JP6091249B2 - 導電性ローラの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ローラの製造方法に関するものである。
例えばレーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置においては、概略下記の工程を経て、紙(OHPフィルム等のプラスチックフィルムを含む。以下同様。)の表面に画像が形成される。
まず、光導電性を有する感光体の表面を一様に帯電させた状態で露光して、前記表面に、形成画像に対応する静電潜像を形成する(帯電工程→露光工程)。
次いで、微小な着色粒子であるトナーを所定の電位に帯電させた状態で、前記感光体の表面に接触させる。そうするとトナーが、静電潜像の電位パターンに応じて感光体の表面に選択的に付着されて、前記静電潜像がトナー像に現像される(現像工程)。
次いで、前記トナー像を紙の表面に転写し(転写工程)、さらに定着させることにより(定着工程)、前記紙の表面に画像が形成される。
また前記転写工程では、感光体の表面に形成したトナー像を、紙の表面に直接に転写させる場合だけでなく、像担持体の表面に一旦転写(一次転写工程)させたのち紙の表面に再転写させる(二次転写工程)場合もある。
さらに、転写が終了した感光体の表面に残留するトナーを除去する(クリーニング工程)ことにより、一連の画像形成が終了する。
前記各工程のうち感光体の帯電工程、現像工程、転写工程、およびクリーニング工程には、それぞれの用途に応じた導電性を付与するとともに発泡させたゴムの筒状体(筒状発泡体)からなり、前記感光体の表面に接触される導電性ローラが広く用いられている。
前記導電性ローラの製造方法として、例えば導電性、架橋性、および発泡性を有するゴム組成物を、押出機のヘッドの口金を通して連続的に筒状に押出成形し、前記押出成形した筒状体をカットせずに長尺のまま、マイクロ波架橋装置、次いで熱風架橋装置を通過させることで連続的に発泡、および架橋させて前記筒状発泡体を形成しのち、当該筒状発泡体を所定の長さにカットするとともに筒内に芯金を挿通、固定して製造する方法が知られている(特許文献1〜3等)。
特開2006−227500号公報 特開2008−165149号公報 特開2010−145920号公報
ところが、前記請求項1〜3に記載の製造方法等で製造した従来の導電性ローラは、特にその外表面近傍の発泡セルの径(発泡セル径)が、それより径方向内方の発泡セル径よりも小さくなり、そのことが原因となって、前記外表面の、感光体の表面に対する接触面積があらかじめ設定した所定値から大きくずれる結果、形成画像に画像不良を生じやすくなるという問題がある。
本発明の目的は、外表面近傍の発泡セル径が小さくなりすぎるのを抑制して、画像不良等を生じにくい導電性ローラを製造するための製造方法を提供することにある。
本発明は、導電性、架橋性、および発泡性を有するゴム組成物を、ヘッド圧力10MPa以上、25MPa以下の条件で、押出機のヘッドを通して連続的に筒状に押出成形したのち、前記押出成形した筒状体をカットせずに長尺のまま、マイクロ波架橋装置、次いで熱風架橋装置を通過させて連続的に発泡、および架橋させて筒状発泡体を形成する工程、および
形成した筒状発泡体を所定の長さにカットし、通孔内に芯金を挿通して固定する工程を含むことを特徴とする導電性ローラの製造方法である。
明者の検討によると、特許文献1〜3等に記載された従来の製造方法では、押出成形時のヘッド圧力を、25MPaを超える高圧に設定してゴム組成物を押出成形するのが一般的である。
ところが前記ヘッド圧が高いほど、押出成形された発泡、および架橋前の筒状体の、外表面付近の温度が上昇する傾向がある。またこの温度上昇には、ヘッドの口金と、押出成形途中の筒状体との間の摩擦による温度上昇分も含まれる。
外表面付近の温度が内部よりも高くなるとともに前記内外の温度差が大きくなるほど、次工程での発泡、および架橋のタイミングが、特に前記外表面近傍で設計値からずれて、発泡、および架橋後の筒状発泡体において、前記外表面近傍の発泡セル径が、それより径方向内方の発泡セル径よりも小さくなり、前記筒状発泡体を用いて製造される導電性ローラの、感光体の表面に対する接触面積が所定値から大きくずれる結果、形成画像に画像不良を生じやすくなる。
これに対し本発明によれば、前記のように押出成形時のヘッド圧力を10MPa以上、25MPa以下とすることで、押出成形された発泡、および架橋前の筒状体の、外表面付近の温度の上昇を抑えて、前記外表面付近とそれより径方向内方との温度差を小さくでき、次工程での発泡、および架橋のタイミングを、前記筒状体の全体でほぼ設計値に近づけることができる。
そのため発泡、および架橋後の筒状発泡体において、外表面近傍の発泡セル径が、それより径方向内方の発泡セル径よりも小さくなりすぎるのを抑制して、前記筒状発泡体を用いて製造される導電性ローラの、感光体の表面に対する接触面積のずれを抑制して、前記ずれに伴う画像不良を生じにくくすることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、前記押出時のヘッド圧力は20MPa以下であるのが好ましい。
また前記発泡、および架橋後の筒状発泡体の外表面を次工程で研磨して、前記外表面近傍の、発泡セル径の小さい領域を除去するようにすると、画像不良の発生をさらに確実に防止することができる。
