JP3900082B2 - 発泡ゴムスポンジローラの製造方法及びそれに用いられる発泡押出成形装置 - Google Patents

発泡ゴムスポンジローラの製造方法及びそれに用いられる発泡押出成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、発泡ゴムスポンジローラの製造方法及びそれに用いられる発泡押出成形装置に係り、特に、微細なセル径で、且つ薄いセル壁を有する発泡ゴムスポンジローラを連続的に形成することが可能な製造方法、並びに、そのような発泡ゴムスポンジローラの製造に有利に用いられる発泡押出成形装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来より、発泡ゴムからなるスポンジ層が軸体(芯金)の周りに所定の厚さで形成されてなる発泡ゴムスポンジローラは、電子写真方式を利用した複写機やプリンター等において、帯電ローラや、トナー供給ローラ、転写ローラ等として、用いられてきている。
【0003】
そして、そのような電子写真方式を利用した複写機やプリンター等に用いられる発泡ゴムスポンジローラにあっては、画像の高画質化を図るべく、セル径やセル壁の厚みが小さなもの、具体的には、150μm以下の微細なセル径と、20μm以下の極薄なセル壁を有するものが、求められている。
【0004】
一方、発泡ゴム原料に対して、圧力を付与せしめつつ、ゴムの発泡・加硫を行なえば、得られる発泡ゴムのセル径が小さくなることが知られており、また、より高い圧力をかける程、得られる発泡ゴムのセル径がより微細になることが、明らかとなっている。このため、微細なセル径と極薄なセル壁を有するスポンジローラを製造するに際しては、一般に、以下の如き手法が、採用されている。
【0005】
すなわち、〔A〕先ず、予め発泡剤を添加した発泡ゴム原料を、(1)押出機を用いて、未加硫・未発泡の状態で押し出して、所定の長さに切断した後、それを、(2)加硫缶内にセットして、水蒸気にて加圧・加熱することによって、発泡・加硫せしめ、その後、(3)得られた発泡体に芯金を挿入するための孔をあけ、そして、そのようにして形成された孔に、(4)予め接着剤が塗布された芯金を挿入して、(5)これを、オーブン内で加熱することにより、2次加硫と同時にゴムと芯金との接着を行ない、次いで、(6)得られた発泡ゴムスポンジ層の表面を研磨して、所定の外径寸法となるように形状を整え、最後に、(7)端部仕上げを行なうことにより、所定の長さ寸法となるようにして、目的とする発泡ゴムスポンジローラを得る手法や、〔B〕発泡剤を添加した発泡ゴム原料を、(i)押出機を用いてチューブ状に押し出して、所定の長さに切断した後、(ii)得られた未加硫・未発泡のチューブを、ダミー芯金を挿入した状態で、加硫缶内にセットして、水蒸気にて加圧・加熱することにより、発泡・加硫せしめ、その後、(iii)〜(vi)の工程として、上記〔A〕の手法の(4)〜(7)の工程を同様にして行なうことにより、発泡ゴムスポンジローラを得る手法(例えば、特許文献1参照)等が、一般に、採用されている。
【0006】
しかしながら、上述せる如き手法では、ゴムの発泡・加硫操作を、密閉容器である加硫缶の中において、水蒸気にて加圧しながら、行なうようにしているところから、バッチ処理が前提となって、加硫缶内の圧力の昇圧や減圧、ワーク入れ替え等が必要となり、目的とする発泡ゴムスポンジローラを連続的に製造することは不可能であったのである。また、加硫缶には、設備的な問題や、安全性を確保するために、その大きさや、昇圧することが可能な圧力にも限界があり、このため、一度に加硫缶内に収容できる押出物の本数に限りがあると共に、得られる発泡体のセル径やセル壁の厚みにも、限界があったのである。更に、水蒸気を熱媒体とするため、発泡ゴムスポンジ内部に水が浸入することが避けられず、このため、2次加硫において、浸入した水も除去しなければならず、上記した(5)や(iv)の2次加硫工程が長時間化され、生産性が良好ではない、といった問題を内在するものであったのである。
【0007】
ところで、特開昭62−211123号公報(特許文献2)には、架橋可能な熱可塑性樹脂と発泡剤及び樹脂の可塑化温度より高い熱分解温度を有する架橋剤との混合物を、長尺ランドダイ中に押し出し、そして、かかる長尺ランドダイの前段階で、熱可塑性樹脂の架橋を行なった後、後段階で発泡剤を揮発或いは分解せしめることにより、板状の架橋発泡体を連続的に製造せしめる手法が明らかにされているのであるが、かくの如き手法を、そのまま、発泡ゴムスポンジロールの製造に採用しても、熱可塑性樹脂とゴム材料とでは本質的に特性が異なるところから、ダイスから押し出された発泡ゴム(スポンジ層)に、割れやヒビ等のゴム破断が惹起され、実用に供することが出来なかったのである。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−305039号公報(第11頁、実施例1)
【特許文献2】
