JP2002003674A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JP2002003674A JP2000184054A JP2000184054A JP2002003674A JP 2002003674 A JP2002003674 A JP 2002003674A JP 2000184054 A JP2000184054 A JP 2000184054A JP 2000184054 A JP2000184054 A JP 2000184054A JP 2002003674 A JP2002003674 A JP 2002003674A
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acrylate
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性及び熱加工成形性に優れたシートに好
適なゴム変性スチレン系樹脂組成物、並びにそのシート
またはフィルム、成形体を提供する。 【解決手段】 スチレン−(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体の連続相60〜90質量%と、グラフト共重
合体の分散相40〜10質量%からなるゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物において、分散相の体積平均粒子径が
0.3〜0.6μmであり、かつ連続相の重量平均分子
量(Mw)と連続相の単量体構成単位から求められる数
1式のXが140000≦X≦300000の範囲にあ
り、かつZ平均分子量と重量平均分子量との比が3以上
であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成
物、並びにそのシートまたはフィルムまたは成形体。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性及び得られ
るシートの熱成形加工性に優れたゴム変性スチレン系樹
脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いて押出成形または
カレンダー成形してなるシートまたはフィルム、該シー
トまたはフィルムを熱成形加工してなる成形品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ブタジエンとスチレン、またはア
クリロニトリルとブタジエン混合物を乳化重合して得ら
れたゴム状重合体ラテックスにスチレン、メチルメタク
リレートおよびアクリロニトリルから選ばれた2種以上
のモノマーを乳化重合して得られるMBS系重合体をゴ
ム変性スチレン系重合体に混合することにより耐衝撃性
と透明性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることが
知られている(特公昭46−32748号公報)。ま
た、押出成形品においてフィッシュアイと呼ばれる未溶
融物の発生を改良した技術も知られている(特公平5−
74617号公報)。しかしながら、これらの樹脂を用
いて押出成形法またはカレンダー成形法により製造され
たシートを、熱成形加工、とりわけ真空成形、圧空成形
などの成形法で目的の形状に成形する際、かならずしも
満足できる成形品が得られるとは限らなかった。
【0003】一般に、真空成形、圧空成形およびブロー
成形等の成形法では、成形材料には広い温度領域にわた
って適当な粘性を保つ特性が要求される。
【0004】例えば、スチレン系樹脂を使用して熱成形
をしようとする場合、延伸倍率が大きくなるに伴い、材
料粘度を適当に高めることが必要である。スチレン系樹
脂自体の平均分子量を大きくすることで溶融粘度を高め
ることが考えられるが、延伸時の粘度が増加するため、
成形品が不都合な偏肉を起こし易くなる。また、偏肉を
防止するために加工温度を高くすれば、結果として、成
形加工する時間は長くなるので好ましくない。
【0005】たとえば、スチレン系樹脂の押出シートを
用いてブローイング・真空・圧空成形により成形品を製
造する場合、延伸倍率は3〜6倍になり、つぎの様な成
形加工性が要求される。
【0006】シートの加熱時の変形が少ないこと。 通常、深絞り成形品の加工は、シートの加熱→エア注入
によるブローイング→プラグによる強制延伸→真空吸引
・圧空による金型転写→冷却→成形品の離型の工程から
なる。この場合シートの加熱(輻射熱)と自重による変
形が大きくなると、極端な場合装置との接触が発生した
り、変形した箇所と加熱ヒータとの距離が小さくなり、
ヒーターからの輻射熱によるシートの温度分布が極端に
大きくなる。このシートの加熱の工程で温度分布が極端
になると、つぎのブローイングの工程で、シートの温度
の高い部分が延伸して、該箇所が極端に厚みが薄くなっ
たり、場合によっては破裂に至る。
【0007】さらに、つぎのプラグ延伸の工程では、プ
ラグ表面の凹凸が成形品に転写される。これは、ブロー
イングされたシートの温度の高い部分は、材料粘度が低
いため、接触したプラグの表面で加熱シートがすべるこ
とがなく、つぎの工程まで接触したままであることか
ら、プラグ表面の凹凸が強く転写されたままの外観不良
の状態で最終工程を終えることがある。また、プラグ延
伸の工程で延伸される部分に温度分布があると、温度が
高く粘度が低くなっている部分が大きく延伸されて、肉
厚の厚い部分と薄い部分が発生して、いわゆる偏肉現象
