JP2006282962A - 芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性に優れ、成形加工時の溶融粘弾性性質に優れた芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体を高い生産性で製造する方法を提供すること。
【解決手段】芳香族ビニル化合物系単量体とメタクリル酸を共重合するにあたり、重合開始剤として特定の有機過酸化物を使用し、芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体の重量平均分子量を10〜40万、高分子量側の分子量分布を表すZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)を1.9〜4.0、メタクリル酸含有量を1〜15質量%に制御することを主要な特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】芳香族ビニル化合物系単量体とメタクリル酸を共重合するにあたり、重合開始剤として特定の有機過酸化物を使用し、芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体の重量平均分子量を10〜40万、高分子量側の分子量分布を表すZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)を1.9〜4.0、メタクリル酸含有量を1〜15質量%に制御することを主要な特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐熱性に優れ、成形加工時の溶融粘弾性性質に優れた芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体及びその製造方法に関するものである。
芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体は、耐熱性に優れており、食品容器等の包装材料や住宅の断熱材用途等の発泡ボードの原料として使用されている。
包装材料の用途では、芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体の発泡体シートが、緩衝性や断熱性などの優れた特徴を活かし、種々の形状に二次成形され、食料品トレー、弁当箱、カップ等に広く用いられている。
芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体の発泡体シートは、加熱され、二次発泡し成形される(二次成形)が、特に二次成形の際に大変形(深絞り容器)を受ける場合、割れ、引裂け等の不良発生のないことが要求される。また、生産性の維持向上のために、一次成形(発泡体シートの製造)の吐出性能を損なわない芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体が要求されている。
このような要求に応えるためは、二次成形の際、大変形に耐えるだけの張力があり、一次成形の吐出性能を損なわない程度の流動性を芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体に持たせる必要がある。そのためには、高分子量側の分子量分布を広くすることが有効で、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)を用途に応じて1.9〜4.0の範囲とすることで、多様化する市場要求に応えることができる。
この改善策として、特定の化学構造を有する有機過酸化物を重合開始剤として使用する方法が提案されているが、溶融粘弾性性質の改良効果が小さく、また、生産性も劣る。
特開平4−272909
特開平6−80712
特開平8−283322
本発明は、耐熱性に優れ、成形加工時の溶融粘弾性性質に優れた芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体を高い生産性で製造することを目的とする。
本発明は、重合開始剤として特定の有機過酸化物を使用し、芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体の重量平均分子量を10〜40万、高分子量側の分子量分布を表すZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)を1.9〜4.0、メタクリル酸含有量を1〜15質量%に制御することを主要な特徴とする。
本発明により、耐熱性に優れ、成形加工時の溶融粘弾性性質に優れた芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体を高い生産性で製造することができる。さらに、本発明により得られた芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体は、溶融時の流動性と張力のバランスに優れるため、一次成形の生産性に優れ、かつ、二次成形性に優れた発泡シートの生産に適している。
本発明は、芳香族ビニル化合物単量体とメタクリル酸を共重合するにあたり、重合開始剤として下記一般式(1)で表される有機過酸化物を、芳香族ビニル化合物系単量体とメタクリル酸の合計量に対して0.005〜0.2質量%添加することを特徴とする。使用量が0.005質量%未満では、実質的に効果がなく、0.2質量%を超えると反応速度の制御が困難となる。
式中Xは、0〜3の整数であり、より好ましくは、1または2である。
本発明では、必要に応じて、上記一般式(1)で表せる有機過酸化物とともに他の重合開始剤を併用してもよく、例えば過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシベンゾネート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、エチル−3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられる。
