JP5221941B2 - スチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法、及びその樹脂組成物 - Google Patents

スチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法、及びその樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、長期連続生産性に優れたスチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法と、ゲル不溶分の少ない外観と色調に優れたスチレン−メタクリル酸樹脂組成物に関する。
スチレン−メタクリル酸樹脂は、耐熱性に優れており、食品容器等の包装材料、住宅の断熱材用途の発泡ボード、拡散剤を入れた液晶テレビの拡散板等の原料として広く用いられている。
スチレン−メタクリル酸樹脂の製造には、工業的には塊状重合法や溶液重合法が一般的に用いられている。この方法は重合工程と脱揮工程からなり、脱揮工程では高温、高真空下で未反応の単量体及び重合溶媒を脱揮するが、メタクリル酸の脱水反応でゲル化物が生成し、このゲル化物が製品の外観等を阻害する場合がある。特許文献1にはゲル化物の生成を抑制する方法として、脱揮工程前の重合液に水あるいはアルコールを添加する方法が開示されている。また、特許文献2には実施例で重合原料液に2エチルヘキシルアルコールを添加する方法が、特許文献3には実施例で重合原料液にオクチルアルコールを添加する方法がそれぞれ開示されている。
しかしながら、これらの方法では、用いるアルコールの種類によって、得られる樹脂の色調が低下したり、また長期連続生産をした場合、脱揮系内の滞留部でゲル化反応が促進し、このゲル化物が製品へ混入して外観不良となったり、更には凝固点の高いアルコールを用いた場合は脱揮工程で飛散したアルコールが凝縮器内に固形物として析出して凝縮器あるいは真空ラインなどを閉塞し、未反応モノマーや重合溶媒を脱揮できなくなり、長期運転ができない場合がある。長期連続生産性優れた、且つ製品へのゲル化物の混入の少ない、色調の良好な樹脂を得る製造方法の改善が望まれている。
特開昭56−161409号公報 特開平09−87332号公報 特開2006−282962号公報
本発明は、長期連続生産性に優れたスチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法と、ゲル不溶分の少ない外観と色調に優れたスチレン−メタクリル酸樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意研究を進めた結果、特定のアルコールを重合工程中の重合液あるいは重合後、脱揮工程前の重合液に特定割合加えることにより、これまで予想し得なかった長期連続生産性に優れ、且つゲル不溶分の少ない外観と色調に優れたスチレン−メタクリル酸樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に記載する通りのスチレン−メタクリル酸樹脂組成物である。
(1)スチレンとメタクリル酸を重合工程にて重合し、次いで脱揮工程にて重合反応後の反応物から未反応物及び/又は重合溶媒を除去して、スチレン−メタクリル酸樹脂を製造するにあたり、炭素数が14〜20で、且つ凝固点が−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールを、得られるスチレン−メタクリル酸樹脂中に0.02〜1.0重量%含有されるように重合工程、脱揮工程及び重合工程と脱揮工程との間の工程の少なくともいずれか一つの工程において添加することを特徴とするスチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法。
(2)上記(1)記載の製造方法によって得られたことを特徴とするスチレン−メタクリル酸樹脂組成物。
(3)スチレン−メタクリル酸樹脂組成物の重量平均分子量が10〜35万、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が1.6〜3.5で、メタクリル酸含有量が1〜15重量%であることを特徴とする(2)に記載のスチレン−メタクリル酸樹脂組成物。
本発明は、長期連続生産性に優れたスチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法と、ゲル不溶分の少ない外観と色調に優れたスチレン−メタクリル酸樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
スチレン−メタクリル酸樹脂は、工業的規模で、ほとんどラジカル重合で生産されているが、特許文献1〜3に記載されているように、脱揮工程のゲル化反応を抑制するために種々のアルコールを重合工程に添加して重合を行なっている。脱揮工程は高温、高真空下の条件となるため、分子量が比較的小さく、沸点の高いアルコールは脱揮工程で短時間に飛散するため、ゲル化反応の抑制効果が薄い。特に脱揮工程から樹脂をストランド状(糸状の樹脂)に払い出し、ストランドカッターでペレタイズ化する場合、安定した樹脂の吐出を得るために脱揮工程内に一定量の樹脂を貯める場合がある。この時、ゲル化反応を抑制しきれずにゲル物が発生し、このゲル物が製品へ混入し、製品の外観不良となる場合がある。
また脱揮工程内にデッドスペースがある場合、樹脂の長期連続生産で、ゲル化反応を抑制しきれずにゲル物が発生し、このゲル物が製品へ混入し、製品の外観不良となる場合がある。一方、分子量が大きく、沸点の低いアルコールは脱揮工程での飛散が少なく、樹脂中に残存するためゲル化反応の抑制効果は高いが、分子量が大き過ぎると凝固点が高くなり、未反応単量体や重合溶媒を凝縮する凝縮器でアルコールが析出し、凝縮器や真空ラインを閉塞する場合があり好ましくない。凝縮器は通常−5〜10℃程度で運転される。
