JP2019147911A - スチレン系樹脂組成物、シート、及び成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、耐熱性、外観、機械強度、及び透明性に優れたスチレン系樹脂組成物、シート、及び成形品を提供することである。
スチレン系単量体単位、不飽和カルボン酸系単量体単位、及び不飽和カルボン酸エステル系単量体単位の合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体単位の含有量が54〜96質量%であり、前記不飽和カルボン酸系単量体単位の含有量が4〜16質量%であり、前記不飽和カルボン酸エステル系単量体単位の含有量が0〜30質量%であるスチレン系共重合樹脂(A);及び
芳香族炭化水素系単量体単位と共役ジエン系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、前記芳香族炭化水素系単量体単位の含有量が20〜50質量%であり、前記共役ジエン系単量体単位の含有量が50〜80質量%である芳香族炭化水素−共役ジエン系共重合体を含むゴム状弾性体と、
前記ゴム状弾性体のグラフトポリマー及び/又はオクルードポリマーとして、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体の含有量が85〜100質量%であり、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が0〜15質量%である共重合体(b)とを含有し、粒子径が0.5〜3.5μmである分散粒子(B)
を含み、
前記スチレン系共重合樹脂(A)と前記分散粒子(B)との合計含有量を100質量%としたとき、前記分散粒子(B)の含有量が0.1〜3.0質量%であることを特徴とする、スチレン系樹脂組成物。
[2]
スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体単位の含有量が85〜100質量%であり、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が0〜15質量%であるスチレン系樹脂(C)を更に含有し、
前記スチレン系共重合樹脂(A)、前記分散粒子(B)、及び前記スチレン系樹脂(C)の合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系共重合樹脂(A)が90.0〜99.9質量%、前記分散粒子(B)が0.1〜3.0質量%、前記スチレン系樹脂(C)が0.0〜12.0質量%である、[1]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[3]
前記スチレン系共重合樹脂(A)の重量平均分子量をMw_A、前記スチレン系樹脂(C)の重量平均分子量をMw_Cとしたとき、Mw_Aに対するMw_Cの分子量の割合(Mw_C/Mw_A)が0.5〜1.5である、[2]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[4]
前記分散粒子(B)の屈折率が1.555〜1.575である、[1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[5]
透過型電子顕微鏡を用いて前記分散粒子(B)の断面形状を観察したときに、90%以上がサラミ形状である、[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物からなることを特徴とする、シート。
[7]
[1]〜[5]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物からなることを特徴とする、二軸延伸シート
[8]
[6]又は[7]に記載のシートからなることを特徴とする、成形品。
[スチレン系樹脂組成物]
前記したように、本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、
スチレン系単量体単位、不飽和カルボン酸系単量体単位、及び不飽和カルボン酸エステル系単量体単位の合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体単位の含有量が54〜96質量%であり、前記不飽和カルボン酸系単量体単位の含有量が4〜16質量%であり、前記不飽和カルボン酸エステル系単量体単位の含有量が0〜30質量%であるスチレン系共重合樹脂(A);及び
芳香族炭化水素系単量体単位と共役ジエン系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、前記芳香族炭化水素系単量体単位の含有量が20〜50質量%であり、前記共役ジエン系単量体単位の含有量が50〜80質量%である芳香族炭化水素−共役ジエン系共重合体を含むゴム状弾性体と、
前記ゴム状弾性体のグラフトポリマー及び/又はオクルードポリマーとして、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体の含有量が85〜100質量%であり、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が0〜15質量%である共重合体(b)とを含有し、粒子径が0.5〜3.5μmである分散粒子(B)
を含み、
前記スチレン系共重合樹脂(A)と前記分散粒子(B)との合計含有量を100質量%としたとき、前記分散粒子(B)の含有量が0.1〜3.0質量%であることを特徴とする。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物に含まれるスチレン系共重合樹脂(A)は、スチレン系単量体単位、不飽和カルボン酸系単量体単位、及び不飽和カルボン酸エステル系単量体単位を含む共重合体である。
