JPH04298556A - 強度に優れた透明スチレン系樹脂 - Google Patents

強度に優れた透明スチレン系樹脂

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JPH04298556A
JPH04298556A JP6476991A JP6476991A JPH04298556A JP H04298556 A JPH04298556 A JP H04298556A JP 6476991 A JP6476991 A JP 6476991A JP 6476991 A JP6476991 A JP 6476991A JP H04298556 A JPH04298556 A JP H04298556A
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JP
Japan
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weight
rubber
styrenic polymer
polymer
styrene
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Withdrawn
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JP6476991A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Sho
正 和彦
Teruo Arai
輝夫 新井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なスチレン系樹脂に
関するものである。さらに詳しくは、本発明は特定の割
合からなるスチレン系構造単位とアクリル酸エステル(
メタクリル酸エステル)系構造単位からなるスチレン系
重合体とゴム補強スチレン系重合体と芳香族炭化水素重
合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックを有するブロ
ック共重合体からなる強度、透明性に優れたスチレン系
樹脂に関するものである。
【0002】更に詳細には、本発明は■上記の新規なス
チレン系樹脂から得られた真空成形性、圧空成形時の成
形サイクルを短縮させると共に強靱性を高めて成形品の
トリミング時の抜き割れ防止を付与した透明性の優れた
新規なスチレン系樹脂シート及び二軸延伸スチレン系樹
脂シート;■上記の新規なスチレン系樹脂を成形してな
る強度、透明性に優れた新規なスチレン系樹脂成形体を
も提供するものである。
【0003】
【従来の技術】スチレン系樹脂は透明性、成形性、剛性
に優れた樹脂であるところから、家庭用品、電気製品等
の成形材料として広く用いられてきた。利用分野が拡大
するに従い、スチレン系樹脂の強度向上が強く求められ
ている。分子量を高くするとか、分子量分布を最適化す
る方法が行われているが、市場の要求を満足させるには
至っていない。スチレン系樹脂の強度向上の為に、ポリ
スチレンとゴム状弾性体、特にスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体をブレンドする方法が一般的な方法とし
て多用されている。
【0004】しかし、この樹脂はポリスチレンに比べて
透明性の低下が大きく、市場では改良の要求が強い。 又、この樹脂はスチレン−ブタジエンブロック共重合体
を多量に用いると配向方向の強度は向上するが、配向に
直角な方向の強度はあまり向上しないという欠点を有し
ている。又、特にシート分野では低温成形性の向上、深
絞り性向上が望まれているが、ポリスチレンが有してい
る耐熱性のため改良には限界がある。
【0005】この限界を打破するために、スチレン系単
量体と共重合可能な第二の単量体を導入し、耐熱性を下
げて低温成形性、深絞り成形性向上を計ったり、透明性
向上を計ったりしているが、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体を用いる限り、配向方向に直角な方向の強
度が向上しないという致命的な欠陥は改良されていない
【0006】そのために、成形品の実用強度は配向に平
行な方向の強度ほど向上せず、市場ではこの強度改良の
要求が強い。 〈スチレン系樹脂シート〉従来のスチレン系樹脂シート
は腰の強さ、透明性、成形性に優れている等の理由で食
品収納容器用の軽量容器等に多用されている。
【0007】スチレン系樹脂シートは真空成形、圧空成
形機により各種容器に熱成形されるが、熱成形する際の
成形サイクルの短縮は生産性を向上させるので成形サイ
クルの短縮できるスチレン系樹脂シートが要望されてい
る。二軸延伸シートでは、成形サイクルを短縮させる為
に、延伸による分子配向を小さくし、配向緩和応力を低
くした二軸延伸スチレン系樹脂シート、分子量を小さく
した二軸延伸スチレン系樹脂シート等が試みられている
が、成形品を重ねてトリミングした際、成形品が割れる
という問題点があった。
【0008】又、成形サイクルを短縮させる為に、内部
可塑剤を添加したスチレン系樹脂シート、二軸延伸スチ
レン系樹脂シートが試みられているが、大きな改善効果
は認められない。又、第二の共重合可能な単量体、例え
ばブチルアクリレートとの共重合が試みられているが、
成形品の強度が著しく劣るものである。
