JP2018048319A - 延伸シ−ト及び包装容器、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性、耐衝撃性、容器の外観、透明性及び耐油性に加え、金型離型性及びスタッキング防止性にも優れた延伸シートを提供する。【解決手段】芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)をモノマー単位として含む共重合体(A)と、ゴム成分に芳香族ビニル化合物(B1)をグラフト重合させたグラフト共重合体(B)と、を含有する樹脂組成物を延伸してなる樹脂層を備える延伸シートであって、樹脂層中のシアン化ビニル化合物(A2)のモノマー単位の含有量が、芳香族ビニル化合物(A1)、シアン化ビニル化合物(A2)及び芳香族ビニル化合物(B1)の各モノマー単位の合計量基準で10〜40質量%であり、樹脂層中のモノマー及びオリゴマーの含有量の合計値が1質量%未満、樹脂層中のゴム分が0.05〜0.6質量%、樹脂層中のゴム成分の体積平均粒子径が0.3〜12μm、体積平均扁平度が4〜25である、延伸シート。【選択図】なし

Description

本発明は、延伸シ−ト及び包装容器、並びにそれらの製造方法に関する。
従来、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、デパ−ト、弁当店等の店舗において、食料品や加工食品等を販売する際に使用される容器として、合成樹脂シ−トからなる包装容器が用いられている。
二軸延伸ポリスチレンシートは、透明性に優れ、剛性が高いため、食品包装容器分野で幅広く使用されているが、耐油性が低いという欠点がある。そこで、スチレンにアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物を共重合することで耐油性を向上させたスチレン系延伸シートが報告されている(特許文献1,2)。
特許文献1,2記載のスチレン−アクリロニトリル共重合体からなる延伸シートは、剛性が高く、それから得られる包装容器は荷重に対する形状安定性が高いという特徴をもつ。その反面、容器同士を積層した場合には汎用のポリスチレンからなるシートと同様にスタッキングを起こす懸念があり、更にスタッキングした容器を引き剥がす力はポリスチレンからなるシートよりも大きくなることから、結果として容器を引き剥がす際に複数枚めくれてしまうなどの不具合が生じやすい。
また、スチレンとシアン化ビニル化合物との共重合体からなる延伸シートは、上記の剥離のしにくさに加え、シアン化ビニル化合物の存在によりガラス転移点以上での金属との密着性が高く、金型を用いて熱成形する際に金型からの離型不良や離型した際の傷、へこみなどの外観不良につながる懸念が大きい。
上記問題に鑑み、金型離型性、容器のスタッキング防止性を付与した延伸シートの設計が必要となる。ポリスチレン系延伸シートにこれらの性能を付与する方法として、ハイインパクトポリスチレンを添加したポリスチレンを用いる方法(特許文献3)、延伸シートの表層に離型剤を塗布する方法(特許文献4)などが知られている。これらの手法は、汎用のスチレン系延伸シートについては有効であるものの、シアン化ビニル化合物との共重合からなる延伸シートについては十分な剥離性を付与することは難しい。
特開平10−7817号公報 特開2001−105489号公報 特開昭50−74649号公報 特開昭53−115781号公報
本発明は、これらの現状に鑑み、成形性、耐衝撃性、容器の外観、透明性及び耐油性に加え、金型離型性及びスタッキング防止性にも優れた延伸シート、及びそれを成形することにより得られる包装容器、並びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示す延伸シート及び包装容器、並びにそれらの製造方法を提供する。
(1)芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)をモノマー単位として含む共重合体(A)と、ゴム成分に芳香族ビニル化合物(B1)をグラフト重合させたグラフト共重合体(B)と、を含有する樹脂組成物を延伸してなる樹脂層を備える延伸シートであって、樹脂層中のシアン化ビニル化合物(A2)のモノマー単位の含有量が、芳香族ビニル化合物(A1)、シアン化ビニル化合物(A2)及び芳香族ビニル化合物(B1)の各モノマー単位の合計量基準で10〜40質量%であり、樹脂層中のモノマー及びオリゴマーの含有量の合計値が1質量%未満であり、樹脂層中のゴム分が0.05〜0.6質量%であり、樹脂層中のゴム状分散粒子の体積平均粒子径が0.3〜12μm、体積平均扁平度が4〜25である、延伸シート。
(2)樹脂層の膨潤度(SI)が7〜40である、(1)に記載の延伸シート。
(3)樹脂層中のゲル分(G)が0.1〜1質量%である、(1)又は(2)に記載の延伸シート。
(4)樹脂層中のメタノール可溶分(MS)が1質量%未満である、(1)〜(3)の何れかに記載の延伸シート。
(5)樹脂層中の溶剤可溶分の重量平均分子量(Mw)が10万〜25万である、(1)〜(4)の何れかに記載の延伸シート。
(6)樹脂層の少なくとも一方の面上に、ポリジメチルシロキサンを含有する離型剤層を更に備える、(1)〜(5)の何れかに記載の延伸シート。
(7)樹脂層の熱収縮率から求められる延伸倍率が1.8〜3.2倍、樹脂層の熱収縮応力が0.3〜1.5MPaである、(1)〜(6)の何れかに記載の延伸シート。
(8)衝撃強度が23℃において2.0J/mm以上である、(1)〜(7)の何れかに記載の延伸シート。
(9)延伸シートの最大厚みと最小厚みの差を平均厚みで割った値(R値)が15%以内である、(1)〜(8)の何れかに記載の延伸シート。
(10)グラフト共重合体(B)の膨潤度(SI)が10〜30である、(1)〜(9)の何れかに記載の延伸シート。
(11)延伸シートの少なくとも一方の面の算術平均粗さSaが0.005〜0.25μm、二乗平均平方根粗さSqが0.01〜0.5μmである、(1)〜(10)の何れかに記載の延伸シート。
(12)(1)〜(11)の何れかに記載の延伸シートの製造方法であって、共重合体(A)とグラフト共重合体(B)とを含有する樹脂組成物を二軸延伸する工程を備える、延伸シートの製造方法。
(13)(1)〜(11)の何れかに記載の延伸シートで形成された包装容器。
(14)(12)に記載の包装容器の製造方法であって、(1)〜(11)の何れかに記載の延伸シートを成形する工程を備える、包装容器の製造方法。
本発明によれば、成形性、耐衝撃性、容器の外観、透明性及び耐油性に加え、金型離型性及びスタッキング防止性にも優れた延伸シート、及びそれを成形することにより得られる包装容器、並びにそれらの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の延伸シートは、芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)をモノマー単位として含む共重合体(A)と、ゴム成分に芳香族ビニル化合物(B1)をグラフト重合させたグラフト共重合体(B)と、を含有する樹脂組成物を延伸してなる樹脂層を備えている。
