JP5555105B2 - 現像装置、及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、現像装置、及び画像形成装に関する。
一般的な電子写真法は、光導電性絶縁層を一様に帯電させる帯電工程と、その層を露光させ、その露光された部分上の電荷を消滅させることにより静電潜像を形成する露光工程と、形成された静電潜像に少なくとも着色剤を含む現像剤を付着させることによって可視化させる現像工程と、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写させる転写工程と、加熱、圧力による定着や、その他適当な定着法により定着させる定着工程とを備える。なお、現像工程には、現像剤担持体、及び現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給工程が含まれる。
なお、特許文献1には、現像剤に添加する外添剤の遊離率、現像剤担持体の表面粗さ、及び現像剤担持体の回転周速度を規定することにより現像装置の長寿命化を図る技術が記載されている。
特開2009−20224号公報
ところで、特許文献1に記載の現像装置の技術は、現像剤担持体のみに着目して、現像装置の長寿命化を図るようにしている。このため、特許文献1に記載の現像装置は、発泡体からなる現像剤供部材(現像剤供給手段)の発泡体のセル目に現像剤が詰まり、十分な掻き取り能力が得られなくなるという問題があった。したがって、特許文献1に記載の現像装置は、長年の使用と共に、現像剤担持体上の現像剤量が増加して、経時劣化するという問題が生じた。これにより、印刷媒体上に汚れが発生するという問題が生じた。
そこで、本発明は、現像剤供給手段の発泡体のセル目への現像剤の詰まりを低減することができる現像装置、及び画像形成装を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、静電潜像に現像剤を現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体に前記現像剤を供給する現像剤供給手段と、を具備し、前記現像剤供給手段は、表面が発泡体からなる現像装置であって、
前記発泡体のセル径平均値をS[μm]とし、前記現像剤の体積平均粒径をDv[μm]とし、前記現像剤の内、粒径5[μm]以下の粒子の体積比率をv[%]としたとき、
8.7<v<32.3 、v<S/10 、及びS/Dv≦125
の関係を満たし、前記現像剤は、粉砕法で作製したトナーであることを特徴とする。
本発明によれば、現像剤供給手段の発泡体のセル目への現像剤の詰まりを低減することができる。
本発明の一実施形態である画像形成装置の構成図である。 本発明の一実施形態である画像形成装置のブロック構成図である。 本発明の一実施形態である現像装置の構成図である。 現像装置で使用される供給ローラを軸方向に垂直な平面で切り取った断面図である。 現像装置で使用される現像ローラを軸方向に垂直な平面で切り取った断面図である。 実施例1で使用されるトナーと供給ローラとの組み合わせによる評価結果である。 実施例2で使用されるトナーと供給ローラとの組み合わせによる評価結果である。
(第1実施形態)
(構成の説明)
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の構成図である。
図1において、画像形成装置100は、記録紙14の両面に電子写真印刷可能なタンデムカラー印刷装置であり、4つの現像装置10(10K,10Y,10M,10C)と、4つのLEDヘッド11(11K,11Y,11M,11C)と、定着器12と、4つの転写ローラ17(17a,17b,17c,17d)と、転写ベルト16と、記録紙搬送ローラ15(15a,15b,・・・,15v)と、ドライブローラ18a,18bと、記録紙走行ガイド19a,19bと、転写ベルトクリーニングブレード20と、廃棄現像剤タンク21と、記録紙カセット22とを備える。なお、定着器12は、加熱ローラ12aと、圧着ローラ12bとを備える。なお、色を表現する文字K,Y,M,Cは、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンに対応する。