が発生する。同時に、温度が低く粘度が高い部分はプラ
グにより速い速度で強制的に延伸されると、延伸方向へ
の配向がほかの箇所より強く残ることになる。この場
合、その後に熱が加わると、配向が緩和され、熱収縮現
象が起こり、形状自体が変化する。また、温度が低く粘
度が高い部分は、真空・圧空による金型転写の工程で
も、金型の凹凸を再現できず、金型のコーナー部やリブ
部などの曲率半径が小さい場合、追従して成形できず、
成形品の該部分の曲率半径は大きくなる。
【0008】成形温度領域が広いこと。 特に、低い成形温度側で成形できる広い温度領域で良品
が得られることが望ましい。なぜなら、低温で問題なく
成形できれば、加熱冷却時間が短い分、シートの加熱か
ら成形品の冷却までの全行程の時間が短くて済み、単位
時間での生産性が向上するとともに、熱エネルギーの低
減を計れる。かつ、成形安定性も良くなる。
【0009】プラグ、金型との滑り性があること。 加熱、ブローイングされたシートとプラグとの滑り性が
ないと、プラグ延伸工程では、プラグと接触していない
部分のみが延伸されることになる。プラグと加熱、ブロ
ーイングされたシートとの接触面が大きいとプラグと接
触していない面積は逆に小さくなり、この場合に滑り性
がないと、プラグと接触していない小さい部分のみ延伸
されて、この部分の肉厚も薄くなる。最終製品として偏
肉が観られることになる。さらに、プラグ延伸の次の工
程である真空・圧空による金型転写の工程でも、加熱シ
ートと金型との滑り性がないと、金型と接触していない
部分のみ延伸されることになる。金型の凹凸部では、そ
の形状に追従するためにさらに延伸したときに、滑り性
がないと、凹部の内面に薄肉部が観られる。薄肉部は強
度が小さく、外力により変形、割れが発生し易い。
【0010】金型への転写が良好なこと。 加熱されたシートはその後の加工工程では加熱されるこ
とがなく、冷却工程までの各工程で放熱し、シートの温
度は低下していく。また、延伸倍率も各工程を経るごと
に上がっていく。このなかで、金型への転写工程は最終
の延伸工程であるが、真空・圧空により延伸変形が充分
でき、金型への転写が良好であることが求められる。金
型転写が、不十分であると、金型のコーナー部やリブ部
などの曲率半径が再現されず、後の工程で部品の挿入や
勘合が出来なくなる。
【00011】さらに近年、熱成形加工品の大型化、形
状の複雑化、また、コストダウンを目的としたシート肉
厚の減少化や成形サイクル時間の短縮により、従来のス
チレン系樹脂では、ますます上記成形性を満足すること
が困難になっている。
【00012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の課題
を解決することにあり、スチレン系樹脂の押出成形法ま
たはカレンダー成形法により製造されたシートまたはフ
ィルムを用いて、熱成形加工、とりわけ真空成形、圧空
成形などの成形法で、目的の形状に成形する場合に、成
形サイクルを短縮でき、成形適正温度が広く、目的の形
状に成形する際に成形性が良好であり、かつ透明性に優
れるゴム変性スチレン系樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のスチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の連続相
と、特定のグラフト共重合体の分散相とから構成される
ゴム変性スチレン系樹脂組成物において、前記課題の解
決が果たされることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】すなわち本発明は、(I)スチレン系単量
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびこれら
の単量体と共重合可能なビニル系単量体からなるスチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の連続相6
0〜90質量%と、(II)ゴム状弾性体、スチレン系
単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびこ
れらの単量体と共重合可能なビニル単量体からなるグラ
フト共重合体の分散相40〜10質量%からなるゴム変
性スチレン系樹脂組成物において、分散相の体積平均粒
子径が0.3〜0.6μmで、かつ連続相の重量平均分
子量(Mw)と単量体構成単位から求められる数3式の
Xが数4式の範囲にあり、かつZ平均分子量(Mz)と
重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が3以上
であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成
物、並びに該樹脂組成物を用いて押出成形またはカレン
ダー成形してなるシートまたはフィルム、並びに該シー
トまたはフィルムを熱成形加工してなる成形品である。
【0015】
【数3】
【数4】
【0016】好ましくは、上記ゴム変性スチレン系樹脂
組成物において、スチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体の連続相とグラフト共重合体の分散相との
屈折率の差が0.005以下であるゴム変性スチレン系
樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いて押出成形また
