JP6091249B2 - 導電性ローラの製造方法 - Google Patents
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Description
まず、光導電性を有する感光体の表面を一様に帯電させた状態で露光して、前記表面に、形成画像に対応する静電潜像を形成する(帯電工程→露光工程)。
次いで、前記トナー像を紙の表面に転写し(転写工程)、さらに定着させることにより(定着工程)、前記紙の表面に画像が形成される。
さらに、転写が終了した感光体の表面に残留するトナーを除去する(クリーニング工程)ことにより、一連の画像形成が終了する。
前記導電性ローラの製造方法として、例えば導電性、架橋性、および発泡性を有するゴム組成物を、押出機のヘッドの口金を通して連続的に筒状に押出成形し、前記押出成形した筒状体をカットせずに長尺のまま、マイクロ波架橋装置、次いで熱風架橋装置を通過させることで連続的に発泡、および架橋させて前記筒状発泡体を形成しのち、当該筒状発泡体を所定の長さにカットするとともに筒内に芯金を挿通、固定して製造する方法が知られている(特許文献1〜3等)。
形成した筒状発泡体を所定の長さにカットし、通孔内に芯金を挿通して固定する工程を含むことを特徴とする導電性ローラの製造方法である。
外表面付近の温度が内部よりも高くなるとともに前記内外の温度差が大きくなるほど、次工程での発泡、および架橋のタイミングが、特に前記外表面近傍で設計値からずれて、発泡、および架橋後の筒状発泡体において、前記外表面近傍の発泡セル径が、それより径方向内方の発泡セル径よりも小さくなり、前記筒状発泡体を用いて製造される導電性ローラの、感光体の表面に対する接触面積が所定値から大きくずれる結果、形成画像に画像不良を生じやすくなる。
そのため発泡、および架橋後の筒状発泡体において、外表面近傍の発泡セル径が、それより径方向内方の発泡セル径よりも小さくなりすぎるのを抑制して、前記筒状発泡体を用いて製造される導電性ローラの、感光体の表面に対する接触面積のずれを抑制して、前記ずれに伴う画像不良を生じにくくすることができる。
また前記発泡、および架橋後の筒状発泡体の外表面を次工程で研磨して、前記外表面近傍の、発泡セル径の小さい領域を除去するようにすると、画像不良の発生をさらに確実に防止することができる。
前記ゴム組成物としては、ゴム分、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分、および発泡剤成分を少なくとも含み、かつ前記発泡剤成分は、前記ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、10質量部以下の発泡剤のみからなるか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の発泡助剤とからなるものを用いるのが好ましい。
そのため、画像不良の発生をより一層確実に防止することができる。
図1は、本発明の導電性ローラの製造方法のうち、ゴム組成物を押出成形、発泡、および架橋させて筒状発泡体を形成する工程の一例を説明するブロック図である。
また図2は、前記工程を含む本発明の製造方法によって製造された導電性ローラの一例を示す斜視図である。
本発明の製造方法においては、まずゴム分や発泡剤等の成分を所定の割合で混練してリボン状等に形成したゴム組成物を、連続的に押出機3に供給しながら、当該押出機3を動作させることで、ヘッドの口金2を通して、長尺の筒状体4を連続的に押出成形する。
次いで発泡、および架橋後の筒状発泡体5を、図示していないが所定の長さにカットし、さらに必要に応じて二次架橋させた後、図2に示すように、カットした筒状発泡体5の通孔10内に芯金11を挿通して固定することで導電性ローラ12が製造される。
ヘッド圧力を25MPa以下とすることにより、先に説明したように、押出成形された架橋前の筒状体4の、外表面付近の温度の上昇を抑えて、前記外表面付近とそれより径方向内方との温度差を小さくでき、次工程での発泡、および架橋のタイミングを、筒状体4の全体でほぼ設計値に近づけることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、前記押出時のヘッド圧力は20MPa以下であるのが好ましい。
前記ヘッド圧力を調整するためには、例えば押出機の、ゴム組成物を供給するためのホッパ、前記ホッパに供給されたゴム組成物を溶融させるためのシリンダの前部(ホッパ側)、および後部(ヘッド側)、そしてヘッドの、各部の温度を調整する等すればよい。
またゴム組成物を構成するゴム分の種類、および組み合わせを変更したり、充填剤の量を変更したりすることによって、前記ヘッド圧力を微調整することができる。
これにより、画像不良の発生をさらに確実に防止することができる。
ただし前記外表面13の、径方向の研磨厚みは、材料の無駄、および研磨に要する時間をできるだけ少なくして導電性ローラ12の生産性を向上することを考慮すると、3mm以下であるのが好ましい。
前記芯金11は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成される。
なお、例えば導電性を有する接着剤等によって前記両者を電気的に接合し、かつ機械的に固定するようにしてもよい。
前記筒状発泡体5のもとになるゴム組成物としては、前記連続架橋装置6を通過させた際に発泡するとともに架橋する発泡性、架橋性を有し、なおかつ導電性ローラ12の用途等に応じた任意の導電性を有するゴム組成物を用いることができる。
《ゴム組成物》
〈イオン導電性ゴム〉
ゴム分としては、前記イオン導電性ゴムと架橋性ゴムとを併用するのが好ましい。