ただし前記外表面の、径方向の研磨厚みは、材料の無駄、および研磨に要する時間をできるだけ少なくして導電性ローラの生産性を向上することを考慮すると、3mm以下であるのが好ましい。
前記ゴム組成物としては、ゴム分、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分、および発泡剤成分を少なくとも含み、かつ前記発泡剤成分は、前記ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、10質量部以下の発泡剤のみからなるか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の発泡助剤とからなるものを用いるのが好ましい。
発泡剤成分として、発泡剤の分解温度を低くして発泡セルのセル径を細かくする働きをする発泡助剤を除く、すなわち発泡助剤を全く配合せずに、加熱によって分解して気体を発生する発泡剤のみを単独で使用するか、前記発泡助剤を配合するとしても、その配合割合を前記範囲に制限して配合することにより、筒状発泡体の全体で発泡セル径を大きくすることができる。
また発泡剤の配合割合を前記範囲とすることで、筒状体を良好に発泡させるとともに、発泡、および架橋後の筒状発泡体の外表面および内表面の断面形状をきれいな円形とし、かつ内径の寸法をできるだけ均一化し、しかも発泡セルの分布をできるだけ均一化して、硬さや導電性のムラが小さい導電性ローラを製造することもできる。
そのため、画像不良の発生をより一層確実に防止することができる。
本発明によれば、外表面近傍の発泡セル径が小さくなりすぎるのを抑制して、画像不良等を生じにくい導電性ローラを製造するための製造方法を提供することができる。
本発明の導電性ローラの製造方法のうち、ゴム組成物を押出成形、発泡、および架橋させて筒状発泡体を形成する工程の一例を説明するブロック図である。 前記工程を含む本発明の製造方法によって製造された導電性ローラの一例を示す斜視図である。 本発明の実施例、比較例で製造した導電性ローラ内の、発泡セル径の測定方法を説明する断面図である。
《導電性ローラの製造方法、および導電性ローラ》
図1は、本発明の導電性ローラの製造方法のうち、ゴム組成物を押出成形、発泡、および架橋させて筒状発泡体を形成する工程の一例を説明するブロック図である。
また図2は、前記工程を含む本発明の製造方法によって製造された導電性ローラの一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の製造方法において使用する製造装置1は、ゴム組成物を、ヘッドの口金2を通して連続的に筒状に押出成形するための押出機3と、前記連続的に押出成形した筒状体4をカットせずに長尺のままで搬送しながら発泡、および架橋させるための連続架橋装置6と、前記発泡、および架橋させ後の筒状発泡体5を一定の速度で引き取るための引取機7とを備えている。
また連続架橋装置6は、前記長尺の筒状体4を、図示しないコンベア等によって、略水平方向に沿って連続的に搬送する搬送途上に順に配設されたマイクロ波架橋装置8、および熱風架橋装置9を備えている。
本発明の製造方法においては、まずゴム分や発泡剤等の成分を所定の割合で混練してリボン状等に形成したゴム組成物を、連続的に押出機3に供給しながら、当該押出機3を動作させることで、ヘッドの口金2を通して、長尺の筒状体4を連続的に押出成形する。
次いで押出成形された筒状体4を、前記コンベア、および引取機7によって略水平方向に沿って連続的に搬送しながら、前記連続架橋装置6のうち、まずマイクロ波架橋装置8を通過させることでマイクロ波を照射して、前記筒状体4を形成するゴム組成物をある程度の架橋度まで架橋させる。またマイクロ波架橋装置8内を一定温度に加熱して、前記架橋とともに、ゴム組成物を発泡させることもできる。
次いで、さらに搬送を続けながら熱風架橋装置9を通過させて熱風を吹き付けることで、ゴム組成物をさらに発泡させるとともに、前記ゴム組成物を所定の架橋度まで架橋させたのち、図示しない冷却水中等を通過させて冷却する。
次いで発泡、および架橋後の筒状発泡体5を、図示していないが所定の長さにカットし、さらに必要に応じて二次架橋させた後、図2に示すように、カットした筒状発泡体5の通孔10内に芯金11を挿通して固定することで導電性ローラ12が製造される。
本発明では、前記各工程のうち、押出機3によってゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を10MPa以上、25MPa以下に設定する。
ヘッド圧力を25MPa以下とすることにより、先に説明したように、押出成形された架橋前の筒状体4の、外表面付近の温度の上昇を抑えて、前記外表面付近とそれより径方向内方との温度差を小さくでき、次工程での発泡、および架橋のタイミングを、筒状体4の全体でほぼ設計値に近づけることができる。
そのため発泡、および架橋後の筒状発泡体5内で、外表面13近傍の発泡セル径が、それより径方向内方の発泡セル径よりも小さくなりすぎたり、それにともなって導電性ローラ12の、感光体の表面に対する接触面積がずれたりするのを抑制して、画像不良を生じにくくすることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、前記押出時のヘッド圧力は20MPa以下であるのが好ましい。
また、ヘッド圧力10MPa以上に設定されるのは、ヘッド圧力がこの範囲未満では押出速度が低くなり、ゴム組成物が押出機3内に滞留する時間が長くなって、ゴムが焼けたりする不具合を生じるおそれがあるためである
