JPWO2018012373A1 - 二軸延伸シートおよびその成形品 - Google Patents

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Abstract

透明性、強度、製膜性および成形性が良好で、生産性、耐熱性、耐油性、外観、防曇性に優れたスチレン系樹脂組成物からなる二軸延伸シートおよびその成形品を提供する。スチレン−メタクリル酸共重合体およびアクリル系樹脂を含有するスチレン系樹脂組成物からなり、スチレン−メタクリル酸共重合体とアクリル系樹脂との質量比が90/10〜97/3であり、スチレン−メタクリル酸共重合体は、スチレン単量体単位とメタクリル酸単量体単位を84/16〜94/6の質量比で含有し、スチレン−メタクリル酸共重合体の重量平均分子量が12万〜25万であり、アクリル系樹脂の重量平均分子量が100万〜700万であり、スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度が106〜132℃であり、二軸延伸シートの少なくとも一方の表面に、ショ糖脂肪酸エステルと水溶性高分子とを含有する被覆層を有している二軸延伸シートとその成形品である。

Description

本発明は、電子レンジで加熱する食品の包装容器の用途に好適に用いることができるスチレン系樹脂組成物からなる二軸延伸シートおよびその成形品に関するものである。
ポリスチレンの二軸延伸シートは、その透明性、剛性に優れることから、型成形されて主に軽量容器等の成形品に大量に使用されている。しかしながら、これらの容器は、耐熱性に劣ることから、沸騰水に直接接触する用途や、電子レンジで加熱する用途へはあまり使用されていない。そこで、原料であるポリスチレンに耐熱性を付与する試みがなされてきた。耐熱性を向上させたポリスチレンとしては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体またはスチレン−メタクリル酸共重合体(特許文献1、特許文献2)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(特許文献3、特許文献4)が挙げられる。これらは一般的にスチレン系耐熱性樹脂として知られており、透明性、剛性を損なわずに耐熱性を向上させている。
しかし、上記スチレン系耐熱性樹脂は通常のポリスチレンよりも溶融押出時の流動性が低く、樹脂の生産能力やシートの生産能力を上げることが難しい。上記スチレン系耐熱性樹脂の流動性を上げるためには、(i)押出温度を高くする方法、(ii)樹脂の分子量を下げる方法が考えられる。押出温度を高くすると、上記スチレン系耐熱性樹脂中のカルボン酸基が反応し、ゲル状の異物となってシートの品質低下を招く。また、樹脂の分子量を下げると、シート押出時のドローダウンが発生しやすくなり製膜が難しくなる。
押出温度を高くしつつ、ゲル発生を抑える方法としては、例えば押出時にゲル化防止剤を添加する方法が提案されている(特許文献5)。しかし、特許文献5に記載のゲル化防止剤は可塑剤としても働くため、得られるスチレン系樹脂シートの耐熱性、耐油性が低下する。そのため、これらの性能を低下させにくい添加剤を選定する必要がある。
また、スチレン系樹脂の分子量を下げつつ、製膜性を維持する方法としては、高分子量のポリスチレンを少量添加することにより、歪み硬化性を与える方法(特許文献6)が知られている。しかし、特許文献6に記載の高分子量のポリスチレンは前記スチレン系耐熱性樹脂とは相溶性が低く、期待する歪み硬化性が出にくいほか、得られるシートの透明性が低下する欠点を持つ。そこで、互いに相溶性を有するスチレン系耐熱性樹脂と高分子量ポリマーの組み合わせを新たに選定する必要がある。
また、前記スチレン系耐熱性樹脂はシート強度、特に耐折性、耐衝撃性が低く、樹脂の分子量を下げることによって更に低下する。前記スチレン系耐熱性樹脂は、耐折性、耐衝撃性が低いことにより、特に成形工程において通紙が難しい、型抜きが困難である、切り粉が出やすいなどの不具合が発生しやすく、成形容器の生産性が低下する。
これらの理由から、透明性、強度を有しつつ、製膜性、成形性が良好で、生産性に優れ、耐熱性、耐油性に優れたスチレン系樹脂からなる延伸シートが求められている。
また、スチレン系樹脂からなる延伸シートの主要な用途である食品容器等の包装容器においては、透明な外観が重視され、微小な水滴によって曇ることが少ないといった防曇性も求められている。
米国特許第3035033号明細書 特開2003−12734号公報 特公昭59−15133号公報 特開昭55−71530号公報 特開昭56−161409号公報 特開2011−225866号公報
本発明の課題は、透明性、強度、製膜性および成形性が良好で、生産性、耐熱性、耐油性に優れ、外観、防曇性にも優れたスチレン系樹脂組成物からなる二軸延伸シートおよびその成形品を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべくスチレン系樹脂シートの成分や組成について鋭意検討を重ねた。その結果、スチレン−メタクリル酸共重合体をベースとし、高分子量アクリル系樹脂を所定量添加した樹脂を用いること、および適切な防曇剤を選択することによって、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
(1)スチレン−メタクリル酸共重合体(A)およびアクリル系樹脂(B)を含有するスチレン系樹脂組成物からなる二軸延伸シートであって、前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)と前記アクリル系樹脂(B)との質量比(A)/(B)が90/10〜97/3であり、前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)は、スチレン単量体単位とメタクリル酸単量体単位を84/16〜94/6の質量比で含有し、前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)の重量平均分子量が12万〜25万であり、前記アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が100万〜700万であり、前記スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度が106〜132℃であり、前記二軸延伸シートの少なくとも一方の表面に、ショ糖脂肪酸エステル(C)と水溶性高分子(D)とを含有する被覆層を有していることを特徴とする二軸延伸シート。
(2)前記アクリル系樹脂(B)が、メタクリル酸メチル単量体単位とアクリル酸ブチル単量体単位を含有する前記(1)に記載の二軸延伸シート。
(3)前記アクリル系樹脂(B)が、メタクリル酸メチル単量体単位とアクリル酸ブチル単量体単位を65/35〜85/15の質量比で含有する前記(2)に記載の二軸延伸シート。
(4)ゴム成分を含有する耐衝撃性スチレン系樹脂(E)を、前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)および前記アクリル系樹脂(B)の合計に対して3質量%以下の割合で更に含有する前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
(5)前記ゴム成分は、前記二軸延伸シート中の含有量が0.05〜0.3質量%であり、平均ゴム粒子径が1.2〜12.0μmである前記(4)に記載の二軸延伸シート。