600質量ppm以下であることが更に好ましい。
スチレン系共重合樹脂(A)の総揮発成分量は、後述の[実施例]の項で説明する手順又はこれと等価な手順で測定することができる。
0.3〜4.0g/10分が好ましく、より好ましくは0.5〜2.0g/10分、更に好ましくは0.7〜1.7g/10分である。メルトマスフローレートを0.3〜4.0g/10分の範囲にすることにより、シート製膜時の成形性に優れたスチレン系樹脂組成物が得られる。
メルトマスフローレートは、ISO 1133に準拠して、200℃、荷重49Nにて測定される値である。
ビカット軟化温度は、ISO306に準拠して測定することができる。
本実施形態において、前記共重合樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、10万〜35万であることが好ましく、Z平均分子量(Mz)の重量平均分子量(Mw)に対する比(Mz/Mw)は1.6〜3.5であることが好ましい。
Mwは、より好ましくは13万〜30万、更に好ましくは16万〜25万である。Mwが10万〜35万であると、衝撃強度と流動性とのバランスに優れる樹脂が得られ、また、ゲル化物の混入も少ない傾向にある。
Mz/Mwの比は、より好ましくは1.7〜3.0、更に好ましくは1.7〜2.5である。Mz/Mwの比が1.6〜3.5であると、衝撃強度と流動性とのバランスに優れる樹脂が得られ、また、ゲル化物の混入も少ない傾向となる。
スチレン系共重合樹脂(A)のMn、Mz、及びMwは、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーによりポリスチレン標準換算で測定することができる。
混合樹脂の場合、スチレン系共重合樹脂(A)の諸物性は、混合樹脂について定められてよい。混合樹脂は、2種以上の樹脂を混練することにより得ることができる。
また、スチレン系樹脂組成物が後述のスチレン系樹脂(C)を更に含む場合は、スチレン系共重合樹脂(A)と分散粒子(B)とスチレン系樹脂(C)との合計含有量を100質量%とした際に、スチレン系共重合樹脂(A)の含有量は、90.0〜99.9質量%であることが好ましく、90.0〜98.5質量%であることがより好ましく、95.0〜97.0質量%であることが更に好ましい。
共重合樹脂(A)100質量%中のスチレンの2量体と3量体の合計量は低いほど好ましいが、より好ましくは0.7質量%以下、更により好ましくは0.6質量%以下である。スチレンの2量体と3量体としては、1,3−ジフェニルプロパン、2,4−ジフェニル−1ブテン、1,2−ジフェニルシクロブタン、1−フェニルテトラリン、2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセン、1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラリン等が挙げられる。
スチレンの2量体及び3量体の残存量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。
添加剤の配合の方法については特に規定はないが、例えば、共重合体の重合時に添加して重合する方法や樹脂組成物を得る際、ブレンダーで予め添加剤を混合し、押出機やバンバリーミキサー等にて溶融混錬する方法等が挙げられる。
また、脱揮工程についても特に制限はなく、塊状重合で行う場合、最終的に未反応モノマーが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下になるまで重合を進め、かかる未反応モノマー等の揮発分を除去するために、既知の方法にて脱揮処理する。例えば、フラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機等の通常の脱揮装置を用いることができるが、滞留部の少ない脱揮装置が好ましい。なお、脱揮処理の温度は、通常、190〜280℃程度であり、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸メチルとの隣接による六員環酸無水物の形成を抑制する観点から、190〜260℃がより好ましい。また脱揮処理の圧力は、通常0.13〜4.0kPa程度であり、好ましくは0.13〜3.0kPaであり、より好ましくは0.13〜2.0kPaである。脱揮方法としては、例えば、加熱下で減圧して揮発分を除去する方法、又は揮発分除去の目的に設計された押出機等を通して除去する方法が望ましい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物に含まれる分散粒子(B)は、芳香族炭化水素系単量体単位と共役ジエン系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、前記芳香族炭化水素系単量体単位の含有量が20〜50質量%であり、前記共役ジエン系単量体単位の含有量が50〜80質量%である芳香族炭化水素−共役ジエン系共重合体を含むゴム状弾性体と、前記ゴム状弾性体へのグラフトポリマー及び/又はオクルードポリマーとして、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体の含有量が85〜100質量%であり、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が0〜15質量%である共重合体(b)とを含有し、粒子径が0.5〜3.5μmである。
分散粒子(B)は、ゴム状弾性体の存在下で、スチレン系単量体のみ、又はスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを重合させることにより得られる。
