JP2013257441A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の画像形成装置が有する攪拌装置は、攪拌の際の現像剤への摩擦負荷が大きいため、現像剤の表面から外添剤が剥離し、時間経過後の印刷品質が劣化する。
【解決手段】現像装置20は、一定の体積平均粒子径を有する粒子状の現像剤26aを複数収容する現像剤収容部27内に軸着されたメッシュ部28bを有し、前記メッシュ部28bにより前記現像剤26aを攪拌するようにしている。前記メッシュ部28bの目の開きは、75μm〜150μmであることを特徴とする。これにより、現像剤攪拌の際の現像剤26aへの摩擦による負荷を軽減することができるため、現像剤表面からの外添剤の剥離を軽減することができ、経時変化による記録媒体11a上に形成された画像品質の劣化を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式プリンタや複写機等の画像形成装置に係り、特に現像剤の攪拌部材を備えた現像装置及び画像形成装置に関するものである。
画像形成装置は、用紙等の記録媒体に現像剤像を転写して画像を形成するものであり、この画像形成装置が有する現像装置は、静電潜像を担持する像担持体としての感光体ドラムに、ベーストナーに外添剤で被覆した粒子状の現像剤を付着させて現像剤像を形成するものである。この現像装置には、現像剤を一時蓄えておく現像剤収容部が設けられ、この現像剤収容部には、現像剤収容部内の現像剤の凝集解消、現像剤の搬送、現像剤の残量検知等を目的として、現像剤を攪拌する攪拌部材が設けられている。従来、例えば、現像剤収容部内の現像剤の平均の高さを検出することにより、現像剤の残量検出が行われていた。
しかし、現像剤収容部内の現像剤は、熱的要因、過剰な攪拌等が原因で凝集することがあり、この凝集が大きな塊となり現像剤収容部の内壁に固着すると、現像剤収容部内の現像剤の平均の高さを検出することができず、現像剤の残量検知できなくなるという問題がある。この解決方法として、下記の特許文献1には、現像剤収容部内の現像剤の塊を改良した攪拌部材で砕く攪拌方法等記載されている。
特開平9−54488号公報
しかしながら、従来の特許文献1に記載された現像装置及び画像形成装置では、現像剤収容部内の現像剤の塊を、改良した攪拌部材で現像剤の塊を砕く際の現像剤への摩擦による負荷が大きく、現像剤の表面からの外添剤が剥離し易い。現像剤から外添剤が剥離すると、経時変化によって記録媒体上に形成された画像の品質が劣化するという課題があった。
本発明の現像装置は、一定の平均粒子径を有する粒子状の現像剤を複数収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部内に回転自在に軸着されたメッシュ部を有し、前記現像剤収容部内に収容された前記現像剤を前記メッシュ部により攪拌する攪拌部材と、静電潜像を担持する像担持体と、前記メッシュ部により攪拌された前記現像剤を前記像担持体上の前記静潜像に付着させて現像剤像を形成する現像手段と、を備え、前記メッシュ部の目の開きは、75μm〜150μmであることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、前記現像装置を有し、この現像装置により像担持体上に形成された現像剤像を記録媒体に転写して画像を形成することを特徴とする。
本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、一定の平均粒子径を有する粒子状の現像剤を複数収容する現像剤収容部内に軸着されたメッシュ部を有し、前記メッシュ部により前記現像剤を攪拌するようにしている。特に、前記メッシュ部の目の開きは、75μm〜150μmであることを特徴としている。これにより、攪拌部材で現像剤を攪拌する際の現像剤への摩擦による負荷を軽減できるため、現像剤表面からの外添剤の剥離を低減することができ、経時変化による記録媒体上に形成された画像の品質劣化を低減できる。
図1は本発明の実施例1の現像装置の概略の構成を示す構成図である。 図2は本発明の実施例1の画像形成装置の概略の構成を示す構成図である。 図3は図1中の攪拌部材28の構造の概略を示す平面図である。 図4は図1中の攪拌部材28におけるメッシュの目と現像剤26aとの関係を説明するための図である。 図5(a)〜(c)は比較例1の攪拌部材の動作を説明するための図である。 図6(a)〜(d)は比較例2の攪拌部材の動作を説明するための図である。 図7(a)〜(c)は図1中の攪拌部材28の動作を説明するための図である。 図8は実施例1における評価用印字の例を示す図である。 図9は現像剤26a(A)のBET値の経時変化を示す図である。 図10は現像剤26a(B)のBET値の経時変化を示す図である。 図11は実施例1の評価結果を示す図である。 図12は実施例2の評価結果を示す図である。
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1の画像形成装置の概略の構成を示す構成図である。
画像形成装置1は、例えば、カラー電子写真プリンタである。この画像形成装置1の下部には、用紙等の記録媒体11aを供給する給紙部10が配設され、この給紙部10の上部に、画像形成部20が設けられている。
給紙部10は、記録媒体11aを収納するカセット11と、記録媒体11aを搬送ガイド15へ搬出するための搬出ローラ12,13,14、及び記録媒体11aを搬送ガイド15に沿って下流側の画像形成部20へ搬送するための搬送ガイドローラ16,17,18を有している。カセット11は、記録媒体11aを積層した状態で収納して、画像形成装置1内の下部に着脱自在に装着されている。搬出ローラ12,13,14は、このカセット11に収納されている記録媒体11aを、その最上部から一枚ずつ取り出し、搬送ガイド15を進行するように送り出す。搬送ガイドローラ16,17,18は、記録媒体11aを図2中の矢印の方向に沿って搬送する間に記録媒体11aの斜行を矯正し、画像形成部20に送る。
画像形成部20は、像担持体としての感光ドラム25上の静電潜像に現像剤26aを付着させて現像剤像を形成する現像装置21と、感光ドラム25上に形成された現像剤像を記録媒体11aに転写して画像を形成(印刷)する転写部40と、により構成されている。更に、画像形成部20の下流側には、転写部40により記録媒体11a上に形成された画像を加熱及び加圧して定着させる定着部50が設けられている。
画像形成部20は、複数の色の現像装置21、例えば、ブラック現像装置21K、イエロ現像装置21Y、マゼンタ現像装置21M、及びシアン現像装置21Cを有している。各色の現像装置21(=21K,21Y,21M,21C)の構造は同一であるので、現像装置21を代表して、ブラック現像装置21Kについて説明する。
ブラック現像装置21Kは、静電潜像を担持する像担持体としての感光体ドラム25Kの表面に、電荷を帯電させるブラック帯電ローラ22Kと、電荷が帯電されたブラック感光体ドラム25Kの表面に露光して静電潜像を形成するブラックの発光ダイオード(以下「LED」という。)ヘッド24Kと、ブラック現像剤26aKが格納されたブラックカートリッジ26Kと、ブラックカートリッジ26K内に格納されたブラック現像剤26aKが自由落下して一時収容されるブラック現像剤収容部27K等を有している。ブラック現像剤収容部27K内には、ブラック現像剤収容部27内に収容されたブラック現像剤26aKを攪拌する攪拌部材28が取り付けられている。