かかる両共重合体においてエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、特に50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、導電性ローラ12の全体でのローラ抵抗値を下げる働きをする。しかしエチレンオキサイド含量が前記範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、導電性ローラ12のローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、前記エチレンオキサイド含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、特に50モル%以下であるのが好ましい。
前記アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、導電性ローラ12のローラ抵抗値を低下させる働きをする。しかしアリルグリシジルエーテル含量が前記範囲未満では、かかる働きが得られないため、導電性ローラ12のローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
GECOとしては、前記3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体のほかに、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られており、本発明ではいずれのGECOも使用可能である。
配合割合が前記範囲未満では、筒状発泡体5に良好なイオン導電性を付与できないおそれがある。
〈架橋性ゴム〉
架橋性ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、および/またはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が挙げられる。これらのゴムは良好な架橋性を有する上、発泡、および架橋後の筒状発泡体5に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する働きをする。
(SBR、NBR)
前記のうちSBRとしては、スチレンと1,3−ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRがいずれも使用可能である。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
これらSBRの1種または2種以上を使用することができる。
またNBRとしては、アクリロニトリル含量によって分類される低ニトリルNBR、中ニトリルNBR、中高ニトリルNBR、高ニトリルNBR、および極高ニトリルNBRがいずれも使用可能である。これらNBRの1種または2種以上を使用することができる。
SBR、および/またはNBRの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の40質量部以上、特に60質量部以上であるのが好ましく、90質量部以下、特に80質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、SBR、および/またはNBRを用いることによる、先に説明した、ゴム組成物に良好な架橋性を付与する効果や、発泡、および架橋後の筒状発泡体5に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。
なお前記配合割合は、SBRとして油展タイプのものを用いる場合は、当該油展タイプのSBR中に含まれる固形分としてのSBR自体の配合割合である。またSBRとNBRを併用する場合は、その合計の配合割合である。
(EPDM)
EPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した種々のEPDMが、いずれも使用可能である。前記EPDMとしては、前記第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。重合触媒としてはチーグラー触媒を使用するのが一般的である。
配合割合が前記範囲未満では、筒状発泡体5に良好なオゾン耐性を付与できないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にSBR、および/またはNBRの配合割合が少なくなって、これらのゴムを配合することによる、ゴム組成物に良好な架橋性を付与する効果や、発泡、および架橋後の筒状発泡体5に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。また相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、筒状発泡体5に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
ゴム分として、さらにクロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACM)等の極性ゴムを配合して、導電性ローラ12のローラ抵抗値を微調整することもできる。
〈発泡剤成分〉
発泡剤成分としては、加熱により分解し、気体を発生してゴム組成物を発泡させることができる発泡剤のみを、ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、10質量部以下の割合で使用するか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の発泡助剤とを併用するのが好ましい。
そのため、画像不良の発生をより一層確実に防止することができる。
前記発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(H2NOCN=NCONH2、ADCA)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等の1種または2種以上が挙げられる。
〈架橋剤成分〉
ゴム組成物には、ゴム分を架橋させるための架橋剤成分を配合する。前記架橋剤成分としては、架橋剤、促進剤等が挙げられる。
このうち架橋剤としては、例えば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。中でも硫黄系架橋剤が好ましい。
