JP7333218B2 - 樹脂組成物および成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物および成形体に関する。
ゴム変性スチレン系樹脂はその優れた成形性と実用強度から、食品包装や容器等、薄肉成形体の材料として広く使用されている。
一方、近年、石油資源枯渇の問題や炭酸ガス排出増加に伴う地球温暖化の問題から二酸化炭素の低減が求められており、見かけ上二酸化炭素を排出しない「カーボンニュートラル」な材料としてポリ乳酸をはじめとする植物由来の原料を用いた樹脂が注目されている。このような植物由来の低環境負荷の材料をゴム変性スチレン系樹脂に配合(ポリマーアロイ)して使用することにより、ゴム変性スチレン系樹脂の使用量を削減することが可能であり、また、このようなゴム変性スチレン系樹脂とのポリマーアロイが近年検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-101125号公報
ところで、上記のような従来の、ゴム変性スチレン系樹脂にポリ乳酸を含有させた樹脂組成物を成形して得られた成形体は、当該成形体が比較的厚さがある場合には、機械的強度等を確保することができるものの、当該成形体を薄肉にした場合には、機械的強度、例えば耐衝撃性において改善の余地があった。
さらに、ゴム変性スチレン系樹脂にポリ乳酸を含有させた樹脂組成物を成形して得られた、例えば食品包装や容器などの成形体においては、適度な視認性を有すること、具体的には、その内部に保存ないし収容した食品等の内容物を確認可能な程度の視認性と、内容物の劣化を防止するためのある程度の遮光性も求められている。
そこで、本発明は、植物由来の材料を含む場合であっても、耐衝撃性が優れるとともに、適度な視認性を有する成形体を得ることができる樹脂組成物、および、耐衝撃性が優れるとともに、適度な視認性を有する成形体を提供することを目的とする。
[1](A)ゴム変性スチレン系樹脂75.0質量%超98.9質量%以下、(B)ポリ乳酸1.0質量%以上10.0質量%未満、及び(C)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体のブロック共重合体0.1質量%以上15.0質量%以下を含有することを特徴とする、樹脂組成物。
[2]上記[1]に記載の樹脂組成物を成形して得られた、厚さ1.0mm以下の部分を有する成形体。
[3]上記[1]に記載の樹脂組成物をインジェクションブロー成形して得られた容器。
[4]上記[1]に記載の樹脂組成物を押出成形して得られたシート。
[5]上記[4]に記載のシートを成形して得られた容器。
本発明によれば、植物由来の材料を含む場合であっても、耐衝撃性が優れるとともに、適度な視認性を有する成形体を得ることができる樹脂組成物、および、耐衝撃性が優れるとともに、適度な視認性を有する成形体を提供することができる。また本発明の樹脂組成物および成形体は、低環境負荷であり、優れた耐衝撃性と適度な視認性を有するため、例えば厚さ1mm以下の部分を有する食品容器・食品包装等での使用が有利になる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
《樹脂組成物》
本実施形態の樹脂組成物は、(A)ゴム変性スチレン系樹脂75.0質量%超98.9質量%以下、(B)ポリ乳酸1.0質量%以上10.0質量%未満、及び(C)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体のブロック共重合体0.1質量%以上15.0質量%以下を含有する。
以下、(A)ゴム変性スチレン系樹脂を(A)成分と、(B)ポリ乳酸を(B)成分と、(C)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体のブロック共重合体を、(C)ブロック共重合体または(C)成分とも称する。
<ゴム変性スチレン系樹脂>
本実施形態の(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、スチレン系樹脂のマトリックス中にゴム状重合体の粒子が分散されたものであり、ゴム状重合体の存在下でスチレン系単量体を重合させることにより製造することができる。
本実施形態において、(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)ポリ乳酸および(C)ブロック共重合体の合計含有量100質量%に対して、75.0質量%超98.9質量%以下であり、好ましくは78.2~97.9質量%であり、より好ましくは79.0~97.9質量%であり、さらに好ましくは84.0~96.5質量%である。本実施形態において、(A)ゴム変性スチレン系樹脂の含有量を75.0質量%超にすることにより、樹脂組成物より得た成形体の耐熱性、機械的物性等を確保することができる。一方、当該含有量を98.9質量%以下にすることにより、(B)ポリ乳酸および(C)ブロック共重合体の含有量を確保することができ、環境負荷を低減するとともに、優れた耐衝撃性を有する成形体を得ることができる。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂を構成するスチレン系単量体としては、スチレンの他に、α-メチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン、クロロスチレン、及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられ、特に、スチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、1種若しくは2種以上使用することができる。