ブラック現像剤収容部27Kの下部には、ブラック現像剤収容部27Kで攪拌されたブラック現像剤26aKをブラック現像ローラ30Kへ供給するブラック供給ローラ29Kが配設されている。このブラック供給ローラ29Kに接して、ブラック感光ドラム25K上の静電潜像にブラック現像剤26aKを付着されてブラック現像剤像を形成する現像手段としてのブラック現像ローラ30Kが設けられている。
ブラック現像装置21K以外の他の色の現像装置21(=21Y,21M,21C)は、ブラック現像装置21Kと同様に、それぞれ、帯電ローラ22(=22Y,22M,22C)、LEDヘッド24(=24Y,24M,24C)、カートリッジ26(=26Y,26M,26C)、現像剤収容部27(=27Y,27M,27C)、供給ローラ29(=29Y,29M,29C)、現像ローラ30(=30Y,30M,30C)等を備えている。
転写部40は、各色の現像剤像を記録媒体11aに静電吸着して搬送する転写ベルト44、図示しない駆動部により回転されて転写ベルト44を駆動するドライブローラ41、ドライブローラ41と対を成して転写ベルト44を張架するテンションローラ42を有している。又、転写部40は、各色の現像装置21(=21K,21Y,21M,21C)の各感光ドラム25(=25K,25Y,25M,25C)に対向して圧接するよう配置されている。転写部40は、現像剤26aを記録媒体11aに転写するよう電圧を印加する複数の色の転写ローラ43(=43K,43Y,43M,43C)を有している。更に、転写部40は、転写ベルト44上に付着した現像剤26aを掻き取ってクリーニングする転写ベルトクリーニングブレード45、転写ベルトクリーニングブレード45により掻き取られることで回収された現像剤26aを収容する廃棄トナータンク46等を有している。
定着部50は、発熱ローラ51、加圧ローラ52、図示しないサーミスタ及び加熱ヒータを備えている。発熱ローラ51は、アルミニウムからなる中空円筒状の芯金にシリコーンゴムの耐熱弾性層を被覆し、その上に、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下「PFA」という。)チューブを被覆することによって形成されている。更に、その芯金内には、例えば、図示しないハロゲンランプなどの加熱ヒータが配設されている。
加圧ローラ52は、アルミニウムの芯金にシリコーンゴムの耐熱弾性層を被覆し、その上にPFAチューブを被覆した構成で、発熱ローラ51との間に圧接部が形成されるように配置されている。図示しないサーミスタは、発熱ローラ51の表面温度検出手段であり、発熱ローラ51の近傍に非接触で配置される。図示しないサーミスタによって検出された温度情報は、図示しない温度制御手段に送られ、温度制御手段はこの温度情報に基づいて加熱ヒータをオン/オフ制御して、発熱ローラの表面温度を所定の温度に維持する。
定着部50の下流側には、印刷済みの記録媒体11aを装置上面のスタッカ54へ導く排出ガイド53が設けられている。
図1は、本発明の実施例1の現像装置の概略の構成を示す構成図である。
各色の現像装置21は、感光体ドラム25、感光体ドラム25上に電荷を帯電させる帯電ローラ22、帯電ローラ22上に残った余分な電荷を除去するチャージクリーニングローラ23、感光体ドラム25上の電荷に光を照射して静電潜像を形成するLEDヘッド24を備えている。更に、現像装置21は、現像剤26aが充填されたカートリッジ26、カートリッジ26から自由落下する現像剤26aを一時収容する現像剤収容部27を備えている。
現像剤収容部27の内部には、現像剤26aを攪拌する攪拌部材28と、この攪拌部材28により攪拌された現像剤26aを現像ローラ30へ供給する供給ローラ29と、供給ローラ29から供給された現像剤26aを感光体ドラム25上の静電潜像に付着させて現像剤像を形成する現像ローラ30と、供給ローラ29から現像ローラ30へ供給される現像剤26aを均一の厚さにする現像ブレード31等とが設けられている。
感光体ドラム25の下部には、記録媒体11aを挟んで転写ローラ43が設けられている。転写ローラ43は、図示しない電源から供給される電圧により、感光体ドラム25上の現像剤像が記録媒体11aに転写するものである。更に、現像装置21は、現像剤像を記録媒体11aに転写した後に感光体ドラム25上に残った現像剤26aを掻き落とす転写クリーニングブレード32を有している。
攪拌部材28は、カートリッジ26内から自重により落下した現像剤26aが一時的に収容される現像剤収容部27に備えられており、長手方向に延在し、回転自在に支持されている。又、現像装置21は、図2で示した画像形成部20の所定位置に着脱自在に装着され、カートリッジ26は、着脱自在に装着可能となっている。現像ローラ30は、例えば、表面にニッケルめっきを施した鋼を芯とし、芯金の周囲にウレタンゴムで形成される弾性層と、弾性層の表面に形成されるイソシアネートによる表面層を備え、その外径はφ19.6[mm]である。供給ローラ29は、例えば、芯金の周囲にセル目の径が300〜500[μm]であるシリコーン発泡ゴムを備え、その外径は、中央部でφ=15.5[mm]であり、端部でφ14.8[mm]である。
現像ブレード31は、0.08[mm]の厚みのステンレス(SUS304B−TA)板を曲げ角90°、半径R=0.275[mm]で折り曲げたものを、図1に示す様に現像ローラ30の回転方向から見て折り曲げた短辺が上流側に、長辺を下流側になる様に、且つ、例えば、40〜70[gf/cm]の線圧をもって現像ローラ30に接触させた。感光ドラム25は、アルミニウムの素管に有機化合物による感光層が形成されており、その外径はφ29.95[mm]である。各ローラ22,29,30及び感光体ドラム25には、それぞれ駆動を伝えるためのギヤが圧入その他の方法で固定されており、感光ドラム25に固定されたギヤをドラムギヤ、現像ローラ30に固定されたギヤを現像ギヤ、供給ローラ29に固定されたギヤを供給ギヤ、帯電ローラ22に固定されたギヤを帯電ギヤ、現像ギヤ・スポンジギヤ間に設置されたギヤをアイドルギヤと呼ぶ。この現像ギヤ・スポンジギヤ・アイドルギヤの歯数及び位置を変更する事で現像ローラ30と供給ローラ29の周速比を変更することが可能となる。
図3は、図1中の攪拌部材28の構造の概略を示す平面図であり、図4は、図1中の攪拌部材28におけるメッシュ部28bの目と現像剤26aとの関係を説明するための図である。
攪拌部材28は、図1中の現像剤収容部27内に取り付けられた軸部28aと、一端側が軸部28aに取り付けられ、一端側から所定距離隔てた他端側が軸部28aを中心軸として回転するメッシュ部28bとにより構成されている。メッシュ部28bは、例えば、矩形の平板状であり、目の開きLの孔が複数空いている。この目の開きLは、現像剤26aの体積平均粒子径の所定倍になるように選択される。ここで、体積平均粒子径とは、体積で重み付けされた平均径であり、粒子径の小さい順からd1,d2,・・,dkの粒子がそれぞれ、n1,n2,・・nk個あり、粒子1個当たりの体積がそれぞれv1,v2,・・vkである1つの粉体の集団を仮定したとき、体積平均粒子径MVは、
