JP2012207201A - 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 - Google Patents

耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、機械的強度及び外観に優れ、且つ成形性に優れた耐熱スチレン系樹脂、並びに該組成物を用いて形成された非発泡及び発泡の押出シート及び成形品の提供。
【解決手段】スチレン単量体単位の含有量が69〜94質量%であり、且つメタクリル酸単量体単位の含有量が6〜16質量%であり、且つメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が0〜15質量%であるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(a):65〜95質量%;並びにゴム含有量が7〜15質量%であり、且つゴム粒子径が0.5〜5μmであるゴム変性スチレン系樹脂(b):5〜35質量%から成り、且つビカット軟化温度が106℃以上である耐熱スチレン系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、機械的強度、外観、及び成形性に優れた耐熱スチレン系樹脂組成物、並びに該耐熱スチレン系樹脂組成物を用いて形成された非発泡及び発泡の押出しシート及び成形品に関する。
スチレン−メタクリル酸系樹脂は、耐熱性に優れ、且つ比較的安価なことから、弁当、惣菜等の食品容器、包装材料、住宅の断熱材用の発泡ボード、拡散剤を入れた液晶テレビの拡散板等に広く用いられている。近年、コンビニエンスストアー等の業務用に使用する電子レンジの普及、及び電子レンジの使用時間の短縮のため、より高出力(短時間で、より高温になり易い)の機器が使用されている。このために、より耐熱性が高く、成形性に優れた樹脂が望まれている。また、弁当、惣菜等の食品容器では意匠性に伴う形状の複雑化、及び内容物の増加による容器の大型化などの理由から、従来製品に比し、脆性等の機械的強度を改良した樹脂が望まれている。
一般に、スチレン−メタクリル酸系樹脂において、より耐熱性の高い樹脂を得るためにはメタクリル酸の含量を増やすことが必要である。この場合、メタクリル酸に起因するゲル化物が発生し易くなり、シート表面に外観不良が見られる場合がある。この現象は、非発泡シート押出時に、水分及び低分子の残留揮発分を除去するために押出機ベントから真空で脱揮する場合に特に見られる。また、メタクリル酸の増量は、同時に機械的強度の低下にもつながる。スチレン−メタクリル酸樹脂の製造方法に関しては、下記特許文献1には、重合原料液に2−エチル−ヘキシルアルコールを添加する方法が開示されており、そして下記特許文献2には、重合原料液にオクチルアルコールを添加する方法が開示されている。
また、スチレン−メタクリル酸系樹脂において、脆性等の機械的強度を改良する目的で、ゴム質成分を含むスチレン系樹脂を添加する方法が実施されているが、機械的強度の改良が不十分である。例えば、下記特許文献3には、ゴム質成分を含むスチレン系共重合体として耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を添加して成る耐熱発泡シートが、開示されている。また、下記特許文献4には、ゴム質成分としてハイインパクトスチレンを添加した電子レンジ調理用容器成形用積層発泡シートが開示されている。
特開平09−87332号公報 特開2006−282962号公報 特開平02−58548号公報 特開昭63−264335号公報
しかしながら、前記した従来技術のスチレン−メタクリル酸系樹脂の製造方法では、ゲル化抑制効果が十分に発揮されず、また得られた樹脂の機械的強度も充分ではない。したがって、よりゲル化し難く、耐熱性、機械的強度、外観、及び成形性に優れた樹脂組成物から成る非発泡又は発泡の成形品が求められている。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、耐熱性、機械的強度、外観、及び成形性に優れた耐熱スチレン系樹脂組成物、並びに該耐熱スチレン系樹脂組成物を用いて形成された非発泡及び発泡の押出しシート及び成形品を提供することである。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意研究し、実験を重ねた結果、従来のスチレン−メタクリル酸、更にはメタクリル酸メチルを加えた特定組成の共重合樹脂と、特定のゴム変性スチレン系樹脂とを、特定の比率で混合した樹脂を用いて、特定の耐熱性を有する耐熱スチレン系樹脂組成物を得た。そして、場合により、さらに該樹脂組成物中の残留スチレン単量体、二量体及び三量体の濃度を特定範囲にすることにより、従来技術の樹脂では達成することができなかった機械的強度及び外観を有する耐熱スチレン系樹脂組成物が得られることを、予想外に見出し、更に、該耐熱スチレン系樹脂組成物から優れた非発泡及び発泡の成形品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1] 耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに:
スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量が69〜94質量%であり、且つメタクリル酸単量体単位の含有量が6〜16質量%であり、且つメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が0〜15質量%であるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(a):65〜95質量%;並びに
ゴム変性スチレン系樹脂の全質量を100質量%としたときにゴム含有量が7〜15質量%であり、且つゴム粒子径が0.5〜5μmであるゴム変性スチレン系樹脂(b):5〜35質量%
から成る耐熱スチレン系樹脂組成物であって、該耐熱スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度が106℃以上である、前記耐熱スチレン系樹脂組成物。
[2] 前記耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに、スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計が0.6質量%以下であり、且つスチレン単量体の残存量が700ppm以下である、[1]に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
[3] 前記共重合樹脂(a)の重量平均分子量が100,000〜350,000である、[1]又は[2]に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
[4] 前記ゴム変性スチレン系樹脂(b)のトルエン不溶分の膨潤指数が8.0〜14.0であり、且つ該トルエン不溶分中のゴム含有量に対する該トルエン不溶分の質量比(トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量)が1.5〜4.0である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
