JP2015021074A - 二軸延伸スチレン系樹脂シート及びその成形品 - Google Patents

二軸延伸スチレン系樹脂シート及びその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、外観及び機械的強度に優れ、且つシート及び成形品の耐ブロッキング性も良好であるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂を含有する組成物を延伸してなる二軸延伸スチレン系樹脂シート及びその成形品を提供すること。
【解決手段】スチレン、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルを共重合させてなるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)と、耐衝撃性スチレン系樹脂(B)と平均粒子径1〜20μmの無機系粒状体とを含有する組成物であって、前記樹脂(A)と樹脂(B)との質量割合(A)/(B)が(98〜99.7)/(2.0〜0.3)の範囲で、且つ組成物中における無機系粒状体の質量割合が50〜500ppmの範囲であるスチレン系樹脂組成物を用いて、横方向と縦方向の延伸倍率が、それぞれ1.8〜3.5倍の範囲で二軸延伸してなる二軸延伸スチレン系樹脂シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、写像性、機械的強度や耐ブロッキング性に優れ、ゲル物が少ないため食品包装材として好適に用いることができる成形品を与える二軸延伸スチレン系樹脂シート及びその成形品に関する。
二軸延伸スチレン系樹脂シートは、環境衛生、腰の強さ、透明性、成形性、回収性に優れている等の理由で軽量食品包装容器やその他の物品の包装に多く用いられている。近年、コンビニエンスストア等の業務用に使用する電子レンジの普及、及び電子レンジの使用時間の短縮のため、より高出力の機器が使用されている。このために、より耐熱性に優れた樹脂からなるシートが望まれている。
スチレン−メタクリル酸共重合樹脂は耐熱性に優れ、比較的安価な点から、前述の用途に使用されてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂はコモノマーの配合比率で耐熱性をコントロールすることが可能であるが、耐熱性の向上とともにゲル化しやすく流動性も低下するため、シートの生産性や上述の用途適正上、耐熱性には限界があった。近年の電子レンジでの加熱が単なる「温め」から「調理」に変化し、加熱時間が延長され、又、内容物が高温になることから、一部の用途においては、耐熱性の要求性能を満たすことができなくなってきている。更に、特許文献1で提供されている二軸延伸スチレン系樹脂シートを用いてなる成形品において、意匠性を付与する等のために複雑形状にすると、二次成形時の加熱による配向緩和のため耐衝撃性等の機械的な強度が不足する場合もあった。
スチレン−メタクリル酸共重合樹脂よりもゲル化しにくいため更に耐熱性を上げることが可能な樹脂として、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂が提供され、これを用いた二軸延伸スチレン系樹脂シートも提供されてきている(例えば、特許文献2〜4参照)。
前記特許文献3又は4では、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂の機械的な強度をより高める為に、ゴム成分を含む特定の樹脂を併用した組成物を二軸延伸することが提案されている。しかしながら、これらのゴム成分を含む樹脂と、当該共重合体の相溶性が不足することにより、組成物を二軸延伸してなるシートの透明性が悪くなったり、ゲル物が発生したりするため、これを成形品としたときの写像性が低下する問題がある。又、ゴム成分を含む樹脂を併用することにより、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂の優れた耐熱性を損なうこともある。更にこのシートを用いて成形品を得たのち、当該成形品を重ねて運搬や保管を行う際にブロッキングが生じ、実際に内容物を包装しようとした際に1枚ずつの成形品を取り出しにくいという問題も発生している。
特開2000−309645号公報 特開2011−126996号公報 特開2012−031344号公報 特開2012−207201号公報
上記実情を鑑み、本発明の課題は、耐熱性、外観(写像性、ゲル)及び機械的強度に優れ、且つシート及び成形品の耐ブロッキング性も良好であるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂を含有する組成物を延伸してなる二軸延伸スチレン系樹脂シート及びその成形品を提供するものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂に対して、特定量の耐衝撃性スチレン系樹脂及び無機系粒状体を混合してなる組成物を、特定倍率で延伸することにより、上記課題を解決できるシート並びにその成形品を提供できることを見出し、本発明を解決するに至った。