MV=(v1・d1+v2・d2+・・+vk・dk)/(v1+v2+・・+vk)
・・・(1)
で与えられる。
現像剤26aの体積平均粒子径MVの所定倍の目の開き寸法Lを複数有するメッシュ部28bと体積平均粒子径MVの現像剤26aとの関係が図4に示されている。現像剤26aの体積平均粒子径MVとメッシュ部28bの目の開き寸法Lとが、現像剤26aがメッシュ部28bの目の開きを適度にすり抜ける関係となっている。メッシュ部28bは、軸部28aを中心に紙面の表から裏の方向へ回転し、現像剤26aは、紙面の裏から表方向にメッシュ部28bの目の開きをすり抜ける動作が図4に模式的に示されている。
(現像剤の製造方法)
本実施例1で用いる現像剤26a(A)及び26a(B)は、粒子状のベーストナーA及びBと、ベーストナーA及びBの周囲を被覆する外添剤とで構成されており、それぞれ以下に説明する(I)乳化重合法及び(II)粉砕法により製造される。
(I) 乳化重合法
乳化重合法による現像剤26a(A)の製造方法は、以下の第1工程〜第4工程からなる。
スチレン、アクリル酸、メチルメタクリル酸からスチレンアクリル共重合により、結着樹脂である1次粒子を製造する(第1工程)。次に、着色剤として「ピグメントレッド238」を用いてベーストナーAの100重量部を製造する(第2工程)。このベーストナーA100重量部に、外添剤として、疎水性シリカ微粉末「R―972」(日本アエロジル社製)の0.7重量部と、疎水性シリカ微粉末「RY−50」(日本アエロジル社製)の1.7重量部とを添加し、へンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合する(凝集工程である第3工程)。その後、篩をかけて、現像剤26aを製造した(第4工程)。
凝集工程である第3工程において、時間、熱等をある条件にすることで、円形度0.970、体積平均粒子径6.02、流動性が48.8%の現像剤26a(A)を得た。
(II) 粉砕法
粉砕法による現像剤26a(B)の製造方法は、以下の第1工程〜第5工程からなる。
結着樹脂として、ポリエステル樹脂(数平均分子量:3700、Tg:62℃)100重量部、帯電制御剤としてサリチル酸錯体が1重量部、着色剤として「ピグメントレッド238」が3重量部、離型剤(Tg:100℃)が10重量部からなる組成混合物を混合機(三井三池化工機(株)製へンシェルミキサ)中で十分撹枠混合する(第1工程)。第1工程により得られた混合物をオープンロール型連続混練機(三井鉱山(株)製ニーデックス)により100℃の温度で約3時間加熱溶融混練し、室温まで冷却する(第2工程)。第2工程で得られた混練物についてジェット気流を用いた衝突版粉砕機(日本ニューマチック工業(株)製ディスパージョンセバレータ)を用いて粉砕する(粉砕工程である第3工程)。その後、遠心力を利用した風力ロータ回転型乾式気流分級機(ホソカワミクロン社製ミクロンセバレータ)にて分級を行い、ベーストナーBを得る(第4工程)。ベーストナー100重量部に、疎水性シリカ微粉末「R−972」(日本アエロジル社製)の1.0重量部と、疎水性シリカ微粉末「RY−50」(日本アエロジル社製)の1.5重量部と導電性微粒末である酸化チタンとを加えて、へンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製)で混合した後、篩をかけて現像剤26aを製造する(第5工程)。
粉砕法による現像剤26aの製造工程中の粉砕工程である第3工程において、時間、熱等をある条件にすることで、円形度0.960、体積平均粒子径7.15、流動性が49.8%の現像剤26a(B)を得た。
(現像剤粒子の特性)
現像剤26aは、粒子であり、現像剤収容部27内には複数の現像剤26aの粒子が収容されているので、(I)現像剤26aの粒子としての特性として、円形度及び体積平均粒径MVと、(II)現像剤26aの粉粒体としての特性として、流動性及び凝集度について、以下で説明する。
(I) 現像剤26aの粒子としての特性
円形度とは、円らしさを表す値で、
円形度=粒子投影面積と同じ面積を有する円の局長÷粒子投影像の周長・・・(2)
で表される。円形度が1のときに現像剤26aの投影像が真円であることを示し、現像剤26aの形状が球形から遠ざかる程、凹凸が増え、その円形度の値は小さくなる。
円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPLA−2100」(シスメックス株式会社製)を用いて、以下の手順で測定した。
100mlビーカに、一般家庭の台所用食器洗剤等の中性洗剤を約0.5cc(4〜6滴)落とし、その中に「イソトン」(ベックマン・コールター社製)等の電解液を100[ml]入れ、攪拌して分散剤を溶解する。その中に現像剤26aをミクロスパチュラで山盛り一杯入れ、その100mlビーカを超音波分散器で60秒分散させる。分散させた100mlビーカを装置にセットして測定を開始し、円形度の値を求めた。
又、体積平均粒子径MVは、既に説明した(1)式により定義される値であり、現像剤26aの体積平均粒子径MVは、粒子分布測定装置「マルチサイザーIII」(ペックマンコールター社製)を使用して測定した。
「アイソトンII」(ペックマンコールター社製)の95[重量%]とエマルゲンの5[重量%]を混合した分散剤中に濃度が10%以下になるよう現像剤26aを少量加えて、超音波振動機にて1分間分散させたサンプルを使用し、アパチャー径100[μm]を使用し、観測粒子数が30,000個以上の状態にて体積平均粒子径MVを計算した。
(II) 現像剤26aの粉粒体としての特性
流動性とは、粉粒体が液体のように振る舞う性質を表し、凝集度とは、所定目開きの篩の上で振動させたときのダマになる割合であり、流動性と凝集度には、
流動性[%]=100−凝集度[%] ・・・(3)
の関係がある。そこで、現像剤26aの流動性は、凝集度を測定し、(3)式より求めた。
凝集度は、パウダテスタ(Hosokawa Micron社製の)を用いて測定した。パウダテスタの振動台の上に目開き150[μm]の篩、目開き75[μm]の篩、目開き45[μm]の篩を目の粗い篩が上になるようにセットして、2.0±0.2[g]の現像剤26aを静かに目開き150[μm]の篩に乗せ、振幅0.8±0.05[mm]で95秒間振動させた。その後、各篩上の現像剤の重量を測定して、以下の式で凝集度を計算した。
凝集度[%]=(目開き150[μm]の篩上の現像剤重量/2.0)×100
+(目開き75[μm]の篩上の現像剤重量/2.0)×(3/5)×100
+(目開き45[μm]の篩上の現像剤重量/2.0)×(1/5)×100
・・・(4)
同様の測定を3回行い、その平均値を凝縮度とした。
(実施例1の動作)
(I)画像形成装置及び現像装置の動作と、(II)比較例1及び2の攪拌部材の動作と、(III)実施例1の攪拌部材の動作と、に分けて説明する。
(I) 画像形成装置及び現像装置の動作
