JP5699117B2 - 筒状発泡ゴムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、筒状発泡ゴムの製造方法に関するものである。
例えばレーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置においては、概略下記の工程を経て、紙(OHPフィルム等のプラスチックフィルムを含む。以下同様。)の表面に画像が形成される。
まず、光導電性を有する感光体の表面を一様に帯電させた状態で露光して、前記表面に、形成画像に対応する静電潜像を形成する(帯電工程→露光工程)。
次いで、微小な着色粒子であるトナーを所定の電位に帯電させた状態で、前記感光体の表面に接触させる。そうするとトナーが、静電潜像の電位パターンに応じて感光体の表面に選択的に付着されて、前記静電潜像がトナー像に現像される(現像工程)。
次いで、前記トナー像を紙の表面に転写し(転写工程)、さらに定着させることにより(定着工程)、前記紙の表面に画像が形成される。
また前記転写工程では、感光体の表面に形成したトナー像を、紙の表面に直接に転写させる場合だけでなく、像担持体の表面に一旦転写(一次転写工程)させたのち紙の表面に再転写させる(二次転写工程)場合もある。
さらに、転写が終了した感光体の表面に残留するトナーを除去する(クリーニング工程)ことにより、一連の画像形成が終了する。
前記各工程のうち感光体の帯電工程、現像工程、転写工程、およびクリーニング工程には、それぞれの用途に応じた導電性を付与したローラ本体を備えた導電性ローラが、広く利用されている。
前記ローラ本体等の筒状発泡ゴムは、導電性付与剤、および発泡剤を配合したゴム組成物を、押出機の口金を通して筒状に押出成形するとともに、押出成形された筒状体を連続的に架橋および発泡させたのち、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットすることで製造される(例えば特許文献1〜3等参照)。
また前記筒状体をできるだけ高速で、連続的に架橋および発泡させるため、前記架橋および発泡工程には、マイクロ波架橋装置と熱風架橋装置とを含む連続架橋装置が好適に用いられる。
ところが前記連続架橋装置を用いて、高速で連続的に架橋および発泡させた直後の筒状体は熱せられた状態にあり、冷却とともに刻々収縮して行くため、前記架橋および発泡の直後の筒状体を、直接に、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットするのは実質的に困難である。
そこで従来は、筒状体の長さ方向の収縮を予測したある程度のカット代を残して筒状体をカットするいわゆる粗切りの工程を経たのち、最終的に所定の筒状発泡ゴムの長さにカットする最終寸法カットの工程を実施するのが一般的である。
しかしその場合、粗切りの工程で残したカット代分のうち最終寸法カットの工程でカットする分の形成材料が余分に必要となり、その分の材料および材料費が嵩むだけでなく、前記カット分の形成材料を、環境にできるだけ影響を及ぼすことなしに最終処分するために要する労力やエネルギーや費用等が嵩むといった問題がある。
特開2006−168171号公報 特開2008−90236号公報 特開2010−145920号公報
本発明の目的は、押出成形され、連続的に架橋および発泡された筒状体を、前記2段階のカット工程を必要とせずに直接に、しかも正確に、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットできるため、前記2段階のカット工程を経ることによる前述した種々の問題を生じるおそれのない新規な筒状発泡ゴムの製造方法を提供することにある
本発明は、発泡剤を含むゴム組成物を、押出機の口金を通して筒状に押出成形するとともに、前記押出成形した筒状体を連続的に架橋および発泡させたのちカットして所定長の筒状発泡ゴムを製造するための製造方法であって、前記架橋および発泡後で、かつカット前の筒状体を、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径が300mm以上となるように巻取機に巻き取って3日間以上静置する工程、および前記巻取機から繰り出した筒状体を、直接に、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットする工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、押出成形し、連続的に架橋および発泡させた筒状体を、一旦巻取機に巻き取って収縮が収束するまで例えば常温(15〜20℃程度)環境下で3日間以上静置したのち、カットの工程に供給できるため、当該カットの工程において、前記筒状体を、熱収縮等を考慮せずに直接に、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットすることができる。
したがって、先に説明した2段階のカット工程を経る必要がなくなるため、粗切りの工程で残したカット代分のうち最終寸法カットの工程でカットする分の形成材料が余分に必要となったり、それによってその分の材料および材料費が嵩んだり、あるいは前記カット分を最終処分するために要する労力やエネルギーや費用等が嵩んだりするといった問題を全て解消することができる。
なお筒状体の巻き取りを、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径が300mm以上となるように設定しているのは、下記の理由による。
すなわち筒状発泡ゴムを、例えば導電性ローラのローラ本体として用いる場合には、その通孔にシャフトを圧入することで前記導電性ローラが製造される。
近年、固定したローラ本体の通孔に、シャフトを、エアシリンダ等を用いて自動的に圧入する自動圧入装置が開発され、実用化されつつあるが、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径が300mm未満では、かかる自動圧入装置を用いて、ローラ本体の通孔にシャフトをスムースに圧入できない場合がある。
