JP7336840B2 - スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 - Google Patents
スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7336840B2 JP7336840B2 JP2018193630A JP2018193630A JP7336840B2 JP 7336840 B2 JP7336840 B2 JP 7336840B2 JP 2018193630 A JP2018193630 A JP 2018193630A JP 2018193630 A JP2018193630 A JP 2018193630A JP 7336840 B2 JP7336840 B2 JP 7336840B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- styrene
- resin
- mass
- polymerization
- copolymer resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
- Wrappers (AREA)
Description
スチレン系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを構成単位として含むスチレン系共重合樹脂であって、
前記スチレン系共重合樹脂中の前記スチレン系単量体単位及び前記不飽和カルボン酸系単量体単位の合計含有量を100質量%とするとき、前記スチレン系単量体単位の含有量が86質量%以上97質量%以下であり、前記不飽和カルボン酸単量体単位の含有量が3質量%以上14質量%以下であり、
荷重50N、昇温速度50℃/hで測定したビカット軟化温度をT1(℃)とし、荷重10N、昇温速度120℃/hで測定したビカット軟化温度をT2(℃)とするとき、T1が105℃以上であり、(T2-T1)/T1が0.061以上0.072以下であり、
Z平均分子量(Mz)の重量平均分子量(Mw)に対する比(Mz/Mw)は1.5以上2.5以下であることを特徴とする、スチレン系共重合樹脂。
〔2〕
上記〔1〕に記載のスチレン系共重合樹脂とともに、ゴム変性スチレン系樹脂及び/又はスチレン系樹脂を含有する樹脂組成物。
〔3〕
上記〔1〕に記載のスチレン系共重合樹脂、又は上記〔2〕に記載の樹脂組成物から構成される非発泡シート。
〔4〕
上記〔1〕に記載のスチレン系共重合樹脂、又は上記〔2〕に記載の樹脂組成物から構成される発泡シート。
〔5〕
上記〔1〕に記載のスチレン系共重合樹脂、又は上記〔2〕に記載の樹脂組成物から構成される二軸延伸シート。
〔6〕
上記〔3〕~〔5〕のいずれかに記載のシートを成形してなる食品包装容器。
本実施形態のスチレン系共重合樹脂は、スチレン系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを構成単位として含むスチレン系共重合樹脂であって、上記スチレン系共重合樹脂中の上記スチレン系単量体単位、上記不飽和カルボン酸系単量体単位の合計含有量を100質量%としたとき、上記スチレン系単量体単位の含有量が86質量%以上97質量%以下であり、上記不飽和カルボン酸単量体単位の含有量が3質量%以上14質量%以下である(本実施形態のスチレン系共重合樹脂を「スチレン系共重合樹脂(A)」とも称す)。
本実施形態においては、スチレン系共重合樹脂(A)中のスチレン系単量体単位、不飽和カルボン酸系単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン系単量体の含有量は、86質量%以上97質量%以下、好ましくは90質量%以上96.5質量%以下、より好ましくは93質量%以上96質量%以下である。スチレン系単量体の含有量を86質量%以上とすることにより、樹脂の十分な流動性を確保することができ、97質量%以下とすることにより、不飽和カルボン酸系単量体単位を所望量で存在させやすくすることができ、耐熱性の効果を得ることができる。
本実施形態において、スチレン系共重合樹脂(A)を100質量%としたとき、スチレン系単量体、不飽和カルボン酸系単量体の残存量と残存する溶媒、存在する場合に他の揮発成分との合計量(以下、「総揮発成分量」という)は、好ましくは2000質量ppm以下、より好ましくは1000質量ppm以下、更に好ましくは500質量ppm以下である。スチレン系共重合樹脂(A)の総揮発成分量が1000質量ppm以下であれば、シート押出時のダイス出口周りの臭気や、スチレン系共重合樹脂(A)の色調が改善されるため好ましい。ここで、スチレン系共重合樹脂(A)中の総揮発成分量は、それぞれ、ガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
本実施形態において、スチレン系共重合樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は、成形性の観点から、好ましくは0.5(g/10min)以上5.0(g/10min)以下であり、より好ましくは0.7(g/10min)以上4.0(g/10min)以下、さらに好ましくは1.0(g/10min)以上3.0(g/10min)以下である。
本実施形態において、ISO306に準拠して、荷重50N、昇温速度50℃/hの条件で測定して求めたスチレン系共重合樹脂(A)のビカット軟化温度をT1(℃)、ISO306に準拠して、荷重10N、昇温速度120℃/hの条件で測定して求めたスチレン系共重合樹脂(A)のビカット軟化温度をT2(℃)とする。
この場合において、ビカット軟化温度(T1)は、好ましくは105℃以上であり、より好ましくは108℃以上、さらに好ましくは114℃以上である。ビカット軟化温度(T1)を105℃以上とすることにより、電子レンジでの使用環境に耐えることができる。また、ビカット軟化温度(T1)の上限は特にない。