[5] 前記共重合樹脂(a)のメルトフローレートに対する前記ゴム変性スチレン系樹脂(b)のメルトフローレートの比(ゴム変性スチレン系樹脂(b)のメルトフローレート/共重合樹脂(a)のメルトフローレート)が0.5〜10である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
[6] 前記耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに:
スチレン単量体単位及びブタジエン単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン含有量が25〜50質量%であり、かつブタジエン含有量が50〜75質量%であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(c):5質量%以下
を前記耐熱スチレン系樹脂組成物にさらに添加することにより得られる、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
[7] 前記耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに:
凝固点が−10℃以下であり、且つ炭素数が14以上である脂肪族第1級アルコール:0.02〜1.0質量%
を前記耐熱スチレン系樹脂組成物にさらに添加することにより得られる、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物を用いて形成された非発泡押出シート。
[9] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物を用いて形成された発泡押出シート。
[10] [8]に記載の非発泡押出シート又は[9]に記載の発泡押出シートを用いて形成された成形品。
本発明によれば、耐熱性、機械的強度、外観、及び成形性に優れた耐熱スチレン系樹脂組成物、並びに該耐熱スチレン系樹脂組成物を用いて形成された非発泡及び発泡の押出しシート及び成形品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[耐熱スチレン系樹脂組成物]
本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物は、耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに:スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量が69〜94質量%であり、且つメタクリル酸単量体単位の含有量が6〜16質量%であり、且つメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が0〜15質量%であるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(a):65〜95質量%;並びにゴム変性スチレン系樹脂の全質量を100質量%としたときにゴム含有量が7〜15質量%であり、且つゴム粒子径が0.5〜5μmであるゴム変性スチレン系樹脂(b):5〜35質量%から成り、且つビカット軟化温度が106℃以上である耐熱スチレン系樹脂組成物(以下、単に「本発明の樹脂組成物」ということもある)である。
共重合樹脂(a)においては、前記共重合樹脂(a)を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量は69〜94質量%であり、好ましくは74〜91質量%、より好ましくは77〜88質量%の範囲である。この含有量が69質量%未満では、樹脂の流動性が低下し、一方、94質量%を超えると、後述のメタクリル酸単量体単位及びメタクリル酸メチル単量体単位を所望量存在させることができない。
本発明の樹脂組成物においては、メタクリル酸は耐熱性を向上させる役割を果たす。共重合樹脂(a)のスチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、メタクリル酸単量体単位の含有量は6〜16質量%であり、好ましくは7〜14質量%、より好ましくは9〜13質量%の範囲である。この含有量が6質量%未満では耐熱性向上の効果が不十分であり、一方、16質量%を超える場合は、樹脂中のゲル化物が増加し、外観不良となり、また樹脂の流動性の低下と機械的物性の低下とを招来するため好ましくない。
一般に、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂を含むスチレン−メタクリル酸系樹脂は、工業的規模ではほとんどの場合、ラジカル重合で生産されているが、前述の特許文献1及び2に記載されているように、脱揮工程のゲル化反応を抑制するために、種々のアルコールを重合系中に添加して重合を行なう場合がある。
本発明の樹脂組成物の製造においては、メタクリル酸メチルは、メタクリル酸との分子間相互作用でメタクリル酸の脱水反応を抑制するために、及び樹脂の機械的強度を向上させるために用いられる。更には、メタクリル酸メチルの添加は、耐候性、表面硬度等の樹脂特性の向上にも寄与する。
スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、メタクリル酸メチル単量体単位の含有量は0〜15質量%であり、好ましくは2〜12質量%、より好ましくは3〜10質量%の範囲である。この含有量が15質量%を超える場合には樹脂の流動性が低下し、且つ吸水性が増加する傾向があり好ましくない。
なお、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとが隣り合わせで結合した場合、高温、高真空の脱揮装置を用いると、条件によっては脱メタノール反応が起こり、六員環酸無水物が形成される場合がある。本発明に係る共重合樹脂(a)は、この六員環酸無水物を含んでいてもよいが、流動性を低下させることから、より少ない方が好ましい。
本発明に係る共重合樹脂(a)中の、スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位及びメタクリル酸メチル単量体単位の含有量は、それぞれ、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から求めることができる。
本発明において、共重合樹脂(a)の重量平均分子量は100,000〜350,000であることが好ましく、より好ましくは120,000〜300,000、更に好ましくは140,000〜250,000である。重量平均分子量が100,000〜350,000である場合、衝撃強度と流動性とのバランスにより優れる樹脂が得られ、またゲル物の混入も少ない。
本発明に係る共重合樹脂(a)の重合方法については、特に制限はないが、ラジカル重合法として、塊状重合法又は溶液重合法を好ましく採用できる。重合方法は、主に、重合原料(単量体成分)を重合させる重合工程と、重合生成物から未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する脱揮工程とから成る。以下、本発明に係る共重合樹脂(a)の重合方法について説明する。
