JPH04277508A - 強度,透明性に優れたゴム変性スチレン系樹脂 - Google Patents

強度,透明性に優れたゴム変性スチレン系樹脂

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JPH04277508A
JPH04277508A JP3040075A JP4007591A JPH04277508A JP H04277508 A JPH04277508 A JP H04277508A JP 3040075 A JP3040075 A JP 3040075A JP 4007591 A JP4007591 A JP 4007591A JP H04277508 A JPH04277508 A JP H04277508A
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JP
Japan
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weight
resin
styrene resin
styrene
rubber
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Application number
JP3040075A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Sho
和彦 正
Teruo Arai
輝夫 新井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強度、透明性、低温成形
性に優れたゴム変性スチレン系樹脂に関するものである
。さらに詳しくは、本発明は特定の割合からなるスチレ
ン系構造単位とアクリル酸エステル(メタクリル酸エス
テル)系構造単位とメチルメタクリレート構造単位とか
らなるスチレン系重合体を連続相とし、ビニル芳香族炭
化水素重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体
ブロックからなるゴム状弾性体を分散相とする強度、低
温成形性に優れたスチレン系樹脂に関するものである。
【0002】更に詳細には、本発明は■上記の新規なス
チレン系樹脂から得られた、真空成形性、圧空成形時の
成形サイクルを短縮させると共に、強靱性を高めて成形
品のトリミング時の抜き割れ防止を付与した、透明性の
優れた新規なスチレン系樹脂シート及び二軸延伸スチレ
ン系樹脂シート;■上記の新規なスチレン系樹脂を成形
してなる透明性、強度に優れた新規なスチレン系樹脂成
形体;■上記の新規なスチレン系樹脂から得られる、加
熱二次発泡成形性に優れ、発泡成形品の強度に優れた新
規なスチレン系樹脂発泡体を提供するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スチレン系樹脂は透明
性、成形性、剛性に優れた樹脂であるところから、家庭
用品、電気製品、包装等の成形材料として広く用いられ
てきた。利用分野が拡大するに従い、スチレン系樹脂の
強度向上、成形性向上が強く求められるようになった。 強度の高いスチレン系樹脂を得るには平均分子量を大き
くすればよいことは公知の事実であるが、分子量を大き
くすることにより成形性の低下は免れ得ない。又、成形
性の低下を補う為に可塑剤の添加も公知の事実であるが
、可塑剤を添加すると、強度、剛性が低下する。又、成
形時、可塑剤が成形品表面又は金型に付着する現象、い
わゆるスエッティング現象が生じ、成形品の品質低下、
生産性低下を招く。
【0004】スチレン系樹脂の強度向上の為には、ゴム
状弾性体を分散粒子として含有するスチレン系重合体、
すなわちゴム補強スチレン系樹脂(HIPS)があるが
、この樹脂はシート、フィルムに成形しても不透明であ
り、透明性を要求される分野では使用できない。食品包
装用途では、スチレン系樹脂のシート、フィルムが多用
されている。塩化ビニル樹脂のシート、フィルムは成形
性が良好であり、成形体の強度も優れているが、最近の
環境問題から、塩化ビニル樹脂代替樹脂が求められてい
る。スチレン系単量体だけからなるスチレン系樹脂の改
良が種々行われているが、未だ市場要求を満足させるこ
とは出来ていない。
【0005】一方、ポリスチレンとスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体をブレンドしたスチレン系樹脂は市
場要求をかなり満足しているので、現在市場で多用され
ている。しかし、このスチレン系樹脂は、成形時の配向
に対する強度の方向依存性が非常に大きいという欠点を
有している。又、シート、フィルム等をリワーク使用す
る為、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が架橋し
、いわゆるゲル状物質が生成し、シート、フィルムの表
面特性を著しく悪化させるという欠点もある。そして、
厳しい透明性が要求される分野では問題がある。 又、この樹脂は非常にコストが高いという欠点もある。
【0006】ポリスチレンを用いている限り、耐熱性等
の観点から、成形サイクルの短縮には限界がある。この
限界を打破する為に、スチレン系単量体と共重合可能な
第二の単量体を導入し、耐熱性を下げることは公知であ
る。この樹脂とゴム状弾性体、例えば、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体をブレンドすることにより、市
場の要求を満足させることが可能であると期待されるが
、実際はポリスチレンにゴム状弾性体をブレンドしたも
のより強度が低く、実用的でない。そして、前述のスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体に起因する同様な欠
点を有している。
【0007】特開平2−103207号公報には、多官
能型開始剤を用いて、ブチルアクリレート又はブチルメ
タクリレート又はブチルアクリレートと2−エチルヘキ
シルメタクリレート混合物とスチレンの共重合を行った
記載がある。しかし、スチレン系単量体/アクリル酸エ
ステル(メタクリル酸エステル)単量体の割合が70/
30〜40/60(g/g)とスチレン系単量体が少な
いこと、重合方法が懸濁重合であること、重合温度が7
5℃〜105℃と低いこと等の理由から、得られたスチ
レン系樹脂は不透明であり、ゴム状弾性体とブレンドし
ても不透明であるため、透明性を要求される用途には使
用出来ない。
【0008】<スチレン系樹脂シート>従来のスチレン
系樹脂シートは腰の強さ、透明性、成形性に優れている
等の理由で食品収納容器用の軽量容器等に多用されてい
る。スチレン系樹脂シートは真空成形、圧空成形機によ
り各種容器に熱成形されるが、熱成形する際の成形サイ
クルの短縮は生産性を向上させるので、成形の短縮でき
るスチレン系樹脂シートが要望されている。
【0009】二軸延伸シートでは、成形サイクルを短縮
させるために、延伸による分子配向を小さくし、配向緩
和応力を低くした二軸延伸スチレン系樹脂シート、分子
量を小さくした二軸延伸スチレン系樹脂シート等が試み
られているが、成形品を重ねてトリミングした際、成形
品が割れるという問題点があった。成形サイクルを短縮
させるために、内部潤滑剤を添加したスチレン系樹脂シ
ート、二軸延伸スチレン系樹脂シートが試みられている
が、大きな改善効果は認められない。
【0010】又、第二の共重合可能な単量体、例えばブ
チルアクリレート、との共重合が試みられているが、成
形品の強度が著しく劣るものである。ポリスチレンとス
チレンーブタジエンブロック共重合体をブレンドした樹
脂を用いたスチレン系樹脂シートも同じ理由で成形サイ
クルの短縮に関して問題を有している。
【0011】食品収納容器として、硬質塩化ビニル樹脂
シートが多用されているが、最近の環境問題から、代替
え樹脂が求められているが、硬質塩化ビニル樹脂シート