現像装置10は、現像剤としてのトナーが充填された、4色の現像装置10K,10Y,10M,10Cが搬送方向(f)に沿って配列されており、各々の現像装置は、露光によって形成された静電潜像を現像して現像剤画像を形成する。現像装置10は、図3を用いて後記する。
LEDヘッド11は、複数の単結晶薄膜発光素子をライン状に配列したものであり、印刷データに従って、感光体ドラム7(図3)を露光し、静電潜像を形成する。
転写ローラ17a,17b,17c,17dは、現像装置10の内部で形成された現像剤画像を印刷媒体としての記録紙14に転写する。定着器12は、記録紙14に転写された現像剤画像を、所定の定着温度まで加熱し、加圧することにより定着させる。なお、定着器12は、内部で発熱した熱が外部に放出しないように定着ケースで覆われている。
記録紙カセット22は、1乃至複数の記録紙14を収容する。
記録紙搬送ローラ15は、記録紙14を記録紙カセット22から排紙スタッカまで搬送する。転写ベルト16は、無端状に形成されたベルト部材であり、記録紙14を定着器12まで搬送する。ドライブローラ18a,18bは、転写ベルト16を回転させる搬送手段であると共に、定着器12により暖められた転写ベルト16を冷却する冷却手段としても機能する。なお、ドライブローラ18bが駆動ローラであり、ドライブローラ18aが従動ローラである。記録紙走行ガイド19a,19bは、記録紙14の走行方向を変えるように、回転移動するようになっている。転写ベルトクリーニングブレード20は、ドライブローラ18aの下方(又は側方)に設けられ、廃棄現像剤タンク21は、ドライブローラ18a、及び転写ベルト16の下方に設けられている。
なお、図1中の破線太/細矢印と共にあるカッコ付きアルファベット小文字は、両面印刷時を含めた記録紙14の搬送経路を示している。
即ち、記録紙14は、記録紙カセット22、及び記録紙搬送ローラ15a,15bから経路lを通って、記録紙搬送ローラ15c,15dに到達し、さらに、搬送経路eを通って、記録紙搬送ローラ15e,15fに到達する。そして、記録紙14は、転写ベルト16の上面に沿って搬送されつつ、現像装置10、及び転写ローラ17が、記録紙14の表面に現像剤画像を転写し、定着器12を通過する。
そして、両面印刷の場合、記録紙14は、記録紙走行ガイド19aにより、記録紙搬送ローラ15k,15lの方向に向けられ、記録紙走行ガイド19bの作用により、記録紙搬送ローラ15w,15xを通過する(搬送経路m)。そして、記録紙14の後端が狭持された記録紙搬送ローラ15w,15xが反転すると共に、記録紙走行ガイド19bによる方向転換により、記録紙14は、搬送経路nを通って、記録紙搬送ローラ15m,15nに到達する。そして、記録紙14は、搬送経路、o,p,qを通って、再度、記録紙搬送ローラ15c,15dに到達する。このとき、記録紙14は、表裏反転しており、搬送経路e、及び記録紙搬送ローラ15e,15fを通って、転写ベルト16に到達する。そして、現像装置10、及び転写ローラ17は、記録紙14の裏面に現像剤画像を転写し、定着器14は、記録紙14に転写された現像剤画像を定着する。
そして、記録紙走行ガイド19aが回転移動することにより、記録紙14は、記録紙搬送ローラ15g,15hの方向に向けられる。そして、記録紙14は、搬送経路iを通って、記録紙搬送ローラ15i,15jに到達し、搬送経路kを通って、排紙される。
図2は、画像形成装置100の構成について、プリンタ制御部を含めて示したブロック図である。
画像形成装置100は、画像形成制御部31と、記録紙搬送ローラ15やドライブローラ18a,18b等を回転させるモータ38と、モータ38を駆動する搬送駆動制御部32と、帯電ローラ8、現像ローラ4、及び転写ローラ17に所定のバイアス電圧(例えば、感光体ドラム7の表面電位を−600Vにするために帯電ローラを−1000V、現像ローラ4:−200V、供給ローラ3;−300V、転写ローラ17:+2500V)を印加するバイアス電圧制御部33と、LEDヘッド11の発光を制御する露光制御部34と、加熱ローラ12aの内部のハロゲンランプ等に電力を供給し、温度制御を行う定着制御部35と、加熱ローラ12aの温度を計測して、定着制御部35に帰還制御するサーミスタ39と、I/F部13と、操作部36と、表示部37とを備える。なお、画像形成制御部31、搬送駆動制御部32、バイアス電圧制御部33、露光制御部34、及び定着制御部35は、プリンタ制御部を構成する。