これに対し、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径が300mm以上であれば、例えば前記自動圧入装置を用いて、ローラ本体の通孔に、シャフトをスムースに圧入することができ、導電性ローラの組み立て性を向上することができる。
なおかかる問題は、導電性ローラ以外の他のローラのローラ本体として前記筒状発泡ゴムを使用した場合にも同様に発生し、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径を300mm以上とすることで同様に解消することができる。
また、ローラ本体以外の他の用途に用いる筒状発泡ゴムについても、曲率半径が300mm以上で、直管に近い方が使用上、好ましいことは同様である。
前記ローラ本体等の筒状発泡ゴムのもとになるゴム組成物は、ゴム分としてスチレンブタジエンゴム(SBR)を含んでいるのが好ましい。
ゴム分としてSBRを含むゴム組成物からなる筒状発泡ゴムは、その他のゴム組成物からなるものに比べて、一旦巻取機に巻き取ったのち繰り出してカットした後の曲率半径を、前記範囲内でもできるだけ大きくすることができる。
その理由としては、SBRが、例えばNBR等に比べて屈曲亀裂抵抗性に優れ、屈曲に強く、曲げ癖が残りにくいこと等が考えられる
本発明によれば、押出成形され、連続的に架橋および発泡された筒状体を、前記2段階のカット工程を必要とせずに直接に、しかも正確に、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットできるため、前記2段階のカット工程を経ることによる前述した種々の問題を生じるおそれのない新規な筒状発泡ゴムの製造方法を提供することができる
同図(a)(b)はそれぞれ、本発明の筒状発泡ゴムの製造方法の、実施の形態の一例の各工程を説明するブロック図である。 同図(a)(b)はそれぞれ、カット後の筒状体の曲率半径の測定方法を説明する図である。 前記製造方法によって製造された筒状発泡ゴムからなるローラ本体を備えた導電性ローラの一例を示す斜視図である。 前記ローラ本体の通孔に、前記自動圧入装置を用いてシャフトを圧入して、前記導電性ローラを組み立てる工程の一例を示す斜視図である。
《筒状発泡ゴムの製造方法》
図1(a)(b)はそれぞれ、本発明の筒状発泡ゴムの製造方法の、実施の形態の一例の各工程を説明するブロック図である。
図1(a)(b)を参照して、この例の製造方法において使用する製造装置1は、所定のゴム組成物を、口金2を通して連続的に筒状に押出成形するための押出機3、前記連続的に押出成形した筒状体4をカットせずに長尺のままで搬送しながら架橋および発泡させるための連続架橋装置5、前記架橋および発泡後の筒状体4を一定の速度で引き取るための引取機6、前記筒状体4を巻き取って静置するための巻取機7、ならびに前記巻取機7に巻き取って静置したのち繰り出した筒状体4をカットするための定寸カット機8を備えている。
また連続架橋装置5は、前記長尺の筒状体4を、図示しないコンベア等によって略水平方向に沿って連続的に搬送する搬送途上に順に配設された、マイクロ波架橋装置9、および熱風架橋装置10を備えている。
図1(a)を参照して、前記製造装置1を用いて、所定の長さの筒状発泡ゴム11を製造するためには、まず前記筒状発泡ゴム11のもとになるゴム分や発泡剤等の成分を混練し、例えばリボン状等に形成したゴム組成物を連続的に押出機3に供給しながら当該押出機3を動作させることで、その口金2を通して、長尺の筒状体4を連続的に押出成形する。
次いで押出成形された筒状体4を、前記コンベア、および引取機6によって一定の速度で、略水平方向に沿って連続的に搬送しながら、前記連続架橋装置5のうち、まずマイクロ波架橋装置9を通過させることでマイクロ波を照射して、前記筒状体4を形成するゴム組成物をある程度の架橋度まで架橋させる。またマイクロ波架橋装置9内を一定温度に加熱して、前記架橋とともにゴム組成物を発泡させることもできる。
次いで、さらに搬送を続けながら熱風架橋装置10を通過させて熱風を吹き付けることで、ゴム組成物をさらに発泡させるとともに、前記ゴム組成物を所定の架橋度まで架橋させる。
そして架橋および発泡された筒状体4を、送りロール12を介して、長尺のまま一旦巻取機7に巻き取って、冷却による筒状体4の収縮が収束するまで静置する。この際、図に示すように送りロール12と巻取機7との間に任意の距離を設定することで、筒状体4を空冷するのが好ましい。
巻取機7に巻き取った筒状体4は3日間以上静置する必要がある。単に室温まで冷却しただけでは、依然として筒状体4は収縮力を保持したままであって、その後の工程で何らかの熱履歴を受けると再び収縮するおそれがあるためである。そのため、巻取機7に巻き取った筒状体4は例えば常温環境下で少なくとも3日以上静置しなければならず、特に5日以上静置するのが好ましい。
しかしその間、筒状発泡ゴム11の製造を停止させるのは生産性の点で好ましくない。そのため、例えば巻取機7を複数台用意しておき、前記複数台の巻取機7を、
・ 筒状体4の巻き取り、
・ 例えば常温に設定した保管場所での保管、
・ 筒状体4の繰り出しおよびカット、
の各工程に順に循環させながら使用するのが好ましい。
前記巻き取り、および保管の際には、先に説明したように、カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径が300mm以上となるように巻取機7の巻き取り径を設定する。
カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径が300mm未満では、例えば前記筒状発泡ゴム11が導電性ローラ等のローラ本体である場合、先に説明した自動圧入装置等を用いて、その通孔にシャフトをスムースに圧入できない場合を生じる。