具体的には、スチレン系共重合樹脂(A)の分子中の不飽和カルボン酸系単量体単位の含有率は、樹脂中にある程度の分布(組成分布)があり(各分子中に不飽和カルボン酸系単量体単位の含有率が比較的高いものもあれば比較的低いものもある)、当該組成分布が上記のビカット軟化温度(T1)とビカット軟化温度(T2)についての(T2-T1)/T1に関連している。すなわち、(T2-T1)/T1が0.061以上であると、組成分布が小さくなりすぎず、スチレン系共重合樹脂(A)中に不飽和カルボン酸系単量体単位の含有率が比較的低い組成を存在させることができる。そして、そのような組成は例えばスチレン系樹脂やゴム変性スチレン系樹脂と相容しやすく、スチレン系共重合樹脂(A)自体の相溶性も向上するので、リワーク性を向上させることができる。また、(T2-T1)/T1が大きすぎると、組成分布が大きくなり、スチレン系共重合樹脂(A)の中で不飽和カルボン酸系単量体単位の含有率が低い分子と高い分子とで相溶しにくくなり、スチレン系共重合樹脂(A)の透明性が低下しうるが、(T2-T1)/T1が0.072以下であると、組成分布が大きくなりすぎず十分な透明性を確保することができる。
本実施形態において、スチレン系共重合樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は10万~30万であることが好ましい。また、重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは13万~27万であり、さらに好ましくは16万~24万である。重量平均分子量(Mw)が10万~30万であると、スチレン系共重合樹脂(A)の衝撃強度と流動性とのバランスにより優れ、またゲル化物の混入も少ない傾向にある。
また、スチレン系共重合樹脂(A)では、Z平均分子量(Mz)の重量平均分子量(Mw)に対する比(Mz/Mw)は1.5~2.5である。また、当該比(Mz/Mw)は、好ましくは1.7~2.3であり、より好ましくは1.7~2.1である。比(Mz/Mw)が1.5~2.5であると、スチレン系共重合樹脂(A)の衝撃強度と流動性とのバランスに優れ、また、ゲル化物の混入も少ない傾向となる。Z平均分子量(Mz)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーによりポリスチレン標準換算で測定することができる。
スチレン系共重合樹脂(A)の透明性は、曇り度によって評価できる。本実施形態において、スチレン系共重合樹脂(A)を厚み2mmのプレートに成型したときの曇り度は2.5%以下であることが好ましく、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。厚み2mmのプレートは、鏡面加工された金属板にスチレン系共重合樹脂(A)を挟んで200℃にて圧縮成型することにより得られる。曇り度が2.5%以下であれば、射出成形品用途、シート成形品用途等で、実用上十分な透明性を持たせることができる。曇り度は、ISO14728に準拠して測定することができる。また、曇り度は低ければ低いほどよく、その下限は特にない。
本実施形態のスチレン系共重合樹脂(A)は、上述のように、不飽和カルボン酸系単量体の組成分布に関連する、ビカット軟化温度(T1、T2)の関係(T2-T1)/T1を制御することによって、リワーク性及び透明性に優れた樹脂を得ることが可能である。(T2-T1)/T1の制御に関しては、スチレン系単量体と不飽和カルボン酸単量体との反応性比の違いを利用し、ラジカル重合時の反応器の構成、不飽和カルボン酸系単量体の含有量、溶媒量及び開始剤量といった反応液の組成、又は、各反応器の温度及び滞留時間などの反応条件を、調整する方法、また、異なる組成のポリマーをブレンドする方法が挙げられる。反応性比を利用する方法のほうが組成分布を連続的に持たせることができるため透明性に優れ、またスチレン系樹脂やゴム変性スチレン系樹脂に混練した場合に物性低下の少ない樹脂を得やすい。
重合反応率(%)={(PW)/(RW)}×{サンプリング箇所の反応中間液の流量(kg/h)÷脱揮装置に入る直前の反応中間液の流量(kg/h)}÷{脱揮装置に入る直前の反応中間液の単量体重量(%)÷100}×100
「最終重合反応率に対する、ある反応器における重合割合」={その反応器から出た直後の反応中間液の重合反応率(%)-その反応器に入る直前の反応中間液の重合反応率(%)}÷最終重合率(%)×100
本実施形態の樹脂組成物は、上記の本発明に係る実施形態のスチレン系共重合樹脂(A)とともに、ゴム変性スチレン系樹脂(B)及び/又はスチレン系樹脂(C)を含有する樹脂組成物である。換言すれば、樹脂組成物は、スチレン系共重合樹脂(A)を必須の成分として含有し、さらに、ゴム変性スチレン系樹脂(B)及びスチレン系樹脂(C)のいずれか一方、又は両方を含有する樹脂組成物である(本実施形態で用い得るゴム変性スチレン系樹脂、スチレン系樹脂を「ゴム変性スチレン系樹脂(B)」、「スチレン系樹脂(C)」とも称す。また、以下、スチレン系共重合樹脂(A)、ゴム変性スチレン系樹脂(B)、及びスチレン系樹脂(C)をそれぞれ(A)成分、(B)成分及び(C)成分とも称す)。
また、本実施形態の樹脂組成物では、樹脂組成物中のスチレン系共重合樹脂(A)、ゴム変性スチレン系樹脂(B)及びスチレン系樹脂(C)の各含有量は、任意にすることができるが、スチレン系共重合樹脂(A)、ゴム変性スチレン系樹脂(B)及びスチレン系樹脂(C)の合計含有量100質量%とするとき、スチレン系共重合樹脂(A)の含有量が1.0~50.0質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(B)及びスチレン系樹脂(C)の合計含有量が50.0~99.0質量%であることが好ましい。
また、樹脂組成物中には上記(A)~(C)成分以外の樹脂、たとえばポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどを含んでもよい。
本発明におけるゴム変性スチレン系樹脂(B)は、スチレン系樹脂のマトリックス中にゴム状重合体の粒子が分散している樹脂であり、ゴム状重合体の存在下でスチレン系単量体を重合させることにより製造することができる。
トルエン不溶分の膨潤指数=(W2/W3)
また、トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量比の測定は、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム含有量(W4:質量%)を測定し、この値からトルエン不溶分中のゴム含有量(W5(質量))を次式で求める。
トルエン不溶分中のゴム含有量(W5)=W1×W4/100
トルエン不溶分中のゴム含有量に対するトルエン不溶分の質量比(トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量)は次式で求める。
トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量=W3/W5