画像形成制御部31は、I/F部13から入力された印刷データをビットマップデータに変換して、露光制御部34がLEDヘッド11の発光を制御する。また、画像形成制御部31は、搬送駆動制御部32と、バイアス電圧制御部33と、定着制御部35とを制御する。また、画像形成制御部31は、操作部36からの操作により、各種の設定を行ったり、表示部37に操作状況を表示させたり、画像形成状況を表示させたりする。
モータ38は、記録紙搬送モータ15、ドライブローラ18a,18b、感光体ドラム7、や定着器12でそれぞれ使用され、三相ブラシレスモータや、ステッピングモータが使われる。
図3は、現像装置10の構成図であるが、図には、露光手段としてのLEDヘッド11も記載されている。
現像装置10は、トナーカートリッジ1と、現像剤供給手段としての供給ローラ3と、現像剤担持体としての現像ローラ4と、薄層形成手段としての現像ブレード5と、像担持体としての感光体ドラム7と、帯電手段としての帯電ローラ8と、クリーニングブレード9とを備える。なお、供給ローラ3は、スポンジローラともいう。
トナーカートリッジ1は、現像剤としてのトナー2が充填されており、本体部と着脱可能になっている。トナー2は、後記するように、結着樹脂、帯電制御材、着色剤、及び離形剤からなる組成混合物を加熱溶融混練してから粉砕する粉砕法により作製される。また、トナー2は、樹脂やワックスからなる母材(ベーストナー)と、このベーストナーの周りに添加されたシリカや金属酸化物等の外添剤からなる。この外添剤は、他のトナーや現像ローラ表面とトナー2とが接触した場合に、コロのように他部材と直接トナーが接することを防止するために添加されている。なお、外添剤は、ファンデアワールス力等により母材と結合される。
供給ローラ3は、トナーカートリッジ1から落下したトナー2を現像ローラ4に供給するためのローラであり、スポンジローラともいう。現像ブレード5は、先端が折り曲げられた板金により構成され、現像ローラ4の表面に供給されたトナー2を薄層化する。現像ローラ4は、電界の作用により感光体ドラム7に形成された静電潜像にトナー2を移動させる。なお、トナー2は、トナーカートリッジ1からの落下により、供給ローラ3の周囲にも存在している。
一方、帯電ローラ8は、感光体ドラム7の表面を一様に負極に帯電させる。感光体ドラム7は、アルミニウムの素管に有機化合物による感光層(光導電性絶縁層)が形成されており、その外径はφ29.95mmである。感光体ドラム7の感光層は、光が当たらないときには、絶縁体としての性質を持ち、光が当たると導電性になり帯電電荷を逃す性質を有する。感光体ドラム7は、LEDヘッド11の光照射により、負極に帯電した表面層が放電させられ、静電潜像が形成される。このとき、例えば、−600Vの表面電位に帯電させられた感光体ドラム7は、−40Vの潜像電位に放電させられる。また、感光体ドラム7は、現像ローラ4により、静電潜像が現像させられ、現像剤像としてのトナー像が形成される。例えば、現像ローラ4は、−200Vが印加させられており、負に帯電したトナー2は、−40Vの静電潜像に移動、付着し、静電潜像を顯像化する。
図4は、供給ローラ3の軸方向に垂直な平面で切り取った断面図であり、供給ローラ3は、芯金3aと、弾性層3bとを備えて形成されている。
供給ローラ3は、芯金の周囲にシリコーン発泡ゴムを備えたスポンジローラであり、その外径は中央がφ15.5mmであり、端部がφ14.8mmのクラウン状を呈している。スポンジローラのセル目Sは、CCDカメラで測定した。具体的には、ほぼ同じ大きさのセルを目視にて10点選択し、選択した10点のセルの開口径の平均値から求めている。また、セルの開口径は、セルの外周が形成する楕円の長径と短径とを測定し、その測定結果からその楕円の面積を求め、その面積と同じ真円の直径をセルの開口径として換算している。また、発泡セル径を大きくするには、発泡剤の量を増やす、加硫時間を長くする、加硫温度を高くするなどの方法がある。なお、供給ローラ3は、発泡セルのセル目が小さくなればなるほど、トナー2が詰まりやすくなり、供給ローラ3が硬くなる。また、セル目が大きくなればなるほど、現像ローラ4上の残トナー掻き取り能力が落ちる。また、弾性層3bは、導電剤としてカーボンブラックを添加することにより、対向面の間の抵抗値が調整される。