特開昭62−211123号公報
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かくの如き事情を背景にして為されたものであって、その課題とするところは、割れやヒビ等のゴム破断が惹起されることなく、微細なセル径で、且つ薄いセル壁を有する発泡ゴムスポンジローラを、連続的に製造することが可能な方法、並びに、そのような発泡ゴムスポンジローラの製造に有利に用いられる発泡押出成形装置を、提供することにある。
【0010】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる技術的課題の解決のために、発泡ゴムからなるスポンジ層が軸体の周りに所定の厚さで形成されてなる発泡ゴムスポンジローラを製造するに際して、前記スポンジ層を与える発泡ゴム原料を押出機より押し出して、長尺ダイスの加熱部に導き、該加熱部において該発泡ゴム原料をその加硫温度以上且つ発泡温度以上の150〜300℃の温度に加熱することにより、かかる発泡ゴム原料に対して押出圧力と発泡により生じる発泡圧力とを作用せしめつつ、該発泡ゴム原料の加硫と発泡とを共に行ない、チューブ状のゴム発泡体を形成せしめた後、前記長尺ダイスの冷却部に導き、該チューブ状ゴム発泡体を30℃以下に冷却せしめる一方、該チューブ状ゴム発泡体に作用する圧力を徐々に開放して、膨張させることにより、前記スポンジ層を形成する工程を含むことを特徴とする発泡ゴムスポンジローラの製造方法を、その要旨とするものである。
【0011】
このように、本発明に従う発泡ゴムスポンジローラの製造方法にあっては、従来の、加硫缶内にて発泡・加硫操作を施すのではなく、押出成形時に、発泡ゴム原料の発泡と加硫を行なって、チューブ状のゴム発泡体(スポンジ層)を形成せしめるようにしているところから、目的とする発泡ゴムスポンジローラを連続的に製造することが出来、しかも、上述せる如き従来の加硫缶による発泡・加硫工程[上記(2)及び(ii)]や芯金穴あけ工程[(3)]が不要となって、製造工程数の削減が図られ、ひいては、製造時間の短縮化や製造コストの低減等が有利に実現され得るのである。
【0012】
また、発泡・加硫時に、発泡ゴム原料に対して、押出圧力と発泡により生じる発泡圧力が作用せしめられるようになっているところから、加硫缶内で圧力を作用せしめる場合[通常、10kgf/cm2 (9.8×105 Pa)程度]に比して、大きな圧力[50〜900kgf/cm2 (49×105 〜882×105 Pa)]を作用せしめることが可能となり、以て、従来に比してより一層微細なセル径及び極薄なセル壁を有する発泡ゴムスポンジローラ(具体的には、スポンジ層)が得られるようになる。
【0013】
しかも、加硫と発泡が行われることにより得られたチューブ状ゴム発泡体を、そのまま、ダイスの開口端から押し出すのではなく、長尺ダイス内の冷却部で冷却せしめると共に、該チューブ状ゴム発泡体に作用する圧力を徐々に開放するように、膨張させて、押し出すようにしているところから、発泡ゴム内部に存在する発生ガスの熱膨張が極めて効果的に防止乃至は抑制され、割れやヒビ等のゴム破断のないスポンジ層が有利に形成され得るようになっている。
【0014】
なお、かかる本発明に従う製造方法の有利な態様の一つによれば、前記スポンジ層が、150μm以下のセル径と、20μm以下の厚さのセル壁を有していることが望ましく、このようなセル形状のスポンジ層を得るために、従来に比して大きな圧力が、発泡ゴム原料に対して作用せしめられることとなる。
【0015】
また、本発明は、発泡ゴムからなるスポンジ層が軸体の周りに所定の厚さで形成されてなる発泡ゴムスポンジローラを製造するために用いられる発泡押出成形装置であって、前記スポンジ層を与える発泡ゴム原料を加熱、流動化せしめて、押し出す押出機と、該押出機に接続されて、該押出機から押し出された発泡ゴム原料をチューブ状に成形する、筒体内に芯型を同心的に配置してなる構造の長尺なダイスとを有し、且つ該長尺ダイスが、その筒体内に導入される発泡ゴム原料を150〜300℃の温度に加熱して、その発泡・加硫を行なうのに充分な長さを有する加熱部と、該加熱部にて発泡・加硫が行なわれたゴム発泡体を30℃以下に冷却するための冷却部とを含んで構成されていると共に、該長尺ダイスの開口側に位置する前記筒体の内周面が、開口端に向かって徐々に大径化するテーパ部とされていることを特徴とする発泡押出成形装置をも、その要旨とするものである。
【0016】
要するに、このような本発明に従う発泡押出成形装置においては、押出機から押し出された発泡ゴム原料が、そのような押出機に接続された長尺ダイスの加熱部に導入されて、かかる長尺ダイスの加熱部内で、発泡ゴム原料の加硫と発泡が行われ、チューブ状ゴム発泡体が形成されるようになっていると共に、そのようなチューブ状ゴム発泡体に作用する圧力が、開口側に位置する長尺ダイスの冷却部内で、徐々に開放されて、目的とする発泡ゴムからなるスポンジ層が押出成形されるようになっているのである。