スチレン系樹脂(C)は、スチレン系単量体を重合して得られる樹脂である。スチレン系樹脂を形成するために使用されるスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、パラメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。これらの単量体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
スチレン系単量体を含む重合原料のための重合装置としては、完全混合型、プラグフロー型、循環装置を備えたプラグフロー型等の装置のいずれも好適に用いることができる。これらの中でも、組成分布の均一性から完全混合型重合装置が好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物中のスチレン系共重合樹脂(A)、ゴム変性スチレン系樹脂(B)及びスチレン系樹脂(C)の各含有量は、任意にすることができる。本実施形態においては、好ましくは、スチレン系共重合樹脂(A)、ゴム変性スチレン系樹脂(B)及びスチレン系樹脂(C)の合計含有量100質量%とするとき、スチレン系共重合樹脂(A)の含有量が1.0~50.0質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(B)及びスチレン系樹脂(C)の合計含有量が50.0~99.0質量%である。上記の範囲にすることにより、樹脂組成物の強度及び耐熱性を両立することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、落錘衝撃強度が1.8g・cm以上であることが好ましく、より好ましくは2.1g・cm以上であり、さらに好ましくは2.5g・cm以上である。落錘衝撃強度が1.8g・cm以上であることにより、スチレン系共重合樹脂(A)をリワークして得られた樹脂組成物を様々な用途において使用することができる。当該落錘衝撃強度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
〈ゲル化抑制剤〉
本実施形態において、スチレン系共重合樹脂(A)や樹脂組成物は、例えば、スチレン系共重合樹脂(A)を100質量部とした際に、ゲル化抑制剤を0.05~0.3質量部含んでいてもよい。スチレン系共重合樹脂(A)や樹脂組成物は、ゲル化抑制剤を含有することで、ゲル物の生成を抑制し、シートにした際の外観をより向上させることが可能である。ゲル化抑制剤としては、特に限定されなく、例えば、脂肪族モノアルコール、及びポリオキシエチレンモノアルキルエーテル等が挙げられる。また、ゲル化抑制剤の添加方法としては特に限定されなく、例えば、スチレン系共重合樹脂(A)の重合前もしくは重合中にゲル化抑制剤を添加してもよく、スチレン系共重合樹脂(A)や樹脂組成物のペレットを得る際にゲル化抑制剤も押出機で練り込む方法等が挙げられる。
脂肪族モノアルコールとしては、特に限定されなく、例えばC(炭素数)8~20の脂肪族モノアルコールが挙げられる。本実施形態において、脂肪族モノアルコールを含有することで、スチレン系共重合樹脂(A)の分子鎖中の不飽和カルボン酸系単量体(メタクリル酸等)単位の脱水縮合反応を抑え、外観により優れたスチレン系共重合樹脂(A)及び樹脂組成物を得ることができる。スチレン系共重合樹脂(A)または樹脂組成物中の脂肪族モノアルコールの含有量としては、スチレン系共重合樹脂(A)を100質量部としたとき、好ましくは0.05~0.3質量部、より好ましくは0.1~0.2質量部である。脂肪族モノアルコールの含有量が0.05質量部以上であると、外観の改善効果がより大きくなり、一方、0.3質量部以下であると、耐熱性により優れる傾向がある。また、成形時の金型汚れが低減される傾向がある。
ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとしては、特に限定されなく、例えば下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。本実施形態において、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルを含有することによって、スチレン系共重合樹脂(A)の分子鎖中の不飽和カルボン酸系単量体(メタクリル酸等)単位の脱水縮合反応がより効果的に抑えられ、外観により優れるスチレン系共重合樹脂(A)及び樹脂組成物を得ることができる。
R-O-(CH2-CH2-O)X-H ・・・(1)
(RはC12~20のアルキル基であり、Xはエチレンオキサイドの平均付加数であり、4~12の整数である。)
本実施形態のスチレン系共重合樹脂(A)や樹脂組成物は、スチレン系共重合樹脂において一般的に使用される各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、フィラー、帯電防止剤、防曇剤、鉱油等が挙げられる。また、スチレン-ブタジエンブロック共重合体やMBS樹脂等の補強材についても物性を損なわない範囲で添加してもよい。配合の方法については特に限定されず、例えば、スチレン系共重合樹脂(A)の重合時に添加して重合する方法や、スチレン系共重合樹脂(A)や樹脂組成物のペレットを得る際、ブレンダーで予め添加剤を混合し、押出機やバンバリーミキサー等にて溶融混錬する方法等が挙げられる。添加量としてはスチレン系共重合樹脂(A)100質量部に対し5質量部以下であることが望ましい。
本実施形態のシートは、上記で説明したスチレン系共重合樹脂(A)又は樹脂組成物から構成されるシートである。シートの製造方法としては、通常知られている方法を用いることができる。例えば、本実施形態におけるシートは、上記で説明したスチレン系共重合樹脂(A)又は樹脂組成物から構成される押出シートであってもよく、上記で説明したスチレン系共重合樹脂(A)又は樹脂組成物から構成される二軸延伸シートであってもよい。
本実施形態の成形品は、上記で説明したシートから構成される成形品である。成形品としては、限定されないが、容器、例えば食品包装用容器、及び食品包装用容器の蓋等が挙げられる。このような容器は、例えば、真空成形により成形して製造することができる。
スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、並びにシート等の各物性の測定及び評価方法は、下記のとおりである。
スチレン系共重合樹脂を、ISO 1133に準拠して、温度200℃、荷重49Nの条件で測定した。
