JP2015113443A - 電子レンジ加熱用途に適したポリスチレン系樹脂シートおよびその成形容器 - Google Patents

電子レンジ加熱用途に適したポリスチレン系樹脂シートおよびその成形容器 Download PDF

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Abstract

【課題】
ポリスチレン系樹脂シートに成形性やシート強度を損なうことなく耐熱性と耐油性を併せ持つポリスチレン系樹脂シートを提供することを目的とする。さらに詳しくは、電子レンジで加熱する食品の包装容器として好適なポリスチレン系樹脂シートならびにそれから形成してなる包装容器を提供することを目的とする。
【解決手段】
ポリスチレン系樹脂シートの片方の面に、重合度1500以上、ケン化度85モル%以上のポリビニルアルコールの塗膜を形成してなることを特徴とし、該ポリスチレン系樹脂がメタクリル酸または無水マレイン酸のいずれか一成分を5〜20質量%含み、重量平均分子量が15〜40万であることを特徴とする耐油性ポリスチレン系樹脂シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子レンジで使用可能な耐油性ポリスチレン系樹脂シートおよびそれから成形してなる容器に関する。さらに詳しくは、熱板成形、真空成形などの方法での成形に適しており、防曇性に優れ、臭気の問題がなく、耐熱性、耐油性に優れているので、特に電子レンジで加熱する食品の包装容器の用途に好適に用いることができる、耐油性ポリスチレン系樹脂シートおよびそれから成形された容器に関する。
ポリスチレンの二軸延伸シートは、透明性、剛性に優れることから、主に軽量容器等の成形品に使用されている。しかしながら、これらの容器は耐熱性に劣ることから、電子レンジで加熱される食品包装容器の用途にはあまり使用されていない。また、電子レンジで加熱される食品は油を含むものが多く、この用途には耐熱性だけでなく耐油性も必要とされるが、ポリスチレンは一般的に油に対する耐性が低い。ポリスチレンの二軸延伸シートは、油と接した状態にあると、白化したり、場合によっては亀裂が生じたりする。高温になるほど油の影響を強く受けるため、特に電子レンジで加熱される食品の用途には、高い耐熱性と耐油性が必要となる。
ポリスチレンの耐熱性を高める方法として、スチレン−メタクリル酸共重合体やスチレン−無水マレイン酸共重合体等の耐熱性スチレン樹脂を使用した耐熱性ポリスチレン系樹脂シートが提案されている(特許文献1〜4)。しかし、特許文献1〜4に記載の延伸シートを熱成形して得た容器は、耐熱性以外の物性に劣る場合があった。例えばシート強度が低く割れやすかったり、十分な耐熱性が得られず加熱した際に容器が変形したりする問題があった。
一方、耐油性を高める方法としては、異素材を併用したり、親水性高分子や熱可塑性エマルジョンの塗膜を形成したりする方法が提案されている(特許文献5〜8)。しかし、特許文献5、6に記載の方法では、透明性が不十分なうえ、異素材が混入しているために原料のリサイクルが困難であるという問題があった。また、特許文献7、8に記載の方法では、塗膜を形成させるためにはポリスチレン系樹脂シートの表面にコロナ処理等の親水化処理を施す必要があった。
特開昭63−104817号公報 特開2001−294721号公報 特開2002−36353号公報 特開2002−225127号公報 特開昭59−57748号公報 特開2004−292745号公報 特開平9−12752号公報 特開2007−277428号公報
本発明は、ポリスチレン系樹脂シートに成形性やシート強度を損なうことなく耐熱性と耐油性を付与することを目的になされたものである。さらに詳しくは、電子レンジで加熱する食品の包装容器として好適なポリスチレン系樹脂シートならびにそれから形成される包装容器を提供することを目的になされたものである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく耐熱性と強度が得られるポリスチレン系樹脂の組成ならびに分子量そして加工条件を調査し、さらに得られたポリスチレン系樹脂シートに耐油性を付与するための塗工剤について鋭意検討を重ねた結果、ポリスチレン系樹脂を選定し、シート製膜条件によって延伸倍率や配向緩和応力を調整し、得られたポリスチレン系樹脂シートに重合度とケン化度が適切なポリビニルアルコールを塗工することによって、その目的が達成されることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)ポリスチレン系樹脂シートの片方の面に、重合度1500以上、ケン化度85モル%以上のポリビニルアルコールの塗膜を形成させてなることを特徴とする耐油性ポリスチレン系樹脂シートに関する。
(2)ポリスチレン系樹脂がメタクリル酸または無水マレイン酸のいずれか一成分を5〜15質量%含み、重量平均分子量が15〜40万であることを特徴とする上記(1)に記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シートに関する。
(3)ポリスチレン系樹脂シートが二軸方向に延伸したシートであって、該シートの延伸倍率が1.5〜5.0倍であり、最大配向緩和応力のピーク温度が120〜150℃であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シートに関する。
(4)ポリスチレン系樹脂シートの最大配向緩和応力が0.2〜1.0MPaであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シートに関する。
(5)ポリビニルアルコールの塗工量が30〜3000mg/mであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シートに関する。