即ち本発明は、スチレン、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルを共重合させてなるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)と、耐衝撃性スチレン系樹脂(B)と平均粒子径1〜20μmの無機系粒状体(C)とを含有する組成物であって、前記共重合樹脂(A)と耐衝撃性スチレン系樹脂(B)との質量割合(A)/(B)が(98〜99.7)/(2〜0.3)の範囲であり、且つ組成物中における球状無機系粒状体(C)の質量割合が50〜500ppmの範囲であるスチレン系樹脂組成物を用いて、横方向と縦方向の延伸倍率が、それぞれ1.8〜3.5倍の範囲で二軸延伸してなることを特徴とする二軸延伸スチレン系樹脂シート、及びこれを二次成形してなる成形品を提供するものである。
本発明の二軸延伸スチレン系樹脂シートは、保存時の耐ブロッキング性に優れ、耐熱性、写像性、耐衝撃性に優れる成形品を得ることができる。これにより、各種軽量包装容器、特には、電子レンジでの加熱用の包装容器として好適に用いることができる。
本発明では、スチレン、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルを共重合させてなる、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)を用いることを必須とする。
スチレンとメタクリル酸を共重合させてなる樹脂は、一般的なポリスチレンよりも耐熱性が向上する。しかしながら、より高い耐熱性を発現させるためにメタクリル酸使用割合を多くすると、メタクリル酸の脱水反応でゲルが発生しやすくなるという問題がある。同時に耐衝撃性等の機械的強度の低下も伴う。又、分子量を高めて機械的強度を向上させようとしても、高分子量化のための流動性低下により延伸シートを製造するには高温での溶融押出が必要となり結果としてシート製造時にも樹脂のゲル化が生じやすくなり又、二次成形時の温度も高くする必要があり、耐熱性にはおのずと上限があった。
この問題点を解決する方法として、更にメタクリル酸メチルを共重合させる。メタクリル酸メチルを併用することで、メタクリル酸の脱水反応を抑制し、もって共重合樹脂の耐熱性と機械的強度を両立させることができる。
本発明に用いる共重合樹脂(A)において、スチレン、メタクリル酸、メタクリル酸メチルの使用割合は、所望とする耐熱性と機械的強度等によって種々設定可能であるが、樹脂の流動性、耐熱性、機械的強度のバランスに優れた樹脂が容易に得られる点から、スチレン、メタクリル酸、及びメタクリル酸メチルの合計量を100質量%としたときに、スチレン68〜94質量%、メタクリル酸3〜16質量%、メタクリル酸メチル3〜16質量%の範囲内で使用して得られる共重合樹脂であることが好ましい。
特に得られる共重合樹脂(A)中のスチレン由来部分の含有量がより好ましくは74〜90質量%、更に好ましくは77〜86質量%であると樹脂の流動性と耐熱性とのバランスがより良好となる。
又、得られる共重合樹脂(A)中のメタクリル酸由来部分の含有量は7〜14質量%の範囲であることがより好ましく、更に好ましくは9〜13質量%の範囲である。この含有量の範囲であると、得られる共重合樹脂(A)の耐熱性が向上すると共に、ゲル物の発生を抑制できる。
更にまた、得られる共重合樹脂(A)中の、メタクリル酸メチル由来部分の含有量は、より好ましくは3〜12質量%、更に好ましくは5〜10質量%の範囲である。この範囲の含有量であると、ゲル物の発生を抑制し、機械的強度が向上すると共に、共重合樹脂(A)の吸水性を抑制することも可能となる。
なお、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとが隣り合わせで結合した場合、高温、高真空の脱揮装置を用いると、条件によっては脱メタノール反応が起こり、六員環酸無水物が形成される場合がある。本発明で用いる共重合樹脂(A)にはこの六員環酸無水物を含んでいてもよいが、流動性を低下させることから、少ない方が好ましい。
共重合樹脂(A)中のスチレン、メタクリル酸およびメタクリル酸メチル由来部分の含有量は、それぞれ、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から求めることができる。
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、ラジカル重合法、より具体的には塊状重合法又は溶液重合法によるラジカル重合法を好ましく採用できる。重合方法は、主に、重合原料(単量体成分)を重合させる重合工程と、重合生成物から未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する脱揮工程とからなり、連続して行うことが好ましい。