前記ヘッド圧力を調整するためには、例えば押出機の、ゴム組成物を供給するためのホッパ、前記ホッパに供給されたゴム組成物を溶融させるためのシリンダの前部(ホッパ側)、および後部(ヘッド側)、そしてヘッドの、各部の温度を調整する等すればよい。
具体的には、全体の温度を高くするほど、ゴム組成物の溶融粘度が低下するためヘッド圧力を低下させることができ、逆に全体の温度を低くするほど、前記溶融粘度が上昇するためヘッド圧力を上昇させることができる。
またゴム組成物を構成するゴム分の種類、および組み合わせを変更したり、充填剤の量を変更したりすることによって、前記ヘッド圧力を微調整することができる。
具体的には、同じ温度での溶融粘度が低いゴム分をより多く配合するほど、また充填剤の量を少なくするほど、ゴム組成物の全体での融粘度が低下するためヘッド圧力を低下させることができ、逆に同じ温度での溶融粘度が高いゴム分をより多く配合するほど、また充填剤の量を多くするほど、ゴム組成物の全体での融粘度が上昇するためヘッド圧力を上昇させることができる。
本発明では、前記発泡、および架橋後の筒状発泡体5を用いて導電性ローラ12を完成させるまでの任意の工程において、前記筒状発泡体5の外表面13を研磨するようにするのが好ましい。
これにより、画像不良の発生をさらに確実に防止することができる。
ただし前記外表面13の、径方向の研磨厚みは、材料の無駄、および研磨に要する時間をできるだけ少なくして導電性ローラ12の生産性を向上することを考慮すると、3mm以下であるのが好ましい。
研磨のタイミングは任意に設定できるが、所定の長さにカットし、芯金11を挿通して固定した図2の状態の筒状発泡体5の外表面13を、前記芯金11を中心として回転させながら研磨するのが、作業性を向上し、なおかつ外表面13のフレを抑制する上で好ましい。
前記芯金11は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成される。
前記筒状発泡体5の中心の通孔10に、当該通孔10の内径よりも外径の大きい前記芯金11を圧入することで、前記両者が電気的に接合されるとともに機械的に固定されて、導電性ローラ12が構成される。
なお、例えば導電性を有する接着剤等によって前記両者を電気的に接合し、かつ機械的に固定するようにしてもよい。
前記導電性ローラ12は、例えば帯電ローラ、現像ローラ、または転写ローラとして、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで使用することができる。
前記筒状発泡体5のもとになるゴム組成物としては、前記連続架橋装置6を通過させた際に発泡するとともに架橋する発泡性、架橋性を有し、なおかつ導電性ローラ12の用途等に応じた任意の導電性を有するゴム組成物を用いることができる。
特に導電性付与剤として、ゴム分を兼ねるイオン導電性ゴムを用いてイオン導電性を付与したゴム組成物が好ましい。
《ゴム組成物》
〈イオン導電性ゴム〉
ゴム分としては、前記イオン導電性ゴムと架橋性ゴムとを併用するのが好ましい。
このうちイオン導電性ゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、およびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
前記エピクロルヒドリンゴムとしては、前記例示の中でもエチレンオキサイドを含む共重合体、特にECO、および/またはGECOが好ましい。
かかる両共重合体においてエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、特に50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、導電性ローラ12の全体でのローラ抵抗値を下げる働きをする。しかしエチレンオキサイド含量が前記範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、導電性ローラ12のローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
一方、エチレンオキサイド含量が前記範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に導電性ローラ12のローラ抵抗値が上昇する傾向がある。また、発泡、および架橋後の筒状発泡体5の硬度が上昇したり、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇したりするおそれもある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、前記エチレンオキサイド含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、特に50モル%以下であるのが好ましい。
またGECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、特に2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、特に5モル%以下であるのが好ましい。