本発明で用いられるアルコールは、炭素数が14〜20で、且つ凝固点が−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールである。炭素数14のアルコールはイソテトラデカノール、炭素数16のアルコールはイソヘキサデカノール、炭素数18のアルコールはイソオクタデカノール、炭素数20のアルコールはイソエイコサノールであり、例えば、具体的に次のアルコールを例として挙げることができる。7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、8-メチル−2−(4−メチルヘキシル)−1−デカノール、2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−4メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−(5,9−ジメチル)−1−デカノール。この中でも、特に炭素数18のイソオクタデカノールが好ましい。
本発明においては、重合工程、脱揮工程及び重合工程と脱揮工程との間の工程の少なくともいずれか一つの工程において、炭素数が14〜20で、且つ凝固点が−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールを添加する。その添加量は、得られるスチレン−メタクリル酸樹脂100重量%中に占めるイソ脂肪族第1級アルコールの割合(含有量)が0.02〜1.0重量%、好ましくは0.04〜0.8重量%、より好ましくは0.06〜0.6重量%となるような量とする。含有量が0.02重量%未満では、脱揮工程でのゲル化反応の抑制が不十分である。一方、1.0重量%を超える場合は、ゲル化反応の抑制効果は高くなるが、樹脂中のイソ脂肪族第1級アルコールの残存量が多くなり、結果的には耐熱性の低下が大きくなり好ましくない。また成形時にモールドデポジットの発生が見られる場合があり好ましくない。炭素数が14未満で且つ凝固点が−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールは脱揮工程で脱揮しやすくゲル化反応の抑制効果は低くなる。重合工程などへの添加量を増加することで樹脂中の含有量を高めることができるが、重合速度の低下や重合液中の樹脂成分が析出する場合があり好ましくない。また凝固点が−10℃より高いアルコールの場合は凝縮器の冷媒温度で析出の恐れがあり好ましくない。
本発明において、スチレン−メタクリル酸樹脂組成物の重量平均分子量は10〜35万、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)は1.6〜3.5が好ましい。重量平均分子量はより好ましくは13〜30万、更により好ましくは16〜25万である。重量平均分子量が10万未満の場合は衝撃強度が低くなり好ましくない。一方、30万を超える場合は流動性が低く好ましくない。樹脂温度を上げることで流動性を高めることができるが、ゲル物の発生が見られる場合があり好ましくない。Mz/Mwの比はより好ましくは1.7〜3.0、更により好ましくは1.7〜2.5である。1.6未満の場合は衝撃強度が低くなる傾向にあり好ましくない。一方、3.5を超える場合は増加した高分子成分の影響で製品にゲル物が見られる傾向があり好ましくない。
本発明の重合工程におけるスチレン−メタクリル酸樹脂の重合方法については、特に制限はないが、ラジカル重合法として、塊状重合法、溶液重合法が好ましい。ここで、ラジカル重合法である塊状重合法を例に挙げて、本発明の重合方法について説明する。
本発明では重合開始剤として、有機過酸化物、例えば2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1ービス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4ービス(t−ブチルペルオキシ)バレレートなどのペルオキシケタール類、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシイソブロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジー2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジーn−プロピルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシアセテート、t―ブチルペルオキシイソブチレートなどのペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、などのケトンペルオキシド類、t一ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルベンゼンヒドロペルオキシド、などのヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度の観点から、なかでも、1,1ービス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンが好ましい。
本発明では連鎖移動剤として、例えばα−メチルスチレンリニアダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、1−フェニルー2−フルオレン、ジベンテン等を挙げることができる。
必要に応じて用いられる重合溶媒としては、芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジアルキルケトン類、例えばメチルエチルケトンなどが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。更に、重合生成物の溶解性を低下させない範囲で、他の重合溶媒、例えば脂肪族炭化水素類等を芳香族炭化水素類に混合することができる。これらの重合溶媒は、単量体に対して、25重量%を超えない範囲で使用するのが好ましい。 重合溶媒が25重量%を超えると、重合速度が著しく低下し、かつ、得られる樹脂の衝撃強度の低下が大きくなる。 また、重合溶媒の回収のために、多量のエネルギーを要するので経済性も劣ってくる。重合溶媒は、重合が進み、比較的高粘度になってから添加してもよいし、あるいは重合前から添加しておいてもよいが、重合前に5〜20重量%の割合で添加しておく方が、品質が均一化し易く、重合温度制御の点でも好ましい。