スチレン系共重合樹脂を、ISO 306に準拠して、荷重50N、昇温速度50℃/hの条件で測定した。
スチレン系共重合樹脂を、ISO 306に準拠して、荷重10N、昇温速度120℃/hの条件で測定した。
試料調製 :スチレン系共重合樹脂約0.05質量%をテトラヒドロフランに溶解した。
測定条件
機器 :TOSOH HLC-8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :super HZM-H
温度 :40℃
キャリア :THF 0.35mL/min
検出器 :RI 、UV:254nm
検量線 :TOSOH製の標準PS使用
核磁気共鳴(13C-NMR)装置で測定したスペクトルの積分比から樹脂組成を定量した。
試料調製:スチレン系共重合樹脂75mgをd6-DMSO 0.75mLに60℃で4~6時間加熱溶解した。
測定機器:日本電子 JNM ECA-500
測定条件:測定温度60℃、観測核13C、積算回数2万回、繰返し時間45秒
スチレン系共重合樹脂の質量を100質量%としたときの、スチレン系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、不飽和カルボン酸エステル系単量体、及び溶媒の残存量の合計を総揮発成分量(質量ppm)として、ガスクロマトグラフィーにて測定した。
・試料調製:樹脂2.0gをメチルエチルケトン20mLに溶解後、更に標準物質(トリフェニルメタン)入りのメタノール5mLを加えポリマー成分を再沈させ、上澄み液を採取し、測定液とした。
・測定条件
機器:Agilent社製 6850 シリーズ GCシステム
検出器:FID
カラム:HP-1(100%ジメチルポリシロキサン)30m、
膜厚0.25μm、0.32mmφ
注入量:1μL(スプリットレス)
カラム温度:40℃で2分保持→20℃/分で320℃まで昇温→
320℃で15分保持
注入口温度:250℃
検出器温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム
スチレン系共重合樹脂におけるにおける、スチレンの2量体及び3量体の残存量(質量%)を、下記の条件や手順で、測定した。
・試料調製:スチレン系共重合樹脂2.0gをメチルエチルケトン20mLに溶解後、更に標準物質(トリフェニルメタン)入りのメタノール5mLを加えポリマー成分を再沈させ、上澄み液を採取し、測定液とした。
・測定条件
機器:Agilent社製 6850 シリーズ GCシステム
検出器:FID
カラム:HP-1(100%ジメチルポリシロキサン)30m、
膜厚0.25μm、0.32mmφ
注入量:1μL(スプリットレス)
カラム温度:40℃で2分保持→20℃/分で320℃まで昇温→
320℃で15分保持
注入口温度:250℃
検出器温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム
スチレン系共重合樹脂より、鏡面処理をされた平板成形品用金型にて射出成型した2mm厚みのプレートを作製し、当該プレートを用いて、ISO14728に準拠して、曇り度(HAZE)を測定した。
スチレン系共重合樹脂又は樹脂組成物を、創研社製の25mmφ単軸シート押出機で押し出して、厚さ0.3mmのシートを作製した。該シートから8cm×20cmの大きさの試料を3枚切り出し、3枚の試料の表面において、(長径+短径)/2の平均径が1mm以上の異物であるゲル物の個数を数え、以下の評価基準で外観を判定した。
◎:ゲル物の個数が2点以下
○:ゲル物の個数が3~5点
×:ゲル物の個数が6点以上
スチレン系共重合樹脂25質量部とHIPS(PSジャパン製、商品名:HT478)75質量部を30mmφの二軸押出機(創研社製)を用いて、220℃、80rpmで混練後、ペレタイズし、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を25mmφ単軸シート押出機(創研社製)にて、0.3±0.03mmのシートを作製し、東洋精機社製のデュポン衝撃試験機(No451)を用いて、落錘衝撃強度を測定した。落下重錘の質量0.2kg、撃心突端の半径6.3mm、撃心受台の半径9.4mmとし、落錘衝撃強度は50%破壊の値を、(落下重錘の質量0.2kg)×(高さcm)で求めた。
また、実施例2及び比較例1のスチレン系共重合樹脂については、上記のスチレン系共重合樹脂とHIPS(PSジャパン製、商品名:HT478)の含有量をそれぞれ変更し、スチレン系共重合樹脂を13質量部、HIPS(PSジャパン製、商品名:HT478)を87質量部として、上記と同様にシートを作製し、落錘衝撃強度を測定した。
当該落錘衝撃強度が高いほど、スチレン系共重合樹脂をリワークしても物性が低下しにくいことを意味する。それぞれの評価結果を表1に示す。
実施例及び比較例は、下記のとおりである。
〈実施例1〉
スチレン72.4質量部、メタクリル酸2.6質量部、エチルベンゼン25.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.02質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、重合液を3.9リットルの塔型反応器を経て、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は121℃、塔型反応器の温度を125℃から135℃に連続的に変化させ重合を実施した。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。完全混合型反応器での重合反応率は53.3%、最終反応率は76.1%であった。上述の分析法によって得られたスチレン系共重合樹脂(A)の物性を以下の表1に示す。
スチレン73.0質量部、メタクリル酸3.0質量部、エチルベンゼン24.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.004質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、重合液を3.9リットルの塔型反応器を経て、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は124℃、塔型反応器の温度を137℃から147℃に連続的に変化させ重合を実施した。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。完全混合型反応器での重合反応率は42.8%、最終反応率は79.3%であった。上述の分析法によって得られたスチレン系共重合樹脂(A)の物性を以下の表1に示す。
