JP2012523894A - 血管インプラント及びその配設システム - Google Patents

Abstract

生来の心臓弁と交換するための血管インプラントは、弁尖を有する弁本体を支持する自己拡張型ステントを備えている。ステントは、インプラントが弁輪を通過することを防ぐために構成されたアンカー構造を備えていることが好ましい。配設のために、インプラントは配設装置内で圧縮され、その一端に固定されている。配設の間、インプラントは配設装置から部分的に解放され、インプラントの位置決めは完全に解放される前に確認される。インプラントは、所望されるならば、少なくとも部分的に再収容及び再位置決めされ得る。

Description

（関連出願のクロスリファレンス）
本出願は、２００９年４月１５日に出願された米国仮出願第６１／１６９３６７号に基づく優先権を主張する。その先の出願の全てを参照として本明細書に援用する。さらに具体的に、段落［０００６］〜［０００８］及び［０００３４］〜［０００４６］並びに図１〜図１３は、ステントフレーム構造に関連して、参照として本明細書に援用し、段落［０００９］〜［０００１０］及び［０００４７］〜［０００５２］並びに図１４〜図１９は、配設システムに関連して、参照として本明細書に援用する。

（技術分野）
本発明は、代替心臓弁及び代替心臓弁を配設するためのシステムに関する。

大動脈弁、肺動脈弁、僧帽弁及び三尖弁を含むヒトの心臓弁は、心臓のポンピングと同調して働く一方向弁として本質的に機能する。その弁は、血液が下流方向に流れることを許容するが、血液が上流方向に流れることを防ぐ。病気の心臓弁は、弁の狭窄化又は逆流等の欠陥を示す。このような欠陥は、心臓による血液のポンピング効率が減少し、衰弱状態及び命にかかわる状態になり得る。例えば、弁の機能不全は、心肥大及び心室の拡大等の状態を引き起こし得る。従って、欠陥のある心臓弁を治療又は交換するための方法及び装置を開発するために努力されている。

人工器官は、欠陥のある心臓弁に関する問題を解決するためにある。例えば、機械式の人工心臓弁及び組織利用人工心臓弁は、欠陥がある生来の心臓弁を交換するために用いられ得る。近年、特に組織利用代替心臓弁等の代替心臓弁の開発が行われており、それは、患者に対して心臓切開手術よりも小さな外傷を与える。代替弁は、最小の侵襲的方法及び経皮的処置により配設されるように設計されている。そのような代替弁は、生来の弁輪に配設される膨張可能ステントに接続される組織利用弁の本体を含む。

配設のために圧縮され、また、制御された配置のために制御可能に膨張される代替心臓弁及びそれに関連する配設システムの開発は、特に難しいことが分かっている。特に、弁が正確に位置付けられていないと判断された場合に、部分的な配設の後に弁の再位置付けが可能なシステム等の正確な位置決め及び信頼できる配置を促す配設システムも、開発が困難であることが分かっている。

従って、改良された代替心臓弁、及び心臓弁を信頼でき且つ管理された方法により配設するための改良されたシステムのための技術が必要である。

一実施形態によると、本発明は、自己拡張型血管インプラントを配設するための装置を搭載する方法を提供する。その方法は、弛緩して拡張した血管インプラントを、徐々に小さくなる径を有する細長い構造に通して、圧縮された径を有する搭載管部に引き込むことと、インプラントのロック端部と支持管に設けられたロック機構とを係合することと、外鞘と支持管との間にロック端部を捕捉するために、外鞘を、係合されたロック端部及び支持管の外側を通って前進させることと、インプラントを搭載管部内から外鞘内に移すために、外鞘を、圧縮されたインプラントの外側を通って前進させることとを備えている。

そのような一実施形態において、インプラントを搭載管部内から外鞘内に移すことは、インプラントをさらに圧縮することを含む。

他の実施形態によると、本発明は、血管インプラント配設装置を提供する。その装置は、遠位端を有し、ロック機構が前記遠位端又はその近傍に設けられる細長い形状の支持管を備えている。細長い形状の鞘は、支持管の外側を摺動するように設けられている。自己拡張型血管インプラントはロック部材を有する。支持管のロック機構は、該ロック機構とロック部材が係合する際に、インプラントの軸方向の動作を防ぐために、前記インプラントのロック部材と係合するように構成されている。鞘は、インプラントのロック部材が支持管のロック機構から解除されるのに十分な支持管のロック機構に対する径方向の動作を防ぐための大きさの内腔を有する。

そのような一実施形態において、自己拡張型インプラントは、鞘が支持管のロック機構を通って遠位に延びる間は、支持管との接続を維持し、装置は、鞘が支持管のロック機構を通って近位に移動される際に、インプラントのロック部材が支持管との係合を外すように径方向に移動するように構成されている。

さらに他の実施形態によると、本発明は、自己拡張型血管インプラントを配設する方法を提供する。その方法は、患者の血管系内の所望の配設位置にインプラントを進行させることを含み、インプラントは鞘内で圧縮された形状に維持されながら進行され、インプラントの第１端は鞘と支持管のロック機構との間に捕捉される。その方法は、さらに、インプラントの第１端の捕捉が維持されている間に、自己拡張型インプラントの第２端を径方向に完全に拡張されたサイズにまで拡張することが十分に可能となるように鞘を近位に引き抜くことを含む。インプラントの第２端は、インプラントの第１端の捕捉が維持されている間に、所望の位置及び方向に位置付けられる。その方法は、さらに、インプラントの第１端を十分に開放するように鞘を近位に引き抜くことを含む。

このような実施形態において、インプラントの第２端が所望の位置に設けられていないことが分かった場合、その方法は、鞘内にインプラントを少なくとも部分的に再捕捉するように鞘を遠位に移動させることと、配設装置を再配置することと、インプラントの第２端を径方向に拡張することが十分に可能となるように鞘を近位に再び引き抜くこととをさらに備える。

発明の他の実施形態及び特徴は以下に開示する。

図１は本発明の一実施形態に係る特徴を有する心臓弁インプラントを示す斜視図である。 図２Ａは径方向圧縮形状の図１のインプラントのステントフレームを示す平面図である。 図２Ｂは径方向拡張形状の図２Ａのステントフレームを示す平面図である。 図３はヒトの心臓の生来の僧帽弁輪に配設された図１及び図２のインプラントを模式的に示す図である。 図４は本発明の他の実施形態に係るステントフレームを示す平面図である。 図５は図４のステントフレームの平坦な切断様式を示す図である。 図６は本発明の更なる他の実施形態に係るステントフレームの平面図である。 図７は本発明の更なる他の実施形態に係るステントフレームの平面図である。 図８は本発明の更なる他の実施形態に係るステントフレームの平面図である。 図９Ａは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカー部の例示的実施形態を示す図である。 図９Ｂは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカー部の例示的実施形態を示す図である。 図９Ｃは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカー部の例示的実施形態を示す図である。 図９Ｄは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカー部の例示的実施形態を示す図である。 図９Ｅは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカー部の例示的実施形態を示す図である。 図１０Ａは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカーチップ部の例示的実施形態を示す図である。 図１０Ｂは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカーチップ部の例示的実施形態を示す図である。 図１０Ｃは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカーチップ部の例示的実施形態を示す図である。 図１０Ｄは本明細書に記載されたステントフレームの実施形態に用いられるアンカーチップ部の例示的実施形態を示す図である。 図１１Ａは本発明の一実施形態に係る弁インプラントを配設するための配設装置の一実施形態を示す図である。 図１１Ｂは図１１Ａの配設装置の遠位部を示す図である。 図１２Ａは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１２Ｂは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１２Ｃは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１２Ｄは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１２Ｅは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１２Ｆは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１２Ｇは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１２Ｈは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１２Ｉは本発明の好ましい実施形態に係る配設動作の一段階における配設装置の遠位端を示す図である。 図１３Ａはヒトの心臓と接続する配設動作の選択された段階における図１２Ａ〜図１２Ｉの配設装置を示す図である。 図１３Ｂはヒトの心臓と接続する配設動作の選択された段階における図１２Ａ〜図１２Ｉの配設装置を示す図である。 図１３Ｃはヒトの心臓と接続する配設動作の選択された段階における図１２Ａ〜図１２Ｉの配設装置を示す図である。 図１４Ａは配設装置の一実施形態を示す図である。 図１４Ｂは配設装置にインプラントを搭載するための構造の一実施形態を示す図である。 図１４Ｃは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｄは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｅは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｆは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｇは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｈは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｉは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｊは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｋは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１４Ｌは配設装置にインプラントを搭載するための搭載動作の一実施形態の一段階を示す図である。 図１５Ａは搭載装置の他の実施形態、及び配設装置にインプラントを搭載する動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１５Ｂは配設装置にインプラントを搭載する動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１５Ｃは配設装置にインプラントを搭載する動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１５Ｄは配設装置にインプラントを搭載する動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１５Ｅは配設装置にインプラントを搭載する動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１５Ｆは配設装置にインプラントを搭載する動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１５Ｇは配設装置にインプラントを搭載する動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１５Ｈは配設装置にインプラントを搭載する動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１６Ａは複数の部品を有する搭載装置の組立状態の一実施形態を示す図である。 図１６Ｂは複数の部品を有する搭載装置の分解状態の一実施形態を示す図である。 図１７Ａは配設装置の他の実施形態、配設装置にインプラントを搭載するための構造の一実施形態、及び搭載動作の各一段階を示す図である。 図１７Ｂは搭載動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１７Ｃは搭載動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１７Ｄは搭載動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１７Ｅは搭載動作の他の実施形態の一段階を示す図である。 図１７Ｆは搭載動作の他の実施形態の一段階を示す図である。