図2に示された画像形成装置1において、図示しない制御部から印刷指示があると、先ず、図示しない駆動モータが回転を始める。駆動モータが回転を始めると、図示しない数個のギヤを通して、図1で示した現像装置21内の図示しないドラムギヤに駆動が伝わり、感光体ドラム25が回転する。ドラムギヤから現像ギヤに駆動が伝わることにより現像ローラ30が、現像ギヤからアイドルギヤを経て、供給ギヤへ駆動が伝わることにより供給ローラ29が、ドラムギヤから帯電ギヤへ駆動が伝わることにより帯電ローラ22が回転する。
画像形成部20の各ローラ22,29,30及び感光体ドラム25の回転方向は図1の矢印に示す通りであり、供給ローラ29は、現像ローラ30との当接部において、逆方向に移動するように回転している。一方、図示しないプリンタ本体にあるモータの回転は、図示しないプリンタ本体にある別系統の数個のギヤを通して、転写部40及び定着部50へ駆動が伝わる。又、モータが回転を始めるとほぼ同時に、画像形成部20、転写部40、定着部50にはプリンタ本体にある図示しない電源により、それぞれ決められた電圧が印加される。
その結果、帯電ローラ22に印加された電圧とその回転により感光体ドラム25の表層は一様に帯電される。感光体ドラム25上の帯電された部分がLEDヘッド24の下方に到達すると、LEDヘッド24は、プリンタ制御部内の露光制御部に送られた印刷すべき画像データに従って光の照射を行い、感光体ドラム25上に静電潜像を形成する。感光体ドラム25上の静電潜像が形成された部分が現像ローラ30にまで到達すると、感光体ドラム25上の静電潜像と現像ローラ30との電位差により、現像ブレード31によって薄層化された現像ローラ30上にある現像剤26aが感光体ドラム25上に移動して現像剤像が形成される。
転写部40の転写ローラ43と感光体ドラム25のニップ部で、転写ローラ43に印加された電圧により、感光体ドラム25上の現像剤像が記録媒体11aに転写される。記録媒体11a上に転写された現像剤26aは、定着部50で熱と圧力により、記録媒体11a上に定着される。定着部50において、現像剤26aが定着された記録媒体11aは、排出ガイド53を通り、スタッカ54へ排出される。
一方、転写されずに感光体ドラム25上に残った一部の現像剤26aは、クリーニングブレード32で掻き取られ、印刷終了後、図示しないプリンタ制御部により決められたシーケンスに従い、廃棄現像剤タンク46に回収される。
(II) 比較例1及び2の攪拌部材の動作
実施例1の攪拌部材28の動作を説明する前に、比較例1の攪拌部材及び比較例2の攪拌部材の動作とそれらの課題について説明する。
図5(a)〜(c)は、比較例1の攪拌部材63の動作を説明するための図であり、図5(a)は、現像剤収容部27A内に現像剤26aの量が充分入っている場合の攪拌部材63の位置を示す図、図5(b)は、現像剤収容部27A内の現像剤26aの量が少ない場合の攪拌部材63の位置を示す図、図5(c)は、現像剤収容部27A内の現像剤26aが固まり、現像剤26aの残量検出ができない場合の攪拌部材63の位置を示す図である。
図5(a)では、現像剤収容部27A内に現像剤26aが充分入っており、攪拌ギヤ60の回りを矢印の方向に回転する攪拌部材63は横方向を向いている。攪拌部材63の先頭部に取り付けられている磁石64と、現像剤収容部27A内の下部に設けられている磁気センサ65との距離が離れているため、磁気センサ65により、磁石64は検出されず、現像剤収容部27A内に現像剤26aが充分入っていると判断される。
図5(b)では、現像剤収容部27A内に入っている現像剤26aが少量であり、攪拌部材63は、自重により攪拌ギヤ60の回りを矢印の方向に回転して真下を向いている。この場合は、磁気センサ65が接近する磁石64を検出し、現像剤収容部27A内の現像剤26aが少量であることを検出する。
図5(c)では、現像剤収容部27A内の現像剤26aの量は少量であるが、現像剤26aが凝固して、現像剤26aの残量が少ないにもかかわらず、攪拌部材63が矢印の方向に回転せず、斜めの位置で止まっている。この場合は、磁石64と磁気センサ65との距離が離れているため、磁気センサ65により、磁石64は検出されず、現像剤26aの残量が少ないにもかかわらず、現像剤収容部27A内に現像剤26aが充分入っていると誤って判断される。
図6(a)〜(d)は、比較例2の攪拌部材の動作を説明するための図であり、比較例1の攪拌部材の動作を示す図5と共通の要素には共通の符号が付されている。
比較例2の攪拌部材の構成は、フィルム状部材66が追加されている以外は、比較例1の攪拌部材の構成と同様である。
図6(a)では、現像剤収容部27A内の左側面に付着した現像剤26aが、攪拌部材63から90度遅れて矢印方向に回転するフィルム状部材66により掻き落とされる直前が示されている。図6(b)では、図6(a)における攪拌部材63が、攪拌ギヤ60の回りを矢印の方向に90度回転し、攪拌部材63から90度遅れて矢印方向に回転するフィルム状部材66により、現像剤収容部27A内の左側面に付着した現像剤26aが、掻き落とされる動作が示されている。図6(c)では、攪拌部材63及びフィルム状部材66が攪拌ギヤ60の回りを矢印の方向に90度回転し、固まった現像剤26aが砕かれる動作が示されている。図6(d)は、現像剤収容部27A内の左側面に付着した現像剤26aが、フィルム状部材66により砕かれた後に、自重により、攪拌バー63が攪拌ギヤ60の回りを矢印の方向に回転して、攪拌バー63が真下を向いた状態が示されている。この場合は、攪拌部材63の先頭の磁石64が磁気センサ65に接近するため、現像剤収容部27A内の現像剤26aの量が少量であることが正しく検出される。
しかし、比較例2の攪拌部材の場合は、現像剤収容部27A内に凝集して着した現像剤26aをフィルム状部材66により、掻き落とし砕くため、現像剤26aの表面の外添剤が摩擦による負荷で剥離し、経時変化により記録媒体11a上に形成された画像品質が劣化するという課題があった。
比較例1及び比較例2の攪拌部材の課題を解決するため、実施例1の画像形成装置1及び現像装置21は、例えば、図3のような攪拌部材28を採用している。
(III) 実施例1の攪拌部材の動作
図7(a)〜(c)は、図1中の攪拌部材28の動作を説明するための図である。
図7(a)は、現像剤収容部27内に現像剤26aの量が充分入っている場合の攪拌部材28の位置を示す図、図7(b)は、現像剤収容部27A内の現像剤26aが中程度の量入っている場合の攪拌部材28の位置を示す図、図7(c)は、現像剤収容部27内の現像剤26aの量が少ない場合の攪拌部材28の位置を示す図である。
実施例1では、メッシュ部28bは、軸部28aを中心として矢印方向に常に回転しており、回転速度を図示しない速度センサにより監視している。この速度の変化によって現像剤26aの残量検出をしている。
図7(a)に示されているように、現像剤収容部27内に現像剤26aが充分に入っている場合は、メッシュ部28bが軸部28aを中心として矢印方向に回転する際の摩擦による負荷が大きくなるので回転速度が低速になる。回転速度が低速の場合には、速度センサにより現像剤収容部27内に現像剤26aが充分に入っていると判断する。
