JP6333140B2 - 板状押出発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は、板状押出発泡体に関する。
スチレン系樹脂組成物からなる板状押出発泡体は、優れた断熱性及び機械的強度を有するため、断熱材や畳の芯材等の用途に幅広く用いられている。
スチレン系樹脂組成物からなる板状押出発泡体の製造方法としては、従来より種々の方法が知られているが、一般には、押出機内でスチレン系樹脂に発泡剤を添加して溶融混練した後、この溶融混練物からなる発泡性組成物を押出機から低圧雰囲気下に押出発泡して発泡体を得るという方法が採用されている。
このような板状押出発泡体においてコストダウンのために高倍率化が図られているが、発泡体密度を下げて高倍率化しようとすると発泡セルがうまく形成されず、発泡セルがつながったいわゆる連泡ができて独立気泡率や製品強度が低下するという問題や、外観が荒れたものになってしまうといった問題が生じる。
上記の問題を解決するための試みとして、特定のZ平均分子量及び重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが特定の範囲であるスチレン系樹脂を用いる方法(例えば、特許文献1参照)や、Z平均分子量Mzと重量平均分子量Mwの比(Mz/Mw)が特定の値以上であるスチレン系樹脂を用いる方法(例えば、特許文献2参照)等も提案されている。
特開平10−182870号公報 特開2005−335373号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、数平均分子量Mnが18〜21の高分子量体を用いているため、条件によっては成形加工が困難である。また、特許文献2に記載の技術では、発泡体強度を度外視しているため、充分良好な独立気泡率及び発泡体強度を合わせ持った高倍率な発泡体は得られない。
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、高倍率化しても高い独立気泡率を維持することができ、発泡体密度と製品強度のバランスに優れる板状押出発泡体を提供することを目的とする。
本発明者らはかかる現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の分岐状重合体を用いて分子内に分岐構造を導入して高分子量化したビニル芳香族炭化水素重合体組成物を含む板状押出発泡体が、上記した課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]
線状ビニル芳香族炭化水素重合体(A)と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体の共役ジエン部分にビニル芳香族炭化水素鎖が結合した分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)を含むビニル芳香族炭化水素重合体組成物であって、
前記(A)及び(B)が、1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体又は2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸無水物又はマレイミドとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含み、かつ、下記(a)〜(c)を満たすビニル芳香族炭化水素重合体組成物を含む、厚み5mm以上100mm以下の板状押出発泡体:
(a)前記(B)が、前記ブロック共重合体中の共役ジエン化合物単位を起点として分岐している;
(b)前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中における前記ブロック共重合体の含有量が、共役ジエン換算量で0.1質量%以上2.0質量%以下である;
(c)前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物を四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによる酸化分解に供する場合、当該酸化分解前のZ平均分子量(Mz1)と当該酸化分解後のZ平均分子量(Mz2)の比(Mz2/Mz1)が、0.30以上0.90以下である。
[2]
前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物における前記(B)が、前記(A)中に分散しており、10万倍に拡大した電子顕微鏡写真4μm2の面積あたり粒子径50nm以下の点粒子が0〜1000個存在する、[1]に記載の板状押出発泡体。
[3]
前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の200℃、2500Pa・secで測定した伸張粘度が10万Pa・sec以上100万Pa・sec以下である、[1]又は[2]に記載の板状押出発泡体。
[4]
前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物のZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が、2.0以上4.0以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の板状押出発泡体。
[5]
前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の200℃及び49Nで測定したメルトマスフローレート(MFR)が0.5g/10分以上10.0g/10分以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の板状押出発泡体。
[6]
前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の分岐度が0.30以上0.90未満である、[1]〜[5]のいずれかに記載の板状押出発泡体。
[7]
前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中における100万以上の分子量成分が、2.0%以上20%以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の板状押出発泡体。
[8]
前記ブロック共重合体中の共役ジエン由来の構成成分量が5質量%以上40質量%以下であり、
前記ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素由来の構成成分量が60質量%以上95質量%以下であり、
前記ブロック共重合体におけるビニル結合量が7%以上70%以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の板状押出発泡体。
本発明の板状押出発泡体は、高倍率化しても高い独立気泡率を維持することができ、発泡体密度と製品強度のバランスに優れる。
図1は、メルトマスフローレート(MFR)と伸長粘度との関係を、実施例と比較例との対比で示すグラフである。 図2は、発泡体密度と圧縮強度との関係を、実施例と比較例との対比で示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明する。なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<板状押出発泡体>
本実施形態における板状押出発泡体は、線状ビニル芳香族炭化水素重合体(A)と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体の共役ジエン部分にビニル芳香族炭化水素鎖が結合した分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)を含むビニル芳香族炭化水素重合体組成物を含む。なお、本明細書において、上記した本実施形態における線状ビニル芳香族炭化水素重合体を単に「(A)」と、上記した本実施形態における分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体を単に「(B)」と、それぞれ称する場合がある。
本実施形態において、前記(A)及び(B)は、1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体又は2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸無水物又はマレイミドとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。
さらに、本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、下記(a)〜(c)を満たす:
(a)前記(B)が、前記ブロック共重合体中の共役ジエン化合物単位を起点として分岐している;
(b)前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中における前記ブロック共重合体の含有量が、共役ジエン換算量で0.1質量%以上2.0質量%以下である;