本明細書及び図面は、代替心臓弁、及び代替心臓弁を配設するための配設システムの実施形態に関する発明の態様及び特徴を開示する。例示を目的として、本明細書に開示された実施形態は患者の僧帽弁を交換することに関して述べている。しかしながら、特定の弁の構成又は弁の特定の特徴に限定されず、本明細書で述べられた実施形態の特徴は他の血管弁と交換するための人工装具及び配設システムに用いられ、実施形態の特徴は適宜所望の他の実施形態の特徴と組み合わせることができると解釈される。

図１及び図２を参照して、代替心臓弁２８の一実施形態は、ステントフレーム４０に取り付けられた弁本体３０を備えている。この実施形態において、心臓弁本体３０は、ウシ、ウマ及び／又はブタ等の組織を利用する媒体からなる。また、血管組織、並びに薄く、柔軟で且つ丈夫な他の天然材料及び人工材料も、心臓弁本体に用いられる。

図２Ａ及び図２Ｂに示すステントフレーム４０の実施形態は、弁本体３０を支持し、図２Ａに示すような圧縮状態から図２Ｂに示すような拡張状態に拡張され得る。図示されたステント４０は、柔軟な材料からなる自己拡張型ステントであることが好ましく、ニチノール等の形状記憶材料からなることが好ましい。自己拡張型の場合、ステント４０は、弛緩時に図２Ｂに示すような完全な開放状態となる。図示されたステント４０は、第１端４２から第２端４４まで細長く、長手方向の軸４６及び略円形断面を有する管状である。他の実施形態のステントは、Ｄ形、楕円形又は他の卵形の断面形状等の非円形断面を有してもよいと解釈される。

図示されたステントフレーム４０は、非短縮部５０及び短縮部６０を有する。それらは、第１端４２と第２端４４との間の遷移部６２において接続されている。短縮とは、配設状態において、ステントの径が圧縮状態から拡張状態に増大する際に、短縮部６０におけるステント４０の長さが減少する動作をいう。図２Ａでは、圧縮状態のステントフレーム４０を示し、その状態のステントフレーム４０の短縮部６０は、図２Ｂに示すようなステントが拡張状態の場合よりも長い。

図２Ｂに示すように、ステント４０の非短縮部５０は、ジグザグ状に設けられた円周方向に拡張可能な要素の複数の列若しくは環６４ａ、６４ｂ、６４ｃ、又は支柱６５を備えている。支柱６５は、ステント４０の径の変化に伴って、拡張及び短縮するように構成されている。図示された実施形態において、ステントは環６４ａ、６４ｂ、６４ｃを３つ有する。このステントフレームの目的を達成するために、より多い又は少ない環を用いられ得ると解釈される。

図示された実施形態において、それぞれ円周方向に起伏した支柱６５の各端部は頂点６６、６８において隣接する支柱６５と接続し、少なくともいくつかの実施形態において、頂点６６、６８は優先的な屈曲の領域である。図示された実施形態において、環６４ａ、６４ｂ、６４ｃのジグザグ形状は、互いに位相がほぼ一致している。他の実施形態において、環の全て又はほとんどは、位相が互いに一致している、又は所望通りに位相が不一致であってもよいと解釈される。

続いて、図２Ｂに示すように、長手方向支柱７０は、非短縮部５０の環６４ａ、６４ｂ、６４ｃを横切ってフレーム４０の第１端４２から遷移部６２まで延びている。さらに具体的に、各環６４は共通の長手方向支柱７０を分ける。長手方向支柱７０は、隣接する環６４の頂点を通って延びている。好ましくは、長手方向支柱７０は、非拡張型のロッド又はバーを備えている。長手方向支柱７０に接続される頂点６６を「接続」頂点６６という。長手方向と接続していない頂点６８を「自由」頂点６８という。

上記の通り、長手方向支柱７０は、長手方向に実質的に拡張しない。起伏した支柱６５は、ステント４０が圧縮状態と拡張状態との間で径の大きさを変化するように径方向の拡張又は圧縮をする柔軟性を提供するが、非短縮部５０におけるステントの長手方向の長さは実質的に変化しないように維持される。他の実施形態において、長手方向支柱は、支柱が長手方向にいくらか拡張することを許容する拡張可能要素を含んでもよい。しかしながら、そのような長手方向の拡張は、支柱の径の変化に直接に結びつかない。

図示された実施形態において、第１の環６４ａはステントの第１端４２に近接して設けられ、第２の環６４ｂは第１の環６４ａに近接して設けられる。一連の第１の小穴７２は、第２の環６４ｂの頂点と接続して形成されている。一連の第２の小穴７４は、各長手方向支柱７０の第２端に形成されており、図示された実施形態において、遷移部にも形成されている。第３の環６４ｃにおいて、自由頂点６８は、それぞれそれらから延びる突起部８０を備え、突起部は頂点アンカー８０ともいう。好ましくは、頂点アンカー８０はチップ８２が末端である。第３の環６４ｃにおける支柱６５は、図１及び図２に示すように、ステントフレーム４０が拡張状態にある際に、径方向の外側に広がるように予め形成される。

続いて、図２Ａ及び図２Ｂを参照して、図示されたステントフレーム４０の短縮部６０は、コネクタ８８により互いに接続された略ダイアモンド状セル８６の環８４を備えている。各セル８６の第１端は、第２の小穴７４において非短縮部５０に接続されている。短縮するセル８６は、ステントフレーム４０が径方向に圧縮される場合、ステントの短縮部６０が長手方向により長くなり、同様に、ステントフレーム４０が径方向に拡張される際に、短縮部６０が短くなるような形状となる。

短縮部６０における各セル８６の第２端は、ステント４０の第２端を画定し、また、外向きに略放射状にステントの第１端４２に向かって延びる端部アンカー９０の基部を画定する。アンカー小穴９２は、各端部アンカー９０に形成され、好ましくは、各アンカー９０の基部とチップ９４との間に形成される。

第１の間隙は、ステント４０が圧縮状態にある際に、対向する頂点のチップ８２、９４及び端部アンカー８０、９０の間に画定され、第２の間隙は、ステント４０が拡張状態にある際に、対向するアンカー８０、９０のチップ８２、９４の間に画定される。図示するように、第２の間隙は、第１の間隙よりも実質的に小さい。短縮部６０の長手方向の短縮に起因して、アンカー８０、９０は、所定の位置にステントを保持するために、組織の上に保持するように協力する。