と同等の条件で成形できるものがないのが現状である。 <スチレン系樹脂発泡体>ポリスチレン系樹脂発泡体は
加熱により、二次発泡し、容易に所望の形状に成形でき
、かつ得られた成形体は軽量で、機械的強度に優れ、外
観が美しく、疎水性に富み、断熱性に優れているため、
箱、トレー、カップ等の食品包装剤や簡易容器に使用さ
れている。最近、生産性の向上、不良率の減少の観点か
ら、二次発泡成形性の良好な、そして可能な限り低温で
成形できるスチレン系樹脂発泡体が望まれている。
【0012】又、包装用トレー等では、自動包装する時
に成形品に大きな力が加わる為に成形品が割れるという
ことがしばしば生じる。又、最近の環境問題から、絶対
量を減らす、すなわち成形品の薄肉化が指向されている
。このため、スチレン系樹脂発泡体の強度の改良が求め
られている。シート状のポリスチレン系発泡体を加熱炉
で加熱処理して発泡させ、次いで加熱炉から取り出して
金型で成形する一連の加熱二次発泡成形体の製造に於い
て、加熱炉内の温度が不均一であることや外気温による
炉内温度の変動の為に、シートの一部又は全部が加熱不
良となり、成形時にシートが破れたり、型決まり性が悪
くなったり、逆に加熱過剰になって、成形品表面にケロ
イド状が発生したり、成形品の厚さが変動する等の現象
が生じる。
【0013】ケロイド状の発生を防ぐ為に、スチレン系
重合体基材の分子量を上げたり、シート表面にフィルム
を貼ったり、樹脂密度の大きい層、いわゆるスキン層を
形成したりする方法が知られているが、かかる方法では
型決まり性の良い発泡体が得られ難く、深絞り成形品の
場合には、シート破れが生じ易い。又、型決まり性の良
い発泡体を得る為に、スチレン系重合体基材に可塑剤、
滑剤等を添加する方法が知られているが、二次成形時の
加熱過剰時に発生するケロイド状の不良現象が起きやす
い。
【0014】ケロイド状の発生を抑え、型決まり性の良
好なスチレン系樹脂発泡体を得る方法として、分子量分
布の広いスチレン系樹脂発泡体を使用することが有効で
あることが特開昭62−22834号公報に記載されて
いるが、かかる分子量分布の広いポリスチレン系発泡体
の成形品は本質的に強度が弱いという欠点を有している
【0015】又、成形体の生産性を高めるために、成形
温度を下げるには限界がある。可塑剤の添加により耐熱
性を下げることは可能であるが、前述の理由で良好な成
形品が得られない。コモノマー、例えばブチルアクリレ
ートを共重合すると、耐熱性が低下することは良く知ら
れた事実であるが、この共重合体は強度が弱く、実用的
に用いることが出来ない。
【0016】又、この共重合体にスチレンーブタジエン
ブロック共重合体を添加すると、強度は向上するが、ス
チレン系樹脂発泡体を成形したあと、二次加熱成形する
までの間に発泡剤が飛散し、スチレン系樹脂発泡体中の
発泡剤量が時間、環境の変化と共に変化し、二次加熱成
形時に安定して成形品が得られないという致命的欠陥を
有している。
【0017】<スチレン系樹脂成形体>スチレン系樹脂
は安価であり、透明性、成形性、剛性に優れていること
から、オーディオカセットハーフ、カセットハーフを収
納するプラスチックケース等のオーディオ製品、書類等
を収納するトレー等の事務用品、金魚鉢、洋服を収納す
るトレー、鳥籠、飲料用カップ、等の日常雑貨用品等多
岐に渡って使用されている。
【0018】近年、各用途で成形体に対する要求性能が
高度化してきている。例えば、カセットハーフ、プラス
チックケースの場合に、コストダウンの要請から成形サ
イクルを極限迄短縮して生産性を高め、かつ成形品の厚
みを極限迄縮めコスト低減を計る等の方策が検討されて
おり、このために、スチレン系樹脂成形体の強度向上が
要求されている。収納箱のトレー等も大型化の方向を指
向し、これに対応する為に、成形体の強度向上が求めら
れている。
【0019】これまで、強度の高い成形体を得るために
は、強度の高いスチレン系樹脂が用いられてきた。強度
の高いスチレン系樹脂を得るには、平均分子量を大きく
すれば良いことは公知の事実である。しかし、平均分子
量を大きくすることにより、成形性が低下し、ハイサイ
クル成形性が要望されている分野では問題があった。 又、流動性低下の結果、成形品に大きな成形歪みを与え
る結果、高分子量化による強度向上効果が低下する。
【0020】この欠点を補う為に、可塑剤の使用も公知
である。可塑剤としてミネラル・オイルが一般的に多用
されている。しかし、可塑剤を添加すると、強度の低下
が大きく、高分子量化して強度向上を計った効果を大き
く低下させることになる。又、可塑剤を添加すると、成
形時にモールドスエッティング現象が生じ、成形体の外
観不良、金型清掃等による生産性の低下を招くことにな
る。
【0021】強度と成形性を改良するために、例えば、
成形性を向上させる為には、ブチルアクリレートを導入
すればよいことはよくしられている。しかし、従来のス
チレンーブチルアクリレート共重合体はブチルアクリレ
ートの含有量を増やしていくにつれて流動性は向上する
が、成形体の強度は流動性に反比例して低下するという
欠点を有していた。
【0022】スチレンーブタジエンブロック共重合体と
ポリスチレンを混合したスチレン系樹脂はシート、フィ
ルムにすると高い強度、使用可能な程度の透明性を有す
るが射出成形すると、強度の配向依存性が大きい為、シ
ート、フィルムの場合ほど高い強度を示さない。又、射
出成形品は透明と言える範疇に入らないほど悪化し、実
使用には向かない。
【0023】
【課題を解決する為の手段】本発明者らはかかる現状を
鑑がみ、鋭意検討した結果、スチレン系単量体と共重合
可能な第二、三の単量体として、アクリル酸エステル(
メタクリル酸エステル)系単量体、メチルメタアクリレ
ートを導入し、かつ適正な方法を用いて特定量の長鎖の
アルキル鎖を導入したスチレン系重合体を連続相とし、
ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと共役ジエンを主
体とする重合体ブロックからなるゴム状弾性体を分散相
とするスチレン系樹脂で、かつ分散相のゴム状弾性体の
粒子系を最適化することにより、■透明性、成形性、強
度のバランスに優れた新規なスチレン系樹脂が得られる
こと、このスチレン系樹脂を成形したシート、フィルム
、発泡体は低温で成形でき、かつ、成形体の強度が優れ
たスチレン系樹脂が得られることを見出し、特に■二次
加熱成形時形の成形サイクルを短縮させると共に、強靱
性を高めて成形品のトリミング時の抜き割れ防止を付与
した、透明性の優れたスチレン系樹脂シートが得られる
こと、■二次加熱成形性、ケロイド状の発生を抑え、型
決まり性良好であり、かつ、発泡成形品の強度が優れ、
低温で成形できるスチレン系樹脂発泡体が得られること
、■透明性、強度に優れた成形体が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0024】すなわち本発明は、ビニル芳香族炭化水素
重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
クを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量
比が、20:80〜50:50であるゴム状弾性体を分
散粒子として含有するゴム変性スチレン系樹脂に於いて
(ア)連続相が 下記化学式(A);
【0025】
【化5】
【0026】下記化学式(B);
【0027】
【化6】
【0028】下記化学式(C);
【0029】
【化7】
【0030】下記化学式(D);
【0031】
【化8】
【0032】で示される構成単位からなり、構成単位(
A)、(B)、(C)の割合が (A):20〜70  重量% (B):0.5〜20  重量% (C):29.5〜79.5  重量%(但し、(A)
+(B)+(C)=100重量%)であり、構成単位比
(D)/[(A)+(B)+(C)]=0.01〜0.