前記アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、導電性ローラ12のローラ抵抗値を低下させる働きをする。しかしアリルグリシジルエーテル含量が前記範囲未満では、かかる働きが得られないため、導電性ローラ12のローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
一方、アリルグリシジルエーテルは、GECOの架橋時に架橋点として機能するため、アリルグリシジルエーテル含量が前記範囲を超える場合には、前記GECOの架橋密度が高くなり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、却って導電性ローラ12のローラ抵抗値が上昇する傾向がある。また筒状発泡体5の引張強度や疲労特性、耐屈曲性等が低下するおそれもある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、前記エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は10モル%以上、特に19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、特に60モル%以下であるのが好ましい。
GECOとしては、前記3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体のほかに、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られており、本発明ではいずれのGECOも使用可能である。
エピクロルヒドリンゴムの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の5質量部以上、特に10質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下、特に30質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、筒状発泡体5に良好なイオン導電性を付与できないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的に架橋性ゴムの配合割合が少なくなって、後述する各種架橋性ゴムを配合することによる効果が十分に得られないおそれがある。
〈架橋性ゴム〉
架橋性ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、および/またはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が挙げられる。これらのゴムは良好な架橋性を有する上、発泡、および架橋後の筒状発泡体5に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する働きをする。
また、架橋性ゴムとしてさらにエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を配合すると、前記筒状発泡体5の、画像形成装置内で発生するオゾンに対する耐性を向上することができる。
(SBR、NBR)
前記のうちSBRとしては、スチレンと1,3−ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRがいずれも使用可能である。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
さらにSBRとしては、スチレン含量によって分類される高スチレンタイプ、中スチレンタイプ、および低スチレンタイプのSBRがいずれも使用可能である。スチレン含量や架橋度を変更することで、筒状発泡体5の各種物性を調整することができる。
これらSBRの1種または2種以上を使用することができる。
またNBRとしては、アクリロニトリル含量によって分類される低ニトリルNBR、中ニトリルNBR、中高ニトリルNBR、高ニトリルNBR、および極高ニトリルNBRがいずれも使用可能である。これらNBRの1種または2種以上を使用することができる。
さらにSBRとNBRを併用することもできる。
SBR、および/またはNBRの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の40質量部以上、特に60質量部以上であるのが好ましく、90質量部以下、特に80質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、SBR、および/またはNBRを用いることによる、先に説明した、ゴム組成物に良好な架橋性を付与する効果や、発泡、および架橋後の筒状発泡体5に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にEPDMの配合割合が少なくなって筒状発泡体5に良好なオゾン耐性を付与できないおそれがある。また相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、筒状発泡体5に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
なお前記配合割合は、SBRとして油展タイプのものを用いる場合は、当該油展タイプのSBR中に含まれる固形分としてのSBR自体の配合割合である。またSBRとNBRを併用する場合は、その合計の配合割合である。
(EPDM)
EPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した種々のEPDMが、いずれも使用可能である。前記EPDMとしては、前記第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。重合触媒としてはチーグラー触媒を使用するのが一般的である。
EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の5質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、筒状発泡体5に良好なオゾン耐性を付与できないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、相対的にSBR、および/またはNBRの配合割合が少なくなって、これらのゴムを配合することによる、ゴム組成物に良好な架橋性を付与する効果や、発泡、および架橋後の筒状発泡体5に良好なゴム弾性や柔軟性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。また相対的にエピクロルヒドリンゴムの配合割合が少なくなって、筒状発泡体5に良好なイオン導電性を付与できないおそれもある。
(その他のゴム)
ゴム分として、さらにクロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACM)等の極性ゴムを配合して、導電性ローラ12のローラ抵抗値を微調整することもできる。
〈発泡剤成分〉
発泡剤成分としては、加熱により分解し、気体を発生してゴム組成物を発泡させることができる発泡剤のみを、ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、10質量部以下の割合で使用するか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の発泡助剤とを併用するのが好ましい。
発泡剤成分として、発泡剤の分解温度を低くして発泡セルのセル径を細かくする働きをする発泡助剤を除く、すなわち発泡助剤を全く配合せずに、加熱によって分解して気体を発生する発泡剤のみを単独で使用するか、前記発泡助剤を配合するとしても、その配合割合を前記範囲に制限して配合することにより、筒状発泡体の全体で発泡セル径を大きくすることができる。
また発泡剤の配合割合を前記範囲とすることで、筒状体を良好に発泡させるとともに、発泡、および架橋後の筒状発泡体5の外表面13および内表面の断面形状をきれいな円形とし、かつ内径の寸法をできるだけ均一化し、しかも発泡セルの分布をできるだけ均一化して、硬さや導電性のムラが小さい導電性ローラを製造することもできる。
そのため、画像不良の発生をより一層確実に防止することができる。
なお、かかる効果をさらに向上することを考慮すると、発泡剤の配合割合は、前記範囲でも、ゴム分の総量100質量部あたり1.5質量部以上であるのが好ましく、4質量部以下であるのが好ましい。また発泡助剤は、前記のように配合しないのが最も好ましい。
前記発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(HNOCN=NCONH、ADCA)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等の1種または2種以上が挙げられる。
また、発泡助剤としては尿素が挙げられる。
〈架橋剤成分〉
ゴム組成物には、ゴム分を架橋させるための架橋剤成分を配合する。前記架橋剤成分としては、架橋剤、促進剤等が挙げられる。
このうち架橋剤としては、例えば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。中でも硫黄系架橋剤が好ましい。
また硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。このうち有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。特に粉末硫黄等の硫黄が好ましい。
硫黄の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、ゴム組成物の全体での架橋速度が遅くなり、架橋に要する時間が長くなって導電性ローラ12の生産性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、発泡、および架橋後の筒状発泡体5の圧縮永久ひずみが大きくなったり、過剰の硫黄が筒状発泡体5の外表面13にブルームしたりするおそれがある。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機促進剤としては、例えばジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等のグアニジン系促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系促進剤;N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤;テトラメテルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系促進剤;チオウレア系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