重合原料を重合させる際には、重合原料組成物中に、重合開始剤及び連鎖移動剤を含有させる。重合開始剤としては、有機過酸化物、例えば2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1ービス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4ービス(t−ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシイソブロピル)ベンゼン等のジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジー2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジーn−プロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシアセテート、t―ブチルペルオキシイソブチレート等のペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、等のケトンペルオキシド類、t一ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルベンゼンヒドロペルオキシド、等のヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度との観点から、なかでも、1,1ービス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンが好ましい。
連鎖移動剤としては、例えばα−メチルスチレンリニアダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、1−フェニルー2−フルオレン、ジベンテン等を挙げることができる。
重合方法としては、必要に応じて、重合溶媒を用いた溶液重合を採用できる。用いられる重合溶媒としては、芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジアルキルケトン類、及び、例えばメチルエチルケトン等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。更に、重合生成物の溶解性を低下させない範囲で、他の重合溶媒、例えば脂肪族炭化水素類等を芳香族炭化水素類に混合することができる。これらの重合溶媒は、単量体(すなわちスチレン、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル)と重合溶媒との合計100質量%中の含有量が25質量%を超えない範囲となるように使用するのが、良好な重合速度、得られる樹脂の良好な衝撃強度、及び、重合溶媒の回収のために必要なエネルギーの低減によって得られる良好な経済性の観点から好ましい。重合溶媒は、重合が進み、反応系が比較的高粘度になってから添加してもよいし、重合前から添加しておいてもよいが、重合前に、上記合計100質量%中5〜20質量%の割合で添加しておく方が、品質が均一化し易く、重合温度制御の点でも好ましい。
本発明において、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)の重量平均分子量は12〜25万であることが好ましく、特に15〜22万の範囲であることが好ましい。重量平均分子量がこの範囲であると、後述する耐衝撃性スチレン系樹脂(B)と混合した際の透明性を維持できると共に、樹脂組成物としての流動性が良好で、シート成形を効率的に行えると共にブツの発生を抑制でき、更に耐衝撃性と写像性等のバランスに優れる成形品を得ることができる。又、二次成形性に優れるシートが得られる範囲でもある。なお、重量平均分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィーによりポリスチレン標準換算で測定したものである。
本発明で用いるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)には、炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールを含有していてもよい。アルコールの添加は、メタクリル酸の脱水反応によるゲル化反応を抑制するために有効である。スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)中の、炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの含有量は0.02〜1.0質量%であることが好ましい。炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの中でも、凝固点が−10℃以下のイソ型の脂肪族第1級アルコールが特に好ましい。炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの含有量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。