はカレンダー成形してなるシートまたはフィルムおよび
該シートまたはフィルムを熱成形加工してなる成形品で
ある。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ゴム変性スチレン系樹脂組成物の連続相を構成するスチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体とは、ス
チレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体
およびこれらの単量体と共重合可能なビニル系単量体か
らなる共重合体である。
【0018】また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組
成物の分散相を構成するグラフト共重合体とは、ゴム状
弾性体に、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体およびこれらの単量体と共重合可能なビニ
ル単量体からなるスチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体がグラフトしてなる共重合体である。
【0019】本発明の連続相および分散相で使用される
スチレン系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等
を挙げることができるが、好ましくはスチレンである。
これらのスチレン系単量体は、単独でもよいが二種以上
を併用してもよい。
【0020】本発明で使用される(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体としては、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート等のア
クリル酸エステルが挙げられるが、好ましくはメチルメ
タクリレート、またはn−ブチルアクリレートであり、
特に好ましくはメチルメタクリレートである。これらの
(メタ)アクリル酸エステル系単量体は単独で用いても
よいが二種以上を併用してもよい。
【0021】さらに、必要に応じてこれらの単量体と共
重合可能なビニル系単量体としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド等が挙げられる。
【0022】本発明で使用されるゴム状弾性体として
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、およびスチレン−ブタジエンランダム共重合体
等が挙げられる。スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、あるいはスチレン−ブタジエンランダム共重合体の
スチレンは、60質量%以下であることがゴム変性スチ
レン系樹脂組成物の良好な耐衝撃性と透明性を得るため
に好ましい。
【0023】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
の連続相60〜90質量%、グラフト共重合体の分散相
40〜10質量%からなる。グラフト共重合体10質量
%未満では耐衝撃性が不十分であったり、熱成形加工時
の溶融粘度が小さくなりシート加熱時に自重による変形
などが起こりやすくなるので好ましくない。またグラフ
ト共重合体40質量%を超えると溶融粘度が大きくな
り、加工温度の上昇や成形サイクルの延長が必要とな
り、金型転写も不十分となりやすいので好ましくない。
【0024】なお、連続相と分散相の質量比測定は、ゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物(質量・A)をメチルエチ
ルケトン(MEK)中で温度23℃で24時間攪拌し、
その後遠心分離機でMEKに対する不溶分を分離、真空
乾燥したものを質量測定して(質量・B)、次の数5
式,数6式により求めるものである。
【数5】
【数6】
【0025】さらに、前記グラフト共重合体の分散相
は、体積平均粒子径が0.3〜0.6μmである。体積
平均粒子径が0.3μm未満では耐衝撃性が不十分であ
り、0.6μmを越えると透明性が劣るために好ましく
ない。
【0026】また、前記スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル系共重合体の連続相は、重量平均分子量(M
w)と単量体構成単位から求められる数7式のXが数8
式の範囲にあることが必要である。ただし、ここで述べ
る連続相の重量平均分子量とは、ゴム変性スチレン系樹
脂組成物の前記したMEK可溶分をゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)法で測定したポリスチ
レン換算の重量平均分子量である。
【数7】
【数8】
【0027】Xが140000未満ではシートまたはフ
ィルムの熱成形加工時の溶融粘度が小さくなりシート加
熱時に自重による変形などが起こりやすくなるので好ま
しくない。Xが300000を超えると溶融粘度が大き
くなり、シートまたはフィルムの加工温度の上昇や成形
サイクルの延長が必要となり、金型転写も不十分となり
やすいので好ましくない。
【0028】さらに、前記スチレン−(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体の連続相は、Z平均分子量(M
z)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が