シアン化ビニル化合物(A2)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができるが、好ましくはアクリロニトリルである。これらのシアン化ビニル化合物(A2)は、単独でもよく2種以上であってもよい。
芳香族ビニル化合物(A1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等を挙げることができるが、好ましくはスチレンである。これらの芳香族ビニル化合物(A1)は、単独でもよく2種以上であってもよい。
芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)をモノマー単位として含む共重合体(A)としては、上記モノマー単位のいずれの組み合わせからなる共重合体であってよいが、芳香族ビニル化合物(A1)がスチレンであり、シアン化ビニル化合物(A2)がアクリロニトリルであるアクリロニトリル−スチレン共重合体であることが最も好ましい。
本実施形態において、芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)をモノマー単位として含む共重合体(A)を含有する樹脂組成物を用いることにより耐熱性、耐油性の優れた延伸シートを得ることが出来る。
共重合体(A)において、シアン化ビニル化合物モノマー単位の含有量は、モノマー単位全量基準で、10〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは12〜36質量%、更に好ましくは18〜30質量%である。シアン化ビニル化合物(A2)のモノマー単位の含有量が10質量%未満であると、延伸シート及びその成形容器の耐熱性及び耐油性を満足できない。また、40質量%を超えるとシート製膜工程においてシアノ基の熱反応が起こりやすく、シートが黄色味を帯びることによって食品容器として用いたときに内容物の外観を損ねる。
共重合体(A)において、芳香族ビニル化合物モノマー単位の含有量は、モノマー単位全量基準で、好ましくは60〜90質量%であり、より好ましくは64〜88質量%であり、更に好ましくは70〜82質量%である。
共重合体(A)のビカット軟化点は、102〜112℃であることが好ましく、より好ましくは103〜111℃、更に好ましくは104〜110℃である。
なお、ビカット軟化点は、JIS K7206(1999)に従い、試験片として厚さ3.2mmの射出成形品を用い、荷重9.8N、昇温速度2℃/minで測定する。
共重合体(A)の含有量は、樹脂組成物全量基準で、97〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは98〜99.7質量%、更に好ましくは98.5〜99.5質量%である。
共重合体(A)は、必要に応じて芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)と共重合可能な、その他のビニル系モノマー単位を含んでいてもよい。その他のビニル系モノマー単位としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート等のアクリル酸エステルなどの単位が挙げられる。その他のビニル系モノマー単位の含有量は、特に限定されるものではないが、芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)のモノマー単位の含有量が上記範囲から外れない範囲であることが好ましい。
共重合体(A)は、芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)を重合させることにより得られる。重合方法は特に限定しないが、塊状連続重合又は溶液連続重合が好ましい。
塊状連続重合又は溶液連続重合法としては公知の例が採用できるが、エチルベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤を、芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)の合計100質量部に対して10〜40質量部添加して重合させるとより好ましい。
重合時には、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の有機過酸化物を添加しても差し支えなく、また、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン−1、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等の公知の分子量調整剤を添加しても差し支えない。
重合温度は、好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは100〜160℃であるとよい。
共重合体(A)の重量平均分子量は、SEC法で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。重量平均分子量は10万〜25万であることが好ましく、12〜20万であることがさらに好ましい。重量平均分子量が25万以下であると延伸シートを包装容器に熱板成形する際にレインドロップとよばれる外観不良が生じ難くなる。また10万以上であるとブリッジとよばれる外観不良が生じ難くなる。
また、共重合体(A)の数平均分子量は5万〜10万、Z平均分子量は20万〜45万であることが好ましい。数平均分子量が5万以上又はZ平均分子量が20万以上であると、レインドロップがより発生し難くなり、また数平均分子量が10万以下又はZ平均分子量が45万以下であるとブリッジがより発生し難くなる。なお、共重合体(A)の数平均分子量及びZ平均分子量は、SEC法で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量及びZ平均分子量である。
ここで、レインドロップとは、熱板とシートの間に空気を巻き込んで発生する未加熱部分が水滴のようにみえる現象を指す。また、ブリッジとは、熱板成形時において加熱されたシートが熱板から剥がれる際に局所的に変形し、金型上でシートが重なった状態で成形された部分が跡として残る現象を指す。
なお、SEC測定は、以下のような条件で実施する。
装置:昭和電工社製Shodex「SYSTEM−21」
カラム:PLgelMIXED−B
温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/分
検出:RI
濃度:0.2質量%
注入量:100μl
検量線:標準ポリスチレン(PolymerLaboratories製)を用い、溶離時間と溶出量との関係を分子量と変換して各種平均分子量を求める。