前記炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールとしては、n−ミリスチン酸アルコール、n−パルミチン酸アルコール、n−ステアリルアルコール等が挙げられる。更に、凝固点−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールとしては、炭素数14のイソテトラデカノール、炭素数16のイソヘキサデカノール、炭素数18のイソオクタデカノール、及び炭素数20のイソエイコサノールが挙げられ、例えば、具体的に次のアルコールを例として挙げることができる。7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、8−メチル−2−(4−メチルヘキシル)−1−デカノール、2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−4メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−(5,9−ジメチル)−1−デカノール。この中でも、特に炭素数18のイソオクタデカノールが好ましい。
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)には安定剤を含有させてもよい。一般的な安定剤として、例えばオクタデシル−3−(3,5−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール等のヒンダートフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工熱安定剤等を挙げることができる。これらの安定剤はそれぞれ単独、又は2種以上を組み合わせて適宜用いることができる。添加時期については、例えば重合工程又は脱揮工程で添加できる。又、押出機、バンバリミキサー等の機械的装置で樹脂に安定剤を混合することもできる。
本発明で用いる(B)成分の耐衝撃性スチレン系樹脂としては、ゴム等の成分が含まれるポリスチレン系樹脂であれば良く、スチレンの単独重合体中にゴム成分が含まれているもの、スチレンと(メタ)アクリル酸アルキル共重合体中にゴム成分が含まれているもの等、いずれも好適に用いることができる。ゴム成分は、マトリックス樹脂となるポリスチレンやスチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体中、独立してゴム成分が粒子状になって分散していても、あるいは、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体にグラフト重合して粒子状に分散しているものの、いずれであってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等などが挙げられる。中でもメタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチルが好ましい。これら(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよいが、2種類以上を併用してもよい。
ゴム成分としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体などが挙げられる。特に、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体として含まれていることが好ましい。
耐衝撃性スチレン系樹脂(B)は例えば、スチレンとブタジエンとを共重合させてスチレン−ブタジエン共重合体を得たのち、スチレン単独、あるいは、スチレンと1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとの混合物に該共重合体を溶解させて重合を行うことにより、該共重合体が、連続層となるマトリックス樹脂(ポリスチレンあるいはスチレン−(メタ)アクリル酸エステル)中に分散する粒子にとなり、耐衝撃性スチレン系樹脂を得ることができる。具体的な方法は、例えば特開平08−239532号公報、特開平05−148331号公報、特開平06−016744号公報等を参照することにより、各種スチレン系樹脂がマトリックスとなり、ゴム成分が粒子状で分散している耐衝撃性スチレン系樹脂を効率よく得ることができる。
本発明で使用する耐衝撃性スチレン系樹脂(B)のメルトフローレイトは、延伸成形時の加工特性と、二次成形時での厚み均一性の観点から、1〜10g/10min.の範囲にあることが好ましい。なお、メルトフローレイトは、JISK7210のH条件(200℃、5kg)に従って測定した値である。
又、耐衝撃性スチレン系樹脂(B)内のゴム成分の含有率としては衝撃強度と延伸成形時の加工特性との両立の観点から、2.0〜15.0質量%であることが好ましい。