なお、必要に応じてスチレン系単量体に共重合可能なその他の単量体を本発明の目的を損なわない範囲で用いてもよい。ここで用いることが可能なその他の共重合可能な単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の無水物基含有単量体、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のジカルボン酸イミド含有単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体等が挙げられる。
スチレン単量体に共重合可能なその他の単量体の量は、マトリックスを構成する単量体としては好ましくは25質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
上記ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリクロロプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体等を使用できるが、工業的観点から、ポリブタジエン及びスチレン-ブタジエン共重合体が好ましい。ポリブタジエンには、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン及びシス含有率の低いローシスポリブタジエンの双方を用いることができる。また、スチレン-ブタジエン共重合体の構造としては、ランダム構造及びブロック構造の双方を用いることができる。これらのゴム状重合体は1種又は2種以上使用することができる。また、ブタジエン系ゴムを水素添加した飽和ゴムを使用することもできる。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂に含まれるゴム状重合体は、内側にスチレン系樹脂を内包し、かつ、外側にスチレン系樹脂がグラフトされたものであってよい。
このようなゴム変性スチレン系樹脂の例としては、HIPS(高衝撃ポリスチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体)等が挙げられる。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム成分の含有量は、特に限定されないが、(A)ゴム変性スチレン系樹脂100質量%に対して、2~10質量%が好ましく、更に好ましくは2.5~8質量%である。ゴム成分の含有量が2質量%より少ないと耐衝撃性が低下し、成形体が割れ易くなる。また、ゴム状重合体の含有量が10質量%を超えると視認性が低下する傾向がある。
なお本開示で、(A)ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム成分の含有量は、熱分解ガスクロマトグラフイーを用いて算出される値である。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム状重合体分散粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~5.0μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0~4.0μmである。ゴム状重合体分散粒子の平均粒子径が0.5μmより小さいと樹脂組成物の耐衝撃性が得られにくい傾向があり、5.0μmより大きいと視認性が低下する傾向がある。
なお本開示で、(A)ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム状重合体の分散粒子の平均粒子径は、後述の[実施例]の項で説明する手順で測定される値である。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、5~40万の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは8~35万の範囲である。重量平均分子量が5万より小さいと耐衝撃性が低下する傾向があり、40万を超えると樹脂組成物中での分散性が悪くなり視認性が低下する傾向がある。
なお本開示で、(A)ゴム変性スチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される値であり、より詳細には、後述の[実施例]の項で説明する手順で測定される値である。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂のメルトマスフローレイトは、特に限定されないが、1.0~20g/10分の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.2~18g/10分の範囲であり、さらに好ましくは1.5~16g/10分である。1.0g/10minより低いと容器成形時の成形性が低下し、20g/10minを超えると容器成形時に糸曳きが発生し、容器の外観不良の原因となる。
