JP2013178467A - 導電性ゴム組成物およびそれを用いた転写ローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】できるだけ汎用の材料を含み、しかもマイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置によって架橋および発泡させることで、従来に比べて発泡セル径が大きいローラ本体を形成できる導電性ゴム組成物と、当該導電性ゴム組成物からなるローラ本体を備えた転写ローラとを提供する。
【解決手段】導電性ゴム組成物は、SBR,EPDM、およびエピクロルヒドリンゴムを少なくとも含むゴム分に、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分、および発泡剤成分として、前記ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、8質量部以下の発泡剤のみ、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の尿素系発泡助剤を配合した。転写ローラ1は、前記導電性ゴム組成物からなる、筒状のローラ本体2を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ゴム組成物と、前記導電性ゴム組成物を架橋および発泡させて形成された筒状のローラ本体を備え、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで用いられる転写ローラに関するものである。
例えばレーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置においては、概略下記の工程を経て、紙(OHPフィルム等のプラスチックフィルムを含む。以下同様。)の表面に画像が形成される。
まず、光導電性を有する感光体の表面を一様に帯電させた状態で露光して、前記表面に、形成画像に対応する静電潜像を形成する(帯電工程→露光工程)。
次いで、微小な着色粒子であるトナーをあらかじめ所定の電位に帯電させた状態で、前記感光体の表面に接触させる。そうすると前記トナーが、静電潜像の電位パターンに応じて感光体の表面に選択的に付着されて、前記静電潜像がトナー像に現像される(現像工程)。
次いで、前記トナー像を紙の表面に転写し(転写工程)、さらに定着させることにより(定着工程)、前記紙の表面に画像が形成される。
また前記転写工程では、感光体の表面に形成したトナー像を、紙の表面に直接に転写させる場合だけでなく、像担持体の表面に一旦転写(一次転写工程)させたのち紙の表面に再転写させる(二次転写工程)場合もある。
前記トナー像を、前記転写工程において感光体の表面から紙の表面に転写させたり、一次転写工程において感光体の表面から像担持体の表面に転写させたり、あるいは二次転写工程において像担持体の表面から紙の表面に転写させたりするためには、導電性ゴム組成物からなる筒状のローラ本体を備えた、所定のローラ抵抗値を有する転写ローラが用いられる。
例えば直接転写の場合は、転写工程において、互いに所定の圧接力で圧接させた感光体と転写ローラとの間に所定の転写電圧を印加した状態で、前記両者間に紙を通紙させると、前記感光体の表面に形成されたトナー像が、前記紙の表面に転写される。
近時、特に新興国向けの汎用のレーザープリンタ等に用いる転写ローラとしては、できるだけ汎用の材料を使用して、なるべく構造が簡単で、しかもコスト安価に製造できるものが求められる傾向にある。
汎用の材料を使用して、構造が簡単でコスト安価に製造できるようにすることは、新興国などへのレーザープリンタ等の普及と、それに伴うオフィスオートメーション化、ファクトリーオートメーション化等の推進、促進、新興国の技術力向上を図り、最終的にはいわゆる南北問題の緩和、解消のためにも重要である。
前記要求に対応するため、転写ローラとしては、ローラ本体を多孔質構造としたものが広く用いられている。かかる多孔質構造のローラ本体によれば、形成材料を少なくして材料費を抑制できる上、軽量化して輸送費等を削減することもできる。
前記多孔質構造のローラ本体は、例えば架橋性ゴム、イオン導電性ゴム等のゴム分に、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分や、発泡させるための発泡剤成分等を配合し、混練して調製した導電性ゴム組成物を用いて製造される。
特に前記導電性ゴム組成物を、例えば押出成形機を用いて長尺の筒状に押出成形するとともに、押出成形した筒状体をカットせずに長尺のままで連続的に送り出しながら、マイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置内を連続的に通過させることで連続的に架橋および発泡させたのち、所定の長さにカットしてローラ本体を製造するのが、当該ローラ本体の生産性を向上して転写ローラの生産コストをさらに圧縮する上で好ましい。
例えば特許文献1では、架橋性ゴムとしてアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、イオン導電性ゴムとしてエピクロルヒドリンゴムを用い、これらのゴム分に、発泡剤成分として、アゾジカルボンアミド(発泡剤)と尿素系発泡助剤とを配合するとともに、さらに架橋剤成分を配合して調製した導電性ゴム組成物を用いて、前記の工程を経て多孔質構造のローラ本体を製造している。
また特許文献2では、架橋性ゴムとしてNBR、イオン導電性ゴムとしてエピクロルヒドリンゴム、および/またはエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を用い、これらのゴム分に、発泡剤成分として、アゾジカルボンアミド(発泡剤)と尿素系発泡助剤を配合するとともに、さらに架橋剤成分を配合して調製した導電性ゴム組成物を用いて、前記の工程を経て多孔質構造のローラ本体を製造している。
しかし、先に説明した転写工程において紙の帯電性を向上したりトナーの転写ムラを極力防止したりするために、あるいは転写ローラをできるだけ軽量化するとともに、使用する材料を極力少なくしてコスト安価に製造するために、多孔質構造のローラ本体には、発泡セル径ができるだけ大きいことが求められるのに対し、前記いずれの導電性ゴム組成物を用いて製造されるローラ本体も、これらの要求を十分に満足することはできなかった。
すなわち、いずれの導電性ゴム組成物も、先に説明した連続架橋装置内を通過させることによる架橋、発泡工程での発泡剤の分解による発泡を促進して、発泡のムラがなくできるだけ均一な多孔質構造を形成するべく、そのもとになる導電性ゴム組成物に、前記のように尿素系発泡助剤を配合している。
そのため、かかる導電性ゴム組成物を用いて製造されるローラ本体は、前記尿素系発泡助剤の作用によって発泡剤の分解温度が低下する結果として、多孔質構造を構成する発泡セルの均一性は確かに向上するものの、セル径が細かくなりすぎる傾向があり、ローラ本体に求められる前記の要求を満足することができないのである。
また、前記従来の導電性ゴム組成物は、いずれもイオン導電性ゴムと組み合わせる架橋性ゴムとして、前記イオン導電性ゴムのイオン導電性を補助する働きをする極性ゴムでもあるNBRのみを単独で用いているが、前記架橋性ゴムとしては、NBRよりもさらに汎用性が高く、コスト安価な材料を使用するのが望ましいと考えられる。
