JP5699117B2 - 筒状発泡ゴムの製造方法 - Google Patents
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Description
まず、光導電性を有する感光体の表面を一様に帯電させた状態で露光して、前記表面に、形成画像に対応する静電潜像を形成する(帯電工程→露光工程)。
次いで、前記トナー像を紙の表面に転写し(転写工程)、さらに定着させることにより(定着工程)、前記紙の表面に画像が形成される。
さらに、転写が終了した感光体の表面に残留するトナーを除去する(クリーニング工程)ことにより、一連の画像形成が終了する。
前記ローラ本体等の筒状発泡ゴムは、導電性付与剤、および発泡剤を配合したゴム組成物を、押出機の口金を通して筒状に押出成形するとともに、押出成形された筒状体を連続的に架橋および発泡させたのち、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットすることで製造される(例えば特許文献1〜3等参照)。
ところが前記連続架橋装置を用いて、高速で連続的に架橋および発泡させた直後の筒状体は熱せられた状態にあり、冷却とともに刻々収縮して行くため、前記架橋および発泡の直後の筒状体を、直接に、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットするのは実質的に困難である。
しかしその場合、粗切りの工程で残したカット代分のうち最終寸法カットの工程でカットする分の形成材料が余分に必要となり、その分の材料および材料費が嵩むだけでなく、前記カット分の形成材料を、環境にできるだけ影響を及ぼすことなしに最終処分するために要する労力やエネルギーや費用等が嵩むといった問題がある。
したがって、先に説明した2段階のカット工程を経る必要がなくなるため、粗切りの工程で残したカット代分のうち最終寸法カットの工程でカットする分の形成材料が余分に必要となったり、それによってその分の材料および材料費が嵩んだり、あるいは前記カット分を最終処分するために要する労力やエネルギーや費用等が嵩んだりするといった問題を全て解消することができる。
すなわち筒状発泡ゴムを、例えば導電性ローラのローラ本体として用いる場合には、その通孔にシャフトを圧入することで前記導電性ローラが製造される。
近年、固定したローラ本体の通孔に、シャフトを、エアシリンダ等を用いて自動的に圧入する自動圧入装置が開発され、実用化されつつあるが、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径が300mm未満では、かかる自動圧入装置を用いて、ローラ本体の通孔にシャフトをスムースに圧入できない場合がある。
なおかかる問題は、導電性ローラ以外の他のローラのローラ本体として前記筒状発泡ゴムを使用した場合にも同様に発生し、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径を300mm以上とすることで同様に解消することができる。
前記ローラ本体等の筒状発泡ゴムのもとになるゴム組成物は、ゴム分としてスチレンブタジエンゴム(SBR)を含んでいるのが好ましい。
ゴム分としてSBRを含むゴム組成物からなる筒状発泡ゴムは、その他のゴム組成物からなるものに比べて、一旦巻取機に巻き取ったのち繰り出してカットした後の曲率半径を、前記範囲内でもできるだけ大きくすることができる。
図1(a)(b)はそれぞれ、本発明の筒状発泡ゴムの製造方法の、実施の形態の一例の各工程を説明するブロック図である。
図1(a)(b)を参照して、この例の製造方法において使用する製造装置1は、所定のゴム組成物を、口金2を通して連続的に筒状に押出成形するための押出機3、前記連続的に押出成形した筒状体4をカットせずに長尺のままで搬送しながら架橋および発泡させるための連続架橋装置5、前記架橋および発泡後の筒状体4を一定の速度で引き取るための引取機6、前記筒状体4を巻き取って静置するための巻取機7、ならびに前記巻取機7に巻き取って静置したのち繰り出した筒状体4をカットするための定寸カット機8を備えている。
図1(a)を参照して、前記製造装置1を用いて、所定の長さの筒状発泡ゴム11を製造するためには、まず前記筒状発泡ゴム11のもとになるゴム分や発泡剤等の成分を混練し、例えばリボン状等に形成したゴム組成物を連続的に押出機3に供給しながら当該押出機3を動作させることで、その口金2を通して、長尺の筒状体4を連続的に押出成形する。
そして架橋および発泡された筒状体4を、送りロール12を介して、長尺のまま一旦巻取機7に巻き取って、冷却による筒状体4の収縮が収束するまで静置する。この際、図に示すように送りロール12と巻取機7との間に任意の距離を設定することで、筒状体4を空冷するのが好ましい。
・ 筒状体4の巻き取り、
・ 例えば常温に設定した保管場所での保管、
・ 筒状体4の繰り出しおよびカット、
の各工程に順に循環させながら使用するのが好ましい。
カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径が300mm未満では、例えば前記筒状発泡ゴム11が導電性ローラ等のローラ本体である場合、先に説明した自動圧入装置等を用いて、その通孔にシャフトをスムースに圧入できない場合を生じる。
なお通常は、巻取機7の巻き取り径が、そのまま筒状発泡ゴム11の曲率半径と一致する訳ではなく、保管時の筒状体4の熱収縮等によって、前記巻き取り径よりも、カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径の方が小さくなる傾向がある。