(c)前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物を四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによる酸化分解に供する場合、当該酸化分解前のZ平均分子量(Mz1)と当該酸化分解後のZ平均分子量(Mz2)の比(Mz2/Mz1)が、0.30以上0.90以下である。
さらにまた、本実施形態において、押出発泡シートの厚みは5mm以上100mm以下である。
上記のように構成されているため、本実施形態における板状押出発泡体は、高倍率化しても高い独立気泡率を維持することができ、発泡体密度と製品強度のバランスに優れる。また、独立気泡率、発泡体密度については、例えば、後述する実施例に記載の方法で評価することができる。
本実施形態において、「ブロック共重合体が含まれる」とは、当該ブロック共重合体由来の(B)成分が本実施形態のビニル芳香族炭化水素重合体組成物中に含まれていることを意味する。さらに、「(A)及び(B)が1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体又は2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸無水物又はマレイミドとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む」とは、(A)成分については「1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体又は2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸無水物又はマレイミドとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種」が(A)成分そのものとして本実施形態のビニル芳香族炭化水素重合体組成物中に含まれていることを意味し、(B)成分については「1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体又は2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸無水物又はマレイミドとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種」に由来する成分が上記ブロック共重合体の共役ジエン部分に結合するビニル芳香族炭化水素鎖中に含まれていることを意味する。
上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、分岐状重合体を用いて、分子内に分岐構造を導入して高分子量化している。このような本実施形態所望のビニル芳香族炭化水素重合体組成物を適用することで、本実施形態の板状押出発泡体は、発泡セルの延伸時に分子配向がかかり易く、かつ高倍率下においても高い独立気泡率を維持することができ、発泡体密度と製品強度のバランスに優れる。さらに、高い発泡倍率でも製品強度に優れた発泡体とすることができるため、製品のコストダウンにも寄与することができる。
(ビニル芳香族炭化水素重合体組成物)
本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物に含まれる(B)成分は、上記ブロック共重合体中の共役ジエン化合物単位を起点として分岐している。
本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中におけるブロック共重合体の含有量は、共役ジエン換算量で0.1質量%以上2.0質量%以下である。上記共役ジエン換算量が上記範囲内にあることにより、成形性と容器成形後の機械特性の双方に優れた板状押出発泡体とすることができる。上記共役ジエン換算量は、伸長粘度の観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上である。一方、流動性の観点から、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1.3質量%以下である。上記共役ジエン換算量が0.1質量%未満の場合は、共役ジエン部分へのビニル芳香族炭化水素鎖の結合確率が少なくなり、高分子量化した分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)が得られず、高い伸張粘度の組成物が得られない。そのため、成形性と容器成形後の機械特性の双方に優れた押出発泡体が得られない。また、共役ジエン換算量が2質量%を超える場合、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の加工性(流動性)や剛性が低下するので、発泡体の製品強度が低下する。なお、上記共役ジエン換算量は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態における(A)成分は、ラジカル重合可能な単量体を構成単位として含むことができる。上記ラジカル重合可能な単量体としては、以下に限定されないが、例えば、ビニル芳香族炭化水素単量体を挙げることができる。また、上記ビニル芳香族炭化水素単量体と組み合わせて、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、不飽和カルボン酸無水物、マレイミド等を使用することもできる。
上記したラジカル重合可能な単量体を用いて、1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体又は2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸無水物又はマレイミドとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む重合体を得ることが好ましい。換言すると、本実施形態のビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体又は2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸無水物又はマレイミドとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む重合体を(A)成分及び(B)成分として含むことが好ましい。なお、上記ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体は、二元共重合体とすることもできるし、三元共重合体とすることもできる。
上記ビニル芳香族炭化水素単量体としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−,及びp−メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン等を用いることができる。中でも、スチレンが好ましい。ビニル芳香族炭化水素単量体は1種類又は2種類以上の併用で使用できる。
本実施形態の目的を損なわない範囲で、ビニル芳香族炭化水素単量体と組み合わせて使用できる(共重合できる)他の不飽和単量体の具体例を次に示す。すなわち、上記不飽和カルボン酸としては、以下に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等を挙げることができる。また、上記不飽和カルボン酸のアルキルエステルとしては、以下に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸のアルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸のアルキルエステル等を挙げることができる。さらに、上記不飽和カルボン酸無水物としては、以下に限定されないが、例えば、無水マレイン酸等を挙げることができる。さらにまた、上記マレイミドとしては、以下に限定されないが、例えば、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等を挙げることができる。本実施形態のビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、上記したビニル芳香族炭化水素単量体と共重合可能な不飽和単量体を50質量%以下で含有することが好ましい。より詳細には、上記不飽和カルボン酸の使用量については、0〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。上記不飽和カルボン酸のアルキルエステルの使用量については、0〜45質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましい。上記不飽和カルボン酸無水物及び上記マレイミドの使用量については、0〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。上記したビニル芳香族炭化水素単量体と共重合可能な不飽和単量体が50質量%以下である場合、十分に良好な耐熱性と成形加工性を確保できる傾向にある。