これに対し、カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径が300mm以上であれば、例えば前記自動圧入装置等を用いて、前記通孔にシャフトをスムースに圧入することができ、導電性ローラの組み立て性を向上することができる。
なお通常は、巻取機7の巻き取り径が、そのまま筒状発泡ゴム11の曲率半径と一致する訳ではなく、保管時の筒状体4の熱収縮等によって、前記巻き取り径よりも、カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径の方が小さくなる傾向がある。
そのため、筒状体4の形成材料や発泡倍率、収縮量その他を考慮して、カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径が300mm以上となるように、巻取機7の巻き取り径を設定するようにするのが好ましい。
なお曲率半径の上限は無限大、すなわちカット後の筒状発泡ゴム11が直管状のものまでをも含むことができる。ただし曲率半径を大きくするには巻取機7の巻き取り径を大きくしなければならず、保管や保管場所への搬送等に差支えを生じるおそれがある。
曲率半径が300mm以上であれば、直管状のものとほぼ同等の組み立て性を確保できる。またシャフトを圧入することで、筒状発泡ゴム11は直管状に矯正される。
そのため前記曲率半径は、前記300mm以上で、なおかつ巻取機7の巻き取り径が大きくなり過ぎて保管や保管場所への搬送等に差支えを生じない範囲内に設定するのが好ましい。
次いで図1(b)を参照して、十分に静置した筒状体4を、前記巻取機7から間欠的に繰り出しながら、前記定寸カット機8によって直接に、所定の筒状発泡ゴム11の長さにカットする。そうすると、前記所定の長さの筒状発泡ゴム11が連続的に製造される。
かかる製造方法によれば、前記筒状体4を、熱収縮等を考慮せずに直接に、所定の筒状発泡ゴム11の長さにカットすることができる。
したがって、先に説明した2段階のカット工程を経る必要がなくなるため、粗切りの工程で残したカット代分のうち最終寸法カットの工程でカットする分の形成材料が余分に必要となったり、それによってその分の材料および材料費が嵩んだり、あるいは前記カット分を最終処分するために要する労力やエネルギーや費用等が嵩んだりするといった問題を全て解消することが可能となる。
なおカット後の筒状発泡ゴムの曲率半径R(mm)を、本発明では、図2(a)(b)に従って、下記の方法で求めた値でもって表すこととする。
すなわち、前記筒状発泡ゴム11を水平面28上に載置した際に、当該筒状発泡ゴム11の外周面14と、前記水平面28との、図(b)中に矢印で示す接点の連続として前記水平面28上に生じる、図(a)中に二点鎖線で示す接線29を弧と見立て、前記接線29の両端間を、同じ水平面28上で、二点鎖線で示す直線(弦)30で繋ぐとともに、前記直線30の長さ(弦長)L(mm)と、前記直線30から接線29までの距離(矢高)Dとから、式(1)
Figure 0005699117
によって、前記筒状発泡ゴム11の曲率半径R(mm)を求める。
前記筒状発泡ゴム11のもとになるゴム組成物は、ゴム分としてSBRを含んでいるのが好ましい。
ゴム分としてSBRを含むゴム組成物からなる筒状発泡ゴム11は、その他のゴム組成物からなるものに比べて、一旦巻取機7に巻き取ったのち繰り出してカットした後の曲率半径を、前記300nm以上の範囲内でもできるだけ大きくすることができる。
《導電性ローラ》
図3は、前記製造方法によって製造された筒状発泡ゴム11からなるローラ本体を備えた導電性ローラの一例を示す斜視図である。
図3を参照して、この例の導電性ローラ13は、前記筒状発泡ゴム11の外周面14を、さらに必要に応じて研磨する等して所定の外径および表面粗さに仕上げたローラ本体15と、前記ローラ本体15の中心の通孔16に挿通されたシャフト17とを備えている。
前記シャフト17は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成されている。ローラ本体15とシャフト17は、例えば導電性を有する接着剤等によって電気的に接合されるとともに機械的に固定され、一体化されて導電性ローラ13が構成される。
図4は、前記ローラ本体15の通孔16に、自動圧入装置を用いてシャフト17を圧入して、前記導電性ローラ13を組み立てる工程の一例を示す斜視図である。
図4を参照して、かかる工程に使用する自動圧入装置18は、ローラ本体15を固定するための固定部材19、前記ローラ本体15の通孔16に圧入するシャフト17を、前記ローラ本体15と同軸上に、前記軸方向に沿ってスライド可能に保持するための保持部材20、および前記固定部材19に固定されたローラ本体15の通孔16に、前記シャフト17を圧入するためのエアシリンダを備えている。
エアシリンダは、前記ローラ本体15、およびシャフト17と同軸上に、前記軸方向に沿って移動可能なピストン棒21を備えている。
固定部材19は、それぞれその上面および下面にローラ本体15を受容する溝22、23を備えた上下一対のブロック体24、25からなる。
前記一対のブロック体24、25の溝22、23で構成される空間内にローラ本体15を収容して上下から挟み付けることにより、前記ローラ本体15が固定される。
保持部材20は、その上面に、前記シャフト17をその軸方向と直交方向への応動を規制しつつ、前記軸方向にスライド可能に保持するためのV溝26を備えたブロック体27からなる。
前記自動圧入装置18を用いて、ローラ本体15の通孔16にシャフト17を圧入するには、まず固定部材19の一対の溝22、23で構成される空間内にローラ本体15を収容して、上下から一対のブロック体24、25によって挟み付けることで、前記ローラ本体15を固定する。また保持部材20のV溝26によってシャフト17を保持させる。
そして前記ローラ本体15、シャフト17、およびピストン棒21をいずれも同軸上に位置させた状態で、図4中に実線の矢印で示すようにピストン棒21を前進させる。
そうするとピストン棒21の先端に押されたシャフト17が、ローラ本体15の通孔16内に圧入されて、図3に示す導電性ローラ13が組み立てられる。