【0009】ポリスチレンとスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体をブレンドした樹脂を用いたスチレン系樹
脂シートも同じ理由で成形サイクルの短縮に関して問題
を有している。スチレン−ブタジエンブロック共重合体
をブレンドした樹脂の宿命として、配向に対して直角方
向の強度が著しく低いという致命傷を有している。
【0010】<スチレン系樹脂成形体>スチレン系樹脂
は安価であり、透明性、成形性、剛性に優れていること
から、オーディオカセットハーフ、カセットハーフを収
納するプラスチックケース等のオーディオ製品、書類等
を収納するトレー等の事務用品、金魚鉢、洋服を収納す
るトレー、鳥籠、飲料用カップ、等の日常雑貨用品等多
岐に渡って使用されている。
【0011】近年、各用途で成形体に対する要求性能が
高度化してきている。例えば、カセットハーフ、プラス
チックケースの場合に、コストダウンの要請から成形サ
イクルを極限迄短縮して生産性を高め、かつ成形品の厚
みを極限迄縮めコスト低減を計る等の方策が検討されて
おり、このために、スチレン系樹脂成形体の強度向上が
要求されている。収納箱のトレー等も大型化の方向を指
向し、これに対応する為に、成形体の強度向上が求めら
れている。
【0012】これまで、強度の高い成形体を得るために
は、強度の高いスチレン系樹脂が用いられてきた。強度
の高いスチレン系樹脂を得るには、平均分子量を大きく
すれば良いことは公知の事実である。しかし、平均分子
量を大きくすることにより、成形性が低下し、ハイサイ
クル成形性が要望されている分野では問題があった。 又、流動性低下の結果、成形品に大きな成形歪みを与え
る結果、高分子量化による強度向上効果が低下する。
【0013】この欠点を補う為に、可塑剤の使用も公知
である。可塑剤としてミネラル・オイルが一般的に多用
されている。しかし、可塑剤を添加すると、強度の低下
が大きく、高分子量化して強度向上を計った効果を大き
く低下させることになる。又、可塑剤を添加すると、成
形時にモールドスエッティング現象が生じ、成形体の外
観不良、金型清掃等による生産性の低下を招くことにな
る。
【0014】強度と成形性を改良するために、例えば、
成形性を向上させる為には、ブチルアクリレートを導入
すればよいことはよくしられている。しかし、従来のス
チレンーブチルアクリレート共重合体はブチルアクリレ
ートの含有量を増やしていくにつれて流動性は向上する
が、成形体の強度は流動性に反比例して低下するという
欠点を有していた。
【0015】スチレンーブタジエンブロック共重合体と
ポリスチレンを混合したスチレン系樹脂はシート、フィ
ルムにすると高い強度、使用可能な程度の透明性を有す
るが射出成形すると、強度の配向依存性が大きい為、シ
ート、フィルムの場合ほど高い強度を示さない。本発明
は配向依存性が少なく、かつ強度、透明性に優れ、そし
て低温成形性、深絞り成形性に優れた新規なスチレン系
樹脂を提供する。
【0016】
【課題を解決する為の手段】本発明者らはかかる現状を
鑑み、鋭意検討を重ねた結果、スチレン系単量体と共重
合可能な第二の単量体として、アクリル酸エステル(メ
タクリル酸エステル)系単量体を導入した共重合体に、
ゴム状弾性体を分散粒子として含有するゴム変性スチレ
ン系重合体、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと共
役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体を導
入することにより、又、スチレン系樹脂中の特定の低沸
点化合物の含有量をある特定量にすることにより、■透
明性、成形性、強度、耐熱性のバランスに優れた新規な
スチレン系樹脂が得られること、この樹脂を用いて成形
体、シート等を成形する時、スエッティング現象等によ
る成形体、シート外観不良、生産性の低下を招くことが
ないこと、このスチレン系樹脂を成形したシート、フィ
ルムは低温で成形でき、かつ、成形体の強度が優れたス
チレン系樹脂が得られることを見いだし、特に■二次加
熱成形時の成形サイクルを短縮させるとともに、強靭性
を高めて成形品のトリミング時の抜き割れ防止を付与し
た、透明性の優れたスチレン系樹脂シートが得られるこ
と、■透明性、強度に優れた成形体が得られることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち、本発明は、下記一般式(A);
【0018】
【化3】
【0019】下記一般式(B);
【0020】
【化4】
【0021】で示される構成単位からなり、構成単位(
A)、(B)の割合が (A):80〜99.5  重量% (B):0.5〜20  重量% (但し、(A)+(B)=100  重量%)の範囲に
あるスチレン系重合体(I)とゴム状弾性体を分散粒子
として含有するスチレン系重合体であって、ゴム状弾性
体により形成される分散粒子径が0.2μm〜1.2μ
mであるゴム補強スチレン系重合体(II)と少なくと
も1個のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なく
とも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックを有
し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が6
0:40〜95:5であるブロック共重合体(III)
からなる樹脂組成物であって、スチレン系重合体(I)