また、一般的な安定剤として、例えばオクタデシル−3−(3,5−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールなどのヒンダートフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系加工熱安定剤等を挙げることができる。これらの安定剤をそれぞれ単独、あるいは2種以上を組み合わせて適宜用いてもよい。添加時期については、特に制限はなく、重合工程又は脱揮工程のいずれでもよい。また、押出機やバンバリミキサー等機械的装置で製品に安定剤を混合することもできる。
本発明においては、重合工程で用いる装置は、特に制限はなく、スチレン系樹脂の重合方法に従って適宜選択すれば良い。例えば、塊状重合による場合には、完全混合型反応器を1基、又は複数基連結した重合装置を用いることができる。また脱揮工程についても特に制限はなく、塊状重合で行う場合、最終的に未反応モノマーが、好ましくは50重量%、より好ましくは40重量%以下になるまで重合を進め、かかる未反応モノマーなどの揮発分を除去するために、公知の方法にて脱揮処理する。例えば、フラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機などの通常の脱揮装置を用いることができるが、滞留部の少ない脱揮装置が好ましい。なお、脱揮処理の温度は、通常、190〜280℃程度であり、また脱揮処理の圧力は通常、0.13〜4kPa程度である、好ましくは0.13〜3kPaであり、より好ましくは0.13〜2.0kPaである。脱揮方法としては、例えば加熱下で減圧して除去する方法や、揮発分除去の目的に設計された押出機等を通して除去することが望ましい。
本発明においては、炭素数が14〜20のイソ脂肪族第1級アルコールを重合工程、脱揮工程及び重合工程後、脱揮工程前のいずれかにおいて添加することが好ましい。
本発明の方法で得られたスチレン−メタクリル酸樹脂組成物には、所望に応じて、通常用いられている添加剤、例えば滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、染料、顔料、各種充填剤などを添加することができる。 また、他の樹脂、例えば一般のポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合エラストマー、部分的にまたは完全に水素添加されたスチレン−ブタジエン共重合エラストマー、ポリフェニレンエーテルなどを配合することもできる。
本発明において得られるスチレン−メタクリル酸樹脂組成物は、ゲル不溶分の少ない外観及び色調に優れ、液晶テレビ用の拡散板、耐熱発泡トレー、容器、更にはハイインパクトPSとのブレンドで衝撃強度を高めた樹脂は射出成形品や押出シート容器等に使用することが出来る。特に色調の良さは、輝度等の要求の厳しい液晶テレビ用の拡散板用途に適する。
次に本発明を実施例及び比較例により、詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定される訳ではない。
なお、実施例及び比較例における樹脂組成物及び成形品の分析、評価方法は、下記の通りである。
(1)樹脂組成物中のイソ脂肪族第1級アルコールの測定
試料調製 :樹脂組成物0.5gをメチルエチルケトン20mlに溶解
測定条件
検出方法 :FID
測定機器 :島津製製作所 GC2010
カラム :DB−WAX
30m、0.25mmφ、df=0.5μm
カラム温度 :100℃→ 5℃/分→ 130℃→10℃/分→180℃(12分)
→20℃/分→220℃−20分
(2)樹脂組成物中のメタクリル酸含有量の測定
試料調製 : 樹脂組成物0.3mgをパイロホイルに包む
測定機器 : 日立ガスクロマトグラフ G3000
熱分解機器 : キューリーポイントパイロライザ FWC−2
日本分析工業(株)製
熱分解条件 : 590℃ − 3秒
検出方法 : FID
キャリアガス : He
カラム : DB−WAX
30m、0.25mmφ、df=0.25μm
カラム温度 : 50℃(5分)→5℃/分→100℃(5分)
→エージング180℃(20分)
INJ温度 : 250℃
DET温度 : 250℃
(3)樹脂組成物中のゲル不溶分の測定
ペレット状の樹脂をメチルエチルケトンに溶解し、ゲル不溶分の度合いを目視で測定した。ゲル不溶分が見られない場合を◎、ゲル不溶分が僅かに見られる場合を○、ゲル不溶分が多数見られる場合を×とした。
(4)Y.I(Yellow.Index)の測定
射出成形機で、厚さ2.5mmのプレート状の成形品を作成し、日本電色工業社製の色差・濁度測定機 COH−300Aで、JIS K7105に準拠して測定した。
(5)ビカット軟化温度の測定
ISO306に準拠して測定した。荷重は49N。
(6)重量平均分子量の測定
試料調製 :テトラヒドロフランに樹脂組成物約0.05重量%を溶解
測定条件
機器 :TOSHOH HLC−8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :super HZM−H
温度 :40℃
キャリア :THF 0.35ml/min
検出器 :RI 、UV:254nm
検量線 :TOSOH製の標準PS使用
(7)シャルピー衝撃強さの測定
ISO179に準拠して、ノッチ無しで測定した。
[実施例1〜5]