3以上であることが必要である。Mz/Mwが3未満で
は、シートの熱成形加工時に偏肉現象を起こしやすいの
で好ましくない。
【0029】また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組
成物は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体からなる連続相とグラフト共重合体の分散相との屈
折率の差が0.005以下であることが良好な透明性を
得るために好ましい。
【0030】但し、グラフト共重合体の屈折率を実測す
ることは難しいため、一般的には組成分析によりポリマ
ーを構成する単量体の組成比を算出することで、グラフ
ト共重合体の屈折率nは次の数9式を用いて計算により
屈折率を求めることが出来る。
【数9】 すなわち、グラフト共重合体の組成が、Am単量体、B
m単量体、よびCm単量体からなり、かつそれぞれの質
量比がXA、XBおよびXCからなる場合(但し、質量比
でXA+XB+XC=1)、nAはAm単量体からなるポリ
マーの屈折率、nBはBm単量体からなるポリマーの屈
折率、nCはCm単量体からなるポリマーの屈折率を示
すものとし、上式数9に代入して計算より求めるもので
ある。
【0031】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状−懸濁
重合法、乳化重合法等の公知技術により製造することが
できる。また、回分式重合法、連続式重合法のいずれの
方法も用いることができる。
【0032】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に
は、公知の酸化防止剤、耐候剤、滑剤、可塑剤、着色
剤、帯電防止剤、抗菌剤、鉱油等の添加剤を、本発明の
ゴム変性スチレン系樹脂組成物の性能を損なわない範囲
で配合してもよい。
【0033】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、配合・溶融押出しについては特に制限はなく、公知
の方法を採用することができる。例えば、各原料をあら
かじめタンブラーやヘンシェルミキサー等で均一に混合
して、単軸押出機または二軸押出機等に供給して溶融混
練した後、ペレットとして調整する方法がある。
【0034】このようにして得られた本発明のゴム変性
スチレン系樹脂組成物は、例えば、射出成形、圧縮成形
および押出成形等の方法により各種成形体に加工され実
用に供することができるが、本発明のゴム変性スチレン
系樹脂組成物は、透明性及び得られるシートまたはフィ
ルムの熱成形加工性に優れるので、このゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を用いて押出成形またはカレンダー成形
してなるシートまたはフィルムを熱成形加工してなる成
形品は実用的に極めて優れたものである。
【0035】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
シートまたはフィルムは、Tダイ法押出成形、リングダ
イ法押出成形及びカレンダー成形により無延伸のシート
またはフィルムを製造することができる。また、チュー
ブラー法同時多軸延伸やフラット法一軸延伸・逐次二軸
延伸・同時二軸延伸により、延伸シートまたはフィルム
を製造することもできる。好ましくはTダイ法押出成
形、カレンダー成形及びフラット法二軸延伸である。押
出成形やカレンダー成形の温度としては、130〜25
0℃、好ましくは150〜230℃である。
【0036】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
シートまたはフィルムの熱成形加工法として、真空成形
法、プラグアシスト成形法、圧空成形法、真空圧空成形
法、圧縮成形法、先端拡張法、固相圧空成形法等が利用
できる。好ましくは、真空成形法、真空圧空成形法、プ
ラグアシスト成形法である。
【0037】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
押出成形またはカレンダー成形して得られるシートまた
はフィルムは、食品や電子部品の包装材・トレー・カッ
プ、ブリスターパック、家具類・事務用品・弱電製品・
運動用品等の表皮・保護皮膜、デスクマット、壁紙、シ
ュリンクフィルム、シュリンクラベル、ラミネートフィ
ルムとして使用することができる。
【0038】
【実施例】次に実施例をもって本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。な
お、実施例で用いた部および%は総て質量換算で示し
た。
【0039】まず、原料樹脂の製造から示す。 (イ)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の
製造 参考例1:スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂A−1 容量250リットルのオートクレーブに、純水100k
gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5
g、第三リン酸カルシウム250g、スチレン24k
g、メチルメタクリレート76kgを入れ、重合開始剤
としてt−ブチルパーオキシイソブチレートを100
g、t−ドデシルメルカプタン800gを添加し、回転
数150rpmの撹拌下に混合液を分散させた。そして