とゴム補強スチレン系重合体(II)とブロック共重合
体(III)の割合が、 (I):97〜15重量% (II):2〜25重量% (III):1〜60重量% (但し、(I)+(II)+(III)=100  重
量%) であることを特徴とする強度に優れた透明スチレン系樹
脂を提供するものである。  なお、本発明は下記の実
施態様をも含有するものである。■  上記構成単位(
A)、(B)からなるスチレン系重合体とゴム補強スチ
レン系重合体とブロック共重合体から構成され、上記に
示された構成単位(A)、(B)の割合、上記に示され
たゴム状弾性体の分散粒子径、ブロック共重合体の組成
及び上記に示された各重合体の割合を有するスチレン系
樹脂によって形成されるスチレン系樹脂シート。■  
上記構成単位(A)、(B)からなるスチレン系重合体
とゴム補強スチレン系重合体とブロック共重合体から構
成され、上記に示された構成単位(A)、(B)の割合
、上記に示されたゴム状弾性体の分散粒子径、ブロック
共重合体の組成及び上記に示された各重合体の割合を有
するスチレン系樹脂を成形してなる透明性、強度に優れ
た新規なスチレン系樹脂成形体。
【0022】以下本発明を詳細に説明する。本発明は、
スチレン系重合体(I)とゴム補強スチレン系重合体(
II)とブロック共重合体(III)とからなるスチレ
ン系樹脂である。スチレン系重合体(I)を形成する構
成単位(B)の量は0.5〜20重量%の範囲である。 より好ましくは2〜17重量%の範囲である。20重量
%を越える場合は、耐熱性が低くなる結果、シート、成
形体の実用範囲が非常に狭くなり好ましくない。 又、0.5重量%未満の場合は、スチレン系樹脂の耐熱
性が高くなるため成形サイクルの短縮効果、深絞り性効
果が小さく、かつ、強度、透明性の優れたシート、成形
体が得られない。
【0023】なお、本発明のスチレン系重合体(I)の
構成単位(A)、(B)の割合は、後述するゴム補強ス
チレン系重合体(II)の連続相を形成するスチレン系
重合体をも含めたものの割合を意味する。スチレン系重
合体の重合度は特に限定されるものではないが、シート
、成形体の形状、使用目的等を考慮して、25℃におけ
る10重量%トルエン溶液の粘度で15センチボイズ〜
80センチボイズの領域で、より好ましくは20センチ
ボイズ〜70センチボイズの領域で設定することができ
る。
【0024】また、本発明のスチレン系樹脂中のスチレ
ン系単量体、アクリル酸エステル(メタクリル酸エステ
ル)系単量体、重合溶媒の総量が0.15重量%以下、
好ましくは0.1重量%以下である。0.15重量%を
越える場合は食品衛生条好ましくない。又、スチレン系
単量体、アクリル酸エステル(メタクリル酸エステル)
系単量体より生成する二量体、三量体の総量が0.8重
量%以下、好ましくは0.7重量%以下、更に好ましく
は0.6重量%以下である。これら低分子量化合物の総
量が0.8重量%を越える場合、シート成形時、成形体
成形時にモールドスェット現象の原因となり、生産性を
低下したり、製品の外観不良を招く。更に、強度を低下
させる働きがあり好ましくない。
【0025】本発明に於いて、構成単位(A)としては
、例えば次に示す構造のものが挙げられる。
【0026】
【化5】
【0027】本発明に於いて、構成単位(B)としては
、例えば次に示す構造のものが挙げられる。
【0028】
【化6】
【0029】本発明のゴム補強スチレン系重合体(II
)中のゴム状弾性体としては、常温でゴム的性質を示す
ものであればよく、例えばポリブタジエン類、スチレン
−ブタジエン共重合体類、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体類、イソプレン共重合体類が用いられる。 より好ましいものとしてはスチレン−ブタジエン共重合
体類、スチレン−ブタジエンブロック共重合体類である
。特に、スチレン含有量が10〜40重量%であるもの
が好ましい。又、ゴム状弾性体の分子量や分岐度等は限
定されるものではない。
【0030】本発明においては、ゴム状弾性体は粒子を
形成してスチレン系樹脂中に存在することが必要である
。ここでいう粒子とは、一般的なゴム補強ポリスチレン
樹脂(HIPS樹脂)中のゴム粒子と同類のものを意味
する。ゴム粒子中にはポリスチレン、またはスチレン系
単量体とアクリル酸エステル(メタクリル酸エステル)
系単量体の共重合体を内臓している。
【0031】ゴム状弾性体が形成する分散粒子の粒子径
は0.1〜1.2μmの範囲であることが必要である。 より好ましくは0.2〜0.9μmである。粒子径は透
過型電子顕微鏡を用いた超薄切片法により撮影した写真
から求めた数平均粒子径である。分散粒子径が0.1μ
m未満の時は強度補強効果が発現しない。あるいは、効
果が非常に小さい。一方、分散粒子径が1.2μmを越
える場合は、強度補強効果は大きいが、透明性を低下さ
せるので好ましくない。
【0032】又、粒子径分布状態は特に制限はないが、
粒子径分布(重量平均粒子径/数平均粒子径)が2.0
以下の単分散に近い分布か、あるいは粒子径分布が双山
分布であり、それぞれの粒子径分布が2.0以下あるよ
うな粒子径分布を有しているようなものが、強度、透明
性のバランス上好ましい。ポリスチレン、またはスチレ
ン系単量体とアクリル酸エステル(メタクリル酸エステ
ル)系単量体の共重合体を内臓したゴム粒子のトルエン
溶媒で処理した時のゲル量はゴム状弾性体に対して1.
