JPH1112418A - 耐熱性スチレン系共重合体組成物 - Google Patents

耐熱性スチレン系共重合体組成物

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JPH1112418A
JPH1112418A JP9183250A JP18325097A JPH1112418A JP H1112418 A JPH1112418 A JP H1112418A JP 9183250 A JP9183250 A JP 9183250A JP 18325097 A JP18325097 A JP 18325097A JP H1112418 A JPH1112418 A JP H1112418A
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JP
Japan
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styrene
copolymer
weight
heat
meth
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JP9183250A
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English (en)
Inventor
Takahiro Suzuki
孝広 鈴木
Atsushi Shichizawa
淳 七澤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)ビニル芳香族化合物及びビニル芳
香族化合物と共重合可能なカルボン酸基及び/またはカ
ルボン酸無水物基を有するビニル化合物を必須成分とす
る耐熱性スチレン系共重合体80.0〜98.9重量
%、(B)ゴム状重合体1.0〜15.0重量%、
(C)重量平均分子量が少なくとも300、000以上
であり、ガラス転移点温度が100℃以下であるビニル
芳香族化合物及び/またはメタクリル酸エステルとアク
リル酸エステルとの共重合体0.1〜5.0重量%より
なる熱可塑性樹脂組成物、及び該組成物よりなる発泡
体。 【効果】 耐熱性スチレン系共重合体組成物を用いるこ
とにより、セル径と加熱軟化伸びのバランスに優れる、
言い換えれば、きめ細かい表面外観と深絞り性のバラン
スに優れ、且つ脆性の改良された発泡シートを製造する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】スチレンー(メタ)アクリル
酸共重合体はポリスチレンに比べ耐熱変形性に優れ、そ
の性質を生かし、発泡ポリスチレンシートより成形され
る食品容器等の耐熱向上や発泡断熱材の耐熱性の向上を
目的として広く利用されている。本発明は、発泡セル径
が細かくても深絞り性が良好であり、且つ、加工時の脆
性が改良された発泡シートの製造に適した耐熱性スチレ
ン系共重合体組成物に関し、また該組成物よりなる発泡
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品包装容器や弁当用容器向けに消費さ
れる熱可塑性樹脂の需要は年々増加の傾向をたどってい
るが、近年特に家庭への電子レンジの普及またはコンビ
ニエンスストアでの弁当の売上の増加にともない電子レ
ンジでの加熱に対応する耐熱性容器に対する需要が大幅
に増加している。一般的に、食品容器や弁当容器は、樹
脂のシートまたは発泡シートの熱成形により生産され
る。透明性、加工性に優れ、安価に入手しうる発泡シー
ト用の樹脂としてポリスチレンが知られており、発泡ポ
リスチレンシートを用いて成形された容器は保温性に優
れている特性を有している。しかし、ポリスチレンは耐
熱性に限界があり、電子レンジ等による加熱下では成形
品の変形が大きくなり、従って成形品の肉圧を厚くする
必要がある。このため、ポリプロピレン(PP)製の食
品容器が用いられる場合があるが、これらの容器は断熱
性に乏しく電子レンジより取り出す時に、素手で取り扱
うのが困難である。
【0003】一方で、ポリスチレンの特性を失わず、耐
熱性を改良したものとして、スチレンー(メタ)アクリ
ル酸共重合体またはスチレンー無水マレイン酸共重合体
が挙げられる。特にスチレンー(メタ)アクリル酸共重
合体は(メタ)アクリル酸の含有量により任意に耐熱性
を設定できる為、極めて工業的に有効でありポリスチレ