(6)前記スチレン系樹脂組成物中のスチレン単量体の含有量が1000ppm以下、メタクリル酸単量体の含有量が150ppm以下である前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
(7)厚みが0.1〜0.7mmであり、縦方向と横方向の延伸倍率がそれぞれ1.8倍〜3.2倍であり、縦方向と横方向の配向緩和応力がそれぞれ0.3〜1.2MPaである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
(8)前記被覆層におけるショ糖脂肪酸エステル(C)と水溶性高分子(D)の質量比(C)/(D)が80/20〜50/50である前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
(9)前記ショ糖脂肪酸エステル(C)が、ショ糖ラウリン酸エステル(F)と、脂肪酸部分の炭素数が16以上、脂肪酸部分の不飽和度が1以下、HLB値が12以上であるショ糖脂肪酸エステル(G)とを含有する混合物である前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
(10)前記ショ糖ラウリン酸エステル(F)と前記ショ糖脂肪酸エステル(G)の質量比(F)/(G)が90/10〜99/1である前記(9)に記載の二軸延伸シート。
(11)前記水溶性高分子(D)の重合度が300〜2000である前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
(12)前記被覆層の単位面積あたりの形成量が10〜150mg/mである前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
(13)前記二軸延伸シートの少なくとも一方の最外表面に、シリコーンを含有する表面層を更に有し、前記表面層の単位面積あたりの形成量が3〜30mg/mである前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
(14)前記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の二軸延伸シートからなる成形品。
(15)食品包装容器である前記(14)に記載の成形品。
(16)電子レンジ加熱用食品包装容器である前記(15)に記載の成形品。
本発明の二軸延伸シートおよびその成形品は、透明性、強度、製膜性および成形性が良好であり、耐熱性、耐油性に優れている。本発明の二軸延伸シートおよびその成形品は、成膜性および成形性に優れていることから生産性にも優れている。本発明の二軸延伸シートおよびその成形品は、電子レンジで加熱する食品の包装容器に好適に用いることができる。また、本発明の二軸延伸シートおよびその成形品は、外観、防曇性にも優れている。
本発明の実施形態について以下説明する。但し、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の二軸延伸シートは、スチレン−メタクリル酸共重合体(A)とアクリル系樹脂(B)とを所定の質量比で混合したスチレン系樹脂組成物からなる。本発明の二軸延伸シートは、前記スチレン系樹脂組成物を押出成形し、得られた未延伸シートを二軸延伸することによって得ることができる。以下、スチレン系樹脂組成物の各成分について説明する。
(スチレン−メタクリル酸共重合体(A))
本発明におけるスチレン系樹脂組成物は、スチレンとメタクリル酸とを共重合させてなるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)を含有する。本発明に用いるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)において、スチレンとメタクリル酸の共重合比率は、所望とする耐熱性と機械的強度等によって種々設定可能である。耐熱性、機械的強度、シートにしたときの透明性のバランスに優れた樹脂が容易に得られる点から、スチレン単量体単位とメタクリル酸単量体単位の合計量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位とメタクリル酸単量体単位を84/16〜94/6の質量比で含有することが必要である。メタクリル酸単量体単位の含有量が6質量%未満であると、耐熱性が不足して、電子レンジ加熱時に穴あき、変形が起こりやすくなる。メタクリル酸単量体単位の含有量は、好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは9質量%以上である。一方、メタクリル酸単量体単位の含有量が16質量%を超えると、製膜時の流動性の低下、二次成形時の賦型性の低下などの加工性の低下に加え、ゲル発生による外観低下が起こりやすくなる。メタクリル酸単量体単位の含有量は、好ましくは14質量%以下、さらに好ましくは13質量%以下である。また、スチレン−メタクリル酸共重合体(A)は、必要に応じて、発明の効果を損なわない限りにおいて、スチレンとメタクリル酸以外の他の単量体を適宜、共重合させてもよい。他の単量体の含有率は10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5%質量以下、さらに好ましくは3質量%以下である。他の単量体の含有率が10質量%を超えるとスチレンまたはメタクリル酸の比率が低下し、十分な透明性、機械的強度及び耐熱性が得られない場合がある。
スチレン−メタクリル酸共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、12万〜25万であり、好ましくは14万〜22万、より好ましくは15万〜20万である。重量平均分子量が12万未満であると、流動性が過剰であり、シートのドローダウンやネックインが発生し易くなり、製膜性が低下するおそれがある。また、重量平均分子量が25万を超えると、流動性が不足し、製膜時の厚みムラやダイラインが発生し易くなり、シート外観が低下するおそれがある。
また、スチレン−メタクリル酸共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnは、2.0〜3.0であることが好ましく、より好ましくは2.2〜2.8である。Mw/Mnが3.0を超えると、容器成形時の熱板接触による表面荒れが発生し易くなる。一方、Mw/Mnが2.0未満であると、流動性低下による製膜時の厚みムラや容器成形時の賦型不良が発生し易くなる。また、Z平均分子量(Mz)とMwとの比Mz/Mwは、1.5〜2.0であることが好ましく、より好ましくは1.6〜1.9である。Mz/Mwが1.5未満であると、シートのドローダウンやネックインが発生し易くなり、製膜性が低下したり、延伸配向の不足が発生し易くなる。一方、Mz/Mwが2.0を超えると、流動性低下による製膜時の厚みムラやダイラインが発生し易くなり、シート外観が低下するおそれがある。
なお、上述の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)は、GPC測定にて、以下の方法にて単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−B
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