1〜3.0重量倍で、膨潤指数が5〜15の範囲にある
ようなゴム粒子が好ましい。ゲル量が1.1より小さい
とゴム状弾性体による補強効果が小さく、3.0より大
きいと透明性が損なわれる。又、膨潤指数が5より小さ
いと強度補強効果が発現せず、15より大きいと、シー
ト等を成形した場合艶戻りが大きく成形品の外観不良を
招き好ましくない。
【0033】ゴム補強スチレン重合体の連続相を形成す
るスチレン系重合体は、ポリスチレンあるいはスチレン
系単量体とアクリル酸エステル(メタクリル酸エステル
)系単量体の共重合体である。連続相を形成するスチレ
ン系重合体の組成は、スチレン系重合体(I)と必ずし
も同じ組成である必要はない。但し、スチレン系重合体
(I)とゴム補強スチレン系重合体(II)を混合した
とき、構成単位(A),(B)の割合は本発明の範囲に
入ることが必要である。
【0034】本発明のブロック共重合体(III)とし
ては、少なくとも1個以上のビニル芳香族炭化水素重合
体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする
重合体ブロックとを有するブロック共重合体である。こ
こで共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役
ジエンの含有量が50重量%以上、好ましくは70重量
%以上、更に好ましくは90重量%以上の重合体ブロッ
クである。共役ジエンを主体とする重合体ブロック中に
共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体ブロッ
ク中に均一に分布していても、又テーパー状に分布して
いてもよい。ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水
素と共役ジエンとの重量比は60:40〜95:5、好
ましくは65:35〜90:10である。ビニル芳香族
炭化水素の含有量が60重量%未満の場合は、スチレン
系重合体と混合した時、透明性が著しく低下する。又、
95重量%を越える場合はスチレン系樹脂、及びスチレ
ン系樹脂を成形したシート、フィルム、成形体の強度が
著しく悪くなり好ましくない。
【0035】ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水
素重合体ブロックの重量は、四酸化オスミウムを触媒と
してジ−t−ブチルハイドロパーオキサイドにより共重
合体を酸化する方法(例えば、L.M.KOLTHOF
F,et  al.,J.Rolym.Sci.,14
29(1946)に記載の方法)等により定義すること
ができる。
【0036】本発明で使用するブロック共重合体は下記
一般構造式で示される線状ブロック共重合体  (A−
B)n……■    (Aはビニル芳香族炭化水素重合
体ブロックであり、A(B−A)n……■    Bは
共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。 B(A−B)n……■    AブロックとBブロック
の境界は必ずしも明瞭に区別            
            される必要はない。)あるい
は、下記一般式で示されるラジカルブロック共重合体で
ある。
【0037】
【数1】
【0038】一般式■〜■におけるnは1ないし4であ
り、mは1ないし3である。本発明で使用するブロック
共重合体に於いて、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロッ
クの数平均分子量10,000ないし70,000、好
ましくは15,000ないし60,000である。共役
ジエンを主体とする重合体ブロックの数平均分子量は、
特に制限はないが、500ないし200,000、好ま
しくは1,000ないし100,000である。
【0039】本発明で使用するブロック共重合体は基本
的には従来公知の手法で製造でき、例えば特公昭36−
19286号公報、特公昭43−14979号公報、特
公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公
報、特公昭49−36957号公報等に記載された手法
が挙げられる。本発明に於いて、ビニル芳香族炭化水素
としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン
等が使用できる。これら単独又は2種類以上混合して使
用してもよい。特に一般的なものとしては、スチレンが
挙げられる。
【0040】又、共役ジエンとしては、1対の共役二重
結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が使用できる
。これら単独又は2種類以上混合して使用してもよい。 特に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、イソ
プレンが挙げられる。
【0041】本発明のスチレン系樹脂(I)を得るには
、所望のスチレン系重合体の組成比、重合度が得られる
ようにスチレン系単量体、アクリル酸エステル(メタク
リル酸エステル)単量体混合溶液を調整し、160℃以
下の最適な温度で重合する。この時、スチレン系樹脂の
重合に常用されている有機過酸化物を用いて重合するこ
ともできる。あるいはさらに、別の反応機で重合したス
チレン系単量体、アクリル酸エステル(メタクリル酸エ
ステル)単量体のいずれか1種以上の単量体の重合溶液
と混合し、重合を継続してもよい。この際、所望のスチ
レン系重合体の組成比、重合度が得られるように、また
透明性を維持するために、必要に応じてスチレン系単量
体そして/又はアクリル酸エステル(メタクリル酸エス
テル)系単量体を添加することもできる。又、重合度を
調整するために、スチレン系樹脂の重合において常用さ
れている重合溶媒、例えばエチルベンゼン、トルエン等
を用いることも可能である。又、スチレン系樹脂の重合
に常用されている有機過酸化物を重合の途中で添加する
こともできる。
【0042】重合方法はスチレン系樹脂の製法で常用さ
れている塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重
合法等が用いられる。又、回分式重合法、連続式重合法
いずれの方法も用いることが出来る。本発明のスチレン
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が使用で
きる。これらスチレン系単量体単独、又は混合して使用