分散粒子(B)に含まれるゴム状弾性体は、芳香族炭化水素系単量体単位と共役ジエン系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、芳香族炭化水素系単量体単位の含有量が20〜50質量%であり、共役ジエン系単量体単位の含有量が50〜80質量%である芳香族炭化水素−共役ジエン系共重合体である。
ゴム状弾性体中の芳香族炭化水素系単量体単位の含有量は、芳香族炭化水素系単量体単位と共役ジエン系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、20〜50質量%であり、好ましくは30〜40質量%、より好ましくは33〜37質量%である。芳香族炭化水素系単量体単位の含有量が20〜50質量%であると、
透明性にすぐれた樹脂組成物を得ることができる。
ゴム状弾性体中の共役ジエン系単量体単位の含有量は、芳香族炭化水素系単量体単位と共役ジエン系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、50〜80質量%であり、好ましくは60〜70質量%、より好ましくは63〜67質量%である。共役ジエン系単量体単位の含有量が50〜80質量%であると、機械強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。
分散粒子(B)は、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の合計量を100質量%とした際に、スチレン系単量体の含有量が85〜100質量%であり、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が0〜15質量%である共重合体(b)を、ゴム状弾性体の外側にグラフト重合により結合したグラフトポリマー及び/又はゴム状弾性体中に内包されたオクルードポリマーとして含む。
共重合体(b)中のスチレン系単量体単位の含有量は、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の合計量を100質量%としたとき、85〜100質量%であり、好ましくは90〜100質量%、より好ましくは95〜100質量%である。スチレン系単量体単位の含有量が85〜100質量%である。
分散粒子(B)の粒子径は、ゴム状弾性体の存在下で撹拌機付きの反応器内でスチレン系単量体、又はスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合させる際に、撹拌機の回転数、用いるゴム状弾性体の分子量等で調整することができる。
平均粒子径=Σ(ni×Di4)/Σ(ni×Di3)
(式中、niは粒子径Diを有する分散粒子(B)の個数であり、Diは粒子の長径と短径の平均値である。)
本実施形態においては、分散粒子(B)の形態はサラミ状であることが好ましい。サラミ状とは、図1(a)に表されるように、ゴム状弾性体中に点在する複数のオクルードポリマー部分を持つ形態のことである。
本実施形態においては、分散粒子(B)の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上がサラミ状であることが望ましい。粒子形態がサラミ状であると、衝撃強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。
分散粒子(B)の形態は、透過型電子顕微鏡を用いて分散粒子(B)の断面を観察することにより確認することができる。粒子形態がサラミ状である粒子の割合は、後述の[実施例]の項で説明する手順で算出される値である。
分散粒子(B)の膨潤指数は、後述の[実施例]の項で説明する手順又はこれと等価な手順で測定される値である。
なお、分散粒子(B)の膨潤指数は、スチレン系樹脂組成物中のトルエン不溶分の膨潤指数として測定することができる。トルエン不溶分の膨潤指数は、後述の[実施例]の項で説明する手順で測定される値である。
また、「分散粒子(B)に含有される共役ジエン単量体由来成分の質量に対する分散粒子(B)の質量の比(分散粒子(B)の質量/分散粒子(B)に含まれる共役ジエン単量体由来成分の質量)」は、「HIPS樹脂中の分散粒子(B)の含有量/HIPS樹脂中の共役ジエン単量体由来成分の含有量」を算出することにより求められる値である。
屈折率の測定は、アッペ屈折計((株)アタゴ社製 DR−M2)を用いてJIS K7142に準拠して、23℃で測定される値である。
また、スチレン系樹脂組成物が後述のスチレン系樹脂(C)を更に含む場合は、スチレン系共重合樹脂(A)と分散粒子(B)とスチレン系樹脂(C)との合計含有量を100質量%とした際に、分散粒子(B)の含有量は、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、0.3〜2.0質量%であることがより好ましく、0.6〜1.0質量%であることが更に好ましい。
なお、分散粒子(B)の含有量は、スチレン系樹脂組成物又は分散粒子(B)とスチレン系樹脂(C)との混合樹脂(HIPS樹脂)において、トルエン不溶分の含有量として測定することができる。トルエン不溶分の含有量は、後述の[実施例]の項で説明する手順で測定される値である。
本実施形態の分散粒子(B)の製造方法の一例としては、ゴム状弾性体を溶解したスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、必要に応じて重合溶媒、重合触媒、連鎖移動剤等を添加混合し、直列及び/又は並列に配列された1個以上の反応器と未反応単量体等を除去する揮発分除去工程を備えた設備に連続的に単量体類を送入し、段階的に重合を進行させる所謂、連続塊状重合法が好適に用いられる。反応器の様式としては、完全混合型、層流型、重合を進行させながら一部の重合液を抜き出すループ型の反応器等が例示される。これら反応器の配列の順序に特に制限は無いが、層流型反応器が好適に用いられる。脱揮工程は、一般的には加熱器付きの真空脱揮槽や脱揮押出機等が用いられる。例えば、加熱器付きの真空脱揮槽を1段のみ使用したもの、加熱器付きの真空脱揮槽を直列に2段接続したもの、又は、加熱器付きの真空脱揮槽と脱揮押出機とを直列に接続したものが挙げられるが、揮発分を極力低減するためには、加熱器付きの真空脱揮槽を直列に2段接続したもの、又は、加熱器付きの真空脱揮槽と脱揮押出機とを直列に接続したものが好ましい。