スチレン−メタクリル酸共重合体(A)の重合方法としては、ポリスチレン等で工業化されている塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法等の公知の重合方法が挙げられる。品質面や生産性の面では、塊状重合法、溶液重合法が好ましく、連続重合であることが好ましい。溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレン等のアルキルベンゼン類やアセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が使用できる。
スチレン−メタクリル酸共重合体(A)の重合時に、必要に応じて重合開始剤、連鎖移動剤を使用することができる。重合開始剤としては、有機過酸化物を使用することができる。有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾネート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、エチル−3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられる。連鎖移動剤の具体例としては、脂肪族メルカプタン、芳香族メルカプタン、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマーおよびテルピノーレン等が挙げられる。
(アクリル系樹脂(B))
本発明におけるアクリル系樹脂(B)は、アクリル酸およびそのエステルや、メタクリル酸およびそのエステルを重合してなる超高分子量の単独重合体または共重合体である。
上記アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。上記メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルが好ましく、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルが特に好ましい。アクリル系樹脂(B)は、上記のアクリル酸およびそのエステルや、メタクリル酸およびそのエステルの中のいずれかの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
メタクリル酸エステルとしてメタクリル酸メチルを用いたアクリル系樹脂(B)の場合、メタクリル酸メチルの含有量は、65〜85質量%が好ましく、より好ましくは70〜80質量%、さらに好ましくは72〜78質量%である。メタクリル酸メチルの含有量が65質量%未満であると、前記スチレン-メタクリル酸共重合体(A)との混合時にシートの透明性が低下するおそれがある。一方、メタクリル酸メチルの含有量が85質量%を超えると、後述のアクリル酸ブチルの含有量が低下し、アクリル系樹脂の不溶化物が発生しやすくなる。
また、アクリル酸エステルとしてアクリル酸ブチルを用いたアクリル系樹脂(B)の場合、アクリル酸ブチルの含有量は、15〜35質量%が好ましく、より好ましくは20〜30質量%、さらに好ましくは22〜28質量%である。アクリル酸ブチルの含有量が15質量%未満であると、アクリル系樹脂(B)の流動性が低下することにより、アクリル系樹脂の不溶化物が発生しやすくなる。一方、アクリル酸ブチルの含有量が35質量%を超えると、上記メタクリル酸メチルの含有量が低下し、シートの透明性が低下するおそれがある。
従って、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルを用いたアクリル系樹脂(B)の場合、メタクリル酸メチル単量体単位とアクリル酸ブチル単量体単位を65/35〜85/15の質量比で含有するアクリル系樹脂(B)が好ましい。
また、アクリル系樹脂(B)のガラス転移点は、40〜100℃が好ましく、より好ましくは50〜90℃、さらに好ましくは60〜80℃である。ガラス転移点が低すぎると前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)との混合時に耐熱性が低下する可能性がある。また、高すぎると前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)との混合時にアクリル樹脂が溶融しにくくなり、均一に混合しにくくなる可能性がある。
アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、100万〜700万であり、好ましくは120万〜600万であり、より好ましくは150万〜500万である。アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が100万未満では電子レンジ加熱に対する耐久性が十分ではない。一方、アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が700万を超えるとアクリル系樹脂(B)の不溶化物がゲルとして発生し、二軸延伸シートの外観を損ねる。アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量の測定は、前記のスチレン−メタクリル酸共重合体(A)の重量平均分子量の測定方法に準じて行うことができる。
アクリル系樹脂(B)の重合方法としては、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、微細懸濁重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等の公知の重合方法が挙げられる。これらの重合方法の中でも、高分子量体の生成が容易であることから、乳化重合が好ましい。
アクリル系樹脂(B)を乳化重合によって製造するときの乳化剤としては、公知の乳化剤を用いることができる。例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、高分子乳化剤、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する反応性乳化剤が挙げられる。
(スチレン系樹脂組成物)
本発明におけるスチレン系樹脂組成物は、スチレン−メタクリル酸共重合体(A)およびアクリル系樹脂(B)を含有している。スチレン系樹脂組成物におけるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)とアクリル系樹脂(B)との質量比(A)/(B)は、90/10〜97/3である。質量比(A)/(B)は、好ましくは91/9〜96/4であり、より好ましくは93/7〜95/5である。アクリル系樹脂(B)の含有量が3質量%未満では電子レンジ加熱に対する耐久性が十分ではない。一方、アクリル系樹脂(B)の含有量が10質量%を超えると、アクリル系樹脂の不溶化物がゲルとして発生し、二軸延伸シートの外観を損ねる。
スチレン系樹脂組成物には、外観および透明性を損ねない程度の量のゴム成分を含有する耐衝撃性スチレン系樹脂(E)を添加してもよい。耐衝撃性スチレン系樹脂(E)を添加することにより、シートの脆性、容器のブロッキング性を改善することができる。
耐衝撃性スチレン系樹脂(E)としては、ゴム成分が含まれるスチレン系樹脂であれば良く、スチレンの単独重合体中にゴム成分が含まれているもの、スチレン−メタクリル酸共重合体中にゴム成分が含まれているもの等、いずれも好適に用いることができる。ゴム成分は、マトリックス樹脂となるポリスチレンやスチレン−メタクリル酸共重合体中に、独立して粒子状になって分散していてもよいし、ゴム成分にポリスチレンやスチレン−メタクリル酸共重合体がグラフト重合して粒子状に分散しているものであってもよい。