この混合液を温度90℃で8時間、130℃で2.5時
間加熱重合させた。反応終了後、洗浄、脱水後乾燥し、
ビーズ状のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂A−1を得た。
【0040】参考例2:スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂A−2 参考例1において、t−ドデシルメルカプタンを300
gに変更した以外はスチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル系樹脂A−1と同様に製造し、ビーズ状のスチレン
−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂A−2を得た。
【0041】参考例3:スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂A−3 参考例1において、スチレンを30kg、メチルメタク
リレートを70kgに変更した以外はスチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系樹脂A−1と同様に製造し、
ビーズ状のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂A−3を得た。
【0042】参考例4:スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂A−4 参考例1において、スチレンを42kg、メチルメタク
リレートを58kg、t−ドデシルメルカプタンを30
0gに変更した以外はスチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル系樹脂A−1と同様に製造し、ビーズ状のスチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂A−4を得た。
【0043】参考例5:スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂ラテックスLX−1 容量200リットルのオートクレーブに、純水110k
gにオレイン酸カリウム1.2kgを加え、撹拌しなが
ら窒素気流下で温度50℃に昇温した。ここに硫酸第一
鉄3g、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム6g、
ロンガリット180gを溶解した純水2kgを加え、ス
チレン14.4kg、メチルメタクリレート45.6k
g、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン6
0gからなる混合物と、過硫酸カリウム30gを純水8
kgに分散した溶液とを、別々に4時間かけて連続添加
した。添加終了後、温度を70℃に昇温して、さらにジ
イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド60g添
加した後2時間放置して重合を終了して、スチレン−
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂ラテックスLX−1
を得た。
【0044】参考例6:スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂ラテックスLX−2 参考例5において、スチレンを25.2kg、メチルメ
タクリレートを34.8kgに変更した以外はスチレン
−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂ラテックスLX−
1と同様に製造し、スチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル系樹脂ラテックスLX−2を得た。
【0045】(ロ)ゴム状弾性体ラテックスの製造 参考例7:ゴム状弾性体ラテックスLX−3 容積200リットルのオートクレーブに純水56kg、
オレイン酸カリウム400g、ロジン酸カリウム120
0g、炭酸ナトリウム1.2kg、過硫酸カリウム40
0gを加えて撹拌下で均一に溶解した。次いでブタジエ
ン80kg、t−ドデシルメルカプタン400gを加
え、撹拌しながら60℃で30時間重合し、さらに70
℃に昇温して30時間放置して重合を完結し、平均粒径
0.34μmのゴム状弾性体ラテックスLX−3を得
た。
【0046】参考例8:ゴム状弾性体ラテックスLX−
4 容積200リットルのオートクレーブに純水56kg、
オレイン酸カリウム400g、ロジン酸カリウム120
0g、炭酸ナトリウム1.2kg、過硫酸カリウム40
0・を加えて撹拌下で均一に溶解した。次いでブタジエ
ン60kg、スチレン20kg、t−ドデシルメルカプ
タン400gを加え、撹拌しながら60℃で30時間重
合し、さらに70℃に昇温して20時間放置して重合を
完結し、平均粒径0.34μmのゴム状弾性体ラテック
スLX−4を得た。
【0047】(ハ)グラフト共重合体ラテックスの製造 参考例9:グラフト共重合体ラテックスLX−5 参考例7のゴム状弾性体ラテックスLX−3を固形分換
算で30kgを計量して容積200Lのオートクレーブ
に移し、純水80kgを加え、攪拌しながら窒素気流下
で50℃に昇温した。ここに硫酸第一鉄1.25g、エ
チレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム2.5g、ロンガ