(6)ポリビニルアルコールの、20℃、4.0質量%での水溶液粘度が10〜200mPa・sであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シートに関する。
(7)ポリビニルアルコールの残存酢酸ナトリウム濃度が1.0質量%以下であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シートに関する。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シートを成形してなる容器に関する。
(9)成形してなる容器が蓋材であることを特徴とする上記(8)記載の容器に関する。
本発明により、耐熱性、剛性に優れる上、耐油性にも優れるポリスチレン系樹脂シートが提供できる。熱板成形や真空成形等の方法で成形された容器により、油を含む食品を電子レンジで加熱する用途にも好適に使用できる食品用容器の蓋材を提供できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートを構成するポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体85〜95質量%、メタクリル酸、または無水マレイン酸のいずれか一成分5〜15質量%をラジカル共重合して得られる。ラジカル共重合法としては、一般的なラジカル共重合法が採用でき、具体的には懸濁重合、塊状重合、溶液重合が挙げられる。好ましくは懸濁重合により得られる。スチレン系単量体としては、スチレンあるいはスチレン以外にもα−メチルスチレンまたはベンゼン核の一部がアルキル基で置換されたスチレンを使用できるが、特に好ましくはスチレンである。本発明のポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体が85質量%未満では成形加工性が劣るものとなり、95質量%を超えると耐熱性が劣るものとなって好ましくない。より好ましい範囲は、メタクリル酸または無水マレイン酸のいずれか一成分が6〜14質量%、更に好ましくは7〜13質量%である。なお、単量体は重合初期に全量存在させて重合しても、重合途中に単量体を添加しながら重合しても差し支えない。また、本発明のポリスチレン系樹脂には、ポリスチレン系樹脂の耐熱性、成形性、剛性を損なわない範囲で、他の共重合性単量体が共重合されていてもよい。他の共重合性単量体とは、スチレン系単量体と共重合可能な単量体であれば特に制限はなく、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のラジカル重合性多塩基酸およびその無水物、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、あるいは(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル等の単量体が例示できる。ポリスチレン系樹脂重合時における、他の共重合性単量体は0〜10質量%の範囲が好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は15〜40万である。Mwは光散乱法、GPC法、超遠心法等によって測定することができる。Mwが15万より小さい場合、分子の絡み合いが不十分となり、延伸配向効果が十分に得られ難くなるため、ポリスチレン系樹脂は脆く、該樹脂から得られるシートやその成形品も脆くなる。また、Mwが40万より大きい場合、溶融粘度が大きくなり、シートにする際の成膜性やその後の二次加工における成形性に劣る。Mwは15〜35万の範囲がより好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、含量、染料、無機フィラー、帯電防止剤、摺動剤等公知の添加剤を含有させることもできる。また、本発明のポリスチレン系樹脂には、ブタジエン系ゴムが含まれていてもよい。ブタジエン系ゴムとしては、ハイシスポリブタジエン、ローシスポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロックゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックゴム、部分水添ポリブタジエンゴム等が挙げられる。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートを構成するポリスチレン系樹脂シートは、前掲したポリスチレン系樹脂を二軸延伸することによって得られる。さらに、シートおよび成形品の強度を確保するために、延伸倍率と最大配向緩和応力を適切な範囲に調整することが必要となる。ポリスチレン系樹脂を延伸し分子鎖を配向させると、シートの強度が増す。延伸によって分子鎖を配向させるためには、延伸倍率を高くするだけでなく、適切な温度で延伸することが必要となる。一般的には、樹脂のビカット軟化点+30℃程度の温度で延伸することが好ましい。延伸温度が低すぎると配向がかかり過ぎ、硬く脆くなってしまう。また、延伸温度が高すぎると配向がかからず、耐衝撃性に劣る。延伸倍率と温度を合わせることで、シートの最大配向緩和応力を適切な範囲におさめることができ、十分なシート強度が得られるようになる。