ン発泡体の耐熱性を向上せしめる目的で発泡シート用の
原材料として、また車両又は家屋の断熱材用途等の耐熱
性の要求される発泡ボードの原料として利用されてい
る。スチレンー(メタ)アクリル酸共重合体またはスチ
レンー無水マレイン酸共重合体を用いてなる発泡体(特
開昭57ー72830号公報)について、またスチレン
ー(メタ)アクリル酸共重合体より成形される食品容器
(特開昭62ー94539号公報)について知られてい
る。
【0004】また、耐熱性スチレン系共重合体の発泡シ
ートの脆性を改良する方法としてスチレンー(メタ)ア
クリル酸系樹脂組成物にゴム補強ポリスチレン樹脂組成
物を添加する方法(特開昭63ー264335号公
報)、MBS樹脂、スチレンーブタジエンブロック共重
合体、スチレンーブタジエンランダム共重合体等のゴム
成分含有スチレン系樹脂を添加する方法(特開平2ー5
8548号公報)やブタジエン比率が50重量%以上の
スチレンーブタジエン共重合体を添加する方法(特開平
8ー41233号公報)などが知られている。
【0005】また、スチレンー(メタ)アクリル酸系樹
脂組成物に芳香族ビニルモノマーとジエン系モノマーよ
りなる共重合体と、その両者と相溶する樹脂を添加して
なる2次加工性の優れた発泡体(特開平3ー10944
1号公報)についても知られている。ところで、発泡シ
ートの外観を綺麗にすることは発泡容器の見栄えを良く
し、意匠性を挙げる為に必要且つ重要な要求事項の一つ
である。発泡シートの綺麗な外観、言い換えればきめ細
かい表面外観を得る為にはまず発泡シートのセル径を小
さくすることが必要となる。
【0006】ところが、一般に発泡シートの2次成形
は、オーブン等の加熱手段により発泡シートを加熱・軟
化させ、その直後に金型ではさみつけるマッチモールド
成形により容器形状に成形されるが、一般的にスチレン
系樹脂の発泡シートはセル径を小さくすると発泡シート
の加熱軟化伸びが低下するため、深絞り成形ならずと
も、一般の2次成形でさえ容器側面が破断する場合があ
る。特に、深絞り成形を行う場合には、容器側面部の発
泡シートの変形量が大きくなる為、その部分の発泡シー
トが破断してしまう場合がある。そこで、深絞り成形を
する時には発泡シートの大変形を可能とする為に、従来
の知見では、発泡シートのセル径を大きくしたり、加熱
時間を長くしたり、加熱温度を高くしたりするなどの技
術が用いられてきた。
【0007】しかし、発泡セル径を大きくすると前述の
通り発泡シートの表面外観が粗くなってしまう場合があ
る。つまり、従来の方法では、発泡シートのセル径を小
さくすると発泡シートの加熱軟化伸びが小さくなってし
まうため、深絞り成形を行うと深絞り容器の側面部が成
形時に破断してしまうといった現象が起きる場合があ
る。また、加熱時間を長くすることや加熱温度を高くし
た場合、発泡シート表面のセルの破泡や樹脂劣化の為表
面がケロイド状になってしまう場合がある。
【0008】更に、先行技術として知られている特開平
8ー41233号公報や特開平3ー109441号公報
等に開示された技術を用いても、きめ細かい発泡シート
では深絞り成形性が不十分である。そこで、従来より耐
熱性スチレン系共重合体発泡シートの深絞り性ときめ細
かい表面外観のバランスを向上させる技術が望まれてい
た。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る課題点に対して、セル径の大きさ即ち発泡シートの外
観と深絞り性即ち加熱軟化伸びのバランスに優れ、且つ
脆性の改良された発泡シートの製造に適した耐熱性スチ
レン系共重合体組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
を鑑み、スチレンー(メタ)アクリル酸系共重合体もし
くはスチレンー無水マレイン酸共重合体の様な耐熱性ス
チレン系共重合体の発泡シートを生産するにあたり、セ
ル径が小さくても加熱軟化伸びが大きい、つまり、表面
外観が極めて綺麗で深絞り成形性に優れ、且つ、脆性の
改良された発泡シートを得る為には、特定のゴム状重合
体と特定の重量平均分子量以上で、且つ特定のガラス転
移点温度以下のスチレン及び/又はメタクリル酸メチル
とアクリル酸アルキルとの共重合体を特定量併用して添
加することが有効であることを見い出し、本発明を完成
させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、(A)ビニル芳香族化合