ゴム成分としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体などが挙げられる。特に、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
耐衝撃性スチレン系樹脂(E)の含有量は、シートの外観および透明性を維持するため、スチレン−メタクリル酸共重合体(A)およびアクリル系樹脂(B)の合計量に対して3質量%以下であることが好ましい。また、シートの脆性、容器のブロッキング性の改善効果を十分に与えるため、スチレン−メタクリル酸共重合体(A)およびアクリル系樹脂(B)の合計量に対して0.5質量%以上であることが好ましい。
耐衝撃性スチレン系樹脂(E)に由来するゴム成分の含有量は、二軸延伸シート中のゴム成分の含有量として0.05〜0.3質量%であることが好ましく、0.07〜0.2質量%であることがより好ましい。ゴム成分の含有量が0.05質量%未満ではシート脆性の改善効果が十分発揮できないおそれがある。一方、ゴム成分の含有量が0.3質量%を超えるとシートの透明性が低下するおそれがある。また、二軸延伸シート中のゴム成分の平均ゴム粒子径は、1.2〜12μmであることが好ましい。平均ゴム粒子径が1.2μm未満ではシート脆性の改善効果が十分発揮できないおそれがある。一方、平均ゴム粒子径が12μmを超えるとシートの透明性が低下するおそれがある。
二軸延伸シート中のゴム成分の含有量は、二軸延伸シートをクロロホルムに溶解し、一塩化ヨウ素を加えてゴム成分中の二重結合を反応させた後、ヨウ化カリウムを加え、残存する一塩化ヨウ素をヨウ素に変え、チオ硫酸ナトリウムで逆滴定する一塩化ヨウ素法によって測定される。
二軸延伸シート中のゴム成分の平均ゴム粒子径は、超薄切片法にて観察面がシート平面と平行方向となるよう切削し、四酸化オスミウム(OsO)にてゴム成分を染色した後、透過型顕微鏡にて粒子100個の粒子径を測定し、以下の式により算出した値である。
平均ゴム粒子径=Σni(Di)/Σni(Di)
ここで、niは測定個数、Diは測定した粒子径を示す。
スチレン系樹脂組成物中のスチレン単量体の含有量が1000ppm以下であり、メタクリル酸単量体の含有量が150ppm以下であることが好ましい。これらの単量体の含有量が規定量よりも多いと、シートを成形加工する際に成形加工機の金型等に付着し、成形品の外観を損ねたり、金型汚れを引き起こしてその後の成形容器の外観を損なう懸念がある。
なお、スチレン単量体およびメタクリル酸単量体の定量は、下記記載のガスクロマトグラフィーを用い、内部標準法にて測定した。
装置名:GC−12A(島津製作所社製)
カラム:ガラスカラム φ3[mm]×3[m]
定量法:内部標準法(シクロペンタノール)
スチレン系樹脂組成物は、ビカット軟化温度が106〜132℃の範囲であることが必要である。ビカット軟化温度が106℃未満であると、シートの耐熱性が不足し、電子レンジ加熱時に変形が起こりやすくなる。ビカット軟化温度は、好ましくは108℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。一方、ビカット軟化温度が132℃を超えると、製膜時および容器成形時の加工性が低下するおそれがある。ビカット軟化温度は、好ましくは128℃以下、さらに好ましくは126℃以下である。なお、ビカット軟化温度は、JIS K7206に準拠し、昇温速度50℃/hr、試験荷重50Nの条件で測定した。
さらに、本発明におけるスチレン系樹脂組成物には、用途に応じて各種添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ゲル化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、鉱油等の添加剤、ガラス繊維、カーボン繊維およびアラミド繊維等の補強繊維、タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウムなどの充填剤が挙げられる。また、上記スチレン系樹脂組成物をシート化したときの外観の観点から、酸化防止剤およびゲル化防止剤を単独または2種類以上を併用して配合することが好ましい。これらの添加剤は、スチレン−メタクリル酸共重合体(A)およびアクリル系樹脂(B)の重合工程または脱揮工程、造粒工程にて添加しても良いし、スチレン系樹脂組成物を製造するときに添加しても良い。
上記添加剤の添加量に制限はないが、スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度および透明性を損なわない範囲で添加することが好ましい。
ゲル化防止剤は、メタクリル酸の脱水反応によるゲル化反応を抑制する効果を有する。ゲル化防止剤としては、例えば、脂肪族アルコール等が有効である。一般的な脂肪族アルコールとして、7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、8−メチル−2−(4−メチルヘキシル)−1−デカノール、2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−4メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−(5,9−ジメチル)−1−デカノールなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)および1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクチル−3,3’−チオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルージートリデシル)ホスファイト、(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(オクタデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルフェニルオクチルホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)1,4−フェニレンージーホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイト、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン等の燐系酸化防止剤が挙げられる。
(二軸延伸シート)
本発明の二軸延伸シートは、次のような方法で製造することができる。まず、前記スチレン系樹脂組成物を押出機により溶融混練して、ダイ(特にTダイ)から押し出す。次に、縦方向(シート流れ方向、MD;Machine Direction)および横方向(シート流れ方向に垂直な方向、TD;Transverse Direction)の二軸方向に逐次又は同時で延伸することによって、二軸延伸シートが製造される。
二軸延伸シートの厚みは、シートおよび容器の強度、特に剛性を確保するために、0.1mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上である。一方、賦型性および経済性の観点から、二軸延伸シートの厚みは、0.7mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.6mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。