本発明で使用する芳香族ビニル化合物系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の単独または混合物が挙げられ、特に好ましくはスチレンである。また、これらの芳香族ビニル化合物系単量体に、メタクリル酸以外の共重合可能な単量体、例えばアクリロニトリル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリル酸、無水マレイン酸等の単量体も本発明の効果を損なわない程度であれば、1種または2種以上、共重合することができる。
本発明の重合方法としては、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法等公知のスチレン重合方法が挙げられる。溶媒として例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン及びキシレン等のアルキルベンゼン類やアセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等が使用できる。また、必要に応じて、脂肪族メルカプタン、芳香族メルカプタン、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマー及びテルピノーレン等の連鎖移動剤を使用できる。
本発明の芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体には、必要に応じてゴム質を含有する成分としてHI−PS樹脂、MBS樹脂等のゴム強化芳香族ビニル系樹脂やSBS等の芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーを配合することができる。
本発明の芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体には、必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。添加剤の種類はプラスチックに一般的に用いられるものであれば特に制限はないが、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、耐光性向上剤、軟化剤、可塑剤、無機補強剤、架橋剤、顔料、染料、その他或いはこれらの混合物が挙げられる。例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸及びその塩やエチレンビスステアリルアミド等の滑剤、流動パラフィン等の可塑剤が含まれていても良い。
本発明は、重量平均分子量が10〜40万であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が1.9〜4.0であり、メタクリル酸含有量が1〜15質量%である芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体を高い生産性で製造することに適している。より好ましくは、重量平均分子量が15〜35万であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.0〜3.5である芳香族ビニル化合物系重合体を高い生産性で製造することに適している。重量平均分子量が10万未満、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が1.9未満の場合、本発明の重合開始剤を使用する実質的な効果はない。重量平均分子量が40万を超える場合、芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体の流動性が低下し、成形性が悪くなり実用的ではない。
本発明における数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、ピーク分子量(Mtop)は、東ソー(株)社製、HLC−802A型ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて次の条件で測定した。
(イ)カラム:東ソー(株)カラム
(ロ)移動相:テトラヒドロフラン
(ハ)試料濃度:0.3質量%
(ニ)測定温度:38℃
(ホ)検出器:示差屈折計
本発明の分子量はポリスチレン換算の値で、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
(イ)カラム:東ソー(株)カラム
(ロ)移動相:テトラヒドロフラン
(ハ)試料濃度:0.3質量%
(ニ)測定温度:38℃
(ホ)検出器:示差屈折計
本発明の分子量はポリスチレン換算の値で、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
本発明により得られる芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量は、1〜15質量%であり、より好ましくは、3〜12質量%である。共重合体のメタクリル酸含有量が、15質量%を越えると、溶融時の流動性が著しく低下し、成形加工性が悪化する。また、ゲル状の組成物が発生し、成型加工性や外観に悪影響を及ぼす可能性もある。共重合体のメタクリル酸含有量が1質量%未満の場合は、共重合体の耐熱性向上効果が不十分である。
共重合体のメタクリル酸含有量は、共重合体0.5gを秤量し、トルエン/エタノール=8/2(体積比)の混合溶液に溶解後、水酸化カリウム0.1mol/Lエタノール溶液にて中和滴定を行い、終点を検出し、水酸化カリウムエタノール溶液の使用量より、メタクリル酸の質量基準の含有量を算出したものである。
実施例1
内容積39リットルの完全混合型撹拌槽である第1反応器と内容積39リットルの完全混合型撹拌槽である第2反応器を直列に接続して重合工程を構成した。スチレン82.3質量%、メタクリル酸2.7質量%、エチルベンゼン13.0質量%、オクチルアルコール2.0質量%の混合溶液を作成した。この原料溶液を毎時12.6kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、各反応器を満液状態で流通した。また、第1反応器入口で、原料溶液に対して、ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)[重合開始剤−1]を原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して質量基準で340ppm(活性酸素量22.54ppm)連続的に添加した。ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)は、アトフィナ吉富株式会社製ルペロックスJW−EB50を使用した。ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)の分子量は965g/molで、理論活性酸素量は6.63%である。各反応器の反応温度は、第1反応器で133℃、第2反応器で138℃となるよう調整した。続いて、第2反応器より連続的に取り出した共重合体を含む溶液を予熱器の付いた真空脱揮槽に導入し、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、ストランド状に押し出しして冷却した後、切断してペレットとした。連続的に得られるペレットの1時間当たりの質量(kg)を測定し、共重合体の生産量(kg/hr)とした。なお、予熱器の温度は230℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は8torrとした。表.1に反応条件及び得られたペレットのメルトマスフローレート(MFR)、ビカット軟化温度、溶融張力、メタクリル酸含有量、分子量(GPC)の測定結果を示す。
内容積39リットルの完全混合型撹拌槽である第1反応器と内容積39リットルの完全混合型撹拌槽である第2反応器を直列に接続して重合工程を構成した。スチレン82.3質量%、メタクリル酸2.7質量%、エチルベンゼン13.0質量%、オクチルアルコール2.0質量%の混合溶液を作成した。この原料溶液を毎時12.6kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、各反応器を満液状態で流通した。また、第1反応器入口で、原料溶液に対して、ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)[重合開始剤−1]を原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して質量基準で340ppm(活性酸素量22.54ppm)連続的に添加した。ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)は、アトフィナ吉富株式会社製ルペロックスJW−EB50を使用した。ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)の分子量は965g/molで、理論活性酸素量は6.63%である。各反応器の反応温度は、第1反応器で133℃、第2反応器で138℃となるよう調整した。続いて、第2反応器より連続的に取り出した共重合体を含む溶液を予熱器の付いた真空脱揮槽に導入し、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、ストランド状に押し出しして冷却した後、切断してペレットとした。連続的に得られるペレットの1時間当たりの質量(kg)を測定し、共重合体の生産量(kg/hr)とした。なお、予熱器の温度は230℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は8torrとした。表.1に反応条件及び得られたペレットのメルトマスフローレート(MFR)、ビカット軟化温度、溶融張力、メタクリル酸含有量、分子量(GPC)の測定結果を示す。
なお、メルトマスフローレートはJIS K−7210により、試験温度200℃、試験荷重49Nで求めた。ビカット軟化温度はJIS K−7206により、昇温速度50℃/hr、試験荷重50Nで求めた。また、溶融張力値は、東洋精機製「キャピログラフ1B型」を使用し、バレル温度200℃、バレル径9.55mm、キャピラリー長さ:L=10mm、キャピラリー径:D=1mm(L/D=10)、バレル内の押出し速度10mm/分にて樹脂を押出し、荷重測定部をダイから60cm下方にセットし、キャピラリーより流出してきたストランド状の樹脂を巻き取り器にセットし、巻き取り線速度20〜25m/分の範囲の荷重値を平均化し、溶融張力値として求めた。
比較例1
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン[重合開始剤−2]を質量基準で200ppm(活性酸素量22.82ppm)混合した以外は、実施例1と同様とした。なお、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンは、日本油脂株式会社製パーテトラAを使用した。2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンの理論活性酸素量は、11.41%である。
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン[重合開始剤−2]を質量基準で200ppm(活性酸素量22.82ppm)混合した以外は、実施例1と同様とした。なお、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンは、日本油脂株式会社製パーテトラAを使用した。2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンの理論活性酸素量は、11.41%である。
比較例2
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン[重合開始剤−3]を質量基準で250ppm(活性酸素量30.73ppm)混合し、第1反応器の反応温度を127℃、第2反応器の反応温度を133℃とした以外は、実施例1と同様とした。なお、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンは、日本油脂株式会社製パーヘキサCを使用した。1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンの理論活性酸素量は、12.29%である。
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン[重合開始剤−3]を質量基準で250ppm(活性酸素量30.73ppm)混合し、第1反応器の反応温度を127℃、第2反応器の反応温度を133℃とした以外は、実施例1と同様とした。なお、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンは、日本油脂株式会社製パーヘキサCを使用した。1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンの理論活性酸素量は、12.29%である。