本発明のポリスチレン系樹脂シートは、延伸倍率が1.5〜5.0倍である。延伸倍率が1.5倍より小さい場合、十分な延伸配向効果が得られず、シートの強度が不足する。また、5.0倍より大きい場合、延伸時の寸法変化が大きいため、厚みの制御が難しくなる。延伸倍率は1.8〜4.5倍がより好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂シートは、最大配向緩和応力のピーク温度が120〜150℃である。最大配向緩和応力は、ASTMD1504に準じて測定し、最大配向緩和応力のピーク温度は、シート押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)での配向緩和応力をそれぞれ測定し、その最大値を示す温度として求めることができる。最大配向緩和応力のピーク温度が120℃より小さいと、成形後の容器の耐熱性が不足し、電子レンジで加熱する際、容器が収縮し変形する。また、最大配向緩和応力のピーク温度が150℃より大きいと、シートを延伸する際に破断等を生じやすい。最大配向緩和応力のピーク温度は、121〜145℃がより好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂シートは、最大配向緩和応力が0.2〜1.0MPaである。最大配向緩和応力は、ASTMD1504に準じて測定することができる。最大配向緩和応力が0.2MPaより小さいと、シートが脆くなり耐衝撃性が不足し、指でシートを曲げても割れてしまう耐折性の低いシートとなる。また、最大配向緩和応力が1.0MPaより大きいと、硬く脆くなる傾向にあり、引き裂き強度が低下し裂けやすいシートとなり、スリット加工時等、ノッチに張力がかかったときに横裂けが生じやすく、実用的でない。最大配向緩和応力は、0.4〜0.9MPaがより好ましい。さらには、縦と横の最大配向緩和応力は同程度であることが強度確保には必要である。縦と横の最大配向緩和応力の差が大きいと、シートの方向性が強く存在し、一方向の裂けに対する強度が弱くなる傾向が見られる。これはクラック発生時に応力が配向の低い方向に集中して割れが成長しやすく、配向の低い方向に沿って破断しやすくなるためと考えられる。
本発明のポリスチレン系樹脂シートは、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理等の親水化処理を施すこともできる。親水化処理を施すことで、コーティング液が濡れやすくなり、はじきが起こりにくくなる。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートは、上記のポリスチレン系樹脂シートの片方の面に、ポリビニルアルコールの塗膜が形成されたものである。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートに使用されるポリビニルアルコールは、重合度1500以上、ケン化度85モル%以上のものである。ポリビニルアルコールの重合度とケン化度は、JISK 6726:1994に準じて求めることができる。重合度が1500より低いと、形成された塗膜の強度が低くなり、容器成形の際に延伸されると塗膜が追従できず、欠陥を生じることがあるため十分な耐油性が得られなくなる。重合度が高いほど耐油性は向上するが、重合度が高くなるほどポリビニルアルコール水溶液の粘度が高くなり、コーティング液が均一に塗工できず、均一な厚みの塗膜を得ることが難しくなり、外観不良となる可能性がある。
また、ケン化度が85モル%より小さいと、塗膜中に疎水性の部分が増え、油が疎水性部分を通過してポリスチレン系樹脂シートに達しやすくなるため、十分な耐油性が得られなくなる。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートに使用されるポリビニルアルコールは、残存酢酸ナトリウム濃度が1.0質量%以下である。残存酢酸ナトリウム濃度は、JISK 6726:1994に準じて求めることができる。残存酢酸ナトリウム濃度が1.0質量%より高いと、ポリビニルアルコールの塗膜が形成されたシートおよびこのシートから成形された容器に酢酸臭が残り、食品包装には向かないものとなる。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートは、コーティング液としてポリビニルアルコールの水溶液がポリスチレン系樹脂シート上に塗工された後、乾燥されて、ポリビニルアルコールの塗膜が形成される。塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバース方式、オフセットグラビア方式等が挙げられ、コーターとしては、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、エアナイフコーター、デイップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いることができる。乾燥方法としては、熱風乾燥や赤外線乾燥等を用いることができる。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートにおいて形成されるポリビニルアルコールの塗膜の量は30〜3000mg/mであり、好ましくは50〜1000mg/m、さらに好ましくは100〜600mg/mである。30mg/mより少ないと、容器成形の際に延伸されて欠陥を生じる可能性があり、十分な耐油性が得られない。3000mg/mより多いと、ブロッキングを生じ、外観不良となる可能性がある。
コーティング液におけるポリビニルアルコールの濃度は、0.5〜10.0質量%であることが好ましい。0.5質量%より低いと、十分な厚みの塗膜を形成するためには、多量のコーティング液を塗工しなければならず、乾燥効率が悪い。10.0質量%より高いと、コーティング液の粘度が高くなり均一な厚みの塗膜を得ることが難しくなる。また、本発明に使用されるポリビニルアルコールの、20℃、4.0質量%の粘度は、10〜200mPa・sである。粘度は、JIS K 7117−1:1999に準じて、B型粘度計にて求めることができる。なお、粘度計の校正にはJIS Z 8809:2011に規定する標準液を使用する。本発明に使用されるポリビニルアルコールの、20℃、4.0質量%の粘度が10mPa・sより低いと、コーティング液を塗工する際に液が流れてしまい、はじきが生じやすい。また、200mPa・sより高いと、コーティング液が均一に塗工できず、均一な厚みの塗膜を得ることが難しくなり、外観不良となる可能性がある。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートは、容器の蓋材に成形され使用されるが、蓋の内側にポリビニルアルコールの塗膜が形成された面が向くように成形される。ポリビニルアルコールは水溶性高分子であるため、食品を入れた容器を電子レンジで加熱する際、水分が蓋内側に付着しても、付着した水滴が濡れ広がるため曇りを生じにくい。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートは、耐油性に優れるため、ポリスチレン系樹脂に対する侵食力が最も強い中鎖脂肪酸油(MCT)をはじめ、様々な食用油に対して優れた耐油性能を示す。