二軸延伸シートの縦方向および横方向の延伸倍率はそれぞれ、1.8〜3.2倍の範囲にあることが好ましい。延伸倍率が1.8倍未満では、シートの耐折性が低下し易い。一方、延伸倍率が3.2倍を超えると、熱成形時の収縮率が大きすぎることにより賦形性が損なわれる。
なお、本発明の延伸倍率の測定方法は、以下のとおりである。二軸延伸シートの試験片に対して、縦方向(MD)および横方向(TD)に100mm長の直線Yを引く。JIS K7206に準拠して測定したシートのビカット軟化温度より30℃高い温度のオーブンに、上記試験片を60分間静置し収縮させた後の、上記直線の長さZ[mm]を測定する。縦方向および横方向の延伸倍率(倍)は、それぞれ次式によって算出した数値である。
延伸倍率(倍)=100/Z
二軸延伸シートの縦方向および横方向の配向緩和応力はそれぞれ、0.3〜1.2MPaの範囲にあることが好ましい。配向緩和応力が0.3MPa未満ではシートの耐折性が低下するおそれがある。一方、配向緩和応力が1.2MPaを超えると熱成形時の収縮応力が大きすぎることにより賦形性が損なわれるおそれがある。
なお、本発明の二軸延伸シートの配向緩和応力は、ASTM D1504に準じて、シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化温度より30℃高い温度のシリコーンオイル中でのピーク応力値として測定した値である。
二軸延伸シート中のゲル含有量は、二次成形時の加工性、外観の観点から、少ないことが好ましい。具体的には、二軸延伸シート中に1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。また、二軸延伸シート中のモノマーおよびオリゴマーの合計の含有量は、加工性、外観、耐熱性の観点から、20000ppm以下であることが好ましく、10000ppmがより好ましく、5000ppm以下がさらに好ましい。
(被覆層)
本発明の二軸延伸シートは、その少なくとも一方の表面に、ショ糖脂肪酸エステル(C)と水溶性高分子(D)とを含有する被覆層を有している。ショ糖脂肪酸エステル(C)は、優れた防曇剤である。当該被覆層を有していることによって、二軸延伸シートは優れた防曇性を発揮することができる。
ショ糖脂肪酸エステル(C)は、ショ糖と脂肪酸とのエステルである。ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸などの炭素数6〜30程度の飽和脂肪酸、リンデン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、イソオレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素数10〜24程度の不飽和脂肪酸が挙げられ、これら脂肪酸は単独でも併用してもよい。これらの脂肪酸の中でもラウリン酸が好ましい。
さらに、ショ糖脂肪酸エステル(C)のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は、好ましくは13以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは15以上である。ここで、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、グリフィン法によって求められる。
ショ糖脂肪酸エステル(C)は、ショ糖ラウリン酸エステル(F)と、他の種類のショ糖脂肪酸エステルとの混合物であることがより好ましい。他の種類のショ糖脂肪酸エステルとしては、脂肪酸部分の炭素数が16以上、脂肪酸部分の不飽和度が1以下、HLB値が12以上であるショ糖脂肪酸エステル(G)であることが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステル(G)は、保管安定性に優れていることから、脂肪酸部分の炭素数が16以上であることが好ましく、18以上がより好ましい。また、ショ糖脂肪酸エステル(G)は、保管安定性(例えば保管後の外観、防曇性)に優れていることから、脂肪酸部分の不飽和度が1以下であることが好ましく、不飽和度0がより好ましい。また、ショ糖脂肪酸エステル(G)のHLB値は、外観(例えば、被覆層を塗工により形成した場合の外観)に優れるという観点から、12以上であることが好ましい。ショ糖脂肪酸エステル(G)のHLB値は、より好ましくは13以上であり、更に好ましくは14以上、最も好ましくは15以上である。このようなショ糖脂肪酸エステル(G)の脂肪酸の好ましい具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等が挙げられる。
ショ糖ラウリン酸エステル(F)とショ糖脂肪酸エステル(G)の質量比(F)/(G)は、90/10〜99/1であることが好ましい。上記の範囲にあるとき、外観(例えば塗工外観)および保管安定性(例えば保管後の外観、防曇性)の点でより優れた効果を有している。
水溶性高分子(D)は、ショ糖脂肪酸エステル(C)を含有する塗膜を二軸延伸シート上に形成するために用いられる。後記するように、水溶性の高分子であるため、水溶液として塗工することが可能である。
水溶性高分子(D)としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、コーンスターチ等を挙げることができる。これらの中でも、合成高分子であるポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸が性能的にばらつきが無く、好ましい。
水溶性高分子(D)の重合度は、300〜2000であることが好ましい。上記の重合度の範囲内にあるとき、塗工する際に、適度の粘度を有しており、取扱性、塗工膜の外観に優れている。ここで、重合度とは、重合体を構成する単量体の個数である。
被覆層におけるショ糖脂肪酸エステル(C)と水溶性高分子(D)の質量比(C)/(D)は、80/20〜50/50であることが好ましい。上記の範囲内にあるとき、塗工性に優れ、二軸延伸シートに防曇性を有効に付与することができる。
被覆層の単位面積あたりの形成量が10〜150mg/mであることが好ましい。被覆層の単位面積あたりの形成量は、より好ましくは20〜80mg/m、更に好ましくは30〜70mg/mである。上記の範囲にあるとき、防曇性、外観(例えば塗工外観、保管後の外観)の点で優れている。
被覆層は、例えば、ショ糖脂肪酸エステル(C)と水溶性高分子(D)とを溶媒に溶解させた塗工液を二軸延伸シートの少なくとも一方の表面に塗工することによって形成される。溶媒としては、水、アルコール等が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。溶媒としては、取扱い性の観点から、水が好ましい。塗工する方法は、特に限定されることはなく、ロールコーター、ナイフコーター、グラビアロールコーター等を用いて塗工する方法が挙げられる。また、被覆層は、噴霧、浸漬等によって形成されてもよい。
(表面層)
二軸延伸シートの少なくとも一方の最外表面に、シリコーンを含有する表面層を更に有していてもよい。表面層は、二軸延伸シートの表面に直接設けられてもよく、または被覆層等を介して二軸延伸シート上に設けられていてもよい。最外表面にシリコーンを含有する表面層を有していることによって、二軸延伸シートは優れた滑性を発揮することができる。ここで、シリコーンとは、ケイ素樹脂ともいい、シロキサン結合(-Si-O-Si-)を骨格(主鎖)としている高分子の総称である。必要に応じて、側鎖に種々の官能基が結合している。
