JP7200613B2 - 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シート、及びその成形品 - Google Patents
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また、ゴム変性ポリスチレン系樹脂等の耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)の未延伸シート、二軸延伸シートにおいても、剛性、軽量性、成形性などに優れており、上記の透明シートと比較し、耐油性や耐衝撃性に優れるため、生鮮、乾物、菓子などの食品を収納する箱型容器本体、蓋付容器、コップ、盆、皿などの蓋なし容器、蓋など(以下、これらを総称して「容器等」と表記する)の製造用原料シートとして利用されている。
このとき、透明なポリスチレン系樹脂シート、及び、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートのスケルトンは、変色や樹脂焼けの観点から、透明性が重視されない耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートの再押出に利用されることが多い。また、リサイクル時には、必要に応じてゴム成分などをさらに追添されることもある。
また、特許文献1~4に開示されている、グラフト型ゴム変性ポリスチレン、スチレン系グラフト共重合体といったハイインパクトポリスチレン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂に混合されているポリスチレン樹脂はいずれも汎用ポリスチレン樹脂であり、メタクリル酸単量体などが共重合された耐熱スチレン系樹脂を含む耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートは確立されていない。
(i)前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の合計を100質量%とした場合に、組成比(A)/(B)が50~99質量%/50~1質量%である、
(ii)前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のビカット軟化点が106℃以上である、
(iii)前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)のメルトフローレートMFR(A)と前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のメルトフローレートMFR(B)とが、式(1)を満たす。
MFR(B)-MFR(A)≧-1.0[単位:g/10min]・・・式(1)
また、「X~Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートは、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と耐熱ポリスチレン系樹脂(B)との樹脂組成物を主成分としてなる。
本発明における耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)としては、以下に説明するゴム成分に対して、以下に説明するスチレン系単量体をグラフト重合したもの(以下、「グラフト型HIPS」と表記する場合がある)を用いることができる。グラフト型HIPSは、例えば、ゴム成分をスチレン系単量体に溶解した後、ゴム成分にスチレン系単量体をグラフト重合して形成することができ、得られる重合体は、ゴム成分がポリスチレン内に分散したサラミ構造を形成することが好ましい。サラミ構造内においては、ゴム成分とサラミ外のポリスチレンの一部とは結合している。
MFR(B)-MFR(A)≧-1.0[単位:g/10min]・・・式(1)
MFR(B)-MFR(A)≧-0.5[単位:g/10min]・・・式(2)
MFR(B)-MFR(A)≧0.0[単位:g/10min]・・・式(3)
MFR(B)-MFR(A)≦10[単位:g/10min]・・・式(4)
式(1)を満たすことにより、後述するように、耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のドメインサイズを小さくし、シートの機械強度低下を抑制しやすいため好ましい。また、式(4)を満たすことにより、シートの混合ムラによる外観不良を抑制しやすいため好ましい。
本発明における耐熱ポリスチレン系樹脂(B)は、スチレン系単量体(a)を主成分としてなる樹脂であり、ビカット軟化点が106℃以上である。
前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)が共重合体である場合、スチレン系単量体(a)を主たる単量体成分とすれば、他の単量体成分を1種以上含有する多元共重合体でもよい。また、共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの共重合形態であってもよい。
また、前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)は、線状ポリスチレン系樹脂であってもよく、多分岐状ポリスチレン系樹脂であってもよい。本発明のシートに用いる前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)は1種類であってもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
中でも、耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のビカット軟化点向上の観点から、共重合体に用いられる他の単量体としては、(a)と異なる種類のスチレン系単量体であるα-メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、アクリロニトリルを用いることが好ましく、α-メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルを用いることがより好ましく、(メタ)アクリル酸を用いることが特に好ましい。
中でも、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シート成形時の脱水反応に伴う外観不良抑制や機械強度低下抑制の観点から、共重合体に用いられる他の単量体として、(メタ)アクリル酸メチルを用いることが好ましい。
前記三元共重合体の共重合組成比は、単量体(a)と(b)’と(c)の合計を100質量%とした場合、(a)60~98質量%、(b)’1~20質量%、(c)1~20質量%が好ましい。
三元共重合体の場合は、67~96質量%がより好ましく、74~94質量%がさらに好ましく、78~92質量%が最も好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(c)の含有量が20質量%以下であると、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートの吸水が抑制され、シート成形時において発泡等が生じ難い。