物及びビニル芳香族化合物と共重合可能なカルボン酸基
及び/又はカルボン酸無水物基を有するビニル化合物を
必須成分とする耐熱性スチレン系共重合体80.0〜9
8.9重量%、(B)ゴム状重合体体1.0〜15.0
重量%、(C)重量平均分子量が少なくとも30万以上
であり、ガラス転移点温度が100℃以下であるビニル
芳香族化合物及び/又はメタクリル酸エステルとアクリ
ル酸エステルとの共重合体0.1〜5.0重量%よりな
る熱可塑性樹脂組成物、を提供するものである。
【0011】以下本発明について詳しく説明する。ま
ず、本発明のビニル芳香族化合物及びビニル芳香族化合
物と共重合可能なカルボン酸基及び/又はカルボン酸無
水物基を有するビニル化合物を必須成分とする耐熱性ス
チレン系共重合体とは、ビニル芳香族よりなる樹脂の耐
熱性向上の為にカルボン酸基またはカルボン酸無水物基
を有するビニル化合物を共重合せしめた共重合体のこと
を言い、特に工業的な見地からビニル芳香族化合物とし
てスチレン、カルボン酸基またはカルボン酸無水物基を
有するビニル化合物として(メタ)アクリル酸または無
水マレイン酸が好ましい。スチレンと(メタ)アクリル
酸を共重合せしめた樹脂をスチレンー(メタ)アクリル
酸共重合体、スチレンと無水マレイン酸を共重合せしめ
た樹脂をスチレンー無水マレイン酸共重合体と言う。
【0012】また、当該共重合体にスチレンに共重合可
能な他のビニルモノマーを本発明の目的を損なわない範
囲で共重合させてもかまわない。スチレンに共重合可能
な他のビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類;αーメチル
スチレン、o−、m−、p−メチルスチレン、ブロモス
チレン、ジブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロ
スチレン等のスチレン以外の芳香族ビニル類;マレイン
酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸類;無水マレイン酸、無
水イタコン酸等の不飽和脂肪酸無水物類;等が挙げられ
る。
【0013】特にスチレンー(メタ)アクリル酸共重合
体は(メタ)アクリル酸単位の含有量により任意の耐熱
に制御可能であり、本発明においてはその組成に関して
特に制限されるものでは無いが、耐熱向上効果と加工性
のバランスから共重合体中のスチレンと(メタ)アクリ
ル酸単位の含有重量比はスチレン単位/(メタ)アクリ
ル酸単位=85〜97/3〜15の範囲が好ましい。
【0014】また、スチレンー(メタ)アクリル酸共重
合体及びスチレンー無水マレイン酸共重合体の分子量は
特に制限されないが、強度と加工性のバランスから示差
屈折計より求められる線状ポリスチレン換算重量平均分
子量は15万〜35万の範囲が好ましく、特に17万〜
27万の範囲が好ましく、19万〜24万が更に好まし
い。又、分子量分布に関しても特に制限されるものでは
無いが、Mz/Mwが1.8以上であることが好まし
く、2.2以上であることがより好ましい。
【0015】スチレンー(メタ)アクリル酸系共重合体
及びスチレンー無水マレイン酸系共重合体の重合方法は
特に制限されるものではなく、塊状重合、溶液重合、懸
濁重合、乳化重合等が挙げられるが、組成の均一性の確
保から完全混合型重合反応器にて重合を行うのが好まし
い。また、スチレン系樹脂に慣用されている添加剤、例
えば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤等を本発明の目
的を損なわない範囲で添加してもかまわない。次に本発
明のビニル芳香族化合物及び/又はメタクリル酸エステ
ルとアクリル酸エステルとの共重合体は示差屈折計で求
めた線状ポリスチレン換算重量平均分子量が少なくとも
30万以上のものである必要があり、好ましくは130
万以上、更に好ましくは300万以上である。
【0016】重量平均分子量が30万未満のものでは、
発泡シートの深絞り性の改良効果が不十分な場合があ
る。また、ビニル芳香族化合物及び/又はメタクリル酸
エステルとアクリル酸エステルとの共重合体のガラス転
移点温度は100℃以下である必要があり、好ましくは
90℃以下である。該温度が100℃を越えるものは、
単軸押出機もしくは2軸押出機でスチレンー(メタ)ア
クリル酸系共重合体及びスチレンー無水マレイン酸系共