【0017】
それ故に、このような発泡押出成形装置を採用すれば、上述せるように、目的とする発泡ゴムスポンジローラを連続的に製造することが出来ると共に、上述せる如き従来の加硫缶による発泡・加硫工程や芯金穴あけ工程が不要となって、製造工程数の削減、ひいては、製造時間の短縮化や製造コストの低減が有利に実現され得ることとなる。
【0018】
また、長尺ダイス内には、発泡ゴム原料の発泡・加硫時に、押出圧と発泡圧が必然的に作用せしめられるところから、加硫缶内で圧力を作用せしめる場合に比して、発泡ゴム原料に対して、大きな圧力を作用せしめることが可能となり、従来に比してより一層微細なセル径及び極薄なセル壁を有する発泡ゴムスポンジローラが得られるようになる。
【0019】
さらに、長尺ダイスには、冷却部が設けられていると共に、開口側に位置する筒体の内周面が、開口端に向かって徐々に大径化するテーパ部とされているところから、加硫と発泡が行われることにより得られたチューブ状ゴム発泡体を、長尺ダイス内の冷却部で冷却せしめると共に、開口端に向かって徐々に大径化するようにして押し出して、該チューブ状ゴム発泡体に作用する圧力を徐々に開放することにより、発泡ゴム内部に存在する発生ガスの熱膨張が極めて効果的に防止乃至は抑制されて、割れやヒビ等のゴム破断のないスポンジ層が有利に形成され得るようになっているのである。
【0020】
なお、本発明に従う発泡押出成形装置の好ましい態様の一つによれば、前記冷却部が、前記長尺ダイスの開口側に位置せしめられ、その内周面が、前記テーパ部とされている構成が好適に採用され、これにて、微細なセル径且つ極薄なセル壁を有するスポンジ層を、より一層有利に製造せしめることが可能となる。
【0021】
また、本発明に従う他の好ましい態様の一つによれば、前記芯型が、前記加熱部において、前記発泡ゴム原料を発泡・加硫するに充分な長さにおいて設けられていることが望ましく、これにより、芯型にて形成されたチューブ状ゴム発泡体の内孔が埋まってしまうようなことが、有利に回避され得る。
【0022】
さらに、本発明に従う発泡押出成形装置の好ましい態様の他の一つによれば、前記長尺ダイスの筒体内の内周面及び前記芯型の外周面が、フッ素樹脂コーティングされていることが望ましく、これにより、長尺ダイス内での発泡ゴム原料やゴム発泡体の滑り性乃至は押出性を高めて、長尺ダイス内での発泡ゴム原料やゴム発泡体の滞留を効果的に防止することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0024】
先ず、図1には、本発明に従って、発泡ゴムスポンジローラを製造するために用いられる発泡押出成形装置の一例が、平面断面形態において、概略的に示されている。かかる図1からも明らかなように、発泡押出形成装置10は、発泡ゴム原料を押し出す押出機12と該押出機12に接続されるクロスヘッド型の長尺ダイス14とが水平面内において直交するように配置されて、構成されている。
【0025】
より具体的には、押出機12は、円筒状のシリンダ16と該シリンダ16内に回転可能に嵌挿されたスクリュ18とを有して構成される、従来からゴムの押出加工に用いられている公知の押出機と同様の構造を有するものであって、図示しないホッパからシリンダ16内に供給された発泡ゴム原料が、シリンダ16に設けられた加熱装置(図示せず)によって、スコーチ等が惹起されない温度(一般に、40〜100℃)に加熱されて、流動化せしめられ得るようになっていると共に、スクリュ18の軸心回りの回転によって、シリンダ16先端部に接続された長尺ダイス14内に、連続して押し出されるような構造とされている。
【0026】
一方、そのような押出機12に接続された長尺ダイス14は、ヘッド部20と長尺ダイス部22とから構成され、かかるヘッド部20にて、その内部に導入される発泡ゴム原料の進行方向が90度変更せしめられた後、発泡ゴム原料が長尺ダイス部22内に導かれるに際し、発泡ゴム原料の流通路が狭窄、小径化されて、押し出され得るようになっている。
【0027】
より具体的には、ヘッド部20は、押出機12の先端部に固定的に接続され、水平断面が略L字状の形態を呈する内孔を有する本体部24と、該本体部24の内孔の中心に突出するように且つ押出機12の長手方向に対して直交するようにして配置された芯型ホルダ26とを含んで、構成されており、これら本体部24の内面と芯型ホルダ26の外周面との間で、発泡ゴム原料が流通する流通路が形成されるようになっている。また、かかる本体部24の、略L字状に折れ曲がった内孔の一方の開口端部は、押出機12のシリンダ16の開口端に接続されて連通せしめられる一方、他方の開口端部は、長尺ダイス部22に接続されており、これにて、押出機12より押し出された発泡ゴム原料が、ヘッド部20の流通路を通じて、狭窄化された長尺ダイス部22内に押し入れられるようになっている。なお、かかるヘッド部20には、押出機12と同様に、加熱装置が設けられており、発泡ゴム原料の流動化を維持しつつ、スコーチや焼け等が惹起されないように、ヘッド部20の温度が、一般に、100℃以下となるように、調整されるようになっている。