図7(b)に示されていたように、現像剤収容部27内の現像剤26aの量が少し減った場合は、メッシュ部28bが軸部28aを中心として矢印方向に回転する際の摩擦による負荷が図7(a)の場合より小さいので回転速度が速くなる。このように、回転速度が速くなったことを速度センサにより検出して、現像剤収容部27内の現像剤26aが減ったと判断する。図7(b)では、現像剤26aの固まりに、メッシュ部28bの一部が接しているが、メッシュ部28bの目の開きの孔を現像剤26aがすり抜けている。メッシュ部28bの目の開きの孔を現像剤26aがすり抜けている動作は、図4に示されている。
図7(c)に示されていたように、現像剤収容部27内の現像剤26aの残量が少ない場合は、メッシュ部28bが軸部28aを中心として矢印方向に回転する際の摩擦による負荷が図7(b)の場合より更に小さいので回転速度が更に速くなる。このように、回転速度が速くなったことを速度センサにより検出して、現像剤収容部27内の現像剤26aの残量検出を行うことができる。
このとき、現像剤収容部27内にある撹持部材28は図示しない駆動源によって回転し、カートリッジ26の下部にある補給口より補給された現像剤26aを、供給ローラ29、現像ローラ30の方向へ搬送する。又、この攪拌部材28は、現像剤収容部27内に貯まっている現像剤26aを攪拌することで、トナーの凝集防止、凝集を解くこと、及び現像剤26aの残量検出も可能である。
(実施例1の評価方法)
本実施例1では、現像ローラ30が1回転する際の供給ローラ29の回転数を表す周速比を1.20とし、現像剤26aのサンプルとして、現像剤26a(A)及び現像剤26a(B)を用い、図3に示された攪拌装置28におけるメッシュ部28bの目の開きの寸法Lを変えて、評価試験を実施した。評価試験は、(I)現像剤の攪拌性を評価する評価1と、(II)連続印字の評価2と、の総合評価を行った。目の開きの寸法Lとして、L=0,45,75,150,250,355μmの6種類のメッシュ部28bについて評価試験を実施した。
(I) 現像剤の攪拌性評価
現像剤26aの攪拌性を評価するために、パウダテスタ(Hosokawa Micron社製)を用いて、現像剤26aの篩通過量を測定した。パウダテスタの振動台の上に様々な目の開きを有する篩をセットして、現像剤26aを20±0.5[g]を静かに乗せ、振幅2.0±0.05[mm]で60秒間振動させた。その後、篩上の現像剤26aの重量を測定して、初期値から減算して、その通過率[%]を算出した。
初期値に対して少なくとも10%〜20%は、現像剤通過時にメッシュ部28bに付着してしまうことを考慮して、現像剤26aの通過率の結果は、以下のように判定した。
良好(○):30%≦通過率≦80%;現像剤26aへの負荷がなく、攪拌性もあるため、時間経過後の印刷品質が保てる。
不良(×):通過率<30%;現像剤26aの逃げ場がないため、現像剤26aの負荷が大きくなり、時間経過後の印刷品質が保てず、印字不良が発生する。
不良(×):80%<通過率;攪拌性がなく、現像剤26aの凝集が解けない。
(II) 連続印字評価
図8は、実施例1における評価用印字の例を示す図であり、図8(a)は、評価用の印刷パターン例(以下「残像印字」という。)であり、図8(b)は、記録媒体11aとしてのA4用紙の全面に対して印字面積が1%である画像(以下「1%画像」という。)を示している。
連続印字前の現像剤26aと様々な目の開きを有する攪拌部材28を用いた画像形成装置1で、A4サイズのP厚紙(富士ゼロックス社製)を用いて、以下のような連続印字評価を行った後の現像剤26aに対して、比表面積(BET)測定と、図8に示された残像印字における印字上の不具合の有無を確認した。
連続印字試験は、以下の(1)〜(3)の手順で行った。
(1)カートリッジ26内に320gの現像剤26aを入れる。
(2)320gの現像剤26aを入れたカートリッジ26を装着した画像形成装置1を、温度22℃、湿度40%の環境(以下「NN環境」という。)に12時間以上放置する。
(3)NN環境で、図8(b)の1%画像を3枚連続で印字後プリンタ停止を繰り返す動作(以下「3P/J」と表示する。)を、現像ローラ30のドラムカウントが60000進むまで印字を行う。この連続印字試験には、富土ゼロックス社製のA4サイズのP厚紙を使用した。
(実施例1の評価結果)
図9は、現像剤26a(A)のBET値の経時変化を示す図であり、図10は、現像剤26a(B)のBET値の経時変化を示す図である。
図9及び図10の横軸は時間、縦軸はBET値[m/g]であり、時間軸上の新品及び経時後は、経過時間0とBET値の劣化が飽和するのに充分な時間とをそれぞれ表している。
BET値が低下すると、現像剤26a表面に付着している外添剤の剥離や埋没が考えられるため、新品からの減少幅が少なければ外添剤の剥離等の現像剤26aの劣化が少ないと考えられる。BET値[m/g]の測定には、島津製作所製の測定器Tristar3000を使用し、窒素吸着温度を液体窒素温度195.8[℃]とし、窒素の吸着が始まってから時間が経過し、吸着が起こらない平衡状態に達したときの圧力である平衡圧Pと飽和蒸気圧Pとの比であるP/Pが、0.5,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0,3.5の7種類の条件での窒素吸着量を測定し算出した。
過去の知見から、連続前の現像剤26aのBET値[m/g]から連続印字試験後の現像剤26aのBET値[m/g]を減算したBET値の変化幅が0.2[m/g]より大きいと、印字において掠れが発生するため、現像剤26aの劣化を以下のように良否判定した。
良好(○):連続試験前後の現像剤26aのBET値の変化≦0.2[m/g]
不良(×):連続試験前後の現像剤26aのBET値の変化>0.2[m/g]
又、不具合の有無については、連続試験後に採取した定期データにおいて、沖データ社製のA4エクセレントホワイト紙に印字した図8(a)の残像印字の感光ドラム周期位置に残像が発生しているかを目視確認した。
現像剤26aから脱離し感光体ドラム25に付着した外添剤はナノオーダーであるためクリーニングブレード32をすり抜け、外添剤が付着した部分と付着していない部分で、帯電ローラ22が感光体ドラム25上を帯電させる能力に差が生じ、記録媒体11aの表面に形成される画像の濃度むらや残像等が発生するためである。そこで、印字不具合のついては、以下の様に規定した。
良好(○):感光体ドラム周期での残像が見られない。
不良(×):感光体ドラム周期での残像が見られる。
図11は、実施例1の評価結果を示す図である。
図11において、評価1及び評価2共に良好(○)の場合は、攪拌性、現像剤の劣化共に良好で、時間経過時でも良好な印字が保てるため、総合評価を○、両評価共に×、又はどちらかに×がある場合は良好な印字が保てないため総合評価を×とした。
(実施例1の評価結果)
2種類の現像剤サンプル26a(A),26a(B)と、6種類の攪拌部材サンプルとの12種類の組み合わせに対する評価結果が、図11に示されている。
以下、比較例1−1−1〜実施例1−2−5の12種類の組み合わせに対する評価結果を一つずつ説明する。
比較例1−1−1は、攪拌部材が一枚板状、現像剤26a(A)であり、