本発明に係る共重合樹脂(a)を得るために重合原料を重合させる際には、重合原料組成物中に、典型的には重合開始剤及び連鎖移動剤を含有させる。重合開始剤としては、有機過酸化物、例えば、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4ービス(t−ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド等のケトンペルオキシド類、t−ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度との観点から、なかでも、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンが好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、α−メチルスチレンリニアダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等を挙げることができる。
重合方法としては、必要に応じて、重合溶媒を用いた溶液重合を採用できる。用いられる重合溶媒としては、芳香族炭化水素類、例えば、エチルベンゼン、ジアルキルケトン類、例えば、メチルエチルケトン等が挙げられ、それぞれ、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。重合生成物の溶解性を低下させない範囲で、他の重合溶媒、例えば脂肪族炭化水素類等を、芳香族炭化水素類に更に混合することができる。これらの重合溶媒は、全単量体100質量部に対して、25質量部を超えない範囲で使用するのが好ましい。全単量体100質量部に対して重合溶媒が25質量部を超えると、重合速度が著しく低下し、且つ得られる樹脂の衝撃強度の低下が大きくなる傾向がある。重合前に、全単量体100質量部に対して5〜20質量部の割合で添加しておく方が、品質が均一化し易く、重合温度制御の点でも好ましい。
本発明に係る共重合樹脂(a)を得るための重合工程で用いる装置は、特に制限はなく、スチレン系樹脂の重合方法に従って適宜選択すればよい。例えば、塊状重合による場合には、完全混合型反応器を1基、又は複数基連結した重合装置を用いることができる。また脱揮工程についても特に制限はなく、塊状重合で行う場合、最終的に未反応モノマーが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下になるまで重合を進め、かかる未反応モノマー等の揮発分を除去するために、既知の方法にて脱揮処理する。例えば、フラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機等の通常の脱揮装置を用いることができるが、滞留部の少ない脱揮装置が好ましい。なお、脱揮処理の温度は、通常、190〜280℃程度であり、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとの隣接による六員環酸無水物の形成を抑制する観点から、190〜260℃がより好ましい。また脱揮処理の圧力は、通常0.13〜4kPa程度であり、好ましくは0.13〜3kPaであり、より好ましくは0.13〜2.0kPaである。脱揮方法としては、例えば加熱下で減圧して揮発分を除去する方法、及び揮発分除去の目的に設計された押出機等を通して除去する方法が望ましい。
本発明におけるゴム変性スチレン系樹脂(b)は、スチレン系樹脂マトリクス中にゴム状重合体の粒子を分散して、ゴム状重合体の存在下でスチレン系単量体を重合させることにより製造することができる。
本発明におけるスチレン系単量体としては、スチレンの他に、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt−ブチルスチレン又はブロモスチレン、クロロスチレン、及びインデンなどが挙げられる。特に、スチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、一種もしくは二種以上使用することができる。
前記ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などを使用できるが、ポリブタジエンまたはスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。ポリブタジエンには、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン及びシス含有率の低いローシスポリブタジエンの双方を用いることができる。また、スチレン−ブタジエン共重合体の構造としては、ランダム構造及びブロック構造の双方を用いることができる。これらのゴム状重合体は一種もしくは二種以上使用することができる。また、ブタジエン系ゴムを水素添加した飽和ゴムを使用することもできる。
ゴム変性ポリスチレン系樹脂(b)中に含まれるゴム含有量は、7〜15質量%が好ましく、より好ましくは9〜14質量%である。ゴム含有量が7質量%未満では共重合樹脂(a)とのブレンドで、機械的強度が劣り、ブレンド比率を上げることで機械的強度は向上するが、耐熱性が低下して好ましくない。一方ゴム含有量が15質量%を超える場合、ゴム変性ポリスチレン系樹脂(b)を製造する時に重合系の粘度が高くなり、運転が難しくなると共に、ゴム粒子径の微細化が難しくなる。更には共重合樹脂(a)にブレンドした場合、ゴム成分の分散不良などで、機械的強度の低下又は製品の外観不良が見られる傾向にある。
ゴム粒子径は0.5〜5.0μm、好ましくは0.7〜4μm、より好ましくは1.0〜3.0μmである。ゴム粒子径が0.5μm未満である場合は共重合樹脂(a)との樹脂組成物の機械的強度が劣るものとなる。また、ゴム粒子径が5.0μmを超える場合、共重合樹脂(a)との樹脂組成物の外観が劣る。ゴム変性ポリスチレン系樹脂(b)はゴム状重合体の存在下で撹拌機付きの反応機でスチレン系単量体を重合させて得られるが、ゴム粒子径は、撹拌機の回転数、用いるゴム状重合体の分子量などで調整することが出来る。
ゴム変性スチレン系樹脂(b)の製造方法は特に制限されるものではないが、ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体(及び溶媒)を重合する塊状重合(若しくは溶液重合)、または反応途中で懸濁重合に移行する塊状−懸濁重合、またはゴム状重合体ラテックスの存在下、スチレン系単量体を重合する乳化グラフト重合にて製造することができる。塊状重合においては、ゴム状重合体とスチレン系単量体及び必要に応じて有機溶媒、有機過酸化物、及び/又は連鎖移動剤を添加した混合溶液を、完全混合型反応器または槽型反応器と複数の槽型反応器を直列に連結し構成される重合装置に連続的に供給することにより製造することができる。
本発明において、ゴム変性スチレン系樹脂(b)のトルエン不溶分の膨潤指数が8.0〜14.0であり、且つトルエン不溶分中のゴム含有量に対するトルエン不溶分の質量比(トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量)が1.5〜4.0であることが好ましい。この膨潤指数は、より好ましくは9.0〜13.0、更に好ましくは9.5〜12.5であり、トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量の比はより好ましくは2.0〜3.5、更に好ましくは2.5〜3.5である。ゴム変性スチレン系樹脂(b)のトルエン不溶分の膨潤指数が8.0〜14.0であり、且つトルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量の比が1.5〜4.0である場合、衝撃強度に優れる樹脂が得られる。