なお曲率半径の上限は無限大、すなわちカット後の筒状発泡ゴム11が直管状のものまでをも含むことができる。ただし曲率半径を大きくするには巻取機7の巻き取り径を大きくしなければならず、保管や保管場所への搬送等に差支えを生じるおそれがある。
そのため前記曲率半径は、前記300mm以上で、なおかつ巻取機7の巻き取り径が大きくなり過ぎて保管や保管場所への搬送等に差支えを生じない範囲内に設定するのが好ましい。
かかる製造方法によれば、前記筒状体4を、熱収縮等を考慮せずに直接に、所定の筒状発泡ゴム11の長さにカットすることができる。
すなわち、前記筒状発泡ゴム11を水平面28上に載置した際に、当該筒状発泡ゴム11の外周面14と、前記水平面28との、図(b)中に矢印で示す接点の連続として前記水平面28上に生じる、図(a)中に二点鎖線で示す接線29を弧と見立て、前記接線29の両端間を、同じ水平面28上で、二点鎖線で示す直線(弦)30で繋ぐとともに、前記直線30の長さ(弦長)L(mm)と、前記直線30から接線29までの距離(矢高)Dとから、式(1)
前記筒状発泡ゴム11のもとになるゴム組成物は、ゴム分としてSBRを含んでいるのが好ましい。
ゴム分としてSBRを含むゴム組成物からなる筒状発泡ゴム11は、その他のゴム組成物からなるものに比べて、一旦巻取機7に巻き取ったのち繰り出してカットした後の曲率半径を、前記300nm以上の範囲内でもできるだけ大きくすることができる。
図3は、前記製造方法によって製造された筒状発泡ゴム11からなるローラ本体を備えた導電性ローラの一例を示す斜視図である。
図3を参照して、この例の導電性ローラ13は、前記筒状発泡ゴム11の外周面14を、さらに必要に応じて研磨する等して所定の外径および表面粗さに仕上げたローラ本体15と、前記ローラ本体15の中心の通孔16に挿通されたシャフト17とを備えている。
図4は、前記ローラ本体15の通孔16に、自動圧入装置を用いてシャフト17を圧入して、前記導電性ローラ13を組み立てる工程の一例を示す斜視図である。
固定部材19は、それぞれその上面および下面にローラ本体15を受容する溝22、23を備えた上下一対のブロック体24、25からなる。
前記一対のブロック体24、25の溝22、23で構成される空間内にローラ本体15を収容して上下から挟み付けることにより、前記ローラ本体15が固定される。
前記自動圧入装置18を用いて、ローラ本体15の通孔16にシャフト17を圧入するには、まず固定部材19の一対の溝22、23で構成される空間内にローラ本体15を収容して、上下から一対のブロック体24、25によって挟み付けることで、前記ローラ本体15を固定する。また保持部材20のV溝26によってシャフト17を保持させる。
そうするとピストン棒21の先端に押されたシャフト17が、ローラ本体15の通孔16内に圧入されて、図3に示す導電性ローラ13が組み立てられる。
前記導電性ローラ13の、ローラ本体15の外周面14の研磨は、前記組み立て後に実施してもよいし、組み立て前のローラ本体15に仮のシャフトを挿通した状態で実施してもよい。
特に導電性付与剤として、ゴム分を兼ねるイオン導電性ゴムを用いてイオン導電性を付与した導電性ゴム組成物が好ましい。
〈イオン導電性ゴム〉
ゴム分としては、前記イオン導電性ゴムと架橋性ゴムとを併用するのが好ましい。
このうちイオン導電性ゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、およびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
かかる両共重合体においてエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、特に50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは導電性ローラ13のローラ抵抗値を下げる働きをする。しかしエチレンオキサイド含量が前記範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、導電性ローラ13のローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、前記エチレンオキサイド含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、特に50モル%以下であるのが好ましい。
前記アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、導電性ローラ13のローラ抵抗値を低下させる働きをする。しかしアリルグリシジルエーテル含量が前記範囲未満では、かかる働きが得られないため、導電性ローラ13のローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
GECOとしては、前記3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体のほかに、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られており、本発明ではいずれのGECOも使用可能である。
配合割合が前記範囲未満では、ローラ本体15に良好なイオン導電性を付与できないおそれがある。
〈架橋性ゴム〉
架橋性ゴムとしては、前記SBR、および/またはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が挙げられる。これらのゴムは良好な架橋性を有する上、架橋後のローラ本体15に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する働きをする。特にSBRは、先に説明したようにカット後の筒状発泡ゴムの曲率半径を大きく機能をも有するため、架橋性ゴムとして好適に使用される。