表1に示す重合原料組成液を、1リットル/時の速度で、容量が4リットルの完全混合型反応器、次いで2リットルの層流型反応器からなる重合装置に、更には未反応モノマー、重合溶媒など揮発分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置に連続的に順次供給し、7日間の連続重合を行った。なお重合原料液に添加した炭素数16のイソ脂肪族第1級アルコールは、日産化学工業社製ファインオキソコール1600(7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール)を用い(凝固点−30℃以下)、また炭素数18のイソ脂肪族第1級アルコールは日産化学工業社製ファインオキソコール180(5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール)を用いた(凝固点−30℃以下)。重合工程における重合反応条件は、完全混合反応器は重合温度120〜125℃、層流型反応器は温度120〜140℃。脱揮された未反応ガスは−5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収した。7日間の連続重合した後、樹脂組成物をペレットとして採取し、評価した。表1に重合原料組成及び評価結果を示す。
[実施例6]
実施例2において、層流型反応器(最終反応器)と単軸押出機の間に0.05リットルの攪拌機付き混合器を設置し、イソ脂肪族第1級アルコールの添加位置を、重合原料組成液から攪拌機付き混合器に変更した以外は、実施例2と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、炭素数18のイソ脂肪族第1級アルコールの添加を少なくした以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。樹脂組成物中のアルコールの含有量が0.01重量%未満と少なく、ゲル不溶分が多数見られた。
[比較例2]
実施例1において、炭素数18のイソ脂肪族第1級アルコールの替わりに2エチルヘキシルアルコールを用い、添加量を変更した以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。樹脂組成物中のアルコールの含有量が0.01重量%より少なく、ゲル不溶分が多数見られた。
[比較例3]
比較例2において、重合原料液への2エチルヘキシルアルコールの添加量を2.25重量部から6.52重量部に変更した以外は、比較例2と同様に実施した。評価結果を表1に示す。添加量を大幅に増量したが、樹脂組成物中のアルコールの含有量が0.01重量%と少なく、ゲル不溶分が多数見られた。また添加量の増量で重合速度が低下した。更には重合液の粘度が上昇する傾向にあり好ましくない。
[比較例4]
実施例1において、炭素数18のイソ脂肪族第1級アルコールの替わりにn−ステアリルアルコールを用い、添加量を変更した以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。運転開始から2.5日間経過したところで、未反応モノマー及び重合溶媒を凝縮する凝縮器内に飛散したn−ステアリルアルコールが析出し、凝縮器内管を閉塞させ、真空度低下が見られた。予備器の凝縮器に換えて、連続運転を継続した。閉塞した凝縮器はスチーム過熱で析出物を融解し元の詰りのない状態に戻した。この2台の凝縮器を交互に使用して、7日間の連続運転を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1において、炭素数18のイソ脂肪族第1級アルコールの替わりにn−ステアリルアルコールを用い、添加量を変更した以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。運転開始から1.5日間経過したところで、未反応モノマー及び重合溶媒を凝縮する凝縮器内に飛散したn−ステアリルアルコールが析出し、凝縮器内管を閉塞させ、真空度低下が見られた。予備器の凝縮器に換えて、連続運転を継続した。閉塞した凝縮器はスチーム過熱で析出物を融解し元の詰りのない状態に戻した。この2台の凝縮器を交互に使用して、7日間の連続運転を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0005221941
本発明のスチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法によれば、ゲル物の少ない品質の良い製品を長期連続生産がすることができる。また本発明の製造方法で得られる樹脂組成物は耐熱性と色調及び成形性に優れ、押出板、押出シート(発泡、非発泡)、射出成形等による成形品として好適に用いることができる。更に、本発明のスチレン−メタクリル酸樹脂組成物は、電気製品部品、玩具、雑貨、日用品及び各種工業部品等の用途にも幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。

Claims (3)

  1. スチレンとメタクリル酸を重合工程にて重合し、次いで脱揮工程にて重合反応後の反応物から未反応物及び/又は重合溶媒を除去して、スチレン−メタクリル酸樹脂を製造するにあたり、炭素数が14〜20で、且つ凝固点が−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールを、得られるスチレン−メタクリル酸樹脂中に0.02〜1.0重量%含有されるように、重合工程、脱揮工程及び重合工程と脱揮工程との間の工程の少なくともいずれか一つの工程において添加することを特徴とするスチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法によって得られたことを特徴とするスチレン−メタクリル酸樹脂組成物。
  3. スチレン−メタクリル酸樹脂組成物の重量平均分子量が10〜35万、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が1.6〜3.5で、メタクリル酸含有量が1〜15重量%であることを特徴とする請求項2に記載のスチレン−メタクリル酸樹脂組成物。
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