本発明の樹脂組成物は、共重合樹脂(a)65〜95質量%と、ゴム変性スチレン系樹脂(b)5〜35質量%とから成り、共重合樹脂(a)とゴム変性スチレン系樹脂(b)の混合比率は、好ましくは共重合樹脂(a)70〜93質量%とゴム変性スチレン系樹脂(b)7〜30質量%、より好ましくは共重合樹脂(a)80〜92質量%とゴム変性スチレン系樹脂(b)8〜20質量%である。本発明の樹脂組成物中に5〜35質量%のゴム変性スチレン系樹脂(b)を含み、且つビカット軟化温度を106℃以上にすることにより、耐熱性、機械的強度、外観、及び成形性に優れた樹脂組成物が得られる。ゴム変性スチレン系樹脂(b)の混合比率が35質量%を超えると樹脂組成物の剛性が低くなり、一方で、5質量%を下回ると機械的強度が劣るため、好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、ビカット軟化温度が106℃以上、好ましくは108℃以上、より好ましくは110℃以上がよい。ビカット軟化温度が106℃以上であれば、沸騰水に浸漬してもシートの変形が小さく、良好である。106℃以上のビカット軟化温度は、用いる共重合樹脂(a)のビカット軟化温度と用いるゴム変性スチレン系樹脂(b)のビカット軟化温度と、両者の混合比を調整することにより達成できる。ゴム変性スチレン系樹脂(b)はゴム含有量が少ないほど製造し易いが、機械的強度を高めるには添加量を増やす必要がある。この場合耐熱性が低下して好ましくない。より耐熱性が高く、且つ機械的強度に優れる樹脂組成物を得るためには、より耐熱性の高い共重合樹脂(a)とよりゴム含有量の多いゴム変性スチレン系樹脂(b)とを混合することが好ましい。ただし、共重合樹脂(a)は耐熱性の観点から製造する上で限界があり、またゴム変性スチレン系樹脂(b)はゴム含有量の観点から製造する上で限界がある。また、本発明の樹脂組成物のビカット軟化温度は、130℃以下であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましい。
共重合樹脂(a)とゴム変性スチレン系樹脂(b)の混合方法としては、特に限定しないが、押出機等で混合・ペレタイズした後、得られたペレットを用いて、シート押出若しくは発泡押出でシート若しくは発泡体を製造するか、又は直接シート押出機若しくは発泡押出機に共重合樹脂(a)とゴム変性スチレン系樹脂(b)を所定の比率で送り込み、シート又は発泡体を直接製造する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに、スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計は0.6質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下である。スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計が0.6質量%以下であれば、例えば、射出成形においては、金型へのスチレンの二量体及び三量体の付着が大幅に低減され、これら二量体及び三量体の成形品への転写が大幅に低減され、外観不良が大幅に改善され、また、シート等の押出成形においては、ダイスに析出するスチレンの二量体及び三量体の量が大幅に低減され、シートへの転写が大幅に低減され、外観不良が大幅に改善され、さらに金型及びダイス出口の清掃の必要性を低減できるため生産性も向上する。スチレンの二量体及び三量体の残存量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。
本発明の樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに、スチレン単量体の残存量は700ppm以下が好ましく、より好ましくは600ppm以下、更に好ましくは500ppm以下である。スチレン単量体の残存量が700ppm以下であれば、シート押出時のダイス出口周りの臭気が改善され、樹脂の色調も改良される。スチレン単量体の残存量はガスクロマトグラフィーにより測定できる。
本発明において、共重合樹脂(a)のメルトフローレートに対するゴム変性スチレン系樹脂(b)のメルトフローレートの比(ゴム変性スチレン系樹脂(b)のメルトフローレート/共重合樹脂(a)のメルトフローレート)が、0.5〜10であることが好ましく、より好ましくは0.5〜7、更に好ましくは0.5〜5である。メルトフローレート比が、0.5〜10である場合、衝撃強度及びシート外観のより優れる樹脂が得られる。
本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物には、スチレン単量体単位及びブタジエン単量体単位の合計含有量を100質量%を基準として、スチレン含有量が25〜50質量%であり、かつブタジエン含有量が50〜75質量%であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(c)を、耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに5質量%以下添加してよい。
本発明の樹脂組成物に添加するスチレン−ブタジエンブロック共重合体(c)は、スチレン含有量が25〜50質量%、好ましくはスチレン含有量が25〜45質量%、より好ましくはスチレン含有量が30〜45質量%であり、ブタジエン含有量は100質量%の残余である。スチレン含有量が25〜50%であれば、ブロック共重合体(c)の共重合樹脂(a)への分散性が適度に良くなり、機械的強度及び外観に優れたものが得られる。本発明の樹脂組成物へのブロック共重合体(c)の添加量は5質量%以下、好ましくは4質量%以下、より好ましくは0.001〜4質量%、特に好ましくは1〜4質量%がよい。この添加量が、5質量%を超える場合、耐熱性の低下が大きくなる傾向にある。
本発明の樹脂組成物には、所望に応じて、通常用いられている添加剤、例えば、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、染料、顔料、各種充填剤等を添加することができ、このような添加剤が添加された樹脂組成物を各種成形に用いることができる。上記添加剤は、共重合樹脂(a)の製造時に予め添加されていてもよい。
本発明の樹脂組成物には、凝固点が−10℃以下であり、且つ炭素数が14以上である脂肪族第1級アルコールを、耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに0.02〜1.0質量%添加してよい。脂肪族第1級アルコールの添加は、前述の特許文献1又は2に記載されるようにメタクリル酸の脱水反応によるゲル化反応を抑制するために有効であり、特に共重合樹脂(a)製造時に添加することが望ましい。炭素数が14未満のアルコールは、共重合樹脂(a)製造時、シートの押出時等に、残留モノマー又は水分等の低揮発成分を除去する目的で高真空にした場合、揮発し易く、ゲル化反応の抑制効果が薄れる。樹脂組成物中の、炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの含有量は0.02〜1.0質量%であることが好ましい。上記脂肪族第1級アルコールの含有量は、より好ましくは0.04〜0.8質量%、更に好ましくは0.06〜0.6質量%である。上記含有量が0.02質量%未満となるようなアルコール添加条件では、共重合樹脂(a)製造時の脱揮工程又はシートの押出時に、ゲル化反応の抑制効果が薄れる傾向があり、一方、上記含有量が1.0質量%を超えるような添加条件では、ゲル化反応の抑制効果は高くなるが、樹脂組成物中の脂肪族第1級アルコールの残存量が多くなり、樹脂の耐熱性の低下が大きくなる傾向があり、また、成形時にモールドデポジットの発生が見られ易くなる。炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの中でも、凝固点が−10℃以下のイソ型の脂肪族第1級アルコールが特に好ましい。凝固点が−10℃を超える場合、水分、残留モノマー等の低揮発成分除去の目的で高真空にした場合、該アルコールが凝縮器等に析出し易く、真空度を低下させる場合がある。炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの含有量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。
炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールとしては、n−ミリスチン酸アルコール、n−パルミチン酸アルコール、n−ステアリルアルコール等が挙げられる。更に、凝固点−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールとしては、炭素数14のイソテトラデカノール、炭素数16のイソヘキサデカノール、炭素数18のイソオクタデカノール、炭素数20のイソエイコサノールが挙げられ、例えば、具体的には、7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、8−メチル−2−(4−メチルヘキシル)−1−デカノール、2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−4−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−(5,9−ジメチル)−1−デカノールなどが挙げられる。この中でも、特に炭素数18のイソオクタデカノールが好ましい。
本発明の樹脂組成物には安定剤をさらに含有させてもよい。一般的な安定剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール等のヒンダートフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系加工熱安定剤等を挙げることができる。これらの安定剤は単独で又は2種以上を組み合わせて適宜用いることができる。添加時期については、特に制限はなく、例えば、樹脂の重合工程又は脱揮工程で添加したり、またシート押出機又は発泡押出機で樹脂の押出し時に添加したりすることができる。
尚、本発明の樹脂組成物は、前記した共重合樹脂(a)65〜95質量%と、前記したゴム変性スチレン系樹脂(b)5〜35質量%とから成るが、本発明の樹脂組成物に、前記した共重合樹脂(a)、ゴム変性スチレン系樹脂(b)、ブロック共重合体(c)及び脂肪族第1級アルコール以外の他の樹脂、例えば、一般のポリスチレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合エラストマー、部分的に又は完全に水素添加されたスチレン−ブタジエン共重合エラストマー、ポリフェニレンエーテル等を含有させることを除外するものではないことを理解されたい。例えば、本発明の樹脂組成物には、所望に応じて、通常用いられている添加剤、例えば、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、染料、顔料、各種充填剤等を添加することができる。
[押出シート]
本発明は、上述した本発明の樹脂組成物を用いて形成されて成る押出シートも提供する。押出シートは非発泡及び発泡のいずれでもよい。押出シートの製造方法としては、通常知られている方法を用いることができる。非発泡押出シートの製造方法としては、Tダイを取り付けた短軸又は二軸押出成形機で、一軸延伸機又は二軸延伸機でシートを引き取る装置を用いる方法等を挙げることができ、発泡押出シートの製造方法としては、Tダイ又はサーキュラーダイを備え付けた押出発泡成形機を用いる方法等を挙げることができる。
発泡押出シートを形成する場合、押出発泡時の発泡剤及び発泡核剤としては、通常用いられる物質を使用できる。発泡剤としてはブタン、ペンタン、フロン、二酸化炭素、水等を使用することができ、ブタンが好適である。また発泡核剤としてはタルク等を使用できる。
発泡押出シートは、厚み0.5mm〜5.0mmであることが好ましく、見かけ密度50g/L〜300g/Lであることが好ましく、また坪量80g/m2〜300g/m2であることが好ましい。また、発泡押出シートは、ポリスチレン樹脂等のスチレン系樹脂、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリブタジエンなどのゴム成分から成るハイインパクトポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)等と多層化して用いてもよく、更に該スチレン系樹脂以外の樹脂と多層化して用いてもよい。スチレン系樹脂以外の樹脂としては、ポリプロピレン(PP)樹脂、PP/ポリスチレン(PS)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。
一方、非発泡押出シートにおいては、例えば、厚みが0.1〜1.5mm程度であることが剛性及び熱成形サイクルの観点から好ましい。また、非発泡押出シートは通常の低倍率のロール延伸のみで形成してもよいが、特にロールで1.3倍〜7倍程度延伸した後、テンターで1.3〜7倍程度延伸したシートが強度の面で好ましい。また、非発泡押出シートは、ポリスチレン樹脂等のスチレン系樹脂、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はポリブタジエンなどのゴム成分から成るハイインパクトポリスチレン等と多層化して用いてもよく、更に該スチレン系樹脂以外の樹脂と多層化して用いてもよい。スチレン系樹脂以外の樹脂としては、PP樹脂、PP/PS系樹脂、PET樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。
[成形品]
本発明は、上述した本発明の非発泡押出シート又は発泡押出シートを用いて形成された成形品も提供する。発泡押出シート又はこれを含む多層体を、例えば、真空成形により成形して、トレー等の容器を作製できる。また非発泡押出シートは、例えば、真空成形により成形して、弁当の蓋材又は惣菜等を入れる容器を作製できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるべきではない。なお、実施例及び比較例における樹脂及び押出シート等は、以下の分析又は測定方法で評価した。
[共重合樹脂(a)、ゴム変性スチレン系樹脂(b)、及び樹脂組成物の性状]
(1)共重合樹脂(a)のスチレン、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの各々の単量体単位の含有量(質量%)の測定
プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から、樹脂組成を定量した。
試料調製:樹脂ペレット30mgをd6−DMSO 0.75mlに60℃で4〜6時間加熱溶解した。
測定機器:日本電子 JNM ECA−500
測定条件:測定温度 25℃、観測核 1H、積算回数 64回、繰り返し時間 11秒
(スペクトルの帰属)