共重合体(A)中のモノマー含有量及びオリゴマー含有量の合計値は、1質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%未満である。モノマー含有量及びオリゴマー含有量の合計値を1質量%未満にすることにより、シート製膜時の変色が少なくなり、黄色度の少ない延伸シートを得ることが出来る。なお、「共重合体(A)中のモノマー含有量」は、共重合体(A)中に残存する未反応の芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)の含有量を指す。また、「共重合体(A)中のオリゴマー含有量」とは、共重合体(A)中に含まれる芳香族ビニル化合物(A1)のダイマー及びトリマーの含有量を指し、後述のガスクロマトグラフィー測定におけるダイマーのR.T.(芳香族ビニル化合物(A1)がスチレンの場合は、7.0min)以降のピーク面積の合計値について、ダイマーの検量線を用いて換算した値を指す。
モノマー及びオリゴマーの含有量の合計値は、ガスクロマトグラフィーで測定することができ、後述するような方法で測定することができる。
装置名:Agilent 6890 FID (Agilent社製)
カラム:DB−1HT 内径0.25mm×長さ30m 膜厚0.10μm
キャリアガス:ヘリウム
スプリット比:(5:1)
INJ/DET温度:320℃
カラム温度:100℃ 2min 一定
→昇温速度 10℃/min
→190℃ 5min 一定
→昇温速度 20℃/min
→300℃ 8.5min 一定
注入量 1.0μL
共重合体(A)の200℃、49N荷重で測定したメルトマスフローレイト(MFR)は1〜5g/10分であることが好ましく、更に好ましくは2〜4g/10分である。
共重合体(A)の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、HAZEは3%以下であることが好ましい。なお、全光線透過率及びHAZEは対象となる樹脂を射出成型機で2mmプレートに成型後、JISK−7361−1に準じて、以下のような条件にて測定する。
装置:ヘーズメーターNDH5000(日本電色社)
共重合体(A)のL*値は75以上であることが好ましく、a*値は−4〜+4であることが好ましく、b*値は0〜+8であることが好ましい。なお、L*値、a*値、b*値とは、CIEに規定されるL*a*b*色空間の色座標のことである。これらの値は、対象となる樹脂を射出成型機で2mmプレートに成型後、以下のような条件にて測定する。
装置:分光測色計CM−2500d(コニカミノルタ)
測定方法:SCI法(正反射光込み)
本実施形態のグラフト共重合体(B)は、ゴム成分に芳香族ビニル化合物(B1)をグラフト重合させたグラフト共重合体である。芳香族ビニル化合物(B1)としてスチレンを用いた場合、グラフト共重合体(B)は、ゴム変性スチレン系樹脂とも呼ばれる。グラフト共重合体(B)は、例えばゴム状重合体の存在下、芳香族ビニル化合物(B1)をグラフト重合することにより得られる。重合方法は、公知の方法、例えば、塊状重合法、塊状・懸濁二段重合法、溶液重合法等であってよい。
本実施形態において、グラフト共重合体(B)を含有する樹脂組成物を用いることで、シート表面にゴム状分散粒子が凹凸を形成することにより、成形時にスタッキング防止性及び金型離型性の優れた延伸シートを得ることが出来る。
また、本実施形態においては、グラフト共重合体(B)を含有する樹脂組成物を更に延伸することによって、ゴム状分散粒子の面方向に対する粒子径が大きく、また厚み方向に対する粒子径が小さくなる。これにより、延伸シートのスタッキング防止性、金型離型性、耐衝撃性が向上し、また透明性の低下が抑制される。
芳香族ビニル化合物(B1)としては、例えばスチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン及び第三級ブチルスチレンなどのo−、m−、p−の各異性体)、アルファアルキルスチレン(例えばアルファメチルスチレン、アルファエチルスチレンなど)、モノハロゲン化スチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレン及びフルオロスチレンなどのo−、m−、及びp−の各異性体)、ジハロゲン化スチレン(例えば、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、ジフルオロスチレン及びクロロブロモスチレンなどの各異性体)、トリハロゲン化スチレン(例えば、トリクロロスチレン、トリブロモスチレン、トリフルオロスチレン、ジクロロブロモスチレン、ジブロモクロロスチレン及びジフルオロクロロスチレンなどの各異性体)、テトラハロゲン化スチレン(例えば、テトラクロロスチレン、テトラブロモスチレン、テトラフルオロスチレン及びジクロロジブロモスチレンなどの各異性体)、ペンタハロゲン化スチレン(例えば、ペンタクロロスチレン、ペンタブロモスチレン、トリクロロジブロモスチレン及びトリフルオロジクロロスチレンなどの各異性体)、アルファー及びベーターハロゲン置換スチレン(例えば、アルファクロロスチレン、アルファブロモスチレン、ベータークロロスチレン及びベーターブロモスチレンなど)などが挙げることができるが、好ましくはスチレンである。これらの単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ゴム成分としては、例えば1種又は2種以上の共役1,3−ジエン(例えばブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3ブタジエン、1−クロロ−1,3ブタジエン、ピペリレンなど)の(共)重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−スチレン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン−アクリル酸エステル共重合体、ブチルゴム及びエチレン−プロピレン−ターポリマー(EPDM)などが挙げられるが、好ましくはブタジエンの重合体(ポリブタジエン)である。これらのゴム成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリブタジエンとして、ハイシスポリブタジエン、ローシスポリブタジエンのいずれを用いてもよく、両者の混合物であってもよい。
本実施形態で用いるグラフト共重合体(B)中のゴム状分散粒子の体積中位粒子径は0.3〜6μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5μm、更に好ましくは1〜4μmである。
なお、粒子径を調整する方法としては、重合工程においてゴム粒子の相転域での攪拌速度を調整する方法や、原料液中の連鎖移動開始剤の量を調整する方法などが挙げられる。グラフト共重合体(B)中のゴム状分散粒子の体積中位粒子径は、グラフト共重合体(B)を電解液(3%テトラ−n−ブチルアンモニウム/97%ジメチルホルムアミド溶液)に溶解させ、コールターマルチサイザー法(コールター社製マルチサイザーII:アパチャーチューブのオリフィス径30μm)により測定して求めた体積基準の粒径分布曲線の50体積%粒子径とする。