特開2006−227500号公報 特開2002−221859号公報
本発明の目的は、できるだけ汎用の材料を含み、しかもマイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置によって架橋および発泡させることで、従来に比べて発泡セル径が大きいローラ本体を形成できる導電性ゴム組成物と、当該導電性ゴム組成物からなるローラ本体を備えた転写ローラとを提供することにある。
本発明は、マイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置によって架橋および発泡させることができる導電性ゴム組成物であって、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、およびエピクロルヒドリンゴムを少なくとも含むゴム分、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分、および発泡剤成分を含み、かつ前記発泡剤成分は、前記ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、8質量部以下の発泡剤のみからなるか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の尿素系発泡助剤とからなることを特徴とするものである。
また本発明は、前記本発明の導電性ゴム組成物からなる、筒状のローラ本体を備えることを特徴とする転写ローラである。
前記本発明によれば、エピクロルヒドリンゴムと組み合わせる架橋性ゴムとして、従来のNBRに代えて、前記SBRとEPDMとを併用することで、ローラ本体の良好な耐オゾン性を確保しながら、さらに材料コストを抑制することができる。
すなわちSBRは、NBRよりも汎用性が高くコスト安価であり、同じローラ抵抗値を有する転写ローラを形成するために必要なエピクロルヒドリンゴムの配合割合を少なくできるので、さらに材料コストを低減することもできる。
ただしSBRは、レーザープリンタ等の内部で発生するオゾンに対する耐性、すなわち耐オゾン性が十分でないため、本発明ではEPDMを併用している。
前記EPDMは、それ自体が耐オゾン性に優れているだけでなく、SBRのオゾン劣化を抑制する働きもするため、ローラ本体のオゾン耐性を大幅に向上することができる。
また本発明によれば、前記ゴム分を発泡させるための発泡剤成分として、先に説明したように発泡セルのセル径を細かくする働きをする尿素系発泡助剤を除く、すなわち尿素系発泡助剤を全く配合せずに、加熱によって分解して発泡する発泡剤のみを単独で使用するか、前記尿素系発泡助剤を配合するとしても、その配合割合を、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下に制限して配合しているため、従来に比べてローラ本体の発泡セル径を大きくすることもできる。
すなわち、前記連続架橋装置を用いた製造方法では、筒状に押出成形した筒状体の略全体がほぼ均一に加熱される。
そのため、尿素系発泡助剤を配合して発泡剤の分解温度が低くなっていると、前記発泡剤は、加熱開始から短時間で、前記筒状体の略全体でほぼ同時に、かつ均一に分解し、発泡しようとし、発泡によって膨張しつつある隣り合う発泡セルが互いの膨張力によって膨張を抑制し合う結果、多孔質構造を構成する発泡セルのセル径が細かくなってしまう。
これに対し、尿素系発泡助剤を全く配合しないか、その配合割合を前記範囲内に制限して発泡剤の分解温度を高くした場合には、筒状体の略全体がほぼ均一に加熱されても、前記筒状体中に含まれる発泡剤が分解し、発泡しようとするタイミングはばらばらになる。具体的には、発泡剤粒子の粒径、あるいは形状等によって異なるゴム分との接触面積や、筒状体中での位置等の様々な要因によって、個々の発泡剤が分解し、発泡しようとするタイミングが異なってくる。
そのため、連続架橋装置内を通過している間に、最終的には筒状体中のほぼ全ての発泡剤が分解し、発泡するものの、ほぼ同時に分解し、発泡を開始する発泡剤の数は少なくなり、発泡によって膨張しつつある隣り合う発泡セルが互いの膨張力によって膨張を抑制し合う機会が少なくなって、ローラ本体の発泡セル径が大きくなる。
その結果、発泡セル径が300μm以上といった発泡セル径の大きいローラ本体を、前記押出成形機と連続架橋装置とを用いて、連続的に安定して製造することが可能となる。
なお本発明の導電性ゴム組成物において、発泡剤成分のうち発泡剤の配合割合が、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、8質量部以下に限定されるのは、前記範囲未満では、当該発泡剤の量が基本的に不足しており、その分解によってゴム分を十分に発泡させることができず、ローラ本体を多孔質構造とすることができないためである。
また前記範囲を超える場合には、前記のように尿素系発泡助剤を全く配合しないか、その配合割合を前記範囲内に制限したとしても、筒状体中でほぼ同時に分解し、発泡を開始する発泡剤の数が増加する結果、発泡により膨張しつつある隣り合う発泡セルが互いの膨張力によって膨張を抑制し合う機会が多くなって、ローラ本体の発泡セル径を十分に大きくできないためである。
なお本発明の導電性ゴム組成物において、ゴム分は、さらにアクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、およびアクリルゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の極性ゴムを含んでいるのが好ましい。これにより、転写ローラのローラ抵抗値を微調整することができる。また、後述する実施例の結果からも明らかなように、発泡のムラがなくできるだけ均一な多孔質構造を形成することもできる。
また本発明の導電性ゴム組成物は、さらに充填剤として、少なくとも炭酸カルシウムを含んでいるのが好ましい。
前記のように転写ローラをできるだけ軽量化するとともに、使用する材料を極力少なくしてコスト安価に製造するため、多孔質構造のローラ本体は、発泡セル径ができるだけ大きいことが求められる。特に前述したように、発泡セル径を300μm以上とするのが好ましい。
また同様に、転写ローラをできるだけコスト安価に製造するため、導電性ゴム組成物には、充填剤を配合するのが一般的である。
ところが充填剤の種類によっては、前記300μm以上といった大きな発泡セル径を維持できない場合がある。
発泡セル径を維持するためには、充填剤の配合割合を少なくすることが考えられる。
しかしその場合には、導電性ゴム組成物を安定して押出成形することはできるものの、押出成形された筒状体の外周面に凹凸を生じやすいという問題がある。また、充填剤を配合することによるコストダウンの効果が得られず、転写ローラのコストアップにもつながってしまう。
これに対し、充填剤として炭酸カルシウムを単独で、あるいは他の充填剤と併用して導電性ゴム組成物に配合することで、転写ローラのコストアップを抑制しながら、なおかつ後述する実施例の結果からも明らかなように、300μm以上の発泡セル径を維持しつつ、外周面に凹凸のない良好な筒状体、ひいてはローラ本体を製造することが可能となる。
また本発明の転写ローラにおいて、ローラ本体は、前記導電性ゴム組成物を筒状に押出成形しながら、マイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置によって連続的に架橋および発泡させる工程を経て形成されているのが好ましい。これにより、先に説明したようにローラ本体の生産性を向上して転写ローラの生産コストをさらに圧縮することができる。