【0028】
また、そのようなヘッド部20に一体的に設けられる長尺ダイス部22は、ダイス本体である長尺のパイプ状筒体28と、芯型としてのニップル30とから構成されており、かかるニップル30が、ヘッド部20の芯型ホルダ26に、移動不能に、固定的に保持せしめられることによって、ニップル30の外径よりも大きな内径を有する筒体28内に、同心的に配置され、そして、それら筒体28の内周面とニップル30の外周面との間が、発泡ゴム原料が流通するダイ間隙とされている。
【0029】
さらに、筒体28の内周面とニップル30の外周面には、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂によるコーティングが施されており、これにて、長尺ダイス部22内での発泡ゴム原料や、その加硫・発泡体であるゴム発泡体の滑り性乃至は押出性が高められ、以て、発泡ゴム原料やゴム発泡体が滞留するようなことが、効果的に防止され得るようになっている。
【0030】
ところで、そのような筒体28とニップル30とを有して構成される長尺ダイス部22には、その筒体28の外周面に対して、バンドヒータ等の加熱部材32と、冷媒が流通せしめられる冷却管35等の冷却部材36とが、発泡ゴム原料の押出方向(図において上下方向)に向かって、順次、取り付けられることによって、図1に示されるように、それぞれ、加熱部34及び冷却部38が設けられている。そして、ヘッド部20側に位置する加熱部34にて、その内部を移動させられる発泡ゴム原料が発泡及び加硫せしめられて、チューブ状のゴム発泡体が形成される一方、開口端側の冷却部38にて、加熱部34で形成されたチューブ状ゴム発泡体が冷却せしめられるようになっている。
【0031】
具体的には、長尺ダイス部22における加熱部34は、筒体28内に導入される発泡ゴム原料の発泡・加硫を行なうのに充分な長さとされているのである。ここにおいて、そのような加熱部の長さは、加熱温度(例えば、加熱部材32の設定温度)や押出速度等に応じて、適宜に決定され得るものであるが、通常、1〜10mの長さが採用されることとなる。なお、かかる加熱部34の長さが短過ぎる場合には、長尺ダイス部22内で、発泡ゴム原料の加硫を充分に行なうことが出来ず、未加硫の状態で長尺ダイス部22から押し出されてしまう恐れがあり、逆に、加熱部34が長過ぎる場合には、装置10が大きくなり過ぎて場所を取り過ぎてしまうと共に、過加硫となったり、筒体28内でゴム発泡体が固まり過ぎる恐れがある。
【0032】
また、加熱部34の加熱温度としては、加熱部34内の発泡ゴム原料が、発泡し得る温度以上(一般に、100℃以上)で、且つ加硫可能な温度以上(120℃以上、好ましくは150〜200℃)となるように、加熱部34の長さや押出速度、筒体28内の発泡ゴム原料への熱伝導性等を考慮して、適宜に設定されることが望ましく、一般に、150〜300℃、更に好ましくは、180〜280℃が好適に採用され得る。尤も、上記した温度範囲の中でも低めの温度が採用されると、筒体18内を移動する発泡ゴム原料の内部と外部の熱分布が良好となり、発泡がより一層均一に行なわれることとなるが、加熱部34を長くする必要がある。一方、加熱部34が短い場合には、上記した温度範囲の中でも、高めの温度が好適に採用され得ることとなる。因みに、加熱部34の温度は、加熱部34の全長に亘って、一定の温度であっても、押出方向に向かって変化せしめられても、何等差支えない。
【0033】
一方、長尺ダイス14の開口側に設けられた冷却部38は、上記した加熱部34にて発泡及び加硫が行なわれたゴム発泡体を冷却して、ゴム発泡体内部のガスの膨張を抑制するために設けられている。このため、冷却部38の長さとしては、長尺ダイス14(長尺ダイス部22)の開口端から押し出されるゴム発泡体が、急激に膨張して、割れやヒビ等のゴム破断が惹起されないような長さが適宜に設定されることとなるが、上限としては、装置10の省スペース化を図る上で、一般に、1m以下が望ましい。
【0034】
また、冷却部38の温度にあっても、長尺ダイス部22の開口端から押し出されるゴム発泡体が、急激に膨張して、割れやヒビ等のゴム破断が惹起されないように、適宜に設定されることとなり、一般に、冷却部38の長さや押出速度、ゴム発泡体への熱伝導性等を考慮して、30℃以下に温度調整されることが、望ましい。
【0035】
加えて、長尺ダイス部22は、その開口側に位置する内周面が、開口端40に向かって徐々に大径化するテーパ部42とされており、図1においては、冷却部38の内周面全体が、テーパ部42とされている。このようなテーパ部42を、ゴム発泡体が通過するに従って、ゴム発泡体が、テーパ部の内径に対応して徐々に膨張、大径化され、ゴム発泡体に作用せしめられる圧力が徐々に開放されるようになる。なお、かかるテーパ部42の拡径率等は、目的とする発泡スポンジローラのスポンジ層の厚さ等に応じて、適宜に設計され得る。