ポリビニルアルコールからなるコーティング液は、本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂の耐油性や透明性等の諸物性を損なわない範囲で、消泡剤、界面活性剤、防腐剤、光安定剤等公知の添加剤を含有させることもできる。この場合、添加剤の含有量は20.0質量%以下が好ましく、さらには10.0質量%以下が好ましい。また、ポリビニルアルコールからなるコーティング液は、塗工性や乾燥効率を良くするために、水溶性の有機溶媒を含んでいてもよい。水溶性の有機溶媒としては、アルコール、アセトン等が挙げられる。この場合、水溶性の有機溶媒の含有量は、コーティング液の溶媒において10.0質量%以下が好ましく、さらには5.0質量%以下が好ましい。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートは、ポリビニルアルコールの塗膜が形成された面とは反対の面に、離型剤が塗工されていてもよい。離型剤としては、シリコーンエマルジョン、ショ糖脂肪酸エステル、水溶性高分子、界面活性剤からなるコーティング液を使用することができる。この場合、シリコーンエマルジョンとしては、ポリシロキサン骨格で、両端または片端がメチル基、あるいはフェニル基であるシリコーンオイルからなるものが有効である。ショ糖脂肪酸エステルとしては、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の炭素数6〜30の飽和脂肪酸のエステルや、リンデン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、イソオレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸等の炭素数10〜24の不飽和脂肪酸のエステルが挙げられ、これら脂肪酸エステルは単独でも併用してもよい。その中でも炭素数が10〜14の脂肪酸のエステルが有効である。水溶性高分子としては、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコール共重合体樹脂が好ましい。界面活性剤としては特に制限はないが、シート表面に静電気が帯電しやすいため、帯電防止性を発揮する界面活性剤がよい。その中でポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキル硫酸エステル塩が好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの場合の脂肪酸としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の炭素数6〜30の飽和脂肪酸、リンデン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、イソオレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素数10〜24の不飽和脂肪酸が挙げられる。その中でも炭素数が10〜14の脂肪酸が好ましい。
本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートは、公知の手法により食品包装容器とすることができる。例えば、シートを加熱してやわらかくし、型の中の空気を吸引し大気圧で型に押し付けて成形する真空成形や、真空成形で型の中の空気を吸引する時、同時に上から圧縮空気を送ってシートを金型に密着させる圧空成形等の方法が挙げられる。
[重合度の測定]
JIS K 6726:1994に準じて、ポリビニルアルコールを水酸化ナトリウムにて完全にケン化した後、粘度計を用いて水との相対粘度を求め、計算によって平均重合度を求めた。
[ケン化度の測定]
JIS K 6726:1994に準じて、ポリビニルアルコールを溶解後、滴定法により残存酢酸基の定量を行い、計算によってケン化度を求めた。
[粘度の測定]
JIS K 7117−1:1999に準じて、B型粘度計にて、20℃、4.0質量%のポリビニルアルコール水溶液の粘度を測定した。
[残存酢酸ナトリウム濃度の測定]
JIS K 6726:1994に準じて、ポリビニルアルコールを溶解後、指示薬を添加し、塩酸滴定法により測定した。単位は原試料に対する質量%である。
[重量平均分子量の測定]
テトラヒドロフランを溶媒としてポリスチレン系樹脂を溶解し、2質量%の溶液を作製し測定サンプルとした。カラムとしてPL gel MIXED−B(Polymer Labolatories社製)を3本直列でつなぎ、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)を使って、40℃にて重量平均分子量を測定した。
[シート成膜性の評価]
φ40mmのシート押出し機(田辺プラスチック機械社製)で樹脂を240℃で溶融混練し、T−ダイより押出し、無延伸シートを得た。得られた無延伸シートを、二軸延伸試験装置(東洋精機社製)にて、ビカット軟化点+30℃の温度、300mm/minの速度で縦横に延伸してシートを得た。なお、ビカット軟化点は、JIS K 7206:1999に準じて、昇温速度50℃/h、荷重50Nの条件で求めることができる。得られたシートの状態を目視にて下記A〜Eの5段階で評価した。
A:透明かつ平滑なシートである
B:平滑だがわずかに不透明なシートである
C:平滑ではない
D:延伸および冷却時に割れや破断が生じる