重合体と溶融混練する際に十分に溶融混練してやらない
とうまく溶融せずにゲル状の未分散体となる場合があ
り、結果として発泡シートの表面外観を損ねたり、ある
いは深絞り性の改良効果が不十分な場合がある。
【0017】また、ビニル芳香族化合物及び/又はメタ
クリル酸エステルとアクリル酸エステルとの共重合体の
添加量は0.1〜5.0重量%である。0.1重量%未
満では加熱軟化伸びの向上効果が不十分であり、セル径
と深絞り性のバランス向上効果が不十分である。5.0
重量%を越える場合は当該組成物を単軸又は2軸押出機
で造粒する際、粘度が高い為に押し出し量が低くなり機
械によっては生産性が不十分となる場合がある。特に工
業的な見地からビニル芳香族化合物としてスチレン、メ
タクリル酸エステルとしてメタクリル酸メチル、アクリ
ル酸エステルとしてアクリル酸ブチルが好ましい。
【0018】また、当該共重合体にスチレンまたはメタ
クリル酸メチルに共重合可能な他のビニルモノマーを本
発明の目的を損なわない範囲で共重合させてもかまわな
い。スチレンに共重合可能なビニルモノマーとしては、
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル酸エ
ステル類;αーメチルスチレン、o−、m−、p−メチ
ルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、クロ
ロスチレン、ジクロロスチレン等のスチレン以外の芳香
族ビニル類;マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸
類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和脂肪酸
無水物類;などが挙げられ、以上のビニルモノマーを2
種以上併用させても良い。
【0019】また、当該共重合体の重合方法は特に制限
されるものではなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、
乳化重合等が挙げられるが、工業生産性の観点から乳化
重合による生産が好ましい。次に本発明で言うゴム状重
合体とは、常温でゴム弾性を示す重合体であり、例え
ば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−αオレ
フィン共重合体、エチレン−αオレフィン−ポリエン共
重合体、アクリルゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体、水素化スチレン−ブタジエン共重
合体、水素化ブタジエン系重合体などが挙げられる。
【0020】特に、ビニル芳香族ブロックと共役ジエン
ブロックより構成されるブロック熱可塑性エラストマ
ー、ビニル芳香族化合物と共約ジエン化合物よりなるラ
ンダム熱可塑性エラストマーもしくは共役ジエン重合体
にビニル芳香族化合物及び/又は(メタ)アクリル酸ア
ルキルよりなる重合体がグラフトしたゴム状重合体が好
ましく、工業的な見地からビニル芳香族化合物としてス
チレン、共役ジエン化合物としてブタジエンよりなるブ
ロックスチレン系熱可塑性エラストマーまたはランダム
スチレン系熱可塑性エラストマー、(メタ)アクリル酸
アルキルとしてメタクリル酸メチルよりなるMBS樹脂
が好ましい。
【0021】ブロックスチレン系熱可塑性エラストマー
では、示差屈折検出器を用いたゲルパーミネーションク
ロマトグラムを標準線上ポリスチレンのクロマトグラム
で比較して得られる線状標準ポリスチレン換算の数平均
分子量は特に制限されるものではないが、25万以上の
ものが好ましい。また、スチレンとブタジエンの組成比
は特に制限されるものではないが、耐熱性保持の観点か
ら組成重量比が50〜20/50〜80のものが好まし
い。
【0022】また、当該ブロック共重合体熱可塑性エラ
ストマーの分子形状は特に規定されるものでは無く、例
えば直鎖状のもの、3分岐状のもの、4分岐状のもの等
が挙げられる。またビニル芳香族ブロック(S)と共役
ジエンブロック(B)の結合形態も特に規定されるもの
では無く、例えばSB型、SBS型、SBSB型等が挙
げられる。更に、以上のゴム状重合体を2種以上併用し
ても差し支えない。本発明のゴム状重合体の配合量は1
〜15重量%の範囲である。1重量%未満では発泡シー
トの脆性改良効果が不十分である。15重量%以上では
発泡シートの耐熱性が低下し、成形された容器が容器の