促進剤としては、前記種々の促進剤の中から、組み合わせる架橋剤の種類に応じて、最適な促進剤の1種または2種以上を選択して使用すればよい。例えば架橋剤として硫黄を使用する場合は、促進剤としてチウラム系促進剤、および/またはチアゾール系促進剤を選択して使用するのが好ましい。
また促進剤は、種類によって架橋促進のメカニズムが異なるため、2種以上を併用するのが好ましい。併用する個々の促進剤の配合割合は任意に設定することができるが、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、8質量部以下、特に5質量部以下であるのが好ましい。
架橋剤成分としては、さらに促進助剤を配合してもよい。
促進助剤としては、例えば亜鉛華等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
促進助剤の配合割合は、ゴム分の種類および組み合わせや、架橋剤、促進剤の種類および組み合わせ等に応じて適宜設定することができる。
(その他)
ゴム組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば受酸剤、可塑成分(可塑剤、加工助剤等)、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等が挙げられる。
このうち受酸剤は、ゴム分の架橋時にエピクロルヒドリンゴムから発生する塩素系ガスの、筒状発泡体5内への残留と、それによる架橋阻害や感光体の汚染等を防止するために機能する。
前記受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
また、前記ハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用するとより高い受酸効果を得ることができ、感光体の汚染をより一層確実に防止できる。
受酸剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、受酸剤を含有させることによる前記効果が十分に得られないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、発泡、および架橋後の筒状発泡体5の硬さが上昇するおそれがある。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。また加工助剤としてはステアリン酸等の脂肪酸などが挙げられる。
これら可塑成分の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。例えば画像形成装置への装着時や運転時に感光体の汚染を生じたりするのを防止するためである。かかる目的に鑑みると、可塑成分としては極性ワックスを使用するのが特に好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち酸化防止剤は、導電性ローラ12のローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。前記酸化防止剤としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)NEC−P〕、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラックNBC〕等が挙げられる。
充填剤としては、例えば酸化亜鉛、シリカ、カーボン、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、筒状発泡体5の機械的強度等を向上できる。
また充填剤として導電性カーボンブラックを用いて、筒状発泡体5に電子導電性を付与することもできる。
充填剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、80質量部以下、特に50質量部以下であるのが好ましい。
スコーチ防止剤としては、例えばN−シクロへキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフエニルアミン、2,4−ジフエニル−4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上が挙げられる。特にN−シクロへキシルチオフタルイミドが好ましい。
スコーチ防止剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
共架橋剤とは、それ自体が架橋するとともにゴム分とも架橋反応して全体を高分子化する働きを有する成分を指す。
前記共架橋剤としては、例えばメタクリル酸エステルや、あるいはメタクリル酸またはアクリル酸の金属塩等に代表されるエチレン性不飽和単量体、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマ類、ジオキシム等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちエチレン性不飽和単量体としては、例えば
(a) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c) 前記(a)(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d) 前記(a)〜(c)の金属塩、