また、本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中の分岐状重合体(B)は、例えば、四酸化オスミウムを溶液とターシャリーブチルハイドロパーオキサイドの混合分解剤によって分子内の共役ジエンブロックを酸化分解することにより、その存在を確認することができる。即ち、分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)が形成されていれば、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体の共役ジエン部分に結合していたビニル芳香族炭化水素鎖が酸化分解によって切断されるため、Z平均分子量が低下する。本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の酸化分解前のZ平均分子量(Mz1)と当該酸化分解後のZ平均分子量(Mz2)の比(Mz2/Mz1)が、0.30以上0.90以下である。上記Z平均分子量の比が上記範囲内にあることにより、成形性と容器成形後の機械特性の双方に優れた押出発泡体とすることができる。上記Z平均分子量の比は、流動性の観点から0.30以上であり、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.45以上である。一方、伸長粘度の観点から0.90以下であり、好ましくは0.85以下である、より好ましくは0.80以下である。Z平均分子量の比が0.90を超える場合、共役ジエン部分へのビニル芳香族炭化水素鎖の結合が少なく、高分子量化が図れず、高い伸張粘度の組成物が得られないので、発泡体の製品強度が上がらない。また、Z平均分子量の比が0.3未満である場合、成形加工性が悪くなる。なお、上記Z平均分子量の比は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の200℃及び49N荷重におけるメルトマスフローレート(MFR)は、高い発泡倍率でも良好な外観を確保しつつ製品強度に優れる板状押出発泡体とすることができるので、0.5g/10分以上10.0g/10分以下が好ましい。より好ましいMFRの範囲は、上記の観点から、0.8g/10分以上9.5g/10分以下であり、さらに好ましいMFRの範囲は1.0g/10分以上9.0g/10分以下である。MFRが0.5g/10分以上である場合、上記のように吐出量が低下した場合において、吐出量を上げるために押出機の温度を上げても、難燃剤が分解する等の不都合を防止できる傾向にある。またMFRが10.0g/10分以下である場合、当該板状押出発泡体の独立気泡率と製品強度の低下を防ぎ、製品の高倍率化と強度維持とが両立される傾向にある。なお、上記MFRは、JIS K 7210に従って200℃及び49Nで測定される値を採用することができる。
本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物におけるZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.0以上4.0以下であることが好ましい。上記(Mz/Mw)が2.0以上である場合、十分に高い伸張粘度を有するビニル芳香族炭化水素重合体組成物が得られる傾向にあり、製品強度の低下を効果的に防止できる傾向にある。また、上記(Mz/Mw)が4.0以下である場合、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中における高分子量成分を適切な量に制御しやすく、より良好な押出成形が可能となり、良好な形状の板状押出発泡体が得られる傾向にある。なお、上記(Mz/Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される値を採用することができる。
本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、上記のとおり線状ビニル芳香族炭化水素重合体(A)とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体の共役ジエン部分にビニル芳香族炭化水素鎖が結合した分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)を含むため、従来のビニル芳香族炭化水素単量体の直鎖状の重合物と比較すると、容易に高分子量重合体を得ることができる。当該ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の100万以上の分子量成分は、2.0%以上20%以下であることが好ましく、より好ましくは3.0%以上18%以下、更に好ましくは4.0%以上15%以下である。100万以上の分子量成分が2.0%以上である場合、高分子量成分量を十分なものとしつつ、同じ重量平均分子量で比較した場合、従来のビニル芳香族炭化水素単量体の直鎖状の重合物よりも良好な伸張粘度を有する組成物とすることができるため、十分に良好な製品強度を確保できる傾向にある。また、100万以上の分子量成分が20%以下である場合、十分に良好な成形加工性を確保できる傾向にある。なお、上記100万以上の分子量成分の割合は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の200℃、2500Pa・secで測定した伸張粘度は、10万Pa・sec以上100万Pa・sec以下であることが好ましく、より好ましくは20万Pa・sec以上100万Pa・sec以下であり、さらに好ましくは22万Pa・sec以上90万Pa・sec以下であり、よりさらに好ましくは30万Pa・sec以上80万Pa・sec以下である。200℃、2500Pa・secで測定した伸張粘度が10万Pa・sec以上である場合、十分に良好な製品強度を確保できる傾向にあり、200℃、2500Pa・secで測定した伸張粘度が100万Pa・sec以下である場合、十分に良好な成形加工性を確保できる傾向にある。なお、上記伸張粘度は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
さらに、本実施形態において、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の分岐度は、0.30以上0.90未満であり、成形加工性の観点から0.30以上であることが好ましく、より好ましくは0.40以上、さらに好ましくは0.50以上である。一方、伸長粘度の観点から0.90未満であることが好ましく、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.80以下である。分岐度が0.90未満である場合、分子内の分岐数を十分に確保できる傾向にあり、十分に高い伸張粘度の組成物が得られる傾向にある。その結果、発泡体の製品強度をより良好なものとできる傾向にある。また、分岐度が0.30以上である場合、特に良好な成形加工性を確保できる傾向にあり、押出時の吐出量の低下を効果的に防止できる傾向にある上、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物を用いて得られる板状押出発泡体の外観荒れを効果的に防止できる傾向にある。上記分岐度は、絶対分子量測定 マルチ検出器GPC/SECシステム(例えば、スペクトリス(株)製Viscotek TDAmax)を用いて測定した、重量平均分子量=100万における固有粘度対数の比によって表すことができる。
本実施形態においては、分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)が線状ビニル芳香族炭化水素重合体(A)中に分散した点粒子のうち粒子径50nm以下の分散粒子が10万倍に拡大した電子顕微鏡写真4μm2の面積あたり0個以上1000個以下の点状粒子として存在することが好ましい。上記点状粒子の4μm2の面積あたりの個数として、より好ましくは、0個以上800個以下であり、更に好ましくは0個以上600個以下であり、より更に好ましくは0個以上400個以下であり、特に好ましくは0個以上200個以下である。最も好ましくは、0個(点状粒子が存在しないこと)である。なお、粒子径50nm以下の分散粒子についての4μm2あたりの個数は、本実施形態のビニル芳香族炭化水素重合体組成物から切り出した80nmの超薄切片をオスミウム酸で染色した後、透過型電子顕微鏡で撮影した写真から求めることができる。ここで、点状の粒子とは、内部にオクルード構造を持たない、いわゆるコアシェル粒子やサラミ粒子でない粒子である。また、サラミ粒子とは、内部に小さなポリスチレン粒子が複数詰まったポリブタジエンゴムのことを指し、コアシェル粒子とは、内部に1個のポリスチレン粒子を含むポリブタジエンゴムのことを指す。なお、点粒子が凝集した形態のものは、凝集した形態中の点粒子の個数をそれぞれ数える。ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中にコアシェル粒子、サラミ粒子が多数存在すると剛性が低下する傾向があるが、本実施形態のビニル芳香族炭化水素重合体組成物では効果を害さない限り、これらコアシェル粒子、サラミ粒子を含んでいてもよい。