本実施形態で用いるグラフト共重合体(B)のゲル分(G)は、例えば15〜55質量%であり、好ましくは20〜45質量%である。ゲル分を調整する方法としては、重合工程においてゴム含有量を調整する方法、開始剤量を調整する方法の他、重合後にスチレンのホモポリマーとのブレンドにより調整する方法などが挙げられる。ゲル分はグラフト共重合体中のゴム状分散粒子の割合であり、質量1.00gのグラフト共重合体(B)を精秤し(W1)、メチルエチルケトン35ミリリットルを加え溶解し、その溶液を遠心分離機(コクサン社製H−2000B(ローター:H))にて、10000rpmで30分間遠心分離して不溶分を沈降せしめ、デカンテーションにより上澄み液を除去して不溶分を得、セーフティーオーブンにて90℃で2時間予備乾燥し、更に真空乾燥機にて120℃で1時間減圧乾燥し、20分間デシケーター中で冷却した後、乾燥した不溶分の質量W2を測定して次のように求めることができる。
ゲル分(G)(質量%)=(W2/W1)×100
本実施形態で用いるグラフト共重合体(B)のゴム状分散粒子のグラフト率(g)は、1〜5であることが好ましい。グラフト率を調整する方法としては、重合工程において開始剤の量を下げる方法があるが、反応器の形式や用いるゴム種によっても変わる。グラフト共重合体(B)のグラフト率は、グラフト共重合体(B)中のゲル分(G)(質量%)とグラフト共重合体(B)中のゴム分(R)(質量%)から次のように求めることができる。
グラフト率(g)={G−R)/R}
なお、グラフト共重合体(B)中のゴム分は、グラフト共重合体(B)をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ素/四塩化炭素溶液を加え暗所に約1時間放置後、ヨウ化カリウム溶液を加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム/エタノール水溶液で滴定し、付加した一塩化ヨウ素量から求めることができる。
本実施形態で用いるグラフト共重合体(B)のゴム状分散粒子の膨潤度(SI)は10〜30であることが好ましい。なお、グラフト共重合体(B)のゴム状分散粒子の膨潤度SIは、グラフト共重合体(B)1.00gを精秤し、トルエン30ミリリットルを加えて溶解し、その溶液を遠心分離機(コクサン社製H−2000B(ローター:H))にて、10000rpmで30分間遠心分離して不溶分を沈降せしめ、デカンテーションにより上澄み液を除去して、トルエンで膨潤した不溶分の質量(S)を測定し、続いてトルエンで膨潤した不溶分をセーフティーオーブンにて90℃で2時間予備乾燥し、更に真空乾燥機にて120℃で1時間減圧乾燥し、20分間デシケーター中で乾燥した後、不溶分の乾燥質量(D)を測定して次のように求めることができる。
膨潤度(SI)=S/D
本実施形態のグラフト共重合体(B)のメタノール可溶分(MS)は1〜6質量%であることが好ましい。ここでいうメタノール可溶分(MS)とは、グラフト共重合体(B)中のメタノールに可溶な成分を指し、例えばグラフト共重合体(B)の重合工程や脱揮工程で副生成する芳香族ビニル化合物(B1)のオリゴマー(例えば、スチレンダイマー、スチレントリマー)の他に、流動パラフィンやシリコンオイル等の各種添加剤や残存スチレンモノマー、及び重合溶媒等の低分子量成分が含まれる。メタノール可溶分(MS)を調整する方法としては、開始剤の種類や量によって重合工程で副生成するオリゴマー(ダイマー、トリマー)の発生量を調整する方法や、流動パラフィン、シリコンオイルの添加量によって調整する方法等が挙げられる。なお、メタノール可溶分(MS)はグラフト共重合体(B)1.00gを精秤し(P)、メチルエチルケトン40ミリリットルを加えて溶解し、メタノール400ミリリットルを急激に加えて、メタノール不溶分(樹脂成分)を析出、沈殿させる。約10分間静置した後、ガラスフィルターで徐々にろ過してメタノール可溶分を分離し、真空乾燥機にて120℃で2時間減圧乾燥した後、デシケータ内で25分間放冷し、乾燥したメタノール不溶分の質量(N)を測定して、次のように求めることができる。
メタノール可溶分(MS)(質量%)=(P−N)/P×100
本実施形態のグラフト共重合体(B)の200℃、49N荷重で測定したメルトマスフローレイト(MFR)は1〜5g/10分であることが好ましく、更に好ましくは2〜4g/10分である。
本実施形態の樹脂層は、用途に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤及び鉱油等の添加剤、ガラス繊維、カーボン繊維及びアラミド繊維等の補強繊維、タルク、シリカ、マイカ及び炭酸カルシウム等の充填剤などを、延伸シートの性能を損なわない範囲で更に含有していてもよい。
本実施形態の樹脂層を構成する樹脂組成物中、シアン化ビニル化合物(A2)のモノマー単位の含有量は、芳香族ビニル化合物(A1)、シアン化ビニル化合物(A2)及び芳香族ビニル化合物(B1)の各モノマー単位の合計量基準で、10〜40質量%であり、好ましくは12〜36質量%、更に好ましくは18〜30質量%である。シアン化ビニル化合物(A2)の含有量が上記下限値以上であると、延伸シート及びその成形容器の耐油性が向上する。また、上記上限値以下であると、延伸シートの成形性及び金型離型性が向上し、シートが黄色味を帯びることによる外観の悪化を抑制できる。
本実施形態の樹脂層を構成する樹脂組成物中、芳香族ビニル化合物モノマー単位の含有量(芳香族ビニル化合物(A1)及び芳香族ビニル化合物(B1)の各モノマー単位の合計量)は、芳香族ビニル化合物(A1)、シアン化ビニル化合物(A2)及び芳香族ビニル化合物(B1)の各モノマー単位の合計量基準で90〜60質量%であり、好ましくは88〜64質量%であり、更に好ましくは82〜70質量%である。
本実施形態の樹脂層中のゴム状分散粒子の体積平均粒子径(D)は、0.3〜12μmであることが必須であり、好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは1.0〜9.0μmである。この値が上記記載の下限値以上であると、ゴム状分散粒子により表面の凹凸が生じ、金型離型性及びスタッキング防止性が向上する。また、上限値以下であると、シート内部に分散しているゴム状分散粒子による光の拡散が抑制され、シートの透明性が向上する。なお、体積平均粒子径(D)は、グラフト共重合体(B)中のゴム状分散粒子の体積中位粒子径とは異なる。体積平均粒子径(D)は樹脂層中の粒子径の体積平均で表される値であり、超薄切片法にて観察面が延伸シートの主面と並行方向となるよう切削し、四酸化オスミウム(OsO4)にてゴム成分を染色した後、透過型顕微鏡にて観察される断面円形の粒子ni個の粒子径Diを測定し、下記式により算出する。
Figure 2018048319