厚さによっては熱により変形してしまう場合がある。
【0023】以上より、セル径が小さくても加熱軟化伸
びが大きく、且つ脆性の改良された発泡シートを得るに
至った。尚、当該熱可塑性樹脂組成物にはスチレン系樹
脂に慣用されている添加剤、例えば酸化防止剤、滑剤、
可塑剤、着色剤、熱安定剤等を本発明の目的を損なわな
い範囲で添加してもかまわない。また、発泡シートの生
産に用いる発泡剤及び発泡核剤としては通常のポリスチ
レン発泡シートの生産に使用されるものを使用すればよ
い。
【0024】そのような発泡剤としては、プロパン、ブ
タン、ペンタン等の揮発性発泡剤及びこれらの混合物、
アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン等の
有機系発泡剤、重炭酸ナトリウム等の無機系発泡剤があ
り、場合によっては炭酸ガス窒素、水等も適応できる。
発泡核剤としては、タルク、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素アンモニウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。次
に、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0025】
【実施例】実施例に記載のスチレン系熱可塑性エラスト
マーBー1は次の参考例に示す方法で製造したものを用
いた。 [参考例1ー高分子量スチレン系熱可塑性エラストマー
B−1の製造]オートクレーブを窒素ガスで内部置換し
た後、精製乾燥させたシクロヘキサン5リットルを仕込
み、その後70℃にて攪拌、昇温した。次に触媒として
n−ブチルリチウムを0.10g、精製、乾燥させたス
チレン300gを添加し、3時間重合した。次いで、精
製・乾燥させたブタジエン700gをプランジャーポン
プにて添加して3時間重合させた。所定の重合ステップ
が終了した後、四塩化珪素を加えて重合を停止させ、分
岐型ブロック共重合体B−1を得た。得られた重合体の
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定した
ポリスチレン換算数平均分子量は27.7万であり、ス
チレン/ブタジエン重量比率は3/7であった。
【0026】次に実施例に記載のスチレン−アクリル酸
ブチル共重合体T−2、T−4は次の参考例に示す方法
で製造したものを用いた。 [参考例2ー高分子量スチレンーアクリル酸ブチル共重
合体T−2の製造]攪拌機、環流冷却機、窒素導入口を
備えた5Lのガラスビーカーに脱イオン水500g、氷
酢酸0.15g、塩化ナトリウム0.8gを投入し、窒
素で30分パージした。160gのスチレン、40gの
アクリル酸ブチル、4gのドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムを投入し、窒素雰囲気下、10分間ホモジナ
イザーで混合し、乳化液を得た。
【0027】その後250rpmで攪拌しながら60℃
に加熱し、次いでソディウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート1%溶液を20g加え、tブチルハイドロキシ
パーオキサイド0.03gを加えた。重合発熱のピーク
で更にソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート1
%溶液を20gを加えた。6時間後、室温に冷却し、乳
化液を冷凍乾燥し、共重合体を回収した。得られた共重
合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測
定したポリスチレン換算重量平均分子量は145万であ
った。
【0028】[参考例3ー高分子量ポリスチレンT−4
の製造]攪拌機、環流冷却機、窒素導入口を備えた5L
のガラスビーカーに脱イオン水500g、氷酢酸0.1
5g、塩化ナトリウム0.8gを投入し、窒素で30分
パージした。200gのスチレン、4gのドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムを投入し、窒素雰囲気下、1
0分間ホモジナイザーで混合し、乳化液を得た。その後
250rpmで攪拌しながら60℃に加熱し、次いでソ
ディウムホルムアルデヒドスルホキシレート1%溶液を
20g加え、tブチルハイドロキシパーオキサイド0.