E:延伸および冷却時に割れや破断が生じシートが得られない
[配向緩和応力の測定]
ASTM D1504に準じて、ポリスチレン系樹脂シートのシート押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)の配向緩和応力を測定した。
[引裂き強度の評価]
JIS K 7128−2:1998に準じて、シート押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)の最大引き裂き荷重を測定した。縦横の平均値を求め、下記A〜Cの3段階で評価した。
A:1500N/cm以上
B:1300N/cm以上、1500N/cm未満
C:1300N/cm未満
[耐折性の評価]
ASTM D2176に準じて、シート押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)の耐折曲げ強さを測定した。縦横の平均値を求め、下記A〜Cの3段階で評価した。
A:10回以上
B:5回以上、10回未満
C:5回未満
[塗工外観の評価]
ポリスチレン系樹脂シートにコーティング液を塗工した後、塗工面の外観を、下記A〜Cの3段階で評価した。
A:塗工面は平滑で透明である
B:不透明さがあるが、シートを通して反対側を視認可能である
C:シートを通して反対側を視認不良である
[防曇性の評価]
(株)脇坂エンジニアリング社製の熱板成形機(HPT−460S)を用いて、ポリスチレン系樹脂シートを、弁当蓋の形状の金型(天面200×150mm、高さ30mm)で成形した。
得られた蓋容器に対応する容器本体に、1cm間隔の格子柄のシート(格子の線の太さは2mm)を貼付け、水300gを入れた後、得られた蓋容器をかぶせ、出力1500Wの電子レンジで1分間加熱した。加熱後に蓋容器を通した格子柄の見えやすさを、目視にて下記A〜Dの4段階で評価した。
A:格子柄がはっきり見える
B:わずかに格子柄が揺らいで見える
C:格子柄の揺らぎが多く、ぎらつく
D:全体的に曇った状態で、格子柄がはっきり見えない
[熱変形率の評価]
防曇性の評価にて成形した弁当蓋の容器の縦、横の寸法を測定し、110℃に設定したオーブンに30分間入れた。オーブン加熱後の容器の縦、横の寸法を測定し、縦、横それぞれについて、加熱前の寸法に対する、加熱前後での寸法差の割合を求め、熱変形率とした。縦、横の熱変形率のうち大きい方の値により、熱変形率を下記A〜Cの3段階で評価した。
A:変形率が2%未満
B:変形率が2%以上〜5%未満
C:変形率が5%以上
[臭気の評価]
防曇性の評価にて成形した弁当容器を使い、容器本体に水300gを入れ、蓋容器をかぶせて出力1500Wの電子レンジで1分間加熱した後、蓋を開けたときの臭いを官能評価した。
A:まったく酢酸の臭いはしない
B:わずかに酢酸の臭いを感じる
C:鼻につくほどの酢酸の臭いを感じる
[電子レンジ使用適性の評価]
防曇性の評価にて成形した弁当容器を使い、蓋の内側中央に2×2cmで中鎖脂肪酸油(花王(株)製 ココナードML)を付けた。容器本体に水300gを入れ、蓋容器をかぶせて出力1500Wの電子レンジで1分間加熱した後、中鎖脂肪酸油付着部分の様子を目視にて下記A〜Cの3段階で評価した。
A:変化なし
B:白化あり
C:穴あき
[実施例1]
メタクリル酸含有量が10.0質量%のスチレン−メタクリル酸共重合体(重量平均分子量20万)をφ40mmのシート押出し機(田辺プラスチック機械社製)に供給し280℃で溶融混練し、T−ダイより押出し無延伸シートを得た。得られた無延伸シートを、二軸延伸試験装置(東洋精機社製)にて、ビカット軟化点+30℃の温度にて、300mm/minの速度で縦、横方向にそれぞれ2.5倍延伸した後、厚みが0.3mmのポリスチレン系樹脂シートを得た。得られたシートの最大配向緩和応力は縦横ともに0.6MPa、最大配向緩和応力のピーク温度は131℃であった。
得られたポリスチレン系樹脂シートの片方の面に、ポリビニルアルコール(重合度1700、ケン化度98モル%、4.0質量%での粘度28mPa・s(20℃)、酢酸ナトリウム残存率0.5質量%以下)を、1.0質量%の濃度でバーコーターにて塗工し、90℃で乾燥して、300mg/mの塗膜を形成し、耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得た。
得られた耐油性ポリスチレン系樹脂シートについて、成膜性、引裂き強度、耐折性、塗工外観、防曇性、熱変形率、臭気、電子レンジ使用適性を評価した。
ポリスチレン系樹脂の特性値およびシート物性、コーティング液、耐油性ポリスチレン系樹脂シートの性能評価については、表1に記載した。
[実施例2]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が8.0質量%、重量平均分子量が20万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が127℃であるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例3]
延伸倍率を変えて、縦方向に1.5倍、横方向に1.5倍とし、最大配向緩和応力が縦0.3MPa、横0.2MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例2と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例4]
延伸時の温度条件を変えて成膜し、最大配向緩和応力が縦0.8MPa、横0.9MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例2と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例5]
スチレン−メタクリル酸系共重合体の重量平均分子量が15万であるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例6]