本実施形態の樹脂層中のゴム状分散粒子の体積平均扁平度(F)は、4〜25であることが必須であり、好ましくは7〜23、更に好ましくは10〜20である。この値が上記記載の下限値以上であると、樹脂層表面に扁平したゴム状分散粒子による凹凸が形成され、金型離型性及びスタッキング防止性が向上する。また、体積扁平度が上記下限値以上であると、ゴム状分散粒子の面方向の粒子径が大きくなることで耐衝撃性が向上する。この値が上記記載の上限値を超えると、ゴム状分散粒子の厚み方向の粒子径が小さくなりすぎることで表面の凹凸が消失し、金型離型性及び耐スタッキング性が低下するほか、ゴム状分散粒子とマトリックスとの界面でミクロクラックが生じやすくなり、耐油性が低下する。なお、体積平均扁平度(F)は、粒子径の長径と短径の比の体積平均で表される値であり、観察面が延伸シートの主面と垂直、且つ、樹脂層の延伸方向(二軸延伸の場合は延伸倍率が最大の延伸方向)と平行になるように切削し、四酸化オスミウム(OsO4)にてゴム成分を染色した後、透過型顕微鏡にて観察される断面楕円形の粒子ni個の長軸方向粒子径Dl及び短軸方向粒子径Dsを測定し、下記式により算出する。
Figure 2018048319
樹脂層中に未反応のモノマーやダイマー、トリマーなどのオリゴマーが存在することにより、成形性が低下するばかりか、シート製膜時の黄色度が大きくなる原因となり、包装容器としたときの外観を損ねる原因となる。樹脂層中のモノマー含有量及びオリゴマー含有量の合計値は、1質量%未満であることが必須であり、0.5質量%未満であることがより好ましい。モノマー含有量及びオリゴマー含有量を1質量%未満にすることにより、シート製膜時の変色が少なくなり、黄色度の少ない延伸シートを得ることが出来る。
モノマー及びオリゴマーの含有量の合計値は、ガスクロマトグラフィーで測定することができ、後述するような方法で測定することができる。
装置名:Agilent 6890 FID (Agilent社製)
カラム:DB−1HT 内径0.25mm×長さ30m 膜厚0.10μm
キャリアガス:ヘリウム
スプリット比:(5:1)
INJ/DET温度:320℃
カラム温度:100℃ 2min 一定
→昇温速度 10℃/min
→190℃ 5min 一定
→昇温速度 20℃/min
→300℃ 8.5min 一定
注入量 1.0μL
なお、本実施形態における「樹脂層中のモノマー含有量」とは、樹脂層中に含まれる芳香族ビニル化合物(A1)、シアン化ビニル化合物(A2)及び芳香族ビニル化合物(B1)の合計含有量を指す。また、本実施形態における「樹脂層中のオリゴマー含有量」とは、樹脂層中に含まれる芳香族ビニル化合物(A1)又は芳香族ビニル化合物(B1)のダイマー及びトリマーの含有量を指し、上述のガスクロマトグラフィー測定におけるダイマーのR.T.(芳香族ビニル化合物がスチレンの場合は7.0min)以降のピーク面積の合計値について、ダイマーの検量線を用いて換算した値を指す。
本実施形態の樹脂層のゴム分(R)は、0.05〜0.6質量%であることが必須であり、好ましくは0.07〜0.5質量%、より好ましくは0.1〜0.4質量%である。ゴム分が上記記載の下限値以上であると、ゴム状分散粒子により表面に凹凸が生じ、金型離型性及びスタッキング防止性が向上する。また、ゴム分(R)が上記記載の上限値以下であるとシートの透明性が向上する。なお、樹脂層のゴム分は、樹脂層をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ素/四塩化炭素溶液を加え暗所に約1時間放置後、ヨウ化カリウム溶液を加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム/エタノール水溶液で滴定し、付加した一塩化ヨウ素量から求めることができる。
本実施形態の樹脂層のゲル分(G)は、0.1〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.8質量%、更に好ましくは0.3〜0.7質量%である。ゲル分(G)が上記記載の上限値以下であると、シート製膜時にフィッシュアイとよばれる小さな球状欠陥が生じ難くなる。また、ゲル分が上記記載の下限値以上であると、ゴム状分散粒子による表面の凹凸が生じやすくなり、金型離型性及び耐スタッキング性が一層向上する。
ゲル分を調整する方法としては、グラフト共重合体(B)の種類や添加量を調整する方法や、溶媒に不溶な第三成分を添加する方法、シート製膜時の押出条件を変更することにより溶媒に不溶な成分を生成する方法などが挙げられる。ゲル分は、樹脂層1.00gを精秤し(W3)、メチルエチルケトン35ミリリットルを加え溶解し、その溶液を遠心分離機(コクサン社製H−2000B(ローター:H))にて、10000rpmで30分間遠心分離して不溶分を沈降せしめ、デカンテーションにより上澄み液を除去して不溶分を得、セーフティーオーブンにて90℃で2時間予備乾燥し、更に真空乾燥機にて120℃で1時間減圧乾燥し、20分間デシケーター中で冷却した後、乾燥した不溶分の質量W4を測定して次のように求めることができる。
ゲル分(G)(質量%)=(W4/W3)×100
本実施形態の樹脂層中のゴム状分散粒子の膨潤度(SI)は7〜40であることが好ましく、10〜30であってもよい。膨潤度(SI)が上記記載の上限値以下であると透明性が一層向上する。また、膨潤度(SI)が上記記載の下限値以上であると、ゴム状分散粒子による表面の凹凸が生じやすくなり、金型離型性及び耐スタッキング性が一層向上する。
なお、樹脂層中のゴム状分散粒子の膨潤度(SI)は、樹脂層1.00gを精秤し、トルエン30ミリリットルを加えて溶解し、その溶液を遠心分離機(コクサン社製H−2000B(ローター:H))にて、10000rpmで30分間遠心分離して不溶分を沈降せしめ、デカンテーションにより上澄み液を除去して、トルエンで膨潤した不溶分の質量(S)を測定し、続いてトルエンで膨潤した不溶分をセーフティーオーブンにて90℃で2時間予備乾燥し、更に真空乾燥機にて120℃で1時間減圧乾燥し、20分間デシケーター中で乾燥した後、不溶分の乾燥質量(D)を測定して次のように求めることができる。
膨潤度(SI)=S/D
本実施形態の樹脂層中のメタノール可溶分(MS)は、1質量%以下であることが好ましい。メタノール可溶分(MS)が1質量%以下であると、延伸シートを熱板成形して包装容器を得る際にレインドロップとよばれる外観不良が生じ難くなる。ここでいうメタノール可溶分(MS)とは、樹脂層のメタノールに可溶な成分を指し、例えばグラフト共重合体(B)の重合工程や脱揮工程で副生成するスチレンオリゴマー(スチレンダイマー、スチレントリマー)の他に、流動パラフィンやシリコンオイル等の各種添加剤や残存スチレンモノマー、及び重合溶媒等の低分子量成分が含まれる。
なお、樹脂層中のメタノール可溶分(MS)は、以下の方法出求めることができる。すなわち、樹脂層1.00gを精秤し(P)、メチルエチルケトン40ミリリットルを加えて溶解し、メタノール400ミリリットルを急激に加えて、メタノール不溶分(樹脂成分)を析出、沈殿させる。約10分間静置した後、ガラスフィルターで徐々にろ過してメタノール可溶分を分離し、真空乾燥機にて120℃で2時間減圧乾燥した後、デシケータ内で25分間放冷し、乾燥したメタノール不溶分の質量(N)を測定して、次のように求めることができる。
メタノール可溶分(MS)(質量%)=(P−N)/P×100