なお本開示で、(A)ゴム変性スチレン系樹脂のメルトマスフローレイトは、JIS K 7210-1に従って、200℃、5kg荷重で測定した値である。
本実施形態の(A)ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法の例を示す。
典型的な態様において、(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を、ゴム状重合体の存在下で重合させて、スチレン系重合体中にゴム状重合体が分散している海島構造を形成することを含む方法によって製造できる。スチレン系単量体の重合方法に関しては特に制約はなく、スチレン系単量体にゴムを溶かした溶液を用いて、通常の塊状重合、溶液重合、懸濁重合等を行うことができる。また、メルトマスフローレイト調整のために、溶媒や連鎖移動剤を適宜選択して使用することが好ましい。溶媒としてはトルエン、エチルベンゼン、キシレン等を使用できる。溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、重合原料液の全量100質量%に対して、0~50質量%の範囲が好ましい。連鎖移動剤としては、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、α-メチルスチレンダイマー等が用いられ、α-メチルスチレンダイマーが好ましい。連鎖移動剤の使用量は、重合原料液の全量100質量%に対して好ましくは0.01~2質量%、より好ましくは0.03~1質量%、さらに好ましくは0.05~0.2質量%の範囲である。重合反応温度は好ましくは80~200℃、さらに好ましくは90~180℃の範囲である。反応温度が80℃以上であれば生産性が良好で、工業的に適当であり、一方200℃以下であれば、低分子量重合体が多量に生成することを回避でき好ましい。スチレン系重合体の目標分子量が重合温度のみで調整できない場合は、開始剤量、溶媒量、連鎖移動剤量等で制御すればよい。反応時間は一般に0.5~20時間、好ましくは2~10時間である。反応時間が0.5時間以上であれば反応が良好に進行し、一方、20時間以下であれば、生産性が良好で工業的に適当である。
上記の製造方法において、(A)ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体の分散粒子の粒子径については、反応器内の撹拌機の回転数により制御が可能であり、トルエン不溶分の量については開始剤量による制御が可能であり、トルエン不溶分のトルエンに対する膨潤指数は回収系の押出機の温度により制御が可能である。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂のゴム状重合体の量は、目標とする含有量になるように原材料中のゴム状重合体の含有量や重合率を調整することによって制御することができる。本実施形態において、(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、前記製造法により製造できるが、別の方法として、前記の製造方法により得られた(A)ゴム変性スチレン系樹脂に、ゴム状重合体を含有しないポリスチレン樹脂等のスチレン系樹脂を混合し希釈することによっても製造することができる。
重合開始剤として用いられる有機過酸化物としては、パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類などが挙げられる。
重合溶媒としては、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等を用いることが可能である。
<(B)ポリ乳酸>
本実施形態の樹脂組成物は、(B)ポリ乳酸を含有する。樹脂組成物が(B)ポリ乳酸を含有することにより、環境負荷を低減することができる。
本実施形態において、(B)ポリ乳酸は、(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)ポリ乳酸および(C)ブロック共重合体の合計含有量100質量%に対して、1.0質量%以上10.0質量%未満であり、好ましくは2.0~9.8質量%であり、より好ましくは2.0~9.0質量%であり、さらに好ましくは3.0~8.0質量%である。本実施形態において、(B)ポリ乳酸の含有量を1.0質量%以上にすることにより、環境負荷を低減することができる。一方、(B)ポリ乳酸の含有量を10.0質量%未満にすることにより、樹脂組成物より得た成形体の遮光性が高くなりすぎるのを防ぎ、適度な視認性を得ることができる。
本実施形態の(B)ポリ乳酸は、特に限定されないが、例えばとうもろこしやイモ類等から得た澱粉を糖化して、更に乳酸菌により乳酸を得、次に、乳酸を環化反応させてラクチドとし、これを開環重合する方法で得られたポリ乳酸を用いることができる。また、石油からラクチドを合成しこれを開環重合して得たポリ乳酸でも、あるいは石油から乳酸を得、これを直接脱水縮合して得たポリ乳酸を用いてもよい。特に、二酸化炭素排出量削減という観点から、植物由来原料が好ましい。