上記の条件を満たすスチレンの単独重合体中にゴム成分が含まれている市販の耐衝撃性スチレン系樹脂(B)としては、例えばPSジャパン(株)のPSJ-ポリスチレン475D、H8117、H0104、HT478などが挙げられる。又、スチレンと(メタ)アクリル酸アルキル共重合体中にゴム成分が含まれている市販の耐衝撃性スチレン系樹脂(B)としては、例えばPSジャパン(株)のPSJ-ポリスチレンSX100、SX300、SS250などが挙げられる。
本発明において、前記共重合樹脂(A)と前記耐衝撃性スチレン系樹脂(B)との使用割合は、質量基準、(A)/(B)が(98〜99.7)/(2〜0.3)の範囲であることを必須とする。この範囲で混合することによって、得られるシート及び成形品の透明性(写像性)を維持することができると共に、耐衝撃性が良好な成形品を容易に得ることができる。より好ましくは、(A)/(B)が(98.5〜99.5)/(1.5〜0.5)の範囲である。
次に、本発明で用いる無機系粒状体(C)としては、平均粒子径1〜20μmのものである。即ち、シート表面に適当な突起を形成し、シート及び成形品の耐ブロッキング性の効果を発現するために1μmより大きいことが好ましく、シート及び成形品の透明性、写像性を保持するためには20μm以下が好ましい。これらの性能バランスに優れ、更に二次成形品の高い透明性も良好となる点から、2〜10μmの範囲がより好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法により測定した50%体積平均粒子径である。
前記無機系粒状体(C)の粒度分布としては、粒度分布幅が2.5以下であることが、シート表面の突起の均一性が良好となる点から好ましい。ここで、粒度分布とは、前記レーザー回折法により測定される90%体積平均粒子径と10%体積平均粒子径との比率、即ち、(90%体積平均粒子径)/(10%体積平均粒子径)で示される値である。
又、無機系粒状体(C)は球状であることが好ましい。即ち、無機系粒状体の形状が球状であると、シート表面に十分な粗度を与えるための、当該無機系粒状体の添加量を削減することができ、又、シートや成形品の透明性、シートの耐スクラッチ性が向上する。この様な球状の粒状体は、具体的には長径と短径の比から算出されるアスペクト比が1〜1.5であることが好ましい。
た、シート表面に均一な突起を生じさせ、外観を一層向上させるにはより真球に近いものが好ましく、具体的には、アスペクト比が1〜1.2であることがより好ましい。
又、無機系粒状体(C)は、比表面積400m/g以上の多孔性粒子であることが、共重合樹脂(A)及び耐衝撃性スチレン系樹脂(B)との親和性が良好で、シート表面に均一な突起を生じさせることができ、且つ深絞り成形時に成形品角部に白化が生じ難くなる点から好ましい。
又、無機系粒状体(C)は、既述の通り無機系粒状体である。即ち、粒状体が有機物である場合、二軸延伸時、及び二次成形時に該粒状体が変形、埋没しやすくなり、耐ブロッキング性の効果が発現されなくなる。ここで、無機系粒状体としては、特に限定されるものではないが、シリカ、ガラスビーズ等、及びそれらの表面に化学的処理を施したもの等が挙げられるが、化学的に安定であり、触媒作用によって樹脂を変性させないこと、及び該シートへのシリコーンオイルの塗布性が良好であることから、酸化珪素を主体成分とする球状シリカが好ましい。
以上詳述した無機系粒状体(C)は、シートの原料である組成物中に無機系粒状体(C)を50〜500ppmの範囲の割合で添加することが好ましい。即ち、無機系粒状体(C)の添加量が50ppm以上において、得られる二軸延伸スチレン系樹脂シート表面の突起数が十分な水準となり、成形品の剥離性が一層良好なものとなる。500ppm以下においては、該シート及びその成形品の透明性が良好なものとなる。これらの性能バランスに優れる点から50〜300ppmがより好ましく、50〜150ppmがより好ましい。
本発明において、二軸延伸スチレン系樹脂シートを製造する材料となる組成物は、前述の共重合樹脂(A)、耐衝撃性スチレン系樹脂(B)及び無機系粒状体(C)を必須の成分とするものであるが、目的に応じて、内部潤滑剤として添加する鉱油、スリップ剤、帯電防止剤、酸化防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
以上の様にして調整された組成物から本発明の二軸延伸スチレン系樹脂シートを製造するには、当該組成物を溶融混練後ダイスより押し出し、縦方向及び横方向に延伸処理する。
延伸処理方法としては、特に制限されるものではないが、ダイスより押出された未延伸シートを、ロール間速度差及びテンターを利用した、逐次二軸延伸で行う方法が好ましい。延伸倍率は目的に応じ異なるが、流れ方向(縦方向)及びクロス方向(横方向)の延伸倍率が、それぞれ1.8〜3.5倍の範囲で延伸する必要がある。このような延伸倍率であることによって、得られる成形品に十分な耐衝撃性を付与することが可能となる。中でも2.0〜3.0倍であることが好ましく、更に、横方向と縦方向の延伸倍率の比が0.8〜1.5の範囲であることがより好ましい。
又、同時二軸延伸又は逐次二軸延伸における、温度条件は、特に制限されるものではないが、ASTM D−1504に準拠し測定される加熱収縮応力が0.4〜1.2MPaとなる様に行うのが、延伸切れを防止でき、又、二次成形性が良好となる点から好ましい。二次成形性と耐衝撃性を高度にバランスさせる観点から加熱収縮応力はより好ましくは0.5〜1.0MPa、更に好ましくは0.6〜0.8MPaである。
なお、該二軸延伸スチレン系樹脂シートの表面には、防曇剤、帯電防止剤、シリコーンオイルを適宜塗布することができるが、本発明においては、特に本発明の効果が顕著なものとなること、即ち、シートのブロッキング性や二次成形品の剥離性の改善、耐スクラッチ性の改善効果等の諸効果が顕著なものとなる点からシリコーンオイルを塗布することが好ましい。特に本発明においては、シリコーンオイルをシート表面に塗布しても、二次成形品の外観に優れたものとなる。
シリコーンオイルの塗布量は、特に制限されるものではないが、上記のシート性能を発揮させるためには、少なくとも片面に5〜100mg/mの範囲で塗布することが好ましい。又、シリコーンオイルとしては、高温成形時に該シート表面を侵しにくいことから、ポリジメチルシロキサンが好ましい。
又、二次成形品を食品包装材として使用する場合は、片面にシリコーンオイルを反対面に防曇剤を塗布することが好ましい。本発明においては、一表面にシリコーンオイルを、他の表面に防曇剤を塗布しても、シートのブロッキング性や二次成形品の剥離性の改善、耐スクラッチ性の改善効果等の諸効果を維持し、二次成形品の外観に優れたものとなる。防曇剤の塗布量は特に制限されるものではないが、上記のシート性能を発揮させるためには、少なくとも片面に10〜100mg/mの範囲で塗布することが好ましい。防曇剤としては公知の界面活性剤が使用可能で、特に多価アルコール脂肪酸エステル(ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)が好ましく、多価アルコール脂肪酸エステルと水溶性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体など)や、多糖類(メチルセルロース、シクロデキストリンなど)などとの2種以上の混合物が特に好ましい。これらを塗布する際はコロナ処理を施し、シート表面の水との接触角を20°〜80°にするのが好ましい。
本発明の二軸延伸スチレン系樹脂シートは、延伸後のシートの厚さが0.1〜0.5mmの範囲であるものが、二次成形しやすい点から好ましく、特に0.2〜0.4mmの範囲であることが好ましい。なお、前記シートは、必要により、共押出やドライラミネートなどによって、同種又は異種の熱可塑性樹脂を積層しても良い。
本発明の二軸延伸スチレン系樹脂シートの用途としては特に限定されるものではないが、成形品の耐熱性、写像性や耐衝撃性等に優れる観点より、本発明の二軸延伸スチレン系樹脂シートを熱板圧空真空成形法(直接加熱方式)又は圧空成形法、真空圧空成形法(間接加熱方式)によって、目的の容器形状に二次成形して、食品包装材として好適に用いることができる。特に弁当や総菜等の電子レンジで温める食品や、蒸し料理の材料等が内容物となっていて、電子レンジで加熱調理する食品用等に好適である。
以下に実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。本発明はもとより、これらの実施例の範囲に限定されるべきものではない。以下、「部」「%」は特に断りのない限り、質量基準である。
〔GPC測定〕
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)の分子量は、以下の方法により測定した。
試料調製 :テトラヒドロフランに樹脂約0.05%を溶解させた。
(測定条件)
機器:TOSHOH HLC−8220GPC(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム:superHZM−H 温度:40℃ キャリア:THF0.35ml/min 検出器:RI、UV:254nm 検量線:TOSOH製の標準PS使用
〔ビカット軟化点〕
共重合樹脂(A)のビカット軟化点は、JIS K7206に従って測定した。
〔シート写像性〕
シートの写像性は、JIS K7374に従って光学くし幅0.25mmの値を測定した。
〔シート透明性〕
シートの透明性は、JIS K7105に従ってHAZEを測定し評価した。
〔シートORS〕
シートの加熱収縮応力(ORS)はASTM D−1504に従って測定した。
〔シートの滑り性〕
シートの耐ブロッキング性は、シートのシリコン塗布面と防曇剤塗布面との滑り性(動摩擦係数)により測定した。方法はJIS K7125に従った。滑り性が良好なシートから得られる成形品も滑り性は良好である。
〔ゲルの発生度合〕
シートの外観を目視にて確認した。単位面積当たりの0.1mm以上の透明ゲルの個数で評価した。
〔耐衝撃性〕
シートの耐衝撃性は、JIS K7124に従ってダートインパクト強度を測定し評価した。
〔成形性〕