00001の範囲にあり、(イ)分散相の分散粒子径が
0.1〜1.2μmであり、(ウ)ゴム状弾性体の含有
量が1〜20重量%であることを特徴とする強度、透明
性、低温成形性に優れたゴム変性スチレン系樹脂を提供
するものである。なお、本発明は下記の実施の態様をも
含有するものである。■  上記構成単位(A)、(B
)、(C)、(D)、ゴム状弾性体から構成され、上記
に示された構成単位(A)、(B)、(C)の割合、構
成単位比、及びゴム状弾性体が上記に示された範囲の粒
子径を有し、分散粒子として存在し、上記に示された含
有量を有するスチレン系樹脂によって形成される、新規
なスチレン系樹脂シート。■  上記構成単位(A)、
(B)、(C)、(D)、ゴム状弾性体から構成され、
上記に示された構成単位(A)、(B)、(C)の割合
、構成単位比、及びゴム状弾性体が上記に示された範囲
の粒子径を有し、分散粒子として存在し、上記に示され
た含有量を有するスチレン系樹脂を成形してなる、二次
発泡成形性、発泡成形品の強度に優れた新規なスチレン
系樹脂発泡体。■  スチレン系樹脂発泡体の厚さが0
.1mm〜10mm、密度0.03〜0.5g/ccの
シート状である、前記第■項記載の二次発泡成形性、発
泡成形品の強度に優れた新規なスチレン系樹脂発泡体。 ■  上記構成単位(A)、(B)、(C)、(D)、
ゴム状弾性体から構成され、上記に示された構成単位(
A)、(B)、(C)の割合、構成単位比、及びゴム状
弾性体が上記に示された範囲の粒子径を有し、分散粒子
として存在し、上記に示された含有量を有し、上記に示
された量を含有するスチレン系樹脂を成形してなる、透
明性、強度に優れた新規なスチレン系樹脂成形体。
【0033】以下、本発明を詳細に説明する。連続相を
形成する構成単位(B)の量は0.5〜20重量%の範
囲である。より好ましくは2〜17重量%の範囲である
。20重量%を越える場合は、耐熱性が低くなる結果、
シート、発泡体、成形体の実用範囲が非常に狭くなり好
ましくない。又、0.5重量%未満の場合は、スチレン
系樹脂の耐熱性が高くなる為、成形サイクルの短縮効果
、深絞り性向上効果が小さく、かつ強度の優れたシート
発泡体、成形体が得られない。
【0034】構成単位(C)の量は29.5〜79.5
重量%の範囲である。より好ましくは30〜70重量%
である。この範囲以外では、スチレン系樹脂の透明性が
低下し好ましくない。本発明に於いては、連続相の屈折
率は特に制約されるものではないが、分散相を形成する
ゴム状弾性体の屈折率との差が0.01以内に制御する
ことが透明性の観点から好ましい。特に、成形体の場合
は0.008以内が好ましい。
【0035】構成単位(B)の量はスチレン系樹脂の樹
脂物性設計値から決まるため、構成単位(A)、構成単
位(C)で連続相の屈折率を制御することが必要である
。構成単位比(D)/[(A)+(B)+(C)]は0
.01〜0.00001の範囲である。より好ましくは
0.005〜0.00005の範囲である。0.01を
越える場合は強度向上の効果は小さくなり、又、スチレ
ン系樹脂やスチレン系樹脂を成形してなるスチレン系樹
脂シート、スチレン系樹脂発泡体、スチレン系樹脂成形
体のコストアップにつながり好ましくない。0.000
01未満の時は、強度向上の効果は発現せず、強度の優
れたスチレン系樹脂、スチレン系樹脂シート、スチレン
系樹脂発泡体、スチレン系樹脂成形体が得られない。 又、透明性が若干低下するので好ましくない。
【0036】本発明のスチレン系樹脂の連続相の重合度
は特に限定されるものではないが、スチレン系樹脂、シ
ート、フィルム、発泡体、成形体の形状、使用目的等を
考慮して、25℃における10重量%トルエン溶液の粘
度で15センチポイズ〜80センチポイズの領域で、よ
り好ましくは20センチポイズ〜70センチポイズの領
域で設定することが出来る。
【0037】本発明のスチレン系樹脂中のスチレン系単
量体、アクリル酸(メタクリル酸)エステル単量体、メ
チルメタクリレート単量体、重合溶媒の総量は0.15
重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である。0.
15重量%を越える場合は食品衛生上好ましくない。 又、これら三種の単量体から作られる二量体、三量体、
および三種の単量体、重合溶媒の総量は0.8重量%以
下、好ましくは0.7重量%以下、より好ましくは0.
6重量%以下である。これら低分子量化合物の総量が0
.8重量%を越える場合、シート成形時、発泡体成形時
、成形体成形時にモールドスエット現象の原因となり、
又、強度を低下させる因子として働く為、好ましくない
【0038】本発明に於いて、構成単位(A)としては
、例えば次に示す構造のものが挙げられる。
【0039】
【化9】
【0040】本発明において、構成単位(B)としては
、例えば次に示す構造のものが挙げられる。
【0041】
【化10】
【0042】本発明において、構成単位(D)としては
、例えば次に示す構造のものが挙げられる。
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】あるいは、上記構造式の構成単位を2つ以
上ランダムに有していても良い。本発明の分散相として
は、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと共役ジエン
を主体とする重合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化
水素と共役ジエンとの重量比が20:80〜50:50
であるゴム状弾性体よりなる粒子である。ビニル芳香族
炭化水素と共役ジエンがランダムに結合したゴム状弾性
体では、スチレン系樹脂の透明性が劣り、又、粒子径を
小さくするためにゴム状弾性体の相転換時に過大なセン
断応力を与える必要があり、実用的生産には不向きであ
る。本発明のゴム状弾性体を形成するビニル芳香族炭化
水素重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブ
ロックの数、組み合わせ等は特に限定されるものではな
い。ここで、共役ジエンを主体とする重合体ブロックと
は、共役ジエンの含有量が50重量%以上、好ましくは
70重量%以上、より好ましくは90重量%以上の重合
体ブロックである。共役ジエンを主体とする重合体ブロ
ック中に共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合
体ブロック中に均一に分布しても、又、テーパー状に分
布していてもよい。
【0046】ゴム状弾性体のビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンの重量比は20:80〜50:50である。ビ
ニル芳香族炭化水素の重量比が20未満である時は、連
続相の屈折率をゴム状弾性体の屈折率に合わせても鮮明
な透明性が得られない。50を越える場合は、強度補強
効果の発現の度合いが小さく好ましくない。ゴム状弾性
体のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの重量は、四
酸化オスミウムを触媒として、ジ−t−ブチルハイドロ
パーオキサイドにより共重合体を酸化する方法(例えば
、L.M.KOLTHOFF、et  al.,J.P
olym.Sci.1429(1946)に記載の方法
)等により定義することができる。
【0047】本発明で使用するゴム状弾性体は基本的に
は従来公知の手法で製造でき、例えば特公昭36−19
286号公報、特公昭43−14979号公報、特公昭
48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、
特公昭49−36957号公報等に記載された手法が挙
げられる。本発明において、ビニル芳香族炭化水素とし
てはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン等が
使用できる。これら単独又は2種類以上混合しても良い
。特に一般的なものとしては、スチレンが挙げられる。
【0048】又、共役ジエンとしては、一対の共役二重
結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が使用できる
。これら単独又は2種類以上混合しても良い。特に一般
的なものとしては、1,3−ブタジエン、2−メチル−
1,3−ブタジエン(イソプレン)が挙げられる。
【0049】本発明の分散相の粒子径は0.1〜1.2
μmの範囲であることが必要であるより好ましくは0.