(SBR、NBR)
前記のうちSBRとしては、スチレンと1,3−ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRがいずれも使用可能である。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
これらSBRの1種または2種以上を使用することができる。
またNBRとしては、アクリロニトリル含量によって分類される低ニトリルNBR、中ニトリルNBR、中高ニトリルNBR、高ニトリルNBR、および極高ニトリルNBRがいずれも使用可能である。これらNBRの1種または2種以上を使用することができる。
SBR、および/またはNBRの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の40質量部以上、特に60質量部以上であるのが好ましく、90質量部以下、特に80質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、SBR、および/またはNBRを用いることによる、先に説明した、導電性ゴム組成物に良好な架橋性を付与する効果や、架橋後のローラ本体15に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。
なお前記配合割合は、SBRとして油展タイプのものを用いる場合は、当該油展タイプのSBR中に含まれる固形分としてのSBR自体の配合割合である。またSBRとNBRを併用する場合は、その合計の配合割合である。
(EPDM)
EPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した種々のEPDMが、いずれも使用可能である。前記EPDMとしては、前記第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。重合触媒としてはチーグラー触媒を使用するのが一般的である。
配合割合が前記範囲未満では、ローラ本体15に良好なオゾン耐性を付与できないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にSBR、および/またはNBRの配合割合が少なくなって、これらのゴムを配合することによる、導電性ゴム組成物に良好な架橋性を付与する効果や、架橋後のローラ本体15に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。また相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、ローラ本体に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
ゴム分として、さらにクロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACM)等の極性ゴムを配合して、導電性ローラ13のローラ抵抗値を微調整することもできる。
〈発泡剤〉
発泡剤としては、加熱により気体を発生して導電性ゴム組成物を発泡させることができる種々の発泡剤がいずれも使用可能である。
前記発泡剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、特に2質量部以上であるのが好ましく、8質量部以下、特に6質量部以下であるのが好ましい。
一方、前記範囲を超える場合には、多量に発生する気体とそれによる発泡圧によって、前記筒状体4の、そしてローラ本体15の外周面および内周面の断面形状がきれいな円形にならかったり、内径の寸法が不均一になったり、セルの分布が不均一になって前記ローラ本体15の硬さや導電性にムラを生じたりするおそれがある。
発泡助剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、特に2質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、当該発泡助剤による、発泡剤の発泡を助ける効果が十分に得られず、前記筒状体4を良好に発泡させることができないおそれがある。
導電性ゴム組成物には、ゴム分を架橋させるための架橋成分を配合する。前記架橋成分としては、架橋剤、促進剤等が挙げられる。
このうち架橋剤としては、例えば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。中でも硫黄系架橋剤が好ましい。
硫黄の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
また有機促進剤としては、例えばジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等のグアニジン系促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系促進剤;N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤;テトラメテルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系促進剤;チオウレア系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また促進剤は、種類によって架橋促進のメカニズムが異なるため、2種以上を併用するのが好ましい。併用する個々の促進剤の配合割合は任意に設定することができるが、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に2質量部以下であるのが好ましい。
促進助剤としては、例えば亜鉛華等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