通過率=0[%]は、通過率<30[%]であるため、評価1は不良である。
BET値の変化量=1.66[m/g]−1.40[m/g]=0.26[m/g]であり、BET値の変化量>0.2[m/g]であるため不良であり、更に、印字も不良であるため、評価2は不良である。そのため、比較例1−1−1の総合評価は不良である。
実施例1−1−1は、メッシュ部28bの目の開き45[μm]、現像剤26a(A)であり、
通過率=4.5[%]は、通過率<30[%]であるため、評価1は不良である。
評価2において、
BET値の変化量=1.66[m/g]−1.41[m/g]=0.25[m/g]であり、BETの変化量>0.2[m/g]であるため、印字は良好であるが、評価2は不良である。そのため、実施例1−1−1の総合評価は不良である。
実施例1−1−2は、メッシュ部28bの目の開き75[μm]、現像剤26a(A)であり、通過率=30.2[%]は、
30[%]≦通過率≦80[%]であるため、評価1は良好である。
評価2において、
BET値の変化量=1.66[m/g]−1.46[m/g]=0.2[m/g]は、BET値の変化量≦0.2[m/g]であり、印字が良好であるため、評価2は良好である。そのため、実施例1−1−2の総合評価は良好である。
実施例1−1−3は、メッシュ部28bの目の開き150[μm]、現像剤26a(A)であり、通過率=57.0[%]は、
30[%]≦通過率≦80[%]であるため、評価1は良好である。
評価2において、
BET値の変化量=1.66[m/g]−1.49[m/g]=0.17[m/g]は、BET値の変化量≦0.2[m/g]であり、印字が良好であるため、評価2は良好である。そのため、実施例1−1−3の総合評価は良好である。
実施例1−1−4は、メッシュ部28bの目の開き250[μm]、現像剤26a(A)であり、通過率=87.4[%]は、80[%]<通過率であるため、評価1は不良である。
評価2において、
BET値の変化量=1.66[m/g]−1.51[m/g]=0.15[m/g]は、BET値の変化量≦0.2[m/g]であり、印字が良好であるため、評価2は良好である。そのため、実施例1−1−3の総合評価は不良である。
実施例1−1−5は、メッシュ部28bの目の開き355[μm]、現像剤26a(A)であり、通過率=90.1[%]は、80[%]<通過率であるため、評価1は不良である。
評価2において、
BET値の変化量=1.66[m/g]−1.55[m/g]=0.11[m/g]は、BET値の変化量≦0.2[m/g]であり、印字が良好であるため、評価2は良好である。そのため、実施例1−1−4の総合評価は不良である。
比較例1−2−1は、攪拌部材が一枚板状、現像剤26a(B)であり、
通過率=0[%]は、通過率<30[%]であるため、評価1は不良である。
評価2において、
BET値の変化量=1.81[m/g]−1.52[m/g]=0.29[m/g]は、BET値の変化量>0.2[m/g]であり、更に、印字不具合不良であるため、評価2は不良である。そのため、比較例1−1−1の総合評価は不良である。
実施例1−2−1は、メッシュ部28bの目の開き45[μm]、現像剤26a(B)であり、通過率=9.5[%]は、通過率<30[%]であるため、評価1は不良である。
評価2において、
BET値の変化量=1.81[m/g]−1.55[m/g]=0.26[m/g]は、BETの変化量>0.2[m/g]であり、更に、印字は不良であるが、評価2は不良である。そのため、実施例1−2−1の総合評価は不良である。
実施例1−2−2は、メッシュ部28bの目の開き75[μm]、現像剤26a(B)であり、通過率=62.1[%]は、30[%]≦通過率≦80[%]であるため、評価1は良好である。
評価2において、
BET値の変化量=1.81[m/g]−1.61[m/g]=0.2[m/g]は、BET値の変化量≦0.2[m/g]であり、印字が良好であるため、評価2は良好である。そのため、実施例1−2−2の総合評価は良好である。
実施例1−2−3は、メッシュ部28bの目の開き150[μm]、現像剤26a(B)であり、
通過率=79.0[%]は、30[%]≦通過率≦80[%]であるため、評価1は良好である。
評価2において、
BET値の変化量=1.81[m/g]−1.63[m/g]=0.18[m/g]は、BET値の変化量≦0.2[m/g]であり、印字が良好であるため、評価2は良好である。そのため、実施例1−2−3の総合評価は良好である。
実施例1−2−4は、メッシュ部28bの目の開き250[μm]、現像剤26a(B)であり、通過率=87.0[%]は、80[%]<通過率であるため、評価1は不良である。
評価2において、
BET値の変化量=1.81[m/g]−1.70[m/g]=0.11[m/g]は、BET値の変化量≦0.2[m/g]であり、印字が良好であるため、評価2は良好である。そのため、実施例1−2−3の総合評価は不良である。
実施例1−2−5は、メッシュ部28bの目の開き355[μm]、現像剤26a(B)であり、通過率=88.9[%]は、80[%]<通過率であるため、評価1は不良である。
評価2において、
BET値の変化量=1.81[m/g]−1.71[m/g]=0.10[m/g]は、BET値の変化量≦0.2[m/g]であり、印字が良好であるため、評価2は良好である。そのため、実施例1−2−4の総合評価は不良である。
以上の評価結果から、実施例1−1−2、実施例1−1−3、実施例1−2−2、実施例1−2−3の4つの組み合わせの場合の総合評価が良好である。実施例1−1−2及び実施例1−2−2は、メッシュ部28bの目の開きが75[μm]であり、実施例1−1−3及び実施例1−2−3は、メッシュ部28bの目の開きが150[μm]である。又、実施例1−1−2及び実施例1−1−3は、現像剤サンプルが26a(A)であり、実施例1−2−2及び実施例1−2−3は、現像剤サンプルが26a(B)である。
この結果、メッシュ部28bの目の開きを75[μm]〜150[μm]にした場合、現像剤26aのサンプルとして、26a(A)及び26a(B)の何れでも、総合評価が良好となる。
目の開きを75[μm]〜150[μm]にしたメッシュ部28bを有する攪拌部材28は、現像剤26a(A)及び26a(B)の何れにも、攪拌性及び現像剤26aの劣化し難さにおいても有効である。
(実施例1の効果)
実施例1の現像装置21及び画像形成装置1によれば、メッシュ部材28bの目の開きの寸法Lが、
75[μm]≦L≦150[μm]
を満たす攪拌部材28を用いるようにしている。これにより、現像剤26aの製造方法が異なっても流動性が同程度であるならば、現像剤収容部27内の現像剤26aの攪拌の際、現像剤26aへの負荷を軽減することが可能となり時間経過後の印字品質を良好に保つことができる。
本実施例2の画像形成装置1及び現像装置21の構成は、実施例1の画像形成装置1及び現像装置21の構成と同様であるため、実施例2の構成の説明は省略する。
