係合軸部957が、第1カム溝959の作用区間959bによって左方向へ押される(図56参照)。これにより、可動片組951(可動片951a,951b)が回動軸部955を中心として時計回り方向に一体回動変位して、両役物965,966が一緒になって左方向へ動くこととなる。この際、第2可動片951bの第2係合軸部958は、可動片組951の回動動作に干渉しないように第2カム溝960の第2の非干渉区間960bに沿って移動する。
スライド部材952が所定量スライドすると、第1可動片951aの第1係合軸部957は、第1カム溝959の第2の非干渉区間959cに移動し、第2可動片951bの第2係合軸部958は、第2カム溝960の作用区間960cに移動する。
ここから、さらにスライド部材952が左方向に移動を続けると、第2可動片951bの第2係合軸部958が、第2カム溝960の作用区間960cによって左方向へ押される。これにより、第1可動片951aが傾斜した状態を維持しながら、第2可動片951bのみが回動軸部954を中心として反時計回り方向に回動変位していき、役物966のみが役物965から分かれて右方向へ動いていくこととなる(図57,58参照)。
可動片組951及び役物965,966が元の状態に戻る場合には、上記手順と逆の手順を辿ることとなる。
10…パチンコ機、42…装飾図柄表示装置、43…シャッタ役物、262…サブ制御装置、715…シャッタ片セット、720…リング部材、731〜734…シャッタ片、760…第1係合軸部、763…第2係合軸部、781…第1カム溝、782…第2カム溝。