スチレン70.1質量部、メタクリル酸2.9質量部、エチルベンゼン27.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.004質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が1.8リットルの完全混合型反応器に供給し、重合液を5.4リットルの塔型反応器を経て、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は120℃、塔型反応器の温度を137℃から147℃に連続的に変化させ重合を実施した。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。完全混合型反応器での重合反応率は18.1%、最終反応率は79.7%であった。上述の分析法によって得られたスチレン系共重合樹脂(A)の物性を以下の表1に示す。
スチレン77.2質量部、メタクリル酸2.8質量部、エチルベンゼン20.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.2質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.9リットルの塔型反応器に供給し、次に未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。塔型反応器の温度を120℃から135℃に連続的に変化させ重合を実施した。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。最終反応率は72.3%であった。上述の分析法によって得られたスチレン系共重合樹脂(A)の物性を以下の表1に示す。
スチレン69.6質量部、メタクリル酸5.4質量部、エチルベンゼン27.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.2質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、重合液を3.9リットルの塔型反応器を経て、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合型反応器の反応温度は121℃、塔型反応器の温度を120℃から135℃に連続的に変化させ重合を実施した。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。完全混合型反応器での重合反応率は54.9%、最終反応率は80.1%であった。上述の分析法によって得られたスチレン系共重合樹脂(A)の物性を以下の表1に示す。
スチレン68.7質量部、メタクリル酸5.3質量部、エチルベンゼン26.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.004質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、重合液を3.9リットルの塔型反応器を経て、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は122℃、塔型反応器の温度を137℃から147℃に連続的に変化させ重合を実施した。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。完全混合型反応器での重合反応率は41.4%、最終反応率は77.8%であった。上述の分析法によって得られたスチレン系共重合樹脂(A)の物性を以下の表1に示す。
スチレン68.6質量部、メタクリル酸2.6質量部、メタクリル酸メチル3.8質量部、エチルベンゼン25.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.02質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、重合液を3.9リットルの塔型反応器を経て、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は120℃、塔型反応器の温度を125℃から135℃に連続的に変化させ重合を実施した。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。完全混合型反応器での重合反応率は52.8%、最終反応率は76.4%であった。上述の分析法によって得られたスチレン系共重合樹脂(A)の物性を以下の表1に示す。
スチレン79.0質量部、メタクリル酸2.8質量部、エチルベンゼン18.2質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.022質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、次に未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は133℃とした。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。最終反応率は72.2%であった。比較例1のスチレン系共重合樹脂は組成分布が不十分でありHIPSとブレンドしてリワークした場合の物性低下が大きかった。
スチレン75.3質量部、メタクリル酸5.5質量部、エチルベンゼン19.2質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.027質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、次に未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は133℃とした。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。最終反応率は72.2%であった。比較例2のスチレン系共重合樹脂は組成分布が不十分でありHIPSとブレンドした場合の物性低下が大きかった。