なお、上記粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態で用いるビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、スチレン系樹脂の分野で慣用されている添加剤、例えば酸化防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、着色剤等と本実施形態の目的を損なわない範囲で組み合わされることによりビニル芳香族炭化水素重合体組成物として使用されてもかまわない。上記添加剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク等の核剤、流動パラフィン、白色鉱油等の可塑剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の滑剤、ヘキサブロモシクロドデカン等の難燃剤、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤等が挙げられる。またスチレン系樹脂をペレットとし、当該ペレットの外部潤滑剤として、エチレンビスステアリルアミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等をペレットにまぶして使用してもよい。
上記酸化防止剤は、熱成形時または光暴露により生成したハイドロパーオキシラジカル等の過酸化物ラジカルを安定化するか、又は生成したハイドロパーオキサイド等の過酸化物を分解するための成分である。すなわち、上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤又は過酸化物分解剤である。前者は、ラジカル連鎖禁止剤として、後者は、系中に生成した過酸化物をさらに安定なアルコール類に分解して自動酸化を防止することができる。上記酸化防止剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、以下に限定されないが、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スタイレネイテドフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキレイテッドビスフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキシスピロ〔5・5〕ウンデカン等である。また、上記酸化防止剤としての過酸化物分解剤の具体例としては、以下に限定されないが、トリスノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の有機リン系過酸化物分解剤またはジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等の有機イオウ系過酸化物分解剤である。上記酸化防止剤の添加量は、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物100質量部に対して、0.01質量部以上1質量部以下が好ましく、より好ましくは0.1質量部以上0.5質量部以下である。
上記難燃剤の種類としては、難燃性やスチレン系樹脂との相溶性等の観点から、例えば、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化SBSブロックポリマー、2,2−ビス(4’(2”,3”−ジブロモアルコキシ)−3’,5’−ジブロモフェニル)−プロパン等の臭素系難燃剤や、次のような臭素化ビスフェノール系難燃剤が好ましい。しかしながら、上記に限定されない。
上記臭素化ビスフェノール系難燃剤としては、以下に限定されないが、例えば、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモ−2メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールF−ビス(2,3−ジブロモ−2メチルプロピルエーテル)テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAオリゴマーのエポキシ基付加物等が挙げられる。上記の臭素化ビスフェノ−ル系難燃剤の中でも、特に、テトラブロモビスフェノ−ルAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、が、ポリスチレン系樹脂との混練時において分解しにくく、難燃効果も高く発現し易い傾向にあるため好ましい。更に、テトラブロモビスフェノ−ルA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2メチルプロピルエーテル)とを併用すると、難燃性と熱安定性に優れる傾向にあるため好ましい。
更に、臭素系難燃剤に次のような臭素化イソシアヌレート系難燃剤を難燃助剤として併用することが好ましい。上記臭素化イソシアヌレート系難燃剤としては、以下に限定されないが、例えば、モノ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ジ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、モノ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、ジ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、トリス(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート等が挙げられる。また、上記の臭素化イソシアヌレートの中で特に、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートは極めて高い難燃効果が発現するため好ましい。
板状押出発泡体中の臭素系難燃剤の含有量としては、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上9質量部以下、更に好ましくは2質量部以上8質量部以下である。0.1質量部以上である場合は本実施形態所望の難燃性を十分に確保できる傾向にあり、10質量部以下である場合は板状押出発泡体を製造する際の成形性を十分に良好なものとできる傾向にある。
(ブロック共重合体)
本実施形態におけるブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンから構成され、芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体とも称することができる。上記ブロック共重合体は、少なくとも1種類の共役ジエン系単量体及び少なくとも1種類の芳香族ビニル系単量体とを、例えば、リビングアニオン重合体の存在下で溶液重合させる等の方法により、製造することができる。
上記共役ジエン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等であり、一種又は二種以上用いられる。好ましい単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。
また、上記芳香族ビニル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等であり、一種又は二種上用いられる。特にスチレンが好ましい。溶液重合で用いる炭化水素溶媒の例としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が用いられる。好ましい例としては、ヘキサン、シクロヘキサンが挙げられる。
本実施形態におけるブロック共重合体のより詳細な製造方法を以下に示す。すなわち、リビングアニオン重合体を調製し、引き続き共役ジエン系単量体を添加し、単量体の重合終了後、芳香族ビニル単量体を添加し重合反応を続ける方法;リビングアニオン重合体を調製し、引き続き共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体を添加し重合反応を続ける方法等によって製造することができる。また、共役ジエン系単量体の存在する炭化水素溶媒中に、リビングアニオン重合体を添加し、単量体の重合終了後、芳香族ビニル単量体を添加し重合反応を続ける方法;共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体の存在する炭化水素溶媒中に、リビングアニオン重合体を添加し、重合反応を続ける方法等によっても製造することができる。
本実施形態に使用されるブロック共重合体は、以下に限定されないが、例えば、次の一般式(1)〜(8)で表される線状ブロック共重合体やラジアルブロック共重合体、或いはこれらのポリマー構造の任意の混合物とすることができる。
(1)c−(A―B)n
(2)c−(B―A)n
(3)c−(B―A―B)n
(4)c−(A―B―A)n
(5)c−(A―B)n―A
(6)c−(B―A)n―B
(7)c−(B―A―A―B)n
(8)c−(A―B―B―A)n