(B)ポリ乳酸を構成するL-乳酸およびD-乳酸の比率に関しては、特に限定されることなく用いることができる。本実施形態の樹脂組成物の成形性を考慮すると、L-乳酸とD-乳酸の比が100:0~90:10であることが好ましく、より好ましくはL-乳酸とD-乳酸の比が100:0~95:5である。
(B)ポリ乳酸の分子量や分子量分布は、特に限定されないが、重量平均分子量(Mw)としては、好ましくは1万以上40万以下であり、より好ましくは4万以上30万以下である。分子量が1万より小さいと樹脂組成物の衝撃強度が低下し、40万を超えると樹脂組成物中での(B)ポリ乳酸の分散性が低下し、視認性が低下する。
(B)JIS K 7210-1に従って、210℃、2.16kg荷重で測定したポリ乳酸のメルトマスフローレイトは、3~100g/10minが好ましく、特に好ましくは、5~80g/10minである。
<(C)ブロック共重合体>
本実施形態の樹脂組成物は、(C)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体を含有する。樹脂組成物が(C)ブロック共重合体を含有することにより、樹脂組成物中の(A)ゴム変性スチレン系樹脂と(B)ポリ乳酸との相容性が向上し、当該樹脂組成物より得た薄肉部を有する成形体の耐衝撃性を高いレベルにすることができる。なお、(C)ブロック共重合体以外の相容化剤を用いた場合、耐衝撃性の向上幅が小さいか、あるいは各成分の混練時や樹脂組成物の成形時に(B)ポリ乳酸を分解させてしまうことがあり、好ましくない。
本実施形態において、(C)ブロック共重合体は、(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)ポリ乳酸および(C)ブロック共重合体の合計含有量100質量%に対して、0.1~15.0質量%であり、好ましくは0.1~12.0質量%であり、より好ましくは0.5~8.0質量%である。当該含有量が0.1質量%未満では、添加しない場合に比べて引張破壊歪みやデュポン衝撃等の機械的強度の向上がほとんど認められない。一方、当該含有量が15.0質量%以上では、デュポン衝撃等の耐衝撃性の向上は頭打ちあるいは若干低下する場合もあり、好ましくない。また、樹脂組成物より得た成形体の視認性が低下する傾向がある。
(C)ブロック共重合体のスチレン系単量体としては、スチレンの他に、α-メチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン、クロロスチレン、及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられ、特に、スチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、1種若しくは2種以上使用することができる。
(C)ブロック共重合体の(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、炭素数1~4のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体が挙げられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチル、エステル(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸ブチルエステルが挙げられる。中で最も入手しやすいことから、(メタ)アクリル酸エステル系単量体はメタアクリル酸メチルエステルであることが好ましい。
本実施形態において(C)ブロック共重合体は、a-b型ブロック共重合体とすることができ、具体的には、aセグメントがスチレン系単量体により形成し、bセグメントが(メタ)アクリル酸エステル系単量体により形成することができる。当該a-b型ブロック共重合体は、例えばポリメリックペルオキシドを用いて公知の製造プロセスである塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法及び溶液重合法等で製造することができる。
また、上記aセグメントと上記bセグメントとの割合は、質量比で40/60~95/5であることが好ましく、より好ましくは45/55~93/7である。aセグメントとbセグメントの質量比を上記範囲内にすることで、(C)ブロック共重合体を含有させることによる耐衝撃性の向上等がより高まる。上記好適な(C)ブロック共重合体は市販されているものを使用してもよい。例としては日本油脂(株)製「モディパーMS10B」等が挙げられる。
<流動パラフィン>