実施例1では、現像剤26a(A)の流動性48.8[%]、現像剤26a(B)の流動性49.8[%]と同程度の流動性を有する現像剤26aにおいて、現像剤26aへの摩擦による負荷を軽減できる攪拌部材28のメッシュ部28bの目の開きの寸法Lを評価した。これに対して、本実施例2では、実施例1の総合評価が良好であった目の開き寸法Lのメッシュ部28bを用い、乳化重合法により製造した現像剤26aの流動性を変化させたときの評価を行った。
(実施例2の現像剤)
乳化重合法については、実施例1で述べたので省略するが、様々な流動性を有する現像剤26aを製造するため、画像形成上のかぶりや掠れに効果のある正帯電性微粒末であるメラミンの添加量を変化させて、流動性が異なる10種類の現像剤26a(c−1)〜26a(c−10)を製造した。
各サンプルの製造後、実施例1で述べたように、実験により各サンプルの凝集度を求め、流動性[%]=100−凝集度[%]より、10種類の現像剤26a(c−1)〜26a(c−10)の流動性[%]を求めた。現像剤26a(c−1)〜26a(c−10)におけるメラミンの添加量と流動性の値は、以下の通りである。
現像剤26a(c−1)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミン無添加であり、現像剤26a(c−1)の流動性は、48.8[%]である。
現像剤26a(c−2)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.05重量部添加したものであり、現像剤26a(c−2)の流動性は、45.6[%]である。
現像剤26a(c−3)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.10重量部添加したものであり、現像剤26a(c−3)の流動性は40.8[%]である。
現像剤26a(c−4)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.15重量部添加したものであり、現像剤26a(c−4)の流動性36.8[%]である。
現像剤26a(c−5)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.20重量部添加したものであり、現像剤26a(c−5)の流動性33.2[%]である。
現像剤26a(c−6)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.25重量部添加したものであり、現像剤26a(c−6)の流動性31.5[%]である。
現像剤26a(c−7)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.30重量部添加したものであり、現像剤26a(c−7)の流動性30.3[%]である。
現像剤26a(c−8)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.35重量部添加したものであり、現像剤26a(c−8)の流動性26.9[%]である。
現像剤26a(c−9)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.40重量部添加したものであり、現像剤26a(c−9)の流動性25.4[%]である。
現像剤26a(c−10)は、ベーストナー100重量部に対して、メラミンを0.45重量部添加したものであり、現像剤26a(c−10)の流動性20.0[%]である。
(実施例2の評価方法)
本実施例2では、上述したように、異なる流動性を有する現像剤26a(c−1)〜26a(c−10)を用いて、実施例1において説明した連続印字試験を行い、試験後にドラムかぶり採取により、かぶり評価を行った。
ここで、かぶりとは、本来マイナス同土に帯電するはずの現像剤26aにおいて、劣化が進むと現像剤26a同士の摩擦帯電の際、一部の現像剤26aはマイナス電荷を奪ってマイナスに帯電するが、逆にマイナス電荷を奪われた現像剤26aはプラスに帯電してしまい、このプラスに帯電した現像剤26aが白紙印字部に移動してしまう現象である。
又、ドラムかぶりとは、現像装置21を画像形成装置1から取り外し、白紙印字後の感光体ドラム25に付着している現像剤26aを剥離することが目的であり、透明なメンディングテープを感光体ドラム25に貼り付け、着脱後のテープを白紙に貼り付ける。又、白紙にはメンディングテープそのものも貼り付けておき、測定径φ8[mm]のミノルタ社製の測定計CM−2600dを用いて、メンディングテープそのものに対する感光体ドラム25の剥離後メンディングテープの色差ΔEを同じ位置で5回測定し、5回の測定値の平均値(以下「ドラムかぶり」という。)を計算した。ここで、色差ΔEは、下記の式で与えられる。
ΔE=[(L−L+(a−a+(b−b1/2・・(5)
ここで、Lは明度、aは緑から赤にかけての色味軸上の色度を表し、+方向に大きいと赤みが強く、−方向に大きいと緑味が強い。bは青から黄色にかけての色味軸上の色度を表し、+方向に大きいと黄味が強く、−方向に大きいと青味が強い。又、L,a,bは、それぞれ、白紙印字後に感光体ドラム25から剥離したメンディングテープの明度L、色度a及び色度bを表し、L,a,bは、メンディングテープそのものの明度L、色度a及び色度bを表している。
以下、これをドラムかぶりと呼ぶ。ドラムかぶりの判定は、ΔEが1.00より大きい場合、通常は白紙印字となる部分に現像剤26aが印字され、汚れているように見えるため、以下のように判定した。
良好(○):ドラムかぶり(ΔE)が、ΔE≦1.00の場合
不良(○):ドラムかぶり(ΔE)が、ΔE>1.00の場合
実施例2の評価試験の構成は、以下の通りである。
実施例2−1−1は、現像剤26a(c−1)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−2は、現像剤26a(c−2)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−3は、現像剤26a(c−3)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−4は、現像剤26a(c−4)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−5は、現像剤26a(c−5)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−6は、現像剤26a(c−6)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−7は、現像剤26a(c−7)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−8は、現像剤26a(c−8)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−9は、現像剤26a(c−9)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−10は、現像剤26a(c−10)、メッシュ部28bの目の開き75[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−2−1は、現像剤26a(c−1)