(一般式(1)〜(8)中のいずれにおいても、Bは共役ジエン系重合体、或いは共役ジエンと芳香族ビニル化合物のランダム共重合体を表し、当該芳香族ビニル化合物の割合が漸増するテーパーブロックを有していてもよい。Aは芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを表す。cはリビングアニオン重合体の残基あるいはカップリング剤の残基を表す。nは1〜10の整数であり、cに複数結合しているポリマー鎖の構造は同一でも、異なっていてもよい。なお、上記の「主体とする」とは、50%超であることを意味する。)
本実施形態において、上記ブロック共重合体の共役ジエン由来の構成成分量が5質量%以上40質量%以下であり、上記ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素由来の構成成分量が60質量%以上95質量%以下であることが好ましい。上記ブロック共重合体の共役ジエン由来の構成成分量として、より好ましくは7質量%以上38質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上35質量%以下である。また、上記ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素由来の構成成分量として、より好ましくは62質量%以上93質量%以下であり、さらに好ましくは65質量%以上90質量%以下である。上記ブロック共重合体の共役ジエン由来の構成成分量が5質量%以上である場合、共役ジエン部分の水素引き抜き、あるいはビニル基へのビニル芳香族炭化水素鎖の結合が十分なものとすることができる傾向にあり、目的とする高分子量成分を得やすくなる傾向にある。また、共役ジエン由来の構成成分量が40質量%以下である場合、上記ブロック共重合体同士の凝集を効果的に防止できる傾向にあり、分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)が線状ビニル芳香族炭化水素重合体(A)中に存在しても、その存在状態は均一で粒子とならないか、粒子になったとしても、点状の形態に維持しやすい傾向にある。また、上記ブロック共重合体におけるビニル結合量は7%以上70%以下であることが好ましい。さらに、上記ビニル結合量として、より好ましくは10%以上65%以下であり、さらに好ましくは13%以上60%以下である。上記ビニル結合量が7%以上である場合、目的とする高分子量成分を十分に確保できる傾向にある。また、上記ビニル結合量が70%以下である場合、高分子量成分の生成量を適切なものに制御しやすい傾向にあり、十分な成形加工性を確保できる傾向にある。なお、上記ビニル結合量は後述する実施例に記載の方法により測定することができる。すなわち、上記共役ジエン由来の構成成分量、ビニル芳香族炭化水素由来の構成成分量及びビニル結合量は、本実施形態における分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)を得る前に、原料としてのブロック共重合体を対象として測定されたものである。
(ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の製造方法)
本実施形態で用いるビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、例えば、上記ブロック共重合体の存在下、ビニル芳香族炭化水素単量体を重合することにより得ることができる。即ち、上記ブロック共重合体の共役ジエン部分の水素引き抜き、あるいはビニル基にビニル芳香族炭化水素鎖が結合することにより、分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)が、線状ビニル芳香族炭化水素重合体(A)とともに得られ、分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)が高分子量成分を成す。
上記ビニル芳香族炭化水素単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−,及びp−メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン等を用いることができる。中でも、スチレンが好ましい。ビニル芳香族炭化水素単量体は1種類又は2種類以上の併用で使用できる。
本実施形態で用いるビニル芳香族炭化水素重合体組成物の製造方法に関しては、以下に限定されないが、例えば、ビニル芳香族炭化水素単量体にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体を溶かした溶液を用いて、一般的な塊状重合、溶液重合、懸濁重合等を用いること等により製造する例を挙げることができる。また、本実施形態においては、線状ビニル芳香族炭化水素重合体(A)の分子量及び分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)の分子量調整のために、重合開始剤、溶媒、連鎖移動剤を使用することもできる。
上記重合開始剤としては、以下に限定されないが、例えば、有機過酸化物を用いることができる。上記有機過酸化物としては、特に限定されないが、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジミリスチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシエステル類、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、p−メンタハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーアミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等の多官能開始剤類を挙げることができる。上記した中でも、伸張粘度を増加させる観点から、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンが好ましい。
上記した有機過酸化物は、スチレン系単量体重合のいずれかの工程にて重合系(重合原料溶液又は重合途中の溶液)に添加することができる。これらの有機過酸化物は重合原料溶液に加えられても、重合途中の溶液に必要に応じて複数回に分割して添加されてもよい。上記有機過酸化物の添加量は、重合原料溶液100質量部に対して、好ましくは0.0005質量部以上0.2質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部以上0.1質量部以下であり、さらに好ましくは0.03質量部以上0.08質量部以下である。上記有機過酸化物の添加量が0.2質量部以下である場合、重合時に発生する大量の反応熱を良好に制御できる傾向にあり、重合反応の制御の観点から好ましい。
上記溶媒としては、以下に限定されないが、例えば、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等が使用できる。上記溶媒の使用量としては、特に限定されないが、重合原料溶液100質量%に対して、0質量%以上50質量%以下の範囲の使用が好ましい。上記連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等が用いることができる。上記連鎖移動剤の使用量としては、重合原料溶液100質量%に対して、好ましくは0.01質量%以上2質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上1質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以上0.8質量%以下である。本実施形態のビニル芳香族炭化水素重合体組成物の製造方法における反応温度としては、好ましくは80℃以上200℃以下であり、より好ましくは90℃以上180℃以下である。上記反応温度が80℃以上である場合、十分に良好な生産性を確保できる傾向にあるため、工業的により適切な条件ということができる。一方、上記反応温度が200℃以下である場合、低分子量重合体の生成量を適切な範囲に制御しやすくなる傾向にあるため好ましい。目標分子量の調整に際しては、上記反応温度(重合温度)だけでなく、開始剤量、溶媒量、連鎖移動剤量等で制御することもできる。また、本実施形態のビニル芳香族炭化水素重合体組成物の製造方法における反応時間としては、一般に0.5時間以上20時間以下、好ましくは2時間以上10時間以下である。上記反応時間が0.5時間以上である場合は反応を十分に進行させることができる傾向にあり、20時間以下である場合は生産性の観点から好ましい。
ビニル芳香族系炭化水素単量体の重合転化率については、特に限定されるものではないが、工業的な見地から、40%以上であることが好ましい。このようにして得られた重合溶液は、未反応単量体や溶媒を除去することにより、目的とするビニル芳香族炭化水素重合体組成物を分離することができ、また懸濁重合の場合には、そのまま次の工程に供することができる。
<板状押出発泡体の製造方法>