【0036】
一方、長尺ダイス部22の芯型であるニップル30は、チューブ状のゴム発泡体得るために、つまり、ゴム発泡体に、軸体を挿入するための内孔を形成するために必要な部材である。図1においては、ニップル30は、パイプ状筒体28内に、その全長に亘って設置せしめられておらず、短い長さとされているのであるが、少なくとも、加熱部34において、発泡ゴム原料を発泡・加硫させるのに充分な長さにおいて設けられている必要がある。かかるニップル30の長さが短過ぎる場合には、ニップル30によって、発泡ゴムに軸体(芯金)挿入用の内孔が形成せしめられても、発泡ゴムが筒体28内を進行するうちに、その内孔が埋まって、チューブ状のゴム発泡体が得られなくなる。また、ニップル30の外径にあっても、目的とする発泡スポンジローラの軸体の外径乃至は円筒状のスポンジ層の内径に応じて、適宜に設定され、通常、長尺ダイス14からの押出時に、ニップル30によって形成されたゴム発泡体の内孔が拡径されるところから、一般に、軸体よりも小さな外径を有するものが用いられることとなる。
【0037】
ところで、かくの如き構造を有する発泡押出成形装置10を用いて、図2に示されるようなチューブ状ゴム発泡体(スポンジ層44)を形成し、そして、このチューブ状ゴム発泡体に軸体46を挿入して、図3に示される如き、目的とする発泡ゴムスポンジローラ48を製造する際には、先ず、図4に示されるように、発泡ゴム原料50を押出機12より押し出して、長尺ダイス14の長尺ダイス部22に導入せしめる。
【0038】
ここで、発泡ゴム原料50としては、所定のゴム材料に、発泡剤や加硫剤、その他ゴム用添加剤を含有せしめてなる、未加硫・未発泡のゴム組成物が用いられる。なお、発泡ゴム原料の構成成分の一つであるゴム材料としては、発泡ゴムスポンジローラに本質的に要求される低硬度乃至は柔軟性を実現し得る、従来から公知のゴム材料が、適宜に選択されて、使用され得るのであり、例えば、EPDM、NBR、SBR等を挙げることが出来るが、勿論、これらの材料に何等限定されるものではないことは、言うまでもないところである。また、発泡剤や加硫剤、その他ゴム用添加剤にあっても、特に限定されるものではなく、従来より、発泡ゴムの形成用に用いられているものが、何れも採用され得るのである。また、それらの配合割合にあっても、目的とする発泡ゴムスポンジローラに必要とされる特性等に応じて、適宜に調整され得ることとなる。特に、添加剤として、導電剤を添加せしめることも可能であり、これにて、発泡ゴムスポンジローラに導電性を付与することも可能である。
【0039】
そして、かくの如き、発泡剤や加硫剤等が配合された発泡ゴム原料50を、従来と同様にして、ホッパ(図示せず)から、押出機12のシリンダ16内に供給せしめて、スコーチ等が惹起されない温度(一般に、40〜100℃)に加熱すると共に、流動化せしめ、また、スクリュ18を軸心回りに回転させることによって、発泡ゴム原料50を、一定の押出速度で、長尺ダイス14内に連続して押し出すのである。このとき、押出速度は、所望とする製造タクトに応じて適宜に決定されることとなる。
【0040】
また、長尺ダイス14内に押し出された発泡ゴム原料50は、ヘッド部20の流通路を通過して、長尺ダイス部22の加熱部34に導入されるのである。このとき、発泡ゴム原料50は、ヘッド部20を出て、長尺ダイス部22の入口で絞られるようになっている。
【0041】
さらに、長尺ダイス部22の加熱部34に導入された発泡ゴム原料50は、加熱部材32によって、その加硫温度以上で且つ発泡温度以上の温度に加熱され、かかる加熱部34内において、発泡ゴム原料50の発泡と加硫が開始される。これにより、元々、押出圧力が作用せしめられていた発泡ゴム原料50に対して、更に、発泡により生じる発泡圧力が作用せしめられると共に、加硫によって発泡ゴム原料50の粘性が高められて、押出性(流れ性)乃至滑り性が一挙に低下するところから、長尺ダイス14内の圧力が急激に高められることとなる。これらにより、発泡ゴム原料の全体としての押出圧力が、50〜900kgf/cm2 (49×105 〜882×105 Pa)程度となるのである。
【0042】
また、発泡及び加硫が始まった発泡ゴム原料50は、加熱によって、発泡・加硫とが行なわれつつ、加熱部34内を、開口端40側に向かって移動し、ニップル30の先端部に到達するまでには、発泡・加硫済みのチューブ状ゴム発泡体52となる。
【0043】
次いで、加熱部34内で形成されたチューブ状ゴム発泡体52は、長尺ダイス部22の冷却部38に導かれて、適度に冷却される一方、テーパ部42の内周面に沿って、徐々に膨張することにより、チューブ状ゴム発泡体52に作用する圧力が徐々に開放され、最終的には、開口端40から押し出されるのである。
【0044】
かくの如くして、発泡押出成形装置10を用いた押出成形工程〔工程(1)〕によって形成されたチューブ状ゴム発泡体52は、以下の如き工程を経て、発泡ゴムスポンジローラのスポンジ層を構成することとなる。