図5は、現像ローラ4を軸方向に垂直な平面で切り取った概略断面図である。
現像ローラ4は、表面にニッケルめっきを施した鋼からなる芯金4aと、ウレタンゴムで形成される弾性層4bと、弾性層4bの表面にイソシアネートによる表面層4cとを同芯的に備えて形成される。その外径はφ19.6mmである。なお、現像ローラ4の弾性層4bは、供給ローラ3の弾性層3bよりも硬く構成されている。
現像ブレード5は、0.08mmの厚みのステンレス(SUS304B−TA)板を曲げR0.275mmで折り曲げたものを2枚重ねて、図3に示すように、現像ローラの回転方向から見て折り曲げた短辺が上流側になり、長辺が下流側になるように、かつ、ある程度の線圧(40〜70gf/cm程度)をもって撓むように現像ローラ4に接触させた。
クリーニングブレード9は、弾性体としてのゴム部材から形成され、用紙に転写されずに残存したトナー像を感光体ドラム7から掻き取る。具体的には、クリーニングブレード9は、板金にブレードとしてのウレタンゴムを接着することで形成されている。記録紙14に転写されずに感光体ドラム7の表面に残った一部のトナー2はクリーニングブレード9で掻き取られる。そして、掻き取られたトナー2は、印刷終了後、プリンタ制御部30により決められたシーケンスに従い、廃棄現像剤タンク21に回収される。
図3には図示していないが、各ローラ及び感光体ドラム7には、それぞれ駆動を伝える為のギヤが圧入その他の方法で固定されており、感光体ドラム7に固定されたギヤをドラムギヤ、現像ローラ4に固定されたギヤを現像ギヤ、供給ローラ3に固定されたギヤをスポンジギヤ、帯電ローラ8に固定されたギヤをチャージギヤ、現像ギヤ−供給ギヤ間に設置されたギヤをアイドルギヤと呼ぶこととする。
現像工程のそれぞれのローラ及び感光体ドラム7の回転方向は図3に示す通りである。特に、供給ローラ3、現像ローラ4、感光体ドラム7、及び帯電ローラ8は、片矢印の方向に回転しており、特に、供給ローラ3と現像ローラ4とは、その当接部において互いに逆方向に回転している。このため、現像ローラ4に残存したトナー2は、現像ローラ4から感光体ドラム7まで移動せずに、供給ローラ3のスポンジにより掻き落とされる。
(動作の説明)
図1に示す画像形成装置は、プリンタ制御部30(図2)から印刷指示がかかると、まず、モータ38が回転し始め、図示しない数個のギヤを通してドラムギヤに駆動力が伝わり、感光体ドラム7が回転する。ドラムギヤから現像ギヤに駆動力が伝わることにより、現像ローラが、現像ギヤからアイドルギヤを経て、供給ギヤへ駆動が伝わることにより、供給ローラ3が、ドラムギヤからチャージギヤへ駆動が伝わることにより帯電ローラ8が回転する。また、モータ38が回転を始めるのとほぼ同時に、現像装置10、及び転写ローラ17にはバイアス電圧制御部33により、それぞれ、所定のバイアス電圧が印加され、定着器12のハロゲンランプが所定の定着温度まで加熱される。
帯電ローラ8に印加された電圧とその回転により、感光体ドラム7は、その表層が一様に帯電される。感光体ドラム7は、その帯電部がLEDヘッド11の下方に到達すると、LEDヘッド11は、プリンタ制御部30の露光制御部34(図2)に送られた印刷すべき画像に従って発光を行う。これにより、感光体ドラム7は、表面に静電潜像を形成し、静電潜像担持体として機能する。感光体ドラム7は、この静電潜像が形成された部分が現像ローラ4との接触点まで到達すると、感光体ドラム7上の静電潜像と現像ローラ4との電位差により、薄層化されたトナー2が静電潜像に移動する。これにより、感光体ドラム7は、静電潜像が顕像化されトナー像が形成され、現像剤像担持体として機能する。
以下、トナー2、及び供給ローラ3の製造方法と、画像形成装置100を用いた評価結果とについて説明する。