本実施形態の板状押出発泡体は、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物から製造することができる。より詳細には、上記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物を発泡させることにより、本実施形態の板状押出発泡体を製造することができる。上記発泡に際しては、通常知られている方法を用いて行うことができる。また、押出発泡時の発泡剤や発泡核剤については通常用いられる物質を使用できる。上記発泡剤としては、特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、フロン、水等を使用することができ、ブタンが好適である。上記発泡核剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク等を使用できる。本実施形態の板状押出発泡体は、断熱効果等の観点から、厚み5mm以上100mm以下、発泡体密度20g/L以上50g/L以下、発泡セル径0.005mm以上0.5mm以下であることが好ましく、上記の値を目安に好ましく製造することができる。ここで、板状押出発泡体の発泡セル径は、後述する粒子径測定と同様に、超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をスキャナーに取り込み、粒子解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、商品名「A像くん」)を用いて測定することができる。
以下、実施例及び比較例により本実施形態の具体的な実施態様を示すが、これは本実施形態の趣旨をより具体的に説明するためのものであり、本実施形態を限定するものではない。
各例におけるビニル芳香族炭化水素重合体組成物、当該組成物からなる板状押出発泡体の各種測定評価は以下の方法に基づいて行った。
[測定、評価方法]
(1)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素及び、共役ジエンの含有量
1H−NMRを測定し、ビニル芳香族炭化水素由来の芳香環のピーク面積と共役ジエン由来のビニル結合部のピーク面積とを用いて計算により求めた。なお、測定装置としては日本電子(株)社製のJEOL−ECA500を使用した。
(2)ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中の共役ジエンの含有量
ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中の共役ジエンの含有量の決定には、予め作成した共役ジエンの各含有量が0、2.0質量%、4.0質量%の組成物を用いて、上記(1)と同様の方法で計算により求めた共役ジエン含有量から作成した検量線を用いた。
(3)ビニル結合量
測定用の試料0.1gを10mLの二硫化炭素で完全に溶解後、0.5mmセルを使用して赤外分光光度計〔島津製作所製、「FTIR−8400S」)を使用してスペクトルを測定した。次いで、得られたスベクトルをHampton法〔R.,R.:AnaLyt.Chem.,21(1949),p.923〕にてビニル結合量を求めた、
(4)メルトマスフローレート(MFR)
ISO1133に準拠して各例のペレットを200℃の温度条件にてメルトマスフローレート測定に供した。メルトマスフローレートは流動性の指標とした。
(5)伸張粘度
ツインキャピラリーレオメーターを用いて、せん断速度40〜1000sec−1に対して、せん断粘度、伸長粘度のデータを採取し、せん断粘度と伸長粘度のグラフを作成して、せん断粘度2500Pa・secにおける、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の伸張粘度を算出した。その際の詳細な条件は次のとおりとした。
使用装置:ROSAND PRECISION社製 ツインキャピラリーレオメーター(型式RH7−2)、
ロングダイス:1mmφ×16mmL
ショートダイス:1mmφ×0.25mmL
温度:200℃
予熱時間:ピストンを下降後、ロングダイス側圧力5MPaで6分。その後ロングダイス側圧力3MPaで3分予熱。
(6)四酸化オスミウム分解処理
四酸化オスミウム溶液とターシャリーブチルハイドロパーオキサイドの混合分解剤を用いて、クロロホルム溶液中のポリマーを90℃に加熱して酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)に従い、酸化分解したポリマーをメタノールで沈殿回収し、酸化分解前後のZ平均分子量の比を算出した。さらに詳細に述べると、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物試料約0.07gをクロロホルム10mLに溶解し、tert−プチルアルコール溶液とtert−ブチルハイドロパーオキサイドのtert−プチルアルコール溶液の混台分解剤を20mLと、四酸化オスミウムの0.05%クロロホルム溶液6mLを加え、90℃でバス中にて12分間還流下、分解した。これを冷却した後、当該溶液にメタノール200mLを撹拌しながら加えてポリスチレン成分を沈殿させた。これをガラスフィルターにて分離し、分離されたポリスチレン成分をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定用の試料とした。このGPC測定用試料について、後述する(7)の分子量測定法に基づき、次のとおりに酸化分解前後のZ平均分子量を測定した。
酸化分解前後のZ平均分子量の比=(酸化分解後のZ平均分子量)/(酸化分解前のZ平均分子量)
(7)分子量測定
各平均分子量(Mn:数平均分子量、Mw:重量平均分子量、Mz:Z平均分子量)をそれぞれ以下の条件下で測定した。すなわち、まず、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物約1gに、メチルエチルケトン/メタノール混合溶媒(混合質量比90/10)20mLを加え、振とう機で60分かけ溶解させた。次に、R20A2型ロ−ターを備えた日立製作所製himacCR20型遠心分離機を用い、0℃、20,000rpmで60分遠心分離後、上澄み液をデカンデーションにより可溶分を採取した。その後、メタノールを添加し、残渣を回収した。次いで、室温で真空乾燥し、溶媒を除去した。次に、回収サンプルを以下の条件で測定した。なお、100万以上の分子量成分の割合は、上記の測定から得られた横軸ポリスチレン換算の相対分子量値と縦軸紫外吸光光度のピークから、積分により、相対分子量100万以上の成分の含有率を算出することにより得られる値を採用した。
使用装置:東ソー製HLC8020
分別カラム:東ソー製TSK−gel−GMHXL
測定溶媒:テトラヒドロフラン
試料濃度:ビニル芳香族炭化水素重合体組成物5mgを10mLの溶媒に溶解
測定温度:40℃
流速:0.35mL/分
(8)分岐度
まず、以下の条件下で重量平均分子量=100万における固有粘度を測定した。
使用装置:スペクトリス(株)製 絶対分子量測定 マルチ検出器GPC/SECシステム Viscotek TDA305、
光散乱検出器波長:670 nm
カラム:東ソー、TSKgel G6000、5000、4000HXL
測定溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流速:1.0 mL/分で、固有粘度を測定した。
上記のようにして得られた固有粘度に基づき、下式により重量平均分子量=100万における分岐度を算出した。
分岐度=log(組成物の固有粘度)/log(標準PSの固有粘度)
(標準PS:TOSOH、TSKstandard、POLYSTYRENE、F−80(TS−201)、分子量=7.06×105
(9)50nm以下の粒子数の測定
超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、写真中の領域4μm2中に観測される分散粒子のうち、次のように特定される分散粒子の粒子径を測定することにより、粒子径を求めた。なお、測定装置としては、(株)日立ハイテクノロジーズ社製の透過電子顕微鏡HT7700を使用した。なお、分散粒子の粒子数は、次のとおりに測定した。すなわち、各例の組成物を80nmの超薄切片に切り出したものをオスミウム酸で染色後、透過型電子顕微鏡で撮影し、倍率100000倍の写真にした。この写真から、粒子径が50nm以下の分散粒子について、4μm2の面積について粒子数を求めた。ここで、粒子径は写真中の粒子面積から円相当径とした場合の粒子径とした。なお、点粒子が凝集した形態のものは、凝集した形態中の点粒子の個数をそれぞれ数えることとした。本測定は、写真を1000dpiの解像度でスキャナーに取り込み、粒子解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、商品名「A像くん」)を用いて測定した。
(10)板状押出発泡体の発泡体密度
ISO10350に基づいて、各例の発泡体密度を測定した。なお、測定装置としては島津製作所製の比重計(SGM−220−60測定器)を使用した。
(11)板状押出発泡体の発泡倍率