【0045】
すなわち、発泡押出成形装置10にて押し出されたチューブ状ゴム発泡体52(スポンジ層44)は、所定の長さに切断された後、その内孔内に、軸体46が圧入される〔工程(2)〕。このとき、軸体46としては、丸棒状やパイプ状の金属製部材に、予め、加熱架橋タイプやホットメルトタイプ、溶剤乾燥タイプ等の接着剤が塗布されたもの等が、有利に採用されることとなるが、最終製品であるローラ48の使用用途によっては、接着剤が何等塗布されていないものであっても差支えない。
【0046】
そして、軸体46が圧入されたゴム発泡体52を、必要に応じて、オーブン内で加熱することにより、2次加硫及びスポンジ層44と軸体46との接着を行なう〔工程(3)〕。この2次加硫により、パンパンに膨張した状態で押し出されたゴム発泡体52の内部に存在する不要なガスが、外部に透過、放出せしめられて、スポンジ層44が収縮せしめられると共に、セル形状や、スポンジ層44の硬度、寸法等も安定化せしめられるといった効果が享受される。尤も、加熱を行なわなくとも、1〜2日放置すれば、ゴム発泡体52内の余分なガスが自然に抜けることとなるのであるが、生産性の観点から、2次加硫を行なうことが望ましく、その条件としては、一般に、100〜230℃の加熱温度と、30〜180分の加熱時間が採用される。
【0047】
次いで、スポンジ層44の外表面を研磨して、所定の外径寸法となるように調整する〔工程(4)〕。このとき、研磨方法としては、特に限定されるものではないものの、回転砥石によるトラバース研磨等が採用され得る。また、スポンジ層44の外径寸法は、一般に、10〜50mm程度とされる。
【0048】
また、スポンジ層44の両端部を、所定の長さ寸法となるように、端部仕上げを行なう〔工程(5)〕ことにより、図3に示される如き、目的とする発泡ゴムスポンジローラ48が得られることとなる。
【0049】
このようにして発泡ゴムスポンジローラ48を製造すれば、発泡押出成形装置にて発泡・加硫が共に行なわれるところから、従来手法のように、加硫缶を用いて、発泡・加硫操作を施す必要がなく、連続的な製造が可能となる。また、発泡押出成形装置10にて、チューブ状のゴム発泡体が製作されるところから、従来の加硫缶による発泡・加硫工程と共に、芯金穴あけ工程も不要となって、製造工程数の削減が有利に実現され、製造時間の短縮化や製造コストの低減等の利点が享受され得るのである。
【0050】
また、得られる発泡ゴムスポンジローラ48のスポンジ層44は、従来に比して遥かに大きな圧力が作用せしめられた状態で、発泡及び加硫が行なわれ得るところから、従来に比してより一層微細なセル径及び極薄なセル壁、具体的には、150μm以下のセル径と、20μm以下の厚さのセル壁が実現され得るのである。加えて、発泡押出成形装置10において、長尺ダイス部22内の加熱部で成形されたゴム発泡体52をそのまま押し出すのではなく、長尺ダイス部22内の冷却部38で冷却せしめると共に、該チューブ状ゴム発泡体52に作用する圧力を徐々に開放するように、膨張させて、押し出すようにしているところから、発泡ゴム内部に存在する発生ガスの熱膨張が極めて効果的に防止乃至は抑制され、割れやヒビ等の発生が有利に防止されているのである。
【0051】
而して、上述せる如くして製造された発泡ゴムスポンジローラ48は、電子写真方式を利用した複写機やプリンター等において、帯電ローラや、トナー供給ローラ、転写ローラ等として、好適に用いられることとなる。
【0052】
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
【0053】
例えば、上記の実施形態では、長尺ダイス部22において、加熱部34と冷却部38とが押出方向に連続して設けられていたが、それらは、所定の距離を隔てて設けられていても、何等差支えないのである。
【0054】
また、上例では、長尺ダイス22において、冷却部38とテーパ部42とが、同じ位置に配置せしめられていたが、換言すれば冷却部38の内周面がテーパ面とされていたが、これらは、加熱部34よりも開口端40側に設けられておれば、別々の位置に配置されるようにすることも可能である。
【0055】
さらに、本発明に従って製造される発泡ゴムスポンジローラは、軸体46の外周面上に発泡ゴムからなるスポンジ層44が少なくとも形成されておれば、その構造は、例示の単層構造のものに限定されるものではなく、例えば、スポンジ層44の外周面上に、更に、保護層等のその他の各種の層が、1層或いはそれ以上の層において、形成されてなる積層構造も、採用され得るのである。
【0056】
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0057】
【実施例】
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
【0058】