供給ローラ3は、シリコーンゴムKE151U(信越化学工業株式会社製、商品名)100重量部に、低温分解型有機過酸化物加硫剤C−1(信越化学工業株式会社製、商品名)0.3重量部、高温分解型有機過酸化物加硫剤C−3(信越化学工業株式会社製、商品名)3重量部、有機発泡剤KEP−13(信越化学工業株式会社製、商品名)9重量部を混合し、シリコーンゴムコンパウンドを調整し、このシリコーンゴムコンパウンドを押出機でステンレス製の芯金上に1本分出すことにより、中間部品が製造される。この1本分の中間部品を200℃でIR炉において30分間加熱することにより加硫発泡させ、これを200℃で4時間二次加硫し、その後、円筒研削盤にて研磨してスキン層を除去すると共に外径値を揃え、表面の発泡体のセル目300μmの供給ローラ3(以下、スポンジローラαともいう。)を製造した。
また、この時、有機発泡剤KEP−13の量を変更することにより、セル目600μmのスポンジローラβ、セル目900μmのスポンジローラγを得た。なお、スポンジローラα,β,γのセル目Sは、CCDカメラでセル開口径を測定し、10個のセルの平均値から求められる。
なお、本実施例では、セル目S=300μm〜900μにおいて、実験を行った。これは、セル目Sが小さくなればなるほど、トナー2が詰まり易くなり、セル目Sが大きくなればなるほど、供給ローラ3によるトナー2の掻き取り能力が落ちることによる汚れの発生を考慮したからである。
次に、以下に述べる方法(所謂、粉砕法)でトナー2を作製した。
結着樹脂としてポリエステル樹脂(数平均分子量:3700、Tg:62℃)100重量部と、帯電制御剤としてサリチル酸錯体1重量部と、着色剤としてフタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15:3)3重量部と、離形剤(Tg:100℃)10重量部とからなる組成混合物を混合機(三井三池化工機(株)製ヘンシェルミキサー)中で十分攪拌混合した後、得られた混合物をオープンロール型連続混練機(三井鉱山(株)製ニーデックス)により100℃の温度で約3時間加熱溶融混練し室温まで冷却後、得られた混練物についてジェット気流を用いた衝突版粉砕機(日本ニューマチック工業(株)製ディスパージョンセパレーター)を用いて粉砕した。その後、遠心力を利用した風力ロータ回転型乾式気流分級機(ホソカワミクロン社製ミクロンセパレータ)にて分級を行い、ベーストナーを得た。
べ一ストナー100重量部に、疎水性シリカ微粉末「R−972」(日本アエロジル社製)1.0重量部と、疎水性シリカ微粉末「RY−50」(日本アエロジル社製)1.5重量部と、導電性微粒末である酸化チタンとを外添剤として加えてヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した後、箭をかけてトナーAを作製した。
ここで、粉砕工程(時間、力等)の条件を変えることにより、体積平均粒径の異なるトナーC、Eを作製した。また、トナーA、C、Eをさらに篩いにかけ、5μm以下の粒子の体積比率の低いトナーB、D、Fを作製した。
トナーの体積平均粒径、及び5μm以下の粒子の体積比率は、コールター原理を用いて測定される。コールター原理は、細孔電気抵抗法(電気的検知帯法)と呼ばれ、電解質溶液(電解質の溶けた水溶液、又は有機溶剤)中の小さな径の細孔(アパチャー)に一定の電流を流し、粒子が細孔を通過したときの系の電気抵抗変化を測定するものである。すなわち、コールター原理は、細孔を通過した粒子により、粒子体積分の電解質溶液が置き換えられたことになり、この置き換えられた電解質の体積によって、細孔の電気抵抗が増加することを利用している。
具体的測定方法は、細胞計数分析装置「コールターマルチサイザー(Multisizer)3」(ベックマンコールター社製)を用いて、アパチャーチューブ径100μmにて30,000カウント測定することで求められる。まず、
1.エマルゲン(花王社製)5gとアイソトン(コールター社製)95gとをビーカーに入れ、スターラ(stirrer))を用いて攪拌しつつ加温溶解する。
2.トナーサンプルをマイクロスパチュラ1さじ取り、エマルゲン5%溶液5mlに混ぜ、超音波分散器で10秒分散する。
3.この溶液にアイソトン25mlを追加し、超音波分散器で60秒分散して測定試料とする。
4.マルチサイザーの測定セルに、電解液(アイソトン)を満たし、測定30秒で粒子数100個以下であることを確認する。
5.前記した測定試料を加え、濃度表示が10%位になるようにする。
6.測定終了後、粒子の体積分布ヒストグラムを得て、球相当径に変換された粒径表示により体積平均粒径、粒子径分布を読み取る。