好ましい実施形態において、ステント４０は、心臓弁輪の中に設けられ、対向するアンカー８０、９０のチップ８２、９４のそれぞれが生来の弁輪の反対側に設けられるように、圧縮時に位置付けられてもよい。ステントが拡張されているとき、対向するアンカーは、生来の弁輪の反対側を保持し、適所にステントをしっかりと保持するために、互いにより近くに引き合う。ステントは、生来の弁輪に対して実質的に径方向の力を必要とせずに、適所にしっかりと保持され得る。

米国公開番号２００９／０２１６３１４号として２００９年８月２７日に公開された出願人の同時係属出願である米国特許出願番号１２／０８４５８６号は、アンカーを有し、短縮するステントの実施形態について述べ、図示されたステントの実施形態の特定の態様の更なる議論のために参考され得る。短縮するステント、特にアンカーを有し且つ短縮するステントの実施形態の構造及び動作に関するこの同時係属出願における議論は、参照することにより本明細書に明確に組み込まれる。

米国公開番号２０１０／００８２０９４号として２０１０年４月１日に公開された出願人の同時係属出願である米国特許出願番号１２／５６９８５６号は、ステント及びそれに関連する弁本体のいくつかの付加的な実施形態について述べ、付加的な特徴及びその実施形態のさらなる説明及び議論のために参照され得る。この同時係属出願の全体も、参照することにより本明細書に明確に組み込まれる。

再び、図１を参照して、この実施形態における弁本体３０はステント４０の内側に設けられる。さらに具体的に、弁本体３０の裾部９６は、ステントの第１の小穴７２に縫い付けられている。弁本体３０の縫いつけられた上流端は、ステント４０の非短縮部５０における第１の小穴７２に係合する。弁尖は裾部に付着し、弁動作の際に開閉するように構成されている。

柔軟で且つ長手方向に拡張可能な布地である細長い管状部１０２は、図示された実施形態における裾部９６の下流端１０４に付着されている。さらに具体的に、布地１０２の第１端は、下流の縫い目により裾部の周辺の裾部の下流端１０４に縫い付けられ、それは、ステントフレーム４０の第２の小穴７４に接続されている。好ましくは、布地１０２はコネクタステッチ１０６により、数か所で短縮するセル８６に縫い付けられる。

図示された実施形態において、布地１０２は、ステントフレーム４０の第２端に沿って湾曲して、端部アンカー９０の湾曲の方に向かう。布地部１０２の第２端は、アンカー小穴９２に縫い付けられている。好ましくは、柔軟な布地１０２は、ステント４０が圧縮状態と、展開して緩和した拡張状態との間の動作をする際に、短縮部６０と共に動作できるように十分に拡張可能である。図示された実施形態において、組織弁本体３０は、ステントの非短縮部５０に制限され、柔軟な布地１０２はステントの短縮部６０に広がる。従って、組織弁本体３０は、ステント４０に伴って長手方向の拡張及び収縮を受けない。

次に、図３を参照して、この図は図１及び図２に関する上述の心臓弁２８がヒトの心臓１１０に配設されている様子を示している。心臓は断面が示されており、左心房１１２及び左心室１１４を含む代表的な生体構造が示されている。左心室１１４は、筋肉壁１１６により画定されている。左心房１１２及び左心室１１４は、僧帽弁輪１２０を介して互いに連通している。図３には、左心室１１４の筋肉壁１１６に僧帽弁前尖１２２の下流端を接続する腱索１２４を有する生来の僧帽弁前尖１２２が概略的に示されている。左心室流出路１２６は左心室１１４の上端に向かって延びている。

図３に示すように、図１及び図２の弁２８は、前記のステント４０の調整及び配設方法に従って僧帽弁輪１２０が端部アンカー９０と頂点アンカー８０との間に保持されるように配設される。ステント４０の全て又はほとんどは、左心房の中に延びている。僧帽弁輪１２０の上流に配設されたステント４０の一部は、輪の上位にあるという。僧帽弁輪１２０のほぼ内側の部分は、輪の中位という。僧帽弁輪の下流の部分は、輪の下位という。図示された実施形態において、短縮部の一部のみが、輪の中位又は下位にあり、ステント４０の残部は輪の上位にある。

図示された実施形態において、僧帽弁前尖１２２は、代替弁２８の配設の前に除去される。好ましくは、僧帽弁後尖（図示せず）も代替弁の配設の前に除去される。しかしながら、他の実施形態において、これらの生来の弁尖の１つ又は両方は、代替弁の配設の前に除去されてもよい。

次に、図４では、ステントフレーム１４０の他の実施形態を示している。ステントフレーム１４０は、長細く、対向する第１端１４２及び第２端１４４を有する。起伏した支柱を備えた第１の円周方向の環１６４ａは、第１端１４２の近傍に設けられる。起伏した支柱の第２の円周方向の環１６４ｂは、第１の円周方向の環に隣接して設けられている。相互に連結する略ダイアモンド形状の短縮セル１８６を備えた円周方向の短縮環１８４は、第２端１４４の近傍に設けられる。複数の長手方向支柱１７０は、第１端１４２から第２端１４４に向かって延び、対応する短縮セルとの連結部が末端となる。好ましくは、長手方向支柱１７０は、起伏した環１６４を通り、環１６４の頂点に接続する。好ましくは、ロック部材が第１端１４２における各長手方向支柱１７０に形成されている。図示された実施形態において、ロック部材は小穴７２を備えている。

アンカー１９０は、ステントの第２端１４４において、短縮セル１８６から延びている。図示された実施形態において、アンカーは、概して第１端に向かい、径方向の外側に向かって湾曲している。

長手方向支柱が通るステント１４０の細長い部分は、非短縮部１５０である。短縮セルにより構成されたステントの細長い部分は、ステントの非短縮部を備えている。起伏した環１６４と短縮環１８４との間のステントの細長い部分は、遷移部１９４という。

他の実施形態に関する上記の方式において、ステント１４０が径方向に圧縮された際に、縦軸部分の長さは、実質的に一定であるが、短縮部の長さは増大する。同様に、図４に示すように、圧縮状態から拡張状態に径方向に拡張された際に、短縮部の長さは減少し、一方、非短縮部の長さは同一に維持される。

ステントフレーム１４０は、人工心臓弁を提供するために、弁尖を有する柔軟な弁本体を支持するように構成されている。好ましくは、弁本体は、ステントフレームの内側に配設される。本明細書では、複数のステントフレームの実施形態があり、それは、弁インプラントを提供するために、種々の形状及び構造の弁本体を支持することができる。図の簡略化のために、本明細書及びそれに関連する図は、必ずしも弁本体の説明又は図示せずに、ステント又はインプラントについて説明又は図示する。しかしながら、弁インプラントは弁尖を有する弁本体を含むと解釈される。

図示された実施形態において、各長手方向支柱は、ステントの外径が減少する方向に沿ってショルダ部１９２を画定するために、第２の環１６４ｂと短縮環１８４との間の遷移部１９４で径方向の内側に湾曲している。また、図４に示すように、ステントが弛緩状態にある際に、第１端１４２におけるステントの径は、第２端におけるステント１４０の径よりも大きい。図示された実施形態において、アンカー１９０は、アンカーのチップがショルダ部と径方向にほぼ同一の位置又はショルダ部から径方向に外側の位置に配設されるように十分に延びている。

好ましい実施形態において、ステントフレームには、まず断面が円形のニチノール管が用いられる。その管は、支柱及びセル等に応じたパターンに従ってレーザにより切断される。切断された管は、粗い端面を除去するために電気化学的に研磨されることが好ましい。切断及び研磨されたニチノール管は、径方向の外側に延びるようにアンカーを成形する等の所望の態様に従って成形され、ニチノールのステントフレームは、形状の記憶を確立し、所望の弾性を得るために熱処理がなされてもよい。