上述のスチレン系共重合樹脂(A)と分散粒子(B)とを含むスチレン系樹脂組成物は、更にスチレン系単量体とメタクリル酸エステル単量体の共重合体であるスチレン系樹脂(C)を含有してもよい。
また、スチレン系共重合樹脂(A)のMwをMw_A、スチレン系樹脂(C)のMwをMw_Cとした際に、重量平均分子量Mw_Aに対するMw_Cの割合(Mw_C/Mw_A)が0.5〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.6〜1.2、更に好ましくは0.7〜0.9である。分子量比が上記の範囲であると組成物中にスチレン系樹脂(C)が細かく分散しやすくなり、透明性が良好である。
スチレン系樹脂(C)のMwは、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーによりポリスチレン標準換算で測定することができる。
ビカット軟化温度は、ISO306に準拠し測定することができる。
曇り度はISO14728に準拠し、測定することができる。また、曇り度の下限は特にない。
スチレン系樹脂組成物中の添加剤の含有量は、10質量%以下としてよい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、例えば、上述のスチレン系単量体と不飽和カルボン酸系単量体と不飽和カルボン酸エステル系単量体とを上述の製造方法でラジカル重合して得られるスチレン系共重合樹脂(A)、上述の分散粒子(B)、必要に応じてスチレン系樹脂(C)、添加剤等を、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等の公知の混練機を用いて溶融混練する方法等で得ることができる。
本実施形態の他の実施形態は、上述したスチレン系樹脂組成物を用いて製造したシートである。シートは非発泡及び発泡のいずれでもよい。シートの製造方法としては、通常知られている方法を用いることができる。非発泡シートの製造方法としては、Tダイを取り付けた単軸又は二軸押出成形機で押出し、その後一軸延伸機又は二軸延伸機でシートを引き取る装置を用いる方法等を用いることができる。発泡シートの製造方法としては、Tダイ又はサーキュラーダイを備え付けた押出発泡成形機を用いる方法等を用いることができる。
別の実施形態は、上述した非発泡シート又は発泡シートの成形品である。発泡シート又はこれを含む多層体は、例えば、真空成形により成形してトレー等の容器を製造することができる。また、非発泡シートは、例えば、真空成形により成形して弁当の蓋材や惣菜等を入れる容器を製造することができる。
(1)ビカット軟化温度の測定
ISO306に準拠して、スチレン系共重合樹脂(A)及びスチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度(℃)を測定した。荷重は49N、昇温速度は50℃/hとした。
スチレン系共重合樹脂(A)及びスチレン系樹脂(C)の重量平均分子量(Mw_A及びMw_C)、スチレン系共重合樹脂(A)の数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mz/Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定した。
試料調製 :テトラヒドロフランに樹脂を約0.05質量%となるよう溶解
測定条件
機器 :TOSOH HLC−8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :super HZM−H
温度 :40℃
キャリア :THF 0.35mL/min
検出器 :RI 、UV:254nm
検量線 :TOSOH製の標準PS使用
スチレン系共重合樹脂(A)中のスチレン系単量体単位、不飽和カルボン酸系単量体単位、及び不飽和カルボン酸エステル系単量体単位の含有量(質量%)、及びHIPS樹脂中のスチレン系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量(質量%)は、核磁気共鳴(13C−NMR)装置で測定したスペクトルの積分比から、樹脂組成を定量した。 試料調製:樹脂75mgをd6−DMSO 0.75mLに60℃で4〜6時間加熱溶解した。
測定機器:日本電子(株)製、JNM ECA−500
測定条件:測定温度60℃、観測核13C、積算回数2万回、繰返し時間45秒
スチレン系共重合樹脂(A)の質量を100質量%としたときの、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び溶媒の残存量の合計を総揮発成分量(質量%)として、ガスクロマトグラフィーにて測定した。
・試料調製:樹脂2.0gをクロロホルム20mLに溶解後、更に標準物質(トリフェニルメタン)入りのメタノール5mLを加えポリマー成分を再沈させ、上澄み液を採取し、測定液とした。
・測定条件
機器:Agilent社製 6850 シリーズ GCシステム
検出器:FID
カラム:HP−1(100%ジメチルポリシロキサン)30m、膜厚0.25μm、0.32mmφ
注入量:1μL(スプリットレス)
カラム温度:40℃で2分保持→20℃/分で320℃まで昇温→320℃で15分保持
注入口温度:250℃