硫黄の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また促進剤は、種類によって架橋促進のメカニズムが異なるため、2種以上を併用するのが好ましい。併用する個々の促進剤の配合割合は任意に設定することができるが、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、8質量部以下、特に5質量部以下であるのが好ましい。
促進助剤としては、例えば亜鉛華等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
促進助剤の配合割合は、ゴム分の種類および組み合わせや、架橋剤、促進剤の種類および組み合わせ等に応じて適宜設定することができる。
ゴム組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば受酸剤、可塑成分(可塑剤、加工助剤等)、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等が挙げられる。
前記受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
受酸剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、受酸剤を含有させることによる前記効果が十分に得られないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、発泡、および架橋後の筒状発泡体5の硬さが上昇するおそれがある。
これら可塑成分の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。例えば画像形成装置への装着時や運転時に感光体の汚染を生じたりするのを防止するためである。かかる目的に鑑みると、可塑成分としては極性ワックスを使用するのが特に好ましい。
このうち酸化防止剤は、導電性ローラ12のローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。前記酸化防止剤としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)NEC−P〕、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラックNBC〕等が挙げられる。
充填剤を配合することにより、筒状発泡体5の機械的強度等を向上できる。
また充填剤として導電性カーボンブラックを用いて、筒状発泡体5に電子導電性を付与することもできる。
スコーチ防止剤としては、例えばN−シクロへキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフエニルアミン、2,4−ジフエニル−4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上が挙げられる。特にN−シクロへキシルチオフタルイミドが好ましい。
共架橋剤とは、それ自体が架橋するとともにゴム分とも架橋反応して全体を高分子化する働きを有する成分を指す。
前記共架橋剤としては、例えばメタクリル酸エステルや、あるいはメタクリル酸またはアクリル酸の金属塩等に代表されるエチレン性不飽和単量体、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマ類、ジオキシム等の1種または2種以上が挙げられる。
(a) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c) 前記(a)(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d) 前記(a)〜(c)の金属塩、
(e) 1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f) スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g) トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの複素環を有するビニル化合物、
(h) その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルステロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン
等の1種または2種以上が挙げられる。
前記モノカルボン酸類のエステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ぺンチル(メタ)アクリレート、i−ぺンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
べンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラハイドロフルフリルメタクリレートなどの各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等の1種または2種以上が挙げられる。
《画像形成装置》
本発明の製造方法によって製造された導電性ローラ12は、種々の画像形成装置に組み込むことができる。かかる画像形成装置としては、例えばレーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置が挙げられる。
(ゴム組成物の調製)
ゴム分としてはNBR〔JSR(株)製のJSR N250SL、低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量:20%〕80質量部、EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)EPDM505A〕10質量部、およびECO〔日本ゼオン(株)製のHYDRIN(登録商標)T3108〕10質量部を配合した。