前記導電性ローラ13の、ローラ本体15の外周面14の研磨は、前記組み立て後に実施してもよいし、組み立て前のローラ本体15に仮のシャフトを挿通した状態で実施してもよい。
前記ローラ本体15、すなわち筒状発泡ゴム11のもとになる導電性ゴム組成物としては、導電性ローラ13の用途等に応じた任意の組成を有する組成物を用いることができる。
特に導電性付与剤として、ゴム分を兼ねるイオン導電性ゴムを用いてイオン導電性を付与した導電性ゴム組成物が好ましい。
《導電性ゴム組成物》
〈イオン導電性ゴム〉
ゴム分としては、前記イオン導電性ゴムと架橋性ゴムとを併用するのが好ましい。
このうちイオン導電性ゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、およびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
前記エピクロルヒドリンゴムとしては、前記例示の中でもエチレンオキサイドを含む共重合体、特にECO、および/またはGECOが好ましい。
かかる両共重合体においてエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、特に50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは導電性ローラ13のローラ抵抗値を下げる働きをする。しかしエチレンオキサイド含量が前記範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、導電性ローラ13のローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
一方、エチレンオキサイド含量が前記範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に導電性ローラ13のローラ抵抗値が上昇する傾向がある。また、架橋後のローラ本体15の硬度が上昇したり、架橋前の導電性ゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇したりするおそれもある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、前記エチレンオキサイド含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、特に50モル%以下であるのが好ましい。
またGECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、特に2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、特に5モル%以下であるのが好ましい。
前記アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、導電性ローラ13のローラ抵抗値を低下させる働きをする。しかしアリルグリシジルエーテル含量が前記範囲未満では、かかる働きが得られないため、導電性ローラ13のローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
一方、アリルグリシジルエーテルは、GECOの架橋時に架橋点として機能するため、アリルグリシジルエーテル含量が前記範囲を超える場合には、前記GECOの架橋密度が高くなり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、却って導電性ローラ13のローラ抵抗値が上昇する傾向がある。またローラ本体15の引張強度や疲労特性、耐屈曲性等が低下するおそれもある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、前記エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は10モル%以上、特に19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、特に60モル%以下であるのが好ましい。
GECOとしては、前記3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体のほかに、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られており、本発明ではいずれのGECOも使用可能である。
エピクロルヒドリンゴムの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の5質量部以上、特に10質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下、特に30質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、ローラ本体15に良好なイオン導電性を付与できないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的に架橋性ゴムの配合割合が少なくなって、次に説明する各種架橋性ゴムを配合することによる効果が十分に得られないおそれがある。
〈架橋性ゴム〉
架橋性ゴムとしては、前記SBR、および/またはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が挙げられる。これらのゴムは良好な架橋性を有する上、架橋後のローラ本体15に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する働きをする。特にSBRは、先に説明したようにカット後の筒状発泡ゴムの曲率半径を大きく機能をも有するため、架橋性ゴムとして好適に使用される。
また、架橋性ゴムとしてさらにエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を配合すると、ローラ本体15の、画像形成装置内で発生するオゾンに対する耐性を向上することができる。