検出器温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム
スチレン系共重合樹脂(A)におけるにおける、スチレンの2量体及び3量体の残存量(質量%)を、下記の条件や手順で、測定した。
・試料調製:樹脂2.0gをクロロホルム20mLに溶解後、更に標準物質(トリフェニルメタン)入りのメタノール5mLを加えポリマー成分を再沈させ、上澄み液を採取し、測定液とした。
・測定条件
機器:Agilent社製 6850 シリーズ GCシステム
検出器:FID
カラム:HP−1(100%ジメチルポリシロキサン)30m、膜厚0.25μm、0.32mmφ
注入量:1μL(スプリットレス)
カラム温度:40℃で2分保持→20℃/分で320℃まで昇温→320℃で15分保持
注入口温度:250℃
検出器温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム
ISO14728に準拠して、鏡面処理をされた平板成形品用金型にて射出成型した2mm厚みのプレートを用いて曇り度(HAZE)を測定した。
25mmφ単軸シート押出機(創研社製)にて、スチレン系樹脂組成物から厚み1.15〜1.35mmのシートを作製した。作製したシートから10cm×10cmの大きさのシートを切出した。切出したシートを二軸延伸装置(東洋精機製、EX6−S1)にて下記条件で同時二軸延伸を行い、厚み0.25(±0.1)mmの延伸シートを作製した。
延伸温度:Vicat軟化温度+20℃、
延伸速度:170%
延伸倍率:2.5倍
フィルムインパクトテスター(東洋精機社製、機種No.195(製造番号A−12180752))を用いて、上記(7)に記載の方法で作製した延伸シートについて、23℃、50%RHの条件でインパクト強度(Kgf・cm)を測定した。
JIS P8115に準拠し、上記(7)に記載の方法で作製したシートのMIT耐折強度(回)を測定した。
スチレン系共重合樹脂(A)及びHIPS樹脂のメルトフローレート(MFR)(g/10分)をISO 1133に準拠して測定した(200℃、荷重49N)。
スチレン系樹脂組成物中の分散粒子(B)の含有量、HIPS樹脂中の分散粒子(B)の含有量及び膨潤指数は、トルエン不溶分の含有量(質量%)及び膨潤指数として、以下のように測定した。
沈澱管に樹脂組成物又はHIPS樹脂1gを精秤し(この質量をW1とする)、トルエン20ミリLを加え23℃で2時間振とう後、遠心分離機((株)日立製作所製himac、CR−20(ローター:R20A2))にて10℃以下、20000rpmで60分間遠心分離した。沈澱管を約45度にゆっくり傾け、上澄み液をデカンテーションして取り除いた。トルエンを含んだ不溶分の質量を精秤し(この質量をW2とする)、引き続き、160℃、3kPa以下の条件で1時間真空乾燥し、デシケータ内で室温まで冷却後、トルエン不溶分の質量を精秤した(この質量をW3とする)。
下記式により、トルエン不溶分の膨潤指数及び含有量を求めた。
トルエン不溶分の含有量(質量%)=((W3)/(W1))×100
トルエン不溶分の膨潤指数=(W2/W3)
HIPS樹脂中の共役ジエン単量体由来成分の含有量(質量%)を以下のように測定した。メスフラスコにHIPS樹脂4gを精秤し(この質量をWとする)、クロロホルム75mLを加えてよく分散させた後、一塩化ヨウ素18gを1000mLの四塩化炭素に溶かした溶液20mLを加え、冷暗所に保存し、8時間後にクロロホルムを加え、標線に合わせた。これを25mL採取し、ヨウ化カリウム10gを水800mL、エタノール200mLの混合液に溶かした溶液60mLを加え、チオ硫酸ナトリウム10gを1000mLの水に溶かした溶液(この溶液のモル濃度をxとする)で滴定した。本試験AmL、空試験BmLとし、共役ジエン単量体由来成分の含有量(質量%)は以下の式により求めた。
共役ジエン単量体由来成分の含有量=10.8×x×(B−A)/W
HIPS樹脂中の分散粒子(B)の平均粒子径(μm)は、超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、写真中の粒子200個の粒子径を測定して次の式で求めた。
平均粒子径=Σ(ni×Di4)/Σ(ni×Di3)
(式中、niは、粒子径Diを有する分散粒子(B)の個数である。また、Diは、粒子の長径と短径の平均値である。)
HIPS樹脂中の分散粒子(B)の屈折率は、分散粒子(B)とスチレン系樹脂(C)とを上記(11)と同じ方法で分離し、溶媒のトルエンを乾燥させた後、アッベ屈折計((株)アタゴ社製、DR−M2)を用いて、JIS K7142に準拠して、23℃で測定した。
HIPS樹脂中の分散粒子(B)のうちサラミ形状を持つ粒子の割合(%)は、超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、写真中の粒子200個を観察して、サラミ形状である粒子の割合を算出することにより求めた。
−スチレン系共重合樹脂(A)の原料−
スチレン系単量体:スチレン[旭化成社製]
不飽和カルボン酸系単量体:メタクリル酸[三菱ガス化学社製]
不飽和カルボン酸エステル系単量体:メタクリル酸メチル[旭化成社製]
重合開始剤:1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(日本油脂社製)
溶剤:エチルベンゼン[旭化成社製]
スチレン系単量体:スチレン[旭化成社製]
(メタ)アクリル酸エステル系単量体:メタクリル酸メチル[旭化成社製]
ゴム状弾性体:スチレンーブタジエン共重合体1(SB1)[旭化成社製、商品名:アサプレン625A]
ゴム状弾性体:スチレンーブタジエン共重合体2(SB2)[旭化成社製、商品名:アサプレン670A]
ゴム状弾性体:ポリブタジエンゴム1(PB1)[旭化成社製、商品名:ジエン35]