表1の結果から明らかなように、実施例1は比較例1〜2に比べ活性酸素量が同等または少ないにもかかわらず、共重合体の生産量が高く、得られた共重合体の高分子量側の分子量分布を表す、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が大きく、流動性(メルトマスフローレート)と張力(溶融張力)のバランスに優れる。
実施例2
原料溶液としてスチレン77.1質量%、メタクリル酸5.9質量%、エチルベンゼン14.5質量%、オクチルアルコール2.5質量%の混合溶液を作成し、第1反応器の反応温度を135℃、第2反応器の反応温度を145℃とした以外は、実施例1と同様とした。
原料溶液としてスチレン77.1質量%、メタクリル酸5.9質量%、エチルベンゼン14.5質量%、オクチルアルコール2.5質量%の混合溶液を作成し、第1反応器の反応温度を135℃、第2反応器の反応温度を145℃とした以外は、実施例1と同様とした。
比較例3
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン[重合開始剤−2]を質量基準で200ppm(活性酸素量22.82ppm)混合した以外は、実施例2と同様とした。なお、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンは、日本油脂株式会社製パーテトラAを使用した。
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン[重合開始剤−2]を質量基準で200ppm(活性酸素量22.82ppm)混合した以外は、実施例2と同様とした。なお、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンは、日本油脂株式会社製パーテトラAを使用した。
比較例4
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン[重合開始剤−3]を質量基準で250ppm(活性酸素量30.73ppm)混合し、第1反応器の反応温度を127℃、第2反応器の反応温度を133℃とした以外は、実施例2と同様とした。なお、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンは、日本油脂株式会社製パーヘキサCを使用した。
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン[重合開始剤−3]を質量基準で250ppm(活性酸素量30.73ppm)混合し、第1反応器の反応温度を127℃、第2反応器の反応温度を133℃とした以外は、実施例2と同様とした。なお、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンは、日本油脂株式会社製パーヘキサCを使用した。
表1の結果から明らかなように、実施例2は比較例3〜4に比べ活性酸素量が同等または少ないにもかかわらず、共重合体の生産量が高く、得られた共重合体の高分子量側の分子量分布を表す、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が大きく、流動性(メルトマスフローレート)と張力(溶融張力)のバランスに優れる。
実施例3
原料溶液を毎時18.1kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)[重合開始剤−1]を質量基準で640ppm(活性酸素量42.43ppm)混合し、第2反応器の反応温度を148℃とした以外は、実施例2と同様とした。
原料溶液を毎時18.1kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)[重合開始剤−1]を質量基準で640ppm(活性酸素量42.43ppm)混合し、第2反応器の反応温度を148℃とした以外は、実施例2と同様とした。
比較例5
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン[重合開始剤−2]を質量基準で380ppm(活性酸素量43.36ppm)混合した以外は、実施例3と同様とした。なお、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンは、日本油脂株式会社製パーテトラAを使用した。
第1反応器入口で、原料溶液中のスチレンとメタクリル酸の合計量に対して、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン[重合開始剤−2]を質量基準で380ppm(活性酸素量43.36ppm)混合した以外は、実施例3と同様とした。なお、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンは、日本油脂株式会社製パーテトラAを使用した。
表1の結果から明らかなように、実施例3は比較例5に比べ活性酸素量が同等または少ないにもかかわらず、共重合体の生産量が高く、得られた共重合体の高分子量側の分子量分布を表す、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が大きく、流動性(メルトマスフローレート)と張力(溶融張力)のバランスに優れる。
以上の結果から明らかなように、本願発明の製造方法により、重量平均分子量が10〜40万であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が1.9〜4.0であり、メタクリル酸含有量が1〜15質量%である芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体を高い生産性で製造することができる。
本発明の製造方法により、重量平均分子量が10〜40万であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が1.9〜4.0であり、メタクリル酸含有量が1〜15質量%である芳香族ビニル化合物−メタクリル酸系共重合体を従来の方法に比べ、高い生産性で製造することができる。
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