シリコーンの23℃における粘度は、好ましくは1000〜30000mm/s、より好ましくは5000〜25000mm/sである。シリコーンの粘度をこの範囲にすることにより、保存後のシリコーン転写による防曇性低下を抑制しつつ、より良好な滑性を得ることができる。
表面層の単位面積当たりの形成量は、好ましくは3〜30mg/mであり、より好ましくは4〜25mg/mであり、更に好ましくは5〜20mg/mである。上記の範囲にあるとき、滑性、外観(例えば塗工外観、保管後の外観)の点で優れている。
表面層は、例えば、シリコーンを溶媒に溶解させた塗工液を二軸延伸シートの少なくとも一方の表面に塗工することによって形成される。溶媒としては、水、アルコール等が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。溶媒としては、取扱い上は水が好ましい。溶液を塗工する方法は、特に限定されることはなく、ロールコーター、ナイフコーター、グラビアロールコーター等を用いて塗工する方法が挙げられる。また、表面層は、噴霧、浸漬等によって形成されてもよい。
(成形品)
本発明の二軸延伸シートから成形品を得る方法としては、特に制限はなく、従来の二軸延伸シートの二次成形方法において慣用されている方法を用いることができる。例えば、真空成形法や圧空成形法等の熱成形方法によって二次成形を行うことができる。これらの方法は例えば高分子学会編「プラスチック加工技術ハンドブック」日刊工業新聞社(1995)に記載されている。
本発明の二軸延伸シートの成形品の用途としては、各種の容器があり、各種物品の包装容器等に広く用いることができる。包装容器の中でも、食品包装容器や食品包装容器の蓋材が好適であり、特に当該食品が油脂を含む食品である場合に好適である。さらに、包装容器の中でも、電子レンジ加熱用食品包装容器が本発明の特徴が十分に発揮されるため、特に好ましい。
以下に実施例と比較例を用いて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実験例1)[スチレン−メタクリル酸共重合体(A−1)の製造]
内容量200Lのジャケット、攪拌機付きオートクレーブに純水100kg、ポリビニルアルコール100gを加え、130rpmで攪拌した。続いてスチレン72.0kg、メタクリル酸4.0kgおよびt−ブチルパーオキサイド20gを仕込み、オートクレーブを密閉して、110℃に昇温して5時間重合を行った(ステップ1)。また、4.0kgのメタクリル酸を、重合温度が110℃に達した時点から2時間かけて、均等に追加添加した(ステップ2)。さらに140℃で3時間保持し、重合を完結させた(ステップ3)。得られたビーズを洗浄、脱水、乾燥した後、押出し、表1に記載のペレット状のスチレン−メタクリル酸共重合体(A−1)を得た。これを熱分解ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、スチレン単量体単位/メタクリル酸単量体の質量組成比は、90/10であった。また、GPC測定により求めた数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)はそれぞれ、8.0万、20万、36万であった。
(実験例2〜13)[スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2〜13)の製造]
実験例1の各種原料仕込み量、重合時間を調整し、表1に記載の各種スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2〜13)を得た。
(実験例14)[アクリル系樹脂(B−1)の製造]
温度計、窒素導入管、冷却管および攪拌装置を備えたセパラブルフラスコ(容量5リットル)に、分散媒としてイオン交換水300質量部(3000グラム)、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.1質量部、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタン0.01質量部、単量体としてメタクリル酸メチル75質量部、アクリル酸ブチル25質量部を投入した。このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることにより、フラスコ内雰囲気の窒素置換を行なった。次いで、内温を60℃まで昇温させ、過硫酸カリウム0.15質量部、脱イオン水5質量部を加えた。その後、加熱攪拌を2時間継続して重合を終了し、アクリル系樹脂ラテックスを得た。
得られたアクリル系樹脂ラテックスを25℃まで冷却後、酢酸カルシウム5質量部を含む70℃の温水500質量部中に滴下した後、90℃まで昇温させて凝析させた。得られた凝析物を分離洗浄後、60℃で12時間乾燥させて、アクリル系樹脂(B−1)を得た。アクリル系樹脂(B−1)のガラス転移温度を、JIS K 7121:2012プラスチックの転移温度測定方法に準じた示差走査熱量測定(DSC)により測定したところ、60℃であった。また、GPC測定により求めた重量平均分子量(Mw)は300万であった。
(実験例15〜22)[アクリル系樹脂(B−2〜9)の製造]
実験例14の各種単量体、連鎖移動剤の仕込み量を調整し、表2に記載の各種アクリル樹脂(B−2〜9)を得た。
(実験例23)[耐衝撃性スチレン系樹脂(E−1)の製造]
ゴム状重合体として3.4質量%のローシスポリブタジエンゴム(旭化成社製、商品名ジエン55AS)を使用し、91.6質量%のスチレンと、溶剤として5.0質量%のエチルベンゼンに溶解して重合原料とした。また、ゴムの酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名イルガノックス1076)0.1質量部を添加した。この重合原料を翼径0.285mの錨型撹拌翼を備えた14リットルのジャケット付き反応器(R−01)に12.5kg/hrで供給した。反応温度は140℃、回転数は2.17sec−1で反応させた。得られた樹脂液は樹脂率は25%であった。得られた樹脂液を直列に配置した2基の内容積21リットルのジャケット付きプラグフロー型反応器に導入した。1基目のプラグフロー型反応器(R−02)では、反応温度が樹脂液の流れ方向に120〜140℃、2基目のプラグフロー型反応器(R−03)では、反応温度が樹脂液の流れ方向に130〜160℃の勾配を持つようにジャケット温度を調整した。R−02出口での樹脂率は50%、R−03出口での樹脂率は70%であった。ここで、樹脂率とは、下記式によって算出される。
樹脂率(%)=100×(生成したポリマー量)/{(仕込んだモノマー量)+(溶剤量)}
得られた樹脂液は230℃に加熱後、真空度5torrの脱揮槽に送られ、未反応単量体、溶剤を分離・回収した。その後、脱揮槽からギヤポンプで抜き出し、ダイプレートを通してストランドとした後、水槽を通してペレット化し、製品として回収した。得られた樹脂(E−1)のゴム成分含有量は10.0質量%、平均ゴム粒子径は2.0μmであった。
(実験例24〜31)[耐衝撃性スチレン系樹脂(E−2〜9)の製造]
実験例21の各種原料仕込み量を調整し、表3に記載の各種耐衝撃性スチレン系樹脂(E−2〜9)を得た。
Figure 2018012373
Figure 2018012373
Figure 2018012373