先ず、下記表1の配合組成に従って、配合例1〜3の3種の発泡ゴム原料を調製した。但し、下記表1中、ゴム材料としては、EPDM(エスプレン505)又はNBR(ニポールDN3335)を用い、カーボンブラックとしては、ケッチェンブラックEC(三菱化学株式会社製)、酸化亜鉛としては、酸化亜鉛2種(堺化学工業株式会社製)、ステアリン酸としては、ルナックS30(花王株式会社製)、プロセスオイルとしては、ダイアナプロセスオイルPW380(出光興産株式会社製)を用いた。また、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)又は4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド(OBSH)を、加硫剤としては、硫黄を、加硫促進剤としては、ジベンゾチアゾールジスルフィドとテトラメチルチウラムモノスルフィドを、それぞれ、採用した。
【0059】
【表1】
Figure 0003900082
【0060】
また一方、発泡押出成形装置としては、図1に示される如き構造のものを準備した。但し、押出機(12)としては、シリンダ(16)の内径が40mmの押出機(株式会社三葉製作所製)を用い、長尺ダイス(14)のヘッド部(20)は、クロスタイプとした。また、長尺ダイス部(22)の芯型としては、小径部(先端部)が、外径:3mm、長さ:500mmのニップルを用いる一方、パイプ状筒体(28)としては、外径:30mm、内径:18mm、長さ:1mのパイプ(加熱部34)と、外径:40mm、内径が18mmから30mmに大径化するテーパ面を有する、長さ:0.3mのパイプ(冷却部38)とが、一体的に繋ぎ合わされたものを用いた。また、パイプ状筒体は、その内周面に、フッ素樹脂コーティング処理が施されていた。
【0061】
〔工程(1)〕
そして、配合例1〜3の発泡ゴム原料を、それぞれ、発泡押出成形装置(10)に導入して、8mm/秒の押出速度で押し出し、チューブ状のゴム発泡体(52)を得た。この際、スクリュ、シリンダ及びヘッド部は、スコーチが惹起されないように、90℃に温度調整する一方、加熱部及び冷却部は、それぞれ、200℃及び15℃となるように、それぞれ、温度調整を行なった。また、発泡押出成形時の押出圧力を、押出機(12)の出口付近のヘッド部内で測定したところ、何れの発泡ゴム原料にあっても、250kgf/cm2 (245×105 Pa)程度であった。
【0062】
〔工程(2)〕
次いで、発泡押出成形装置(10)から押し出されたチューブ状ゴム発泡体(52)を、230mm長さでカットし、その内孔内に、外径6mm、長さ250mm芯金を、圧入した。なお、かかる芯金の外表面(接着面)には、予め、熱架橋型接着剤(ケムロック205;ロード・ファー・イースト社製)を下塗りして、熱風乾燥せしめ、更に、別の熱架橋型接着剤(ケムロック238;ロード・ファー・イースト社製)を上塗りして、熱風乾燥せしめた。
【0063】
〔工程(3)〕
そして、芯金の圧入せしめられたゴム発泡体を、200℃のオーブン内に、1時間投入することにより、2次加硫及び芯金とゴム発泡体(スポンジ層)との接着を行なった。
【0064】
〔工程(4)〕
その後、発泡ゴムスポンジローラの表面を、回転砥石にて研磨して、外径を20mmに調整した。
【0065】
〔工程(5)〕
また、発泡ゴムスポンジローラにおけるスポンジ層の両端面をカット仕上げし、発泡ゴムの実着長さを230mmとして、目的とする発泡ゴムスポンジローラを得た。
【0066】
−評価−
上記で得られた発泡ゴムスポンジローラについて、スポンジ層の平均セル径、平均セル壁厚み、アスカーC硬度及び電気抵抗を、それぞれ測定し、得られた結果を下記表2に示した。なお、平均セル径及び平均セル壁厚みは、CCDカメラを用いて測定した。また、アスカーC硬度は、JIS−K−6382に準拠して測定する一方、電気抵抗は、ヒオキ製絶縁抵抗計を用いて測定した。
【0067】
また、上記で得られた、配合例1に係る発泡ゴムスポンジローラのスポンジ層を、100倍の倍率で撮像し、得られたSEM写真を図5に示した。更に、比較のために、同じ発泡ゴム原料を用いて、従来と同様に、加硫缶内で発泡・加硫して発泡ゴムスポンジローラを作製した後、そのスポンジ層を、同様にして撮像し、得られたSEM写真を、図6に示した。
【0068】
【表2】
Figure 0003900082
【0069】
かかる表2や、図5,6の結果からも明らかなように、本発明に従って、発泡ゴムスポンジローラを製造すれば、割れやヒビ等のゴム破断を惹起することなく、従来に比して微細なセルを有する発泡ゴムスポンジローラ、具体的には、100μm以下の平均セル径で、且つ13μm以下のセル壁厚みを有する発泡ゴムスポンジローラを、有利に得ることが出来る。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従って発泡ゴムスポンジローラを製造すれば、目的とする発泡ゴムスポンジローラを連続的に製造することが出来、しかも、上述せる如き従来の加硫缶による発泡・加硫工程や芯金穴あけ工程が不要となって、製造工程数の削減が図られ、ひいては、製造時間の短縮化や製造コストの低減等が有利に実現され得るのである。