測定の結果、それぞれのトナーの体積平均粒径Dvは、トナーA、B:7.2μm、C、D:6.3μm、E、F:5.7μmであった。また、5μm以下の粒子の体積比率vは、トナーA:30.5、B:8.7、C:31.0、D:10.、E:32.3、F:25.4であった。
なお、べーストナーと混合する微粉末としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
また、シリカの微粉末は、Si−O−Si結合を有する微粉末であり、乾式法及び湿式法で製造された物のいずれであってもよい。また、無水二酸化ケイ素のほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれであってもよい。また、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有するシリコンオイルなどにより表面処理されたシリカの微粉末などを用いることができる。
このようにして作製したスポンジローラα〜γ、トナーA〜Fを図6(実施例1)に示すように組み合わせた。
比較例1−1では、トナーAをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例1−1では、トナーBをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例1−2〜5では、トナーA・Bをスポンジローラβ・γが実装された現像装置にそれぞれ入れた。
比較例1−2では、トナーCをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例1−6では、トナーDをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例1−7、8では、トナーC・Dをスポンジローラβが実装された現像装置に入れた。
比較例1−3、4では、トナーC・Dをスポンジローラγが実装された現像装置に入れた。
比較例1−5では、トナーEをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例1−9では、トナーFをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例1−10、11では、トナーE・Fをスポンジローラβが実装された現像装置に入れた。
比較例1−6、7では、トナーE・Fをスポンジローラγが実装された現像装置に入れた。
そして、体積平均粒径Dv、5μm以下の粒子の体積比率vを変化させたトナー2、及びセル目Sを変化させた供給ローラ3を備えた現像装置を装着して画像形成装置でA4用紙を用いて以下のような連続印字評価を行った。
1.トナーカートリッジ1の内部にトナー300gを入れる。
2.トナーカートリッジ1を装着した現像装置10を画像形成装置に装着し、常温常湿で0.3%濃度画像を3P/J(「3枚連続で印字後、プリンタ停止」を繰り返す)で40,000枚分印字を行う。
このようにして連続した画像上の汚れの有無を、目視にて確認した結果(汚れが発生しているものが「×」、汚れが発生していないものが「○」)を図6(実施例1)に示す。ここでいう「汚れ」とは、スポンジローラの掻き取り能力が経時で低下していくことにより、現像ローラ上のトナー量が増えていき、その帯電量の総和が過剰になることでトナーが、電子写真法における現像剤担持体−静電潜像担持体間の電位差に関係なく、現像剤担持体から静電潜像担持体に現像されてしまい、画像に現れる現象のことである。
比較例1−1では、汚れが発生した。
実施例1−1〜5では、汚れのない良好な画像が得られた。
比較例1−2では、汚れが発生した。
実施例1−6〜8では、汚れのない良好な画像が得られた。
比較例1−3〜5では、汚れが発生した。
実施例1−9〜11では、汚れのない良好な画像が得られた。
比較例1−6〜7では、汚れが発生した。
(効果の説明)
以上のように、汚れが発生したときと汚れが発生しなかったときとの体積平均粒径Dv、5μm以下の粒子の体積比率v、スポンジローラのセル目Sの関係に着目したところ、汚れが発生しなかったときには、
v<S/10 かつ S/Dv≦125
の関係が成り立つことがわかった。