熱板温度を、シートを構成するスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂のビカット軟化点+20〜35℃に調整した単発式熱板圧空真空成形機でシートを熱成形、得られた成形品(形状:開口部100×100mm、天面部75×75mm、深さ25mmの外嵌合蓋材)を目視で観察し、型再現性が良好になる温度(成形下限温度)からレインドロップが発生するまでの温度(成形上限温度)の範囲より評価した。
〔シートの耐熱性〕
10cm×10cmに切出したシートを熱風乾燥器内に10分放置し、熱収縮率が2%になる温度から耐熱性を評価した。
合成例1 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A−1)の合成
スチレン77部、メタクリル酸5部、メタクリル酸メチル3部、エチルベンゼン15部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.025部から成る重合原料組成液を、1.1リットル/時の速度で、容量が4リットルの完全混合型反応器、次いで、2リットルの層流型反応器から成る重合装置に、次いで、未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置に連続的に、順次供給し、樹脂を調製した。重合工程における重合反応条件は、完全混合反応器は重合温度118〜128℃、層流型反応器は温度121〜143℃とした。最終重合液中のポリマー分は、重合液を215℃、2.5kPaの減圧下で30分間乾燥し共重合樹脂(A−1)を得た。A−1の樹脂組成、重量平均分子量、ビカット軟化点を表1に示す。
合成例2〜4 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A−2〜4)の合成
表1のA−2〜A−4樹脂組成になるようにスチレン、メタクリル酸、メタクリル酸メチルの仕込み量、条件を調整した。得られた樹脂ペレットを単軸押出機に投入し、イソ脂肪族第1アルコール表1に示す種類の炭素数18のイソ脂肪族第1級アルコール(日産化学社製、商品名ファインオキソコール180)を表1記載の量練り込み共重合樹脂A−2〜A−4を得た。
Figure 2015021074
耐衝撃性スチレン系樹脂(B)は、以下の市販樹脂を用いた。
B−1:PSジャパン製、商品名「PSJポリスチレン475D」、MFR2.0
B−2:PSジャパン製、商品名「PSJポリスチレンH8117」、MFR1.3
B−3:PSジャパン製、商品名「PSJポリスチレンH0104」、MFR3.0
B−4:PSジャパン製、商品名「PSJポリスチレンSX100」、MFR2.8
B−5:PSジャパン製、商品名「PSJポリスチレンSS250」、MFR6.5
B−1〜3はマトリックス樹脂がポリスチレン、B−4はマトリックス樹脂がスチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、B−5はマトリックス樹脂がスチレン−アクリル酸エステル共重合体である。
無機系粒状体(C)は、以下の球状シリカを用いた。
C−1:富士シリシア化学製、商品名「サイロスフェアC−1504」(平均粒子径4.5μm、粒度分布幅1.9、比表面積520m2/g、アスペクト比1〜1.1の球状シリカ)
C−2:富士シリシア化学製、商品名「サイロスフェアC−1510」(平均粒子径10.0μm、粒度分布幅2.3、比表面積520m2/g、アスペクト比1〜1.1の球状シリカ)
実施例1
共重合樹脂(A−1)99部、耐衝撃性スチレン系(B−1)1部、及び無機系粒状体(C−1)を、組成物中100ppmになるように押出機で溶融混合した。これをTダイから押し出し、厚み約1.5mmのシートを作製した。次に、Tタイから押し出したシートを連続して逐次二軸延伸装置を用いて、ロール温度129℃で2.5倍にロール延伸後、雰囲気温度134℃のテンターで2.5倍延伸を行い、厚み0.25mmのシートを得た。次いで、該シート両表面にコロナ処理を施し、シートの一表面に20〜30mg/m2のシリコーンオイル(信越化学製、商品名「KM−9373A」)を、他の表面に30〜40mg/m2のショ糖ラウリン酸エステル(理研ビタミン製、商品名「リケマールA」)を塗布した。コロナ処理強度はシリコーンオイル塗布面が水接との触角が60〜70°、反対面が35〜45°になるように高周波電源の出力を調整した。シートの評価結果を表2に示す。なお、MDは縦(ロール)延伸方向、TDは横(テンター)延伸方向を示す。
実施例2〜7
表2に示す種類の共重合樹脂(A)、耐衝撃性スチレン系樹脂(B)、無機系粒子状体(C)を表2に示す比率で溶融混合し、実施例1と同様に溶融押出し、表2に示す延伸倍率で延伸した。この際延伸温度は共重合樹脂(A)のビカット軟化点差に応じて適宜調整した。シートの評価結果を表2に示す。実施例1〜7について、各評価試験において優れた結果が得られた。
Figure 2015021074
比較例1〜4
表3に示す種類の共重合樹脂(A)、耐衝撃性スチレン系樹脂(B)、無機系粒子状体(C)を表2に示す比率で溶融混合し、実施例1と同様に溶融押出し、表2に示す延伸倍率で延伸した。この際延伸温度は共重合樹脂(A)のビカット軟化点差に応じて適宜調整した。シートの評価結果を表3に示す。