<実施例1>
スチレン−メタクリル酸共重合体(A−1)95.0質量%に、アクリル系樹脂(B−1)5.0質量%をブレンドし、これらの合計100質量%に対して耐衝撃性スチレン系樹脂(E−1)を1.0質量%を加えた。ペレット押出機(真空ベント付き二軸同方向押出機 TEM35B (東芝機械社製))を用い、押出温度230℃、回転数250rpm、ベント脱揮圧力−760mmHgにてダイプレートを通してストランドとした後、水槽にて冷却したのち、ペレタイザーを通してペレット化し、樹脂組成物を得た。なお、ベント脱揮圧力は、常圧に対する差圧値として示した。得られた樹脂組成物中のスチレン単量体の含有量は500ppm、メタクリル酸単量体の含有量は50ppmであった。また、ビカット軟化温度は116℃、JIS K7210のH条件(200℃、5kg)におけるメルトフローインデックス(MFI)は1.0g/10minであった。上記樹脂組成物をシート押出機(Tダイ幅500mm、リップ開度1.5mm、φ40mmのエキストルーダー(田辺プラスチック機械社製))を用い、押出温度230℃、吐出量20kg/hにて未延伸シートを得た。このシートをバッチ式二軸延伸機(東洋精機社製)を用いて、(ビカット軟化温度+30)℃に予熱し、歪み速度0.1/secで、MD2.4倍、TD2.4倍(面倍率5.8倍)に延伸し、表4に記載の二軸延伸シートを得た。得られたシートの厚みは0.3mm、延伸倍率(MD/TD)は2.4/2.4倍、配向緩和応力(MD/TD)は0.6/0.6MPaであった。
被覆層用の塗工液として、ショ糖ラウリン酸エステル(L−1570(三菱化学フーズ社製)を0.57質量%、ショ糖ステアリン酸エステル(S−1570、三菱化学フーズ社製)を0.03質量%、ポリビニルアルコール(クラレ社製、品番210、重合度1000、ケン化度88モル%、酢酸メチルとメタノールの残存率の合計が0.1%以下)0.40質量%を含む水溶液を調製した。
得られた二軸延伸シートの表面に、バーコーターを用いて、上記被覆層用の塗工液を5g/m塗布し、105℃のオーブンにて1分間乾燥させた。得られた被覆層の単位面積当たりの質量は、50mg/mであった。
表面層用の塗工液として、シリコーン(信越シリコーン社製、品番KM−9745A)0.2質量%を含む水溶液を調製した。被覆層を形成した二軸延伸シートの被覆層の上に、バーコーターを用いて、上記表面層用の塗工液を5g/m塗布し、105℃のオーブンにて1分間乾燥させた。得られた表面層の単位面積当たりの形成量は、10mg/mであった。
<実施例2〜84、比較例1〜8>
実施例1の樹脂の種類、配合量、樹脂組成物の押出条件、被覆層と表面層の種類、塗工量を適宜変更して、実施例1と同様にして、表6〜表13に記載の二軸延伸シートを得た。尚、これらの実施例、比較例の作製に用いたショ糖脂肪酸エステル(C)については、表4に各組成の試料C−1〜C−16を示した。また、水溶性高分子(D)については、表5に各材料の試料D−1〜D−9を示した。
Figure 2018012373
Figure 2018012373
得られた二軸延伸シートについて、以下に記載した方法にて各種性能を測定し、評価を行った。○、△、×の相対評価においては、○または△のときを合格と判定した。結果は表6〜表13に記載した。
(1)製膜性
未延伸シートにMD方向およびTD方向に20mm間隔で直線を5本ずつ格子状に引いた時の交点25点についてマイクロゲージを用いて厚みを測定し、その標準偏差σを下記基準で評価した。
○:σが0.03mm未満
△:σが0.03mm以上、0.07mm未満
×:σが0.07mm以上
(2)流動性(メルトフローレート)
JIS K7210のH条件(200℃、5kg)に従って測定した。
○:1.0g/10分以上かつ3.0g/10分未満
△:0.5g/10分以上かつ1.0g/10分未満、または、
3.0g/10分以上かつ5.0g/10分未満
×:0.5g/10分未満または5.0g/10分以上
(3)シート外観
二軸延伸シート350mm×350mmの範囲について、1)面積100mm以上のロール付着跡、2)面積10mm以上の気泡、3)透明および不透明異物、4)付着欠陥、5)幅3mm以上のダイライン(製膜時にTダイ出口で発生するシート流れ方向に走る欠陥)を欠点とし、欠点の個数を下記基準で評価した。
○:0個
△:1〜2個
×:3個以上
(4)延伸性
二軸延伸シートにMD方向およびTD方向に50mm間隔で直線を5本ずつ格子状に引いた時の交点25点についてマイクロゲージを用いて厚みを測定し、その標準偏差σを下記基準で評価した。
○:σが0.05mm未満
△:σが0.05mm以上、0.10mm未満
×:σが0.10mm以上
(5)透明性(ヘーズ)
JIS K−7361−1に準じ、ヘーズメーターNDH5000(日本電色社製)を用いて、二軸延伸シートのヘーズを測定した。
○:ヘーズ1.5%未満
△:ヘーズ1.5以上、3.0%未満
×:ヘーズ3.0%以上
(6)剛性
後記されるフードパックの本体に500gの錘を入れ、蓋をした弁当容器を5段重ね、24時間静置後の蓋材の変形状態を確認した。
○: 形状変化なし。
△: 変形有り。
×: 割れ有り。
(7)耐折性
ASTM D2176に準じて、シート押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)の耐折曲げ強さを測定し、最小値を求め、以下のように評価した。
○:5回以上
△:2回以上、5回未満
×:2回未満
(8)賦型性
熱板成形機HPT?400A(脇坂エンジニアリング社製)にて、熱板温度150℃、加熱時間2.0秒の条件で、フードパック(寸法 蓋:縦150×横130×高さ30mm、本体:縦150×横130×高さ20mm)を成形し、賦型性を下記基準にて評価した。
○:良好
△:コーナー部に僅かな形状不良
×:寸法と異なる形状またはコーナー部に著しい形状不良
(9)金型汚れ性
上記フードパックの成形時、金型等の汚れの転写を下記基準にて評価した。
○:転写なし(透明、白濁なし)
△:一部に転写あり(不透明、表面が白濁)
×:全体に転写あり(不透明、表面が白濁)
(10)耐熱性
上記成形条件で得られたフードパックを110℃に設定した熱風乾燥機に60分間入れた後、容器の変形を目視で観察した。
○:変形なし
△:軽微な変形、外寸変化5%未満
×:大変形、外寸変化5%以上
(11)耐油性
上記フードパックのヒンジ部にサラダ油(日清製油社製)、マヨネーズ(味の素社製)、ココナードML(登録商標、花王社製)の試験液をしみ込ませたガーゼ10×10mmを貼り付け、60℃オーブンにて24時間静置し、付着部の表面観察を行った。
○:変化無し
△:わずかに白化あり
×:著しい白化、割れあり
(12)電子レンジ加熱耐性
上記フードパックの蓋中央に5mm×5mmの範囲でマヨネーズを9点付着させ、容器本体に水300gを入れ、蓋容器をかぶせて1500Wの電子レンジで90秒間加熱した後、マヨネーズ付着部分の様子を目視で評価した。
○:変化なし
△:白化あり、容器がわずかに変形
×:穴あきあり、容器が著しく変形
(13)保管後の外観
二軸延伸シートを巻取、ロールの状態で23℃、6か月静置後、JIS K−7361−1に準じ、ヘーズメーターNDH5000(日本電色社)により測定した。
○:ヘーズ1.5%未満
△:ヘーズ1.5以上、3.0%未満
×:ヘーズ3.0%以上
(14)成形時の外観