本実施形態において、樹脂組成物には耐衝撃性のさらなる向上の観点から、流動パラフィンを0.3~5.0質量%含有することが好ましい。好ましくは、0.5~4.5質量%である。当該含有量が5.0質量%を超えると、耐熱性が低下し易くなる。一方、当該含有量が0.3質量%より少ないと、耐衝撃性のさらなる向上が得られにくい。流動パラフィンとしては種々のものが挙げられるが、数平均分子量375~425の範囲にあることが好ましい。このような流動パラフィンはASTMD1160(10mmHg)で測定する2.5質量%初留温度が230~290℃のものである。流動パラフィンの含有量はメタノール可溶分を液体クロマトグラフイーで分析することで求められる。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物には、本発明の要旨を超えない範囲で一般的な各種添加剤を、公知の作用効果を達成するために添加することもできる。例えば、離型剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、染料、顔料、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、難燃剤、蛍光増白剤、光拡散剤、選択波長吸収剤、各種充填剤等を、目的に合った効果を達成するために添加することができる。
なお、樹脂組成物中の上記各種添加剤は、樹脂組成物100質量%に対して2.0質量%であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.8質量%以下であることがさらに好ましく、最も好ましくは0.5質量%以下である。
これらの添加方法は特に限定される訳では無く、公知の方法、例えば、使用する(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)ポリ乳酸または(C)ブロック共重合体の重合開始前、重合途中の反応液に対して、または、重合終了後に添加することができる。さらに、後述の樹脂組成物の製造方法に記載の、各成分から樹脂組成物を製造する段階、具体的には各成分を配合する際や、押出機の途中から添加することや、樹脂組成物を成形する際の成形機においても添加することができる。
<樹脂組成物の特性>
本実施形態の樹脂組成物の視認性は、JIS K 7361-1に基づき測定した全光線透過率である。厚さ0.4mmに成形したシートでの全光線透過率が50~80%であることが好ましく、より好ましくは52~78%であり、更に好ましくは55~75である。上記範囲であることにより、本樹脂組成物より得た成形体の視認性を適度なものにすることができる。
本実施形態の樹脂組成物の耐衝撃性は、厚さ0.4mmに成形したシートで測定したデュポン衝撃試験値であり、当該試験値(衝撃強度)が7.0kg・cm以上であることが好ましく、より好ましくは7.5kg・cm以上であり、更に好ましくは8.0kg・cm以上である。上記範囲であることにより、本樹脂組成物より得た成形体耐衝撃性を適度なものにすることができる。なお、当該試験は、撃針径9.4mmφ、荷重150g、n=30で試験を行い、50%破壊高さから衝撃強度を求める。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態において、樹脂組成物の製造方法は、(A)ゴム変性スチレン系樹脂および(B)ポリ乳酸、及び(C)ブロック共重合体を配合、溶融、混練、造粒する方法は特に限定されず、樹脂組成物の製造で常用されている方法を用いることができる。例えば、ドラムタンブラー、ヘンシェルミキサー等で配合(混合)した上記各成分をバンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー等を用いて溶融、混練し、ロータリーカッター、ファンカッター等で造粒することによって樹脂組成物を得ることができる。溶融、混練における樹脂温度は180~240℃が好ましい。目標とする樹脂温度にするためには、押出機等のシリンダー温度は樹脂温度よりも10~20℃低い温度に設定することが好ましい。樹脂温度が180℃未満では混合が不十分となり好ましくない。一方、樹脂温度が240℃を超えると(B)ポリ乳酸の熱分解が起こり好ましくない。
《成形体》
本実施形態の成形体は、上記の本発明に係る実施形態の樹脂組成物を成形して得ることができる。本実施形態の成形体は、上記の本発明に係る実施形態の樹脂組成物を成形して得たものであれば特に限定されないが、当該成形体が厚さ1mm以下の部分を有することが好ましい。厚さ1mm以下の部分を有する成形体において、上記の樹脂組成物を好適に用いることができる。
また、本実施形態の成形体は、特に限定されないが、容器やシートであることが好ましい。本実施形態の容器は、樹脂組成物より直接製造(成形)してもよく、または樹脂組成物を成形して得たシートをさらに成形することにより製造してもよい。また、本実施形態のシートは、容器だけでなく他の成形体を製造(成形)するために用いることができる。
本実施形態のシートは、非発泡の押出シートであり、厚さは、特に限定されないが例えば、1.0mm以下とすることができ、好ましくは、0.2~0.8mmである。
また、本実施形態のシートは、通常の低倍率のロール延伸のみで形成したシートとしてもよいが、特に、ロールで1.3倍~7倍程度延伸した後、テンターで1.3~7倍程度延伸したシートが、強度の観点から、好ましい。
本実施形態のシートは、ポリスチレン樹脂等のスチレン系樹脂等と多層化して用いてもよく、また、当該スチレン系樹脂等の層に加えて、又は代えて、該スチレン系樹脂以外の樹脂と多層化して用いてもよい。スチレン系樹脂以外の樹脂としては、PP樹脂、PP/PS系樹脂、PET樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。