本発明によれば、できるだけ汎用の材料を含み、しかもマイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置によって架橋および発泡させることで、従来に比べて発泡セル径が大きいローラ本体を形成できる導電性ゴム組成物と、当該導電性ゴム組成物からなるローラ本体を備えた転写ローラとを提供することができる。
本発明の転写ローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。 前記転写ローラの製造に用いる連続架橋装置の概略を説明するブロック図である。 前記転写ローラのローラ抵抗値を測定する方法を説明する図である。
《導電性ゴム組成物》
本発明の導電性ゴム組成物は、SBR、EPDM、およびエピクロルヒドリンゴムを少なくとも含むゴム分、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分、および発泡剤成分を含み、かつ前記発泡剤成分は、前記ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、8質量部以下の発泡剤のみからなるか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の尿素系発泡助剤とからなることを特徴とするものである。
〈SBR〉
SBRとしては、スチレンと1,3−ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRがいずれも使用可能である。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
さらにSBRとしては、スチレン含量によって分類される高スチレンタイプ、中スチレンタイプ、および低スチレンタイプのSBRがいずれも使用可能である。スチレン含量や架橋度を変更することで、ローラ本体の各種物性を調整することができる。
これらSBRの1種または2種以上を使用することができる。
SBRの配合割合は、ゴム分がSBR、EPDM、およびエピクロルヒドリンゴムの3種のみで極性ゴムを含まない場合、当該ゴム分の総量100質量部中の40質量部以上、特に60質量部以上であるのが好ましく、90質量部以下、特に80質量部以下であるのが好ましい。また極性ゴムを含む場合は、当該極性ゴムの配合割合にもよるが、ゴム分の総量100質量部中の30質量部以上であるのが好ましく、50質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、先に説明した、汎用性が高くコスト安価である上、電気抵抗値が低いという、SBRを用いることによる効果が十分に得られないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にEPDMの配合割合が少なくなって、ローラ本体に良好なオゾン耐性を付与できないおそれがある。また相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、ローラ本体に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
なお前記配合割合は、SBRとして油展タイプのものを用いる場合は、当該油展タイプのSBR中に含まれる固形分としてのSBR自体の配合割合である。
〈EPDM〉
EPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した種々のEPDMが、いずれも使用可能である。前記EPDMとしては、前記第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。重合触媒としてはチーグラー触媒を使用するのが一般的である。
EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の5質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、ローラ本体に良好なオゾン耐性を付与できないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にSBRの配合割合が少なくなって、汎用性が高くコスト安価である上、電気抵抗値が低いという、SBRを用いることによる効果が十分に得られないおそれがある。また相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、ローラ本体に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
〈エピクロルヒドリンゴム〉
エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、およびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
前記エピクロルヒドリンゴムとしては、前記例示の中でもエチレンオキサイドを含む共重合体、特にECO、および/またはGECOが好ましい。
かかる両共重合体においてエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、特に50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは転写ローラのローラ抵抗値を下げる働きをする。しかしエチレンオキサイド含量が前記範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、転写ローラのローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
一方、エチレンオキサイド含量が前記範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に転写ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。また、架橋後のローラ本体の硬度が上昇したり、架橋前の導電性ゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇したりするおそれもある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、前記エチレンオキサイド含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、特に50モル%以下であるのが好ましい。
またGECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、特に2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、特に5モル%以下であるのが好ましい。
前記アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、転写ローラのローラ抵抗値を低下させる働きをする。しかしアリルグリシジルエーテル含量が前記範囲未満では、かかる働きが得られないため、転写ローラのローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