本実施形態における樹脂層の溶剤可溶分の重量平均分子量(Mw)は、10万〜25万であることが好ましく、12〜20万であることがさらに好ましい。重量平均分子量(Mw)が25万以下であると、延伸シートを成形して包装容器を得る際にレインドロップとよばれる外観不良が生じにくくなる。また10万以上であると、ブリッジとよばれる外観不良が生じにくくなる。なお、樹脂層の溶剤可溶分の重量平均分子量は、試料10mgを精秤し、5gのテトラヒドロフランを加えて溶解したのち、0.45μmメンブランフィルターにてろ過したものを測定溶液とし、SECにて測定したポリスチレン換算の重合平均分子量である。SEC測定は以下の条件にて実施する。
装置:昭和電工社製Shodex「SYSTEM−21」
カラム:PLgelMIXED−B
温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/分
検出:RI
注入量:100μl
本実施形態における樹脂層の、MD(Machine Direction;シート流れ方向)の延伸倍率、TD(Transverse Direction;シート流れ方向に垂直な方向)の延伸倍率は、それぞれ1.8〜3.2倍であることが好ましい。延伸倍率が上記範囲であるとゴム状分散粒子の体積平均扁平度が上記の好適な範囲内となりやすい傾向がある。
本実施形態において延伸倍率とは、樹脂層の試験片が加熱前後で変化する割合であり、具体的には、次式すなわち、延伸倍率=Y/Z、単位[倍]によって算出される値を意味する。この式において、Yは、加熱前に試験片表面に、MD及びTDに描いた直線の長さ[mm]を示し、Zは、温度150℃のオーブンに、上記試験片を60分間静置し収縮させた後の、上記直線の長さ[mm]を示す。
また、樹脂層のMD及びTDの熱収縮応力は0.3〜1.5MPaであることが好ましい。熱収縮応力が0.3MPa未満であると耐衝撃性や耐油性が低下しやすくなり、熱収縮応力が1.5MPaを超えると成形時に型が出にくくなる。なお、熱収縮応力は、ASTM D−1504に準じて150℃のシリコンオイル中で測定することにより得られる応力のピーク値を採用する。
本実施形態の延伸シートは、樹脂層の表面にその他の層を更に備えていてもよい。その他の層は、例えば、シリコーンオイル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどを含有する離型剤層、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを含有する界面活性剤層であってよい。延伸シートは、スタッキング防止性と金型離型性を向上させ、かつ食品安全性の観点で優れることから、ポリジメチルシロキサンを含有する離型剤層を樹脂層の少なくとも一方の面に更に備えることが好ましい。
延伸シートの粗さパラメータである算術平均粗さのSaは、好ましくは0.005〜0.25μm、より好ましくは0.025〜0.2μm、更に好ましくは0.05〜0.15μmである。延伸シートの二乗平均平方根粗さSqは、好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは0.05〜0.4μm、更に好ましくは0.1〜0.3μmである。上記の下限値以上であるとスタッキング防止性が更に優れ、上記の上限値以下であると透明性が更に優れる。延伸シートの少なくとも一方の面において、粗さパラメータSa及びSqが上記の範囲内となればよい。延伸シートが離型剤層等のその他の層を更に備える場合、その他の層が設けられている面において、粗さパラメータSa及びSqが上記の範囲内となることが好ましい。
なお、粗さパラメータSa及びSqはISO 25178に規定された方法に基づき、以下の条件で撮影したシート表面の3D画像を用いて測定する。
装置:3D測定レーザー顕微鏡 LEXT OLS4000(オリンパス社)
対物レンズ:MPLAPONLEXT50
画像サイズ:260μm×250μm
画素数:1024×1024
カットオフ周期 λc:0.80mm λs:なし λf:なし
フィルタ:ガウシアンフィルタ
本実施形態の延伸シートの厚みは、0.01〜1.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5mm、更に好ましくは0.1〜0.4mmである。厚みが上記の下限値以上であると包装容器に成形したときの剛性が一層向上する。また、上記の上限値以下であると成形性が一層向上する。
本実施形態の延伸シート中の厚みの最大値と最小値の差は小さいほうが、成形性及び包装容器の剛性の面から好ましい。厚みの最大値と厚みの最小値の差を、厚み平均値で割った値(R値)は、15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。
延伸シートの全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上である。延伸シートのHAZEは、好ましくは3%以下、より好ましくは2.5%以下、更に好ましくは2%以下である。全光線低下率が80%以上、又はHAZEが3%以下であると成形品の透明性が更に向上する。なお、全光線透過率及びHAZEは、JISK−7361−1に準じて、以下のような条件にて測定する。
サンプル:延伸シート
装置:ヘーズメーターNDH5000(日本電色社)
延伸シートのb*値は、好ましくは0〜8、より好ましくは1〜7、更に好ましくは2〜6である。であることが好ましい。b*値が8を超えると成形品を包装容器として用いた場合に内容物が黄色味を帯びて見えるため、内容物の外観を損ねる。b*値が0未満であると内容物が青味を帯びて見えるため、内容物の外観を損ねる。なお、b*値とは、CIEに規定されるL*a*b*色空間の色座標b*のことである。b*値は、分光測色計を用い、以下のような条件にて測定する。
サンプル:延伸シートの積層 総厚み4.5mm
装置:分光測色計CM−2500d(コニカミノルタ)
測定方法:SCI法(正反射光込み)
以上説明した延伸シートは、例えば、共重合体(A)とグラフト共重合体(B)とを含有する樹脂組成物を二軸延伸する工程を備える製造方法により得られる。より具体的には、この製造方法では、樹脂組成物を押出機により溶融混練してダイ(特にTダイ)から押し出し、次いで、二軸方向に逐次又は同時で延伸することにより、二軸延伸シートを得る。
延伸シートが樹脂層に加えて上記のその他の層を更に備える場合、延伸シートの製造方法は、例えば、上記の樹脂組成物を二軸延伸する工程で得られた樹脂層上に、汎用の塗布方法を用いてその他の層を形成する工程を更に備えている。塗布方法としては、例えば、正回転ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアロールコーター、スプレーコーター、キスロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、コンマロールコーター、ダイコーターなどが挙げられる。好適な表面粗さを有する塗布層が効率的に形成されることで金型離型性及びブロッキング防止性に優れたシートを得られることから、塗布方法としては、グラビアロールコーター、スプレーコーターが好ましく、特に好ましくはスプレーコーターである。