促進助剤の配合割合は、ゴム分の種類および組み合わせや、架橋剤、促進剤の種類および組み合わせ等に応じて適宜設定することができる。
導電性ゴム組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば受酸剤、可塑成分(可塑剤、加工助剤等)、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等が挙げられる。
前記受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
受酸剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、受酸剤を含有させることによる前記効果が十分に得られないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、ローラ本体15の硬さが上昇するおそれがある。
これら可塑成分の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。例えば導電性ローラ13を画像形成装置へ装着する際や、あるいは画像形成装置の運転時等に、前記導電性ローラ13のローラ本体15と接触する感光体が汚染されるのを防止するためである。かかる目的に鑑みると、可塑成分としては極性ワックスを使用するのが特に好ましい。
このうち酸化防止剤は、導電性ローラ13のローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。前記酸化防止剤としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)NEC−P〕、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラックNBC〕等が挙げられる。
充填剤を配合することにより、ローラ本体15の機械的強度等を向上できる。
また充填剤として導電性カーボンブラックを用いて、ローラ本体15に電子導電性を付与することもできる。
スコーチ防止剤としては、例えばN−シクロへキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフエニルアミン、2,4−ジフエニル−4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上が挙げられる。特にN−シクロへキシルチオフタルイミドが好ましい。
共架橋剤とは、それ自体が架橋するとともにゴム分とも架橋反応して全体を高分子化する働きを有する成分を指す。
前記共架橋剤としては、例えばメタクリル酸エステルや、あるいはメタクリル酸またはアクリル酸の金属塩等に代表されるエチレン性不飽和単量体、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマ類、ジオキシム等の1種または2種以上が挙げられる。
(a) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c) 前記(a)(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d) 前記(a)〜(c)の金属塩、
(e) 1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f) スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g) トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの複素環を有するビニル化合物、
(h) その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルステロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン
等の1種または2種以上が挙げられる。
前記モノカルボン酸類のエステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ぺンチル(メタ)アクリレート、i−ぺンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
べンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラハイドロフルフリルメタクリレートなどの各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等の1種または2種以上が挙げられる。
上記導電性ローラ13は、例えばレーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで用いることができる。すなわち、先に説明した画像形成工程うち感光体の帯電工程に用いる帯電ローラ、現像工程に用いる現像ローラ、転写工程に用いる転写ローラ、およびクリーニング工程に用いるクリーニングローラとして、画像形成装置に組み込むことができる。
(導電性ゴム組成物の調製)
ゴム分としてはSBR〔JSR(株)製のJSR1502、乳化重合タイプ、結合スチレン:23.5%〕80質量部、EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)EPDM505A〕10質量部、およびECO〔日本ゼオン(株)製のHYDRIN(登録商標)T3108〕10質量部を配合した。
充填剤:カーボンブラックHAF
発泡剤:ADCA系発泡剤〔永和化成工業(株)製の商品名ビニホールAC#3〕