リット100gを溶解した純水2kgを加え、スチレン
7.2kg、メチルメタクリレート22.8kg、t−
ドデシルメルカプタン60gからなる混合物と、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド120gをオ
レイン酸カリウム450gを含む純水8kgに分散した
溶液とを、別々に6時間かけて連続添加した。添加終了
後、温度を70℃に昇温して、さらにジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド30g添加した後2時間
放置して重合を終了して、グラフト共重合体ラテックス
LX−5を得た。
【0048】参考例10:グラフト共重合体ラテックス
LX−6 参考例8のゴム状弾性体ラテックスLX−4を固形分換
算で30kgを計量して容積200Lのオートクレーブ
に移し、純水80kgを加え、攪拌しながら窒素気流下
で50℃に昇温した。ここに硫酸第一鉄1.25g、エ
チレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム2.5g、ロンガ
リット100gを溶解した純水2kgを加え、スチレン
12.6kg、メチルメタクリレート17.4kg、t
−ドデシルメルカプタン60gからなる混合物と、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド120gを
オレイン酸カリウム450gを含む純水8kgに分散し
た溶液とを、別々に6時間かけて連続添加した。添加終
了後、温度を70℃に昇温して、さらにジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド30g添加した後2時
間放置して重合を終了して、グラフト共重合体ラテック
スLX−6を得た。
【0049】(ニ)スチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル系樹脂ラテックスとグラフト共重合体ラテックスの
混合物の析出 参考例11:スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系
樹脂とグラフト共重合体の混合物B−1 参考例5のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂ラテックスLX−1と参考例9のグラフト共重合体ラ
テックスLX−5とを固形分換算で1:5の割合で混合
し、さらに酸化防止剤を加え、純粋で固形分を15%に
希釈した後に60℃に昇温し、激しく撹拌しながら希硫
酸を加えて塩析を行い、その後温度を90℃に昇温して
凝固させ、次に脱水、水洗、乾燥して粉末状のスチレン
−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂とグラフト共重合
体の混合物B−1を得た。
【0050】参考例12:スチレン−(メタ)アクリル
酸エステル系樹脂とグラフト共重合体の混合物B−2 参考11において、参考例5のスチレン−(メタ)アク
リル酸エステル系樹脂ラテックスLX−1と参考例9の
グラフト共重合体ラテックスLX−5とを固形分換算で
2:5の割合で混合したこと以外は、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系樹脂とグラフト共重合体の混
合物B−1と同様に製造し、粉末状のスチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系樹脂とグラフト共重合体の混
合物B−2を得た。
【0051】参考例13:スチレン−(メタ)アクリル
酸エステル系樹脂とグラフト共重合体の混合物B−3 参考11において、参考例5のスチレン−(メタ)アク
リル酸エステル系樹脂ラテックスLX−1と参考例9の
グラフト共重合体ラテックスLX−5とを固形分換算で
3:5の割合で混合したこと以外は、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系樹脂とグラフト共重合体の混
合物B−1と同様に製造し、粉末状のスチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系樹脂とグラフト共重合体の混
合物B−3を得た。
【0052】参考例14:スチレン−(メタ)アクリル
酸エステル系樹脂とグラフト共重合体の混合物B−4 参考例6のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂ラテックスLX−2と参考例10のグラフト共重合体
ラテックスLX−6とを固形分換算で1:5の割合で混
合し、さらに酸化防止剤を加え、純粋で固形分を15%
に希釈した後に60℃に昇温し、激しく撹拌しながら希
硫酸を加えて塩析を行い、その後温度を90℃に昇温し
て凝固させ、次に脱水、水洗、乾燥して粉末状のスチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂とグラフト共重
合体の混合物B−4を得た。
【0053】(ホ)グラフト共重合体ラテックスの析出 参考例15:グラフト共重合体C−1 参考例9のグラフト共重合体ラテックスLX−5に酸化
防止剤を加え、純粋で固形分を15%に希釈した後に6
0℃に昇温し、激しく撹拌しながら希硫酸を加えて塩析
を行い、その後温度を90℃に昇温して凝固させ、次に
脱水、水洗、乾燥して粉末状のグラフト共重合体C−1