(SBR、NBR)
前記のうちSBRとしては、スチレンと1,3−ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRがいずれも使用可能である。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
さらにSBRとしては、スチレン含量によって分類される高スチレンタイプ、中スチレンタイプ、および低スチレンタイプのSBRがいずれも使用可能である。スチレン含量や架橋度を変更することで、ローラ本体の各種物性を調整することができる。
これらSBRの1種または2種以上を使用することができる。
またNBRとしては、アクリロニトリル含量によって分類される低ニトリルNBR、中ニトリルNBR、中高ニトリルNBR、高ニトリルNBR、および極高ニトリルNBRがいずれも使用可能である。これらNBRの1種または2種以上を使用することができる。
さらにSBRとNBRを併用することもできる。
SBR、および/またはNBRの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の40質量部以上、特に60質量部以上であるのが好ましく、90質量部以下、特に80質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、SBR、および/またはNBRを用いることによる、先に説明した、導電性ゴム組成物に良好な架橋性を付与する効果や、架橋後のローラ本体15に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にEPDMの配合割合が少なくなって、ローラ本体15に良好なオゾン耐性を付与できないおそれがある。また相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、ローラ本体15に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
なお前記配合割合は、SBRとして油展タイプのものを用いる場合は、当該油展タイプのSBR中に含まれる固形分としてのSBR自体の配合割合である。またSBRとNBRを併用する場合は、その合計の配合割合である。
(EPDM)
EPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した種々のEPDMが、いずれも使用可能である。前記EPDMとしては、前記第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。重合触媒としてはチーグラー触媒を使用するのが一般的である。
EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の5質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、ローラ本体15に良好なオゾン耐性を付与できないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にSBR、および/またはNBRの配合割合が少なくなって、これらのゴムを配合することによる、導電性ゴム組成物に良好な架橋性を付与する効果や、架橋後のローラ本体15に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。また相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、ローラ本体に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
(その他のゴム)
ゴム分として、さらにクロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACM)等の極性ゴムを配合して、導電性ローラ13のローラ抵抗値を微調整することもできる。
〈発泡剤〉
発泡剤としては、加熱により気体を発生して導電性ゴム組成物を発泡させることができる種々の発泡剤がいずれも使用可能である。
かかる発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(HNOCN=NCONH、ADCA)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等の1種または2種以上が挙げられる。
前記発泡剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、特に2質量部以上であるのが好ましく、8質量部以下、特に6質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、ローラ本体15のもとになる筒状体4を良好に発泡させることができないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、多量に発生する気体とそれによる発泡圧によって、前記筒状体4の、そしてローラ本体15の外周面および内周面の断面形状がきれいな円形にならかったり、内径の寸法が不均一になったり、セルの分布が不均一になって前記ローラ本体15の硬さや導電性にムラを生じたりするおそれがある。
前記発泡剤の分解温度を低下させて、その発泡を補助する発泡助剤を配合してもよい。前記発泡助剤としては尿素が好適に使用される。
発泡助剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、特に2質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、当該発泡助剤による、発泡剤の発泡を助ける効果が十分に得られず、前記筒状体4を良好に発泡させることができないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、発泡剤の発泡温度が低くなりすぎて、極めて短時間で発泡が進行するため、多量に発生する気体とそれによる発泡圧を筒状体4外へ速やかに効率よく逃がしきることができず、過剰に内在する気体と発泡圧によって筒状体4の、そしてローラ本体15の外周面および内周面の断面形状がきれいな円形にならかったり、内径の寸法が不均一になったり、セルの分布が不均一になって前記ローラ本体15の硬さや導電性にムラを生じたりするおそれがある。