一方、アリルグリシジルエーテルは、GECOの架橋時に架橋点として機能するため、アリルグリシジルエーテル含量が前記範囲を超える場合には、前記GECOの架橋密度が高くなり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、却って転写ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。またローラ本体の引張強度や疲労特性、耐屈曲性等が低下するおそれもある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、前記エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は10モル%以上、特に19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、特に60モル%以下であるのが好ましい。
GECOとしては、前記3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体のほかに、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られており、本発明ではいずれのGECOも使用可能である。
エピクロルヒドリンゴムの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の5質量部以上、特に10質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下、特に30質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、ローラ本体に良好なイオン導電性を付与できないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にSBRの配合割合が少なくなって、汎用性が高くコスト安価である上、電気抵抗値が低いという、SBRを用いることによる効果が十分に得られないおそれがある。また相対的にEPDMの配合割合が少なくなって、ローラ本体に良好なオゾン耐性を付与できないおそれもある。
〈極性ゴム〉
極性ゴムを配合すると、先に説明したようにローラ本体のローラ抵抗値を微調整することができる。また、発泡のムラがなくできるだけ均一な多孔質構造を形成することもできる。
前記極性ゴムとしては、例えばNBR、CR、BR、ACMの1種または2種以上が挙げられる。特にNBR、および/またはCRが好ましい。
このうちNBRとしては、アクリロニトリル含量によって分類される低ニトリルNBR、中ニトリルNBR、中高ニトリルNBR、高ニトリルNBR、および極高ニトリルNBRがいずれも使用可能である。
またCRとしては、例えばクロロプレンを乳化重合させて合成され、その際に用いる分子量調整剤の種類によって分類される硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプ、ならびに結晶化速度に基づいて分類される、当該結晶化度が遅いタイプ、中程度であるタイプ、および速いタイプのいずれのCRも使用可能である。
極性ゴムの配合割合は、目的とするローラ本体のローラ抵抗値に応じて任意に設定できるが、特にゴム分の総量100質量部中の5質量部以上、特に20質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、ローラ本体のローラ抵抗値を微調整したり、発泡のムラをなくしたりする効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、相対的にSBRの配合割合が少なくなって、汎用性が高くコスト安価である上、電気抵抗値が低いという、SBRを用いることによる効果が十分に得られないおそれがある。また相対的にEPDMの配合割合が少なくなって、ローラ本体に良好なオゾン耐性を付与できないおそれもある。さらに、相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、ローラ本体に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
〈発泡剤成分〉
発泡剤成分としては、先に説明したようにゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、8質量部以下の発泡剤のみを単独で用いるか、あるいは前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の尿素系発泡助剤とを組み合わせて用いる。
発泡剤の配合割合が前記範囲未満では、当該発泡剤の量が基本的に不足して、その分解によってゴム分を十分に発泡させることができず、ローラ本体を多孔質構造とすることができない。
一方、前記範囲を超える場合には、前記のように尿素系発泡助剤を全く配合しないか、その配合割合を前記範囲内に制限したとしても、筒状体中でほぼ同時に分解し、発泡を開始する発泡剤の数が増加する結果、発泡により膨張しつつある隣り合う発泡セルが互いの膨張力によって膨張を抑制し合う機会が多くなって、ローラ本体の発泡セル径を十分に大きくできない。
これに対し、発泡剤の配合割合を、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、8質量部以下の範囲内とすることにより、できるだけ発泡セル径が大きく、しかも十分に発泡された、多孔質構造のローラ本体を得ることができる。
なおこれらの効果をより一層向上することを考慮すると、発泡剤の配合割合は、前記範囲内でも6質量部以下であるのが好ましい。
また尿素系発泡助剤の配合割合が前記範囲を超える場合には、発泡剤の分解温度が低くなって、前記発泡剤が、加熱開始から短時間で、前記筒状体の略全体でほぼ同時に、かつ均一に分解し、発泡しようとし、発泡によって膨張しつつある隣り合う発泡セルが互いの膨張力によって膨張を抑制し合う結果、多孔質構造を構成する発泡セルのセル径が細かくなる。
前記尿素系発泡助剤の配合割合の下限は0質量部である。発泡剤成分として尿素系発泡助剤を配合しないのが、発泡セル径を大きくする上で最も好ましい。しかし、発泡セル径の均一性を向上するために、前記範囲内の少量の尿素系発泡助剤を配合してもよい。正その配合割合は、前記範囲内でもできるだけ少ないことが好ましく、前記範囲内でも3質量部以下であるのが好ましい。
前記発泡剤としては、加熱によりガスを発生して導電性ゴム組成物を発泡させることができる種々の発泡剤がいずれも使用可能である。
かかる発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(HNOCN=NCONH、ADCA)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等の1種または2種以上が挙げられる。
また尿素系発泡助剤としては、尿素(HNCONH)が好適に使用される。
〈架橋剤成分〉
ゴム分を架橋させるための架橋剤成分としては、架橋剤、促進剤等が挙げられる。
このうち架橋剤としては、例えば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。中でも硫黄系架橋剤が好ましい。
また硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。このうち有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。特に粉末硫黄等の硫黄が好ましい。
硫黄の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、導電性ゴム組成物の全体での架橋速度が遅くなり、架橋に要する時間が長くなってローラ本体の生産性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、架橋後のローラ本体の圧縮永久ひずみが大きくなったり、過剰の硫黄がローラ本体の外周面にブルームしたりするおそれがある。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機促進剤としては、例えばジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等のグアニジン系促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系促進剤;N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤;テトラメテルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系促進剤;チオウレア系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
促進剤としては、前記種々の促進剤の中から、組み合わせる架橋剤の種類に応じて、最適な促進剤の1種または2種以上を選択して使用すればよい。例えば架橋剤として硫黄を使用する場合は、促進剤としてチウラム系促進剤、および/またはチアゾール系促進剤を選択して使用するのが好ましい。
また促進剤は、種類によって架橋促進のメカニズムが異なるため、2種以上を併用するのが好ましい。併用する個々の促進剤の配合割合は任意に設定することができるが、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に2質量部以下であるのが好ましい。
架橋剤成分としては、さらに促進助剤を配合してもよい。
促進助剤としては、例えば亜鉛華等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
促進助剤の配合割合は、ゴム分の種類および組み合わせや、架橋剤、促進剤の種類および組み合わせ等に応じて適宜設定することができる。
(その他)
導電性ゴム組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば受酸剤、可塑成分(可塑剤、加工助剤等)、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等が挙げられる。
このうち受酸剤は、ゴム分の架橋時にエピクロルヒドリンゴムから発生する塩素系ガスの、ローラ本体内への残留と、それによる架橋阻害や感光体の汚染等を防止するために機能する。
前記受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
また、前記ハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用するとより高い受酸効果を得ることができ、感光体の汚染をより一層確実に防止できる。
受酸剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に2質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、受酸剤を含有させることによる前記効果が十分に得られないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、架橋後のローラ本体の硬さが上昇するおそれがある。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。また加工助剤としてはステアリン酸等の脂肪酸などが挙げられる。
これら可塑成分の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。例えば画像形成装置への装着時や運転時に感光体の汚染を生じたりするのを防止するためである。かかる目的に鑑みると、可塑成分としては極性ワックスを使用するのが特に好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち酸化防止剤は、転写ローラのローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。前記酸化防止剤としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)NEC−P〕、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラックNBC〕等が挙げられる。
充填剤としては、例えば酸化亜鉛、シリカ、カーボン、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、ローラ本体の機械的強度等を向上できる。
また充填剤として導電性カーボンブラックを用いて、ローラ本体に電子導電性を付与することもできる。
また、先に説明したように充填剤として、炭酸カルシウムを単独で、あるいは前記導電性カーボンブラック等の他の充填剤と併用して導電性ゴム組成物に配合すると、転写ローラのコストアップを抑制しながら、なおかつ300μm以上といった大きな発泡セル径を維持しつつ、外周面に凹凸のない良好なローラ本体を製造することが可能となる。
前記炭酸カルシウムとしては、合成炭酸カルシウム、天然炭酸カルシウムがいずれも使用可能である。
このうち合成炭酸カルシウム(沈降炭酸カルシウムまたは軽質炭酸カルシウム)を用いれば、任意の配合割合の範囲において、300μm以上といった大きな発泡セル径を維持することができる。
かかる合成炭酸カルシウムとしては、例えば白石工業(株)製の白艶華(登録商標)CC〔一次粒子径:50nm〕、白艶華CCR〔一次粒子径:80nm〕、白艶華DD〔一次粒子径:50nm〕等の1種または2種以上が挙げられる。
ただしコストダウンの点では、天然鉱物由来で安価な天然炭酸カルシウム、特に重質炭酸カルシウムが好ましく、発明者の検討によると、前記重質炭酸カルシウムの中でも平均粒径が2.2μm以下のものを選択して用いれば、300μm以上といった大きな発泡セル径を維持することは可能である。
重質炭酸カルシウムとしては、例えば白石カルシウム(株)製の商品名ソフトンシリーズのうちソフトン3200〔平均粒子径:0.70μm〕、ソフトン2600〔平均粒子径:0.85μm〕、ソフトン2200〔平均粒子径:1.00μm〕、ソフトン1800〔平均粒子径:1.25μm〕、ソフトン1500〔平均粒子径:1.50μm〕、ソフトン1200〔平均粒子径:1.80μm〕、およびソフトン1000〔平均粒子径:2.2μm〕等の1種または2種以上が挙げられる。
なお重質炭酸カルシウムは、平均粒径が小さいほど前記効果の点で優れるため、平均粒径の下限は特に限定されない。ただし、重質炭酸カルシウムをできるだけコスト安価に製造すること等を考慮すると、平均粒径は0.50μm以上であるのが好ましい。
前記炭酸カルシウム以外の他の充填剤としては、導電性カーボンブラックが好ましい。導電性カーボンブラックを配合することで、先に説明したようにローラ本体に電子導電性を付与することができる。