することも出来る。アクリル酸エステル(メタクリル酸
エステル)単量体としては、ブチルアクリレート、ブチ
ルメタクリレート等が使用できる。これらアクリル酸エ
ステル(メタクリル酸エステル)単量体単独、又は混合
して使用できる。
【0043】未反応単量体及び/又は溶媒を回収する前
又は後の任意の段階でスチレン系樹脂に慣用されている
添加剤、例えば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤等を
配合することも出来る。ゴム補強スチレン系重合体(I
I)を得るには、ゴム補強ポリスチレン(HIPS樹脂
)の製造で多用されている方法を用いることが出来る。 すなわち、ゴム状弾性体をスチレン系単量体あるいはス
チレン系単量体/アクリル酸エステル(メタクリル酸エ
ステル)系単量体混合物に溶解し、攪拌機付反応機に供
給し重合を行う。粒子径の制御は攪拌数を変化させるこ
とにより行われる。ゲル量、膨潤指数の調整はHIPS
樹脂の製法で一般的に用いられている方法、すなわち、
回収系の温度を制御することにより行うことができる。
【0044】ゴム状弾性体が分散粒子として存在する重
合体中のゴム状弾性体の含有量は高含有量であることが
好ましい。6重量%、より好ましくは8重量%である。 ゴム状弾性体の含有量が低い場合、連続相を形成する重
合体の割合が本発明のスチレン系重合体(I)中に占め
る割合が高くなる結果、本発明のスチレン系樹脂の物性
制御の自由度が制約をうけやすくなり好ましくない。
【0045】本発明のスチレン系樹脂は、スチレン系重
合体(I)とゴム補強スチレン系重合体(II)とブロ
ック共重合体(III)を混合することにより得られる
。スチレン系樹脂中のゴム補強スチレン系重合体(II
)の量は2〜25重量%、好ましくは5〜20重量%で
ある。ゴム補強スチレン系重合体(II)の量が2重量
%未満の時は強度向上効果が小さく、特に、強度の配向
依存性の改良効果が認められない。また20重量%を越
える場合は透明性が低下するので好ましくない。
【0046】スチレン系樹脂中のブロック共重合体(I
II)の量は1〜60重量%、好ましくは2〜50重量
%である。ブロック共重合体(III)の量が1重量%
未満の場合は強度補強効果が発現せず、又、60重量%
を越える場合は、強度向上の効果が飽和に達する。特に
スチレン系樹脂シートの場合、二軸延伸スチレン系樹脂
シートとして用いる場合はブロック共重合体(III)
の量は0.5〜20重量%の範囲が好適に用いられる。 20重量%以上では、強度向上の効果が小さくなる。 又、スチレン系樹脂シートとして用いる場合は20〜6
0重量%の範囲が好適に用いられる。20重量%以下の
場合は強度補強効果が小さく、用途に制約が生じる場合
がある。  本発明のスチレン系樹脂を得るために上記
二種あるいは三種の重合体を混合する方法は公知の方法
、例えば、押出機、カレンダーロール、バンバリーミキ
サー等による混合、又は成形する段階で溶融混練する等
の方法が用いられる。
【0047】このようにして得られたスチレン系樹脂は
、一般的に熱可塑性樹脂の成形に用いられている公知の
方法、例えば射出成形、押出成形、圧縮成形等の方法に
よって各種成形体に成形される。又、本発明ではフィル
ム、シートの表面特性を改良するために帯電防止剤、シ
リコーン等の滑剤を表面に塗布してもよい。
【0048】又、本発明で意図する目的を損なわない範
囲で、本発明で使用する特定のスチレン系樹脂と他のス
チレン系樹脂と混合して使用することも可能である。 <スチレン系樹脂シート>本発明に関わるスチレン系樹
脂シートを作成するには、従来から多用されている一般
的な方法、たとえば押出機で溶融した後、Tダイから押
し出す等の方法が用いられる。又、二軸延伸スチレン系
樹脂シートを作成するには、押出機によってスチレン系
樹脂をシート状に押出した後、一般に知られたテンター
方式、インフレーション方式等を採用して延伸し、延伸
倍率は2〜5倍にするのが好ましい。本発明に係わる二
軸延伸スチレン系樹脂シートはASTM  D−150
4に準拠して測定した配向緩和応力が1〜15Kg/c
m2 、より好ましくは2〜10Kg/cm2 の範囲
となる様に二軸延伸されているものが好ましい。配向緩
和応力が上記範囲を越えると一般の成形機では成形が不
可能で、型再現性の悪い成形品しか得られない。又、上
記範囲未満ではシートの強度が弱くトリミング時の現象
が生じ好ましくない。
【0049】本発明に係わるスチレン系樹脂シート(二
軸延伸スチレン系樹脂シート)は成形性が良好で、スト
レート法、ドレーブ法によって真空成形、又は熱板圧空
成形(接触加熱圧空成形)もしくはストレート法、ドレ
ープ法、プラグアシスト法による間接加熱圧空成形によ
って軽量容器、蓋等を成形する際に成形サイクルを短縮
することが出来る。
【0050】本発明のスチレン系樹脂シート(二軸延伸
スチレン系樹脂シート)はシートの強度が強く、トリミ
ング時に成形品の抜き割れが生じない。又、構成単位(
B)の量を増やすことにより、スチレン系樹脂シートの
耐熱性が低下するので、硬質塩ビシートと同等の成形条
件で成形することも可能である。 <スチレン系樹脂成形体>本発明の成形体は、強度、透
明性に優れている点に特徴がある。成形体の形状につい
ては特に制限はないが、本発明のスチレン系樹脂は流動
性−強度のバランスが優れていることから、大型成形品
、例えば事務機器用収納トレー、用紙収納トレー、コピ
ー用紙受け、金魚鉢、鳥かご、飼育箱、衣装ケース、食
品収納ケース、オーディオ製品収納ケース、玩具、コン
ピューター用テープ収納機器、電機冷蔵庫クリスパー、
事務機部品、オーディオ機器部品、化粧品収納ケース等
に最適に用いられる。又、記録媒体収納容器、例えばオ
ーディオテープ、ビデオテープの収納容器、オーディオ
カセット、ビデオカセットテープ、オーディオディスク
、ビデオディスク、フロッピーディスク等の収納ケース
等にも好適に用いられる。又、薄肉製品、例えばビデオ
カセットテープ、オーディオテープ等のハウジング等に
も用いることができる。
【0051】なお、本発明では重合度の尺度である10
重量%トルエン溶液の粘度はオストワルドキャノンフェ
ンスケ粘度管#350を用いて25℃の恒温槽で測定す
る。構成単位(A)、(B)の割合は以下の方法で求め
る。スチレン系樹脂を10倍量のメチルエチルケトンに
溶解後、同量のメタノールにゆっくり添加しながらスチ
レン系樹脂を析出させる。このスチレン系樹脂を200
℃、5mmHgの減圧下で30分乾燥する。このように
前処理されたスチレン系樹脂を用いて、日本分光(株)