発泡倍率は、上記(10)で求めた発泡体密度の値(ρf)及びビニル芳香族炭化水素重合体組成物の密度(ρ)を用いて、次式より算出した。
発泡倍率=ρ/ρf
(12)板状押出発泡体の独立気泡率
まず、各例において得られる板状押出発泡体から、一辺が25mmの平面正方形状の試験片を5枚切り出した。なお、板状押出発泡体から試験片を切り出すにあたっては板状押出発泡体の表面が試験片に含まれないように板状押出発泡体の内部から切り出すこととした。次いで、得られた5枚の試験片を厚み方向に複数枚重ね合わせて積層体を作製した。この積層体の見掛け体積V1をノギスで測定した。次に、上記積層体の体積V2をASTM D2856−87に準拠して1−2−1気圧法により測定し、下記式に基づいて独立気泡率を算出した。なお、積層体の体積V2は、東京サイエンス社から市販されている空気比較式比重計1000型を用いて測定した。
独立気泡率(%)=100−100×(V1−V2)/V1
(13)圧縮強度
JIS K7220に準じた方法で圧縮強度を測定した。
[ブロック共重合体B−1の製造]
ビニル芳香族炭化水素含有量が90質量%、共役ジエン含有量が10質量%からなるビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体(ブロック共重合体B−1)を、次のようにして製造した。すなわち、予め洗浄乾燥させた容積10Lの撹拌装置及びジャケット付のオートクレーブを窒素ガス雰囲気下とし、スチレン30質量部を25質量%の濃度で含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウム0.095質量部を添加し50℃にて重合した。次に、スチレン30質量部と1,3−ブタジエン10質量部を25質量%の濃度で含むシクロヘキサン溶液を加え60分間反応させた。さらに、スチレン30質量部を25質量%の濃度で含むシクロヘキサン溶液を加え30分間反応させた。その後、重合を完全に停止するため、反応器中にエタノールをn−ブチルリチウムに対して等倍モル添加し、安定剤として当該重合体100質量部に対して、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを0.3質量部添加した。次いで、溶媒を除去することによって、目的とする線状のビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体(ブロック共重合体B−1)を回収した。このようにして得られたブロック共重合体B−1は、スチレン含有量90質量%の、S1−(S/B)−S2構造のブロック共重合体であった。なお、上記のブロック構造を表す式中の、S、B、S/Bに付した番号は、それぞれブロック共重合体におけるビニル芳香族炭化水素ブロック(S)と、共役ジエン重合体ブロック(B)と、ランダム共重合体を含むブロック共重合体(S/B)と、を表すものとして、以下同様に表記する。
[ブロック共重合体B−2の製造]
ビニル芳香族炭化水素含有量が80質量%、共役ジエン含有量が20質量%からなるビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体(ブロック共重合体B−2)を、次のようにして製造した。すなわち、予め洗浄乾燥させた容積10Lの撹拌装置及びジャケット付のオートクレーブを窒素ガス雰囲気下とし、1,3−ブタジエン10質量部を25質量%の濃度で含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.095質量部とn−ブチルリチウムに対して0.3モルのテトラメチルエチレンジアミンを添加し50℃にて重合した。次に、スチレン80質量部を25質量%の濃度で含むシクロヘキサン溶液を加えて60分間反応させた。その後、1,3−ブタジエン10質量部を25質量%の濃度で含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応させた。その後、重合を完全に停止するため、反応器中にエタノールをn−ブチルリチウムに対して等倍モル添加し、安定剤として当該重合体100質量部に対して、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを0.3質量部添加した。次いで、溶媒を除去することによって、目的とする線状のビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体(ブロック共重合体B−2)を回収した。このようにして得られたブロック共重合体B−2は、スチレン含有量80質量%の、B−S−B構造の線状のブロック共重合体であった。
[ブロック共重合体B−3〜B−8の製造]
ブロック共重合体B−2と同様に、表1に規定したビニル芳香族炭化水素含有量と共役ジエン含有量からなるビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体(ブロック共重合体B−3〜B−8)は、表1に規定したビニル結合量となる様に、n−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンの添加量を調整して、それぞれB−S−B構造の線状のブロック共重合体B−3〜B−8を得た。
[実施例1]
[ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の製造]
スチレン85.7質量%と、エチルベンゼン8質量%と、表1記載のブロック重合体B−1を6.3質量%と、の混合液100質量部に対して、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを0.015質量部添加して得た重合原料液を、4.6Lの完全混合型反応器に0.78L/Hrで連続的に仕込み、103℃に調整した。反応器出口の固形分濃度は40質量%であった。なお、上記固形分濃度は、以下の方法により算出した。すなわち、まずw1(g)の重合液をアルミカップに取り、減圧下、230℃で15分間、重合液の未反応モノマー等の揮発成分を揮発させた。その後、残った固形分(反応生成物)w2(g)に対して、次式を用いて算出した。
(固形分濃度)=w2/w1×100(%)
完全混合型反応器の重合体溶液を引き続き、3ゾーンで温度コントロール可能な1.5Lの層流型反応器−1及びそれと直列に配された、3ゾーンで温度コントロール可能な1.5Lの層流型反応器−2に連続的に仕込んだ。層流型反応器−1の温度を129℃/134℃/139℃に、また層流型反応器−2の温度を150℃/155℃/165℃に調整した。
重合反応器より連続して排出される重合体溶液を、未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する、240℃、1.333kPaのベント圧力の三段ベント付き単軸押出機を連結した脱揮装置に連続的に、順次供給し、樹脂を調製した。最終固形分濃度は79%であった。重合条件を表2に示す。また、得られたスチレン系樹脂組成物のGPCによる分子量測定(オスミウム酸分解前後)、分岐度測定、メルトマスフローレート測定、粒子径測定及び伸張粘度側定を行った。この結果を表5に示す。
得られた組成物のブタジエン換算ゴム量は0.5質量%、酸化分解前後のZ平均分子量の比は0.62、分岐度は0.86、100万以上の分子量成分量は6.8質量%、メルトマスフローレートは1.2g/10分であった。200℃、2500Pa・secで測定した伸張粘度は41.3万Pa・secであった。点粒子は存在しなかった。
[ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の板状発泡押出]
ビニル芳香族炭化水素重合体組成物を、単軸押出機、ミキサー、ロータリークーラー、及びダイからなる押出発泡機を用いて、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物100質量部に対して、発泡核剤としてタルク1質量部、ヘキサブロモシクロドデカン3質量部、更に熱安定剤を添加し、厚さ30mmの板状押出発泡体を製造した。樹脂の溶融ゾーンの温度は180〜200℃、ロータリークーラー温度は150〜160℃、ダイ温度を120〜130℃に調整した。発泡核剤には日本ミストロン製、ミストロンベーパーを用い、発泡剤にはLPG(ノルマルブタン/イソブタン=70/30<体積分率>)を用いた。得られた発泡体を、発泡体密度、独立気泡率及び圧縮強度測定に供した。この結果を表5に示す。
[実施例2〜12]
[ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の製造]
ブロック重合体の種類、各添加量、重合条件を表2に記載のとおりに変更したことを除き、実施例1と同様に実施して、実施例2〜12に係るビニル芳香族炭化水素重合体組成物を製造した。表2で用いた、メチルメタクリレートは旭化成ケミカルズ製、アクリル酸ブチルは東亜合成製、α−メチルスチレンダイマーは和光純薬工業製である。これらの物性等を表5に示す。
[比較例1]
[スチレン系樹脂の製造]