スチレン65.9質量部、メタクリル酸5.1質量部、エチルベンゼン29.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.004質量部からなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が1.8リットルの完全混合型反応器に供給し、重合液を5.4リットルの塔型反応器を経て、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は118℃、塔型反応器の温度を137℃から147℃に連続的に変化させ重合を実施した。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。完全混合型反応器での重合反応率は18.7%、最終反応率は81.2%であった。上述の分析法によって得られたスチレン系共重合樹脂の物性を以下の表1に示す。比較例3のスチレン系共重合樹脂は組成分布が不十分であり透明性に劣る結果となった。
まず、スチレン系共重合樹脂-1を次の方法で得た。スチレン77.5質量部、メタクリル酸7.5質量部、エチルベンゼン15.0質量部、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.025質量部から成る重合原料組成液を、1.1リットル/時の速度で、容量が4リットルの完全混合型反応器に、次いで、容量が2リットルの層流型反応器から成る重合装置に、次いで、未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置に、連続的に順次供給し、樹脂を調製した。重合工程における重合反応条件は、完全混合反応器は重合温度126℃、層流型反応器は温度135℃とした。脱揮された未反応ガスは-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮して未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂-1を得た。得られたスチレン系共重合樹脂-1はメタクリル酸量10.1%、Mw22.1万であった。
得られた、スチレン系共重合樹脂-1、-2を、30mmφの二軸押出機(創研社製)を用いて、220℃、80rpmで混練後、ペレタイズし、比較例4のスチレン系共重合樹脂を得た。当該スチレン系共重合樹脂は組成分布が不十分であり透明性に劣る結果となった。
スチレン61.3質量部、メタクリル酸4.5質量部、エチルベンゼン34.2質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.022質量部からなる重合原料組成液を、0.4リットル/時の速度で、容量が1.8リットルの完全混合型反応器(a)に供給し、反応器(a)と並列に設置された完全混合型反応器(b)にスチレン82.8質量部、メタクリル酸6.0質量部、エチルベンゼン11.2質量部、及び2,2-ビス(4,4-ジ-ターシャリー-ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン0.022質量部からなる重合原料組成液を、0.4リットル/時の速度で、容量が1.8リットル/時供給した。反応器(a)及び反応器(b)の反応液を容積0.6リットルの塔型反応器に供給し、次に未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器(a)の重合温度は143℃、完全混合反応器(b)の重合温度は113℃、塔型反応器の温度を130℃とした。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。反応器(a)の重合反応率は35.3%、反応器(b)の重合反応率は36.2%、最終反応率は74.4%であった。比較例5のスチレン系共重合樹脂はMz/Mwが大きいために外観に劣る結果となった。
スチレン61.8質量部、メタクリル酸10.1質量部、エチルベンゼン28.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.0225質量部とからなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、次に未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は128℃とした。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。最終反応率は72.8%であった。比較例6のスチレン系共重合樹脂は含有するメタクリル酸量が多く、外観に劣る結果となった。
スチレン84.0質量部、エチルベンゼン16.0質量部、及び1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.025質量部とからなる重合原料組成液を、0.8リットル/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に供給し、次に未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置へと連続的に供給した。完全混合反応器の重合温度は138℃とした。単軸押出機の温度を200~250℃、圧力を10torrに設定して、未反応モノマー及び重合溶媒等の揮発成分を脱揮した。脱揮された揮発成分を-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、スチレン系共重合樹脂は樹脂ペレットとして回収した。最終反応率は71.4%であった。比較例7のスチレン系共重合樹脂はメタクリル酸を含有しないため、耐熱性に劣る結果となった。
Claims (6)
- スチレン系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを構成単位として含むスチレン系共重合樹脂であって、
前記スチレン系共重合樹脂中の前記スチレン系単量体単位及び前記不飽和カルボン酸系単量体単位の合計含有量を100質量%とするとき、前記スチレン系単量体単位の含有量が86質量%以上97質量%以下であり、前記不飽和カルボン酸単量体単位の含有量が3質量%以上7質量%以下であり、
荷重50N、昇温速度50℃/hで測定したビカット軟化温度をT1(℃)とし、荷重10N、昇温速度120℃/hで測定したビカット軟化温度をT2(℃)とするとき、T1が105℃以上であり、(T2-T1)/T1が0.061以上0.072以下であり、
Z平均分子量(Mz)の重量平均分子量(Mw)に対する比(Mz/Mw)は1.5以上2.5以下であることを特徴とする、スチレン系共重合樹脂。 - 請求項1に記載のスチレン系共重合樹脂とともに、ゴム変性スチレン系樹脂及び/又はスチレン系樹脂を含有する樹脂組成物。
- 請求項1に記載のスチレン系共重合樹脂、又は請求項2に記載の樹脂組成物から構成される非発泡シート。