これは、5μm以下の小粒径の粒子が多いとセル目に詰まり易く、また、セル目Sに対してトナーの粒径があまりに小さくてもセル目に詰まり易い、ということを示していると考えられる。
(第2の実施形態)
(構成の説明)
第2の実施形態で用いた画像形成装置、現像装置の構成は、第1の実施形態と同じであるが、使用するトナーが異なり、所謂、重合法で作製したトナーを用いる。ここで、重合法とは、共重合樹脂、着色剤、及びワックスを混合・凝集したベーストナーを用いる方法である。
トナーは、以下に述べる方法で作製する。
水溶媒中で、スチレン、アクリル酸、メチルメタクリル酸より、スチレンアクリル共重合樹脂を得て一次粒子とする。また、着色剤としてフタロシアニンブルー(C.I.Pigmen Blue15:3)を用いる。さらに、ワックスとしては、高級脂肪酸エステル系ワックスとしてステアリン酸ステアリルを用いる。これらを混合・凝集し、べーストナーを得た。べーストナー100重量部に、疎水性シリカ微粉末「R−972」(日本アエロジル社製)0.7重量部と、疎水性シリカ微粉末「RY−50」(日本アエロジル社製)1.7重量部と、導電性微粒末である酸化チタンとを加えてヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した後、篩をかけてトナーGを作製した。ここで、凝集工程の条件(時間、熱等)を変えることにより、体積平均粒径の異なるトナー、Kを作製した。また、トナーG、I、Kをさらに篩にかけ、5μm以下の粒子の体積比率の低いトナーH、J、Lを作製した。
それぞれのトナーの体積平均粒径Dvは、トナーG、H:7.3μm、I、J:6.0μm、K、L:5.5μmであった。また、5μm以下の粒子の体積比率vは、トナーG:30.2、H:8.5、I:30.9、J;11.3、K=31.5、L:22.1であった。
このようにして作製したトナーG〜Lを、図7(実施例2)に示すように組み合わせた。
比較例2−1では、トナーGをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例2−1では、トナーHをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例2−2〜5では、トナーG・Hをスポンジローラβ・γが実装された現像装置にそれぞれ入れた。
比較例2−2では、トナーIをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例2−6では、トナーJをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例2−7、8では、トナーI・Jをスポンジローラβが実装された現像装置に入れた。
比較例2−3、4では、トナーI・Jをスポンジローラγが実装された現像装置に入れた。
比較例2−5では、トナーKをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例2−9では、トナーLをスポンジローラαが実装された現像装置に入れた。
実施例2−10、11では、トナーK・Lをスポンジローラβが実装された現像装置に入れた。
比較例2−6、7では、トナーK・Lをスポンジローラγが実装された現像装置に入れた。
(動作の説明)
以上のような構成で、実施例1と同様な連続印字評価を行った。その結果を図7に示す。
比較例2−1では、汚れが発生した。
実施例2−1〜5では、汚れのない良好な画像が得られた。
比較例2−2では、汚れが発生した。
実施例2−6〜8では、汚れのない良好な画像が得られた。
比較例2−3〜5では、汚れが発生した。
実施例2−9〜11では、汚れのない良好な画像が得られた。
比較例2−6〜7では、汚れが発生した。
(効果の説明)
以上のように、汚れのない良好な画像が得られた実施例2−1〜11では、実施例1と同様
v<S/10 かつ S/Dv≦125
の関係が成り立つことがわかった。つまり、上式はトナーの製法に依存しない、ということがいえる。
(利用形態の説明)
前記各実施形態は、プリンタに適用した例を説明したが、プリンタに限定されるものではなく、電子写真法を用いたファックス機や、コピー機等にも適用可能である。