導電性カーボンブラックの配合割合は、前記効果の点で、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、50質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
炭酸カルシウムは、前記のように単独で、充填剤として使用してもよいが、前記導電性カーボンブラックと併用するのが好ましい。かかる併用系において、導電性カーボンブラックの配合割合は、前記と同様である。
また炭酸カルシウムの配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり10質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、当該炭酸カルシウムを配合することによる先に説明した効果が得られず、押出成形された筒状体の外周面に凹凸を生じやすい。一方、前記範囲を超える場合には、過剰の炭酸カルシウムが導電性ゴム組成物中で分散不良を生じて、発泡不良の原因となるおそれがある。
スコーチ防止剤としては、例えばN−シクロへキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフエニルアミン、2,4−ジフエニル−4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上が挙げられる。特にN−シクロへキシルチオフタルイミドが好ましい。
スコーチ防止剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
共架橋剤とは、それ自体が架橋するとともにゴム分とも架橋反応して全体を高分子化する働きを有する成分を指す。
前記共架橋剤としては、例えばメタクリル酸エステルや、あるいはメタクリル酸またはアクリル酸の金属塩等に代表されるエチレン性不飽和単量体、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマ類、ジオキシム等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちエチレン性不飽和単量体としては、例えば
(a) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c) 前記(a)(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d) 前記(a)〜(c)の金属塩、
(e) 1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族
共役ジエン、
(f) スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニ
ルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g) トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの複
素環を有するビニル化合物、
(h) その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシ
アン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルステロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン
等の1種または2種以上が挙げられる。
また前記(c)の不飽和カルボン酸類のエステルとしては、モノカルボン酸類のエステル
が好ましい。
前記モノカルボン酸類のエステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ぺンチル(メタ)アクリレート、i−ぺンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
べンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラハイドロフルフリルメタクリレートなどの各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;等の1種または2種以上が挙げられる。
前記各成分を含む本発明の導電性ゴム組成物は、従来同様に調製することができる。まず前記ゴム分を所定の割合で配合して素練りし、次いで発泡剤成分、架橋剤成分以外の添加剤を加えて混練した後、最後に発泡剤成分、架橋剤成分を加えて混練することで導電性ゴム組成物が得られる。前記混練には、例えばニーダ、バンバリミキサ、押出機等を用いることができる。
《転写ローラ》
図1は、本発明の転写ローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の転写ローラ1は、単層構造を有する円筒状のローラ本体2と、前記ローラ本体2の中心の通孔3に挿通されたシャフト4とを備えている。
前記シャフト4は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成されている。ローラ本体2とシャフト4とは、例えば導電性を有する接着剤等によって電気的に接合されるとともに機械的に固定されて一体に回転される。
前記ローラ本体2は、前記本発明の導電性ゴム組成物を、先に説明したように押出成形機を用いて長尺の筒状に押出成形するとともに、押出成形した筒状体をカットせずに長尺のままで連続的に送り出しながら、マイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置内を連続的に通過させることで連続的に架橋および発泡させたのち、所定の長さにカットし、さらに必要に応じて外周面5を研磨する等して製造するのが好ましい。
図2は、前記連続架橋装置の一例の概略を説明するブロック図である。
図1および図2を参照して、この例の連続架橋装置6は、押出成形機7を用いて、前記導電性ゴム組成物を連続的に押出成形して得られた、前記転写ローラ1のローラ本体2のもとになる長尺の筒状体8をカットせずに長尺のままで、図示しないコンベア等によって連続的に搬送する搬送途上に順に、前記マイクロ波架橋装置9、熱風架橋装置10、および筒状体8を一定の速度で引き取るための引取機11を配設したものである。
まず押出成形機7に、例えば前記各成分を混練し、リボン状等に形成した導電性ゴム組成物を連続的に供給しながら、当該押出成形機7を動作させることで、長尺の筒状体8を連続的に押出成形する。
次いで、押出成形された筒状体8を、前記コンベア、および引取機11によって一定の速度で連続的に搬送しながら、前記連続架橋装置6のうち、まずマイクロ波架橋装置9を通過させることでマイクロ波を照射して、前記筒状体8を形成する導電性ゴム組成物をある程度の架橋度まで架橋させる。またマイクロ波架橋装置9内を一定温度に加熱して、前記架橋とともに、発泡剤を分解させて導電性ゴム組成物を発泡させることもできる。
次いで、さらに搬送を続けながら熱風架橋装置10を通過させて熱風を吹き付けることで、発泡剤を分解させて導電性ゴム組成物をさらに発泡させるとともに、前記導電性ゴム組成物を所定の架橋度まで架橋させる。
次いで、図示しない冷却水中等を通過させることで筒状体8を冷却することにより、筒状体8の架橋および発泡工程が完了する。