ジメチルスルホキシド重溶媒中で測定されたスペクトルの帰属は、0.5〜1.5ppmのピークはメタクリル酸、メタクリル酸メチル及び六員環酸無水物のα−メチル基の水素、1.6〜2.1ppmのピークはポリマー主鎖のメチレン基の水素、3.5ppmのピークはメタクリル酸メチルのカルボン酸エステル(−COOCH3)の水素、12.4ppmのピークはメタクリル酸のカルボン酸の水素である。また、6.5〜7.5ppmのピークはスチレンの芳香族環の水素である。なお、本発明の樹脂は六員環酸無水物の含有量が少ないため、本測定の方法では通常定量化は難しい。
(2)ビカット軟化温度(℃)の測定
ISO306に準拠して測定した。荷重は49Nとした。
(3)重量平均分子量(万)の測定
試料調製 :テトラヒドロフランに樹脂約0.05質量%を溶解させた。
(測定条件)
機器 :TOSHOH HLC−8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :super HZM−H
温度 :40℃
キャリア :THF 0.35ml/min
検出器 :RI 、UV:254nm
検量線 :TOSOH製の標準PS使用
(4)メルトフローレートの測定
ISO 1133に準拠して測定した(200℃、荷重49N)。
(5)ゴム粒子径の測定
ゴム粒子径の測定は、超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、写真中の粒子を1000個の粒子径を測定して次の式で求めた。
ゴム粒子径=Σni Di4/Σni Di3
(ただし、niは粒子径Diを有するゴム粒子の個数である。またDiは粒子の長径と短径の平均値で求めた)
(6)トルエン不溶分の膨潤指数の測定
沈殿管にゴム変性スチレン系樹脂1gを精秤し(W1)、トルエン20ミリリットルを加え23℃で2時間振とう後、遠心分離機((株)日立製作所製himac、CR−20(ローター:R20A2))にて10℃以下、20000rpmで60分間遠心分離する。沈殿管を約45度にゆっくり傾け、上澄み液をデカンテーションして取り除く。トルエンを含んだ不溶分の質量を精秤し(W2)、引き続き、160℃、3kPa以下の条件で1時間真空乾燥し、デシケータ内で室温まで冷却後、トルエン不溶分の質量を精秤する(W3)。
下記式により、トルエン不溶分の膨潤指数、及びトルエン不溶分を求める。
トルエン不溶分の膨潤指数=(W2/W3)
(7)トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量比の測定
ゴム変性スチレン系樹脂0.25gをクロロホルム50mlに溶解し、一塩化ヨウ素を加えてゴム成分中の二重結合を反応させた後、ヨウ化カリウムを加え、残存する一塩化ヨウ素をヨウ素に変え、チオ硫酸ナトリウムで逆滴定する一塩化ヨウ素法を用いて、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム含有量(w4:質量%)を測定し、この値から(6)のゴム変性スチレン系樹脂(W1)中のゴム含有量を次式で求めた:
トルエン不溶分中のゴム含有量(W5)=W1×w4/100
トルエン不溶分中のゴム含有量に対するトルエン不溶分の質量比(トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量)は次式で求めた:
トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量=W3/W5
(8)樹脂組成物を100質量%としたときのスチレン二量体及び三量体の残存量(質量%)の測定
試料調製:樹脂組成物2.0gをメチルエチルケトン20mlに溶解後、更に標準物質入りのメタノール5mlを加え溶解した。
(測定条件)
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC−17Apf
カラム :DB−1(100%ジメチルポリシロキサン) 30m、
膜厚0.1μm、0.25mmφ
カラム温度 :100℃−2分→5℃/分→260℃−5分
注入口温度 :200℃
検出器温度 :200℃
キャリアガス :窒素
(9)樹脂組成物を100質量%としたときのスチレン単量体の含有量(ppm)の測定
試料調製 :樹脂組成物1.0gを標準物質入りジメチルホルアミド25mlに溶解させた。
(測定条件)
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC−14Bpf
カラム :SUS 3mmφ×3m(パックドカラム)
充填剤 :液相→PEG−20M 25%
担体→Chromosorb W(AW) 60〜80メッシュ
カラム温度 :110℃
注入口温度 :220℃
検出器温度 :220℃
キャリアガス :窒素
(10)樹脂組成物中の脂肪族第1級アルコール含有量(質量%)の測定
試料調製 :樹脂組成物0.5gをメチルエチルケトン20mlに溶解させた。
(測定条件)
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC2010
カラム :DB−WAX 30m、0.25mmφ、df=0.5μm
温度 :100℃→5℃/分→130℃→10℃/分→180℃−12分→20℃/分→220℃−20分
[射出成形特性及び射出成形物特性]
(11)シャルピー衝撃強さ(kJ/m2)の測定
ISO179に準拠して、ノッチ無しで測定した。
(12)曲げ強さ(MPa)
ISO178に準拠して、測定した。
(13)曲げたわみ(mm)
(12)の曲げ強さの測定時に、最大のたわみ量を測定した。
(14)金型汚れの判定
150×150×2.5mmの短冊型の金型を使用して、充填5.0秒で射出成形時にショートショットさせた。70ショット終了後、15分間射出成形を停止し、金型を冷却して、成形体先端部に相当する金型面を目視で観察し、金型の汚れを確認しつつ、700ショットまで成形を繰り返した。以下の評価基準で金型汚れを判定した。
◎:700ショットで金型汚れなし
○:420〜630ショットで金型汚れ発生
なお、成形は、金型温度20℃、樹脂温度260℃で行なった。また、金型汚れの付着物の成分を測定したところ、スチレンの二量体及び三量体が大部分で、樹脂に練り込んだアルコールが僅かに含まれていた。
[非発泡押出特性及び非発泡押出物特性]
(15)非発泡シートインパクト強度(kg・cm)の測定
創研社製の25mmφ短軸シート押出機で厚さ0.7mmのシートを作製、このシートを用いて、東洋精機社製の二軸延伸装置EX6−S1でシート押出方向に5倍、シート押出方向の直角方向に1.3倍延伸し、厚み約0.1mmのシートを作製し、東洋精機社製のフィルムインパクトテスター(A121807502)でインパクト強度を測定した。
(16)非発泡押出シートの耐熱性
(15)で得た延伸シートを沸騰水中に30分間浸漬させた時のシートの収縮率を測定し、以下の評価基準で判定した。収縮率3%未満が実用上好ましい。
◎:収縮率1%未満
○:収縮率1%以上3%未満
×:収縮率3%以上
(17)非発泡押出シートの外観判定
(15)で得た延伸シートから8cm×20cmの大きさのシートを3枚切り出し、シート3枚の表面において(長径+短径)/2の平均径が1mm以上の異物であるゲル物の個数を数え、以下の評価基準で外観を判定した。
◎:ゲル物の個数が2点以下
○:ゲル物の個数が3〜5点
×:ゲル物の個数が6点以上
(18)ダイス出口の臭気判定
(15)のシート押出時に、ダイス出口の臭気を確認し、以下の評価基準でダイス出口の臭気を判定した。
◎:臭いを殆ど感じない
○:臭いをわずかに感じた
[発泡押出物特性]