- 請求項1に記載のスチレン系共重合樹脂、又は請求項2に記載の樹脂組成物から構成される発泡シート。
- 請求項1に記載のスチレン系共重合樹脂、又は請求項2に記載の樹脂組成物から構成される二軸延伸シート。
- 請求項3~5のいずれかに記載のシートを成形してなる食品包装容器。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018193630A JP7336840B2 (ja) | 2018-10-12 | 2018-10-12 | スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 |
JP2023134884A JP2023153288A (ja) | 2018-10-12 | 2023-08-22 | スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018193630A JP7336840B2 (ja) | 2018-10-12 | 2018-10-12 | スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023134884A Division JP2023153288A (ja) | 2018-10-12 | 2023-08-22 | スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020059832A JP2020059832A (ja) | 2020-04-16 |
JP7336840B2 true JP7336840B2 (ja) | 2023-09-01 |
Family
ID=70218792
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018193630A Active JP7336840B2 (ja) | 2018-10-12 | 2018-10-12 | スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 |
JP2023134884A Pending JP2023153288A (ja) | 2018-10-12 | 2023-08-22 | スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023134884A Pending JP2023153288A (ja) | 2018-10-12 | 2023-08-22 | スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP7336840B2 (ja) |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009126930A (ja) | 2007-11-22 | 2009-06-11 | Ps Japan Corp | スチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法、及びその樹脂組成物 |
JP2010211977A (ja) | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Toyo Styrene Co Ltd | 導光板 |
JP2014101403A (ja) | 2012-11-16 | 2014-06-05 | Ps Japan Corp | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 |
JP2014169391A (ja) | 2013-03-04 | 2014-09-18 | Ps Japan Corp | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 |
JP2014201708A (ja) | 2013-04-09 | 2014-10-27 | Psジャパン株式会社 | スチレン系共重合樹脂組成物、押出発泡シートおよび容器 |
JP2014205761A (ja) | 2013-04-12 | 2014-10-30 | 東洋スチレン株式会社 | 耐熱性樹脂発泡シート及び容器 |
JP2016011357A (ja) | 2014-06-27 | 2016-01-21 | Psジャパン株式会社 | 耐熱スチレン系樹脂の製造方法、耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 |
JP2017105954A (ja) | 2015-12-11 | 2017-06-15 | Psジャパン株式会社 | スチレン系樹脂組成物及びその成形品 |
WO2017122774A1 (ja) | 2016-01-13 | 2017-07-20 | デンカ株式会社 | 二軸延伸シートおよびその成形品 |
-
2018
- 2018-10-12 JP JP2018193630A patent/JP7336840B2/ja active Active
-
2023
- 2023-08-22 JP JP2023134884A patent/JP2023153288A/ja active Pending
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009126930A (ja) | 2007-11-22 | 2009-06-11 | Ps Japan Corp | スチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法、及びその樹脂組成物 |
JP2010211977A (ja) | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Toyo Styrene Co Ltd | 導光板 |
JP2014101403A (ja) | 2012-11-16 | 2014-06-05 | Ps Japan Corp | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 |
JP2014169391A (ja) | 2013-03-04 | 2014-09-18 | Ps Japan Corp | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 |
JP2014201708A (ja) | 2013-04-09 | 2014-10-27 | Psジャパン株式会社 | スチレン系共重合樹脂組成物、押出発泡シートおよび容器 |