〈架橋成分〉
導電性ゴム組成物には、ゴム分を架橋させるための架橋成分を配合する。前記架橋成分としては、架橋剤、促進剤等が挙げられる。
このうち架橋剤としては、例えば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。中でも硫黄系架橋剤が好ましい。
また硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。このうち有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。特に粉末硫黄等の硫黄が好ましい。
硫黄の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、導電性ゴム組成物の全体での架橋速度が遅くなり、架橋に要する時間が長くなって、筒状発泡ゴム11の、そしてローラ本体15の生産性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、ローラ本体15の圧縮永久ひずみが大きくなったり、過剰の硫黄がローラ本体15の外周面14にブルームしたりするおそれがある。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機促進剤としては、例えばジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等のグアニジン系促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系促進剤;N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤;テトラメテルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系促進剤;チオウレア系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
促進剤としては、前記種々の促進剤の中から、組み合わせる架橋剤の種類に応じて、最適な促進剤の1種または2種以上を選択して使用すればよい。例えば架橋剤として硫黄を使用する場合は、促進剤としてチウラム系促進剤、および/またはチアゾール系促進剤を選択して使用するのが好ましい。
また促進剤は、種類によって架橋促進のメカニズムが異なるため、2種以上を併用するのが好ましい。併用する個々の促進剤の配合割合は任意に設定することができるが、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に2質量部以下であるのが好ましい。
架橋成分としては、さらに促進助剤を配合してもよい。
促進助剤としては、例えば亜鉛華等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
促進助剤の配合割合は、ゴム分の種類および組み合わせや、架橋剤、促進剤の種類および組み合わせ等に応じて適宜設定することができる。
(その他)
導電性ゴム組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば受酸剤、可塑成分(可塑剤、加工助剤等)、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等が挙げられる。
このうち受酸剤は、ゴム分の架橋時にエピクロルヒドリンゴムから発生する塩素系ガスの、ローラ本体15内への残留とそれによる架橋阻害や、あるいは前記ローラ本体15と接触する感光体の汚染等を防止するために機能する。
前記受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
また、前記ハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用するとより高い受酸効果を得ることができ、感光体の汚染をより一層確実に防止できる。
受酸剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、受酸剤を含有させることによる前記効果が十分に得られないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、ローラ本体15の硬さが上昇するおそれがある。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。また加工助剤としてはステアリン酸等の脂肪酸などが挙げられる。
これら可塑成分の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。例えば導電性ローラ13を画像形成装置へ装着する際や、あるいは画像形成装置の運転時等に、前記導電性ローラ13のローラ本体15と接触する感光体が汚染されるのを防止するためである。かかる目的に鑑みると、可塑成分としては極性ワックスを使用するのが特に好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち酸化防止剤は、導電性ローラ13のローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。前記酸化防止剤としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)NEC−P〕、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラックNBC〕等が挙げられる。