また、実施例1,2であげたべーストナーの原材料(例えば、結着樹脂、帯電制御剤、着色剤)の種類及びその量、べーストナーと混合する微粉末(例えば、シリカ、酸化チタン)の種類及びその量、現像ローラやスポンジローラの材質等はあくまで一例であり、他の物質を用いたとしても、v<S/10 かつ S/Dv≦125 の関係を満たすものであれば、その効果に影響を与えるものではない。
1 トナーカートリッジ
2 トナー(現像剤)
3 供給ローラ(現像剤供給手段)
3a 芯金
3b 弾性層
4 現像ローラ(現像剤担持体)
4a 芯金
4b 弾性層
4c 表面層
5 現像ブレード(薄層形成手段)
7 感光体ドラム(像担持体、静電潜像担持体、現像剤像担持体)
8 帯電ローラ(帯電手段)
9 クリーニングブレード
10 現像装置
11 LEDヘッド(露光手段)
12 定着器
12a 加熱ローラ(ハロゲンランプ等)
12b 圧着ローラ
13 I/F部
14 記録紙
15 記録紙搬送ローラ
16 転写ベルト
17,17a,17b,17c,17d 転写ローラ(転写手段)
18a,18b ドライブローラ
19,19a,10b 記録紙走行ガイド
20 転写ベルトクリーニングブレード
21 廃棄現像剤タンク
22 記録紙カセット
30 プリンタ制御部
31 画像形成制御部
32 搬送駆動制御部
33 バイアス電圧制御部
34 露光制御部
35 定着制御部
36 操作部
37 表示部
38 モータ
39 サーミスタ
100 画像形成装置

Claims (9)

  1. 静電潜像を現像させ、現像剤を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する現像剤供給手段と、
    を具備し、前記現像剤供給手段は、表面が発泡体からなる現像装置であって、
    前記発泡体のセル径平均値をS[μm]とし、前記現像剤の体積平均粒径をDv[μm]とし、前記現像剤の内、粒径5[μm]以下の粒子の体積比率をv[%]としたとき、
    8.7<v<32.3 、v<S/10 、及び S/Dv≦125
    の関係を満たし、
    前記現像剤は、粉砕法で作製したトナーである
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤供給手段と前記現像剤担持体とは、その当接部において互いに逆方向に回転することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像剤供給手段は、供給ローラであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記供給ローラは、スポンジローラであることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記スポンジローラは、棒状の芯金部と、その外周面に形成されたシリコーン発泡ゴムとを備えていることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記粉砕法は、結着樹脂、帯電制御材、着色剤、及び離形剤からなる組成混合物を加熱溶融混練してから粉砕する方法であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の現像装置。
  7. 静電潜像を現像させ、現像剤を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する現像剤供給手段と、
    を具備し、前記現像剤供給手段は、表面が発泡体からなる現像装置であって、
    前記発泡体のセル径平均値をS[μm]とし、前記現像剤の体積平均粒径をDv[μm]とし、前記現像剤の内、粒径5[μm]以下の粒子の体積比率をv[%]としたとき、
    8.5<v<31.5 、v<S/10 、及び S/Dv≦123.3
    の関係を満たし、
    前記現像剤は、重合法で作製したトナーである
    ことを特徴とする現像装置。
  8. 前記重合法は、共重合樹脂、着色剤、及びワックスを混合・凝集したベーストナーを用いる方法であることを特徴とする請求項7に記載の現像装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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