2〜0.9μmである。分散粒子径が0.1μm未満の
時は強度補強効果が発現しない。あるいは、効果が非常
に小さい。一方、分散粒子径が1.2μmを越える場合
は、強度補強効果は大きいが、透明性が悪くなり好まし
くない。本発明で言う粒子径は特に断らない限り数平均
粒子径を意味する。
【0050】粒子径分布状態は特に制限はないが次の二
つのタイプが好ましい。一つは粒子径分布(重量平均粒
子径/数平均粒子径)が3.0以下である分布状態、他
は双山分布を有する分布状態である。この時、大小の粒
子径の各々の分布は2.0以下あり、粒子径は本発明の
構成要件である0.1〜1.2μmの範囲にあることが
必要である。
【0051】本発明のゴム変性スチレン系樹脂中のゴム
状弾性体の量は1〜20重量%である。好ましくは1〜
15重量%である。ゴム状弾性体の量が1重量%未満の
時は強度補強効果が発現しない。又、20重量%を越え
る場合は、透明性が低下し、使用用途が大きく限定され
るので好ましくない。又、剛性も低下する為このましく
ない。
【0052】スチレン系樹脂シートの場合、二軸延伸ス
チレン系樹脂シートとして用いる場合はゴム状弾性体の
量は1〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%であ
る。二軸に延伸がかかっているので、含有量が10重量
%を越えると、強度向上効果が小さくなる。無延伸シー
トとして用いる場合は、1〜20重量%の範囲である。
【0053】スチレン系樹脂発泡体の場合は1〜5重量
%の範囲が好ましい。5重量%を越える場合は、本発明
のゴム状弾性体を用い、分散粒子径を本発明の構成要件
範囲に制御しても、スチレン系樹脂発泡体中に存在する
発泡剤の含有量が時間、環境の変化により変動しやすく
なり、二次加熱成形時の安定性に悪影響を与える傾向に
なり好ましくない。
【0054】スチレン系樹脂成形体の場合は、1〜20
重量%の範囲で使用出来るが、剛性の観点から1〜15
重量%の範囲がより好ましい。本発明のスチレン系樹脂
を得るには、先ず第一段階の重合工程を特定の低温分解
型有機過酸化物からなる重合開始剤の存在下で行う必要
がある。この低温分解型有機過酸化物は、下記一般式

0055】
【化13】
【0056】で示される繰り返し単位少なくとも3個、
好ましくは5〜30個含有するものである。このような
有機過酸化物としては、例えば次に示す繰り返し単位を
有するものが挙げられる。
【0057】
【化14】
【0058】
【化15】
【0059】上記構造の構成単位二つ以上がランダムに
結合した低温分解型有機過酸化物も使用できる。又、本
発明においては、これら繰り返し単位を有する有機過酸
化物を単独又は2種類以上混合して使用することもでき
る。これらの有機過酸化物は特公昭63−32089号
公報、特開昭59−93725号公報、特開昭59−1
76320号公報に記載されている方法に準じて合成で
きる。
【0060】スチレン系単量体、アクリル酸エステル(
メタクリル酸エステル)単量体、メチルメタクリレート
の混合物100重量部当たり、上記低温分解型有機過酸
化物0.005〜2.0重量部添加し、110℃以下の
温度で重合する。この段階で最終的に得られるスチレン
系樹脂の連続相の15重量%以上、好ましくは20重量
%以上のスチレン系重合体を得ることが必要である。 この後さらに重合を続行するか、あるいは、別の反応機
で重合したスチレン系重合体(ゴム状弾性体を含有)と
混合し、目標とするスチレン系樹脂の連続相の組成比、
重合度が得られるように、必要に応じてスチレン系単量
体そして/又はアクリル酸エステル(メタクリル酸エス
テル)単量体そして/又はメチルメタクリレート単量体
を添加し、最適な重合温度で重合する。重合温度は限定
されるものではないが、170℃以下で行うことが好ま
しい。170℃を越える温度で重合すると、スチレン系
オリゴマーが多量に生成し好ましくない。また、低分子
量ポリマーが多量に生成し、強度低下の原因にもなる。 重合率も特に限定されるものではないが、反応溶液中の
スチレン系重合体の濃度が70重量%以上、より好まし
くは75重量%〜90重量%になるように重合を行うこ
とが好ましい。70重量%未満の時は、回収系で多量の
スチレン系オリゴマーが生成しやすい。又、90重量%
を越える場合は、本発明の低温分解型有機過酸化物を用
いてもスチレン系樹脂の連続相を形成する重合体の組成
分布が大きくなり、スチレン系樹脂の透明性が低下する
【0061】分散相の形成は、従来ゴム補強ポリスチレ
ン(HIPS樹脂)の製造で多用されている方法を用い
ることが出来る。すなわち、ゴム状弾性体をスチレン系
単量体そして/又はアクリル酸エステル(メタクリル酸
エステル)単量体そして/又はメチルメタアクリレート
そして/又は重合溶媒そして/又は重合開始剤からなる
原料溶液に溶解し、このゴム状弾性体が溶解した原料溶
液を攪拌機付反応機に供給し重合を行う。分散粒子の粒
子径の制御は一般式に行われている方法、攪拌羽根の攪
拌数を変化させることにより制御される。又、透明性を
維持する方法として、一般的な方法、例えば重合途中に
必要に応じて単量体を添加するか、あるいは連続的に追
添加する等の方法が用いられる。
【0062】ゴム状弾性体を溶解する原料溶液は前述の
低温分解型有機過酸化物を含む原料溶液であっても、又
、別途調整した原料溶液であってもよい。又、ゴム状弾
性体を分散粒子とする、いわゆる相転換を行う時も、上
記いずれの原料溶液中であってもよい。あるいは、二つ
の原料溶液が混合された後でもよい。
【0063】ゴム状弾性体の含有量は、目標とする含有
量になるように原材料、重合率を調製することにより達
成することもできるが、高濃度のゴム状弾性体を含むス
チレン系樹脂を上記の方法で製造し、別に製造したゴム
状弾性体を含まないスチレン系樹脂と混合することによ
っても達成できる。但し、本発明の構成要件を全て満た
すことは当然のことである。
【0064】この時、重合溶媒、例えばエチルベンゼン
、トルエン、キシレン等を用いることも可能である。 又、スチレン系重合体の重合に常用されている有機過酸
化物を用いても、又、途中添加してもよい。重合方法は
スチレン系重合体の製法で常用されている塊状重合法、
又は溶液重合法が用いられる。回分式重合法、連続式重
合法いずれの方法も用いることができる。
【0065】本発明のスチレン系単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、
p−メチルスチレン等が使用できる。これらスチレン系
単量体単独又は混合して使用することも出来る。アクリ
ル酸エステル(メタクリル酸エステル)単量体としては
、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等が使用
できる。これらアクリル酸エステル(メタクリル酸エス
テル)単量体単独又は混合して使用できる。
【0066】反応機を出た重合溶液は回収装置に導かれ
る。回収装置はスチレン系樹脂の製造で常用されている
装置、例えばフラシュタンクシステム、多段ベント付き
押出機等を用いることができる。操作条件もスチレン系
樹脂の製造と同等の条件を用いることが出来る。未反応
単量体及び/又は重合溶媒を回収する前又は後の任意の
段階でスチレン系重合体に慣用されている添加剤、例え
ば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等を
添加できる。
【0067】このようにして得られたスチレン系樹脂は
、一般式に、熱可塑性樹脂の成形に用いられている公知
の方法、例えば射出成形、押出成形、圧縮成形等の方法
によって各種成形体に成形される。又、本発明では、フ
ィルム、二軸延伸フィルム、シート、発泡シート、発泡
ビズ等に形成された後、所望の成形体に成形することが
出来る。又、得られたスチレン系樹脂成形体、特にフィ
ルム、シート、発泡体の表面特性を改良するために帯電
防止剤、シリコン等の滑剤を表面に塗布してもよい。
【0068】又、本発明で意図する目的を損なわない範
囲で、本発明で使用する特定のスチレン系樹脂と他のス
チレン系樹脂等を混合して使用することも可能である。 <スチレン系樹脂シート>本発明に係わる二軸延伸スチ
レン系樹脂シートを作成するには、押出機によってスチ
レン系樹脂をシート状に押出した後、一般に知られたテ
ンター方式、インフレーション方式等を採用して延伸し