本実施形態の容器は、上記の樹脂組成物を用いてインジェクションブロー成形により得られた容器、または、上記のシートを成形して得られた容器である。
具体的には、本実施形態の、インジェクションブロー成形により得た容器としては、特に限定されないが例えば、乳酸菌飲料等の飲料や発酵乳等の食品などを保存ないし収容する容器が挙げられ、容器は、開口部にフランジ面を有し、開口部を上方に備える円筒竪型とすることができる。当該容器は、高さ50~120mm、直径30~60mm、厚さ0.2~0.8mmの大きさにすることができる。
また、本実施形態の、上記のシートを成形して得られた容器としては、特に限定されず、シート又はこれを含む多層体より成形した、弁当の蓋材又は惣菜等を入れる容器が挙げられる。
<成形体の製造方法>
本実施形態において、樹脂組成物から成形体を得る製造方法は、特に限定されず、公知の成形方法、例えば押出成形加工や射出成形加工により製造することができる。具体的には押出成形加工としては、例えば、押出成形、カレンダ成形、中空成形、押出発泡成形、異形押出成形、ラミネート成形、インフレーション成形、Tダイフィルム成形、シート成形、真空成形、圧空成形、ダイレクトブロー成形などが挙げられる。また、射出成形加工としては、例えば、射出成形、RIM成形、射出発泡成形、インジェクションブロー成形、射出延伸ブロー成形などが挙げられる。
本実施形態において、成形体のなかでもシートの製造方法としては、特に限定されないが例えば、Tダイを取り付けた短軸又は二軸押出機で押し出しし、一軸延伸機又は二軸延伸機でシートを引き取る方法等を挙げることができる。
また、本実施形態において、シートより成形して得る容器の製造方法は、特に限定されず例えば、真空成形が挙げられる。
また、本実施形態において、インジェクションブロー成形により得られた容器の製造方法としては、特に限定するものではなく公知の方法により成形することができる。具体的には、インジェクションブロー成形では、まず射出成形によって樹脂組成物から中間体(例えば有底のパリソン)を成形し、ついで、この中間体を、軟化状態でコア(射出成形の雄金型)に付けたままでブロー成形金型内に移行させ、そして、コアから圧気を送り込んでブロー成形金型内壁面まで膨らませることで、中空成形品(例えば容器)を成形することができる。
上記の成形法において、中間体をブロー成形する段階において、金型温度は20~70℃であることが好ましく、25~65℃であることがより好ましく、30~60℃であることがさらに好ましい。
また、成形樹脂温度は、180~280℃であることが好ましく、200~260℃であることがより好ましい。さらに、コア温度は、100~150℃であることが好ましく、110~140℃であることがより好ましい。
中間体の体積に対する容器の体積の倍率(体積の延伸倍率)は、1.5~7倍であることが好ましく、2~5倍であることがより好ましい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記例に限定されることは無く、適宜変更を加えることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されると解されるべきでない。
まず、実施例、比較例を評価するために用いた評価方法について以下説明する。
(1)分子量の測定
ゴム変性スチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)およびポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
なお、本実施例で使用したゴム変性スチレン系樹脂はスチレン系樹脂のマトリクス相にゴム状分散粒子が分散した形態であり、分子量はマトリクス相の分子量を意味する。そのため分子量測定に用いる試料は、90%メチルエチルケトン/10%メタノール混合溶液にゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)を溶解させ、株式会社サクマ製作所製の遠心分離機SS-2050A(ローター:6B-N6L)にて10℃以下、20000rpmで60分間遠心分離を行った。遠心分離後の上澄み液を、メタノール中に再沈殿させた後、濾別してマトリクス相であるスチレン系樹脂を回収し、これを乾燥した。クロロホルム10mlに乾燥後のスチレン系樹脂約0.05mgを溶解させ、試料溶液として使用した。
装置:東ソー製HLC-8220
分別カラム:Shodex社製KF-606M(内径6.0mm)を2本直列に接続
ガードカラム:Shodex社製KF-G 4A
キャリア:クロロホルム 0.35ml/min
試料調製:測定試料5mgを10mLのクロロホルムに溶解した後、0.45μmのフィルターでろ過を行った。
注入量:10μL
測定温度:40℃
流速:0.35mL/分
検出器:示差屈折率検出器(RI-8020)
検量線の作成には東ソー製のTSK標準ポリスチレン11種類(F-850、F-450、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000)を用いた。3次直線の近似式を用いて検量線を作成した。