図５では、図４のステント１４０を形成するために、レーザにより切断されたニチノール管の断面が示されている。図示されているように、環１６４は断面の第１端の近傍に形成され、アンカー１９０は断面の反対側の第２端に形成されている。環１６４は、起伏した支柱のための切り口を含み、短縮環１８４は、平坦な状態においてセル１８６を含む。遷移領域１９４は起伏した環１６４と短縮環１８４との間に示されている。まず、ステントは図５に示すパターンに切断されるが、図４に示す形状に形成するために、さらなる成形及び操作が行われる。例えば、全体としてステントが径方向に延ばされ、アンカー１９０が後方に曲げられ、ショルダ部１９２を形成するために長手方向支柱１７０の遷移部が変形される。その後、ステントは、必要に応じて、図示された所望の形状を弛緩形状とするために熱処理される。

図４に示す実施形態において、アンカー１９０から上流の外側に延びるアンカーの返しは形成されていない。好ましくは、実際に、ステント１４０は、弁輪がアンカー１９０とショルダ部１９２との間に捕捉されるように設けられている。ショルダ部１９２及びアンカー１９０は、生来の弁輪を通って一方に押し進められることを防止するように、適所にステント１４０を保持するために協力する。

次に、図６はステント１４０と同様の構造を有するステント１４０ａの他の実施形態を示す。ここでは、ステント１４０ａの遷移部１９４において、外側のフレアを画定するために、長手方向支柱１７０は径方向の外側に延びるようにその長手方向に沿って湾曲し、続いて径方向の内側に延びるように湾曲する。図示された実施形態において、第２の起伏した環１６４ｂの起伏した支柱６５の少なくとも一部は、フレア１９６の少なくとも一部の湾曲を含む。

図４の実施形態と同様の態様において、遷移部１９４のフレア部１９６は、効果的にショルダ部１９２を形成する。ここで、図６に示すステント１４０ａの実施形態において、ステント１４０ａの第１端１４２側の径は、ステントの第２端１４４側の径と実質的に同一である。好ましくは、上述した態様と同様の態様において、弁の配設の際に、生来の弁輪は、アンカー１９０とショルダ１９２との間の領域に捕捉される。好ましい実施形態において、図５に示すような切断パターンは、ステント１４０ａの形状に形成される。従って、種々のステントの形状は、同一の切断パターンから形成され得る。

次に、図７に示すように、更なる他の実施形態のステント１４０ｂはステント１４０と類似する構造を有する。ここでは、図示するように、上流アンカー１９０ｂは、第２の環１６４の各自由頂点１１８から延びている。好ましくは、上流アンカー１９０ｂは、ショルダ部１９２の湾曲開始部を越えて遠位に延びている。この実施形態において、弁の配設の際に、好ましくは、生来の弁輪は、アンカー１９０、ショルダ１９２及び上流アンカー１９０ｂの間に捕捉され、これらに係合される。

次に、図８は図４のステント１４０に類似する基本構造を有するステント１４０ｃのさらなる他の実施形態を示す。図示された実施形態において、長手方向支柱１７０は、ショルダ部１９２を画定するために、遷移部１９４で湾曲する。ここで、図示された実施形態のように、径方向内側への湾曲の開始点又はその近傍で、長手方向支柱１７０は３つのアーム１９８ａ、１９８ｂ、１９０ｃにそれぞれ分かれる。第１のアーム１９８ａ及び第２のアーム１９８ｂは、湾曲点から短縮環１８４の短縮セル１８６までのショルダ部１９２の長さを好適に延ばすセルを画定するために協力する。第１のアーム１９８ａと第２のアーム１９８ｂとの間の第３のアーム１９０ｃは、下流アンカー１９０に対応するようにそのほぼ反対側に支柱アンカー１９０ｃを画定するために、湾曲部からステント１４０ｃの第２端１４４に向かって且つ径方向の外側に延びている。上述の他の実施形態と同様の態様において、弁の配設の際に、好ましくは、生来の弁輪は、下流アンカー１９０と支柱アンカー１９０ｃとの間の領域に捕捉される。ステント１４０ｃは、対向するアンカー１９０、１９０ｃ及びショルダ部１９２により適所にしっかりと保持される。

上記の実施形態において、ステントフレームは、ステントの上流端がステントの下流端よりも大きい径を有するように記載されており、また、他の実施形態では、上流端及び下流端が実質的に同一の径の大きさを有することが記載されている。また、他の実施形態のステントでは、上流端よりも下流端の方がより大きい径を有していてもよいと解釈される。

上記の実施形態のステントにおいて、ステントは、図５に示す実施形態と同様の管から切断され、アンカーは、アンカー部を後方且つ径方向の外側に湾曲する処理で形成される。複数のアンカーの形状が所望するように用いられてもよいと解釈されるべきである。例えば、図９Ａに示すように、一実施形態のアンカー９０ａは、略Ｕ形状の湾曲を有し、その湾曲の比較的に大きい底部の曲率半径を有する。図９Ｂも、比較的に大きい底部の曲率半径を有するアンカー９０ｂを示すが、アンカー９０ｂは、ステントの第１端に向かって延びて、再び湾曲する前に膨らむ形状を画定するために、１８０°を超えた径で湾曲している。図９Ｃは、比較的に小さい底部の曲率半径の外側の湾曲を有するアンカー９０ｃを示し、アンカー９０ｃは、続いてアンカーチップがステントの長手方向とほぼ並行に、又は長手方向からわずかに外側に向かうように、内側に曲げられている。図９Ｄは、アンカーチップがステントの長手方向とほぼ並行に、又は長手方向からわずかに外側に向かうように内側に湾曲される前に、比較的に大きい曲率半径を有する湾曲が外側になされたアンカー９０ｄを示している。図９Ｅは、１３０°〜１６０°程度の湾曲がなされた比較的に小さい底部の曲率半径を有するアンカー９０ｅを示し、アンカー９０ｅは、そのチップにおいて必ずしも１８０°の湾曲にならなくて構わないが、１８０°に近づくように、極めて長い曲率半径を有するように長手方向に沿ってわずかに湾曲し続ける。

図示された実施形態において、アンカーのチップは、概して尖っている又は平坦であるように示されている。種々のチップの構造は、代替心臓弁と生来の弁輪との係合及び付着に適するように用いられ得る。例えば、図１０Ａは、組織の外傷を制限するために構成された滑らかな形状を有するアンカーチップ９２を示している。図１０Ｂは、膨らんだ球状を有するアンカーチップ９２の実施形態を示している。そのような球体は、レーザによる切断工程の際に、二次元の円状に形成されてもよく、また、例えば球体の溶接工程でアンカーチップに接着された三次元の球体であってもよい。図１０Ｃは、弁輪の組織にある程度侵入するように構成された尖ったアンカーチップ９２ｃを示している。図１０Ｄは、組織の表面領域に対するアンカーの力が分配するように構成された、広がった形状のアンカーチップ９０ｄを示し、アンカーチップ９０ｄは、組織に侵入して係合するように、鋸歯状の端部を備えている。付加的な実施形態において、広がった形状のチップは、滑らかな端部を有していてもよい。さらに、他のチップの構造が、異なる弁及び異なる病態において、係合及び固定が適するように用いられてもよい。さらなる実施形態において、異なるチップ構造が単一のステントフレームに組み合わされてもよい。

代替心臓弁に関する上記の実施形態は、観血的手術、低侵襲手術及び経皮的方法等の種々の方法で患者の心臓弁輪に配設でき、また、カテーテルにより患者の血管系を通って配設することもできる。次に、図１１Ａ及び図１１Ｂは、代替心臓弁に関する配設装置２００を示している。図示された実施形態は、経皮的な配設アプローチで患者の血管系を進行するように構成され、細長く、操作可能な配設カテーテルを備えている。図示された装置２００は、遠位端においてノーズコーン２０４が取り付けられた細長い内筒２０２を備えている。内筒２０２は、装置２００が血管系にガイドワイヤ２０６を進行できるようにガイドワイヤ２０６が摺動可能となる大きさで構成された内腔を有する。支持管２０８は、同心状に内筒２０２を囲み、内筒の外側を摺動可能な大きさを有する。外鞘２１０は、支持管２０８の外側を摺動可能となるように設けられている。図示された実施形態において、好ましくは、前記の実施形態のような態様で、支持管２０８と外鞘２１０は、代替心臓弁の端部に保持されるように協力している。ここで、図の簡略化のために、代替心臓弁は、ステントフレームのみが示されている。配設のために、弁は圧縮され、外鞘２１０内に保持される。