比較例5〜6
共重合樹脂(A)の代わりにDIC製、商品名「リューレックスA14」(スチレン−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸14%、ビカット軟化点126℃)(比較例5)、PSジャパン製、商品名「PSJポリスチレンG9001」(スチレン−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸7%、ビカット軟化点118℃)(比較例6)、を用いた他は実施例2と同様に溶融押出し、延伸した。この際延伸温度は共重合樹脂(A)のビカット軟化点差に応じて適宜調整した。シートの評価結果を表3に示す。
比較例7
共重合樹脂(A)の代わりにDIC製、商品名「ディックスチレンCR1820」(汎用ポリスチレン、ビカット軟化点102℃)と耐衝撃性スチレン系樹脂B−1を用いて実施例1と同様に溶融押出し、表3に示す延伸倍率で延伸した。この際延伸温度はビカット軟化点差分低温で行った。
Figure 2015021074
比較例1は、無機系粒子状体(C)を加えない例で、滑り性に劣る。比較例2は耐衝撃性スチレン系樹脂(B)を加えない例、又比較例3は延伸倍率が本発明の範囲外の例で、いずれも耐衝撃性に劣る。比較例4はシートを構成する樹脂組成物が本発明の範囲外の例で、写像性と透明性が劣り又ゲルも増える傾向である。比較例5,6はスチレン-メタクリル酸共重合体を使用して例でゲルが増えシートの外観と成形性が劣るものであり、写像性もやや劣るものである。比較例7は汎用のポリスチレンを使用した例でシートの耐熱性に劣る。又比較例7より汎用ポリスチレンの場合、無機系粒状体(C)を加えなくても耐衝撃性スチレン系樹脂(B)添加のみでシートの滑り性と耐衝撃性がバランスすることがわかる。本発明に用いる共重合樹脂(A)と汎用ポリスチレンでは耐衝撃性スチレン樹脂(B)の添加効果が異なることがわかる。
本発明の二軸延伸スチレン系樹脂シートは耐熱性、外観(写像性、ゲル)及び機械的強度に優れ、且つシート及び成形品の耐ブロッキング性も良好である。このため目的の容器形状に二次成形して、食品包装材として好適に用いることができる。特に弁当や総菜等の電子レンジで温める食品や、蒸し料理の材料等が内容物となっていて、電子レンジで加熱調理する食品用等に好適に使用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。

Claims (10)

  1. スチレン、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルを共重合させてなるスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)と、耐衝撃性スチレン系樹脂(B)と平均粒子径1〜20μmの無機系粒状体(C)とを含有する組成物であって、前記共重合樹脂(A)と耐衝撃性スチレン系樹脂(B)との質量割合(A)/(B)が(98〜99.7)/(2〜0.3)の範囲であり、且つ組成物中における無機系粒状体(C)の質量割合が50〜500ppmの範囲であるスチレン系樹脂組成物を用いて、横方向と縦方向の延伸倍率が、それぞれ1.8〜3.5倍の範囲で二軸延伸してなることを特徴とする二軸延伸スチレン系樹脂シート。
  2. 前記スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂(A)が、スチレン68〜94質量%、メタクリル酸3〜16質量%、メタクリル酸メチル3〜16質量%の範囲でそれぞれ用いて共重合させてなるものである請求項1記載の二軸延伸スチレン系樹脂シート。
  3. 前記耐衝撃性スチレン系樹脂(B)が、ゴム変性ポリスチレン又はゴム変性スチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体である請求項1又は2記載の二軸延伸スチレン系樹脂シート。
  4. 前記無機系粒状体(C)が、粒度分布幅2.5以下の球状シリカである請求項1〜3の何れか1項記載の二軸延伸スチレン系樹脂シート。
  5. 横方向と縦方向の延伸倍率の比が0.8〜1.5の範囲である請求項1〜4の何れか1項記載の二軸延伸スチレン系樹脂シート。
  6. 縦方向及び横方向の加熱収縮応力が0.4〜1.2MPaの範囲である請求項1〜4の何れか1項記載の二軸延伸スチレン系樹脂シート。
  7. 全厚が0.1〜0.5mmの範囲である請求項1〜6の何れか1項記載の二軸延伸スチレン系樹脂シート。
  8. 請求項1〜7の何れか1項記載の二軸延伸スチレン系樹脂シートを二次成形してなることを特徴とする成形品。
  9. 前記成形品が、食品包装材である請求項8記載の成形品。
  10. 前記成形品が、電子レンジ加熱用食品包装材である請求項8記載の成形品。
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