発泡助剤:尿素系発泡助剤〔永和化成工業(株)製の商品名セルペースト101〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A−2〕
架橋剤:粉末硫黄
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS〕
(筒状発泡ゴムの製造)
前記導電性ゴム組成物を、図1に示す製造装置1の押出機3に供給し、口金2を通して外径φ10.5mm、内径φ3.5mmの長尺の筒状に押出成形し、押出成形した筒状体4をカットせずに長尺のままで連続的に送り出しながら、マイクロ波架橋装置9と熱風架橋装置10を含む連続架橋装置5内を連続的に通過させることで連続的に架橋および発泡させたのち、引取機6、および送りロール12を介して、長尺のまま一旦巻取機7に巻き取った。
発泡および架橋後の筒状体4の外径はおよそφ15.0mm、内径はおよそφ4.0mmであった。
(導電性ローラの作製)
前記筒状発泡ゴム11をローラ本体15として、図4に示す自動圧入装置18の、固定部材19の一対の溝22、23で構成される空間内に収容して、上下から一対のブロック体24、25によって挟み付けることで固定した。
そして前記ローラ本体15、シャフト17、およびピストン棒21をいずれも同軸上に位置させた状態で、図中に実線の矢印で示すようにピストン棒21を前進させて、シャフト17をローラ本体15の通孔16内に圧入したのち、熱風オーブン中で160℃×60分間加熱して前記熱硬化性接着剤を硬化(二次架橋)させることにより、前記ローラ本体15とシャフト17とを電気的に接合するとともに機械的に固定した。
〈実施例2〉
ゴム分のうちSBRに代えて、NBR〔JSR(株)製のJSR N250SL、低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量:20%〕80質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、筒状発泡ゴム11を製造し、導電性ローラ13を作製した。
巻取機7の巻き取り径を35cmに設定したこと以外は実施例1、2と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、筒状発泡ゴム11を製造し、導電性ローラ13を作製した。
〈比較例3、4〉
巻取機7の巻き取り径を15cmに設定したこと以外は実施例1、2と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、筒状発泡ゴム11を製造し、導電性ローラ13を作製した。
発泡および架橋後の筒状体4を、冷却水中を通過させることで連続的に冷却させたのち、粗切り、および最終寸法カットの2段階の工程を経て筒状発泡ゴム11を製造し、次いで実施例1と同様にして導電性ローラ13を作製した。
〈曲率半径測定〉
前記各実施例、比較例、および従来例で製造した筒状発泡ゴム11の曲率半径R(mm)を、先に説明した方法によって求めた。
前記各実施例、比較例、および従来例で製造した筒状発泡ゴム11をローラ本体15として、前記自動圧入装置18を用いてシャフト17を圧入して導電性ローラ13を組み立てる作業をした際の組み立て性の良否を評価した。
すなわち、前記ローラ本体15を各実施例、比較例ごとに100本ずつ用意し、各ローラ本体15を、前記自動圧入装置18の、固定部材19の一対の溝22、23で構成される空間内に収容する作業、および収容して固定した前記ローラ本体15の通孔16に、前記自動圧入装置18のピストン棒21を動作させてシャフト17を圧入する作業をした際に、両作業ともに全く不良を生じなかったものを組み立て性良好「○」、いずれかの作業で1本でも不良を生じたものを組み立て性不良「×」と評価した。
同じ本数のローラ本体を製造するのに要した材料の消費量を計量し、実施例1における材料消費量を100とした指数で表した。
以上の結果を表2に示す。
ただし実施例1、2、比較例1〜4の結果より、前記静置時の巻き取りを、カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径が300mm以上となるように設定しないと、自動圧入装置18を使用した際の組み立て性が低下するため、前記曲率半径は300mm以上である必要があることが判った。
2 口金
3 押出機
4 筒状体
5 連続架橋装置
6 引取機
7 巻取機
8 定寸カット機
9 マイクロ波架橋装置
10 熱風架橋装置
11 筒状発泡ゴム
12 送りロール
13 導電性ローラ
14 外周面
15 ローラ本体
16 通孔
17 シャフト
18 自動圧入装置
19 固定部材
20 保持部材
21 ピストン棒
22、23 溝
24、25 ブロック体
26 V溝
27 ブロック体
28 水平面
29 接線
30 直線
Claims (2)
- 発泡剤を含むゴム組成物を、押出機の口金を通して筒状に押出成形するとともに、前記押出成形した筒状体を連続的に架橋および発泡させたのちカットして所定長の筒状発泡ゴムを製造するための製造方法であって、前記架橋および発泡後で、かつカット前の筒状体を、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径が300mm以上となるように巻取機に巻き取って3日間以上静置する工程、および前記巻取機から繰り出した筒状体を、直接に、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットする工程を含むことを特徴とする筒状発泡ゴムの製造方法。
- 前記ゴム組成物は、ゴム分としてスチレンブタジエンゴムを含んでいる請求項1に記載の筒状発泡ゴムの製造方法。
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