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−2−2は、現像剤26a(c−2)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−2−3は、現像剤26a(c−3)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−2−4は、現像剤26a(c−4)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−2−5は、現像剤26a(c−5)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−2−6は、現像剤26a(c−6)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−2−7は、現像剤26a(c−7)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−2−8は、現像剤26a(c−8)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−9は、現像剤26a(c−9)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例2−1−10は、現像剤26a(c−10)、メッシュ部28bの目の開き150[μm]の現像装置21を用いた。
実施例1の評価において、75[μm]≦メッシュ部28bの目の開き≦150[μm]が有効であるとの評価結果を得たため、実施例2の評価では、メッシュ部28bの目の開きは、75[μm]及び150[μm]のみとした。
(実施例2の評価結果)
図12は、実施例2の評価結果を示す図である。
実施例2−1−1では、色差ΔE=2.35であり、色差ΔE>1.00となったので、かぶり不良と判定した。実施例2−1−2〜実施例2−1−9では、色差ΔE≦1.00となったので、かぶり良好と判定した。実施例2−1−10では、色差ΔE=1.35であり、色差ΔE>1.00となったので、かぶり不良と判定した。
実施例2−2−1では、色差ΔE=1.85であり、色差ΔE>1.00となったので、かぶり不良と判定した。実施例2−2−2〜実施例2−2−9では、色差ΔE≦1.00となったので、かぶり良好と判定した。実施例2−2−10では、色差ΔE=1.62であり、色差ΔE>1.00となったので、かぶり不良と判定した。
(実施例2の効果)
本実施例2の画像形成装置1及び現像装置21によれば、実施例1で示したメッシュ部28bの目の開きの寸法Lが、75[μm]≦L≦150[μm]である攪拌部材28を用いることに加え、現像剤26aの流動性を、25.4[%]≦流動性≦45.6[%]の範囲としている。これにより、実施例1の効果に加え、白地印字部分に生じるドラムかぶりを有効に防止することができる。
(変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形例が可能である。この利用形態や変形例として、例えば、次の(a),(b)のようなものがある。
(a) 実施例1、2では、カラー電子写真式プリンタに適応した例を説明したが、現像剤26aを使用して現像を行う複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multifunction Peripheral)等にも適応可能である。
(b) 実施例1、2では、攪拌部材28は、軸部28aに1枚のメッシュ部28bの一端側が固定された構造として説明したが、軸部28aに固定するメッシュ部28bは、1枚に限定されない。例えば、2枚、3枚等のメッシュ部28bを設けた構造としても良い。
1 画像形成装置
10 給紙部
11 カセット
11a 記録媒体
20 画像形成部
21=21K,21Y,21M,21C 現像装置
22 帯電ローラ
23 チャージクリーニングローラ
24=24K,24Y,24M,24C LEDヘッド
25=25K,25Y,25M,25C 感光体ドラム
26=26K,26Y,26M,26C トナーカートリッジ
26a=26a(K),26a(Y),26a(M),26a(C) 現像剤
27,27A 現像剤収容部
28,63 攪拌部材
28a 軸部
28b メッシュ部
29 供給ローラ
30 現像ローラ
31 現像ブレード
32 クリーニングブレード
40 転写部
43=43K,43Y,43M,43C 転写ローラ
50 定着部
51 発熱ローラ
52 加圧ローラ
64 磁石
65 磁気センサ

Claims (6)

  1. 一定の体積平均粒子径を有する粒子状の現像剤を複数収容する現像剤収容部と、
    前記現像剤収容部内に回転自在に軸着されたメッシュ部を有し、前記現像剤収容部内に収容された前記現像剤を前記メッシュ部により攪拌する攪拌部材と、
    静電潜像を担持する像担持体と、
    前記メッシュ部により攪拌された前記現像剤を前記像担持体上の前記静潜像に付着させて現像剤像を形成する現像手段と、を備え、
    前記メッシュ部の目の開きは、
    75μm〜150μmであることを特徴とする現像装置。
  2. 前記攪拌部材は、
    前記現像剤収容部内に取り付けられた軸部と、
    一端側が前記軸部に取り付けられ、前記一端側から所定距離隔てた他端側が前記軸部を中心軸にして回転する前記メッシュ部と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記現像剤は、
    粒子投影像の周長に対する粒子投影面積と同じ面積を有する円の周長の比である円形度が0.960以上であり、且つ前記体積平均粒子径が6.02μm〜7.15μmの粒子であることを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
  4. 前記現像剤は、
    100%から凝集度%を減算した値である流動性が所定値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の現像装置。
  5. 前記所定値は、
    25.4%〜45.6%であることを特徴とする請求項4記載の現像装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置と、
    前記現像装置により前記像担持体上に形成された前記現像剤像を記録媒体上に転写して画像を形成する転写部と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018101070A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成方法、及びトナー収容ユニット

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JP2018101070A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成方法、及びトナー収容ユニット

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