、延伸倍率は2〜5倍にするのが好ましい本発明に係わ
る二軸延伸スチレン系樹脂シートはASTM  D−1
504に準拠して測定した配向緩和応力が1〜15kg
/cm2 、より好ましくは2〜10kg/cm2 の
範囲となるように二軸延伸されているものが好ましい。 配向緩和応力が上記範囲以上になると、一般の成形機で
は成形が困難で、型再現性の悪い成形品しか得られない
。上記範囲以下ではシートの強度が弱く、トリミング時
の割れの現象が生じ好ましくない。
【0069】又、本発明に係わるスチレン系樹脂シート
を作成するには、従来から多用されている一般的な方法
、例えば押出機で溶融した後、Tダイから押出す等の方
法が用いられる。シートの厚みは特に限定されるもので
はないが0.1〜30mmの範囲のものが用いられる。 本発明に係わるスチレン系樹脂シート(二軸延伸スチレ
ン系樹脂シート)は、成形性が良好で、ストレート法、
ドレーブ法によって、真空成形、又は熱板圧空成形(接
触加熱圧空成形)もしくはストレート法、ドレーブ法、
プラグアシスト法による間接加熱圧空成形によって軽量
容器、蓋等を成形する際に成形サイクルを短縮すること
ができる。
【0070】本発明のスチレン系樹脂シート(二軸延伸
スチレン系樹脂シート)は、シートの強度が強く、トリ
ミング時に成形品の抜き割れが生じない。又構成単位(
B)の量を増やすことにより、スチレン系樹脂シートの
ガラス転移温度が低下するので、硬質塩化ビニル樹脂シ
ートと同等の成形条件で成形することも可能である。 <スチレン系樹脂発泡体>スチレン系樹脂発泡体は、ス
チレン系樹脂にプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン
等の低級炭化水素や塩化メチル、ジクロロメタン、トリ
クロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン
等のハロゲン化炭化水素等の発泡剤を含浸させ、押出機
に供給するか、スチレン系樹脂を押出機に供給した後、
押出機中に上記発泡剤を圧入し、発泡剤とスチレン系樹
脂を押出機中で溶融、混練させ、Tダイ又はサーキュラ
ーダイ等から押出す等公知の方法により、厚さ0.1m
m〜10mm、密度0.03〜0.5g/ccのシート
状のスチレン系樹脂発泡体が製造される。
【0071】シートの厚さは0.1〜10mmが好まし
い。厚さが0.1mmより薄いと二次発泡時にシートが
破損したり、十分な成形品強度を有しない。又、厚さが
10mmを越えると、二次成形が困難になる。密度は0
.03〜0.5g/ccが好ましい。密度が0.03g
/cc未満の時は二次発泡成形にシートが破れたり、成
形品強度十分でなく、0.5g/ccを越える場合は発
泡成形品としてメリットが減じるので好ましくない。
【0072】スチレン系樹脂を発泡させ、スチレン系樹
脂発泡体を得るに当たり、発泡セル径を制御するタルク
、炭酸カリシュウム等の造核剤、可塑剤、滑剤、顔料、
帯電防止剤、難燃剤等を必要に応じて混合使用してもよ
い。以上のようにして得られたスチレン系樹脂発泡体を
加熱二次発泡成形するにはスチレン系樹脂発泡体を加熱
炉に入れて、軟化、二次発泡させた後、加熱炉から取り
出し、直ちにプレス成形して成形体にするのが一般的で
ある。
【0073】<スチレン系樹脂成形体>本発明の成形体
は、強度に優れている点に特徴がある。成形体の形状に
ついては特に制限はないが、本発明のスチレン系樹脂は
流動性−強度のバランスが優れていることから、大型成
形品、例えば、事務機器用収納トレー、用紙収納トレー
コピー用紙受け、金魚鉢、鳥籠、飼育箱、衣装ケース、
食品収納ケース、オーディオ製品収納ケース、玩具、コ
ンピューター用テープ収納機器、電気冷蔵庫クリスパー
、事務機部品、オーディオ機器部品、化粧品収納ケース
等に最適に用いられる。又、記録媒体収納容器、例えば
、オーディオテープ、ビデオテープ、の収納容器、オー
ディオカセット、ビデオカセットテープ、オーディオデ
ィスク、ビデオディスク、フロッピーディスク等の収納
ケース等にも好適に用いられる。
【0074】又、薄肉製品、例えば、ビデオカセットテ
ープ、オーディオテープ等のハウジング等にも用いるこ
とができる。なお、本発明では重合度の尺度である10
重量%トルエン溶液の粘度はオストワルドキャノンフェ
ンスケ粘度管  350を用いて25℃の恒温槽で測定
する。分散粒子の粒子径は樹脂の超薄切片法による透過
型電子顕微鏡写真拡大倍率10,000を撮影し、写真
中の分散粒子約1000〜2000個の粒子数を測定し
、次式により求めたものである。
【0075】分散粒子の粒子径=ΣDi/n    D
i=i番目の粒子径 n  =測定した粒子の数 なお、電子顕微鏡写真に映った分散粒子は完全な円形で
はないので、粒子径の測定は粒子の長軸(a)と短軸(
b)の長さの測定値を用いて次式により算出する。
【0076】
【数1】
【0077】スチレン系樹脂中のゴム状弾性体の量は、
ゴム補強ポリスチレンで一般的に用いられている赤外吸
収スペクトル法で測定される。構成単位(A)、(B)
、(C)は以下の方法で測定する。スチレン系樹脂をト
ルエンに溶解後、遠心分離機で20,000rpmで3
0分間処理した後、上澄液を分離し、上澄液に多量のメ
タノールを加え、スチレン系重合体を沈澱させる。この
沈澱物を50℃、10mmHgの減圧下で乾燥する。こ
のサンプルを用いて、日本分光(株)JNM−G400
  FT−NMRを用いて、以下に記す測定条件で 1
Hを測定する。 ( 1Hの測定条件) パルス幅=8.4μs デーダーポイント=16384 繰り返し時間=7.559秒 ADコンバーター=16ビット 積算回数=1000 サンプル濃度=10wt% 溶媒=1,1,2,2−テトラクロロエタンー(d2 
)サンプル管=5mm 測定温度=120℃ 構成単位(A)のフェニル基の水素に由来するピークが
6.2〜7.4ppmに現れる。構成単位(B)の水素
に由来するピークが3.4〜3.8ppmに現れる。 又、構成単位(B)、(C)、のメチル基の水素に由来
するピークが0.2〜1.1ppmに現れる。ピーク分
離操作を行ってピーク面積比より構成単位(A)、(B
)、(C)の重量%を求める。
【0078】構成単位(D)/[(A)+(B)+(C
)]は以下の方法で測定する。上記と同様に操作して得
た試料を用いて、日本分光(株)JNM−G400  
FT−NMRを用いて、以下に記す測定条件で13Hを
測定する。 (13Hの測定条件) パルス幅=9.3μs:45゜パルス デーダーポイント=32768 繰り返し時間=2.0秒 ADコンバーター=16ビット 積算回数=30,000〜100,000サンプル濃度
=20wt% 溶媒=1,1,2,2−テトラクロロエタンー(d2 
)サンプル管=10mm 測定温度=120℃ 構成単位(D)のメチレン基の炭素に由来するピークが
29.4ppmに現れる。一方、構成単位(A)、(B
)、(C)のメチン基、メチレン基に由来するピークが
39〜50ppmに現れる。ピーク面積比より構成単位
(D)/[(A)+(B)+(C)]を求める。
【0079】
【実施例】実施例における物性試験法を以下に記す。 メルトフローレート(MFR):ISO  R1133
に準ずる。 ビカット軟化点(VICAT):ASTM  D152
5に準ずる アイゾット衝撃強度:ASTM  D256に準ずる。
【0080】一撃衝撃強度:成形温度=240℃、成形
圧力=SSP+5kg/cm2 、金型温度=60℃の
条件で5cm×8.8cm×2mmの試験片を射出成形
し、東洋精機製作所の「落錘型グラフィックインパクト
テスター」を用いて、高さ20cmより質量6.5kg
のミサイルを自然落下させて破壊の最大荷重を求める。 シートの場合は、シートより5cm×8.8cmのサン
プルを切出し、上記の方法に準じて測定する。
【0081】<スチレン系樹脂の製造>(スチレン系樹
脂−1)攪拌機を備え、二段階で温度制御できる反応機
2基を直列連結し、その後に二段ベント付き二軸押出機
を配置した重合装置を用いてスチレン系樹脂を製造する
。  スチレン47.5重量部、ブチルアクリレート1
0.0重量部、メチルメタクリレート33.2部、ゴム
状弾性体としてB−Sタイプ(B:ブタジエンブロック
、S:スチレンブロック)で、スチレン含有量が38重
量%であるゴム状弾性体6.5重量部、エチルベンゼン
2.8重量部、下記に示す構造式を20個有する低温分
解型有機過酸化物(10時間半減期温度=64℃)0.