前記脂肪族第1級アルコールの含有量は、本発明のシートを構成する材料中において、該材料全体を100質量%として、0.02~1.0質量%であることが好ましい。
耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のMFRが1.5g/10min以上である場合、前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)との混合において、ドメインサイズが小さくなりやすく、良好な機械強度を有するシートが得られるため好ましい。
以下に、本発明のシートを構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の両者のMFRに関する検討および導き出した考察を記す。
一般に、ビカット軟化点が106℃以上の耐熱ポリスチレン系樹脂は、HIPSなどの耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と非相溶であるため、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と耐熱ポリスチレン系樹脂の組成比が50~99質量%:50~1質量%の場合、単純に、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂中にビカット軟化点106℃以上の耐熱ポリスチレン系樹脂を混合してシート化した場合は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を海、耐熱ポリスチレン系樹脂を島(ドメイン)とした海島構造のモルフォロジーを形成する。そして、上述の耐熱ポリスチレン系樹脂のドメインが大きくなるに従い、得られるシートの耐衝撃性、引き裂き強度などの機械強度が低下傾向を示す。
従来は、上述の課題を解決するために、より低いビカット軟化点を示す耐熱ポリスチレン系樹脂を用い、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂との相溶性を上げることで対応されていたところを、本発明は、106℃以上のビカット軟化点の耐熱ポリスチレン系樹脂を用いた場合においても、上述のドメインサイズをより小さくすることによってシートの機械強度低下を抑制することに着目し、そして、その物性発現には耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の両者のメルトフローレート(MFR)の関係性が支配因子であることを見出したものである。
そのため、前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の自己凝集力が小さくなり、海島構造の島が均一分散に近い構造を形成しやすくなり、ドメインサイズが小さくなる。
本発明のシートは、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と耐熱ポリスチレン系樹脂(B)との樹脂組成物を主成分としてなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートであって、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の合計を100質量%とした場合、両樹脂の組成比が、(A)/(B)=50~99質量%/50~1質量%である。好ましくは、(A)/(B)=53~95質量%/47~5質量%であり、より好ましくは56~90質量%/44~10質量%であり、更に好ましくは59~85質量%/41~15質量%である。耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の質量比が1質量%以上であることにより、シートの引張弾性率や引張降伏強度等の機械強度を向上することができる。また、耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の組成比が50質量%以下であることにより、得られる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートの耐衝撃性を付与することができる。
本発明のシートを構成する材料は、上記した樹脂(A)および樹脂(B)からなる樹脂組成物以外に汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)を含有してもよい。GPPSが含有される形態としては、例えば、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂や耐熱ポリスチレン系樹脂に含まれている場合もあれば、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートや耐熱ポリスチレン系樹脂シートに含まれていてそれらをリサイクル利用して本発明のシートの構成材料に用いる場合、汎用ポリスチレン樹脂シートをリサイクル利用して本発明のシートの構成材料に用いる場合、GPPSバージンペレットを混合する場合、等が挙げられる。
また、シートを構成する材料中のGPPSの含有量は、予め重量を測った本発明のシートをクロロホルムに溶解し、溶液と不溶物とを分離後、溶液のクロロホルムを乾燥し、GPPSと耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の混合物を回収し重量を算出することで、シートを構成する材料中のGPPSと耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の混合物の含有量を算出できる(操作1)。その後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて、カラムにTSKgel ODS-100V(東ソー社製)、検出器に蒸発型光散乱検出器、測定温度40℃、移動相にアセトニトリル/THF溶媒を用いた溶媒グラジエントHPLC法にて、回収したGPPSと耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の混合物を測定し、ピークトップ保持時間の差により得られるGPPSのピークより、GPPSと耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の混合物中のGPPS含有量を算出することができる(操作2)。操作1、2の結果より、シートを構成する材料中のGPPSの含有量を算出することができる。
本発明のシートには、本発明の効果を損なわない範囲において、無機粒子や添加剤、他の樹脂を含有することを許容することができる。