(e) 1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f) スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g) トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの複素環を有するビニル化合物、
(h) その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルステロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン
等の1種または2種以上が挙げられる。
また前記(c)の不飽和カルボン酸類のエステルとしては、モノカルボン酸類のエステルが好ましい。
前記モノカルボン酸類のエステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ぺンチル(メタ)アクリレート、i−ぺンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
べンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラハイドロフルフリルメタクリレートなどの各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等の1種または2種以上が挙げられる。
前記各成分を含むゴム組成物は、従来同様に調製することができる。まず前記ゴム分を所定の割合で配合して素練りし、次いで発泡剤成分、架橋剤成分以外の添加剤を加えて混練した後、最後に発泡剤成分、架橋剤成分を加えて混練することでゴム組成物が得られる。前記混練には、例えばニーダ、バンバリミキサ、押出機等を用いることができる。
《画像形成装置》
本発明の製造方法によって製造された導電性ローラ12は、種々の画像形成装置に組み込むことができる。かかる画像形成装置としては、例えばレーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置が挙げられる。
〈実施例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分としてはNBR〔JSR(株)製のJSR N250SL、低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量:20%〕80質量部、EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)EPDM505A〕10質量部、およびECO〔日本ゼオン(株)製のHYDRIN(登録商標)T3108〕10質量部を配合した。
そして前記ゴム分100質量部に、下記表1に示す各成分を配合し、密閉式混練機を用いて80℃で3〜5分間混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006091249
表1中の各成分は下記のとおり。なお表中の質量部は、ゴム分の総量100質量部あたりの量である。
充填剤:カーボンブラックHAF〔東海カーボン(株)製の商品名シースト3〕
発泡剤:ADCA系発泡剤〔永和化成工業(株)製の商品名ビニホールAC#3〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A−2〕
架橋剤:粉末硫黄〔鶴見化学工業(株)製〕
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS〕
促進助剤:酸化亜鉛〔ハクスイテック(株)製〕
(筒状発泡体5の形成)
前記ゴム組成物を、図1に示す製造装置1の押出機3に供給し、ヘッドの口金2を通して外径φ10.5mm、内径φ3.5mmの長尺の筒状に押出成形し、押出成形した筒状体4をカットせずに長尺のままで連続的に送り出しながら、マイクロ波架橋装置8と熱風架橋装置9を含む連続架橋装置6内を連続的に通過させることで連続的に架橋および発泡させたのち、冷却水中を通過させることで連続的に冷却させて筒状発泡体5を形成した。
なお、前記押出機3の各部を下記表2に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力は24.5MPaに設定した。
Figure 0006091249
またマイクロ波架橋装置8の出力は8kW、槽内制御温度は160℃、熱風架橋装置9の槽内制御温度は250℃、加熱槽の有効長は8mとした。
(導電性ローラ12の製造)
前記筒状発泡体5を長さ220mmにカットし、熱風オーブン中で160℃×60分間加熱して二次架橋させた後、その中心の通孔10に、外径φ6mmの金属(SUM−24L)製の芯金11を圧入することで、前記筒状発泡体5と芯金11とを電気的に接合するするとともに機械的に固定した。
次いで円筒研削盤を用いて、前記筒状発泡体5の外表面13を、径方向の研磨厚みが2.8mmとなるようにトラバース研削するとともに、筒状発泡体5の両端をカットして導電性ローラ12を製造した。
〈実施例2〉
押出機3の各部を下記表3に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を19.5MPaに設定したこと以外は実施例1と同様にして筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
Figure 0006091249
〈比較例1〉