充填剤:カーボンブラックHAF〔東海カーボン(株)製の商品名シースト3〕
発泡剤:ADCA系発泡剤〔永和化成工業(株)製の商品名ビニホールAC#3〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A−2〕
架橋剤:粉末硫黄〔鶴見化学工業(株)製〕
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS〕
促進助剤:酸化亜鉛〔ハクスイテック(株)製〕
(筒状発泡体5の形成)
前記ゴム組成物を、図1に示す製造装置1の押出機3に供給し、ヘッドの口金2を通して外径φ10.5mm、内径φ3.5mmの長尺の筒状に押出成形し、押出成形した筒状体4をカットせずに長尺のままで連続的に送り出しながら、マイクロ波架橋装置8と熱風架橋装置9を含む連続架橋装置6内を連続的に通過させることで連続的に架橋および発泡させたのち、冷却水中を通過させることで連続的に冷却させて筒状発泡体5を形成した。
(導電性ローラ12の製造)
前記筒状発泡体5を長さ220mmにカットし、熱風オーブン中で160℃×60分間加熱して二次架橋させた後、その中心の通孔10に、外径φ6mmの金属(SUM−24L)製の芯金11を圧入することで、前記筒状発泡体5と芯金11とを電気的に接合するするとともに機械的に固定した。
〈実施例2〉
押出機3の各部を下記表3に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を19.5MPaに設定したこと以外は実施例1と同様にして筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
押出機3の各部を下記表4に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を29.0MPaに設定したこと以外は実施例1と同様にして筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
ゴム分として、前記NBR40質量部、EPDM10質量部、およびECO10質量部に、さらにSBR〔JSR(株)製のJSR 1502〕40質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
〈比較例2〉
押出機3の各部を前記表4に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を32.0MPaに設定したこと以外は実施例3と同様にして筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
ゴム分として、前記NBRに代えて、SBR〔JSR(株)製のJSR 1502〕80質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
押出機3の各部の温度は実施例1と同じ設定としたが、ゴム分の組み合わせの違いにより、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力は24.0MPaとなった。
押出機3の各部を前記表4に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を32.0MPaに設定したこと以外は実施例4と同様にして筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
〈発泡セル径測定〉
実施例、比較例で製造した導電性ローラ12を、軸方向と直交方向にカットして、図3に示すように、筒状発泡体5中の、外表面13に最も近い位置の発泡セルの発泡セル径Aと、芯金11に最も近い位置の発泡セルの発泡セル径Bとを測定した。
そして前記発泡セル径A、Bの比B/Aを求めた。前記比B/Aが大きいほど、外表面13近傍の発泡セルの発泡セル径が小さいため、前記外表面13の、感光体の表面に対する接触面積があらかじめ設定した所定値から大きくずれて、形成画像に画像不良を生じやすくなり、逆に1に近いほど、外表面13近傍の発泡セル径が小さくなるのを抑制し、前記接触面積のずれを抑制して、画像不良を生じにくくすることができる。
2 口金
3 押出機
4 筒状体
5 筒状発泡体
6 連続架橋装置
7 引取機
8 マイクロ波架橋装置
9 熱風架橋装置
10 通孔
11 芯金
12 導電性ローラ
13 外表面
A、B 発泡セル径
Claims (5)
- 導電性、架橋性、および発泡性を有するゴム組成物を、ヘッド圧力10MPa以上、25MPa以下の条件で、押出機のヘッドを通して連続的に筒状に押出成形したのち、前記押出成形した筒状体をカットせずに長尺のまま、マイクロ波架橋装置、次いで熱風架橋装置を通過させて連続的に発泡、および架橋させて筒状発泡体を形成する工程、および
形成した筒状発泡体を所定の長さにカットし、通孔内に芯金を挿通して固定する工程を含むことを特徴とする導電性ローラの製造方法。 - 前記押出時のヘッド圧力は20MPa以下である請求項1に記載の導電性ローラの製造方法。
- 前記筒状発泡体の外表面を研磨する工程を含む請求項1または2に記載の導電性ローラの製造方法。
- 前記外表面の、径方向の研磨厚みは3mm以下である請求項3に記載の導電性ローラの製造方法。
- 前記ゴム組成物として、ゴム分、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分、および発泡剤成分を少なくとも含み、かつ前記発泡剤成分は、前記ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、10質量部以下の発泡剤のみからなるか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の発泡助剤とからなるものを用いる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の導電性ローラの製造方法。
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