(19)発泡シートのインパクト強度(kg・cm)の測定
圧縮成形で作製した厚み約0.2mmのシートにオートクレーブ中で液化炭酸ガスを10mPaで30分間含浸させ、その後115℃に加熱、約10倍の発泡体シートを作製した。この発泡シートを縦5cm、横3cmに切り出し、東洋精機社製のフィルムインパクトテスター(A121807502)でインパクト強度を測定した。
[共重合樹脂(a)の製造方法]
[樹脂B]
スチレン71.3質量部、メタクリル酸6.1質量部、メタクリル酸メチル7.6質量部、エチルベンゼン15.0質量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.025質量部から成る重合原料組成液を、1.1リットル/時の速度で、容量が4リットルの完全混合型反応器、次いで、2リットルの層流型反応器から成る重合装置に、次いで、未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置に連続的に、順次供給し、樹脂を調製した。重合工程における重合反応条件は、完全混合反応器は重合温度118〜128℃、層流型反応器は温度121〜143℃とした。脱揮された未反応ガスは−5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収した。最終重合液中のポリマー分は、重合液を215℃、2.5kPaの減圧下で30分間乾燥後、(乾燥後の試料質量/乾燥前の試料質量×100%)により測定したところ、64.7質量%、重量平均分子量は202,000(20.2万)であった(以下、表1参照)。
[樹脂A、樹脂C〜F]
以下の表1に示す樹脂の性状になるよう樹脂Bと同様に、条件を調整した。
Figure 2012207201
[ゴム変性スチレン系樹脂(b)の製造方法]
[樹脂G]
攪拌機を備えた層流型反応器3基(1.5リットル)を直列に連結し、その後に二段ベント付き押出機を配置した重合装置を用いて、ゴム変性スチレン系樹脂を製造する。撹拌機付き原料タンクにスチレン82質量部、エチルベンゼン12質量部、ゴム成分として旭化成ケミカルズ社製ジエン55を6質量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.02質量部を投入、撹拌機でゴム成分を溶解後、この原料溶液を反応器に0.75リットル/hrの容量で供給し、第1段の反応機の温度を110〜120℃、第2段の反応機の温度を120〜130℃、第3段の反応機の温度140〜150℃で重合を行った。また押出機温度は210〜240℃、真空度は3kPa、最終反応器から出た重合液中の全固形分は77.2質量%であった。ゴム粒子径は第1段層流型反応機の撹拌機の回転数を110rpmに調整した(以下、表2参照)。
[樹脂H〜L]
以下の表2に示す樹脂の性状になるよう樹脂Gと同様に、条件を調整した。なお、表2のゴム粒子径を得るために、樹脂K及び樹脂Lは第1段層流型反応機の撹拌機の回転数をそれぞれ340rpm、20rpmに調整した。
Figure 2012207201
[スチレン−ブタジエンブロック共重合体(c)]
[樹脂M]
ブロック共重合体(c)として、旭化成ケミカルズ社製のタフプレン125(スチレン/ブタジエン=40/60)を用いた。
[実施例1]
以下の表3に示すように、共重合樹脂(a)として樹脂Aを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜ、更にイソ脂肪族第1級アルコールを添加した後、二軸押出機で押出して樹脂ペレットを作製した。以下の表3に示す樹脂組成物中のアルコール含有量(質量%)はガスクロマトグラフィーで定量した値である。なお、以下の表3中のイソ脂肪族第1アルコールとしては日産化学社製の製品(ファインオキソコール180、凝固点:−30℃以下)を用いた(*1参照)。
得られた樹脂ペレットを用いて、非発泡押出物(非発泡押出シート)と発泡押出物(発泡押出シート、及び成形品としてトレー容器)とを作製し物性等を評価した。非発泡押出シートについては、25mmの単軸押出機を用いて、樹脂溶融ゾーンの温度を220〜230℃とし、厚み約0.7mmのシートを作製、更にこのシートを用いて二軸延伸機で150℃、10分加熱後、シートの押出方向に5倍、シートの押出の直角方向に1.3倍延伸して約0.1mmのシートを作製した。発泡押出シートは、圧縮成形で作製した厚み約0.2mmのシートにオートクレーブ中で液化炭酸ガスを10mPaで30分間含浸させ、その後115℃に加熱、約10倍の発泡体シートを作製した。得られた非発泡押出物及び発泡押出物の性状及び物性の評価結果を、それぞれ、以下の表3に示す。
[実施例2〜8]
以下の表3に示す割合で共重合樹脂(a)とゴム変性スチレン系樹脂(b)を混ぜ、更にイソ脂肪族第1級アルコールを添加した後、二軸押出機で押出して樹脂ペレットを作製し、実施例1と同様に、非発泡押出物及び発泡押出物を作製し、それらの性状及び物性を評価した。評価結果を以下の表3に示す。
[実施例9及び10]
以下の表3に示す割合で共重合樹脂(a)とゴム変性スチレン系樹脂(b)とブロック共重合体(c)を混ぜ、更にイソ脂肪族第1級アルコールを添加した後、二軸押出機で押出して樹脂ペレットを作製し、実施例1同様に、非発泡押出物及び発泡押出物を作製し、それらの性状及び物性を評価した。評価結果を以下の表3に示す。
[比較例1]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例1では、共重合樹脂(a)として樹脂Eを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例1では共重合樹脂(a)に用いた樹脂Eのメタクリル酸含有量が18.1質量%と多く、実施例2に比較して、非発泡シートの外観が劣り、またシャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げたわみ、非発泡シート及び発泡シートのインパクト強度などの機械的強度が劣るものとなった。
[比較例2]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例2では、共重合樹脂(a)として樹脂Bを97質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを3質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例2ではゴム変性スチレン系樹脂(b)の混合割合が3質量%と少ないため、実施例2に比較して、シャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げたわみ、非発泡シート及び発泡シートのインパクト強度などの機械的強度が劣るものとなった。
[比較例3]
実施例8において共重合樹脂(a)として樹脂Dを68質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを32質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例3では、共重合樹脂(a)として樹脂Aを68質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを32質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例8と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例3ではゴム変性スチレン系樹脂(b)の混合割合が32質量%と同じであるが、実施例8に比較して、ビカット軟化温度が低く、非発泡シートの耐熱性が劣るものとなった。