スチレン−メタクリル酸系共重合体の重量平均分子量が20万であるポリスチレン系樹脂シートを用いて、重合度が2600、ケン化度が99モル%、4.0質量%での粘度(20℃)が64mPa・sであるポリビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例7]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が6.0質量%、重量平均分子量が40万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が123℃、最大配向緩和応力が縦横ともに0.7MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例8]
ポリビニルアルコールを、重合度1700、ケン化度85モル%、4.0質量%での粘度(20℃)23mPa・s、酢酸ナトリウム残存率0.5質量%以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例9]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が13.0質量%、重量平均分子量が20万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が137℃、最大配向緩和応力が縦横ともに0.6MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例10]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が15.0質量%、重量平均分子量が20万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が141℃、最大配向緩和応力が縦横ともに0.5MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例11]
無水マレイン酸含有率が10.0質量%のスチレン−無水マレイン酸系共重合体(重量平均分子量が25万)であり、最大配向緩和応力のピーク温度が133℃、最大配向緩和応力が縦横ともに0.6MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例12]
ポリビニルアルコールの塗膜を1000mg/m形成した以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例13]
ポリビニルアルコールの塗膜を600mg/m形成した以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例14]
ポリビニルアルコールの塗膜を100mg/m形成した以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[実施例15]
ポリビニルアルコールの塗膜を30mg/m形成した以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例1]
ポリスチレン(重量平均分子量30万)を用いて、最大配向緩和応力のピーク温度が112℃、最大配向緩和応力が縦横ともに0.5MPaのポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例2]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が3.0質量%、重量平均分子量が20万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が117℃であるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例3]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が18.0質量%、重量平均分子量が20万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が147℃であるポリスチレン系樹脂を用いて、縦方向に2.5倍、横方向に2.5倍延伸し、シートを作製しようと試みたが、シートが脆く割れてしまい、成膜できなかった。
[比較例4]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が10.0質量%、重量平均分子量が10万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が131℃、最大配向緩和応力が縦横ともに0.5MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例5]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が10.0質量%、重量平均分子量が13万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が131℃、最大配向緩和応力が縦横ともに0.6MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例6]
スチレン−メタクリル酸系共重合体のメタクリル酸含有量が6.0質量%、重量平均分子量が45万であり、最大配向緩和応力のピーク温度が123℃であるポリスチレン系樹脂を用いて、縦方向に2.5倍、横方向に2.5倍延伸し、シートを作製したが、シートにゲルやブツが混入しており、透明平滑なシートが得られなかった。
[比較例7]
延伸倍率を変えて、縦方向に1.2倍、横方向に対し垂直な方向に1.2倍とし、シートを作製しようと試みたが、延伸および冷却時に割れが生じやすかった。かろうじて得られたシートの最大配向緩和応力は0.1MPaであった。延伸倍率と最大配向緩和応力以外は実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例8]