を得た。
【0054】参考例16:グラフト共重合体C−2 参考例10のグラフト共重合体ラテックスLX−6に酸
化防止剤を加え、純粋で固形分を15%に希釈した後に
60℃に昇温し、激しく撹拌しながら希硫酸を加えて塩
析を行い、その後温度を90℃に昇温して凝固させ、次
に脱水、水洗、乾燥して粉末状のグラフト共重合体C−
2を得た。
【0055】実施例および比較例 参考例1〜4で製造したスチレン−(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂、参考例11〜14で製造したスチレン
−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂とグラフト共重合
体の混合物および参考例15、16で製造したグラフト
共重合体を表1で示した割合(質量%)で配合してヘン
シェルミキサーで混合した後、二軸押出機(東芝機械社
製 TEM−35B)でシリンダー温度220℃で溶融
混練してペレット化した。得られた試料ペレットを連続
相と分散相に分離し、その質量比を表1に示した。さら
に、分離した連続相の各分析値を表2に、分散相の各分
析値を表3に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】なお、表1、2の測定は以下の方法で行っ
た。 (1)連続相と分散相の質量比の測定 あらかじめ質量測定しておいた試料ペレット(質量・
A)をメチルエチルケトン(MEK)中で温度23℃で
24時間攪拌し、その後遠心分離機でMEKに対する不
溶分の分離を実施し、遠心分離操作後30分静置した。
遠心分離機の操作条件は次の通りである。 温度:−9℃ 回転数:20000rpm 時間:60分 遠心分離させた溶液の上澄み液と沈殿物とを分離し、沈
殿物を真空乾燥機で乾燥した後、質量測定して(質量・
B)次の数11式、数12式により連続相と分散相の質
量比を求めた。
【0060】
【数10】
【数11】
【0061】(2)連続相の重量平均分子量およびZ平
均分子量測定 前記の遠心分離させた溶液の上澄み液を分取しメタノー
ルを加え、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共
重合体(連続相)を沈殿させた。この沈殿物を採取し、
下記記載のGPC測定条件で測定した。 装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工
社製) カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列 温度:40℃ 検出:示差屈折率 溶媒:テトラハイドロフラン 濃度:2質量% 検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用い
て作製し、重量平均分子量はPS換算値で表した。
【0062】(3)連続相の屈折率測定 先の重量平均分子量測定の前処理と同様の方法でスチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体からなる連
続相を採取し、充分乾燥した後、プレス成形機により試
験片(0.5mm厚み)を作製して、デジタル屈折計R
X−2000(ATAGO社製)を用いて、温度25℃
で測定した。なお、接触液はヨウ化水銀カリウム飽和水
溶液を使用した。
【0063】(4)連続相および分散相の構成単量体単
位の測定 先の測定の前処理で得られたスチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体からなる連続相(MEK可溶
分)とグラフト共重合体からなる分散相(MEK不溶
分)とをそれぞれ重クロロホルムに溶解または膨潤させ
てFT−NMR(日本電子社製FX−90Q型)を用い
て、構成単量体単位を求めた。
【0064】(5)分散相の屈折率 あらかじめ構成単量体の単独成分からなるポリマーの屈
折率をデジタル屈折計RX−2000(ATAGO社
製)を用いて測定し、前記の方法により求めた組成比か
ら次式により求めた。
【数12】
【0065】(6)分散相の体積平均粒子径 試料ペレット約1・をN,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)100・中で24時間撹拌し、更にDMFを
加えて適当な濃度になるように希釈し、レーザー回折散
乱法粒子径分布測定器(COULTER社LS230
型)を使用して測定した。
【0066】また、得られた試料ペレットを用いて、T
ダイ付き押出成形機(田辺プラスチック工業社製VE−
40)を使用して厚さ1mmのシートを製造し、このシ
ートから400×400mmのシート板を切り出し、下
記の測定方法に従い真空成形性およびシートの透明性を
評価した。結果を表4および表5に示す。
【0067】(7)真空成形性 真空成形機(FK0431−10、プラグアシスト式)
を使用して、一辺270mm、深さ150mmの箱型成
形品をシート温度150,170℃の2水準で成形し
た。なお、シート温度は、シート表面温度分布を日本電
子製サーモビュアーJTG−6300で観察し、ブロー
イング成形直前の表面温度が均一になるよう加熱ヒータ
ーの温度制御で行った。成形時に使用したプラグの形状
は、一辺225mm、高さ140mmで各コーナー部の
Rは10mmである。成形工程の時間は、所定温度到達
後ブローイングを2秒間行い、さらに1秒間ブローイン
グを保持した。次のプラグ降下は、加熱終了後から5.