分子量は単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
(2)ゴム状重合体の含有量の測定
ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体の含有量を熱分解ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。
試料調整:ゴム変性スチレン系樹脂をクロロホルムに5質量%で溶解し、20μLをパイロホイルに塗布し、80℃で1日間真空乾燥した。
-測定条件-
・熱分解装置(Py-GC)
機器:日本分析工業社製 キュリーポイントインジェクター
パイロホイル温度:590℃
高周波照射時間:10秒
・ガスクロマトグラフィー(GC)
機器:アジレント・テクノロジー社製 HP-GC-6890
カラム:HP-5MS
30m、膜厚0.25mm、0.25mmφ
カラム温度:50℃-5分→10℃/分→100℃→70℃/分→
300℃-10分
注入口温度:300℃
検出器温度:300℃
スプリット比:1/20
キャリアガス:ヘリウム
検出器:MSD
(3)ゴム状重合体の分散粒子の粒子径
30μm径のアパーチャーチューブを装着したベックマンコールター株式会社製COULTER MULTISIZER III (商品名)にて、ゴム変性スチレン系樹脂0.05gをジメチルホルムアミド約5ml中に入れ約2~5分間放置した。次にジメチルホルムアミド溶解分を適度の粒子濃度として測定し、体積基準のメジアン径を求めた。
(4)メルトマスフローレイトの測定
ゴム変性スチレン系樹脂、および樹脂組成物のメルトマスフローレイトは、JIS K 7210-1に準拠して200℃、5kg荷重の条件で測定した。ポリ乳酸は、JIS K 7210-1に準拠して210℃、2.16kg荷重にて測定した。
(5)耐衝撃性の評価
得られたシートから縦8cm×横8cmの試験片を切り出し、(株)東洋精機製作所製のデュポン衝撃試験機(No451)を用いて落錘衝撃強度(デュポン衝撃強度)を測定した。落下重錘の質量150g、撃心突端の半径9.4mmで、n=30で試験を行い、50%破壊高さから落錘衝撃強度を求めた。
(6)視認性の評価
得られたシートから縦4cm×横4cmの試験片(厚さ0.4mm)を切り出し、日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH-2000を用いてJIS K7361-1に基づき全光線透過率を測定した。
続いて、実施例、比較例で用いた樹脂を説明する。
・(A)ゴム変性スチレン系樹脂
<(A-1)ゴム変性スチレン系樹脂>
スチレン系単量体としてスチレン88.3質量部、ゴム状重合体としてポリブタジエンゴム(旭化成株式会社製ジエン55AE)3.2質量部、溶剤としてエチルベンゼン8.5質量部、重合開始剤として1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.002質量部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマー0.06質量部を混合溶解した重合液を、攪拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-1に、3.2リットル/Hrで連続的に仕込み、温度を125℃/130℃/135℃に調整した。攪拌機の回転数は毎分80回転とした。反応器出口の反応率は28%であった。
続いて層流型反応器-1と直列に接続された、攪拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-2に反応液を送った。攪拌機の回転数は毎分20回転とし、温度は137℃/138℃/139℃に設定した。
続いて攪拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器-3に反応液を送った。攪拌機の回転数は毎分10回転とし、温度は142℃/143℃/148℃に設定した。
続いて層流型反応器-3からの反応液を220℃、1.0~1.5kPaに調整された2段真空ベント付き押出機に供給して、未反応モノマーや溶媒等の揮発成分を取り除き、ストランド状に押し出した樹脂をカッティングしてペレットを得た。このペレット100質量部に対し離型剤としてステアリン酸/ステアリン酸カルシウムの3:1の混合物を0.23質量部混合して、押出機を用いて混練して、ゴム変性スチレン系樹脂組成物を調整した。
得られた(A-1)ゴム変性スチレン系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が19万、メルトマスフローレイトが3.6g/10分、ゴム成分の含有量が3.9質量%、ゴム状重合体粒子の平均粒径が2.8μmであった。
<(A-2)ゴム変性スチレン系樹脂>