前記連続架橋装置6の詳細は、例えば先に説明した特許文献1、2等に記載されているとおりである。
筒状体8の搬送速度、マイクロ波架橋装置9で照射するマイクロ波の線量、熱風架橋装置10の設定温度や長さ(それぞれ複数の部分に別けて段階的に変化させることもできる)等を設定することで、導電性ゴム組成物の架橋度、発泡度等が任意の一定値とされた筒状体8を連続的に得ることができる。
また、筒状体8の全体でマイクロ波の照射線量や加熱の度合いをできるだけ均一化して、その架橋度や発泡度を極力一定にするため、搬送途中の筒状体8に捻りを加えるようにしてもよい。
このあと、前記筒状体8を所定の長さにカットし、さらに必要に応じて外周面5を研磨する等して、多孔質構造を有するローラ本体2が製造される。また前記筒状体8を、例えば図示しない巻取機に巻き取る等して一旦保管しておき、需要に応じて順次、前記カット以降の工程に送ってローラ本体2を製造するようにしてもよい。
前記連続架橋装置6を用いた連続架橋を実施することにより、ローラ本体2の生産性を向上して転写ローラ1の生産コストをさらに圧縮することができる。
〈発泡セル径〉
多孔質構造を有する前記ローラ本体2は、前記本発明の導電性ゴムを用いて形成されるため、その発泡セル径を、従来に比べて大きくすることができる。
その具体的な大きさは特に限定されないものの、先に説明したように転写工程において紙の帯電性を向上したりトナーの転写ムラを極力防止したり、あるいは転写ローラ1をできるだけ軽量化するとともに、使用する材料を極力少なくしてコスト安価に製造したりすることを考慮すると、前記発泡セル径は300μm以上、特に400μm以上であるのが好ましい。
ただし、発泡セル径があまりに大きすぎると、トナーの転写不良による画像の白抜け等を生じやすくなるため、前記発泡セル径は、前記範囲内でも1mm以下、特に800μm以下であるのが好ましい。
なお発泡セル径を、本発明では、後述する実施例に記載の測定方法で測定した値でもって表すこととする。
〈ローラ抵抗値〉
前記ローラ本体2を備えた転写ローラ1は、温度23℃、相対湿度55%の常温常湿環境下で測定される、印加電圧1000Vでのローラ抵抗値が1010Ω以下、特に10Ω以下であるのが好ましい。
図3は、転写ローラ1のローラ抵抗値を測定する方法を説明する図である。
図1、図3を参照して、本発明では前記ローラ抵抗値を、下記の方法で測定した値でもって表すこととする。
すなわち一定の回転速度で回転させることができるアルミニウムドラム12を用意し、前記アルミニウムドラム12の外周面13に、その上方から、ローラ抵抗値を測定する転写ローラ1の、ローラ本体2の外周面5を当接させる。
また前記転写ローラ1のシャフト4とアルミニウムドラム12との間に直流電源14、および抵抗15を直列に接続して計測回路16を構成する。直流電源14は、(−)側をシャフト4、(+)側を抵抗15と接続する。抵抗15の抵抗値rは100Ωとする。
次いでシャフト4の両端部にそれぞれ500gの荷重Fをかけてローラ本体2をアルミニウムドラム12に圧接させた状態で、前記アルミニウムドラム12を回転(回転数:30rpm)させながら、前記両者間に、直流電源14から直流1000Vの印加電圧Eを印加した際に、抵抗15にかかる検出電圧Vを計測する。
前記検出電圧Vと印加電圧E(=1000V)とから、転写ローラ1のローラ抵抗Rは、基本的に式(i′):
R=r×E/(V−r) (i′)
によって求められる。ただし式(i′)中の分母中の(−r)の項は微小とみなすことがで
きるため、本発明では式(i):
R=r×E/V (i)
によって求めた値でもって転写ローラ1のローラ抵抗値とすることとする。
(硬さその他)
ローラ本体2は、(社)日本ゴム協会標準規格SRIS 0101「膨張ゴムの物理試験方法」に規定された測定方法により、温度23℃、相対湿度55%の常温常湿環境下で測定されるアスカーC型硬さが50以下、特に35±5程度であるのが好ましい。
これは、アスカーC型硬さが前記範囲を超えるローラ本体は柔軟性が不足し、広いニップ幅を確保してトナーの転写効率を向上する効果や、感光体へのダメージを低減する効果が得られないためである。
またローラ本体2は、所定の圧縮永久ひずみや誘電正接等を有するように調整できる。前記圧縮永久ひずみ、アスカーC型硬さ、ローラ抵抗値、並びに誘電正接等を調整するためには、例えばゴム組成物を構成する各成分の種類と量を調整したりすればよい。
〈実施例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分としてはSBR〔JSR(株)製のJSR1502〕70質量部、EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)EPDM505A〕10質量部、およびECO〔日本ゼオン(株)製のHYDRIN(登録商標)T3108〕20質量部を配合した。
また発泡剤成分としては、ADCA系発泡剤〔永和化成工業(株)製の商品名ビニホールAC#3〕のみを、前記ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部の割合で配合し、尿素系発泡助剤は配合しなかった。
そして前記ゴム分および発泡剤成分に、さらに下記表1に示す各成分を配合し、バンバリミキサを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 2013178467
表1中の各成分は下記のとおり。
充填剤1:カーボンブラックHAF
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A−2〕
架橋剤:粉末硫黄
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド〔Shandong Shanxian Chemical Co. Ltd.製の商品名SUNSINE MBTS〕
促進剤TS:テトラメテルチウラムモノスルフィド〔三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS〕
(転写ローラの製造)
前記ゴム組成物を押出成形機に供給して外径φ10mm、内径φ3.0mmの長尺の円筒状に押出成形し、押出成形した筒状体8をカットせずに長尺のままで連続的に送り出しながら、図2に示すマイクロ波架橋装置9と熱風架橋装置10とを含む連続架橋装置6内を連続的に通過させることで連続的に架橋および発泡させたのち、冷却水中を通過させることで連続的に冷却した。
マイクロ波架橋装置9の出力は6〜12kW、槽内制御温度は150〜250℃、熱風架橋装置10の槽内制御温度は150〜250℃、加熱槽の有効長は8mとした。
発泡後の筒状体8の外径はおよそφ15mmであった。
次いで、前記筒状体8を所定の長さにカットしてローラ本体2を形成し、前記ローラ本体2を、外周面に導電性の熱硬化性接着剤を塗布した外径φ5mmのシャフトに装着して、オーブン中で160℃×60分間加熱して前記熱硬化性接着剤を硬化させることにより、前記ローラ本体2とシャフト4とを電気的に接合するとともに機械的に固定した。
次いでローラ本体2の両端をカットしたのち、円筒研削盤を用いて外周面5をトラバース研削することで、前記ローラ本体の外径をφ12.5mm(公差±0.1mm)に仕上げて転写ローラ1を製造した。
〈実施例2〜5、比較例2、3〉