03gを加えた。重合発熱のピークで更にソディウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート1%溶液を20gを加
えた。6時間後、室温に冷却し、乳化液を冷凍乾燥し、
重合体を回収した。得られた重合体のゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーにて測定したポリスチレン換算
重量平均分子量は195万であった。
【0029】表中及び参考例・実施例中に示す重量平均
分子量Mw、数平均分子量Mnは示差屈折検出器を用い
たゲルパーミネーションクロマトグラムを標準線上ポリ
スチレンのクロマトグラムで比較して得られるポリスチ
レン換算分子量である。測定条件を下記に示す。 測定溶媒 :テトラハイドロフラン 試料濃度 :試料20mgを20mlの該溶媒に溶解。 分別カラム:東ソー製 TSK−gelーGMH−XL2本 測定機本体:東ソー製 HCL8020 測定温度 :38℃ 流速 :1ml/min 液体クロマトグラフ用サンプル前処理フィルター :GLサイエンス社製 非水性 未滅菌 13N 0.45μm
【0030】表中に示すガラス転移点温度は、当該共重
合体等を200℃に加熱した圧縮成型機にてフィルム状
に成形した後、示差走査熱量測定(DSC)にて測定し
た温度である。 表中及び参考例中に示すスチレン系熱可塑性エラストマ
ーのスチレン/ブタジエン比率は、四酸化オスミウムを
触媒としてジターシャリーブチルハイドロパーオキサイ
ドにより酸化分解した後、分解物にメタノールを添加し
て析出させた成分をポリスチレン成分として重量を測定
することで算出した。
【0031】表中に示す発体の表面外観は次の様に評価
した。 ○:表面が平滑で凸凹が小さく綺麗な発泡体である。 ×:表面に未発泡ぶつが生じ、外観が劣る。 表中に示す発泡シートの平均セル径は、発泡シートの巻
き取り方向と平行な方向の断面を走査型電子顕微鏡によ
り35倍の拡大写真を撮影し、画像解析装置により20
0〜300個のセルの面積を計測し、面積から算出され
る円相当直径の平均値である。走査型電子顕微鏡は日本
電子製JSM−T200を、画像解析処理装置は旭化成
製画像解析処理装置を使用した。
【0032】表中に示す発泡シートの破断伸びは、発泡
シートを14日間23℃50%RHの恒温室にて状態調
節した後、発泡シートを40mm×300mmの帯状に
切り出し引っ張り試験機に両端50mmをチャックで固
定した後、5mm/secの速度で引っ張り、破断する
までの伸び量をチャック間距離200mmで除した値を
示す。表中に示す発泡シートの加熱軟化伸びは、発泡シ
ートを14日間23℃50%RHの恒温室にて状態調節
した後、発泡シートを40mm×150mmの帯状に切
り出し、加熱炉の付いた引っ張り試験機に両端20mm
をチャックで固定した。加熱炉中で110℃、1分間加
熱した後、5mm/secの速度で引っ張り、表面に亀
裂が生じる伸び量を目視判断し、その値をチャック間距
離110mmで除した値を示す。
【0033】表中に示す耐熱性は、L/D=0.5のド
ンブリ容器を成形し、成形された容器に水/サラダ油を
100/3の割合で入れて電子レンジで5分加熱をし、
以下の様に評価した。 ○:容器の変形がなかった。 ×:容器が変形し、側面内側がケロイド状になった。 表中に示す発泡体の発泡倍率は、発泡体を約5g切り出
して500mlのメスシリンダーに200ml程水を張
り、切り出した発泡体をメスシレインダーの水中に沈め
て体積の増分を読み、水の比重を1g/cm3 と仮定し
て重量比から発いたて泡倍率を次の様に計算した。
【0034】増加した水の積/切り出した発泡体の重量
=発泡体の発泡倍率 (実施例1〜15、比較例1〜10)スチレンーメタア
クリル酸共重合体(Sー1)またはスチレンー無水マレ
イン酸共重合体(S−2)、表1に記載のメタクリル酸