充填剤としては、例えば酸化亜鉛、シリカ、カーボン、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、ローラ本体15の機械的強度等を向上できる。
また充填剤として導電性カーボンブラックを用いて、ローラ本体15に電子導電性を付与することもできる。
充填剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、50質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
スコーチ防止剤としては、例えばN−シクロへキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフエニルアミン、2,4−ジフエニル−4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上が挙げられる。特にN−シクロへキシルチオフタルイミドが好ましい。
スコーチ防止剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
共架橋剤とは、それ自体が架橋するとともにゴム分とも架橋反応して全体を高分子化する働きを有する成分を指す。
前記共架橋剤としては、例えばメタクリル酸エステルや、あるいはメタクリル酸またはアクリル酸の金属塩等に代表されるエチレン性不飽和単量体、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマ類、ジオキシム等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちエチレン性不飽和単量体としては、例えば
(a) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c) 前記(a)(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d) 前記(a)〜(c)の金属塩、
(e) 1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f) スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g) トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの複素環を有するビニル化合物、
(h) その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルステロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン
等の1種または2種以上が挙げられる。
また前記(c)の不飽和カルボン酸類のエステルとしては、モノカルボン酸類のエステルが好ましい。
前記モノカルボン酸類のエステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ぺンチル(メタ)アクリレート、i−ぺンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
べンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラハイドロフルフリルメタクリレートなどの各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等の1種または2種以上が挙げられる。
前記各成分を含む導電性ゴム組成物は、従来同様に調製することができる。まず前記ゴム分を所定の割合で配合して素練りし、次いで発泡剤成分、架橋成分以外の添加剤を加えて混練した後、最後に発泡剤成分、架橋成分を加えて混練することで導電性ゴム組成物が得られる。前記混練には、例えばニーダ、バンバリミキサ、押出機等を用いることができる。
《画像形成装置》
上記導電性ローラ13は、例えばレーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで用いることができる。すなわち、先に説明した画像形成工程うち感光体の帯電工程に用いる帯電ローラ、現像工程に用いる現像ローラ、転写工程に用いる転写ローラ、およびクリーニング工程に用いるクリーニングローラとして、画像形成装置に組み込むことができる。
〈実施例1〉
(導電性ゴム組成物の調製)
ゴム分としてはSBR〔JSR(株)製のJSR1502、乳化重合タイプ、結合スチレン:23.5%〕80質量部、EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)EPDM505A〕10質量部、およびECO〔日本ゼオン(株)製のHYDRIN(登録商標)T3108〕10質量部を配合した。
そして前記ゴム分計100質量部に、下記表1に示す各成分を配合し、密閉式混練機を用いて80℃で3〜5分間混練して導電性ゴム組成物を調製した。
Figure 0005699117
表1中の各成分は下記のとおり。
充填剤:カーボンブラックHAF
発泡剤:ADCA系発泡剤〔永和化成工業(株)製の商品名ビニホールAC#3〕
発泡助剤:尿素系発泡助剤〔永和化成工業(株)製の商品名セルペースト101〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A−2〕
架橋剤:粉末硫黄
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS〕
(筒状発泡ゴムの製造)
前記導電性ゴム組成物を、図1に示す製造装置1の押出機3に供給し、口金2を通して外径φ10.5mm、内径φ3.5mmの長尺の筒状に押出成形し、押出成形した筒状体4をカットせずに長尺のままで連続的に送り出しながら、マイクロ波架橋装置9と熱風架橋装置10を含む連続架橋装置5内を連続的に通過させることで連続的に架橋および発泡させたのち、引取機6、および送りロール12を介して、長尺のまま一旦巻取機7に巻き取った。