スチレン82質量%とエチルベンゼン18質量%との混合液100質量部に対して、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(表2中、「PTA」と略記)を0.015質量部添加して得た重合原料液を、4.6Lの完全混合型反応器に0.78L/Hrで連続的に仕込み、107℃に調整した。反応器出口の固形分濃度は31質量%であった。完全混合型反応器の重合体溶液を引き続き、3ゾーンで温度コントロール可能な1.5Lの層流型反応器−1及びそれと直列に配された、3ゾーンで温度コントロール可能な1.5Lの層流型反応器−2に連続的に仕込んだ。層流型反応器−1の温度を115℃/124℃/129℃に、また層流型反応器−2の温度を145℃/150℃/160℃に調整した。上記以外は実施例1と同様に実施して、比較例1のビニル芳香族炭化水素重合体組成物及び板状押出発泡体を製造した。この物性等を表5に示す。
[比較例2〜5、8、9]
ブロック重合体の種類、各原料の添加量、重合条件を表3のとおりに変更したことを除き、比較例1と同様に実施して、比較例2〜5、8、9に係るビニル芳香族炭化水素重合体組成物および、発泡体を製造した。表3で用いた、メチルメタクリレートは旭化成ケミカルズ製、アクリル酸ブチルは東亜合成製、α−メチルスチレンダイマーは和光純薬工業製である。ただし、比較例8、9は、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の伸長粘度が低すぎて、板状押出発泡体を作成することができなかった。これらの物性等を表5に示す。
[比較例6]
攪拌機を備えた5L−7L−7L層流型反応機3基を直列連結し、その後に二段ベント付き二軸押出機を配置した重合装置を用いて、表4に示すとおりにビニル芳香族炭化水素重合体組成物を製造した。すなわち、スチレン90質量部、表1記載の線状ビニル芳香族炭化水素重合体B−8を5質量部、エチルベンゼン5質量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(表4中、「PHC」と略記。表2〜3中においても同じ。)0.04質量部からなる原料溶液を重合機に供給し重合を行った。第1段重合機で120℃、30rpmで攪拌機を回転させ2時間重合し、ゴム粒子を析出させた後、第2段重合機にて135℃で3時間重合を継続しゴム粒子を安定化させた後、更に第3段重合機にて145℃で3時間重合を進め、最終重合固形分69%とし、この重合溶液を220℃、2.666kPaのベント圧力の三段ベント付き単軸押出機により脱揮発後、比較例6のビニル芳香族炭化水素重合体組成物を得た。このビニル芳香族炭化水素重合体組成物を用い、比較例1と同様にして押出発泡シートを作成しようとしたところ、ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の伸長粘度が低すぎて、押出発泡時に破泡が起こり、押出発泡シートを作成することができなかった。この物性等を表5に示す。
[比較例7]
表1に記載のブロック共重合体B−1 5質量部と、PSジャパン製 ポリスチレンG9305(メルトマスフローレート=1.5g/10min)95質量部とを、東芝機械(株)製の二軸押出機(TEM26SS−12−2V)を用いて220℃、150rpmで造粒し、比較例7に係るビニル芳香族炭化水素重合体組成物および、発泡体を製造した。この物性等を表5に示す。なお、本例のビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、ポリスチレンとブロック共重合体を単純ブレンドしたものであったため、当該ブロック共重合体の共役ジエン化合物単位を起点とした高分子量成分が形成されなかった。すなわち、本実施形態所望の分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)が得られなかった。
なお、上記表1中では、スチレンの仕込み量を「St量」と、1,3−ブタジエンの仕込み量を「Bd量」と、それぞれ表記し、含有比率で表示している。
図1からわかるように、実施例1〜10で使用したビニル芳香族炭化水素重合体組成物は、伸張粘度と加工性(流動性:メルトマスフローレート)の値が比較例1〜7で使用したビニル芳香族炭化水素重合体組成物に対して高い。
図2からわかるように、実施例1〜10の板状押出発泡体は、比較例1〜7の板状押出発泡体に対して、同じ発泡体密度において、圧縮強度の値が高い。
本発明の板状押出発泡体は、発泡セルの延伸時に分子配向がかかり易く、高強度化されるため、発泡体密度と製品強度のバランスに優れ、高い製品強度を維持したまま、高い発泡倍率を実現することができる。

Claims (8)

  1. 線状ビニル芳香族炭化水素重合体(A)と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体の共役ジエン部分にビニル芳香族炭化水素鎖が結合した分岐状ビニル芳香族炭化水素重合体(B)を含むビニル芳香族炭化水素重合体組成物であって、
    前記(A)及び(B)が、1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体又は2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、ビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸のアルキルエステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と不飽和カルボン酸無水物又はマレイミドとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含み、かつ、下記(a)〜(c)を満たすビニル芳香族炭化水素重合体組成物を含む、厚み5mm以上100mm以下の板状押出発泡体:
    (a)前記(B)が、前記ブロック共重合体中の共役ジエン化合物単位を起点として分岐している;
    (b)前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中における前記ブロック共重合体の含有量が、共役ジエン換算量で0.1質量%以上2.0質量%以下である;
    (c)前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物を四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによる酸化分解に供する場合、当該酸化分解前のZ平均分子量(Mz1)と当該酸化分解後のZ平均分子量(Mz2)の比(Mz2/Mz1)が、0.30以上0.90以下である。
  2. 前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物における前記(B)が、前記(A)中に分散しており、10万倍に拡大した電子顕微鏡写真4μm2の面積あたり粒子径50nm以下の点粒子が0〜1000個存在する、請求項1に記載の板状押出発泡体。
  3. 前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の200℃、2500Pa・secで測定した伸張粘度が10万Pa・sec以上100万Pa・sec以下である、請求項1又は2に記載の板状押出発泡体。
  4. 前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物のZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が、2.0以上4.0以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の板状押出発泡体。
  5. 前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の200℃及び49Nで測定したメルトマスフローレート(MFR)が0.5g/10分以上10.0g/10分以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状押出発泡体。
  6. 前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物の分岐度が0.30以上0.90未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状押出発泡体。
  7. 前記ビニル芳香族炭化水素重合体組成物中における100万以上の分子量成分が、2.0%以上20%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の板状押出発泡体。
  8. 前記ブロック共重合体中の共役ジエン由来の構成成分量が5質量%以上40質量%以下であり、
    前記ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素由来の構成成分量が60質量%以上95質量%以下であり、
    前記ブロック共重合体におけるビニル結合量が7%以上70%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の板状押出発泡体。
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