12重量部からなる原料溶液を反応機に供給し、95℃
−105℃の温度で重合を行う。第一段反応機を出た重
合溶液中のスチレン系樹脂濃度は46重量%であった。 この重合溶液を第二段重合反応機に導く。この時、原料
溶液100重量部当たり、0.01重量部1,1ビス(
t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンをエチルベンゼ
ン1重量%溶液にして第二段反応機へ供給する。第二段
反応機では130℃−150℃の温度で重合を行う。第
二段重合反応機を出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃度
は88重量%であった。得られたスチレン系樹脂の物性
を表1に示す。
【0082】
【化16】
【0083】(スチレン系樹脂−2)第一段反応機へ供
給する原料溶液中の有機過酸化物が、1,1ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.02重量部であ
る以外、スチレン系樹脂−1と同様に操作し、スチレン
系樹脂を得る。この時、第一段反応機、第二段反応機を
出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ47重
量%、87重量%であった。得られたスチレン系樹脂の
物性を表1に示す。
【0084】(スチレン系樹脂−3)第一段反応機へ供
給する原料溶液中の有機過酸化物が、1,1ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.015重量部、
スチレン系樹脂−1で用いた低温分解型有機過酸化物0
.007重量部であり、第一段重合反応機での重合温度
が100℃−105℃である以外、スチレン系樹脂−1
と同様に操作し、スチレン系樹脂を得る。この時、第一
段反応機、第二段反応機を出た重合溶液中のスチレン系
樹脂濃度はそれぞれ46重量%、87重量%であった。 得られたスチレン系樹脂の物性を表1に示す。
【0085】(スチレン系樹脂−4、−5、−6、−7
)第一段反応機の攪拌数を変化させる以外、スチレン系
樹脂−1と同様に操作し、スチレン系樹脂を得る。第一
段反応機を出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃度はそれ
ぞれ48、47、46、46重量%であり、第二段反応
機を出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ8
7、88、88、87重量%であった。得られたスチレ
ン系樹脂の物性を表1に示す。
【0086】(スチレン系樹脂−8)第一段反応機へ供
給する原料溶液中の有機過酸化物が、1,1ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.02重量部であ
る以外、スチレン系樹脂−4と同様に操作し、スチレン
系樹脂を得る。この時、第一段反応機、第二段反応機を
出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ48重
量%、87重量%であった。得られたスチレン系樹脂の
物性を表1に示す。
【0087】(スチレン系樹脂−9)スチレン44.8
重量部、ブチルアクリレート9.4重量部、メチルメタ
クリレート31.2部、ゴム状弾性体としてB−Sタイ
プ(B:ブタジエンブロックS:スチレンブロック)で
、スチレン含有量が38重量%であるゴム状弾性体12
.0重量%、エチルベンゼン2.6重量部、スチレン系
樹脂−1で使用した低温分解型有機過酸化物0.12重
量部からなる原料溶液を第一段反応機へ供給する以外ス
チレン系樹脂−1と同様に操作し、スチレン系樹脂を得
る。この時、第一段反応機、第二段反応機を出た重合溶
液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ53重量%、89
重量%であった。得られたスチレン系樹脂の物性を表1
に示す。
【0088】(スチレン系樹脂−10)第一段反応機へ
供給する原料溶液中の有機過酸化物が、1,1ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.02重量部で
ある以外、スチレン系樹脂−8と同様に操作し、スチレ
ン系樹脂を得る。この時、第一段反応機、第二段反応機
を出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ51
重量%、88重量%であった。得られたスチレン系樹脂
の物性を表1に示す。
【0089】(スチレン系樹脂−11)ゴム状弾性体と
してB−Sタイプでスチレン含有量が60重量%である
ゴム状弾性体を使用し、攪拌数が異なる以外スチレン系
樹脂−1と同様に操作する。この時、第一段反応機、第
二段反応機を出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃度はそ
れぞれ51重量%、88重量%であった。得られたスチ
レン系樹脂の物性を表1に示す。
【0090】(スチレン系樹脂−12)ゴム状弾性体と
してポリブタジエンを使用し、攪拌数が異なる以外スチ
レン系樹脂−1と同様に操作する。この時、第一段反応
機、第二段反応機を出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃
度はそれぞれ48重量%、88重量%であった。得られ
たスチレン系樹脂の物性を表1に示す。
【0091】(スチレン系樹脂−13)第一段反応機へ
供給する原料溶液がスチレン50.8重量部、ブチルア
クリレート10.7重量部、メチルメタアクリレート3
5.5重量部、エチルベン3.0重量部、スチレン系樹
脂−1で使用した低温分解型有機過酸化物0.12重量
部である以外、スチレン系樹脂−1と同様に操作し、ス
チレン系樹脂を得る。得られたスチレン系樹脂の物性を
表1に示す。
【0092】(スチレン系樹脂−14)第一段反応機へ
供給する原料溶液中の有機過酸化物が、1,1ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.02重量部で
ある以外、スチレン系樹脂−12と同様に操作し、スチ
レン系樹脂を得る。得られたスチレン系樹脂の物性を表
1に示す。
【0093】(スチレン系樹脂−15)スチレン75.
3重量部、ブチルアクリレート12.6重量部、スチレ
ン系樹脂−1で用いたゴム状弾性体6.5重量部、エチ
ルベンゼン5.6重量部、スチレン系樹脂−1で使用し
た低温分解型有機過酸化物0.12重量部である以外、
スチレン系樹脂−1と同様に操作し、スチレン系樹脂を
得る。この時、第一段反応機、第二段反応機を出た重合
溶液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ46重量%、8
6重量%であった。得られたスチレン系樹脂の物性を表
1に示す。
【0094】(スチレン系樹脂−16)スチレン53.
3重量部、ブチルアクリレート7.0重量部、メチルメ
タアクリレート30.4重量部である以外、スチレン系
樹脂−1と同処方、同操作を行い、スチレン系樹脂を得
る。この時、第一段反応機、第二段反応機を出た重合溶
液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ48重量%、89
重量%であった。得られたスチレン系樹脂の物性を表1
に示す。
【0095】(スチレン系樹脂−17)スチレン56.
1重量部、ブチルアクリレート1.9重量部、メチルメ
タアクリレート32.7重量部である以外、スチレン系
樹脂−1と同処方、同操作を行い、スチレン系樹脂を得
る。この時、第一段反応機、第二段反応機を出た重合溶
液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ47重量%、88
重量%であった。得られたスチレン系樹脂の物性を表1
に示す。
【0096】(スチレン系樹脂−18)スチレン53.