重合液をスチレン89.3質量部、ポリブタジエンゴム(旭化成株式会社製ジエン55AE)4.7質量部、エチルベンゼン6.0質量部、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.007質量部、α-メチルスチレンダイマー0.04質量部、反応器温度を124℃/132℃/135℃、130℃/133℃/135℃、135℃/140℃/145℃とした以外はゴム変性スチレン系樹脂(A-1)の製造方法と同様に製造した。得られた(A-2)ゴム変性スチレン系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が23万、メルトマスフローレイトが1.5g/10分、ゴム成分の含有量が6.2質量%、ゴム状重合体粒子の平均粒径が2.3μmであった。
・(B)ポリ乳酸
D-乳酸成分の比率0.5モル%、重量平均分子量(Mw)20万、メルトマスフローレイト6.1g/10minであるポリ乳酸(Nature Works LLC製、Ingeo2003D)を用いた。
・(C)ブロック共重合体
<(C-1)ブロック共重合体>
スチレンとメタクリル酸メチルとのブロック共重合体であって、組成比:スチレン/メタクリル酸メチル=90/10であるブロック共重合体(日本油脂株式会社製、モディパー MS10B)を用いた。
<(C-2)ブロック共重合体>
温度計、攪拌機、コンデンサーを備えたガラス製反応器に、1.0%のポリビニルアルコール水溶液300質量部と予めメタクリル酸メチル30質量部にポリメリックペルオキシド1.5質量部を溶解させて得られた溶液とを仕込んだ。反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しつつ65℃に加熱して重合を開始した。温度を65℃に維持しつつ2時間重合させた後、スチレン70質量部を加えた。次いで温度を80℃に昇温して6時間重合を続けた。室温に冷却して重合を終了した後、重合物を濾別しよく水洗してから真空乾燥して白色粒状のA-B型ブロック共重合体97質量部を得た。組成比はスチレン/メタクリル酸メチル=70/30であった。
・流動パラフィン
流動パラフィンとして、出光興産社製CP-68Nを用いた。
次いで、実施例、比較例を説明する。
(実施例1~14、比較例1~6)
(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)ポリ乳酸、(C)ブロック共重合体、流動パラフィンを表1に示す通り計量した。計量した原料をドラムタンブラーで配合し、二軸押出機(東芝機械株式会社製TEM-26SS)でシリンダー設定温度200℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し溶融ストランドとして抜き出した。溶融ストランドを水冷しロータリーカッターでストランドをカッティングしてペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂ペレットを創研株式会社製のスクリュー径30mmのシート押出機に供給した。樹脂溶融ゾーンの温度は180~220℃に設定し、Tダイ(コートハンガーダイ)より吐出量10kg/hで溶融押出した後、80℃に設定したキャストロール、タッチロールに圧着し、幅300mm、厚み0.4mmのシートを得た。
得られた樹脂組成物、シートを上記の方法にて評価し、その結果を表1、2に示す。
Figure 0007333218000001
Figure 0007333218000002
表1、2に示すように、比較例1、3、5は(C)成分の含有量が過剰であり、耐衝撃性が低下した。また、比較例2、4は(C)成分を含有しないため、耐衝撃性が低下した。さらに、比較例6は(B)成分の含有量が過剰であるため、視認性が低下した。
本発明によれば、耐衝撃性が優れるとともに、適度な視認性を有する成形体を得ることができる樹脂組成物、および、耐衝撃性が優れるとともに、適度な視認性を有する成形体を提供することができる。

Claims (5)

  1. (A)ゴム変性スチレン系樹脂75.0質量%超98.9質量%以下、(B)ポリ乳酸1.0質量%以上10.0質量%未満、及び(C)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とのa-b型ブロック共重合体0.1質量%以上3.0質量%以下を含有し、aセグメントを構成する前記スチレン系単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、t-ブチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン又はインデンであり、bセグメントを構成する前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチル、エステル(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル又はアクリル酸ブチルエステルであることを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物を成形して得られた、厚さ1.0mm以下の部分を有する成形体。
  3. 請求項1に記載の樹脂組成物をインジェクションブロー成形して得られた容器。
  4. 請求項1に記載の樹脂組成物を押出成形して得られたシート。
  5. 請求項4に記載のシートを成形して得られた容器。
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