押出機3の各部を下記表4に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を29.0MPaに設定したこと以外は実施例1と同様にして筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
Figure 0006091249
〈実施例3〉
ゴム分として、前記NBR40質量部、EPDM10質量部、およびECO10質量部に、さらにSBR〔JSR(株)製のJSR 1502〕40質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
押出機3の各部の温度は実施例1と同じ設定としたが、ゴム分の組み合わせの違いにより、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力は23.9MPaとなった。
〈比較例2〉
押出機3の各部を前記表4に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を32.0MPaに設定したこと以外は実施例3と同様にして筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
〈実施例4〉
ゴム分として、前記NBRに代えて、SBR〔JSR(株)製のJSR 1502〕80質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
押出機3の各部の温度は実施例1と同じ設定としたが、ゴム分の組み合わせの違いにより、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力は24.0MPaとなった。
〈比較例3〉
押出機3の各部を前記表4に示す温度に設定することで、ゴム組成物を押出成形する際のヘッド圧力を32.0MPaに設定したこと以外は実施例4と同様にして筒状発泡体5を形成し、導電性ローラ12を製造した。
〈発泡セル径測定〉
実施例、比較例で製造した導電性ローラ12を、軸方向と直交方向にカットして、図3に示すように、筒状発泡体5中の、外表面13に最も近い位置の発泡セルの発泡セル径Aと、芯金11に最も近い位置の発泡セルの発泡セル径Bとを測定した。
測定は、導電性ローラ12の軸方向の3箇所で、それぞれ外表面13に最も近い位置の発泡セル10個ずつ、および芯金11に最も近い位置の発泡セル10個ずつについて実施し、それぞれ平均値を求めて発泡セル径A、Bとした。
そして前記発泡セル径A、Bの比B/Aを求めた。前記比B/Aが大きいほど、外表面13近傍の発泡セルの発泡セル径が小さいため、前記外表面13の、感光体の表面に対する接触面積があらかじめ設定した所定値から大きくずれて、形成画像に画像不良を生じやすくなり、逆に1に近いほど、外表面13近傍の発泡セル径が小さくなるのを抑制し、前記接触面積のずれを抑制して、画像不良を生じにくくすることができる。
結果を表5、表6に示す。
Figure 0006091249
Figure 0006091249
表5、表6の実施例1〜4、比較例1〜3の結果より、ゴム分の組み合わせの異なる各種のゴム組成物において、押出機3のヘッド圧を25MPa以下とすることで、発泡セル径の比B/Aを1に近づけて、筒状発泡体5の外表面13近傍の発泡セル径が小さくなるのを抑制し、前記外表面13の、感光体の表面に対する接触面積があらかじめ設定した所定値から大きくずれるのを防止して、画像不良を生じにくくできることが判った。
また実施例1〜4の結果より、前記の効果をより一層向上することを考慮すると、押出機3のヘッド圧は、前記範囲でも20MPa以下であるのが好ましいことが判った。
1 製造装置
2 口金
3 押出機
4 筒状体
5 筒状発泡体
6 連続架橋装置
7 引取機
8 マイクロ波架橋装置
9 熱風架橋装置
10 通孔
11 芯金
12 導電性ローラ
13 外表面
A、B 発泡セル径

Claims (5)

  1. 導電性、架橋性、および発泡性を有するゴム組成物を、ヘッド圧力10MPa以上、25MPa以下の条件で、押出機のヘッドを通して連続的に筒状に押出成形したのち、前記押出成形した筒状体をカットせずに長尺のまま、マイクロ波架橋装置、次いで熱風架橋装置を通過させて連続的に発泡、および架橋させて筒状発泡体を形成する工程、および
    形成した筒状発泡体を所定の長さにカットし、通孔内に芯金を挿通して固定する工程を含むことを特徴とする導電性ローラの製造方法。
  2. 前記押出時のヘッド圧力は20MPa以下である請求項1に記載の導電性ローラの製造方法。
  3. 前記筒状発泡体の外表面を研磨する工程を含む請求項1または2に記載の導電性ローラの製造方法。
  4. 前記外表面の、径方向の研磨厚みは3mm以下である請求項3に記載の導電性ローラの製造方法。
  5. 前記ゴム組成物として、ゴム分、前記ゴム分を架橋させるための架橋剤成分、および発泡剤成分を少なくとも含み、かつ前記発泡剤成分は、前記ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上、10質量部以下の発泡剤のみからなるか、または前記量の発泡剤と、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下の発泡助剤とからなるものを用いる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の導電性ローラの製造方法。
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