[比較例4]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例4では、共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Jを15質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例4ではゴム変性スチレン系樹脂(b)に用いた樹脂J中のゴム含有量が5.1質量%と少なく、実施例2に比較して、シャルピー衝撃強さ、曲げたわみ、非発泡シート及び発泡シートのインパクト強度など機械的強度が劣るものとなった。
[比較例5]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例5では、共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Kを15質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例5ではゴム変性スチレン系樹脂(b)に用いた樹脂Kのゴム粒子径が0.4μmと小さく、実施例2に比較して、シャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げたわみ、非発泡シート及び発泡シートのインパクト強度など機械的強度が劣るものとなった。
[比較例6]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Lを15質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例6ではゴム変性スチレン系樹脂(b)に用いた樹脂Lのゴム粒子径が6.2μmと大きく、実施例2に比較して、非発泡シートの外観が劣るものとなった。
[比較例7]
共重合樹脂(a)として樹脂Fを80質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Iを20質量%の割合に混ぜた。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例7は、ビカット軟化温度が低く、非発泡シートの耐熱性が劣るものとなった。
Figure 2012207201
本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物を用いた、非発泡及び発泡の押出板、押出シート、更にはこれらの二次加工による食品容器、包装材等の成形品は、耐熱性、機械的強度、外観、及び成形性に優れている。更に、本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物は、射出成形等による成形品の原材料として、電気製品部品、玩具、雑貨、日用品及び各種工業部品等の用途にも幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。

Claims (10)

  1. 耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに:
    スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量が69〜94質量%であり、且つメタクリル酸単量体単位の含有量が6〜16質量%であり、且つメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が0〜15質量%であるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(a):65〜95質量%;並びに
    ゴム変性スチレン系樹脂の全質量を100質量%としたときにゴム含有量が7〜15質量%であり、且つゴム粒子径が0.5〜5μmであるゴム変性スチレン系樹脂(b):5〜35質量%
    から成る耐熱スチレン系樹脂組成物であって、該耐熱スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度が106℃以上である、前記耐熱スチレン系樹脂組成物。
  2. 前記耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに、スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計が0.6質量%以下であり、且つスチレン単量体の残存量が700ppm以下である、請求項1に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  3. 前記共重合樹脂(a)の重量平均分子量が100,000〜350,000である、請求項1又は2に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  4. 前記ゴム変性スチレン系樹脂(b)のトルエン不溶分の膨潤指数が8.0〜14.0であり、且つ該トルエン不溶分中のゴム含有量に対する該トルエン不溶分の質量比(トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量)が1.5〜4.0である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  5. 前記共重合樹脂(a)のメルトフローレートに対する前記ゴム変性スチレン系樹脂(b)のメルトフローレートの比(ゴム変性スチレン系樹脂(b)のメルトフローレート/共重合樹脂(a)のメルトフローレート)が0.5〜10である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  6. 前記耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに:
    スチレン単量体単位及びブタジエン単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン含有量が25〜50質量%であり、かつブタジエン含有量が50〜75質量%であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(c):5質量%以下
    を前記耐熱スチレン系樹脂組成物にさらに添加することにより得られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  7. 前記耐熱スチレン系樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに:
    凝固点が−10℃以下であり、且つ炭素数が14以上である脂肪族第1級アルコール:0.02〜1.0質量%
    を前記耐熱スチレン系樹脂組成物にさらに添加することにより得られる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物を用いて形成された非発泡押出シート。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物を用いて形成された発泡押出シート。
  10. 請求項8に記載の非発泡押出シート又は請求項9に記載の発泡押出シートを用いて形成された成形品。
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