マイクロ波架橋装置9の出力は6KW、槽内制御温度は160℃、熱風架橋装置10の槽内制御温度は250℃、加熱槽の有効長は8m、ライン速度は3m/分とした。巻取機7の巻き取り径は50cm、巻き取り長さは50mとした。
発泡および架橋後の筒状体4の外径はおよそφ15.0mm、内径はおよそφ4.0mmであった。
次いで、前記巻取機7に巻き取った筒状体4を、巻取機7ごと常温で1週間に亘って静置したのち、前記巻取機7から間欠的に繰り出しながら、定寸カット機8によって直接に、長さ220mmにカットして筒状発泡ゴム11を製造した。
(導電性ローラの作製)
前記筒状発泡ゴム11をローラ本体15として、図4に示す自動圧入装置18の、固定部材19の一対の溝22、23で構成される空間内に収容して、上下から一対のブロック体24、25によって挟み付けることで固定した。
また、外周面に導電性の熱硬化性接着剤を塗布した外径φ5mmの金属(SUM−24L)製のシャフト17を、保持部材20のV溝26によって保持させた。
そして前記ローラ本体15、シャフト17、およびピストン棒21をいずれも同軸上に位置させた状態で、図中に実線の矢印で示すようにピストン棒21を前進させて、シャフト17をローラ本体15の通孔16内に圧入したのち、熱風オーブン中で160℃×60分間加熱して前記熱硬化性接着剤を硬化(二次架橋)させることにより、前記ローラ本体15とシャフト17とを電気的に接合するとともに機械的に固定した。
次いで、円筒研削盤を用いてローラ本体15の外周面14をトラバース研削することで、前記ローラ本体15の外径をφ13.0mmに仕上げることで導電性ローラ13を作製した。
〈実施例2〉
ゴム分のうちSBRに代えて、NBR〔JSR(株)製のJSR N250SL、低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量:20%〕80質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、筒状発泡ゴム11を製造し、導電性ローラ13を作製した。
〈比較例
巻取機7の巻き取り径を35cmに設定したこと以外は実施例1、2と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、筒状発泡ゴム11を製造し、導電性ローラ13を作製した。
〈比較例
巻取機7の巻き取り径を15cmに設定したこと以外は実施例1、2と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、筒状発泡ゴム11を製造し、導電性ローラ13を作製した。
〈従来例1〉
発泡および架橋後の筒状体4を、冷却水中を通過させることで連続的に冷却させたのち、粗切り、および最終寸法カットの2段階の工程を経て筒状発泡ゴム11を製造し、次いで実施例1と同様にして導電性ローラ13を作製した。
〈曲率半径測定〉
前記各実施例、比較例、および従来例で製造した筒状発泡ゴム11の曲率半径R(mm)を、先に説明した方法によって求めた。
〈組み立て性評価〉
前記各実施例、比較例、および従来例で製造した筒状発泡ゴム11をローラ本体15として、前記自動圧入装置18を用いてシャフト17を圧入して導電性ローラ13を組み立てる作業をした際の組み立て性の良否を評価した。
すなわち、前記ローラ本体15を各実施例、比較例ごとに100本ずつ用意し、各ローラ本体15を、前記自動圧入装置18の、固定部材19の一対の溝22、23で構成される空間内に収容する作業、および収容して固定した前記ローラ本体15の通孔16に、前記自動圧入装置18のピストン棒21を動作させてシャフト17を圧入する作業をした際に、両作業ともに全く不良を生じなかったものを組み立て性良好「○」、いずれかの作業で1本でも不良を生じたものを組み立て性不良「×」と評価した。
〈材料消費量評価〉
同じ本数のローラ本体を製造するのに要した材料の消費量を計量し、実施例1における材料消費量を100とした指数で表した。
以上の結果を表2に示す。
Figure 0005699117
表2の実施例1、2、従来例1の結果より、従来の2段階のカットに代えて、筒状体4を巻取機7に巻き取って3日間以上静置したのちカットする工程を採用することにより、材料消費量を大幅に低減できることが判った。
ただし実施例1、2、比較例1〜4の結果より、前記静置時の巻き取りを、カット後の筒状発泡ゴム11の曲率半径が300mm以上となるように設定しないと、自動圧入装置18を使用した際の組み立て性が低下するため、前記曲率半径は300mm以上である必要があることが判った。
さらに実施例1、2の結果より、ゴム分としてスチレンブタジエンゴムを含む導電性ゴム組成物を用いて筒状発泡ゴム11を形成するのが、同じ巻き取り径で巻き取った際の曲率半径を大きくする上で好ましいことが判った。
1 製造装置
2 口金
3 押出機
4 筒状体
5 連続架橋装置
6 引取機
7 巻取機
8 定寸カット機
9 マイクロ波架橋装置
10 熱風架橋装置
11 筒状発泡ゴム
12 送りロール
13 導電性ローラ
14 外周面
15 ローラ本体
16 通孔
17 シャフト
18 自動圧入装置
19 固定部材
20 保持部材
21 ピストン棒
22、23 溝
24、25 ブロック体
26 V溝
27 ブロック体
28 水平面
29 接線
30 直線

Claims (2)

  1. 発泡剤を含むゴム組成物を、押出機の口金を通して筒状に押出成形するとともに、前記押出成形した筒状体を連続的に架橋および発泡させたのちカットして所定長の筒状発泡ゴムを製造するための製造方法であって、前記架橋および発泡後で、かつカット前の筒状体を、カット後の筒状発泡ゴムの曲率半径が300mm以上となるように巻取機に巻き取って3日間以上静置する工程、および前記巻取機から繰り出した筒状体を、直接に、所定の筒状発泡ゴムの長さにカットする工程を含むことを特徴とする筒状発泡ゴムの製造方法。
  2. 前記ゴム組成物は、ゴム分としてスチレンブタジエンゴムを含んでいる請求項1に記載の筒状発泡ゴムの製造方法。
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