JP2014205761A (ja) | 2013-04-12 | 2014-10-30 | 東洋スチレン株式会社 | 耐熱性樹脂発泡シート及び容器 |
JP2016011357A (ja) | 2014-06-27 | 2016-01-21 | Psジャパン株式会社 | 耐熱スチレン系樹脂の製造方法、耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 |
JP2017105954A (ja) | 2015-12-11 | 2017-06-15 | Psジャパン株式会社 | スチレン系樹脂組成物及びその成形品 |
WO2017122774A1 (ja) | 2016-01-13 | 2017-07-20 | デンカ株式会社 | 二軸延伸シートおよびその成形品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2023153288A (ja) | 2023-10-17 |
JP2020059832A (ja) | 2020-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6321322B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 | |
JP5897311B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 | |
JP6188307B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 | |
JP6104677B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 | |
JP2017133040A (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 | |
JP7520178B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート、成形品 | |
JP6707400B2 (ja) | スチレン系樹脂、スチレン系樹脂組成物、そのシート及び成形品、並びにスチレン系樹脂の製造方法 | |
JP6803211B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート、成形品 | |
JP5697374B2 (ja) | スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂組成物、押出シート及び成形品 | |
JP6584312B2 (ja) | スチレン系樹脂組成物及びその成形品 | |
JP6328531B2 (ja) | 押出発泡シート及び容器 | |
JP2011126996A (ja) | スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、押出シート及び成形品 | |
JP2006282962A (ja) | 芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体及びその製造方法 | |
JP7336840B2 (ja) | スチレン系共重合樹脂、樹脂組成物、そのシート及び成形品 | |
JP6243807B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂の製造方法、耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート及び成形品 | |
JP2005239951A (ja) | 芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法 | |
JP2017214485A (ja) | スチレン系樹脂組成物、並びにそのシート及び成形品 | |
JP7274261B2 (ja) | スチレン系樹脂組成物、シート、及び成形品 | |
JP7116660B2 (ja) | スチレン系樹脂組成物、シート及び成形品 | |
JP6333140B2 (ja) | 板状押出発泡体 | |
JP6829103B2 (ja) | スチレン系樹脂、シート、成形品及び製造方法 | |
JP7470565B2 (ja) | フィルム用スチレン-メタクリル酸系共重合体樹脂組成物、フィルム、及び成形品 | |
JP7384723B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、非発泡押出シート、及び発泡押出シート、並びにこれらの成形品 | |
JP2004339357A (ja) | 透明ゴム変性ポリスチレン系樹脂 | |
JP7263117B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、シート、及び成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210701 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220614 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20220720 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20220810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221013 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230117 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20230309 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230808 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230822 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7336840 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |