JPH06279546A - スチレン系樹脂延伸シート - Google Patents

スチレン系樹脂延伸シート

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JPH06279546A
JPH06279546A JP7172993A JP7172993A JPH06279546A JP H06279546 A JPH06279546 A JP H06279546A JP 7172993 A JP7172993 A JP 7172993A JP 7172993 A JP7172993 A JP 7172993A JP H06279546 A JPH06279546 A JP H06279546A
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JP
Japan
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sheet
resin
styrene
stretched
weight
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Application number
JP7172993A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Arai
宏幸 新井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06279546A publication Critical patent/JPH06279546A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F212/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • C08F212/06Hydrocarbons
    • C08F212/08Styrene

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートから発生する屑のリサイクル性やシー
トの生産性を改良した、耐熱性、耐油性、実用強度、環
境適性に優れる二次成形性の良好な延伸シートを提供す
ること及び、該シートから発生する屑を使用した経済
性、省資源性に優れた延伸シートを提供すること。 【構成】 (A)スチレン単量体:98〜60重量%、
(B)α−メチルスチレン単量体:1〜39重量%、
(C)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸から
選ばれる少なくとも一種の単量体:1〜10重量%、
(D)その他共重合可能な単量体:0〜15重量%、よ
りなりかつ(A)+(B)の合計が80重量%以上であ
るスチレン系共重合体を主体とする樹脂よりなる、少な
くとも一方向に延伸されたスチレン系樹脂延伸シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチレン系樹脂延伸シ
ートの改良に関する。詳しくは、シートのトリミング屑
や成形後のスケルトンの回収性とシート生産性を改良し
た、耐熱性、耐油性、実用強度に優れた二次成形性の良
い延伸シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンの二軸延伸シートは、剛性
(シートの腰強さ)、光学特性(透明性)に優れている
ことから、真空成形、圧空成形等の方法により熱成形さ
れ、軽量包装容器として食品包装用途を始め多用されて
いる。しかしながらこれらシート及び容器は耐熱性に劣
ることから沸騰水に直接接触する用途や、電子レンジ加
熱用途等には使用困難なものである。
【0003】このため、ポリスチレンの透明性、剛性を
保持し、耐熱性を向上させたスチレン系樹脂として、ス
チレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−アク
リル酸共重合体(SAA)、スチレン−メタクリル酸共
重合体(SMAA)、スチレン−無水マレイン酸共重合
体(SMA)などの耐熱スチレン系共重合体が一般に知
られている。そして、スチレン系二軸延伸シートの耐熱
性を改良する方法として、SAA、SMAA、SMAを
用いる試みが行われ、例えば、特開昭55−71530
号公報、特開昭62−25031号公報には、耐熱性が
改良された二軸延伸スチレン系シートが提案されてい
る。しかし、前者の方法では、シートの二次成形性や実
用強度が不十分であり、かつ耐熱性や耐油性の改良効果
も十分ではない。また後者の方法は、成形性、実用強
度、耐熱性、耐油性等のバランスに優れるシートを与え
るものの、シートのトリミング屑や、シート二次成形後
のスケルトンを一般のポリスチレンと混合すると白濁し
てしまう傾向にある。このためシートの生産現場や成形
現場ではポリスチレンとの分別回収が必要である。更に
分別回収した樹脂は、熱劣化による物性低下と、ポリス
チレンとの混合が困難なためリサイクル樹脂としての用
途もほとんど無いのが現状である。これが、耐熱スチレ
ン系樹脂シートが現在、市場で広く使用されていない一
因である。
【0004】ポリスチレン系樹脂シートの耐熱性を上げ
るためには、メタクリル酸、アクリル酸等の共重合成分
を6〜8%以上含ませるのが好ましい。この場合、SM
AAやSAAは樹脂の溶融押出中に分子間での脱水架橋
反応が起こりやすく、ゲル化しやすいためにシートの生
産性に劣る、また、SMAは延伸性を低下させる傾向が
あり、延伸可能な条件範囲が狭く均一厚みのシートが得
られ難いといった欠点も有している。
【0005】また、これら耐熱スチレン系共重合体の耐
熱性向上や加工性、射出成形性等を改良する方法として
ブレンドや3元組成以上の共重合も提案されている。し
かしこれら樹脂は、延伸性の低下や、樹脂自身の強度不
足、リサイクル性の問題等から延伸シートにはほとんど
使用されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、耐熱ス
チレン系共重合体を用いた延伸シートは、成膜中や二次
成形中に発生する屑の有効なリサイクルが困難で、また
シートの生産性にも欠点を有するものであった。本発明
は、上記の欠点すなわち、シートから発生する屑のリサ
イクル性やシートの生産性を改良した、耐熱性、耐油
性、実用強度、環境適性に優れる二次成形性の良好な延
伸シートを提供すること及び、該シートから発生する屑
を使用し、経済性、省資源性に優れた延伸シートを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記単量体
(A)、(B)、(C)、(D)よりなり、(A)+
(B)の合計含有量が80重量%以上であるスチレン系
共重合体を主体とする樹脂よりなる、少なくとも一方向
に延伸されたスチレン系樹脂延伸シートである。 (A)スチレン単量体:98〜60重量% (B)α−メチルスチレン単量体:1〜39重量% (C)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸から
選ばれる少なくとも一種の単量体:1〜10重量% (D)その他の共重合可能な単量体:0〜15重量% 以下本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明のスチレン系樹脂延伸シートには、
上述した単量体(A)、(B)、(C)更に必要によっ
ては(D)の単量体よりなる特定な共重合樹脂(以下ス
チレン系共重合体と記す)を選定することが重要であ
る。スチレン系共重合体を構成する単量体のうち(A)
すなわち、スチレン単量体は、98〜60重量%の範囲
が良い。この下限未満では、樹脂の加工性が低下し、効
率のよい押出延伸成膜が困難になる。またシートの二次
成形も困難になる。一方上限を越えると、シートの耐熱
性が充分に向上しない。更に樹脂の加工性と耐熱性を高
度にバランスさせる為には、(A)の含有量は好ましく
は97〜70重量%、より好ましくは95〜75重量
%、更に好ましくは95〜80重量%である。
【0009】また(B)すなわちα−メチルスチレン単
量体は、1〜39重量%の範囲が良い。この下限未満で
は、シートの耐熱性の向上が不足する。また上限を越え
ると、樹脂の流動性が低下し、成膜、二次成形が困難に
なる。成膜性、二次成形性と耐熱性を高度にバランス差
せる為には、(B)の好ましい含有量は3〜30重量
%、より好ましくは4〜20重量%、更に好ましくは5
〜15重量%である。
【0010】そして、(A)単量体と(B)単量体は、
その合計で80重量%以上含む共重合体が良い。両単量
体の合計が80重量%未満の場合、ポリスチレンとの相
溶性が悪化し、本発明のシートのトリミング屑やスケル
トンなどをポリスチレンと混合し回収し、有効に再利用
することが困難になり好ましくない。また、延伸成膜
性、二次成形性も低下し、シート、成形品の偏肉も大き
くなる領域である。特に回収品の透明性を良くし、より
回収、再利用を効果的に行うためには、(A)と(B)
との総量が、85重量%以上が好ましく、より好ましく
は90重量%以上である。(C)は、アクリル酸、メタ
クリル酸、無水マレイン酸から選ばれる少なくとも一種
の単量体で、この含有量は1〜10重量%が良い。この
下限未満では、シートの耐熱性の向上が少なく、また上
限を越えると、押出加工性や延伸性、二次成形性が低下
する。更にアクリル酸、メタクリル酸を用いた場合、押
出機内で分子間の脱水反応が起こり、ゲルが発生し、シ
ートの外観が低下する。また、シート由来の樹脂をポリ
スチレンと混合した場合、白濁が生じシートのトリミン
グ屑等の回収が困難になる。特に延伸性、成形性の改良
と、樹脂のゲル化防止を重視する点からは、(C)の含
有量は好ましくは1〜8重量%、より好ましくは1〜6
重量%、更に好ましくは1〜4重量%である。
【0011】また、その他の共重合可能な単量体(D)
は、0〜15重量%、好ましくは0〜10重量%の範囲
で必要に応じて共重合させることができる。この上限は
ポリスチレンとのリサイクル性を保つために望ましい領
域である。共重合可能なその他単量体としては、アルキ
ル基やハロゲン置換スチレン、メタクリル酸エステル、
アクリル酸エステル、アクリロニトリル、ブタジエン、
イソプレンなどが上げられる。メタクリル酸エステル、
アクリル酸エステルのエステル成分として好ましいの
は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n
−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシルなどC
1 〜C12の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、よ
り好ましくは同様のC1 〜C8 のアルキル基である。こ
れらは1種以上共重合して用いても良い。このうちメタ
クリル酸メチルやアクリロニトリルはシートの耐油性を
向上させることが可能で好ましい。また、アクリル酸エ
チル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブ
チル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどC2 〜C 12
のアルキル基を有するエステルは、樹脂の内部可塑剤と
して効果があり、シートの延伸成膜性、成形性を改良す
ることが可能で好ましく、なかでもアクリル酸−n−ブ
チルが特に好ましい。ブタジエン、イソプレン等は、樹
脂の強度(特に耐衝撃性)を改良することが可能であ
り、これらはランダム共重合体、ブロック共重合体の
他、グラフト化により樹脂内に取り込んでも良い。グラ
フト化を行う場合は、ブタジエン、イソプレンの替わり
にスチレン−ブタジエンゴムやスチレン−イソプレンゴ
ムなど公知のゴム成分を用いても良い。これら(D)単
量体は、合計15重量%の範囲内で2種以上の単量体を
用いても良い。
【0012】上記単量体(A)、(B)、(C)更に必
要に応じて加えられる(D)よりなる共重合樹脂の製法
は特に制限がなく、通常は、一般公知のラジカル開始剤
を用いた通常のラジカル重合により得られる。また、バ
イラジカル重合開始剤を用い、ラジカル開始剤残査を分
子鎖内部に取り込ませたものでもよいし、メタロセン触
媒(シングルサイト触媒)を用いて重合しても良い。
【0013】上記単量体よりなる共重合樹脂の分子量
は、GPC法により測定したスチレン換算の重量平均分
子量で好ましくは15〜50万、より好ましくは20〜
45万である。重量平均分子量が下限未満では十分な延
伸配向効果が得られにくく、上限を越えると延伸加工
性、二次成形性が低下する傾向が発現する。また樹脂の
ビカット軟化点(ASTM−D1525に準処、加重1
kg、昇温速度2℃/min.条件で測定、以下VSP
と記す)は、耐熱シートとして使用する上で110℃以
上が好ましく、より好ましくは115℃以上である。上
限は特に限定されないが、シートの延伸成膜性、二次成
形性およびリサイクル樹脂の用途展開上好ましくは13
5℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましく
は125℃以下である。
【0014】本発明のスチレン系樹脂延伸シートは、上
述した単量体(A)、(B)、(C)更に必要に応じて
加えられる(D)の単量体よりなる共重合樹脂を主体と
する単層シートまたは、この共重合体からなるシ−トを
含む多層シートであル。共重合樹脂は1種用いても良い
し、2種以上を組み合わせても良い。多層シ−トとして
は、上述のスチレン系共重合体を表層とした後述のシ−
トが好ましい。
【0015】本発明において、スチレン系共重合体を主
体とする樹脂とは、上述のスチレン系共重合体を50重
量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは
70重量%以上含有する樹脂である。上述のスチレン系
共重合体の比率が低下するにつれてシ−トの透明性、耐
熱性、耐油性、成形性のバランスが悪くなる。併用され
るその他の樹脂としては、ポリスチレン、耐衝撃性ポリ
スチレン、スチレン−共役ジエンブロック共重合体(共
役ジエンブロックの一部または全部を水素添加したもの
や、酸グラフト変性物も含む)、スチレン−共役ジエン
ブロック共重合体の水素添加物、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体、ABS(ゴムグラフトスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体)、MBS(ゴムグラフトスチレン−
メタクリル酸メチル共重合体)、ゴムグラフトスチレン
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのスチレン
系樹脂や、共重合ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンエーテル、石油樹脂等があげられる。これ
らの内、ポリスチレンを併用すると透明性を悪化させる
ことなく成形性のよいシ−トがえられるので好ましい。
【0016】またスチレン系樹脂に公知の添加剤、例え
ば可塑剤、熱安定剤、帯電防止剤、離型剤、防曇剤、紫
外線吸収剤等を添加しても良い。本発明のスチレン系樹
脂延伸シートは一軸または二軸に延伸されたシートであ
ってその製造法には特に制限はなく、一般公知の方法で
行うことができる。例えば、溶融した樹脂をT−ダイま
たはサーキュラーダイなどから押出た後テンター法やバ
ブル法で延伸する方法が採用できる。このうち特に好ま
しくは、T−ダイより押出たシートをロール群の速度比
により一方向に延伸した後、テンターで垂直方向延伸す
る逐次二軸法や、テンターで同時二軸延伸する方法であ
る。延伸倍率は、少なくとも一方向において1.5〜8
倍が好ましく、より好ましくは2〜7倍である。延伸温
度は、シートを構成する樹脂全体のVSP〜(VSP+
60℃)が好ましく、より好ましくは(VSP+15
℃)〜(VSP+50℃)である。更に好ましくは、特
開昭62−25031に開示されている高歪み速度、高
温−高倍率延伸の条件で延伸を行ない、後述のシートの
ORS保持率を0.7〜1.0とする。
【0017】上述のスチレン系共重合体よりなる本発明
の延伸シートの成膜時に発生するトリムや、格外原反、
シートの成形後に発生するスケルトンや、容器使用後の
廃棄物等の上述のスチレン系共重合体を主体とするスチ
レン系樹脂延伸シート由来の樹脂(以下リサイクルポリ
マーと記す)は、ポリスチレンと混合し、一般に広く使
用されている通常のポリスチレン延伸シートとして再使
用することができる。またポリスチレンと混合し射出成
形により、包装容器、日用雑貨、その他として使用する
ことも可能である。好ましくは、ポリスチレン延伸シー
トとして使用する場合であり、透明性の悪化、その他物
性、成形性の悪化がほとんど無いシートが得られる。ま
た、未使用の上記スチレン系共重合体とポリスチレンと
を混合した場合も同様のシ−トが得られる。
【0018】ポリスチレンと混合する割合は特に制限は
ないが、一般のポリスチレン延伸シートとして使用する
には、延伸成膜条件およびシートを二次成形する観点か
ら、ポリスチレンの含有量が50重量%以上であること
が好ましく、より好ましくは70重量%以上である。ポ
リスチレンの上限は特に定められないが、樹脂の回収効
率上、好ましくは97%以下、より好ましくは95重量
%以下である。また、リサイクルシートを耐熱延伸シー
トとして使用する場合は、シートの耐熱性を保持する上
でポリスチレンの含有量が50重量%未満であることが
好ましく、より好ましくは30%以下である。
【0019】リサイクルポリマーと混合するポリスチレ
ンとは、一般にポリスチレン延伸シートに使用されてい
るスチレン単量体よりなる重量平均分子量が20〜40
万程度の重合体であり、混合するポリスチレン中に3重
量%以下の量で耐衝撃性ポリスチレンや、炭酸カルシウ
ム、二酸化ケイ素などの無機物、30重量%以下のスチ
レン−共役ジエンブロック共重合体などを含むものでも
良い。また、混合するポリスチレンの一部または全部が
ポリスチレン延伸シートやその他のポリスチレン樹脂製
品のリサイクル品でも構わないし、必要によっては、リ
サイクルポリマーとは別に任意の量の未使用の上述のス
チレン系共重合体を別に混合することも可能である。
【0020】必要によってはリサイクルポリマーとポリ
スチレンの他に、その他樹脂として、耐衝撃性ポリスチ
レン、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、スチレ
ン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、ABS(ゴムグラフトスチ
レン−アクリロニトリル共重合体)、MBS(ゴムグラ
フトスチレン−メタクリル酸メチル共重合体)などのス
チレン系樹脂や、共重合ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテル、石油樹脂などを全樹脂組
成物中30重量%以下、好ましくは15重量%以下、よ
り好ましくは10重量%以下含んでも良い。またスチレ
ン系樹脂に混合可能な公知の添加剤、例えば可塑剤、熱
安定剤、帯電防止剤、離型剤、防曇剤、紫外線吸収剤等
を添加しても良い。これらその他の樹脂、添加剤は1種
用いても良いし2種以上を組み合わせても良い。
【0021】リサイクルポリマーは粉砕し、溶融押出し
てペレット状にして使用することが好ましいが、粉砕し
た状態で使用することも可能である。リサイクルポリマ
ーとポリスチレンからなる組成物からの延伸シートの製
造は、上述したスチレン系共重合体を主体とする延伸シ
ートと同様、公知の方法で行うことができる。また、O
RSも上述の範囲のものが好ましい。
【0022】更にリサイクルポリマーを含む延伸シート
の好ましい実施形態としては、リサイクルポリマーとポ
リスチレンとからなる上述の樹脂組成物からなるシート
の両表面に、未使用の上述のスチレン系共重合体を主体
とする樹脂層を張り合わせた3層以上の延伸シートとす
ることである。この場合、リサイクルポリマーの熱履歴
による樹脂の物性低下や汚れ、流動むら等による悪影響
を表層の樹脂でコートすることにより補い、延伸性、透
明性等の悪化なくシートが成膜でき、更に二次成形性も
良好であり好ましい。特にシートから成形される容器を
食品包装用に使用する場合は、3層以上の延伸シートと
することが、衛生上特に好ましい。
【0023】本発明には上記のリサイクルポリマーを使
用した多層シートのほか、未使用樹脂からなる多層シー
トも含まれる。内層を構成する樹脂としては、上述のス
チレン系共重合体、ポリスチレン及びこれらの混合物か
ら選ばれる。また表層を構成する樹脂は、上述のスチレ
ン系共重合体を主体とする樹脂から選ばれる。シートの
透明性、光沢を特に重要視する場合、表層は該スチレン
系共重合体単独が好ましい。各層に樹脂混合物を用いる
場合の混合比は特に制限はなく、本発明の特性を損なわ
ない範囲で任意の割合で混合できる。
【0024】耐熱性が良く成形性にも優れる多層シート
を得るためには、両表層を構成する樹脂または樹脂組成
物のVSPが、内層を構成する樹脂または樹脂組成物の
VSPより2℃以上高くすることが好ましい。特に成形
性と耐熱性をバランス良くコントロールし、たとえば深
絞り成形等を行うにはVSPの差を5℃以上にするのが
より好ましい。上限は特に定めないが、共延伸により多
層シートを得る場合は、延伸成膜時の安定性と各層に効
果的な延伸配向を与えるために、VSP差は50℃以下
が好ましく、より好ましくは40℃以下、更に好ましく
は30℃以下である。
【0025】内層を構成する樹脂100重量%中に、上
述のその他の樹脂や添加剤を30重量%以下、好ましく
は15重量%以下、より好ましくは10重量%以下加え
ても良い。上述のスチレン系共重合体を主体とする樹脂
よりなる表層の合計厚みは特に制限はないが、好ましく
はシートの全体厚みの6%以上、より好ましくは10〜
60%、更に好ましくは16〜40%である。下限は表
層の効果による耐熱性改良効果が現れ出す領域であり、
上限はその効果の向上が薄れる領域である。
【0026】上記表層と内層の他に、層間の接合力を向
上させる為に接着樹脂の層を儲けたり、スチレン系樹
脂、その他樹脂より成る層を追加の内層として設けても
良い。多層シートは、一般公知の方法で成膜することが
可能である。例えば、3層シートを製造する場合は、2
台の押出機と3層ダイを使用し各樹脂を溶融押出した
後、単層シートと同様の方法で延伸することによって得
られる。また、各層を構成する樹脂の延伸シートを別々
に作成した後、各シートを公知の方法でラミネートして
も得られる。さらには各層の無延伸シートを作成した
後、張合わせて延伸することによっても得られる。
【0027】上述の本発明に含まれるすべてのスチレン
系樹脂延伸シートは、少なくとも一方向好ましくは二方
向に延伸されており、延伸方向の最大熱収縮応力(以下
ORSと記す)は、好ましくは2〜18kg/cm2
より好ましくは3〜15kg/cm2 、更に好ましくは
3.5〜10kg/cm2 である。ORSが低くなるに
つれてシートの延伸効果が不十分な為、脆くて割れやす
いシートとなり、二次成形品も特にフランジ部での強度
が不足する傾向がある。ORSが大きくなるにつれて二
次成形時にシートの抵抗が強くなり成形品の型決まり性
が悪化する傾向がある。さらに場合によってはシートの
過剰配向のため強度低下を引き起こすこともある。二軸
延伸シートの場合、二方向のORS差は±1.5kg/
cm2 の範囲内であることが二次成形を行う上で好まし
い。より好ましくは±1kg/cm2 である。また、
(最大熱収縮応力発現5秒後の熱収縮応力の値)/(最
大熱収縮応力)で現すORS保持率が0.7〜1.0で
あることが好ましい(シートを構成する全樹脂組成物の
VSP+25℃のシリコンオイル中で測定)。ORS保
持率が0.7以上では、成形性が特に良好で、また耐油
性にも優れた非常に有利なシートおよび成形品が得られ
る。
【0028】本発明の延伸シートは、透明性を保つ観点
より、ASTM−D1003に準処して測定したHAZ
E値が10%以下であることが好ましく、より好ましく
は5%以下、更に好ましくは3%以下である。本発明の
シート厚みは、特に制限はないが、通常0.01〜1m
mであり、成形用に用いるには、好ましくは0.1〜
0.7mm、より好ましくは0.12〜0.5mmであ
る。
【0029】上述したすべての本発明のスチレン系二軸
延伸シートは圧空成形法、真空成形法、プラグアシスト
成形法、熱板接触圧空成形法などの公知の方法により二
次成形し、各種容器として使用することができる。ま
た、必要によっては、シートの任意の1表面または両表
面を公知の方法で表面処理したものでも良い。表面処理
処方としては、防曇処理、離型処理、帯電防止処理、印
刷処理、コロナ処理などがあげられる。これらは組み合
わせて用いても良い。
【0030】また、本発明のシートの両表面または任意
の1表面に、延伸または無延伸のポリスチレン系フィル
ム、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィル
ム、その他のプラスチックフィルムなどを公知の方法で
ラミネートして用いても良いし、逆に本発明のシート
を、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)シート、
ポリスチレン発泡シート(PSP)、ポリオレフィン系
シート、その他のプラスチックシート、紙などの両表面
または任意の1表面にラミネートして用いることも可能
である。特にHIPSシート、PSPにラミネートした
場合、光沢と耐熱性が向上し好ましい場合が多い。
【0031】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、これに限定されるものではない。
【0032】
【実施例】シートの評価は以下の方法により行った。ま
た特に記載のない限り樹脂の混合割合は、重量比、重量
%である。 (1)実用強度:ASIM−D2176に準処して、折
曲げ角度を中心から左右に135°加重1kgの条件で
耐折強度を測定した。 (2)透明性:ASTM−D1003に準処して、HA
ZEを測定した (3)ORS、ASTM−D1504に準処して、シリ
コンオイル中でシートを構成する樹脂または樹脂組成物
のVSP+25℃で測定したピーク応力値。 (4)ORS保持率:上記ORSの測定法に準じて測
定。ピーク応力値(ORS1)とピーク発現5秒後の応
力値(ORS2)との比(ORS2/ORS1)より算
出した。 (5)シートの耐熱性:テストシートを沸騰水中に5分
間浸漬させた時のシートの収縮率を以下の基準で評価し
た。収縮率は2%未満が好ましいが、用途によっては5
%未満でも実用上問題がないレベルである。
【0033】◎:収縮率が2%未満、○:収縮率が2%
以上5%未満、△:収縮率が5%以上10%未満×:収
縮率が10%以上 (6)耐熱温度:シリコンオイル中にシートを10分間
浸漬させたとき、3%以上の収縮を開始する温度より測
定した。耐熱シートとしては100℃以上が好ましい。 (7)耐油性:シートを構成する樹脂または樹脂組成物
のVSP−15℃のサラダ油中にシートを10分間浸漬
させた後のシートのHAZEをASTM−D1003に
順処して測定、浸漬前のシートのHAZEと比較し、以
下の基準で耐油性を評価した。
【0034】◎:HAZEの変化が3%未満、○:HA
ZEの変化が3%以上7%未満、×:HAZEの変化が
7%以上 (8)熱安定性:シートを25cm四方にきりだし、
0.2mm以上の大きさのゲルの個数を測定し、以下の
基準で評価した(20サンプルの平均、押出時の熱安定
性の代用特性となる)。
【0035】◎:ゲルが5個未満、○:ゲルが5個以上
10個未満、△:ゲルが10個以上20個未満、×:ゲ
ルが20個以上 (9)成形性:シートを熱板圧空成形機で、開口径12
0mm、深さ35mmの円筒カップを加熱時間2.5
秒、成形圧空圧力3kg/cm2 の条件で熱板温度を変
えて成形した。成形品にレインドロップが発生しだした
温度と、成形品の型再現性不良が発生し始めた温度との
差より以下の基準で成形性を評価した。この温度差が多
きほど広い範囲での成形が可能で成形性に優れる。
【0036】◎:温度差が15℃以上、○:温度差が1
5℃未満10℃以上、×:温度差が10℃未満
【0037】
【実施例1〜9、比較例1〜4】(A)成分としてスチ
レン単量体、(B)成分としてα−メチルスチレン、
(C)成分としてメタクリル酸および/または無水マレ
イン酸、(D)成分としてアクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸メチルを用い、表1に示した割合で仕込み、ラジカ
ル重合により樹脂を得た(S−1〜S−8、S−10〜
S−13)。またS−9の樹脂は、(D)成分としてゴ
ム分(スチレン−ブタジエンゴム)の存在下表1の割合
でスチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸を重合
反応させた,グラフト共重合体である。樹脂の組成と物
性を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示す樹脂(但し実施例8は、S−2
とS−8の3:7の混合物)をL/Dが24のスクリュ
ウを有する50mm押出機に供給した。T−ダイより溶
融押出し、連続してロールの速度比により流れ方向(以
後MD方向と記す)に各樹脂のVSP+35〜41℃で
3.7倍に延伸した後、テンターで流れと垂直方向(以
後TD方向と記す)に各樹脂のVSP+34〜39℃で
4.3倍に延伸し、厚み0.20〜0.22mmの二軸
延伸シートを得た。延伸時の歪み速度は、MD方向で5
18%/sec.、TD方向で70%/sec.とし
た。得られたシートのORSは、MD、TDともに5.
3〜6.5の範囲、また厚みむらは±6%以内であっ
た。但し、比較例2及び3の樹脂は、延伸加工性に劣
り、上記の条件範囲内での延伸成膜は困難であった。こ
のため、延伸条件をMDは、VSP+21℃で2.2
倍、歪み速度201%/secとし、またTDは、VS
P+28℃で3.6倍、歪み速度21%/secとし実
施例とほぼ同等のORS、平均厚みのシートを得た。し
かし、いずれも延伸性が悪く、厚みむらの大きい(±1
4〜18%)シートしか得られなかった。シートの物性
を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2中リサイクル性とは、上記方法で成膜
したシートを粉砕後、30mm押出機でペレット化した
樹脂と重量平均分子量が26万の市販のポリスチレンと
を50:50の割合(重量比)で混合し30mm押出機
でペレット化した樹脂から、射出成形により作成した5
0×50mm,厚み2mmの板のHAZEと同様に調整
したシートを構成する樹脂単独のHAZEとの差より評
価した(◎:HAZEの差が3%未満、○:HAZEの
差が3%以上5%未満、△:HAZEの差が5%以上1
0%未満、×:HAZEの差が10%以上)。 表2の
結果、本願発明のシートは、透明性、実用強度が良好
で、また耐熱性、耐油性が比較例4のポリスチレン延伸
シートより優れ、成形性も良好であり、かつポリスチレ
ンと混合しても透明性の悪化なくリサイクル可能なこと
がわかる。一方、比較例1は、従来のSMAA延伸シー
トの例で、ポリスチレンとのリサイクル性に劣る。ま
た、比較例2は、(C)成分であるメタクリル酸が本発
明の範囲を越えた例で、成膜性、熱安定性、リサイクル
性が劣るものである。比較例3は、(A)成分と(B)
成分の合計量が本発明の下限を下回る例で、成膜安定性
とリサイクル性に劣る。シートの透明性、強度、成形性
と成膜安定性、リサイクル性すべてに優れる延伸シート
は本発明の延伸シートのみである。
【0042】
【実施例10〜18、比較例5〜7、参考例1】実施例
1〜9で得たシート及び成形テスト後のスケルトン(以
下リサイクル樹脂とする)を、粉砕機で粉砕し、押出機
を通しペレット化した樹脂と重量平均分子量が26万の
市販のポリスチレン(GPPS)とを表3に示す割合で
混合した後、実施例1〜11と同様にシートを成膜し
た。この際MD方向は、120〜127℃で2.7倍
に、TD方向は、133〜140℃で3.4倍に延伸
し、厚さ0.17〜0.19mm、ORSが5.8〜
7.0の2軸延伸シートを得た(実施例10〜18)。
同様にして、比較例1〜3で得たシート(比較例5〜
7)及び比較例4で得たシート(参考例1)粉砕物とG
PPSとの混合樹脂シートを得た。シートの物性を表3
に示す。なお、実施例15、16の耐熱温度はそれぞれ
106、103℃であった。
【0043】
【表3】
【0044】表3中、参考例1は、ポリスチレン延伸シ
ートのスクラップとポリスチレンを混合したポリスチレ
ン延伸シートの例である。本発明の延伸シートのスクラ
ップとポリスチレンとを混合し、延伸シートを作成した
実施例の透明性、実用強度は、参考例のポリスチレン延
伸シートに近く良好である。また熱安定性、成形性も良
好な範囲である。このように本発明の延伸シートのスク
ラップはポリスチレンと混合して再度延伸シートとして
使用することが可能であり、スクラップの有効利用が可
能で経済的にも有利である。またポリスチレン延伸シー
トとの並産性にも優れることが分かる。一方、比較例
は、いずれも透明性が悪化し、更に実用強度も低下、ま
た熱安定性、成形性にも劣り、スクラップ樹脂をポリス
チレンと混合して再度延伸シートとして使用することは
困難なことが分かる。このことは、ポリスチレン延伸シ
ートと並産した場合、樹脂の切り替えに大量のスクラッ
プロスを発生する事も示している。
【0045】
【実施例19〜27、比較例8、9】第4表に示した表
層樹脂を40mm押出機に、また内層樹脂を50mm押
出機に供給し、3層T−ダイより表4に示す樹脂組成、
層構成の3層シートを実施例1〜9と同様の条件で延伸
成膜した。表4中、SBBCとはスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体(ブタジエン25重量%を含むS−B
−S−B型ブロック共重合体)である。なお、表層及び
裏層の厚みは、等しくなるよう調整し、また延伸温度を
決める際のVSPは表層の樹脂または樹脂組成物を基準
とした(比較例8は、内層樹脂を基準)。得られたシー
トは厚みが0.24〜0.26mm、ORSが4.3〜
5.6、ORS保持率が83〜94%であった。なお、
比較例9のシートは、延伸性に劣り、均一なシートを得
るには、比較例2の方法で延伸する必要があった。これ
らシートの物性を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】表4中、実施例は、単層シート同様に諸特
性のバランスに優れたシートであることがわかる。一
方、比較例8は、表層樹脂のVSPが内層樹脂よりも低
い例で、特に成形性に劣る。また耐熱性の向上も少な
い。比較例9は、本願の範囲外の樹脂を表層に用いた例
で、成膜性に劣るほか、樹脂の熱安定性、実用強度も劣
る。またこのシートの回収品は白濁することは、比較例
2より明らかである。
【0048】
【実施例28〜30】表1に示したS−2の樹脂と、実
施例25で使用したSBBCとを95:5の割合い(重
量比)で混合したほかは、実施例2と同様に成膜し、延
伸シートを得た(実施例28)。また実施例28のシー
トを粉砕し、GPPSと25:75の割合(重量比)で
混合した他は、実施例11と同様に成膜し、延伸シート
を得た(実施例29)。更に、実施例29の組成物と実
施例28の組成物を用い、実施例20と同様に成膜し、
表層の合計厚みが18%の3層延伸シートを得た(実施
例30)。各シートの実用強度は、順に53、42、6
0回であった。また透明性は、1.1、1.5,1.2
%であった。その他の特性は、対応する実施例2、1
1、20のシートと同等であった。以上より、本発明の
延伸シートにはその他の樹脂の添加も可能なことが分か
る。
【0049】
【実施例31〜33】実施例2、11、20の構成の延
伸シート(順に実施例31、32、33に対応、厚み
0.15mm、ORS6〜6.4kg/cm2 )を成膜
し、両表面をコロナ処理した後、片面に公知の防曇処理
(シュガーエステルを含む混合液を塗布)を、他の片面
に公知の離型処理(シリコーンを含む混合液を塗布)を
施した。熱板圧空真空成形機を用い、離型処理面と熱板
が接触するように調整し、フードパックを成形し、25
ショット分の成形品を重ね、打ち抜いた。成型、打ち抜
き時に不良はなく、また打ち抜かれた成形品は、簡単に
1枚ずつ取り出せるものであった。またフードパックに
米飯(約75℃)を入れ30分放置したが、容器に曇り
は発生しなかった。また実施例31、33のシート成形
品(フードパック)にタコ焼きを入れ、スチーム加熱を
行った後、容器の変形を評価したがいずれの容器にも変
形は見られず、良好に使用可能なものであった。同様
に、市販のポリスチレン延伸シート製のフードパックに
タコ焼きをいれスチーム加熱をしたところ、変形が大き
く使用不可のものであった。このように本発明の延伸シ
ートは成形品に成形された後も良好な特性である。
【0050】
【発明の効果】本発明の延伸シートは、耐熱性、実用強
度、耐油性に優れる二次成形性の良好なシートであっ
て、更に該シートから発生する屑を再度ポリスチレン延
伸シートとして諸物性の低下無く使用することが可能で
あり、経済性、省資源性、環境適性に優れた、特に包装
容器成形に好適に使用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記単量体(A)、(B)、(C)、
    (D)よりなり、(A)+(B)の合計含有量が80重
    量%以上であるスチレン系共重合体を主体とする樹脂よ
    りなる、少なくとも一方向に延伸されたスチレン系樹脂
    延伸シート。 (A)スチレン単量体:98〜60重量% (B)α−メチルスチレン単量体:1〜39重量% (C)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸から
    選ばれる少なくとも一種の単量体:1〜10重量% (D)その他の共重合可能な単量体:0〜15重量%
  2. 【請求項2】 少なくとも3層よりなる多層シートであ
    って、請求項1のスチレン系樹脂延伸シートを構成する
    スチレン系共重合体及びポリスチレンのうちの少なくと
    も一つを主体とする樹脂層(内層)の両表面に請求項1
    のスチレン系樹脂延伸シートを構成するスチレン系共重
    合体を主体とする樹脂よりなる層(表層)が積層されて
    おり、表層を構成する樹脂のビカット軟化点が内層を構
    成する樹脂のビカット軟化点より2℃以上高いことを特
    徴とする少なくとも一方向に延伸されたスチレン系樹脂
    延伸シート。
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