5秒後に開始した。真空成形は加熱終了後7秒後に開始
し、−730mmHgで20秒真空を保持した。 (イ)偏肉比:得られた成形品を開口部の一辺の中央か
ら底部の中央に縦方向に切断し、切断面における最低肉
厚Aを測定し、シート成形品の厚さBとの比(B/A)
を偏肉比とし、偏肉比が小さいほど偏肉がなく好ましい
ことから次の通りに評価した。 ○・・・偏肉比3未満のもの。 ×・・・偏肉比3以上のもの。 ○を合格と判定した。 (ロ)曲率半径:成形品の4角部の開口部から底部へ1
25mmの深さとなる点を中心とした開口部と平行方向
の曲率半径Rを測定した。金型の該部位の半径R値が小
さいほど型転写性が良いことから次の通りに評価した。 ○・・・曲率半径Rが7未満のもの。 ×・・・曲率半径Rが7以上のもの。 ○を合格と判定した。
【0068】(8)シートの透明性(全光線透過率・曇
度) ASTM D1003に準拠して、真空成形用のシート
版を50mm×50mmの大きさに切削した試験片を用
いて測定した。
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】実施例1〜4から、本発明のゴム変性スチ
レン系樹脂組成物は150〜170℃のシート温度範囲
で良好な真空成形性及び透明性を有するものである。
【0072】比較例1は分散相の割合が10〜40%、
かつMz/Mw比≧3であるが、X値が140000未
満の例であり、実施例1及び2と比較して、偏肉し易く
なっている。逆に、比較例3はX値が300000を超
えた場合であるが、曲率半径が大きく、型転写性が低下
している。
【0073】比較例2は分散相の割合が10〜40%、
かつX値は140000〜300000であるが、Mz
/Mw比<3であるため、シート温度150℃では曲率
半径が大きく(型転写性が不良)、また170℃にする
と偏肉し易く、真空成形性の適性温度範囲が狭い。
【0074】実施例3及び比較例4は、実施例1、2及
び比較例1〜3と異なるスチレン/メチルメタクリレー
ト比の連続相の例である。Mz/Mw比>3、かつX値
が140000〜300000である実施例3の真空成
形性は良好であるが、Mz/Mw比が1.9、X値が1
22000である比較例4は偏肉し易い。
【0075】比較例5は連続相側のX値が140000
〜300000、かつMz/Mw比≧3になるように最
適化したが、分散相の割合<10%のため偏肉し易く、
逆に比較例6は分散相の割合>40%の場合であるが、
曲率半径が大きく、型転写性が低下している。
【0076】
【発明の効果】スチレンー(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体の連続相60〜90質量%と、体積平均粒子
径が0.3〜0.6μmのグラフト共重合体の分散相1
0〜40質量%とからなるゴム変性スチレン系樹脂組成
物において、連続相のX値が140000〜30000
0であり、かつMz/Mw≧3であることを特徴とする
ゴム変性スチレン系樹脂組成物から得られるシートまた
はフィルムは透明性および真空成形性に優れる。したが
って、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は透明シ
ートまたは透明フィルム用の樹脂組成物として好適であ
る。並びに該樹脂組成物を用いて押出成形またはカレン
ダー成形してなるシートまたはフィルムは良好な熱成形
加工性を有しいるので、食品、電子部品および機械部品
等の包装材・トレー・カップ、ブリスターパック、家具
・事務用品・弱電製品・運動用品等の表皮材として好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 25/14 (C08L 25/14 51:04) 51:04) B29K 25:00 B29K 25:00 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA77 AA81 AF31Y AH04 AH19 BB04 BB06 BC01 4F201 AA13A AA13E AC03 BA03 BC02 BC21 BD07 BM06 BM07 BM12 4F208 AA13A AA13E AC03 MA01 MA02 MA06 MC04 MG11 MG22 MG24 MH06 MK02 4J002 BC071 BN162 FA082 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)スチレン系単量体、(メタ)アク
    リル酸エステル系単量体、およびこれらの単量体と共重
    合可能なビニル系単量体からなるスチレン−(メタ)ア
    クリル酸エステル系共重合体の連続相60〜90質量%
    と、(II)ゴム状弾性体、スチレン系単量体、(メ
    タ)アクリル酸エステル系単量体、およびこれらの単量
    体と共重合可能なビニル単量体からなるグラフト共重合
    体の分散相40〜10質量%からなるゴム変性スチレン
    系樹脂組成物において、分散相の体積平均粒子径が0.
    3〜0.6μmであり、かつ連続相の重量平均分子量
    (Mw)と連続相の単量体構成単位から求められる数1
    式のXが数2式の範囲にあり、かつZ平均分子量(M
    z)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が
    3以上であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂
    組成物。 【数1】 【数2】
  2. 【請求項2】 スチレン−(メタ)アクリル酸エステル
    系共重合体の連続相とグラフト共重合体の分散相との屈
    折率の差が0.005以下であることを特徴とする請求
    項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のゴム変性
    スチレン系樹脂組成物を用いて押出成形またはカレンダ
    ー成形してなることを特徴とするシートまたはフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のシートまたはフィルムを
    熱成形加工してなることを特徴とする成形品。
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