【0071】
また、発泡・加硫時に、発泡ゴム原料に対して、押出圧力と発泡により生じる発泡圧力が作用せしめられるようになっているところから、加硫缶内で圧力を作用せしめる場合に比して、大きな圧力作用せしめることが可能となり、以て、従来に比してより一層微細なセル径及び極薄なセル壁を有する発泡ゴムスポンジローラが得られるのである。
【0072】
加えて、チューブ状ゴム発泡体を、長尺ダイス内で冷却せしめると共に、該チューブ状ゴム発泡体に作用する圧力を徐々に開放するように、膨張させて、押し出すようにしているところから、割れやヒビ等のゴム破断が有利に防止されているのである。
【0073】
また、本発明に従う発泡押出成形装置を用いれば、上述せる如き発泡ゴムスポンジローラのスポンジ層を、極めて有利に製造することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う発泡押出成形装置の一例を示す断面説明図である。
【図2】本発明に従って、発泡ゴムスポンジローラを製造する工程を示す説明図であって、発泡押出成形装置から押し出されたチューブ状ゴム発泡体を示す説明図である。
【図3】本発明に従って製造される発泡ゴムスポンジローラの一例を示す説明図である。
【図4】図1に示される発泡押出成形装置を用いて、発泡ゴムスポンジローラを製造する工程を示す説明図であって、チューブ状ゴム発泡体(スポンジ層)が形成される状態を示している。
【図5】本発明に従って製造された発泡ゴムスポンジローラのスポンジ層を、100倍の倍率で撮像して得られたSEM写真である。
【図6】加硫缶を用いた従来法にて製造された発泡ゴムスポンジローラのスポンジ層を、100倍の倍率で撮像して得られたSEM写真である。
【符号の説明】
10 発泡押出成形装置 12 押出機
14 長尺ダイス 16 シリンダ
18 スクリュ 20 ヘッド部
22 長尺ダイス部 24 本体部
26 芯型ホルダ 28 筒体
30 ニップル 32 加熱部材
34 加熱部 36 冷却部材
38 冷却部 40 開口端
42 テーパ部 44 スポンジ層
46 軸体(芯金) 48 発泡ゴムスポンジローラ
50 発泡ゴム原料 52 チューブ状ゴム発泡体

Claims (6)

  1. 発泡ゴムからなるスポンジ層が軸体の周りに所定の厚さで形成されてなる発泡ゴムスポンジローラを製造するに際して、
    前記スポンジ層を与える発泡ゴム原料を押出機より押し出して、長尺ダイスの加熱部に導き、該加熱部において該発泡ゴム原料をその加硫温度以上且つ発泡温度以上の150〜300℃の温度に加熱することにより、かかる発泡ゴム原料に対して押出圧力と発泡により生じる発泡圧力とを作用せしめつつ、該発泡ゴム原料の加硫と発泡とを共に行ない、チューブ状のゴム発泡体を形成せしめた後、前記長尺ダイスの冷却部に導き、該チューブ状ゴム発泡体を30℃以下に冷却せしめる一方、該チューブ状ゴム発泡体に作用する圧力を徐々に開放して、膨張させることにより、前記スポンジ層を形成する工程を含むことを特徴とする発泡ゴムスポンジローラの製造方法。
  2. 前記スポンジ層が、150μm以下のセル径と、20μm以下の厚さのセル壁を有している請求項1に記載の発泡ゴムスポンジローラの製造方法。
  3. 発泡ゴムからなるスポンジ層が軸体の周りに所定の厚さで形成されてなる発泡ゴムスポンジローラを製造するために用いられる発泡押出成形装置であって、
    前記スポンジ層を与える発泡ゴム原料を加熱、流動化せしめて、押し出す押出機と、該押出機に接続されて、該押出機から押し出された発泡ゴム原料をチューブ状に成形する、筒体内に芯型を同心的に配置してなる構造の長尺なダイスとを有し、且つ該長尺ダイスが、その筒体内に導入される発泡ゴム原料を150〜300℃の温度に加熱して、その発泡・加硫を行なうのに充分な長さを有する加熱部と、該加熱部にて発泡・加硫が行なわれたゴム発泡体を30℃以下に冷却するための冷却部とを含んで構成されていると共に、該長尺ダイスの開口側に位置する前記筒体の内周面が、開口端に向かって徐々に大径化するテーパ部とされていることを特徴とする発泡押出成形装置。
  4. 前記冷却部が、前記長尺ダイスの開口側に位置せしめられ、その内周面が、前記テーパ部とされている請求項3に記載の発泡押出成形装置。
  5. 前記芯型が、前記加熱部において、前記発泡ゴム原料を発泡・加硫するに充分な長さにおいて設けられている請求項3又は請求項4に記載の発泡押出成形装置。
  6. 前記長尺ダイスの筒体内の内周面及び前記芯型の外周面が、フッ素樹脂コーティングされている請求項3乃至請求項5の何れかに記載の発泡押出成形装置。
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