次に、図１２及び図１３は、弁インプラントの配設方法を順次工程に沿って、各工程時の一実施形態に従って構成された配設装置２２０を示している。さらに具体的に、図１２Ａ〜図１２Ｉは、配設方法の各工程の概要を示し、図１３Ａ〜図１３Ｃは、配設の特定の段階における生来の心臓弁輪１２０と比較して配設装置２２０の状態を示している。図１３に示された実施形態において、配設装置２２０は、患者の生来の僧帽弁輪１２０内に心臓弁インプラント２２２を配設する。しかしながら、本明細書で説明されるような特徴及び態様は、患者の心臓又は他の血管系の他の弁に用いる際にも、用いられ得ると解釈される。

図１３Ａを参照して、好ましくは、配設装置２２０は、ノーズコーン２２４を含む遠位端が、病気の生来の弁及び生来の弁輪１２０を通るように、患者の心臓１１０の中に進行される。配設装置２２０は、弁インプラント２２２のアンカー部２２６が、未だ外鞘２３０内で圧縮しているが、概して接近方向と反対の生来の弁輪の側に設けられるように、位置付けられることが好ましい。一度、配設装置２２０が適所に設けられると、図１２Ａに示すように、外鞘２３０は後退し始め、これにより、弁インプラント２２２の遠位又はアンカー端２３２が露出する。図示された実施形態において、返しの形状のアンカー２２６はアンカー端２３２に設けられる。他の実施形態では、他のアンカー構造が用いられてもよいと解釈される。図１２Ｂに示すように、外鞘２３０が後退し続ける際に、図１２Ｂ〜図１２Ｄに順に示すように、ステント２２２のほとんどは露出し、ステントのアンカー端は径方向に拡張し始める。ここでは、特に図１２Ｄに示すように、ステントフレーム２２２の近位端２３４は、配設装置２２０からステント２２２の近位端２３４が外れることを防ぐために、外鞘と支持管とが協力することにより未だ外鞘２３０内にしっかりと保持されている。しかし、ステントの遠位端２３２が実質的に外れると、自由に拡張し、また、図１２Ｄに示すように、ステントの遠位端２３２は、ステントの近位端が外鞘内に保持されながら、十分な拡張状態に拡張できる。

さらに、図１３Ｂに示すように、遠位端２３２が十分に拡張した際に、ステント２２２が近位に引かれ、インプラント２２２、特にアンカー部２２６が生来の弁輪に固定されるために、好ましくは配設装置２２０の全体に、わずかに後方への圧力がかかる。図示された実施形態において、アンカー部２２６は、初めの弁輪の弁下側に対して固定される。インプラントの適当な固定は、触覚フィードバック、外部イメージング及び／又は他の適当な方法により強めることができる。

例えば、不適当な固定、配置又は係合等により、ステントフレーム２２２の位置を変更すべきとデータが指示する場合について、続いて、図１２及び図１３を参照する。インプラント２２２は、少なくとも部分的に再び鞘に入れられ、位置決めされ得る。例えば、特に図１２Ｅ及び図１２Ｆに示すように、インプラントが外鞘２３０から十分に展開されていないと、外鞘２３０は遠位に移動でき、ステントに外鞘の中への力をかけるように、ステントフレームと係合し、ステントフレームを圧縮することができる。そのような圧縮は、誤った位置からインプラント２２２を取り外す。インプラントは、図１２Ｇに示すように、外鞘２３０を近位に再び移動することにより、新たな位置に再位置決め及び再配置され得る。

一度、生来の弁輪の弁下側の所望の位置に設けられたアンカー２２６を用いて、インプラント２２２が正しく固定されたことが確定すると、インプラントは、配設装置２２０から完全に外され得る。好ましくは、図１２Ｈに示すように、そのような完全に取り外されることは、外鞘２３０が近位に引かれ続ける際に起こり、ステントフレーム２２２の近位端２３０が露出し、ステントフレームと支持管と外鞘との間のロック機構が解かれる。ステント全体は、配設装置による圧迫から自由になり、インプラントが生来の弁輪に配置されるために、図１２Ｉ及び図１３Ｃに示すように十分に拡張する。

図１３Ｃに示すように、好ましくは、ステント２２２の短縮部は、弁輪がアンカー部２２６とステントのショルダ部等の反対側のアンカー部との間に保持されるように、生来の弁輪１２０とほぼ一直線上に配置される。当然に、他の実施形態において、他のアンカー部の構成は、ショルダ部を含んでも含まなくてもよく、上流アンカー及び下流アンカーを含んでもよく、また、弁輪の一方又は両方と係合する他の構造を含んでもよい。一度、インプラントが正確に設けられると、好ましくは、ステントはノーズコーンに再係合するために遠位に再移動され、配設装置は患者から取り外される。

図１２及び図１３に関連して説明及び図示された実施形態において、配設装置２２０の遠位部のみが示されている。そのような遠位部には種々の配設装置の構成が用いられてもよいと解釈される。例えば、図１１Ａ及び図１１Ｂに示すような、経皮的な径カテーテルアプローチの配設装置には、図１２及び図１３に示す実施形態と同様の遠位部を用いることができる。また、配設装置が径カテーテルアプローチに用いられた実施形態を行う場合よりも、増大した剛性等が異なる機械的特性を好適に有してよいが、低侵襲又は観血的手術における配設装置は、同様の構造及び同様の動作原理を有してもよい。

図１４Ａ〜図１４Ｌは、配設装置、並びに配設装置に心臓弁インプラント１２８を搭載するための方法及び装置の一実施形態を示す。まず、図１４Ａに示すように、搭載装置は、圧縮装置２４０を備え、図示された実施形態において、圧縮装置は略漏斗形状である。漏斗２４０は長細く、第１端２４２及び第２端２４４を備える。第１端２４２は比較的に大きい径を有し、第２端２４４は比較的に小さい径を有する。遷移部２４６は、第１端から第２端に向かって次第に径が小さくなる。好ましくは、細長い圧縮部２５０は第２端２４４及びその近傍に配置される。好ましくは、圧縮部２５０の内径は、その長手方向に沿ってほぼ一定であり、第２端２４４の径に近づく又は一致する。

キャップ２５２が用いられ、それは漏斗２４０の第１端又は大きい方の端に合う形状である。好ましくは、キャップ２５２の外面は漏斗２４０の内面に対してほぼ完全に嵌るように形成されている。キャップ２５２の第１端２５４は、漏斗の第１端２４２にほぼ嵌り且つ留まるように形成されている。キャップ２５２の第２端２５６は、漏斗内に嵌り、好ましくは、漏斗２４０の圧縮部２５０の近位端に嵌るように形成されている。キャップの第２端は、阻止構造を備えることが好ましい。

図１４Ａには、例えば心臓弁１２８が示されている。図示された実施形態において、心臓弁は、図４に関連する上記のステントフレーム１４０を備えている。図の簡略化のために、ステントフレームのみを示し、弁本体を示していない。しかしながら、実際は、完全に組み立てられた心臓弁インプラントが用いられることが好ましいと解釈される。さらに、具体的に示されたインプラントとは異なる構成を有するインプラント及びステントは、その実施形態に関して説明された特徴及び原理に従う特徴を有する圧縮装置及び配設装置に使用され得ると解釈される。しかしながら、この構造及び方法は、自己拡張型ステントを有するインプラントに対して、特に好ましい。

図１４Ａに示すように、好ましくは、漏斗２４０の第１端２４２は、十分に拡張したステントフレーム１４０を収容するのに十分な大きさの径を有する。さらに好ましくは、ステントフレームは、ロック部材７２が設けられた第１端１４２が漏斗に対向するように位置付けられる。図示された実施形態において、ロック部材は、小穴を備えている。他の実施形態において、他の構造が用いられてもよい。