二軸延伸シートを熱板成型機HPT−400A(脇坂エンジニアリング製)にて、熱板温度135℃、加熱時間2.0秒の条件で、弁当蓋(寸法 縦241×横193×高さ28mm)を成形した。成形品をJIS K−7361−1に準じ、ヘーズメーターNDH5000(日本電色社)により測定した。
○:ヘーズ1.5%未満
△:ヘーズ1.5以上、3.0%未満
×:ヘーズ3.0%以上
(15)防曇性(初期)
二軸延伸シートを熱板成型機HPT−400A(脇坂エンジニアリング製)にて、熱板温度135℃、加熱時間2.0秒の条件で、弁当蓋(寸法 縦241×横193×高さ28mm)を成形した。得られた容器の本体に95℃の水を50g入れ、蓋をし、23℃にて静置。10分後の内容物視認性を確認した。
○:内容物が鮮明に確認できる。
△:蓋部への露付により内容物が見えにくくなる。
×:蓋部への露付多く、内容物が判別つかない。
(16)保管後の防曇性
二軸延伸シートを巻取、ロールの状態で23℃、6か月静置後、熱板成型機HPT−400A(脇坂エンジニアリング製)にて、熱板温度135℃、加熱時間2.0秒の条件で、弁当蓋(寸法 縦241×横193×高さ28mm)を成形した。得られた容器の本体に95℃の水を50g入れ、蓋をし、23℃にて静置。10分後の内容物視認性を確認した。
○:内容物が鮮明に確認できる。
△:蓋部への露付により内容物が見えにくくなる。
×:蓋部への露付多く、内容物が判別つかない。
(17)滑性
容器天面から切り出したシートの食品接触面と食品非接触面を重ねた状態にて、JIS P 8147の紙及び板紙−静及び動摩擦係数の測定方法に準じた方法にて摩擦角(滑り始める角度)を測定した。
○:15°未満
△:15°以上、30°未満
×:30°以上
Figure 2018012373
Figure 2018012373
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Figure 2018012373
Figure 2018012373
Figure 2018012373
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表6〜表13の結果から、実施例1〜84はいずれも、本発明の規定を満足するものであり、製膜性(製膜性、流動性、シート外観、延伸性)、透明性、シート強度(剛性、耐折性)、成形性(賦型性、金型汚れ性)、耐熱性、耐油性、電子レンジ加熱耐性、保管後外観、成形時の外観、防曇性(初期)、防曇性(保管後)、滑性のいずれの性能においても、優れた性能を有するものであった。
一方、比較例1〜8は、スチレン−メタクリル酸共重合体(A)、アクリル系樹脂(B)、ビカット軟化温度のいずれかにおいて、本発明の規定を満足していないものであり、製膜性、流動性、シート外観、賦型性、耐熱性、耐油性、電子レンジ加熱耐性のうちのいずれかの性能において劣るものであった。

Claims (16)

  1. スチレン−メタクリル酸共重合体(A)およびアクリル系樹脂(B)を含有するスチレン系樹脂組成物からなる二軸延伸シートであって、
    前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)と前記アクリル系樹脂(B)との質量比(A)/(B)が90/10〜97/3であり、
    前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)は、スチレン単量体単位とメタクリル酸単量体単位を84/16〜94/6の質量比で含有し、
    前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)の重量平均分子量が12万〜25万であり、
    前記アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が100万〜700万であり、
    前記スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度が106〜132℃であり、
    前記二軸延伸シートの少なくとも一方の表面に、ショ糖脂肪酸エステル(C)と水溶性高分子(D)とを含有する被覆層を有していることを特徴とする二軸延伸シート。
  2. 前記アクリル系樹脂(B)が、メタクリル酸メチル単量体単位とアクリル酸ブチル単量体単位を含有する請求項1に記載の二軸延伸シート。
  3. 前記アクリル系樹脂(B)が、メタクリル酸メチル単量体単位とアクリル酸ブチル単量体単位を65/35〜85/15の質量比で含有する請求項2に記載の二軸延伸シート。
  4. ゴム成分を含有する耐衝撃性スチレン系樹脂(E)を、前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)および前記アクリル系樹脂(B)の合計に対して3質量%以下の割合で更に含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  5. 前記ゴム成分は、前記二軸延伸シート中の含有量が0.05〜0.3質量%であり、平均ゴム粒子径が1.2〜12.0μmである請求項4に記載の二軸延伸シート。
  6. 前記スチレン系樹脂組成物中のスチレン単量体の含有量が1000ppm以下、メタクリル酸単量体の含有量が150ppm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  7. 厚みが0.1〜0.7mmであり、縦方向と横方向の延伸倍率がそれぞれ1.8倍〜3.2倍であり、縦方向と横方向の配向緩和応力がそれぞれ0.3〜1.2MPaである請求項1〜6のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  8. 前記被覆層におけるショ糖脂肪酸エステル(C)と水溶性高分子(D)の質量比(C)/(D)が80/20〜50/50である請求項1〜7のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  9. 前記ショ糖脂肪酸エステル(C)が、ショ糖ラウリン酸エステル(F)と、脂肪酸部分の炭素数が16以上、脂肪酸部分の不飽和度が1以下、HLB値が12以上であるショ糖脂肪酸エステル(G)とを含有する混合物である請求項1〜8のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  10. 前記ショ糖ラウリン酸エステル(F)と前記ショ糖脂肪酸エステル(G)の質量比(F)/(G)が90/10〜99/1である請求項9に記載の二軸延伸シート。
  11. 前記水溶性高分子(D)の重合度が300〜2000である請求項1〜10のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  12. 前記被覆層の単位面積あたりの形成量が10〜150mg/mである請求項1〜11のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  13. 前記二軸延伸シートの少なくとも一方の最外表面に、シリコーンを含有する表面層を更に有し、前記表面層の単位面積あたりの形成量が3〜30mg/mである請求項1〜12のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の二軸延伸シートからなる成形品。
  15. 食品包装容器である請求項14に記載の成形品。
  16. 電子レンジ加熱用食品包装容器である請求項15に記載の成形品。
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