無機粒子の種類は、特に限定されるものではないが、シリカ、ガラスビーズ等、及びそれらの表面に化学的処理を施したもの等が挙げられるが、化学的に安定であり、触媒作用によって樹脂を変性させないこと、及び該シートへのシリコーンオイルの塗布性が良好であることから、酸化珪素を主体成分とする球状シリカが好ましい。
本発明のシートの製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって製造することができる。例えば、押出機を用いて前記樹脂組成物を主成分として含むシートの構成材料を溶融し、ダイからシート状に押出し、冷却ロールや空冷、水冷にて冷却固化して得られる。また、上述の手法により得られたシートを、少なくとも一方向に延伸処理した後、巻取機にて巻き取ることによりシートを得る方法が例示できる。ここで、「シート」とは、厚いシートから薄いフィルムまでを包括した意を有する。
押出温度は、180~260℃程度が好ましく、より好ましくは190~250℃である。押出温度やせん断の状態を最適化することにより、種々の物理的特性、機械的特性を所望の値にするのに有効となる。
また、上述のように縦方向に延伸した後、横方向に延伸してもよく、横方向に延伸した後、縦方向に延伸してもよい。また、縦方向及び横方向に延伸処理されていれば、同じ方向に2回以上延伸してもよい。さらには、縦方向に延伸した後、横方向に延伸し、さらに縦方向に延伸してもよい。また、同時二軸延伸機により縦方向、横方向に同時に延伸されてもよい。さらには、未延伸シートを裁断し、バッチ式の延伸機により二軸延伸されてもよい。
例えば無延伸シートの場合、引張降伏強度は29MPa以上が好ましく、31MPa以上がより好ましい。引張破断伸度は、25%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。引き裂き強度は、1.5N/mm以上が好ましく、2.0N/mm以上がより好ましい。面衝撃強度(最大衝撃点エネルギー)は0.5J以上が好ましく、0.7J以上がより好ましい。
本発明のシートの用途としては特に限定されるものではないが、成形品の耐熱性、耐衝撃性、耐折性等に優れる観点より、本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートを熱板圧空真空成形法(直接加熱方式)又は圧空成形法、真空圧空成形法(間接加熱方式)によって、目的の容器形状に二次成形して、食品包装材等の成形品として好適に用いることができる。例えば、生鮮、乾物、菓子などの食品を収納する箱型容器本体、蓋付容器、コップ、盆、皿等の蓋なし容器、蓋などといった容器等として好適に用いることができる。
JISK7127(1999)に準拠し、実施例、比較例、参考例にて得られたシートより、シートのMD、TDに対して各5本ずつ、ダンベル状試験片(試験片タイプ5、狭い平行部の幅6mm)を切断刃で打ち抜き、狭い平行部に標線(標線間距離25mm)を引き、チャック間初期距離80mm、測定雰囲気温度23℃、試験速度200mm/minにて、引張試験をそれぞれ5回ずつ行い、引張降伏強度、及び、引張破断伸度の平均値を算出し、該平均値を測定値とした。なお、本測定において、いずれの測定においても引張降伏強度が最大強度であった。
実施例、比較例、参考例にて得られたシートのMDの引き裂き強度を測定するため、JISK7128-1(1998)に準拠し、MD150mm、TD50mmの試験片を5本ずつ切断刃で打ち抜き、試験片TDの中央部にMDに対して長さ75mmのスリットを入れ、トラウザー型試験片を作製した。また、シートのTDの引き裂き強度を測定するため、JISK7128-1(1998)に準拠し、TD150mm、MD50mmの試験片を5本ずつを切断刃で打ち抜き、試験片MDの中央部にTDに対して長さ75mmのスリットを入れ、トラウザー型試験片を作製した。その後、試験片の長足を引張試験機に取り付けて、測定雰囲気温度23℃、試験速度200mm/minにて、引張試験をそれぞれ5回ずつ行い、各シートのMD、及び、TDの引き裂き強度の平均値を算出し、該平均値を測定値とした。
JISK7124-2(1999)に準拠し、実施例、比較例、参考例にて得られたシートより所定の大きさの試験片を切断刃にて打ち抜き、各シートにつき5個作製した。これらの5個の試験片に対して、測定雰囲気温度23℃、及び、0℃の2条件の雰囲気温度下で、衝撃速度3.0m/秒の条件にて衝撃試験をそれぞれ5回ずつ行い、最大衝撃点エネルギーの平均値を算出し、該平均値を測定値とした。
使用した原材料樹脂のメルトフローレート(MFR)は、測定温度200℃、測定荷重5kgfにて測定した値である。
・A-1:耐衝撃性ポリスチレン(グラフト型HIPS、グラフトモノマー:スチレン、ゴム成分組成:ポリブタジエンゴム、ゴム成分中のジエン含有量;7.5質量%、ゴム粒子の平均粒子径:4.0μm、MFR=2.5g/10min)
・B-1:スチレン-メタクリル酸共重合体(スチレン単量体97質量%、メタクリル酸単量体3質量%、MFR=2.8g/10min、ビカット軟化点107℃)
・B-2:スチレン-メタクリル酸共重合体(スチレン単量体97質量%、メタクリル酸単量体3質量%、MFR=2.0g/10min、ビカット軟化点108℃)
・B-3:スチレン-メタクリル酸共重合体(スチレン単量体95質量%、メタクリル酸単量体5質量%、MFR=1.8g/10min、ビカット軟化点110℃)
・C-1:スチレン-メタクリル酸共重合体(スチレン単量体95質量%、メタクリル酸単量体5質量%、MFR=1.0g/10min、ビカット軟化点110℃)
・D-1:ホモポリスチレン樹脂(スチレン単量体100質量%、MFR=3.3g/10min、ビカット軟化点100℃)
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)80質量%、汎用ポリスチレン系樹脂(D-1)20質量%を混合して単軸押出機に投入し、設定温度230℃にて溶融混練した後、単軸押出機の先端に接続したTダイにて押出し、100℃に設定したキャスティングロールにて引き取り、冷却固化させて厚さ250μmのシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)60質量%、汎用ポリスチレン系樹脂(D-1)40質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)100質量%を単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)80質量%、耐熱ポリスチレン系樹脂(B-1)20質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)60質量%、耐熱ポリスチレン系樹脂(B-1)40質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)80質量%、耐熱ポリスチレン系樹脂(B-2)20質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)60質量%、耐熱ポリスチレン系樹脂(B-2)40質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)80質量%、耐熱ポリスチレン系樹脂(B-3)20質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)60質量%、耐熱ポリスチレン系樹脂(B-3)40質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)80質量%、耐熱ポリスチレン系樹脂(C-1)20質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