3重量部、ブチルアクリレート0.0重量部、メチルメ
タアクリレート37.4重量部である以外、スチレン系
樹脂−1と同処方、同操作を行い、スチレン系樹脂を得
る。この時、第一段反応機、第二段反応機を出た重合溶
液中のスチレン系樹脂濃度はそれぞれ48重量%、86
重量%であった。得られたスチレン系樹脂の物性を表1
に示す。
【0097】
【実施例1】スチレン系樹脂−1を用いて物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0098】
【実施例2】スチレン系樹脂−5を用いて物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0099】
【実施例3】スチレン系樹脂−9/スチレン系樹脂−1
3=50/50(重量%)でブレンドし、単軸押出機で
ペレット化する。このスチレン系樹脂を用いて物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0100】
【実施例4】スチレン系樹脂−4を用いて物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0101】
【実施例5】スチレン系樹脂−4/スチレン系樹脂−5
=50/50(重量%)でブレンドし、単軸押出機でペ
レット化する。このスチレン系樹脂を用いて物性を測定
した。結果を表2に示す。
【0102】
【実施例6】スチレン系樹脂−16を用いて物性を測定
した。結果を表2に示す。
【0103】
【実施例7】スチレン系樹脂−17を用いて物性を測定
した。結果を表2に示す。
【0104】
【実施例8】スチレン系樹脂−9/スチレン系樹脂−1
3=40/60(重量%)でブレンドし、単軸押出機で
ペレット化する。このスチレン系樹脂を用いて物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0105】
【実施例9】スチレン系樹脂−9/スチレン系樹脂−1
3=30/70(重量%)でブレンドし、単軸押出機で
ペレット化する。このスチレン系樹脂を用いて物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0106】
【比較例1】スチレン系樹脂−2を用いて物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0107】
【比較例2】スチレン系樹脂−3を用いて物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0108】
【比較例3】スチレン系樹脂−8を用いて物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0109】
【比較例4】スチレン系樹脂−10/スチレン系樹脂−
14=50/50(重量%)でブレンドし、単軸押出機
でペレット化する。このスチレン系樹脂を用いて物性を
測定した。結果を表2に示す。
【0110】
【比較例5】スチレン系樹脂−9/スチレン系樹脂−1
0/スチレン系樹脂−14=5/45/50(重量%)
でブレンドし、単軸押出機でペレット化する。このスチ
レン系樹脂を用いて物性を測定した。このスチレン系樹
脂の構成単位比(D)/[(A)+(B)+(C)]は
0.000006である。結果を表2に示す。
【0111】
【比較例6】スチレン系樹脂−6を用いて物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0112】
【比較例7】スチレン系樹脂−7を用いて物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0113】
【比較例8】スチレン系樹脂−11を用いて物性を測定
した。結果を表2に示す。
【0114】
【比較例9】スチレン系樹脂−12を用いて物性を測定
した。結果を表2に示す。
【0115】
【比較例10】スチレン系樹脂−15を用いて物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0116】
【比較例11】スチレン系樹脂−18を用いて物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0117】
【比較例12】旭化成工業(株)のポリスチレン  G
8102とスチレン−ブタジエンブロック共重合体  
アサフレックス810を90/10(重量%)の割合で
ブレンドし、単軸押出機でペレット化し、物性を測定す
る。 測定結果を表2に示す。
【0118】
【比較例13】旭化成工業(株)のポリスチレン  G
8102とスチレン−ブタジエンブロック共重合体  
アサフレックス810を80/20(重量%)の割合で
ブレンドし、単軸押出機でペレット化し、物性を測定す
る。 測定結果を表2に示す。
【0119】
【比較例14】比較例−13で用いたスチレン系樹脂1
00重量部当たり白色鉱油2.5重量部をブレンドし、
単軸押出機でペレット化する。このポリスチレンを用い
て物性を測定する。測定結果を表2に示す。■構成単位
(D)の量が本発明の範囲を外れると強度が著しく低下
し、又、透明性も悪くなる。(実施例−1〜−3;比較
例−1〜−5)■分散相を形成するゴム状弾性体の粒子
径が本発明の範囲より大きい時は、透明性が実用的に使
用できないレベルになり、小さい場合は強度が低い。 (実施例−1、−2、−4、−5;比較例−6、−7)
■分散相を形成するゴム状弾性体の組成が本発明の範囲
を外れる時、ビニル芳香族炭化水素の割合が少ない場合
は透明性が著しく悪くなり、多すぎる場合は強度が低い
。(実施例−1;比較例−8、−9)■本発明の構成単
位(C)を含まない場合は強度向上の効果が小さく、透
明性も低下する傾向にある。(比較例−10)  又、
構成単位(B)を含まない場合は、透明性が悪くなると
ともに、成形性(流動性)が悪くなる。(比較例−11
)  ■ポリスチレンとスチレン−ブタジエンブロック
共重合体をブレンドした樹脂は本発明のスチレン系樹脂
と比較し、透明性、強度、成形性に劣る。又、可塑剤を
添加して、成形性を改良すれば、強度は更に低下する。 (比較例−12〜−14)以上のごとく、本発明のスチ
レン系樹脂は、強度、透明性、成形性が優れていること
が理解できる。
【0120】<スチレン系樹脂シート>
【0121】
【実施例10】スチレン系樹脂−1を用いて、30mm
押出機で厚み0.6mmのシートを作成した。このシー
トの一撃衝撃試験、透明性の評価を行った。結果を表3
に示す。
【0122】
【実施例11】スチレン系樹脂−4を用いて、実施例1
0と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0123】
【実施例12】スチレン系樹脂−5を用いて、実施例1
0と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0124】
【比較例15】スチレン系樹脂−2を用いて、実施例1
0と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0125】
【比較例16】スチレン系樹脂−6を用いて、実施例1
0と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0126】
【比較例17】スチレン系樹脂−7を用いて、実施例1
0と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0127】
【比較例18】スチレン系樹脂−11を用いて、実施例
10と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0128】
【比較例19】スチレン系樹脂−12を用いて、実施例
10と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0129】
【比較例20】旭化成工業(株)のポリスチレン  G
8102とスチレン−ブタジエンブロック共重合体  
アサフレックス810を50/50(重量%)の割合で
ブレンドし、単軸押出機でペレット化し、このスチレン
系樹脂を用いて、実施例10と同様の評価を行った。結
果を表3に示す。
【0130】
【実施例13】スチレン系樹脂−1を用いて、30mm
押出機で厚み1.0mmのシートを作成した。二軸延伸
装置を用いて、縦10cm、横10cmに裁断したシー
トを縦方向、横方向とも3倍でASTM  D−150
4に準拠して配向緩和応力が8〜9kg/cm2になる
ように、100〜110℃の温度で延伸し、厚み150
ミクロンの二軸延伸シートを得た。このシートを熱板圧
空成形を用いて熱成形を行った。加熱圧力1.0kg/
cm2でシートを加熱し、成形圧力2.5kg/cm2
、成形時間2秒、金型温度60℃の条件下で成形し、金
型(フードパック)のヒンジ3Rが金型通り再現できる
熱板温度115℃、130℃での加熱時間を求めた。又
、二軸延伸シートの一撃衝撃試験、透明性の評価を行っ
た。結果を表4に示す。
【0131】
【実施例14】スチレン系樹脂−16を用いて、実施例
13と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0132】
【実施例15】スチレン系樹脂−17を用いて、実施例
13と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0133】
【比較例21】スチレン系樹脂−2を用いて、実施例1