発泡剤成分として、いずれも尿素系発泡助剤を配合せず、前記ADCA系発泡剤のみを、ゴム分の総量100質量部あたり2質量部(実施例2)、4質量部(実施例3)、6質量部(実施例4)、8質量部(実施例5)、10質量部(比較例2)、および12質量部(比較例3)の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、転写ローラを製造した。
〈実施例6〉
発泡剤成分として、前記ADCA系発泡剤4質量部と、尿素系発泡助剤〔永和化成工業(株)製の商品名セルペースト101〕2.5質量部とを併用したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、転写ローラを製造した。
〈実施例7〉
発泡剤成分として、前記ADCA系発泡剤4質量部と、前記尿素系発泡助剤5質量部とを併用したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、転写ローラを製造した。
〈比較例1〉
発泡剤成分として、前記ADCA系発泡剤4質量部と、前記尿素系発泡助剤6質量部とを併用したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、転写ローラを製造した。
〈実施例8〉
ゴム分として、さらに極性ゴムであるNBR〔JSR(株)製のJSR N250L、低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量20%〕30質量部を加えるとともに、SBRの配合割合を40質量部としたこと以外は実施例3と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、転写ローラを製造した。
〈実施例9〉
ゴム分として、さらに極性ゴムであるCR〔昭和電工エラストマー(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕30質量部を加えるとともに、SBRの配合割合を40質量部としたこと以外は実施例3と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、転写ローラを製造した。
〈実施例10〉
充填剤2として、さらに重質炭酸カルシウム〔前出の白石カルシウム(株)製の商品名ソフトン3200、平均粒子径:0.70μm〕30質量部を配合したこと以外は実施例8と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、転写ローラを製造した。
〈発泡セル径の測定〉
前記各実施例、比較例で作製したローラ本体2の外周面5の一定範囲の画像を、マイクロスコープを用いて撮影して画像解析した。すなわち、撮影した画像中から任意で50個の発泡セルの径を測定し、その平均値を発泡セル径として求めた。そして発泡セル径の大小を、下記の基準で評価した。
◎:発泡セル径は400μm以上であった。
○:発泡セル径は300μm以上、400μm未満であった。
×:発泡セル径は300μm未満であった。
〈発泡ムラ評価〉
前記各実施例、比較例で作製したローラ本体2の外周面5の周方向、および長さ方向の発泡ムラを目視にて観察して、下記の基準で評価した。
◎:全体的に発泡ムラは見られなかった。
○:局部的に発泡ムラが見られたが、実用レベルであった。
×:全体的に発泡ムラが見られた。
〈押出成形性評価〉
前記各実施例、比較例でローラ本体2のもとになる筒状体8を安定して押出成形できたか否かを確認するとともに、押出成形後の筒状体8の外周面5を観察して、下記の基準で押出成形性を評価した。
◎:安定して押出成形でき、しかも外周面に凹凸は見られなかった。
○:安定して押出成形できたものの、外周面にわずかに凹凸が見られた。
×:安定して押出成形できず、しかも外周面には多数の凹凸が見られた。
以上の結果を表2、表3に示す。
Figure 2013178467
Figure 2013178467
表2、表3の実施例1〜10、比較例1〜3の結果より、多孔質構造を有するローラ本体の発泡セル径を大きくするには、発泡剤成分として、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、8質量部以下発泡剤を単独で用いるか、あるいは前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の尿素系発泡助剤を併用する必要があることが判った。
また実施例1〜5と実施例6、7の結果より、前記発泡剤成分としては、前記量の発泡剤を単独で用いて、尿素系発泡助剤を併用しないのが、前記発泡セル径をさらに大きくする上で好ましいことが判った。
さらに実施例1〜7と実施例8、9の結果より、ゴム分としてさらに極性ゴムを配合するのが、大きな発泡セル径を維持しながら発泡ムラを抑制する上で好ましいことが判った。
そして実施例8、10の結果より、充填剤として炭酸カルシウムを配合すると、大きな発泡セル径を維持しながら押出成形性を向上して、外周面に凹凸のない良好なローラ本体を製造できることが判った。
1 転写ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 連続架橋装置
7 押出成形機
8 筒状体
9 マイクロ波架橋装置
10 熱風架橋装置
11 引取機
12 アルミニウムドラム
13 外周面
14 直流電源
15 抵抗
16 計測回路

Claims (5)

  1. マイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置によって架橋および発泡させることができる導電性ゴム組成物であって、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、およびエピクロルヒドリンゴムを少なくとも含むゴム分、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分、および発泡剤成分を含み、かつ前記発泡剤成分は、前記ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、8質量部以下の発泡剤のみからなるか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の尿素系発泡助剤とからなることを特徴とする導電性ゴム組成物。
  2. 前記ゴム分は、さらにアクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、およびアクリルゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の極性ゴムを含んでいる請求項1に記載の導電性ゴム組成物。
  3. さらに充填剤として、少なくとも炭酸カルシウムを含んでいる請求項1または2に記載の導電性ゴム組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の導電性ゴム組成物からなる、筒状のローラ本体を備えることを特徴とする転写ローラ。
  5. 前記ローラ本体は、前記導電性ゴム組成物を筒状に押出成形しながら、マイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置によって連続的に架橋および発泡させる工程を経て形成されている請求項4に記載の転写ローラ。
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