参考例1において、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A-1)60質量%、耐熱ポリスチレン系樹脂(C-1)40質量%を混合して単軸押出機に投入した他は同様にしてシートを得た。
また、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)に汎用ポリスチレン樹脂を混合した場合のシート機械強度に対して、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)に耐熱性ポリスチレン系樹脂を混合した場合のシート機械強度を評価するために、参考例1と同じ(A-1)混合比率80質量%の実施例1、実施例3、実施例5、比較例1の各測定値を参考例1の測定値に対する割合(%)で表し、また、参考例2と同じ(A-1)混合比率60質量%の実施例2、実施例4、実施例6、比較例2の各測定値を参考例2の測定値に対する割合(%)で表し、それらを表2に纏めた。
また、実施例1~6で得られたシートは、表2に示すように、耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の代わりに汎用ポリスチレン系樹脂を用いた参考例1、2と比較しても、各物性値が50%以下(対参考例での評価値)になることはないことから、機械物性値の著しい低下が抑制されていることが分かる。また、評価項目によっては100%以上(対参考例での評価値)の良好なシートが得られたことがわかる。
Claims (6)
- 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と耐熱ポリスチレン系樹脂(B)との樹脂組成物を主成分としてなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートであって、下記(i)~(iii)および(iv)を満たすことを特徴とする耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シート。
(i)前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の合計を100質量%とした場合に、組成比(A)/(B)が50~99質量%/50~1質量%である、
(iv)前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)が、スチレン系単量体(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体(b)との二元共重合体であり、前記二元共重合体の組成比が、前記スチレン系単量体(a)と前記単量体(b)の合計を100質量%とした場合に、(a)が80~99質量%、(b)が1~20質量%である、
(ii)前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のビカット軟化点が106℃以上である、
(iii)前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)のメルトフローレートMFR(A)と前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のメルトフローレートMFR(B)とが、式(1)を満たす。
MFR(B)-MFR(A)≧-1.0[単位:g/10min]・・・式(1) - 前記MFR(B)が1.5g/10min以上である、請求項1に記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シート。
- 前記単量体(b)が(メタ)アクリル酸である、請求項1または2に記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シート。
- 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と耐熱ポリスチレン系樹脂(B)との樹脂組成物を主成分としてなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートであって、下記(i)~(iii)および(v)を満たすことを特徴とする耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シート。
(i)前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)と前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)の合計を100質量%とした場合に、組成比(A)/(B)が50~99質量%/50~1質量%である、
(v)前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)が、スチレン系単量体(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体(b)’と、(メタ)アクリル酸エステル単量体(c)との三元共重合体であり、前記三元共重合体の組成比が、前記単量体(a)と前記単量体(b)’と前記単量体(c)の合計を100質量%とした場合に、(a)が60~98質量%、(b)’が1~20質量%、(c)が1~20質量%である、
(ii)前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のビカット軟化点が106℃以上である、
(iii)前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(A)のメルトフローレートMFR(A)と前記耐熱ポリスチレン系樹脂(B)のメルトフローレートMFR(B)とが、式(1)を満たす。
MFR(B)-MFR(A)≧-1.0[単位:g/10min]・・・式(1) - 前記MFR(B)が1.5g/10min以上である、請求項4に記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シート。
- 請求項1~5の何れかに記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シートからなる成形品。
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