引張り部材２６０又は「オクトパス」は、複数の細長いアーム２６４と接続する引張り環２６２を備えていることが好ましい。各アームは、ロック部／小穴７２の１つと係合するように形成されたフック２６６又は他の保持部材が末端であることが好ましい。アーム２６４は、小穴７２と同じ数だけあることが好ましい。さらに好ましくは、アームは、ステントフレームに対して適当に力が分配し、確実にステントフレームと係合できるように、実質的に柔軟性を有する。一実施形態において、アーム２６４は縫合材料を備え、縫合材料には、種々の型の糸、半硬質プラスチック又はワイヤ等が用いられる。

図１４Ｂに示すように、Ｏリング２７０は、漏斗２４０の第２端２４４の近傍の圧縮部２５０に設けられることが好ましい。図示された実施形態において、Ｏリング２７０は、内側が付勢され、切断された形状であり、その切断部の近傍に１組のタブ２７２を有する。タブは、漏斗の圧縮部２５０にリングを設けることを助け、Ｏリングの操作を助ける。好ましくは、Ｏリング２７０は、その取付前の径が圧縮部の径よりも実質的に小さくなるように形成されている。

図１４Ｃに示すように、好ましくは、操作中に、オクトパスアーム２６４は、漏斗の第２端の開口を通り、漏斗の第１端からその外まで進行し、各オクトパスフック２６６がステントフレーム１４０の小穴７２の１つと接続するように、インプラントと係合する。その後に、漏斗の第１端を通って、その中にインプラントを引っ張るために、引張り環２６２が引っ張られる。引張り環が遠位に引っ張られ続け、図１４Ｄに示すように漏斗の第２端の外にまで延びたステントフレームのロック部材７２により、漏斗の圧縮部２５０内で実質的に圧縮されるまでステント１４０が漏斗２４０を通るように引っ張られ、その際に、ステントは遷移部２４６における漏斗の内面と係合し、径方向に圧縮されるように力がかかる。

図１４Ｄを参照して、一度、フレームのロック部材が漏斗の第２端から外部に延びて露出するように、インプラントが漏斗の圧縮部２５０の中に引っ張られると、キャップ２５２は、その第２端がステントフレームの第２端１４４の近傍に位置するように、漏斗の第１端を通って挿入されることが好ましい。キャップ２５２の第２端の阻止構造は、ステントフレームの漏斗の後方への移動を防止するように構成されている。例えば、キャップは、そのような後方の移動を実質的に防ぐ厚さを有することができる。その漏斗の部分的又は完全な防止のために他の構造が用いられてもよい。適所に置かれたキャップにより、図１４Ｅに示すように、オクトパスアームがロック部材から取り外される。

次に、図１４Ｆは、配設装置の付加的な構造が、図１５Ｅの構成における漏斗２４０及びインプラント１２８に関して示されている。図示するように、配設装置２３８は、ノーズコーンと接続する細長い内筒２７４を備えている。好ましくは、内筒２７４は、それを通るように延びる標準的なガイドワイヤ２７８を収容する大きさを有し、それを収容するように設けられた内腔を有する。ノーズコーン２７６は、その先端にほぼ非侵襲的なチップ部２８０を有し、その近位端に腔２８２を有することが好ましい。その周辺の裾部２８４はノーズコーン２７６の近位端から延び、周辺の裾部２８４の内面２８６は腔２８２を画定する。

細長い支持管２９０は、内筒２７４を摺動可能に受け、内筒２７４の外側を摺動するように構成され、そのように摺動できる大きさの内腔を有する。複数のロック部２９４を備えるロック機構２９２は、支持管２９０の先端の近傍に設けられる。図示された実施形態において、ロック部は支持管の外面から径方向の外側に延びる突起部２９４を備えている。図示された突起部２９４は、ステントフレーム１４０の小穴にほぼ嵌るような大きさ及び形状である。

外鞘３００は、支持管２９０に摺動可能に嵌るように構成されている。外鞘３００は、外面３０２と内面３０４との間で画定された厚さを有する。以下でより詳細に説明及び図示するように、外鞘の内腔の径は、内面が支持管の突起部２９４のロックを解除するように、内面３０４と好ましくは内腔の径７５とにより画定されている。外鞘３００の隆起部３０６は、外鞘の先端の近傍だが離間した位置に設けられ、シート３０８は隆起部３０６の遠位側に画定されている。以下で詳細に説明するように、隆起部及びシート３０８は、ノーズコーンの周辺の裾部２８４の近位部に係合するように構成されている。

図１４Ｆに関連して配設装置を説明したが、いくつかの実施形態において、心臓弁インプラントが漏斗の中に搭載される前に、漏斗が内筒を同心状に囲み、ノーズコーンと支持管との間に設けられるように、漏斗が配設装置を通されると解釈される。従って、いくつかの実施形態において、好ましくは、漏斗が既に配設装置の内筒を覆うように設けられる一方で心臓弁は、漏斗内に圧縮されて搭載される。

図１４Ｇを参照して、漏斗の圧縮部の中に搭載されたインプラントに対して、支持管２９０は、インプラント１４０の小穴７２が支持管の突起部２９４とほぼ一直線上になるように、遠位に進行されることが好ましい。ここで、図示された実施形態において、漏斗の圧縮部２５０の径は、支持管２９０の径よりも大きく、小穴７２は突起部２９４から径方向の外側に設けられている。次に、図１４Ｈを参照して、好ましくは、小穴を内側に向けて整列した突起部との係合を促すために、内側に付勢したＯリング２７０は、漏斗の端部から、露出したステントフレームの接続部に滑り落ちる。このように、インプラントは、支持管２２０と接続する。

次に、図１４Ｉを参照して、小穴７２と突起部２９４との係合により、外鞘は、外鞘の遠位端が突起部を越えて遠位に延びるように、支持管２９０を越えて遠位に進行する。上述のように、外鞘の内腔の径は、内面３０４が支持管の突起部を取り外すように選択されている。従って、突起部が小穴７２と係合している時に外鞘が突起部を越えて遠位に移動する場合、小穴は外鞘３００と支持管２９０との間に捕捉され、ステントの第１端は支持管によりしっかりと保持されている。しっかりと捕捉された小穴により、Ｏリングが外される。

次に、図１４Ｊを参照して、外鞘３００は、支持管２９０に対して遠位に移動し続け、インプラント１４０が取り付けられる。図示された実施形態において、外鞘の内径は、漏斗の圧縮部の径よりも小さい。従って、外鞘が遠位に移動すると、心臓弁インプラントの径方向の圧縮が進行する。インプラントが外鞘内で徐々に圧縮されると、インプラントが漏斗内から外鞘内に徐々に移動するように、漏斗２４０も遠位に移動することが好ましい。結局、図１４Ｋに示すように、漏斗はインプラントから完全に取り外され、外鞘はその第１端から第２端までにインプラントを含む。

図１４Ｋに示す実施形態において、インプラントのステントフレーム１４０は、第２端１４４に径方向の外側に延びるアンカー１９０を有する。外鞘はその中にステントフレームの残部を実質的に捕捉しているが、この実施形態において、それらのアンカーは、外鞘内に捕捉されていない。

外鞘内に捕捉されたインプラントにより、漏斗は、配設装置から取り外されることが好ましい。図示された実施形態において、漏斗の最も径が小さい部分は、ノーズコーンの外径よりも大きい。従って、漏斗は、ノーズコーンを越えて遠位に移動することにより取り外され得る。他の実施形態において、漏斗はノーズコーンよりも小さい径を有し、漏斗を切断する等の他の手段により外されてもよい。さらなる他の実施形態において、漏斗は複数の部品及び／又はヒンジ構造を有してもよく、取り外し可能なクランプ又はクリップ等により閉じられてもよい。このように、一度、その目的に適い、インプラントが外鞘に移されると、漏斗は、ノーズコーンを越えて漏斗を引く必要なく、分解されて及び／又は開放されて取り外され得る。