メチルーアクリル酸ブチル共重合体(Tー1)、スチレ
ンーアクリル酸ブチル共重合体(T−2)、メタクリル
酸メチル系樹脂(T−3)、高分子量ポリスチレン(T
−4)、表2に記載のスチレンーブタジエンブロック共
重合体(B−1〜B−2)、MBS樹脂(Bー3)を表
3、4に記載の割合で混合した後、60mm径の温度1
80〜220℃、回転数60rpmに調整した2軸押出
機により押し出してペレタイズした。
【0035】得られたペレットを直径150mmのサー
キュラーダイを備えた押出発泡機を用いて、発泡シート
を製造した。押出発泡機の樹脂溶融ゾーンの温度は20
0〜230℃、ロータリークーラーの温度は130〜1
70℃、Tダイの温度は160℃に調整した。発泡核剤
として、ミストロンペーパー(日本ミストロン社製)を
樹脂に対して0.1重量部、0.5重量部、1.0重量
部のいずれかの添加量で添加し、発泡剤として、液化ブ
タンを樹脂に対して4重量部添加した。押出発泡された
発泡シートは冷却マンドリルで冷却し、円周上の2点で
カッターにより切断後、幅300mm、厚み1.8mm
の発泡シートを得た。得られた結果を表3、4に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明の耐熱性スチレン系共重合体組成
物を用いることにより、セル径と加熱軟化伸びのバラン
スに優れる、言い換えれば、きめ細かい表面外観と深絞
り性のバランスに優れ、且つ脆性の改良された発泡シー
トを製造することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 25/08 53:02 25:14)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ビニル芳香族化合物及びビニル芳
    香族化合物と共重合可能なカルボン酸基及び/又はカル
    ボン酸無水物基を有するビニル化合物とを必須成分とす
    る耐熱性スチレン系共重合体80.0〜98.9重量
    %、(B)ゴム状重合体1.0〜15.0重量%、
    (C)重量平均分子量が少なくとも30万以上であり、
    ガラス転移点温度が100℃以下であるビニル芳香族化
    合物及び/又はメタクリル酸エステルとアクリル酸エス
    テルとの共重合体0.1〜5.0重量%よりなる熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分が共重合体のスチレン/(メ
    タ)アクリル酸の重量構成比が97/3〜85/15で
    ポリスチレン換算重量平均分子量が15〜35万である
    スチレンー(メタ)アクリル酸共重合体であり、(B)
    成分がスチレン系熱可塑性エラストマーまたはMBS樹
    脂であり、(C)成分がスチレン及び/又はメタクリル
    酸メチルとアクリル酸ブチルとの共重合体である請求項
    1記載の熱可塑性樹脂組成物
  3. 【請求項3】 (C)成分が重量平均分子量が少なくと
    も130万以上でガラス転移点温度が90℃以下の共重
    合体である請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分がビニル芳香族化合物と共役
    ジエン化合物の重量組成比が50/50〜20/80で
    数平均分子量が25万以上であるスチレン系ブロック熱
    可塑性エラストマーである請求項3記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の熱可塑性樹脂より
    なる発泡体。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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