ゴム状弾性体:ポリブタジエンゴム2(PB2)[宇部興産社製、商品名:BR15HB)
重合開始剤:1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン[日本油脂社製、]
連鎖移動剤:n−ドデシルメルカプタン[日本油脂社製]
連鎖移動剤:α−メチルスチレンダイマー[日本油脂社製]
溶剤:エチルベンゼン[旭化成社製]
[樹脂A−1]
スチレン70質量部、メタクリル酸8.5質量部、メタクリル酸メチル6.5質量部、エチルベンゼン15.0質量部、及び1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.025質量部からなる重合原料組成液を、0.8L/時の速度で、容量が3.6Lの完全混合型反応器に、更には未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置に連続的に順次供給した。完全混合反応器の重合温度は124℃とした。単軸押出機の温度を200〜250℃に設定し、10torrの減圧下で未反応モノマーを脱揮した。脱揮された未反応ガスは−5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、ポリマー分は樹脂ペレットとして回収した。
反応後の重合液中のポリマー分は、重合液を215℃、3kPaの減圧下で30分間乾燥後、(乾燥後の試料質量/乾燥前の試料質量×100%)により測定したところ、54.7質量%であった。
上述の分析法によって得られた物性を表1に示す。
重合原料組成液をスチレン71.3質量部、メタクリル酸5.7質量部、エチルベンゼン19.0質量部、及びシクロヘキサン0.023質量部とした以外は、樹脂Aと同様の製造条件で、樹脂A−2を製造した。
上述の分析法によって得られた物性を表1に示す。
重合原料組成液をスチレン48.8質量部、メタクリル酸8.2質量部、メタクリル酸メチル17.0質量%、エチルベンゼン26.0質量部、及び1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.025質量部とし、反応器温度を130℃とした以外は、樹脂Aと同様の製造条件で、樹脂A−3を製造した。
上述の分析法によって得られた物性を表1に示す。
[樹脂D]
スチレン系単量体としてスチレン79.2質量部、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてメタクリル酸メチルを7.9質量部、ゴム状弾性体としてスチレン−ブタジエン共重合体1を10.8質量部、溶剤としてエチルベンゼン10質量部、重合開始剤として1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.02質量部、及び連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタンを0.03質量部を混合溶解した重合液を、攪拌機を備え、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−1に、3.2L/時で連続的に仕込み、温度を130〜145℃に調整した。攪拌機の回転数は毎分150回転とした。
続いて層流型反応器−1と直列に接続された、攪拌機を備え、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−2に反応液を送った。また、反応器―2にスチレン90質量部、エチルベンゼン10質量部、n−ドデシルメルカプタン1質量部の液を0.08L/時で追加添加した。攪拌機の回転数は毎分20回転とし、温度は120〜140℃に設定した。
続いて攪拌機を備え、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−3に反応液を送った。攪拌機の回転数は毎分10回転とし、温度は130〜150℃に設定した。重合反応器(層流型反応器−3)から連続して排出される重合体溶液を真空ベント付き押出機で、10torrの減圧下、脱揮後ペレタイズした。押出機の温度は200〜250℃に設定した。
上述の分析法で得られた樹脂Dの物性を表2に示す。
混合溶解した重合液の組成を、スチレン79.0質量部、ゴム状弾性体10.8質量部、エチルベンゼン10質量部、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.02質量部、及び連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタンを0.03質量部、更に層流型反応器−1の回転数を毎分50回転とした以外は、樹脂Dと同様の条件で樹脂Eを製造した。
上述の分析法で得られた樹脂Eの物性を表2に示す。
ゴム状弾性体としてポリブタジエンゴム1を使用し、混合溶解した重合液の組成を、スチレン79質量部、ゴム状弾性体7質量部、エチルベンゼン15質量部、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.06質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.05質量部とし、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−1に、3.2L/時で連続的に仕込み、温度を110〜130℃に調整した。攪拌機の回転数は毎分40回転とした。
続いて層流型反応器−1と直列に接続された、攪拌機を備え、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−2に反応液を送った。攪拌機の回転数は毎分15回転とし、温度は130〜150℃に設定した。