3と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0134】
【比較例22】スチレン系樹脂−15を用いて、実施例
13と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0135】
【比較例23】スチレン系樹脂−18を用いて、実施例
13と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0136】
【比較例24】旭化成工業(株)のポリスチレンG81
02とスチレン−ブタジエン・ブロック共重合体アサフ
レックス810を90/10(重量%)の割合でブレン
ドし、単軸押出機でペレット化し、このスチレン系樹脂
を用いて、実施例10と同様の評価を行った。結果を表
4に示す。
【0137】
【比較例25】比較例−23で用いたスチレン系樹脂1
00重量部当たり白色鉱油2.5重量部をブレンドし、
このスチレン系樹脂を用いて、実施例10と同様の評価
を行った。結果を表4に示す。本発明のスチレン系樹脂
シートは強度、透明性が優れていることがわかる。ゴム
状弾性体の組成、分散粒子径が本発明の範囲を外れると
強度、あるいは透明性が著しく悪化する。また、構成単
位(D)の割合が本発明の範囲より少ないと、強度向上
が期待できない。
【0138】また、本発明のスチレン系樹脂シートは低
温で成形できる。すなわち、成形サイクル短縮が可能な
スチレン系樹脂シートであることが理解できる。 <スチレン系樹脂発泡体>
【0139】
【実施例16】スチレン系樹脂−1とスチレン系樹脂−
13を40/60(重量%)の割合でブレンドし単軸押
出機でペレット化する。このスチレン系樹脂を用いて、
フレオン−12を発泡剤として押出発泡し、厚さ1.2
mm、密度0.10g/ccのシート状のスチレン系樹
脂発泡体を得た。得られたスチレン系樹脂発泡体を1ケ
月間養生し、赤外線加熱炉を用いて種々の温度で10秒
間加熱し、二次発泡させ、図1に示す弁当箱の成形品を
得た。
【0140】次に、110℃で加熱時間を変化させて同
様の二次発泡を行い成形品を得た。その発泡成形品の評
価結果を表5に示す。
【0141】
【実施例17】スチレン系樹脂−16とスチレン系樹脂
−13を40/60(重量%)の割合でブレンドする以
外、実施例16と同様の検討を行った。評価結果を表5
に示す。
【0142】
【実施例18】スチレン系樹脂−17とスチレン系樹脂
−13を40/60(重量%)の割合でブレンドする以
外、実施例16と同様の検討を行った。評価結果を表5
に示す。
【0143】
【比較例26】スチレン系樹脂−2とスチレン系樹脂−
14を40/60(重量%)の割合でブレンドする以外
、実施例16と同様の検討を行った。評価結果を表5に
示す。
【0144】
【比較例27】スチレン系樹脂−18とスチレン系樹脂
−13を40/60(重量%)の割合でブレンドする以
外、実施例16と同様の検討を行った。評価結果を表5
に示す。
【0145】
【比較例28】旭化成工業(株)のポリスチレン  G
8102とスチレン−ブタジエンブロック共重合体  
アサフレックス810を95/5(重量%)の割合でブ
レンドし、単軸押出機でペレット化する。このスチレン
系樹脂を用いて、実施例16と同様の検討を行った。評
価結果を表5に示す。
【0146】
【比較例29】比較例27で用いたスチレン系樹脂10
0重量部当たり白色鉱油2.5重量部ブレンドし、この
スチレン系樹脂を用いて、実施例16と同様の検討を行
った。評価結果を表5に示す。本発明のスチレン系樹脂
発泡体は高い強度を有しており、かつ、低温で成形でき
る。ゴム状弾性体を含有しているにもかかわらず、二次
発泡成形性が良好であり、ケロイドの発生、あるいは型
決まり性不良が発生しない。従来の可塑剤添加ポリスチ
レン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体含有ポリ
スチレンより、成形性、強度が著しく向上していること
がわかる。
【0147】<スチレン系樹脂成形体>
【0148】
【実施例19】スチレン系樹脂−1を用いて、射出成形
機IS800B−75(東芝機械(株)製)を用いて、
射出圧力100kg/cm2 、金型温度60℃の条件
下で、図2に示すトレーを成形した。この時、成形温度
を変えて、トレーが成形できる最低温度を求めた。得ら
れたトレーの中心部に40gの鋼球を落下させ、割れが
生じる高さを検討し、破壊エネルギーを求めた。結果を
表6に示す。
【0149】又、成形温度250℃である以外、同じ成
形条件でトレーを成形し、成形品表面にスエッティング
物質が転写する迄の射出回数を求めた。結果を表6に示
す。
【0150】
【実施例20】スチレン系樹脂−5を用いる以外、実施
例19と同様の検討を行った。結果を表6に示す。
【0151】
【実施例21】スチレン系樹脂−16を用いる以外、実
施例19と同様の検討を行った。結果を表6に示す。
【0152】
【比較例30】スチレン系樹脂−2を用いる以外、実施
例19と同様の評価を行った。結果を表6に示す。
【0153】
【比較例31】スチレン系樹脂−6を用いる以外、実施
例19と同様の評価を行った。結果を表6に示す。
【0154】
【比較例32】スチレン系樹脂−18を用いる以外、実
施例19と同様の評価を行った。結果を表6に示す。
【0155】
【比較例33】スチレン系樹脂−11を用いる以外、実
施例19と同様の評価を行った。結果を表6に示す。
【0156】
【比較例34】旭化成工業(株)のポリスチレンG81
02を100重量部当たり白色鉱油2.5重量部ブレン
ドし、単軸押出機でペレット化する。このポリスチレン
を用いて、実施例19と同様の検討を行った。結果を表
6に示す。本発明のスチレン系樹脂は低温で成形できる
ことがわかる。従来、ポリスチレンで多用されている可
塑剤(白色鉱油)を添加した樹脂に比べ、より低温で成
形できる以外にモールドスエッティング現象が生じない
という利点もある。
【0157】本発明のスチレン系樹脂から成形されたス
チレン系樹脂成形体は、強度が著しく高い。また、実用
に十分耐え得る透明性を有している。
【0158】
【表1】
【0159】
【表2】
【0160】
【表3】
【0161】
【表4】
【0162】
【表5】
【0163】
【表6】
【0164】
【発明の効果】本発明においては、スチレン系単量体と
共重合可能な第二、第三の単量体として、アクリル酸エ
ステル(メタクリル酸エステル)、メチルメタクリレー
トを導入し、かつ特定の長鎖のアルキル鎖を導入したス
チレン系重合体を連続相とし、ビニル芳香族炭化水素重
合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロック
からなるゴム状弾性体を分散相とすることにより、■ 
 強度、透明性、低温成形性(成形サイクル短縮)に優
れたスチレン系樹脂が得られること、■  スチレン系
樹脂を成形したシートは低温で二次成形でき、かつ成形
サイクル短縮が可能であり、成形体の強度の優れたスチ
レン系樹脂シートを与えること■スチレン系樹脂を成形
してなる強度、透明性に優れたスチレン系樹脂成形体を
与えること、■  スチレン系樹脂を成形した発泡体は
、加熱二次発泡成形性に優れ、発泡成形品の強度に優れ
たスチレン系樹脂発泡体を与える。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ビニル芳香族炭化水素重合体ブロック
    と共役ジエンを主体とする重合体ブロックを有し、ビニ
    ル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が、20:8
    0〜50:50であるゴム状弾性体を分散粒子として含
    有するゴム変性スチレン系樹脂に於いて (ア)連続相が 下記化学式(A); 【化1】 下記化学式(B); 【化2】 下記化学式(C); 【化3】 下記化学式(D); 【化4】 で示される構成単位からなり、構成単位(A)、(B)
    、(C)の割合が (A):20〜70  重量% (B):0.5〜20  重量% (C):29.5〜79.5  重量%(但し、(A)
    +(B)+(C)=100重量%)であり、構成単位比
    (D)/[(A)+(B)+(C)]=0.01〜0.
    00001の範囲にあり、(イ)分散相の分散粒子径が
    0.1〜1.2μmであり、(ウ)ゴム状弾性体の含有
    量が1〜20重量%であることを特徴とする強度、透明
    性、低温成形性に優れたゴム変性スチレン系樹脂
JP3040075A 1991-03-06 1991-03-06 強度,透明性に優れたゴム変性スチレン系樹脂 Withdrawn JPH04277508A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053627A (ja) * 2000-08-09 2002-02-19 Denki Kagaku Kogyo Kk 成形体
JP2002080546A (ja) * 2000-06-07 2002-03-19 Denki Kagaku Kogyo Kk ゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂およびその製造法
JP2002194171A (ja) * 2000-10-19 2002-07-10 Denki Kagaku Kogyo Kk 帯電防止性樹脂組成物

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