JNM−GX270  FT−NMRを用いて 1Hを
以下に記す条件で測定する。
【0052】( 1Hの測定) パルス幅=8.4μs データーポイント=16384 繰り返し時間=7.559秒 ADコンバーター=16ビット 積算回数=10,000 サンプル濃度=10wt% 溶媒=1,1,2,2−テトラクロロエタン−(d2)
サンプル管=5mm 測定温度=120℃ 構成単位(A)のフェニル基の水素に由来するピークが
6.2〜7.4ppmに現れる。構成単位(B)の水素
に由来するピークが3.4〜3.8ppmに現れる。ピ
ーク面積比より構成単位(A)、構成単位(B)のモル
%を求める。
【0053】
【実施例】実施例における物性試験法を以下に記す。 メルトフローレート(MFR):ISO  R1133
に準ずる。 ビカット軟化点(VICAT):ASTM  D152
5に準ずる。 一撃衝撃強度:成形温度=240℃、成形圧力=SSP
+5Kg/cm2、金型温度=60℃の条件で5cm×
8.8cm×2mmの試験片を射出成形し、東洋精機製
作所の『落錘型グラフィックインパクトテスター』を用
いて、高さ20cmより質量6.5Kgのミサイルを自
然落下させて破壊の最大苛重を求める。
【0054】透明性:一撃衝撃強度の評価に用いた試験
片を目視で判定する。 <スチレン系重合体の製法> (スチレン系重合体−1)ブチルアクリレート3重量部
、スチレン94重量部、エチルベンゼン2.98重量部
、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン0.02重量部よりなる原料溶液を5L完全混合型反
応機に連続的に供給し重合温度120℃で重合する。 反応機での平均滞留時間は5時間である。反応機を出た
重合溶液は押出機に導かれ、ベントより未反応モノマー
、重合溶媒を回収し、ペレット化する。 (スチレン系重合体−2)ブチルアクリレート6重量部
、スチレン91重量部である以外スチレン系重合体−1
と同様に操作してスチレン系重合体を得る。 (スチレン系重合体−3)ブチルアクリレート10重量
部、スチレン87重量部である以外スチレン系重合体−
1と同様に操作しスチレン系重合体を得る。 (スチレン系重合体−4)完全混合型反応機(5L)と
管型反応機(3L)が直列に配置された装置を用い、管
型反応機の重合温度が130℃である以外、スチレン系
重合体−3と同様に操作し、スチレン系重合体を得る。 (スチレン系重合体−5)スチレン94重量部である、
エチルベンゼン5.98重量部であり、管型反応機の重
合温度が140℃である以外、スチレン系重合体−4と
同様に操作し、スチレン系重合体を得る。 (スチレン系重合体−6)エチルアクリレート10重量
部、スチレン86重量部である、エチルベンゼン3.9
8重量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン0.02重量部である以外スチレン系重合体
−1と同様に操作しスチレン系重合体を得る。
【0055】スチレン系重合体の物性測定結果を表1に
示す。 (ゴム補強スチレン系重合体−1)攪拌機を備えた反応
機2基を直列に連結し、その後に二段ベント付き二軸押
出機を配置した重合装置を用いてゴム補強スチレン系重
合体を製造する。スチレン74.5重量部、ブチルアク
リレート10.0重量部、エチルベンゼン2.98重量
部、ゴム状弾性体としてB−Sタイプ(B:ブタジエン
ブロック、S:スチレンブロック)で、スチレン含有量
が35重量%であるゴム状弾性体12.5重量部、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.
02重量部からなる原料溶液を反応機に供給し重合を行
う。第一段反応機を出た重合溶液中のスチレン系樹脂濃
度は46重量%であった。得られたゴム補強スチレン系
重合体の物性を表2に示す。 (ゴム補強スチレン系重合体−2)第一段反応機の攪拌
数が異なる以外、ゴム補強スチレン系重合体−1と同様
に操作し、ゴム補強スチレン系重合体を得る。物性を表
2に示す。 (ゴム補強スチレン系重合体−3)スチレン84.5重
量部、ブチルアクリレート0重量部である以外、ゴム補
強スチレン系重合体−1と同様に操作し、ゴム補強スチ
レン系重合体を得る。物性 (ゴム補強スチレン系重合体−4)ゴム状弾性体がポリ
ブタジエンであり、第一段反応機の攪拌数が異なる以外
、ゴム補強スチレン系重合体−1と同様に操作し、ゴム
補強スチレン系重合体を得を表2に示す。 (ゴム補強スチレン系重合体−5)第一段反応機の攪拌
数が異なる以外、ゴム補強スチレン系重合体−1と同様
に操作し、ゴム補強スチレン系重合体を得る。物性を表
2に示す。
【0056】<ブロック共重合体の製法>(ブロック共
重合体−1、2、3)ポリマー構造、スチレン含有量が
表3に示したようなスチレン−ブタジエンブロック共重
合体をn−ブチルリチウムを触媒として重合する。 <スチレン系樹脂、スチレン系樹脂成形体>
【0057
【実施例−1】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチレ
ン系重合体−1、ブロック共重合体−1を表4に示す割
合で混合し、40mm単軸押出機を用いて溶融混練しペ
レット化する。このスチレン系樹脂の物性を測定した結
果を表4に示す。
【0058】
【実施例−2】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチレ
ン系重合体−1、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0059】
【実施例−3】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチレ
ン系重合体−2、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0060】
【実施例−4】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチレ
ン系重合体−3、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0061】
【実施例−5】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチレ
ン系重合体−4、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0062】
【実施例−6】スチレン系重合体−2、ゴム補強スチレ