延伸倍率を変えて、縦方向に6.0倍、横方向に対し垂直な方向に6.0倍とし、最大配向緩和応力が縦横ともに1.2MPaであるポリスチレン系樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例9]
延伸時の温度条件を変えて成膜し、最大配向緩和応力が縦横とも0.1MPaであるポリスチレン系樹脂シートを作製しようと試みたが、延伸および冷却時に割れが生じやすかった。かろうじて得られたシートについて、最大配向緩和応力以外は実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例10]
重合度が2000、ケン化度が80モル%、4.0質量%での粘度(20℃)が35mPa・s、酢酸ナトリウム残存率0.5質量%以下であるポリビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例11]
重合度が1000、ケン化度が86モル%、4.0室量%での粘度(20℃)が9mPa・s、酢酸ナトリウム残存率0.5%以下であるポリビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例12]
ポリビニルアルコールの塗膜を20mg/m形成した以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例13]
ポリビニルアルコールの塗膜を3200mg/m形成した以外は、実施例1と同様にして耐油性ポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例14]
重合度が2000、ケン化度が88モル%、4.0質量%での粘度(20℃)が30mPa・s、残存酢酸ナトリウム濃度が5.0質量%であるポリビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例15]
ポリビニルアルコールに代わりに、ポリエチレンエマルジョン(中央理化工業(株)製 アクアテックスEC−3500)を塗工した以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例16]
ポリビニルアルコールに代わりに、ポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成(株)製 アロンビスSX)の水溶液を塗工した以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例17]
ポリビニルアルコールに代わりに、カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製 CMCダイセル1110)の水溶液を塗工した以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例18]
ポリビニルアルコールに代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業(株)製 60SH−50)の水溶液を塗工した以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
[比較例19]
ポリビニルアルコールに代わりに、アクリル酸アルキル共重合体のエマルジョン(東亞合成(株)製 ジュリマーET−410)を塗工した以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂シートを得て、評価した。
Figure 2015113443

本発明の耐油性ポリスチレン系樹脂シートは、耐油性、耐熱性、剛性に優れ、熱板成形、真空成形などの方法で成形された容器は防曇性に優れ、臭気の問題がなく、耐熱性、耐油性に優れているので、特に電子レンジで加熱する食品の包装容器の用途に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. ポリスチレン系樹脂シートの片方の面に、重合度1500以上、ケン化度85モル%以上のポリビニルアルコールの塗膜を形成させてなることを特徴とする耐油性ポリスチレン系樹脂シート。
  2. ポリスチレン系樹脂がメタクリル酸または無水マレイン酸のいずれか一成分を5〜15質量%含み、重量平均分子量が15〜40万であることを特徴とする請求項1に記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シート。
  3. ポリスチレン系樹脂シートが二軸方向に延伸したシートであって、該シートの延伸倍率が1.5〜5.0倍であり、最大配向緩和応力のピーク温度が120〜150℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シート。
  4. ポリスチレン系樹脂シートの最大配向緩和応力が0.2〜1.0MPaであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シート。
  5. ポリビニルアルコールの塗工量が30〜3000mg/mであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シート。
  6. ポリビニルアルコールの、20℃、4.0質量%での水溶液粘度が10〜200mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シート。
  7. ポリビニルアルコールの残存酢酸ナトリウム濃度が1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の耐油性ポリスチレン系樹脂シートを成形してなる容器。
  9. 成形してなる容器が蓋材であることを特徴とする請求項8記載の容器。
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