次に、図１４Ｋ及び図１４Ｌを参照して、漏斗が取り外され、外鞘３００内に実質的にインプラントが捕捉されると共に、図１４Ｌに示すように、ノーズコーン２７６は近位に引かれ、ノーズコーンの裾部２８４はアンカー１９０と係合してアンカー１９０を圧縮し、ノーズコーンの裾部の近位端は外鞘の隆起部に画定されたシート３０８に係合する。従って、アンカー１９０は、ノーズコーン裾部の内面２８６と外鞘の外面３０２との間に固定される。従って、インプラントは、配設装置２３８内にしっかりと含まれ、好ましくは外鞘との接触を維持する。インプラントは、図１２及び図１３に関する上記の実施形態との類似点を有する方法で、生来の心臓弁輪に配設され得る。

図１４に関連する上記の実施形態において、ノーズコーン２７６は、内筒２７４にしっかりと取り付けられているように示されている。他の実施形態において、漏斗が配設装置を覆うように搭載されることなく、弁インプラントが漏斗形圧縮装置の中に独立して引かれるように、ノーズコーンは内筒から選択的に取り外し可能であってもよい。従って、図１４Ｅに示すような搭載された漏斗は、内筒を越えて進行し、ノーズコーンは内筒と接触され得る。このような実施形態において、漏斗がノーズコーンを越えて引かれるために十分な大きさの径を必要としない場合、漏斗は上述して図示したような径よりも小さい径を有してもよく、その代わりに、ノーズコーンは漏斗を取り外すために取り外されてもよい。実際に、そのような一実施形態及び一実施形態の選択肢のように、漏斗が取り外され、インプラントが外鞘内に実質的に捕捉された後まで、ノーズコーンは内筒に接触しない。

次に、図１５Ａ〜図１５Ｈは、配設装置２３８に心臓弁インプラント１２８を搭載するための装置のさらなる実施形態を示す。図の簡略化のために、図１４に示す実施形態に用いられた同一のインプラント１２８及びステントフレーム１４０が用いられ、同様に、引張り部材２６０、並びに内筒２７４、ノーズコーン２７８、支持管２９０及び外鞘３００等の配設装置２３８構造等の他の類似の構造も用いられている。

図１５Ａを参照して、図示された実施形態は、漏斗部３１５及び搭載管部３２０を有する２つの部品からなる圧縮装置３１０を備えている。好ましくは、漏斗部３１５及び搭載管部は、互いに取り外し可能に接続されている。さらに、好ましくは、搭載管部３２０は長細く、実質的に一定の径を有する。他の実施形態では、好ましくは、引張り部材２６０のオクトパスアーム２６４が圧縮装置３１０を通って延び、インプラント１２８、１４０の部分に引っかかって係合する。図示された実施形態において、フック２６６はステントの第２端１４４においてステント１４０と係合する。

実際に、ステント１４０を径方向に圧縮するように、漏斗部３１５を通ってステントを圧縮装置の中に引くために引張り環２６２は引かれる。ここで、好ましくは、搭載内筒３２８は、圧縮されるようにステント１４０内に同心状に設けられる。図１５Ｂに示すように、インプラント１２８、１４０は、搭載管３２０内に径方向に圧縮され、搭載内筒３２８を同心状に囲む。図１５Ｂに示すように、好ましくは、搭載管３２０は、ステントが圧縮されて配置されている際に、ステント１４０の全長よりもいくらか短い長さを有する。少なくとも第１端の１４２の小穴７２は、搭載管３２０の端部を越えて延びている。

次に、図１５Ｃを参照して、一度インプラントが搭載管３２０内で圧縮されると、引張り部材２６０はインプラントから取り外され、圧縮されたステント１４０と接する搭載管の端部と搭載内筒３２８とが独立して動き、操作され得るように、搭載管は漏斗部３１５から取り外され得る。

図１５Ｃは、ノーズコーン２７６が内筒２７４から解放可能に取り外され得るように配設装置２３８が構成されている実施形態を示す。好ましくは、ノーズコーン２７６と支持管２９０との間における配設装置２３８に圧縮されたインプラント１２８、１４０を配置するために、搭載内筒が内筒を覆って進行され得るように、搭載内筒３２８は内筒２７４の外径よりも大きい径を有する内腔を画定する。他の実施形態において、ノーズコーンは内筒から取り外されない。従って、配設装置２３８に設けられた、圧縮されたインプラントを得るために、支持管２９０及び外鞘３００が内筒２７４を覆って進行する前に、インプラントは内筒２７４の上を進行する。

いずれにせよ、一度、付随する圧縮されたインプラントを有する支持管３２０が所望するように内筒２７４を覆って進行すると、搭載内筒は圧縮されたインプラント内から取り外され、配設装置から取り外されることが好ましい。例えば、図１５Ｃに示された実施形態において、ノーズコーン２７６が取り外された際に、搭載内筒３２８は内筒２７４の端部から遠位に取り外され得る。他の実施形態において、支持管２９０及び外鞘３００搭載内筒３２８が内筒２７４を覆って進行する前に、搭載内筒３２８は内筒２７４から滑り落ちてもよい。このように、また、図１５Ｂに示すように、搭載管３２０は、それに付随する圧縮されたインプラント１２８、１４０と共に、ノーズコーン２７６と支持管２９０との間の内筒２７４に配置される。

次に、図１５Ｅ〜図１５Ｈを参照して、第１端１４２を捕捉するために、より具体的には支持管２９０及び突起部２９４を含む装置の方法を用いて、外鞘３００内のステントフレーム１４０の小穴７２を捕捉するために、ロック機構２９２の他の構成が所望するように用いられてもよいが、好ましくは、配設装置２３８は図１４Ｇ〜図１４Ｋと関連する上記の方法と同様の方法で操作及び動作される。

次に、図１５Ｇを参照して、一実施形態において、インプラントが外鞘３００内に捕捉された後に、搭載管３２０は配設装置２３８の周囲から取り外されることが好ましい。図１５Ｇに示された実施形態において、搭載管３２０は、外鞘がノーズコーン２７６に係合するように、外鞘３００を覆って近位に移動され得る。図１５Ｈに示された実施形態において、外鞘がノーズコーン２７６に係合するように遠位に進行すると、搭載管３２０は、ノーズコーン２７６から取り外されるために遠位に進行される。

図示された実施形態において、搭載管３２０は、それがノーズコーン２７６から取り外される、又は少なくとも外鞘の隆起部から外れるように、十分に大きい径の内腔を有する。しかしながら、他の実施形態において、搭載管は、外鞘の内腔の内径とより近い内腔の径を有してもよい。インプラントが外鞘３００内に収容された後の搭載管３２０の取り外しは、搭載管３２０の破壊及び切断を含んでもよく、また、他の実施形態において、搭載管は、配設装置２３８からその管を取り外すために、取り外される又は開放されることが可能な複数の部品を備えている。

上述の実施形態の１つにおいて、ノーズコーンは内筒から取り外される。そのような実施形態の１つにおいて、圧縮されたステントが少なくとも部分的に外鞘内に引かれ、搭載管が配設装置２３８から取り外された後まで、ノーズコーンが内筒に再装着されないと解釈されるべきである。この実施形態において、搭載管は、配設装置の他の構造の外径よりも小さい内腔の径を有し得る。

上記の実施形態において、内側に付勢したＯリング２７０は、ロック部材７２を支持管２９０のロック突起部２９４と係合するように促すために用いられる。しかしながら、他の方法及び構造がステントのロック部材と支持管との係合のために用いられ得ると解釈される。例えば、使用者はロック部材と突起部との係合を手動で促してもよい。さらに、ベルト、又は特別に構成された締め付けプライヤ等の他の構造は、ロック部材と互いに係合することを促すために用いられてもよい。さらなる構造がこの目的のために用いられ得ることが考えられる。

次に、図１６Ａ及び図１６Ｂを参照して、複数の部品を有する圧縮装置４１０の他の実施形態は、互いに取り外し可能に接続される漏斗部４１５と細長い搭載管４２０とを備えている。漏斗部及び搭載管は、少なくともいくつかの特徴が本明細書において説明された他の実施形態と共通することが好ましい。図示された実施形態において、漏斗部の細い側の端部は、そこに形成されたＬ字形のロック用溝４１７を備えている。搭載管４２０は、ロック部材４２４を有するオーバーラップ部４２２を備えている。オーバーラップ部４２２の径は、オーバーラップ部がＬ字形のロック用溝４１７で漏斗部４１５の端部に嵌るように小さくなっている。ロック部材４２２は、漏斗部４１５と搭載管４２０とを取り外し可能に固定するために溝４１７内に摺動可能である。他の構造が漏斗と搭載管との取り外し可能な接続に用いられ得ると解釈される。