本実施形態に係る延伸シートは、成形加工により包装容器等の成形品に利用可能である。成形品としては、食品包装容器(すなわち食品を内容物とする包装容器)や食品包装容器の蓋材が好適であり、特に当該食品が油脂を含む食品である場合に好適である。また、食品包装容器、食品包装容器の蓋材は、電子レンジ加熱用、冷蔵用とすることができる。延伸シートは食品包装容器の蓋材に用いられる場合、延伸シートに使用される原材料については、食品添加物公定書やポリオレフィン衛生協議会のポジティブリストに登録されているなどの公に衛生性、安定性が認められている材料を用いることが好ましい。
本実施形態の包装容器の収縮開始温度は、100〜112℃であることが好ましい。なお、包装容器の収縮開始温度は、0.2℃/分の速度で加熱されるオーブン中に包装容器の試験片を静置するとき、加熱前の寸法から長辺、短辺、高さのいずれかが5%収縮するときの温度を採用する。
延伸シートから成形品を得る成形方法としては、市販の一般的な熱板圧空成形機を使用する熱板成形が挙げられる。使用する成形機は、熱板にシートが圧接している時間や圧空による成形する時間、シート圧接から圧空成形に切り替わるタイムラグ、成形サイクル等が設定できるタイプのものが望ましい。これらの方法は例えば、高分子学会編「プラスチック加工技術ハンドブック」日刊工業新聞社(1995)に記載されている。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
共重合体(A)として使用したアクリロニトリル−スチレン共重合体、グラフト共重合体(B)として使用したグラフト共重合体の製造例を示す。
{実験例1:アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS−1)の製造}
容積約20Lの完全混合型攪拌槽である第一反応器と容積約40Lの攪拌機付塔式プラグフロー型反応器である第二反応器を直列に接続し、さらに予熱器を付した脱揮槽を2基直列に接続して構成した。表1に記載のとおり、モノマー全量基準で、アクリロニトリル12質量%、スチレン88質量%を含有する単量体溶液85質量部に対し、エチルベンゼン15質量部、開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.01質量部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.25質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6.0kgで125℃に制御した第一反応器に導入した。第一反応器より連続的に反応液を抜き出し、この反応液を流れの方向に向かって125℃から160℃の勾配がつくように調整した第二反応器に導入した。次に予熱器で160℃に加温した後67kPaに減圧した第一脱揮槽に導入し、さらに予熱器で230℃に加温した後1.3kPaに減圧した第二脱揮槽に導入し残存単量体と溶剤を除去した。これをストランド状に押出し切断することによりペレット形状のアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS−1)を得た。
{実験例2〜9:アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS−2〜9)の製造}
アクリロニトリル及びスチレンの仕込み量、開始剤及び連鎖移動剤量、第一脱揮槽の減圧条件を変更し、製造例1と同様にしてアクリロニトリル−スチレン樹脂(AS−2〜9)を得た。得られた樹脂のアクリロニトリル及びスチレン含有量、重量平均分子量、モノマー及びオリゴマーの総含有量を表1に記載した。
Figure 2018048319
{実験例10:グラフト共重合体(HI−1)の製造}
ゴム状重合体として3.4質量%のローシスポリブタジエンゴム(旭化成製、商品名ジエン55AS)と、91.6質量%のスチレンとを、5.0質量%のエチルベンゼンに溶解させた。また、ゴムの酸化防止剤(チバガイギー製、商品名イルガノックス1076)0.1質量部を添加した。この重合原料を翼径d=0.285[m]の錨型撹拌翼を備えた14リットルのジャケット付き反応器(R−01)に12.5[kg/hr]で供給した。反応温度は140℃、N3d2は0.83[m/S]で、樹脂率は25%であった。得られた樹脂液を直列に配置した2基の内容積21リットルのジャケット付きプラグフロー型反応器に導入した。1基目のプラグフロー型反応器(R−02)では、反応温度が樹脂液の流れ方向に120℃〜140℃、2基目のプラグフロー型反応器(R−03)では、反応温度が樹脂液の流れ方向に130℃〜160℃の勾配を持つようにジャケット温度を調整した。R−02出口での樹脂率は50%、R−03出口での樹脂率は70%であった。得られた樹脂液は230℃に加熱後、真空度5[torr]の脱揮槽に送られ、未反応単量体、溶剤を分離・回収した後、脱揮槽からギヤポンプで抜き出し、ダイプレートを通してストランドとした後、水槽を通してペレット化することにより、ペレット状のグラフト共重合体(HI−1)を得た。グラフト共重合体(HI−1)のゴム分R、ゴム状分散粒子の体積中位粒子径D、ゴム状分散粒子の膨潤度SI、グラフト共重合体(HI−1)のゲル分率G、グラフト共重合体(HI−1)のグラフト率gをそれぞれ表2に記載した。
{実験例11〜16:グラフト共重合体(HI−2〜7)の製造}
実験例10の各種原料仕込み量及び攪拌条件を調整し、表2に記載のグラフト共重合体(HI−2〜7)を得た。
Figure 2018048319
<実施例1>
共重合体(A)として実験例で得られたAS−1を99.0質量%とグラフト共重合体(B)として実験例で得られたHI−2 1.0質量%をヘンシェルミキサーで予備ブレンドし、シート押出機(Tダイ幅500mm、φ40mmのエキストルーダー(田辺プラスチック機械社製))を用い、押出温度230℃、回転数50rpmで混練押出して、厚さ1.2mmのシートを得た。このシートをバッチ式二軸延伸機(東洋精機社製)にて、延伸温度137℃、歪み速度0.1/secでMD2.5倍、TD2.5倍に延伸し、さらにバーコーターを用いてポリジメチルシロキサンエマルジョン(東レダウコーニング社製SM7025EX)を一方の面に塗布し、105℃の乾燥機にて乾燥させ、乾燥後塗布量20mg/mの離型剤層を形成することにより、厚さ0.2mmの延伸シートを得た。得られた延伸シートの諸物性を表3に記載した。
<実施例2〜18>
実施例1の共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の種類及び量を表3及び表4に示すとおり変更し、延伸シートを得た。得られた延伸シートの諸物性を表3、表4に記載した。
Figure 2018048319

Figure 2018048319

<実施例19〜27>
実施例2の延伸条件を変更することにより、所定のゴム状分散粒子の体積平均粒子径及び体積平均扁平度、並びに、所定の熱収縮率及び熱収縮応力を有する延伸シートを得た。得られた延伸シートの諸物性を表5に記載した。
Figure 2018048319

<実施例28>