ン系重合体−1、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0063】
【実施例−7】スチレン系重合体−2、ゴム補強スチレ
ン系重合体−3、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0064】
【実施例−8】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチレ
ン系重合体−2、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0065】
【実施例−9】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチレ
ン系重合体−3、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0066】
【実施例−10】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチ
レン系重合体−2、ブロック共重合体−2を用い表4に
示す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、
物性を測定する。結果を表4に示す。
【0067】
【実施例−11】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチ
レン系重合体−2、ブロック共重合体−2を用い表4に
示す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、
物性を測定する。結果を表4に示す。
【0068】
【比較例−1】スチレン系重合体−5、ゴム補強スチレ
ン系重合体−3、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0069】
【比較例−2】スチレン系重合体−5、ゴム補強スチレ
ン系重合体−5、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0070】
【比較例−3】スチレン系重合体−1、ゴム補強スチレ
ン系重合体−5、ブロック共重合体−2を用い表4に示
す割合で混合する以外、実施例−1と同様に操作し、物
性を測定する。結果を表4に示す。
【0071】
【比較例−4】スチレン系重合体−1、ブロック共重合
体−2を用い表4に示す割合で混合する以外、実施例−
1と同様に操作し、物性を測定する。結果を表4に示す
【0072】
【比較例−5】スチレン系重合体−1、ブロック共重合
体−3を用い表4に示す割合で混合する以外、実施例−
1と同様に操作し、物性を測定する。結果を表4に示す
【0073】
【比較例−6】スチレン系重合体−5、ブロック共重合
体−2を用い表4に示す割合で混合する以外、実施例−
1と同様に操作し、物性を測定する。結果を表4に示す
【0074】
【実施例−12】実施例−3で用いたスチレン系樹脂を
用いて、射出成形機IS800B−75(東芝機械(株
)製)を用いて、射出圧力100Kg/cm2 、金型
温度60℃の条件で、図1に示すトレーを成形した。 この時、射出温度を変えて、トレーが成形できる最低温
度を求める。次にこのトレーの中心部に100gの剛球
を落下させ、割れが生じる高さを検討し、破壊エネルギ
ーを求める。又、得られた成形品を目視で透明性を評価
する。
【0075】また成形温度250℃である以外、同じ条
件でトレーを成形し成形品表面にスェッテイング物質が
転写するまでの射出回数を求める。結果を表5に示す。
【0076】
【実施例−13】実施例−4で用いたスチレン系樹脂を
用いる以外、実施例−12と同様の実験を行う。結果を
表5に示す。
【0077】
【実施例−14】実施例−6で用いたスチレン系樹脂を
用いる以外、実施例−12と同様の実験を行う。結果を
表5に示す。
【0078】
【比較例−7】比較例−1で用いたスチレン系樹脂を用
いる以外、実施例−12と同様の実験を行う。結果を表
5に示す。
【0079】
【比較例−8】比較例−4で用いたスチレン系樹脂を用
いる以外、実施例−12と同様の実験を行う。結果を表
5に示す。
【0080】
【比較例−9】比較例−1で用いたスチレン系樹脂を得
る時、スチレン系樹脂100重量部当たり2.5重量部
のミネラルオイルを混合して、40mm単軸押出機で溶
融混練する。この樹脂を用いる以外、実施例−12と同
様の実験を行う。結果を表5に示す。
【0081】本発明のスチレン系樹脂は透明性を維持し
ながら高い強度を示すことが理解できる。特に、成形配
向を受けやすい大型成形品の場合に顕著な強度改良効果
がある。本発明の構成要件、構成単位(B)の割合、分
散ゴム粒子径、ブロック共重合体の組成等が本発明の範
囲を外れると、透明性、成形性、強度のバランスが崩れ
、改良効果が認められなくなる、あるいは実用的でなく
なる。
【0082】本発明のスチレン系樹脂は構成単位(B)
の量が増えるにつれて、低温で成形できるようになる。 従来のスチレン系樹脂で多用されていたミネラルオイル
等の可塑剤によるスエッティング等の不良現象が発生せ
ず、また、強度低下も招かない。 <スチレン系樹脂シート>
【0083】
【実施例−15】実施例−4で用いたスチレン系樹脂を
用いて、30mm押出機で厚み0.5mmのスチレン系
樹脂シートを作成する。加熱圧力1.0Kg/cm2 
でシートを加熱し、成形圧力2.5Kg/cm2 、成
形時間2秒、金型温度60℃の条件下で成形し、金型(
フィードバック)のヒンジ3Rが金型どうり再現できる
熱板温度115℃、130℃での加熱時間を求める。ま
た、スチレン系樹脂シートの一撃衝撃試験、耐折強度、
透明性の評価を行う。結果を表6に示す。
【0084】
【実施例−16】実施例−3で用いたスチレン系樹脂を
用いる以外、実施例−15と同様の実験を行う。結果を
表6に示す。
【0085】
【実施例−17】実施例−6で用いたスチレン系樹脂を
用いる以外、実施例−15と同様の実験を行う。結果を
表6に示す。
【0086】
【比較例−10】比較例−6で用いたスチレン系樹脂を
用いる以外、実施例−15と同様の実験を行う。結果を
表6に示す。
【0087】
【比較例−11】比較例−4で用いたスチレン系樹脂を
用いる以外、実施例−15と同様の実験を行う。結果を
表6に示す。
【0088】
【比較例−12】比較例−1で用いたスチレン系樹脂を
用いる以外、実施例−15と同様の実験を行う。結果を
表6に示す。
【0089】