次に、図１７Ａ〜図１７Ｇを参照して、他の実施形態において、インプラント４００は、長手方向支柱４０６がステント４００の非アンカー端のロック部材４０４が末端となるように設けられる。図示されたロック部材４０４は、隣接する支柱４０６に対して拡大された略鏃形状を有する。好ましくは、引張り部材２６０ａは、インプラント４００が搭載管４２０内で圧縮されるように、ステント４００と係合し、圧縮装置４１０に通すようにステント４００を引く。その後搭載管及びインプラントは、引張り部材２６０ａ及び漏斗部４１５から取り外され、配設装置の内筒に搭載され得る。

図１７Ｂを参照して、配設装置は、内筒２７４ａを含むことが好ましく、内筒２７４ａは、ノーズコーン２７６ａに接続する。支持管４３０は内筒の外側を摺動可能に設けられ、外鞘３００ａは内筒の外側を摺動可能に設けられている。好ましくは、外鞘３００ａの内腔の径は、支持管４３０の外径よりもわずかに大きい。ロック機構４３２は、支持管４３０の遠位端に設けられる。ロック機構４３２は、円周状に設けられた捕捉溝４４０に導くテーパ状の表面４３４を備えている。複数の案内溝４４４は、インプラント４００の支柱４０６とほぼ平行に並ぶように設けられ、構成されている。好ましくは、搭載管４２０は、径方向に圧縮されたインプラントが捕捉溝４４０と隣接するテーパ状の表面４３４の近位の隆起部の外径よりも小さい外径を有するような大きさである。

圧縮されたインプラントを搭載するために、支持管４３０は、図１７Ｃに示すように、テーパ状の表面４３４がインプラント４００のロック部材４０４及びそれに関連する支柱４０６と係合し、またそれらを歪めるように進行する。支持管４３０は、歪められたロック部材４０４がテーパ状の表面４３４の近位端から外れるまで進行し続け、その外れた位置においてロック部材４０４の歪みは戻り、捕捉溝に入り、好ましくはカチッと音がする。正確に入った際に、図１７Ｃに示すように、支柱４０６はそれに応じて案内溝４４４に入り、ステント４００と支持管４３０とが係合する。

次に、図１７Ｅに示すように、外鞘３００ａは、捕捉溝４４０を覆い、外鞘３００ａ内にロック部材４０４をしっかりと捕捉するために遠位に進行する。外鞘３００ａが遠位に進行し続ける時に、圧縮されたインプラントは搭載管４２０から外鞘３００ａに移動する。好ましくは、そのような進行の際に、外鞘の遠位端が搭載管４２０の端部と係合し、いくつかの実施形態において径方向の外側に付勢されたアンカー部材は、搭載管４２０内から外鞘３００ａ内に移動し得る。

図１７Ｆを参照して、好ましくは、ノーズコーン２７６ａは、搭載管４２０がそれを摺動し、配設装置から取り外され得るような大きさである。図示された実施形態において、外鞘３００ａの遠位端は、少なくとも部分的にノーズコーンと重なり、外鞘は外鞘の遠位端からノーズコーンまでの円滑な移行を可能とする形状である。当然に、他の実施形態は、外鞘とノーズコーンとの間に他の構造的相互作用を用いてもよく、それはいくつかの実施形態において取り外し可能であってもよい。

実際に、図示された配設装置は、本明細書で説明された他の実施形態と同様の動作的特徴を有する。例えば、インプラントが部分的に展開され、再位置決めのために再収容されてもよい。必要ならば、インプラントは患者から除去されるために再収容されてもよい。いくつかの実施形態において、万一完全に再収容されると、径方向の外側に付勢されたアンカー部材は、最初に設けられた位置と同一の位置において、外鞘３００ａ内に完全に再捕捉されなくてもよい。しかしながら、アンカーが外鞘とノーズコーンとの間に効果的に捕捉されるように、アンカーとの係合の後の外鞘３００ａの進行の継続は、アンカーの後方（遠位）方向の湾曲の影響を有する。配設装置はさらに操作され、完全に再収容され、アンカー部を含むインプラント全体と共に患者から除去され得る。

本発明は、特定の好ましい実施形態及び実施例に関して開示されたが、本発明は、具体的に開示された実施形態を超えて、本発明の他の代替の実施形態及び／又は用途、明白な改変並びにそれと均等な範囲にまで広がることが当業者に理解される。さらに、本発明の多くのバリエーションは、詳細に図示及び説明され、本発明の範囲内の他の改変は、本開示に基づいて当業者には極めて明白である。実際に、本明細書に具体的に開示された実施形態は、単独又は複数の付加的実施形態の種々の組み合わせが用いられ得る特定の発明の特徴を説明するための手段として用いられている。従って、実施形態の特定の特徴及び態様の種々の組み合わせ又は副組み合わせがなされ、それは本発明の範囲内であると考える。例えば、図１４に示すような支持管の実施形態は、図１７に示すように捕捉溝内にロック部材を捕捉するように改変することができ、逆の場合も同様である。さらに、本明細書で説明されたステントは短縮するように構成されているが、図１２及び図１３に関して説明されたような制御された配設のための方法及び装置等の特定の特徴は、短縮を必要としない自己拡張型ステントに用いられてもよく、本明細書で開示された実施形態に相等するアンカー部を有することは必要ない。さらに、図１２及び図１３に示す配設装置は、図１４、図１５又は図１７等に示すような原理を用いる配設装置と交換されてもよい。従って、開示された実施形態の種々の特徴及び態様は、開示された発明の種々の様式を形成するために、互いに組み合わせられ、又は置換され得ると解釈されるべきである。従って、本明細書で開示された本発明の範囲は、上記の具体的に開示された実施形態に限定されず、特許請求の範囲を記載通りに読むことのみによって決定されないことが意図される。

Claims (4)

1. 自己拡張型血管インプラントを配設するための装置を搭載する方法であって、
   弛緩して拡張した前記血管インプラントを、徐々に小さくなる径を有する細長い構造に通して、圧縮された径を有する搭載管部に引き込むことと、
   前記インプラントのロック端部と支持管に設けられたロック機構とを係合することと、
   外鞘と前記支持管との間に前記ロック端部を捕捉するために、前記外鞘を、係合された前記ロック端部及び支持管の外側を通って前進させることと、
   前記インプラントを前記搭載管部内から前記外鞘内に移すために、前記外鞘を、圧縮された前記インプラントの外側を通って前進させることとを備えている方法。
2. 前記インプラントを前記搭載管部内から前記外鞘内に移すことは、前記インプラントをさらに圧縮することを含む請求項１に記載の方法。
3. 遠位端を有し、ロック機構が前記遠位端又はその近傍に設けられる細長い形状の支持管と、
   前記支持管の外側を摺動するように設けられた細長い形状の鞘と、
   ロック部材を有する自己拡張型血管インプラントとを備え、
   前記支持管のロック機構は、該ロック機構と前記ロック部材が係合する際に、前記インプラントの軸方向の動作を防ぐために、前記インプラントのロック部材と係合するように構成され、
   前記鞘は、インプラントのロック部材が前記支持管のロック機構から解除されるのに十分な前記支持管のロック機構に対する径方向の動作を防ぐための大きさの内腔を有する血管インプラント配設装置。
4. 前記自己拡張型インプラントは、前記鞘が前記支持管のロック機構を通って遠位に延びる間は、前記支持管との接続を維持し、前記装置は、前記鞘が前記支持管のロック機構を通って近位に移動される際に、前記インプラントのロック部材が前記支持管との係合を外すように径方向に移動するように構成されている請求項３に記載の血管インプラント配設装置。

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