実施例19のグラフト共重合体(B)の種類を表6に示すとおり変更し、所定のゴム状分散粒子の体積平均粒子径及び体積平均扁平度、並びに、所定の熱収縮率及び熱収縮応力を有する延伸シートを得た。得られた延伸シートの諸物性を表6に記載した。
<実施例29>
実施例2の未延伸シートの厚み調整を行い、厚み精度の異なる延伸シートを得た。得られた延伸シートの諸物性を表6に記載した。
<実施例30〜31>
実施例2のシリコーン塗布量を変更した延伸シートを得た。得られた延伸シートの諸物性を表6に記載した。
Figure 2018048319

<比較例1〜7>
実施例1の共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の種類及び量を表7に示すとおり変更し、延伸シートを得た。得られた延伸シートの諸物性を表7に記載した。
<比較例8〜10>
実施例1のグラフト共重合体(B)の種類及び延伸条件を変更し、所定のゴム状分散粒子の平均粒子径及び体積平均扁平度を有する延伸シートを得た。得られた延伸シートの諸物性を表7に記載した。
Figure 2018048319

実施例及び比較例で得られた延伸シートを熱板成型機HPT−400A(脇坂エンジニアリング製)にて、熱板温度137℃、金型温度95℃、予熱時間2.0秒、成形時間3.0秒の条件で、包装容器(ヒンジ付フードパック、縦241×横193×高さ10mm/深さ28mm)に成形した。延伸シート又は包装容器について、以下の方法で物性測定、評価を行った。結果を表3〜7に示す。
[成形性]
包装容器に外観不良がみられないものをAとし、ドロップ(液滴状の外観不良)、ブリッジ(スジ状の外観不良)、フィッシュアイ(魚の目状)などが一部見られたが問題はないものをBと、型不良や割れにより成形困難であるものをCとした。A又はBであれば、成形性に優れているといえる。
[金型離型性]
包装容器の成形後、金型から剥離する際にキズ、割れ、白化が生じないものをA、僅かに生じているものをB、明らかに生じているものをCとした。A又はBであれば、金型離型性に優れているといえる。
[透明性]
延伸シートについて、ヘーズメーターNDH5000(日本電色社)を用い、JIS K−7361−1に準じてHAZEを測定した。測定は6回行い、平均値を記載した。HAZEが3%以下であれば、透明性に優れているといえる。
[黄色度]
延伸シートを20枚重ねたものを準備し、分光測色計CM−2500d(コニカミノルタ)を用いてSCI法(正反射光込み)にてCIEに規定される色座標b*を測定し、黄色度の指標とした。測定は6回行い、平均値を記載した。色座標b*が8以下であれば、黄色度が十分に小さいといえる。
[耐衝撃性]
ASTM−D3420に準拠して測定した。具体的には、フィルムインパクトテスター(テスター産業社製)に延伸シートを装着し、23℃の恒温室中でストライカー(直径12.7mm、全重量6.5kg)を40cmの高さから自由落下させて延伸シートに衝突、貫通させた。貫通後のストライカーの変位からシートの破壊に要したエネルギー値を算出した。測定は15回行い、平均値を記載した。この平均値が2.0J/mm以上であれば、耐衝撃性に優れているといえる。
[スタッキング防止性]
成形した包装容器を100枚重ね、1kgfの荷重を60分間かけたのち、上から順にめくった際に剥れる枚数を計測した。100枚全てを剥がしたときに、全て1枚ずつはがれた場合は1、2枚以上が重なって剥れるものがあった場合はその最大枚数を記載した。最大枚数が5枚以下であれば、スタッキング防止性に優れているといえる。
[耐油性]
包装容器のヒンジ部分を曲率半径R=1.0にて折り曲げた状態で、脂肪酸トリグリセライド(ココナードML 花王社製)とハッカ油(大洋製薬社製)の体積比3:1の混合液2mlをしみ込ませたガーゼ10×10mmを貼り付け、室温で静置し、容器を観察した。ガーゼを貼り付けてから白化又は割れがみられるまでの時間を計測した。計測は、ガーゼを貼り付けてから1、3、6、12、24、48、72時間が経過した後にそれぞれ行った。当該時間が12時間以上であれば、耐油性に優れているといえる。

Claims (14)

  1. 芳香族ビニル化合物(A1)及びシアン化ビニル化合物(A2)をモノマー単位として含む共重合体(A)と、ゴム成分に芳香族ビニル化合物(B1)をグラフト重合させたグラフト共重合体(B)と、を含有する樹脂組成物を延伸してなる樹脂層を備える延伸シートであって、
    前記樹脂層中の前記シアン化ビニル化合物(A2)のモノマー単位の含有量が、前記芳香族ビニル化合物(A1)、前記シアン化ビニル化合物(A2)及び前記芳香族ビニル化合物(B1)の各モノマー単位の合計量基準で10〜40質量%であり、
    前記樹脂層中のモノマー及びオリゴマーの含有量の合計値が1質量%未満であり、
    前記樹脂層中のゴム分が0.05〜0.6質量%であり、
    前記樹脂層中のゴム状分散粒子の体積平均粒子径が0.3〜12μm、体積平均扁平度が4〜25である、
    延伸シート。
  2. 前記樹脂層中のゴム状分散粒子の膨潤度(SI)が7〜40である、請求項1に記載の延伸シート。
  3. 前記樹脂層中のゲル分(G)が0.1〜1質量%である、請求項1又は2に記載の延伸シート。
  4. 前記樹脂層中のメタノール可溶分(MS)が1質量%未満である、請求項1〜3の何れか1項に記載の延伸シート。
  5. 前記樹脂層中の溶剤可溶分の重量平均分子量(Mw)が10万〜25万である、請求項1〜4の何れか1項に記載の延伸シート。
  6. 前記樹脂層の少なくとも一方の面上に、ポリジメチルシロキサンを含有する離型剤層を更に備える、請求項1〜5の何れか1項に記載の延伸シート。
  7. 前記樹脂層の熱収縮率から求められる延伸倍率が1.8〜3.2倍、前記樹脂層の熱収縮応力が0.3〜1.5MPaである、請求項1〜6の何れか1項に記載の延伸シート。
  8. 衝撃強度が23℃において2.0J/mm以上である、請求項1〜7の何れか1項に記載の延伸シート。
  9. 前記延伸シートの最大厚みと最小厚みの差を平均厚みで割った値(R値)が15%以内である、請求項1〜8の何れか1項に記載の延伸シート。
  10. 前記グラフト共重合体(B)中のゴム状分散粒子の膨潤度(SI)が10〜30である、請求項1〜9の何れか1項に記載の延伸シート。
  11. 前記延伸シートの少なくとも一方の面の算術平均粗さSaが0.005〜0.25μm、二乗平均平方根粗さSqが0.01〜0.5μmである、請求項1〜10の何れか1項に記載の延伸シート。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の延伸シートの製造方法であって、
    前記共重合体(A)と前記グラフト共重合体(B)とを含有する樹脂組成物を二軸延伸する工程を備える、延伸シートの製造方法。
  13. 請求項1〜11の何れか1項に記載の延伸シートで形成された包装容器。
  14. 請求項12に記載の包装容器の製造方法であって、
    請求項1〜11の何れか1項に記載の延伸シートを成形する工程を備える、包装容器の製造方法。
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