【実施例−18】スチレン系重合体−1を85重量%、
ゴム補強スチレン系重合体−1を5重量%、ブロック共
重合体−2を10重量%を混合し、実施例−1と同様の
操作を行いスチレン系樹脂を得る。このスチレン系樹脂
を用いて、30mm押出機で押し出し、厚み0.7mm
のスチレン系樹脂シートを作成する。
【0090】二軸延伸装置を用いて、縦10cm、横1
0cmに裁断したシートを縦横方向共に3倍で、AST
M  D−150に準拠して測定した配向緩和応力が8
〜9Kg/cm2になるように100℃〜110℃の温
度で延伸し、厚み150μの二軸延伸樹脂シートを得る
。 この二軸延伸スチレン系樹脂シートを熱板圧空成形機を
用いて熱成形を行った。加熱圧力1.0Kg/cm2 
でシートを加熱し、成形圧力2.5Kg/cm2 、成
形時間2.0秒、金型温度60℃の条件下で成形し、金
型(フィードバック)のヒンジ3Rが金型どうり再現で
きる熱板温度115℃、130℃での加熱時間を求める
。 又、二軸延伸スチレン系樹脂シートの一撃衝撃強度、透
明性も評価する。結果を表7に示す。
【0091】
【実施例−19】スチレン系重合体−1の代わりにスチ
レン系重合体−2を用いる以外、実施例−18と同様の
操作を行い、評価を行う。結果を表7に示す。
【0092】
【実施例−20】スチレン系重合体−1の代わりにスチ
レン系重合体−3を用いる以外、実施例−18と同様の
操作を行い、評価を行う。結果を表7に示す。
【0093】
【実施例−21】ゴム補強スチレン系重合体−1の代わ
りにゴム補強スチレン系重合体−3を用いる以外、実施
例−20と同様の操作を行い、評価を行う。結果を表7
に示す。
【0094】
【実施例−22】スチレン系重合体−1の代わりにスチ
レン系重合体−6を用いる以外、実施例−20と同様の
操作を行い、評価を行う。結果を表7に示す。
【0095】
【比較例−13】スチレン系重合体−1を90重量%、
ブロック共重合体−2を10重量%を混合する以外、実
施例−18と同様の操作を行い、評価を行う。結果を表
7に示す。
【0096】
【比較例−14】スチレン系重合体−1を89重量%、
ゴム補強スチレン系重合体−1を1重量%、ブロック共
重合体−2を10重量%を混合する以外、実施例−18
と同様の操作を行い、評価を行う。結果を表7に示す。
【0097】
【比較例−15】スチレン系重合体−5を85重量%、
ゴム補強スチレン系重合体−1を5重量%、ブロック共
重合体−2を10重量%を混合する以外、実施例−18
と同様の操作を行い、評価を行う。結果を表7に示す。
【0098】
【比較例−16】スチレン系重合体−1を85重量%、
ゴム補強スチレン系重合体−1を5重量%、ブロック共
重合体−3を10重量%を混合する以外、実施例−18
と同様の操作を行い、評価を行う。結果を表7に示す。 本発明のスチレン系樹脂を用いたスチレン系樹脂シート
、二軸延伸スチレン系樹脂シートは強度、透明性が優れ
ていることがわかる。特に、耐折強度が著しく改良され
、強度の配向依存性が小さいことが理解できる。
【0099】構成単位(B)の量を増加するにつれ、成
形性が向上し、低温成形が可能になることが理解できる
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【発明の効果】本発明においては、スチレン系単量体と
共重合可能な第二の単量体としてアクリル酸エステル(
メタクリル酸エステル)系単量体を導入したスチレン系
重合体とゴム状弾性体が分散粒子として存在するゴム補
強スチレン系重合体と、ビニル芳香族炭化水素重合体ブ
ロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロックからな
るブロック共重合体を配合することにより、■強度、透
明性、低温成形性(成形サイクル短縮)に優れたスチレ
ン系樹脂が得られること、■スチレン系樹脂を成形した
スチレン系樹脂シートは低温で二次成形でき、かつ、成
形サイクル短縮が可能であり、成形体の強度の優れたス
チレン系樹脂シートを与えること、■スチレン系樹脂を
成形したスチレン系樹脂成形体は、強度、透明性に優れ
ていること。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において成形された大型トレー
の概略図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(A); 【化1】 下記一般式(B); 【化2】 で示される構成単位からなり、構成単位(A)、(B)
    の割合が (A):80〜99.5  重量% (B):0.5〜20  重量% (但し、(A)+(B)=100  重量%)の範囲に
    あるスチレン系重合体(I)とゴム状弾性体を分散粒子
    として含有するスチレン系重合体であって、ゴム状弾性
    体により形成される分散粒子径が0.2μm〜1.2μ
    mであるゴム補強スチレン系重合体(II)と少なくと
    も1個のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なく
    とも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックを有
    し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が6
    0:40〜95:5であるブロック共重合体(III)
    からなる樹脂組成物であって、スチレン系重合体(I)
    とゴム補強スチレン系重合体(II)とブロック共重合
    体(III)の割合が、 (I):97〜15重量% (II):2〜25重量% (III):1〜60重量% (但し、(I)+(II)+(III)=100  重
    量%) であることを特徴とする強度に優れた透明スチレン系樹
    脂。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60179349A (ja) * 1984-02-24 1985-09-13 Koito Mfg Co Ltd 傾動装置

Patent Citations (1)

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JPS60179349A (ja) * 1984-02-24 1985-09-13 Koito Mfg Co Ltd 傾動装置

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