続いて攪拌機を備え、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−3に反応液を送った。攪拌機の回転数は毎分10回転とし、温度は140〜170℃に設定した。重合反応器(層流型反応器−3)から連続して排出される重合体溶液を真空ベントつき押出機で、10torrの減圧下、脱揮後ペレタイズした。押出機の温度は200〜250℃に設定した。
上述の分析法で得られた樹脂Fの物性を表2に示す。
ゴム状弾性体としてスチレン−ブタジエン共重合体2を使用し、混合溶解した重合液の組成を、スチレン76質量部、ゴム状弾性体9質量部、エチルベンゼン15質量部、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.04質量部、及びn−ドデシルメルカプタン0.03質量部とし、更に層流型反応器−1の回転数を毎分200回転とした以外は、樹脂Fと同様の条件で樹脂Gを製造した。
上述の分析法で得られた樹脂Gの物性を表2に示す。
スチレン系単量体としてスチレン86.6質量部、ゴム状弾性体としてスチレン−ブタジエン共重合体1を8.4質量部、溶剤としてエチルベンゼン5.0質量部、重合開始剤として1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.02質量部を混合溶解した重合液を、攪拌機を備え、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−1に、3.2L/時で連続的に仕込み、温度を100〜120℃に調整した。攪拌機の回転数は毎分200回転とした。
続いて層流型反応器−1と直列に接続された、攪拌機を備え、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−2に反応液を送り、攪拌機の回転数は毎分20回転とし、温度は120〜130℃に設定した。
続いて攪拌機を備え、温度コントロール可能な6.2Lの層流型反応器−3に反応液を送った。攪拌機の回転数は毎分10回転とし、温度は130〜140℃に設定した。重合反応器(層流型反応器−3)から連続して排出される重合体溶液を真空ベントつき押出機で、10torrの減圧下、脱揮後ペレタイズした。押出機の温度は200〜250℃に設定した。
上述の分析法で得られた樹脂Hの物性を表2に示す。
ゴム状弾性体としてポリブタジエンゴム2を使用し、スチレン77質量部、ゴム状弾性体9質量部、溶剤としてエチルベンゼン14質量部、重合開始剤として1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.004質量部、及び連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー0.2質量部とし、更に層流型反応器−1の回転数を毎分35回転とした以外は、樹脂Fと同様の条件で樹脂Iを製造した。
上述の分析法で得られた樹脂Iの物性を表2に示す。
ゴム状弾性体としてスチレン−ブタジエン共重合体1を使用し、スチレン40質量部、メタクリル酸メチル38質量部、ゴム状弾性体9質量部、エチルベンゼン13質量部、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.02質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.1質量部とし、また、層流型反応器−1の回転数を毎分120回転とした以外は、樹脂Fと同様の条件で樹脂Jを製造した。
上述の分析法で得られた樹脂Jの物性を表2に示す。
得られたスチレン系共重合樹脂(A)[樹脂A−1]を98.5部とHIPS[樹脂D]を1.5部加え、30mmφの二軸押出機(創研社製)を用いて、220℃、80rpmで混練後、ペレタイズし、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
表3に示す割合でスチレン系共重合樹脂(A)、HIPS樹脂を加え、実施例1と同様に、30mmφの二軸押出機を用いて、220℃、80rpmで混練後、ペレタイズし、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
樹脂Eをトルエンに10質量%になるように溶解し、溶液を遠沈管にいれ、遠心分離機((株)日立製作所製himac、CR−20(ローター:R20A2))にて10℃以下、20000rpmで60分間遠心した。スチレン系樹脂(C)が溶解する上澄み液をデカンテーションにて除去し、沈澱として遠沈管に残る樹脂E由来の分散粒子(B)を回収し、80℃、1.3kPa、1時間の条件で溶媒を除去した。スチレン系共重合樹脂(A)の99.5質量部と、溶媒を除去した樹脂E由来の分散粒子(B)0.5質量部とを加え、実施例1と同様に、30mmφの二軸押出機を用いて、220℃、80rpmで混練後、ペレタイズし、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
分散粒子(B)及びスチレン系樹脂(C)を加えない以外は実施例1と同様に実施し、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂の評価結果を表3に示す。
分散粒子(B)及びスチレン系樹脂(C)が存在しない比較例1では、実施例1と比較し、樹脂組成物の強度が著しく低下し、また、衝撃強度、MIT耐折回数も低下した。
樹脂Eの添加量を13.0質量部とした以外は実施例2と同様に実施し、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂の評価結果を表3に示す。
実施例2と比較し、分散粒子(B)の添加量が多いため、透明性が不十分となった。
スチレン系共重合樹脂(A)[樹脂A−1]を99.0質量部、HIPS[樹脂F]を1.0部とした以外は実施例1と同様に混練を実施し、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
樹脂Fの分散粒子(B)に含まれるゴム状弾性体は所定の組成となっておらず、組成物にした際の透明性に劣るため、透明性を満足させようと比較例3のように添加量を設定したが、十分な機械強度(衝撃強度、MIT耐折回数)を得ることができなかった。
スチレン系共重合樹脂(A)[樹脂A−1]を98.0質量部、HIPS[樹脂F]を2.0部とした以外は実施例1と同様に混練を実施し、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
比較例4では、比較例3に比べ[樹脂F]の量を増量させたため、機械強度は改善したが、十分な透明性を得られなかった。
スチレン系共重合樹脂(A)[樹脂A−1]を98.0質量部、HIPS[樹脂G]を2.0部とした以外は実施例1と同様に混練を実施し、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
[樹脂G]由来の分散粒子(B)は粒子径が小さく、また、形態がサラミ状を主体としていないため、衝撃強度が低下した。
スチレン系共重合樹脂(A)[樹脂A−1]を98.0質量部、HIPS[樹脂I]を2.0部とした以外は実施例1と同様に混練を実施し、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
[樹脂I]由来の分散粒子(B)は粒子径が大きいため、組成物にした際の透明性に劣る結果となった。
スチレン系共重合樹脂(A)[樹脂A−1]を98.0質量部、HIPS[樹脂J]を2.0部とした以外は実施例1と同様に混練を実施し、スチレン系樹脂組成物を得た。
得られたスチレン系樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
[樹脂J]由来の分散粒子(B)に含まれるグラフトポリマー及びオクルードポリマー樹脂及びスチレン系樹脂(C)では、メタクリル酸メチルが所定量よりも多いため、分散性が悪くなり、組成物にした際の透明性に劣る結果となった。
Claims (8)
- スチレン系単量体単位、不飽和カルボン酸系単量体単位、及び不飽和カルボン酸エステル系単量体単位の合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体単位の含有量が54〜96質量%であり、前記不飽和カルボン酸系単量体単位の含有量が4〜16質量%であり、前記不飽和カルボン酸エステル系単量体単位の含有量が0〜30質量%であるスチレン系共重合樹脂(A);及び
芳香族炭化水素系単量体単位と共役ジエン系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、前記芳香族炭化水素系単量体単位の含有量が20〜50質量%であり、前記共役ジエン系単量体単位の含有量が50〜80質量%である芳香族炭化水素−共役ジエン系共重合体を含むゴム状弾性体と、
前記ゴム状弾性体のグラフトポリマー及び/又はオクルードポリマーとして、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位との合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体の含有量が85〜100質量%であり、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が0〜15質量%である共重合体(b)とを含有し、粒子径が0.5〜3.5μmである分散粒子(B)
を含み、
前記スチレン系共重合樹脂(A)と前記分散粒子(B)との合計含有量を100質量%としたとき、前記分散粒子(B)の含有量が0.1〜3.0質量%であることを特徴とする、スチレン系樹脂組成物。 - スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系単量体単位の含有量が85〜100質量%であり、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が0〜15質量%であるスチレン系樹脂(C)を更に含有し、
前記スチレン系共重合樹脂(A)、前記分散粒子(B)、及び前記スチレン系樹脂(C)の合計含有量を100質量%としたとき、前記スチレン系共重合樹脂(A)が90.0〜99.9質量%、前記分散粒子(B)が0.1〜3.0質量%、前記スチレン系樹脂(C)が0.0〜12.0質量%である、請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。 - 前記スチレン系共重合樹脂(A)の重量平均分子量をMw_A、前記スチレン系樹脂(C)の重量平均分子量をMw_Cとしたとき、Mw_Aに対するMw_Cの分子量の割合(Mw_C/Mw_A)が0.5〜1.5である、請求項2に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記分散粒子(B)の屈折率が1.555〜1.575である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 透過型電子顕微鏡を用いて前記分散粒子(B)の断面形状を観察したときに、90%以上がサラミ形状である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物からなることを特徴とする、シート。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物からなることを特徴とする、二軸延伸シート
- 請求項6又は7に記載のシートからなることを特徴とする、成形品。
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